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魔女「果ても無き世界の果てならば」
360 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 20:56:01 ID:cL90GAto

 重い。

 唇に何か柔らかい物が当たってる?

魔法使い「んぅ……ん!?」

少女「やぁ、おはよう」


 あーそう言えばそうだった。

魔法使い「〜」

 怪我をさせないように注意しつつ爆発の呪文をつかう。

少女「うおっ!?」

 吹き飛ぶ少女、衝撃に震える地下室。

魔法使い「威力が上がった?」

少女「げほ、げほ。 やれやれ、乙女の唇は命よりも重いらしいね」

 無傷か、残念。


361 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 20:57:13 ID:cL90GAto

勇者「終わったのか?」

 広間に戻ると日が暮れていた。

魔法使い「どれくらいの時間がたったの?」

戦士「日が暮れる程度だ」


 思ったより時間はかかっていないらしい。

勇者「成果は?」

 勇者が笑いかけてくれる。

 おかしい、なんだか恥ずかしい。

魔法使い「ぼ、僕が失敗するとでも?」

 勇者だけじゃない、戦士の顔さえまともに見れない。

 山高帽を深く被り直して深呼吸、おーけい、落ち着こう。


362 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 20:58:05 ID:cL90GAto

魔法使い「所で僧侶は?」

勇者「あぁ、あいつなら――」

 広間の扉が勢いよく開く。

僧侶「魔法使いちゃん!」

 間の抜けた声に振り向くと見慣れた肉の塊が二つ、眼前に迫ってきた。

魔法使い「そおいっ!」

 抱きしめられたら確実に窒息する。 やられる前にやってやる。
僧侶「ひゃあ」

 双丘を横から全力で叩く。

 相変わらず手首にかかる負担は凄いが、コツを掴んだ僕の手首を壊す程ではない。

魔法使い「その脂肪の塊は不愉快なんだ、僕に押し付けないでくれ」

僧侶「んもう、再会のハグですよ? お帰りなさい、魔法使いちゃん」

魔法使い「うん、ただいま」


363 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 20:59:19 ID:cL90GAto
 全員揃った事を祝して、その夜は宴だった。

少女「大した物は出せないがそれでも当方の出来る最大の物を用意した」

魔法使い「まるで君が料理したみたいじゃないか」

 テーブルの上には所狭しと料理が並んでいる。

僧侶「少女さんも頑張っていましたし、私も頑張りましたよ?」

 僧侶が殆ど作ってた気がするんだけどなぁ。

少女「そういう君こそ、一体なにを作ったんだい?」

魔法使い「僕はそれよりも大切な事を任せられていたんでね」

 そう、どうにかして料理に参加したがる戦士の気を逸らすという大仕事だ。 けして僕が料理できないという証拠にはならない。

 まぁ、料理なんて作ったことはないけど。


364 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 21:00:35 ID:cL90GAto


 食事はまぁ、美味しかった。

 いつの間にか追加された料理の内に戦士特製のパイが混じっていたけど。

 それを食べた勇者が噴水みたいになってたけど。


 まぁ、楽しかった。


魔法使い「頬が熱いや、お酒なんて飲むもんじゃないね」

 広間から繋がるテラスで一人空を見上げる。

 満天の星は今にも降ってきそうだ。


365 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/13(水) 21:01:03 ID:cL90GAto

僧侶「お邪魔ですか?」

魔法使い「僧侶、いや、そろそろ寂しくなってきたとこだよ」

 あれ? 僧侶が目を丸くしている。 変な事言ったかな?

僧侶「反則ですね、可愛すぎますよ、それ?」

 色白の彼女の頬にもほんのりと朱がさしている。

 少し肌寒いテラスで手すりに寄りかかると僧侶は困ったように視線を泳がせた。

魔法使い「話し辛いことでもあるのかい?」

僧侶「えーうー、あー……はい」

 僧侶は俯くと小さな声で呟いた。

僧侶「あの……その……好き、なんです」


魔法使い「へ?」


368 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:19:30 ID:p/EtPfy.
百合か?百合なんか?


