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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
- 297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/05/30(水) 17:27:40.52 ID:yDhZWGy8o
…
門の閉じるような音が聞こえた、そんな気がした。
ベルゼブブ『――――ッ!?』
あれ……? 俺様はどうなってんだ……?
ベルゼブブ『何処に此の様な力が……残されていると申すのだ……ッ』
だーから言っただろ、命を燃やしたってよぉ。
ベルゼブブ『命……』
そうだ。テメーをぶっ殺す為に、俺は死んだんだ。そうだ、死んだんだよな。
ベルゼブブ『余が……滅すると……言うのか……ッ』
滅してくれ。でなきゃ、恥ずかしくて成仏できねーわ。
ベルゼブブ『余の全てが……無……に……?』
長かったぁ。これでようやく、僕の宿命も終わりだね。
……僕? ああ、そっか。僕だ。お師匠やナイトさんもきっと褒めてくれるよね。
――『全く、お前って奴は』
え……っ!? お……師匠!! ナイトさんっ!!
- 298 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:28:15.22 ID:yDhZWGy8o
お師匠『お前って奴は本当に無茶ばっかりする。でも、よく頑張ったな。偉いぞ!』
ナイト『ジュースを奢ってやろう』
天才『お師匠っ!! ナイトさん!!』
お師匠『天才、まだ終わったわけではないんだ。しっかり前を見ろ』
天才『!?』
ナイト『あれがベルゼブブか。』
天才『あっ! 人型になってる!』
お師匠『何をごちゃごちゃ言ってるんだ、早く剣を構えろ』
天才『う、うんっ! でも……腕が重くて上がらない……ぃ』
ナイト『仕方がないな。手を貸してやろう。これっきりだぞ』
お師匠『ナイト、お前は魔剣を持ってやれ。俺はこっちのツヴァイハンダーだ』
天才『ありがとうナイトさん! ありがとう、お師匠!』
お師匠『さぁ、決めるぞ』
ナイト『見ろ、敵はかなり青ざめているぞ』
天才『いくぞぉーっ!! 僕達の力を……受けてみろおおぉぉぉぉ!!』
- 299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:28:53.36 ID:yDhZWGy8o
ガッカアアアアァァァァ!!
天才『……?』
ベルゼブブ『余は……認めぬ』
天才『認めろよ。テメーはこの俺様にぶっ殺されたんだ』
ベルゼブブ『……サタンは目覚める。必ずやスーパーノヴァを引き起こすであろう』
天才『ハーッハッハッハ!! そいつは無理だな』
ベルゼブブ『諦めよ。其れが人類の宿命だ』
天才『いーや。俺様には見える。その先の未来がな』
ベルゼブブ『精々、祈っているが良い――地獄でな――――』
天才『……あーすんげー景色だな』
ドドオオオオォォォォ……
天才『東西が繋がった世界ってのは、こんなに広かったんだなぁ……』
オオオオォォォォ……
天才『それじゃあな、世界。地獄で……祈ってらぁ――――』
元国軍総司令官、及び功績1位ワーカー、天才。魔王ベルゼブブと共に消滅す。享年68歳――。
- 300 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:35:06.45 ID:yDhZWGy8o
キリよくここまででいいですかね…スミマセン
なんか頭の中には映像があるんだけどうまく反映出来てないというか…
まぁ、適当に保管して頂ければ…。今日もご支援ありでした!感謝!!ノシ
- 302 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/30(水) 17:38:46.09 ID:oluYP1Koo
>>1乙!
