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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
- 691 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/08/16(月) 17:43:58.21 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、洞窟内〜
ドシャアッ!!…ガラガラガラッ…ゴトッ
マジシャン「っつぅ…!!」
ヨロッ…スタッ
マジシャン「下が砂地で助かったぜ…。そうだ…!」
キョロキョロ
マジシャン「いた!!」
タッタッタッタッタ…ガシッ
マジシャン「盗賊ちゃん!大丈夫かい!?」
盗賊「…うぅ…な、なんとか…っ」
マジシャン「しっかし…登れそうにもねーなぁ……」
マジシャンは自分達が落下してきた天井の穴を見て溜息交じりに呟く。
マジシャン「しゃーない。迂回して頂上を目指そう。…立てるか?」
盗賊「…うん、ありがと」
マジシャンの手を借り起き上がる盗賊。二人は岩場を掻き分け、奥へと進む。
- 692 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:44:27.86 ID:RvtHc9.o
テクテクテクテク
マジシャン「なんだか…さっきと雰囲気が違うなぁ」
盗賊「…うん」
マジシャン「こんなだだっ広かったっけか?」
盗賊「…いや」
マジシャン「だよねぇ…」
盗賊「……」
マジシャン(…どうなってんだ?場所を飛ばされたにしちゃあ…落下しただけだしな)
テクテクテク
マジシャン(そう考えると…元いた場所が偽者って事か…)
盗賊「……」
マジシャン「ああ、ゴメンゴメン。何でもないよ…ハッハ!」
盗賊「…そう」
マジシャン「思わぬアクシデントが…チャンスを生むかもしれないね」
盗賊「……?…そ、そうだね」
- 693 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:45:41.30 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、頂上〜
騎都尉「……」
ダンッ!!……ヒュオンッ!!
戦士「そりゃあ!!」
ブンッ!!…ギキイイィィンッ
騎都尉「……」
戦士「……ぐぬ…ぬ…っ」
バチィ!!……スタッ
騎都尉「……」
戦士「……駄目だ」
ネクロマンサー「そうでしょうそうでしょう?これ程の力……」
隊長「そうじゃねぇよ。なぁ…戦士?」
ネクロマンサー「……?」
戦士「本当に…この程度なのかよっ。本当によぉ……」
騎都尉「……」
- 694 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:46:24.38 ID:RvtHc9.o
ネクロマンサー「何を言って…っ、ええい…構わぬ。続けよ!」
騎都尉「……は」
ザッザッザ…タンッ!!
戦士「なぁ、騎都尉のオッサンよぉ!!」
ガキイィッ…ギチギチギチッ
戦士「アンタ…こんなモンじゃなかっただろ!?」
チュインッ!!…ギキィィ……キインッ!!
戦士「もっと強くて…恐ろしくてっ、……熱かったじゃねぇか!!」
キイィンッ!!……ズバシュッ!!
戦士「斬っても…血も出ねぇなんて……」
騎都尉「……」
カランッ……ダダッ!!…ガシィッ!!
戦士「こんなんでいいのかよっ!!騎都尉!!」
騎都尉「……」
素手で騎都尉に飛び掛かり、胸倉を掴む戦士の声だけが辺りに響き渡る。
- 695 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:47:38.98 ID:RvtHc9.o
グラァ…ドサァッ
戦士「なんとか言えよ!!おいっ!!」
倒れる騎都尉へ馬乗りとなり、なおも胸倉をゆする戦士。
騎都尉「…戦…士」
戦士「ああ、そうだよ!覚えてんだろ!?南東国で…アンタは長男の為に…」
騎都尉「…南東国……長男…っ」
ゴゴゴゴ…
騎都尉「……長男…様」
ゴゴゴゴゴゴ…
男隊員「な…なんだ…っ、この…威圧…っ!!」
隊長「おいおい…ま、まさか……」
ドガァッ!!……ドシャアァッ!!
衝撃音とともに戦士が後方へ吹き飛ぶ。
戦士「ぐ…く……ぅ」
戦士を蹴り飛ばしたその右足を、ゆっくり地面へ付け、その男は立ち上がった。
- 696 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:48:36.73 ID:RvtHc9.o
ユラァ…
騎都尉「……」
女隊員「な…なんだか様子が、変ッスよ!?」
ネクロマンサー「なんだ…これは!?私は知らんぞ!」
ザッザッザ
戦士「……っ」
騎都尉「戦士、剣を拾え」
戦士「!!」
女隊員「なんだか…感じが違うッスよ…っ!」
隊長「いよいよ…本領発揮ってこった…!」
騎都尉「立て!さぁ、構えろ!」
戦士「……くっ」
ヨロッ…チャキッ
騎都尉「あの時…成し得なかったお前との戦い。今ここで全てをぶつけてやろう!」
戦士「……ああ!!」
- 697 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:50:16.30 ID:RvtHc9.o
騎都尉「行くぞっ!!」
戦士「……!!」
ヒュンッ!!
