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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その30
583 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:10:40.33 ID:v7qUxfg1o
――……

召喚士「それで3兄弟は大召喚士の下へ……?」

青龍先生「大召喚士と言う男、底は見えぬが腕と知識は確かじゃ」

青龍士官「つまりは、門下生に……」

青龍先生「大召喚士の狙いは当然、3兄弟を餌に――」

召喚士「先生方を取り込もうと……っ」

青龍先生「まぁそうじゃな。結果的にはの」

盗賊「……」

青龍先生「その年の秋頃じゃったかの。最初の内乱が起こった」

青年兵「……資料にも、そのように記載されておりますね」

青龍先生「僅か数ヶ月の間、大召喚士に何があったかは知らぬ」

魔道士「……っ」

青龍先生「じゃが、奴は徒党を組み、突如牙を剥いたのじゃ」

召喚士「それが……クーデターの始まり……」

青龍先生「……うむ」


584 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:13:27.94 ID:v7qUxfg1o
……――

大元帥「……どういう事だ?」

司令官「大召喚士が無断で出た、という事です」

大元帥「敵は?」

司令官「……さぁ。どうも魔物ではないみたいですけど」

大元帥「誰か、先生方を――」

カポッ…コトッ

天才「いいよ、俺がいく」

大元帥「何もお前がわざわざ行かずとも……」

天才「ついでに探りいれてくらぁ」

大元帥「探り? 何処へだ?」

天才「どこって全部だよ。奴と縁のある召喚士全てに手を回す」

大元帥「手遅れた感もあるけれどな」

天才「だからって指くわえて見てろってか? らしくねぇ事言ってんじゃねぇよ」

大元帥「ハーッハッハ! それもそうだな。俺もヤキが回ったもんだ」


585 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:15:06.87 ID:v7qUxfg1o


朱雀先生「なんつった……?」

天才「大召喚士が反乱を起こした……って言ったんだよ」

青龍先生「大……召喚士が……!?」

玄武先生「ついに、起きてしまいましたか……」

天才「やっぱりそう踏んでたかい」

朱雀先生「何だその言い草はよぉ」

天才「あん?」

朱雀先生「てめぇらの指示だろうがっ!!」

天才「……おいおい、なんか勘違いしてねーか?」

朱雀先生「あぁ!?」

天才「悪いが今回の騒動は、軍は一切絡んじゃいねぇ」

朱雀先生「ふざけるな! 今更知りませんで済むと思ってんのかよ!」

玄武先生「朱雀、落ち着きたまえ」

天才「なーんか勘違いしてるみてぇだが、国軍は関与してねーぞ」


586 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:16:59.67 ID:v7qUxfg1o
青龍先生「どういう事じゃ?」

