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魔女「果ても無き世界の果てならば」
- 418 名前:深夜にお送りします []
投稿日:2013/03/12(火) 13:43:51 ID:owv6FRcA
ご迷惑おかけしました。
いきなり書籍化という単語が出てきてどきどきしちゃいましたね。
これからはバックアップを取るようにしておきたいと思います。
誰か一人でも楽しいと思っていただけている以上、いくら趣味であれそれ相応の責任を持つべきであると痛感いたしました。
更新します。
- 420 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:47:06 ID:owv6FRcA
月明かりの中庭で少女と向かい合う。
魔法使い「まさか君とこういう形で向き合うことになるなんてね」
逆光で少女の顔は見えない。
僧侶「どうか落ち着いて下さい」
少女「ふぅー」
少女が深い溜め息を吐く。
少女「キスした仲じゃないか、お手柔らかに頼むよ?」
確実に笑っている。 顔は見えないし、声の調子も静かだけれども不思議とわかった。
- 421 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:47:45 ID:owv6FRcA
魔法使い「いつまでその余裕が持つかな?」
身体を巡る魔力が細部まではっきりと感じ取れる。
今までに無いほど鋭敏な感覚だ。 これがあの時の成果ならば、過去に向き合うだけの価値はあったのだろう。
少女「どうしたの? こないのかい?」
魔法使い「泣きっ面を拝むまで、僕はやめないからね? 〜〜〜」
指先に魔力を込めて少女を見据える。
怪我をさせたい訳じゃない。 行動不能にできればいい。
使うのは炎。 想像し創造するのは炎の牢獄、少女に触れない程度の距離を全方周囲取り囲む。
荒ぶる炎の精霊を完全に意のままの形にする事なんて今まではできなかった。
今ならばその気になれば炎で文章を宙に書く事さえ容易だ。
- 422 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:48:16 ID:owv6FRcA
少女「くっふっふ、完全に一段高みに到達したようだね。 人の中では君を凌駕する魔法使いを捜すのはさぞ苦労しそうだ」
魔法使い「降参かい?」
元を正せば売られた喧嘩を買っただけの下らない意地の張り合いだ。
自分の成長も把握できたし頃合いだろう。
少女「才能という蕾が花開き、咲き誇る、美しい光景だ」
一瞬、身体を巡る魔力に違和感を感じる。
少女「ただ――」
少女が炎の格子に迷いなく歩み寄る。
なんだ、なにが起こっている?
少女「私は魔女――。 だ」
- 423 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:49:29 ID:owv6FRcA
少女が笑った。 空にぽっかりと浮かぶ月のよう口を歪めて。
少女は炎の中に手を躊躇なく入れていく。
まるで霧の中にでも手を突き入れるように簡単に。
格子状だった炎はまるで彼女にじゃれつくかのように彼女の身体を這い回り最終的には小さな音を立てて消えてしまった。
魔法使い「ッ!?」
全身を鷲掴みにされたような不快感。
まるで自分の魔力すべてに茨の蔓を這わされているようだ。
少女「随分と素直な魔力だね、どう流れているか丸裸だよ? だからこんなに簡単に」
魔法使い「くぅ……」
少女「操作を奪われる」
気合いを入れろ、魔法は気持ち一つなんだ。 したり顔の少女に一発入れてやる。
- 424 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:51:56 ID:owv6FRcA
少女「あーあ、無駄だよ、他の魔女なら何とかなったかもしれないけど、残念ながら私の徒名は空虚――。」
僕の魔力が……消え、た?
少女「森羅万象総てを虚無と帰す【空虚の魔女】だ。 君の魔力は辺りに散ってしまったんじゃないか?」
その夜空よりも濃い、艶のある黒髪をかきあげる少女はやはり魔女だ。
人の身では到達し得ぬ純然たる魔の結晶。
少女「楽しい夜会は始まったばかりだ、さぁ年頃の娘達のように色恋話で大いに盛り上がろうじゃないか。 所謂、‘がぁるずとぉく’って奴を、ね?」
こんなガールズトークがあってたまるか。
- 425 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:53:22 ID:owv6FRcA
良いように馬鹿にされたばっかじゃ僕のプライドもなにもあったもんじゃない。
魔法使い「〜〜」
少女「このままなら無理だね、何回やっても君の魔力は丸見えなんだから」
ならどうする?
魔力の流れを知られないようにする?
いや、それは無理だ。 やり方に検討すらつかない。
じゃあ魔力を使わない?
