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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
1 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2012/06/30(土) 00:06:53.45 ID:cFZVZ21vo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。


                           ――かもしれない……。

〜前回までのあらすじ〜

召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
5年にも及ぶ人間対魔族の闘いはいよいよ最後の戦いを迎える。
魔王サタンとの最終決戦、はたして人類に未来は……?
宿命の戦いの火蓋が今、切って落とされた。


◆7xまとめ様(いつもありがとうございます!)
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◆かぎまとめ様(日々のまとめありがとうございます!)
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◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
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◆前スレ(その39)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1336978397/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1340982413(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)


13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:48:37.57 ID:4hqx2kvlo
〜魔道学園〜

魔道士「こんにちはっ」

学園長「よく来て下さいましたね。どうぞ」

召喚士「失礼致します。先日はお疲れ様でした」

学園長「……?」

召喚士「伺いましたよ。こちらの皆さんも加勢なされたと」

学園長「ああ、その事ですか。大した力にもなっておりませんよ」

召喚士「いえいえ。北関の防衛には多大な貢献をなされたと」

学園長「貴方達こそ、本当にご苦労様でしたね」

召喚士「俺らにとって本当の戦いは、これからですよ」

学園長「……」

召喚士「心配しないで下さい。必ず無事、帰ってきますから」

学園長「約束よ?」

魔道士「はいっ。約束します!」

学園長「……そうだ、ちょっと来て貰える?」


14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:49:18.22 ID:4hqx2kvlo


魔道士「あの、学園長?」

学園長「さ、入って」

召喚士「ここは……?」

魔道士「教室、ですね」

学園長「久しぶりにお勉強しましょうか」

魔道士「えぇっ!?」

学園長「ふふっ。そこへ座って」

召喚士「お、俺も……ですか!?」

学園長「もちろんよ」

召喚士「……っ」

 テクテクテク……トスッ

学園長「それじゃ、ゆっくりと目を瞑って」

魔道士「……はい」

召喚士「……」


15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:50:12.96 ID:4hqx2kvlo
 サアアアアァァァァ

学園長「そのまま、心を落ち着かせて……魔力を体内に留めて……」

召喚士「……っ」

魔道士「…………」

 コオオオオォォォォ

学園長(……す、凄い……っ)

召喚士「……」

学園長(想像以上だわ……。こんなに滑らかで穏やかで、透き通っていて……)

魔道士「……」

学園長(それでいて、強くて真っ直ぐで、こんなに若いというのに……)

召喚士「……あの、もう宜しい……ですか?」

学園長「あ、ええ。ごめんなさい。目も開けて構わないわよ」

召喚士「ふーっ」

魔道士「どうでした?」

学園長「2人共、優秀よ。頑張ったわね」


16 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:51:23.35 ID:4hqx2kvlo
v〜南方司令部〜

南方魔道長「珍しいな。あんたが訪ねてくるなんてよ」

大軍師「本日は南方参謀殿にお話が」

南方魔道長「おあっ、ついに左遷か?」

南方参謀「失礼ねぇ。南方司令部で1番働いてるのは誰だと思っているのよ」スタスタ

大軍師「お忙しいところ、申し訳ありません」

南方参謀「いーえ。そっちこそ忙しいんじゃないの……って、あらっ?」

戦士「おいっす」

盗賊「どうも」

南方参謀「どういう事? 全っ然、話が見えてこないんだけど」

大軍師「美女、という方をご存知ですか?」

南方参謀「……それ本名? 違うのなら知ってるわ」

戦士「!?」

大軍師「どういうご関係で?」

南方参謀「美女は源氏名。本当の名は……」


17 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:52:12.90 ID:4hqx2kvlo
〜魔道学園〜

召喚士「あっ」スタスタ

魔道士「火の先生っ、水の先生!!」

水の先生「やあ、魔道士」

火の先生「今日は学園長に、説教でもされにきたか?」

魔道士「もうっ、違いますよ!」

学園長「今日はもう、帰るのかしら?」

召喚士「ええ。そろそろ本国へ戻ろうかと思います」

水の先生「いよいよ、サタン討伐か」

召喚士「はい」

魔道士「では学園長、行ってきます」

学園長「約束よ? 必ず戻っていらっしゃい」

魔道士「はいっ!」

召喚士「それでは、失礼致します」

学園長「ええ。魔道士さんを宜しくね」


18 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:52:38.94 ID:4hqx2kvlo
 テクテクテクテク……

学園長「……」

火の先生「良いものだろうかな」

水の先生「……?」

火の先生「若い連中が覚悟をもってして挑むというのに」

水の先生「同感です。やはり、このまま傍観というわけには……」

学園長「……そうね」

火の先生「しかし学園長は、行くというわけには」

学園長「……っ」

水の先生「彼にも頼むとしましょうか」

火の先生「ん? 彼……?」

水の先生「ほら、彼ですよ。あそこに」

学園長「そうね。連れて行ってあげて」

火の先生「まぁ、居ないよりは役に立つか」

賢者「……? ふぅ」


19 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:53:24.49 ID:4hqx2kvlo
〜南方司令部〜

