■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
- 141 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/09/27(月) 17:48:19.90 ID:U36dZdco
〜国軍本部〜
白虎長「え…今、なんて……」
占い師「…だから…分からないのよ…っ」
白虎長「……っ」
占い師「予言が…未来が分からなくなっちゃったのよぉ!」
白虎長「……貴方」
ガシッ
占い師「ねぇ!私…どうしたら…っ」
白虎長「占い師……」
占い師「私…どうしたらいいのよ…っ!」
白虎長「……しっかりして!貴方の問題でしょうっ!?」
占い師「……」
白虎長「冷たい言い方かもしれないけど…貴方自身の事でしょう!?」
占い師「…もう…何も分からないの。何も…分からないのよっ!」
白虎長「……っ」
- 142 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:49:02.84 ID:U36dZdco
マジシャンの死は、各方面に伝えられ悲しき影を落とす。
馴染みのある者は元より、その大きすぎる名声の為か、
国民中、果ては他国の一部においても、その悲報に落胆した…。
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第二十三部〜
- 143 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:49:53.72 ID:U36dZdco
〜本国〜
パカラッパカラッ…ドドォ
衛兵「ご苦労様です!」
一人の衛兵が開ける馬車の扉から、羽扇の先がひらりと顔を出す。
大軍師「…どうも」
〜大広間〜
ガチャッ…ギイィ…カツカツカツ
皇太子「立たずとも良い。待たせて済まないな」
大軍師「いえいえ」
一同はほぼ同時に椅子を引き、腰掛け始める。
青年兵「今回も色々と大変のようでしたね…」
エリート「なんでも…再来の大魔道士が逝ったとか…」
大軍師「…はい。しかしながら功績はめざましく…」
皇太子「……」
大軍師「ワーカー1名に対し、軍団長及びアンデッドタイプの人間1名…」
- 144 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:50:36.69 ID:U36dZdco
エリート「更には1個中隊クラスの魔王軍…か」
大軍師「…まぁ、マジシャン殿一人で大隊クラスとも謳われていましたがね…」
皇太子「それもあるが…士気の問題が大きいな」
青年兵「ええ…」
皇太子「それで、占い師の様子はどうなのだ?」
大軍師「私もつい先程本国へ戻ったばかりでして…詳細は…」
皇太子「……そうか」
エリート「しかし、これはまずい事となったぞ…」
大軍師「どうなさるのですか…?」
皇太子「…五ヵ年計画か?」
大軍師「占い師殿の予言に基づき行動して参りましたが…」
青年兵「それがなくては、動くに動けませんね…」
エリート「しかしだな、ここで中断するわけにもいかないのが現状…」
皇太子「……」
大軍師「それは司令官も同様のご意見でした」
- 145 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:51:07.28 ID:U36dZdco
皇太子「予言では…次の日蝕こそが、魔王を討伐できる好機なのだ」
青年兵「……」
皇太子「最も損害が少なく、七人もの魔王を一度に打ち倒せる好機なのだ…っ!」
大軍師「このまま…続行で宜しいのですね?」
エリート「今更中断するわけにもいかんだろう。戻る道は最早ないのだ」
大軍師「確かに…。これまでとは違い、やや消耗が大きすぎますね…」
皇太子「むざむざとサタンやパズズの復活を見過ごすわけにはならん」
青年兵「そうなれば…更に激しい戦いが強いられますからね…」
大軍師「ともかく、占い師殿の早急な回復を祈るしかありませんな…」
エリート「あとは…」
大軍師「左大臣派の連中を…どう押し込めるか…」
皇太子「それはこちらで引き受ける。大軍師は国軍内をうまく纏めてくれ」
大軍師「…畏まりました」
皇太子「互いに苦しい立場であるが、同じ志を持つ者として…頼むぞ!」
大軍師「心得ております。ふふっ」
- 146 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:51:38.88 ID:U36dZdco
〜マジシャンの別荘〜
魔道士「ジュニアさん…って!?あ…あのっ、マジシャンさんの息子…」
ジュニア「ああ…そうだ。ま、そう言っても顔を合わせた事はないがな…ハッハ」
