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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:26:01.81 ID:5AnCbmMo
時刻はまもなく正午に迫り、ここでの戦も半日を過ぎようとしていた。

〜北の村〜

ドドッドドッドドッ

参謀「司令部からの兵は側面んへ展開っ!バリスタはまだ組み上げるな」

青年「すっげぇ数……」

ヒゲの男「あ、あぁ…っ」

カツカツカツ

大軍師これでも少ない方ですよ。大戦ともなるとこの数倍に膨れ上がります」

ヒゲの男「……っ」

大軍師「…恐れを成しましたかな?」

青年「まさか…っ。武者震いっすよ!」

大軍師「そうですか…。ふふっ」

ザッザッザ

左翼長「…遅くなった。これで合流は完了だ」

大軍師「これは北方司令。ご苦労様です」


745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:29:24.36 ID:5AnCbmMo
左翼長「伝令の報告は?」

大軍師「北の川沿いで遊撃のワーカーが交戦中との事です」

左翼長「…ほう、食い止めてくれてんのか。ありがたいこった」

大軍師「騎士団長はここと司令部の間を遊撃してくれているようです」

左翼長「ああ。そう指示しておいた」

大軍師「最北の村は依然動きなし。おそらくは北のワーカーの功績かと」

左翼長「確か二人だったよな。潰れないうちにこちらも動きたいな」

ザッザッザ

参謀「配置完了致しました。如何なさいますか?」

大軍師「お前はどう思うのだ?」

参謀「え…?」

大軍師「此度の戦いにおいては、お前が参謀なのだろう?」

参謀「…は、はい」

左翼長「大軍師の言う通りだ。参謀、お前の意見を聞かせてくれ」

参謀「…はい。準備が整い次第、最北の村へ進むべきと存じます」


746 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:31:05.59 ID:5AnCbmMo
〜最北の村〜

白虎兵「どうだ?異常ないか?」

青龍兵「ああ。しっかし魔王軍も何でこんな辺境の村を狙ってんだかなぁ…」

白虎兵「さぁなー。人間には考えられないような事でも企んでんじゃないのか?」

青龍兵「せっかく復興も始まったって言うのに……」

ゴトッ

白虎兵「何だ…?今の音…?」

青龍兵「あの建物の中から聞こえた…。何かいるのか…?」

ダダッ

白虎兵「……誰か…いるのかぁ!」

青龍兵「魔物にしちゃあ素振りはなかったな…」

白虎兵「階段?地下があるのか…?」

青龍兵「一応…警戒して方がいいな」

白虎兵「ああ。ん…?何だ…?」

青龍兵「……人?お、おい……」


747 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:32:57.12 ID:5AnCbmMo
カッ!!……ドッゴオオォォォンッ!!

白虎長「!?」

青龍兵「何だ今の音は!!」

タッタッタッタッタ

白虎兵「隊長!突如奥の建物が爆発を起こし……」

青龍兵「各員、戦闘配備につけっ!!」

ドドオオォォォォ…

白虎兵「魔物…ですかね?」

白虎長「まさか。どこから来たって言うのよ…」

黒煙の中、一同の前に巨大な影がゆっくりと起き上がる。

青龍兵「な……っ!?」

白虎長「――っ!!」

白虎兵「なな…っ、なんで…!?」

白虎長「……ベヒー…モス!!」

召喚隊の前に姿を現した黒い影。それは見覚えのあるベヒーモスの姿であった。


749 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/13(月) 00:06:49.06 ID:bNMVw.AO
>>1おつ

マジシャンには生きてもらって魔王倒した後バーテンの店に入り浸る絵が一番だと思うのですよ


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:33:47.84 ID:7X.UWeEo
ドドオオォォ…

青龍兵「な、何だっ!?誰かが暴発させたのか!?」

ザッザッザ

白虎長「そんなわけないじゃない…っ!」

青龍兵「隊長…!!」

白虎長「私以外の誰が…この隊でベヒーモスなんて呼べるのよ…っ」

青龍兵「では…あれは…!?」

キュイイィィィィ…

白虎長「……敵よっ!!」

カッ!!…ドゴオオォォォォンッ!!

