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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 17:56:55.15 ID:f1FqKG.o
戦士「悪いな…。目覚ましたら『魔道士がいない〜!』って急に飛び出して…」

魔道士「もう…盗賊さんたら……」

盗賊「だってぇ…魔道士が〜」

戦士「ほら、戻るぞ!」

盗賊「はぁい……むにゃ…」

戦士「そっちのは大丈夫か?」

魔道士「あ、あの…あのっこれは…えっとぉ…!」

戦士「なに焦ってんだよ…」

魔道士「も、戻りましょうか…っ!」

戦士「だな…」

戦士はしゃがみこみ、召喚士を背に担ぎ上げる。

魔道士「盗賊さんっ、行きますよ。立って下さい〜!」

盗賊「うぅー…ひっぱらないでぇ」

戦士「よ…っと。ほら、行くぞ…?」

魔道士「は、はい!…あ、あの……っ」


934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 17:57:31.22 ID:f1FqKG.o
戦士「…?」

魔道士「今日は…本当にありがとうございました!」

戦士「…こいつが起きたら言ってやってくれ」

魔道士「……」

戦士「召喚士が言い出した事だから…」

魔道士「そう…だったんですか…」

戦士の背で眠る召喚士の顔を、魔道士はじっと見つめる。

戦士「さぁ、店に戻ろうぜ」

魔道士「は、はいっ」

テクテクテクテクテク…

戦士「たっだいまー」

バーテン「おーう…」

戦士「あれ…?二人は?」

バーテン「占い師をホテルへ送ってったよ」

厨房からバーテンの声と水の音が響く。


935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 17:58:07.66 ID:f1FqKG.o
バーテン「そっちは平気かぁ?」

戦士「あー…、まぁ……」

バーテン「なんなら二階の部屋使っていいぞ」

戦士「うっす」

魔道士「盗賊さん、行きますよー?」

盗賊「う〜ん…」

戦士「仕方ねーなぁ…」

戦士は盗賊の身体を持ち上げ、抱きかかえる。

盗賊「戦士は頼もしいなぁ〜」

戦士「何言ってんだ…ったく…」

盗賊「んふふ〜」

戦士「ちょっとコイツ、上に置いてくるから召喚士見ててくれ」

魔道士「あ、はいっ」

盗賊「お願いしまふ〜。ふふ〜っ!」

戦士は盗賊を抱えたまま、階段を上って行った。


936 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 17:59:03.47 ID:f1FqKG.o
魔道士「………」

召喚士「すー…すーっ…すーっ…」

魔道士「召喚士さんが色々と考えて下さったんですね…」

召喚士「…すーっ…すーっ」

魔道士「さっきも…ロウソク消してくれましたよね…」

眠る召喚士の頬に、魔道士の細い指がそっと触れる。

魔道士「召喚士さんと一緒で…良かった…」

キョロキョロ…

魔道士「……」

ススッ…ソーッ…

魔道士「……ありがとう…召喚士さん」

魔道士の唇が、召喚士の頬にそっと触れる。

チュッ…

魔道士「………」

召喚士「…すーっ…むにゃむにゃ…」


937 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:00:07.34 ID:f1FqKG.o
トントントン…タッ…スタスタ…

魔道士「盗賊さん、大丈夫ですか?」

戦士「ああ。横になったらそのまま寝ちまった」

魔道士「そうですか……ふぁ…っ」

戦士「お前ももう休みな。召喚士は俺が見とくから」

魔道士「あ…はい。ありがとうございます」

戦士「ついでに上行って、介抱してやってくれ」

魔道士「はい…そうします。おやすみなさい…」

戦士「おう、おやすみー!」

バーテン「寝るのかぁ?おやすみー」

テウテクテク…トントントン…

バーテン「荷物も上にまとめてあるからなぁー」

カチャッ…パタン

盗賊「…くーっ…くーっ……」

魔道士は部屋の隅にまとめられた、荷物の前に座り込む。


938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:00:54.96 ID:f1FqKG.o
ヘタッ…

