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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その32
109 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:10:48.22 ID:kIZ9U/gYo
バシュウウゥゥゥゥ…スタッ

西方参謀「どうだ?」

南方参謀「やっぱり全軍で押し寄せてきてるわね」

西方副司令「司令2人が頑張ってるけど、敵の軍団長もかなりのものだわ」

南方参謀「そろそろ兵器の射程距離に入ると思うわ。準備して頂戴」

助手「はぁ〜い♪」

南方副司令「騎兵と歩兵も町の東西から出撃用意を」

騎士団長「了解した。西側は君に任せる」

南方副司令「やれるだけ……やってみますわ」

南方参謀「何度も言うけどここが陥落したらお終いよ」

南方副司令「右大臣様の後詰めが来るまで何が何でも凌ぐぞ!」

西方副司令「魔道兵、弓兵と共に城壁と櫓の上へ布陣して!」

南方参謀「南東国への連絡は?」

南方副司令「先程手配した。牽制の為に少し進軍して貰おう」

南方参謀「これで布陣は完了。さぁ、かかってらっしゃい……魔王軍!」


110 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:11:31.48 ID:kIZ9U/gYo
〜スグリーヴァの城〜

戦士「とりあえず話は理解した」

魔道士「……っ」

剣士「スグリーヴァ様に報いる為にも、一致団結してラーヴァナを討とう!」

白馬騎士「その通りです。華国や本国、全世界の安寧の為に……!」

青年兵「では早速、ラーヴァナ討伐作戦を決行致します」

召喚士「戦士、魔道士さん」

戦士「おう」

魔道士「頑張りましょうっ!」

青年兵「僕と共に行くのは、白馬騎士様、弓将軍様」

弓将軍「うむ。宜しく頼むぞ」

白馬騎士「……」

弓使い「私達はえっと……」

女賢者「私と一緒ね。んふっ」

幼女「わぁっ、また一緒だね、宜しく!」


111 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:12:44.04 ID:kIZ9U/gYo
剣士「皆を宜しく頼みます」

同門「……あ、あぁ」

バーテン「んで、俺らはと……」

双子姉妹「私達です!」

マジシャン「あとは……素敵なお姉ちゃんだな。ハッハ」

アマゾネス「……よ、宜しく」

青龍士官「南方弓長殿、南方魔道士殿、西方魔道長殿は私と共に」

南方魔道長「だな」

西方魔道長「やれやれだね……」

南方弓長「なんだか、緊張してきちゃったわ……」

錦将軍「おっ!? また会えたな、はは!」

南方弓長「……どうも」

錦将軍「アンタらの事は何が何でも守ってやんぜ!」

兄者「そうだ。射手らが無事、成功する為にも、我らが前線で食い止めてみせる」

弟者「だからよ、。安心して任務に集中してくれや」


112 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:13:26.35 ID:kIZ9U/gYo


青年兵「では、行きましょう」

ハヌマーン「私と剣士殿とマーマンは前衛を務める」

錦将軍「俺らもだ。なぁ?」

弟者「あったり前よ!」

兄者「お主も共に参るか?」

盗賊「……うん。宜しく」

アマゾネス「お前達も共に行動して、援護してやれ」

おさげ「了解〜っ!」

剣士「後衛は各々の組に固まって、いつでも動ける態勢を」

召喚士「了解っ」

戦士「ところでよ、ラーヴァナんとこまではどうやって行くんだ?」

ハヌマーン「うむ。それならば彼らが案内してくれる」

魔道士「!?」

ラクシャーサ「……ッ」


113 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:15:26.36 ID:kIZ9U/gYo
マーマン「アイツらはこちら側に寝返ったんだ。心配する必要はねぇ」

マジシャン「信頼出来んのか?」

ハヌマーン「彼らにとって欺く道理がないからな」

白馬騎士「それに、信頼しなくてはなりません」

バーテン「……なるほどな」

ラクシャーサ「命を助けて貰った恩義だけは返す。決して寝返ったわけではない事は分かってくれ」

錦将軍「どっちでもいいさ。共に戦うなら仲間、そうじゃねぇなら敵。ただそんだけだ」

白馬騎士「よし、それでは参りましょう」

青年兵「ええ。皆様、決して無理はしないように」

一同「おーう!!」

ハヌマーン「留守は頼んだぞ。何かあればすぐに華国と本国に知らせよ」

ガーゴイル「任せとけ! 大丈夫!」

ゴブリン「俺達頑張る! だからみんなも頑張れっ!」

ザッザッザッザッザ

ハヌマーン「!?」


114 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:16:16.95 ID:kIZ9U/gYo
マーマン「お……お前……っ」

