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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その16
431 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 16:09:39.80 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、南門〜

エリート「……」

西方参謀「静かすぎるなぁ……」

西方副司令「逆に不気味ね…」

西方司令「そんな…っ。すみません…うぅぅ…」

ザッザッザ

エリート「会談のタイミングに合わせて…仕掛けてくる」

西方参謀「…?」

エリート「頭になかったか、と言えば…嘘になる」

西方参謀「そりゃあそうでしょうなぁ…。ひっく…っ」

エリート「だからこの…孤島での会談だからこそ護衛も多数付けた」

西方副司令「……」

エリート「しかし、多勢ではなく一匹。…しかも眷属」

西方参謀「量より質で来やがった…かねぇ…」

エリート「何が狙いだ…!?」


432 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 16:10:17.15 ID:kWe/p1Mo
カツカツカツ…

エリート「アンラ・マンユ…。ここからだと丁度、南に当たるか…」

西方司令「魔王の側近だなんて…はあぁ…私のせいだ…!」

エリート(そもそも…アカ・マナフは何故、魔王の元を離れていたのだ?)

西方参謀「アンラ・マンユの棲む、火山への入り口は封印したんだよな?」

エリート「ええ…。先日、特殊襲撃の連中が結界石で…」

西方副司令「それの解除が目的…?」

エリート「だとすれば、最初から向かっているでしょうし…」

西方司令「……」

エリート「それに所詮は気休め程度のもの。魔王の力があれば……」

西方参謀「……こじ開けるのは容易いってか」

エリート「そもそも魔王がその場から動く事はありませんからね」

西方司令「そうですよね…。自分から出ようなんて…はあぁ」

エリート「……?」

西方司令「魔王は身動き取れませんもんね…。あぁ、変な事を申してしまいごめ…」


433 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 16:11:02.94 ID:kWe/p1Mo
エリート「動けない……?」

西方副司令「…?」

エリート「動かない…ではなく、動…けない…?」

バッ!!

西方副司令「ど、どうしました…!?」

エリートは突如しゃがみこみ、おもむろに地面へ地図を描き始める。

西方参謀「……!?」

エリート「南東の火山より進み…三日月島の位置する更に先…」

西方副司令「…!?」

エリート「……狙いは『龍脈』かっ!!」

ボボボボッ…

アカ・マナフ「……ご名答」

エリート「っ!!」

西方参謀「なにぃ!?」

アカ・マナフは問答無用で漆黒のもやを周囲に放つ。


434 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 16:11:31.38 ID:kWe/p1Mo
ドドオオォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

アカ・マナフ「……!?」

エリート「く…っ!視界が…!?」

西方参謀「何が起きてやがる…っ!」

オオォォ…

コカトリス「……」

アカ・マナフ「……二人…外したか」

スウウゥゥッ

もやを切り裂いた石化の吐息。その隙間からアカ・マナフを睨むコカトリス。

その視線に気づいたのか、アカ・マナフはその場より姿を完全に消す。

エリート「……朱雀先生のコカトリス…!?」

西方参謀「くそぉ…っ、また消えちまったか」

コカトリス「…私は…戻るぞ」

エリート「助かった。礼を言う」

両者は表情を変えず見つめ合う。しばらくの後、コカトリスは上空へと羽ばたき去った。


435 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 16:12:47.38 ID:kWe/p1Mo
西方参謀「おぉい…。大丈夫か?」

西方参謀は倒れる西方司令、及び副司令に声をかける。

ググッ…ムクリ…

西方副司令「……」

エリート「大丈夫…か…?」

西方司令「ええっ!大丈夫です…!」

西方参謀「エリート殿っ、この様相は…どう見ます?」

エリート「……取り…憑かれたかっ!!」

グッ……ザシャアァッ

西方司令「さーて…。いっちょ行こうか」

西方司令はツヴァイハンダーを両手で大きく構える。

西方副司令「……うふふふふっ」

西方参謀「お前ぇさんもかよ…っ!」

大剣を構えた司令の横に、西方副司令がゆっくりと歩み寄る。

エリートと西方参謀は顔を見合わせ、強く頷いた。


436 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:24:36.11 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、西門〜

盗賊「はあぁ…っ!」

女隊員「……」

キィンッ!!…キキィィンッ!!

盗賊の蜘蛛切が、女隊員の小剣に同調するようにめまぐるしく動く。

盗賊(防ぐのは容易い…。問題は……)

女隊員「たあっ!」

ドドオォンッ!!

盗賊(…来たっ!!)

女隊員の放つ風の魔法を盗賊はギリギリのところまで引き付ける。

盗賊「……!?」

ウィッチ「やあっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ボゴオォッ!!

