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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
717 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/27(金) 18:07:44.82 ID:YlpwbFR/o
〜魔王城前、平野〜

アスモデウス「……ヌグゥ!」ゴトッ

王子「効いているぞ、一気に畳み掛けろ!」

西国兵「おぉーっ!!」

アスモデウス「んんーこの程度、効いているものかよッ」ゴアッ!!

帝「彼らを援護するのじゃっ!」

足軽「かかれぇーっ!」

 ドドオオォォォォ……

白馬騎士「名代殿、倒す術とはまさか召喚獣の……」

名代「如何にも。今、此処に均衡し得る使い手が揃いました」

白馬騎士「それが青龍士官殿と白虎長殿か」

名代「それにあの少女ら2人と、そして私。この五属性を用いれば……」

白虎長「嬉しいけど、ちょっと買い被りすぎじゃないかしら?」

名代「……?」

白馬騎士「それはどういう意味ですか?」


718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/27(金) 18:18:53.07 ID:YlpwbFR/o
白虎長「全快ならともかく、ずっと戦いっぱなしだから、
      もうあなた達が期待する魔力は残ってないわ」

白馬騎士「何と……っ」

名代「……っ。この策も成らずか……っ」

白虎長「ああ、でも安心して」

名代「……?」

白虎長「こんな事もあろうかと、ちゃーんと温存してあるからっ」

白馬騎士「それは、どういう事でしょうか?」

白虎長「そのうち分かるわよっ。それよりもほら……っ!」

オーガ「グルルガアアァァァァ!!」

白虎長「今はこっちの方が大切でしょっ?」

名代「むっ、左様ですな」

白馬騎士「では名代殿、取り仕切りを頼みます。ここは私が引き受ける!」ザッ

名代「済まぬっ、それでは……!」ザザッ

白虎長「それじゃあこっちも行きましょ。私が手を貸すわよぉ〜!」

白馬騎士「それっ、 遅れを取るな! 白虎長殿に続けぇ!」ドドッ


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 02:50:20.58 ID:4Bt4q8UIo
名代「……むっ」タッタッタッ

玄武娘「キリがないですのぉ〜!」

朱雀嬢「あなたがフラフラ、変な所にはぐれるからでしょっ!」

名代「お二方っ、此方へ!」

朱雀嬢「あなたは確か、東方の……」

名代「お二人の力を是非、お借り致したいのです」

朱雀嬢「力……?」

玄武娘「もうこれ以上は、相手できないですのぉ〜!」

名代「いえ、そうでは御座らぬ。もっと別の――」

オーガ「グゴアアアアァァァァ!!」

玄武娘「くぅーっ!」

朱雀嬢「力は結構ですけどっ、まずはこの状況を打破しないとですわっ!」

名代「むぅ、確かに……っ」

朱雀嬢「何かお考えなのでしょうけれど、こんな状況では……」

玄武娘「ひゃああぁぁーっ!! また来たですのー!!」


738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 02:50:55.72 ID:4Bt4q8UIo
 ドッゴオオオオォォォォン!!

朱雀嬢「……?」

名代「同士討ち……? いやっ、これは……」

 ザザッ

ハヌマーン「突破口は開いたぞ。ここは我らに任せよ」

玄武娘「おぉーっ!!」

ハヌマーン「それっ、一気にいくぞ!」

オーク「おおぉぉーっ!!」グアッ

 ドッグオオオオォォォォン!!

朱雀嬢「……ここてゃ任せて大丈夫そうですわね」

玄武娘「ですのっ!!」

名代「なれば、お二方は此方へ」

玄武娘「はいですのっ!」

 タッタッタッタッ

朱雀嬢「それで、作戦は?」


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 02:51:25.62 ID:4Bt4q8UIo
名代「合体召喚を行いまする」

朱雀嬢「!?」

玄武娘「合体召喚……ですの?」

名代「左様。あの妖を倒す術は最早、これしか御座らぬ」

朱雀嬢「うまく……いくの?」

名代「やる以外に術は御座らぬ。いや、必ずや成し遂げましょうぞ」

朱雀嬢「……はぁ。それしか手はないって事ね」

玄武娘「やってやるですの!」

朱雀嬢「それで、まずはどうすればいいのかしら?」

名代「まずは、奴の動きを止め、その隙に――」

 ドオオオオオォォォン!!

