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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
603 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:44:54.18 ID:KCYYxMoo
〜火焔山〜

戦士「出やがったな…!」

盗賊「……」

紅孩児「そんな怖い顔すんなって。ハハッ」

戦士「て…めぇ!」

ザッ

戦士「……?」

召喚士「…瓢箪は?」

紅孩児「ああ、ほら…ここにあるよ。ちゃーんとね」

青年兵「……」

紅孩児「なぁ、アンタ…名前は?」

召喚士「…?」

紅孩児「アンタの名前だよ。それが分からんとコレ、使えないんだよね」

召喚士「……」

紅孩児「良かったら、教えてくれないかなぁ?」


604 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:45:25.14 ID:KCYYxMoo
魔道士「名前…?」

紅孩児「そそ。名前呼んで、それに返答すると…」

紅孩児は左手で瓢箪を指差すジェスチャーを見せ、微笑む。

召喚士「…召喚士だ」

戦士「おい!?」

紅孩児「ハハハ!召喚士くんか、いい名前だ」

召喚士「……」

紅孩児「それに…素直で大変宜しい」

召喚士「もういいだろう。天才さんと南方司令を解放してくれ」

紅孩児「ねぇ、召喚士くん?」

召喚士「…………」

紅孩児「ハハッ、流石に引っ掛からないか!」

青年兵「貴様っ、馬鹿にしているのか!」

紅孩児「冗談だよ、ジョーダン!ハハハッ!!」

戦士「召喚士…もういい。力ずくで行くぞ!」


605 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:46:10.26 ID:KCYYxMoo
ジャリッ…

盗賊「……」

紅孩児「流石に五人相手はシンドイなぁ…」

戦士「じゃあ、さっさとその瓢箪よこせ!」

紅孩児「そうしてあげたいんだけど…俺が親父に怒られちまうよ」

青年兵「親父…?」

紅孩児「ハァ…。ま、仕方ない…やるだけやってみるかな」

紅孩児の右手より激しい炎が立ち上り、それは徐々に一本の棒状へと変化する。

ズズッ…ズズズッ…

戦士「盗賊っ、リーチが相当長げぇぞ…気をつけろよっ!」

盗賊「うんっ!」

薄緑を右手に構える盗賊に、戦士は戟を身構えながら叫ぶ。

召喚士「魔道士さん、氷をメインに…お願いします」

魔道士「はいっ!詠唱します!!」

魔道士は杖を両手でぎゅっと握り締め、一つ大きな深呼吸をした。


606 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:47:24.23 ID:KCYYxMoo
ボボボボボボッ

紅孩児「では…いざ、尋常に!なーんて……」

戦士「っりゃあ!!」

シュンッ!!…ガイィィンッ!!

紅孩児「オイオイ、不意打ちとは卑怯な…」

戦士「なーにが卑怯だ!戦いに卑怯もクソもあるかっ!」

紅孩児「ハハハ!そりゃそうだ…!!」

ぶつかり合う戦士の戟と紅孩児の火炎槍が競り合い、金属音を鳴らす。

戦士「盗賊っ!!」

盗賊「はあ…っ!」

競り合いにより空いた紅孩児の胴体めがけ、盗賊が懐に潜り込む。

だが、紅孩児はそれを容易に蹴り飛ばし、再び戦士へと顔を向ける。

魔道士「盗賊さん!?」

盗賊「…大…丈夫っ!」

反撃の蹴りを薄緑で防木直撃を避けた盗賊は、空中で魔道士に返答した。


607 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:48:10.91 ID:KCYYxMoo
ジャララッ

紅孩児の蹴りで弾き飛ばされた盗賊だが、空中で身を反転させ、

胴に巻いた鎖を紅孩児の左手へと飛ばし、巻きつく。

紅孩児「…!?」

グイッ

盗賊「これで左手は…戦士っ!!」

戦士「おうっ!!」

紅孩児「…甘い!」

グッ…グググ…

戦士「な…にぃ!?」

紅孩児「その程度の力なら、右腕一本で充分」

紅孩児が片手で握る火炎槍が、徐々に戦士の戟を押し返す。

紅孩児「はぁ!!」

ズシィ!!……ドゴオォッ!!

