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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 01:03:19.78 ID:INNc/vnXo
南方司令部にて戦士、魔道士と分かれた青年兵ら右翼陣営。

彼らは南方司令部より三日月島を目指し出航していた。

〜三日月島、南方司令部〜

西方兵「よーしいいぞーっ、そのまま繋いでくれ!」

ゴゴーン

西方兵「入港完了!出迎え準備ー!」

ザザッ…カツカツカツ

青年兵「……三日月島か」

右文官「青年兵は初めてか?」

青年兵「いえっ、以前一度だけ……」

右秘書官「……おっ」

カツカツカツカツカツ

西方副司令「よくぞいらっしゃいました」

西方参謀「待っておりましたぞ〜ヒック」

青年兵「どうも。お世話になります」


90 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 00:18:18.99 ID:INNc/vnXo
右文官「左翼の連中はまだ来ておらんのかね?」

西方副司令「ええ。伝令の話だと夜の到着予定らしいです」

右秘書官「先回り出来たな。根回しの時間もある」

青年兵「いかが致しますか?」

右秘書官「君はどう思う……?」

青年兵「……夜までに手筈を整え、左翼と同時に演説を行いましょう」

右文官「…うむ。賛成だ」

右秘書官「皆、同じ意見のようだな」

右文官「では、早速対策を取ろうではないか」

西方副司令「お部屋へ案内致します」

カツカツカツカツ…

青年兵「……」

西方参謀「…ああ、あれかい?」

青年兵「何か工事をしているんですか?」

西方参謀「何て言ったっけ?研究機関の……」


91 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 00:19:46.06 ID:INNc/vnXo
テクテクテク…

博士「電話なのら。その線を引いているのら」

青年兵「博士…様」

博士「博士でいいのら」

青年兵「線……ですか?」

博士「うむ。通信の為の線なのら。なかなか大変なのら」

青年兵「海を通すのですか?」

博士「本国と繋ぐ予定なのら。しかしこれがまた一苦労なのら」

右秘書官「海上を通すのですか?」

博士「今はメインを海底…と言っても、地下を掘って通しているのら」

右文官「ほぉ……」

博士「予備として海上にも通すつもりだけど、なかなか苦戦中なのら」

青年兵「それが完成すれば、離れていても会話が……」

博士「そう。伝令によるタイムロスがなくなるのら」

青年兵「画期的ですね」


92 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 00:20:41.79 ID:INNc/vnXo
博士「最終的には本国に交換を置いて、各司令部へ配備するのら」

右秘書官「夢のような話だな……」

博士「夢…?そんな事はないのら。もう一年以内には何とかするのら」

青年兵「出来るのですか…?」

博士「やらなくては駄目なのら。そうであろう?」

青年兵「……確かに」

西方副司令「さぁ、お部屋はこちらです」

青年兵「では博士、また後ほど」

博士「うむ。演説楽しみにしているのら!」

カツカツカツカツ…

右秘書官「ところで、西方司令は?」

西方副司令「右翼と左翼の演説があるって、さっきから司令室で嗚咽してるわよ」

青年兵「……」

西方参謀「がっははは!まぁ司令は放っておいて下され!……ヒ〜ック」

青年兵「……はぁ」


93 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 00:22:09.40 ID:INNc/vnXo


西方副司令「入浴、食事はお分かりになられます?」

右文官「うむ。お構いなく」

西方副司令「それでは、何かありましたらお声を……」

右秘書官「西方魔道長は?」

西方副司令「……地下にいらっしゃるかと」

青年兵「地下?」

西方副司令「魔道兵の詰所です。研究機関の隣にあります」

右秘書官「分かった。ありがとうございます」

西方副司令「……では」

パタン

右文官「魔道兵か…。確か左翼色が強かったな」

青年兵「……西方魔道士長とはどのような方なのですか?」

右秘書官「……夜には分かるさ」

青年兵「……」


94 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 00:32:40.37 ID:INNc/vnXo
すいません…ちょっと今週末は忙しくて…
新板になった事ですし久々に安価でキャラを募集しちゃおうかな…

西方魔道長をお願いします!
>>97

では、書き溜めてきます!


