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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
71 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/30(金) 17:39:37.88 ID:AzgVHRIo
〜北関〜

イヌ「…ふんっ!!」

イヌは飛来するヴァンパイアを右腕で掴み、そのまま地面へと叩きつける。

ブオォッ……ゴシャアアァ!!

天才「おーおー、素手で魔物ぶっ倒すなんざ熱血バカ以来だな!」

天才はその光景を眺めながら背後から迫る敵を真っ二つに斬り伏せる。

ドシャアァ…

ヴァンパイア「なんだ…こ、こいつら…!!」

ザッザッザ…

女侍「何だって言われてもねぇ〜」

サル「しっかしアンデッドってのは厄介なもんだぜぇ…」

キジ「キリがないさー」

イヌ「しかしコイツらも随分動きが鈍くなってきたね」

天才「ああ!治癒に相当魔力使ってっからなぁ」

サル「こっちがバテなきゃいいけど…はぁ…」


72 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/30(金) 17:41:49.59 ID:AzgVHRIo
女侍「ほらっ、ボヤいてないで続けるよっ!」

サル「なーんでそんなに乗り気なんだっつーのよ」

キジ「ここ守り抜けば、国軍に相当な貸し作れるさ!」

イヌ「まぁ…本音としてはここが陥ちれば、北の街は危険だもんな」

サル「俺らも住み辛くなっちまうってわけかぁ…しゃーねえなぁ…」

天才「あと3周もすりゃ、立ち上がるのもやっとだろうよ」

女侍「おや?たったの3周かい…イキ足りないねぇ」

天才「はーっはっはっは!こいつぁ頼もしいわ!」

女侍「いい男だよアンタ。この戦終わったら…どうだい?ふふっ」

天才「まぁ考えといてやるよ!まずはちゃっちゃと終わらせようじゃないの!」

女侍「そうさねぇ!あははっ!」

サル「あーいつ生き生きしてんなぁ〜」

イヌ「いつもの事ね」

キジ「そうさー」

三人は天才と共に走り出す女侍の後を追う。


73 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/30(金) 17:49:33.21 ID:AzgVHRIo
〜海峡、北の橋〜

将軍「進軍開始っ!!」

輸送兵「押せーっ!!」

ゴゴウンッ!!……ゴトッ…ガラガラガラッ…

海峡兵「布陣はいかに?」

将軍「騎兵と歩兵を前面に押し出せ。プリーストは橋上にて一時待機」

海峡兵「はっ!」

将軍「召喚隊はどうなっている?」

海峡兵「北関の防衛に務めております!」

将軍「関からの先遣隊が着いておるのだろう?こちらへ回せ!」

海峡兵「了解致しました!」

将軍「魔道兵は後方より支援の準備を!!」

魔道兵「はは!」

将軍「……足を止めるな!一気に進むぞ!」

将軍は手をかざし、兵達を鼓舞するように大声をはる。


74 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/30(金) 17:50:00.47 ID:AzgVHRIo
ガラガラッ…ガラッ…

将軍「…他の戦局はどうなっておる?」

海峡兵「はっ。伝令がなくどうにも…」

将軍「こちらから伝令を出せ。こちらの戦況も伝えよ」

海峡兵「かしこまりました!」

将軍「ワーカーの動きも掴めないな…」

海峡兵「閃光弾以来、音沙汰ありませんね」

将軍「撹乱側も迎撃側もかなりの手練だ…。心配はあるまい…」

海峡兵「そうですね。こちらこそしっかりしなくてはなりませんな」

将軍「ああ。彼らに笑われてしまうからな」

将軍は罰の悪そうな表情で、自分に言い聞かせるよう兵達を叱咤する。

〜海峡、北の森付近〜

召喚士「……」

盗賊「…魔物が…止まったな」

召喚士「ええ…」


75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/30(金) 17:51:26.53 ID:AzgVHRIo
魔道士「もう終わり…ですかね?」

戦士「こんなもんでか?なんかおかしくないか?」

眼鏡「確かに…急にピタリと止んでしまったね」

召喚士「何か動きがあったのかもしれませんね」

魔法剣士「……」

戦士「どうするよ?」

眼鏡「森に入ってみるかい?」

魔道士「どうします…?」

召喚士「……」

眼鏡「僕らの任務は進路の確保だから…まぁそこまでの必要は…」

魔法剣士「行く価値はあるんじゃないか?」

戦士「俺もそれは賛成だ。何か…感じたんだよな?」

盗賊「……」

眼鏡「たしかに、殺気のようなものを感じたよ」

盗賊は森の奥深くをじっと見つめる。


76 : [sage saga] :2010/04/30(金) 18:10:02.56 ID:AzgVHRIo
こんにちは!明日から連休ですね!

