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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
610 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:20:27.87 ID:eCHltKayo


メラメラメラッ…パチッ

南方副司令「日が暮れるのも早くなってきたな」

南方魔道長「もう秋になる。五ヵ年計画も残り数ヶ月だわな」

パッカパッカパッカ

南方司令「おぉ、これはこれはご苦労!」

白馬騎士「華国からの増援、遅れまして申し訳ありません」

南方参謀「何言ってんのよっ、お陰で助かったわ」

弟者「んで、敵さんは?」

天才「今日は退いた。明日は向こうもガチで来んぞ」

兄者「多勢のようだが、勝ち目はあるのか?」

ボス「……冗談じゃねぇ。勝つんだよ、こちとらまだ魔王の顔すら見てねぇんだ」

天才「コイツの言う通りだ。目標である魔王にすらまだ行き着いてねぇ」

錦将軍「その前にやられるようじゃ、それまでってか」

天才「おーし、明日に備えて軍議を行うぞ」


611 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:21:16.02 ID:eCHltKayo
〜赤壁〜

ドドッドドッドドッ

南方兵「開門願おうーっ! 司令部よりの援軍なりーっ!」

西方参謀「来たかっ!」

ドドォ…パッカパッカパッカ

大軍師「……ご苦労様です」

エリート「南方司令部と本部、併せて22000程度です」

大軍師「よくぞ集めて下さいました」

西方参謀「これで赤壁の兵を加えて……

大軍師「約55000ですね」

西方参謀「東側の魔王軍がおおよそ50000。ギリギリで届いたな」

大軍師「ええ。これでうまく誘導出来そうですね」

エリート「西方司令部からの後詰も向かっています」

西方参謀「あとは敵さんの動き次第ってとこかねぇ……ヒック」

大軍師「そうですね」


612 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:23:19.02 ID:eCHltKayo
バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……エリート様」

エリート「やぁ、今しがた到着したところだよ」

大軍師「どうでした?」

青年兵「東側はあと数時間内に赤壁付近に進軍してくるでしょう」

西方参謀「西は?」

青年兵「特に敵の姿はありませんでした」

西方参謀「西側の狙いは司令部か……」

大軍師「西方司令部と南西砦の援軍で防いで貰いたいところですね」

西方参謀「ああ。街への侵入は絶対に防がんとなぁ」

大軍師「東の街からもあたってくれれば、挟撃出来そうですね」

青年兵「……ならば、私が行って参ります」

大軍師「そうして頂けますか?」

西方参謀「いいのか?」

大軍師「こちらの指揮官は右大臣殿が来て下さいましたから」


613 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:24:07.97 ID:eCHltKayo


青年兵「それでは、行ってきます」

大軍師「お気を付けて。こちらの事はご心配なく」

青年兵「はい。お待ちしております」

ザッ…バシュウウゥゥゥゥ

西方参謀「お待ちしております?」

大軍師「ラーヴァナはおそらく、動く事はないでしょう」

エリート「……?」

大軍師「最終決戦はラーヴァナの城になる。彼には局面が見えているのですよ」

西方参謀「……がははっ! 若造も成長したもんだわ!」

大軍師「そうですよ。副司令であり、既に貴方よりも階級は上ですから」

西方参謀「……っと、そうだったわ」

大軍師「さて、若い指揮官に頼ってばかりはいられません」

西方参謀「それもそうだわな。準備に取り掛かるか……ヒック」

エリート「……よし。兵の編制を行うぞ。各、大隊長はすぐに集まれ!」


614 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:24:57.64 ID:eCHltKayo
〜東の町、屯所〜

天才「そいじゃ、始めるぞ。まずは報告から頼むわ」

青龍士官「合流時間や交戦場所に相違がある為、時系列にて進めさせて頂きます」

南方参謀「それが分かりやすくていいわね」

青龍士官「まず、魔王軍が領土内へ進軍を開始したのが、昨日早朝と思われます」

南方副司令「具体的な進軍速度が不明瞭な為、あくまで憶測に基づくものです」

天才「まぁ時間的に大体そんなもんだろ。そこはさほど重要でもねーし」

青龍士官「我ら竜騎士隊がその数時間前に直接、目で見ております」

天才「その段階での兵数は30〜50万とか言ってたか?」

青龍兵「あ、あくまで目測ですので……おそらくといったところですが」

天才「逆算できっか?」

南方参謀「先刻の交戦だけじゃあ何とも言い難いけれど、かけ離れた数字ではないと」

天才「……そんで?」

青龍士官「東の町へ北上中に、魔王軍は3手に分かれたようです」

南方長「偵察隊の話じゃ、東と西に分かれたらしい」


615 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:25:48.32 ID:eCHltKayo
白馬騎士「すると、私達が交戦した魔物は、東側に分かれた……」

天才「いーや、違う」

白馬騎士「……?」

青龍士官「南東国の方々が交戦したのは、正面から来た隊の兵です」

弟者「意味が分からんな。つまりどういう事だってんだよ」

南方参謀「ちょっと図で書くわね。魔王軍は仮に40万の大軍とすると……」

キュッ…キュキューッ

南方参謀「10万の隊が4つあると考えて頂戴」

南方副司令「そのうちの10万が東、10万が西へ支隊として分かれた」

天才「そして残る20万がここを目指して真っ直ぐ北上してたわけだ」

青龍士官「その中の半数は途中で引き返したようです」

南方弓長「それが魔王直属の部隊って事かしら?」

天才「まぁそうだろうな。あの戦場に魔王はいなかった」

南方参謀「そして総司令が前線で軍団長を抑えてくれたって事ね」

天才「んーまぁ、形的にはそうなったわけだわな」


616 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:28:50.05 ID:eCHltKayo
青龍士官「そして正面の軍が東の町の東側へ差し掛かった時に……」

