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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その34
523 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:27:40.38 ID:JYbXvhUlo
〜次の日、海上〜

魔道士「……ん」モゾッ

盗賊「…………」スヤスヤ

魔道士「……盗賊さんっ、起きて起きて!」

盗賊「……んーっ」

魔道士「見て下さいっ! もう見えてきましたよ!」

盗賊「……おぉ」

魔道士「東方に……到着〜っ!」

盗賊「意外と早かったな」

魔道士「でも珍しいですね」

盗賊「ん?」

魔道士「盗賊さんが熟睡だなんて」

盗賊「……疲れが出たのかな」

魔道士「普段あんまり休んでないんですから、休めるうちに休んでおいた方がいいですよ〜」

盗賊「ああ、そうだな」


524 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:27:59.49 ID:JYbXvhUlo
〜本国、国軍本部軍港〜

青年兵「それでは、行って参ります」

大軍師「朗報、お待ちしておりますよ」

騎士団長「本国兵と本部の連中、乗船完了したぞ」

青年兵「ありがとうございます」

隊長「2番艦は西方参謀、3番艦は南方参謀、4番艦は東方先生に任せる」

東方参謀「うむ。無事、東方で会おうぞ」

南方参謀「それじゃ3番艦、出るわよっ!」

男隊員「特遊は1番艦で待機してるぜ……ヒャハハ」

女隊員「よーし、やってやるッスよぉ!」

格闘家「……ふーっ」

カラカラカラッ

天才「傷の具合は?」

格闘家「いけます。とは言っても、主力は難しいかもしれません」

天才「まぁ無理すんな。お前らはあくまで引き立て役だからな。ハーッハッハ!」


525 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:28:32.47 ID:JYbXvhUlo
青年兵「……では、1番艦も準備を」

天才「なぁ」

青年兵「はい」

天才「無事、生きて帰って来いよ」

青年兵「勿論です」

天才「生きて帰ったら、待ってんぞ」

青年兵「……?」

天才「大元帥の座、だよ」

青年兵「――――っ!?」

大軍師「これまでの戦果を考慮すれば、不思議ではありませんよ。ふふっ」

青年兵「……あ、ありがとう……ございますっ」

天才「占い師から予言は聞いたな?」

青年兵「……はい」

天才「宿命なんだ。ヘタに関与すんなよ? ヘタすりゃマーラを倒す宿命も失うかもしれんぞ」

青年兵「分かって……おります」


526 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:29:00.04 ID:JYbXvhUlo
〜東方、港〜

戦士「到着!」

召喚士「おぉ、何だか久し振りな感じ!」

魔道士「やっぱいいですよね〜東方!」

盗賊「ああ」

召喚士「さて、まずは……宿ですね」

魔道士「もちろん、あそこですよねっ!?」

召喚士「ええ。そのつもりです」

戦士「おっしゃ! さっそく行くぞー!」

魔道士「お〜っ!」テクテクテクテク

盗賊「……」

戦士「どした?」

盗賊「都も魔物が近づかなくなり、皆が幸せそうな顔をしている」

戦士「ああ、そうだな。そしてもうすぐ、東方全部が幸せになるんだぜ」

盗賊「……ああ」


527 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:29:32.71 ID:JYbXvhUlo
〜女将の宿〜

