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女商人「勇者が行方不明に?」女武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク
- 38 名前:NIPPERがお送りします [saga]
投稿日:2013/01/30(水) 09:28:30.10 ID:269dME+AO
【スー大陸 フィールド】
武闘家「ねえ商人。まずはどっから行けばいいかなぁ。」
商人「とにかく闇雲にあちこち行くのは無駄だからね。う〜ん...」
武闘家「勇者はほとんどの城や町に行ってるだろうからな〜。」
商人「(じゃあとりあえず近場から当たってみるか。)」
商人「よし。近めのポルトガあたりから行ってみよっか。」
武闘家「ポルトガ?黒胡椒好きな王様の国か〜。うん了解!」
商人「では、さっそく。」ガサゴソ
商人はバッグからキメラの翼を取りだした。
- 39 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 09:46:18.06 ID:269dME+AO
武闘家「あれ?キメラを使うんだ?ルーラは使わないの?」
商人「え?ま、まあね。さっき自分の店の在庫から拝借してきたし。」
武闘家「そっか〜、魔力もったいないもんね。魔法使いみたいに沢山あれば楽だけど。」
商人「ああ。そういえば、今回は魔法使いと僧侶は誘わないの?」
武闘家「う〜。あの二人もなにかと忙しいじゃん。邪魔しちゃ悪いかな〜と思ってさ。」
商人「もしもーし。私もそれなりに忙しいんだけどなぁ?武闘家さん?」
武闘家「あっ!ああー、まあそこは幼馴染みの成せる技といいますか、その〜。あっはっはー!」バシバシ
商人「うっ、痛い痛い!」
- 40 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 10:03:30.39 ID:269dME+AO
【ポルトガ 城下町】
武闘家「やー、相変わらず賑わってるな〜この国は。」
商人「さすが、各国との貿易拠点と言われてるポルトガね。なんか血が騒ぐよ私!」ワクワク
武闘家「ほ〜ら。みたことか。商人だって、まんざらでもないじゃんか〜。」ハァ
商人「まあまあ。じゃあ二手に別れて情報収集ね。私はあっち、あなたはそっちお願いね〜。」ニコニコ
武闘家「あっ。迷わず商店街の方に行きやがった...」
武闘家「まったく〜。ま、じゃあ私も行くか。」スタスタ
- 41 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 10:21:19.65 ID:269dME+AO
【ポルトガ 城下町 商店街】
『いらっしゃい〜いらっしゃい!』
『安いよ〜!お客さん遠慮せずに見てってよ!』
『昨日、入ったばかりの逸品だ〜!この機会を逃す手はないぜ〜。』
ガヤガヤ
商人「すごい活気!熱い商人魂を感じるなぁ。私も負けないようにしなきゃ!」ウキウキ
商人「あ!あれは、滅多に市場に出回らないとされるアサシンダガー!」
商人「こっちは、普通じゃ手に入らないはずの不思議な木の実が!」
商人「うわ〜新鮮そうなお魚〜!お刺身にしたらどれだけ美味しいんだろ〜!」ジュル
商人は情報収集そっちのけで商店街をじっくり見て回っていた。
- 42 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 10:36:11.97 ID:269dME+AO
すると、一人狂喜乱舞する商人に初老の男が声をかけた。
商人「あー、あれも売ってるなんてここは半端ないよねぇ。」
初老の男「ちょいそこのお嬢さん。」
商人「売値が○○Gなら仕入れはおそらく...」ブツブツ
初老の男「そこの赤い髪のお嬢さん。」
商人「○○Gで売るとして...はい?」クルッ
初老の男「おお、気付いてくれたか。元気にしとるかの、ホープバークのお嬢さん。」
商人「あ。あなたはたしか。チョコレート屋の旦那さん!」
商人が世話になっているチョコレート屋の主人が店先から声をかけていたのだ。
- 43 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 10:51:44.97 ID:269dME+AO
【ポルトガ チョコレート屋】
商人「あの、さっきはすみませんでした。夢中になってて。」ペコリ
主人「構わんよ。私ら商売人の性みたいなもんじゃい。元気があって良いことじゃの。」
商人「いつもチョコを仕入れさせてもらってありがとうございます。」
主人「お前さんには特別じゃよ。他にはウチのチョコは出しとらんよ。」
主人「それより、どうじゃ。店の方は儲かってるか?」ニヤニヤ
