■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
307 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:50:34.19 ID:jAGsW0Mo


魔道士「あっ、見て下さい…!綺麗〜っ!」

召喚士「渡り鳥ですね。もうすぐ冬なので群れで南へ向かっているようですね」

戦士「夕暮れに染まって…絵にしたい一枚だな!」

盗賊「…ああ」

ジュニア「いいじゃないのこういう光景…。ずっと見ていたいねぇ」

魔道士「そんな日が来ると…いいですね」

召喚士「……頑張りましょう」

ジュニア「…おっ、あれか?最北の村ってのは!」

戦士「見えてきたな!なんとか日没前に間に合ったぜ」

召喚士「よし…。行きましょうか」

〜最北の村〜

テクテクテク…

北方兵「ゆっくりだぞ!そーっと!!」

戦士「…何やら忙しそうだな」


309 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:51:25.79 ID:jAGsW0Mo
召喚士「土砂が凄かったから…復興作業みたいですね」

ジュニア「なかなか難しいんだぜ?崩れないように土を取り除くってのは…」

召喚士「……すみません」

北方兵「……?」

召喚士「左翼長さんはいらっしゃいますか?」

北方兵「司令…?えぇっと……あ、あれ?」

召喚士「…?」

北方兵「もしや…朱雀先生…!?」

召喚士「え、えぇ」

北方兵「これはこれは!少々お待ちをっ!!」

タッタッタッタッタ

ジュニア「すげーな…朱雀先生効果……」

戦士「…だろぉ?」

しばらくすると北方兵が左翼長を連れ、戻って来る。

魔道士「あっ!左翼長さん!!」


310 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:53:08.40 ID:jAGsW0Mo
ザッザッザ

左翼長「おう、お前らか。どうした?」

召喚士「実は……」

左翼長「…ん?」

ジュニア「…どうも初めまして。ハッハ!」

左翼長「……」

戦士「…どした?」

左翼長「…ん、あ…いやっ。ちょっと似てたもんだからよ…」

戦士「マジシャンのオッサンにか?」

左翼長「あ、ああ…っ」

魔道士「それはそうですよっ!この人はマジシャンさんの息子さんですから!」

左翼長「何ぃ!?」

召喚士「ジュニアさんです」

ジュニア「…アンタも親父の事知ってんのか?」

左翼長「……そ、そういう事か…!!こりゃあ…たまげたわ」


311 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:53:45.53 ID:jAGsW0Mo


左翼長「……ふぅん。なるほどねぇ」

召喚士「…というわけで、駄目でしょうか?」

左翼長「あー構わんよ。ただ……」

盗賊「……?」

左翼長「俺らもここ数日、作業をしてるが…」

ジュニア「進展なし…?」

左翼長「…そういう事だ」

戦士「…そっか」

召喚士「それでも…構いませんよね?」

魔道士「もちろんですっ!」

ジュニア「まぁ、やるだけやろうじゃないの!」

左翼長「夜間作業は危険だ。明朝、開始してくれ」

戦士「おうっ」

召喚士「じゃあ…どこかでキャンプを張っても…?」


312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:54:44.57 ID:jAGsW0Mo
左翼長「ここには今、軍の関係者しかいない。好きに使ってくれ」

召喚士「ありがとうございます」

左翼長「食料と武器や防具。応急処置程度の衣料品はある。必要なら言ってくれ」

盗賊「…助かる」

戦士「そんじゃあっちの方にでもテントを張るか」

左翼長「なんなら軍のを使っても構わんぞー?」

戦士「あぁ、大丈夫!」

魔道士「ありがとうございます。お構いなくーっ!」

タッタッタッタ…

左翼長「ったく。元気な連中だ…」

ザッ

左翼長「おーし、日没までにこのエリアを完了させて…今日は上がるぞ!」

北方兵「了解です!」

左翼長「……ま、お陰でこっちも少し元気になったかな?」

左翼長は口元を緩め、煙草を咥え火を点けた。


313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:56:21.91 ID:jAGsW0Mo
テクテクテク