魔道士「床が…っ!?」


608 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:48:54.58 ID:KCYYxMoo
青年兵「何て力だ…っ!」

紅孩児「このまま押しつぶしてやるっ!」

グイッ

盗賊「っ!?」

紅孩児は右腕を押し付けると同時に、左手を上部へ勢いよく上げる。

ジャララッ…ビュンッ

巻きついた鎖ごと盗賊は宙へ投げ出され、止む無く鎖を紅孩児より解いた。

召喚士「戦士っ!!」

ドッゴオォォ!!

更に力を加える紅孩児。戦士は尻もちをつきながらも、それを懸命に防ぐ。

紅孩児「まず一人ぃ!!」

紅孩児は突如火炎槍を掬い上げ、身を捻りながら上空へと伸ばす。

盗賊「!!」

そこには投げ出された盗賊が体勢を立て直し、紅孩児の背後を突く姿。

戦士「気付かれて…っ!?」


609 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:50:02.13 ID:KCYYxMoo
魔道士「盗賊さん!!」

紅孩児「そうら、吹っ飛びながら…燃え尽きろぉ!」

ゴウッ!!

紅孩児「!?」

ゴオウゥッ!!…ブオンッ!!

紅孩児の火炎槍は盗賊の身を捉える事なく空振りする。

紅孩児「外した…!?いや、外されたのか…?」

突然吹き付けた突風。それにより盗賊の身体は背後へと飛ばされ、空を切った。

その発生源であるレイピアを構えた召喚士に対し、紅孩児は嘲笑うかのように笑う。

紅孩児「お前か…召喚士。やるじゃん」

召喚士「……余裕だな」

紅孩児「ハハハッ!まぁね……」

ドグオッ!!……ガオォォンッ!!

紅孩児「あ…!?」

手振りの為に上げた左手首に、ワイバーンの獰猛な牙が噛み付いた。


610 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:50:55.74 ID:KCYYxMoo
紅孩児「なにぃ…っ!?召喚獣……!?」

召喚士「無言召喚…っ!!」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おおぉぉ!!」

更に激しい力を加えるワイバーン。紅孩児の体が少しずつ押され始める。

やがてワイバーンによる渾身の一撃によって、左手より瓢箪が零れ落ちた。

戦士「しめたっ!!」

紅孩児「くっそ…!」

チョンッ…クルクルッ

宙を舞う瓢箪。いち早く紅孩児の指先が触れるが手中には収まらない。

紅孩児「…こ…んのぉ!」

紅孩児は、己の左手をワイバーンごと地面へ叩きつけて振りほどく。

ゴシャアアァァッ!!…ドズウウゥゥン…

青年兵「まずい…っ!」

追撃前に慌てて召喚解除を行う青年兵。消失と同時に紅孩児は跳躍する。


611 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:51:50.57 ID:KCYYxMoo
戦士「くそ…っ!届かな……」

紅孩児「ハハッ……」

ギュルギュルッ…パシィ!!

紅孩児「!?」

盗賊「……く…っ」

宙をくるくると舞う瓢箪へ、盗賊の放った鎖が絡みついた。

戦士「ナイス!!」

紅孩児「しつっこいんだよ!」

紅孩児は盗賊が引き戻す前に、火炎槍をくさりの上部より叩き込む。

盗賊「くぁ…っ!!」

その衝撃により鎖とそれを握る盗賊が、地面へと叩き落された。

ガシャッ!ア!…ドサッ!!

盗賊「ぐ…くっ!……瓢…箪を…っ」

懸命に伸ばす盗賊の手に、強い衝撃が走る。

ガシッ!!