朱雀嬢「!?」

玄武娘「なっ、なんですのぉ!?」

名代「ば……馬鹿な……っ」

朱雀嬢「冗談じゃ……ないわよぉ……っ」


740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 02:52:13.10 ID:4Bt4q8UIo
 シュウウウウゥゥゥゥ……

王子「が……っ、ごほごほっ!」

帝「な……にがっ、起きたのじゃ……っ?」ヨロッ

アスモデウス「……んんー」

 つい今まで多勢で取り囲んで攻撃をしていたはずであった。

アマゾネス「こっ……んな……事が……」

アスモデウス「んんー。我が軍団の貧弱な事よ」ズシイイィィィィン

 牛、羊、そして人間のような、3つの顔を持った魔物。

 怒りからか毒蛇の尾を地面へと何度も叩き付けながら、空を仰ぐ。

アスモデウス「まさか、最終形態をこの地上で見せねばならぬとは……」

白馬騎士「最終? 一体何を言っておる――」

 ゴゴゴゴゴゴ……ビリビリッ!!

老将軍「何じゃ……っ、この威圧はぁ!!」

アスモデウス「恥をさらすこの私めをどうかお許し下さい。サタン様」

 闇に包まれせり上がる地面。背より伸びる悪魔の翼。アスモデウスは笑う。


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 02:56:56.15 ID:4Bt4q8UIo
 スゴゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「んんー、この姿になったら……もう止められませんよォ?」

 自信にみちた口調の通り、アスモデウスの姿は恐怖に満ちていた。

 禍々しい両翼に甲羅のような硬さと模様を持った皮膚。

 極めつけはせり上がった地面から姿を見せたドラゴン。そしてそれに跨る姿。

師匠「……さっきのバケモンさながらじゃねぇかよ……っ」

アスモデウス「んんーさぁ、行きますよ!!」

 ゴゴゴゴゴゴ……ドウッ!!

王子「来るぞぉーっ!!」

青龍士官「迎撃準――」

竜騎士兵「……?」ドクンッ

足軽「な……何だ……」

帝「どうした? 様子がおかしいぞ……?」

西国兵「ぐ……っかか……っ」ガクッ

王子「!?」


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:33:38.84 ID:4Bt4q8UIo
朱雀嬢「ちょっとぉ!? 様子がおかしいですわよっ?」

名代「どういう事――」

 ドクンッ

名代「……?」

玄武娘「ど、どうしたんですの……?」

名代「は……離れて下さい……っ!」

朱雀嬢「へっ?」

 ドドオオォォ!!

足軽「う……ぐぐがああぁぁ!!」

おさげ「きゃああぁぁ! た、助けてぇ!」

西国兵「女……女ああぁぁ!!」

色黒「来るな来るなぁ!」ゲシゲシッ

帝「どういう事だっ、皆は急にどうしたというのじゃ……っ!?」

王子「……な、んだこれは……っ。理性が……ぐくっ」フラッ

帝「!?」


749 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:34:32.54 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「んんー。なかなか堪える人間もおりますねぇ」ニヤリ

王子「貴様……っ、何をしたぁ!」

アスモデウス「色欲」

帝「何……?」

アスモデウス「我が本体は、近づく者の色欲を破壊する」

青龍士官「……っ」

アスモデウス「んんー、破壊というには語弊がありますかねぇ」

白馬騎士「や、奴から……離れるのだ……っ」

アスモデウス「理性を開放して差し上げる。これが正しき言い方やも」

帝「私には通じぬようだな」

アスモデウス「残念ですが、貴女は女性であられる」

帝「……」

アスモデウス「女性の持つ色欲は制御出来るものではあーりません」

帝「……ほぅ。だからか」

アスモデウス「んんーですがァ、大多数は男性のようです。これで十分」


750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:35:22.39 ID:4Bt4q8UIo
 ズザァ!! ビュオ!! ブンッ!!

