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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
- 128 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/07/11(日) 17:17:50.18 ID:ctGG7lko
〜南東国、南の山〜
ググッ…ガシッ
戦士「ぐく…っ!」
女隊員「ファイトーっ!!」
男隊員「イッパーツ!!」
隊長「いやー…、予想以上に険しいなぁ。こりゃ…」
戦士「来た事あるんじゃないんですか!?」
隊長「あるわけないじゃん。こんな山奥」
戦士「……」
女隊員「普通の山と違って…っ、傾斜が厳しいッス…!」
男隊員「聞いてねーぞぉ!ザイル持ってくりゃあ良かった…」
隊長「うるせぇ!こんぐらいフリークライミングしてみせろ!」
戦士「おおっしゃあぁ!!」
女隊員「気合い…入ってるッスねぇ〜」
男隊員「…ああ」
- 129 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:18:59.05 ID:ctGG7lko
ガシッ
戦士「もう…すぐでっ……頂上ぉ!」
隊長「よいしょおぉ!」
グイッ
隊長「……!?」
戦士「あと…一歩ぉ!」
隊長「おーい!早く来てみろっ!!」
男隊員「!?」
ガシッ…ググッ
戦士「着い……たぁ!!」
女隊員「はぁー!しんどいッスー…!」
男隊員「んで、何があったんだよ!?」
隊長「あー、何もねぇ」
男隊員「はぁー!?…なんだよそりゃっ!」
女隊員「早く来いっていうから…何かあったのかと思ったッス…」
- 130 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:20:06.99 ID:ctGG7lko
隊長「何もねぇ。何もねぇからこそ…よく見渡せる…!」
戦士「…?」
隊長「景色を見てみろ…。地平の向こうまで、ずーっと見えるぞ!」
隊長の一言で、三人は頂上より景色をぐるりと見渡す。
戦士「……本当だ…すっげぇ…っ!」
女隊員「絶景ッス!うわぁ…南東国もあんなに小さく…」
男隊員「…ま、確かにすげぇわな」
隊長「……さ、休んでる暇はねぇ。まずは寝床の確保だ」
女隊員「おっ、そうッス。隊長、テント……」
隊長「ねぇよ」
女隊員「……はい?
隊長「自給自足っつったろ。早く作れ」
男隊員「アンタ頭沸いてんのか!?」
隊長「てめぇ!誰に向かって口聞いてやがるっ!!」
戦士「……前途多難だな。こりゃ」
- 131 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/07/11(日) 18:22:31.35 ID:5GWrwIAO
男女隊員がいいアクセントになってるな。
- 133 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 22:40:41.40 ID:ctGG7lko
〜南方、南の山〜
青龍先生「ふむ。ここらで良いかの…」
召喚士「見晴らしも良くて、なかなか良いと思いますよ」
青龍先生「朝からずーっと登山で…しんどいわい…」
青龍先生は腰を摩りながら、気怠そうに呟く。
青龍先生「かと言って、休んでおるわけにもいかんからの」
青年兵「…はい。お願いします」
青龍先生「二人共、向い合って並べ」
召喚士「……?」
ザッ…テクテクテク
青年兵「並び…ました」
青龍先生「そのまま力を抜いて、しばらく立っとれ」
召喚士「…?」
青龍先生「腕を上げたり、重心を傾けてはいかんぞ?あくまで垂直に…じゃ」
青年兵「…は、はい」
- 134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 22:41:17.79 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜
魔道士「そろえでは、行ってきます!」
バーテン「おう。気をつけてな」
マジシャン「んじゃ、行ってくるわ」
バーテン「あっそ」
マジシャン「……何だよ。その差は」
バーテン「いいから早く行け…」
マジシャン「まーったく」
テクテクテクテクテク
魔道士「まずは…どちらに?」
マジシャン「どこ行こっかね?北でも行こうか」
魔道士「はいっ。お任せ致します!」
マジシャン「そう?じゃあ、任されちゃおうかな〜?」
魔道士「えへへっ!」
マジシャン「それじゃ、まずは北にでも向かいましょうかねぇ」
- 135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 22:41:56.78 ID:ctGG7lko