612 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:53:00.04 ID:KCYYxMoo
盗賊「くぅ…っ!!」

紅孩児「…よっと。ん、すっげぇ絡まってんなぁ…」

盗賊の左手を踏みつけながら鎖に絡まる瓢箪を拾い上げる紅孩児。

召喚士「盗賊さん!!」

戦士「こ…の野郎っ!!」

飛び掛かる戦士を迎え撃つ為に振り向いた瞬間、紅孩児の側部へ、

地面より突如現れた一本の巨大な氷塊が突き刺さる。

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

紅孩児「…ぐぶ…ぉ…っ!!」

ズガアアァァッ!!…ドシャッ!!…ゴロゴロゴロッ

紅孩児「ぐ…っ、がはっ!……な、何が……っ!?」

魔道士「はぁ…っ!はぁ…はぁっ!!」

紅孩児「アイツかぁ…!チックショー、これは効いたぜ…」

魔道士「次…っ、いきます!」

紅孩児「マジかい…。そいつはヤベェ!」


613 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:54:17.72 ID:KCYYxMoo
紅孩児は脇腹を押さえながら、火炎槍を杖代わりに起き上がる。

戦士「させっかぁ!!」

起き上がる紅孩児めがけ、戦士は手にした戟を力任せに投擲する。

ビュオッ!!……ビイイィィンッ!!

紅孩児「あっぶ…っ!でも当たらなきゃ意味…」

戦士「あるんだよっ!!」

ババッ!!

紅孩児「上…っ!?」

投擲の瞬間、既に間合いを詰めていた戦士が、雷切を振り下ろす。

ズガァッ…ガカアァァッ!!

雷撃により一瞬、動きを止めた紅孩児。それを見て戦士が叫ぶ。

戦士「魔道士っ!いけぇ!!」

魔道士「やあぁっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

紅孩児「ぐがああぁぁ…っ!!」


614 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:55:08.64 ID:KCYYxMoo
ドシャアァッ…ググッ…

紅孩児「くっ…ぐく…っ……」

戦士「まだ動けるのか…。タフな奴だ…」

タッタッタ

召喚士「盗賊さん…っ」

盗賊「…だ、大丈夫。動けるから…っ」

青年兵「…!?」

ヨロヨロッ…

紅孩児「はぁ…。流石に5対1はシンドイわぁ…」

紅孩児は左右に首を鳴らし、大きく息を吐く。

紅孩児「続けてもいいけど、今日はやめとくよ。ね?召喚士くん…?」

戦士「返事すんなよ…?」

召喚士「…分かってるよ」

紅孩児「ハハ、引っ掛からなかったかぁ。残念…」

紅孩児は子供のように笑い、後方の階段まで大きく跳ぶ。


615 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:55:55.84 ID:KCYYxMoo
青年兵「…っ!?」

戦士「待てっ!逃がすか!!」

バッ!!

紅孩児「しつっこいなぁ…ホント…」

苦笑しながら溜息を吐き、紅孩児は階段を昇っていく。

青年兵「待てっ!!」

タッタッタッタッタ

盗賊「…ちぃ…っ!」

盗賊は起き上がりながらクナイを一本投げ飛ばす。

キィンッ!!…カラカラッ

紅孩児「また跡で…相手してあげるよっ!」

タッタッタッタッタ

クナイを飛んでかわし、紅孩児は階段をあっと言う間に上へと進んだ。

戦士「……追うぞ!」

召喚士「何としても…あの瓢箪を…っ」


616 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:56:41.37 ID:KCYYxMoo
タッタッタッタ…ザザッ

戦士「……!?」

青年兵「また…入り口に戻って……」

魔道士「ど、どうなってるんです!?」

召喚士「……」

盗賊「……!?」

ババッ

召喚士「……最悪だ」

テクテクテクテクテク

紅孩児を追い、階段を駆け昇った一同の前へ、ゆっくりと歩み寄る魔物。

それは先程の槍を持った勇ましい男ではなく、妖艶な女性の姿の魔物…。

羅刹女「…これ以上、好き勝手にはさせないよぉ…?」

戦士「新手かよくそ…っ!!」

召喚士「……瓢箪はどこへ…?」

羅刹女「紅孩児の事かい…?さぁねぇ…。おーっほっほっほ!」


617 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:57:38.52 ID:KCYYxMoo
〜森の中〜

ザザッ!!

