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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
- 797 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/02/11(土) 23:37:52.11 ID:GP63oW0Vo
〜北方司令部〜
北方兵「地上部隊だけではなく、ドラゴンが迫っております!」
参謀「……っ」
北方兵「竜騎士隊の奴ら、威勢良くぬかしてたくせに……っ」
参謀「北の戦線も、かなり苦戦しているようですね」
ジリリッ ジリリッ ジリリッ
北方兵「こちら北方司令部!」ガチャッ
騎士長『俺だ! 援軍回せるか!? こっちに魔王軍が迫ってる!』
北方兵「参謀様っ、北関からの電話です!」スッ
参謀「……参謀です」
騎士長『北関に魔王軍が侵攻してる、援軍を回してくれっ!』
参謀「そうしたいのは山々なのですが、こちらもそうはいかないようです」
騎士長『魔王軍か!?」』
参謀「まだ規模は分かりませんが……」
騎士長『あっちもこっちも、北の連中はどうしてんだ……っ!』
- 798 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/11(土) 23:39:20.26 ID:GP63oW0Vo
参謀「最前線もかなり苦戦しているのかもしれませんね」
騎士長『仕方ない、何とか凌いでみる。そっちも気を付けてな!』
参謀「はい。出せる状態になれば、援軍を出させて頂きますので」
騎士長『すまんな。頼んだぞ!』ガチャッ
参謀「……やれやれ。お願いするどころか、頼まれてしまいましたか」
北方兵「参謀様っ! ドラゴンが1匹向かってきております!」
参謀「対空射撃用意っ!」
ジャキジャキジャキッ!!
参謀「弓兵の結界矢に合わせ、魔道兵は火行の援護を!」
魔道兵「了解ですっ!」
弓兵「撃てぇーっ!!」
ドンドンドンドンドンッ!!
ドラゴン「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
弓兵「当たらねぇ!! いや、当たっても致死には遠い……っ」
北方兵「もっとデカイやつじゃねぇと無理だ!」
- 799 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/11(土) 23:39:54.37 ID:GP63oW0Vo
参謀「バリスタを出しなさい」
北方兵「はっ」
弓兵「ここを抜かれたら防衛拠点はないぞ! その意味は分かってるよなぁ!」
魔道兵「何としてもここで……食い止めるって事だろぉ!!」
ドドオオォォォォン!!
参謀「来ますよぉ! バリスタの護衛を!」
弓兵「早くしろぉ!!」
北方兵「こっちゃあ飛べねぇんだぞ! 無茶言うなぁ!」
ドラゴン「グガアアアアァァァァーッ!!」
ドドオオオオォォォォン!! ドッガアアァァッァン!!
魔道兵「バ……バリスタがっ!」
参謀「しまった……!」
北方兵「旋回してこっちに来る! 迎撃――」
弓兵「間に合わねぇよくそおおぉぉぉぉ!!」
参謀「……っ」
- 800 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/11(土) 23:40:55.98 ID:GP63oW0Vo
ィィィィイイイイ……ドッズウウウウゥゥゥゥ!!
参謀「……!?」
弓兵「バっ、バリスタ!? どっから……」
参謀「……背後? しかしっ、バリスタはないはず……」
ガラガラガラッ……
――「……ったく、苦戦しやがって」
北方兵「!?」
――「全くだな。しかし、左翼長らは見当たらん」
弓兵「……っ!!」
――「おいおい、何をやってんだよまったくよぉ……ハッハ!」
参謀「あ……貴方達はっ!!」
バーテン「まだいんだろ? 早く新しいバリスタの準備をしろ」
戦士父「その間は俺達のバリスタでカバーする」
マジシャン「ボサっとしてんなよおい!」
参謀「え、あ……すみませんっ」
- 801 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/11(土) 23:42:30.55 ID:GP63oW0Vo
北方兵「ドラゴン、再び来ます!」
参謀「くっ、バリスタはまだ準備出来ていないというのに……っ」
マジシャン「1匹くらいは何とかなっかなぁ」
参謀「……?」
マジシャン「ああ、リハビリの話だよ。なんせ錆びてた魔力だからよ……ハッハ」
参謀「……あ……っ!!」
ドラゴン「グゴアアアアァァァァ!!」
バシュウウウウゥゥゥゥ
参謀「グリフォン!? 一体誰が……っ」
師匠「コカちゃんじゃねーのがちょいと不満だけどなぁ! ガハハッ!」
グリフォン「だったら乗るな」
ドッドオオオオォォォォン!!