〜東方、南の島〜
ザッザッザ
影忍「あのー、すいません」
村人「あんだぁ?」
影忍「実は都から来たものなのですが…」
村人「へぇ、都からねぇ…。確かにベッピンさん連れてるもんなぁ…!」
影忍「しかし、妻が体調をくずしてしまい…都に戻りたいのです…」
村人「確かに…。無表情で口数も少ない…。船酔いか疲労かもなぁ…」
盗賊「……」
影忍「船は既に出てしまい…途方に暮れております…」
村人「なるほどなぁ…。それでオラんとこ来たわけかぁ」
影忍「港のお役人様に、こちらなら小舟を出せるかも…と、聞きまして…」
村人「事情が事情だぁ。おし…乗っけてってやる!付いてきなぁ」
影忍「……ありがとうございます!」
影忍は目を細め、笑顔で村人へ返答した後、真顔に戻り盗賊を見て頷く。
- 136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 22:42:40.34 ID:ctGG7lko
…
村人「ちょーっと揺れるから、しっかり掴まっててくんなぁ!」
影忍「…は、はいっ!」
盗賊「……」
ギシッ……ユラユラ…
村人「そっかぁ。新婚旅行に行く途中で…」
影忍「ええ…」
村人「まぁ、こればっかりは仕方ないよなぁ」
盗賊「……」
村人「しっかしお兄さんも羨ましいもんだぁ!」
影忍「……?」
村人「こーんな、べっぴんの嫁さん貰えるたぁ…幸せモンだなぁ!」
影忍「ははっ。ありがとうございます」
村人「さぁ、もうちっとで本島のちっちぇぇ漁村に着くかんなぁ」
影忍「助かります…」
- 137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 22:43:50.36 ID:ctGG7lko
ユラユラ…ゴトン
村人「よぉし、降りてもいいぞぉ!」
グッ…スタッ
影忍「ありがとうございました…。助かりました」
盗賊「…ありがとう…ございます」
村人「なぁに、人助けだぁ。気にする事ぁない!」
盗賊「……」
村人「んじゃな!立派な子…生むだぞぉ?がっははは!」
ゴトン…ユラユラユラッ……
影忍「……行くぞ」
村人の船が小さくなると、影忍はゆっくり山側へと歩き出す。
影忍「ここから北へ峠を越えれば、都は眼と鼻の先だ」
盗賊「……はい」
影忍「動き辛いだろうが、しばしその格好で辛抱せよ」
盗賊「…大丈夫」
- 138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 23:58:36.16 ID:ctGG7lko
〜南東国、南の山〜
男隊員「よーし、そこで下ろせーっ!」
戦士「おい…っしょ!」
女隊員「こっちはオッケーッス!」
ガンガンガンッ!!…トントンッ
女隊員「ふいーっ。出来たッスー!!」
戦士「これなら問題ないだろ…」
男隊員「おーい隊長〜。出来たぞぉー!!」
隊長「…ぐおぉ……むにゃ…っ」
戦士「隊長、出来ましたぜ」
隊長「…ん、んんーっ」
女隊員「隊長!出来たッスよぉ!」
ノソッ
隊長「……な、何じゃあこりゃあ!?」
戦士「何って…寝床っすけど…」
- 139 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 00:00:00.41 ID:jIHpEBgo
隊長「寝床って……」
女隊長「どうスか?どうスか…!?」
男隊員「俺っちが本気を出しゃあ、こんなもんよ!」
隊長「誰がこんな立派なモン作れって行った!テントどころかコテージじゃねぇか!」
戦士「いや…一ヶ月もいるわけですし…」
女隊員「広いにこしたことはないッスよ?」
隊長「そういう事を言いたいんじゃねぇ!!」
男「何でそんなご立腹なんだよ…」
隊長「まぁいい。さっさと荷物まとめて準備しろっ!」
戦士「ういっす!!」
タッタッタッタッタ
隊長「お前らもだ!!」
女隊員「ういッス!!」
男隊員「何だよ…。自分は寝てたくせに……」
隊長「あぁ!?いいから早くしろ!!」
- 140 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/12(月) 00:04:05.17 ID:I1suQiYo
男隊員が男になっとるよー
- 142 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/12(月) 00:13:45.71 ID:OHe9GrEo
>>140
誤字は生暖かい目で見ながら、あえて触れないでやろうぜ
酷いものでなければ
- 145 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 00:33:22.91 ID:jIHpEBgo
毎度の誤字、申し訳ないッス…。では、ここらで失礼致します!
