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女商人「あの時の冒険は忘れられないなぁ・・・」
- 20 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga]
投稿日:2013/02/12(火) 14:51:25.02 ID:Vpg3PGOAO
【アリアハン大陸 フィールド】
武闘家「やったー!町の外に出たぞー。すっごい久しぶりだな〜。」
商人「なんか、町を一歩出ちゃうと。急に殺風景だね、怖いよ少し。」
武闘家「さっぷーけー、って何?美味しいの?」ポケ
商人「何も面白みがなくてつまらない景色の事だよ。食べれないからね。」
武闘家「そういう事かー。たしかに見渡す限り緑だね。」
商人「ねえ武闘家ちゃん。どこに行くか予定はあるの?」
武闘家「とりあえず北の方に歩いていけばいいんじゃないの?」
商人「ええっ。それだけ?この大陸にはアリアハンの他に
レーベっていう村があるのは知ってる……よね?」
武闘家「ねーべ?何?もう町も村もないのぉ?」
商人「……何そのおばあちゃんの言葉みたいなの?レーベね、れーべむら!」
武闘家「ああ、うん。レーベ村ね。知ってるさーそれくらいは。」
商人「(武闘家ちゃん、力は強いけど、不安だなぁ…)」
武闘家「じゃあまず、その…なんとか村に行こうよ〜!」
商人「武闘家ちゃん、そっちは南だよ。逆……海しかないよ。あとレーベね。」
武闘家「あ、あはははは!10歳の女の子には難しい話だね、こりゃ。」
- 21 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 15:03:04.63 ID:Vpg3PGOAO
商人「じゃあ気を取り直して、北にあるレーベ村を目指して行こう?」
武闘家「そういうのは商人に任せるね。私じゃ迷っちゃってダメだぁ〜。」
商人「任されましたー。じゃあ私達はお金もほとんど無いから
魔物と戦って落とすお金を拾うしかないよ。」
武闘家「あ!戦いは私がリーダーね、いいでしょ?私は強いから。」
商人「うん、武闘家ちゃんにお願いね。私はフォローしかできないと思うけど。」
武闘家「でもその腰に下げたナイフ、戦いでも使えるよきっと。お母さんの形見なんでしょ?」
商人「うん。お母さんが長く使ってたんだって。お父さんがくれて嬉しかったな。」
武闘家「しっかり持ってなよ。無くしちゃだめだよ。」
商人「大丈夫!絶対無くさないよ。」グッ
- 22 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 15:14:04.14 ID:Vpg3PGOAO
武闘家「あ、商人商人。あっちに見えてるのは何かな?高いよ〜。」
商人「たしか…塔だと思ったけど。お父さんが言ってた『ナジミの塔』かなぁ?」
武闘家「あそこにも行ってみたいけどさ…無理だよね?」
商人「小さい島に建ってるから行きようがないよ。ほんと、どうやって行くのかな?」
武闘家「泳いでとか?」
商人「私、泳げないからなぁ。」
武闘家「外の世界って不思議なものばっかだね。へへへ。」
商人「ほんとだね。新鮮な感じがするなー。楽しいね♪」
商人「じゃ、とりあえず北に向かおう、橋が見えてくるはずだよ。」
武闘家「おー!」
- 23 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 15:30:08.92 ID:Vpg3PGOAO
ぴょんぴょん
バサバサ
商人「ぶ、武闘家ちゃん何か前から来たよ!」
武闘家「あ、やっと魔物さん達が出てきたよ〜!スライムとおおがらすだ。」
商人「スライムはかわいいけど、あのカラスおっき〜いね!」アセアセ
スライムとおおがらすがあらわれた。
武闘家「よっし、商人はひとまず私の後ろにいてね。まずはあのからすを倒すよ!」
商人「う、うん。気を付けてね。なんかあのからす手に持ってるよ。」
武闘家「修行の成果を見せてやる、えやぁー!」バシュ
武闘家の攻撃
鉄の爪がうなる。
スライムにダメージ。
スライムをやっつけた。
商人「うわぁ、武闘家ちゃんすごい!あっという間にスライムを……」
