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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
- 1 名前:NIPPERがお送りします []
投稿日:2011/02/24(木) 23:03:01.36 ID:WYQV+q5yo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
. ̄
――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。
――かもしれない…。
〜前回までのあらすじ〜
朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
徐々に明らかとなる内通者の存在。そして四人は再び東へと向かう。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆前スレ(その25)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
- 6 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 07:55:38.53 ID:49it7EXDO
>>1乙っす
クラーケンって雌だったんだな……
あと巫女って魔物化しちゃったから師匠とかと同じとこには行けないんかな
- 8 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 10:14:43.26 ID:kGFlIjvlo
東方先生より上になっちゃったか
- 11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:42:02.89 ID:V1PrEx6go
カツカツカツカツ
青年兵「……はぁ」
カツカツカツ…
青年兵「……あっ」
戦士父「……」
青年兵「ど、どうも」
戦士父「…どうも」
カツカツカツカツ…
青年兵「あの人は…確か……」
カツカツカツ…ガチャッ
戦士父「……」
司令官「…悪いね、わざわざ」
戦士父「何でしょう?」
司令官「東方にさ、行ってきてくれない?」
戦士父「…まさかゾディアックですか?」
- 12 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:43:04.32 ID:V1PrEx6go
司令官「…ん」
戦士父「東方は訪れた事がありません」
司令官「案内人付けるよ」
戦士父「……」
司令官「いや、もう依頼しちゃったんだけどね」
スッ
司令官「これ、依頼書ね」
戦士父「……よりにもよって…っ」
司令官「東方にも縁があるし、君も知らぬ仲じゃないだろう?」
戦士父「……」
司令官「明朝、もう一度来てくれないかな」
戦士父「……分かりました」
司令官「頼んだよ」
戦士父「……失礼します」
司令官「……ん」
- 13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:43:52.87 ID:V1PrEx6go
〜本国、郊外〜
青年兵「新聞社とはいえ、夜中に行くのはちょっとね……」
テクテクテク
青年兵「……っ」
ピタッ
青年兵「出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィン
青年兵「飛ばせばすぐの距離だしね…」
テクテク…グッ
青年兵「このまま真っ直ぐ、西へ」
ゴウッ!!…バサッバサッ…
ワイバーン「……どうした?」
青年兵「んー?どうもしないよ」
ワイバーン「……なら、いいが」
青年兵「……うん」
- 14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:45:02.12 ID:V1PrEx6go
ゴウッ…ドシュウウゥゥ
青年兵「あのさ、ワイバーン」
ワイバーン「……何だ」
青年兵「この前の事、覚えてる?」
ワイバーン「…いや、一瞬だったからな。何も覚えておらん」
青年兵「そうだよね…。ごめん、ありがと」
ワイバーン「何か関係があるのか?」
青年兵「ん?」
ワイバーン「お前の落ち込み具合とさ」
青年兵「…ははっ、落ち込んでなんていないって」
ワイバーン「……今日の飯は不味いな。透明さがない」
青年兵「……」
ワイバーン「まぁ良い。ところで、どこへ行くのだ?」
青年兵「……もう…見えてくるよ」
上空を悠然に飛ぶワイバーンと青年兵の視界に、暗い海が見え始めていた。
- 15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:46:17.06 ID:V1PrEx6go
ゴウッ…バサッバサァ
青年兵「ありがと」
ワイバーン「ここは?」
青年兵「…僕の故郷だよ」
ワイバーン「そうか」
青年兵「それじゃ、またあとで」
シュイイィィン
青年兵「……さて」
ザッザッザッザッザ
青年兵「……っ」
ガチャッ
青年兵「……?」
テクテクテク
青年兵「母さん?」
人の気配を感じない実家。青年兵はひとまず、居間の明かりを灯す。
- 16 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:47:11.67 ID:V1PrEx6go
青年兵「…こっちかな?」
テクテク…カチャッ
青年兵「……っ!!」
母「……青…年兵かい?」
青年兵「母さんっ!」
母「ごほっ!……ごほごほ…っ!」
タタッ
青年兵「母さんっ!大丈――」
ゲシッ!!
