■戻る■ 下へ
女社長「まぁいいや、採用っ!」
- 460 : ◆8YB9C3Jg.. []
:2009/06/21(日) 02:12:50.22 ID:9F0jC85pO
――数日後 事務所 資料室
パタンナー女(…出来た。)くてっ
パタンナー女(…でもどうやって渡す?手渡しは無理だ。絶対無理だ。)
パタンナー女(…机に置く?――いや、あの汚いデスクに置いたって遭難するだけだ。)
パタンナー女(…とりあえず、保留か。)
パタンナー女(…保守的思想。)ごそごそ
がちゃ ――ぱたん
- 461 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:15:01.99 ID:9F0jC85pO
保守ありがとございます!眠い…
まぁ、やりますねんー
- 462 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:16:09.22 ID:9F0jC85pO
――数日後 朝 事務所
しゅこーっ ぷしゅーっ
女「はい、飲み物は行き渡ったよね。」
女「んじゃ、朝礼始めるね。お早うございます。」
男「お早うございます。」
パタンナー女「…お早うございます。」
デザイナー男「お早う。」
女「いよいよ暑くなって夏も本番だね。ということは!」
男(…?)
- 464 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 02:17:45.31 ID:LXzX5thLO
あまり無理をなさらぬよう
- 465 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:22:01.79 ID:9F0jC85pO
デザイナー男「そろそろ毎年恒例の追い込みの時期、だね。恐ろしい…」
パタンナー女「…うだる暑さ。エアコンも古びたこの部屋で、深夜まで仕事。まさに時刻絵図。」
男「えっ…そんなに辛いんですか。」
女「時は満ちた!皆の衆!気持の持ち様だ!この旗の下に集い、立ち上がれ!奮起せよ!」
パタンナー女「…五月蠅い。」
- 466 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:22:46.06 ID:9F0jC85pO
女「あ、ちなみに私、制作やばいので。デスクワークは男君に丸っと投げちゃいます!てへっ。」
男「えぇぇ…。」
パタンナー女「…権力の濫用に抗議して立ち上がろう。」
デザイナー男「男君、遊べるうちに遊んどいた方がいいよ。」
男「まぁ…頑張ります。」
女「うむ、偉いなぁ男君は。皆の衆!この物を規範とし、作業に励め!」
デザイナー男「…。」
パタンナー女「…。」
男「…。」
女「あれっ?皆。『おーっ!』は?」きょとん
―。
――。
- 468 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:29:03.61 ID:9F0jC85pO
男(…。)かたかた
男(――やっぱりだ。)かたかた
男(前期も、か。)たたんっ
男(支払利息が多いのは…あ、資産に対する長期負債の割合が高いのか?)かたかた
男(…ふむ。)のびーっ
男(女さんは…分かってるんだよな?)
男(…。)
女「なーにサボってるのかなー?」ぬっ
男「うわっ!なんで人が考え事してる時に死角から現れるんですか!」びくっ
- 469 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 02:30:53.02 ID:O3Fb6Akc0
そろそろ山場かしらー
- 471 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 02:31:36.45 ID:tcjkI8CV0
× 時刻絵図
○ 地獄絵図
× この物を規範とし
○ この者を規範とし
- 472 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:32:31.62 ID:9F0jC85pO
女「ふふふ…私、実は絶が使えるんだよ。」
男「さっさと仕事して下さいよ富樫さん。」
女「集英社と契約打ち切られたって噂は本当かな?」
男「知りませんよ。それよりこれっ!」
女「ん?」
男「財務諸表ですよ、うちの。」
女「…あぁ、それ見ちゃったかぁ。」ぽりぽり
男「…てことは、分かってたんですか。」
- 473 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:37:54.90 ID:9F0jC85pO
男「真っ赤っかじゃないですか。前期も、その前も。」
女「いやぁ、面目無い。」
男「こんな利息払ってどうするんですか。この借入先の会s――あ。」
女「はは、そゆこと。」にこ
男「…いいんですか、これで。」
女「――んっと…。」
男「こんな新人が口出す問題じゃないって分かってます。でも俺もここの社員の一人です。」
女「…ところが、事態はそれに収まらないんだなぁ。」
男「…え?」
- 476 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 02:43:26.30 ID:EcwVHIfYO
この人が書く時っていつもスレの雰囲気いいよね。
- 479 :VIPがお送りします [sage] :2009/06/21(日) 02:47:36.10 ID:vip+Bq4nO
俺も今なんか無駄に小説書いてんだが全然進まんのな
こんなほいほい面白くかける>>1はすげぇよ
- 480 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:49:03.09 ID:9F0jC85pO
女「もうしょうがないよね、デザイナー男君。」
デザイナー男「…ああ。」
女「じゃ、話します。パタンナー女ちゃんも来て。」
パタンナー女「…。」
女「――えぇ、と。」
デザイナー男「…俺が話すか?」
女「いや、社長は私だから。責任持って話させて。」
男「…。」
- 483 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 02:54:15.97 ID:9F0jC85pO
女「男君が見つけた通り、うちのここ数年の当期純利益は赤字が続いています。主な理由は2つ。商品の価格設定の低さと上への借入金による支払い利息の支払い。」
パタンナー女「…。」
女「一つ目の価格は、出来れば上げたくないんだ。それでも最近少し上げたんだけどね。やっぱり多くの人に着て貰ってこその洋服だし。」
男「でもそれはっ、」
デザイナー男「…まぁまずは話を聞いてやってくれ。」
男「――っ。」
- 489 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:00:29.58 ID:9F0jC85pO
女「2つめ、上への借入金とそれに対する支払利息。これは私がデザイナー男君と事務所を立ち上げた時から少しずつ、増えています。これがうちの癌って訳。」
パタンナー女「…癌なら手術で取り除けばいい。」
