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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
- 187 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/08/27(金) 18:35:24.56 ID:.PdYZZko
夕暮れの紅く染まった空は生憎の雨雲に覆われ、先程とは真逆の様相を見せる。
黒くどんよりと重い空から大粒の雨が降り注ぎ、大地を濡らす。
ザアアァァァァ…
左翼長「もう無理だ!!下がれっ!!」
魔道士「だって…っ!マジシャンさんがっ!!」
大軍師「……っ」
戦士「何でだよぉーっ!ふざけんじゃねぇぞ!!」
北方参謀「豪雨で土砂が起きています!後退しましょう!」
召喚士「だって……マジシャンさんが…マジシャン…さん…」
左翼長「馬鹿野郎がっ!!お前等も死にたいのかぁ!?」
大軍師「全軍、急ぎ撤退を開始して下さい!」
ザアアァァァァ
盗賊「……こ…んな……嘘…だって」
魔道士「マジシャンさああぁぁーんっ!!」
その日、俺らの目の前で…マジシャンさんは死んだ。
- 188 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:35:53.81 ID:.PdYZZko
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第二十二部〜
- 189 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:36:19.34 ID:.PdYZZko
〜南の街〜
魔道士「おっはようございますー!」
戦士「おう、ご機嫌だな!」
魔道士「お風呂も入って、ゆっくり寝られましたからっ。えへへ!」
戦士「だよなぁ。昨日までが嘘のようだぜ…」
盗賊「…全くだ」
召喚士「それじゃ行きましょうか」
魔道士「はいっ!」
盗賊「…うん」
〜南方司令部〜
戦士「おっ、副司令さん!おはようっす!」
南方副司令「おはよう!早いな。まだ戻って来てねーぞ?」
召喚士「実は…これからすぐ、北へ向かおうかと思いまして…」
南方副司令「…北?また戦か何かか…?」
戦士「ま、似たようなもんだ」
- 190 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:36:46.07 ID:.PdYZZko
南方副司令「あんまり無理するなよ?休めるうちにしっかり休んどきな」
魔道士「副司令さんもですよ?えへへ!」
南方副司令「……あっはは!違げぇねーわな!」
召喚士「それでは、色々とありがとうございました」
南方副司令「あ、次来た時に渡すからな」
召喚士「……?」
南方副司令「忘れたのか?召喚フェスの賞品だよ」
召喚士「……あっ」
南方副司令「楽しみに待ってな!」
戦士「みんなにもヨロシク!!」
盗賊「…では」
魔道士「さて、どうしましょうか?」
召喚士「そうですね。まずはマジシャンさんと合流しない事には…」
戦士「とりあえず北の港まで行ってみっか。あそこならデケェし何か手掛かりが…」
召喚士「…そうだね。それじゃ船で一気に向かおう!」
- 191 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:37:59.24 ID:.PdYZZko
〜本国〜
カツカツカツ
青年兵「……失礼致します」
皇太子「…おはよう。南では大変な目にあったそうだな」
青年兵「ええ…。お陰様で色々と学ぶところも大きく…」
皇太子「前向きだな。何よりだ」
青年兵「…北でも戦闘が始まるようですね」
皇太子「…うむ。先日からはじまった屯田制の動きを魔王軍が掴んだらしい」
エリート「つまり、整備中の北の村を奪還しようと躍起になっている・・・という事だ」
青年兵「エリート様」
皇太子「但し、今回…本国は動かん」
青年兵「…し、しかし」
エリート「青年兵、君も戦闘を終えたばかりであろう?少し休みたまえ」
青年兵「……え、ええ」
皇太子「それに…内部の敵も厄介になってきてなぁ」
- 192 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:38:27.28 ID:.PdYZZko
青年兵「内部の敵…ですか?」
エリート「左翼の連中さ」
青年兵「予算案は思惑通りだったと伺いましたが…?」
エリート「…軍備と研究機関はな」
皇太子「それ以外の予算はかなり削られた。なかなかやってくれるよ」
青年兵「つ…つまり……」
エリート「兵が増えても馬や武具は増えないって事さ」
青年兵「!?」
皇太子「それよりも痛いのは建設関係だな…」
エリート「せっかく通信の研究が完成したとしても…」
皇太子「…それを作り上げる費用が削られたのではどうしようもない…」
青年兵「なんと…いう…」
エリート「やけにすんなり身を引いたと思えば…。くそ…っ」
皇太子「過ぎた事は仕方ない。別の道を考えるとしようじゃないか」
青年兵「……ええ!」
- 193 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 18:38:56.15 ID:.PdYZZko
皇太子「それと、青年兵…」
青年兵「……?」
皇太子「君にはしばし戦から離れて貰う」
青年兵「…え…っ!?」
エリート「数ヶ月…1年はかからぬと思うが…」
青年兵「待ってください!私は……」
皇太子「お前は今後、先頭に立つ器ではないと申しているのだ」
青年兵「――っ!!」
エリート「……」
青年兵「…確かに…力量不足なのは認めます!しかし…っ」
皇太子「そうではない。お前は最後尾から全軍の指揮を執る器だ、と言っているのだ」
青年兵「!!」
エリート「その為に、近日中に兵法や政治を中心に学んで貰う」
皇太子「講師役はプロだ。途中で根をあげるなよ…?」
青年兵「…は……はい…っ!!ありがとうございますっ!!」
- 194 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/27(金) 18:40:27.30 ID:BQgchlAo
フラグウン十本立ててるから死ぬのはわかっていたが・・・
- 208 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/28(土) 00:11:58.87 ID:Rr8GYIwo
召喚士「行けっ!クリト…!?」
コカトリス「よかろう。今から絵私は貴様をペニスと呼ぶ事にする」
メディア露出できるわけがないww
- 209 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/28(土) 00:57:03.31 ID:vX6fEASO
それが書籍化を防ぐ伏線だったなんてっ……!