97 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 00:55:37.39 ID:QFL0MBMmo
トトロの婆ちゃん的な


101 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:22:45.32 ID:EWCy+NCIO
読者の挙式に別の読者のハネムーンに、作品中での挙式に、更に読者の挙式…
なんと言う慶事スレ
もしかして、このスレ読むと結婚できる、のか?


106 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 10:07:32.11 ID:eMqkZgPSO
あいつか。魔導士(78)か
ついに登場か


107 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 11:10:08.23 ID:IOE66zPAO
魔導士ちゃんはババアかわいい


109 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 14:15:50.00 ID:DIvGOmU4o
魔導婆か・・・誰得


118 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/16(日) 22:25:08.62 ID:Qa/knZhEo
>>113-114
イメージが左大臣=ムスカで固定されただろうがww


123 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:51:33.38 ID:INNc/vnXo
トトロ見直してきました。お婆ちゃん良い人すぎる!
大幅に内容が変わってしまった…まぁ全然構わないですけど

>>101
幸せを呼ぶ駄文です!

>>106-110
噂の魔導師とはこの事だったのか!?

>>113-114
なるほど!!ちょっと見た目若いけどこの絵は安易に想像がww
背後には左文官と左秘書官が!!


124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:52:07.36 ID:INNc/vnXo
〜夜〜

右秘書官「つまりだ、ここをこうして……」

コンコン

青年兵「はい」

カチャッ

西方参謀「……来ましたぜ」

右文案「左翼か」

青年兵「……行きましょう」

右秘書官「うむ」

西方参謀「今しがた入港したところでさぁ」

右文官「先手を打って顔を拝んでやろうではないか」

西方参謀「案内しますわ……ヒック」

右秘書官「演説は明日だが、戦いは既に始まっておるからな……」

青年兵「戦いか…。そうですね」

彼ら右翼陣営から遅れること数時間。左翼陣営がこk、西方司令部へと到着した。


125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:53:01.73 ID:INNc/vnXo


カツカツカツ

西方副司令「ご苦労様です。お部屋へご案内致します」

左文官「痛み入る」

ザッ…コツコツコツコツ

左大臣「いやはやァ、ようやく着いたなァ」

左秘書官「話によると、右翼の連中は既に到着しておる模様」

左大臣「ほぉ、演説を明日に回し、正面からやりあうつもりかァ」

左秘書官「現状はこちらが遅れをとっている形ですからね」

左翼官「ここで追い討ちをかけて…こちらの息の根を止めるつもりでしょうな」

左文官「そう易々と……思い通りにさせてたまるか」

左大臣「……ほれ、来たようだぞ」

ザッザッザッザ…

左大臣「やァやァ、いよいよ……最後であるなァ」

青年兵「……どうも」


126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:53:39.69 ID:INNc/vnXo
左大臣「ここまでの票数がァ、我ら429票に対し……」

青年兵「こちらは371票です」

左大臣「この数字がどういう意味か、分かっておるかァ?」

青年兵「はい」

左秘書官「我らは此処で、残り22票を獲れば勝利」

右秘書官「こちらとてあと80票で勝利確定よ」

左翼官「80獲る自信がおありと?」

右文官「なければ最初から戦ったりせぬわ」

左大臣「フハハハァ!……右文官の言う通りよ」

左翼官「……っ」

左大臣「だがなァ、ここで80票は……簡単にはいかぬぞ?」

右秘書官「承知の上。しかし東方司令部をお忘れか?」

左大臣「……」

右秘書官「貴方達にとっては、意外な結末だったのでは…?」

左大臣「……吠えるわァ。まぁいい」


127 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:54:24.37 ID:INNc/vnXo
ザッ

