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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
928 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:52:44.23 ID:btF30EqHo


 バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「ただいま戻りました」スタッ

青年兵「首尾は?」

青龍士官「はい。地獄の壁付近まで押し込まれましたが、何とか撃退致しました」

青年兵「そうか」

青龍士官「大元帥、少し宜しいか?」

青年兵「……?」

白馬騎士「それでは我ら、前線へ赴きまする」

王子「行くぞ、馬が来るまでは召喚獣で盾を務める!」

 ザザッ ドドオオォォォォ……

青年兵「……それで、何かあったのか?」

青龍士官「交戦したのはドラゴンだけではない。妙な魔物がいた」

青年兵「妙な魔物?」

青龍士官「ああ、実はな――」


929 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:54:18.34 ID:btF30EqHo


青年兵「ベヒーモス……?」

青龍士官「それに、東方副司令らしき姿もあった。融合していて理性はなかたようだがな」

青年兵「東方副司令は既に死んだはずだ……っ」

青龍士官「俺もそう聞いている。だが実際いたのだ。黒いベヒーモスとしてな」

青年兵「まさか……」

青龍士官「ネクロマンサーだろうな。手は打ったのか?」

青年兵「陛下が北の森を攻略した。既に特遊を手配したよ」

青龍士官「なら、良いが」

青年兵「ネクロマンサーは俺がこの手で殺すよ。心配はするな」

青龍士官「青年兵、それが心配なのだ」

青年兵「何が?」

青龍士官「仇討ちに固執するなと言っている。お前の仕事はもっと他にあるはずだ」

青年兵「それは分かっているさ。だけど、奴だけは絶対に許せないんだ」

青龍士官「……」


930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:55:17.73 ID:btF30EqHo
 ザッザッザッ

名代「青年兵殿、少し宜しいですか?」

青年兵「はい、何でしょう?」

名代「召喚士殿からのご伝言で、いざという時には預けている座敷童子を――」

 スタスタスタ

青龍士官「……」

大軍師「ご心配ですか?」

青龍士官「……あいつは真っ直ぐすぎて、それは頼もしい事だが」

大軍師「時として、危うい事もある」

青龍士官「普段は押し殺しているが、感受性が強いあまり……」

大軍師「暴走しかねない、というわけですね。まぁ、そこはご安心下さい」

青龍士官「……」

大軍師「その為の軍師です。ふっふ」

青龍士官「そうですね」

大軍師「さ、我らも参りましょうか」


931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:56:06.43 ID:btF30EqHo
 スタスタスタ

青龍士官「他の青龍隊は?」

大軍師「現在、築城の資材を運んでおります」

青龍士官「そうか、いよいよ……」

大軍師「拠点さえ築けば良い、というわけではありませんが」

青龍士官「これで防御から攻撃に転じる事が出来るというわけですね」

大軍師「その際には、竜騎士隊のお力も存分に発揮して頂く事でしょう」

青龍士官「そうしたいところだが、どれ程持つかどうか……」

大軍師「おや、既に枯渇ですか?」

青龍士官「そこまでは陥っていないが、ドラゴンの群れなどが来られては対抗しうるは困難」

大軍師「城が出来れば兵器も導入出来ます。半日の辛抱ですよ」

 ザッザッザッ

青年兵「2人とも、ちょっと来て頂けますか?」

青龍士官「……?」

大軍師「軍議ですか? すぐに参りましょう」


932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:56:52.59 ID:btF30EqHo


騎士団長「私に休んでいろと申す気ですかっ!」

大軍師「……?」スタスタスタ

エリート「しかしだな、君の負傷は楽観視出来るものではない」

騎士団長「この程度の傷で……」

エリート「君にはまだ前線で戦って頂きたいのだ。その為に養生せよと申している」

騎士団長「しかし……っ」

エリート「分からぬ男だな。これは命令だ、背けば陛下への反逆と捉えるぞ!」

皇太子「物騒な言い回しはやめよ。騎士団長の身体を思っての事だ」

騎士団長「く……っ」

皇太子「恥じる事はない。君は勇敢に戦い、そして己の身に傷を負ったのだ」

騎士団長「陛下……っ」ザシャッ

皇太子「君の代わりなど務まる者は居らぬ。だからこそ、今は休んで貰いたいのだ」

騎士団長「……承知……致しました」

皇太子「さて、再開致そうか」


933 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:57:50.19 ID:btF30EqHo
エリート「丁度、大軍師と青龍先生も来た事だしな」

