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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
971 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:35:56.14 ID:Tb6CduYo
〜東の街、大通り〜

青龍先生「ほぉ、随分賑やかになってきたのぅ…!」

南方参謀「みんな明日のカーニバルに待ちきれなくて…前夜祭始めてるのよ」

南方司令「さぁ!俺達も飲むぞ!!明日の平和の為に…!!」

南方副司令「平和って……」

召喚士「…あっ、先に行ってて下さい」

青年兵「どうかしましたか?」

召喚士「ちょっと…ワークショップに立ち寄ってから行きますので」

南方魔道長「そうか。んじゃ…その角曲がったところだから」

召喚士「はいっ」

タッタッタッタッタ

南方弓長「こんな時までワークショップって…。仕事熱心ね…」

南方参謀「あら、男心が分かってないわけねぇ…うふふっ」

南方弓長「……?」

南方参謀「なーんでもないわっ。さぁ行きましょ?」


972 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:36:26.08 ID:Tb6CduYo
〜ワークショップ〜

召喚士「えぇと…すみません」

店員「はいっ!ご用件は?」

召喚士「手紙を…。えっと…国軍付ワーカーの召喚士です」

店員「はいっ、お待ち下さい!!」

テクテクテク……テクテクテク

店員「二通お預かりしてます!こちらです!」

カサッ

召喚士「ありがとうございます。……戦士と魔道士さんからだ…!」

手紙を受け取った召喚士は慌てて封を切る。

召喚士「…………」

ゴソゴソッ

召喚士「すいません。この手紙を届けて下さい」

店員「戦士様、盗賊様、魔道士様…宛ですね?確かにお預かり致します!」

召喚士「よろしくお願いします」


973 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:37:07.55 ID:Tb6CduYo
カチャッ……パタン

召喚士「…みんなも頑張ってるんだなっ。何より…無事で良かった!!」

テクテクテクテク

召喚士「南東かぁ…。俺も終わったら行ってみようかな?」

〜港街〜

魔道士「着きましたーっ!……なんだか久々っ」

マジシャン「今日はこのまま宿を取って…ん?どした?」

魔道士「…う〜ん、何だか身体が…っ」

マジシャン「どこか痛いのか!?風邪!?病気!?あっ…もしかして生」

魔道士「違いますっ!!なんだか…空気が違うっていうか…」

マジシャン「……あぁ、それは月読の成果だよ」

魔道士「……?」

マジシャン「ずっと泉にいただろ?だから違う土地のか空気に違和感を感じるんだ」

魔道士「なるほど……」

マジシャン「でもそれは、決して悪い事じゃない。むしろ良い事だ!」


974 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:37:33.31 ID:Tb6CduYo
魔道士「そうなんですか?」

マジシャン「あぁ。実際、悪い感じじゃないだろ?」

魔道士「確かにそうですね…。なんだか水と風と…暖かさを感じます」

マジシャン「風はどこから感じる?」

魔道士「えぇと…あっち?」

魔道士はきょrきょろと辺りを見回し、山側を指差す。

マジシャン「うん。あっちは南側だな。南から暖かい風を感じる……」

魔道士「はいっ」

マジシャン「即ち、南方で何か楽しい事でもあるんだろう」

魔道士「へぇ…っ!そんな事も分かるんですか!?」

マジシャン「暖かさってのは人の楽しい感情だ。それを風が運んでくれている」

魔道士「……素敵…っ」

マジシャン「…しっかし、この短期間でそこまで感じ取れるようになったか。ハッハ」

魔道士「普通はそうじゃないんですか?」

マジシャン「あの泉は、五行がバランスよく感じ取れる…行ってみれば聖地みてぇなモンだ」


975 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:38:00.83 ID:Tb6CduYo
魔道士「……聖地っ!?」

マジシャン「そっ。でもこの短期間での会得は、ひとえに魔道士ちゃんの感受性の良さだな!」

魔道士「そうですかね…?」

マジシャン「ああ!じゃなきゃ、こうは上手くいかないモンよ!ハッハッハ!」

魔道士「…うぅん。実感ないですねぇ」

マジシャン(…にしちゃあ早すぎる。……この子…まさか…)

