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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします []
投稿日:2011/03/23(水) 18:19:02.83 ID:YVPYbLUmo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
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――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。
――かもしれない…。
〜前回までのあらすじ〜
朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
国王崩御。その波紋は大きく、本国は混乱の事態を迎えるのだった。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
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◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
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◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
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◆前スレ(その26)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
- 3 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:29:36.52 ID:YVPYbLUmo
…
エリート「さて、どうするか……」
右大臣「陛下……陛下ぁ……っ」
エリート「…父上、貴方が気丈に振舞わずどうするのですっ」
東方参謀「今は放っておいてやれ。気持ちはわかるであろう」
エリート「先生、それは分かりますが、今は悠長な事を言っている場合ではないかと」
東方参謀「……ふぅむ」
カツカツカツ
皇太子「私とエリートで手続きを進めるぞ」
エリート「殿下……」
皇太子「ん、どうした?」
エリート「……いえ」
皇太子「落ち込んでなどいられないさ。今動かずにどうする」
エリート「……その通りです」
皇太子「一先ず、着替えさせてくれ。すぐに戻る」
- 4 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:30:24.69 ID:YVPYbLUmo
エリート「私も、仕度をして参ります」
カツカツカツカツ
東方参謀「殿下も、ご立派になられたものだ」
エリート「ええ。だからこそ私は、最後まで付き従います」
東方参謀「そうだな」
エリート「だから、今だけはそっとしておいてあげましょう」
東方参謀「……」
エリート「辛くないわけがないのです。実の……父親なのですから」
カツカツカツカツ…
皇太子「…………」
カツカツ…カチャッ…パタン
皇太子「……」
ズズズッ…ドサッ
皇太子「父上……。私は……っ」
部屋に入るや否や、皇太子は壁にもたれかかり、倒れるように泣き崩れた。
- 5 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:31:07.05 ID:YVPYbLUmo
…
青年兵「……」
戦士「偉い事になっちまったな……」
魔道士「……私……私ぃ……っ」
盗賊「…魔道士、君のせいじゃないよ」
召喚士「そうですよ。気にする必要はありませんよ」
魔道士「でっ、でも……陛下を……っ」
戦士「これから、どうなっちまうのかな」
青年兵「どうにもなりませんよ」
戦士「…?」
青年兵「殿下が跡をお継ぎになられて、事態は収束です」
戦士「……そりゃ…そうだがな」
召喚士「……」
タッタッタッタッタ
召喚士「……?」
- 6 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:35:18.03 ID:YVPYbLUmo
カチャッ
魔道士「……っ!!」
大商家「……っ」
魔道士母「……へ、陛下は……っ」
一同が沈黙する中、かろうじて青年兵が首を横に振る。
大商家「そ、そんな……っ」
魔道士「何で……お父様とお母様が…!?」
魔道士母「……右大臣様、陛下は……っ」
右大臣「……す、すまない…っ。私は無力だ……」
大商家「……陛下」
魔道士「どうしてお二人がここへ……」
右大臣「……君に、話をせねばならぬ」
大商家「……宜しいのですか?」
右大臣「……ああ。最早、明かさねばならぬ状況だ」
召喚士「……明かす?」
- 7 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:43:00.24 ID:YVPYbLUmo
カツカツカツ…
エリート「間もなく殿下もお見えになられます。そうしたら…宜しいですね?」
右大臣「……ああ」
召喚士「あの、俺達は……」
エリート「一緒に聞いてくれ。全く関係のない話でもない」
盗賊「……?」
エリート「殿下が来る前に、玉座へ移るとしましょう」
右大臣「……分かった」
エリート「青年兵、皆を案内してくれ。私は文官を招集してくる」
青年兵「畏まりました。……皆様、参りましょう」
召喚士「う、うん……。魔道士さん、行きましょう」
魔道士「……っ」
ゾロゾロゾロ…
右大臣「エリート。お前にも、あとで話がある」
エリート「……?」