- 211 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:24:32.23 ID:4OCY.nEo
〜船上〜
魔道士「でも、良かったんですかね?」
戦士「…んー?」
魔道士「南方の皆さんに挨拶もなしに…」
召喚士「確かにちょっと悪い気はしますけど…」
盗賊「……」
召喚士「皆さんも忙しいでしょうし…」
魔道士「そうですよねぇ…」
戦士「ま、宴会は残念だったけどな…!」
魔道士「もうっ、戦士さん…」
戦士「はははっ!次行く時には手土産持参で楽しもうや!」
召喚士「そうだね!召喚フェスの賞品もくれるそうだし…」
盗賊「…な、何くれるんだろな?」
戦士「…お前はそういうとこ、すぐ食い付くよなぁ」
盗賊「……うぅ」
- 212 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:25:10.99 ID:4OCY.nEo
〜南方司令部〜
南方参謀「えぇ〜!帰っちゃったの!?」
南方副司令「何でも急ぎで北へ向かうらしくてな…」
南方参謀「何で引き留めないのよ!バカッ!」
南方副司令「バカってお前…そんなん止める権利ねーだろ…」
南方弓長「それはそうだけど……」
南方副司令「へいへい、悪かったよ…」
ボス「あのっ、司令は…?」
南方参謀「相変わらず赤壁よ。ついでだから現地の処理も任せてるわ」
ボス「……そうですか」
南方副司令「何か用か?」
ボス「…あ、本部の方がお見えに…っ」
南方参謀「……?」
士官「…失礼」
南方参謀「……ど、どうも」
- 213 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:25:44.97 ID:4OCY.nEo
〜赤壁〜
カツカツカツ
南方司令「……おぉ、どうした?」
南方魔道長「…山に森が吹っ飛んで…見晴らし良くなっちまったなぁ」
南方司令「……はっははは!全くだな!」
南方魔道長「……」
南方司令「…そんだけか?」
南方魔道長「…まぁな」
カツカツカツ
南方魔道長「思ったより元気そうで良かったぜ」
南方司令「……あん?」
南方魔道長「いや…っ、昨晩はだいぶ悔しそうな顔してたからな」
南方司令「…馬鹿言えっ!!」
南方魔道長「んじゃ、作業に戻りますわ」
南方司令「……馬鹿…言えってんだよ」
- 214 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:26:17.30 ID:4OCY.nEo
〜北の港〜
戦士「到着ーっ!!」
召喚士「……あー気持ちいい〜」
魔道士「北の風って冷たいけど…なんだか賑やかですよねぇ」
戦士「…何だ?ずいぶん詩人だな」
魔道士「…あっ、なんだかそんな気がして。…へへっ」
盗賊「…さて、どうしようか?」
戦士「まずは定番……」
盗賊「飯かっ!?」
戦士「……ワークショップだろ」
盗賊「…あ…そ、そうだな」
召喚士「では、行きましょうか」
魔道士「はいっ!」
戦士「えぇとワークショップ…こっちだっけか?」
四人は北の港へ到着早々、ワークショップへと足を進めた。
- 215 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:26:59.00 ID:4OCY.nEo
〜ワークショップ〜
召喚士「えっと…お金と手紙の確認を……」
店員「はい、かしこまりました」
戦士「……あーあ、ランキングから名前も消えちまったなぁ」
魔道士「……誰のせいですかぁ?」
戦士「……は、はは…っ」
召喚士「……ん?」
戦士「どした?」
召喚士「いや…魔法剣士さんが珍しく依頼を受けてるなって…」
戦士「…ホントだ。始めてじゃねぇか?」
盗賊「…北にいるみたいだな」
戦士「保護された怪我人の救出?随分楽な依頼だな…」
召喚士「場所は……辺境の村か」
戦士「北ルートで司令部目指すなら…立ち寄れるな」
盗賊「…まぁ…入れ違いになるかも…しれんがな」
- 216 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:27:27.67 ID:4OCY.nEo
魔道士「行くだけ行ってみましょうか?」
戦士「…だな。ちょっと気になる事もあるし」
盗賊「……?」
召喚士「…お父さんの事?」
戦士「…まぁ…な」
テクテクテク
店員「お待たせ致しました」
召喚士「ありがとうございます。…手紙は特になし…か」
魔道士「さて、ご飯にします?」
戦士「だぁな。誰かさんも待ち侘びてる事ですしぃ〜?
