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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 691 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/04/11(月) 18:40:59.21 ID:dongO//7o
〜師匠の家〜
戦士「さーて、忘れ物はないよな?」
召喚士「うん、大丈夫。戸締りも良し!」
盗賊「……それじゃ、行こう」
戦士「おっと、そうだった」
盗賊「……?」
戦士「確か、研ぎ石あったよな?」
召喚士「武器用の?多分台所にあったと思うけど……」
戦士「鍛冶屋のおやっさんから貰った分が切れちまってさ」
召喚士「師匠も武器なんてあんまり持ってなかったから大したのないと思うよ?」
戦士「あー構わん構わん。本国かどっか行ったら買うから」
スタスタスタ
戦士「あん?何だこれ?」
召喚士「漬物石……じゃなかった。えぇと、あ……そうそうっ」
盗賊「……箱?」
- 692 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:41:29.01 ID:dongO//7o
召喚士「ええ。前に師匠がクリスマスプレゼントだかでくれたんです」
戦士「見事な漬物石と化してるじゃねーか」
召喚士「いやだってさ、箱っぽいけど開かないし……」
盗賊「……確かに。固いな」
召喚士「師匠に聞いても教えてくれないし、結局オブジェなのかなって」
戦士「オブジェにしちゃあ……立派なモンだけどなぁ」
グッグッ…ゲシゲシ
戦士「……確かに開きそうもねぇな。つーかこれ、彫刻か?」
盗賊「……素材は石っぽいがな」
コンコン
戦士「いっそぶっ壊してみるか?」
盗賊「……でも、何か入ってたらまずいし」
戦士「あれじゃねぇの?師匠がコカトリスの練習にでも使ったガラクタだったりしてな」
召喚士「……コカトリス?」
盗賊「……確かに……それっぽく見える」
- 693 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:42:17.00 ID:dongO//7o
戦士「だろ?なぁ召喚士、これってガラク――」
召喚士「それだ……っ」
戦士「あん?」
召喚士「流石だよ、戦士っ!!」
戦士「は、はぁ……」
召喚士「そうかっ、この箱はつまり……」
盗賊「……」
召喚士「コカトリスの石化で封印されてたんだっ!!」
盗賊「……封印!?」
戦士「んな事する必要あんのか?プレゼントなんだろ?」
召喚士「……もし、師匠からの『真面目』な贈り物だったら……」
戦士「信用ねぇな」
召喚士「コカトリスを使いこなせるようになって、初めて開く箱になる」
盗賊「……なるほど」
召喚士「つまりそれは、それなりのレベルにならないと無理って事だ……」
- 694 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:42:52.57 ID:dongO//7o
戦士「要は『ある程度経験を積んでから開けなさいよ』、って事か?」
召喚士「……うん」
戦士「一体、何の為にそんな回りくどい事を……」
盗賊「……とにかく、試してみたらどうだ?」
召喚士「ええ、そうします!」
戦士「んじゃ、ひとまず外に運ぶか」
盗賊「研石は?」
戦士「おっと、そうだった」
召喚士「持てる?」
戦士「あぁ、こんぐらいなら大丈夫だ」
グイッ…スタスタスタスタ
戦士「役に立つお宝だといいなぁ」
召喚士「そうだね」
盗賊「……た、楽しみだなっ」
戦士「……お前は相変わらず、こういう時は楽しそうだよなぁ」
- 695 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:43:27.13 ID:dongO//7o
…
戦士「よし、いいぞ」
召喚士「……それじゃ」
ザッ
盗賊「……」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
シュイイィィン
召喚士「コカトリス、この箱なんだけど……」
コカトリス「箱?」
召喚士「これ」
コカトリス「……何だこれは?」
召喚士「表面が石のようなんだけど、コカトリスによるものじゃないかなって」
コカトリス「……確かに、そのように見えるな」
召喚士「解除出来る……かな?」
コカトリス「うむ。やってみようか」
- 696 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:43:56.37 ID:dongO//7o
キュイイィィ…ドジュウウゥゥゥゥ
戦士「石化解除って始めてみた気がする……」
盗賊「……そういえば」
召喚士「!?」
戦士「おぉっ!?溶けてきた!!」
召喚士「やっぱり中に箱があるみたいだね!!」
シュウウゥゥゥゥ
コカトリス「無事、うまくいったようだ」
召喚士「ありがとうっ!」
コカトリス「ところでこれは何なのだ?」
召喚士「分からない……。でも、師匠が残してくれた何かなんだよね」
戦士「早速開けてみようぜ!」
盗賊「……だな」
召喚士「うん」
石化の解かれた箱を、召喚士はそっと開けた。
- 697 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:44:27.58 ID:dongO//7o
グググッ…ガコッ
戦士「おっ!?」
召喚士「……本……というか、手帳?」
戦士「盗賊、ちょいと後ろ向いてな」
盗賊「へ……っ!?」
戦士「いや、念の為。師匠の場合、万が一って事がある」
盗賊「……?」
召喚士「……手記?いや、師匠の字じゃないな」
ポスッ…パラッ
戦士「どうだ?」
召喚士「……こ……これっ」
戦士「!?」
召喚士「……っ!!」
戦士「な、何だってんだ……?」
召喚士「召喚獣界への……手法だ……っ!!」
- 698 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/11(月) 18:45:20.41 ID:dongO//7o
ここまでにて。ご支援ありがとうございました!
