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男「俺たちの明日に栄光を!」委員長「うるさい」
- 1 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2011/05/11(水) 22:26:34.42 ID:mUxuZJiA0
我蘇不死鳥如
- 2 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:29:11.48 ID:mUxuZJiA0
頑張ってみます せめて風紀ルートは今日で終わらせる
最初から貼っていきます
前スレURL http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298196606/
- 3 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:30:27.23 ID:mUxuZJiA0
2月21日(月) 昼休み
2-A
男「おーい、幼馴染、いるか?」
幼馴染「あ、男」
男「昼一緒に食おうぜ。いいか?」
幼馴染「ん」コク
男「よし、んじゃ行くか」
――バレンタインから1週間が経った月曜日、今日も俺は幼馴染を昼飯に誘う。
バレンタインの1週間前に疎遠だった幼馴染と復縁して以来、こいつとはほぼ毎日昼飯を一緒に取っていた。
…復縁というには、以前より関係が深まっている気もするが。
- 4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:32:23.89 ID:mUxuZJiA0
食堂
男「いただきます」
幼馴染「いただきます」
男「今日はなんだ?」
幼馴染「ピーチ&グレープミックス」
男「へえ、美味いのか?」
幼馴染「それなりに」
男「へえ…」
――他愛もない話をしながら、少し前…バレンタインとその1週間前、友とバレンタインのチョコを貰うため奔走していた日々を思い出す。
思えばあいつと一緒に真面目な努力をしたのは初めてだったかもしれない。
その努力の結果、友と俺は互いに3つづつバレンタインチョコを貰うことができた。
そのうちの一つ…というより1杯をくれたのが、目の前にいる幼馴染だ。
…本命、しかもほっぺにキスまでついた文字通り『熱い』ホットチョコレートを。
- 5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:35:21.16 ID:mUxuZJiA0
幼馴染とは、小学校の時に別のクラスになって以来、一度も同じクラスになることもなく接点のないままだった。
それが2週間前に俺が話しかけたことをきっかけに、またこいつと話せるようになった。
最初はこいつの興味のある飲み物の話題だけだったけど、そこから少しづつ色んな話題を話せるようになって…
そしてある日の放課後、立ち寄った公園でこいつの本当の思いを聞いて、それをきっかけにこいつとしっかり向き合おうと決め、
バレンタインにほとんど告白に近いチョコとキスのプレゼントを貰って…それでも、俺はまだ幼馴染の想いには応えていない。
俺はまだこいつを本気で好きになれてないから。もっとしっかり幼馴染と向き合って、ちゃんとこいつを心の底から大事だと思えるようになったら…
そのときは、俺から告白しようと思っている。
幼馴染「…どうしたの?」
男「へ?あ、ああ、いや、ちょっと考え事をしててさ」
幼馴染「そう」
男(うーん…でも、このままじゃ駄目だよなあ。ずるずるとこんな関係続けてたら、幼馴染に対して失礼だし、
かといってこいつと離れるってのもなんか違うし…なんか、俺たちの関係を一気に変えるなんかがありゃあなあ…)
男(…そういや、友のほうはどうなったんだろ。確かあいつは…)
- 6 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:37:28.66 ID:mUxuZJiA0
数分前 2-B
友「おーい、風紀ー」
風紀「…!」
友「なあ、一緒に昼食わないか?男は別の子と食ってるから、俺一人なんだ」
風紀「へっ!?な、なんだって?」
友「いや、だから一緒に昼を…」
風紀「あ、ああ、昼食か!いいぞ、私たちは友人だからな、うん」
友「…何焦ってるんだ?」
風紀「あ、焦ってなんかない!行くぞ!」
友「あ、うん」
――あれから1週間、なんだか風紀の様子がおかしい。
そりゃ、バレンタイン以前はこっちから話しかけるなんてなかったけど、話すようになってもう2週間経つのに、
どうしてこんな反応をされるんだろう。…なんか悪いことした覚えもないし…ここ2週間は。
うーん…分からない。
- 7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:39:33.94 ID:mUxuZJiA0
食堂
友「いだたきまーす」
風紀「い、いただきます」
こいつと昼を一緒に食う仲に…友人になって、もうすぐ2週間だ。
最初はこれまで男と一緒に散々迷惑をかけてきたせいもあってとげとげしかったけど、向こうから友人になると宣言されてからは普通に食事したり、話ができるようになった。
でも、バレンタインにこいつから本人いわく哀れみの板チョコを貰った次の日から、今日までどうも反応が変だ。
声をかけたら慌てだすし、なかなか目を合わせてくれないし…もしかして…
友「…風紀、もしかしてやっぱりまだ俺のこと嫌い?」
風紀「は、はあ!?」
友「いや、だってなんかここ最近様子が変だし…俺といるの嫌なのかなって」
風紀「な、何言ってる!そうじゃない!」
友「じゃあ何でなんだ?」
風紀「なんでって…その、なんだ…」
友「…?」
風紀(そんなの、自分でも分からないのに言えるわけがない…)
- 8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:41:18.78 ID:mUxuZJiA0
放課後
男「どうよ、調子は」
友「調子って、なんの?」
男「バレンタインから誰かと進展はあったかって訊いてるんだよ。やっぱ風紀と仲良くなってんのか?」
友「いや、それがさ…」
・
・
・
友「…ってわけなんだけど」
男「ふーん…なるほどなぁ…」
(どっちも鈍感…ってことかねぇ。なんともまあ…)
「じゃあ、家庭部のほうは?今日も後で会いに行くんだろ?」
友「いや、家庭部はなんていうか、友達というか…そういう関係じゃないよ」
男「なんだ、そうなのか。ま、そのほうがいいか、お前に二股なんて無理だろうし」
友「あれ、今俺バカにされた?」
- 9 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:43:04.34 ID:mUxuZJiA0
友「そういうそっちはどうなんだよ。そっちは会長と幼馴染の二股できてるとか言うのか?」
男「…馬鹿言うなよ。そんなこと俺はできないだろうし、するつもりもねーよ」
友「じゃあ幼馴染一筋か?」
男「…そうだな。今日もこれから一緒に帰る予定だし」
友「ふーん…そういや俺、幼馴染のことよく知らないんだよな。どんな子なんだ?」
男「そうだな、寡黙というか、静かというか…ちっちゃくて大人しめな感じかな」
友「へー…今度紹介してくれよ。お前の幼馴染がどんな子かってのは興味あるし」
男「いいけど、あいつちゃんと話できるかな…ま、機会があったらな」
- 10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:45:39.51 ID:mUxuZJiA0
男「っと、そろそろ幼馴染を迎えに行くか。じゃ、また明日な」
友「おう、また明日。そんじゃ俺は、家庭部が終わるまで風紀の手伝いでもしてるかな…」
・
・
・
午後5時35分 家庭科室
友「家庭部、いる?」
家庭部「あ、友さん。お待ちしてました」
友「それで、今日も貰っちゃっていいの?」
家庭部「ええ、もちろんです。そのために残しておいたんですから、むしろ食べてもらわないと困っちゃいます」
友「そっか。それじゃ、遠慮なく貰おうかな…」
――家庭部は、バレンタインにチョコをくれた子のうちの一人だ。この子からは当日に家庭部で作ったチョコクッキーと、手作りのチョコを貰っている。
それからというもの、家庭部のある日は終わった後に作った料理を貰うようになっている。
学校が終わって小腹がすいている時に食い物をもらえるのは非常にありがたい。ホント、家庭部には感謝だ。
- 11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:49:15.90 ID:mUxuZJiA0
友「…うん、ご馳走様でした。美味かったよ、家庭部」
家庭部「本当ですか!ありがとうございます」
友「お礼を言うのはこっちだって。こんな美味いものタダで貰ってさ」
家庭部「いいんですよ別に、友さんは大事なお友達なんですから」
友「それじゃ、今日も駐車場まで送るよ。待ってて、荷物取ってくるから」
家庭部「ええ、それじゃ校門で」
家庭部はいわゆるお嬢様で、学校へは途中の駐車場まで車で送ってもらっている。
本当は普通に歩いて通いたいらしいけど、家から学校まで遠い上に使える交通機関も近くにないから、仕方なく車で送ってもらってるらしい。
…まあ、車っていっても別にリムジンみたいな高そうな車じゃなく、普通の乗用車なんだけど。
- 12 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:52:03.42 ID:mUxuZJiA0
駐車場
家庭部「お母さーん」
家庭部母「お、来た来た。あら、友君も一緒かい」
友「あ、こんばんわ」
家庭部母「いやー、いつもすまないね。あたしも家庭部のある日は遅くなるから心配でさ、ホント助かるよ」
友「いえいえ、そんな大したことじゃないですし」
家庭部母「そんなことないって。申し出るだけでも中々できないし、この子のことだから、また送るの断ろうとしたんだろ?」
友「いえ、別にそんなことはなかったですよ」
家庭部母「!へえ…」
友「どうかしたんですか?」
家庭部母「…いや、なんでもないよ。それじゃあね友君。また遊びにおいで」
友「ははは…まあ、機会があったら。それじゃ、さようなら」
家庭部「友さん、また明日」
友「うん、また明日」
- 13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:54:19.30 ID:mUxuZJiA0
その夜
男「…幼馴染かぁ…どうしたもんかな…」
男(このままの関係も悪くはないんだけど、それじゃあいつの気持ちをないがしろにすることになっちまう…
でもなあ…別に嫌いってわけじゃない、むしろ結構あいつのこと好きなんだけど、恋愛感情に至ってないっていうか…
自分の心が思い通りになるなら、こんな悩みはないんだろうな…)
男「…心が思い通りにならないといえば、風紀と友はどうなるんだろう。多分風紀は友のこと好きなんだろうけど、
友はおろか風紀も自分の心に気づいてないみたいだしな…困ったやつらだ」
男(…いや、もしかしたら気づいていても認めたくないってことかもしれないか。なんせ俺と友はずっとあいつに迷惑かけっぱなしだったし…
これが友以外だったら素直になれてたのかも……。…でも、友以外だったらそもそもそういう関係に至ってなかったかもな。
なかなか風紀はガード固いし。二重の意味で。友が風紀に好かれたのは、元々風紀の中で強い印象を持ってたのが、
友の積極的な行動でプラスに向かった…って感じなんだろうな)
男「…ま、いいやー。今日はもう寝よ、めちゃくちゃ眠い…」
カチッ カチッ
- 14 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:55:57.07 ID:mUxuZJiA0
※分岐 友・風紀ルート
2月22日(火) 朝
2-B
友「男、おはよー」
男「おう、おはよう」
友「いやー、なんか最近は平和だなー」
男「そうだな。特に騒動も起こしてないし、あのバレンタイン前の日々に比べたら穏やかなもんだな」
友「バレンタイン…それはすでに遠い思い出のよう…」
男「こらこら、まだ1週間しか経ってないだろ」
友「でもさ、なんだかあれから随分経ったように感じないか?」
男「それはまあ、確かに。本当に密度の濃い毎日だったからな…」
- 15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:58:04.49 ID:mUxuZJiA0
男「しかし、こう平和だとなんか面白くないな…」
友「そうだな…なんか面白い出来事でも起きればなあ…」
男「…いっそ起こしちまうか?」
友「え?」
男「向こうから来るのを待つより、こっちから迎えに行くほうが手っ取り早いだろ?
