■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25
- 727 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/02/20(日) 18:08:29.93 ID:3920g0A6o
…
戦士父「……」
ザッザッザ
弟者「さーて、まずは俺っちからいくとするかい!」
戦士父「……」
弟者「何でこの蛇矛を狙ってんのか知らねーが……」
チャキッ
弟者「おいそれとくれてやるわけにゃーいかねぇぜ!」
蛇矛と呼ばれる弟者の得物。刀身部分が蛇腹状のようにうねっており、
突きというよりは、鋸のように引っ掻く事を得意とした武器である。
戦士父「……」
言わずもがな、戦士父が狙う理由は、蛇矛がゾディアックの一本であるからだ。
戦士父「……いくぞ」
弟者「……来なっ!!」
戦士父はゆっくりと、手にした二本の長得物を前方へと構えた。
- 728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:09:15.29 ID:3920g0A6o
ズッ…
弟者「……槍の…二刀流だとぉ!?」
兄者「いやっ!それよりも……」
ザッザッザ
兄者「あれは……騎都尉の方天画戟!?」
戦士父「はあぁ!!」
バッ!!……ガイイイィィンッ!!
鈍い金属音が周囲に鳴り響く。
戦士父の右手より繰り出された槍の一撃が、弟者の蛇矛に阻まれ、
更にそれを利用し、弟者は戦士父の槍を軸に宙をくるりと回転する。
弟者「でりゃああぁぁ!!」
蛇矛が空中で激しい突きを無数に繰り出す。
スバババババッ!!…バシュウゥッ!!
それを戦士父は冷静に、その二本の槍において激しい連撃を受け流す。
両者共に決め手のないまま、この攻防は互いに間合いを取り、終了した。
- 729 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:09:54.09 ID:3920g0A6o
ザザッ
戦士「……」
弟者「…へっ」
右大臣「……全くの…互角だな」
兄者「…いや」
皇太子「……」
兄者「わが弟はまだ、本気を出してはおらん」
右大臣「な、何と……っ」
天才「はーっはっはっはっは!!」
兄者「……何が可笑しい?」
天才「そりゃ、アイツも同じだよ!」
兄者「何……?」
天才「どっちも互いの力量探ってんのさ。たかがしれてらぁ」
兄者「……貴公は侮辱しておるのか?」
天才「……アンタもたかがしれてんなぁ」
- 730 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:10:29.00 ID:3920g0A6o
スクッ…ザッ
天才「互いの手の内探って戦うなんざ、小物のやる事なんだよ」
兄者「……貴様」
スクッ
天才「おっ、やるかぁ?相手してやるぜ?」
戦士父「手を出さないで頂きたい」
あくまで弟者と対峙しつつも、こちらへ向けて声のみ発する戦士父。
天才「……ほらな、手加減もいいとこだわ」
ザッ…ドスッ
右大臣「ど、どういう…意味だ?」
天才「雑音が耳に入るなんざ、本気出してねぇ証拠だよ」
兄者「……っ」
ドスッ
減らず口を叩きながら再び座り込む天才を見て、
兄者もまた反論を飲み込み、その場に再び座り込んだ。
- 731 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:11:33.66 ID:3920g0A6o
ザザッ…スススッ
戦士父「……」
弟者「……」
皇太子「彼の言う事は、分からんでもない」
剣士「……?」
皇太子「己に絶対の自信を持ち、真なる強さを持つものであれば……」
戦士父「……はぁっ!!」
弟者「だっりゃああぁぁ!!」
皇太子「……相手の力量など、確かめる必要もない」
剣士「なるほど……」
ガキイイィィンッ!!
