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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その16
747 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:07:36.59 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

カツカツカツ…

副司令「…おぉ、丁度いいところに」

大軍師「これは副司令。如何致しましたか?」

副司令「……」

ピラッ

大軍師「…?」

副司令の差し出す紙切れを受け取り、大軍師は目を通す。

大軍師「……!?」

副司令「三日月島からの伝書だ。昨日…小船で伝令が持ってきたそうだ」

大軍師「……なんという」

副司令「司令は…?」

大軍師「不在のようです。私もお目通り願ったのですが…」

副司令「何だとぉ!?…このような時に…!」

大軍師「参りましたね……」


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:08:30.15 ID:jUCLgA6o
副司令「既に一日経過している…。安否が気になるところだが…」

大軍師「…任せろ、と書いてある限り…任せるしかないのでは?」

大軍師は伝書を副司令へと返す。

副司令「それは…そうだが…」

大軍師「護衛も付いています。余程の魔物でない限り、問題ないかと…」

副司令「…いやに冷静だな。殿下の安否が懸かっているのだぞ?」

大軍師「それはそうですが…今更動いても後手でございます故…」

副司令「……おい」

秘書官「…?」

副司令「司令はいつお戻りになるのだ?」

秘書官「詳細は伺っておりませんが、深夜には」

副司令「全く…!軍のトップなのだ。どっしり構えていてくれればいいものを…」

大軍師「確かに…。最近頻繁に外出されているようですね」

副司令「…とにかく、この件については貴公に任せるぞ…!」

大軍師「…承知…つかまりました」


749 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:09:22.79 ID:jUCLgA6o
カツカツカツ…

大軍師「はぁ…」

秘書官「大軍師様も大変ですね」

大軍師「毎度の事ですよ。ふふっ」

大軍師は一礼し、司令室のドアをちらりと見つめる。。

大軍師「内通者……か」

タッタッタッタッタ

衛兵「大軍師様っ!殿下の船がお戻りになられました!!」

大軍師「何…っ!?…よし、すぐに向かいます!」

タッタッタッタッタ

秘書官「……」

国軍本部の港。一隻の船を迎え入れるため、大勢の兵が慌しく駆け回る。

国軍兵「いいぞー!碇を下ろした後に固定を開始しろ!」

大軍師「……」

間もなく船が固定されると、皇太子を始め、一同がゆっくりと姿を現した。


750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:10:38.03 ID:jUCLgA6o
ザッ

大軍師「殿下、ご無事で何よりで…」

皇太子「出迎えご苦労。司令は…?」

大軍師「外出中にございます。要件は私が…」

皇太子「そうか、ならば追って連絡しよう」

大軍師「はっ」

魔道士「ウィッチちゃん!」

ウィッチ「魔道士ちゃん…」

魔道士「ここで…お別れ…?」

ウィッチ「はいでございます…。お世話になりましたでございます」

戦士「……」

召喚士「本当にいいんですね?」

ウィッチ「はいでございます。あ…でも……」

盗賊「…?」

ウィッチ「また…会って頂けますでございますか?」


751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:12:07.61 ID:jUCLgA6o
魔道士「もちろんだよぉー!……ひぐぅ…っ」

戦士「元気でな!」

ウィッチ「はいでございます!」

盗賊「……」

ウィッチ「また…強くなったら、ご一緒させて下さいでございます!」

召喚士「いつでも…お待ちしてます!」

魔道士「ウィッチちゃあん…!気を…付けてねぇ…!うぅ…」

盗賊「…よしよし」

カツカツカツ

青年兵「ウィッチさんはしばらく、王宮でお預かり致します」

戦士「大丈夫なのか?親父さんは確か……」

エリート「王宮といえど生活空間にまでは入れないよ」

召喚士「そうですかぁ」

エリート「それに…灯台下暗しって事です」

盗賊「…なるほど」


752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:13:18.97 ID:jUCLgA6o
ウィッチ「では、失礼しますでございます」

ウィッチは深々と頭を下げ、笑顔で手を振る。

魔道士「じゃあねー!!元気でねーっ!!」

戦士「頼みます」

エリート「ああ。安心してくれ」

青年兵「召喚士さん…」

召喚士「…ん?」

青年兵「…いえ。それでは…また」

召喚士「うん」

エリート「国軍付の件、とりあえず大軍師殿に伺って下さい」

召喚士「…分かりました」

エリートは会釈し、青年兵、ウィッチとともにその場を後にする。

盗賊「……さて」

戦士「俺達は…あっちか」

四人は皇太子と談話する大軍師を見つめる。


753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:14:12.99 ID:jUCLgA6o
ザッザッザ…

