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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
789 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:53:08.78 ID:NkZ4DRLio
ドンッ!!

青年子「貴女が召喚子さん。噂は伺っておりますわよ」

ドンッ!!

召喚士「そ、そうなのっ。光栄ですわ……」

ドドンッ!!

青年子「貴女、朱雀のようですけれど……召喚士さんとはどういう関係なのかしら?」

召喚子「か、関係っ!? 関係なんて何もありませんわ! 無関係です!」

朱雀嬢「朱雀先生ともとも面識が……?」

玄武娘「ところで肝心の召喚士さんはまだ戻らないんですの?」

召喚子「えっと、いやあのその……っ」

青年子(召喚子さん……謎多き方だけど、何というか相変わらず……)

召喚子(ひえぇ、面倒な事になってきたなぁ……)

白虎長「全然、状況が理解出来ないんだけど……」

盗賊「……何か……泥沼化してないか?」

魔道士「そ、そうでしょうか……は、ははっ」


790 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:53:34.22 ID:NkZ4DRLio


召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第四十七部〜


791 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:55:40.48 ID:NkZ4DRLio
〜火山、西側〜

隊長「……うーむ」

格闘家「……」

戦士「山どころか、海まで突き抜けてんじゃねぇか……っ」

隊長「とんでもない威力だな」

戦士「でもよ、まだこれで未完成なんだろ?」

戦士父「ああ」

戦士「完成したら、どんな凄まじい槍になっちまうんだよ……」

戦士父「いくら人類の為とはいえ、悲しいものだ」

隊長「……?」

戦士父「大地を破壊してまで、勝ち得なくてはならんとはな」

隊長「考え続けたら……キリがないっすよ」

戦士父「……そうかもな」

格闘家「時には割り切る事も必要です。ですが……」

戦士「……」


792 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:56:41.07 ID:NkZ4DRLio
タッタッタッタッタ

男隊員「周囲の様子、見てきたぜ」

戦士「おっ、戻ってきた」

隊長「それで、被害状況は?」

女隊員「特にないッス。この辺は火山で木々も少ないッスからね」

男隊員「あぁ。人間はおろか動物も、西側には済んでない。それは調査済みだ」

隊長「……ご苦労」

戦士「そんで、どうすんだ?」

隊長「サルワがどこまで吹っ飛んだかだな」

格闘家「海に沈んだのでは?」

隊長「それも一理あるな」

戦士「まさか……西方までは吹っ飛んでないよな」

男隊員「どんだけ距離があると思ってんだよ」

女隊員「いやでも、この威力なら有り得ない話じゃないッスよ」

戦士父「……」


793 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:57:58.94 ID:NkZ4DRLio
ザッザッザ

戦士「……しっかし、見れば見るほどすっげぇ威力」

格闘家「……少し、軌道が変わっていますね」

戦士父「ああ。俺も実は気になったところだ」

戦士「何か問題あんのか?」

戦士父「いや、問題はない。今回は異例の出来事だったしな」

男隊員「どういう……」

戦士父「俺の投擲をこいつが無理矢理ねじ込んだんだ。軌道も変わるさ」

戦士「ああ、そういう事か」

戦士父「こうみえても一応、一番被害の少なそうな西南西を狙ったんだぞ」

隊長「結構西寄りにずれてますね。こりゃ下手すると……」

女隊員「……?」

隊長「冗談抜きに、西方まで貫いてるかもしれんな」

戦士「……ど、どうすんだ!?」

隊長「南西砦に戻り、確認して貰おう」


794 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:58:52.67 ID:NkZ4DRLio
〜火山、東側〜

朱雀嬢「……特に、異常は見られませんわね」

魔道士「うん、そうみたいだね」

青年兵「しかし……」

コオオォォォォ

召喚士「凄い威力だよね。改めて見てもさ」

玄武娘「本当ですの。よく勝てたですの」

盗賊「……これ、魔物がやったのか……?」

青年兵「ええ。口から放った閃光で、見事に削られましたね」

魔道士「どこまで……続いているんでしょうか」

召喚士「南西に伸びてますね。この先は確か……」

青年兵「密林がありますね。あれ……確か……」

玄武娘「なんですの?」

青年兵「報告書によると、人が住んでいるかもしれないと……」

魔道士「えぇ!?」


795 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 17:59:57.46 ID:NkZ4DRLio
玄武娘「だ、大丈夫なんですのっ!?」

青年兵「直接見た情報ではないので何とも……。それに距離もありますし」

召喚士「……南西……密林?」

盗賊「……どうした?」

召喚士「何だっけな、何か忘れてる気が……」

朱雀嬢「……?」

召喚士「あぁーっ!!」

盗賊「!?」

魔道士「どどっ、どうしたんですか……っ!?」

ガサゴソッ…ゴソッ

召喚士「……あった」

玄武娘「な、何ですの? それ……」

魔道士「確か……サモナーさんの……」

召喚士「……ええ」

サモナーより、以前に頂戴した資料をめくり、召喚士は無言で文字をめで追う。


796 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:01:25.01 ID:NkZ4DRLio
青年兵「召喚士さん、それは一体……」

