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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
- 865 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/07/29(木) 18:09:43.67 ID:rivxUJAo
〜南東国、南の山〜
隊長「よしっ!突いたらすぐに曳く!!」
戦士「ふんっ!!」
ヒュバッ!!
戦士「おぉ、今のいい感じ…っ!」
隊長「悪くねぇ動きだ。槍の使い方も大体分かってきたか…?」
戦士「そっすね。リーチが長い分、間合いには気を使わないと…」
隊長「そうだ。特に近接タイプとは要注意だな」
戦士「懐に潜り込まれたら最悪ですもんね…」
隊長「いかに隙を見せず、自分の間合いを保てるか。それが槍術のポイントだ!」
戦士「おっす!!」
隊長「さーて、あと一週間程度…。最後はその…盾っつーか斧っつーか…」
戦士「…これっすね?」
女隊員「面白い作りッスよね!」
隊長「初めて見るよ…。斧と盾を兼用した武器なんてよ…」
- 866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 18:11:15.47 ID:rivxUJAo
戦士「無理言って作って貰った、オリジナルですから」
隊長「…奇特な鍛冶屋も居たもんだ」
戦士「まぁ、間違ってねっす」
女隊員「かっこいいと思いまスよ?」
隊長「んじゃ、まずは盾。盾は当然…相手の攻撃を防ぐ防具だ」
戦士「…はい」
隊長「盾もうまく使えば、非常に重要な攻撃の起点となる」
女隊員「攻撃は最大の防御ってやつッスね!」
隊長「例えば、相手の攻撃をただ防ぐだけじゃあ、上手い盾の使い方とは言えねぇ…」
戦士「つまり…?」
隊長「いかに相手のニ撃目を潰せるか。それが盾の重要性だ」
戦士「潰す…。なるほど」
隊長「正面から単純に受け止めても、こちらは動けず相手のニ撃目を貰うだけ」
ヒュオッ!!
戦士「!?」
- 867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 18:12:00.11 ID:rivxUJAo
ガキイィンッ!!
隊長「……なっ?」
戦士「あっぶな…っ!?」
突然振り下ろされた隊長の剣を、戦士は盾で受け止めながら叫ぶ。
隊長「分かったか?これじゃ結局、追撃喰らってガードの意味もない」
女隊員「仲間がいれば別ッスけど、ソロだと終わりッスね」
隊長「どうしたらニ撃目を崩せるのか。それはさほど難しい事でもねぇ」
戦士「……?」
隊長「いいか?俺が垂直に剣を振り下ろす」
そう言いながら、隊長は剣を振り上げ、戦士の頭上へゆっくり降ろす。
戦士「……」
隊長「ここでさっき、お前は正面から受け止めた。そうだよな?」
戦士「え、ええ…」
隊長「ちょっとでいい。盾を斜めに傾けてみろ」
戦士「……こう?」
- 868 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 18:13:37.93 ID:rivxUJAo
言われるがまま、戦士は盾の左側を引き、やや斜めに角度をつける。
隊長「これで俺が剣を振り下ろす。……するとどうだ?」
ヒュンッ!!
女隊員「盾に沿って、剣が斜めに滑るッスね!」
隊長「今はゆっくりだが、実際はこれにスピードが加わり…」
テクテクテク…ジャリッ
隊長「勢い余った身体は、お前から見て左に崩れるってワケよ」
戦士「なるほどっ!」
隊長「そうすりゃあとはコッチのもの。バランスを崩した相手はニ撃目どころか…」
女隊員「バランス崩して、防御すらままならないってわけッスね!」
隊長「魔法においてもそう。正面から喰らうと、仮に防いでも目くらましに使われちまう」
戦士「それを斜めに往なせば…視界も開ける…っ!」
隊長「……その通り!」
戦士「はぁー!防御にも工夫が必要なわけだ……」
隊長「戦いの基本は後の先…カウンターが最も効率的。これを頭に叩き込んでおけ!」
- 869 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 18:14:26.54 ID:rivxUJAo
戦士「……うっす!」
隊長「実践は後で進めるとして…お次は斧だな」
戦士「ういっす」
構えた盾を下に下げ、右手を柄のスイッチへと伸ばし、それを押す。
バチンッ!!
