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女騎士「・・・はっ、私の鎧をどこにやった!?」
1 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 06:53:35.11 ID:jCQG8st50
母「あんた鎧着たまま寝てたからお母さんが脱がせておいたわよ」

女騎士「勝手に脱がすな!どこに置いてあるんだ?」

母「勝手に脱がすなって言うけどね、鎧着たまま寝るとシーツ痛むでしょ?破れたらどうするの?」

女騎士「騎士は常に戦いに備えておくものだ」

母「戦いもいいけどシーツの事も気にしなさいよね、あと鎧は痛んでたんで修理にだしておいたから」

女騎士「なんだと!?なら私は鎧無しで戦えというのか?」

母「お母さんが昔使ってた鎧を使えばいいでしょ」

女騎士「あれは・・・デザインが古くて可愛くない・・・」

母「戦いにデザインとか可愛いとか関係ないでしょ!」


2 名前:以下、名無しになりすましてVIPがお送りします ◆8VSCHlqE1x16 [] 投稿日:2011/06/22(水) 06:54:38.21 ID:WWv9SE9J0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' C <コトッ



| ミ  ピャッ!
|    C


3 名前:しおん ◆SION.SExdU [] 投稿日:2011/06/22(水) 06:54:46.74 ID:Nb1zFCCT0
うわつまんねなにこれ終わって良いよ


4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 07:01:29.87 ID:gh83RT6r0
続きは?


5 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 07:24:27.86 ID:RGTRkKFzQ
見習い女騎士「鎧を交換……でありますか?」

女騎士「ああ、こんな古くさいヤツよりはまだ、お前の着ている方がかわいい」

見習い女騎士「し、しかし……鎧は命を守ってくれる相棒とも言える存在だと」

女騎士「そんなお固い事言わないでさ、お願い」

見習い「鎧に彫られた階級章は……」

女騎士「あっ、そうか。上官命令だ!! 鎧をよこせ」

見習い「う……うわ〜ん! あまりにもひどいであります〜」

女騎士「渡すの? 渡さないの? 渡さないなら命令違反を上に報告して減給処分だけど」

見習い「お、横暴にもほとがあるであります〜」


6 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 07:46:12.35 ID:RGTRkKFzQ
見習い「結局、茂みに連れ込まれて鎧を剥ぎ取られたであります」

見習い「しかし、上官どのは代わりに自分の鎧をこうやって脱ぎ散らかして……物の扱いがひどいであります」

見習い「へ……くしゅんっ!」

見習い「……肌着一枚では寒いし動けないであります。
申し訳ないでありますが替えの服を用意する間だけ、上官どのの鎧を着させていただくであります」カチャカチャ

見習い「……胸部がブカブカであります」

?「だれか! だれかいないのか!!」

見習い「……!? だれでありますか!!」


7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:15:58.26 ID:2lVXDygU0
(´・ω・`)・ω・`)こわいよー
/  つ⊂  \


8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:16:42.31 ID:pxCeBx840
>>3
まだ生きてたのかよとっとと死ね


9 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:17:37.86 ID:yVkT0Oa/0
鎧ってこっそり剥ぎ取れるものなのか・・・?


10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:44:16.45 ID:Jbtq0e7f0
鎧は和風?洋風?


11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:45:31.05 ID:28/NDY0Ei
ほす


12 名前: 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:45:54.31 ID:WOBp3+CG0
札幌みそらーーめええん


13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 08:51:18.77 ID:HwGE29H70
女騎士か見習いか主役はどちらになるのか楽しみであります


14 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 08:57:59.00 ID:RGTRkKFzQ
男「あ、キミは…………そ、その鎧は大隊長どの!? し、失礼しました!!」

見習い「ほえ? 大隊長?」

男「その鎧の刻印はまさしく大隊長の証!! 貴方様にキミなどと言って申し訳ありませんでした!!」

見習い(えっと……この鎧の上官どのは確か小隊長であります)

見習い(……ああ、そう言えば上官どのはお婆さまの鎧だと……お婆さまは大層立派な方だったのでありますね……)

