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冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
429 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:13:50 ID:cUnJwn8Y

【SPECIAL STORY】


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…チチチッ……

孤高騎士「…ここは、どこだ」


…キョロキョロ

孤高騎士「花畑に暖かい日差し…天国…ってやつなのか…?」


…ポンポン

孤高騎士「…ん?誰だ?冒剣士か…?」


430 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:14:21 ID:cUnJwn8Y
 
…クルッ

女娘「…パパ!!」

男息子「パパァ!」

騎士嫁「あなた…久しぶり」ニコッ


孤高騎士「お…お、おおお…お前ら…」ドクン


431 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:14:52 ID:cUnJwn8Y
 
女娘「…パパ、どうしたの?」

男息子「パパ、僕らと会えて嬉しくないの…?」


孤高騎士「嬉しくないなんて…そんな訳…ないだろう…」

騎士嫁「…」ニコッ

孤高騎士「…ここは、天国なのか?」

騎士嫁「いいえ…、ここは現世とあの世の狭間です」


432 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:15:45 ID:cUnJwn8Y
 
女娘「…」

男息子「…」


孤高騎士「お前たち、俺を…迎えに来たのか?」

騎士嫁「…」


孤高騎士「…?」


騎士嫁「はい……と言えれば、本音は嬉しい限りです…が」

孤高騎士「…?」


433 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:16:27 ID:cUnJwn8Y
 
騎士嫁「ですが、やっぱり貴方はまだ…こっちの世界は似合わないようです」クスッ

孤高騎士「何言ってんだ?俺はお前らと一緒にいることが幸せで…」

騎士嫁「…うそ」

孤高騎士「…」


騎士嫁「昔っから、あなたはウソをつくのが下手。分かってますよ」

孤高騎士「…そうか」

騎士嫁「残してきた、あの2人の事が気になるんですよね」ニコッ


434 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:16:59 ID:cUnJwn8Y
 
女娘「パパ…行ってあげて」

男息子「…僕たちは大丈夫。また、いつか会えるよね?」


孤高騎士「…お前たち……」


騎士嫁「行ってあげてください。出口は…この道を…まっすぐ…」

…パァァァッ…


435 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:17:29 ID:cUnJwn8Y
 
女娘「…」

男息子「…」

孤高騎士「…行く前に、お前たちのこと、抱きしめても…いいか…?」

騎士嫁「…」フルフル

孤高騎士「…」


騎士嫁「抱きしめてしまったら、貴方はここから出られなくなってしまう。私たちは…待ってます。いつまでも」

孤高騎士「…わかった。長く待たせるかもしれない…それでもいいか…?」

騎士嫁「私はあなたの妻ですよ。そして、あの子たちは私たちの子供…それくらい分かっているはずです」


436 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:17:59 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「そうか…わかった。それじゃ…俺は…」


女娘「パパ…頑張れ!」

男息子「頑張れぇぇ!!」

騎士嫁「頑張ってください…」


孤高騎士「あぁ…行ってくるぜ!」


…タッタッタッタッタ……

…………………………


437 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:18:32 ID:cUnJwn8Y
 
男息子「パパ、行っちゃったね」

女娘「パパ…大丈夫かな…」

騎士嫁「ふふ…きっと、大丈夫。私たちは、私たちの還るべき場所で、待ってましょう…」


……パァァァッ…


438 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:19:07 ID:cUnJwn8Y
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・
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439 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:19:38 ID:cUnJwn8Y
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


…チュンチュン……サァァッ…


大魔道「…気がつきましたか?」

孤高騎士「……」

大魔道「やれやれ…砕け散った魔力のピースを探すのは骨が折れましたよ」

孤高騎士「…」


大魔道「…孤高さん?」

孤高騎士「俺ぇ……生きてるのか?死んだんじゃないのか?」

大魔道「…正確にいえば、死んではいませんでした」


440 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:20:09 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「…どういうことだ?」ムクッ

