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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15
166 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:25:19.93 ID:zwt39.go
〜鍛冶屋の家〜

魔道士「ただいまですー!」

おかみ「はいよ、おかえりっ!収穫はあったかい?」

戦士「まー…ボチボチですかねぇ」

鍛冶屋「おや、おかえり!どうだったどうだった?」

召喚士「はい。何事もなく…無事に…」

鍛冶屋「それは何より。こっちも一段落ついたところだよ!」

戦士「本当ですかい!?」

鍛冶屋「うん。早速工房で話をしよう」

戦士「ういっす!すぐ行きます!」

召喚士「あっ、俺も…!」

おかみ「おいおい、そんな慌てなくたって逃……」

バタバタッ…タッタッタ…

おかみ「全く…。子供みたいにはしゃいじゃって…」

魔道士「ふふっ」


167 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 16:48:03.72 ID:zwt39.go


鍛冶屋「……じゃん!」

鍛冶屋はオのを二人の前へ突き出す。

戦士「…?」

召喚士「あんまり変化がないようみ見えるけど…」

鍛冶屋「ふっふっふ…!」

にんまりと笑う鍛冶屋は、斧をおもむろに左手へと近づける。

鍛冶屋「僕が今…左手に付けているのは、鉄製のガントレット」

そう言いながら、突き出す鍛冶屋の左腕には、腕用の防具が装着されている。

戦士「…んで?」

鍛冶屋「斧を逆手に持ち…柄の底を……押す!」

ガチッ……バチイィンッ!!

召喚士「!!」

戦士「おぉ!?」

斧は勢いよく直角に曲がり、ガントレットの部分へぴたりと張り付いた。


168 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 17:03:02.10 ID:zwt39.go
鍛冶屋「…どうかな?」

戦士「…ど、どうかなって……分からん」

召喚士「う、うん…。あまりにも唐突過ぎて…ちょっと…」

鍛冶屋「はははっ!そりゃそうだね。ごめんごめん」

鍛冶屋は頭を掻きながら苦笑する。

召喚士「これって……磁石…ですか?」

鍛冶屋「…流石だね!その通り!!」

戦士「磁石…?」

鍛冶屋「つまりこの両刃の…中央部分に磁石を埋め込んであるんだ」

戦士「ほうほう…!」

鍛冶屋「普段は斥力で…くっ付く事はない…」

召喚士「それが…さっきのギミックで…」

鍛冶屋「うん。柄の底に付けたボタンを押すと、磁力が反転するんだ」

召喚士「なるほどっ!!それでガントレットにくっ付くわけか!」

戦士「…斥力?磁力が反転…?」


169 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 17:04:14.68 ID:Hcap7oAO
彼の者って「かのもの」だよな


170 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 17:06:30.51 ID:zwt39.go
鍛冶屋「ちなみにこの柄の部分も…」

戦士「ちょっとストップ!」

鍛冶屋「…?」

戦士「…全く分かりません」

召喚士「えぇと…」

鍛冶屋「…分かった。一から簡単に説明しよう」

戦士「すんません……」

鍛冶屋は引き出しから、小さな磁石を二つ手にする。

鍛冶屋「いいかい?磁石には二面性があるんだ」

戦士「二面性?」

召喚士「魔法で言えば…火と水両方の属性を持っているって感じかな」

戦士「おぉ、なるほどな!」

鍛冶屋「つまり片面が火。もう片面が水になっているわけ」

戦士「ほうほうほう!」

鍛冶屋「火と水は相容れないけど…火と火はピタリとくっ付くのさ」


171 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 17:22:19.16 ID:zwt39.go
鍛冶屋は片方の磁石をひっくり返し、二つの磁石はぴたりと一つになる。

戦士「なるほど!理解した…!」

鍛冶屋「それでね、この柄の部分も同じギミックになってるんだ」

召喚士「……」

鍛冶屋「直角に折れた柄の部分をもう一度押すと…」

カチッ…バシンッ!!

鍛冶屋「元通り…」

召喚士「武器として使っている時に、折れたりは大丈夫なんですか?」

鍛冶屋「うん。試したわけじゃないけど、かなり強力な磁石を使ってるから…」

戦士「まぁ…よく分からんけど、とりあえず斧と盾…両方で使えれば問題ないよ」

鍛冶屋「それは保証するよ。とりあえず現状の最善方法としてこれしかないかな」

召喚士「良いと思いますよ!うんっ」

戦士「何か注意点は?」

鍛冶屋「強いて言うなら磁石が強力だから…磁場かなぁ」

召喚士「…磁場」


172 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 17:40:21.73 ID:zwt39.go
鍛冶屋「まぁそれも、状況に応じて切り替えれば問題ないけどね」