戦士の腕より離れた盾は、瞬く間に斧へと姿を変え、右手に構えられる。
隊長「…便利なもんだなぁ。俺も欲しい」
戦士「へっへ…!いいっしょ?」
女隊員「国軍の初期装備に採用して貰いまスか?」
隊長「冗談は置いといて、斧…実は俺もそんなに得意じゃないんだよな」
戦士「……!?」
隊長「国軍でも使用頻度は少ないし、ワーカーにもあまり人気ないしなぁ」
女隊員「そういえばあんまり見ないッスね…」
戦士「た、確かに…」
隊長「逆を言えば、それだけ個性的であり、魔物にも有効活路を見出せるって事だがな」
- 873 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/29(木) 18:56:58.99 ID:zvEKZRko
そうか…朱雀嬢は出ないのか…
ではせめて、おまけだけでも…
- 879 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:48:11.03 ID:MdzNl4Yo
だが待って欲しい。>>1は出番は「無い」とは言っていない
もしかしすると最後の方で出てくるかもしれない
- 880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 23:28:42.22 ID:slKp.R6o
戦士「それで…斧の活路とは…?」
隊長「さぁ…?」
戦士「……はいっ?」
隊長「言っただろ?斧は得意じゃないから分からん…」
戦士「……」
隊長「つーか、現時点で俺よりお前の方が強いと思うぞ?」
戦士「え…っ?」
隊長「もちろん斧の話だからな?」
戦士「いや…そうすかね?」
隊長「だから教えてやる事はないが…武器は武器だ」
戦士「……?」
隊長「後の先を取る。これに限るって事さ!
戦士「なるほど…っ」
女隊員「たまにはいい事言うッスね!」
隊長「たまにじゃねぇっ!馬鹿にしてんのかオメーは!」
- 881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 23:30:03.12 ID:slKp.R6o
テクテクテク
男隊員「……何、騒いでんだ?」
紙袋を片手に崖側より男隊員が歩き、近づいて来る。
男隊員「ほれっ、水だ」
ポイッ
戦士「あ…どうもっす」
隊長「なんかやたら少なくねーか?」
男隊員「いや…重いし」
隊長「はぁ!?」
男隊員「そういや今日も騒いでたぜ?」
女隊員「幽霊の話ッスか?」
男隊員「そうそう。キトイだかキトリだかってのがどうのって…」
戦士「……」
隊長「ふーん…。幽霊ねぇ……」
戦士「……やめましょうや。その話は」
- 882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 23:32:03.77 ID:slKp.R6o
男隊員「あん…?」
戦士「幽霊なんていやしねーっすよ」
隊長「……」
戦士「ましてや…騎都尉の……」
女隊員「戦士…さん…?」
戦士「……よし!斧はいいとして、盾っすね!」
隊長「…ああ。特にお前はパーティーの盾役だからな!しっかり身に付けろよ?」
戦士「うっす!」
隊長「さーて、その前に飯にすっか!」
女隊員「はいッス!焼そば温めてくるッス!」
戦士「盾…」
口をへの字に結び、戦士は右手に握った斧をじっと見つめる。
戦士「俺に……務まるかな…っ」
ギュッ…
戦士「いや…っ、やるしかねぇんだ。やるしか…っ!」
- 883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 23:48:37.91 ID:slKp.R6o
〜東方、藤蔵〜
土忍「…ありがとうございました」
盗賊「はぁっ…はぁっ……あ、ありがとう…っ、ございましたぁ…!」
その場へ倒れ込む盗賊を余所目に、土忍は屋内へと下がる。
ザッザッザ…
風忍「どうだった?」
