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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その23
- 544 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/01/03(月) 23:08:19.03 ID:ntwwl6go
パッカパッカパッカ…
白馬騎士「戦士殿、やはり君…か!」
戦士「白馬騎士さん…だっけか」
白馬騎士「覚えておいでか」
戦士「忘れるわけないですよ」
魔道士「今日は一体…どうしたんですか?」
白馬騎士「警備巡回中に覚えのある気配を感じたものでな」
戦士「気配…?威圧なんか出してないぜ?」
白馬騎士「自然と出ている気配の事ですよ」
戦士「んなモン…出したつもりはないんだがなぁ…」
白馬騎士「無意識に出ているは強くなった証拠。覚えにないかな?」
戦士「…?」
白馬騎士「以前と比べ、魔物との遭遇率が減ったいないかい?」
戦士「言われてみれば……そうなのかなぁ」
白馬騎士「奴らは本能で分かるからね。己より強い敵を避けるのさ」
- 545 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:09:27.18 ID:ntwwl6go
戦士「なるほどな…」
白馬騎士「それで、華国に何か用かな?」
戦士「華国に…ってわけじゃねーんだけど…」
白馬騎士「事情があるようだな…。聞かせて貰えんか?」
魔道士「それは構いませんよね…?」
戦士「あぁ、まぁ…」
白馬騎士「ここでは何だ、東の城へ行こう」
魔道士「はいっ」
白馬騎士「二人とも、華国は久方ぶりかな?」
魔道士「えぇと、そうですねぇ…。あ、でも戦士さんは……」
戦士「俺はつい先日、邪魔したぜ」
白馬騎士「そうなのか。言ってくれれば良いものを」
戦士「いやぁ…ワケありっつーか、修行の身だったもんでね」
白馬騎士「ほう…。その辺りの話も、是非聞かせて貰いたいな」
真っ白な愛馬に跨るその男は、微笑みながら静かに語った。
- 546 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:10:08.96 ID:ntwwl6go
本国や西方、東方ともまた違う独特の建造物。
それらは夜になると、華国の名に恥じぬ華やかさを見せ、人々を魅了する。
〜華国、東の城〜
魔道士「すっごい賑わってますね〜!」
白馬騎士「この国もようやく落ち着き始めたところさ」
戦士「それは何より」
白馬騎士「三男様を主とし、国政もようやくまとまりつつある」
魔道士「三男様も、皆さんもお元気ですか?」
白馬騎士「ええ。仲間も戻ってきてくれましたしね」
戦士「仲間?」
白馬騎士「魔物と結託した国を見限って、去っていった者達ですよ」
戦士「…ほぉ」
魔道士「良かったですね〜!」
白馬騎士「ええ。……さて、入城致しますよ」
魔道士「はいっ」
- 547 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:10:41.57 ID:ntwwl6go
〜城内〜
パッカパッカパッカ…ザッ
白馬騎士「まずは、三男様にお会い頂けませんでしょうか?」
魔道士「い、いいんですか…っ!?」
白馬騎士「勿論です」
戦士「俺らは構わないぜ、なぁ?」
魔道士「はいっ!」
白馬騎士「そうですか。では参りましょう」
テクテクテクテク…
側近「白馬騎士殿」
白馬騎士「側近殿。どうかなされたか?」
側近「どうかなされたか、ではない。大将軍ともあろう者が直々に巡察などと…」
白馬騎士「さればこそですよ」
側近「全く…。何かあったら心配するのはこちらの身……おや?」
魔道士「こ、こんばんは〜」
- 548 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:11:16.45 ID:ntwwl6go
…
側近「いやいや、あの時は本当にありがとう」
戦士「礼をされる程の事はしてませんって」
側近「そんな事はない。そなたらが居なければどうなっていた事か…。のう?」
白馬騎士「側近殿の仰る通りですよ」
魔道士「そ、そんな事ないですよ〜」
側近「三男様もさぞ、お喜びになられる事であろう」
白馬騎士「ええ。側近殿、三男様は?」
側近「丁度、謁見の間におられるぞ」
白馬騎士「何かございましたか?」
側近「いや、他の者らが集まっていたところでな」
白馬騎士「そうでしたか。それは好都合」
側近「若文官や老文官殿も喜ぶでしょうな」
白馬騎士「そうですね」
四人は城の最奥に位置する『謁見の間へと』その足を進める。
- 549 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:12:21.51 ID:ntwwl6go
〜謁見の間〜
ゴゴッ…ギイイィィ…
白馬騎士「失礼致します」
若文官「おぉ、お戻りになられましたか」
老文官「陛下をあまりご心配なされるな……」
白馬騎士「申し訳ありません」
側近「陛下、お客様をお連れ致しました」
玉座に腰掛ける少年。しかしその姿は以前とは比べ物にならない程、
身体つきは元より、顔つきは凛々しく、王と呼ぶに相応しいそれである。
三男「……客人?私にか?」
白馬騎士「戦士殿と魔道士殿。覚えておいでですか?」
ガタッ!!
