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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
623 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:13:38.94 ID:9fO65u6jo
〜火山、西部〜

天才「……」

魔道兵「ぐふふっ、ぐふぅ……」

召喚士「これ以上は逃がさないぞ」

アカ・マナフ「……小賢しい」

天才「……ふぅん」

数回の対峙。ここにきて天才の疑問は確信へと変わりつつあった。

天才(アイツ、直接攻撃は効かないが……)

召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「おうっ」

天才(自分自身の攻撃も、皆無と言っていい程ないな)

事実、これだけの時間を野放しにしたにも関わらず、アカ・マナフによる

魔道兵らへの攻撃は、特殊なもやによる同士討ちへと陥らせるもののみに留まっていた。

そして天才の思考は、一つの結論へと達する。

天才「生かさず殺さず、利用出来そうだな」


624 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:14:15.91 ID:9fO65u6jo
ザッ

天才「召喚士!!」

召喚士「!?」

天才「アカマナちゃんを吹っ飛ばせ」

召喚士「えっ!?」

天才「どこでもいい。ここじゃ分が悪すぎる」

召喚士「どうすればいいんです?」

天才「何でもいいよ。風でも衝撃波でもいい。マナフちゃんを人気のない所に飛ばせ」

召喚士「……」

天才「何だよ?」

召喚士「分かりましたけど、呼び名くらい統一して下さいよ……」

天才「理解してんだからいーだろ! おら、さっさとやれ!」

召喚士「……」

ジャリッ

召喚士「行けっ! クジャタ!!」


625 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:17:06.31 ID:9fO65u6jo
シュイイィィィィン

召喚士「さぁ来い、アカ・マナフ! 吹き飛ばしてやる!」

アカ・マナフ「……吹き飛ばすだと?」

召喚士「ここじゃ被害が大きくなる。クジャタの竜巻で場所を変えさせて貰うぞ!」

アカ・マナフ「……」

天才「お前なぁ、カッコつけて大見栄張るのはいーけどよぉ……」

アカ・マナフ「クジャタ……それか」

天才「敵にまで作戦バラしてどーすんだよ!!」

召喚士「あ……っ」

天才「あ、じゃねえぇ!!」

アカ・マナフ「……ふん」

天才「しまった! 逃げるぞ!」

召喚士「クジャタ!! 急いで!!」

アカ・マナフ「その召喚獣にだけ気を付ければ……造作もない事よ。馬鹿めがっ」

召喚士「……」


626 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:18:08.07 ID:9fO65u6jo
ドンッ!!

アカ・マナフ「……!?」

コカトリス「どこへ行く?」

アカ・マナフ「いつの間に……っ」

間合いを取ろうと後方へ退くアカ・マナフの背後に、コカトリスが立ちはだかる。

コカトリス「馬鹿は貴様だ」

ドドオオォォォォン!!…ゴオオォォォォ!!

アカ・マナフ「――ッ!!」

ピシッ…ミシミシビキッ…パキンッ

召喚士「よしっ!」

天才「まだ終わりじゃねーぞ!」

召喚士「分かってます!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

アカ・マナフ「……!!」

スフィンクス「じゃんじゃじゃーん!」


627 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:19:05.61 ID:9fO65u6jo
召喚士「いっけえぇーっ!!」

スフィンクス「だーぶーるーろーりんぐー」

グルグルグルグルッ

スフィンクス「ぱーんちっ!!」

バッゴオオォォォォン!!…ズガガガガアアァァァァ!!

スフィンクス「やったぁー!! 粉々に砕け散ったー!!」

召喚士「今だっ!!」

クジャタの周囲に生じた竜巻が、散らばる粉塵を巻き上げ、一気に吹き飛ばす。

ゴオオォォォォ!!