見習い「って、鎧の刻印はせめて隠さないと!? 階級詐称は犯罪であります!」

男「階級? 詐称?」

見習い「な、何でもないであり……何でもない。それでどうしたんだ?」キリッ


15 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 09:03:42.88 ID:RGTRkKFzQ
男「は! 先程、早馬が来まして領内に野盗が出たとの事です」(チラッ

見習い「野盗?」

男「指揮出来る者が前線に出払っていまして、とにかく頭数を揃えようとしていたら……」(チラッ

男「危うく経験の無い私が指揮を執る所でした!」(チラッ

見習い「経験? 指揮?」

男「しかし、大隊長が戻っておられるとは心強い! どうか指揮をお願い出来ないでしょうか?」

見習い「え、えぇ!?」

男「おお、指揮を取ってくださりますか! 感謝します!! それではこちらに……」

見習い「ま、待つであり……待て! 今の『えぇ』はYesの『えぇ』では……あ、あ〜れ〜」ズルズル


16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:06:12.02 ID:28/NDY0Ei
がんばれ


18 名前: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:13:04.01 ID:0VyUAc4U0
いいかも


19 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 09:15:51.90 ID:zrp+AncY0
エロ展開ある?


20 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 09:17:55.35 ID:RGTRkKFzQ
そのころ女騎士


女騎士「はぁ、デザインは及第点だけど……胸がツライわね……」

女騎士「少しくらいならどうにかなると思ってたけど、やっぱり鎧を戻そうかしら?」

女騎士「う〜ん、う〜ん、あっ!?」ポンッ

女騎士「サイズの合う他の見習いからかっぱらえば問題無いのよ! 何で気づかなかったのかしら」

女騎士「そうと決まれば、お〜い!! そこの人たち!!」

女士官1「失せろ」
女士官2「サボんなカス」
女士官3「見習いのかわいい騎士さん、私の部屋に来ませんか?」(獲物を狙う獣の目で

女騎士は逃げ出した。


22 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 09:38:07.83 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「はぁ……はぁ……見習い連中の訓練場所を聞こうとしただけなのにガン飛ばしてきやがったよアイツら」

女騎士「いつもは『こんにちは女騎士さん』ってフレンドリーに話してくるのに……」

女騎士「っていうか、顔ぐらい覚えとけよ。確かに人は多いけどさ、私のあふれ出るカリスマパワーぐらいさ……」(イジイジ

男騎士「おい、見習い。何をしている?」

女騎士「そりゃ、完成しなかった書類を埋めたり焼いたりして『え? まだ届いていませんよ?』って他人になすりつけたりしてるけどさ、でもわたしは小隊長なんだし……」

男騎士「お前!? そんな事していたのか!! 成敗!!」ゴンッ

女騎士「うぐぇっ!? い、いきなりなにを……」

男騎士「ずっと呼んでただろうが!! この見習い!!」ゴンッ


23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:45:03.89 ID:6+9xSbFEO
かわいい


24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:49:43.62 ID:32cXKEWt0
ありだと思います


25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:54:32.55 ID:JhBmMnhqO
なるほど……。いや、構わないで続けてくれ。


26 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 09:55:10.65 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「い、いたっ! そ、そうだった! 今の私は見習いだった!!」

男騎士「罰として城内全力疾走30周だ!!」

女騎士「え、マジすか? っていうか普通に死んじゃうそれ!!」

男騎士「甘えるなバカもん!! っと普段なら言うが」フウッ

女騎士「?」

男騎士「今はそれどころではない、とにかく中央広場へ来い」

女騎士「えっと……なして?」

男騎士「まったくお前は……大隊長様が野盗退治に乗り出されるのだ、微力ながらお前も手伝うがいい」

女騎士「だ、大隊長様がここに!? す、すぐに参ります!!」ガバッ


27 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 09:57:40.36 ID:cZNXnVSNO
遅筆すぎ


28 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 10:03:29.28 ID:YPcAUGFE0
ここまでに要した時間はおよそ3時間


30 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 10:28:57.17 ID:RGTRkKFzQ
見習い「…………」ガクガク

男「全員!! 大隊長様に敬礼!!」

全員「はっ!!」ババッ

見習い「ひぃっ!?」ザッ

全員「おお、大隊長様が敬礼を返してくださった!!」ザワザワ

男「よし!! 戦果を持って大隊長様への感謝に代えろ!! 作戦を説明する!!」

見習い(あ、あうあう……どうしようであります、ヤバイであります。あっ!!)

