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少女「私、幽霊なんです」 少年「…」スルー
- 49 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2013/07/29(月) 13:47:36.70 ID:10bbp7FK0
夜―――
妹「私そろそろ寝るね」
少女「もう寝るんですか?」
妹「えへへ、勉強頑張ったからね」
少年「頑張ってたか?」
妹「ご、午後から頑張ってたもん」
少年「どうだか…」
少女「ま、まあいいじゃないですか。きっと妹さんだってそれなりに頑張ってるんですよ」
妹「そのとーり!!」
少年「はいはい。わかった。わかったよ。頑張ったからもう寝とけ」
妹「じゃあお休み〜」
少女「お休みなさい」
タッタッタ…
- 50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:48:11.19 ID:10bbp7FK0
少年「…」
少女「…」
少年「…」
少女「…」
少年「…」
少女「…」
少年「む、麦茶でも飲むか?」
少女「そ、そうですね。い、いただきましょう」
少年「じゃ、じゃあ取ってるくるな」
少女「は、はい」
- 51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:49:03.01 ID:10bbp7FK0
少年「どうぞ」
コトン
少女「ど、どうも」
少年「…」ゴクゴク
少女「…」ゴクゴク
少年「よ、よく冷えてるな…」
少女「で、ですね…」
少年「…」
少女「…」
少年「…」チラッ
少女「な、何ですか?」
少年「いや…」
- 52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:49:46.89 ID:10bbp7FK0
少女「…」
少年「…」
少女「…」
少年「…なぁ少女」
少女「はい、少年さん?」
少年「話があるんだ」
少女「…伺いましょう」
少年「あの…さ」
少年「お前は幽霊なんだよな?」
少女「え?ええ。そう言ってるじゃないですか…」
少女「やっぱり信じてくれてなかったんですか?」
少年「いや、そうじゃなくてさ。お前は幽霊だけど実際は生きてる人間と何ら変わりないだろ?」
- 53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:51:37.51 ID:10bbp7FK0
少女「それは…そうですね」
少年「じゃあさ、成仏しないで現世に留まったっていいんじゃないか?」
少女「…」
少年「帰る場所がないって言ってたけどよく考えたらそんなことはないだろ?」
少年「だってお前は幽霊かもしれないけどこうしてここに存在している」
少年「そしてその存在を生きている人間はちゃんと認識出来ている」
少年「だったら元々いた場所に…家族の所に帰るって選択肢だってあるだろ?」
少年「いや、もしかしたら最初は幽霊だと気味悪がられるかもしれないけどさ」
少年「実際生きてる人間と何ら変わらないわけだし」
少年「家族ならきっとすぐに受け入れてくれるんじゃないか?」
少年「俺でさえ何とも思わないんだからまして家族ならきっとさ…」
少女「…」
- 54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:52:32.48 ID:10bbp7FK0
少年「別にお前を追い出したいだなんて全く思ってない」
少年「たださ…これが…今お前の置かれてる状況がさ、お前にとって本当に最善なのかわからねぇんだよ」
少年「少なくとも少女は一度家族と会ってみるべきだ。違うか?」
少女「…」
少女「それは…」
少女「…」
少女「…」
少女「…出来ません」
少年「どうしてだ?」
少女「理由は…言えません」
- 55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:53:57.66 ID:10bbp7FK0
少年「…怖いのか?」
少女「…」
少年「家族に受け入れてもらえないかもしれないって考えると躊躇するのか?」
少女「…」
少年「もしそうならさ…なんだったら俺が付いてってやる。上手くフォローしてやる」
少年「俺なりにちゃんと家族に事情を説明してやるからさ…」
少年「だからさ―――
少女「少年さん」
少年「ッ!?」
少女「私のことを気遣ってくれるのは本当にありがたいですし、嬉しいです」
少年「…」
- 56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:55:01.82 ID:10bbp7FK0
少女「でも…ごめんなさい」
少年「…」
少女「どうしてもダメなんです」
少年「理由を教えてくれないか?」
少女「理由は…言えません」
少年「何だよ…それ」
少年「何でだよ…」
少年「どうして俺に理由を隠さなきゃいけねぇんだよ…」
少女「少年さん…」
少年「お前は…俺に自分のことを信じてほしいとか言っておいて俺の言うことには耳を傾けてくれないのか?」
少女「…」
- 57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:55:51.35 ID:10bbp7FK0
少年「俺はこれでもお前のことを信じて…お前のためを思ってこうして話してるつもりだ」
少年「それなのにお前は…俺に隠し事なんかして…」
少年「こんな…こんなの…」
少年「こんなのはいくらなんでも自分勝手過ぎるだろ!!」
少女「………」
少女「自分…勝手…ですか?」
少年「ああ、そうだよ…」
少女「何ですか…それ…そんなこと…」
少女「人の気持ちも知らないでよくそんなことが言えますねっ!!」
