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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
- 489 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/12/08(水) 17:55:12.63 ID:NGZgXbwo
〜城内〜
名代「…お帰りなさいませ」
帝「今、戻ったぞ」
家老「しかし…凄い歓声でしたな……」
名代「あまりの興奮に失神した者もおるようです」
戦士「マジかよ……」
帝「それで、本国の方々は?」
名代「上様がお戻りになられたと隊長殿、西方参謀殿へお伝えしました」
家老「もう間もなく来られると思いますぞ」
帝「それはいかんな。急ぎ、身支度を整えねば」
家老「女中どもは上様の後に続け。急ぎ身支度を整えよ!」
女中「はぁいー」
ゾロゾロゾロゾロ…
名代「召喚士殿らにも同席して頂きたいが…宜しいか?」
召喚士「もちろんですっ!」
- 491 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:10:42.42 ID:NGZgXbwo
…
エリート「殿下!何をなさっているのです…行きますよ!」
皇太子「ああ、今すぐ行くよ」
西方参謀「…?」
ガラガラガラッ…パッカパッカ
足軽頭「隊長殿、お迎えに参りました」
隊長「おぉ、これはこれは……」
エリート「殿下、お迎えが参られましたぞ!」
皇太子「すまんな。フォーマルは着慣れてなくてなぁ……」
西方参謀「すぐに終わりますので」
足軽頭「いえいえ、お構いなく」
皇太子「……よし、待たせた」
エリート「では参りますよ。全く…」
皇太子「うむ。おぉ、これはわざわざの出迎え…感謝致す」
足軽頭「い、いえいえっ!滅相も御座りませぬ!」
- 492 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:15:40.54 ID:NGZgXbwo
ガラガラガラッ…
皇太子「いやぁ、緊張するな…」
エリート「…そうは見えませんが」
隊長「東方の皆様も人柄が良く、すぐに打ち解けるでしょう」
西方参謀「その通り。ご心配無用ですわ!……ヒック」
皇太子「手土産はこんなもので良かったかな?」
エリート「そういえば何を持参したのです?」
皇太子「いや、文化も違うと思って色々とな…」
モサッ
エリート(……だからあんなに時間かかってたのか…っ)
足軽頭「間もなく城です。お待たせ致しました!」
隊長「…さぁ、いよいよですな!」
西方参謀「歴史の1ページになると良いですなぁ…」
エリート「殿下、頼みましたよ!」
皇太子「……ああ。本国や東方……ひいては世界の為にな」
- 493 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:26:51.53 ID:NGZgXbwo
ザッザッザッザッザ
エリート「…こ、これが東方の城か」
隊長「本国での王宮にあたる代物ですが、司令部兼用と言ったところですかね」
西方参謀「王宮と要塞を兼ね備えてるわけですわ」
皇太子「成程なぁ。南方司令が建造している赤壁に近いか」
足軽頭「失礼致します!本国の方々、お見えになられました!」
名代「ご苦労」
女中「お襖、失礼致します」
カラッ
皇太子「……失礼致す」
名代「本国の皇太子様、で在らせられまするな…?」
皇太子「いかにも。貴公は?」
名代「はっ。上様の側近で名代…と申しまする。以後、御見知りおきを…」
皇太子「うむ、宜しく頼む。こちらは私の側近でエリートと申す」
エリート「お初にお目にかかります。エリートと申します」
- 494 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:30:53.08 ID:NGZgXbwo
名代「宜しくお願い致します。では、中へどうぞ…」
ススッ
皇太子「……おや?」
畳の広がる部屋の右脇、見覚えのある顔に皇太子は声を発す。
召喚士「……」
座する召喚士らは無言のまま会釈だけを返し、その横に隊長と西方参謀が並び座った。
名代「お二方は正面のこちらへ」
エリート「はっ」
チラッ
魔道士「……!」
ニコッ
エリート「!!」
にっこりと笑顔で手を振る魔道士。エリートはすぐさま目を背け正面を向きなおした。
エリート(…やはり私は正常だ。……昨日がどうかしていたのだ…っ!!)
