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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/04/17(日) 22:03:01.16 ID:3e4XSWdko
〜数日後〜
記者「……っ」
召集が発令されたと聞き、記者は国軍本部へと訪れた。
しかし今、目の前に広がる想定外の光景に、ただ驚きを隠せずにいた。
召集命令が出されたわずか数日内において、各司令部の司令、及び側近、
そして各拠点の長や部隊の将軍ら一同が、国軍本部へと集まった。
だがそれは議会などでもよく目にする光景であり、記者を驚かせるには至らない。
特筆すべきはその数と、そして……ワーカーである。
ザッザッザ
青年兵「ご苦労様です」
召喚士「ちょうど本国にいたからね。良かったよ」
戦士「しっかし大層なもんだわなぁ」
青年兵「これからまだまだ来ますよ」
魔道士「国軍だけじゃないんですねぇ……」
――「当ったり前だろーが」
- 881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 22:03:34.07 ID:3e4XSWdko
カツカツカツ
召喚士「……天才さん……じゃなくって、総司令……?」
天才「んなもんどっちでもいい。ほれ、ワーカーはあっちに座れ」
盗賊「……あれは」
戦士「うおっ!?」
ザッザッザ
ジュニア「いよぉ!元気そうで何よりだ……ハッハ!」
魔道士「ジュニアさんっ!それに……眼鏡さんも!」
眼鏡「やぁ」
召喚士「やはり皆さんも来てたんですね」
ジュニア「俺らだけじゃねーぞぉ?」
魔道士「え……っ?」
テクテクテク
魔法剣士「……元気そうだな」
魔道士「魔法剣士さんっ!」
- 882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 22:04:46.74 ID:3e4XSWdko
賢者「……ふぅ」
召喚士「賢者さんまで……」
大軍師「これで、ある程度の上位ランカーは集まりました」
天才「「それ、リスト見せてみろ」
パラッ
天才「この……女賢者は?」
大軍師「連絡つかずですね。おそらく南方におるかと……」
天才「南方?んじゃ、そのままでいいや。あとは……この二人は?」
大軍師「玄武娘に朱雀嬢ですか、西方にいますがこちらも連絡が……」
天才「しまったな、この二人を使うつもりなんだがなー」
大軍師「西国にも協力を依頼致しましょう」
天才「んで、最後にコイツらは?」
大軍師「現在、くの一が療養中。他3名は行方不明です」
天才「……ちっ、貴重な朱雀なんだが……まぁ仕方ねぇ」
大軍師「まだ日数はありますし、もう少し待つと致しましょう」
- 883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 22:05:56.91 ID:3e4XSWdko
…
カツカツカツ
南方司令「……おや、仮面は?」
天才「あーもう要らん。あとは魔物と戦い浸けの毎日だ」
南方司令「……そうですかい」
カツカツカツ
西方司令「……たっ、ただいま着きました……はあぁ」
天才「おーう、ご苦労」
東方司令「……」
天才「……んだよ?」
東方司令「い、いえ……っ」
天才「あ、ちょうど良かったわ。お前の貰うな」
東方司令「へっ!?」
天才「ツヴァイハンダーだよ。後で回収だ」
東方司令「そっ、そんな急に……っ」
- 884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 22:06:51.64 ID:3e4XSWdko
天才「いつでも手放せる準備はしておけと言っただろ」
東方司令「何年前の話ですかっ」
天才「とにかく、もう時間がない。強制没収」
東方司令「……うぅ」
天才「そこのネーチャンに借りろよ」
女剣士「っ!?」
東方司令「刀か……」
天才「両手で握るんだから似たようなもんだろが」
東方司令「苦手です……」
天才「おめーの馬鹿力ならなんとかなんだろ。笑わせんなアホ」
東方司令「……っ」
大軍師「司令、陛下がご到着なされましたよ」
天才「おーう、いま行くー」
カツカツカツカツ
南方司令「さて、我らも着席しよう」
- 885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 22:08:04.13 ID:3e4XSWdko
カツカツカツ…ザッザッ
天才「ご足労さん」
皇太子「大変だったな」
天才「そっちこそな。ま、計画通りっちゃ計画通りだ。心配すんな」
皇太子「心配はしてないさ、引き続き頼むぞ」
天才「……ん?そいつらは何だ?」
皇太子「私の側近さ、腕は確かだぞ」
双子姉「こんにちは、始めましてっ」
双子妹「宜しくお願い致しますわっ」
天才「……へっ、可愛らしい側近ですこと」
皇太子「羨ましいであろう?はははっ」
カツカツカツ
天才「……あんなキャラだったか?」
エリート「国王になられて、何か一つ吹っ切れたようです」
天才「ハーッハッハ!お前も悩みのタネが一つ消えて、何よりだな」
エリート「はぁ……」
- 887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:41:28.70 ID:3e4XSWdko
…
天才「おーし、各自座ったなぁ」
大軍師「それでは資料をお配り致します」
