■戻る■ 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
- 845 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/06/25(月) 17:59:14.04 ID:Jv/U+2/Jo
〜次の日、国軍本部〜
大軍師「失礼致します」ガチャッ
青年兵「おはようございます」
大軍師「決戦の刻まであと、8日ですね」
青年兵「そろそろ最終準備に取り掛かろうかと」
大軍師「ええ。私もその為に、ここへ来ました」
青年兵「……その荷物は?」
大軍師「北からです。戦後処理もかなり進んでいるようで」
青年兵「生存者は?」
大軍師「戦後4日程度までは多少なり居たようです。今はもう無理でしょうね」
青年兵「……そうですか」
大軍師「これ、大元帥にと贈り物です」
青年兵「……?」
大軍師「凄いですね。あれだけの破壊において、無傷で残っているとは」
青年兵「これは……っ!!」ゴトッ
- 846 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 17:59:51.09 ID:Jv/U+2/Jo
大軍師「元司令の仮面です。宜しければ形見に」
青年兵「……っ」
大軍師「……さて、本題へと入りましょう。サタン討伐の流れですが……」
ドサドサッ
青年兵「これは?」
大軍師「元司令が残した、サタン関連の資料です」
青年兵「なるほど……っ」
大軍師「まず最も重要な事は、地獄への突入です」
青年兵「1度、経験はしていますが……常人では負担が大きいでしょうね」
大軍師「そんなにもですか?」
青年兵「空気に触れただけで吐き気を催す、そんな感覚でした」
大軍師「成程」
青年兵「肉体はともかく、精神的にやられてしまってもおかしくありません」
大軍師「ではやはり、参加メンバーは限られるという事ですね」
青年兵「はい。大軍で押してもおそらくは無意味かと思います」
- 847 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:00:31.15 ID:Jv/U+2/Jo
大軍師「ですね。そして主軸となるのはやはり、五行でしょう」
青年兵「再来がサタン討伐を試みた際の資料がこちらです」
青年兵「……」パラパラ
大軍師「五行以外の攻撃はほぼ無効とみて良いでしょう」
青年兵「……最低でも3行以上の付加攻撃でなくば、難しそうですね」
大軍師「ええ。その中で唯一、単体攻撃の効果があったものが石化です」
青年兵「……コカトリス」
大軍師「今回の戦いにおいても、キーマンは彼でしょう」
青年兵「もちろんです。申し訳ないですが、召喚士さんには主軸となって貰いますよ」
大軍師「あとは必要な人材ですね」
青年兵「五行、いや……最低でも三行以上が扱えて、心身共に強い事が条件」
大軍師「国軍、他国、ワーカー問わず掻き集める必要があるでしょう」
青年兵「いや、その必要はありませんよ」
大軍師「……?」
青年兵「自ずと集まってくれるはずです。きっと……」
- 848 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:01:21.20 ID:Jv/U+2/Jo
大軍師「ふふっ。それもそうですね」ヒラヒラ
青年兵「あれ? 羽扇、どうしたんですか?」
大軍師「ああ、新調しました。やはり無いと落ち着かないもので」ヒラヒラヒラ
青年兵「出発は余裕を持って3日前に定めたいと思います」
大軍師「問題ないと思います。一応、ワークショップなどにも伝えておきましょう」
青年兵「……地獄への突入方法は?」
大軍師「往路は問題ありません。サタン封印の地から直に行けますので」
青年兵「問題は帰路」
大軍師「資料にももはや、精神論しか記入されておりませんからねぇ」
青年兵「祈るしかない、か」
大軍師「まぁサタンを倒せさえすれば、光明はあるでしょう」
青年兵「どのみち勝つしかないわけですし、勝ちますよ、絶対に」
大軍師「ふふ、そうですね。最後に注意事項を1つ」
青年兵「……?」
大軍師「これは召喚士の方々のみの事なのですが……」
- 849 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:02:12.06 ID:Jv/U+2/Jo
