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少女剣士「ミルクは最高だね、おっさん!」剣士「ちゃんと口拭けよ」
42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:20:36.53 ID:8x2N02I30
翌日、二人は領主の館に向かった。

門番「なんだおまえたちは?」

剣士「盗賊団退治の兵を希望するモンだ。
   俺たちも臨時の兵として、登録をさせてもらいたい」

門番「──そっちの女の子もかい?」

剣士「ああ」

門番「……しかしなぁ」

少女剣士「大丈夫! あたしだってこのおっさんに鍛えられて、
     けっこう強くなったんだから」

門番(この剣士、おっさんなんて年齢なんだ)
  「分かった。すぐに取り次ぐから、ちょっと待ってろ!」


43 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:25:42.61 ID:8x2N02I30
門番「──よし、許可が下りた」

門番「では、武器と手荷物は全て預けてもらう」

剣士「ああ」
少女剣士「は〜い」

二人は荷物を門番に預け、館の中に入った。

客室──

執事「まもなく主人が参りますので、もう少々お待ち下さい」

剣士「ありがとう」
少女剣士「おっさん、この紅茶すっごく美味しい!」ガブガブ


44 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:32:14.79 ID:8x2N02I30
ドアが開かれる。

領主「いやはや、お待たせしてしまった」

領主「!」

領主「おお、剣士ではないか!」

剣士「ご無沙汰してます」ペコッ
少女剣士(えっ、おっさん……領主さんと知り合いだったんだ)ペコッ

領主「この館の者は戦後雇った人間がほとんどだから、
   君のことを知らなかったのだろう」

領主「君が来てくれれば百人力だ。
   ──ところで、頼んでおいた件なのだが……」

剣士「…………」チラッ

領主「!」

領主「おお……! 君がそうなのか……よくここまで大きく育ってくれた」ウルッ

少女剣士「え……え!?」
剣士「…………」

領主「我が娘よ……!」

少女剣士「!?」


45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:36:07.48 ID:0qj55LL70
わくてか


46 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:40:09.10 ID:8x2N02I30
領主「……しかし、いったいなぜここまで連れてきたのだ?」

剣士「この子の住んでいた村が盗賊団に滅ぼされましてね。
   私が向かった時、生き残りはこの子だけでした。
   この子に名前を聞いて、すぐにあなたの子だと……」

領主「! ──そうだったのか……ということは、あの夫婦は……」

剣士「はい……俺が村に着いた時にはもう……」

領主「私のせいで、君にはずいぶん辛い思いをさせてしまった。
   だが……これからは──」
少女剣士「ちょ、ちょっと待ってよ!」

少女剣士「おっさん、これはどういうこと!?」

剣士「…………」

少女剣士「もしかして、この人のところに連れてくるために、
     あたしを旅に誘ったの!?」

剣士「……そうだ」

少女剣士「ひどいっ! こんなことなら……私、ついていかなかったのに!
     あの村にずっと一人でいた方がよかったっ!」

剣士「ああ、だから今までいわなかった」

少女剣士「! ──卑怯者っ!
     こんな人、あたしのお父さんでもなんでもないっ!」ダッ


47 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:44:05.72 ID:8x2N02I30
剣士(俺としたことが……いきなり会わせるのは失敗だったか……)

領主「す、すまん……私がもう少し冷静になっていれば……。
   私には、あの子の父だと名乗り出る資格などないというのに……」

剣士「いえ、俺のせいです。事前に話しておくべきでしたが、
   どうしてもいえなくて……」

領主「いや、いいんだ……。
   もし君が話していたら、娘は私と会うことを拒んだろう。
   こうして一目見ることすらできなかったにちがいない」

剣士「…………」

剣士「……ところで、盗賊団の対策は大丈夫なんですか?
   はっきりいって、ヤツらは手強いですよ」

剣士「規模は200人以上、ウワサでは首領は元々は兵士だったとか……」

領主「うむ、今までのようにはいかないだろう」

領主「だが、報酬目当ての強者が続々と集まってきておるし、
   こうして君も戻ってきた。なんとかなるだろう」

領主「とりあえず今は……娘を頼む」

剣士「……分かりました。では俺はこれで」


48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:47:07.62 ID:8x2N02I30
領主の館から逃げ出した少女剣士は、街をさまよっていた。