魔道士「……マジシャンさん…?」

マジシャン「あぁ、悪い悪い。さて…宿を取るとしましょうか!」

魔道士「はいっ!そうしましょう!エヘヘッ!!」

マジシャン「っ!!」

魔道士「…!?」

マジシャン「…ん、あぁ…何でもない!さて、行こうか!ハッハ!」

魔道士「……?は、はい…っ」

マジシャン(…何でアイツが!?……まさかまた、何かあるんじゃねーだろうなぁ)

マジシャンは曲がり角へ消えていく男性二人の影を、じっと睨みつけた。


976 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:38:30.59 ID:Tb6CduYo
テクテクテクテクテク

天才「…ここでいっか?」

格闘家「…自分は問題ありません」

カチャッ

店員「いらっしゃいませ」

天才「二人だ。適当に食い物と酒」

店員「はい。奥の席へどうぞ」

テクテクテク…ドスッ

天才「ふーっ、さてと…早速」

天才はテーブルの上へ、手にした地図を乱雑に広げる。

天才「いいか?この矢印。これが魔物の進行ルートだ」

格闘家「……」

天才「各地から南へ終結してやがる。これは何かある」

格闘家「…ですね」

天才「一個あたりの規模は小隊とかぬかしてやがったな」


977 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:38:58.11 ID:Tb6CduYo
カサッ

天才「だが、数によっちゃあ…トータルで一個師団に相当する可能性もあるわな」

格闘家「厄介ですね」

天才「まずはコイツらの目的。それを暴くのが先決だ」

格闘家「…よく、こんな情報を手に入れましたね」

天才「俺だって欲しくて得たんじゃねぇ。軍のお偉いさんが泣いて頼むから、渋々引き受けたんだよ」

格闘家「……はぁ」

天才「とにかくだ。このまま南方へ向かい、突き止めんぞ!」

格闘家「……はい」

天才「…誰かさんが、友好的な魔物もいるとかほざいてやがったが……」

格闘家「……」

天才「吉と出るか、凶と出るか……」

店員「お待たせしました」

天才「腹が減ってはなんとやら!まずは腹ごしらえが先だな!ハーッハッハッハ!!」

格闘家「……いただきます」


978 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:52:56.79 ID:Tb6CduYo
〜南方、東の街〜