青年兵「何でしょうか?」
大軍師「資料によると通常、地獄における召喚は不可とされています」
青年兵「えっ!? それではサタンとの戦いで召喚士は……」
大軍師「それはご心配なく。再来とて召喚出来たではありませんか」
青年兵「あ、確かに……。では一体どうして……」
大軍師「サタン封印の地は、結界石のお陰で特殊な空間が生じております」
青年兵「そうか……っ! 結界石の効能で地獄の力が遮断されていると」
大軍師「おそらくはそういう事でしょう」
青年兵「では、注意事項とは一体……」
大軍師「つまりその領域以外は、保証出来ないという事です」
青年兵「……っ」
大軍師「もし万が一、封印の地、以外の地獄へ足を踏み入る事になれば……」
青年兵「でも、そのような機会はないのでは?」
大軍師「己の意思ではなくとも、強制的に起きる可能性はありますからね」
青年兵「強制……」
- 850 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:03:00.46 ID:Jv/U+2/Jo
大軍師「例えば、サタンの攻撃によるものであったり、地獄における敵の援軍もあるやもしれません」
青年兵「……た、確かに」
大軍師「ですから、召喚士の皆様はくれぐれもご注意なされますよう」
青年兵「分かりました。対策を考えましょう」
大軍師「雑務については全て、こちらで手筈を整えますので」
青年兵「ありがとうございます、助かります」
大軍師「それではまた夕刻、青龍先生や白虎先生も交えて打ち合わせ致しましょう」
青年兵「あの、大軍師さん」
大軍師「……?」ヒラヒラ
青年兵「この仮面、本当に僕が頂いても宜しいのですか?」
大軍師「と、申されますと?」
青年兵「大軍師さんは、要らないのですか?」
大軍師「ふふっ。質素な暮らしなもので、飾るにも不釣り合いですから」
青年兵「いえっ、あの……」
大軍師「それでは」カツカツ……
- 851 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:04:09.86 ID:Jv/U+2/Jo
〜鉱山の町〜
店員「いらっしゃいませ」
戦士「ワーカーの名簿を見せて欲しいんだけど、いいか?」
店員「はいはいどうぞ〜」
戦士「……美女……美女」
美女「偽名だから、探しても無駄だと思うよぉ」ヒョコッ
戦士「どわぁ!!」
美女「おはようございますぅ〜」
戦士「……ようやく1つ分かったぜ」
美女「ほえ?」
戦士「今、お前……偽名だから探しても無駄っつったよな?」
美女「はい。言いましたよんっ」
戦士「つまり本名で載ってる、やっぱお前……ワーカーだって事だな?」
美女「おぉ〜。名探偵っ!」
戦士「うるせぇ! いい加減に正体を言え! 何なんだお前はよ」
- 852 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:05:01.91 ID:Jv/U+2/Jo
美女「戦士さんの最愛のパートナーってのはどうでしょう?」
戦士「どうもこうもあるかっ! もういい、じゃあな」スタスタ
美女「あぁ〜ん、ちょっとー!」タッタッタッ
戦士「付いてくるな!」スタスタ
美女「機能のお礼、してもらってないも〜ん」
戦士「……」
美女「まさか助けて貰って、タダでしらばっくれようなんて思ってないですよねぇ〜?」
戦士「……何だよ」
美女「んーと……」
戦士「着いたから後にしろ」
美女「えぇ〜。仕方ないなぁ」
戦士「おやっさん!」バンッ
鍛冶屋「びびびびっくりしたぁ! なになにっ? どうしたの?」
戦士「んっ?」
鍛冶娘「あっ!! いたーっ!!」
- 853 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:05:41.15 ID:Jv/U+2/Jo
美女「――!?」
北関兵「ひっ捕らえろぉ!!」
美女「ちっ、しつっけぇなぁ……ボソボソ」ダッ
北関兵「ご協力、感謝致しますっ! 追え〜っ!」
戦士「な、何事だ?」
鍛冶娘「あんたがうちに行くって知ってたから、もしかしてと思って」
戦士「……あいつ、何かしたのか?」
鍛冶娘「北関の衛兵をぶん殴って、馬を盗んで逃走したのよ」
戦士「…………」
鍛冶屋「やははっ。手紙貰ってすぐに会えるなんて、不思議だねぇ」
鍛冶娘「仕方ないじゃないっ! これも仕事なのよ」
鍛冶屋「うんうんっ、分かってる。嬉しいだけなんだ、やはははっ」