俺たちはいつだってそうしてきたじゃないか、忘れたか?」
友「…そうだ、すっかり忘れてたよ。やはり平和な日々というのは牙をあっさりと抜いていくものなんだな…」
男「それじゃ、いっちょ考えてみるか?」
友「おう、そうするか!」
風紀「何を考えるって?」
男・友『うげ…』
- 16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 22:59:11.17 ID:15nsh5ua0
期待あげ
今度は書ききってくれよ
- 17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:00:03.93 ID:mUxuZJiA0
風紀「しばらく大人しくしていたと思ったらこれだ…いい加減大人になれ、お前たち」
男「なんだよ、いいじゃないか!校訓にもあるだろ、常に挑戦を怠らない人間であることって!」
風紀「それで人に迷惑をかけなければな。私も毎回毎回いい加減疲れるんだ」
友「いや、そりゃ悪いとは思うよ。でも俺たちはそうしないと生きていけないんだよ」
風紀「…バカなことを言うな。そんなことで人が死ぬか」
男「残念ながら死ぬんだよ、脳がだんだん腐っていくんだ」
風紀「そうか、ならちょっとショック療法で治してみるか」ス…
友「ちょ、ストップストップ!」ガシッ
風紀「うひゃあ!?」ビクッ
友「え…」
- 18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:01:24.94 ID:mUxuZJiA0
風紀「な、何するんだいきなり!?」
友「何って、ちょっと腕掴んだだけじゃ…」
風紀「い、いきなりそんなことするなんて…!」
友「そんなことって大げさな、俺とお前は握手だってしたことあるんだし…」
風紀「そ、そういう問題じゃ…と、とにかく断りもなしにいきなり人の腕を掴んだりするな!」
友「断りもなしに人を殴るのはどうなんだ…」
風紀「う、うるさい!早く席につけ!」
友「なんだよ、横暴だな…」
男「…友、助かったぜ」
友「へ?何が?」
- 19 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:03:19.00 ID:mUxuZJiA0
休み時間 2年廊下
男「さて、さっきは命拾いしたし、また風紀が来ないうちに話し合おうか」
友「そうだな。で、何をやるんだ?」
男「そうだな…もうすぐ卒業シーズンだし、それに絡めた何かをやりたいところだな」
友「卒業か…早いものだな、もうそんな時期なんだな…」
男「まあ、俺たちはもう1年先だけどな。さて、テーマは卒業だ。なんか面白そうなこと思いついたか?」
友「うーん…桜の木に派手な飾り付けをするのは去年失敗したし…」
男「あれは量が多すぎて持ってくるとき一発で風紀にばれたからな…」
友「今度は量を減らして再挑戦するか?」
男「いや、一度失敗した案だし別にいいだろ。でも桜に関係する何かってのはいいヒントかもな…」
友「うーん…桜かあ…」
生徒A「おい、またあの二人変な相談してるぞ」
生徒B「ほっとけよ、どうせまた風紀にのされて終わるだけだろ」
生徒A「それもそうだな。あの捕り物はなかなかいい見世物だし」
- 20 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:03:31.64 ID:W2m+x0eq0
この前の人かC
- 21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:04:28.51 ID:cnQuUU6OO
さるよけ
もう少しペースダウンした方がいいぞ
- 22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:05:10.14 ID:mUxuZJiA0
男「桜…さくら…さーくーらー…さーくーらー…」
友「…なんか歌になってるぞ」
男「ああ、知ってる」
友「桜の歌って結構あるよな…」
男「ああ、定番だしな。…そうだ!」
友「お、なんか考え付いたか?」
男「おう、桜ソングの全校放送だ!」
友「…なんか普通じゃないか?」
男「なーに言ってんだ、全校放送っていっても放送室からじゃない。俺たちがラジカセを担いで直接聴かせるんだよ」
友「ラジカセ…」
男「おう、ラジカセで桜ソングを俺たちの歌と一緒に流しながら校内を練り歩いて、全校生徒に桜ソングの素晴らしさを強制的に教え込んでやるのさ。
直接聴かせるから、放送のスイッチを切っても絶対に耳に届くぜ」
友「な、なるほど…でも俺も歌うの?俺歌苦手なんだけど…」
男「上手い下手は関係ない、大事なのは魂さ!」
友「た、魂…!」
- 23 名前:>>21 だって急がないとまた落ちそうで怖くて… [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:07:18.62 ID:mUxuZJiA0
男「魂を乗せた歌なら、きっとみんなに伝わる!たとえそれが嫌がらせに近い聴かせ方でも!!」
友「お、おお…!!」
男「どうやら、乗り気になったようだな」
友「おう!日本の魂、全校生徒に思い出させてやるぜ!」
男「よしきた!それじゃ早速今日の放課後、流す歌のCDを探しに行くぞ!」
友「了解!燃えてきたぜっ!!」
男「やるぞーっ!!」
友「おーーっ!!」
ガラッ
委員長「うるさい!叫び声が教室まで聞こえてくるんだけど!」
男「あ、すいません」
- 24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:09:14.07 ID:mUxuZJiA0
男「…というわけで、放課後は空けておけよ」
友「ああ、そっちもな」
男「それじゃ、そろそろ授業の用意しなきゃな」
友「ああ、また後で」
友「さーて、楽しくなってきたぞ…」
風紀「何がだ?」
友「うおっ、風紀!」
風紀「内容まではわからんが、どうせまたくだらない企みでも話してたんだろう?」
友「く、くだらなくない!これは愛国心からくる…」
風紀「はぁ…友人に負担をかけないようにしようとか思わないのか、お前は」
友「いや、そりゃ悪いとは思うけどさ、なんていうかじっとしていられないんだよ、俺と男は」
風紀「だったら迷惑のかからないようにやってくれ…。…なんでこんなやつを…」ボソッ
友「ん?なんだって?」
風紀「…なんでもない。とにかく、騒動を起こすなら覚悟しろよ」
- 25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:10:26.76 ID:mUxuZJiA0
昼休み
男「よし友、今日は一緒に食おうぜ」
友「あ、幼馴染とは食わないんだ」
男「そうしたいのはやまやまだが…お前、俺がいないと風紀と食うだろ?」
友「…それは確かに」
男「だから話し合いも兼ねて今日はお前とだ」
友「分かった。それじゃ行くか」
- 26 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:11:49.19 ID:mUxuZJiA0
食堂
男「いただきます」
友「いただきまーす」
男「…さて、今のうちに流す曲の候補を決めておくか」
友「そうだな、あんまり難しい曲は勘弁してくれよ」
男「ああ、なるべく歌いやすい曲だな。まずメジャーなとこだと、森山直太郎とかだな…」
友「ああ、いーまーさーきーほーこーるーってやつ?」
男「そうそうそれそれ」
友「桜ソングって実際いい曲多いよな。やっぱ分かりやすいテーマだからかな」
男「さあ、作曲者に訊いたら作りやすさとかは聞けるかもしれんが」
- 27 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:14:23.45 ID:mUxuZJiA0
男「…こんなとこか」
友「うん、なかなかいい選曲だな」
男「そんじゃ、あとは放課後だな。つーわけで、今はこれで解散。んじゃ、俺先に戻ってるからな」
友「おう。俺はどうしようかな…ん?」
(あれは風紀…なんか急いでるみたいだな。風紀委員の集会とかかな?今は声をかけないほうがよさそうだな)
友「…しばらく適当にぶらついてるかな」
- 28 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:15:58.24 ID:mUxuZJiA0
放課後 レンタルCD屋
男「えっと、桜、桜…お、こりゃいい。桜ソングのアルバムだってよ」
友「へえ、そういうのもあるんだ。だったらこれ1枚で事足りるな」
男「おう。そんじゃ、これ借りようぜ。ちゃんと金半分出せよ」
友「分かってるって」
男「…じゃあ、ラジカセは任せた」
友「おう、CD持ってくるの忘れるなよ」
男「分かってる分かってる。ちゃんとバッグに入れっぱなしにするって」
友「また明日、がんばろうな」
男「おうよ、また明日」
友「…う〜ん、わくわくしてきたな…あれ?」
(風紀…帰りかな?いや、制服だけど荷物持ってない…どうしたんだろう。
…あ、文房具屋に入っていった。追いかけてみるかな)
