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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
- 437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2010/05/14(金) 18:29:56.37 ID:SqE/MvMo
〜北方司令部〜
ザシュウゥゥッ!!
エリート「…よし!オーガ隊壊滅だっ」
親衛隊「おおぉ!!」
騎兵達が高々と槍を突き上げる。
エリート「司令部へ戻るぞ」
先頭のエリートは馬首を返し、半分ほど開いた司令部の門を潜り抜ける。
騎士長「ご苦労様!!」
エリート「そちらこそっ!ところで殿下は…?」
騎士長「中へ入たきり見ていないぞ?まあ召喚隊も駆けつけた事だし…」
エリート「……殿下」
親衛隊「各兵!馬を厩舎へ!」
北方兵「こちらです!」
親衛隊「うむ。ないとは思うが再侵攻の防備もしっかりな!」
騎士長「弓隊は東を中心に防衛!戦いはまだ終わりではないぞ!」
- 438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:30:31.12 ID:SqE/MvMo
エリートは下馬し、司令部内へと足を進める。
エリート「………」
バタバタバタッ
エリート「ど、どうした…!?」
青龍兵「エリート様!?で、殿下が…っ!!」
エリート「何っ!!どこだっ!?」
青龍兵「救護室ですっ!!」
エリート「くっ!」
タッタッタッタ…ガチャッ
エリート「!?」
バーテン「…………」
テクテクテク…
エリート「で………殿…下っ!!」
バーテン「遅かったな…」
皇太子「いやぁ…してやられたよ。はははっ」
- 439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:31:20.11 ID:SqE/MvMo
エリート「はははじゃないでしょう!?あれほど無茶を…」
皇太子「済まなかったな。解毒も済んで今は…もう大丈夫」
皇太子はベッド上で左腕の力こぶを作り、笑顔でエリートへ返答する。
バーテン「外も終わったのか?」
エリート「貴方は…?」
バーテン「おう…すまん。通りすがりのバーテンだ」
エリート「そ、どうも…。ええ、鎮圧完了です」
皇太子「ご苦労。もうじき日の出だ。パターンからしてもう攻撃はないだろう」
エリート「伝令はまだですが、各地の結界石も、無事終えているでしょう」
皇太子「うむ。さて……」
モゾッ
エリート「殿下っ、まだ動かれない方が……」
皇太子「頑丈さだけが取り柄でね…ははっ」
皇太子はベッドから降り、着衣を整え始める。
皇太子「さぁ、行こうかっ!」
- 440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:31:49.27 ID:SqE/MvMo
…
カツカツカツ…ザッ
騎士長「殿下!!」
皇太子「ご苦労。この地は無事、我らの勝利に終わったな」
親衛隊「ええ…!!」
皇太子「出来れば無傷で…在りたかったが…」
エリート「………」
北方兵「騎士長様っ!北側より何かが…!」
騎士長「!?」
一同は慌てて城壁を走り、北側より外を眺める。
騎士長「ふっ…!馬鹿者っよく見ろ!」
北方兵「もっ、申し訳ありません!雨で視界が悪く……」
騎士長「開門せよ!迎え入れるぞ!!」
皇太子「我らも下に降りようか!」
エリート「……ええ!」
- 441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:32:19.20 ID:SqE/MvMo
パカラッパカラッ…ドドッ…パッカパッカ…
左翼長「帰る場所はしっかり残ってたな!」
騎士長「阿呆!当たり前だろ!!」
皇太子「首尾は…?」
参謀「予定通りの地点へ打ち込めました。完璧です」
皇太子「ご苦労。司令もよくやってくれた!」
エリート「敵は…?」
左翼長「途中トロル隊の残党がいましたが、容易く殲滅出来ました」
騎士長「よし…!んっ……!?」
騎士長は掌を上へ向け、空を見上げる。
皇太子「雨も弱まってきたな」
参謀「ええ……」
皇太子「そうだ!……よし…」
エリート「…?」
皇太子「此処の防備を整えたら…総員北関へ向かえ!!」
