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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 920 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/04/18(月) 18:02:11.78 ID:e21yZIzSo
…
召喚士「……」
カツカツカツ
青年兵「どうぞ」
召喚士「ありがとう」
バルコニーから一人、外を眺める召喚士。青年兵はその重い気持ちを察してか、
飲み物を片手に背後から召喚士に声を掛けた。
青年兵「火山攻略の指揮官になりました」
召喚士「……そっか」
青年兵「怖い……ですか?」
召喚士「……うん」
青年兵「僕もです」
召喚士「一度だけ、あの火山で眷属と戦った事があるんだ」
青年兵「確か、炎の魔物でしたっけ?」
召喚士「うん……」
- 921 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:03:58.06 ID:e21yZIzSo
ザッザッザ
戦士「よく考えてみりゃ、まともに交戦した敵で唯一だよな」
青年兵「……?」
盗賊「……敗北。いや、見逃して貰ったのか」
戦士「ネクロマンサーは何とかなってるし、北の化物もまともには戦ってねぇからな」
召喚士「正面からやりあって、勝てる相手じゃないと思う……」
盗賊「……少なくとも……あの、炎の奴はな」
青年兵「そうですね。僕もそう考えています」
魔道士「でも、それじゃ勝ち目ないですよ……っ?」
青年兵「アカ・マナフの時と同じように、やるしかないでしょうね」
召喚士「同調召喚だね。でも、出来るのかな……」
天才「間に合わせるって言ってんだろ。心配すんな」
青年兵「司令……」
天才「えぇと……じゃん!魔物図鑑〜!」
魔道士「……!?」
- 922 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:04:40.34 ID:e21yZIzSo
天才「これによりますとー。ええと……あれ?」
パラパラパラ
天才「あ、あったあった。コイツだな。名前はタルウィ」
戦士「タルウィ。それがあいつの名前か」
天才「炎の化物ともう一匹いたな。あいつは……えーと、どれだっけか?」
召喚士「戦った事あるんですか!?」
天才「あるよ。変な奴に邪魔されたけど」
盗賊「……?」
天才(……そういやあの魔物……インドラっつったけか)
召喚士「……」
天才「あー悪りぃ。んでだ、眷属の説明をしとくぞ。とりあえず室内に戻れ」
青年兵「はい」
ザッザッザ
天才「メイン努める奴らはちと集まってくれや。情報を開示する」
召喚士「……」
- 923 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:05:40.74 ID:e21yZIzSo
会議室の脇では、北の陽動を行うチームが話し合っていた。
左翼長「んじゃ、手筈を決めるぞ。作戦立案はウチのこいつに任せる」
参謀「宜しくお願い致します」
左翼長「……おい、お前んとこの参謀はどうした?」
東方司令「司令部にいるぞ」
左翼長「いるぞ、じゃねーだろ。何で連れて来ねぇんだよ」
東方司令「一つの司令部につき、2名の召集命令だったからな」
左翼長「普通は参謀役を連れてくるもんだろうがよ……」
女剣士「……」
左翼長「まぁいい。さっき聞いたと思うが、今作戦じゃ北関は使用不可だ」
将軍「うむ。しかしそれでは、東西の拠点が分断されてしまうな」
左翼長「そう。そこで海峡は最低限の兵を残して防衛には使わん」
将軍「放棄するのか?」
参謀「いえ、放棄は致しません」
東方司令「こっちの兵を使う気か」
- 924 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:06:24.84 ID:e21yZIzSo
左翼長「そういう事だ。海峡の防衛には東方司令部からの北進を主体とする」
将軍「押し込まれたら本国まで危険ではないかね?」
左翼長「その心配はないとは言えないが、可能性は薄いだろう」
参謀「ここ最近の動きからして、魔王軍も海峡攻略は諦めているようですしね」
将軍「確かに、ミノタウロスの防衛線以降は小さな小競り合いしか起きておらぬな」