召喚士「……どうだっ」

天才「ご苦労、グッジョブだ」

召喚士「ありがとうございます」

天才「クジャタを囮に使うたぁ、大した発想だよ」

召喚士「天才さんこそ、よく俺の考えが分かりましたね」

天才「俺様に分からん事などない! ハーッハッハ!」


628 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:20:37.47 ID:9fO65u6jo
ザッ

天才「よーし、こっからはじっくり時間をかけていくぞ」

召喚士「……?」

天才「いいか? アカマちゃんの攻撃はだ、あの変なモヤしかないとみえる」

召喚士「まぁ、確かに」

天才「俺様は当然ながら、お前もアレを回避するぐらいは出来るよな?」

召喚士「た、多分……っ」

天才「じゃあ話は簡単。無理に消滅させる必要はねぇ」

召喚士「!?」

天才「消滅させりゃこっちの勝ちだが、そのものは魔王へと還る」

召喚士「あ……っ」

天才「ここは魔王の動きが見えるまで、いや……出来れば討伐まで生かしておきたい」

召喚士「そういう事ですか……っ!」

天才「かと言って、逃がしたら終わりだ。ここはじっくりと攻めるぞ」

召喚士「……はい」


629 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:21:51.54 ID:9fO65u6jo


パアアァァァァ

魔道兵「う……っ」

召喚士「シービショップ、あとは任せたよ」

シービショップ「……ひょっひょ」

天才「遠隔なんて出来んのか?」

召喚士「やった事ないですよ。でも、ここに留まっているわけにはいかないでしょう」

天才「まーな。そんじゃお前さんに任せるわ」

召喚士「はい。シービショップはこのまま残し、進みましょう」

天才「……凄いよなお前」

召喚士「へ……っ?」

天才「いや、誰でもそうなんだろうな。最初は」

召喚士「あ、あの……」

天才「慣れってやつは怖いねぇ。お前も慣れたらお終いだぞ、気を付けな」

召喚士「……?」


630 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:37:45.10 ID:9fO65u6jo
ザッ…タッタッタ

天才「残り魔力は?」

召喚士「半分もありません」

天才「ったく、無駄遣いしすぎなんだよ」

召喚士「……すみません」

天才「まぁいいや。マナちゃんで使い果たすぐらいのきもちでいいぞ」

召喚士「はい」

天才「どうせ、ケリ付けんのはお前の役目じゃねぇ。今回は、な」

召喚士「……」

天才「んで、肝心の標的はどこに行った?」

召喚士「この辺りだと思いますけれど……」

チリッ

天才「――!?」

召喚士「上かっ!!」

ボフウウゥゥゥゥン


631 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:38:51.90 ID:9fO65u6jo
天才「吸うなよ!!」

召喚士「……っ」

上空から滝のように降り注ぐ黒煙。二人は息を止め左右に散ってそれをかわす。

召喚士(……行けっ! クジャタ!!)

シュイイィィィィン

アカ・マナフ「見飽きたわ」

ボフウウゥゥゥゥゥン

天才(何ぃーっ!?)

召喚士(ま、まさか……クジャタを!?)

アカ・マナフ「人間しか操れないなどと、言った覚えはない」

天才(そんなん反則だろうがっ!!)

クジャタ「ウオオォォォォーンッ!!」

キュイイィィィィ!!

召喚士「――!?」

ゴゴウウゥゥゥゥ!!


632 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:40:26.16 ID:9fO65u6jo
召喚士「ぐう……ぅ……っ!!」

アカ・マナフにより混乱したクジャタが、己の主人でもある召喚士へと竜巻を仕掛ける。

その突風に飲み込まれた召喚士は、呻き声をあげながら、大空へと身を投げ出した。

天才(……っ!!)

アカ・マナフ「……フッ」

召喚士「しまっ――」

ボシュウウゥゥゥゥ

召喚士「――っ!!」

ドサッ

天才(…………)

アカ・マナフ「さぁ、どうするかね?」

天才(……あんのタコ! あれほど気を付けろって言ったじゃねぇか!)

ムクリ…スタッ

召喚士「……ほら、かかってきなよ……天才さんよぉ!」

天才(……あぁ、最悪だ)


633 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:41:35.62 ID:9fO65u6jo
〜火山、北西部〜

魔道兵「……た……いちょ――」

隊長「……っ」

南方魔道長「おい、まだか!?」

賢者「そう言われてもねぇ……ふぅ」

パアアァァァァ

隊長「くっそぉ……っ、早く来てくれよ……っ!」

ドドッドドッドドッ

南方魔道長「来たかっ!」

伝令「お待たせ致しました!」

衛生兵「急ぎ、治癒魔法を施すぞ」

ババッ…タッタッタ

南方魔道長「これで何とか、落ち着くかな」

隊長「……」

南方魔道長「……何人ぐらいだ?」


634 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:45:09.97 ID:9fO65u6jo
隊長「100以下だろうな」

