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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 80 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/03/25(金) 18:53:12.82 ID:fQE5rY9Jo
〜控え室〜
戦士「……」
盗賊「……」
召喚士「……」
魔道士「…………」
控え室に漂う重い空気。普段の明るい会話はなく、ただただ沈黙が続く。
入室から何分経ったであろうか、ようやくこの状態を打破しようと彼は試みる。
召喚士「……なんだか、妙に納得」
盗賊「……?」
戦士「何がだよ」
召喚士「いや、魔道士さんが……王女様だった事」
魔道士「……」
盗賊「…納得…納得か。そうだな」
戦士「あー、分からんでもない」
魔道士「……!?」
- 81 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:53:59.03 ID:fQE5rY9Jo
召喚士「なんて言うかその、魔道士さんて……お姫様っぽいなぁって」
魔道士「へっ!?」
戦士「分かる。お嬢様って感じじゃないんだよなぁ」
盗賊「…うん」
戦士「おしとやかなのがお嬢様って感じだもんな」
魔道士「!?」
戦士「食い意地はってるし、よく喋るし、おてんばだし」
魔道士「そんな事ないですよっ!」
盗賊「…いや、結構当たってる」
戦士「お前もだろ、東方の姫様よー」
盗賊「……うぅ」
魔道士「そうですよっ!」
戦士「でも、それが魔道士なんだよな」
盗賊「…うん。魔道士は魔道士だよ」
召喚士「はい」
- 82 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:55:07.20 ID:fQE5rY9Jo
ポロポロポロッ
戦士「おわっ!何泣いてんだよっ!!」
魔道士「……だってぇ、意味が分かりませんよぉ……っ」
盗賊「だ、だからだな……っ」
召喚士「魔道士さんがいると、元気になれるんです」
魔道士「……?」
召喚士「魔道士さんの笑顔を見ていると、笑顔になれるんです」
魔道士「……ぐすっ」
召喚士「そういうのって、誰にでもあるわけじゃない気がするんです」
戦士「ああ。俺もそう思う」
盗賊「…特別な力だ」
魔道士「…そんな事……ないです」
戦士「あのほら、なんだっけ…議会の時とかもそうだよな」
魔道士「…?」
戦士「青年兵がぶっ倒れて、お前の演説でみんな、心打たれてた」
- 83 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:55:56.29 ID:fQE5rY9Jo
魔道士「……」
召喚士「やっぱりそれは、生まれ持って持ち合わせているものなんだと思います」
魔道士「……っ」
召喚士「あっ、でもだからといって……」
魔道士「分かってます」
召喚士「え…っ?」
魔道士「ありがとう……ありがとうございますっ」
盗賊「……」
魔道士「三人とも、ちゃんと私を名前で呼んでくれてる。だから……」
戦士「そりゃそうだ。俺達にとっちゃ、お前は王女でもなんでもねぇ」
盗賊「…言ったろ?魔道士は…魔道士だよ」
召喚士「ええ。魔道士さんは……俺らの大切な仲間ですから」
ポロポロポロポロッ
魔道士「ふ……ふえぇ……っ」
戦士「だから、いちいち泣くなって!!」
- 84 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:56:28.92 ID:fQE5rY9Jo
…
魔道士「それじゃ、行ってきます」
召喚士「はい」
テクテクテク…ピタッ
魔道士「……私、どこにも行きませんから」
戦士「俺達だって、どこにも行かねーよ」
盗賊「…待ってるぞ」
魔道士「きっと……きっとすぐ、戻ってきますからっ!」
召喚士「……はい!」
テクテクテクテク…パタン
戦士「……しかし、そうは言ったものの、これからどうすっかねぇ」
盗賊「……無理に連れて行くわけにもいかんしな」
戦士「俺らまで国家なんたらで捕まっちまうよ」
盗賊「…しばらくは…大人しくするしかあるまいな」
召喚士「……ええ」
- 85 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:57:26.06 ID:fQE5rY9Jo
〜会議室〜
テクテクテクテク
右秘書官「右大臣様のご容態は?」
エリート「眠りについた。精神的な疲労であろう」
右文官「……」
エリート「だが、正直…父上はよもや期待できん……」
右文官「……くそぉ!」
ダンッ!!