召喚士「この辺りでいいかな?」

ジュニア「よっしゃ、んじゃここに…」

ドウンッ…ボオオォォ

盗賊「…暖か」

ジュニア「灯り兼任でな!ハッハ」

戦士「……せーのっ!!」

バサッ…トントントンッ

召喚士「…こっちはオッケー!」

戦士「あいよ!こっちもオーケーだ!!」

魔道士「出来たーっ!」

戦士「さーて、それじゃ早速……」

盗賊「……食事か!?」

戦士「違げーよ。何しに来たんだ…キャンプしに来たわけじゃないだろ?」

盗賊「……しかし…作業は明日…」


314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:57:28.40 ID:jAGsW0Mo
戦士「もう一つ目的があるだろ」

魔道士「あっ!召喚士さんの手掛かり……」

召喚士「あ…っ」

戦士「そーいう事!村の中ならこの時間でも探索出来るってもんだ」

ジュニア「そうだな。逆に人も少ない分、効率いいだろうな」

召喚士「…明日でもいいよ?」

戦士「バッカ。善は急げってやつだよ!ほれっ!」

召喚士「あ、う…うん」

戦士は召喚士の背中を押し、民家の前へと足を進める。

戦士「まずはこっから行ってみようか!」

魔道士「何か思いだす事とか…あります?」

召喚士「…いやっ、自分の家すらも…」

魔道士「そう…ですか…」

ジュニア「どうせ空き家なんだし、片っ端から調べてみようや」

戦士「…だなっ!宝探しみたいでワクワクするな!」


315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:58:54.89 ID:jAGsW0Mo
盗賊「…ああっ!」

召喚士「ちょっと…本題忘れないでよ?」

ジュニア「本題は明日、今日はお前さんの手掛かり探索が本題!」

召喚士「……はぁ」

ガチャッ

戦士「お邪魔しまーす!」

魔道士「…中もボロボロですね…っ」

戦士「床も古いな…。底抜けるかもしれないから気を付け…」

バキッ!!…ズボッ

戦士「……なっ?」

魔道士「…はい」

盗賊「…私が行くよ」

テクテクテク

戦士「おー、流石は盗賊!」

盗賊「……忍びの基礎だ」


316 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:59:46.18 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「忍び足ってやつか!かっこいいな…ハッハ!」

召喚士「…ここは民家なのかな?」

戦士「そー見えるけどなぁ」

魔道士「すっごい本の数ですね…!きっと…本が好きな方だったんでしょうね」

戦士「どうだ?そっち何かあるか…?」

盗賊「…いや、特には」

戦士「ここは何もなさそうだな…」

魔道士「…ですねぇ」

ジュニア「…本もこれと言って…特筆するようなモンはないな」

召喚士「…ですね」

戦士「…よし、次の家に行くか」

魔道士「そうしましょう」

テクテクテク…

魔道士「…?」

戦士「…どした?」


317 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 00:01:37.49 ID:qTr4JTgo
魔道士「いや、何でもないです。あ、そこ抜けた床ですよ!気を付けて下さい!」

戦士「うおっと!そうだった…」

五人は民家を後にし、隣の建物へと移動する。

召喚士「……ここは、お店のようですね」

盗賊「…ああ。日用雑貨かな」

先頭を歩く盗賊が床に転がる瓶を拾い上げ、つぶやく。

ジュニア「…みたいだな。棚にも雑貨品が並んでる」

戦士「すっげぇ埃…」

ジュニア「ここも特に何もなさそうだなぁ…」

戦士「なんの薬草だこれ?枯れてて分からん…」

魔道士「何でしょうね?あんまり触らない方がいいんじゃないですか?」

ジュニア「…うん、何もなし!次行くか」

召喚士「はい」

盗賊「…そうしよう」

道具屋らしき廃墟を出て、更に隣の民家へと移動する召喚士達。


318 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 00:08:35.04 ID:qTr4JTgo
>>アニメ化
色々とアウトです。本当にあり(ry

>>295
ありがとうございます!あんなにカスタマイズ出来るんですね!
てかカッコよすぎて某格ゲーに申し訳ないです…

>>296-297
ありがとうございますー!もうそんなに経ったんですね…

>>298>>308
追いついて頂きありがとうございます!
未だに新しく読んでくれる方がいらっしゃる事に大変感謝です!
それもまとめてくれてるからこそ…!ななばつ様ありがとう!


320 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/10/03(日) 01:15:43.90 ID:DEqHTUAO
眼鏡はだから鉱山にいたのか?


