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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
295 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:29:31.99 ID:gSwgGnaDo
召喚士「アマゾネス……さん」

アマゾネス「貴様、本当に朱雀先生なんだな?」

召喚士「え、えぇ」

ゴソゴソッ…チャラッ

召喚士「これ、朱雀先生の証明になると思います」

それは先代である師匠より受け継いだ朱雀先生の紋章。

アマゾネス「……」

召喚士「あの、皆は何故このような事に……?」

色黒「私達を騙したからよ」

召喚士「……?」

色黒の指差す先に、気を失った青年兵の姿がある。

召喚士「青年兵くん!? ていうか……青年子さん……?」

白虎長「どっちでもいいわよ、そんな事」

アマゾネス「聞いたと思うが、この村は男子禁制」

召喚士「……だったら、俺も入れないはずですよね」


296 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:30:00.33 ID:gSwgGnaDo
アマゾネス「お前は特別だ」

召喚士「え……?」

アマゾネス「朱雀先生なのだろう? だからお前は特別なのだ」

召喚士「……どういう意味でしょうか?」

魔道士「いいんですっ! それは後回し!」

召喚士「……?」

白虎長「実は私達、召喚バトルに負けて捕まったのよ」

召喚士「!?」

盗賊「……まぁそれだけの理由ではないが」

召喚士「つまり、勝てばいいんですか?」

アマゾネス「……?」

召喚士「俺が召喚バトルで勝てば。みんなを解放してくれると?」

アマゾネス「それは駄目だな」

召喚士「え!?」

アマゾネス「朱雀先生では駄目だ」


297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:31:02.10 ID:gSwgGnaDo
召喚士「どういう……」

アマゾネス「貴様の恋人を連れて来い」

召喚士「…………」

アマゾネス「召喚士なのだろう? そいつと戦わせろ」

召喚士「……あの、全くもって仰っている意味が分からないのですが」

アマゾネス「白々しい奴だな。召喚子とやらを連れて来いと言っている!」

召喚士「えぇっ!?」

アマゾネス「早くしろ。それまではこやつ等の解放もないと思え」

召喚士「そ、そんな……っ」

アマゾネス「早く行け」

召喚士「い、いやっ! あの……急に言われましても距離もありますし……」

アマゾネス「何日でも何ヶ月でも待ってやるぞ」

召喚士「いやあのその……えぇと……」

チラッ

魔道士「……あーっ!!」


298 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:32:45.62 ID:gSwgGnaDo
アマゾネス「何だ」

魔道士「そういえば私、召喚子さんの事見かけたかもー!」

召喚士「えっ!?」

アマゾネス「……」

魔道士「召喚士っ、行きましょう! 私、案内出来ますよ!」

アマゾネス「本当なんだろうな?」

魔道士「はいっ! 逃げたりしませんよ!」

アマゾネス「……どれくらいで戻る?」

魔道士「えぇっと……1時間もあれば」

アマゾネス「そんなに早いのか?」

魔道士「えっと! 南方にいますからっ!」

アマゾネス「……ふぅん」

魔道士「へ、へへ……っ」

アマゾネス「分かった。それならばお前が朱雀先生の案内をして、連れて来い」

魔道士「はいっ!」


299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:33:56.31 ID:gSwgGnaDo


召喚士「あの、全く事情が見えてこないのですが……」

魔道士「すみません……全て、私のせいなんです」

テクテクテク

魔道士「ここなら……誰も来ないですよね」

召喚士「えっと、多分……」

魔道士「ではすぐにお化粧しますからっ」

ゴソッ

召喚士「あの、ですから事情……」

魔道士「コッチ向いて!」

召喚士「は、はいぃ」

魔道士「お化粧しながら説明しますっ。すみません!」

召喚士「わ、分かりました……っ」

魔道士「服は前使った物が……えっと、あったあった!」

召喚士「……準備……いいですね」


300 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:36:43.43 ID:gSwgGnaDo


召喚士「……なるほど、そういう事でしたか」

魔道士「はい……」

パタパタ…キュッ

魔道士「よし……っと。あとはこれ」

プシュッ

召喚士「あっ、魔道士さんの匂い……」

魔道士「私が愛用しているパフュームです。念の為……」

召喚士「はぁ……」

魔道士「よーし完成っ! 召喚子さん誕生ですっ」

召喚士「……えっと、これでアマゾネスさんと戦えばいいんですよね?」

魔道士「……頑張って下さい!」

召喚士「は、はぁ……」

魔道士「絶対に、勝って下さいねっ!!」

召喚士(何で魔道士さんはこんなに必死なのだろうか……)


