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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15
- 106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2010/05/30(日) 02:14:34.57 ID:.5iM5/Eo
〜次の日〜
魔道士「おはようございます!」
おかみ「…おや、早いねっ。おはよう」
盗賊「……おはようございます」
おかみ「ありゃ…。薪持ってきてくれたのかい!?悪いねぇ…」
盗賊「……いえ」
両手に薪を抱えた盗賊は、礼を言うおかみにぺこりと頭を下げる。
テクテクテク…
おかみ「おや!?…早いねぇ」
鍛冶屋「いやぁ…結局一睡もしなかったよ…はははっ」
おかみ「あら…。そうなのかい?」
鍛冶屋「うん。どうしても朝までに仕上げておきたかったんだ」
おかみ「あんまり無茶するんじゃないよ…?」
鍛冶屋「まぁ、とりあえずこれで一区切り…」
召喚士「……おはようございます」
- 107 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:16:16.78 ID:.5iM5/Eo
おかみ「何だい…。結局みんな起床かね…」
戦士「んー…、あんまり眠れなくてなぁ…」
魔道士「実は…私も……」
おかみ「それじゃあ朝食にしようかねぇ…!」
盗賊「…手伝いますっ」
…
戦士「いっただっきまー…」
コンコン…
おかみ「おや…?」
魔道士「こんな早くに…お客さんですかね?」
おかみ「どれ……」
おかみは席を立ち、足早に玄関へと向かう。
テクテクテク…
鍛冶屋「彼ら…かな?」
召喚士「…?」
- 108 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:17:25.19 ID:.5iM5/Eo
カチャッ…
おかみ「はいはい。……何だ、アンタらかい」
赤い男「おかみさん!おはようございます!」
青い男「朝一で戻って参りやした!」
戦士「誰だ…?」
鍛冶屋「ああ。彼らはね、従業員ってところかな…?」
引き続き、玄関先からおかみと男達の声が響き渡る。
赤い男「今回も完売でしたよ!もう旦那の武器無しじゃ戦えないなんて奴まで…!」
青い男「お陰様で粗利もかなりのモンすよ!!」
おかみ「おや、そうかい。ご苦労様」
青い男「毎度っす!!」
赤い男「それじゃ、また後日来ますんんで…!」
おかみ「ああ、頼んだよっ」
パタン……テクテクテク
おかみ「いつもの二人。今回は完売だってさ」
- 109 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:21:58.65 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「本当かい!?いやいや良かった良かった!」
盗賊「…?」
鍛冶屋「実はね、最近は彼らに行商を任せているんだ」
召喚士「あっ…、昨日話していた…」
鍛冶屋「そう。だから僕も工房での作業に専念出来るんだ」
戦士「そうだったのか…」
おかみ「彼らはね、元は客だったんだけど…ちょっとトラブルがあってね…」
魔道士「トラブル…ですか?」
おかみ「イチャモンつけて来たところに…うちのが返り討ちにしちゃってさぁ…」
召喚士「へ、へぇ…」
鍛冶屋「いやはや…お恥ずかしい…」
おかみ「ああ、そうだよ!あんたらがこの前来た時さ!」
戦士「そう…だっけ?」
召喚士「そんな事も…あったような……」
鍛冶屋「も、もういいから食事食事!はははっ!」
- 110 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 02:34:54.30 ID:/OZA8MSO
ちょうど7ヶ月経ったのか…胸熱…
- 111 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:50:52.40 ID:.5iM5/Eo
…
おかみ「はいよっ」
召喚士「ありがとうございます」
おかみの手によりテーブルに置かれた紅茶を、召喚士はそれぞれに配り始める。
魔道士「食器洗い終わりましたー!」
