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魔帝「X'masを楽しむ愚者への復讐だ」男「魔法使いめぇ!」の続き
1 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:25:15.54 ID:HjIsosMt0
あらすじ

あるクリスマスイブ。クリスマスが誕生日の男は彼女とデートをしていた。
デートの締めくくりである食事を終え、彼女をホテルに誘う男。
誘いは当然の如くOK。そして男は脱童貞へ……
彼女の貞操をいただかんとするまさにその瞬間――――彼女がモノへと姿を変えた。
彼女の死体を目の当たりにした男は混乱で頭が働かない。そして現れた一人の男……
漆黒を身にまとった男は、自らを『魔帝』と名乗り、クリスマスへの復讐を宣言する。
それは、30年間貞操を守りぬいた男たち―『魔法使い』―が、これまで虐げられてきた
怨みつらみを晴らすべく行われたカップルたちへの殺戮行為であった。
魔法使いたちはクリスマスでにぎわう街に魔法で火を放ち、建物を壊し、カップルたちを地獄へと導いていた。
魔帝は男を殺そうとするも、男はそのとき30歳童貞となり魔法使いの片鱗を見せていた。
魔帝は考えを変え、男をクリスマスへの復讐部隊―『魔法結社』―へ誘い込む。
しかし、怒り心頭の男は魔帝に向かってコンドームの箱を投げつける。
魔帝は交渉決裂といった具合に男を殺そうと魔法を放った。しかし――――。
男が目を覚ました時、男は汚らしいアパートの一室にいた。
冬に不釣り合いな格好をしたデブが魔帝から男を救いだしていたのだ。
デブは自らを『神』と名乗り、魔帝軍を討伐する計画を立てていた。
男はデブのもとで修業し、魔法使いとしての能力を発揮できるようになる。
そして始まった魔帝軍VS『神』率いる魔法使い軍の戦い。
激戦の中、政府の送り込んだ素人童貞部隊、通称『白魔導部隊』が男女ペアとなって戦場へと足を踏み入れる。
政府の作戦は相手を魔法使いでなくすこと、つまり女とヤって、童貞卒業作戦である。
白魔導部隊は女の楯となり、敵魔法使いとヤらせるという無謀な行為を行う。
これにより戦場は乱交パーティー状態となった。ここで男が一人の少女と出会う。
その後、死線を潜り抜け、男は魔帝の根城であるビルに侵入をはたす。
デブ(神)らとともにビルを進んでいくと、その先にいたのは魔帝3将の一人である『引籠のひろし』。
ひろしは得意の空間魔法で魔法使い軍を閉じ込める。しかし、デブ(神)はその空間を割り、男とともに先へと進もうとした。
だが、ひろしの魔法が少女をとらえ、男は少女を助けるために空間に残ってしまった。
デブ(神)は魔帝を必ず倒すと言い残し、先へ行く。
はたして、魔帝は倒せるのだろうか……男の激闘が今幕を開ける。


2 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:26:41.16 ID:HjIsosMt0
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293106647/l50
前のです。とりあえず立て直してみました。


3 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:29:10.43 ID:jEffmxpCO
待ってた


4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:29:47.69 ID:x3Ih0HbxO
>>1
サンクス

以下ラーメンスレ


5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:33:53.67 ID:HjIsosMt0
味噌ラーメンが好き。


6 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:36:13.85 ID:HjIsosMt0
そして、そして話は戻ってビル10階。

俺と少女とパペットはさとしと対峙していた。

さとしと俺達の間にあった透明な壁には、

先ほどまで人であった鉄のはじけたものがこべりついていた。

しかし、それもすぐに消えた。

そう、さとしが魔法で作ったその壁を消したためだ。

「さぁ、誰からくる?まぁ俺に攻撃が届くとは思えんがな」

「くくっ、なら私から行かせてもらいましょう」

「パペット!?」

「大丈夫ですよ。なぁに、首をスッと捻ってやれば道は開けるんですから……」

パペットはそういうと人形を取り出し、首を握った。


7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:41:24.59 ID:HjIsosMt0
「傀儡呪殺」

パペットが人形の首をひねる。

「っ!?」

さとしの首の血管が浮き上がり、はじけ飛びそうになる。

しかし、瞬間にさとしはにやりと笑みを浮かべ、手を天井に向けた。

「『隔離された理想郷への扉(ニジゲン=ドアー)』」

さとしの魔法攻撃が俺達に襲いかかる。

それは……

「なんじゃこりゃああぁぁ!?」

そう、美少女やかわいいキャラクターがその扉を開けて出てきたのだ。

「ふっひゃああぁ!!ミッ●ーだぁ!!りらくまにグルーミーもぉ!?」

……だれだ?と思うほど、パペットは別の人になっていた。


8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:43:12.94 ID:HjIsosMt0
と、そのキャラクターたちがパペットの腕を押さえつけると、

別のキャラクターがパペットを袋叩きにした。

「ぐっ!?うぐぅ!?」

なすすべなくパペットはフルボッコにされた。

ドッ――――。

パペットが倒れる。フルボッコにされ、ぼこぼこである。

とはいっても、口と思われるところから血がにじんでいる程度にしかみえないが、

好きなキャラクターにボコボコにされる彼はさぞやすがすがしい顔なのであろう。

「ふん、他愛ない……」

「くくっ……何が……他愛ないの……ですか?」

ゆらり。

パペットが立ち上がる。

「ひと時の夢心地をありがとうございます……

 お礼にその減らず口、塞いで差し上げますよ」


9 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:44:49.67 ID:HjIsosMt0
そういうパペットは袖の下から小さな人形をあたりにばらまいた。

「なんだそれは?」

「私は操り人形が大好きでね……小学校のころからこの格好をしていたよ……」

それは重症だ。

「私を見る人間はみなさげすんでいたよ。そんな中でも、人形は裏切らなかった……」

心があれば、通じ合うことだってできる。

こうやって首をもぎ取るのも愛情表現だと、パペットは言った。

だが、俺にはそれは違うだろという思いでいっぱいだったが……

「この空間内を制する私に勝てると思っているのか?」

あの扉から出てきた2次元キャラクターたちが壁となり、パペットに立ちはだかる。

「くくっ……人数は多い方がいい……それは私の味方なのだから……」

「なんだと?」

「踊れ、傀儡共……傀儡の楽園(マリオネット・エリシオン)!!」

からからと音を立て、ばらまかれた人形が立ち上がった。

そして、2次元キャラとの交戦が始まった。


10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:46:33.84 ID:HjIsosMt0
2つの軍勢が戦うなかで二人はにらみ合う。

