■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その8
943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 13:57:16.67 ID:JlCjllYo
〜山あいの道〜

ザッザッザ…

戦士「ここも久しぶりだな」

召喚士「うん…」

戦士「師匠にも…修行して貰ったっけな…」

盗賊「……」

召喚士「うん」

召喚士は空を見上げ、木陰の日差しに目を細める。

戦士「フンババやら強かったよなぁ…」

盗賊「…でも…倒したな」

召喚士「お陰で今は魔物もいないですね」

戦士「おしっ、もう少しだ」

召喚士「…うん。一気に向かっちゃおう!」

盗賊「…うむ」

ザッザッザ…


944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 13:58:10.44 ID:JlCjllYo
〜師匠の家〜

カチカチッ…ガチャッ…キイィ

召喚士「お、お邪魔しまーす…」

戦士「ははっ!お邪魔しますって…」

召喚士「あ…なんか師匠がいる気がしてさ…はは」

盗賊「…」

召喚士「うわぁ…結構ほこり溜まってるなぁ…」

戦士「何ヶ月もほったらかしだったからなぁ…」

テクテク…

戦士「んで、ヒントになりそうなもんはどこにあるんだ?」

召喚士「えーと…、2階の書斎と…その脇の物置かな」

戦士「なるほどな…」

盗賊「…とりあえず」

召喚士「まずは…掃除からですね…」

盗賊「・・・同意」


945 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 13:59:43.48 ID:JlCjllYo
〜山道〜

魔道士「すっかり夜になっちゃいましたね…」

マジシャン「ああ。でも、もうすぐだ…」

魔道士「はいっ」

二人はしばらく山道を登ると、一軒の住居に辿り着く。

魔道士「…こ、ここは?」

マジシャン「俺と魔道士ちゃんの愛の巣」

魔道士「そ、そうですか…」

マジシャン「……。じゃあ入るか」

魔道士「あ、はい」

ガチャッ…ギイィ…

マジシャン「一応掃除しといたから大丈夫だと思うんだが…」

魔道士「わぁ…全然キレイですよー!」

マジシャン「そう?良かった!ハッハ!」

魔道士「お邪魔しまーす!!」


946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 14:00:38.22 ID:JlCjllYo
マジシャン「どーぞ。まぁ自分の家だと思って、くつろいでくれ」

魔道士「はいっ!ありがとうございます!」

テッテッテ…

マジシャン「ここは港から北に位置する」

魔道士「はい」

マジシャン「山にはこの家にしか結界を張ってない」

魔道士「つまり……」

マジシャン「そう。外は魔物も出るって事だ」

魔道士「なるほど…」

マジシャン「外出時はくれぐれも気をつけるように!ハッハ!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「んじゃ、メシにすっか。修行は明日からだ!」

魔道士「あっ、じゃあ私作りますね!」

マジシャン「おーっ、助かるぜ。キッチンはそっちね」

魔道士「はい!任せておいて下さいっ!ふふっ」


947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 14:01:31.38 ID:JlCjllYo
〜師匠の家〜

召喚士「疲れたー…」

戦士「こんなもんでいっか」

盗賊「…うん」

召喚士「じゃあ食事にしましょうか…」

戦士「ところでさ…」

召喚士「…?」

戦士「メシ…誰が作るの…?」

盗賊「……ムリ」

召喚士「戦士…は?」

戦士「作れなくはねーけど…ほんと適当だぞ?」

召喚士「うーん…仕方ない、じゃあ俺が作るよ」

盗賊「!?」

戦士「作れるのか!?」

召喚士「あっ、いや…俺も適当だけど…はは」


948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 14:25:39.98 ID:JlCjllYo


戦士「普通に美味そうだぞ…?」

盗賊「…ああ」

召喚士「一応…ここで作ってたから…」

戦士「そっか。師匠と二人暮らしだったもんな」

召喚士「うん」

盗賊「……」

召喚士「あっ、師匠酒取ってくるよ」

戦士「悪りぃ」

召喚士「いやいや」

テクテクテク…ガチャッ…ギイィィ…

召喚士「…よいっしょ…っと」

召喚士は酒蔵から師匠酒の瓶を3つ手に、家へ戻る。

テクテク……ピタッ…

召喚士「………」


949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 15:29:30.87 ID:JlCjllYo
召喚士は立ち止まり、師匠の墓へ足を運ぶ。