今日も大きな余震が…。震源地付近の方々、大丈夫でしょうか…?
もう嫌になりますね。とりあえず帰宅したいと思います!ノシ
- 703 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/11(月) 22:02:20.78 ID:FUEMwzojo
戦士はエッチな本でも入ってるのかと思ってたのかしら
- 713 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:26:31.22 ID:B36H8tsao
戦士「……えぇと、と言いますと?」
召喚士「召喚獣の世界へ行く為の手法がしるしてあるんだよ!」
盗賊「……つまり、師匠はこれを……召喚士に」
召喚士「……」
戦士「でもこれってよ、下手したら命に関わるんじゃないのか?」
召喚士「そうなんだよね。しかも……」
パラッ
召喚士「これはおそらく朱雀の儀式だろうから……」
盗賊「……朱雀の世界にしか……行けないって事?」
召喚士「ええ」
戦士「ん、待てよ?確か儀式ってのは……誰かにして貰うんだよな?」
召喚士「うん」
戦士「朱雀なら当然、朱雀の召喚士じゃないと駄目なんだっけか?」
召喚士「うん」
戦士「……いねーじゃん」
- 714 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:27:01.78 ID:B36H8tsao
召喚士「朱雀嬢さんに同門さんくらいかな」
戦士「無理だろ」
盗賊「……」
召喚士「まぁ、それに朱雀界へ行く必要は、今のところなさそうだしね」
戦士「結局、役に立たない代物だったか」
召喚士「いずれ役に立つとは思うけど、今は必要ないかもね」
盗賊「……一応、貰っておこうよ」
召喚士「ええ、それはもちろんです」
戦士「謎も解けたし、ぼちぼち行くとすっか」
召喚士「そうだね。コカトリスもありがとう」
コカトリス「……」
シュイイィィン
戦士「さーて、師匠に挨拶して……バーテンさんとこに戻るかね」
盗賊「……ああ」
召喚士「そうしましょう」
- 715 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:28:18.55 ID:B36H8tsao
…
盗賊「……」
戦士「……」
召喚士「……さ、行こうか」
戦士「ああ。本国の件もどうなってるのか気になるしな」
盗賊「……うん」
召喚士「きっと大丈夫ですよ」
盗賊「……?」
召喚士「そんな気が……するだけですけど」
盗賊「……勘、か」
戦士「まぁ、そうだと思うよ俺も」
召喚士「ええ、だから信じて、笑顔で待ってましょうよ」
盗賊「……私達に出来る事は……それだけだしな」
戦士「もちろんだ。はなっからそのつもりだし」
召喚士「うん」
- 716 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:29:12.00 ID:B36H8tsao
〜本国、国軍本部〜
青年兵「失礼致します」
副司令官「うむ」
青年兵「左大臣邸の検分、終了致しました」
副司令官「……そうか」
青年兵「しかしながら遺体は損傷激しく、早々に処理したいと思います」
副司令官「うむ」
青年兵「それと、国賊扱いですので、葬儀等も行いません」
副司令官「任せる」
青年兵「あと、不正献金の件についてですが……」
副司令官「……」
青年兵「新聞社社長、院長など、民間企業の要人は既に非を認めております」
副司令官「刑に罰するか?」
青年兵「王宮の者らも含め、数が多すぎます。ここはひとまず辞任が妥当かと」
副司令官「そうだな。新体制に入ったとはいえ、人手不足は否めんな」
- 717 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:32:41.53 ID:B36H8tsao
青年兵「略式で罰金、及び辞職して頂く形で終息したいと思います」
副司令官「国民が納得するかね?」
青年兵「殿下の戴冠式も近いですし、まぁ大丈夫かと」
副司令官「……そうか。では任せる」
青年兵「はっ。それでは失礼致します」
カツカツカツ
青年兵「それともう一つ」
副司令官「……?」
青年兵「総司令の内通者疑惑を……解除したいのですが」
副司令官「何故だ?彼は死んだのであろう?」
青年兵「だとしても、内通者かそうでないかで対処も変わります」