さとしは笑う。なぜなら圧倒的に有利と確信しているからである。

さとしの操るキャラ軍はパペットの軍の数も大きさも圧倒しており、

挙句、特殊能力をも使うキャラも少なくない。

「おぉおおぉ!!幻想殺し(イマジンブレイカー)!!」

「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

おおよそ数分でけりがつくことが予想された。しかし、その予想を反し、

パペットの操る軍はその小ささを生かし、敵を翻弄した。

「ちっ、何をしている!早く殺せ!」

すぐに終わると思っていた乱戦が長引くことで、徐々にさとしがいらだち始める。

そして……

ぴたっ――――。

敵軍の動きが止まった。

「!?」

「くくっ、さぁ、踊れ!傀儡共!!」


11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:50:15.41 ID:HjIsosMt0
同志討ちを始める敵軍。

そして、いつのまにかパペットはさらに人形の数を増やしていた。

「くっ……洗脳魔法だと……?」

「くくっ……この軍勢、いただきました……さぁ、かわいい人形たちに殺されなさい……」

さとしの軍勢はつぎつぎに寝がえり、徐々にその数を減らしていった。

代わりにこちらの軍として、敵キャラたちが味方となっていく。

「終わりですね……このまま魔帝ともども首をとって上げますよ……くくっ」

「バカが……私はこの領域の中でならすべてを圧倒できる……

 この場で最強の内弁慶(ウォーリアー)なのだからなぁ!!

 おおおぉぉぉおおおお!!!!!」

さとしが声を荒げ、姿を変える。

その姿はRPGでもよく見かけるアレだアレ。

「ギャアアオアオオオオォ!!!」

さとしは ドラゴラムを となえた。


12 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:51:13.70 ID:HjIsosMt0
「ギャアアァァァァアア!!」

叫びとともに、灼熱の業火を部屋一面に吐きだした。

「っ!!」

俺は、少女をかばいながら剣に魔力を集中させる。

「くくっ……なかなかやりますね……」

グアッ!!ぷちっ!!

業火によってキャラクターが灰になったかと思うと、

その炎にまぎれてドラゴンがパペットを踏みつぶした。

「うぐっ!?」

「シ……ネ……!!」

パペットの顔に向かって、業火が吐き出される。

「うぎゃああぁぁぁああ!!」

悲痛な叫びとともに、パペットは焼かれていった……


13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:53:12.21 ID:HjIsosMt0
俺、少女、そして奴が残るこの部屋。

パペットもやられ、ドラゴンがこちらを見る。

部屋の中は人間やこの会社の備品だったと思われるものが灰と化していた。

「なんて出鱈目な……」

「フハハハハッ!!この空間で俺に勝てる奴はいない!!死ねェ!!」

再び業火が吐き出される。剣で受けるも、伝わる熱気は俺たちの体力を削っていく。

「クソアマ守って王子様気取りか!?さっさとシネぇ!!!」

口から炎を吐いているのによくしゃべれるものだな……

しかしこのままではまずい……死ねる……

「すまない……もしかしたら君を守りきれないかもしれない……」

「……死ぬ覚悟はできています」

奴を倒す方法はいくつか思いつくが……

若干厳しいのがこの少女を守りながらという制限があること……

「さぁ!!とっととくたばれええぇぇ!!」


14 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 16:57:14.63 ID:HjIsosMt0
「おおぉぉおお!!」

俺は、剣を盾にしながら炎の中を斬り進んだ。

「なっ!?」

「であっ!!」

ズシャッ――――。奴の口元を斬りつける。

「このっ……ガアアァァァアア!!!」

「ぬぅんっ!?」

炎の次は氷……まさにRPGの世界に入った感じだ……

「貴様はそれほど名のあるものでもないだろう!!下っ端が!!

 貴様のような奴は強い奴の後ろをひっついてここまできたんだろうが!!

 何をしぶとく俺の攻撃に耐えてやがる!!」

氷を吐き続け、しゃべるこいつに感服する。俺なら舌をかんじまうだろう。

「確かに、俺はちょっと前まで単なるリーマンのヒラだったさ!!

 だがな!お前らが俺をこの復ひゅ……」

……かんだ。


15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:00:50.49 ID:HjIsosMt0
「お前らが俺を復讐の道に引きずり込んだんだ!!」

改めて言いなおして、再び奴を斬りつける。

「ぐっ……単なるヒラリーマンのくせに……この俺に……」

「お前なんて万年ニートだろうが!!」

「ふん……国の餌にされるような奴よりはましだろう……」

パキパキッ……

「っ!?」

「驚いたか?俺の魔法は固定空間魔法……

『断絶されし孤高の空間(この空間の中)』では

 いかなるものも俺を超えることはできん……」

奴の傷が治っていく。

「やれやれ……本当に骨が折れるぞ……こいつは……」


16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:03:38.10 ID:HjIsosMt0
奴の攻撃を紙一重でかわしながら、奴を倒すための構図を練る。

1、これほど強力で巨大な空間魔法を持続的に使用しているわけだから、

  まぁ普通に考えて、奴の魔力が尽きるのを待つ。

2、魔力消費を激しくするために、奴にダメージを与え続ける。

「よし、これしかないな」

「あん!?なにがこれしかないって?」

「っ!?」

気付けば、奴の尾が俺の背後にあった。

ミシッ、ドゴォン!!

壁に弾き飛ばされ、再び奴の口から業火が放たれる。

「うぐっ!!」

間一髪というところで、剣を防御にまわし、直撃を免れる。

しかし、作戦を変更せざるを得なくなってしまった。

そんなことをしていては間に合わない、そう感じたからだ。


17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:04:58.37 ID:HjIsosMt0
「くっくっく……さぁ……シネ……」

「うっ……」

ぱかっ――――。

「?」

奴の頭に石があたる。

「っ……!!このっ……!」

少女が奴に石を投げつけていた。

「……この腐れビッチが……」

「やめ……」

ブンッ!!ズシャッ!!ガッ!!

