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少女「私が……魔王?」
- 129 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga]
投稿日:2011/04/04(月) 00:09:04.62 ID:eyKUOczDo
― 富士山麓 洞穴前 ―
少女「抜け出すのに4日もかかっちゃった……」
メイド長「四王が警戒していましたからね」
少女「もう、最初から独りで行くって言ってたのに」ムー
メイド長「魔王様単独で行かせるなど四王が認めるわけございませんわ」
少女「でも、毎回私の我儘に皆さんを振り回すわけにはいかないです」
メイド長「魔王様のご意思は魔族の総意なのですからご命令を出してくだされば兵を出しますのに」
少女「駄目です。こんな事でみなさんの命を危険に晒すわけにはいきません」
メイド長「本当に……」ハァ
少女「ふぇ?」
メイド長「いえ。私は何があってもご一緒させていただきます」
少女「メイド長さんのお気持ちは十分わかりますけど……」
メイド長「統合連合の本部はアメリカ西海岸にあるようですが」
少女「転移できますよ。記憶に座標がありましたから」
メイド長「それでは、早速?」ギュッ
少女「もちろんです。……メイド長さん」
メイド長「はい?」
少女「あの、くっつきすぎじゃないかなーって……」チョットクルシイ
メイド長「ここまできて置いてけぼりは嫌ですから」
少女「あう……バレてたんですか?」
メイド長「魔王様のお考えはお見通しです。私すらも置いて行くおつもりだったのですね」
少女「……」
メイド長「足手纏いになるのは重々承知しております。ですが、これは私の戦いでもあるのです。どうか……」
少女「わかりました。じゃあ、一緒に行きましょう」ギュッ
メイド長「ありがとうございます」
少女「転移っ!」ヒュンッ
- 130 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:10:24.52 ID:eyKUOczDo
― 人類統合連合本部 ―
幹部「魔族の姿はまだ確認されていないようですね」
オペレーター「レーダーに映る影はありません」
幹部「警戒されている、と思うのは楽観的ですかね」
研究者「こちらも準備は万端だ。早く新しい『実験台』が欲しいよ」ニチャァ
士官「……兵も臨戦態勢で配置しております」
幹部「引き続き警戒してください。勇者の絞り滓と魔王の残骸は?」
研究者「シェルターに移動させてある。対魔結界も限界まで強化して配置済みだ」
幹部「ふふふ……魔力さえ封じてしまえばただの小娘。我々の勇者部隊が魔族を薙ぎ払い、魔王と勇者を我が手に!」
研究者「実験器具の準備をしておかなければ」
士官「……私も持ち場に戻ります」サッ
ドォォォォン!! グラグラグラ
幹部「な、何事です!?」
士官「!?」
オペレーター「不明です! 突然爆発が!」
幹部「魔族ですか!?」
オペレーター「レーダーには反応ありません!」
ドォォォォン!!
