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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25
727 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:08:29.93 ID:3920g0A6o


戦士父「……」

ザッザッザ

弟者「さーて、まずは俺っちからいくとするかい!」

戦士父「……」

弟者「何でこの蛇矛を狙ってんのか知らねーが……」

チャキッ

弟者「おいそれとくれてやるわけにゃーいかねぇぜ!」

蛇矛と呼ばれる弟者の得物。刀身部分が蛇腹状のようにうねっており、

突きというよりは、鋸のように引っ掻く事を得意とした武器である。

戦士父「……」

言わずもがな、戦士父が狙う理由は、蛇矛がゾディアックの一本であるからだ。

戦士父「……いくぞ」

弟者「……来なっ!!」

戦士父はゆっくりと、手にした二本の長得物を前方へと構えた。


728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:09:15.29 ID:3920g0A6o
ズッ…

弟者「……槍の…二刀流だとぉ!?」

兄者「いやっ!それよりも……」

ザッザッザ

兄者「あれは……騎都尉の方天画戟!?」

戦士父「はあぁ!!」

バッ!!……ガイイイィィンッ!!

鈍い金属音が周囲に鳴り響く。

戦士父の右手より繰り出された槍の一撃が、弟者の蛇矛に阻まれ、

更にそれを利用し、弟者は戦士父の槍を軸に宙をくるりと回転する。

弟者「でりゃああぁぁ!!」

蛇矛が空中で激しい突きを無数に繰り出す。

スバババババッ!!…バシュウゥッ!!

それを戦士父は冷静に、その二本の槍において激しい連撃を受け流す。

両者共に決め手のないまま、この攻防は互いに間合いを取り、終了した。


729 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:09:54.09 ID:3920g0A6o
ザザッ

戦士「……」

弟者「…へっ」

右大臣「……全くの…互角だな」

兄者「…いや」

皇太子「……」

兄者「わが弟はまだ、本気を出してはおらん」

右大臣「な、何と……っ」

天才「はーっはっはっはっは!!」

兄者「……何が可笑しい?」

天才「そりゃ、アイツも同じだよ!」

兄者「何……?」

天才「どっちも互いの力量探ってんのさ。たかがしれてらぁ」

兄者「……貴公は侮辱しておるのか?」

天才「……アンタもたかがしれてんなぁ」


730 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:10:29.00 ID:3920g0A6o
スクッ…ザッ

天才「互いの手の内探って戦うなんざ、小物のやる事なんだよ」

兄者「……貴様」

スクッ

天才「おっ、やるかぁ?相手してやるぜ?」

戦士父「手を出さないで頂きたい」

あくまで弟者と対峙しつつも、こちらへ向けて声のみ発する戦士父。

天才「……ほらな、手加減もいいとこだわ」

ザッ…ドスッ

右大臣「ど、どういう…意味だ?」

天才「雑音が耳に入るなんざ、本気出してねぇ証拠だよ」

兄者「……っ」

ドスッ

減らず口を叩きながら再び座り込む天才を見て、

兄者もまた反論を飲み込み、その場に再び座り込んだ。


731 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:11:33.66 ID:3920g0A6o
ザザッ…スススッ

戦士父「……」

弟者「……」

皇太子「彼の言う事は、分からんでもない」

剣士「……?」

皇太子「己に絶対の自信を持ち、真なる強さを持つものであれば……」

戦士父「……はぁっ!!」

弟者「だっりゃああぁぁ!!」

皇太子「……相手の力量など、確かめる必要もない」

剣士「なるほど……」

ガキイイィィンッ!!

皇太子「分からんでもないが、到底…出来るものではない」

剣士「……ええ」

皇太子「それを為しえるからこそ、託され、頂点に立っているのだがな」

剣士「……っ」


732 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:12:37.24 ID:3920g0A6o
天才「ごちゃごちゃうっせーぞ。黙って見てやがれ!」

右大臣「お前な、殿下に向かって……」

皇太子「構わん」

右大臣「……っ」

外野の雑音を他所に、対峙する両者は互いに意識を集中させる。

戦士父「……」

弟者「……」

数合打ち合った末の競り合い。その至近状態において、

二人の視線は互いを見つめ、相手の次の動きを探りあう。

戦士父「……」

弟者「……へっ」

にやりと笑う弟者は重心をそのまま、両腕だけを引き、蛇矛を下げる。

戦士父「!?」

均衡を崩した動作に対し、戦士父は空いた左手の戟を突き出したが、

それに備え弟者は、今度は重心ごと身体を後ろへすっと引いた。


733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:13:21.74 ID:3920g0A6o
グイッ…ブンッ!!

