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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その12
461 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 16:47:51.18 ID:unYVMSEo
ザッザッザッザッザ…

戦士「…さーて、どうすっかな」

夫人「……」

戦士「…相討ちってのも難しいな」

夫人「……」

戦士「せめて仲間を逃がし……」

ザッザッザ…

召喚士「任せろって…何も手なんてないんでしょ?」

戦士「……はははっ!まぁな」

ザッザッザ…

盗賊「…ここまで来たんだ」

魔道士「最後まで…みんなで戦いましょう!」

戦士「お前ら…!?」

召喚士「なんだかさ、怖くないんだ…」

魔道士「そうですね。四人揃うと…不思議です」


462 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 16:48:21.34 ID:unYVMSEo
夫人「もういいかの…。まとめて葬ってやろうぞ」

召喚士「剣士さん!今のうちに皆をっ!」

剣士「ああ!!」

戦士「行くぜっ!」

盗賊「うん」

戦士が駆け出し、その後を盗賊が続く。

夫人「何だろうかのぅ…」

魔道士「補助…いきます!」

戦士「たりゃああぁ!!」

盗賊「…はぁっ!」

戦士を影に盗賊が上空へ飛び上がる。

戦士「よし!」

盗賊「……っ!!」

盗賊は鎖を手に構えた瞬間、咄嗟に察知した。

間合いに踏み入る前、既に夫人は行動を終えていた。


463 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 16:49:13.24 ID:unYVMSEo
盗賊「伏せろーっ!!」

戦士「!?」

夫人「あーっはっはっは!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオオォォ!!

夫人の手から放たれたな突風は、地面を跳ね

巨大な竜巻となり、四人を飲み込む。

盗賊「きゃああぁっ!!」

戦士「盗っ…ぐあぁ!!」

ゴオォォ!!…

召喚士「!!」

魔道士「っ!?」

召喚士は咄嗟に魔道士を抱きしめ、強風から身を庇う。

ドサッ…ドサァッ…

盗賊「……ぅ…っう」

戦士「……ちっ…!!」


464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 16:53:57.36 ID:unYVMSEo
夫人「あーら、もう終わりなのかしら?」

召喚士「……くぅ…!」

魔道士「召喚士さん…!」

召喚士「だ、大丈夫…。軽い切り傷ですから…」

ズッ…ズズッ…

戦士「盗賊…!」

引きずる足を早め、戦士は盗賊の元へ近づく。

盗賊「……こふ…っ!」

戦士「…っ!!」

召喚士「盗賊さん…!?」

戦士「魔道士!盗賊を頼む…!」

魔道士「は、はいっ!!」

夫人「させぬ。……うふふっ」

ドドンッ!!…ボゴオォンッ!!

夫人が左手で掃う素振りを見せると、地面は針のように尖り突き上げる。


465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 16:58:30.32 ID:unYVMSEo
魔道士「きゃああっ!!」

召喚士「魔道士さんっ!!」

シャキンッ!!…バゴォッ!!

剣士「ふーっ!」

召喚士「剣士さん…!?」

剣士「…!直撃は防げたが…」

魔道士「うぅ…っ…」

剣士は出血する魔道士の腕に布を巻く。

召喚士「……剣士さん」

剣士「……」

召喚士「二人を…頼みます」

剣士「…わ、分かった」

剣士は盗賊を抱えると、二人を馬へ乗せその場を離れる。

召喚士「……戦士!!」

戦士「おう…」


466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 17:00:24.52 ID:unYVMSEo
ザッザッザ…ジャリッ

夫人「たった二人で…何が出来るかのぅ。うふふ」

召喚士「後はみんなが退いてくれれば…」

戦士「ああ。俺らも悔いは残らねぇって事よ」

夫人「ほう。死ぬ気か…?」

召喚士「死ぬ…?それは分からない」

戦士「最後まで泥臭くしがみ付くだけだ!!」

夫人「どうも死にたがりが多いようだのぅ…」

チャッ…

戦士「…ごちゃごちゃうっせぇぞ」

戦士は柄に手をかけ、重心を落とす。

戦士「召喚士。援護を頼む」

召喚士「…うん」

召喚士は戦士の右に立ち、レイピアを手に構える。

夫人「次の一撃で終わりかのぅ…。うふふ」


467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 17:01:13.50 ID:unYVMSEo
ジリジリッ…

戦士「……」

召喚士「…」

夫人「……」

ジリジリジリッ…ジリッ…

戦士「はああぁっ!!」

夫人「ふんっ!!」

戦士が抜刀すると同時に、夫人は両手を前に差し出す。

直後、突風が巻き起こり二人を襲う。

召喚士「うおおぉぉ!!」

召喚士の一振りで縦に伸びたカマイタチが、夫人の突風を二手に割く。

戦士「うおりゃあああ!!」

召喚士「いけぇ!!」

夫人「なっ…!?」

シュンッ……ザシュッ!!