369 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 05:34:06 ID:nSBSQ1/.
これは少年が教会に乗り込むフラグだな


370 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 12:24:34 ID:19wPY0u2
冷静に考えると勇者…ゲフンゲフン


371 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/15(金) 00:27:06 ID:LQ3j1/z2


 本日二度目だ、おーけい、落ち着こう。 僕はクールな魔法使い。 魔法使いは動じない。

魔法使い「えーとそれは、愛の告白なのかい?」

僧侶「……そんな、愛だなんて、その、えーと」

僧侶「はい」

 ど、ど、どうしよう。

 私、いや、僕告白なんて初めてされたんだけど、でも同性だし、でもあーと。

僧侶「勇者様を、お慕いしています」


魔法使い「え、あ、そーだよね」
 びっくりさせないでよこの乳袋。


372 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/15(金) 00:27:55 ID:LQ3j1/z2



魔法使い「そっか」

僧侶「伝えなくばこの想いに胸が張り裂けてしまいそうで」

 僧侶が弱々しく笑う。

 なんて声をかけて良いか分からない。

僧侶「でも、知ってるんです」

魔法使い「え?」

僧侶「少女さんとの契約、それに気付いているんです、私では彼の後ろをついていく事はできても、隣に並んで歩く事は出来ないと」

 返す言葉がない。


373 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/15(金) 00:28:08 ID:LQ3j1/z2

僧侶「だからこの話はここでお仕舞いです」

僧侶「ただ――」

 顔を上げた僧侶は泣いていた。

僧侶「初めての気持ちですし、誰にも知られぬまま朽ちて行くには惜しくて」

 懸命に笑みを繕うように口角を上げている。

魔法使い「よし」

 手に持ってきた果実酒の瓶を飲み干す。

魔法使い「いこうか僧侶」

 腹割って話そうか。 あの鈍感勇者と。


381 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/19(火) 03:03:21 ID:LC4zfXdc




僧侶「待って下さい、魔法使いちゃん!!」


 身体強化の魔法を使い無理矢理僧侶を引きずって行く。

 どんな理由があれ、僧侶だけ諦めるのは納得いかない。


少女「どこに行くつもりなんだい?」

 勇者の部屋の近くまで行くと少女に呼び止められた。

魔法使い「勇者のところだ!!」


少女「ふむふむ、それは興味深い」

 少女の瞳の紫が一段濃くなったように感じた。


382 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/19(火) 03:03:32 ID:LC4zfXdc

僧侶「だから待って下さいと言ってるじゃないですか」

魔法使い「あーもう、僕が納得行かないんだ」

少女「無理強いは良くないよ? どうしても行くというなら――」

 少女の指が淡く光り、空中に文字を描く。 描かれた文字は。


【戦争】

少女「戦もやむなし。 だ」


魔法使い「は、上等」


383 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/19(火) 03:04:00 ID:LC4zfXdc
とりあえずこれだけです


385 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/02/19(火) 14:37:15 ID:X8aBmZBk
女の争いほど怖いモノはない


390 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/24(日) 17:42:57 ID:At6Fiaro
携帯が急に壊れて二通フルに使った書き貯めがぶっ飛びました。

シリーズの構想もぶっ飛びました。

遅筆に磨きがかかってしまいますが何とかお付き合い下さるのならば幸いです。
まことに申し訳ありません。


398 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/02/27(水) 05:07:33 ID:6sGcsN6I
えーと……。
ただでさえ不定期更新、少量書き込みなのにトラブルなんてのがくると作家としての資質は無いんだろう
ラノベ作家に求められるのは多作&速筆
今の状態でこれほど更新できないならば書籍化なんか絶対に無理


401 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/02/28(木) 08:13:38 ID:G6Zdk0x2
書籍化とかいってっけど、投稿って所詮趣味の範囲だろ?
気長に待てよ。


402 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/03(日) 05:20:09 ID:cE26S9ew
書籍化レベルってかバックアップもとってないんだから社会人として失格だな
それを解らない>>401もその程度


403 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/03(日) 08:06:22 ID:6fa/V2TM
重要なものならバックアップをするのは当然だが、趣味でやってたようなもんなら仕方ないだろ


404 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/03(日) 08:55:52 ID:d.qUniEw
「今の○○」って言い回しがすごく気になる。
魔女が言うのは解るんだが、他の人も使うのはなぜだろう


405 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/03(日) 22:45:00 ID:wR7stdZQ
>>402
バックアップ云々込でお前らに言われる筋合いは無いって言ってるんだよ。
提供されるものに対して俺らは対価を支払ってんのか?
タダのものに品質とか更新頻度の早さ等のいちゃもんつけること自体がおかしいだろうがよ。


406 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/03(日) 23:20:23 ID:avL1llyI


書籍化するなんていつ言ってたの?


407 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/04(月) 00:13:12 ID:IhGTo4fI
まあ落ち着けよ
批判なんて聞いてても書き込んでても嫌だろ
ゆっくり続きを待とうぜ


413 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/05(火) 01:41:13 ID:LFT2eucs
もうお前ら他所でやれよ
他の奴らもスルーで頼む


417 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/11(月) 07:19:39 ID:AV8ZMiPM
大ファンです!頑張ってください^ ^



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