召喚士「いざとなれば、俺のノームもあるし…」

戦士「ノーム?白虎の…?」

召喚士「うん。ノームの特殊能力は磁場や重力での身動き制限を解除してくれるんだよ?」

戦士「そ、そうだっけ…?」

召喚士「ま、まぁ…一度も使ったことないし。そういう状況になった事もないからね…」

戦士「……なるかな?」

召喚士「さ、さぁ……ははっ…」

戦士「とにかくだ親父さん。斧と盾の併用は可能なんだな?」

鍛冶屋「それはもうバッチリ仕上げるよ!」

召喚士「あとは何をすれば…」

鍛冶屋「両刃部分を盾向きに改良しないとね」

戦士「……このまんまじゃ駄目なの?」

鍛冶屋「そりゃ外側は丸みをつけたりしないと…。刃が砕けちゃうよ?」

召喚士「…そうですよね。…武具一つでも大変な作業なんだなぁ」


173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 17:45:58.81 ID:zwt39.go
おかみ「ほら〜男共ーっ!夕飯だよーっ!!」

戦士「ういーっす!いま行きまーす!」

鍛冶屋「とりあえずそういう事で。…さ、食事にしよう!」

召喚士「はいっ」

鍛冶屋は斧とガントレットを外し、食卓へと向かう。

召喚士「……」

戦士「どした?」

召喚士「いや、面白いなって…」

戦士「……鍛冶師にでもなるつもりか?」

召喚士「いやいや、それも面白いけど…磁石がね」

戦士「…?」

召喚士「色々と応用出来ると思わない?」

戦士「あー、そういう事は任せるよ。俺は頭悪いからよく分からん!はははっ!」

召喚士「そんな難しいことじゃないって…あっ、待ってよ!」

足早に工房を退室する戦士を、召喚士は慌てて追いかけた。


174 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/31(月) 18:03:00.61 ID:zwt39.go


盗賊「…わ、私!?」

おかみ「昨日は戦士と魔道士ちゃんだったからね。順番だよ…順番!」

盗賊「…うぅ……い、いただきっ」

おかみ「声が小さいっ!」

盗賊「いっ、いただきます!」

魔道士「いただきますー!」

鍛冶屋「それでね、明日の夜にはなんとか終えられると思う」

召喚士「じゃあ…明日も鉱山行く?」

戦士「でもなぁ…もう鉱石も結構回収したし…」

おかみ「アンタら暇ならちょっと手伝ってみないかい?」

魔道士「手伝いますよー!」

召喚士「何をすれば良いんですか?」

鍛冶屋「……明日、大型船が入港するからね!」

盗賊「……?」


175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 18:16:20.29 ID:zwt39.go
〜次の日〜

ジワジワジワ…

盗賊「……」

テクテクテク…

盗賊「…あ、あの…っ」

男「…ん?」

盗賊「…あのあの…あのぉ…えっと」

男「……?」

テクテクテク…

盗賊「……あぅ」

盗賊はがっくりと肩を落とし、背後を振り向く。

チラッ…

おじさん「本当かいっ!?じゃあ買っちゃおうかなー?」

魔道士「ありがとうございますっ!エヘヘ!」

盗賊「……」


176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 18:19:10.52 ID:zwt39.go
チラッ…

老人「そんなに良いものなのかね?」

戦士「おうよ!俺もずっと使っているが…ブッ壊れた事は一度もないね!」

老人「…ふむ。じゃあこの杖を一つ貰おうかの」

戦士「毎度っ!!」

盗賊「……」

チラッ

召喚士「…それで、こういう素材を使っているわけです」

女ワーカー「へぇ…!そりゃ凄いじゃない」

召喚士「今ならお安くできますよ?」

女ワーカー「…一本貰うわ。オマケにいい男だしね!うふふっ!」

召喚士「へっ!?い、いやいや!ありがとうございますっ…!」

盗賊「……はぁ」

ジワジワジワ…

盗賊「……今日は…暑いなぁ」


177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 18:22:03.42 ID:zwt39.go
〜昨晩〜

召喚士「えぇ!?…商売をですか?」

おかみ「そ。ただ冒険してるだけじゃつまらないだろ?」

戦士「久々だなぁ…」

魔道士「…ふふ…燃えますね」

盗賊「魔道士!?」

おかみ「大型船には色んな人がいるからね!商売のチャンスなのさ」

召喚士「…確かに面白そうですね。やってみましょうか」

盗賊「……」

戦士「こういう経験もしとかないとなっ!」

召喚士「うん。後々約に立つかもしれないし…」

おかみ「…そうだ!」

魔道士「……?」

おかみ「せっかくだし、みんなで売上勝負ってのはどうだい?」

戦士「おぉーっ!?……良いじゃねぇか!それでいこうっ!!」


178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 18:26:05.49 ID:zwt39.go
〜現在〜

盗賊「……はぁ。…まだ一本も売れてない」

ジワジワ…

盗賊「…みんな…あんなに売ってるのに」

座り込む盗賊の正面では、魔道士が笑顔で客に囲まれている。

盗賊「……どうしよう」

ジワジワジワ…

盗賊「…あぁもう!…暑い!」

怒り口調の盗賊は、装束の胸元をやや緩める。

盗賊「…次こそ…ちゃんと売らないと!」

テクテクテク…

盗賊「…ここっ、こんに…ちはっ!」

おじさん「!?」

盗賊「…ぶっ、武器は…武器は要りませんかっ!?」

おじさん「……」


179 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 18:28:53.73 ID:V0QLBxQ0
こ、こるは盗賊ちゃんがんばるシリーズじゃないか
すばらしい


180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/31(月) 18:37:01.20 ID:zwt39.go
盗賊「…あ、あのっ…そのぉ…!」

ジーッ

おじさん「……こ、これはなんとも立派な」

盗賊「ほ、本当っ!?」

おじさん「えっ!?あ、ああ…!いやっ…ははは!」

盗賊「……?」

おじさん(これ程の谷間…そうそう拝めるものではないぞ!?)

