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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
909 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:26:54.62 ID:sQRb2ASwo
〜東方司令部〜

大軍師「…………」

カツカツカツ

東方参謀「古くに、そんな彫刻を見かけた事があるな」

大軍師「……考える人、ですか?」

東方参謀「真似事か?」

大軍師「ふっふ、私にもようやく宴会芸を身に付ける事が出来ましたな」

東方参謀「……それで、本国混乱の間隙を縫って、何の用だ?」

大軍師「偶然ですよ、偶然」

東方参謀「まぁよいわ。それよりもどうだ?」

大軍師「流石に、今のところ何も……」

東方参謀「事故からかなり経っておるからな。今更だな」

大軍師「事故…?事件の間違いでしょう?」

東方参謀「……それは悪かったな」

大軍師「事故で済めば、良かったのですがねぇ」


910 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:27:21.05 ID:sQRb2ASwo


大軍師「…………」

東方参謀「……なぁ」

大軍師「はい?」

東方参謀「今回の狙い、何が目的なのだ?」

大軍師「……どちらのですか?」

東方参謀「どちらもだ」

大軍師「確かに。割とすんなりこちらの思惑に乗ってくれていますねぇ」

東方参謀「安易だとは思わんか?」

大軍師「思いますが、こちらも手筈は周到に進めました故……」

東方参謀「敵を欺くには味方……か」

大軍師「誰が敵で、味方なのか悩ましいものですがね。ふっふ」

東方参謀「……」

大軍師「副司令官が内通者である事は、ほぼ間違いありません」

東方参謀「しかし今まで、全く尻尾を出さなかったのだ。何故今になって……」


911 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:27:47.45 ID:sQRb2ASwo
大軍師「左大臣の表立った動きに加え……ここでの……」

東方参謀「……そしてここでの事故」

大軍師「それにしては、入れ替わるように左大臣の動きが止まって――」

スクッ

大軍師「…………」

東方参謀「…どうした?」

大軍師「左大臣は…軍務の一切に口出しをしていなかった……っ」

東方参謀「それはそうだ。考えうる奴の狙いは……」

大軍師「……陛下っ!!」

東方参謀「……ちっ、面倒な事だ!」

大軍師「副司令の動きは牽制っ!あくまで罠に掛かった振りをした上での……」

東方参謀「真の狙いは……左大臣による、陛下への……」

大軍師「やってくれますね……。この私が謀られるとは……」

東方参謀「だが、このタイミングで陛下をどうしようというのだ……」

大軍師「……」


912 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:28:13.89 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「病床の上におられる陛下だ。言い方は悪いが……」

大軍師「放っておいても……死にますか?」

東方参謀「……っ」

大軍師「確かにそうですね。メリットは……ないはず」

東方参謀「ならば考えられる理由は……」

大軍師「…………」

東方参謀「……ま……さかっ」

大軍師「準備が整った段階で崩御なさるのと……突発的な崩御では……」

東方参謀「勝手が違う!混乱の中では更に混乱を極め……」

大軍師「……」

東方参謀「おい、奴の狙いは政権の掌握だ!後継者を……」

大軍師「落胤か……っ。まさか、もう突き止めているとは……っ」

ザッ

東方参謀「どこへ行く!?」

大軍師「本国へ戻ります!王宮へ……」


913 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:28:43.53 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「今からでは遅い!」

大軍師「しかし、放っておくわけにも……」

東方参謀「……いいだろう」

ザッザッザ…

大軍師「……?」

東方参謀「この柱で十分か……」

トンッ…スタッ…トンッ

東方参謀「…ふん」

ボゴォ

大軍師「……は、柱を……っ」

東方参謀「南西の方角、距離は……」

大軍師「いっ、一体……何をっ」

東方参謀「柱を投げたと同時に、風を頼む」

大軍師「!?」

東方参謀「お前の十八番であろう?頼むぞ」


914 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:29:14.77 ID:sQRb2ASwo
ザッ

東方参謀「すううぅぅ……っ」

グググッ

東方参謀「でやああぁぁーっ!!」

ブンッ!!

大軍師「はああぁぁ!!」

キュイイィィィィ……ブオオォォンッ!!

