■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21
- 430 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/11/08(月) 18:18:12.20 ID:i2dp6ego
〜東方司令部〜
召喚士「……」
戦士「…どした?考え事か?」
ベッドに転がる戦士は、室内をうろうろする召喚士を見て問い尋ねる。
召喚士「…昨日の話、やっぱり聞いて来ようかなと思って」
戦士「昨日の話?」
召喚士「副司令の白虎の話」
戦士「あぁ、でもよ…一族限定じゃお前に伝授は無理だろ」
召喚士「そうなんだけど、それより……」
戦士「…?」
召喚士「あの、コート男の事」
戦士「…あんまり首突っ込まない方がいいんじゃねぇか?」
召喚士「まぁ…そうなんだけど、気になってさ」
戦士「……ふぅん」
召喚士「ちょっと行ってくるよ!」
- 431 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:19:37.39 ID:i2dp6ego
…
召喚士「えぇと……」
テクテクテク
召喚士「ここか」
コンコン
東方副司令「はい、どうぞ」
召喚士「失礼します」
東方副司令「朱雀先生か…!どうした?」
召喚士「すみません、昨日のお話が途中だったもので…」
東方副司令「…ああ、ベヒーモスの件かな?」
召喚士「はい…」
東方副司令「……コートの男、だね」
召喚士「…何者なんです?」
東方副司令「…彼は、私の兄だよ」
召喚士「兄…!?」
- 432 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:20:15.47 ID:i2dp6ego
東方副司令「そう。つまりは白虎長の父親さ」
召喚士「――っ!!」
東方副司令「私は三兄弟の末っ子でね。彼が長男さ」
召喚士「…と、いう事はもう一人…?」
東方副司令「ああ。次兄も白虎召喚士さ。三兄弟揃ってね」
召喚士「そう…でしたか……」
東方副司令「しかし…長兄もいまだにそんな事をなぁ…」
召喚士「何か…あったんですか?」
東方副司令「…古い話さ。召喚士達のクーデターって聞いた事あるかい?」
召喚士「クーデター?……あぁっ!!」
東方副司令「流石だね、知ってたかい」
召喚士「生前、師匠に聞きました!なんでも上級召喚獣を国が独占しようと…」
東方副司令「そう。その時にクーデターを起こした召喚士達…」
召喚士「ま…さか…っ!?」
東方副司令「長兄はその中心人物の一人だったんだ」
- 433 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:21:25.27 ID:i2dp6ego
召喚士「……!!」
東方副司令「詳細は私も知らないんだが、それから長兄は国を憎んだ…」
召喚士「……」
東方副司令「…いや、国だけではない。人間に憎しみを抱くようになってしまった」
召喚士「そんな事が…」
東方副司令「それからは失踪し、行方知れずさ」
召喚士「……なるほど」
東方副司令「たまに軍へ入るベヒーモスを率いた召喚士の噂…」
召喚士「……」
東方副司令「魔王軍に組し、国軍に歯向かっている、と…」
召喚士「……っ」
東方副司令「彼女の耳にも当然入る…。辛いだろうなぁ…」
召喚士「白虎長さん…」
東方副司令「彼女は今、白虎先生を名乗っているのかな?」
召喚士「え、あ…えぇ」
- 434 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:21:52.52 ID:i2dp6ego
東方副司令「そうか…」
召喚士「本人はあまり、名乗りたくはないようですが…」
東方副司令「だろうね。先代の白虎先生は長兄だったからね」
召喚士「なんと…!!」
東方副司令「私らの父が初代さ。そして長兄が……いや」
召喚士「…?」
東方副司令「本当は父も次兄に継がせたかったようだけどね…」
召喚士「二番目のお兄さんに…ですか?」
東方副司令「…うん。三兄弟での才能は次兄がずば抜けていたからね」
召喚士「そうだったんですか…」
東方副司令「それに長兄は勝気な性格と自負心が強くてねぇ」