323 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/03(日) 03:24:08.09 ID:Giqkn1Eo
>>1乙
盗賊ちゃんが食いしん坊キャラへ加速の一途を・・・


324 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/03(日) 03:27:07.91 ID:6NP60IDO
いろんなことを催促される村なんだろうな


326 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/03(日) 08:07:13.77 ID:XiwWkYSO
誤字のない>>1なんて誰得だよwwww


328 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/03(日) 09:29:09.83 ID:ckRw.QDO
ああ最北の村か
新しい村かと思った


329 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/03(日) 17:01:34.36 ID:ws5WtEDO
>>1の伏線回収力は天才的だな
緻密に計算されすぎワロタ


330 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 22:39:20.64 ID:qTr4JTgo
カチャッ…キイィ…

魔道士「…ここは?」

ジュニア「うーん…ただの民家みてーだなぁ」

戦士「ここも外れか…?」

召喚士「…違うみたいだね」

戦士「盗賊、先頭頼むぞ」

盗賊「……うん」

テクテクテクテク

戦士「なーんもねーなぁ」

ジュニア「こっちは手掛かりなし、と…」

盗賊「……ん?」

戦士「どした?」

盗賊「…ここ」

召喚士「…地下?でも、土砂が詰まって地下へは行けそうもないですね」

ジュニア「…だなぁ。ここも手掛かりは特になし、と…」


331 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 22:46:40.65 ID:qTr4JTgo


戦士「……だいぶ回ったが」

魔道士「何もありませんでしたね……」

盗賊「……残るは…ここ」

召喚士「村の一番外れですね」

テクテクテク…カチャッ

魔道士「お邪魔しまーす」

テクテクテク…ピタッ

ジュニア「…待て」

魔道士「…?」

ジュニア「……盗賊ちゃん」

盗賊「…は、はい」

ジュニア「ちょっとこっち見てくれる?」

盗賊「……はぁ」

盗賊はジュニアの元に歩み寄り、二人がドアの前にしゃがみこむ。


332 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:08:04.23 ID:qTr4JTgo
ジュニア「……ちょっと見てくんねーか?」

盗賊「……?」

ザッ

戦士「…どした?」

ジュニア「…うまく隠しちゃいるが、誰かが入った形跡がある」

盗賊「……確かに」

魔道士「国軍の方じゃないですか?」

召喚士「いや…。もしそうなら隠す必要はないはずです」

ジュニア「そーいうこった。こりゃ相当のモンだぞ」

盗賊「…よく気付いたな」

ジュニア「もし序盤がこの家だったらアウトだったな。ラストだからこそ違和感があった…」

戦士「……数は?」

盗賊「……足跡は少なくとも…一人だな」

ジュニア「…コソ泥か。しかしそれにしちゃイイ腕してるわ…ハッハ」


333 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:33:09.18 ID:qTr4JTgo
戦士「この家…何かお宝でもあんのか?」

魔道士「でも、そうは見えませんけどね…」

召喚士「ええ…」

ジュニア「行くだけ行ってみっかねぇ」

ジュニアと盗賊はゆっくりと民家の中へ入って行く。

戦士「ここも、見覚えはなしか?」

召喚士「……うぅん、特に」

魔道士「そうですかぁ……」

戦士「どうだ?何かあったか?」

盗賊「……いや」

ジュニア「日用品と本棚だけだな…」

テクテクテク

ジュニア「……本棚」

盗賊「……?」

ジュニア「…ここだけ…埃が抜けてるな」


334 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:40:36.93 ID:qTr4JTgo
盗賊「…!?」

ジュニア「いや、埃じゃねぇな。元自体が抜けてんだわ」

魔道士「つ、つまり…?」

ジュニア「コソ泥の目的は、ここにあった本ってこった」

戦士「そんなに重要なモンなのか?」

ジュニア「……いーや、そうは見えないがなぁ」

ジュニアは何冊かの書籍を手に取り、パラパラとめくる」

盗賊「……」

ジュニア「どこにでもありそうな他愛ない本だな」

召喚士「その人にとっては、何か重要な意味合いがあったのかもしれませんね…」

ジュニア「…んー、まぁ色々と謎だらけだわな…ハッハ」

魔道士「でも…私達の目的とはあまり関連性はなさそうですね…」

召喚士「ええ…。ただ気にはなりますね。国軍に報告はしておきましょう」

戦士「そうだな。んじゃ、ここも用なしっと…。結局手掛かりは何もなしかぁ」

召喚士「残念ですけど、ひとまず戻るとしましょうか…」


337 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/04(月) 08:53:02.86 ID:bZxzGkEo
某エロゲやったら雷切と蜘蛛切が出てきてちょっと興奮したわ


