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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その10
134 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:23:20.43 ID:Bu3Tczwo
ゴトッ…パラパラッ……

盗賊「!!」

タタッ!!

瓦礫の奥へと消えていった天才の元へ、

盗賊を筆頭にハヌマーンと戦士が駆け寄る。

羅刹「さーて…次は…、と」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

朱雀嬢「出て来いっ!グリフォン!!」

玄武娘「おいで、リヴァイアサン!」

シュイィィン

羅刹「次は…お前らか…」

三人の召喚士が並列し、一斉に身構える。

召喚士(警戒すべきは…左手の扇…)

玄武娘「朱雀嬢ちゃん…ボソッ」

朱雀嬢「…分かってますわ…!!」


135 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:28:01.87 ID:Bu3Tczwo
朱雀嬢が右に走り、グリフォンがその上空を追う。

タッタッタッタッタ…ジャリッッ!!

朱雀嬢「行きますわよっ!」

朱雀嬢は右手で羅刹を指差すと、グリフォンへ攻撃を命じる。

グリフォンは上空より羅刹の左腕を強襲する。

羅刹「見え見えだっ!!」

ザッ!!

羅刹は身体を反転させ、左腕をグリフォンより引く。

朱雀嬢「!?」

羅刹「吹き飛べいっ!!」

羅刹は上空のグリフォンとコカトリスに向け、

手に持つ芭蕉扇を振りかざす。

召喚士「しまった!!召喚獣を…!?」

コカトリス「…く…っ!!」


136 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:29:06.09 ID:Bu3Tczwo
コカトリスに続き、グリフォンも突風により、

はるか上空へと舞い上げられ、吹き飛ばされる。

朱雀嬢「グリフォンッ!!」

召喚士「再召喚した方が早いっ!一旦消すんだ!」

朱雀嬢「は、はいっ!!」

召喚士と朱雀嬢は召喚獣を一度戻し、再召喚を試みる。

その隙を逃さず、羅刹は間合いを詰め寄る。

玄武娘「!?」

羅刹「この間合いなら…さっきの大津波も使えまい…!」

〜東の森中〜

ザッ!!

南方魔道長「……大丈夫か?」

南方弓長「この程度…!」

南方弓長は包帯に巻かれた左足とチラリと覗き込み、

立ち膝で構えると、巨大な弓矢を手に構える。


137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:30:22.48 ID:Bu3Tczwo
南方弓長「チャンスは一度キリよ…?」

南方魔道長「…全魔力を注ぎ込む」

キリキリキリ…

南方弓長「目標確認…行くわよっ?」

南方弓長は森の先に立ちはだかる羅刹へと照準を絞る。

南方魔道長「……ああ」

ザッ!!

南方弓長「……司令!?」

南方司令は南方弓長の両肩を掴み、支える。

南方司令「左足が震えているぞ…」

南方弓長「……すみません」

羅刹はリヴァイアサンの目の前に立ちはだかり左腕をゆっくりと上げる。

玄武娘「!!」

召喚士「間に合えーっ!コカトリス!!」

シュイィィン


139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:32:18.82 ID:Bu3Tczwo
羅刹「まとめて吹き飛べっ!!」

南方弓長「発射ーっ!!」

南方魔道長「うおぉ!」

ドシュンッ!!……キィィィイイイーンッ!!

南方弓長「…っう!!」

南方魔道長「ちっ…。少しブレたか…」

ダッ!!

直後、南方司令が矢を追い走り出す。

南方弓長「司令…!?」

巨大な矢は雷を帯び、一直線に羅刹へと向かう。

羅刹「!?」

羅刹は背後の音に反応し、急反転をし、

巨大な雷矢を確認すると、上半身を捻る。

ヒュンッ!!…ドスゥッ!!…バリバリバリィッ!!…

羅刹「ぐあぁ…っ!!」


141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:36:22.50 ID:Bu3Tczwo
雷矢は軌道が逸れたものの、羅刹の左手首に突き刺さる。

途端に握り持つ芭蕉扇が左手から離れ、宙へ放り上がる。

羅刹「む……ぐぅ!!」

召喚士「あっ、あれを奪えばっ!!」

羅刹は右手を懸命に伸ばし、芭蕉扇の端を指で掴みかける。

ダンッ!!…ブオッ!!