武闘家「へっへー。いいスタートだね!」
おおがらすの攻撃
飛び上がり、固い骨を落としてくる。
しかし武闘家はよけた。
商人「(すごい!攻撃を避けた。)」
武闘家「のろいのろい!当たらないよ、そんなの。てぇい!」ブオ
武闘家の蹴りが命中。
おおがらすにダメージ。
おおがらすをやっつけた。
- 24 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 15:48:40.45 ID:Vpg3PGOAO
武闘家「どんなもんだい!魔物なんか怖くないぞ。」ググ
武闘家「商人見ててくれた?私のかっこいい蹴りや突きを……あれ?」
商人「あー。おおがらす。ガイコツの骨の中にG余計に隠してる。もらっちゃえ〜。」チャリン
商人「スライムも後ろにG隠してたなー、これももらっていいよね?」チャリン
武闘家「………」
武闘家「シカトだぁ。私のかっこいい姿をシカトした。」ムスッ
タタタタ
商人「ごめんね、武闘家ちゃん。お金の音がしたから、何かと見てみたら、ほらっ!」ジャラ
武闘家「商人は私の事より、お金がいいんだ〜!ムシされたぁ〜!」ポロポロ
商人「えっ?ああ、ごめんごめん。武闘家ちゃんも十分かっこ
よかったよ。あの回し蹴り凄かったね。」
武闘家「別に回し蹴りじゃなかったけどー。普通の蹴りだけど…」
武闘家「うわぁぁん〜やっぱり見てなかったじゃんかー!」ポロポロ
商人「ま、まあまあ押さえてね。泣き止んでよぉ、武闘家ちゃん。」
商人「ほら、1Gあげるからさ。泣き止んで。」
武闘家「いらんわい。」
- 25 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 16:06:37.63 ID:Vpg3PGOAO
商人「まあまあ武闘家ちゃん、そんなにムスッとしないでさ。ごめんね。」
武闘家「ふふん。いいよ、許す。商人も笑った顔になっててよかったー。」
商人「え?」
武闘家「さっきさ、お店にいる時の商人の顔は笑ってなかったけど、今は笑ってるもん。」
商人「あ、そういえば、そうだね。だって武闘家ちゃんとこんな事、楽しいもん。」ニコ
武闘家「私もだよ。なんか商人って頭がいいから、一緒にいると心強い気がするし。」
商人「ありがとね、武闘家ちゃん。」
武闘家「どーいたしまして、へへへへ。」ニヤニヤ
太陽がだいぶ傾き、暗くなりはじめてきた。
商人「う〜ん、これは野宿かな今日は。」
武闘家「へ?もしかして泊まれないの?宿とかには。」
商人「だってレーベまでまだまだ全然だよ?それ覚悟なんでしょ?」
武闘家「……しまった。」
商人「(武闘家ちゃん…)」
- 26 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 16:21:11.20 ID:Vpg3PGOAO
【アリアハン北の橋付近】
武闘家「しょうに〜ん、魚捕れたよ〜!」ピチピチ
商人「おーすごいね。こんなに捕れんたんだ?手掴みでしょ。」
武闘家「お母さんに教わったんだ〜。ちっさい頃から得意なんだ。」
商人「漁師にもなれちゃうね武闘家ちゃんは。すごいや。」
武闘家「じゃあ早く焼いて食べようよ〜。」
商人「火はちゃんと起こせたから大丈夫だよ。あったか〜い。」パチパチ
武闘家「あなたのそのバッグはなんでも入ってるんだね〜。マッチやら水筒やら。」
商人「商人の標準装備なんだってさ、いつどこでも困らないようにって。」
武闘家「ふ〜ん。大変だね、商人さんも。」
商人「さて、お魚焼けるまで私はちょっと。」キラン
武闘家「あれ?ナイフで何するの?」
商人「美味しそうなお魚あったからお刺身にしようかなってね。」
武闘家「…料理人みたいだねぇ。」
- 27 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 16:38:21.53 ID:Vpg3PGOAO
商人「お母さんが死んじゃって、料理は私とお父さんが分担してるからね。」
商人「生きてた時もお母さんに料理を教わってたんだー。」
武闘家「いいな〜私のお母さんたら強いけど料理しないもの。」
武闘家「今も10歳の娘を置いて、勇者様達と旅してるからなぁ。」
商人「豪快だもんね〜武闘家ちゃんのお母さんて、ふふふ。」