>>47
眼鏡くんは長剣持ってますね。描写は皆無ですが…
割と自分の中で姿がイメージ出来ているうちの一人です

>>61
下さい!!

それでは失礼致します!ご支援ありがとうございます!ノシ


78 : [sage] :2010/04/30(金) 20:01:48.18 ID:j7krqVgo
>>62 >>76
スモークチーズの臭いの原因台所が燃えてた。家が大火事になりそうだった
台所ェ・・・・


80 : [sage] :2010/04/30(金) 22:45:17.16 ID:QAkm9N.o
>>78
隠れて燻ってる火種に注意しなよ


81 : [] :2010/05/01(土) 00:38:34.89 ID:g5CtAV6o
スモークチーズ誕生の秘話である


82 : [sage] :2010/05/01(土) 00:50:47.51 ID:703b8Zgo
>>79
コンロ辺り焦げてた。
>>80-81
誰馬


87 : [sage] :2010/05/01(土) 17:47:33.27 ID:5Lx91Lk0
俺としては>>1にしっかり休んでもらって
書き溜めたのをドーンと投下してほしいな


89 : [sage saga] :2010/05/01(土) 21:53:35.19 ID:RXKqNiso
ありがとうございます!読んで頂くのもその方が楽かもですね
一応細々と半年経ったのでGWはちょっと休憩を…なんて…
まああっち書いたり、オマケかサブストーリーとかしましょうかね!


110 : [sage saga] :2010/05/03(月) 20:30:18.49 ID:hX2DmMEo
こんばんは!ご支援ありがとうございます!!
こんな低レベルなものに凄い時間掛かってしまいました…
申し訳ありません…そして後は職人様にお任せ致します…orz
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/109960.png
全体
携帯用分割
東方 西方
北方 西
南方 西


113 : [sage saga] :2010/05/03(月) 20:55:31.74 ID:hX2DmMEo
ちなみにこんな感じかな…?という程度なので、
ご自身でイメージ出来ていらっしゃる方は無視して下さい!
作ってみたものの本当に合っているかもちょっと…ははっ…


116 : [sage] :2010/05/04(火) 00:31:28.57 ID:Wy50icAO
女装召喚士かと思ってわくわくして見たのにマップだったでござる


117 : [sage] :2010/05/04(火) 01:00:46.65 ID:9kZUFAAO
よく見ろよ
この衛星写真って多分南の召喚獣大会の時のだと思うんだ

目を凝らして、むしろ目を閉じて見れば、女装召還士ちゃんの姿が見えてくる


119 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:24:30.44 ID:TtjiEP6o
召喚士「殺気…ではないんですよね?」

盗賊「……うん」

眼鏡「何て言えばいいんだろうな…えぇと…」

魔法剣士「……」

眼鏡「閃光弾が光った…その一瞬だけ気配が現れたんだ」

盗賊「…そう」

召喚士「一瞬?」

戦士「気味悪りぃな…」

魔道士「やっぱり…何かあるんじゃないですか…?」

盗賊「……」

眼鏡「どうする?」

召喚士「……」

魔法剣士「パーティーリーダーは君だ。決めるといい」

召喚士「……俺は…」

召喚士は一同の顔を見渡す。


120 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:24:58.06 ID:TtjiEP6o
召喚士「パーティーとしては…森への侵入は拒否します」

