■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
- 358 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/05/28(土) 23:41:06.65 ID:MEXOaLKBo
〜三日月島〜
ゴウンゴウンゴウン…
西国兵「いいぞーっ!」
ゴゴオオォォン…ザッ
隊長「まずは負傷者だ、搬送しろ」
ザザッ…タッタッタ…
衛生兵「こちらへっ」
男隊員「俺はいい。先に……他の連中を……っ」
女隊員「格闘家くんっ、着いたッスからね!」
格闘家「俺より……西国の人を……っ」
戦士「無理に起きるなって」
衛生兵「担架でそのまま運びますので!」
格闘家「……情けないな」
戦士「……ああ。もっと……強くなろうぜ」
格闘家「……無論だ」
- 359 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:41:55.20 ID:MEXOaLKBo
ザッザッザッザ
神官「陛下!!」
王子「神官!? 戻ってたのか……?」
神官「ご無事ですか? 負傷者が出たと伺いましたが……」
王子「僕は問題ないよ。ただ……」
神官「……」
王子と神官、二人が言葉を交わす横を、担架が複数通り過ぎてゆく。
パイク長「…………」
王子「パイク長だけじゃない。助けに入った何人もが死んだ……」
神官「……ええ」
王子「何も……出来なかった……っ」
神官「……」
ザッザッザ
戦士父「誰のせいでもない。勿論、貴方のせいでもない」
王子「……っ」
- 361 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:42:33.26 ID:MEXOaLKBo
戦士父「しかし、その死は全ての人のものだ」
王子「全て……の?」
神官「私達とていつ死ぬか分かりません。彼らの分も……」
王子「うん。戦って……そして勝つさ」
戦士父「それでいい。前を向いて進むしか、道はありません」
ザッザッザ
王子「いつまでも挫けていられないよなぁ……」
神官「ええ。らしくないですよ」
王子「……だよな」
神官「さぁ、我らも施設内へ……」
王子「王の……務め、か」
神官「……?」
王子「いや、死んでいったみんなのお陰で、気付かされたんだ」
神官「陛下……」
王子「さぁ、戻ろうか」
- 362 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:43:10.21 ID:MEXOaLKBo
〜西方司令部、会議室〜
西方副司令「お疲れ様です」
隊長「おう。首尾は?」
西方副司令「こちらは特に、動きはありません」
隊長「こちらは……ねぇ」
西方副司令「南西砦から召集がかかりました」
隊長「招集?」
西方副司令「ええ、何でもありったけの魔道兵をと……」
隊長「……?」
戦士父「魔道兵……」
西方副司令「アンラ・マンユ討伐に突入するようですよ」
戦士「何だとぉ!?」
女隊員「もうッスか……?」
西方副司令「なんでも、早い段階で動かなくちゃいけなくなった……って」
隊長「……」
- 363 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:44:10.04 ID:MEXOaLKBo
戦士「どういう事だ?」
隊長「思ったより、眷属の効果が現れなかったのか?」
西方副司令「どうなんでしょう、まだ詳細は……」
テクテクテクテク
博士「戦士父殿と隊長はいるのら?」
戦士父「何だ?」
博士「電話なのら」
隊長「すぐに行く」
ガタッ…カツカツカツ
女隊員「私、2人の様子を見てくるッス」
戦士「……おう」
カツカツカツ
戦士「……」
静けさの戻る会議室で戦士は一人、包帯で吊られた左腕を見つめる。
戦士「……間に合うか? いや、間に合わせるしかねーよなぁ」
- 364 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:44:45.93 ID:MEXOaLKBo
〜参謀室〜
ガチャッ…カツカツカツ
通信兵「電話、繋がっております」
隊長「おう」
大軍師『伝令の話から察するに、そろそろかと思いましたよ』
隊長「動きがあったみてぇだな」
大軍師『ええ。まずはそちらの状況をお教え頂けますか?』
隊長「サルワは追いやった。被害は西国側に少数名」
大軍師『……そうですか』
隊長「奴は南へ逃亡した。おそらくしばらくは動けないはずだ」
大軍師『それは幸いです。』
隊長「そんで、こっちはどうすればいい?」
大軍師『戦士父殿はいらっしゃいますか?』
隊長「……大軍師です」
スッ