三男「…おぉ、そなたらは!?」
魔道士「ご、ご無沙汰しております…っ!」
戦士「お元気そうで何より」
- 550 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:12:49.79 ID:ntwwl6go
カツカツカツ
三男「……っ」
戦士「…?」
三男は戦士と魔道士の目の前へ近づくと、突如として頭を下げる。
魔道士「!?」
戦士「ちょ…っ!」
三男「あの時は本当にありがとう。感謝してもし足りないくらいだ」
戦士「い、いや…っ」
魔道士「ききっ、気にしないで下さい!」
三男「……皆も礼を言うが良い。華国の救世主なるぞ」
白馬騎士「……おぉ、そなたらが来ておったのか」
戦士「……?」
ザッザッザ…テクテクテク…
戸惑う戦士と魔道士の前に現れた四人の男。
それぞれが大層強靭な体格を持ち、威風堂々とした出で立ちである。
- 551 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/03(月) 23:13:26.77 ID:ntwwl6go
まずは一番端に仁王立つ白髭の老人がぽつりと口を開く。
老将軍「…ほぉ、この者らが救世主。若いのう……」
その言葉へ返すように、隣に位置する華やかな衣服に身を包んだ青年が声を発する。
錦将軍「へっへ。見かけで判断すんないジーサン。こいつぁ大した気の持ち主だ」
反対側に立つ虎髭の逞しい男が、隣の男に対し言葉をかける。
弟者「兄者、信じられるか?こーんな若いヤサ男とお嬢さんが救世主だとよ」
声をかけられた男は、長い髭を手で撫でながら戦士と魔道士を見つめ呟く。
兄者「……うむ。二人とも素晴らしい目をしているな」
白馬騎士「彼らこそが先程話した、再び帰参した我が国の将軍です」
側近「彼らにこの白馬騎士を加え、我らは五虎将軍と呼んでおる」
魔道士「五虎将軍……っ」
戦士「…確かに、一人一人がものすげぇ威圧だ…っ」
弟者「折角の客人だ酒宴をもうけようじゃあないか!」
兄者「お前はただ、酒が飲みたいだけであろう?」
三男「弟者の申すこと尤も。すぐに宴の用意をせい」
- 552 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage] 投稿日:2011/01/03(月) 23:35:43.26 ID:ii73V.AO
>>549
老文官「陛下をあまりご心配なされるな……」
違和感があるのは気のせい?
- 553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 00:07:00.01 ID:ndjYa8Uo
…
弟者「それじゃあ…乾杯〜っ!!」
錦将軍「おぉう!!」
老将軍「…っかぁ!骨身にまで染みるわいっ!」
戦士「……」
魔道士「……」
白馬騎士「…どうしました?飲まれないのか?」
魔道士「あ、ありがとうございます」
兄者「さぁ、貴殿も飲まれよ」
戦士「…ど、どうも」
魔道士「何だか…ご大層な事になっちゃいましたね…」
戦士「ああ……」
三男「皆も客人を持て成せい」
側近「さぁさぁ、どうぞ飲まれよ」
戦士「…は、はは……っ」
- 554 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 00:11:02.64 ID:ndjYa8Uo
ワイワイガヤガヤ
弟者「それい、勝負じゃーっ!!」
錦将軍「望むところよっ!」
グビッグビッグビッ
老将軍「ワシとて老いてなお盛ん!負けてられぬわ!」
兄者「良かろう。某と飲み比べようではないか!」
グビッグビッグビッ
戦士「……」
魔道士「戦士さん、今日はあまり飲んでないですね」
戦士「…いやぁ、何だか…凄くてな」
魔道士「た、確かに…。わっ、樽ごと…!!」
戦士「それによ、一応任務で来たわけだし…ハメ外し過ぎるわけにゃいかんだろ」
魔道士「ですよね」
戦士「……そろそろおいとますっか」
魔道士「で、ですね…」
- 555 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 00:24:31.83 ID:ndjYa8Uo
うえぇ…眠いー。正月休みも終わり…
寝て仕事に備えたいと思います!それではお休みなさいです!ノシ
〜オマケ〜
魔道士「お正月ーっ!」
盗賊「…あ、おみくじだ」
パラッ
魔道士「これ、何て書いてあるんです?」
盗賊「…えっと、大吉だな。一番良いって事」
魔道士「やったぁ!盗賊さんは?」
盗賊「…私も大吉だ」
戦士「俺のは何だこれ?」
盗賊「…お、女吉!?」
召喚士「俺のは……」
盗賊「……凶。ご愁傷様」
召喚士「え!?凶って何ですか!?ねぇ、盗賊さん…っ!?」
盗賊「……ご愁傷様」
- 557 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage] 投稿日:2011/01/04(火) 03:53:50.40 ID:51cjXLw0
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
ジャーン!ジャーン!ジャーン!