白虎兵「ぐわあぁ!!」

青龍兵「敵襲ーっ!!」

白虎兵「あれが…敵だってのかよぉ!?」

青龍兵「惑わされるな!!あれは敵だ!!」

白虎長「…来て!ベヒーモス!!」


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:34:58.04 ID:7X.UWeEo
シュイィィン

白虎長「ベヒーモスは私が食い止めるわっ!」

青龍兵「し、しかし…」

白虎長「貴方達は術士を探し出して!近くに…必ず居るはずよっ!」

青龍兵「…か、かしこまりました!!」

白虎兵「行くぞ!!」

タッタッタッタッタ

白虎長の前に二匹のベヒーモスが睨み合い、曇り空の下、対峙する。

ベヒーモス「グルオオォォォォ…ッ」

白虎長(……ベヒーモス。白虎でも最上位と謂われる召喚獣…)

キュイイィィ…ドドオオォォンッ!!

白虎長(門外不出のそれは、使用者は強引に奪ってかもしくは……)

ベヒーモス「ガアアァァーッ!!」

白虎長(……一族の者…のみっ!!)

敵意であるベヒーモスの放つ火球が地へ着弾し、一面を業火が焼き尽くす。


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:35:50.00 ID:7X.UWeEo
ボゴオオォォンッ!!…ゴオオォォ…

青龍兵「ぐあ…ぁーっ!!」

白虎兵「一旦下がれ!炎に巻き込まれるぞっ!!」

青龍兵「正面っ!!人が来る!!」

白虎長「!?」

立ち上る炎の奥より、人影が近づく。

ザッザッザッザッザ

白虎兵「術者…か!?気を付けろ、警戒を解くなよ!」

ザッザッザ

白虎長「……っ!!」

ザッ…

白虎長「…やっぱり、そういう事…か」

男は白虎長の前に足を止め、顔を隠す白いフードがゆらゆらと風になびく。

白虎長「絶対に…許せない…っ!!」

コート男「……フッ」


758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:36:55.01 ID:7X.UWeEo
〜三途の川〜

サイクロプス「くそ!冗談じゃないぞ!!」

バキィッ!!…ザシュウゥ!!

魔法剣士「…次!!」

サイクロプス「駄目だ…!止まれねぇ!」

ヒュバッ…ストッ

眼鏡「余所見とは余裕だね」

サイクロプス「!?」

ドスッ…ズズズッ…ドシャアァ

眼鏡「これで村への増援もだいぶ遅らせる事が出来たかな…?」

スタッ

魔法剣士「少なくとも地上はな…」

眼鏡「あまり長居するのはこちらも不利。そろそろ引き上げようか」

魔法剣士「…ああ」

眼鏡「じゃあこのまま、村方面へ後退……」


760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:38:07.32 ID:7X.UWeEo
ザッ…

魔法剣士「どうした…?」

眼鏡「……」

魔法剣士「何だ?人間か…?」

眼鏡の見つめる目線の先、サイクロプスの奥より二つの影が近づく。

魔法剣士「……」

眼鏡「どうやら味方ではなさそうだね」

ザッザッザ…

サイクロプス「増援…?いや、聞いてねぇぞ…?」

眼鏡(つまり独断か別働隊か…。こちらの方が厄介かもしれないな)

魔法剣士「操られているのか…それとも…」

眼鏡「アンデッドか。どのみち躊躇する場合ではないね」

魔法剣士「ああ。無論そのつもりは……」

眼鏡「…どうした?」

魔法剣士「あの二人……見覚えがある」


761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:39:45.76 ID:7X.UWeEo
眼鏡「…?」

その瞬間、二つの影が一気に上空へと跳躍し、魔法剣士の元へと接近する。

魔法剣士「早いっ!!」

眼鏡「…今、行く!」

ザザッ

サイクロプス「させるかよぉ!!」

眼鏡「……小賢しい」

魔法剣士「こちらはいい!そいつらを!!」

眼鏡「……分かった」

サイクロプス「囲め!逃がすな!!」

ザザザッ

眼鏡「後悔するなよ…?」

サイクロプス「この数相手に一匹で威勢がいいな」

ズバッ!!…ザシュウゥ!!

眼鏡「御託はいいから、かかっておいでよ」


762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:40:27.21 ID:7X.UWeEo
ザッザッザ

魔法剣士「…やはり…そうか」

左の影が魔法剣士めがけ一気に猛進する。

魔法剣士「…しっ!!」

ブンッ!!…ヒュオッ!!