- 365 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:45:34.76 ID:MEXOaLKBo
戦士父「何だ」
大軍師『ご無事で何よりです。ゾディアックは如何ですか?』
戦士父「順調だ。西方の1本も入手できた」
大軍師『ほぅ、それは何より』
戦士父「どうせ想定内なんだろう?」
大軍師『……ふっふっふ。こちらからも贈り物を届けておきましたよ』
戦士父「……」
大軍師『詳細は博士殿にお聞き下さい』
戦士父「分かった」
大軍師『其方の研究機関で全て整うよう、手配はしておきましたので』
戦士父「……ほう、分かった」
大運氏『準備が整い次第、作戦を開始致します』
戦士父「了解した。明日には戻る」
大軍師『期待しております』
戦士父「……ああ」
- 366 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/28(土) 23:47:29.16 ID:MEXOaLKBo
…
大軍師『それでは、宜しくお願い致します』
隊長「ああ」
ツーッ…
隊長「……ふーっ」
戦士父「思ったより早かったな」
隊長「ええ」
戦士父「……」
隊長「どうしました?」
戦士父「いや、いざとなるとやはり……緊張するな」
隊長「……っ」
戦士父「自信がないわけではない。だが……やはりなんというか、な」
隊長「あなた程の方でも、緊張しますか」
戦士父「それはするさ。俺も……人間だからな」
隊長「……なるほど」
- 368 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:50:50.64 ID:V4+YCb+ao
〜研究機関〜
戦士「……おぉ、これ……写真だっけか?」
白衣「ええ、撮っていかれますか?」
戦士「うーん、今日はいいや」
カツカツカツ
博士「多少は暇つぶしになったのら?」
戦士「ああ、お陰さんで」
博士「思い詰めた時は、何か別の事をするのも手らよ?」
戦士「……あんがとさん」
ザッザッザ
戦士父「……」
戦士「あれ、親父?」
博士「もしかして、ゾディアックか?」
戦士父「ああ」
戦士「……!?」
- 369 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:51:57.59 ID:V4+YCb+ao
研究機関のある大部屋を脇に、反対側に当たる鉄の扉。
西方司令部の地下に存在する研究機関、魔道機関に続く3つ目の機関。
それが、彼らの訪ねた扉の先に存在する『開発機関』である。
戦士「ここ……か?」
ゴウンゴウン…ガゴオオォォォォ
博士「おーい」
――「はーいっ」
タッタッタッタッタ
戦士「んおっ!?」
――「せ、戦士……っ!?」
戦士「鍛冶娘……」
鍛冶娘「こんな所で、何してるの?」
戦士「こっちの台詞だよ。お前、本国勤めじゃあ……」
家事娘「急な仕事があるって言うんで、召集よ」
戦士「……?」
- 370 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:53:16.06 ID:V4+YCb+ao
家事娘「局長ーっ、見えられましたよ」
カツカツカツ
局長「おーう、よく来たな」
戦士父「久しぶりだな」
局長「一番槍か……っ!! 現役復帰したらしいじゃねぇか!?」
戦士父「いや、残念だが現役復帰はしていない」
局長「でも戦うんだろ? だったら結果は同じだっつーの」
戦士「この人は?」
家事娘「開発局の局長よ」
戦士「へぇ」
局長「紹介が遅れたな。俺は……局長だ」
戦士「……はぁ」
局長「何だよそのガッカリ感」
戦士「いや、たった今聞いたんで」
局長「……あ、そう」
- 371 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:53:50.68 ID:V4+YCb+ao
隊長「そんで、本題はどうなってる?」
局長「あーはいはい。おい」
ガラガラガラッ
戦士「なんだこの箱?」
局長「おい、開けろ」
ガチャガチャッ…ゴトッ
戦士「!?」
局長「こっちが騎士団長の。んで、こっちが南西砦からの贈り物だ」
戦士「……ゾディアック……!!」
隊長「……ん? ちょっと待てよ?」
戦士「西方で1本手に入れて……ここに2本……」
戦士父「……全て、揃ったな」
局長「その為にここでスタンバってんだろうがよ」
戦士「じゃあついに……」
局長「ゾディアック、完成させんぞ」
- 372 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:54:36.61 ID:V4+YCb+ao
隊長「……ついにゾディアックが……っ」