召喚士「…それがそのような結果を」
東方副司令「だろうね。逆に次兄は勤勉で穏やかな男だったよ」
召喚士「次兄さんは今、どちらに…?」
東方副司令「亡くなった、と聞いたよ」
- 435 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:23:20.56 ID:i2dp6ego
召喚士「!?」
東方副司令「次兄とは久しく会ってないからね。手紙は交わしたりもしたが…」
召喚士「そうなんですか…」
東方副司令「父である初代白虎先生が亡くなり、二代目をどうするか…」
召喚士「後継者問題ですか…?」
東方副司令「うん。三兄弟それぞれに支持者が現れて…大変だったよ」
召喚士「……」
東方副司令「まぁ私は20にもならぬ小僧であったから無関係に近かったけど」
召喚士「長兄さんと次兄さんが争っていたんですか?」
東方副司令「争っていた、というよりは当人同士は長兄で一致してたみたい」
召喚士「それでは、支持者の人達が…?」
東方副司令「そうなんだ。当時は今と違って、先生も地位と名誉があったから」
召喚士「そうか…!それに便乗してのし上がろうとする人達が…」
東方副司令「そういう事さ。とにかくその時から二人の兄は姿を消してしまったよ」
召喚士「…二人とも…ですか?」
- 436 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:23:46.92 ID:i2dp6ego
東方副司令「身の危険を感じた次兄は放棄するように北へと逃げた…」
召喚士「……」
東方副司令「結果的に長兄が襲名はしたが…知っての通りさ」
召喚士「クーデターですか……」
東方副司令「実は私もその時、足を悪くしてね…」
召喚士「じゃ、じゃあ…その時から…」
東方副司令「いや、車椅子になったのはもう少し後だが…年々悪くなる一方さ」
召喚士「……」
東方副司令「噂では長兄も既に亡くなり、アンデッドと化しているらしいしね」
召喚士「…魔王軍に組しているなら、可能性はありますね」
東方副司令「次兄も北で死んだと聞いた。もうアレは娘らに託すしかないのさ」
召喚士「ベヒーモス…ですね…」
東方副司令「私がまだ戦う事さえ出来れば、先生の名も引き受けるのだがな…」
召喚士「でも…白虎長さんも、今は頑張っておられますよ」
東方副司令「彼女は強い娘だよ。頼もしい限りさ」
- 437 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:24:16.64 ID:i2dp6ego
召喚士「それに…白虎嬢さんだって実力は計り知れません」
東方副司令「あの子もいずれは国軍に入って…戦うのだろうなぁ…」
召喚士「……次兄さんには、お子さんはいらっしゃったんですか?」
東方副司令「…確か男の子がいたようだが…一緒に亡くなったよ」
召喚士「そうでしたか……」
東方副司令「村を魔王軍に襲われ、次兄は最後まで戦ったが…」
召喚士「……」
東方副司令「あえなく村人も家族も…全滅だったらしい…」
召喚士「……」
東方副司令「早く、平和な世が訪れて欲しいものだね」
召喚士「…ええ、頑張りましょう」
東方副司令「そうだね…。すまないね、長々と引きとめてしまって」
召喚士「こちらこそ…。色々聞けて…ありがとうございました」
東方副司令「また何かあったら立ち寄りなさい」
召喚士「はいっ。ありがとうございます!」
- 438 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:24:43.33 ID:i2dp6ego
…
青年兵「……」
東方参謀「…小僧、このような所で何をしておる?」
塔の最上部で海を見つめる青年兵に、登ってきた東方参謀が声をかける。
青年兵「東方参謀様…」
東方参謀「…ふん、奇特な奴だな」
カツカツカツカツ
東方参謀「東方の難しさ、身に染みたであろう?」
青年兵「ええ」
東方参謀「諦めたか?」
青年兵「……まさか」
東方参謀「……わっははは!懲りぬ奴よっ!」
青年兵「難しいからこそやり甲斐があります。それに…」
東方参謀「…?」
青年兵「簡単では…大した手柄になりませぬ」