東方参謀「ひょおっ!!」

スタッ…ゴオオォォォォ…

大軍師「は、柱に乗って……本国まで行くと言うのか……っ!?」

ギュオオォォォォ…

大軍師「これで、間に合えば良いが……」

――「……ちっ」

バッ!!…クルッ

大軍師「……気の…せいか…?」


915 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:29:46.05 ID:sQRb2ASwo
ギュオオォォォォ

東方参謀「……」

キラッ

東方参謀「むっ!?」

バガアアァァッ!!……スタッ

東方参謀「何奴っ!?」

バサッバサッバサッ…

ガーゴイル「……ケッケッケ!」

東方参謀「……この程度の数で」

ガーゴイル「かかれぇ!!」

東方参謀「甘いっ!甘いわあぁ!!」

キュイイィィン…

ガーゴイル「な、何だ…っ!?体ぜんたいが光って――」

東方参謀「爆発っ!!」

チュドオオォォォォンッ!!


916 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:30:15.82 ID:sQRb2ASwo
ガーゴイル「ギイヤアアァァーッ!!」

ドドオオォォ…パラパラパラッ

東方参謀「……ふんっ」

キランッ

東方参謀「何っ!?」

ゴオウッ!!…ガガアアァァァァッ!!

東方参謀「ぬうぅ……っ!」

クルクルッ…スタッ

東方参謀「今の閃光は……」

ザッザッザッザッザ

東方参謀「……召喚獣!」

コート男「…くっく。どこへ行こうと言うのかね?」

東方参謀「…貴様はっ!?」

コート男「どうやら、良からぬ事のようだ」

東方参謀「こんな所で貴様と遊んでおる暇はないっ!!」


917 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:30:41.68 ID:sQRb2ASwo
タンッ

コート男「……老いたな。東方先生」

勢い良く地面を蹴る東方参謀の足場が、突如盛り上がる。

ゴウッ!!

東方参謀「何ぃ!?」

ベヒーモス「ゴアアァァァァ!!」

キュイイィィ……

東方参謀「ちいぃ……っ!!」

ガガアアァァァァッ!!

ベヒーモス「……フシュウウゥゥ」

ガラガラッ…カラン

コート男「……」

ゴトンッ…グググッ

東方参謀「……お…のれ……っ」

コート男「まだ生きているのか……しぶとい奴だ」


918 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 20:31:47.30 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「貴様、人間を捨ててまで……何をしようと……」

コート男「お前さんにゃあ、関係ないよ」

東方参謀「東方副司令や……白虎長の気持ちが分かるか!?」

コート男「……興味ないな」

キュイイィィ

コート男「死ね」

東方参謀「……タダでは……死なぬっ!」

コート男「……はんっ!その身体で何が出来るかっ!!」

ドドオオォォォォン!!

東方参謀「――っ!!」

ゴシャアアァァ…

東方参謀「……無…傷!?」

コート男「……ちっ、ベヒーモスが一撃とはな。何者だ……?」

ザッザッザッザッザ

――「…………ふぅ」


923 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 21:28:36.68 ID:os2zcMhKo
なんという桃白白


924 名前:NIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 22:11:58.62 ID:d5uJHvuAO
東方不敗+桃白白=最強


925 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:09:15.97 ID:/DVdLl6DO
東方不敗×桃白白で一気に噛ませ臭くなったと思うんだが


927 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:40:23.02 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「貴様は……っ!」

賢者「……こんな所で…無益な……ふぅ」

コート男「……新手か」

賢者「新手?君は人じゃないのかい?」

コート男「……」

東方参謀「問答はよい、その男から離れよ!」

コート男「まとめて殺し――」

ブゥン…

コート男「……っ!!」

賢者「召喚獣を出せば、それに反応し発動するよ……ふぅ」

東方参謀「…魔法陣!?い、いつのまに……っ」

コート男「……やってくれる」

賢者「きょうのところは…退いた方がいいと思うよ……ふぅ」

コート男「……っ」

賢者「……それでいい……ふぅ」


928 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:41:22.08 ID:sQRb2ASwo
スゥッ

コート男「……今はいい。今は……な」

ゴウッ……ドウゥンッ!!

