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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
880 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:57:04.40 ID:ZlXDiOZro
昨日は腰痛くてこれませんでした…ゴメンね!↓続き


881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:57:33.60 ID:ZlXDiOZro
弓使い「女……賢者さ……」

女賢者「道に迷っちゃって……」ウルッ

 ザッザッザッ

女賢者「それでっ、来てみたら……こんな……こんな事……っ」

お父「……」

女賢者「どういう事なの? 誰が……こんな事を――」

お父「……?」
女賢者「……?」

お父「……ウ……ウゥ」
女賢者「……あ、頭が……痛……っ」

 ズキイイィィ!!

 それは偶然か宿命か。お父と女賢者は互いの顔を見合わせると、

 同時に頭痛に見舞われ、頭を抑えしゃがみこんだ。

弓使い「な、何……?」

お父「ウ……ウグオオォォ」

女賢者「頭がっ、割れるように……痛い――」


882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:57:59.26 ID:ZlXDiOZro
 ピッキイイイイィィィィン!!

お父「ウ……ッガアアアアァァァァ!!」
女賢者「――――っ!!」

……――

 1人の若い優男が、1人の若い大男に言葉をかけていた。

優男『本当にすまんっ!』

大男『何を言っている。めでたい事じゃないか、気にするな』

 1人の若い優女が1人の若い大男の言葉に重ねて声を発した。

優女『でもっ、私が抜けてこの人も不在じゃあ……』

大男『しばらくはソロで野良でもやるさ』

優男『お前の技量ならソロでも心配はないが……』

大男『他のパーティ−を組む気はない。勝手だが、俺はお前らと一緒だからここまでこれた』

優女『……っ』

優男『……ふー、分かったよ。そんな嬉しい事を言われちまったら、何も言い換えせねぇよ』

大男『俺は待ってるぞ。だから、しっかりと元気な赤ん坊を産んで、戻ってきてくれ』

優女『……うんっ、ありがとう』


883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:58:26.91 ID:ZlXDiOZro


赤ん坊『ほぎゃーっ、ほぎゃーっ!』

 コンコン カチャッ

大男『この鳴き声からすると、元気そうだな』

優男『来てくれたのかっ! ああ、見てくれ! 元気な女の子だよっ』

大男『これ、つまらんものだが……』ガサッ

優女『気を遣ってくれなくてもいいのに〜。ありがとうっ』

大男『……うーん。どっちにも似ているような似ていないようなだな』

優男『まだ生まれて間もないし、これからさ』

優女『どう? あなたも結婚して、子供が欲しくなったんじゃない?』

大男『冗談じゃない。この俺が父親などと……』

優男『いやー、俺は結構……良い父親になると思うけどなぁ』

大男『馬鹿を言え。俺が欲するものは力だけだ』ムスッ

優男『こういう男が、意外とコロッと代わったりするんだよな。あははっ!』

優女『ふふふっ、あははははっ!』

大男『……っ』ポリポリ


884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:58:58.33 ID:ZlXDiOZro


大男『本当にいいのか?』

優男『ああ。娘も3歳になった。もうそろそろ大丈夫だろう』

優女『久々だから鈍ってるでしょうし、まずは簡単な任務が良いわね』

大男『もちろんそのつもりだ。任務は好きに任せる。徐々に慣らしていこう』

優男『お前がいれば百人力さ。この数年間で更に強くなった力、見せてくれ』

大男『ああ。心配するな』バシッ

優女『それじゃ行きましょうか。まずは本国へ向かいましょ』

優男『……それでは村長、娘をお願い致します』

村長『気を付けるのじゃぞ? この子の為にもな』

優男『もちろんです!』

大男『……』

優女『それじゃ、行ってくるわね……幼女』

幼女『いってらっしゃい』

優男『すぐに戻るから、大人しくしているんだぞ。じゃあ行ってくるよ』


885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 17:59:28.07 ID:ZlXDiOZro


大男『ふんっ!!』ドッゴオオォォォォ!!

魔物『……グウウ……ウアアァァ!!』

大男『!?』

 ザシュッ!! ツツーッ

優男『この……野郎っ!!』ビュオッ!!