天才「大召喚士の提言なんぞ、軍はとっくに突っぱねてんだよ」

朱雀先生「はぁ!? 意味が分かんねーんだよ!」

天才「こっちだって分かるかよ。昨日の今日だぞ」

玄武先生「では、大召喚士さんはご自分の意思で……?」

天才「もしくは、誰かがそそのかしたか……だな」

青龍先生「そそのかした? 一体誰がそんな事を……」

天才「とにかく、今は憶測の域を過ぎねぇ。ひとまず本部まで来てくれや」

玄武先生「白虎はまだ戻ってないのですか?」

青龍先生「うむ。仕方ない、先に行くとするか」

朱雀先生「……ったく、何でわざわざ本部くんだりまで行かにゃならねーんだよ」

天才「あーじゃあアンタは来なくてもいいぞぉ」

朱雀先生「行きゃあいいんだろうがクソガキ!!」

青龍先生「これ以上厄介な事にならなきゃいいがの」

玄武先生「……うん」


587 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:18:35.06 ID:v7qUxfg1o


大元帥「事情は分かって貰えたかな?」

青龍先生「……」

朱雀先生「貰えたかな? じゃねーよ。どうするつもりなんだ」

大元帥「その前に、彼が来たようだね」

白虎先生「……」

玄武先生「白虎、待っていたよ。……どうした?」

白虎先生「……あ、あいつらが……っ!!」

青龍先生「……?」

玄武先生「まさか、3兄弟が!?」

白虎先生「……大召喚士に……くそっ!!」

朱雀先生「殺されたのか!?」

白虎先生「違う! 加担……したそうだ!」

青龍先生「……っ!!」

玄武先生「そう……か……」


588 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:20:09.83 ID:v7qUxfg1o


天才「奴らの狙いは高等召喚獣の独占だ。三下とっ捕まえて吐かせた。間違いねぇ」

カチャッ…カポッ

司令官「……先生方、抑えられるかい?」

青龍先生「無茶言え。何人の召喚士と戦えというんじゃい」

玄武先生「人間同士の争いなど、絶対に止めるべきです」

朱雀先生「どうやって止めんだよ、召喚獣何十体を相手にさせる気だ」

大元帥「とにかく、優先すべきは高等召喚獣の死守だね」

玄武先生「どのように?」

大元帥「本国総出で護衛を出す。希少種メインで守って貰いたい」

朱雀先生「戦いながら護衛もしろってか? 買いかぶり過ぎだろ」

司令官「先に安全な場所は避難させてはどうかな」

青龍先生「安全? 本部か?」

大元帥「本部は万が一の事もある。もっと安全な所があればいいんだが……」

玄武先生「……北は、どうだろうか?」


589 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:21:31.51 ID:v7qUxfg1o
青龍先生「北……!? 逆に危なかろう」

白虎先生「いや、面白いな!」

司令官「何かツテでもあるのかい?」

白虎先生「……私の弟子が住んでいる。そこなら安全です!」

朱雀先生「絶対にか?」

白虎先生「はい! 人里離れた場所ですし、あの2人がいれば……」

青龍先生「2人……? もしや、白虎兄弟か?」

白虎兄弟「そうです! 彼らもかなりの実力者。うってつけかと!」

大元帥「3兄弟は知っているのか?」

白虎先生「……いえっ、知らせてはいません」

青龍先生「……?」

大元帥「ふむ、それならばうってつけかもしれん。身近な者は北へ預けるといい」

白虎先生「玄武、君の子供達を……」

玄武娘「……うん。そうさせて貰うよ」

青龍先生「朱雀、お主の弟子や朱雀本家の連中は?」


590 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:23:53.64 ID:v7qUxfg1o
朱雀先生「弟子? あぁ、朱雀門弟か。1人でどっかプラプラしてて連絡つかん」

玄武先生ならば本家の方々を」

朱雀先生「ああ、連絡しとくよ」

玄武先生「青龍は?」

青龍先生「身寄りはともかく、軍に残した生徒らが心配じゃな」

大元帥「軍内の連中は大丈夫だろう。高等召喚獣は持っていない」

白虎先生「じゃあ朱雀と玄武はすぐに手配を!」

朱雀先生「おう、朱雀本家にはすぐ連絡とる」

玄武先生「うちの娘らもすぐに呼び寄せるよ」

司令官「じゃああとは……大召喚士だねぇ」

大元帥「4人で抑えられるかい?」

朱雀先生「やり方によんだろ」

玄武先生「……」

朱雀先生「ぶっ殺してもいいなら可能だ。生け捕りは不可能だろうな」

大元帥「……成程」


591 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:25:38.47 ID:v7qUxfg1o
――……

戦士「にわかには信じられねぇな……っ」

召喚士「本当にそんな事が40年前に……」

青龍先生「無理もないわい。歴史書からもほとんどが抹消された出来事じゃ」

青年兵「しかしこの資料にはおよそ1ヶ月程度で収束したとありますが……」

青龍先生「……うむ。その通りじゃ」

魔道士「何か……あったんですか?」

青龍先生「大召喚士が死んだのじゃ」

盗賊「……まさか」

青龍先生「いや、結局儂らは何も手を下せなかった」

名代「……」

青龍先生「召喚士の便利なところは召喚獣を討てば済む、という事じゃ」

召喚士「あっ、そうか! 召喚獣を倒せば魔力枯渇で……」

青龍先生「命を取らずとも戦闘不能には追い込める」

青龍士官「それでは一体何が……」


592 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:26:44.82 ID:v7qUxfg1o
……――

玄武先生「どういう……事です……?」

天才「だから、大召喚士が死んだって言ったんだよ」

青龍先生「誰がやったんだ!? まさか……お主か!?」

天才「ちげーよ。魔物にやられたみてぇだ」

白虎先生「――!?」

天才「……まぁ、こっちとしちゃこれでようやく一段落……」

朱雀先生「よかねぇだろうが!!」

玄武先生「……」

朱雀先生「大勢の召喚士が死んだ! 本家のジジイも死んだ!」

青龍先生「……」

朱雀先生「全部てめぇらの責任だろうが!!」

天才「……そうかもな」

朱雀先生「なんだその態度はよぉ!!」

天才「とにかくだ、これで事態は収束する。反乱はもう完全鎮圧するだろ」


593 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/10(日) 23:31:52.50 ID:v7qUxfg1o
――……