- 29 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:17:41.96 ID:mUxuZJiA0
文房具屋
風紀「ふむ…」
友「おーい、風紀ー」
風紀「へっ!?と、友!?なんで!?」
友「なんでって、帰る途中に風紀を見かけたから。そっちこそ、なんで荷物持たないで文房具屋に?」
風紀「あ、ああ…いや、先生にお使いを頼まれてな。職員室の備え付けの生徒用のボールペンが全部駄目になったから、
また1ダースセットの安いやつを買ってきてくれと」
友「へえ。でもそういうのって、お使いするにしても生徒会とかじゃ…」
風紀「ちょうど風紀委員の仕事をやろうとして、ボールペンを取りに行ったところだったからな。
ちょうどよかったということで、私が頼まれたんだ」
友「なるほど。信頼されてるんだな」
風紀「信頼?」
- 30 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/11(水) 23:17:42.24 ID:3e0aGkYz0
がんばれ
- 31 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:20:14.00 ID:mUxuZJiA0
友「そんな風に簡単にお使いを頼めるほど、しっかりしたやつだと思われてるってことだろ?俺なんか、絶対先生に頼まれごとなんかされないだろうし、
たとえお前以外の風紀委員でもそんな気軽にお使いなんて頼まないって」
風紀「そうか?」
友「そうだよ。やっぱ風紀はしっかりしてるんだな。すごいと思うよ」
風紀「なぁっ…そ、そんなことは…っ…は、恥ずかしいことを言うな!」
友「え、ご、ゴメン…」
風紀「と、とにかく、私はボールペンを買って学校に戻る。お前は寄り道しないでまっすぐ帰れ」
友「いや、俺も風紀と一緒に行くよ」
風紀「…なんだって?」
友「ここで会ったのも何かの縁だし。せっかくだし、俺がそのボールペン持って一緒に行ってやるよ」
風紀「べ、別にそんな…」
友「いいから。これもいつもの手伝いの一環だと思ってさ」
風紀「…わ、分かった。だったらお願いする」
友「よし、決まりだな」
- 32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:23:39.41 ID:mUxuZJiA0
学校までの道中
風紀「…全く、そうやっていつも他人への気遣いを心がけてくれたら、私に迷惑がかかることもなくなるのかもしれないが…」
友「いや、だって俺と男が騒ぐのは、ほとんどライフワークみたいなものだし」
風紀「お前たち二人というやつは…大体、なんでそんな騒ぎを起こそうと思うんだ?」
友「なんでって…面白いからかな」
風紀「お前たちの楽しみのために私はいつも疲れさせられているのか…」
友「全部の騒ぎがそうじゃないだろ?俺たちが予想もしないようなトラブルが起きることだってあるしさ」
風紀「それは仕方ないとしてもだ、お前たちが積極的に行動を起こしさえしなければ、私は楽ができるというのに…」
友「そんな真面目にならなくてもいいじゃないか。どうせお前が止めなくても、いずれ先生が止めにくるわけだし」
風紀「…そういうわけにもいかないんだ」
友「え?何で?」
- 33 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:26:10.82 ID:mUxuZJiA0
風紀「…もちろん、私が自分の役割を果たすことに真面目に取り組んでいるからというのもある。だが、一番の理由は別にある」
友「一番の理由?それって?」
風紀「…あれは3回目にお前たちを捕まえたすぐ後の集会のことだ。その日の話題に、お前たちのことが上がったんだ」
友「え…」
風紀「ただの問題児なら今までいくらでもいた。だがお前たちは、問題児の中でも格が違ったからな。
入学式にはお前は遅刻して入場し、男は寝ぼけて何度も合図もないのに起立するというとんでもない高校デビューを果たし、
4月が終わる頃には要注意生徒に挙げられたほどだ」
友「え、そんな早い時期に要注意認定されてたの!?」
風紀「当然と言えば当然だな。そしてさっき言ったその集会で、私がお前たちの奇行を取り返しがつかなくなる前に
3度食い止めたということを評価され、クラスが同じということもあって風紀委員内で私はバカコンビ担当となってしまったのだ」
友「そ、そんなことが…」
風紀「クラスが変わるまでと言われ、高校3年間風紀委員を続けるつもりだった私がどれだけクラス替えでお前たちと離れることを願ったかわかるか?
結局またお前たちと同じクラスにされ、私は継続してバカコンビ担当…最悪の気分だった」
友(…何も言えない)
- 34 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:28:42.36 ID:mUxuZJiA0
風紀「ああ、思い出したら腹が立ってきた…今すぐお前を殴りつけてやりたい気分だ」
友「わ、わ、ちょっと落ち着けって!まさかそんなことになってるとは知らなかったし…」
風紀「知らなければいいという問題ではない」
友「いや、そりゃそうだけど…ホントに悪かったよ」
風紀「そう思うなら、今あいつと企んでいることをやめて、金輪際騒ぎを起こさないことだ」
友「いや、それは…」
風紀「…そうか。まあいい、いつものことだ、私もほとんど諦めている。その代わり、私の苦労を知っても騒ぎを起こそうというんだから、
いつも以上に覚悟はしておけよ?」
友「……はい」
(ラジカセは仕方ないとして、どうにかレンタルのCDだけは守らないと…)
- 35 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:30:44.40 ID:mUxuZJiA0
校門前
風紀「ここまででいい。それじゃ、ボールペンを渡してくれ」
友「ん、わかった。はい」
風紀「よし。それじゃ、もう帰れ。寄り道するなよ」
友「分かってるって。また明日」
風紀「ああ。またな」
友「…驚愕の新事実発覚ってとこか…。風紀、思ってた以上に苦労してたんだな…。
でも、もうCDも借りちゃってるんだし、引き返すことなんてできないよな…よし、明日はできるだけ安全装備で学校に行こう」
友「…ラジカセ壊したら、また母さんに怒られるんだろうなあ…」
- 36 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:32:41.85 ID:mUxuZJiA0
2月23日(水) 朝
2-B
男「よっ」
友「お、おはよう」
男「用意はできてるか?」
友「ああ。ちゃんと持ってきたよ」
男「こっちも抜かりないぜ。それじゃ決行は昼休み、食堂でだな」
友「ああ。でもその前に…」
男「ん、どうした?」
友「殿。一つお耳に入れておきたいお話が…」
男「…言うてみい」
- 37 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:35:05.30 ID:mUxuZJiA0
男「…マジかよ…そりゃ目の敵にされるわ…」
友「そういうわけだから、いつでも全力で逃げられる用意はしておこう。でないと今回は本気で命が危ない」
男「…そうだな。とりあえずお前がラジカセな」
友「いやいやいやいや、それはひどくないか!?」
男「お前、自分のラジカセ他人に預けて不安にならないのか?」
友「そりゃなるけど…」
男「だったらお前が持っとけ。持ち主の方が壊さないようにするって意識も強いだろ」
友「…分かったよ」
- 38 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:37:04.68 ID:mUxuZJiA0
昼休み 2-B
男「よし、行くか」
友「おう。…って、そのマイクなんだよ」
男「なんだよって、放送前の演説と歌用に決まってるだろ。1本しかないから二人で共用な」
友「共用って、どうやるんだよ」
男「こう、デュエットするみたいに肩組んで、どっちもマイクに声が届くように…」
友「ええー、嫌だよ気持ち悪い。男同士でそんなこと…」
男「俺だって嫌だよ。でも1本しかないんだからしょうがないだろ」
友「だったら俺歌わなくていいよ…」
男「仕方ないな。分かったよ、お前音楽担当、俺歌担当な」
友「ああ、それで頼む」
- 39 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:39:40.71 ID:mUxuZJiA0
食堂
男「よし、それじゃ行くぜ」
友「ああ」
男『…食堂にお集まりの皆さん、こんにちわ!わたくし2年B組の男と申します!!』
生徒A「な、なんだ?」
生徒B「あれって、あの有名なバカコンビじゃ…何やってんだ?」
男『えー、本日皆さんに集まってもらったのは他でもありません。今日はわたくしども、皆さんにお聞かせしたいものがございます』
生徒C「別にお前のために集まってるわけじゃねえよ…」
男『皆さんご存知だとは思いますが、もうすぐ卒業シーズンです。冷たさの残る風、優しい日差し、
そして咲き誇る桜…しかぁし!皆さんそんなもの全く気にせずただ卒業だけを惜しみ祝福していらっしゃる!
