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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その30
835 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:11:00.69 ID:9dX7fqgbo
〜会議室〜

大軍師「それでは、この後0時より海峡を出発し、北へ向かいます」

東方副司令「北ですか?」

大軍師「東方司令部を除けば、目撃情報は最北の村と……」

青年兵「北の森……です」

召喚士「なるほど」

天才「まずは森を経由しつつ、そのまま西進する」

戦士「大丈夫なのか?」

天才「知らん」

戦士「知らんって……」

天才「そもそも魔王討伐じゃねーんだ。命張る必要はねぇ」

大軍師「その通りです。たかが内通者如きで命を落とす必要はありませんよ」

東方副司令「成程……」

天才「そうそう。どーせ雑魚なんだ、気楽にいこうや! んじゃ身支度してこい」

青年兵「はい」


836 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:11:40.13 ID:9dX7fqgbo
ガタガタッ…ゾロゾロゾロ

天才「おい、朱雀」

召喚士「……?」

天才は手招きして召喚士を自分の元へと呼び寄せる。

召喚士「あの、何か……」

天才「作戦開始後、青年兵が囮になる」

召喚士「!?」

天才「お前ら4人は護衛に付いてくれ」

召喚士「……は、はい」

天才「まぁどっちかっつーと、お前には抑えに入って貰いたいんだがな」

召喚士「……?」

天才「アイツが我を忘れて逆上しねぇよーに、手を貸してやってくれ」

召喚士「……」

天才「それが出来るのはお前だけ。お前の役目だ、頼むぜ」

召喚士「……分かりました」


837 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:12:41.04 ID:9dX7fqgbo
深夜0時。海峡前に一同が揃って姿を見せる。

天才「揃ってンな。準備はいいか〜?」

青年兵「はい」

戦士「どした?」

盗賊「……べ、別に」

魔道士「頑張りましょうね!」

戦士「……あ、あぁ」

スタスタスタ…ボソッ

戦士「なぁ、女どもが妙によそよそしくねぇか?」

召喚士「そう? 緊張してるんじゃないかな……?」

戦士「あぁ、そういう事か」

大軍師「ここからは徒歩で進みます。前衛は……お願い出来ますね?」

盗賊「……ああ、任された」

戦士「それが俺らの仕事だよ」

大軍師「フッフ、頼もしい限りです」


838 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:14:07.71 ID:9dX7fqgbo
天才「さて、お次はと……」

大軍師「続いて青年兵殿と東方副司令殿、更に司令と私が続き――」

戦士「あれだな、任されるってのはいいもんだな」

召喚士「ん?」

戦士「前衛を任されるなんて、信頼して貰ってるって事だろ?」

召喚士「ああ、そうだよね。確かに嬉しいかも」

戦士「俺らも何だかんだ、ここまできたか〜って思っちゃったりして。ははっ!」

召喚士「あははっ、そうだね。でも油断は出来ないよ、大事な任務だもん」

戦士「モチロンだよ」

大軍師「――最後尾は朱雀嬢さんと玄武娘さん、宜しいですね?」

朱雀嬢「畏まりましたわ」

玄武娘「やってやるですのー!」

大軍師「以上の編制です。では、出発致しましょうか」

天才「いいか? 無謀と勇敢を履き違えんな、深追い禁物だ」

青年兵「了解です、それでは……出発!」


839 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:15:34.51 ID:9dX7fqgbo


玄武娘「うぅ、なんだか気味悪いですの……っ」

朱雀嬢「そ、そんな事ありませんわっ」

玄武娘「そんな事ありますわですの!」

大軍師「まぁしかし、まだここは大丈夫ですよ」

玄武娘「そうなんですの?」

大軍師「あの橋が見えますか?」

朱雀嬢「……立派な橋ですわね」

大軍師「あの大橋は、今や重要な拠点となりました」

召喚士「……」

大軍師「全体に施した結界のお陰で、魔物はここまで近づけないのですよ」

玄武娘「おぉ……」

魔道士「皆さんの、努力の結晶ですねっ」

天才「……ああ、本当にその通りだわな」

召喚士「……」


840 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:17:03.70 ID:9dX7fqgbo
ザッザッザッザ