女騎士「…………」

見習い(上官どの!! 地獄に仏とはこのこと……不自然じゃない程度にジェスチャーで……)

見習い(た……す……け……て)ササッ

女騎士(むりッ!!)ニヤニヤ

見習い(指先でバッテン……上官どのは鬼であります!!)


32 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 10:47:13.16 ID:RGTRkKFzQ
男「賊の数は50前後、ここに集まった我らの半分!! しかし諸君らの大半は見習い騎士、さらには敵のほとんどが戦い慣れしている傭兵くずれとの報告だ!!」

男「油断は絶対にするな!! だが、心配はしなくていい!! 大隊長様!!」

見習い「は、はぃぃ」ビシッ

男「我らには大隊長様がついていらっしゃる!! 敗北の2文字は無い!!」

全員「うおぉぉーッ!!」

見習い「あ、あうっ……あうっ」


33 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 10:50:52.19 ID:RGTRkKFzQ
男「それでは大隊長様、何か兵士を鼓舞する言葉を」ヒソヒソ

見習い「こ、鼓舞?」

男「士気が高いほうがいいでしょう? お願いします」

男「大隊長様の言葉であるぞ!! 全員静まれ!!」

見習い「ひぃっ!?」

全員「……………」ザッ

見習い「…………」

全員「……………」

見習い「………げ、元気があれば〜何でも出来る」

全員「うおっしゃあーっ!!」バーンッ

女騎士「だめだこりゃ」


34 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 10:50:52.70 ID:WAzEnHA1O
これは期待


35 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 10:52:42.51 ID:FezbMRC20
何回もひぃっ!?とかいうのがウザい


36 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 10:56:18.09 ID:2HlS7oN90
いのきふいた


37 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 11:09:40.72 ID:RGTRkKFzQ
見習い(こ、これ以上ウソをついたらダメ……でありますが、今バレたらミンチよりひどい有様になりそうであります……)

見習い(どうにか……どうにか……)

男「また、賊は北部から領内に侵入し山を迂回しながら川に沿って移動!! 今現在は北東部の山間部近くに潜伏していると思われ……」

見習い「……えっ?」

……………………

女騎士「さすがに危ないわね」

女騎士「このノリだとタコ殴り確定だけど、あの娘も限界そうだし……仕方ない、ネタばらしといきますか」

女騎士「みんな、実は」
見習い「全軍出撃!!」


38 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 11:24:05.81 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「……えっ?」

見習い「会議は終了!! すぐさま全員で出撃するであります!!」

男「お、お待ちください。地形や戦術などの説明がまだ……大半が見習いでありまして……」

見習い「なせばなる!! 移動にかかる時間でなんとかするであります!!」

男「し、しかし」

見習い「巧遅より拙速!! これは基本であります!!」

見習い「全員すぐに出撃準備をして正門に集合!! 用意が出来次第、各個に出撃!!」

全員「……えっと……」ザワザワ

見習い「元気があればーッ!?」

全員「なんでもできっりゃあーッ!!」バーン

女騎士「お、おいおい……ウソでしょ?」


39 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 11:43:40.26 ID:HwGE29H70
なぜかケロロ思い出した


40 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 11:50:58.71 ID:aHvcrv6w0
結構まとめてるな


41 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 11:55:12.81 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「お、おい見習い。何をやっているんだよ」ヒソヒソ

見習い「……上官どの、声をひそめなくても大丈夫であります。男どのは説明に奔走、騎士たちは皆用意で大わらわ、誰もいないであります」

女騎士「わかった、殴るぞ」

見習い「えっ?」

女騎士「ふんっ!!」ドッパーン
女騎士は腰を深く落とし、まっすぐに見習いを突いた。

見習い「ぐべらっ!?」ズサー

女騎士「子供のイタズラじゃないんだ!! 初心者のお前に指揮を執ることなんて出来るわけないだろう!? 大人しく相応しい指揮官を待ってだなぁ」

見習い「……ないであります」

女騎士「うん?」

見習い「それじゃ間に合わないであります!!」


43 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 11:56:50.73 ID:1QS03xdVO
濃厚な絡みを、ひとつたのむぜ


