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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その23
369 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:26:31.45 ID:QUNhdoAo
〜次の日〜

まだ日も明けきらぬ早朝。召喚士と盗賊は防寒用の身支度を整え、

北の村より発つ。目指すは当然ながら廃墟の村。

召喚士「今日こそは……」

盗賊「…必ず」

この日、明け方は生憎の雪に見舞われ、気温も著しく冷え込んだ。

しかしながら、夜明けと共に天候は回復し、全国的に晴れ模様と相成った。

ザッザッザ…

盗賊「…着いた」

召喚士「途中で雪が止んでくれて助かりましたね」

盗賊「…ああ」

召喚士「それでは入りましょうか」

〜廃墟の村〜

召喚士と盗賊は並び歩き、一路これで三度目の訪問となる教会へと一直線に進む。

盗賊「……」

召喚士「……」


370 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:27:14.38 ID:QUNhdoAo
ザッザッザッザッザ…

盗賊「……待て」

召喚士「…!?」

ジャリッ…

盗賊「…中に、気配を感じる」

召喚士「!!」

盗賊「……人間…か?」

召喚士「複数…ですか!?」

盗賊「…いや、一人のようだ」

召喚士「……」

タタッ…ザサァ

召喚士「……誰かっ、いるのか!?」

半壊した扉越しに、中へと大声で叫ぶ召喚士。

やがて中からは聞き覚えのある声で返答が発せられる。それは女性の声。

女侍「ふふっ、入りなよ」


371 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:27:46.01 ID:QUNhdoAo
ザッザッザ…

女侍「……久しぶりじゃあないかい」

召喚士「女侍…さん」

女侍「おや?今日は二人かい?」

盗賊「……」

女侍「…あははっ、怖い顔しなさんな。美人が台無しだよぉ〜?」

盗賊「……っ」

女侍「それで、何のようさね?」

召喚士「……今日はいらっしゃったのですね」

女侍「ああ。正確に言うと、待っててアゲたんだけどねぇ〜」

召喚士「女侍さん。あなた達の目的は何です?」

女侍「目的?」

召喚士「はいっ。目的です」

女侍「……あはははは!これは可笑しな事を言うねぇ!」

盗賊「……」


372 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:28:13.38 ID:QUNhdoAo
女侍「目的なんてないよ。強いて言うなら生きる仕事さね」

召喚士「とぼけないで下さいっ!」

女侍「とぼけてなんざいないよぉ。本当の事さ」

召喚士「召喚関連の書物はどうなんです?」

女侍「それはクライアントからの依頼さね」

盗賊「……」

女侍「アタイらがどうこうってモンじゃあないよっ」

召喚士「クライアントは誰なんです?」

女侍「あははっ、言えると思うかい?」

召喚士「……いえ」

女侍「じゃあそういう事さ」

盗賊「……」

女侍「ところでアンタら、どっちだい?」

召喚士「え…?」

女侍「自主的に来たのか、お国の命令で来たのかって事さ」


373 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:28:42.80 ID:QUNhdoAo
召喚士「……両方です」

女侍「両方かいっ。そりゃご熱心な事」

召喚士「……」

女侍「それでそうする?この身柄をしょっ引こうってかい?」

召喚士「…手荒な真似はしたくありません。一緒に来て頂けませんか?」

女侍「行けば有罪、逃げれば有罪……」

盗賊「……」

女侍「それなら誰だって、自由を選ぶだろう?」

召喚士「ですが、きちんと話せば分かって貰えるかもしれません」

女侍「お国の連中はそんな柔らかい頭は持ち合わせちゃいないよぉ」

召喚士「ですが…っ」

女侍「大体、手荒な真似して……アタイに勝てるとでも思っているのかぃ?」

盗賊「…やってみなければ分からん」

女侍「分かるよ。強くなったつもりだろうが…相手の力量くらい量れるんだろう?」

盗賊「……っ」


374 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:29:30.60 ID:QUNhdoAo
女侍「虚勢を張るのはやめておきな。アタイは人間だからって手加減は出来ないよ」