弟者「甘めぇ!!」

戦士父「ちぃっ!」

空振る戟へ重ねるように、戦士父の右手に握られた槍が薙ぎ払う。

弟者「……っ!!」

それを待ってたと言わんばかりに、弟者の蛇矛ガカウンターで突きを繰り出す。

ボシュッ!!

戦士父「……」

弟者「……」

戦士父の交差した腕へ、赤い血がぽとりぽとりと、数滴垂れ落ちる。

その直後、戦士父の左首筋から鮮血がほとばしる。

ブシュウウゥゥ…

戦士父「……はあぁっ!!」

交差した腕で振り払うように薙ぐと、弟者は跳躍でそれを逃れ間合いを取る。

一呼吸つくと、蛇矛を一振りし、先端へ付いた血を振り払った。


734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:14:24.67 ID:3920g0A6o
天才「…ほぉ、なかなかのボディバランスだな」

皇太子「うむ。あの身に似合わずかなりの反応速度だ」

剣士「凄い……っ」

ブシュッ…ポタポタッ

弟者「かなり出てるが、まだ続けるかい?」

戦士父「……どうという事もない」

弟者「……言うねぇ!」

戦意を失わない眼前の敵に、間髪入れず追撃を仕掛ける弟者。

天才「いーい、判断だ。休ませる必要はねぇ」

右大臣「お、お前は……どちらの応援をしておるのだ!」

天才「あぁ?どっちが勝って、万が一どっちがおっ死のうと…俺様にゃ関係ねぇ」

右大臣「……っ」

頭上で数回蛇矛を振り回し、弟者の攻撃はそのまま乱れ突きへと移る。

ガインガインガインッ…チュインッ…キィンッ!!

戦士父が二本の得物でそれを防ぐ度、首筋から血飛沫が上がった。


735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:15:15.84 ID:3920g0A6o
ガインッ…キィン…ギキイイィィンッ!!

兄者「そろそろ止めねば、出血多量で危ういぞ」

天才「アホか」

兄者「……」

天才「ギブアップして初めて敗北だろうが」

剣士「……しかし…っ」

天才「俺らに止められるんなら、初めからこんな勝負は起きてねぇ」

皇太子「……」

天才「そうだろ?ヒゲの旦那よ」

兄者「……ああ、お前の言う通りだな。失言であった」

右大臣「……っ」

ガインッ!!…ガキイィンッ!!…ブシュッ

弟者「おらおらおらぁ!どーしたよ!?そのまま出血多量で死ぬかぁ!?」

戦士父「……確かに……これ以上はマズイな」

弟者「!?」


736 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:16:28.75 ID:3920g0A6o
戦士父「はぁっ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

弟者「――っ!!」

兄者「こ、これは……っ!?」

天才「やーっと本気モードかよ。遅せぇっつーの」

兄者「これ程の……威圧とは…っ」

弟者「てんめぇ……」

戦士父「悪いな。身体が鈍ってて……暖まりが遅いんだ」

バチィッ!!

弟者「!?」

蛇矛の乱れ突きを、戦士父は戟を回転させ弾き返す。

刹那の隙に空いた腹部へと、更に槍での一撃がカウンターを放つ。

ボッ!!

弟者「……だっりゃ!!」

その一振りをなんとか側宙で回避する弟者。その目に次なる一撃が飛び込んできた。


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:17:58.30 ID:3920g0A6o
戦士父「……ふんっ!!」

弟者「な……っ!?」

ドシュウウゥゥ!!

兄者「投擲だとぉ!?」

天才「やっと必殺技が出たぜ」

グオオォォッ!!……ギギギギイイィィ!!

弟者「……っ!!」

着地前に放たれた槍。弟者は迫るそれをかろうじて蛇矛の刀身で受け止める。

天才「はーっはっはっは!平たい刀身で助かったなぁ」

しかし威力が弱まったわけではない。投擲による一撃で弟者の身体は宙で押され、

後方にて着地せざるを得ない状況を生み出した。

弟者「……くっ!!」

歴戦の猛者である弟者は着地前、既に脳裏で結末を描き出していた。

目の前に走り迫る男の左手から突き出される戟。

着地点に寸分の狂いもなく繰り出されるそれを、回避する手立ては残っていなかった。


738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:18:42.54 ID:3920g0A6o
オオオォォォォ…

