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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
913 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:28:51.11 ID:aRlGICNpo
 ザッザッザッ ジャリッ

西方参謀「おいっ! 雷切……」

戦士「……」ザッザッ

南方参謀「雷切どころか、盾まで持ってないじゃない……っ」

東方参謀「あやつ、ゾディアック1本でケリをつけるつもりか……!」

 コオオオオォォォォ……

マーラ「……気に食わない顔」

戦士「……」ザッザッ

マーラ「たった一人で、勝てるとでも勘違いしている愚か者の顔」

戦士「……」ザッザッ

マーラ「このアタシは……魔王よ!!」

戦士「だから何だよ。魔王魔王って、くだらねぇんだよ」

マーラ「何だコイツ……ッ、魔王を恐れていないというの……!?」

戦士「複数いる中の、たった1匹だろうがああぁぁ!!」ゴアッ!!

マーラ「――ッ!!」


914 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:29:36.71 ID:aRlGICNpo
戦士「てめぇなんざもう怖かぁねーんだよおぉ!!」タンッ!!

マーラ「この……マーラ様を、なめるなアアァァーッ!!」ブアァッ!!

 ドッゴオオォォォォン!!

戦士「遅いんだよおぉ!!」ビュオッ!!

 ドズウウゥゥゥゥン!!

女隊員「全て……かわしてる……ッス」

男隊員「魔王自体にもうそれ程の威圧を感じねぇ」

格闘家「ええ。恐らくは軍団長、いや……それ以下の攻撃力でしょう」

マーラ「ウガアアアアァァァァ!!」ブオンッ!!

戦士「食らえええぇぇ――」

 ドズウウゥゥゥゥン!! ジュウウゥゥゥゥ!!

戦士「!?」

マーラ「グフウウゥゥゥゥ……ッ」

南方参謀「い、岩が溶けたわよ……!?」

東方参謀「溶解液だな。魔王の体から血の様に漏れておる」


915 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:30:23.89 ID:aRlGICNpo
 フラァッ

盗賊「……戦……士」

青年兵「盗賊さんっ!?」

盗賊「……戦士の……戦士、助けなくっちゃ」フラフラ

青年兵「盗賊さんっ! どちらへ――」ハッ

盗賊「そうだ……戦士を、戦士を助けなくては……!!」ダッ!!

南方参謀「盗賊ちゃんっ!? 青年兵くん、盗賊ちゃん……意識取り戻したの!?」

青年兵「え、ええ。みたいです! それよりもあれを!」

南方参謀「!?」

青年兵「盗賊さんは恐らく、あの書物を取りに……」

東方参謀「書物? あぁ、藤蔵の奥義書というやつか」

西方参謀「待て! 1個だけじゃねぇ……あっちも、ほれ! そこにも!」

南方参謀「そ、そうよ! 藤蔵の皆が持っていた奥義書が……!!」

 タタタッ ズザァ

盗賊「……火」ガシッ


916 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:31:17.08 ID:aRlGICNpo
女隊員「盗賊ちゃん! こっちにもあるッスよ!」ブンッ

盗賊「……風」パシィ!!

西方参謀「こっちは、土って書いてあんぜ」ポイッ

盗賊「……土」パシッ

東方参謀「盗賊、お主の為に残されたものであろう」ブンッ

盗賊「……水」パシッ!!

青年兵「5個の巻物、これで全てですね」スタスタスタ

 スッ

盗賊「……ああ。五輪の書の……藤蔵の全てだ」グッ

男隊員「さてどうする? 戦士がアレだが、ぼちぼち退却しねぇと脱出が厳しくなるぞ」

東方参謀「確かにな。外に待たせている連中や船も危うい」

南方参謀「でも、戦士くん1人を置いてはいけないわよっ」

盗賊「先に行っててくれ」

青年兵「盗賊さん……?」

盗賊「私は戦士と共に行く。そして、必ず帰るから」スッ


917 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:31:55.55 ID:aRlGICNpo
女隊員「盗賊ちゃんっ!?」

盗賊「必ず、2人一緒に帰るから……っ!!」タンッ!!