戦士「……」

盗賊「……うん、大丈夫」

戦士「いいぞ」

カラカラカラッ

青年兵「橋を渡った先、つまりここからはいつ魔物が現れてもおかしくありません」

戦士「だな」

召喚士「偵察用に召喚獣を出しましょうか?」

天才「いや、いい。こっからは手分けしてあたるぞ」

大軍師「我らはこのまま西に向かいます」

朱雀嬢「私達もですわね」

天才「おう。一緒についてこい」

玄武娘「了解ですの!」

大軍師「朱雀先生らは森の手前、西側で待機を」

召喚士「……はい」


841 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:19:03.09 ID:9dX7fqgbo
天才「んで青年兵」

青年兵「はい」

大軍師「東方副司令と2人で……森へ」

青年兵「……了解です」

東方副司令「……」

魔道士「森って……大丈夫なんですか!?」

天才「魔物が出たらすぐに退け。深入りはすんなよ」

青年兵「分かっております」

大軍師「万が一の場合は、お願いしますよ」

召喚士「ええ、心得てます」

盗賊「……気をつけろよ」

青年兵「はい」

天才「そんじゃ行動開始! 健闘を祈る!」

青年兵「それでは行きましょうか、東方副司令」

東方副司令「は、はい」


842 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:20:01.53 ID:9dX7fqgbo


魔道士「……大丈夫でしょうか」

戦士「あん?」

魔道士「ただでさえこの森は……」

盗賊「……ああ。とんでもない化け物が棲みついている」

召喚士「それは重々わかっているはずですから、無理はしないでしょう」

戦士「ああ。今のところ勝ち目はないんだろ?」

盗賊「……だな」

戦士「しっかし、お前はよく無事に抜けられたよな」

盗賊「……あの時は……まぁ」

ゾワッ

盗賊「――!?」

召喚士「どうしました!?」

盗賊「……いる、奴がいるぞ!」

魔道士「っ!!」


843 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:21:48.66 ID:9dX7fqgbo
カラカラカラ…

青年兵「……」

東方副司令「こ、こんな森の中……大丈夫かね」

青年兵「さぁ、どうでしょうね」

東方副司令「……っ」

カラカラ…ピタッ

青年兵「東方副司令」

東方副司令「……?」

青年兵「素敵なネックレスですね」

東方副司令「え、あ……あぁ。これですか」

チャラッ…チカチカッ

東方副司令「ここを開けるとね……よっと」

カパッ

青年兵「娘さんですか。確か……白虎嬢さん」

東方副司令「ええ。確か面識はありましたっけ」


844 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:22:45.91 ID:9dX7fqgbo
青年兵「……」

東方副司令「……副司令殿?」

青年兵「このネックレスをお見かけしたのは、前回の本国での会議の際でした」

東方副司令「そうでしたか」

青年兵「何か、見覚えのある光だったな……と」

東方副司令「見覚え……?」

青年兵「それが2回目」

東方副司令「……副司令……殿?」

青年兵「始めて見たのは、東方司令部でした」

東方副司令「そ、そうで――」

青年兵「西の塔の……燃えさかる炎の中で」

東方副司令「…………」

青年兵「コートに身を包んだ男が、輝かせていましたよ」

東方副司令「……それはつまり、兄である白虎長兄が……!?」

青年兵「お兄さんもお持ちなのですか、それ?」


845 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:24:27.05 ID:9dX7fqgbo
東方副司令「さ、さぁ。持っているかもしれませんね、家にあった古物ですから」

青年兵「そうですか」

ザッ

青年兵「!?」

東方副司令「ど、どうしました……っ!?」

青年兵「出でよ、ワイバーン!」

シュイイィィィン

青年兵「魔物の気配です! 退きましょう!」

バッ…ガシャン!!

