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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
- 194 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/07/08(日) 23:49:52.50 ID:IGsL+jqvo
〜封印の森、教会〜
マジシャン「……ぐごご」
師匠「……ぐーぐー」
同門「……」
ゾクゥッ!!
マジシャン「きやがった!」ガバッ
師匠「どこだ!?」
同門「……っ」
マジシャン「安心しろ。こっから出なきゃなんてこたぁね……」
バッゴオオオオォォォォン!!
同門「!?」
紅孩児「……」ゴゴオオォォォォ
師匠「冗談だろ……? 結界……突破できるわけがねぇんだ!!}
マジシャン「どうなってやがんだチキショー!!」
紅孩児「……オオ……オオオオォォォォ!!」ゴアッ!!
- 195 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/08(日) 23:50:38.30 ID:IGsL+jqvo
ズッギャアアアアァァァァン!!
同門「行けっ! フェニックス!!」
シュイイィィィィン
師匠「ぐくっ! 調子に乗んじゃねぇぞ魔物風情がぁ!!」
マジシャン「なんつう力だっ、結界を突破できるなんて常軌を逸してる……」
紅孩児「ニンゲン……殺ス!!」
同門「紅孩児っ!! 正気に――」
ゴシャアアァァァァ!! ドゴォ!!
同門「ご……っふ」
紅孩児「……この、紅孩児様に……指図すんじゃねェ……!!」コオオォォ
師匠「どうする!」
マジシャン「仕方ねぇ……。これ以上、ここで戦ってもこっちが不利だ」
師匠「……やるしかねぇか」
同門「が……ぐが……っ」
紅孩児「死ね」グググッ
- 196 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/08(日) 23:51:24.97 ID:IGsL+jqvo
キュイイィィィィ……
マジシャン「紅孩児ぃ!!」
紅孩児「……?」
マジシャン「くらええぇぇぇぇ!!」
ガッカアアアアァァァァ!!
紅孩児「――――っ!!」
師匠「一緒に……落ちてもらうぜぇ!!」
マジシャン「地獄で会おうぜ! ハッハ――」
同門「――っ」
ドッドオオオオォォォォン!! シュウウゥゥゥゥ……
同門「…………っ」
師匠「ぐ……おぉ……っ」
マジシャン「……気を……保てよ……っ!!」
紅孩児「ガアアアアァァァァーッ!!」
オオオオォォォォ……
- 197 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/08(日) 23:53:20.00 ID:IGsL+jqvo
師匠「ごはぁ!!」ドシャッ
同門「……こ、こは」ヨロッ
マジシャン「見てみろよ……ここが、地獄だ」
〜地獄〜
同門「……っ!!」
師匠「とは言っても、ここは地上からの結界で守られてる、まだ地獄でもマシ――」
紅孩児「……ウアアアアァァァァ!!」ドシャア!!
同門「紅孩児!」
師匠「近づかん方がいいぞ、奴は完全に理性を失った魔物と化してる」
マジシャン「正真正銘、地獄の住人だ」
紅孩児「グゴアアアアァァァァ!!」ドゴォ!!
師匠「しかし紅孩児ってのは何者なんだ? 結界を突破するなんざ……」
同門「あいつは魔物であって、魔物じゃない。今はもう……な」
マジシャン「……」
師匠「さてどうする? 窮地ってやつだぞ。前門のサタンに後門の紅孩児……ってな」
- 207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:02:57.66 ID:evgF/Dgqo
〜封印の森〜
召喚士「……」
盗賊「あの時は、こんな事になるなんて思ってもみなかった」
召喚士「ええ」
盗賊「海峡で敗北を喫して、マジシャン捜索の最中だった」
召喚士「敗北はもう、二度と喫しません」
盗賊「だな」
青年兵「森の中に魔物は居ません。このまま進み、森の中の教会で編成を行います」
大軍師「このランタンがおそらく道標でしょう」
戦士「この明かりを辿っていきゃいいわけだな。んじゃ、先頭は任せてくれ」
青年兵「そうですね。では先頭は朱雀パーティーにお願い致しましょう」
魔道士「はいっ!」
青龍士官「後続も周囲の警戒を怠らぬように」
白虎長「警戒しすぎじゃない? まぁそれに越した事はないけれど」
ボス「行きましょう」
- 208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:03:33.15 ID:evgF/Dgqo
…
戦士「こんな所にサタンが封印されてるなんて、夢にも思わねぇだろうな」