魔道士「オ−クさんっ!!」

ザッ

オーク「……オラも……行くです!」

剣士「オーク! 大丈夫なのか……?」

法師「外傷はないようです。しかし万が一という事もあるかもしれませんが……」

オーク「構わない! みんな苦しんでる……オラだけ休んでられねぇです」

召喚士「オーク……」

戦士「……いいよ、連れて行こうぜ」

幼女「……っ」

戦士「その代わり、足手纏いになったら捨ててくぞ。いいな?」

オーク「……はい!」

戦士「死にかけても、誰も助けやしないぞ?」

オーク「……分かってるです」

戦士「じゃあいい。前衛に混ぜてやってくれ」


115 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:17:37.79 ID:kIZ9U/gYo
剣士「分かった。オーク、一緒に戦おう」

オーク「はいですっ!」

ザッザッザ

戦士「盗賊」

盗賊「……?」

戦士「オークの事、頼んだぞ」

盗賊「分かっている。あやつは私が守る」

戦士「すまねぇな」

盗賊「……いや、当たり前の事だ」

ザッザッザ

魔道士「何話してたんです?」

戦士「別に〜」

魔道士「あ……っ、そういう事ですか……」

戦士「どういう事だよ?」

魔道士「い、いえ……っ、ごめんなさい……っ///」


116 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:18:55.84 ID:kIZ9U/gYo
ザッザッザッザッザ

弓将軍「城に残した手勢だけで大丈夫かのぉ」

白馬騎士「法師様もおられますし、大事はないと思いたいですが……」

兄者「気掛かりなには同化したと思われるヴァーリンが姿を見せぬ事よ」

弟者「あのまま死んだんじゃないか?」

ハヌマーン「いや、それは考えにくいな」

ラクシャーサ「ここから先は山脈伝いにほぼ道なりだ」

戦士「意外と近いんだな」

魔道士「よく、攻めてこなかったですね」

ハヌマーン「今までは攻める必要がなかったのだ。双方ともな」

盗賊「……成程」

ハヌマーン「だが一度動き出せば、どちらかが滅びるまで終わる事はない」

召喚士「……」

剣士「さぁ、先へ進みましょう」

青年兵「なんとか夜までには辿り着きたいところですね」


117 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:19:36.16 ID:kIZ9U/gYo
〜東の町〜

南方副司令「撃てぇーっ!!」

ズガガガガッ…バシュウウゥゥゥゥ

昨日同様、兵器による遠距離攻撃が開始されている。しかし今日においては、

若干ではあるが、その攻撃方法にも変化があった。例えば角度である。

助手「昨日は高度を高めに取ってけど、精度が高い事分かったから、今日は低弾道でいくわよ〜」

当然の事ながら、角度が低ければその分飛距離も伸びる。

初の実戦導入にて高精度を確信した彼女らは、兵器の射出角度を低く設定した。

ドウンッ!!…ズッガアアァァァァン!!

ラクシャーサ「グギャアアァァ!!」

アスラ「ふむ、まずはこれを何とかせねばならぬな」

飛距離が伸びた事で接近される心配もはるかに低くなり、篭城においての防衛も楽になる。

変わったのは角度だけではない。その射撃方法においても変化が見られた。

西方兵「……3、2、1……発射ぁ!!」

投石器、バリスタ問わず、ほぼ全ての兵器より同時に射撃が行われている。


118 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:20:29.23 ID:kIZ9U/gYo
ザッザッザ

大軍師「投石器とバリスタ、混合での射撃ですか」

助手「断続的な射撃より、隙間なくビッシリでの定期射撃の方が効率良いみたい♪」

大軍師「量より質ですか。確かにその方が相手への恐怖心も植えつけられるかもしれませんね」

助手「でーも、それだけじゃないのよ〜?」

大軍師「……?」

ズドドドドドドドドドッ

ラクシャーサ「あの棒みてぇなヤツは結界石だ!触れると手痛い目にあうぞ!」

アスラ「……ならば、岩を蹴散らせばよかろう」

上空より迫る無数の投石とバリスタの矢。アスラはその中で岩石だけを標的と捉え、

空中へと跳ぶと、そのまま速やかに岩を砕き、撃破していく。

アスラ「――ッ!?」

突如迫る岩を寸前でかわし、呆気にとられるアスラ。その目先ではラクシャーサ数匹が、

岩の中に隠された結界石に押し潰され、息の根を絶っていた。

アスラ「……人間が、味な真似をしてくれる……ッ!!」


119 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:22:31.20 ID:kIZ9U/gYo
ズドオオォォォォ

