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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
552 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:41:06.15 ID:ktKG5/ko
〜本国、王宮〜

皇太子「……馬鹿なっ!」

バンッ!!

青年兵「……」

皇太子「高官が…逮捕しただと!?」

エリート「……そのようです」

青年兵「一体なぜ…!?殿下は令状を出されては…」

エリート「…奴だよ」

青年兵「ま…さか…!」

エリート「陛下の代行として令状を発行出来るのは…」

皇太子「私と……左大臣だ」

青年兵「しかし、殿下を差し置いて令状の発行など…」

エリート「殿下は今朝より、海軍との軍議の為……本国を離れておられた」

皇太子「おそらく、私が不在の際に発行したのだろう」

青年兵「…なんという」


553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:42:00.08 ID:ktKG5/ko
エリート「タイミングが良すぎる…。それも左大臣の狙いかもしれません」

青年兵「……そんな」

皇太子「…しかしこれは困った事になった」

エリート「ええ。よりによって…高官殿ですからね…」

青年兵「どうなさるのです!?戦士さんは無実ですよ…!?」

皇太子「分かっている…!」

エリート「ましてやこのままでは…左の連中を図に乗らせる要因にもなりかねない…」

青年兵「でも…これって裏を返せば…」

エリート「…?」

青年兵「逆手に取れば…左翼の連中を黙らせる要因にも出来ませんか…?」

皇太子「…確かに」

青年兵ト「あちらの顔を潰して事を収めれば…」

エリート「左の奴らも今後は下手に動けなくなる…か」

皇太子「手立ては?」

エリート「そうなるとまずは協力者…」


555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:44:22.60 ID:ktKG5/ko
青年兵「……召喚士さん…ですね?」

エリート「…そういう事だ」

青年兵「…探して参ります!」

タッ

右文官「し、失礼致します!」

青年兵「!?」

皇太子「どうした?急ぎか…?」

右文官「殿下にお目通り願いたいと、お客人が…」

エリート「殿下は忙しい。明日改めてお取り次ぎを…」

右文官「そ、それが…そのぉ……」

テクテクテクテク…

召喚士「失礼します」

青年兵「召喚士さん!?」

エリート「…ま、魔道士さん」

魔道士「こ…こんばんは」


556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:45:59.78 ID:ktKG5/ko
召喚士「殿下、お聞きしたい事があって…参りました」

皇太子「…丁度良かった。こちらも君達に用があったのだ」

盗賊「…?」

召喚士「戦士の件ですか?」

皇太子「…ああ、そうだ」

召喚士「……何故、戦士を…」

エリート「召喚士くん。勘違いされては困る」

魔道士「…?」

エリート「彼を逮捕したのは我々ではない」

召喚士「じゃあ、一体誰が…」

青年兵「左大臣様です」

盗賊「……左大臣」

エリート「殿下と敵対する一派さ。通称左翼と呼ばれている…ね」

召喚士「!?」

皇太子「……すまない。だがそれも全ては私が不甲斐ない故だ」


557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:51:19.62 ID:ktKG5/ko
皇太子は召喚士に対し、深く頭を下げる。

召喚士「で、殿下…っ!?」

皇太子「許して欲しい。そして…力を貸してくれ」

召喚士「あ、頭を上げて下さい!事情は分かりましたから…っ!」

エリート「…殿下。もう宜しいでしょう?彼もこう言っておられます」

皇太子「……」

召喚士「そ、それで一体…何をすれば……」

エリート「まずは詳細を聞かせて貰えないだろうか…?」

召喚士「そ、そうですね…」

青年兵「応接室の準備を整えて参ります」

カツカツカツカツ…

エリート「…彼、目つきが変わってきただろう?」

召喚士「…え、ええ」

エリート「殿下の元で日々、政治について学んでいる。ゆくゆくは優秀な指揮官になるだろうさ」

召喚士「…頑張ってるんですね。青年兵くんも」


558 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/11(月) 23:53:34.37 ID:vN9/awco
>>553

> 青年兵ト「あちらの顔を潰して事を収めれば…」

どっちなんだ


559 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/11(月) 23:55:51.41 ID:ktKG5/ko
〜応接室〜

