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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:25:04.98 ID:uXRLyY6o
ザッ

盗賊「行くのか…?」

風忍「ええ。報告せねばなりませぬ故…藤蔵へ戻りまする」

盗賊「そうか……」

水忍「明日、藤蔵へお越し下され」

土忍「…お仲間も連れて」

盗賊「明日?」

火忍「お待ち致しておりまする」

盗賊「……分かった。伺おう」

風忍「では、失礼致します」

シュバッ!!…タタタタタッ…

盗賊「……」

戦士「盗賊ー行くぞー!」

盗賊「あ、うん…っ」

タッタッタッタッタ…


218 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:25:42.25 ID:uXRLyY6o


名代「上様は…お眠りになられたか」

鬼丸「あぁ。疲れたんだろうな」

己の背中ですやすやと眠る帝を、鬼丸は肩越しに覗き込む。

名代「このお年であれだけ過酷な戦いを通したのだものな……」

鬼丸「大したモンだよ…グハハ!」

名代「初陣と言っても過言ではない此度…。辛いものになってしまわれた」

鬼丸「まぁ…大丈夫だろ」

名代「…?」

鬼丸「旦那だってよ、これで終わりじゃねーだろ?」

名代「勿論だ。此度は己の無力さを痛感した……」

鬼丸「……」

名代「都に戻り…その後、改めて修験の旅に出る」

鬼丸「その間、上様は任しときな」

名代「…頼むぞ」


219 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:26:24.98 ID:uXRLyY6o
北の城より出発した時とは打って変わり、帰路は晴天に恵まれ兵の足取りも軽い。

それは先の、帝が勝ち鬨を上げた際の行為において、

彼ら東方の兵に対する神格化を促すに、十分なものとなった。

たんなる偶然なのか、はたまた帝の力によるものなのか。それは誰も知らない。

本国時間、15時50分過ぎ。将兵らは北の城へと入城した。


220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:27:12.34 ID:uXRLyY6o
〜北の城〜

城兵「上様の凱旋なるぞ!!開門、開門ーっ!!」

ゴゴンッ…ギギギギイイィィ

開門と同時に先頭に位置する騎馬隊がゆっくりと馬を進める。

東方兵「よくやった!!ご苦労!!」

城兵「我らの勝利じゃあ!」

ワアアァァ

湧き上がる歓声を受け、次々と入城する兵達。その中腹に位置する

帝ら召喚士達の一行も、北の城へと足を踏み入れた。

戦士「着いた……」

召喚士「お疲れ様」

魔道士「上様は大丈夫ですか…?」

鬼丸「ん?ああ……そろそろ起こさないとな」

ユサユサッ

帝「……ん…っ」


221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:27:58.80 ID:uXRLyY6o
ワアアァァァァッ!!

帝「こ……れは…っ!?」

名代「北の城へ…帰って来ましたぞ」

女剣士「……ああ」

帝「……」

足軽「上様ーっ!上様ーっ!!」

城兵「おぉ!上様がお戻りになられたぞー!!」

鬼丸「ほれっ、手でも振ってやれよ!」

帝「お、おい…っ!」

グイッ

鬼丸「グハハ!いい眺めだろう?」

帝「……全く」

足軽「上様ー!」

帝「……ふふっ」

鬼丸に担がれ肩に座る帝は、出迎える兵達に笑顔で手を振った。


222 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:29:09.57 ID:uXRLyY6o


ザッ

城の本丸に集う一同。上座の名代がゆっくりと口を開く。

名代「では、此度の戦いを報告致しまする」

帝「…うむ」

城主「本隊ですが、妖怪『夜行』の襲撃により150名程が討死……」

ザワッ

城主「これでも被害は少ないかと存じます」

帝「……」

城主「隊長殿、西方参謀殿が懸命に戦ってくれました故……」

帝「……恩に着るぞ」

名代「夜行については討ち取った報告が御座いませぬ」

隊長「ええ。取り逃がしました……申し訳ない」

名代「いえいえ、お気になさらず。退かせただけでも大手柄です」

隊長「……っ」


223 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:30:22.90 ID:uXRLyY6o
西方参謀「ヤマタノオロチ復活の報告と同時に後退しましたが……」

