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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
38 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 17:54:32.84 ID:zih8hcaqo
コート男「ぐ……ぬぅ」

大軍師「貴方の欲望を満たす為に、これ以上の犠牲は出させませんよ」

コート男「小賢しい事をベラベラと……」

大軍師「おや? お怒りという事は……図星ですかな?」

コート男「殺す!」

大軍師「貴方如きに殺されてたまるものですか」

コート男「――っ」

大軍師「朱雀先生、今のうちに早く!」

召喚士「す、すみません……っ」

コート男「ちっ、逃がすかよ」

大軍師「おっと、貴方の相手は私ですよ」

コート男「貴様と口喧嘩している暇はないのだ」

大軍師「おや、自信がないと?」

コート男「その減らず口……いい加減にしろぉ!!」

大軍師「ふっふ」


39 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 17:55:36.11 ID:zih8hcaqo
ザッ

コート男「……なんてな」

大軍師「!?」

コート男は突如、背後を振り返り、伸びる鎖を素手で掴み取る。

ガシィ!!…ジャラッ

盗賊「な……っ!?」

コート男「貴様の詭弁で時間を稼ぎ、奇襲を仕掛ける」

大軍師「……っ」

コート男「なかなか頭の切れる男だが、この程度はお見通しよ」

盗賊「く……そっ」

ガシッ

コート男「逃がしはせんよ、フハハッ!」

大軍師「盗賊殿、早く間合いを――」

コート男「手遅れだ! まとめてベヒーモスの餌食となるが良いっ!」

召喚士「……っ!!」


40 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 17:56:57.16 ID:zih8hcaqo
キュイイィィィィ…

瞬時にベヒーモスを召喚し、攻撃態勢に入ったコート男。

コート男「……」

盗賊、召喚士、大軍師、魔道士と縦に並び、4人がことごとく

ベヒーモスによる閃光の攻撃射程に居並んでいる。

コート男(……おかしい、こんな偶然があってたまるか)

その違和感に気付いた瞬間、右方より巨大な気配を察知した。

コート男「こ……れも、罠かぁ!!」

大軍師「……ふっふ、ご名答」

コート男「くっそおおぉぉぉぉ!!」

ベヒーモスを貫く巨大な閃光が右方より輝き放たれる。

キュイイィィィィ…ドッドオオォォォォン!!

ベヒーモス「オオォォォォーン!!」

大軍師「常に数十手先を臨機応変に読んでこその軍師。なめないで下さいね」

羽扇をひらひらと扇ぎ、大軍師は静かに笑った。


41 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 17:58:19.35 ID:zih8hcaqo


コオオォォォォ…

戦士「……さぶぅ」

青年兵「随分と冷えますね……」

戦士「ああ。北の冬より寒いんじゃねぇか?」

青年兵「一体、何なんだここは……っ」

色も音もない、言うなれば新聞の絵のような世界。

2人は頼るものもなく、ただ闇雲に歩いていた。

戦士「あれから何時間経ったんだ?」

青年兵「分かりません。何十時間のような……それでいて数分のような……」

戦士「気味が悪りぃな……。さっさと出ようぜ」

青年兵「……ええ」

だが、脱出手段は一切不明。わけも分からぬまま2人は足を進める。

戦士「……おっ?」

やがて、戦士と青年兵は奇妙な光景を目にする。


42 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 17:59:44.96 ID:zih8hcaqo
ザッザッザ

戦士「な……んだ、あれ?」

青年兵「人? いや……影が蠢いている!?」

山の上を延々と連なる人型のような影。気配はなく、ただただ真っ直ぐ

行列を成し、山頂目指し動き続けている。

戦士「……行ってみっか?」

青年兵「え、ええ……っ」

ザッザッザッザッザ

戦士「……生きてるのか死んでるのかも分からんな」

青年兵「ええ。気配もないし、攻撃をしてくる様子も一切ありませんね」

戦士「あそこに向かってるのか」

青年兵「山頂……何かあるのかもしれませんね」

戦士「行ってみっか」

青年兵「そうですね、それしか道はなさそうです」

――「待ちな」


43 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:01:00.03 ID:zih8hcaqo
戦士「!?」