皇太子「…成程。事情はよく分かった」

青年兵「ドッペルゲンガー…ですか…」

魔道士「ご存じですか?」

エリート「いえ…申し訳ありません」

皇太子「…して、本国での犯罪については全てその偽物が行ったと…?」

召喚士「…はい。間違いまりません」

盗賊「…私達が本国へ到着したのは…ほぼ日没だ」

エリート「証拠は出せますか?」

召喚士「…朝まで北方司令部におりました。裏を取れば分かるかと…」

皇太子「陸路なら計算は合うな…」

青年兵「海路ではもう少し時間を縮める事も出来ますね…」

皇太子「そこを埋める必要があるな」

エリート「乗船名簿を入手すれば照明出来るでしょう」

皇太子「…成程な。これでアリバイは成立出来るか…」


560 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:01:27.35 ID:09omkN6o
青年兵「問題は本物と証明する必要がある事ですね…」

エリート「…まぁ、それは偽物を捕まえるしかないな」

皇太子「そこで頼みたいのが君達だ」

召喚士「…はい」

皇太子「逮捕されたからと、明日に判決が出るものでもない」

盗賊「……」

皇太子「こちらで何とか時間稼ぎをする。その間に偽物を捕まえてくれ」

召喚士「……時間は如何ほど?」

皇太子「長くて……三日」

召喚士「…やってみます」

エリート「そして最大の問題」

盗賊「…?」

エリート「戦士君の高官に対する罪をどうするか…だ」

魔道士「あ…っ」

エリート「せっかく国軍付にしてかわしたと言うのに…ここにきて明るみにでるとはな…」


561 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:05:54.46 ID:09omkN6o
皇太子「内密に処理した事が裏目に出たな…」

エリート「ええ。せめて各司令部にも伝えておくべきでした」

青年兵「手配書のお陰で素性がバレてしまったわけですもんね…」

皇太子「何か方法はあるか?」

エリート「策は…三つ」

皇太子「述べよ」

エリート「一つはその罪のみに収め、戦士君を有罪に致します」

盗賊「!?」

エリート「極めて軽いとは言えませんが、事件の一部始終を考えれば情状酌量の余地はあるかと…」

皇太子「人道に反したものではないからな」

召喚士「ちなみに判決としては…?」

エリート「軽くて執行猶予3年程度。重いと懲役1年と言ったところか…」

魔道士「1年ですか…!?」

召喚士「…長すぎます!他の手は…!?」

皇太子「…述べよ」


562 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:09:34.73 ID:09omkN6o
エリート「二つ目は偽物に罪を着せる事です」

青年兵「…そうか!あの事件も偽物の仕業という事に…!」

エリート「しかしこれにはかなり細工が必要かと…」

皇太子「…だな。今回の件とあの事件の関連性も低い…」

エリート「日も空き過ぎている為、困難な状況は予想されますね」

皇太子「して、最後は?」

エリート「……高官殿をこちらに引き込みます」

魔道士「…出来るんですか?」

皇太子「…無理だな。そのような事が可能ならば、とうの昔に出来ている」

エリート「その通りです。現実的には最も不可能に近いでしょう」

青年兵「それが出来れば…一番楽なんですけどね…」

召喚士「……」

皇太子「…とにかく、他の方法も考えてくれ」

エリート「…無論です」

盗賊「…お願い…します」


563 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:12:19.20 ID:09omkN6o
皇太子「…朱雀先生」

召喚士「はい」

皇太子「聞いての通りだ。最悪の場合は想定しておいてくれ」

召喚士「……」

エリート「とにかく偽物さえ捕らえられれば、事態は進展します」

皇太子「…頼んだぞ」

召喚士「……はい」

皇太子「…よし。それでは各々宜しく頼む!」

青年兵「はっ!」

エリート「今日のところはこれにて…」

魔道士「はい…。ありがとうございました」

エリート「…殿下、参りましょう」

皇太子「…ああ。それでは」

カツカツカツカツ

召喚士「……」


564 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:14:58.49 ID:09omkN6o
青年兵「召喚士さん…」

召喚士「青年兵くん…。久し振りだね」

青年兵「今回は…大変な事になりましたね…」

召喚士「……うん。まさかこんな事になるなんてね…」

青年兵「…その、ドッペルゲンガーって強いんですか?」

召喚士「…分からない。どんな魔物なのかも…」

魔道士「それも調べなくちゃいけないんですよね…」

盗賊「…ああ」

召喚士「明日の朝一で本部を訪ねましょう」

青年兵「本部…ですか?」

召喚士「うん。資料室に行けば、何か分かるかなって…」

青年兵「……あ…っ!」

召喚士「……?」

青年兵「…分かるかも…しれませんよ!?」

召喚士「……?」


565 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:19:23.81 ID:09omkN6o
魔道士「何が…ですか?」