なんと嘆かわしいことでしょう!』
生徒D「知らないわよ…」
- 40 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:41:34.70 ID:mUxuZJiA0
男『そこでわたくしどもは考えました!皆さんにこの素晴らしさを理解してもらうにはどうすればいいかを!
そしてたどり着いた結論が、桜ソングだったのです!』
生徒A「…桜ソング?」
男『皆さんのほとんどがご存知だったり、またマイナーだったりもする桜を題材にした歌を今一度皆さんにお聞かせすることで、
桜の素晴らしさを理解していただこう!そう考えての行動なのです!!』
生徒C「単にてめえが騒ぎてえだけだろ…」
男『今日のこの歌で、皆さんの桜を愛でる気持ちを呼び起こすことができたなら幸いです!!
それでは早速行きましょう!1曲目は…』
友「お、男!」
男「なんだよ、これからって時に…」
友「あ、あれ…」
男「あれ?」
風紀「……」ポキポキッ ポキポキッ
男「………」
- 41 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:43:10.50 ID:mUxuZJiA0
男『…えー、皆さん、大変不本意ではございますが、どうやらわたくしどもは役目を果たすことが出来ずに退場することになりそうです!
楽しみにしていただいた皆さん、本当に申し訳ございません!それでは命の危険が迫っておりますので、これにてさいなら、さいなら、さいな…』
…ダッ!
男『うわあああああきたあああああああ!!!』
友「逃げろおおおおおおおおおおお!!!」
ダダダダダダダ……
生徒A「…ありゃ終わったな」
生徒B「パターンだけどな」
生徒A「ははは、違いない」
生徒E(…ちょっと聴いてみたかったな)
- 42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:45:30.38 ID:mUxuZJiA0
友「うわあああ、ヤバイヤバイヤバイ!まさかこんなに早いなんて思ってなかった!」
男「チクショーッ、1曲くらい歌わせろよ!」
友「ああーラジカセ重いーーー!!」
男「とにかく二手に別れるぞ!俺は左、お前は右な!」
友「わ、分かった!どっちに来ても恨みっこなしな!!」
男「それじゃできれば生きて会おうぜ!」
友「おう!うおおおお!!」
グイッ
友「……ああああああこっち来たああああああ!!助けてええええええ!!」
風紀「逃がすかあああ!止まれええ!」
友「嫌だ!止まったら今日こそ殺されるううううう!!」
- 43 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:47:39.87 ID:mUxuZJiA0
男「…はあ、はあ……。ど、どうやら向こうに行ったみたいだな…。すまん、友よ。化けて出るなよ」
委員長「…男君」
男「え?あ、委員長?なんでここ…」
バッ!
男「あ、ちょ、返して俺のマイク…」
グイッ
委員長『うるっさいっっ!!!』
キィィィィィィン!!
男「うひいいいいぃぃぃぃ!!?」
委員長「…ふん」ポイッ ゴトッ
男「…い、委員長…怒らすとこええ…」バタッ
- 44 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:49:14.29 ID:mUxuZJiA0
友「あああああああ!!」
(ヤバイ、本気でヤバイ!ラジカセがある分、こっちの方が遅いからただ走ってたらそのうち追いつかれる…逃走経路は…階段を使うか!?
いや、でもそれは最善とは言えないんじゃ…最善はラジカセを捨てることだけど、それは抵抗が…)
風紀「待てえええええ!!」
友「あああ追いつかれるぅぅー!くっそおおおぉーーーーー!」
(こうなったら階段を一気に駆け上がって、逃げた方向を分からなくさせて…!)
ダッ
風紀「そうはさせるかぁっ!」ガシッ
友「へっ!?ちょ、バランスが…うああああ!!」
風紀「え、うわあああっ!?」
ドサッ!
- 45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:51:11.57 ID:mUxuZJiA0
友「ってて…」
風紀「っく…って、なあっ!?」
友(か、顔近っ…)
「だ、大丈夫か風…」
友(…あれ、ラジカセがない…バッグに入れて左手で持ってたはずなのに、どこに…)
ヒュウウ…ガッ!
友「ぐむっ!?」
風紀「ん――――!!?」
- 46 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:53:09.67 ID:mUxuZJiA0
――友が風紀に引っ張られバランスを崩し、風紀の上に倒れこむと同時にラジカセが上空に飛ぶところから始まり、
友が風紀の顔を認識すると同時に、ラジカセの入ったバッグの端が照明にひっかかるまで2秒。
友が風紀を気遣う言葉をかけようとした時、バッグがないことに気づくと同時に、端だけひっかかったバッグが友の頭めがけて落ち始めるまでで合計3秒。
そしてそこから1秒とかからずにバッグは友の頭に落ち、その衝撃で友の頭は風紀の顔まで下がり――
友「―――」
(ど、どうしよう…これ、キスしちゃってるよな…)
風紀「――――」
友(…って、ボーっとしてる場合じゃないって!離れないと!!)
「――っは!」
風紀「――は――」
友「だ、大丈夫か、風紀…?」
風紀「……あ……」
友「ふ、風紀…?」
- 47 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/11(水) 23:55:04.81 ID:OPc4/BSZO
がんばれ
- 48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:55:19.64 ID:mUxuZJiA0
風紀「…あ…あ…ああああっ…!」カアアァァッ
友「あの、だいじょ…」
風紀「キャアアアアアアッ!!」
ブンッ メコッ
友「びゅふぇええええっ!!」
フワァッ ドシャアアアアッ
風紀「ああ、ああっ…いやあああっ!!」
ダダダダダ…
友「ほ、本気パンチ…肺に響いたよ…」ガクッ
- 49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:57:06.42 ID:mUxuZJiA0
保健室
男「……大丈夫だったか」
友「……そっちこそ。っていうかなんでここにいるんだ」
男「委員長渾身の叫びを聞いてな。委員長のメロメロボイスに、俺の頭はクラクラよ」
友「…あっそ」
男「お前はまた本気パンチ食らったんだって?」
友「ああ、肺が痛いよ…」
男「一体何やったんだよ?あいつそう簡単に本気で殴らないだろ?」
友「実はさ…」
- 50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/11(水) 23:59:48.90 ID:mUxuZJiA0
男「そっかー…そら殴られても仕方ないな…」
友「だよな…事故とはいえキスだもんな…」
男「とりあえず、後で謝ったほうがいいな…」
友「分かってるって。さすがにこれは…」
男「ああ…でもひょっとしたら避けられるかもな…」
友「そしたらどうしよう…」
男「それでもなんとか謝るしかないだろ。ほっとくわけにはいかないだろ?」
友「…頑張るよ」
- 51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:02:19.67 ID:6vh/87ZA0
休み時間 指導室
男「失礼しましたー…」
友「失礼しました…ってて」
男「全く、回復してすぐ説教とか、生徒への配慮が足りねーぜ」
友「まあいいじゃん、授業がひとつつぶれたと思えば」
男「その分嫌な思いしたけどな。さて、それじゃ教室戻るか。お前はちゃんと風紀に謝らないといけないし」
友「うう、大丈夫かな…」
男「大丈夫もへったくれもないって。ほら、行こうぜ」
友「ああ…」
- 52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:04:13.97 ID:6vh/87ZA0
2-B
友「…おーい、風紀ー…ってあれ、いない…」
男「何だって?どういう事だ?」
委員長「風紀さんなら昼休みからずっと帰ってきてないわよ」
友「え、ええ!?」
委員長「一体どうしたのかしら、風紀さんが授業をさぼるなんて…」
友「……」
男「…こりゃ本格的にまずいかもな…」
- 53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:06:24.71 ID:6vh/87ZA0
放課後
友「…結局風紀戻って来なかったな…」
男「ああ、どうすんだ?」
友「どうすんだって言われても…」
ガラッ!