今日の誤字は天才が泣いてるように思えるな…
- 303 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/30(水) 17:48:51.01 ID:yDhZWGy8o
>>302
あーそれは狙っての事ですよもちろん。気づくとは流石ですねー
(どこ誤字ったか全然分からんかった…)
- 305 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/30(水) 18:18:29.90 ID:gOkbmRjSO
さよなら、天さん、、、
- 310 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/30(水) 19:20:05.73 ID:ZeVSsftPo
やっぱみんな天さんに見えたかw
- 315 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/30(水) 23:14:58.43 ID:8doaOyhDO
最初の方かませとか言われてたのにな……
- 316 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/05/31(木) 00:00:18.63 ID:3hT/Gj4AO
>>1おつ
天才お疲れ様
- 322 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:48:30.20 ID:oz0w6JIao
…
帝「……」
王子「……」
ザッザッザッ……
白馬騎士「全て、終わったのですね」
大軍師「終わりました。見ての通りです」
未だに立ち上る白い光柱。五行の輝きが全てを物語っていた。
いや、うつむく者や泣きじゃくるもの。表情は様々だが、
その沈痛な面持ちを見れば、何が起きたのかは一目瞭然であった。
名代「見事也……」
左翼長「何だか、不思議なもんだな」
騎士長「ああ。あの司令が死ぬなんて、想像もつかなかったよ」
白虎長「そのうちひょっこり、顔を出すんじゃないかって……思えちゃうくらい」
青竜士官「……っ」
青年兵「うっ、えぐ……っ」
- 323 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:49:01.65 ID:oz0w6JIao
タッタッタッタッ
剣士「召喚士くんっ!!」
召喚士「……剣士さん」
弓使い「終わったみたいね」
戦士「ああ。ひとまずは、な」
剣士「……次は魔王サタンか」
召喚士「しかも限られた時間はほんの少し。明日にはもう準備を進めないと」
盗賊「……」
魔法剣士「奴は、逝ったのか?」
魔道士「……っ」
魔法剣士「初めて会った時はとんだどあほうだと思ったが……」
召喚士「……」
魔法剣士「本当に強かった。人間の中では間違いなく最強だっただろうな」
戦士「越えらんねー壁だよ。高すぎんぜ」
魔法剣士「全くだ。越える前に逝くなんざ、とんだどあほうだよ」
- 324 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:49:34.19 ID:oz0w6JIao
召喚士「あの、魔法剣士さん……」
魔法剣士「……?」
召喚士「……眼鏡さん……亡くなったって」
魔法剣士「……ああ。あの六道門・地獄で死んだよ」
召喚士「……」
魔法剣士「お前らは知っていたのか?」
召喚士「何を……ですか?」
魔法剣士「彼が魔物だという事をだ」
魔道士「え――――っ!?」
魔法剣士「なんだ、知らなかったのか」
召喚士「……なんとなく」
魔法剣士「……?」
召喚士「なんとなく、普通の人とは違うなって……そうは思いました」
盗賊「魔物の気配は全くなかった。だが、何か不思議な存在ではあった」
魔法剣士「そうか。だったら俺の間違いだ。彼は人間だったのだな」
- 325 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:50:00.91 ID:oz0w6JIao
パッカパッカパッカ……
エリート「陛下と国軍は先に一夜城に戻らせて貰うぞ」
召喚士「あっ、はい……」
皇太子「君達も疲れているだろう? 無理せず休むように」
魔道士「ありがとうございます」
左翼長「ったくよー。重傷なのに無茶すっからだぞ」
南方司令「……分かっている。しかし正義の為だ」
騎士長「んじゃな、早く戻れよ」
戦士「おう」
西方司令「ぎゃああぁぁ!! 痛いっ、死ぬううぅぅぅぅ!!」
東方司令「早く歩け。ボクだって痛いのガマンしてるんだぞっ!」
ザッザッザッザッ……
召喚士「みんな、ボロボロだね……」
戦士「だな。まぁそれでも、生きてる」
召喚士「……うん」
- 326 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:50:39.28 ID:oz0w6JIao
ゴトンッ
召喚士「……?」
ゴガガガガガガガガ……
魔道士「……も、門がっ!!」
盗賊「開き始めた!? どういう事だ……っ」
ゴッゴオオオオォォォォン!!
