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真剣士「英雄の…血…?」
326 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/11/20(水) 23:20:57 ID:9N9jgUdw
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ホウホウ…チチチ…


真剣士「…」ムクッ

…キョロキョロ


大魔道「…」クー…クー…

師匠「…」スヤスヤ

黒髪乙女「…」スゥスゥ


真剣士「…トイレ」ボソッ

モゾモゾ…ガチャッ…


大魔道「…」パチッ


327 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:21:37 ID:9N9jgUdw
 
ガチャッ…

ザッザッザ…
 
真剣士「外の離れにあるのか…、靴履くのも面倒だし…夜は少し冷えるな」ブルッ


ホー…ホー…

ザッザッザッザッザ……

真剣士「…」


…ヒュウッ

真剣士「…ん?」

ヒュウウッ…フヨッ…


???『…』フヨフヨ


328 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:22:25 ID:9N9jgUdw
  
真剣士「な…何だぁ?」

???『…』フヨフヨ

真剣士「布…?浮いてるのか…?暗くて見えねえな、よいしょっと」


ザッザッザ…ガシッ!!!

大魔道「そっちへ行ってはだめです」

真剣士「うおっ!?」ビクッ

大魔道「しー…静かに」


真剣士「な…何だ、大魔道かよ…驚かせやがって…」

大魔道「これは失礼をしました。物音がして、目覚めてしまったので」

真剣士「ああそう…」

大魔道「あれに近づいてはなりません」

真剣士「…ありゃなんだ?」


329 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:23:25 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「あれが、レイスです」

真剣士「…あれが?」

レイス『…』フヨフヨ


大魔道「はい」

真剣士「…ただ浮いてるように見えるけど」

大魔道「…」

真剣士「人畜無害みたいな気がするんだが」

大魔道「こちらに気づいていませんからね。気づけば襲われますよ」

真剣士「…あれは、幽霊なのか?」


大魔道「そちらでいえば、それに近いものです」

真剣士「…」

大魔道「…まだ残っていたのが、夜に現れたのでしょう」


330 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:24:18 ID:9N9jgUdw
  
真剣士「どうするんだ?」

大魔道「…」スッ

真剣士「こりゃ…俺の剣じゃないか」


大魔道「恐らく、この家に住んでいた住人です。貴方がこの世と決別させるんです」

真剣士「…何?」

大魔道「…」

真剣士「え、いや…あれ、生きてる…だろ?」

大魔道「夕方のレイス同様、操り人形に殺められた者は幻惑に落とされ、意識がありません」

真剣士「…」

大魔道「一生、あのまま死に人形とするなら…解放をするのが生きる者の努めです」


331 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:25:24 ID:9N9jgUdw
 
真剣士「だ…だけどよ…」

大魔道「大丈夫です。彼らは完全に無になることはないですから」

真剣士「どういう…ことだ?」


大魔道「先ほどの星の話。覚えてますか」

真剣士「魔界と人間界、家が星ってやつか」

大魔道「そうです。実は、もう1つ…死後に訪れるもう1つの世界があるのです」

真剣士「…何」


大魔道「冥界、です」

真剣士「…冥界」


332 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:26:38 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「人間界、魔界どちらも最後に行くのは冥界。いわゆる死後の世界ですね」