468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 17:28:06.82 ID:unYVMSEo
夫人「………く…っ」

戦士「……」

夫人「くっ…くくっ……!!」

召喚士「……く…そぉ」

夫人「くくくっ…!ふふっ…あーっはっはっは!」

夫人は風に守られた右手で、雷切を掴みながら笑う。

バキィッ!!

戦士「…ぐは…っ!!」

夫人「…まずは…一人目!」

召喚士「戦士ーっ!!」

夫人は右手の風を戦士めがけ放ち、左手からは炎を発する。

ドドドオォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

風と炎は一つに混じり、爆風を巻き起こす。

戦士「……ぁ…」

夫人「………」


469 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 17:28:39.85 ID:k840Znoo
久しぶりに読んだけど、そんなに進んでなかった。
>>1は忙しいのか?
がんばりすぎないようにな。


470 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 17:33:15.23 ID:3jQtxW2o
誰か急いで天才呼んできて!早く!


471 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/03/04(木) 18:34:44.33 ID:unYVMSEo
>>469
なんだかまとまった空き時間が減ってしまいまして…orz
なんとか調整したいと思いますので今しばしご勘弁を


472 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 18:41:26.72 ID:DsFMe.DO
魔道士と盗賊は夫人が後でおいしくry


473 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 18:48:53.39 ID:DsFMe.DO
(((((((;;;゚Д゚))))))てか大ピンチじゃねぇか


474 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 19:36:17.49 ID:pffp2cDO
ピンチな訳無いじゃん♪
戦士 相討ち狙いでないと倒せないと既に覚悟している
召喚士 最後に呼び出したコカちゃんでおそらく魔翌力尽きてる


……えっ


476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 19:56:17.04 ID:WI2BVoAO
パッカパッカパッカ…

戦士「な…んで……っ…」

ドシャアァッ…

騎都尉「……っく…」

戦士の前に立ちはだかる騎都尉がゆっくりと倒れる。

ガシィ…

戦士「何で…何でだよ…っ!」

騎都尉「……へっ」

騎都尉は戦士にしがみつくようにもたれかかる。

戦士「何で助けたり……」

騎都尉「どのみち…もたねぇ……」

ドサッ…

騎都尉「俺は…盾だ…」

戦士「……っ!」

騎都尉「…こ…の…国の…」

戦士「騎…都尉!!」

騎都尉「悪…かった…な……」

戦士「しっかりしろっ!おい!おいっ!」

騎都尉「華国を……頼………」

戦士「騎都尉ぃーっ!!」

騎都尉は赤兎を見るとゆっくりと目を閉じた。

愛馬はそれを確認すると大きく飛び上がり、任務を受けるかの如く走り去った…。


477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 20:03:19.39 ID:WI2BVoAO
夫人「三文芝居は終えたかのぅ…」

タッタッタ…

召喚士「戦士……」

戦士「……」

戦士は屈み、騎都尉の瞼を閉じる。

戦士「………」

ゴゴゴゴゴ…

召喚士「!?」

夫人「!!…ほぅ」

戦士「……騎都尉」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

召喚士「威圧…っ?す、凄い!!」

戦士「盗賊…魔道士……」

夫人「これは……なかなかっ」

ボシュッ!!

戦士「あああぁぁーっ!!」

戦士は一瞬のうちに間合いを詰め、抜刀する。

夫人「芸のない事…うふふっ」


478 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 20:11:36.45 ID:6jhOwkDO
戦士覚醒キター
鳥肌すげーwwwwww


479 :GEPPERがお送りします [] :2010/03/04(木) 20:11:56.74 ID:kShjnuso
なんかインフレさせすぎた感が凄いね…


480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 20:12:17.00 ID:WI2BVoAO
シュンッ……ギイィンッ!!

夫人「分からぬか?わらわの風で防ぐ事なぞ、たやすい…」

夫人は再び風を纏った右手で、雷切の刀身を掴む。

グググッ…

夫人「……!?」

グググググッ…

夫人「馬鹿な…っ!押し返して……」

戦士「っりゃああぁぁぁ!!」

夫人「くう…っ!!」

ザシュッ!!…ガカアァァッ!!

戦士「はぁっ…はぁ……はぁ…」

夫人「……!!」

夫人は斬り落とされ、地面へと散る髪を見つめる。

ボタポタッ…

夫人「……血!?」

バッ!!

