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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
702 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:04:49.96 ID:.C3avZ2o
〜次の日〜

ザワザワザワッ

魔道士「何だか…騒がしいですね」

盗賊「…何かあったのかな?」

召喚士「…とにかく本部まで行ってみましょう」

タッタッタッタッタ…

召喚士「隊長さん!」

隊長「!!…ちょうど良かった、警備所へ急ぐぞ!」

魔道士「な、何か…あったんですか!?」

隊長「話は後だ!」

〜警備所〜

タッタッタ…

魔道士「凄い人だかりが…っ!」

隊長「…おう、どうだ!?」

女隊員「まだッス!もうじきだとは思うんスけど……」


703 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:05:29.58 ID:.C3avZ2o
男隊員「…ったく、一体どういうつもり何だよぉ!」

召喚士「…そ、それでこの状況は一体…っ」

隊長「ああ、今日の朝一で突如、戦士が……」

ガチャッ

町人「出てきたぞ!!」

左秘書官「ほらっ、押すな!通してくれ」

戦士「…………」

召喚士「戦士っ!!」

戦士「召喚士…っ!それに…みんな…」

左文官「…えー、この者は先日街を騒がせた容疑者である」

ザワザワザワ…

左文官「既に存じておる者もいるとは思うが、証拠不十分として…本日、無罪釈放とする!」

左秘書官「異議のある者は当件責任者である、高官殿まで申し立てよ。以上!」

盗賊「……せ、戦士が」

召喚士「…無罪っ!?」


704 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:06:16.91 ID:.C3avZ2o
ザワザワザワザワ

男「おいおい、なんだよ無罪ってよぉ!」

老人「目撃者も多数おるんじゃぞ!罪は明白だ!!」

女性「…ま、まぁ反省してくれれば…いいんじゃないかしら…っ」

町人「何でも殿下お墨付きの国軍付ワーカーなんだろ?」

男「そうなのか?」

町人「裏で殿下が暗躍した可能性もあるぜ?」

老人「…むぅ。殿下の考えならば…。しかし…腑に落ちぬのぅ」

町人「…へっ」

ドドッドドッ…ズシャッ

男「あの馬車…本国の人間だな」

エリート「……」

町人「やっべ!」

タタタッ

エリート「……?」


705 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:06:55.81 ID:.C3avZ2o
カツカツカツ…

エリート「…戦士君が無罪?何がどうなって…っ」

戦士父「…左の仕業ではないのか?」

エリート「…これは、戦士父殿」

戦士父「我らが勝機を見出した途端にこの動き。何かあるとしか思えん」

エリート「…ええ。みすみす無罪にするなど捨てたも同然です」

戦士父「そんな簡単に諦めるような男ではないだろう」

エリ−ト「…でしょうね。とりあえず彼らに合流しましょう」

戦士父「ああ」

ザッザッザ

町人「……エリートに…あれは誰だ?」

パッカパッカパッカ

町人「…こ、これは左大臣様っ!」

左大臣「流布はうまくいったかァ?」

町人「はい。国民も噂に惑わされ混乱しているようです」


706 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:07:29.36 ID:.C3avZ2o
左大臣「…あまり大袈裟な事は吹聴するなよ?」

町人「畏まりました」

左大臣「…さて、帰るとするかァ。フハハハハッ!!」

パッカパッカパッカ

町人「…ふっ。まこと恐ろしきお方よ」

タッタッタッタッタ…

エリート「召喚士君っ!!」

召喚士「エリートさん!それに…戦士父さんも!」

戦士父「それで、戦士は?」

魔道士「今…荷物をまとめているようで。もうすぐ出てくると思います」

隊長「男隊員、格闘家」

格闘家「…はい」

隊長「お前らは王宮と、経済庁舎などの左関連の部署をあたれ!」

男隊員「…はいよ!21時に本部へ戻りまっす!」

タタッ


707 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:08:01.89 ID:.C3avZ2o
盗賊「…出てきたぞ!」

