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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:34:20.44 ID:+txmVDANo
召喚士「召喚獣……クジャタ……!?」

老人「そうじゃ」

召喚士「しかしっ、当人は亡くなったと……」

老人「そう。死んだからこそ厄介なのじゃよ」

召喚士「……?」

老人「お主も召喚士ならば、召喚術の心得はあるじゃろ?」

召喚士「まぁ……おそらくは」

老人「召喚術に必要なものは?」

召喚士「……魔力ですね」

老人「そう。魔力を高めれば高める程、効力も強くなる」

召喚士「……はい」

老人「その魔力、練り出すには二通りの方法がある」

召喚士「……」

老人「一つは己の持つ力量。もう一つは?」

召喚士「……命!!」


867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:34:47.99 ID:+txmVDANo
老人「クジャタの主は、それは大した使い手であった」

召喚士「……」

老人「全ての魔力、そして命を代償に練り上げた魔力を全て……」

召喚士「まさか……」

老人「そうじゃ。あのクジャタを最後の召喚に使った」

召喚士「それで…亡くなったと…?」

老人「あの者が死んでもなお、その効力が切れる事はないのじゃ…」

召喚士「そんな事が…可能なのか…っ!?」

老人「現にああして、存在しておるではないか」

召喚士「……っ」

老人「当人もまさか、これ程長く持つとは思うておらんかったかもしれんがの…」

召喚士「どれ程…経過しているんです?」

老人「5年くらいは毎日数えておったが、もう途中でやめたわい」

召喚士「……」

老人「少なくとも数十年は経っておるじゃろうな」


868 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:35:14.50 ID:+txmVDANo
召喚士「……そんな」

老人「その間、ワシはここより一歩も出られる事はなかった」

召喚士「!!」

老人「まさに隔離された…外とは別世界よ」

召喚士「どうしてこんな事に……」

老人「……当時、狩りをしていた」

召喚士「……」

老人「その時にな、とにかく恐ろしい…とんでもない化物と遭遇した」

召喚士「……」

老人「交戦したが、生き残ったのはワシともう一人」

召喚士「それが…クジャタの主…っ」

老人「そうじゃ。ワシらは何とかこの宿泊所まで逃げ込んだ」

召喚士「……っ」

老人「しかし、手傷を負った彼は……」

召喚士「最後の力で…クジャタを……?」


869 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:35:44.11 ID:+txmVDANo
老人「……その甲斐あってか、魔物は退き…ワシは生き延びた」

召喚士「……」

老人「じゃが、その代償に…この有様じゃよ」

召喚士「……何か、手はないのですか!?」

老人「ワシも最初はもがいたさ。なんとか脱出しようと懸命にのぉ」

召喚士「……」

老人「穴を掘り…召喚獣をぶつけ……」

召喚士「…待ってください?」

老人「…?」

召喚士「召喚獣……って……?」

老人「…ああ、ワシもかつては召喚士だったのじゃよ」

召喚士「!?」

老人「まぁ今となっては魔力も尽き、延命に費やすがやっとじゃ……」

召喚士「そう…だったのですか……」

老人「……うむ」


870 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:36:12.58 ID:+txmVDANo
召喚士「すると、脱出出来る唯一の方法は……」

老人「クジャタの召喚解除を待つだけじゃ……」

召喚士「……」

老人「何年かかるか分からんがの…」

召喚士「……っ」

グッ…

召喚士「……くそっ」

老人「……」

召喚士「こんな事を……している場合じゃないのに…っ」

誰にもぶつける事の出来ない悔しさが召喚士の胸を締め付ける。

老人「……お主は、何故ここにきたのじゃ?」

召喚士「さっきも言ったように…分かりません」

老人「……」

召喚士「魔物と交戦中に幻術のようなもので…そのまま……」

老人「……そうか」


871 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:36:39.08 ID:+txmVDANo


メラメラメラッ…パチッ

老人「……ほれ」

スッ

召喚士「何です?」

老人「ネズミの丸焼きじゃ。美味いぞ」

召喚士「……いえっ、結構です」

老人「……そうか」

眉間に皺を寄せる召喚士を見て、老人は差し出した串をひょいと手元へ戻す。

老人「……他に食べる物はないぞよ」

召喚士「…大丈夫です」

老人「今は冬じゃろ?」

召喚士「ええ」

老人「春からは畑で作物が出来る」

召喚士「……」


872 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:37:05.68 ID:+txmVDANo
老人「冬はこういったものを食して、凌ぐしかないのじゃ」