研究者「ま、まさか、魔王が単独で……」
幹部「本部周囲を目視で監視! 敵の居場所をあぶりだせ!」
士官「くそっ!!」ダッ
少女【炎よ、乱れ、踊れ!!】ゴォォォォッ
メイド長「右手の建物が崩れ落ちましたね。倉庫だったようです」
少女「見つかってはいないみたいですね」
メイド長「まさかたった二人で来るとは思っていないでしょうからね。レーダーにも映りません」
少女「早く二人を探さなきゃ」
メイド長「ですが、遺体を捜すとなるとそう簡単には……」
少女「うーん、こればっかりは事前に調べる事もできなかったからなぁ」ドウシヨウ
- 131 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:11:14.56 ID:eyKUOczDo
― 幻想空間 ―
少年「あーったく! 少女の奴勝手に決めやがって!」ドガァッ
怪物「グエエエエ!」ドサッ
少年「次だ! 一日でも早く力を取り戻してここを出るぞ」
後輩「は、はいっ。双火炎っ!」ゴゥッ
少年「あいつ、また一人で全部抱え込みやがって」ギリッ
怪物「グォォォォッ!」
少年「っるせぇ、轟雷!」ドガガガァンッ
後輩「力も魔力もかなり戻りましたね」
少年「まだだ。あいつに追いつくにはまだ足りない」
後輩「ですけど、このままでは先輩の身体が壊れてしまいます」
少年「壊れようがどうしようが構わない。あいつに、あいつに追いつける事ができればっ」ギリリッ
後輩「先輩っ!」ギュッ
少年「……すまない。自分の不甲斐なさにイラついてた」
後輩「先輩は十分以上にがんばっています。私が保証します。少女先輩にも負けないくらい」
少年「ありがとうよ。付き合わせちまってごめんな」ナデナデ
後輩「いえ、私は自分の意思で先輩と一緒に居る事を選びましたから」
少年「ここに入ってからどれくらい経ったんだ?」
後輩「えっと、今日で5日目ですね」
少年「あと2日か。それまでにどれだけレベルアップできるか、だな」
後輩「はい。がんばりましょう」ニコッ
ゴゴゴゴゴ……
少年「ん、どうしたんだ?」
後輩「何の音でしょうか」キョトン
竜王『聞こえるか、緊急事態だ。幻想空間を解く。多少揺れるが気をつけろ』
少年「何があったんだ!?」
竜王『魔王様が捕えられた』
後輩「っ!?」
少年「馬鹿な! あいつが捕えられるなんてあるワケねぇだろ!」
竜王『残念ながら事実だ。あとは出てからだ。解くぞ』
ゴゴゴゴゴゴ
後輩「きゃっ」フラッ
少年「大丈夫か?」ガシッ
後輩「あ、ありがとうございます……」キュッ
- 132 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:11:54.44 ID:eyKUOczDo
― 魔王城 会議室 ―
少年「何があったんだよ!?」バァン
吸血鬼「戻りましたか」
獣王「こいつに頼らなきゃならねぇとはな」ケッ
海王「しょうがありません」
後輩「竜王は少し休むとの事です」
吸血鬼「わかりました。二人はそこに座ってください。事のあらましを説明します」
少年「メイド長さんはどうした?」
吸血鬼「それも込みでお話しますから黙って座りなさい」ギロッ
少年「……」ストン
吸血鬼「すみませんでした。気が立っていたのでね。さて、魔王様についてお話しましょう。2時間前、メイド長が傷だらけで戻ってきた事が全ての始まりです」
少年「あいつ、もしかしてたった一人で行ったのか?」
獣王「そうならないように俺達が見張ってたんだが、メイド長の手引きで裏をかかれちまった」
後輩「そんな無茶な……」
海王「我々とて全力でお引き留めしたのだ。だが、魔王様は個人的な事情だからと魔族軍を動かす事はなさらなかった」
少年「あいつらしいけどよ……」
吸血鬼「本当に魔王様には困ってしまいます」
少年「あいつは今、統合連合の本部に捕えられてるんだな?」
海王「そのようです。すぐにでも救出しなくては」
獣王「ご無事でいてくれれば良いのだが……」
後輩「望み薄、ですね」
