■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
- 60 名前:GEPPERがお送りします [sage saga]
投稿日:2010/08/02(月) 16:15:54.24 ID:VFHPvm.o
〜遺跡〜
マジシャン「……」
崩れた遺跡の入り口。その前にしゃがみ込み、左右を見渡すマジシャン。
魔道士「……」
マジシャン「…人的に破壊された形跡だな」
魔道士「…つ、つまり?」
マジシャン「召喚士がコカトリスで石化したんだよな?」
魔道士「はいっ。入り口はそれで封じました」
マジシャン「誰かがそれを、外側から破壊し…潜入した」
魔道士「!?」
マジシャン「おそらくそれが…盗賊ちゃんの兄貴だろう」
魔道士「……」
マジシャン「盗賊ちゃんの兄貴ってのは…どんな人なの?」
魔道士「さ、さぁ…。私も詳しくは……」
マジシャン「…そっか。……何が目的だ…?」
- 61 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:16:47.97 ID:VFHPvm.o
小声で呟き、マジシャンは足元の石ころを見つめる。
マジシャン「…とにかく、ここにはもういないみたいだし…先を進もうか!」
魔道士「えっ?あ、はいっ……」
マジシャン「あー、これね…破壊されてから一ヶ月近く経ってる」
魔道士「そんなにですか!?」
マジシャン「うん。……見てごらん、ほら…ここ」
マジシャンの指差す草を覗き込む魔道士。
魔道士「…?」
マジシャン「石の下敷きになって枯れた茎にはつぼみが付いてるだろ?」
魔道士「ええ…。あっ!こっちの茎には花が…っ!!」
マジシャン「そう。開花時期からみておおよそ一ヶ月程度だろう」
魔道士「そんな事まで…分かるんですね…っ!!」
マジシャン「ハッハ!自然の力は偉大だよ!」
ザッ
マジシャン「よしっ、目指すは南東国!!」
- 62 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:17:14.56 ID:VFHPvm.o
時刻はまもなく17時を迎え、闇が空を覆うとともに、街には明かりが灯り始める。
〜南東国、南の山〜
山より見下ろす世界。ふもとの東の街はおろか、
遠方にうっすら見える街や村にも明かりがぼんやりと浮かび上がる。
戦士は両腕を組んだままそれを見つめ、しばし目を閉じ余韻に浸る。
戦士「……」
ザッ
隊長「……何してんだ?」
戦士「いや…っ、瞑想…ですかね?」
隊長「…?まぁいい、集合」
隊長の呼びかけ、男隊員と女隊員がコテージから駆け寄る。
男隊員「…んで、本部の指示は?」
隊長「この時間まで待ったが、静観一辺倒だ」
女隊員「静観?じゃあウチらも動きはなしッスか?」
隊長「司令と大軍師が不在らしくてな…。どうにも本部の動きが鈍い」
- 63 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:17:41.64 ID:VFHPvm.o
戦士「……」
男隊員「ちっ、副司令だけじゃあ…軍令降りる可能性は低いな」
隊長「そこでだ、どうする…?」
戦士「どうするって…?」
隊長「特殊遊撃はな、特例で勝手に行動しても許されるんだよ」
女隊員「緊急時の独自行動許可ってやつッス」
隊長「つまりこのまま引き上げるか…動くか、だ」
男隊員「はぁーあ、決まってんだろ…」
女隊員「もちろん……」
戦士「……行こう!!」
隊長「…だと思ったぜ」
後頭部を掻きながら、隊長は各自に小袋を投げ渡す。
隊長「食料と水だ。荷物は最低限に抑えろ」
男隊員「りょーかいっ!」
男隊員は軽い口調で返すと、軍靴の紐を結びなおす。
- 64 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:18:09.34 ID:VFHPvm.o
女隊員「了解ッス!」
女隊員はしっかりとした口調で返すと、後ろ髪を口にくわえたゴムでまとめる。
戦士「……了解」
戦士は強い口調で返すと、雷切を腰に結びつけ、肩に戟を担いだ。
隊長「いいか?ここはまだ南東国の領内だ。戦闘行為は禁止する」
戦士「……?」
女隊員「双方の許可が出るまではダメなんスよ」
隊長「但しだ、ここより更に南方へ入れば、本国領内となる…」
男隊員「そっちなら交戦するってか?」