戦士父「完成の時か」
局長「……と、いきてぇところなんだが」
戦士「……?」
局長「まだ作り手が揃っちゃいねーんだなここれが」
戦士「作り手?」
局長「そうなんだよ、全くあのタコスケ……」
タッタッタ
助手「博士ーっ!」
博士「……?」
助手「お客様、ご到着〜!」
博士「噂をすれば、到着したようなのら」
テクテクテクテク
戦士「……お、おやっさんに……おかみさん!?」
鍛冶娘「……っ」
- 373 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:55:53.17 ID:V4+YCb+ao
鍛冶屋「やぁやぁ、長旅だったよ〜」
おかみ「鍛冶娘!?」
鍛冶娘「お母さん……お父さん……っ」
戦士「そうか、作り手ってのは……」
ザッザッザ
局長「くぉーら! おっせーぞ!」
鍛冶屋「やははっ、久し振り!」
局長「相変わらず飄々と、マイペースな奴だ……」
鍛冶屋「いやあ、何年振りだろうね〜」
局長「うるせーっ! さっさと取り掛かるぞ!」
戦士「おやじさんと仲悪いの?」
鍛冶娘「さぁ……?」
おかみ「ったく、相変わらずだねアンタ達はさ」
局長「お、おかみっ!?」
おかみ「元気そうで何よりだよ、局長っ」
- 374 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 01:57:48.93 ID:V4+YCb+ao
局長「い、いやぁ……うへへへへっ」
戦士「……俺、なんか理由分かったかも」
鍛冶娘「……?」
局長「家事娘っ!」
家事娘「は、はいっ!」
局長「ゾディアックを受け取って、すぐにラボに運んで行けっ!」
家事娘「り、了解です……っ。それではお預かり致します」
戦士父「宜しく頼む」
スッ…ゴトッ
局長「今晩は徹夜だ。明日の昼までには何が何でも仕上げるぞ!」
鍛冶屋「やれやれ、やるしかないっか」
博士「人員は惜しみなく出すのら。意地でも仕上げるのら」
局長「うーるせっ! 言われんでもやるわいっ!!」
隊長「それじゃ、頼んますわ。さーて、果報は寝て待つとしようかね」
戦士「……おう」
- 375 名前:NIPPERがお送りします(大阪府) [] 投稿日:2011/05/29(日) 05:38:12.12 ID:Yx504kRu0
いちおつ
ワルキューレ達に罵られる召喚士を想像してハアハア
- 376 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/29(日) 08:21:25.04 ID:kMwqHapVo
>>1乙
盗賊は細かい心の動きとかよく気が付くようになって1スレ目から見ると
成長したなーと思う
今だったら絶対召喚士に恋愛相談なんて持ちかけないだろうな
- 381 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:10:33.17 ID:V4+YCb+ao
〜次の日、アマゾネスの村〜
盗賊「……」
アマゾネス「今日も早いですね」
盗賊「……敬語でなくとも良いぞ」
アマゾネス「ふふっ、ありがとう」
盗賊「……日課でな。なかなか抜けぬ」
アマゾネス「あの……」
盗賊「……なんだ?」
アマゾネス「貴女も、そとの世界へ出たかった……の?」
盗賊「……」
アマゾネス「何だか、全てを見透かされているようで……」
盗賊「……そうかもな」
アマゾネス「……」
盗賊「……私は、東方の出でな」
アマゾネス「東方……」
- 382 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:11:57.05 ID:V4+YCb+ao
盗賊「遥か東にある、小さな島国さ」
アマゾネス「……」
盗賊「……私は、兄が一人居てな」
アマゾネス「兄、家族……か」
盗賊「……兄様を追うように……私も東方を出た」
アマゾネス「怖くは?」
盗賊「……怖かったさ。でも、そんな事は言ってられなかったし」
アマゾネス「そっか」
盗賊「……最初は……苦労ばかりだったよ」
アマゾネス「……」
盗賊「……でも……今は出て良かったと思ってる」
アマゾネス「そう……」
盗賊「……世界は本当に広い。それは自分で見ないと……分からないからな」
アマゾネス「うん」
盗賊「……でも、楽しいぞ」
- 383 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:14:17.49 ID:V4+YCb+ao
アマゾネス「でしょうね」
盗賊「……」
アマゾネス「皆、楽しそうですもの」
盗賊「……うん」
アマゾネス「でも、これからなんですよね」
盗賊「……ああ。敵は……強い」
アマゾネス「私達も、是非お手伝いを」