青年兵「つまり、大召喚士という方は魔物にやられたという事ですか?」

青龍先生「らしいのぉ。発見時には既に死亡していたそうじゃ」

召喚士「……」

青龍先生「双方、誰が敵味方とも分からず戦い、しまいには朱雀本家の長まで……」

朱雀嬢「先生、お話の最中申し訳ありませんが、少し具合が悪いのでこれで失礼致しますわ」

魔道士「朱雀嬢ちゃん……? だ、大丈夫!?」

朱雀嬢「ええ、先にホテルへ戻らせて頂きますわ」

玄武娘「あっ、それじゃ私も一緒に行くですの! おやすみなさいですのっ!」

戦士「……何だ?」

盗賊「疲れたんじゃないかな。時間も時間だし……」

召喚士「……」

青龍先生「話が長くなってしまったの。そろそろお終いとするかの」

青年兵「最後に、この……3兄弟の事だけ宜しいですか?」

青龍先生「……うむ、構わんよ」


595 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/07/11(月) 05:22:47.33 ID:1J2OnmS10
いちおつ
朱雀嬢は朱雀本家と何か関わりがあるのかな?


596 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:47:54.07 ID:zldobvTYo
……――

白虎先生「やはり……信じられん!!」

ダンッ!!

白虎先生「何が反逆者かっ! 大召喚士に誑かされたに決まっている!」

玄武先生「もちろんです……。あの子達はそんなに愚かじゃない」

タッタッタ…バンッ!!

青龍先生「白虎三男が見つかったそうだ! 息もあるっ!」

朱雀先生「何ぃ!?」

青龍先生「北の森で見つかったそうじゃ」

玄武先生「北の森って……大召喚士が遺体で見つかった場所!?」

青龍先生「そのすぐ近くだそうだ。とにかく命に別状はない」

白虎先生「今は……どこに!?」

青龍先生「病院へ搬送された」

白虎先生「すぐに向かいましょう!」

青龍先生「うむ」


597 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:49:53.41 ID:zldobvTYo


白虎三男「……ぅ」

白虎先生「おいっ! 大丈夫か!? おい!!」

白虎三男「……お父……さん」

天才「何があったか話せるか?」

青龍先生「何も今でなくとも良かろう」

天才「収束してるとはいえ終わったわけじゃねぇ。事態は急を要するんだ」

白虎先生「……っ」

天才「お前ら大召喚士と行動してたのは分かってる。何があった?」

白虎三男「……わかんない……でも、大召喚士さんとお兄ちゃんが……」

玄武先生「!?」

白虎三男「白虎長男兄ちゃんが大召喚士さんに攻撃して……」

朱雀先生「何て事だよ……くそっ!」

白虎三男「そしたら、大召喚士が怒ってた。でも、お兄ちゃんも怒ってた」

玄武先生「……」


598 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:50:36.31 ID:zldobvTYo
白虎三男「そしたら、お兄ちゃんが逃げて、大召喚士が追っかけてった」

天才「……それで?」

白虎三男「僕と次男にいちゃんも追っかけた」

白虎先生「長男は!? 長男は無事なのか……っ!?」

白虎三男「わかんないよぉ。でも大召喚士さんんは死んじゃった……」

青龍先生「……見たのか?」

白虎三男「よく分からないけど、魔物が現れて……大召喚士さん死んじゃった」

朱雀先生「どういう事だっ!!」

天才「長男はどこへ行った?」

白虎三男「魔物と一緒に……どっか行っちゃった……」

青龍先生「――っ!!」

天才「これで決まったな」

玄武先生「待って下さい! 結論を出すにはまだ――」

天才「魔物と去った奴によぉ、他にどんな結論があるんだよ」

玄武先生「……っ」


599 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:52:59.27 ID:zldobvTYo
――……

召喚士「つまり、白虎長男が魔物と組んでいた……!?」

青龍先生「真実は分からぬ。じゃが現状をみればそうなのやもしれんな」

魔道士「現状……?」

召喚士「白虎長男は……あの、コートの男ですよね?」

青龍先生「そうじゃ。2代目白虎先生……まぁ、名ばかりのものじゃがの」

青年兵「そして白虎三男、いや……東方副司令は国軍へ……」

青龍先生「白虎の跡継ぎとしてな」

戦士「待ってくれ、白虎次男て人はどうなったんだ?」

召喚士「東方副司令は亡くなったと言っていましたが……」

青龍先生「みたいじゃの。儂も連絡は取っておらんかったからの」

盗賊「……じゃあ、行方不明に?」

青龍先生「いや、あの反乱後は北に逃げた連中と暮らしておったようじゃ」

召喚士「白虎先生の弟子や玄武先生の娘さんですね?」

青龍先生「そうじゃ。確か……最北の村じゃったかの」


600 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:56:23.02 ID:zldobvTYo
召喚士「……最……北?」