戦士父「…………」

弟者「…………」

ザッ

戦士父「…こちらの勝ちだな」

首筋を押さえながら、地べたへ尻をつける弟者へ戦士父は問いかける。

弟者「……いやぁ、参ったね。まさか俺が負けるとは……っ」

鼻筋すれすれに迫った戟の先端を見つめ、弟者は苦笑で応答する。

スゥッ

弟者「……見事だ。仕方ねぇが…これはくれてやる」

ヒョイッ

戦士父「……有難く」

パシッ…ガクンッ

戦士父「……っ」

首筋を抑えた右掌が真っ赤に染まり、戦士父はその場に膝をついた。


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:19:19.77 ID:3920g0A6o
剣士「まずい……っ!!」

皇太子「……っ!」

タタッ…ザッザッザ

弟者「お、おい…っ!?」

戦士父「……大丈夫だ。すまん」

ググッ…

弟者「大丈夫…って、大丈夫じゃねぇだろ……っ」

ザッザッ…ザッザッ…

戦士父「……待たせた」

兄者「……」

戦士父「……さぁ」

ググッ…

右大臣「バ……バカな!?まだやるつもりなのか…っ!?」

戦士父「互いに時間がないのだろう?さぁ…っ!!」

兄者「……」


740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:20:18.76 ID:3920g0A6o
スッ

戦士父「!?」

兄者「悪いが、手負いの者と仕合う心は持ち合わせておらぬ」

戦士父「……」

兄者「それに、手負いの者に勝利したとて、我が武功に上がらぬ」

ザッザッザ

兄者「むしろ恥として、生涯伝えられる事であろうぞ」

戦士父「……」

兄者「日を改め、必ずや弟の仇を討たせて貰おうではないか」

ザッザッザ

天才「いやぁ、漢だねぇ…ヒゲの旦那!」

戦士父「……?」

ザッザッザ…グイッ

戦士父「…っつ!!」

天才「動くな、ジッとしてろ!」


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:21:20.41 ID:3920g0A6o
キュイイィィ…パアアァァ

戦士父「……っ」

天才「…たくっ、無駄な魔力使わせやがって」

戦士父「……」

天才「いいか?あくまで止血と傷口を塞いだだけだ。失った血は戻らん」

ザッザッザ

天才「半日か一日は大人しくしてろよ」

剣士「回復…魔法……!?」

皇太子「ああ、そのようだ」

剣士「な……何者なんです…っ?」

皇太子「おや、君は知らないのか。てっきり知っているものかと思っていた」

剣士「……殿下の近衛…ではなさそうですね」

皇太子「国……」

天才「誰が護衛だコラ。ナンバーワンランカーの天才様だ、覚えとけ!」

剣士「天才……!?あ、あなたが……っ!!」


742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:22:28.36 ID:3920g0A6o
兄者「剣士殿」

剣士「は、はいっ!」

兄者「もしやと思うが貴公ら、華国へ行かれるのか?」

剣士「ええ、実はですね……」

スッ

皇太子「南東国の将軍とお見受けするが?」

兄者「如何にも。貴公は?」

皇太子「これは失礼。私は本国第一王子、皇太子と申す」

弟者「――っ!?」

兄者「な、なんとっ!本国の……!?」

ズザッ

兄者「これは無礼を……失礼致しました」

皇太子「いやいや、気にしないでくれ」

兄者「……本国の殿下が、何故…華国に?」

皇太子「南東国の陛下と是非、話をと思ってね」


743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:23:05.01 ID:3920g0A6o
右大臣「文は出したのだが、まだ届いておらぬようだな」

兄者「そうでありましたか」

弟者「話って……なんなんですかい?」

皇太子「以前、南方司令から聞いてね」

右大臣「南東国もわれ等と交友を深めたいと聞いたが……」

兄者「まさか…その為にわざわざご足労を…!?」

皇太子「たまにこうして外へ出ぬと、運動不足でな。ははっ」

兄者「……」

皇太子「もし戻るのであれば、我らを案内頂けないだろうか?」

剣士「僕からもお願い致します」

兄者「……」

弟者「兄者…っ」

兄者「まさかお断りなど出来ようはずがありますまい。それに……」

戦士父「…?」

兄者「某もまだ、為さねばならぬ事がありますので」


744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:24:28.13 ID:3920g0A6o


ザッ…パッカパッカパッカ…

天才「……傷は?」

戦士父「お陰様で」

天才「ソディアック集めか。んで、成果は?」

戦士父「これで3本目……」

天才「全然増えてねーじゃねぇか」

戦士父「…いや、情報収集に手間取って」

天才「ったく。んで、全部分かったのか?」

戦士父「…いや。手元に3本、華国に残り2本……」

天才「あとは?」

戦士父「魔物が2本。国軍に2本」

天才「…あとは?」

戦士父「……さぁ」

天才「……っ」


745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 18:25:34.92 ID:3920g0A6o
グイッ…ドンッ