ご支援ありがとうございました!!ノシ
〜オマケ〜
男「今晩も魔道士さんの料理を食べに行くぞ……!」
ウロウロ
男「あ…っ、やはり何かプレゼントを持って行くべきだな。うん」
ウロウロ
男「ここはベタだが、花束なんか……」
ホワンホワン
男『魔道士さん。貴方の為にこれを…』
魔道士『まぁ!素敵な花…。これは…チューリップですね!』
男『はい。花言葉は……永遠の愛…です』
魔道士『っ!?……す、素敵…っ!』
ホワンホワン
男「なんちゃってなんちゃって!くふふっ!!」
ウロウロ…ピタッ
男「こうしちゃいられない!は、早く買いに行かなくちゃ…っ!」
- 155 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:40:02.16 ID:pO1JaTEo
…
戦士「用意出来ました」
隊長「おう、お前らは周辺の見回りして来い」
男隊員「了解ー。まぁこんな辺鄙な所…人はおろか魔物もいねーだろうなぁ」
女隊員「とにかく食料が採取出来そうな所を探さなきゃッスよ?」
テクテクテク
隊長「まず、お前の得意武器を聞いておこう」
戦士「得意武器…?何だろうなぁ…」
隊長「考えた事ねーのか?」
戦士「え、ええ…。まぁ多分…剣、かな?」
隊長「剣か……」
戦士「えっ?何か…マズかったですか?」
隊長「いや、一番槍の息子にしちゃ意外だなって思っただけだ」
戦士「あんまり…関係ないんじゃ…」
隊長「いーや、そうでもないぞ?」
- 156 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:40:42.94 ID:pO1JaTEo
戦士「……?」
隊長「何事にも遺伝ってのは関連してくるもんだ」
戦士「…ふぅん」
隊長「はっはっは。槍術は苦手か?」
戦士「あんまし経験がないもんで…」
隊長「学べば隠れた才能が発揮されっかもな」
戦士「…あんま…実感ないっすけど」
隊長「まぁいいや。んじゃ、まずは剣術から始めっか」
戦士「おす!お願いします!」
隊長「教えるっていっても、既に修羅場ぁ潜ってんだ。今更、基礎的な事はしねぇ」
戦士「…?」
隊長「構えてみ?」
戦士「おう…あ、はい」
チャキッ
戦士「こ、これでいいですか?」
- 157 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:41:10.75 ID:pO1JaTEo
隊長「じゃあゆっくりでいい。俺に斬りかかってみろ」
戦士「はい」
戦士は前進し、ゆっくりと隊長の前に剣を降り構える。
隊長「ストップ」
ピタッ
戦士「……」
隊長「ここで俺が反撃に移る。お前は左右どちらに動く?」
戦士「えっと、左…かな?」
隊長「俺の右手側だな?」
戦士「はい」
隊長「うーん…残念」
戦士「…?」
隊長「一度しか言わん。よく聞け」
戦士「…はい」
隊長は手にした剣を腰の鞘に納める。
- 158 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:41:50.09 ID:pO1JaTEo
隊長「わずか一瞬。刹那の一瞬だが、状況判断で見極めろ」
戦士「…はい」
隊長「もし、相手が抜刀していない状態。これならお前から見て左が正解」
戦士「抜刀していない状態…」
隊長「何故だと思う?」
戦士「……え、えぇと」
隊長「間合いの問題だ。いいか、見とけよ?」
隊長は雷切を軸に、戦士の右側に回りこむ。
隊長「この状態だと、お前が剣を振ると同時に、俺も反撃に出る」
戦士「…はい」
隊長「ところがだ、左腰に帯びた剣を右側に振るまで、タイムロスがある」
戦士「あ…っ」
隊長「カウンターを放つ前にお前の一振りが、俺に到達しておしまいってわけだ」
戦士「な、なるほど…!」
隊長「今度は逆。俺がお前の右側に位置する」
- 159 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:43:14.46 ID:pO1JaTEo
