■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その5
- 343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2009/11/27(金) 10:43:11.54 ID:zCicWp6o
〜盗賊の部屋〜
盗賊「はぁ…疲れた…」
侍女「お疲れ様でした!」
盗賊「…もう…着物はいいよ」
侍女「せっかく素敵なのに…勿体無い」
盗賊「…それにもう…姫じゃないし」
侍女「……姫」
盗賊「だ、だから!…姫じゃないっ」
侍女「私にとっては…姫はずうっと姫ですよ!」
盗賊「……侍女」
侍女「10年間…ずっとお世話してきましたもの」
盗賊「……うむ」
侍女「寂しく…なるなぁ…」
盗賊「……」
侍女「ここ最近だって…姫がいなくなって…」
- 344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 10:46:04.91 ID:zCicWp6o
盗賊「…侍女」
侍女「私だけじゃないですよ…藤蔵全体が…ね」
盗賊「……」
侍女「御館様が一番寂しがってたと思いますよ」
盗賊「…父様…が?」
侍女「そりゃそうですよ。娘が家出しただなんて…」
盗賊「わ、私はだなっ…」
侍女「分かってますよ。きっと…御館様だって本当は…」
盗賊「……そう…か」
侍女「御館様とお話されたのでしょ?」
盗賊「…うむ…した事は…したが」
侍女「…?」
盗賊「…縁を…切られたと言うか…その」
侍女「…御館様の本心だと思ってます?」
盗賊「…わ、分からぬ」
侍女「本心なわけがないでしょ!」
盗賊「…でも…兄様の時も…!」
侍女「若様の時だってきっと…」
盗賊「…とにかく…私はもう、藤蔵の姫ではない」
侍女「……」
盗賊「…一冒険者の…盗賊だ」
- 345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 10:52:57.86 ID:zCicWp6o
侍女「……そんな」
盗賊「…すまぬ」
侍女「はしたない…盗賊だなんて!」
盗賊「…へ?」
侍女「もっと格好良く、忍者!とかないんですか?」
盗賊「だ、だって…忍者なんて…東方しかいないし」
侍女「だから良いんじゃないですかぁ!」
盗賊「…忍者なんてっ…み、みんな知らないもん!」
侍女「…ふふふっ!」
盗賊「わ、笑うな…!馬鹿者!」
侍女「…じゃあせめて、これぐらいお持ち下さいな」
侍女は席を立ち、天井に飛び上がる。
シュバッ…タッ…ガチャ…ジャラッ
侍女「はいっ、どうぞ!」
盗賊「クナイ…か」
- 347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 11:06:05.47 ID:zCicWp6o
侍女「私の特製ですよ?」
盗賊「…侍女には色々と…世話になったもんな」
侍女「くの一頭として当然です!」
盗賊「…そうか」
侍女「まぁ…勝手に妹みたいに思ったりもしてますけど」
盗賊「……!!」
侍女「え…と、これが塗り毒ね。それで…」
盗賊「……侍女」
侍女「…グス…えと……えっと…」
盗賊「……」
侍女「ふふっ…あ、クナイ入れ…グスッ…」
盗賊「…厠へ…行ってくる」
盗賊は部屋を出て襖を閉める。
盗賊「……あ、ありがとう…お、お姉ちゃんっ…!」
タッタッタッタッタ…
侍女「ふっ…ふぐぅっ…グスッ…っ…!」
侍女は堪えきれず溢れた涙を、袖で拭い続けた…。
- 348 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 11:17:11.36 ID:0jbx5x2o
クラスチェンジ来る?でもそしたら名前はどうなるのかと一瞬思ったが杞憂のようでした
- 349 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 12:08:06.44 ID:JW7HQASO
全く忍者っぽいそぶりが無かったのに侍女も忍者だったんだな…
ギャップに完璧やられた…
- 350 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 12:08:13.46 ID:zCicWp6o
〜厠〜
ジャーッ…チョロチョロチョロ…
パタン
魔道士「あ、盗賊さん!」
盗賊「…魔道士」
…
魔道士「そうですか…お父さんと…」