朱雀嬢「あっl、危ないですわね!!」

チャンプ「ふーっ、ふーっ、ふーっ」

玄武娘「目が怖いですのー!!」

名代(理性を抑える事が出来ておるのは……っ)キョロキョロ)

王子「……くそぉ、こんなものでぇ……っ」

白馬騎士「止む無し。理性のある者は……ぐくっ、後退して態勢を……」

青龍士官「せ、洗脳されている連中は気を失わせるのだ……っ!」グラッ

魔法剣士「……」タタッ

 ガスッ!! ドゴォ!!

北方兵「ぐはぁ!」ドシャッ

魔法剣士「女は1ヶ所に固まり、攻撃に備えろ!」

名代(西国の王に白馬騎士殿、青龍士官殿にあの二刀流の者……か)

アスモデウス「んんー。我が軍団を殲滅したところでェ、人間同士はどうですかァ?」

帝「卑劣な奴め……っ」


751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:35:50.30 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「卑劣? んんーそれは違いますねェ」

帝「たわけた事をっ!」

アスモデウス「私はァ、諸君等の本能を開放しているに過ぎないッ!!」

帝「同じ事よっ!」

アスモデウス「それがどういう意味か。即ち、人間は私に支配される側にあーる!」

帝「勝手な事を……申すなっ!」ダッ!!

王子「1人では危険だっ!」

アスモデウス「んんー威勢が良いのは健康ですがァ……」

帝「はぁーっ!!」ビュオッ!!

アスモデウス「我が本体にッ、敵うとでも思うていますかァ!!」

 単身、アスモデウスに近づく帝であるが、アスモデウスはすぐさま反撃に出る。

 巨大なドラゴンを巧みに操り、反転させ、帝へ鋭い尾を払う。

 ズッギャアアァァァァ!!

帝「ぬ……ううぅぅ!!」

アスモデウス「んんー。流石に言うだけありますねェ。これを防ぎますか」


752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:36:34.01 ID:4Bt4q8UIo
帝「……早いな」ツツー

アスモデウス「私が早いのではありません。貴女が遅いのでーす」

帝「く……っ」

アスモデウス「んんーだからッ、近づけばアアァァ!」

帝「!?」

アスモデウス「死!!」

 キュイイイイィィィィ……ドッゴオオオオォォォォ!!

帝「――っ!?」

ハヌマーン「ヌンッ!!」ガシィ!!

 ズッドオオオオォォォォン!!

帝「すまぬっ!」

ハヌマーン「単身は危険だっ、私に付いて来い!」

帝「うむっ」

アスモデウス「んんー魔族ですかァ。魔族に色欲は効かぬわなァ」

ラクシャーサ「当たり前だボケェ!」


753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:37:00.45 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「だからと言って非力では無意味ィ!」ボッ

 ドッグオオオオォォォォン!!

ラクシャーサ「ウアアァァァァーッ!」

オーク「よっくもぉ!!」

魔法剣士「魔法剣……4行おおぉぉ!!」

 ズガッシュウウゥゥゥゥ!!

アスモデウス「んんーどうしましたァ!? 攻撃力が……落ちてますよぉ!!」

魔法剣士(理性を保つ事で……攻撃に集中出来ん……っ)

アスモデウス「んんー。そうれッ、まとめて吹き飛べィ!!」

 ゴアッ!! ドッグオオオオォォォォン!!

