■戻る■ 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
547 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:56:34.88 ID:z+fRuNpEo
占い師「どういう事……? ドッペルゲンガー……って」

召喚士「その人自身になる事が出来るんです」

魔道士「じゃあ、戦士さんの時と同様に……」

召喚士「はい。あなたは本物のババ様ではありませんね?」

ババ様「……」

召喚士「ババ様をコピーしたドッペルゲンガー。つまり偽物……」

ババ様「あっはっはっはっは!!」

召喚士「……」

ババ様「あんたは本当に、面白いコだねぇ」

占い師「ババ様……っ」

ババ様「あんたの言う通りさ。あたしゃ元はドッペルゲンガーさ」

魔道士「!?」

ババ様「でも偽物ってのはちょっと違うかもしれないねぇ」

召喚士「……どういう事です?」

ババ様「あたしゃ本物になったのさ。頼まれてねぇ」


548 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:57:08.84 ID:z+fRuNpEo
魔道士「え……っ!?」

ババ様「人間の寿命なんて、どんなに長くても100年いくかってとこだ」

召喚士「……」

ババ様「彼女はもう何百年も前に死んだ」

召喚士「やっぱり……」

ババ様「でも予言で、今日のような日が来る事を知っていた。ずーっと待っていた」

召喚士「つまり、その意思を継いだ……と?」

ババ様「この日の為に行く末を見届ける為に、予言の民を存続させる為に……」

占い師「ドッペルゲンガーであるあなたに、自分の全てを与えた」

ババ様「彼女の予言にやっぱり狂いはなかった。彼女も喜んでいるだろうよ」

魔道士「そうだったんですか……っ」

ババ様「でもね、さっきも言ったように魔王に関する予言はどんな事であろうと見えない」

召喚士「それを確認するのも、あなたの仕事というわけですか」

ババ様「本物は死んでも、その意思はここにある。見る事で何かあるわけじゃあないけれどもね」

召喚士「いえ。大切な事だと思いますよ」


549 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:57:35.16 ID:z+fRuNpEo


ババ様「私も素性は分かって貰えたようだね」

召喚士「はい」

ババ様「で、あんたらは何か伝えに来たんだろ?」

占い師「あ、ええ……。実は……」

ババ様「天才が死んだかい?」

占い師「……っ!」

ババ様「悲しい男さ。死ぬ事でしか償う術を知らないんだからねぇ」

魔道士「……っ」

ババ様「でもいいのさ。それが本人の望みであったわけだし」ズズッ

召喚士「でも、天才さんは……」

ババ様「まだ必要な人間ってかい? 治世にあんな怪物は無用なのかもねぇ」

召喚士「乱世にしか生きられない人間なんて……いませんよ」

ババ様「まぁね。でも、乱世だからこそ生まれた人間ってのも居るのさ」

召喚士「……」


550 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:58:27.88 ID:z+fRuNpEo
ババ様「あんまり難しい話はもういいかねぇ。乱世ももう終わるんだ」

魔道士「あのっ」

ババ様「……?」

魔道士「天才さんは……予言の民だ……って」

ババ様「前も言ったけど、預言者って女の息子さ」

占い師「……」

ババ様「預言者は、自分の持つ予言の力を人の為に生かしたい、その一心で……」

召喚士「ここを出て行った……」

ババ様「そう。そして天才と妹を生んで、間もなく死んだ」

魔道士「妹さんは……」

占い師「生前、彼が言うには王宮に侍女として務めたって聞いたけど」

ババ様「……預言者が死んで身よりのない孤児となった2人は、ある男に拾われた」

召喚士「……?」

ババ様「その男は国軍の軍人でね。孤児である2人を引き取ったのさ」

召喚士「なるほど」


551 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:58:58.73 ID:z+fRuNpEo
ババ様「天才はそこで、剣や勉学を教わり、ワーカーをえてやがて、自分も国軍となる」

