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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その23
121 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/25(クリスマス) 23:58:58.83 ID:op0UHoso
青年兵、皇太子……そして帝による右翼派の演説。

表立った賛同者は皆無なものの、当方司令部全体に激震が走ったのもまた事実。

〜応接室〜

右秘書官「殿下、お元気そうで何よりです」

皇太子「うむ。君達もよくやってくれた」

右文官「いやいや、演説お見事でしたぞ」

皇太子「私は何もしておらぬさ。全ては彼女の力……」

エリート「……」

帝「そうか。此処で世話になっておるのだな」

女剣士「はい。最初から良き師に巡り合えました」

帝「ふふっ。お主は運が良いのだな。…女剣士を宜しく頼む」

東方司令「そそっ、そんなボクは……」

女剣士「改めて、宜しくお願いします。お姉様」

帝「私も稽古をつけて頂きたいものだな。ふふっ」

東方司令「……はわわあぁ」


123 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:00:06.31 ID:EJg7gAUo
テクテクテク

東方兵「これ、関係者以外は……」

左翼長「関係者だよ、バーロー」

東方兵「これは失礼致しました!」

ガチャッ

エリート「…おぉ、左翼長殿に南方司令殿」

皇太子「…召喚士達も一緒か」

召喚士「殿下、お疲れ様でした」

盗賊「上様…っ」

帝「盗賊…。それに皆もか」

魔道士「演説、とっても感動しましたっ!」

エリート「それは良かったです。魔道士さんの心に響いたのであればきっと皆にも…」

魔道士「はいっ!間違いありませんよ。えへへっ!」

盗賊「……」

東方司令(東方の女は…どうなっておるのだ!?)


124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:00:44.45 ID:EJg7gAUo
〜隣室〜

左文官「ぐぬぬ……」

左秘書官「殿下の帰国は予想してしました。していましたが……」

左翼官「まさか東方の主を連れて来るとは…っ」

左大臣「…それで、どう見る?」

左秘書官「国民や兵卒らの支持は圧倒的に右翼でしょう」

左翼官「士官の一部も共感しておりました…」

左文官「何より本国へ戻れるというのが大きいようです」

左秘書官「やや強引に縛り付けたことが裏目に出ましたな……」

左大臣「泣き言はいいっ!それを何とかするのが貴様らの役目であろう!!」

左秘書官「……仰るとおりにて」

左大臣「此処を落とせば我らに勝ち目はなくなる。どんな手を使ってでも票を取れぃ!」

左文官「はっ!一票でも多く…何が何でも!」

左大臣「ぼやぼやしているなァ!ゆけいっ!!」

左翼官「ははっ!!」


125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:01:41.80 ID:EJg7gAUo


ジャーッ

青年兵「……」

ジャーッ

青年兵「……おえっ、ごほっ……ごほっ」

ジャーッ…キュッキュッキュッ

青年兵「…………」

フキフキ…カツカツカツ…パタン

青年兵「……あと少し。あと少しだ」

東方副司令「…青年兵殿?」

青年兵「!?…これは東方副司令様」

東方副司令「顔色が優れませんが大丈夫ですか…?」

青年兵「あ、ええ…。少し疲労が溜まったみたいです。大丈夫です」

カツカツカツカツ…

東方副司令「……」


126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:02:26.62 ID:EJg7gAUo
テクテクテク…

青年兵「…あれ、皆さんお揃いで」

召喚士「青年兵くん」

エリート「どこへ行っておったのだ?探したぞ」

青年兵「すみません。ちょっとトイレへ……」

カツカツカツ

皇太子「青年兵」

青年兵「殿下……っ」

皇太子「ありがとう。よくぞやってくれたな」

青年兵「――っ!!」

皇太子「心より礼を申し上げる。お前のお陰だ…感謝する」

青年兵「……勿体なき…お言葉…っ」

魔道士「青年兵さん…良かったですね……」

召喚士「ええ…」

脱力する青年兵を抱きしめる皇太子。その姿に一同はしばし言葉を止めた。


127 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:06:23.49 ID:EJg7gAUo
午前中の慌しさとは打って変わり、午後は両陣営による資料ベースでのアピール。