バーテン「おいおい、ドラゴンを一撃かよ……」
師匠「サタンに持ってかれたのは魔力だけじゃねーんだぞ!」
マジシャン「肉体も戻り、魔力での延命が不要になった。攻撃に全力を注げるってわけか」
- 802 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/11(土) 23:44:00.79 ID:GP63oW0Vo
戦士父「流石に全盛期のようにはいかんらしいがな」
師匠「……ちっ、仕留めそこなったか」
ドラゴン「グ……ウオアアァァァァ――」
マジシャン「おらよおおぉぉ!!」キュイイィィィィ
ドッドオオオオォォォォン!! ドゴッシャアアァァァァ!!
バーテン「再来のマジシャンに朱雀、全盛期の半分程度で恐ろしいもんだ」
参謀「こ、これで……全盛期の半分……っ」
バシュウウゥゥゥゥ……スタッ
師匠「あーだりぃ。こっから先は節約してくか」
マジシャン「ああ。俺達の狙いはサタンだ。無駄な魔力使ってる場合じゃねぇぞ」
戦士父「左翼長らは?」
参謀「北関におります」
バーテン「なんだよ、せっかく援軍に来てやったってのに」
参謀「そ、それでしたら……皆様に頼みたい事が!」
マジシャン「……あん?」
- 804 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/12(日) 00:15:01.13 ID:qabUaGW3o
>>1おつ!
師匠にマジシャン……涙でてくるなー
- 815 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/12(日) 13:35:01.39 ID:545PzbMDO
専属解除すればクリトリスが二体になるんだよな…
ゴクリ
- 816 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/12(日) 19:12:11.65 ID:dbzf8haDO
>>815
お前の所為で思い出した
これ、行けっ!クリトリス!とかいうしょーもない下ネタだった
それが……あれ……?なんだこの超大作…
- 818 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/12(日) 23:04:22.55 ID:qB7Oc231o
〜北の森、ババ様の家〜
ババ様「アンタの望みは、魔王城の攻略法だろ?」
天才「アンタは知ってんだろ?」
ババ様「だからそれを聞きに来たんだろ?」
天才「予言で分かってんだろ?」
ババ様「そうだとしたら?」
天才「ハナっから教えるつもりなんだろ?」
ババ様「予言で分かってんのかい?」
天才「だったらどうだってんだ?」
魔道士「……疑問系ばかりで何が何だか分からない」
戦士「ほっとけ。難しい話は干渉しないに限る」
死でも、俺らだって無関係なわけじゃないし」
戦士「聞いたって理解出来ん。代わりに聞いといてくれ」スタスタ
魔道士「行っちゃいました……っ」
召喚士「……っ」
- 819 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/12(日) 23:05:20.27 ID:qB7Oc231o
ババ様「それで、魔王城についてだっけ?」
天才「六道門の存在までは分かってんだ。この奥にあるって事もな」
ババ様「六道門・人だね」
天才「六道門の先には何があるんだ?」
ババ様「知らないよ」
天才「はぁ!?」
ババ様「アンタだって知ってるだろ? 魔王城の内部に入った人間は居ないって話だ」
召喚士「本当に居ないんですか……?」
ババ様「あたしの聞く限りじゃあね」
スクッ テクテクテク
魔道士「……?」
ババ様「ほれ、手紙だよ」
天才「誰からだよ」
ババ様「聖王様さ」
天才「――っ!?」
- 820 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/12(日) 23:05:57.07 ID:qB7Oc231o
占い師「聖王……って」
召喚士「確か、何百年も前の王様……」
ババ様「聖王様はね、ずーっとアンタらが来るのを待ってたのさ」
魔道士「……っ!」
ババ様「アンタらみたいな勇者が来るのを、ずーっと待ってたんだよ」
天才「……」カサッ
ババ様「もう随分と古臭い手紙だけどさ、変わらないものが今もあるのさ」
