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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その32
397 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:42:45.02 ID:7KTsK/f+o
ジャガーノート「グブルアアァァァァ!!」

ズガガガガガガッ!!

弟者「うぐあぁ!!」

猛進するジャガーノートは地面や岩を軽々と吹き飛ばし、左右に振り回す腕は、

木々をなぎ倒しながら竜巻のような威力で地形を変えながら突き進む。

ジャガーノート「ヴアアアアァァァァ!!」

兄者「正面からあたるな! 回避を優先せいっ!」

ドドッドドッドドッ

兄者「おおぉぉ!!」

弟者「流石は兄者っ、あの攻撃をものともしねぇでかわした!」

剣士「白馬騎士さんより預かったこの馬なら……っ」

グイッ…ドドッドドッドドッ

錦将軍「あっちも抜いた! やるじゃねぇか……っとぉ!」

マーマン「うおぉっ、今度はこっち来やがったぁ!!」

盗賊「っ!!」


398 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:43:12.16 ID:7KTsK/f+o
ゴガガッ…ドッズウウゥゥゥゥン!!

盗賊「……大丈夫かっ!?」

マーマン「すまねぇ、助かった」

ジャガーノート「ウウゥゥゥゥ」

盗賊「……理性を持たぬ魔物だな。ただ闇雲に突進を繰り返すのみだ」

マーマン「だーが、それが厄介だよな。俺っちらにとっちゃあよ」

盗賊「……うまく地形を利用し、高所から攻撃しよう」

マーマン「おうっ、それがいい!」

シュタッ…ザザザザッ

ジャガーノート「ヴグオオォォォォ!!」

ズガガガガッ…ゴッシャアアァァァァン!!

盗賊「……しつ……こいっ!」

マーマン「押しながられてろ!!」

高所からマーマンの放つ水が滝のように降り注ぎ、よじ登るように突進するジャガーノートを

水圧によって押し戻し、その巨体を地面へと叩きつけた。


399 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:43:44.57 ID:7KTsK/f+o
ドッドオオォォォォン…ザッザアアァァァァン

ラーヴァナ「おぉ、凄まじい威力だな。なぁ……ハヌマーン」

ハヌマーン「――ッ!?」

ヒュバッ…ガキイイィィン!!

ハヌマーン「ヌグ……ッ」

ラーヴァナ「したたかな貴様が間隙を突いてくる事など承知の上よ」

ハヌマーン「抜かったか……ッ」

ラーヴァナ「フハハハハアアァァ!!」

ヒュッ…バッギャアアァァァァ!!

オーク「ッ!!」

ラーヴァナの手を払うような仕草は、ハヌマーンの体をそのまま後方の岩壁へと叩きつけた。

ゴシャアアァァァァ…

ラーヴァナ「他愛ない。この程度の連中に、何故我が軍は苦戦を強いられておるのか」

ハヌマーン「ゴホ……ッ、信頼出来る者がおるから……だ……」

ラーヴァナ「……?」


400 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:44:54.21 ID:7KTsK/f+o
ズザッ…ドドッドドッドドッ

兄者「ぬおおぉぉ!!」

剣士「はあぁーっ!!」

ラーヴァナ「信頼? これがその信頼と言うやつか?」

ジャキイイィィン…クルクルクルッ…ザクゥ!!

兄者「なっ……」

剣士「死角だったはずだ……っ!」

ラーヴァナ「光栄に思うが良い。貴様等が猛者であるが故に、その気配も大きいのだぞ?」

ズザッ

弟者「そいつはありがてぇ!!」

錦将軍「あっち行ってろや!!」

バギャッ…ドサドサッ

弟者「ぐ……うぅ」

錦将軍「こ、これが魔王か……っ」

ラーヴァナ「どうした人間、所詮はこの程度で終わりか?」


401 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:45:30.27 ID:7KTsK/f+o
バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「こちらにも居る事を、忘れるなぁ!」

ラーヴァナ「覚えているさ」

青龍兵「!?」

チカッ…ボシュウウゥゥゥゥ!!