大軍師「成程、カモフラージュですか」

助手「この方が効果ありそうじゃない? 相手もビックリするでしょうし〜♪」

案の定、昨日までとは同じ方法でも手段が全く異なる攻撃に、

魔王軍はアスラを始め、進軍の勢いが滞り始めていた。

アスラ「……態勢を立て直す。人間共め、一辺倒ではないようだ」

ラクシャーサ「左右から挟み撃ちにしてみてはどうでしょうか?」

アスラ「……悪くないな。正面は私が司る。試してみよ」

ラクシャーサ「はっ!」

ザザッ…ドドドドドド…

西方参謀「魔王軍が左右に展開! 騎兵、歩兵は動けるか!?」

騎士団長「いつでもいける!」

南方副司令「雑魚だけなら正面からぶつかってもある程度はもつはずだ、行くぞ!」

助手「……えっ、何!? ちょっとぉ〜!?」

大軍師「どうしました?」


120 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:23:52.30 ID:kIZ9U/gYo
ズザッ…スタッ

大軍師「……司令!?」

天才「おーおー、ドンパチ頑張ってんじゃねぇか」

大軍師「何をなさっているのです!?」

天才「……んーと、コイツでいっか」

ヨジジヨジ…ストッ

ゴロツキ「な、何するつもりなんだ……?」

天才「いいぞ、撃て」

チンピラ「――っ!?」

大軍師「何を仰っているのです!? そんな無茶な……」

天才「ほれ、早くしろ!」

西方兵「し、しかし……っ」

天才「いーから撃てって言ってんだよ!!」

ブチンッ

助手「あぁ〜っ!!」


121 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:25:28.57 ID:kIZ9U/gYo
バシュッ!!…ゴゴオオォォォォ!!

ゴロツキ「自ら縄切って……飛んでった……」

大軍師「……全く、仕方ありませんね。いいですか、司令を援護しますよ」

助手「に牽制射撃開始ー! 司令に当てないようにね〜♪」

西方兵「無茶苦茶だ……っ」

1台の投石器より発射された天才は低い弾道のまま凄まじい勢いで、

単身、空を舞いながら魔王軍の中へと突っ込んでいく。

オオォォォォ…

アスラ「岩石や結界石はいざ知らず……」

ゴオオォォォォ!!

アスラ「まさか生身の人間まで放ってくるとはな!」

天才「おっと、アスラちゃんじゃねぇか!」

アスラ「しかも……貴様かぁ!!」

天才「どーれ、必殺……ジーニアスキーックなんつってな!」

アスラ「ッ!!」


122 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:27:20.34 ID:kIZ9U/gYo
バッゴオオォォォォン!!

天才のとび蹴りがアスラの顔面に直撃する。

アスラ「ガ……ッフ!!」

天才「ハーッハッハッハ!!」

蹴り飛ばした顔を更に大きく経じき飛ばし、ラクッシャーサの群れの中へと飛び込む天才。

そして目に飛び込むは、地面に突き刺さった自身にも等しいとも言えるツヴァイハンダー。

それを両手で引き抜きながら、一回転し地面に叩きつけながら着地する。

ギュルルッ…ズッドオオォォォォン!!

先程のアスラにも負けじと地に大きな穴を開けながら、衝撃で宙へと舞い上がる

魔物らを見つめながら、天才は大声で叫ぶ。

天才「おらー! いつまで寝てんだ! さっさと起きろ!」

ズシャッ!!…ガバァ!!

