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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25
542 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:10:46.26 ID:N71qCk69o
〜次の日〜

四人は北の街を出発し、山岳地帯を北西へと進んでいた。

戦士「この辺りも結構、雪が積もってんなぁ」

召喚士「うん。でももうじき暖かくなるから、辛抱だね」

魔道士「早く暖かくなって欲しいですねぇ」

盗賊「…魔道士は痩せてるから寒いんだ」

魔道士「……盗賊さん、どーいう意味ですか?」

盗賊「…もっと太った方が…え?」

魔道士「ど・う・い・う・意味ですかぁ?」

盗賊「……ごめんなさい」

戦士「ほれ、遊んでないでさっさと行くぞー」

魔道士「はーい」

召喚士「そういえば、この辺りって来た事ないなぁ」

魔道士「言われてみればそうですねぇ」

戦士「俺もねぇわ」


543 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:11:14.93 ID:N71qCk69o
召喚士「魔物っているのかな?」

戦士「あんまし依頼でも見ないよな」

盗賊「……でも…今は交戦中なんだろ?」

召喚士「…西高原国が解放されたからかな?」

魔道士「それはあるかもしれないですねぇ」

戦士「あー言われてみりゃ、魔王軍の領土だったもんなぁ」

召喚士「うん……」

戦士「つーかよ、あといくつ山を越えりゃいいんだよ……っ」

魔道士「道もないですからね……」

盗賊「…兎に角…進むしかないな」

召喚士「ですね」

戦士「しゃーねぇか。頑張るとしましょう!」

魔道士「しましょうっ!」

盗賊「…しましょう」

召喚士「ええ。しましょう!」


544 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:11:42.22 ID:N71qCk69o
ほぼ半日以上を費やし、四人は大小複数の山を越え、そして下り、

ようやく西方側と思しき、砂混じりの平地へと辿り着いた。

戦士「はぁ、やっとアップダウンもおしまいか」

召喚士「すっかり暗くなっちゃったね…」

魔道士「どうしましょうか?」

召喚士「えぇと……」

バサッ

召喚士「地図を見る感じ、西高原国まではまだありそうですね」

盗賊「……」

戦士「しゃーねぇ。そこいらで野宿すっか」

魔道士「えぇ〜っ」

戦士「仕方ねーだろ。それとも夜通し、西高原国まで歩くか?」

魔道士「それは…無理です……」

戦士「じゃあ諦めろ」

盗賊「…しかし、ここは見晴らしが良すぎるな」


545 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:12:14.59 ID:N71qCk69o
召喚士「ですね。死角がないのはいい事ですけど」

戦士「もし囲まれたら不利だな」

召喚士「……よし、正面の山を背にしましょうか」

戦士「少し登った方がいいか」

盗賊「…ああ。見張りも楽だ」

魔道士「まだ登るんですか〜?」

戦士「登るったって、大した標高でもないし、中腹までだよ」

魔道士「はぁい……」

召喚士「もう少しの辛抱ですよ、頑張りましょう!」

魔道士「…はいっ。くじけてなんかいられないですよね!」

戦士「そんじゃ登るぞー。盗賊、魔物の気配は?」

盗賊「…特になし」

戦士「……地質が結構柔らかいな。気を付けろよ」

召喚士「うん。戦士こそ気を付けてね」

縦列になり歩けそうな所を進んでいく四人。やがて中腹へと辿り着いた。


546 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:12:41.26 ID:N71qCk69o
ザッザッザ…キョロキョロ

戦士「この辺が良さそうだな」

盗賊「…ああ」

召喚士「柔らかいのは下の方だけで良かったね」

盗賊「…だな」

戦士「……よい…っしょ」

コトッ…ガラガラッ

戦士「魔道士、火を頼む」

魔道士「はいっ、いきますよー」

ドドンッ…ボウッ…パチパチッ

戦士「よっしゃ、飯にしようぜ!」

魔道士「すぐに準備しますねっ」

盗賊「…見張ってるから休め」

召喚士「いや、俺が見張りますよ。盗賊さんこそどうぞ」

盗賊「……すまん」


547 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:13:07.57 ID:N71qCk69o
メラメラッ…パチッ

