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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
- 446 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/05/01(日) 22:26:31.59 ID:dwApgOLJo
〜火山、東側〜
タッタッタ…ザザッ
神官「む……っ」
名代「火山が……熱を帯びておりますな」
召喚士「……」
神官「タルウィなる者、己の力以外に……もしや火山も?」
名代「可能性はありますな。先程の火柱……」
バシュウウゥゥ
玄武娘「グリフォン!? 玄武娘ちゃん……っ!」
朱雀嬢「来ますわよっ!」
召喚士「単体ですか!?」
朱雀嬢「いえっ、2匹いましたわ!」
神官「ザリチュとやらも一緒か……っ」
名代「どうする、召喚士殿?」
召喚士「同調召喚はまだ早い。なんとか引き離しましょう」
- 447 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:30:01.68 ID:dwApgOLJo
ドガアアァァァァ!!…ゴゴゴゴゴゴ…
タルウィ「……」
ザリチュ「……」
玄武娘「でっ、出たですのーっ!!」
タルウィ「ここだけでなく、あちらこちらに、ちと……数が多いな」
召喚士「……」
タルウィ「目的は何だ、人間」
召喚士「……タルウィ、貴様らを倒す事だ」
タルウィ「……ハッハッハッハ!!」
玄武娘「!?」
タルウィ「それを聞いて安心したよ」
名代「何?」
タルウィ「アンラ・マンユ様の御命を狙っているわけではないようだ」
召喚士「……」
タルウィ「まぁ、尤も……我らを倒すなどという戯言も聞こえたけれどね」
- 448 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:31:33.43 ID:dwApgOLJo
グアァッ!!
タルウィ「ザリチュ!」
ザリチュ「……共闘」
タルウィ「業火に焼かれて灰と化すが良いっ! 人間!!」
ドゴアアァァァァ!!
タルウィの身から大きく弾け出したマグマと炎。上空を津波のように覆い、
それは更に、ザリチュの放つ紫とも黒ともとれるような煙を包み込み、襲い掛かる。
神官「ちっ!!」
朱雀嬢「玄武娘っ!!」
玄武娘「分かってるですのっ!」
ザッ
玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」
シュイイィィン…ドドドドドド…
リヴァイアサン「ゴアアァァァァーッ!!」
タルウィ「ほぉ……」
- 449 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:32:16.77 ID:dwApgOLJo
玄武娘の召喚したリヴァイアサンが大津波を発生し、タルウィのマグマと衝突する。
ドジュウウゥゥゥゥ!!…ブシュウウゥゥ
召喚士「煙に気を付けて!」
周囲に沸き起こる水蒸気がどす黒く変色している。
それはザリチュの放った毒を含んだ霧。その霧によって変色を起こしている。
タルウィ「相殺したつもりかな?」
ヒュッ…スタッ
タルウィ「別段、個別に始末する事だって厭わないよ。こちらとしてはね」
ヒュンッ
朱雀嬢「――っ!!」
名代「神官殿!」
召喚士「行けっ、ゴーレム!!」
シュイイィィン…ゴガアアァァ!!
突進するタルウィの放つ炎を、神官の前に立ちはだかるゴーレムが防ぐ。
ゴーレム「ゴオオォォォ…ッ」
- 450 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:32:46.57 ID:dwApgOLJo
タルウィ「やるね。でも、火力を上げればこの程度……溶かす事は造作もない」
グアァッ
召喚士「余計なお世話だったようですね」
神官「そうでもないさ!」
タルウィ「!?」
セクメト「ゴアアァァァァ!!」
バギイィッ!!…ズザザ゙ザアァ
ザリチュ「タルウィ?」
タルウィ「こちらに構うな。水の女を殺れ」
ザリチュ「……了解」
フワッ
玄武娘「ひゃわわわっ!」
ザリチュ「……苦痛」
玄武娘の上空に浮遊したザリチュは、周囲の空気を干上がらせる。
朱雀嬢「玄武娘ぇ!!」
- 451 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:34:17.91 ID:dwApgOLJo
玄武娘「――っ!!」
その効力により玄武娘の周囲からは酸素が消失し、
玄武娘は瞬時のうちに呼吸困難へと陥った。
ザリチュ「……即死」
玄武娘「か……は……っ」
ズザッ
召喚士「行けっ!クジャタ!!」
シュイイィィン
ザリチュ「……?」
ボフンッ…ザアアァァァァ…
ザリチュ「……降雨」
召喚士「特性が分かっている限り、こちらにだって打つ手はある!」
ザリチュ「……生意気」
玄武娘「がはっ、ごほごほ……げほっ」
召喚士「大丈夫ですかっ!?」
- 452 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:34:52.27 ID:dwApgOLJo
玄武娘「は、はいですの……」
ザリチュ「……再度」
タルウィ「ザリチュ!」
ザリチュ「!?」
ゴウッ…バキイイィィ!!