ウィッチ「補助しますでございますっ!」

盗賊「……助かるっ!」


437 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:25:11.03 ID:kWe/p1Mo
ブンッ…ブンッ…

戦士「っりゃああぁぁ!!」

ブオォッ!!

男隊員「…!!」

戟の猛攻をかわし、男隊員は後方に間合いを取る。

戦士「近づけさせなきゃ時間は稼げる…」

男隊員「……ふんっ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ!!

魔道士「やあっ!」

ドドオオォォンッ!!・・・ ギキイイィィンッ!!

男隊員の炎と魔道士の氷が激しく衝突する。

戦士「時間と手間ばっかりかかる一方で…キリがねぇ…」

魔道士「戦士さんっ!正面!!」

戦士「あん…!?」

魔道士の呼びかけに応えるように、戦士は身体を正面へと向ける。


438 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:27:50.04 ID:kWe/p1Mo
タッタッタッタッタ…

戦士「隊長…!?」

盗賊「……」

戦士「どっちだ……?」

タッタッタ…

隊長「何とか間に合ったか…」

ザッ

戦士「アンタ……」

隊長「安心しろ。取り憑かれてねぇ。っつっても信用できねーだろうがよ!」

バッ!!……ガキィィンッ!!

男隊員「!?」

隊長「部下の責任は上司の責任!ここは俺に任せろ!」

戦士「…どうやら大丈夫らしいな」

盗賊「…ああ」

勢いよく男隊員へと飛び掛る隊長を見つめ、四人は安堵の表情を浮かべる。


439 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:28:48.67 ID:kWe/p1Mo
隊長「うーりゃああぁぁ!!」

ドンッ!!…ドゴオオォォッ!!

戦士「…す…っげぇ威力…!殺す気かよ!?」

隊長「取り憑かれちまったんだ。殺すっきゃねぇだろ!」

戦士「別に魔物化したワケでもねーし、そこまで…」

隊長「それに、己の不甲斐なさが付け入る隙を与えるのよ!」

ブオンッ!!…ドズウゥゥンッ!!

男隊員「…っ!!」

隊長「チョコマカと逃げくさりやがって…!それでも男か!」

戦士「本気だ……」

盗賊「!?」

タッタッタッタッタ…

副隊長「逃がしませんよっ!」

隊長「くっそ…。もう追いついてきやがったか!?」

後方より迫る副隊長の姿を確認し、隊長は一つ舌打ちをする。


440 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:29:24.11 ID:kWe/p1Mo
戦士「アイツは…!?」

隊長「……敵だ!!」

戦士「っ!!」

副隊長「まとめて葬ってくれるっ!!」

副隊長は立ち止まると同時に、両手を大きく前方にかざす。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

戦士「まずいっ!!」

ウィッチ「合体魔法!?あんなの防げな……」

魔道士「……やあぁーっ!」

ドドオオォォンッ!!

副隊長の放った氷の雷。それを魔道士の炎風が包み込む。

ウィッチ「…え…っ!?」

魔道士「く…っ…うぅ……っ!」

バシイイィィッ!!

盗賊「相殺したっ!!」


441 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:30:00.43 ID:kWe/p1Mo
隊長「悪い!ソイツら頼む!!」

戦士「ハナっからそのつもりよ!!」

隊長は反転し、副隊長の元へと間合いを詰める。

追う動作を見せた男隊員だが、背後から迫る戟の突きに、身を反転する。

チュインッ!!

男隊員「……っく!」

戦士「仕方ねぇ…。骨の数本、我慢してくれよ!」

クルッ…パシッ

戦士「……っらあ!!」

戟を逆さに持ち、それを勢いよく男隊員めがけ振り下ろす。

ヒュオッ!!……ドズッ!!

戦士「!?」

戟は空を切り、そのまま勢い余って地面へと叩きつけられる。

男隊員「……ククッ」

前方へ間合いを詰めた男隊員は不敵に笑い、戦士の頭上へ長剣を振り下ろした。


442 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:40:11.14 ID:kWe/p1Mo
ガカアァッ!!

