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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
815 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:45:01.82 ID:Ps8PZq7Oo
〜北の港〜

戦士「流石にデカイ大戦の後だし、人も少ねぇか?」

 スタスタスタ

ワーカー「……!? ちょいとアンタ」

戦士「あん?」

ワーカー「アンタよ、もしかして朱雀パーティーの戦士さんじゃないかい?」

戦士「お、おぉ。えっと……どこかで会ったっけか?」

ワーカー「こないだのベルゼブブ戦、俺もワーカーとして参加してたんだよ」

戦士「そうだったのか、すまん……」

ワーカー「いやいや。アンタは知らなくて当然、気にしないでくれや」

戦士「お互い生きてて、何よりだな」

ワーカー「ああ。俺とアンタじゃ戦う舞台が違うけど、アンタはまだ戦うんだろ?」

戦士「ああ。最後の戦いになると思うけどな」

ワーカー「こんな俺が言っても仕方ねぇけど、アンアタなら出来るさ。頑張ってくれ!」

戦士「ありがとよ。俺やあんたや世界の為に、やれるだけやってくるよ」


816 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:45:35.26 ID:Ps8PZq7Oo
〜南方、マーマンの泉〜

召喚士「はぁ、さっきは危ない目に遭った……」

魔道士「危なくないですよ〜。もったいない」

召喚士「!?」

魔道士「ところでここって……」

召喚士「あ、ええ。久々ですよね」

魔道士「ここで初めて会った時は、ちょっとビックリしましたけど」

召喚士「鬼丸さんもそうでしたけど、あんな親しい魔物は驚きでしたよね」

魔道士「はい……っ。でも、マーマンさんがいたから、分かり合えたんですよね」

召喚士「ええ。魔物にも善悪が、いい魔物がいるんだなって気付けたんですよね」

魔道士「……っ」

召喚士「ここ、いい所ですよね。水も空気も綺麗で」

魔道士「はい、私もそう思います。何だか、パワーを貰えますよね」

召喚士「人間の為だけじゃない。マーマンさんの思いも忘れちゃいけないですよね」

魔道士「はいっ。改めて、強くそう感じますね……」


817 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:46:02.38 ID:Ps8PZq7Oo
〜夕刻過ぎ、鉱山の町〜

戦士「……さーて、やっと着いた」

 テクテクテク……コンコン

おかみ「はいはい〜っと」ガチャッ

戦士「うっす」

おかみ「おやっ、戦士! どうしたんだい?」

戦士「おやっさんいる?」

おかみ「え、ええ。いるけど……」

戦士「何か、まずかったか?」

おかみ「いやっ、そうじゃなくって……。その子、誰だい?」

戦士「へっ?」

美女「どうも〜。こんばんはー♪」

戦士「んなっ――!? なんでここに!!」

美女「えぇ〜っ? だって私と戦士さんの仲じゃない〜」

戦士「はあぁ!? ふざけんなっ!!」


818 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:46:31.76 ID:Ps8PZq7Oo


おかみ「……ふーん。それで一緒にねぇ」

美女「そうなんですっ」

戦士「そうじゃねぇ! お前は北関で国軍に預けてきたはずだろうが!」

美女「だってぇ。戦士さんと一緒の方が楽しいんだもん〜」

戦士「あのな、だから俺は……」

鍛冶屋「やはははっ、はいはいはい。お待たせ〜」スタスタ

戦士「あ、おやっさん!」

鍛冶屋「今日はどうしたんだい? 色々と噂は聞いてるけど」

おかみ「そうだよ。あんた、まだ近いうちに戦いがあるんだろ?」

戦士「そうなんだ。その件でちょっとな」

鍛冶屋「武具について、かな?」

戦士「……これを」ゴトゴトッ

おかみ「なんだいこれ?」

鍛冶屋「……雷切」


819 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:47:02.43 ID:Ps8PZq7Oo
戦士「ああ。こないだの戦いで魔王に木っ端微塵にされちまってな」