ジュニアはテーブル上の肖像画を手に取り、魔道士へ笑顔を見せる。
魔道士(笑い方とか…目元とかソックリ……)
ジュニア「それで、魔道士ちゃんは何者?まさか……」
魔道士「……!?」
ジュニア「養母…」
魔道士「違いますっ!!」
ジュニア「ハッハ!冗談だよジョーダン!」
魔道士「…もうっ」
ジュニア「しっかし…まさかこんな所があったとはなぁ。盲点だったわ…」
魔道士「マジシャンさんの…別荘のようです…」
ジュニア「ふぅん。それで魔道士ちゃんは親父の仲間ってとこかい?」
魔道士「あ、え…えぇっと……」
- 147 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:52:53.39 ID:U36dZdco
…
ジュニア「…へぇ、なるほどなぁ。師弟に近しい関係なわけだ」
魔道士「そういう事になります…」
ジュニア「……そっかぁ」
魔道士「……あ、あの…っ」
ジュニア「んー?」
魔道士「マジシャンさん……その…」
ジュニア「…ああ、知ってるよ。死んだんだろ?国中大騒ぎだよ」
魔道士「……っ」
ジュニア「…ま、お陰でこの場所を知ったってワケなんだがね。…ハッハ」
魔道士「そう…だったんですか……」
ジュニア「…何か、言いたげだねぇ」
魔道士「…私が…もっとしっかり、魔法とかちゃんと出来て…その…」
ジュニア「魔道士ちゃんのせいじゃないんじゃない?」
魔道士「…で、でもっ」
- 148 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:54:23.44 ID:U36dZdco
ジュニア「確かにキミはその場に居合わせた。でも…それだけだ」
魔道士「……」
ジュニア「居ようが居まいが親父は死んでた。間違いなく…な」
魔道士「…ジュニアさん」
ジュニア「おっ!名前で呼んでくれたねぇ!ハッハ!」
魔道士「……」
ジュニア「いくら気にしたって死んだ人間は帰って来ない」
魔道士「…っ」
ジュニア「頭切り替えて、前向きに行こうや。ハッハ!」
魔道士「……は…い」
ジュニア「…んー腹が減った。どこかに良い食事処ないかな?」
魔道士「えっ?あ…それなら……」
ジュニア「知ってる!?よし、そんじゃあ行こう!今から行こう!出発ーっ!」
魔道士「ちょ、ちょっと…っ!え…!?」
ジュニア「善は急げ!腹が減っては戦は出来ぬ!ハッハッハ!!」
- 149 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:56:43.04 ID:U36dZdco
…
ジュニア「おーっ、夕焼けが綺麗だねぇ」
魔道士「え、あ…はいっ」
二人は別荘を後にし、下山をまもなく終えようとしていた。
魔道士「あ、あの…ジュニアさん…」
ジュニア「んー?」
魔道士「ジュニアさんは…マジシャンさんとお会いになった事は…」
ジュニア「さっきも言ったけど、物心ついてからは一回もないよ」
魔道士「…そう…ですか」
ジュニア「別に会う気もなかったしねぇ」
魔道士「そう…なんですか?」
ジュニア「だってよ、こっちからしたら捨てられた身だぜ?会う気にもならんよ」
魔道士「…でも、マジシャンさんに限って。きっと何か事情が…」
ジュニア「あったんだろうね。それでも…捨てた事にゃ変わらないよ」
魔道士「……」
- 150 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:58:05.37 ID:U36dZdco
〜バーテンの店〜
召喚士「魔道士さん…遅いですね」
戦士「…心配か?」
召喚士「そ、そりゃ心配だよ。戦士は心配じゃないの?」
戦士「いや…心配だけどそういう事じゃなくてだな…」
召喚士「…どういう事?」
戦士「だーかーらー」
バーテン「おら、くっ喋ってないで手伝え!今日からはタダ飯じゃないぞ?」
戦士「へーい」
召喚士「……」
カチャッ…チリチリン
魔道士「ただいま帰りましたー」
盗賊「…あ、おかえり」
召喚士「おかえりなさいっ!……あれ?」
ジュニア「お邪魔しまーす。おぉ!なかなかの雰囲気!ハッハ!」
- 151 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:59:34.36 ID:U36dZdco
召喚士「…なんか…どこかで見た事あるような」
戦士「誰だアンタ?」
ジュニア「おー、俺の名はジュニア。ヨロシクな!ハッハ!」
戦士「ジュニア!?まさか…功績ランク三位の…!?」
召喚士「ジュニアさん…!?」
ジュニア「おや?俺も有名になったもんだなぁ。ハッハ!」
魔道士「それだけじゃありませんよ…」
盗賊「……?」
魔道士「ジュニアさんは…」
ジュニア「あぁ…自分で言うよ。本名はマジシャンジュニア…だ」