右文官「左翼の奴ら、何が今更…後継者問題だ!」
右秘書官「そうは言っても現実問題、これは大事ですよ」
エリート「防ぐ手立ては本当にないのですか……?」
右秘書官「ない……でしょうね」
エリート「……」
右秘書官「後継者一位に問題が生じる場合、特例として二位が即位するものとする」
右文官「左翼の奴らはおそらくこの、特例を謳ってくるであろう」
- 86 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:58:37.16 ID:fQE5rY9Jo
エリート「王女が拒否した場合は?」
右秘書官「無理です。そのような権利はありません」
右文官「そうだっ、王女の出自において証明するものなくば、擁立自体……」
カツカツカツ
東方参謀「それは無理だ。奴ら、全ての調べを済ませておるようだわ」
エリート「東方先生……それに……」
大商家「……」
魔道士母「……申し訳…ありません」
エリート「いえ、別に貴方達が悪いわけではありません」
右文官「やはり…調べは既に…?」
東方参謀「うむ。資料室の記載を参考に、各所から取り纏め済みのようだ」
右文官「まさか…資料が残っているとはな……」
東方参謀「いや、隠蔽…とまでは言わんが、普通には分かるものではない」
右秘書官「よくもまぁ、調べあげたものです」
エリート「……」
- 87 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:59:17.90 ID:fQE5rY9Jo
東方参謀「やはり、魔道士王女の即位には問題があるのか?」
右秘書官「時代が悪かったです。今や王宮内の主要な者らは、皆……左翼派です」
右文官「国軍に力を入れ過ぎた結果がこれか……っ」
エリート「仕方ありませんよ。落胤が発覚するなど誰も思っておりませんでしたから」
東方参謀「魔道士王女が即位すれば、政務の実権は左大臣……か」
右文官「こうなれば腹を括って、一度即位した後……譲位すると言うのは?」
右秘書官「単純な王位の移行という意味合いでは無論、可能ですよ」
エリート「それでは駄目なのですよ」
右文官「……?」
エリート「議会の時に経験されましたよね?」
右秘書官「議会の際は、本国と国軍全体においての投票でした」
東方参謀「政策においては、国軍は関係ない。単純な本国のみのものとなる」
右秘書官「議会の際の、本国での投票数……覚えておられますか?」
右文官「……っ」
右秘書官「……左翼、359票に対し、右翼141票です……っ」
- 88 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 18:59:55.07 ID:fQE5rY9Jo
右文官「――っ!!」
エリート「この数字の意味するところ、分かりますか?」
東方参謀「これではどんな政策でも通ってしまうぞ」
右秘書官「そういう事です」
右文官「王女の一存で止める事は……いや、不可能だな」
右秘書官「まず標的にされるは……」
エリート「五ヵ年計画でしょうね。このままでは潰れますよ」
右秘書官「そして、それは即位とほぼ同時のタイミングで提案されるはずです」
エリート「それが譲位では間に合わない理由ですよ」
東方参謀「王女が譲位し、廃位の後に殿下が即位。はたして何日かかる事か…」
右秘書官「その間に五ヵ年計画の主要な計画は凍結されるでしょう……」
右文官「もはや……手立ては……」
東方参謀「のこされた手は……」
エリート「……」
東方参謀「継承者が……居なくなる事よ」
- 89 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 19:01:23.63 ID:fQE5rY9Jo
〜控え室〜
コンコン…カチャッ
左翼官「王女、左大臣様がお呼びです」
魔道士「……」
召喚士「俺らも、一緒に……」
左翼官「分を弁えたまえ」
戦士「もし魔道士に何かあったら……許さねぇぜ」
左翼官「我らはそんな、魔物じみた事は致しませんよ。無礼にも程がある」
盗賊「…せめて、送らせてくれないか?」
左翼官「……まぁ良いでしょう。どうぞ」
スクッ…テクテクテクテク
魔道士「……っ」
左大臣「……やァ、王女。少しは落ち着かれましたかなァ?」
魔道士「……」
左大臣「おい、王女を部屋へ案内しろ。すぐに行く」
- 90 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 19:02:05.52 ID:fQE5rY9Jo
左翼官「はっ。それでは王女、参りましょう」
魔道士「……」
スッ…テクテクテク
召喚士「……魔道士さんっ」
魔道士「……」
召喚士「待ってますから。頑張って下さい!」
魔道士は何も言わず、ただ力強く頷き、去って行った。
左大臣「フハハァ、ご苦労な事であったなァ」
召喚士「……」
左大臣「……そうだァ。礼をせねばならぬナァ」
カツカツカツ…
