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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
181 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:01:30.91 ID:eGMGTcko
パアアァァンッ

女剣士「景色が…戻った…」

ドサッ

火忍「……もう…空っぽだ。何もかも…っ」

土忍「……」

ザッザッザ…ススッ

鬼丸「…何してんだ?」

名代「雷忍殿の身体であったものだ。持ち帰る」

サッサッサッ

鬼丸「…どれ、手伝うか」

名代「……」

風忍「姫様…立てますか…?」

盗賊「…うぅっ、ひぐぅ……」

水忍「上様も……」

帝「……うっ、ぐぅっ……うぅ」


182 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:02:28.45 ID:eGMGTcko
ザッザッザ

戦士「……」

召喚士「……」

戦士「あのヤローは…逃げたか?」

召喚士「……うん」

戦士「……そうか」

召喚士「……」

魔道士「ひぐっ…ひぐぅ…うぅーっ」

スッ…テクテクテク

召喚士「魔道士さん…」

魔道士「召喚士さぁん……うぅ−っ!」

ガバッ

魔道士「ら…雷忍さんが…っ!うぐぅーっ!」

戦士「……」

召喚士「……」


183 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:04:13.32 ID:eGMGTcko


風忍「準備は良いか?」

水忍「ああ」

土忍「…こちらも大丈夫だ」

名代「それでは、行きましょう」

戦士「盗賊、行くぞ」

盗賊「……」

魔道士「盗賊さん。荷物…持ちます」

盗賊「魔道士……」

魔道士「手も……」

盗賊「…ありがと」

ギュウゥ

召喚士「……名代さん?」

名代「上様、行きまするぞ」

帝「…………」


184 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:04:55.23 ID:eGMGTcko
ザッザッザ

名代「…上様」

帝「名代……私は……」

スッ

帝「……?」

名代「辞世の句に、雷忍殿を包みました」

名代は掻き集めた灰を封した紙包みを帝へ手渡す。

名代「お持ち下され」

帝「……っ」

名代「これでもう二度と、雷忍殿は上様のお傍を離れませぬ」

帝「……うん…うんっ」

名代「さぁ、行きましょう」

鬼丸「おぶって行ってやろうか?」

帝「…及ばぬ」

鬼丸「んじゃ掴まれ。怪我でもされたらアイツに怒られちまう」


185 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:05:38.32 ID:eGMGTcko


テクテクテクテク

戦士「こんな…長かったっけか…」

召喚士「……」

戦士「行きは無我夢中で、必死で進んでたもんな」

帝「……」

鬼丸「…なぁ」

帝「……」

鬼丸「自分のせいで死んだ、なんて思うなよ」

帝「……」

鬼丸「上様がいなきゃあ、みんな死んでた」

帝「……」

鬼丸「それによ、アイツの選んだ道だ。笑ってやれ」

帝「…今は……整理が付かぬ」

鬼丸「それでいいさ。受け入れられるだけ十分よ」


186 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:06:22.23 ID:eGMGTcko
重い足取りの中、一同はようやく洞窟の外へと抜ける。

ザッザッザ

女剣士「……着いた」

土忍「…もうすっかり…日が昇っておるな」

テクテクテク…ザッ

風忍「戻ったぞ…大地に」

水忍「終わったのだな。ようやく……」

火忍「……ああ」

ドズウウゥゥンッ!!

召喚士「!!」

戦士「な…何だ!?」

ボコボコボコッ!!…ズウウゥゥンッ

大蛇「…キシャアアァァ!!」

名代「大蛇っ!?」

女剣士「こ、コイツら…まだいたのか!」


187 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:07:07.02 ID:eGMGTcko
ザッ

鬼丸「退がってろ」

帝「……っ」

戦士「召喚士、魔道士、盗賊!いけるか!?」

召喚士「…召喚は…無理だ」

戦士「ちっくしょお…っ!」

盗賊「これまでか……」

バシュシュシュンッ!!…ドスドスドスッ!!

魔道士「!?」

名代「こ…れは……!!」

ドドドドドドッ…

城主「かかれーっ!上様をお守りするのだあぁ!!」

足軽頭「突撃ーっ!!」

足軽「おおぉぉ!!」

帝「……や、奴等…っ」


188 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:07:44.20 ID:eGMGTcko
ヒュンッ!!…ズバシュッ!!

戦士「隊長!!」

隊長「…ふーっ」

チャキッ

隊長「……やったんだろうな、ヤマタノオロチ」

戦士「…ああ」

西方参謀「ご苦労!後は俺らに任せておけ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

大蛇「ギアアァァーッ!!」

隊長「ふんっ!!」

ザシュッ!!…ドシャアアァァ

隊長「早く退がれ!!」

魔道士「あ、ありがとうございます…っ!」

城主「名代様、上様を後方へ!!」

名代「かたじけない!」


189 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:08:16.95 ID:eGMGTcko
キィンキィン…チュインッ…バシュシュシュッ!!

