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少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
411 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:09:52.74 ID:d1ftEQ+IO
魔竜「くぅ……くぅ……」

魔女「暢気な寝顔だな畜生」
少女「魔力の扱いは一瞬で理解してくれましたね。
   防衛本能でああやって周りを警戒してたんですよ」
侍女「嘘と真を見分ける力もあるようでござますね」
少女「幼さゆえの力か……竜王の眼の力でしょう」
魔女「竜王だぁ? そいつ竜王族の混血なのか?」
少女「おそらくは。
   わたしの杖の眼と共鳴していましたし、眼の色が同じです」
侍女「その力のおかげで、説得が楽だったのですね」
少女「本当に助かりました。
   まだ兵器としての開発は初期段階だったようですね」
魔女「僕はあいつと平然と喋ってたてめぇーが一番おっかねぇーよ……」
侍女「それにしても、いきなり随分懐かれてしまいましたね」
少女「……今まで誰にも優しくされたことが無かったのかも知れませんね……」ナデナデ

魔竜「……くぅ……くぅ……」ギュッ…


412 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:22:26.67 ID:d1ftEQ+IO
魔女「そんじゃあ、僕はまだ用事があるからここからは別行動だな」
少女「そうですか。それでは、お気を付けて」
侍女「あ、ちょっと待って下さい」
魔女「何だよ?」
侍女「結局、魔王様のことは――――」



魔王「私がどうしたって?」



魔女「うわぁああああああああああッ?!」ブンブンブン
魔王「おっ、よっ、危ないなぁ」ヒョイヒョイヒョイ

少女「魔王さん。どうしたんですか?」
魔王「そっちに位相跳躍できるこの体と通信強度の実験と、……
   ……あと、そのついでにちょっとした報告にね」
少女「報告ですか?」


魔王「そうそう。
   やっとちゃんとした魔王後継者が魔界で決まったわけよ。
   そう言うわけで、長い間魔王代理お疲れ様、って話をしに来たんだよな」


413 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:24:29.74 ID:EPpRsUg5O
新たな魔王か……
新キャラ期待保守


415 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:31:42.83 ID:d1ftEQ+IO
魔王「まぁだからって君に何か特別してもらうことも無いから、
   別に気にしなくてもいいんだけどねー」
少女「はぁ。そうですか。わかりました」
魔王「そのうち次期魔王が挨拶に来ると思うけど、
   適当にあしらっとけばいいさ」

侍女「お二人の見事なスルーっぷりに、
   質問の答えを頂く間もなく飛び去って行ってしまわれました……」

少女「今度またちゃんと聞きましょう」
魔王「ん? 何の話?
   ……ところでさぁ、そのずっと君の後ろにいる子は?」

魔竜「……」ササッ

少女「実はですね……」


416 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:43:12.69 ID:d1ftEQ+IO
魔王「魔族と竜族の……
   確かに私も結構長いこと魔王やってたけど、そんな話は寡聞にして聞いたことがない」
少女「そうですか……」
魔王「しかし……エグい潜在魔力量だな」
少女「魔導式演算能力もずば抜けてますね」
魔王「世の中広い。
   すんごい弟子を取ったもんだな」
少女「弟子と言うか……生徒?」
魔王「どっちにしろ、これはまた世界の勢力図が書き換わるぞ」

魔竜「……」

魔王「なぁ。この子、いい人だろ?」
魔竜「……」コクン
魔王「しっかり言うこと聞けよ。
   そしたらまぁ大丈夫だ」
魔竜「……」コクコク

魔王「なーんだ、ちゃんと話のわかるやつじゃないか」ナデナデ
少女「素直ないい子ですよ」
魔竜「……」ギュッ

侍女「なんとも微笑ましい図でございます」


417 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:46:36.13 ID:r8RmKL1f0
締めに向かってるな


418 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 01:55:30.83 ID:d1ftEQ+IO
魔王「じゃ、私はそろそろ地獄に戻るから。
   戻るっつっても元々地獄に居るんだけどね」
少女「室長さんが、魔王さんの魔導人形製作技術は妖精界の何千年先を行ってるって仰ってましたよ。
   地獄からの位相跳躍に耐えて、かつその精密動作性を持った人形なんて絶対作れない、って」
魔王「ベースは妖精界の魔導工学だから、無理ってことはないだろうがなぁ」
少女「どうでしょうね」

侍女「魔王様」
魔王「ん?」
侍女「魔王様は、……」
魔王「おう、なんだ?」
侍女「あの……」


少女「……魔王さんは、魔女さんのこと、好きなんですか?」


419 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:05:36.38 ID:R5PGeHkA0
この流れは・・


420 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:14:53.46 ID:d1ftEQ+IO
コンコン…ガチャ、