天才「…………」
ババ様「それは、世界を平和にしようって、想いだよ」
占い師「……本当にね」
召喚士「それで、手紙には何と?」
天才「六道門は全部で6つ。その全てを開門して初めてベルゼブブは倒せるらしいな」
召喚士「!?」
天才「ったくよぉ、めんどくせぇトラップ仕掛けやがって」
魔道士「何で……そんな事を……?」
- 821 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/12(日) 23:07:19.54 ID:qB7Oc231o
天才「さぁな。臆病なんだろベルちゃんはよ」
召喚士「6つの門……」
天才「そのうちの1つはこの森の奥、六道門・人だ」
占い師「あとの5つは?」
天才「魔王城の正面側にある六道門・地獄。それと六道門・畜生」
占い師「嫌な名前ね」
天才「んで、内部にある六道門・餓鬼と六道門・修羅」
魔道士「……あれ? あとの1つはどこにあるんです?」
天才「上」
召喚士「上……?」
天才「六道門・天。文字通り、死へと誘う天への門だ」
召喚士でも、上って空ですか!? どうやって門を……」
天才「それはもう開いてる。気にする必要はねぇ」
魔道士「な、何でそんな事分かるんですか……っ?」
天才「ここに書いてあるからだよ。聖王様の直筆でな」パシッ
- 824 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/13(月) 00:25:51.18 ID:q7X72jKvo
あーあ戦士
フラグ立てちゃった
- 826 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/02/13(月) 02:17:46.08 ID:U4PkX3uo0
いちおつ
六道門・人…いきなりネクロかよwww
- 828 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:20:58.25 ID:juZCjIx3o
召喚士「つまり、残る5つの門を開けば、ベルゼブブは倒せると?」
天才「もちろん、ベルゼブブ本体も始末する必要はあるけどな」
占い師「……」
天才「とにかくまずは、六道門・人の開門だ」
召喚士「ですね」
魔道士でも、どうして聖王はここに手紙を残したんでしょう?」
天才「決まってんだろ、魔力がねーからこの森に入って来る事が出来たんだ」
ババ様「そういう事さ」
魔道士「それは分かってますけど、それなら最初から……」
天才「王宮や本国の連中にも伝えてはいただろうよ」
魔道士「……?」
天才「だがな、結局は都合の悪い連中に、歴史から抹消されちまったのさ」
召喚士「この森は魔力の少しでもある者が入れば、バフォメットの餌食になる……」
天才「聖王がそこまで把握してたかは知らんが、ようやくここまで辿り着ける刻が来たって事だ」
召喚士「それがあなたの言う、聖王が待っていたという事なんですね」
- 829 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:21:39.77 ID:juZCjIx3o
ババ様「そうじゃ。聖王はベルゼブブを倒せる力を持つ連中をずっと待ってたのさ」
占い師「……っ」
天才「正直なところ、六道門の存在は俺様も一部の記録しかなかったから公には出来なかった」
召喚士「でも、これで大義名分が得られましたね」
天才「ああ。聖王直筆の手紙。この存在があれば、他の連中も確信に至る」
ババ様「……行くのかい? 六道門・人へ」
天才「当たり前だろ。何しにここまで来たと思ってんだ」
魔道士「そうですよっ、もう少し……もう少しなんです!」
ババ様「悲しいねぇ」
占い師「……?」
ババ様「これも宿命かねぇ。悲しい事が多すぎるよ本当にね……」
天才「いずれは乗り越えなくちゃならねぇ事だ。それに、悲しみを越えてこそ真の強さがある」
ババ様「アンタはとうの昔に乗り越えたつもりでいる」
天才「あ?」
ババ様「泣くんじゃあないよ? 他の連中に示しが付かないよ」
天才「……バカにしてんのかテメェは」
- 830 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:24:38.61 ID:juZCjIx3o
…
ザッザッザッ
戦士「……しっかし、何とも奇妙な所だぜ」
盗賊「……」