南方副司令「おぉ、来た来た!こっちだ!」

召喚士「すみませんっ、遅くなりました!」

南方司令「一同揃ったところで…カンパーイ!!」

南方弓長「ちょっと!?まだグラス持ってないわよっ!」

青年兵「あはははっ!」



青龍先生「じゃろ?だから今度デートでもどうかの?ひょっひょ」

南方弓長「考えておきまーす!……グビッ」

南方司令「そこでだ、この俺が直々に正義と愛の鉄拳をだな……」

青年兵「す、凄いですね…!」

南方副司令「コイツの話は冗談半分で聞いておけ…」

南方参謀「あっ、朱雀先生…ちょっといい?」

召喚士「はい…?」

二人は席を立ち、奥の通路へと移動する。


979 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:53:31.40 ID:Tb6CduYo


召喚士「むむむ無理ですよ!!そんなのっ!!」

南方参謀「お願いっ!でないと…厳しいのよ…っ」

召喚士「そんなぁ…!!」

南方参謀「召喚フェス成功の為…何とか強力してっ!ねっ?」

召喚士「……っ」

南方参謀「ただでさえ、去年…途中で流れちゃったじゃない?みんな期待してるのよ…」

召喚士「……そ、そんな事言われても…っ」

南方参謀「他に居ないのよぉ…!ねっ、お願い!この通りっ!!」

召喚士「……はぁ」

南方参謀「…大丈夫!当日は任せておいてっ。こっちもうまくやるから!」

召喚士「……すぐ…終わらせて下さいよ?」

南方参謀「うんうんっ。大丈夫!顔だけ見せれば問題ないから」

召喚士「……これっきり…ですからね!」

南方参謀「ありがとうっ!朱雀先生愛してるわぁ…!!」


980 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:53:58.50 ID:Tb6CduYo


テクテクテク

南方魔道長「…どこ行ってたんだ?」

南方参謀「トイレよトイレ。野暮な事聞かないで頂戴っ。ねぇ?」

召喚士「は、はぁ…」

南方司令「そこでガツーンと言ってやったのよ!俺と来い…ってな!」

青年兵「す、凄いっ!!」

南方副司令「あ、これお代わりくれ。あと…これとこれも追加で」

南方弓長「先生っ、起きて下さい先生ってば!」

青龍先生「…むにゃ、もう…飲めない……むにゃ」

召喚士「明日…本当に、大丈夫なんでしょうか…?」

南方参謀「…さぁ?大丈夫なんじゃない?」

召喚士「……」

久々の再開と、修行の終了…そして、明日のカーニバルの成功を願い、

一同の賑やかな夜は、あっという間に過ぎ、次の日を迎えた…。


981 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 02:59:43.07 ID:Tb6CduYo
こんばんは〜!予想外にレスが多くて、あっという間に980…!
と、いうわけで次スレです!引き続きよろしくお願致します!!
あ、レス自体はとても嬉しい事なのでお気にせず!感謝です!

召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/

続きも次スレから再開致しますです!ノシ


984 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:48:40.07 ID:Tb6CduYo
〜オマケ>>6〜

戦士「お盆?」

盗賊「…ああ。お盆だ」

魔道士「何ですっけ?それ……」

盗賊「ご先祖様おお参りをするんだ。お盆に帰ってくるんだぞ?」

召喚士「霊がですか!?あ…なんか聞いたことあるような…」

戦士「……ふーん。それじゃ墓参りに行くか?」

魔道士「行きましょうよ!せっかくですし…」

盗賊「じゃあまずは……」



召喚士「……来ましたよ。師匠」

四人は師匠の墓へ手を合わせ、花と供え物を丁寧に据える。

魔道士「……」

盗賊「……」

戦士「……」


985 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:49:08.94 ID:Tb6CduYo
トクトクトクッ

戦士「師匠酒。…俺も上手くなったかい?」

召喚士「…コカトリス」

シュイィィン

コカトリス「……」

召喚士「…じゃあ、先に行ってるね」

スタスタスタ

コカトリス「……戦友」

コカトリスは師匠の墓をじっと見つめ、言葉を続ける。

コカトリス「お前の息子は…お前を越えるかもしれんぞ?」

師匠(はん…!なーに言ってんだよバカヤロウ!そう易々と越えられてたまるかってんだ!)

コカトリス「…ふんっ、相変わらずだな」

師匠(……頼んだぜ、アイツらをよ…!)

コカトリス「無論だ。あいつらはきっと…世を正してくれようぞ」

師匠(…だろうな!なんたって……自慢の弟子達よっ!ガハハハッ!!)


986 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:49:34.99 ID:Tb6CduYo
コカトリス「……じゃあな」

師匠(おう、一つ伝えてくれやっ!!)

コカトリス「…?」

師匠(お前の師匠酒…なかなかのモンだったってよ!ガハハッ!)

コカトリス「……ふっ!」



戦士「…次はここか」

幼馴染父「来てくれてありがとう。戦士くん」

戦士「いえっ、なかなか来れなくてすみません」

幼馴染父「気にしないでくれ。じゃあ…終わったら声かけて」

戦士「はい」

テクテクテク

戦士(俺…あの頃、自分が思ってたより全然強くなったよ…)

魔道士「……」

召喚士「……」


987 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:50:01.64 ID:Tb6CduYo
盗賊「……」

戦士(絶対…みんなが笑って暮らせる世の中、作るから!)

