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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その32
- 212 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/09/22(木) 17:58:25.76 ID:PZ5f5S8/o
…
アスラ「……進軍」
ラクシャーサ「おぉ!」
アスラ「今夜はラーヴァナ様が直々にお見えになる。それまでに失態を晒すでないぞ」
ラクシャーサ「おおーっ!」
アスラ「人間共を蹂躙し、ラーヴァナ様への供物とせよ。行けぃ!」
ラクシャーサ「おおぉぉぉぉ!!」
5日目早朝、アスラ指揮の下、再編制された魔王軍が正面、左右と10万ずつ、
3つの師団に展開し、東の町へ続々と進軍を始めた。
ドドドドドド…
南方兵「来たぞぉーっ、食い止めろぉ!」
南方参謀「兵器の準備はいい!?」
助手「いつでもオッケー♪」
騎士団長「本国騎士団、正面より出るぞ!」
大軍師「……出陣!」
- 213 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 17:58:59.82 ID:PZ5f5S8/o
戦闘開始直後、進軍を続ける魔王軍に対し、南方軍は兵器による牽制を仕掛ける。
これにより魔王軍は早くも足と止め、兵器の射程ギリギリのポイントで停止した。
ラクシャーサ「どうすんだ! 固まっても散っても駄目だぞ!」
言葉の意味するところは、密集して進軍を続ければ兵器の的となり、それを避ける為に
分散して進軍すれば、個別撃破を狙う騎兵隊や竜騎士隊に狙い打たれる。
魔王軍は攻め手に欠いた。これがもし人間側の立場であれば幾らでも打開策はある。
所詮は人間の真似事をしているに過ぎず、その本質までは全く見えていないのだ。
結局、魔王軍は分散よりは力押しにまだ分があると判断し、多少の犠牲を覚悟の下、
従来通り、全軍で突撃を敢行する事となった。
ラクシャーサ「いっけええぇぇ!!」
弓兵「うてうてうてうてぇーっ!!」
交戦より数十分後、東の町の北側が騒がしくなり、歓声とどよめき、そして馬の蹄が響いた。
ドドドドドド…
西方参謀「来たかっ!!」
南方参謀「赤壁からの援軍よ! みんな、見える!?」
- 214 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 17:59:58.69 ID:PZ5f5S8/o
ドドッドドッドドッ…
南方兵「おぉ!! すげぇ数だ……っ!! これなら勝てる……勝てるぞぉ!!」
魔道兵「見ろっ!! 赤壁の連中だ、エリート様もいるぞぉ!!」
パッカパッカパッカ…
エリート「待たせたな。増援、予定通り約5万程いる」
大軍師「ご苦労様です。赤壁には5千ですか?」
エリート「一応な。最終防衛拠点でもあるし、避難民も収容しているからな」
大軍師「本国からは?」
エリート「陛下の話ではあと僅かばかり南へ向かっているそうだが、まだのようだ」
南方参謀「さぁ、ここからが本番よ」
南方副司令「ようやく反撃出来るな」
エリート「戦況は?」
大軍師「悪くありません。ですが、良くもありません」
エリート「……上々だ。ではこれより、私が指揮を司る」
大軍師「お願い致します」
- 215 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:00:31.41 ID:PZ5f5S8/o
…
エリート「町の東側からは西方司令部の面々が出撃。数は2万」
西方副司令「了解です!」
西方参謀「随分と飲んだし……魔力も溜まった頃合いだわなぁ……ヒック」
西方司令「う、うひいいぃぃぃぃ……っ」
西方参謀「おい、司令の武器は?」
西方副司令「昨日の戦闘でボロボロになっちゃって……修理中なのよ」
西方参謀「たった1日でボロボロ……? はぁ、仕方ねぇな。これでも多少はマシだろ」
パシッ
西方副司令「何それ?」
西方参謀「俺のダガー……ヒック」
エリート「大丈夫か? それでは頼んだぞ」
西方副司令「り、了解ぃ!!」