盗賊「…うむ」
魔道士「でも…縛られた人生って、イヤじゃありません?」
盗賊「…そうだな」
魔道士「なんだか…やりたい事も出来ないし…」
盗賊「…」
魔道士「自分が生きてるって感じ、しないんですよねぇ」
盗賊「…魔道士…お前」
魔道士「…盗賊さんにだけ…言いますね」
- 351 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 12:12:14.03 ID:zCicWp6o
盗賊「…ん?」
魔道士「私も…盗賊さんと似たような境遇なんです…」
盗賊「……」
魔道士「私も、家が嫌で飛び出して…」
盗賊「…そうか」
魔道士「ごめんなさい…!今度ちゃんと話します」
盗賊「…うむ」
魔道士「…皆さんの前で…きちんと」
盗賊「……それがいい」
魔道士「さ、さぁ…戻りましょうか…!」
盗賊「…だな」
魔道士「それじゃ盗賊さん、おやすみなさい!」
盗賊「あぁ…おやすみ!」
魔道士「エヘヘッ!」
タッタッタッタッタ…
盗賊「……ふふっ」
- 352 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 12:13:49.01 ID:UrtbQD.o
盗賊 姫
召喚師 朱雀先生
魔道士 これから明かされる
戦士 普通の人・・・だと・・・?
- 353 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 12:26:38.63 ID:fgvwZkgo
>ジャーッ…チョロチョロチョロ…
水の音なのかそれとも・・・(ゴクリ
ってか水洗トイレだとっ!?
- 354 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 12:27:20.59 ID:kPzTrkDO
ジャーッ…チョロチョロチョロ…
- 355 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/27(金) 12:32:35.13 ID:zCicWp6o
>>353-354
トイレなんてそう出て来ないから、あえて入れてみました
何の音かは妄想力テストです。皆様のご想像通りに…
>>352
以下ネタについて…読みたくない方は飛ばしちゃって下さい
ここまできたら戦士も普通の人ってワケにはいかない気がします
実は気付かれないよう、さりげなーく…種は蒔いてます
今後をお楽しみ(?)に…
たかテラ後付け設定だらけのパーティーw
- 356 :パー速民がお送りします [] :2009/11/27(金) 12:37:51.13 ID:Dfn1uR20
>>353
ゴクリとか何飲んでんだお前俺と変われ
- 357 :パー速民がお送りします [] :2009/11/27(金) 14:19:57.64 ID:wrCYjM20
もうやだこのSS変態しかいない
- 360 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 15:10:15.81 ID:zCicWp6o
テクテクテク…
盗賊「…?」
盗賊は先の部屋からうっすらと見える灯りに気付く。
盗賊「……」
テクテク…スッ
水忍「…あぁ…姫様」
盗賊「水、どうした…こんな宝物庫などで」
水忍「…御館様が急にご覧になりたいと申されましてね」
盗賊「…父様が?」
水忍「えぇ。もうお戻りになられましたが…」
盗賊「…そうか」
水忍「片付ける前にご覧になられますか?」
盗賊「…?」
水忍「…どうぞ。お入り下さい」
盗賊は宝物庫の中へ足を運ぶ。
- 361 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 15:20:31.87 ID:zCicWp6o
盗賊「こ…これっ…!!」
水忍「どうです…?見事な宝物の数々でしょう?」
盗賊「……っ…くっ…!」
水忍「若様は最後まで上手くなりませんでしたな…あははっ」
盗賊「……うぅっ…」
水忍「姫様は…いつ見てもお見事な出来ですな…」
盗賊「……ぐっ…うぅ…」
水忍「御館様もこちらを覗かれるのは久方振りでした」
盗賊「……っ」
水忍「では…しばらく席を外します故…」
シュバッ
盗賊「……うっ…うぅっ…!」
宝物庫には盗賊と兄が描いた数々の絵が飾られている。
盗賊「ひぐっ…うっ…あぁぁっ…!」