商人「はい。まあぼちぼちですかね。去年よりは上がってます。」ニコッ
主人「うむ、なによりじゃな。して、今日はわざわざポルトガに?」
商人「はい...少しお聞きしたい事があって。」
- 44 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 11:06:18.62 ID:269dME+AO
商人は馴染みのチョコレート屋の主人にこれまでの成り行きを話した。
主人「あの娘がのう。いなくなったとは...」
商人「なにか今の勇者に関して知っていることはありませんか?」
主人「たしか、半年以上前まではたまにポルトガにも来てたようでなぁ。」
主人「あれは...7月ほど前か。ウチの店にチョコを食べに来たぞ。」
商人「では、それ以降は勇者を見ていないんですね?」
主人「見ていないのう。今思うと不思議じゃな。たんと見なくなった。」
商人「そうですか...」
商人「(やっぱり半年前から勇者はポルトガにも来ていない。)」
- 45 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 11:27:10.91 ID:269dME+AO
商人は主人にお礼を言い、店を出た。
周りの様々な店の人間に勇者のことを聞いて回ったが
返ってくる答えは同じようなものばかりであった。
誰に聞いても勇者を半年前あたりから今現在まで見た者はいなかった。
商人は別の場所で情報収集をしてるであろう武闘家を探すために、城方面に向かった。
すると武闘家がちょうど向こうから歩いてくるのが見えた。
- 46 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 11:38:37.54 ID:269dME+AO
【ポルトガ城 正面船着き場】
商人「おーい、ぶとうか〜!こっちこっち!」ブンブン
武闘家「ん?あ、商人!」タッタッタ
商人「さっきはごめん、武闘家に城の方を任せちゃって。」
武闘家「商人ってばああいう場所に行くと私以上にテンションが上がるんだからー。」
商人「へへ。すみませぇん。」シュン
武闘家「それより何か掴めた?チョコ屋のおじさんのところにも行ったんでしょ?」
商人「あ、うん。でも勇者の手掛かりになりそうな話はなんにもなかったよ。」
武闘家「そっちもか〜。私も王様とか大臣さんとかいろんな人に聞いたけど、さっぱり。」
- 47 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 11:46:59.25 ID:269dME+AO
商人「う〜ん、特になしか。」
武闘家「あ、ただ...」
商人「ん?ただ?」
武闘家「ここに来る直前なんだけど、城の外で見張りを
してる兵士が言ってた事が気になってさぁ...」
商人「見張りの兵士さんが何て?」
武闘家「ええとね。」
- 48 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 11:58:26.06 ID:269dME+AO
ほんの数分前
【ポルトガ城 城外】
武闘家「(んー、みんな同じだな。どうなってんだ、これ。)」
武闘家「(あ、見張りの兵士にも聞いてみよう一応。)」
武闘家「あの〜、見張りの兵士さん?ちょいと聞いてもいいかな?」
見張り兵士「え?わ、私でありますか。何でございましょうか?」ピシッ
武闘家「勇者って最近、見かけたりしたかな?私くらい小柄な女の子なんだけど。」
見張り兵士「あの魔王を倒したっていう勇者様ですよね。いえ最近はめっきりお見かけしません。」
武闘家「だよねぇー。わかったありがとうね。」ニコ
見張り兵士「いえ!とんでもありません!」ビシッ
見張り兵士「あっ!ただ。」
武闘家「どしたの?」
- 49 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 12:09:46.66 ID:269dME+AO
見張り兵士「勇者様はいつも城から出てきて、そこの船着き場
の前でルーラの魔法で飛び立っていかれるのですが...」
見張り兵士「7ヶ月ほど前の時は、ルーラではなくキメラの翼を使っていました。」
武闘家「え?ルーラじゃなくてキメラを?間違いないの?それって。」
見張り兵士「はい。それまでは絶対ルーラを使っていたのに、
あの時だけはキメラの翼を使っていました。」
見張り兵士「今思うと何故だろ?って思いますが。」
…………………
- 50 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 12:18:37.93 ID:269dME+AO
商人「その時だけは勇者はキメラの翼を?」
武闘家「たしかに些細なことだから私も気にしなかったけど...」
