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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
- 883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/05/16(月) 00:04:45.83 ID:t6kBtw4go
ドシュウウゥゥゥゥ
魔道士「あっ、戻ってきましたよっ!」
スタッ…タッタッタ
召喚士「玄武娘さん、シービショップを!」
玄武娘「はいですの!」
天才「タローちゃんはどうした?」
青年兵「追ってきます。しかし決定打が……」
天才「やるだけやってみるさ。いや、やるしかねぇだろ」
盗賊「……」
天才「さーて、そんじゃちょっくら行くとすっかぁ」
魔道士「は、はいっ」
天才「バックアップは頼んだぞ」
盗賊「……分かった」
召喚士「出来る限りは……」
天才「へっ、頼もしい限りじゃんか」
- 884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:05:13.21 ID:t6kBtw4go
ザッ
天才「いいか? 俺様と魔道士が奴の背後に回って五行をぶっ放す」
召喚士「大丈夫なんですか?」
天才「知らん。だがまぁ、それしか手はねーだろ」
青年兵「つまり俺らは、正面からタローマティの気を引けば良いと」
天才「そういう事だ。至ってシンプルなモンだろ?」
朱雀嬢「頑張りますわっ」
天才「10分だ。それでいい」
青年兵「了解です」
天才「……んじゃ、しっかりついてこいよ!」
魔道士「はいっ!」
タッタッタッタッタ…
青年兵「…………」
盗賊「……うまく……いくかな?」
青年兵「……分かりません」
- 885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:05:53.09 ID:t6kBtw4go
召喚士「……」
青年兵「正直、ここまでは出来すぎている感もあります」
召喚士「うん」
青年兵「但しそれは司令あっての事」
盗賊「……奴に従うしかないと?」
青年兵「従う……というか、司令あっての作戦だと思ってますから」
召喚士「それは言えてるね」
青年兵「予言にしろ、司令が中核をになっていますからね」
盗賊「……他の者は知らぬのか?」
青年兵「漠然としたものは聞いておりますが、あとは大軍師さんくらいですかね」
召喚士「そういえば、大軍師さんは色々と知っているみたいだしね」
青年兵「ええ。僕も総大将を命じられておりますが、あくまで軍の指揮のみですから」
盗賊「……実務の実行は彼ら、か」
青年兵「……さぁ、行きましょう」
召喚士「うん」
- 886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:06:18.48 ID:t6kBtw4go
タタッ…ザザザッ
天才「……」
タローマティ「見つけたぞ人間……ッ」
天才「バーカ、見つかってやったんだよ」
タローマティ「……ほざきよるわ」
天才(さて、魔道士は配置についたな)
ザッ
天才「アンラ・マンユのお傍にいてやらなくていいのかい?」
タローマティ「……」
天才「今頃、別働隊が討伐に向かってるぜ?」
タローマティ「戯言は無駄だ」
天才「へぇ、随分とまぁ冷静だ事」
タローマティ「……どこだ」
天才「あん?」
タローマティ「貴様一人ではないはずだ。どこに隠れている」
- 887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:07:14.12 ID:t6kBtw4go
ドシュウウゥゥゥゥ
天才「うしろ」
タローマティ「!?」
青年兵「ワイバーン! 奴を撃墜しろっ!!」
タローマティ「甘いわ」
背後から強襲するワイバーンの攻撃に、タローマティはその一撃を回避すべく、
全体を黒い影に変化させようと試みる。
ピキッ…ピキピキピキッ
タローマティ「――!!」
石化する下半身。黒い影は徐々に石と化し、空中で固形となった。
タローマティ「おのれぇ……!!」
バシュッ!!