朱雀嬢「玄武娘っ、今のうちに立って!」
ザリチュ「……不意打ち」
ハーピー「おーっほっほっほ! さぁ、かかってらっしゃいな!」
召喚士「朱雀嬢さん!」
朱雀嬢「分かってますわ、召喚解除ですわね」
シュイイィィン
召喚士「……流石です」
朱雀嬢「皆様の動きを見れば分かりますわ。魔力節約、ですわねっ」
タルウィ「ザリチュ、やっぱり手間だ。まとめて片付けよう」
ザリチュ「……賛成」
- 453 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:39:19.57 ID:dwApgOLJo
フワッ…ゴゴゴゴゴゴ
神官「引き離すまでもう一歩といったところなんだがな」
名代「片方を狙えばもう一方が邪魔を。すんなりとはいかせてくれなさそうですね」
タッタッタッタッタ
召喚士「来ますよ!」
神官「ええ。しかし次は防ぎきれるかどうか……」
召喚士「やるしかありません。お二人は待機を」
名代「助太刀しなくて良いのか?」
召喚士「なんとかこちらで踏ん張ります。その隙にうまく引き放して貰えますか?」
神官「うむ。やるしかなかろう」
名代「さて、どうしたものかな」
朱雀嬢「来ますわっ!」
タルウィ「今度は……手加減しない」
ザリチュ「……本気」
ドゴアアァァァァ!!
- 454 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:39:54.53 ID:dwApgOLJo
朱雀嬢「玄武娘っ、早く!!」
玄武娘「あわわわ……っ」
シュイイィィィィン
リヴァイアサン「ゴアアァァァァ!!」
ドドドド…ザッパアアァァァァンッ!!
召喚士(……やはり、先程とは火力が格段に違う)
タルウィ「さぁ、押し返すぞ」
ザリチュ「……勿論」
ググッ…ググググ…ジュウウゥゥ
玄武娘「くうぅ……っ!」
召喚士「行けっ!クジャタ!!」
シュイイィィィィン
クジャタは現れると同時に、雨雲を呼び出し降雨を発生させる。
ザアアァァァァ
タルウィ「やるじゃん。だが、熱量が減ろうとも……」
- 455 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:40:27.24 ID:dwApgOLJo
頭上より降り注ぐマグマは当然の如く、重力に逆らう事は出来ない。
リヴァイアサンの支えきれなくなった部分より、徐々に炎がうねりをあげて襲い掛かる。
タルウィ「ハッハッハ! 押し返せまい!」
玄武娘「強い……ですの……っ」
バシュウウゥゥ
タルウィ「何っ!?」
青年兵「ワイバーン!!」
ワイバーン「ガアアァァーッ!!」
水蒸気を切り裂くように、背に青年兵を乗せたワイバーンが姿を現す。
そして即座にワイバーンは、口内より突風を巻き起こし、炎を押し返す。
召喚士「青年兵くんっ!」
青年兵「遅くなりました!」
タルウィ「たかだか……この程度の風で――」
ゴアアアァァ!!
ザリチュ「……強風?」
- 456 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:41:30.14 ID:dwApgOLJo
タルウィ「違う、あの召喚獣ではない!」
振り向いたタルウィの目に、猿面の魔物の姿に飛び込んだ。
ババッ
ハヌマーン「はああぁぁ!!」
クルクルクルッ…バキャアアァァ!!