ザッ

戦士「……よし、行こうか」

召喚士「…うん」

幼馴染(戦士くんをよろしくね…盗賊さんっ)

盗賊「!!」

バッ!!……クルッ

盗賊「……?」

戦士「…どした?」

盗賊「…ん……何でもない」

戦士「…?変な奴…っ」

魔道士「えぇと次は……」

召喚士「…あそこですかね?」

四人は東へ進み、一路海峡を目指す。


988 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:50:28.23 ID:Tb6CduYo


将軍「彼ら…そして、ここで散っていったワーカー達は…永遠に名を刻むだろうな」

召喚士「ええ。彼らがいたからこそ、今のこの地があるんです」

将軍「最近じゃあ、兵が率先して…墓の手入れを行ってくれているよ」

魔道士「素晴らしい事ですね!」

ザッザッザ

サモナー「彼らもきっと…喜んでますよ」

召喚士「サモナーさん!?」

戦士「どうして…?」

サモナー「お盆だから墓参りさ。君らもだろ?」

盗賊「…まぁ」

サモナー「……彼らに笑われないよう、僕も頑張らなくちゃいけないからね」

魔道士「そうですよねっ。頑張りましょうね!えへへ!」

召喚士「ええ!」

サモナー「見守っててくれ…。僕の……友人達」


989 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:50:58.04 ID:Tb6CduYo


魔道士「ラストは…ここですね」

テクテクテク

剣士「わざわざありがとう。彼もきっと喜んでいるよ」

弓使い「本当…。あの時から…何から何まで……」

召喚士「あれ…っ!?この…隣の墓って…っ」

幼女「…お父の」

剣士「遺骨はないけど…せめて墓ぐらいはと思ってね…」

幼女「お父も…一緒に祈ってあげて?」

盗賊「……もちろんだ」

一同は手を合わせ、しばし黙祷する。

剣士「彼らの志は…しっかりと僕らの胸中に受け止めよう」

召喚士「ええ!」

剣士「僕もまた、必ず力になるから!」

召喚士「……待ってます!」


990 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:51:27.17 ID:Tb6CduYo
〜東方、都〜

盗賊「…着いた」

魔道士「うわぁ…賑やか〜っ!これが盆踊り…!!」

鬼丸「そうだ。飲んで食って踊って…無礼講の日よ!がははっ!!」

戦士「鬼丸…!?」

鬼丸「いよぉ、相棒!!」

召喚士「名代さんも…!こんばんは!!」

名代「さぁさ、皆様方も折角です。浴衣に着替えて楽しみましょう」

女将「女性陣はこちらで着替えましょ?」

魔道士「はぁい!!」



召喚士「……やっぱり…いいね」

戦士「ああ…。浴衣って…凄い」

魔道士「あんまりジロジロ…見ないで下さいっ///」

盗賊「……///」


991 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/01(日) 03:53:01.44 ID:Tb6CduYo


魔道士「あっ!あれ美味しそう〜!」

盗賊「…あれは…わたあめだな」

戦士「何だこれ?」

名代「金魚すくいです。やってみますか?」

召喚士「あの櫓が盆踊りのメインですね?」

名代「ええ。櫓を囲むように、皆で踊るのです」

魔道士「楽しそう〜っ!行きましょうよっ!」

召喚士「ええ!行きましょうか!」

今回はこれしか回れなかったけど…実際はもっと多くの人が、無念ながら逝った。

ドワーフさんや西国の大臣さん…それに、北方司令さんに武士さん。もっと沢山…。

でも、俺達はきっと忘れない。みんなの力があったからこそ、今の世の中があるんだ。

だから次は、魔王を倒したら…きっとみんなに…報告に行くよ。

今は一緒に…笑って踊ろう。それでいいんですよね?師匠……。

師匠(…へっ、お前にしちゃまぁまぁだ。30点ぐれぇくれてやるよ!ガハハハッ!!)

〜おしまい〜

ギリギリだったので結構端折っちゃいました…。次スレのオマケでちょこちょこ足してみようかな…



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