おかみ「ご苦労さん!」
召喚士「実は一つ…相談が…」
盗賊「…?」
召喚士「武具の完成まであと数日…。鉱山に潜りませんか?」
鍛冶屋「鉱山へ…?」
召喚士「ええ。ただ待っているのも申し訳ないですし…」
戦士「実は昨日、俺も思ったんだ」
魔道士「鉱石が取れれば、お金にもなりますしねっ」
おかみ「おいおい…お金なんてそんな気にする事……」
盗賊「…いや、そうはいかない」
- 112 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:54:29.31 ID:.5iM5/Eo
戦士「…ここの鉱山にゃデケェ借りもあるしな」
召喚士「うん。……みんな同意見で良かった」
鍛冶屋「……ははははっ!」
魔道士「…?」
鍛冶屋「実はね、そう言うんじゃないかと思ってたんだよ。うん」
召喚士「へ…?」
驚く一同を余所目に、鍛冶屋は工房から武器を持ち運んでくる
ゴトッ……ドサッ
鍛冶屋「徹夜で仕上げた。武器は完璧さ!」
魔道士「お……おぉーっ!」
戦士「……雷切まで…!?」
盗賊「…凄い……新品みたい…!」
鍛冶屋「盗賊さんの鎖と、戦士くんの斧は間に合わないけど…」
召喚士「でもこれだけあれば十分ですよ!ねぇ?」
戦士「ああ!親父さん…!本当にありがとう!!」
- 113 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 02:56:32.19 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「いやいやいや!滅相もない!はははっ!」
おかみ「全く…。どっちも呆れちまうね…あははっ!!」
魔道士「それじゃ早速…」
召喚士「ええ!行きましょう…鉱山へ!」
盗賊「…うん!」
おかみ「気を付けるんだよ?夜には一度戻るように!」
戦士「ういっす!」
召喚士「じゃあ、支度をしてきます!」
魔道士「はーいっ!エヘヘ!!」
タッタッタッタッタ…
鍛冶屋「あ…っ、戦士くん!」
戦士「……ん?」
鍛冶屋「…ちょっと」
召喚士「……?」
戦士「なんすか…?」
- 114 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 03:00:09.00 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋に呼び止められ、召喚士と戦士は鍛冶屋の後に続き工房へ向かう。
鍛冶屋「……この、槍だけど」
戦士「ああ…。旅の途中で色々と…」
鍛冶屋「そう…。この槍って…知ってる?」
召喚士「…どういう意味ですか?」
鍛冶屋「やはり真意までは知らないか……」
戦士「何か…あるんすか?」
鍛冶屋は無言のまま槍の前へ進み、一部分を指差す。
鍛冶屋「ここ、紋章が彫ってあるだろう?」
戦士「…本当だ。全然気づかなかったわ…!」
召喚士「うん……」
鍛冶屋「こっちの槍にも…ほら」
召喚士「本当ですね…。でも…どちらも違う紋章が…」
戦士「これが…何か…?」
鍛冶屋「これは……ゾディアックだ」
- 115 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 03:05:37.02 ID:.5iM5/Eo
戦士「ゾディアック……?」
召喚士「な、何です…?それ…?」
鍛冶屋「……古の時代、伝説のナイトが携えたと言われる槍さ」
戦士「……」
鍛冶屋「その威力は凄まじく…魔王をも一撃で葬ったと言われている…」
召喚士「!?」
戦士「す……すげぇ…!!」
鍛冶屋「しかしその代償に、ないとは命を落とし…大地は二つに裂けたと言う…」
召喚士「っ!!」
鍛冶屋「その大地と言うのが、大陸と南方らしいけどね…」
戦士「ま、まさか…なぁ…。はははっ…」
鍛冶屋「うん。まぁ…数ある伝承の一つに過ぎない…」
召喚士「……」
鍛冶屋「でも、ゾディアックの存在は本当だと言われている」
戦士「そ……それが…これ!?」
- 116 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 03:11:34.92 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「正確にはそのうちの一つさ」
