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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その16
- 709 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/07/04(日) 19:51:35.24 ID:fMj6wSUo
…
西方参謀「おらっ、そっちの残骸を……」
ザッザッザ…
西方副司令「あら…?」
隊長「……」
西方参謀「お戻りか……」
隊長「……おう」
西方参謀「本国への船がもうじき……あん?何だ…それ?」
隊長「……」
西方参謀「それ…ま、まさか…っ!?」
隊長「頼む…」
グッ…トスッ
西方司令「…!?」
隊長「殉職者として…丁重に葬ってくれや…」
隊長は物静かに語り、司令部内へと戻った。
- 710 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:52:12.53 ID:fMj6wSUo
テクテクテク
魔道士「おかえりなさいっ」
戦士「もう終わりか…?」
召喚士「うん。俺らの任務もこれで終了だね」
サモナー「夕方、国軍の船が出るそうだよ」
魔道士「私達もそれに乗せて貰いましょうか!」
盗賊「…だな」
サモナー「僕も同時に西国の船で帰国するつもりだよ」
魔道士「そうですかぁ…!」
戦士「あーやっと終わったって感じだな」
盗賊「…だな」
召喚士「うん…。なんだか、色々あったね…」
サモナー「でも、みんな無事で良かった」
戦士「ま…っ、結果的にはな…」
召喚士「うん…」
- 711 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:52:47.67 ID:fMj6wSUo
〜西方司令部、司令室〜
エリート「船は18時にも出航可能です」
皇太子「うむ。ご苦労」
エリート「ひとまず…終わりましたな」
皇太子「ああ。打つべき手は打てた。及第点だろう」
エリート「危なかった…ですがね」
青年兵「……」
皇太子「魔王軍の動きもかなり表だって仕掛け初めておるな」
青年兵「こちらの攻撃に、焦っているのでしょうか…?」
エリート「それもあるが…おそらくは……」
皇太子「内通者による情報の漏れによるところが大きいだろうな」
エリート「今後も軍団長クラスとの交戦は増えそうですね」
皇太子「すべき事は見えてきた。順次取りかかろうとしよう」
青年兵「内通者は暴けないのでしょうか…?」
エリート「我らもかなり力を入れてはいるが…なかなか難しいのだよ」
- 712 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:53:42.47 ID:fMj6wSUo
皇太子「首謀は国軍…または本国内のかなり上の人間のようだ」
エリート「誰が味方で、敵なのか分からぬ状況では…公にはし辛い…」
青年兵「な、なるほど…」
エリート「それに、首謀者さえ分かれば…そこから種を蒔く事も出来るしな」
青年兵「種…?……あ…っ!!」
皇太子「魔王軍にとってもかなり信用されているようですし…」
青年兵「偽報を用いて…」
皇太子「そう。動きを逆手に取る。これが実現すれば非常に大きい」
コンコン
エリート「…?どうぞ…っ」
隊長「失礼します」
皇太子「戻ったか…。どうであった…?」
隊長「残念ながら……」
エリート「黒…か。何か情報は?」
隊長「残念ながら……」
- 713 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:54:18.96 ID:fMj6wSUo
皇太子「そうか…。ご苦労」
隊長「……申し訳…ありませ」
皇太子「何か謝る必要があったかね?」
隊長「……」
皇太子「此度の君の任務、何だったかな?」
エリート「特殊遊撃の任務は、皇太子殿下の護衛でしたね」
皇太子「私はこのように無傷だ。任務を全うしたではないか」
隊長「…はっ」
皇太子「それ以上の責があるというのなら…それは筋違いというものだ」
隊長「……っ」
皇太子「まあいい。下がったゆっくりと休まれるといい」
隊長「…有り難きお言葉。……失礼致します」
カチャッ…パタン
皇太子「かなり憔悴しておるな…。仕方ない…か」
エリート「しばらく前線に立つのは難しいかもしれませんね…」
- 714 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:55:06.12 ID:fMj6wSUo
〜西方司令部、客間〜
コンコン…カチャッ
ウィッチ「魔道士ちゃん…」
魔道士「どう…?具合は大丈夫?」
ウィッチ「お陰さまで…もう大丈夫でございます」
魔道士「そっかぁ…。良かった!」
