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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:48:42.88 ID:FzqidG6o
ズズウウゥゥンッ…

魔道兵「防御壁を張れっ!相殺用の魔法詠唱もだ!!」

南方参謀「さぁ、場内騒然となって参りました!」

白虎嬢「行きますわよ〜?」

コカトリス「…おい、どうするのだ?」

召喚士「魔力切れを狙いたいところだけど……」

コカトリス「先程の一戦で随分消耗した。こちらが先に枯渇しかねんぞ?」

召喚士「そこなんだよね……」

ジャリッ

召喚士「短期決戦でいくしかないっ!」

コカトリス「……だなっ!!」

バサァッ!!…バサッ…バサッ

白虎嬢「それっ」

キュイイイィィン……ボシュウウゥゥゥゥッ!!

コカトリス「!?」


204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:49:20.72 ID:FzqidG6o
宙を旋回するコカトリスめがけ、地上より閃光が放たれる。

召喚士「回避っ!!」

コカトリス「おうっ!」

ヒュイイィィ……ヒュンッ!!

両翼を大きく広げ旋回するコカトリス。その背後を追うように閃光が走る。

南方参謀「凄い威力っ!しかしコカトリス、身軽にこれをかわします!」

白虎嬢「それなら…連発〜!」

キュイイィィ…ビビッ!!…バシュュンッ!!…バシュンッ!!

南方参謀「今度は小さいながら、ビームの連発っ!1」

召喚士「かわしきれるか…っ!?」

飛び交閃光を縫うように、コカトリスは器用に攻撃を回避する。

ダダッ

ボス「今の光は!?」

親衛隊長「おぉ…これはグレート!!」

番長「白虎最高位のベヒーモスを…いとも容易くっ!凄いでごわす…っ」


205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:50:16.19 ID:FzqidG6o
召喚士「これじゃキリがないな…。コカトリス!!」

コカトリス「……?」

ヒュンッ…バサァッ

南方参謀「おぉっと!?地上に舞い戻ったコカトリス!一体どうするのか!?」

青龍先生「何か閃いたようじゃの…」

召喚士「いっけぇ!!」

ゴウッ!!

白虎嬢「!?」

南方参謀「なんとっ!正面きって突撃ーっ!?」

ボス「バッカヤロウ…!そんなんじゃ返り討ちに……」

青年兵「どうする気なのだろうか…っ」

白虎嬢「……それっ!!」

キュイイィィン

南方参謀「ベヒーモスの口内が光り輝くううぅぅ!!」

召喚士「間に合うか…っ!?いっけぇ!!」


206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:51:41.14 ID:FzqidG6o
ゴウッ!!

コカトリスが更に加速を増し、ベヒーモスへと突撃する。

番長「どうするつもりでごわすかっ!?」

親衛隊長「これは…クレイジーッ!!」

しかしコカトリスが到達する直前、無情にもベヒーモスの口から閃光が発せられる。

ボシュウウゥゥゥウッッ!!

召喚士「く…っ!!」

南方参謀「おぉーっと!奇襲も空しくコカトリスが消滅ーっ!!」

会場からは消滅するコカトリスへ溜息がこぼれる。青龍先生と青年兵の二人を残して。

青龍先生「なんというタイミングじゃい…っ!」

青年兵「そんな…事まで…!!」

この時消滅したかに見えたコカトリス。だが…実際は違っていた。

青龍先生「閃光発射の…わずか刹那で…」

青年兵「コカトリスを戻し……」

ベヒーモス「……ッ!?」


207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:53:15.32 ID:FzqidG6o
白虎嬢「え…っ!?」

ォォォォオオ

ボス「な…なんだぁ…!?」

観客「ベヒーモスが苦しんでるぞ!?」

青龍先生「再召喚させ、ベヒーモスの口内に突っ込みおった!!」

召喚士「コカトリスッ!!」

ベヒーモス「ゴアアァァァァーッ!!」

南方参謀「ど、どうしたのでしょうか!?ベヒーモスが悶え始め……」

ベキベキベキッ!!…ピシッ…

南方参謀「な、何っ?足元から急に…石化がっ!!」

青年兵「ベヒーモスの体内から…侵しているんだっ!」

ベヒーモス「…………!!」

ピシッ……パキィ

南方参謀「こ、これは一体どういう事…!?」

青龍先生「ベヒーモスの体内から、コカトリスが石化しておるんじゃよ…っ」


208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:56:47.39 ID:FzqidG6o
南方参謀「な、なんとぉ!そんな事が可能なんでしょうか!?」