召喚士「……」

老人「幸い、地面を掘った時に水源は確保出来たしのぉ」

召喚士「雨は降らないんですか?」

老人「ここは竜巻の中心部のようなものじゃ」

召喚士「……なるほど。雲など近寄ることも出来ないわけか」

老人「雨も雪も、気候なぞなーんにも変わる事はない」

召喚士「……」

老人「分かるのは昼か夜か、それだけじゃ…」

召喚士「……」

老人「月の一つだってみえんよ」

召喚士「……そうですか」

老人「外界の景色……死ぬ前にまた拝みたいものじゃ……」

召喚士「……何とか…しましょうよ!」

老人「……」


873 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:38:08.91 ID:+txmVDANo
召喚士「今まではお爺さん一人でした!でも今は、二人です!」

老人「……」

召喚士「二人なら何か手段があるかもしれませんよっ!」

老人「しかしなぁ……。何か方法があれば良いのじゃが……」

召喚士「……」

食事を終えた老人は溜息混じりに空を見上げる。

老人「……月」

召喚士「え…?」

老人「そうじゃ……っ!!月っ!!」

召喚士「……!?」

老人「お主っ、昨日までの月の状態を覚えておるか!?」

召喚士「え、えぇ…。確か半月でしたが……」

老人「満月の日程は分かるか!?」

召喚士「満月…ですか?おそらく4日後……」

老人「おそらく?それでは駄目だっ!確実な日を知りたいのじゃ!」


874 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:38:34.70 ID:+txmVDANo
召喚士「よっ、4日後で間違いないと思います……っ」

老人「……」

召喚士「あ、あの……それが何か……」

老人「お主次第じゃ」

召喚士「へ…っ?」

老人「クジャタに直談判するのじゃよ」

召喚士「あ……っ!!」

老人「お主が白虎界へ行き、クジャタと直談判するのじゃ!」

召喚士「そうかっ!……って」

老人「…?」

召喚士「あの…っ、召喚獣世界への誘導が出来るんですか…?」

老人「基本じゃろ。召喚術の」

召喚士「基本…ですか?」

老人「なんじゃ、最近の若い者はそんな事も出来ぬのか……」

召喚士「…すみません」


875 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:39:00.64 ID:+txmVDANo
老人「良かろう。それならばワシが誘導する。それで良いな?」

召喚士「はい。お願いします!」

老人「やり方は分かっておるな?」

召喚士「以前、2度ほど経験が……」

老人「そうかそうか。それならば話は早い」

召喚士「では、4日後に…?」

老人「うむ。それまでは済まぬが、しばし耐えてくれ」

召喚士「……仕方ありませんね」

老人「じゃが、これでうまくいけば…クジャタを解除する事が出来るやもしれぬ」

召喚士「ええ…」

老人「そうと決まれば……」

召喚士「4日の間、お手伝いですね。家事くらいなら……」

老人「いやいや、まぁそれも有難いが、魔力を練っておくのじゃ」

召喚士「…魔力を…ですか?」

老人「うむ。召喚獣界は相当の魔力を吸い取られるからのう」


876 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:39:33.87 ID:+txmVDANo
召喚士「そっか……」

老人「ワシも魔力が十分であれば、出来たのじゃがな……」

召喚士「大丈夫です。1人で行ってきます」

老人「まぁ、コカトリスを使える程のお主ならば、1人でも――!!」

召喚士「ど、どうしました!?」

老人「何と言う愚かな事じゃ……っ」

召喚士「えっ!?」

老人「コカトリス…っ。そうじゃよ…君は朱雀ではないか……っ!」

召喚士「え、えぇ。一応……」

老人「クジャタの姿を見た事があるか?」

召喚士「…ありません」

老人「駄目じゃ…。朱雀のお主が白虎界へ行く事は出来ぬ……」

召喚士「……」

老人「せめてクジャタの姿でも存じておれば、イメージで何とか……」

召喚士「他の白虎召喚獣では駄目ですか?」


877 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:40:00.30 ID:+txmVDANo
老人「他?イメージのみでは該当の召喚獣でなければ難しいわい」

召喚士「いえ、他の白虎召喚獣を持っているのでは駄目ですかね?」

老人「……どういう意味じゃ?」

召喚士「……百聞は一見にしかずです」

老人「……?」

召喚士「ちょっと外へ…宜しいですか?」

老人「何か…あるのかの?」

テクテクテクテク

老人「一体なんだと言うのじゃ…っ?」

召喚士「これよりお見せ致します」

ザッ

召喚士「…行けっ!ユニコーン!!」

シュイィン

老人「――っ!!」

ユニコーン「…何だ?どこ…ここ…?」


878 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:41:39.26 ID:+txmVDANo
召喚されたユニコーンが颯爽と姿を現し、それを見た老人はただ唖然とする。