魔道士「……ぐすっ…ひぐ…っ……ひっく…」

零れる涙を気にもせず、貰ったプレゼントを一つ一つ手に取る。

魔道士「うっく……ひぐっ……」

ギュッ…

魔道士「……ひっく……すん…」

盗賊「…うぅ…ん。……魔道士?」

魔道士「!?…あっ、起こしちゃいましたか…?ごめんなさい…」

盗賊「…ううん。……泣いてるの?」

魔道士「ち、違いますよっ。お化粧落として…お肌のケアです!」

盗賊「そっか……」

魔道士「盗賊さんもしないと駄目ですよぉ…?」

盗賊「…うぅん。眠いから明日ー…」

魔道士「もうっ…」

魔道士は顔を拭い、盗賊の元へ歩み寄る。


939 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:01:54.26 ID:f1FqKG.o
ゴシゴシ…スッ…テクテクテク

魔道士「はい…動かないで…」

ピチャピチャ…スッ…

盗賊「いいよぉ……」

魔道士「よくないですっ」

盗賊「うむぅ……くすぐったいー」

魔道士「じっとして下さいっ」

盗賊「はぁい……」

寝転びながら唸る盗賊の顔を、魔道士は丁寧に拭く。

盗賊「…ありがとぉ」

魔道士「……こちらこそ…ありがとうございます」

盗賊「んー…?」

魔道士「何でもないですっ。おやすみなさい…盗賊さん」

盗賊「うん……。おやすみ…魔道士…」

魔道士は足元に丸まった毛布を広げ、盗賊の上へ優しく被せた。


940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:03:07.80 ID:f1FqKG.o


カチャッ…チリチリンッ

マジシャン「…おっ?みんな寝たのか?」

バーテン「ああ…」

バーテンは脇のソファーで眠る召喚士と戦士を目で合図する。

バーテン「二人は上で休んでるよ」

マジシャン「……はー、今日も飲んだ飲んだ」

バーテン「ああ…。束の間の平和ってやつかねぇ…」

マジシャン「………しかし、いい絵だ」

バーテン「…そうだな」

二人は二枚並んだ絵を眺め、しばし無言で見つめる。

バーテン「……似てんのかもなぁ」

マジシャン「あん…?あぁ、そういう事か…」

バーテン「一人息子が頑張ってんのに…何してんだか…」

マジシャン「俺も色々と回っちゃいるが、さっぱりだ…」

バーテン「国軍も動いてるみてぇだがなぁ…」


941 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:03:42.65 ID:f1FqKG.o
マジシャン「そうかい……」

バーテン「どいつもこいつもクソ親父だわな」

マジシャン「反面教師っつーんだよ、馬鹿野郎…」

バーテン「反面にもなっちゃいねぇよ…」

マジシャン「なんだとぉ…」

バーテン「お前もたまには……」

マジシャン「…どのツラ下げて会えっつーんだよ」

マジシャンは吐き捨て、円卓の上へ足を乗せる。

バーテン「……変な意地張りやがって。…全く」

マジシャン「うるせぇ。俺も寝るぞっ!」

ゴソゴソッ

バーテン「へいへい……」

マジシャン「……」

マジシャンは煙草を灰皿に押し付け、ランプに灯った火を消す。

窓からはぼんやりと明るみを見せ、新たな朝を迎えようとしていた。


942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:04:39.00 ID:f1FqKG.o


召喚士「う…・・・ん…っ」

モゾッ…

バーテン「起きたか?…おはよう」

召喚士「あ…おはようございます」

マジシャン「ぐーっ…ぐぉー…っ」

ジャッジャッ…ジュワアァァッ

召喚士「……?」

魔道士「あっ、召喚士さん!おはようございます!」

召喚士「魔道士さん…!?」

厨房の奥からエプロン姿で顔を出す魔道士に驚きながら返答する。

召喚士「…お、おはようございます…っ」

魔道士「もうすぐ出来ますからっ、座って待ってて下さいー!」

バーテン「寝付けず早く起きちまったてんで、朝食をな…」

魔道士「昨晩は頂いてばかりだったので…」


943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:05:59.66 ID:f1FqKG.o
召喚士「そんな…いいのに……」

バーテン「俺も…いいって言ったんだけどな…」

魔道士「気にしないで下さい!好きでやっている事ですから!」

魔道士が笑顔でかざす右手には、新品の包丁がキラリと光る。

魔道士「バーテンさん!そろそろコーヒー落として下さい!」

バーテン「おぉっと…すいません店長」

テクテク…ズルッ!!…ダンッ…ズダンッ!!…ドスンッ!!