南方司令「ギガトンジャスティスキィーック!!」

カッ!!……バゴオォォンッ!!

南方司令の強烈な蹴りが芭蕉扇に命中し、

巨大な扇は衝撃で吹き飛び、遥か後方の森へと消えた。

ヒュンッ……スタッ!!

南方司令「見たかっ!これが本気の力だ!!」

ビシィッ!!

羅刹「お・・・おのれえぇ…!!」

羅刹の表情が怒りに満ち、全身の血管が浮き出ている。


144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:43:50.38 ID:Bu3Tczwo
戦士「…くそっ…!早く石をどけ……」

バゴオォォンッ!!…パラパラパラッ…

突如、岩が噴き上がり、土煙の中から人影が現れる。

ザッザッザ…

ハヌマーン「…だ、大丈夫か…?」

天才「…あの野郎、やってくれるぜ…!はーっはっは!」

天才は額に垂れ落ちる血を、腕で拭う。

盗賊「……!?」

天才「足手まといじゃねぇお前らに頼みがある」

戦士「…?」

天才「いいか?立て続けに攻めても勝ち目はない」

ハヌマーン「体力的にも技能的にも難しいだろうな」

天才「チャンスは一発。全員同時に行くぞ!」

戦士「……ほう」

天才「俺が右腕をやる。お前らで左腕をもぎ取れ…!」


145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 15:53:15.00 ID:Bu3Tczwo
羅刹は両腕を広げ、天を仰ぎ咆哮する。

羅刹「ウオオオオォォォォッ!!」

召喚士「くっ!!」

魔道士「凄い……声っ!!」

咆哮が鳴り止まぬ中、羅刹の頭部にある二本の角が、

次第に肥大化し、兜飾りのように大きくそびえる。

召喚士「…!?」

羅刹「死ねええぇぇっ!!」

羅刹は頭を下げ、力任せに突進する。

南方司令「避けろーっ!!」

朱雀嬢「…!!」

タンッ!!

天才「今だっ!!やれぇ!!」

突進する羅刹に対し、後方から三人と一匹が、

二手に別れ飛びかかる。


146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 16:07:52.52 ID:Bu3Tczwo
羅刹「……!!」

南方司令「うおおぉぉっ!!」

南方司令は巨大な二本の角に両手を伸ばす。

しかしその大きさに掴みきれず、力任せに押し込まれる。

南方司令「ふん…っ!ぬぅ…っ!!」

ザザッ…ズズズッ……

南方司令「くそぉ…!!やっぱダメか…!」

バッ!!

戦士「っりゃあ!!」

盗賊「はぁ!!」

盗賊の鎖が羅刹の左手首に巻きつく。

ジャララッ!!…タンッ…グオォッ!!

盗賊は鎖を力任せに引っ張る。

羅刹は体勢を崩し、前のめりに左腕を伸ばす。

盗賊「…押して駄目なら…引いてみろだっ!」


147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 16:18:55.42 ID:Bu3Tczwo
盗賊の動きに合わせ、戦士が雷切を手に飛びかかる。

すかさずハヌマーンは、羅刹の懐に潜り込み、棒を打ち放つ。

ハヌマーン「行けぇーっ!!」

ハヌマーンの一撃に左腕が押し上げられ、

上空から迫る、強烈な雷撃の威力が増す。

ヒュバッ……ザンッ!!…ガカアァァッ!!

天才「ナイス!!」

戦士の一撃とほぼ同時に、天才はツヴァイハンダーを

低く構え、下から一気に飛び上がる。

羅刹「ぐあぁっ!!」

巨大な刀身は羅刹の右腕をあっさりと斬り落とし、

同時に雷切の一刀が左腕をも奪い取った…。

ヒュンッ……ドシャドサァッ…

両腕を斬り落とされた羅刹が流血し、苦悶の表情を浮かべる。

召喚士「…や…やった!食い止めた…!!」


148 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/21(木) 16:54:34.57 ID:eUMY7.AO
あぁ…やっぱり前衛は活躍するなぁ…
主人公の影も薄くなるね…


150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 17:27:54.21 ID:Bu3Tczwo
羅刹「う…うがあぁぁ…っ!!」

ヒュッ…ドズウゥゥンッ!!

