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少年「やった! 野生のニート捕まえたぞ!」
- 157 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2012/08/06(月) 23:46:07.77 ID:9BMi3k610
父「いいからしばらくゆっくりしてなさい、療養中ってことでいいだろう」
青年「ありがと、父さん」
父「何、いいんだよ」
父「それでまた、泳げるようになるんだろう?」
青年「……泳げるには泳げるけど、以前みたいに速くは無理だって」
父「リハビリすればいいだろう、期待してるよ」
青年「……うん」
- 158 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/06(月) 23:46:38.21 ID:pTs+5TAj0
なんか知らんが感動した
- 162 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/06(月) 23:50:40.45 ID:9BMi3k610
コーチ「青年、診断の結果は出たか?」
青年「はい……やっぱり無理みたいです。もう水泳で記録は……」
コーチ「……そうか、心苦しいが、それじゃもう部活に籍は置けない」
コーチ「スポーツ推薦で入学したことも鑑みると……」
青年「承知してます、いままでありがとうございました」
青年「……退学ってどうやればいいんだろう」ヒョッコヒョッコ
青年「やっぱり松葉杖って歩きにくいな」ヒョッコヒョッコ
- 164 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/06(月) 23:51:52.45 ID:ldJTw77M0
>>162
急に重いな
- 167 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/06(月) 23:54:37.07 ID:9BMi3k610
父「……そうか、退学か」
青年「ごめんなさい、学費も出してもらってたのに……」
青年「でも俺、水泳がないと大学にいられなくて……」
父「……何、いいんだ」
父「これからどうするんだね」
青年「……一応成人してるし、怪我の具合見てから決めるつもり」
父「……」
- 169 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/06(月) 23:57:43.74 ID:9BMi3k610
青年「はあ……俺、今ニートだよな。どうしよう……」
青年「とりあえず早く、松葉杖なしで歩けるくらいにはならなきゃ……zzz」
ガタン バタンバタン
青年「……?」
ゴゾゴゾ バンッ
警察「取り押さえろ! ニートだ!」
青年「へ、うわっ……」
青年(何だこれ、前が見えない……)バタバタ
- 171 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:01:17.78 ID:MfEJGsuJ0
役人「えーと、怪我の療養期間中……んで高卒か」
役人「こんな条件じゃ雇い先なんか見つからんよ」
役人「ということはつまり……市場への放出しかないな」
青年「市場って……ペットショップってことですか?」
役人「まあそういう俗称もあるな」
役人「言っておくが、犬猫と一緒じゃないぞ! そこで雇い主を見つける施設だ」
青年「でも犬や猫と同じ店で展示されるんですよね! そんな……俺は……」
役人「大丈夫、君若いからすぐ貰い手が見つかるよ」
所長「いやお疲れ様、うまいこと誘導しましたね」
役人「ええ、言われた通りに」
所長「これで依頼主の要望は通せた。臨時収入で今夜はぱーっと飲みますか!」
- 173 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:06:13.28 ID:MfEJGsuJ0
青年「ん、むぐ」ジタバタ
子供「あーニートだー!」
子供「こっち向いてー!」
女子「見て、あのニートちょっとかっこよくない?」
女子「ほんとだー珍しいね若いニートなんて」
女子「あーあ、私もお金あったらハムスターじゃなくてニート飼ったのにな」
青年(やっぱり見世物じゃないか……こんなの嫌だ……)
男「……青年?」
男「お前、青年じゃないか! どうしたんだよこんなとこで!」
青年「むぐ……!」
青年(まさか……中学時代同じ水泳部だった男?)
