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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
- 827 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/06/14(火) 18:29:35.85 ID:3waOB5W6o
ゴゴゴゴゴゴ
アカ・マナフ「……」
ジュニア「いいぞっ、動きがまた止まった!」
女賢者「もう……駄目かもぉ」
幼女「お姉ちゃん、頑張って!」
女賢者「……んふっ♪ 頑張っちゃおうかしら!」
アカ・マナフ「主の……主の邪魔は……」
弓使い「でも流石に、もうしんどいわよぉ……っ」
剣士「弓使い!? 掴まって!!」
アカ・マナフ「させんぞおおぉぉ!!」
ブワッ…バシュウウゥゥゥゥ
隊長「青年兵っ! 左だ!!」
青年兵「――っ!!」
マグマの球へと近づくアカ・マナフ。青年兵と朱雀嬢がその後を必死に追尾する。
朱雀嬢「させませんわっ!!」
- 828 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:31:25.27 ID:3waOB5W6o
青年兵「間に合ええぇぇーっ!!」
バシュッ…ズザザザザッ…ジャキッ
アカ・マナフ「……!?」
ブリュンヒルデ「全員、突撃」
青年兵「ワルキューレ!? アマゾネスさんかっ!」
アマゾネス「彼らの邪魔はさせぬ」
天才「おーおー。どいつもこいつも……可愛いじゃないの!」
ジークルーネ「でやああぁぁーっ!!」
アカ・マナフ「お……のれぇ!!」
バシュッ
グリムゲルデ「消えた……?」
隊長「上かっ!!」
アカ・マナフ「主……よ、せめて貴方様の元へ――」
スウウゥゥゥゥ
召喚士「消えた……っ」
- 829 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:33:11.16 ID:3waOB5W6o
ズズウウゥゥゥゥン
マーマン「ぐっ、あぁ!!」
天才「ハンパねぇなこりゃあよおぉ!!」
剣士「ど、どうしたんだ!?」
大軍師「アカ・マナフの力が魔王へと戻ったのです……っ」
魔道士「えぇっ!?」
ゴゴゴゴゴゴ
ジュニア「万事休す……か!」
ドドッドドッドドッ
賢者「……?」
大軍師「馬の蹄……騎兵? いや、そんなはずは……」
――「総員……構え」
ザザッ…キュイイィィィィンン
魔道士「あ……あぁ……っ!!」
召喚士「どうして……!?」
- 830 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:33:53.11 ID:3waOB5W6o
皇太子「撃て!!」
双子姉「氷と……」
双子妹「風の……」
双子姉妹「合体魔法っ!!」
ドドオオォォォォン!!
宮廷魔道兵「出し惜しみはないぞ! 撃て撃てぇ!」
大軍師「へ、陛下……?」
皇太子「悪いが、本国で大人しく待っていられるタチではないのでな」
天才「あんにゃろぉ……!」
皇太子「あの球を押し上げれば良いのであろう? 皆、一点を狙うのではなく分散せよ!」
双子姉妹「はい!!」
召喚士「陛下……双子姉さんに妹さん……っ」
青年兵「落下が完全に……」
朱雀嬢「止まりましたわ」
皇太子「いいぞ。そのまま攻撃を続けよ!」
天才「いいねぇ、キテるぜ……波がよ!!」
- 831 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:44:01.73 ID:3waOB5W6o
ズドドドドドドッ!!