魔道士「でも不思議ですね。誰も入らないなんて……」テクテク
剣士「入っている人も居るみたいだけど、何か影響があるわけじゃないしね」
弓使い「そうよね。魔物が出ない分、外よりもよっぽど安全かも」
青年兵「知る者も居ますけど、知らぬ者もあえて近寄ろうとはしないんですよね」
盗賊「幼少の頃、近くにお社の森があったな」
召喚士「お社?」
盗賊「神が祭られている言わば神社だ。何か不気味で入ってはいけないような気がした」
戦士「そういう感覚に似てるのかもな」
魔道士「なるほど……」
召喚士「見えてきましたよ」ザッ
幼女「本当に教会だ……」
青年兵「特遊の皆も到着しているようですね」
大軍師「ここまでは問題なし、ですね」テクテク
- 209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:04:49.57 ID:evgF/Dgqo
ピクッ
盗賊「……?」
戦士「どうした?」
盗賊「何か気配を感じなかったか?」
戦士「……そうか? でも魔物はいないはずだぞ?」
召喚士「ええ」
盗賊「……何だろう……この感じ」
ザッザッザッ……
盗賊「!?」
戦士「あ、あんたら……っ!!」
南方司令「やっと来たか」
西方司令「独断で合流させて貰うぜ」
青年兵「南方司令、西方司令……!!」
南方司令「聖戦、正真正銘、最後となる正義の戦い……参加せずどうするか」
西方司令「正義だなんざは関係ねーが、力ある者が協力しねーってのはな」
- 210 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:05:29.54 ID:evgF/Dgqo
大軍師「宜しいのですか?」
西方司令「俺らが居なくとも司令部が機能すんのは、アンタがよーく分かってんだろ」
大軍師「ふっふ。それもそうですねぇ」
西方司令「ちょっとは否定しろよ」
男隊員「内部も安全だ。だがちょっと気になる事がある」ザッザッ
青年兵「ご苦労様です。気になる事とは?」
男隊員「まぁ、中を見てくれや」
ザッザッザッ
召喚士「……あの墓」
盗賊「……そういえば、新しい墓があったな」
召喚士「今日も花が添えられている。何で……」
アマゾネス「朱雀先生、呼んでますよ?」
召喚士「あ、はいっ!」テクテクテク
青年兵「召喚士さん、これを見て下さい!」
召喚士「!?」
- 211 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:06:03.47 ID:evgF/Dgqo
戦士「この前まではこんな穴はなかった!! それに、これは……っ」
青龍士官「明らかに戦闘の跡だな。しかもかなり新しいぞ」
美女「一体どこの誰がって話よ」
召喚士「外の花……戦闘跡、まさか……」
大軍師「再来、ですか」
戦士父「あいつ等は確かに、前日から動き始めている。可能性は高いな」
朱雀嬢「でもそれなら、どこへ行ったのかしら……」
ジュニア「おいおい、まさか……っ」
賢者「……地獄。ふぅ」
格闘家「ですがまだそうと断定するには早い気もしますが」
青年兵「言えてますね」
名代「如何なさいます?」
青年兵「……日の出まで、ここで様子を窺いましょう」
大軍師「同時に編成を行います。各自、休息しながら聞いて下さいませ」
召喚士「はいっ!」
- 212 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:07:00.61 ID:evgF/Dgqo
〜地獄〜
ヒュオオオオォォォォ……
紅孩児「ウオオオオォォォォォォォォッーン!!」
大きく開いた口からは大量の唾液が滴り、瞳は燃えるような真紅に染まっていた。
獣のように頭を垂れ、両腕をぶらりと前に垂らしながら猫背で構える。
そして右腕からゆっくりと、業火を激しく飛び散らせながら剣を生成し始めた。
師匠「業火の使い手か……っ、条件は最悪だな、くそっ!!」
同門「……」
マジシャン「業火ってのは地獄の炎。要はここ、地獄に存在している炎の事だ」
同門「っ!!」
マジシャン「あとは言わなくても分かるな?」
師匠「地上で出す業火なんぞとは比べモンにならねぇぞ。かすっただけで大打撃だ」
紅孩児「コオオオオォォォォォ……ッ」ザンッ
ゴアァッ!!
マジシャン「くるぞぉ!!」
- 213 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:07:36.01 ID:evgF/Dgqo
師匠「行けっ! ペガサス!!」
同門「行けっ! フェニックス!!」
シュイイィィィィン……ズッギャアアアアァァァァン!!
同門「ぐくっ……ぐうぅ!!」
師匠「食い止めろぉ……! 貫かれたら……終わりだっ!」
マジシャン「通用するとは思えねぇが……っ」
キュイイィィィン……ドッドオオオオォォォォン!!