- 439 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:25:10.24 ID:i2dp6ego
東方参謀「……うわはははっ!言いよるわ!」
青年兵「出直し、新たな策を以って…再び訪れます」
東方参謀「…待て、小僧」
青年兵「…?」
東方参謀「何も東方だけではないぞ?」
青年兵「え…っ?」
東方参謀「左翼に立てつきり、各地に飛ばされた魔道兵らは数知れぬ…」
青年兵「……」
東方参謀「彼らを使えば、此処の連中も多少は動かせるかもしれんぞ」
青年兵「っ!!」
東方参謀「世話になった恩人や先輩も多数おるだろうしなぁ」
青年兵「…ありがとうございます!!」
東方参謀「ここまで来たら、成ってみせい…大元帥っ!!」
青年兵「…はいっ!!」
青年兵は敬礼の後、深く頭を下げ塔の階段を駆け下りて行った。
- 440 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:25:37.55 ID:i2dp6ego
〜東方司令部、正門〜
戦士「さーて、魔道学校に寄るんだっけか?」
魔道士「はいっ!」
占い師「さて…馬車はいるかしら……」
ドドッドドッドドッ
青年兵「皆さんもこれからお戻りですか!?」
召喚士「青年兵くん!」
占い師「あーら、丁度いいところに…うふふっ」
青年兵「……?」
…
魔道士「な、何だかすみません…っ」
召喚士「…本当に」
青年兵「いえいえ、気にしないで下さい。どうせ方向は同じです」
盗賊「……」
青年兵「それに、魔道学校は僕もついでに寄りたかったので…」
- 441 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:26:34.12 ID:i2dp6ego
戦士「そうなのか?」
青年兵「母校ですから」
召喚士「え!?青年兵くんも…!?」
占い師「そりゃあそうよ。国軍に属する術士のほとんどは魔道学校出身よ」
召喚士「あ、そうか…!スカウトが来るんでしたっけ?」
魔道士「まぁ…上のクラスだけですけど…」
盗賊「…ん、という事は…お前ら同級生!?」
青年兵「…あっ、そういえばそうですね…っ」
魔道士「同級生ですけど…上のクラスとしたのクラスでは関わりが…」
戦士「まぁあんだけ広くて人数いりゃなぁ…」
青年兵「昨日、学園長にご挨拶出来なかったので…」
占い師「そっか。じゃあちょうど良かったって事ね!」
戦士「無理矢理な解釈すんなよな…」
青年兵「いや、本当にいいんですよ…ははっ」
占い師「ほら、本人もこう言ってるんだし…。なんなら途中で降りる?」
- 442 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:28:24.29 ID:i2dp6ego
…
ドドッドドッ…ドドォ
盗賊「…着いた」
青年兵「…うわぁ、久々だなぁ!!」
占い師「さぁさぁ、行きましょ!」
〜学園長室〜
コンコン…カチャッ
魔道士「失礼しま〜す」
学園長「あら、皆さんお揃いで。もう本国へ帰られるの?」
占い師「はい。その前にご挨拶に…と思いまして」
学園長「わざわざ良かったのに…。ごめんなさいね、気を遣わせてしまって…」
召喚士「こちらも昨日はご挨拶出来ませんでしたから。ねぇ、青年兵くん」
青年兵「学園長…お元気そうで何よりです…っ!」
学園長「…あらあら、ここのところ懐かしいお客様が沢山ね!…嬉しいわ」
魔道士「…ふふっ!」
- 443 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:40:24.07 ID:i2dp6ego
…
学園長「へぇ、貴方達は同級生なの」
魔道士「みたいです!まぁ…クラスは真逆ですけど…」
青年兵「面識はないですけどね…」
学園長「…おかしいわねぇ。貴方とウィッチさんは誰でも知っていそうですけれど…」
盗賊「…?」
学園長「なんたって…手のかかる二人でしたからねぇ」
魔道士「が、学園長っ!もう…っ」
戦士「ははっ!そうだろうそうだろう」
魔道士「どういう意味ですかっ!」
青年兵「…うーん、やっぱり記憶にないですね…」
学園長「それなら名簿を見てみましょ。それになら記載があるでしょう」
