■戻る■ 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
- 379 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/02/29(水) 19:02:33.96 ID:q4d8BZZ4o
〜六道門・人〜
盗賊「吹雪が……止んだ……」
天才「来んぞ。構えろ」
魔道士「う、うぅ……っ」
ザッザッザッ……
魔道士「はっ、はっ、は……っ。うぅ……」
ウィッチ「魔道士……ちゃん」
魔道士「違……う! あなたはウイィッチちゃんなんかじゃ……」
ウィッチ「魔道士ちゃん……魔道士ちゃん……」ザッザッザッ
魔道士「あなたは――」
天才「本物だろ。偽者だとでも思ってんのか?」
占い師「ち、ちょっと……っ」
天才「相手を見ろよ。お前だって知ってんだろ、あれ」
ネクロマンサー「クククッ! さぁっ、ショーの始まりですッ!」
ウィッチ「魔道士ちゃん……私……苦しかった」
- 380 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:03:33.36 ID:q4d8BZZ4o
キュイイィィィィ……ドドオオオオォォォォン!!
盗賊「っ!!」ババッ
戦士「ちぃ……っ!」ズザァ
天才「待て」
戦士「あんだよっ!」
天才「このまま、魔道士にやらせろ」
戦士「はぁ!?」
天才「魔道士ぃ!!」
魔道士「!?」
天才「てめぇだって分かってんだろうがっ!」
盗賊「……」
天才「そいつはなぁ、もう死んでんだよ。人間じゃねぇ」
魔道士「ウィッチちゃんは……」
天才「死んだって言ってんだよ! いい加減に認めろ! 受け入れろ!」
魔道士「でもっ、ウィッチちゃんは――」
- 381 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:04:30.71 ID:q4d8BZZ4o
天才「甘ったれてんじゃねぇぞ!!」
魔道士「……っ」
天才「そこらの造作もねぇ魔物は殺せて、人間の姿をした魔物は殺せねぇってか?」
占い師「……」
天才「あー分かった。じゃあ勝手にお友達に殺されてろや」ザッ
魔道士「!?」
戦士「お、おい……っ」
天才「まさかここまで甘チャンだとは思わなかったわ」ザッザッ
占い師「ど、どこ行くのよ?」
天才「お前ら2人はそこの行き遅れを護衛してろ」
占い師「んなっ!」
天才「俺様はネクロちゃんと戯れてやるとするわ」
ネクロマンサー「ククッ、私の相手を? 貴方が?」
天才「……ふーっ」コキッコキッ
ネクロマンサー「笑わせてくれますねぇ。不死の私に――」
- 382 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:05:02.42 ID:q4d8BZZ4o
ドンッ!! ズッガアアアアァァァァン!!
ネクロマンサー「ゴ……ッフウゥ……!!」ギュルッ
天才「うっりゃああぁぁぁぁ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!
ガサガサガサガサッ ズドドオオォォォォ……
天才「やっべ、吹きっ飛ばしすぎたか」
戦士「おいっ」
天才「ヤローは俺様が引きつける。そっちは何とかしろよ」
盗賊「な、なんとかって……」
天才「アンデッドにこれ以上増えられたら厄介だ。さっさと始末しろって言ってんだよ」
盗賊「……始末」
天才「出来るだけ手は貸すなよ? どうしても仕方ねぇ時は、お前らが殺れ」
戦士「……」
天才「でないとアイツが後悔する。友人の手で葬ってやるのがせめてもの情けだ」シュバッ
戦士「……」
盗賊「戦士」
- 383 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:05:27.02 ID:q4d8BZZ4o
戦士「分かってるよ。あいつの気持ちも……あいつの言ってる事も、両方分かってる」
盗賊「私は占い師さんに付いてる。戦士は……救ってやってくれ」
戦士「……ああ」
ザッザッザッザッ
占い師「……大丈夫……なの?」
盗賊「ああ、大丈夫だ。戦士も魔道士も強いから」
ドドオオオオォォォォン!! ズガガアアァァッ!!
魔道士「……っく!!」
ウィッチ「魔道士ちゃん、どうしたの?」
ドドオオオオォォォォン!! ズガガガガッ!!
ウィッチ「一緒に……遊ぼうよぉ!!」
魔道士「ウィッチちゃん!!」
ドッドオオオオォォォォン!! バチバチバチバチイイィィ!!