吸血鬼「そうかもしれません。ですが、我々は全力で魔王様を取り戻します」
少年「当然俺も行って良いんだよな?」
獣王「俺達はあいつらの本部の場所がわからん。お前なら、と思ってな」
後輩「アメリカの西海岸です」
吸血鬼「転移呪は?」
少年「とっくの昔に覚えなおしてるよ。魔族軍もまとめて運んでやらぁ」
吸血鬼「魔族軍の準備が1時間程でできます。すぐにでも行きますよ」ガタッ
少年「おう」
- 133 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:12:31.10 ID:eyKUOczDo
ギィ……
メイド長「わ、私も……一緒に」
海王「メイド長、お主は寝ておれ。その身体では何もできまい」
メイド長「魔王様が捕えられてしまったのは私の責です……この命に代えても必ず!」
少年「詳しく話してもらえるか?」
メイド長「……私と魔王様は本部を強襲した後、施設内を片端から調べ上げました。他に方法がなかったので総当たりで先々代の遺体を捜すしかなかったのです」
メイド長「二人の遺体……といって良いのかわからない『物』は最奥の地下シェルターにありました。そこにたどり着くまでに数多くの偽勇者や兵士達が立ちはだかりましたが、それらを撃破しながら私達は扉を開けたのです」
メイド長「遺体を回収した瞬間、対魔結界が展開されましたが、魔王様には効果がありませんでした」
少年「ってことはあいつの魔力はあの時よりさらに上がってるのかよ……」
後輩「驚異的としか言いようがありません」
メイド長「施設内を破壊しつつ脱出を図ったのですが、外に出る直前に……」
少年「何があったんだ?」
メイド長「……少女友様が、そこに居られました」
少年「なんだと!? あいつの遺体は少女が自分でここの中庭に埋めたはずだ!」
メイド長「私も確認しております。ですが、あのお姿は間違いなく少女友様でした」
少年「あいつは、何か喋ったのか?」
メイド長「いえ、ただ、そこに居ただけでしたが、魔王様はそれだけで手を止めてしまわれて……なんとかお守りしようとしたのですが」ギリッ
少年「人形か何か、か?」
後輩「クローンという事も考えられます。少女先輩の遺体は回収しましたけど、血や小さな肉片などはあの部屋に散らばったままでしたから」
少年「どこまでも汚い手をっ!」ダンッ
吸血鬼「非常に『人間』らしいやり方ですよ」
少年「っ……」
後輩「訂正してください。人間の全てがこのような手を使うわけではありません」キッ
吸血鬼「……失言でした。申し訳ない」
メイド長「お願いします。私も連れて行ってください」
海王「しかし、その身体では……」
メイド長「でも、それでもっ!」
少年「わかったよ。一緒に行こうぜ」
獣王「おい勇者、勝手な判断するんじゃねぇよ。これは魔族の問題だ」
少年「んな事言ったって、このまま押し問答しててもしょうがねぇだろ。それに、メイド長さんの気持ちは俺にもわかるよ」
メイド長「ありがとう……ございます」
- 134 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:13:39.30 ID:eyKUOczDo
― 人類統合連合本部 地下 ―
少女「……っく!!」
研究者「ほほぅ、耐えるのか。実に興味深い」ニヤニヤ
少女「こ、殺すなら早く殺しなさい!」
研究者「殺すわけないだろう。限界まで生きたまま我々の実験に付き合ってもらうぞ」ニチャァ
少女「……」
幹部「それにしても、見事に我々の罠にかかってくれたな。あの人形、良くできていただろう?」
少女「少女友ちゃんを冒涜するなんて、許せない!」キッ
研究者「はははははは! 許さなければどうすると言うんだ? 対魔結界を幾重にも張り巡らされたこの部屋で魔法が使えるのか!? 今回の結界発生器はお前の魔力に合わせて調整した特別型だ。それに、もし歯向かうなら……」チラリ
少女友クローン「……」
少女「っ、最低」ギリッ
幹部「クローン相手に情をかけるなど、そのほうが信じられんな。ただの人形なのに」ガッ