奴の尾が、少女を弾き飛ばす。壁に激突した彼女は死んだように力をなくした。

「ふん……後で丸焼きにしてやる……」

「おっ……おおぉぉおおお!!」

「ぬっ!?」


18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:07:21.17 ID:HjIsosMt0
奴の炎を薙ぎ払い、少女に駆け寄る。

「っ……だ……いじょう……ぶ……です?」

少女は生きている。それだけで俺は安心する。

「ふん、俺達を倒し終わったらヤる予定なのか?腐れビッチが……」

「……そんなわけないだろう……

 彼女も、思うところがあってこんなところに来たんだ……」

「ほう、自殺でも死に来たってのか?殺されてぇなら殺してやるよ。

 そいつの首を綺麗に刎ねてやる。お前の首と一緒に並べて魔帝に献上してやるよ」

「!!」

こいつは今、何といった?彼女がビッチ?違う。殺してやる?違う。

少女の首をはねる。そういったのだ。

その瞬間、俺の脳裏に死んだ彼女の姿がよみがえった。


19 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:08:57.21 ID:HjIsosMt0
奴の爪が鋭い剣のように伸び、俺に向けられる。

「魔法での攻撃が効きづれぇなら、こいつでぶっ殺してやる」

「お前は……お前たちは……また俺の前で……」

「あぁん?」

「絶対にそんなことさせねぇ!!」

剣に持てる力をありったけ込めて逆手にもつ。

『想いを込めろ。なんでもできると思いこめ。強く願うんだ』

デブの言葉。想いが力に変わる。それを信じ、俺は地面に剣をつきたてた。

「……で?」

「…………」

「ふん、剣を置いて諦めたか?」

ぴしっ……。ビシビシッ

地面にひびが入り、さらにそれが亀裂となり部屋全体を覆っていた空間を破壊した。


20 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:11:00.11 ID:HjIsosMt0
「なっ!?なんだと!?」

奴が驚くと同時に、姿も巨大な竜ではなく元の人間に戻る。

引籠りも、部屋がなくなれば無力になる。

そんな感じで、無力と化した奴の胸を貫いた。

奴の唯一の弱点は領域の消失だ。

奴は何もできないままその場に崩れ落ちた。

「…………」

俺は、剣を元に戻すと、再び少女を抱き起した。

「……大丈夫か?」

「はい……大丈夫ですよ……トラックにはねられたくらいの衝撃ですから……」

結構な衝撃じゃねぇか……


21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:15:27.54 ID:HjIsosMt0
「ぐっ……ぐっふぅ……」

「っ、まだ生きてんのか!?」

奴の声が聞こえた瞬間に再び剣を解放した。

しかし、奴は地面に這いつくばったまま動かなかった。

「まさか部屋ごと破壊されるとはな……恐れ入った……」

「黙れ、お前らは最低だ。残るは魔帝のみ、お前らの計画もここでおしまいだ」

「ふん、はたしてそうかな……」

「なんだと?」

「とんだ三文芝居だったぜ」

何を言ってるんだ?

「よく聞けお前ら……入口で聞いたあれはただの芝居だ……」

入り口での……あのデブとこいつとのやり取りのことか。

「たとえそれが本当だとしてもどうだというんだ?」

「わからんのか?ここを抜けて戦う相手は……つまり萌拳ということが……」

「なっ……」


22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:18:09.03 ID:HjIsosMt0
「奴はある夫婦を殺されて組織を抜けた。

 だが、その後また組織に戻ってきた奴は今回の計画を提案してきた」

「な、何のためにそんなことを……」

「わからんか?我々の目的はカップル撲滅だ。

 しかし正義感を抱く魔法使いもいないわけではない。現に、我々に相対するお前らがそれだ」

さとしは倒れたまま、続けた。

「そんな連中を根絶やしにするためにデブはこの計画を提案してきたのだ。

 そういった魔法使いを集め、我々と戦わせ、消し去るためにな」

「う、うそだ!!デブは……俺を育ててくれた!!」

「それも作戦のうちだろうよ。結束が強ければ強いほど、打ち砕かれた時の絶望は大きいからな。

 考えても見ろ、デブは今まで俺たちと戦ってきて傷ついていたか?不自然なまでにな……」

「あ……」

そういえば、息は上がっていたが、デブが大きなけがをしているところはなかった。

「つまり、万全の状態でお前らを討てるようにしてたんだよ……」


23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:19:33.09 ID:HjIsosMt0
「くっ……」

「俺が倒してもよかったんだがな……ここは萌拳の顔を立ててやる……」

デブがけがをしていないのは、デブが言っていた通り、デブが強いからだと思っていた。

だが、それにしても怪我の量が俺たちと比べてはるかに少なかったのは……

こいつの言うとおりだとすれば理屈が通る……

「行くがいい……この先にいるのは貴様らが先導に立たせていた者だ……

 真の絶望が拝めないのが残念……」

パキュッ―――。

言いかけて、まるでビンのふたを開けるかのような音をたて、さとしの首がはじけ飛んだ。

「くくっ……神が我々を裏切るとはな……だが、貴様のようなゲスに……」

そう言って、焼けただれたパペットは本当に力尽きた。


24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:20:15.39 ID:HjIsosMt0
「…………」

絶句した……

あの会話での違和感は……やはり芝居だったと、こいつは言った……

ならば、この先にはデブが俺達と戦うために待っているはず……

俺は……俺は……

「行きましょう」

立ちつくす俺に、少女が声をかけてくれた。

「本当に……あの人が敵かどうか……それはわからないですけど……

 でも、先に進まなくちゃそれもわからないんです……」

少女が手を差し伸べてくれる。

「それに、彼を信じて進んできたじゃないですか……」

……そうだ。俺達はデブを信じてきたんだ。

それをここで……ここで……

「……ありがとう……行こう」


25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:22:03.53 ID:HjIsosMt0
ビル20階―――。

俺と少女は階段を駆け上がっていた。

『大丈夫だ。必ず奴を倒す』

そういったデブが先の部屋で魔帝と戦っているはず。

さっきまでの戦いがなければそう信じられていた。

『この先にいるのは貴様らが先導に立たせていた者だ……』

奴の言葉がよみがえる。

本当にデブは魔帝と戦っているのだろうか……

『……男、この先、だれに何を言われても、俺を信じて戦いに臨んでくれ』

くそっ、デブは……本当に……俺たちの味方なのか!?

想いは揺らぎ、疑心暗鬼になる。

そして、駆け上がった先の20階の扉を開く……

薄暗いその先に見えたのは…………


――――――激しく戦った傷跡の残る部屋だった。


26 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:25:01.93 ID:HjIsosMt0
「これは……」

息をのんで気配を探りながら辺りを見回す。

薄暗い中で闇討ちにあう可能性がないともいえない。

細心の注意を払いながら先に進む。

しかしこの部屋に残る傷跡は……

どれだけ激しい戦いが繰り広げられていたというんだ……

「っ!」

「……ーッ……」

いる。

人の気配がする。

一人、気配を押し殺すようにいるのがわかる……

俺は瓦礫に身を隠しながら、気配を隠し、それに近づいた。


27 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:28:38.31 ID:HjIsosMt0
「…………きたか」

「っ!」

デブの声だ。

気配は一つ。つまりそれはデブ一人ということだ。

確認しなければならないことがいくつかある。

デブは味方なのか?

デブの本当の目的とは?

