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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
- 719 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/08/03(金) 18:11:59.81 ID:lo/EuV56o
……――
――『魔剣士っ、魔剣士!!』
魔剣士『……?』
師匠『いつまで寝てんだ魔剣士! 立てっ!』
魔剣士『くっ』
マジシャン『ナイト……っ』
サタン『グ……ウゥ……』 シュウウゥゥゥゥ
魔剣士『……ナイト……さんは?』
師匠『分からん。激しい光の後、残ったのは……あれだけだ』
マジシャン『魔剣はサタンに刺し込まれた。後は五行を……』
師匠『それだけじゃ足りん。サタンの内部に直接、撃ち込む必要がある』
マジシャン『内部と外部……誰かが犠牲になる。そんな事は許されんぞ』
師匠『だがそれ以外に手はねぇんだ! 早くしねぇとサタンが動き出すぞ!』
魔剣士『……俺が、やる。内部への攻撃は俺が担う』
師匠『お前……』
- 720 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:13:28.55 ID:lo/EuV56o
マジシャン『いや、ダメだ。俺が行く』
魔剣士『マジシャン……!?』
マジシャン『お前は生きろ。お前にはまだ守るモンが残ってる』
魔剣士『それはお前だって――』
マジシャン『俺はもう、守るモンは全部捨ててきた。こういう時の為にな』
魔剣士『……っ』
マジシャン『そうだろ? なぁ、プリースト』
プリースト『駄目よ。誰も死なせない』
マジシャン『あのな、人の話を聞いてたか?』
プリースト『誰かが犠牲になってまで戦う事に、何の意味があるって言うのよっ!』
マジシャン『それだけの相手なんだよ!』
師匠『分かった分かった。揉めんのは後にしろ!』
魔剣士『……外部から攻撃しよう』
マジシャン『はぁ!? お前まで何を……』
魔剣士『試す価値はある。駄目ならば退けばいいだけの話だ』
- 721 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:15:00.86 ID:lo/EuV56o
――……
魔剣士「はッ」 ズキッ
格闘家「!?」
西方司令「構うなっ! 動けるわきゃねぇ」
魔剣士「……グッ」
ジュニア「ま、。まだかぁ……っ!?」
青年兵「召喚士さん……っ」
召喚士「今……行くよっ!!」
シュイイイイィィィィン……
シルフ「またこれ? もー仕方ないわねぇ」
ウンディーネ「さぁ、行きますわよ」
ノーム「やれやれ」
サラマンダー「もっと踏ん張らんかいアホンダラっ!!」
座敷童子「それーっ」
第10五行、発動。
- 722 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:16:40.34 ID:lo/EuV56o
ボス「残り……2つぅ!!」
大軍師「大元帥殿……お願いしますっ」
青年兵「出でよ、ワイバーン!!」
アマゾネス「行けっ! ワルキューレ!!」
サモナー「お、おいで……マーメイド……」
王子「……」
青年兵「陛下っ!」
王子「……っ」
この時点で王子の魔力はほぼ枯渇寸前であった。召喚出来る回数はおそらく残り1回。
今ならばアヌビスを召喚する事も可能である。それが王子の頭によぎっていた。
青年兵「……信じましょう。僕達の力を。自分の力を」
王子「……ああ、そうだね」
シュイイイイィィィィン
王子「神官譲りのこのセクメトで、必ずや5属性召喚を完成してみせる」
召喚士「あとは俺が……残りの1属性を召喚すれば……完成だっ!!」
- 723 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:19:22.43 ID:lo/EuV56o
……――
師匠『いいか? コカトリスでサタンを魔剣ごと石化する』
マジシャン『そこに俺とマジシャンで五行をぶっ放す』
魔剣士『もしそれで駄目ならば撤退だ。いいね』
プリースト『……ええ』
師匠『行けぇ!! コカトリス!!』
マジシャン『魔力はお前に合わせる。好きなタイミングで撃て!!』
魔剣士『ああ』 ザッ
サタン『このサタンに対してを出した事、ゆっくりと悔やみながら死すが良い』
師匠『もう遅い!! これ……終わりだ!!』
サタン『遅い? それは貴様等ではないのか?』
マジシャン『なにぃ!?』
ズズッ……ズグググッ
プリースト『――っ!?』
サタン『標的は、貴様だ』
- 724 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:22:26.49 ID:lo/EuV56o
ガオォッ!!
魔剣士『なっ――――』
プリースト『魔剣士!!』 ダッ!!