魔物『……チッ』ババッ

優男『大丈夫かっ!?』タッ

大男『俺はいいっ。それよりも……魔物は?』

優女『逃げたわ。さ、腕を出して』

 パアアアアァァァァ……

優女『……はいっ。これで良し』

大男『たかがかすり傷で、こんな……』

優女『いいのいいの。私もだいぶ実戦で勘を取り戻してきたし、魔力もバンバン使わないと!』

優男『そうそう。剣も魔力も拳も、使わなければ錆び付いて鈍っちまうってわけさ』


886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:00:00.09 ID:ZlXDiOZro


優男『国軍からの指名任務?』

大男『無論、拒否権はある。割と困難なものだし無理をする必要はない』

優女『でも、国軍が直に言ってきたって事は……』

大男『……ああ。それだけ報酬も高いし、成果や功績も大きいものだ』

優男『だったらやるべきなんじゃないか?』

優女『でも、危険も伴うわけでしょ?』

優男『指名の場合は仮に任務失敗しても補償金が出るからね』

大男『まぁ、いざとなれば退いても、そこまでの評価で補償はされるわけだ』

優男「何より、お金よりも国軍に認められたってのが大きいよな!』

優女『確かにそうかもね。私達もついに……ってカンジね!』

大男『それで、どうする?』

優男『受けるだけ受けてみよう。やっぱりただ断るってのは気が引けるよ』

優女『せっかくの国軍依頼だしねっ』

大男『分かった。だが無理だけはするなよ? それが条件だ』


887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:00:32.45 ID:ZlXDiOZro


大男『ど、どういう事だ……!?』

優女『同士討ち……っ?』

優男『おそらく幻術の類だろう。どこかに術士が居るはずだ』

大男『俺が行く』ザッ

優女『1人で大丈夫?』

大男『むしろ1人の方が、術にかからずに済む』ザッザッ

優男『俺らはこの同士討ちを収拾しよう』

優女『そうねっ』

 タタッ ザザザザザザッ

大男『……あれか』ピクッ

道士『……?』

大男『はああぁぁーっ!!』ズッガアアァァ!!

道士『んな――』ドシャッ

大男『……あっけなかったな』


888 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:01:04.59 ID:ZlXDiOZro


優女『はい、大丈夫?』パアアァァァァ

ワーカー『……プリーストかっ、助かったぜ』

大男『そっちはどうだ?』ザッザッ

優男『今、片付いたところさ。術士の方は?』

大男『あの崖の所、見えるか?』

優男『……いや、何もないが』

大男『――!? しまった……あれも幻術か……っ』

優男『逃したか? まぁいいさ。俺らの任務である救出は成功したんだからな』

優女『……よしっ、回復おしまい! これで全員よ』

ワーカー『ありがてぇ……助かったぜ。しかしアンタすげーな、こんな回復初めてだぜ!』

優男『さぁ、ここから脱出しよう。動ける者は怪我人をサポートしてくれ』

一同『おぉーっ!』ザッザッザッ……

 フワッ

道士『……厄介な人間だな。殺しておくか』


889 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:01:31.19 ID:ZlXDiOZro


大男『……』ザッザッザッ

 ピタッ……ドサッ

大男『……こ……れは……っ!?』

 タッタッタッタッタッ……バンッ!!

大男『――――!!』

優男『…………』

大男『優男っ!!』ガバッ

優男『……幼……女、頼……っ』

大男『何があった!? 何故、村が……っ!!』

優男『魔物……幻……術……』ゴポッ

大男『他の連中は!? 幼女はっ!!』

優男『よ……女……地下……』

大男『……優女はっ!!』

優男『頼む……ぞ……お父――』ガクッ


890 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:01:59.77 ID:ZlXDiOZro
お父『――っ!!』

