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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
673 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:14:13.93 ID:dWKtM9uHo
青龍士官「た……立てっ! 今がチャンスなんだ……」

白虎長「分かってる……分かってるけどぉ……っ」

召喚士(どうすればいい……っ)

賢者「傷口は癒せても……体力や魔力は無理だね……ふぅ」

紅孩児「俺は助けたぞ!! お前はどうなんだコラァ!!」

召喚士「……?」

紅孩児「テメーは口だけかァ!? 誰も守れねぇのかよ!!」

召喚士「え……っ!?」

 ゴッゴオオオオォォォォ!!

アマゾネス「こ、この炎は……っ」

 ザッザッザッザッ

同門「紅孩児」

紅孩児「遅っせぇんだよボケ!」

召喚士「同門さん……っ!!」

同門「行けフェニックス。倒れている者に治癒を」 スッ


674 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:15:05.04 ID:dWKtM9uHo
フェニックス「大人数だな。微々たる体力が精々だぞ」

同門「構わん」 ザッ

サタン「余計な真似をしてくれる」

紅孩児「どこ見てやがるッ!!」

 ザックウウウウゥゥゥゥ!!

サタン「……?」

紅孩児「ざまぁみ――んなッ!?」 ズグッ!!

サタン「魔族だからとて代償がないわけではない。寧ろ人間よりも苦痛やもしれんぞ?」

紅孩児「……ザケんなッ、テメーらの言いなりになる方が……よっぽど苦痛だ!!」

サタン「言ってくれる」

 パアアアアァァァァ……

白虎嬢「……っはぁ、何とか……動けるっ」

同門「気休めに過ぎん。何か策があるのだろう?」

大軍師「素晴らしいタイミングです。無論、ありますよ」

同門「従う。どうすればいい?」


675 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:15:41.64 ID:dWKtM9uHo
召喚士「はぁ……はぁ……はぁ……」 ズズッ

夫人「しょうかんしー。わらわ……やられたのじゃー!」 トテトテ

召喚士「夫人……?」

夫人「たすけてたもれーっ」

召喚士「仕方ない……俺の魔力を分けるよ」

夫人「すまんのーうふふっ♪」 フワァ

召喚士「う……っぐ」

夫人「……復活じゃ、うふっ♪」 ボンッ!!

青年兵「召喚士さんっ、いけますか!?」

召喚士「あ、あぁ……っ」

大軍師「各員っ、準備を!!」

サモナー「……っ」 ヨロッ

戦士「いけ……るか?」

盗賊「可否の問題ではない、やるしかないんだ……っ」

魔道士「……ふーっ」


676 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:16:42.20 ID:dWKtM9uHo
 ドガガガガガガガッ!!

紅孩児「オラオラオラオラぁ! どうした魔王サタンともあろうお方がよぉ!!」

サタン(地獄において理性を取り戻すとはな。大した精神力だ)

紅孩児「おっるああぁぁぁぁーッ!!」

サタン(挙句、地獄という地形において本当の力を得ている。厄介なものだ)

 ズガッシュウウゥゥゥゥ!!

サタン(だがそれだけではない。何か別の力が左右している。誰だ?)

名代「……っ」

青龍士官「……」

玄武娘「うぅ……」

サタン「ここに居る連中ではない。地上だ、これは地上の人間共による力ッ」

召喚士「行けっ、コカトリス……サラマンダー、シルフ、ノーム、ウンディーネ、座敷童子……」

 シュイイイイィィィィン

召喚士「これで……最後の召喚だ……っ!」

サタン「違う。人間の結束による力で……このサタンの力が衰えている……?」


677 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:17:25.83 ID:dWKtM9uHo
 ズザッ

召喚士「これで……これでっ、最後の……!!」

サタン「負の力を跳ね返したのか? まさか、人間が? 有り得ぬ……ッ」

召喚士「召喚だああぁぁぁぁーっ!!」

大軍師「五行詠唱準備ぃーっ!!」

盗賊「藤蔵最終究極奥義ぃ!! 風林火陰山雷っ!!」

 第1五行、発動。

魔道士「はああああぁぁぁぁ!!」

 第2五行、発動。 

幼女「……んんーっ!!」 グアァ!!

 第3五行、発動。 

ジュニア「死なねぇ程度に撃てよぉ!! しっかり均等に揃えるんだぞぉ!!」

 第4五行、発動。 

魔法剣士「魔法剣……五行ぉ!!」 ズアッ!!