盗賊は床にヒザを落とし、しばらくの間、子供のように泣いた…。
- 364 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 15:59:50.71 ID:zCicWp6o
〜次の日〜
盗賊「……」
戦士「本当にいいのか…?」
盗賊「…あぁ」
召喚士「……」
盗賊「…また…いつか」
魔道士「そうですね…」
タッタッタ…
侍女「姫っ!」
戦士「あれ…昨日の侍女さん…!?」
侍女「……えぇ」
召喚士「格好が…全然違うもので」
侍女「あぁ…見回りや任務も…持ち回りだ」
魔道士「なるほど〜」
盗賊「…それで…どうした?」
- 365 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:03:29.06 ID:zCicWp6o
侍女「…これもやろうと思ってな」
ジャラッ
盗賊「…まきびしか」
侍女「…うむ」
ザッザッザ
風忍「…姫、そして皆もお気をを付けて」
戦士「ありがとうございます!」
風忍「…ん?姫っ!?…その刀…!」
盗賊は腰に結んである蜘蛛切を外す。
召喚士「蜘蛛切ですね…」
盗賊「……返す」
風忍「これを…どこで!?」
魔道士「ここに来る途中の山で…」
風忍「……」
侍女「…これは…若様が去る時に、持ち出した物よ」
- 366 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:06:49.22 ID:zCicWp6o
盗賊「兄様…が!?」
風忍「えぇ…」
盗賊「…そう…だったのか」
風忍「ところで、蜘蛛切とは…?」
召喚士「あ、ええ。その山で土蜘蛛退治をしまして…」
魔道士「その時に盗賊さんがこの蜘蛛切で倒したんですよ!」
侍女「…そうだったの」
戦士「膝丸…だっけか?そんな不吉な名前じゃ似つかわしくねぇしな」
風忍「…なるほどな」
盗賊「…そういう事だ。…ん」
盗賊は風忍に蜘蛛切を差し出す。
ザッザッザ
御館様「……」
風忍「…御館様!」
召喚士「……!!」
- 367 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:11:57.05 ID:zCicWp6o
侍女「…どう…されました?」
御館様「なんだ?その刀は…?」
風忍「はっ、膝丸にございまする!」
御館様「儂には蜘蛛切と聞こえてきたが?」
侍女「…名を…改めた…との事に」
御館様「たわけがっ…!藤蔵の家宝が名を改めるかっ!!」
戦士「!!」
風忍「はっ!ご尤もに!!」
御館様「そのようなナマクラ刀、我が家の物ではないわ」
召喚士「!?」
盗賊「…!」
御館様「さっさと客人に返さぬか!」
風忍「…失礼を致しました!」
風忍は蜘蛛切を盗賊へ手渡す。
盗賊「……父…様」
- 369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:21:55.91 ID:zCicWp6o
御館様「……」
ザッザッザ
戦士「……」
戦士は去り行く御館様へ一礼する。
風忍「…ははは…どこで聞いておられたのやら」
召喚士「…あ、ありがとうございます!」
侍女「…いいえ、御館様が申された事ですから」
盗賊「……ありがたく…!」
魔道士「良かったですね…盗賊さん…!」
召喚士「じゃあ…行きましょうか…?」
盗賊「…うむ」
風忍「それでは…」
侍女「……姫…ご無事で!」
盗賊「…うむ…ありがとう」
四人は藤蔵家の城を去り、山を下った…。
- 370 :パー速民がお送りします [] :2009/11/27(金) 16:23:12.86 ID:.a/QnQDO
父親系はツンデレさんが多いですね
- 371 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:31:18.63 ID:zCicWp6o
…
戦士「なぁなぁ盗賊…」
盗賊「…?」
戦士「侍女さんてさ…喋り方変わってなかったか?」
盗賊「…あぁ…そういう人だ」
召喚士「そういう人…?」
盗賊「なんというか…忍装束になると…無口になる」
戦士「…そ、そう…か」
魔道士「なんか…似てましたね」
盗賊「…ん?」
魔道士「喋り方。盗賊さんと!」
召喚士「あぁ…!言われてみれば確かに…!」
戦士「あー分かるわぁ…!」
盗賊「そ、そう…か?」
魔道士「きっと…盗賊さんにとって特別な人…なんですね!」