武闘家「すごいんだからーいつもいつも。大騒ぎだからね〜」ハァ
商人「よ〜し、お刺身できた。」ズラッ
武闘家「うわーすごいね。いっただきまーす!」
商人「武闘家ちゃん、私の分も残しといてね……」
武闘家「おいひぃ〜、10歳でこんな贅沢しちゃっていいのかなー?」バクバク
商人「あ、あ、私の分も……」ウル
こうしてはじめての二人での野宿は無事に終わるのだった。
ただ商人のお腹は少しだけ鳴っていたようだ。
- 28 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/12(火) 16:50:17.87 ID:Vpg3PGOAO
今日はここまでにします。子供キャラは難しいな。
- 29 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/12(火) 17:19:48.35 ID:w12xkLseo
>>1乙
「大丈夫問題ない。」
さあ、おじさんの1Gをさわってごr
おまわりさん俺です^^
- 30 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/12(火) 20:47:33.95 ID:3zLC0XCW0
これは商人の子供時代か、期待してます。
>>1乙
- 32 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 09:29:02.72 ID:SqvjQj+AO
翌朝
商人「……むずむず」
商人「……くしゅん!」
商人「は。な、なんだ、朝かぁ……寒いな」
商人「あれ?私自分でかけてた膝かけがないな。」キョロ
武闘家「すーすー、むにゃむにゃ」
商人「(武闘家ちゃんがかけてる…)」
武闘家「もう食べられないよぉ、しょうにんごめんねぇ…」
商人「あ、寝言言ってるー。昨日の事かな?謝ってる、かわいい〜」
ぐぅぅ
商人「お腹鳴っちゃった。バッグに何か入ってないかな。」ゴソゴソ
商人「やった。ビスケットはっけ〜ん!これ食べとこうっと。」モグモグ
商人「(今日でレーベに着けるといいけどなぁ)」
商人「(お父さん心配してるかな…)」
商人「少ししたら武闘家ちゃん起こして出発しよう。」
- 33 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 09:43:54.79 ID:SqvjQj+AO
2日目
【アリアハン北の橋付近】
商人「武闘家ちゃーん、支度できた?もう行くよー。」
武闘家「ちょっと待ってて〜。……よっし、バッチリ。じゃあしゅっぱーつ!」
商人「まったく武闘家ちゃんはお寝坊さんなんだから。全然起きないんだもん。」
武闘家「寝る子は育つ。これこれ。」ビシッ
商人「ふふ。ま、いいか〜。」
商人「ともかく今日の目標はレーベ村到着だからね。頑張っていこ。」
武闘家「はいな!今日こそはちゃんとしたベッドで寝てやるぞ〜。」
商人「目標がベッドになっちゃったけど……それもそうだね。」
武闘家「早くその…村に行ってみたいな。どんなとこだろうね?」
商人「こじんまりとして静かな村みたいよ。すっごく有名な魔法使いさんがいるんだって。」
- 34 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 10:00:52.07 ID:SqvjQj+AO
武闘家「えー!魔法使いさんが?強いのかなぁ〜手合わせしたいな私。」
商人「普通に戦うと武闘家ちゃん勝っちゃったりしてね。」
武闘家「やる気出てきたぞ〜、目標はじゃあ魔法使いを倒す!だね。」
商人「また変わっちゃったね、目標……」
すたすた
商人「なかなか魔物って出て来ないね。」
武闘家「暇だな〜、歩いてるだけじゃつまんないや。」
商人「この大陸にいる魔物はそんなに強くはないんでしょ?」
武闘家「お母さんがしきりに言ってたよ。他の大陸の魔物は凶暴で強い、って。」
武闘家「もしあなたが別の大陸に出るならもっと大きくなってからにしなさい、だって。」
商人「そうなんだ?世界は広いんだね。私もいつか世界を旅したいなぁ。」
武闘家「じゃあその時も一緒に行こう。二人とも大人になったらさ。」