参謀「橋に施した結界石が、なかなか効果を発揮しております」
左翼長「ただし、森の中にゃあとんでもねぇバケモンが潜んでやがるけどな」
東方司令「森さえ刺激しなければ、問題はない……か」
参謀「更に、手薄となった東方司令部には、東方からの増援を迎え入れます」
東方司令「……なるほどな、そういう事か」
参謀「但しこれは、間に合えば……の話です」
左翼長「まぁ増援についてはなくても、万が一を踏まえても凌げる算段だ」
東方司令「魔王軍が虚を突いて、大軍を率いてきたらどうする?」
左翼長「率いてきたらどうしようもない。だが、それは皆無と断言出来る」
将軍「……本当ですかな?」
- 925 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:07:08.47 ID:e21yZIzSo
左翼長「あいつらの強さの基準、それは個の力だ」
女剣士「……」
左翼長「それはかつて、奴らを凌ぐ種族が存在しなかったからだと考えられている」
参謀「絶対的な強さがあるから、個々は群れないのです」
左翼長「これは種の本能とも言うべき、肉体はおろか魂にまで染み付いているものだ」
東方司令「つまり奴らは、軍を率いるという考えを持たない……と」
左翼長「それが今まで、魔王軍が大軍率いて戦争してこなかった理由だ」
東方司令「まぁ、確かに歴史の観点からすると、利に適っているな」
将軍「つまり、絶対に起こり得ないと……?」
左翼長「しかしだ、ここ最近になって、若干だが群れを為すように変化しつつある」
将軍「え、ええ……。やはり奴らも進化を……?」
左翼長「独自進化っつーか、妙な入れ知恵だな」
参謀「ネクロマンサーらのような、人間側の裏切り者ですよ」
東方司令「……成程」
左翼長「人間が余計な知恵を与える事で、魔王軍も更に進化を始めてるって事だ」
- 926 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:08:28.99 ID:e21yZIzSo
将軍「だったら、やはり危ないのでは……!?」
左翼長「すまんな、ちょいとばかし脅しになっちまったか」
参謀「考えてみて下さい。皆様の経験の中で、大軍とぶつかった事はありますか?」
東方司令「……ないな」
将軍「う、うむ。あってもせいぜい20かそこらの小さな部隊……」
左翼長「魔物にもプライドがある。そう易々と人間の妙な知恵を受け入れると思うか?」
将軍「っ!!」
左翼長「北の動向を探っていて分かったが、やはり内通者どもは優遇されていない」
東方司令「……様子を見られているという事か?」
参謀「探られているのでしょう。もしくは、軽視されているのですよ」
左翼長「つまり現段階では、大軍を率いたくても率いる事は出来ない」
東方司令「結論として、先程の作戦で支障はない、か」
将軍「だが、肝心の個の力がおおきかったらどうするのだ……!?」
左翼長「そりゃもう、踏ん張るしかないだろうよ」
参謀「言い換えれば、それはいつもの事ですしね」
- 927 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:09:46.88 ID:e21yZIzSo
東方司令「海峡兵を抜き、東方の増援がなかった場合の不足はどう補う?」
左翼長「あんだろ。協力なお勉強場所がよ」
将軍「……魔道学校かっ!!」
東方司令「学徒動員しろと言うのか……っ!?」
左翼長「まさか。月の宴と一緒だ、お前さんが一番よく分かってんだろ」
東方司令「教員と……OBか」
参謀「魔道兵を補うには十分な数と考えられます」
東方司令「確かにな」
左翼長「東方司令部だって、前みたいに魔道兵一辺倒じゃねーんだしよ」
参謀「司令部の廃止こそ出来ませんでしたが、再編は幸を奏しました」
将軍「それで、海峡兵はいつ合流させる?北関を飛ばすとなると日数が……」
左翼長「もっと足の速い方法があるだろ。1日ありゃいい。直前まで動かさん」
参謀「その方が、更なる牽制にもなりますしね」
将軍「そうか……そういう事か……っ!」
左翼長「何も進めるのは、陸地だけじゃないって事さ」
- 928 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:10:18.67 ID:e21yZIzSo
…