東方副司令「ぐっ!」

青年兵「車椅子が!」

東方副司令「しまった……っ、車輪が……くそっ!」

青年兵「駄目だ、間に合わない! くそぉー!」

バシュウウゥゥゥゥ!!

東方副司令「――っ!?」


846 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:25:37.60 ID:9dX7fqgbo


戦士「奴って……まさか……!」

召喚士「コカトリスですら一撃で消し飛ばされたんだ、あの魔物には絶対に……」

魔道士「あっ!!」

戦士「どうした!?」

魔道士「あ、あれ……っ」

召喚士「空……ですか? あっ!」

バサッバサッ…バサァ

青年兵「召喚士さんっ!」

召喚士「青年兵くん! 無事……」

青年兵「戦闘態勢に入って下さい! 来ますよ!」

戦士「!?」

魔道士「来るってまさか……っ!!」

青年兵「魔物ではありません。……内通者です」

召喚士「!?」


847 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:26:48.00 ID:9dX7fqgbo
ザザッ…ガサガサ…ゴロゴロゴロッ

東方副司令「はぁはぁ……はぁ……っ」

ググッ

東方副司令「……ちっ、全く」

ザッ

東方副司令「……?」

青年兵「ご無事でしたか」

東方副司令「副司令殿……」

青年兵「よく、ここまで逃げてこられましたね」

東方副司令「全く……必死でしたよ……」

青年兵「車椅子もなしに、よくこんな所まで逃げてこられましたね」

東方副司令「あ、あぁ……。なんとか必死に――」

青年兵「衣服の汚れもなく、ましてや」

グイッ

青年兵「靴底に土をつけて、まるで走ってきたようではないですか」


848 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/21(木) 18:29:59.60 ID:9dX7fqgbo
東方副司令「…………」

青年兵「歩けない貴方が、どういう事でしょうか?」

東方副司令「それは……だなっ」

青年兵「本当はあるけるのでしょう? もう隠す必要はありませんよ」

東方副司令「……は、はははっ」

青年兵「……」

東方副司令「実は、最近リハビリが順調でね」

スクッ

東方副司令「この通り、ようやく立てるようになってきたのさ」

天才「小賢しい事ほざいてんじゃねぇよ」

東方副司令「!?」

大軍師「先日、東方司令部へ潜り込んだ賊が、面白いものを見たそうです」

東方副司令「……っ」

天才「テメーの部屋に置き去りの車椅子と、そこに佇む白コートの男をなぁ!」

東方副司令「っ!!」


858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:00:00.56 ID:IMk8fOkXo
サアアァァァァ

東方副司令「……あ、あの……一体何を」

天才「もういいっつてんだろ。すっ呆けてんじゃねぇ」

大軍師「3人目の内通者、姿を見せないわけですよ」

東方副司令「……っ」

天才「お前は内通者を悟られぬよう、影を作り出した」

魔道士「影……っ」

天才「それが、白虎長兄だ」

東方副司令「……」

大軍師「表の顔は車椅子の白虎三男。しかし裏の顔は……」

青年兵「フードで顔を隠し、白いコートを羽織った白虎召喚士」

東方副司令「…………」

天才「疑いが0だったかというと、そういうわけじゃねぇ」

盗賊「……」

天才「だが、尻尾を全く出さなかった。大したヤローだよ、そこは褒めてやんぜ」


859 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:00:37.31 ID:IMk8fOkXo
青年兵「貴方は内通者……主犯格として全てを担っていたわけだ」

東方副司令「……」

大軍師「左大臣や前副司令を手玉に取り暗躍。全く、見事の一言です」

天才「奴らが健在だった時は、表に出る事も少なかったが……」

大軍師「2人を失ってからは、少し焦りが出たようですね」

天才「いや、正確には左翼に亀裂が入りだしたあたりか」

東方副司令「……」

大軍師「東方司令部での騒ぎは、少し野暮でしたねぇ」

青年兵「……」

天才「そして自らが実働も兼ねるハメにあってからはボロが出始めたな」

大軍師「女侍殿らの証言は非常に有り難いタイミングでしたよ」

召喚士「あなたが……コートの男だ……!」

天才「テメーはここまでだ。俺がぶっ殺す」

東方副司令「……は……ははっ、ははははっ!!」

召喚士「!?」


860 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:01:30.14 ID:IMk8fOkXo
シュイイィィィィン

ベヒーモス「グルアアァァァァーッ!!」

天才「避けろおぉーっ!!」

キュイイィィィィ…ドドオオォォォォン!!