皇太子「分からんでもないが、到底…出来るものではない」
剣士「……ええ」
皇太子「それを為しえるからこそ、託され、頂点に立っているのだがな」
剣士「……っ」
- 732 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:12:37.24 ID:3920g0A6o
天才「ごちゃごちゃうっせーぞ。黙って見てやがれ!」
右大臣「お前な、殿下に向かって……」
皇太子「構わん」
右大臣「……っ」
外野の雑音を他所に、対峙する両者は互いに意識を集中させる。
戦士父「……」
弟者「……」
数合打ち合った末の競り合い。その至近状態において、
二人の視線は互いを見つめ、相手の次の動きを探りあう。
戦士父「……」
弟者「……へっ」
にやりと笑う弟者は重心をそのまま、両腕だけを引き、蛇矛を下げる。
戦士父「!?」
均衡を崩した動作に対し、戦士父は空いた左手の戟を突き出したが、
それに備え弟者は、今度は重心ごと身体を後ろへすっと引いた。
- 733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:13:21.74 ID:3920g0A6o
グイッ…ブンッ!!
弟者「甘めぇ!!」
戦士父「ちぃっ!」
空振る戟へ重ねるように、戦士父の右手に握られた槍が薙ぎ払う。
弟者「……っ!!」
それを待ってたと言わんばかりに、弟者の蛇矛ガカウンターで突きを繰り出す。
ボシュッ!!
戦士父「……」
弟者「……」
戦士父の交差した腕へ、赤い血がぽとりぽとりと、数滴垂れ落ちる。
その直後、戦士父の左首筋から鮮血がほとばしる。
ブシュウウゥゥ…
戦士父「……はあぁっ!!」
交差した腕で振り払うように薙ぐと、弟者は跳躍でそれを逃れ間合いを取る。
一呼吸つくと、蛇矛を一振りし、先端へ付いた血を振り払った。
- 734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:14:24.67 ID:3920g0A6o
天才「…ほぉ、なかなかのボディバランスだな」
皇太子「うむ。あの身に似合わずかなりの反応速度だ」
剣士「凄い……っ」
ブシュッ…ポタポタッ
弟者「かなり出てるが、まだ続けるかい?」
戦士父「……どうという事もない」
弟者「……言うねぇ!」
戦意を失わない眼前の敵に、間髪入れず追撃を仕掛ける弟者。
天才「いーい、判断だ。休ませる必要はねぇ」
右大臣「お、お前は……どちらの応援をしておるのだ!」
天才「あぁ?どっちが勝って、万が一どっちがおっ死のうと…俺様にゃ関係ねぇ」
右大臣「……っ」
頭上で数回蛇矛を振り回し、弟者の攻撃はそのまま乱れ突きへと移る。
ガインガインガインッ…チュインッ…キィンッ!!
戦士父が二本の得物でそれを防ぐ度、首筋から血飛沫が上がった。
- 735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:15:15.84 ID:3920g0A6o
ガインッ…キィン…ギキイイィィンッ!!
兄者「そろそろ止めねば、出血多量で危ういぞ」
天才「アホか」
兄者「……」
天才「ギブアップして初めて敗北だろうが」
剣士「……しかし…っ」
天才「俺らに止められるんなら、初めからこんな勝負は起きてねぇ」
皇太子「……」
天才「そうだろ?ヒゲの旦那よ」
兄者「……ああ、お前の言う通りだな。失言であった」
右大臣「……っ」
ガインッ!!…ガキイィンッ!!…ブシュッ
弟者「おらおらおらぁ!どーしたよ!?そのまま出血多量で死ぬかぁ!?」
戦士父「……確かに……これ以上はマズイな」
弟者「!?」
- 736 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:16:28.75 ID:3920g0A6o
戦士父「はぁっ!!」
ゴゴゴゴゴゴ
弟者「――っ!!」
兄者「こ、これは……っ!?」
天才「やーっと本気モードかよ。遅せぇっつーの」
兄者「これ程の……威圧とは…っ」
弟者「てんめぇ……」
戦士父「悪いな。身体が鈍ってて……暖まりが遅いんだ」
バチィッ!!