青年兵「ドッペルゲンガ−についてです!」

召喚士「えっと…それは…?」

青年兵「先日、西方司令部を訪れたじゃないですか!」

召喚士「…あぁ、そういえば」

青年兵「あの時…殿下とエリート様が研究機関から写しを持ち帰っているんです!!」

盗賊「…写し?」

召喚士「それって……」

青年兵「魔物図鑑です!古代から伝わる魔物を記した図鑑ですよ!」

魔道士「!?」

召喚士「そ、そんな物が…っ!?」

青年兵「あれになら記載されてるかもしれない…っ!」

召喚士「それはどこに…!?」

青年兵「…付いてきて下さい!」

笑顔を浮かべながら会議室を飛び出す青年兵の後を、状況が理解出来ぬまま三人が追った。


567 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 00:37:51.10 ID:09omkN6o
〜久々のオマケ、昨日本国での事〜

戦士「ふふんふ〜ん」

サワサワッ

女「きゃっ!」

戦士「おっと悪い!はははっ!」

女「も、もうっ…ま、まぁ許すけど…責任とってよねっ!///」

戦士「〜♪」

モモモミッ

女ワーカー「ひゃあぁ!!」

戦士「へへっ!」

女ワーカー「てめぇ何しや……イイ男///」

警備兵「…いたぞーっ!」

戦士「やっべ…!逃げろっ!!」

警備隊長「…何だか知らんが殺意を抱く…!何としても捕えろっ、死刑だ死刑ー!!」

警備兵「羨ま…許せん奴だ!うおおぉぉ!!」


568 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/12(火) 01:04:48.32 ID:q6VdoWMo
やっべwwww
真剣にイケメン戦士ぶっ殺したなってきたうあくぇrftgyふじこlp;@:「


574 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/12(火) 16:10:08.17 ID:4iDyHgDO
リア充が多くて泣いた


576 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:40:32.27 ID:jRum4oco
〜バーテンの店〜

バーテン「……」

カチャッ…チリチリン

バーテン「いらっしゃ……!?」

パタンッ…テクテク…ドカッ

バーテン「…こりゃ珍しい客だな」

戦士父「…水くれ」

バーテン「…おい、これ見たか?」

バーテンは手元の手配書を戦士父へ見せる。

戦士父「見たよ。だから来た」

バーテン「…そうか。だが残念だな、ここにはいねぇよ」

戦士父「…ちっ。やっと見せの在り処探し出したってのによ」

ガタッ…テクテクテク

バーテン「…もう行くのか?」

戦士「いないなら用はない。……またな」


577 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:44:12.45 ID:jRum4oco
〜エリートの部屋〜

コンコン

エリート「…どうぞ」

カチャッ

青年兵「エリート様っ!」

エリート「どうした…?そのように慌てて…」

青年兵「書庫の鍵持ち出しと入室の許可を!」

エリート「何かあったのか?」

召喚士「ドッペルゲンガーの事について調べたいんです」

エリート「…ああ、そうか。魔物図鑑の複製か」

青年兵「あれになら記載があるかもしれません」

エリート「…分かった。ならば私も行こう」

魔道士「ありがとうございます」

エリート「あ、いえ…っ」

青年兵「それでは書庫へ向かいましょう!」


578 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:45:58.21 ID:jRum4oco
〜書庫〜

カツカツカツ…

エリート「ご苦労様」

衛兵「はっ!」

エリート「一番奥だ。そこに座って待っていてくれ」

召喚士「…はい」

エリートは書庫の奥へと進み、金庫のダイヤルを回す。

カチカチカチ…カチャンッ

エリート「……」

魔道士「厳重…ですね…」

青年兵「ま、まぁ…色々とワケ有りでして…」

盗賊「…?」

エリート「原本は研究機関所有の持ち出し禁止品でね」

ドサッ

エリート「しかも保有権は国軍。我々は無理をいって複製させて貰ったわけさ」


579 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:47:15.25 ID:jRum4oco
召喚士「…なるほど」