竜騎士兵「ぐわぁーっ!」

ラーヴァナ「そうら、貴様等こそ背後に気を付けた方が良さそうだぞ?」

青龍士官「――っ!?」

アジ・ダハーカ「グゴアアァァァァ!!」

おさげ「なんなのよコイツぅーっ!」

ポニテ「前々止まらないよおぉ!!」

ツインテ「ふにゃあぁーっ!」

ラーヴァナ「フハハッ、どうするかね?」

青龍士官「……っ、朱雀召喚獣を援護する! 飛行タイプを狙え!」

ラーヴァナ「もう少し接近すればまとめて消したやったものだが。まぁ良い、先に地上を殲滅するか」


402 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:46:40.17 ID:7KTsK/f+o
ゴゴゴゴゴゴ…

ジャガーノート「ヴハアアァァァァ」

ガシッ…ガシィ

マーマン「しぶってぇな……」

盗賊「……借りるぞ」

マーマン「!?」

タタタッ

盗賊「……水遁、霧隠れ」

ススッ…パシャッ

マーマン「何ぃーっ!? 嬢ちゃんが何人も……そうかっ、分身か!」

流れ落ちるマーマンの水を利用し複数の霧隠れを行う盗賊。その数はおよそ8体。

マーマン「偽者に身を隠し、本物が攻撃するってわけだな! よぅし……!」

水圧を撥ね退け高所へ迫るジャガーノート。マーマンは負けじと水量を更に増やす。

ジャガーノート「ブグルアアァァァァ!!」

マーマン「行けぇーっ、嬢ちゃん!!」


403 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:47:09.19 ID:7KTsK/f+o
シュババババッ!!

盗賊「はあぁーっ!!」

8体の盗賊が一斉にジャガーノートへと襲いかかった。

ジャガーノート「ヴブアアァァーッ!!」

グアッ…ズッドオオォォォォン!!

マーマン「んな――っ!? 全て同時にブチのめし……嬢ちゃん!!」

ジャガーノート「……ヴグウウゥゥゥゥ」

パシャッ…チャキッ

盗賊「……全て偽者だ。元より本物などおらぬ!」

ジャガーノート「――!?」

盗賊「はあぁーっ!!」

右手に鎖、左手に手裏剣。それを全て同時に放ち、更には火遁、焔の炎が追尾する。

最後に盗賊は身を丸くし、宙を回転しながら下にいるジャガーノートへ両足で蹴りをかまし、

両手に握った愛刀、薄緑をジャガーノートの首筋へと深く突き刺した。

ジャガーノート「ブギャアアァァァァーッ!!」


404 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:47:43.16 ID:7KTsK/f+o
グラッ…ズッドオオォォォォン

マーマン「おっしゃぁ! 落ちたぞっ!」

盗賊「……はぁ……はぁ……はぁ、はぁ」

マーマン「ナイスだったぜ! 大丈夫か?」

盗賊「まだ、倒したわけではない。それに……」

マーマン「ラーヴァナか……。ハヌマーン達はどこ行ったんだ?」

盗賊「……おそらく……魔王のところ」

マーマン「あの突撃デカブツをシカトすりゃそれはそれでまずいし、魔王も放っておけねぇ……」

盗賊「……はぁ……はぁ」

マーマン「えぇい、とにかく目前の敵をやるしかねぇ! ぶっ倒れてる隙にもういっちょかますぞ!」

盗賊「……同意」

タタッ…ズザザザッ

盗賊「……っ!? ま、待て!!」

マーマン「……?」

盗賊「あそこっ、あれは……っ」


405 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:48:14.28 ID:7KTsK/f+o
ガラガラッ…ゴトッ

ハヌマーン「…………」

マーマン「ハヌマーン!!」

タッタッタ…ガシッ

マーマン「おいっ、しっかりしろ!」

ハヌマーン「……魔王を……遠ざけねば……ッ」

盗賊「……っ」

マーマン「分かってるよ! 捉まれっ、行くぞ!」

盗賊「……休んだ方がいい。傷が……っ」

マーマン「止めたってコイツは行っちまう。だったら一緒に居た方がいい!」

盗賊「……っ」

ハヌマーン「すまぬな……」

マーマン「討とうぜ、スグリーヴァ様の仇をよ」

ハヌマーン「……ああ、そうだな」

盗賊「……分かった。ならば、共に行こう!」


406 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:49:19.22 ID:7KTsK/f+o
ズゴゴゴゴ…

錦将軍「ぐはぁっ!!」

ドシャアァ

ラーヴァナ「ふむ。最早、決め手に欠くかな」

剣士「化物め……っ」

ラーヴァナ「そろそろ楽にしてやるか」

ブゥン…キュイイイィィィィ

兄者「まずいっ、避け――」

チカッ…ズッドオオオオォォォォン!!