右秘書官「……であるからして、再編の手順と致しましては――」



左秘書官「……つまり、再編に伴う損失は大きくこれは――」

〜中庭〜

盗賊「……」

魔道士「……いんですかねぇ、私達こーんなノンビリしてて」

戦士「でもよぉ、余計な事して逆に迷惑になってもしょがねーしな」

ザッザッザ

青年兵「大丈夫ですよ。あとは右文官様達にお任せしましょう」

召喚士「お疲れ様、青年兵くんっ」

青年兵「ありがとうございます」

魔道士「これでひとまず、落ち着いた感じですかね…?」

青年兵「そうですね。まぁ…当方司令部はですけど……」

盗賊「……」


128 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:07:31.36 ID:EJg7gAUo
召喚士「ごめんね、本当は全部一緒に付いて行きたいんだけど…」

青年兵「お気になさらず。お話は聞いておりますよ。ねぇ?」

魔道士「…?」

ザッザッザ

左翼長「そういう事だ。後は政治屋共に任せておけばいい」

南方司令「私達の仕事は、前線で人々を守る事…だろう?」

戦士「…まぁな。頭使うのは性に合わねぇや」

魔道士「そうですよねぇ……あ……っ!」

盗賊「……!!」

召喚士「雪……?」

闇に包まれ始めるずじょうの空より、白く小さな雪がひらひらと舞い注ぐ。

魔道士「綺麗〜っ!」

戦士「どーりで寒いわけだ…」

盗賊「……」

召喚士「雪…かぁ」


129 名前:クリスマス終了のお知らせ [saga sage] 投稿日:2010/12/26(日) 00:07:39.24 ID:mX9WOYDO
>>1キテルー!!

あれ?東方司令と盗賊は初対面だっけ?


130 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:08:43.71 ID:EJg7gAUo


東方司令「どこへ行っていたのだ?」

青年兵「すみません。ちょっと外へ」

皇太子「見たまえ、雪が降っているぞ」

魔道士「そうなんですよ〜」

エリート「美しいな……」

ガチャッ

右文官「まもなく開票結果が出るぞ!」

戦士「おっ!」

青年兵「参りましょう!」

皇太子「うむ」

帝「我らも参ろうぞ」

名代「御意に」

魔道士「いよいよ…ですね」

召喚士「ええ…」


131 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:09:58.19 ID:EJg7gAUo
ザワザワザワッ

盗賊「……!?」

皇太子「……」

ザッザッザ

左大臣「これはこれはァ」

エリート「……どうも」

左大臣「其方が東方の女王陛下であられますかなァ?」

名代「如何にも」

左大臣「ごあいさつが遅れ申したァ。左大臣と申します。以後、お見知りおきを」

帝「うむ。こちらこそ」

左大臣「……それではァ、失礼」

エリート「今の男が以前お話した左大臣です」

帝「……成程な」

右文官「おっ、いよいよ発表のようだぞ!」

右秘書官「ええ。さて、どうなるか……」


133 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:14:39.86 ID:EJg7gAUo
議会管理を司る審判官の男が、司令部の正面入り口前に現れる。

そしてゆっくり辺りを見回すと、懐より紙を取り出し声をあげて読み始めた。

審判官「これより、当方司令部における士官の発表結果を述べる!」

魔道士「うぅ…緊張したきたぁ……」

盗賊「……」

審判官「総数100。有効票100…無効票なし。まずは右翼……」

召喚士「……」

戦士「さぇて…どうだっ!」

審判官「……41票」

青年兵「――!!」

ドヨドヨドヨッ!!