召喚士「!?」

戦士「ん…?……な、なんだぁ…?」

召喚士「盗賊さん!?」

召喚士は階段から転げ落ちる盗賊の元へ、慌てて駆け寄る。

盗賊「……うぅ」

召喚士「だ、大丈夫ですか…!?」

盗賊「……お、おはよう…いっつ…ぅ!」

戦士「何の音…だ?……盗賊?」


944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:07:52.19 ID:f1FqKG.o
バーテン「みんな起きたか。おはよう」

戦士「あ…おはようっす……」

戦士は寝ぼけた目を擦りながらソファーより起き上がる。

バーテン「そこの馬鹿も叩き起こしてくれ」

戦士「オッサン…おーい、朝だぞぉー!」

マジシャン「ぐがっ……んーむにゃむにゃ……」

魔道士「もうじき出来ますよー!」

バーテン「おら、テーブルの準備しろっ」

召喚士「は、はいっ」

戦士「……お、おう…?」

マジシャン「……ふあ…っ、あーなんだかいい匂い…」

バーテン「二日酔いか?水飲んどけ」

盗賊「…うぅーっ。……ありがとう…ございます」

魔道士「出来ましたー!運びますよーっ!」

召喚士「あっ、手伝います!」


945 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:11:23.85 ID:f1FqKG.o


マジシャン「うっひょう!美味そう〜!」

戦士「いっただきまーす!」

召喚士「盗賊さん…?」

盗賊「…私は…いい。…気持ち悪い」

バーテン「キレイな半熟卵だな。どうやって作るんだ?」

魔道士「あっ、これは沸騰したお湯を少し冷まして…」

マジシャン「いいよなーお前ら…。毎日こんな美味い物食えてさ…」

戦士「オッサンはパーティー組んでた時、どうしてたんだ?」

マジシャン「適当だよ。…適当」

召喚士「女性もいらしたし、師匠も上手いですよね?」

マジシャン「まぁなー。それでもここまでの物はなかったなぁ…」

戦士「あの…さ、オッサンのパーティーって、相当凄かったんだよな?」

マジシャン「…そうでもねーさ」

魔道士「『再来』と謳われた程だったんですよね?」


946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:12:30.05 ID:f1FqKG.o
戦士「何で……みんなやられちまったんだ?」

召喚士「あっ、俺も気になります。師匠も結局教えてくれなかったし…」

マジシャン「知ったところでどーって事もねぇよ…」

バーテン「……」

戦士「でもよぉ……」

マジシャン「51年前…伝説がパズズの封印に成功した…」

召喚士「…え、ええ」

マジシャン「…26年前、コイツらがアンラ・マンユをあと一歩まで追い詰めた」

バーテン「……」

マジシャン「21年前は西で連合予定だったが…未遂に終わった」

戦士「そりゃまた何で…」

マジシャン「不参加だったからなぁ…。詳しくは知らん」

戦士「そ…っか」

マジシャン「んで16年前………」

召喚士「……」


947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:13:17.23 ID:f1FqKG.o
マジシャン「16年前はサタンを討ち損ね…不本意な結果に終わった…」

盗賊「………」

バーテン「でもサタンの動きを封じたお陰で…魔王軍の動きは停滞した」

魔道士「あ…あのっ、それが一体何か……?」

マジシャン「共通点…分かるか?」

召喚士「………5年おき…ですね」

マジシャン「流石だな…。ご名答」

戦士「5年おきに…そ、そんな事が…!?」

マジシャン「5年に一度、起きる事…」

召喚士「…!!」

魔道士「そ、それって……」

召喚士「日蝕…っ」

マジシャン「そう…。満月が太陽を蝕す時…魔王の力が発揮されんのさ」

バーテン「次は4年後だ」

マジシャン「厳密に言やぁ、4年を既に切ってる…」


948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:14:25.48 ID:f1FqKG.o
魔道士「そ…そんな事って…!」

