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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その33
- 857 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/11/20(日) 03:03:20.64 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと7日。西の砦〜
ドドッドドッドドォ…
王子「着いたぁーっ!!」
神官「皆様、お疲れ様でした。食事、入浴の手配をすぐに致しますので」
魔道士「久々の休憩って感じですねっ」
召喚士「本当ですね。ここのところ、ずっと緊迫した雰囲気でしたからね」
サモナー「召喚士君の力は本当に大きかったと思うよ。お疲れ様」
召喚士「いえいえ、みんなで得た勝ちですよ。誰がなんていう事はありませんって」
男隊員「謙遜すんなって……ヒャハハ!」
西方参謀「そうそう。考えてみろって、お前さん達が居なかったデカい戦いがあったかい?」
召喚士「……」
隊長「こっちとしても休ませてやりたいのは山々なんだが、頼らざるを得ないんだよ」
召喚士「構いませんよ。俺らも望んでいる事ですし、出来る限りの力にはなりたいですから」
戦士「そうそう。あとちょっとなんだ。それまでは突っ走ろうぜ、みんなでな!」
魔道士「おーっ!」
- 858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:03:49.62 ID:DLX/6ELCo
…
カポーン
魔道士「ひっさびっさの〜っ、おっふっろー!!」
女隊員「はぁ〜っ。暖かいッスねぇ〜」
盗賊「き……傷に沁みるっ」
西方副司令「こうしてゆっくり入浴出来るなんて、ついさっきまでの事を考えたら奇跡みたい」
魔道士「本当ですよね……」
女隊員「休める時にしっかり休んで、次の戦いに備えるッスよ!」
盗賊「……だな」
西方魔道長「あー極楽極楽。生の実感を味わえるねぇ」
魔道士「本当ですねぇ〜」
女隊員「……いい筋肉してるっスねぇ」
盗賊「へっ?!」
女隊員「さ、触ってもいいッスか!?」
盗賊「……駄目っす」
- 859 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:05:21.71 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと6日。西の砦〜
召喚士「おはよう」
戦士「おう、おはようさん」
召喚士「調子はどう?」
戦士「いやぁ、身体が重い重い。さすがに昨日の今日だからなぁ」
召喚士「そうだよね。俺も筋肉痛だし魔力は戻らないしで、身体が重いよ……」
テクテクテク
青年兵「おはようございます……」
召喚士「青年兵くん、おはよう」
戦士「顔色悪いけど大丈夫か?」
青年兵「疲労のあまり逆になかなか眠れなくて……」
召喚士「やっぱりみんなそうだよね……」
戦士「みたいだな」
チラッ
西方司令「ぎゃああぁぁ!! 筋肉痛で死ぬううぅぅぅぅ!!」
- 860 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:06:14.54 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと5日。西の砦〜
男隊員「隊長、身体の調子は?」
隊長「悪くないな。むしろ、かなり調子いいぞ」
男隊員「……そか。ならいいけどよ、ヒャハハッ」
隊長「あまり疲労も感じないし、何より魔力が増幅してるからな」
男隊員「……」
隊長「さて、巡回交代の時間だな。行ってくる」
テクテクテク…
女隊員「あ、いたいた。司令が呼んでたッスよ」
男隊員「ん、ああ。なぁ……隊長、ちょっと変わったか?」
女隊員「えっ? そうッスか?」
男隊員「何となくな。まぁあれか、昂る気持ちも分かるけどな。ヒャハハ!」
女隊員「うーん……全然分からないッス」
男隊員「あのなぁ、まぁいいや。司令が呼んでんだっけか?」
女隊員「あ、そうッスよ! 早く行かないと怒られちゃうッスよ!」
- 861 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:06:41.33 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと4日。西の砦〜
天才「道は出来た。出来たが、突破するには……」
サモナー「サンドワームで無駄な労力は使いたくないところですね」