占い師「妹さんは……?」

ババ様「母親に似たのか、小さい頃から身体が弱かった」

魔道士「……っ」

ババ様「でも回りの支えもあって成人し、ある孤児院で働いてたのさ」

召喚士「孤児院で……?」

占い師「孤児であるからこそ、そういう道を選んだのかもね……」

ババ様「でも孤児院はある時、財政難の窮地に立たされてね」

魔道士「えっ?」

ババ様「結局、救済するには国営として本国が支援する以外に手はなかった」

召喚士「それが縁で、侍女として務める事に?」

ババ様「国営ともなれば職員も民間人ではなく、本国の役人になるからね」

占い師「……そうね」

魔道士「でもっ、そのまま働く事だって……」

ババ様「見初められたのさ。その時の国王にね」


552 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:59:27.39 ID:z+fRuNpEo
召喚士「――!?」

ババ様「本人も孤児院に残りたかったかもしれない。でも、そういうわけにはいかなかったのさ」

占い師「本国に助けて貰った義理もあるし、無下に断れないわよね」

ババ様「ましてや国王直々の所望だしねぇ」

魔道士「……っ」

ババ様「それから彼女は、侍女として王宮に入り、国王の為に働いた」

魔道士「あの……」

召喚士「ちょっと待って下さい!!」

魔道士「え……っ?」

ババ様「……」

召喚士「その話は、ちょっと待って下さい」

魔道士「ど、どうしたんですか?」

ババ様「イイ男じゃないかい」

魔道士「へっ?」

ババ様「魔道士だったっけね? あんたの為さ」


553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 17:59:59.20 ID:z+fRuNpEo
魔道士「私の……?」

ババ様「そうさ。ここから先を聞くかどうかは、あんたに選ぶ権利がある」

魔道士「あ、あの……どういう……」

ババ様「あんたに関係のある事あからさ」

召喚士「……っ」

ババ様「どうする? 聞くのを止める事も出来るよ?」

魔道士「……」

ババ様「……また、逃げるかい?」

魔道士「……聞きます」

召喚士「魔道士さんっ!!」

魔道士「いいんです。以前は私、そんな話……聞きたくもありませんでした」

召喚士「魔道士さん……」

魔道士「でも今は違います。聞かなくちゃいけない。聞く事が私を強くする」

ババ様「ほぅ」

魔道士「それに、何があろうとも……私の家族は変わらない」


554 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:00:42.42 ID:z+fRuNpEo
召喚士「っ!!」

魔道士「私のの生い立ちがどうであれ、それは変わらない事なんですっ」

 それは紛れもなく、召喚士が魔道士に伝えた言葉であった。

ババ様「分かった。それじゃ続けよう」

魔道士「……はい」

召喚士(俺は分かっていたのかもしれない……)

ババ様「天才の妹は侍女となった後、ある男と恋仲に落ちる事になる」

召喚士(でもあえて、気付かないフリをしていたのかもしれない……)

ババ様「男はずっと想いを募らせていたんだろうねぇ。でなきゃ自ら、見初めたりしないわな」

占い師「……まさか」

ババ様「そうさ。妹は国王と恋仲になり……1人お女児を生んだ」

占い師「――――っ!!」

ババ様「それが誰なのか、分かってるね?」

魔道士「……はい。私です」

召喚士(俺はずっと……天才さんにこの事を……っ)


555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:01:15.27 ID:z+fRuNpEo
占い師「ちょっと待ってよ! じゃあ、魔道士ちゃんの本当のお母さん……って」

ババ様「天才の妹さ」

占い師「そ……んな……っ」

召喚士「俺っ、気付いてたのかもしれない……っ」

占い師「……?」

召喚士「よく分からないけど、なんとなく……気付いてたのかもしれない」

占い師「召喚士くん……」

召喚士「色んな話を聞いて、気付こうと思えば気づけたのに……すみませんっ!!」

魔道士「……いいんです」

召喚士「……?」

魔道士「……だって私……わた……し……っ」

ババ様「あんたも気付いてたのかい?」

魔道士「天才さん……っ、夢魔に襲われた私を……助けてくれた……」

召喚士「夢魔……そ、そういえば」

魔道士「夢の中に入るには……近しい肉親じゃないと出来ないって……言ってたから」


556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:01:50.12 ID:z+fRuNpEo
召喚士「っ!!」