青年兵「最北って……召喚士さん……っ」

召喚士「最北の村に……いたんですか?」

青龍先生「もう古い話になるがの」

召喚士「最北……最北の……村……」

キィンキィンキィン

――『……を……頼……む』

――『おいっ! しっかりしろぉ!』

――『……ごめんね……ごめ……』

名代「……召喚士殿?」

召喚士「!? あ、あぁ……すみません……」

青年兵「……今日は、ここまでと致しましょうか」

青龍先生「そうじゃな、そうしよう」

魔道士「ありがとうございました……っ!」

青龍先生「こっちこそありがとうよ、老人の長話に付き合って貰ってのぉ」


601 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:57:14.69 ID:zldobvTYo
カツカツカツ

青年兵「……先生!!」

青龍先生「んー?」

青年兵「明日は……頑張りましょう……」

青龍先生「……そうじゃな。頑張ろうぞ。ひょっひょ!」

カツカツカツカツ…

青龍士官「明日で……最後、か」

青年兵「とてもそんな背中には見えないな」

青龍士官「……ああ。むしろ生気に満ちた力強……い……」

クルッ…ゴシゴシ

青龍士官「……先に、失礼する」

青年兵「うん。おやすみ」

カツカツカツ…

名代「それでは私も。また明朝……失礼」

召喚士「はい。お疲れ様でした」


602 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 17:58:57.11 ID:zldobvTYo
カツカツカツ…

召喚士「……」

青年兵「召喚士さん」

召喚士「青年兵くん、お疲れ様」

青年兵「あ、いえ……っ。それよりも……思わぬ手掛かりですね」

召喚士「……」

魔道士「手掛かりって……」

青年兵「青龍先生の話です。何か、見えてきました」

召喚士「……俺には何も……分からないよ」

戦士「最北っつったら召喚士の故郷だよな? まさかそこに……」

青年兵「白虎先生の弟子に玄武先生の娘。そして……白虎次男」

盗賊「……何か……あるな」

召喚士「でも、今はするべき事があるからね」

青年兵「ですね。手助けが必要な時は遠慮なく言って下さい」

召喚士「うん、ありがとう」


603 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:00:40.65 ID:zldobvTYo
それからホテルへ戻って、俺はすぐにベッドへ入った。

召喚士「……」

普段なら酒を片手に話し掛けてくる戦士も、この時ばかりは無言でベッドへ潜った。

召喚士「……」

もちろん青龍先生の事もあったけど、それ以上に頭がこんがらがってた。

召喚士「……」

寝たいのに眠れない。少し熱っぽいのも自分で分かった。

召喚士「……」

色んな事が頭をよぎった。知っていい事なのか……悪い事なのか。

召喚士「……」

師匠は知っていたんだろうか。そして俺は……何を知るべきなんだろうか

召喚士「……」

不安と好奇心が半々。今思えば、知ってよかった気持ちが強い……かな。

召喚士「……」

そして俺らは、運命の朝を迎えた。


604 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:01:31.31 ID:zldobvTYo


青年兵「おはようございます。それでは出発致しましょうか」

召喚士「……うん」

青年兵「朱雀先生、玄武先生、名代様、白虎長殿は前の馬車へ」

青龍士官「以外の皆様は、私と後方の馬車へお願い致します」

魔道士「はい」

テクテクテク…

召喚士「……青龍先生」

青龍先生「おはようさん、よう眠れたか?」

召喚士「……いえ」

青龍先生「ひょっひょ、儂もじゃよ」

玄武娘「失礼しますですの」

青年兵「それでは出発致します」

青龍先生「うむ、行こうか」

召喚士「……はい」


605 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:02:59.94 ID:zldobvTYo
パッカパッカパッカ…

青年兵「先日お話した通り、我らは青龍先生の補佐を行います」

名代「うむ」

青年兵「青龍先生、ご説明を」

青龍先生「お主らには一旦、魔力を受け止める器となって貰う」

召喚士「器……?」

青龍先生「封印には4人の魔力を膨大に要しておる」

玄武娘「……」

青龍先生「それを一時的に開放する際、逃がさず受け止めて貰うのじゃ」

名代「成程」

青龍先生「そこへ名代殿の式神をぶつけ、無理矢理五行を作り出す」

青年兵「不安定で危険ではないですか?」

青龍先生「それを儂が一手に受け止める。暴走しようが関係あるまい」

召喚士「……」

青龍先生「どうせ死ぬんじゃからの」


606 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:03:45.09 ID:zldobvTYo
パッカパッカパッカ…