召喚士「…それは…つまり…!?」
鍛冶屋「ゾディアックは12本揃って、始めて一つとなる」
戦士「12本!?」
鍛冶屋「あまりの威力に恐れを成したかつての本国は、ゾディアックを封印した」
召喚士「本国が…っ?」
鍛冶屋「しかしそれが数十年前、封印を解かれ持ち出されたんだ…」
戦士「……」
鍛冶屋「犯人は魔王軍に内通した本国の重臣…」
召喚士「そ、それで…っ!?」
鍛冶屋「その者は処刑となり、ゾディアックは新たな手で封印される事となった…」
戦士「…新たな…手?」
鍛冶屋「とある国家鍛冶師により、12本の槍へと姿を変えた」
召喚士「そうか…っ!!それがこの……」
鍛冶屋「そう。12本のうちの2本が……まさにこれさ」
- 117 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 03:16:05.25 ID:.5iM5/Eo
戦士「そんな…!場所も何もかもが違う形で手に入れた槍が…!?」
鍛冶屋「運命なのかもしれない…。そういうの、信じたくはないけどね…」
召喚士「……」
鍛冶屋「とにかく、これは絶対に手放してはならないよ」
戦士「お、おうっ…」
鍛冶屋「そして…絶対に12本揃えようなんて思っても駄目だ」
戦士「……」
鍛冶屋「必ず…戦士くんの身に不幸が訪れる…」
召喚士「……他の槍の…所在は分かるんですか?」
鍛冶屋「…分からない。分かったとしても…やはり教えられないよ」
召喚士「そうですか…」
戦士「……ま、ぶっちゃけ槍に頼る気はない。気にする事でもねーさ!」
鍛冶屋「……」
戦士「大丈夫!そんな物に頼らなくても…俺らはやってやる!」
召喚士「……うん!」
- 118 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 03:18:42.54 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「……そっか。安心したよ」
戦士「それにさ、こんなモンより親父さんの武器が一番だよ!ははっ!」
鍛冶屋「本当かい!?あははっ!まぁ何と言ってもね…これはね…」
戦士「し…しまった……」
召喚士「……支度してくる」
…
魔道士「オッケーです!」
召喚士「では、行ってきます!」
おかみ「夕飯作って待ってるからね!」
鍛冶屋「鎖は今日中に完成出来ると思うから!」
盗賊「…助かります」
戦士「んじゃ、行きますか!」
召喚士「うんっ」
魔道士「出発ーっ!」
盗賊「出発ー」
- 119 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/30(日) 03:26:25.73 ID:.5iM5/Eo
>>110
おぉー忘れてました!今日で7カ月!ありがとうございます!
しかし…今日もちょっと忙しくあまり進み具合が…すみません…
それではこの辺にて…!ご支援ありがとうございました!ノシ
〜次回予告〜
占い師「新たな武具を得るため、鉱山を訪ねた召喚士達…」
占い師「彼らは再び鉱山へ潜り、その刻を待つ…」
占い師「そして、四人の前に現れた男とは…?」
占い師「次回、第210話【戦士、心のむこうに】」
占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」
- 122 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 07:54:14.44 ID:TtinkMAO
210話wwwwww
終わる頃何話だろ…
てか>>1がやさしすぎて泣いた
- 125 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 10:21:08.73 ID:/JBX/QAO
>>1乙
占い師ちゃんももう少し大胆にサービスしてもいいと思うの
それこそ同一ばりの過激な描写で……………ゴクリ
- 126 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 15:04:21.41 ID:.5iM5/Eo
テクテクテク…
召喚士「本当にいいの?」
戦士「ああ。俺も盗賊もどっちかっつーとスピード重視だしな」
盗賊「…うん。早さは命」
召喚士「そっか…」
