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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
716 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/11(土) 22:15:08.21 ID:2YtO1jQo
〜三途の川〜

サイクロプス「何だ?人間…か?」

魔法剣士「…はぁ!!」

シュバッ…ギィンッ!!

魔法剣士「!?」

サイクロプス「…ハッ、効かんなぁ…!!」

グオォッ……ブンッ!!

魔法剣士「…くっ!!」

ザザッ

眼鏡「弱点を突くんだ!一瞬だが硬化が崩れる」

魔法剣士「成程…。目と同時に繰り出さねばならんという事か…」

サイクロプス「ハッハァー!!」

ブオッ!!

魔法剣士「……ならば!」

巨大な棍棒を振り上げ襲いかかるサイクロプスに、魔法剣士は剣を上下に構え待ち受ける。


717 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/11(土) 22:16:04.86 ID:2YtO1jQo
ザザッ

魔法剣士「でやあぁ!!」

サイクロプス「ハアァ!!」

振り下ろされる棍棒の一撃。それを掻い潜り魔法剣士は左手の剣で魔物の目を、

同時に右手の剣で腹部を刺し貫く。

ヒュバッ…ズグッ…ドスッ!!

サイクロプス「ん…なぁ!!」

ズルッ…ドズウウゥゥンッ

魔法剣士「…よし、次」

眼鏡「…うん。上等」

一部始終を横目に、眼鏡もサイクロプスを側面から襲撃する。

サイクロプス「コイ…ツ!人間とは思えぬ早さ…っ!!」

左手から放つ赤黒い炎がサイクロプスの目を焼き尽くす。

サイクロプス「ギイアアァァーッ!!」

直後、右手の長剣がサイクロプスの巨体を縦一直線に斬り倒した。


718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/11(土) 22:17:26.23 ID:2YtO1jQo
ザザァ…ズドオオォォ

魔法剣士(早い…それに、動きに無駄がない。流石だな」

ザザッ

眼鏡「ここで踏ん張ろう。そうすれば奴らも…」

サイクロプス「早く排除すんぞ!この場にいられては次の隊を送り込めん!」

魔法剣士「成程な。侵攻ルートというわけか」

眼鏡「ここを封じれば魔王軍も迂闊に兵を進められないという事さ」

魔法剣士と眼鏡が背中合わせに中央でサイクロプスを迎え撃つ。

サイクロプス「たったの二匹だ!まとめてかかれぇ!!」

ザシュ…ドシュッ!!……ドズウウゥゥンッ

魔法剣士が突き刺した巨大な目への一撃。眼鏡が繰り出した肩から足元への一閃。

同時に放たれた剣撃により、サイクロプスがまた一匹、地へと伏せる。

サイクロプス「コイツら…!たった二人で本当にやるつもりなのかよ…っ!?」

眼鏡「さぁ、どんどんいこう!」

魔法剣士「……ああ!」


720 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/12(日) 00:37:36.11 ID:2vUzMgEo
みなが強くなるほどマジシャンの強さが見えてくるところもあるわけだけど
召喚士が強くなったからこそ師匠はものすごかったんだろうなあと思うと胸が熱くなるな


721 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 01:35:28.71 ID:5AnCbmMo
〜北方司令部〜

戦士「…あれ?マジシャンのオッサンは?」

左翼長「ん、ああ。どうやら一人で出ちまったみてぇだな」

戦士「……そっか」

左翼長「俺らもぼちぼち進発する。お前らも後から追ってくれ」

戦士「どこに行けばいい?」

左翼長「北の村に一旦合流する。その後は最北のむらまで進軍するつもりだ」

戦士「…分かった。出来るだけ早く追うよ」

左翼長「‥すまんな」

戦士「気にすんなっての!今更っすよ」

左翼長「……」

戦士「…ん?何か…?」

左翼長「いや、な。こうしてお前と共闘する日が来るなんてな…」

戦士「…ははっ。確かに!」

左翼長「お前の親父もいりゃあ完璧だったんだがなぁ」


722 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 01:35:55.25 ID:5AnCbmMo
戦士「…親父」