盗賊「…うっ」
召喚士「それじゃ食事を済ませてから、北ルートで司令部へ向かいましょうか」
魔道士「賛成ですーっ!」
盗賊「…異議なし」
戦士「よーし!飯屋は任せとけ!わははっ!!」
- 217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:27:57.34 ID:4OCY.nEo
〜辺境の村〜
ザッザッザッザッザ
村人「…アンタが依頼を受けて下すったワーカーかえ?」
魔法剣士「…ああ。それで怪我人は?」
村人「…こっちじゃ。付いて参れ」
テクテクテク
魔法剣士(特徴を見る限り…おそらく間違いはない…)
テクテク…ピタッ
村人「……ここじゃ」
ガサッ
魔法剣士「……やはり…そうか」
村人「…それじゃ、後は頼んだよ」
テクテクテク…
魔法剣士「……探したぞ」
眼鏡「…………」
- 218 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 01:30:24.46 ID:4OCY.nEo
いやいやこんな拙い文章が書籍になったら世も末ですよ…
もう絵を描いて貰ったりして頂いてるだけで大満足です!ノシ
- 219 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/28(土) 01:33:02.95 ID:KvXNMkwo
やっと眼鏡キター!!
- 224 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/28(土) 05:17:41.57 ID:WauUaS2o
行けっ!クリトリス!!
- 225 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/28(土) 11:47:55.66 ID:iTCTFsEo
>>224
コカトリス「ふー・・・では死んで貰うしかないようだな・・・」
- 226 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/28(土) 11:58:16.12 ID:93PGCR2o
召喚「いや、ね・・・食事の時いただきまんこ!とかあるよね?戦士?」
初期の召喚士はこんなことまで言っちゃってるんだぜ
- 229 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 12:24:07.37 ID:4OCY.nEo
〜北方司令部〜
騎士長「それで、魔物の動きは!?」
北方兵「川べりから動く気配はありません!!」
左翼長「……どう見る?」
参謀「……おそらくは…夜まで動く気はないかと」
左翼長「だよなぁ……」
騎士長「考えられる事は…?」
参謀「夜襲を狙っているか……アンデッドタイプか、ですね」
左翼長「……」
騎士長「どうする?」
左翼長「本部の増援とワーカーの到着までに罠や防備を固めておこう」
参謀「はい」
左翼長「大軍師には連絡出来たのか?」
参謀「…ええ、兄上も何かと準備を進め次第こちらに向かう…と」
左翼長「…分かった。……おいっ!北関にも伝令回せっ!」
- 230 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 12:31:16.98 ID:4OCY.nEo
〜???〜
フワァッ…スタッ
ネクロマンサー「……侵攻開始は夜からだそうで」
伯爵「…私に出るな、とでも言いたいのかね?」
ネクロマンサー「いえいえ、そういうわけでは…クククッ」
伯爵「勝手にやりたいのだろう?行き給えよ」
ネクロマンサー「…ほう、宜しいのですか?」
伯爵「貴様は貴様のすべき事があろうのだろう?それに…目障りだ」
ネクロマンサー「…ククッ、これは手厳しい御言葉…」
伯爵「……早く去れ」
ネクロマンサー「ククッ……では。行きましょう?」
魔剣士「……」
ザザッ
伯爵「……おい、二人の動きから目を離すな」
使い魔「…畏まりました。行って参ります!」
- 231 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/28(土) 12:35:24.55 ID:4OCY.nEo
〜北の港〜
召喚士「…あー、美味しかったぁ」
戦士「だろっ!?ここ絶対穴場だよな!」
魔道士「本当ですね…。外見からは想像もつかない…」
盗賊「……うん」
戦士「さーて、そんじゃ行きますか」
召喚士「ついでに装備や道具の補充もしておこうか」
戦士「んーそうだなぁ。俺ももうボロボロだわ…」
戦士は右腕を上げ召喚士に小手を見せる。
盗賊「……そうだな」
魔道士「盗賊さんは下着も買わなくちゃいけませんね…」
戦士「…ん?またか?」
盗賊「……捨てられた」
召喚士「…へっ?」
盗賊「…と…とにかくっ、買ってくるっ!」
- 232 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/28(土) 21:03:22.02 ID:q2J6.sAO
>>1乙
オマケも含めて伏線凄すぎる。>>1の頭はどうなってんだ?
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