戦士「だからヘタな防具で守備力上げる代わりにスピーオ落としたくねーんだ」
魔道士「なるほどですね…」
戦士「それに今は、頼れる補佐のバックアッパーがいるしなっ!」
魔道士「へっ!?…そんな事っ」
戦士「頼りにしてるぜ?」
盗賊「…ヨロシクな。魔道士」
魔道士「は、はいっ!頑張ります!」
召喚士「それじゃ雑貨の補充だけでいっかぁ…」
戦士「だな。それが終わったら早速鉱山だ!」
魔道士「はいっ!」
- 127 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 15:04:50.37 ID:.5iM5/Eo
〜鍛冶屋の家〜
鍛冶屋「……」
コトッ
おかみ「…はい」
鍛冶屋「ありがと。……熱ちっ!…ははっ」
おかみ「いいのかい?あんな事まで話しちゃってさ・・」
鍛冶屋「放っておいても、…彼らならきっと知ってしまうよ」
おかみ「……」
鍛冶屋「だったら事前に伝えておいた方が、間違った道には進まない…」
おかみ「…悪いね。父さんのせいでアンタにまで迷惑…」
鍛冶屋「師匠は悪くないよ」
おかみ「でも、面倒事押しつけられちゃってさ…」
鍛冶屋「何度も言うけど、僕は君が好きで一緒になったんだ。面倒事とか関係ないよ」
おかみ「あ…あんた…」
とまどいの表情を見せるおかみに、鍛冶屋はにっこりと微笑んだ。
- 128 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 15:05:54.61 ID:.5iM5/Eo
〜鉱山〜
召喚士「さて…どこから行きましょうか?」
戦士「もちろん一番上…と言いたいところだが…」
盗賊「……」
魔道士「私も…大丈夫です!」
戦士「召喚士はどう見る?」
召喚士「今の力量から考えると……」
盗賊「……」
召喚士「今度来ても…仕留められる!」
戦士「リーダーのお墨付きだ。問題ないな」
魔道士「はい!」
盗賊「…出るとも…限らんしな」
召喚士「出ても楽な相手ではありません。くれぐれも注意しましょう」
戦士「…んじゃ、行こうかね」
魔道士「…行きましょう!」
- 130 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 15:20:33.14 ID:.5iM5/Eo
テクテクテク…
ワーカー「お…依頼か?ここは一番深い鉱山…」
戦士「分かってるよ」
見張りのワーカーが発する忠告に、戦士は知っていると言わんばかりの口調で返答する。
召喚士「あの、すいません…」
ワーカー「ん?」
召喚士「眼鏡さん、という方をご存じですか?」
ワーカー「眼鏡って、功績二位の…アイツか?」
魔道士「はい…っ」
ワーカー「そりゃあ有名だから名前ぐらいは知ってるが…」
召喚士「以前、ここで仕事をされていたのですが…」
ワーカー「さぁなー。俺も先日ここに来たばかりでな…」
召喚士「そうでしたか…。ありがとうございます」
盗賊「…行こ」
四人は見張りのワーカーへ一礼し、鉱山内へと入って行った」
- 131 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 15:37:57.37 ID:iBIqcBI0
また戦士がやる夫になりかけてるなw
- 132 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 17:20:48.37 ID:/tqCFuko
スピーオwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
おっおっお
- 133 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 17:56:08.01 ID:lqVSEEMo
=====∩========≪二≫
| | /⌒ヽ
ヽ二( ^ω^)二⊃ 魔王倒すお
ノ /
( ヽノ
ノ>ノ
レレ
...........⌒ヽ
.......... ( ´ω`)二⊃ あ、あれ?体が…
.......... /
..........ヽノ
..........>ノ
........../⌒ヽ
..........´ω`) みんな…みんなありがとう…