戦士「ここに住んでる連中は、みんな予言の力を持ってるって事だよな?」
盗賊「だろうな」
戦士「何で、こんな所に住んでんだろうな? これじゃ魔物はあおろか、人と接する機会もねーぞ」
盗賊「……」
――「その為に、ここに住んでいるのだ」
戦士「……あんたもそうなのか?」
予言男「ああ、そうだ。僕は予言男。よろしくね、戦士くん、盗賊さん」
盗賊「――っ!!」
戦士「……予言の力か」
予言男「僕のは大局的なものではなく、個人的なものが深くみえる力でね」
戦士「名前程度はすぐにお分かりってか。凄いもんだ」
- 831 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:25:12.79 ID:juZCjIx3o
予言男「君らは全く、恐れたりはしないんだね」
戦士「今更だよ。その程度の事は何度も経験してきた」
予言男「そうか。強いんだな」
戦士「あんたらがここにいる理由……何となく分かった気がする」
予言男「……」
戦士「人と関わりたくねーんだろ? その、力のせいでさ」
予言男「そうだよ。こんな力は人を不幸にする事しか出来ない」
戦士「そんな事はねーだろ。人を救う事だって出来るはずだ」
予言男「そう行ってこの森から出て行った祖先も多数いる。だが、誰1人帰ってはこなかった」
盗賊「……」
予言男「共存なんて許されないのさ。我ら、予言の民はね」
戦士「やりもしねぇで、どうして分かるんだよ?」
予言男「……分かるさ。そういう運命なんだよ」
戦士「なぁ、あんたは自分の未来が予言出来るのか?」
予言男「残念ながら。予言の民は自分に関わる予言は一切見えない」
- 832 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:26:00.03 ID:juZCjIx3o
戦士「だったら分かんねーじゃんかよ。駄目かどうかなんてさ」
予言男「……」
戦士「それによ、運命は変えられるんだろ? そんな運命なら、自分の手で変えちまえよ」
予言男「僕は、戦士くんのように強くはないんだ」
戦士「ああ、弱いな。ちっぽけなくらい弱い」
盗賊「戦士」
戦士「何もしねーで卑下する奴は弱い。何かして駄目でも、それは弱さじゃねぇ。分かるか?」
予言男「……あ、ああ」
戦士「強さなんてのは色んな形がある。そん中で自分がどの強さなのか理解する事だ」
予言男「……」
戦士「何もしねーで弱いなんて言ってるのはな、慎重じゃねぇ。ただの臆病だ」
予言男「……そう……だね」
戦士「ここから出てった連中が帰って来ないのは、弱いからじゃねぇ。強さを手に入れたからだ」
予言「……強さを?」
戦士「ああ。仲間っていう強さを手に入れて、帰る必要がなくなったのさ」
- 833 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:29:28.04 ID:juZCjIx3o
予言男「!?」
戦士「予言男さんよ、あんたも強くなってみろよ」
盗賊「……」
戦士「外の連中はきっとあんたを受け入れてくれる。俺が保証する」
予言男「戦士くん……っ」
戦士「駄目ならまた帰ってくればいい。ただそれだけの事だろ?」
盗賊「そうだ。駄目で戻る事は恥ではないぞ。行動した結果、強さだ」
予言男「……」
戦士「なんなら俺が案内してやる! でもちょっと待っててくれ、先に魔王を倒してくっからよ!」
予言男「……ぷっ、あはは。戦士くん、君は本当に面白いね」
戦士「は……?」
予言男「ありがとう。戦士くんのお陰で少し変われた気がするよ」
戦士「あ、ああ……」
予言男「それじゃ、頑張って魔王を倒してくれ」
戦士「お、おうっ」
- 834 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:30:02.21 ID:juZCjIx3o
予言男「そしたら、僕も勇気を振り絞って、外の世界に出てみるよ」
戦士「そん時は声かけてくれよ!」
予言男「うん。きっとまた会える」
盗賊「予言の力か?」
予言男「見なくても分かるよ。そんな気がする」
戦士「そっか。楽しみにしてるぜ!」
予言男「うん。3人に会えるのをきっと楽しみにしてるよ!」
盗賊「……?」
予言男「それじゃまた! あ、そうそう。頭上には気をつけてね戦士くん!」
戦士「へっ?」
タッタッタッタッタッ
戦士「頭上……って、何だ?」
ヒュオッ……ズガン!!
