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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その10
764 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:50:46.23 ID:Heo6YZ.o
〜迂回の道〜

戦士「いやぁ…!今日も天気が良くて最高だぁ!!」

魔道士「すっかり元気になりましたね。戦士さん…ボソボソ」

召喚士「そうですね。やっぱり戦士はああじゃないと…ボソボソ」

戦士「おい、何二人でイチャイチャと……」

召喚士「してないっ!」
魔道士「してませんっ!!」

戦士「おー…同時にハモっちゃって…。仲が宜しいです事…」

魔道士「そっ、そういう戦士さんだってですね…」

盗賊「しっ!!」

召喚士「!?」

戦士「……どうした?」

盗賊の声に三人は即座に身構える。

盗賊「…左の物影だ。…何かいる」

戦士「…分かった」


765 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:51:43.82 ID:Heo6YZ.o
召喚士「魔物かもしれない…気をつけて」

盗賊「戦士…。後ろを頼む」

戦士「おう」

ザッ…ザッ…ザッ…

盗賊「はっ!!」

シュバッ…ドスゥッ!!

盗賊の放ったクナイは影をかすめ、背後の木に突き刺さる。

盗賊「何者だ!!出て来いっ!!」

ガサガサッ…

オーク「すすす…すいません。オラ…」

魔道士「あれ…!?この魔物さん…」

盗賊「…!!…昨日の!?」

オーク「あぁっ!昨日の人間さん!!」

物影よりゆっくりとオークが姿を現す。

召喚士「この魔物が…昨日お二人が見たっていう…」


766 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:52:36.38 ID:Heo6YZ.o
オーク「ひいっ!すいませんすいません!」

戦士「いや…別に何もしてねぇが…」

魔道士「やっぱり…悪い魔物さんではないみたいですね」

盗賊「……ふー」

盗賊は溜息をつき、木に刺さったクナイを引き抜く。

戦士「お前さんは何者なんだ?」

オーク「オラ…オークと言います。こう見えても魔物です…」

戦士「見りゃ分かるよ…」

オーク「オラ…逃げてたら道に迷って…ううぅ…っ」

盗賊「……」

召喚士「逃げてた…?追われてたんですか?」

オーク「いやぁ…。魔王軍から逃げてきたんです…」

召喚士「魔王軍から…!?」

盗賊「…逃亡か」

オーク「…ええ。…ううぅ」


767 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:53:30.58 ID:Heo6YZ.o
戦士「魔物が逃亡?変な話だな…」

オーク「変じゃねぇです。魔王軍の奴らは怖いです」

召喚士「怖い…」

オーク「オラ…もう戦ったりしたくねぇです…」

戦士「!?…魔物なのに感心だな」

魔道士「良い事じゃないですかっ」

オーク「でもぉ…魔王軍の偉い奴は戦えと言うんです」

盗賊「…魔物も人間も…同じか」

オーク「オラ…、もうイヤで逃げてきたんです」

召喚士「…なるほど」

戦士「本当だろうな…?」

オーク「ウ、ウソじゃねぇです!本当です!!」

魔道士「嘘ついてるようには見えませんよ…?」

盗賊「…ああ」

召喚士「そうですね。俺もそう思います」


768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:54:33.89 ID:Heo6YZ.o
戦士「まぁこんなドン臭い奴がスパイにも思えないわな…」

オーク「ううぅ…」

魔道士「と、とにかくこんな所にいたら…危ないですよ!?」

召喚士「確かに。あっという間に国軍の餌食に…」

オーク「うへぇっ!!」

戦士「ワーカーもウロウロしてっしな…」

オーク「オ…オラどっ、どうしたら…!?」

盗賊「…どうする?」

召喚士「うーん……」

戦士「助けてやりてぇが…どうすっかなぁ…」

魔道士「と、とりあえず一緒に…」

召喚士「……そうしたいところですけど」

戦士「魔物と仲良く歩くってワケにゃいかんしなぁ」

召喚士「……ならば、手段は一つ!」

オーク「…?」


769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:55:29.29 ID:Heo6YZ.o


テクテクテク…

魔道士「キツくないですかぁ…?」

オーク「だ、大丈夫です」

戦士「なるほどなぁ…。こうしてりゃ俺らがオークを…」

召喚士「そっ!捕らえて連行してるように見えるでしょ?」

盗賊「…うん」

魔道士「ごめんなさい…!こんな形で…」

オーク「いえいえ!オラ…すげぇ感謝してるです!」

パッカパッカパッカ…

召喚士「!?国軍だ……!」

戦士「自然にな、自然〜に…!」

国軍の馬が四人の前に停まる。

剣兵長「……」

召喚士「ど、どうも…」


770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:56:22.83 ID:Heo6YZ.o
剣兵長「何だソイツは?」