賢者「……召喚獣って乗れるんだ」

東方参謀「……」

賢者「…ふぅ。それで、何をしてるのかな」

東方参謀「ほ、本国へ……行かねば」

賢者「ターミナルまですぐそこだよ。行くがいいさ…ふぅ」

東方参謀「……っ」

賢者「……分かったよ、仕方ない……ふぅ」

東方参謀「…?」

スゥッ…パアアァァ

東方参謀「…きっ、傷が……っ!?」

賢者「はい、おしまい。これは貸しにしておくよ……ふぅ」

東方参謀「……こ、こうしてはおれん!」


929 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:42:04.18 ID:sQRb2ASwo
バッ

賢者「まさか徒歩で来たのかい?」

東方参謀「飛んできた」

賢者「へぇ、それは凄いね……ふぅ」

東方参謀「ターミナルへ行くつもりが、とんだ邪魔が入ったわ…」

ザッ

東方参謀「とにかく助かったわ。借りはいずれ返すぞ」

賢者「……ふぅ。期待せずに待ってるよ」

シュタッ…タタタタタッ

東方参謀(……改めて思えば…さっきのコート男)

スタタタタタッ

東方参謀(何が目的で、あのような所へおったのだ?)

スタタタタッ…

東方参謀「む……っ!?」

疾走する東方参謀の前に、見覚えのある馬車がうっすらと見え始める。


930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:43:03.25 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「あれは……っ!」

ズザザザァ

東方参謀「……仕方ない。気付いてくれよ……っ」

キュイイィィン……ドガアアァァ!!

国軍兵長「何の音だ……!?」

パッカパッカ…ドドォ

国軍兵「あれは……竜巻!?」

国軍兵長「こんな所でか!?まさか……魔物か?」

国軍兵「ど、どうしますかっ!?」

国軍兵長「……待て、何か…来る!?」

シュタタタタタッ

国軍兵「人間…っ!?いや、まさか……っ」

タタタタタッ…ズザァ

東方参謀「はぁ…はぁ、よくぞ止まってくれた」

国軍兵長「あ、あなたは……東方参謀様っ!?」


931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:44:05.48 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「大軍師を送り届けた馬車だな?これから本国へ帰還か?」

国軍兵「え、ええ…。いかにも…そうですが」

東方参謀「助かった。急を要しておってな、馬を貸してくれ」

国軍兵長「馬ですか?」

東方参謀「うむ。何とか本国に辿り着かねばならぬ…」

国軍兵長「何か……緊急事項で?」

東方参謀「まぁな。伝令も出ているとは思うが…とにかく急ぎなのだ」

国軍兵「そうでしたか。それは惜しかったですね…」

東方参謀「…?」

国軍兵長「あぁ…先程、軍船が出航しましてね。あれに乗れれば……」

東方参謀「今……なんと言った?」

国軍兵長「で、ですから…軍船が……」

東方参謀「……こいつを借りるぞ!」

グイッ

国軍兵「南東国で付け替えた南東国馬です。気性が荒いのでお気を付けて!」


932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:46:04.18 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「……南東国の馬か。丁度よいわっ!!」

バシィ!!…ドドッドドッドドッ

東方参謀「この脚ならば……っ!!」

ドドッドドッドドッドドッ…

東方参謀を背に乗せた馬は、海岸沿いを剛脚で駆け抜ける。

ドドッドドッドドッ…

東方参謀「……見えたっ!!」

崖上から眺める水面。その右手に国軍の船が浮かんでいた。

東方参謀「気付いて……くれよ」

シュッ…バシュシュシュシュシュシュシュ!!

東方参謀「……っ」

グイッ…ドドッドドッドドッ

東方参謀「今出来る事はここまでよ…。あとは、なるようにしかならんか」

緊急を知らせる紫色の閃光弾が消えるのを確認し、

東方参謀は再び馬を西へと走らせた。


933 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/21(月) 23:52:49.71 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「……南東国の馬か。丁度よいわっ!!」

バシィ!!…ドドッドドッドドッ

東方参謀「この脚ならば……っ!!」

ドドッドドッドドッドドッ…

東方参謀を背に乗せた馬は、海岸沿いを剛脚で駆け抜ける。

ドドッドドッドドッ…

東方参謀「……見えたっ!!」

崖上から眺める水面。その右手に国軍の船が浮かんでいた。

東方参謀「気付いて……くれよ」

シュッ…バシュシュシュシュシュシュシュ!!

東方参謀「……っ」

グイッ…ドドッドドッドドッ

東方参謀「今出来る事はここまでよ…。あとは、なるようにしかならんか」

緊急を知らせる紫色の閃光弾が消えるのを確認し、

東方参謀は再び馬を西へと走らせた。


934 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 00:14:19.46 ID:VnT8aoZdo
ペース遅くてほんとすみません…。もっともっと頑張らなくちゃ!
それではおやすみなさい!寒いけどお気をつけて!ノシ


936 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 02:05:24.38 ID:VPl5+liAO
>>1おつ

これくらいのペースで十分ですたい


937 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 02:55:16.63 ID:J9sTVBTSO
乙!