左大臣「受け取りたまえ、これは心ばかりのお礼だァ」
戦士「こんなもの……っ」
左大臣「お前らのお陰で、魔道士王女の名声はとても高いものになったァ」
盗賊「……くっ」
- 91 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 19:02:40.75 ID:fQE5rY9Jo
左大臣「国民を納得させるに……十分な程になァ!」
召喚士「……そんなつもりで、旅してきたわけじゃありませんから」
左大臣「結果論だよ。どこぞの村娘であらばァ、我らも骨を折るとろこだがァ……」
ジャラジャラジャラッ
左大臣「かの朱雀一派とあらばァ、国民とて即位に納得してくれるものよ」
ジャラジャラッ…チャリッ
左大臣「ではァ、元気で旅を続けられよ。フッハハハァ!!」
カツカツカツカツ…
戦士「召喚士、こんな金受け取る必要ねぇぜ!」
盗賊「…ああ。こんなものの為に…魔道士と旅してきたわけではない!」
召喚士「……行きましょう」
盗賊「……!?」
召喚士「王宮に居ては魔道士の迷惑になります」
戦士「あのなぁ……」
召喚士「今は、行きましょう……今は」
- 92 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/03/25(金) 19:06:14.17 ID:fQE5rY9Jo
この度は混乱を招いてしまい、申し訳ございません
精進し、今以上に努めさせて頂きます
本日もご支援ありがとうございました!
それではまたあとで!失礼致します!ノシ
- 94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/03/25(金) 19:21:34.91 ID:7RWj3rBAO
心底どうでもいい自分の意見の押しつけ合いで>>1を悲しませるお前らを俺は絶対に許さないぞ!
- 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage] 投稿日:2011/03/26(土) 16:32:28.93 ID:qmHWS1JAo
上がってたから更新来てるかと思ったらホモスレだったござる
- 115 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/26(土) 23:32:04.86 ID:TL5k8iIHo
〜玉座の間〜
エリート「「居なく……なる!?」
右文官「まさか王女を!?そのような真似が出来るわけなかろうがっ!!」
東方参謀「そうよ。つまりは万策尽きたという事だ」
右秘書官「……」
エリート「即位の後、譲位するとすれば、日数は?」
右秘書官「略式にしたとしても、一月は要するでしょうな」
エリート「政務の廃案など紙一枚の手続き……」
右秘書官「陛下の印を保留しても、稼げる時間は1週間程度」
エリート「つまり、最低でも4つ近くの計画が潰される事になる」
東方参謀「問題ない……などと、口に出来るものではないな」
カツカツカツカツ
皇太子「事は済んだのかな?」
エリート「殿下……っ!!」
皇太子「その様相では、まだのようだな」
- 116 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/26(土) 23:33:22.55 ID:TL5k8iIHo
エリート「ご安心下さい。必ずや殿下の身に……」
皇太子「構わんよ。そんな気を遣う必要はない」
エリート「……」
皇太子「王家に生まれた身。しきたりには従うさ」
右秘書官「全ての計画が終わってしまうかもしれないのですぞ?」
皇太子「大丈夫さ。あとは仕上げだけだ。もう止める事など出来ないよ」
右文官「……」
皇太子「それに、今もなお現場で戦っている者達、彼らはそんなにヤワではないさ」
エリート「殿下……」
皇太子「何度も言うが、左翼とて国民を思っての事。無茶な政策は取らん」
右文官「しかし、左大臣が内通者である事は確定的ですぞ!?」
東方参謀「それは国軍が動いてくれる。心配するな」
皇太子「ああ、気にする事もなかろう。……さて、と」
エリート「……どちらに?」
皇太子「今日は疲れたな。君達ももう休むといい、明日にしよう」
- 117 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/26(土) 23:34:27.13 ID:TL5k8iIHo
カツカツカツカツ…
右文官「殿下……っ」
右秘書官「気丈に振舞っておられるが、内心……辛いであろうな」
エリート「……」
右文官「御労しや……」
エリート「……寝てなど、いられませんな」
東方参謀「ん?」
エリート「殿下があれだけ頑張っておられるのです。寝てなどいられませんよ」
右秘書官「仰る通りだ。徹夜で対策をねるぞ」
右文官「よぉし……やってやりますかっ!こうなったら三日でも四日でも!」
東方参謀「ワシは寝るぞ、そんなに起きていられるか」
右文官「なんと薄情な……っ!!」
