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少女「貴方のための娼館へようこそ。存分にお楽しみくださいませ」
115 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:09:08.13 ID:50JL+Ypy0
目が覚めれば本来の意味での自室にもどっているのではないかと、少し期待はしていた

男「そんなことはない、か」

見上げれば天井はなく、ベッドの天蓋が俺に影を落としていた
紛れも無く、ここは自分の家ではないどこかだった

男「結構寝ちまったな」

時計をみればもう7時半
昼寝にしては少し長いようだ

男「ん……?」

そういえば、と自分に掛けられた掛け布団を見て思いだす
俺、掛け布団なんてかけてなかったような……

男「誰かがかけてくれたんかな」

なんとなく、嬉しかった
一人暮らしではそんなこと、なかったのだから


117 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:13:13.96 ID:50JL+Ypy0
メイド「とんとん! 起きてますかー!」

扉の向こうで、あの闊達なメイドの声が聞こえる

男「ああ、今起きた」

メイド「それはよかった!」

言いながら、メイドは部屋へと入ってくる

メイド「ご飯の準備が整いました! お夕食です」

男「わかった」

メイド「しっかし貴方、私服のままねてましたけど、寝疲れしませんでした?」

男「慣れてるよ。家じゃいつもこうだ」

メイド「それならよいのですが、次寝るときはちゃんと着替えてくださいね」

メイド「昨日から同じ服きっぱなしですし」

男「あ……そういえば。言われるまで気づかなかった」

男「飯が終わったら、着替えるよ」


119 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:21:28.87 ID:50JL+Ypy0
そうして夕食
昼よりも少し打ち解けて、少女達と話す事ができた

三「夕食作ってあげたんだから、感謝しなさいよね」

男「ああ、してるよ」

一「三ちゃんが作るのは、久しぶりだよねー」

三「うるさいな。たまには気が向く事もあるだけよ」

二「彼に“えっちい事以外にもなにかしてみろ”って言われたからですよね」

三「こ、こら! 無駄な事いわんでいいでしょーが!」

四「健気だね」

五「三は案外、可愛いところがあるのですよ」

三「だー! もう私のことなんかどうでもいいっでしょうっがッ!」


120 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 02:22:16.79 ID:IEe36bml0
三可愛いよ、三


121 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 02:25:10.20 ID:kU5xzovnO
ツンデレはいいものだ、いいものはなくならない・・・


122 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:25:41.22 ID:hfw0Y2ECO
3か5か1か2か4かメイドで悩むなぁ…


123 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:27:38.69 ID:Q6BhlnWr0
あなたそれ全員じゃないですかーっやだーっ


124 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:29:02.01 ID:50JL+Ypy0
それはもう、賑々しいと表してよいほどの時間だった

しかし楽しい時間と言うのは本当に早く過ぎるもので
気づけばテーブルを華やかに彩っていた料理たちは、白いお皿だけになっていた

男「そいじゃ俺は引き上げるよ」

片付けを手伝おうとしたが、それは断られてしまったのだった

男「あ、そうだ。ちょっとメイドさんや」

皆がわいわいと片づけをはじめたところで、俺はメイドに声を掛けた

メイド「はいはいメイドさんですよ!」

男「風呂ってのはあるんかな」

メイド「ありますよ! 案内しましょか」

男「頼む」

メイド「いえっす! では片付けは皆さんたのみましたよー!」


125 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:32:00.53 ID:rkt+3U5J0
四一択かな


126 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:33:35.90 ID:hfw0Y2ECO
風呂イベントきたー


127 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:39:06.79 ID:50JL+Ypy0
風呂場――いや浴場は、なんとなく察してはいたけど大きかった
十人もはいれば窮屈にはなりそうであったが――

男「一人ではいるには、もったいないくらいだ」

メイド「あれ、私も入るから二人ですよ?」

男「……あほか!」

メイド「むむう、でもここしかお風呂ないんですよ!」

男「そういう話か!? まあそれなら俺が後にはいる。それでいいだろ」

メイド「それこそどういう話ですか! 一緒に入ると言っているのです!」

男「それを拒否してるんだっつの!」


131 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:45:03.47 ID:50JL+Ypy0
しぶしぶと言った様子で、メイドは引き下がった

男「はあ……、さすがに危ないって……」

一緒にお風呂など入れば、さすがの俺だってたかが外れかねない

男「……いや、俺のことだ。その前にのぼせるな」

苦笑するしかなかった

脱衣所にはバスタオルなど必要なものは一通りそろっていた
俺はさっさと服を脱ぎ捨てると、タオルを一枚つかんで浴場へと入る

男「うむ、こういう場を一人でっていうのも悪くない」

なんだかんだいって、大きいと言うのは胸をくすぐるものである

俺は少しわくわくしながら、壁沿いに設置されたシャワーで体を洗った


132 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:46:54.34 ID:xC9HIK5q0
メイドさんかわいい


