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幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」
528 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 09:59:06 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「・・・・なんじゃこりゃ」

幼剣士「魔石・・・・・大きい・・・」

吟遊詩人「フロア全体を覆う・・大きな魔石、こんなの初めて見た・・・」


武道家「これが話に聞いてた吸収する魔石か・・・って、それより青年剣士は!?」


・・・タタタタタッ


僧侶戦士「人の気配、魔獣の気配すらない・・・」

武道家「今までよりは狭い部屋なんだぞ?あいつら消えちまったっていうのか?」

僧侶戦士「・・・」


幼剣士「・・・・あ・・、あぁぁ!」


529 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:00:06 ID:chiN6NdI
 
武道家「ど、どうした!?」


幼剣士「あぁぁ・・・・、ま・・・」ブルッ

僧侶戦士「どうした?落ち着け・・・・」

幼剣士「あ・・・あれ・・・あれっ!魔石の・・・」


武道家「ん・・・?」

吟遊詩人「あれ?」

僧侶戦士「・・・・?」


530 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:00:38 ID:chiN6NdI
 
青年剣士「・・・」

伶人「・・・」



僧侶戦士「ま・・・魔石の中に・・・・・」

武道家「何だ・・・あれは・・・」


吟遊詩人「お、お父さん!お父さん・・・お父さん、お父さんっ!!」

幼剣士「お兄ちゃん!!!」

僧侶戦士「魔石の中に・・・・・、2人が・・・・・取り込まれている?」


青年剣士「・・・」

伶人「・・・」


531 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:01:35 ID:chiN6NdI
 
武道家「おい!青年剣士!どういうことだこれは・・・返事しろ!」

僧侶戦士「聞こえてるのか!」

幼剣士「お兄ちゃん!!」

吟遊詩人「お父さんっ!!!」


青年剣士「・・・」

伶人「・・・」


武道家「くっ・・・どけお前ら!僧侶戦士、俺に増大魔法かけてくれ!」

僧侶戦士「・・・攻撃増大魔法!」ピカッ


532 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:02:26 ID:chiN6NdI
 
武道家「掌底波ァァァ!!!」ブォッ!!!

・・・・キィン!!!


僧侶戦士「・・・大斬っ!!」ビュンッ!!

・・・・キィン!!


武道家「ってぇ・・・何て硬さだ・・・傷一つ・・付かねぇ」

僧侶戦士「・・・・何なんだよ・・・」



青年剣士「・・・音・・?」


幼剣士「!!!」


533 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:03:13 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「せ、青年剣士!!」 