青年兵「痛っ!!」
母「何を…のこのこ帰ってきてるんだいっ」
青年兵「ご、ごめん…っ。でも何も蹴らなくたって……」
母「全く、人が寝てる最中に。来るならもっと早く……ごほっ!」
青年兵「か、母さん…っ」
母「…今、起きるよ。ちょっと肩を貸しておくれ」
- 17 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:48:13.95 ID:V1PrEx6go
グイッ
青年兵「……っ」
母「すまないねぇ」
青年兵は返す言葉を失った。肩に回した腕は、
かつて漁業で培ったそれを失い、支える為に手を回した腰も同様、痩せ細り、
かつて頑健そのものであった母親の面影は微塵たりともなくなっていた。
母「それで、今日はどうしたんだい?」
ひとまず母を椅子へ座らせると、青年兵は台所へ向かいながら返答した。
青年兵「久し振りに本国まで来たからさ、ついでだよ」
母「久し振り…?あんた、今は本国勤めじゃないのかい?」
青年兵「うん。今は東方司令部…東にいるんだ」
カチャカチャッ
青年兵「でも左遷じゃないよ、自分で望んでの事だし…出世もしたんだ」
母「……ごほっ」
青年兵「さっき総司令に言われてね、近々大佐だってさ」
- 18 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:49:24.79 ID:V1PrEx6go
母「……」
青年兵「はい」
無言で顔を見つめる母。青年兵は茶をテーブルへと差し出す。
母「何かあったんだろう?」
青年兵「え……っ」
母「たったそれだけの事で来るなんて…違うだろ?」
青年兵「……いや、報告したかっただけだよ」
母「そんなもの、手紙の一つで十分じゃないか」
青年兵「……っ」
母「情けないねぇ。救いが欲しくて親の顔を見に来るなんてさ」
返す言葉はなかった。全て見透かされている、ただそれだけだった。
母「言ったろ?お国の為に、人を幸せにする為に働けって…」
青年兵「……」
母「ましてや偉い身分になって、立ち止まってる場合じゃないだろう?」
青年兵「……」
- 19 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:50:24.14 ID:V1PrEx6go
母「ほら、行きな。あんたが帰ってくるべき場所は、ここじゃないよ」
青年兵「…うん」
スクッ
青年兵「次、帰って来る時は…自分の夢が叶った時にするよ」
母「……ああ、そうなさいな」
青年兵「……大元帥になったら、帰ってくるから」
母「……夢は大きすぎると、苦労するよ?」
青年兵「この程度で苦労してたら、誰も助けられないよ」
母「言うじゃないのさ。男に二言はないよ?」
青年兵「…うん。それじゃ、行ってきます」
母「いってらっしゃい」
スタスタスタ…パタン
母「ごほごほっ!!げほ……っ!!」
青年兵「――っ」
グッ……タッタッタッタッタ…
- 20 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:51:26.11 ID:V1PrEx6go
青年兵(母さん…ごめん……っ)
タッタッタッタ
青年兵(僕にはまだ…やらなくちゃいけない事が…残ってるんだ!)
タッタッタッタ
青年兵(きっとまた、きっと……帰ってくるから!)