- 135 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 19:35:53.33 ID:fLOFHjk0
>>133
戦士ーーーwwwwwwwwwwwwww
- 136 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 19:45:24.97 ID:lqVSEEMo
両刃斧のAAが難しかったんで絵で書いてみた
http://ux.getuploader.com/cockatrice/download/2/201005301939000.jpg
- 141 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/30(日) 22:27:24.93 ID:lqVSEEMo
( ´Д`)ノ「行けっ!コカトリス!!」
ノノノノ
(゚∈゚ ) ─_____
丿\ノ⌒\ ____ ___
彡/\ /ヽミ __ ___
/∨\ノ\ =_
//.\/ヽミ ≡=-
ミ丿 -__ ̄___________
ノノノノ -___
(゚∈゚ ) ─_____ ______ ̄
∧_∧ 丿\ノ⌒\ ____ ___
(;・∀・) 彡/\ /ヽミ __ ___
( ) /∨\ノ\ =_
| | | //.\/ヽミ ≡=-
(__)_) ミ丿 -__ ̄___________
(⌒\ ノノノノ
\ヽ( ゚∋゚)
(m ⌒\
ノ / /
( ∧ ∧
ミヘ丿 ∩∀・;)
(ヽ_ノゝ _ノ
- 148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/30(日) 23:57:46.83 ID:.5iM5/Eo
〜鉱山内部〜
戦士「ここって結構複雑なんだよなぁ…」
魔道士「そうでしたっけ?」
戦士「お前は後から来たから、目印で分かったんだろ」
魔道士「あっ、そうか…」
召喚士「最初に書いた目印はことごとく外れだったけどね…」
戦士「そうそう。眼鏡さんのお陰で助かったよな」
盗賊「…ああ」
盗賊「…!?」
戦士「どうした?」
目の前の分岐点を眺める盗賊に、戦士は声をかける。
盗賊「…印が…まだある」
戦士「ホントだ…」
召喚士「あれ以来…誰も入ってないのかな?」
魔道士「そうなのかもしれませんね…」
- 149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 00:06:02.04 ID:kzpjt12o
戦士「まぁ、そうそう潜る奴らもいないだろうしな」
召喚士「特に最深部なんてね…」
盗賊「…そうだな」
召喚士「ここを右に入れば、まもなく最深部へと続く穴ですね」
戦士「盗賊、魔物の気配は…?」
盗賊「…いや……特に」
召喚士「…行きましょう」
魔道士「はいっ」
戦士「一応動けるように準備しておけよ?」
戦士は雷切を鞘より抜き、右手に握る。
盗賊「…無論だ」
盗賊も同様に蜘蛛切を構え、先頭をゆっくりと進み始める。
ザッザッザ…
盗賊「…ロープも…このままだな」
召喚士「…ええ」
- 150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 00:09:46.14 ID:kzpjt12o
最深部へと続く穴へ、一本のロープが垂れ下がっている。
戦士「俺が行こうか?」
盗賊「…ん、大丈夫」
盗賊は身軽にロープへ飛びつき、颯爽と最深部へ消えていく。
戦士「どうだーっ?」
盗賊「…問題ないー!」
召喚士「じゃあ魔道士さん、ゆっくりと…」
魔道士「はいっ。……んしょ」
戦士「俺は最後に降りるから、先に召喚士…」
召喚士「あ、うん…。ありがと」
ゆっくりと降りる魔道士にの後を、召喚士が続く。
戦士「おっし…」
シュルシュルッ…ススッ…
戦士「……っと。全員無事だな」
魔道士「大丈夫ですよ!」
- 151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 00:16:08.33 ID:kzpjt12o
盗賊「……」
召喚士「…人の入った気配は…やはりないですね」
戦士「魔物の気配もないな…」
盗賊「…うん」
魔道士「……」
テクテクテク…
召喚士「……?」
盗賊「…どうした?」
召喚士は中央にしゃがみこみ、地面の土を右手で一撫でする。
召喚士(……炎の…後…?)