名代「もう間もなくお見えになられると思います」
- 495 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:39:56.21 ID:NGZgXbwo
ザッザッザ
家老「これはこれは…遠路はるばるご苦労様で御座いまする」
名代「こちらが皇太子様と側近のエリート様です」
皇太子「お初にお目にかかる。宜しく頼む」
名代「こちらは家老殿。上様の後見人で御座いまする」
家老「いやいや、上様においては一人立ちなされ…今は補佐もしておりませぬよ」
エリート「…では、政務の一切は帝様が執り仕切られておると…!?」
家老「まだ若すぎる故、全て…というわけではありませんがな…」
名代「大まかな方針や決定権は上様がお持ちで御座います」
皇太子「まだ幼いと伺ったが……大したものだな…っ」
エリート「…え、えぇ。想像以上でした…っ」
ザッザッザ
女剣士「上様、お見えになられまする!一同面を下げよ!!」
ザッ
皇太子「……」
- 497 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/08(水) 18:43:33.38 ID:NGZgXbwo
シズシズシズ…
帝「どうか楽に。遅くなり申し訳御座らぬ……」
スゥッ
エリート「――っ!!」
帝「初めてお目にかかる。帝…と申しまする」
皇太子「本国第一皇子、皇太子と申します」
帝「わざわざのお越し、痛み入りまするぞ」
皇太子「いやはやとんでもない。しかし……」
帝「……?」
皇太子「まだお若いと伺っておりましたが…女性であられたとは…」
エリート「お、驚きました……」
帝「これは…失礼…」
家老「私とて知ったのはつい先程ですよ。はははっ!」
帝「色々と事情がありましてな。性別を偽っておりました」
皇太子「成程。そうであられたか」
- 523 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:26:47.43 ID:KWNo5w.o
はぁ…今日はやばかった。お待たせしましてすみません…
そして謎のカップリングの流れ!!
そして>>517は召喚子さん!?青年子さん!?↓続き
- 524 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:27:31.03 ID:KWNo5w.o
名代「それでは、本題へと入りましょうか」
エリート「…ええ。そう致しましょう」
召喚士(あの二人って…何だか似てるなぁ…)
皇太子「本日来た事については、説明は不要ですな?」
帝「…うむ。事情は隊長殿、西方参謀殿から伺っております」
皇太子「この場で即答は求めておりません。まずは我らの意思を……」
帝「…ですな。我々としても時間を頂きたい」
エリート「失礼ですが、どの程度……」
帝「…半年といったところかのう」
エリート「半年…ですか。それは何か事情が…?」
皇太子「エリート」
名代「構いませんよ。互いに濁したところで利点は御座いません」
皇太子「…痛み入る」
帝「実はな、東方は一枚岩ではないのだ」
エリート「……」
- 525 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:28:09.13 ID:KWNo5w.o
帝「先日、その二人には話したが…私が東方全てを納めておるわけではない」
エリート「敵対勢力がいると?」
家老「敵対…というわけではないんだがな」
名代「上様の存在を認めておらぬ者達がいるのです」
帝「まだ幼い上、かつては老中が権力を握っていたのでな…」
名代「老中というのは後見人として上様を盾に実権を握っていた男です」
家老「そちらの召喚士殿らの働きもあって、それも無事解決したのじゃ」
皇太子「……ほぉ」
召喚士「……」
帝「まずはその残存勢力をまとめ上げると共に……」
名代「上様の存在を認めさせなくてはなりません」
エリート「…成程。事情は大いに分かりました」
帝「世話をかける…申し訳ない」
エリート「何を仰られます、お気になさらないで下さい」
皇太子「うむ。我々も出来る限りに協力はさせて頂くつもりだ」
- 526 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:29:10.30 ID:KWNo5w.o
帝「…いや、それには及びませぬ」
皇太子「……?」