大魔道「心が宝玉に封印され、体は古代の魔力同士の打ち合いで削り取られました。ですが、それが幸いでした」

孤高騎士「…」


大魔道「削り取られたのは古代の魔力として空中へと分散しました。古代の魔力は感覚が違うので…感覚を探り、集めました」

孤高騎士「…」

大魔道「砕け散った心も、割れた宝玉から漏れ、魔力として空中へと分散され、それを集めたんです」

孤高騎士「…ふん、どうせならそのままでも…」


441 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:20:54 ID:cUnJwn8Y
 
大魔道「…勘違いしないでください。貴方の為じゃない。冒剣士くん、女メイジさんの為です」

孤高騎士「…」


大魔道「…気分はどうですか」

孤高騎士「…正直、悪くはねえよ。集めるの、大変だったんだろ」

大魔道「そうですか。それは何よりです」


孤高騎士「俺がこうなってることは、他のやつは知ってるのか?」


442 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:21:25 ID:cUnJwn8Y
 
大魔道「いえ。他の方はやさしい人たちですから…言ったらまた酒場がまた休業しちゃいますので」ハハハ

孤高騎士「…そうか」

大魔道「それと…謝らなければならないことがあります」

孤高騎士「なんだ?」


大魔道「恐らく、あなたは宝玉との繋がりで…冒剣士と同じように古代の記憶を持ってまったはずです」

孤高騎士「ああ…妙に頭がスッキリしてるのはそのせいか…」

大魔道「はい…申し訳ない」


443 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:21:58 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「何で謝る必要がある?良いことじゃないのか?」

大魔道「力を持った人間の末路、辿る道は…厳しく、険しくなります。冒剣士くんも…まだ未来がある少年だと言うのに…」


孤高騎士「人って生きてる限り、何かと戦うだろ?それは誰にとっても、厳しいもんなんじゃないか?」

大魔道「…」

孤高騎士「冒険者としての道を選んだ時点で、どんな道を辿ろうが…覚悟は出来ていた。大丈夫だ、心配すんな」

大魔道「そう、それなら…いいんです」


444 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:22:29 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「んで、あの時からどれくらいたつんだ?それと…ここはどこだ」

大魔道「もう数ヶ月です。ここは中央大陸の反対側…人類にとっては未踏とも呼ぶべき場所でしょうかね」

孤高騎士「お前…なんでそんな場所に…」


大魔道「仕方ないでしょう。分散した貴方の心、身体がココへと辿りついたのですから。私はそれを追ったまで…です」


孤高騎士「一体何者…、いや…いいか。今は感謝だけしておくぜ」

大魔道「ふふ、それがいいです。貴方が私を知るには、まだ少し…早すぎますから…」

孤高騎士「…言ってくれるぜ全く。さて、帰れるのか…?」


大魔道「帰れますよ。案内します」


445 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:22:59 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「ああ。早く帰ろうぜ…」


「俺…いや、俺らの冒険酒場によ!」


446 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:23:37 ID:cUnJwn8Y
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【数週間後・酒場前】


孤高騎士「…久々に戻ってくると、なんだか緊張するな。どんな顔すっかな…」ククク

大魔道「はは…ん?」

孤高騎士「どうした?」

大魔道「…ドア越しに聞こえますが、冒剣士とオーナーが貴方の話題をしているようですよ」


孤高騎士「まじか…」

大魔道「少しだけ、待ちましょうか」


447 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:24:08 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「喜んでくれるか…呆れ顔か…どっちかだろうな…」

大魔道「…大丈夫ですよ」

孤高騎士「俺も記憶がないわけじゃない。あいつらに…ひどい事してるもんな…」

大魔道「仕方ないことです。みんな、分かってますから」


孤高騎士「…俺のこと、迎えてくれるか…」

大魔道「きっと大丈夫ですよ。あなたのせいではなく、宝玉のせいだと分かってるはずです」


孤高騎士「その言葉…信じさせてもらうぜ?」


448 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:25:11 ID:cUnJwn8Y

大魔道(それにしても今回の騒動…、全ては軍の下位のしつけがなってなかった事から始まった…)チラッ

孤高騎士「?」

大魔道(町を見捨てた支部長を殺した孤高騎士…本来なら普通に許されるべきであるはずなのですが…)

孤高騎士「なんだよ人の顔をじろじろと…」


大魔道(…私が知っている未来……と、段々と近くなってきている気がします)

孤高騎士「聞いてるのか、おい」

大魔道(英雄剣士が孤高騎士を軍に従い行動を抑えていれば、冒剣士、孤高騎士の未来はこうはならなかった。彼自身でこの世を荒廃へと向けているということか…?)


449 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:25:55 ID:cUnJwn8Y
 
孤高騎士「あのよ、無言でこう見られると恥かしいんだが」

大魔道「…あ、自分にはそういう趣味はないので大丈夫ですよ」

孤高騎士「俺だってねえよ!」


大魔道(運命には抗えないってことなのですかね。軍は既に腐り始めている。世界の均衡が崩れてきた…いやしかし)


孤高騎士「…」


大魔道(未来というのは無数に広がっている。必ず同じ線にはならない…とは思うんですが…はてさて、これからどうなることやら)


