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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
254 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:04:10.94 ID:dhau9zgo
まもなく日は暮れ、討伐隊の一行は都へと辿り着いた。

〜都〜

町人「来たぞー!上様じゃあ!!」

女「上様ーっ!」

ワアアァァ

戦士「すっげぇ人だかり……」

召喚士「やっぱり上様の存在は大きいからね」

魔道士「ですよねっ」

名代「上様、皆が出迎えてくれておりますぞ」

帝「……ああ」

帝は馬上より左右の出迎えに手を振り、笑顔で応える。

鬼丸「さて……と」

戦士「…行くのか?」

鬼丸「…ああ。俺は橋の下が性に合ってる。落ち着くしな…グハハ!」

戦士「……そっか」


255 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:06:58.23 ID:dhau9zgo
鬼丸「俺はいつでもあそこにいる」

戦士「…ああ。また必ず来る!そん時は……」

鬼丸「…おう!元気でな、相棒!!」

戦士「お前もな…鬼丸っ!!」

二人は固い握手を交わし、ニッコリと笑顔で向かい合う。

魔道士「鬼丸さんっ!お元気で!!」

盗賊「…世話になった」

鬼丸「おう!」

召喚士「…また、会う日まで!」

鬼丸「お前らもしっかり頑張ってな!!」

ザッザッザッザッザ

戦士「……すっかり人間らしくなっちまって」

魔道士「ええ。もう魔物なんかじゃないですよ!人間ですっ!」

盗賊「……」

召喚士「…さぁ、俺らも城へ向かいましょう」


256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:10:12.70 ID:dhau9zgo
〜都、帝の城〜

門番壱「…開門、開門ーっ!!」

門番弐「上様……ご到着ぅー!!」

隊長「…やっと終わったな」

西方参謀「…だぁな」

隊長「…ん?どこ行くんだ…城に入らんのか?」

西方参謀「先にワークショップ経由で殿下に密書を送る」

隊長「…おぉ、すまん。任せる」

西方参謀「フットワークは軽いに越した事ぁない。先に行っててくれや」

隊長「……ああ」

西方参謀は一人、ワークショップへと向かう為、脇道へと消えて行った。

戦士「隊長、どした?」

隊長「…おう、んじゃ行くとするか」

魔道士「名代さんが宴をするって言ってましたよ!」

隊長「ほぉー!そいつは楽しみだ…ははは!!」


257 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:15:14.28 ID:dhau9zgo
こんばんはー!此度も多大なるご支援…まことに感謝っ!!
掻い摘んで少しレスをば…

>>207
これは素晴らしい…!いただきます!

>>216
良いところにお気づきで……

>>239-240
雷忍(らいにん)、雷(かみなり)で一応考えてます
>>242さんが正解ですー!!

>>244
魔道士「そんな事はありませんっ!そんな失礼な事言う人は…気にする必要ないですよ!」

>>247
お大事になさって下さい!

>>248-249
まぁそうなんです…。彼らも葛藤を抱えていると思います…

では、おやすみなさいです!!ノシ


258 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:18:46.35 ID:dhau9zgo
〜オマケ〜

雷忍「…うーむ。非常に拙い事となったぞ」

スタスタスタ

師匠「おっと、新しい客か?若いのにご苦労なこった」

雷忍「……!?」

師匠「どしたい?何を悩んでる?」

雷忍「い、いえ…実はですね……」

師匠「何だよ、この師匠様が話ぐらい聞いてやらんでもないぞ?がはははっ!」

雷忍「実は…ロリコン疑惑を残したまま死んでしまいまして……」

師匠「……」

雷忍「なかなか汚名返上する機会もなく…どうしたものかと……」

師匠「……諦めな」

雷忍「えっ!?」

師匠「ここに来ちまったらもう出番はねぇよ。諦めな!がっはははは!!」

雷忍「そ、そんな…!そんなああぁぁ!!」


259 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/02(木) 00:43:04.02 ID:pJldBYAO
かつてあれほど漢らしい最後を迎えたロリコンがいただろうか…ww

>>1乙!


264 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:03:18.29 ID:dxx.5Uso
テクテクテク…

召喚士「あれ…?名代さんは……」

魔道士「さっきまで…一緒だったんですけど…」

戦士「一旦屋敷に寄るって言ってたぞ。先に行っててくれって」

召喚士「……そっか」

盗賊「…行くとするか」

魔道士「はいっ!」

テクテクテクテクテク

〜名代の屋敷〜

タッタッタッタッタ

名代「……っ」

使用人「…おぉっ、旦那様……!」

名代「大事ないか!?」

使用人「わ、私は…それよりも巫女様がっ!」

名代「……ああ、存じておる」


265 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:04:19.61 ID:dxx.5Uso
使用人「それと……小姓が……」

名代「…!?」

ダッ!!