西方参謀「おら大将、行くぞ!」
西方司令「は、はぁ……大丈夫かな? 死なないかな? 大丈夫だよね? いやでもなぁ……」
- 216 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:01:14.99 ID:PZ5f5S8/o
エリート「反対の西側は南方司令部、宜しいな?」
南方副司令「おうよ!」
南方参謀「やってやろうじゃないの」
南方司令「今日でカタを付けてくれる。待っていろよ、悪の魔王!」
エリート「残り1万は正面を務める。騎士団長殿に指揮を任せる」
騎士団長「任せて下され」
エリート「更には正面より竜騎士隊。状況に応じて側面に展開してくれ給え」
青龍兵「ははっ!」
エリート「渡しと大軍師殿はここで殿を務める。兵器隊、弓兵、準備は良いな?」
助手「はいな〜♪」
弓兵「いつでもいけますっ!」
大軍師「魔道兵は弓兵や皆を援護しつつ、魔力を溜めておいて下さい」
魔道兵「了解であります!」
エリート「では行くぞ勇敢なる諸君ら。簡単に死んではならぬぞ!」
一同「おぉう!!」
- 217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:03:04.36 ID:PZ5f5S8/o
ゴゴオオォォォォン
ラクシャーサ「んだぁ!? 門が開いたぞぉ!?」
騎士団長「突撃ーっ!! 騎士団の力、存分に味わわせてやれい!」
竜騎士兵「竜騎士隊っ、上空より援護開始ーっ!」
西方参謀「火計の予定に変更はねぇな?」
大軍師「ええ、今のところは」
西方参謀「よーし、ちょっくら背後から援護してやるぜぃ……ヒック」
南方参謀「援護?」
西方参謀「精鋭で魔王軍の奥底までブチ抜いて、そのまま合流だ!」
南方副司令「生きてたらな!」
南方司令「兵の指揮は任せるぞ。私は先頭を行く!」
南方司令「司令っ!そっちは最後尾! こっちこっち!」
西方司令「勝てるかなぁ……大丈夫だよなぁ、いや駄目かなぁ……いや、いけるかな?」
西方副司令「ゴチャゴチャ言ってないで行きますよ」
西方参謀「なかなか頼りになる司令共だこと……ヒック」
- 218 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:03:34.18 ID:PZ5f5S8/o
ドドドドドド…
ラクシャーサ「人間共が打って出てきたようです!」
アスラ「ほぉ、まさかラーヴァナ様のご出陣に勘付いたか……?」
ラクシャーサ「どう致しますか?」
アスラ「数は?」
ラクシャーサ「こちらの半分以下です」
アスラ「……」
ラクシャーサ「攻撃も単調で、」ただの雑魚の群れかと……」
アスラ「何か狙っているのかもしれん。少し様子を伺ってみようか」
ラクシャーサ「ははっ」
アスラ「前線の奴等を速やかに退かせろ。射程範囲外にまでだ」
ラクシャーサ「ただちに!」
アスラ「これでどう出るか、人間共よ」
魔王軍30万を率いるアスラが下した決断は、一旦、兵を後退させると言うものであった。
その判断は想像以上に、人間側へ影響を及ぼすものとなった。
- 219 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:04:02.66 ID:PZ5f5S8/o
…
エリート「後退した?」
大軍師「はい。どうやら魔王軍も、一筋縄ではいかぬようですね」
エリート「……」
大軍師「如何致しますか? 追撃するか、こちらも後退するか……」
エリート「追撃、と言いたいのは山々だが、かなりの被害が出る事は明白」
大軍師「ですね」
エリート「止むを得ん、こちらも一度、後退するしかないようだな」
大軍師「畏まりました」
エリート「君の狙う火計とて、敵を引きつけねば無意味であろう?」
大軍師「……まぁ、そうですね」
エリート「よし、後退の合図を出せ」
赤壁兵「はっ」
後退の合図を示す発光弾が打ち上げられると、魔王軍の後退を見送った後に、
正面、左右全ての南方軍も速やかに後退を始めた。
- 220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:04:53.44 ID:PZ5f5S8/o
…
ダンッ!!