ジュニア「完全に……開いた……」
戦士「おいおいっ、まさかまだ生きてるなんてオチじゃねぇだろうな……っ」
賢者「……いや、それはないと思うよ……ふぅ」
ヒュオオオオォォォォ……
盗賊「……?」
召喚士「風が……逆流してる……っ」
魔道士「まるで、門の中に吸い込まれてるみたい……」
ヒュオオオオォォォォ……
召喚士「あ……れ……?」
- 327 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:51:20.20 ID:oz0w6JIao
突如開いた六道門。その奥には何もない。何も見えない。
ただ光が輝いているだけであって、魔物の気配はおろか人の気配もない。
門から城内へと吸い込まれるように風が流れ込む。
そんな状況下、召喚士らは不思議な光景を目の当たりにした。
盗賊「なっ、何だこやつらは……っ!!」
うっすらと浮かび上がる人間と魔物の姿。それらが風と共に門の中へと吸い込まれてゆく。
戦士「くぉっ!! 実体がねぇぞコイツら!」
剣士「死者の魂だとでも言うのか……っ」
ヒュオオオオォォォォ……
ジュニア「――――っ!?」
魔道士「あれは……っ!!」
その姿、華奢ながら凛として、目立つ事なくもひっそりと可憐に咲く、名も無き華の如く。
魔道士「ウィッチちゃん!」
女性は笑い、この世界から立ち去るように、門の中へと歩いて行った。
弓使い「――っ!!」
- 328 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:52:07.33 ID:oz0w6JIao
その男と女は仲睦まじく、しかし恋人や夫婦の類ではない。その絆、確かなものなり。
剣士「お父さん……っ、女賢者……さん!!」
2人は1人の男の待つ門の奥へと、ほほえみながらゆっくりと消えて行った。
戦士「隊長……っ!!」
鋸状の無骨な剣を担いだ百戦錬磨の軍人は、勇猛であり、沈着冷静でもあった。
男隊員「隊――――」ザッ
異変に気づき慌てて駆けた男の姿に目もくれず、その軍人は星となっていった。
東方司令「兄……くん……!?」
妹の声は届かず、兄はただ静かに闊歩する。その姿は凱旋するかの如く堂々たるもの。
南方司令「正義の為の職務……ご苦労であった」
傷だらけの兄弟弟子に見守られながら、自身は己の師の下へと向かっていった。
左翼長「!?」
全身を甲冑で固めた大男は、騎馬に跨り数名の共を連れて中央を進む。
騎士長「騎士団長……っ。お前らの働き、決して忘れんぞ!」
かつての上司に賞賛を拝領し、本国国軍騎士団は遠い旅へと出発した。
- 329 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 22:52:46.62 ID:oz0w6JIao
盗賊「あ……っ」
静かなるその男は常に身に付けていた顔の布を解いた。
帝「……っ」
無口な忍は、満面の笑みという言葉で全てを表し、この世界を離れていった。
魔法剣士「――――っ」
朝日の光がその長剣と鎧と、そして眼鏡に反射しているように輝いていた。
ケルベロス「わんわんわんっ!!」
魔族から人間へとなった男は、多数の友人を連れて彼方へと旅立った。
王子「っ!!」
もう音色を奏でる事はない。そのハープを脇に抱えた男は少女に近づく。
召喚士「詩人……さん……っ」
少年に戻った奏者と少女は、その先に待つ男の下へと走り寄る。
召喚士「――!?」
男と2人は手を繋ぐと、召喚士に一礼し、風と共に去りぬ。
光柱は命の名残を吸い取り、天高く昇る龍が如く、次なる生を求めた。
- 331 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/31(木) 23:32:18.94 ID:oz0w6JIao
今日はここまでじゃ。明日にはこの部もたぶん終わります!
きょうもご支援ありがとうでした!それではおやすみなさい!ノシ
>>304-321
泣けたか分からんけどそう言って頂けて感謝です!
これ以上クオリティ下がらんように頑張ります!!
- 333 名前:NIPPERがお送りします(大阪府) [sage] 投稿日:2012/05/31(木) 23:42:51.25 ID:6fF6tEA5o
乙
アンラ・マンユ倒したときは「まだ6体もいんのかよwwwwwwwwww絶望的だなwwwwwwwwww」
とか思ってたのに、後はサタンだけか・・・
中々に名残惜しいものがある
- 339 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/01(金) 04:52:38.96 ID:JJBPNhzDO
いちょつ
霊になれなかったかわいそうなドッペルちゃんと魔剣士君
師匠との対面楽しみだ
- 343 名前:NIPPERがお送りします(愛媛県) [sage] 投稿日:2012/06/01(金) 09:33:53.08 ID:7dqHISFp0
あの世の酒樽が空っぽになるな
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