男「まさかお前……ニートなのか?」
男「すみません、彼を見せてほしいんですが」
店員「はい、少々お待ちください」
- 175 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:09:28.54 ID:MfEJGsuJ0
青年「ぷは」
青年「男、お前こんなところで何してるんだよ!」
男「それはこっちのセリフだ……お前、大学生じゃないのか」
青年「……こないだ退学した。この怪我のせいで」
青年「トラックに轢かれたんだよ」
男「なるほど、それで……水泳続けられなくて全部やめたってわけか」
青年「……お前は?」
男「俺か? 俺は高校出てから、大学行きつつ親父の会社の手伝いしてんだ」
男「んで、社会貢献の一環でニートを雇うことになったんだけど……ちょうどいい、お前うちで働けよ」
青年「ほ、ほんとに? いいのか?」
男「ああ、昔のよしみだ」
青年「ありがとう、助かるよ」
青年「こんな動物同然の環境から逃げられるなら……」
男「……」ニヤリ
- 176 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:10:54.46 ID:jYQLU5Sl0
ホモ臭くなって参りました
- 177 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:11:11.65 ID:GFTLNdQB0
うわあ見方だと思ったのに
- 178 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:12:31.11 ID:MfEJGsuJ0
男「じゃあとりあえず……ニートの放し飼いは禁止だからこれを」
青年「首輪と……手錠?」
男「ああ、頑丈なくらいじゃないとな」
青年「……俺、雇ってくれるんだよな?」
男「でも一応、ニート上がりだし……その怪我もしばらく治らないだろ?」
男「頼むよ、体裁ってもんがあるんだ」
青年「う、うん……」
男「とりあえずここがお前の部屋な。狭いけど我慢してくれ」
青年「そんな、十分だよ。ペットショップの檻にくらべれば」
男「そうか、それならよかった」
男「じゃあ飯持ってくるから」パタン
男「……」ピッピッ
男「あ、父さん? 予定通り青年を買ってきた」
男「うん、叔父さんにもよろしく言っといて。所長の叔父さんのおかげだって」ピッ
- 179 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:13:17.21 ID:GFTLNdQB0
>>176
まだ早い
- 181 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:14:45.07 ID:wmfoIV/U0
所長
- 183 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:15:48.54 ID:MfEJGsuJ0
男「はいご飯」
青年「ありがと……あの、この手錠」
男「悪い、鍵忘れちゃった。そのまま食べてくれ」
青年「お、おう……」カチャカチャ
男「思い出すなぁ、中学時代の水泳部」
男「お前いっつもトップだったよな」
青年「まあな……お前も部のエース組だったよな、しかも部長」
男「でもお前には適わなかったよ、一度も」
男「それでお前はスポーツ推薦で強豪校に行った……と。それからは付き合いもないな」
青年「お前は県内一の進学校……まさしく文武両道だったな」
青年「……まさかこんな形で会うなんて」
男「飼い主と飼いニートな」
青年「……っ」
男「ゆっくり食べてよ。じゃあな」
- 185 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:18:55.43 ID:MfEJGsuJ0
アナウンサー『大学水泳大会が本日開催しました! 注目は〜』
青年「……」
男「やっぱり見てたか」
青年「……ああ」
男「本当だったら、今頃お前もあそこにいるんだもんな」
男「間違いなく注目選手、だろ?」
青年「……そう思う、うぬぼれてるけど」
青年「でももう、二度とそう呼ばれることはないんだな……」
男「ま、捨てる神あれば拾う神ありって言うじゃん」
男「新しい世界で生きていけばいいんだよ」
青年「そっか……ありがとな」
男「ああ、新しい世界で……」
- 187 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:19:19.43 ID:ocUccnqq0
足に障害負わせたトラック野郎から賠償金貰えないのか・・・
- 188 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:21:25.04 ID:MfEJGsuJ0
ジャラジャラ
青年「男、この恰好でうろつくのはちょっと……」
男「でもニートの放し飼いは禁止なんだって」
青年「俺はニートじゃないんだ、何かの手違いで」
男「でも、ペットショップで売られてたのは確かだしな……頼むよ、体裁で」
青年「……」
