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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
- 663 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/01/30(日) 00:00:40.16 ID:8vI3JnLwo
〜次の日〜
タッタッタッタッタ
北方兵「いいぞーっ!出せーっ!!」
投石兵「カタパルト!!進軍ーっ!!」
ゴゴンッ…ガラガラガラ…
魔道士「…目の前で見ると…凄い迫力ですねぇ…っ!」
戦士「……ああ。でも、あんなんがアンデッドに聞くとは思えねぇけどな」
ザッザッザ
左翼長「戦士の言う通りだ。物理攻撃のみのカタパルトじゃアンデッドには無効だろう」
召喚士「それでも出すんですか?」
左翼長「ハッタリだよ。脅しくらいにはなる」
盗賊「……」
左翼長「それに、ここでは初の実戦配備だ。テストも兼ねてな」
召喚士「……なるほど」
左翼長「あくまで主体は人間だ。……頼むぞ」
- 664 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:01:14.74 ID:8vI3JnLwo
…
参謀「……出陣っ!進路は北北西へ10キロ!」
ザザッ…ドドッドドッドドッ
参謀の号令に共鳴し、先頭を行く騎馬がけたたましい唸りと共に出陣する。
更にはその後に国軍の歩兵隊、そして召喚士ら、ワーカーが続く。
魔道士「いよいよですね…っ。頑張りましょう!」
召喚士「……ええ!」
その後ろ、中央にはカタパルト数機と並び、左翼長と参謀が構える。
左翼長「……今日でケリをつける。そのつもりで挑むぞ」
参謀「はっ」
後方に弓隊、魔道隊、プリースト隊が居並び、いよいよをもって司令部を離れた。
第17次討伐作戦。国軍500余名。ワーカー約80名での編成である。
魔法剣士「……」
遠目から見ても、それが本気の証だと分かる力の入れようを模した編成。
そんな事を思いながら、やや離れた場所から魔法剣士は行軍に続いた。
- 665 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:01:41.02 ID:8vI3JnLwo
〜東方司令部〜
青年兵「……視察…ですか?」
東方参謀「うむ。左翼が切望しておってな」
青年兵「それで、私が案内役をですか…?」
東方参謀「お前なら北方にも顔が利くし、何より……」
青年兵「……」
東方参謀「あくまで実務の責任者は大軍師だが、議会での推進提唱はお前だ」
青年兵「……大軍師様の要望ですか?」
東方参謀「まぁそういう事だ。是非、青年兵にとな……」
青年兵「……」
東方参謀「強制ではない。嫌なら……」
青年兵「…まさか、望むところですよ」
東方参謀「そうか。……左翼は三日後に北方司令部へ赴く予定になっておる」
青年兵「畏まりました。私も合わせて北方へ向かいましょう」
東方参謀「……頼んだぞ」
- 666 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:02:22.16 ID:8vI3JnLwo
〜北の平原〜
左翼長「……まさか行軍に半日費やすとはなぁ」
参謀「山岳地帯に現状のカタパルトは不向きですね」
左翼長「報告書をまとめて、研究機関に出しとけ。使い物にならんとな」
参謀「はっ。改良の余地はありそうです。記しておきましょう」
タッタッタッタッタ
斥候「この先、敵の気配はありませんっ!」
左翼長「よーし、このまま北進。ある程度の所で布陣するぞ」
北方兵「はっ!行くぞっ!!」
タッタッタッタッタ…
左翼長「……さーて」
ザッザッザ
戦士「……おじさん、どうした?」
左翼長「敵の大将だが、本当に任せてもいいのか?」
召喚士「…やれるだけの事はやってみます」
- 667 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:03:00.88 ID:8vI3JnLwo