男隊員「おいっ!? ちぃーっ、どうすんだよマジで!」ボリボリボリッ

西方参謀「どうする? 指揮官殿よぉ」

青年兵「……退却して下さい」

東方参謀「お前は残る気か?」

青年兵「はい。もう魔力もありませんが、何とかあの2人は生かして地上へ帰すつもりです」

男隊員「……はぁ」ポリポリ

格闘家「そういう事ならば、俺も残ります」

槍侶「同意。手を貸す事は出来ずとも、行く末を見届けるくらいは出来まする」

西方参謀「だとさ」

青年兵「……分かりました。退却ルートは分かりますか?」

格闘家「把握しております」

青年兵「道は有効ですか?」

南方参謀「大丈夫よ。さっき確認した時はだけど」


918 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:34:03.52 ID:aRlGICNpo
青年兵「……では、道の付近まで移動して下さい。何かあったらすぐ動けるように」

格闘家「ここで構いません。駄目な時はどこにいても変わりませんから」

男隊員「そりゃそうだわな……ヒャハハ!」

東方参謀「さぁ、マーラの最後を見届けようではないか」

青年兵「戦士さん、盗賊さん。すみません……っ」ギリッ

 ドジュウウウウゥゥゥゥ!!

戦士「そんなもん、当たるかよおぉ!!」

マーラ「見てみい。この醜い体……爛れた体。出したくて出しているわけではないのよ」

戦士「知るかよ」

マーラ「貴様等のような、下等生物がアタシを傷付けてッ、こんな体にイイィィ!!」

 ブンッ!! ブンッ!! ジュウウゥゥゥゥ!!

マーラ「こんな馬鹿げた話……ッ、魔王が……魔王マーラがこんな……ッ」

戦士「もう無駄な事はやめとけよ。かする気もしねぇ」シュバッ

マーラ「――――ッ!?」

戦士「こいつで終わりだ。とくと食らいな」チャキッ


919 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:36:58.17 ID:aRlGICNpo
マーラ「こんな事があって……たまるかアアアアァァァァ!!」

戦士「ウッりゃああああぁぁぁぁーっ!!」ググッ!!

 ゴゴゴゴゴゴ……ドッゴオオオオォォォォン!!

戦士「――っ!?」

男隊員「何だぁ!?」

西方参謀「水だっ!! 天井が崩壊しやがった!!」

 ドドオオオオォォォォ!!

盗賊「戦士いぃーっ!!」ダッ!!

戦士(くっそお……っ、水が視界……遮りやがって見えねぇ!)

 ユラッ

戦士(攻撃してくるっ! ちくしょう……やるしか……ねぇ!!)

 目の前には滝のように流れ落ちる大量の水。その向こうは見えないが、

 戦士は確かに威圧と気配を感じ取り、それがマーラの攻撃である事に気付いていた。

 一度構えたゾディアックは投擲の体制で体の横につけたまま静止している。

 近づく気配に神経を集中させ、一撃必殺の機会を静かに伺う。


920 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:38:23.11 ID:aRlGICNpo
戦士「……」

 ピクンッ

戦士「ここだああああぁぁぁぁーっ!!」バシュッ!!

 ドッガアアアアァァァァ!!

戦士「――――っ!!」

 それは2度目の崩壊であった。投擲されたゾディアックは、更に勢いを増した水の前に、

 方向転換を余儀なくされ、若干ではあるが、軌道は右方へとズレをみせた。

 その僅かな、ほんの僅かなズレが致命的な仇となってしまった。

戦士「ち……っくしょおぉ!!」

マーラ「ゴハアアアァァァァ!!」

 マーラの左腕をかすめ、引き裂き、ゾディアックは背後の壁へと突き刺さった。

 衝撃で岩壁は崩壊し、更にそこから水の侵入が始まる。

ゾディアックは壁を不器用に転がると、切先を上に向けたまま岩と岩の間に挟まった。

戦士(……しくじった……っ)

マーラ「グ……ググ……オオォォォォッ、オオオオォォォォ!!」


921 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:38:49.34 ID:aRlGICNpo
〜剣聖の屋敷〜

神野「うおああぁぁぁぁーッ!!」

召喚士「コカトリスーっ!!」

 シュイイィィィィン!!