広い大会議室いっぱいに、国軍関係者とワーカーが座する。
そして手元の資料をめくり、一同は無言のままただ目を通す。
戦士「しっかし見渡す限り……凄いメンバーが集まったもんだなぁ」
召喚士「うん」
戦士「しかも、みんな顔が分かるってのがまた怖い」
召喚士「確かに……」
魔道士「国軍の人もワーカーの人も、ほとんど知り合いですよね」
盗賊「……良いのか悪いのか」
戦士「そんなん俺らくらいのもんじゃないか?」
召喚士「は、はは……っ」
4人はきょろきょろと周囲を見渡し、馴染みのある面々を確認する。
それと同時に、今までの冒険を重ね合わせるように振り返った。
- 888 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:42:31.25 ID:3e4XSWdko
魔法剣士「……」
召喚士「どうしました?」
魔法剣士「なぁ、何故あいつが中心で話しているのだ?」
魔道士「あぁ、それはですね……」
盗賊「……天才が……総司令だ」
魔法剣士「……?」
召喚士「天才さんと総司令は、同一人物だったんですよ」
魔法剣士「――っ!?」
戦士「まぁ、信じられないよなぁ」
魔法剣士「ほ、本当……なのか!?」
魔道士「はい」
魔法剣士「……信じられん、あの……阿呆が?」
召喚士「……」
戦士「まぁ、分からんでもないよなぁ」
盗賊「……うん」
- 889 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:43:06.51 ID:3e4XSWdko
…
天才「そんじゃま、概要を説明すんぞ」
大軍師「まずは資料の最初をご確認下さいませ」
天才「五ヵ年計画も残すところ大詰め。最後のひと踏ん張りだ」
大軍師「そこで改めて、今後の展開を確認致したいと思います」
騎士団長「魔王討伐に関してかな?」
天才「まぁそうだが、その下準備ってところだな」
隊長「下準備……?」
天才「ああ。まずは魔王の前に、眷属どもを叩く」
ザワッ
エリート「眷属……?」
戦士「眷属っていや……」
召喚士「……」
左翼長「最初の標的は?」
天才「……一番、好戦的なヤローどもだ」
- 890 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:44:53.49 ID:3e4XSWdko
青年兵「好戦的……」
天才「アンラ・マンユの所を叩く」
ザワザワッ
戦士「やっぱりあいつか……」
大軍師「アンラ・マンユの眷属は総勢6匹」
天才「そのうち、アカ・マナフと思しき奴は既に撃破した」
左翼長「思しき?」
大軍師「眷属については、ほとんど情報がないので……」
博士「あくまで魔物図鑑を参考にするしかないのら」
天才「だから、そうであろうと言う程度の話だ」
召喚士「……」
天才「だが……おい、そこの朱雀先生」
召喚士「!?」
天才「お前さんらが倒したアカ・マナフ。どうだった?」
召喚士「どうって……とんでもない強さでした」
- 891 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:47:11.86 ID:3e4XSWdko
隊長「現場に居合わせた身枯らすりゃ、ありゃ間違いなく別格だ」
皇太子「ああ、私も多少ながら関わったが、相当の魔物であった」
青年兵「ええ……」
天才「つーわけで、アカ・マナフは倒したものと考える」
大軍師「残るは5匹。それでも他の魔王に比べれば厄介な数です」
男隊員「んじゃ、なんでわざわざ危ない所に挑むんすか?」
天才「寝てる奴を起こす必要ねぇってこった」
大軍師「好戦的だからこそ、先に叩いておく必要もあります」
天才「それに武闘派を地でいくような奴らを倒せば、多少は士気を削げるかもしれん」
青龍先生「そううまくいくかのぉ……」
天才「だから、かもしれんって言ってんだろうが、クソジジイ!」
大軍師「そういうわけで、第一の標的は南西、火山攻略と致します」
天才「ただし、悟られると厄介だ。少数精鋭で部隊を編成する」
大軍師「限られたメンバーを派遣し、眷属を討ちます」
天才「んでだ、同時に南北の兵も動かすぞ」
- 892 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:48:29.75 ID:3e4XSWdko
ザワザワッ
南方司令「どういう事だ?」
左翼長「……陽動か」
天才「ビンゴ。流石だねぇ」
左翼長「……」
天才「ピンポイントで狙い討つと他の魔王に刺激を与える可能性がある」
大軍師「そこで、南北の兵を同時に進軍致します」
騎士団長「成程、それがカモフラージュになるわけだな」
天才「そゆ事」
大軍師「それでは、当作戦に関する編成をお伝えいたします」
天才「えーと、北は総大将が左翼長。副将に将軍と東方司令」
左翼長「……」
将軍「了解であります!」
東方司令「……はっ」
天才「兵は北方と東方を動員してくれ。北関の使用は極力控えろ」
- 893 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/17(日) 23:55:14.64 ID:3e4XSWdko
大軍師「続いて、南方の編成ですが……」
天才「総大将は南方司令。副将に西方司令と騎士団長」
南方司令「全ては……正義の為に!」
西方司令「ひいぃ……っ。私に務まるでしょうか……!?」
騎士団長「相分かった」
天才「こっちは逆に、赤壁を前面に使え。テストも兼ねてだ」