召喚士「ハヌマーンさん!」
スタッ
ハヌマーン「すまん、遅れた」
召喚士「いえ、助かりました」
ハヌマーンの如意棒に弾き飛ばされたタルウィは再び全身に炎を纏い、起き上がる。
ガラガラッ…スクッ
タルウィ「……なめやがって」
ザリチュ「……無事?」
タルウィ「無事? あの程度でダメージがあるとでも思うのかい?」
ザリチュ「……まさか」
- 457 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:42:00.77 ID:dwApgOLJo
ザッ
タルウィ「仕方ないね。面倒だけど、あまり時間はかけたくないし」
ザリチュ「……やる?」
タルウィ「時間稼ぎを、頼む」
ザリチュ「……受諾」
ヒュッ
神官「1匹、宙へ飛んだぞ!」
青年兵「上下、2方向から同時に来るようですね」
召喚士「玄武娘さん、いつでもリヴァイアサンが出せるように……」
玄武娘「分かったですの!」
タルウィ「……く……おおぉぉ」
名代「何だっ!?」
ビキビキッ…グググッ
朱雀嬢「大きくなって……」
神官「巨大化する気かっ!?」
- 458 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:42:31.60 ID:dwApgOLJo
タルウィ「ウ……オオォォォォ!!」
召喚士「これは……っ」
初めてタルウィと対峙した時、炎の眷属は化物の姿であった。
召喚士「巨大化なんて……生易しいものではありません。別物ですよ……っ」
ドロドロとマグマを垂れ流し、山のような巨体から緑色に光る目と、
凶暴な牙を無数ぎらつかせた口が形を為す。
召喚士「これがタルウィの、もう一つの姿です!」
タルウィ「……おぉ……我の力で……殺ス」
唸りをあげながら、タルウィは牙の奥のマグマが溜まる穴より、光を発し始めた。
キュイイィィィィ…
青年兵「来るっ!!」
召喚士「ここだっ! 玄武娘さんっ!!」
玄武娘「はいですのっ!」
ザザッ
ザリチュ「……邪魔」
- 459 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:43:46.74 ID:dwApgOLJo
召喚士「……ちっ」
青年兵「させるかぁ!」
朱雀嬢「ハーピー!!」
ゴアッ
ザリチュ「……排除」
ドウンッ…ボシュッ
青年兵「かは……っ!!」
朱雀嬢「くぅ……っ!!」
召喚士と玄武娘の援護に入る青年兵と朱雀嬢であったが、
ザリチュもまたタルウィの援護に入り、再び酸素を奪い取る。
ザリチュ「……追撃」
更にタルウィは、空中より毒の霧を散布する為、両手を広げ身構えた。
ザリチュ「……終了」
青年兵「……っ」
その時、ザリチュの胴体に、1本の鎖が巻きついた。
- 460 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:44:25.58 ID:dwApgOLJo
ジャララッ……ガシィッ!!
ザリチュ「……!?」
鎖の先にいる主は、魔物を見据えながら、遅参を謝罪する。
盗賊「……待たせた」
召喚士「盗賊さんっ!!」
盗賊「……行け!」
格闘家「……」
ヒュンッ…タタタッ
名代「鎖の上を……走って……」
格闘家「おおぉぉぉぉ!!」
バッ!!
ザリチュ「――!?」
盗賊の鎖の上を、器用に走る格闘家。そして先端に捕らえられているザリチュを、
そのまま力任せに右拳で殴り飛ばし、地面へと叩きつけた。
格闘家「……ふーっ」
- 461 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:45:12.93 ID:dwApgOLJo
バッギャアアァァ!!…ドゴオオォォ!!
朱雀嬢「かはっ、げほげほ……っ!」
青年兵「ご、ごほ……っ! か、回避ーっ!!」
タルウィ「ザ……リ……チュ」
キュイイィィィィ…ドボオオォォォォ!!
