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少女「私、幽霊なんです」 少年「…」スルー
150 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:49:41.00 ID:Iw1uGde00
十数分後―――

ガチャ

妹「お兄ちゃーん。もう入っていいよー…ってあれ?少女ちゃんの部屋がキレイになってるよ?」

少女「あ、本当ですね!」

少年「おう、一応軽く掃除しといたぞ」フゥ

少女「気を利かせてしまってすみません」

妹「…覗きの罪滅ぼし」ボソ

少年「聞こえてるからな」

少女「…」


151 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:50:29.23 ID:l+ev2IDh0
いもスレは文化


152 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:51:44.50 ID:Iw1uGde00
グゥー

少女「あ…//」

少年「お?」

妹「え?」

少年「…そうかそうか。そんなに腹が減ったんなら仕方ない。さっさと夕飯作るとするかぁ」ニヤニヤ

妹「少女ちゃんは自己主張が激しいねぇ」ニヤニヤ

少女「//」カァ

少年「さっき食わせてやったばっかりだってのに…」


153 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:53:29.75 ID:Iw1uGde00
夕飯―――

少年「ほら、出来たぞ」

コトン

妹「あれあれお兄ちゃん?昨日の残りのカレーがあるはずなのにお得意の肉じゃがにメニュー変更したんだね」

少年「うっせ。ちょっとぐらい見栄張らせてくれたっていいだろ。ほらよ、少女」

コトン

少女「ありがとうございます」

少年「そんじゃ風呂入ってくるな」スタスタ

妹「りょーかい。いただきまーす」ヒョイパク

少女「いただきます」パクッ

少女「美味しい…」


154 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:55:31.85 ID:Iw1uGde00
シャー

少年「はぁ…今日は疲れたな」ゴシゴシ

少年「…」ゴシゴシ

少年 (それにしても…)

『私、幽霊なんです』

少年 (あれは結局どういうことだ?)

少年 (自分の境遇を幽霊に例えて言った、とか?)

少年 (確かに家出してあてもなくさまよう様子は何となく幽霊に通ずるものがなくもないかもな)

少年「いや、単に人の気を引こうとしただけか」ゴシゴシ

少年「でも何か他に意味がありそうだよな…」ゴシゴシ

少年「まあ後で聞いてみるか」ゴシゴシ

シャー


155 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:57:06.27 ID:Iw1uGde00
少年「あーサッパリした」

妹「あ、お兄ちゃん。今金曜ロードショーでエヴァやってるから見てるよー」

少年「旧劇か。懐かしいな。少女は?」

妹「歯磨きして寝ちゃった」

少年「早っ。まだ9時だぞ」

妹「相当疲れてたんだろうね〜」

少年「ああ、だろうな」

妹「お兄ちゃんは今から夕飯?」

少年「いや、なんか腹減ってないから今日はもう寝るわ」

妹「二人とも早いね〜」

少年「まあな」

妹「ハッ、さては―――

少年「違う」


156 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:58:49.71 ID:Iw1uGde00
妹「そういえばさ」

少年「ん?」

妹「ほら、さっき言ってたじゃん?少女ちゃんは幽霊だからなんとか〜みたいなこと」

少年「ああ、それな」

妹「あれってどゆこと?」

少年「俺もよくわからんが…あいつは自称幽霊なんだよ」

妹「え、そうなの?」

少年「笑っちゃうよな。覗きしようとすると回し蹴りしてくるようなやつが幽霊だって言うんだぞ」

妹「お兄ちゃんは信じてないの?」

少年「どう見たって普通の女子だしなぁ。まあでもあいつには何かあるんだろうなって気はする」

妹「何かって?」

少年「そこまではわからねぇよ。ただ、漠然とそんな感じがするってだけ」

妹「長年の勘ってやつだね」

少年「まあそんな感じだ」


157 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) [] 投稿日:2013/07/28(日) 07:59:35.57 ID:WTaXtmQh0
保守消えたな最後までがんばれよ


158 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:00:01.92 ID:Iw1uGde00
少年「風呂上がったらあいつから話聞こうと思ってたんだが…まあいいや。明日聞けば」

妹「私も詳しく聞きたいな」

少年「しかしどうして家出なんてしたんだろうな、あいつ」

妹「きっと何か事情があるんだよっ」

少年「事情ねぇ…」

妹「ふつーに考えて親と喧嘩したとか?」

少年「うーん…どうだかな」

妹「違うかなぁ?」

少年「分からん。あ、そうだ妹」

妹「ん?」

少年「少女の胸のサイズはいくらだった?」

妹「お休みお兄ちゃん」ニコ

少年「ああ。お休み」


159 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:02:05.47 ID:Iw1uGde00
深夜―――