土忍「…思ったより動きは悪くない。…だが、無駄な動きが多すぎる」
火忍「見ている限りじゃそうでもねーけどなぁ…」
土忍「囮の動きが多すぎる…。それはそれで、利点もあるのだが…」
風忍「前衛に慣れてしまっているのだろう…。盾となる者がおれば……」
テクテクテク
水忍「姫はどちらかと言うと、かく乱や後方支援、一撃離脱が向いてますからね」
風忍「雷は戻ったのか?」
水忍「ああ。姫との修行は有意義だった、と…」
火忍「……あーくそっ!俺も姫と修行してぇ!!」
- 884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/29(木) 23:53:46.63 ID:slKp.R6o
水忍「なんだお前、禁じられておるのか?」
風忍「ああ、不届きがあってな。御館様直々に……」
火忍「だからあれは事故だって!大体おめぇが漏らさなきゃこんな事には……」
土忍「……」
火忍「…ん?どした?」
黙って己の掌を見つめる土忍に、火忍が声をかける。
土忍「……」
ズイッ
大きな掌を開き、一同の前へ突き出す土忍。それを見て風忍が問う。
風忍「ん!?……何の後だ?」
土忍「蜘蛛…いや、薄緑の痕だ。逆刃であるがな」
水忍「!?」
風忍「あの短時間の動きで…一撃入れていたのか!?」
土忍「……無駄な動きなく、直線でこられていたら…もらっていたかもしれん」
火忍「……っ!!」
- 885 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:58:25.47 ID:MdzNl4Yo
薄緑ってはくりょくと読めばいいのかうすみどりと読めばいいのか
- 886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 00:05:48.27 ID:RL00JTko
水忍「…これで術さえ身に付けてしまえば」
風忍「……想像以上かもしれんな」
四人は侍女に抱え起こされる盗賊の姿を、同時に見つめた。
ノソッ
侍女「姫…っ!大丈夫…!?」
盗賊「あーうん…。怪我したわけじゃないから…」
侍女「毎日毎日…朝から晩までっ。しっかり休んで下さいな!」
盗賊「休んでるよ…。でも、これでも足りないくらい…」
侍女「休む事も修行のうちです!」
盗賊「え…っ!?……あ、うん…っ」
侍女「さぁ、夕飯の前に次はお勉強勉です!」
盗賊「お勉強って…そんな子供じゃないんだから…。何やるの?」
侍女「今日は着付けの続きですっ!」
盗賊「えぇ〜っ!やだなぁ……」
侍女「我儘言わないっ!ほら、早く着替えてらっしゃいなっ」
盗賊「……うへぇ」
- 887 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 00:12:38.81 ID:RL00JTko
>>885
文献的には『うすみどり』ですね!
それでは失礼します!おやすみなさいです!ノシ
〜オマケ〜
朱雀嬢「うふふふっ…。久々の出番ですわよ!?」
玄武娘「でもぉ…本編には出な……」
朱雀嬢「あら、そんなの分からないですわ?リクエストがあれば当然…」
玄武娘「難しいと思いますですの……」
朱雀嬢「な、なんでそんな言いきれるのかしらっ!?」
玄武娘「だって…私達、南方にいないですの…」
朱雀嬢「う…っ!ってか、ここはどこ!?」
玄武娘「知らないですの。朱雀嬢ちゃんが勝手に進んで……」
朱雀嬢「まぁ、人のせいにする気?だいたい玄武娘が西へ行きたいって言うから…」
玄武娘「そ、それは…そうですけど……」
朱雀嬢「まぁいいわ。全っ然、問題ないですわ!行きましょっ!!」
玄武娘「は、はいですの!!」
- 897 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/30(金) 14:06:13.29 ID:nb.OTgAO
>>1乙!