ウィッチ「……」
魔道士「今回は大変だったねぇ…」
ウィッチ「あの…魔道士ちゃん…」
魔道士「なぁに?」
ウィッチ「魔道士ちゃんは…いつもこんな戦いを…?」
魔道士「ん〜、いつもってわけではないけど……」
ウィッチ「……」
魔道士「今回は結構…大変だったね…っ」
ウィッチ「そうで…ございますか……」
- 715 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 19:56:26.99 ID:fMj6wSUo
魔道士「何で…?」
ウィッチ「私…やっぱり無理でございます…」
魔道士「え…っ?」
ウィッチ「私の実力では、魔道士ちゃん達と旅は出来ないでございます…」
魔道士「そんな…事…」
ウィッチ「いいんでございます…。今回の戦いで…身を以て分かったでございます」
魔道士「ウィッチちゃん……」
ウィッチ「今の実力では到底…足手まとい…」
魔道士「……」
ウィッチ「だから、一緒には行けないでございます…」
魔道士「で、でもぉ……」
ウィッチ「私は私で…身の丈にあったパーティーを探すでございます」
魔道士「……ウィッチちゃん。……分かった」
ウィッチ「だから…悲しい顔をしないで、お互い頑張りましょうでございます…!」
魔道士「……うんっ!そうだね!えへへ…っ!!」
- 717 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 22:01:00.23 ID:fMj6wSUo
…
西方兵「まもなく乗船可能であります!」
エリート「ご苦労」
青年兵「では、参りましょうか」
皇太子「うむ」
カツカツカツ
西方司令「殿下、此度はまことに…はあぁ……」
皇太子「すまんな。もう少し滞在したいところなのだが…」
西方副司令「復旧についてはご心配なく。お任せ下さい」
皇太子「…頼む。そうだ、博士」
博士「……なんなのら?」
皇太子「魔物図鑑をお借りするわけにはいかんかな?」
博士「それは殿下の頼みといえど…流石に無理なのら」
皇太子「……そうか」
博士「あ、でも…」
- 718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 22:01:40.81 ID:fMj6wSUo
エリート「……?」
博士「地下の保管庫には鍵を掛けてないし…」
青年兵「…?」
博士「複写でもされたら…大変なのら」
皇太子「そうか、それは大変だな。エリート」
エリート「は…っ」
皇太子「急ぎ、保管庫に異常がないか調べて参れ」
エリート「!?……は、はい!」
タッタッタッタッタ
博士「…ふふっ」
皇太子「はっはっは!」
テクテクテク
西方参謀「殿下、神官殿が出航されますぜ」
皇太子「…うむ」
皇太子は西国の軍船前へと進む。
- 719 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 22:02:45.59 ID:fMj6wSUo
神官「これは殿下。わざわざのお見送り感謝致します」
皇太子「こちらこそ。此度は何かと大変感謝するぞ」
神官「何を仰います。盟友ではありませんか」
皇太子「!?……そうであったな。はははっ!」
サモナー「召喚士くん」
召喚士「サモナーさん」
サモナー「今回は充実した旅だったよ。ありがとう」
召喚士「こちらこそ…!ありがとうございました!」
戦士「マーメイドさんに宜しくな!」
魔道士「お元気でっ!!」
盗賊「…また」
サモナー「みんなも…元気で!」
神官「では、失礼します」
皇太子「…うむ」
神官とサモナーは西国の船へと乗り込み、三日月島を後にした。
- 720 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 22:04:29.71 ID:fMj6wSUo
カツカツカツ…
エリート「お待たせ致しました。参りましょうか」
皇太子「異常はなかったか?」
エリート「首尾は上々でした」
博士「それは良かったのら!」
青年兵「ウィッチさん、どうぞ」
ウィッチ「ありがとうございます」
女隊員「隊長、行くッスよ?」
隊長「……おう」
男隊員「乗り遅れたら…泳いで帰る事になりますぜ?ヒャハハ!」
戦士「んじゃ俺らも行くとすっか」
盗賊「…ん」
魔道士「も、もう魔物…来ないですよね…っ?」
召喚士「お、おそらく……」
戦士「今度こそ…さらば三日月島…だな!」
- 721 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 22:06:42.16 ID:5cpd3Tso
同調召喚で、召喚に使った魔翌力は戻らないって召喚士が言ってたけど、
例えば100%中、召喚に5%つかったとしてその召喚に使った5%の魔翌力は
戻らないって解釈でいいの?