朱雀嬢「きゃああーっ!」

魔法剣士「うぐ……っ!」ゴロゴロッ

 シュウウウウゥゥゥゥ……

白馬騎士「こ、これでは近づけぬ……っ。仮に近づいたとしても……」

王子「正気を保つので精一杯……。とても攻撃など出来ぬ……っ」


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:37:39.36 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「チェーックメイト! んんー勝利はほぼ手中に収めたも同然ッ!」

帝「馬鹿を言え。まだだ、まだ終わらぬ!」

アマゾネス「そうだ! 男だけだと思うなよっ!」

朱雀嬢「私達も行きますわよっ!」

玄武娘「はいですの!」

名代「だ、駄目です……っ! お二方は合体召喚を……」

朱雀嬢「でもっ、こんな状況じゃそこまで持っていくにも……」

名代「……っ」

玄武娘「じゃあ、どうすればいいんですのぉ!?」

名代「とにかく力を温存して下さい!」

朱雀嬢「彼女達を見捨てろと言うのっ!?」

名代「し、しかし……っ」

帝「良い」

名代「上様……?」

帝「此方は私達に任せておけ」


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:38:21.03 ID:4Bt4q8UIo
朱雀嬢「大丈夫なの!?」

帝「うむ。私に出来る事は、剣を持って前線で戦う事だ」

玄武娘「……っ」

帝「名代、良いな?」

名代「……申し訳御座りませぬ。上様……っ」

帝「いや、私が帝であろうとも勇めず信じてくれる」

名代「……」

帝「私にとっては其の方が有難いというものだ」

名代「上様! 決してご無理はなさらず!」

帝「分かっておる。そこまで馬鹿ではない」ザッ

アスモデウス「んんーさぁッ、どういましたどうしましたァ!」

青龍兵「ごふ……っ」ドシャッ

青龍士官「はぁ、はぁ……はぁ……」

ハヌマーン「……ちっ、だいぶ気絶はさせたが……」

オーク「まだ沢山いるです!」


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:38:55.60 ID:4Bt4q8UIo
帝「待たせた。行くぞ」ザザッ

ハヌマーン「良し。護衛は任せておけ」

ラクシャーサ「おらぁ、オーク! 最前線で盾んなれェ!」

オーク「ま、任せるです!」ドスンッ

アスモデウス「んんー」

アマゾネス「ワルキューレ! 突撃だぁーっ!」

ポニテ「ハーピー! 長に続くのよぉ!」ズガァ!!

アスモデウス「上空が騒がしいですか。さて、そうなるとこうなるか」

 ドウン!! ドバアアァァァァ!!

色黒「ドラゴンが来たわよぉ!」

アマゾネス「気をつけろよっ! 召喚獣を狙われるぞぉ!」

アスモデウス「んんーご名答ッ!!」

 ゴウッ!! ズッガオオオオォォォォン!!

色黒「しま――」

ハーピー「きゃああぁーっ!」ヒュルルッ……


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/30(月) 21:40:02.89 ID:4Bt4q8UIo
おさげ「ちょっとぉ、早す……っぎ――もおおぉぉーっ!」

アスモデウス「アハハハハッ!! 見ろ、召喚獣がゴミのようではないですかッ!!」

ブリュンヒルデ「くっそおおぉぉーっ!!」

アマゾネス「ダメだっ、解除……間に合わな――」

 ガオンッ!! ズッガオオオオォォォォン!!

アスモデウス「アーッハッハッハッハ! 綺麗な花火ですよッ!」

アマゾネス「ふ……ふざけるなよ……」ドシャッ

玄武娘「アマゾネスさんっ!!」

足軽「女だ……転がってるぅ……」ザッ

朱雀嬢「くっ」タッ

玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ!」

朱雀嬢「やっぱり、私には放っておくなんて……出来ませんわっ!!」

名代「くっ、止む無し……!」ダッ

朱雀嬢「今、助けますわ――!?」

アスモデウス「んんー。それはノーノーですねェ」ザシャッ


763 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/04/30(月) 23:46:30.49 ID:oVc0tOjAO
>>1おつ