- 442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:33:14.73 ID:SqE/MvMo
〜北関〜
サル「……はひぃ」
サルが頭をうな垂れ、疲れた顔で溜息をつく。
ヴァンパイア「く…くそぉ!日の出がはじまっているのにいぃ!!」
ザッザッザ…
女侍「もう、飛び立つ魔力も残ってないかい?んふふっ」
ヴァンパイア「うあ…ああぁっ!!か、身体がっ!?」
地面に這い蹲るヴァンパイア達が、日光によりその体を失い始める。
ヴァンパイア「いっ嫌だ…っ!!嫌だああぁっ!!」
シュウゥゥ……
イヌ「これで…終わったね」
キジ「ああ。終わったさ!」
サル「んで、どうするよ…?」
女侍「ずらかろうかねぇ…。もちろんお宝を……」
カツカツカツ…
- 443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:33:40.95 ID:SqE/MvMo
占い師「お宝なんてないわよ…ここには」
女侍「そうかい?」
占い師「貴方達が望むような物は、ね…」
サル「じゃあ俺っちはこのお姉ちゃんでも盗んじゃおうかなぁ〜?」
占い師「あら?嬉しいけれど…」
サル「けれどぉ〜?」
占い師「後ろから国軍が近づいてるわよ?」
サル「えぇっ!?」
サルは慌てて後方を振り返る。
サル「あらら〜やっべぇな!おいっ!?」
女侍「タダ働き…かねぇ…」
サル「いいからズラかんぞ!ほらっ!早く!!」
イヌ「お前せっかちね」
サル「アホか!?一生独房暮らしなんてゴメンだぞ!」
キジ「それには同意するさー」
- 444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:34:06.16 ID:SqE/MvMo
テクテクテク…
女侍「見逃していいのかい?」
占い師「命の恩人ですもの…仕方ないわ」
女侍「そりゃありがたいねぇ」
占い師「それじゃあね」
サル「いつでもデートは受け付けてるよぉ〜!」
イヌ「ほら、早く行くね!」
サル「いってぇな!蹴る事たぁねーだろ!」
キジ「いい加減にするさー!」
タッタッタッタッタ…
占い師「ふふっ…。賑やかですコト」
占い師は見送り終えると、反転し北門を見つめる。
ドドッドドッドドッ…ドドドド…
副司令官「……関は無事かっ!ご苦労!」
大軍師「こ…これは…!?」
- 445 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:34:32.18 ID:SqE/MvMo
占い師「ご苦労様です」
副司令官と大軍師は、それぞれ下馬し、占い師の下へ歩み寄る。
大軍師「無傷…とは!しかしあの跡は一体……」
大軍師は隆起した土と、無残な姿と化した魔物の群れを見て驚く。
占い師「助っ人…ワーカーかしらね。ふふっ」
大軍師「マジシャン殿…ですか?」
占い師「あの人なら…もうぼちぼち……」
テクテクテク…
占い師「ほらっ、噂をすれば…!!」
占い師は大きく手を振り、それを見た大軍師も後方を振り返る。
マジシャン「おーおー、皆さんお揃いなこって…」
大軍師「ご無事で…?」
マジシャン「ああ。ちっと空飛んでダメージ負ったけどな」
大軍師「……?」
副司令官「よし、早急に戦後処理へ取り掛かれ!」
- 446 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/14(金) 18:34:59.98 ID:SqE/MvMo
大軍師「では、また後ほど…」
マジシャン「あ、ちょっと待て」
大軍師「…?」
副司令官「…?先に戻っておるぞ」
占い師「また後でね」
副司令官と占い師は、司令室へと向かっていく。
マジシャン「……」
大軍師「…それで、何か…?」
マジシャン「内通者…。掴んだのか?」
大軍師「…いえ。しかしまぁ、少しは獲たものもあります」
マジシャン「そうか。悪いが軍部内に裏切り者がいるのは確実だ」
大軍師「…でしょうね。今回の入り組んだ作戦ですら…裏をかかれました」
マジシャン「魔王軍に余程の切れ者でもいない限りは在り得ねぇ」
大軍師「…ですね。とりあえずその件については…ご内密に」
マジシャン「分かってる。毛頭言うつもりもねぇよ」
- 447 : [] :2010/05/14(金) 18:40:21.60 ID:SqE/MvMo
こんばんは!予定通り今週中には十五部終われそうです!
