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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その34
112 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:07:43.09 ID:BmSSuEqbo
〜最西端、古代遺跡〜

シュウウゥゥゥゥ…

魔道士「う……うぅっ」

西方参謀「どうした?」

魔道士「大気が圧縮されて……何か、凄い嫌な感じです……っ」

盗賊「……凄い威圧だ……っ」

戦士「ああ、押し潰されそうになるぜ……」

バシュウウゥゥゥゥ

コカトリス「これ程のものとはな」

召喚士「うん。流石は魔王、イブリース」

ゴウッ!!

召喚士「!?」

イブリース「……お待たせした。さぁ、死合い再会といこうかァ!!」

ボフッ…シュウウゥゥゥゥ

召喚士「く……うぅ……っ」


113 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:08:25.09 ID:BmSSuEqbo
煙が徐々に薄れていくと、その中より満月に照らされた魔王イブリースが姿を再び見せる。

その身は人間よりやや大きい程度と形を変えており。先程のような凶悪さは感じない。

しかしながら、密度の濃くなったその内側は明らかに今井までとは異質であり、

既に対峙する者達の精神を圧倒、士気や戦意を徐々に削り取っていた。

ザッザッザッザ

イブリース「すまんが見ての通りの大きさだ。まとめて始末は出来ん。1人ずつ殺すとする」

男隊員「んだとぉ!」

イブリース「さぁ、誰からいくかね」

グッグッ

格闘家「……はあぁ!!」

天才「バカヤロ……」

ドガッ……ゴッシャアアァァァァ!!

格闘家「…………ぅ」

戦士「何が……起きた……っ?」

天才「ただの蹴りだ。超高速ゆえに見えなかったけどな」


114 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:08:58.64 ID:BmSSuEqbo
ガラガラガラッ…ゴトッ

青年兵「格闘家さんが……い、いきなり後方に……」

イブリース「すまんなぁ。このナリでは加減が分からん」

戦士「て……んめぇ!!」

天才「落ち着け。サシでやりあったら二の舞だぞ」

戦士「……っ」

天才「自分で言ってたろ。あの姿じゃ複数の相手は難しい。だったら多対一に持ち込むのが道理」

戦士「……分かったよ」

西方司令「頭痛いいぃぃ!! しっ、死ぬううぅぅぅぅ!!」

天才「ゴチャゴチャうるせぇんだよテメーは! これでも持ってろ!」

戦士「おいっ、それゾディアック……」

パシィッ

西方司令「……ふーっ、落ち着いた。さて、我が力……とくとお見せ致そうか」

スッ…チャキッ

西方司令「この戦……勝てる。神聖なる大地においての生業、神よお許し下され」


115 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:09:41.25 ID:BmSSuEqbo
ズオオォォォォ

イブリース「さと、次は貴様か?」

クルッ…ジロリ

イブリース「それとも貴様にするか?」

隊長「ふざけやがって……」

男隊員「隊長、行くぞ。部下がやられて黙ってろって方が無理だ」

隊長「無論だ。特遊の意地、見せてやるぞ!」

女隊員「おぉッス!!」

ザザッ…ダダダッ

イブリース「次は貴様等かっ、よかろう……来るがいい!!」

隊長「でりゃああぁぁ!!」

西方参謀「援護しろぉ! 魔力の続く限り撃てぇ!」

ドンッ!!…ドンッ!!…ドウンッ!!

魔道士「当……たらないっ!」

召喚士「ワルキューレ!!」


116 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:10:32.71 ID:BmSSuEqbo
ブリュンヒルデ「はああぁぁーっ!!」

イブリース「小生意気だぞ召喚獣ウウゥゥ!!」

チッ……ガシィ!!

ブリュンヒルデ「――っ!!」

イブリース「ハァーッハッハッハッハ!!」

ゴシャアアァァァァ!!