青年兵「……司令!」

天才「ったく、無茶しやがってよぉ」

戦士「しょーがねぇだろ、あの場面じゃああするしか……」

天才「まーいい。そうだな、ファインプレイだ」

戦士「お、おう……」

青年兵「あの司令、ここは……」

天才「地獄だよ、地獄」

戦士「はぁ!?」

天才「俺らの住む地上とは別の、闇の世界だ」

戦士「な、何だよそりゃあ……」

天才「人間には人間の住む世界がる。召喚獣には召喚獣の住む世界がある」

青年兵「ま、まさか……」

天才「そうだ。ここは魔物の住む世界。俗に言う地獄ってやつだ」

戦士「――っ!!」


44 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:02:08.61 ID:zih8hcaqo
青年兵「な、何故そのような所へ……」

天才「……っ」

青年兵「司令……?」

天才「付いて来い。歩きながら話すぞ」

ザッザッザ

戦士「……なんか、いつもの雰囲気じゃねぇな」

青年兵「え、ええ……。あんあ表情の司令は初めて見ます……」

テクテクテク

天才「あのアバドンってヤツは、サタンの代行者として害を与える執行人だ」

戦士「執行人……?」

天才「普段はここ、地獄において鍵を司る番人として待機してる」

青年兵「では、どうして地上へ……?」

天才「おそらくサタンを封印した影響だろうな」

戦士「何も封印していい事ばっかじゃねぇって事か」

天才「いーや、そうでもないぜ」


45 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:02:53.25 ID:zih8hcaqo
戦士「あん?」

天才「地獄でアバドンなんぞと遭遇すれば、それだけで死ぬって話だからな」

青年兵「――っ!!」

天才「まぁそんな情報を持ち帰ってこれるところを考えりゃ迷信だろうけどな」

青年兵「しかし、それ程までに力があると言う事ですよね」

天才「まぁ、そうだな」

戦士「んで、結局のとこ地獄からは生還出来んのか?」

天才「……どうかな」

戦士「ど、どうかなって……」

天才「ほれ、山頂に着いたぞ」

ザッザッザッ…ザッ

青年兵「…………っ」

戦士「何だよ……こ、これ……っ」

天才「果てしなく続く闇。この奥こそが……サタンの住む場所だ」

急斜面の奥に潜む闇は火口のように広がり、全てを吸い込む暗き穴であった。


46 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:11:51.77 ID:zih8hcaqo


ゴゴオオォォォォ…

コート男「……く……そっ」

大軍師「今ので相当の魔力を削られたはずです。それでもまだ、戦いますか?」

コート男「……っ」

ザッザッザ

魔道士「今の光って……」

盗賊「……ベヒーモス……か?」

ザッザッザ…スタッ

コート男「お……のれぇ……っ!!」

大軍師「ご苦労様です。お待ちしておりましたよ」

白虎長「……っ」

コート男「白虎長……」

白虎長「叔父様……貴方は……」

コート男「フッ……フハッ、フハハハハハハ!!」


47 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:13:59.78 ID:zih8hcaqo
大軍師「……」

コート男「何か言いたそうな顔をしているなぁ? フハハッ!」

白虎長「……」

コート男「お前の父である白虎長男の事か? あぁ?」

白虎長「父さんは……」

コート男「兄はとっくに死んださ! とっくの昔になぁ!」

白虎長「貴方が……殺した……」

コート男「そうだっ! 私が殺した! 実の兄である白虎長男をなぁ!」

召喚士「許せない……っ」

コート男「長男だけではないぞぉ? 次男兄さんも我が手で葬ってやったさ!」

白虎長「――っ!?」

大軍師「何と言う事を……っ」

コート男「実力も思想もない分際で正義ヅラしやがって、同じ一族としての恥よ」

白虎長「貴方は……人として恥ずかしくないのっ!? 実の……娘の前で……!」

コート男「――っ!?」


48 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:15:49.15 ID:zih8hcaqo
ザッザッザ