- 722 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 22:25:30.79 ID:PNDQ.B60
ちゃうっしょ?
召喚にかかるのが 召喚コスト+維持コスト
ダメージ受けたら維持コストが上がるから魔翌力をそがれる
が、召喚獣をもどせば、召喚コストは帰ってくる
んで、同調召喚の場合は召喚コストが戻ってこない
って考えれば、今までの召喚魔翌力関連の発言は全部納得いく
- 723 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 22:52:17.73 ID:veFdwoAO
どっちにしても
サモナーさんは涙目ってことでおk?
- 724 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 23:52:49.02 ID:fMj6wSUo
〜船上〜
戦士「…そうかぁ、ウィッチの奴…そんな事を」
魔道士「はい…っ」
盗賊「…本人の意思だ。無理強いは出来まい」
召喚士「そう…ですね…」
魔道士「私達とそんなに変わらないと思うんですけど…」
盗賊「……」
戦士「俺らも、まだまだだもんな…」
魔道士「…?」
戦士「強い敵と戦う度に思い知らされるぜ…。自分の弱さをな…」
盗賊「……」
召喚士「そうだね。今回のような敵と戦うには…もっと強くならないと…」
戦士「修行…あるのみ、か」
盗賊「…修行」
魔道士「そうですよね…。もっと強くならないと…」
- 725 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/04(日) 23:55:44.20 ID:fMj6wSUo
…
青年兵は椅子にもたれかかり、天井を見上げている。
青年兵「……」
コトッ…
青年兵(今回もの僕は……)
ギュッ…
青年兵(強くなりたい…。力が…欲しい…っ!)
コンコン…カチャッ
エリート「青年兵、いるかな?」
青年兵「エリート…様!?どうしたんです?」
エリート「たまには…どうかと思ってね…」
エリートは酒を手に入室し、青年兵を見て微笑む。
青年兵「か、構いませんが…。殿下は…?」
エリート「あぁ…フラれてしまったよ。ははっ…」
青年兵「……?」
- 727 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 00:09:40.76 ID:UfhO9BAo
〜甲板〜
隊長「……」
カツカツカツ…
皇太子「……やぁ」
隊長「殿下…!?」
皇太子「どうした?休まんのか?」
隊長「……ええ。構わんで下さい」
皇太子「…らしくないな」
隊長「……」
皇太子「…何か言いたそうだな」
隊長「本国へ戻り次第、隊長の職を辞任しようかと思います」
皇太子「ほう…?いいのか?」
隊長「今回の不手際は…やはり俺の責任です」
皇太子「なんとも惜しいな。君のような者以外、務まらんと思うが…」
隊長「……そんな事はありませんよ」
- 728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 00:13:00.16 ID:UfhO9BAo
皇太子「…まぁ、まだ本国へ着くまでに時間はある。もう少し考えても良かろう」
隊長「……」
皇太子「その上で納得いかんのなら、無理に止める必要もない」
隊長「…はっ」
皇太子「そもそも、国軍の事に関して、私が口を出せるものでもないがね。ははっ」
隊長「殿下……」
皇太子「では、失礼するよ」
カツカツカツ…
隊長「……ふー」
ザッ
隊長「…!?」
男隊員「……」
隊長「お前ら…っ、いつの間に…?
女隊員「隊長…辞めるなんて許さないッスよ!駄目ッス!」
隊長「お前ぇら……」
- 729 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 00:22:28.86 ID:UfhO9BAo
女隊員「隊長ぉ……っ!」
男隊員「副隊長の事は別に……」
テクテクテク…
男隊員「おいっ!隊長!!」
隊長「分かった。分かったから放っておいてくれ…」
テクテクテク…
男隊員「……ちっ!」
…
青年兵(あと4年…いや、3年…。もっと強く…っ!)
