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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21
- 334 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/11/05(金) 16:22:02.20 ID:Qk7Epu.o
――月の宴。満月の夜に行われる東方司令部恒例の儀式。
東方司令部に配属された連隊規模の魔道兵達。更には、
各方面から集められたワーカーや魔道学校のOB達。
おおよそ月にたった一度、この者らは東方司令部東の城壁へと集うのである。
〜東の城壁〜
戦士「す…すっげぇ人数…っ」
魔道士「これ……皆さん魔道士何ですか!?」
占い師「そうよ〜。彼らが一斉に魔力を解き放ち、遮断するの」
盗賊「…遮断?」
召喚士「魔族の攻撃…ですか?」
占い師「…うーん、。攻撃って言えばいいのかしらねぇ」
学園長「竜脈から入り込む魔力をここで遮断しているのですよ」
テクテクテク
魔道士「学園長っ!」
戦士「竜脈…?何だっけか?」
- 335 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:23:18.49 ID:Qk7Epu.o
学園長「竜脈と言うのは、補給線のようなもの」
盗賊「…補給線」
学園長「そう。そしてそのエネルギーは満月の夜に流れ込んでくるの」
召喚士「流れ込むって…まさか…っ」
占い師「…そう。ここから東に位置する場所」
盗賊「…東方!?」
東方司令「そういう事。さぁ無駄話は終わりだ」
青年兵「司令…」
東方司令「学園長、始めるぞ。準備をしてくれ」
学園長「ええ、今行きますわ」
テクテクテク
東方司令「お前らも手伝うのか手伝わんのかハッキリしろ」
召喚士「いや…手伝いたいところですが…魔力は…」
東方司令「期待しとらん。それに召喚士だろうが魔力があれば問題ない」
青年兵「それじゃ僕らでも…?」
- 336 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:23:53.99 ID:Qk7Epu.o
東方司令「メインとなるのはごく一部。あとはただの補助だ」
戦士「んじゃ俺でも問題ないって事か…」
東方司令「…いないよりはマシだな」
戦士「……あのな」
占い師「はいはい。手伝えばいいんでしょ」
東方司令「…副司令っ!参謀!準備は!?」
カラカラッ
東方副司令「魔道兵、全員配置につきました」
東方参謀「ワーカーも揃っておるぞ!」
スタスタスタ
学園長「…あら、貴方…また遅刻したの?」
賢者「……」
学園長「…全く。フラフラフラフラと」
東方参謀「聞けぃ、皆の者っ!これより月の宴を始める!!」
東方参謀の声が響き渡る中、城壁には大歓声が沸きあがる。
- 337 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:24:26.66 ID:Qk7Epu.o
ワアアァァッ!!
召喚士「あの…っ、それで俺達は何を…?」
東方司令「何もしなくていいよ。その辺に立ってれば勝手に吸い取られるから」
魔道士「えっ!?」
東方司令「簡単に言うとだな、城壁の前に更に魔法の壁を作り出すんだ」
東方副司令「はい。高魔力の持ち主がまずは基礎となる壁を作り…」
東方司令「それを他の者の魔力で強化してくのさ」
青年兵「…な、なるほど」
東方司令「あとはその壁で竜脈経由で侵入しようとする魔力を防ぐだけ」
戦士「こんな作業を各司令部でやってんのか?」
占い師「まさか。月の宴は東方司令部のみよ」
魔道士「そうなんですか!?」
東方副司令「簡単に言いますと、東方かが入り口となっているのですよ」
盗賊「……」
東方司令「…そういう事だ。東方から流れ込み、竜脈を流れる」
- 338 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:25:06.85 ID:Qk7Epu.o
召喚士「それって…行き着く先は…」
ヒュオッ…スタッ
東方参謀「魔王だ。全ては魔王へと通じておる」
東方副司令「参謀殿、始まりましたか…?」
東方参謀「うむ。あとは魔力を集めるだけよ」
城壁の中心では学園長や賢者を始め、高魔力を持つ術士が
東側の海上、つまりは東方側めがけて壁を作り始める。
魔道士「ぼんやりと…少し光ってますね…っ」
戦士「…なーんも見えねぇぞ?」
盗賊「…ああ」
魔道士「ほらっ、そこ…!」
東方参謀「…ほう、なかなかの魔力を持っているようだな!」
東方司令「…ふぅん」
青年兵「た、確かに…何か壁のようなものがうっすらと…」
召喚士「…本当だ。なんとなくだけど…分かるかも…」
- 339 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:26:05.32 ID:Qk7Epu.o
戦士「それで、入り込んだ魔力ってのはどうなるんだ?」
東方副司令「竜脈を流れ、各魔王…ひいては魔物らの元にと到達します」
東方司令「満月の夜は最もそれが溢れ出る時だからね」
落ち着いた声で語りながら、当方司令は暗い東の海を指差す。