名代「……はぁ…はぁ」

タッタッタ…ガラッ

名代「……はぁ…はぁ……はぁ」

医者「……」

名代「…こ、小姓は…っ?」

医者「…この通り、眠っておられます」

小姓「……」

名代「命に別状はないのだな…っ?」

医者「はい。手傷を負ってはおりますが大丈夫です」

名代「……そ、そうか」

小姓「……ん」

名代「!?」


266 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:05:21.04 ID:dxx.5Uso
小姓「……名代…さま…っ」

名代「具合はどうだ?大事ないか!?」

小姓「も、申し訳ありませぬ……巫女殿を……」

名代「……」

小姓「巫女殿を…お守り出来ませんでした…っ」

名代「……小姓」

使用人「昨晩…怪しげな妖怪が屋敷へ侵入しまして……」

小姓「数名で迎撃でいたのですが…全く歯が立たず……」

名代「皆、よくやってくれた。礼を言うぞ」

小姓「…そんな事は。……すみません」

名代「妖怪は黒尽くめの人型だな…?」

使用人「その通りで御座います」

小姓「刃が…幾ら斬っても刃が通らず……不死身の妖かと」

名代「もう良い。今はゆっくりと休むのだ…」

小姓「申し訳……ありませぬ……っ」


267 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:06:08.24 ID:dxx.5Uso
〜帝の城、大広間〜

家老「よくぞ戻られた!さぁさぁ、お座りなされ!」

召喚士「失礼します」

魔道士「…うわぁ!」

戦士「相変わらず凄げぇな……」

盗賊「……だな」

隊長「……よっこいしょっと」

テクテクテク

隊長「おう、早かったな」

西方参謀「おっ、生魚か…!これは酒に合いそうだ!」

戦士「そればっかだな……」

帝「名代はまだ戻って来ぬのか?」

女剣士「……そのようで」

家老「直に戻って参ります。料理が温かい内に…先に始めましょう」

帝「……そう致すか」


268 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:07:28.74 ID:dxx.5Uso
ザッ

帝「ヤマタノオロチは倒した。これもひとえに皆の力があったからこそだ」

女剣士「……」

帝「労いも兼ねて、まずは疲れを癒してくれ」

スゥッ

杯を掲げる帝に続き、一同も無言で杯を頭上へ掲げる。

家老「……さぁ、祝いましょう。たらふく召し上がって下され」

西方参謀「……んっ、んぐっ、んぐっ……ぷはぁー!」

盗賊「早っ!」

魔道士「これは…何ですか?」

女中「烏賊の塩辛に御座りまする〜」

魔道士「塩辛?……あ、美味しい…っ!」

召喚士「戦士、お疲れ様」

戦士「おう、サンキュ」

トクトクトクッ


269 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:08:20.17 ID:dxx.5Uso
戦士「……ぷはぁ!うんめぇ!」

召喚士「……」

戦士「…どした?素直に喜べないか?」

召喚士「……まぁ」

戦士「上様」

召喚士「え…?」

戦士「…ん」

促す戦士を見て、召喚士は帝の方へ顔を向ける。

戦士「長年、雷忍と共に過ごして、ましてや最年少で…女で…」

召喚士「……」

戦士「そんな上様が心配かけまいとあれだけ笑顔で振舞ってる……」

召喚士「……」

戦士「その心意気にお前が乗らないでどーすんだよ」

召喚士「…ごめん」

戦士「まぁ、気持ちは分かるけどよ…っ」


270 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:09:01.56 ID:dxx.5Uso
トクトクトク

帝「酒か?」

家老「何を仰られるか。茶に御座います」

帝「そうか」

テクテクテク

女剣士「……」

帝「楽しんでおるか?」

女剣士「…はい」

帝「…何か言いたげだな」

女剣士「献杯でなくとも、宜しかったのですか?」

帝「…折角の勝ち戦ぞ。気を盛り下げてどうする」

女剣士「ご、ご尤もにて……

帝「それに、献杯などして喜ぶと思うか?」

女剣士「……」

帝「辛い時こそ笑顔でいる。そういう男であろう?雷は……」


271 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:09:35.39 ID:dxx.5Uso
テクテクテクテク