エリート「事が公になれば我等だけでなく、研究機関の博士も罪に問われてしまう…」

盗賊「……」

エリート「こちらが無理を言って頼んだものだ。迷惑はかけられんさ」

青年兵「……えぇと」

パラッ…ドサッ…パラパラッ

青年兵「ドッペル…ドッペル……」

エリート「名称不明の項目からも特性で探してみよう」

魔道士「はいっ」

盗賊「…綴りって…D?」

エリート「…んっ!?これではないか…?」

召喚士「!?」

青年兵「……間違いなさそうですね!」

魔道士「何と書かれてるんですか…!?」

エリート「えぇと…この魔物は全くの謎に包まれている」


580 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:48:10.69 ID:jRum4oco
魔道士「そ、そんな…いきなりですかぁ…」

エリート「…陰湿な場所や洞窟を好み、生きた人間の姿形をそっくり模す」

召喚士「間違いなさそうですね」

盗賊「…ああ」

エリート「その正体は……」

魔道士「…っ」

エリート「見た者がおらず…謎である」

青年兵「…どんな魔物なのかは分からない、か」

エリート「一度姿を変えると、他者を模す事は出来ないようである」

召喚士「……」

エリート「姿を変える直前の記憶と容姿を模す為、その後は独自の生活を営む」

魔道士「えぇと…つまり…」

召喚士「コピーした瞬間から、全く別の戦士が誕生するって事ですね」

エリート「本体の性質故か、理性や自律が欠損するようである」

青年兵「…厄介だな」


581 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:48:51.00 ID:jRum4oco
魔道士「つ、つまりどういう事です?」

召喚士「ただ欲望の為に生きるという事ですかね…」

エリート「その為、本人の見知らぬ所で犯罪行為を繰り返し、迷惑極まりない」

盗賊「……」

エリート「模された者にとっては寿命の縮むような思いだろう…」

魔道士「…な、なるほど」

盗賊「……」

エリート「…ん?…危険度は低ランクだな」

青年兵「そうなのですか…?」

召喚士「厄介ではあるが、さしたる危機にはならない…と?」

青年兵「見かけのみで実力は大した事ないとか…?」

召喚士「…いや、それは考えにくいかな」

盗賊「…ああ。動きは戦士そのものであった」

エリート「模する者によって強弱が変わるからであろうか…」

召喚士「そう考えると…ゾッとしますね」


582 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:50:42.79 ID:jRum4oco
盗賊「……?」

召喚士「もしあれが…天才さんだったりしたら…」

モワモワモワ〜ン

偽天才「ハーッハッハッハ!全員ミナゴロシDAAAA!!」

盗賊「くぅ…っ!!」

召喚士「どうやって倒せば…」

魔道士「無理いぃーっ!」

モワモワモワ〜ン

魔道士「う、うわぁ……」

エリート「…?」

青年兵「しかしそれだけで危険度を下げるでしょうか…」

召喚士「そうなんだよね。犯罪はするってしかり書いてあるのに…」

エリート「…すると、いや…しかしそれ以外には…」

召喚士「何か…引っ掛かりますか?」

エリート「悪党ではあるが…殺人や暴力行為は行わない…?」


583 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:52:05.89 ID:jRum4oco
青年兵「…それならしっくりきますが、有り得ますか?」

召喚士「そんな特性ならばむしろ人間に近しいですね」

エリート「人間に…。そうか!」

盗賊「…?」

エリート「姿を変えた時点で人間の記憶となるわけだな?」

召喚士「え、ええ…。そうみたいです」

エリート「そこで、記憶から人間的な要素が出るのでは…?」

青年兵「今までの罪状は何でしたっけ?」

召喚士「ち、痴漢に…覗きに…無銭飲食に…」

盗賊「…スリ…喧嘩…詐欺だ」

青年兵「……」

エリート「どれも迷惑ではあるが、軽犯罪だな」

魔道士「と、いう事はやっぱり…」

召喚士「核の部分は魔物であるが、外殻は人間そのもの…?」

エリート「それならば思考も読み取りやすいかもしれんな」


584 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:53:47.90 ID:jRum4oco
召喚士「他に何か情報はありますか?」

エリート「…いや、差し当たりこれと言って特にはないな」

盗賊「……」

青年兵「どうします?」

召喚士「真っ向から探すしか…人間の思考なら話も出来るだろうし…」

エリート「…分かった。そちらは君達に任せる」

魔道士「はいっ」

エリート「我等は予定通り、左の連中を牽制しよう。時間が欲しい」

青年兵「…ですね。早速右文官様、右秘書官様と打ち合わせます」

召喚士「よろしくお願いします」

エリート「そちらも宜しく頼む」

盗賊「…任せてくれ」

召喚士「今日は休んで、明日の朝一から行動開始しましょう」

青年兵「こちらもそうさせて貰います。頑張りましょう!」

書庫での調べ物を終え、召喚士達は王宮を後にした。


585 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:56:43.59 ID:jRum4oco
〜宿〜