召喚士「マジシャン…って!?つ、つまり……」
盗賊「…マジシャンの…息子!?」
ジュニア「そういう事になるかな!」
ガタッ
バーテン「……ほ、本当なのか…っ!?」
- 152 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 18:00:56.73 ID:U36dZdco
ジュニア「…?」
魔道士「とと、とにかく…座りましょうか!」
ジュニア「おう、そうだなぁ」
魔道士「すぐ…飲み物持ってきますから!」
召喚士「あ、手伝いま…」
魔道士「大丈夫ですっ!」
タッタッタッタ
ジュニア「…ふー、よっこいしょ…っと」
戦士「まさか功績三位がオッサンの息子だったとはなぁ…」
バーテン「…そうかぁ、お前が。随分立派になったなぁ」
ジュニア「…ん?俺の事知ってんのか?」
バーテン「…会ったのはまだ、お前が赤ん坊の頃だがな」
バーテンはカウンターからマジシャンと赤ん坊の肖像画を持ち、ジュニアに手渡す。
ジュニア「…ほー。それはお久し振りです」
バーテン「へっ!しかし…親父ソックリになっちまってまぁ……」
- 153 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 18:17:52.90 ID:ZR4qzIAO
>>1乙
ジュニアの登場…嬉しいんだか恋敵が増えて悲しいんだか
でも功績2位があんな散り方じゃあ3位とて危ういな
- 154 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 18:26:00.61 ID:U36dZdco
コトッ
魔道士「どうぞっ」
ジュニア「おっ、サンキュッ!」
魔道士「召喚士さんもどうぞっ!」
召喚士「ありがとうございます」
ジュニア「いやしかし…こんな若い連中がなぁ…」
戦士「自分だってそんな変わらんでしょうよ」
ジュニア「そりゃそうだが、あの名高き朱雀先生だぜ?驚きだよ…!」
召喚士「ジュニアさんこそ、その若さで功績三位だなんて凄いじゃないですか!」
ジュニア「んーまぁ特殊な任務してっからかねぇ…ハッハ」
盗賊「…特殊?」
ジュニア「そ。モチロン戦ったりもするけど、裏方のが多いからねぇ」
バーテン「…もしや、竜脈絡みのアレか!?」
ジュニア「ご名答!でも…国家機密なんでこれ以上は言えませーん」
召喚士(…竜脈?何か…機密で動いているのか…?)
- 155 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 18:29:58.57 ID:U36dZdco
バーテン「マジシャンの所在なんてすぐ分かったろうに…。なんで会わなかった?」
ジュニア「…別にこっちから会う事もないしなぁ」
盗賊「……」
ジュニア「あ、モチロン向こうから来たら会うつもりだったぜ?」
バーテン「…ったく、親父も親父なら息子も息子だわな」
バーテンは呆れ顔でタバコに火を付けた。
召喚士「じゃあ…そろそろ食事にしましょうか」
ジュニア「おう!そうしようそうしよう!腹減ってぶっ倒れそうだわ…」
盗賊「……同意」
魔道士「じゃあ、すぐに準備してきますね!」
バーテン「おいおい、客の事も忘れんなよ!?」
戦士「げぇ!?今日も手伝い…?」
バーテン「当たり前だ、タダ飯は食わさねぇってさっき言ったろ?」
戦士「ちぇっ、まだ働かせるのかよー」
召喚士「ははっ!さぁみんな、頑張ろう!」
- 131 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/27(月) 02:25:18.09 ID:bkgDdlE0
1乙
あの5行のクナイ、ネクロマンサーにささりっぱなしだったんだ
絶対に悪用されるよね
- 132 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 02:58:43.16 ID:aMmN34I0
お疲れすぎる。最後のほう早く終わらせようとしたのかちょっと走り気味なのがもったいなかった。
でも凄い引き込まれた。色々聞くのは明日か…楽しみだ。
- 156 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 18:32:49.54 ID:U36dZdco
こんばんは!二十三部スタートです!
ドタバタシーンは落ち着いたのでしばらくはマッタリシーンで…
本日もご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
>>131
抜いた時に消滅しました
>>132
確かに無駄を省こうと走ってしまいました…反省…
凄くありがたい書き込みです!感謝!