友「あ!」
風紀「っ…!」
サッ ガシッ ダッ
友「あ、荷物持って出てった!」
男「帰るつもりみたいだな」
友「お、俺、追いかけてくる!」
男「おう、行って来い」
- 54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:08:49.22 ID:6vh/87ZA0
廊下
風紀「……っ」タタタ…
友「ふ、風紀、待てって!」
風紀「……!」ダッ
友「あ、ちょ、くそっ!」
昇降口
風紀「……」ガチャ
友「なあ、頼むから待ってくれよ!」ガシッ
風紀「っ!は、離せ!」
友「離したらお前帰っちゃうだろ!お前に謝りたいんだよ!」
風紀「そんなの…っ」
- 55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:10:55.09 ID:6vh/87ZA0
友「なあ、悪かったよ。事故だったって言っても納得してくれないだろうけど、俺だってあんなことするつもりなかったし…」
風紀「…嫌なのか?」
友「え?」
風紀「お前は、私と…キスして、嫌だったのか…?」
友「いや、嫌とかそういうのは…っていうか、なんでそんなこと聞くんだよ?」
風紀「…分からない…分からないんだっ!」
友「風紀…?」
風紀「分からない…こんなの、私…知らない、分からないんだよぅ…」ポロッ
友「え、ちょ、なんで泣いて…」
風紀「う…ひぐっ…」
友「え、えーっと…」
- 56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:13:03.10 ID:6vh/87ZA0
ギュッ
風紀「え…」
友「…えっと、なんていうか、大丈夫だから。僕がこうしててやるから、とりあえず落ち着きなよ」
風紀「友…?」
友「まあ、なんていうか…僕の胸ならいつでも貸すぞってやつ?いや、違うか…ああ、とにかく、いったん泣きやみなよ。
それまで一緒にいるから」
風紀「…うん、分かった…」
- 57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:15:40.73 ID:6vh/87ZA0
友「…落ち着いた?」
風紀「…うん」
友「そっか。…ごめん、風紀。不可抗力とはいえあんなこと…」
風紀「…いや、いい。いいんだ」
友「でも、さっきあんなに泣いてたし、嫌だったんじゃ…」
風紀「だからいいんだ。…落ち着いて、よく分かったから」
友「分かったって…何が?」
風紀「…それは言わない。流石にまだ口には出せないから…いずれ、勇気が出たら言うよ」
友「…そっか。それじゃ、とりあえず移動しようか。ここだと周りの目が…」
風紀「えっ?」
- 58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:16:14.46 ID:/DIc/e7K0
支援
- 59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:17:34.60 ID:6vh/87ZA0
生徒A「なに、風紀さんと友くんってそういう関係?」
生徒B「なるほど、いつも目の敵にしてるのは愛情の裏返しか…」
風紀「…っ!な、なんてことしたんだこんなところで!」
友「な、そっちこそ思いっきり泣いてたじゃないか!」
風紀「そ、それは…ああ、とにかく早く移動するぞ!」
友「それ僕…じゃなくて俺が提案したこと…」
風紀「ええい、いいから行くぞ!」
友「あ、ちょ、引っ張るなよ!」ズルズル
- 60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:19:50.39 ID:6vh/87ZA0
2-B
ガラッ
男「お、戻ってきた」
風紀「はあっ、はあっ…」
友「た、ただいま…」
男「ちゃんと謝ったか…って、そうじゃなきゃ一緒に戻ってきたりしないか」
友「うん、まあ」
風紀「…帰るぞ、友」
友「え、なんで?」
風紀「いいから。ほら、支度しろ」
友「わ、分かったよ。それじゃ、そういうことみたいだから」
男「おう、怒らせるなよ」
友「し、しないって」
- 61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:22:01.23 ID:6vh/87ZA0
通学路
友「教室に戻ったかと思えばいきなり帰ろうなんて、ずいぶん強引だな」
風紀「別にいいだろう。そっちは強引にあんなことしたわけだし」
友「だ、だからあれは事故だって!」
風紀「分かってる。言ってみただけだ」
友「言ってみただけって…」
風紀「ところでだ…さっきお前、自分のこと僕って…」
友「…ああ、あれ?」
風紀「いきなり僕だなんて、どうしたんだ?」
友「いや、なんていうか、いつもは背伸びしてるっていうか…まあ、素はあれなんだよ」
風紀「ふうん…」
友「わ、悪いか?」
風紀「いや、そんなことはない。ただ意外だったからな」
友「そっか、意外か…」
- 62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:23:35.78 ID:/DIc/e7K0
さるよけ
- 63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:24:06.06 ID:6vh/87ZA0
友「で、なんで強引に帰ろうなんて言ったんだよ」
風紀「ああ、今の質問をしたかったのと、純粋にお前と帰りたかったからだな」
友「それだけにしてはずいぶん強引だったような気が…」
風紀「本当にそれだけだよ。それだけで十分だろう?」
友「そうか?お前がそういうならそうなんだろうけど…。そういえば、さっきの風紀の泣きはびっくりしたなあ」
風紀「な、なんでだ。私が泣いたら変か?」
友「そうじゃないけどさ、あんな風に泣くとは思わなかったし」
風紀「じゃあなんだ、お前は私が笑いながら大粒の涙を流して泣くとでも思っていたのか?」
友「いや、それは気持ち悪いだろ…」
風紀「…そうだな。想像したら寒気がした」
- 64 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/12(木) 00:25:04.90 ID:KK+RT0M+0
何回も同じスレ立ててるけどなんで?もういいだろ。
どうせまた落ちる。
- 65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:26:03.85 ID:6vh/87ZA0
友「まあ冗談抜きで言うと、お前は泣くとしても人前じゃなくて一人になったときに声を殺して泣くタイプだと思ってたから」
風紀「いや、昔から泣くときは人目も気にせず思いっきり泣いていたな。多分父の影響だろう。
最近は泣くこともなくなっていたしな…」
友「へー…ちょっと意外だ」
風紀「そうか、意外か…」
友「…さっきのお返しみたいになっちゃったな」
風紀「ふふっ、そうだな」
友(…良かった、どうやらちゃんと仲直りできたみたいだ…)
- 66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:28:12.72 ID:6vh/87ZA0
風紀「…ここまででいい」
友「ん、分かった。じゃあな、また明日」
風紀「ああ。…なあ友」
友「ん?」
風紀「その……。…やっぱりいい。また明日」
友「?そっか。じゃあな」
風紀「…これからも仲良くしてくれ…今まで以上に…なんてな」
- 67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:30:06.03 ID:6vh/87ZA0
その夜
友「…で、結局今回の計画は失敗だったな」
男『そうだな。ま、いいじゃねーか。まだまだチャンスはいくらでもあるしな』
友「そうだな」
男『それに、今回は別の成果も出たみたいだしな』
友「へ?なんの話だ?」
男『お前の話だ。ま、詳細は言ってやらないけどな』
友「な、なんで?」
男『自分で気づけ、鈍感男。そんじゃ、また明日な』ブツッ ツーツーツー
友「あ、ちょ…なんだよ、よく分からないな…」
友(…ま、いっか。そのうち分かるだろうし。それと風紀、あの反応見る限りだと今日のことは尾を引かずに済みそうだな。
うん、後は僕が気にしなきゃいい話ってわけだな)
友「さて、それじゃ寝ようかな…」
カチッ カチッ
- 68 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:32:12.20 ID:6vh/87ZA0
風紀の部屋
風紀「……」
風紀(友とキスしてしまった…バレンタイン前なら本気で嫌だったんだろうが、今はむしろ…)
風紀「…参った…まさか自分がこんなことになるとは…」
風紀(これがいわゆる『恋する乙女』という状態なのだろうか…うわぁ、なんだか信じられない…というか、
絶対私に似合わない単語だろう、これは…)
風紀(…友、か…不思議だな、あいつのことを好きになってしまうとは…でも、悪くはない。…うん、悪くない)
風紀「…早く寝よう。そうすれば友に少しでも早く会える…」
風紀「……」
風紀(…じ、自分で言っておいてなんだが、似合わないなぁ…な、なんて恥ずかしい生物なんだ私は)
風紀「え、ええい、もういい。お休みっ!」
カチッ カチッ
- 69 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:32:58.78 ID:/DIc/e7K0
支援
- 70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:34:14.98 ID:6vh/87ZA0
2月24日(木) 朝
校門
友「ふわ…今週ここまで遅刻なしか…じゃあ多分明日は遅刻だな…」
風紀「おはよう、友」
友「え?あ、おはよう風紀。立ち番以外で朝に会うなんて珍しいな」
風紀「そうだな。いつも朝に会う時は決まって私が立ち番でお前が遅刻だからな」
友「ははは…面目ない」
風紀「まあいい、それじゃ一緒に教室に行こうか」
友「ん、そうだな」
- 71 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/12(木) 00:35:56.59 ID:YPk+6MDx0
つまんないから落ちんだろ
- 72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:36:21.22 ID:6vh/87ZA0
2-B
友「おはよう」
男「おう、おは…おうっ」
友「なんだよ、変な声出して」
男「いや、まさか風紀と一緒に登校してくるとは思わなかったからな」
風紀「なんだ、悪いか?」
男「いや、悪くはないけど…ずいぶん仲良くなってるな、と」
友「そうかな?一緒に登校って言っても、校門で偶然会っただけだし…」
男「ま、仲良きことはよきことかな。そんじゃ席着こうぜ」
友「ん、そうだな」
- 73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:38:16.51 ID:6vh/87ZA0
昼休み
友「そんじゃ風紀を昼に誘おうかな…」
風紀「友」
友「え?」
風紀「一緒に昼を食おう」
友「あ、うん、いいけど」
風紀「よし。それじゃ行こうか」
友(まさか風紀から誘われるとは…ちょっとびっくりだな)
- 74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:40:09.82 ID:6vh/87ZA0
食堂
友「なあ、なんで今日はお前から食事に誘ってきたんだ?」
風紀「嫌だったか?」
友「いや、嫌じゃないけどさ」
風紀「ならいいじゃないか。今までお前から誘っていたのが、私からになっただけだろう」
友「うーん、それもそうか。ちょっと嬉しいしな」
風紀「そうか、嬉しいか。それは嬉しいな」
友「へ?どゆこと?」
風紀「今は気にするな」
友「う、うん」
- 75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:42:05.90 ID:6vh/87ZA0
風紀「そうだ、友。今日も一緒に帰らないか?」
友「え、今日も?」
風紀「ああ、駄目か?」
友「うーん…今日は駄目なんだよ。ちょっと用事があって」
風紀「む、そうか…」
友「でも明日だったら大丈夫だから、明日は一緒に帰ろう」
風紀「…分かった。約束だからな」
友「ああ」
- 76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:44:03.22 ID:6vh/87ZA0
2-B
男「…なんだって?」
友「いや、だから風紀に今日一緒に帰ろうって誘われたけど、今日は家庭部に料理のあまりを貰いに行くから…」
男「…友」
友「うん?」
男「イエス・キリストは言いました。『四の五の言わずに今すぐ右の頬を差し出せ』と」
友「え、何の話…」
男「ぅえやっ!」バシッ!