男隊員「……」

女隊員「……」

隊長「…………」

ザッザッザ……ピタッ

隊長「ここでいいぞ。解散だ」

男隊員「……」

女隊員「……隊長」

隊長「次の任務まで待機してろ」

女隊員「……はい…ッス」

ザッザッザッザッザ

男隊員「隊長、どうすんのかねぇ…?」

女隊員「嫌ッスよ。隊長のいない強襲隊なんて…」

男隊員「…当たり前だろ。くそ…っ!」

二人は司令部へと向かう隊長の背中を、じっと見送った。


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:14:39.62 ID:jUCLgA6o


召喚士「大軍師さん」

大軍師「これは朱雀先生。此度は大変だったそうですね…」

召喚士「まぁ…色々と…」

皇太子「彼らがいなくては正直危なかったかもしれんよ」

魔道士「そんな事ないですよ!」

召喚士「そこで殿下、例の件なのですが…」

皇太子「例の…?あぁ、そうだったな」

大軍師「……?」

皇太子は大軍師に、事の経緯を説明し、四人の処遇を仰ぐ。

大軍師「成程…。畏まりました」

皇太子「任せるぞ」

大軍師「人事については副司令殿ですので、私から頼んでおきましょう」

戦士「助かります…!」

召喚士「あと…もう一つご相談が……」


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:15:07.22 ID:jUCLgA6o


皇太子「修行…?」

魔道士「はいっ。もっと強くなりたいな…って、思いまして」

大軍師「こちらは構いませんよ。まだ手続き前ですし」

戦士「良かった!」

召喚士「ありがとうございます…!」

大軍師「いえ、それは構わないのですが……」

盗賊「…?」

皇太子「まだ…腕を上げようと言うのか…?」

召喚士「ええ。今のままでは足手まといですし…」

皇太子と大軍師は目を丸め、互いに見合う。

魔道士「あの…何か…っ?」

大軍師「い、いえっ…何でもありませんよ」

皇太子(この若さで…なんと貪欲なのだろうか…。恐れ入るよ…)

盗賊「……?」


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:15:41.13 ID:jUCLgA6o


大軍師「では…話は進めておきますので、終わり次第尋ねてください」

魔道士「ありがとうございます!えへへっ!」

召喚士「殿下も、ありがとうございました」

皇太子「こちらこそ。また頼むぞ…!」

戦士「もちろんっす!」

盗賊「…では」

カツカツカツ…

召喚士「それじゃ、宿を取って今日は休みましょうか…」

魔道士「そうですねっ。お風呂入りたいです…」

戦士「あ、悪い…。ちょっと先に行っててくれ」

盗賊「…?」

召喚士「どうしたの?」

戦士「あーちょっと……師匠を探しに…」

召喚士「師匠…!?」


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:16:52.26 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

ジャアアァァ……キュッキュ

隊長「……ふー」

フキフキ……ジョリジョリ…

隊長「……」

カチャッ…パタン

隊長「……」

テクテクテク…

隊長「……?」

戦士「おっす…」

隊長「…何だ?」

戦士「衛兵に聞いたら、更衣室だって言ってたんで…」

隊長「なんか用か?用がないんなら…」

戦士「頼みがある…!俺を一緒に…連れて行ってくれ!」

隊長「……はぁ!?」


758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:18:03.69 ID:jUCLgA6o
〜宿〜

召喚士「戦士の奴、ちゃんと考えてたんだなぁ…」

魔道士「私達はどうしましょう…?」

召喚士「魔道士さんにはいるじゃないですか。師匠が…」

魔道士「え……?あ…っ!!」

盗賊「…マジシャン…か」

召喚士「はい。多分バーテンさんの所へ行けば、何か分かると思いますよ」

魔道士「そっかぁ…!そうですよね!マジシャンさんなら…っ!」

召喚士「俺は…やっぱり青龍先生かな…」

魔道士「召喚術の使い手では一番ですもんね!」

召喚士「はい。……でも師匠ではないですけどね」

盗賊「……?」

召喚士「俺の師匠は、たった一人しかいませんから…」

魔道士「……召喚士さん」

召喚士「だから師匠ではなく、先生って事で…!」


759 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:20:44.83 ID:jUCLgA6o
盗賊「…私は…どうしよう」