盗賊「…召喚士?」
召喚士「あ、いえ…っ」
盗賊「…眼鏡の…事か?」
召喚士「あっ、ええ…。きっと無事ですよね…?」
盗賊「…ああ。彼の者は…強いからな」
- 153 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/31(月) 00:24:59.98 ID:kzpjt12o
>>131-147
この流れ大好きですw
またやってしまい、申し訳ないですお…
鼻水と咳が止まらないので失礼します…
ご支援ありがとうございますお!ノシ
- 161 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:22:44.80 ID:zwt39.go
召喚士「ええ…」
戦士「強いって言ってもさ、直接戦ってるの見たのって…」
魔道士「そういえば…この前が始めてですね」
召喚士「でも…眼鏡さんの場合、何か『強い』って分かるんだよね…」
戦士「まぁ功績二位だし、実績は申し分ないだろうけどな」
盗賊「……なんだろう」
召喚士「…?」
盗賊「彼の者は他の人と違う…。何かが違う…」
魔道士「そうなんですか…?」
盗賊「…うん。…よく分からないけど」
戦士「しかし、お前にしちゃ珍しいよな」
召喚士「…えっ?」
戦士「普通ならさ、死に物狂いで探そうとするのに…」
召喚士「え、あ…あぁ…。そうかもね」
魔道士「…?」
- 162 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:23:11.14 ID:zwt39.go
召喚士「盗賊さんみたいに、具体的には分からないんだけれど…」
盗賊「……」
召喚士「ここでの時もそうだけど、何か距離を置いているような…」
戦士「それは同感だな」
召喚士「だから余計な手は貸さない方がいいと言うか…」
盗賊「……うん」
魔道士「でも、寂しいですよ…そんなのって…」
召喚士「……」
戦士「ようし…!」
召喚士「…?」
戦士「次会ったときは、酒でも飲ませて洗いざらい語らせるか!」
召喚士「そんな無理矢理っ…!?」
魔道士「それも…いいかもしれませんね!」
召喚士「ま、魔道士さんっ!?」
魔道士「エヘヘッ!!」
- 163 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:23:39.32 ID:zwt39.go
…
戦士「……よし、っと」
壁面を削り、細々とした鉱石を、戦士は両手で丁寧にかき集める。
召喚士「結構取れましたね!」
魔道士「はいっ!なんだか宝探しみたいで楽しいですね!」
ゴリゴリッ…ゴリゴリゴリッ…
盗賊「……」
戦士「お前は必死になりすぎだ…」
召喚士「そろそろ戻りましょうか…」
戦士「時間も結構経ったしなぁ」
魔道士「おかみさんに怒られちゃいますよ?」
召喚士「そうですね…。戻りましょうか」
盗賊「……」
戦士「ほら、盗賊…行くぞ?」
盗賊「…うん」
- 164 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:24:11.07 ID:zwt39.go
テクテクテク…
戦士「何だお前、まだ未練あんのか?」
魔道士「充分過ぎるほど取ったと思いますけど…」
盗賊「…いや」
召喚士「何か気になる事でも…?」
盗賊「…結局…魔物は出なかったな」
戦士「そういや…そうだな…」
召喚士「…確かに」
魔道士「もう魔物もいないんですかね?」
召喚士「……」
戦士「この前倒した奴が、ここのボスだったのかねぇ」
召喚士「かもしれないね…」
魔道士「それじゃあこの鉱山は、もう平和って事ですね!」
戦士「そういう事に…なんのか?」
召喚士「さ、さぁ…。どうだろう…」
盗賊「……」
- 165 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:24:37.74 ID:zwt39.go
〜鉱山出入り口〜
ワーカー「おう…。早いな」
戦士「日帰りツアーなもんでね」
召喚士「あの…」
ワーカー「ん?」
召喚士「ここはもう、魔物はいないんですか?」
ワーカー「う〜ん…。俺も奥まで入ったわけじゃないからなぁ…」
盗賊「……」
ワーカー「でもここのところ、何事もないようだし…落ち着いたんじゃないか?」
魔道士「そうですか…。じゃあ…やっぱり……」
ワーカー「…?」
召喚士「いえっ、ありがとうございました」
ワーカー「おう」
戦士「すっかり日も暮れちまった。戻るとすっか」
盗賊「…うん」
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