ガラガラッ

召喚士「こんにちはー」

パタパタパタッ

女将「いらっしゃいまし〜」

魔道士「女将さんっ、こんにちは!」

戦士「俺らの事、覚えてます?」

女将「あらぁ〜! まぁまぁ、久し振りじゃないっ」

召喚士「すみません、またお世話になります」

女将「ようこそおいでませ。何でも、大きな戦があるらしいわねぇ」

盗賊「うん」

女将「皆様もそれでいらしたん?」

召喚士「そうなんです」

女将「若いのに大変ねぇ。さ、お役に立てるか分からないけど……ゆっくりしていってねぇ」

魔道士「お世話になりますっ。えへへ!」


528 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:30:02.65 ID:JYbXvhUlo


テクテクテク

戦士「やっぱいいよな。この、なんだっけ……畳?」

盗賊「うん、畳」

魔道士「草の匂いが心地良いですねぇ。えへへ〜」

ワイワイワイ

召喚士「隣にも宿泊客がいるんだね。何だか賑やかだなぁ」

戦士「ほんとだ。もしかしてワーカーだったりしてな!」

魔道士「皆さんっ! 早速、街へ繰り出しましょうよ!」

戦士「気が早いなおい」

魔道士「鬼丸さんにも挨拶しないと。会いたくないんですかぁ〜?」

戦士「……いや、行こう」

魔道士「えへへっ。それじゃ早速〜」

カラッ…テクテクテク

魔道士「……あっ!!」


529 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:30:29.04 ID:JYbXvhUlo
サル「お?」

盗賊「へっ?」

キジ「ん?」

戦士「えっ?」

イヌ「む?」

召喚士「女侍さんっ!?」

女侍「おやおや、誰かと思えば……あんたらかい」

魔道士「こ、こんな所で何してるんですかぁ!?」

女侍「ナニって言われても……ここはアタイの故郷だしねぇ」

盗賊「里帰り?」

サル「本国に居ずらくなっちまって……逃げてきたってわけよっ」

女侍「サル!」

サル「……っと」

女侍「それで、あんたらこそどうしたっていうんだい?」

召喚士「実は、近々……大きな戦いがありまして……」


530 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:31:23.43 ID:JYbXvhUlo
女侍「へぇ〜」

戦士「知らねーのか?」

サル「知らん知らん。そりゃ怖いね、ん〜ふふふふ!」

盗賊「……」

サル「な、何だよ?」

盗賊「……別に」

女侍「それにしても、なかなか立派になったじゃあないかい」

戦士「そ、そうか――」

モミモミ

盗賊「――っ!?」

女侍「そろそろ、アタイよりデカくなるんじゃないかい? んふふっ」

盗賊「や、やめ――」

女侍「それに比べこっちは……もうちょい頑張りが必要だねぇ」

サワサワ

魔道士「ひっ、ひあぁーっ!」


531 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:31:58.04 ID:JYbXvhUlo


女侍「悪かったって。そうすねる事ないじゃないか」

魔道士「知りませんっ!」プンプン

戦士「なぁ、あんたらしばらく東方にいるのか?」

キジ「それは分からないさー」

イヌ「そうね。戦乱に巻き込まれたくはないね」

女侍「何かあるのかい?」

戦士「いや、なんつーか……」

女侍「ほぉ〜っ。夜伽の相手かい。まぁ金さえ貰えれば考えてやらん事もないけどねぇ」

戦士「夜伽って何だ?」

盗賊「た、たわけっ!」

戦士「……?」

女侍「冗談はおいといて、もしかして剣術の事かい?」

戦士「ん、ああ」

魔道士「剣術……ですか?」


532 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:32:33.08 ID:JYbXvhUlo


女侍「なるほどねぇ〜。居合いをねぇ」

戦士「ああ。もっと精度を上げてーんだ」

女侍「……」

戦士「無理にとは言わん。出来れば……」

女侍「まぁいいよ。稽古つkてやろうじゃあないか」

サル「おいおい。どういう風の吹き回しだ?」

女侍「別に。こんなイイ男、むざむざ死なせるのも勿体無いと思ってさ」

盗賊「……」ブスッ

女侍「今日はアタイもヤボ用があるんでね。明日からなら少しみてやるよ」

戦士「本当かっ!? ありがてぇ! 助かるっ」

女侍「あははっ、そんじゃ報酬は身体で前払い……」

盗賊「……」ジーッ

女侍「冗談だよ冗談、あはははっ!」

盗賊「……はぁ」


533 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:33:22.56 ID:JYbXvhUlo
〜都、大橋〜