左翼長「……」
戦士「敵は一匹なんだろ?多勢で挑むよりは人数を絞った方がいい」
左翼長「それもそうだな。四人で挑むか?」
戦士「……いや、出来れば一人回して欲しい」
左翼長「……?」
召喚士「魔法剣士さん、ワーカーの方です」
左翼長「一人でいいのか?」
戦士「ああ。あの人の実力は俺らがよく知ってる」
魔道士「功績ランク4位ですからねっ」
左翼長「……アイツか。確かにな、北関でも大した活躍だった」
ザッザッザッ…
参謀「司令、まもなく出発致します」
左翼長「おう。もう少し北進したところで布陣する予定だ」
召喚士「分かりました」
左翼長「布陣後、本営で最後の打ち合わせだ。頼んだぞ」
- 668 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:04:03.53 ID:8vI3JnLwo
…
ドドッ…パッカパッカパッカ…
盗賊「……だいぶ更けてきたな」
召喚士「ええ。思ったより進軍が遅いですね」
盗賊「…降雪と…兵器のせいかもな」
召喚士「ええ……」
ザッザッザ
魔道士「あっ、魔法剣士さん!」
召喚士「こんばんは」
魔法剣士「……どうするつもりだ?」
戦士「…?」
魔法剣士「お前達の事だ、遊撃するのだろう?」
戦士「……お見通しかよ」
召喚士「出来れば…魔法剣士さんのお力を借りたいと…」
魔法剣士「…構わん。願ってもない話だ」
- 669 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:04:59.75 ID:8vI3JnLwo
召喚士「え…っ?」
魔法剣士「お前達の実力は分かってる」
魔道士「魔法剣士さん…」
魔法剣士「足手纏いにはならん。貴重な戦力だ」
召喚士「……ありがとうございます」
戦士「意外だな…」
魔法剣士「…何がだ?」
戦士「いやな、あんた程の人なら…他人の力なんて借りたりしねぇかと……」
魔法剣士「……かつてはそうだったさ」
盗賊「……」
魔法剣士「しかし、強敵と対峙する度に……実力を思い知らされた」
魔道士「……っ」
魔法剣士「一人で戦う事にも限界があるとな……」
戦士「なるほどな」
召喚士「……俺らもですよ」
- 670 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 00:05:51.29 ID:8vI3JnLwo
…
パッカパッカパッカ…
参謀「……敵の気配はありませんね」
左翼長「気味悪いくらいだな。……どう見る?」
参謀「…よほど自信があるようですね」
左翼長「……」
参謀「敵は我らを待っているのだと思います」
左翼長「…だろうな」
ドドッドドッドドッ…
斥候「前方に平原があります!」
左翼長「敵は!?」
斥候「全く見えません」
左翼長「……よぉし、そこに布陣するぞ」
22時頃、北方司令軍とワーカーのおよそ600名程度が、布陣を開始する。
この時、北方司令部を経って既に14時間余りが経過していた。
- 672 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:11:57.54 ID:8vI3JnLwo
ザッザッザ…
北方兵「各隊、布陣完了致しました!」
左翼長「ご苦労。これより軍議に入るぞ」
参謀「各隊の隊長、及びワーカーのリーダーを召集して下さい」
北方兵「はっ!」
タッタッタッタ…
北方兵「朱雀先生っ!」
召喚士「…!?」
北方兵「北方司令がお呼びです!本営までお越し下さいませ!」
召喚士「ありがとうございます。それじゃ行きましょうか」
魔法剣士「ああ」
戦士「……さぁて、今回はどうなる事か」
盗賊「……無事、終わらせるさ」
魔道士「そうですよっ!」
四人と魔法剣士は左翼長らの待つテントへと向かった。
- 673 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:12:57.60 ID:8vI3JnLwo
…
参謀「それではこれより、明朝の戦闘に関する作戦会議を行います」
盗賊「……」