帝「おぉ、戻ったか」

名代「小姓が負傷致しましたが大事ありませんでした」

帝「そうか。あのネクロマンサーという輩だな?」

名代「間違いありませぬ」

帝「厄介な輩よ……」

名代「召喚士殿や盗賊殿とも因縁がおありのようで…」

帝「……」

名代「彼らがきっと…討ち果たしてくれるでしょう」

帝「……だな」

名代「上様、明日のご予定ですが……」

帝「ああ。私は予定通り行くぞ」

名代「…そう…ですか」

帝「色々と処務がある事は存じておるが、折角の誘いだ。それに……」

名代「止めは致しませぬ。行ってらっしゃいませ」


272 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:10:38.56 ID:dxx.5Uso
歓談の刻はあっと言う間に過ぎ去り、東方にも夜更けが訪れる。

魔道士「ご馳走様でした!」

召喚士「では、失礼します」

名代「本当に宿へ行かれるのか?宜しければ此処に……」

隊長「いいや、それには及びませぬ!恐れ多い!」

西方参謀「我ら、既に宿の手配も済ませております!」

戦士「……コイツら」

家老「左様か。では、おやすみなさいませ」

盗賊「…上様、ごゆるりと」

帝「うむ。お主等もな」

微笑む帝へ一礼し、召喚士らは城を後にする。

テクテクテク

戦士「さーて、あとはゆっくり寝て…明日は藤蔵かぁ」

魔道士「ですね!久々に盗賊さんのおうちですっ!」

盗賊「……」


273 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:11:24.17 ID:dxx.5Uso
テクテクテク

隊長「どしたい?」

召喚士「あ、いえ…。先に宿へ行ってて下さい」

西方参謀「……?」

召喚士「ちょっと…酔い過ぎてしまったみたいで…」

戦士「水でも調達してこようか?」

召喚士「大丈夫!風に当たってから戻るよ」

魔道士「…大丈夫…ですか?」

召喚士「ええ!ほんと…大丈夫ですから!」

盗賊「…じゃあ先に…行ってるぞ」

隊長「夜中は冷える。すぐに戻れよ」

召喚士「はい」

戦士「……んじゃ、行くか」

ザッザッザッザッザ…

召喚士「……」


274 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:18:37.73 ID:dxx.5Uso


召喚士は一人、町外れの土手に場所を移す。

召喚士「……はぁ」

ドサッ…ゴロン

召喚士「…………」

深夜の北風がそよぎ、召喚士の頬を撫でる。

召喚士「行け…コカトリス……」

シュイィン

召喚士「……ゴメンね。戦闘でもないのに」

コカトリス「……いや」

召喚士「……ねぇ、コカトリス」

コカトリス「悔いているのか?」

召喚士「……っ」

コカトリス「お前という奴は……」

召喚士「……」


275 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:32:04.38 ID:dxx.5Uso
バサァ…

コカトリス「召喚士、お前は良い意味でも悪い意味でも実直すぎる」

召喚士「……」

コカトリス「真っ直ぐで正直な奴だ」

召喚士「コカトリス……」

コカトリス「お前は背負いすぎなのだ。何でも一人でな」

召喚士「……そう…かなぁ」

コカトリス「もっと力を抜いて、生きたらどうだ?」

召喚士「……あのさ」

コカトリス「……」

召喚士「泣いている奴が居たら、笑って手を差し伸べるのが当たり前」

コカトリス「…………」

召喚士「…師匠が昔、言ってたんだ。」

コカトリス「……奴がか?らしくもない」

召喚士「…ははっ。そうだよね」


276 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:35:41.80 ID:dxx.5Uso
スッ

召喚士「きっと俺は泣いてたんだよね」

コカトリス「…?」

召喚士「故郷が魔物に攻められて…一人、泣いてたんだ」

コカトリス「……」

召喚士「師匠が笑って手を差し伸べてくれた……」

コカトリス「そうかもしれぬな」

召喚士「あ、そうだ…!コカトリスは覚えてたりしない!?」

コカトリス「…ん?」

召喚士「俺の故郷……最北の村の事」

コカトリス「ああ、すまんな。記憶がない」

召喚士「……そっか」

コカトリス「…と言うよりも…この世界では記憶が曖昧なのだ」

召喚士「……?」

コカトリス「過去の事は部分的にしか覚えておらぬ」


277 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 18:39:15.56 ID:dxx.5Uso
召喚士「それって……どういう事!?」