南方司令「……」

西方司令「……」

天才「テメーらはモグラか! いつまでも埋まってんじゃねぇ!」


123 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:33:42.49 ID:kIZ9U/gYo
南方司令「面目ない」

顔に付いた土を払いながら、南方司令は拳を鳴らしながら天才の元へと歩む。

西方司令「師匠こそいつまで寝てんだよ。蝉の幼虫かこのボケ」

首を左右に鳴らしながら、巨大な剣を担ぎ上げ、西方司令は天才の元へと歩む。

天才「なんだよ、ラーヴァナちゃんは来てねーのか」

2人の弟子を左右に従え、天才は髪を掻きあげながら1つ、深呼吸をした。

天才「昨日の礼を返してやろうかとおもったんだがなぁ……残念。ハーッハッハ!」

南方司令「あれはどうします?」

天才「弱いから興味ねーんだよなぁ。テメーらで何とかしろよ」

西方司令「望むところだ! 土付けてくれた礼は返してやらんとなあぁ!」

天才「おめーもよ、不得手な剣なんぞ使ってないで、普通に戦えよ」

南方司令「いや、数が多かったんで……」

天才「はぁ? 数が多かったら正義の拳は働かねーのかよ?」

南方司令「……正義は我にあり!!」

天才「それでいい。てめーの信念は曲げるモンじゃあないぜ? ハーッハッハ!」


124 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/09/16(金) 18:43:02.15 ID:kIZ9U/gYo
久々の3連休だぁ…また後ほど来ます〜
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ


130 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/17(土) 02:23:30.24 ID:QiqXQJlDO
>>1乙!
天才……驚異的な速度で回復してるんだよな……?
全身骨折のまま戦ってるとかじゃないよな?

ああ…見てて心配になる……


131 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/09/17(土) 11:17:14.12 ID:eclsdU1IO
あんた手ェかせっていうくらいだから


132 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 05:26:53.83 ID:QjQkszbDO
回復はしてないだろうな


133 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 09:07:51.38 ID:XnPPNADDO
だが、それでも天才なら


134 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 20:22:20.86 ID:5Mquj6qDO
やってくれる。


135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 23:30:22.04 ID:apJl54/5o
ラクシャーサ「アイツら……い、生きてやがったのか!」

アスラ「お……のれぇ……っ!!」

天才「ラーヴァナには!?」

南方司令「別働隊があたっています。城へ直でね」

天才「なるほどな」

西方司令「おい、まさか行く気じゃ……」

天才「いいからさっさとアスラ片付けて来い!」

西方司令「!?」

バッ

天才「先行ってんぞ! ハーッハッハッハ!」

西方司令「おいコラ!!」

南方司令「相変わらずだな。まぁ、あの人なら大丈夫だろうが」

西方司令「……だといいがなぁ」

南方司令「……?}

西方司令「気付かーのかバカ。とても普通に戦える状態じゃねぇぞアレ」


136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 23:31:05.62 ID:apJl54/5o
タタタッ…ズキィ

天才「……っ」

ラクシャーサ「何だこの人間は!?」

天才「どけどけどけぇ!!」

ズガシュウウゥゥ!!

天才「……ぐっ!」

ズザザッ…フラッ

天才「おいおい……ハーッハッハッハッハ!!」

ラクシャーサ「グワアアァァ!!」

天才(情けない話じゃねーかよ)

ラクシャーサ「何だコイツ……強えぇ!!」

天才(五行全開でこんな雑魚共に手間取ってんのかよ……っ)

ラクシャーサ「この先何十万いると思ってんだぁ!? まさか1人で突破する気か!?」

天才(正直ラーヴァナの力は予想外だな。正面からぶつかって勝てる相手じゃねぇ)

ラクシャーサ「どこまで押し込まれてんだ! 全員で囲め!」


137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 23:32:59.01 ID:apJl54/5o
天才「ウザってぇんだよ……オラアアァァ!!」

ドッガアアァァァァン!!

天才(別働隊が向かってるって事は、作戦通り遠距離射撃か……)

ラクシャーサ「人数かけても意味ねぇなんて……コイツ本当に人間かよ……ッ」

天才(選択は間違ってねぇな。ラーヴァナ討つにゃそれっきゃねぇわ)

ラクシャーサ「グハアアァァ!!」

ドシャアァ

天才今回は俺様も……役に立てそうにねぇわな……ははっ)

ラクシャーサ「くっそ……っ、これ以上進まれるとシヴァ様の下へ……」

天才(だがなぁ……予言でハッキリ出てんだよ。俺様は死なねぇ)

ジャキッ…グググッ

天才「死ぬのはラーヴァナ……てめぇだ!!」

ゴッシャアアァァァ!!…ドドオオォォォォン

天才「……よう、アンラちゃんが居なくなって……寂しそうだなぁハーッハッハ!」

シヴァ「……[ピーーー]」


138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 23:34:39.13 ID:apJl54/5o
天才「だーれを[ピーーー]って?」

シヴァ「貴様だ!」

土煙と共にシヴァの体が宙を舞う。標的は無論、目の前に現れた人間、天才だ。

シヴァの右拳が大きく振りかぶられ、地面へと叩きつけられた。

その瞬間、拳に纏った竜巻が地面を抉り取り、周囲を丸ごと吹き飛ばした。

ゴゴウッ!!…ズッガアアァァァァン!!