ドンッ……
魔剣士『……?』 ドサッ
サタン『ほぉ、貴様が身代わりか。まぁ良いだろう』
魔剣士『プリ……スト……』
マジシャン『てっめぇ……! プリーストを離しやがれぇ!』
サタン『だから言ったであろう、遅いのは貴様等ではないか? と』
師匠『くっそおおぉぉ!! サタンに取り込まれてやがるっ!!』
魔剣士『プリーストおおぉぉ!!』 ググッ
プリースト『魔……剣士ぃ……っ』
師匠『くっそ、届かねぇ……っ!』
サタン『我が力の一部となる事、光栄に思うが良い』
魔剣士『俺……の……せいだ。俺の……』
- 725 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:23:17.58 ID:lo/EuV56o
――……
召喚士「行……けぇっ!」
サタン「……」 ズズッ
ズオオオオォォォォ
召喚士「!?」
魔道士「待って下さい……何ですかっ、あれ!!」
盗賊「サタンの一部から、女性の姿が……っ」
サタン「我が意思とは別に、力が働いている?」 ズズッ
バーテン「おい、あれは見覚えがあるぞ?」
戦士父「ああ。まさかあれは……」
魔道士「……?」 ググッ
サタン「そうか貴様、あの時の。人間の気配がないが……堕ちたか」
魔剣士「プリースト……?」
プリースト『…………』
魔剣士「そこに居たのかプリースト」
- 726 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:24:07.12 ID:lo/EuV56o
……――
マジシャン『どうすんだよおいっ!!』
師匠『どうするも何もっ、プリーストを救うのが先決だ!』
魔剣士『プリースト……俺のせいで……』
師匠『立て!! 悔やむのは後にしろ!!』 グイッ
魔剣士『……っ』
師匠『俺が最大魔力でコカトリスをぶつける。そこに五行を合わせろ』
マジシャン『サタンを分断すんのか? それでうまくいくってのかよ?』
師匠『やるしかねぇだろ。他に何か効果的な策があっか!?』
マジシャン『……ちっ、しゃーねぇ!!』 ザッ
サタン『この女を救おうなどと考えているのか?』
師匠『お生憎様、俺達は諦めが悪いんでね』
サタン『既に我が一部となっている。無駄だ』
マジシャン『無駄かどうかっ、やってから言えや!!』
サタン『無駄なのだよ。それどころか、この女にも苦痛が生じる事になるぞ?』
- 727 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:31:55.14 ID:lo/EuV56o
師匠『何っ!?』
サタン『貴様等の攻撃が強ければ強いほど、中和する力も大きくなる』
魔剣士『……っ』
サタン『その力はこの女にも反映される。それでも構わぬのならば試してみるが良い』
マジシャン『ハッタリ……なんかじゃなさそうだな』
師匠『……痛てぇのは一瞬だ、助けるまで我慢してくれよっ!!』 ザッ
プリースト『駄目っ!』
魔剣士『……?』
プリースト『さっき言ったよね、内部から攻撃するって』
師匠『お前……何言って……』
プリースト『今がチャンスじゃないっ! 私が内部から、サタンに攻撃を加えるからっ!』
サタン『何?』
プリースト『まだ完全に取り込まれていない今が、チャンスじゃない!』
パアアアアァァァァ!!
サタン『この魔力ッ、貴様……回復魔法の使い手か』
- 728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/03(金) 18:34:19.30 ID:lo/EuV56o
プリースト『残念だけど、それだけじゃないわよ』
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ
サタン『五行……ッ』
プリースト『今よ! 早く攻撃してっ!!』
マジシャン『バッカヤロウ!! んな事したらお前まで――』
プリースト『いいのよっ! こうなった以上、もう仕方のない事でしょう!?』
師匠『……っ』
マジシャン『どうするっ、どうする……っ!!』
師匠『魔剣士……おそらくもうプリーストは……助からん』
魔剣士『…………』
師匠『可能性は0かもしれないし0じゃないかもしれん。判断は難しい』
マジシャン『お前が決めろ。どうする!? 攻撃するかそれとも……』
プリースト『早……くぅ!!』
サタン『無駄な足掻きはやめておけ。このサタンを倒すには力量不足だ』
魔剣士「俺は……っ、俺はぁ……っ!!」
- 748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:12:37.56 ID:VWWCzwKio
――……
魔剣士「プリースト……」
プリースト『…………』
サタン「どうだ? かつての仲間が我が一部となりて生きておる」
魔剣士「……」
サタン「死してなお我が一部となり生きている。光栄な事であろう?」
召喚士「ふ、ふざけるな……っ、何が光栄だ!」
魔剣士「……」
召喚士「人間の命を……貴様らはそうやって簡単に奪って……」
サタン「召喚士、お前は勘違いをしている」
召喚士「何がだっ!」