商人「うん!」ニコ
ガサッ
ぴょんぴょん
- 35 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 10:18:04.49 ID:SqvjQj+AO
武闘家「魔物か?」キッ
商人「あ〜うさぎさんだよ。かわいいー!」
武闘家「そのうさぎは、一角うさぎだよ。ツノが鋭いから気をつけて。」
商人「ほ、ほんとだ。かわいいのにあんなに大きいツノがある。」
一角うさぎが3匹あらわれた
武闘家「数が多いから1匹、商人に任せるねー。」
商人「えっ?」
武闘家「大丈夫だって。よく動きを見てれば怖くないよ。じゃ1匹任せた!」バッ
商人「こ、怖いけど頑張ってみる。」
商人の前に一角うさぎが1匹立ち塞がった。
商人「よーし、武闘家ちゃんだって頑張ってるんだ、私だって!」ギュ
商人「うさぎさん、ごめんねー!ええーい!」タタタ
商人は一角うさぎ目掛けナイフを振りかざした。
ぴょん
スカッ
商人「あれっ?避けられた!」
攻撃は当たらない。
バランスを崩した商人に一角うさぎがツノを向けて突進してくる。
- 36 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 10:47:12.09 ID:SqvjQj+AO
タッタッタッタ
商人「うわ!早い。避けなきゃ!」サッ
ビシュ
商人「痛ッ!か、かすっただけか、よかった。」
一角うさぎの突進攻撃を寸前でかわした商人だが、
ツノが腕をかすめてしまった。血が滲む。
なおも一角うさぎは方向転換し、再び商人に向かってくる。
商人「(ただ、あの子の攻撃はただ突進してくるだけみたい)」キョロキョロ
商人「あ、あった!よーしあそこに誘い込めば。」ダッ
商人は近くにある大きな木の元に走った。
商人「はあはあ。よし、うさぎさん、私はここだよ!」
タッタッタッタ
商人「(来た!怖いけどギリギリまで引き付けて…)」
一角うさぎはツノを商人に向けて低く跳躍した。
商人「(今だっ!)」サッ
ドスッ!
商人「ふぅー、危ない。でも上手くいったね!」
一角うさぎのツノは商人の後ろに立っていた木の幹に突き刺さった。
衝撃で一角うさぎは気絶してしまった。
商人「あ、ツノ抜いてあげないとかわいそうだね。…よいしょと。」ズボッ
- 37 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 11:04:35.31 ID:SqvjQj+AO
武闘家「しょうに〜ん、そっちは大丈夫〜?」
商人「あ、武闘家ちゃんは…余裕だったっぽいね。すごいや。」
武闘家「まあね、すばしっこいから厄介だったけど、倒したよ。ん?どしたの?」
商人「ツノが勢いよく木に刺さって気絶しちゃったみたいなんだ、このうさぎさん。」
武闘家「へえ〜商人も上手くやったみたいだね。凄いじゃん?」
商人「えへへ、武闘家ちゃんと逆で頭脳派だしね〜。」
武闘家「どうせ、私はおバカさんですよ〜だ。あははは。」
武闘家「ちなみに、そのうさぎどうするの?」
商人「そうだね、店で買いと……放してあげるよ。もちろん。」
武闘家「(…今、店で買い取ってもらうって言いかけたよね?)」
商人「何その目は?武闘家ちゃん。」
武闘家「ううん。べーつに。」
- 38 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 11:21:33.78 ID:SqvjQj+AO
武闘家「あ、商人。腕から血が出てるよ。大丈夫?」
商人「これ?うさぎさんのツノがかすっちゃって。たいした事ないよ。」
武闘家「ダメダメ、傷口からバイキンとか入ったら大変だよ。
ほら腕出して、薬草塗ってあげるから。」グイ
商人「あ、ありがとう。武闘家ちゃん優しいね。」
武闘家「大切な幼なじみだもん。当たり前だって。」ヌリヌリ
商人「(武闘家ちゃん)」
武闘家「はい、これでいいよ。すぐに治るよ。じゃあ引き続き行こ行こ〜!」
商人「うん。早くレーベに行きたいね!」
商人「ほら、あなたも仲間のところへお戻り。人を襲っちゃだめだよ〜。」サッ
ぴょんぴょん
一角うさぎは嬉しそうに去っていった。するとそこに薬草が落ちていた。