45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 12:23:52.51 ID:IjxVUfBaO
女騎士クズ


46 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 12:31:10.92 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「どうした? 言ってみろ」

見習い「……北東部の山間部は特に名産品もなく、人も少ないであります」

見習い「でも、それでも、わずかな集落の皆が手を取り合って頑張ってきたであります」

女騎士「自分たちはって、お前まさかそこの」

見習い「もし、家族がいなくなったら、自分は……自分は!!」

女騎士「わ、わかった。落ち着け!!」

見習い「わかった!? 上官どのにわかる訳ないであります!!」

見習い「大隊長級の鎧を着るということは、名誉の旗印を背負うことと同義!! まして、それが先代の鎧ならば、上官どのは家族の名誉を、繋がりを託されたということであります!!」

見習い「好みや気分で、家族の繋がりを簡単に投げ出すような輩に!! 自分の故郷の、家族の重みが分かるはず無いであります!!」

女騎士「……!?」


47 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 12:35:06.71 ID:8HMIq22C0
!?


48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 12:39:09.11 ID:UKafrcR0O
志の高い新人よりやる気のないベテランの方がよほどマシだけどな
前者は使いパシリ程度にしか使えない


49 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 12:41:34.12 ID:cyfDuAmm0
かわいい

一応パンツぬいどきました


50 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 12:55:13.79 ID:RGTRkKFzQ
見習い「…………」

女騎士「…………」

見習い「……言い過ぎたであります」

見習い「でも、代わりの指揮官を待っていたら故郷が……消えて無くなるであります」

見習い「誰がなっても同じなら、ウソの大隊長でも士気が高いだけマシであります」

見習い「だから、この鎧を、上官どのの家族の絆を、少しだけ貸して欲しいであります」

見習い「勝手な事を言って本当に申し訳ないでありますが、他に方法が」

女騎士「待った!! ただじゃ貸さない!!」

見習い「自分は、金目の物は」

女騎士「そうじゃない、プライドの問題」

女騎士「見習いにいいように言われて、これで退いたら死んだ先祖に笑われる。生きてる皆からも笑われる」

見習い「なら、どうすれば」


51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 13:02:24.68 ID:/x/BQj9PO
わりと怒っててわろた


52 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 13:11:55.28 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「私をアナタの副官にしなさい」

女騎士「これでも小隊長、少なくとも見習いよりはマシなはずよ」

女騎士「もうアンタが大口叩けないような素晴らしい指揮を披露して、アンタの鼻っ柱をへし折ってやるんだから」

見習い「……上官どの」

女騎士「……あらあら、大隊長様? どうしたのです? ここで泣き崩れて故郷を燃やす気ですか?」

見習い「……!! そうであります!! すぐに支度をするであります!!」

女騎士「それでは、わたくしめもお供いたしましょうか大隊長様?」

見習い「うむ、期待しているであり……ます!! 見習い上官どの!!」

女騎士「ふふ、ではすぐに用意を」

見習い「目標、北東山間部!! 我が故郷、であります!!」


55 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 13:47:08.66 ID:RGTRkKFzQ
見習い「行軍が多少乱れても構わない、速度を出せる者は最大速で山間部の住人に避難指示を出しに行け!! 物資は2日分でいい!! 領内だと言うことを忘れるなであります!!」

見習い「ほかには?」ヒソヒソ

女騎士「お前の滅茶苦茶な指示で出発しちゃった部隊に適切な命令、あと偵察隊と砲兵……は無理か、いやバラして運べば」ヒソヒソ

男「…………」

女騎士「あれ、どうしたの?」

男「……なぜ見習いが……ポジション的に私が副官では?」

見習い「……そ、それは」チラッ

女騎士「熱い一夜の成果よ、男さん」

見習い「ぶはッ!?」

男「衆道!? い、いや、女同士だと……百合か!?」

見習い「そ、そうじゃないであります!!」

男「いや、仕方ありません、大隊長様も人なれば。男同士は清く正しい、ならば女同士でも同様でしょう。私も初貫通は終わったあと、立ち上がる事さえ出来ませんでしたが今ではすっかり……」
女騎士「えっ?」
見習い「えっ?」
男「えっ?」

兵士「大隊長様!! 準備が出来ました!! ……あれ?」


56 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 13:54:04.74 ID:0dc3qzih0
えっ?