商人「大のルーラ好きのあの子が魔力だってあるはずなのに、わざわざキメラで。」
武闘家「そうなんだよ!よく考えるとヘンなんだよね。けっこうさ。」
商人「(なにか意味があるのかな?)」
武闘家「待って。そういえば商人もさっきルーラじゃなくてキメラを使ってたよね?」
商人「う。それは。」ギク
- 51 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 12:28:13.95 ID:269dME+AO
武闘家「元賢者なんだから使おうと思えばルーラは使えるよね?」
商人「たしかにそうなんだけど....」
武闘家「使わない理由は?」ズイ
商人「………魔法の力が怖いんだ。」ポツリ
武闘家「怖い?」
商人「ただでさえ、普通の人から見れば魔法なんて珍しいでしょ。」
商人「まあ初歩的なものから高等なものまで使える人は少ないけど、いる。」
商人「私の住む町の教会のおばさんなんか、僧侶の魔法は全部できるしね。」
- 52 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 12:38:19.62 ID:269dME+AO
商人「ただ、『私達』はあの大魔王を倒すくらいのレベルまで強くなった。」
商人「平和な世になって、こんな力はなくても良くなったのに、
その力を持ってることがふと怖くなったんだ。」
武闘家「なんだ、そういう事なんだー?」ホッ
商人「へっ?」
武闘家「私はてっきり魔法をド忘れしちゃったのかと思ったよ〜はっはっは!」
商人「ううん、忘れようとしても身に染みついちゃってるから、無理だよ。」
武闘家「………私も、商人と同じ事は思ってるよ。怖いってね。」
商人「武闘家...」
- 53 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 12:51:05.84 ID:269dME+AO
武闘家「まあ〜だけど身に付けちまったものはどうしよもないからさ。」
武闘家「いいんじゃない?商人の思うようにすれば。大丈夫だって!」
商人「………そっか。そうだよね。怖がってても仕方ないか。」
武闘家「私なんてさ、僧侶の魔法ほとんど忘れたもんね。」ドヤッ
商人「わ、忘れたぁ?じゃああの時使ってたフバーハとかは。」
武闘家「できないですけど?」シレッ
商人「(お気楽だな〜この子は。)」
武闘家「まあ、とにかく勇者の行方を探さないとね。」
商人「(ただ勇者が気まぐれで使わなかったのか。)」
商人「(私みたいな理由でか。それとも他の?)」
- 54 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 13:01:00.02 ID:269dME+AO
商人と武闘家は勇者の行動に疑問を持ちながらも、
情報を集めるべくポルトガを後にし、次なる場所に向かった。
商人「じゃあ次はイシスね。行くよ武闘家。しっかり掴まっててよ。」
武闘家「りょーかいっス!」ギュ
商人「『ルーラ』!」
ヒューーン!
- 57 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 14:26:31.55 ID:269dME+AO
勇者を探す旅を続ける商人と武闘家はポルトガの後、
南にある砂漠の中の城イシスに向かい、同様に勇者についての情報を
得ようとしたが、振るわなかった。
同じような情報ばかりの中、やはり
勇者はルーラを使わずキメラの翼を使っていた、との目撃証言を得たのみであった。
さらにアッサラーム、バハラタにも行ったが、情報としてはほぼ同じものばかりであった。
行き詰まりを感じた二人は、ある人物に知恵を借りるべく、急遽レーベに向かったのだった。
- 58 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 14:28:09.61 ID:269dME+AO
【レーベ村】
武闘家「う〜ん懐かしいなぁレーベは。魔法使いは元気にしてるかな〜?」
商人「静かで自然がいっぱいでいいところだよね。今日はここに泊まろうか?」
武闘家「お、いいね〜。ここの宿は山菜料理がめちゃ美味しいんだー。」ワクワク
商人「決まりだね。じゃあとりあえず暗くなってきたから先に宿屋に部屋を取りに行こ。」
ザッ
二人が宿屋に向けて歩き出したその時、
真正面から大きい氷の刃が二人に向けて飛んできた。
ヒュン!
ヒュン!
武闘家「!!」
武闘家「商人ッ!前!」ジャキ
商人「えっ!」バッ
商人「(氷?)」カチャ
- 59 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 14:45:42.88 ID:269dME+AO
武闘家「はっ!」シュ
商人「えいっ!」ビュ
カキンッ!
カキンッ!