戦士「…ほう」

召喚士「幾らなんでもワーカー全員が森の中へ入るのはリスクが大きい」

眼鏡「後続の軍隊も来る事だしね……」

盗賊「……ああ」

召喚士「でも、個人的には……」

魔法剣士「……」

魔道士「召喚士さん…」

戦士「黒の三騎士達も…音沙汰なしだしなぁ…」

眼鏡「何かあったのなら救援に向かわなければいけないしね…」

召喚士「ええ……」

下唇を噛み、困り顔の召喚士を眼鏡は見つめ微笑む。

眼鏡「分かった。ここは僕が行こう」

召喚士「眼鏡さん!?」

眼鏡「君達はここで後続の到着を待っててくれ」


121 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:26:23.26 ID:TtjiEP6o
盗賊「…しかし…一人では」

ザッ

魔法剣士「ならば、俺も行こう」

戦士「アンタも…!?」

魔法剣士「正規のパーティー四人が待機……」

眼鏡「僕ら単独ワーカーが個別行動。これなら問題ないだろう?」

召喚士「た、確かにそうですが…」

眼鏡「幾ら遊撃の許可を得たと言っても、あまりに軍規を乱すのはね…」

苦笑しながら眼鏡は呟く。

戦士「確かにそれなら問題はないわな…」

召喚士「大丈夫ですか?」

魔法剣士「……?」

眼鏡「はははっ。こう見えても僕らは上位ワーカーだよ?」

魔道士「そっ、そうですよ!功績ランク2位と4位ですもん!」

盗賊「……うん」


122 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:36:18.30 ID:TtjiEP6o
戦士「………」

眼鏡「ごめん…自慢するつもりで言ったわけじゃ…」

戦士「…分かってますって」

魔法剣士「だが…これが事実だ」

召喚士「……」

眼鏡「君達だってもう手の届かない話じゃない…」

魔法剣士「ああ。お前らは十分強い…!」

魔道士「そ、そんな事……!」

魔法剣士「…事実さ。それもまた…な」

召喚士「分かりました…!では、お二人は森の調査をお願いします!」

眼鏡「うん。行ってくるよ」

ピュイィッ!!……タッタッタッタッタ

魔道士「ワンちゃん達も気を付けてね!」

犬「ワンワンワンッ!!」

魔法剣士「では…行こうか」


123 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:36:45.38 ID:TtjiEP6o
森の中へと足を進める魔法剣士に続き、眼鏡も後を追う。

召喚士「何かあったら…橋まで!!」

背後から声をかける召喚士に、眼鏡は振り向かず左手のみヒラヒラと振る。

盗賊「………」

魔道士「お二人なら大丈夫ですよね……?」

召喚士「ええ。それに黒の三騎士さん達もいます」

戦士「全員が上位ワーカーってワケだ…問題ないだろ」

盗賊「……」

召喚士「俺達は将軍さんの到着を待ちましょう」

戦士「だな!盗賊、そっち見張っててくれ!」

盗賊「…うん」

魔道士「他の方々も大丈夫ですよね…?」

召喚士「ええ。皆さん強いですから……」

魔道士「…わ、私達も頑張りましょうねっ!!」

召喚士「……もちろんです!!」


124 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:37:12.42 ID:TtjiEP6o
〜北方司令部、山中〜

北方兵「押せーっ!!」

ゴゴッ……ゴトンッ…ゴトンッ…

平野を出発し結界石を運ぶ参謀達は、山中を進む。

参謀「……」

北方女兵「どうか…なさいましたか?」

一人の女兵が心配そうに声をかける。

参謀「ああ、いや……すまん」

北方女兵「お一人で抱えなされますな。我らも共に…」

参謀「……ありがとう。今は私が指揮せねばならぬのにな…」

北方女兵「参謀様…」

参謀「こんな事ではまた…兄上にお叱りを受けてしまうな…ははっ」

北方女兵「でも…なんだか嫌な感じですね…」

北方女兵は森を見上げ、不安げに呟く。

参謀「…ええ。何やら木々がざわめき……そして、静かすぎる…」


125 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:37:38.14 ID:TtjiEP6o
周囲の木々は風に揺れ葉音を鳴らす。