57 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 14:14:29.68 ID:RGTRkKFzQ
見習い「日が暮れるのが早いであります」

女騎士「日が落ちたら馬は動かせない、それは賊も同じだ。山間部なら徒歩でも命に関わる。こちらが先に着くよ、絶対間に合うさ」

見習い「……そうであります。明日に備えて英気を養うであります」

女騎士「おーい、男」

男「何でしょうか? り・ん・じ副官どの? 宿なら木賃宿が近くにありますから大隊長様と私はそちらに、他の者は教会を借りて夜を越す計画です」

女騎士「大隊長様」

見習い「男を教会へ、副官を宿にチェンジであります」

男「…………わかってましたよ、ええ」トボトボ



58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 14:14:52.53 ID:HwGE29H70
ええっ?


59 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 14:46:10.03 ID:RGTRkKFzQ
女騎士「風呂はいい、贅沢の極みだね」

見習い「生きかえるであります〜」

見習い「……ところで上官どの」

女騎士「なんだいあらたまって?」

見習い「大きいでありますね、胸」

女騎士「大隊長様は大層、小ぶりでありますなぁ?」

見習い「う〜、成敗!! であります!!」モミモミ

女騎士「く、やったな!! 倍の大きさに揉みしだいてやる!!」ギュ〜

見習い「ひゃんっ!? ま、負けないであります!!」ポヨンポヨン

女騎士「あ、あんっ!? こっちこそ負けないぞ!!」ペシーンペシーン

夜は騒がしくも過ぎていく


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 15:15:33.91 ID:+Ef3ZyVJO
遅い、遅すぎる


61 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 15:28:53.92 ID:0dc3qzih0
ゆっくり続けて言ってね!!!


62 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 15:30:42.07 ID:RGTRkKFzQ
兵士1「どうした?」

兵士2「ちょっとトイレ」

兵士2(俺は兵士2、モブキャラだ)

兵士2(他人と違う所と言えば、少しだけ野心、上昇思考が強いところかな? 俺も偉くなって、将来は宿の方に泊まってやるんだ……うん?)

兵士2(ウホッ、いい聖人像)

兵士2「ちがーう、蒼白い!! ハブられて幽鬼となった男さんだ!!」

男「…………」ジィーッ

兵士2「あ、ああ……」

男「…………」ザッザッザッザッ

兵士2「か、神よ!!」

?「伝令!! 大隊長様に伝令だ!!」

兵士2「神は死んでいなかった!!」

男「ちっ……キミは、先遣隊かね?……怪我をしているのか?」

男「いや待て、ずいぶんと深いぞ!! 衛生兵!!」

伝令「それどころではありません!! 報告をさせてください!!」


63 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 15:36:08.05 ID:RGTRkKFzQ
男「……わかった、頼む」

伝令「はい!! 夕方頃に山間部の集落に味方十余騎が到着、民衆へと避難を指示」

伝令「然れども、日が沈むと同時に敵本隊が集落に侵入、三角錐の陣で交戦するも歯が立たず、負傷者多数」

伝令「現在は、高台の廃墟に民衆と共に立てこもっており、こちらとは松明による合図を行うとのことです!!」

男「よし、わかった。衛生兵!!」

衛生兵「ラジャー!!」

男「兵士2!! 大隊長様に先程の報告を伝えよ!!」

兵士2「は、はい!!」

男「…………」ガラッ

男「……松明はまだ揺らめいているか、どうにか耐えてくれよ」


65 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:06:36.96 ID:bpbvN8S40
今支援をやらねばいつやるというのだ!