そのほかにもいろいろと……

俺は瓦礫から飛び出し、デブの姿を確認した。

「デ……」

言いかけて、言葉が詰まった。

「……よう……いいカッコ……みせちまったな……フーッ」

「……デブ」

そこには、

―――右腕、左脚を飛ばされ、わき腹をえぐられ、壁に磔にされたデブの姿があった。


28 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:34:02.25 ID:HjIsosMt0
もう助からない。

見ただけでわかった。

息をするのも苦しそうなデブ……

いつもの労作時の息切れなどではない。

本当に肺がつぶされたような呼吸だった。

「……」

どう声をかければいいかわからない。

味方かどうか、目的はどうか

そんなことが些細な事のように思える光景だった。

「笑えよ……べジー……」

「……笑えねぇよ」

冗談は言えるみたいだが……大丈夫じゃねぇだろ……


29 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:36:32.12 ID:HjIsosMt0
「悪いな……こんな……カッコ悪い姿見せちまって……」

「……馬鹿野郎……かっこ悪くなんか……」

「そか……よか……ヒューッ……」

「っ、待ってろ!今下ろしてやる!」

駆けつけようとすると、デブは顔を俺に向けてにらみつけてきた。

一瞬、体がひるんで動けなかった。

「すまんな……声……出すのもヒューッ……あんまできん……」

「デブ……」

「聞け……」

このままでいいから、と、言葉にしなくてもわかる空気。

デブは話しはじめた。


30 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:38:07.69 ID:HjIsosMt0
「前に言ったこと……俺の目的……なんだが……ヒュー……

 俺……子ども……好きでな……笑顔……見れるだけで……幸せだった……

 フィギュアとかも……子ども達に影響され……ヒュー……好きに……

 俺……はじめ……世間から蔑まれ……ヒュー……嫌で……魔帝に……手を……貸……

 でも……カップル……いなくなると……子どもが生まれなく……なるから……

 だから……魔帝……とめ……ようと……してた……ヒュー……」

デブが必死に、俺の聞きたかったことを伝えてくれる。

普段の会話で内容を解釈していたら、『幼女好きの危ない変質者』と思っていたかもしれない。

しかし、今、このデブ……いや、男は、自分の目的が正しいことであると

必死に俺に訴えかけてくれていた。

俺の頬に涙が伝う。

「俺……ここで……ドロップ……アウトだ……」

「デブ!」

デブに聞こえるように叫ぶ。奴に届くように、しっかりと耳に届くように叫んだ。


31 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:40:28.16 ID:HjIsosMt0
「お前の意思!確かに受け取った!魔帝はこの俺が絶対に倒す!

 安心しろ!必ず!絶対に!奴を倒してみせるから!」

自分で叫ぶ声が震えているのがわかった。

「男……ヒュー……」

デブが言いかける。

「……なんだ」

「……ありがとう……俺……を……信じ……て……くれ……て……」

そういって、デブの動きが完全に止まった。

デブの機能がすべて停止する。

デブは、すべてを俺に託して―――――逝った。


女神よ―――。仇を討てなくてすまない。

俺のすべては―――この男に託すから……


「っ――――デブーーー!!!!」


32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 17:42:14.60 ID:HjIsosMt0
彼の体を地面に下ろす。

いつまでも壁にその身を晒すのは、あまりにも酷だったから。

彼の勇姿は俺に受け継がれる。

「……ひどい」

「行こう」

魔帝を倒す。

それだけを胸に、俺は最上階へと駆け出した。


35 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:06:12.13 ID:HjIsosMt0
第5章 魔帝決戦

奴を倒す。

それが今からやる、最後の戦いの結末だ。

異論は認めない。

だってそうだろう?

関係のないカップルが一人の嫉妬で殺され、

無関係の人間も、その嫉妬に賛同した連中に殺されていったんだ。

結末はいつでもハッピーエンドが相場ってもんだ。

なぁ、神よ。

「あの、一ついいですか?」

階段をかけながら、少女が言う。

「何?」

少女が若干うつむきながら言う。

「死亡フラグ立てないでくださいね」


36 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:15:30.60 ID:HjIsosMt0
「は?」

「い、いえなんでもないです」

「?」

「えっと……その、私も、隙を見て魔帝の魔力を奪えるよう努力しますので……」

「……つまり、奴と」

「…………」

魔力を奪うというより、童貞を奪うと言った方が正しいな。

まぁ、結果的にそうなるとは思うが……

「ただ、その……」

「……言いにくいとなら言わなくていい」

「いえ……もし隙があったら……」

「……隙があったら?」

「……奴に勃●させる魔法をかけてもらえませんか?」

「…………」


37 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:22:47.80 ID:HjIsosMt0
彼女曰く、白魔導士が敵に勃起の魔法をかけてこの作戦は成り立っていたという。

よく考えて見ればそうか。戦争中に勃●なんかしながら戦う連中がいる

……とは限らんこともないかも知れんが……

短時間作業命のその作戦なら、そうした方がより確実だしな。

「しかし、たぶんそんな隙ができるとは思えんな……」

「……ですか。わかりました。では、私が裸になって……」

……それで敵を視覚的に?無理がありすぎる。

大体、奴に近付けるかどうかもわからないというのに……

しかし、彼女の表情からは、本気の発言だとうかがえる。

俺は……

「……大丈夫だ。君は必ず守る」

仇をとるために、身を犠牲にしようとする彼女を守りたい、そう思った。


38 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:25:15.03 ID:HjIsosMt0
最上階――――。

階段を登り切った先、その先の扉の前に俺はいた。

ここを開ければ、奴が見えるはず。

そう、俺の彼女を殺した。

俺の師匠である神(デブ)を殺した。

奴が。

俺は、扉に手をやり、それを引いた。

中では、俺達が来るのを待っていたといわんばかりの姿で、マントに身を包んだ。

奴がいた。

「最近の30代は、部屋に入る時ノックもしないのか?」

「生憎だが、貴様如きにくれてやる挨拶はないな」

「ふふっ、そうか。そんなに憎いか?この私が」

「……あぁ、憎くて憎くてたまらないな。

 今すぐその首を胴からサヨナラさせてやりたいくらいだ」


39 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:28:10.53 ID:HjIsosMt0
「おー怖い怖い。私をあの女のようにしたいか」