隊長「分からん。その騎都尉って奴とて推測に過ぎん」
戦士「杞憂に終わりゃ…いいけどな」
隊長「とにかく、こちらから仕掛ける必要はない。応戦のみだ」
女隊員「了解ッス!!」
隊長「……行くぞっ!!」
山の南側へ駆け出す隊長を追い、他の三人も一斉に走り出した。
- 65 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:18:36.31 ID:VFHPvm.o
〜南方、東の街〜
老人「ようやくこの日が来たか…!待ち遠しかったのぉ」
町人「去年は流れちまったからな!やっぱタイマン一本勝負だろ!」
男「白虎嬢っ!白虎嬢っ!」
南方参謀「お待たせ致しましたっ!これより…召喚フェスを開会致します!」
観客「おおぉぉぉぉ−っ!!」
南方参謀「まずは…本戦に勝ち残った勇敢な8名を紹介するわっ!」
メインステージ中央の南方参謀が後ろを指差す。
南方参謀「まずは第一戦目、我らがアイドル!白虎嬢改め…召喚子ーっ!!」
テクテクテク
召喚士「……ニコッ」
男「キター!!」
観客「頼むぜー!全財産賭けてんだぁー!!」
召喚士(何でこんな事……。さっさと負けよう…)
観衆へ笑顔を振りまく召喚士。口元がやや引きつる。
- 66 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:19:05.28 ID:VFHPvm.o
南方参謀「対するは…召喚は漢の浪漫!番長ーっ!!」
番長「まさか……またお会い出来るとは思いませんでしたでごわす!!」
召喚士「……」
番長「いきなり対戦とは…決勝で会いたかったでごわす…」
召喚士「…は、はぁ」
番長「しかし!次は勝ちたい…いやっ、勝つでごわす!!」
親衛隊長「さっきは弱音はいてたクセに…」
番長「……召喚子殿っ!!」
召喚士「は、はい…っ!」
番長「もし…おいどんが勝ったら……結婚して下さいでごわす!!」
召喚士「――っ!?」
観客「ひゅーっ!いいぞーもっとやれー!!」
男「ギギギ…!!何言ってんだこのヤロウ!!」
南方参謀「おーっと!愛の告白っ!第一戦から白熱して参りましたぁ!!」
南方弓町「計画通りのくせに…よく言うわよホント…」
- 67 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:19:34.31 ID:VFHPvm.o
南方参謀「続きまして…第二戦のカードはこの二人っ!!」
ザッ
召喚士「!?…あ、あの人…っ!!」
南方参謀「故郷の地、南方で錦を飾れるか!?……ボスーッ!!」
ボス「……」
チンピラ「ボスー!頑張って下さいよーっ!」
ゴロツキ「みんな期待してまっせー!」
南方兵「おう!南方司令部の意地、見せてやれやっ!!」
ボスは無言で、応援に駆けつけた仲間達へ一礼する。
南方参謀「そんな中、アウェーな立場で挑むは……」
ジャリッ
南方参謀「国軍本部からのゲスト!青年兵ーっ!!」
青年兵「……」
男「国軍同士のバトルか…!こいつぁまたアツイ一戦だなっ!!」
老人「なぁに…。都会のヒヨッコなんぞに、南方が負けるかいっ!」
- 68 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:20:02.71 ID:VFHPvm.o
南方参謀「そして第三戦は…この二人よっ!!」
親衛隊長「ハロー!ハロー!!」
南方参謀「ちょっと!名前も呼んでないのに…勝手に出て来ないで頂戴っ!」
親衛隊長「なーに、オーディエンスをウェイトさせちゃ悪いだろ?」
南方参謀「…。気を取り直して、二人目は再び女性召喚士……」
ザッ
南方参謀「白虎嬢ーっ!!」
白虎嬢「よろしくお願いします〜」
観客「おっ!!あの子もカワイイぞ!?」
老人「…うむ、悪くない。むしろ良いのぅ!」
男「決勝は女同士も有り得るっ!?」
南方参謀「さて、残すところラスト…。第四戦目!!」
青年兵「……」
南方参謀「一人目は、予選無敗、実力未知数…。同門ーっ!!」
ザッザッザ
- 69 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:20:55.65 ID:VFHPvm.o
同門「……」
召喚士(あれが…俺の相手か……)
南方参謀「対するは…伝説、そして再来を引き継いだ…伝説の朱雀召喚士…」
バッ!!