宮廷魔道兵「はああぁぁ!!」
魔道兵「撃て撃て撃て撃てぇ!!」
天才「よーし、凌げるぞ!」
マーマン「そんでぇ、どーすんだよ!!」
天才「なぁ、ここ……踏ん張れっか?」
マーマン「あぁ!?」
天才「アンラ・マンユへの道を切り拓かにゃならん」
ハヌマーン「お主がその先駆けを?」
天才「そういう事。抜ける間、支えられっか?」
マーマン「んな保証出来っかよ!」
天才「……だよな、まぁ仕方――」
マーマン「でも、やんなきゃいいけないんだろ! やってやるよ! だからさっさと行けぇ!」
ハヌマーン「信じてくれて、礼を言うぞ」
天才「ハーッハッハ! アンタら人間よりよっぽど人間らしいぜ」
- 832 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:47:57.90 ID:3waOB5W6o
ザザッ…タタタタッ…シュバッ
天才「時間は!?」
大軍師「あと1分です!」
天才「よーし……」
ザッ
皇太子「待て」
天才「時間がない」
皇太子「援軍は他にもいる。もう着くはずだ」
天才「!?」
皇太子「頼むぞ、人類の平和の為に」
天才「人類じゃねぇ、世界の為だ」
皇太子「そうか、そうだったな」
ババッ…タタタッ
天才「……さぁ、本番だ!」
- 833 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:50:34.23 ID:3waOB5W6o
〜北東奥の山〜
戦士「……ふーっ」
盗賊「……あと1分」
戦士「おう」
盗賊「大丈夫。私が……支えるから」
戦士「……」
盗賊「あっ、その……変な意味じゃなくてだなっ!」
戦士「そっか。残念だ」
盗賊「へっ!?」
戦士「……なぁ盗賊」
盗賊「なっ、何?」
戦士「俺……お前の事が好きだ」
盗賊「――っ!?」
戦士「仲間としてってのもあるけど、そうじゃなくて……」
盗賊「なっ、な……っ!」
- 834 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/14(火) 18:53:45.54 ID:3waOB5W6o
戦士「こういう時って、なんか正直になれるんだろうな」
盗賊「……っ」
戦士「別に答えとかそういうのはいい――」
盗賊「わっ、私もおぉ!!」
戦士「……?」
盗賊「私……っ、私も……好き……だっ!」
戦士「盗賊……」
盗賊「戦士が……好きだっ!!」
戦士「……ありがとよ」
ザッ
戦士「こんな時に不謹慎かもしれねぇが、すっげぇ力……貰ったわ」
盗賊「……うんっ!」
戦士「行くぜ……アンラ・マンユ!!」
盗賊「3……2……1……時間だ!」
戦士「うおりゃああああぁぁぁぁ!!」
- 838 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/06/14(火) 19:21:12.75 ID:MD3ZbLiFo
死亡フラグ...
- 842 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/14(火) 20:13:07.49 ID:KYfb49ODO
死亡フラグがビンビンなんですが…
でもきっと戦士なら!
- 851 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/15(水) 04:23:02.20 ID:FapBbS7DO
主人公の戦士が死ぬわけない
- 853 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/15(水) 07:46:21.63 ID:Zl5c4A7Oo
ゾディアック使うからな
死ぬかも試練
- 855 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:25:50.23 ID:N7ZMvGJro
盗賊の声を合図に、戦士は低く構えた身体を一気に弾けさせ、加速する。
1歩、2歩と砂を蹴り走る足音が、戦士の雄叫びと共に夜空へ響く。
戦士「……っし!!」
頂上の岩壁手前、戦士の歩幅が大きくなり、跳ぶ様に駆ける。
タンッ…タンッ…タンッ…グアッ!!
最後の1歩を踏みしめた時、その右手を身体の後ろから大きく振り上げ、
その手に握られたゾディアックは勢いよく、夜空を駆け抜ける。
全身の筋肉が一瞬の内に伸縮し、激痛が伴う。
それはまるで、ゾディアックに己の力を吸い取られているようであった。
バッシュウウゥゥゥゥ!!
