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囚姫「助けてっ!」詐欺師(ここはどこでしょう?) 落ちた・・・
- 85 名前: ◆wV/dOv7SG. []
投稿日:2010/11/26(金) 00:16:22.73 ID:pwkdxaip0
─領主亭
詐欺師「とっ・・・ととっ!」トンッ
詐欺師(さすがに2回目となると着地もうまくなるものですね)
領主「詐欺師殿っ!」
詐欺師「帰ってまいりました、ちょっと不測の事態がありまして予想外に早く戻ってきてしまいましたよ」
領主「早い?3日と言っていたではないですか!1ヶ月も何をしていらっしゃったのですか!?」
詐欺師「は・・・?1ヶ月ですか?私が戻っていたのは一日経つか経たないかほどですが・・・」
領主「いえ、確かに1ヶ月経っていますよ・・・」
詐欺師(もしかしてここの世界と私の世界とでは時間の流れるスピードが違うのでしょうか?)
領主「あなたがもっと早く帰ってきていれば・・・ううっ・・・」ポロポロ
詐欺師「何があったのです?そういえば、囚姫はどこに・・・もう昼過ぎみたいですし起きていないわけではないでしょう?」
領主「囚姫は王宮に連れて行かれました・・・国王の妃候補として」
詐欺師「なんですって!?」
領主「今から半月ほど前、国王の視察がバルバット全土で行われました。とうぜんハンバル領にも来たのですが、そこで娘に目をつけた国王は半ばムリヤリに連れて行ってしまったのです」
詐欺師「止めなかったのですか?」
領主「止めましたよ!でも国王はお聞きにならず・・・私は側近の兵に殴られて気絶していました。気が付いたときにはもう・・・」グスッ
詐欺師「なんという・・・それが王たる人間の行いですか・・・」
領主「詐欺師殿・・・報酬はいくらでもお支払いする、何でも言うことを聞く・・・どうか娘をお助けください!私の力ではもう・・・」
詐欺師「報酬はいりません、助けます」
- 86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/26(金) 00:18:28.92 ID:8SMwhr8zO
さる防止支援ソルジャー降臨
- 87 名前:1 [] 投稿日:2010/11/26(金) 00:26:34.71 ID:+vlOwW8KO
携帯から>>1です
さるうざすぎ
朝にまた投下しますんで保守してくれたら嬉しいです
- 89 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/26(金) 00:38:17.04 ID:8SMwhr8zO
おいどや顔でさる防止ソルジャーとか言っちゃったんだけど
恥ずかしいんだけど
- 99 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:34:07.48 ID:pwkdxaip0
帰ってきますた保守ありがとう
さあガンガン投下していくぜ
- 100 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:35:29.04 ID:pwkdxaip0
領主「え・・・?」
詐欺師「これは仕事として請け負えない、私の個人的な理由で・・・囚姫を助けたいから助けます」
領主「本当に・・・なんとお礼を申してよいやら」
詐欺師「今から3ヶ月時間をいただきます」
領主「3ヶ月・・・3ヶ月も娘を王宮に閉じ込めておくつもりですかっ!娘は今でも怖い思いをしているんですよ?
あなたは娘が心配ではないのですか、だから助けると言ってくれたのではないのですかっ!?」ガクガク
詐欺師「心配じゃないわけないでしょうっ!!」
領主「・・・っ!」
詐欺師「・・・すみません、取り乱しました」
領主「え、ええ・・・」
詐欺師「私だって心配です、本当なら今にでも飛んで行ってあげたい。あの太陽のような笑顔が涙で
濡れていると思うといてもたってもいられません・・・ですが、確実に助けなければいけないからこそ、入念な準備が必要です。さきほど妃候補と言っていましたね?今すぐというわけではないのでしょう?」
- 101 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:35:33.48 ID:S95gBt4R0
ktkr
- 102 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:37:18.40 ID:pwkdxaip0
領主「はい、ちょうど3ヶ月後に開かれるパーティーで本妻を発表するとお触れがありました・・・」
詐欺師「今は、今だけは我慢の時です。必ず助けます、信用してください」グッ
領主「わかりました、詐欺師殿には今までも助けていただいた・・・今度もきっと助けてくださると信じます」
詐欺師「ありがとうございます。ついては、領主様にもやっていただきたいことがある」
領主「私にできることであればこの命をかけましても」
詐欺師「・・・・・・(ボソボソ)ということです、大丈夫でしょうか?」
領主「わかりました、詐欺師殿が帰ってくるまでに必ずや」
詐欺師「では、時間が惜しいので私は出ます」
領主「何をなさるおつもりですか?」
詐欺師「詳しくは言えませんが・・・そうですね、ちょっと国を動かしてきます」ニヤッ
─数日後 バルバットの隣国 鋼の国
詐欺師(ここからですね・・・これから2ヶ月で5カ国の説得ですか、1カ国約12日・・・移動時間を省けば約8日といったところですか。今までに無いタイトなスケジュールですが、やるしかありませんね)
- 103 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:38:58.52 ID:pwkdxaip0
詐欺師「すみません」
城兵「なんだ?」
詐欺師「先ほど将軍様より城に出向くようにと申し付けられたのですが・・・ここから入っていいのでしょうか?」
城兵「将軍様から?ああ、ボディチェックが済んだら入っていいぞ。4階まで上がって一番奥の右の部屋だ」
詐欺師「ありがとうございます」
詐欺師(やはり、戦いに重きを置く国は自国の強さの自負からか警備体制にスキがある。自分だけは大丈夫と思い込むくせがありますね)
─将軍の部屋
コンコンッ
将軍「入れ」
詐欺師「失礼致します」ギイッ
将軍「誰だお前は」チャキンッ!