魔道士「出来ましたよー!」

戦士「おほっ、美味そう〜!」

盗賊「…いただきます」

魔道士「召喚士さんも冷めないうちにどうぞ〜」

召喚士「先に食べてて下さい!見張ってますから!」

魔道士「……っ」

戦士「…熱っ!……はぁ、でも温まるなぁ」

盗賊「…うん」

魔道士「リゾットとハムと温野菜だけですけどね」

戦士「十分だよ!」

カチャカチャッ

盗賊「……?」

魔道士「…よしっ」

テクテクテク


548 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:13:34.78 ID:N71qCk69o
魔道士「召喚士さんっ」

召喚士「…!?」

魔道士「はいっ、冷めちゃいますよ?」

召喚士「…わざわざすみません。ありがとうございます」

魔道士「私もこっちで食ーべよ!」

召喚士「あっ、じゃあ…これどうぞ」

ファサ

魔道士「い、いいですよっ!召喚士さんこそ寒そう……」

召喚士「いえいえ、これで温まりますから!」

カチャッ

召喚士「……んっ、美味しい!」

魔道士「…良かった。えへへ!」

盗賊「……」

戦士「あっちも…熱々ですなぁ」

盗賊「……ですなぁ」


549 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:14:00.51 ID:N71qCk69o
パラッ

戦士「あん……?」

パラパラパラッ

戦士「…ちっ、砂埃かよ……」

カッ!!

盗賊「!?」

戦士「お、おいっ!今何か光っ――」

振ってきた砂埃を払いながら、山の上を見上げる戦士の目に、光が飛び込む。

ズウウゥゥン

召喚士「!?」

魔道士「な、何ですか!?今の揺れ……っ」

戦士「上だ!さっきから砂埃やら何か光ったりやら……」

ズウウゥゥン

召喚士「…行きましょう!!」

盗賊「…ああ!」


550 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:14:35.48 ID:N71qCk69o
タッタッタッタッタ…ザザッ

戦士「なっ!?」

召喚士「あれは……ドラゴン!?」

盗賊「だけではない!地上を見ろっ!」

山の頂上部分は平らな作りとなっており、言わば切り株のような形状。

その上で何者かが無数の魔物と交戦状態に入っている。

戦士「……キマイラか。かなりいるな」

上空には1匹のドラゴン。地上には数匹のキマイラが唸りをあげている。

魔道士「どうしますっ!?」

召喚士「助けに入りましょう!」

戦士「おう!お前は右へ回れ!」

盗賊「了解!」

召喚士「魔道士さんは正面の援護へ!」

魔道士「はいっ!!」

数箇所で攻防が繰り広げられている中、召喚士達はその助太刀に入った。


551 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:15:01.85 ID:N71qCk69o
ダッ!!…タッタッタッタッタ…

戦士「……ちっ」

キマイラ「グガアアァァ!!」

1匹のキマイラが近づく戦士に気付き、急遽襲いかかる。

戦士「どきやがれええぇぇ!!」

グワッ…ザシュウウゥゥ!!

瞬く間に振り下ろされた、雷切の稲妻がキマイラの頭部を襲う。

キマイラ「ギイイィアアァァーッ!!」

3本ある首のうち、鳥の形状をした1本がぽとりと地面へ落ちた。

戦士「……大丈夫か!?」

――「……お、お前っ!?」

戦士「……?」

振り向く戦士の顔がみるみる驚きに変わる。

戦士「……俺…っ!?」

戦士の瞳に飛び込んだその顔は、よく見覚えのある、即ち己の顔そのものだった。


552 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:15:28.60 ID:N71qCk69o
ザザァ…タタタッ

盗賊「……はぁっ!!」

チュインッ!!…サクッ…ザシュッ!!

盗賊の素早い動きに翻弄され、キマイラは攻撃に転じる事は出来ない。

キマイラ「……グ…ウウゥゥ!」

盗賊「……っ!」

ジャラッ……ビュオッ!!

盗賊「雷遁……迅雷!!」

バシッ!!…ガカアアァァッ!!