玄武娘「きゃああぁぁ!!」
召喚士「……っ!!」
タルウィの口内より発射された巨大な閃光が、轟音と共に撃ち放たれる。
閃光は山を削り、そのまま南西方向へと果てしなく伸びていった。
名代「……っ」
神官「だ、誰もやられてはおあらぬよな……っ!?」
召喚士「今のうちに――」
タルウィ「休む間など……ない」
キュイイィィィィ…
青年兵「連射っ!?」
- 462 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:46:07.22 ID:dwApgOLJo
タルウィ「終わり……だ」
バッ
マーマン「撃たせっかよぉ!!」
ドドオオォォォォンッ!!…ジュウウゥゥゥゥ!!
タルウィ「貴……様ぁ!!」
召喚士「今だっ!!」
玄武娘「リヴァイアサン!!」
ザッパアアァァァァンッ!!
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
シュイイィィィン
コカトリス「はああぁぁ!!」
マーマンの奇襲により不発に終わったタルウィは大きくバランスを崩し、
その隙にリヴァイアサンの津波がその身を飲み込んだ。
更に、コカトリスによる石化の吐息が津波を徐々に石へと変え、タルウィの動きを封じる。
召喚士「よし……っ!」
- 463 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:46:36.31 ID:dwApgOLJo
青年兵「次はザリチュです!」
召喚士「うん! 盗賊さんっ!」
盗賊「……ああ」
格闘家「一気に引っ張るぞ」
盗賊「……?」
ガシッ…ジャラッ
鎖を握る盗賊の両手の上に、格闘家が両手を重ね、力を込める。
格闘家「……いくぞ」
盗賊「……ああ!」
グググッ…
格闘家「はああぁぁぁぁ!!」
盗賊「……くっ!!」
グオォッ…ブンッ!!
鎖は勢いよく跳ね上がり、ザリチュは再び宙へとその身を投げ出された。
盗賊「召喚士っ!」
- 464 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:47:04.59 ID:dwApgOLJo
召喚士「行けっ!スフィンクス!!」
神官「我に力を貸したまえっ!セクメト!!」
シュイィィン…ズズウゥゥン…
スフィンクス「セクメトじゃん!」
セクメト「……」
ザリチュ「!?」
スフィンクス「いっくよー! ダブル召喚獣ぱーんち!!」
ゴアッ!!…バッゴオオォォォォン!!
ザリチュ「ガハ……ッ!!」
スフィンクス「いぇーい! ふっ飛ばしたぞー!!」
シュイイィィン
ハヌマーン「全く、間一髪であったぞ」
マーマン「悪りぃ悪りぃ。下からだと道がややこしくてよ」
タッタッタ
盗賊「……無事か?」
- 465 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:47:41.86 ID:dwApgOLJo
召喚士「ええ、助かりました。ありがとうございます」
格闘家「こちらは大丈夫そうだな」
青年兵「これでようやく分断出来ました。あとは……」
グググッ…ズズッ
タルウィ「オォ……」
神官「石化ももはや破られるだろう。いよいよ本番だ」
名代「準備に取り掛かりましょう」
青年兵「それでは、ザリチュの件をお願いします」
格闘家「了解した。師匠のチームに伝えるとしよう」
盗賊「……いくか」
格闘家「ああ」
ザッ
盗賊「……召喚士」
召喚士「はい」
盗賊「……生きて、また会おう」
- 466 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:48:13.05 ID:dwApgOLJo
シュバ゙ッ…タタタタタッ
召喚士「……さて」
青年兵「いきますか、同調召喚」
神官「やってやろうではないか」
名代「ええ」
玄武娘「準備運動はバッチリですの」
ハヌマーン「牽制は我らに任せろ。奴の動きをどれ程止めれば良い?」
召喚士「……1分ほど……欲しいですね」
マーマン「1分か……。シビアな数字だな」
朱雀嬢「私もお手伝い致しますわ」
青年兵「それでは、3名はタルウィの牽制をお願いします」
朱雀嬢「任されましたわ!」
マーマン「カワイイお嬢ちゃんと一緒だ、少しやる気も出てきたよ」
朱雀嬢「ありがとう。宜しくですわ」
マーマン「いいね、クールなお嬢ちゃんは好きだぜ」
- 467 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:48:40.68 ID:dwApgOLJo
ザザッ