友「ぶへっ!」
- 77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:46:03.02 ID:6vh/87ZA0
友「な、何すんだよ!」
男「何すんだよ、じゃない。せっかくのチャンスを無駄にするようなことを…」
友「は?チャンス?」
男「いいか、何事も中途半端は良くない。そういう態度だと、気がついた時には取り返しのつかないことになってるぞ」
友「な、何の話か全然分からないんだけど…」
男「いいから後悔したくなかったら次の休み時間に家庭部のところに行って、余りを貰うのを断って来い」
友「え、なんでだよ!」
男「いいから。それとこれからも家庭部より風紀を優先するようにしろ」
友「はあ?ますます分からない…」
男「お前はあくまで友達として見ているのかもしれないが、そうだとしてもそうやって平等に接することがいつも正しいとは限らないって言ってんだ」
友「はあ…」
男「とにかくだ、ちゃんとお前の中で誰を優先すべきか決めとけ。どっちつかずは一番ひどいぞ」
友「うん…じゃあ後で家庭部に断ってくる…」
- 78 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 00:54:13.36 ID:/DIc/e7K0
寝る前支援
- 79 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:01:14.81 ID:6vh/87ZA0
休み時間
2-D
友「…それじゃ、そういうわけで今日は俺の分は残さなくていいから。
あと、これから余りを貰いたいときは当日に言うようにするから」
家庭部「…そうですか、分かりました。それじゃ今日からは以前と同じ量に戻すことにしますね」
友「うん。悪いね、食べてあげられなくて」
家庭部「いえ、いいんです。今までが特別だったんですから」
友「それじゃ、またね」
家庭部「はい、また」
- 80 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:05:51.91 ID:6vh/87ZA0
2-B
友「行ってきたけど…」
男「よし。それじゃ後は風紀と帰る約束だな」
友「う、うん。にしてもどうしていきなり俺のスケジュールを決めるようなこと…」
男「そうでもしないと、お前は絶対後で痛い目見るからな。安心しろ、ここまでするのは今日くらいだ」
友「そ、そっか。んじゃ、言ってくる。…おーい、風紀ー」
風紀「ん、なんだ?」
友「いや、今日の用事なくなったからさ。後で一緒に帰ろうって…」
風紀「…!そうか、分かった。それじゃ約束だからな」
友「あ、うん。それじゃそれ言いにきただけだから、それじゃ」
風紀「ああ、後でな」
- 81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:09:29.21 ID:6vh/87ZA0
放課後
男「さて、それじゃ俺は幼馴染を誘うか。お前は風紀と仲良く帰れよ」
友「分かってるって。それじゃまた明日」
男「おう、また明日」
友「よし…おーい、風紀ー。帰ろうぜー」
風紀「ん、分かった。ちょっと待っててくれ、このプリントだけ提出してくるから」
友「分かった。じゃ、校門で待ってるな」
風紀「ああ、悪いな」
- 82 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:14:10.87 ID:6vh/87ZA0
通学路
風紀「そういえばもうすぐ2月も終わりだな…」
友「ああ、そうだな。いやー、あっという間だなー…」
風紀「色々あった2月だったな…」
友「ああ、お前と友達になったり、チョコ貰ったり、一緒に出かけたり…」
風紀「なんだかすでに懐かしいな…」
友「…なあ、また一緒に出かけるか?」
風紀「え?」
友「色々あった2月の終わりに、最後の思い出って意味でさ。今度は遊園地以外で、どっか遊べるところにでも」
風紀「ふむ…なるほど、それも悪くないな」
友「そっか。それじゃ今週の日曜にでもどっか行くか」
風紀「ああ、そうしよう」
- 83 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:19:32.33 ID:6vh/87ZA0
友「それじゃ、どこ行こうかな…風紀はどっかリクエストある?」
風紀「リクエストか…いや、特にはないな」
友「そっか。じゃあ…映画でも見に行こうか?」
風紀「映画か…あまり見たことがないな」
友「へえ、そうなんだ」
風紀「ああ、テレビがほとんどで、後は小さい頃に母に連れられてコメディ映画を1つ。タイトルは忘れてしまったが」
友「それじゃそれ以来久しぶりのスクリーンだ」
風紀「そうなるな。うん、ちょっと楽しみだ」
友「それは良かった。それじゃ、待ち合わせは…11時に駅前でいいか?」
風紀「ああ、遊園地の時と同じか。それでいいぞ」
友「決まりだな。それじゃそういうことで」
- 84 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:22:21.50 ID:6vh/87ZA0
風紀「…ここまででいい。それじゃ、また明日な」
友「ああ、また明日」
風紀「映画、楽しみにしてるぞ」
友「おう、俺もだよ」
風紀「それじゃ、ちゃんと明日も遅刻せずに来いよ」
友「…保障はできないな」
風紀「体に刻み込んでおいてやろうか?」
友「え、遠慮します」
風紀「ふふっ、そうか。じゃあな」
友「ああ」
…次の日、友は男と一緒にきっちり遅刻してきた。
その日の立ち番は風紀だったので、二人は揃って風紀に絞られたのだった。
そんなこんなであっという間に金、土曜と過ぎ…
- 85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:25:35.12 ID:6vh/87ZA0
2月27日(日) 午前10時50分
駅前
友「…あ、いたいた。おーい、風紀ー」
風紀「む、来たか」
友「ごめん、待ったか?」
風紀「いや、別に構わないさ。待ち合わせの時間より早いし、私の方がちょっと早く着いただけだしな」
友「そっか。それじゃ行こっか。って言っても、こっから歩いて10分もかからないとこだけど」
風紀「なんだ、そうなのか。それじゃ行くか」
- 86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:29:36.24 ID:6vh/87ZA0
映画館
風紀「で、どれを見るんだ?」
友「そうだな…とりあえず1時くらいの回のチケットを買って、先に昼食おうと思ってたからな…実はまだ決めてないんだ。
何かこの中で見たいものとかあるか?」
風紀「いや、特にはないな。友の見たいやつでいい」
友「そっか。じゃあ…あのアクションものにしようかな。CM見て面白そうと思ったんだ」
風紀「それじゃ決まりだな。さっさとチケットを買ってしまおう」
友「ああ、そしたらちょっと早めだけどここのフードコートで昼食っちゃおう」
- 87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:32:03.35 ID:6vh/87ZA0
午後1時12分 映画館4番シアター
友「楽しみだな…」
風紀「そうだな。面白いといいな」
友「どうだろうな。CMだと面白そうなのに、実際見ると微妙な出来の映画って結構あるからな」
風紀「…見る前にそういうことを言うな…」
友「…ゴメン」
ブーーーッ
友「お、始まるな」
・
・
・
- 88 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:34:05.98 ID:6vh/87ZA0
友「…いやー、思ってたよりずっと面白かったよ。これは傑作と言ってもいいな。風紀もそう思う…」
風紀「…ぐずっ…」
友「え、ちょ、風紀?ラストは俺も感動したけど、何もそんな顔ぐしゃぐしゃにして泣かなくても…」
風紀「だ、だって、あれじゃ、あれじゃあ主人公がかわいそうじゃないかあっ!うああああああん!!」
友「ちょ、風紀!そんな大泣きするなよ…ひ、人の目が…」
(ホントに堂々と泣くんだな…これは一緒にいてすごく恥ずかしい…)
- 89 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 01:54:49.39 ID:FDPWslqZ0
支援ぬ
- 90 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:02:29.45 ID:6vh/87ZA0
午後3時57分 映画館前ベンチ
風紀「うっ…ぐすっ…」
友「ああ、いい加減泣きやめって…」
(これだと周りから変な誤解を受けそうだよ…)
風紀「ん…もう大丈夫だ、ごめん…」
友「いや、大丈夫だけど…しかし、喧嘩っ早くて涙もろいって、お前は江戸っ子か?」
風紀「別に喧嘩っ早くも涙もろくもない…」
友「これで涙もろくないって言われても説得力ないだろ…まあ、喧嘩っ早いは俺たちのせいだけど」
風紀「…それで、これからどうするんだ?まだ時間は余裕があるだろう?」
友「そうだな…ちょっとこの辺見て回るか」
風紀「ん、そうだな。それじゃ行こうか」
友「その前に顔洗ってこいよ。ちょっとみっともないぞ」
風紀「…ん、分かった。行ってくる」
- 91 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:05:31.86 ID:6vh/87ZA0
次さるったら風呂行く
友「お、ゲームセンター」
風紀「へえ、ここが…結構うるさいんだな」
友「まあな。ちょっと何かやってくか」
風紀「ああ、そうだな」
友「どれにしよう…あ、これなんかいいな」
風紀「太鼓?」
友「ああ、リズムに合わせて太鼓を叩くゲームなんだよ。これなら二人でできるしちょうどいいだろ」
風紀「へえ…だったらこれにしよう」
友「よし、決まり。曲はそっちが決めていいぞ」
風紀「いいのか?それじゃ…」
- 92 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:08:57.30 ID:6vh/87ZA0
風紀「…つまらん」
友「そりゃこれはテンポ遅い曲だしなぁ…」
風紀「他の曲はもっと面白いのか?」
友「まあ、それなりに早ければ」
風紀「だったら今度はお前が決めてくれ。私が分からない曲でも構わない」
友「いいのか?それじゃ…」
・
・
・
風紀「うん、これはなかなか手ごたえがあって面白かったな」
友「そっか、それは良かった。…あ、もうそろそろ帰らないとな」
風紀「え?あ、もうこんな時間か…それじゃ行くか」
友「ああ、送ってくよ」
- 93 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:11:31.37 ID:6vh/87ZA0
帰り道
風紀「うん、今日は満足だ」
友「そう言ってもらえると、提案したかいがあったってものだな」
風紀「…また一緒に出かけたいな」
友「ん、俺もだ」
風紀「今度はどこがいいかな…」
友「結構どこに行っても楽しめる気がするけどな」
風紀「…そうだな。ああ、ここまででいい」
友「分かった、それじゃまた明日な」
風紀「ああ。…今日のデート、楽しかったぞ」
友「えっ?」
風紀「ふふっ、また明日!」タッ…
友「あ…行っちゃった」
友(デートって言ったよな、今…じゃあ風紀は、今日一日そういうつもりで過ごしてたってことか…?)