戦士「なぁ、昨日の話どう思う?」

魔道士「……?」

戦士「青龍先生が言ってたよな。最北の村に避難した……って」

盗賊「ああ」

戦士「召喚士と無関係に思えるか?」

魔道士「……いえ」

戦士「だよな」

盗賊「召喚士の出生と秘密が……?」

戦士「いや、それは分かんねーよ。だが、因果関係はあると思うがなぁ」

魔道士「私も……そう思います」

盗賊「……同意だな」

戦士「本人次第だが、色々と調べてみる価値はあると思う」

魔道士「そう……ですよね」

盗賊「あとは召喚士の……気持ち次第か」


607 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:04:28.20 ID:zldobvTYo
パッカパッカパッカ…

青龍先生「その五行を再びパズズへぶつけた後、儂が最後の五行を放つ」

青年兵「五行の重ねがけ……ですか」

召喚士「その五行を、俺らが撃てばいいんじゃないですか!?」

青龍先生「それはならん。先も言った通り、最初の五行が不安定なのじゃ」

玄武娘「……っ」

青龍先生「ただですら器となるお主らには、負担が大きすぎるわい」

青年兵「……だから、先生にしか出来ないと」

青龍先生「わざわざ寝ている獅子を起こす必要もなかろう」

召喚士「俺らに……出来ますでしょうか?」

青龍先生「やって貰わにゃあ困るわい。まぁ安心せい……お主らなら出来る」

玄武娘「……」

青龍先生「でなくば、こんな事を頼んだりせんわい。ひょっひょ」

青年兵「間もなく……港です」

青龍先生「船で南へ入れば、遺跡まですぐじゃわい」


608 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:05:12.15 ID:zldobvTYo


魔道士「あっ、船が来ましたよ!」

戦士「……なぁ」

朱雀嬢「はい?」

戦士「お前さん、昨日の話と何か関係あんのか?」

朱雀嬢「……どういう意味かしら?」

戦士「いや、別に気にしないでくれ。ちょっと個人的に気になっただけなんだ」

朱雀嬢「……そう」

盗賊「……」

青龍士官「このまま船へ進みます。降りる場合は乗船後で構いませんね?」

戦士「ん、ああ」

朱雀嬢「……」

戦士「……」

青龍士官「では、乗船します」

魔道士「はいっ」


609 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:07:12.39 ID:zldobvTYo
ザザーン…

召喚士「……あれ? 青龍先生は?」

青年兵「馬車内でいいそうです」

召喚士「そっか」

青年兵「……ふと、思い出します」

召喚士「ん?」

青年兵「3人で南へ行き、修行なんかもしましたよね」

召喚士「あぁ、あの時は船じゃなかったけどね……ははっ」

青年兵「それから召喚フェスで戦って、青龍先生に見て貰ったり……」

召喚士「あの時は完敗だったよ」

青年兵「でも召喚士さんは、召喚子さんとしても戦ってたわけで……」

召喚士「……その話はよそうよ、は……ははっ」

青年兵「始めて3人で戦ったのは、北関でしたね」

召喚士「……うん。始めて見たバハムート。圧倒されたなぁ」

青年兵「……ええ」


610 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 18:14:49.48 ID:zldobvTYo
立て続けに短い投下ですみません…!
もうちょっとで終わると思いますので…

それでは失礼致します。ご支援感謝感謝!ノシ


611 名前:NIPPERがお送りします(埼玉県) [sage] 投稿日:2011/07/11(月) 20:36:54.35 ID:0KSoT6WT0
一乙
北の森ってバフォメットさんがいるところだったか?


614 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/07/11(月) 22:02:00.39 ID:renMducFo
一乙!

召喚士の一人称視点の書き方って何気に初めてじゃね!?
いいねいいね!


615 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/07/11(月) 22:55:36.52 ID:Lp6SaBs/o

なにげに名代さんて負担大きいよね


618 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/07/12(火) 00:46:40.73 ID:ESKqJk4AO
イメージとか再生厨はスレが荒れる原因なんでやめた方がいい
そういうのは頭の中だけに留めておこうぜ


619 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2011/07/12(火) 00:59:10.18 ID:rWcYBKWOo
召喚と違って式神は事前準備だからそこまで負担はないんじゃね
咄嗟の柔軟性がない代わりに魔翌力の管理ができるのが特色なんだから


623 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/07/12(火) 05:51:15.50 ID:DuYpHUqA0
1おつ
ついに召喚士の出生の秘密が…



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