東方参謀「馬鹿者が。きちんと頭を働かせるには、適度な睡眠も必要なのだ」
エリート「先生の仰る通りですよ。もちろん必死にならねばなりませんが……」
エリート「こちらが潰れては元も子もありませんよ。さぁ、頑張りましょうか!」
- 118 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/03/27(日) 00:42:16.67 ID:qA3JAIlAO
これは>>1おつでいいのかな?せっかくの休日だし休んでくだされ
- 119 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 01:02:40.70 ID:jpxVP+umo
…
左大臣「いい加減、事情は理解して貰えましたかね?」
魔道士「……」
左大臣「まァ、良いでしょう。せめて食事くらいは摂って下さいませ」
魔道士「……」
左大臣「……ではァ、失礼致しますぞ」
カツカツカツ
左大臣「まさかとは思いますがァ、王宮内からの外出はお控え下さいませ」
魔道士「…………」
カツカツカツカツ…パタン
魔道士「……全然……分からないよ」
テクテクテク…トスッ
魔道士「王女とか実の父とか……整理着くわけないじゃない……」
ウズウズウズ
魔道士「……魔道士、落ち着きなさいって。……はぁ、外の空気でも吸ってこよ」
- 120 名前:>>118感謝!投下まちまちなので週明けにでもまとめ読み下さいませ ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 01:03:41.97 ID:jpxVP+umo
テクテクテクテク
魔道士「……あっ」
皇太子「……」
魔道士「殿下…」
皇太子「丁度良かった。付き合って貰えるかな?」
魔道士「……はい」
皇太子の誘いに魔道士応じ、二人は塔のテラスへと移動した。
カチャッ…サアアァァ…
皇太子「どうだ?街も良く見えるであろう?」
魔道士「ほんとだっ、素敵ですねぇ!」
皇太子「……敬語は止してくれ。兄妹でないか」
魔道士「……」
皇太子「受け入れられない……かな?」
魔道士「…はい。いきなりの話で…自分でも何が何だか分かりません」
皇太子「無理もない。そして、済まないと思っている」
- 121 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 01:05:12.40 ID:jpxVP+umo
魔道士「そ…そんなっ、殿下が謝る事ではありませんよ!」
皇太子「いや、私にも責任はある。それは事実だ」
魔道士「そんな事……」
皇太子「なぁ、魔道士」
魔道士「……?」
皇太子「女王陛下となる気は……ないか?」
魔道士「!?」
皇太子「勿論、左大臣の言いなりになれ、というわけではない」
魔道士「分かっています。分かっていますけど……私には無理ですよ……っ」
皇太子「……」
魔道士「商家の娘で、魔法学校の成績も落ちこぼれで……」
皇太子「……」
魔道士「名前も小さい、ただのワーカーだったのに……」
皇太子「今は本国でも名だたるワーカーじゃないか」
魔道士「それはっ、他の皆さんのお陰です。私なんて何も……」
- 122 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 01:06:17.08 ID:jpxVP+umo
皇太子「王宮にもな、新聞や各種情報は入ってくるのだ」
魔道士「……?」
皇太子「朱雀先生のパーティーは、四人それぞれが活躍していると聞いているぞ?」
魔道士「……っ」
皇太子「高魔力を用い、五行全ての魔法を高度に駆使する魔道士とな」
魔道士「……買いかぶりです」
皇太子「本当に、即位する気はないというのだな?」
魔道士「……ありません」
皇太子「どうしてもだな?」
魔道士「ありません。出来るわけないですっ」
皇太子「……そうか。分かった」
魔道士「……?」
皇太子「ならば魔道士、その命……私に預けてくれ」
スラッ……チャキッ
魔道士「……っ!?」
- 124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 02:26:58.46 ID:jpxVP+umo
〜宿〜
召喚士「それじゃ、おやすみなさい」
戦士「おう」
盗賊「……大丈夫か?」
召喚士「ええ、俺は別に……大丈夫ですよ?」
盗賊「…そうか…なら、いいけど」
召喚士「盗賊さんこそ、久々にゆっくり入浴できるんじゃないですか?ははっ」
盗賊「……そうだな」
戦士「んじゃ、おやすみ」
召喚士「おやすみ。また明日」
テクテクテクテク
召喚士「……」
スッ…テクテクテク
召喚士「大丈夫なわけ……あるもんか」
長すぎる夜はようやく終わった。そして朝日と共に、波紋は本国全土……いや、世界中へと広がる。
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