東方先生+気性の荒い馬……マスターアジアっ!!


944 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:44:16.92 ID:Yaxb9Ndmo
〜海上〜

海兵「……お、おいっ。今の…見たか?」

国軍兵「あ、あぁ……っ」

カツカツカツ

船長「何を騒いでおる?」

海兵「閃光弾です……っ。紫色の……」

船長「紫…?東方司令部かっ!いくつだ!?」

国軍兵「確か……九つ」

船長「紫の9……!!ここから近い灯台は!?」

海兵「かなり西へ進まないと……ありません」

船長「……くそ…っ」

国軍兵「紫の9って確か……」

ザッザッザッザッザ

青龍士官「……至急。東方司令部で何かあったのだろう」

国軍兵「青龍士官様っ!」


945 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:44:57.22 ID:Yaxb9Ndmo
ザッ

青龍士官「閃光弾の上がった方向は?」

海兵「確か……あの辺り……」

青龍士官「……」

船長「どうするつもりだ?」

青龍士官「俺が行く」

船長「行くって……っ!?」

青龍士官「こういう時の為に、同行いるのだ」

バッ

青龍士官「出でよっ、ワイバーン!!」

シュイィィン……ガシッ

青龍士官「俺は気にせず、船は進めてくれ!」

船長「た、頼む…っ!」

ドシュウウゥゥ!!…バサァ

船長「……よし、こちらも急かすぞ!灯台まで全速前進!!」


946 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:45:26.03 ID:Yaxb9Ndmo
バシュウウゥゥ…バサッ…バサッ

青龍士官「……」

……――

青龍士官『……話?』

青年兵『うん。先日会った召喚士のワーカーが…話してたんだ』

青龍士官『だがよ、召喚獣と話すなんて普通考えるか?』

青年兵『僕も魔法だとばかり認識してた…。でも、あの人は違った……』

青龍士官『なんだ?まさか生き物だとでも言うのか?』

青年兵『……国軍の教えが間違っているとは言わないけど、何か違うんだ』

青龍士官『俺達…召喚隊が他の召喚士と関わる事なんて皆無だしな』

青年兵『でももし…召喚士さんの言う通り、会話をすれば連携や戦術の幅も広がる』

青龍士官『一兵卒がそこまで考える必要ないと思うけどな』

青年兵『そうかもしれないけどさ……っ、いずれは……』

青龍士官『それじゃあ何か?ワームやワイバーンの背中にでも乗って、飛べるってか?』

青年兵『……そういう事だって不可能じゃないかもしれないよ』


947 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:46:01.61 ID:Yaxb9Ndmo
――……

ワイバーン「……おい、おーい!!」

青龍士官「…あ、ああ。すまん」

ワイバーン「スマンじゃねーだろボケ!二度と乗せねーぞ!」

青龍士官「だ、だから……悪かったって」

ワイバーン「右の陸伝い。一騎駆けでいるのがおるぞ」

青龍士官「!?……国軍の者のようだな!」

ワイバーン「近づくか?」

青龍士官「敵味方は問わん!行くしかあるまいっ!」

ワイバーン「あーいよっ!」

ギュオッ…ドシュウウゥゥゥゥ

東方参謀「……むっ!?」

ドドッドドッ…ドドォ

東方参謀「…敵!?いやっ、ワイバーンか……っ!」

バサッ…バサッ…バサァ


948 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:46:41.22 ID:Yaxb9Ndmo
青龍士官「……貴方は!?」

東方参謀「青龍召喚隊の者か」

青龍士官「確か東方参謀様っ!このような所でどうなさいました!?」

東方参謀「丁度良かったわい。伝令を頼むっ!」

青龍士官「……何処までですか?」

東方参謀「本国……王宮」

青龍士官「――っ!!」

東方参謀「国家の一大事に繋がるやもしれんのだ。頼まれてくれるか?」

青龍士官「……っ」

シュルッ…スラスラスラッ

東方参謀「これを殿下、右大臣かその倅に渡してくれ」

青龍士官「……畏まりました」

東方参謀「頼むぞ!」

バサァ

青龍士官「とにかく、行ける所まで行くしかない……っ!」


949 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:47:07.80 ID:Yaxb9Ndmo
……――