天才「そこはあれだっけか? 西国が船を用意してくれんだっけか?」
神官「ええ。砂上の船を用意致します」
天才「デカブツん時も温存したしな。準備はバッチリだろ」
西方副司令「何のお話ですか?」
天才「とっておきだよ。楽しみにしてな。ハーッハッハッハ!」
西方参謀「あの物凄い突風はどうするんだい? ヒック」
天才「んーまぁ、朱雀がやるって言ってっし、やって貰う以外にねーわな」
西方副司令「あとは……」
西方司令「ひ、ひいいぃぃ……っ! もう嫌だっ、死ぬううぅぅ!」
天才「構わねーよ。本番までほっとけ。力の温存にもなるからな」
西方参謀「あんまり五月蝿いようだったら、包丁かマチ針でも持たせとけ」
西方副司令「は、はぁ」
- 862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:07:22.14 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと3日。西の砦〜」
盗賊「それじゃ、先に戻るぞ。おやすみ」
召喚士「おやすみなさい」
スタスタスタ
召喚士「あ……っ」
マーマン「おーう、召喚士ちゃん」
召喚士「マーマンさん。砦の中、入らないんですか?」
マーマン「ああ、俺っちはこっちの方が性に合ってるってか……」
バシャッ
マーマン「水ねぇとキツイしな。ハハッ!」
召喚士「そ、そうです……よねっ。はは……っ」
マーマン「……なぁ、召喚士ちゃん」
召喚士「はい?」
マーマン「……いーや、何でもねぇ。そんじゃおっやすみ〜」
召喚士「お、おやすみなさい」
- 863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:08:16.04 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと2日。西の砦〜
王子「よーし。いいぞ、その調子!」
傭兵「踏み込みが弱い、それじゃ狙われるぞ!」
親衛隊「はぁっ!」
戦士「うりゃあ!!」
ガキィン!!…キィン!!
神官「鍛錬ですか。精が出ますね」
隊長「もう日も迫ってる。士気を上げるにも丁度いいさ」
神官「……そうかもしれませんね」
ズシャアアァァ
親衛隊「……流石、先生っ」
戦士「いやいや、あんたも相当のモンだって。それと先生はよしてくれって……」
王子「んじゃ次いくよ!」
戦士「次は王子か。よし、来な!」
隊長「ほんと、頼もしい限りじゃねぇか」
- 864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/20(日) 03:09:12.75 ID:DLX/6ELCo
〜満月まであと1日。西の砦〜
天才「さぁ、いよいよ残すところあと1日になったわけだ」
神官「そうですね。いよいよです」
男隊員「準備は出来てるぜ。覚悟もな……ヒャハハ」
女隊員「今すぐだって、大丈夫なくらいッスよ!」
隊長「お前らもか?」
召喚士「もちろんです!」
戦士「ここまでくると、待ち遠しいくらいだよ」
盗賊「……だな」
魔道士「それくらい、気持ちも出来てますっ!」
天才「いい覚悟だ。安心しろ、お前らがいる限り、負けねぇよ」
格闘家「はい」
青年兵「それでは夕食後に作戦会議。その後、22時より本作戦を決行致します」
サモナー「これが最後の作戦会議だね」
天才「そうなるな。聞き逃しなく、全てを頭に叩き込んでおけよ」
- 866 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(石川県) [sage] 投稿日:2011/11/20(日) 03:46:44.60 ID:J467kGcjo
隊長にへんなフラグが立ってそうで怖いぜwwww
- 869 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [] 投稿日:2011/11/20(日) 05:12:56.66 ID:eaRGn0xH0
いちおつ
隊長何かあったのかな?何も気付かなかったわ
- 874 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/11/21(月) 00:57:25.73 ID:Z/zU7QCAO
隊長の変化はサンドウィッチたんが手助けしてくれた描写があったじゃないか
- 879 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:03:06.31 ID:5YunFlEho
…
青年兵「それでは始めます。まずは作戦概要から」
天才「標的はもちろんの事、魔王イブリースただ1匹のみ」