戦士「はぁ!?」

南方参謀「だから、彼の名は『オカマ』。私の店のコよ」

大軍師「やはり関係がありましたか」

南方参謀「あのコったら、ベルゼブブ討伐の時に、お店を任せてたんだけど……」

盗賊「店?」

南方参謀「そっ、お店。知ってる? 2丁目界隈はちょっと評判の……」

戦士「んで?」

南方参謀「……。まー前からちょっと性格に難アリっていうか……」

大軍師「成程。ところで、南方参謀殿はご存知だったのですか?」

南方参謀「何が?」

大軍師「彼が、召喚士だという事を」

南方参謀「そうなの!? 知るわけないじゃないっ」

大軍師「やはりそうですよね」

南方参謀「話が本っ当に読めないんだけど……。ちょっと最初から説明してくれる?」


20 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:54:01.87 ID:4hqx2kvlo


南方参謀「あの赤い彗星の!?」

盗賊「うん」

南方参謀「初耳だわよっ。なんなのそれ……っ」

戦士「だいたい、働く時に身分とか聞かねーのかよ?」

南方参謀「聞くけどワークショップや軍じゃあるまいし」

大軍師「細かな家庭環境までは確認はしないですよね」

南方参謀「だいたいお店がお店なんだし、カワイけりゃいいのよ」

盗賊「……」

南方参謀「それに、色々と事情があるコも多いしね……」

戦士「事情……」

南方参謀「うん。男であっても、心は女だったりとかね」

盗賊「……」

南方参謀「意外と、娯楽でやってる人よりも多かったりするのよ」

戦士「……そっか」


21 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:54:32.45 ID:4hqx2kvlo
南方参謀「それで居場所を聞きたいって事よね?」

大軍師「はい。もしお力を借りる事が可能ならば、大きな戦力となるでしょうから」

南方参謀「家の場所は分かるけど、居るかは分からないわよ」

大軍師「構いません」

南方参謀「ま、私もとっ捕まえたいところだったし、ちょうどいいわ」

盗賊「そうなのか?」

南方参謀「さっき言ったでしょ? お店を任せておいたって」

戦士「何かあったのか?」

南方参謀「何かもくそも、とんでもないわよ。メッチャクチャよ」

戦士「……?」

南方参謀「お客さんはほったらかしだわ、店内はぐっちゃぐちゃだわ……」

盗賊「ご愁傷様です」

南方参謀「ふん縛ってでも捕まえて、色々とお仕置きしないとね」

戦士「お、お仕置き……っすか」

南方参謀「そうよぉ〜。お仕置きしなきゃね〜」


22 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/01(日) 23:55:22.90 ID:4hqx2kvlo


大軍師「ここですか?」

南方参謀「履歴書によると」

戦士「なんか思ったよりもボロっちいな」

大軍師「ご実家から考えると確かにそうですね」

南方参謀「102号室……ここね」

 コンコン

戦士「……居ないみたいだな」

大軍師「帰ってないのでしょうかね?」

盗賊「……いや、何か……気配がする」

南方参謀「!?」

盗賊「中からではない。……あっちか!?」ババッ

美女「!?」

戦士「あの影に何かいるぞっ!!」

美女「くっ!」


26 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 04:20:42.31 ID:CbVbDgbDO
いちょつ

この先名前そのまんまオカマにすんのだけはやめてくれw


33 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:52:44.51 ID:l0X5JTwZo
 ダッ!!