副司令官「国葬でもするつもりか?」
青年兵「それは分かりませんが……」
副司令官「後世への評価も変わるというわけか」
青年兵「それに……」
- 718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:35:03.14 ID:B36H8tsao
副司令官「……?」
青年兵「いえ、とにかくそのようにさせて頂きたいと思います」
副司令官「今更、故人の立場をどうこうしたところで意味はないと思うが……」
青年兵「……」
副司令官「まぁ良い、好きにしたまえ」
青年兵「ありがとうございます」
カツカツカツカツ…パタン
副司令官「今更何だと言うのだ……」
カツカツカツ…
青年兵「……」
副司令室を出て廊下を突き進む青年兵。その途中、軍人が窓から外を眺めていた。
大軍師「万事、整いましたかな?」
青年兵「……いつでも」
大軍師「ふっふ、それでは……始めましょうか」
両者は顔を見合わせる事もなく言葉を交わし、すれ違った。
- 719 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:37:00.08 ID:B36H8tsao
〜バーテンの店〜
カチャッ…チリチリン
バーテン「おう、ご苦労さんだったな」
戦士「バッチリ掃除してきたぜ」
盗賊「……召喚士が」
バーテン「は?」
召喚士「いやっ、大丈夫です。ははっ」
戦士「何か進展はあったか?」
バーテン「そこに新聞あんだろ。読んでみ」
戦士「どれどれ」
テクテクテク…ガサッ
戦士「何っ!?」
召喚士「どうしたの?」
戦士「左大臣……死亡!?」
召喚士「えぇっ!?」
- 720 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:43:45.13 ID:B36H8tsao
盗賊「……何でまた……っ」
バーテン「国軍が内通者だって証拠を掴んで、抵抗した為に止む無く……だとよ」
戦士「マジかよ……っ」
バーテン「どうだかな。いくら国軍と言えど、問答無用でそこまでやるとは考えにくい」
盗賊「……」
バーテン「ましてや今の国軍なら尚更だ」
召喚士「何か、裏があると?」
バーテン「知らん。そのうち発表があんだろ」
召喚士「……」
戦士「んで、議会が行われて……」
ガサッ
戦士「殿下が……あぁ!?」
バーテン「左大臣が死んだ事で左翼は事実上壊滅。殿下の即位も決定した」
盗賊「……と、言う事は」
戦士「魔道士は……」
- 721 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:52:00.50 ID:B36H8tsao
カチャッ…チリチリン
魔道士「……っはぁ、はぁはぁ」
戦士「魔道士は……」
盗賊「帰ってきたっ!?」
魔道士「た、ただいま……ですっ」
召喚士「……おかえりなさい、魔道士さんっ」
魔道士「……っ」
大きな瞳に涙を堪え、魔道士は胸に飛び込むように飛びながら抱きつく。
両手を広げ、優しく包み込むと、魔道士の涙を右手の指で拭い、左手で頭を数度撫でた。
タッタッタ…ムニュウウゥゥ
魔道士「盗賊さぁんっ!!お久し振りですぅ〜!!」
盗賊「……おかえり、魔道士」
ナデナデ
戦士「……」
召喚士「……」
- 722 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 17:55:31.93 ID:B36H8tsao
…
バーテン「はいよ」
コトッ
魔道士「ありがとうございますー!」
盗賊「……全く、久し振りと言っても数日ではないか」
魔道士「だってぇ、寂しかったんですもん〜」
盗賊「……」
魔道士「嫌……ですか?」
盗賊「そっ、そういう事では……」
魔道士「ほらっ、やっぱり盗賊さんは優しい〜っ」
スリスリ
盗賊「やっ、やめんか!」
戦士「そんで、あれからどうなったんだ?」
魔道士「あ……っ、えっとですね……」
召喚士「……」
- 723 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 18:13:28.65 ID:B36H8tsao
…
盗賊「……」
戦士「……」
魔道士「まぁ、こんな感じで……」
召喚士「分かって頂けたみたいで良かったですね」
魔道士「はいっ!」
戦士「でもよ、本当に良かったのか?」
魔道士「……何がです?」