二人は自分の武器で咄嗟に氷の刃を弾いた。
『さすがね二人とも。まだ衰えてないようね。』ザッ
武闘家「へっへ〜あったり前じゃん!」ドヤッ
商人「まったく...普通に歓迎してほしいのになぁ。」ブツブツ
魔法使い「久しぶりね。武闘家、商人。元気だったかしら?」
黒い三角帽子、薄緑色の法衣、橙色のマントを纏い、魔導師の杖を手に魔法使いがあらわれた。
- 60 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 14:51:07.30 ID:269dME+AO
魔法使いの久々の荒い歓迎に答えた二人は、
宿屋に部屋を取り、すぐに魔法使いの家に向かった。
すっかり日は落ちて、月が地面を照らしている。
真ん丸な形をした不気味なほどに大きな満月だった。
- 61 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 15:06:18.95 ID:269dME+AO
【レーベ 魔法使いの家】
魔法使い「さっきは突然驚かせてごめんね。久々のお客だから嬉しくて。」
商人「まあ、初めてじゃないからいいけどねぇ。」
武闘家「商人は気ぃ抜いてたもんね、さっきは。」
商人「忘れてたもん。そんなの。」プイ
魔法使い「ふふふ。相変わらず仲良しね、安心したわ。」
武闘家「魔法使いは最近はどうなの?教室の方は。」
魔法使い「まあまあね。元々が師匠が細々とやってたものだし。」
商人「そっか。なによりよね。旦那様は元気?」
魔法使い「ええ。毎日家の裏手で畑仕事よ。今は疲れて寝ちゃってるけど。」チラッ
魔法使いの旦那「くか〜くか〜」スー
- 62 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 15:15:48.46 ID:269dME+AO
武闘家「しっかしまあ、まさか結婚してたなんてびっくりだよ!」
商人「ゾーマ討伐してすぐだったんでしょ。教えてくれればお祝いしたのにね。」
魔法使い「...恥ずかしくて。結婚してだいぶ経ってからの報告になっちゃったわね。」
武闘家「でも。めでたいことは良いことさ!私達は嬉しいよ。」ニコッ
商人「そうだよ。よかったね!頼もしい旦那さんで。」ニコッ
魔法使い「ありがとう二人とも。」
- 63 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 15:29:46.07 ID:269dME+AO
魔法使い「それはそうと。あなた達が来たのって、もしかして?」チラッ
商人「魔法使いはなんでもわかっちゃうんだね。そう、勇者の事なんだけど。」
魔法使い「やっぱり。」
武闘家「何か知ってるの!」ガバ
魔法使い「ううん。何もわからないわ。だから私も近々、あなた達の
どちらかか、僧侶に会いに行こうと思ってたところよ。」
魔法使い「約半年前から、勇者は姿を見せなくなった。最初はあの子の事だし、
心配はしていなかったけど、気になりはじめてね。」
武闘家「その勇者の事で一つだけ気になる事があって、魔法使いに聞きに来たんだ、私達。」
- 64 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 15:39:50.17 ID:269dME+AO
商人は魔法使いに勇者がルーラを使わないで各地を移動していた事を話した。
魔法使い「たしかに勇者にしてはありえない行動ね。あの子は当時ルーラを覚えたての頃、
よく失敗してたから私がコツを教えてあげていたわ。」
魔法使い「それからはどこに行くのにもルーラを使ってた。
私もだけどルーラが大好きなの。」
商人「(ルーラマニアね、魔法使いと勇者って)」
魔法使い「そんなあの子が魔法を使わないってのは引っ掛かるわね。」
武闘家「魔法使いもそう思うよね?」
魔法使い「ええ。」コクリ
- 65 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 15:50:40.37 ID:269dME+AO
商人「なぜなんだろう?今はそのくらいの小さな情報しかなくて...」
魔法使い「私が今思うに、いくつかの可能性が考えられる。」
武闘家「可能性?どんな?」
魔法使い「まず一つ目。」
魔法使い「勇者は『意図的に魔法を使うのを控えている』。」
商人「意図的に、って使いたくないっていう意味?」
魔法使い「それは、なんとも言えないわ。ただ使えるけど使わない、と言い換えてもいい。」
商人「う〜ん。理由はわからないもんね。」
魔法使い「まあ、それならそこまで心配はしなくてもいいんじゃないかと思うけど...」
- 66 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:06:47.41 ID:269dME+AO
魔法使い「そして二つ目。」
魔法使い「勇者の『ただの気まぐれ』。」
武闘家「気まぐれぇ?ああ〜、あいつの事だしそういう可能性も...」
魔法使い「ないわ。残念だけど。武闘家。」キッパリ
武闘家「え?」
魔法使い「二つ目はただの可能性であり、実際にはあり得ない事なのよ。」
商人「あの勇者が、一ヶ所だけでなく数ヶ所だけどルーラを
使わずにわざわざキメラの翼を使っているから、でしょ?」
商人「あと、それが理由ではこの行方不明は説明できない。」