ザッ
隊長「この状態だと、左腰の剣はすぐにお前を薙ぎる事が出来る」
戦士「確かに…!」
隊長「威力は二の次。カウンターで次の…後の先を取れる」
戦士「すげぇ…!」
隊長「ちなみにだ。腰に剣を携えた奴と対峙した瞬間、抜刀しねぇのは馬鹿か達人だ」
戦士「…そうなんすか?」
隊長「居合いとか立ち合いって聞いた事あるか?」
戦士「…!!」
隊長「剣術でも一撃必殺の部類に入るアレだ」
戦士「なるほど…っ!」
隊長「ついでに。背中に鞘を背負って抜刀しない奴はただのアホか罠だ」
戦士「…?」
隊長「背から抜刀するまでのタイムラグがどんだけあると思ってんだって話さ」
戦士「…勉強になります」
- 160 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:44:44.61 ID:pO1JaTEo
隊長「んじゃ次ね。相手が抜刀している状態…」
チャキッ
隊長「この時、お前はさっき…俺の右手側に斬りかかったよな?」
戦士「…間違いっすね」
隊長「…ほう、何でだ?」
戦士「同じ原理です。右手にした剣を薙ぎるまでの時間…」
隊長「正解。右手に構えた剣を左に振るか、右に薙ぎるか…」
ブンッ
隊長「どちらの時間が長いか、それを踏まえて斬りかかるのさ」
戦士「……」
隊長「当然、相手が左手に剣を持ってたら左右逆になる」
戦士「そ、それを一瞬で判断して…仕掛けなきゃいけないってわけか…」
隊長「意識して出来るもんじゃない。身体で覚えるしかねぇな」
戦士「……」
隊長「次は更に難易度高いぞ?」
- 161 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:45:38.40 ID:pO1JaTEo
戦士「……うっす」
隊長「次は、お前みたいに片手に盾持ってる奴」
戦士「…!?」
隊長「仕掛けるにはどちら側から斬りかかる?」
戦士「……盾のない方から」
隊長「当然だよな。盾に行きゃあ防がれて終わりだもんな」
戦士「はい」
隊長「そこで左手の盾を避け、右手側に斬りかかる…」
ヒュンッ
隊長「しかし…右手にはさっきと同様、剣を携えている」
戦士「…ど、どうすんすか?」
隊長「ん?…気合」
戦士「…はい?」
隊長「気合でなんとかする」
戦士「……はい?」
- 162 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:46:19.18 ID:pO1JaTEo
隊長「詳しく言うと、気合で間合いをどうにかする」
戦士「あの…全然詳しくないんですけど…」
隊長「あぁん?あーめんどくせぇなぁ…」
隊長は頭を掻きながら、先程と同様、戦士から向かって右側に立つ。
隊長「はい。じゃあ剣で振り払って下さい」
戦士「……」
ヒュオッ
隊長「刀身が迫ります。ここで間合いを取ります」
戦士「…はい」
隊長「前に出れば、密着状態となり、相手の刀身が当たる事はありません」
戦士「おぉ…本当だ」
隊長「厳密に言うと、ありませんって事はないけど軽症で済む…」
戦士「…確かに、これじゃあ振り抜けないし、致命傷には…ならんすね」
隊長「逆に下がって間合いを取るのも手だ」
戦士「下がるのか…」
- 163 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:47:40.47 ID:pO1JaTEo
隊長「いや、そうしたら反撃の機を無駄にしちまう。つまり…」
タンッ
隊長「前進から一瞬ブレーキをかけ、再び前進…」
戦士「相手の剣だけかわして、懐に潜り込むのか」
隊長「そういう事」
戦士「はぁ〜。奥が深い……」
隊長「ま、これもあくまで手段の一つだ。囚われる事はねぇ」
戦士「…え?」
隊長「頭の片隅にだけ入れとけって事だ」
戦士「……」
隊長「剣術なんて所詮、形はねぇんだ。ありとあらゆる流派がある」