羅刹は背後に飛び、再び咆哮する。

その両腕からは血が激しく飛び散り、森を紅く染める。

羅刹「うぅ…!!はぁ…はぁー…はぁー…っ」

天才「トドメを刺すぞ!!」

天才が走り出すと、それに戦士、盗賊、ハヌマーンが続く。

朱雀嬢「朱雀先生!アタシ達もっ!!」

召喚士「ええっ!!」

玄武娘「行きますですの!」

タタッ!!

羅刹「も…もうよい…。全て…消し去ってくれるわ…!」

羅刹は口を大きく開け、鋭利な牙の奥が妖しく光る。

南方司令「何だぁ!?」

魔道士「!!」


151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 17:33:08.17 ID:Bu3Tczwo
キュイイィィィ…

天才「ちぃ…っ!!」

召喚士「避けるんだーっ!!」

戦士「…!?」

羅刹「もう遅い!死ねえぇぇーっ!!」

召喚士「玄武娘さん!魔道士さんっ!!」

魔道士「!?…あっ…!はいっ!!」

ドウンッ!!

羅刹の口から巨大な真紅の業火が撃ち放たれる。

ハヌマーン「デカイ…!!」

天才「くそっ!!」

一同は足を止め左右に散るが、その業火弾は大きく、

とてもかわしきれる様な次元のものではなかった。

召喚士「お願いします!!」

玄武娘「はいですのっ!!」


152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 17:53:40.99 ID:Bu3Tczwo
玄武娘は目を閉じ、一呼吸整える。

再び目を開くと、リヴァイアサンが一同の前に立ちはだかる。

玄武娘「全魔力…ここにぶつけるですの!!」

ドドドドドドド…

大きな地鳴りとともに、リヴァイアサンは大津波を引き起こす。

ドドドドゴゴゴゴ!!…ドバアアァァンッ!!

戦士「行けぇっ!!」

召喚士「頼む!!」

南方弓長「な…何!?何が起きて…」

南方魔道長「ここもヤバそうだ。下がるぞ」

業火と津波は激しく衝突し、大量の水蒸気を発生させる。

天才「あ…っつ!!」

ハヌマーン「はぁ!」

ハヌマーンは風を起こし、周辺の視界を開く。

ハヌマーン「……皆、こっちだ!」


153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 17:59:05.03 ID:Bu3Tczwo
バシュッ…ジュウゥゥゥッ!!…ブシャアァァッ!!

羅刹「……ぐ…うっ…!」

玄武娘「…んんうぅ……っ!!」

水蒸気の中、徐々に赤色が拡がり始める。

玄武娘「…うぅー…っ、お…押され…」

召喚士「魔道士さんっ!!」

魔道士「はいっ!!」

魔道士は待っていたかのように、杖を両手で振り上げ、

巨大な氷の矢を高くそびえる津波に向け放ち始める。

魔道士「やあぁーっ!!」

ドドウゥンッ!!……ガキッ…ギキキイィィンッ!!

リヴァイアサンの津波が氷壁のように固まり、炎を遮る。

魔道士「ぐ…っ…うぅ!!」

玄武娘「……んうーっ!」

炎と氷は互いを盛り上げるような勢いで、水蒸気を発し続ける。


161 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/21(木) 20:28:49.00 ID:/LO77vAo
召喚士はコカトリスに頼る癖が付いてるのかも
相性考えて呼べるようにならないとこの先辛そう


168 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 22:52:10.62 ID:TDy35DQo
ゴゴゴゴゴゴ…ブシュウゥゥッ!!…

魔道士「そっ…そんな…!?」

玄武娘「……押…されてるですの…っ!!」

業火の弾は徐々に上下左右に伸び、氷壁を飲み込もうと暴れる。

後方では、南方参謀と南方副官が氷と炎をジっと見つめる。

南方副官「壁が破られれば……」

南方参謀「ここも…終わりね…」

横たわる負傷兵達を見つめ、ポツリと呟く。

ゴアオオオォォ…ブシュウゥッ…ブシュゥッ!!