少女友クローン「……」ドサッ
少女「やめて! 少女友ちゃんに酷い事しないで!」
研究者「じゃあ、我々に言う事があるのではないか?」ニヤリ
少女「……わ、私の身体を好きにしていいから、少女友ちゃんには手を出さないで……」ギリッ
研究者「良く言えました。では、次は少し手法を変えようか」ベロリ
少女「っ!」ゾワッ
研究者「良い味だ。瑞々しい肌に健康的な脚」ニチャリ
幹部「相変わらず下種な趣味ですね。こればかりは私も耐えれません。司令部に戻ります。あとは任せますよ」スタスタスタ
少女「や、やめてっ!」
研究者「好きにして良いと言ったのはお前だよ。服が邪魔だな」ビリィィッ
少女「や、やぁっ! 少年君っ!!」
研究者「外には大量の兵を配置してるんだ。例え魔族軍が来ようとも……」
ドゴォォォォォンッ
研究者「何事だ!?」
兵士「て、敵襲!! 勇者とま、ま、魔族の大群がっ!!」
研究者「予定通り迎撃すれば良かろう! 幹部殿はどうした!?」
ゴゴォォォンッ
- 135 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:19:48.18 ID:eyKUOczDo
兵士「司令部に向かわれました!」
研究者「勇者は魂の鎖を外されて弱体化してるんだろうが! 何をてこずる!?」
ズゥゥゥンッ ブツン
研究者「ちっ、停電か。非常電源を早くっ!」
少女「遅い!」ゴゥッ
研究者「ひぃっ!?」
少女「よくも……よくもよくもよくもっ!!」ゴォォォォ
研究者「こ、攻撃すればこのクローンを殺すぞ! それでもいいのか!?」
少女「っ……」シュゥゥ
研究者「それでいい。それでいいんだ。こいつが、こいつさえあれば研究はやり直せる!」
少女友クローン「……ょ」
研究者「ん?」
少女友クローン「しょ……う、じょ」ギギギ
研究者「馬鹿な! 中身はないんだぞ!?」
少女「少女友ちゃんっ!」
少女友クローン「い……い……か、ら……」
研究者「黙れっ!」ドガッ
少女友クローン「やっちゃえ」ニコッ ドサッ
少女【我が呼びかけに応えよっ!】ゴォォォォッ
研究者「なんっ!?」
少女【この世を統べる至高なる存在よ、我との契約に従い、その力を行使せよ!!】
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
- 136 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:21:26.48 ID:eyKUOczDo
― 地上 ―
少年「偽勇者は片付けたぞ!」
獣王「こっちも黙らせた!」
後輩「ここまで統制がとれているとは……」
吸血鬼「この程度、我々にとって朝飯前ですよ。魔族の頂点たる魔王様奪還の為です。本気にもなります」
少年「ったく、将来苦労しそうだな」
獣王「ふん、せいぜいがんばるこったな」
後輩「少女先輩はどこに居るんです!?」
兵士「し、知らん。捕えた後、幹部と研究者が連れて行った!」
少年「ちっ、俺達もしらみつぶしに探すしかないか」
士官「地下のシェルターだ」
吸血鬼「あっさり口を割ってしまって良いのですか?」
士官「あいつらにはついていけん。非人道的な実験ばかり……早く行け。お前達の主が無事かどうか保証はできんぞ」
ゴゴゴゴゴ
少年「なんだ?」
後輩「少女先輩の魔力紋です。地下で大型魔法を使っている……?」
吸血鬼「どうやらご無事のようですね。しかし、これは我々が危なくなりそうです。総員大至急避難を!」
海皇「魔王様の魔法が収まるまで一時上空に退避だ! 飛竜族、頼むぞ!」
魔族兵「退避! 退避だっ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
メイド長「ま、魔王様っ!」ダッ
少年「おい、待てっ!」ダッ
後輩「先輩っ、危険です!」
少年「少女とメイド長さんは俺がなんとかする! お前は逃げろ!」
吸血鬼「勇者、魔王様をっ!!」
少年「わぁってる! 任せろ!!」
ゴォッ! ドドドドドドドドドド!!