オルトリンデ「ブリュンヒルデ!」

ロスヴァイセ「来るえあよぉ!」

イブリース「どけどけどけどけええぇぇぇぇーッ!!」

ドゴォッ!!…ズッシャアアァァァァ!!

イブリース「あと4匹ッ! 3匹ぃ! 2匹いいぃぃ!」

サモナー「召喚士くんっ! 解除だっ、召喚解除を!」

召喚士「く……っ」

シュイイィィィィン

イブリース「さぁ、戯れは終いだ。食らえいぃ!」


117 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:11:04.23 ID:BmSSuEqbo
シュイイィィィィン

青年兵「食らうのは貴様だっ!」

バハムート「ゴガアアァァァァ!!」

イブリース「バハムートかッ、やるじゃあないか!」

ガシィ!!

青年兵「なっ!?」

イブリース「空の覇者でも気取るか? しばし地上で寝転んでいるがいい……ハッハッハッハァ!!」

グオォッ……ドグッシャアアァァァァ!!

マーマン「掴んでそのまま……叩きつけただとぉ!?」

バハムート「グッゴオオォォォォ……ッ」

青年兵「バ……ハムートを……片手で一撃……?」

ドサッ

召喚士「青年兵くんっ!」

サモナー「彼は僕が看る、召喚士くんは他の援護にあたってくれ」

召喚士「……り、了解です」


118 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:12:10.74 ID:BmSSuEqbo
ズダンッ

イブリース「さぁ、行くぞおおぉぉぉぉ!!」

ゴアッ…ゴゴゴゴゴゴ

イブリース「ウラアアァァァァーッ!!」

男隊員「迎撃ぃ!!」

女隊員「いよぉいっしょおおぉぉぉぉ!!」

グワッ!!…ドッズウウゥゥゥゥン

女隊員「かわしたっ!?」

ズギャッ

イブリース「かわしたつもりはない。ただ、近づいただけだ」

女隊員「――――っ!?」

ガシッ……ボキィッ!!

女隊員「うああぁぁぁぁ!!」

隊長「女隊員っ!!」

イブリース「ハァーッハッハッハ! 人間は本当に脆い生物だな」


119 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:15:15.88 ID:BmSSuEqbo
男隊員「てんめぇ……っ!!」

ダッ!!

イブリース「ハーッハッハッハッハッハッハァ!!」

バギャッ!!…ズガアアァァン…ゴトッ

男隊員「が……ふっ」

隊長「貴様ああぁぁ!!」

イブリース「もう少し楽しめるかと思ったが……」

ザスッ…グググッ

隊長「……ぐ……くっ」

イブリース「この程度か」

西方参謀「何でだ……何で魔法が当たらない……っ」

魔道士「ううぅぅ……っ!」

イブリース「……貴様、変わった奴だな」

隊長「……っぐ」

イブリース「腹を貫かれて、血も出さぬとは」


120 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:15:51.54 ID:BmSSuEqbo
隊長「筋肉締めりゃ……んな事……容易なんだ……よっ」

イブリース「……フンッ」

ブンッ…ドシャアアァァ

魔道士「うぅ……っ!」

天才「魔道士共は合体五行だ」

西方参謀「効く相手か!?」

天才「やるだけやれ。魔力ぐらい削げんだろ」

ザッザッザ

西方司令「行きますかね、師匠」

天才「ふーっ。どうやら……東方戦には参加出来そうもねぇわな。ハーッハッハ!」

西方副司令「全身全霊を込めて……援護しますっ!」

天才「いくぞおぉ!!」

西方司令「神よっ、お導きあれ!」

ズダッ…ヒュオッ

天才「五行おおぉぉぉぉ……聖!!」


121 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:16:51.34 ID:BmSSuEqbo
西方司令「神聖なる槍の力、味わうが良いっ!」

ズガシュウウゥゥゥゥ

イブリース「この槍だ……この槍が厄介なものよ」

天才「今だ撃てええぇぇ!!」

西方参謀「いいんだなっ? ちっ、合体五行いくぞ!」

マーマン「おうよ!」

西方魔道長「もう残り僅かだけども……やるしかないねぇ!」

魔道士「やああぁぁーっ!!」

西方副司令「いっけええぇぇ!」

ドッドオオオオォォォォン!!