戦士「う……っお」ズザッ
盗賊「魔法がぶつかりあって……燻っているっ」
- 384 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:06:01.86 ID:q4d8BZZ4o
魔道士「くっ、ううぅぅ……っ!!」ジジッ
ウィッチ「ねぇ、魔道士ちゃん、魔道士ちゃん。魔道士ちゃん!」
ドゴアアァァァァッ!! ズザザアアァァァァ……
魔道士「う……っく」スクッ
戦士「魔道士、何やってんだ!」
魔道士「戦士さん……っ」
戦士「そいつは敵だっ! 手ぇ抜いてないで早く倒せ!」
魔道士「……手を抜くだなんて」
戦士「今のお前が、ウィッチに負けるわけねぇだろうが!」
魔道士「……っ」
戦士「意図的じゃねぇのかもしれねーけどなぁ、手ぇ抜いてるって事だろうがっ」
魔道士「私……」
戦士「……魔道士、お前が出来ねぇって言うなら……俺が代わる」ザッ
魔道士「戦士さん……!?」
戦士「但し、俺は魔法なんざ使えねぇ。こいつで斬り刻んで殺る以外にねぇぞ」ジャキッ
- 385 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:10:05.31 ID:q4d8BZZ4o
魔道士「――っ!!」
戦士「ウィッチにゃ申し訳ねーけどな……っ」ザッザッ
ウィッチ「何よぉ、邪魔しないで……」
戦士「悪いな。俺もお前の事……助けてやれなかったって事だよな……」ザッザッ
ウィッチ「……戦士……さん?」
戦士「ああ。あの時、お前をドラゴンの巣から助けて、それで終わりのつもりだった」
ウィッチ「戦士さん……戦士さん……」
戦士「でも、お前の境遇を聞いて、余計な事しちまったんだよなぁ……」
ウィッチ「…………」
戦士「それが結果、こんな事になっちまったのかもしんねぇな……」ザッザッ
ウィッチ「……っ」ズキッ
戦士「ウィッチ、すまん。詫びはまた……あの世で――」
魔道士「私っ!!」
戦士「……」
魔道士「わ……私っ、が……相手します……っ」
- 386 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/29(水) 19:11:20.09 ID:q4d8BZZ4o
少なくってごめんなさいね。ちょっと忙しくなってきちゃったです
ひとまずここまでにて!今日も沢山のご支援ありがとうございました!
それでは失礼致します!ノシ
小屋?わ、忘れてないですけど?これからちゃんと形にしますけど?
- 389 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/29(水) 19:27:45.35 ID:9Ydg/sYyo
/|
|/__
ヽ| l l│<ハーイ
┷┷┷
A A パーン
⊂・・つ
( (_ω)
⊂彡☆====== /|
__ |/
ヽ| l l│
┷┷┷
- 390 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/29(水) 19:37:35.89 ID:Ivu2WtM8o
>>1乙
小屋がなければ、城を建てれば良いじゃない
その一言が一夜城プロジェクトの始まりだった…
- 391 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/29(水) 19:48:36.73 ID:/dpFbQk0o
>>390
風の中の昴〜
砂の中の銀河〜
- 392 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/02/29(水) 20:21:51.00 ID:tgv3fknm0
>>1 おつ
家族にずっと虐待されて それで殺されて人形だもんなぁ
ウィッチには同情するわ……
- 399 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:07:28.09 ID:9PksXnEbo
〜魔王城、正面〜
旗本「かかれかかれぇ!」
帝「敵は横並びに展開しておるようだ。壁は厚くないぞ」
名代「城内へ突入するのは容易そうですね」
帝「うむ。だがやはり、数が多い。城外での交戦は長引きそうだ」
槍侶「あっ!!」
僧兵長「おぉ、彼らも無事であったか!」
ドドオオォォォォ!!
南方司令「ライトニングジャスティスパアアァァァァンチ!!」ドッゴオオォォォォ!!
南方参謀「あっ! 他の連中も無事みたいよっ」
南方副司令「やはりさっきの吹雪は魔法か何かだったようだな」
東方参謀「おおぉぉりゃああぁぁ!!」ズギャッ
サイクロプス「ワハハハッ! 利かぬ利かぬウウゥゥ――」
ザシュウウゥゥゥゥ!! スタッ
東方参謀「……!?」
- 400 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:08:04.27 ID:9PksXnEbo
東方司令「何をやっているのだ。情けない」
東方参謀「誰のせいだと思っておる! 人任せにしおってプラプラと……」
東方司令「ボクだって好きであっちこっち行ってるわけじゃないっ!」
サイクロプス「ナ……ナメてんじゃねぇ!!」
ザシュウウゥゥゥゥ!! バッゴオオォォォォン!!