白虎嬢「…………」

コート男「白虎……嬢……っ」

白虎嬢「お父様、貴方は間違っている。何もかも……」

コート男「う……ぐぬ……」

白虎嬢「貴方は……貴方は……ぁ」

コート男「う……うぅ……ぐっ」

白虎嬢「貴方は最早、父ではありません!」

コート男「ぐ……ぬぅっ! 小賢しいわぁ!!」

大軍師「退がって下さい!」

白虎長「いいえ、退がらないわ!」

白虎嬢「私は……戦います。私にも責任はあるものっ」

大軍師「……っ」

コート男「おのれおのれおのれおのれええぇぇ!!」

召喚士「くるっ!」


49 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:17:55.22 ID:zih8hcaqo
ザッ…シュイイィィィィン

コート男「あの程度で、私のベヒーモスが終わってなるものかああぁぁ!!」

キュイイィィィィ…

白虎長「来るわよっ!」

召喚士「違うっ! フェイクだ!」

魔道士「!?」

タンッ…ズザザッ

コート男「寝ていろ!」

白虎長「!?」

ガシィ!!…バキャアアァァ!!

白虎長「う……ぐうぅ!」

白虎嬢「従姉さんっ!? お父様……貴方はっ!」

コート男「ほぉ、実の父に刃を向けるか? あ? 出来るのかお前に!」

白虎嬢「……っ」

コート男「馬鹿が、大人しく南で暮らしておれば良いものを……」


50 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:19:10.15 ID:zih8hcaqo
タンッ 

盗賊「止めろっ!!」

召喚士「分かってます!」

コート男「遅いわぁ! フハハ!!」

白虎長を一撃で地面へと撃ちつけ、コート男の拳はなおも止まらない。

実の娘へと差し向けられた右拳は、白虎嬢の喉元を瞬時に一掴みする。

グググッ

白虎嬢「う……あ……ぁ……」

コート男「せめてもの情けだ。実の父の、腕の中で死ぬがいい! フハハハ!」

ザッ

召喚士「やめろおおぉぉ!!」

コート男「素手で勝てると……思っているのかぁ!」

飛び掛かる召喚士はコート男の右腕へと纏わりつき、白虎嬢を締め上げる

その腕をなんとか力任せに振り切った。

ガシィ!!…ブンッ


51 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:20:17.64 ID:zih8hcaqo
召喚士「盗賊……さんっ」

盗賊「任せろ!」

ヒュバッ…ガシィ!!

宙へ投げ出された白虎嬢を受け止める盗賊。

コート男「……せっかちな奴だ。お望み通り先に殺してくれよう」

召喚士「ぐ……くっ」

大軍師「魔道士殿」

魔道士「は、はいっ!」

大軍師「狙えますか……?」

スッ

魔道士「で、でも……っ」

大軍師「気を引きます。離れてからで結構です」

魔道士「……っ」

大軍師「アレさえ失えば……こっちのものですから」

魔道士「……やってみます!」


52 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:23:45.93 ID:zih8hcaqo
グググッ

召喚士「……う……ぅ」

コート男「ハーッハッハ!! さっきまでの威勢はどうしたぁ? ん?」

召喚士「…………か……は」

コート男「このまま首の骨をへし折ってくれるわ」

その瞬間、召喚士とコート男の間へ影が飛び込む。

フェンリル「グアオオォォォォ!!」

コート男「何っ!?」

白虎長「白虎先生を……ナメないでよね……っ!」

コート男「この程度で……」

グワッ…バキィ!!

