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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
595 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:27:49.62 ID:ZrRYb4lYo


双子姉「マーメイドさん」
双子妹「お休みなさい」

マーメイド「はい、お休みなさい」

召喚士「何だかすみません。泊めて頂いてしまって……」

サモナー「いやいや、こっちこそ長話ですっかり暗くなってしまって……」

盗賊「……」

サモナー「それに、食事まで作って貰っちゃって、こっちこそありがとう」

魔道士「いえいえっ、この程度の事で……」

玄武娘「魔道士さんて凄いですの〜」

朱雀嬢「……しっかり勉強させて貰いましたわ」

玄武娘「……ふわぁ」

魔道士「それじゃ私達も寝ましょうか」

朱雀嬢「そうさせて頂きますわ。お休みなさい」

玄武娘「……ですの。むにゃ」

召喚士「うん。おやすみなさい!」


596 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:28:30.82 ID:ZrRYb4lYo
テクテクテクテク…パタン

戦士「お前はまだいいのか?」

盗賊「…うん」

サモナー「それじゃ、少しお酒でも飲もうか」

戦士「おっ、いいっすねぇ!」

盗賊「…やっぱ寝る。おやすみ」

サモナー「……?」

召喚士「あ、盗賊さんは下戸なので……」

戦士「気にしなくていいすよ」

サモナ−「紅茶とかもあるよ?」

盗賊「…ん、お構いなく」

テクテクテクテク…パタン

戦士「そんじゃ、男だけで楽しむとしますかっ」

サモナー「そうだね」

召喚士「それじゃ……乾杯〜っ!」


597 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:29:42.93 ID:ZrRYb4lYo


戦士「しかし……さっきの説だけどよ」

サモナー「うん」

戦士「確かにサモナーさんの話聞いてると、そうじゃないかって思えてくるよ」

召喚士「うん……俺も」

サモナー「……正直、話そうか悩んだんだ」

召喚士「……?」

サモナー「もし魔族まで、同等の存在と認識してしまったら……」

戦士「躊躇するってか?……安心してくれ、それはないよ」

サモナー「うん。思ったよりも君達が強くて、安心というか…ほっとしたよ」

召喚士「結構、慣れてきましたから」

サモナー「……そうか。本当、強いね」

召喚士「そんな事…ないですよ」

戦士「そうそう。上には上がいますから」

サモナー「……そうか」


598 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:30:30.83 ID:ZrRYb4lYo


召喚士「でも、人間が魔族になる事は分かりますけど……」

戦士「召喚獣ってのは信じられないな」

サモナー「確かめようがないからね」

召喚士「ええ…」

サモナー「ただ、召喚士君なら分かると思うけど…」

召喚士「…?」

サモナー「召喚獣には召喚獣の住む世界が存在する」

召喚士「ええ。何度か行った事があります」

サモナー「僕も一度だけ行った事があるけど、あれは完全に別世界だよね」

召喚士「ええ。明らかにこの世界とは違う次元の、世界ですね」

戦士「へぇ」

サモナー「でも、限られた条件の下、僕らも訪れる事は可能なんだ」

召喚士「はい」

サモナー「それは不思議だと思わない?」


599 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:31:29.98 ID:ZrRYb4lYo
召喚士「不思議…ですか?まぁ確かに、不思議ですけど……」

サモナー「召喚獣は僕らが魔力を用いてこの世界に呼び出す事が出来るけど…」

召喚士「あっ、俺らは自ら行く事が出来る……っ」

サモナー「その時にはやっぱり、肉体を離れて精神的なものだけが行くんだ」

召喚士「た、確かにそうですね」

サモナー「つまり、互いに本体が直接行く事は出来ない……」

召喚士「でも、向こうは呼ばれて、こっちは自発的に行く事が出来る……」

戦士「そうか。召喚獣が自分の意思で来れるんだったら、召喚士なんていないもんな」

サモナー「多分、召喚獣はそういう世界に住んでるンだと思う」

召喚士「……つまり」

サモナー「転生後の世界さ。死の先、とでも言えばいいのかな……」

召喚士「それが密教の言う、転生……」

戦士「じゃあ召喚獣も、元々は人間だったってのか?」

サモナー「……勿論、確信はないよ。ないけれどね……」

召喚士「……」


600 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:32:27.77 ID:ZrRYb4lYo
サモナー「そうそう、もう一つこんな話を聞いたんだ」