66 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:07:53.00 ID:RGTRkKFzQ
見習い「……………」
女騎士「……………」

女騎士「………速すぎる」

男「松明の明かりが伝えるには、敵はおよそ70、廃墟を囲んで微動だにせず」

女騎士「なぜ攻めない?」

男「……彼らは利益で動きます。何かがある、しかしそれは分からない……大隊長様?」

見習い「…………」

見習い(落ち着くであります。考えるであります)

見習い(諦めないように、点と線を繋ぐように、一から順に……)


67 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:15:48.12 ID:bpbvN8S40
書き溜めなしか……保守


68 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:17:35.08 ID:RGTRkKFzQ
見習い「……男どの、敵は野盗でありますか? 傭兵でありますか?」

男「? ……行軍能力に戦闘練度、もはや軍隊です。野盗とは格が違う、おそらく北国の傭兵部隊が獲物を求めて南下して来たのでしょう」

見習い「なら、傭兵の求めるものは?」

男「金……ですかな? 傭兵ではないので、なんとも」

女騎士「見なら……大隊長様。何の話をしているんで?」

見習い「おかしいと思うなら納得するまで考えるであります」

女騎士「そんな時間は」

見習い「動いたらもう考えられなくなるであります。敵が時間をくれるなら、有効に使って解決策を出すであります……兵士を、集落のみんなを助けるために」

女騎士「……おまえ」

男「コホンッ!! いくら大隊長様の寵愛を受けていようと『おまえ』と呼び捨てとは、人前では敬意を払うものです……ぶつぶつ……」


70 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:29:41.35 ID:RGTRkKFzQ
見習い「!!………それであります!!」

男・女騎士「へっ?」

見習い「男どの、さっきの言葉をもう一度、お願いするであります!!」

男「えっと、大隊長様の寵愛を」

見習い「ぶつぶつのところであります!!」

男「い、いや……そこは醜聞というか、悪態というか」チラッ

女騎士「?」

見習い「いいからお願いするであります!!」

男「で、では失礼して……『上手く取り入った雌ぎつね!! こんな戦果も、金もなさそうな見習いの女がどうやって?』です」

女騎士「ほう」


73 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 16:59:30.13 ID:RGTRkKFzQ
見習い「待ってくださいであります、副官どの。傭兵部隊の狙いが分かったであります!!」

女騎士「ほ、本当か?」

男「そ、それはいったい……」

見習い「男どの、確認のために傭兵の暮らしを軽く説明してくださいであります」

男「専門家ほどではないのですが、軽くなら」

男「傭兵は文字通りの雇われ兵士です。金で戦場に出て、敵を倒す。戦場ではかなり有効な駒です」

男「しかし、戦いが無いと野盗になり、周辺民家を襲う悪魔になります。また領主によっては、傭兵の強奪した金品の分け前を懐に入れる事で黙認したりもしています」

見習い「……最後にひとつ、70という数字は傭兵にとって多いですか?」

男「それは……若干曖昧ですが、遊撃なら十分、背中に槍を突きつけられて最前線に置かれたら壊滅といった感じでしょうか」

見習い「ありがとうであります、これですべてわかったであります……傭兵の狙いは『戦果』であります!!」


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 17:19:45.64 ID:bpbvN8S40
書き溜めいてくれまいか


75 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 17:27:44.10 ID:RGTRkKFzQ
女騎士・男「戦果?」

見習い「今から説明するであります」

見習い「戦闘が主体の生活なら欲しいのは『力』、そして『金』……しかし、恥ずかしい事でありますが『金』は集落にはほとんど無いであります」

男「恥ずかしい事?」
女騎士「続けて」

見習い「傭兵がこんなに回りくどいやり方を取るならば、欲しいのはもう一方の大切な『力』」

見習い「権力、装備、色々あるでありますが、それらは『金』が必要であります」

見習い「形を持たない、しかし『力』あるもの」

男「それで戦果」

見習い「戦果があれば、二つの国が戦争してる際により有利な条件を引き出せるであります」

女騎士「強いヤツは敵にせず、手元に欲しいわな」

見習い「戦果があれば『金』も増え、人も増えて『力』もつくであります」

男「実績があると仕事も楽になる……と?」

女騎士「住民を囲んで戦果が上がるかねぇ?」


76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 17:29:59.73 ID:bpbvN8S40
ageないと落ちそうだな