南方参謀「それじゃ、南軍の陽動作戦を決めるわね」
西方参謀「参謀役は俺ら2人が努めんぜ……ヒック」
南方参謀「総司令の発表通り、総大将はうちの司令」
南方司令「宜しく頼むぞ。正義は我らにあり!」
西方参謀「副将にはうちの司令と騎士団長殿」
西方司令「ひえぇ……っ。な、何をすればいいのでしょうか?」
西方参謀「まぁ、片方は役に立ちそうもないから、騎士団長殿お願いしますわ」
騎士団長「うむ。出来る限りの事は引き受けよう」
南方参謀「方針通り、赤壁を拠点に展開したいと思うわ」
西方参謀「かと言って、赤壁まで引き付けるのは愚策。当然、打って出る」
騎士団長「交戦は必要か?」
南方参謀「いいえ、無益な戦いはする必要ないと思うわ」
南方司令「だな。我らの仕事は魔王軍の牽制。討伐にはまだ早い」
西方参謀「南東国との連絡は?」
- 929 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:12:57.27 ID:e21yZIzSo
南方参謀「陛下の会談次第ね。それまではあちらも忙しいでしょうし」
西方参謀「それが来れば、東側はかなり楽なんだがなぁ……ヒック」
南方参謀「更には、スグリーヴァ様の所の魔物にも力を借りたいわね」
南方司令「ああ。彼らは頼もしい限りであろう」
南方参謀「南には有能なワーカーや軍人も多いから、心配はないと思う」
西方参謀「西方の兵器をいくつか導入しようかね」
西方司令「そそそっ、そうしましょう!怖いですからね!」
南方参謀「西方軍を動かして、三日月島は大丈夫?」
西方参謀「がははっ。何の為に半分明け渡したと思ってやがる」
騎士団長「……西国か」
西方参謀「すでに軍事同盟は結んでいる。守備に不安はねぇぜ」
南方参謀「万全の態勢ってわけね」
西方参謀「今回の遠征、言ってみりゃ大規模な……最後の軍事演習だ」
南方参謀「まさにそうね。今回の結果で最終決戦の組み立てになるわ」
南方司令「まさにその通りだな。各々、頼むぞ!」
- 930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:13:49.83 ID:e21yZIzSo
…
天才「さーてと、それじゃいよいよ討伐作戦の中身を決めようかね」
召喚士「お願いします」
天才「まずは、ターゲットを発表致します。じゃじゃん!」
盗賊「……」
天才「んだよ、リアクション薄い奴らだなぁ……」
ジュニア「あのな、ちょっとはムードってもんを考えろっての……」
天才「ハーッハッハ!何だぁ?この程度でビビってんのか?」
女隊員「……そりゃ、怖いッスよ」
天才「はぁ……情けね。コイツら本丸じゃねーんだぞ?」
隊長「まぁ、司令の言う通りだよ。あくまで眷属。魔王の部下に過ぎん」
天才「こんなんでおしっこチビってたら、魔王なんぞ倒せねーぞ?」
戦士「そりゃ、そうだけどよ……」
大軍師「まぁ仕方ありませんよ。この中で実際、魔王と対峙した事のある者など……」
天才「……俺だけか。はぁ、時代も変わったねぇ。年は取りたくないもんだ」
- 931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:15:03.99 ID:e21yZIzSo
男隊員「外見は変わってないっすけどね」
天才「はい、雑談はおしまい。そんじゃ一人ずつ説明してくぞ」
戦士「誰のせいだ、誰の」
天才「参考程度に聞いてくれ。まずはアカ・マナフ。これは倒したので必要なし」
パラッ
天才「んで、お次はコイツだ。えーと……サルワ。変な名前」
盗賊(……いちいち五月蝿いなぁ)
天才「コイツは風と水を操って、破壊の限りを尽くすそうだ。おぉ怖い怖い」
青年兵「なかなか、厄介な相手ですね」
天才「風と水ってのは手強いな。大軍師クン、どう見るかね?」
大軍師「水を防ぐには当然火が有効的。しかし火は風により打ち消されます」
戦士「どうすんだよ?」
天才「どうすんの?」
大軍師「どうしようもありませんねぇ」
天才「……だってさ」
- 932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:16:04.47 ID:e21yZIzSo
戦士「……っ」
天才「んじゃコイツは後回し。だいたい誰も見た事ないのにいきなりは無謀すぎる」
隊長「しかし、コイツが先陣切ってきたら……?」
天才「あーないない。それはない」