青龍先生「出来んよそんな事…。じゃが、それをやってのけた」

青年兵「召喚士さんだからこそ為せる技だ!」

白虎嬢「そ……そん……」

ビキィ…ピシッ…

白虎嬢「そ、そうだっ!召喚解除をしなくては…っ」

はっと気付き、白虎嬢は慌てて召喚解除を試みる。

白虎嬢「何で…何で召喚解除出来ないの〜!?」

青龍先生「石化の段階で魔力は残れど…召喚獣は役目を終えておる…」

召喚士「…コカトリス、ご苦労様っ」

シュイィンン

姿は見えないが、コカトリスは召喚解除されその姿を消す。

召喚士「行けっ!スフィンクス!!」

シュイィィン…ズズウウゥゥンッ

南方弓長「あら〜っ、無茶するわねぇ……」


209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 16:58:03.75 ID:FzqidG6o
召喚士「もうバレても仕方ないっ!勝つにはこれしかないんだっ!」

南方参謀「ここでスフィンクスへスイッチー!!」

青龍先生「残された魔力を砕くには……」

召喚士「頼むよっ!!」

スフィンクス「はーいっ!いっくよぉー!!」

青龍先生「文字通り…石化したベヒーモスを砕くのみ!」

スフィンクス「はんまぁーぱーんちっ!!」

両手を組み、大きく振りかぶるスフィンクス。それを一気に振り下ろす。

ブオォッ!!……ゴッシャアアァァァァ!!

白虎嬢「きゃああぁぁっ!!」

南方参謀「スフィンクスの一撃により、ベヒーモスが粉々に砕け散ったぁ!!」

青龍先生「勝負あり…じゃな」

フラァ

召喚士「……っ!」

タッタッタ…ガシッ


210 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 17:10:10.01 ID:FzqidG6o
召喚士「…大丈夫…ですか!?」

白虎嬢「…魔力ゼロです〜。参りましたぁ〜」

審判「勝者、召喚士ーっ!!」

ワアアァァァァ!!

老人「こらぁ!白虎嬢ちゃんから手を離さんかいーっ!!」

観客「しねぇー!!この野郎!!」

南方参謀「残すところはあと一戦…。即ち決勝戦です!!」

召喚士「立てますか?」

白虎嬢「はいぃ〜」

テクテクテク

青年兵「……お見事です」

召喚士「ありがとう。いよいよ決勝だね」

青年兵「…はい。手加減はしませんよ…?」

召喚士「……もちろん!!」

通路で相見える二人は、にっこりと笑いすれ違った。


213 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/04(水) 17:27:54.49 ID:LNHNmASO
召喚士は自分の二戦+召喚子の一戦、しかも再召喚やスフィンクスまでも数回使ってる。
対する青年兵は最初の一戦のみで魔翌力の温存はバッチリと………どう転ぶかね?


220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:09:23.37 ID:FzqidG6o
〜赤壁〜

南方司令「……」

カツカツカツ

南方魔道長「…行かないのか?」

城壁の上に座り夜空を見上げる南方司令に、南方魔道長は酒を手渡す。

南方司令「あん?」

南方魔道長「カーニバルですよ」

南方司令「そういうお前さんは行かないのかい?」

南方魔道長「ああいうの…苦手でね」

南方司令「お前らしいわ。はっはっは!!」

南方魔道長「こんな綺麗な夜空のひにゃあ…一人酒が一番ですよ」

南方司令「…それも悪くねえなぁ」

ザッ

南方司令「でもなぁ、こういう日ってのはなんか悪い事が起きそうだよ」

南方司令は立ち上がり、前方より駆けて来る一頭の馬を見下ろす。


221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:10:41.76 ID:FzqidG6o
ドドッドドッドドッ

伝令「ご報告ーっ!!」

門兵「どうしたっ!?」

伝令「南にて魔物の大軍を確認っ!!」

タッタッタッタッタ

南方司令「何だとぉ!?種類と数はっ!」

伝令「数は不明…っ、多数である事は間違いなく……」

南方魔道長「……っ」

伝令「遠方からの確認ですが、おそらくはラクシャーサかと!」

南方司令「パズズじゃねぇ!ラーヴァナか!!」

南方魔道長「…このまま司令部へ伝令っ!」

伝令「りょ、了解っ!!」

伝令は馬首を返し、南方司令部へと馬を急がせる。

南方魔道長「各員、戦闘準備!」

南方司令「全くよぉ。祭りの度に…正義ってもんを知らねぇ奴らだ!」


222 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 18:11:09.45 ID:3NtYW.AO
>>1乙

青年兵は全然消耗してないみたいだしな…決勝戦は1日休んでから、とかもっと気の利いた進行したまえ南方司令部の諸君

てかコカトリスはそんなに小さいのか…むしろベヒーモスがそんなにデカいのか?
白虎嬢すごいな…


223 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:11:43.59 ID:FzqidG6o
〜南方、南の山〜