男隊員「早えぇ…っ!!」
隊長「今までとは比べモンにならんぞ!?」
騎都尉「はあぁーっ!!」
ブオッ!!…ギキィン!!
騎都尉の強烈な戟の一振り。戦士はそれを雷切でかろうじて防ぐ。
騎都尉「…どうした!その程度かっ!?」
グググッ…
戦士「何…ぃ…!?」
ズドオオォォンッ!!
男隊員「押し潰した!?」
騎都尉「…立て」
ガシッ
- 698 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:51:16.22 ID:RvtHc9.o
騎都尉は倒れる戦士の頭を掴み、無理矢理起き上がらせる。
戦士「…う…っ」
騎都尉「ふんっ!!」
騎都尉の右手は、その掴んだ頭部を再び地面へ叩きつけ、衝撃音が響き渡る。
ドゴオオォォッ!!
戦士「が…はぁ…っ!!」
ドサッ…
騎都尉「……あっけないな」
うつ伏せに地面へと倒れる戦士。その背中に騎都尉は戟を突きつける。
騎都尉「これで…終わりだ!」
戦士「!?」
ヒュオッ!!……ザクゥッ!!
騎都尉「…ほぉ、かわしたか」
戦士「…く…はぁ…っ、はぁ…っ」
女隊員「や…やばいッスよ!?隊長っ!」
- 699 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:52:15.92 ID:RvtHc9.o
隊長「言ったろ、これはアイツの戦いだ。手出しは無用!!」
男隊員「……っ」
隊長「俺らが手を貸す時は…戦士が死んだ時だ」
ネクロマンサー「何というか…人間の美学というところですか?」
隊長「テメェも余裕コイてる場合か?」
ネクロマンサー「…は?」
隊長「アレはもうお前の手を離れてんぞ。制御不能だろう?」
ネクロマンサー「…ククッ。この期に及んで何を言っているのやら」
隊長「…大人しく見てろよ?手を出せば…俺が貴様を殺す」
ネクロマンサー「殺せるものならどうぞ。ま…手を出す気は毛頭ありませんがね」
女隊員「戦士さん、頑張るッスよぉー!」
ジャキッ
騎都尉「…もう終わりか!?」
戦士「ま…さかぁ!!」
ビュオッ!!……ガキイィィンッ!!
- 700 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:52:52.47 ID:RvtHc9.o
騎都尉「…ほう、まだこれ程の力を出せるとは…」
戦士「うりゃあ!!」
鍔迫り合いをする雷切から、激しい電流が騎都尉へと流れる。
騎都尉「ぬ…っ!?」
バチチッ!!…シュウゥゥ
男隊員「騎都尉って野郎が初めて間合いを取ったぞ!?」
隊長「……」
騎都尉「…やるな、戦士」
戦士「…こんなモンで終われっかよ!!」
女隊員「死闘なのに…なんだか二人とも嬉しそうッスね…」
隊長「悲しい戦いだよ。だが…避けられない戦いなんだろうな」
戦士「はりゃあぁ!!」
騎都尉「ぬぅんっ!!」
ブンッ…ヒュオッ…ガキィンッ!!…キィンキィンッ!!
戦士と騎都尉。二人の攻防による金属音が夜空に空しく響き渡る。
- 701 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:53:40.43 ID:RvtHc9.o
〜火焔城、入り口〜
青年兵「魔道士さん!」
魔道士「大丈夫です…!あ、ありがとうございました!」
ワイバーン「青年兵っ!奴が逃げるぞ!」
青年兵「…!?」
大鬼「はっはっ…はぁ…っ」
魔道士「城の中へ…!?」
青年兵「後を追いましょう!召喚士さんも気になります!」
魔道士「はいっ!」
〜火焔山、城内〜
タッタッタッタッタ
大鬼「しつ…こい連中だ!」
青年兵「いたっ!あそこだ!!」
大鬼は必死で広間を走りぬけ、階段を駆け上がり二階へと向かう。
青年兵と魔道士もそれを追い、城の二階へと階段を上り進んだ。
- 702 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:54:30.68 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、洞窟内〜
ザッザッザッザッザ
マジシャン「…うーむ」
盗賊「……」
マジシャン「さっぱり出られそうもない」
盗賊「……うん」
マジシャン「なぁ盗賊ちゃん?」
盗賊「……ん」
マジシャン「どこでもいいんだが、魔物の気配とか感じない?」
盗賊「……やってみる」
盗賊はその場に目を瞑り立ち、意識を集中させる。
マジシャン「…やっぱ月読だねコレ」
盗賊「…………」
マジシャン「忍だし東方出身だし、もしやと思ったが…」
盗賊「……」
- 703 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:55:34.91 ID:RvtHc9.o
マジシャン「ハナっから出来るんだもんなー。反則だよなぁ……」
盗賊「…うるさいっ。気が散る!」
マジシャン「おぉっと…ゴメン!ハッハ…」
盗賊「……あっち」
マジシャン「…ん?」
盗賊「…魔物の気配か…分からないけど」
マジシャン「……」
盗賊「…何か…風の流れが…違う」
マジシャン「どれ…」
テクテクテク…コンコン
マジシャン「この岩の向こうか…」
盗賊「…どうするの?」
マジシャン「ちぃっと下がっててくれ」
盗賊「……?」
マジシャン「………ふー」
- 704 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:56:02.38 ID:RvtHc9.o
マジシャンは目を瞑りながら両手を突き出し、意識を集中させる。
マジシャン「うりゃあぁ!!」
ドドドドオオォォンッ!!…ズガガアアァァッ!!