召喚士「盗賊さんの場合、難しいですね…」

魔道士「天才さんとか、魔法剣士さん…とか?」

召喚士「いや、攻撃スタイルが違いますからね…」

盗賊「…ああ」

召喚士「戦士もそれを踏まえて、隊長さんの所に行ったんだと思いますよ」

魔道士「なるほど…!確かにそうですよね……」

召喚士「やはり藤蔵へ行くのが、一番早いかも…」

盗賊「…やだなぁ」

魔道士「盗賊さんみたいに素早い動きでパパっと敵を倒す…人…」

召喚士「…いない…ですね」

盗賊「……」

魔道士「……ごめんなさい」

盗賊「い、いやっ…いいよ。…ゆっくり…考える」

召喚士「すみません…」


760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:22:06.24 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

隊長「事情は分かった。だが諦めてくれ」

戦士「…?」

隊長「俺はもうこの職を降りる。しばらく一人にさせてくれ」

戦士「はぁ!?」

隊長「ちょっと休みてぇって言ったんだよ」

戦士「アンタほどの男が戦線離脱してどうすんだよっ!」」

隊長「てめぇに何が分かるってんだ…!」

戦士「分かってたまるか!そんな事っ!!」

隊長「そんな事だとぉ…!?」

戦士「んなモン、ただ逃げてるだけじゃねーか!!」

隊長「……」

戦士「逃げたところで何が残ってんだ!?バーテンや親父……」

隊長「親父…?」

戦士「あ…っ……」


761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:23:49.06 ID:jUCLgA6o
隊長「何だ親父って…。初代と何か関係あんのか!?」

グイッ

戦士「わ、分かった…!話す!話すから離せ!」

隊長「ああ、早く話せ!」

戦士「ちーがーうー!離せーっ!!」

隊長「だから話せっ!」

戦士「手を離せって言ってんだよ!この野郎!」

ガスッ

隊長「いってぇ!」

戦士「…殺す気か…っ。はぁ…はぁ…」

隊長「……んで、何なんだお前は?」

戦士「俺は…戦士父の息子だ」

隊長「戦士父…!?ま、まさか…一番槍の…!?」

戦士「ああ…。この事はちょっと秘密にいぃ!?」

隊長「……おい」


762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:25:25.03 ID:jUCLgA6o
グイッ

隊長「こ…んの野郎!何でそういう事を隠してやがんだ!?」

戦士「くっ、苦しい…って……」

隊長「道理でその若さで…。納得いったぜ」

ガスッ

隊長「だから脛を…っ!!」

戦士「じゃあ胸ぐら掴むのやめろっ!!」

隊長「お、おうっ…。すまん」

戦士「親父は北で服役させられそうになって逃げた」

隊長「!?」

戦士「だから軍の人間に話すわけにはいかなかったんだよ…」

隊長「そうだったのか…」

戦士「頼む!!あんたの腕を間近で見て…学びたいんだ!」

隊長「……」

戦士「隊長!!」


763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:26:33.58 ID:jUCLgA6o
隊長「俺はしばらく職を離れる」

戦士「……くっ!」

隊長「だから時間はある…」

戦士「……?」

隊長「任務に同行させてやる事は出来ねぇが…」

戦士「……それって」

隊長「稽古をつけてやる事は出来る。それでいいか?」

戦士「……もちろん!!」

隊長「…明日の朝一で本部の裏門に来い。いいな!」

戦士「了解致しました!隊長殿っ!!」

隊長「隊長はよせ。俺はもう隊長じゃねーよ…」

戦士「分かりました!師匠っ!!」

戦士は大声で返答すると、頭を一度下げ、その場を走り去る。

タッタッタッタッタ

隊長「変な野郎だ…まったく。……へっ!」


764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:28:05.78 ID:jUCLgA6o
〜副司令室〜