大蛇「…ギ…ガアアァァ…ッ!」

ドシャアァァ

足軽「立てますか!?」

火忍「す、すまぬ…っ」

弓隊「威嚇射撃…射てぇ!!」

足軽「今のうちです!!さぁ!!」

風忍「行くぞ…っ!」

タタタッ!!

火忍「…死ぬなよ」

足軽「…有難き御言葉っ!!」

タッタッタッタッタ

足軽頭「先程の妖怪に比べれば屁でもない!押し切るぞ!!」

足軽「おぉーっ!!」

城主「数は圧倒しておる!恐れるな、当たれ当たれぃ!!」


190 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:09:10.87 ID:eGMGTcko
ヒュンヒュンヒュンッ

隊長「でえぇりゃああぁぁ!!」

ザシュウウゥゥッ!!

大蛇「グギャアアァァ!!」

西方参謀「トドメだ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴウッ…メラメラメラッ

西方参謀「……殲滅…ヒック!」

隊長「オイシイとこ持っていきやがって…」

西方参謀「おやおや、こんな雑魚で満足かね?」

隊長「……けっ」

西方参謀「結局逃げられちまったか…」

隊長「まぁいいさ。当初の目的は果たしたようだしな」

チラッ

召喚士「」「……」

隊長「…に、しちゃあ顔色が暗いけどな」


191 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 18:23:42.78 ID:eGMGTcko
>>157
× 雷忍「何度も言わせるな。お前なら出来る。自分を信じろ」
○ 兄様「何度も言わせるな。お前なら出来る。自分を信じろ」

前回ご指摘あったのに…分かってたのに…
そのままコピペしちゃった…うわああぁぁん!

大事なシーンが出だしから台無しでした。こんばんは…
本日もご支援ありがとうございました…では失礼致します…


194 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/11/30(火) 20:02:22.62 ID:KCjzHKoo
>>191
それでこそ俺たちの>>1だ


195 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/11/30(火) 20:12:33.75 ID:03ADWQAO
鬼丸が華麗に死亡フラグを回避したな…


196 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 23:58:32.63 ID:IPYxmrgo
ドドッドドッドドッ…

足軽頭「全て片付けたぞ!我らの勝利だ!!」

足軽「うおおぉぉ!!」

ザッザッザッザッザ

城主「上様!ご無事で!!」

鬼丸「ご無事よ!……なぁ?」

帝「……」

城主「ならば、勝ち鬨を!!」

帝「勝ち鬨……私が……」

城主「はい。お願い致しまする」

帝「……」

名代「どうなさいました、上様?」

帝「……私は」

名代「勝ち鬨を上げなて下され。散っていった者達の為にも」

帝「……」


197 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 23:59:03.38 ID:IPYxmrgo
ザッ

弓隊「お、おい…っ!あの高台を見ろ!!」

足軽「上様だ!上様が勝ち鬨を上げられるぞ!」

帝「……」

名代「皆様ご一緒に……」

隊長「いや、俺らは部外者です。ここで結構ですよ」

西方参謀「それに、ああいうのは性に合わねぇや。なぁ?」

戦士「ああ」

召喚士「……」

名代「…畏まりました。鬼丸、行くぞ」

鬼丸「俺か?」

名代「上様の脇に控えておれ。託されたのであろう?」

鬼丸「…へいへい。早速の任務ってやつですかい」

名代「では上様、其方の皆が見渡せる位置へ」

帝「…う、うむ」


198 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/30(火) 23:59:29.81 ID:IPYxmrgo
ザッザッザ

足軽頭「……おぉ」

ザワザワザワ

帝「……っ」

足元に広がる、役二千の傷付いた兵達。帝はぐるりと見渡し俯く。

帝(私は……)

足軽「上様じゃ!上様ぁ!!」

弓隊「上様のお顔をこんな間近で拝見出来るとは…命を張った甲斐があったわ」

足軽頭「静かにせぬか!上様のお声が聞こえぬであろうっ!」

帝「皆……」

西方参謀「さぁさぁ上様!お待ちかねですぞぉ……ヒック」

盗賊「……」

魔道士「上様……」

戦士「ビシっと決めてくれよ!」

召喚士「……さぁ、勝ち鬨を!」


199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:00:01.05 ID:ns1DM8Ao
グッ

帝「……っ」

両拳を力強く握ると、帝は俯いた顔を上げ声を発する。

帝「此度の戦は…東方の将来を左右する大切なものであった」

風忍「……」

帝「邪なる妖は今後も我々の東方を脅かすであろう」

水忍「……」

帝「だが、私は…いや、余は信じておる」

土忍「……」

帝「東方にはそなた等のような、勇敢で勇猛で…そして……」

火忍「……」

帝「互いに命を預けられる、頼もしい武士<もののふ>がいる!」

女剣士「……」

帝「何度、侵略者が来ようとも……打ち払えると!!」

名代「…上様…っ」


200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:00:43.04 ID:ns1DM8Ao
ウオオォォォォ!!