青龍士官「出撃ですか?」

青年兵「悩んでいるところさ」

南方司令「ここは打って出るべきであろう。正義は我らにあるからな!」

西方参謀「正義は関係ねーだろ。ここは慎重に様子を探るべきだ」

皇太子「しかし、敵の数が少ない今こそ、更に戦線を押し上げる好機でもある」

剣士「ごもっともですが、敵の動きが分からぬ以上、兵站が伸びるのは避けたいところです」

南方副司令「かといって夜まで馬鹿みたいに待つのも愚策。一部でも出るべきだろうな南方

西方副司令「しかしそうなると、犠牲を覚悟の上での編制となりますよ」

帝「それならば東方軍が喜んで参戦致そうではないか」

エリート「そうはいかぬ。そこは最善の策で、然るべき編制を行うべきだな」

皇太子「さて、どうする……青年兵」

青年兵「……私は」

大軍師「私から申し上げさせて頂きましょう」

青年兵「!?」


934 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 17:58:59.37 ID:btF30EqHo
大軍師「結論から述べますと、少なからず出撃はすべきであると考えます」

エリート「魔王軍への牽制か?」

大軍師「それもありますが、攻撃を絶やさぬ事が重要」

西方参謀「まぁ、間隙突かれちゃシャレにならんしなぁ……ヒック」

大軍師「それに攻撃をし続ける事で、相手もこちらの正確な兵力を計れなくなりますからね」

南方参謀「そうよっ。休む事なく攻撃していれば、相手も数が多く感じるものねっ!」

名代「攻撃し続ける事で、相手に休む間を与えぬ意味も持ちますね」

大軍師「では大元帥、ご決断を」

青年兵「決断ですか。ここでノーと言えますかね」

大軍師「それが大元帥のご意見であれば、我等は従うのみですよ」

青龍士官「……」

青年兵「言うつもりもありませんけどね。攻撃を仕掛けます。このまま具体的な編制を」

南方司令「よーし。それでこその正義よ」

西方司令「正義か……実に重い。ずっしりと響き渡るわ」ツツーッ

大軍師「それでは編制を行います」


935 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:00:07.48 ID:btF30EqHo
 ザザッ

大軍師「既に出撃中である西側の西国軍と中央の南東国、
      ワーカーなどは現状のまま、増援は東側を中心に打って出ます」

エリート「それでは西がかなり手薄にならないか?」

大軍師「初日に様子を見ると、魔王軍は西からの攻撃に重点を置いておりました」

西方副司令「確かに、奇襲や伏兵もわんさか居ましたね」

大軍師「おそらく魔王軍も思ったほどの戦果は上げられなかった」

皇太子「だからこそ敵も厚みを増してくるのではないか?」

大軍師「その裏を取ります」

青龍士官「魔王軍は西を諦め、東側から来ると?」

大軍師「西国の援軍が向こうにもかなりのインパクトを与えたでしょう」

西方参謀「確かにあれは強烈だった。魔物を一気に押し返したからなぁ……ヒック」

大軍師「そして東側はこちらも、昨日は手薄とまではいかぬものの、
      中央や西側ほどの兵力は持たぬままで、対等する事が出来ました」

南方参謀「そうねぇ。魔物の隊も少なかったんじゃないかしら?」

南方副司令「なんだか隊列も混乱気味だったしな。慣れてないような素振りだった」


936 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:01:54.79 ID:btF30EqHo
大軍師「それを踏まえて考えますと、魔王軍はおそらく、東側に兵を増やしてくるでしょう」