南方魔道長「どっちの話だ?」

隊長「見りゃ分かんだろ」

見つめる二人の目には、交戦跡の荒んだ大地と、その上でかろうじて生き延びた数十名が、

ある者は涙を浮かべ、またある者はつい先程まで同胞であったモノに顔を伏せていた。

衛生兵「まずは戦闘不能な者から南西砦へ運べっ」

魔道兵「……くそぉ」

隊長「お前らも動けるなら、南西砦へ退け」

魔道兵「ここまでやられて、退けと言うんですかっ!!」

南方魔道長「気持ちは分かるがな、この人数じゃどうしようもない」

魔道兵「いや、自分は残ります。俺だけ生き延びるなんて出来るかよ!」

隊長「……」

魔道兵「お、俺はもう嫌だっ! 帰る……帰るぞ!!」

自らの同胞を手にかけた記憶は、はっきりと残ったままである。

退く者。その場に残る者。北西の部隊はもはや壊滅的打撃そのものであった。


635 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:46:38.80 ID:9fO65u6jo
隊長「……お前、ここに残れるか?」

南方魔道長「ああ」

隊長「残る事を希望する奴らをまとめ上げて、任務についてくれ」

南方魔道長「……分かった」

隊長「但し、危険が及んだ場合は即座に――」

南方魔道長「当然だ。ここに居る全員が、身をもって分かってる」

魔道兵「……っ」

南方魔道長「それで、アンタはどうすんだ?」

隊長「司令達の後を追う」

南方魔道長「了解した。現状の報告も頼んだぜ」

隊長「……お互い、生きてまた会おう」

南方魔道長「グッドラック」

タッタッタッタッタ

南方魔道長「いいか、残る者はまず、自己防衛を最優先しろ。いいな!」

魔道兵「ははっ!!」


636 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:47:49.97 ID:9fO65u6jo
〜火山、南西平野部〜

召喚士「どうした? かかってこいよ!」

天才「…………」

アカ・マナフ「ふふっ、せいぜい楽しむ事だ」

フワッ

天才(逃がすかよぉ!!)

バッ!!

天才「!?」

召喚士「……ハハハハッ!!」

ズゴオオォォォォン

スフィンクス「ダラッシャアアァァァ!!」

バゴオオォォォォン!!

天才「――っ!!」

召喚士「そうらスフィンクス、もっと痛めつけてやれ」

スフィンクス「でりゃっしゃああぁぁーっ!!」


637 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:48:53.57 ID:9fO65u6jo
ズドオオォォォォン!!

天才「ぐ……っ!!」

召喚士「致命傷を避けるあたりは流石だね」

天才(バカヤロウ……十分効いてるっつーの)

左手で胸部を押さえながら地面に膝をつく天才。右手の大剣を地面へ突き刺すと、

ゆっくりと身を起こしながら左手を光らせる。

パアアァァァァ

天才(無駄な魔力使わせんなよなぁ……)

アカ・マナフ「さぁ、楽にしてやれ」

召喚士「うーるせぇ、テメーは黙ってな!」

アカ・マナフ「……」

召喚士「これはゲームなんだよっ! ハハハハッ!」

アカ・マナフ「……好きにすればいい」

スゥッ

天才(だから逃がすかって……)


638 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:49:28.30 ID:9fO65u6jo
召喚士「おいおい、どこへ行こうってんだい?」

天才(あーうぜぇ。こうなったらいっそ……ブッ飛ばしちまうか)

召喚士「イッツ……ショータイム!!」

シュイイィィィィン…ズゴゴゴゴゴ…

天才(さぁて、こっからが本番か)

召喚士「全っ! 召喚獣! 召喚ンンンンーッ!」

召喚士の背後にそびえるスフィンクス。前方にはユニコーンとスキュラ。

上空にはコカトリス、ワイバーン、ペガサス、サンダーバードが羽を広げ、

そして9体のワルキューレが布陣するように、天才の周囲をぐるりと囲み始める。

召喚士はゴーレムとザントマンの間に立ち、組んでいた腕をそっと解すと、声をあげた。

ビシッ

召喚士「総攻撃開始イイィィ!!」

グアッ!!…バシュウウゥゥゥゥ!!