 第5五行、発動。


678 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:18:06.43 ID:dWKtM9uHo
名代「行きますぞっ!」

青龍士官「出でよぉ!! バハムート!!」

白虎長「これ以上はもうっ、出せないわよ!!」

ボス「この程度の魔力ならば、今の俺でも……ぉ!!」

同門「……行けっ、フェニックス!」

 第6五行、発動。

大軍師「ここまででまだ半分」

青年兵「あと6つも作る必要があるわけだ……」

賢者「どうするんだい? ふぅ」

大軍師「朱雀先生の五行が間もなく発動するとしても、残りは5つ」

青年兵「魔道隊はともかく、召喚は召喚士さんに頼らざるをえない」

大軍師(このまますんなりと上手くいくものでしょうか)

魔道士「大丈夫ですよ」

大軍師「!?」

魔道士「このまま作戦を続けて下さい。きっと大丈夫ですから」


679 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:18:43.88 ID:dWKtM9uHo
大軍師「まさか……予言、ですか?」

魔道士「……」

大軍師「……分かりました。残りの方も五行準備を始めて下さい!」

朱雀嬢「どうなっても知りませんわよ!」

玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」

白虎嬢「もうギリギリの魔力ですねぇ〜」

美女「ちくしょー! 報酬はたらふく請求してやるんだからっ!」

 シュイイイイィィィィン

アマゾネス「これでは4属性……っ。足りぬぞ」

青年兵「召喚士さんっ!!」

召喚士「頼むよ……夫人……」

夫人「わらわがか?」

召喚士「夫人の力で、5属性召喚をアシストしてやってくれ……」

夫人「……んもぅ。魔力も分けて貰ったし、召喚士の言う事には逆らえぬ。うふふっ♪」

召喚士「はは……っ、ありがとう夫人――」


680 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 23:23:44.40 ID:dWKtM9uHo
 ドガアアアアァァァァ!!

召喚士「!?」

魔剣士「……」 ゴトッ

水の先生「あ……いつ、まだっ」

――「おやおや、これは楽しそうな展開ですねぇ」 フッ

召喚士「……貴……様っ、貴様ぁ……!!」

ネクロマンサー「生きていて嬉しいですよ、召喚士……ククッ」

召喚士「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「なかなか苦戦なされているようで、魔王サタンさん」

サタン「苦戦? 貴様、無礼にも程があるぞ」

ネクロマンサー「ククッ、そうやら助太刀などは無用のようですねぇ」

サタン「消えるが良い。今ならばこのサタン、見逃してやらんでもないぞ」

ネクロマンサー「ククッ、そうですね。お邪魔のようですし」

召喚士「貴様ぁ!!」

ネクロマンサー「召喚士、貴方の相手は後ほどじっくりと務めさせて頂きますよ。クククッ!」


686 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 02:53:43.82 ID:MMctIEuAO
>>1乙

夫人可愛い


689 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 09:07:46.49 ID:4ko1o7abo
夫人可愛いなおい
>>1乙


690 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 09:15:30.57 ID:0ygs1MLDO
幼女夫人に助けたもれと言われたい…


691 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 17:59:43.44 ID:TWrdoKf+o
召喚士「また逃げるのか? ネクロマンサー!」

ネクロマンサー「だから言っているでしょう? 後程、お相手するとね」

 バッ!!

ネクロマンサー「何ッ!?」

南方司令「ジャスティスハリケーンアタック!!」

ネクロマンサー「早かったじゃないですか」 ヒュバッ

西方司令「このクソ雑魚の言う通りだ」

召喚士「!?」

西方司令「テメーの相手はあっちだろ! こんな奴は放っておけ!」

南方司令「我らが相手する。サタンを倒し、世界を救う事が先決だ」

召喚士「西方司令さん……南方司令さん」

ネクロマンサー「倒す? 随分と偉そうな口を……」

 バシュッ!!ザシュウウゥゥゥゥ!1

弓使い「私達だっているわよっ!」

剣士「邪魔はさせない」 チャキッ


692 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:00:54.93 ID:TWrdoKf+o
ネクロマンサー「……ッ」

剣士「召喚士くんっ、こっちは僕達に任せてくれ」

召喚士「剣士さん、みんな……っ」

女隊員「あれは五行!? いよいよッスね……」

格闘家「……」

魔剣士「……」 ザッ

格闘家「……石破ぁ!!」 ゴアッ!!

魔剣士「……」 ブオッ!!

 ズガガガガッ!! ズッギャアアァァァァ!!

男隊員「……」

火の先生「火行、いくぞい!!」

水の先生「同じく水行っ!!」

大軍師「風行は私が。しかし残る2行は……」 チラリ

賢者「僕がやるよ……仕方ないね、ふぅ」

男隊員「何で……」


693 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:02:40.68 ID:TWrdoKf+o
賢者「そして……君が土行だろ……ふぅ」

男隊員「……?」

賢者「違うのか……ふぅ」

男隊員「急にお前、何を言ってるんだ……?」

賢者「君の回りに……そういう気配が漂っていたから……ふぅ」

男隊員「――!?」

大軍師「土行、放てますか?」

男隊員「……俺の属性は火行や金行なんだ。陰気臭い土行なんざ苦手なんだよ……」

賢者「……」

男隊員「なのに……なのに何でだよ! 何でっ、土行撃てそうな気がするんだよ!」

賢者「君を……見守っているからじゃないかな……ふぅ」

男隊員「五行の光を見た瞬間から感じたんだ……そういう事なんだよな……隊長」

大軍師「撃ちますよっ!!」

男隊員「見守ってくれてありがとう……少しだけ、あんたの力を貸してくれ!!」

 第8五行、発動。


694 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:03:30.46 ID:TWrdoKf+o
青年兵「残るは4つ。召喚士さんの1つとそれに……」