少女剣士(おっさんのバカ……)

少女剣士(ずっと一緒に旅するんだって思ってたのに……。
     最初からここに置いていくつもりだったんだ……)

少女剣士「…………」グスッ

少女剣士「あ、なに泣いてんだろ、あたし……」グスッ

少女剣士「もう、わけ分かんないよ……」


49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:50:10.87 ID:8x2N02I30
賞金稼ぎ「おうおう小娘、なに泣いてんだ!?」

少女剣士「うわっ!? なによ、アンタ!」

賞金稼ぎ「俺ァ、ちったァ名の知られた賞金稼ぎだ」

少女剣士「全然知らないけど……」

賞金稼ぎ「ガハハハハッ! ずいぶんと怖い者知らずな小娘だな。
     だが、今の泣き顔を見てる分にはまだまだガキだな!」

少女剣士「いいじゃない、あたしまだ子供なんだから!」

賞金稼ぎ「じゃあ、腰につけてる剣は飾りか?」

少女剣士「!」

賞金稼ぎ「分かってると思うが、剣は人を殺すための武器だ。
     ンなもん持ち歩くってんなら、年齢なんて関係ねえ。
     オメェさんはガキであることを捨てなきゃなんねぇ」

賞金稼ぎ「もしまだガキでいたいんなら……今ここで剣を捨てな」

少女剣士「…………」


50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:53:12.76 ID:8x2N02I30
少女剣士「あたしは……子供じゃない! この街で盗賊団を倒すんだもん!」

賞金稼ぎ「ガハハッ、よくいった!」

賞金稼ぎ「だがな、剣士なら苦しい時や辛い時こそ笑うもんだ!」

少女剣士「こ、こう……?」ニコッ

賞金稼ぎ「ややぎこちないが、まぁいいだろ」

賞金稼ぎ「一流の剣士ほど、逆を突くのがウマイんだ」

賞金稼ぎ「相手がここに来るとは思ってないところを斬る!
     傷を負っても平気なフリをする! ヤバい時こそ笑う!」

少女剣士(そういえば……おっさんも同じようなこといってたな……)

賞金稼ぎ「じゃな。オメェさんも盗賊団狙いなら、共闘する時があるかもな。
     ガハハハハハッ!」

少女剣士「じゃあね!」

少女剣士「…………」

少女剣士(逆を突く、か……)

少女剣士(今あたしはあんまりおっさんに会いたくない……)

少女剣士(だったら……会わなくちゃね!)ダッ


51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:53:47.60 ID:PBDRrj0l0
うむ、続けるがいい!!


53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:54:23.78 ID:fnYY3TJU0
正直DQNポジションだと思ってた>賞金稼ぎ


54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:56:11.84 ID:8x2N02I30
一方、剣士は逃げ出した少女剣士を探していた。

剣士(ったく、アイツどこ行ったんだ……)

剣士(まさか、街の外には出てないだろうな……?)

若手剣士「こんにちは」

剣士「ん?」

若手剣士「あなた、剣士さんですよね?」

剣士「ああ、そうだけど」

若手剣士「やっぱり! わ……ボクの読みは正しかった!」

若手剣士「あなたのウワサは常々聞いていましたよ。
     かつて戦乱に巻き込まれたこの街が潰れなかったのは、あなたの功績だと」

若手剣士「戦乱の後、あなたは放浪の旅に出てしまいましたが──」

若手剣士「この街はあなたの故郷ともいえる場所です。
     あの悪名高い盗賊団に狙われているとあれば、必ず来ると踏んでいたんです」

若手剣士「ボクはあなたに会うために、この街に来たようなものですからね」


55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:56:56.42 ID:t+6s06p+i
やっべえ支援


56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 20:59:19.29 ID:8x2N02I30
剣士「(なんなんだコイツは……)俺になにか用か?」

若手剣士「いえね、ちょっと宣戦布告をしたかっただけです。
     同じ剣の使い手としてね」

剣士「……おまえとやり合えってことか?」

若手剣士「いいえ、ちがいます。あなたに勝つ自信がないわけではありませんが……。
     盗賊団がまもなく来ようという街で、やり合うメリットはありません。
     お互い対盗賊の貴重な戦力ですからね」