341 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/04(月) 16:17:45.02 ID:l4XWfT.o
考えようによっては召喚士パーティー全員女ってことも想像出来る。
戦士は男勝りな・・・と考えると百合になってしまうか


342 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:33:03.94 ID:AoAbU/co


魔道士「それじゃお休みなさいですっ!」

召喚士「おやすみなさい。また明日…」

戦士「盗賊も寝とけ」

盗賊「…見張りは…いいの?」

戦士「国軍の連中がこんだけいりゃ見張る必要もねーだろ」

盗賊「…そっか」

召喚士「あれ?ジュニアさんは?」

戦士「…さぁ?どーせまた酒だろ…」

召喚士「よく飲むなぁ…」

戦士「マジシャンといい…。酒豪一家だ」

召喚士「た、確かに…」

戦士「…ふあ〜ぁ。さーて俺もちょっくら寝るわ、おやすみ〜」

召喚士「あ、うん。おやすみ!」

戦士を見送った召喚士は、一つ背伸びをし、自身もテントの中へと入っていった。


343 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:34:33.12 ID:AoAbU/co
〜次の日〜

召喚士「……うぅん」

モゾモゾッ…ノソッ

召喚士「……くあぁ」

バサッ…テクテクテクテク

召喚士「…えぇと、井戸は…あっちか」

スタスタスタ…

召喚士「…ん?」

ジュニア「……」

コンコンコン

召喚士「ジュニアさん」

ジュニア「…ん?おう、おはよう!」

召喚士「早いですね。どうしたんですか?」

ジュニア「いやー、何だか早く目が覚めちまってな!大自然のお陰かな?ハッハ!」

召喚士「どうしたんです?壁なんか叩いて…」


344 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:35:27.12 ID:AoAbU/co
ジュニア「いや、いいデザインと素材だなぁって思ってさ」

召喚士「はぁ…」

ジュニア「近々マイホーム建てようと思ってんだ!」

召喚士「そうなんですか!?」

ジュニア「実はな…これがそろそろ結婚したいってウルサくてよー!」

ジュニアはいやらしく小指を立て、召喚士に語りかける。

召喚士「……はぁ」

ジュニア「召喚士クンも将来の事とか、そろそろ考えた方がいいぞー?」

召喚士「な、何言ってるんですかっ!?」

ジュニア「まさか生涯独身なんて考えてるワケじゃないんだろ?ん?」

召喚士「そ、それはそうですけど……」

ジュニア「……なーによ?」

召喚士「も、もっと先に…すべき事があるのでは……」

ジュニア「……」

召喚士「……」


345 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:36:03.36 ID:AoAbU/co
ジュニア「…ナールホド!結婚前に経験しておきたいって事か…!」

召喚士「……は!?」

ジュニア「確かに今時、新婚初夜なんて発想は古い…」

召喚士「何を言ってるんですかっ!!」

ジュニア「いいじゃーん、既成事実作って結婚…」

召喚士「違いますっ!!」

ジュニア「…ハッハ!分かってるよ!」

召喚士「……もう!」

ジュニア「でもな、あんまり戦いの事ばっかりになるなよ?」

召喚士「…?」

ジュニア「一つを追いすぎると、他が見えなくなるってモンさ」

召喚士「…ジュニアさん」

ジュニア「気付いた時にはもう…引き返せないぜ?」

召喚士「……覚悟の上です!」

ジュニア「……ん、いい眼だ」


346 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:40:08.96 ID:AoAbU/co
召喚士「……」

ジュニア「…先に国軍のとこ行ってるわ〜」

ザッザッザッザ

召喚士「……あっ、顔洗わなきゃ…!」

立ち去るジュニアを後に、召喚士は急ぎ井戸へと走った。

タッタッタ…

魔道士「あっ召喚士さん、おはようございます!」

召喚士「魔道士さん…おはようございます」

魔道士「……大丈夫ですか?」

召喚士「…へ、へっ?」

魔道士「顔…真っ赤ですよ?」

召喚士「!?……あっ、い…いや、なんだか暑くて…ははっ!」

魔道士「そうですか?結構涼しいですけど…」

召喚士「そ、そうですね!あはははははっ!!」

魔道士「……?」


347 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:42:29.42 ID:AoAbU/co
〜本陣〜