戦士「ここいらに居るはずだよな」テクテクテク

召喚士「うん。まぁ居なかったら、先に名代さんの所へ挨拶に行こうか」

魔道士「ですねっ」

盗賊「ん、あれ?」

戦士「あの大男、鬼丸くらいあるな」

魔道士「ですねぇ。大っきぃ〜」

召喚士「ていうか、あれ……鬼丸さんじゃないの!?」

戦士「おいおい、あいつがあんな顔してっか――」

スタスタスタ

鬼丸「おいおい……っ、懐かしい匂いがすると思ったら! やっぱりお前らかよっ!」

戦士「鬼丸!?」

鬼丸「おぉ! グハハッ、久し振りだなぁ!」

盗賊「あ、あの……顔が変わってる……」

鬼丸「はぁ? 俺は俺だ。変わらんだろ」


534 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:33:59.85 ID:JYbXvhUlo


鬼丸「なるほどな。でけぇ戦が起きるってのか」

戦士「知らなかったのか?」

鬼丸「何も聞いてねぇぞ。最近、名代の奴も冷てぇんだよな」

召喚士「そうなんですか?」

鬼丸「ああ。戦があってもダンマリだ。教えちゃくんねー」

魔道士「鬼丸さんにはここの守りに専念して貰いたいんじゃないですか?」

鬼丸「どうなんだかなぁ」

盗賊「これ、お土産。食うか?」スッ

鬼丸「おう、ありがとよ……んむっ!? おっ、うんめぇ!!」

戦士「お前の口にも合うのか……?」

鬼丸「何だこりゃあ……初めて食ったぜ!」

魔道士「フィナンシェですっ!」

鬼丸「ふっ、ふぃ……なんだって?」

召喚士「あはははっ!」


535 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 17:34:34.16 ID:JYbXvhUlo


鬼丸「んじゃ、またあとでな!」

戦士「おうっ!」

スタスタスタ

魔道士「何だか、鬼丸さん……明るくなりましたよね」

戦士「そうか? 前からあんなノリだぞあいつは」

魔道士「そうですけど、何て言うか……以前と雰囲気が違うというか」

召喚士「確かにそうかもしれないですね」

盗賊「うん。魔物臭さが抜けた感じ」

戦士「……確かに、菓子なんぞ食うような奴じゃなかったもんなぁ」

魔道士「でも、良い事ですよねっ?」

召喚士「ええ。きっと人間と共に暮らして、自身も慣れてきたんでしょうね」

戦士「……おっ、見えてきたぜ。名代さんの屋敷だ」

魔道士「あっ、本当ですね!」

召喚士「名代さんとも久し振りですね。元気かなぁ」


536 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 18:08:47.04 ID:JYbXvhUlo
〜名代の屋敷〜

召喚士「こんにちはー」

小姓「はい、おや……これはこれは」

召喚士「ご無沙汰してます。名代さんはいらっしゃいますか?」

小姓「おりますよ。さぁ、どうぞお入り下さいませ」

魔道士「失礼しまーす!」

小姓「お迎えでございますか?」

召喚士「お迎え?」

小姓「ああ、別件でございましたか」

戦士「お迎えって何だ?」

盗賊「さぁ」

小姓「ではこちらでお待ち下さいませ。すぐに読んで参ります」スッ

魔道士「お庭が綺麗ですねぇ」

盗賊「ああ。雪が積もるとまた景色も変わるであろう?」

召喚士「本当ですね。風情がありますよ」


537 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 18:09:18.09 ID:JYbXvhUlo
スタスタスタ…カラッ