301 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:42:11.66 ID:gSwgGnaDo


アマゾネス「おい」

おさげ「はいな?」

アマゾネス「こいつ等の縄を解いてやれ」

おさげ「いいんですか?」

アマゾネス「ああ」

おさげ「はーい」

シュルシュル…パサッ

玄武娘「開放されたですのー!」

白虎長「……ふー。青年兵……子は、駄目みたいね」

アマゾネス「そのまま寝かせておけ。見ておいてやる」

盗賊「……」

アマゾネス「腹は減ったか?」

玄武娘「すっごく減ったですのー!」

アマゾネス「……あっちに用意してある。案内してやれ」


302 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:43:32.93 ID:gSwgGnaDo
ポニテ「こっちよ〜付いて来て〜」

玄武娘「行くですの!!」

朱雀嬢「あ、ちょっと!? もう……っ」

タッタッタッタッタ

盗賊「……どういう風の吹き回しだ?」

アマゾネス「……」

盗賊「……さっきから思っていたんだが」

アマゾネス「何だ」

盗賊「……あんたは」

ザッザッザ

白虎嬢「帰ってきましたねぇ〜」

ザッ

召喚子「……っ」

アマゾネス「お前が召喚子……か?」

召喚士「は、はいっ」


303 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:44:02.83 ID:gSwgGnaDo
魔道士「もう少し裏声でっ……ボソッ」

召喚士「は、はいぃ……ボソボソ」

アマゾネス「それで、朱雀先生はどこへ行った?」

召喚子「!?」

魔道士「召喚士さんならえーと……ト、トイレに!」

アマゾネス「そんなものはないぞ?」

魔道士「そ、そうなんですか!? 参ったなー探しに行ってしまいましたーははっ」

召喚子「……」

アマゾネス「……」

テクテクテク…ジーッ

召喚士「あ、あのー」

アマゾネス「香水か。匂いもよく分からんな」

召喚士「レ、レディの身嗜みですわ……っ。ほほほっ」

盗賊「……なるほどな」

召喚子「……ほ、ほほっ」


304 名前:たまに召喚士がいますがスルーして頂けると幸いです… ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:45:09.50 ID:gSwgGnaDo


アマゾネス「話は聞いているな?」

召喚子「あなたと、戦えば良いのですね?」

アマゾネス「そういう事だ。貴様も朱雀召喚士なのだろう?」

召喚子「えっ!?」

アマゾネス「先程、そこの者がそのように言っていたが……」

召喚子(白虎嬢さん……)

白虎嬢「あっ、失言だったかしら〜」

アマゾネス「待て、どういう事だ? 違うのか?」

召喚子「い、いえっ! 違くないですわ……ほほほ〜っ」

アマゾネス「……?」

白虎嬢「ごめんなさい〜」

召喚子「い、いえ……っ」

アマゾネス「……」

召喚子(参ったな、これじゃ朱雀以外で戦えないじゃないか……っ)


305 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:46:21.84 ID:gSwgGnaDo
アマゾネス「内容は聞いただろう? お前が負けたら朱雀先生を一晩借りるぞ」

召喚子「えっ!?」

魔道士「えぇーっ!? そんなの聞いてないですよぉ!!」

アマゾネス「当たり前だろう。強き者に弱き者が従う。これは世の常だ」

魔道士「そういう事じゃなくって!」

アマゾネス「召喚子、お前が勝てばいいだけの話だ」

召喚子「……」

アマゾネス「お前が勝てば、朱雀先生はひとまず諦める。そして……」

ザッ

アマゾネス「ワルキューレ。これも伝授しよう」

召喚子「!?」

アマゾネス「お前も朱雀召喚士何だろう? それに朱雀先生にも伝授する」

召喚子「ほ、本当ですか!?」

アマゾネス「ああ、そういう条件だからな」

召喚子「……っ」


306 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:47:47.93 ID:gSwgGnaDo
アマゾネス「どうだ? 悪い条件ではなかろう?」