戦士「……」

高官「……」

テクテクテクテク

町人「このヤロー!無罪だなんて認めねーぞ!」

男「そうだそうだっ!」

戦士「……」

ザッザッザ

召喚士「戦士……」

高官「本日付で無罪釈放となった。ここに戦士を解放する」

魔道士「あ、ありがとう…ございます」

隊長「…お前の一存なのか?」

高官「……」

隊長「おい、何とか言えよ!?左大臣の罠なんじゃねーのかよっ!」

高官「……すまない」


708 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:08:35.00 ID:.C3avZ2o
エリート「……」

高官「私にも…分からないのだ」

戦士父「……」

高官「明け方早くにそのように決定したと通告があり、ただ…それだけだ」

隊長「……っ」

盗賊「…戦士…無事か?」

戦士「ああ。すまなかったな」

召喚士「……とにかく…良かった…っ」

戦士「なんて言ったらいいか…ほんと…」

ザッ

戦士「……お、親父…!?」

戦士父「…お前は何をやっているんだ」

戦士「……すまん」

戦士父「どれだけの者達に迷惑をかけたか…」

女隊員「……」


709 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:09:50.22 ID:.C3avZ2o
高官「それでは、失礼…」

隊長「あ、おい!」

高官「…?」

隊長「……んー、あーまーなんつーかよぉ…」

高官「……」

クルッ…ザッ…

隊長「助かったわ。サンキューな」

高官「…………」

ザッザッザッザッザ…

エリート「申し訳ありませんが皆様、この場を一度離れましょう」

召喚士「……?」

エリート「国民も同様しておられます。王宮へ移りましょう」

隊長「王宮!?それじゃ逆に反発を……」

エリート「いいえ。ここは隠さず、素直に行動した方が有効的です」

召喚士「……分かりました。エリートさんの言う通り王宮へ行きます」


710 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:10:49.52 ID:.C3avZ2o
〜王宮〜

エリート「戻ったぞ」

右文官「エリート殿、殿下がお待ちですぞ!」

エリート「ええ、すぐに向かいます」

〜玉座の間〜

右文官「失礼致します。エリート殿、お戻りになられました」

皇太子「どうであった?」

エリート「ご覧の通り、戦士殿は無事…釈放と相成りました」

皇太子「……そうか」

戦士「ご迷惑をかけました」

皇太子「構わん。気にするな」

エリート「しかし、本当にこのまま終わるのでしょうか…?」

皇太子「……」

エリート「左大臣殿の事です。とてもすんなり釈放とは考えにくいのです」

皇太子「……うむ」


711 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:11:16.99 ID:.C3avZ2o
青年兵「しかし無罪で釈放してしまってはその後どのような手を…?」

隊長「そこなんですよ。奴らの次の一手が読めません」

戦士父「ただで終わるとは思えんな…」

隊長「とにかく、左の動きは我ら特遊が追います」

皇太子「君らが担ってくれるなら心強いな。助かる」

隊長「はっ!」

皇太子「戦士君。隊長は問題ないか?」

戦士「はい。特に問題ありません」

皇太子「そうか。それならば良かった」

青年兵「召喚士さん…この後はどうなさるのです?」

召喚士「うん…。しばらくは本国から離れようと思う」

青年兵「そうですか……」

エリート「確かにこれ以上騒ぎが大きくなると厄介であるからな」

戦士父「しかし、気を付けろよ?」

盗賊「……?」


712 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:11:44.20 ID:.C3avZ2o
戦士父「本国にいるうちは味方も多いが、離れればそうもいかぬ」

魔道士「……」

エリート「左大臣殿の狙いはそこかもしれませんしね」

女隊員「本国以外も安全とは言えないわけっすね…」

召喚士「でも、これ以上皆さんや街の人に迷惑をかけるわけにはきません」

戦士「…ああ。その通り」

召喚士「それに、いつまでも偽物を野放しにはしておけませんから…」

皇太子「確かに…そうであるな」

青年兵「何か困った事があれば、いつでも申して下さい!」

エリート「ああ。すぐに手助けする」

魔道士「ありがとうございます」

隊長「街の外まで送ろう」

召喚士「あ、大丈夫ですよ。お構いなく」

女隊員「でも…何かあったらまずいッスよ…」

戦士父「いや、見送りまで護衛が付くと民に良からぬ風評を立てる事になる」


713 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:12:27.94 ID:.C3avZ2o
女隊員「あ…っ」