- 8 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 18:58:06.27 ID:YVPYbLUmo
ザワザワザワッ
右秘書官「……陛下が……崩御!?」
右文官「そっ、そんな……」
エリート「皆、うろたえてはならぬぞ。今こそが一致団結し、本国の為に……」
カツカツカツ…
皇太子「すまぬ、待たせた」
エリート「殿下、大丈夫ですか?」
皇太子「何がだ?私は至って問題ない」
東方参謀「……」
皇太子「集まってくれた諸君、既に話はきいていると思うが……」
右大臣「……」
皇太子「先程、我が父である国王陛下が崩御なされた」
右秘書官「……っ」
皇太子「これより即座に、国民への発表と戴冠式の手筈を……」
ガチャッ…ギイイィィィィ
- 9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:03:59.24 ID:YVPYbLUmo
召喚士「……!!」
皇太子「……」
右大臣「……貴……様っ」
カツカツカツカツ
左大臣「此度はァ、大変な事となったなァ」
エリート「……遅かったですね」
左大臣「あァ、色々と資料に手間取ってなァ」
右大臣「資料!?貴様、何をぬけぬけとっ!!」
左秘書官「えらく興奮気味ですが、何かありましたか?」
右大臣「……くっ」
左大臣「なぁ右大臣、お前にはまんまと欺かれたなァ」
右大臣「貴様こそ魔物を使い……よくもっ!!」
左大臣「……フハハァ!話が読めんなァ。何を言っておるのだァ?」
エリート「左大臣様、それで?」
左大臣「陛下の……跡継ぎの事よ」
- 10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:07:03.00 ID:YVPYbLUmo
戦士「跡継ぎ…!?」
盗賊「…殿下では…ないのか?」
エリート「……ちっ」
左大臣「私の部下がなァ、面白い発見をしてなァ」
カツカツカツカツ
左翼官「資料室で拝見したもののレポートです。ご覧になられますか?」
皇太子「結構だ」
左大臣「……フハハァ。どうやら、右翼も事態は把握しておられるのかなァ?」
右大臣「回りくどいぞ!本心を申せ!!」
左大臣「……本心、ククッ!!」
クルッ
左大臣「右翼の連中なぞに用はない。用があるのは……」
カツカツカツ
左大臣「……貴方です。お迎えにあがりましたァ、魔道士……王女」
魔道士「――っ!!」
- 11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:10:56.58 ID:YVPYbLUmo
ドヨッ…ザワザワザワ
右文官「……今……なんと」
大商家「……くっ」
戦士「魔道士……」
盗賊「……王女…と、聞こえ……」
召喚士「…………」
魔道士「……っ」
左大臣「貴方はァ、商家の娘などではありません。王家の姫君なのです」
エリート「左大臣様おやめ下さい。このような刻に非常識ですぞっ」
左大臣「非常識?……ならばァ、何十年もの間ァ、公にもせず隠す事は常識なのかね?」
右大臣「……貴様は……分かっておらんのだ」
左大臣「何がだァ?そんなものに分かるも分からぬもあるかァ!!」
タッタッタッタッタ…バンッ
隊長「はぁ……はぁ……はぁ……っ」
青年兵「……隊長殿?」
- 12 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:14:16.58 ID:YVPYbLUmo
カツカツカツ
隊長「このような場に飛び込み、咎めは後でお受け致します」
皇太子「構わん。急用か?」
隊長「……総司令が……脱獄、逃亡致しました」
ザワッ!!
右大臣「何だとぉ!?」
隊長「……っ」
カツカツカツ
隊長「何故、持ち場を離れた!?」
青年兵「……申し訳ありません」
皇太子「彼を責めないでやってくれ。火急の言を伝えてくれたのだ」
隊長「火急……?」
右大臣「……陛下が、崩御なされた」
隊長「――っ!?」
皇太子「このような刻に、何という事だ……っ」
- 13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:19:58.47 ID:YVPYbLUmo
青年兵「……殿下、申し訳ありません。本部へ戻らせて頂きます」
皇太子「こちらこそ、すまんな」
隊長「騎士団長には既に命を発してある。現場指揮はお前が執れ!」
青年兵「はいっ!」
召喚士「お、俺達も……」
左大臣「駄目だなァ。貴様らは此処に残るがいい」
戦士「……何でだよ」
左大臣「まだァ、話が終わってはおらぬ」
魔道士「……」
戦士「さっきから何なんだよ、魔道士が……王女とか……」
左大臣「言葉の通りだァ。そのまま受け止めるが良い」
盗賊「……」
魔道士「わ、私は……っ」
大商家「……今までのご無礼を……お許し下さいませっ!」
バッ
魔道士母「隠し通す為とは言え、あのような生活を……」
- 14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/23(水) 19:25:14.09 ID:YVPYbLUmo
魔道士「お父様……?お、お母様……?」
右大臣「……全ては私が悪いのだ。彼らや陛下に非はないのだ」
魔道士「えっ、いや……だって……」
エリート「……今までの数々のご無礼、お許し下さいませ。魔道士王女」
皇太子「……すまぬ」
魔道士「みんな……何を言ってるの……?」
左大臣「分かったかね?君はァ、姫君なのだよ。この……本国のね」
魔道士「嘘……よ……っ」
左大臣「そして、我ら左翼が支持する……後継者であらせられるのだァ」
魔道士「嘘よっ!!ねぇ、そうでしょう!?召喚士さんっ!!」
召喚士「…………」
魔道士「嘘よおぉーっ!!だって、だって私はあぁ……っ!!」
召喚士「……魔道士……さんっ」
〜第四十一部、完〜
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