帝「やはり、東方を納める立場…我が国の事は我が国のみで解決したい」
盗賊「……」
皇太子「…相分かった。手出しは野暮であるな」
帝「重ね重ね申し訳ない…っ」
皇太子「いやいや、しかし窮地の際は早急に申しされよ」
名代「有難う御座いまする」
エリート「あの、お伺いさせて頂きたいのですが……」
家老「なんであろうか?」
エリート「つい先日、ヤマタノオロチを討伐されたと伺いました」
魔道士「……」
エリート「それは…まことで御座いましょうか?」
名代「…紛れもなく、倒しました」
帝「本国の皆々には大いに助けられた。感謝しておる」
- 527 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:29:50.05 ID:KWNo5w.o
召喚士「……上様」
エリート「その先にいる者……ご存知であられますよね?」
帝「……うむ」
名代「魔王…ですな?」
エリート「はい。我々の同盟に於いて、最大の目的はそれです」
帝「魔王……討伐か」
皇太子「兵や軍船、その他食糧なども含めて全ての負担は本国が担う」
家老「何と…っ!」
エリート「同盟による有事の際の通行許可、及び道案内等の協力……」
帝「構わぬ」
エリート「……!?」
帝「それについては構わぬ。問題ないぞ」
エリート「…よ、宜しいのですか?あっさりと…っ」
名代「上様が仰るのなら…特に異論は御座りませぬ」
帝「……だ、そうだ」
- 528 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:30:27.93 ID:KWNo5w.o
皇太子「快い返答を頂けて、此方も何よりだ」
帝「いえいえ、此方こそ」
エリート「では…結論と致しましては……」
帝「うむ。お時間さえ頂ければ、同盟の話…問題はない」
エリート「おぉ…っ!」
皇太子「良かった。これで胸を張って帰国出来るな…はははっ」
名代「此方こそ、本国のお力を多々借りる事と相成りそうですが…」
皇太子「うむ、幾らでも協力する。存分に使ってくれ」
家老「これは頼もしい御言葉ですなぁ…!」
魔道士「よ…良かったですねぇ…っ!」
盗賊「…ああ!」
エリート「帝様がご聡明な方で助かりました」
帝「そのような事はない。国主足る者、当たり前の事だ」
戦士「……うーむ。どこぞの王子に聞かせてやりたい」
召喚士「そ、そういえば…同い年だっけ……ははっ…」
- 529 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:30:54.31 ID:KWNo5w.o
〜西方、西の山あい〜
王子「…ぶぇーっくし!!」
西国兵「王子、風邪ですか?」
召喚兵「西方も冷えてきたからなぁ…」
王子「…いや、どうせ神官が愚痴をこぼしてるんだろ」
西国兵「…あ、あぁー」
召喚兵「ですよね〜」
王子「…おい、ジョークなんだから納得するなよ」
西国兵「え、あ…すみません」
親衛隊「王子、この先に魔物はいないようですよ」
王子「だってさ。ほれ、はよ行け」
召喚兵「ちょ、ちょっと!?押さないで下さいよ!」
王子「ちゃっちゃと作らないと、魔王討伐なんて夢のまた夢だぞ?」
西国兵「わ、分かっておりますよっ!」
王子「分かってんならちゃっちゃと進む!もう日も暮れちゃったぞ!」
- 530 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:32:08.96 ID:KWNo5w.o
…
名代「では、これより会食とさせて頂きます」
皇太子「これはわざわざ…」
帝「此方としても堅苦しい会談は早々に終わりとしてくてな…」
皇太子「はははっ、ごもっもと」
家老「皆様方も行きますぞ。お疲れ様でした」
召喚士「いえ、特に何も出来ず……」
名代「良いのです。両国を知る皆様方が証人として携わって頂けた」
エリート「今回も力を借りる事となってしまったな。感謝する」
戦士「なーに、本国と東方…互いの平和の為です!なぁ…?」
盗賊「……ああ」
魔道士「何はともあれ良かったです!おめでとうございます」
隊長「まだ正式に決まったわけじゃねぇけどな…」
西方参謀「まぁな。だが決まったも同然だ…めでたいじゃねぇか!がはは!」
魔道士「そうですよね!えへへっ!!」
- 531 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:32:53.64 ID:KWNo5w.o
…