サタン「このサタンと貴様で何が違うと言うのだ?」
召喚士「違うさ! 無闇に命を奪ったりはしない!」
サタン「その観点が既に間違いだと言うのだ」
召喚士「何を……っ!」
- 749 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:13:34.42 ID:VWWCzwKio
……――
魔剣士『俺は……俺は……っ』
師匠『まずいぞっ!』
サタン『新たに得た力。どれ、利用してみようか』
マジシャン『!?』
サタン『蓄積したダメージを返してやろうぞ』
師匠『早くしろぉ!!』
魔剣士『俺はぁ……っ』
プリースト『魔剣士、撃って』
魔剣士『……!?』
プリースト『サタンを撃って! 私を……サタンを撃って!!』
魔剣士『俺はぁ!! サタンをーっ!!』
サタン『味わえ。このサタンが放つ死への誘いを』
魔剣士『サタンを撃つううぅぅぅぅ!!』
プリースト『そうよ魔剣士、それでいいの……それで』
- 750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:14:11.71 ID:VWWCzwKio
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
魔剣士『うああああぁぁぁぁーっ!!』
師匠『マジシャン! 援護だ!』
マジシャン『おうよ! いくぜ……五行!!』
師匠『すまんなプリースト。すぐにいくからよ』
マジシャン『今日この時を目指してきたんだ。恨みっこなしだぜ』
魔剣士『ああああぁぁぁぁ――』
プリースト『……ごめんね、魔剣士』
魔剣士『!?』
プリースト『あなたとずっと一緒にって、約束したのに……ゴメン』
魔剣士『――――っ』
師匠『コカトリスー!!』
マジシャン『撃……つぞおおぉぉぉぉ!!』
サタン『…………』
プリースト『さよなら……』
- 751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:14:44.20 ID:VWWCzwKio
ビタアアァァァァ!!
マジシャン『っにぃ!?』
サタン『……どうした? その剣を振り下ろさないのか?』
魔剣士『……っ』
マジシャン『あ……のバカ!!』
魔剣士『プリースト!! 手を!!』
プリースト『魔剣士……っ』
サタン『無駄だ。既に我が一部となったこの女はもう、助からん』
魔剣士『五行剣!!』
サタン『無駄だと言っている』
魔剣士『うおおおおぉぉぉぉ!!』
プリースト『魔剣士いいぃぃーっ!!』
師匠『ちっきしょおぉ! コカトリス! 頭だっ、頭を狙え!!』
マジシャン『頼……っむ!! 死ぬんじゃねぇぞ!!』
ズガッカアアアアァァァァ!!
- 752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:15:10.97 ID:VWWCzwKio
……――
魔剣士「……う……っぐ」 ズキッ
サタン「すぐに仲間の元へ誘ってやる。そこで傍観しておるが良い」
魔剣士「プリ……スト」
プリースト『…………』
魔剣士「頭が……割れるように……痛い……ッ」 ザシャッ
サタン「さぁ頭上を見てみるが良い。間もなくだ、間もなくスーパーノヴァが訪れる」
召喚士「そうはさせないっ!!」
サタン「召喚士、貴様に残された力はもう何もあるまい」
召喚士「あと1つ……あと1つ召喚すればいいんだ……っ」
青年兵「きますっ!!」
王子「準備は出来てるよ! 召喚士さん、いつでも!!」
戦士「だけどこれじゃ11発だぞ!?」
大軍師「何を仰っしゃいますか。最後の五行は戦士殿が既に発動済ではないですか」
戦士「あ……っ!!」
- 753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:15:49.75 ID:VWWCzwKio
召喚士「くらええええぇぇぇーっ!!」
サタン「無理だと言っておるのだよ召喚士」
召喚士「!?」
サタン「貴様にはもう、我が攻撃を回避する力は残されておらぬであろう?」
召喚士「攻撃を放つ前に……終わらせるううぅぅ!!」
シュイイィィィィン
サモナー「き……きたっ、式神――」
サタン「愚かだ。本当に愚かなものよ」
青年兵「しっ、しまったぁ!! 奴の狙いは召喚士さんじゃないっ!!」
名代「まさかっ、座敷を直接――――」
座敷童子「ほえっ!?」
ボンッ!!
召喚士「しま――っ」
名代「し、しかも座敷の能力で……召喚士殿の居場所は……」
男隊員「サタンの真正面だ!! まずいぞっ!!」
- 754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/05(日) 23:16:16.92 ID:VWWCzwKio
召喚士「……何が……起きた?」 ヨロッ
サタン「悲しき因果であったな、召喚士」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ……
召喚士「サ……タ……」
サタン「さらばだ」
カッ!! ドッガオオオオォォォォン!!