戦士父「外までは俺が共に行く。安心してくれ」

エリート「では、お願い致します」

召喚士「それではお世話になりました」

青年兵「何卒、お気を付けて…!」

戦士「……すんません」

皇太子「また、近いうち必ず」

魔道士「はいっ」

隊長「では、我々も失礼します」

皇太子「うむ。此度は大変ご苦労であった」

隊長「勿体なきお言葉!……それでは」

ザッザッザッザッザ

エリート「では私達も…。行くぞ、青年兵」

青年兵「はい。失礼致します!」

皇太子「うむ。君達もご苦労だった。ゆっくり休むが良い」


714 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:13:03.96 ID:.C3avZ2o
カツカツカツ…パタン

皇太子「……これにて、ひとまずは一件落着か」

皇太子は玉座に腰を据えると、天井を見つめ大きく息を吐いた。

カツカツカツカツ

青年兵「…エリート様、今後はいかが致しますか?」

エリート「うむ。特殊遊撃も動いてはいるが…」

青年兵「……」

エリート「私達は私達で調査を継続しよう」

青年兵「…ですね。一刻も早く偽物を捕えなければ…」

エリート「もう一度聞き込みを行い、目撃証言を検証しよう」

青年兵「はっ。早速手配致します」

エリート「ではそちらの士気は君に任せる。頼むぞ」

青年兵「畏まりました」

エリート「なんとしても…解決するぞ」

青年兵「・・…はい!」


715 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:13:31.62 ID:.C3avZ2o
〜国軍本部〜

隊長「それでは、我々はこれにて失礼します」

戦士父「色々と世話をかけたな」

隊長「気にしないで下さい。これも仕事です」

女隊員「皆さんもお気を付けて!ご武運を祈るッス!」

魔道士「ありがとうございますっ」

召喚士「何かあったらすぐに報告します」

隊長「頼む。こちらも動きがあれば、逐一連絡する」

戦士「…すまん」

戦士父「では、行くか」

盗賊「…うん」

召喚士「それじゃ…また」

隊長「ああ。頑張れよ!」

戦士「…うっす!」

魔道士「それでは…また!」


716 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:13:59.71 ID:.C3avZ2o
ザッザッザッザッザ

戦士父「…それで、どこへ向かうのだ?」

召喚士「……特に決めてはいません」

盗賊「…身を隠すには…遠方が好ましいが」

魔道士「それだと…偽物を探せなくなっちゃいますよね…」

戦士「じゃあどうする?」

召喚士「まずは港街辺りまで行きましょうか」

魔道士「そうしましょうか!」

戦士父「……そうか。くれぐれも気を付けてな」

戦士「親父は行かねーのか?」

戦士父「本国近辺は面倒事が多くてな。出来れば離れたい」

召喚士「そうですか…」

戦士父「すまんな。力になれなくて」

魔道士「いえっ、気にしないで下さい!充分ですよ…えへへ!」

盗賊「…ああ」


717 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:14:28.76 ID:.C3avZ2o
戦士父「…それじゃあな」

召喚士「…はい。それでは」

戦士父「……ああ、そうだ」

盗賊「…?」

戦士父「戦士、その戟をよこせ」

戦士「は…?」

戦士父「前にも言ったと思うが、ゾディアックはやはり危険だ」

召喚士「ゾディ…アック…」

戦士「んな勝手な…」

戦士父「勝手…?」

戦士「…そ、そうだろ」

戦士父「まともに扱えもせぬ者が何を言うか…っ!」

戦士「……!!」

戦士父「お前も重々分かっているだろう?ゾディアックがどういったものなのか」

戦士「……」


718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:14:59.18 ID:.C3avZ2o
戦士父「どうせ槍など未熟な腕。扱いきれんのだから良いだろ」