夫人は慌て右頬を手で押さえる。

夫人「ーっ!!」


482 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 20:24:52.11 ID:WI2BVoAO
カランッ…

戦士「はぁっ…はぁっ……」

召喚士「戦士!!」

夫人「………」

戦士「はっ…。これ…でもダメかよ…」
戦士は俯き、手から離れた雷切を虚ろな目で見る。

夫人「見誤ったわ…」

ボボウンッ!!

夫人「…三本で良かろうかの…!」

召喚士「尾が…更に二本増え…!?」

バシィッ!!…ドオォォン!!

戦士「ぐああぁっ!!」

夫人「おや…?少し尾を叩きつけただけよ?」

夫人は叩きつけられ倒れる戦士にそっと話し掛ける。

テクテクテク…

夫人「もう遊戯はお終い。じゃあね」

召喚士「戦士!!」

夫人「お前さんから先に逝くか?」

夫人は駆け寄る召喚士めがけ、両手を構える。

その細く長い指先からおぞましい炎と風が放たれる。


484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 20:35:13.92 ID:WI2BVoAO
ドドドオオォォ…

召喚士「……あれ?」

召喚士は真っ白な周囲を見渡す。

召喚士「何だろう…前もこんな事が…」

…ォォオ

召喚士「何の音…?下…から?」

バサッバサッバサッ…

召喚士「コカトリス…」

コカトリス「……終わりか?」

召喚士「うん…。勝てなかったよ…」

コカトリス「…それで…良いのか?」

召喚士「え?」

コカトリス「…救うべき人が…仲間が、まだおるのだろう?」

召喚士「……うん」

コカトリス「…戦友は一度も諦めたりはしなかったな」

召喚士「…師匠」

コカトリス「…どうする?もう終えるか?」

召喚士「…そうだね。そうだ!最後まで…諦めて…」

コカトリス「……ふんっ」

召喚士「たまるかあぁぁっ!!」


487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 20:54:09.57 ID:WI2BVoAO
ボシュウゥゥッ!!

夫人「な、何っ!?」

召喚士「ぐっ…!!」

夫人「石化の息で熱風を…!?」

コカトリス「……」

ゴアオオォォ…

コカトリスの吐息は壁を作るように夫人の熱風から、

召喚士の身を守っている。

コカトリス「…どうした?」

召喚士「あ、なんか…不思議だなって…」

コカトリス「…?」

召喚士「覚悟を決めたら…何だか気持ちが落ち着いたって言うか…」

コカトリス「…余裕が出たか?」

召喚士「うん」

コカトリス「そんな時は…状況も変わるものだ」

召喚士「……?」

コカトリス「感じないか?」

召喚士「え…?」

ドドオォン!!

夫人「!!」

召喚士の上を、突如巨大な津波が広がる。


488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/04(木) 21:12:02.38 ID:WI2BVoAO
〜南方司令部〜

カチャッ

南方参謀「…はぁ美味しい」

南方弓長「そりゃ良い紅茶ですから…」

南方副官「大丈夫かね…」

南方参謀「何が?」

南方副官「何がってなぁ…」

南方参謀「私達は他国への介入が出来ない…」

南方弓長「……」

南方参謀「でも確かに言ったわよ?」

南方参謀はカップを手に取り、一口すする。

南方参謀「何とかする…ってね」

南方副官「一般人ならば、何ら問題はない…か」

南方参謀「あの子達の強さは立証済みよ」

南方参謀は微笑み、また一口紅茶をすすった。


493 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 22:12:42.30 ID:PPjBGgAO
リヴァイアたんきた


494 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 23:33:04.88 ID:NSkuRIAO
リヴァイアさんきた!


496 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/04(木) 23:50:26.16 ID:WI2BVoAO
久々にもしもしから投下してたらバッテリー切れましたww
本日ここまでにて!おやすみなさい!ノシ

※作者花粉症の為、オマケは休載致します。申し訳ございません


498 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/05(金) 00:06:54.72 ID:hh8V2HMo

症状でてからだと翌シーズンまで受けられないけど
レーザー治療いいよ


501 :GEPPERがお送りします [] :2010/03/05(金) 01:27:54.75 ID:jHooUpw0
幼稚なケンカすんな


512 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:25:16.17 ID:scnU32Io
〜南東国東の街、西門付近〜

ドドドドドドドドド…

召喚士「津波…!?」

夫人「これはっ……!!」

大津波は召喚士の頭上を抜け、夫人と熱風を飲み込む。

夫人「くうぅ…っ!!」

ドドオオォォンッ…ザザアァ…

コカトリス「…大丈夫か?」

スタッ…

召喚士「…ふーっ。…何とか」

召喚士は振り向き、背後の召喚獣を見つめる。

リヴァイアサン「……」

召喚士「……リヴァイアサン」

召喚士はリヴァイアサンの真下にある人影に目を移す。

召喚士「それに……」


513 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:26:14.49 ID:scnU32Io
ザッ

玄武娘「…間に合った…ですの」

朱雀嬢「お久し振りですわ。朱雀先生!」

白虎嬢「ひゃぁ、大変ですねぇ〜」

召喚士「皆さん…」

玄武娘「大丈夫…ですの?」

召喚士「いや…っ、もう限界で…」

ドシャアァッ!!