左大臣「明日の演説、互いに頑張ろうではないかァ」

左秘書官「それでは、失礼」

カツカツカツカツカツ…

右文官「焦りはないようだな」

右秘書官「それ程までに…自信があるのか、それとも……」

青年兵「……気にせずいきましょう」

右文官「……」

青年兵「考えれば考えるほど、あちらの思う壺です」

右文官「そうだな。自分達の事に専念しよう」

右秘書官「うむ。青年兵の言う通りだ」

右文官「さて、明日に備えて資料を洗い直しておくとするか」

青年兵「先に戻ってらして下さい」

右秘書官「……どこか行くのか?」

青年兵「ええ。ちょっと……行ってきます」


128 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:55:57.27 ID:INNc/vnXo
西方司令部地下。他の司令部と違い、地中に潜む部屋。

ここへは研究機関を始め、幾つかの特殊な機関が存在する。

その一角、魔道機関とでも言うべき所であろうか。

青年兵は単身、その部屋へとある人物を訪ねに向かった。

〜魔道機関〜

青年兵「……ここか」

カツカツカツ

魔道兵「……ん?どなたかな?」

青年兵「始めまして。本国皇太子補佐、青年兵と申します」

魔道兵「本国の…!?あぁ、議会の件で……」

青年兵「はい。あの、西方魔道長はいらっしゃいますか?」

魔道兵「ええ、しばしお待ちを」

カツカツカツ

魔道兵「魔道長、本国の方がお見えです」

奥の本棚から小柄な女性が顔を見せる。女性と言っても年を重ねた老婆と言うべきか。


129 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:57:21.54 ID:INNc/vnXo
テクテクテクテク

西方魔道長「…見ない顔だねぇ。どなた様で?」

青年兵「始めまして。皇太子補佐の青年兵と申します」

西方魔道長「殿下のかい?ふぅん、それで…こんな所へ何しにきなすったぁ?」

青年兵「議会の件でお話を……」

西方魔道長「議会…?どうでもいいさね」

青年兵「……?」

西方魔道長「資料は読んだよぉ。何だか…編成やら色々するんだろう?」

青年兵「はい。そのつもりであります」

西方魔道長「悪いけど、あたしゃ興味ないねぇ」

青年兵「……」

西方魔道長「そういうややこしい事はお前さんらに任せるよぉ」

青年兵「しかしですね、どちらが勝利するかで今後の内容が……」

西方魔道長「勝利だ敗北だって、お前さん方は何と戦っているんだい?」

青年兵「……」


130 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:58:18.28 ID:INNc/vnXo
西方魔道長「あくまで相手は魔物だろうよ、それを何が勝利だか……」

青年兵「……仰る通り…です。軽率でした」

西方魔道長「やけに素直じゃないかい」

青年兵「……いえ、そういうつもりでは」

西方魔道長「説教するつもりはないけどねぇ」

青年兵「え…っ?」

西方魔道長「頭の固い連中は派閥だとか、本当にいつもいつも……」

青年兵「私はそのようなつもりは…」

西方魔道長「つもりはあろうがなかろうが、みーんなそう見てるって事さぁ」

青年兵「……」

西方魔道長「それで、いつまでやるつもりだい?」

青年兵「……?」

西方魔道長「右翼やら左翼やら、いつまでやるつもりだって聞いてんのさ」

青年兵「…私は……いや、確約は出来ません」

西方魔道長「…?」


131 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:58:59.13 ID:INNc/vnXo
青年兵「近いうちにという思いはありますが、確約は出来ません」

西方魔道長「……はははっ、バカ正直な男だねぇ」

青年兵「その為にも……力をお借りしたいのです」

西方魔道長「力…?勘違いしなさんな」

青年兵「…?」

西方魔道長「こーんなバアアに、力なんぞあるもんかい」

青年兵「し、しかし……左翼の……」

西方魔道長「あたしゃね、戦いたくないんだよ」

青年兵「……戦いたく…ない?」

西方魔道長「魔王討伐やら、大規模交戦やら……何人も死んでいった」

青年兵「……」

西方魔道長「しかも、若い奴らが大勢さねぇ」

青年兵「……ええ」

西方魔道長「何だっけ、五カ年計画だっけ?危ない事するんだろぉ?」

青年兵「しかし、被害を最小限に留める上での……」


132 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/16(日) 23:59:30.33 ID:INNc/vnXo
西方魔道長「少なかれ被害は出るんだ、今も変わらないさ」