真剣士「驚いた…そんなのもあるのかよ」

大魔道「…えぇ。解放させてあげましょう…この辛い世界から」

真剣士「わ、わかった…。切れば…いいのか?」

大魔道「…」コクン


真剣士「…」スチャッ


大魔道「…」

真剣士「う…うおおおっ!」ダッ


レイス『!』ビクッ


333 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:27:50 ID:9N9jgUdw
  
大魔道「貴方の魂が、浄化されんことを―…」


真剣士「…うらあっ!!」ブンッ

…ズバァッ!!…

レイス『…』


ボゥンッ……


真剣士「…消えた」

大魔道「…」

真剣士「随分、あっさり…だな。これでいいのか?」

大魔道「えぇ。見事な一撃でした」


334 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:29:06 ID:9N9jgUdw
 
真剣士「…わかった」

大魔道「…」

真剣士「…っと、トイレに行くんだった」ダッ

大魔道「行ってらっしゃいませ」

タッタッタッタ…


スッ…

師匠「…大魔道さん」

大魔道「姉剣士さん、見ていましたか」

師匠「はい。見事なまでの魔力の練り、でしたね」


335 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:30:14 ID:9N9jgUdw
  
大魔道「無属性の彼らを斬るには魔力を相手に合わせて練らねばならない…上手いものです」

師匠「自然と練りを行なったとしたら、とんでもない成長速度ですね…」

大魔道「…」

師匠「明日からが俄然、楽しみになってきましたよ」フフ

大魔道「ははっ」


師匠「…それにしても、冥界ですか。さすがの私もそこまでは知りませんでした」

大魔道「そうですか?意外と知ってそうな気はしましたけど」

師匠「さすがにそこまで知識はありませんよ。死後の世界…とは、一度いく前に見てみたいものです」


336 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:31:07 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「ふとしたことで、僕らの目に冥界は見えるのですよ?」

師匠「…そうなのですか?」

大魔道「例えば…水。水面に映った景色が、本来と違うもの…そんな一瞬の感覚を感じたことがあるはずです」

師匠「…ありますね」

大魔道「そう。鏡や、影、ガラス。その違和感を感じた時、そこは冥界の姿を映していた、ということです」

師匠「なんと…」


大魔道「生き物は死を恐怖する」

師匠「…」

大魔道「その一瞬でも"ん?"と思うのは、映し出したものが死後の世界だと感覚的に気づき、恐怖しているのです」

師匠「確かに何が映ったか、一瞬の恐怖は感じますね…」

大魔道「…はは、それでは僕たちも寝ましょうか」

師匠「ですね。明日も早いですし」


大魔道「…おやすみなさい」

師匠「おやすみなさい…」


337 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:32:33 ID:9N9jgUdw
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ 
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・


338 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:35:51 ID:9N9jgUdw
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 次の日・村の外 】


黒髪乙女「ふわぁ…」

真剣士「おはよ」

大魔道「よく眠れましたか?」

真剣士「少し早めに寝たせいで、何度かおきちまったけどな」

大魔道「寝れたならいいのです」


師匠「では、出発しますか?」

大魔道「そうですね」


339 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:36:38 ID:9N9jgUdw
 
ザッザッザッザッザ…

真剣士「…」

黒髪乙女「今日は次はどこの地点まで歩くの?」

大魔道「出来れば早めに里に着きたいのですが、日暮れも早いですしねえ」


真剣士「とにかく、体調を万全にして行ける範囲で任せるよ」

大魔道「それは勿論です」

真剣士「んむ」


師匠「…待ってください」ピクッ

真剣士「師匠?」


340 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:37:30 ID:9N9jgUdw
 
師匠「…いますね、2体…いえ、3体でしょうか。向こう側…」

大魔道「3体ですね」

師匠「どうします?あちらは気づいてなさそうですが」


真剣士「…何がいるんです?」

師匠「"操り人形"です」

真剣士「…!」


黒髪乙女「敵、ってことですね」

師匠「そうなりますね…一応、武器を構えてください」スチャッ

真剣士「わ、わかりました」


341 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:40:04 ID:9N9jgUdw
 
ザッ…

大魔道「…いましたね、あそこです」

師匠「剣士、兵士、魔道…、村を襲った面子でしょうか」

大魔道「どうですかね…」

師匠「厄介な場所にいますね、戦うしかなさそうですが」


真剣士「ま、待ってくれ…、操り人形って…ただの"人"じゃないか…」

師匠「人型、ということです」

真剣士「あれを…斬る…のか…?」

師匠「…」

大魔道「そうなります」

真剣士「人殺しに…なるんじゃないか…」


342 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:41:57 ID:9N9jgUdw
 
師匠「人ではないです…最早、幻王の手先…殺人鬼ですよ…」

真剣士「…っ」ブルッ

師匠「真剣士さん…?」


真剣士「違う…人だ。ひ、人ですよ…あれは」パッ

…ガランガランッ!!