魔道士はレズっ毛あるし色欲かかっちゃうな


765 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/04/30(月) 23:56:48.56 ID:qdekkV4AO
魔法剣士はホモっ気があるから耐えられたのかな


771 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 17:57:42.52 ID:E1AbN9sNo
朱雀嬢「嘘――」

アスモデウス「んんー本当です」ニヤッ

 ドッ……

玄武娘「朱雀嬢ちゃああぁぁん!!」

朱雀嬢「あ……っ」

アスモデウス「ふむ。かろうじて心臓への直撃は避けましたか」

朱雀嬢「い……たいぃ……」ポタポタッ

アスモデウス「んんーまぁ、このまま毒を直接注入してェ、死に至らしめましょう」

玄武娘「うわああああぁぁぁぁ!!」ゴアッ

アスモデウス「何ッ!?」

リヴァイアサン「ゴッガアアアアァァァァ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ゴアアアアァァァァッ!!

アスモデウス「ヌウゥーッ! 何と言う……力だッ。小娘風情が生意気なァーッ!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんを離せぇーっ!!」ドウッ

アスモデウス「ク……ッヌウウゥゥー!!」


772 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 17:58:34.60 ID:E1AbN9sNo
 ドッゴアアアアァァァァ!!

玄武娘「はぁーはぁーはぁーっ、はぁーっ」

アスモデウス「……やってくれる」

 リヴァイアサンの一撃を支えた右手は指が吹き飛び、肘の辺りまで損壊していた。

 それを見つめてアスモデウスは今までとは違う、真面目な表情で玄武娘を見る。

アスモデウス「アスタロスが敗北したのも頷ける」

玄武娘「はっ、はっ、は……っ」

アスモデウス「まとめて相手をするから手間となる。要は個別に取れば良いのだわな」

名代「朱雀嬢殿っ」タッ

朱雀嬢「……ぅ」

名代「大丈夫で!?」ガバッ

朱雀嬢「……ごほ……っ」

名代「ひどい傷だ……っ。玄武娘殿、後退しますぞっ!」

玄武娘「!?」

アスモデウス「んんー逃がすかよッ!」ドウッ


773 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 17:59:29.03 ID:E1AbN9sNo
西国兵「うがああぁぁーっ!」

オーガ「グゴアアァァァァ!」

名代「か、囲まれた……!?」

玄武娘「私が何とかするからぁ!!」

名代「!?」

玄武娘「早くぅ! 朱雀嬢ちゃんを連れてってぇ!」

名代「玄武娘殿!!」

玄武娘「でないとっ! 朱雀嬢ちゃん……死んじゃうからああぁぁ!」タタッ

名代「朱雀嬢殿ぉ!!」

玄武娘「うああぁぁぁぁ!!」

リヴァイアサン「ゴガアアァァァァ!」ドゴオオォォォォ!!

玄武娘「ここから先へは、行かせないんだからああぁぁぁぁ!」

アスモデウス「アーッハッハッハッハ!! 状況を良く見てみるがいいッ、小娘!!」

西国兵「女ぁ……!」

足軽「俺の……ものだぁ」ガシィ


774 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:00:03.10 ID:E1AbN9sNo
玄武娘「くぅっ!」

名代「玄武娘殿ぉ! おのれっ、天狗! 彼女を救出に――」

玄武娘「早く……行けってばああぁぁ!」

 ゴウッ!! ドッゴオオオオォォォォ!!

名代「ぐあぁーっ」ドシャッ

白馬騎士「名代殿っ!?」

名代「ま、まさか我らごと吹き飛ばすとは……っ」

朱雀嬢「げほごほっ、ごほ……っ」

名代「誰かっ! 治癒の施せる者は居らぬかぁ!」

老将軍「前線には居やぁせんわい。撤退なされ」

名代「そう致したいのは山々ですが、まだ玄武娘殿が。それに……」

 ズザザアアァァ

帝「気をしっかり保てっ。私は味方だぞ!」

足軽「上様ぁ……っ!!」

竜騎士兵「女……女ぁ……」



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