魔道士「なのにっ! 認めたくないからって、強がって、何も聞けずに……」

ババ様「あんたが悪いわけじゃない。天才だって何も語らなかっただろう?」

魔道士「何も言ってくれなかった……っ。私、天才さん……伯父さんだったのに!」

ババ様「そういう事さ。あんたも天才も、互いに認め合う必要なんてなかったのさ」

魔道士「うぅ……っ」

ババ様「あんたは自分で言ってただろ? 父母は国王や天才の妹なんかじゃあないんだ」

召喚士「それでも天才さんは、影ながら……支えてくれたんだ……っ」グッ

魔道士「う……あぁ……っ」

ババ様「天才に感謝しな。あれは光であって影。太陽であり、月だったのさ」

占い師「……」

ババ様「だからこそ仮面を付けて隠し、1つに交わる事なんてなかった」

召喚士「……っ」

ババ様「さっきも言った通り、死ぬ事でしか償う術を知らない……悲しい男さ」

魔道士「天才さん……っ」


557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:02:19.73 ID:z+fRuNpEo


ババ様「いいかい? 決して悔いたり嘆いては駄目だよ?」

魔道士「はい……っ」

ババ様「天才だって、あんたらの笑顔が見たくてここまでやってきたんだ」

召喚士「……はい」

ババ様「だからそれでいいんだよ。自分が生きてく事をしっかり考えてな」

占い師「色々とありがとうございました」

ババ様「あんたはいいのかい?」

占い師「え……っ?」

ババ様「前にここへ来た時、言ってたろ? 落ち着いたらゆっくり聞くってさ」

占い師「……まだ、落ち着いたわけじゃないですから」

ババ様「そうかい」

占い師「本当に全てが終わったら、その時にまた来ます」

ババ様「いつでも待ってるよ。なんせ、寿命は長いからねぇ……ひっひっひ」

占い師「そうですわね。ふふっ」


558 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:02:56.27 ID:z+fRuNpEo
ババ様「1つだけ」

占い師「……?」

ババ様「あんたがその力を捨てたいと思っても、それは適うものじゃあない」

占い師「……っ」

ババ様「でも、付き合って生きていくには2つの方法があるさねぇ」

占い師「2つの方法?」

ババ様「1つはその力を最大限利用して、幸福な人生を得る」

占い師「それは……」

ババ様「何も私欲だけに使えってわけじゃないさ。色々とあるだろ? 使い方だってさ」

占い師「……まぁ、そうですけど」

ババ様「もう1つは、全く未知なる人生を楽しむ事」

占い師「……どういう事?」

ババ様「その力が効かない人間と共に生きていけばいいのさ」

占い師「そんな人は……」

ババ様「いるだろう? 魔力を通して予言するんだから、要は魔力がなければいいのさ」


559 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:03:28.40 ID:z+fRuNpEo
占い師「だからそんな人なんているわけ――」

魔道士「あ……っ」

召喚士「……いる」

占い師「えっ? あ……えっ!? えぇっ!?」

ババ様「どんな人生であろうと、不幸なんてほんのちっぽけなものさ」

占い師「……っ」

ババ様「もっと視野を広げて生きていきなさい。楽しい事の方が、沢山あるはずだよ」

召喚士「その通りですよね……。ありがとうございました!」

ババ様「元気でな。何か悩みがあったら、また来るといいさ」

魔道士「……はいっ! ありがとうございました!」

ババ様「きっと勝てるよ、あんたらならサタンにさ」ニコッ

召喚士「勝ちます……必ず!」

魔道士「みんなの、世界の為にも!」

占い師「じ、じゃあまた……っ!」

 3人は北の森に住む予言の民、ババ様の下を去って行った。


560 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:03:56.95 ID:z+fRuNpEo
 その日の夜、本国ではついに恐れている事態が着々と進行しつつあった。