東方参謀「ふん」
東方司令「ふんっ」ズザッ
東方参謀「……その剣はどうした?」
東方司令「新型だ。物資も届いてるぞ」
東方参謀「そうか」
東方司令「君も退いて、休憩するがいい」
東方参謀「ワシはまだ……」
東方司令「攻撃力が落ちてるではないか。無理をするな」
東方参謀「……」
東方司令「安心しろ。このツヴァイハンダーヤクトがあれば、ボク1人で……十分!」
- 401 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:08:36.89 ID:9PksXnEbo
タァンッ!! ザザザザザザッ……
東方参謀「……ふん、お言葉に甘えるとするか」
東方兵「司令に続けぇ!!」ドドッドドッ……
東方参謀「南方っ! 貴様らも退けい!」
南方副司令「あん?」
東方参謀「北関からの輸送が到着したようだ。武具の新調と食事えお摂るが良い」
南方司令「無用だな」
東方参謀「……そうか。ならば新型のナックルダスターはワシが貰い受けようぞ」
南方司令「……」
東方参謀「しかも今回の物は、武器という卑怯な物ではなくどちらかと言うと正義――」
南方司令「南方軍っ、後退!!」ダッ!!
南方参謀「えっ、後退!? こ、後退命令よっ!」
南方副司令「だいぶ疲労が見えてたからな。丁度いいっちゃ丁度いいか」
南方参謀「でも魔王軍は大丈夫かしら? ここを抜かれると南まで行かれるわよ?」
南方副司令「アンデッドもいねーし一夜城もある。問題はねーだろうよ」
- 402 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:09:06.78 ID:9PksXnEbo
ザッ
エリート「進めぇ!!」
皇太子「堂々とな。大義は我らにあり。胸を張って進むのだ」
大軍師「威風堂々たるや、魔王軍も躊躇しておりますよ」
王子「陛下に続け、我ら西国の勇姿も見せ付けてやれ」ザッ
西方参謀「楽隊がいねーのが寂しいところだけどなぁ……ヒック」
アマゾネス「楽隊か……」
大軍師「……?」
アマゾネス「行けっ、ワルキューレ!」
シュイイィィィィン
ブリュンヒルデ「……演奏は……久々だな」
オルトリンデ「さぁーっ、はりきっていくわよ!」
アマゾネスの召喚したワルキューレ達が、一斉に演奏を始めた。
優雅で力強く、そして美しいそれはまるで、彼女らそのもののようである。
上空から降り注ぐ戦乙女の曲に合わせ、一同は足場の悪い大地を力強く踏み進んで行った。
- 403 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:09:33.70 ID:9PksXnEbo
〜魔王城〜
ベルゼブブ「……なかなか、素晴らしい曲ではないか」
詩人「ワルキューレの騎行、ですかね」
〜♪
アスタロス「止めよ」
ベルゼブブ「良い良い。こやつは余に音を聞かせる為にここに居るのだからな」
詩人「……」
ベルゼブブ「ワルキューレの騎行か。大層な事だが、余には地獄の黙示録にしか感じ取れぬな」
アスタロス「……」
ベルゼブブ「ところでアスタロスよ、貴様の結界は破られたのか?」
アスタロス「……御意に」
ベルゼブブ「ハハハハッ。人間共、やるではないか」
アスタロス「我が主、心配は無用」
ベルゼブブ「心配? する必要があるのか?」
詩人「……」
- 404 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:10:11.39 ID:9PksXnEbo
〜♪
朱雀嬢「あれは、ワルキューレが奏でているのかしら……?」
タッタッタッタッ
玄武娘「朱雀嬢ちゃーん!」
朱雀嬢「玄武娘、あなたも無事ですわね?」
玄武娘「はいですの! あれ、凄いですのー」
朱雀嬢「私にも出来るかしら……」
玄武娘「おぉ、朱雀嬢ちゃんもやってみるですの!」
朱雀嬢「……そうね」ザッ
シュイイィィィィン
朱雀嬢「アマゾネスさん、私もお手伝いしますわよっ」
アマゾネス「ああ、是非」
〜♪
西方参謀「よーしいいぞ! 歩兵どもは剣と盾を打ち鳴らせ〜ヒック!」
大軍師「……さて」
- 405 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:10:42.96 ID:9PksXnEbo