皇太子「あえて敵の策に乗るという事か」

大軍師「多数を相手にする事となりますが、こおで打ち破る事が出来れば……」

青年兵「魔王軍にとっては致命的なダメージを与えられる……っ」

大軍師「しかし、流石に此方も全ての戦力を振るわけには参りません」

エリート「逆を突いて、西側から来られでもしたらひとたまりもあいからな」

大軍師「はい。そこで、中央に遊軍を設置致したいと思います」トントン

青龍士官「位置としては、川中島のやや北側か」

大軍師「ここに、二段構えにて陣を敷きます」

エリート「二段? どういう事だ?」

大軍師「前衛が魔王軍を迎え撃つ部隊。そして後衛が遊軍です」

南方副司令「この位置が重要なのか?」

大軍師「ここからであれば、東西どちらの急にも対応が可能なのですよ」

青年兵「しかしそれには、軍を一気に指揮できる者でなければ難しいですよ」

大軍師「居るではありませんか、統率力で右に出る者はなかなか居りませんよ」


937 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:02:42.26 ID:btF30EqHo
皇太子「……?」

エリート「馬鹿を申せっ! 陛下にそのような真似をさせられるかっ!」

大軍師「おや、ここに来てそのような事を。前衛ではありませんよ?」

エリート「そういう問題ではない!」

大軍師「エリート様がご一緒であれば、恐るるに足らぬのでは?」

エリート「……っ」

大軍師「という事で、宜しいですか陛下?」

皇太子「望むところだ」

大軍師「小覇王のお力、とくと見せて頂きましょう。ふっふ」

南方副司令「肝心の前衛はどうするのだ? 騎士団長不在の中、前衛など……」

大軍師「全員はどうでしょうか?」

南方副司令「全員ではない、前衛だ」

大軍師「ですから、全員で前衛というのは如何でしょうか」

西方副司令「はああぁぁ!?」

西方参謀「全員で前衛だと? ぶっははは! 相変わらず奇妙な策を思いつきやがるぜ……ヒック」


938 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:03:22.62 ID:btF30EqHo
エリート「全員とは……此処に居る全員の事か!?」

大軍師「それ以外に居りますかな?」

エリート「川中島がガラ空きではないか!」

大軍師「通さねば良いだけの事です。それに、此処では作業中の兵がおります」

青年兵「傍からみれば駐屯しているように見えるという事ですか?」

大軍師「しかも資材は川と青龍、白虎の召喚獣。いかにも戦闘準備のように見えませんか?」

帝「……凄いものだな。まさか工兵まで囮に使うとは」

大軍師「ただでさえ数で劣っているのです。使える者は何でも使わねば勝てませんよ」ヒラヒラ

青龍士官「それで、東側の部隊は……」

青年兵「東方軍と南方司令部にてお願い致します」

南方司令「承知した!」バシッ

帝「任せておけ。期待に応えてみせようぞ」

大軍師「残る者は中央に布陣致します。さぁ、行きますよ」

皇太子「騎士団及び王宮兵は私に続け。遊軍として後ろから布陣するぞ」

青年兵「……もってみせる……築城まで!」グッ


939 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:03:53.90 ID:btF30EqHo


 ドッガアアァァァァン!!

魔法剣士「……ふー」

ジュニア「もうそんなモンでいいだろ。敵さんも本腰じゃねぇみてーだし」

魔法剣士「深追いは禁物か」

ジュニア「おっと、アイツらも丁度、戻ってきたみてーだぜ……ハッハ」

 ザッザッザッ

魔法剣士「どうだ?」

眼鏡「うん。やはり東側の方が攻めやすいみたいだね」

賢者「魔物の統率が……乱れているよ……ふぅ」

ジュニア「後ろじゃ築城も始まったみてーだし、ここは一旦、本隊と合流すっかね」

魔法剣士「そうだな」

 オオオオォォォォ……

魔法剣士「ガーゴイルの群れか。大した数だな」

眼鏡「……」


940 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:04:24.90 ID:btF30EqHo
 バサッ バサッ バサッ