マジシャン「うりゃあぁ!!」

ドドオォンッ!!…ゴアオオォォ…

ラクシャーサ「ぐあぁ!火、火があぁ!がふ…っ…」

隊長「うまく誘導出来たな…!」

南方参謀「ええっ!しかも…グッドタイミングよっ」

駆ける一同の正面より松明の炎が点々と明るみはじめる。

ドドッドドッドドッ…

南方魔道長「正面だっ!撃てェ!!」

騎兵「続けぇーっ!突撃ぃー!!」

女隊員「援軍…ッスか?」

男隊員「遅せぇっつの…!!」

男隊員は背中の格闘家を背負い直し愚痴をこぼす。

マジシャン「さーてと、俺らは若い連中の助けに行くとすっかね」


618 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 17:59:41.22 ID:KCYYxMoo
隊長「……コイツを頼むぞ」

南方参謀「本当に四人で行くつもり…?」

隊長「下手に人数突っ込むより機動力が高くていい。構うな」

男隊員の背より格闘家を降ろし、騎兵に引き渡す隊長。

女隊員「安心するッスよ!お師匠はきっと助け出すッスから!」

格闘家「…っ…ぁ……!!」

男隊員「なかなか根性あるよ、お前」

隊長「…よし、山頂めがけ…一気に行くぞ!」

マジシャン「行くぞたって…どうやって行くんだよ!?」

隊長「知らん!お前の魔法で何とかしろ!」

マジシャン「アホか!そんな易々と出来るわけねーだろっ!」

隊長「アイツらが入れたんだから道はあるって事だ!」

ババッ…タッタッタ

女隊員「あっ、隊長…っ!?」

南方参謀「全くっ、ちょっと!気を付けてねーっ!!」


619 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:00:23.81 ID:KCYYxMoo
〜火焔山〜

召喚士「……っ」

羅刹女「ふふっ…」

盗賊「……」

チャキッ

召喚士「盗賊さん、いいんです。退がって下さい」

盗賊「…?」

召喚士「みんな、中央に密集して!」

魔道士「え…っ?」

戦士「ここは分散して囲んだ方が……」

召喚士「いいから早くっ!!」

戦士「…お、おう…っ」

タタタッ…ザッ

羅刹女「アンタ…なかなか利口だね」

召喚士「散り散りになるよりマシだと思っただけだよ」


620 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:01:37.15 ID:KCYYxMoo
羅刹女「…おーほっほっほ!」

戦士「ああ、そういう事か…」

青年兵「……」

羅刹女「せっかくここまで来たのに…残念だねぇ」

羅刹女は手にした芭蕉扇を大きく振りかぶり、ひと扇ぎする。

羅刹女「おーっほっほっほっほ!!」

ブンッ!!…ゴオウウゥゥゥゥッ!!

魔道士「きゃああぁぁーっ!!」

戦士「ぐ…あぁ!!」

召喚士「……っ!!」

近距離からの強烈な突風。五人の身体はあっと言う間に浮き上がり、

火焔山の頂上より、いとも簡単に上空後方へと投げ出された。

オオォォォォ…

羅刹女「機会があったらまた、会いましょう?おーほっほっほ」

羅刹女は衣服を正し、燃えさかる山頂から地面を見下ろした。


621 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:02:25.70 ID:KCYYxMoo
ゴオオォォォォ

青年兵「ワ…ワイバーン…ッ!!」

シュイィィン……ガシィッ!!

青年兵「召喚士さーんっ!!」

ワイバーンの背に乗った青年兵が、飛ばされる召喚士へ懸命に手を伸ばす。

召喚士「く…うぅ…っ!!」

ガシッ!!

召喚士「戦士いぃーっ!!」

今度は召喚士が、盗賊を抱えながら体制を整える戦士へと手を伸ばした。

ガシィッ!!

戦士「……サン…キュ!!」

召喚士「魔道士さんっ!?」

召喚士はワイバーンにぶら下がりながら、左右を見渡し魔道士を探す。

召喚士「…い、いたっ!!」

魔道士「……ぅ…」


622 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:03:05.65 ID:KCYYxMoo
ババッ!!

青年兵「召喚士さんっ!?」

ワイバーンから手を離し、懸命に魔道士の身体を宙で追う召喚士。

召喚士「もう……ちょっと…っ!!」

ゴオオォォ……ガシッ

魔道士「…召喚士…さんっ!?」

召喚士「魔道士さん、頭を下げてて…っ!!」

青年兵「ワイバーンも…流石に上昇は無理か…!?」

ワイバーン「なんとか…着地の衝撃は…和らげるさっ!!」

間もなく五人と一匹の召喚獣は、火焔山の正面にあたる森へと墜落する。

ゴオオォォッ……バキバキバキィッ!!