母の病状が悪化している。それは青年兵にとっても、一目瞭然であった。
たった一人の肉親。全てを捨てて残り僅かに迫る余生を共に過ごすという
選択肢も決してないわけではない。
青年兵「……」
だが、それは最も確率の低い選択肢であった。おそらく母親の思いも同じであろう。
タッタッタ…ザッ
青年兵「出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィン
ワイバーン。龍の姿をした青龍を代表する召喚獣。
その背中に乗り、使い手は再び、自分の居場所へと戻って行った。
- 21 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:52:21.06 ID:V1PrEx6go
〜最北の村〜
大軍師「……どうぞ」
占い師「……っ」
カツ…コツコツコツ…
大軍師「明かりを」
ヒゲの男「……へい」
ボッ
占い師「――っ!!」
大軍師「…どうです?」
占い師「……こ……んな」
ザシャッ
大軍師「あまり触れない方が宜しいですよ。崩れては元も子もない」
占い師「……っ」
大軍師「今はまだ、このままです。必ずや刻は来ます」
占い師「……はい……っ」
- 22 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:53:33.66 ID:V1PrEx6go
〜次の日〜
戦士「さーて、来たはいいが……」
魔道士「いますかねぇ…?」
召喚士「とにかく、聞いてみましょう」
テクテクテクテク
召喚士「あの、総司令官はお戻りになられてますか?」
受付「あぁ、はい。昨晩お戻りになられましたよ」
戦士「んだよ、入れ違いだったのか」
受付「朱雀先生ご一行様ですよね?お通しするよう言われております」
盗賊「……どうも」
スタスタスタスタ
戦士「準備万端てか」
魔道士「一体、どんな依頼なんでしょうね?」
召喚士「気になりますね」
盗賊「…ああ」
- 23 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:55:02.36 ID:V1PrEx6go
〜司令室〜
コンコン…カチャッ
秘書官「朱雀先生がお見えです」
召喚士「失礼致します」
スッ
戦士「んな……っ!?」
魔道士「戦士さんの……お父様…!?」
戦士父「……はぁ」
司令官「よく来たね。まぁ座って」
召喚士「…し、失礼します」
ススッ
司令官「今日はね、君達に頼みがあるんだ」
召喚士「まさか、戦士父さんと関係が…?」
司令官「うん」
戦士「やだよ」
- 24 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:55:50.07 ID:V1PrEx6go
戦士父「こっちの台詞だ」
召喚士「ま、まぁまぁ……」
司令官「あのね、東方へ行って貰いたいんだ」
盗賊「…東方?」
司令官「そう。彼が用事あるんだって」
戦士父「……っ」
召喚士「何か…するんですか?」
戦士父「ちょっと探し物をな」
司令官「だからね、東方に詳しい君達に案内して貰えないかと思って」
魔道士「なるほどですね…」
盗賊「……」
召喚士「…戦士」
戦士「……っ、分かったよ。私情で四の五の言える立場じゃねぇ」
司令官「…ん、助かるよ」
戦士「……はぁ」
- 25 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:56:46.69 ID:V1PrEx6go
〜新聞社〜
テクテクテクテク
青年兵「あの、すみません」
受付嬢「はい」
青年兵「こちらに、女記者さんとう方がお勤めだと思うのですが……」
受付嬢「生憎、女記者は外出しておりますが」
青年兵「存じています。その件でお話したい事が……」
受付嬢「あの、失礼ですが……」
青年兵「あ、私はこういう者です」
スッ
受付嬢「国軍の……っ」
青年兵「急を要する話です。責任者の方をお願い出来ますか?」
受付嬢「……少々お待ち下さいませ」
スクッ…カツカツカツカツ…
青年兵「……」
- 26 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:57:32.45 ID:V1PrEx6go
…
カツカツカツカツ…
受付嬢「青年兵様、お待たせ致しました」
編集長「私が女記者の上司にあたります、編集長と申します」
青年兵「始めまして。国軍所属――」
編集長「議会立役者の青年兵殿、ですな。知ってますよ」
青年兵「ど、どうも。流石ですね」
編集長「いや、あの時は我が社も出遅れましてなぁ」
青年兵「……」
編集長「他社に持っていかれてしまいましたよ。はっはっは」
青年兵「そうですか…」
編集長「それで、あのバカ…何かやらかしましたか!?」
青年兵「え…っ?」
編集長「何とか……示談で事を納めては頂けませんでしょうか?」
青年兵「い、いえ……っ。あの……」
- 27 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:58:13.85 ID:V1PrEx6go