紅孩児「……っ!!」
マジシャンによる氷の魔法が紅孩児の業火を包み込む。それにより発生した
夥しい水蒸気が周囲を漂い、紅孩児は視界を閉ざされる事となった。
ブッシュウウウウゥゥゥゥ……
紅孩児「……グウゥ」
師匠「行けっ! ワルキューレ!!」ボフッ
マジシャン「はあぁーっ!」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴガガガガガッ!! ビキィ!!
- 214 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:08:02.18 ID:evgF/Dgqo
紅孩児「――――ッ」
師匠「土行もっと増やせねーのか!?」
マジシャン「無茶言うな! ワルキューレで何とか押さえつけろ!」
師匠「ちっ」
ブリュンヒルデ「スピアを突き刺してぇーっ、動きを止めるわよぉーっ!!」
ドズズズズズッ!! ズガガッ!!
紅孩児「…………」
マジシャン「やっと止まりやがったか……。てこずらせやがって」
師匠「今の騒ぎで……いや、無理な話だな」
同門「……?」
師匠「二択だ。起きちまったサタンに挑んで死ぬか、結界の外に出て死ぬか」
マジシャン「ハッハ! 天国って選択肢はないのかね」
同門「そ、んな……っ!!」
師匠「感じるか? これが、サタンの威圧だ!!」
同門「……っ」
- 215 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:08:46.09 ID:evgF/Dgqo
ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……
時間がまるでゆっくりと進むかのように、景色がスローモーションになる。
マジシャン「感じるか? これが、サタンの威圧だ!!」
それはもう聞いた。聞いた? 何故? 何かがおかしい。説明しがたい何か。
師匠「同門!! フェニックスを出せ――」
フェニックス? そうだ、召喚しなくては。敵は魔王サタン。何をしてくるか分からん。
同門「行けっ! フェニックス!!」シュイイィィィィン
師匠「同門!! フェニックスを出せ――」
だからそれはもう聞いた! 何度も同じ事を言うな。そこまで馬鹿じゃない。
同門「……違うっ、何だ……何なのだこれは!!」
歪む景色。スローモーションで浮かび上がるマジシャンと師匠。
同門「な――っ!!」
ワルキューレたちが1匹、また1匹と消滅してゆく。スピアが解け落ち、土の壁が剥がれ落ちる。
師匠「同門!! フェニックスを出せ――」
同門「だから出している!!」
- 216 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:09:18.40 ID:evgF/Dgqo
出しているはずのフェニックスは、その場に居なかった。
同門「――!?」
ようやく同門は気付く。自分の身体も浮かび上がっている事を。
マジシャン「はああああぁぁぁぁ」
師匠「やめとけっ! 無駄だ!」
マジシャン「やらねぇよりマシだ!!」
同門「はっ!! 紅孩児……!?」
師匠「んな――っ!?」
拘束の解けた紅孩児が再び襲いかかる。その両手に業火の剣を携えて。
紅孩児「オオオオォォォォォォォォ!!」
師匠「行け――ダメだっ、間に合わねぇ!!」
ズッガオオオオォォォォン!!
同門「ぐっはああぁぁーっ!!」
マジシャン「ぐああああぁぁぁぁ!!」
師匠「っがああぁぁぁぁーっ!!」
- 217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:09:50.71 ID:evgF/Dgqo
ドゴッシャアアアアァァァァァ!!