戦士「……い……ってええぇぇ!!」
盗賊「あ、頭上……」
- 835 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:30:26.89 ID:juZCjIx3o
天才「何をサボってやがんだテメーは!」スタッ
戦士「いきなり脳天チョップかますなアホっ!!」
召喚士「あ、いたいた」
盗賊「話は終わったのか?」
天才「まぁまだ聞きてー事は山ほどあるけど、そんな時間はかけてらんねーしな」
ババ様「母親の事とかな」
天才「……」ピクッ
ババ様「おや、違ったかい?」
魔道士「母親……?」
ババ様「ああそうさ。この子の母親は魔道士ちゃん、アンタ――」
天才「関係ねーよ」
ババ様「……」
天才「これから死にゆく人間が、んな事聞いて今更どーすんだよボケ」
ババ様「冥土の土産じゃないかい」
天才「アホか、くだらねぇ」
- 836 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:30:57.98 ID:juZCjIx3o
ババ様「アンタはいいのかい?」
占い師「私?」
ババ様「何か、聞きたい事もあったんじゃないのかい?」
占い師「……今は別にいいわ。先にすべき事があるもの」
ババ様「そうかい」
占い師「落ち着いたら、またゆっくり聞かせて頂きます」ペコリ
天才「さて、寄り道に時間くっちまった。目的地に急ぐぞ」
召喚士「え、ええ」
魔道士「それでは、お邪魔しました」
ババ様「しっかりな。窮地でも決して臆するでないぞ。仲間がきっと助けてくれる」
召喚士「はいっ」
戦士「……さてと、目指すは魔王城か」
盗賊「ああ。ついにだな」
召喚士「……」
一同は森に住まう予言の民の下を離れ、魔王城を目指し進んで行った。
- 837 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:31:38.91 ID:juZCjIx3o
〜北方、北関〜
左翼長「援軍はどうだ!?」
騎士長「司令部も魔王軍の攻撃を受けてるみてーだ。しばらくは出せそうにもないな」
左翼長「ちっ。まさか援軍を出しちまったこっちがピンチとはな……」
北関兵「司令っ! 正門側より魔王軍の奇襲です!」
左翼長「迎撃しろぉ! 弓兵とバリスタに城壁の上から狙撃させろ!」
騎士長「ええい、使えるワーカーはいないのか! 誰でもいいっ、前線で兵の援護を――」
ジャリッ
騎士長「……?」
――「カモーン! リンドブルム!」
左翼長「召喚士かっ!!」
番長「いかにも。さぁ、援護は任せるでゴワス!」
親衛隊長「さぁ……レッツ、パーティーターイム!!」
バシュウウゥゥゥゥ!!
番長「カトブレパス、一気に殲滅するでゴワス!」
- 838 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:32:22.64 ID:juZCjIx3o
ゴッゴオオオオォォォォ!!
北関兵「うおぉっ! 魔物が一瞬で石化した……っ」
リンドブルム「ゴアアァァァァーッ!」
ドッゴオオォォォォン!!
北関兵「いけるっ、これならいけるぞ!」
騎士長「押し返せぇ! 一気に北関から遠ざけるのだ!」
弓兵「東側からも来ていますっ!」
左翼長「何ぃ!? 東門の守備は間に合うか!?」
北関兵「手薄ですっ! 特に魔道兵が足りておらず……」
騎士長「急いで手配しろ! くそっ、まさか東側とはな……」
左翼長「東方からの援軍が来ると思って手薄にしてたが、裏をかかれたか」
ズッドオオオオォォォォン!!