神野「また石化かいっ! 芸がないんだよおおぉぉ!!」

コカトリス「はあぁーっ!!」ババッ!!

神野「さぁ、撃ってこい!!」ゴウッ!!

コカトリス「はああぁぁぁぁ!!」

神野「……撃ってこい! どうしたぁ!? 撃たんかいッ!!」

召喚士「石化の吐息だけだと思っているのなら、それは観察力がなさすぎるぞ!」

神野「なんやコイツ……ッ、まさか特攻する気かぁ!?」

コカトリス「このまま貴様を……貫くっ!!」

神野「――ッ!?」

 ボンッ!! ズゴガガガガガッ!!

神野「なん……やとぉ……ッ」ボゴォ!!


922 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:40:05.40 ID:aRlGICNpo
名代「何とっ! 突撃後、そのまま石化が……っ」

魔道士「コカトリスの第3の能力ですっ!」

東方司令「あんな攻撃もあったのか……」

帝「成程。触れても問題なくなったからこその攻撃であるな」

 ピシッ……ビキビキベキィッ!! バッガアアアアァァァ!!

神野「……ハァーッ、ハァーハァーッ」

夫人「自力で脱したが、随分と苦しそうじゃのぅ」

神野「余計な体力……使わせやがってぇ……ッ」

召喚士「悪いけど、もう勝ち目はないよ」

神野「何やとぉ!!」

召喚士「今ので俺とお前の魔力は完全に上下入れ替わった」

神野「……ッ」

召喚士「残りの力からしても、もう上回る事はない」

神野「人間風情が……神野悪五郎様に対して……上から物を騙るんじゃねええぇぇ!!」

召喚士「……はああぁぁぁぁ」


923 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:40:53.16 ID:aRlGICNpo
 ゴゴゴゴゴゴ……

イヌ「な……っ!?」

女侍「まだ……魔力を……!?」

サル「ハッタリなんかじゃねぇ……っ、アイツ、本当に魔力で上回ってやがんだ……っ!」

神野「ワイが……この神野悪五郎様がアアァァ、人間風情にイイィィ!!」ゴアッ!!

召喚士「行っけええぇぇぇぇ!!」ゴアァッ!!

 前方を指差す召喚士の周りに、おびただしい数の召喚獣が現れ、突撃する。

神野「クッソがああああぁぁぁぁーッ!!」

 バギャアアァァァァ!!

神野「ゴブアアァァ!!」

 初撃、神野悪五郎の攻撃を防いだゴーレムの背後から、ユニコーンが突進する。

 吹き飛ばされた敵をペガサスが追走し、流星のような攻撃を撃ち放つと、更には

 スキュラの氷撃とサンダーバードの雷撃が神野悪五郎を直撃する。

神野「グ……ッガアアアァァァァ!!」

召喚士「まだまだああぁぁぁぁ!!」


924 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:41:40.67 ID:aRlGICNpo
 追撃の手は緩まない。電撃を伴いながら凍りついた神野悪五郎の元へ、

 1体、2体、3体……と、続けざまにスピアを構えたワルキューレが襲いかかる。

 戦乙女による華麗なる連撃は踊りのように舞い、反撃の隙を与えない。

 打ち上げられた神野悪五郎は声をあげる事もならぬまま、次なる攻撃を向かえた。

 空中にてワイバーンが待ち構える。鋭い牙を見せながら大きく口を開く。

 その直後、赤く光る口内から灼熱の炎が放たれ、敵を火だるまへと変える。

神野「――――ッ」

 攻撃の手は止まない。炎に包まれながらワイバーンの尾で叩き落とされると、

 地上にて備えていたベヒーモスの閃光が、落下してきた標的を捉えた。

 ドッドオオオオォォォォン!!

