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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
- 1 名前:NIPPERがお送りします [sage]
投稿日:2011/04/19(火) 21:38:48.31 ID:nf/qpdGao
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
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――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。
――かもしれない…。
〜前回までのあらすじ〜
朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
世界同盟。歴史的瞬間の立会人となった4人。そしてその先にあるものとは……。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
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◆前スレ(その27)
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- 6 名前: ◆1otsuV0WFc [] 投稿日:2011/04/19(火) 23:41:03.45 ID:nf/qpdGao
〜国軍本部〜
天才「遅せーぞ」
召喚士「すみません」
天才「まぁいい。さーてそんじゃあ……行きますかねぇ」
魔道士「どちらにです……?」
天才「決まってんだろーが。王宮だよ」
盗賊「!?」
召喚士「それじゃあまさか……」
天才「見てみたいだろ?歴史が変わる瞬間をよ!」
戦士「マジかよ……っ」
召喚士「俺らが行っても、いいんですか?」
天才「幸いな事に、全員の顔を知ってるのはお前らだけだ」
魔道士「……た、確かに」
天才「そういうわけで、頼めるな?」
召喚士「……はい」
- 7 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:41:50.57 ID:nf/qpdGao
日が長いと言えど、19時頃を回ると辺りも闇に包まれ、
本国の街並みはぼんやりと明かりを灯し始め、また昼とは違った顔を見せる。
ザワザワザワッ
王宮前に集う人だかりは、今起きている事態の大きさを物語っていた。
老人「ワシは見たぞ。東方の姫様は、そりゃあもう可愛らしい、人形のような……」
男「南東国の軍人は凛々しい、堂々とした御仁だったなぁ」
記者「……おぉっ!?」
パッカパッカパッカ
魔道士「先程にも増して、凄い人だかりですね……」
天才「ったく、どこから嗅ぎつけてくるんだか……」
戦士「そんだけ、注目されてるって事だろうよ」
盗賊「……だな」
大軍師「さぁ、王宮に到着致しましたぞ」
天才「その注目の結果、どうなるかねぇ。ハーッハッハッハ!」
召喚士「……」
- 8 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:42:18.90 ID:nf/qpdGao
〜皇太子の部屋〜
コンコン
エリート「国軍総司令、及び朱雀先生らが到着致しました」
皇太子「よし、行こうか」
エリート「……いよいよですね」
皇太子「いよいよだな」
右秘書官「それでは、行ってらっしゃいませ」
右文官「朗報、お待ちしておりますぞ!」
皇太子「ああ、行ってくる」
バサッ…カツカツカツカツ
皇太子「……おや」
右大臣「……」
皇太子「案ずるな。万事、何も問題はない」
右大臣「エリート、陛下を宜しくな」
エリート「ええ。ご安心下さい……父上」
- 9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:43:02.91 ID:nf/qpdGao
…
カツカツカツ…カチャッ
召喚士「……おぉっ!!」
スクッ…ザッザッザ
名代「召喚士殿っ、ご無沙汰しております」
魔道士「名代さん〜っ!」
戦士「元気そうで何よりだ」
盗賊「……上様」
帝「うむ。皆も元気そうで何より」
テクテクテクテク
三男「失礼します」
白馬騎士「……おぉ、これはこれは」
召喚士「三男さんに白馬騎士さん!」
剣士「召喚士くん、やはり君も来ていたか!」
召喚士「剣士さんっ!!」
- 10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:43:43.60 ID:nf/qpdGao
魔道士「うわぁ、なんだかドキドキしてきました〜っ」
白馬騎士「こちらは……?」
名代「始めまして、当方の名代と申しまする」