戦士「…でもよ、親父はそれをどうする気なんだ…?」

戦士父「……」

召喚士「あの…何か、目的が…?」

戦士父「……まさか。封印するまでだ」

盗賊「……」

戦士父「…さ、分かったらよこせ」

戦士「……ちっ、渡しゃいいんだろ」

魔道士「い、いいんですか…?」

戦士「親父が言うんだ。仕方ねーだろ…」

魔道士「そ、そうです…よね」

戦士「……ほらよっ」

手にした戟を戦士は戦士父へと放り渡す。

ポイッ……パシッ

戦士父「…確かに」


719 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:15:29.10 ID:.C3avZ2o
戦士「でもなぁ、それがねーと武器が……」

盗賊「…戦士」

盗賊は胸元の紐を解き、背中の雷切を戦士へ放り渡す。

戦士「…おっ、サンキュ!」

召喚士「……」

戦士「これでいいんだろ?」

戦士父「ああ。確かに預かったぞ」

ザッ

戦士父「……もし」

召喚士「…?」

戦士父「もし俺に用がある時は、本部南の路地裏にある小さな飲み屋を訪ねろ」

魔道士「え…っ?」

戦士父「店主に伝言すればそれでいい。それじゃあな」

召喚士「あ…ありがとうございます…っ!」

二本の長得物を手に、戦士父は無言でその場を立ち去って行った。


720 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:16:04.12 ID:.C3avZ2o
盗賊「……」

魔道士「と、とにかく…無事で良かったですね…っ!」

召喚士「…ええ。改めて…おかえり、戦士」

戦士「…おう。ただいま」

魔道士「おかえりなさい!えへへっ!!」

盗賊「……おかえり」

戦士「済まなかったな。心配かけちまって…」

魔道士「何言ってるんですか!仲間ですもの…!」

戦士「仲間……」

召喚士「そうだよ。気にする必要なんてないよ!」

戦士「……ありがてぇな」

盗賊「…何だ、改まって」

戦士「んー、改めて分かるってやつ?仲間のありがたさ」

盗賊「…そっか」

戦士「さぁ行こうぜ…冒険の続きによ!」


721 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:16:30.84 ID:.C3avZ2o


格闘家「……」

男隊員「……動いたぞっ!」

民家の屋根の上。二人の男が向かい側の建物の様子を探っている。

格闘家「…出て来ました。脇の出入口です」

男隊員「馬車も移動したな…」

格闘家「……」

男隊員「警備所から何を運ぶ気だ…?書類にしては大事すぎんぜ」

格闘家「…中央の男、左大臣…ですか?」

男隊員「ああ、そうだ。よーくツラを拝んどけ。長い付き合いになるかもしれん。ヒャハハ」

格闘家「…何か…布に包まれたものを積んでますね」

男隊員「……よし、先回りすんぞ!」

格闘家「どこへです?」

格闘家「…左大臣の屋敷だよ。行き場所はおそらくそこしかねーだろ」

格闘家「……了解」


722 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:17:00.06 ID:.C3avZ2o


パッカパッカパッカ

左秘書官「……事は、全て終わりましたね」

左大臣「あァ。ご苦労だったなァ…」

左文官「本当に宜しかったので…?」

左大臣「んー?」

左文官「あの者…解放してしまって……」

左大臣「構わんよ。代わりに得たものは大きい」

左秘書官「高官の処置は如何なさいますか?」

左大臣「なぁに、構う事はない。何も出来んさァ」

左秘書官「……畏まりました」

左大臣「…さァて、面白くなってきたわァ。ハハッ…フハハハハッ!!」

意味深な左大臣の笑い声を残し、馬車は警備所を走り去って行った。



〜第二十三部、完〜


723 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 22:18:41.91 ID:.C3avZ2o
休憩&お風呂入ってきますー!
24部スタートは23時頃にて!ノシ


724 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/20(水) 22:35:42.63 ID:M5fTfkDO
戦士父△

>>1超乙乙!!


725 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/20(水) 22:41:03.54 ID:cjzefoMo
>>1乙!
復活で久々だったけど
量が多くて満足ですたい


726 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/20(水) 22:55:51.78 ID:wpzKw.DO
>>1乙っす
左大臣はやく死なないかなあ


727 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/20(水) 23:06:14.57 ID:nXRpAgDO
書きためが無いとか言っといて

最高だあんた



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