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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
- 241 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/07/15(木) 00:16:33.07 ID:xqyb2hUo
〜北方、泉〜
テクテクテク
マジシャン「どうだ?何か変化はあったかい?」
魔道士「うぅん…まだよく分からないです…」
マジシャン「ま、初日だしな。ノンビリやっていこう」
魔道士「あ、、でも…以前より風を身近で感じるというか…」
マジシャン「……」
魔道士「こう…風が自分の身体を巡って、すぅっと抜けていく…というか…」
マジシャン「…ほぉ」
魔道士「ま、まださっぱりですけどね…!えへへ…っ」
マジシャン「とにかくこれを、毎日ここでずーっと繰り返す」
魔道士「はいっ。頑張ります!」
マジシャン「ちょーっと退屈かもしれないけど、我慢してな!」
魔道士「全然です!楽しいですよ、えへへっ!」
マジシャン「ハッハ!それならよし!修行も楽しくやらないとな!」
- 242 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:18:02.03 ID:xqyb2hUo
…
魔道士「出来ましたー!!」
マジシャン「おぉっ、美味そう!」
魔道士「簡単な料理ですが…」
マジシャン「ぜーんぜん!充分だよ!いっただきまーす!」
魔道士「どうぞっ」
マジシャン「……んーっ!美味いっ!生姜焼き?」
魔道士「はいっ!豚肉です!」
マジシャン「良い味付け。そうだ、これも自然の恵みだからな。大事に食べるんだぞ?」
魔道士「…あ、そうか。豚さんも…そうですよね」
マジシャン「そう。食べ物一つ取ったって、自然の摂理が働いてるわけだ」
魔道士「そうですよね…!忘れがちですけど…大切な事ですよね…」
マジシャン「そ。今日からはしっかり感謝しながら食べましょう!」
魔道士「はいっ!」
マジシャン「それにしても…美味いな…!」
- 243 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:18:44.13 ID:xqyb2hUo
…
魔道士「あの…マジシャンさん?」
マジシャン「んー?」
魔道士「ご飯食べ終えたのはいいんですが…あの……」
マジシャン「……?」
魔道士「お風呂は…どうしたら…」
マジシャン「あぁ、泉で……そうですよねぇ…見回りしてくるわ!」
魔道士「す、すみません…っ」
マジシャン「いーえっ。ハッハッハ!」
テクテクテク
マジシャン「さて…覗きたいのは山々だが、今のうちに済ませておくか…」
ザッ…タッタッタッタッタ
魔道士「お湯はないけど…身体が洗えるだけマシ…かな」
チャポッ
魔道士「ひあぁ…っ!冷たいぃーっ!!」
- 244 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:19:40.15 ID:xqyb2hUo
〜東方、山脈〜
影忍「……」
ザザッ…スタッ
影忍「……問題なさそうだな」
盗賊「……」
ザッザッザ…ドサッ
影忍「今夜はここで野宿を致そう」
盗賊「……うん」
影忍「…薪を集めてきてくれ」
盗賊「…ん」
タタッ
盗賊(何だか…思い出すなぁ……)
タタッ…シュバッ
盗賊(小さい頃も、兄様とこうして…野宿したっけ…)
盗賊は薪を集め、再び影忍の待つ森の一角へと戻る。
- 245 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:20:21.80 ID:xqyb2hUo
パチパチッ…バチッ
影忍「…どうした?食わんのか?」
盗賊「…あの、兄様…は?」
影忍「死人だぞ?食事など取ると思うか?」
盗賊「……そ、そっか」
ゴソッ
影忍「……何だ、それは?」
盗賊「…え?……かりんとう」
影忍「見れば分かる。何でそんな物を…」
盗賊「…買った…から」
影忍「…まさか、食糧を…?なんというたわけか…」