天才(バ……ッカヤロー! 即死コースなんてもんじゃねぇぞ!)

一斉攻撃を始める召喚獣達に迎え撃つ態勢をとりながら、天才は苦笑した。


639 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:50:36.69 ID:9fO65u6jo
〜火山、東部〜

魔道兵「配置、つきました!」

男隊員「よーし。これで残すは北東の1ヵ所のみ」

女隊員「もうちょいッスよ。頑張るッス!」

騎兵「はっ」

ここまで火山をぐるりと、逆時計回りに行軍を続けてきた一同。流石に疲労が見え始める。

男隊員「そんじゃ出陣」

オオォォォォ…

男隊員「あん?」

女隊員「どうしたッスか?」

男隊員「今、何か……聞こえなかったか?」

女隊員「いや、特に――」

ズドドドドッ

魔道兵「うわっ!」

馬「ヒヒイイィィーン」


640 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:51:12.50 ID:9fO65u6jo
騎兵「お、落ち着けっ! 地震か……?」

男隊員「……」

ズドドドドッ

女隊員「またッスよ!」

男隊員「敵……じゃねぇな」

女隊員「……?」

男隊員「まさか……っ」

バッ!!

女隊員「火山……まさか火山が!?」

男隊員「いやいや、噴火の兆しなんぞこれっぽちも見当たらんだろ。ただの地震――」

ズドドドドッ!!

女隊員「ち、ちょっと……デカくなってないッスか!?」

男隊員「急ぐぞ! 北東まで真っ直ぐ飛ばせ!」

騎兵「し、出陣っ!」

ドドォ…パッカパッカパッカ…


641 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:51:41.84 ID:9fO65u6jo
〜火山、北部〜

魔道士「い、今のって……」

幼女「……っ」

弓使い「大丈夫よ。すぐに収まるわ」

ズドドドドドッ!!

大軍師「まずいですね」

剣士「まさか、魔王がこちらの動きに気付いて……!?」

大軍師「分かりません。しかし、この揺れは何かある……」

ジュニア「どーすんだ!?」

大軍師「火口まで近づきましょう。マグマを冷やします」

ジュニア「おいおい、この人数でか!?」

大軍師「貴方達ほどの実力者揃いなら、何の心配もありませんよ」

ジュニア「おだてて魔力が上がるなら苦労はしねぇぞ」

大軍師「ふふっ、さぁ……急ぎましょう」

魔道士「はいっ!」


642 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:52:23.88 ID:9fO65u6jo
〜北東手前の山〜

バーテン「今、少し揺れなかったか?」

戦士父「揺れたな」

バーテン「魔王かねぇ」

戦士父「そうだといいがな」

ザッ…テクテクテク

戦士父「そろそろ準備しておくか」

バーテン「お前は受け取って、投げる事だけに専念しとけ」

戦士父「……」

バーテン「風や気圧は俺が読んでやる」

戦士父「助かる」

バーテン「……素手でいくのか?」

戦士父「滑って取りこぼしたなどと、笑い話にもならんからな」

バーテン「……右手、捨てる気か」

戦士父「片腕1本あれば、武器は振るえるんだとさ」


643 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:53:23.67 ID:9fO65u6jo
〜北東奥の山〜

ピクッ

盗賊「……?」

戦士「どした?」

盗賊「……いや、何でもない」

戦士「……」

盗賊「わずかだが、揺れと異音がした」

戦士「地震か?」

盗賊「……どうだろ」

戦士「ふあぁ。さて……あと少しか?」

盗賊「仮眠でも取っておいたらどうだ?」

戦士「そ−だなぁ。15分くらい寝ておくか」

盗賊「その間の事は任せておけ」

戦士「ああ、頼むわ。まぁこんな所に魔物なんぞ来ねーだろうけど」

盗賊「……おやすみ」


644 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:54:14.55 ID:9fO65u6jo
〜火山、南西平野部〜

天才「くそったれええぇぇ!!」

最早、呼吸など気に留めている場合ではない。天才は久しく得る事のなかった感覚を得た。

それは死の感覚。直結する死への道のり。予言で結果が出ていると分かっていても、

所詮は運命。運命は変わる。死から生、生から死へ、いつでも表裏は変わる。

天才(研ぎ澄ませ。道はあるはずだ……!)