盗賊「…名簿?」
占い師「当時の生徒や行事、詩なんかもまとめたりしてたわねぇ…
召喚士「それはぜひ見てみたいですね」
- 444 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/08(月) 18:43:16.14 ID:i2dp6ego
ゴソッ…
学園長「……おかしいわねぇ」
占い師「どうしました?」
学園長「その年の名簿だけ見当たらないのよ…」
召喚士「…?」
青年兵「あれ…?」
ガタッ…ゴソゴソッ
青年兵「僕の名簿はこっちです!…あ、そういう事か」
魔道士「あれ…?じゃあ青年兵さんは一つ上…?」
青年兵「生まれ年が同じでも入学した時期が違うんですよ!」
戦士「なんだ、そーいう事か…」
占い師「それにしても魔道士ちゃんの代だけないなんて…残念ねぇ」
召喚士「それなら占い師さんの代を代わりに…」
占い師「それはダメ!絶対に…ダメ!!」
召喚士「……は、はい…っ」
- 445 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/08(月) 19:27:30.98 ID:KIIGuUAO
白虎次兄は召喚士の父親じゃないかと思うでござる
- 446 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/08(月) 19:40:35.18 ID:JLyGKLso
思ってても黙ってるのが普通と思うでござる
- 461 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/09(火) 09:27:35.19 ID:ckPRpAAO
>>1乙です
>>444
コレってつまり同じ学年の生徒の年齢がバラバラってこと?
ということは年下の上級生とかもあり得るのかな?
- 462 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/09(火) 13:19:35.33 ID:ToxpfADO
>>461
早生まれと遅生まれの違いじゃないん?
- 463 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/09(火) 14:33:35.58 ID:peTmxYko
>>461,462
義務教育と違って特定の年齢からってのがなさそうだから、
年下同級生がありえそうな気がする。
- 464 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:33:13.63 ID:nGQi6t6o
こんにゃちは。本日もご支援ありがとうございます!
>>445
クク…ッ、そいつは召喚士の父親の中でも下っ端よ!
予想や雑談ウェルカムですが、そこは皆様、兼ね合いで臨機応変に…!
まぁ予想は色々とアレなので…よそう!なんちゃって!…ごめんなさい
>>461-463
厳密に言えば答えはYESですが、これについてはただの早生まれです…
分かりにくくてすみませんです…
↓続き
- 465 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:33:52.69 ID:nGQi6t6o
学園長「それにしても…一冊だけ抜けてるなんておかしいわねぇ」
魔道士「どうしちゃったんでしょうね…」
戦士「…おっ、これが青年兵のか!なになに…?」
青年兵「ちょっと…!戦士さん!?」
戦士「…へぇ、この頃から召喚隊を熱望してたんだなぁ〜」
召喚士「偉いなぁ……」
学園長「この子は昔からしっかりしてたものね」
占い師「そうよ〜。若くして士官…青龍召喚隊の隊長だもの!」
学園長「あらまぁ、それは素晴らしい事っ」
青年兵「や、やめて下さいよ…もう」
戦士「母親への仕送りも欠かさないしぃ〜」
青年兵「召喚士さん!校内案内しますよ!!」
グイッ
召喚士「えっ!?あ…う、うん…!」
占い師「…照れちゃって…まだ若いわねぇ〜」
- 466 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:34:21.74 ID:nGQi6t6o