ザッザッザ

左翼長「…おぉ、早いな。作業はもうすぐ開始……」

ジュニア「…話がある」

左翼長「…?」

ザッザッザッザッザ

左翼長「…んで、何だ?」

左翼長がタバコをポケットから取り出した途端、それをジュニアが奪い取る。

ボッ…プカァ…

左翼長「あっ、おい…!?」

ジュニア「……ふーっ」

左翼長「ったく…返せ。また値上がって貴重なんだぞ…?」

文句を垂れつつ、左翼長は自分もタバコを燻らし始める。

ジュニア「…んで、何だこの村は?」

左翼長「……あん?」


348 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:43:39.37 ID:AoAbU/co
ジュニア「すっとぼけんな。この村…何かおかしい」

左翼長「……?」

ジュニア「…ちっ、気付いてなかったのかよ…っ」

呆れ顔でジュニアは言葉を吐き捨てる。

左翼長「おい…どういう事だ?」

ジュニア「まずは建物だが…あの壁の素材や作りから見て……」

左翼長「……」

ジュニア「建てて三十…いや、二十年程度だろうな」

左翼長「…それが何だ?」

ジュニア「何だ?じゃねーよ!建てて二十年弱なんだぞ!?この村の建物全てが!」

左翼長「…何だと…っ!?」

ジュニア「確かこの村は、召喚士が幼い頃に滅んだと言っていた…」

左翼長「らしいな。軍事記録にもそうある」

ジュニア「アイツが三歳…つまり、二十二年前の出来事だ!」

左翼長「…ちょっと待て、お前…さっきなんて言った?」


349 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:45:06.83 ID:AoAbU/co
ジュニア「…いいか?この村は出来て間もなく、滅ぼされたんだよ!」

左翼長「――っ!!」

ジュニア「どーりで地図にも載ってねぇワけだよ…」

左翼長「…だが、当然と言えば当然ではないのか?」

ジュニア「そりゃあそーだ。こんな北の地にあるんじゃ、いつ狙われてもおかしくねぇ」

左翼長「…あぁ、立地からして無謀と言うか…」

ジュニア「…それだよ」

左翼長「…?」

ジュニア「第二の不思議、何故…こんな危険地帯に村を開拓したんだ?」

左翼長「……」

ジュニア「一晩かけて村の周囲を見て回ったが、どうみても不便でならん」

左翼長「確かに…山脈に囲まれて寒暖差は激しいし、水害も多いだろう…」

ジュニア「土砂が良い例だよ。大雨が降ろうもんなら村の危機に関わってくる」

左翼長「……」

ジュニア「唯一の利点は、高台の来たの村と直線上で繋がってる事…」


350 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:45:37.86 ID:AoAbU/co
左翼長「…だな。まぁ南下は登りでキツイがな」

ジュニア「……断言する。この村はダミーだ」

左翼長「!?」

ジュニア「あくまで見かけだけは村を形成しつつ、裏では何かをしていた…」

左翼長「バカな…!?じゃあ一体何を…」

ジュニア「この村の管轄は?」

左翼長「今は国軍だがその前は知らん」

ジュニア「記録もなしか?」

左翼長「さっきも言ったが、地図にないって事は本国が把握してねぇって事だ」

ジュニア「…確かに、そりゃそうだわな」

左翼長「…おい、この件……」

ジュニア「こっちは誰にも言えん。アンタの信用出来る人物で回してくれ」

左翼長「…わ、分かった」

ジュニア「…召喚士には…黙っておいてやれよ?まだ…な」

左翼長「…無論だ。アイツは…最後の鍵だ」


351 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/04(月) 16:46:15.23 ID:AoAbU/co


盗賊「……おはよー」

魔道士「おはようございますっ!」

戦士「おっ、いい匂い…。ベーコンエッグかぁ!」

魔道士「今日はクルミパンですっ」

戦士「いっただきまーすっ!!」

召喚士「……うんっ、美味しいです!」

魔道士「良かったぁ!えへへ!」

盗賊「…ジュニアは?」

召喚士「先に国軍と合流するって行ってました」

戦士「…ふぅん」

魔道士「私達も食べ終えたら、早速…」

戦士「あぁ、行こうか!」

盗賊「…おーっ……モグモグ」

召喚士「あはははっ!」



次へ 戻る 戻る 携 上へ