盗賊「……言い切れるのか?」
天才「確立1%ってとこだな」
大軍師「眷属の役目は魔王を守る事。あちらから仕掛けてくる事は考えにくいです」
召喚士「確かに……あの、火の魔物もそうだった」
魔道士「そういえばそうですよねっ」
天才「きたらきたで諦めて遮二無二戦いましょう。はい、次」
賢者「……大丈夫かね……ふぅ」
天才「次はドゥルジ。コイツは……うわぁ、不死を操るってよ。めんどくせぇ」
大軍師「しかし、その分やり易いかもしれませんね」
隊長「確かにアンデッドは、かなり戦い慣れている。対処法も……」
天才「そうかぁ?じゃあ……お前が五行で死んでくれ」
- 933 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:16:44.37 ID:e21yZIzSo
ジュニア「はぁ!?」
天才「全魔力で五行ぶっ放せば眷属の一人くらいやれんだろ」
ジュニア「ふざけんなよっ!あんたがやれっての!」
天才「まー冗談は置いといて、場合によっちゃ物理でも押せるかもしれんな」
大軍師「そうですね。あとは他にどんな能力があるのか……」
戦士「……他にも何かあるってのか?」
大軍師「魔物図鑑とてあくまで参考資料でしかありませんから」
天才「実際に見た奴なんぞ生きてないしな。表立ったもんだけだ」
戦士「マジかよ……」
天才「だから参考程度に聞けって言ったろうがよ」
召喚士「……」
天才「はい、そんじゃ次……タローマティ。あーコイツは駄目だ」
男隊員「……?」
天才「完全にアンノウン。対策のしようがない」
盗賊「……」
- 934 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:17:28.18 ID:e21yZIzSo
天才「一見で当たるにゃ危険すぎる。まぁ全員でかかりゃ倒せるだろうけど」
大軍師「その代わり、2人3人は覚悟しないといけませんねぇ」
魔道士「……っ」
天才「こいつは後回し。自殺願望のある奴は勝手に戦ってくれ」
女隊員「そんな人……いるわけないッスよ……」
天才「ハーッハッハ!それもそうだ。次がザリチュ。毒や渇きを操るってよ」
男隊員「キツイな……」
天才「回復出来る奴もいるし、ちょっとの毒くらい耐えりゃいーんじゃねぇ?」
戦士「やだよ」
天才「……ん?あぁ、こりゃ厄介だな」
召喚士「……?」
天才「先に最後の一人、タルウィ。コイツは知ってる奴もいるだろう」
召喚士「……はい」
天才「このタルウィとザリチュはどうもつるんでるらしく、1セットみてーだな」
魔道士「でも、私達の時は一体でしたよね……?」
- 935 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:18:28.92 ID:e21yZIzSo
盗賊「……ああ」
天才「そういや、俺らの時は2匹いたな」
格闘家「いましたね」
天才「あれがザリチュか。ふぅん」
ジュニア「んで、何が厄介なんだ?」
天才「炎に乾きと毒。足止め喰らったら即死にも至る」
大軍師「何とか引き離せれば良いのですが……」
天才「……そこに付け入る隙があるか」
魔道士「へ……っ?」
天才「よーし決めた。最初の標的はこの……タルウィとザリチュだ!」
ジュニア「おいおい、2匹相手にしろってか!?」
天才「まさか。その中でも最優先はタルウィの討伐。これでいく」
賢者「……炎か……ふぅ」
青年兵「素性も分かっておりますしね」
天才「そういう事だ」
- 936 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:19:16.56 ID:e21yZIzSo
大軍師「滅多に姿を見せない眷族が顔を出す。それは即ち……」
天才「雑魚か全幅の信頼を寄せられてるかどっちかだ」
青年兵「なるほど」
天才「どちらであっても戦うにゃうってつけだ」
召喚士「最初に姿を見せるのも、タルウィかもしれませんね」
大軍師「まぁ、そう踏んでいて間違いないでしょう」
天才「火山って立地も、この2匹にとっちゃあ格好の場所だしな」
戦士「そこで撃破となりゃ、大きいわな」
天才「そういうこった。だからこそ、奴らにも隙が生じる可能性がある」
大軍師「まずは2匹を分断し、個別に撃破致しましょう」
天才「2匹倒せりゃ万々歳だな!奴らの慌てふためく顔を拝めるかもしれんぜ」