召喚士「……」

西方参謀「宙を舞い、悪天候も重なり見失いました」

帝「止むを得ぬだろう。ご苦労であった」

西方参謀「…はっ」

隊長「おそらくは北に逃げました」

名代「北……。魔王の元か」

召喚士「俺もそう思います」

帝「今後、再び相見えるであろうな」

名代「ええ。来るべき日に備えを増やす必要が御座いまする」

女剣士「敵は思った以上に強大でした…っ」

帝「……だな」

名代「続きまして、ヤマタノオロチ討伐隊の報告です」

帝「……」

名代「参加なされた上様は無論ご存知ですが、討伐を達成致しました」


224 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:31:27.23 ID:uXRLyY6o
ザワザワッ

名代「被害は…負傷者多数。一名討死……」

城主「まさか…藤蔵の五忍と謳われた程の者が…」

盗賊「……」

名代「彼が全てを担ってくれたのです」

隊長「……」

名代「雷忍殿の働きなくば…我らは全滅していたやもしれませぬ」

召喚士「…はい」

魔道士「……っ」

西方参謀「しかし、犠牲はあったもののヤマタノオロチは倒したのですな?」

名代「それは間違いありませぬ」

戦士「……」

隊長「龍脈については…?」

名代「これから調査してみぬ事には何とも……」

召喚士「……」


225 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:32:50.23 ID:uXRLyY6o
名代「しかしながら、根底の部分は潰しました」

魔道士「ど、どうなるんです…っ?」

名代「今後、流れ出る力は蓄積分のみという事です」

戦士「蓄積分…?」

名代「力を新たに作り出す、即ちヤマタノオロチは消えました」

召喚士「ええ…」

名代「つまり今後新たに魔力が生産される事はない…」

西方参謀「なるほど。あとは備蓄分のみという事か…っ」

名代「推測に過ぎませぬが…固いと思います」

盗賊「…では、それがなくなれば」

戦士「魔物は力を使えないって事か?」

名代「場合によっては…存在自体すら消滅するかもしれません」

魔道士「そ、存在って……」

戦士「大勝利じゃねぇか!」

召喚士「……いや」


226 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:34:17.52 ID:uXRLyY6o
盗賊「…?」

召喚士「確かに勝利には違いないけど…一概には……」

女剣士「…どういう事だ?」

隊長「蓄積量だろ?」

帝「蓄積量?」

名代「ええ。遥か昔より今まで、どれ程の魔力が蓄積されていたか……」

召喚士「俺の考えでは、相当量だと踏んでいます」

名代「私もだ」

西方参謀「何十年何百年……あるいは何千年分か…検討もつかんな」

戦士「そ、それじゃ…あのバケモンを倒しても意味ねーって事かよ!?」

名代「そんな事はありませぬ」

魔道士「…?」

名代「今まで龍脈を司っていた者が、突如居なくなったのです」

西方参謀「コントロールは効かなくなり、龍脈も正常には働かんさ」

帝「……成程」


227 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:35:22.02 ID:uXRLyY6o
名代「それに、後の世の安寧は約束されたではないですか」

魔道士「あ、そっか…。何千年後か分かりませんけどぉ……」

盗賊「…未来には…魔物が居なくなる」

名代「そういう事です」

魔道士「だったら十分、意味だってあるじゃないですか!」

戦士「そりゃ…そうだけどなぁ……」

隊長「魔王ぶっ倒すのは俺らの仕事だろ?」

戦士「……だな」

帝「……報告は以上か?」

城主「ははっ!」

名代「今後についてですが、まずは洞窟最深部の調査を行います」

西方参謀「危険はないんですかい?」

名代「あるやもしれませんが最大の危機は無くなりました」

帝「……」

名代「そして、北に棲まう魔王の討伐……」


228 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:36:24.60 ID:uXRLyY6o
帝「隊長殿、西方参謀殿」

隊長「…はっ」

帝「まずは本国の王と話がしたい」

召喚士「!?」

西方参謀「…仰せのままに」

隊長「何時が宜しいですかな?」

帝「早ければ早い程良い。明日でも良いくらいだ」

名代「上様……!?」

帝「まずは話をせねば始まらぬであろう」

城主「……っ」

帝「同盟するか否かはそれから判断致す」

西方参謀「…畏まりました。連絡を取りましょう」

帝「頼む」

名代「…以上で宜しいか?意見なくば閉会と致す」

帝「……ないようだな。では、以上だ。ご苦労であった」


229 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:37:32.04 ID:uXRLyY6o
ザッザッザ