戦士「……くっ!!」
岩壁手前で大きくよろめき。今にも倒れそうな戦士を、横から飛び出した盗賊が支える。
ガシッ……ギュッ
戦士「ありがとよ、支えてくれて」
盗賊「……うん」
- 856 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:26:40.65 ID:N7ZMvGJro
〜火山〜
大軍師「時間です!」
天才「朱雀、コカトリスだ!」
召喚士「!? は、はいっ!!」
バシュウウゥゥゥゥ
天才「おーし、ちょっくら借りるぞ!」
召喚士「借りるって……えぇ!?」
ガシィッ!!…バサァ
天才「このまま真っ直ぐ、突撃しろぉ!」
コカトリス「……」
天才「そうそう。いいぞ、もうちょい上!」
バシュッ
天才「ここだっ! 石化ブチ込めぇ!!」
召喚士「コカトリス!!」
コカトリス「おうっ」
- 857 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:29:19.74 ID:N7ZMvGJro
ゴッガアアァァァァ!!
灼熱の球めがけて、コカトリスの黒い吐息が吹き付けられる。
太陽のように燃えさかるその表面に吐き出された石化の息は、
表面をみるみるうちに、硬く赤黒い石へと変化させていった。
天才「でっりゃああぁぁぁぁ!!」
一点集中で放たれ続ける石化の息を追従するように、天才はツヴァイハンダーを
身体の前で水平に構えると、螺旋状に突きを撃ち放つ。
ゴアッ!!…ズッガアアァァァァ
天才「貫けええぇぇぇぇ!!」
キュイイィィィィン
女賢者「五行!?」
大剣へと付加する五行が煌き、コカトリスの息にて石化した部分を掘削する。
ゴガガガガッ!!
天才「ぐ……お……りゃああぁぁーっ!!」
ミシミシと激しい音を立てるマグマの球と天才の肉体。
- 858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:30:17.79 ID:N7ZMvGJro
引火しようとお構いなしとばかりに、天才は無心で突きを放つ手を止める事はなかった。
そして、激しい火柱と共に、大小様々な岩石が噴き出し、飛び交う。
まるで火山の噴火が横向きに起きているかのような、そんな光景である。
天才「おおぉぉぉぉーっ!!」
召喚士「押し切れえぇーっ!!」
ズゴゴゴゴッ!!
天才「く……んのやろおぉ!!」
突きを止めるわけにはいかない。一度刀身を離せば、穴はみるみるうちに塞がるであろう。
それだけではない。放った力が反発し、爆発を起こす可能性もあるだろう。
そして、その力は全て天才とコカトリスへと向けられる事になるのだ。
しかし、幾ら続けても、魔王へと到達する気配は微塵たりともない。
既にゾディアックは放たれているであろう。天才はそんな事、既に分かっているが、
どうにも序盤から飛ばしすぎた為か、魔力はともかく体力に限界を迎えつつあった。
グググッ…ビキビキビキッ
天才「……く…っそぉ、老いたモンだぜ……っ」
- 859 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:47:21.18 ID:N7ZMvGJro
外見は青年のままであっても、やはり衰えは多少なりともあった。
ましてや退治する相手は魔王とその眷属。今までのような戦闘中においても
体力を温存するような闘いは出来るはずもなく、する必要もなかったのだ。
天才とて鍛錬を怠っていたわけではない。しかしながら国軍総司令という立場になり、
以前のような戦場一辺倒の環境ではなくなっているのだ。
椅子に座る日々が増えるにつれ、比例するかの如くワーカーとしての任務が増えた。
そうして保ってきたものだが、やはりここにきて老いというものを感じる事と相成った。
天才「ぐくっ!!」
しかし、この時ばかりはそれが逆に幸いした。
天才「……!?」
パアアァァァァ…キュイイィィィィン
天才「五行……だとぉ!?」
魔道士「やあぁーっ!!」
天才の力が落ちた事により、魔道士の魔力が対等となり、魔法付加が可能となった。
魔道士の放った決死の五行が天才のツバイハンダーを更に煌かせた。
- 860 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:48:10.59 ID:N7ZMvGJro
〜北東手前の山〜
バーテン「南西の風、1メートル!」
戦士父「了解っ!!」
背後を振り向かずとも、2人にはそれが分かった。
ゾディアックは空を切り裂き、甲高い音をあげながら、明らかに迫っている。
音が近づくにつれ、北東の空から白く輝く、一筋の光が見え始めた。
バーテン「来たぞ!」
戦士父「ちっ、軌道が高い!」
ゾディアックの投擲角度を確認し、戦士父は近くの岩場を駆け上がり、大きく蹴り出す。
ババッ…タンッ!!
