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幼剣士「僕には夢が出来ました」
- 71 名前: ◆qqtckwRIh. []
投稿日:2013/07/10(水) 10:02:31 ID:ztqh87x.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
―――【夜・甲板】
童子騎士「さて、何で俺の右頬が腫れているんだ?」ズキズキ
幼剣士「さ、さぁ・・・寝ている間に何かあったんじゃないの?」
童子騎士「そうか・・・俺は寝相が悪いからな・・・」
幼剣士「あと、夜はまだ少し冷えるし、服は着たほうがいいと思う・・・よ」
童子騎士「うーん・・そうだな。夜風もまだ冷たいしそうするか」
吟遊詩人「・・・」ホッ
- 72 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:03:07 ID:ztqh87x.
幼剣士「さて、お兄ちゃんも夜、ここでこうやって修行に励んだらしいから」チャキッ
童子騎士「お、いいね。他人の迷惑にならない程度にやるか」
吟遊詩人「うーん、君たちは魔法は得意?」
童子騎士「いや全然?」
幼剣士「僕は火と水炎装のやり方なら僧侶戦士さんにならったけど、まだ安定しないんだよね・・」
吟遊詩人「魔法っていうのはイメージが大事だからね」
幼剣士「イメージ?」
吟遊詩人「もちろん技術もさながらだけど、こうしたい、こうやりたいっていうのを明確にすることも大事なんだ」
- 73 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:03:44 ID:ztqh87x.
童子騎士「なるほどな。でも、魔力ってのは人によってマチマチなんだろ?」
吟遊詩人「体力と一緒だよ。普段から使ってれば自然と増えるし、使わなければどんどん衰退しちゃう」
幼剣士「じゃあ目いっぱい使ってれば増えていくってこと?」
吟遊詩人「うん。人によって体力の上限があるように、魔力の上限もそれなりにあるけどね」
幼剣士「吟遊詩人は火炎装とか水炎装とかのコツは分かる?」
吟遊詩人「魔法関連なら大体わかるよ。僕はあくまでも楽器の波長による魔力増大が主な戦い方だし」
童子騎士「それなんかいいよな」
吟遊詩人「そうかな?」
- 74 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:04:30 ID:ztqh87x.
童子騎士「楽器ってなんかカッコイイしよ、範囲に優れてるし・・良いじゃん」
吟遊詩人「攻撃ばっかしてるけど、本来は音を合わせて回復魔法や支援魔法なんかも使えるんだけどね」
幼剣士「それじゃ、吟遊詩人は一般的な魔法はどのへんのクラスのを使えるの?」
吟遊詩人「僕が使えるのは中火炎、水流、風刃魔法かな。あとは増大魔法も使えないことはないよ」
幼剣士「凄いなぁ・・・じゃあ火炎装とかのやり方教えてもらおうかな・・・」
吟遊詩人「うん、任せてよ」
童子騎士「俺は魔法よりもまだ純粋な槍術強化だが・・・やっぱ自己流しかないか」
吟遊詩人「なら、攻撃増大魔法を覚えればいいんじゃないかな?」
童子騎士「あぁ・・・その手があったか・・・。じゃあ教えてくれるか?」
吟遊詩人「もちろん」
- 75 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:05:12 ID:ztqh87x.
幼剣士「じゃあ、みんなで強くなろう!」
童子騎士「そうだな・・・お願いするぜ」
吟遊詩人「僕が分かることなら教えるから、どんどん聞いてね」
幼剣士「よぉーっし!やるぞ!」
- 76 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:05:51 ID:ztqh87x.
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――――【2日目】
幼剣士「・・・くっ・・」ブルブル
吟遊詩人「・・・そう、そのまま維持して・・・」
幼剣士「・・・」ブルブル
吟遊詩人「・・・・」
幼剣士「だめだっ!」ボワッ
吟遊詩人「あー・・・分散しちゃった・・」
幼剣士「はぁはぁ・・・・思ったより・・辛いね・・魔法維持・・・・」
吟遊詩人「属性装は、短い維持じゃなくて、長い維持の安定化が一番だからね・・・」
- 77 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:06:24 ID:ztqh87x.
幼剣士「息切れが激しい・・・や」ハァハァ
吟遊詩人「長い維持は、マナの成長にも一役買うから一石二鳥!がんばろう!」
幼剣士「うん・・・がんばるよ」
吟遊詩人「そしてこっちは・・・・」チラッ
童子騎士「・・・・」フゴー!!
吟遊詩人「はい、起きてー」ゴン!
童子騎士「・・・いてっ!」
吟遊詩人「何で君はすぐに眼を閉じると寝るんだろうね・・・・」
- 78 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:07:16 ID:ztqh87x.
童子騎士「このやり方がダメなんだよ!なんだよ瞑想って!寝ろってことだろ!?」
吟遊詩人「違うから!瞑想は心の集中、魔法を使う基礎の基礎なの!」
童子騎士「円形イメージとか、呼吸とかわからねーよ!もっとこう、分かりやすいのはないのか!?」
吟遊詩人「いやー・・・これが魔法の初歩の初歩だし・・・」
幼剣士「それにしても、童子騎士くんが魔法が全然ダメだって知らなかったよ・・」
童子騎士「デリケートって言ってくれる?」キリッ
吟遊詩人「・・・・」ゴンッ
童子騎士「いてーってば!わかったわかった頑張る頑張る!」
吟遊詩人「全く・・・」
- 79 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:08:16 ID:ztqh87x.