召喚子(これは思わぬチャンスだ……っ! 断る手はないな……)

アマゾネス「さぁ、どうする?」

召喚子「……いいですわ。私が負けたら、朱雀先生を一晩お貸しします」

魔道士「っ!!」

アマゾネス「よくぞ言った。ならば早速、勝負しようか」

魔道士「ちょっとぉ!!」

召喚子「は、はい?」

魔道士「……本当に……いいんですか?」

召喚子「いや、負けるつもりはありませんから」

魔道士「……」

召喚子「仮に負けても、皆さんは何とか救いだします」

魔道士「そうじゃなくって……」

召喚子「……?」

魔道士「一晩、過ごすつもりですか……?」


307 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:50:21.38 ID:gSwgGnaDo
召喚子「まぁ、拘束されるだけですよね? 一晩くらいは絶えられますよ」

魔道士「……もういいです」

プイッ…スタスタスタ

召喚子「……?」

アマゾネス「では早速、戦える場所に移動しよう」

白虎長「ちょっと、私も行くわよ!」

アマゾネス「……付いて来い」

おさげ「いいんですか?」

アマゾネス「構わん」

魔道士「玄武娘ちゃんと朱雀嬢ちゃんは……」

盗賊「……食事に行ったきり、帰ってきてないぞ」

魔道士「大丈夫かなぁ?」

盗賊「……心配はいらんだろう。私達も行こう」

魔道士「……はい」

盗賊「……食事は……口惜しいが……くっ」


308 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:51:21.61 ID:gSwgGnaDo


玄武娘「美味しいですのー!」

朱雀嬢「相変わらず遠慮なしですわね……っ」

ツインテ「にゃああぁぁ、もう空っぽになっちゃったよぉ」

ポニテ「何なのこの子……酔いが一挙に醒めたわ……っ」

玄武娘「おかわりですのー!」

ツインテ「えぇーっ!?」

朱雀嬢「ちょっと! もういい加減戻らないと……」

玄武娘「でも、まだ腹2分目ですの……」

朱雀嬢「……はぁー」

ポニテ「とんでもない連中を捕まえてしまった……」

ツインテ「そっちのはどう?」

色黒「まだ目は覚めないみたいね。もうしばらく寝かせておきましょ」

ツインテ「そうね。……はぁ」

青年兵「…………」


309 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:52:11.73 ID:gSwgGnaDo


テクテクテクテク

アマゾネス「こっちだ」

召喚子「……はい」

ゾロゾロゾロ

白虎長「……ねぇ」

盗賊「……?」

白虎長「妙だと思わない?」

盗賊「……」

白虎長「私達を取って食おうって感じでもないし、何が目的なのかしら」

盗賊「……それはおそらく……いや、もう少しすれば分かるさ」

白虎長「何か知っているの?」

盗賊「……いや、何となくそんな気がするだけ」

白虎長「ふぅん。まぁいいわ、それじゃ様子を見ておきましょうか」

盗賊「……うん」


310 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:52:56.79 ID:gSwgGnaDo
ザッザッザ

アマゾネス「ここで良かろう」

召喚子「……」

アマゾネス「さて、それじゃ早速始めようか」

おさげ「準備はいい?」

召喚子「いきなりですか……。仕方ないですね」

ザザッ

おさげ「それでは勝負……始めっ!」

アマゾネス「一気に決めさせて貰うぞ! 行けっ、ワルキューレ!」

シュイイィィィィン

召喚子「これが……ワルキューレ!!」

アマゾネス「さぁ、かかってくるがいい!」

召喚子「そうは言っても、こっちは……」

ザッ

召喚子「行けっ、ハーピー! ……ボソボソ」


311 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:54:11.92 ID:gSwgGnaDo
シュイイィィィィン