戦士「今まで聞いた事もないぞ!?」

マジシャン「そりゃそうだ。国軍やワーカーでも全員が知るわけじゃない」

バーテン「一般人が知ったところで、どうこう出来るわけじゃないしな…」

盗賊「……」

召喚士「何故…俺達に?」

マジシャン「何故だと思う…?」

召喚士「………」

バーテン「ま、そういうこった。もう逃げる事は出来ないわな…」

戦士「…つもりもねぇ」

バーテン「…?」

戦士「毛頭逃げるつもりもねぇよ」

マジシャン「ハッハ!お前ならそういうと思ったぜ!」

大声を上げて笑うマジシャンは、一瞬で顔を引き締め、話を続ける。

マジシャン「だがな、生半可な覚悟で進むんじゃねぇぞ…?」


949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:14:54.98 ID:f1FqKG.o
戦士「…っ!」

マジシャン「己が礎となり…絶対負けない気でこの道を進め。いいな!」

戦士「お……おうっ!」

マジシャン「……ハッハ!なぁに、まだ4年ある!」

召喚士「……」

マジシャン「焦らず…共に頑張ろうぜ!…なんてな!」

魔道士「は、はいっ!頑張ります!あっ…でも…」

盗賊「……」

魔道士「4年後も…何もないかもしれないんですよね…?」

マジシャン「そうかもしれないし…違うかもしれない…」

バーテン「近年の傾向からすると…可能性は低いな…」

マジシャン「いーや、そうとも言い切れんぜ?」

召喚士「…?」

マジシャン「さっきも言ったが、今の停滞はサタンの一部を封じた結果だ」

戦士「一部を封じた…?」


950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:22:27.77 ID:f1FqKG.o
マジシャン「これに対しアイツら…とんでもねぇ裏技使ってきやがった…」

盗賊「……裏技?」

マジシャン「人間を利用して、結界を開放する気でいやがる」

バーテン「何だとぉ!?一体どういう……」

マジシャン「それは今、俺が追ってる。まだ完全にゃあ掴めてねぇ…」

召喚士「結界の封印を解く…?サ、サタンの一部…って?」

マジシャン「……頭部」

戦士「頭…部……?」

マジシャン「サタンの頭部を封印した」

召喚士「!!」

魔道士「えぇ!?」

マジシャン「悪いが俺は…この先、解放を阻止するのに全力で当たる」

盗賊「……」

マジシャン「もしこいつが再び、解放されるような事があれば…」

戦士「魔王軍の勢いが戻っちまうってわけか…!」


951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:25:18.36 ID:f1FqKG.o
マジシャン「ああ。だからお前らにも現状を伝えさせて貰った」

バーテン「国軍の連中も、これを機にカタつけようってハラみたいだしな…」

マジシャン「ああ。次の日蝕で一気に決めようと下準備してるよ」

魔道士「一気に…って…」

マジシャン「7人の魔王を封印するって事さ」

召喚士「………」

戦士「で…出来るのかよ!?そんな事…っ!」

マジシャン「若い力次第ってとこかね…ハッハ!」

バーテン「笑い事じゃねーけどなぁ…」

マジシャン「力んだって仕方ねぇさ!」

戦士「勇敢と無謀を履き違えるな…って事だよな!」

バーテン「!?」

マジシャン「若い奴らにもちゃんと伝わってるぜ?大佐?」

バーテン「へっ…。そうらしいな……」

召喚士「はい…!もちろんですっ!」


952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:27:18.49 ID:f1FqKG.o
マジシャン「まぁ、とにかく事を急ぐ必要はねぇぞ?」