優男『…………』

お父『……うおおおおぉぉぉぉ!!』

 ガンッ!! フルフルフルッ

お父『どうしてだっ、どうして……こんな……』

 カタッ

お父『……? 地下……そうだっ、幼女!』ガバッ

 タンタンタンッ……ザッ

幼女『……』

お父『息は……あるっ! 気を失っているだけか……っ』スクッ

幼女『……』

お父『優男は死んだ……っ。優女も……くそっ!』

幼女『…………』

お父『こんな幼い娘を残してっ、どうしてだ……どうしてっ!!』

幼女『……お……父さ』ムニャッ


891 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:02:31.61 ID:ZlXDiOZro


 ザッザッザッ……

幼女『……んっ』モゾッ

お父『……』

幼女『!?』

お父『起きたか』

幼女『降ろしてっ、降ろしてー!』ジタバタ

お父『暴れるな。今、降ろしてやる』スッ

幼女『……っ』

お父『泣くなよ。俺だって好きでやってるわけじゃない』

幼女『お父さんと……お母さんは……?』

お父『……』

幼女『村は? ここは……どこ?』

お父『幼女、村に戻りたいか? だとすればこれから目に映る光景をしっかりと理解するしかない』

幼女『……?』


892 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:02:58.50 ID:ZlXDiOZro


幼女『…………』

お父『村は、魔物に襲われ……そしてお前の父と母も……死んだ』

幼女『……』

 フラッ……バタッ

お父『……まだ3歳なんだぞっ、神はこの子に何故っ、こんな試練を与えるのだ!!』

 ダキッ

お父『優男、女賢者。俺はお前らの忘れ形見を絶対に……死なせたりはしない!』

 ザッザッザッ……

優女『……ぅ』

 ゴトッ ガラガラッ

優女『……痛……ったぁ。何よ……もぅ』

 ヨロッ キョロキョロ

優女『……ここは……どこ? っていうか、私は……誰?』

 ヨロヨロッ テクテクテクテク……


893 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:03:28.56 ID:ZlXDiOZro


道士「……」

 フワッ スタッ

道士「……何か?」

ネクロマンサー「こんな小さな村、消したところで何もありませんよ?」

道士「気になる人間がおりましてね」

ネクロマンサー「そうですか。しかし貴方が恐れる程の感覚はありませんでしたが」

道士「何も五行や攻撃だけが脅威ではないと言う事です」

ネクロマンサー「……」

道士「回復。それもとてつもない治癒能力を持った人間もいるかと」

ネクロマンサー「ああ、そういう事ですか。確かにそれはありますねぇ。ククッ」

道士「人間は蘇生の術を持たない。しかし命ある限り、必ず治癒する事は出来なくもない」

ネクロマンサー「己の生命力を相手に与えるというあれですね」

道士「あの女はその力を持っていた。だから消しました」スッ

ネクロマンサー「……ククッ。人は蘇生する術を持たない。だからこそ私はこの道を選んだのです」フッ


894 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:04:01.49 ID:ZlXDiOZro
――……

 ピッキイイイイィィィィン!!

女賢者「――――っ!!」ハッ!!

お父「……グ……ウゥ」

女賢者「……そう、だったのね」スッ

お父「!?」

 タァンッ!! ズザァ

女賢者「……酷い有様ね、でももう大丈夫だから」

 パアアアアァァァァ

剣士「…………ん」

弓使い「剣士!!」ダッ

剣士「……ぼ、僕は……っ」

弓使い「……何とも……ないのっ!?」

剣士「ああ。不思議だ……っ。痛みも何も……感じない」ググッ

弓使い「……っ」


895 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:04:28.84 ID:ZlXDiOZro
女賢者「次は……幼女」スクッ

 パアアアアァァァ

幼女(……何だろう、とってもあったかい)

女賢者「……っ」

幼女(何だかとっても懐かしいし、いい匂いがする。これって……)

女賢者「お願いっ、治って」グッ

幼女「……う、うぅ」

女賢者「幼女っ!!」

幼女「……女賢者……さん?」

女賢者「折れた右腕は治したわ。もう骨も痛みも、大丈夫」

幼女「……!?」グイッ

女賢者「最後は弓使いさん。待たせてゴメンね」スッ

弓使い「わ、私は別に……」

女賢者「いいからっ」グイッ

 パアアアアァァァァ


896 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:04:58.73 ID:ZlXDiOZro
弓使い「……っ!!」

剣士「女賢者さんっ、あなたのこの力は一体……っ」

女賢者「……よしっ、これで大丈夫! それじゃ退がってて」スクッ

弓使い「!?」

女賢者「あの人は……私が倒すから!」クルッ

お父「……」

女賢者「……久し振りね、お父」ザッザッ

剣士「――!?」

幼女「お父を……知っているの!?」

女賢者「あなたは……あなたはずっと幼女の事を……」ツツー

お父「……オ……アアァァッ」

女賢者「私のせいで、私達のせいで……あなたまで……っ」ボロボロボロッ

お父「……ガ……アアアアァァァァ!!」ドンッ!!

女賢者「私があなたをっ、開放するからぁ!!」

お父「……!?」


897 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:10:46.76 ID:ZlXDiOZro
 ゴゴゴゴゴゴ……

ネクロマンサー「何です? そんな事が……ッ」

召喚士「どこを見ている! ネクロマンサー!」ズバッ

 シュイイィィィィン

コカトリス「ハアァーッ!!」

ネクロマンサー「ちッ、いつもいつもコカトリス。忌々しい」ババッ

召喚士「……逃がすかっ!」

ネクロマンサー「しかし、瀕死であったはずの人間がまるで無傷のような状態に……」

魔道士「やあっ!!」ドドオオォォォォン!!

ネクロマンサー「……それよりも、私の領域にいとも容易く侵入してきた……?」

コカトリス「食らうがいいっ!」

 ゴッゴオオオオォォォォ!! ビシビシビキッ!!

ネクロマンサー「因果だとでも言うのですか……ッ」

召喚士「……やはり石化しても、無駄かっ」

ネクロマンサー「……まぁいいでしょう。舞台にハプニングは付き物ですからね」


898 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:11:33.29 ID:ZlXDiOZro


 ズガガガガガッ!! ガガガガッ!!