孤高騎士「もう、勝手に見てろ…」プイッ


450 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:26:25 ID:cUnJwn8Y

 
大魔道「はは…すみません。…さ、オーナー達の話が、ひと段落つきそうですね…では」

…コンコン


オーナー「その意気だよ。さ、元気良く…!お客様…どうぞ!」


…ガチャッ

冒剣士「…いらっしゃいませ!」

女メイジ「いらっしゃいませ!」


451 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:27:03 ID:cUnJwn8Y
 
【The end really】

…FIN…


452 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/01(日) 07:27:34 ID:cUnJwn8Y
 
■後書き
お付き合い頂きまして、有難うございました。冒剣士編は従来の3幕構成ではなく、2幕で終了となります。
本編という名目で書きましたが、実際は"一人の冒険少年のお話"としての外伝的な位置づけのイメージなってしまいました。

今回は元々2幕で完結を目指していまして、従来より1幕・2幕ともに多少長めにしました(少年剣士の3幕構成なみに長かったですねw)。

予定していた東方編を終えて、新主人公を含め、従来シリーズのような展開とは異なった世界を描けて満足です。
読者の皆さまは、つまらなかった方などもいるとは思いますが、お付き合い頂けたこと、ありがたく思います。

辞典,修正分などで今回は終了です。


453 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/01(日) 07:31:08 ID:cUnJwn8Y
 
【ファンタジー辞典】

■サラマンダー
火のトカゲの意です。作品によって、精霊、または美しい人間に化ける事があるなど、作品によって扱いは様々です。
精霊として固定されたのは、中世の錬金術師「パララケルスス」が著書「妖精の書」に書いたことが始まりです。

■プロメテウス
ギリシアの神話に登場する神の1つです。
ゼウスの命令に背き、人類の幸せのために信じて"火"を与えたとされ、それが元で戦争が起きてしまったという話があります。

■スライム
某有名なゲームにも登場し、本シリーズでも度々出るスライム。
実際はかなり強く、物理攻撃は効かず、魔法(しかも火の攻撃しか効かない場合がある)という厄介な相手なのです。
体内に飲み込まれた相手は、内部の溶解液で溶かされたりと、かなり凶悪なモンスターです。

★火災旋風
実際にある災害です。日本でも大震災の時、目撃または巻き込まれ、多数の人が亡くなりました。
都市部など、狭い場所で火があがると、酸素を求め上に上に気流が発生し、それが竜巻となったのが火災旋風です。


456 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/01(日) 07:32:40 ID:cUnJwn8Y
 
短めながら、これで終了になります。

ないとは思いますが、何かご質問(設定でも)があればお答えしますので(A´ω`)
それでは、ありがとうございました!


457 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/09/01(日) 07:40:37 ID:FPCSaFWE
乙でした!
少年剣士と幼剣士をまとめで見て、今回初めてリアルタイムで見れたー
毎朝の楽しみでした!
孤高さん、復活してよかったよ
次回作も楽しみにしてます!


458 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/01(日) 07:50:38 ID:cUnJwn8Y
>>457
ありがとうございます(A*´ω`*)
そう言っていただけると、とても嬉しいです、ありがとうございました!v


460 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/09/01(日) 08:01:06 ID:Vxs3rOlI
お疲れ!
他のはまとめサイトで見て今回初めてリアルタイムで見ることができました
次回作も楽しみにして待っています


463 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/09/01(日) 23:50:04 ID:eVoJuTA6
次回作もあるの?(おめめきらきら)


464 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/02(月) 09:31:06 ID:pDEzNg/M
皆様乙有り難うございます。

>>460 ぜひまた来てください(A´ω`)v

>>463 
現在考案中のがありますが、ちょっと次のは壮大すぎて悩んでる状況ですw


465 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/09/02(月) 11:11:12 ID:5flQpyj6
孤高のおっさん救われてよかった

乙乙


466 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/09/02(月) 13:42:29 ID:EWVfNQh6
完結しましたか。盛大に乙です。ひそかにお気に入りの女錬金師と大魔道が出てきてよかったです。
これ質問していいいかわからないのですが、前シリーズに出てたオーナーの息子さんはどうなったのかな?
現在の年齢は16〜7くらい?


467 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/02(月) 17:21:16 ID:pDEzNg/M
>>466
大魔道は自分も好きです(*´ω`)
えっとですね…息子(登場人物の息子娘等)は今後のストーリーで
絡みなどをする為に模索中です。

次回のストーリーも大まかな部分はできているのですが、
内容を広げすぎている事、次からの作品は従来のと関連性を出来るだけ少なくする
(繋がりを出来るだけ一部に抑える、今回の作品に近い)ものにしたいと思っています。


473 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/06(金) 10:39:33 ID:DrZhZqe2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1378431450/l50
白剣士「毎日が平和なこと」

新シリーズスタートしました



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