青年剣士「あぁ・・・俺・・眠ってたのか・・・」


武道家「き、聞こえるのか!?青年剣士!?」


青年剣士「・・・、武道家?その声は武道家か?」

幼剣士「お兄ちゃん!!」

青年剣士「幼剣士・・・?どこだ?どこにいる?」


幼剣士「・・・ここだよ!目の前っっ!!!!」


534 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:04:30 ID:chiN6NdI
  
青年剣士「すまない・・・何も見えない・・・」

武道家「な、なんでこんな事になってるんだよ!」

青年剣士「こんな事・・・?俺は今どうなってるんだ?」

武道家「巨大な魔石の中に取り込まれてるんだよ!」


青年剣士「・・・・、思い出した・・・そうだったね・・」

幼剣士「なんで・・・こんなことに!?」


青年剣士「扉・・・」

僧侶戦士「・・・扉?」


535 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:05:23 ID:chiN6NdI
 
青年剣士「俺らが・・ココに辿りついた時、魔界との扉、亀裂が開く寸前だったんだ・・・」

僧侶戦士「何だと・・・」

青年剣士「この魔石は暴走の為なんかじゃない・・・、魔界との扉だった・・」


武道家「それで・・・どうしたんだ」


青年剣士「俺と、伶人さんは・・・自らを犠牲にして、魔石の魔力と相殺させたんだ・・・」

幼剣士「そんな・・」


青年剣士「その後、魔力枯渇で急な眠気に襲われて・・・気づいたら・・・この有様みたいだね・・・」


536 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:06:08 ID:chiN6NdI
 
武道家「助けだす手立てはないのか!?」


青年剣士「・・・俺らが魔力の相殺をやめれば、この世は魔界と繋がってしまう・・・」

吟遊詩人「・・・ここまで来て・・」ヒグッ


青年剣士「・・・その声、あの時の大会の吟遊詩人の女の子かな・・・?」


吟遊詩人「え・・・は、はい!」


青年剣士「君までココに・・・、そうか、伶人さんの娘さん・・・だったって聞いたよ」


吟遊詩人「・・・はい・・」


537 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:07:01 ID:chiN6NdI
 
青年剣士「・・・お父さんも助けられず・・こんな結果にしてしまった・・・、ごめんよ」

吟遊詩人「いえ・・・お父さんと、青年剣士さんは・・・、私たちを守ってくれました・・・」


青年剣士「・・・」ニコッ


僧侶戦士「どうすりゃいいんだよ・・・」


青年剣士「・・・・、だめだ・・・そろそ・・・ろ・・別れの時かも・・・しれ・・な・・・」

武道家「どうした!?」

青年剣士「意識が・・保てない・・・・・・、魔・・石に・・飲みこ・・・る・・・」


幼剣士「お兄ちゃんしっかりして!だめだよ!だめ!!」

青年剣士「・・・・幼・・・士・・」


538 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:08:15 ID:chiN6NdI
  
青年剣士「・・・」ニコッ

幼剣士「僕を強くしてくれるって・・・約束忘れないでよ!何で!!目覚ましてよぉぉぉ!」


青年剣士「・・・」


武道家「・・・」

僧侶戦士「・・・冗談じゃないぞ。これで全部終わりか・・・・」

吟遊詩人「・・・」グスッ・・

幼剣士「・・・」


539 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:08:56 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「・・・動く気力もない・・」


幼剣士「だめだよ・・・諦めたら・・・・・・、うわぁぁっ!」チャキッ


・・・・キィン!!!
・・キィン!!

・・・キィンキィン!!・・・キィン!!!

キィン!!・・キィンキィン!!!!


幼剣士「はぁ・・・はぁ・・・・必ず・・・助けるから・・・・・!」


吟遊詩人「幼剣士くん・・・・」

武道家「幼剣士・・・、アイツはもう・・・」


540 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:10:46 ID:chiN6NdI
 
・・・・ビキッ・・
ビキビキッ・・


僧侶戦士「何の・・・音だ・・・・?」

武道家「何かが割れてる音・・・か?・・魔石ってわけじゃなさそうだ・・・が」



・・・・ビキビキビキ・・・


・・・・バリィィン!!!
・・・ギュゥゥゥゥゥン!!!!!


幼剣士「何これ・・・・空中に・・・渦が巻いてる?」

僧侶戦士「なっ・・・近づくな!それは冒険の扉だ!」

武道家「何で急に・・・まさか魔界の亀裂が開いたのか!?」


541 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:11:34 ID:chiN6NdI
 
・・・ゴゴゴゴゴ・・!!


僧侶戦士「な、何か通ってくる・・」チャキッ

武道家「変なの出てこなきゃいいんだが・・・・」スッ

吟遊詩人「・・・」

幼剣士「・・・」



・・・・ギュゥゥゥゥン!!!・・・ドサッ!!


???「痛いっ!もう・・・やっぱ慣れないなぁ・・・」


武道家「お・・・お前・・・」

僧侶戦士「なん・・・で、どうしてここに!」


542 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:12:37 ID:chiN6NdI
 
幼剣士「・・・誰?」

僧侶戦士「・・・赤髪少女。前言ってた、お前の姉さんだよ・・」


赤髪少女「お姉さんって・・・、その子私の弟・・・?」


僧侶戦士「そ、そうだけどよ・・・・、それよりなんで・・・」


赤髪少女「可愛いっ!名前は何ていうの?」

幼剣士「その・・幼剣士・・・」アセアセ

赤髪少女「そっかぁ、宜しくねっ!」

幼剣士「う、うん・・・」


僧侶戦士「だから、説明しろっての!お前どっから現れた!つーかその冒険の扉なんだ!」


543 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:13:09 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「これは魔界の亀裂。昔、みんなで通ったやつと一緒のね」

武道家「で、どうした」


赤髪少女「魔王が残した塔のせいで、また魔界との亀裂が入っちゃって・・・」

僧侶戦士「めちゃくちゃな迷惑だ。こっちじゃ戦争状態だぞ」

赤髪少女「またそれを巡ってこっちで戦争起きて・・・、ようやく収拾がついて・・・」


武道家「・・・」


赤髪少女「完全に閉じる前、お兄ちゃんの魔力を渦の前から感じとってね・・」

幼剣士「お兄ちゃんの・・」

赤髪少女「それがドンドン薄くなってって、助けに行かないと・・って思ったんだけど・・」


544 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:14:15 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「扉が完全に閉じてしまった、と」