魔法剣士「外された!?」

水平に振られた剣は空を切り、迫る影は右拳を魔法剣士へと叩きつける。

ガゴオオォォ!!

魔法剣士「…っ!!なんという…力!」

もう一方の剣で拳を防ぎ間合いと取る魔法剣士。再び両剣を身構え直す。

バシャッ…ザザッ!!

魔法剣士「背後!?」

もう一つの影が素早く背後に回りこみ、長剣を振り下ろす。

魔法剣士「はぁ…っ!!」

迫る刀身を間一髪、魔法剣士は二本の剣を交差させ頭上で受け止めた。


763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:41:29.09 ID:7X.UWeEo
ギキキィィ…ググッ…

魔法剣士「……ぐ…う…っ」

徐々に押され始める鍔迫り合いを捨て、魔法剣士は相手の腹を蹴り飛ばす。

バキィッ!!…バシャアッ

魔法剣士「…あんたら、本当に敵…なんだな?」

ザッザッザ

お父「……」

北方司令「……」

魔法剣士「…無言、か。まぁいいさ」

チャキッ

魔法剣士「誰であろうと…ここから先、通すわけにはいかんのだ!」

お父「はあぁーっ!!」

北方司令「……りゃあ!」

魔法剣士「でやあぁ!!」

ガキイイィィンッ!!


764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 17:46:49.14 ID:7X.UWeEo
〜最北の村〜

ザッザッザ

白虎長「止まりなさい!」

コート男「……」

ザッ

男は一度止まるが、再びその足を一歩進める。

カッ!!…ドッズオオォォンッ!!

コート男「……!?」

白虎長「次は当てるわ。もう一度言う…止まりなさい」

コート男「…フッッフフフ!フハハハッ!!」

白虎長「……」

コート男「随分とまぁ…フッフフフ」

白虎長「何が…おかしいのよっ!」

コート男「それはそうだろう…?まさかこのような…フッフフフ!」

白虎長「貴方という人は…っ!」


766 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:25:02.66 ID:7X.UWeEo
コート男「何だ?急かさずとも話ぐらい聞いてやるぞ?」

白虎長「そんなつもり…ハナっからないわっ」

コート男「……」

白虎長「それに時間稼ぎが見え見えよ。援軍でも来るのかしら?」

コート男「……フッ」

白虎長「…各員攻撃準備!術者の動きを止めるのよ!」

ザザッ

コート男「捕らえて情報を聞き出す…か。甘い、甘いな!」

白虎長「!?」

コート男「殺す気で来ねば私は…倒せぬっ!!」

シュイイィン

白虎長「しま…っ……」

コート男「フッフフフ!!ハハハハッ!!」

白虎長「みんな伏せて!!目と耳を……」

突如現れた小型の召喚獣が、激しい光と耳を劈く高音を巻き起こす。


767 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/13(月) 18:25:55.70 ID:FGRIcQSO
>>1乙ッ!

白虎長「ぬうぅ…白虎召喚拳奥義“辺轢猛主”は一子相伝の技ッ!それを自在に操るとは…もしや、うぬは…ッ!?」


768 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:29:55.82 ID:7X.UWeEo
ドドオオォォォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

青龍兵「ぐああぁ!!な…何だっ!?」

白虎兵「眩し……耳が…くあぁ!!」

アアァァァァ…

青龍兵「……う…うぅ」

白虎兵「た、隊長…。大丈夫ですか…!?」

白虎長「…ええ、私は大丈夫」

白虎兵「今のは…一体……」

白虎長「……召喚獣カーバンクル。油断していたわ…っ」

青龍兵「…や、奴は…!?」

白虎長「ベヒーモスも消えている。おそらく隙を見て逃亡したわね」

白虎兵「おいっ、村の周囲を固めろ!白いコートの男だ!」

白虎長「援軍と合流するつもりね…」

青龍兵「あの男は一体…何者なのですか…!?」

白虎長「……っ」


769 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:36:57.35 ID:7X.UWeEo
〜三途の川〜

魔法剣士「……」

ブオォッ…ヒュバッ!!…キィンッ…チュインッ!!

魔法剣士「流石に熟練者二人を相手には…きついな…」

ザザッ

眼鏡「……」

サイクロプス「ふりゃああぁぁ!!」

ガイィンッ!!…ドズッ!!

