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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
- 144 名前: ◆1otsuV0WFc [saga]
投稿日:2011/01/17(月) 18:31:28.32 ID:fzKRooKTo
〜次の日〜
青年兵「おはようございます」
右秘書官「おはよう。仮眠は取ったか?」
青年兵「はい。大丈夫です」
右秘書官「無理してまた倒れたりしたら……怒られるのは我々だ」
青年兵「…申し訳ありません。でも、本当に大丈夫ですから」
右秘書官「……ならば良い。さぁ、行こうか」
青年兵「はいっ」
カチャッ
右文官「…おぉ、二人とも準備万端だな」
青年兵「おはようございます。どちらへ…?」
右文官「世論調査にな。念の為の最終確認といったところか」
右秘書官「どうでした?」
右文官「9対1で右翼。このまま何もなければ予定通りだ]
青年兵「……了解です」
- 145 名前: ◆1otsuV0WFc [saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:32:02.36 ID:fzKRooKTo
ザワザワザワ…
西方参謀「……あ〜ねみぃ。なんでこんな朝っぱらからやるんだよ」
西方副司令「朝って……もう9時よ?」
西方参謀「9時なんて早朝だよ……ふあ〜ぁ……ヒック」
西方副司令「……」
テクテクテク
西方司令「う、うひえぇ…っ、つつついに…始まってしまったああぁぁ」
西方参謀「当たり前だろうよ、てかアンタ…本国議会出たんだろ?」
西方司令「出ました出ました!私のような者が参加致しました…」
西方参謀「司令が参加しなきゃ誰が出るってんだよ……」
西方司令「……き、君…とか?」
西方参謀「はぁ?何をすっとぼけてらっしゃるんでしょうかぁ?」
西方司令「とととっ、とにかく…平穏に終わって下さいいぃぃ!」
西方参謀「……アイツらに言ったら?」
西方副司令「……もう…ほんとヤダ」
- 146 名前: ◆1otsuV0WFc [saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:32:28.74 ID:fzKRooKTo
テクテクテクテク
博士「…おー間に合ったのらぁ」
研究者「久々に地上へ出たなぁ……」
白衣「たまには出ないと身体が腐りそうだわ。はっはっは」
博士「お前ら……不健康すぎるのら」
テクテクテク
助手「あーら、そういう博士だってあんまり出ないじゃな〜い?」
博士「お前らよりは出ているのら。そんな事どうでもいいのら」
助手「そ・れ・で、博士はどちらに投票したの…?」
博士「……言う必要ないのら。大体聞いてどうするのら?」
助手「決まってるじゃな〜い。博士と同じ方へ挿・れ・る・の・よ♪」
博士「意味が分からないのら」
助手「何でよ〜。愛する男の為に票を投じようってんじゃな〜い」
博士「……議会のシステムを根本的に理解してないのら」
助手「してるってばぁ〜。んもぅ、つれないわねぇ〜」
- 147 名前: ◆1otsuV0WFc [saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:33:01.12 ID:fzKRooKTo
ムギュッ
博士「……」
助手「ど〜ぉ?久々に私のおっぱいは……?」
博士「…凄くどうでもいいのら」
助手「照れちゃって〜」
博士「照れてないのら!お前っ、いい加減に……」
ムギュウウゥゥ
助手「ならば正面からっ♪大きなおっぱいはス・キ・で・しょ?」
博士「……モゴモゴ」
助手「なぁに〜?」
博士「…ぷはっ。おっぱいに興味はないと言っているのら!」
助手「あら〜。博士ってば貧乳派……?」
博士「貧乳にも興味ないのら!もういい加減に……」
助手「……ま、まさか男が好」
博士「違ーう!!」
- 148 名前: ◆1otsuV0WFc [saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:34:04.34 ID:fzKRooKTo
…
ザッザッザッザッザ
右秘書官「……来たぞ」
ザッザッザ…
左大臣「……おはよう。お手柔らかに頼むぞ」
青年兵「おはようございます。本気で胸をお借り致しますよ」
左大臣「……フッハハァ!威勢の良い事よ」
左翼官「左大臣様、こちらへ」
左大臣「うむ」
ザッザッザッザッザ
右文官「何やら余裕が見えるな」
右秘書官「秘策でもあるのか?いや、そうは思えぬが……」
青年兵「……」