白馬騎士「これはどうも。私は南東国の白馬騎士、そしてこちらが……」
三男「南東国の国主、三男と申しまする」
帝「東方の主である、帝と申す。お見知りおきを」
戦士「あとは……」
ガチャッ…テクテクテク
神官「……おぉ、これは既にお揃いでしたか」
魔道士「神官さん〜っ!」
名代「こちらは西国の……?」
神官「政務を担っております、神官と申しまする」
白馬騎士「これはこれは、して……西国の国王は……」
召喚士「そういえば王子は……」
ザッザッザッザッザ
- 11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:44:35.96 ID:nf/qpdGao
盗賊「……?」
戦士「……えーと、この颯爽たる御仁はどなたかな?」
王子「いやだなぁ戦士さん、僕ですよ」
魔道士「えっ!?」
王子「魔道士さんも盗賊さんも、どうしたんです?はははっ」
召喚士「もしかして……王子……!?」
王子「いやだなぁ召喚士さん。当たり前じゃないですかっ!」
戦士「うおぉ!?でかくなったなぁ!!」
盗賊「……あの……王子が!?」
王子「そんなに変わりました?まぁ、あれから4年以上ですもんね」
魔道士「……っ」
王子「あの節は、本当にご無礼の数々……失礼致しました」
召喚士「い、いえ……っ。こちらこそ……」
王子「改めて、西国の国王となりました王子です。何卒宜しく!」
召喚士「…………」
- 12 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:46:14.60 ID:nf/qpdGao
カツカツカツ
天才「はいはい、雑談はそこまで。主役の登場ですよー」
大軍師「それではご着席下さいませ」
スッ…ガタガタッ
魔道士「……」
召喚士「……」
カツカツカツカツ…ザッ
皇太子「本日は、よくぞお集まり頂いた。本国国王、皇太子である」
ザッ…ザザッ
皇太子「どうぞ、座って頂きたい。今日は畏まらず、親睦を深めようではないか」
エリート「それではまず、各々ご紹介から進めさせて頂きたいと思います」
大軍師「まずは先に、私は国軍本部参謀、大軍師と申します。そして……」
天才「国軍総司令、天才だ。我らは立会いとして見届けさせて頂く」
エリート「それでは順番に、自己紹介して頂けますでしょうか」
皇太子「……うむ」
- 13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:46:47.98 ID:nf/qpdGao
ドンッ!!
名代「……」
ドンッ!!
白馬騎士「……」
ドンッ!!
神官「……」
ドドンッ!!
エリート「……」
盗賊「……何だか……凄い空気だな」
魔道士「ええ……」
戦士「揃いも揃って、似たような側近だな」
召喚士「何でも、4人同い年だそうですよ」
盗賊「……怖いな」
魔道士「怖いです」
戦士「ああ、怖い」
- 14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:50:18.93 ID:nf/qpdGao
大軍師「えぇと、ではまず本国から紹介されては……?」
皇太子「それが良かろう。改めて、本国国王となった、皇太子である」
エリート「本国右大臣、エリートと申します。宜しくお願い致します」
大軍師「それではお次は……此方から順番に」
スクッ
白馬騎士「南東国丞相、白馬騎士と申します」
三男「南東国王、三男です。宜しく」
スッ
神官「西方は西国、丞相の神官で御座います。宜しくどうぞ」
王子「同じく西国、国王である王子。宜しくお願い致します!」
ザッ
帝「東方の帝と申します。若輩者ですが、何卒宜しくご鞭撻の程」
ペコリ
名代「補佐を務めております名代です。此度はお招き、誠に恐悦至極」
天才「……ほれ、あとはお前らだ」
- 15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/19(火) 23:53:33.14 ID:nf/qpdGao
魔道士「へっ!?」
天才「へっ、じゃねーよ。一応挨拶するのが筋ってモンだろ」
召喚士「……っ」
スクッ
召喚士「本国ワーカー、召喚士です」
天才「朱雀先生……だろ?」
召喚士「本国ワーカーで朱雀先生の……召喚士です」
戦士「同じく、戦士」
魔道士「えっと、同じく魔道士ですっ」
盗賊「……盗賊です。宜しく」
剣士「剣士です。彼らとはまた別のワーカーを営んでおります」
大軍師「さて、これで挨拶は以上ですね」
天才「さて、それでは本題へ入って下され。皆々様方」
エリート「……宜しいですね?」
皇太子「ああ、始めようか」
- 16 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 00:20:01.23 ID:b0Z9WWwco
28スレ目になりました。此度も宜しくお願いします!