魔道士「召喚士さああぁぁーん!!」
戦士「嘘……だろ……っ」
サタン「…………」
シュウウウウゥゥゥゥ……
青年兵「召喚士……さん……?」
召喚士「…………」
盗賊「召喚士ぃ!!」
召喚士「…………」
サタン「終わった。何もかもがな」
- 756 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/06(月) 08:08:43.79 ID:UjwAhPBSo
いちおつ
名脇役さんおつかれっした!これでようやく、主役の戦士さんが活躍できますね!
- 759 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/06(月) 17:07:24.74 ID:CTLabDWs0
>>1乙
プロローグで死ぬ程度の脇役だったってことか…
主役の戦士に期待だな
- 760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:37:21.19 ID:IG+qTQbMo
……――
師匠『う……っぐ、ごはっ!!』
マジシャン『……どう……なった』
サタン『ほんの僅かな一瞬ではあるが、垣間見た』
シュウウウウゥゥゥゥ……
サタン『貴様等の力をな』
師匠『よ……っしゃあ……』 ドサッ
マジシャン『頭……吹っ飛ばしてやったぜハッハ……』 ガクッ
サタン『だが、それまでだ』
師匠『……っ!?』
マジシャン『どういう事だっ、頭がねぇってのに……どうして声が……』
サタン『本来の姿を見せるまでもなく、貴様等はこのサタンに敗北を喫したという事だ』
マジシャン『何――――』 ドクン
師匠『うっぐああ……ぁぁぁぁ!!』
マジシャン『ち……力が……抜け……る――』 ドシャッ
- 761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:37:57.57 ID:IG+qTQbMo
サタン『償いの代償は大きい。仮の姿とは言えこのサタンの頭部を吹き飛ばしたのだからな』
師匠(何だこれは……っ、身体の内部に激痛が……ぐうっ!!)
マジシャン『魔力が練れねぇ……そんな……そんなはずは……』
サタン『お前も痛かろう? 仲間に攻撃を受けるとはな』
プリースト『…………っ』
サタン『その痛み、存分に放出するが良い』
プリースト『……し……ないわよ……っ』
サタン『……?』
プリースト『このままあなたにっ、このまま……留めてあげるわっ!!』
サタン『成程。あくまで抗うつもりのようだな。しかし忘れるな、貴様は既に我が一部なのだ』
ズググッ
プリースト『え……っ!?』
サタン『その意思とは反して、強制的に放出する事も可能なのだよ』
プリースト『嘘っ、制御出来ないなんて!? みんな……逃げてぇ!!』
サタン『代償のダメージで動けまい。最後は同士討ちで華を添えてくれようぞ』
- 762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:38:44.34 ID:IG+qTQbMo
プリースト『嫌ああああぁぁぁぁーっ!!』
ザンッ
サタン『……?』
魔剣士『……こうなってしまったのは……全て僕の責任だ』 ザッ
サタン『まだ生きていたのか』
魔剣士『すまない……師匠、マジシャン』
師匠『……っ!?』
マジシャン『お……いっ』
魔剣士『せめてもの償いだ。どうか無事の帰還を祈る』
サタン『何をするつもりだ?』
魔剣士『どうか2人を……導き賜えっ!!』 ブンッ!!
サタン『剣を上空へ投げた? そうか、その死にぞこない共を救済しようと――』
師匠『バッカヤロオオォォォォ!!』
マジシャン『魔剣士っ!! プリースト!!』
ガッカアアアアァァァァ!!
- 763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:39:25.62 ID:IG+qTQbMo
サタン『最後に意地を見せたな。良かったではないか』
魔剣士『まだだ』
サタン『いや終わりだ。武器すら持たぬ貴様に勝ち目はない』
魔剣士『勝ちはなくとも、引き分ける事は出来るさ』
サタン『何?』
魔剣士『すまないプリースト』
プリースト『ううん、いいの……いいのよ』
サタン『何をしようと言うのだ? まさか……』
魔剣士『プリースト……力を、貸してくれるね?』
プリースト『その為に留めておいたんだもん。いつでも』
魔剣士『良かった。それじゃあ一緒に逝こう』
プリースト『うん。魔剣士と一緒なら……怖くないから』
サタン「やめておくのだな。そんなもの一時的なものに過ぎぬぞ』
魔剣士『構わないさ一時的でも。次に、次なる勇者へ繋ぐ事が出来るのならば!!』
サタン『次へ繋ぐ、か。その次がいつになる事やら』
- 764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:41:05.06 ID:IG+qTQbMo
魔剣士『さぁプリースト……いくよ』
プリースト『ええ』
キュイイイイィィィィ……
魔剣士『五行……発動!!』
プリースト『ありがとう魔剣士』
魔剣士『!?』
プリースト『あなたの思い、受け取ったわ』
魔剣士『プリースト!? 何をっ!!』
プリースト『ここから先は、私1人でいけるから』
魔剣士『や……めろ、プリースト!! 俺も――』
プリースト『さよなら――――』
魔剣士『駄目だっ!! プリースト!!』
スガッカアアアアァァァァ!!