…
召喚士「修行…かぁ…」
戦士「……ああ。助けを借りてばっかりじゃ…いらんねぇ!」
盗賊「…同感だ」
魔道士「もっと…腕を上げないといけませんね…っ!」
それぞれの思いを胸に、船は本国へと到着する…。
- 731 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 00:29:35.91 ID:UfhO9BAo
それではこの辺りにて!ご支援ありがとうございました!
おやすみなさいです!ノシ
>>668-672
ACでもランカーって言うんですよね
ちなみに天才の趣味はビリヤードのナインボールです
>>673
カッコイイ!!
>>675
1レスではなく、短編ぽくて宜しければ…!
>>721-723
そんな感じです!
- 738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:51:15.24 ID:jUCLgA6o
〜西方、海上〜
神官「さぁ、どうぞ」
神官の部屋へと呼ばれたサモナーは、促されるがまま椅子へと座る。
神官「申し訳ありません。急に呼び出してしまいまして…」
サモナー「いえいえ。お構いなく」
神官「何せ堅物な男でしてね」
神官はちらりと、背後に立つ側近の男に目をやる。
サモナー「……」
神官「任務中は一滴も飲まないと、頑なでして…」
サモナー「…頼もしい限りじゃありませんか」
神官「そうですね。こういう者がいるからこそ、王子を安心して任せられる…」
側近は照れた素振りを見せ、無言でドアの外へと去る。
神官「折角ですから、到着まで酒でも交えながら話しませんか?」
サモナー「願ってもない事です」
神官「…良かった」
- 739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:51:52.68 ID:jUCLgA6o
…
サモナー「同盟締結。改めておめでとうございます」
神官「余計なおまけまで付いてしまいましたけれどね…」
サモナー「ははっ。全くですね…」
神官「……召喚士殿たちから伺いました」
サモナー「…?」
神官「今回は…かなりの魔力をお失いになられたのでは…?」
サモナー「…あぁ、大丈夫です。お構いなく」
神官「……」
サモナー「思ったほど消費していませんよ。直撃もありませんでしたし…」
神官「そう…ですか」
サモナー「お心遣い、感謝します」
神官「あっ、いえ…」
サモナー「さ、どうぞ。お注ぎ致します」
神官「これはわざわざ…。ありがとうございます」
- 740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:53:53.01 ID:jUCLgA6o
サモナー「今回は思惑通りと言ったところですか?」
神官「…どうでしょうかね」
サモナー「……」
神官「確かに得たものは非常に大きいです」
サモナー「ええ。島半分ですからね」
神官「そもそも今回の条件は、王子の気まぐれが発端でした」
サモナー「そう…らしいですね」
神官「西国としては正直…本国との同盟はどうでも良かったのです」
サモナー「…!?」
神官「今のところ、こちらにとってのメリットはほとんどありませんでしたから…」
サモナー「確かに…そうですよね」
神官「最初に提示してきた条件である、本国の技術…」
サモナー「司令部にあったと言われる研究機関ですか?」
神官「ええ。確かにあれは素晴らしいものばかりでした」
サモナー「……」
- 741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:56:10.16 ID:jUCLgA6o
神官「あちらが引き合いに出してくる理由も、一目して理解出来ましたよ」
サモナー「それ程の価値が……」
神官「特に通信技術と描写技術、えぇと…カメラ、と言ったかな」
サモナー「…?」
神官「もし世界中に普及すれば、生活は大幅に改善されるでしょう」
サモナー「そうですかぁ…。見てみたいですね」
神官「意外と近い将来かもしれませんよ…?」
サモナー「それは楽しみですね…!」
神官「それ程の技術を提供してまで、同盟を組みたかった…」
サモナー「……?」
神官「その理由が、今回の戦いでハッキリと分かりました」
サモナー「それは…つまり…?」
神官「……内通者」
サモナー「…!!」
神官「彼らが事を成すには、外部の力に頼るしかない…という事です」
- 742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:57:38.41 ID:jUCLgA6o