戦士「とにかくこれでやっと解放された……。助かったぜ」
鍛冶娘「何もなかったでしょうね?」
戦士「まぁ、色々あったけどな」
- 854 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:07:15.09 ID:Jv/U+2/Jo
鍛冶娘「何ですってぇ……?」ムカッ
戦士「えっ!?」
鍛冶娘「……はぁ。もういいわ、何でもない」
戦士「……んじゃ俺、いったん本国に戻ります」
鍛冶屋「うんうん。1週間以内に何とかするから!」
戦士「頼んますっ!」ペコリ
鍛冶屋「目処がついたら、ワークショップに連絡しておくよ!」
戦士「うっす! そんじゃ」
鍛冶娘「あの女、何者なの?」
戦士「青龍召喚士でワーカーだって事だけは何とか分かったが、素性や一切は何も話さねぇ」
鍛冶娘「ワーカー? あんな弱そうなのが?」
戦士「別に前衛じゃなきゃあんなのゴロゴロいんだろ」
鍛冶娘「あー確かに。あんたんとこの朱雀先生もそうだしね」
戦士「せめて女で例えてやれよ……」
鍛冶娘「それもそうね。同じ召喚士だからかしら……」
- 855 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:07:53.92 ID:Jv/U+2/Jo
〜南西砦〜
召喚士「はっくしゅ!!」
魔道士「大丈夫ですか?」
召喚士「え、ええ。何だか急にくしゃみが」
魔道士「戦士さんあたりが噂してるのかもしれませんね。ふふっ」
召喚士「ははっ。かもしれませんね」
魔道士「あれっ? ここって……」
召喚士「あの時は凄い人の数でしたけど、今は閑散としてますね」
南西砦兵「誰だっ!?」
召喚士「すみません、ちょっと立ち寄っただけですんので」
南西砦兵「あっ!! 知ってる!! あなた確か……コカトリス使いの!!」
魔道士「そうそうっ。朱雀先生ですよ〜」
南西砦兵「アンラ・マンユ討伐の時はお世話になりましたっ! 今日はその件で?」
召喚士「いやっ、その件ではないんですけど……ちょっと久々にと思いまして」
南西砦兵「そうでしたかぁ! いやぁ、なんか嬉しいな……へへっ」
- 856 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:08:31.36 ID:Jv/U+2/Jo
…
召喚士「今はもう、国軍も少ないみたいですね」
南西砦兵「ええ。魔物は居ませんので、最低限の人数だけです」
魔道士「寂しいですね……」
南西砦兵「まぁそうですけど、元々は火山や周辺を見張る為の砦ですからね」
召喚士「落ち着いた今、存在する意味はなくなってしまったわけですね」
南西砦兵「魔物さえ居なければ無かった存在なんです。それが本当の姿なんですよ」
召喚士「……なるほど」
南西砦兵「でも、どんな姿になっても……ここは好きですけどね」
魔道士「……」
南西砦兵「南西砦長様が己の全てを費やして育て、守り抜いた場所ですから」
魔道士「……っ」
南西砦兵「あ、なんかすんません……暗い話になっちゃって。へへっ」
召喚士「南西砦長さんの為にも、お互い頑張りましょうね」
南西砦兵「はいっ。もちろんそのつもりです!」
- 857 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:09:21.09 ID:Jv/U+2/Jo
〜鉱山の町〜
店員「いらっしゃ――あら、またですか?」
戦士「さっき途中だったんでな。名簿と伝言がないか頼む」
店員「はいはいっ」
戦士「偽名だってんなら名前じゃ確認は出来ん。だったら別の角度から」パラパラ
店員「あらっ!? 戦士さんって、朱雀パーティーのあの……!?」
戦士「おう。何か伝言は?」
店員「ありますよ。はいどうぞ」
戦士「召喚士と魔道士か。どれどれ」パラパラッ
店員「暗号使わないんですか?」
戦士「いちいち覚えるのもダルイし、不正解読されたって大した事は書いてない」
店員「珍しいですね」
戦士「……そうかぁ。あいつらも色々と回ってんだな! おし、あんがとよ」
店員「それで、名簿は何を?」
戦士「あーいやいや、大した事じゃないんだ」
- 858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:09:48.52 ID:Jv/U+2/Jo
店員「人探しですか?」