参謀「今回我が軍は約600名という今までの倍を以って、魔王軍にあたります」
左翼長「これの意味するところ……分かるな?」
召喚士「……」
一同は口にこそしなかったが、その意味を重々承知していた。
それは今作戦において、魔王軍との戦いを終結を意味するものである。
参謀「魔王軍の数は推定300程度。これは今までの戦闘における、あくまで予測です」
ワーカー「今までの戦いっぷりから考えて、倍で叩けるのか?」
一人のワーカーが口を開いた。言葉の意味は言わずもがなである。
左翼長「…通常、敵を殲滅するにあたっては、三倍を要すると言われている」
参謀「しかし今回においても、目標はあくまでも一匹。大将のみです」
ワーカー「……」
参謀「今までは数に頼って、集中攻撃をしかけておりましたが……」
- 674 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:13:26.61 ID:8vI3JnLwo
左翼長「今回の人数はあくまで囮だ。それに雑魚共を抑える役を務める」
ワーカー「本丸はどうする?」
左翼長「少数精鋭で叩く」
ワーカー「出来るのか?今まで再三、苦汁をなめさせられたってのによ……」
左翼長「……そいつらがやる」
指差す左翼長の右手の先、召喚士ら四人がやや驚いた顔で周囲を見渡す。
ワーカー「……」
魔法剣士「……」
ヒゲ「アンタら……もしや……」
左翼長「そう。あの朱雀先生だ」
ヒゲ「!?」
ワーカー「…ほぉ、噂の朱雀先生ってのはアンタかい」
召喚士「……っ」
参謀「ターゲットはアンデッド。召喚士殿のコカトリスであれば……」
左翼長「ああ。アンデッドを葬った実績もある。そうだろ…?」
- 675 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:13:55.79 ID:8vI3JnLwo
召喚士「……ええ、まぁ」
ワーカー「それで、俺達は朱雀大先生の盾になれってか?」
召喚士「いえ…っ、それは無用です。お気遣いなく……」
ワーカー「……はーっはっは!俺達じゃ盾にもならんってか!」
ヒゲ「余程、自信があるようだな」
召喚士「そ、そういうつもりでは……」
戦士「召喚士、ほっておけ」
ワーカー「なぁアンタ、上位ランカーだろ?いいのかよ」
魔法剣士「……」
ワーカー「俺達は足手纏いだから不要だとよ」
魔法剣士「……ああ。そうかもな」
ワーカー「!?」
魔法剣士「俺は、彼らのサポートに回る。何か文句があるか?」
ヒゲ「……っ」
ワーカー「…ったく、上位ランカーともあろう方が…死にたくねぇってか」
- 676 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:14:23.13 ID:8vI3JnLwo
魔法剣士「お前は死にたいのか?」
ワーカー「はぁ!?」
魔法剣士「死にたければ勝手に死ね。俺は死にたくない。当たり前の事だろう?」
ワーカー「……ちっ」
左翼長「揉め事はその辺で止めにして貰おうか」
参謀「ワーカーの皆様には基本、我が軍と共に前衛を務めて頂きます」
左翼長「だが、これは強制ではない。自信のない者は後方支援にあたってくれ」
ヒゲ「……言ってくれるねぇ」
ワーカー「…そこまで言われて…引き下がれるか」
参謀「良いですか?本隊はあくまで、魔王軍の牽制が最優先です」
戦士「……」
参謀「無理して命を落とすような事、なきよう……」
ワーカー「…へいへい。俺だって死にたかねぇよ」
左翼長「それでいい。召喚士らと魔法剣士は遊撃を務めてくれ」
召喚士「……はい!」
- 677 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:15:11.14 ID:8vI3JnLwo
参謀「敵の動きがない事が気になりますが、明日6時に進軍致します」
魔道士「6時……」
参謀「まず先鋒に騎兵隊と歩兵隊。それにワーカーの皆様」
騎兵長「はっ!」
歩兵長「御意に!」
ワーカー「やってやるかぁ」
参謀「続いてカタパルト隊と弓隊。先鋒とはやや距離をとって下さい」
