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白剣士「毎日が平和なこと」
217 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:04:02 ID:Hap.iK0w
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【次の日・朝】


…ムクッ

白剣士「…今何時だ」

…チラッ

 
白剣士「9時か…姫の様子でも見にいってやるか…ふぁぁ…」

…ゴソゴソッ…

トコトコ…ガチャッ…バタンッ…


218 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:04:43 ID:Hap.iK0w
 
…トコトコ

白剣士「…ん」

悠久姫「…おはよう」

白剣士「ああ、丁度よかった。姫の様子見に行こうと思ってた所だ、寝れたのか?」


悠久姫「私も白剣士の部屋に行こうとしてたところじゃ…寝れなかった」


白剣士「まあそりゃそうだろうな…部屋でお茶でも飲むか?」

悠久姫「…」コクンッ


219 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:05:16 ID:Hap.iK0w
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…コトン

白剣士「ほらよ」

悠久姫「…うむ」


白剣士「で、考えてみたのか?」

悠久姫「ああ…考えた」

白剣士「どうするつもりだ?」


220 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:05:51 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「…私の子供の時の話は覚えているか?」

白剣士「この間言ったやつだろ。剛闘家のこととか」

悠久姫「そうじゃ。剛闘家のおかげで、私の気持ち…いや、人生は大きく変わった」

白剣士「…」


悠久姫「…彼女がいなかったら、私は今…どうなっていたか分からない…」

白剣士「まあ…そうだな」


悠久姫「…」

白剣士「それは…つまり、レジスタンス側に…」


221 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:06:24 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「…しかしっ!!!」

…ドンッ!!!

…カチャンッ…ビチャビチャッ…!!


白剣士「…」ビクッ


222 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:06:56 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「私は…、誰よりも…国民の事を考えておる…。自分よりも、他人の明日のために!」

白剣士「…」

悠久姫「レジスタンスはあくまでも反逆軍…、国民を率いる王国側ではない!」

白剣士「…」


悠久姫「…私は…、王国側に…付く…」

白剣士「…」

悠久姫「どうなるかは…わからん…。きっと、戦いにも巻き込まれると思う…」

白剣士「多分、そうなるな」


223 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:07:34 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「私は…昨日、白剣士の着いてきてくれるという言葉だけで…少し、落ち着けた…」

白剣士「…」

悠久姫「お主の優しさは、ちと目に染みてな…」

白剣士「…」

悠久姫「…だから、そんな白剣士を…このまま危険な場所に一緒には…」


…ガシッ

悠久姫「うにゅっ」


224 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:08:22 ID:Hap.iK0w
 
…ギュッ

悠久姫「にゃ、にゃぜ頬を引っ張るのだ!」


白剣士「…ったく、大声出して暴れるから、お茶がこぼれちまったじゃねえか…」

悠久姫「そ、そんな事より…」


カチャカチャ…ジャー…トプトプッ…


白剣士「…ほらよ」

悠久姫「…今はお茶など…私は、それよりもお主の身を案じて…!ウィッチに言えば国から逃げ出すことなど…」


225 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:09:00 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「その美味いお茶飲んだら、お前の決意を一緒にウィッチと剛闘家に伝えにいくぞ」

悠久姫「…っ」

白剣士「…早く飲めよ。冷めるぞ」


悠久姫「お主…本当に…いいのか?」


白剣士「…約束は守らないと、ウソつきになるだろうが。俺はウソつきは大嫌いなんだよ!それだけだ!」

悠久姫「白剣士…」


白剣士「っていうわけで…お前は、何も気にするな」


226 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:10:00 ID:Hap.iK0w
 
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――――【レジスタンス・本部】


白剣士「…ってわけだ」

剛闘家「そうか…」


白剣士「まさかこのホテルの下がレジスタンスの本部だったとはな」

剛闘家「…」

ウィッチ「お嬢様、本当によろしいんですね」


227 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:10:30 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「…決めたことじゃ」


剛闘家「…そしたら、今日を境に…姫と俺たちは敵同士ってことになるな」

…バッ!!