ご支援ありがとうでした!それではおやすみなさい!ノシ
〜オマケ。旅立ちの朝〜
帝「……」
チュンチュン…バサッ
店主「おやお嬢ちゃん、おつかいかね?」
帝「うむ。えぇと、この和菓子とこの和菓子と……あと、これも」
店主「はいはいどうも。幾つにする?」
帝「そうだな……。えぇと、10個ずつにしておこうかな」
店主「はいはい。沢山買ってくれてありがとうね。お客さんでも来るのかい?」
帝「ちょっと出掛けるので、手土産に」
店主「そうかいそうかい。あおいつはありがとうさん。はい、じゃあこれおまけしておくよ」
帝「おぉ、これは有難い。では失礼」
テクテクテクテク
店主「……がて、どこのお嬢ちゃんだったかのお?」
帝「ふふっ、美味しそうだ。皆も喜んでくれるであろうか」
- 17 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/20(水) 00:23:43.79 ID:lTLZW9dDO
>>1乙
王子良かったなぁ
これほど会えないとは出た当初思わなかっただろうにw
- 23 名前:NIPPERがお送りします(神奈川県) [sage] 投稿日:2011/04/20(水) 06:07:41.99 ID:yQLtJkk8o
各国のNo1、2と顔見知り以上の関係って召喚士PTすごすぎる
- 30 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:22:25.41 ID:k+pOBND8o
…
エリート「ではまず、私から現在においける状況のご説明を申し上げます」
白馬騎士「お願い致します」
エリート「ご存知の通り、我ら本国は魔王討伐の為の長期的作戦を展開中です」
皇太子「……」
エリート「しかし、自国のみの活動では困難な状況もあり、各国のご協力を仰いで参りました」
名代「成程」
エリート「具体的に言えば、まず最初に西国」
神官「ええ。我ら西国は本国との交易、及び軍事同盟を締結しております」
エリート「そして次に東方。こちらも内容は同じものです」
名代「東方側の内乱にて、やや遅れてしまいご迷惑をお掛け致しました」
皇太子「いやいや、両国が万全の態勢で盟を結ぶ事こそに意味がある」
エリート「そういった意味では、こちらもご迷惑をお掛け致しました」
帝「こちらは問題ない。気になさるな」
エリート「では話を戻します。最後に南東国ですが……」
- 31 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:22:58.77 ID:k+pOBND8o
白馬騎士「我らは完全同盟を締結しております」
王子「完全?それは何か特別なのですか?」
エリート「内容はさほど変わりませんが、より信頼の高いものですね」
白馬騎士「軍事、交易のみならず、観光目的の入国でも、武装許可をしております」
神官「何と……っ」
エリート「更には境界線の撤廃。互いの認知保有地は町や拠点のみとなります」
名代「つまり、土地は互いの物と……?」
皇太子「そういう事になるな」
エリート「狩猟や開墾、軍事演習など、互いに制限は設けておりません」
帝「成程……」
戦士「極端な話、南東国が最北まで行って、畑作ってもいいってか?」
白馬騎士「現実的には有り得ないだろうけど、そういう事も可能ではあるね」
王子「へぇ」
エリート「このように、現在の動きはあくまで本国が主体となっております」
皇太子「そう。しかしそれでは対等とは余りにも言い難い」
- 32 名前:つけ忘れてた… ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:23:34.79 ID:k+pOBND8o
エリート「そこで我らが考えるは、諸国同士での結びつきを強く持って頂きたく」
神官「……成程」
戦士「どういう意味だ?……ボソボソ」
召喚士「つまり……西国と東方、東方と南東国、南東国と西国で同盟してくれって事」
戦士「あぁ、そういう事か」
エリート「さすれば、4国間において、対等の同盟関係が保たれると言えます」
皇太子「今日はこれについて、各国間での話をして貰いたいと思っている」
大軍師「……」
名代「上様」
帝「うむ。東方は異議なしじゃ。本国の意見に賛成するぞ」
王子「西国は――」