- 157 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 18:41:26.35 ID:tymluEDO
>>1乙
過去編楽しみにしてる
- 158 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/27(月) 19:35:35.75 ID:BKGUuW20
1乙
でも内部に敵をかかえて魔王討伐とか
はっきり言って夢のまた夢だよね
- 173 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 17:56:16.26 ID:X68ZLiQo
窓には闇に包まれた街並みが映し出され、バーテンの店は瞬く間に賑わいを見せた。
ザワザワザワ…ガヤガヤッ
盗賊「…え、えっとぉ…カルボナーラと…サーモンのムニエルを」
魔道士「了解でっ!あ、盗賊さんそれ持っていって下さい!」
召喚士「やばっ、ワイン切れた…」
戦士「俺が取ってくる!バーテンさん、裏手の樽でいいんだよな?」
バーテン「ああ」
ジュニア「…おお賑わいだねぇ」
バーテン「手伝わんならカウンターの隅にいろ」
ジュニア「…へいへい」
休む暇もなく目まぐるしい時間は過ぎさり、閉店の看板と同時に静けさが戻る。
戦士「……あーきっつぅ」
盗賊「……ほんと…しんどい」
召喚士「…お疲れ様でした」
魔道士「お疲れ様でしたっ!えへへ!!」
- 174 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 17:57:04.38 ID:X68ZLiQo
ジュニア「いや凄かったねぇ。この店流行ってるのね」
バーテン「いんや、こいつらがいる時だけだ」
ジュニア「そーなの?」
戦士「魔道士の手料理目当てで賑わってんだとさ」
ジュニア「へぇ、魔道士ちゃんと結婚する相手は…幸せモンだなぁ」
戦士「…だなぁ」
盗賊「…だなぁ」
召喚士「な、なんですか…っ!?」
バーテン「あぁ、そうだ。これ……」
ジュニアはウィスキーのグラスを片手に、バーテンより紙切れを受け取る。
ジュニア「何これ…うわ、すっげぇ金額……」
バーテン「お前の親父のツケだ。払ってくれ」
ジュニア「ブフッ!…ゴホゴホッ!こ、こんなん知るかよっ!」
バーテン「マジシャンがいねーんだから息子のお前が払う。これは当然だろ」
ジュニア「…そ、そんなもん相続破棄だ!破棄っ!」
- 175 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 17:59:10.97 ID:X68ZLiQo
…
戦士「風呂沸いたぞー」
バーテン「だってよ。ほれ、行って来い」
魔道士「はぁい!行きましょっ、盗賊さん!」
盗賊「…う、うん。行ってきます」
バーテン「良かったな。笑顔が戻って」
召喚士「…本当ですね」
戦士「何だかんだでアイツはパーティーのムードメーカーだからな」
ジュニア「……」
バーテン「…お前は…良かったのか?」
ジュニア「…?」
バーテン「今となっちゃどうしようもねぇが、会わなくて良かったのか?」
ジュニア「…うーん、どうなんだろうなぁ」
召喚士「……」
ジュニア「別に実感ねぇし、まぁ…ちょっとだけ後悔?みたいな」
- 176 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 17:59:57.34 ID:X68ZLiQo
戦士「……」
ジュニア「どうせ会ったって互いに気まずいだけだって!ハッハ」
バーテン「…まぁな。アイツ自身も会う気はなかったみたいだしな」
ジュニア「だろ?そんなもんだって」
召喚士「まだ可能性は0じゃないですよ」
戦士「…?」
召喚士「だって…だってまだ、生きているかもしれないじゃないですか」
ジュニア「でもよ、五行で消えたんだろ?」
召喚士「確かに…でも、その…死体があったわけでもなく…」
バーテン「……」
召喚士「師匠の時みたいに…看取ったわけでもなく……」
戦士「召喚士…」
バーテン「だったら確認すりゃいいじゃねぇか」
召喚士「……え?」
バーテン「いんだろ。人の生死が読めちまう奴が…よ」
- 177 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:00:36.31 ID:X68ZLiQo
召喚士「…そ、そうか…っ!!」
戦士「…?」
ジュニア「あとはその現場に行って、遺体でも引き上げたら?」
戦士「あ、ああ…」
召喚士「ただ、今は土砂がひどくて立ち入り禁止に…」
ジュニア「国軍の管理下だろ?どうとでもなるさ」
戦士「そうだよな…。せめて俺達の手で…弔ってやらないと」
召喚士「……」
テクテクテク…カチャッ
魔道士「お待たせしました!どうぞっ!」
盗賊「…どうぞ」
ジュニア「うぅーん、いい匂い…」
バーテン「ほれ、順番に済ませてこい」
召喚士「あ、お先にどうぞ」
ジュニア「じゃあ、お言葉に甘えて…んしょっと」
- 178 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:02:32.41 ID:X68ZLiQo
…
風呂を済ませた召喚士は店の裏手で夜風に当たる。
