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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その10
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 18:14:54.78 ID:.UPBDe6o
〜次の日〜

戦士「んーっ!!」

戦士は宿の前に立ち、大きく背伸びをする。

パカラッパカラッ…

戦士「んっ?あれは確か…」

早朝の道を駆ける一頭の馬は、騎上の手綱により速度を弱める。

南方弓長「……貴方!?」

戦士「よぉ、もう足はいいのかい?」

ザッ…スタッ…カツカツカツ…

南方弓長「あの時は本当にありがとう…」

戦士「別に。まぁ…お互い様だろう」

南方弓長「……」

戦士「昨日は顔見なかったが…治療に専念してたのか?」

南方弓長「それもあるけど…ああいうノリって苦手なのよ」

南方弓長は照れるように後頭部を掻き、はにかむ。


250 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 18:19:03.09 ID:.UPBDe6o
戦士「そっか…」

南方弓長「お酒も苦手だし〜」

戦士「へぇ、意外だな…」

南方弓長「あら?どういう意味かしら…?あ…っ!」

南方弓長の左足が、バランスを崩しよろける。

ガシィッ

戦士「だ、大丈夫か…?」

南方弓長「……あ」

南方弓長は顔を横に背け、目線を逸らす。

戦士「やっぱまだ完治してないんじゃ……」

南方弓長「とにかくありがとう…!お礼はまた…」

カツ…カツ…

戦士「ところで…こんな朝っぱらからどこ行くんだ?」

南方弓長「……貴方も…来る?」

戦士「…?」


251 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 18:22:54.11 ID:.UPBDe6o
パカラッパカラッ…

馬は風を切り、街道を真っ直ぐ駆ける。

南方弓町「良かったのか!?突然来てー」

戦士「ああー!フロントにも伝言したし問題ねー!」

南方弓町「そうか〜!!」

戦士「悪いなー!狭くてっ!!」

南方弓長「いや!大丈夫ー!」

戦士「ツラかったら降りるからー!言えよ〜!」

南方弓長「いやっ!……このままで…いいよ」

戦士「あーん?風で聞こえねぇーっ!!」

戦士の前で窮屈そうに南方弓長が呟く。

南方弓長「……こういうの…いいな」

戦士「何だーっ?」

南方弓長「何でもない〜!!」

二人を乗せた一頭の馬は、平野を駆け抜け東の森を目指す。


252 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 18:26:51.88 ID:JcBmOW2o
南方弓町:のどかでいい町です


253 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/22(金) 18:32:44.43 ID:.UPBDe6o
ビシィッ!!

南方弓長「南方司令部所属…弓町のどか、です!!」

ずっと気を付けてたのにぃぃ…うぅーorz
ちょっと仕事頑張ります!続きはまたのちほど!ノシ


255 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 18:42:36.80 ID:ZZGU9MDO
戦死のキャラはフラグ乱立男で定着したか


264 :パー速民がお送りします [] :2010/01/22(金) 22:19:21.16 ID:8pB1IkDO
おかまはどれだっけか?誰が誰だかわからなくなってきた


266 :パー速民がお送りします [] :2010/01/22(金) 23:03:56.41 ID:Q3imOoc0
司令-男
仁義に熱い
でも天然

副-武闘派豪快髭坊主
黒人

参謀-痩せ型で女子嫌いでマッチョよりも少し筋肉質な青年大好きで
タイプを見付けるとすぐにルパンダイブをして押し倒そうとするKABA.ちゃんクリソツなオカマ

弓長-ガチエロ黒ぶちメガネ姉さん

魔長-カウボーイハットの人
この人だけ分からん


267 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/22(金) 23:18:32.29 ID:iiCHVUQo
>>266
ありがとうございます!ノシ
南方魔道長は前スレ>>508>>509の
>>渋いおっさんかエセウエスタン希望
>>かなり無口系
が合体してますです

ちなみに
>>バスタードのDSみたいな性格の中年のおっさん一歩前
安価くれた方は別キャラで登場するとかしないとか…

↓続き


268 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:19:39.25 ID:iiCHVUQo
〜東の森〜