133 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:49:06.66 ID:50JL+Ypy0
そうしておれば、湯船へとつかる

男「ふううう」

和風ではなかったから、檜風呂なんてのがあったりはしない
浴場は高そうな石で作られていて、それは浴槽も同じ
たぶんころんだらやばい

天井にはまた壮大な絵がかかれていたが、俺にはよくわからなかった

男「いいな、これ」

純和風も嫌いじゃないが、西洋っぽい感じはまた別の感慨があるというか

男「ふう」

わけのわからない状況ではあったが、お風呂にはいるとそういうのもひっくるめて
全てながしてくれるような気がした


134 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:51:58.53 ID:psn5E5Qz0
これ普通に売り物にできるレベルじゃない?
執筆頑張ってくれさい


135 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:54:47.87 ID:50JL+Ypy0
――そう、俺は完全に気をぬいていた

脱衣所から浴場まで扉などの敷居がなかったのも災いしたのかもしれない

何かのざわつきに気づいて目を開いた時そこは

四「皆でお風呂ー」

五「ふふ、たまには良いですね」

男「……は」

一「お、お邪魔してます」

男「……」

目を覆うのは石の壁じゃなくて
肌色の肉質で

男「な、なんでじゃああああああ」


137 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:59:58.68 ID:50JL+Ypy0
三「なんでもなにも、夜にお風呂って入るでしょ?」

男「ったー、そんなこと言ってるんじゃないだろーが!」

二「まあまあ、細かいことは気にしないほうがいいです」

メイド「その通りだよ!」

男「引き下がったんじゃないのかよ!」

メイド「え? 皆連れてきただけですよ?」

メイド「一人だけ一緒にはいるとか抜け駆けじゃないですかー」

なにを当たり前な事を聞いてるんだというように、メイドは笑った

男「悪魔だ、悪魔だ!」

メイド「メイドさんですってば!」


139 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:04:15.06 ID:80lCN8/b0
>>137
「その通りだよ!」

メイドさんの口調がいきなり変っててワロタ


140 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:08:46.67 ID:50JL+Ypy0
ああ、どうすればいいんだ
総勢6人の女の子と湯を共にするなんて……!
っていうかみんなタオルちゃんとまいてください!
シャワーしてる子とれてるよ! 見てないけど!

男「〜〜〜」

三「あんた大丈夫?」

男「黙想してる」

三「お風呂で? へんなの」

男「我は自身と向き合わねばならぬ」

三「……?」

男「我は内なる自分と戦うのだ」

三「ねえどうしよう。壊れちゃったよ」

四「大丈夫?」

男「我は仏様へ近づくのだ」


141 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:11:28.95 ID:cbvcLt7l0
禁欲はいいぞぉ
スッキリする


142 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:12:47.15 ID:50JL+Ypy0
男「……はっ!」

浴槽の水位が増す事を肌で感じ取る
いかん、黙想に邪念が!

男「精神統一精神統一」

五「やっぱり、入らなかったほうが良かったのでしょうか……」

すぐとなりで、女子の声を確認

一「そ、そうだね、出た方が良いかも……」

また隣で女子の声を確認

二「大丈夫じゃないでしょうか」

四「なんで?」

二「なんとなくです」

一「て、適当なこと言ってー……」

そこら中でオナゴのコエをカクニン


144 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:17:32.55 ID:50JL+Ypy0
のぼせて、頭がクラクラとしだす
さすがにやばい気がしてきた

男「お、俺はでる!」

立ち上がる

一「わっわっ」
二「ふむ」
三「あらま、立派」
四「ん」
五「あう……」
メイド「ほうほう」

三者三様ならぬ六者六様

男「へ?」

何事かと下を見る
元気に屹立した自身の愚息が、そこにいた


146 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:26:54.18 ID:50JL+Ypy0
三「まったく。のぼせると面倒なのに」

気づくと、自室のベッドの上で俺は横たわっていた

男「あれ……」

あの後がむしゃらにこの部屋までにげきたのは覚えているのだが……
その後どうなったか良く思い出せない

五「良かった、目を覚ましましたわ」

ゆったりとした涼しい風が、頬をなでる
どうやら、扇であおがれいるらしい

四「大丈夫?」

男「ん、ああ。大丈夫」

はあ、と俺はため息をつく
気を失うほどとは、よほどあせっていたのだろう


147 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:27:07.01 ID:WL/KdEgH0
メイドさん!メイドさん!うっ・・・