若手剣士「ですから、ボクは別の方法を提示します」

若手剣士「今度の盗賊団との戦い、ボクはあなたより活躍してみせます」ニヤッ

剣士「はぁ……。ま、すればいいんじゃないか?」

若手剣士「ボクも若手としては、名が通った方だと自負していますからね。
     ここであなた以上に活躍すればさらに名が──」

剣士「悪いが、急いでるんで」スタスタ

若手剣士「あ、ちょ、ちょっと!」


57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:00:15.22 ID:UsMqoP+j0
若手に死亡フラグの匂いが


59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:10:05.02 ID:nOC5AaeA0
スレタイがエロく感じたのは俺だけではないはず


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:10:08.43 ID:8x2N02I30
まもなく、剣士は少女剣士と再会することができた。

剣士「……こんなところにいたのか」

少女剣士「あ、おっさん!」

剣士「さっきは悪かっ──」

少女剣士「おっさん、ごめんね。さっきは急に飛び出したりして。
     いきなりお父さんなんていわれてさ、ビックリしちゃったんだ、あたし」

剣士「いや……俺が悪かったんだ。おまえのいうとおり、卑怯だったんだ。
   あの村で出会った時に、話しておくべきだった……」

少女剣士「しょげないでよ、おっさん。らしくないじゃん」

剣士「あ、すまん」

少女剣士「あのさ、おっさんが知ってること……全部教えてくれない?」

剣士「…………」

少女剣士「大丈夫! もう絶対逃げたりしないから!」

剣士「……そうだな。分かった。全て話そう」


62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:15:52.06 ID:8x2N02I30
剣士「かつての戦乱時、俺はこの街の領主に雇われていた」

剣士「この街周辺は特に激戦地となり、色んな国の兵がやってきた。
   ヤツらはどさくさに紛れ、さまざまな蛮行を働いた。まさに地獄だった……」

剣士「領主と領民、俺たちのような傭兵が必死に抵抗したが、
   はっきりいってもうダメだと思ったよ」

剣士「街の滅亡を悟った領主は領民たちに、街から逃げるように勧めた。
   半数くらいが疎開することを決意した。
   そして、領主はそのうちの一組の夫婦にまだ赤ん坊だったおまえを託した」

少女剣士(それがあたしと……お父さんとお母さんか……)

剣士「その後、戦乱は収まり、街は大きな傷跡は残ったものの
   どうにか滅びずに済んだ」

剣士「領主は俺に自由にするよう、いってくれた」

剣士「そして、旅の途中でできるなら娘の様子を見てきてくれないか
   といわれてたんだ」

剣士「俺も領主には恩がある身、見るだけなら……と引き受けたよ」


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:20:31.70 ID:8x2N02I30
剣士「しかし──」

剣士「おまえがいるという村に行った時……すでに村は……」

少女剣士「そっか……そうだったんだ」

剣士「おまえが生き残ってたことを知って、
   せめて本当の親のところに連れてってやろう、と思ったんだ」

剣士「すまん……」

少女剣士「ううん、領主さんもおっさんもなにも悪いことしてないじゃん」

少女剣士「悪いのは……街で大暴れした兵隊たちとあたしの村を滅ぼした盗賊団だよ。
     でも……でも──」

少女剣士「あたしは、領主さんの娘になるつもりはない」

少女剣士「だって……お父さんやお母さんに悪いもん……」

剣士「…………」


66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:26:31.42 ID:3V6uZ+JV0
少女剣士「おちんぽミルクは最高だね、おっさん!」剣士「ちゃんと口拭けよ」

はよはよ


67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:27:25.21 ID:8x2N02I30
宿屋──

少女剣士「すぅ……すぅ……」

剣士(領主のおかげで宿代がタダになったのはありがたいな)

剣士(だが、コイツをどうすべきか……)

剣士(ムリヤリ領主と引き合わせるってのはなんかちがう気がするし……。
   かといって、黙って置いていくような真似をすれば何をするか分からん)

剣士「…………」

剣士(ま、とりあえずは盗賊団対策だな)

剣士(かなりの人数が集まってきてるようだし、問題ないとは思うが──)