審判官「左翼、59票。以上が結果となる。尚、この投票において異議のある者は――」

エリート「41……だと…!?」

皇太子「まさか……こんな結果になるとはな」

青年兵「41……41票か……っ」


134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:16:22.40 ID:EJg7gAUo
フルッ…フルフルフルッ

左大臣「……」

左秘書官「41対……59だとぉ!?」

左文官「バカな…っ!そ、そんなハズは……」

左翼官「……っ」

左大臣「……帰るぞ」

左秘書官「左大臣様…?」

左文官「しっ、しかし……」

左大臣「これ以上、恥をかかせる気かァ!」

左翼官「……っ!!」

左大臣「それに最早、此処に用はない。次へ向かうぞ」

左秘書官「資料と荷物を纏めて下さい。直に発ちます」

左文官「…つ、次はどちらに向かいましょうか……?」

左翼官「距離的な事を考えますると……」

左大臣「……北方…司令部だなァ」


135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:17:14.98 ID:EJg7gAUo


青年兵「……」

召喚士「青年兵…くん…?」

青年兵「……」

テクテクテク…バシッ!!

エリート「やったな!青年兵っ!」

青年兵「え、あ…あぁ…っ」

戦士「えぇと…一応、勝ちなのか?」

左翼長「前に話したろ。ここで三割取ればいいってな」

召喚士「そういう事ですね」

魔道士「あ、そっか…!41票っていう事はぁ」

盗賊「……四割だな」

右文官「これは……」

右秘書官「…ええ!」

青年兵「我らの…勝ちです!」


136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:18:21.01 ID:EJg7gAUo


右文官「左翼連中は早々に去ったようだぞ」

青年兵「そうですか…」

エリート「恥をかかぬよう、早々に立ち去ったのさ」

右秘書官「それが通例となっておりますしね」

カラカラカラッ

東方副司令「お待たせ致しました。祝賀会のご準備が整いましたよ」

魔道士「祝賀会…ですか?」

青年兵「そんな…わざわざ……」

右文官「良いのだ。それも通例よっ、なぁ?」

右秘書官「そうです。それも含めて仕事ですよ」

青年兵「……分かりました」

東方副司令「皆様もどうぞ、ご参加下さい」

召喚士「い、いいんですか…?」

東方副司令「もちろんですよ」


137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:19:14.99 ID:EJg7gAUo
広い講堂は華々しく飾り付けられ、そこへ当方司令部の面々が集う。

テクテクテク

東方参謀「おぉ、来たぞ!」

ワアアァァッ

戦士「うおっ!?凄い歓声……」

魔道士「沢山集まってますね〜!」

シズシズ…

東方兵「おぉ…っ!」

魔道兵「あれが…東方の女王陛下か…っ!」

帝「……いちいち着替える必要あったのか?」

名代「何を仰います。東方の顔なのですから」

帝「そうか?……まぁ、そうだな」

名代「それに、皆の受けも良いようですよ?」

東方兵「……な、なんだか凄く…かわいいな」

魔道兵「あ、ああ…。ありゃ……アリだな」


138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:20:16.73 ID:EJg7gAUo


東方副司令「それでは、祝賀会を始めたいと思います」

南方司令「待ってましたぁ!」

戦士「ノリノリだな…」

左翼長「いいんだよ。主役を盛り上げてやんのが俺らの役目だ」

エリート「そうですよ。それに……」

ガラガラガラッ

魔道士「おぉーっ!おっきなケーキ!!」

盗賊「…凄…い」

東方参謀「メリークリスマース!!」

東方副司令「クリスマスも近いですし、それも兼ねてです」

エリート「そういう事らしい。今日は存分に楽しむといい」

戦士「……そうとなりゃ……飲むぜぇ!!」

南方司令「おーうっ!!」

召喚士「あははははっ!」


139 名前:クリスマス終了のお知らせ [sage saga] 投稿日:2010/12/26(日) 00:21:20.89 ID:EJg7gAUo
>>129
並んで改めてみると…って感じです

なんだか重くて重複が…ごめんなさい!



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