…ガチャンッッ!!

 
白剣士「…なんだ?」
 
兵士A「…」チャキッ

兵士B「…」チャキッ

兵士C「…」チャキッ


228 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:11:15 ID:Hap.iK0w
 
剛闘家「すまない。姫を敵にするわけにはいかないんだ…無理やりでも拘束させてもらう」


悠久姫「ご、剛闘家!」


白剣士「…んなことだろうと思ってたぜ」

剛闘家「姫をキズつけない為の得策だ、悪く思わないでくれ」

白剣士「そんな事されちゃ、姫が一晩辛い思いで考え抜いた意味がなくなるんだが?」


剛闘家「そもそも、人の陣地で敵になる宣言をされて逃がすと思っていたのか?」

白剣士「特別視してくれるんじゃないかっては考えていたが…、思ったよりイイ女だな」


229 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:12:06 ID:Hap.iK0w
 
剛闘家「…褒めても何も出ないぞ?兵士たち!2人を拘束しろ!」

悠久姫「…っ!」


白剣士「んなろおっ!!」

…ガシッ

兵士A「ぐっ!人の武器を!」

白剣士「長い槍じゃ、近接は厳しいよなあ?」


剛闘家「…早い」


230 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:13:10 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「…お前の帯刀、借りるぞ」スッ

兵士A「…殺す気か?」

白剣士「姫様がいなけりゃ、人質にとった後に殺してたかもな。殺しは姫の前じゃ見せられないからな」


剛闘家「…何をしている兵士たち!姫を捕まえ、逆に人質にするんだ!」


兵士B「はっ!わかりました!」バッ


白剣士「…させるか!兵士の兜って、武器にもなるんだぜ?」ガシッ

兵士A「俺の兜を!」

スッ…ビュンッ!!


231 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:13:53 ID:Hap.iK0w
 
…ゴツンッ!!

兵士B「ぬぐおっ!」


白剣士「あと1人…、姫、頭下げろ!」

悠久姫「わかった!」スッ


白剣士「この槍も借りるぜ…おらあっ!」

…ビュッ!!


兵士C「っ!」

ガツンッ…ヨロヨロ…ドサッ


232 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:14:39 ID:Hap.iK0w
 
剛闘家「長槍をあの位置から容易く扱うとは…」

白剣士「さってと…、兵士サン、このまま人質で来てくれるかな?」

兵士A「…くっそ…」


悠久姫「…剛闘家…」

剛闘家「姫…行くな!俺と一緒にいるんだ!」


悠久姫「…私は民を裏切れぬ…」

ウィッチ「…」


剛闘家「ウィッチ!何をしてるんだ…魔法で引き止めろ!」


233 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:15:18 ID:Hap.iK0w
 
ウィッチ「私の魔法は少々強力…今唱えては兵士と姫様ごと吹き飛ばしてしまいます」

剛闘家「くっそぉ…」


白剣士「…姫、体力には自信あるよな?」ボソッ

悠久姫「一応あるが…」


白剣士「さっき地図を見たんだが、このホテルから南下すれば王城の裏手に出る。そこはまだ王国軍の領地だろう」ボソボソ

悠久姫「そこまで行けばいいのか?」

白剣士「部屋を出たらこいつを吹き飛ばして、一気に逃げる…いけるか?」

悠久姫「…わかった」コクン


234 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:15:49 ID:Hap.iK0w
 
剛闘家「…」


白剣士「おい!剛闘家!」

剛闘家「な、なんだ…」

白剣士「姫様は、俺が守ってやるよ。安心しとけ」ニカッ

剛闘家「何っ…」


…ゲシッ!!!

兵士A「うわっ!」ドサッ


235 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:16:20 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「走れ!!」ダッ

悠久姫「…っ!」ダッ


…ダダダダダッ……!!