アマゾネス「ふっ、一体どんな召喚獣かと思えば……」

召喚子(コカトリス抜いたら、これしかないしなぁ)

ハーピー「ねーアンタ、何でそんな格好――」

召喚子「わーわーわーっ!!」

ハーピー「何よ、ウルサイわね〜」

召喚子「……はぁ、あまりやりたくないけど、仕方ないよね」

ゴウッ

アマゾネス「超スピードで振り切るつもりか!? 甘いぞっ!!」

召喚士「色々とバレなきゃいいけど……っ」

シュイイィィィィン

アマゾネス「!?」

ハーピーが逃げる先、森の中が一瞬、光り輝いた。

アマゾネス(何だ? どうする……ワルキューレを引き返させるか?」

僅かに躊躇したアマゾネスだが、戸惑いを打ち消すように自身を鼓舞し、指示を出す。


312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:56:38.10 ID:gSwgGnaDo
アマゾネス「何を恐れる必要がある。行けっ、そのまま突撃だ」

ブリュンヒルデ「突撃」

バシュウウゥゥゥゥ!!

ハーピー「追いつかれるうぅーっ!!」

フッ

ブリュンヒルデ「――!?」

ゲルヒルデ「消えた……!?」

ハーピーが一瞬、消えたように見えた。しかし9体の召喚獣はすかさず解答を導き出す。

ブリュンヒルデ「召喚解除かっ!」

ゴウッ!!

オルトランデ「突風!? くうぅーっ!!」

巨大な竜巻のような風が、突如ワルキューレ達を襲う。

ゴオオォォォォ!!

アマゾネス「何だ!? まさかハーピーでこれほどの風を……っ!?」

召喚子「……っ」


313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 18:58:08.80 ID:gSwgGnaDo
ゴオオォォォォ!!

オルトランデ「……」

ドサッ

ブリュンヒルデ「……?」

ドサドサッ

ブリュンヒルデ「な、何っ!? 何が起きているの!?」

フワッ…ゴオオォォォォ…

ブリュンヒルデ「な……にこれ……眠――」

ドサッ

アマゾネス「な、何だ!? 森の中で何が起きている……っ!?」

召喚子「死角があって助かりました」

アマゾネス「何だ……と……」

グラァ

アマゾネス(何だ……急に眠気が襲……って……)

ドサッ…シュウウゥゥゥゥ


314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 19:00:21.17 ID:gSwgGnaDo
召喚子「……」

白虎長「ど、どういう事……っ!?」

召喚子「勝ち、ですよね?」

白虎嬢「一体、どういう事でしょう〜?」

召喚子「召喚獣同士の戦いなら、多分負ける事はないと思います」

白虎長「え……っ?」

召喚子「ふふっ、企業秘密ですけれどね」

白虎長「な、何なの……この子……」

召喚子「とにかく、これで俺……私の勝ちですっ」

魔道士「やった……やりましたー!!」

召喚子「あ、ありがとうございます。でも、そんなに喜ばなくても……」

タッタッタッタ

ツインテ「長〜っ、もう食事が……って!? にゃああぁぁー!!」

召喚子「あ、大丈夫です。眠っているだけですから」

ツインテ「そ、そんなぁ!! 長が……負けたの……!?」


315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/27(金) 19:02:18.20 ID:gSwgGnaDo
色黒(瘤がバレたら色々と聞かれて面倒だしな)

青年子「……?」

色黒「な、何でもないっ! 水でも飲むか!?」

青年子「え、は……はい。それじゃあ頂き――」

ザッザッザッザ

色黒「おっ、戻って……長!?」

ツインテ「長……負けちゃったぁ」

召喚子の背中に担がれたアマゾネス。その姿を見て、村の者らはただただ唖然とする。

ポニテ「ちょっと……嘘でしょ……っ!?」

おさげ「長が負けるなんて……っ」

色黒「怪我は!? 無事なのっ!?」

召喚子「あぁ、気を失っているだけですので。というか、寝ているだけ……」

色黒「早く降ろせ! くそぉ……っ、長……長っ!!」

青年子「……召喚子……さん!?」

召喚子「!?」



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