南方参謀「南東国軍が遭遇し、交戦となったわけ」

兄者「成程、そういう経緯であったか」

南方司令「そこで分断してくれた事で、魔王軍の隊も分かれたという事だな」

南方参謀「そういう事。つまり半数の5万がそのまま北進し、残り5万が後退……」

錦将軍「ん? ちょっと待てよ、そんなら東に進んだ10万てのはどこに……」

天才「おそらくスグリーヴァんとこだろ」

剣士「……なるほど」

南方参謀「東の支隊はそのままスグリーヴァ軍にあたったと見えるわ」

南方副司令「んで、西の支隊は……南方司令部か」

南方副司令「だろうな」

天才「んで、ここで疑問なんだが……アンラ・マンユの残党は何なんだ?」

青龍士官「分かりません。我らが西へ向かう途中で遭遇致しました」

南方魔道長「あれって確か、火山で交戦した奴……」

天才「ああ。眷属の生き残りだ」


617 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:30:47.51 ID:eCHltKayo
南方副司令「仇を討つ為にラーヴァナの傘下に入ったのか」

天才「まぁどーだか分からねーが、この機に便乗しようってハラだろうな」

青龍士官「それが本日午後の話ですね」

南方弓長「でも、その眷属はどうして急に退いたのかしら……」

南方副司令「かなり不自然な形で撤退したよな」

天才「……お前らが増援に駆けつけた時、魔王軍と接触はあったか?」

番長「いや、特になかったでゴワス」

弓使い「ええ。南の街から真っ直ぐ来たけど、特に魔物はいなかったわよね」

幼女「うん」

天才「……」

青龍士官「あの、1つ宜しいでしょうか?」

天才「何だ」

青龍士官「支隊にはそれぞれ、軍団長がいるのではないですか?」

南方参謀「考えられるわね。でないと統制なんかとれないでしょ」

天才「……」


618 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:31:46.91 ID:eCHltKayo
南方司令「……スグリーヴァへの支隊、もしやあの魔物が」

剣士「ヴァーリン!! 確か……スグリーヴァ様の宿敵だったかと……」

天才「……読めてきたぜ」

トン

天才「あくまで予想だが、展開はこうだ」

キュ-ッ…トントン

天才「東西に分かれた支隊の東はヴァーリン。んで西は……」

グイッ…トントン

天才「サルワとあのデケェ鳥みてーのが付いてた」

南方参謀「まさか、軍団長がこっちに!?」

天才「方角的には間違ってねーよな?」

青龍士官「確かに……っ! 西の先に砂塵を見かけました!」

天才「こっちに気付いて陥れようと仕掛けてきたんだろ」

南方司令「断言出来るのか……?」

天才「会話から察するにまぁそうだと思うぜ。独断だなありゃ」


619 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:32:32.78 ID:eCHltKayo
弓将軍「会話?」

天才「撤退時に遭遇した。アスラって軍団長となんだか話してたぜ」

南方司令「よく無事だったな……」

天才「そこでちょいと聞きてーんだが、ここに眷属以外の魔物は来たか?」

南方弓長「眷属以外? えっと、どういう事……?」

天才「インドラっつったか。知ってっか?」

南方参謀「……いや、知らないですけれど」

天才「……ふーん。ならいいや」

青龍士官「あの、それが何か」

天才「いや、その件はもうちょい情報を集めてからにするわ」

南方参謀「えっと、ひとまず現状は把握出来たかしら?」

南方司令「ああ。つまり正義は勝つと言う事だな」

南方副司令「何にも聞いてねぇ……」

天才「ハッハッハ! いや、その通りだよ。正義は勝たなきゃなんねぇ。勝てば正義だ」

白馬騎士「……」


620 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:34:47.75 ID:eCHltKayo
南方参謀「……じゃあ、次は明日以降の展開を立案しましょ」

南方副司令「まず厄介なのは、東の町を突破した5万の軍勢……」

天才「それは問題ねーだろ。むしろもっと通してやってもいいくらいだ」

弟者「そうなのか?」

天才「何の為の赤壁だよ。あくまであそこが防衛拠点だろうが」

南方参謀「まぁ、そうだけれど……なるべくその前に叩きたいのが本音よ」

南方魔道長「数が数だからな。叩けるに越した事はないが、連携が大切だ」

天才「そーいう事だ。ここだけで殲滅出来る数じゃねぇ。少し散らした方がいい」

兄者「罠……という事だな?」

天才「赤壁にゃ増援もある。それに、うちの軍師様に任しときゃ何とかしてくれんだろ」

南方参謀「まぁ……そうね」

天才「それよりも面倒なのは、西の10万と正面の15万だな」

剣士「東はスグリーヴァ様の手勢もいますしね」

白馬騎士「華国の兵も国境近くまで進めております」

天才「その為には、ここの連中でどう分配して引き受けるかだな」


621 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/08/26(金) 18:43:23.85 ID:eCHltKayo
それではひとまずここまでにて!
本日もご支援ありがとうございました!
それでは、失礼致します!!ノシ


626 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/28(日) 02:28:15.73 ID:8wQhxgVIO
そういや南方司令って師匠である天才にもタメ口なんだな。



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