赤髪少女「うん。本当にわずかな亀裂しかなくなって、もうダメだって思った時・・・・。
       大声と、魔石を叩く音が鳴り響いて、それが共鳴してまた少し亀裂が広がったの」


幼剣士「・・・!」

赤髪少女「それをちょっと無理やり広げて・・・ココにきたって・・こと」


僧侶戦士「お前の叫びが届いたんだよ・・・幼剣士」

幼剣士「じゃ・・・助かるの・・・お兄ちゃん・・・?」


545 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:15:20 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「・・・・見事に魔石に取り込まれてるけど・・・」

幼剣士「・・・」

赤髪少女「この魔石はね、元々魔界にあるもので・・・こっちの世界にはない物質なの」

僧侶戦士「なるほどな・・・、だからキズ一つ付かなかったわけか」


赤髪少女「だからね・・・、私が・・・・竜波動っ!」ブワッ!!


幼剣士「え・・・竜?」

赤髪少女「へへ、私、竜族なんだよ?」グググッ


幼剣士「えぇっ!」

吟遊詩人「り・・・竜族って・・・」


546 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:15:51 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「それはまぁ気にするな・・・・」

赤髪少女「・・・・」ググッ 
 

・・・ビキッ・・


武道家「・・・魔石にヒビが!」


赤髪少女「これ・・は・・・私でもちょっとキツイかな・・・」ビリビリ・・

幼剣士「頑張って・・・お、お姉ちゃんっ!」

赤髪少女「お姉ちゃんか・・・嬉しいな・・・頑張るよ!」グググッ・・・



・・・ビキビキッ・・・・・・ビキッ・・・


・・・・・・・・バキャアアアンッ!!!!・・・サラサラ・・・・


547 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:16:23 ID:chiN6NdI
 
・・・ドサドサッ 


青年剣士「・・・」

伶人「・・・」


幼剣士「割れた・・・・!お兄ちゃん!」タタタタッ

吟遊詩人「お父さん!!」タタタタッ


赤髪少女「・・・」ガクッ・・・ハァハァ・・・


武道家「大丈夫か!?」

赤髪少女「うん・・大丈夫・・・」


548 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:17:22 ID:chiN6NdI
 
武道家「・・・ってか、ここの魔石壊していいのか・・・?」

赤髪少女「まだ亀裂は開いてるし、向こう側からまた封印するから大丈夫・・・うん」

武道家「そか・・・」


僧侶戦士「おい、青年剣士!しっかりしろ!」


青年剣士「・・・う・・」

伶人「・・・ごほっ・・」


吟遊詩人「い・・・生きてる・・・お父さんっ!!!」


549 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:17:59 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「良かった・・・」


青年剣士「・・・」ハッ


赤髪少女「えへへ、お兄ちゃん久しぶり」

青年剣士「・・・あ、赤髪少女・・・?どう・・・して・・ここに・・・?」


武道家「・・・元気そうで何よりだ」

幼剣士「・・・お兄ちゃん」グスッ

僧侶戦士「・・・ふ」


伶人「・・・、ココは・・・・?確か、魔法封印をしたはずじゃ・・・・」


550 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:18:29 ID:chiN6NdI
 
吟遊詩人「・・・お父さん、お父さん!」ダキッ


伶人「うおっとと・・・、吟遊詩人・・・・どうしてここに・・・・」


青年剣士「・・・みんなのお陰で助かったようですよ」

伶人「青年剣士くん・・・、みんなのお陰・・・?」


551 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:19:03 ID:chiN6NdI
 
武道家「どもっす」

僧侶戦士「無事で何よりです」

幼剣士「へへ」

吟遊詩人「・・・」ニコッ

赤髪少女「・・・えへへ」


552 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:19:49 ID:chiN6NdI
 
伶人「そうか・・・君たちが・・・・」

青年剣士「お礼、しなくちゃいけませんね・・・」

伶人「そうだな・・・。そういや、魔界の亀裂はどうなったんだ?」

青年剣士「俺の妹が抑えてくれました」

伶人「亀裂を抑える・・・とは、どうやったんだ・・・?」


赤髪少女「へへん、それはね私が・・・・」モガモガ


僧侶戦士「ああ、いえ!この娘は博学で、魔力と動力を応用した技術を生かしたんですよ!」


553 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:20:48 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「何するのー!」

僧侶戦士「ば、バカ!お前が竜族だとか・・ほいほい言うと、立場が色々やばいんだよ!」ボソボソ

赤髪少女「・・・うー、それじゃ仕方ない・・」ボソボソ


伶人「そうだったのか・・・感謝するよ赤髪少女ちゃん」


赤髪少女「うん!」


青年剣士「さて・・・と。魔石も破壊したし、これで暴走もじき収まるだろうね」


554 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:21:46 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「今回の一件は、報告できる部分で全部報告しないといけないな・・・」