召喚士「何でしょう?」

サモナー「西国が召喚術の研究をしているらしいんだけど……」

召喚士「西国……研究…?」

サモナー「どうも古代の召喚術を蘇らそうとしているらしいんだ」

召喚士「……」

サモナー「古代の召喚術は結構、危険なものが多くてね」

戦士「そうなんすか?」

サモナー「うん。五行と同じく、命を失うというか…犠牲にするものもあったりしてさ」

召喚士「……それで?」

サモナー「手がかりになる古代の文献を手に入れたとかいう噂さ」

戦士「あのよ、それってさぁ……」

サモナー「僕が思うに、西国の神官さんじゃないかと思って……」

召喚士「……やっぱりそう思いますか」

サモナー「以前から本国で腕利きの賊に依頼してるって話もあったしね…」


601 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:35:40.11 ID:ZrRYb4lYo
戦士「賊…?」

サモナー「どうもただでは手に入らない代物らしくてね」

召喚士「……」

サモナー「ワーカーよりも手馴れた賊に頼んだんじゃないかって……」

戦士「へぇ。神官さんも結構やるときゃやるんだな」

召喚士「……賊……文献?」

戦士「賊に文献……盗賊団に……本っ!?」

召喚士「ま……さか……っ」

サモナー「……?」

召喚士「サモナーさん!その文献というのは!?」

サモナー「いやっ、僕も詳しくは分からないんだけど……」

召喚士「……」

サモナー「さっき言った禁呪が書かれた文献じゃないかって……」

召喚士「……っ」

戦士「……召喚士」


602 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:36:27.63 ID:ZrRYb4lYo
召喚士「……うん。何となく繋がったよ」

サモナー「心当たりがあるのかい?」

戦士「…ちょっとな」

召喚士「神官さんは……三日月島ですか?」

サモナー「じゃないかな?ここ最近は西方でも耳にしないしね」

召喚士「……」

サモナー「政治で研究どころじゃないかもしれないね」

召喚士「だと……いいんですけど……」

戦士「まさかそんな危ねぇ術を完成させて……」

召喚士「うん。幾ら魔王を倒す為とは言え、己の身を犠牲にするなんて……」

サモナー「そうだね。でも……君達は止められる?」

戦士「分かんねーけど、そんなん止めるしかないだろ。なぁ?」

召喚士「……うん。神官さんに会ってみよう」

サモナー「任せたよ。一人でも犠牲は少ない方がいいからね」

召喚士「……もちろんです」


603 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 00:40:55.92 ID:ZrRYb4lYo
広げた風呂敷が大きかったようです。せっせせっせ
それでは寝ますです。おやすみなさい!ノシ

>>587-589
愛は頂いたぜい!ありがとうございます!

>>590
好きですね。かなりですね

>>591-594
良かった…説明文的で面白味に欠ける感じで…救われます
背景なんて結構適当ですのよ。あくまで補足程度なのですよ

〜オマケ〜

魔道士「沢山食べる…沢山食べる!!」

玄武娘「ほえ?」

ボイーン

盗賊「……ん?」

バヨエーン

魔道士「沢山食べる沢山食べるタクサンタベルタクサンタベルサンタサンオネガイ……」

〜次の日〜

魔道士「……3kg太りました」


609 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/11(金) 07:46:01.81 ID:4whhlygDO
>>1乙
すげーな
まさか最初の頃の…あの投げっぱなしの伏線回収とは恐れ入った


612 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/11(金) 08:59:53.07 ID:5r8mu1lDO
>>1乙っ!
そういやイケメンユニコーンさんは最後に自分から出てきてたなあ。これも含めて色々ななぞが解ければいいなあ


623 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 16:38:16.25 ID:11z4qsOoo
とりあえず生存報告…
無事…ですが、地震の影響で酔って気持ち悪いです…
東北の方々は大丈夫ですか?皆様のご無事をお祈り致します
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/


626 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/11(金) 16:50:07.03 ID:UD2/2T9Vo
俺大阪だけど経験から言うと
マジで防寒と雨具はもってけ
持ってたら避難先でかなり楽になる
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/


634 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:32:03.02 ID:11z4qsOoo
〜次の日〜

サモナー「それじゃ、気を付けて」

召喚士「はい。ありがとうございました」

サモナー「また、連絡するよ」

召喚士「お待ちしてます」

魔道士「マーメイドさんもお元気で!」

マーメイド「ふふっ、ありがと」

双子姉「またお会いできる日を」
双子妹「楽しみにしております」

戦士「そんじゃ、世話になりました!」

盗賊「…また」

スッ…テクテクテクテク…

朱雀嬢「玄武娘、行くですわよ?」

玄武娘「……」

朱雀嬢「…ほらっ、早く」

玄武娘「…はい…ですの」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/


635 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:32:47.29 ID:11z4qsOoo
サモナー「……」