召喚士の影がどんどん薄まっていくのはもはや不可避だなww
- 898 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:03:12.33 ID:TsnfDCwo
〜国軍本部〜
コンコン…カチャッ
秘書官「大軍師様、お見えです」
司令官「…ん」
大軍師「予算案会議、無事閉会したようです」
司令官「…そう。良かったじゃない」
大軍師「屯田制の件、何卒よろしく……」
司令官「君に任せるよ」
大軍師「え…っ?」
司令官「副司令がえらくご立腹でね。まぁ人事担当としての立場なんだろうけど」
大軍師「そうでしたか…。前もって通達はしたのですが…」
司令官「通るとは思ってなかったんじゃないの?」
大軍師「……」
司令官「ま、とにかく…君の一存で進めていいから」
大軍師「…畏まりました」
- 899 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:03:58.24 ID:TsnfDCwo
テクテクテク…ズイッ
大軍師「あと…こちら、例の件です」
カサッ
司令官「……ん」
大軍師「無抵抗の一派は…南へ向かっております」
司令官「ふぅん…。確かな情報?」
大軍師「目撃情報はありません。あくまで進行ルートからの憶測に過ぎません」
司令官「……しかし、これ見る限りだと…間違いなさそうだねぇ」
広げた地図の矢印をなぞり、司令官は呟く。
大軍師「はい。目的は一切分かりませんが……」
司令官「…あのさ、目撃情報がないって言った?」
大軍師「はい。我が軍以外の民間人などには特に…」
司令官「……」
大軍師「…司令?」
司令官「いや、この件はいいよ。…屯田制は任せたよ」
- 900 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:06:05.72 ID:TsnfDCwo
〜南方、大滝〜
召喚士「……」
青年兵「…………」
青龍先生(この数日で滝行を完璧にこなすとは…っ)
ドドオオォォォォ…
青龍先生「…これは、思った以上に……ひょっひょ」
ザッザッザ…ストッ
青龍先生「そろそろ上がったらどうじゃー?」
召喚士「……」
青年兵「……」
青龍先生「・・・集中して聞こえてないようじゃの。…どれ」
そう言うと、青龍先生はおもむろにワイバーンを召喚する。
シュイィィン…バサッ!!
姿を見せたワイバーンは、それと同時に勢いよく上空へと羽ばたく。
青龍先生「……ひょっひょ!」
- 901 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:06:36.65 ID:TsnfDCwo
ゴオオォォッ!!
召喚士「!?」
青年兵「っ!!」
何かが近づく気配に、二人は同時に気付き目を見開く。
瞬間、二人の前にスフィンクスとリンドヴルムが姿を現した。
シュイイィン
青年兵「……上かっ!!」
召喚士「…あ、あれ…!?」
見上げた目先に広がる青空。その中央に佇むワイバーン。
青年兵「ワ、ワイバーン…?」
テクテクテク
青龍先生「脅かしてすまんかったの…」
召喚士「青龍先生…」
青龍先生「集中はしていても、しっかり周囲への警戒は怠っておらんかったか」
青年兵「脅かさないで下さい…っ!」
- 902 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:07:02.53 ID:TsnfDCwo
青龍先生「ひょっひょ!すまんかったのう」
召喚士「ビックリしましたよ…」
青龍先生「そろそろ上がるとしようかの」
青年兵「あ…っ、時間…結構経ってましたか…っ」
青龍先生「集中するのは良いが、滝行は長時間続ければ良い、というものではない」
召喚士「……」
青龍先生「長ければ長いほど、肉体への負担が大きくなるからの」
青年兵「そうですね…。では、そろそろ……」
青龍先生「ついでに修行もこれにて終了と致そう」
召喚士「え…っ!?」
青年兵「もう…終了ですか!?」
青龍先生「うむ。街に戻り疲れを癒すと致そう」
青年兵「そうですかぁ…」