武道家「そうだな・・・」


・・・カタッ・・


青年剣士「それじゃ・・・帰ろうか・・」

幼剣士「また、修行一緒にできる?」

青年剣士「ああ、できるよ」ニコッ

幼剣士「えへへ・・・」


・・・カタカタッ・・・


555 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:22:17 ID:chiN6NdI
 
武道家「・・・?」


カタカタカタ・・・カタカタ・・・・・・・・・


僧侶戦士「ん?地震か・・・?」


ガタガタガタガタ!!!!


青年剣士「な、なんだ!?」

赤髪少女「・・・これは魔力による微振動・・・、いけない!魔石から離れて!!!」


556 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:22:58 ID:chiN6NdI
 
武道家「なんだ!?どうなる!?」

赤髪少女「魔石を壊したから、急激な魔力の放出が始まった!何が起きるかわからない!」

僧侶戦士「まだこれで終わりじゃないってか・・・・!」
 
 
 
・・・・ガタガタガタガタ・・・バリッ・・・・バリバリ・・・!!
・・スゥゥゥゥ・・・・・


武道家「な、なんか・・・空気が・・・吸い込まれてないか・・・?」

青年剣士「・・・」


・・・・スゥゥゥゥゥ・・・・


557 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:23:38 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「・・・・魔力の暴走による亀裂・・!みんな、何かに掴まって!!吸い込まれる!!」


・・・・ビュウウウウウウ!!!!!


武道家「・・・・ぐっ!」ガシッ

青年剣士「・・・幼剣士!手を!」ガシッ

幼剣士「・・・!」ガシッ

吟遊詩人「・・・!」

伶人「・・・くっ」

僧侶戦士「・・・・・うおおっ!」


558 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:24:11 ID:chiN6NdI
 
・・・・・・ビュオオオオオオッ!!!
・・・ギュゥゥゥン!!!


青年剣士「この感じ・・・冒険の扉か!?」

赤髪少女「どこに飛ばされるか分からない・・・!絶対に放しちゃダメだよ!」


吟遊詩人「・・・・ち・・力が・・・」ズルズル


幼剣士「吟遊詩人さん!」

伶人「俺の腕につかまれ!」スッ


吟遊詩人「ダメ・・・届かない・・・・・!」


伶人「ぎ・・・吟遊詩人!!」


559 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:25:00 ID:chiN6NdI
 
青年剣士「・・・みんな・・、弟と、妹・・・・幼馴染のこと・・・頼んだよ」


武道家「な・・・」

僧侶戦士「お前、まさか!」


青年剣士「武道家、幼剣士を支えてくれ!」スッ

武道家「・・・おい!」ガシッ

幼剣士「・・・お兄ちゃん・・・ダメだよ・・・ダメ・・・・」


青年剣士「・・・」ニコッ


・・・・・パッ・・・


560 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:26:03 ID:chiN6NdI
 
・・・・ゴォォォォ!!!
 

幼剣士「お兄ちゃぁぁぁん!!」


青年剣士「吟遊詩人・・・・それっ!」

・・・ドンッ!!


吟遊詩人「きゃあっ!」フワッ

伶人「つ、つかんだ!」ギュッ


青年剣士「良かった・・・」


・・・ゴォォォォ!!!!
・・・・・ギュゥゥゥゥン!!!!

青年剣士「み・・・な・・げん・・で・・・」

「・・た・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・」


561 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:26:34 ID:chiN6NdI
 
武道家「青年剣士ぃぃ!」

赤髪少女「お、お兄ちゃん・・・!!!」

幼剣士「・・・・」

僧侶戦士「・・・・青年剣士・・ダメだ・・・」



・・・・スゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・チャリンッ・・


伶人「吸引が・・収まった」ハァ・・ハァ・・・


武道家「・・・なんだよこれ・・」

僧侶戦士「夢・・・だろ?」


562 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:27:40 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「・・・」ヘナッ