召喚士「では、どうすれば宜しいですか?」

女侍「何もしなくていいよ」

召喚士「……?」

女侍「アンタらもお国の連中も、関わらないでくれって事さね」

――「そうは参りません」

突如背後から男の声が聞こえてくる。その男は教会内部へと足を進め、

中央部分で立ち止まり羽扇を突き出し、言葉を続けた。

大軍師「贖宥状を反故にし、罪を重ねた事実は見逃せません」

女侍「…なーんだ、まだそんな事根に持ってるのかい」

教会奥の壇上に腰掛けていた女侍は、飛び降りると同時に指を鳴らす。

パチンッ……ススッ…スススッ

イヌ「……」

キジ「……」

女侍「殺すんじゃあないよ。大切なお客様だ」


375 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:30:08.80 ID:QUNhdoAo
サル「…殺せるかってんだ」

召喚士「サルさん…!?それに、皆さんも……」

盗賊(馬鹿な…っ!ここまで気配を殺せるものなのか…っ!?)

大軍師「根に持つ必要はありませんが、貴女達は法を犯したのです」

女侍「……」

大軍師「その罪は免れませんよ」

女侍「法ったって、そんなものはアンタらが勝手に作ったものだろう?」

大軍師「……」

女侍「アタイらの法にはそんな事、書いてなかったけどねぇ…?」

キジ「ああ、全くさぁ!」

大軍師「今はそのような問答をするつもりはありません」

女侍「理不尽な話だ事。これだから頭の固い連中は嫌いさね」

イヌ「全くね。こっちはいい迷惑ね」

サル「軍人さんよ、今日のところは退いてくれねぇかい?」


376 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:30:42.83 ID:QUNhdoAo
大軍師「……此方も退くわけにはいかんのですよ」

女侍「……」

大軍師「貴女達が罪のない物から盗みを働かない事は存じております」

女侍「……ふぅん」

大軍師「しかし、目を瞑ってしまっては他に面目が立ちません」

女侍「アンタらだって、似たような事してんじゃないのかい?」

大軍師「……」

女侍「そういうところが嫌いだって言ってんのさ」

大軍師「まぁ、お気持ちは分かりますよ」

サル「はぁ?」

大軍師「お見せしたいものがあります。一緒にきては頂けませんか?」

キジ「……?」

イヌ「お頭、罠に決まってるね」

大軍師「それを見て、考えを改めて頂けませんかね?」

女侍「……」


377 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:31:24.14 ID:QUNhdoAo
サル「なーに言ってんだか。そんなんにホイホイ……」

女侍「……いいよ」

サル「そうそう、いいよ……ってぇ!?おいっ!!」

女侍「但し、罠だった時の事を考えて条件がある」

大軍師「何でしょう」

女侍「行くのはアタイとサルも二人」

大軍師「構いません」

女侍「更に、この二人は人質さね!」

グイッ

盗賊「……!?」

召喚士「お、俺らですかっ?」

女侍「コイツらはここでイヌ、キジとアタイらの帰りを待ってもらう」

大軍師「流石にそれは……」

召喚士「……いいですよ」

盗賊「…うん」


378 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/30(木) 23:55:43.89 ID:QUNhdoAo
大軍師「朱雀先生…っ!?」