サモナー「なるほど…!だから好条件を以ってしても同盟を…」
神官「そう。組みたかったのです」
サモナー「それ程までに国内には不穏な動きが…っ」
神官「いえ…。そこまで大事には至っていないと思いますよ」
サモナー「…?」
神官「もしそうであれば…強行策に出るか、一度軍を解体しているはずですから」
サモナー「言われてみればそうですね…。むしろ楽観的な…」
神官「狙ってるのだと思いますよ」
サモナー「尻尾」を出した瞬間を掴み、逆手に…取る…!」
神官「まぁ…双方同じ事を考えてはいるようですが…」
サモナー「水面下では地道に…小競り合いが起きているわけか…」
神官「そこまで分かって、初めてこの同盟の意義が見えてきました」
サモナー「…なるほど」
神官「無論、経済面での効果も非常に大きなものですがね」
サモナー「……」
- 743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 16:58:58.43 ID:jUCLgA6o
神官「そして、共闘して…同盟を組んで良かったと思いました」
サモナー「…?」
神官「彼らの、特に殿下の心意気に打たれました」
サモナー「国のトップになられる方が…不思議なものですよね」
神官「何か人を惹きつける。そんな魅力があります」
サモナー「彼らの志は非常に高いものだと思いますよ」
神官「ええ。自国だけではなく、本当の意味で世界の事を考えている…」
サモナー「……」
神官「ちょっと…似ているからかもしれないな…」
サモナー「…え?」
神官「いえっ、何でもありません。あ…そうだ…」
サモナー「…?」
神官「人を惹きつけると言えば…彼もそうかもしれませんね…」
サモナー「彼…?あぁ、そうですね。不思議なものです。中心には必ず彼が居る…」
神官「もしかしたら…救世主なのかもしれませんね。ふふっ…」
- 744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:01:46.78 ID:jUCLgA6o
召喚士「へーっくしょん!!」
戦士「あん?風邪か…?」
召喚士「いや、ちょっとムズムズ……っくしょん!!」
魔道士「召喚士さん、ティッシュどうぞ」
召喚士「ありがとうございます…」
盗賊「…あの…さ」
戦士「あん?」
盗賊「…いいの…かな?」
魔道士「何がですか…?」
盗賊「…このままで」
戦士「だから…何が言いたいんだよ?」
盗賊「…あ、あのっ…力不足だから」
召喚士「修行した方が…いいって事ですか?」
盗賊は黙って、こくりと頷く。
召喚士「修行…かぁ」
- 745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:04:38.36 ID:jUCLgA6o
戦士「まぁ悪かない発想だ」
魔道士「確かに…力足らずなところはあるかもしれませんね…」
盗賊「…うん」
戦士「ただ問題は…悠長に時間を使ってらんねぇって事だ」
召喚士「うん。俺らは国軍付のワーカーにもなったわけだし…」
魔道士「そういえば…!それってどうなんですか?」
召喚士「おそらく受ける、受けないは自由だと思いますけど…」
戦士「今までのようにこちらから依頼を選ぶ事は出来ないわけだ」
魔道士「そっか…。好きな時に好きな依頼をするわけではなくなるんですね」
召喚士「そういう事です」
戦士「その辺踏まえても、もし修行するなら短期間で効果抜群…」
召喚士「更には各々、師が居た方が良いですね…」
盗賊「……」
魔道士「つ、つまり…?」
召喚士「一度別れて、個別に修行をするしかないって事です」
- 746 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/05(月) 17:05:37.20 ID:jUCLgA6o
魔道士「!?」
戦士「まぁ、それがベストだわな。つーか…それ以外、浮かばねぇ…」
盗賊「……確かに」
魔道士「でも…っ、せっかく戦士さんも帰ってきたばかりなのに…」
盗賊「……」
召喚士「このまま旅を続けるか…個別に修行をするか…」
戦士「当然、国軍の許可も必要かもしれんがな…」
召喚士「みんなの…意見は…?」
戦士「俺は……」
魔道士「私は…その……」
盗賊「……私は」
召喚士「…なんだ、みんな同意見じゃないですか」
戦士「決まりだな…!」
盗賊「…ああ」
魔道士「バラバラで寂しいけれど、修行…頑張りましょう!」
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