ザッザッザ…

戦士「昨日の事が嘘みたいだな…」

森は小鳥が囀り、葉の隙間からキラキラと朝日が差し込む。

南方弓長「……うん」

南方弓長はしゃがみ、地面に落ちる枝を手に取る。

戦士「……」

南方弓長「いくら戦いとはいえ…私達は身勝手よね…」

戦士「……森の事か…?」

南方弓長「ええ…」

南方弓長の手にする枝は焼け焦げ黒く染まり、微かに焼けた臭いを漂わせる。

戦士「……」

南方弓長「例え傷つけてしまったとしても…それを正さなければ…」

戦士「……ああ」

南方弓長「そうでなければ人も魔物と変わらないもの…」


269 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:22:36.17 ID:iiCHVUQo


戦士「おっし、と…。こんなもんでいいか?」

戦士はかき集めた枝葉を端に避ける。

南方弓長「ありがと。後は輸送兵が来てから」

戦士「おう」

二人は高台へ登り、遠景を見据える。

南方弓長「綺麗でしょ?」

戦士「…だなぁ」

南方弓長「私、生まれはここじゃないんだけどさ…」

戦士「……」

南方弓長「この景色を初めて見た時、何が何でも守りたいって思ったの…」

戦士「…へぇ」

南方弓長「そう…。まるで自分を包み込んでくれる故郷みたいな感じ…」

戦士「確かに…。自然も多いし、海も綺麗だわ」

戦士は左右を見回し、大きく深呼吸をする。


270 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:26:15.13 ID:iiCHVUQo
南方弓長「私はこの土地が大好き…」

戦士「ちょっと湿度は高いけどな…ははっ!」

南方弓長「そうね…。うふふっ」

二人の間に、心地良い風が流れる。

南方弓長「次は……どこへ行くの?」

戦士「まだ決まってないけど…、多分北かな…」

南方弓長「そう……」

戦士「……?」

南方弓長「……あのさ」

戦士「…ん?」

南方弓長「…‥ううん、何でもない」

戦士「何だよ…」

南方弓長「いいの…。うふふっ」

戦士「…そうか?はは…っ!」

二人はしばらく朝日を浴びながら、その美しい景色を楽しんだ。


271 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:28:22.73 ID:iiCHVUQo


ガラガラガラッ!!…ドドッドドッ…

戦士「こっちこっち!」

召喚士「あ…っ、戦士」

南方参謀「お待たせっ!」

南方弓長「御苦労様です」

ザッ!!

南方司令「おーっ!コイツは立派な岩壁だなっ!!」

南方副官「昨日来ただろ…」

輸送兵が、馬車から苗木を運び出す。

戦士「あ…、これって…?」

南方弓長「そう。人の手でしっかり直さなきゃ!」

戦士「へっ…!なるほどな…!!」

南方副官「おーし…!焦らず順番に運び出せーっ!」

戦士「さーて…いっちょ力仕事といくかぁ!」


272 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:30:35.67 ID:iiCHVUQo


南方参謀「うん、オッケオッケー。いいんじゃない?」

南方弓長「ええ、バッチリ。ありがとう!」

戦士「まぁ俺らも責任あるしな」

召喚士「うん」

南方司令「なぁ…?」

南方副官「はい?」

南方司令「ここに…関を作らないか?」

南方副官「関ですか?良いのではないでしょうか」

南方参謀「中央に岩壁、両脇に崖…。うってつけですわね!」

南方司令は岩壁の周辺をうろうろと見渡す。

南方司令「………赤壁」

南方副官「…?」

南方司令「赤壁と…青壁!この岩壁の名前だよ!」

南方司令は子供のようにはしゃぎ、語りかける。


274 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:33:44.07 ID:iiCHVUQo
南方参謀「は…はぁ」

南方司令「だってよ!こっちは赤くて、こっちは青いんだぜ!?」

南方副官「そりゃあ…炎と氷…、だからな…」

南方参謀「いいんじゃないですか?司令のお好きなように…」

南方司令「関の名前は赤壁に決定だ!早速明日から建造を開始する!」

南方副官「明日!?また急な……」

南方参謀「本国へ予算の承認も取る前から…」

南方司令「いいんだよっ!間違いなく下りるって!!」

南方副官「その自信はどこからくるんだよ……」

タッタッタ…

輸送兵「準備整いました!!」

南方司令「おうっ!全員集合ーっ!」

南方司令の声が辺りにこだまする。

召喚士「あっ、呼んでるみたいだね」

戦士「おう、行くかぁ!」


276 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 23:35:30.17 ID:MDNXOLoo
地名の由来に召喚士達が関与しているとかなにそれすごい
歴史に名を刻むわけですね