しかしそれ以外の音はなく、山の中は不気味なほど静寂である。

……ッ……トッ……タタッ

北方兵「おいっ!今…何か物音が……」

前方で護衛を務める北方兵が声をあげる。

北方兵「物音…!?どこから…」

ガサツ……ドドッ…

北方兵「本当だ!!」

兵達は一斉に剣を抜き身構える。

参謀「何事です!?」

北方兵「何やら前方から……」

ドドッドドッドドッ…

伝令「!?……味方かっ!良かった!!」

北方女兵「伝令!?」

参謀「どうした!何事か…っ!?」


126 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:38:07.64 ID:TtjiEP6o
伝令「参謀様!…申し上げます!殿下の部隊、敵と交戦中!!」

参謀「!?」

伝令「その数劣勢につき、救援求むとの事…!!」

参謀「司令には伝えたのか!?」

伝令「はっ!司令より『後続はそのまま結界石の任務を継続されたし』との事!」

北方兵「思ったより早かったなっ…!くそっ!」

伝令「これが詳細の指示書にございます!」

参謀は黙って紙を受け取る。

北方兵「殿下は…殿下はご無事なんだろうな!?」

伝令「うむ…。だが敵も相当数だった…。油断は出来ん」

参謀「ご苦労。貴方はそのまま司令部へ向かって下さい!」

伝令「はっ!!では失礼致します!!」

伝令は再び馬を駆り、山道を一挙に駆け下りる。

ドドッドドッドドッ……

北方女兵「参謀様っ…」


127 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:38:59.06 ID:TtjiEP6o
カサッ…

参謀「………」

北方兵「…じょ、状況…は?」

参謀「…トロル隊複数に…オーガ隊」

北方兵「完全な力攻めですな…」

参謀「更に……ド、ドラゴンが数匹…!!」

北方女兵「っ!!…参謀様…私達も……」

参謀「………」

北方兵「参謀様!!」

参謀「……このまま…山頂目掛け進軍します」

北方女兵「!?」

参謀「左翼長殿は我らを信じて言伝下さったのです」

グシャッ…

参謀「ここで我らだけが命令に背くわけには参りません!」

北方兵「参謀様……」


128 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:39:45.60 ID:TtjiEP6o
参謀「それに…あの方は強い…!きっと大丈夫です」

北方女兵「そ、そうですよね…!!」

参謀「仮にもかつては特殊部隊を務めた御仁。そう簡単には…」

北方兵「そうとなれば急ぎ任務を遂行しましょう!!」

北方女兵「結界石さえ打ちこんでしまえば…っ」

参謀「ええ…。全軍、このまま直進!最終目標は山の向こうです!」

参謀は手の中でくしゃくしゃになった指示書を、そっと懐にしまい込んだ。

〜北方司令部、北東の平野〜

ヒュオッ…ドウンッ!!…ドズウゥンッ!!

上空より降り注ぐ火球を、地上の騎馬が懸命に逃げまどう。

エリート「くっ…うぅ…っ!!」

皇太子「左だっ!来るぞっ!!」

ドドオォン!!…ゴアオオォォッ……ドズウゥゥンッ!!

親衛隊「うおぉ…っ!!」

皇太子「ようし……次は左だっ!」


129 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:40:59.91 ID:TtjiEP6o
皇太子を先頭に、各々が左右蜘蛛の子を散らすように駆ける。

皇太子「如何ほどか!?」

エリート「まだ……30分程度かと…っ!!」

皇太子「いやはや…時間が長く感じるよっ」

エリート「ごもっともで…!ぐうぅっ!!」

ドドンッ!!……ズウウゥゥンッ!!

親衛隊「殿下!そろそろ馬が持ちませぬぞ!」

皇太子「後続はどうなっている!?」

親衛隊「はは!トロル隊はこちらへ直進中!!」

エリート「オーガ隊は!?」

親衛隊「未だ動きはない模様!!」

皇太子「ようし…止むをえまい。後退するぞ!!」

皇太子は手綱を強く引き、馬を反転させる。

エリート「続けぇ!!上空からの攻撃に注意せよっ!」

親衛隊「言われんでも…っ。無論です!!」


130 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:41:32.94 ID:TtjiEP6o
パカラッパカラッパカラッ…