剣を握る拳に、力が入る。

「俺の彼女を殺した貴様から生きる資格を剥奪してやる。

 神(デブ)をあんな姿に……すぐに殺さずに磔にした貴様を

 痛めつけてから殺してやる……」

「萌拳か……惜しい男をなくしたものだ……」

「……何言ってやがる……お前が……殺したんだろうが……!!」

「くっくっく……まさか私達に持ちかけてきた作戦自体が奴の罠だったとはな……

 奴はほぼ無傷でここまで来るようにして、お前たちを討つように我々に提案してきたが、

 まさかほぼ無傷の状態で私を討つため……

 しかも、私とタイマンで勝負するために持ちかけた提案だったとはな。感服だよ」

デブは……この男を倒すために、ここまで巧妙に作戦を練っていたのか……

いかに無傷で、こいつを倒せるかを考えて……

「だが、下らん感情に流された奴だ。人情だの愛情だの……」

「くだらなくなんかない!!」


40 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:29:52.93 ID:HjIsosMt0
「ほぉ……」

「お前みたいなやつが感情をそんな風に言う資格はない……」

「まぁ確かに、感情が人を変えることだってあるさ。

 この私もそうだ。カップルが憎くて憎くてたまらない。

 憎しみという感情でここまでになったのだからな」

「っ……」

「さぁ、おしゃべりも終わりだ。

 カップルを守ろう、地球を救おうという貴様の意思ともども打ち砕いてやろう」

「ほざけ!それはこっちの……」

駆け出す。先手必勝。奴が構える前に全力でたたく。

「台詞だあああぁぁぁぁあああ!!!!」


41 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:31:31.53 ID:HjIsosMt0
ブンッ。

空を切る剣。魔帝の姿が消える。

「ふん、萌拳の弟子はそんなにも弱いのか?」

「っでやああぁ!」

斬りかえし、声のする方へと切っ先を移動させる。

しかし、それもむなしく空をきった。

「この動きすら見切れぬ貴様が私を倒すなどとよくもほざいた」

「うるさい!お前はここで……」

魔帝声のする方を目掛け、剣を投げつける。

「残念、はずれ賞をくれてやろう」

魔帝の指先からピンポン玉程度の暗黒球が放たれる。

それは俺の脇腹をとらえ、壁に弾き飛ばした。

「ぐはっ!!」


42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:34:25.43 ID:HjIsosMt0
「弱い、弱いぞ!そんなものでかたき討ちとはな!よくぞいった!!」

「くっ……」

確かに、今の俺の腕じゃ奴にかなうのはかなり厳しい。

だが、力を持つものは過信するもの……

現に奴は俺を一撃で倒す力を持っていながら、俺をいたぶっている……

奴の虚をつくしか、俺に勝ち目は……ない。

「ふん、剣を手放して武器もないまま私に勝負を挑むか?」

「うるせぇ……肉弾戦の方が案外強かったりするんだぜ……」

「そうか、ならば私も肉弾戦……」

そういった奴は、先ほどよりも巨大な、直径50pはある暗黒球を作り出した。

「!?」

「なわけないよなぁ!!」

それが放たれ、俺は再び壁に押しつぶされた。


43 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:44:20.95 ID:HjIsosMt0
「バカが。肉弾戦が強いだと?ならば遠距離で攻撃するにきまっているだろうが」

「くくっ……たしかに……その通りだな……」

「ほう、まだ立っていられるとはな」

体が砕けるように痛い。しかし、そんなことを言っていられる状態ないわけでもない。

奴を倒す機会を見つける。それだけだった。

「だが、もう私に一太刀入れることすら不可能だろう。現に剣も手放している……」

剣は奴を挟んで向こう側にある。

「もう休め。永遠に目覚めることなくなぁ!!」

次に繰り出された暗黒物体は先ほどよりもさらに巨大なものだった。

奴の表情は満面の笑みだった。これで俺を殺した、そう思ったのだろう。

「それが過信というもんだ!!」

「!?」

剣術、体術、魔術……あらゆる技術をデブから教わった中で伝授された奥の手。

それを今、俺は解き放った。


44 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:51:45.48 ID:HjIsosMt0
「魔法ってのはそいつの想いや考えがつまったもんだ。

 それが具現化されてこんな感じででてくる。」

デブがそういうと、手から炎を出した。

「教えた通り、俺達は魔法防御をかけて、それを打ち消しながら戦うのが基本だ」

「だからちゃんとやってんじゃねぇか」

「だが、時にはそれをもうまく利用することができる」

「は?」

「つまり、その魔法の想いや考えなんかをすべて否定する魔法だ」

「……意味がわからん」

「打ち消すだけでなく、まぁ、簡単にいえば――――」

――――今こそ使うぜ、デブ!お前が俺に教えてくれた奥の手……

『相手に、返す魔法だ』

俺は大きく手を広げ、その暗黒球を体で受け止め、魔法を使う。

「『存在否定(生理的にあなたの存在を受け入れることができない)』!!!」


45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:53:48.50 ID:HjIsosMt0
暗黒球が魔帝に跳ね返される。

「ぐっ!?跳ね返され……」

「お前の想いが詰まった魔法だ!その身に味わえ!!」

「嘗めるなああぁぁ!!!!」

魔帝がそれよりも巨大な暗黒球を作り出そうとする。俺はそのチャンスを逃さなかった。

「これで……」

「だああぁぁぁ!!」

暗黒球と暗黒球が相殺される。

そして、俺は魔帝に向かってチェーンを投げる。

「っんな!?」

影になって見えなかったであろうそれは、

魔帝の体にまとわりつくと、肉に食い込むようにして奴を縛りつけた。

そして、俺は魔法を唱えた。

「『彼女との想いで(元あるべき姿へ)』」


46 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 19:59:24.95 ID:HjIsosMt0
そう、ネックレスのチェーンに向かって、剣は引き寄せられる。

奴を挟んで向こうにあるそれは、チェーンに向かって元の姿に戻ろうとしていた。

「ぐああぁぁぁ!!」

魔帝は鎖を引きちぎろうとしている。

「くっ……」

間に合え。願うその先にあるのは、魔帝の胸を貫いた光景だった。

ピキッ。

魔帝を縛るチェーンにひびが入る。

そして……

ザクッ――――。剣は魔帝を貫いて、本来のネックレスへと戻った。


47 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:03:53.65 ID:HjIsosMt0
「……やった、勝った」

勝利。奴は倒れ、俺は生きている。

俺は勝ったんだ。

俺は彼女とデブの復讐を果たしたんだ……

そう……奴をたおして……

「……ぃ……!」

おっと……奴を倒して安心して……意識が遠退いて……

少女が何か言ってるな……何を言っているんだ?

「……なぃ……!前を見てください!!危ない!!」

危ない?どういう……

振り返り、再び魔帝の倒れたところを見る。

――――――黒い球体が、俺の目の前にあった。


48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:05:46.00 ID:HjIsosMt0
ドゴシャッ!!メキメキメキッ!!