イブリース「ヌウゥッ!!」

ゴガガガガッ…パアアァァァァ…

サモナー「頼む……っ、これで大人しくなってくれ……」

盗賊「もう……手はないんだ……っ」

イブリース「グオアアァァァァ!!」


122 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:17:21.69 ID:BmSSuEqbo
バッシイイィィィィン!!

召喚士「――っ!?」

シュウウゥゥゥゥ…

イブリース「ガッハアアァァッ、ハァーッ、ハァーッ、ハアアァァァァ……ッ」

西方副司令「これでも……駄目……なの……」

ヨロッ…ドサッ

西方魔道長「すまないねぇ……もう、魔力枯渇だよ……っ」

西方司令「化物め……っ。神は……救いはないのか……」

ドシャッ

天才「イブちゃんよぉ、言うだけあって……アンタ強えぇわ」

ガシッ…ブラブラ

イブリース「残念だったな人間共。だが光栄に思え、この俺様もなかなか追い詰められたぞ」

ドゴォッ!!…パラパラパラッ…ドサッ

魔道士「天才さんっ!!」

天才「…………」


123 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:17:58.34 ID:BmSSuEqbo
イブリース「残るは貴様等と……」

マーマン「……っ」

マーメイド「……マーマンっ」

サモナー「マーメイド、距離を取るんだ」

イブリース「あとは……貴様等か」

戦士「結局、俺ら4人は一緒みてぇだな」

盗賊「……だが、死ぬわけにはいかぬ」

魔道士「もちろんです。最後まで……戦いましょう!」

召喚士「ええ。みんなを救う為に。そして王子が来るまでは絶対、やられるわけにはいかない!」

イブリース「まだ戦意を失わないとは。大した度胸! 褒めてやるぞ!」

戦士「盗賊、行くぞ」

盗賊「ああっ!」

ヒュバッ!!

イブリース「甘いわああぁぁ!!」

ドッドオオォォォォン!!


124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:19:34.13 ID:BmSSuEqbo
イブリース「!?」

マーマン「俺っち達も居る事っ、忘れんじゃねぇぞ!」

マーメイド「サモナー、こっちの魔力はいいから皆の回復に費やしてっ」

サモナー「ああ、すまない!」

イブリース「たかが水程度で俺様が怯むかよおおぉぉ!!」

魔道士「だったらあぁ!!」

ドッドオオォォォォン…ガガキイイィィン!!

戦士「凍りついた!」

盗賊「今だ!」

シュバッ!!…ガキイイィィン!!

盗賊「……ちっ、やはり効かぬか」

戦士「任しとけ」

ググッ

イブリース「……オオ……オオォォォォ!!」

サモナー「まずいっ、氷が砕かれるぞ!」


125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:20:22.71 ID:BmSSuEqbo
盗賊「戦士、構わず居合いに集中せよっ」

戦士「!?」

盗賊「私が……盾になるっ」

魔道士「盗賊さんっ!」

召喚士「いや、大丈夫です。盗賊さんなら……」

盗賊「し……っ! はあぁーっ!」

バキイイィィィィン!!

イブリース「一瞬、間に合わなかったな……ハーッハッハッハァ!!」

ブオォッ…バシャッ!!

イブリース「――ッ!?」

盗賊「水遁……霧隠れ」

イブリース「小賢しいわああぁぁーッ!!」

ブオンッ…ビシャアッ!!…バシャッ!!

イブリース「えぇい、なれば……本物にブチ当たるまで殴り続けるのみだああぁぁ!!」

盗賊「……っ」


126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:21:00.31 ID:BmSSuEqbo
マーマン「戦士まだかよっ、盗賊ちゃんの魔力もそろそろ限界だぞっ!」

戦士「……いいぜ、いける」

ザッ……タァンッ!!