青年兵「何っ!?」
召喚士「自らの下半身を捨てたかっ!」
ボフンッ…ブシュウウゥゥ
- 888 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:08:14.25 ID:t6kBtw4go
玄武娘「消えたですのっ!!」
朱雀嬢「……」
天才「……よーし、今のうちだな」
タローマティが影となり、姿を消した隙に、天才も崖より飛び降り、
再び森の中の魔道士と合流すべく、木々の合間を走りぬけた。
ススッ…タタタッ
召喚士「くそ……っ。本体はどこに……」
青年兵「召喚士さんっ、後ろです!!」
召喚士「!?」
コカトリスの背後に現れるタローマティの本体。
召喚士はすかさずコカトリスを反転させ、石化の息でそれを封じ込める。
ゴオオォォォォ…
玄武娘「やった……ですの?」
朱雀嬢「違うっ! こっちが本体ですわ!!」
ザザッ
- 889 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:08:54.82 ID:t6kBtw4go
朱雀嬢の振り向く先に再び姿を見せるタローマティ。
玄武娘「!?」
朱雀嬢はグリフォンを降下させると、上空よりタローマティめがけ一直線に、
激しい炎と爪による攻撃を加え、これを撃破した。
玄武娘「やったですのー!」
朱雀嬢「……さっきから何かおかしいですわ」
玄武娘「え……?」
朱雀嬢「何ていうのかしら、まるで手ごたえを感じないですわ……」
玄武娘「へっ!?」
バシュウウゥゥゥゥ…スタッ
召喚士「タローマティは!?」
朱雀嬢「分からないですわっ」
青年兵「さっきのは本体ではなかったようですね……」
召喚士「うん。下半身を捨て魔力が落ちているとはいえ、油断は出来ないよ」
朱雀嬢「一体、どこへいったのかしら……」
- 890 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:10:21.44 ID:t6kBtw4go
タッタッタッ…ザザッ
天才「準備出来てっかぁ!?」
魔道士「はいっ!」
天才「さーて、タローちゃんはどこに……」
ズウウゥゥゥゥン
天才「…………」
魔道士「……天才さん?」
天才「いつだ……」
魔道士「……?」
天才「いつの間に……くそぉ」
魔道士「ど、どうしたんです!?」
天才「……っ」
魔道士「天才さ――」
天才「動くなっ!!」
魔道士「!?」
- 891 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:17:07.21 ID:t6kBtw4go
タッタッタッタッタ
召喚士「……っ」
青年兵「奴は、奴はどこに……!?」
玄武娘「一体、どういう事ですの?」
盗賊「……一緒だ」
朱雀嬢「……?」
盗賊「……あの時と……一緒だ……っ」
玄武娘「え……っ?」
青年兵「やられたっ! いつだ……っ!!」
召喚士「そんな気配は……なかったのに……」
朱雀嬢「……!?」
盗賊「……タローマティ……やってくれるっ」
フォン
タローマティ「……」
上空より、タローマティは静かに森を見下ろし、そして笑う。
- 892 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:22:45.00 ID:t6kBtw4go
ザッザッザ
天才「……いつの間にやりやがったんだ」
魔道士「まさか……っ」
天才「あんだけ警戒したてってのに……くそっ」
コオオォォォォ
タローマティ「いつなどという事は問題ではない」
ズズズッ
タローマティ「問題は、貴様らがこの死の森からは逃れられぬという事」
森の中を困惑し、そして彷徨う一同へ話しかけるように呟くタローマティ。
タロ−マティ「さて、あとは死ぬまで彷徨い続けるが良い」
クルッ…スゥッ
タローマティ「ククッ。……ん?」
キラッ…ォォォォオオ
タローマティ「!?」
煌く閃光がタローマティの体を貫く。
- 893 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:26:18.60 ID:t6kBtw4go
ズドオオォォォォッ!!
タローマティ「――ッ!!」
ドシャアアァァァァ
青年兵「何だ……っ!?」
召喚士「今のは……」
ババッ!!
玄武娘「え……っ!? あれって……」
朱雀嬢「……ベヒーモス!? しかも……2匹も!!」
ズンッズンッズンッ…ドズウウゥゥン
タローマティ「先程の……いや、新手か!?」
タッタッタ…ズザッ
白虎長「……大丈夫!?」
白虎嬢「あれが……敵?」
玄武娘「白虎嬢ちゃんっ!?」
青年兵「白虎……先生!!」
- 894 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:30:29.38 ID:t6kBtw4go
フッ
天才「……!?」
魔道士「あれ、今……何か空気が……変わった!?」
天才「幻術が解けた……っ? 一体なにが……」
タッタッタッタ…ザザッ
――「大丈夫ですか!?」
天才「!?」
魔道士「あ、あなたは……っ!」
オオォォォォ…
召喚士「何故お2人が!?」
白虎長「救援物資の依頼があって、届けに来たら交戦中だったのよ」
朱雀嬢「貴方も?」
白虎嬢「はい〜。従姉さんと一緒に〜」
玄武娘「頼もしいですのーっ!」
白虎長「他にも何人か来てるわよ。既に南西砦へ向かったけれど」
- 895 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:32:57.14 ID:t6kBtw4go
召喚士「そうでしたか……」
白虎長「それで、どうすればいいの?」
召喚士「あ、えっと……天さ……総司令が攻撃を仕掛けるので牽制を」
白虎長「牽制? とりあえず召喚獣で攻撃すればいいって事?」
青年兵「はい。あいつは眷属の1人です。五行でしか消滅は不可能なんです」
白虎長「なるほど。でも、五行なんて大丈夫なの?」
盗賊「……さぁ。本人が言うんだから……大丈夫なんだろう」
玄武娘「白虎嬢ちゃん、一緒にがんばるですの!」
白虎嬢「えぇ、頑張りましょう〜」
朱雀嬢「久々に3人揃ったですわ!」
白虎長「それで、その眷属はどこへ行ったのかしら……」
青年兵「!?」
召喚士「また消えた……っ」
盗賊「……幻術か?」
召喚士「まずいですね。森の中へ召喚獣を展開して、俺らは山側へ移動しましょう!」
- 896 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:34:20.86 ID:t6kBtw4go
ザッザッザ
魔道士「……剣士さんっ!!」
剣士「魔道士さん、それに……」
天才「……おやぁ? 確かアンタ」
テクテク
法師「いつぞや……そう、火焔山の時にお会い致しましたかな」
オーク「オラも会った事あるです」
魔道士「オークさん! それに……幼女ちゃん!?」
幼女「お姉ちゃん! 大丈夫!?」
魔道士「何で……みんなが!?」
弓使い「説明は後回し。敵と交戦中なんでしょう?」
剣士「それで……肝心の敵は……」
ススッ
タローマティ「ここだ」
それぞれのの背後にタローマティに姿が現れ、攻撃を開始する。
- 897 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 00:36:33.84 ID:t6kBtw4go
剣士「何っ!?」
天才「惑わされるな!! どれかが本物だっ!!」
法師「……」
タローマティ「……死ね」
法師「そこですっ!」
すばやく魔道士の背後を指差す法師。タローマティの影が徐々に実体化する。
魔道士「――!?」
天才「くそぉ……っ!!」
タタッ…ガバッ
タローマティ「ほぉ……」
黒い影が魔道士を庇った天才の身体を縛り上げ、大きく吹き飛ばした。
天才「がっは……ぁ!!」
ドゴオォッ!!…ドザッ…ザンッ…ドシャアァ
魔道士「天才さぁん!!」
タローマティ「狙いは違ったが、まぁ結果的には良し……か」
- 901 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/16(月) 13:59:38.17 ID:w7iliR9DO
>>1乙
天才……大丈夫だよな…
殺しても死にそうにないキャラだもんな……
天才にはフラグとか関係ないよね?