盗賊「……ああ」

マジシャン「今後はここを拠点に逐一情報を交換しよう」

召喚士「分かりました」

マジシャン「構わねーよな…?」

バーテン「イヤだっつっても無駄なんだろ?」

バーテンは呆れ顔で煙草に火をつける。

マジシャン「そういう事!ハッハッハ!」

魔道士「が、頑張りましょうっ!!」

盗賊「…うん」

戦士「話が大きすぎて…ちょっと受け止めきれねーが…」

召喚士「聞いてしまったからには…後には引けない…!」

マジシャン「ほんと…最高だよ、お前ら」

魔道士「マジシャンさんこそ!カッコイイですよっ!えへへ!」

マジシャン「全く…嬉しさ通り越して涙が出ちゃうよ…。ハッハ!」


953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:27:55.58 ID:f1FqKG.o


召喚士「それでは…また!」

マジシャン「おう、んじゃな!」

魔道士「次はどちらへ?」

マジシャン「さぁな〜。北には違いないけど…」

戦士「死ぬなよ…?オッサン」

マジシャン「俺を誰だと思ってやがる…」

盗賊「…じゃあ」

召喚士「気をつけて!」

マジシャン「おう、またな!!」

マジシャンは荷物を背負いあげ、バーテンの店を後にする。

バーテン「重いもん背負っちまったな…。アイツも…お前らも…」

召喚士「ええ…」

戦士「目標が出来て分かりやすいっ!前向きに進むさ!」

魔道士「そうですよねっ!」


954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:28:24.45 ID:f1FqKG.o


戦士「大丈夫か?」

盗賊「…少し…クラクラする」

魔道士「お世話になりました!」

バーテン「次は何処に行くんだ?」

召喚士「はい。まずは鉱山の町へ…」

バーテン「鍛冶屋か?」

戦士「おう。ちょっとばかし考えがあってな…」

バーテン「ふぅん…。充分に気をつけてな」

魔道士「色々とありがとうございましたっ!」

バーテン「いつでも待ってるよ」

魔道士「はいっ!エヘヘッ!」

召喚士「では、失礼します…!」

盗賊「……さようなら」

四人はバーテンに別れを告げ、港へと向かった。


955 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/26(水) 18:36:01.35 ID:f1FqKG.o
〜港〜

召喚士「…いいですね!似合ってます!」

魔道士「本当ですか!?良かったぁ!」

魔道士はひらひらとローブをはためかせる。

戦士「本国経由だと時間が合わないから…直行便でいいよな?」

召喚士「うん。問題ないよ」

魔道士「盗賊さん…大丈夫ですか?」

盗賊「…うん。……問題ない…よ」

魔道士「鍛冶屋さん、久々ですねぇ…」

盗賊「………」

召喚士「何か新しい武器?」

戦士「いや、ちょっと改造ってとこかな」

召喚士「ついでに防具も補強しようか」

魔道士「私はもうバッチリですよ!エヘヘ!」

召喚士「そうですねっ…!あはは!」


956 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/26(水) 18:39:25.92 ID:f1FqKG.o
〜バーテンの店〜

カチャッ…チリチリン…

占い師「あら…?みんなもう行ったの!?」

バーテン「ああ。ついさっきな…」

占い師「そう……」

バーテン「お前には見えるか?」

占い師「え…?」

バーテン「あいつらの……」

占い師「そこまでは分からないわよっ。でも……」

バーテン「……」

占い師「彼らなら…きっと何かやってくれるんじゃないかしら?」

バーテン「占い師の勘か…?」

占い師「女の勘…かもね。うふふっ」

バーテンと占い師は互いの顔を見て笑い、ふと、壁の絵に目を向ける。

太陽の日差しが差し込み、純白のドレスを着た魔道士がキラキラと輝いていた…。


957 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/26(水) 18:42:45.31 ID:f1FqKG.o
〜第十六部、完〜


↑付け忘れました…すみません。休息って感じなので十六部は短めです

950過ぎてましたね…とりあえずここまでにて…!
十七部は次スレからいきましょうか…?
とりあえず失礼致します!ご支援感謝!!ノシ



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