互いの思惑が交差する中、いよいよ最後の演説が始まった。
この投票結果により、本国……そして国軍の行方が決定されるのだ。
- 149 名前: ◆1otsuV0WFc [saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:35:08.69 ID:fzKRooKTo
…
西方副司令「それでは、議会提案側である青年兵殿の演説です」
ザワザワザワ
青年兵「此度は皇太子殿下に代わり演説をさせて頂きます。青年兵と申します」
魔道士官「……若いな…っ」
西方士官「殿下の側近とも青龍先生の後釜とも謳われているらしい…」
魔道士官「俺だって…本国勤務ならなぁ」
西方参謀「この議会で右翼が勝てば、お前らもチャンスはあるぞ〜?」
魔道士官「参謀様…っ!!」
西方参謀「何でも右翼の連中、国軍再編制を目論んでいるらしいからなぁ」
西方士官「再編制……」
西方参謀「そーすりゃ本国勤務だって……ヒック」
魔道士官「……っ」
西方士官「……た、確かに…そうかも」
西方参謀「…おっと、酔っ払いの戯言だと思って忘れてくれや!…ヒ〜ック」
- 150 名前:ageてた…ごめんなさい ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:35:49.84 ID:fzKRooKTo
スタスタスタスタ
西方士官「…ど、どうするよ?」
魔道士官「…ど、どうしよう?」
スタスタスタ…
西方参謀「…さーて、お次は…と。おや……?」
スタスタスタ
西方参謀「こりゃどうも」
西方魔道長「朝っから酒臭いねぇ。まーた飲んでるのかい」
西方参謀「呑むことが俺の仕事ですからな!ガッハハハ!」
西方魔道長「何を言ってんだい!身体壊すよ」
西方参謀「酒は百薬の長ですって。まぁ、控えますわ…ガハハ!」
西方魔道長「どこか行くのかい?」
西方参謀「そろそろお客人が到着するんでね。出迎えですわ」
西方魔道長「……ふぅん、そうかい」
西方参謀「そんじゃ失礼。あ、出来れば右翼に清き一票を!」
- 151 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:36:16.37 ID:fzKRooKTo
西方魔道長「五月蝿いねっ、あたしゃ自分で決めるよ!」
西方参謀「へいへい!すんません!」
スタスタスタ
西方魔道長「…客人?こんな時に……?」
正門より外へ出て行く西方参謀を見つめながら、首を傾げる西方魔道長。
その背後からは、熱の篭った青年兵の演説が響き渡る。
青年兵「然るに、五ヵ年計画の意味を履き違えないで頂きたいのです!」
西方魔道長「……」
青年兵「今こそ我らが一つにならねば……勝てるものも勝てませぬ!」
西方魔道長「……」
青年兵「これを無謀と言うならばそれは誤り。これは勇敢なる第一歩なのです!」
西方魔道長「……」
青年兵「どうか殿下、そして総司令に皆様のお力を貸して頂きたい!」
西方魔道長「…全く。狙ってんだか知らないけど、誰かさんにそっくりじゃないかい」
間もなく青年兵による右翼陣営の演説が終了した。
- 152 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:37:04.74 ID:fzKRooKTo
…
西方副司令「続きまして、対抗陣営である左翼官殿の演説です」
左翼官「まずは此方の資料を見て頂きたい。これによると――」
右文官「……至って普通の演説だな。今までと何も変わりない」
右秘書官「それだけ自信があるというのか……?」
青年兵「とにかく、最後まで見てみましょう」
三人は左翼官の語る演説を、ただじっと耳を澄ませ聞き入る。
左翼官「……であるからして、現存の兵力をもって――」
左大臣「奴等ァ、てっきり支援者でも呼んだかと思ったがァ……」
左秘書官「そうですね。特に見当たりません」
左大臣「それ程自信があると言う事かァ。それとも……」
左秘書官「余裕……なのか」
左大臣「まァ、どちらでも構わん。動きはこちらが先をいっておる」
左秘書官「戦いは常に二手、三手先を読むものですからな」
左大臣「…フッハハハァ。せいぜい、頑張るが良いわァ」
- 153 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:37:36.48 ID:fzKRooKTo
…
左翼官「……以上です」
西方副司令「両陣営の演説が終了致しました。尚、投票は……」
西方参謀「あいや待たれい……ヒック」
西方副司令「……?」
西方参謀「右翼の皆様方にお客人ですぞ〜」
ザワザワッ
右秘書官「客人…?何か聞いておるか!?」