続き楽しみなのに続き見るのが怖い…
- 902 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:33:36.10 ID:/JkdQGuPo
天才「がは……っ」
ポタポタッ
天才(馬鹿か俺は……っ」
ヨロッ…グググッ
天才(何も庇わなくたって、治癒でどうにでもなんじゃねーか……)
スタッ
天才(……どうしても、あいつだけは死なせるわけにゃいかねーんだ)
口元の血を拭いながら、天才は魔道士の無事を横目で確認する。
魔道士「……っ」
フォンッ
タローマティ「……何故、分かった」
法師「……」
タローマティ「本体を見破るとは、不思議な奴だ」
剣士「法師様っ!!」
タローマティの幻影が一つに集まり、法師の元へと素早く攻撃へ移る。
- 903 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:34:02.77 ID:/JkdQGuPo
バキイイィィン
タローマティ「……!?」
オーク「法師様は……オラが守るです!」
タローマティ「貴様も人間へ加担するか」
オーク「オラの……大事な友達だぁ!!」
ブンッ…ズザァ
タローマティ「……理解出来ぬな」
オーク「フーッ、フーッ」
弓使い「剣士、今のうちに彼を……」
剣士「大丈夫。もう既に行っているよ」
魔道士「……?」
剣士「僕らのパーティー仲間さ」
魔道士「……あっ!!」
タッタッタ
傷つく天才を一人の女性が脇から支え、回復魔法を施す。
- 904 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:34:46.36 ID:/JkdQGuPo
パアアァァァァ
天才「……お……前っ」
女賢者「大丈夫? 天才さん」
天才「……招集命令無視しやがって」
女賢者「違うのよ……っ。あの……」
天才「言い訳はいい。この方向音痴」
女賢者「……」
魔道士「あの人……」
剣士「赤壁へ向かう途中に出会ってね。共に戦ってくれる事になったんだ」
魔道士「そうなんですかぁ……」
弓使い「ちょっとした縁もあってね」
魔道士「縁……ですか?」
ブンブンッ…グイグイッ
天才「……ひとまず問題なし。ご苦労ご苦労」
女賢者「はいなっ」
- 905 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:35:43.44 ID:/JkdQGuPo
ザッ
天才「とりあえず森の中は危険だ。山沿いに場所を移すぞ」
魔道士「は、はいっ」
剣士「なんとか振り切れればいいけど……」
天才「なーに。戦ってるのは俺らだけじゃねぇ」
幼女「……?」
天才「いいか? 合図をしたら振り向かず、ひたすら山まで走れ!」
オーク「法師様、オラの背中に乗って!」
剣士「幼女も、僕の下から離れないように!」
天才「……いくぞー」
タローマティ「逃がさぬ」
グワッ
天才「今だぁ!!」
叫び声と同時に、天才は土行を地面へ放ち、大量の土石と埃が舞い上がる。
タローマティ「……目晦ましのつもりか」
- 906 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:36:49.62 ID:/JkdQGuPo
粉塵を避けるように後方へ飛ぶと、またもやその体を影へと忍ばせるタローマティ。
タローマティ「どこへ逃げようとも――」
ザッ
天才「誰が逃げるっつったよ?」
タローマティ「!?」
天才「五行……水!!」
キュイイィィ…ガガキイイィィィィンッ
凍りつくタローマティの体。そして天才はツヴァイハンダーを片手で素早く振り下ろす。
ドッズウウゥゥゥゥンッ!!…ゴシャアアァァ!!
天才「一気に走り抜けろぉ!!」
剣士「弓使い、幼女! 行くぞ!」
魔道士「オークさんっ、こっち!」
オーク「はいです!」
タッタッタッタッタ…
天才「あとは頼むぜ……召喚士の身様方」
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