詐欺師「突然の訪問申し訳ありません、私はバルバット王国の使者、詐欺師と申します」
将軍「バルバットだと・・・?あそこはどの国とも交流を持たないはずだが」
詐欺師「現国王様のご意見はその通りです、しかし私は新国王のご命令によりここに参りました」
将軍「新国王・・・バルバットは国王が代わったのか?」
詐欺師「いえ、今のところは・・・」
将軍「ふふっ、今のところか・・・ボディチェックは受けただろうな?」
詐欺師「将軍様に呼ばれたと言ったらボディチェックだけで通していただけましたよ」
将軍「がっはっは!忍び込んだと言うのだそれは!しかしそれを俺の前で堂々と言ってのける度胸が気に入った!まあ座れ、茶でも出させる」
- 104 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:41:09.55 ID:pwkdxaip0
詐欺師「恐れ入ります」
将軍「して、ここまでして俺に話したいことがあるのだろうな?」
詐欺師「もちろんでございます、私が今から話すこと・・・ある意味交渉ですが、お聞きいただきたい」
将軍「ほお、交渉か。俺は学は持たぬが、それでもいいかな?」
詐欺師「決して馬鹿にするわけではありませんが、誰にでも分かる・・・そう、明らかに双方に得がある交渉ですよ」ニヤリ
・・・・・・・・・
将軍「わかった、俺の国はその計画に賛同しよう。断る理由が見当たらないからな」
詐欺師「ありがとうございます、予想以上に早く話がまとまって助かりました。これから残りの4カ国を回らなければいけないので」
将軍「そうか、兵に町の外まで送らせる。また3ヶ月後に会おうぞ」
詐欺師「では、これで失礼いたします」ペコリ
─鋼の国 城門の外
詐欺師(これで1つ制覇ですね・・・あと4カ国、急ぎましょう。時間が惜しい)
ざくっ・・・ざくっ・・・ざくっ・・・
- 105 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:43:25.16 ID:pwkdxaip0
─2ヵ月後 泉の国
流水女王「協議の結果が出ましたわ、私たち泉の国は詐欺師様の仰る計画に全会一致で賛同の意を表明いたします」
詐欺師「ありがとうございます」ペコッ
流水女王「随分とお待たせしてしまったわね、時間がないというのに申し訳ないわ」
詐欺師「いえ、ギリギリで間に合いましたので問題ありません」
流水女王「これは私たち泉の国にも、近隣諸国にも平等に益があるお話、詐欺師様が持ちかけて下さらなければ今までの治世のまま崩壊していたでしょう」
詐欺師「私の国ではそういった状態で崩壊した国がありました、ここをそうさせるのは心が痛んだもので・・・」
流水女王「あなたの話す理想は夢のようなお話ですが、実現すれば素晴らしい世界になるでしょうね」
詐欺師「実現させます、どんな手を使ってでも」
流水女王「あなたは何故そこまでしてこの理想を追っているのですか?他の4国を説得するのも大変な労力を要したでしょうに」
詐欺師「お恥ずかしい話ですが・・・私が大変恩を受けた方の娘が現国王によって囚われました。いえ、バルバットから見れば囚われてはいないのでしょう。
むしろ選んでやったのだから感謝しろ・・・とさえ言われかねない。
ですが、私はそれが許せないのです、あの子には笑顔を絶やさずにいてほしい・・・たった一人の女の子のために、私は動いているのです」
流水女王「ふふふ、あなたはその姫君を好いているのですね?」
詐欺師「いえ、そういうわけでは・・・恩を受けた方の娘ですので・・・」
流水女王「ただ恩を受けただけ・・・では人はここまで動けるものではありませんよ。今は気づかずとも、いずれ自分の気持ちに気づくときが来ますわ。そのときのために、今は自分の心に蓋をしないであげて下さい」
- 106 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:45:06.41 ID:pwkdxaip0
詐欺師(・・・まさか、私はあの子のことが・・・?)