天才「全っ然、じゃねーか!」

戦士父「おい、馬をぶつけるな」

天才「冷静に悟ってんじゃねぇよ」

戦士父「あと1年以上ある」

天才「1年しかねぇんだよ!」

戦士父「……」

天才「……ちっ。東方に1本、西方に1本だ。あとは知らん」

戦士父「…助かる」

天才「……けっ!」

剣士「お二方、少し飛ばしますよ。日が暮れてしまいますので…」

天才「…あぁ、いいぜ」

戦士父「……承知した」

グワッ…ドドッドドッドドッドドッ

間もなく皇太子ら一行は、南東国、東の街へと入国した。


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:53:35.75 ID:3920g0A6o
〜ターミナル〜

魔道士「到着ーっ!」

女記者「おおぉぉ!?鬼凄いっすうぅ!!」

召喚士「ここからは馬車で東方司令部へ向かいます」

女記者「鬼お任せしまっすううぅぅ!!」

戦士「…元気になってよかったな」

召喚士「うん、そうだね。魔道士さん、ありがとうございました」

魔道士「えぅっ?私、なんにもしてないですよ?」

戦士「えっ!?じゃあ…盗賊か?」

盗賊「……いや」

魔道士「あの後、声をかけようと思ったんですが…見当たらなくて…」

召喚士「じ、じゃあ…自然に…?」

戦士「…ったく、心配して損したぜ」

女記者「…はれ?皆さん、どうしたっすかあぁ!?」

召喚士「…い、いえっ。それじゃあ行きましょうか」


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:54:10.35 ID:3920g0A6o
テクテクテク…

召喚士「えぇっと……」

御者「ふふんふ〜ん」

ゴシゴシッ

召喚士「いたっ!御者さーん!」

御者「!?……旦那っ、旦那じゃあごぜぇやせんか!」

召喚士「ど、どうも…。お忙しいところ声をかけてすみません」

御者「いえいえ、丁度洗い終えたところですから!」

召喚士「あの、5人なんですが…東方司令部までお願い出来ますか?」

御者「モッチロンですよ!!」

魔道士「宜しくお願いしますねっ。えへへ!」

女記者「おぉっ!鬼宜しくっすううぅぅ!!」

戦士「ほれ、早く乗れ」

女記者「うっす!鬼失礼しますううぅぅ!!」

盗賊「……元気だなぁ」


758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:54:43.96 ID:3920g0A6o
ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ

御者「旦那、新聞見ましたぜ〜!」

召喚士「……っ!?」

御者「あっしもねぇ、旦那を乗せたってんで鼻が高いってもんですよ!」

召喚士「は、はぁ…。どうも……」

御者「見て下さい!この新しいビラ!!」

魔道士「……?」

カサッ

戦士「…えーと。あの朱雀先生も乗った当、馬車……っておいおい!」

御者「いえね、勝手に旦那の名前を使うのも悪いかなぁとは思ったんですけどね」

召喚士「ち、ちょっと……」

御者「あ、いやっ!旦那が駄目だってんならもちろんやめますよ!?」

戦士「…まぁいいんじゃねーか?どうせ召喚士の名前だけだし」

召喚士「ちょっとお!?」

御者「いやぁ〜良かった!旦那っ、ありがとうごぜぇます!!」


759 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:56:50.90 ID:3920g0A6o
ドドッドドッドドッ…ドドォ

御者「お待たせしやしたっ!東方司令部です!」

魔道士「ありがとうございましたーっ」

女記者「おおぉぉ!?ここが東方司令部…っ」

魔道士「そうですよ〜」

女記者「おおお鬼でかいっすねええぇぇ!!」

戦士「感動してる場合か」

女記者「へ…っ?」

戦士「取材はいいのか取材は」

女記者「おおぉぉ!?そうっすよおぉ!鬼取材っすよおおぉぉ!!」

戦士「……はぁ」

盗賊「…大丈夫かな?」

召喚士「それじゃ、ありがとうございました」

御者「こちらこそっ!旦那、またお願いしますぜ!」

満面の笑みを浮かべ、御者は東方司令部を後にした。


760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/20(日) 23:58:45.91 ID:3920g0A6o
テクテクテクテク…