首を締め付けた鎖を媒介に、激しい電流がキマイラを襲う。

キマイラ「ギギャアアァァーッ!!」

たまらず距離を取り、息を粗くするキマイラ。その隙に盗賊は人影に近づく。

タタッ…ザッ

盗賊「……!!」

その目に飛び込むは、同じ東方の出である小柄な女性であった。


553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:19:40.54 ID:N71qCk69o
タッタッタ…

魔道士「……!?」

目の前のキマイラが突如、炎に包まれる。

魔道士「魔法!?誰が……」

キマイラ「グガアアァァ!!」

魔道士「効いてない…っ、よぉし!」

炎を掻い潜り疾走するキマイラめがけ、魔道士は杖を突き出す。

魔道士「……いっけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

キマイラ「――ッ!?」

大地を蹴るキマイラの足が、氷によりその動きを停止する。

――「……っ!!」

タッタッタ…ザザッ

魔道士「大丈――」

目の前の女魔道士を見つめた途端、魔道士の声が止まった。


554 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:21:56.07 ID:N71qCk69o
タタタッ…ババッ…ズザァ

召喚士「……ドラゴンか」

上空で不気味な咆哮を繰り返すドラゴン。

咆哮を止めると、ドラゴンは岩場の向こうへと急降下する。

召喚士「人影!?……まずいっ!!」

ドラゴン「グカアアァァーッ!!」

地面めがけ降下を続けながら、ドラゴンの口内が赤く燃え盛る。

召喚士「ちぃっ!!」

岩場へと駆け寄る召喚士を余所目に、ドラゴンは口を大きく開いた。

ドラゴン「ゴアアァァ!!」

召喚士「……くそっ!」

ザッ

召喚士「行けっ!コカト――」

コカトリスの召喚と同時に、岩場の影から声が響き渡る。

――「……行けっ、フェニックス」


555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:23:45.75 ID:N71qCk69o
召喚士「え……っ?」

シュイイィィン…ズドドドドドド…

フェニックス「…………」

急降下を仕掛けたドラゴンが萎縮するのに時間は掛からなかった。

ドラゴン「――ッ!!」

吐き出した火炎の吐息を飲み込むように、フェニックスは上空へ羽ばたく。

召喚士「……!!」

方向を変える事もなく、フェニックスはドラゴンを突き抜け、夜空に輝いている。

ドジュウウゥゥッ!!

ドラゴン「カ……ァ……ッ」

召喚士「……っ」

黒煙を上げ焼け爛れるドラゴンは、かろうじて羽をばたつかせ、上空でもがく。

召喚士「……コカトリス!!」

コカトリス「おう!」

瀕死のドラゴンは石像と化し、地面へ叩きつけられると、粉々に散った……。


556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:24:45.93 ID:N71qCk69o
ザッザッザ

召喚士「……あなたでしたか」

ザッッザッザ…ザッ

召喚士「……同門さん!」

同門「……やはり貴様か」

テクテクテク

戦士「……お前だったのか…ドッペルゲンガー!」

偽戦士「…よぉ、オリジナル。元気そうじゃねぇか!」

タタッ…スタッ

盗賊「…お前は確か……」

くの一「…いつぞやの…同郷の者か?」

ザッ

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん!?」

ウィッチ「魔道士……ちゃん!?」

合計8人。2つのパーティーは中央にて合流した。


557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:26:23.32 ID:N71qCk69o


戦士「…ようやく、全てが合点いったぜ」

偽戦士「何の話だ?」

魔道士「私達にそっくりなパーティーがいるって……」

ウィッチ「言われてみれば…似ているでございますね」

盗賊「…これで誤解も…解けるな」

くの一「誤解?」

召喚士「ええ。皆さんの功績が俺らのものと勘違いされているんですよ」

同門「……ふん、どうでもいい」

魔道士「よくないですよっ、皆さんの手柄なのに……」

偽戦士「功績があると何かあんのか?貰える金が増えるとかか?」

戦士「直接はねーけど、間接的には有利だぞ?」

召喚士「そうですよ。功績ランクが上がれば大きな依頼も増えますし」

ウィッチ「そうなんでございますか?」

召喚士「依頼主から直に来たりもするようになりますからね」


558 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:27:09.51 ID:N71qCk69o
くの一「ふぅん」

魔道士「ほらっ、それに上位ランカーには毎年報奨が……」

盗賊「…あったな」

偽戦士「マジかよ!?そいつはオイシイな!」

戦士「でも、武器とかそんなんだぜ?」

偽戦士「武器なら願ってもねぇ話だな」

盗賊「…?」

偽戦士「オリジナルのお前と違って、俺はこれしかねぇからよ」

ドスッ

戦士「…ああ、ドワーフの斧か。そういやそうだな」

魔道士「ところで、皆さんはどういった経緯で……?」

ウィッチ「どう…って……」

偽戦士「俺はコイツにナンパされた」

ウィッチ「ちっ、違うでございますわ!てっきり戦士さんかと……」

戦士「あぁ、間違えたわけだ」


559 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:27:58.43 ID:N71qCk69o
ウィッチ「お恥ずかしい限りでございます……」