おかみ「これを直すのかい?」

戦士「もし出来れば、だけど」

おかみ「どうだい?」

鍛冶屋「……正直、これはほぼ不可能に近いね」

戦士「……」

鍛冶屋「破片も足りていないようだし、完全な復元はおそらく無理だろうね」

戦士「やっぱそうか。いや、それならいいんだ」

鍛冶屋「出来るとすれば2つ」

戦士「……?」

鍛冶屋「1つはナイフのような、刀身の短いものに打ち直す」

戦士「もう1つは?」

鍛冶屋「今ある他の何かに付加する」

戦士「……」

鍛冶屋「どうする? 僕はどちらでもいいけど」


820 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:47:28.59 ID:Ps8PZq7Oo
戦士「じゃあ、決まってるよ」スッ

鍛冶屋「なるほど。これか」

戦士「ああ。こいつのパワーアップにゃ打ってつけだ」

鍛冶屋「そうだね。では打ち直すのはやめて、付加にしよう」

おかみ「それじゃこいつらは預かっておくよ」

戦士「ちなみに時間は……」

鍛冶屋「安心していいよ。これなら2、3日もあれば出来るよ」

戦士「良かった」

鍛冶屋「用件はそれだけ?」

戦士「いや、メインはこっちなんだ」ズイッ

おかみ「あ、あんたそれ……っ」

鍛冶屋「……やっぱり、やるんだね」

戦士「ゾディアックが未完成じゃ、おそらくサタンには効くとは思えねぇ」

鍛冶屋「でも、ゾディアックを完成させるという事は、もちろん意味は分かっているよね?」

戦士「……ああ。でも、それは死ぬつもりで持つわけじゃあないんだ」


821 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:47:59.23 ID:Ps8PZq7Oo
おかみ「……?」

戦士「俺は絶対に行き抜いてみせる。その為に覚悟をもって持つんだ」

美女「……」

戦士「でも、どうしても使わなきゃいけない時は、迷わず使う」

鍛冶屋「戦士くん……っ」

戦士「それが俺の、覚悟であり、生きる意味だ」

鍛冶屋「……分かった。君がそこまで言うならば、止めはしない」

おかみ「あんた……っ」

鍛冶屋「いいんだ。僕らに止める事は出来ないだろう?」

おかみ「……っ」

戦士「つー事で頼む。ちなみに、これ……間に合うかな?」

鍛冶屋「さっきのも合わせて……1週間、いやもう少しか」

戦士「……ギリギリだな。なんとか頼んます!」

鍛冶屋「分かっているよ。これが僕の戦いだからね」ニコッ

戦士「あんがとよ、おやっさん……!」


822 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:48:28.22 ID:Ps8PZq7Oo
〜南方、鉱山の村〜

 パッカパッカパッカ……

召喚士「ここなら無人でも、寝泊りくらいは出来そうですね」

魔道士「アンラ・マンユとの戦い以来、この村の皆さんも……」

召喚士「……あれ? 明かりが灯っている……っ!?」

魔道士「えっ!? 何で……っ」

 ザシャッ……タッタッタッタッ……

召喚士「――!?」

村人「っ!! なっ、何だぁ!?」

魔道士「人が……いる?」

村人「魔物……じゃねぇよな……っ。な、何だよあんたら……」

召喚士「あの、あなた達は……?」

村長「何の騒じゃ?」ザッザッ

召喚士「あなたは……っ!」

村長「!?」


823 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:48:58.86 ID:Ps8PZq7Oo


魔道士「そうだったんですか……。皆さん、この村に戻って……」

村長「うむ。まだ安全とは言えぬかもしれぬが、やはり生まれ育った村だからの」

召喚士「……っ」

村人「でも帰って来て良かったよ。今は魔物ももう寄っちゃ来ないしな」

召喚士「おそらく魔王が倒されたからでしょうね」

村長「あんたらのお陰じゃ。ありがとう、本当に感謝するよ」

村人「なぁ、そういや……魔物も居たよな? この村の為に戦ってくれた奴が」

魔道士「あ……っ」

村人「元気でやってんのか? あいつもよ」

召喚士「……ええ。今でも元気に、やってますよ」

村人「そうかっ! それは良かった。あいつにもヨロシク伝えておいてくれよ!」

召喚士「……はい……っ」

村人「何もない村だが、まぁゆっくりしていってくれ」

魔道士「ありがとうございます……っ」


824 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:49:28.39 ID:Ps8PZq7Oo
〜鉱山の町、バー〜