眼鏡「…そろそろいいか」

タッ

サイクロプス「逃がすか!!」

眼鏡「しつこいなぁ」

追って迫るサイクロプスを振り返り見る眼鏡の表情が徐々に硬直する。

眼鏡「……な…っ…!?」

満足に避ける間もなく背後から迫る閃光に、眼鏡と一つ目の巨人達は飲み込まれた。


770 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:40:19.04 ID:7X.UWeEo
ズゴガアアァァァァッ!!

魔法剣士「!?」

ドゴオオォォォォ…

魔法剣士「な…なんだ!?」

放たれる閃光を辛うじてかわし、魔法剣士は水面より素早く起き上がる。

お父「…今だ」

北方司令「……ああ」

タタッ

魔法剣士「!?……逃がすかぁ!!」

タッタッタ

魔法剣士(眼鏡は…!?ど、どうする…っ)

ドシャアァッ

眼鏡「構わず行けぇ!あとから追う!!」

魔法剣士「眼鏡!?…き、傷は…!?」

眼鏡「早く行けぇ!村を守るのが君のやるべき事だろう!」


772 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:46:24.62 ID:7X.UWeEo
魔法剣士「……す、すまんっ!」

タッタッタッタッタ

眼鏡「…それでいい。ふーっ」

ドズウウゥゥンッ!!

眼鏡「――っ!!」

――「ほぉ、生き残りがいたか」

魔法剣士を見送る眼鏡の背後に降り立つ魔獣。

眼鏡「……」

眼鏡は振り向く事も出来ず、背後に立つ者の出方を伺う。

バシャッ

サイクロプス「な…ぜ……貴方様…が……」

眼鏡「!!」

まだ息のあるサイクロプスが声を発する隙に、眼鏡は素早く間合いを離す。

ヒュンッ!!…スタッ

眼鏡「…貴……様…っ!!」


773 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/13(月) 18:52:55.34 ID:7X.UWeEo
眼鏡の前に二つの首がゆっくりと振り向く。

眼鏡「……ここまで出張ってくるとは。どういう風の吹き回しだ?」

その白く巨大な体を大きく揺らせ、サイクロプスを前足で踏み潰し歩み寄る。

眼鏡「……オルトロス!」

オルトロス「…ほぉ、光栄だな。我を存じるとは」

眼鏡「……」

オルトロス「時に人間。ここまで何用だ?」

眼鏡「お前も老いたな」

オルトロス「……?」

眼鏡「気配ですら嗅ぎ取れぬとは…はたまた、僕が人に近づいているのかな」

オルトロス「何だ…?貴様、ただの人ではないな!?」

眼鏡「その老いた瞳でよく見るがいいっ!」

ゴゴゴゴゴゴ…

オルトロス「……な、にぃ!?貴様は…っ!?」

ケルベロス「……オルトロス。ここで死んで貰うぞ!」


775 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/13(月) 19:24:46.87 ID:cmcBvIY0
1乙
兄弟対決か…あつい戦いになりそうだな


776 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/13(月) 19:30:22.10 ID:38rEAsYo
テュポーン先生にも友情出演して頂きたいところだな


782 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/13(月) 22:34:24.66 ID:y//JoADO
1は細かくガンダムネタを織り交ぜるなwwwwwwwwwwww


784 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/14(火) 00:19:02.62 ID:iMf782AO
>>1乙

マジシャンを死なす気配を匂わすあたり、もう誰が死んでもおかしくないって最近思い始めてきた

でも正直死んでいいキャラって王子くらいだよね


785 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/14(火) 03:35:10.04 ID:1hWeeZQo
王子懐かしいなー
連合になったしたまには登場してもいいとおもうけど


786 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/14(火) 05:39:26.46 ID:3y2KkcSO
王子はライデインの一つや二つ覚えて立派に帰ってくるさ


788 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/14(火) 09:54:28.29 ID:SxpiTMAO
王子は弱いままで五行ロボで参戦してくるはず
あいつはそういう姑息な奴だ!