魔法使い「そう。」
- 67 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:16:10.64 ID:269dME+AO
武闘家「じゃあ...」
魔法使い「私も一つ目、二つ目なら、と思うんだけど。」
魔法使い「そして三つ目。」ビッ
魔法使い「勇者は何らかの方法で『魔法が使えない状態』にある。」
商人「!!(まさか。)」
武闘家「使えない状態?ん〜。」
魔法使い「簡潔に言うわ。おそらくだけど...」
魔法使い「勇者は『誰かの手によって魔法を封じられている』ってことね。」
- 68 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:26:10.23 ID:269dME+AO
武闘家「誰かに封じられているって誰なの?」
魔法使い「それがわかれば苦労しないわよ〜。」
魔法使い「ただ、あまり楽観視できる状態じゃない事は確か。」
商人「ね、ねえ魔法使い。質問なんだけど。」
魔法使い「なに?」
商人「それっていうのは『マホトーン』と同じと考えていいの?」
魔法使い「………似てるけど違うと思う。」
商人「似てるけど、違う?」
魔法使い「マホトーンはその効果が一定時間しか続かないでしょ?」
- 69 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:37:12.38 ID:269dME+AO
魔法使い「ただ、勇者に掛かっているのものは持続性があるみたい。」
魔法使い「単なる魔法でこんな効果は聞いた事がないわ。」
商人「そんな!それじゃ、まるで....」
商人「『呪い』にかけられてるみたいじゃない!」
魔法使い「………そう。なにかしらの強い呪いの類いが
勇者にかけられている可能性が高いわ。」
武闘家「呪い。あの半端ない強さの勇者が呪いにかかるなんて。」
商人「勇者....」
- 70 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:46:28.10 ID:269dME+AO
魔法使い「私がわかるのはおおよそこの位ね。まだ情報が足りないけど。」
武闘家「もっといろんな所を廻って情報を集めなきゃね!」
商人「そうだね!明日起きたらすぐに出よう武闘家。」
魔法使い「私はとにかく、古い文献や師匠に聞いて調べてみるわ。なにか分かるかもしれない。」
武闘家「頼むね、魔法使い。」
魔法使い「まかせて!」コク
商人「じゃあ私達は明朝にはここを発つよ。」
- 71 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:56:48.02 ID:269dME+AO
魔法使いは二人が出たあと、ふとため息をついた。
勇者が今どのような状況にあるのか、わからない自分に呆れるように。
しかしふいにもう一つの不安が魔法使いを襲った。
魔法使い「(そういえば、僧侶。)」
魔法使い「(あの子からもここ2ヶ月くらい手紙が来ない...)」
魔法使い「(なにもなければいいけど...)」
魔法使い「ほら、あなた、そのまま寝ると風邪引くよ。ちゃんと着替えて。」ユサユサ
- 72 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 16:57:51.82 ID:269dME+AO
今日はここまで。えらい展開になったな、これ(笑)
- 73 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/30(水) 17:26:57.96 ID:hCSVrOmc0
乙!!
休憩がてらに見に来たらすんごい進んでてビックリw
あと>>1はsagaで識別できるけど、偽者防止にトリップ付けたほうが良いかも
- 77 名前:gaku ◆H4ppx.BYM2 [saga] 投稿日:2013/01/30(水) 21:30:01.75 ID:CWbWxd+a0
>>73さん
トリップ、なんのことかわからなかったので調べてみました。
こういうことでいいのでしょうか?↑
>>74さん >>75さん
どうもです。長編は懲りたので前作よりは短めに収められるよう
に頑張ります。
- 78 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/30(水) 21:47:44.15 ID:/UJw015Z0
>>73じゃなけど、やり方はそれでOK
今回初めてそのトリップ使ったと言う事なら変えたほうが良いかもしれない。
それをググれば分かるが誰か使っているし、トリップの文字がすでにバレていると思われます。
次からは最初にテストしてそれをググって確認した方が良いよ。
文字列がバレていれば簡単に成りすましができるからね。
文字列は全角の漢字とか入れるとバレにくそう。
では、続き頑張ってください。
- 79 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/01/31(木) 08:26:09.14 ID:UN5Y+7qAO
>>78さん
詳しくありがとうございます。ということで漢字にしてみました。
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