…
編集長「……死んだ……?」
青年兵「……」
編集長「…………」
青年兵「現在、国軍本部にてご遺体と遺留品を保管しております」
編集長「死……」
青年兵「あと、これを……」
スッ
編集長「……」
青年兵「現場で見つかりました。彼女の取材手帳かと」
編集長「……っ」
青年兵「……彼女は、死の間際まで…立派な記者でした」
編集長「バッキャロ……ッ、死んじまったら…取材出来ねぇじゃねぇか…っ」
青年兵「…………」
編集長「最後の最後まで……面倒かけやがって……っ」
- 28 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:59:01.68 ID:V1PrEx6go
スクッ…ザッ
青年兵「申し訳ございませんでした!」
編集長「……」
青年兵「私が国軍を代表し、謝罪させて頂きます」
編集長「やめようや、青年兵殿」
青年兵「……」
編集長「アンタが深く頭を垂れたところで、帰ってくるわけじゃないんだ」
青年兵「……」
編集長「その涙は、嬉し泣きにとっておいて下さいよ」
青年兵「……は……い…っ」
編集長「これ、頂いてもいいですかね?」
青年兵「少し、待って貰えますか?」
編集長「……?」
青年兵「その手帳に、犯人のカギが残っているかもしれないんです」
編集長「……っ」
- 29 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 17:59:58.93 ID:V1PrEx6go
青年兵「先程も申したように、女記者さんは最後まで……」
編集長「そうかぁ…。最後の最後に大スクープだなぁ……」
スクッ
編集長「では、他の遺留品と……女記者の遺体はこちらで引き取ります」
青年兵「…よ、宜しいのですか?」
編集長「はい。……ありがとうございました」
青年兵「こちらこそ……」
編集長「あんなバカの為に涙してくれる人がいて、あいつも喜ぶ事でしょう」
青年兵「……」
編集長「では、失礼」
スタスタスタ
青年兵「……」
受付嬢「お、女記者さんは……編集長の娘さんなんです…っ」
青年兵「――っ!!」
受付嬢「平静を装ってはおられますが……辛いでしょうね……」
- 30 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:00:43.31 ID:V1PrEx6go
青年兵「……っ」
ガクッ
青年兵「僕は…僕は……っ」
張り詰めていた青年兵の何かが、音を立てて切れた。
受付嬢「あ、あの……っ」
スクッ…テクテクテク
青年兵「……大佐?望むところじゃないか」
テクテクテク…
青年兵「このまま…頂点まで突っ走ってやる!」
冷静さを欠いても無謀な行動には決して出ない。
無謀と勇敢を履き違える事のないそれはまさに、青年兵ならではの事。
先代の大元帥とは無論、面識はなくとも、それを自然と体現している彼だからこそ、
周囲の期待も非常に大きく、性格や勤勉さも相まって、
短期間での大出世に大きく反映されているのである。
そして青年兵はこの後、大きな飛躍を遂げる事となる。
- 31 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:01:23.08 ID:V1PrEx6go
〜本国、港〜
戦士「…しっかし、まさか親父のお守りとはねぇ」
戦士父「……」
戦士「介護にゃ早いぜ…ったく」
戦士父「五月蝿い奴だな。嫌なら残れ」
戦士「そうはいかねぇだろ!国軍付なんだしよ」
戦士父「だから前に言っただろう、軍属は面倒だと」
戦士「なりたくてなったんじゃねぇっ!」
戦士父「じゃあ何故、なったのだ?」
戦士「うっ……」
戦士父「…自業自得だ、馬鹿」
戦士「てめぇこそ軍の言いなりになってんじゃねぇかよ!」
戦士父「別に言いなりではない」
戦士「じゃあ断ればいいだろうがっ」
戦士父「……」
- 32 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:02:35.20 ID:V1PrEx6go
召喚士「ほ…ほらっ、船が出航しちゃいますよ?」
魔道士「そ、そうですよ。周りもみんな…注目してますし……」
盗賊「……恥だな」
戦士父「…ところでお前、何故それを持っている?」
戦士「それ…?戟の事か?元から俺のだろ」
戦士父「……」
戦士「親父にはその槍を渡しただろ。覚えてねーのか?」
戦士父(戟は確かに、一昨日送ったはずだが……)
戦士「聞いてんのか?」
戦士父「まぁいい。とにかく、それを返せ」
戦士「だーから!俺のだって言ってんだろうがっ!!」
戦士父「それはお前の手に余る物だ。それに……」
戦士「ゾディアックだってんだろ!知ってるよ」
戦士父「……」
戦士「もう何がなんだか分からんから、とにかく話をしよう、話を!」
- 33 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:04:14.93 ID:V1PrEx6go
…
戦士「……あー」