少女「只今戻りました」
室長「おお、帰ったか。
   ……その子が?」
少女「はい。
   さぁ、挨拶して」

魔竜「……こんにちは」ペコリ

室長「あぁ、こんにちは。
   ……なんだか拍子抜けだね」
少女「自然放出された魔力だけで、
   魔女さんと侍女さんに膝をつかせるぐらいのことはできるようですけどね。
   魔導の才能も全く底も天井も見えません」
室長「君がそれを言うのか……
   ……ならば、君が正しくその子を導いてあげなさい。
   その子が力の使い方を間違えぬように。
   その子が再び闇に閉ざされた道を歩むことの無いように」

少女「はい。全力で勤めます」
魔竜「……」


421 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:16:00.83 ID:d1ftEQ+IO
少女「こちらの環境にこの子が慣れるまでのしばらくの間、休暇を頂いても?」
室長「もちろん構わない。
   君に全て任せるよ」
少女「ありがとうござます。
   ……じゃあ、行こっか?」
魔竜「うん、お姉ちゃん」ギュッ


……バタン。


室長「魔王代理の少女に、魔族と竜族の混血児……か。
   この世界はまだまだ我々には及びもつかない不可思議な法則に溢れているな」


423 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:29:17.18 ID:d1ftEQ+IO
魔竜「……これなに?」
少女「それは春告草ね。
   春が来たことを最初に知らせてくれる花」
魔竜「春……?」
少女「春って言うのは、あたたかくて優しい季節のことよ」
魔竜「……春。楽しみ」
少女「ええ、そうね」



サァァァァ…
サワサワサワ…


424 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 02:30:32.62 ID:d1ftEQ+IO
>>417
ところがどっこい、
まだ構想の1/3ぐらいなんだなこれが。

7日ルールのことをすっかり忘れてた……
どうしたもんかな……


426 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:33:58.83 ID:r8RmKL1f0
>>423を見て新しい季節が来て終わりかと思ったらまだ1/3だと……


427 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 02:37:40.55 ID:qeHkmKuA0
まだ1/3とかワロタwwww
こりゃ製作行き決定か


428 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 03:01:44.36 ID:d1ftEQ+IO
少女「さて。
   今日からしばらくここで一緒に住むことになります。
   ここであなたが学校に通うための準備をしないといけません」
魔竜「準備?」
少女「って言っても、特に何か身に付けないといけないってわけじゃないんだけどね。
   これはあなたが学校で何をやりたいかを一緒に考えるための時間かな」

魔竜「何をやりたいか……」

少女「魔導術式学、魔導工学、魔導史学、魔導生物学、錬金術学、術式演算学、
   召還術式学、呪術学、魔法陣学、魔法学、魔法文学、……他にもたくさん。
   何をやってもいいから、ゆっくりやりたいことを見付けるの。
   そのための手伝いをわたしがするわ」
侍女「わたくしも微力ながらお手伝いいたします」ペコリ
少女「困ったこととか、わからないことがあったら何でも聞いてね」
魔竜「……うん」
少女「じゃあ、まずは……魔導式の書き方から勉強しよっか。
   術式は魔導式と魔法陣からできてて……」


429 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 03:11:35.83 ID:d1ftEQ+IO
少女「……と言うわけ」
魔竜「これがこうで……こう?」
少女「そうそう。この術式は省略しても大丈夫でしょ?」
魔竜「うん、わかった」

侍女「御夕食の準備ができました」

少女「じゃあ、続きはまた後でね。
   ご飯食べよ」
魔竜「うん」



侍女「これは……『門』の構造術式でございますか」
少女「まさか半日も経たずにここまで理解するなんて……」
侍女「……わたくしが、あなた様に魔導の手解きをしていた頃を思い出します」


430 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 03:20:38.20 ID:EZcVU3Y90
これはどんどんチートキャラが出てくる法則か


434 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 06:48:34.23 ID:rGyhi7mj0
続きが楽しみで仕方がない
でもこのペースでやるから構想をきっちり練れて面白いんだろうね


436 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 08:28:51.41 ID:GFwzp8ln0
絶対このスレで終わらねえwww


439 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 09:34:48.96 ID:d1ftEQ+IO
魔竜「……いいにおい」
少女「今日も美味しそうですね」
侍女「ありがとうござます」ペコリ
少女「じゃあ、冷めないうちに頂きましょう」
魔竜「……?」
少女「どうしたの?」
侍女「何かお嫌いなものがあったのでしょうか?」
魔竜「これなに?」
少女「これ……ってどれ?」
魔竜「この机にあるいいにおいのするの」
侍女「……あの研究所では普段はどんなものを食べておられたのですか?」
魔竜「苦かったり変な味がするちっちゃい石みたいなの」
少女「……わたしの真似をしてみて」カチャカチャ
魔竜「うん」カチャカチャ
少女「……」パクッ
魔竜「ん」パクッ
侍女「どうでございますか?」
魔竜「……苦くない。ちゃんと味がする」