トロル「おい、後退命令だ。行くぞ」

ガーゴイル「もう後退か?」

トロル「なんか知らねーが、こっちの部隊は命令違反する奴が多くてな」

ワーウルフ「ああ。言う事聞かねーもんだからよぉ、マトモに戦えねーっつの」

ガーゴイル「ふーん。そりゃあ困ったなー」

トロル「もういい、行くぞ」

ガーゴイル「俺ぁ、もう少し偵察してから戻るわ」

ワーウルフ「仕事熱心だね。やられんじゃねーぞ」

 ゾロゾロゾロ……

ガーゴイル「……ふん、誰がやられるかっつーんだよ!」

 ザザザザッ スタッ

――「どうだ?」

ガーゴイル「問題なしっす。まぁアイツら頭悪そうだから分かんないっしょ」

――「油断はするな、引き続き頼むぞ」シュバッ


941 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:04:58.58 ID:btF30EqHo


 タッタッタッタッ

玄武娘「んおっ!? あれはなんですの……?」

朱雀嬢「ワーカーのようですわね。それに国軍も……」

白虎兵「よーし、いいぞ! 真っ直ぐだ真っ直ぐ!」

朱雀嬢「あの、何をなさっているのかしら?」

白虎兵「何だ、お嬢ちゃん方!? こんな所で危ないぞ!」

玄武娘「えっへん! こうみえても私達、ワーカ――」

白虎嬢「朱雀嬢ちゃん、玄武娘ちゃん!」タッタッタッ

朱雀嬢「あら、白虎嬢じゃない。ここで何しているのかしら?」

白虎嬢「丁度良かったわ〜。ねっ、手伝って〜」

朱雀嬢「……?」

白虎兵「お知り合いですか?」

白虎嬢「朱雀嬢ちゃんは朱雀本家の跡取り。玄武娘ちゃんは玄武先生の孫なのよ〜」

白虎兵「――っ!?」


942 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:05:33.67 ID:btF30EqHo


玄武娘「なるjほど〜! お城を作るんですの!」

朱雀嬢「召喚獣で運ぶとは考えましたわね」

白虎嬢「召喚獣は力持ちだし、人の手で運ぶより全然早いもの〜」

ヘルムヴィーゲ「だからって……私達までえぇぇ……」フラフラ

朱雀嬢「だって、そんな重たい丸太、運べませんもの」

ブリュンヒルデ「最近……召喚獣使いが粗いぞ、マスター」

朱雀嬢「ごめんなさいですわ。でも、もうしばらくの辛抱ですわよ」

オルトリンデ「へっ?」

朱雀嬢「魔王を倒して世界が平和になったら、魔力もなくなりますもの」

玄武娘「そしたら……っ、召喚も出来なくなっちゃうんですの!?」

朱雀嬢「そういう事ですわ。だからもうしばらくの辛抱――」

玄武娘「それは嫌ですのぉ!! 寂しいですのーっ!!」

ブリュンヒルデ「マスターと会えなくなっちゃうなんて……」ウルウル

朱雀嬢「もぉーっ! なんなのよあなた達は!」


943 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:07:34.95 ID:btF30EqHo
〜最北の村〜

副官「……」

 ザッザッザッ

青年「……駄目だ。旦那の遺体は見つからないみてぇだ」

副官「遺体って、勝手に殺さないでよっ!」

青年「あ、あぁ……すまん」

 テクテクテク

青年「……?」

サモナー「すまない、ここは何と言う村かな?」

青年「最北の村だが、あんたは……?」

サモナ−「魔王討伐に参加するワーカーなんだけど、魔王城はこっちの方角であってたかな?」

青年「あ、あぁ。でももう、戦いは始まっちまってると思うぞ?」

サモナー「だろうね。でも、間に合わないって事はないだろ?」

青年「そりゃまあそうだけど……あんた1人か?」

サモナー「……1人といてば1人かな」


944 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:08:00.80 ID:btF30EqHo
青年「……?」

サモナー「とにかくありがとう。それでは失礼」

青年「あ、おい……っ」

 テクテクテクテク……

青年「行っちまった……。変わった奴だな」

 ドドッドドッドドッドドッ

伝令「副官殿はおられるかー!」

青年「伝令かっ! おおい、こっちだこっちー!」

伝令「おぉ、最北の村は無事ですか!? 魔王軍の攻撃を受けたと聞いたが……」

青年「見ての通りだ。村は……問題ねぇよ」

伝令「……そうか。前線からの伝言だ。間もなく築城が始まる、物資の輸送を頼む」

副官「……了解」

伝令「こっちで不足しているものはあるか? 伝えておくぞ」

青年「人手が足りねぇ。次、襲われたらもつか分からん」

伝令「了解だ。増援を手配するよう伝えておく! それでは輸送の件、頼んだぞ!」


945 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 18:08:37.22 ID:btF30EqHo
〜北方司令部〜