商人「あれ?薬草だ、なんで?」
武闘家「腕に傷付けちゃったお詫びなんじゃない?よかったね。」
商人「律儀なうさぎさん。ありがとね。」
- 39 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 11:31:48.37 ID:SqvjQj+AO
その後も二人は力を合わせ、あらわれる魔物達をなんとか倒してゆき、
落とすGやアイテムを得ながら、進んでいった。
道中、商人が武闘家に教わった投げナイフの技で木に止まる鳥などを捉え、
昼食にしたり、木の実などを食べるなどして腹を満たした。
夕刻、二人の眼前に村の建物らしき物がうっすら見えてきた。
レーベの村までわずかである。
- 40 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 11:59:52.69 ID:SqvjQj+AO
商人「あ、あそこに建物が見えるよ、ほら!」ビッ
武闘家「ほんとだ!やった〜まずはベッドで寝れるのかくて〜い!」
商人「もう私は足が棒になりそうだよー、武闘家ちゃん。」
武闘家「あと少しだって、頑張って歩こう。」
商人「はーい。頑張ってみますー。」
てくてく
てくてく
武闘家「もう着くよ〜。よかった〜夜になる前で。」
商人「村っていっても案外大きいみたいだよ。教会の十字架も見えるし。」
カァー!
カァー!
武闘家「ん?商人!上からおおがらすがっ!」
商人「へぇ?どうしたの武闘家ちゃん?」
武闘家「危ない!」
商人「はい?……ひゃああ〜!」
暗くなり始めた空からおおがらすが1匹、
フラフラ歩いている商人目掛けて急降下してきたのだ。
「燃えよ火球『メラ』!」
ボッ!
クケェェェ!……
パラパラ
武闘家「えっ?火の玉?」
商人「い、今のってメラの魔法?」
- 41 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 12:12:26.89 ID:SqvjQj+AO
商人「一体誰が?」キョロキョロ
バササッ
スタッ
商人と武闘家が魔法を放った人物を探していると大木の上から一人の少女が降り立った。
少女「……危なかったわね」ボソ
武闘家「今の火の玉はあなたが?その格好は。」
商人「魔法使いさん?」
商人「(私達よりは上かな、大人っぽい子…)」
少女「………」タッタッタ
武闘家「あっ、ねえ待ってよー!魔法使いさ〜ん!」
商人「行っちゃったね、助けてくれたお礼言いたかったのになぁ。」
武闘家「さっきの火の玉『メラ』っていうんだ?すっごいね〜女の子なのに。」
商人「そうだよ。かっこいいよね。武闘家ちゃん、とりあえず村に入ってみよ。」
商人「さっきの子もこの村の子だと思うし。宿屋さんにも行かないとね。」
武闘家「あ!そうだベッドベッド。楽しみ〜。」
商人「(そんなにベッドがいいんだな武闘家ちゃんて…」
- 43 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 15:28:13.83 ID:SqvjQj+AO
【レーベ村】
商人「うわぁ、ここがレーベ村だよ、武闘家ちゃん。」
武闘家「なんかほのぼのした雰囲気があるねぇ、アリアハンとは違って。」
村娘「あら?かわいい旅人さんね。ここはレーベの村よ、いらっしゃい。」ニコ
商人「は、はじめまして。私達アリアハンから来たんです。」
村娘「アリアハンから?まさか二人だけで歩いてここまで来たのかしら?」
武闘家「うん、そうだよ〜。昨日は野宿しちゃったけどね。たどり着いてよかったー。」
村娘「す、すごいのね。まだ小さいのに。よければ宿屋があるから案内しようか?」
商人「あ、ぜひお願いします。私もうへとへとで、えへへ。」
村娘「わかったわ。こっちよいらっしゃい。」
武闘家「はーい、お姉さんありがとう!行こう商人。」
商人「うん。」
- 44 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 15:38:00.18 ID:SqvjQj+AO
【レーベ村 宿屋】
村娘「はい、ここが宿屋よ。Gは持ってる?」
武闘家「持ってるよ。魔物狩りしてこんなに貯まったよ。」ジャラ