召喚士「い、いや…間違えても仕方ないかと……」

偽戦士「そんで、その後コイツにナンパされた」

くの一「はぁ!?いい加減な事を言うな!!」

偽戦士「何だよ……」

くの一「貴様に恨みを晴らすべく、探し当てたのだろうがっ!」

戦士「怨み…?あぁー」

偽戦士「恨みって……」

くの一「今更忘れたとは言わせぬぞ、このど変態!」

偽戦士「ど変態ってお前……」

戦士「なぁ…頼むからさ、身を改めてくれよ。俺の為にも……」

召喚士「は、はは…っ」

魔道士「それで、最後に同門さんが仲間に……」

同門「ふざけるな。仲間になった覚えなどない」

盗賊「……」


560 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:31:17.55 ID:N71qCk69o
同門「利害が一致しているから、一時的に共闘しているだけだ」

召喚士「同門さん……」

同門「いずれは離れる。お守りなどごめんだ」

ウィッチ「そ、そうなんでございますか……?」

戦士「ずっとパーティー組んでりゃいいじゃんか」

同門「足手まといだ」

盗賊「……」

召喚士「バランス取れてて、いいと思いますけどね」

同門「……貴様らを見て、余計にそう感じた」

召喚士「……っ」

偽戦士「全く、寂しい事言うなよなぁ」

同門「馴れ馴れしい。触るな」

偽戦士「…へいへい」

魔道士「…似てそうで……似てないですね」

召喚士「え、ええ……」


561 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:31:54.04 ID:N71qCk69o
戦士「しかしよ、各地で大活躍みてぇじゃねーか」

偽戦士「へへっ、まぁな」

召喚士「凄い評判ですよ。北の街とか……」

ウィッチ「ほ、本当でございますか!?」

魔道士「うんっ。でも、私達の話になっちゃってるけど……」

召喚士「それをきちんと正したくて、該当者をさがしてたんですよ」

くの一「ふぅん」

召喚士「会えて良かったですよ。これで誤解を解ける……」

同門「さっきも言ったが、興味はない」

偽戦士「おいおい、俺らの功績…奪われてんだぜ?」

戦士「奪ったつもりはねぇよ。……形的にそうなったまでだ」

召喚士「ワークショップには登録してます?」

ウィッチ「はいでございます。結構、前にですけど……」

戦士「それって、お前個人の登録じゃないの?」

ウィッチ「え…?そうで…ございますけど……」


562 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:32:27.69 ID:N71qCk69o
召喚士「!?」

魔道士「そ、それじゃあ駄目だよっ、ウィッチちゃん!」

ウィッチ「え…っ?」

召喚士「パーティーを組んだのなら、パーティーで申請を上げないと……」

ウィッチ「そ、そうなんでございますかっ!?」

戦士「……はぁ、駄目だなこりゃ」

召喚士「他の皆さんは申請しているんですか?」

くの一「ワークショップには行ったぞ」

盗賊「…登録は?」

くの一「した」

戦士「お前は?」

偽戦士「登録出来るわけねーだろ」

戦士「…それもそうだわな」

召喚士「同門さんは?」

同門「する必要ない」


563 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:32:57.05 ID:N71qCk69o
盗賊「…………」

召喚士「……」

戦士「どうしようもねぇな、このパーティー」

魔道士「ドッペルゲンガーさんは駄目だとしても…同門さんはしないとですよ」

同門「……」

召喚士「そしたら、三人で構わないので、パーティーの申請もして下さい」

ウィッチ「そ、そうするでございます!」

くの一「それで、晴れて功績がつくのか?」

召喚士「はい。……って、今までの依頼は?」

ウィッチ「お金がなくなったら受ける感じでございます」

召喚士「……っ」

魔道士「ほとんどボランティアって事!?」

偽戦士「ははっ、そういう事になるな!」

盗賊「…馬鹿だな」

戦士「……あ、ああ」


564 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:33:29.53 ID:N71qCk69o
召喚士「と、とにかく…きちんと申請した方がいいですよ」