 轟音を響かせながら閃光は神野悪五郎を撃ち上げ、大打撃を与える。

 まだ閃光に弾き飛ばされている最中、次なる召喚獣が上空で待ち構えていた。

 グリフォンとハーピーは、閃光から神野悪五郎を引き摺りだすかのように攻撃を開始し、

 2匹の召喚獣は獲物を競い合うかのように、交互に攻撃を加え、地上へと吹き飛ばした。

 そして地上では最後の召喚獣がニコニコと笑いながらスタンバイをしていた。


925 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:42:50.66 ID:aRlGICNpo
 ドゴオオオオォォォォ!!

神野「…………ァ……ッ」

スフィンクス「だぶる……」

神野「ク……ソォ……!!」

スフィンクス「とどめ……」

神野「クッソオオォォォォ!!」

スフィンクス「ぱーんちいいぃぃぃぃっ!!」

 ゴシャッ!! メキィ……バッゴオオオオォォォォン!!

夫人「うわ……強烈ぅ」

魔道士「……っ」

 ドシャッ ドガッ ゴロゴロッ……ズザザアアァァァァ

召喚士「……ふーっ」

サル「…………」ポカーン

名代「……こ、これは……凄まじいなどと一言では済まされぬな……っ」

帝「何と言う……破壊力かっ」


926 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:44:18.24 ID:aRlGICNpo
〜竜宮城、地下〜

 ドドオオォォォォ……

盗賊「戦士ぃ!!」

マーラ「ガアアァァァァ!!」

 ドグゥ!!

戦士「かは……っ」

マーラ「ゴアアアアァァァァ!!」

 バゴォン!!

戦士「――っ!!」ズザァ

マーラ「ほ、ほっほっほ……ッ、まだ運は……アタシにあるようだねぇ……っ」

戦士「瀕死のくせに……何をほざいてやがるっ」ペッ

マーラ「武器も持たず、何を粋がっておるかっ」

戦士「……っ」

西方参謀「あんのバカ……! 雷切を……」

格闘家「今からでは間に合いませんよ! こうなったら……」


927 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:46:15.65 ID:aRlGICNpo
 ガシッ

格闘家「……?」

男隊員「言ってもどうせ、戦える力は残ってねぇだろうが」

格闘家「し、しかし……っ」

男隊員「アイツの目を見てみろ。まだ諦めちゃいねぇ」

東方参謀「それに、まだ戦えぬわけでもなさそうだぞ」

女隊員「えっ!?」

南方参謀「あそこ……見てっ! 刀があるわっ!」

西方参謀「あれは……鬼丸の刀かっ!」

槍侶「何と言う偶然か……っ」

青年兵「いえ、偶然なんかじゃありませんよ。そういう宿命だったのでしょう」

 ドズンッ

マーラ「……この距離からならば、幾ら弱っていようとも、武器のない貴様を葬る事は可能ッ!」

戦士「負けて……たまるかああぁぁぁぁ!!」

 ドッゴオオオオォォォォ!!


928 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:48:08.81 ID:aRlGICNpo
 腕が勝手に動いた。戦士がそう思うほどに無意識な中での行動であった。

 マーラの振り下ろした右腕は、頭上に掲げた戦士の両手をすり抜け、

 丁度、手首の辺りで挟むように防がれていた。

槍侶「真剣……白刃取り……!?」

格闘家「い、いや……っ! もっと高度というか、両手首で挟んでいる……っ!!」

東方参謀「触れれば溶解液で溶かされる。まさか、見切った上での行為っ」

西方参謀「しかし何で手首なら……っ。いや、手首に……籠手を!?」

 ググググッ

マーラ「こんな真似……ッ、有り得ぬ! 有り得ぬウウゥゥ!」

戦士「……く、ぐく……っ!」ジジジッ

盗賊「!?」

戦士「鬼丸が……っ、雷忍が助けてくれた……っ」

マーラ「――ッ!?」グググッ

戦士「俺は……1人じゃねええぇぇ!!」

盗賊「その通りだっ、戦士!!」


929 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:49:57.87 ID:aRlGICNpo
 シュバッ!!