戦士「おおぉぉぉぉーっ!!」

魔道士「雷付加……いきますっ!!」

ズッザアアァァァァ!!

戦士「新生雷切……居合いいぃぃ!!」

イブリース「――ッ!!」

ズッガアアアアァァァァ!!

戦士「っりゃああぁぁ!!」

イブリース「グ……ックヌウウゥゥ!!」

ザザザザアアァァ…スタッ

マーマン「ど、どうだ……っ?」

イブリース「……ハッ、ハァーハッハッハッハ!」

戦士「……ぐうぅ!」


127 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:21:32.10 ID:BmSSuEqbo
ズダッ

マーマン「な、何が……」

戦士「ぐああぁぁ……っ!」

ガクンッ…ドシャッ

イブリース「今の一撃は良いっ! 見事だったわ! だが到底、俺様には及ばぬ」

召喚士「すれ違いざまにカウンターを……っ」

イブリース「殴り飛ばすのは無理だったがな。剣筋が分かりやうい分、対策も容易いものよ」

サモナー「戦士くんは超一流の使い手だ。彼の居合いを見破るなんて……不可能に近いのに」

イブリース「攻撃を受ける場所にイフリートを予め配置するだけ」

ザッザッザ

イブリース「それで斬った奴は体内に灼熱を浴びる羽目に遭う。ハァーッハッハッハ!」

ザッザッザ…ガシッ

イブリース「体中が燃えるように熱く苦しかろう。楽にしてやるぞ」

戦士「……っ」

召喚士「その手を離せ、イブリース!!」


128 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:22:03.01 ID:BmSSuEqbo
イブリース「……んー?」

召喚士「まだ、俺が残っている。負けたわけじゃない!」

イブリース「貴様には見えぬのか? この絶望的な景色が」

召喚士「……っ」

イブリース「四方に転がる貴様の仲間。もはや全員が虫の息ではないか」

召喚士「まだ死んだわけじゃない。活きている限り……勝ち目はあるんだ!」

イブリース「……ハァーッハッハッハ!! よかろう、ならば見せてみよ」

ブンッ…ドシャアアァァ

イブリース「貴様が死ねばここに居る全員にトドメをさす」

召喚士「……」

イブリース「救いたくば、貴様が行き続け、そして戦い続ければ良い」

召喚士「やってやるさ……!」

イブリース「そうだ、かかってこい! 力こそが他者をねじ伏せられる唯一の手段!」

召喚士「違う! そんな考えだから魔物は悪に走るんだ!」

イブリース「強き者が弱き者を支配して何が悪い!」


129 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:22:48.41 ID:BmSSuEqbo
召喚士「だったらお前もっ、負ければ支配されるんだぞ!」

イブリース「そうだ! この俺様を支配してみせろ! 力でねじ伏せてみせよ!」

召喚士「行けぇーっ! コカトリス!!」

イブリース「それが出来れば、貴様等人間の勝利ぞ!!」

ゴウッ!!…バッシュウウゥゥゥゥ!!

イブリース「たかが石化アアァァ! 俺様のジンで自ら浴びるが良いわアアァァ!!」

召喚士「コカトリス……俺の魔力を全て……つぎ込む!!」

コカトリス「ああ、全力を出せ。そして……奴を止めるのだ!」

イブリース「食らええええぇぇぇぇーッ!!」

召喚士「いっけええぇぇ!! 真……コカトリス!!」

ギュオッ!!…ドドドドドドオオォォォォ

マーマン「何だぁ!? コカトリスの吐息が逆風に……!?」

サモナー「あれは先日の……っ!」

ゴッゴオオォォォォ!!