 ガラッ……ゴトゴトッ

バーテン「ったく、いつまで寝てんだよお前は」

戦士父「……む……っぐ」

バーテン「つーか満身創痍だな」

戦士父「……皆、一緒だ……っ」

バーテン「やるのか?」

戦士父「何がだ」

バーテン「それだよそれ、ゾディアック」

戦士父「……」

バーテン「安心しろ。別に止めたりしねぇよ」

戦士父「すまんな」

バーテン「戦士が式を挙げる時にゃ、俺がお前の代わりを務めてやるよ」

戦士父「ありがとよ、隊長殿」

 第9五行、発動。


695 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:04:35.06 ID:TWrdoKf+o
サタン「……」

東方司令「さ、流石に傍観していられなくなったか?」

サタン「……」

東方司令「とは言っても、お前はもう動けない」

サタン「ス―パーノヴァで消えゆく地上を見せてやろうかと思っていたが止むを得んな」

東方司令「……?」

サタン「威力を高めれば、貴様等も同時に消す事は容易なのだよ」

東方司令「――!?」

紅孩児「ナメんな!! んな事ぁ無理だな」

サタン「……」

紅孩児「もしそうならテメェだって死ぬ事になる。そうだろうが!」

サタン「これだから阿呆は困る」

紅孩児「あんだとォ!?」

サタン「このサタンともあろうものが、己の攻撃で死すとでも思うのか?」

東方司令「こいつ……っ、ハッタリなんかじゃない……!」


696 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:05:20.57 ID:TWrdoKf+o
 ズガガガガガガッ!! ズシャアァ

帝「貴様の攻撃は封じられておる。観念せい」

魔剣士「……」

西方司令「加えてこの数だ。いくら不死だろうが何だろうが、勝ちはなくなったな」

南方司令「正義を踏みにじる真似はもう止すんだな」

東方司令「――!? あい……つ!!」

バッ!!

剣士「……?」

東方司令「魔剣士いいぃぃ!!」

魔剣士「……ッ」

 ガッゴオオオオオォォォォン!!

東方司令「ボクはまだ……負けただなんて思っていない」

魔剣士「……」

東方司令「例え100回勝てなくとも、最後の1回に勝てば、勝ちなんだ!」

魔剣士「……」


697 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:06:11.09 ID:TWrdoKf+o
東方司令「諦めて、最後まで戦い続けた奴が勝ちなんだよ!!」

魔剣士「…………」

東方司令「お前は逃げた。だから魔物なんかに成り下がった」

魔剣士「…………」

東方司令「ボクは絶対に諦めない! 逃げないっ!」

 ズガッシュウウゥゥゥゥ!! ズザッ

西方司令「吐血しながら偉そうに……」 ガシッ

南方司令「落ち着け。相手は不死だ。いゆら優位であろうが油断は出来ん」

東方司令「……っ」

西方司令「しかし勢ぞろいなんてのはいつ以来だおい?」

南方司令「やや人数が足りないがな」

東方司令「……」

西方司令「いいんじゃね? 丁度、新弟子もいる事だし。なぁ?」

格闘家「……」

西方司令「んじゃ、同窓会の続きといこうか!!」


698 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:08:02.75 ID:TWrdoKf+o
 ズガガガガッ!! ドッドオオォォォォン!!

 俺は、誰だ。

西方司令「手ぇ休めんじゃねぇぞボケナス共っ!!」

 古い記憶だけが、脳裏を横切る。

南方司令「サタンを倒すまでで良いのだ。踏ん張るぞ」

 だが、どうしても肝心な事だけ欠落している。そんな感覚だ。

格闘家「はあぁーっ!!」

 俺は何の為に戦い、何の為に存在しているのか……。

東方司令「ボク1人じゃない……っ!!」

魔剣士「!?」

 ガッキイイイイィィィィン!!

東方司令「兄くんとお師匠の魂も一緒だ!!」

南方司令「魔剣士の攻撃を受け止めた!?」

西方司令「ツヴァイハンダーフュンフのお陰だろ。東方の姫さんと一緒だよ」

 気にする事もないか。俺は傀儡、命じられた務めをこなすのみ。


699 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/02(木) 18:09:23.33 ID:TWrdoKf+o
格闘家「隙あり!!」

魔剣士「ッ!?」

 ギュルッ!! ズッダアアァァァァン!!

西方司令「決まった! イッポン!」

南方司令「東方司令!!」

東方司令「分かっているうぅーっ!」

 ギュバッ!! ザックウウウウゥゥゥゥ!!

魔剣士「ゴホ……ッ」

西方司令「ツヴァイで串刺し。ここまでだな」

東方司令「はぁ、はぁっ、はぁっ」

格闘家「ふーっ」

魔剣士「グ……ッ」

 ああ、見覚えのある景色だな。ここはどこだっけ……。

魔剣士「……こ……こは」

 何だろうか、思い出したいような思い出したくないような。頭が痛い。



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