戦士「さて…終わったな」

魔道士「これからどうします?」

召喚士「そうですね……」

名代「すまぬが、もうしばしお付き合い頂けるか?」

魔道士「へ…っ?」

帝「都へ凱旋だ。共に来ては貰えぬだろうか…?」

召喚士「う、上様のご依頼とあらば……っ」

帝「…手間をかける。ふふっ」

名代「一刻後にここを発ちます。ご準備を」

戦士「りょーかい!」

魔道士「それじゃ行きましょうかっ」

召喚士「失礼致します」

盗賊「……では」

帝「うむ。また後ほどな」


230 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:41:52.64 ID:uXRLyY6o
〜城の裏手〜

鬼丸「……」

ザッザッザ

戦士「やっぱここにいたか」

鬼丸「…おーう、終わったのか?」

魔道士「はいっ!鬼丸さんは…武士さんに報告ですか?」

鬼丸「ああ、この刀も役に立ったぞ……ってな!」

召喚士「そうだよねぇ…」

戦士「なーんか、人間臭い事しちゃって…らしくねぇなぁ」

鬼丸「んー?悪いかよ!」

魔道士「言われて見れば…なんだか人間っぽくなってきてるような…」

盗賊「……ああ」

鬼丸「…グハハ!あんまりジロジロ見るんじゃねーよ!」

戦士「もうすぐ出発だとさ。都に帰るってよ」

鬼丸「おう!行くとすっかぁ!!」


231 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:46:42.65 ID:uXRLyY6o
足軽頭「上様、ご出発ー!」

名代「ご苦労様でした」

城主「いえ、名代様やご一同様こそ!」

隊長「世話になりました」

西方参謀「またお目にかかれると・・・よいですな!ヒック」

城主「是非に!」

帝「……では、出発」

魔道士「帰りは輿じゃないんですか?」

帝「あれは色々と理由があってな…。それに……」

盗賊「…?」

帝「皆と顔を合わせて話が出来ぬなど…つまらぬ」

戦士「…ははっ!それもそうですな!」

召喚士「うんっ!」

帝「折角じゃ、何か本国の話を聞かせてくれ」

魔道士「喜んで!ええへっ!!」


232 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 17:59:55.41 ID:uXRLyY6o
〜藤蔵〜

侍女「…ふーっ。もう夕方……」

サッサッサ

侍女「……」

ヒュンッ

火忍「…門の掃き掃除とは、これは大儀であるぞ」

侍女「…あら、お帰りなさい。遅かったわねぇ」

水忍「…色々と、な」

侍女「なぁに?色々って……」

風「……来い。御館様の所へ行くぞ」

侍女「ちょ、ちょっと……っ!」

土忍「…すまんな。火急の用件なのだ」

侍女「…はいはい。あれ、雷は?上様と都へ戻ったの?」

風忍「……っ」

侍女「……?」


233 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 18:03:19.48 ID:uXRLyY6o
スタスタスタ

侍女「何なのよぉ…姫も居ないし……」

火忍「姫は都へ向かった。明日には来る」

侍女「さっきから真面目な顔しちゃって…火の癖に珍しいわねぇ」

火忍「……」

スタスタ…ザッ

風忍「…戻りました」

御館様「……うむ。ご苦労」

水忍「ご報告したき事があり…一同集いますれば……」

御館様「…入れ」

風忍「失礼致しまする」

シュッ…スタスタスタ

御館様「楽にせい。して……任は如何に?」

土忍「…無事、ヤマタノオロチを始末致しました」

御館様「…うむ、ご苦労であった」


234 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 18:07:40.23 ID:uXRLyY6o
火忍「し、しかしながら……っ」

風忍「…ご報告したき事が…御座りまする……っ」

御館様「申してみよ」

水「……」

風忍「……雷が……逝きました」

侍女「――!?」

御館様「…………」

水忍「ヤマタノオロチとの交戦にて…命を落としました…っ」

侍女「う…嘘……っ」

火忍「私の責でございます!されば私を――」

風忍「いえ、雷を死なせたは私の責で御座いまする」

御館様「下がれい」

水忍「……っ」

御館様「誰の責でもない…雷の未熟が招いた結果よ。下がって十分に休め」

土忍「……御館様」


235 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/12/01(水) 18:32:25.13 ID:qePolvUo
>>1乙です

あらためて泣けて来るよ
御屋形様も皆が居ると泣けないんだな


237 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 18:35:09.38 ID:uXRLyY6o
風忍「……失礼…致しまする」