大軍師「騎士団長はそのまま騎士団を率いて下さいませ」
騎士団長「本国の守りは良いのかな?」
大軍師「はい。西方司令部の兵とワーカーをあたらせます」
エリート「王宮の兵もおりますので。ご安心を」
騎士団長「……そういう事ならば」
天才「んで、召喚隊は白虎が白虎長」
白虎長「はっ」
天才「青龍隊は……青龍士官」
青龍士官「!?」
- 894 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 00:00:29.68 ID:+LjoHD5zo
天才「お前が率いろ」
青龍士官「私……ですか?」
大軍師「青龍先生が最前線に立つには、些か厳しいものかと……」
青龍先生「ひょっひょ、全くじゃわい」
天才「つーわけだ。頼むぜ」
青龍士官「……っ」
斜め前に位置する青年兵をちらりと見つめる青龍士官。青年兵はその目線に、笑顔で頷く。
青龍士官「……畏まりました。必ずや!」
天才「召喚士隊は二手に分かれて南北を支援しろ、いよいよ本格的な実戦投入だ」
白虎長「今までサボってたわけじゃないですもの、見せてやりますわ!」
天才「どっちが北でどっちが南かは二人で相談して好きに決めろ、いいな」
青龍士官「……はいっ!」
天才「魔道兵とプリースト……衛生兵はいつも通りの比率で組み込む」
大軍師「そちらは私が編成致します。ぬかりなく」
天才「んで、いよいよ本命の精鋭部隊だが……」
- 895 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 00:03:34.01 ID:+LjoHD5zo
スッ
天才「……いいな?」
召喚士「……はい」
天才「朱雀んとこの4人。それに……」
カツカツカツ
天才「お前とお前」
賢者「……ふぅ」
ジュニア「ご指名か、しゃーないねぇ……ハッハ!」
天才「お前とお前は北。慣れてそうだしな」
魔法剣士「任せてくれ」
眼鏡「そうだね、やりやすくて助かるよ」
天才「特遊は先行して偵察、及びルートの確保」
隊長「了解!」
男隊員「ゾクゾクしてくるぜ……ヒャハハッ!」
女隊員「やってやるッスよ……!」
- 896 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 00:11:18.73 ID:+LjoHD5zo
天才「テメーもだぞ?」
格闘家「分かってます」
大軍師「あと、本日はおられませんが、南西の砦からも牽制の軍が出ます」
召喚士「南西砦長さんか……」
天才「あとはここにいねーワーカーと……」
皇太子「他国の援軍か」
天才「会見はいつなんだ?」
皇太子「既に文は出している。1週間以内には現実のものとなるだろう」
天才「ギリギリのタイミングだな。まぁいいか」
大軍師「問題は……連絡付かずのワーカーですね」
天才「予言のが話にならんからなぁ。まー仕方ねぇけどな」
大軍師「ひとまず以上が編成となります。後ほど、個別に詳細をご指示致します」
天才「作戦開始日時も後で伝える。質問ある奴は大軍師に聞いてくれ。んじゃ解散」
大軍師「以上、お疲れ様でした」
召喚士「……アンラ・マンユの眷属、か」
- 897 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/18(月) 00:16:59.27 ID:+LjoHD5zo
ここまでー。此度もご支援感謝なのですよ!
それでは、おやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
魔道士「天才さんは、何で総司令とワーカーをやってるんですか?」
天才「いやー金がなくてバイトだよ、副業」
戦士「副業でトップランカーになるわけねぇだろっ!」
天才「はぁ?副業は総司令の方だ」
盗賊「!?」
召喚士「じ、じゃあ……マズク・ド・ジーニアスは?」
天才「ありゃああれだ、えーと」
魔道士「……」
天才「身寄りのない子供達の為の孤児院を維持する為に――」
戦士「ないない」
召喚士「でも、本当にどうしてなろうと思ったんですか?」
天才「話すと長くなるからなぁ……。需要があんなら番外編ってとこだな。ハーッハッハッハ!」
召喚士「……だ、そうです皆様」
- 905 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/18(月) 03:07:32.08 ID:HvxB0+xDO
>>1乙
天才さんったらワーカー報酬もらってないっていうのに照れちゃって///
- 910 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage] 投稿日:2011/04/18(月) 08:23:22.02 ID:ZXNWk2+1o
今更ながら読み返してるんだけど・・・長いな・・・
最初の方から自分のレスがちらほらと
見ると恥ずかしくなるな
- 912 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/18(月) 08:36:21.05 ID:hZkgni1DO
>>1乙!
wktkが止まらない展開続きだな!
楽しみにしてる漫画が掲載されている週刊誌が毎日発売されてる感覚ですげー嬉しいwwww
大規模戦闘楽しみだなー
天才の外伝はいつかみてみたい!!
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