盗賊「……ありがと」
ザッザッザ
アマゾネス「……」
盗賊「……戻ろう。みんなも起きた頃だろう」
アマゾネス「はい」
盗賊「……それに、準備もしないといけないだろう?」
アマゾネス「あ……っ、そうですね」
盗賊「……ふふっ」
- 384 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:15:53.34 ID:V4+YCb+ao
…
魔道士「あっ、おはようございますっ!」
アマゾネス「おはよう」
魔道士「盗賊さんとおでかけしてたんですか?」
盗賊「……ん、まぁな」
魔道士「朝ご飯、出来てますよー」
アマゾネス「!?」
魔道士「あっ、すみません……。お世話になっているので勝手に……」
アマゾネス「気にしなくてもいいのに……」
ザッザ…ストッ
アマゾネス「しかも、美味しそう……」
タッタッタ
おさげ「あっ、長!! 探したんですよーっ」
色黒「見てよコレ……。お祭りのご馳走より凄いかも……」
アマゾネス「わざわざ手間をかけて申し訳ない……」
- 385 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:16:49.50 ID:V4+YCb+ao
魔道士「いえいえっ、余り物で簡単に作っただけですから」
アマゾネス「余り物、凄……っ」
召喚士「おはようございます」
青年兵「昨日はお疲れ様でした」
玄武娘「おぉーっ!? いい匂いですのー!!」
朱雀嬢「ほんと、あなたは揺るがないですわね……」
召喚士「それで、村はいつ頃出られるんです?」
盗賊「……すぐに出るよな」
アマゾネス「ああ」
召喚士「えっ!? そうなんですか……?」
盗賊「……善は急げ」
召喚士「は、はぁ……」
盗賊「……何が『はぁ』だ。我らも手伝うぞ」
召喚士「えっ、は……はいっ」
アマゾネス「ふふふっ」
- 386 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:17:50.68 ID:V4+YCb+ao
〜西方司令部〜
戦士「……ん」
戦士父「起きたか」
戦士「悪りぃ、2時間くらい寝ちまったか」
戦士父「別に構わんさ」
戦士「……ゾディアックは?」
戦士父「いや、まだ何も……」
ガチャン…ゴゴオオォォォォン
局長「……あー眠みぃ!!」
シュボッ…スパッ
戦士父「出来たか?」
局長「あーん……?」
スパスパスパゥt
局長「……ふーっ、まだだいぶかかりそうだな」
戦士「……そうか」
- 387 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:18:50.73 ID:V4+YCb+ao
戦士父「昼頃までには何とかならんか?」
局長「あのな、こっちだって急いでやってるつーの」
戦士父「分かっている」
局長「作ってるモンは、それだけじゃねーんだしよ」
カツカツカツ
戦士「おっ、大丈夫なのか?」
男隊員「ああ。んで、そっちは?」
戦士父「まだのようだ」
隊長「出来れば、昼前には発ちたいところだな」
局長「わーってるっつーの! あから必死で取り組んでるんだろうがよ!」
隊長「いや、まぁ……そうなんだが」
局長「昨日の今日でやらされるこっちの身にもなってみろ!」
戦士父「……すまんな」
局長「いや、いいっすけどね!」
戦士「いいんかい」
- 388 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:20:12.07 ID:V4+YCb+ao
隊長「12時まで待つ。それがリミットだ」
局長「はいはいはい。クソ司令に伝えとけ」
男隊員「……?」
局長「臨時ボーナス用意しとけってな!」
隊長「はいはい。了解」
戦士「中、入ってもいいかい?」
局長「おーおー好きにしろ」
テクテクテク
戦士「おやっさん、調子は――!?」
鍛冶屋「やぁやぁやぁ戦士くんっ! おはようおはよう!」
戦士「な、何だこの甲冑の数……っ」
鍛冶娘「対魔王討伐用の防具よ。もちろん国軍のね」
戦士「すげぇな……っ。白銀に輝いて……プレートアーマーか?」
隊長「それにしちゃあ装甲が薄くないか? 軽量化しすぎな気もするが……」
局長「あのよー今更、装甲厚くしてどーすんだよ?」
- 389 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:22:42.72 ID:V4+YCb+ao
男隊員「……?」
局長「魔王相手なんて、どうせ一撃喰らったらはい即死、だろ」
男隊員「いや、そりゃそうだけどよ」
局長「だったら、ハナっからそっちは捨てて、こっち備えたほうが100倍マシ」
ポイッ…パシッ