師匠「ぶ、武器を落として…音が!」


操り剣士『!』バッ

操り兵士『!』バッ

操り魔道『!』バッ


大魔道「いけない、気づかれました!」


343 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:43:13 ID:9N9jgUdw
 
師匠「こっち側に…走ってください!」


操り魔道『…ッ!』パァッ!

タッタッタッタッタ…ドォンッ!!!パラパラ…


黒髪乙女「きゃああっ〜!」

師匠「魔法は弾き返します、距離をおきましょう!」

真剣士「…くっ」


操り剣士『…』

操り兵士『…』

操り魔道『…』

タタタタタタッ…


344 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:44:08 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「…予想外でしたね…こんなに早く現れるとは」

師匠「相手も速いですね…このペースで走っては次の休憩地点まで持ちません、応戦しましょう!」

大魔道「…あまり望ましくありませんが、仕方ないですね」


真剣士「く、黒髪乙女…俺の後ろに」

黒髪乙女「う…うんっ…!」


師匠「真剣士さん、私の横で前衛の敵から叩きます!」

真剣士「叩くって…人…だぞ…」


大魔道「攻撃増大魔法!」パァッ!!

師匠「ありがとうございます!」

真剣士「…体が軽くなった?」


345 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:45:15 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「真剣士さんにはこれも必要そうですね…硬化魔法!」パァッ

真剣士「…何だそりゃ」ビキビキッ

大魔道「ある程度の攻撃を受けても弾くことが出来ます。あまり過信はしないようにしてください」

真剣士「…」


師匠「では真剣士さん、構えてください!」スチャッ

真剣士「は、はい…」スチャッ

ダダダダダダッ!!!


操り剣士『…』ブンッ!!!

真剣士「っとぉ…師匠の剣に比べたら遅い…が」ヒョイッ

操り剣士『…』ヨロヨロ

真剣士「隙もある…だけど…」グッ


346 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:46:09 ID:9N9jgUdw
 
師匠「…真剣士さん?」

真剣士(こいつらは操り人形だけど…まるで人だろうが…!そして、生きてるんだよな…)

師匠「…真剣士さん!」

真剣士(考えたら本当に斬るのは…これが初めて…。い、痛いんだろうな…俺はこいつを…斬るのか…?)


操り剣士『…』ブンッ!!!

師匠「真剣士さんっっ!!」


真剣士「!」ハッ

…ザシュッ!!!


347 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:47:16 ID:9N9jgUdw
 
黒髪乙女「し、真剣士ぃ!」

真剣士「いっつ…」ポタポタ…

大魔道「硬化魔法があって良かったですね…ヒール!」パァッ

真剣士「…」


師匠「ボサっとしてたら…殺されますよ!」ブンッ

ザシュッ!!!

操り剣士『ぐ…っ』ヨロヨロ


真剣士「だ、だけど…、こいつらまだ生きて…、人で…」

師匠「…っ」

真剣士「お、俺には…やっぱり…」


348 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:47:56 ID:9N9jgUdw
 
大魔道「真剣士さん、あなたが諦めては…黒髪乙女さんを見殺しにする、ということですね」

真剣士「…何?」ドクン

大魔道「確かに守れる部分は僕たちが守ります。ですが、最期は貴方の力がモノをいう」

真剣士「…」ドクン…ドクン…

大魔道「そうなっては、結果、黒髪乙女さんを見殺しにしてしまう…そういうことですよ」

真剣士「…」ドクッドクッドクッ

大魔道「姉剣士さんが貴方に見せた未来…、それは、黒髪乙女さんにも訪れることになりますよ…?」


真剣士「ぐ…」ブルブル

黒髪乙女「真剣士…」


真剣士「…あ、あぁぁぁあっ!」スチャッ

ダダダダダダッ!!