友「…いや、まさか。さ、俺も帰ろう…」
- 94 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:15:51.31 ID:6vh/87ZA0
2月28日(月) 朝
通学路
友「ふわ……ねむ……」
風紀「おはよう、友」
友「へ?ああ、おは……え?」
風紀「どうした?」
友「い、いや、髪型ポニテにしてるから、ちょっとびっくりして……」
風紀「あ、ああ、だってお前が昨日似合うって言ったから……」
友「そ、そっか……」
風紀「もしかして、制服だと似合わなかったか?」
友「いや、そんなことないよ。やっぱ似合ってるよ」
風紀「そうか、ならよかった……」
- 95 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:18:55.55 ID:6vh/87ZA0
2-B
男「……で、あれはどういうことだ?」
友「あれって、風紀の髪型のこと?」
男「一体何があった?妙な怒らせ方でもしたか?」
友「ち、違うって。昨日風紀と遊びに行ったとき、ポニテ似合うなって言っただけだよ」
男「ほう?なるほどねぇ……ふうん……」
友「な、なんだよ?」
男「いや、なるほどなぁと、ね……へぇ……」
友「……なんか腹立つな」
- 96 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:23:00.39 ID:6vh/87ZA0
男「ま、それはよしとしてだ。もう2月も終わりなわけだが……」
友「お、もしかしてまたなんか企画するのか?」
男「いやいや、馬鹿言うなよ。もうすぐテストだろうが」
友「……テスト……?」
男「そう、テスト」
友「……はて……わたくし、そのような言葉初めて耳にしましたわ……」
男「誤魔化すな。逃げても現実は変わらないぞ」
友「……ウワーッ、どうしよう!!テストの存在すっかり忘れてた!!」
男「んなこったろうと思ったぜ……」
- 97 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:26:20.49 ID:6vh/87ZA0
友「どどどどうしよう、試験範囲とか何もわからないよ俺」
男「落ち着けって。俺だって試験範囲は覚えてない」
友「はあ!?じゃあどうやって試験突破するんだよ!」
男「ここまでやったことを全部ちゃんと覚えてれば、試験範囲なんて気にする必要ないだろうが」
友「……ああー、そっかー……お前頭は悪くないんだったっけ……」
男「とりあえず、3学期にやったこと全部復習しとけばいいんじゃないか?」
友「無理だよ、俺どの授業もノート半分も取ってなかったもん……」
男「ったく、しょうがないやつだな。だったら俺が日替わりでノート貸してやるから、試験始まるまでにざっと復習しとけ」
友「それはありがたいけど、俺一人じゃ十分に勉強できる気がしないよ……」
男「つってもな、俺だって色々やることがあるし……」
- 98 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:29:20.21 ID:6vh/87ZA0
男「……あ、だったら風紀と勉強したらどうだ?」
友「え?風紀と?」
男「あいつだったら真面目だし、心から頼み込めばちゃんとお前の面倒見てくれるだろ」
友「なるほど、そうかも……ありがとう、ちょっと頼んでみる!」
男「おー、行ってこい。ちゃんと後でノートは貸してやるからなー」
- 99 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 02:33:07.09 ID:6vh/87ZA0
友「おーい、風紀ー」
風紀「ん、なんだ?」
友「あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど……」
風紀「お願い?」
友「こんなことお願いするのも悪いと思うんだけど……俺の勉強、見てくれないかな?」
風紀「え?お前の勉強を?」
友「ほら、もうすぐテストだろ?俺すっかり忘れててさ、対策なんてしてなかったから……
できれば、色々面倒見てくれないかなー……なんて……」
風紀「全く……もう1週間もないというのに、そんなことでどうするんだ」
友「あ、あはは……」
風紀「……仕方ないな。いいだろう、少しだけなら付き合ってやる」
友「ほ、ホントに!?ありがとう風紀!」
風紀「あくまで私のできる範囲でだからな」
友「分かってるって。それじゃ、そうだな……今日の昼休み、食事が終わってからお願いできるかな?」
風紀「ああ、分かった。昼休みだな」
友「ホントにありがとう!それじゃ、また後で!」
- 100 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/12(木) 02:34:18.54 ID:pMW5xG720
raicho鯖とか何時のやつだよwwwww
- 101 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:02:23.06 ID:6vh/87ZA0
>>100 バレンタインっす…スンマセン
昼休み
友「ご馳走様でした」
風紀「ご馳走様」
友「それじゃ早速だけど、お願いできるかな?」
風紀「ああ、いいぞ。で、どの教科からだ?」
友「あーっと、その前に試験範囲を教えて欲しいんだけど……」
風紀「……ハァ。まさかそこからとは……」
友「め、面目ない……」
風紀「いいだろう、それじゃまず現代文の試験範囲から……」
- 102 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:09:06.51 ID:6vh/87ZA0
風紀「……で、試験範囲を教えただけで昼休みが終わってしまったわけだが」
友「……ゴメン……」
風紀「メモが遅いんだよお前は。全く、人がせっかく付き合ってやったというのに……」
友「うう……」
風紀「仕方ないな。放課後も付き合ってやるから、今度こそちゃんと勉強に入るぞ」
友「うん、ありがとう……」
風紀「ほら、教室に戻るぞ。授業が始まってしまう」
友「うん、そうだな」
- 103 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:13:23.83 ID:6vh/87ZA0
放課後
友「おーい、風紀ー」
風紀「分かってる。それじゃ、図書室にでも行くか」
友「そうだな、そうするか」
図書室
風紀「それじゃ、今度こそ始めるぞ」
友「うん、よろしくお願いします」
風紀「で、どの教科から見てほしいんだ?」
友「あ、それじゃ数学から……」
風紀「分かった、それじゃ……」
- 104 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:17:06.27 ID:6vh/87ZA0
友「……うん、ありがとう。数学は大体分かった……多分」
風紀「おいおい、多分か……」
友「ま、まあ大丈夫だよ。重要なところは教えてもらったし、これなら赤点はまぬがれるはずだよ」
風紀「赤点はまぬがれるって……志が低いな、お前は」
友「だって、俺そんなに勉強できないし……」
風紀「せっかく人が教えてやったんだから、最低でも平均点を超える、くらい言って見せろ」
友「でも……」
風紀「そんな情けないやつには、もう何も教えてやらんぞ」
友「ううっ……わかったよ、できるだけ頑張ってみる」
風紀「よし、それでいい」
- 105 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:22:13.90 ID:6vh/87ZA0
風紀「で、次はどの教科だ?」
友「それじゃ、英語を……」
風紀「う……」
友「?どうしたんだ?」
風紀「……え……英語は、却下だ」
友「ええっ、なんで!?」
風紀「な、なんでって……前に言っただろ、私は……」
友「あ……そういや、風紀って英語は苦手なんだっけ……」
風紀「そ、そういうことだ。私に分からないことを、お前に教えられるわけないだろ」
友「でも、俺数学の次に不安なのは英語だし……」
風紀「そ、そんなこと言われても、無理なものは無理なんだ」
友「なんだよ、人には志を高く持てとか言ったくせに……」
風紀「うっ……そんなこと言われても、英語はむしろ私が教えて欲しいくらいだし……」
- 106 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:27:12.20 ID:6vh/87ZA0
友「それじゃあ、英語はお互い分からないところを教えあうっていうのはどうかな?」
風紀「む、なるほど……それはいい案かもしれないな」
友「よし、それじゃお互い頑張ろうか」
風紀「そうだな。それじゃ分からないところが出たら聞いてこいよ」
……それは一見お互いの弱点を補ういい案であったかのように思えた。
しかし……
- 107 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:32:21.47 ID:6vh/87ZA0
友「…………」
風紀「…………」
友「……駄目じゃん……」
風紀「わからないところがモロにかぶっているとは……」
友「これは、誰か頭のいい人に一緒に頼み込むしかないかな……」
風紀「そうだな……」
友「それじゃ、時間も遅いし今日はもう帰ろうか……」
風紀「ああ、そうするか。お互い荷物は教室に置きっぱなしだったな」
友「ああ。じゃあ一緒に教室に戻ろう」
- 108 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:37:58.49 ID:6vh/87ZA0