召喚士「こんばんはー」

門兵「……?」

召喚士「本国の新聞社より、取材に来た者なんですが……」

女記者「おおぉぉ……っ、中も鬼広いっすねええぇぇ!!」

戦士「……おい、お前が言わなきゃいかんだろ」

女記者「はえ!?あ、ああぁぁ!!鬼すんんませんっすううぅぅ!!」

門兵「……ちょっと待ってろ」

カツカツ…ザッザッザ…

女記者「……だだ大丈夫っすかねええぇぇ!?」

盗賊「…何が?」

戦士「別に悪い事してるわけでもねーし、アポ取ってんだろ?」

女記者「鬼とってるっすよおぉ!」

戦士「じゃあいいじゃねぇか。何を不安がってんだよ……」

召喚士「はは……っ」


761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:01:04.75 ID:d1TnBB9Co
ザッザッザ…カツカツカツ…

門兵「入っていいぞ」

女記者「おおぉぉ、鬼失礼しまっすううぅぅ!」

テクテクテク

東方兵「君達か。聞いていたより大人数だな」

召喚士「すみません。俺らは道案内の付き添いで……」

東方兵「……?まぁいい、応接室に案内する。ついて来たまえ」

女記者「おおお鬼宜しくっすううぅぅ!!」

カツカツカツカツ…コンコン

東方兵「新聞社の者らを連れてまいりました」

カチャッ

女記者「ははは始めましてええぇぇ!!」

――「……おや?」

召喚士「……東方副司令さん!」

東方副司令「やはり、朱雀先生か……っ!」


762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:02:08.35 ID:d1TnBB9Co
召喚士「なぜ、副司令さんが……?」

東方副司令「取材があると聞きましてね」

召喚士「なるほど。副司令さんがご担当というわけですね」

豆腐副司令「ええ。しかし、なぜ朱雀先生方が…?」

召喚士「実は……」

戦士「コイツ、すんげぇ方向音痴でさぁ」

東方副司令「……案内役を?」

盗賊「……そういう事だ」

女記者「お、鬼宜しくお願いしまっすうううぅぅ!!」

東方副司令「ど、どうも……」

召喚士「それじゃ、俺らは席を外してます」

東方副司令「…ん?同席していてくれて構いませんよ?」

召喚士「いえいえ、お邪魔になりますから」

戦士「そうそうっ!そんじゃ、終わったら声掛けてくれなっ!」

東方副司令「……は、はぁ」


763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:02:55.22 ID:d1TnBB9Co
女記者「そ、それじゃあ早速……鬼取材開始っすよおぉ!?」

東方副司令「は、はい。どうぞ……」

テクテクテク…パタン

戦士「…よーし、時間が作れたぜ」

召喚士「今のうちに青年兵くんを……」

カツカツカツ

――「青年兵がどうしたって?」

盗賊「!?」

魔道士「東方司令……さん…っ!」

東方司令「部外者が司令部内とうろうろと…捨て置けんな」

召喚士「す、すみません……っ」

東方司令「確か…国軍付だったか、まぁいい。それで何の用だ?」

召喚士「青年兵くん、いらっしゃいますか?」

東方司令「青年兵?あぁ、参謀あたりとその辺にでもいるだろう」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」


764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/21(月) 00:03:56.94 ID:d1TnBB9Co
クルッ…スタスタスタ

東方司令「……待てっ」

召喚士「……っ」

東方司令「…彼に、何の用だ?」

召喚士「いやっ、せっかくなんで…挨拶だけでもと…」

戦士「急に異動んなっちまって、会う機会もなかったからなぁ」

盗賊「…ああ」

東方司令「……ふぅん」

召喚士「それでは、失礼します…っ」

東方司令「あまりうろちょろするなよ」

魔道士「は、はい!気を付けます…っ!」

テクテクテクテク

東方司令「……変な奴らだな」

テクテクテク…

東方司令「……青年兵……まさか、な」


765 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/21(月) 00:09:02.29 ID:d1TnBB9Co
>>652>>683>>693
今更ですが、ありがとうございます!

〜オマケ〜

東方司令「……青年兵……まさか、な」

女剣士「まさか何です?」

東方司令「!?……いたのか」

女剣士「だから、まさか何です?」

東方司令「……いや、仲が良いなと思ってな」

女剣士「まさか、兄弟とでも…?」

東方司令「冗談はよせ、似ても似つかわん」

女剣士「それもそうですね……」

東方司令「問題は……どちらが『受け』……なのか」

女剣士「……は?」

東方司令「い…いやっ、何でもない!寝るぞ……っ!」

女剣士「は、はぁ……」


769 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/21(月) 01:19:22.19 ID:Qy/pZ11AO
>>1おつ

青年兵は召喚士を尊敬してる感じだし受けは青年兵っぽいが、女装歴は召喚士のほうが上だし…


772 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/21(月) 01:41:53.06 ID:7krkFUXO0
>>1乙!
豆腐ワロタww



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