南方参謀「コカトリスの…朱雀先生こと、召喚士ーっ!!」
ボス「何っ!?あの人が…来てるのかっ!!」
青年兵「……あれ?」
シーン…
南方参謀「…なんですが、先生は所用につき、本番まで来れません!」
ボス「……何だよ」
同門「ちっ…」
南方参謀「以上の8名で繰り広げられる召喚フェス!間もなくスタートです!」
ワアアァァァァ!!…ザワザワザワッ
南方参謀「さ、会場へ移動するわよぉ!付いて来てっ!!」
南方参謀の誘導で、メインステージ裏手の会場へと、一同が移動を始める。
- 70 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:21:26.19 ID:VFHPvm.o
ザッザッザ…
親衛隊長「おぉーグレートですね!」
召喚士「随分広くなりましたね…?」
南方参謀「前回、どこぞの召喚士がスフィンクスとか出したからね…」
召喚士「……すいません」
青年兵「あ、あのっ!!」
召喚士「……?」
青年兵「先ほどは…し、失礼致しましたっ!」
召喚士「…えっ、あ…いやこちらこそ…あの…っ」
青年兵「が、頑張って下さい!」
召喚士「…ど、どうも」
テクテクテク
召喚士(……青年兵くん、ゴメン)
南方参謀「さぁ、お客さんもスタンバイ完了よ!いよいよ始めるわよぉ〜?」
召喚士「……はい!」
- 71 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 16:24:09.12 ID:VFHPvm.o
┏━━━┻━━━┓
┏━┻━┓ ┏━┻━┓
┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓
召 番 ボ 青 親 白 同 召
喚 長 ス 年 衛 虎 門 喚
子 .兵 隊 嬢 士
.長
- 73 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 16:38:31.86 ID:uPUNS4Ao
すごいよ!ずれてないよ!
頑張ったね!
>>1乙!
- 74 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 16:45:12.01 ID:BwWzkgMo
全くずれてないwwwwww
いちおつ!
- 75 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 16:52:10.77 ID:mpHDofw0
世の中にはAAエディタという便利なものがあってだな
- 76 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:56:27.82 ID:VFHPvm.o
ヒューンッ……ドオオォォンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!
南方参謀「これより第一戦、召喚子対番長を開始致します!!」
審判「両者前へっ!」
ザッ
南方参謀「ここから私は実況を担当致します!」
コンコンコン
南方参謀「あーあー、伝声管のテスト中…あーあー」
番長「よろしくでごわす!!」
召喚士「……」
南方参謀「オッケーね。実況は私、南方参謀!そして解説にはこの方…」
青龍先生「ひょっひょっひょ。よろしゅう」
南方参謀「青龍先生をお迎えしてお送り致します!」
番長「おいどんが勝ったら…いいでゴワスね?」
召喚士「……はぁ」
審判「本体への攻撃は禁止!いいね?…それではレディー…ゴーッ!!」
- 77 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:56:54.46 ID:VFHPvm.o
召喚士「はぁ…負けられなくなってしまった…」
番長「何か言ったでゴワスかぁ?」
召喚士「さっさと終わらせよう…。行っ…!!」
番長「!?」
召喚士(行けっ…って言ったらバレちゃうかもしれないな…っ)
召喚士「ス、スフィンクスー…」
シュイィンッ
南方参謀「おぉーっと!何やら小声でボソボソとスフィンクスを召喚っ!」
番長「来たでゴワスね…?」
青年兵「スフィンクス?!召喚士さん以外に使い手が…っ!?」
番長「ならば…!いざっ、ゴーレム!!」
シュイィン…ドズウゥンン
ゴーレム「…………」
青龍先生「ほぉ、ゴーレムとは…!なかなか見れん召喚獣だぞい」
南方参謀「スフィンクス対ゴーレム…!互いにレアな巨大召喚獣の対決!」
- 78 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:57:21.13 ID:VFHPvm.o
白虎嬢「おっきぃですねぇ〜」
青年兵「す…ごい迫力…っ」
番長「さぁー!力比べでごわす!!」
威勢を吐く番長が、ゴーレムを前面へ一気に押し出す。
召喚士「…っ!!」
やや遅れて、召喚士もスフィンクスへ、前進の合図を出した。
ズズズッ…ドズウウゥゥンッ!!
召喚士「頼むよっ!」
スフィンクス「よーし……!ぱーんちっ!!」
ゴーレム「っ!!」
ドッゴオオォォ!!