弟者「!?」
蛇矛の乱れ突きを、戦士父は戟を回転させ弾き返す。
刹那の隙に空いた腹部へと、更に槍での一撃がカウンターを放つ。
ボッ!!
弟者「……だっりゃ!!」
その一振りをなんとか側宙で回避する弟者。その目に次なる一撃が飛び込んできた。
- 737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:17:58.30 ID:3920g0A6o
戦士父「……ふんっ!!」
弟者「な……っ!?」
ドシュウウゥゥ!!
兄者「投擲だとぉ!?」
天才「やっと必殺技が出たぜ」
グオオォォッ!!……ギギギギイイィィ!!
弟者「……っ!!」
着地前に放たれた槍。弟者は迫るそれをかろうじて蛇矛の刀身で受け止める。
天才「はーっはっはっは!平たい刀身で助かったなぁ」
しかし威力が弱まったわけではない。投擲による一撃で弟者の身体は宙で押され、
後方にて着地せざるを得ない状況を生み出した。
弟者「……くっ!!」
歴戦の猛者である弟者は着地前、既に脳裏で結末を描き出していた。
目の前に走り迫る男の左手から突き出される戟。
着地点に寸分の狂いもなく繰り出されるそれを、回避する手立ては残っていなかった。
- 738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:18:42.54 ID:3920g0A6o
オオオォォォォ…
戦士父「…………」
弟者「…………」
ザッ
戦士父「…こちらの勝ちだな」
首筋を押さえながら、地べたへ尻をつける弟者へ戦士父は問いかける。
弟者「……いやぁ、参ったね。まさか俺が負けるとは……っ」
鼻筋すれすれに迫った戟の先端を見つめ、弟者は苦笑で応答する。
スゥッ
弟者「……見事だ。仕方ねぇが…これはくれてやる」
ヒョイッ
戦士父「……有難く」
パシッ…ガクンッ
戦士父「……っ」
首筋を抑えた右掌が真っ赤に染まり、戦士父はその場に膝をついた。
- 739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:19:19.77 ID:3920g0A6o
剣士「まずい……っ!!」
皇太子「……っ!」
タタッ…ザッザッザ
弟者「お、おい…っ!?」
戦士父「……大丈夫だ。すまん」
ググッ…
弟者「大丈夫…って、大丈夫じゃねぇだろ……っ」
ザッザッ…ザッザッ…
戦士父「……待たせた」
兄者「……」
戦士父「……さぁ」
ググッ…
右大臣「バ……バカな!?まだやるつもりなのか…っ!?」
戦士父「互いに時間がないのだろう?さぁ…っ!!」
兄者「……」
- 740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:20:18.76 ID:3920g0A6o
スッ
戦士父「!?」
兄者「悪いが、手負いの者と仕合う心は持ち合わせておらぬ」
戦士父「……」
兄者「それに、手負いの者に勝利したとて、我が武功に上がらぬ」
ザッザッザ
兄者「むしろ恥として、生涯伝えられる事であろうぞ」
戦士父「……」
兄者「日を改め、必ずや弟の仇を討たせて貰おうではないか」
ザッザッザ
天才「いやぁ、漢だねぇ…ヒゲの旦那!」
戦士父「……?」
ザッザッザ…グイッ
戦士父「…っつ!!」
天才「動くな、ジッとしてろ!」
- 741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:21:20.41 ID:3920g0A6o
キュイイィィ…パアアァァ
戦士父「……っ」
天才「…たくっ、無駄な魔力使わせやがって」
戦士父「……」
天才「いいか?あくまで止血と傷口を塞いだだけだ。失った血は戻らん」
ザッザッザ
天才「半日か一日は大人しくしてろよ」
剣士「回復…魔法……!?」
皇太子「ああ、そのようだ」
剣士「な……何者なんです…っ?」
皇太子「おや、君は知らないのか。てっきり知っているものかと思っていた」
剣士「……殿下の近衛…ではなさそうですね」
皇太子「国……」
天才「誰が護衛だコラ。ナンバーワンランカーの天才様だ、覚えとけ!」