魔道士「召喚士さんっ!!」

召喚士「行きます!!」

召喚士は目を瞑り。腰を落とし絶叫する。

召喚士「行けぇーっ!コカトリスーッ!!」

上空のコカトリスはひと際大きく両翼を広げ、旋回する。

月明かりを浴び光るその姿は、戦場に似つかわしくない優雅なものであった。


169 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 22:53:10.34 ID:TDy35DQo
コカトリス「……はぁっ!!」

ゴアオオォォォッ!!

羅刹「くおぉ…っ!!」

コカトリスの吐息が上空より羅刹へと向けられる。

羅刹は重傷を負ったその体で、必死に石化の息から身をかわす。

魔道士「はっ…はぁ…っ…はぁ…!」

玄武娘「…う…うぅ…っ…くっ!」

召喚士「頼む…!これでダメなら…もう…っ!」

羅刹「!?」

突如羅刹が前に飛び出し、業火と氷壁の中へ押し込まれる。

戦士「なっ、何だ…!?」

南方司令「自ら…命を絶ったか…!?」

更には業火の勢いも増し、上下に高く伸び、羅刹を飲み込む。

召喚士「今しかないっ!!」

コカトリス「……承知っ!!」


170 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 22:55:11.06 ID:TDy35DQo
コカトリスは向きを反転し、羅刹の背後から再び石化の息を放つ。

ゴアオオオオオォォッ!!

漆黒の吐息は、燃えさかる氷壁までをも飲み込む。

炎と氷は次第に石と化し、高くそびえ立つ壁と化し始める。

魔道士「や…った…ぁ」

ドサァッ…

玄武娘「……はっ…はぁ…っ…は…」

トサッ…

朱雀嬢「玄武娘っ!?」

倒れる玄武娘の元へ朱雀嬢が駆け寄り、抱きかかえる。

召喚士「魔道士…さん…」

ザッ…ザッザ……フラァッ…ドサッ

召喚士は跪き、魔道士を抱え上げようとするが、

己自身もその場へ仰向けに倒れ込んだ…。

召喚士「………」

その背後には、崖のようにそびえる壁が立っていた。


171 :パー速民がお送りします [] :2010/01/21(木) 22:56:37.66 ID:ez.8xm6o
この石彫って召喚士とコカちゃんの像つくろうぜ!


172 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 22:56:38.85 ID:TDy35DQo


盗賊「……」

戦士「終わった…のか…?」

ハヌマーン「…みたいだな」

天才「…斥候、出しといた方がいいんじゃねぇか?」

南方司令「……そのつもりだ」

タッタッタッタ…

盗賊「…魔道士、魔道士っ!!」

魔道士「………」

盗賊は魔道士を抱え、魔道士の乱れた髪を整え頬を撫でる。

魔道士「………っう…」

盗賊「!!…良かった…っ!」

朱雀嬢「玄武娘っ!!」

玄武娘「……あ…、朱雀嬢ちゃん…」

玄武娘もまたゆっくりと目を開け、意識を戻す。


178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:27:58.56 ID:TDy35DQo


召喚士「……ん…っ」

戦士「気づいたか!?」

盗賊「……」

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「……みんな」

召喚士は上半身を起こし、辺りを見回す。

ハヌマーン「終わったぞ…」

ザッザッザ…

南方参謀「御苦労様…!!」

南方参謀は水の入った器をそっと召喚士へ手渡す。

南方参謀「…君らのお陰で…これだけの兵士が助かった」

南方参謀は腰に手を当て治療中の兵士達を見る。

召喚士「……」

見つめる先には、南方魔道長の横に座る南方弓長の姿が映る。


179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:28:50.29 ID:TDy35DQo
ザッザッザッザッザ