幼剣士「・・・」


武道家「お、おい赤髪少女、あの暴走の渦はどこに繋がってるんだ!?」

赤髪少女「わからない・・・よ・・・」

武道家「魔界とかじゃねーのか!?」

赤髪少女「魔界とは違う・・・、まったく違う感じだった・・・・。普通の扉とも違う・・・どう言えばいいか・・」


僧侶戦士「どうしたらいいんだ・・・よ・・」


吟遊詩人「・・・みんな・・私のせいで・・・」

伶人「・・・」


563 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:28:28 ID:chiN6NdI
 
武道家「お前のせいじゃない。気にするな・・・」

吟遊詩人「でも・・・・でも・・・・!!!!」


僧侶戦士「俺らは・・・こういう事になるかもしれないっていうのはいつでも思って戦っている」

武道家「そうだな・・・、きっとアイツの事だ。どこか、世界の片隅に放り投げられて笑ってるかもしれないしな」ハハ

僧侶戦士「あぁそうだな。一度戻って、捜索隊にお願いしに行こう」ハハハ


幼剣士「・・・笑ってる・・・・・おかしいよ!お兄ちゃんが・・・あんなことになったのに・・・笑ってるなんて!」


564 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:29:31 ID:chiN6NdI
 
僧侶戦士「・・・笑ってるように見えるか?」

武道家「俺らだって・・哀しいんだ・・・」


幼剣士「泣い・・・てる・・・?」


吟遊詩人「・・・」


僧侶戦士「伶人さん、すいません。一度先に星降村で休んでてくれませんか?」

武道家「俺たちはやる事あるんで・・・、お願いします」


伶人「・・・わかった。行こう、吟遊詩人」

吟遊詩人「・・・うん。肩、使って」

伶人「ありがとう・・・」


・・・・ザッ・・・ザッ・・・・・ギィィ・・・・


565 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:30:10 ID:chiN6NdI
 
武道家「・・・赤髪少女、お前は一度帰っておけ。こっちの亀裂も閉じかかってる」

赤髪少女「・・・」ヒグッ

幼剣士「お姉ちゃん・・・」


赤髪少女「・・・わかった。また、何かあったら・・・」

僧侶戦士「あぁ・・・。こっちはこっちで探しておく。お前らのほうにいたら、そっちで預かっててくれ・・・」

赤髪少女「・・・うん・・」


幼剣士「バイバイ、お姉ちゃん・・・・・・・また、会える?」

赤髪少女「・・・もちろん。君は大事な弟だもん」ギュッ

幼剣士「うん・・・」


566 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:30:44 ID:chiN6NdI
 
赤髪少女「またね・・・・」


・・・・・・ギュゥゥゥゥン・・・

・・・・・スゥゥ・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


僧侶戦士「こっちも閉じたか・・・・」

幼剣士「これから、どうするの?」

武道家「あいつは最後まで笑顔で、人の為に尽くした。それなのに、俺らが悲しんでたらあいつが笑えないよな」

僧侶戦士「そうだな・・・」


567 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:31:38 ID:chiN6NdI
 
武道家「一度俺らも戻って、救援隊、捜索隊に話をつける。暴走は収まっただろうし、今回のことを軍に報告する」

僧侶戦士「・・・青年剣士の最期を、あいつらに伝えるのか・・・?」


幼剣士「幼馴染さんと、乙女僧侶さん・・・?」


武道家「・・・・辛いな」

僧侶戦士「・・・・・俺は乙女僧侶に伝えよう。お前は幼馴染に頼む」

武道家「分かった。学校時代の友達、先生、教官たちにも伝えないとな・・・・・」

僧侶戦士「・・・・」


568 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:32:19 ID:chiN6NdI
 
武道家「・・・・戻るか・・」

僧侶戦士「あぁ・・・」

幼剣士「うん」


武道家「幼剣士、疲れたろ。背負ってやるよ」


幼剣士「ううん、自分の足で歩く」

武道家「そうか・・・はは」ワシャワシャ

幼剣士「うにゅ・・・」


569 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:32:58 ID:chiN6NdI
 
武道家「っと・・・青年剣士のやつ、ネックレス落としていきやがった」チャリッ

僧侶戦士「形見の・・つもりだったのか?」


武道家「幼剣士、ほら・・・お前が持っておけ」チャリッ

幼剣士「僕でいいの・・?」

武道家「あぁ・・・。大事にしろよ」

幼剣士「うん・・・」


僧侶戦士「じゃ、帰るか」

武道家「そうだな・・・」


カツ・・・カツ・・・・・カツ・・・・

・・・・・・ギィィィ・・・・
バタン・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


570 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:33:34 ID:chiN6NdI
 
・・・・・・・シーン・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・スゥッ・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・スゥゥゥゥ・・・バリッ・・・・・・バリバリッ・・・・・!!


・・・・・・・ギュゥゥゥゥン!!!!・・・・・・・・・


・・・・・・ドサッ・・・・・


571 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/07(日) 10:34:04 ID:chiN6NdI
 
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・



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