参謀「準備は出来ましたか? 出発しますよっ」

 ジリリッ ジリリッ ジリリッ

通信兵「こちら北方司令部! 間もなく川中島目指し、出発致します!」ガチャッ

北方兵「しかし、全軍出撃とは……司令部は大丈夫なのか……っ」

参謀「気に病む事はない。どうせ空だ。魔王軍が得ても何も出来まい」

弓兵「ましてや結界石で覆われて、立ち入る事が出来る箇所だって少ないしなぁ」

参謀「此処を襲うには北関から地獄の壁沿いを伝って来なくてはならない」

北方兵「直には最北の村や、戦場が多々ありますからね」

参謀「つまり、北関でしっかりと防衛さえしてくれれば、此処も安泰というわけです」

弓兵「……大丈夫かな」

参謀「その為に援軍を送ったのです。信じましょう、司令らを」

北方兵「そうだそうだっ! 何たって……なぁ?」

参謀「お手並み拝見ですね」

 ドドォ……ガラガラガラッ

参謀「初代、特殊遊撃強襲隊……か」


947 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/16(木) 18:43:01.91 ID:czkP1rTno
>>1おつ!ついにサモナーさんも覚悟が決まったか・・・


948 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/16(木) 19:17:32.50 ID:D2/x/JoDO
はやく! はやく特殊オッサンチームの活躍を!!




953 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 22:36:50.20 ID:EiUtwJSbo
 昼過ぎになると、空模様は一変し、曇り始めた。

 ポツ ポツポツ……

魔道士「雨……」

占い師「嫌ねぇ。森の中だから、多少は避けられるけれど」

天才「仕方ねぇな。ちと早いが休息にすっか」

戦士「んじゃ、休めそうな所を探すとすっかね」

召喚士「ひどくならなければいいですけどね……」

盗賊「雨は臭いや視界を遮る。戦いには不利だ」

天才「特におっぱいニンジャみてーな戦い方だとなぁ」

盗賊「!?」

戦士「まぁ時間はあるんだろ? 何があるか分かんねーし、焦らず行こうぜ」

魔道士「ですねっ!」

 召喚士は時折、天才と占い師がふと見せる悲しい表情を見逃さなかった。

 それは胸を締め付けるようで、不安で、でもそれは問う事は出来なかった。

 一同は小雨の散る森の中をただ真っ直ぐ、魔王城目指し進んだ。


954 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 22:37:25.92 ID:EiUtwJSbo
〜川中島〜

 ドドッドドッドドッ……

北方兵「布陣完了致しました!」

大軍師「さて、いよいよですね。行きましょうか」

青年兵「全軍、勇敢に戦うべし!」

 オオオオォォォォ!!

青年兵「皆が勇者である! 命を粗末にするな! 行くぞぉ!!」

 ドドオオォォォォ

東方司令「動いたか」

女剣士「そのようですね」

当方参謀「さぁ、こちらも存分にかき回してやろうぞ」

 ズッズウウゥゥゥゥン

王子「本隊も動いたな。さーて、西国の皆よ! 突撃ぃーっ!」

エリート「陛下、参りましょう」

皇太子「本国の……いや、人間の意地を見せてやれい!」


955 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 22:51:56.57 ID:EiUtwJSbo


 コオオオオォォォォォ

アスタロス「……」

ベルゼブブ「随分と押されているようだな」パタン

アスタロス「……我が、遂行を」

ベルゼブブ「良い良い。余が少し遊んでやるとしよう」

アスタロス「主、それは――」

ベルゼブブ「構わぬ。あそんでやるだけだ」

 スクッ

ベルゼブブ「幾らもがこうが、人間程度の力は脆弱だと言う事を教えてやらねばな」

アスタロス「どうか……ご自愛を」

ベルゼブブ「自愛する程の事があれば良いがな。フッフフフ」

 フワァッ ブオンッ!!

 開戦2日目の攻防。この日は両軍にとって忘れ難き闘いとなった。

 かけがえのないものを失う事は、真に悲しい事である。



召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第五十八部、完〜


956 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage saga] 投稿日:2012/02/16(木) 23:06:44.95 ID:LbJCTzy1o
>>1乙

ブブブ


マジかよ、また魔王が誰か殺すのか
てか死ぬの早すぎだよチクショーーー


962 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/02/17(金) 02:19:34.87 ID:RIQArlsL0
いちおつ
魔王が出てきたら策も何もないな…



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