副司令「本当に…良いのか!?」

隊長「副隊長を失い、殿下を危険な目に合わせたのは私の責任です」

副司令「うぅむ…。しかし、魔族と通じておったのだろう?」

隊長「関係ありません。見抜けなかったのも同罪です」

副司令「それを申せば、任命した私とて同罪だ…」

隊長「……」

副司令「決意は固いようだな…。分かった」

隊長「…申し訳ございません」

副司令「君の代わりを務められるような人間はいない…」

隊長「……」

副司令「特殊遊撃強襲隊は、しばしの間解散とする」

隊長は敬礼の後、丁寧に頭を下げて退室した。

カツカツカツ……パタン

副司令「……」


765 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:29:34.17 ID:jUCLgA6o
カツカツカツカツ…

隊長「……何だよ」

男隊員「……」

女隊員「隊長、自分らもお供するッス」

隊長「バカじゃねーの?待機だっつったろ」

男隊員「隊長はどうすんだよ?」

隊長「ちょっと休養だ。すぐ帰ってくる…」

女隊員「本当…ッスか…?」

隊長「多分な」

男隊員「多分…って…」

隊長「しばらくどっかの司令部にでも厄介になってろ」

女隊員「そんなぁ……」

男隊員「お、おいっ!ちょっと…っ!」

隊長「そんじゃな〜」

隊長は後ろを向いたままひらひらと手を振り、その場を去った。


766 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:30:23.54 ID:jUCLgA6o
〜宿〜

戦士「たっだいまー!」

召喚士「おかえり!上機嫌だね!」

戦士「いやぁ、うまくいったぜ!」

戦士は満面の笑みで親指を立てる。

魔道士「良かったですねぇ!」

戦士「んで、早速明日から世話になる事になった」

盗賊「…明日!?」

召喚士「そっかぁ…。急だけど、仕方ないね…」

魔道士「寂しくなりますね…」

戦士「期間はどうする?」

召喚士「一ヶ月程度を目処にしたいと思うけど…」

戦士「足りるかな…?」

召喚士「それ以上は流石に難しいと思うよ…」

戦士「ま、一度一ヶ月で集まって…様子を見るとすっか…!」


767 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:31:55.80 ID:jUCLgA6o
召喚士「俺も明日、青龍先生を訪ねてみようと思います」

魔道士「それじゃあ私も…明日、大陸港の町へ行こうかな…」

盗賊「…連絡手段は…どうする?」

召喚士「ワークショップは使えないし…」

戦士「身近な拠点を頼るか…」

召喚士「えぇと…国軍本部にバーテンさんの店、それから各司令部…」

戦士「北方司令部は駄目だ。親父絡みの件がある…」

魔道士「そういえば…そうですね…」

召喚士「北は頼れる所がないから、極力行かないようにしよう」

戦士「東方も避けた方がいいと思うぜ」

召喚士「あっ、占い師さんの…!?」

戦士「そうそう。あれがいつを示しているのか知らんが…」

盗賊「…東方は…駄目、か」

召喚士「ではひとまず、その手順でいきましょう」

戦士「おうっ!!」


768 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:33:21.48 ID:jUCLgA6o
〜南東、火山口〜

ゴゴゴゴゴゴ…

タルウィ「人間のくせに結界とは…厄介だね」

ザリチュ「……」

タルウィ「アカ・マナフが時間を稼いでくれたお陰で…こちらも…」

ザリチュ「…!!」

バッ!!

タルウィ「……何だ、人間?」

ザッザッザッザッザ

天才「コイツはとんだ大物みてぇだな…」

格闘家「……あの」

天才「あん?」

格闘家「確かに強い奴ですが…強すぎませんか?」

天才「……だよなぁ」

タルウィ「何か用?出来ればまだ、戦いたくはないんだけど…」


769 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:35:02.43 ID:jUCLgA6o
天才「あん?お前、魔王の眷属か?」

タルウィ「応える義務はないね。あんたこそ何者だ?」

天才「はーっはっはっは!……応える義務はねぇな!」

ザリチュ「……」

格闘家「……」

タルウィ「勝てるなどと思ってはいないよな?」

天才「やってみっか?」

タルウィ「やめておこう。何かあるやもしれぬ…」

天才「そら賢明。んじゃ俺も帰るか…」

ババッ!!…ガキイィィンッ!!