スゥッ…

侍女「御館様…お茶、お入れ致しましょうか?」

御館様「構わぬ。お前も下がって良い」

侍女「……はい」

スウッ…パタン

御館様「……」

スタスタスタスタ

水忍「御館様…表情には出さぬが、心底辛いであろうな……」

土忍「…我が子のように可愛がってきたのだ。辛くないわけなかろう」

風忍「先日も…姫より若様のお話を聞かされたばかりだと言うのに……」

火忍「近頃…悲しい報告ばっかりだな……」

風忍「明日には姫もいらっしゃる。そうしたら……」

水忍「…そうだな。約束であったな」

火忍「……ああ」


239 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 18:45:09.62 ID:QxDj9r6o
雷って らいって読むので合ってる?

らいにんが男前過ぎてツライ…


240 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 19:11:28.25 ID:2.6hNSkP
>>182
魔道士「ら…雷忍さんが…っ!うぐぅーっ!」

称号は雷忍(らいにん)でおk
しかし個人名としては・・・・・・・・

>>164
帝「……ぃ!雷ぃ!!」いかづち?

>>165
盗賊「か、雷……!」かみなり?


どっちなんだよっ!(´;ω;`)


242 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 19:25:58.01 ID:6xxX5w.o
帝のは「・・・・・・(かみなり)ぃ!雷ぃ!!」
だろ


248 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/12/01(水) 21:53:20.79 ID:zO7TbQAO
戦士達も一緒になって魔物が後で消えるってよろこんでいるがこれどういうことなんだ?

いい魔物には影響ないのかい?


250 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 23:52:24.97 ID:ns1DM8Ao
パッカパッカパッカ…

戦士「おっ、夕焼け…!」

召喚士「もうこんな時間なんだねぇ」

魔道士「…っとと」

召喚士「魔道士さん、大丈夫ですか?」

魔道士「す、すみません…っ。馬はなかなか…経験がなく…って」

召喚士「左側の手綱を…そう、そんな感じで……」

鬼丸「おーい、相棒ー!」

戦士「あん?」

鬼丸「国綱の鍔なんだがよ、ちょっと緩んじまってよ。直せるか?」

戦士「…どれ、貸してみ」

鬼丸「すまねぇ、助かる!」

盗賊「……」

パッカパッカパッカ

盗賊「……!?」


251 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 23:53:48.33 ID:ns1DM8Ao
帝「…疲れておらぬか?」

盗賊「上様……」

ススッ

帝「下がらずとも良い」

盗賊「しかし……馬を併せるなど……」

帝「不服か?」

盗賊「い、いえ…っ。そういうわけでは……」

帝「のう、盗賊?」

盗賊「…は、はいっ」

帝「そなた等の話を色々と聞かせて貰った」

盗賊「……」

帝「若い…しかも女子でありながら……強いのう」

盗賊「…そんな事はございませぬ」

帝「いやいや、少なくとも私はそう思うぞ?」

盗賊「……」


252 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/01(水) 23:56:38.24 ID:ns1DM8Ao
帝「しかし…不便そうだのう」

ポヨン

盗賊「……?」

帝「いや、その…豊満な胸が……」

盗賊「な、何を仰って……!」

帝「いや、すまぬ……」

盗賊「…邪魔なだけでござりまするっ」

帝「そ、そうか?」

盗賊「…そうですっ」

帝「だが、男は弱いと聞くぞ?」

盗賊「上様…っ!!」

帝「…ふふっ。すまぬすまぬ」

盗賊「…男も女も関係ござりませぬ」

帝「……」

盗賊「…己の信念を以ってすれば…関係ござりませぬ」


253 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/02(木) 00:00:15.42 ID:dhau9zgo
帝「信念……成程のぅ……」

盗賊「…私は女である事を恥じてはおりませぬ。むしろ誇りに思っておりまする」

帝「盗賊……」

盗賊「…女子であっても、戦って…誰かの為に戦えまする」

帝「……そうか、そうであるな」

盗賊「……ええ」

帝「ふふっ。ありがとう」

盗賊「……?」

帝「…いや、何でもない」

盗賊「……は、はぁ」

パッカパッカパッカ

名代「上様、まもなく都への道へ入りまする」

帝「…うむ。日が完全に暮れる前に都へ入るとしよう」

名代「ははっ。やや速度を上げまするぞ」

帝「うむ」



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