骨の砕ける音、血管の切れる音、皮膚がはじける音

全身の細胞すべてが死んだんじゃないかと錯覚する衝撃が俺を襲った。

「ふん……味なまねを……」

俺の剣は魔帝の脇腹を掠めていていたが、致命傷には至っていなかった。

「だが、なかなかの奇策だった。少しひやりとしたぞ?」

「…………」

「これがお前の大切なものか……」

奴が俺のネックレスを握って、俺に見せつけてくる。

「ふははははっ、良い思い出(過去)など消えてなくなってしまえ!」

グシャッ――――。

ネックレスは、変わり果てた姿となって地面へと吸い込まれていった。


49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:07:08.57 ID:HjIsosMt0
体もボロボロ、骨も砕け、内臓もいくつかやられている……

おまけに最後の奇策も奴をとらえることができなかった……

そして、奴に俺の思い出(すべて)を壊された……

もうだめだ……

そんな時だった。

『あきらめないで……』

声が聞こえた。それは今は亡き、彼女の声……

そうか、これが走馬灯というやつか。

『この神の意思を受け継いでくれたのではないのか?』

デブ……そうだったな……でも……無理そうだ……

『まだお前は死ぬべきじゃない。見ろ、お前を今支えてくれる……』


うっすらと、意識が戻ってくる。

目の前に、そう、俺を待ってくれたのは……

「男さん!!お願い!!たって!!」


50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:10:03.01 ID:HjIsosMt0
そうだ……俺はこんなところで負けられない……

何としてもこいつを討つ……

そう誓ったんだ……

「ほう……もう、動く力もないと思っていたんだがな……」

「ほざけ……」

必死で立とうとするも、力が入らない。意識はあるのに、立ちたいのに……

そんな中、俺を心配して少女が駆けつけてくれた。

「男さん……しっかりしてください……」

「あぁ……」

口では簡単に言えるんだがな……

くそっ……

「……私にできること……私に……」

少女も必死になって考えてくれる。だが、魔法使いでもないこの子が何ができるわけでもないだろう。

「3分間待ってやろう。その体で逃げられるなら逃げてみろ。ふははははっ!!」


51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:13:21.95 ID:NT4ydcrA0
早く脱げよ
童貞捨てさせてよ


52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:17:43.96 ID:HjIsosMt0
「あっ……」

少女が何か思いついたように声を小さく上げた。そして、しばらく考えたのち、

「……男さん……ごめんなさい」

少女が謝ると、いきなり俺のズボンを脱がせ、モノをくわえ、そして始めた。

「んなっ!?」

声を上げたのは俺と、魔帝だ。

少女は必死に舌を使って口を上下させる。

「何を……」

立ちたいのは山々だが、そこではない。

少女よ、いったい何を考えているんだ

「…………」

音を立てながら、それは激しさを増し……俺は絶頂を迎えた。


53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:19:35.58 ID:HjIsosMt0
「んっ……」

ぼたぼたと、口からそれをこぼす少女。

それを見て、震える者が一人……

「貴様……この魔帝を前にして……そんなことを……」

魔帝だ。声が怒りで震えている。

「3分と言ったがそれもナシだーーー!!!今すぐ死ねぇぇええぇぇえ!!!」

魔帝の手から放たれるそれは、俺たちが戦い始めて一番デカイ暗黒球だった。

部屋を破壊しながらそれは少女と俺に向かってきた。

「っ!!」

少女が息をのんだ。


パァン


54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:20:42.56 ID:HjIsosMt0
「なっ……」

暗黒球が消える。俺が触れた瞬間にシャボン玉が割れたように消え去った。

「貴様……まだそんな力が……」

魔帝が何か言っている。わからない。いや、わかるがどうでもいい。

「ふぅ……」

一息つく。体が妙に軽い。まるで幽霊になったように軽かった。

「くたばりぞこないがああぁぁ!!」

魔帝が連続に暗黒球を放つ。

しかし、それも俺の目の前に来ては俺が指で弾いてシャボン玉のごとく霧散させる。

数十発撃ち終えた魔帝が、驚きのあまり撃つ手をやめた。

「な……な……貴様……どうし……っ!」

「……」

魔帝が見るのは地面に落ちる白濁液だった。

「そうか……貴様……なったのだな!!賢者に!!!」


55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:21:35.99 ID:HjIsosMt0
賢者。

1、一般的に賢い人のこと。賢人(けんじん)。

  反対は愚者。著名な思想家を指して使われることもある。

2、キリスト教新約聖書に登場する占星術の学者たち。

  東方の三賢者あるいは東方の三博士。マギ。

3、中世ヨーロッパの騎士道物語に脇役として頻繁に登場する智慧者、特殊能力者。

  また、これを下敷にしたファンタジー作品に登場するキャラクターのひとつ。

参照: Wikipedia

「魔法使いが……女の力を借りて賢者にだと!?ふざけるな!!」

再び暗黒球が放たれるが、それは同じく俺の前で霧散する。

代わりに、俺が同じような白い光の球で魔帝に応戦する。

俺の手から放たれたそれは、魔帝を直撃する。

「ぐっ……こんなもの……こんなものでえええぇぇぇえ!!」

グワッシャアアアアァァアン!!!


56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:22:38.29 ID:HjIsosMt0
地面を崩し、魔帝が体制を崩す。

俺は地面に落ちたネックレスを拾い上げると、

それを握り、再び剣へと再生した。

俺は軽い体を動かし、奴に剣を振るった。

「うごっ!!」

奴の両腕が飛ぶ。

「ぐあああぁぁぁ!!」

断末魔ともとれるような叫び声を上げる。

腕が飛んだくらいじゃないか。

まだ命はあるんだ。

次は両足をなぎ払った。

「んんんんんぁつ!!!」

声にならないような悲鳴を上げる魔帝。

―――――――まだ、命はある。


57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:26:16.34 ID:HjIsosMt0
都市伝説でいうところの達磨女のようなそいつをみて、

殺意とも憤怒ともつかない感情が俺の中で渦巻いている。

どうでもいい、こいつを殺すことが俺の使命だ。

そう言い聞かせて、魔帝ののど元に剣の切っ先を突き付けた。

「し……ね……」

「うわああぁぁぁああ!!」

涙を流す魔帝……

子どものように泣く奴の最後は……

まるで…………

そう…………まるで…………


――――――― 一人ぼっちの さみしい 男の子の姿だった。


「だめぇ!!!!!」

ズシャッ―――。


58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:27:44.58 ID:HjIsosMt0
エピローグ

「ねぇばあちゃん、まほうつかいっているの?」

「んー、そうだねぇ……この世にはいっぱいいるだろうねぇ」

「わー!じゃあぼく、まほうつかいになる!」

「ふふっ、だめよ」

「えーなんでさ!かっこいいじゃん!ひをはなったり、こおりとばしたり!