神官「反対ですね」
王子「えっ!?」
エリート「……どういう事でしょうか」
神官「同盟という形は、少し重すぎるのではないかと考えます」
- 33 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:24:13.31 ID:k+pOBND8o
エリート「……どういう意味でしょうか?」
神官「軍事協力、貿易の活性化については、大いに同調するところでもあります」
皇太子「……」
神官「しかしながら、それが同盟という形になると、やや重いのでは……と」
名代「我らとは同盟するに値しないと?」
神官「いえいえ、そうではありません。時期尚早だと思うのです」
エリート「しかし同盟を締結してこそ、互いの信頼を得られるのでは?」
神官「……かつて我々は、西方同盟を結んでおりました」
帝「西方同盟?」
神官「西方は、西国以外にも多くの国々がございました」
王子「そう。その諸侯が連合を組んでいたのです」
神官「しかし実態は、一部の国を盾にした保守的なものでしかありませんでした」
皇太子「一部の国と言うのは、もしや……」
神官「西国です。その起因は北に位置する西高原国の乱」
白馬騎士「……!?」
- 34 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:24:40.21 ID:k+pOBND8o
神官「既にご存知と思いますが、西高原国は魔王軍へ内応致しました」
三男「何と……」
神官「その際、隣接する西国と西海岸国が防衛に当たらされた形となりました」
天才「こいつらが救った、例の事件ですな」
召喚士「……はい」
神官「その時も、南の諸侯は西国を防衛拠点とし、戦う方針を固めたのです」
戦士「それは問題なのか?定石っちゃ定石な気もするが……」
大軍師「最後の手段としては致し方ないかもしれませんが、それは愚策ですね」
剣士「ええ。まるで西国の事を考えてない……っ」
神官「その通りです。そして、西国の様々な拠点は瓦礫と化しました」
魔道士「……っ」
神官「要地も奪われ、魔王軍の侵攻は止まることを知りませんでしたよ」
召喚士(そうか……。あのピラミッドにはそんな背景が……)
天才「なるほどな。だから、同盟を組むにはちょいと抵抗があると……」
神官「何度も言いますが同盟に反対というわけではありません」
- 35 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:25:22.89 ID:k+pOBND8o
天才「でもよ、それって俺達を信じてないって事かね?」
神官「そうでは……ありませんが」
天才「……南東国はどうだい?」
白馬騎士「……三男様」
三男「外務の事は白馬に任せる」
白馬騎士「私の意見と致しましては……やはり反対ですね」
エリート「!?」
白馬騎士「しかし、それは西国のご意見とはやや違いますが」
神官「どういう事でしょう?」
白馬騎士「現時点での関係で良いのでは、という事です」
天才「ほぉ……」
白馬騎士「あくまで盟主は本国。そして世界の中心であり、最も大きな力を持っています」
皇太子「……」
白馬騎士「我ら3国は本国主導の下に、動けば良いのでは?」
神官「それでは、対等な立場とは言い難い状況になりますよ」
- 36 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/20(水) 18:26:08.56 ID:k+pOBND8o
白馬騎士「しかし、実際において本国の力がずば抜けています」
三男「……」
白馬騎士「更に当作戦自体も本国主導で動いております」
名代「確かに、そうではあるな」
白馬騎士「であれば、本国に紐付いてさえいれば何ら問題はないかと」
エリート「……っ」
皇太子「成程。皆の意見、よく分かった。ひとまず――」
天才「ハーハッハッハッハ!!」
神官「……?」
天才「駄目だ駄目だっ、何にも分かっちゃいないぜおたくら!」
白馬騎士「どういう事でしょうか」
天才「この同盟を、大局的に見すぎなんだよ」
王子「……?」
天才「そんなお堅く考える必要なんざない」
エリート「総司令、口を慎み給え」
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