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――――【4日目】
幼剣士「・・・」
吟遊詩人「・・・6・・5・・4・・」
幼剣士「・・・」
吟遊詩人「2・・・・1・・・・ゼロッ!」
幼剣士「・・・プハァッ!」
吟遊詩人「すごい!ここまで長期維持が出来れば充分だよ!」
幼剣士「はぁ・・はぁ・・・、吟遊詩人のおかげだよ・・・ありがとう」ニコッ
- 80 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:08:47 ID:ztqh87x.
吟遊詩人「ふふ・・・」
幼剣士「・・・で、こっちは・・・・」
童子騎士「・・・」フゴー!!!
吟遊詩人「寝かせて・・おこう・・・・・、なんかもう疲れた・・・」ハァ
幼剣士「うん、もうそれでいいと思う・・・」
吟遊詩人「でも今回ので、幼剣士はだいぶ成長できたと思うよ」
幼剣士「なんか、魔法を使う度にグラっとなってたんだけど、それが今はなくなったよ」
吟遊詩人「うんうん」
- 81 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:09:19 ID:ztqh87x.
幼剣士「さて、どうしよう。明日にはもう着くんだよね・・」
吟遊詩人「2人はエルフの町に滞在するんだよね?僕は更に超えた先の砂漠遺跡に行くんだ」
幼剣士「そんな遠くに?」
吟遊詩人「僕のお父さんがそこで遺跡調査の仕事をしているからね。驚かせようかなって」
幼剣士「なるほど・・・会ったあとは?」
吟遊詩人「どうしよっかな・・・まだ考えてなかったなぁ」
幼剣士「しばらく周辺でゴーレム狩したり、自分の力試すために色々しようと思ってるんだけど・・・」
吟遊詩人「へえ、いいね!」
幼剣士「一緒にどうだろう?僕も吟遊詩人と一緒にいれたら嬉しいし」
吟遊詩人「う・・・」テレッ
- 82 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:10:02 ID:ztqh87x.
幼剣士「・・・へへ」
吟遊詩人「そこまで言われたら拒否する理由も・・ないね。じゃあ終わったらエルフの町に行くよ」
幼剣士「うん!楽しみだなぁ」
童子騎士「・・・・」フゴッ!!
吟遊詩人「・・・」ビクッ
幼剣士「ど、童子騎士も楽しみだって!」
吟遊詩人「あはは、いびきで意思疎通ができるんだ」
童子騎士「・・・」フゴッ!!!
幼剣士「・・・」
吟遊詩人「・・・」
「あははははっ!!」
- 83 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:10:37 ID:ztqh87x.
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- 84 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:11:07 ID:ztqh87x.
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―――【太陽の国】
幼剣士「暑いいいいいい!!」ジリジリ
吟遊詩人「相変わらずここは暑いな・・・・」
童子騎士「暑すぎだろ・・・」
幼剣士「でも、思ったより嫌な暑さではない?」
吟遊詩人「水気がない渇いた暑さだからね、ジメジメしてないんだよ」
幼剣士「さて・・・エルフの町は左側か」
吟遊詩人「僕はこっち。じゃあまた会おうね」
幼剣士「うんっ」
- 85 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:11:44 ID:ztqh87x.
・・・・・タッタッタッタ・・
童子騎士「行っちまったか」
幼剣士「うん・・・じゃあ、僕らも行こう」
童子騎士「なんていうか、男っぽくないやつだよなアイツ」
幼剣士「そ、そう?」ギクッ
童子騎士「女っぽいっていうか、体つきもこう・・・男らしくなかったし・・」ワキワキ
・・・・・・・・・・・・・・・
吟遊詩人「う・・・変な悪寒が・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
童子騎士「オカマってやつか?」
幼剣士「ど、どうだろう・・・」
童子騎士「まあ関係ねーや。とりあえずエルフの町に行こうぜ。宿見つけないとな」
幼剣士「うん」
- 86 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:12:26 ID:ztqh87x.
・・・・・・・・・・・・・・・・
――【エルフの町】
幼剣士「わー・・・凄い!エルフがいっぱいだ・・」
童子騎士「それに比例して人も結構多いな?」
幼剣士「だねぇ」
童子騎士「前は奴隷商人による誘拐が多かったらしいけど、最近じゃ落ち着いてるみたいだし」
幼剣士「誘拐かぁ・・・とにかく今は泊まれる場所を探そう」クルッ
童子騎士「だな」
・・・・ドン!
幼剣士「うわっ!」
旅人「痛いな!気をつけろ!」
幼剣士「ご、ごめんなさい」
- 87 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:13:08 ID:ztqh87x.