村娘「ほんとにすごい子達ねぇ。」パチクリ
村娘「ちょっと宿屋の旦那さんに聞いてあげるわね。」タッ
村娘「お二人さん。部屋は空いてるみたいよ、よかったわね。」
商人「ほんとですか?よかった〜。2日連続野宿は免れたね。」
武闘家「食事も宿屋のご飯楽しみだもんねー。」
村娘「じゃあ、私はここで。レーベでゆっくりしていってね。バイバイ!」
商人「優しいお姉さん、ありがとうございました〜!」ペコリ
武闘家「じゃあね〜!ばいばーい!」
- 45 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 15:55:36.09 ID:SqvjQj+AO
【宿屋 ロビー】
宿屋の旦那「へえ〜お嬢ちゃん達がお客さんかい?偉いもんだな、二人だけで。」
武闘家「おじさんが宿屋の人?よろしくです〜。」
商人「お世話になります。」ペコ
宿屋の旦那「そうだ、俺はここの主人だ、よろしくな。お嬢ちゃん二人ならツインでいいか?」
商人「大丈夫です。あのう二人でおいくらですか?」
宿屋の旦那「ああ〜!いいよお代は、大変な思いしてここまで来たんだろ。今日はタダな。」ニヤ
武闘家「えー?ほんとにいいの?やった〜!」
商人「いいんですか?ちゃんとGはあるけど…」
宿屋の旦那「気にすんなって。疲れてんだろ?メシ食ってゆっくり休んでくれや。」
商人「…ありがとう!おじさん太っ腹だね!」ニッコリ
宿屋の旦那「へっへ〜。カミさんにはナイショだぜ?」ヒソ
武闘家「ねえおじさん。食事も食べれるの?」
宿屋の旦那「もちろん。ここは山菜が絶品だからな、楽しみにしてなよ。」
商人「山菜料理かぁ、私初めてかも。美味しいんだろうな〜。」
- 46 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 16:10:55.86 ID:SqvjQj+AO
宿屋の旦那「ほらよ、これが部屋の鍵だ。寝るときはちゃんとかけるんだぞ。」ヒョイ
武闘家「部屋の鍵だ〜すごいね、こんな形してるんだ?」
宿屋の旦那「そこの一番奥の突き当たりの部屋だ。
夕食はあと1時間くらいだな。ごゆっくりどうぞ。」
商人「武闘家ちゃん、早く部屋に行ってみよ!早く早く!」グイ
武闘家「だから首は引っ張らないでぇ〜」ズルズル
宿屋の旦那「(大魔導師さんのお弟子さんと同じくらいの年か。)」
宿屋の旦那「(大きくなったらさぞかし名のある大物になるかもなぁ)」
- 47 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 16:21:17.64 ID:SqvjQj+AO
暗くなる前にレーベ村に着いた二人は無事に宿屋にチェックインし、
宿屋自慢の山菜料理の夕食を満喫した。
宿屋の大きいお風呂にも入り、汚れと疲れを取ってリフレッシュ
できた二人は宿屋の主人と話をしようとロビーに向かった。
主人の話ではレーベには高名な魔法使いである、大魔導師がいるという。
二人は明日になったらその大魔導師の家を訪ねてみる事にした。
- 48 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/13(水) 16:35:53.85 ID:SqvjQj+AO
【宿屋 商人と武闘家の部屋】
商人「ふわぁ…おじさんとお話してたらすっかり眠くなっちゃったね。」ゴシゴシ
武闘家「もう寝よっかー。明日はその大…なんとかさんのお家に行ってみたいし。」
商人「そうだね、寝よう寝よう。ちなみに大魔導師さんだよ、武闘家ちゃん。」
武闘家「わかりました〜、しっかり覚えました。大魔導師ね。」
商人「よろしい〜。よく覚えておくのですよ。」ニコ
武闘家「う〜ん、このベッドふかふかでやわらか〜い。もう最高だよ。」
商人「大きいしね。一人でこんなベッド贅沢だな。うちもこういうベッド欲しいな…」
武闘家「じゃあ一日おつかれさま…しょうにん……」スー
商人「ぶとうかちゃんも…ありがとう…おやすみぃ……」クー
二人は疲れも手伝ってかすぐに深い眠りに落ちた。
……しかし翌朝、事態は急転する事になった……
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