男隊員「――ッ!?」

振り上げた長剣が避雷針のように、頭上の雷を受け止める。

それは男隊員の全身を巡り、衝撃によって脱力し跪く。

男隊員「う…っ…ぐぐっ」

戦士「……無茶…するなぁ」

魔道士「微弱です!致死には至りませんっ!」

ウィッチ「そんな…調節まで…っ!?」

戦士「なーるほど…。そういう事なら……」

戦士は激を後方の地面へ突き刺し、腰に帯びた雷切の柄に右手を伸ばす。

戦士「俺の魔力なら…致死量には至らんだろう」

魔道士「で、でも…斬ったら……」

盗賊「……みね打ちか」

戦士「持ってて良かった刀…ってな。つくづく思うぜ!」

戦士は口元を緩めながら、雷切の鞘を上下逆さに構え直した。


443 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/28(月) 17:44:28.59 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、中央〜

ゴウッ……バサッバサッ

召喚士「どうだった!?」

コカトリス「奴は西へ現れ、その後…南へと移動したようだ」

神官「!?」

コカトリス「しかし南でも再びその姿を消し…今の所在は不明だ」

召喚士「そっか…。ありがとう」

シュイィィン…

サモナー「南…西、そして南。次は……」

皇太子「西…と考えるのが一番しっくりくるかな」

召喚士「どうします…?」

青年兵「既に数時間が経過しています。あまり長期戦に持ち込むのも…」

皇太子「ああ…。次の出現でケリをつけたいところだな」

博士「ど、どうするのら…?」

皇太子「……出撃しようではないか」


448 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/06/28(月) 19:11:57.07 ID:sZhJa6AO
封印の定義がいまいち分からないな。


454 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 00:28:50.31 ID:LehmBcSO
魔物図鑑ってなんで秘密なのかな?
公にした方が兵士もワーカーも致死率下がりそうなのに
未完成だったら協力して貰った方が完成も早そうじゃない?

ちょっと疑問に思ったので…いつも乙です


464 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:03:04.86 ID:GLF8Yfco
青年兵「……殿下、宜しいのですか?」

皇太子「ん?」

青年兵「我らが出れば…殿下をお守りする…」

皇太子「弓兵、魔道士兵がこれだけいる。問題はなかろう」

召喚士「……」

皇太子「下手に動けばエリートにきつく咎められてしまうしな…」

青年兵「……」

皇太子「それに、魔法も使えぬ私が前線に出たところで…役にも立つまい」

サモナー「では、宜しいのですね?」

皇太子「召喚術の使い手が四人もいるのだ。信じているぞ?」

神官「…かしこまりました。参りましょう」

召喚士「はい」

サモナー「……では」

青年兵「殿下、ご武運を!」

皇太子「ああ…諸君らも頼むぞ!何かあればすぐに退け。無茶はするな」


465 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:04:12.41 ID:GLF8Yfco
ザッ…

召喚士「では、行きましょう!」

神官「ええ…」

西門へと向かう四人を、皇太子は背後から見送る。

皇太子「博士、衛生兵を数人こちらへ回してくれ」

博士「了解なのら!」

皇太子「これ西以外であれば…完全に詰み、だな」

博士「まぁ、問題ないのら」

皇太子「……?」

助手「司令部は結界石で固めてあります。内部までは侵入出来ないでしょう」

博士「うむ!仕掛けてこないのがその証拠なのら」

皇太子「…魔物は、な」

博士「取り憑かれた人間ならば…確かに意味はないのら」

皇太子「そうならぬ事を祈るしかないな…」

皇太子は左手を上げると、身体の向きを南へと転換し、他の兵もそれに続いた。


466 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:04:52.29 ID:GLF8Yfco
〜西方司令部、南門〜

西方副司令「……」

ドドオオォォンッ!!

西方参謀「うお…っと!」

ドドオオォォンッ!!

西方参謀「ほいよっ!」

西方副司令の放つ氷柱を、西方参謀は土の壁で次々と防ぐ。

西方参謀「土行は苦手なんだよなぁ…」

エリート「すまん!助かる…っ!」

西方参謀「いーえ!」

エリートは土壁を盾に、西方司令へ間合いを詰め寄る。

エリート「はあっ!」

ギィンッ!!

西方司令「どうした!?そんなものかね…?」

エリート「ぐ…っ……くっ!」


467 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:05:31.97 ID:GLF8Yfco
ツヴァイハンダーの巨大な刀身は、盾のようにエリートの剣を防ぐ。

西方司令「さぁ!まだまだですよぉ!!」

西方司令はその大剣を振り上げ、押し出されるようにエリートは上空へ浮き上がる。

エリート「…ちぃ…っ!」

空中で身体を反転させ、エリートは右手より突風を巻き起こす。

しかし、突風は西方司令へ着弾する事なく、突如現れた土壁にり遮られた。

西方副司令「……うふふ…っ!」

ヒュンッ!!…バゴオオォォッ!!

激しい轟音とともに砕け散った土壁の中より、大剣の刀身が姿を表す。

直後、西方司令は宙に跳び、返す刃をエリートめがけ振り上げる。

エリート「くっ!!」

西方司令「死ねぇ!!」

ブオッ!!…ドゴオォッ!!

ツヴァイハンダーがエリートを捉え、その身を地面へと叩きつける。

ゴシャアアァァッ!!