朱雀嬢「!?」

夫人「………」

白虎嬢「あらぁ?まだみたいですわよ〜」

夫人「…ふぅ…はぁ…っ」

朱雀嬢「ちょっと!手抜きしないでさっさと頑張りなさいよっ!」

玄武娘「えーっ!ちゃんと本気ですの!」

朱雀嬢「全く…仕方ないですわね…。白虎嬢!」


514 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:29:22.90 ID:scnU32Io
白虎嬢「はい〜?」

朱雀嬢「私達も行くわよ?」

白虎嬢「はい。頑張りましょう〜」

朱雀嬢「出て来いっ!グリフォン!!」

白虎嬢「いらしてっ!ベヒーモス!!」

シュイィィンッ

召喚士「凄い…あ、圧巻だな…!」

三対の大きな召喚獣が横並びに現れる。

コカトリス「…あとは任せよう。お前にはやるべき事があるだろう?」

コカトリスは、倒れている戦士を見つめる。

召喚士「…うん。……ありがとう」

タッタッタッタッタ…

コカトリス「……ふっ」

シュイィィンッ…

召喚士が走り出すと同時に、コカトリスは消えた。


515 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:34:55.75 ID:scnU32Io
朱雀嬢「それじゃあ…行きますわよっ!!」

玄武娘「はいですの!」

白虎嬢「倒せますかね〜?」

朱雀嬢「かね〜?…じゃなくて倒すの!」

白虎嬢「はい〜」

ドズウゥンッ!!

夫人「おのれ…。ここまで手間を掛けさせるとは…」

玄武娘「来るですの!」

夫人「…こうなれば…九本で片付けてくれるわ!」

ボンッ!!

玄武娘「耳が生えたですの!?」

朱雀嬢「……嫌な感じですわね…!」

ジャリッ!!

召喚士「戦士…!戦士…っ!!」

戦士「………」


516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:36:48.46 ID:scnU32Io
召喚士「くそぉ…!あっちもマズイな…!」

召喚士は振り向き、腕を組み佇む夫人を見つめる。

戦士「………ぉ」

召喚士「!?」

召喚士は戦士を抱え、仰向ける。

召喚士「戦士っ!!大丈夫か!?」

戦士「……赤……兎」

召喚士「へ…っ?赤兎!?」

戦士は横を向き、遠方より近づく二頭の馬を見つめる。

パカラッパカラッパカラッ…

召喚士「あ……!!」

パカラッパカラッ…

白馬騎士「武器を拾うのに手間取った…!」

白馬騎士は赤兎に跨る影忍に戟を投げ渡す。

影忍「……」


517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:37:48.28 ID:scnU32Io
白馬騎士「……頼むぞ」

影忍「……承知」

紅白二頭の馬は、召喚士と戦士の横を素通りし、

そのまま一気に夫人へと突撃する。

夫人「…あーっはっは!わらわの…九尾の力…」

玄武娘「…っ」

夫人「見せてやろうぞっ!!」

ドドッ!!

白馬騎士「くらえぇーっ!!」

夫人「…っ!!」

ブンッ!!……ザシュッ!!

白馬騎士の投げつけた槍が夫人の体に突き刺さる。

夫人「また…貴…様っ…!?」

夫人は吹き飛ぶ体を片足でなんとか踏ん張り支える。

パカラッパカラッ…


519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:52:23.84 ID:scnU32Io
影忍「……」

夫人「!!」

影忍「………死ね」

ヒュオッ!!……ドズゥ!!…ゴシャアァッ!!

影忍は騎都尉の戟を投げつける。

直撃した夫人はその体を岩壁に叩きつけられる。

夫人「…ぅ…くっ…!」

朱雀嬢「今よっ!!」

朱雀嬢が目配せすると、グリフォンは急降下し、

夫人を岩壁へと押し込む。

夫人「避け…っ…!」

ビュオッ…ゴシャアァッ!!