剣士「天才……!?あ、あなたが……っ!!」
- 742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:22:28.36 ID:3920g0A6o
兄者「剣士殿」
剣士「は、はいっ!」
兄者「もしやと思うが貴公ら、華国へ行かれるのか?」
剣士「ええ、実はですね……」
スッ
皇太子「南東国の将軍とお見受けするが?」
兄者「如何にも。貴公は?」
皇太子「これは失礼。私は本国第一王子、皇太子と申す」
弟者「――っ!?」
兄者「な、なんとっ!本国の……!?」
ズザッ
兄者「これは無礼を……失礼致しました」
皇太子「いやいや、気にしないでくれ」
兄者「……本国の殿下が、何故…華国に?」
皇太子「南東国の陛下と是非、話をと思ってね」
- 743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:23:05.01 ID:3920g0A6o
右大臣「文は出したのだが、まだ届いておらぬようだな」
兄者「そうでありましたか」
弟者「話って……なんなんですかい?」
皇太子「以前、南方司令から聞いてね」
右大臣「南東国もわれ等と交友を深めたいと聞いたが……」
兄者「まさか…その為にわざわざご足労を…!?」
皇太子「たまにこうして外へ出ぬと、運動不足でな。ははっ」
兄者「……」
皇太子「もし戻るのであれば、我らを案内頂けないだろうか?」
剣士「僕からもお願い致します」
兄者「……」
弟者「兄者…っ」
兄者「まさかお断りなど出来ようはずがありますまい。それに……」
戦士父「…?」
兄者「某もまだ、為さねばならぬ事がありますので」
- 744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:24:28.13 ID:3920g0A6o
…
ザッ…パッカパッカパッカ…
天才「……傷は?」
戦士父「お陰様で」
天才「ソディアック集めか。んで、成果は?」
戦士父「これで3本目……」
天才「全然増えてねーじゃねぇか」
戦士父「…いや、情報収集に手間取って」
天才「ったく。んで、全部分かったのか?」
戦士父「…いや。手元に3本、華国に残り2本……」
天才「あとは?」
戦士父「魔物が2本。国軍に2本」
天才「…あとは?」
戦士父「……さぁ」
天才「……っ」
- 745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:25:34.92 ID:3920g0A6o
グイッ…ドンッ
天才「全っ然、じゃねーか!」
戦士父「おい、馬をぶつけるな」
天才「冷静に悟ってんじゃねぇよ」
戦士父「あと1年以上ある」
天才「1年しかねぇんだよ!」
戦士父「……」
天才「……ちっ。東方に1本、西方に1本だ。あとは知らん」
戦士父「…助かる」
天才「……けっ!」
剣士「お二方、少し飛ばしますよ。日が暮れてしまいますので…」
天才「…あぁ、いいぜ」
戦士父「……承知した」
グワッ…ドドッドドッドドッドドッ
間もなく皇太子ら一行は、南東国、東の街へと入国した。
- 756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:53:35.75 ID:3920g0A6o
〜ターミナル〜
魔道士「到着ーっ!」
女記者「おおぉぉ!?鬼凄いっすうぅ!!」
召喚士「ここからは馬車で東方司令部へ向かいます」
女記者「鬼お任せしまっすううぅぅ!!」
戦士「…元気になってよかったな」
召喚士「うん、そうだね。魔道士さん、ありがとうございました」
魔道士「えぅっ?私、なんにもしてないですよ?」
戦士「えっ!?じゃあ…盗賊か?」
盗賊「……いや」
魔道士「あの後、声をかけようと思ったんですが…見当たらなくて…」
召喚士「じ、じゃあ…自然に…?」
戦士「…ったく、心配して損したぜ」
女記者「…はれ?皆さん、どうしたっすかあぁ!?」
召喚士「…い、いえっ。それじゃあ行きましょうか」