279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:43:55.58 ID:iiCHVUQo
召喚士達を含む全員が、崖の上へ一列に並び森を見つめる。

南方司令「黙祷ーっ!!」

南方弓長「………」

戦士「………」

召喚士「………」

南方司令「黙祷終了!!」

ザッ…

南方司令と南方副官が前に出て、崖の端まで足を進める。

南方司令「……皆、正義の為にご苦労であった!」

南方副官「ゆっくり休まれよ…」

二人は手にした花束を、真下に広がる森へ放る。

南方司令「関が出来た暁には…ここに散った全員の名を刻む!」

南方参謀「全兵っ!再度黙祷ーっ!!」

その場の全員が目を瞑り、再び黙祷を行う。

崖の上には心地良い風が流れ、美しい景色が広がっていた…。


280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 23:52:10.42 ID:iiCHVUQo
〜南方司令部〜

南方魔道長「……あのよ」

魔道士「はい?」

玄武娘「なんですの?」

南方魔道長「いいぞ?律義に待たなくて…」

盗賊「……?」

南方魔道長「…カーニバル、楽しんでこいよ」

朱雀嬢「別に…いいですわよっ」

南方魔道長「…四人揃ってソワソワしすぎだ」

魔道士「す…すいません…」

玄武娘「…ですの」

南方魔道長「謝る必要はないから…ほら」

盗賊「…ありがとう」

南方魔道長「若いうちは楽しめ」

朱雀嬢「そこまで言うなら…行ってきますわ…!」」


282 :パー速民がお送りします [] :2010/01/23(土) 00:25:08.12 ID:pagNwxo0
南方魔道長って…渋い!ステキ!


283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 00:42:10.18 ID:sQBu0Iso
南の街は今日もカーニバルに賑わっている。

魔道士「昨日はゆっくり見て回れなかったから、楽しみだねっ!」

玄武娘「ですのー!!」

キョロキョロ…

盗賊「…ど、どこから…見ようか?」

朱雀嬢「まずは出店かしらね…。フリーマッケットなんかどうかしら?」

玄武娘「おーっ!楽しそうですの!」

魔道士「いいですねっ!行ってみましょうか!」

盗賊「う、うんっ!!」



魔道士「あっ、これ見て下さい!すごーい…っ!」

盗賊「ほ、ほんとだっ!!」

朱雀嬢「あら…?これ、いいですわね」

玄武娘「ほぇー…、フリーマッケット凄いですの!」

魔道士「次は催し物、見に行きましょう!エヘヘッ!」

盗賊「…う、うんっ!」


284 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 00:48:23.34 ID:sQBu0Iso


玄武娘「楽しかったですのー!!」

盗賊「うん…!うん…っ!」

魔道士「じゃあ次は…」

ガラガラガラッ…

盗賊「…あの馬車…!」

魔道士「召喚士さん達!!」

四人は馬車の近くに駆け寄り、手を振り呼び掛ける。

召喚士「あれ…?魔道士さん達…!?」

戦士「ほんとだ…!アイツら…っ」

ガチャッ…タッタッタ

魔道士「すいません。先に楽しんじゃってます…」

召喚士「いえいえ、全然構いませんよ!」

戦士「昨日の分もしっかり楽しんだか?」

盗賊「…うん!」


285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 00:56:14.17 ID:sQBu0Iso
一同は馬車を見送り、カーニバルの中へと姿を移す。

玄武娘「わっ!!これ…なんですの…?」

戦士「うおーっ!これ美味いぞ!食ってみ!」

盗賊「…カ、カワイイ」

召喚士「これって…何に使うんだろ…」

魔道士「いい匂い〜!エヘヘッ!!」

朱雀嬢「ねえ、これ…もう少し安くならないのかしら?」



戦士「いやぁー。だいぶ見て回ったなぁ…!」

召喚士「あ、もうこんな時間かぁ…」

魔道士「楽しい事はあっという間ですねぇ…」

盗賊「…うん」

朱雀嬢「あ、そうですわ!そろそろフェスの会場に行かないと…」

玄武娘「そうですの!表彰式があるですのっ!!」

召喚士「じゃあ、行きましょうか!」


287 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 01:01:49.05 ID:sQBu0Iso
司会「それではお二人にもう一度、盛大な拍手をっ!」

ワアァァッ!!