タルウィ「……」

天才「やだやだ…。考えるこ事は一緒かよ…」

ツヴァイハンダーの刀身と、タルウィの右手がぶつかり合い、激しい火花が散る。

天才「熱っち…ぃ!!」

タルウィ「……」


770 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:36:30.86 ID:jUCLgA6o
ババッ…スタッ

天才「こりゃあ…骨が折れるわ」

格闘家「…どうします?」

天才「……」

タルウィ「……ザリチュ」

ザリチュ「……退く?」

タルウィ「以前の人間にも申したはず。ここへは近づくな」

天才「…はぁ」

天才は耳をほじりながら呆れた口調で返事する。

しかし、その直後、顔を強張らせゆっくりと左手を下ろす。

天才(なんだこの気配…!?背後から…っ!?)

格闘家「……!?」

ゾクゥッ!!

ドドオオォォ…

タルウィ「……貴様は…!?」


771 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:38:42.82 ID:jUCLgA6o
二人の人間と二匹の魔物。その背後から巨大な気配がゆっくりと近づく。

天才(何だこれ…!?動け…ねぇ…っ!!)

格闘家「……ぐぅ…っ!!」

ザリチュ「……インドラ」

ザリチュが『インドラ』と呼びかけた気配の塊。姿はない。

インドラ「ダエーワが二人。アンラ・マンユはおらぬか…」

タルウィ「何用か!?」

インドラ「いや、気配がしたものでな…。何かと思って顔を出したまでよ」

タルウィ「……何でもない。退くが良い」

インドラ「貴様らは…?」

タルウィ「……退く」

インドラ「そうか。それならば良い…」

ズズッ…ドオオォォ……

タルウィ「…ちっ。ザリチュ、退くぞ」

ザリチュ「……」


772 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:40:07.71 ID:jUCLgA6o
天才「…!?」

タルウィ「命拾いしたな…人間」

タルウィとザリチュは噴火口の中へとその姿を消した。

ザッ

格闘家「はぁ…はぁ…はぁ…っ!!」

天才(インドラ…!?何なんだチクショウ…!!)

大量の汗とともに困ぱいする二人を遠方より眺める二つの影。

ネクロマンサー「内通者の言う通り、結界を排除したのは良いのですが…」

魔剣士「……」

ネクロマンサー「アンラ・マンユ、何か良からぬ事にならねば宜しいですが…ククッ」

魔剣士「……」

ネクロマンサー「どうしました?行きますよ…?」

魔剣士「……はい」

ネクロマンサー「さぁて、次は…どこへ行きましょうか。クククッ」

ネクロマンサーと魔剣士は闇の中へと消えていった。


773 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:41:36.03 ID:jUCLgA6o
〜次の日〜

魔道士「おはようございます!」

盗賊「…おはよ」

戦士「元気だなぁ…」

魔道士「寂しいからって…悲しんでいられませんからっ!」

召喚士「魔道士さん…」

戦士「お前は…どうする?」

盗賊「……」

魔道士「盗賊さん…?」

盗賊「…構わずともよい。…己で何とか…するから」

魔道士「でもぉ…」

召喚士「……分かりました」

戦士「そうだよな。自分で道を切り拓かなくちゃな!」

魔道士「そう…ですよね…っ」

盗賊「…ああ。だから…大丈夫!」


774 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:43:17.35 ID:jUCLgA6o


召喚士「では、俺は司令部へ向かいます」

戦士「俺もだ。途中まで一緒に行くか!」

魔道士「私は港まで出て、そこから船で向かいます」

盗賊「…私は…南へ向かってみる」

戦士「南…?」

盗賊「…ん。…何かと…縁もあるし」

戦士「そっか。頑張れよ!」

盗賊「…うん!」

召喚士「それではまた、一ヵ月後に!」

魔道士「はいっ!頑張りましょうね!えへへっ!!」

戦士「では…出発!!」

盗賊「…また」

四人は更なるレベルアップを図る為、それぞれの道を歩み始めた。

そこに待ち受けるものは、試練か…それとも…。

〜第十九部、完〜


775 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/05(月) 18:16:25.52 ID:6PbJVoIo
ついに十九部終わりか。
次回は個別の修行メインなのかな。
とりあえず後七十一部がんばって!


776 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/05(月) 18:37:19.38 ID:jUCLgA6o
とりあえずキリいいところまではいけましたかね…
本日もご支援ありがとうでした!それでは!ノシ

>>775
勘弁して下さい……


796 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 13:06:58.78 ID:LpSalMko
製作とパー速にわかれても同一IDが通じる不思議



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