南方副司令「何なんだアイツらは!」
西方副司令「ちょっと、落ち着いてよ」
西方参謀「イラ立つのも分からんでもないがなぁ。魔物のくせにやるじゃねぇか全くよ……ヒック」
大軍師「いよいよ決断を迫られましたね」
エリート「篭城かはたまた……」
大軍師「総攻撃か、ですね」
南方参謀「でも、これ以上の篭城は危険じゃない? 今日は満月よ?」
大軍師「満月……」
西方参謀「魔物の力も徐々に上がってる。夜は更に激しくなるぞ」
南方副司令「今夜さえ凌げばあとは弱体化する一方なんだがな……」
南方司令「召喚士の少ないこちらに満月のメリットはないからな」
エリート「昼のうちに叩けるだけ叩いた方が賢明か。これで魔王でも来ようものなら……」
大軍師「東の町ではまず、勝ち目はないでしょうね」
- 221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:05:35.71 ID:PZ5f5S8/o
エリート「……よし、総攻撃を仕掛ける」
南方参謀「そうなると、兵器も動かす事になりますわよ?」
エリート「兵器は建造に時間を費やす。極力、失わぬよう務めて貰いたい」
助手「えぇ〜っ? 出来るかなぁ……」
騎士団長「30万に対し、こちらは6万程度がやっと。どこまでやれるかだな」
大軍師「本当に宜しいですね?」
エリート「他に手があれば伺いたい」
その問いに返答出来るものは1人として居なかった。
大軍師「分かりました。それではこれより、魔王軍に対し、総攻撃を仕掛けます」
エリート「正面より密集して突撃する。下手に分散すれば狙い打ちされるぞ、気を付けてくれ」
西方副司令「司令の武器は?」
助手「もうちょっと! 町に投石器1台置いとくから、射出するわん♪」
南方副司令「ほれ、余ってる長剣見つけてきましたぜ」
パシッ
西方司令「……うぅん、総攻撃かぁ。なんか勝てるような気がしてきたなぁ」
- 222 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:07:33.17 ID:PZ5f5S8/o
…
ザッ
騎士団長「では行くぞ。怯むなよ、開門と同時に真っ直ぐ突き進め!」
南方兵「開門ーっ!」
ゴゴンッ…ギイイィィィィ…
エリート「出陣!!」
門が開くと同時に、雪崩のを打って勢い戦場へと良く飛び出す一同。
騎兵に続き歩兵、更には後方より弓兵、魔道兵が後に続く。
最後尾からは兵器がゆっくりと出撃すると、それを確認した竜騎士隊が、
上空より一気に飛び出し、先頭のラクシャーサめがけて低空飛行で突撃した。
ラクシャーサ「来たぞぉ!!」
アスラ「突撃か、慌てずに迎撃しろ」
南方軍の突撃に対応する為、魔王軍も中央へ兵を寄せつつ迎撃の構えをとった。
やがて、両軍の先陣が激突する。迎え撃つ魔王軍に対し、騎兵が一気に雪崩れ込んだ。
騎士団長「はああぁぁ!!」
- 223 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:08:48.83 ID:PZ5f5S8/o
ドドッドドッ…ズガアアァァ!!
騎士団「押せ押せ押せぇ!!」
騎兵「撹乱しろぉ! 左右に分かれて円を描くように突撃するんだ!」
目まぐるしく動き回る両軍。戦場は一気に騒がしくなり、混戦を極めた。
南方副司令「騎兵に続けぇ! 打ち漏らした魔物を徹底的にねじ伏せろ!」
ラクシャーサ「死ねええぇぇ!!」
西方司令「いけそうだなぁ……勝てそうだなぁ」
ヒュオンッ…ザシュウウゥゥ!!
南方司令「ジャスティス……キーック!!」
バッゴオオォォォォン!!
南方参謀「流石の2人ね。悪いけど、盾にさせて貰いましょ」
西方副司令「そうね、それがいいわ」
ラクシャーサ「こっちが手薄だぞ! もっと兵を……ぐわあぁ!」
西方参謀「弓兵、援護射撃だ!」
弓兵「了解っ!」
- 224 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:09:48.27 ID:PZ5f5S8/o
バシュシュシュシュッ!!
アスラ「……小賢しい。もっと左右から回り込まぬか」
ラクシャーサ「は、はいっ!」
正面から突撃を図る南方軍に対し、魔王軍は左右から挟撃の態勢を整え、
一気に包囲しようと試みるも、そこにはすかさず兵器による援護射撃が入る。
ドッゴオオォォォォン!!