そして空中へと身を舞い上げると、光の軌道上へと手を広げた。
戦士父「ぬ……ああぁぁ!!」
ゥゥゥゥウウ…ゴゴウッ!!
風を切り裂く轟音の中、ゾディアックが戦士父の直前まで差し迫る。
そして、戦士父は右手を伸ばし、ゾディアックを空中で握り掴んだ。
- 861 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:48:54.47 ID:N7ZMvGJro
ギュルルルルルルッ!!…ブチブチブチッ!!
右腕の皮膚が破れ、一気に血が噴き出し始めた。
戦士父「……っ!!」
5本ある指の感覚は一瞬の内に吹き飛び、激痛が掌を伝わり、腕にまで上ってくる。
戦士父「う……おお……おおぉぉぉぉ!!」
グググッ…ザッシュウウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
失敗は決して許されない。たった一度のチャンス。そして、遠目に映るマグマの球。
その一画、光り輝く部分が戦士父の目にははっきりと見えていた。
それは天才がツヴァウハンダーで懸命に切り拓いている勝利への道。
どんな状況なのか、本当に大丈夫なのか、そんな事は当然、知る由もない。
それでも戦士父はただ信じ、当初の時間通り、投擲を打ち放ったのだ。
違うのは南西の風、1メートルの軌道修正のみ。
フッ……ドサッ
バーテン「……ご苦労さん」
労いの言葉をかけるバーテンは、すぐさま戦士父の右手へと応急処置を施し始めた。
- 862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:49:36.31 ID:N7ZMvGJro
ズッドオオォォォォン!!
ジュニア「うおっ!!」
剣士「す、凄い力……っ」
召喚士「魔道士さんっ!!」
魔道士「くうぅーっ!!」
天才「バカが……っ、無茶しやがって……っ!!」
ゴガアアァァァァ!!
天才「だが、同系統の魔力のお陰で……付加効果は数十倍だな……っ!」
先程までとは比べ物にならない程の爆発を起こし、穴は更に奥深くへと広がる。
そして、天才は背後から迫る巨大な何かを咄嗟に感じ取った。
天才「来たっ!!」
同時に召喚士もゾディアックの存在に気付く。
召喚士「コカトリスを下げます!!」
天才「最後だっ、受け取りな!!」
懐から結界石を取り出すと、天才は穴の中へと放り込みコカトリスはその場から退散した。
- 863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:50:22.82 ID:N7ZMvGJro
ゥゥゥゥウウウウ…ゴゴウッ!!
天才「撃てえぇーっ!!」
大軍師「攻撃開始ーっ!!」
魔道兵「おおぉぉぉぉーっ!!」
ドドオオォォォォン!!…ズッガアアァァァァン!!
大軍師の号令を合図に、北部の魔道兵が一斉に魔法を放つ。
そして魔法が空へと撃ちあがると、火山の各方面に布陣した魔道兵らも、
その後を追うように、各々、自身が最も得意とする魔法を撃ち放った。
ガカアアァァァァ!!
それは花火のように夜空を明るく照らし、光は1ヶ所へと集中している。
無論、それはゾディアックの元であり、投擲された槍は魔法を吸収し、
こじ開けたマグマの球の中へと、吸い込まれるように入り込んだ。
バチバチバチッ!!…ズッガアアァァァッ!!