黒髪乙女「真剣士!?」

師匠「真剣士さん!?」

大魔道「…」


349 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:48:47 ID:9N9jgUdw
 
真剣士「うらあぁぁぁっ!」

ブンッ…ズシャアッ!!!!…ドサッ

操り兵士『…』


真剣士「…はぁ…はぁ」

黒髪乙女「…」


真剣士「師匠…」ギロッ

師匠「…っ!」

真剣士「俺は黒髪乙女を守る。戦って守れるなら…守る。戦いましょう…!」

師匠「…ですね。いきますよ!」

ダダダダダッ!!!


350 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/20(水) 23:51:02 ID:9N9jgUdw
 
黒髪乙女「大魔道…さん」

大魔道「はい?」

黒髪乙女「これで、良かったんですかね」

大魔道「…貴方を守ろうと思える力が、彼の力にもなる。それは確かです」

黒髪乙女「…でも、苦しめてますよね…」

大魔道「貴方が彼を立ち上げるきっかけになる。そして、貴方が彼の笑顔の種になる…大丈夫です」

黒髪乙女「うん…」


キィンッ!!!ズバァッ…

真剣士「らああぁっ!」

師匠「ああぁっ!」


大魔道「それより…、今は彼らを援護しますよ!」

黒髪乙女「うん、任せて!」


354 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/11/21(木) 10:26:09 ID:gg68tgyE
おつ

乙女ちゃんを連れて来た理由がわかった…


356 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:50:21 ID:cCjsglSs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【そして…】