ラクシャーサ「ま、回り込めません……ッ」
アスラ「回り込むのだ。でなくば貴様等、死ぬぞ」
ザシュウウゥゥ!!…パキイイィィン
西方司令「ぎゃああぁぁ! 剣が折れたぁ! もう駄目だああぁぁぁぁ!」
西方参謀「誰か、代わりの武器をよこせ!」
騎兵「これを!」
西方参謀「スピア? いいのか……?」
騎兵「……持ち主だった者は……既に討ち死に致しました」
西方参謀「そうかい……そんじゃ遠慮なく。ほれ、司令! 大事に使えよ!」
- 225 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:10:32.80 ID:PZ5f5S8/o
パシィ
西方司令「……うーむ、みなぎって来たぞ!」
ヒュオッ!!…バッギャアアァァ!!
西方司令「勝てるんじゃねーかこれ? いけるいける!」
南方司令「おい」
西方司令「ん?」
南方司令「アスラを討ちにいくぞ」
西方司令「……ほっほー。そいつはなかなか名案」
騎士団長「無茶はするなよ?」
エリート「いや、面白いな。敵の大将を叩けば軍の機能も止まる。いけるか?」
南方司令「いける!」
西方司令「まぁいけるでしょうよ!」
大軍師「では道を切り拓きましょう。手の空いてるものは支援を」
騎士団長「手薄な所を一斉攻撃で叩くぞ!」
エリート「我らに続けぇ!」
- 226 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:11:23.08 ID:PZ5f5S8/o
両軍入り乱れるその一部分が、大海から別れ流れる川のようにうねりを見せる。
先頭の騎士団長、エリートを筆頭に、周囲の南方軍が密集し、更に奥深くへと進軍する。
魔王軍の乱れた急所を的確に突き、奥へ奥へと進んでゆく。退路はない。
進めば進む程、道は魔物に塞がれ、包囲は何重にも及んでいた。
それでも彼らの援護、そして包囲を解く為に、上空の竜騎士隊と後方の弓兵らが、
必死の援護を続ける。その甲斐あってか、突撃を敢行した彼らの目に、
巨大な魔物の姿が飛び込んだ。魔王軍の大将、アスラの姿である。
大軍師「……他の軍団長はいないようですね。ならばこのまま行けるかもしれません」
エリート「後方は無事か? この隙に突破されぬよう注意を!」
南方参謀「分かってます! 今のところは大丈夫よっ!」
アスラ「虫ケラは何匹群がろうが……虫ケラなのだぁ!!」
ゴウッ!!…ズッガアアァァァァ!!
騎士団長「くっ!」
南方兵「がはっ――」
交戦から3時間余り。被害は南方軍800人、魔王軍においては6000にも及んでいた。
- 227 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/09/22(木) 18:21:59.25 ID:PZ5f5S8/o
それではひとまずここまでにて!
本日も多数のご支援、ありがとうございました!
〜オマケ〜
南方司令「おい」
西方司令「あぁ?」
南方司令「シボーフラグってのは何だ?」
西方司令「知るか!!」
南方司令「なかなか響きがいいな。私もシボーフラグとやら、欲しくなってきたぞ」
西方司令「武器か!? 武器なのかっ!? だったら俺にもよこせシボーフラグ!」
南方参謀「……やめた方がいいわよ」
西方参謀「安心しろい。あいつら既にバリバリ手に入れてるわ……ヒック」
南方司令「貴様には負けぬぞ! シボーフラグは渡さん!」
西方司令「んだとぉ!? シボーフラグは俺のモンだゴルァ!!」
西方副司令「……あっ、シボーフラグが落ちてる」
南方司令「ジャスティスゲーットオオォォォォ!!」
西方司令「なぁに〜!? どっけええぇぇ!! 俺のモンだああぁぁぁぁ!!」
南方副司令「遊ぶなよ……」
- 230 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/22(木) 19:11:53.08 ID:9USEDMaDO
>>1乙!
西方司令は武器が長くなればなるほど強気になるのなwwww
- 231 名前:NIPPERがお送りします(鳥取県) [sage] 投稿日:2011/09/22(木) 20:14:43.54 ID:5XyUGiGn0
あ長さで変化してたのか
自分でしっくりする武器の時だけだとばかり
- 236 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/09/23(金) 06:06:48.82 ID:zBDZIelSO
長さって言うより単純にデカさじゃないの?
巨大な鉄球でも持たせりゃいいんじゃないかと
西方司令の素手の強さが気になる
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