大軍師「実際の指揮は青年兵殿にお任せ致します」
青年兵「はっ!」
大軍師「特殊遊撃は今晩より、西方司令部を経由して調査に入って下さい」
隊長「……了解した」
- 937 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:20:15.99 ID:e21yZIzSo
天才「あとは……」
チラッ
皇太子「各地とも、方針は固まったようだな」
エリート「我ら王宮は、本国の防衛に備えます」
皇太子「うむ。外征などで足を引っ張っては、元も子もないからなぁ」
双子姉「私達は……」
双子妹「戦わないんですのかぁ?」
皇太子「首都防衛も立派な努めだ」
双子姉妹「なるほど〜っ」
ザッザッザ
天才「勇ましかった殿下も、国王になってすっかり牙を折られたかい?」
皇太子「……まさか。最後の刻には無理にでも参加するさ」
エリート「……」
天才「ほれ、右大臣様の顔色が優れないぜ?」
皇太子「無茶をする気はない。しかし、何もせぬわけにはいかん」
- 938 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:20:57.41 ID:e21yZIzSo
エリート「それはそうですが……」
皇太子「立場は弁える。皇太子と国王では重さが違うからな」
天才「ハーッハッハッハ!ご立派ご立派」
エリ−ト「それで、何かご用ですか?」
天才「会談の折には何人か同席させてくれ」
皇太子「……ああ、構わんぞ」
天才「とりあえず急いでくれ。決まり次第、連絡を頼む」
皇太子「分かっている」
天才「……頼んだぜ、ハーッハッハッハ!!」
カツカツカツカツ
エリート「仮面と共に、自我も外れたかの如くですね」
皇太子「あれが本当の姿さ。空元気であっても、あの豪胆な発言は頼もしいだろう?」
エリート「……まぁ、そうかもしれませんが」
皇太子「さぁ、王宮へ戻り、会談が早急に実現出来る様、支度を整えよう」
エリート「はっ」
- 939 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:21:42.88 ID:e21yZIzSo
カツカツ…ザッザッザ
魔道士「あ……っ」
双子姉妹「こんにちは、皆様」
召喚士「ど、どうも」
戦士「あん?陛下の付き人か?」
皇太子「ああ。魔力がない分、彼女らの助けを得ようと思ってな」
エリート「王女付が不要となってしまいましたから」
魔道士「……ごめんなさい」
エリート「あ、いえ……っ、そのようなつもりでは……」
召喚士「お互い、頑張りましょう」
双子姉妹「はいですわっ!」
皇太子「それでは先に失礼するぞ」
双子姉「それでは」
双子妹「御機嫌ようっ」
カツカツカツカツ…
召喚士「……」
- 940 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:23:20.01 ID:e21yZIzSo
天才「さーて、俺も帰るとすっか」
青年兵「お疲れ様でした」
天才「お前ら、外出はいいが本国からは離れるなよ?」
召喚士「分かってます」
天才「……ん、なら良し。ハーッハッハ!」
カツカツカツカツ
青年兵「あの総司令だったとは、にわかに信じ難いですよね……」
召喚士「全くだよ……」
青年兵「さて、僕もこれから南北の総大将と会議なので。失礼致しますね」
召喚士「うん。お疲れ様」
青年兵「お互い頑張りましょう。それでは!」
カツカツカツ…
魔道士「いよいよ……ですね」
盗賊「……ああ」
戦士「第1目標はタルウィか。今度は……やってやる」
召喚士「……うん」
- 941 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 18:55:01.55 ID:e21yZIzSo
ひとまずここまでにて!
ご支援ありがとうございます!それでは!ノシ
- 942 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/18(月) 21:30:00.51 ID:hZkgni1DO
>>1乙!
タルウィの恐怖再びか……
初めて遭遇した時は圧倒的過ぎて正に絶望という感じだったよな。
召喚士達超頑張れ!!
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