青龍先生「物足りなさそうな顔じゃの?」
青年兵「い、いえっ…!ありがとうございました!」
- 903 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:07:46.81 ID:TsnfDCwo
青龍先生「安心せい。総仕上げが残っとるよ」
召喚士「…総仕上げ?」
青龍先生「そ。総仕上げじゃ!」
青年兵「い、一体…!?」
青龍先生「それは戻ってからのお楽しみ。さて、準備をしよう」
召喚士「は、はいっ」
青年兵「行きましょうか!」
青龍先生「お主等、此度の修行で何か感じた事はあるかの?」
召喚士「えぇと…今もそうでしたけど、召喚自体が自然になったかなぁ…」
青年兵「あっ、それは分かりますね。なんというか取っ掛かりがなくなったというか…」
召喚士「何より、召喚術についての知識が大きいですね。本当に感謝です」
青龍先生「うむ。まずは自分で何を得たのか。それを理解する事が大切じゃ」
青年兵「まだ実感は沸きませんけどね…!」
召喚士「あははっ、確かに!!」
青龍先生「ひょっひょっひょ!!」
- 904 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:08:52.02 ID:TsnfDCwo
〜北方、泉〜
マジシャン「……土っ!」
魔道士「やあっ!」
ドドンッ!!
マジシャン「火!!」
魔道士「はあっ!!」
ドドンッ!!…ゴオオォォ
マジシャン「火っ!!」
魔道士「!?…やあぁっ!」
ドドンッ!!…ゴオォォ
マジシャン「よし、オッケー。まだ意識的になってるが…こんなもんでしょう」
魔道士「ありがとうございました」
マジシャン「得手不得手は当然あるが、五行をバランスよく備えておく事!」
魔道士「はいっ!」
マジシャン「どんな咄嗟な状況でも、瞬時に対応出来なくちゃいけないからな!」
- 905 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:09:41.18 ID:TsnfDCwo
魔道士「そうですよね…っ」
マジシャン「魔法使いってのは後方支援が役目だ」
魔道士「…はい」
マジシャン「剣士や戦士のように武具を手に、攻防出来るわけじゃねぇ」
魔道士「……」
マジシャン「前衛が命を賭けて戦ってくれてる。それを守ってやらなきゃなんねぇ」
魔道士「…はい!」
マジシャン「その為には、一瞬の油断が命取りだ」
魔道士「なるほど…そうですよね……!」
マジシャン「ま…そんなに心配は要らないかねぇ。今は…だけど」
魔道士「……?」
マジシャン「魔道士ちゃんのパーティーはみんな強いよ。安心しなっ!」
魔道士「え、えぇ…。皆さん強いですっ!えへへ!」
マジシャン「さーて、そろそろ南東国へ向かいましょうか!」
魔道士「なんだか…あっと言う間の一ヶ月でしたぁ…」
- 906 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/30(金) 18:10:14.23 ID:TsnfDCwo
マジシャン「それは良い事だ。充実した日々ってのは過ぎるのが早い!」
魔道士「そうかもしれませんねっ!」
マジシャン「年取ると…もっと早い……」
魔道士「……う…っ」
マジシャン「50過ぎるともう先のほうが短いしな…。はぁ……」
魔道士「そんな事ありませんよっ。マジシャンさんもこれからです!」
マジシャン「そうかなぁ…?かと言って、青龍のジジイみたく長い生きはしたくないし…」
魔道士「また言ってるぅ……」
マジシャン「人生これからかぁ〜。そうか…そうだなぁ……」
魔道士「そうですよっ!」
マジシャン「そんじゃあ、ちゃっちゃと魔王ぶっ倒して…デートしようか!」
魔道士「はいっ!喜んで!!……えへへ!」
マジシャン「本当っ?!嬉しいなぁ…!よーし…頑張っちゃうぞ〜?」
魔道士「…?はいっ!楽しみにしてますねっ。…ふふっ!」
二人は顔を見合わせ、大声で笑った。
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