同門「……ぅ」ゴトッ
マジシャン「…………」
師匠「…………」
同門(回避した……つもりだった……のに)
ググッ
同門(直撃を避けたつもりだったのに……この威力か……っ)ヨロッ
ジャリッ
同門「紅孩――――!?」
振り向く同門の目の前に、巨鳥が不思議そうな顔を見せて覗き込む。
同門「っ!!」
――「人間じゃな。人間じゃの」
同門「しまった……っ」ザッ
――「何でこんな所に人間が居るんじゃな。居るんじゃの」
同門「くっ!」
- 218 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:10:23.17 ID:evgF/Dgqo
――「待つんじゃな。待つんじゃの」
同門「……」
――「君に訪ねたい事があるんじゃな。あるんじゃの」
同門「……な、何だ」
――「君からフェネクス侯爵の気配を感じるんじゃな。感じるんじゃの」
同門「……?」
――「君は何者じゃな。何者じゃの」
同門「な、何を言っている!?」
――「……フェネクス侯爵、違うのじゃな。違うのじゃの」
フワァ
――「我が名はハルファス。フェネクス侯爵とは縁の者じゃな。縁の者じゃの」
同門「ハルファス……?」
ハルファス「免じて見逃してやるのじゃな。やるのじゃの。すぐに出て行くんじゃな。行くんじゃの」
同門「ど、どういう事だ……っ」
ハルファス「でなくば殺すのじゃな。殺すのじゃの。死ぬのじゃな。死ぬのじゃの」
- 219 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:10:58.14 ID:evgF/Dgqo
ドウンッ!! バッサアアアアァァァァァ……
同門「くっ!」ゴウッ
ァァァァ……
同門「何なん……っ」
ここで同門はようやく気付く。先程とは打って変わり、広大な大地が広がっている事に。
同門「な、んだ……!? まさか……これが……っ」
この光景を目の当たりにし、咄嗟にその状況を把握した同門は、慌てて召喚を始めた。
同門「行けっ! フェニックス!!」
何も反応はない。同門は確信する。結界外の正真正銘、地獄へと足を踏み入れた事を。
同門「召喚士は使えない。しかも、サタンの居場所さえ分からない……っ」
絶望的な状況であった。召喚士である同門は召喚術以外の戦闘力が皆無に等しいのだ。
同門「そうだ、あの2人は? 2人は無事なのか……?」
絶望の中にある希望。その僅かな希望を手繰り寄せるような思いで、
同門は必至に、懸命に足を前へとだし、マジシャンと師匠の姿を探す。
同門「おーい……誰か居ないのか!? おーいっ!!」フラッ
- 220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:12:00.92 ID:evgF/Dgqo
…
マジシャン「……」
ガバッ!!
マジシャン「はーっ、はーっ、はーっ」
師匠「……」
マジシャン「起きろ!! 起きろっての!! おいっ!!」
師匠「……っ!?」バッ
マジシャン「やっちまった。結界外だ」
師匠「どこなんだ……?」
マジシャン「分からん。とにかく魔物と遭遇する前に戻るぞ」
ブンッ!!
師匠「!?」
インプ「ニンゲンだ、ニンゲンがいるぞォー!?」
師匠「……ちぃっ」
マジシャン「どけぇ!!」
- 221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:12:50.77 ID:evgF/Dgqo
ドッドオオオオォォォォン!!
インプ「ンナァーッ!?」
マジシャン「走れっ! 振り切るぞ!」
師匠「バカヤロウ! 攻撃なんぞ仕掛けて他の魔物に気付かれたらどうする!?」
マジシャン「どうせ気づかれんだ、遅かれ早かれなっ」
師匠「だからって……道は分かんのか!?」
マジシャン「分かるわけねーだろ! つーか喋らせんな! 息苦しいんだよ」
師匠「……っ」
タッタッタッタッタッ
マジシャン「おそらくだが、地上の連中が入り込む際に光が見えるはずだ」
師匠「そうかっ! そこを合図にすりゃ……」
マジシャン「そんな遠くまで吹き飛ばされたとは思えんしな。ひたすら走りまくって刻を待つ!」
師匠「……くっそ。ここに来てこんなハードな運動とは……つくづく嫌になるぜ」
マジシャン「ハッハ!! 運動不足解消ってか? バカヤロー!!」
師匠「ガハハッ! 中年太りはモテねーからな……バカヤロウ!!」
- 222 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:13:24.30 ID:evgF/Dgqo
〜封印の地、教会〜
男隊員「日の出だ。時間だぞ」
青年兵「やはり地獄へ行ったと考えるべきでしょうかね」
王子「とにかく、行ってみるしかないであろうな」
大軍師「編成は宜しいですね?」
戦士「俺ら朱雀パーティーは先手を担うぞ!」
魔道士「おーっ!」
盗賊「……」シュル……ギュッ
剣士「次に僕ら3人」
弓使い「うんっ」
幼女「すーっ、はーっ」ゴクッ
男隊員「んでその後に、特遊が行くぞ」
女隊員「了解ッス!!」
格闘家「……いつでも」ギュッ
戦士父「……」
- 223 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:14:16.68 ID:evgF/Dgqo
ジュニア「んで、そん次は俺らか」
魔法剣士「……」チャキッ
賢者「……ふぅ」
火の先生「ワシらも一緒じゃな」
水の先生「ええ。今になって緊張してきたなぁ……」
大軍師「ご安心を。両先生の力なら難なく地獄へ落ちる事が出来ますよ」
王子「嫌な言い方だな」
帝「事実ではあるが、そう言い表されるとちょっと……な」グイッ
南方司令「何だっていいさ。正義の前には関係ない!」
西方司令「何だってよくねーよ。正義の為に勝手に死ね!」
青龍士官「そして最後は、召喚士チームです」
白虎長「気合い入れていくわよー!」
白虎嬢「お〜っ」
玄武娘「おーですのっ!!」
朱雀嬢「……はぁ。お気楽でいいですわね、あなた達は……っ」
- 224 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:15:14.47 ID:evgF/Dgqo
美女「ったく、こんな事に付き合わされるなんてほーんと貧乏くじ引いたわ」
アマゾネス「おさげ、色黒、ポニテ、ツインテ。どうか祈っててくれ」グッ
ボス「……やってやる、必ず帰ってきてやる!」
青年兵「名代さんの召喚獣は代えが効きませんから、何卒、ご注意を」
名代「はい。心得ておりまする」
サモナー「……行こうか、召喚士くん」
召喚士「はいっ。行きましょう……!!」ザッ
戦士「いいかぁ!? 気をしっかり保つんだぞ!! 臆するなよ!!」
男隊員「おうよっ!!」
大軍師「さぁ、一気に穴へ飛び込みますよ!!」
ジュニア「そんじゃあ、地獄で会おうぜ!」
盗賊「……しっ!」ヒュバッ!!