帰り道
友「しかし、本当に英語苦手なんだな……」
風紀「し、仕方ないだろう。私にだって苦手なものくらいある」
友「うーん……しかし、本当にどうしよう……」
風紀「そうだな……誰か私達より勉強ができて、英語を教えてくれそうなやつか……」
友「……心当たりがないわけではないかな」
風紀「む、本当か?」
友「でも、教えてくれるかは分からないぞ?」
風紀「それでも何もしないよりましだ。それじゃあ明日、そいつに頼み込んでみよう」
友「ああ、そうするか」
- 109 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:43:28.56 ID:6vh/87ZA0
3月1日(火) 朝
2-B
友「……というわけなんだけど……」
男「と言われても……そっちのやつが……」
風紀「…………」
男「……ものすごい微妙な顔してるし」
風紀「なんで私がこいつに……」
友「しょうがないだろ、他に心当たりないんだから。駄目かな?」
男「だから俺は他にやることがあるんだって。悪いけど、他をあたってくれ」
友「でも、他って誰が……」
男「いるだろ、俺の斜め前の席に」
友「斜め前って……」
委員長「……」
- 110 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 03:49:09.85 ID:6vh/87ZA0
友「……いや無理だって、もうすでに『矛先をこっちに向けるな』ってオーラが出てるし」
男「駄目で元々だろ。接点ないわけじゃないし、宝くじの一等が当たるくらいの確率で見てくれるかもしれないぞ」
友「お前も無理だって思ってるんじゃないか……」
男「とにかく俺はもう先約がいるんだ。頼むんだったら他をあたってくれ」
友「うう……仕方ないか……」
風紀「それじゃあ、駄目元で委員長に頼んでみるか?」
友「そうだな……もうそれしかないもんな……」
- 111 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:00:32.33 ID:6vh/87ZA0
友「あの、委員長……」
委員長「却下」
友「つ、冷たい!」
委員長「悪いけど他人の勉強の面倒を見るなんてお断りよ」
風紀「やはり、どう頼んでも駄目か?」
委員長「ええ、駄目ね。私がどういう人間かくらい、友君も風紀さんも知ってるでしょ」
風紀「むう……」
委員長「それにしても、あなたも堕ちたわね風紀さん。以前のあなたなら、自分の勉強を他人に頼るなんてしなかったと思うけど」
風紀「何?」
友「委員長、何を……」
委員長「私はあなたを、自分に与えられた境遇を自分の力で乗り切る人だと評価していたけど……友君と仲良くなって、随分悪影響を受けたようね。
他人まで巻き込んで引き摺り下ろすなんて、どうしようもなく最低ね友君」
友「そ、そんな言い方……」
- 112 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:07:53.69 ID:6vh/87ZA0
バンッ!!
風紀「っ……!!」
友「え、風紀?」
風紀「……取り消せ委員長。こいつらが問題児だというのには同意するが……どうしようもないなんて、思ったことはない……!」
友「風紀……」
委員長「……そうね、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎたわ。まさかあなたがそこまで友君を想っていたなんて考えてなかったから」
風紀「な……」
委員長「やはり、そういう感情は人を変えてしまうのかしらね」
風紀「……かもな。でも私はそれを嫌とは思わない」
委員長「そう。まあ、その部分は人それぞれでしょうね。私は絶対に嫌だわ」
風紀「……行こう、友」
友「え、でも……」
風紀「もういいから。英語は他の方法を考えよう」
友「あ、うん……それじゃ委員長、押しかけちゃってゴメン」
委員長「ええ、もうこんな頼みごとは遠慮してね」
- 113 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:12:44.43 ID:6vh/87ZA0
友「あの、風紀……」
風紀「なんだ?」
友「その、ありがとう。あんな風に考えてくれてたんだな」
風紀「……当たり前だ。どうしようもないと諦めているやつに、何度も説教したりしない」
友「そっか……」
風紀「できればこれをきっかけに、お前らが更正してくれたらうれしいんだがな」
友「それは……はは……」
風紀「……やれやれ。だったら何度でもお前らをとっ捕まえてやるさ」
友「……覚悟しとくよ」
風紀「で、どうする?今日も昼休みと放課後に勉強会か?」
友「ああ、そうだな。今日もよろしく頼むよ」
風紀「分かった、それじゃまた後でな」
- 114 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:17:51.42 ID:6vh/87ZA0
そんなこんなで次の日
3月2日(水) 朝
2-B
男「雨だな……」
友「そうだな、久しぶりだな」
男「で、勉強ははかどってるのか?」
友「うーん……英語以外はなんとか」
男「結局英語はからっきしか」
友「図書室にある参考書を見てだましだましやってるって状態かな……」
男「お前らも大変だなぁ」
友「まあね。そういやそっちもなんかやってるみたいだけど……」
男「ああ、こっちは勉強がやばいって感じじゃなくて、ほとんど一緒にいるのが目的だからな」
友「なんだよ、だったら一緒に」
男「馬鹿言うなよ、二人でやるから意味があるんだろうが」
友「そ、そういうものか……」
- 115 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:23:06.93 ID:6vh/87ZA0
男「全く、そんなだとそっちは苦労してそうだな……」
友「な、何の話だよ……」
男「……なあ、友」
友「ん、なんだ?」
男「この際はっきりさせようと思うんだが……お前、風紀のことどう思ってるんだ?」
友「どうって……」
男「風紀のこと、好きなのかってことだ」
友「え……」
男「どうなんだ?はっきり言ってみろよ」
友「風紀を、好きか……」
- 116 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:28:41.20 ID:6vh/87ZA0
ザー……
友「……はっきりとは、まだ分からないかな……」
男「そうか……」
友「でも、好きなのかって聞かれたとき、割と素直にそれを受け止められる自分がいたから……
多分、好きなんだと思う」
男「……なるほど。だったらしばらく、その自分についてよく考えておけよ。中途半端にしておくのは良くないぞ」
友「うん、そうだよな……」
男「……そう、中途半端は良くない……よな」
友「ん、どうしたんだ?」
男「いや、こっちの話だ」
- 117 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:35:47.61 ID:6vh/87ZA0
昼休み 食堂
風紀「そっちはどうだ?」
友「そこそこできてる……と思う。そっちは?」
風紀「こっちもそこそこだな」
友「そっか」
(うーん、朝男にあんなこと言われたから、なんとなく気にしちゃうな……)
風紀「……どうした、私の顔をじっと見て」
友「え?あ、いや、何でもない」
風紀「そうか。ちゃんと集中しろよ」
友「うん」
(……ちょっと、色々話してみようかな……)
- 118 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:39:22.38 ID:6vh/87ZA0
友「なあ、風紀」
風紀「ん、なんだ?」
友「風紀って、俺のことどう思ってるんだ?」
風紀「へ……はあ!?なんだいきなり!」
友「いや、なんとなく……」
風紀「どう思ってる、と聞かれても……その……」
友「うん」
風紀「……だ、大事な友人だ」
友「そっか……」
風紀「全く、いきなり何を聞くかと思えば……」
友「いや、ゴメンゴメン」
- 119 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:45:38.06 ID:6vh/87ZA0
友「風紀……」
風紀「今度はなんだ?」
友「いや、委員長に言われたこと……」
風紀「……気にするな。委員長がそう感じたというだけだろう」
友「でもさ……」
風紀「いいんだ。誰になんと言われようと、私はお前と一緒にいたい。それで十分だろ」
友「そう……かもな」
風紀「お前は私といたくないか?」
友「そんなことない。風紀といると楽しいし、これからも仲良くしていきたいよ」
風紀「そうか。なら……良かった」
友「……あ、もう時間だな」
風紀「む、そうだな。教室に戻るか」
- 120 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:48:49.36 ID:6vh/87ZA0
もう厳しいっす、眠いっす…寝かせていただきます。
今日中に風紀ルート終わらせたかったけど、明日に持ち越しか…
明日は夜8、9時に来れると思うけど、落ちたら土曜の夜か日曜の昼から夕方に立てるよ。
できればその時のために、誰かスレタイ考えてくれると嬉しい。案出なかったら同じスレタイで立てる。
それではお休み
- 121 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/05/12(木) 04:57:57.59 ID:0I8py4/D0
乙
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