朱雀嬢「うふふーっ!」

玄武娘「やりましたですのー!」

ステージ上では二人が笑顔で拍手に応えている。

戦士「こうして見てると、ホントただの子供なんだけどなぁ…」

召喚士「そうだね…」

盗賊「……」

戦士「あんなうちから…戦いとかしてちゃイカンよな」

召喚士「……うん」

魔道士「…」

召喚士「俺達が頑張って…変えていこうよ…!」

戦士「…だぁな!」

盗賊「……ああ」

魔道士「きっと作れますよ…。そんな世界…」


290 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/23(土) 01:12:57.94 ID:sQBu0Iso
もう…もう、ほんのわずかで終わるのですが…
すいません。寝させて下さい…orz
多数のご支援感謝です!ありがとうございました!ノシ

>>281
ありがとうございます!
長いくせに稚拙なお話をよくぞ追いついてくれました!感謝!

そしていつもご覧頂いてる皆様にも、本当に感謝です!ノシ


292 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/23(土) 01:21:33.98 ID:sQBu0Iso
〜オマケ〜

南方司令「魔王ラーヴァナが…!?」

南方副官「降伏しましょう…!勝ち目は…!」

シャキンッ…ザスッ!!

南方司令「以後逆らったものは、この机のようになると思えっ!」

南方参謀「出撃ーっ!赤壁に出撃よっ!!」

羅刹「こんなカスども…ものの数ではないわ…!!」

南方司令「く…っ!正義はここに終わるのか…!?」

ザッ!!

大軍師「お待たせ致しました。東南の風…吹かせて見せましょう」

天才「おらぁっ!!」

戦士「っりゃあ!!」

魔王「バ…バカな…!?わが軍が火の海に…!た、退却だ…!」

〜レッドクリフ。今夏公開予定〜

南方司令「…と、いう戯曲を考えたのだが」

南方副官「そうですか。病院へ行ってきて下さい」


302 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/23(土) 15:09:01.26 ID:sQBu0Iso
褒めても何も出ないですよ!でも、ありがとうございます!ノシ
皆様の支えがあってこそのスレですから…↓続き


303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 15:09:54.00 ID:sQBu0Iso
タッタッタッタッタ…

召喚士「おめでとうございます!」

魔道士「凄い歓声でしたねっ!」

戦士「ああ…!なかなかサマになってたぞ?ははは!」

玄武娘「ありがとうですのー!」

朱雀嬢「アタシ達…三人の力ですわよ…」

朱雀嬢は召喚士の右手を掴む。

ゴソゴソッ…スッ…

召喚士「…これ…は?」

朱雀嬢「賞品の指輪ですって」

朱雀嬢は自分も右手を向け、指輪を見せる。

玄武娘「三人お揃いですの!」

玄武娘も右手をかざし、朱雀嬢と召喚士に指輪を合わせる。

魔道士「素敵な指輪ですね…」

召喚士「……ええ」


304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/23(土) 15:11:51.46 ID:sQBu0Iso
ヒュー……ドオォォンッ!!

突然の轟音とともに、夜空には赤と緑の光が輝く。

魔道士「わぁ…っ!!」

戦士「花火か…!」

盗賊「……綺麗」

花火は次々と打ち上げられ、夜空に色とりどりの世界を描く。

ヒュウゥゥゥー…ドオオォォンドドオオォンン…

戦士「カーニバルもいよいよ終わりかぁ…」

召喚士「うん…」

盗賊「……」

玄武娘「あっという間…でしたの…」

魔道士「そうだね……」

朱雀嬢「……」

それぞれは夜空に浮かぶ花火を、しば無言で見つめる。

やがて夜空を彩る花火は止み、それはカーニバルの最後を示していた。



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