社員1「おっ男くんおはよう! 新しくニート飼ったの?」
男「はい、この間」
社員2「へぇこりゃまた若いニートだねー珍しい」
社員1「今じゃニートはおっさんばっか。若い人は親が庇っちゃうからなぁ」
男「あはは……そうだ、歳もお二人と同じくらいですし、今度一緒に遊びましょうか」
社員1「おっいいねぇそれ、楽しみにしてるよ!」
青年「……おい、男」
男「あ、俺大学の時間だ。ごめんな青年、また今度散歩するか」
男「それとも、一緒に俺の大学行くか?」
- 189 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:24:03.10 ID:uGMk5UpQ0
これは辛いわ
- 190 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:24:54.54 ID:MfEJGsuJ0
青年「……俺は本当に、雇われたのか?」
青年「ずっと部屋に閉じ込められて、出歩くときも鎖に繋がれて……」
青年「これじゃまるで本当のペットだ」
男「青年? いるか?」
青年「……いる!」
ガチャ
社員1「お、いたいたー青年くん!」
青年「……こないだの」
社員1「覚えてくれてるんだ? いい子だねー」
青年「あ、あの……男?」
男「社員のみなさんとのスキンシップもしておかないとさ、じゃあまた何人か来ると思うから」ガチャ
青年「……」
- 193 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:28:02.22 ID:jYQLU5Sl0
青年にげてー
- 194 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:28:57.63 ID:oddvjPpIO
アッー
- 195 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:29:20.01 ID:MfEJGsuJ0
男「はいご飯」コト
青年「……これ、犬用の器」
男「悪いな、この前の社員さんたちが、ニートにこんないい生活させるのはおかしいって」
男「確かに社宅と同じ水準じゃ不満も出るからな」
青年「……っ」
男「とりあえずそれで食べてくれ」
青年「男、お前本当に……」
男「……」
男(勘付いてきたな、さすがに……そろそろか)
- 197 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:32:09.35 ID:MfEJGsuJ0
男「青年、プール行くか」
青年「……え?」
男「水泳辞めてから行ってないだろ? 遊び感覚でいいから、な?」
青年「……プールでも首輪はしたままか」
男「ああ、ニートの放し飼いは……」
青年「なあ、お前いつまで俺をニート扱いするんだ?」
青年「デスクワークならいくらでもやる、足だってリハビリすれば歩けるようには……」
男「……お前こそ、いつまで勘違いしてるんだ?」
青年「へ?」
男「お前はこの先ずーっと、ニートのままなんだよ!」ドンッ
ザバン
- 198 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:34:46.83 ID:MfEJGsuJ0
青年「ちょ、何す……っ!」ガボガボ
男「あはは、水泳部のエースがプールで溺れてるよ!」
男「惨めなもんだな、半年前までは期待の若手選手だって騒がれてた奴が」
青年「がふ、っぐ……」
男「トラックに轢かれたんだっけ? かわいそうだな、自分じゃどうしようもない不運に恵まれて」
男「……俺も同じだよ、お前のせいで」
青年「俺の、せい……?」
男「中学時代、俺はどうしてもお前に勝てなかった。お前の倍は練習したのに、どうしても」
男「そのせいで推薦枠は取れない、他校だったら余裕でトップなのにいつも二番手扱い」
男「俺だって、水泳に人生かけたかった……お前がそれを奪ったんだ」
- 199 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:38:50.45 ID:MfEJGsuJ0
青年「そ、んな……言いがかりだ!」
男「まあそうなるだろうな。でもそれくらい恨んでた」
男「そんなお前が、選手生命の危機……聞いたときはすぐには信じられなかったよ」
青年「……」
男「あっという間にお前は転落、そしてニート。この機会を逃すわけにはいかない」
男「父さんと叔父さんに頼んで、お前を飼えるように手配した……あの時お前がすぐにペットショップに送られたのは、所長の叔父さんにそう頼んだからだよ」
青年「な……っ!」
男「考えてみろよ、ペットショップに陳列なんて人権無視したことが頻繁に行われるわけない」
男「ああいうところに並ぶ連中は、どうしようもないクズだって認定された奴だけだ」
男「ちょっと足引きずってるだけで、すぐに売られるわけないだろ」
青年「じゃあお前、最初から仕組んで……」
男「最初からっていうか……まあペットショップで偶然見つけたっていうのは演技だったけど」
男「俺が関わったのはお前がニートになってから……お前がニートになったのは俺は関係ねぇよ」