女「今思えば、殆ど無一文で事務所を作ったのも悪かったんだね。実績も無いから融資先も見つからないで、手を差し伸べられたと思って上のグループに入った。」
女「借入金で初期設備投資をして。何年かやったらもう身動き取れなくなってたよ。
実績を積んでも、もうこんな財務状態の会社に融資してくれる銀行なんて見つからない。だから癌は切除出来ない。」
男「…っ。」
- 491 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:05:53.76 ID:9F0jC85pO
女「何とかしなきゃって、思いながらズルズルとここまでやってきた。でもさ、そしたら…」じわっ
デザイナー男「…。」
女「上の方からね、切るってさ。さすがに途方に暮れたよ。」ぽろっ
男「なんでっ、上にしてみたらうちはっ…」
デザイナー男「…もう利用価値は無いと、判断したんだろう。」
男「そんな…っ。」
- 494 :VIPがお送りします [sage] :2009/06/21(日) 03:11:51.04 ID:ENOh3Co00
(´;ω;`)ウッ…
- 495 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:14:18.66 ID:ZddKbNWmO
なんぞ良い手段は無いものか、とつい本気で感情移入してしまう>>1の文章力は素晴らしいね。
- 498 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:18:02.41 ID:9F0jC85pO
女「掌返されちゃってねぇ。上はうちの株式を処分して、連結グループから外して。それから今まで目を瞑ってた期限切れの短期貸付金の支払い請求するみたい。」
パタンナー女「…上のそれは法には触れない?」
デザイナー男「…弁護士にも公認会計士にも相談してみたが、揃って首を横に振ったよ。」
パタンナー女「…でも。そんなことっ。」
女「短期貸付金を払って、素寒貧にして倒産。残った固定資産で残りの貸付金も可能な限り回収、が筋書きだと思う。いやぁ、参ったよね、ははっ…」ぽろぽろ
男「…デザイナー男さんがジャズバーで俺に『転職先を探しておけ』って言ったのも、これなんですね。」
デザイナー男「…ああ。」
男「――なんとか、ならないんですか。」
デザイナー男「…無理、だな。」
男「…っ。」
- 499 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:18:55.23 ID:QGOjYu9F0
女は経営者としての能力は低そうだな
感情で動きすぎてるような気がする
- 500 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:21:05.90 ID:UPHZny8zO
>>499 感情というより理想論って感じだな余裕無いのに薄利で高品質とか
- 501 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:24:52.72 ID:9F0jC85pO
女「だからさっ、もう最後のコレクションを精一杯やって…っ」
女「それでっ、それで成功させるしかやることがないんだよっ!ね?そうでしょ?」ぽろっ
デザイナー男「…そうだな。その通りだ。」
パタンナー女「…。」こくり
男(…。)
女「折角っ、こんないいチームで仕事が出来てるんだもん。最後まで楽しくやろうよっ、ねっ?」ぼろぼろっ
男「――はい。」
女「うむ、偉い…ぞっ。」にぱっ
―。
――。
- 505 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:29:00.45 ID:9F0jC85pO
いやぁ…山場なのに書き貯めなくて、山場だから書き貯め休憩も出来なくて、投下遅くなってしまいました。ごめんなさいっ!
しかも六法とか会社法見ないで適当にでっち上げた論理なので、上の対応は実は違法かもしれませんww
誤字脱字多くてすんません。
なんか謝ってばっかだなww やっと一区切りしたので、コーヒー淹れてきまふ。
- 506 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:31:01.54 ID:B4v+EMU50
読んでいる身は誤りを指摘はするが、責めはしない
でもそろそろ眠いから朝まで保守しておいてくれ
- 507 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:31:30.36 ID:UPHZny8zO
そんな細かい法律知らんから気にしないw
- 509 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:33:15.11 ID:dqI197x0O
1があるって言うならきっとあるよ!
俺ブラックよろしく
- 510 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:33:47.58 ID:igNmbWXzO
職業柄他人事とは思えないorz
- 511 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:34:41.74 ID:9F0jC85pO
一番大きい伏線をようやく回収出来たので、少し安心しますた。
疲れたww
書き貯め尽きてからの文がカオス過ぎるwww
- 512 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:36:16.13 ID:QGOjYu9F0
伏線なんてどっかにあったか?
- 513 :VIPがお送りします [] :2009/06/21(日) 03:36:57.96 ID:YcxTE5WQO
そんな弱者が虐げられる法などあってたまるかと言いたいが
実際国や巨大な企業を相手にすると小さな会社や個人では
たとえ非がなくとも無力に等しい現実っていうね
- 514 :VIPがお送りします [sage] :2009/06/21(日) 03:37:03.86 ID:D/m4gCyx0
>>512
読み直してきなさい
- 516 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 03:43:14.30 ID:9F0jC85pO
さて。休憩したので4時まで書き貯めて、放出して寝ようと思います。
こんな深夜まで見てくれて、本当にありがとうございます。
お礼にパタンナー女の立体裁断くすぐり攻撃をっ!
ではノシ
- 517 :VIPがお送りします [sage] :2009/06/21(日) 03:47:16.73 ID:UbBd84Sr0
追いついた!
いやぁ見つけれて良かった
この人描写はもちろん伏線が毎回うまいよな
普段どんなもん読んでるか気になる
- 520 : ◆8YB9C3Jg.. [] :2009/06/21(日) 04:01:36.94 ID:9F0jC85pO
さて、お約束の4時ですねっ。
さすがに人少ないみたいですが、今見てくれてる人に感謝をしつつ放流しまふ。
やりますー!
次へ 戻る 上へ