凄まじい衝撃により大地は震え、球の一部からは流血のように溶岩が飛び散る。
しかし、ゾディアックの動きは、球の内部で停止し、そこから先へと進む事はなかった。
- 864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:50:55.89 ID:N7ZMvGJro
ゴゴゴゴゴゴ
…
青年兵「まだ……足りないというのか!?」
ジュニア「これだけぶっ放しても駄目なのかよおぉ!!」
弓使い「もう無理……っ、魔力も空っぽよぉ!」
大軍師「我らも援護したいが……」
賢者「球を支えるのに精一杯さ……ふぅ」
皇太子「どうした! それでも本国の誇る魔道兵かっ!」
宮廷魔道兵「はあぁーっ!!」
ドドオオォォォォン!!…バチバチバチッ
天才「しくじったな」
大軍師「……?」
天才「アカ・マナフを戻させちまったのが余計だった。俺のミスだ」
召喚士「何を言ってるんです。誰のミスでもありませんよっ!」
天才「……」
召喚士「行きましょう。まだ……これからですよ!」
- 865 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:51:41.79 ID:N7ZMvGJro
ゾクッ
天才(コイツ……)
そして、想いは奇跡を呼び込む。いや、既に起きていた事ならばそれは、
奇跡のように見えただけなのかもしれない。だが、彼らには奇跡のように感じた。
天才「――っ!?」
召喚士「え……っ!?」
ザザッ
北方魔道兵「援護……っ、撃てぇ!!」
東方参謀「ぬりゃああぁぁーっ!!」
ギュルルルルッ…ババッ!!
東方参謀「爆発っ!!」
ドッドオオォォォォン!!
大軍師「北方からの……援軍!?」
隊長「そうかっ、あれが山師って奴が言ってた……」
青年兵「左翼長さん……っ」
- 866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:52:09.62 ID:N7ZMvGJro
〜北方司令部〜
左翼長「……」
ザッザッザ
東方司令「総大将がプラプラと何をしている」
左翼長「別にいいだろ。真夜中の散歩だよ」
東方司令「……」
左翼長「もう、カタは着いたかねぇ」
東方司令「さぁな」
左翼長「……んで、何の用だ?」
東方司令「伝令」
スッ
左翼長「どーも。何か動きは?」
東方司令「東方司令部に賊が入ったらしい」
左翼長「賊?」
東方司令「何でも証言によれば、北を拠点にした盗賊団のようではないか」
- 867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:52:46.95 ID:N7ZMvGJro
左翼長「……ああ、例の女頭領の連中か。被害は?」
東方司令「特になし」
左翼長「ふぅん、特になし……ねぇ」
東方司令「それと、電話が北の港まで伸びた。次はここまで来るそうだ」
左翼長「思ったより早いな。ま、早いに越した事はねぇか」
東方司令「……早く寝ろよ。明日も牽制の部隊を出すのだろう?」
左翼長「ああ。お前さんが指揮してくれ」
東方司令「……」
スクッ…ザッザッザッザ
左翼長「アンラ・マンユ……か」
ゴロン
左翼長「時は戻らねぇ。悔やんだって仕方ねーんだ」
夜空を見上げる左翼長。月はほとんど出ておらず、闇が広がっている。
特に何を見つめるでもなく、左翼長はただ暗闇をぼーっと見上げていた。
左翼長「今度は……救ってやれよ」
- 868 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/06/15(水) 18:54:16.17 ID:N7ZMvGJro
とりあえずここまでにて。あとでちょこっと投下出来るかも…
ご支援ありがとうございました!反響あって良かった!
では、失礼致しますー!ノシ
- 876 名前:NIPPERがお送りします(埼玉県) [sage] 投稿日:2011/06/15(水) 23:07:28.49 ID:pJf8NvVp0
ゾディアックに魔法ぶつけんのすごい難しそうだな。
- 877 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/06/16(木) 00:32:31.32 ID:kCdUZx3AO
そこは媒体だから勝手に近くの魔法すいとる的な解釈すりゃいい
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