ハァ…ハァ…

真剣士「…」


大魔道「…ご苦労様でした」

真剣士「うっせ…」


師匠「…初めての相手が、こんな形で申し訳ないとは思います…」

真剣士「いえ…昨日の夜すでに体験はしました。ですが、人型は…」

師匠「…」

黒髪乙女「真剣士…大丈夫…?」


真剣士「大丈夫なんかじゃねえよ…。気持ち悪くて吐きそうだ…」


357 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:51:18 ID:cCjsglSs
 
黒髪乙女「…聖なる加護よ」ボソッ

真剣士「あ?」

パァッ…


真剣士「…?」

黒髪乙女「教えてもらったヒーリング魔法…。私にはこれくらいしか…出来ないから」

真剣士「…」パァァッ…

黒髪乙女「…」

真剣士「…ありがと。少し、気分が落ち着いた気がするよ」


師匠「真剣士、こんな戦いが道中は続く事になります。…大丈夫ですか?」

真剣士「…わかりません」

師匠「…」

真剣士「けど、やらなければならないこと…ですよね」


358 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:52:03 ID:cCjsglSs
 
大魔道「…そうですね」

真剣士「一つ思ったんだが、大魔道」

大魔道「はい」


真剣士「黒髪乙女をさ…これ以上の戦いになるなら…俺たちの世界に戻せないのか?」

黒髪乙女「え?」
 
真剣士「改めて思ったんだが、ここは危険過ぎるし…、キズつくお前を見たくない…」

黒髪乙女「で、でも…」 


大魔道「…戻す事はできます。ですが、戻せない理由があるんですよ」

真剣士「どういうことだよ」


359 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:52:59 ID:cCjsglSs
 
大魔道「第一、ここでもう1度次元を割っては魔力の動きを感知される可能性が高いんです」

真剣士「敵が集まるってか?」

大魔道「はい」

真剣士「どのくらいだよ」

大魔道「下手すれば、一個小隊くらいですかね」

真剣士「…対処できないのか」

大魔道「出来なくはないでしょうが、危険をさらすことになります」


真剣士「…だけど、俺らが危険になるくらいで、黒髪乙女を逃がすなら…」


大魔道「それはつまり"姉剣士さん"も危険になるということですが」

真剣士「あ…」


360 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:53:29 ID:cCjsglSs
 
師匠「…」

大魔道「…いいのですね?」

真剣士「そ、そうか…、そうだったな…」


師匠「私は何も言えません。傭兵である前に、女性という弱さは…どうしようもできませんから…」

真剣士「あ、そ、そういう事じゃないんですよ!!いや…そうだけど…」

師匠「…」

真剣士「で、でも師匠はやっぱり強くて…け、けど心配になるっていうか…」

師匠「相変わらず優しい人ですね、あなたは」ポンッ


黒髪乙女「真剣士らしいなあ、もう。私は大丈夫だから、先に進もう!」

真剣士「だ、だけどよ…」

黒髪乙女「守ってくれるっていったのは、真剣士もでしょ!」


361 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:54:01 ID:cCjsglSs
 
真剣士「う…」

黒髪乙女「今更他の人にあたるのはダメ!着いてきたのも、真剣士の決断でしょ!」

真剣士「うっ…」

黒髪乙女「竜少女ちゃんとか、姉剣士さんとか、みんなの笑顔を守りたいって言ったでしょ!」

真剣士「ぐぬっ…」

黒髪乙女「だけど、私に出来ることは小さな魔法だけ。それはごめんね…」

真剣士「…いいよ、そうだったな。俺が戦うのは俺が決めたことだった」


大魔道「…真剣士さん、今度こそ…決断、できましたか?」

真剣士「わかった、わかったよ。わかった…」

大魔道「…」

真剣士「…出発しよう」


362 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:55:15 ID:cCjsglSs
 
師匠「行きますか」

大魔道「改めて、ここが出発地点…ですね」

師匠「ですね」

黒髪乙女「出発進行〜!」


真剣士「…」フゥ


363 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:55:52 ID:cCjsglSs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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364 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:56:23 ID:cCjsglSs
 
それから一行は道中の戦いを続けながら、巨人族への里へと進んだ。

真剣士のその実力は、実践を通し、目に見えて成長していった。


――そして3日目の夜。

ついに巨人族への里の領地へと足を踏み入れる…


365 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:57:43 ID:cCjsglSs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【 巨人族の里 】


ゴォォォ…パチパチ…


真剣士「…な、何だこりゃ」

黒髪乙女「燃えてる…」

大魔道「まだ一部で戦いは続いているようですね」クンッ

師匠「感じますね」


真剣士「まだ戦ってるのか?」

大魔道「わずかばかり、魔力の動きが感じる。巨人族のものですね」


366 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:58:43 ID:cCjsglSs
 
師匠「どうしますか?」

大魔道「…今までの相手とはレベルが違う。極力、戦いは避けましょう」

師匠「そうですね」

真剣士「巨人族ってのは、そんなに強いのか?」


師匠「厳密にいえば、最上位クラス…ですね」

真剣士「…?」

師匠「魔界では、4つの最上位種族があります」

真剣士「四天王ってことか…?」


師匠「竜族、神族、魔族、巨人族。それをそう呼ぶのです」

真剣士「魔族って、ここに住むやつら全員じゃないのか?」

師匠「詳細としては、私たちのような"亜人"、"魔の血を引く特異質な魔物"のことです」


367 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 20:59:19 ID:cCjsglSs
 
真剣士「…師匠たち、そんな強さだったのか…」

師匠「私はまだ下位のほうですけどね。大魔道さんなんかは、相当ですよ」

大魔道「いえいえ」


黒髪乙女「じゃあ、…神様の名前をもってる、神族というのはかなり強いの?」

師匠「それ1つの固体で、1つの種族となりうる魔界で最も強い種族です」

黒髪乙女「何を言ってるかちょっと…」


師匠「そちらで言う、ガイアやゼウス、アプロディーテーなどですね」

真剣士「た、ただの神様じゃねえか!」

師匠「元々はこちら側との交流で信仰が出来たものですしね。実在する種族ですよ」

真剣士「…想像もつかねえ」


368 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 21:00:08 ID:cCjsglSs
 
大魔道「その神族の1人。それが…幻王なんです」

真剣士「…は?」

大魔道「その者の本当の名は…時間の神"クロノス"」


369 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/21(木) 21:01:26 ID:cCjsglSs
 
-Eye catch !-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真剣士「英雄の…血…?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
-proceed to the next !-


370 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/11/21(木) 21:02:47 ID:cCjsglSs
本日は非常に短いですが、ここまでです。ありがとうございました。


373 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/11/21(木) 22:29:29 ID:gg68tgyE


乙女ちゃんええ子



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