 いけっ!えたーなるふぉーすぶりざーど!」

「ふふっ、ばあちゃんはね。その魔法使いさん知ってるよ」

「えぇ!?ほんとう!?」

「あぁ、本当さ。その人はね、ずっと一人で山の中に住んでるのさ」

「やまのなかぁ?」

「そうさ。今じゃ年も80歳になってるんじゃないかなぁ」

「おじいさんじゃん!」

「ふふっ、失礼だねぇ……まぁ、魔法使い、

 というよりも、今じゃ仙人になっちまってるだろうけどねぇ」


59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:28:43.59 ID:HjIsosMt0
カーッ

カラスの鳴き声で目が覚める。

あれから数十年たった。俺は人里離れて森の中で生活をしている。

復讐のため、とはいっても、所詮は人殺し。

そんな後ろめたさを感じて、俺は人と接するのが嫌になったんだろう。

魔法を使えるのは当たり前。だから生活には苦労しない。

今ではデブやあの魔帝以上に能力を使いこなせている。

「…………」

手が震える。最近はずっとそうだった。

人間、自分の最後くらいわかるものなのだと感じた。


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:29:38.43 ID:HjIsosMt0
「さぁて……そろそろ、俺も行くとするか……」

あの日、魔帝を殺してから、感じたこと。

どんな悪人でも、魔法使いであったとしても、

一個の人間だということ。

最後は、彼も素の自分に戻っていた。

俺は、そんな彼を殺した。

俺が殺したかったのは、憎しみを抱き彼女を殺した魔帝だ。

殺意を失った人間などではない。

だから、俺があやめたのは『人間であった魔帝』だったのだ。


61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:30:41.01 ID:HjIsosMt0
「俺も、すべてを清算する……」

自らの胸に、あの日の剣を突き付ける。

『おつかれさま』

彼女の声が聞こえた。

『よくやってくれたな』

デブも、俺をほめてくれる。

『コラ、来い』

『わっ、ちょっ……』

デブと彼女の後ろから、ひょろい根暗っぽい男が出てくる。

すぐに分かった。こいつはあの魔帝だ。

『……ごめんなさい』

素直に謝る彼に、むしろ俺が謝りたかった。

「ふふっ……みんな……ありがとう……」

みんなに会えて、俺は……自らの胸に剣を突き刺す前に―――。

――――――カランッ。


62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:32:01.52 ID:HjIsosMt0
――――――――――。

「たかし……ごはん、ここに置いとくね……」

ドアの向こうで声がする。

「ねぇ、たかし、今日はクリスマスなんだし、ちょっと外に出てきても……」

たかしは ドラゴラムを となえた。

「うっせぇババァ!!さっさとあっちいけ!!」

「…………」

たかしは、パソコンに向かってSSを書き続けた。

ネットでは俺は無敵なんだ。そう思いながら、憎しみの果てを描き続けた。

「くそっ!!クリスマスだと!?ふざけんな!!

 クリスマスってのはキリストの誕生日だぞ!?

 そんなもん楽しむ奴らなんか死ねばいいんだ!!

 この話は!!俺からクリスマスを楽しむ愚者どもへの復讐(プレゼント)だ!!ひゃははははっ!!」

そう言いながら、サンタ衣装を着た長門で抜いて、たかしは床に就いた。

END


63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:32:22.47 ID:NT4ydcrA0
チンポしゃぶってたら挿れたくなったらしい彼女、可愛すぎる!!!
俺も彼女をすっげぇ愛おしくなって、今日は二回エッチしたよ。
丁寧に舐め上げてくれるフェラも心底気持ちよすぎた!!!
もう死んでもいいくらい幸せ!


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 20:49:23.62 ID:oYDGqZDGO
落ちひっでえな
詰まらんかった、よくこんなのおもいついたな
書いてあるのはラノベのパクリ
劣かもいいとこだわ

じゃあの


65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:00:36.54 ID:HjIsosMt0
>>64
あ?ふざけんなコラ
理解力乏しいんじゃねぇの?
がんばってもこの程度ってのは認めるけどな、
とやかく言われる筋合いないわ。
うるさい、黙れぼけかす


66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:02:04.14 ID:I8tmcnxc0








67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:03:58.53 ID:HjIsosMt0
デブ's ストーリー(蛇足)

小さいのころから女子にきもがられ、男子に馬鹿にされ散々な毎日を送っていた。いや無理もない、

所詮人間どもには神の考えなど理解できるはずがないのだから。

中学卒業と同時に社会にでて働くも、人間どもは俺に命令するばかりですぐにやめてニートに。

そして暇をもてあました神は27歳で再び青春に返り咲くため、一般高校に受験。そして見事合格。

しかし周りに理解されない俺は高校を辞める。所詮、神と人間とではすむ世界が違うのだ。

家でだらだらと過ごす毎日。人間と接する機会はない。まぁ神は貞操を守る義務があるのだからかまわないが。

俺はいつも部屋の中でPCに向かっていた。

そんな神である私は、本当に神と呼ぶにふさわしい能力を身に着けていた。

それは、狭い世間一般でいうところの『魔法使い』と呼ばれる者の力に相違なかった。

30過ぎでその力を身につけ、家の中で力を自在に使いこなせるように練習に励んでいた。

いつしかそれは、巨大な空間を制御できるまでに成長していた。

そんな俺が、女神と崇めるものがあった。

「幼女最高、俺の嫁にふさわしい」


68 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:04:43.84 ID:oYDGqZDGO
実際よくできてて感心した

だがたかしは許さない、絶対にだ


69 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:05:52.56 ID:HjIsosMt0
そんな俺に一通のメールが舞い込んできた。

そいつは世界のカップルを根絶やしにすることを目的に魔法使いの軍団を作っているらしい。

俺は、組織を作り上げる奴をトップとして認め、

自分が神であることを条件に、名目上、その軍団の隊長として君臨した。

そんな神である俺が、とある女神に恋をした。

それは、コンビ二に食料を買った帰りの話だ。

「1243円になります」

会計を済ませ、自宅のアパートに向かう。

タバコを吸おうと公園に立ち寄ると、近くの幼稚園の児童が遊んでいた。


70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:07:39.18 ID:HjIsosMt0
「あー、ちーちゃんそんなことしちゃだめだよー」

なんかしらんが、ガキどもが遊んでいる。

ふん、所詮貴様ら人間は下等な遊びでしか己を満たすことができんのだ。

タバコを吸おうとライターを取り出すと、

「ねー、おじさん」

背後から声が聞こえた。

「誰だ!俺の後ろに立つやつは!」

ぐるんと振り返ると、そこにいたのは園児だった。

いきなり振り返り、びっくりしたのか顔が一瞬こわばっていた。

しかし、それもすぐに笑顔に変わった。

「えへへーっ、おひげおもしろーい」

高貴に伸ばした無精髭を指差し、幼女はわらっていた。

恋に落ちた。


71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:10:24.02 ID:HjIsosMt0
「ぷっりきゅあだー!」

幼女は俺の服を指差してそういった。

「いいなー!」

服に興味津々だ。目がきらきら輝いていた。

「こら!ちーちゃん!勝手にきちゃだめでしょ!