戦士「盗賊!?」

盗賊「我ら……藤蔵の力を、食らええぇぇ!!」

マーラ「なっ――」

盗賊「風遁……疾風!!」

 ゴガアアァァァァ!!

盗賊「水遁……っ、水飛沫!!」

 ズッシャアアァァァァ!!

盗賊「雷遁っ、迅雷ぃ!!」

 ガッガアアァァァァ!!

盗賊「火遁……火遁っ、業火ぁ!!」

 ゴッゴオオォォォォ!!

マーラ「グブアアァァ……ッ、こ……これ以上はさせぬウウゥゥ!!」

 バギャッ!! ゴガアアァァァァ!!

盗賊「土遁……障壁っ」


930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:51:04.09 ID:aRlGICNpo
女隊員「防いだッス!!」

男隊員「今だっ、とどめを刺せぇ!!」

青年兵「戦士さん、背後を!!」

戦士「……?」クルッ

盗賊「拾えっ、戦士!」

戦士「あれは……国綱っ!!」バッ!!

盗賊「いけええぇぇ!!」

 チャキッ グッ

戦士「最後の最後まで、お前と一緒かよ」

マーラ「グギアアアアァァァァ!!」

戦士「ありがとな……相棒っ!!」ススッ

 シャキイイイイィィィィン

マーラ「…………」

戦士「……そのまま……吹き飛びな」カシャンッ

 ドッゴオオオオォォォォン!!


931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:52:06.23 ID:aRlGICNpo
〜剣聖の屋敷〜

 コオオォォォォ……

神野「…………」

召喚士「立て、神野悪五郎。次で最後だ」

神野「……ククッ」フラァ

召喚士「……」

神野「クククッ、ヒャーッハッハッハッハ!」ヨロッ

召喚士「……」

神野「このワイが……ここまで追い詰められるとはなァ……」ズズッ

召喚士「……」

神野「ワイは……魔王すら越えたはずだったんや……ッ! 何故だアアァァァァ!」

 ドウッ!! ゴオオォォォォ!!

魔道士「召喚士さんっ!!」

召喚士「コカトリス、決めてくれ」

コカトリス「ああ、そうしよう」


932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/20(金) 17:54:04.32 ID:aRlGICNpo


マーラ「クッ、クク……ゴハアアァァ……ッ」
神野「……グ……クク……ククッ」

戦士「マーラ、てめぇは弱ぇよ。シンノアクゴローなんかより遥かにな」
召喚士「神野悪五郎。お前は魔王マーラよりも弱いさ」

マーラ「な……何だとおぉ……ッ」
神野「なん……やと……コラァ……」

戦士「所詮、たった1人で強いと思い込んでる勘違いヤローだ」
召喚士「強いと自負し、結局は孤独だった。それは強さじゃない思い上がりだ」

マーラ「言わ……せておけばぁ……ッ」
神野「何を言う……かああぁぁ……ッ」

戦士「何でてめぇを吹っ飛ばしたか分かるか? 背中に刺さったゾディアックの為だ!」
召喚士「無駄な事はよすんだ。今は下半身だけだけど、徐々に石化は完了する」

マーラ「こ、このアタシがァ……敗北……するっていうの……ッ」
神野「このワイが……敗北するなどとォ……ッ」ミシミシッ

戦士「お前は勝ち目なんてなかったんだよ」
召喚士「お前は、勝ち目なんて最初からなかったんだ」

マーラ「――!?」
神野「――!?」

戦士「お前の敗因は孤独。誰かを信じて、力を合わせて戦わなかった。そんだけだ」
召喚士「お前の敗因は1つ。誰も信じず孤独だった事だ。誰も助けてくれなかった事だ!」


934 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/20(金) 18:08:18.06 ID:d1ElqLDIO