戦士父「そういう事か」
魔道士「でも、どうなるんですかね?」
召喚士「ドッペルゲンガーのコピーでも、ソディアックとして発揮するんですか?」
戦士父「……さぁ、どうだろうな」
戦士「お気楽な……」
戦士父「今更言ってももう遅い。手遅れだ」
召喚士「駄目だったら…どうするんです?」
戦士父「威力は落ちるが、何とかなるんじゃないか?」
召喚士「……」
盗賊「…お前より呑気だな」
戦士「…うっせ」
魔道士「と、とにかく…東方で見つかるといいですね…っ!」
召喚士「そ、そうですね……ははは…っ」
- 34 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:04:50.73 ID:V1PrEx6go
〜鉱山の街、鍛冶屋〜
おかみ「あんた〜荷物届いたよーっ」
鍛冶屋「はいはいはいはいっ」
おかみ「まったく、こないだといい…国軍の連中は……」
鍛冶屋「まぁ仕方ないよ。大軍師さんとも約束しちゃったし……」
おかみ「…でも、本当にいいのかい?」
鍛冶屋「ん?」
おかみ「…こいつさ。ゾディアックなんだろ?」
鍛冶屋「うん。正しき者が使えば、それはきっと力になる」
おかみ「……」
鍛冶屋「その刻が来たら、お前の判断に任せる……そう言われたからね」
おかみ「律儀に…結婚してまで守っちゃってさ」
鍛冶屋「違うよ。前にも言ったけど、僕が結婚したのは君が好きだからだよ」
おかみ「……そ、そんな事どうでもいいからっ、さっさと運ぶよ!」
鍛冶屋「そうだそうだっ、運んじゃおう!」
- 35 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:05:41.12 ID:V1PrEx6go
気温はやや暖かさを戻し、日没の時間もやや延びていた。
18時頃になるだろうか、薄暗さを増した空の下、船はターミナルへと入港した。
〜ターミナル〜
召喚士「ここで乗り換えですね」
戦士父「いよいよ東方か」
魔道士「素敵な所ですよ〜っ」
戦士父「それは楽しみな限りだな」
盗賊「……ああ」
戦士「出航まで1時間くらいあんぞ?」
召喚士「着くのは深夜になりそうだね」
盗賊「…どうする?」
魔道士「このまま東方で宿を取ればいんじゃないですか?」
召喚士「ええ、それがいいと思いますよ」
戦士「急ぐ旅でもねーしな」
召喚士「そうだね。出航まで身支度整えておこっか」
- 36 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/25(金) 18:06:27.95 ID:V1PrEx6go
…
船員「出航致します」
戦士「…おっ、あれ御者さんじゃねーか?」
召喚士「本当だ!これからターミナル出るみたいだね」
魔道士「お仕事頑張ってますねーっ」
戦士「あの、うるせぇ奴も頑張ってっかな?」
召喚士「青年兵くんもいるし、心配ないと思うよ」
盗賊「…そうだといいな」
召喚士「みんな、どこに居ても頑張ってるんだよね」
魔道士「私達も頑張らないとですねっ!」
召喚士「ええ」
戦士「まぁ…まずは……」
戦士父「…何だその目は」
召喚士「は、はは…っ」
五人を乗せた船は、夜分遅く東方の都へと到着した。
- 37 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/25(金) 18:09:04.55 ID:V1PrEx6go
金曜だし多分、深夜投下出来ると思います!
また後ほど。来なかったら疲労限界で落ちたという事で…
新スレもご支援感謝!ありがとう!それでは!ノシ
- 40 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/25(金) 19:27:38.68 ID:AEHPqroDO
>>1乙
あくまで予想でしかないけどやっと繋がった
伏線スゲー
- 42 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 19:53:54.05 ID:YuVXhhlAO
>>1乙
編集長…
天才のおまけは要人が集まるパーティーへの潜入任務とかどうだろう
- 45 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 22:13:39.56 ID:gY5nhygDO
>>1先生乙であります(。・x・)ゞ
ところでドッペル君と戦士が捕まった時に装備って実は入れ替わってたりするのかな?かな?
ゾディアックはともかく斧兼盾って本物と偽物で差異ってあるのかな?
斧に5行付加されてからドッペル君に会ってたらある意味チートだったような……
- 46 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 22:39:30.53 ID:XvD6sAtDO
アレだろ?つまりドッペルはポケモン金銀の増殖バグだろ?
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