召喚士「あった! これだっ」

バサッ

召喚士「南方、南西の密林に住んでいると言われている……」

青年兵「……アマゾネス?」

召喚士「うん。しかも、朱雀召喚獣の使い手らしいよ」

朱雀嬢「朱雀っ!?」

魔道士「そういえばっ、サモナーさんが言ってましたね!」

盗賊「……あー」

召喚士「本当に今でも居るのか、真偽は定かじゃないけど、もし居たら……」

青年兵「被害が及んでいないかも心配ですね」

魔道士「い、行ってみますか?」

召喚士「……ただ、1つ問題があって」

青年兵「問題?」

召喚士「え、えっとぉ……」


797 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:03:05.34 ID:NkZ4DRLio


青年兵「女性のみの村……ですか!?」

召喚士「らしいよ。男子禁制だって」

朱雀嬢「問題ないですわ」

魔道士「へっ?」

朱雀嬢「都合よく、こんなに女性人がおりますもの」

玄武娘「おぉ、そうですのー」

盗賊「……二人は外で待っていれば良いのではないか?」

青年兵「……ま、まぁそうかもしれませんけれど」

召喚士「どうしよう……?」

青年兵「……」

召喚士「放っておいて、何かあっても嫌だしね」

青年兵「行くだけ、行ってみましょうか」

魔道士「そうしましょう!」

召喚士「うんっ。何もなければすぐに戻ればいいしね」


798 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:04:19.96 ID:NkZ4DRLio


ザッ

青年兵「それでは行きましょうか」

玄武娘「はいですのー!」

朱雀嬢「貴女、元気なんだから召喚獣先行させて見張りなさいよ」

召喚士「魔道士さん、行きましょう?」

魔道士「あっ、いま行きますーっ!」

盗賊「……どうした? 荷物なら持とうか?」

魔道士「いえっ、所持品の確認だけですから」

盗賊「……?」

魔道士「うんっ、大丈夫! それじゃ行きましょうー!」

召喚士「探し物ですか?」

魔道士「はいっ! これがあれば大丈夫ですよ……えへへ!」

召喚士「……?」

魔道士「さぁ、はりきって行きましょーっ!」


799 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:05:24.88 ID:NkZ4DRLio
〜北方、三途の川〜

魔法剣士「はあぁ!!」

フォンッ

北方司令「……」

キィンキィンキィン!!

眼鏡「彼には出来ないかな」

お父「……」

ブンッ…ドゴオオォォ!!

眼鏡「かと言って僕に、五行は使えない」

お父「……ふんっ!!」

ゴウッ!!

眼鏡「相手はアンデッド。これは、勝ちを得るのは難しいかな」

お父の拳を冷静にかわしながら思慮する眼鏡。

絶対に勝たなくてはいけない、これはそんな戦いではない。

魔法剣士も眼鏡も、それは十分に把握している。問題はいつ、速やかに退却するかである。


800 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:06:25.85 ID:NkZ4DRLio
ザザザッ…バシャバシャバシャッ

魔法剣士「……っ」

目の前の敵。紛れもなく人間の姿形をした魔物。アンデッド。

不死というアドバンテージを差し引いても、その男の強さは、

魔法剣士の想像を遥かに凌ぐ力であった。

眼鏡「魔法剣五行は使わない」

魔法剣士「うおお!!」

眼鏡「いや、使えないのか」

魔法剣士の戦いぶりを見て、眼鏡はその心中を汲み取る。

眼鏡「人間相手ではやり辛いだろうなぁ」

ザザッ

眼鏡「それに、彼が使えないのは……風。あぁ、木行か」

お父「どこを見ている」

グワッ…ズウウゥゥゥゥン

お父「……っ!!」


801 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:11:11.98 ID:NkZ4DRLio
眼鏡「悪いけど、君は殺せなくても……消す事は出来るんだよ?」

お父の強烈な両拳を眼鏡は長剣で受け止め、ずれ落ちた眼鏡を左手で直す。

眼鏡「でも、ここで姿を見せるのは気が引けるからね。今日はお預けとしておこうか」

お父「……ちぃっ!」

バチィ!!