- 559 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage] 投稿日:2011/01/04(火) 08:58:59.95 ID:4O0y/EDO
>>552
陛下の御心を煩わせるでない、くらいが適当かもしれんね
- 561 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage] 投稿日:2011/01/04(火) 11:59:23.46 ID:8i8yHADO
そろそろ同一IDさんが
召喚士と盗賊の一夜限りの◯◯
を書くんじゃないかと予想
- 563 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:05:39.57 ID:oPA8Kgco
>>556>>562
ありがとうございます!!
>>557
ありがとうございます
>>558
羨ましい…っ!
>>559-560>>552
確かにおかしい…若文官と老文官の台詞入れ替えた時に
変な文章になっちゃいましたね…すみません…
>>561
????
こんばんは!仕事始めシンドイっす…↓続き
- 564 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:06:12.58 ID:oPA8Kgco
スクッ
若文官「おや、もうお帰りか?」
戦士「そろそろ失礼しようかと…」
老文官「なんと…っ、まだまだ持て成し足らぬぞぉ?」
魔道士「いえいえっ、十分頂きましたよ〜」
戦士「俺らも仕事で来ている身だしな……」
白馬騎士「…確かに。ちなみに宿は?」
戦士「これから駆け込む予定っす」
三男「なれば城へ泊まると良い。悪いようには致さぬ」
戦士「お気遣い有難く。しかし、宿を取ろうかと考えてます」
側近「そうなのか?遠慮ならいらぬぞ?」
戦士「いえね、宿の方が仕事には何かと融通が利くんすよ」
白馬騎士「……成程」
戦士「…と、いうわけで失礼します。続きは四人で来た時にお願いしますわ!」
魔道士「で、では…失礼しますっ。ありがとうございました!」
- 565 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:06:42.17 ID:oPA8Kgco
テクテクテク…
白馬騎士「四人…か」
側近「…?」
白馬騎士「いえね、戦士殿らしいと思いましてな」
若文官「何がですか?」
白馬騎士「お仲間の二人に気を遣ったのでしょう」
老文官「二人で礼を受けるのは申し訳ないと……?」
白馬騎士「まこと義の漢と言ったところでしょうか」
側近「まるで華国の勇者のようだな」
白馬騎士「ええ。彼もあの漢の意思を継いでおりますからね」
三男「……」
白馬騎士「さ、我らは飲みなおすと致そう。他の将に負けておられません」
老文官「…全くだ。ふっふふ」
弟者「兄者〜ぁ!俺はまだ飲め……うぅっぷ」
兄者「どうした?もう終わりか?はっははは!」
- 566 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:07:35.95 ID:oPA8Kgco
…
テクテクテク
魔道士「何だか凄い人達でしたね」
戦士「ああ。ありゃ強えぇなんてモンじゃねぇぜ」
魔道士「「でも…良かったです」
戦士「ん?」
魔道士「華国の皆さんが、また笑えるようになって」
戦士「…そうだな。頑張ってるみたいだしな」
魔道士「私達も頑張らないとですねっ!」
戦士「おう!元気を分けて貰ったし…やってやるかぁ!」
魔道士「やってやりましょーっ!」
戦士「とりあえず宿を取らんとな」
魔道士「そうですねぇ…。えっと、確か……」
戦士「華国の地図か?いつの間に……」
魔道士「さっき買いました!任せて下さいっ、準備万端ですよ!」
- 567 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:08:20.94 ID:oPA8Kgco
〜宿〜
戦士「ここ…か」
魔道士「ちょっと小さい感じですけど…良さげじゃないですか?」
戦士「とりあえず入ってみるか」
テクテクテク…カラカラッ
戦士「泊まりたいんだが、誰かいるか〜?」
スタスタスタ…
主人「いらっしゃいませ」
魔道士「二人なんですけど、部屋…空いてますか?」
主人「二人ご一緒で宜しければ……」
魔道士「一緒ですか…?」
主人「へい。生憎この時間でしょ?埋まってしまってまして……」
戦士「……どうする?」
魔道士「わ、私は…構いませんけど、戦士さんは……」
戦士「この際仕方ねぇしな。構わんぜ」
- 568 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:09:07.92 ID:oPA8Kgco
主人「はい。それではお部屋にご案内致します」
スタスタスタスタ…