フロント「お部屋は三階のこちらとこちらになります」

召喚士「ありがとうございます」

魔道士「それじゃ、明日から頑張りましょう!」

召喚士「ええ。おやすみなさい」

盗賊「…おやすみ」

テクテクテク

召喚士「……」

階段を上る魔道士と盗賊を見送り、召喚士は一人、街へと出る。

テクテクテクテクテク

召喚士「あの、すみません」

酔っ払い「あ〜ん?」

召喚士「この人、見ませんでしたか?」

酔っ払い「手配書…?さぁ、知らねーなぁ」

召喚士「…そうですか、ありがとうございます。あ、あの!すみません…この人を…」


586 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:58:08.29 ID:jRum4oco
〜警備所〜

警備兵「入れ!

グイッ…ドサッ

戦士「……ぐっ」

高官「乱暴に扱うな。こちらが手を出したら負けだぞ」

警備兵「し、失礼致しましたっ!」

高官「…閉めろ」

ガシャーン!!…ガチャン

高官「しばらく檻の中で頭を冷やすんだな」

戦士「俺は…やってないって言ってるだろ!」

高官「…ふん。、そんな事はどうでもいいのだ」

戦士「……」

高官「重要なのは、君が私に対して行った事…ただそれだけだ」

戦士「…俺は…間違った事をしたとは思ってねぇ」

高官「何…?」


587 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 17:59:51.22 ID:jRum4oco
戦士「確かに殴った事は済まなかったと思う…。だが自分のした事に後悔はしてねぇ!」

高官「己が正しいと思うなら、他人を傷つけても良いと言うのかね!?」

戦士「それは違う!違うが…っ、少なくともアンタのやった事は間違ってる!」

高官「自分の娘だ。無関係の貴様が何を言うかっ!!」

戦士「関係ねぇだろ!人として間違ってるって言ってんだよ!!」

高官「……ふん」

戦士「……」

高官「全く…どういう教育を受けているのやら…」

戦士「……」

高官「親の顔が見てみたいわ…」

戦士「…ちっ」

高官「明日を楽しみにしてるんだな。迅速に処理してやるぞ」

戦士「好きにすりゃいいだろ!だが俺は…自分の信念は曲げねぇぞ!」

高官「……しっかり見張っておけよ」

警備兵「ははっ!」


588 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 18:02:24.39 ID:jRum4oco
ザッ…カツカツカツカツ

戦士「…はー」

ドサッ

戦士は手械をはめられた両手を見つめ、溜息を吐く。

戦士「……」

格子状の窓から入る月明かり。戦士はそれを見上げる。

戦士「……何やってんだよ…俺」

警備兵「うるさいぞ!静かにしていろ!」

戦士「……へいへい」

警備兵の怒声をやんわりとかわし、戦士はそのまま仰向けに寝そべる。

ドサッ

戦士「…すまねぇな…魔道士、盗賊」

ゴロッ

戦士「……召喚士」

冷たい季節風が吹く中、本国には次の朝が訪れた。


589 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/10/12(火) 18:02:55.98 ID:zbvCcCko
それにしても、主人公たちが、第三者から見たらなかなかに悪だな…
罪を無きものにしようと考えるとは……仲間思いだけど………


590 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/12(火) 20:43:58.30 ID:/LT2FoAO
>>1乙です

このSSを読めばハネムーンに行けると聞いて
王道ながら勧善懲悪でないとこが人間味出てて好き


591 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/13(水) 06:22:31.24 ID:0wgf1QDO
基本的には勧善懲悪物だと思うけど


592 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/13(水) 07:31:54.54 ID:Pe6fVzwo
>>1乙です

このSSはリア充が多いと聞いて


593 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/13(水) 08:33:15.01 ID:mLlGYcAO
>>1乙

俺と魔導師ちゃんのハネムーンはいつ執り行われるやら…
初夜はしっぽりぬっぽり熱い夜を過ごしたいな


594 名前:503 [sage] 投稿日:2010/10/13(水) 13:38:27.29 ID:hJC/7noo
>>593
なぜだろう、今日はこいつがいると安心する。


595 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/10/13(水) 14:11:20.41 ID:IenFvzoP
>>594
おまえハネムーン中じゃないのかよww
どこに行ったの?



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