戦士「さっき、とッ捕まえた魔物っす」

剣兵長「……」

召喚士「この先の村で悪さしてて…ははっ…」

剣兵長「…オークか?」

ザッザッザ

オーク「ひ…ひえぇ…っ!」

魔道士「あ、あの……」

剣兵長「こんな所にオークとは珍しいな」

召喚士「そ、そうなんですよ!はははっ!」

戦士「そんじゃ先を急ぎますんで…」

テクテクテク…

剣兵長「おい、待て」

盗賊「…!?」

召喚士「な、何でしょうか…?」


771 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:57:19.51 ID:Heo6YZ.o
ザッザッザ…

剣兵長はじっとオークを見つめる。

オーク「オ…オラ……」

剣兵長「どうも怪しいな」

魔道士「ふぇっ!?」

戦士「な、何がですかい?はははっ!」

剣兵長「…お前らがだよ」

ジャキッ

召喚士「!?」

剣兵長「おいっ!!」

ダダッ!!

剣兵「ははっ!!」

剣兵長「おっと…。抵抗するなよ?」

盗賊「…」

盗賊は柄に構えた手を下ろす。


772 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:58:10.94 ID:Heo6YZ.o
剣兵長「まとめて連行するぞ」

召喚士「!?」

魔道士「そんなっ!!」

剣兵長「コイツらを馬車に乗せろ!」

剣兵「ははっ!」

ザッ

戦士「…どうする?」

召喚士「……仕方ない。言う通りにしよう」

戦士「ヘタに逆らったら死罪モンだし…賢明だな」

盗賊「…」

剣兵達は手際よく、召喚士達を捕らえ馬車に乗せる。

剣兵長「よし、引き返すぞ」

剣兵「ははっ!!」

ザッザッザ…ガシッ…パッカパッカパッカ…

後ろ手に縛られた一同は馬車に揺られ、連行される。


773 :パー速民がお送りします [] :2010/01/28(木) 16:58:26.93 ID:yV.RTIwo
無礼者!この方をd(ry


774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/28(木) 16:59:46.48 ID:Heo6YZ.o


魔道士「うぅ…っ」

盗賊「…どこに…向かってるんだ?」

戦士「おそらく司令部だろうな…」

召喚士「うん……」

魔道士「司令部って北方の本拠の…?」

召喚士「ええ……」

戦士「くっそぉ…。面倒な事になっちまったぜ…」

オーク「ああ、あの…オ、オラ達どうなっちまうんです?」

召喚士「殺される事はないと思いますが…」

戦士「いや、お前は分からんぞ」

オーク「ひえぇ!そ…そんなぁ…」

召喚士「大丈夫です!俺が話してみます!」

戦士「そうだな。朱雀先生の肩書きでなんとか…」

盗賊「……ああ」


781 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/28(木) 18:03:48.90 ID:fFCtZ1Eo
教会の裏の所で鳥肌たった


782 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/28(木) 19:26:58.36 ID:1GDg9Pg0
※鳥肌注意


784 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/28(木) 20:11:04.91 ID:ScZ1/nso
毎年春になると誰もいない秘密の場所にはクローバーが生えるんだろうな
チロヌップのきつねのような悲しい女だ


789 :パー速のローカルルールが変わりました [sage] :2010/01/28(木) 22:51:46.24 ID:TZYTGgAO
最近良心的な魔物をよく見かけるが
この世に生まれ めぐり合う奇跡
すべての偶然があなたへと続く


790 :パー速のローカルルールが変わりました [sage saga] :2010/01/29(金) 00:00:03.58 ID:ONn5AxAo
こんばんは!ローカルルールが変わったみたいですね
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/9240000003/

次スレから移動すればおkですかね?↓続き


791 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/29(金) 00:00:48.52 ID:ONn5AxAo
パッカパッカパッカ…

戦士「見えてきたぜ…」

戦士の声に反応し、一同が小さな窓から景色を眺める。

正面にそびえる山まいに無数の塔が高く伸びている。

召喚士「北方…司令部です」

先程の晴れ模様とは裏腹に、どんよりとした空が、

そびえる要塞の色合いを、更に暗く見せる。

盗賊「……」

魔道士「あれが…司令部」

オーク「う…うぅ…っ!」

剣兵「無駄口を叩くな」

戦士「…けっ」

パkッカパッカパッカ…

召喚士「……」

馬車はゆっくりと司令部の正門を潜り進んだ。



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