バサッ ジーッ
大軍師「…………」
本国兵「あ、あの……大軍師様?」
西方参謀「話かけん方がいいぞ。作戦会議中だからなぁ……ヒック」
本国兵「さ、作戦会議……?」
西方参謀「自分の頭ん中でな。何千通りもの計算をしてる最中だ」
本国兵「!?」
西方参謀「こいつはそういう奴だ。放っておけガハハッ……ヒック」
大軍師「どうも」
本国兵「し、しかも会話まで聞いて……」
バサッ クルクルクルッ……トントン
大軍師「今のところ、問題はありませんね」
西方参謀「ほぉ」
大軍師「吹雪直後の前進で魔王軍は中央を取れず左右に展開を余儀なくされております」
西方参謀「中央突破ってか?」
- 406 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:11:12.11 ID:9PksXnEbo
大軍師「何もなければ、ですがね」
西方参謀「挟撃されたら終わるぞ?」
大軍師「そこを防ぐのが、皆様のお仕事でしょう?」ヒラヒラ
西方参謀「へいへい。やりますよ、やりゃあいいんでしょうよ……ヒック」
大軍師「では、私は前線へ赴きます。お願い致しますね」
国軍兵「よーし、正面の道を閉ざすなぁ! 左右の魔王軍を押さえ込めぇ!」
上空から見ると縦に伸びた劣悪にも感じ取れる陣形であったが、
中央より魔王軍が迫っておらず、後方には一夜城を有する位置にあり、
推定25万の魔王軍が左右に分かれ、およそ12万ずつ程度の隊が2つ。
それを中央で交戦する10数万の兵。そこに大軍師の言う、問題ない点が含まれていた。
数字上は倍の相手であるものの、実際の戦場では五分五分の戦いが出来るのである。
片側が優位に立てば、余裕の出来た人員をもう一方の援護に回す事が出来るし、
何より一夜城へと繋がっている事で、速やかな補給や移動が可能なのである。
この形へ持ち込んだのは大軍師の意図かはたまた偶然か。それは本人にしか分からない。
だが、この局面が魔王城突入までの活路を見出す事は容易に想像が出来るものであった。
- 407 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:11:42.89 ID:9PksXnEbo
…
ジュニア「どけどけどけえぇ!」
ドッドオオオオォォォォン!! ギキイイィィィィン!!
魔法剣士「はぁーっ!」ザシュッ!!
眼鏡「はっ」ズガシュウウゥゥ!!
ジュニア「……おっ?」
タッタッタッ……ズザァ
召喚士「行けっ! コカトリス!!」
青年兵「出でよ、ワイバーン!!」
シュイイィィィィン
ジュニア「ハッハ! アイツら、いいコンビだよなぁ」
賢者「かたや赤に身を包み、かたや青に身を包み……ふぅ」
大軍師「中身もですよ」ザッザッザッ
眼鏡「……?」
大軍師「召喚士殿は表向き冷静ですが、内に秘めたるは情熱的」
ジュニア「あー分かる。大人しそうに見えて結構、カッとなったり熱くなるもんな。ハッハ」
- 408 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:12:11.65 ID:9PksXnEbo
大軍師「対して大元帥殿はいつでも明るく活発に見えますが、内には冷酷な面も垣間見えます」
魔法剣士「国軍のトップであるがゆえか」
大軍師「面白い2人ですよ。対称的ですが、だからこそ合うのでしょうね」
魔法剣士「火と水のような関係か」
大軍師「もっと複雑なものですよ。火と水が入れ替わったり、火と火であったり」
眼鏡「……」
大軍師「人間とは複雑で、面白いですよね?」
眼鏡「あ、ああ……そうだね」
大軍師「私は、あの2人の援護に回ります」
魔法剣士「こっちはこのまま……魔王城を目指す」チャキッ
大軍師「くれぐれもお気を付けて」
賢者「君もね……ふぅ」
大軍師「……貴方とは、この戦いが終わったらゆっくり語り合いたいものです。ふふっ」
眼鏡「そうだね。是非」
両者が顔を合わせたのは、これが最後となった。
- 409 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:13:06.49 ID:9PksXnEbo
ズッドオオオオォォォォン!!