召喚士「くっ!」タンッ!! ヒュオオオオォォォォ……
スーパームーンの満月まであと1日。日の出と共に総勢32名の勇者が旅立った。
魔王サタン討伐へ向けて、地獄の底へと……。
- 225 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:15:53.39 ID:evgF/Dgqo
〜地獄〜
紅孩児「オオオオォォォォ……」
ザシャッ
紅孩児「――!?」
ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……ゴ……
紅孩児「人間じゃねぇ……ッ、魔王……サタンかッ!!」
――『見た事のない顔だな』
紅孩児「魔王サタン!! 貴様が死ねば……この紅孩児様が魔王だ――」
ピクン
紅孩児「……な……に……?」
――『無礼だな。礼儀すらなっておらん』
ッ……ドゴッシャアアアアァァァァ!!
紅孩児「ゴフッ、が……はぁ……ッ」ブシュウウゥゥゥゥ
――『どうやら勘違いだったか。熱せられた小石が跳ねただけのようだ』
紅孩児「……こ……れが……サタ……ン」ドサッ
- 226 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:18:06.25 ID:evgF/Dgqo
〜封印の地、教会〜
ザザザザアアァァァァ
ネクロマンサー「……さて、最後の審判が始まりましたねぇ」
魔剣士「……」
ネクロマンサー「連中は行ったようですね。さて、無事……地獄へ着けると良いですがね」
魔剣士「……」
ネクロマンサー「我らも行きましょうか。真理の元へ、ね」フワッ
魔剣士「はい」タッ
ネクロマンサー「貴方にとっても久しぶりの地獄。そしてサタンですからねぇ。クククッ」ヒュッ
魔剣士「サタン……」ヒュッ
朝日に照らされた花の添えられた墓は、朝露に濡れ、それが滴ると、
まるで意思を持ったかのように、涙するかのように地面の草へと雫を落とした。
〜第六十二部、完〜
- 227 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:42:09.40 ID:evgF/Dgqo
次回、ついに……。
戦士「こ、これが……魔王……サタン」
魔王サタンとの最終決戦が……。
盗賊「サタン……これ程とは……な……っ」
幕を開ける――。
大軍師「駄目です、勝ち目はありません。残された策はもう……ありません」
魔法剣士「魔法剣五行……五刀流!!」
人類と魔族の長きに渡る戦い。
サモナー「僕にはもう、燃やせる命もない……のか」
ジュニア「諦めたらそこまでだろうがよぉ!! なぁ!! そうだよなぁ!! なぁ!!」
勝者は? 世界は? 人類の未来は……?
ネクロマンサー「さぁ、刻は来ましたッ!!」
魔剣士「師匠……マジシャン。俺は……」
堂々の完結!!
サタン「召喚士……死して償え」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 〜最終部〜
召喚士(俺は……死ぬの……か……)
魔道士「嫌よっ! 死なせないっ! 私がっ! 絶対にいいぃぃ!!」
今夏公開!! Coming soon……。
占い師「特別前売り券、好評発売中っ♪」
特別前売り券予約特典「猫さん剣士ストラップ〜天才ver〜」
- 228 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/07/09(月) 17:43:32.82 ID:evgF/Dgqo
よくある風の次回予告で本日ここまで!
やっとラストです!もしかしたら前編後編になるかもだけど…
それではまた!ご支援ありがとうでした!ノシ
- 241 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/07/10(火) 01:51:18.22 ID:sLSzrFNAO
>>1おつ
ぎりぎり三年目突入して終わりかね。寂しいもんだな
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