本日もご支援ありがとうございますです!嬉しい限りです
多分また後で来れるかと…それでは失礼します!ノシ
- 457 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:37:31.07 ID:.G.DzEEo
〜海峡、北の森付近〜
魔道士「そうだったんですか……」
一同は結界石を降ろし、空となった荷車の上に乗り、
一路海峡へと向かっていた。
召喚士「眼鏡さんが…」
魔法剣士「奴の実力だ。きっと無事ではいると思う…」
魔道士「そう…ですよね。きっと、きっと無事ですよっ!」
盗賊「……ああ」
戦士「しかし…魔物同士でねぇ…」
魔法剣士「俺自身も、その魔物に救われたようなものだ」
召喚士「きっと…救ってくれたんですよ」
魔法剣士「……?」
召喚士「魔法剣士さんもオークの事、知ってますよね?」
魔法剣士「オーク?……ああ、前回の戦いで…」
戦士「そう。世の中にはいい魔物もいるってこった」
- 458 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:37:58.26 ID:.G.DzEEo
魔法剣士「……なるほどな」
魔道士「その魔物さんもきっと…いい魔物さんなんですよ」
魔法剣士「そうかも…しれんな」
パッカパッカパッカ…
青年兵「まもなく橋です。そこを越えれば…海峡ですね」
召喚士「青年兵くん!もう大丈夫なの?」
青年兵「ええ。直接攻撃を受けたわヶではありませんから…」
魔道士「そうですか!良かった…!」
青年兵「しかし、…たった…たった一撃で魔力を持っていかれた…」
召喚士「……うん」
青年兵「何者…何でしょう…?」
召喚士「分からない…。でも…」
青年兵「…?」
召喚士「西方を…。俺は奴を…許せない……」
盗賊「……」
- 459 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:38:24.59 ID:.G.DzEEo
将軍「皆、ようやく着いたぞ…!!」
海峡兵「橋だっ!おぉーい!!」
兵達が橋上の守兵に大声で手を振る。
戦士「ようやく帰ってきた…ってカンジだな!」
青年兵「ええ…っ!」
召喚士「雨も…すっかり上がりましたね…」
盗賊「…日も…出てきたな」
魔道士「はい…」
荷車はゆっくりと橋の上を通過し、かいきょうへと辿り着く。
門兵「戻ってきたぞ!!開門だ、開門っ!!」
海峡兵「凱旋だぞ!盛大に出迎えろーっ!!」
ゴウンゴウンゴウンッ…
将軍「ご苦労!海峡も無事だな!!」
門兵「はっ!…して、損害は…?」
将軍「皆無だ。無事遂行出来た」
- 460 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:38:51.04 ID:.G.DzEEo
テクテクテク…
白虎嬢「それは何より…。おめでとうございます」
盗賊「…もう…大丈夫なの…か?」
白虎嬢「ええ…ありがとう。盗賊ちゃんのお陰で本当に助かったわ」
盗賊「…えっ、あ…い…いやっ…その…!」
戦士「なーに照れてんだよ!はははっ!」
盗賊「…てっ、照れてなんて…っ!」
青年兵「はははっ。さぁ…入りましょう!」
召喚士「ええ!」
戦士「はー…腹減った」
召喚士「俺はゆっくり寝たい…かな。ははっ」
魔道士「私はお風呂……」
ドドッドドッドドッ…
伝令「申し上げます!各員、北関へ召集との事にてっ!!」
将軍「北関…!?何か急用か!?」
- 461 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:41:03.92 ID:.G.DzEEo
伝令「詳細は…。しかし殿下直々のご命令にて…っ!」
青年兵「殿下が!?……い、急ぎましょう!」
戦士「おいおいっ…、まだ終わりじゃねーのかよ…!」
召喚士「とにかく急ぎましょう…火急の用件かもしれません」
盗賊「……うん!」
白虎嬢「私も行くわ!」
将軍「大丈夫か…?」
白虎嬢「ええ。ご心配なく…!」
魔法剣士「………」
魔道士「行きましょう?魔法剣士さん!」
魔法剣士「…あ、ああ」
召喚士「もし眼鏡さんがこちらへ戻られたら……」
門兵「分かっております!お任せ下さい!!」
青年兵「それでは…出発致します!!」
一同は休む間もなく馬を飛ばし、北関へと急行した。
- 462 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:41:29.85 ID:.G.DzEEo
〜北関〜
北方兵「殿下ご到着なされました!!」
パッカパッカパッカ…ザッ…
大軍師「敬礼ーっ!!」
バババッ!!