男隊員「これ、結界石か!?」
隊長「そういう事か。この鎧、結界石を……」
博士「比率の計算になかなか時間がかかったのら」
助手「でも、今は完成して大量生産中よっ♪」
局長「お前の戻る船で、コイツも運んで行って貰うからな!」
隊長「はいはい。分かったからゾディアックも頑張ってくれよ」
局長「分かったって言ってんだろっ!!」
戦士「頼んだ」
局長「……おらテメェら!! サボってねーでちゃっちゃと動けやっ!!」
戦士「……」
- 390 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:24:44.33 ID:V4+YCb+ao
〜南西砦〜
天才「……」
大軍師「司令、どうなされました?」
天才「風が……変わったな」
大軍師「風……ですか?」
天才「ああ。だが、悪い風じゃねーと思わんか?」
大軍師「……確かに、暖かい南風ですね」
天才「ハーッハッハッハ!!」
コトッ
大軍師「あっ」
天才「まずは方々から魔道兵を集めて」
コトッ
天才「んで、万が一の眷属にゃ、召喚士の連中を当てる……と」
コトッ
天才「んで、最後に……ほい、チェックメイト……っと」
大軍師「……これは……っ」
- 391 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/29(日) 23:26:25.85 ID:V4+YCb+ao
天才「いやー我ながらなんつぅ作戦でしょうかねぇ」
大軍師「東西南北、いや……8方向から……」
天才「たった一度の大作戦だ。だがな、俺様には見える……」
大軍師「……」
天才「いや、ずっと見えてたのかもな」
大軍師「アンラ・マンユ、討てますか?」
天才「討てるさ。でなきゃここまで何十年と費やしてきた意味がねぇ」
大軍師「ですね」
天才「まぁ心配すんなって。今回は誰も死にゃしねーよ」
大軍師「主力は……ですか?」
天才「……まぁな」
大軍師「私自身は、あまり好きな作戦ではありませんね」
天才「そうそう、いいね。時には諌めるのも参謀役の務めだぜ」
大軍師「……はい」
この日の夜、アンラ・マンユ討伐作戦が発令された。
〜第四十七部、完〜
- 392 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/05/30(月) 00:17:11.88 ID:1JCFLAdAO
主力じゃない王子がついにか……
- 393 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/30(月) 00:23:53.18 ID:9fTXZUuDO
いち乙!
いつも活力にさせて貰ってますよ〜
最近最初から読み直しているけど、一日二日では終わらん…
漫画とかにしたら、何話分になるんだこれ…
- 394 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/30(月) 00:57:46.04 ID:6DColoSHo
1おつ
主力以外でもタヒぬのは嫌だなあと思ったけど
王子ならいいや
あそこお姉ちゃんいるし、跡継ぎも大丈夫だろうし
- 395 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/05/30(月) 08:35:08.08 ID:Azhkmu+AO
>>1乙
今更だけど
今回は死なないとか、砦長は死ぬとか
予言出来ちゃうとそんなんまでわかるんだよな
占い師ちゃんどんだけメンタル強いんだ
俺なら鼻水撒き散らしながらアヘ顔をさらけ出すレベル
- 396 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/30(月) 08:46:26.05 ID:ZD+PhaHDO
>>1乙!
週末の大量更新ありがとう
こないだ占い師から天才がイメージ引き出してるっぽい描写あったから
誰が死ぬとかの詳細ビジョンまで見えてるのは天才の方かなと思った。
どっちにしろ人が死ぬのわかった上で作戦立てるのはキツイよな。
- 422 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/05/30(月) 19:05:37.32 ID:MeL5PmzFo
それではここまでにて失礼致します!
本日も多大なるご支援、まことにありがとうございます!
では、失礼致します!!ノシ
>>392>>394
王子…最後の最後まで…
>>393
単行本にして5冊くらいです!
>>395-396
占い師は漠然とした全体のもの、天才は個別に小さいものを明確
そんな感じで今後に続きまする!!
次へ 戻る 戻る 携 上へ