少年「少女っ! どこだ!?」
メイド長「魔王様っ!!」
少年「魔法そのもののダメージはなんとか防げたが、言わない内に建物が崩れるぞ」
メイド長「くっ……魔王様っ! お返事を!!」ズキズキ
少年「少女っ! どこにいるんだ!?」
- 137 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:22:11.48 ID:eyKUOczDo
…………く、ん
少年「メイド長さん、止まってくれ」
メイド長「聞こえたんですか?」ハァッハァッ
……しょう、ねん、くん……
少年「聞こえたっ! メイド長さん、まだ動けるか?」
メイド長「だ、大丈夫です!」フラッ
少年「あー、もうしゃーねぇ。ちょっと我慢してくれよ」ヒョィッ
メイド長「きゃっ」
少年「こっちだーっ!」ダダダダ
少年「ここだぁっ!」
少女「……しょう、ねん、くん?」
メイド長「魔王様!!」ギュッ
少女「わぷっ、メイド長さんっ! 無事だったんですね!?」
メイド長「魔王様、魔王様っ! よくぞご無事で……という訳でもなさそうですね」
少年「これ着ろ。大丈夫か?」バサッ
少女「あ、ありがとう……大丈夫だよ。何もされてないからっ。少女友ちゃんが助けてくれたの」
少年「これか……もう灰になっちまってるな」サラリ
メイド長「クローンに魂が宿ったと?」
少女「わかんない……でも、あれは間違いなく少女友ちゃんだった」
少年「と、とりあえず逃げるぞ! このままだと崩落に巻き込まれる!」
少女「う、うんっ。メイド長さんもっ」
メイド長「は、はいっ」
幹部「たっ、助けてくれ!!」ズルッ
少年「幹部!」
幹部「た、頼む。助けてくれ! 足がっ」
メイド長「……無様ですね」
幹部「お願いだっ!」
少女「貴方達が今までやってきた報いを受ける時です。研究者さんは先に地獄で待ってるそうですよ」ニコッ
幹部「助けてくれっ!!」
少年「転移呪っ!!」シュッ
ゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴォンッ
幹部「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!」
- 138 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:23:15.60 ID:eyKUOczDo
― 富士山麓 洞穴前 ―
少女「少年君、助けにきてくれてありが……あぅっ」ペチッ
少年「勝手に先走った罰だ」
少女「うー……だってぇ」ヒリヒリ
少年「無事だったから良かったものの、何かあったらどーするつもりだったんだよ! 現にひん剥かれてただろうがっ!」ガーッ
少女「でもっでもっ、何もされてなかったしっ……ってきゃーっ!?」ガバッ
少年「今更!?」
少女「み、見ちゃだめーっ!」アウアウ
少年「今更すぎんだろ。ほれ」バサッ
少女「ふぇ……?」
少年「メイド長さんがもしもの時の為にって用意してたよ」
少女「あ、ありがとう……でもね、本当に何もされてないんだよ?」モソモソ
少年「そういう問題じゃねぇ。俺や四王達がどんだけ心配したと思ってんだよ」
少女「でも」
少年「?」
少女「少年君が、みんなを連れて助けに来てくれたよ?」ニコッ
少年「っ……あ、当たり前だろ!」マッカ
少女「ありがとう。大好き」ギュッ
少年「……俺もだよ」ギュ
少女「でも、お別れなんだよね?」
少年「あぁ。魂の鎖から解放されたとはいえ、俺は勇者だ。魔族の侵攻は止めなきゃいけない」
少女「……うん」
少年「まぁ、すぐにお前のところにたどり着いてやる。覚悟しとけよ」ニッ
少女「できるものなら、ね。私だって魔王として手を抜く気はないんだから」ニコッ
少年「よし。お前はそうやって笑っていろ。少女友だってそう思ってるよ」ナデナデ
少女「うんっ!」ニコッ
後輩「せんぱーい! 出発の準備が整いましたっ」
少年「わかった。すぐ行く!」
少女「じゃあ、またね」
少年「おう。俺が行くまで元気にしてろよ」ニッ
少女「遅かったら制圧しちゃうからね」ニコッ
少年「またな」チュッ
少女「♪」
- 139 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:23:51.05 ID:eyKUOczDo
この後、勇者と魔王はそう遠くない未来に雌雄を決する事となる。
その結果は不明だが、今以って人間と魔族の間には深い溝があり、頻繁に小競り合いが繰り返されている。
だが、中には二つの世界の間で愛が芽生え、育まれているという噂も数多く知れ渡っていた。
勇者「魔王、覚悟しろっ!!」
魔王「小賢しい、今日こそ引導を渡してあげるわ!」
メイド長「それは良いですが、お子様達が泣いておられますよ」
少女「あわわわわわ」
後輩「おしっこみたいです」
少年「さっき換えたばっかりだぞ……」ガックリ
メイド長「あらあら」ニコニコ
The Lost Memories Special Ep.5 END.