剣士(寝るか)


71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:35:09.28 ID:8x2N02I30
それから一週間後──

街には続々と報酬目当ての猛者が集まり、街はあわただしくなってきた。

ザワザワ…… ガヤガヤ……

少女剣士「なんか、どんどん人が増えてきたね」

剣士「あぁ、報酬ってのはもちろんあるだろうが、
   あの盗賊団に恨みを持ってるヤツはいっぱいいるだろう」

剣士「まぁ、これ以上増えることはないだろうけどな」

戦士「よう、また会ったなアンタら」

少女剣士「あ、こないだ酒場で会った……」

戦士「覚えててくれたか」

剣士「だいぶこの街にも、盗賊団目当ての人間が増えてきたみたいだな」

戦士「ああ、まったくだ。だがいくら数がいても油断はできねぇ。
   アンタらも参加してくれれば助かったんだけどな」

剣士「いや、俺たちも参加するつもりだ」

戦士「おお、そうなのかい。そりゃ心強い。
   アンタも嬢ちゃんもけっこうデキそうだからな」

少女剣士「任せてよ!」


72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:38:12.43 ID:8x2N02I30
戦士「──にしてもなにせ、これだけの人数だ。
   統制を取るため、領主自らが防衛団を組織するみたいだぜ」

剣士「防衛団?」

戦士「盗賊団退治に登録したヤツらは今は各々バラバラだが、
   それを一つの組織としてまとめ上げるんだとよ。
   もちろん自由にやれなくなるから、待遇はよくなるそうだ」

戦士「もっとも入るか入らないかも、自由なんだけどな。
   一匹狼でやりたいってヤツもいるだろうし」

剣士「アンタはどうするんだ?」

戦士「俺は入るつもりだ。一匹狼でやれるほどの腕はねぇからな。
   待遇アップもオイシイ」

戦士「ま、アンタらももし加わるんなら、仲良くやろうや」

剣士「ああ」
少女剣士「ありがとね!」


73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:40:00.04 ID:gJKJ8LKzO
NTRしね


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:44:06.61 ID:8x2N02I30
剣士(防衛団……か。なんでわざわざ……なにか狙いがあるのか?)

剣士「おい、俺はちょっと領主の館に行ってくる。
   ……おまえはイヤだろ?」

少女剣士「ゴメン……」

剣士「気にすんな。じゃあ、先に宿に戻っときな」

少女剣士「分かった」

剣士「まっすぐ戻るんだぞ」

少女剣士「分かってるってば」

少女剣士(なぁ〜んてね、ちょっとこの街を自由に散歩しようっと)


75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:44:08.29 ID:Hw4OPAFx0
やっと追いついた
もしかして少女勇者SSよく書いてる人?


76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:47:16.25 ID:7zyMmDsq0
で、でた〜ww○○の人?って聞奴wwwwwwwwwww


77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:48:41.57 ID:8x2N02I30
領主の館──

領主「どうした?」

剣士「少し気になることがあったので」

領主「気になること?」

剣士「防衛団というのを組織すると、街で聞きました。
   いつ盗賊団が来るか分からない状況で、
   臨時の兵をあえて組織化するのはデメリットも大きい」

剣士「わざわざ待遇をアップさせてまで……なぜ、そんなことを?」

領主「うむ、実は──」


78 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:52:13.23 ID:8x2N02I30
街──

少女剣士「ふんふ〜ん」スタスタ

若手剣士「やぁ」

少女剣士「え、あなたは?」

若手剣士「わ……ボクは若手ナンバーワンの若手剣士っていうものだ。
     君さ、さっき剣士さんと一緒にいたよね? もしかして兄妹?」

少女剣士「ちがうよ」

若手剣士「じゃあ、師弟関係?」

少女剣士「うぅん……剣は教わったけど、そういうのじゃない、かな」

若手剣士「へぇ、じゃあなんで一緒にいるの?」

少女剣士「恋人」

若手剣士「え、え、え、えぇっ!? そんな……!」

少女剣士「冗談だよ〜、冗談」

若手剣士「なんだ、驚かさないでくれ……」

少女剣士(なんなんだろ、この人……)
    「ある村で拾われて、一緒にいるって感じかな」


80 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:55:20.84 ID:8x2N02I30
若手剣士「へぇ……どうして?」