召喚士「……っはぁ、はぁ! はぁ!」

コート男「ちっ、振りほどいたか。だが忘れてはいないか? コイツの存在を!」

ベヒーモス「ゴアアァァァァーッ!!」

白虎長「しまっ――」


53 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:25:29.60 ID:zih8hcaqo
キュイイィィィィン…ズッドオオォォォォン!!

白虎嬢「……っ」

盗賊「くぅ……っ!」

白虎長「……?」

大軍師「な、何です……? 閃光が……止まって……」

コート男「な……んだこれは……!?」

ズゴゴゴゴゴ…

召喚士「……う……っ」

――「目を覚ませ、召喚士」

召喚士「……?」

――「立ち上がるのだ。お前の力を……皆が待っている」

召喚士「――!?」

コート男「何が起きている? 何故ベヒーモスの攻撃が……ユニコーン如きに!」

ユニコーン「さぁ、立ち上がれ召喚士。お前の力を見せてやれ」

召喚士「ユ、ユニ……コーン!?」


54 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:26:42.45 ID:zih8hcaqo


オオォォォォ

戦士「……んで、この穴に飛び込むのか?」

天才「そういう事だ」

青年兵「……」

戦士「と……ところでよっ、あの影みてーのは何なんだ?」

天才「あぁ、あれは生物だった者だ」

青年兵「……?}

天才「なんつーかな、魂っつーか……吸われてるのさ、地獄にな」

戦士「……っ」

天才「輪廻転生、って言葉……知ってっか?」

戦士「……いや」

青年兵「命あるものは死した後、再び命として蘇る……という事ですか?」

天才「まぁそうだ。流石だな」

青年兵「い、いえ……っ」


55 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:29:05.79 ID:zih8hcaqo
戦士「そんで、その輪廻転生ってのが何だってんだ?」

天才「こうして死んでいった人間も、再び魔物として生まれ変わる」

青年兵「……」

天才「そういう事なのかもしれねーなって話だ」

戦士「……そう……かもな」

青年兵「僕らもかつては、魔物であったのかもしれませんね」

天才「ハーッハッハ! 違いねぇ、そうかもしんねーわな」

戦士「んじゃ、召喚獣もそうなのかもなぁ」

天才「おぉ、そうだな。お前見かけによらず頭いいじゃんか」

戦士「……あのな」

青年兵「人間が生まれ変わって召喚獣に……か」

天才「んじゃ俺様はかつて、バハムートクラスの召喚獣だったに違いねぇ」

戦士「お前はどうみたって魔物だよ」

天才「んだとぉ!」

青年兵「は、はは……っ」


56 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/08/02(火) 18:31:32.98 ID:zih8hcaqo
本日ここまでにて!多数のご支援ありがとうございます!
それでは失礼致しますよ!ではでは!ノシ

前回のあらすじ気付いて頂きありがとうございます!

>>35-36
あれ!?って感じでビックリしました!


57 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 18:55:52.16 ID:es6h1njAO
>>1乙

なんてこった!あのイケメンユニコーンさんがまだ生きていやがった!
今日は赤飯だな


59 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 19:57:10.70 ID:pZX2O/mDO
>>1乙!
うはwwww
イケメンユニコーンさんktkr
うちも今夜は赤飯だ!!!!


62 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 21:58:57.72 ID:piccOFpJo
イケメンユニコーンさんがイケメンすぎてテンションあがってwwきたwwwwwwwwwwwwwwww


63 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 22:58:55.31 ID:zs9u5hJ0o
イケコーンさんきたあああああああああああああああああ


73 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/03(水) 08:33:36.90 ID:leSsEXZDO
そういえばイケコーンさん白虎だったな
すげーなー


74 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11:03:49.42 ID:XJAil86Eo
イケユニさんで鳥肌たったわwwwwwwwwむねあつwwwwwwww


75 名前:NIPPERがお送りします(福岡県) [sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11:43:35.80 ID:y/ZxmIWIo
1来てたかと思ったらお前らかwwww
イケメンユニコーンさんマジイケメン



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