主人「こちらのお部屋になります」
戦士「どーも」
主人「素泊まりですので、お食事はご自由に」
魔道士「あの、お風呂は…?」
主人「一階に共同浴場がございます。女性は偶数時間です」
魔道士「ありがとうございます」
主人「それでは、ごゆっくり」
スッ…パタン
戦士「……ふーっ」
魔道士「そういえば…戦士さんと二人きりって始めてですかね?」
戦士「そうだっけか?」
魔道士「えぇっと……あれ、布団が一つしかない……」
戦士「お前使っていいぞ。俺はあっちで寝っから」
- 569 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:09:52.36 ID:oPA8Kgco
…
テクテクテクテク…カラッ
魔道士「お風呂、いい感じでしたよ〜」
戦士「おーう、んじゃ俺も行ってくっか」
スクッ…スタスタスタ…パタン
魔道士「……はーっ」
六畳一間の中央に、ぽつんと座り込む魔道士。
髪を櫛で梳かしながら、静寂な、その小さな空間をきょろきょろと見渡す。
魔道士「…やば、何だか緊張してきた…っ」
思えば普段より行動を共にし、何気ない、そしてくだらない会話の
やりとりをしているものの、二人きりでの寝泊りなど経験は皆無。
魔道士「……」
好意は持っていても、それは恋愛感情ではなく、仲間としての信頼。
そして頼れる兄のような存在。ただそれに過ぎない。
それでも異性の存在は魔道士の中から拭えるものではない。
- 570 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:10:42.86 ID:oPA8Kgco
魔道士「……」
カラッ
魔道士「!!」
戦士「……どした?」
魔道士「い、いえ…っ、おかえりなさい!」
戦士「ただいま。いい湯だったぜ」
スタスタスタ…ザッ
戦士「……ふーっ」
魔道士「……」
戦士「……」
魔道士「……」
戦士(……な、何だかいきなり気まずいムードだな)
会話がぱたりと途絶え、戦士もその妙な空気に飲まれるような格好と相成る。
戦士(……いやいやいやっ、普通でいいだろ普通で!俺っ!)
魔道士(ま、まずいなぁ…。戦士さんにも気を遣わせてるかもしれない…)
- 571 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:12:06.69 ID:oPA8Kgco
…
戦士「そ、そろそろ寝るか!」
魔道士「そ、そうですねっ!明日も早いですし!」
戦士「ああ。そんじゃあお休み!」
魔道士「お、おやすみなさいですっ!」
モゾッ
魔道士(……な、なんだか私…そっけなかったかなぁ)
戦士(マズイな…。いきなりすぎて違和感あったか…?)
魔道士(ど、どうしよう…。何か言ってから寝た方がいいかな…?)
戦士(大の男が何をうじうじと…。えぇい、らしくねぇぞ俺!ここは堂々とだな…)
魔道士「あ、あのぉ…戦士さん!」
戦士「な、何だ!?」
魔道士「そ、その……寒くないですか?」
戦士「……まぁ、大丈夫かな」
魔道士「…そ、そうですか」
- 572 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:13:11.31 ID:oPA8Kgco
戦士「…あ、ああ」
魔道士「……」
戦士「……」
魔道士「…あ、あのぉ」
戦士「ん?」
魔道士「……こっちで…寝ますか?」
戦士「いいよ、布団はお前が使えって」
魔道士「あ、いえ…っ。そうではなくて……」
戦士「…?」
魔道士「は、入りま……す?」
戦士「――!?」
魔道士「やっぱり布団がないと寒いんじゃ……」
戦士「な、何言ってんだお前は!」
魔道士「そそっ、そうですよね!ごめんなさいっ!」
戦士「い、いや…っ!謝らなくても……いいけどよ」
- 573 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/04(火) 18:14:34.18 ID:oPA8Kgco
魔道士「……」
戦士「……」
魔道士「…お、おやすみなさいっ」
戦士「お、おう」
魔道士「……」
戦士「……」
魔道士(…うーっ、これじゃあ余計に気を遣わせちゃったよぉ…っ)
戦士(…今の場合は逆に好意として受けておいた方が自然だったのか…?)
魔道士(た、助けてーっ!召喚士さん…っ!!)
戦士(齢30にもなろうかと…女の気遣い一つ出来んとは。情けない……)
魔道士(こんな事じゃあ召喚士さんとなんて……む、無理っ!)
戦士(これじゃあ盗賊にも、そのうち愛想つかされちまうかもな…ははっ)
魔道士(もっと、もっと勉強しなきゃ……っ!)
戦士(戦いに明け暮れるだけが人生じゃねぇってか…。くそ…っ)
恋愛のいろはも皆無ないい年した男女が悶々とする中、夜は更けていった。
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