青年「嘘だ! だって俺は無理やり……」
男「そうそう、叔父さんがこんな音声手に入れたって言ってたな」ピッ
- 201 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:40:51.46 ID:ocUccnqq0
男がゲス過ぎて言葉が出ない
- 202 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:45:17.79 ID:MfEJGsuJ0
父『水泳選手になれない息子なんていらない!』
青年「!」
警察『それでニート告発ですか……よろしいんですか?』
父『私は息子を水泳選手にするためだけに人生を割いてきたんだ……その夢が叶わないなら……』
父『一体、何のためにわざわざ離婚した妻から親権を勝ち取ったと思ってるんだ!』
父『このまま穀潰しになられるくらいなら……連れて行ってください。寝てる間にでも』
警察『分かりました。では今日の夜お伺いします』ププッ ツー
青年「……うそ、だ」
男「聞いただろ? お前が父親に捨てられる瞬間を」
青年「嘘だ、ねつ造だ、そうだろ? なあ……」
男「残念だけど本当だよ。
男「知ってるだろ? 親族がニートじゃないと言えばニートにならない。その逆だよこれは。
男「かわいそうだなぁお前。でも安心しろよ、俺は泳げないお前も好きだから。むしろ泳げない方がいいね」
青年「……」
- 203 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:51:19.02 ID:MfEJGsuJ0
男「言っただろ? 新しい世界で頑張ればいいって……」
男「残念なことに、ペットショップで買われたニートってのはどいつもこいつも奴隷同然なんだよ」
男「一度ペットショップで売られたら、もう二度と人間には戻れないんだよ……犬猫同然でなぁ」
男「考えてみろよ? まったく知らない環境で奴隷にされるより、知り合いのところの方がいいだろ?」
男「俺はお前を飼ってやった……これって、お前のためにもなるよな」
青年「……」
男「大丈夫、殺したりしないし追い出したりもしない」
男「一生俺の奴隷になれよ」
青年「……はは、それもいいな」
青年「泳げない俺なんて、何の価値もない……それでいいのか?」
男「いいって言ってるだろ。泳げる猫じゃないと嫌だなんて言う飼い主がいるか?」
男「ただ懐いてご機嫌取ってればいいんだよ」
青年「そっか、そういう世界か……」
青年「……俺を、飼ってくれ。二度と捨てないで、役立たずになってもずっと……」
男「あはは、もちろんだよ」
青年「ありがとう、ございます……はは、あはは!」
- 204 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:53:02.98 ID:MfEJGsuJ0
社員1「男くん、最近青年くんはどう?」
男「従順ですよ。すっかり懐いてくれました」
社員1「じゃあ復讐ってのは終わったんだね?」
男「いや、これからですよ」
男「これからずっと……続くんです。あいつは俺の飼いニートですから」
おわり。
- 205 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:54:36.87 ID:OPy9v7Gj0
堕ちたか
- 206 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:54:58.15 ID:DQsEbsmY0
これトラックに轢かれた事も仕組んだの?
青年の前じゃああ言ったけど
- 207 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:55:40.30 ID:H32ssv7u0
おつかれ!
久々に楽しめたわ!!
- 208 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 00:56:05.33 ID:MfEJGsuJ0
この後どうしよう
- 209 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/07(火) 00:56:48.03 ID:DQsEbsmY0
>>208
青年が男の会社乗っ取って勝ち組√で
- 210 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 01:02:34.24 ID:MfEJGsuJ0
もう一個書きます、残ってたら。
- 211 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 01:03:30.41 ID:IsFb70aK0
なんかイキガミおもいだすな
- 215 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/08/07(火) 01:13:57.27 ID:nph76QlP0
ほしゅ漫画化なうしえん
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