流水女王「さあ、まだ準備が残っているのでしょう?早く行かなければいけないのではありませんか?」ニコニコ
詐欺師「はい、それではこれで失礼いたします」ペコリ
・・・・・・・・・
流水女王(いつか、きっと気が付くでしょう・・・その姫君の話をするあなたは、他のどんな話をしているときよりも優しい笑顔をしているんですよ?仮面に貼り付けた笑顔ではない、本物の笑顔を)
─ハンバル領 領主亭
詐欺師「ただいま戻りました」
領主「詐欺師殿!首尾はいかがですか?」
詐欺師「なんとか近隣5カ国の説得は完了しました、かなりギリギリになってしまいましたが。そちらはどうですか?」
領主「一応人数は揃いました、ですがやはり急揃え、使えるかと言われるとちょっと・・・」
詐欺師「構いません、ハリボテは外見だけでいいのですよ」
領主「そうですか・・・不安ではありますが、信じると決めたので、信じます」
詐欺師「はははっ、そこまで信用されると裏切るわけにはいきませんね」
領主「初めてですね・・・」
詐欺師「はい?」
領主「私と話しているときに笑ってくださったのは・・・初めてです」
詐欺師「そ、そうですか・・・無愛想で申し訳ない」
領主「お気になさらないでください、すこし驚いただけですから」ニヤニヤ
詐欺師「で、では・・・最後の準備を整えに一度私は戻ります。帰りは1ヵ月後、今度は必ず約束の時に帰ってまいります」
領主「お待ちしております」
詐欺師「では失礼します。『我が天幕へ!』」
─ヒュンッ!
- 108 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:46:51.27 ID:pwkdxaip0
─詐欺師のマンション
詐欺師「よっ・・・」トンッ
詐欺師(これからが本当の時間との戦いです。制限時間は24時間、少しでも無駄があれば間に合わなくなる・・・急ぎましょう)
─東京 とある高級洋服店
店員「いらっしゃいませ」
詐欺師「スーツが欲しいのですが、黒でスリムなタイプをワイシャツと靴下と革靴をセットにしていただけますか?」
店員「・・・かしこまりました、ではこちらなどいかがでしょう?こちらにこの靴下と革靴をお付けすればご要望に沿えるかと思いますが」
詐欺師「ふむ、形も悪くないですね、生地もいい物を使っている」
店員「恐れ入ります」
詐欺師「ではこれをサイズをバラバラに100セットお願いします」
店員「っ!?ひゃ、ひゃくせっとですかっ!?」
詐欺師「至急必要なのです、すぐに準備して私の家まで運んでいただけますか?」
店員「100セットとなりますと・・・本店の倉庫まで取りに行かなければならないため1日ほどお時間を・・・」
詐欺師「そうですか・・・それなら他を当たります」
店員(100セット・・・本当に買ってくれるならすごい儲けになる・・・)
- 109 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:48:32.51 ID:pwkdxaip0
店員「お待ちくださいお客さま!」
詐欺師「なんでしょう?時間が惜しいのですが・・・」
店員「なんとか4時間でお届けいたします、それでもダメでしょうか?」
詐欺師「4時間・・・それならいいでしょう、支払いはこちらで」スッ
店員(○○会社のプラチナカードっ!?ハリウッドセレブでさえも持っている人間は少ないという・・・)
詐欺師「時間が惜しいのです、早くお願いします」
店員「申し訳ありませんっ!お預かりいたします」
店員「では14時までにご自宅に配送させていただきます」
詐欺師「よろしくお願いいたします、では私はこれで」
店員(何者なんだろう?大会社の御曹司か・・・?)