テクテクテク
青年兵「……はぁ」
召喚士「でも、本当の事だし良いじゃない」
青年兵「それはそうですけど、当たり前の事をしているだけで…」
召喚士「それがなかなか出来ないものだよ?」
青年兵「そんなものでしょうか…?」
召喚士「うん。俺も偉いと思うよ」
青年兵「召喚士さんまで……」
スタスタスタ…
召喚士「あ…っ、賢者さん!」
賢者「……やぁ」
召喚士「どこか行かれるんですか?」
賢者「仕事は終わったからね。北に戻るよ。……ふぅ」
青年兵「北へ…?」
賢者「ここへは月に一度、宴の時だけさ……ふぅ」
- 467 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:34:48.57 ID:nGQi6t6o
スタスタスタ…
青年兵「ふ、不思議な人ですね…」
召喚士「う、うん…。何を考えてるのか全く分からない……」
二人は賢者を見送ると、そのまま屋上へと足を運ぶ。
青年兵「…んーっ、久々だなぁ!」
召喚士「海が一望出来て…気持ちいいね!」
青年兵「ええ!ここでよく昼食をとりましたよ!」
召喚士「いいなぁ〜。そういうの憧れるよ」
青年兵「……」
召喚士「俺は食べても師匠と二人だったからね」
青年兵「あ…っ」
召喚士「いや、いいんだ。それに…今は仲間…ううん、親友達がいるし」
青年兵「…僕にとっては召喚士さんが羨ましいかもしれません」
召喚士「自分の持っていないものこそが、羨ましいのかもしれないね」
青年兵「…ええ、そうだと思いますよ」
- 468 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:35:20.78 ID:nGQi6t6o
〜学園長室〜
戦士「あははははっ!!」
占い師「魔道士ちゃんて…意外と抜けてるのね〜」
魔道士「学園長っ!もうやめてくださいよぉ!!」
盗賊「…魔道士が…死にかけてる」
学園長「ウィッチさんとは会っているの?」
魔道士「はいっ!この前、久々に再開しましたよ〜」
戦士「あー。…だな」
魔道士「ウィッチちゃんも来ればいいのになぁ…」
学園長「あら?先日彼女も見えられたわよ…?」
魔道士「えっ!?そうなんですか…!?」
盗賊「……」
学園長「ええ。初心に戻る、と仰ってたわ」
占い師「そっかぁ…。初心である魔道学校を訪ねて……」
戦士「んで、アイツは何をやってるんだ?」
- 469 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:40:07.04 ID:nGQi6t6o
学園長「さぁ。すぐに旅立たれてしまったけれど…」
盗賊「…見つかったのかもな」
占い師「……」
盗賊「…自分自身が」
学園長「そうねぇ。私もそう思うわ」
魔道士「盗賊さん…いい事言いますねっ!!」
戦士「ワーカーとして再出発…かな?」
占い師「アンタ達もウカウカしてられないわねぇ〜」
盗賊「…全くだ」
占い師「…ま、ライバルは多い方が、成長は早いものよ」
魔道士「そうですかぁ…?」
占い師「そうよ〜。互いに切磋琢磨出来る相手がいるんだもの」
戦士「…だわな。俺も俺自身に負けるわけにゃいかねーし」
盗賊「…だな」
魔道士「頑張りましょう!うんっ!!」
- 470 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:40:42.90 ID:nGQi6t6o
…
青年兵「…ただいま戻りました」
ソローッ
魔道士「あ、おかえりなさい−っ!」
占い師「安心なさいな。もう終わったわよ」
青年兵「は、はぁ…」
占い師「それじゃ…ボチボチ帰るとしましょうか」
召喚士「はい」
占い師「学園長、お忙しいところありがとうございました」
学園長「良いのよ。皆の元気な顔が見られる事こそ…幸せですもの」
青年兵「また来ます…。近いうちに必ず!」
学園長「いつでも待ってますわ」
魔道士「それでは…失礼しますっ」
盗賊「…また」
優しく微笑む学園長の姿。一同は深く礼をし、魔道学校を後にするのであった。
- 471 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:42:31.54 ID:nGQi6t6o