童子騎士「大丈夫か?」
幼剣士「・・・うん・・って、アレ!?」
童子騎士「どうした?」
幼剣士「僕の腰につけてたサイフがないよ!」
童子騎士「な、さっきのやつだろ!?」
旅人(チョロイもんだぜ)
・・・・・バキィ!!
旅人「い、いてぇ!何しやが・・・」
???「ダメでしょ!こんなことしちゃ・・・返してあげて!」
- 88 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:14:00 ID:ztqh87x.
旅人「・・・っち」ポイッ
・・・タタタタタッ
幼剣士「・・・うう・・」
?エルフ「大丈夫?はい・・・・盗賊団も結構いるから・・・気をつけてね」
幼剣士「あ・・・僕のサイフ!」
童子騎士「!・・・わざわざ有難うございます、助かりました」
?エルフ「ううん気にしないで・・・」
幼剣士「・・・」ペコッ
チャリッ・・・キラッ
- 89 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:15:03 ID:ztqh87x.
?エルフ「・・・・ん?」
幼剣士「・・・どうかしました?」
?エルフ「そのネックレス、見せて・・・」
幼剣士「あ・・はい・・・」チャリッ
?エルフ「・・・・!こ、これ、どこで手に入れたの!?」
幼剣士「お、お兄ちゃんに貰いました・・・」
?エルフ「お兄さん・・・、あなた、少年剣士の弟なの!?」
幼剣士「・・・え?」
女エルフ「あ・・・ごめんなさい。私は女エルフ。青年剣士は私の恩人・・・なの」
- 90 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:16:01 ID:ztqh87x.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・トンッ
女エルフ「はい、どうぞ。名物のお茶。美味しいよ」
童子騎士「ありがとうございます」
幼剣士「・・・」グビッ
女エルフ「風のうわさでは聞いてた。青年剣士くんが英雄になったとか、色々ね」
幼剣士「・・・・あ、お茶美味しい」
女エルフ「ふふ、ありがとう」
幼剣士「・・・そういえばさっき言ってましたが・・・お兄ちゃんは、女エルフさんの恩人なんですか?」
- 91 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:16:38 ID:ztqh87x.
女エルフ「うん、もう何年前になるかな・・・。誘拐された私を助けてくれたり、お姉ちゃんをバンシーから助けてくれたんだ」
幼剣士「・・・・」
女エルフ「・・・・?」
童子騎士「さっきから幼剣士、元気ないな・・どうしたんだ?師匠の後を追えてるのに・・・嬉しくないのか?」
幼剣士「なんていうか・・・、凄すぎて言葉が出ないんだ」
童子騎士「・・・」
幼剣士「世界を救って、軌跡を追えば次々出てくる冒険譚・・・・。僕が追い続けていい人なのかなって思っちゃって・・・」
- 92 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:17:09 ID:ztqh87x.
女エルフ「うーん・・、青年剣士くんは最初っから全部凄かったの?」
幼剣士「え?」
女エルフ「何もかも、本当にゼロから凄かったっていうなら・・・難しいかもしれない」
幼剣士「・・・」
女エルフ「彼も、凄い努力をしてきたんじゃないかな」
幼剣士「・・・あ」
女エルフ「・・・」ニコッ
- 93 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:17:40 ID:ztqh87x.
童子騎士「それにさ、幼剣士も他のやつらから見たら・・ありえないほど恵まれてる環境なんだぜ」
幼剣士「・・・」
童子騎士「冒険者としても、クエストも、数歩先の勉強が出来る環境が整ってるじゃないか」
幼剣士「そう・・・だよね」
童子騎士「それなのに、無理だとか、ダメだとか言ってたら他の人に失礼だぞ?」
幼剣士「・・・」
童子騎士「気づけよ。出来ないんじゃない、やろうとしてない、恵まれた環境があるってことをさ」
幼剣士「・・・うん、そうだよね」
- 94 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:18:37 ID:ztqh87x.
女エルフ「いいお友達持ってるのも、恵まれた環境だね」クスッ
幼剣士「・・・うん!」
女エルフ「・・・」ニコッ
童子騎士「・・・へへ」
幼剣士「さて・・・お茶ご馳走様でした!」
童子騎士「じゃあ・・・宿探しに行くかぁ」
女エルフ「しばらく滞在するの?」
幼剣士「うん、ちょっとだけ自分らの修行がてらって感じだけど・・・」
- 95 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/10(水) 10:19:08 ID:ztqh87x.
女エルフ「冒険学校関連で来たんじゃないの?」
童子騎士「俺は冒険学校入ってるんですが、こいつは入ってないんで・・・」
幼剣士「うん」
女エルフ「それじゃ自由行動なんだ?」
幼剣士「まあ一応は・・・かな?」
女エルフ「それじゃあ、うちに泊まっていく?」
幼剣士「・・・え?」
女エルフ「弟クンだし、私にとっても弟みたいなものだしね」フフッ
幼剣士「い・・・いいの?」
女エルフ「・・・いらっしゃいませ」ニコッ
- 96 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/10(水) 10:20:18 ID:ztqh87x.
一旦終了です。お疲れ様でした(A´ω`)
- 97 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/07/10(水) 11:50:05 ID:HlH.2uIk
乙 青年剣士×女エルフが見たかった
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