戦士「逃がすかよっ! 回りこめっ、盗賊!」

盗賊「ああ!」バッ

美女「くっ、なんなの!? なんでアイツと店長まで一緒にいぃ!!」

盗賊「見つけたっ!」ズザッ

美女「――っ!?」

 ガシィ!! ドシャアァ

美女「く……っ! 離せぇ!」

盗賊「戦士っ」

戦士「よくやった!」

美女「離……っしなさいよ!」

戦士「そうはいくか。お前には聞きたい事もあるんでな」

美女「いいから離せ――」

南方参謀「よーやく会えたわねぇ〜」ニコニコ

美女「――――っ」


34 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:53:22.26 ID:l0X5JTwZo


美女「……」ツン

南方参謀「いつまでダンマリ決め込んでるつもりかしら〜?」ニコニコ

美女「……っ」

大軍師「あなたが美女さんですね?」

美女「……」

大軍師「私は国軍副司令、大軍師と申します」

美女「……」ツン

大軍師「実はあなたに、ご協力を求めるべく、探しておりました」

南方参謀「ちょい待って。先にこっちの話から片づけさせてよっ」

戦士「おい、俺の話が先だろ」

南方参謀「何でよ!? 時系列的に言ったら最初の被害者は私……」

戦士「探すの諦めてたくれに何を言ってんだ」

大軍師「まぁまぁ、ここは順序よく、かつ効率的にですね……」

美女「……ウルサイウルサイっ、ウルサーイ!!」


35 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:54:57.29 ID:l0X5JTwZo


大軍師「ではまず、どうして戦士殿をつけ回していてのですか?」

美女「別に。強いから付いてきゃ稼げると思ったのよ」

大軍師「本当にそれだけですか?」

美女「……強いて言うならあとは、ちょっとタイプだったからかしらっ♪」

盗賊「!?」

美女「まーキスもしたし、もう別にそれ以上の興味はないわん」

盗賊「――――っ!?」

戦士「事故だっ! 事故!!」

盗賊「……っ」キッ!!

美女「何よ? てかアンタ……誰よ?」

大軍師「話を続けますよ。では、本当にそれ以外は何もないんですね?」

美女「ないわよっ! こいつに北で助けられてってか、勝手に助けてただけだけど」

戦士「何ぃ!?」

美女「そんで使えるって思って、付いてっただけだもんっ」


36 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:56:18.39 ID:l0X5JTwZo
盗賊「……」

美女「そしたらこのクソ真面目な男が、軍に引き渡すっていうから……」

大軍師「竇茂した、と?」

美女「そっ。北関でこいつが金持ってるって確信したし」

戦士「……」

美女「まぁ連中が鉱山の町まで追っかけまわしてくるとは思わなかったけどね」

大軍師「成程。戦士殿、これ以上の理由は特になさそうですね」

戦士「くそっ。身勝手で人を引っ掻き回しやがって……」

美女「勝手に引っ掻きまわってただけでしょー」

戦士「んだとぉ!?」

盗賊「落ち着け」

戦士「……くっ」

大軍師「では次に、南方参謀殿のお店を任されていたのですよね?」

美女「……」

南方参謀「ちゃーんと薄情なさいよ?」


37 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:56:54.71 ID:l0X5JTwZo
美女「……最初は……真面目にやってたもんっ」

大軍師「では何故、途中で投げ出してしまったのです?」

美女「えー? だってお客さんがムカついたんだもーん」

大軍師「……そ、そうですか」

南方参謀「まさか変な事されたんじゃないでしょうね!?」

美女「それは大丈夫。そんな連中は顔面パンチで1発だから」

南方参謀「何してくれてんのよアンタはっ!!」

大軍師「では、どうなさったのです?」

美女「ナンバーワンの私より、上が居るって言うのよ!」

南方参謀「へぇー。アンタより上が居るだなんて、ぜひスカウトしたいわね」

美女「だったらもう店、辞めるもんっ!!」プイッ

南方参謀「何をそんなにヘソ曲げてるのよ」

美女「みんなして……ヒイキするんだもん」

南方参謀「誰なのそれ? ヨソの店の子?」

美女「知らないっ。召喚子って言うらしいわよ」


38 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:57:31.38 ID:l0X5JTwZo
〜ターミナル〜

召喚士「……」ゾワッ

魔道士「召喚士さん、どうしました?」

召喚士「いや……何やら急に寒気が」

魔道士「やめて下さいよ……大事な戦いの前なんですから」

召喚士「すみません。でも風邪とかじゃないと思いますけど……」

魔道士「あとは本国へ向かって、盗賊さんと戦士さんと合流するだけですねっ」

召喚士「ええ。ワークショップへの伝言だと、2人はもう合流しているみたいですし」

魔道士「いよいよ……ですね」

召喚士「いよいよですね」

魔道士「……どうでしたか?」

召喚士「え? ああ、今回の旅ですか?」

魔道士「はいっ」

召喚士「有意義だったと思います」

魔道士「……」


39 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:58:21.65 ID:l0X5JTwZo
召喚士「俺、今までずっと後悔してきたんです」

魔道士「後悔……ですか?」

召喚士「はい。本当に正しかったんだろうか、もっとうまくできたんじゃないか……って」

魔道士「……っ」

召喚士「でも各地を回って思いました。後悔しても仕方がない。もう終わってしまった事なんだって」

魔道士「……ええ」

召喚士「吹っ切れたわけじゃないですけど、過去を生かして生きていかなくちゃいけないなって」

魔道士「そうですよね……」

召喚士「亡くなった皆の思いを、責任を抱えて、今後ずっと……生きて行かなきゃなって」

魔道士「重い……ですね」

召喚士「ええ。死ぬ事より辛い未来かもしれません。でも生かされたのはそういう事ですから」

魔道士「そう、かもですね」

召喚士「みんなの力を得て、思いを継いで、そして次の世代に繋いでいくんです」

魔道士「……はいっ」

召喚士「それが俺の、俺らの……宿命なのかもしれません」



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