南方司令「………」

天才「……」

南方司令「……」

天才「……はーっはっは!」

南方司令と天才の二人は、話をしながら森方面から歩いて来る。

天才「おーっ、気づいたか」

召喚士「天才さん…!大丈夫ですか?」

天才「ん?ああ、まぁこんぐらいは問題ないだろ」

天才は頭に巻いた包帯をさすり、笑みを浮かべ答える。

南方司令「しかし…美味しいところを…持ってかれたなぁ!」

南方司令はそびえる石壁を見つめ、大声で笑う。

影は炎と氷で表裏二色に染まり、幻想的な光景を生み出している。

朱雀嬢「まぁ、このぐらいはよゆうでしたかしらね…?」

玄武娘「……ひ、必死でしたのっ!」


180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:33:00.26 ID:TDy35DQo


負傷兵を先頭に、国軍が凱旋を始める。

南方副官「何だかんだで…半数を失ったか…」

盗賊「……」

南方参謀「貴方達のせじゃないわよ…」

南方司令「ああ。正義を全うし、立派に戦ったのだ!」

天才「……」

天才は気だるそうに耳をほじり、星空を見上げる。

召喚士「……」

戦士「どうした…?」

召喚士「あ、いや……」

戦士「…?」

召喚士「あの魔物、最後に自ら炎の中に身を投じた…」

ザッザッザ

ハヌマーン「……いや。若干違うかもしれぬ」


181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:36:29.07 ID:TDy35DQo
召喚士「ハヌマーンさん…」

ハヌマーン「私は横から見ていたが、何か押されるような感じがあった」

召喚士「押される…?」

ハヌマーン「…そう。何か……」

召喚士とハヌマーンは互いを見つめ、ハッとした表情で気付く。

ダッ!!

戦士「あっ、おい…!!」

盗賊「…?」

タッタッタッタッタ…

召喚士とハヌマーンは森の中を見回す。

戦士「ど、どうしたんだよ!?」

召喚士「ない……!!」

ハヌマーン「やはり…!!」

戦士「…?」

召喚士「あの風を起こす…扇が見当たらないっ!!」


182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:42:59.91 ID:TDy35DQo
〜東の森、はるか後方〜

シズシズシズ…

一人の美しい魔物が、芭蕉扇を肩に担ぎ歩く。

羅刹女「……全く。全滅とは情けない」

羅刹女は魔獣の上にある輿に乗ると、背後を振り向く。

羅刹女「……ふん、まぁいいわ」

ドズゥンドズゥン…

羅刹女「次の機会は……覚えてなさいっ!おーっほっほっほ…」

羅刹女を乗せた魔獣達は東の果てへと消えて行った…。

〜東の森〜

南方司令「国軍の撤退は完了!さて、俺らも帰るぞ!」

戦士「おうっ!」

魔道士「行きましょう?召喚士さんっ!」

玄武娘「行くですの」

召喚士「はい…!戻りましょうか!」


183 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/21(木) 23:44:02.32 ID:TDy35DQo
なんだかお腹痛い人が続出ww
すいません…感染したかも…お陰でだいぶ楽です!


186 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/21(木) 23:58:32.58 ID:TDy35DQo
ジャリッ…

召喚士「……天才さん…?」

天才「悪いな!多忙なもんでよ〜」

戦士「もう行くのか……」

盗賊「………」

天才「…何だ?」

盗賊「…いや…関…」

南方司令「おーいっ!行くぞおぉ!!」

魔道士「あっ、はーいっ!行きましょうか」

召喚士「では…また!」

天才「お互い死ななきゃな!はーっはっはっは!!」

天才はツヴァハンダーを右肩に担ぎ、一同の元を去って行った。

玄武娘「不思議な人ですの…」

召喚士「ええ…」

盗賊「……」


187 :パー速民がお送りします [] :2010/01/22(金) 00:04:28.98 ID:.WWyHm.0
え…?まさか盗賊…いや、それはないか


188 :パー速民がお送りします [] :2010/01/22(金) 00:05:01.64 ID:qD0/G8w0
関取?


192 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 00:10:36.57 ID:iiCHVUQo
ザッザッザ

ハヌマーン「それでは…私も失礼する」

召喚士「ハヌマーンさん?」

ハヌマーン「先程は緊急時だったが…街に行くのはマズかろう…」

魔道士「そ、そんな事…」

朱雀嬢「話せば…分かりますわよ…!」

ハヌマーン「それに後処理も何かとあるしな…」

盗賊「……」

ハヌマーン「安心しろ。私達は人間との共存を望んでいる」

召喚士「…はい!」

ハヌマーン「いつか訪ねてくれ。我が主もきっと歓迎される事であろう」

盗賊「……ありがたく」

ハヌマーン「お主…良い腕であったぞ」

盗賊「!!……よ、よせっ!」

ハヌマーン「…では!」

タンッ!!