一同は階下にあたる大広間へと移動し、両国主を交えた会食へと臨む。
広い畳上を、女中らが忙しなく支度を整えている。
家老「さぁさぁ、どうぞ。お掛け下さいませ」
皇太子「うむ」
エリート「失礼します」
皇太子とエリートは椅子ではなく座布団に座るという、
東方の慣れぬ作法に戸惑いながらも、帝と家老に並び上座へ腰掛ける。
名代「楽になさって下さい」
皇太子「ああ、お気遣い感謝する」
返答代わりに一礼すると、名代は帝の脇、一段下がった配膳の前へ座する。
名代「上様も足を崩されたら如何です?正座する必要はございませんよ?」
帝「足を崩すと…下着が見えてしまうではないか。ボソボソッ」
名代「……はぁ」
『着替えれば良いものを』。心で思ったが名代はそれを心中にぐっと留めた。
- 532 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:33:45.52 ID:KWNo5w.o
テクテクテク…ドスッ
戦士「いよっと」
魔道士「はー。なんだか緊張しましたねー」
戦士「まぁ俺らは何もしてないけどな」
盗賊「…うん」
召喚士「とりあえずこれで東方も安心だね」
戦士「西方に続いて…歴史的な立会い人になれたな!」
召喚士「俺達って運がいいのかもね」
魔道士「本当ですね!」
家老「さぁ、お注ぎ致しましょう。杯を」
戦士「おっと、すいません」
名代「隊長殿、西方参謀殿もどうぞ」
隊長「これはわざわざ……」
西方参謀「いやぁ…東方の酒、すっかり気に入りましたぞ!…ヒック」
- 533 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:34:23.90 ID:KWNo5w.o
…
名代「では……」
帝「うむ」
スクッ
帝「今宵……我ら東方は、本国との同盟について承諾するものである」
家老「……」
帝「しかしながら今時点に於いては、東方内部の情勢も不安定であり…」
エリート「……」
帝「まずはこれを解決する事が、本国にとっての誠意となろう」
皇太子「……」
帝「東方一丸となりこれに取り組み、一日も早く同盟を締結する所存である!」
召喚士「……」
帝「ひとまずは目出度き門出を祝い……乾杯!」
魔道士「乾杯〜!!」
皇太子「…乾杯!」
- 534 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:35:10.54 ID:KWNo5w.o
…
家老「いやぁ目出度い目出度い!」
隊長「家老殿、さぁどうぞ」
家老「これはこれは…おっとと!」
西方参謀「…いやぁ以外とすんなりいって良かったですわ…ガハハ」
エリート「それについてなのですが……」
隊長「……?」
エリート「あ、いえ…。後ほどお話致します」
西方参謀「左翼の件…ですかい?」
エリート「……ええ」
ズイッ
皇太子「お前ら…このような席で話をするでない」
隊長「し、失礼致しました」
西方参謀「殿下の仰るとおり。その件については後にしましょうや」
エリート「…ですね」
- 535 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:35:59.63 ID:KWNo5w.o
楽しい宴の席はあっと言う間に過ぎるもの。彼らの会食も同様に、
和気藹々と打ち解けた頃、閉会の刻を迎えたのだった。
テクテクテク
帝「いやはや、今宵はご足労頂き…感謝致します」
皇太子「此方こそ。丁重な御持て成しありがとう」
帝「本日は此処へお泊り下され。それとも…既に手配を…?」
皇太子「お恥ずかしながら何も…。折角のお誘いです、甘んじさせて頂く」
帝「それは良かった。家老、部屋の用意を」
家老「ははっ」
帝「宜しければお見せしたいものが。お時間は良いかな?」
皇太子「無論…喜んで。エリート、少し外すぞ」
エリート「はい」
名代「上様、どちらへ…?」
帝「ん、ああ。天守閣へな」
皇太子を連れ、帝は天守閣への階段を進む。
- 536 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:37:25.73 ID:KWNo5w.o
テクテクテクテク…
帝「ここが天守閣…。普段は使われておらぬが…」
皇太子「……おぉ、これは…っ!」
帝「如何か?此処からは都…いや、更に遠くまで見渡す事が出来る…」
皇太子「絶景ですな。宵闇というのも風情があって良い」
帝「……」
皇太子「月が…綺麗ですなぁ」