戦士「…確かに」
隊長「その良いところだけを集めて、自分なりの型にしちまえって事さ」
戦士「自分だけの…流派を作れ…って事?」
隊長「ま…簡単に言や、そういうこった。まぁゆっくりやっていこうや!」
- 164 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:48:55.61 ID:pO1JaTEo
〜北方、山中〜
テクテクテク
魔道士「ずいぶん山奥まで来ましたね…」
マジシャン「んー、もうちょいだよ。頑張れ〜!」
魔道士「はいっ!頑張りますー!!」
マジシャン「この辺はね、なかなかいい環境なんだよ」
魔道士「そうなんですかぁ?」
マジシャン「適度な魔物、適度な食料…そんで…」
魔道士「そんで…?」
マジシャン「温泉やら泉やら…環境も抜群!」
魔道士「おぉーっ!……あ…っ」
マジシャン「…?」
魔道士(そういえば…戦士さんの村も…。そっかぁ…)
マジシャン「さぁ、頑張りましょう!」
魔道士「はいっ!えへへ!!」
- 165 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:49:48.52 ID:pO1JaTEo
ザッザッザ
魔道士「なかなか…険しくなってきましたね…」
マジシャン「だいじょぶ?」
魔道士「は、はいっ」
マジシャン「ハッハ!偉い偉い!」
魔道士「標高も高いから…涼しくなってきましたね!」
マジシャン「おう、もうじき…あ、見えてきたかな?」
マジシャンは木々を掻い潜り、奥を覗き込む。
マジシャン「ほれ、あそこに泉がある。見えるか?」
魔道士「よ…っと……わぁっ!凄い!!」
マジシャンに続き、覗き込む魔道士の眼前に、
花々が咲き乱れる、美しい泉が広がる。
魔道士「こんな山奥に…素敵……」
マジシャン「二人だけの秘密場所だぞ?ハッハ!!」
魔道士「はいっ!!」
- 166 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:50:32.24 ID:pO1JaTEo
テクテクテク…チャポッ
魔道士「……んっ。美味しい…っ!」
マジシャン「この先に巨大な滝があってな、その地下水脈がここに沸いてるみたいだ」
魔道士「綺麗な水だから…花も沢山、咲いているんですねぇ…」
マジシャン「魔物も出ないしな!んで、しばらくここで修行をする」
魔道士「ここで…ですか!?」
マジシャン「ああ。ここでだよ」
魔道士「一体…どんな…?」
マジシャン「おっ…!あれは鹿か…?」
魔道士「えっ!?あ…っ!かわいい〜っ!」
マジシャン「あっちにはリス…。それにウサギも…!」
魔道士「なんだか…絵本の世界みたいですね…っ!」
マジシャン「ここで…泉や花や動物と遊びましょう」
魔道士「はーい!……え?あの…っ、修行…は?」
マジシャン「ハッハ!……それが修行でーっす!」
- 167 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 17:51:50.49 ID:pO1JaTEo
魔道士「あの…遊ぶのが修行なんですか?」
マジシャン「そう!その通り!」
魔道士「…えっと」
マジシャン「何その冷たい目…?ちゃんと理由もあるんだよ?」
魔道士「でもぉ…遊んでいるだけで修行だなんて…」
マジシャン「ただ、はしゃぐだけじゃダメ。ちゃんと遊ぶ事!」
魔道士「ちゃんと…遊ぶ?」
マジシャン「そう。自然と一体化し、摂理ってモンを体感しなさい」
魔道士「一体化…ですかぁ」
マジシャン「人間もまた、自然の一部なり…ってな!」
魔道士「よく分からないけど…頑張って遊びますっ!」
マジシャン「おうっ!頑張れ!ハッハッハ!!」
ザッ
マジシャン「んじゃー、ちょっくら見回り行って来まーす!」
魔道士「はいっ!お気をつけて!」
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