戦士「まぁそんなとこ。なぁ、名前以外で探す方法って何かないか?」
店員「特にないですねぇ。あとはコメント欄から特技や特徴をさがしあてるしか」
戦士「だよなぁ」
店員「でも書いてる人少ないですよ?」
戦士「あいつ、単独行動って事はソロなのか?」
店員「えっ?」
戦士「あー悪い。何でもない、サンキュー」パタン
店員「もう、いいんですか?」
戦士「ああ」バタン
テクテクテク……
戦士「つーか何で俺、いまだに素性探ししてんだ?」
鍛冶娘「いたっ。あんた本国行くんだっけ? 今すぐなら国軍の船に乗せて貰えるわよ?」
戦士「マジか!? そいつは助かるぜ!」
鍛冶娘「もうすぐ出ちゃうわよ。早く行きましょ」
- 859 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:10:26.60 ID:Jv/U+2/Jo
〜東方、洋上〜
盗賊「……」
ザザーン
盗賊「……?」
――「お1人ですか?」
盗賊「……ええ、まぁ」
――「初めまして、私……漫画家と申します」
盗賊「どうも」
漫画家「東方の方ですか?」
盗賊「……まぁ」
漫画家「なかなか珍しい恰好ですね」
盗賊「……忍なので」
漫画家「シノビ? もしかしてニンジャですか!?」
盗賊「……まぁ」
漫画家「これはラッキー! ちょっとご相談に乗って貰えませんか!?」
- 860 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:11:02.94 ID:Jv/U+2/Jo
…
漫画家「実は私、漫画を職業にしておりまして」
盗賊「……漫画家!」
漫画家「はい。まぁそんなに有名なものではないんですけど」
盗賊「……それで?」
漫画家「実は、新キャラにニンジャを出したくて、東方まで取材へ行ったのですが……」
盗賊「……」
漫画家「どこを探してもニンジャは見つからず……。諦めて帰路についている途中でした」
盗賊「……なるほどな」
漫画家「そこでご相談なのですが、どうかニンジャの取材をさせて貰えないでしょうか?」
盗賊「へえっ!?」
漫画家「いや、取材と言っても難しい事はなくって、簡単な仕事の内容とか……」
盗賊「……仕事の……内容」
漫画家「あとそうだな……っ、武器とか道具なんかもあればぜひ!」
盗賊「……じゃあ……少しだけ」
- 861 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:11:38.06 ID:Jv/U+2/Jo
…
漫画家「これが手裏剣かっ! 話には聞いてたけど、実物は初めてっ! 結構重いんだね!」
盗賊「うん。あとこれが……撒き菱」
漫画家「凄いなぁ! 色んな小道具があるんだねぇ! ちょっと絵にさせてねっ!」カキカキ
盗賊「……」
漫画家「盗賊ちゃんの衣装もこのままスケッチさせて! そのままっ!」
盗賊「うえっ!? あ……うぅ」
漫画家「いいねいいね〜! カッコイイ!」
盗賊「……っ」テレッ
漫画家「……よし、っと。これだけ素材があれば新キャラが出せそうだ」
盗賊「……」
漫画家「盗賊ちゃん、今日は本当にありがとう!」
盗賊「あ、いえ……」
船員「まもなくターミナル、ターミナルでーっす!!」
漫画家「あっ、着いたみたいだね」
- 862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:12:49.42 ID:Jv/U+2/Jo
盗賊「……あの」
漫画家「そうだっ! 何かお礼をしなくっちゃ」ゴソゴソ
盗賊「いやっ、別にそんな……」
漫画家「ごめんね、今はこんなものしかなくって」ゴソッ
盗賊「あ……っ」
漫画家「それじゃまたっ! アイディアを忘れないうちに描くぞ〜!!」タッタッタッ
盗賊「……?」
風のように去っていく漫画家を茫然と見つめ、盗賊は掌に無理矢理
握らされた紙包みを、 そっと広げて中身を取り出してみた。
盗賊「―――−っ!!」
男の子「あーお姉ちゃんいいなー! 猫さん剣士のお人形持ってるー!」
母親「しっ、見ちゃいけません」
盗賊「……」ポケー
船員「あのー、終点ですけれども……」
盗賊「……」ポケー
- 863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:13:46.87 ID:Jv/U+2/Jo
〜三日月島、上空〜
バシュウウゥゥゥゥ!!