左翼長「んじゃ、頼むぞ」

戦士「おうっす!」

左翼長「…全軍、出撃用意!」

ザッザッザッザ…

戦士「……確かに…そうだよな」

テクテクテク…ガチャッ

盗賊「……おかえり」

戦士「様子は?」

盗賊は首を横に振り、眉をひそめる。

戦士「…そっか。お前は仮眠取ったのか?」

盗賊「…うん。大丈夫」

戦士「…ならいいや」

盗賊「…戦士」

戦士「んー?」


723 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 01:36:22.74 ID:5AnCbmMo
盗賊「…マジシャンさん…大丈夫かな?」

戦士「…何が?」

盗賊「…いや、何だか神妙な…面持ちだったから」

戦士「…まぁオッサンを倒せる魔物なんぞそうそういねぇだろ」

盗賊「…マジシャンさんは?」

戦士「先に出ちまったみてぇだぞ」

盗賊「…そっか」

戦士「……」

盗賊「…戦士」

戦士「さっきから何だよ?」

盗賊「…私…やっぱり行ってくる」

戦士「え?」

盗賊「…マジシャンさんの…援護に行ってくる」

戦士「だったら俺も……」

盗賊「…いや、召喚士と魔道士を診てないと」


724 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 01:36:59.73 ID:5AnCbmMo
戦士「そりゃそうだけどよ…」

盗賊「…大丈夫。無理はしない…偵察だし」

戦士「……大丈夫か?」

盗賊「…そんなに…弱くないよ」

戦士「…まぁ、そうだけどよ」

盗賊「……あ、あの…」

戦士「…?」

盗賊「…あ、ありがと…っ」

戦士「……?」

盗賊「い、いや…っ。…その…心配して……くれて」

戦士「あ、ああ…っ。そ、そりゃあ大事な……」

盗賊「え…っ?」

戦士「だ、大事な仲間だかんな!は、はは…っ!!」

盗賊「…そ、そうか。は…ははっ」

タッ


725 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 01:39:43.39 ID:5AnCbmMo
盗賊「…じゃ、行ってくる」

戦士「それ、持ってけよ」

盗賊「……いいの?」

戦士「さっきも言ったが、今のお前なら小太刀でなくとも扱えんんだろ」

盗賊「……じゃあ…遠慮なく借りる…ね」

戦士「おう」

盗賊は脇に立てかけられた雷切を腰に結び、医務室を後にする。

戦士「……ふー」

召喚士「……」

魔道士「……」

戦士「流石に俺も寝ておかないと…ツライか…」

ゴソッ

戦士「盗賊…オッサン。少しの間辛抱してくれ」

召喚士「……」

魔道士「……」


726 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/12(日) 03:04:56.93 ID:XgbkCaQ0
1乙
盗賊ちゃんは一撃必殺みたいなのがないから
術のスキルアップは不可欠だと思う
常に魔道士ちゃんと一緒っていうわけにもいかないからね


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:15:22.26 ID:5AnCbmMo
テクテクテク