東方司令「間もなく共鳴して見えてくるハズだよ」
召喚士「……?」
東方司令「作り上げた魔力の壁に押し出され、立ち上るそれ、がね…」
東方参謀「…いよぉし、一気に魔力を吸い取り、形を作るのだ!」
魔道兵「さぁて…行くぞっ!」
学園長「…もう一人くらい壁がいれば楽なんですけどねぇ…」
賢者「……ふぅ」
OB「おんめぇ…っ、サボってんじゃねーよ!」
東方司令「ほら、ハッキリ見えてきただろ?」
盗賊「……!?」
作り出された壁に共鳴するように、竜脈より溢れ出る魔力が浮かび上がった。
- 340 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 16:30:45.05 ID:Qk7Epu.o
召喚士「あ……あれは…っ」
東方司令「…ボクの言った事が分かったかい?」
盗賊「…な、何なのだ!あれはっ!!」
東方副司令「竜脈から魔力が流れ出しているのだ…っ」
魔道士「魔力が…!?」
戦士「その魔力ってのが流れ込むとどうなるんだ…?」
東方司令「…竜脈を伝わり、活性化させ…魔物の糧となる」
魔道士「っ!!」
召喚士「そ…それを防ぐ為に…っ」
東方司令「そう。そしてボクらはあれを食い止めるのに精一杯って事」
戦士「……あれを無くすには?」
東方副司令「元凶を絶つしか…ありませんな」
東方参謀「…そーいう事よ!分かったかぁ!?小僧共っ!!」
召喚士「元凶…というのは…?」
東方司令「核となるは……ヤマタノオロチ」
- 342 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:46:22.16 ID:Qk7Epu.o
戦士「ヤマタノオロチ…?何だそりゃ?」
盗賊「…聞いた事がある…っ」
青年兵「…!?」
盗賊「…古より伝わる妖だ」
召喚士「その、ヤマタノオロチというのが元凶なのですか?」
東方司令「竜脈の根源となる場所に居座る魔物だ」
戦士「そいつを倒せば魔力ってのは流れ込まなくなるのか?」
東方副司令「そう言われています。おそらく完全に…ではありませんが」
召喚士「…なるほど」
魔道士「た、倒せないんですか…?」
東方参謀「馬鹿者。奴がどこにいると思うておる」
青年兵「東方…ですね」
東方司令「勝手に武力介入は出来ん」
魔道士「じゃ、じゃあ……」
東方司令「東方の連中に何とかして貰うしかない」
- 343 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:47:17.87 ID:Qk7Epu.o
盗賊「……」
東方司令「別にこっちも傍観してるわけじゃないんだぞ?」
召喚士「…?」
東方副司令「何度も打診してはいるのですが…なにぶん鎖国的なもので…」
戦士「…つまり、東方側が受け入れてくれないって事か」
東方司令「ま、あっちも何か動きがあったみたいだし、今後は分からんがな」
魔道士「動き…?」
東方参謀「こちらの要望を撥ねていた宰相だかが失脚したみたいでな…」
東方副司令「今は王自ら国政を為しておられるとか…」
召喚士「それって……」
盗賊「……ああ」
占い師「…何?」
召喚士「あ、いえ…っ」
東方司令「…さて、戻るとするか。宴は終わりだ」
魔道士「もう終わりなんですか…?」
- 344 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:48:36.59 ID:Qk7Epu.o
東方司令「あとは核の連中が踏ん張るだけ。ボクらは用無しさ」
青年兵「あまり魔力を座れた気がしませんが…」
東方副司令「こう人数も多ければ、各々は微々たるものですからね…」
東方司令「副司令、参謀、あとは任せた」
東方副司令「は、はいっ」
東方参謀「……」
スタスタスタスタ
青年兵「あっ、司令…お話をっ!」
東方司令「司令室で聞く。付いて来い」
青年兵「は、はいっ」
タッタッタッタッタ
占い師「私達も戻りましょうか」
魔道士「はいっ!」
召喚士「あ、あの…副司令さん」
東方副司令「ん?」
- 345 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:50:22.90 ID:Qk7Epu.o
召喚士「さっき聞きそびれてしまったんですけど…」
東方副司令「何でしょう?」
召喚士「あの…ベヒーモスというのは…」
東方副司令「ああ、さっき言いそびれていたね」
召喚士「はい…」
東方副司令「簡単に言えば、我ら一族のみの召喚獣…かな」
召喚士「一族…ですか?」
東方副司令「そう。私や白虎嬢…それに白虎長といった…」
召喚士「以外に使い手はいないと…?」
東方副司令「門外不出だからね。何と言っても白虎の最上級だし…」
召喚士「そうですか…」
東方副司令「何かあった?」
ザッザッザ
戦士「白いコートを着た召喚士だ。心当たりはないかい?」
東方副司令「コート…?」
- 346 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:51:58.12 ID:Qk7Epu.o
召喚士「はい。顔は分かりませんが…確かにベヒーモスを…」
東方副司令「その召喚士とはどこで…?」
戦士「最北の村だ。いや、北方の他の村でも目撃したな…」