召喚士「俺、実は全ての属性を召喚出来るんです」

老人「…………っ」

ザシャッ

老人「そうか……。とうとう…そうかぁ…っ」

召喚士「……?」

老人「…なるほど、よく分かった。これならば白虎界へ行けるであろう」

召喚士「本当ですか!?」

老人「しかしじゃ、直にクジャタの元へ行くわけではない。この意味が分かるか?」

召喚士「あちらの世界で、クジャタを探すという事ですね?」

老人「そういう事じゃ。それ、召喚を解除するがよい」

召喚士「あ、そうだった」

シュイィン

老人「召喚獣界はとてつもなく広いぞ。僅かな魔力でも無駄にするのは惜しい」

召喚士「そうですよね…。分かりました」


879 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:42:18.17 ID:+txmVDANo
老人「あとは、クジャタを探しきれるかどうかじゃな」

召喚士「リミットは…?」

老人「ゲートが閉じるまで丸1日」

召喚士「つまりそれを逃せば……」

老人「召喚獣界から出る事は出来ぬ」

召喚士「……っ」

老人「尤も、魔力が持つならば次の満月にてゲーチは開くけれどのぉ」

召喚士「…自信は…ありませんね」

老人「であれば、無理はせず1日以内に戻る事じゃ」

召喚士「もし間に合わなかったら…?」

老人「ワシも分からんが、魔力枯渇では到底、生きておれまい」

召喚士「……っ」

老人「まず、白虎界へ着いたならば、ユニコーンへクジャタの事を聞くのじゃ」

召喚士「……はい」

老人「お主に協力的であらば、きっと助けになるじゃろうて」


880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:43:14.08 ID:+txmVDANo
召喚士「……」

老人「さて、とにかく4日後を待つのみじゃな」

召喚士「…はい」

老人「当日、改めて話そう。今は忘れて、魔力の蓄積に専念するのじゃ」

召喚士「蓄積……」

老人「精神が不安定では魔力も弱くなる。平静を保つ事を心がけるのじゃ」

召喚士「…はい」

老人「ワシは寝室に戻るとするよ。他の部屋は好きに使うがよい」

召喚士「あの、お爺さん……」

老人「…?」

召喚士「あなたは一体……何物なんです?」

老人「今は名も忘れ去られた、ただのワーカーじゃよ」

テクテクテクテク…パタン

召喚士「……」

二人の召喚士による脱出劇の一日目が終わった。


881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:43:54.00 ID:+txmVDANo
〜本国、病院〜

格闘家「……」

何故、こんな事になったのであろうか。

ドクター「やはり外傷も見当たらず、ただ眠っているようにしか……」

格闘家「……」

ドクター「もし、天才さんの言う通りであれば、施しようがありません」

格闘家「……」

ドクター「信じて……待つしかないですね」

格闘家「……はい」

ドクター「では、失礼致します……」

テクテクテク…

格闘家「……」

目の前にある2つのベッド。そこへ横たわる師匠と…魔道士だったか。

格闘家「……」

俺は師匠の帰りをただ、待つしかないのだろうな……。


882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:44:32.46 ID:+txmVDANo
〜数日前〜

格闘家「……あの」

門兵「……?」

格闘家「南方司令殿は…いますか?」

南方司令部へ着いた俺は、師匠に言われた通り、南方司令を訪ねた。

門兵「司令ですか…?おそらく、赤壁の方へいらっしゃるかと…」

格闘家「赤壁…ですか?」

門兵「ええ、ここより東へ行った所で建設中の城砦です」

格闘家「…なるほど、分かりました」

クルッ…スタスタスタ…

門兵「あ、あのぉ……」

ザッザッザ…

南方魔道長「…どうした?」

門兵「あっ、魔道長殿。国軍本部の方がいらっしゃったのですが…」

南方魔道長「本部……?」


883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:45:01.61 ID:+txmVDANo
それから俺は、言われた通り赤壁へ向かった。