青年兵「い、いえ…っ、私は何も…。右文官様は…?」
右文官「私も聞いてはおらんぞ…?どういう事だ…!?」
左大臣「何だァ?まさか……支援者かァ!?」
左文官「しかし、奴らも泡を食ったような顔をしておりますぞ……?」
左大臣「サプライズかァ?……まさかァ」
西方参謀「さぁさ、どうぞどうぞ」
右翼陣営の前へ一人の男が、西方参謀に案内され顔を見せる。
- 154 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:38:03.20 ID:fzKRooKTo
ザッザッザッザッザ
青年兵「――!!あ、あなたは……っ!!」
右文官「……!?」
青年兵「……神官…様!!」
神官「ご無沙汰しています。確か…青年兵殿でしたか」
右秘書官「神官…!?まさか……西国の…!?」
ザワザワザワッ…
左大臣「何だとぉ!?」
左秘書官「あの男が…西国の宰相…っ!!」
左翼官「神官……殿かっ」
神官「此度はお招き頂き、まことにありがとうございます」
青年兵「お、お招きとは…っ。私は何も……」
神官「……これを」
スッ
青年兵「……手紙…ですか?」
- 155 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:39:01.63 ID:fzKRooKTo
カサッ
青年兵「……これはっ!!」
神官「エリート殿から頼まれましてな」
右文官「あやつ……遠方から粋な計らいを…っ!」
青年兵「そ、それで…わざわざお越し下さったのですか…!?」
神官「私も今はこの島に滞在しております故、手間はありませんよ」
右秘書官「……それは大変ありがたい!感謝致します!」
神官「いえいえ、私も興味があったものですから」
青年兵「お願い…出来ますか?」
神官「構いません。しかし…何を話せばいいものか……」
右文官「それはもう、お任せ致しますよご自身の想いをそのままぶつけて下され」
神官「そうですか…。では、やるだけやってみます」
テクテク…カツカツカツ
魔道士官「うおっ!?あれって…西国の神官様じゃないか!?」
西方士官「右翼は西国まで味方に付けてんのかよ……っ」
- 156 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:39:49.68 ID:fzKRooKTo
ザワザワザワ…
神官「始めましての方も多いと思います。私は西国の、神官と申します」
左翼官「……っ」
神官「西国では若輩ながら宰相を務めさせております。
そして今は、此処三日月島にて建設の統括も行っております」
博士「……」
神官「さて、まずこの地に於いて我が西国が事を為す許可を頂けた事、
皆様へも感謝の意を述べたいと、常々感じておりました。
この機を以って、西国代表として深く感謝をさせて頂きます」
西方副司令「……」
神官「まず我ら西国がこの地に足を踏み入れ、さらには領地の
北部半部を頂けた事。これについては本国の皇太子殿下の
配慮があってこそのものと感じております」
右文官「……ふぅむ」
神官「殿下やエリート殿とは国政から今後の展望まで、深く議論を
させて頂き、更にはその内容に大変感銘を受けた次第です」
右秘書官「……」
神官「本国の内情は、当然私の知るところではございません」
- 157 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:40:28.94 ID:fzKRooKTo
西方司令「……っ」
神官「しかし、私は西国代表として殿下の志に、配慮に感銘を受けて、
同盟を結ぶべきと判断したのです。共に戦おうと決断したのです。
どうか、そこだけは皆様にも分かって頂きたいと思います」
左大臣「……ちぃ…っ」
神官「どちらか一方が悪いという事はございません。しかし、私は
皇太子殿下の寛大なお心に多大なる感謝を致しております。
だからこそ、殿下を支援させて頂く所存であります」
ザワザワザワ…
神官「また、数年内にて出兵を為さるのであれば、西国は全力を以って、
共闘させて頂こうとも、既に我が王と私の一致した意見であります」
西方参謀「…頼もしい限りだなぁ……ヒック」
神官「長々と語らせて頂きましたが、以上にて私からの話を
終了とさせて頂きます。ご清聴、誠に有難う御座いました」
ワアアァァ…パチパチパチ…
神官「…いやぁ、緊張するものですね」
青年兵「ありがとうございました!素晴らしいお話でしたよ!」
神官「いえいえ、これが双方の為となるならば、易いものです」
青年兵「為してみせます……必ずや!」
- 158 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:41:00.77 ID:fzKRooKTo