少女「明日、本格的に魔導薬依存などの検査しましょう。
   保護時の報告書はあてになりません」
侍女「はい」

魔竜「これ、口の中が、いいにおい?」
少女「それは『おいしい』ってことよ」
魔竜「おいしい」パクパク
侍女「光栄でございます」ペコリ


441 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 09:47:22.19 ID:d1ftEQ+IO
魔竜「はぁ……」ケフ
少女「ごちそうさまでした」
侍女「いえいえ」
魔竜「明日は? 明日もこれ?」
少女「明日はまた違う、他のおいしいものよ」
魔竜「……明日の明日は?」
少女「それからもずっと、おいしいもの」
魔竜「……嬉しい」
侍女「これは、わたくしが精進しないといけませんね」
少女「わたしも期待していますよ」
魔竜「あれ、なんか……眠い」ウトウト
少女「お腹いっぱいになったからかな?」
侍女「寝室の準備はできております」
少女「じゃあ、今日はもう寝よっか」
魔竜「うん……」
侍女「こちらです」


443 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:00:32.61 ID:d1ftEQ+IO
少女「さて、わたしもこの書類の処理が終わったら寝ますね」
侍女「お疲れ様でございました」
少女「……明日があの子に取って、楽しい幸せな日であることを願います」
侍女「明日もきっといい日になりますよ」
少女「……そうですね」
侍女「はい。わたくしはそう確信しております」


444 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:15:17.27 ID:d1ftEQ+IO
侍女「改めまして、連日遅くまでお疲れ様です。
   おやすみなさいませ」
少女「侍女さんも、あまり無理しないようにお願いしますね。
   おやすみなさい」


……バタン。


少女「……はぁ」

ドサッ

少女「なんだかよく眠れそう……」


……コンコン、コンコン


少女「ん? どうぞ、なんですか?」


445 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:16:43.05 ID:d1ftEQ+IO
ガチャ、…

魔竜「……」

少女「あれ、どうしたの?」
魔竜「……明日も、痛いことしない……?」
少女「あぁ、……怖い夢を見たのね。
   こっちに来て」
魔竜「うん……」
少女「明日も、その次の日も、誰もあなたに痛いことはしないわ。
   わたしや、侍女さんが守ってあげるから」ギュッ
魔竜「……」
少女「今晩はここで寝る?」
魔竜「……」コクリ
少女「じゃあちょっとこっちに詰めて……はい、どうぞ」

魔竜「……あったかい」
少女「安心しておやすみなさい。
   なにも怖くないから」ナデナデ
魔竜「……うん……」


446 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:25:25.62 ID:tJwEzh5p0
少女も魔竜もかわいいなぁ・・・ぜひ最後まで見たい


447 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 10:27:07.18 ID:nyefCSWU0
少女から母性すら感じるな。


448 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 10:43:15.20 ID:xdIY6RC60
魔竜は男の子なのか?

キュって抱きしめてナデナデしてあげたいwww


449 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:43:48.15 ID:d1ftEQ+IO
室長「検査結果が出た。これだ」
少女「……」ペラッ、ペラッ、ペラッ、…
室長「見ての通り、やはりいくつかかなり問題のある数値が出ているな」
少女「魔導薬や実験の影響でしょうか?」
室長「それはおそらく間違い無いだろう。
   ……ところが、これも見てほしい」バサッ
少女「これは……」
室長「2日後に念のため行った同じ検査だ」
少女「……数値がわずかに正常に近付いてますね」
室長「魔導汚染に対する恐るべき順応力と抵抗力のなせる業だろうな。
   他に要因として考えられるとすれば……君との生活だろう」
少女「……」
室長「最近はだいぶ君以外の者とも話すようになってきたようだが、
   話す内容はいつも君とのことだ。とても幸せそうにしているぞ」
少女「このまま行けば……」
室長「あぁ。そう遠くないうちに、通常の授業にも参加できるようになるはずだ」
少女「……よかった」ホッ
室長「いやはや、すっかり姉か母のようだな」
少女「そう、……ですか?」


450 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:44:11.73 ID:yEkpI4QxO
魔王に会ってから何年後だよw
某魔法少女の三期みたいだな
支援



451 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 10:56:42.55 ID:d1ftEQ+IO
室長「しかし、一つ気になることがある」
少女「と、言うと……?」


室長「君だよ。君のことだ。
   確かにあの子が今まで年相応の愛情を受けられなかったのは不運なことだった。
   ……だが、君もまだ世界の事情を背負い込むには……幼すぎる。
   君も年相応の幸せを享受したり、時には誰かに甘えたりする権利があるはずだ。
   違うかね?」


少女「……わたしは、……」


452 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 11:00:05.11 ID:s1cv0l+80
そういえばママを生き帰すのが当初の目的だったな


453 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 11:00:35.50 ID:IXIxymjb0
つか少女のお母さんどこいったのww


454 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 11:06:23.84 ID:xdIY6RC60
お母さんなら家で少女の帰りを待ちながら俺の横に寝てるぜ


455 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/12/03(金) 11:06:53.61 ID:HagMVj960
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< 私は子育てで忙しいのよ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
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|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
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