玄武娘「……サモナー様」

サモナー「……」

玄武娘「お達者で……ですの」

サモナー「玄武娘ちゃんも元気で。頑張るんだよ?」

玄武娘「……はいですの」

スッ…テクテクテクテク…

サモナー「…………」

マーメイド「良かったの?……これで」

サモナー「…ああ。いいんだ」

マーメイド「……っ」

サモナー「僕は君と共にする。そう…決めたから」

マーメイド「サモナー……」

サモナー「……うん」

マーメイド「……でも、変わったわね」


636 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:34:37.48 ID:11z4qsOoo
サモナー「……ん?」

マーメイソド「昔の貴方、心を閉ざしていたもの……」

サモナー「……そうかな」

マーメイド「そうよ。でも今は、随分と変わったわ」

サモナー「……おかしい…かな?」

マーメイド「うんん。今の貴方…私は好きよ」

サモナー「……そっか」

マーメイド「彼らのお陰かしらね」

サモナー「…そうだね。自らの意思で前に進んで……」

マーメイド「うん」

サモナー「勇敢に戦う。そんな彼らに感化されたのかもね」

マーメイド「貴方も……一緒に手を貸したいんじゃないの?」

サモナー「……まさか」

マーメイド「いいのよ、無理しなくても」

サモナー「僕は……ただの臆病者さ」


637 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:37:27.82 ID:11z4qsOoo
マーメイド「そんな事ないわ。貴方は強い…そして、一途よ」

サモナー「……」

マーメイド「ありがとう。私はもう、十分よ?」

サモナー「……」

マーメイド「最後くらい…いいじゃない、カッコよく決めましょ?」

サモナー「……凄いね、マーメイドは」

マーメイド「んー?」

サモナ−「僕の心を何でもお見通しだ」

マーメイド「…だって、長い付き合いですもの」

サモナー「そっか」

マーメイド「毎日毎日、貴方と過ごしてきたもの…」

サモナー「……そうだね」

マーメイド「……行くんでしょ?」

サモナー「……でもね、最後にまだ…やる事があるんだ」

マーメイド「……?」


638 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:38:20.46 ID:11z4qsOoo
テクテクテクテク

玄武娘「……あっ」

魔道士「どうしたの?」

玄武娘「サモナー様の家に…忘れ物してきちゃったですの!」

双子姉「あらら…」
双子妹「それは大変」

召喚士「それじゃ取りに戻りましょうか」

玄武娘「あっ、大丈夫ですの!一人で行けるですの」

魔道士「でもぉ……」

玄武娘「先に町まで、降りてて下さいですのっ」

魔道士「あ…っ」

タタッ…タッタッタ…

盗賊「……どうする?見てこようか?」

朱雀嬢「大丈夫ですわ。私が追いますわ」

召喚士「……?」

朱雀嬢「察してあげて。あの子、一人になりたいんですわ……」


639 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:39:08.42 ID:11z4qsOoo
タッタッタッタッタ…

玄武娘「…………」

タッタッタ…ズルッ!!

玄武娘「ひゃっ!?」

ドテッ

玄武娘「……っ」

グググッ…ヨロッ

玄武娘「……う……ぐぅ」

握った右手は泥に塗れていた。

玄武娘「……うぅ……っ」

鼻を啜りながら右手で擦ると、鼻の下に泥が付いた。

玄武娘「…ひっく……っ」

転んだ両膝を叩きながら起き上がると、身体の向きを変えた。

玄武娘「……っく」

身体を反転させると、来た道が進む道になった。


640 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:40:06.66 ID:11z4qsOoo
玄武娘「!?……朱雀嬢ちゃんっ、どうして……」

朱雀嬢「貴方が忘れ物をした事を、思い出すわけないじゃない」

玄武娘「……」

朱雀嬢「……いいのかしら?サモナーさんに会わなくて」

玄武娘「……いいんですの」

朱雀嬢「……」

玄武娘「自分のしなくちゃいけない事が…見えましたの」

朱雀嬢「貴方……」

玄武娘「私、サモナー様の道を追いかけるんじゃなくて……」

朱雀嬢「……」

玄武娘「自分の道を、歩くですの」

朱雀嬢「……ええ」

玄武娘「…………でも、今は」

朱雀嬢「…いいですわ。今日だけ貸してあげますわよ」

玄武娘はぼろぼろと涙を流し、朱雀嬢の胸に顔を埋めた。


641 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 18:41:15.68 ID:11z4qsOoo


テクテクテクテク

朱雀嬢「……あっ」

玄武娘「……!!」

朱雀嬢「何で……待ってて……」

魔道士「おかえりなさい」

召喚士「忘れ物は…見つかりましたか?」

玄武娘「……っ」

ゴシゴシッ

玄武娘「……見つかったですの!」

戦士「そりゃ良かった」

盗賊「それじゃ、帰ろうか」

玄武娘「……はいですの!」

双子姉「時には忘れ物も」
双子妹「大切な事ですわね」

玄武娘「……えへへっ、ですの!」



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