戦士「うお……ぉ!!」

召喚士「……っ!!}

シュウウゥゥゥゥ

天才「奴は!?」

大軍師「森の方へ!」

バサァ…フワッ

突如現れたベヒーモスは森の入り口に立つ主の元で消滅し、

その主である東方副司令は、軍服を裏へ返すと再び袖を通し、羽織り直す。

朱雀嬢「白い……コート!?」

天才「ほぉ、リバーシブルとはなかなかシャレてんじゃねぇか」

コート男「……お気に召したかね?」


861 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:03:01.77 ID:IMk8fOkXo
天才「やっと本性を現してくれたなぁ、内通者ちゃんよ」

コート男「本性? あぁ、そうかもしれんなぁ」

召喚士「……」

コート男「使えん雑魚共に余計な首を突っ込む愚者共……」

玄武娘「……っ」

コート男「どいつもこいつもカスカスカス! 所詮カスはカス。一生カスのままだ!」

戦士「てめぇ……」

コート男「お陰で五ヵ年計画などという馬鹿げたものを実現させてしまうとはなぁ」

天才「……」

コート男「魔王を倒す? 世界平和? ハッ、馬鹿げているよ」

戦士「何が馬鹿げてんだよ、馬鹿はテメーだろ」

コート男「まぁここまで来てしまった事にはどうしようあるまい」

ザッ

コート男「かくなる上は、サタンとベルゼブブだけは討たせん!」

召喚士「……っ」


862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:04:28.74 ID:IMk8fOkXo
ゴゴゴゴゴゴ

青年兵「貴様は……」

コート男「ん?」

青年兵「何の為に……」

コート男「何の為だと? 愚問だな、己の為に決まっているだろう」

青年兵「……」

コート男「自分自身の為以外に何がある。他人の為に益を生むか?」

青年兵「それが出来る事こそ人間だろう!!」

コート男「だから馬鹿だと言っている。何も分かってないカスだな」

戦士「んだと……こら」

コート男「人間同士で望めないからこそ、わざわざ魔族と手を組んでいるのだ」

召喚士「……」

コート男「こんな醜い世界になど興味はないさ。だが、今はまだ魔王の力が必要」

青年兵「……お前は……私利私欲の為に」

コート男「……」


863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:06:02.53 ID:IMk8fOkXo
ゴゴゴゴゴゴ…

青年兵「罪もない人々を殺してきたのかあぁ!!」

ドウッ!!

天才「ちっ」

ガシィ!!

青年兵「!?」

召喚士「……駄目だ、落ち着いて」

青年兵「離せぇ!」

召喚士「森の中は危険だ! 入ってはいけない!」

コート男「そうそう。この中には怖〜い魔物がいるからねぇ! ハッハハハ!」

天才「テメーだってそうだろうが」

コート男「ああ、そこの小僧に車椅子を壊された時は些か焦ったよ」

青年兵「……っ」

コート男「こいつの発動条件は、1度魔力を起こさなくてはならなくてなぁ」

チャリッ


864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:07:24.65 ID:IMk8fOkXo
天才「……てめぇ、まさかそれ……タリスマンか」

コート男「ほぉ、知っているとは流石だな」

魔道士「タリスマン……?」

天才「ようやく謎が解けたぜ。そーいう事かよ」

コート男「唯一の手段は使えまい。ざまぁみろ、フハハハハッ!」

天才「……だとよ」

ガサッ

コート男「何!?」

格闘家「はああぁぁーっ!!」

バギャアッ!!…ズザザザザッ

青年兵「!?」

スタッ

格闘家「……ふーっ」

コート男「……ぐくっ」

天才「魔力ねーのがバカ王子……王だけだと思うなよ?」


865 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:11:41.89 ID:IMk8fOkXo
コート男「まさかそいつも……? ちっ、面倒な奴だ」