468 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:06:37.97 ID:GLF8Yfco
エリート「……う…っ」

スタッ

西方司令「……」

西方司令は右手に刺さったナイフを抜き取り、地面へと放る。

西方参謀「っらよぉ!」

ドドオオォンンッ!!…ガカアァァッ!!

西方司令「っ!!」

西方副司令「…かは…っ!!」

頭上からの落雷によりよろめく二人を横目に、西方参謀はエリートの元へ駆け寄る。

グイッ

西方参謀「起きれっか!?」

エリート「うぐ……っ…!」

苦悶の表情を浮かべるエリートを担ぎ、西方参謀は後方へと下がる。

西方副司令「……くぅ…っ!」

西方司令「……ちっ!」


469 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:07:58.75 ID:GLF8Yfco
タッタッタッタッタ…

西方参謀「ここでなんとかやり過ごすか…っ」

エリートを担ぎ下ろし、西方参謀はポケットの傷薬と包帯を取り出す。

西方参謀「とりあえずこれで……ガッ万してくれやっ」

エリート「……かはっ!……す、すまん…助かった」

西方参謀「なぁに…。しかしこれは一度退くかざるを得ないなぁ…」

エリート「……っ」

西方参謀「本陣まで退がり、状況報告と治療に専念しよう」

エリート「く…っ」

ググッ…

西方参謀「お、おい…っ。無闇に動くと……」

エリート「大丈夫。折れてはいませんから…」

西方参謀「……」

エリート「中央…までは…?」

西方参謀「あ、ああ…。こっちから回れる!行こう!」


470 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:08:58.32 ID:GLF8Yfco
〜西方司令部、南門〜

隊長「うるああぁぁーっ!!」

ビュオッ!!…ドゴオオォォ!!

副隊長「流石…簡単にはいきませんね」

隊長「魔族の手先になっても…随分と冷静なヤローだぜ…」

副隊長「……」

隊長「足の一本でもへし折って、身動き止めてやるか…」

ザッザッザ…ジャキッ

隊長「ふー……」

副隊長「…っ!!」

隊長「死ー……」

ズズズッ…ボシュウウゥゥ!!

隊長「!?」

戦士「あ…あのもやは…!?」

盗賊「……奴かっ!」


471 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:10:26.60 ID:GLF8Yfco
対峙する隊長と副隊長。その背後に黒いもやが現れる。

隊長「…ちっ。親玉の登場かい」

先程までの様相と変わり、小型のアカ・マナフがもやの中より出現する。

小型と言っても、その全長は4m程度はあろうかというものであり、

一同はその魔物を見上げ、一斉に身構える。

ババッ!!…ザッ…

隊長「……」

アカ・マナフの前へ並ぶ、部下の三人を見つめ、隊長も距離を取る。

その両脇に並んだ戦士と盗賊がゆっくりと口を開く。

盗賊「…どうする」

戦士「流石にバケモンまでは手が回らねぇぞ…!」

隊長(後ろの魔道士らを交えても5人か…)

チラッ

隊長「…なんとかなる。……とは思えねぇな」

振り返り、西門を見つめる隊長の顔がみるみる驚きへと移り変わる。


472 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:12:02.17 ID:GLF8Yfco
隊長「……!!」

戦士「…来たかっ!!」

盗賊「……良いタイミングだ」

魔道士「召喚士さん!」

ザッ

召喚士「お待たせしました…!」

青年兵「アカ・マナフ…!?」

サモナー「それに手前の三人は…!?まさか・・・っ!」

神官「一足遅かったかもしれませんね……」

隊長「いんや、上出来だ。アンタらはあの親玉の相手を頼む」

アカ・マナフ「……」

副隊長「ふっふっふ…はははっ!このお方を…倒せるとでも…!?」

隊長「あのうるせぇのは、俺がやる」

戦士「んじゃ俺は引き続きあっちの男。盗賊、お前はそっちの女だ」

盗賊「…了解!」


473 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/29(火) 17:13:22.93 ID:GLF8Yfco
ザッザッザ

青年兵「僕達に…やれるのか…っ!?」

神官「やるしか…ないようです」

サモナー「そうですね…。随分と骨が折れそうですが…」

召喚士「……」

魔道士「召喚士さん…っ」

声をかける魔道士の肩を掴み、戦士は首を横に振る。

戦士「やめとけ…」

魔道士「……っ」

戦士(……洞察が出来る俺には分かる。とんでもねぇ集中力だ)

召喚士「……」

ジャリッ

隊長「召喚まで盾になるぞ!その後は一気に突撃だ!!」

盗賊「…・・・承知っ!」

戦士「おっしゃあ!いけぇ、ブチかましてやれっ!!」


474 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 17:40:58.20 ID:vZS8ev2o
熱いなぁ



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