少年「………zzz」

ペタ

少年「………zzz」

ペタ

ペタ

少年「………zzz」

ペタ

ペタ

ピタ


160 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:04:49.49 ID:Iw1uGde00
少年「………ん?」

―――少年さん

少年「…誰だ?」

―――起きてください

ムクッ

少年「…」ボー

少年「…」

少年「………眠い。………zzz」

少女「二度寝しないでください」ユサユサ

少年「…少女か」


161 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:06:37.97 ID:Iw1uGde00
少女「こんな時間に起こしちゃってすみません」

少年「まあいいけど。それにしても、まさか少女の方から誘ってくるとは予想外だな」

少女「面白いことを言いますね」ニコ

少年「あ、あの。少女さん…目が笑ってないです」

少女「ああもうっ。さ、誘う…とかじゃなくてっ」

少女「私が少年さんを起こしたのは私の素性をお話しするためです」

少年「だよな。そんな気がした」

少女「だったら変なこと言わないでください」

少年「いやスマン。…で、話してみろよ。どうせ明日聞こうと思ってたんだ。今聞いてやる」

少女「じゃあ話しますよ?」

少年「おう」

少女「実は私、幽霊なんです」


162 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:07:28.68 ID:Iw1uGde00
少年「…」

少女「…」

少年「いや、知ってるけど」

少女「えぇ!?」

少年「出会い頭にお前が言ったんじゃねぇか」

少女「で、でも信じてませんよね?」

少年「うん」

少女「だからもう一度言ったんです」

少年「うん…つまりどーゆーこと?」

少女「だからそのまんまの意味だって言ってるじゃないですか」

少年「だからそれがどういう―――

少女「私はもうすでに死んでるって言っているんですよっ」


163 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:09:07.01 ID:Iw1uGde00
少年「」ポカーン

少女「…」

少年「」ポカーン

少女「あ、あれ?」

少年「」ポカーン

少女「えぇ〜と…」

少年「」ポカーン

少女「あ、あの…」

少年「」ポカーン

少女「ちょ、ちょっと少年さんっ」

少年「」ポカーン

少女「いつまで固まってるんですかぁっ!!」ポカ

少年「イテッ」


164 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:10:46.30 ID:Iw1uGde00
少女「もう…馬鹿にしてるんですか?」

少年「だってお前が意味不明なこというから」

少女「でも事実です」

少年「…証明出来るのか?」

少女「そ、それは…その…」

少年「どうなんだ?」

少女「…出来ません」

少年「そうか…」

少女「で、でも本当なんですっ。それを示す術はありませんけど、それでも本当なんですっ」

少年「…」

少女「信じて…くれませんか?」

少年「…」


165 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:12:09.08 ID:Iw1uGde00
少年「…はぁ。何言ってんだお前?」

少女「―――ッ!!」

少年「そんな真剣な目されたら信じるしかないだろうが」

少女「え?」

少年「俺は信じるよ。お前が文字通りの幽霊だってこと」

少女「少年さん…」ウル

少年「おい、何故そこで泣く!?」

少女「な、泣いてませんっ」

少年「いや、泣いてるじゃん」

少女「ちょっと目にゴミが入っただけです」

少年「はいはい」

少女「も、もぅ…」


166 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:12:10.80 ID:BKOzJkN10
自分の妄想をここまで文章に出来るのはある意味尊敬する


167 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:15:29.11 ID:Iw1uGde00
少年「しかし不思議だな。腕だってこうしてちゃんと触れられるのに」ピト

少女「え…//」

少年「髪だって…」サラッ

少女「や、やめ…//」

少年「太ももだって…」ペタペタ

少女「いや、本当やめて…」

少年「胸だ―――

少女「くたばれ変態っ!!」ズゴッ

少年「」チーン

少女「…」


168 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:16:53.50 ID:Iw1uGde00
少年「んで?幽霊がどうしてこの町をさまよってるんだ?」

少女「それはもちろんこの町で死んだからですよ」

少年「へ、へぇ…死因は?」

少女「死因は…今はまだ言えません」

少年「は、はぁ…。言いたくないなら別にいいんだけどさ」

少女「ど、どうもです…」

少年「んで、家は無いの?」

少女「幽霊に家なんてあるわけないでしょう?」

少年「なるほど、それで帰る場所が無いから家出って言ったわけか」

少女「そういうことです」

少年「家がないならお前の今までの幽霊生活はどこで営まれてきたんだ?」

少女「ああ、それなんですが…実は私が幽霊として生まれたのは今日なんです」

少年「マジかよ…」


170 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:18:57.64 ID:Iw1uGde00
少女「はい。どうやら成仏に失敗してしまったみたいで…」