盗賊「…ぐ…っ!!」

青年兵「ぐああぁ!!」

戦士「…召…喚士…っ!」

無数の枝葉を突き破り、一同は森の中へと落下した。


623 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:03:43.49 ID:KCYYxMoo
タッタッタッタッタ

男隊員「…んで、どっから入ったんだっけか?」

マジシャン「…んー、サッパリ分からんぞ?」

隊長「お前、最初入ってみろよ」

男隊員「何でだよ!灼熱だぞ!?自分で行けよっ、隊長だろ!」

隊長「阿呆っ!隊長の命令は絶対……」

バキバキバキィ!!…ドサァッ!!

マジシャン「何だぁ!?」

召喚士「…う…ぐ…っ」

魔道士「……っ、召喚士…さん…っ!?」

男隊員「……何してんだ、お前ら?」

召喚士「…痛っ…つう!」

隊長「何だ…?仲良く空中デートかぁ?」

女隊員「おぉー、ロマンチックッスねぇ!」

召喚士「…ち、違います…っ」


624 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:04:17.55 ID:KCYYxMoo
マジシャン「…やられたか?」

マジシャンが魔道士と召喚士へ手を貸し、身体を起こす。

召喚士「はい…。やられました……」

男隊員「かぁー、情けねぇ奴らだ事…」

魔道士「……す、すみません」

男隊員「い、いや…。そう謝られると…だな…」

隊長「んで、現状は?」

召喚士「…はい。あ…っ、まずは他のみんなを…」

ザザッ…タッタッタッタッタ

戦士「大丈夫か!?」

魔道士「戦士さん!」

召喚士「こっちは何とか…。そっちは大丈夫?」

盗賊「…ああ、問題ない」

青年兵「特殊遊撃隊…!?」

隊長「さぁて、これで全員揃ったな…!」


625 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:05:40.25 ID:KCYYxMoo


タッタッタッタッタ

隊長「なるほど…。厄介な話だ」

マジシャン「んで、入り口は?」

戦士「えぇと……あれ、どこだっけ?」

召喚士「確かこの辺……」

戦士「おっし!」

タタッ…ゴアァッ!!

戦士「あちっ!!あちち…っ!!」

ゴロゴロゴロッ

マジシャン「何やってんだお前は…?」

魔道士「こっち…?あれ、こっち…!?」

男隊員「なーんで覚えてねぇんだよ!」

青年兵「でも、確かにこの辺りで……」

マジシャン「仕方ねぇ……」


626 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:06:36.21 ID:KCYYxMoo
隊長「あん?」

マジシャン「魔法で何とかしろっつったよなぁ?」

隊長「…出来るか?これだけの炎だぞ…!?」

マジシャン「盗賊ちゃん、この先にいる魔道長つれて来てくれっかな…?」

盗賊「…わ、分かった!」

タタッ…タタタッ

マジシャン「こん中で木行使える奴は…?」

男隊員と女隊員、それに魔道士の三人が手を挙げる。

召喚士「風なら俺も…このレイピアで」

青年兵「僕もワイバーンで助けられるかとっ」

戦士「……」

隊長「気にする事ぁねぇ。俺らはその分、身体で働くぞ」

戦士「…おう!」

やがて南方魔道長を連れた盗賊が戻ってくる。

南方魔道長「…一体何だってんだよ」


627 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:07:48.21 ID:KCYYxMoo
ザザッ…

マジシャン「……いいか?」

中央に立つマジシャンが問いかける。それに答えるは左右の男隊員と女隊員。

女隊員「準備オッケーッスよぉ!」

男隊員「ヒャハッ…!いつでもいいぜ…!」

加えて背後の魔道士、その両脇に立つ召喚士と青年兵も続く。

魔道士「集中…。集中…っ」

召喚士「……」

青年兵「ワイバーン、いくよ…!」

マジシャン「…合図を頼む」

隊長「おう……。いいか?」

隊長の問いかけに、一同が一斉に頷く。

隊長「………撃てぇ!!」

魔道士「やあぁ!!」

マジシャン「うおりゃああぁぁーっ!!」


628 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:08:46.20 ID:KCYYxMoo
ドドドドドドドドオオォォォォ!!