スタッ

隊長「間に合ったか!?」

男隊員「東方副司令……っ!」

女隊員「本当に……内通者なんスか……?」

コート男「カスが増えたか」

男隊員「んだとぉ!?」

ススッ…ザッ

コート男「大人数を相手にするほど愚かではない。じゃあな」

戦士「逃げる気か!」

コート男「そうだな。逃げるが勝ちよ。ハッハハハハ!!」

隊長「逃がすわけにはいかん!」

天才「動くなぁ!!」

隊長「!?」

天才「やめとけ。地獄の門番が手招きしてんぞ?」


866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:13:05.71 ID:IMk8fOkXo
ズズズッ…ゴゴゴゴゴゴゴ

バフォメット「……ファファファ」

コート男「それじゃあ元気でな。また会う機会があれば、だが。ハッハハハ!」

召喚士「くそっ!」

格闘家「……追います」

大軍師「……」

格闘家「私ならいけるのでしょう?」

天才「……あのバケモンは無視しろ。攻撃はするな」

格闘家「……了解です」

戦士「い、いいのかよ……っ」

天才「アイツにしか出来ん仕事だ」

格闘家「行ってきます」

天才「死ぬなよ、オメーにゃまだ仕事が残ってんだ」

格闘家「了解」

タンッ…ザザザザザザッ


867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:15:46.66 ID:IMk8fOkXo
青年兵「…………」

魔道士「どういう……事なんです?」

盗賊「……魔力か」

天才「そういう事だ」

朱雀嬢「魔力……って?」

天才「あのバフォメットってバケモンは、魔力に応じて力が増減するって事だろうな」

戦士「!?」

大軍師「つまり、魔力の高い者ほど、その姿も大きく……力も強い」

天才「黒の三騎士があっさり始末されるわけだ」

召喚士「……そうか! 盗賊さんはあの時……っ」

盗賊「ああ。あの時の私は……魔力を枯渇していた」

魔道士「だから……平気だったんだ……っ」

大軍師「つまり今、東方副司令を終えるのは格闘家殿のみという事です」

天才「将来的にもバフォメットとまともに戦えるのはあいつと陛下だけだ」

召喚士「そうだったのか……っ」


868 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/22(金) 18:25:13.59 ID:IMk8fOkXo
天才「だからこそ、黒の三騎士は実力者ながら瞬殺された」

召喚士「魔法剣士さんや眼鏡さんも……そうか」

朱雀嬢「似てますわね……」

盗賊「……?」

朱雀嬢「まるで絵本の……魔物と老人のよう」

魔道士「あっ! 確かに……!」

大軍師「古い絵本ですからね。もしかしたら題材になったのかもしれませんね」

男隊員「んで、この後はどうするんだよ」

大軍師「こちら側で待機する者と、森の先に回りこむ者が必要ですね」

戦士「森の先……?」

大軍師「魔王城です」

魔道士「!?」

天才「まぁ、そこまで行くのは無茶って話だ。まずは予定通り西に進む」

大軍師「東方副司令とて魔王城まで行くとは考えにくいですからね」

召喚士「なるほど、わざわざ道案内するも同然ですからね」


869 名前:NIPPERがお送りします(鳥取県) [sage] 投稿日:2011/07/22(金) 19:08:01.38 ID:adqIrcub0
終わりかな?

愛され黒の三騎士だったねよかったね


871 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/07/23(土) 03:27:58.09 ID:6dQvUXWn0
いちおつ
そういうことだったのか


873 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/07/23(土) 12:39:23.73 ID:Z0437+7fo
おつ
絵本はこのあたりだーね
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/496
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/442


874 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/07/23(土) 13:02:36.54 ID:BmorLeRSO
攻略不可能に見えたバフォメットさんに死のフラグが…



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