南方参謀「スフィンクスの強烈な右ストレート!しかしゴーレムがこれを防いだぁ!」
青龍先生「流石は防御特化のゴーレム…。あれを止めるとは大したものじゃ」
召喚士「……くっ…ぬぅ」
番長「んぎぎぎぎっ!!」
- 79 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:57:49.16 ID:VFHPvm.o
南方参謀「さぁー!力と力の比べあいっ!軍配はどちらに上がるのか!?」
青龍先生「そうかのぅ…?」
南方参謀「ウルサイわねっ!盛り上げなさいよ!」
召喚士「…はぁ。スフィンクス」
スフィンクス「だぶるぱーんちっ!!」
番長「何ぃ!?」
ブオッ…ドッゴシャアアァァァァッ!!
南方参謀「直撃ーっ!ゴーレムは無残にも上空へっ!!」
打ち上げられたゴーレムを追跡し、スフィンクスも高く飛び上がる。
スフィンクス「必殺…きーっく!!」
バゴオオォォォォンッ!!
番長「がはぁっ!!」
南方参謀「ゴーレムは遥か彼方へ飛ばされつつ姿を消したーっ!」
審判「勝者、召喚子っ!!」
召喚士「…ふー」
- 80 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:58:15.98 ID:VFHPvm.o
ワアアァァァァッ!!
召喚士「勝った…」
スフィンクス「あれ?お兄ちゃん…なんでそんな格好…」
召喚士「し、しーっ!!」
番長「か、完敗で…ゴワス……」
男「勝ったぁ!流石っ!カワイイッ!最高っ!」
観客「いよっしゃああ!!」
青年兵「次は…召喚子さんと……」
ザッ
ボス「その台詞、俺に勝ってから吐いて貰おうか」
青年兵「……」
ボス「本部のエリートだか何だか知らんが、見せてやるよ」
青年兵「よろしくお願いします」
審判「両者、前へっ!」
南方参謀「さぁ、続いて二戦目…!国軍の若き召喚士同士の一戦です!」
- 81 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:58:42.11 ID:VFHPvm.o
青龍先生「これは楽しみなカードじゃ。ひょっひょ!」
審判「レディー……ゴーッ!!」
審判の合図と共に、両者同時に召喚を開始する。
青年兵「出でよっ!リンドブルム!!」
ボス「来いっ!ウォーターリーパー!!」
シュイイィィン…
南方参謀「ワイバーンではなく、レンドブルムを使ってきましたね!?」
青龍先生「炎のワイバーンより雷のリンドブルムの方が…玄武には有効じゃて」
南方参謀「なるほどっ!さぁ、まずはウォーターリーパーが仕掛けるっ!」
ボスの合図と同時に、ウォーターリーパーが一気に飛びかかる。
青年兵「っ!?」
ボス「空に逃げられると…コッチが不利だかんなぁ!」
飛び立とうと翼を広げるリンドブルムに対し、ウォーターリーパーはそのまま
背中へと飛びつき、二匹の召喚獣が絡み合う。
青年兵「くぅ…っ!!」
- 82 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:59:20.40 ID:VFHPvm.o
ボス「放てっ!!」
バシュッ!!
青年兵「……!?」
南方参謀「ウォーターリーパーの水撃がリンドブルムを襲…襲ってないわね」
親衛隊長「何だぁ?ウォーターをぶっかけただけだぞぉ?」
青龍先生「いや、これはなかなか…有効的な手段じゃ」
バサッ!!
南方参謀「その隙に、リンドブルムはウォーターリーパーを振り払い、宙へ!」
青年兵「こうなれば…こちらのものだ!」
ボス「……へっ!」
青年兵「リンドブルムッ!!」
ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!バリバリバリッ!!
稲妻を起こすリンドブルム。しかしそれは落雷とはならず、
リンドブルム自身へと感電し、巨体が悲鳴を上げる。
青年兵「な…っ!!うわああぁぁ!!」
- 83 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 17:59:49.25 ID:VFHPvm.o
バシッ…ビビッ…ビリビリッ…
青年兵「そ、そうか…っ!!」
ボス「……」
青年兵「最初の水撃で……感電を引き起こさせたのか…っ」
ボス「気張りすぎだよアンタ。ちょっと考えりゃ分かる事だろ」
青年兵(……確かに。迂闊にも程がある…何の為の修行だ!)