…
左大臣「……ぐぬぬううぅぅ!!」
ワナワナワナッ
左大臣「西だ東だと……忌々しい!」
左秘書官「……いつのまにこれだけのパイプを築き上げたのだ…っ」
左大臣「いるはずだァ。右翼の手足となりて動いている奴がなァ……」
左翼官「……探ってみましょうか?」
左大臣「…あァ。此方に引き込めるならば良し」
左秘書官「出来ぬなら…少し大人しくしていて貰いましょうか」
左文官「そ、即刻調査に乗り出すのだっ!」
左翼官「……ははっ。畏まりました」
左大臣「……本国へ戻るぞ」
左文官「…み、見ていかれないので…!?」
左大臣「結果など見えておるだろうっ!此度の議会は敗北だァ!!」
左翼の誰もが喉元まで出掛かっていた言葉。左大臣は怒声混じりにそれを吐き出した。
- 159 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:41:31.57 ID:fzKRooKTo
…
右文官「……勝ったな」
青年兵「…いえ、分かりませんよ。最後まで油断は出来ません」
右秘書官「ああ。左翼の余裕さがどうも気にかかる……」
テクテクテク
西方参謀「…まぁ、今は青い顔してらっしゃるけどなぁ〜ヒック」
右秘書官「参謀殿、こういう事なら予め教えて頂ければいいものを……」
西方参謀「いやいや、サプライズゲストはどうでしたかね?ガハハ」
右文官「心臓が飛び出るくらい驚いたわ……全く」
青年兵「神官様、本当にありがとうございます」
神官「いやいや、正直な事を述べたまで」
青年兵「それが大変、助かりました」
神官「間接的ながら力になれて良かった」
右文官「さぁさぁ、この後は投票です。こちらでお待ちを」
神官「ええ。是非見させて頂きましょう」
- 160 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:42:18.36 ID:fzKRooKTo
ザッザッザ…
青年兵「西方参謀さんは行かれないんですか…?」
西方参謀「もう一人客人が来るんだ。もうそろそろだと思うんだがねぇ」
青年兵「もう一人…?」
西方参謀「演説には関係ない…いや関係あるか?ま、お前さん方にゃ関係ねぇ」
青年兵「…はぁ。それでは、先に行ってますね」
西方参謀「おーう、酒でも用意しておいてくれやぁ……ヒ〜ック」
ザッザッザッザ…
西方参謀「……さーてと」
〜控え室〜
右文官「左翼の奴ら、早くも本国へ戻るつもりらしいぞ!」
右秘書官「!?……投票結果を見ずにか?どういうつもりだ…っ」
右文官「もしや、本国で何か動くつもりでは……」
右秘書官「いや、それはリスクが大きい。おそらくないと思うが……」
右文官「……っ」
- 161 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:43:16.88 ID:fzKRooKTo
カツカツカツカツ…
青年兵「……?どうなさったのです…?」
右文官「左翼の連中、本国へ帰るそうだ」
青年兵「もうですか!?随分と性急過ぎませんか…?」
右秘書官「恥じて帰るにしても早すぎる……」
右文官「やはり、何かあるとしか……」
右秘書官「しかし議会で敗北した今、再び議会を起こせるとも思えぬ…」
青年兵「そうなのですか…?」
右秘書官「票数が明確に出ているからな。そう簡単には覆せまい」
青年兵「確かに…。準備期間がない限り…困難ですね」
右文官「それに此度の議会は東方司令部が大幅にひっくり返った」
右秘書官「そう、。今までであれば左翼が優位であったが…今後は違う」
右文官「どちらかと言えばこちらが優位だからな」
青年兵「すると、何か別の手を……?」
右秘書官「……文官殿。我らが追いますか」
- 162 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:44:15.37 ID:fzKRooKTo
〜正門前〜
西方参謀「……おっ、あれか…?」
ガラガラガラッ…ドドッドドッ…ドドォ
西方参謀「…おぉ、やはりそうか!お待ちしておりましたぞっ!」
ザッ…テクテクテク
西方参謀「ささ、ご案内致します」
テクテクテクテク…
〜魔道機関〜
西方参謀「……失礼」
魔道兵「…珍しいですね」
西方参謀「お客人を連れて参った。西方魔道長は…?」
魔道兵「…しばしお待ちを」
カツカツカツ…
西方参謀「婆さん、お客だぜぃ」
西方魔道長「何だい…?次から次へと……!!」
- 163 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:44:55.96 ID:fzKRooKTo