盗賊「…だって……兄様の好物だった…から」
影忍「……」
盗賊「…ごめん…なさい」
影忍「い、いや…。早よう…食せ」
- 246 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:21:17.15 ID:xqyb2hUo
ポリポリポリッ
盗賊「……」
影忍「……」
ポリポリ…
影忍「…腹…膨れるか?」
盗賊「…う、うん…っ」
影忍「……そうか」
盗賊「…あ、あの…これもあるし」
ガサッ
影忍「何だそれは…?」
盗賊「……きなこ餅」
影忍「……」
盗賊「……モグモグ」
影忍「…固く…ないのか?」
盗賊「……固い」
- 247 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:22:13.08 ID:xqyb2hUo
メラメラッ…パチッ
影忍「……」
盗賊「……」
影忍「仮眠を取っておけ。明日は一気にこの山脈を越える」
盗賊「…う、うん」
影忍「……」
盗賊「…じゃあ…おやすみ…なさい」
盗賊は端の木に寄りかかり、目を瞑る。
テクテクテク…ゴソッ
盗賊「……」
……――
盗賊兄「いいか?身体を垂直にして…投げる」
盗賊「う、うんっ!!」
盗賊兄「違う違う、もっとまっすぐ。でないクナイがときちんと飛ばないぞ?」
盗賊「……えいっ!!」
- 248 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:23:07.27 ID:xqyb2hUo
盗賊兄「あーあ」
盗賊「……ごめんなさぁい」
盗賊兄「だから言ったであろう?」
盗賊「うぅ…」
盗賊兄「身体を垂直にして…投げる!」
盗賊「投げるっ!あ…出来た!!」
盗賊兄「な?やれば出来るではないか!」
盗賊「兄様の言った事、守ったら出来た!兄様やっぱり凄いっ!」
盗賊兄「盗賊、お前は女子だ。しかし才能がある」
盗賊「うんっ!」
盗賊兄「この先の道は、自分自身で決めるのだ」
盗賊「うんっ!」
盗賊兄「父上や叔父上達の申す事は気にするな。己の道を行け」
盗賊「私は…兄様のような、立派な忍になりたいっ!」
盗賊兄「ん……いい子だ」
- 249 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:23:44.27 ID:xqyb2hUo
――……
盗賊「……ん」
ガバッ!!
盗賊「……!?」
影忍「…どうした?」
盗賊「…あ、いや…っ」
影忍「……」
盗賊「…あ、あの」
影忍「……?」
盗賊「兄様は…どうして……」
影忍「……」
盗賊「……どうして……亡くなったの…ですか?」
影忍「…知らぬ。俺は所詮…影。お前の言う兄様という男の事は何も知らぬ」
盗賊「……そう」
盗賊は影忍から目を逸らすようにやや俯き、しばし静寂の刻が流れる。
- 250 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 00:34:30.00 ID:xqyb2hUo
それではこの辺にて…ご支援ありがとうございました〜
それでは、おやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
召喚士「料理は…師匠に鍛えられましたから…」
戦士「料理?まぁ、米炊いて…野菜炒めくらいなら…」
皇太子「そうそう!豪快に切って炒めて、塩コショウ振って盛りつければおk!!」
エリート「殿下…。…え?私ですか?まぁ…人並みですかね…」
青年兵「いや、エリート様は凄腕ですよ!僕ですか?これから…頑張ります!」
大軍師「カレーですか?ふふふ…もちろん香辛料集めから始めますよ…ふふふ…」
マジシャン「TKGで充分!!ハッハ!!」
バーテン「ひでぇ…。俺?まぁ…一応店やってるくらいだし…」
サモナー「多分バーテンさんがトップですね。僕は自炊程度なら…マーメイドは作れませんし…ははっ」
剣士「うーん…。弓使いの手伝いぐらいかな?この前なんて二人でオムライス作ってさ…それで弓使(ry」
天才「メシ?………外食!!」
魔法剣士「……同じく」
眼鏡「え?ドッグフードくらい、ちゃんとあげられるよ?」