シンクロ熱い


935 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/20(金) 18:16:14.43 ID:SmpW9YHp0
1乙

召喚士…モブのくせに主人公の戦士さんの真似しやがって


936 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/20(金) 18:41:11.24 ID:Hd3+Od8DO


そーいえば一応の主人公は召喚士だったんだな
忘れてたわ


941 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2012/01/20(金) 20:46:59.15 ID:x3Xk7L5k0
いちおつ
召喚士にとっての修羅場は
神野戦が終わってからだろうなww


942 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/20(金) 21:32:25.86 ID:Hd3+Od8DO
エロ夫人vs魔導士か


948 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/21(土) 03:13:07.11 ID:yRL5+EEIo


マーラ「一人の力では何も出来ないッ、ただ非力なだけの人間ガアアァァ!!」

戦士「それを強さだと気付かねぇうちは、何度やったって同じさ」

盗賊「その通りだ」ザッ

マーラ「群れる事でしか力を示せぬ……こんな、こんな下等な奴らに……ッ」

盗賊「……戦士」

戦士「……」

盗賊「力を、貸してくれ」

戦士「……?」

盗賊「私1人では、五行はとても無理だ」

戦士「五行……? お前……何を言って……」

盗賊「皆が残してくれた……。藤蔵の……皆が。力を……」

戦士「盗賊……っ」

盗賊「戦士、手を……貸してくれ」

戦士「……お、おう」


949 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/21(土) 03:14:33.76 ID:yRL5+EEIo
 スッ

盗賊「大きな掌だな」

戦士「……っ」

盗賊「この掌で、私を守ってくれた……」

戦士「……盗賊」

盗賊「ずっと、ずっと。そして……これからも……」

戦士「……ああ。お前を一生、守る。あいつらの代わり……いや」

 ギュッ

戦士「俺の意志でだ」

盗賊「……うん。ありがとう」

 キュイイイイィィィィ

西方参謀「何だぁ!?」

青年兵「あれはまさか……五行!?」

東方参謀「そうかっ! 藤蔵の奥義書を手に入れた事で全ての行を……っ」

南方参謀「危険よっ!! 五行だなんてそんな……っ!!」


950 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/21(土) 03:15:00.50 ID:yRL5+EEIo
男隊員「いんや。あの2人なら大丈夫だろ」

格闘家「そうなんですか?」

女隊員「愛のちからッスよ!」

槍侶「……愛」

青年兵「戦士さん、盗賊さん……決めて下さい!」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

盗賊「戦士の魔力に合わせるから」

戦士「出来るか?」

盗賊「多分。ずっと……見てきたし」

戦士「……頼むぞ」

 ドゴオオオオォォォォ!!

マーラ「――――ッ!!」

盗賊「食らうがいいっマーラ!! 私の……風林火山!!」

戦士「そして俺の……雷ぃ!!」

戦士・盗賊「2人の……五行を!!」


951 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/21(土) 03:15:37.28 ID:yRL5+EEIo
マーラ「クソオオオオォォォォ!! 抜けないッ!! 抜け――」

 ドッドオオオオォォォォン!!

戦士「ゾディアックが媒介だ! 威力は弱くとも……効果は絶大なはず!」

盗賊「滅せよ……魔王!!」

 ガカアアアアァァァァ!!

マーラ「クソオオオオオオォォォォォォ――――」

 ゴゴオオオオォォォォン!! ドッシュウウウウゥゥゥゥ……

男隊員「く……っ!」

槍侶「す、凄まじい光が……っ!」

南方参謀「やった……! 成功よっ!」

青年兵「……っ」

 盗賊の風林火山に戦士の雷が加わり、合体五行が炸裂する。

 その五行はゾディアックという媒介を通し、威力の全てを魔王マーラの体内へと蓄積し、

 内部よりマーラの存在そのものを、この世界から消滅させるに至った。

 今ここに、魔王マーラは東方、本国連合軍の手によって討ち滅ぼされた。



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