戦士「……」グビッ

美女「ねーねー、何であの人の家に泊まらなかったぉ?」

戦士「お前なぁ、俺はまだしも、お前は初対面だろうが」

美女「別にいいと思うけどなぁ……」グビッ

戦士「って何で飲んでんだよ!!」

美女「別にいいじゃない〜」

戦士「よくねぇよ! お前いくつだ!」

美女「安心してっ♪ ちゃーんとお酒の飲める年だから」

戦士「……本当だろうな?」

美女「そうよん♪ だから何シたって……大丈夫」ムギュウ

戦士「ぶほっ! や、やめろっ!」グイッ

おかみ「戦士くんっ、いるかい!?」ガチャッ

戦士「!?」

美女「いやぁん」


825 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:49:58.65 ID:Ps8PZq7Oo
おかみ「何をやってんだい!」

戦士「何もしてねぇ! てか何か用じゃねぇのか!?」

おかみ「そうそうっ! 鉱山の1ヶ所で落盤が起きてさ、いけるかい?」

戦士「おっしゃ、任しとけ!」ガタッ

美女「私も行きます〜」

戦士「来なくていい!」ダッ

美女「行〜く〜の〜!」ダッ

 タッタッタッタッタッ……

戦士「おいっ! どこだ!?」

男「すまねぇ! ここの上だっ!」

戦士「ちっ、1番深い所かよ……」ザザッ

美女「……ふぅん」キョロキョロ

戦士「お前らは念の為、周囲の奴らを避難させといてくれ!」

男「お、おうっ。了解……って、そこの嬢ちゃん! 危ねぇぞ!!」

美女「ばいば〜い♪」タッタッタッ


826 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:50:29.84 ID:Ps8PZq7Oo


戦士「……ここか」ザッ

美女「うーん。すっごい瓦礫ですねぇ」

戦士「だぁっ!! だからなんでてめぇがいるんだよ!!」

美女「行くって言ったじゃないですかぁ」

戦士「ここは危険だ! 早く帰れ!」

美女「それよりも取り残された人がいないか確認しないと〜」

戦士「そうだっ! おーい、誰かいるかぁ!?」

 ゴトッ

戦士「!?」

ワーカー「こ……ここだ……っ、助けてくれ……」

戦士「今行くっ! 待ってろ――」ガシッ

美女「ちょーっと待った」

戦士「離せ! 早く助けないと!」

美女「なーんか怪しいと思いませんかぁ?」


827 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:51:01.39 ID:Ps8PZq7Oo
戦士「何が!」

美女「色々と♪」

戦士「――っ」ワナワナ

美女「ねーねー、あなた本当に人間〜?」

戦士「この期に及んで何を言って……」

美女「いや……人間だったってとこかしらん。ついさっきまで」

男「……」

戦士「お、おい……」

男「……キキキッ」ググッ

戦士「!?」

 ドガアアァァ!!

男「察しがいいじゃねぇか、ネーチャンよぉ!」グワッ

美女「やーっぱり」

戦士「お前……なんで……」

美女「ほらほらっ、きますよぉ」


828 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:51:50.36 ID:Ps8PZq7Oo
男「死ねえぇーッ!」ゴアッ

戦士「くっ!」

男「グヘヘッ、丸腰で何しにきやがったァ!」ギュオッ!!

戦士「しまった! 武具はおやっさんちに預けっぱ――」

 バギャッ!! ドガガアアァァ

戦士「……ぐく……っ」

男「キキキッ、他愛ネェ!!」

美女「大丈夫ですかぁ?」

戦士「う……るせぇ!」ググッ

男「さーて、まずはテメーから料理して……」ギロッ

美女「……?」キョトン

男「その後でゆーっくり、喰ってやんぜぇ! ネーチャンよぉ!」

美女「いやーん、怖い〜」

男「てなワケでまずはお前、死ね!」

戦士「簡単に死ぬかボケ!」


829 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:52:21.17 ID:Ps8PZq7Oo
 ギュバッ!! ガシィ!!