- 257 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:21:18.91 ID:nS.1fnco
盗賊「……あの」
影忍「……」
盗賊「じゃあ何故…兄様の身体を……?」
影忍「…さぁ。気がつけばこのような状態であった」
盗賊「……」
影忍「お前の兄が死んだ事は間違いない」
盗賊「……」
影忍「その後で反魂の禁呪を施されたのであろう」
盗賊「……っ」
影忍「お前の言う、兄の思念体…それがおそらくは俺だ」
盗賊「……え、えっと」
影忍「もういいだろう。これ以上深入りするな」
盗賊「……」
影忍「この先もだ。足手纏いと判断すれば、すぐに切るぞ」
盗賊「……うん」
- 258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:21:51.15 ID:nS.1fnco
〜北方、泉〜
魔道士「おかえりなさいっ」
マジシャン「うーい。済んだか?」
魔道士「はいっ。すみません…気を遣わせてしまって…」
マジシャン「いいのいいの。レディには優しくしないとね。ハッハ!」
魔道士「…ふふっ」
マジシャン「とりあえず、しばらくは今日と同じでいく」
魔道士「はいっ!」
マジシャン「一週間を目処に様子見て、次のメニューを考えるから」
魔道士「はいっ!頑張りますっ!」
マジシャン「たまーにいなくなるけど、ま…気にせず続けてて」
魔道士「…?……はい」
マジシャン「魔物も出ないし、危険はないから安心してくれ」
魔道士「何か…任務ですか?」
マジシャン「…んーまぁな」
- 259 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:22:23.18 ID:nS.1fnco
魔道士「実は…私達も国軍付になったんですよ」
マジシャン「そうなのか!?」
魔道士「はいっ」
マジシャン「……難儀なモンだな」
魔道士「え…っ?」
マジシャン「いやいや、何でもない。ま…そういうわけだから」
魔道士「はいっ!マジシャンさんも頑張って下さいね!」
マジシャン「はいはい。頑張っちゃいますよー?ハッハ!」
魔道士「えへへっ!」
マジシャン「今日は休むとすっかね?寝袋なんかはあっちにあるから使ってくれ」
魔道士「はいっ。もう用意しておきました!…マジシャンさんの分も!」
マジシャン「?!……いやはや、気が利くねぇ!ハッハ!」
魔道士「修行して頂くんだから、当然ですっ」
マジシャン「偉いっ!……さぁて、寝ようか」
魔道士「はいっ。おやすみなさい!」
- 260 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:22:59.57 ID:nS.1fnco
〜南東国、南の山〜
隊長「〜っかぁ!!うめぇ!!」
男隊員「結局…一番飲んでるし…」
女隊員「飲みすぎはよくないッスよ?」
隊長「お前らも充分飲んでるだろうが」
戦士「…まぁ」
隊長「明日寝坊すんなよ?あ、そうだ…」
戦士「…?」
隊長「明日は寝坊した奴が買い出しな!せいぜい頑張れよ!」
女隊員「うえぇ…。今日はこの辺にしておくッス…」
戦士「…お、俺も」
男隊員「余裕余裕!隊長こそ自爆すんなよ?ヒャハハ!」
隊長「阿呆か。俺が寝坊する事あっか?自分にお心配してろ」
女隊員「もう寝ようかな…?自信なくなってきたッス…」
戦士「まぁ修行になるし…最悪諦めるか…」
- 261 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:23:26.12 ID:nS.1fnco
〜次の日〜
戦士「……ふんっ!」
テクテクテク
男隊員「朝っぱらから剣振って…。元気だなぁ…」
戦士「おはようっす!」
男隊員「寝坊は免れたみたいだな!ヒャハハ!」
テクテクテク
女隊員「あ、おはようッス」
男隊員「おう。あれ…?隊長は…?」
戦士「さぁ?…見てないけど…」
…
隊長「ぐおぉーっ……があぁー……」
男隊員「……どうする?コレ?」
女隊員「馬鹿ッス。思いっきり自爆してるッス」
戦士「……」