少年「―――ッ!!」
- 58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:57:11.63 ID:10bbp7FK0
少年「………」
少年「…」
少年「…そうかよ」
少年「わかった。じゃあもういいよ…」
少年「お前は…俺の家に一ヶ月でも一年でも好きなだけいればいい」
少女「…」
少年「何かもう…どうでもよくなってきた」
少女「あの、少年さん…」
少年「じゃあ俺は寝るから」スッ
少女「…」
少年「…」
タッタッタ…
ガチャ バタン
- 59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:57:45.86 ID:10bbp7FK0
少女「…」
少女「…」
少女「…」
少女「少年さんの言う通りなのに…」
少女「…」
少女「…」
少女「私は…」
少女「…」
少女「…」
少女「…ごめんなさい」
- 60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 13:59:30.59 ID:10bbp7FK0
8月3日
少年「…」パクパク
少女「…」モグモグ
妹「…」
少女「ごちそうさま」
少年「…」
少女「…」スッ
タッタッタ…
ガチャ バタン
妹「…」
少年「…」
妹「…ねぇ、お兄ちゃん」
少年「何だ?」
妹「…やっぱ何でもない」
少年「…そうか」
- 61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:00:09.49 ID:10bbp7FK0
8月4日
俺「…」
少女「…」
妹「ね、ねぇ二人とも。マリパやろうよっ。ね?ね?」
俺「…ごめん妹。ちょっと買い物行ってくる」
妹「そ、そっかぁ…じゃ、じゃあ帰ってきてから―――
俺「んじゃ」
バタン
妹「…」
少女「…」
妹「…」
少女「…二人でやりましょうか?」
妹「う、うん…」
- 62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:00:44.29 ID:10bbp7FK0
8月5日
妹「ねぇ、お兄ちゃん」
少年「…何だよ?」
妹「何で二人ともそんなにギクシャクしてるの?」
少年「そう見えるか?」
妹「そう見えるも何も…一昨日から二人とも、一言も会話してないじゃん」
少年「はは…そっか。そうだよな…そりゃわかるわ」
妹「…で、どうするつもりなの?」
少年「まあ…俺が謝らなきゃどうにもならないだろうな」
妹「…」
少年「あれは俺が悪い」
妹「…」
- 63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:03:00.08 ID:10bbp7FK0
少年「ったく…馬鹿だよな。俺が一方的に自分の価値観押し付けてさ。それで拒まれて逆ギレしてやがんの」
少年「幼稚だよな…俺。ホント何やってんだろ…」
妹「自覚してるのなら早く謝らなきゃだめだよ」
少年「そのタイミングを図りかねてまして…」
妹「少女ちゃんもおんなじこと言ってたよ」
少年「え?それってどういう…」
妹「少女ちゃんも自分が悪いんだってわかってるんだけどなかなか言い出せないって…そう言ってた」
少年「俺が昨日外出してたときか」
妹「うん…」
少年「そっか…」
妹「少女ちゃんも早く仲直りしたいって思ってるんだよ」
少年「…だよな」
妹「うん」
- 64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:04:05.48 ID:10bbp7FK0
少年「なぁ…妹」
妹「うん、わかった」
少年「マジで!?」
妹「もちろんわかる」
妹「妹友の家に行ってるよ」
少年「妹に気を遣わせるなんて情けないな…ホント」
妹「私はお兄ちゃんらしいと思うよ」
少年「おかしいな…褒められてる気がしない」
妹「だって褒めてないもんっ」
少年「…ありがとな。妹」ナデナデ
妹「えへへ//」
- 65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:05:32.00 ID:10bbp7FK0
妹「じゃあ行ってくるね」
少年「悪いな」
妹「あ、そうそう。一応言っとくけど今日は―――
少年「ああ、それはわかってる」
妹「そっか。なら大丈夫だね」
少年「おう、ちゃんとあいつを連れてくよ」
妹「そうしてあげて」
少年「任せろ」
妹「それじゃ」
バタン
少年「さて…どうすっかな」
- 66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:06:45.51 ID:10bbp7FK0
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…とは言ってもやっぱ気まずいなぁ」
―――――――――
――――――
―――
- 67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:07:17.59 ID:10bbp7FK0
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…」
少年「…夕飯作るか」
―――――――――
――――――
―――
- 68 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:08:53.81 ID:10bbp7FK0
コンコン
少年「…いるか?少女」
『…います』
少年「夕飯できたぞ。下降りてこい」
『………』
ガチャ
少女「…」
少年「…」
タッタッタ
少女「…」
少年「…」