召喚士「……ふー」
テクテクテク
召喚士「…あれ?」
タッタッタ
召喚士「……ジュニアさん」
ジュニア「…おーう、召喚士クンも一杯飲むかい?」
召喚士「あ、じゃ…じゃあ頂きます」
ジュニア「乾杯〜!風呂上りの一杯は最高だね…ハッハ!」
チィン…ゴクゴクッ
召喚士「……っはぁ!本当ですね…ははっ!」
ジュニア「風も心地良いし…久々だなぁ、こういうのは…」
召喚士「…ジュニアさんは、普段どちらにいらっしゃるんですか?」
ジュニア「…んー知りたい?」
- 179 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:03:47.55 ID:X68ZLiQo
召喚士「…え、ええ」
ジュニア「あんま深い事は言えないけどね…ココ」
ジュニアは地面を指差し、ニッコリと笑う。
召喚士「え…?ここって……!?」
ジュニア「酷い時にゃ一週間ぐらい篭ってる時もある…」
召喚士「そ、そんなに…ですか!?」
ジュニア「そ。モグラも顔負けってね…ハッハ」
召喚士「そうだったんですね…」
ジュニア「お陰で功績は勝手に溜まる一方ってわけ」
召喚士「大変な仕事ですね」
ジュニア「役割分担さ。別に最前線で戦ってるだけがワーカーじゃないって事よ」
召喚士「……ええ」
ジュニア「いくら強くたって…死んじまったら全ておしまいさ」
召喚士「……」
ジュニア「召喚士クンもそう思わないかい?」
- 180 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:07:24.44 ID:X68ZLiQo
召喚士「……確かに…そうだと思います」
ジュニア「……」
召喚士「今回もそうですけど、ここ最近の戦いで…改めて恐ろしさを知りました」
ジュニア「…恐ろしさ」
召喚士「はい。魔王軍もですが、五行の強大すぎる力…」
ジュニア「…ああ、手加減したって死ぬかもしれないんだ。易々と使うもんじゃないよ」
召喚士「やっと青龍先生の仰ってた意味が分かってきました…」
ジュニア「青龍先生…国軍召喚隊の…?」
召喚士「自己犠牲の上に成り立つ勝利なんて…その場だけですよ」
ジュニア「……」
召喚士「死して悲しむ人がいる限り…真の平和だなんて…」
ジュニア「平和って何だろうなぁ」
召喚士「……」
ジュニア「魔王を倒したその先に、平和があるのかねぇ」
召喚士「…いえ、きっとそこがスタートなんですよ。きっと…」
- 181 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:08:21.93 ID:X68ZLiQo
ジュニア「……うぉっと、冷えてきたな」
召喚士「あ…そうですね。結構経ってしまいました」
ジュニア「店に戻ろうかね」
召喚士「はい」
テクテク…ピタッ
召喚士「あの、ジュニアさん」
ジュニア「んー?」
召喚士「良かったら、一緒に行きませんか?」
ジュニア「…?」
召喚士「マジシャンさんの…その、最北の村へ…」
ジュニア「あぁ、遺体捜索?」
召喚士「……えぇ」
ジュニア「うーん、そうだなぁ。そう長々とは休めないんだよなぁ…」
召喚士「……」
ジュニア「最近メンバーが一人抜けちまってさ。穴開けると結構シンドイのよ」
- 182 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 18:08:56.46 ID:X68ZLiQo
召喚士「…そう…ですか」
ジュニア「でも…ま、いいか」
召喚士「!?」
ジュニア「いちおう肉親の事だし、忌引って事で…」
召喚士「そ、そうですよっ!」
ジュニア「そう…そうだよね!ハッハ!」
召喚士「はははっ!」
テクテクテク…カチャッ…チリチリン
戦士「…?なんだ馬鹿笑いして」
盗賊「……?」
召喚士「…明日、行きましょう!」
魔道士「へ…っ?」
召喚士「最北の村へ…!」
戦士「最北って……まさか、オッサンを…!?」
召喚士「うん!」
- 183 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 18:10:26.21 ID:H6OTm6AO
>>1乙
一時はどうなるかと心配で心配で仕方なかったが、どうやらジュニアは恋のライバルにはならない空気だな…良かった良かった
これであと残るは王子とエリートと召還士くらいだな
早く戦争になぁ〜れっ!
- 185 名前:GEPPERがお送りします [saga sage] 投稿日:2010/09/28(火) 19:08:10.46 ID:FPlwIUDO
>>1乙!
五行連発してたのは、まだその恐ろしさを実感してなかったからか。
すっきりしたぜ!ありがとう!
- 186 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 19:08:34.20 ID:4MU1M6s0
>>1乙!
召喚士の「うん!」が出るたびに俺の中の何かが崩壊していく
- 188 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 19:53:26.23 ID:7/zqXes0
召喚子はいただいた
次へ 戻る 戻る 携 上へ