隊長「……」

ザッザッザッザッザ

男隊員「まるで密林だな。ヒルやら羽虫がウゼェ…」

女隊員「ここまで何も収穫なしッスね…。それに越した事はないッスけど」

戦士「ああ…」

隊長「もうちょい西寄りに行ってみっか」

男隊員「おいおい…。まーだ続けんのかよ…」

隊長「帰りがてらだよ。このまま南方司令部へ合流だ」

女隊員「よーし!もうひと踏ん張り、頑張るッスよぉ!」

戦士「おう!」

男隊員「へいへい……」

隊長「おらっ、次はオメーが先頭だ」

男隊員「へいへい……」

戦士と特殊遊撃強襲隊の三人は、森の中を更に西へ進む。


224 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:17:43.97 ID:FzqidG6o
〜南方、東の街〜

南方参謀「さぁ皆さんお待ちかねっ、召喚フェス決勝戦を行います!!」

ワアァァァァーッ!!

南方参謀「まずは一人目っ、国軍本部が誇る…若き士官!!」

ザッザッザ

南方参謀「青年兵いいぃぃ!!」

ザッ

青年兵「……」

南方参謀「対するは、数多の戦いでその名を轟かせる…若き朱雀先生!!」

ザッザッザ

南方参謀「召喚士いいぃぃ!!」

ジャリッ

召喚士「……」

リング中央に二人が向かって立ち、互いにじっと見つめあう。

審判「では…決勝戦っ、レディー……ゴーッ!!」


225 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:37:52.33 ID:FzqidG6o
凄いレスの数に感謝です!とにかく、みんな仲良くワイワイ出来ればと思います!

ここで止めたら「ドS乙」って言われそうなのでもうちょい頑張ります!


226 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:43:30.46 ID:FzqidG6o
南方参謀「両者は顔見知りで、立場は違えど…互いに切磋琢磨してきた仲なのです!」

男「好敵手同士の一戦かぁ…」

観客「俺はもう興味ないけどね…はぁ…」

南方参謀「更に、先日まで青龍先生の下、修行に励んでおりました!そうですよねっ?」

青龍先生「わしゃ何もしとらんよ。彼奴らが二人で頑張った成果じゃ」

南方参謀「言うなれば弟子同士の戦いを見守る師匠…っ!」

青龍先生「無理に盛り上げるでない…っ」

召喚士「……小細工は無用…っ!」

青年兵「真正面からいきますよっ!!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイィン

南方参謀「互いに十八番の召喚獣っ!!」

南方弓長「ゾクゾクするわね…っ!」

会場中の視線が、上空に現れた二匹の召喚獣に集まる。


227 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:48:35.90 ID:FzqidG6o
バサッ…バサッ…

召喚士(…そうは言っても…厳しいな)

青龍先生「召喚士は一回戦から常にフルパワーじゃ…」

青年兵「……」

青龍先生「それに加え青年兵はかなり余力を残しておる」

ボス「こりゃ朱雀先生……不利だな」

青年兵「ワイバーン!!」

ワイバーン「おうっ!!」

ワイバーンが反転し、一気にコカトリスへと猛スピードで迫る。

召喚士「迎え撃つさっ!!」

コカトリス「はあぁっ!!」

それに負けじとコカトリスも一気に加速し、召喚獣同士が激しくぶつかり合う。

召喚士「…ぐっ…うぅ!!」

青年兵「くぅ……っ!!」

南方参謀「初撃は互角っ!どちらが先手を取るのかーっ!?」


228 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/04(水) 18:55:06.97 ID:FzqidG6o
召喚士「いっけぇ!!」

青年兵「っりゃあぁ!!」

ぶつかり合う二匹。互いに態勢と建て直し、先ずはコカトリスの毒尾が伸びる。

ヒュオッ!!

ワイバーン「……っ!!」

身体を捻り回避するワイバーン。すかさず自身も尾を左方より掘り回す。

コカトリス「はぁ!!」

ワイバーンの尾撃をものともせず、コカトリスは再び尾を伸ばし、それを払いのける。

バシイイィィッ!!

南方参謀「二匹の尾がぶつかり合い、互いを弾きます!これもまた互角ーっ!!」

親衛隊長「た、互いに隙が…ナッシングです!」

番長「これが…一流の戦いでごわすか…っ」

召喚士「流石だね…っ!青年兵くん!」

青年兵「召喚士さんこそ!まだこれ程、力を残しているとは…!」

両者が口元を緩め笑みを浮かべる。その脇へそれぞれの召喚獣が舞い戻った。



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