- 69 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:10:27.62 ID:10bbp7FK0
少年「いただきます」
少女「…いただきます」
少年「…」パクパク
少女「…」モグモグ
少年「…」パクパク
少女「…」モグモグ
少年「…」チラッ
少女「…」
少年「部屋に籠って何やってたんだ?」
少女「妹さんに借りたゲームをやってました」
少年「そ、そうか…」
少女「…」
- 70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:12:27.63 ID:10bbp7FK0
少年「…」パクパク
少女「…」パクパク
少年「…」モグモグ
少女「…」パクパク
少年「…」
少女「…」
少年「なぁ…少女」
少女「な、何ですか?」
少年「あの…さ」
少女「…」
少年「仲直りするか」
少女「え?」
- 71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:14:58.94 ID:10bbp7FK0
少年「えーとな…」
少年「つまり…その…何だろ…」
少年「…悪かった」
少女「…」
少年「お前のことなんて何もわかってないくせに…勝手なこといってるのは俺だったのに…」
少年「自分の考え方を押し付けたりして本当に悪かった」
少年「許してくれ…」
少女「そ、そんな…」
少女「わ、私こそ…」
少女「私の方こそごめんなさい」
少年「…」
少女「少年さんは何一つ間違ったことは言ってないのに…私は…」
少年「…」
- 72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:15:31.31 ID:10bbp7FK0
少女「私ばっかりが…自分勝手なことを言ってました」
少年「…」
少女「少年さんにはお世話になってるのに…」
少女「少年さんに、私のこと信じてほしいって言ったのに…」
少女「それなのに…私は…」
少年「…」
少女「本当にごめんなさい」
少女「許して…くれますか?」
少年「…」
少女「…」
少年「…」
少女「…」
少年「…」
- 73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:16:28.45 ID:10bbp7FK0
少年「…少女は悪くない。悪いのは俺だ。お前が謝るな」
少女「少年さんは悪くありません。私が悪かったんです。全部私が…」
少年「いやいや、お前に非はない。全部俺が悪かったんだ。だから謝らせてくれ。すまなかった」
少女「あ、謝らないでください。今回の件は私に非があります。少年さんが謝る必要なんて…」
少年「…」
少女「…」
少年「…」
少女「…」
少年 プッ
少女 クスッ
- 74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:17:07.28 ID:10bbp7FK0
少年「なんだろこの不毛な争いは…」
少女「全くですね」
少年「何を言い争ってるんだか」
少女「これじゃあバカみたいですよね」
少年「はは…そうだな」
少女「…」
少年「なぁ、もうおあいこってことでよくないか?」
少女「それがいいですね。これじゃキリがないですから」
少年「だな。じゃあこの話はこれで終了ってことで」
少女「はい、承知です」
少年「ふぅ…良かった良かった。一時はこの先どうなることかと思った」
- 75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:18:11.09 ID:10bbp7FK0
少女「そんなの…私だって同じですよ」
少年「終わってみればあっさりだな」
少女「あはは…確かに」
少年「喧嘩ってお互い得しないもんだな」
少女「それくらい誰だって分かることなんですけどね」
少年「だな」
少女「ええ」
少年「…さてと。無事解決したことだし」
少女「?」
少年「そろそろ行くとするか」
少女「え、どこへ?」
少年「そんなの決まってんだろ」
少年「今日は花火大会の日だ」
- 76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:20:10.72 ID:10bbp7FK0
展望台にて―――
ザワザワ
ガヤガヤ
少年「やっぱ混んでるなぁ…」
少女「へぇ…こんな場所があったんですね。知りませんでした」
少年「つい五、六年前までは知名度低かったんだけどな…」
少女「そうなんですか?」
少年「ああ。余裕で空いてたんだぞ」
少年「…っと。妹発見」
少女「え、あ、本当だ」
- 77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:21:52.07 ID:10bbp7FK0
少年「妹友と見に来てるみたいだな」
少女「妹さんのお友達ですか?」
少年「そうだよ。妹のクラスメート」
少女「妹さん…ひょっとして私達を仲直りさせるために私達を二人にしたんじゃないですか?」
少年「ああ。あいつは普段は子供っぽいのにこういう時だけは妙に気が利く所あるんだよな」
少女「ふふ…さすが妹さんですね」
少年「うむ。さすがは俺の妹」
少女「少年さんは空気読めないのでは?」
少年「そ、そんなことはないぞ」
少女「どうだか…」
少年「おっと…そろそろ始まる時間だぞ」
少女「…」
少年「…」
- 78 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:23:15.95 ID:10bbp7FK0
ヒュルルルー
ドッパーン
少年「お、始まった始まった」
少女「すごくいい眺めですね」
ヒュルルルー ヒュルルルルー
ドパーン ドッパーン
少女「少年さん。少年さんはどの花火が好きですか?」
少年「俺は子供の頃からずっと柳みたいなのが好きだったよ」