791 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/14(火) 18:07:28.07 ID:TGo5wago
ドドオオォォォォ…

対峙する三つ首の黒い魔獣と双頭の白い魔獣。

オルトロス「永きに渡り姿を見せぬと思ったら、人間の真似事とは恐れ入ったよ」

ケルベロス「……」

オルトロス「姿形まで模すとは、どういった術を使った事やら…」

ケルベロス「……」

オルトロス「…何とか言ったらどうだ?」

ケルベロス「貴様と語るつもりは毛頭ない」

オルトロス「……そうかよっ!」

ドウンッ!!

二匹の魔獣が同時に互いへ飛び掛かる。

オルトロス「死ねええぇぇ!!」

オルトロスの獰猛な爪がケルベロスの胸部を抉る。

ケルベロス「おおぉぉぉぉ!!」

ケルベロスは怯む事なく、オルトロスの首へと噛み付き、白い毛並みを紅く染める。


792 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/14(火) 18:08:24.20 ID:TGo5wago
ガシィッ!!…ズガッ!!……ドドオオォォンッ!!

ケルベロス「……ペッ」

オルトロス「……クク」

ケルベロス「……」

オルトロス「随分衰えたな。ケルベロスよ」

ケルベロス「……」

オルトロス「半人へと成り下がった代償か?莫迦な奴だ」

ケルベロス「……なめるな。貴様相手にはこの程度で十分だと言う事さ」

オルトロス「…強がるなよ。半月で良かったな!」

キュイイィィ…

ケルベロス「!?」

オルトロスの口より閃光が輝く。それは先程ケルベロスを襲ったものと同様である。

カッ!!……ドウウゥゥゥゥンッ!!

衝撃波を起こしながら迫る閃光をケルベロスは飛びかわす。

ケルベロス「!?」


793 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/14(火) 18:09:07.85 ID:TGo5wago
背後の水面に着弾した閃光が激しい水柱と水飛沫を巻き起こす中、

オルトロスは高く跳躍し、無防備なケルベロスへと一気に攻め立てる。

オルトロス「隙だらけだっ!!莫迦めが!!」

グオッ!!……ガシィ!!

オルトロス「…な…!?」

中で身動きを封じられるオルトロス。両後足には多数の魔獣が絡みつく。

魔獣「グルオオォォ!!」

ケルベロス「……お前達…っ!」

オルトロス「…雑魚が!邪魔をするなぁ!!」

キュイィィ……ズッガアアァァッ!!

魔獣「ギャウゥンッ!!」

ドシャドシャァッ…バシャアァ

オルトロス「微かに腐臭が漂うな。死した畜生でも拾い上げて恩を着せたか?」

ケルベロス「……貴様…っ」

オルトロス「せっかく再生したとて、犬死じゃあコイツ等も可哀相な事…」


794 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/14(火) 18:09:42.07 ID:TGo5wago
グシャアァ

ケルベロス「オルトロスウウゥゥ!!」

グワッ!!……ドウウゥゥンッ!!

オルトロス「ウワーッハッハ!!無駄だぁ!!」

バキィッ!!…ドシャアァ

ケルベロス「…グ…ゥ!」

オルトロス「貴様がこうして地べたに這いずる姿…。どれ程見たかった事か…!」

ケルベロス「……ッ」

ググッ

オルトロス「このような者が我が兄とは…。これ以上醜態を晒さず死ねぃ!」

ケルベロス「!!」

オルトロス「何っ!!」

ガシィ!!

ケルベロス「……このまま…葬り去ってくれる…っ!」

オルトロス「やめろ…っ!貴様、相打つ気か!?」


795 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/14(火) 18:10:23.65 ID:TGo5wago
キュイイィィィィ

ケルベロス「考えてみるんだな」

オルトロス「くぅ…っ!!」

ケルベロス「死に損ないの…半妖半人の命で、魔王城の門番を葬る事が出来るのだ」

オルトロス「出来る訳がないっ!ましてやお前のような奴が…」

ケルベロス「…試してみるがいいさ」

ケルベロスの持つ三つの頭部が大きく口を開き、眩い閃光を放つ。

オルトロス「この至近距離では本当に相打つ事となるぞ!?」

ケルベロス「何度も言わせるな!それでいいと言っている!!」

イイィィィィ…

ケルベロス「……死ね」

オルトロス「おのれ…ぇ!!」

〜♪

ケルベロス「…ッ!!」

光が二匹の体を覆う瞬間、優しい琴の音色があたりに響き渡った。



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