召喚士「それで解決出来るのなら…喜んで」

女侍「献身的じゃあないか。軍人なんかよりよっぽどイイよぉ〜」

大軍師「……」

サル「どーすんだい?コイツらに恥をかかせるってかぁ?」

大軍師「……分かりました。お言葉に甘えましょう」

女侍「よし決まりだ。イヌ、キジ。この二人を頼むよ」

キジ「アイアイサー」

大軍師「すぐに戻ります。申し訳ありませんが……」

召喚士「大丈夫です。大軍師さんに全て、お任せしますから」

盗賊「…ああ」

大軍師「……はい」

サル「さーて、そんじゃ行こうかねっ」

イヌ「二人はこっちに来るね。アジトで待ってるといいね」

召喚士「はい。お世話になります」


381 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:34:36.86 ID:rjSW9lIo


召喚士「行っちゃいましたね」

盗賊「…うん」

キジ「さぁさぁ、自分の家だと思ってくつろぐさー」

召喚士「あ、ありがとうございます」

イヌ「しばらくの辛抱ね。お頭戻ったらすぐに開放するね」

召喚士「……あ、あのぉ」

イヌ「…?」

召喚士「なぜ皆さんは盗人稼業を続けているんですか?」

キジ「…不思議な質問するさー」

イヌ「特に理由はないね。他にする事ないからね」

盗賊「……」

召喚士「でも、ワーカーになったりとか…他にも稼ぐ方法は…」

イヌ「それは駄目ね。国軍のイヌにはなりたくないね」

キジ「ヌがイヌ言ってるさー!アハハハ!」


382 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:35:06.48 ID:rjSW9lIo
召喚士「……」

イヌ「みんなお頭が好きね。だからお頭に付いて行くだけね」

キジ「そうさそうさー!」

召喚士「じゃあどうして女侍さんは盗賊団を…?」

イヌ「さぁ。聞いた事もないね」

キジ「お頭は軍人とか国の偉い人が大っ嫌いさー」

盗賊「……」

キジ「東方の人だから詳しくは知らないさー」

召喚士「そうですか……」

イヌ「でも一つ言える事は、お頭はきっと弱い人を助けたいね」

キジ「そうさそうさー。だからみんなで悪い奴からお宝を盗む。これぞ義賊さー」

盗賊「…義賊」

イヌ「どうせ悪い事して儲けたお宝ね。盗んでも因果応報ね」

キジ「それを貧しい人や弱い人に返してあげる。言うなれば人助けさー」

召喚士「……人助け」


383 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:35:32.72 ID:rjSW9lIo


パッカパッカパッカ…

大軍師「つまり、人助けの為の義賊好意であると?」

サル「そうそうっ。俺達は世の為人の為に仕方なーく、盗みをやってんのよっ」

大軍師「……本当ですか?」

女侍「さぁね〜」

サル「おいおい!せっかく人がフォローしてるってのによ!」

女侍「それで、見せたい物ってのは何なんだい?ウチらだってそう暇じゃあないんだよ?」

大軍師「もう間もなく着きます」

女侍「……」

正午を迎える頃、三人の駆る馬は北の村へと無事到着する。

パッカパッカパッカ…

女侍「…村?へぇ、しっかり復旧してんじゃあなのさっ」

大軍師「ええ。どうです?この村こそが貴女達にお見せしたかったものですよ」

女侍「…村を?」


384 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:36:00.17 ID:rjSW9lIo


大軍師「この村は屯田、即ち弱き者らが築き上げました」

サル「マ…マジかよっ」

大軍師「自分達で作り上げ、自分達で生活する」

女侍「それで、徴兵して戦に駆り出そうってのかい?」

大軍師「それは皆が望んでいる事です。強制ではありませんよ」

女侍「防衛衝動をくすぐってんだろ?結果としちゃ同じ事さね」

大軍師「強制的に行うんと、自発的に行うのでは中身も違いますよ」

女侍「……ふん」

大軍師「事実、彼らの表情をご覧になれますか?」

サル「…ったく、みーんないい笑顔で働いてんぜぇ」

大軍師「そうです。誰に縛られるでもなく、自らがこうどうしているからこそです」

女侍「お国もこれだけの事をやってる。そう言いたいのかい?」

大軍師「そうではありません。我らはほんのきっかけを与えるにすぎません」

女侍「……」


385 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:36:27.98 ID:rjSW9lIo
大軍師「これからの時代はかくあるべき。そうは思いませんか?」