ザッ
西方魔道長「……あんた…っ」
学園長「お久し振りね」
西方魔道長「……懐かしい顔だねぇ。まだ生きてたのかい」
学園長「あら、お言葉ね。此方の台詞でもあるのよ…それ」
西方魔道長「そんで、はるばる西方くんだりまで何用だい?」
学園長「東方で演説を見そびれてしまってね」
西方魔道長「西方だってついさっき終わったよぉ」
学園長「あら、そうなの。それは残念ね……」
西方魔道士「……で、あたしに何の用だい?」
学園長「用がないと顔を見に来てはいけない?」
西方魔道長「……それだけかい?」
学園長「折角西方まで来たんだもの」
西方魔道長「……ふぅん、そうかいそうかい」
学園長「まぁ、元気そうで何より。安心したわ」
- 164 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:46:05.91 ID:fzKRooKTo
西方魔道長「若いのが頼りないからねぇ、まだ死ねやしないさぁ」
学園長「…ふふっ、全くねぇ」
西方魔道長「この後、投票があるんだ。悪いけど長話してる暇はないよぉ」
学園長「はいはい」
スッ
西方参謀「も、もう良いんですかい?」
学園長「ええ。行きましょ」
西方魔道長「……」
学園長「…あ、そうそう」
西方魔道長「……?」
学園長「貴女がどちらに入れようとも、結果は変わらないと思うわよ」
西方魔道長「……」
学園長「行く末の見える人は、きちんと見てるって事」
西方魔道長「……」
学園長「貴女も残り少ない人生、行く末をもう一度考えてみたら?」
- 165 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:46:34.48 ID:fzKRooKTo
西方魔道長「ふふんっ、忠告として受け止めておくよぉ」
学園長「あら、やけに素直じゃない」
西方魔道長「歳を取ると、素直になるもんさね」
学園長「……ふふっ、そうかもね」
クルッ
学園長「…また会いましょ。生きてるうちにね」
西方魔道長「そうだねぇ。あの世で会っても…仕方ないからねぇ」
学園長「……ふふっ」
テクテクテクテク…
西方魔道長「…全く、あれを動かすなんて大したもんさね」
魔道兵「今のは……学園長ですよね…!?」
西方魔道長「本国は意外と、一枚岩になっとるのかもしれんね」
魔道兵「……」
西方魔道長「……ほれ、投票へ行くよ」
魔道兵「は、はい……っ」
- 166 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:47:14.39 ID:fzKRooKTo
昼食を終えた西方司令部の各士官達。一同は一斉に正門前へと
再び足を運ぶ。それは即ち、投票の為であった。
〜正門前〜
西方副司令「順番に投票して下さい。焦らなくても大丈夫だから」
魔道士官「……」
西方士官「……っ」
助手「……さーて、どうしようかしらねぇ〜」
白衣「左翼だと研究費削られそうなんだよなぁ……」
研究者「右翼だって、軍事費維持の代わりに研究費削ったぜ?」
西方魔道長「……やれやれ。どうしたもんかねぇ」
右文官「…さて、どうなる事やら」
青年兵「……」
右秘書官「勝てる。勝てるはずなのだ……っ」
青年兵「ええ。勝ちますよ…僕らは」
今ここに、全ての士官が投票を終えた。そして発表の刻……。
- 167 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 18:48:11.41 ID:fzKRooKTo
…
西方副司令「それでは、開票結果を発表致します」
ザワザワザワッ…
西方副司令「総数100。有効票100…無効票なし。それではまず右翼ですが…」
青年兵「……っ」
西方副司令「右翼……89票」
右秘書官「っ!!」
右文官「……89っ!!」
西方副司令「左翼11票。以上が結果となります。投票において異議のある者は――」
右文官「こ……これで、票数は……」
右秘書官「右翼……460票!!」
西方参謀「対して左翼440票。何だかんだ接戦だが…獲ったな!」
神官「皆様の勝利に終わったようですね。おめでとうございます」
右秘書官「……お前のお陰だ。ご苦労だった、青年兵っ!」
青年兵「……や…った、やったぞおおぉぉ!!」
- 173 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/01/18(火) 10:32:12.73 ID:svz9Y81B0
1乙
左翼は今さら何をするつもりだ
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