148 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:30:38.86 ID:50JL+Ypy0
男「ん」

頭に、やわらかい感触を感じる
枕のものでないのは当然で……

三「どしたの」

真上にあるのは三の覗き込む顔

ああつまり

男「膝枕、か」

三「そうよ」

二「じゃんけんで三に決まりました」

男「そ、そうか……」

普段なら飛び上がるところだが
今の俺にそんな元気はなくて、しかたなくそのひざに甘えることにした


149 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:34:06.02 ID:50JL+Ypy0
二「ちなみに、洋服の着替えは私がしました」

男「え?」

はっ、と自分の服を見る
なるほど、寝巻きに変わっていた

男「そ、そっか……」

二「大丈夫ですよ、何もしてませんから」

突っ込む気力もなかった

五「お疲れですわね」

男「そりゃな」


150 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:34:48.98 ID:IU8IdnK90
たまらん


151 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:42:33.23 ID:50JL+Ypy0
俺と同じく、他の子たちも服を着替えていた
白いドレス、いや、ワンピース、か

サテンの質感が、妙に気持良い

二「服が気になりますか?」

男「ん、ああ。良い服だなって」

五「ふふ。なんていうか知っていますか? このお洋服のデザイン」

知るはずもない、と答えようとして止まる
ファッションなんか全然興味ないし、たぶんこの服は時代物だろうから俺とはそりゃあ縁遠いとおもうんだけど……
なんかどこかで、聞いたことがあったような

男「エンパイア・スタイルだっけ」

そうだ。たしかそんな名前

三「あれ、良くしってるね。詳しいの?」

男「いや、そういうわけじゃないんだけど、どっかで聞いた事あったかなーって」


155 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:47:10.90 ID:50JL+Ypy0
着替える前のドレスもそれと同じだったと思う
まあそういう変な知識ってのは、どっかで小耳に挟むことくらいあるだろう

メイド「あ、おきてますねー」

扉が開いて、メイドと一が入ってきた

一「冷たい飲み物をお持ちしましたよ」

メイド「特性ミックスジュースです! とっても自信作ですよ!」

三「飲む?」

男「ああ」

三「んじゃおきて」

男「悪いな、足しびれなかったか」

三「大丈夫よ。これくらいでしびれるほど柔じゃないわ」

男「はは、そっか」


157 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:51:24.72 ID:50JL+Ypy0
そうして皆で、特性ミックスジュースとやらを飲む
体にしみこむようなおいしさだった

メイド「……さっきはすみませんでしたっ」

男「ん?」

メイド「いやさすがに倒れるとは思ってなくて……。気を悪くしたなら悪いなと思いまして」

男「ああ。いや、別に構わな……いや構うけど、次がなければ気にしなくて良い」

メイド「ありがとうございます、ご主人様は寛大ですね!」

男「適当いうなあ」

メイド「ささ、これはお詫びのしるしです、どうぞ何杯でもぐいぐいいっちゃってください!」

男「おう」


158 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:52:30.24 ID:Z2/2E9wz0
まさか媚薬が・・・


159 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 03:55:44.99 ID:50JL+Ypy0
その夜、俺は夢を見た

男(ここは……俺の部屋か?)

上から眺めるような感覚からして、夢だというのははっきりと分かる

男(あれは……)

ちらかった部屋の中央に、俺が座っていた
そしてその隣で、雑誌を広げている女が……

男(幼馴染、だな)

彼女は何かを言っていた
俺はそれを聞こうと、耳を澄ましてみる


160 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:00:24.62 ID:50JL+Ypy0
幼馴染「ねえねえ、今度ドライブいこうよ」

幼馴染「桜とか、きれいじゃない!」

手に持っているのはどうやら、旅行雑誌らしい
そのページを指差しながら、しきりに俺に話しかけていた

男(ああ、そういえばそんな話をしてたっけ)

幼馴染「もう、聞いてる?」

俺は生返事

幼馴染「全く。ドライブいかない? 運転してあげるから」

しかし曖昧な答え

男(気恥ずかしくて、あんまりちゃんと答えられなかったんだよな……)

幼馴染といえば、小さい頃から付き合いのある友人だ
そんな彼女が、故郷から離れて一人暮らししているというに毎度遊びに来てくれていた
なんていうかそれがとってもむずがゆくて
嬉しいのだけど素直に喜びを表せてなかったのを良く覚えている


164 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:12:35.11 ID:rUYsp85jO
童貞ヒキニートの設定だと思ったのに
毎日のように部屋に来る幼なじみがいるリア充だったでござる


165 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 04:12:53.35 ID:2fOjupCw0
彼女とのドライブ中の事故による走馬灯で目覚めてエンディングまで想像余裕でした



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