戦士「だってよ、本国のお姫様なんだぜ?」
魔道士「興味もないですし、関係ないですよそんなの……」
盗賊「……うん、そうそう」
戦士「そりゃあそうだけどよ」
魔道士「じゃあ戦士さんは、親子だから特殊遊撃に入ります?」
戦士「うっ、それは確かに……嫌だわ」
召喚士「あははっ」
- 724 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 18:17:27.66 ID:B36H8tsao
戦士「これで左大臣が死んで、左翼も壊滅」
バーテン「殿下も無事即位して、万事解決だわな」
召喚士「でも、まだ国軍の動きが……」
バーテン「……ああ、そういやそうだったな」
魔道士「総司令さん、本当に……」
バーテン「まさか、そんなお人じゃねぇよ」
盗賊「……?」
バーテン「それよりも、近いうちに戴冠式があるんじゃないのか?」
戦士「おぉ、そうだよ!」
バーテン「きっと本国はお祭騒ぎになるぜ?行かないのか?」
召喚士「えぇと……」
魔道士「私なら心配しないで下さい。大丈夫ですよ!」
召喚士「それじゃ、戴冠式を見に、本国へ戻りましょうか!」
バーテン「それがいい、俺も行くぞ!」
戦士「行くのかよっ!」
- 725 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 18:27:29.28 ID:B36H8tsao
バーテン「そりゃこんな機会、二度とないだろうからな」
盗賊「……確かに」
召喚士「いつ行きます?」
バーテン「明日一番で行こう」
戦士「店は大丈夫なのかよ……?」
バーテン「どうせみんな行くだろうし、空けてても閑古鳥だろうよ」
戦士「やる気ねぇ……」
魔道士「いいじゃないですか。みんなで行った方が楽しいですよ!」
召喚士「それでは明日、本国へ向かいましょう」
バーテン「今日は休暇前の、最後の稼ぎ時だ!みんな頼んだぞ!」
戦士「はぁ!?」
バーテン「安心しろ、お前には期待しとらん」
魔道士「よぉし、久々に頑張りますよ〜!」
盗賊「……皿洗い……頑張ります」
召喚士「はははっ、それじゃあ開店準備しましょうか!」
- 726 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 18:31:33.50 ID:B36H8tsao
一旦失礼致します。ご支援ありがとうございますー!
地震が立て続けで心配ですね…めげずに頑張りましょう!それでは!ノシ
- 730 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/04/12(火) 21:34:32.92 ID:d4uUgJeIo
さすが主人公になりきれない召喚士さんですね!
- 733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:47:38.61 ID:s0Ept+pzo
…
カチャッ…チリンチリン
魔道士「いらっしゃいませ〜!」
青年「おおぉぉ!?」
魔道士「あ、こんばんはっ!どうぞ、えへへっ!」
青年「まっ、ま……魔道士さんっ!!」
戦士「あいつ、毎日来てんのか?」
バーテン「いんや、久々に見た」
戦士「すげぇタイミングだな」
盗賊「……特殊能力かもしれんな」
召喚士「えぇ!?」
魔道士「さぁ、何でもリクエストして下さいっ!」
青年「じ、じゃあ……オムライスをっ!!」
魔道士「はいっ!すぐに準備致しますね、えへへ!」
青年「……魔道士……さぁん」
- 734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:48:15.09 ID:s0Ept+pzo
…
召喚士「ありがとうございました〜」
魔道士「またお待ちしてますねっ!」
青年「またっ、絶対にまた来ますから……っ!」
パタン
戦士「あいつ、魔道士が王女様だって知ったら、どうなるんだろうな?」
盗賊「……死ぬんじゃないか?」
バーテン「さーて、後片付けはやっとくから、お前らもメシ食っちまえ」
召喚士「あっ、俺も片付けますよ」
バーテン「そうか?悪いな」
戦士「んじゃ、先に飲んでるわ」
魔道士「ちょっと!もう……っ」
戦士「おっさんも先にやってようぜ」
バーテン「あのなぁ……」
戦士「その方がいいだろうってよ」