少女剣士「おっさんは元々この街に雇われてた人なの」

少女剣士「で、もしかしたらあたし、領主さんの娘なのかもしれないの。
     でもあたしはそうなるつもりはないんだけどね」

若手剣士「!」

若手剣士「……なるほど。だから一緒にいたというワケか」

若手剣士「いいかい、今の話は絶対他の人にしちゃいけないよ。
     今この街は、こんなに荒くれ者が集まってるんだからね」

少女剣士「え、どうして?」

若手剣士「いいから!」

少女剣士「分かったよ……」

若手剣士「じゃあ、ボクはこれで……」スタスタ

少女剣士(なんだったんだろ、いったい)


81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 21:59:10.43 ID:8x2N02I30
領主の館──

剣士「──名簿が盗まれた!?」

領主「ああ……二日前の夜に、館から盗まれていた。
   まったく……我々としたことがとんだ失態だよ」

領主「幸い写しがあったから、登録者の管理には支障はないのだが──」

領主「十中八九、これは盗賊団の仕業だ。
   となると、こちらの兵力があちらに伝わった可能性が高い」

領主「そして、さらに厄介なのは──」

剣士「この街に、すでに盗賊団が潜伏している可能性がある、ということですか」

領主「うむ」


83 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:00:39.14 ID:PBDRrj0l0
誰かおっさん剣士と少女の画像持ってないですか?


84 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:04:14.88 ID:x7ZXWfnWI
パンツ少女剣士に切られた


85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:05:02.63 ID:8x2N02I30
領主「だから私は、登録メンバーを防衛団としてまとめることにした。
   登録メンバーは高待遇と引き換えに、監視も厳しくなる」

領主「もし登録メンバーの中に盗賊団のスパイがいるのならば、
   わざわざ防衛団に参加するはずがない」

剣士「なるほど、容疑者の絞り込みを兼ねて、ということですか」

領主「うむ、そういうことだ。
   むろん、登録メンバーの防衛団への参加者、非参加者は
   君にも教えるつもりだ」

剣士「分かりました。教えてもらえれば、私も街で出会った時に
   それとなく探ってみましょう」

領主「そうしてもらえるとありがたい」

領主「……ところで娘はどうだ?」

剣士「……今のところ、あなたのもとに戻るつもりはない、と」

領主「そうか……。分かった、ありがとう」


86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:06:19.46 ID:OUGeR3P90
最後まで書いてくれるSSは大好きです


87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:08:56.64 ID:8x2N02I30
宿屋──

少女剣士「あ、お帰り!」

剣士「おう、ちゃんとまっすぐ帰っただろうな」

少女剣士「え!? う、うん……まっすぐ帰ったよ」キョドキョド

剣士「ウソがつけないヤツだな」

剣士「まぁいいや……変なヤツに会わなかっただろうな?
   こんなに殺気立ってる街じゃ、なにが起きてもおかしくないからな」

少女剣士「若い剣士と……少ししゃべったかな」

剣士「若い剣士?」

少女剣士「うん、なんか自分のことを若手ナンバーワンとかいってた」

剣士(……さては、ちょっと前に俺にからんできたアイツか?)


89 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 22:14:19.71 ID:8x2N02I30
剣士「他になにかしゃべったか?」

少女剣士「あたしが領主さんの娘かも、っていったら驚いてた」

剣士「!?」

剣士「おまえ、そのことしゃべっちゃったのか!?」

少女剣士「!」ビクッ

少女剣士「う、うん……」

剣士「──で、そいつはなんていってた?」

少女剣士「えぇと……絶対そのことは他の人に話すなよって……」

剣士「そうか……」

少女剣士「おっさん……まずかったかな?」

剣士「多少な……。そいつのいうとおり、そのことはしゃべらないようにな。
   おまえをとっつかまえて領主を脅迫、なんて考えるヤツが出るかもしれん」

少女剣士「あっ! そうだね、ごめん……」

剣士(若手剣士、か……)


90 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/06(水) 22:17:26.77 ID:u1a9yfLD0
若手剣士ちゃんが性別バレするまで待機



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