召喚士「……はぁ、はぁ」
青年兵「召喚士さんっ、大丈夫ですか!?」
召喚士「流石に少し……しんどくなってきたかな……っ」
青年兵「1度、退きましょうか」
召喚士「もうちょっとだ、今ここで退いてしまえば防衛線が乱れてしまう……」
青年兵「しかし……ん!?」
召喚士「……?」
青年兵「小屋だ……」
召喚士「小屋? あ、本当だ――」
青年兵「1つじゃない……そこにも……あっちにもある!」
召喚士「本当だ……っ。な、何でこんなに!?」
青年兵「魔物が寄り付いていない……? よし、あそこで待機しましょう!ダッ!!
召喚士「えっ!? あ……っ」グイッ
青年兵「召喚士さん、早く!」
- 410 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:14:16.45 ID:9PksXnEbo
ダダッ!! タッタッタッタッ
青年兵「……よし!」ガシィ
召喚士「……?」
青年兵「……」コンコン
召喚士「い、一応だね……」
青年兵「ええ……。さっきは想定外でしたから」
カチャッ ソーッ
召喚士「大丈夫そうだね。無人だ」
青年兵「無人というか、無人になった……と言うべきですね」カラッ
召喚士「かなりの数だね。全部……人骨?」
青年兵「みたいです」
召喚士「……」
青年兵「……」
ガチャッ
召喚士「わああぁぁ!!」
青年兵「――っ!!」
- 411 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:14:47.34 ID:9PksXnEbo
大軍師「おや、お邪魔でしたかな?」
召喚士「だ、大軍師さんっ!?」
大軍師「どうやらここは、魔王城突入の拠点であったようですねぇ」
青年兵「やはり大軍師さんも、そうお考えで?」
大軍師「これほどまでに近い所で現存すると言う事は恐らく……」
スタスタスタ……バリィッ!!
大軍師「やはり、芯は結界石ですね。結界石でコーティングされた小屋のようです」
召喚士「何でこんなものが……?」
大軍師「古の産物でしょうね。悲しいものです」
青年兵「……?」
大軍師「相当数の人骨です。恐らく、魔物の手から逃れる為にこの小屋へ逃げ込み……」
テクテクテク……カラン
大軍師「結局は囲まれ、どうする事も出来ず餓死したのでしょうね」
青年兵「なるほど……だからこれだけの骨が小屋の中に……」
召喚士「白虎老人さんはクジャタの力で庭が、大地が持てた。だから食糧を作る事が出来たんだ」
- 412 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/01(木) 18:15:36.46 ID:9PksXnEbo
大軍師「同じような小屋でも、その差は大きかったわけですね」
召喚士「あれ? そういえばさっきの小屋……」
青年兵「朱雀嬢さんが……あ、いやっ! 僕らが逃げ込んだ小屋ですか?」
召喚士「畑がなかった。もしかして違う小屋だったのか……?」
大軍師「……どうやら、やはり古のもののようですよ」
青年兵「それは手記ですか?」
大軍師「ええ。随分と古い物ですが、かろうじて聖王時代の物だという事は分かりますね」
召喚士「すごい……」
大軍師「……ほうほう。読める、読めますね」
召喚士「な、なんて書いてあるんですか?」
大軍師「この小屋、魔王城討伐における決死の作戦であったようですね」
青年兵「……」
大軍師「もはや捨て身で、この小屋を建て、篭り、時に攻撃し、そして死んでいった」
召喚士「……っ」
大軍師「この手記は聖王直属の騎士団、ホーリーナイトの一員であった方のようですね」
- 417 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/01(木) 19:34:55.97 ID:d2Q/yg/SO
凄い…小屋を作り上げてホーリーナイトに繋げるだなんて…いちおつ
- 418 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/03/01(木) 19:52:25.39 ID:uGfr5PRto
>>1乙
建った!建ったよ!!小屋が建った!!!
- 431 名前:NIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage] 投稿日:2012/03/02(金) 15:31:29.88 ID:lqvMTJJ/0
>>大軍師「おや、お邪魔でしたかな?」
何言ってんだこいつwwwww
次へ 戻る 戻る 携 上へ