魔剣士『プリーストオオオオォォォォーっ!!』
ゴッゴオオオオォォォォ……
- 765 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:42:20.13 ID:IG+qTQbMo
――……
召喚士(……身体が……動か……っない)
サタン「まだ息があるのか。頑丈だな」
召喚士(何が起き……そうか、サタンに……座敷童子を狙われて)
サタン「召喚士、貴様には失望しているぞ」
召喚士(……だ、駄目だ。もう魔力がほぼ枯渇している……。再召喚は……不可能……っ)
サタン「貴様は最後の1人として立ちはだかり、そして死にゆく仲間を横目に……」
召喚士(もう五行を完成させる事は出来ない。残る手段は……名代さんか)
サタン「唯1人生き残り、スーパーノヴァで滅びゆく地上を見届ける」
召喚士(名代さん……魔力は残っているのか? この4人に会わせて召喚出来る魔力が)
サタン「そして死ぬ。そんな大役を与えたかったのだがな」
召喚士(……無理だ。とてもじゃないけれどこの五行は諦めるしかない)
サタン「まぁ良かろう。先に死して、仲間を待つと言うのも大役であろうな」
召喚士(青年兵くん……大軍師さん、後は……頼……む……)
サタン「正真正銘、これで最後だ。跡形もなく消えよ……召喚士!」
- 766 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:43:43.65 ID:IG+qTQbMo
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
戦士「させ……るかよおおおおぉぉぉぉ!!」 ダンッ
魔道士「戦士さんっ!!」
戦士「俺の役目はもう終わってる! だったら問題ねぇ!!」
召喚士「……?」
戦士「召喚士、お前は俺が絶対に……死なせやしない!!」
盗賊「盾も何もないのに……無茶だ戦士っ!!」
戦士「盾なんざなくてもなぁ、俺自身があるじゃねぇか」
召喚士「戦……士……」
戦士「安心しろ召喚士、俺の役目はお前らの盾になって守る事。ずっとそうだろ?」
召喚士「だ……めだ……よ……っ」
戦士「さぁきなサタン!! てめぇの全てを……受け止めてやるぜ」
サタン「現実逃避の行動としか思えんな。では仲良く消えるが良い」
プリースト『サタン、甘く見すぎたわね』
サタン「!?」
- 767 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:44:53.75 ID:IG+qTQbMo
ズゴゴゴゴゴゴ……
サタン「貴様、意思があるのか?」
プリースト『あなたの力をもってしても、彼を一撃で仕留められなかった。それは何故?』
サタン「……確かに何か不自然だ。このサタン、手を抜いた覚えなど一切ない」
プリースト『彼らの絆を甘く見過ぎたのよ、あなたは』
サタン「絆?」
戦士「どうしたサタン!! こねぇのか!!」
召喚士「…………っ」
プリースト『あなたは人の強さを見誤っていた。ずっとね』
サタン「このサタンが過ちを犯したとでも? 笑わせるな」
プリースト『負より生まれし存在であるあなただから、正の力は計れなかった』
サタン「だから何だと言うのだ。我が行いに何も問題はない!」 ゴアァッ!!
プリースト『そうよね……魔剣士?』
魔剣士「――――ッ!!」
召喚士「……!?」
- 768 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/06(月) 17:45:42.97 ID:IG+qTQbMo
……――
魔剣士『……プリー……スト』
プリースト『魔剣士、落ち込まないで』
魔剣士『俺は……全てを失った……』
プリースト『やり遂げたじゃない。サタンを追いつめたのよ』
魔剣士『…………』
プリースト『サタンは倒せなかった、でも、私達の勝ちよ』
魔剣士『勝ちなものかっ!! 失ったものが大きすぎるよ!!』
プリースト『失ったかもしれない。けれど繋いだのよ……絆を』
魔剣士『……』
プリースト『待ちましょう。近い将来に現れるであろう若き勇者を』
魔剣士『……っ』
プリースト『その時にまた、私達の絆がきっと必要になるから』
魔剣士『う……うぅ……うああああぁぁぁぁ!!』
ガカアアアアァァァァ!!
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