─刀店
詐欺師「すみません、日本刀を買い付けたいのですが」
店主「免許見せてくんな、免許がないヤツには売らねえよ」
詐欺師「免許はあいにく持っていないのですが、この方から買って来いと申し付けられました」スッ
店主「あ?名刺・・・っ!!」
詐欺師「これでも駄目でしょうか?」
店主(○○組若頭、友だとっ!?)
詐欺師「どうでしょう?」
- 110 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:50:22.89 ID:pwkdxaip0
店主「こ、これは失礼をいたしましたっ!いかほど御入用で?」ペコペコ
詐欺師「銘も値段も問いませんので白鞘を100本、杖型の仕込刀を1本お願いします」
店主「100本ですって?戦争でもするんですかいっ!?」
詐欺師「私には詳しいことはわかりません、用意できますでしょうか?」
店主「へえっ!ご用意させていただきます」
詐欺師「では支払いはこれで、夕方までに自宅に届けてください」
店主「かしこまりました、必ずお届けさせていただきます」
詐欺師「よろしくお願いいたします」
店主(○○組若頭・・・友といやあの6代目の息子じゃねえか、そんなヤツと知り合いなんて・・・若けえのにすげえヤツだぜ)
─商店街 路上
詐欺師(さて、これで大体の準備は整いましたね。あと買うものといえば・・・)
詐欺師(そういえば、囚姫は装飾品を身に着けていませんね・・・あの年頃といえば指輪やネックレスの1つでも着けたいでしょうに)
詐欺師(時間も余ったことですし、買って行きますか)
─宝石店
女店員「いらっしゃいませ」
詐欺師「指輪が欲しいのですが、あまり派手すぎない普段着けていられるような物を見繕っていただけますか?」
女店員「そうですね・・・それでしたらこちらなど石も小さめで落ち着いた印象かと思いますが」
詐欺師(私は指輪のデザインの良し悪しなどわかりませんから・・・ここは店員さんに任せるのがいいでしょうね)
詐欺師「ではこれで、サイズがわからないのですが、大体の目安になるものはありますか?」
女店員「でしたらこちらを、大体の指の太さを模した棒でございます」
詐欺師(これは少し大きいですね、これは小さすぎ・・・あの時ダンスで手を握っていて良かったかもしれません)
- 111 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/26(金) 06:56:30.01 ID:S95gBt4R0
さるった?
- 112 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 07:00:02.44 ID:pwkdxaip0
女店員「いかがでしょう?」
詐欺師「この辺りだと思うのですが・・・」
女店員「12号から14号ですか・・・かなり手の小さい方なんですね」
詐欺師「ええ、細い子なので・・・詳細がわからないのでこの3つのサイズをお願いします」
女店員「お買い上げですか!?」
詐欺師「はい、支払いはカードでお願いします」スッ
女店員「か、かしこまりました。お預かりいたします」
・・・・・・・・
女店員「ではこちらが商品になります」
詐欺師「お手数をおかけいたしました、失礼いたします」
女店員「お買い上げありがとうございました」
女店員(お金持ちだし・・・顔もいいし・・・素敵な人・・・)
─商店街 路上
詐欺師(さて、これで手土産もできたことです・・・マンションに戻って荷物の到着を待ちますか)
詐欺師(ん?あれは・・・本屋ですか・・・)
詐欺師「ちょっと・・・寄って行きましょうか」ボソッ
- 113 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 07:01:32.89 ID:pwkdxaip0
さる気にしないでガンガンいくから朝の分はさるったらおしまいで
多分夜には終わると思う
さるったら消えるから保守お願いしますね
- 115 名前: ◆wV/dOv7SG. [] 投稿日:2010/11/26(金) 07:04:19.81 ID:pwkdxaip0
─数時間後 詐欺師のマンション
配達員「ご注文の品お届けにあがりましたー!」
詐欺師「ご苦労様です、中の部屋まで運んでもらえますか?」
配達員「わっかりましたー!でもこんなにたくさんの荷物初めて運んだっすよ、何が入ってるんすか?」
詐欺師「・・・聞かないほうが、身のためだと思いますよ?」ニヤリ
配達員「は、はい・・・奥の部屋でいいんすよね?」
詐欺師「よろしくお願いします」
配達員「ありがとうございましたっ」バタン
詐欺師「さて、これで準備は整いましたね・・・手が離れないようにロープで全て結び付けて・・・と」
詐欺師(私の予想が正しければ身に着けているものは一緒に送られるはずです)
詐欺師(行きましょう・・・最後の大舞台に)
詐欺師「我が天幕へ!」
─シュンッ!
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