 すみません、この子がご迷惑を……」

「あ……いや……」

その後すぐに連れて行かれていた。

俺はその後、彼女にもう一度会えないかと考え、

彼女の興味のありそうなものをもって公園に出かけた。

そう、フィギュアだ。


72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:11:48.50 ID:HjIsosMt0
ネットで調べ、購入。それを持って出かけ、案の定また園児たちが公園に来ていた。

そしてフィギュアを何体も持っていっていた俺は、

幼児たちにたちまち大人気の人物となった。

まぁこのご時世、下界(人間の世界)では不審者がはびこっているというが

周りの大人は笑ってこそこそ話しながら俺を見ていた。安心して預けられると思ったのだろう。

まぁ俺は神であるからして、それの本質を見抜いた人間たち、というところだろう。


「あの人、気持ち悪いわね」

「でも、子どもたち嬉しそうだし、なんかあったら真っ先にあの人疑えばいいでしょ」

「なんかあったら遅いでしょ」

「大丈夫ですって。キモイけど、面倒見よさそうだし」

「…………」


73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:14:29.13 ID:HjIsosMt0
「ねぇ!フィギュアちょうだい!」

「そうだな、またいいのが手に入ったらやろう」

本当はフィギュアなどいらないのだが、手持ちの所持金をはたいて買ったものだから

いかんせん金がない。次のものが手に入らないと、

公園に来ても彼女らは俺に近づいてこないだろう。

これは餌だ。女神を神の元に集めるための。

「ちぇー……」

「すまんな」

「うん!ままにかってもらえるようたのんでみる!」

「そうするがいい」

幼女の頭をなでてやる。

「えへへーっ」

……俺は、この笑顔を見ているだけで幸せだった。


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:15:46.87 ID:HjIsosMt0
数日後、コンビニで彼女の姿を見つけた。親とともに買い物に来ていたようだ。

「ねーまま、あれかって……」

「あー?なんでこんなもんかわなきゃなんないの」

親……DQNというやつだ。若いし、子どもの面倒見もめんどくさそうにしている……

「ったく、だからつれてきたくなかったのに……」

「ごめんなさい……」

能力を使って奴をこらしめてやろうかと思った。

これでは彼女がつらい思いをするのは必至だ。

「……まぁ一つだけだったらいいよ」

「やったー!ままありがとー!」

「あーうるさい。さっさといれな」

……彼女にとって、あれでも母親。

神である俺も、無力を感じた。


75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:16:40.45 ID:HjIsosMt0
数日後、ニュースが流れた。奴らがやったらしい。

『カップル惨殺事件』

ついに表に出るようになった事件。

人間が死のうがどうでもいい。

そう思っていた。

『殺されたのは○○区在住の××さん26歳とその妻××さん24歳』

住所はこの近く。その苗字、聞き覚えがあった。

女神の名前だ。

それを聞いて、俺は公園に走った。


76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:17:23.36 ID:HjIsosMt0
彼女はいない。当たり前だ、いるわけがない。夜だし。

それから、それが彼女の両親であることは、

数日後に幼稚園児が来た際に、一緒に来ていた彼女から直接聞いた。

「あのね、もうわたしひっこさなくちゃならないの」

「……」

「ままね……ぱぱと……いなくなっちゃったの……

 だからね……おじさんところにいくの……」

彼女が泣いている。慌てて教員が来て彼女を連れて行った。

俺は、それを聞いて本部にこの近辺の魔法使いに招集をかけるよう要請した。


77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 21:43:18.31 ID:sIGYvnmYO
保守

もちろん彼女の妹のその後の話もあるんだよな?





いや書いてくださいお願いします



78 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 22:02:44.78 ID:HjIsosMt0
「誰だ、××夫妻を殺した奴は」

緊迫した中で誰が手を上げるでもなく、時間だけが過ぎていった。

「萌拳よ、我々の目的はわかっているな」

魔帝がそういう。

「だからどうした」

「ならばこれは当然のことであろう?なにがいいたいんだ貴様は」

「俺の女神に傷をつけた奴がいる。そいつを殺すといっているのだ」

「それはお門違いではないか?任務遂行に足枷をつける気か?」

「俺の女神の笑顔を奪った奴を出せといっているんだ」

「……ふぅ……私だ。目の前をちんたら腕組しながら歩いていた奴らが気に食わなかった」

犯人は魔帝だった。殺す、こいつを殺す。

俺は怒りを込めて奴に殴りかかろうとした。

しかし、それを一瞬にして思いとどまらせた。


79 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 22:04:21.19 ID:HjIsosMt0
奴の力は未知数。神である私の力を持ってしても、五分の力といってもいいだろう。

仮に私が今、奴を倒したところで、魔法使い軍団が今後カップルを襲わないとも限らない。

カップルがいなくなれば、子どももいなくなっていくだろう。

さらに、もう子どものいる夫婦だとしたら……

『ままね……ぱぱと……いなくなっちゃったの……』

女神と同じ末路をたどらせることになる……

それだけは……

「俺はここを抜ける。魔帝、貴様の意思、打ち砕いてやる」

「……ふん、お前が私に逆らうとはな」

憤怒の気を解き放つがごとく、部屋全体ににらみを利かせた。

若い連中は泡を吹きながら倒れていく。

「子どもの未来は、笑顔は……俺が守る」

「……どうぞ、お好きに」

そして、俺はその軍団の門を閉じた。

――――――――再び来る時は、ぶち壊すことを心に秘めて。


80 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 22:06:48.85 ID:HjIsosMt0
これでおしまいなんだ。

>>77 妹は考えたけど話が膨らまない……

とりあえず人いなかったけど、投下完了です。見てた人はありがとう。

最後に


今年のクリスマスはおしまいだ。

来年こそはきっと魔法使いたちが……きっと……


81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 22:37:49.62 ID:oYDGqZDGO


ふとしとねーちゃんの件で少し感動してしまって死にたい


82 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/25(土) 22:53:33.33 ID:05Ycvfh70


なんでねーちゃんで泣いてしまったんだろ


83 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/25(土) 23:52:23.66 ID:awnbTruZO

面白かった



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