剛闘家「ちっくしょお…、緊急招集をかける!もっと人手を増やしておくべきだった…」

ウィッチ「…」


236 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:17:04 ID:Hap.iK0w
 
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237 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:18:05 ID:Hap.iK0w
 
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…タッタッタッタッタ


白剣士「姫、大丈夫か?」

悠久姫「大丈夫じゃ…」ハァハァ


白剣士「ウィッチの話だと城を境に王国軍の領土だと言っていたな…城があそこだから…そろそろのはずだ」

悠久姫「何がそろそろなのじゃ?」

白剣士「拠点だ。紛争状態なら、必ず周辺に拠点があるはずなんだ」


238 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:18:39 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「拠点?」

白剣士「城は国の中心に立っている。つーことは、その城を戦いの中心として扱ってるはずだ」

悠久姫「ふむ…」


白剣士「見たところ、大きな"戦争"の状態じゃないからな。レジスタンスの主要拠点があのホテルだってことは分かったろ?」

悠久姫「うむ」

白剣士「城を占拠したってことは、そっちも重要な拠点のはずなんだ。目に見えた戦いは起こってないって事は、休戦状態にあるらしい」

悠久姫「ふむ…?」


白剣士「城を巡って戦うのが普通になるはず。つーことは、その周辺にお互いの重要な防衛地点を設置するはず」


239 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:19:51 ID:Hap.iK0w
 
悠久姫「なるほど…?」

白剣士「…見えた、あそこだ!」

悠久姫「王国軍じゃ!」

白剣士「っと…ここで止まれ」


タッタッタ…ピタッ…


悠久姫「どうしたのじゃ?」

白剣士「万が一、あれがレジスタンスだったら俺らは拘束されちまう。姫、見覚えのある奴はいないか?」


悠久姫「…」ジー


240 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:20:47 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「…」

悠久姫「…あれは!」

白剣士「どうした?誰かいたか?」


悠久姫「側近…」

白剣士「側近…か。王に忠誠心はあったのか?」

悠久姫「あった…。誰よりも父上に忠誠を誓い、自らを犠牲にしていた…」


白剣士「信用…できるか?」

悠久姫「…できる」


241 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:21:17 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「わかった。俺が呼んだら…顔を出せ」

悠久姫「…」コクリ


…ガサガサッ!!


側近「…何の音だ?」

王宮兵士A「…そこの、茂みからです」チャキッ

王宮兵士B「敵かもしれません」チャキッ



…ガサガサガサッ!!

…スタッ…


242 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:21:47 ID:Hap.iK0w
 
側近「…ん?」

王宮兵士A「見ない顔だな…何者だ!」ググッ


白剣士「わーっ!待て待て!怪しいものじゃない!」


王宮兵士A「茂みから突然出てきて、怪しいも何もあるものか!」

白剣士「ち、ちょっと待て!お前、側近だろ!」


側近「…そうだが、何故知っている」

白剣士「ちょっと聞いたもんでな…、あんたに聞きたいことがある」

側近「ふむ…話くらいは聞いてやる」


243 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:22:18 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「ここは…王国側の拠点でいいんだよな…?」

側近「そうだ」

白剣士「…王とその妻は、既に処刑されたと聞いた。王国側のトップは誰だ?」

側近「王、そしてその妻が亡くなり、姫様まで誘拐され…、もはやこの国のトップなど実質存在しない」


白剣士「見た所、あんたが指揮をしてるようだが?」

側近「…人がいないのだ」

白剣士「…もしも、だ。姫が戻ってきたら、あんたらはどうする?」


側近「…夢物語だ」


244 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/12(木) 11:22:48 ID:Hap.iK0w
 
白剣士「…そうだと思うか?」

側近「どういうことだ」

白剣士「…姫、顔を出していいぞ」


…ガサガサッ……スッ…


側近「ひ…姫様……!?」ビクッ

王宮兵士A「なっ…」

王宮兵士B「姫…様…」


悠久姫「久しぶりじゃの…側近。白剣士、すべて私の口から話をしてもいいか…?」

白剣士「…もちろん」



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