青年兵「いえ、今よりは遥かに良くなります」

西方魔道長「断言出来るのかい?証明出来るのかい?」

青年兵「……それは」

西方魔道長「とにかく、投票は明日の演説を聴いてから決めるよ」

青年兵「…分かりました」

西方魔道長「それに、下の連中も好きにやらせる。いいね?」

青年兵「はい。そうして頂ければ…結構です」

西方魔道長「……用件はそれだけかい?」

青年兵「ええ、すみません長々と。お邪魔致しました」

西方魔道長「構わんさ。こっちこそ長話しちまったね」

青年兵「いえ、貴重なお話ありがとうございました」

西方魔道長「殿下に宜しくねぇ」

青年兵「はっ。失礼致します」

カツカツカツカツ…


133 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 00:00:07.87 ID:Z9F2ovHMo
西方魔道長「若いからなのか…真っ直ぐな男だねぇ

魔道兵「今のが右翼の…?」

西方魔道長「そうだろうさ。まぁ、興味はないがねぇ」

〜右翼陣営、控え室〜

カチャッ…テクテクテク

右秘書官「おぉ、戻ったか。どこへ行っておったのだ?」

青年兵「西方魔道長へ会いに……」

右文官「西方魔道長!?……あの頑固な婆さんか」

右秘書官「何か…収穫はあったか?」

青年兵「いえ……。他愛ない話のみです」

右文官「だろうなぁ」

右秘書官「さて…と、明日はどうなる事やら……」

右文官「残りは80票。余裕とは言えぬが……」

青年兵「やるべき事をきちんとこなせば、獲れぬ票ではないと思います」

強い言葉を胸に、青年兵ら三名は徹夜で明日のを迎える。


134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 00:00:59.04 ID:Z9F2ovHMo
〜魔道機関〜

コツコツコツコツ

魔道兵「……!!こ、これは……っ!!」

西方魔道長「…おやおや、久しぶりだねぇ」

左大臣「やァ、これは元気そうで何よりだァ」

西方魔道長「話は聞いたよぉ。明日、演説なんだろう?」

左大臣「あァ。力を駆りたくてなァ」

西方魔道長「さっきの若いのにも話したけど、あたしゃ贔屓はしないよぉ」

左大臣「若いの…?」

西方魔道長「青年兵って子さぁ。お前さんらの相手だろ?」

左大臣「あちらも挨拶にきたのだなァ」

西方魔道長「今時にしちゃあ礼儀のなってる子さねぇ」

左大臣「フッハハハァ。貴女が褒めるとは意外ですなァ」

西方魔道長「別に褒めとりゃせん。当たり前の事さ言ったまでだね」

左大臣「それで、どうするおつもりかなァ……?」


135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/17(月) 00:01:38.17 ID:Z9F2ovHMo
西方魔道長「明日の演説次第さね。まぁ余程の事がない限り心変わりはせんよぉ」

左大臣「そのお言葉を聞けただけでも頼もしい。ではァ、明日を楽しみに」

ザッ…カツカツカツカツ…

西方魔道長「……アンタ、何か悪巧みしてるんじゃあないだろうねぇ?」

左大臣「……さァ」

西方魔道長「どんなに内容が良かろうとも、悪事働いてる奴の助けはしないよぉ」

左大臣「心得ておきましょう。フッハハハハァ」

カツカツカツカツ…

魔道兵「……右翼だけでなく…左翼も」

西方魔道長「それだけ切迫しとるんだろ、どっちも」

魔道兵「……成程」

西方魔道長「…全く、胡散臭い男だよぉ」

魔道兵「……」

西方魔道長「さーて、明日に備えて先に休ませて貰おうかねぇ」

あくびをしながら部屋を出て行く西方魔道長。そしていよいよ運命の日が明ける。



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