少女「ああ…ラストを飾るあれですね」
少年「そうそれだ」
- 79 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:24:30.53 ID:10bbp7FK0
ヒュルルルー
ドバーン
少年「少女は何が好きなんだ?」
少女「そうですね…」
少女「全部かな。なーんて」
少年「え?」
ヒユルルロロー
ドーン ババババン
少女「私は…花火のどれが好きとか、どれが綺麗とかそういうことよりも、花火の一番の魅力は花火を見ること自体にあると思うんです」
少年「というと?」
少女「えーと…つまりですね」
- 80 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:25:51.63 ID:10bbp7FK0
ヒュルルー ヒュロロロー
ドッバーン ドドドパーン ドパパパパン
少女「花火を見てると「ああ、夏だな〜」って実感出来るでしょう?」
少年「ああ、なるほど」
少女「そんな感じです」
少年「花火通っぽいこと言うな」
少女「あはは…花火通ですから」
ヒュルルルルー
ドッパーン
少年「…花火大会の日程すら忘れてたくせに何言ってんかだか」
少女「うっ…言い返せない」
少年「ははは…」
- 81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:27:31.98 ID:10bbp7FK0
ヒュウウウー ヒュルルロロー
ドドパパン ドパッ ドッバーン
少女「あの…少年さん?」
少年「何だ?」
少女「その…いつか、必ずちゃんと話します」
少女「私が今は言えないこと…全部」
少年「…そうか」
ヒュロルルルー
ドパーン
少女「だから、その時まで待っててほしいんです」
少年「…ああ。わかったよ」
少年「お前が話してくれるまで待ってるよ」
少女「…ありがとうございます」
- 82 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:28:48.02 ID:10bbp7FK0
ヒュルルルー ヒュルルルルー
ドンッ ドンッ ババドドババン
少年「夏だな…」
少女「ええ…」
少年「…」
少女「…」
少年「…」
少女「…」
ヒュオロロロー
バッ ドッバーン
少女「それにしても周りの女の人は浴衣を来てる人が多いですね」
少年「そうだな…」
少女「…」
少年「…」
- 83 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:30:00.48 ID:10bbp7FK0
ヒュルルロロー ヒュオルルルー
ドドパッ ドッパーン ドドドパーン
少女「…私も少年さんに見せたかったなぁ」ボソ
少年「ん?」
少女「あ、いえ…なんでも」
少年「何だよ、気になるだろ」
少女「ひ、秘密です」
少年「はぁ…」
―――――――――
――――――
―――
- 84 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:31:13.02 ID:10bbp7FK0
ザワザワ
少年「終わった…か」
少女「終わっちゃいましたね」
ザワザワ
少女「妹さんは…あれ?見当たりませんね」
少年「暗くてよく見えないな。もう先に帰ってるかも」
少女「…」
少年「んじゃ帰るか」
少女「…はい」
ドンッ
少女「きゃっ」
少年「おっとあぶね」ガシッ
- 85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:32:34.37 ID:10bbp7FK0
少女「す、すみません」
少年「人多くてはぐれそうだな…」
少女「ええ」
少年「それじゃあ…」スッ
少女「え?」
少年「その…さ」
少年「手…繋ぐか?」
少女「なっ…ななな何言ってるんですかぁっ//」カァ
少年「いや、はぐれないためにさ…」
少女「で、でも…」
少年「俺の手は汗かいてないから心配すんな」
少女「そ、そうじゃなくて…ああ、もうっ」
- 86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:33:37.34 ID:10bbp7FK0
少女「わかりました。繋ぎます。繋げばいいんでしょう」
少年「何故にそんなやっつけなんだよ…」
少女「フン。特別ですよ?今日だけですからねっ」
少年「わかった。わかったから」
少女「そ、それじゃ…繋ぎますよ?」
少年「あ、ああ」
少女「…」
ギュ
少年「…」ドキ
少女「…」ドキドキ
少年「…お前。手、汗かいてんな」
少女「うぅ…言わないでくださいよ」
少年「わ、悪い悪い」
- 87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 14:35:42.16 ID:10bbp7FK0
少女「お、女の子にそんなデリカシーのない発言をすると嫌われますよ?」
少年「そっか…じゃあ俺はたった今少女に嫌われたわけだ」
少女「そ、それは…」
少年「そういうことだろ?」
少女「…そ、そうですっ。たった今私はあなたのことが大っ嫌いになりました!」
少年「そうかそうか。それは残念だわ」
少女「な、何ですかその反応はっ!!」
少年「よ、よーし帰るぞ」
少女「ちょ、話の途中ですっ」
少年「続きは家にしよう」
少女「もう…ばか」
少年「ほら、行くぞ」
少女「…はい。少年さん」
第二章 花火 終わり
- 90 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/29(月) 15:42:08.45 ID:NHf1RWPf0
第三章はよ
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