隊長「しかしそこまでの道のりには、2つの弊害がある」
王子「1つは裁くのサンドワームだね」
西方参謀「もう1つはあの風かい……ヒック」
天才「まず、サンドワームについては、西国の連中が牽制してくれる」
戦士「どうやって突破するんだ?」
親衛隊「私達が囮となって、サンドワームを引きつけます」
格闘家「危険ではないですか?」
傭兵「今まで数百回と戦ってきたんだ。言わばスペシャリストだぜ?」
神官「そういう事です。お任せ下さい。必ずや無傷で魔王の元へとお届け致します」
天才「んで、風については朱雀、お前に任せていいんだよな?」
召喚士「……はい。俺にしか出来ないと思ってます」
天才「いい自信だ。迷いなくお前に任せられんぜ。ハーッハッハ!」
- 880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:03:38.06 ID:5YunFlEho
隊長「だが慢心はするなよ。イブリースは全くの未知なる敵」
天才「そうそう。あくまで門をぶち壊しただけに過ぎん。内部なんざ何も分からねぇんだからな」
西方参謀「分かる範囲の情報をもう1度、改めて確認したいとこだわな……ヒック」
サモナー「以前、耳にした話では、あの奥に古代遺跡があると……」
魔道士「あっ、言ってました!」
男隊員「遺跡? 遺跡って事は魔王の城じゃねぇのか? かつては人間の領土だったってか?」
サモナー「そこまでは分かりません。でも、言われてみると確かに不自然ですね……」
戦士「お前らがあったっていう依頼者ってのは、何者なんだ?」
召喚士「さぁ。普通の人だと思うけど……」
隊長「ワーカーや学者などの類じゃないって事だよな?」
魔道士「え、ええ」
傭兵「何か臭うな」
天才「気にはなるが、今回の目的はそこじゃねぇ。魔王討伐に専念しろよ」
王子「もちろん」
西方副司令「それで、肝心の魔王については?」
- 881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:04:01.07 ID:5YunFlEho
青年兵「知り得る情報では、イブリースは単独行動を好むという事」
戦士「つまり、厄介な眷属やら軍団長みてーのはいないって事でいいんだよな?」
青年兵「ええ。絶対、とは言い切れませんが、十中八九は」
盗賊「……」
青年兵「更に魔物辞典や古書を見る限り、数度の討伐履歴があります」
魔道士「例のサンドウィッチさん、とかですか?」
男隊員「あれは絵本の話だろ」
隊長「絵本だって古の文献がモチーフになってるなんて事もある。軽視出来んぞ」
魔道士「そうですよっ」
天才「ともかく、何度か倒した実績があるんだ。倒せないってわけじゃねぇ」
西方参謀「まぁそうだわな……ヒック」
天才「だが、よ−く考えろよ。倒しちゃいるが消滅には至ってねぇ」
隊長「単体相手にトドメは刺せていない。しかも数度に亘ってだ」
神官「それだけ手強い、と言う事ですね」
天才「単体での絶対なる強さに自信があるのさ。やりようによっちゃあ、最も厄介だな」
- 882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:04:33.31 ID:5YunFlEho
青年兵「それだけに、突入後の作戦は注意を払う必要があります」
隊長「それで、肝心の策とやらは?」
青年兵「一点集中で突入後、離散します」
女隊員「それで、どうするッスか?」
青年兵「あとは各自にお任せいたします」
男隊員「はぁ!?」
天才「悪いがそっから先は細かな指示を出してる暇もほとんどねーと思う」
格闘家「……」
天才「テメーらは世界でも屈指の使い手だだ。自分で判断して、最善の方法で戦ってくれ」
戦士「……そいつはいい作戦だぜ全く」
王子「それじゃ我ら西国軍は中央からあたらせて貰おうかな」
神官「陛下は残念ながら、初戦には不参加とさせて頂きます」
王子「えっ!?」
神官「陛下はこれより、私と共に西国の城へと戻ります」
王子「ちょ……っ、何でだよ!? こんな大事な時に――」
- 883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:05:13.87 ID:5YunFlEho
神官「大事な時だからです。陛下には最後の準備が必要です」
王子「準備……っ?」
神官「天才殿、宜しいですね?」
天才「ああ。事前に聞いてるし、それはきちんと理解してる」
王子「ふざけんなよっ! なんで前線から……っ。準備だったらここでいいじゃないか!」
神官「駄目なのです」
王子「……だったら何故、もっと早く言ってくれないんだよ……っ」
神官「……」
王子「これじゃ……役立たずみたいじゃんかよ……っ」