名代「召喚士殿、お待ちしておりましたぞ」

召喚士「名代さん! お久し振りです」

名代「お噂は東方にも届いておりますよ」

召喚士「えっ!?」

名代「各地で魔王を撃破し、それはまるで破竹の勢いだとか」

召喚士「俺の事じゃないですってそれ!」

名代「いやいや、その中心には必ず、貴方達が居ると伺っておりますよ」

召喚士「……っ」

名代「それで、召喚術の事は如何です?」

召喚士「色々と進展もありました。ようやく、全てが見えようとしています」

名代「そうですか、それは良かった。ずっときになっていたものですから」

召喚士「すみません、ご心配を……」

名代「いえいえ。では食事など交えて、是非にもお聞かせ頂けませぬか?」

召喚士「はいっ、喜んで!」


538 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 18:09:49.34 ID:JYbXvhUlo


魔道士「おぉーっ」

戦士「おー」

小姓「足りねば気軽にお申し付け下さいませ。すぐにお持ち致します」

名代「そうだ小姓、彼女も呼んで参れ」

小姓「はっ」

戦士「彼女? 誰だ?」

名代「先日からこの屋敷で世話をさせて頂いておりましてね」

盗賊「客人か?」

名代「はい。本国の方ですよ。確か名は――」

カラッ

召喚士「……あっ」

東方司令「朱雀?」

戦士「な、何で東方司令部の司令がこんな所にいるんだよ……っ」

東方司令「…ふ、ふっふ。ボクはマーラ戦に備えて、東方の下調べをしていたのさ!」


539 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 18:10:38.59 ID:JYbXvhUlo


名代「成程。召喚獣も妖も、同じ生物である……と」

召喚士「はい。人間も含め、住む世界は違えど、共通した何かがあると思うんです」

盗賊「……もぐもぐ」

召喚士「それに、かつて召喚獣であった者が、魔物になった例も……ありました」

東方司令「……ふぅん。もぐもぐ」

召喚士「俺の父も、人間から召喚獣になったり、とにかく繋がりはあるんです」

名代「すると式神も召喚獣と……いや、妖とですらつながりがあると思えますね」

戦士「……もぐもぐ」

召喚士「ええ。もしその謎さえ解ければ、召喚術の五行も……」

名代「召喚士殿にも式神を使役する力が、身に付けられる」

召喚士「そういう事になります」

魔道士「……待って下さい。じゃあ、鬼丸さんも……?」

召喚士「理論上はそういう事に……」

戦士「あ、そうそう。鬼丸の事で名代さんに聞きたかったんだ」


540 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/08(木) 18:11:23.88 ID:JYbXvhUlo
名代「何でしょうか?」

戦士「あいつ、なんか以前と様子が違うように思えたんだが……」

名代「そうでしょう?」

戦士「えっ?」

名代「鬼丸はね、人と共に歩む事で、自身も人へ近づいておるのですよ」

魔道士「へ……っ!?」

名代「もう久しく、人間や魔物など食してはおりません」

召喚士「じ……じゃあ……」

名代「人間と同じく、穀物や野菜を食し、ヒビを過ごしておりまする」

盗賊「何と……っ」

名代「それだけではありません。殺生も今は全くしておりませんよ」

召喚士「そうか……っ、名代さんが鬼丸さんを戦いに参加させない意味は……」

名代「ええ。鬼丸の変化を考慮し、いかなる殺生にも触れさせぬようにしております」

戦士「そういう事だったのか……っ」

名代「あやつも変わったでしょう? 表情などまるで、人と変わりないのですから」


552 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage] 投稿日:2011/12/08(木) 22:47:41.51 ID:iLW0Mz/no
女侍一行が本国にいられない理由ってなんかあったっけ


553 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/08(木) 22:52:48.25 ID:6cxmtjoko
>>552
東方司令部だか最北村だかで盗みして、大軍師が免罪符だすぜ!っていったけど
うけとれねーぜーヒャッハーって逃げたんじゃなかったっけ?


558 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/09(金) 14:09:33.11 ID:yhGBhrkSO
第36部より

嫌な予感がする(´;ω;`)…

432 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/14(月) 17:23:58.19 ID:6p13LX+Do
36部8


559 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/09(金) 14:55:00.06 ID:CMisRa9To
占い師に触られた時のイメージだね



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