召喚士「しかも…どうやら魔王軍に加担しているような、そんな素振りでした」
東方副司令「……」
戦士「ベヒーモスを使ってた。今の話を聞くところ一族のモンに間違いないだろ」
東方副司令「まさかとは思うが……」
召喚士「やはり心当たりが…?」
東方副司令「おそらくそれは…」
東方参謀「副司令っ、何をしておる!早くせんかっ!!」
東方副司令「あ、申し訳ない…!今行きますっ」
キィ
東方副司令「すまない。また後ほど話をしよう」
召喚士「……分かりました」
会釈する召喚士に微笑み、東方副司令は車椅子の車輪に手をかけ移動させた。
- 347 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 17:52:47.25 ID:Qk7Epu.o
召喚士「……」
戦士「あのコート男、やっぱり何かありそうだな」
召喚士「…うん」
戦士「…門外不出か。ベヒーモスはゲット出来なさそうだわな」
召喚士「うん。あわよくばと思ったけど…」
戦士「…貪欲で何より」
召喚士「や、やめてよっ」
戦士「ははっ、冗談さ。さ…行こうぜ」
召喚士「…うん」
テクテクテクテク
占い師「司令と青年兵クンは話があるみたいだから、私達はこっちで待ちましょ」
魔道士「はいっ」
戦士「今日の寝泊りはここでさせて貰えんのか?」
占い師「うん。それも相談してみる。問題ないと思うわ」
魔道士「良かったぁ!ちゃんとお風呂入れますねっ!えへへ!」
- 353 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/05(金) 21:27:34.12 ID:hu/N1EAO
あ… 思い出しちまったぜ… 巫女ちゃん… だから狙われて…
- 354 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/05(金) 22:25:40.97 ID:YeUD5sgo
巫女ちゃんのかわりに召喚子さんに期待しよう・・・
- 355 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/06(土) 00:01:34.09 ID:nW3/WcSO
>>354
召喚子ちゃんを颯爽と救う青年兵ですね
- 356 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/06(土) 00:33:32.98 ID:6wHjKAAO
ここからは濃厚なホモスレへ
- 359 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/06(土) 02:08:33.35 ID:rTl3gXUo
〜司令室〜
東方司令「…それで、何?ボク忙しいんだけど」
青年兵「……これを」
カサッ
東方司令「何これ?」
青年兵から紙を受け取り、おもむろに広げる東方司令。
東方司令「……!!」
青年兵「殿下からの文です」
東方司令「で、殿下が…!?」
青年兵「単刀直入に申し上げます。右翼に力を貸して頂きたいのです」
東方司令「……」
青年兵「……今、我々は劣勢に立たされております」
東方司令「…劣勢?」
青年兵「詳細は書面にある通りです」
東方司令「……」
- 360 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/06(土) 02:09:16.46 ID:rTl3gXUo
カサッ
青年兵「…?」
東方司令「…分かった」
青年兵「ではっ…」
東方司令「分かったが、同意するかは話が別だ」
青年兵「な…っ」
東方司令「お前も分かっているだろう?ココの異端さを」
青年兵「……」
東方司令「さっきも見たと思うが、8割が魔道兵…それは一個連隊に値する」
青年兵「…え、えぇ」
東方司令「魔道兵のほとんどが左大臣の息がかかった連中だ。当然、ここもな」
青年兵「……」
東方司令「あとは言わずとも分かるよな?」
青年兵「司令のお力だけでは…どうにもならないと…?」
東方司令「そう言う事だ…他を当たれ。ボクの力じゃどうにも出来ん」
- 361 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/06(土) 02:09:44.84 ID:rTl3gXUo
青年兵「せめて…上層部だけでも…っ」
東方司令「下の連中ですらどうにもならんのに上層部が動かせると思うのか?」
青年兵「……っ」
東方司令「殿下の申す事もよく分かる。それに…わが師の意向だ…」
青年兵「…どうにも…なりませんか?」
東方司令「…ふっ、いっその事人事異動でもして一掃したらどうだ?」
青年兵「……」
東方司令「…まぁ、魔道士が消えればどうなっても知らんがな…」
スッ…カツカツカツ
青年兵「あ、あの…っ」
東方司令「話は終わりだ。ボクは忙しいと言ったろ?」
青年兵「司令…」
東方司令「…風呂だ。なんならお前も来るか?坊や…?」
青年兵「……いえ…っ」
東方司令「…ふふっ、お前も童貞臭いな。ダメ元で参謀にでも相談してみろ」
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