召喚士「ああああぁぁぁぁ!!」


130 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:23:18.31 ID:BmSSuEqbo
イブリース「こ……んなものおおぉぉぉぉ!!」

ガシュッ!!…ズゴゴゴゴゴッ

マーメイド「まずいっ、捕まったわ!」

イブリース「グ……クククッ! このまま……握りつぶしてくれよ――」

ドドオオォォォォン!!…ガカアアァァァァ!!

イブリース「――ッ!?」

魔道士「くっ、はぁ……はぁ……はぁっ」

召喚士「今だああぁぁ!! 貫けええぇぇぇぇ!!」

コカトリス「おおぉぉぉぉ!!」

イブリース「――――ッ!!」

ボンッ!!……ボッゴオオオオォォォォ!!

イブリース「んな……っ」

マーマン「やった……!!」

ベキビキッ…ビキィッ!!

サモナー「イブリースが……石化しているっ」


131 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:23:45.96 ID:BmSSuEqbo
イブリース「ヌ……オオ……オオォォ!!」

ベキビキビキッ…ミシィッ!!

召喚士「が……っはぁ、あ……っ」

コカトリス「振れるものを全て石と化す我が一撃だ。その威力、とくと味わうがよい」

イブリース「ヌオオォォォォ……グッガアアァァ!!」

ビキビキビキィ!!…ガキンッ

召喚士「イ、イブリース……お前の言う通り……力でっ、ねじ伏せてや……ったぞ」

ドシャッ

魔道士「召喚士さんっ!」

マーマン「すげぇ……っ、あいつ……やりやがったぞ!」

ピシッ

魔道士「え……っ?」

ピシピシッ…パリッ

サモナー「そ、そんなまさか……っ」

イブリース「ウ……オオオオォォォォ……アアァァァァ!!」


132 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:24:30.43 ID:BmSSuEqbo
バキバキビシィッ!!…バッギイイイイィィィィン!!

マーマン「うおああぁぁ!!」

魔道士「きゃあぁっ!」

ゴトゴトゴトッ…ズドンッ…ガシャッ

イブリース「…………」

召喚士「そん……な……」

シュウウゥゥゥゥ

コカトリス「枯渇……時間切れか……」

バスンッ…シュイイィィィィン

イブリース「力でねじ伏せる事は出来なかったな。貴様等の敗北だ」

召喚士「……ま……だだっ」

イブリース「立ち上がる力も残されていないというのに、強がるな」

バキィッ!!…ドサッ…ゴロゴロッ

イブリース「さぁ、まとめて地獄へ送り届けてくれるわ!!」

魔道士「……くうぅっ!」


133 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:25:02.25 ID:BmSSuEqbo
ザッ

イブリース「焦るなよ。まとめて地獄へ行けるチャンスなのだぞ?」

マーマン「何をぬかしやがるっ!」

イブリース「せめてもの慈悲じゃあないか。それとも、個別に地獄へ行くか?」

マーマン「んだとぉ!!」

イブリース「ハァーッハッハッハ! 大人しくしていろ!」

マーマン「ぐあ……っ!」

バチィッ!!

イブリース「さぁ、俺様の奥義を今こそ見せてくれようかッ!!」

バシイィッ!!

イブリース「イフリートオオォォ……ジンッ!!」

ゴアァッ!!…ゴゴゴゴゴゴッ!!

魔道士「かっ、風が逆流してる……っ」

サモナー「周辺の大気を……自身に取り込んでいるのかっ!」

イブリース「火と風が凝縮して集まり……爆発すればどうなるか、想像してみるがいい!!」


134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:26:15.67 ID:BmSSuEqbo
〜西方、最西端〜

傭兵「おっりゃああぁぁ!!」

ザシュッ…ズザァ

親衛隊「くそっ、王子はまだなのかよ……っ」

踊り子「みんな頑張って! アタイ達も頑張って踊り続けるからさぁ!」

西国兵「ありがとよっ。お前さんらが踊ってると本当に力が湧いてくるよ!」

ダンサー「戦いが終わったら……もっとサービスしちゃうわよんっ♪」

西国兵「……ごくっ」

フワァッ

魔道兵「……ん?」

親衛隊「何だ? 風が吹き始めたか……?」

傭兵「だがおかしい。今までと違って、西に風が流れてるぞ!?」

ゴアァッ!!