78 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 17:47:13.27 ID:RGTRkKFzQ
男「…………まさか」

女騎士「おっ?どうした」

男「……た、確かにそれならば……」

女騎士「お、おい?」

見習い「傭兵は最初の接触で我々の力量を確かめたはずであります」

見習い「また、戦場が生活領域ならば、最前線に我々の主力部隊が出張っていることも風の噂で知っているはずと見るべきであります」

女騎士「ね、ねえ!! どういうこと?」

見習い「もし、まがりなりにも主力のいない国家の旗を掲げた部隊の力量を計ることができ、また大半が見習いの弱小部隊だったら……」

男「ハゲタカにはいい餌ですな」

女騎士「……わ、わかってきた。わかりたくないが……わかってきた」

男「民衆と負傷兵士10余りは、我々の本隊を動かすための『罠餌』」

見習い「目的は『正規軍を独力による撃破』でもたらされる戦果」

女騎士「……向こうの狙いは大隊長様の首ってことかよッ!!」


79 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 18:09:11.31 ID:RGTRkKFzQ
高台の廃墟にて

老婆「困りましたねぇ」

老爺「困りましたなぁ」

騎士7「松明の明かりを消すなよ!! 常に生存を知らせ続けろ!!」

騎士8「バリケードを、ああ、くそ!! 指先が震えやがる!!」

騎士5「もしも、故郷に帰ったら伝えて欲しい……愛していた、と」バタッ

騎士6「サボんな!! 住民の皆さん大丈夫です!!  あきらめないで、あと落ち着いて!!」

中年女「まずはアンタらが落ち着きなよ」

騎士9「自分より慌てている奴を見ると落ち着くなぁ」

中年男性「というよりも、自分より年下が背伸びして、守ろうとしてくれりゃあなぁ……」

案外、民衆の混乱は起きていなかった。


84 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 18:53:00.47 ID:RGTRkKFzQ
男「こちらが10+α減って70vs80」

女騎士「練度の差は大きく、見晴らしの良い高所に陣取られ、仲間も捕まった……敵に+300で370vs80」

見習い「だが、敵は知らないであります。山間部は地元民の絶対領域……一撃粉砕の奇襲+1000で370vs1080」

女騎士「仮想パワー的には大丈夫なんだけど」

男「しかし、大隊長様がいらっしゃれば……」

見習い「相手は我々の撃破にすべてをかけてくるはずであります、その敵の行動理念を理解するという事は、常に一歩上から我々が戦っているという事であります」

見習い「つまり、負けることは絶対ないであります!!」

男・女騎士「では」

見習い「闇夜にまぎれて正々堂々、こっそり出発であります!!」


86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 18:57:46.52 ID:3yeOKJvI0
>>84
どこが正々堂々だwww


87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 19:09:18.91 ID:wv8vPi1n0
そろそろパンツ脱いどくか…


88 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 19:11:58.58 ID:bpbvN8S40
いやいや、まだ早いぞ


91 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/22(水) 19:34:09.20 ID:RGTRkKFzQ
傭兵隊長「来たか……数は」

傭兵1「38〜42……特徴は巨大な盾です」

傭兵1「正規品ではなく、即席でガラクタを集めて作った様相でした。特に驚異足りえ無いと思われます」

傭兵隊長「分かった、あと主観は報告に入れるな。……それと、まだいるはずだ、索敵をおこたるな」

一方正規軍

男「廃墟を頂点に、坂道が真っ直ぐ一本」

男「この道は罠確定として、右は森を突っ切って急斜面を登るルート、左は廃墟の下に半円を描きながら高台を登る穏やかな坂道ルート」

男「この思い装備では左ルートしかないか」

男「全隊、壁を上手く使え!! 防御に徹しろ!!」

男「頼みますよ、大隊長様!!」


93 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/22(水) 19:54:23.00 ID:zd34uXhN0
しえん



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