青龍士官「状況はどうなっている!?」

本国兵「現在、王宮前には群集が怒声をあげております!」

青龍士官「くそ……っ。陛下には何も関係はないというのに」

 カツカツカツ……

青年兵「すまない、君にまでこのような事をさせてしまって」

青龍士官「何を言っている。人材不足なのだ、四の五の言っている場合かっ」

大軍師「どうやら本部の前にも集まり始めているようですよ」カツコツ

青龍士官「それで、どうする? 収束するにはかなりの労力だぞ」

青年兵「説得する以外にないさ」ザッ

青龍士官「待てっ! まさかお前直々に行く気か!?」

青年兵「他に誰が話すというのさ」

青龍士官「よせっ!! それでは――」ガシッ

大軍師「ここは大元帥にお任せ致しましょう」

青龍士官「……くっ」


561 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:04:34.34 ID:z+fRuNpEo


青年兵「……」

 ザワザワザワザワ

男「出てきたぞっ!! おいコノヤロー!!」

女「きちんと説明しなさいよー!!」

老人「噂は本当なんじゃな!? 何とか言わんか!!」

青年兵「皆さん、まずは話を聞いて下さい」

男「なんなんだよっ、スーパーノヴァってのはよぉ!!」

女「本当に世界は終わっちゃうの!?」

青年兵「そんなわけありません。絶対に」

老人「だったら、どうしてそんな話が出とるんじゃ!」

青年兵「仮にそうであっても、世界が終わるなんて事は一切ありません」

男「だから根拠を示せって言ってんだよぉ!!」

 ブンッ!! ガツッ

青年兵「……っ」ツツー


562 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:05:03.63 ID:z+fRuNpEo
門兵「石を投げたのは誰だ!! 逮捕だぞ!!」

青年兵「……気にしなくて……いい」

門兵「しかしですね……っ」

青年兵「何か、布かタオルを」

門兵「し、承知いたしました!」タタッ

青年兵「いいですか皆さん。今日これまで何の為に我らが戦ってきたかお分かりですか?」

男「……」

青年兵「それは皆さんが笑って、何も不自由なく、苦しみも、哀しみも、
      誰も死ぬ事なく、幸せに、平穏に暮らせる……そんな世界を築き上げる為です。
      それももうあと2週間程度で叶う、手に届くところまできているのです!
      なのに世界が終わるだとか、人間同士がいがみ合っている場合ではないんです!」

老人「……っ」

青年兵「もしもそんな事が起きるならば、それを知っていて隠していたならば、
      国軍はここまで戦ってきたと思ういますか!? 何の為に戦ってきたのですか!?」

女「……っ」

青年兵「全ては魔王軍をっ、魔物を、魔王を倒す為に戦ってきたのでしょう!?」

男「く……っ」


563 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:05:33.40 ID:z+fRuNpEo
青年兵「もし私の言葉が信じられないと言うのであれば、投石でも何でもするが良い!」

男「!?」

青年兵「しかし今も戦っている彼らの事は、どうか信じてあげて下さい」

老人「……」

青年兵「あと2週間、その時に分かるはずです。誰が正しかったのかどうか」

女「ほ、本当に……信じていいのね……?」

青年兵「はい」ニコッ

老人「そ、そこまで……言うなら、なぁ」

男「……でも、何でこんな噂が流れるんだよ!? 火のない所に煙は立たねぇっていうぜ?」

大軍師「それは私がご説明致しましょう」ザッザッ

青年兵「……?」

大軍師「ここは私に。大元帥は止血を」

門兵「どうぞっ、お使い下さい!」

青年兵「……ありがとうございます:」スッ

大軍師「ではご説明させて頂きます」


564 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:06:11.88 ID:z+fRuNpEo
 バサッ