朱雀嬢「ほらっ!早く続いてっ!!」

白虎嬢「はい〜!!」

玄武娘「本気の…本気ですのっ!!」


520 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 18:53:12.36 ID:scnU32Io
リヴァイアサンの大津波が夫人めがけ迫る。

ドドオオォォンッ!!

間髪入れずベヒーモスが巨大な口を開き、

炎の玉を撃ち込み、更なる追い討ちをかける。

キュイィィ…ドドドオォンッ!!

白馬騎士「…凄まじい…なんて威力だ…!」

召喚士「凄い…!」

シュウウゥゥ…ゴトッ…カランッ…

朱雀嬢「もう流石に倒したでしょ」

玄武娘「…ですの」

白虎嬢「疲れましたね〜」

影忍「……?」

白馬騎士「…どうした?」

カタッ…ゴトゴトッ…

召喚士「…ま…まさ…か!?」


521 :GEPPERがお送りします [] :2010/03/05(金) 18:57:04.98 ID:UH3wWKQo
いいところでwwwwww


522 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/03/05(金) 19:09:02.91 ID:ij3FpQDO
>>521

そこにはなんと元気に走り回る九尾の姿が


524 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/03/05(金) 19:19:24.09 ID:scnU32Io
すいません!さっきから飛び込みの仕事が…orz
今日中になんとかまとめたいと思います!


525 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/03/05(金) 19:46:20.39 ID:5RDOB.oo
>>1
無茶をするな
貴様は魔力を使いすぎだ


526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 19:51:31.04 ID:hETjlwAO
立ち上る白煙の中に、人影が現れる。

朱雀嬢「嘘でしょ…!?あれだけやってまだ…」

玄武娘「そ…そんなぁ…」

テクテクテク…

崩れた岩壁を掻き分け、夫人が姿を現す。

白馬騎士「……子供…?」

夫人「……」

パタパタッ

影「…いや。縮んだ…というか」

夫人「…はぁ」

夫人は乱れた衣服を正しながら溜息をつく。

朱雀嬢「……」

夫人「あぁ。構えなくとも良いぞ」

白虎嬢「…?」

夫人「この姿…。分からぬか?魔力枯渇だの…」

玄武娘「もう戦わないんですの?」

夫人「回復に全ての魔力を使うてしまったわ…」


528 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 20:00:18.62 ID:hETjlwAO
白馬騎士「……」

夫人「お主ら命拾いしたの」

夫人は周囲を見渡し前へ進む。

白馬騎士「何を…言って…!?」

影忍「……もうよせ」

影忍は右手で白馬騎士が飛び出すのを制する。

白馬騎士「皆死んだ!この者をここで逃がせば…」

影忍「…余力がない。俺もお前も…あ奴らもな」

夫人「やるなら構わぬぞ?この姿とて負けはせぬ…」

白馬騎士「……」

夫人「無傷…とはいかぬがのぅ」

夫人は幼ない顔で、しかしながら妖艶に笑う。

夫人「わらわも今日は疲れた。これで終いじゃ」

朱雀嬢「私達の勝ちですわね…!」

夫人「ふぅむ…。まぁ良かろう」

玄武娘「…勝った…ですの!!」


529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 20:05:46.93 ID:hETjlwAO
夫人「だがの、次はこうはいかぬ…」

白馬騎士「!?」

夫人「そうだの…全快は程遠いが、1年もあればそれなりに戻るかの」

影忍「……」

夫人「安心せい。もはやこの国に興味はない」

白馬騎士「……っ」

夫人「もう会う事もあるまいて…。うふふっ」

テクテクテク…

夫人「だが…召喚士ども。お主らは覚えておくがよい」

玄武娘「…え!?」

夫人「わらわをここまでしおった罪、いずれ償って貰うからの…!」

朱雀嬢「次も同じ目に合わせてやりますわっ!」

白虎嬢「ですね〜」

玄武娘「……ですの!」


530 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/03/05(金) 20:12:29.55 ID:hETjlwAO
夫人「威勢の良い事…。怖いのぅ」

チラッ

夫人「……」

召喚士「……」

夫人「…うふふっ。またの」

ボンッ!!…シュウウゥゥ…

夫人は白煙を上げ、その場から姿を消した…。

玄武娘「消えたですの!?」

朱雀嬢「まぁ…いいですわ。勝ちは勝ち!」

白虎嬢「そうですね〜!やりましたね〜!」

白馬騎士「……」

影忍「…勝ちは勝ち…か。…まさにだな」

白馬騎士「…こんなものが勝ちと言えるか…っ!」

影忍「…考え方次第だろう」

白馬騎士「……くそぉ…っ!!」

影忍「………」



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