神官「陛下。断じてそのような事はありません」
王子「……くっ」
ガタッ…カツカツカツカツ…
傭兵「お、おい……っ」
神官「構いませんよ。私が行ってきます」
スクッ…カツカツカツ…
- 884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:05:41.22 ID:5YunFlEho
魔道士「……王子」
召喚士「大丈夫です。王子はそんなに弱くありませんよ。神官さんもいますしね」
魔道士「……っ」
天才「さて、作戦開始は18時、満月の夜。大将は俺様が務める」
西方参謀「青年兵じゃないのか?」
天才「ああ。今回は俺様だ。何だよ、文句あんのか?」
西方参謀「別にありはしねぇが、最前線で戦うつもりなのに大将ってのはなぁ……ヒック」
天才「だから策は任せるって言っただろ」
戦士「そのためかよ……」
青年兵「補佐には私と西方副司令殿、参謀役に西方参謀殿にお願い致します」
西方副司令「了解っ」
西方参謀「へいへい……ヒック」
天才「まずは突入だが、砦からの出発は西国軍が主動」
親衛隊「了解であります!」
天才「んで、サンドワームを抑えている間に、お前が道を切り拓く」
- 885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:06:08.59 ID:5YunFlEho
召喚士「はい」
天才「あとは1箇所からなだれ込んで、各自、戦闘開始だ」
青年兵「口頭では比較的簡単に聞こえますが、連携が非常に重要です」
隊長「だな。特遊は俺と固まれ。なるべく前線に張るぞ」
男隊員「ヒャハハ、了解!」
戦士「俺らも4人固まった方がいいかもな」
盗賊「……そうだな。言い方は悪いが、他に気を遣う暇は……なさそうだ」
西方参謀「確かにそれぞれ、慣れた面子と固まって戦うのが分かりやすくていいわな……ヒック」
天才「あと1日。だいぶ回復はしてると思うが、今日が最後の休養だ。しっかり休めよ!」
青年兵「以上、細部など気になるところは私か司令まで確認して下さい」
天才「んじゃ解散!」
西方副司令「ほら司令、戻ってゆっくりやりましょうよ」
西方司令「ちょっと待って。この部分縫い終わったら行く……よしっ、裾上げ完了〜」
戦士「王子と神官さん、結局戻って来なかったな」
召喚士「……うん」
- 886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:07:06.26 ID:5YunFlEho
〜王子の部屋〜
コンコン…カチャッ
神官「失礼致します」
王子「……」
神官「陛下。陛下のお気持ちは分かりますが、どうかここは私の――」
王子「なぁ神官」
神官「……はい」
王子「お前とは、本当に長いよな。小さな頃から教育係として、ずっと僕の傍にいてくれた」
神官「そうですね。西国の筆頭召喚士となってからも、世話を焼かされました」
王子「……悪かったよ」
神官「ははっ。でも、私はそれが好きでしたよ。王子のお傍に居る事が大好きでした」
王子「僕もだよ神官。だから何となく分かるんだ。神官、西国に戻ったら何をするつもりだ?」
神官「……陛下が魔王イブリースを討てるよう、最後の教育を致します」
王子「僕は、何か嫌な予感がするんだ。お前の中にある気持ちが沈んでいるように思えるんだ」
神官「それは誤解ですよ陛下。私はずーっと、これからもずっと陛下のお傍から離れません」
- 887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/21(月) 18:08:03.40 ID:5YunFlEho
王子「……」
神官「ですからどうか、私と共に西国へ戻って頂けませんか?」
王子「……出来てるよ。ほら」
神官「……?」
王子「おいおい、まさか僕がヘソを曲げて部屋に戻ってきたなんて思ってないだろうな?」
神官「……陛下」
王子「さぁ荷物はまとめた。早く行って、早く戻ってこよう!」
神官「承知致しました。それでは早速、西国へ参りましょうか」
王子「おうっ!モタモタしてると、メインディッシュまでもってかれちまうからな! あははっ!」
神官「そうですね。彼らは本当に強い。そして素晴らしい。人間的にも」
王子「うん。国は違えど、大切な友人ばっかりだよ。あ、そうだ!」
神官「……?」
王子「イブリース倒したらさ、王宮で酒宴しようよ! パーッとさ!」
神官「そうですね。陛下もずっと、禁酒してますからね」
王子「終わったら飲んでいいんだよな!? よーし、また踊り子呼んで……盛り上がるぞ〜っ!」
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