大軍師「これ、何だか分かりますか?」

女「古い本にしか見えないけれど……」

大軍師「その通り。古書です」

男「……バカにしてんのか」

大軍師「これはもう何百年も前に書かれたものです。内容は予言書、とでも言いますか」

老人「なんじゃと!?」ザワザワ

大軍師「これだけではないのですが、古い書物を見る度に同じような事が書かれております」

女「なになにっ!?」

大軍師「大抵、魔王を討伐するという局面において、終末論が記載されております」

男「え……?」

女「どっ、どういう事!?」

大軍師「いつの時代もおそらく不安なのでしょうね。魔王を倒す事に倒して」

老人「じゃあ……此度の事もそうじゃと言うのか!?」

大軍師「スーパーノヴァというものが本当にあるのかどうか、私には分かりかねます」


565 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:06:47.02 ID:z+fRuNpEo
青年兵「……」

大軍師「しかし、スーパームーンなる現象がその前兆としてあると耳にしました」

老人「そうじゃそうじゃ! そういえばそんな事を言っていたぞ!」

大軍師「そのスーパームーンに似た記述も、やはり古書の中に幾つかあるのですよ」

男「えぇっ!?」

大軍師「この本にはそうですね……ああ、ここです。およおそ450年前になりますでしょうか」

 パラパラパラッ

大軍師「こう記されております。『闇が訪れ、世界は長き夜に包まれた』……と」

男「それが何だってんだよ! 意味がわかんねぇ!」

大軍師「この頃は天文学的なものも今よりずっと劣っておりましたからねぇ」パラパラ

女「何が言いたいのよっ!」

大軍師「えぇと次はこちらですね。およそ110年前の文献です」

 パラパラパラッ

大軍師「……『月が太陽を飲み込み、真昼であるにも関わらず夜が生まれた』とあります」

老人「夜? 夜がどうしたんじゃ?」


566 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:08:08.22 ID:z+fRuNpEo
大軍師「ところで皆さんはご存じですか?」

男「……あ?」

大軍師「この世界を中心に、周囲には数々の星々に囲まれております」

女「そんなの……毎晩、空を見上げれば分かるわよっ!」

大軍師「そこにある太陽と月。これらも世界をぐるぐると回っております」

男「……」

大軍師「例えば東方で朝を迎えれば、反対側の西方は夜であり、
      西方が昼ならば東方は夜であり、本国は朝なのです」

男「サッパリ分かんねぇよ」

大軍師「決して交わる事のない太陽と月が、ごく稀に交わる事があるのですよ」

老人「な、なんじゃとぉ!?」

大軍師「それが今述べた、文献にある現象です。そしてそれは、スーパームーンもまた同じ」

男「――っ!?」

大軍師「おそらく2週間後、世界は一時的に闇に包まれます」

女「じ、じゃあやっぱり世界は終――」

大軍師「終わりませんよ。すぐに光が訪れますから」


567 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/06/11(月) 18:11:27.10 ID:z+fRuNpEo
週末は忙しくて来れませんでしたすまんね
ごめんなさい…そろそろサクっと話も進み始めると思いますので…
それでは今日はこの辺にて。ご支援ありがとうでした!!ノシ

>>541
正直すまなかったです……

>>543
2年ぶりとか嬉しすぎます感謝!またヨロシクです!


568 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/11(月) 18:14:13.97 ID:vSRI6GByo
大軍師は相変わらず喋りがうまいなぁ
>>1乙


575 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/11(月) 20:42:20.15 ID:yXS8IhHwo
不特定多数の聞いた情報ならともかく、スーパーノヴァは初出の10人くらいしか聞いてない情報だから
誰が漏らしたかすぐ分るな
阿呆の召喚士が第三者がいる場所で他の人に説明しちゃったかジュニア辺りか


578 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/11(月) 23:08:22.88 ID:OucNrScIO
えーっと天才が68歳で、魔導士ちゃんが28歳くらいだっけ?
じゃあ、魔導士ちゃんのお母さんは天才と十歳くらい離れた兄妹じゃなきゃ、国王はとんだ年増好きになっちまうなw



次へ 戻る 戻る 携 上へ