眼鏡「魔法剣士、そろそろ退こう。もういい」

魔法剣士「……っ」

眼鏡「時間は稼いだし、相手の動きも読めた」

魔法剣士「……ああ」

ザザッ

眼鏡「大丈夫。彼らも追ってはこないさ。ねっ?」

北方司令「……」

眼鏡「君とは、また今度ケリをつけるとしよう」

お父「……」

眼鏡「さぁ、行こうか」


802 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:12:14.60 ID:NkZ4DRLio


タタッ…ザザザッ

眼鏡「……うん。やっぱり追ってこないみたいだね」

魔法剣士「……」

眼鏡「どうした? 何悩みかな?」

魔法剣士「……」

眼鏡「それとも、退けて良かった……とか?」

魔法剣士「……っ」

眼鏡「別に恥じる事はないと思うよ。それが正直な意見」

魔法剣士「……」

眼鏡「人が人を平然と殺せるようになったら、それはもう人じゃない」

魔法剣士「……あれは……人じゃない」

眼鏡「でも、人だった。だから君は迷いを拭えなかった」

魔法剣士「次こそは……」

眼鏡「割り切れるのかい?」


803 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:15:33.07 ID:NkZ4DRLio
魔法剣士「……」

眼鏡「一度踏み入れたら、後には退けないよ?」

魔法剣士「分かっている。でもそれが、覚悟だ」

眼鏡「五行習得も?」

魔法剣士「ああ」

眼鏡「先に、会得出来るといいね」

魔法剣士「……?」

眼鏡「分かっているだろう? 会得出来ない原因」

魔法剣士「……」

眼鏡「君自身が得なきゃいけない感情さ」

魔法剣士「……もういい」

ザッザッザ…

眼鏡「人が人を斬れば、悲しみしか残らないさ」

ザッザッザ…

眼鏡「その壁を超える事が出来れば、君は本当の強さを得るよ」


804 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:17:17.53 ID:NkZ4DRLio
〜北方司令部、北部〜

北方兵「おぉっ! 見ろ!!」

上空を見上げる兵らの視界に、悠然と翼を広げ群れを為す召喚獣達が飛び込む。

青龍召喚獣の代表格とも言えるワイバーン。颯爽たる空の支配者。

その中心に一際目立つ、一匹の召喚獣が空の道を真っ直ぐ進む。

ドドオオォォォォ

青龍兵「隊長のファフニール……やっぱ凄いな」

老兵「あの若さで青龍隊を任された程だからなぁ」

青龍兵「最強硬度を誇ると言われる龍、ファフニールか……」

バサァ

青龍士官「私語を慎め。間もなくぶつかるぞ」

青龍兵「ははっ!」

チカチカチカッ

青龍士官「……来たな」

青龍隊の正面に巨大なドラゴンが次々と姿を現した。


805 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:19:05.21 ID:NkZ4DRLio
青龍士官「各自、交戦準備!!」

青龍隊「ははっ!」

ガチャガチャッ…ジャキッ

青龍士官の号令に合わせ、青龍隊の面々じは、召喚獣の背上で長槍を構える。

老兵「……ふーっ。なかなか……なれぬもんじゃわい」

青龍士官「無理に立つ必要はない。馬の要領で召喚獣も操れ!」

青龍隊「はっ!」

青龍士官「接近したら、うまく間合いに潜り込むのだ! 無茶はするな!」

ゴウッ

青龍士官「ワイバーン隊……突撃ぃ!!」

ゴウッ、と風を斬る音と共に、ワイバーンが一斉にドラゴンへと速度を上げて迫る。

背に乗る兵らはヘルムの前面に取り付けられたシールドを降ろし、風から視界を守る。

その上で左手はしっかりと召喚獣を手綱で掴み、右手の槍を後方に構えた。

青龍兵「いっけぇ!!」

ドラゴン「ガオオォォォォーッ!!」


806 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:20:10.28 ID:NkZ4DRLio
ドドオオォォォンッ!!

ドラゴンの火球が空中で大きく弾ける。

青龍士官「当たらなければぁ、どうという事はないっ!!」

召喚獣達は散開し、左右からドラゴンの下へと潜り込む。

青龍士官「近づけば炎はないっ! 足にだけ気をつけろ!!」

ファフニールは巨体に似つかわぬスピードで、ドラゴンの真下を通過し、背後を取る。

青龍士官「はあぁーっ!!」

ザシュウウゥゥ!!

青龍士官の長槍が、ドラゴンの下っ腹を深く突き刺す。

ファフニール「ヴオオォォォォ!!」

更にふぁふにーるによる猛突進がドラゴンに浴びせられ、ドラゴンは大きく態勢を崩す。

青龍兵「隊長に続けえぇ!!」

老兵「おうよ!!」

青龍士官「押し込めぇ! ここから先……決して通すなぁ!!」

北の空はその晴れ模様とは裏腹に、血や炎で赤く染まった戦闘が開始された。


807 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/05/12(木) 18:23:22.10 ID:NkZ4DRLio
出だしいきなり間違えた…

× 召喚士「そ、そうなのっ。光栄ですわ……」
○ 召喚子「そ、そうなのっ。光栄ですわ……」

だらだらですいません。無駄なシーンは極力サクサク心がけます
お師匠は天才のお師匠です。ケツァルコアトルは…出るかな…
それでは失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ


815 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/12(木) 23:05:58.04 ID:FgWwAnNDO
>>1乙
竜騎士隊かっこいいなー

そういや青龍士官は一回北方で大失敗してるんだったよね
今回で汚名返上出来ると良いな



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