弟者「ぐあぁっ!!」

錦将軍「ここ……までとはな。ははっ、強えぇわ……」

剣士「……足止めすら出来ないのか……っ」

ラーヴァナ「ほぉ、まだ息があるとは。成程成程、確かに我が軍が梃子摺るのも頷ける」

オーク「……う……うぅ」

ラーヴァナ「……ん?」


407 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:50:44.17 ID:7KTsK/f+o
ザッザッ…ズザッ

オーク「これ以上……やめろぉ」

ラーヴァナ「オーク1匹、何が出来る」

オーク「もう……やおめろおおぉぉ!!」

ゴゴゴゴゴゴ…

ラーヴァナ「ぬっ?」

オーク「オアアァァァァ!!」

グググッ…ダンッ!!

ラーヴァナ「――ッ!?」

怒りによりオークの体は、ヴァーリンとの戦いで見せたように大きく膨れ上がり、

その圧倒的な力により舞おうラーヴァナをも殴り倒した。

バギャアァ!!…ズッドオオォォン

オーク「アアアアァァァァ!!」

バキィ!!…バギャッ!!…ズガァッ!!

ラーヴァナ「……フン」


408 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:51:17.64 ID:7KTsK/f+o
ガシィ!!…メキメキメキィ

オーク「……ッ!!」

ラーヴァナ「この俺を殴り倒し、更には連打を浴びせるか」

グググッ…グイッ

オーク「アガアアァァ!!」

ラーヴァナ「しかしその程度。まぁ、よくやってのけたと賞賛すべきか」

殴りかかるオークの拳は魔王の手により制御され、徐々に押し返されていく。

ミシミシと悲鳴を上げながらオークの拳はラーヴァナによって跳ね返された。

ズッドオオォォォォン!!

オーク「ガアッ!!」

ラーヴァナ「まさか、たかがオーク1匹がここまでやるとはな」

オーク「うう……ッ」

ラーヴァナ「オーク……オルクス。そうか、そういう事か貴様」

タッタッタッタ

マーマン「オーク!!」


409 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:51:58.02 ID:7KTsK/f+o
盗賊「!?」

ラーヴァナ「フハハッ、面白い連中よ!」

ハヌマーン「……しっかり支えておけ」

ラーヴァナ「堕ちし者に覚醒せざる者か。いや、だからこそ人間に加担するのやもしれぬなぁ」

マーマン「な、何をゴチャゴチャ言ってやがる……ッ」

ラーヴァナ「共存の果てに何を望む? 平穏か? 安寧か? それとも……」

ハヌマーン「……伸びよ、如意棒!」

ズアッ!!…ビュオオォォォォッ!!

ラーヴァナ「ヌッ!」

ハヌマーンの手より如意棒が巨大に膨れ上がり、更にはとてつもない勢いでぜんぽへと伸びた。

ラーヴァナの腹部へ命中する如意棒は、ほんおすこしだけ魔王の体を退かせる。

ズザッ

剣士「魔法だ! 吹き飛ばせぇーっ!」

兄者「おおぉぉーっ!」

手傷を負いながら、一同は懸命にラーヴァナめがけ、全魔法を撃ち放った。


410 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:53:02.73 ID:7KTsK/f+o
ドッドオオォォォォン!!…バゴオオォォォォ!!