盗賊「…そう…なんだろうな…きっと」
- 372 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:42:42.86 ID:zCicWp6o
戦士「とりあえず…ひと段落か。しっくりはこねぇけど」
盗賊「…うむ」
召喚士「さて…どうしましょうか…?」
魔道士「都へ行きますか?」
召喚士「えぇ、ちょっと気になる事があって…?」
盗賊「…?」
戦士「俺は…北へ向かいたい」
召喚士「北…?」
戦士「あぁ…実は北に凄腕の鍛冶屋がいるって聞いてな…」
魔道士「鍛冶屋さん…ですか…?」
戦士「…斧を完成させる為に…なにか手掛かりはねぇかなって」
召喚士「ドワーフさんの…!!」
戦士「ああ」
召喚士「確かに…何か分かるかもしれないな」
盗賊「…うむ」
- 373 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:49:17.49 ID:zCicWp6o
戦士「召喚士は?」
召喚士「うん、陰陽師って人を探してみたいなって…」
魔道士「陰陽師?」
盗賊「…東方の…召喚士のようなものだ」
戦士「…なるほどな」
召喚士「もしかしたら新しい召喚獣に繋がるかもしれない…」
魔道士「そうですね…!可能性ありますねっ!」
戦士「そうなると…こりゃ久々に…」
召喚士「うん。別行動と行くか…」
魔道士「え?一緒に行かないんですか?」
戦士「まとめて行ってもいいけど日数かかるし…」
召喚士「盗賊さんの話だと、東方は町沿いに行けば魔物は少ないですから」
魔道士「あ、そうか…」
盗賊「…同意」
戦士「そういうこった!」
召喚士「じゃあ…二手に分かれて行きましょうか!」
- 374 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/27(金) 16:57:02.98 ID:zCicWp6o
魔道士「えぇと…そうなると〜」
召喚士「戦士と…盗賊さん」
盗賊「…!?」
召喚士「北の道は分かりません。案内を」
盗賊「…う、うむ!」
戦士「頼んだぜ!」
盗賊「…わ、分かった!」
召喚士「俺と魔道士さんは都へ…」
魔道士「はい。楽しみですっ!」
戦士「集合はどうする…?」
盗賊「…都で良かろう」
召喚士「分かりました。では完了次第、都の…えっと」
盗賊「…旅籠…という宿を当たれ」
召喚士「分かりました。では旅籠にパーティーで宿を確保します」
魔道士「では…お気をつけて!!」
戦士「あぁ!そっちもな!!」
- 375 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/27(金) 17:01:59.06 ID:zCicWp6o
ところでこれ、個人的な読みやすさをふまえて、
空白込み30行前後にしてるんですが、どうなんでしょう?
- 376 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 17:03:26.97 ID:3EDNzoso
問題ないでござる
- 377 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 17:06:29.47 ID:A3YlTuwo
たわけ!いらん心配をするな!
- 378 :パー速民がお送りします [] :2009/11/27(金) 17:12:29.17 ID:bSHmvH6o
空白だけで30行はやめてください!
- 379 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/27(金) 17:29:04.00 ID:zCicWp6o
>>376
御館様「うむ、報告ご苦労。下がれ」
>>377
風忍「はは!ご尤もにて!!」
>>378
侍女「流石にそれは…!ご安心をっ!」
あざざーす!じゃあ現状維持にて…
- 380 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 17:33:50.70 ID:tTF0st2o
空白を途中に入れるのは私にとっては非常に読みやすい。
- 381 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/27(金) 17:37:42.33 ID:4tT9Dtko
暴れん坊将軍はまだかね
次へ 戻る 戻る 携 上へ