弓兵長「かしこまりました!」
参謀「続いて続いて司令と私が本隊を率います」
左翼長「その脇を左右からワーカーの残りと魔道兵が進む。いいな」
魔道兵長「ははっ!」
ヒゲ「左右から援護か。それも面白いかもな」
参謀「最後尾に衛生兵とワーカーのプリーストが控えて下さい」
衛生兵長「お任せ下さい!」
左翼長「以上が布陣だ。明朝、陣の北側に集合!解散!」
- 678 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:15:37.94 ID:8vI3JnLwo
…
ザッザッザッザ
戦士「具体的な作戦は特になかったな」
召喚士「うん。まぁ、敵の動きが分からないんじゃ立てようがないもんね」
魔法剣士「おそらく直前で通達があるはずだ」
召喚士「そうですね。布陣からすると、臨機応変に動ける作りになってましたもんね」
魔道士「そうなんですか…?」
召喚士「ええ。今までの経験からすると……」
ザッザッザ
左翼長「明日は頼んだぞ」
魔道士「左翼長さん」
左翼長「あともう一つ、改めて確認したい」
盗賊「…何だ?」
左翼長「本当に説得出来る可能性はあるのか?」
魔法剣士「……」
- 679 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:16:04.00 ID:8vI3JnLwo
戦士「…分からん。ぶっちゃけあってみないと何とも言えんな」
左翼長「……そうか」
戦士「とにかくだ。大将以外はなんとか押さえ込んでくれ」
左翼長「それは任せろ。奴はおそらく単体で行動するはずだ」
魔道士「そうなんですか?」
左翼長「ああ。率いた部隊を統制する様子もない。今までの感じだとな」
盗賊「……」
左翼長「殲滅でも説得でも構わん。なんとか北へ押し込む事が最優先だ」
召喚士「分かりました。やれるだけの事はやってみます」
左翼長「すまんな。本当なら司令部の兵をもっと割きたいところなんだがな…」
戦士「何かあったのか?」
左翼長「壁の建設を急がせてるんでな。人手不足だよ」
魔道士「なるほど…だからワーカーに大量依頼を……」
左翼長「あと一年以内には完成させたいからな」
戦士「五ヵ年計画か…。ご苦労さんだな」
- 680 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:16:42.33 ID:8vI3JnLwo
左翼長「まぁ今回は俺らの目算が狂っただけさ」
盗賊「…目算?」
左翼長「議会ですっかり編成と増兵があると踏んでたもんでよ」
召喚士「……」
左翼長「本部の連中は現場の事を分かってねぇのさ」
魔道士「……っ」
左翼長「ま、愚痴っててもしょうがねぇ。そんじゃまた明朝……」
戦士「うーっす」
ザッザッザッザ…
召喚士「議会の結果は…色々なところで影響してるな……」
魔道士「みたいですね……」
戦士「良かったのか悪かったのか分からんな」
魔道士「でも、あれがなければもっと……」
召喚士「ええ。もっと状況は悪化していたかもしれません」
盗賊「……」
召喚士「……さぁ、明日は頑張りましょう」
- 681 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:17:13.48 ID:8vI3JnLwo
テクテクテク
戦士「おっ、テントが増えてる…?」
北方兵「ワーカーの皆様はこちらでお休み頂けますよ」
魔道士「ありがとうございますっ」
召喚士「じゃあ荷物だけ置いておこうかな」
魔道士「召喚士さん、寝ないんですか?」
召喚士「…ええ。多分寝られそうにもありませんから……」
魔道士「寝ておいた方が…いいですよ?」
召喚士「…そうですね。眠くなったらそうさせて貰います」
魔道士「……おやすみ…なさいっ」
召喚士「はい。戦士と盗賊さんも休んで……」
盗賊「…もう少ししたら仮眠をとる。案ずるな」
戦士「俺も寝れそうにねぇわ。どうも戦いの前ってのはダメだな…」
召喚士「……ははっ、俺も。ちょっと散歩でもしてくるよ」
戦士「おーう。俺は酒でも飲んでるわ」