少年「成仏に失敗なんてあるんだな…」

少女「だから今は幽霊として現世をさまよっている状況なんですよ」

少年「…」

少女「でも…死んだ人間が現世に留まるのは良くないことなんです」

少年「かもな」

少女「だから何とかして成仏したいんです」

少年「どうやって?」

少女「成仏の儀式に必要な道具を揃えます」

少年「…」

少女「…」

少年「…ごめん。何て?」

少女「だから成仏の儀式に必要な道具を揃えるんですよっ」


171 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:20:01.75 ID:Iw1uGde00
少年「なんだそりゃ」

少女「…信じてませんね?」

少年「あ、いや…」

少女「…」ムスッ

少年「てか一体どこにそんなオカルトアイテムが…?」

少女「ちゃんとあります。明日から買い揃えに行く予定ですよ」

少年「売り物かい…」

少女「ぜ、全部が全部売り物ってことではないですよ」

少年「はぁ…」

少女「ということで少年さんにお願いしたいことがあるんですけど…」

少年「俺も同伴すればいいんだろ?了解だ」

少女「え?」

少年「まあ成仏の儀式とか何言ってんのかさっぱりだが幽霊のお前が言うんだからきっとあるんだろ?」

少女「そ、そんなあっさり…」


172 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:21:23.06 ID:Iw1uGde00
少年「信じるって言っちまったからな。それにお前は所持金ないくせに一人で買い揃えになんて行けないだろ」

少女「確かにそうですけど…夏休みの予定とかないんですか?」

少年「いや、特に無いんだが…」

少女「部活動とかは?」

少年「やってないよ」

少女「じゃあ勉強は?」

少年「確かに本当はするべきなんだけどまだ高二だし多少余裕はあるよ。一応成績には自信あるしそれに宿題はもう済んでるしな」

少女「ほ、本当に?」

少年「本当だって」

少女「じゃあ…信じます」

少年「うむ。決まりだな」


173 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:22:31.82 ID:Iw1uGde00
少女「あ、それとですね…」

少年「はい?」

少年「成仏の儀式は8月31日に行う予定です」

少年「ちょっと待てよ…今日は8月1日だよな?」

少女「ええ」

少年「その儀式とやらの準備に一ヶ月も掛かるってことか?」

少女「一応は。ただ時間の余裕は十分にあると思います」

少女「本音を言うとせめて夏休みの終わりくらいまでは現世に留まってちゃんと未練を断ちたいっていうのが理由です」

少年「そうか…。じゃあこの8月はいっぱい遊び尽くさないとな」

少女「あの…協力してくれますか?」

少年「もちろんだ。喜んで協力するさ」

少女「期待しちゃいますよ?」

少年「ああ。この夏休みはお前の生涯で一番最高の夏休みにしてやる。約束する」

少女「少年さん…」


174 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:23:32.73 ID:Iw1uGde00
少女「ふふ」クス

少年「な、何がおかしい」

少女「だって…私の生涯最高って…私もう死んでるのに」

少年「あ。そっか」

少女「でも…ありがとうございます」

少年「俺に出来るのはこれぐらいしかないからな」

少女「いえ、それで十分です」

少年「そうか。それは良かった…」

少年「ってなわけだからまあ、これから一ヶ月間よろしくな」

少女「え?あ…は、はい」

少女「…こちらこそお世話になります」

少年「おう」


175 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:26:47.25 ID:Iw1uGde00
少年「それじゃあ悪いけどまだ眠いからもう一度寝かせてもらうぞ」

少女「ああ、すみませんでした。話を聞いてくれてありがとうございます。お休みなさい少年さん」

少女「お休み少女」

ガチャ

少女「それでは。失礼しました」

パタン

少年「…」

シーン

少年「…」

少年「…」

少年「………幽霊、か」





第一章 幽霊 終わり


176 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:27:40.44 ID:/E8s03Ig0
終わっちゃったよ


177 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:28:56.51 ID:Iw1uGde00
暇だったら明日続き書くわ


178 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:31:20.99 ID:ECih3aud0
くぅ〜疲れましたw これにて完結です!


181 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 08:36:36.45 ID:Ca4+DdHoP
くぅ〜w
連載物キタ━(゚∀゚)━!


182 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 09:47:44.53 ID:yPujyoxv0
追いついたら終わってた
おっつー


185 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/07/28(日) 10:25:31.47 ID:ng5sWBdE0
おもしろい



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