皇太子「いいよいいよ。直ってくれ」
大軍師「直れーっ!!」
ザッ!!
北関の中央広場に集った兵達が、規律正しく並び、
その正面に皇太子が足を進め、立ち止まる。
皇太子「皆の者、此度の戦…まことにご苦労であった」
エリート「……」
皇太子「諸君らの絶え間なき努力のお陰で、我らは見事勝利する事が出来た」
副司令官「………」
皇太子「この勝利は…我が国、そして人間にとって大いに有意義なものである!」
- 463 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:42:14.54 ID:.G.DzEEo
左翼長「……」
皇太子「当初の目的通り、各地に結界石を展開し……」
マジシャン「……」
皇太子「併せて魔王軍の中隊規模をも殲滅する事が出来た。予想以上の成果である」
占い師「……」
皇太子「しかしながら、尊い命も…少数ながら犠牲となった……」
親衛隊「………」
皇太子「彼らの勇敢な行動を…決して無駄にしてはならぬ!」
騎士長「………」
皇太子「過去へ戻る事は出来ぬ…。振り返ってみても仕方あるまい…」
バーテン「……」
皇太子「この国の平和の為に…!そして、未来の平和の為に!!」
北方兵「おおおぉぉ!!」
国軍兵「おおーっ!!」
皇太子「今はひとまず、今日の勝利を皆で祝おうではないか!!」
- 464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:42:41.39 ID:.G.DzEEo
皇太子が力強い言葉で演説を締めると同時に、大歓声が沸き起こる。
それとほぼ同時に、海峡からの馬が北関へと到着する。
大軍師「海峡組も到着したようですな」
皇太子「丁度良いタイミングだったな。はははっ」
エリート「魔道士さん…。副官も無事か…」
パッカパッカパッカ…ドドッ…
将軍「殿下!お怪我は御座いませんか!?」
皇太子「ああ。問題ない!よくやってくれたな!」
占い師「……大丈夫!?」
白虎嬢「死にはしなかったけど…アンタの占いアテにならない…」
占い師「そんな事言われたって…細かなところまでは分からないわよっ!」
召喚士「マジシャンさん!」
マジシャン「おう小僧ども!そっちも無事みてぇだな」
戦士「……あれ!?なんでバーテンさんが!?」
魔道士「……ほ、本当だ!」
- 465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:43:08.07 ID:.G.DzEEo
バーテン「あーん…?観光だよ観光!」
盗賊「……」
バーテン「な、なんだよその目は!いいじゃねぇか!」
マジシャン「いい歳こいて照れてやんの…ハッハ!!」
バーテン「はぁ?照れてるわけねーだろ!」
マジシャン「何怒ってんだよ…ハッハ!まぁいい酒だ!酒っ!!」
戦士「いいねぇ!待ってました…!!」
魔道士「私は先にお風呂」入りたいです……」
占い師「いいわね…!じゃあみんなで入りましょうか!」
盗賊「!?」
白虎嬢「傷…染みるかしら…。はぁ…」
マジシャン「みんなで!?…こりゃ楽しみ……」
占い師「女だけに決まってるでしょ!」
マジシャン「あっそ……」
召喚士「…?ど、どうしたんですか?顔赤いですよ…?」
- 466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 01:43:36.15 ID:.G.DzEEo
魔法剣士「……いや、別に」
青年兵「ええ。別に…」
魔道士「じゃあ、先にお風呂行ってきますね!!」
召喚士「はい。それじゃ俺らはあっちで……」
ザッザッザ…
エリート「魔道士さん…」
魔道士「エリートさん…。それに…皇太子様も」
エリート「ご無事のようで何よりです」
皇太子「此度はまことにご苦労でした」
魔道士「い、いえっ…何も出来ずっ!す…すみません…」
戦士「若干人が少なくねーか…?」
大軍師「戦死者もおりますしね…」
参謀「それにまだ戻られてない…行方不明者もいらっしゃるようで…」
戦士「そっか…」
召喚士「眼鏡さん……」
- 467 : [sage saga] :2010/05/15(土) 01:44:16.72 ID:.G.DzEEo
白虎嬢→白虎長
申し訳ございません…orz
- 468 : [sage] :2010/05/15(土) 01:55:28.14 ID:6dIPAq2o
マッハストリーム組の事も少しは(ry
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