騎士長「おっ、何だ?行くのか?」

盗賊「…うん…偵察」

騎士長「そうか、気を付けてな。あ…そうだ…」

ゴソゴソッ

盗賊「…?」

騎士長「持っていくといい。身の危険を感じたら使うといい」

盗賊「…ありがとう。行ってくる」

テクテクテク

騎士長「……」

北方兵「副司令、本陣からの兵が帰還致しました」

騎士長「ん、ああ…」

北方兵「な、何…か?」

騎士長「あんな娘に偵察を託すなど…寒い時代だとは思わんか」

北方兵「……副司令」


738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:16:05.03 ID:5AnCbmMo


魔道士「……ん…っ」

ゴソゴソッ…モゾッ

魔道士「……ぅ…ん」

ノソッ…

魔道士「……?」

ストッ

魔道士「あ…れ?どこ…!?」

戦士「……ん」

魔道士「戦士さん…召喚士さん…?」

戦士「…おぉ、起きたか。傷はどうだ?」

魔道士「傷…?あ、そっか…」

戦士「……大丈夫みてぇだな」

魔道士「あの…召喚士さんは…大丈夫なんですか!?盗賊さんは!?」

戦士「…待て待て、順を追って説明すっから」


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:17:17.69 ID:5AnCbmMo


魔道士「……なるほど…っ」

戦士「んで、召喚士は今だ目覚めずってわけよ」

魔道士「……」

戦士「眠れる王子様を目覚めさせるには…姫様のキス。なんてな」

魔道士「!?」

戦士「なんかそんな物語なかったっけか?」

魔道士「童話…ですか?」

戦士「……してみたら?」

魔道士「で、出来るわけないじゃないですかっ!」

戦士「ははっ!冗談だよ。支度済ませてくるわ。いるもんあるか?」

魔道士「だ、大丈夫ですっ!!」

戦士「了解〜」

テクテク…ガチャッ…パタンッ

魔道士「……もうっ」


740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:18:12.77 ID:5AnCbmMo
召喚士「……」

魔道士「…眠れる王子…キス…かぁ」

ススッ

魔道士「……」

ジーッ

召喚士「…・すーっ…すーっ」

魔道士「……っ」

ズイッ…

魔道士(な、なんだか前にもこんな事…あったなぁ…)

ドキドキドキドキ

魔道士「…召喚士…さん」

召喚士「…………ん」

パチッ

魔道士「わぁ!!」

召喚士「!?」


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:19:07.20 ID:5AnCbmMo
ガバッ!!

召喚士「魔…道士さんっ!?」

魔道士「おおおおはようございます!!」

召喚士「あれ……ここは…?」

魔道士「司令部みたいです…っ!」

召喚士「司令部…そうか、召喚が暴走して…」

魔道士「……」

召喚士「…あの、何か…?」

魔道士「いいいえ…っ!何でも!」

ガチャッ

戦士「……ん?起きたのか?」

召喚士「戦士!」

戦士「おはようさん。……まさか…姫様のキ」

魔道士「違いますっ!!もうっ!!」

召喚士「……?」


742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:20:54.18 ID:5AnCbmMo


召喚士「そうか…。既に進軍は再開してるんだね」

戦士「ああ。俺らも準備整い次第、すぐに後を追う」

召喚士「…だね」

魔道士「もう動けます?」

召喚士「俺は大丈夫です。召喚は…厳しいかもしれませんが…」

戦士「……まぁ、戦闘はこっちに任せておけ」

召喚士「魔道士さんこそ大丈夫ですか?」

魔道士「あ、はい。お陰さまで…ありがとうございました!えへへ!」

召喚士「い、いえ…っ!」

戦士「まずは北の村で国軍に合流の後、盗賊とマジシャンのオッサンを追おう」

召喚士「うん。それがいいと思うよ」

魔道士「しっかり村を守りましょうね!」

戦士「おうよ!好き勝手させてたまるかってんだ!」

召喚士「…うん」


743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/12(日) 21:23:30.14 ID:5AnCbmMo


ザッザッザッザ

騎士長「おっ!二人とも大丈夫か!?」

召喚士「お陰様で。助かりました」

騎士長「それはこっちの台詞さ。軍団長を片付けたんだってな!」

召喚士「運が良かったまでです」

騎士長「謙遜するなって。十分働いて貰った。あとは任せて無茶すんなよ?」

魔道士「はいっ、ありがとうございます!えへへっ」

戦士「んじゃ、行ってきます!」

騎士長「自分達だけで何とかしようと思うなよ?国軍や他の助けも借りてな!」

戦士「無謀にはなんないよ!勇敢に…だろ?」

騎士長「…ああ!」

召喚士「では、失礼します」

ザッザッザッザッザ

召喚士「目指すは北の村。頑張ろう!」



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