- 262 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:23:56.43 ID:nS.1fnco
ゲシッ
男隊員「おらっ、起きろ!!」
隊長「ん…んー……っ」
女隊員「隊長ー。思いっきり寝坊ッスよぉ」
ガバッ
隊長「……!?」
戦士「……おはようございます」
隊長「…な、何だ。まだこんな時間か」
男隊員「おいおい…。しらばっくれてんじゃないですよ?お?」
隊長「……いやいや!何時に起きるとか言ってねーし」
女隊員「往生際悪いッスね…」
男隊員「さっさと買い出し行って来い!この野郎っ!」
隊長「てんめぇ…隊長に向かって何だ、その口の利き方は!」
男隊員「つべこべ言ってんじゃないですよ!このネボスケ野郎様!」
戦士「……はは…っ」
- 263 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:24:39.93 ID:nS.1fnco
…
隊長「……サボんなよ?」
男隊員「はよ行け」
女隊員「お気をつけてッス!」
隊長「……ちっ」
隊長は大袋を担ぎ、崖を飛び降りる。
戦士「…!?」
タンッ…ヒュッ……スタッ…タンッ
戦士「は、はえぇ…っ!」
男隊員「ちょっとしたコツを掴めば、誰でも出来るって」
女隊員「高いと思うから恐怖心が沸くッス。平常心ッス」
戦士「簡単に言ってくれるぜ…」
テクテクテク
男隊員「さぁて…一眠りするかな」
戦士「……?」
- 264 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:25:06.14 ID:nS.1fnco
男隊員「夜更かししちまったからな…ふあぁ。ちょっくら仮眠取るわ」
女隊員「寝てないんスか?」
男隊員「買い出し行くくらいなら夜通し起きてたほうがマシよ。ヒャハハ」
戦士「…ずるい」
男隊員「ま、隊長が自爆ったのはラッキーだったけどな。ヒャハッ!」
テクテクテク
男隊員「二人で適当に稽古してな。んじゃ、おやすみ〜」
男隊員は岩に寄りかかり、寝始める。
戦士「…うーん」
女隊員「それじゃあ二人で、昨日のやつでもやるッスか」」
戦士「うっす!お願いします!」
女隊員「合図は平等に交代で出すッス」
戦士「了解っ!」
女隊員「今日も負けないッスよぉ?」
戦士「今日こそは一本取ってやる…!」
- 265 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:25:32.02 ID:nS.1fnco
〜南方、南の山〜
召喚士「おはようございますっ」
青年兵「おはようございます!」
青龍先生「二人して早いのう…」
召喚士「なんだか…あまり眠れなくて……」
青龍先生「初日からそんなに気張ると、息切れしてしまうぞい?」
青年兵「分かってはいるんですが…」
青龍先生「まぁよい。では…昨日のおさらいじゃ」
召喚士「はい」
青龍先生「まずは早朝…何をするかの?」
青年兵「二人で立ち、精神を研ぎ澄ます…瞑想ですか?」
青龍先生「そうじゃ。その後に…?」
召喚士「基本精霊同士での組み手を…」
青龍先生「うむ。して…?」
青年兵「午後は先生のご講義を…」
- 266 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 18:25:58.04 ID:nS.1fnco
青龍先生「…左様。しばらくはこのメニューでいくからの」
召喚士「分かりました」
青龍先生「余裕が出てきたら、夕食後にもめにゅーを加えるぞい」
青年兵「はいっ。お願いします!」
青龍先生「ひょっひょ!熱心な事よ。さて…では始めるとするか」
召喚士「青年兵くん」
青年兵「はいっ、早速始めましょう」
テクテクテク…ザッ
召喚士「……」
青年兵「……」
青龍先生「心を落ち着かせて…己の魔力の流れを感じるのじゃ」
召喚士「……」
青年兵「……」
青龍先生「…全く。可愛げのないくらい優秀な奴らじゃの。ひょっひょっひょ!」
集中して立ち続ける二人を見て、青龍先生は小声で呟いた。
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