青龍士官『まさかお前の……後塵を拝する事になろうとはな』

青年兵『別にそんなつもりじゃないさ』

青龍士官『結果は同じだ。それで…俺にどうしろと?』

青年兵『青龍先生亡き後、青龍隊を支えるのは僕達だ』

青龍士官『……まぁ、そうなるだろうな』

青年兵『ましてや、このままでは五ヵ年計画の戦力にも換算出来ない』

青龍士官『それは現場の人間としての意見か?それとも王宮務めとしての……』

青年兵『両方さ。今の戦力じゃ何の役にも立てないよ』

青龍士官『だから、俺は何をすればいいんだ?』

青年兵『第一に青龍召喚隊の魔力鍛錬。これは必要不可欠』

青龍士官『あとは?』

青年兵『次に召喚獣とのコミュニケーション。そして最後に、各部隊への編入だ』

青龍士官『…ど、どういう意味だ!?』

青年兵『いずれ、分かる刻が来るさ……っ』


950 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:47:38.43 ID:Yaxb9Ndmo
――……

バサッ…ドシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「……ふっ、こういう事か」

ワイバーン「……何の話だ?」

青龍士官「…いや、何でもない」

ワイバーン「それより、魔力は持つのかよ?かなり乏しいぞ?」

青龍士官「言ったろ。行ける所まで行くしかないって」

ワイバーン「届かなかったらどうするつもりだ?」

青龍士官「……這ってでも行く」

ワイバーン「……グワハハッ!俺は付き合わんぞ」

青龍士官「……もうすぐ、もうすぐなんだ……っ」

ゴオオォォォォ…

青龍士官「……持ってくれよぉ!俺の魔力っ!!」

ワイバーン「……あーあ、ここまでだぁな」

奮闘空しく、青龍士官を乗せたワイバーンは徐々にその高度を下げて行った。


951 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:48:27.66 ID:Yaxb9Ndmo
ゴオオォォォ…グラグラグラッ

青龍士官「ぐ……うぅ…っ!!」

ワイバーン「もうじき消滅する!限界まで高度を下げるぞっ!!」

ゴオオォォォォ…

ワイバーン「あとは……適当に受け身でもとれやっ!!」

バシュンッ!!…ドドオォ!!

青龍士官「――っ!!」

ゴロゴロゴロッ…ズザアァ…

青龍士官「……痛……ってぇ」

ヨロッ…ズザッ…ズザッ

青龍士官「本国まで……あと……少し……」

ズザッ…ズザッ…ズザッ…

青龍士官「あと少し……あと……」

フラァ……ドサッ

青龍士官「…………」


952 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:48:55.69 ID:Yaxb9Ndmo
……――

青年兵『青龍士官……』

青龍士官『俺は、お前に従うわけではない。あくまで青龍召喚隊の為……』

青年兵『……』

青龍士官『それはつまり、青龍先生の御身の下よ』

青年兵『分かってるよ。僕もそう思っているさ』

青龍士官『だが青年兵、お前の策には賛成する。それについては……従おう』

青年兵『ありがとう。全ては青龍召喚隊を強くする為だ』

青龍士官『ああ。魔王討伐なんて美味しい場面で…後方支援なんざまっぴら御免だ』

青年兵『その為には強くなろう。それしかない』

青龍士官『その模範…いや、人柱は俺が勤める』

青年兵『すまない……』

青龍士官『謝るな。後塵を遮るには前に出るしかないだろう?』

青年兵『その時は、僕が後ろから背中を押すさ』

青龍士官『……ふっ。持ちつ持たれつ…か』


953 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/22(火) 18:49:24.87 ID:Yaxb9Ndmo
――……

青龍士官「……はっ!」

バサッバサッバサッ

青龍士官「ワイバーン……!?」

青年兵「気付いた!?ビックリしたよ、いきなり倒れてるんだもの……」

青龍士官「お、お前……っ」

青年兵「虫の知らせってやつかな…。何か変な感じがしてさ……」

青龍士官「……」

青年兵「本部も落ち着いたし、本国近辺を巡回してたんだ」

青龍士官「……そう…か」

青年兵「それよりどうしたんだ?確か警備艇の……」

青龍士官「そ、そうだ…っ。これを……」

カサッ

青年兵「これは…?」

青龍士官「東方参謀様からの急報だ。陛下が…狙われている…っ!」



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