帝「……ええ」
二人は夜空に浮かぶ朧月をじっと眺める。
皇太子「上様はお好きですかな?」
帝「帝、で結構。……月は好きですよ。優しい気持ちになれるから」
皇太子「…良い心をお持ちだ」
帝「心……ですか?」
皇太子「月は己の心を映し出すと申してな。きっと綺麗な心をされておるのだろう」
帝「……い、いや…どうであろうな」
- 537 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:38:20.15 ID:KWNo5w.o
皇太子「……帝殿」
帝「…何でしょうか」
皇太子「帝殿は『国』というものをどうお考えか?」
帝「国……?」
皇太子「そう、国……」
帝「難しい質問ですな」
皇太子「はははっ。これは失礼」
スッ…テクテクテク
帝「国は…月と同じではないだろうか」
皇太子「……」
帝「人の心そのもの。それが国のようにも思えまする」
皇太子「……成程」
帝「都合の善し悪しや喜怒哀楽。全てを含めて築き挙げるが国かと」
皇太子「……」
帝「いや、これは私の勝手な解釈だ。忘れて下され」
- 538 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:40:00.12 ID:KWNo5w.o
天守閣の縁に歩み寄る帝の後を追い、皇太子も横に並び返事を返す。
皇太子「いえいえ、感銘しますよ」
帝「……」
皇太子「人と人が助け合うように、国も同じ…か」
帝「……うむ」
皇太子「互いに心通わせる事が出来れば…一つにもなれると?」
帝「…難しいかもしれません。しかし不可能ではないでしょう」
皇太子「……」
帝「だが、私は無理に一つとなる必要はないと思うております」
皇太子「……ほう」
帝「人同様、色々な国があるからこそ面白い。そうは思えませぬか?」
皇太子「…成程」
帝「勿論、多数の国が在らば国同士揉める事もあるでしょう」
皇太子「……」
帝「それを無くすべく解決する者こそ、その国を治める…即ち、我々の役目かと」
- 539 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:41:19.49 ID:KWNo5w.o
皇太子「…いやぁ、深いですな」
帝「そんな事は……」
皇太子「ありがとう、帝殿」
帝「…?」
皇太子「いや、貴重な意見が聞けて有意義であった」
帝「…それは何より」
皇太子「まだお若いのに…しっかりしていらっしゃる!」
帝「と、とんでもない…っ」
皇太子「私も少し気合を入れねばならぬようですな。はははっ」
帝「…頑張りましょう。ふふっ」
皇太子「ええ!はっはははは!」
帝「…それでは戻りましょうか。皆も待っておる」
皇太子「ですな」
帝「…ええ」
天守閣より広がる夜景を後に、帝と皇太子は皆の元へと戻って行った。
- 540 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/09(木) 21:43:22.75 ID:KWNo5w.o
…
エリート「……と、言うわけです」
隊長「……っ」
西方参謀「そうか…。殿下の急な訪問はそういう事もあったのか…」
エリート「東方滞在中に何とか一手打たねば…」
隊長「かしこまった。我らも何かしら考えてみよう」
西方参謀「……しかしだな、難しいですなぁ」
エリート「右秘書官殿、右文官殿も動いてくれているとは思いますが…」
召喚士「そういえば…青年兵くんは一緒じゃないんですね」
エリート「えっ?あ、ああ…青年兵か……」
戦士「…?」
エリート「青年兵なら単身、東方司令部に潜り込んでいるよ」
魔道士「だ、大丈夫なんですか!?」
エリート「……おそらく」
召喚士「……?」
- 542 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/09(木) 22:42:39.38 ID:NsOdQIQ0
>>1乙!
皇太子「月が…綺麗ですなぁ」
帝「…え、」
名代/エリート「ロリコンかよっ/ですかっ!!」ガタッ
雷忍「ぐぬぬ。」
- 559 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/10(金) 01:24:09.56 ID:qMm.NYAo
I love you => 月が綺麗ですね
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