魔道士「夕日が綺麗〜!」
召喚士「本当ですね」
魔道士「ねぇ、召喚士さん。コカトリスなんて使っちゃって大丈夫なんですか?」
召喚士「ええ。前回も枯渇したわけではないですし、ある程度循環させておいた方が……」
コカトリス「だな。幾ら蓄積しようと未使用では質も劣るというもの」
魔道士「なるほどですね。じゃあ少しくらいはマメに使った方が良いって事ですねっ!」
召喚士「そういう事です」
コカトリス「見えたぞ、あそこで良いのか?」
召喚士「うん。お願いっ」
バシュウウゥゥゥゥ……バサァッ
コカトリス「さぁ、着いたぞ」
召喚士「ありがとう」
魔道士「三日月島……ここも久しぶりですね〜」
- 864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:14:34.46 ID:Jv/U+2/Jo
…
魔道士「今日もすっごい賑わってるなぁ」テクテク
召喚士「夜になると毎日がお祭りみたいですよね」
魔道士「ねーっ」
召喚士「今日はここで食事をして、夜のうちに船に乗りましょう」
魔道士「船、ですかぁ?」
召喚士「はい。西国へ向かおうかと思いまして」
魔道士「了解ですっ!」
召喚士「それじゃ食事にしましょうか。どこで食べましょうかね」テクテク
魔道士「お店もいいですけれど、せっかくなら露店で色々と買って食べるのはどうです?」
召喚士「あ、それもいいですね! そうぢましょっか」
魔道士「はいっ! えへへ!」
テクテクテクテク
魔道士「……あ……れっ?」
召喚士「どうしました?」
- 865 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:15:32.15 ID:Jv/U+2/Jo
魔道士「ここ……」
召喚士「広場ですね」
魔道士「このベンチで……一緒にスイーツ食べたんです」
召喚士「え……っ?」
魔道士「盗賊さんと食べてたら、踊り子ちゃんが来て……」
召喚士「……っ」
魔道士「……そっかぁ。あれ以来、なんですね」
召喚士「俺も西国拠点で、神官さんと話をしました」
魔道士「……」
召喚士「今も思うんです。神官さんを救う手は本当になかったのか……って」
魔道士「召喚士さん……」
召喚士「俺にとって神官さんは、住む国は違っても、召喚術でお互い、通じるものがありました」
魔道士「……私も、ウィッチちゃんとは同い年で……してる事も環境も全然違ったけど……」
召喚士「心の、芯の部分でつながってるんですよね。きっと」
魔道士「ええ。みんなだってきっと、通じ合ってるんですよね」
- 866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:16:09.98 ID:Jv/U+2/Jo
〜本国、国軍本部〜
大軍師「では以上、宜しくお願い致します」
青龍士官「はっ」
白虎長「地獄、かぁ」
青年兵「お2人なら何も心配はないと思いますよ」
白虎長「そうかもだけど、何だか怖いわね」
青龍士官「幼い頃、悪さをすれば地獄に落とされるなどと父に叱られたものだがな」
白虎長「まさか本当に地獄へ行くだなんてね」
青年兵「先程も話しましたが、くれぐれも召喚には気を付けて下さい」
青龍士官「ああ、把握した。最優先で注意しておこう」
国軍兵「失礼致します。大元帥殿にお客様が」
青年兵「……? 急ぎか?」
大軍師「会議は終わりましたしどうぞ。後片付けはこちらで済ませますから」
青年兵「すみません。それではお言葉に甘えて」
国軍兵「応接室でお待ちです。ご案内致します」