盗賊「……っ」

兄様「……」キィン

盗賊(この数年っ、戦いに身を置き……腕を磨いてきたつもりでいた……っ)

 ガガガガガガッ!! ズザァ……

盗賊(それでもこの状況……っ、兄様には到底、辿り着けぬというのか……っ)

兄様「……」スッ

盗賊「っ!?」

兄様「……」ヒュオッ!!

 ゴガガガガッ!! キィン……ガキンッ!! ズガガガッ!!

盗賊「くっ!」

兄様「……」ブオッ

盗賊「しま――」

 ガッキイイィィィィン!!


899 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:12:12.19 ID:ZlXDiOZro
盗賊「…………っ?」

兄様「……?」

 ブンッ スタッ

盗賊「……あ……っ」

影忍「何をしているっ、盗賊!」

盗賊「兄様っ!」

影忍「お前の実力は……こんなものいではないはずだっ!」

 ビュオッ ドッゴオオォォォォン!!

影忍「……」スタッ

盗賊「兄様……っ、一体……」

影忍「あれが私の本体か?」

盗賊「!?」

兄様「……」ムクリ

影忍「……いや、今の手応え……そんな感じはなかった」

盗賊「じゃあ……」


900 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:12:53.93 ID:ZlXDiOZro
影忍「本体はまだ別にいる。とにかく、あの偽者を倒すのが先決だ」

盗賊「はいっ!」チャキッ

兄様「……」

影忍「しかし、自分と戦うのは気が引けるが……」ズザッ

 タアンッ!! ズガガガガガッ!!

影忍「手加減はせぬぞ! 偽者めがっ!」

兄様「……っ」

 スガガガガッ!! ドドオオォォ!!

影忍「盗賊っ、左右から挟撃で攻めるぞ!」

盗賊「は、はいっ!」ザザッ

兄様「……」チャキッ

影忍「奥義……疾風!!」

盗賊「怒濤っ!!」

 ギュバッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

盗賊「……や……った?」


901 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:13:37.01 ID:ZlXDiOZro
 シュウウゥゥゥゥ……

兄様「……」ムクリ

盗賊「!?」

影忍「やはり、五行しかないか」

盗賊「……っ」

影忍「しかし……」チラッ

盗賊「……兄様、私がやります」

影忍「……」

盗賊「私が……五行で……」

影忍「盗賊、今のお前ならば出来るかもしれん。しかしだ、完全ではない」

盗賊「……はい」

影忍「少なくとも時間を要するし、動く相手に撃つには精度に欠ける」

盗賊「しかしっ、それ以外に手は……」

影忍「分かっている。ここは任せてるぞ。今のお前ならば、五分以上に戦えるはずだ!」バッ!!

盗賊「……兄様」


902 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:14:15.04 ID:ZlXDiOZro


 ガッキイイイイィィィィン!!

戦士「……ぐくっ」

偽戦士「……っ」ギリギリッ

戦士(どういうこった!? 俺のはずなのに……俺じゃねぇ……っ!!)

偽戦士「……アアァァァァ!」

 ドッガアアァァァァ!! ズザザアアァァ……

戦士「くそっ――」

ネクロマンサー『ククッ、貴方の中にある脅威。それを表面化しているのですよ』

戦士「!?」

ネクロマンサー『騎都尉、とか言いましたっけ? その槍捌き……いかがです?』

戦士「うおっ!」

偽戦士「アアアアァァァァ!!」

 ババババッ!! ズガガアアァァァァ!!

ネクロマンサー『貴方が絶対に勝てないと恐怖を抱いている相手。クククッ!』


903 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/19(月) 18:15:16.41 ID:ZlXDiOZro
戦士「ナメんなっ! 俺は……騎都尉っ、アンタを越える!!」

偽戦士「……」

 ズガガガガッ!! ドドオオォォ

戦士「ぐあっ!」ドシャッ

ネクロマンサー『しかも実力ではなく、貴方の抱く想像上のもの』

戦士「……くっ」

ネクロマンサー『その思いは遥かに実力を凌ぐ、恐怖、脅威でしょうねぇ。ククッ』

戦士「……要は、俺の想像上にある騎都尉がそのまま反映されてるってんだろ?」

ネクロマンサー『ご名答ッ』

戦士「だったら大した事はねぇ!」

ネクロマンサー『……?』

戦士「本物の騎都尉はなぁっ、こんなに弱かねぇんだよ!!」バッ!!

偽戦士「……ッ」

 ズッギャアアアアァァァァ!!

戦士「ドッペルゲンガー!! 目を覚ましてくれっ!! 俺に……気付いてくれぇ!!」


909 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/03/19(月) 20:12:00.24 ID:no1czCV50
>>1 おつ
女賢者は生命力を相手に与えて治癒してるのか…大丈夫なのか



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