女侍「そう思いたいねぇ」

大軍師「その為にまずは国軍、そして何れは本国と変えていきます」

女侍「アンタに出来るのかい?」

大軍師「私一人には到底無理な話。しかし仲間が居ます。志を同じくとした仲間が」

女侍「だから手を貸せってかい?」

サル「都合のいい話だなぁ〜」

大軍師「共闘しろとは申しません」

女侍「自重しろって事かい」

大軍師「そしてもし、敵の情報を存じていれば……」

サル「渡せってか」

女侍「生憎そんな大層なモノは持ち合わせちゃあいないよ」

大軍師「……それが聞けただけでも結構です」

女侍「…ふん、まぁいいさね。考えておくよ」

大軍師「ありがとうございます」


386 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:37:07.90 ID:rjSW9lIo
テクテクテク…

大軍師「馬は宜しいので?」

女侍「見逃してくれるんだろ?」

大軍師「今日のところは。もし同じ様なことがあれば……」

サル「へいへい。気ぃ付けますって」

女侍「それにこの馬、この村のモノ何だろう?」

大軍師「……」

女侍「軍馬だったら頂戴してもいいとこだけど…それは出来ないよ」

サル「んじゃな!まーた会おうぜ〜!」

シュタッ…タタタタタッ…

大軍師「……」

ヒゲの男「先生、見逃しちまって良かったのかい?」

大軍師「おや、いらっしゃったのですか。まぁ悪い連中ではなさそうですし……」

ヒゲの男「あーいう連中だって私利私欲で好きにやってるわけじゃねぇ。分かってやってくれ」

大軍師「ええ。重々分かっております。今回話をして、更に強く感じましたよ…ふふっ」


387 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:37:48.50 ID:rjSW9lIo
〜廃墟の村、夕刻〜

タタッ…テクテクテク

サル「たっだいまー」

キジ「おかえりさー!」

イヌ「お頭、無事ね?」

女侍「ああ。アンタらも悪かったねぇ」

召喚士「いえ。それで…どうでした?」

女侍「大層立派なモノを見せて貰ったよぉ」

盗賊「……」

サル「そうそう!お前らにも後で聞かせてや〜るからなぁ!」

イヌ「別にいいね」

キジ「別にいいさー」

サル「お、おいっ!そこはお前、聞くところだろ〜がよっ!」

盗賊「……ふっ」

召喚士「…ふふっ、あははっ」


388 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:38:21.57 ID:rjSW9lIo


女侍「さーて、そろそろ出発しよかねぇ」

召喚士「ここを離れるんですか?」

女侍「流石に本国の奴らがあんな事してるんじゃあ、邪魔は出来ないねぇ」

盗賊「…そうか」

キジ「それで、次はどこへ行くさー」

サル「北はもう寒い。俺は南がいいと思うぜ」

女侍「いんや、これからはアジトは要らないよぉ」

イヌ「放浪するね?」

女侍「そろそろ名を売ろうじゃないかい。天下御免の大泥棒ってね」

キジ「それ、いいさー!賛成さ!」

イヌ「世界中で暴れまわってやるね!」

サル「やーれやれ、忙しくなってきやがった!」

女侍「それじゃお前ら、イクよっ!」

サル・キジ・イヌ「おーっ!!」


389 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:39:10.36 ID:rjSW9lIo
テクテクテク…

召喚士「お、お気をつけて!」

サル「あーりがとよ〜!」

女侍「アンタらも頑張るんだよぉ?」

盗賊「…ああ」

召喚士「あっ、そうだ」

イヌ「…?」

召喚士「ここに来る前は…西にいらしたんですよね?」

キジ「そうさー。西はいい所さー」

召喚士「西国…ですか?」

女侍「知ってるのかい?」

召喚士「あ、ええ…。西国の王族とかに知り合いがいまして…」

サル「へぇ〜。大したモンだわ」

女侍「そうかい。本国の奴らに言っといてやんな」

召喚士「……?」


390 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:40:09.96 ID:rjSW9lIo
女侍「西国はいいよぉ。うかうかしてるとあっという間に食われちまうよぉ?」