…
ドドッドドッドドッ…
召喚士「良い所でしたね…魔道学校」
盗賊「……ああ」
占い師「でしょ〜」
戦士「…ま、俺には無縁な感じだけどな」
魔道士「そんな事ないですよ〜」
青年兵「またきっと…訪れましょう!」
召喚士「…うんっ」
占い師「…ありがとね、みんな」
盗賊「…?」
占い師「とっても良いリフレッシュになったわ!ほんと感謝してる」
戦士「俺らは別になーんもしてねぇって」
占い師「そんな事ないわよ。今度何か…お礼しなくっちゃね」
召喚士「と、とにかく…リフレッシュになって何よりです」
- 472 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:47:52.12 ID:nGQi6t6o
〜ターミナル〜
戦士「到着〜っと」
盗賊「…本国行きは…まだみたいだな」
青年兵「…ん?あ、あれ…?」
召喚士「どうしたの?」
占い師「国軍の軍船じゃない…!」
タッタッタッタッタ
占い師「あらぁ!何、わざわざのお出迎え?」
隊長「あん…?何でお前らこんな所に…!!」
占い師「何だ出迎えじゃないの…。ってか、珍しい組み合わせね……」
西方参謀「よう、予言のネーチャンじゃねぇか…ヒック」
魔道士「あの人…確か、西方司令部の参謀さん…!?」
青年兵「何かあったんですか…?」
隊長「…あー、まぁヤボ用でなぁ」
召喚士「……?」
- 473 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:48:48.36 ID:nGQi6t6o
…
占い師「……バッカじゃないの?」
隊長「あのな、仕方ねーんだよ!こっちだってなぁ…」
占い師「下準備ってものがあるでしょ!外交が険悪になったらどうすんのよ!」
西方参謀「がはははっ!違げぇねぇや!」
占い師「貴方もですっ!!」
戦士「そっかぁ。いよいよ東方とも同盟をねぇ……」
召喚士「何だか思い出すね。西方での事」
西方参謀「そうそう。お前らにも世話になったもんな」
盗賊「……」
占い師「んで、書面かそれ相応の身分の人間を連れてかなきゃいけないわけ?」
隊長「そういう事だ。東方に通じている人間がいりゃ…良いんだけどなぁ」
チラッ
戦士「…東方に通じてる奴?」
召喚士「……それ相応の身分?」
- 474 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:56:37.49 ID:nGQi6t6o
ジーッ…
盗賊「…な、何だよ…!?」
西方参謀「…いた」
占い師「いるじゃない」
隊長「盗賊ちゃんよ、アンタ…確か当方の姫様なんだよな?」
盗賊「…!!」
ガバッ!!
隊長「後生だ!なんとか…力を貸しては貰えないだろうか!」
西方参謀「がっははは!大の男が土下座たぁ滑稽……」
隊長「てめぇもだよ!!」
グイッ!!
西方参謀「あ痛ぇ…っ!」
盗賊「…い、いや……その…っ」
隊長「……頼む!!」
盗賊「……うぅー」
- 475 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/09(火) 15:58:41.74 ID:nGQi6t6o
…
海兵「まもなく出航致します!」
青年兵「では…お気を付けて!」
占い師「全く…。まぁ軍船は任しておいて頂戴。じゃあ、頑張ってね!」
隊長「おうっ、そっちも頼むぜ!」
戦士「東方かぁ…久々だなぁ」
西方参謀「悪いなぁ〜。何だかお前らまで付き合わせちまって…ヒック」
船員「東方行きの船、まもなく出港致します。お乗りのお客様は――」
召喚士「さて、では…行きましょうか」
戦士「盗賊…?」
盗賊「…あ、うん」
先発した西の本国へ向かう軍船の背後。東へ向かう船がゆっくりと動き出す。
大陸東での新たな出会いと発見。四人はそれを胸に東方へと向かった。
待ち受けるは、幸か、不幸か…。
〜第二十五部、完 〜
- 476 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/09(火) 16:08:23.62 ID:6CFUHAAO
二十五部も乙!
東方にパーティー全員が行くのは久しぶりだな
次へ 戻る 戻る 携 上へ