ラーヴァナ「……どうするつもりだぁ?」

盗賊「……来るっ!」

ラーヴァナ「……?」

キュイイィィィィ…バシュウウゥゥゥゥ

ベヒーモス「ゴガアアァァーッ!!」

リヴァイアサン「……ハアアァァァァ!!」

剣士「召喚獣!?」

タッタッタ…ザザッ

白虎長「さっきはよくもやってくれたわね!」

白虎嬢「あれって……まさか魔王!?」

玄武娘「凄くおっきいですの……っ!」

白虎兵「押せばいいんだなっ!? いっけぇおらぁーっ!!」

ラーヴァナ「召喚獣? 何と、まだいたのか」

如意棒、魔法、そして召喚獣の攻撃によって、ラーヴァナの体は宙に浮き、後方へと飛んだ。


411 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:54:22.35 ID:7KTsK/f+o
ズガガガガガッ…ズガシュウウゥゥゥゥ!!

錦将軍「や……った」

盗賊「……魔王を……吹き飛ばしたぞ」

ハヌマーン「ガハ……ッ、ゴホゴホッ! 意地を……見せてやったな」

ザッ…ズッダアアァァン

ラーヴァナ「……フンッ、この程度の事で何するものぞ」

マーマン「いいんだよ、これで」

ラーヴァナ「……?」

剣士「僕らの仕事は終わった。いや、次はあの魔物か」

ジャガーノート「ヴオオォォ……ッ」

ラーヴァナ「この俺を無視してジャガーノートだと? 愚弄するか貴様ァ」

兄者「違うな。我らの任務は終わったという事だ」

マーマン「ああ、最後の仕事は俺らじゃねぇ。時間は十分に稼いだぜ」

ラーヴァナ「何だと……?」

盗賊「……頼んだぞ、みんな」


412 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:54:50.69 ID:7KTsK/f+o
バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「みんな、良くやってくれた……ありがとう!」

バシュッ!!…ズガアアァァァァ!!

青龍士官「まだまだぁーっ!!」

アジ・ダハーカ「グゴオオォォォォ!!」

青年兵「これだけ頑張って貰ったんだ。絶対に決めてみせる! 行きましょう皆さんっ!」

アマゾネス「急降下する!」

バーテン「おうよ、いつでもぶっ放せるぜ」

双子姉「私達も……」
双子妹「準備オッケーですわ!」

ドッシュウウゥゥゥゥ

弓使い「見えたわっ、魔王はあそこよ!」

同門「行くぞ、フェニックス!」

女賢者「大丈夫。幼女ちゃんならうまくやれるわよ……んふっ♪」

幼女「……うんっ」


413 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:55:20.31 ID:7KTsK/f+o
ゴオオォォォォ…

南方魔道長「いよいよだな」

南方弓長「こっちも行きましょ。宜しくね」

朱雀嬢「……」

バシュウウゥゥゥゥ

朱雀嬢「私は……貴方達を心から許す事は出来ない」

西方魔道長「……?」

朱雀嬢「国軍のせいで祖父は……朱雀本家は……」

南方弓長「貴女……」

朱雀嬢「……でも、南方を守りたいという気持ちは一緒。今は共に戦いますわ」

南方弓長「……ありがとう。貴女のような強さを持った女性、年下だけど尊敬するわ」

南方魔道長「国軍は変わった。これからも代わり続ける。償いとは言わんが……信じてくれ」

西方魔道長「……」

朱雀嬢「……さぁ、行きますわよっ」

南方弓長「うん。絶対に決めてやりましょ!」


414 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 17:56:22.13 ID:7KTsK/f+o
バシュウウゥゥゥゥ…

戦士「いよいよだな」

召喚士「……うん」

魔道士「詠唱完了。準備出来ました」

戦士「こっちもだ。このゾディアックにも……色んな思いがこもってる」

コカトリス「……」

戦士「しくじるわけにゃいかねぇ……いや、しくじるはずはないか」

召喚士「みんなの想いが導いてくれるさ」

魔道士「……ええ」

コカトリス「行くぞ、このまま下降して魔王の北側に回りこむ」

召喚士「うんっ、頼む!」

コカトリス「しっかり捉まっていろ! 吹き飛ばされるなよ!」

ゴゴウッ…バッシュウウゥゥゥゥ

召喚士「ラーヴァナ……見せてやる! これが本当の力だ……っ!!」

体を起こしたラーヴァナの頭上に5匹の召喚獣が舞い、その光は満月よりも更に輝いた。


432 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/30(金) 23:54:30.13 ID:JDwopcreo
ここまでコカトリスの出番無し



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