帝「我々は……勝った」

鬼丸「……」

帝「誰の手柄でもない……全員の手柄である!」

隊長「……」

帝「ヤマタノオロチは打ち倒した!!」

西方参謀「……」

帝「今後は守るだけではない!我らが攻める刻である!!」

戦士「……」

帝「自らの手で……妖怪共を追いやろうではないか!」

魔道士「……っ」

帝「……ひとまずは胸を張り、都へ凱旋しようではないか!!」

召喚士「……」

帝「勝ち鬨を上げよっ!!」

叫びにも似た号令と共に、帝は天へ十束剣を突き上げる。


201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:01:24.07 ID:ns1DM8Ao
チャキッ

城主「えいえいおーっ!!」

足軽頭「えいえいおおぉぉーっ!!」

魔道士「えいえいおー!えへへっ!!」

召喚士「…は、ははっ!あははっ!!」

足軽「お、おいっ!!あれを見ろ!!」

弓隊「な……なんと…!!」

召喚士「く…雲が……広がって……」

盗賊「晴れた……」

火忍「あんなに…雪も降ってたのによ…っ」

吹雪が止み、割れる雲の隙間より、太陽が顔を出す。

足軽「…天が…照らされたぁ!う、上様のお力じゃあ!!」

水忍「天照とは……」

風忍「…こ、これは…っ」

名代「……出来すぎですね、ふふっ」


202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:03:45.58 ID:ns1DM8Ao
帝「こ、これはただの偶然だぞ…っ」

弓隊「天照の命……天照命だ!!」

足軽「天照帝!!」

ワアアァァッ

帝「こ、これ……っ」

名代「あやかっておきましょう。皆の士気も上がりまする」

帝「しかしだな…っ」

土忍「こういう時は改名するのが宜しいかと」

帝「改名……刀をか?」

土忍は黙って力強く頷く。

帝「……う、うぅむ」

名代「天叢雲剣<あまのむらくものつるぎ>」

帝「……?」

名代「あ、いえ…っ。何となく思い付いたもので……」

帝「天叢雲剣か…悪くないな、うん。そう改名すると致そう」


203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:25:15.51 ID:ns1DM8Ao
ザザッ

足軽頭「各隊、整列致しました」

城主「うむ」

名代「それでは、これより帰還致す」

帝「皆の者、本当にご苦労であった」

城主「北の城へ向けて……進発!」

ザッザッザッザッザ

隊長「……」

西方参謀「どうした?奴を取り逃がしたのが心残りか?」

隊長「…いや、いいさ。この者達ならきっと倒してくれるよ」

戦士「…終わったな」

盗賊「…ああ。終わった」

魔道士「本当に…私達本当に倒したんですね……」

召喚士「……ええ。さぁ、帰りましょう」

本国時間にて12時45分。ヤマタノオロチ討伐戦の終了を迎えた。


205 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 00:41:44.14 ID:ns1DM8Ao
〜オマケ〜

帝「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!」

…略

帝「私の弟(みたいな存在)、諸君らが愛してくれた雷忍は死んだ、何故だ!」

ネクロマンサー「坊やだからさ」

〜オマケ2〜

ネクロマンサー「見せて貰おうか、コカトリスの力とやらを!」

雷忍「疾風迅雷いいぃぃ!」

ネクロマンサー「えぇい!東方の人間はバケモノか!」

〜オマケ3〜

ネクロマンサー「ぜ、全滅?8本のヤマタノオロチの首が?3分もたたずにか…!?」

ドカーン

ネクロマンサー「認めたくないものだな…。自分自身のの若さゆえのあやまちというものは」



ネクロマンサー「一人…違うキャラが混じっているようだが……?」


206 名前:三日目東R59Aがお送りします [saga sage] 投稿日:2010/12/01(水) 00:50:08.93 ID:c6E.TgDO
うおっ!
>>1深夜更新乙!

今回のおまけはシャアか?

帝「帝が女の名前で何が悪いっ」


207 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 01:08:28.33 ID:Shf7AO2o
>>206
ネクロマンシャア「今の私はネクロマンサーだ、それ以上でもそれ以下でもない。」


211 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 08:34:30.76 ID:jMbLH2AO
>>1乙

これで竜脈からのエネルギー供給もいよいよなくなるのか…
魔物達にはどの位の影響があるのだろう

マグネループみたく、あっても気づかないけど、無いと違和感。みたいな感じになるんかな



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