- 757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:54:10.35 ID:3920g0A6o
テクテクテク…
召喚士「えぇっと……」
御者「ふふんふ〜ん」
ゴシゴシッ
召喚士「いたっ!御者さーん!」
御者「!?……旦那っ、旦那じゃあごぜぇやせんか!」
召喚士「ど、どうも…。お忙しいところ声をかけてすみません」
御者「いえいえ、丁度洗い終えたところですから!」
召喚士「あの、5人なんですが…東方司令部までお願い出来ますか?」
御者「モッチロンですよ!!」
魔道士「宜しくお願いしますねっ。えへへ!」
女記者「おぉっ!鬼宜しくっすううぅぅ!!」
戦士「ほれ、早く乗れ」
女記者「うっす!鬼失礼しますううぅぅ!!」
盗賊「……元気だなぁ」
- 758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:54:43.96 ID:3920g0A6o
ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ
御者「旦那、新聞見ましたぜ〜!」
召喚士「……っ!?」
御者「あっしもねぇ、旦那を乗せたってんで鼻が高いってもんですよ!」
召喚士「は、はぁ…。どうも……」
御者「見て下さい!この新しいビラ!!」
魔道士「……?」
カサッ
戦士「…えーと。あの朱雀先生も乗った当、馬車……っておいおい!」
御者「いえね、勝手に旦那の名前を使うのも悪いかなぁとは思ったんですけどね」
召喚士「ち、ちょっと……」
御者「あ、いやっ!旦那が駄目だってんならもちろんやめますよ!?」
戦士「…まぁいいんじゃねーか?どうせ召喚士の名前だけだし」
召喚士「ちょっとお!?」
御者「いやぁ〜良かった!旦那っ、ありがとうごぜぇます!!」
- 759 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:56:50.90 ID:3920g0A6o
ドドッドドッドドッ…ドドォ
御者「お待たせしやしたっ!東方司令部です!」
魔道士「ありがとうございましたーっ」
女記者「おおぉぉ!?ここが東方司令部…っ」
魔道士「そうですよ〜」
女記者「おおお鬼でかいっすねええぇぇ!!」
戦士「感動してる場合か」
女記者「へ…っ?」
戦士「取材はいいのか取材は」
女記者「おおぉぉ!?そうっすよおぉ!鬼取材っすよおおぉぉ!!」
戦士「……はぁ」
盗賊「…大丈夫かな?」
召喚士「それじゃ、ありがとうございました」
御者「こちらこそっ!旦那、またお願いしますぜ!」
満面の笑みを浮かべ、御者は東方司令部を後にした。
- 760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:58:45.91 ID:3920g0A6o
テクテクテクテク…
召喚士「こんばんはー」
門兵「……?」
召喚士「本国の新聞社より、取材に来た者なんですが……」
女記者「おおぉぉ……っ、中も鬼広いっすねええぇぇ!!」
戦士「……おい、お前が言わなきゃいかんだろ」
女記者「はえ!?あ、ああぁぁ!!鬼すんんませんっすううぅぅ!!」
門兵「……ちょっと待ってろ」
カツカツ…ザッザッザ…
女記者「……だだ大丈夫っすかねええぇぇ!?」
盗賊「…何が?」
戦士「別に悪い事してるわけでもねーし、アポ取ってんだろ?」
女記者「鬼とってるっすよおぉ!」
戦士「じゃあいいじゃねぇか。何を不安がってんだよ……」
召喚士「はは……っ」
- 761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:01:04.75 ID:d1TnBB9Co
ザッザッザ…カツカツカツ…
門兵「入っていいぞ」
女記者「おおぉぉ、鬼失礼しまっすううぅぅ!」
テクテクテク
東方兵「君達か。聞いていたより大人数だな」
召喚士「すみません。俺らは道案内の付き添いで……」
東方兵「……?まぁいい、応接室に案内する。ついて来たまえ」
女記者「おおお鬼宜しくっすううぅぅ!!」
カツカツカツカツ…コンコン
東方兵「新聞社の者らを連れてまいりました」