コカトリス「お前も知っての通り、我らはまた別の世界に生きておる」

召喚士「うん…前に言った事あるよね」

コカトリス「お前はあの時の事を覚えているか?」

召喚士「……えっと…ぉ」

コカトリス「……」

召喚士「…あれ、内容が思い出せない…っ!?」

コカトリス「それと同様だ。曖昧な記憶しか残らぬらしい…」

召喚士「そうなんだ……」

コカトリス「幸い、私はお前と専属契約を結んでおる」

召喚士「うん」

コカトリス「だから召喚主の記憶はしっかりと残っておる」

召喚士「そっか…。じゃあ専属以外の召喚獣は……」

コカトリス「なかなかそうもいかぬだろうな」

召喚士「そういう事だったんだ……っ」


284 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 23:41:39.20 ID:dhau9zgo
コカトリス「…まぁ、お前一人が悩んでいても仕方あるまい」

召喚士「うん……」

コカトリス「今は一人ではないのだからな」

召喚士「……あ…っ」

コカトリス「仲間に迷惑掛けまいと一人で抱え込む事こそ逆効果だぞ」

召喚士「コカトリス……」

コカトリス「仲間とは、そういうものではないのか?」

召喚士「……ありがとう」

コカトリス「……」

召喚士「俺はもう…迷わない」

コカトリス「……ふん」

召喚士「ありがとう…コカトリス」

コカトリス「お前に死なれると厄介だからな」

シュイィン…

召喚士「……ははっ」


285 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 23:42:47.09 ID:dhau9zgo


召喚士「……」

テクテクテク…カラカラッ

隊長「わははははは!!」

西方参謀「そこでね、私がビシっと決めてやったわけですわっ!」

隊長「てめぇ!そこは俺が斬りかかったシーンだろうが!!」

女将「ほほっ、お二人共…お手柄だったんですねぇ」

西方参謀「そーなんですよ!まぁ上様にも頭を下げられたりしましてなぁ」

隊長「…しかしですね、全ては東方の。ひいては……貴方の!」

女将「あら、おかえりなさい〜」

召喚士「た、ただいま…です。盛り上がってますね」

テクテクテク

戦士「…おーう、戻ったか」

召喚士「戦士」

戦士「先にひとっ風呂浴びさせて貰ったわ」


286 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 23:43:21.35 ID:dhau9zgo
召喚士「…あ、俺もそうするよ」

西方参謀「しかしね、その夜行ってのが…なんと不死身でねぇ〜」

隊長「そうそう。それを俺がビシっと葬ってやったわけですよ!」

女将「へぇ〜不死身なのに倒しなさったんですの…!」

召喚士「……」

戦士「んじゃ、先に部屋行ってるわ」

召喚士「飲まないの?」

戦士「城でも振舞って貰ったしな。十分だよ」

召喚士「そうだよね…」

戦士「「コイツらがおかしいだけだ」

召喚士「…う、うん」

西方参謀「…おうコラ、さっきからフザケた事言ってんじゃねぇぞ?」

隊長「てめぇこそホラばっか吹いてんじゃねぇよ…!」

召喚士「じゃ、じゃあ…行ってきます」

戦士「お、おう……」


287 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 23:44:17.81 ID:dhau9zgo
カポーン

魔道士「盗賊さーん、洗顔取って下さーい!」

盗賊「…はい」

魔道士「ありがとうございますー」

チャポッ

盗賊「……っつ」

魔道士「…ふーっ、私も入ろー!」

チャポッ

魔道士「い、いた…っ!」

盗賊「…染みるよな」

魔道士「……し、染みます…っ」

盗賊「…でも…温泉は傷に良い」

魔道士「…は、はい。お肌にも良いので我慢します…っ」

盗賊「……うん」

魔道士「…うんっ」


288 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 23:45:32.68 ID:dhau9zgo
ザバッ

召喚士『…いつ…っ!!』

魔道士「あっ!今の声……!」

盗賊「…召喚士だな」

魔道士「召喚士さーん!」

召喚士『…!?』

魔道士「大丈夫ですかー!」

召喚士『え、ええ…っ。湯が傷に染みて……』

盗賊「…やはりか」

魔道士「痛いですよねー!」

召喚士『魔道士さんもですか!?』

魔道士「はい…。おへその下辺りが……」

召喚士『……』

盗賊「…あとは胸もだな」

召喚士『……』


289 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:19:18.64 ID:oJC1m0Mo


戦士「おう、おかえり」

召喚士「……ただいま」

戦士「どした?」

召喚士「…い、いや…何でもない」

戦士「…そっか。悩みがあんなら遠慮なく話してくれよ?」

召喚士「う、うん……」

ガチャガチャガチャ

戦士「…何だ?」

召喚士「さぁ……」

ガチャガチャッ

西方参謀「表へ出ろ」

隊長「いい度胸だ。白黒付けようじゃねーか」

女将「ちょ、ちょっと二人共…っ。やめて下さいな……っ」

夜は更け、長い一日が終わった。



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