- 867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:16:53.87 ID:Jv/U+2/Jo
〜応接室〜
青年兵「お待たせいたしました」ガチャッ
戦士「おっす」
青年兵「戦士さん、どうしたんですか? というか……お1人ですか?」
戦士「まぁ色々とな。すまねぇな、忙しい時に」
青年兵「いえいえ。それで、何か用ごで?」
戦士「実は青龍召喚獣の事でちょっと聞きたくてな」
青年兵「召喚獣ですか?」
戦士「ああ。あのよ、赤い龍を知ってるか?」
青年兵「赤い龍? 召喚獣ですか? いや、知らないですね」
戦士「やっぱそうか……」
青年兵「あ、ちょっと待って下さい。あいつなら知ってるかも」
戦士「……?」
青年兵「すまないが青龍先生を呼んできてくれないか?」
国軍兵「ははっ」ザッ
- 868 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:19:10.53 ID:Jv/U+2/Jo
…
青龍士官「赤い龍?」
戦士「ああ。結構な大きさでとんでもねぇ速さだったな。一瞬で魔物を粉砕しやがった」
青年兵「直接見たんですか!?」
戦士「ああ。とある召喚士が使っててな」
青龍士官「まさか……っ」
青年兵「知ってるのか?」
青龍士官「その召喚士、かなりの高齢では?」
戦士「いや、お前らくらいかもっと下の女だった」
青龍士官「そうですか……」
戦士「心当たりがあるのか?」
青龍士官「かつてトップクラスの1人として数えられたワーカーに、赤い龍の使い手がいたと聞きます」
青年兵「……ワーカー?」
青龍士官「今でも成果1位に君臨する、通称……赤い彗星」
戦士「何ぃ!?」
- 869 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/25(月) 18:20:53.54 ID:Jv/U+2/Jo
青龍士官「だが、赤い彗星は既に高齢。しかも足も不自由で引退したと……」
青年兵「さっき僕らぐらいの女の子って言いましたよね?」
戦士「あ、ああ」
青年兵「それって、孫娘なんじゃないですかね?」
青龍士官「……なるほど。引き継いだという事か」
戦士「あり得る! 玄武娘の例もあるしな!」
青年兵「でもどうして、今頃になって……」
青龍士官「もしそうならば、赤い龍は戦力になるんじゃないか?」
青年兵「うん。あの赤い彗星と関係があるならばね」
戦士「いやーやめた方がいいと思うぞ」
青年兵「えっ?」
戦士「戦力になっても人格に問題アリだ」
青年兵「まぁそうですけれど……」
青龍士官「人格に問題ある者なんて、今更じゃないですか?」
戦士「……まぁ……それもそうだけどよ」
- 871 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 18:45:43.16 ID:SuZrCE2DO
シャアだ!シャアが来たぞ!!
- 872 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:32:09.33 ID:7AJ2rz9ho
召喚獣の能力の差が戦力の決定的差でないことを教えて下さるんですねありがとうございます
- 876 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/26(火) 07:52:28.06 ID:jtBP5ljIO
功績ランキングと成果ランキングの違いってなんだ?
あいかわらず堂々としたシノビっぷりの盗賊にワロタ
忍んでないしwwww
次へ 戻る 戻る 携 上へ