- 735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:48:49.24 ID:s0Ept+pzo
チラッ
バーテン「……ああ、そういう事か」
戦士「盗賊、注いでやれ。たまには女に縁……」
バーテン「バカにしてんのかテメェは!!」
魔道士「召喚士さーん、これ……こっち?」
召喚士「あっ、俺運ぶんで置いといて下さい!」
魔道士「はぁい!それじゃこっちやっときますねっ」
召喚士「ありがとうございますっ」
盗賊「……いいな」
戦士「いいんじゃないでしょーか?」
バーテン「平和になったら、譲ってやっかな」
戦士「引退か?」
バーテン「いや、現場を離れて社長だな」
戦士「楽して儲けようってか!」
バーテン「ハハハッ、楽しみになってきた!」
- 736 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:49:16.52 ID:s0Ept+pzo
〜次の日〜
バーテン「準備出来たか?」
戦士「もうちょいで終わるー」
魔道士「えっと、忘れ物……なし!」
戦士「あのオッサンが一番張り切ってないか?」
召喚士「たまにはいいんじゃない?俺だって楽しみだよ」
戦士「いや、別に楽しみじゃないと言ってるわけじゃ……」
魔道士「お待たせしましたー!」
盗賊「……よし、行こうか」
バーテン「おーし、そんじゃあ出発だ」
召喚士「それじゃ、まずは船のチケットを……」
バーテン「それなら手配済だ。30分後の便で本国入りすんぞ」
召喚士「……」
戦士「やっぱり……張り切りすぎじゃねぇか?」
召喚士「は、はは……っ」
- 737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:49:49.70 ID:s0Ept+pzo
〜新聞社〜
テクテクテク
書家「うぃーす」
受付「……おはようございます」
書家「編集長いるかい?」
受付「はぁ」
書家「いやぁ、しっかしビックリしたぜ。まさかあいつが……」
スタスタスタ
書家「噂をすればっ、いよっ!社長!!」
編集長「……何だ、お前か」
記者「先輩」
書家「社長就任おめでとうってな。ほれ、祝いのワインだ」
記者「へぇ、先輩も気が利くじゃないですか」
編集長「バッキャロー!てめぇはさっさと病院行って取材して来いっ!」
記者「は、はいっす!」
- 738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:50:19.65 ID:s0Ept+pzo
書家「病院?」
編集長「院長が辞任だとよ。新院長は息子のドクターだ」
書家「ほぉー。王宮関係の理事クラスがこぞって辞任か」
編集長「王宮内もかなり入れ替わるみたいだしな」
書家「新時代の到来……か」
編集長「てめぇはどうなんだ?」
書家「あ?」
編集長「いやな、俺が現場抜けちまったモンだからよ……」
書家「人手不足ってか?がっはは!まさかあんたが俺に頭下げるたぁな〜」
編集長「下げてね0だろっ、バッキャロー!」
書家「悪いが、縛られるのが嫌でフリーになったんだ。戻る気はねぇよ」
編集長「そうかい。そんじゃあ今後は出入りすんじゃねぇぞ」
書家「うへぇ、新社長は厳しいモンですわなぁ」
編集長「当ったり前だ。報道ってのはな、自由だが正しい事を伝えにゃならん」
書家「わーってますよ。胡散臭いフリーは退散さsて貰います……っと」
- 739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/12(火) 23:51:17.21 ID:s0Ept+pzo
〜病院〜
外科医「おめでとうございます」
内科医「本日はなんとめでたい事か」
ドクター「めでたい?そんなわけないじゃないか」
内科医「……?」
ドクター「分かっているのか?父は不正を暴かれ、辞任したんですよ」
外科医「……」
ドクター「本来ならば逮捕され、実刑を受けてもおかしくない身だ」
外科医「なっ、ならば、我らとて同罪という事ですよ?」
ドクター「まさにその通りです」
内科医「!?」
ドクター「父は全ての責任を一手に受け、辞任という形で病院を守ったのです」
外科医「……っ」
ドクター「僕達の為すべき事は、失墜した威信を取り戻し、汚名を返上する事です」
内科医「坊ちゃん……いや、院長。分かりました!」
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