窮地へと陥った天才は、瞬時にその表情を引き締める。

それは、普段決して見せる事のない、彼の本気というものであった。

天才(左に2歩、次に後方右斜め上。んで……ペガサスを迎撃)

ヒュバッ!!…タタッ

召喚士「逃がすなぁ!!」

バッ!!

ユニコーン「飛んだぞ!!」

スキュラ「後ろ――」

ペガサス「な……っ!!」


645 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:55:15.54 ID:9fO65u6jo
天才「まずは……1匹!!」

ザシュウウゥゥゥゥ!!…ズガガアアァァァァ!!

召喚士「ぐふ……っ!」

ワイバーン「回り込め!!」

コカトリス「……」

バシュウウゥゥゥゥ

天才(隙間を潜れる……が、その先にワルキューレが3体。だったら右か)

シュバッ!!

ワイバーン「軌道を無理矢理変えただとぉ!?」

ゲルヒルデ「わっ!!」

天才「どいてろっ!」

ザシュウウゥゥゥゥ!!

アカ・マナフ「何だあいつは……っ」

天才「おらああぁぁ!!」

アカ・マナフ「まるで、未来が見えているようではないか」


646 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:55:58.92 ID:9fO65u6jo
天才「邪魔だああぁぁぁぁ!!」

ズッガアアァァァァン!!

召喚士「がはぁ……っ!!」

ガクン

天才「もうちょいで……オーバーヒートだぜ」

アカ・マナフ「仕方ない。奴も操るとするか」

スゥッ…

天才「――!?」

アカ・マナフ「……」

天才「だっりゃああぁぁ!!」

ワイバーン「ば、化け物か……っ」

スキュラ「ウオオアアァァァァ――」

バシュウウゥゥゥゥ

アカ・マナフ「……クククッ、そうら」

天才「見えてるぜ?」


647 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:56:34.85 ID:9fO65u6jo
アカ・マナフ「!?」

天才「背後からモヤってんだろ? お見通し――」

キイイィィィィン

天才「あぐ……っ!!」

アカ・マナフ「……?」

サンダーバード「苦しんでいるぞ? 今がチャンスだ!」

天才「……何だってんだよ……畜生……っ!」

サンダーバード「喰らええぇぇ!!」

ガカアアァァァァ!!

天才「ぐはぁ!!」

ドシャァ

アカ・マナフ「……すぐ楽にしてやる」

ボフウウゥゥゥゥ

天才「……っ」

落雷を浴び倒れる天才の意識は、徐々に遠のいていく。


648 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18:58:16.70 ID:9fO65u6jo
アカ・マナフ「……フッ」

バチィ!!

アカ・マナフ「!?」

スタッ…ザッザッザ

天才「……あ……ん?」

ハヌマーン「ふむ、生きているな」

マーマン「何がどうなってんだ? 召喚士……?」

オーク「あの空に浮いてる奴が……敵!?」

スタスタスタ…スッ

天才「お前……」

法師「そのまま動かないで下さい」

パアアァァァァ

法師「これで、傷は癒えたはずです」

天才「……助かったぜ」

法師「いえいえ」


655 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 00:33:57.95 ID:oXmHzuKAO
全召喚獣を召喚するシーンは見開きで2ページ使うくらい壮大な絵になりそうだな


656 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 00:43:18.56 ID:xut6WcyAO
なんか召喚士楽しそうだなww


657 名前:NIPPERがお送りします(千葉県) [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 01:10:18.25 ID:I3r2vwUMo
普段ストレス溜まってるのか・・・・・・wwww


659 名前:NIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 05:17:40.98 ID:yY5+vOGt0
>>1乙
召喚士って抑えこむタイプっぽいよなww
なんか生き生きしててワロタ


660 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 08:14:53.69 ID:p068+jMDO
召喚士
眷属の牽制を任されるも操られる

戦士
魔王に決定打を与えるきっかけを作る役を任せられる

どっちが主人公ry



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