カチャッ
女記者「ははは始めましてええぇぇ!!」
――「……おや?」
召喚士「……東方副司令さん!」
東方副司令「やはり、朱雀先生か……っ!」
- 762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:02:08.35 ID:d1TnBB9Co
召喚士「なぜ、副司令さんが……?」
東方副司令「取材があると聞きましてね」
召喚士「なるほど。副司令さんがご担当というわけですね」
豆腐副司令「ええ。しかし、なぜ朱雀先生方が…?」
召喚士「実は……」
戦士「コイツ、すんげぇ方向音痴でさぁ」
東方副司令「……案内役を?」
盗賊「……そういう事だ」
女記者「お、鬼宜しくお願いしまっすうううぅぅ!!」
東方副司令「ど、どうも……」
召喚士「それじゃ、俺らは席を外してます」
東方副司令「…ん?同席していてくれて構いませんよ?」
召喚士「いえいえ、お邪魔になりますから」
戦士「そうそうっ!そんじゃ、終わったら声掛けてくれなっ!」
東方副司令「……は、はぁ」
- 763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:02:55.22 ID:d1TnBB9Co
女記者「そ、それじゃあ早速……鬼取材開始っすよおぉ!?」
東方副司令「は、はい。どうぞ……」
テクテクテク…パタン
戦士「…よーし、時間が作れたぜ」
召喚士「今のうちに青年兵くんを……」
カツカツカツ
――「青年兵がどうしたって?」
盗賊「!?」
魔道士「東方司令……さん…っ!」
東方司令「部外者が司令部内とうろうろと…捨て置けんな」
召喚士「す、すみません……っ」
東方司令「確か…国軍付だったか、まぁいい。それで何の用だ?」
召喚士「青年兵くん、いらっしゃいますか?」
東方司令「青年兵?あぁ、参謀あたりとその辺にでもいるだろう」
召喚士「そうですか。ありがとうございます」
- 764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:03:56.94 ID:d1TnBB9Co
クルッ…スタスタスタ
東方司令「……待てっ」
召喚士「……っ」
東方司令「…彼に、何の用だ?」
召喚士「いやっ、せっかくなんで…挨拶だけでもと…」
戦士「急に異動んなっちまって、会う機会もなかったからなぁ」
盗賊「…ああ」
東方司令「……ふぅん」
召喚士「それでは、失礼します…っ」
東方司令「あまりうろちょろするなよ」
魔道士「は、はい!気を付けます…っ!」
テクテクテクテク
東方司令「……変な奴らだな」
テクテクテク…
東方司令「……青年兵……まさか、な」
- 765 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/21(月) 00:09:02.29 ID:d1TnBB9Co
>>652>>683>>693
今更ですが、ありがとうございます!
〜オマケ〜
東方司令「……青年兵……まさか、な」
女剣士「まさか何です?」
東方司令「!?……いたのか」
女剣士「だから、まさか何です?」
東方司令「……いや、仲が良いなと思ってな」
女剣士「まさか、兄弟とでも…?」
東方司令「冗談はよせ、似ても似つかわん」
女剣士「それもそうですね……」
東方司令「問題は……どちらが『受け』……なのか」
女剣士「……は?」
東方司令「い…いやっ、何でもない!寝るぞ……っ!」
女剣士「は、はぁ……」
- 769 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/21(月) 01:19:22.19 ID:Qy/pZ11AO
>>1おつ
青年兵は召喚士を尊敬してる感じだし受けは青年兵っぽいが、女装歴は召喚士のほうが上だし…
- 772 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/21(月) 01:41:53.06 ID:7krkFUXO0
>>1乙!
豆腐ワロタww
次へ 戻る 戻る 携 上へ