膝を付く青年兵がゆっくりと起き上がり、リンドブルムがその脇へと身構える。
ボス「ほぅ…まだ余力があんのか。大した魔力だな」
吐き捨てるように呟くボス。同時にウォーターリーパーを再び突進させる。
南方参謀「さぁ!これはかわせないかっ!?」
青龍先生「…ひょっひょ。かわすだけが…本質ではないぞ?」
青年兵「……」
シュイィン
南方参謀「空振りー!?なんと…リンドブルムが消えましたっ!!」
青年兵「……さぁ、反撃だ!」
- 84 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 18:00:18.32 ID:VFHPvm.o
〜運営控え室〜
南方弓長「ほらっ、急いで!」
召喚士「そんな事言われましても…っ」
ヌギヌギッ
南方弓長「はいコレ!」
召喚士「…何ですこれ…?」
南方弓長「クレンジングオイル!化粧落としよっ!」
召喚士「普通に顔洗えばいいんですか?」
南方弓長「何でもいいから落として!」
召喚士「は、はいっ!」
バシャバシャッ
南方弓長「ウィッグ外したわよっ。後は化粧だけ…」
ワアアァァァァ
召喚士「!?」
南方弓長「盛り上がってるわね。終わったかしら?」
- 85 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 18:08:43.74 ID:VFHPvm.o
青年兵「出でよっ、ワイバーン!!」
シュイィン
南方参謀「さぁ、ここでワイバーンへスイッチ!!」
ボス「玄武相手にワイバーンだとぉ!?ナメるにも程があるんだろっ!」
南方参謀「召喚と同時にウォーターリーパーが襲い掛かる!」
ボス「今度は全力だ!撃てぇ!!」
ドドオオォォンッ!!…バシュウウゥゥッ!!
青年兵「ワイバーン!!」
ワイバーン「おうっ!!」
ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ!!
南方参謀「炎と水のぶつかり合い!会場は大量の水蒸気に包まれておりますっ!」
観客「くそぉ…み、見えねぇ!!」
老人「一体…どうなっとるんじゃ!?」
青年兵「……っ!!」
ボス「……マ…ジかよ…っ!」
- 86 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 18:13:52.26 ID:VFHPvm.o
ゴオオォォ
ボス「あれだけの水撃を……」
ワイバーン「はあぁっ!!」
ボス「炎で押し返してるだとぉ…!?」
青年兵「まだまだぁ!!」
ゴオオォォォォ!!
ボス「な、なにぃ!?…マズいっ、いや…間に合わ……」
ドジュウゥゥッ!!
青龍先生「ひょっひょっひょ…。勝負あったようじゃぞ?」
南方参謀「もうっ、全然見えないわよ!」
怒り口調で立ち上がる南方参謀。それと同時に右手より風を巻き起こす。
ドドオォンッ!!…ゴオオォォ
観客「おっ!煙が晴れた!!」
吹き飛ばされた水蒸気の中より姿を現すのはボス、青年兵…そして、ワイバーンのみ。
焦げ付く床と黒煙の中、ウォーターリーパーはワイバーンの炎により蒸発した…。
- 87 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 18:22:13.32 ID:VFHPvm.o
タッタッタッタッタ
召喚士「おぉ…!青年兵くんが勝ったんだ!!」
審判「勝者、青年兵っ!!」
ワアアァァァァ!!
ボス「…くっそぉ!!」
テクテクテク
青年兵「……」
ボス「……あんだよ?」
スッ
青年兵「…いい勝負でした!」
ボス「……ちっ」
差し伸べられた手を掴み、ボスがゆっくりと起き上がる。
青年兵はボスを肩に担ぎ、ともに会場を後にした。
テクテクテクテク
青年兵「……あ…っ…」
- 88 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 18:25:41.15 ID:NXE7h.SO
決勝が召喚子vs召喚士になったら笑う
- 89 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 18:27:28.87 ID:NdA1n860
右半分の化粧を落として一人二役で同時召喚して戦えば…バレないな!
- 90 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/02(月) 18:27:31.47 ID:VFHPvm.o
召喚士「二人とも、いい勝負だったよ!!」
青年兵「召喚士さんっ!どこ行ってたんですか!?」
召喚士「あ…えっとぉ、ちょっと色々あってね!ははっ…」
ボス「朱雀先生…!」
召喚士「ご無沙汰してますボスさん。…腕を上げましたね!」
ボス「まだまだですよ。井の中の蛙ってやつです…」
自分への皮肉を込めた言葉。ボスは苦笑を浮かべ青年兵の肩より離れる。
ボス「明日からは今までの倍…いや、それ以上に鍛え上げて…」
ザッ
ボス「お二人に追い付きたいと思います…」
召喚士「…待ってます。頑張って!」
青年兵「……」
ボスは会釈し、通路をそのまま控え室へと進んだ。
青年兵「さて…次は……」
召喚士「白虎嬢さんの出番ですね…!」
次へ 戻る 戻る 携 上へ