テクテクテク…

召喚士「……!?」

綺麗に手入れされた師匠の墓に、白いはなが添えられ、

月明かりに照らされ、行灯のようなほのかな光を見せる。

召喚士「ちゃんと…手入れされて……」

ザッザッザ…

戦士「バーテンさんか…マジシャンのおっさんか…」

盗賊「…ありがたいな」

召喚士「!?……戦士、盗賊さん…」

戦士「ほれっ」

戦士は召喚士にグラスを手渡す。

盗賊「……これも」

盗賊は墓前に召喚士の料理を盛った皿を置く。

グラスに師匠酒を注ぐと、召喚士は皿の横へと並べた。


950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 16:48:03.65 ID:JlCjllYo
〜師匠の家〜

戦士「いただきます!」

盗賊「いただきます」

召喚士「ど、どうぞ…」

カチャカチャ…モグモグ…

召喚士「どうかな…?」

戦士「……うまい」

盗賊「……うん」

召喚士「ほんと…っ!?」

戦士「うんっ、普通に美味い!」

召喚士「良かった〜!いや、緊張するよ…はは」

戦士「しっかし毎度毎度作ってくれてる魔道士はすげぇな…」

召喚士「改めてそう思うよ…!」

盗賊「……モグモグ」

召喚士「おかわりもいっぱいありますから…!」


951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 16:54:02.35 ID:JlCjllYo
〜マジシャンの住居〜

マジシャン「いっただきまーす!!」

魔道士「どうぞっ!」

マジシャン「……うんめぇ!?何だこりゃ…!」

魔道士「有り合わせなので簡単なものですけれど…」

マジシャン「魔道士ちゃん料理上手だなっ!ハッハ!」

魔道士「ふふっ、ありがとうございますー!」

マジシャン「アイツら毎度毎度こんな美味いモン食ってんのか…」

魔道士「ふふっ」

マジシャン「いや、魔道士ちゃんの夫になるヤツが憎…羨ましいぜ…」

魔道士「そういえばマジシャンさんはここで暮らしてるんですか?」

マジシャン「…いんや…モグモグ。ここは別荘みたいなモンかな…モグモグ」

魔道士「別荘…!なんかいいですねぇ〜!」

マジシャン「もう使ってないから、使いたかったら好きにしていいよー。モグモグ」

魔道士「えっ!?い…いいんですか…?」


952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 17:05:34.35 ID:JlCjllYo
マジシャン「もう使ってねぇし、鍵も掛けちゃいねーしな。ハッハ!」

魔道士「あ、ありがとうございます…!」

マジシャン「まぁ、こんな所に来る事もそうそうないだろうけど…モグモグ」

魔道士「確かにそうですねぇ…」

マジシャンは酒を片手に魔道士の手料理を勢いよく平らげていく。

魔道士「マジシャンさんは…家族っていないんですか?」

マジシャン「んー?いるよー」

魔道士「あっ、そうなんですね!今はどちらに?」

マジシャン「んー…分からん……モグモグ」

魔道士「…?」

マジシャン「随分前に愛想つかされて、それっきりだしなぁ」

マジシャンは一瞬考えるような素振りで、魔道士に答える。

魔道士「…そ、そうですか」

マジシャン「ま、人生色々ですよ…ハッハッハ!」

魔道士「そ…そうですね!ふふっ…エヘヘ…」


953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 17:15:49.51 ID:JlCjllYo
〜師匠の家〜

戦士「あー…食った食ったぁ」

召喚士「戦士、師匠酒」

戦士「おっ、サンキュ!!」

召喚士「盗賊さんは紅茶でいいですか?」

盗賊「あ、うんっ!…ありがと」

召喚士「いえいえ」

戦士「盗賊、何だったら先に風呂入って…」

盗賊「あ、後で…いいっ!」

戦士「そっか、んじゃ召喚士は?」

召喚士「洗い物済ませちゃうから先入ってきなよ」

戦士「んー、じゃあ失礼するわ」



戦士「はー!サッパリ!ついでに風呂も掃除しといたぜ!」

召喚士「ありがとう。じゃあ…先に失礼しますね」

盗賊「う、うん」



召喚士「ふぅ。お待たせしました」


954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 17:38:02.05 ID:JlCjllYo
盗賊「……じゃあ」