戦士「武器がなかろうが……拳がありゃ戦えるんだよぉ!」グオッ

男「おっとォ」バサッ

戦士「飛んだ!?」

男「キキキッ」バッサバッサ

美女「あちゃー。羽が生えちゃいましたねぇ」

戦士「ちくしょう……っ。空に逃げられたんじゃ手が出せねぇ」

美女「どうします〜?」

戦士(こんな時、召喚士や魔道士がいりゃ……いや、四の五の言っても仕方ねぇ)

男「打つ手なしみてぇだな。んじゃ一方的にトドメささせてもらうぜェ!」

戦士「今は、せめてこいつだけも守らねぇと!」

美女「んふっ。仕方ないなぁ、手伝いますよぉ」

戦士「はぁ!? お前に何が出来んだよ!」

美女「いいからいいからっ♪ ねっ?」

戦士「ね……って。ほんとに出来んだろうな? んじゃお手並み見せて貰おうか」


830 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/24(日) 23:53:14.87 ID:Ps8PZq7Oo
男「ゴチャゴチャ何を言ってやがるウゥ!!」

戦士「くんぞっ!」

美女「はいはーい」

男「キキキーッ!!」ゴアッ

美女「……ボソボソ」

戦士「おいっ! くるって言って――」

美女「飛びたてっ、ア・ドライグ・ゴッホ!」

戦士「――!?」

 シュイイィィィィン

男「ナニイイィィィィ!?」

戦士「あ、赤い龍……っ!? まさか……召喚獣かっ!?」

美女「さぁ、やっちゃいなさーい」

ア・ドライグ・ゴッホ「ゴガアアアアァァァァ!!」

男「――――ッ!!」

美女「はい、いっちょあがりー。んふっ♪」


832 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 00:45:44.10 ID:7AJ2rz9ho
なん…だと…?


833 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 00:47:16.47 ID:cjHbOGoBo
どういう事だってばよっ!!


839 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 04:35:52.25 ID:WzmqaBDDO
いちょつ


なにこの聞いたこともない竜は


840 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 04:58:48.37 ID:BhwYyTZAO
>>1乙

ウェールズの国旗じゃないかwww
何気に上級召喚獣では…?


843 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 17:58:12.98 ID:Jv/U+2/Jo


男「おっ、どうだった!?」

戦士「いや、あのよ……」

美女「残念ですが、生存者はいなかったです〜」

男「……そうか」

美女「あとぉ、まだ魔物が居るかもだから封鎖した方がいいですよ? ねっ、戦士さん?」

戦士「あ、あぁ」

男「分かった。国軍に知らせておこう」

美女「ヨロシクー♪」

戦士「……」

おかみ「大丈夫だったかい? まさか、魔物がいたなんてね」

戦士「まぁ。今回はこいつが……」

美女「戦士さんのお陰で円滑に終わりましたねっ。流石ですっ!」

おかみ「そうかい。魔物が居るって分かってたら武器も一旦、返したんだけどさ」

美女「あの程度の魔物なら、武器なしでも平気ですよっ。ねー?」


844 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 17:58:41.82 ID:Jv/U+2/Jo
おかみ「とにかく無傷で良かったよ。ほんと、ありがとね」スタスタスタ

美女「んふ〜。任務完了♪」

戦士「おい」

美女「はーい?」

戦士「お前、何者なんだ?」

美女「と、言いますと?」

戦士「あれは召喚獣だよな? しかも見たこともねぇ……青龍か?」

美女「おぉー。詳しいですね」

戦士「お前は何者なんだ!? 目的は何だ!!」

美女「……野暮な事は言いっこナシですよぉ」

戦士「真面目に答えろ!」

美女「私が何者だあろうと、関係なくないですか?」

戦士「……」

美女「いち青龍召喚士。ただそれだけです」ツン

戦士「……」



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