I hope you enjoyed this story.
Written by M.O.
See you someday. Thank you.
- 141 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00:26:28.96 ID:eyKUOczDo
以上でこのお話は終了となります。何も考えずにスレを立て、これまた何も考えずに創った結果、どう見ても褒められたような内容ではなくなってしまいました。
自己採点25点くらいです。
反省点:山場がなさすぎ 単調すぎ キャラに深みがない 死んだほうがいい その他もろもろ……
今後は衝動的にSS書くのを控えます。お許しください。(土下座)
- 144 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 00:50:45.93 ID:Ym+rKpmDO
乙
自己採点25点という事は残り75点分の番外編があるという事だな、安心した。
- 146 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 00:58:58.41 ID:OGJlkx+DO
一つ聞きたいんだが、この獣王はワニみたいな姿をしているのだろうか?
- 147 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 01:40:15.39 ID:h8g8gXH90
一番最後で一瞬ママレさんかと思っちまったじゃねぇか
>>1乙じゃなくてうんたら
- 148 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 01:51:31.52 ID:mTZvfpZyo
漫画化したい
- 149 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 03:25:39.53 ID:XLpVvRNzo
>>146
正直、最初から最後まで完全にクロコダインで脳内再生された
それはそうと、四王に挑む勇者とか魔王軍との駆け引きとか魔王のところに辿り着いた勇者とかめでたく結婚した2人とか魔王城での各々のほのぼのな日常とか、これから書くことがたくさんあるだろこのヘタレが
スレも800以上余ってるし、しょうがないから残り75点を埋め合せるまで付き合ってやるよ
だからヘタレなりにさっさと番外編を書きやがれいや書いてくださいお願いしますorz
- 150 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/04(月) 10:08:36.24 ID:eyKUOczDo
みなさまおはようございます。>>1でございます。
多数のご感想、本当にありがとうございます。五体投地にて感謝いたします。
残り75点分を補填しやがれこの屑野郎死ねという、嬉しいお話をいただいておりますが、この作品につきましてはこれ以上ネタがどこをひっぱっても出てこないというのが実情だったりします。
別スレでやっているSS【魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」】が非常に長くなってしまっておりますので、しばらくそちらに注力するつもりにしております。
また何かアイディアなどが出てきましたら、今度は最初からきっちりとプロットを組むなりして皆様に楽しんでいただけるような作品を創りますので、今回ばかりはご容赦ください。(土下座)
主人公二人が動かなくてどうしようもなかったりします。
- 151 名前:NIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 10:56:13.16 ID:YlyPaAmQo
このヘタレが!
あっちとは逆に少年が超積極的で迫りまくればいいだろ
- 152 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 11:40:10.44 ID:qkNMmAiDO
>>151
馬鹿野郎!
メイドさんときゃっきゃっうふふなことする方向だろ!
もちろん少女とメイドだぞ
- 153 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/04(月) 12:08:57.78 ID:IyqScLWIO
せ、せめて獣王がカッコいい番外編を書いてだな・・・!
- 159 名前:NIPPERがお送りします(兵庫県) [saga] 投稿日:2011/04/10(日) 01:18:25.94 ID:hz1h8yOJo
みなさまこんばんは。>>1でございます。
たくさんのお言葉本当にありがとうございます。(土下座)
予想外に獣王が人気あってびっくりしております。そして、>>153様のアイディアに心が動かされてしまいましたが、構想がうまくまとまっておりませんのでお蔵入りになりそうな雰囲気が。
四王それぞれのスピンオフとか面白そうな気はしますね。
今月内に構想がまとまらなかった場合はその時点でHTML化申請を出す方向でいこうかと思っております。
「こんなのが見てみたいがお前ごときヘタレには無理だろう。死んでしまへ」などのご意見もお待ちしております。他人の褌で相撲とってばかり。
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