盗賊「…よ、良かったら…そ…そのぉ」

おじさん(しかもそんな潤んだ瞳で上目遣いをぉぉぉ!!)

盗賊「…だ、駄目…?」

おじさん「…………買います」

盗賊「…ほ、本当!?あ、ありがとう!」

ジャラッ…カシャッ…

盗賊「…や、やった!初めて…売れたっ!」

おじさん「ワーカーでもないのに…何で剣なんか買っちゃったんだろ…」


181 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/31(月) 18:40:40.71 ID:zwt39.go
しんどいので帰ります…中途半端ですみません…
今日は来れないかもしれません…重ねてごめんなさい…

皆様もお身体等、お気を付け下さいませ…
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ


186 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 20:36:39.51 ID:FUqj67Y0
S極とかN極ってのは科学が発達して磁力線とか
そーゆーのが目で見えるようになってから付けられた定義だろ
この世界じゃそんなに科学は発達してない様だし
磁石の性質の説明としては問題無いんじゃないかい

ってか、そーゆー「同極は反発するもの」みたいな固定観念に囚われないで
物事の説明ができる>>1の頭の柔らかさがうんぬんかんぬん


187 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 20:47:39.72 ID:qvM3oQAO
わざとなんだろ?わざとなんだろ?


盗賊ちゃん、谷間見せたのわざとなんだろ?ボッキーン

でもやっぱり魔導師ちゃんが一番可愛いな


188 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 20:52:57.43 ID:zLFjPRgo
鍛冶屋(五行で例えたのは失敗だったかなぁ…)

それよりもこの斧の構造がイマイチわからないのはオレだけかなぁ
柄が直角に折れる?


189 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 20:54:57.02 ID:hs3OROko
>>188
こう、ばきーんといってかこんとなり、最後にちゃきーんだ
わかったかい?


190 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 21:20:05.14 ID:6ZlVXAQo
>>188
盾がとびだす ババンバン
刃がとびだす ババンバン
磁石の威力だ 鋼鉄アクス


191 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 21:33:22.56 ID:6RQsW8oo
 .|    |
(><) (><)
 .|    .|
 .| →  .|| バキーン
 .|ポチッ W       こう?


192 :GEPPERがお送りします [] :2010/05/31(月) 21:39:23.02 ID:2.YE1HAP
この斧の周りで剣とか振って大丈夫なのか…?
磁石で固定できるくらい強力なら普通の鉄がくっつくと大変なことにならんか?

と言う突っ込みは無しな


193 :GEPPERがお送りします [] :2010/05/31(月) 21:59:04.31 ID:FI5HgaMo
磁石の周りを金属で覆えば磁場が遮断されるから問題ない


194 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 22:12:49.11 ID:pPulguko
みんな解説ありがとうなっ!

>>189
なるほど!(゚∀゚)!さいごちゃきーんなっ!
・・・どういうことだってばよ!

>>190
磁石の力で斧を撃ち出すんですね
わかります

>>191
鍛冶屋「柄の底を・・・押す!」
ガチッ……バチイィンッ!!
ギャアァァァァ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!

召喚士(指を挟まれた…)

戦士(なぜ直角んとこで止めなかった…)


196 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/31(月) 22:17:20.68 ID:6ZlVXAQo
>>192
雑魚「食らえー!! 俺の自慢の鉄の剣」

戦士「マグネットッパワー全開!!」

雑魚「うわー、俺の剣が盾にくっ付いて取れないだとー!!」


205 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/01(火) 00:01:48.61 ID:eI/Ya6SO
いかん。磁力と聞くと、つい某赤鬼さんを思い浮かべてしまう…
戦士「ジェネシック!エメラルド!戦士!バスターッ!!」
戦士「ワーカーとしては二流だな。」
戦士「意気がるな、王子。」

とりまー、>>1乙!


210 :GEPPERがお送りします [] :2010/06/01(火) 02:56:30.51 ID:RfqDpQAO
戦士「超電磁スピン!!!」

ゴルリン「グェーーー!!!!!!」


212 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/01(火) 03:27:12.10 ID:brcUrcAO
お前ら磁石大好きだなwwww
やたらと磁石が好きな時って絶対誰でもあるよな


227 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/01(火) 17:30:41.25 ID:2wBP.2SO
マグネティックワールド:アンチこの流れ


228 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/06/01(火) 17:58:06.51 ID:O4iS7VIo
こんにちは!一体…何が起きたのでしょうか…!?
何故こんなに伸びて…いや、ありがとうございます!↓続き



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