ハヌマーンは崖を身軽に登り、彼方へと消えて行った。


193 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/22(金) 00:13:43.31 ID:iiCHVUQo
〜南の街〜

ガラガラガラッ!!…

伝令「司令の馬車が到着しましたっ!!」

南方司令部の前には、大勢の兵とワーカーが出迎える。

南方司令「ヒーローのご帰還だぁ!!」

ワアァァッ!!

戦士「……自分で言ってりゃ世話ねーわな」

召喚士「ははっ…!!」

戦士「しっかし…コイツらもこうして見てると…」

召喚士「……子供…だよねぇ」

玄武娘「すー……すー…」

朱雀嬢「……んー……っ」

魔道士「……すー」

盗賊「くぅー……くぅー…」

戦士「揃って気持ちよさそうな顔して…」

召喚士「みんな、頑張ったからね…!」


197 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/22(金) 00:32:39.32 ID:iiCHVUQo
あとはエピローグで第十一部も完って感じですかね!
土日前には終わらせられそうです!
此度も多数のご支援、ありがとうございました!ノシ

〜オマケ〜

羅刹「やるな……」

天才「はーっはっはっは!」

羅刹「と、言うとでも思ったか?実はまだ、あと三回変身を残している」

天才「ほう…奇遇だな。俺もだ…!」

盗賊「!?」

羅刹「ふ、ふんっ!実はまだ10%のパワーしか出しておらぬ!」

天才「甘かったな…俺はまだ実力の0%しか出してねぇ…!」

召喚士「0%!?」

羅刹「み…見ろっ!!この角と牙をっ!…ニョキニョキ」

天才「…こちらもだ!!…ドガシィッ!!」

魔道士「ツヴァイハンダー三刀流!?」

戦士「アイツは天才じゃねぇ…!アホだ……」


198 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 00:35:10.54 ID:Xe5j5Mko
元からアホっぽいような…
いやなんでもない


203 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 01:35:50.54 ID:r2Iaa.go
寿命→魔翌力に変換できるなら、
魔翌力の使いすぎ、又は魔翌力不足なのに無理に召喚したら
寿命とかに影響してくるの?と疑問に思いました。
魔翌力使いすぎて疲労するみたいだし。


204 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 01:55:25.59 ID:Xa0sgHwo
>>203
召喚士が召喚できなくなったことがあったから直接寿命に影響するレベルじゃないんじゃね?


205 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 02:01:06.39 ID:kuM1GEAO
サモナーさんがいい例だろ


206 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 02:10:16.58 ID:CuFUr.Y0
脳にリミッターみたいなのがあるんじゃね?
通常は無闇に寿命を削るわけにはいかないから魔翌力不足になると召喚とかはできない
ただし何らかの理由でリミッターが外れると寿命を削って魔翌力を生み出すみたいな
ちょっと違うが火事場の馬鹿力みたいなもんと捉えてる


207 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 02:19:13.03 ID:bSHqTwAO
>>206
サモナーは禁術を使って寿命を魔翌力に変換しているんだったと思うんだが……違ったか?

俺のイメージでは器が二つあって、一つは魔翌力。一つは寿命というか生命力
普通は魔翌力のみを使っていて、切れたら召喚士みたく使用不可になる
そこをサモナーは禁術を使って生命力の器を魔翌力の器に繋いでいる……みたいなイメージだた


212 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/22(金) 10:22:17.02 ID:V4X0TUDO
書きにくくなるから
外野は黙ってチラシの裏にでも書いてろ


217 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/22(金) 15:44:59.65 ID:.UPBDe6o
こんにちは!毎度ご支援感謝でございます!ノシ
皆様色々考えて下さってるので嬉しいですよ

とりあえず魔力は0になったとしても、
己の命を削って使用可能みたいなイメージですかね
RPG風に言えば、MP0になってもHPをMPへ変換出来るみたいな

>>199
盗賊「いや…関ジャニ∞の渋谷すばる君に似てるな…///」

では、続きます↓



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