左翼長「な、何の音だ!?」
騎士長「東側……まさかっ、陥ちたのか……?」
左翼長「報告しろっ! どうした!」
- 839 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:33:02.87 ID:juZCjIx3o
北関兵「ひ、東側……援軍です!」
騎士長「な、何いぃ!?」
左翼長「どこの部隊だ!?」
北関兵「分かりませんっ、しかし……魔道士のようで……」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ!!
火の先生「全く、国軍が聞いて呆れるわい」
水の先生「火の先生、愚痴はあとあと! 魔物が迫ってますよ!」
左翼長「あ、あれは……!?」
テクテクテク
学園長「私の我が儘に付き合って貰ったのですよ」
左翼長「学園長!? ど、どうしてここに……」
学園長「私達とて本国の者。そして多少なりとも力はあります。黙ってみているわけにはいきません」
騎士長「た、頼もしい限りですが……」
学園長「危険ですか? それならば、貴方達がいるじゃない」
左翼長「……っ」ドキッ
- 840 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:33:32.08 ID:juZCjIx3o
騎士長「よ、よし! 学園長らを援護しつつ、東の敵を追い払え!」
北関兵「おぉーっ!」
学園長「それでは引き続き、私達も参りますよっ」
火の先生「それそれぇーっ!!」
水の先生「じゃんじゃん弓を射るんだっ。いくらでも付加してやるぞっ!」
騎士長「これなら、何とかなりそうだな――」
ドドッドドッドドッ……
伝令「北より魔王軍、約2000が侵攻中!!」
騎士長「だあぁ!! 次から次へとぉ!!」
左翼長「本当は打って出て追い払いたいところだが……」
騎士長「バカ言え! 半数以上は防衛用の兵なんだぞ!」
左翼長「分かってるよ。篭城が俺らの仕事だからな」
騎士長「こっちだって出撃してーのは山々なんだよ」
左翼長「赤備えの血が騒ぐか?」
騎士長「そんなんじゃねぇ。戦う者としての性分だよ」
- 841 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:33:57.46 ID:juZCjIx3o
ドドドドドド……
左翼長「……ん!?」
騎士長「おい、誰か勝手に出撃したのか!?」
北関兵「ま、まさかっ」
騎士長「じゃああの騎馬隊は一体……」
ドドドドドド……ドォンッ!!
左翼長「――!?」
皇太子「待たせたな、北関は無事か?」
騎士長「陛下っ!!」
北関「へ、陛下だ! 陛下が来たぞおおぉぉ!!」
ワアアアアァァァァ!!
左翼長「ナイスなタイミングだ! 崩れ掛けてたがこれで見事に持ち直した」
帝「東方の皆よっ、本国の兵に負けても良いのか!?」
旗本「上様に恥をかかせるなっ! 武士道を見せてやれいっ!」
槍侶「うおおぉぉぉぉーっ!!」
- 842 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:34:42.39 ID:juZCjIx3o
ドドオオオオォォォォ
左翼長「よーし! これで東側の連中は正門側にまとめてやったぞ」
ドドdッドドッドドッ
将軍「無事か!?」
騎士長「そっちは?」
将軍「東方の援軍がかなり大きい。私はここに防衛として加わるぞ」
騎士長「助かるぜ!」
将軍「陛下と東方の皆はこのまま川中島を目指すそうだ」
左翼長「東方司令部はどうした!?」
将軍「既に北へ向かっている!」
左翼長「了解だ。すまんが早速m、防衛にあたってくれ」
将軍「おもったより少ないな……っ」
左翼長「他からの救援が多くてな。一通り派遣しちまった」
将軍「防戦向けのワーカーと兵か。まぁ仕方ない」
左翼長「防衛線はお手のものだろ? 頼むぞ!」
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