召喚士「……」

女侍「それじゃ、また会う事もあるかもねぇ」

サル「カワイコちゃんにもヨロシクねぇ!」

キジ「バイバイさー」

イヌ「元気でいるね!」

ヒュバッ…タタタタタッ…

盗賊「……行ってしまったな」

召喚士「…ええ」

盗賊「…不思議な奴らだ」

召喚士「でも、いい人達ですよね…」

盗賊「…うん」

召喚士「……俺らも…戻りましょうか」

盗賊「…だな。お役御免だ」

召喚士「帰りましょう。北の村に」


391 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:40:44.92 ID:rjSW9lIo
〜北の村、夜〜

メラメラッ…パチッ

青年「おっ!戻ってきましたぜ!」

ヒゲの男「無事だったか!お疲れさん!」

召喚士「皆さん…。ありがとうございます」

大軍師「何もありませんでしたか?」

召喚士「ええ。すぐに開放して貰えました」

大軍師「それで彼女らは……」

召喚士「旅立ちました。世界中で暴れまわるって…」

大軍師「……そうですか」

盗賊「…あの村はもはや無人だ」

大軍師「ありがとうございます。それでは廃墟の村も屯田に入りたいと思います」

召喚士「気を付けて下さい。例の魔物、また来るかもしれません」

大軍師「そうですね。お気遣いありがとうございます」

召喚士「いえ…」


392 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:41:25.50 ID:rjSW9lIo
大軍師「此度の件、本当にありがとうございました」

召喚士「いえ…。俺らは結局何も出来ませんでした……」

盗賊「…ああ」

大軍師「そんな事はありません。貴方達が居たからこそ、会う事が叶ったのです」

召喚士「そうですか…?」

大軍師「はい。顔が広いというのも、大変素晴らしい事です」

召喚士「ど、どうも……」

大軍師「では、ゆっくり休んでください。お疲れでしょう」

召喚士「ありがとうございます」

盗賊「…では」

テクテクテク…

大軍師「世界中でか…。ふっふ、これはまた…手間がかかりそうですねぇ」

北を離れ世界中を放浪する事と相成った女侍とサル、キジ、イヌ。

一同の活動や名声は庶民の間に広く知れ渡り、その名を後世へと残す事となる。

後の世では御伽噺とまで発展し、永らく親しまれる事となるがそれはまだ先の話。


393 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:42:10.87 ID:rjSW9lIo
ガチャッ…パタン

召喚士「盗賊さん、お疲れ様でした」

盗賊「…召喚士も…お疲れ」

コンコン

召喚士「…?はい」

屯田兵「失礼します。伝令から手紙を預かってます」

召喚士「手紙…?ありがとうございます」

盗賊「…何だろ?」

召喚士「……あっ!戦士と魔道士さんからです!」

盗賊「何っ!?」

カサッ…パラパラパラッ

召喚士「えぇと、レジスタンスの件は解決して……えぇっ!?」

盗賊「どうした!?」

召喚士「レジスタンスのリーダーが……剣士さん…っ!?」

盗賊「…今すぐ南に来いとあるな。……向かおう!!」



〜第二十九部、完〜


394 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/31(金) 02:50:19.35 ID:rjSW9lIo
二十九部おわりですー。次回三十部は戦士と魔道士編です!
2010年もいよいよ残すところあと1日!皆様お疲れ様でした!
最後まで頑張りぬけましょー。というか明日は三日目か…

それでは、おやすみなさいませ〜!ノシ

〜オマケ〜

魔道士「……出番がありません」

戦士「いや、次からやっと俺らの番らしいぞ?」

魔道士「ほんとですかっ!良かった〜」

戦士「そんなに嬉しいか?」

魔道士「もちろんですっ!皆さん私の事なんて忘れちゃってますよきっと…」

戦士「そうなのか?」

魔道士「そうですよ…。戦士さんなんてなかった事になってるかも…」

戦士「!?」

魔道士「いや、きっと泉から綺麗な戦士さんが登場してその戦士さんが既に…」

戦士「!?!?!?」

魔道士「更にはドッペルゲンガーの戦士さんがその綺麗な戦士さんと一緒に……」

戦士「……ややこしい!」



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