盗賊「…く…っ!!」

戦士「す…すっげぇ突風…っ!!」

マジシャンを筆頭に、一斉に放たれた風は一つとなり、

火焔山の一角へと物凄い勢いで吹きつける。

ゴオオオオォォォォ!!

羅刹女「……?」

ユラッ…ボオオォォ!!

羅刹女「なに…?なんなの…っ!?」

揺らめく炎に羅刹女は慌てて駆け寄る。

羅刹女「風で…押されている…!?」

吹きつける風は次第に炎を押し込み、徐々に山肌が露となり始めた。

羅刹女「…おのれぇ…っ!押し返してくれるっ!!」

グググッ…ブオォッ!!

盗賊「…!?」


629 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:09:37.16 ID:KCYYxMoo
ゴオオォォォォッ!!

マジシャン「来た…っ!向こうも応戦してきたぞ!!」

隊長「…出番だ!トドメ刺してやれっ!!」

ザッザッザ…ザッ

南方魔道長「……おう」

最後尾に立ちはだかるな南方魔道士長が、ゆっくりと両手を前へかざす。

南方魔道長「………おおぉぉ!!」

ドドドドオオォォォンッ!!…ゴオオォォォォ!!

男隊員「押し込めぇ!!」

召喚士「ぐく…っ!!」

魔道士「いっけぇーっ!!」

ドドオオォォンンッ!!

隊長「いいぞっ!!弾き返した!!」

戦士「そのまま…っ、踏ん張れぇ!!」

女隊員「てやあぁーっ!!」


630 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:11:26.16 ID:KCYYxMoo
ガオオオオォォォォンッ!!…ドドオオォォ…

羅刹女「う…嘘っ!!」

ぶつかり合う突風はその威力を倍増させ、火焔山の頂上めがけ一気に走る。

炎をなぎ倒し一掃した風は、頂上より天高く抜け、周囲は静けさを取り戻した。

マジシャン「……」

魔道士「や…った…!?」

召喚士「…よしっ!道が開けた!!」

ダダッ!!

炎が吹き飛ばされ丸裸となった火焔山の一角。隊長は猛スピードで駆け上がる。

男隊員「続けっ!!」

女隊員「了解ッス!」

戦士「…っ!!」

タタタッ!!…

マジシャン「何だアイツら…!?早えぇ!!」

魔道士「戦士さんまで…っ!?」


631 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/13(金) 18:15:54.16 ID:KCYYxMoo
タタタッ…

戦士「…へっ、修行の成果だな…!」

男隊員「…あん?何か言ったか?」

戦士「何でもねぇっす!!」

青年兵「僕らも急ぎましょう!!」

マジシャン「…だな。やがて炎も戻っちまうだろうしな」

召喚士「…ええ!」

タッタッタッタッタ

隊長「急げぇ!一気に駆け上がんぞ!!」

女隊員「頑張ってるッスよぉ!」

タンッ…タタッ…タタタッ…

男隊員「おっ、見えてきた!山頂だ!」

隊長「このまま突っ込む…!迎撃態勢用意ーっ!!」

戦士「おうっ!!」

隊長を先頭に、男隊員、女隊員…そして戦士の四人は、火焔山山頂へと到達した。


646 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/14(土) 09:10:10.42 ID:pxh8oXQo
そういえばおまけの麻雀編ってどうなったっけ?
記憶がない…


655 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/15(日) 02:10:00.30 ID:eHN4AzEo
ちょっとあまり書き溜め出来ていないので、
後ほどまとめて投下致します!申し訳ありません…!

多数のご意見ありがとうございました。それではこのまま本編いきます!
オマケはいつも通り合間合間に挟みますので…宜しくお願い致します!

麻雀編は長くなった上に知っている人じゃないと分からないので、
そのうちまとめてあぷろだにでも…!
あぷろだといえば、うpありがとうございます!!
色付けたらツクールの顔グラとかに使えそう!
五人ともイケメン&美人で申し訳ないぐらいです!感謝!



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