天才「おっほー、すげぇ威力だ事!」

シヴァ「オアアアアーッ!!」

右拳に続き、左拳、そしてまた右拳と左右交互に何度も放たれる突き。

その度に巻き起こる竜巻が破壊の限りを尽くし、暴れまわる。

シヴァ「ガアアアアァァァァ!!」

天才「ハーッハッハッハッハッハ!!」

ガッキイイィィィィン!!

シヴァの拳と天才のツヴァイハンダーが何度も激しくぶつかりあった。

纏う風を弾き飛ばし、五行輝く刃がシヴァの両拳を痛めつける。


139 名前:saga忘れてた… ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/18(日) 23:35:45.43 ID:apJl54/5o
バッゴオオォォォォン…ズザザザザアアァァ

シヴァ「……ッ!!」

天才「ハッ、ハッハッハッ……ハッ」

いつものように笑い声を上げているわけではなかった。その発する息は、

明らかに息を切らせた、普段の姿からは想像も付かないものであった。

それでも、満身創痍の状態でも、天才はシヴァ相手に優勢を保っていた。

シヴァ「こ……の人間風情がぁ!!」

天才「魔王様でもねぇ、テメーみてぇな雑魚の後塵拝するわけねーだろうがよぉ!」

キュイイイィィィィ!!

天才「ここまできたら俺様とてめぇ、どっちかが死ぬまでガチンコ続けるだけだ」

シヴァ「……ッ」

天才「もっとも、死ぬのはてめぇだって分かってるけどな!」

シヴァ「ゴチャゴチャとぉ……ッ!」

天才「そう時間もかけてらんねぇし……ありがたく思え、フルパワー見せてやるよ」

不気味な自信を放つ1人の人間に、シヴァは得も言われぬ恐怖を感じていた。


141 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/19(月) 01:22:39.77 ID:s/RD/3A7o
〜東の町〜

ドオオォォォォン

南方参謀「さっきから魔王軍の後方で何か起きてるわね……」

西方参謀「いやそれより……さっき人みてーのが射出されなかったか?」

西方副司令「これだから酔っ払いは……」

大軍師「いえ、見間違いではありませんよ」

テクテクテク

南方参謀ちょっと、どこに行ってたのよ!」

大軍師「先程、司令が投石器から出撃致しました」

西方参謀「……いや、意味が分からん」

ゴロツキ「だから、こう……ビョーンって……」

西方副司令「ますます分からないわ……」

大軍師「とにかくです、敵の指揮官はこれで抑えられるはずです」

西方参謀「今のうちに雑魚共を殲滅出来るって事か?」

大軍師「はい。左右からの迎撃部隊は既に出ているのですね?」


142 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/19(月) 01:23:56.01 ID:s/RD/3A7o
〜東の町、外部〜

ドドッドドッドドッ

騎士団長「いけぇーっ! 深入りはするな、押し込めば良い」

頭上にかかげた長剣を振り下ろすと、それを合図に騎兵が横に広がり、

ラクシャーサの群れに対し、槍を構えて突撃を開始した。

縦横に振られる槍に慌てふためき、魔王軍は1度の突撃に対し、

数十匹が負傷し、止む無く後方へと退いていった。

南方副司令「流石は騎士団長。こちらも東には負けていられんぞ!」

騎兵「おぉう!!」

東側の騎士団長による突撃が南方軍の士気を更に高める。

西側の南方副司令率いる騎兵もそれに負けじと、突撃を開始した。

先頭を駆る南方副司令の大きなハンマーが馬上から振り下ろされ、

1匹、また1匹とその餌食となって、悲鳴をあげながら倒れていく。

それを後方の騎兵が踏み潰すかの勢いで疾走に、こちらもやはり敗走し始めていた。

当初の予定通り、魔王軍は中央へと徐々に押し込まれる形となった。



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