盗賊「!?」
マジシャン「ハッハッハ!水圧と突風の合体魔法でこんな岩場なんぞ…」
ドドオオォォッ…ガラガラガラッ!!
マジシャン「うおっ!?」
ジャララッ…ビュッ!!
盗賊「掴まれっ!!」
マジシャン「すまねぇ!!」
ドドオオォォンッ…ゴトッ…カラッ…
マジシャン「ふいー…あっぶねぇ…」
盗賊「……あ…っ」
マジシャン「…おぉ、ビンゴだな!」
崩れゆく壁の奥より、かすかな月明かりが二人を照らした。
- 705 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:56:46.95 ID:RvtHc9.o
〜火焔山、頂上〜
戦士「ぐわ…っ!!」
ドシャアァッ
騎都尉「…どうしたぁ!もう終わりか!?」
ネクロマンサー「さぁ、早くトドメを……」
騎都尉「黙れっ!!貴様…この俺に指図すると言うのか!」
ネクロマンサー「!?」
隊長「はっはっは!ほれ見ろ、だから言ったじゃねーか」
ネクロマンサー「残留思念のみだぞ!?まさか…感情を持つなどと…」
隊長「それ程までに重いのさ…。騎都尉の…大義ってヤツはな」
ネクロマンサー「御託を……」
ググッ…
戦士「まだ…まだぁ!」
騎都尉「それでこそ、さぁ…来るがいいっ!!」
戦士「でりゃあぁーっ!!」
- 706 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:57:12.98 ID:RvtHc9.o
ガキイィンッ!!
戦士「ぐく…っ!!」
騎都尉「その程度の早さでは…懐にも潜り込めんぞ!」
バキィッ!!…ズザザァ…ゴロゴロ
戦士「……っ」
女隊員「全く…歯が立たないッスね…」
隊長「そうでもねぇぞ」
男隊員「……?」
隊長「戦士はこん状況下で…随分、落ち着いてるよ」
女隊員「……」
隊長「それに、騎都尉も流石に全力で動けるわけじゃないみてぇだしな」
男隊員「…そ、そうなのか…?」
隊長「単撃の威力はとんでもねぇが、さっきから連撃が全くない…」
女隊員「つ、つまり……?」
隊長「素早く連撃する程…あの体じゃ付いてこねぇって事だ」
- 707 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:58:04.98 ID:RvtHc9.o
男隊員「……なるほどなぁ」
隊長「戦士もそれは分かってる。だから間合いと隙を計ってんのさ」
女隊員「そ…そうだったんスね!」
隊長「だが…それでも互角……」
男隊員「……」
隊長「おそらく…そろそろ覚悟を決めるはずだ」
女隊員「!?」
隊長の読み通り、戦士は起き上がり、無言で盾と防具を外す。
ガシャッ…ゴトッ
男隊員「おいっ!ま…まさか覚悟って……」
隊長「あれで速さは五分…。あとは生きるか死ぬか…だ」
戦士「……」
騎都尉「……次で、終わらせるか」
戦士「…ああ。色々と考えたが、これしか方法はない」
騎都尉「…そうか」
- 708 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:58:30.98 ID:RvtHc9.o
チャキッ
戦士「……」
騎都尉「思えば…お前とも不思議な縁よ」
戦士「……」
騎都尉「初見は、役人罪人の立場であったかな?」
戦士「……」
騎都尉「それが華国の動乱へと足を踏み入れ……」
戦士「……」
騎都尉「師弟の如く、鍛錬を施し……」
戦士「……」
騎都尉「しまいにゃ同列で馬を並べるときたもんだ…」
戦士「……」
騎都尉「…ふっ。これ以上、問答は無用だな」
雷切を鞘へと納め、銃身を低く構える戦士。その姿を見て騎都尉は言葉を止める。
騎都尉がゆっくりと戟を構えた瞬間、その場の刻がしばし止まった。
- 709 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:59:03.05 ID:RvtHc9.o
ザッ…
騎都尉「……いざ、尋常に」
戦士「……勝負っ!!」
ドンッ!!