ハヌマーン「お前1人に任せて大丈夫か?」
マーマン「どのみち初撃は俺の水じゃなきゃ防げんだろ」
朱雀嬢「私達は両脇から、防いだところを風で援護します」
マーマン「期待してるよ」
ハヌマーン「……死ぬなよ」
朱雀嬢「頑張りましょう」
タタッ
マーマン「眷属とタイマンたぁ、俺もヤキが回ったもんだぜ」
ひび割れ始める正面のタルウィを見つめ、マーマンは1人ぼやく」
マーマン「……ま、死ぬのは1人で十分だろ」
ズガアアァァァァ
マーマン「あとは頼んだよ、召喚獣ちゃん」
タルウィ「……ゴアアァァァァ!!」
マーマン「かかってきなっ! タルウィ!」
- 468 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:49:33.60 ID:dwApgOLJo
〜火山、中央〜
タタタッ…ザザッ
男隊員「しっつけぇ……っ」
子供「お兄ちゃーん! 助けてっ、助けてよおぉ!」
女性「何処に行けば助かるのよおおぉぉ!」
男隊員「……くっ」
ザサァ゙ッ
男隊員「あんなに苦しんで……潔く葬ってやるのも務めか……っ」
チャキッ
男隊員「……でもよぉ、殺っちまったら後には引き返せねぇ」
フォンッ…ヒュンッ
男隊員「!?」
子供「が……ああぁぁぁぁ!!」
女性「いやっ、死にたくな――」
男隊員の脇を走る光が、背後の亡者を次々と一閃する。
- 469 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 23:06:10.08 ID:dwApgOLJo
ザシュッ…ドシャアアァァ
男隊員「……っ!!」
天才「ったく、特遊の分際で甘い奴だな」
男隊員「……すんません」
天才「いや、いいけど。そんなもんでしょ、まだ若いんだし」
男隊員「……」
天才「んで、そっちはどうなの?」
男隊員「あっ、えぇと……」
天才「……」
男隊員「隊長がっ、1人で眷属と交戦中で……」
天才「おいおい、早く言えよ。大丈夫なのか?」
男隊員「分かりません……。とにかく、東へ抜けろって……」
天才「しゃーねぇな。んじゃ、ちょっくら手伝うとすっか」
男隊員「えっと……俺は……」
天才「あぁ、あの2人と一緒に西へ戻れ」
- 470 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 23:07:16.37 ID:dwApgOLJo
男隊員「……へっ?」
ダダダダダッ
戦士「うおおぉぉーっ!」
女隊員「ひいいぃぃ!!」
サルワ「ガアアァァァァッ!!」
男隊員「い……っ!?」
天才「ほれ、早く逃げないとぶっ殺されるぞ?」
男隊員「だあぁ! 何なんだよ一体……っ!!」
ダダッ
女隊員「おぉっ! 無事だったッスかぁ!?」
男隊員「なんだアイツは!?」
戦士「眷属のサルワだ! 気をつけろ、突風で――」
サルワ「グアアァァァァ!!」
ゴウッ
戦士「飛ばされっぞおぉ!!」
- 471 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 23:08:35.46 ID:dwApgOLJo
男隊員「早く言ええぇ!!」
ズシャアァ…タタッ
男隊員「ちぃ……っ」
天才「今のうちに迂回して……」
ササッ…タタタッ
天才「囮役は頼むんだぜ。ハーッハッハッハ!」
タッタッタッタッタ…
男隊員「んでぇ、どうすりゃいいんだ!?」
戦士「分からん! とりあえず西へ走れって……」
男隊員「戻るのかよっ」
女隊員「作戦じゃ、そっちで迎撃ッスからねぇ」
男隊員「でもよぉ、もう1匹……眷属がいんぞ?」
戦士「……え?」
女隊員「マジッスか?」
男隊員「大マジだ!」
- 474 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/05/02(月) 03:20:28.02 ID:w5fQpHQAO
タルウィ先生がこんなに簡単にはやられるはずがない…
- 475 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/02(月) 04:18:15.00 ID:RATVYDXIO
特遊ってこんな甘々だったのか…
- 476 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/05/02(月) 06:20:20.15 ID:w5fQpHQAO
諜報や暗殺って言っても魔物相手だからなぁ
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