踊り子「な、何……きゃああぁぁーっ!!」

親衛隊「ふ、吹き飛ばされ――」


135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:26:54.20 ID:BmSSuEqbo
ゴアアアアァァァァ!!

西国兵「……う……うっ」

傭兵「……いっつぅ」

踊り子「な、何なのよ……もう……っ」

フラッ…ノソッ

親衛隊「……な、なん――!?」

ドドオオォォォォ

イブリース「ハァーッハッハッハッハッハ!!」

傭兵「しまったぁ!! 魔王の……」

イブリース「……まだ人間が居たのか」

戦士「ぐっ、ま……まずい……っ」

天才「!?」

踊り子「なっ、何!? 魔王……えっ!?」

天才(何で民間人がいるんだよ……くそがぁ!!)

親衛隊「それよりもっ、皆が……そんな……」


136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:27:35.22 ID:BmSSuEqbo
ズダッ

マーマン「ボーっとしてんじゃねぇ! 逃げろ!」

傭兵「あぁ!?」

サモナー「魔王の攻撃がくるっ! 早く逃げるんだ!」

魔道兵「しかしっ、し……司令や皆まで……っ」

魔道士「やあぁっ!」

ドドオオォォォォン!!…バシィッ!!

イブリース「もう無駄だ。貴様の残り魔力じゃ、俺様には遠く及ばんよ!」

踊り子「ま、魔道士ちゃん……?」

魔道士「――!? な、何でここに……っ!!」

イブリース「さぁ、せっかく来たんだ。貴様等もまとめて地獄へ送ってくれるわぁ!!」

傭兵「こうなったら逃げるとか言ってらんねーだろっ! 俺は……戦うぜ!」

親衛隊「もちろんだ!」

西国兵「本国の魔道隊は負傷者の救助を!」

魔道兵「り、了解っ!」


137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:28:04.88 ID:BmSSuEqbo
ズゴゴゴゴゴゴッ

マーマン「バカどもがっ! 仕方ねぇ……やるだけやってみっか」

傭兵「どうすりゃいい?」

マーマン「魔法は?」

傭兵「からっきしだ」

マーマン「なんだよ……っ! しゃーねぇ、とにかくイブリースの動きを牽制してくれ!」

親衛隊「心得た!」

西国兵「もうすぐ王子が帰ってくる! それまで踏ん張るぞ!」

ダダッ

踊り子「よーし、アタイ達もやるよっ!」

ダンサー「おーっ!」

マーマン「な、何だお前ら!? 何するつもり――」

〜♪

踊り子「まぁ見ててよっ! アタイ達の踊りで……みんなを元気にするんだからっ!」

マーマン「はあぁ!?」


138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/28(月) 18:28:36.50 ID:BmSSuEqbo
傭兵「不思議な事にな、こいつらの踊りにゃあ本当に力があるんだよ」

マーマン「どうなっても……知らねぇぞっ」

〜♪

踊り子「さぁみんなっ! 諦めちゃ駄目! 絶対に生きて帰るんだからねっ!」

フワァッ…パアアァァァァ

イブリース「……?」

ピクッ

女隊員「……ぅ」

隊長「ぐ……っ」

ググッ

西方副司令「……ま、魔力が……っ」

戦士「何だ……これっ、身体が……痛みが……っ!」

イブリース「何だこれは……っ!? 何が起きている……どういう事だああぁぁ!?」

魔道士「凄……いっ、凄い! 凄いっ! 踊り子ちゃん達の踊りでみんなが……っ」

召喚士「魔力が戻ってくる。何が起きているんだ……?」



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