- 683 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:17:51.48 ID:8vI3JnLwo
テクテクテクテク…
召喚士「今のうちに魔力でも練っておこ」
テクテクテク…
召喚士「……あれ?魔法剣士さん?」
魔法剣士「…召喚士か」
召喚士「寝ないんですか?」
魔法剣士「ああ。問題ない」
召喚士「そうですか」
魔法剣士「お前こそ寝ないのか?」
召喚士「何だか寝付けそうにもなくて……」
魔法剣士「……そうか」
召喚士「…横…いいですか?」
魔法剣士「ん、ああ」
テクテク…ストッ
腰掛け剣の手入れをする魔法剣士。その横に召喚士が腰を下ろす。
- 684 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:18:39.66 ID:8vI3JnLwo
召喚士「…魔法剣士さんも…北の生まれでしたっけ?」
魔法剣士「…お前もか?」
召喚士「ええ。俺は最北の村…この北東あたりの所です」
魔法剣士「そうか」
召喚士「…と言っても、今はもう廃墟と化してますけど……」
魔法剣士「……魔物か」
召喚士「ええ。俺が物心つく前に…」
魔法剣士「家族は?」
召喚士「皆、亡くなったと聞いてます。俺以外…村は全滅だったそうです」
魔法剣士「…………」
召喚士「魔法剣士さんはどの辺りなんです?」
魔法剣士「北関の北東だ。もう形跡すらないさ」
召喚士「……魔法剣士さんも……」
魔法剣士「お前と同じさ。俺も唯一の生き残りだよ」
召喚士「……そう…でしたか」
- 685 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:20:05.64 ID:8vI3JnLwo
魔法剣士「今でも夢に出てくる。悪夢さ……」
召喚士「……っ」
魔法剣士「両親が俺を納屋に隠し、そのまま死んだ」
召喚士「……」
魔法剣士「妹は俺の名を必死に叫び…助けを求め……死んだ」
召喚士「……っ!」
魔法剣士「一生忘れる事はないさ。あの……顔を……」
召喚士「……記憶がない分、俺の方がましかもしれませんね……」
魔法剣士「…どうだろうな」
ザッ
召喚士「…?」
魔法剣士「お前はどんな魔物にやられたのか、記憶がないのだろう?」
召喚士「……ええ」
魔法剣士「俺は見た。記憶にもある」
召喚士「……」
- 686 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/30(日) 03:20:39.90 ID:8vI3JnLwo
魔法剣士「つまりこの手で、仇を討てる」
召喚士「……その為に、魔法剣士さんは…一人で旅を…?」
魔法剣士「…そうかもな」
ザッザッザ
召喚士「……あ、あの…っ」
魔法剣士「…?」
召喚士「どんな魔物だったんです…?」
魔法剣士「聞いてどうする?」
召喚士「もし、見かけたら教えますっ!無理なら…俺が倒します!」
魔法剣士「……多頭の犬…いや、狼のような…キマイラより遥かに大きい化物だ」
召喚士「……」
魔法剣士「まぁもっとも、俺の中で誇張されているだけに過ぎんのかもしれんがな」
ザッザッザッザ…
召喚士「……あ、あの…っ、おやすみなさい…っ」
魔法剣士「……明日はよろしくな」
- 688 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/30(日) 03:57:38.89 ID:BVW/2SjDO
>>1乙!
総司令、軍師の計画(暗躍?)とか魔法剣士、眼鏡の絡みとか
ジュニア達が鉱山でやってる事とか三日月島での神官の計画とか
気になる伏線がいっぱいあってwwktkしまくりだぜー
- 689 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/30(日) 07:45:06.32 ID:aEIZ0Y1jo
召喚士眠れないならザントマン出せよ
何のためにザントマン取ったんだよおい
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