戦士「あいよー」

テクテクテク…ガチャ…バタン

戦士「あ、そういや師匠酒ってどうやって作るんだっけか?」

召喚士「作り方貰ったよね?」

戦士「ああ。えっと…この荷物の…あ、あった」

召喚士「どれどれ……」

戦士「蒸留すんのか。んで…ろ過も?結構手間だな…」

召喚士「大麦に小麦にライ麦…ジャガイモも…?」

戦士「随分手間なモンだな」

召喚士「師匠にしちゃよくこんなの作ってたなぁ…」

カポーン…ザバァ…

盗賊「…ふーっ」

テクテク…ガチャッ……フキフキ

盗賊「……しまった。…ブラジャー付けれない」


955 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/06(水) 17:38:37.19 ID:HHWT7jUo
仕事しろよ


956 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/06(水) 17:43:45.66 ID:Jc6IWGUo
ら抜き言葉お断りだが盗賊なら特別に許してやる


957 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage saga] :2010/01/06(水) 17:56:36.55 ID:JlCjllYo
昨日クソ残業してある程度片付いたので大丈夫!ノシ
…だと思うのですがダメかな?あとでもうちょい進めておこう…

>>956
なんだか盗賊って一人の時は、ら抜き言葉なイメージがして…
すいません…忍者のくせに日本語間違ってて…


958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 18:03:14.45 ID:JlCjllYo
〜マジシャンの別荘〜

マジシャン「ご馳走様〜」

魔道士「お粗末様ですっ!」

マジシャン「いやぁ…これが1週間食べられんのかぁ…」

魔道士「こんなものでよければ…ふふっ」

魔道士は食器を下げ、洗い物を始める。

マジシャン「タバコいいかい…?」

魔道士「あっ、どうぞー」

ボッ!!…チリチリ…

マジシャン「ふーっ……」

魔道士「ふふ…っ!」

マジシャン「んー?」

魔道士「いや…魔道士はこういう時便利だなぁ…って」

マジシャン「ああー。そうかもねぇ…ハッハ!」

マジシャンは、人差し指の火を吹き消しながら笑う。


959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 18:16:49.91 ID:JlCjllYo
マジシャン「魔道士ちゃんてさ…五行全部使えるんだっけ?」

マジシャンはソファーに寝そべりながら魔道士に声をかける。

魔道士「いえっ、土行だけ…使えません」

マジシャン「そっかぁ…」

魔道士「…すいません」

マジシャン「んーん、気にしなくていいぜ。得手不得手は誰しもある」

魔道士「はい……」

マジシャン「土行出来ないから、補助も出来ないんだな…」

魔道士「……」

マジシャン「よし!明日のメニューが決まった!!」

魔道士「は、はいっ!!」

マジシャン「明日はシチューだ!」

魔道士「……へっ!?」

マジシャン「明日のメニュー」

魔道士「ええっ、そっちですかぁ…?」

マジシャン「アーンド、土行の習得!明日中に終わらすぞ!」


960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/06(水) 18:29:49.18 ID:JlCjllYo
魔道士「はいっ!頑張ります!」

マジシャン「よーし!んじゃ風呂入って寝て…明日に備えろっ」

魔道士「はいっ!」

〜師匠の家〜

盗賊「…?」

戦士「おう、おかえり」

召喚士「これを…こう…」

盗賊「…何…してんの?」

戦士「ん?酒造り」

召喚士「よしっ、この状態で寝かせておけば大丈夫だと思う」

戦士「んじゃあとは酒蔵に運ぶだけだな!」

召喚士「うん!」

盗賊「……ふふ」

戦士「…?」

盗賊「いや…っ、楽しそうだなって」

召喚士「つい夢中になっちゃって…あはは!」

戦士「さぁて…これ運んで寝るとするか!」

召喚士「そうだね!」



次へ 戻る 戻る 携 上へ