両者が同時に前方へと飛び出す。騎都尉の右手からは戟が真っ直ぐに伸び、
戦士の右手からは雷切の居合いが水平に左の腰より伸びる。
騎都尉「……っ!!」
戦士「――っ!!」
…
戦士『……あん?何だ…っ、これ…!?』
空も地面も真っ白な景色。戦士はただ水に浮くように、その中を漂う。
戦士『あったけぇような…懐かしいような……』
戦士の正面にぼんやりと、人影が浮かび始める。
戦士『!?』
騎都尉『…戦士。……戦士』
- 710 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 17:59:29.99 ID:RvtHc9.o
戦士『騎都尉っ!?騎都尉か!!』
騎都尉『戦士…お前は何の為に戦い続けるのだ?』
戦士『……?』
騎都尉『強さを求める為か?それとも…己を誇示する為か…?』
戦士『俺は…そんな事の為に戦ってるわけじゃないよ』
騎都尉『……』
戦士『確かに村を出た時、俺は…自分の力でどこまでやれるのか…試したかった』
騎都尉『……』
戦士『でもな、今は違うよ。今は…自分じゃない。人の為に…戦いたいと思ってる』
騎都尉『……』
戦士『みんなが笑って…安心して暮らせる世界を…見てみたいんだ』
騎都尉『…ああ。そうだな』
戦士『それに…俺一人じゃない。頼もしい仲間が…仲間達がいる』
騎都尉『仲間……』
戦士『俺一人が強さを求めたってしょうがないんだ…』
- 711 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 18:00:13.62 ID:RvtHc9.o
騎都尉『……』
戦士『一人じゃ限界があるけどさ、仲間と一緒なら…無限大の力になる!』
騎都尉『……その通りだ戦士』
戦士『オッサンにも…仲間がいれば…』
騎都尉『…ああ。違った結果があったかもしれんな』
戦士『……』
騎都尉『だが後悔はしていない…』
戦士『…オッサン?』
騎都尉『最後に…お前という頼もしい仲間が…助けてくれたじゃないか』
戦士『オ……』
騎都尉『俺は先に行く。その先で見せて貰うぞ…お前の世界』
戦士『騎…都尉……!?』
騎都尉『皆が笑って暮らせる…世界……』
戦士『あ…りがとう……』
騎都尉『じゃあな…。戦…士……――』
- 712 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 18:00:41.28 ID:RvtHc9.o
…
その立ち合いは一撃であった。
騎都尉の突きをその両目で、わずかな隙も逃さず捉えた戦士。
やや下がり気味に繰り出されるその一撃は、頭髪を掠めながら顔の横を通過する。
懐に潜り込んだ状態で放たれる居合いの一刀。それはまさに後の先を取った一撃。
放たれた雷切の刀身が、騎都尉の腹部を完璧に捉え一閃する。
戦士がもう一歩踏み込んでいれば、胴は真二つとなっていたであろうが、
至らずは戦士の躊躇いか、はたまた騎都尉の動きが完全ではなかったからか。
雷切を振りぬいた瞬間、二人の顔が交差する。
騎都尉「……」
騎都尉が優しく微笑んだような気がした。
戦士「……っ」
戦士の目から涙が零れた。
先に見た光景は、夢か現か…。戦士は雷切を鞘に納め、天を見上げる。
その背後でゆっくりと倒れゆく騎都尉。二人の顔に日の出の光がきらきらと注いだ。
- 714 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/16(月) 18:18:01.86 ID:qnj0HkDO
戦士は力を受け継ぎ真・戦士に成長した
- 715 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/16(月) 18:19:47.46 ID:v3ZN1sAO
。・゚・(ノД`)・゚・。
- 716 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 18:23:29.20 ID:RvtHc9.o
キリいいのでここまでにて失礼致します!
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
>>683-684
オマケで誤字とかww本当にもう…すみません…
- 718 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/16(月) 19:10:38.85 ID:Qzqh5ADO
お盆に合わせて魂が成仏した(:_;)
- 721 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/16(月) 21:15:08.15 ID:VMjJkEAO
一瞬戦士が主人公だと思っちまったぜ……それでも違和感ないか
- 724 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/16(月) 22:39:16.32 ID:PwJktgDO
今だから言える…
騎都尉は漢だどいうことが・・・
男の中の漢だよあんたは
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