〜赤壁〜

格闘家「……凄いものだな」

ザッザッザ

南方弓長「…本部の人?」

格闘家「…南方司令はいらっしゃいますか?」

南方弓長「司令?司令なら多分あそこに…」

スッ

格闘家「司令室ですか?」

南方弓長「まぁそんなところかしら。司令に何用?」

格闘家「…言伝と手紙を」

南方弓長「…?」

格闘家「……では」

南方弓長「あっ、大丈夫?案内しようか?」

格闘家「いえ、結構…です」


884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:45:41.70 ID:+txmVDANo
ザッザッザ…テクテクテク…

南方司令「うぉい!そっちじゃねぇ、そこの壁だって!」

格闘家「あの……」

南方司令「ったく、話をきけいっ!!」

格闘家「あのー」

南方司令「今取り込んでいるっ、後にしろ――」

格闘家「……」

南方司令「お前は確か……誰だっけ?」

格闘家「国軍本部、特殊遊撃隊所属、格闘家と申します」

南方司令「おーっ、そうかそうか。んで、何の用だ?」

格闘家「師匠から伝言と……手紙を」

ゴソゴソッ

南方司令「……ほぉ」

カサッ

南方司令「……成程」


885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:46:10.37 ID:+txmVDANo
格闘家「……」

南方司令「分かった。どうせ不要なものだ。持って行ってくれ」

格闘家「どうも」

南方司令「ちと待て。今、一筆かいてやる」

テクテクテク…カキカキ

南方司令「これを副司令かl参謀へ渡してくれ。それで分かるはずだ」

格闘家「分かりました。では」

スタスタスタ

南方司令「……ふぅん。いよいよ本腰ってところか」

言われるがまま、俺は再び南方司令部へと戻ったんだったな。

〜南方司令部〜

門兵「あっ、先程の……!」

格闘家「南方副司令か、南方参謀はいらっしゃいますか?」

門兵「ええおりますよ。どうぞお入り下さい」

格闘家「どうも」


886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:46:55.79 ID:+txmVDANo
〜応接室〜

カチャッ

南方参謀「お待たせ。話があるって聞いたけど」

格闘家「これを……」

南方参謀「南方司令からの手紙?何かしら……」

カサッ…パラパラッ

南方参謀「……っ」

格闘家「……」

南方参謀「…分かったわ。来て頂戴っ」

格闘家「…はい」

〜武器庫〜

テクテクテク…ガチャガチャッ…ギギイイィィ

南方参謀「…えぇと、どこだったかしら」

ゴソゴソッ…ガチャッ…ゴトッ

南方参謀「あったわ!……埃かぶってるけど」


887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:47:21.49 ID:+txmVDANo


格闘家「じゃあ、お預かり致します」

南方参謀「ええ、頼むわね」

格闘家「はい」

スタスタ…ザッザッザ…

南方参謀「……」

南方魔道長「何だってんだ?」

南方参謀「あら、いたの。……あれよ、あれ」

南方魔道長「あれ?」

南方参謀「近いうちに分かるわよ。ほら、司令の――」

南方魔道長「あぁ、何となく察しはついた。つー事は……」

南方参謀「いよいよ準備期間も大詰めってところね」

南方魔道長「一年…いや、数ヵ月後には大戦の始まりか……」

南方参謀「……生きて、勝ちましょ」

南方魔道長「保証はねぇがな。ま、やるだけの事はやるさ」


888 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:49:20.88 ID:+txmVDANo
依頼を終えた俺は、再び本国へと戻ったんだ。

格闘家「……」

テクテクテクテク

格闘家「…ただいま戻りました」

天才「おーう、ご苦労。手に入ったか?」

格闘家「……この通り」

ゴトッ

天才「…よーしよし。それじゃソイツを本部へ届けてくれや」

格闘家「……俺がですか?」

天才「うるせーな。こっちはこっちでやる事が色々あんだよ」

格闘家「……はぁ」

天才「そんじゃ頼んだぞ!」

タッタッタッタッタ

格闘家「……」

師匠は相変わらず、自由気ままだ。


889 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:50:04.96 ID:+txmVDANo
〜国軍本部〜

格闘家「……総司令を」

秘書官「すみません。生憎、今は外出中ですが……」

格闘家「じゃあこれを、渡しておいて下さい」

秘書官「何ですか、これ?」

格闘家「……まぁ、渡せと言われただけなので」

秘書官「そうですか。あ、そうそう…お手紙を預かっておりますよ」

格闘家「俺に…ですか?」

秘書官「はい。来たら渡して欲しいと」

格闘家「……回りくどいなぁ」

秘書官「何か…?」

格闘家「……いえ」

カサッ

格闘家「……では。二日後にまた来ます」

秘書官「……?」



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