偽戦士「分かった分かった。やっとくよ」

戦士「それから、依頼もこまめに受けろよ」

くの一「…ああ」

召喚士「そうすれば、ちゃんと功績も付きますから」

ウィッチ「はいでございますっ!」

盗賊「……」

同門「……」

戦士「あのさ、ところで…他のワーカーとかはいねぇのか?」

ウィッチ「他のワーカーでございますか?」

戦士「ああ。この辺は今、激戦区なんだろ?」

くの一「もう少し南へ向かえばいるぞ」

偽戦士「俺らは好き勝手暴れてるだけだからな」

盗賊「…なるほど」

召喚士「合流はしないのですか?」


565 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:35:05.33 ID:N71qCk69o
同門「…邪魔なだけだ」

召喚士「……」

戦士「どうする?俺らは行ってみるか?」

魔道士「西国の城西というのも…気になりますね」

召喚士「うぅん…そうですね、ついでだし行くだけ行ってみましょうか」

魔道士「そうしましょう!」

盗賊「…行くか?」

ウィッチ「え、えっとぉ……」

偽戦士「行こうぜ!俺らも……」

同門「勝手に行け」

ザッザッザ…

召喚士「同門さん……」

ウィッチ「ど、どうしましょうでございます!?」

偽戦士「…しゃーねぇ。放っておくわけにゃいかんだろ」

召喚士「……」


566 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:35:59.59 ID:N71qCk69o
ザッザッザ

魔道士「あ、あのぉ……」

偽戦士「行けたら行く!そんじゃな!」

戦士「…頑張れよ」

偽戦士「おう、この顔に恥じぬよう…頑張るわ!」

ザッザッザ…

ウィッチ「そ、それじゃあ……失礼しますでございます!」

魔道士「ウィッチちゃん、またね!」

ウィッチ「魔道士ちゃんも元気で……!」

ペコリ…タッタッタッタ…

盗賊「……」

くの一「…お前」

盗賊「…?」

くの一「……藤蔵の者か?」

盗賊「……何故だ?」


567 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:36:28.72 ID:N71qCk69o
くの一「先程の雷遁、あれは藤蔵のものであった」

盗賊「……ああ、そうだ」

くの一「やはりそうか」

盗賊「…?」

くの一「…いや、何でもない」

ザッザッザ

盗賊「…お前は?」

くの一「……根だよ」

盗賊「…根?」

くの一「じゃあな、花」

ザッザッザ

盗賊「――っ!!」

戦士「…どした?」

盗賊「…あやつ、影の出自だ」

戦士「何!?」


568 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/16(水) 18:37:25.13 ID:N71qCk69o
召喚士「影って確か……」

盗賊「……」

戦士「まぁ、悪い奴ではなさそうだな」

盗賊「…ああ。影が全員、悪というわけでもあるまい」

魔道士「そうですよね…。黒マントからも足を洗ってくれたようですし…」

召喚士「ええ……」

魔道士「というか、行っちゃいましたね……」

盗賊「……」

戦士「あいつらにはあいつらの、俺らには俺らの道がある」

召喚士「うん。またいつか会えるよ」

魔道士「そうですね…。負けないように頑張りましょう!」

盗賊「…そうだな」

山の北側へ去り行く四人と、それを見送り南側へ歩く四人。

久々に旧知の仲と顔を合わせた四人。同じ様な環境にありながら、

また別の道を行く彼らに力を分けて貰い、更に南へと旅立つのであった。


569 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/16(水) 18:41:55.72 ID:N71qCk69o
今日はもう限界です…それでは失礼しますー
ご支援ありがとうございました!ノシ


570 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/16(水) 18:45:16.65 ID:WiNIctZWo


あの4人かwwwwwwww


577 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/16(水) 20:47:16.71 ID:1+sae0XAO
一年近くスレ追ってて今更な感じの質問なんだが

西高原国←コレなんて読むの?


578 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/16(水) 20:49:43.45 ID:WiNIctZWo
「にし こうげん こく」って読んでる


583 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/16(水) 23:28:13.47 ID:F0NagFOAO
>>1乙
まさかこの時の為に召喚士パーティー似を揃えたのか!?
西遊記一行といい、>>1の進化は止まらんなぁ


593 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:54:32.80 ID:NvP1sSQKo
>>570-576
あざざーす!予想通りな感じでしたかね?

>>577-581
お好きに読んで頂いてかまいませんよ
個人的には「えじぷと」って読んでます。嘘です

>>582-583
構想だけだと師匠死んだ時くらいですかね
肉付けしてようやく出せたって感じっす

では、おやすみなさい!ノシ
てか何でこんな時間まで起きてんだ…



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