皇太子「……見えたっ!」

走り抜ける騎馬の前に川が見え始める。

親衛隊「将校殿は!?」

エリート「殿下!あちらに兵が!!」

皇太子「よし…!全騎川沿いを左へ!!」

バシャバシャッ…ドドッドドッ…

エリート「将校殿!」

皇太子「……んっ!?」

親衛隊「な…なんだこれは!?無陣ではないか!!」

タッタッタッタ…

将校「殿下!ご無事でっ!!」

皇太子「これは一体どういう事か…っ!!」

皇太子は将校の元へ馬を近づけ一喝する。

将校「も、申し訳ありません!なにぶん兵の治癒に手間を…」


131 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:42:19.83 ID:TtjiEP6o
親衛隊「治癒…?このような状態で何を……」

皇太子「もし的に強襲されたら…どうするつもりなのだ!」

将校「ご…御尤もにて…っ!!」

エリート「殿下…如何なされますか…?」

皇太子「……っ」

皇太子は上空を見上げ、旋回するドラゴンを睨む。

皇太子「……川を背に陣を敷けい」

親衛隊「…川を…!?しかしそれでは…」

皇太子「将校。お前は最後尾を務めよ」

将校「は、はは…っ!!」

エリート「殿下…!」

皇太子「我らは最前衛にて…敵を迎え撃つ!」

親衛隊「畏まりました!」

皇太子「中軸は右方の森は突出させよ」

国軍兵「はは!!」


132 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:42:48.33 ID:TtjiEP6o
将校とその他兵達は敬礼の後、即座に布陣の準備へと動く。

親衛隊「トロル隊まもなく接近致します!!」

エリート「……行きましょうか!」

皇太子「ああ…!」

ザッ…

皇太子「皆の者、よく聞け!!」

親衛隊「……」

皇太子「当地にて敵を迎え撃つ!背後は川…逃げ道はない!」

国軍兵「………」

皇太子「死にたくなければ…とにかく前へ前へと戦うのみ!!」

将校「……」

皇太子「無謀やヤケになってはならぬ…!助け合い、勇敢に戦うのだ!」

エリート「おぉ!!」

国軍兵「おぉーっ!!」

親衛隊「……お見事です」


133 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:43:16.47 ID:TtjiEP6o
皇太子「別に士気を上げる目的ではない。…事実だよ」

親衛隊「しかし……なんとも奇妙な陣形に仕上がったものです」

エリート「さしずめ…三日月、と言ったところでしょうか?」

親衛隊「三日月…?」

エリート「上空から見下ろせば、そのような形でしょう?」

親衛隊「それを言うなれば、偃月…が宜しかろう」

エリート「ほう…悪くないですね!」

皇太子「…何を言っておる」

エリート「……?」

皇太子「背水の陣…が相応しかろう…」

親衛隊「背水の陣…確かに…!」

エリート「流石は殿下、お見事なネーミングです!」

皇太子「楽しそうだな…お前ら!」

皇太子はニッコリとほほ笑む。

エリート「殿下こそ…!!」


134 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/04(火) 01:43:44.88 ID:TtjiEP6o
親衛隊「窮地に立たされると…逆に落ち着くものですな!がははっ!!」

皇太子「さぁて、お喋りはここまでだ…っ!……行くぞ!!」

エリート「行きましょう…!」

親衛隊「おうっ!!」

親衛隊達が皇太子の左右へと馬を寄せる。

エリート「後方は上空への支援射撃を!!」

エリートは後方に控える兵達へ大声で叫ぶ。

国軍兵「お任せ下されーっ!!」

皇太子は頷くと、ヘルムを深々とかぶり、バイザーを降ろす。

慣れた手つきで手綱をたぐり寄せ、両足で馬の腹を締める。

皇太子「……出陣!!我に続けーっ!!」

エリート「……左翼長殿は必ず来る…っ!!」

親衛隊「我らはここで敵を…食い止めるのみ!!」

ドドッ!!

皇太子を中心に、騎馬が一斉に大地を蹴り、魔物の群れへと進んでいった。


135 : [sage] :2010/05/04(火) 03:00:42.43 ID:YP7dssDO
将校怪しすぎんだろwwwwww
皇太子超頑張れ!



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