殴りかかるなんてスマートじゃない、却下だ。
少女「どうしたんだい? 難しい顔してるけど」
魔法使い「生憎なんだけど、ガールズトークをするような友達が今まで居なかったからね、〜〜ッ!」
魔力の流れが見えも対応出来ないくらいの早さなら?
放ったのは僕が扱う魔術の中でもっとも速さのある閃光の魔法だ。
- 426 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 13:53:43 ID:owv6FRcA
少女「速さだけじゃどうにもならないよ」
光球は少女に近づくにつれ、毛糸の塊が解けるように散らばっていく。
少女「さて、降参かい?」
冗談はよしてよね。
魔法使い「まだガールズトークを始めたばかりじゃないか」
僧侶の気持ちも、少女の真意も分からない。
少女「盛り上がるようなネタはまだあるんだろうね?」
魔法使い「興奮して眠れなくなるようなとっておきの話をしてあげるよ」
やれるだけのことは、しておかなきゃね。
- 427 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/03/12(火) 14:06:13 ID:owv6FRcA
今回の更新は以上となります。
プロットが無くなったので構成を思い出しながらの作業の為時間がかかりました。
一度書きためてるときに幻の宇宙ロボットものになりかけたのは内緒です。
- 428 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/12(火) 14:08:00 ID:dQdbuEQ2
SS再開やったー
「頑張ってください!」応援コマンド、作者やる気に1d6+感情値(3)=攻撃値、作者抵抗値(ものぐさ)は7
超えることで今回の投稿分達成率を40%上昇
コロコロコロ・・・5!
攻撃値合計8で抵抗値7を超えたので成功
- 429 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/12(火) 16:26:41 ID:Cp3qXqg.
>一度書きためてるときに幻の宇宙ロボットものになりかけたのは内緒です。
何があったし
- 435 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/18(月) 05:34:53 ID:WUqAXuvI
でも、あのトラブルが起きたということは、もう構想はできてるという事。
ならば、自分にできる事は支援だ。しえぇぇえええんん
- 437 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/03/19(火) 01:17:00 ID:ZdseYTnQ
幻の宇宙ロボット物も見てみたい
本編あって、余裕があったらちょろっと書いてよwww
- 446 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/01(月) 23:59:33 ID:wozUpQRQ
二桁の連勤させる職場なんかふぁっくですね。
お待たせいたしました。更新します。
- 447 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:01:39 ID:TsjRKeIE
さて、次の策を練ろうか。
正攻法でも奇襲でも通じないなら絡め手で墜とすだけ、だ。
僧侶「争いは……て、聞こえてませんね。 発端は私なのに」
魔法使い「〜〜」
先ずは閃光の魔法を撃つ。
少女「ふふ、諦めが悪いね」
有効範囲から僅かに外れた所で発動。
魔法使い「〜〜」
少女「目眩ましかい?」
……その通りだよ。
狙いは後方。
熱線の魔法で噴水を狙う。
蒸発する噴水の水、飛散する瓦礫。
魔法使い「さて、あと数手、気づかなければ詰みだよ?」
少女「何をしようと魔法じゃ私には勝てないぞ?」
- 448 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:02:38 ID:TsjRKeIE
よし、気づいていないな。
視界は既にほぼ無いに等しい。
僕の狙いは一つ。
頭上だ――。
少女「ん?」
魔法使い「〜〜〜」
水蒸気を頭上で凍らせて、ただ落とすだけ。
魔力は凍らせた時点で解く。
魔法使い「林檎が木から落ちるのは魔法ではないからね」
少女「……やるね」
氷の塊が少女の上に落ちた。
- 449 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:03:16 ID:TsjRKeIE
魔法使い「これぐらいじゃ、ダメかな」
少女「危うく本の栞になるところだったよ」
彼女は間一髪の所で氷塊を避けていた。
どうも思考の端に引っかかる違和感。
ものは試し、だね。
魔法使い「〜」
地面に向け爆発の魔法を放つ。
爆発の際に大小様々な土塊などが飛び散る。 それを避ける少女。
違和感は徐々に膨らんでゆく。
- 450 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:03:49 ID:TsjRKeIE
少女「一体君は何が狙いなんだい? 私を砂だらけにした所でどうしようもないだろう」
魔法使い「〜」
次は土塊を地面から創造して攻撃する。
少女「だから無駄だと言ってる」
魔法は、少女の前でただの土に戻される。
――違和感は確信に変わっていく。
魔法使い「君、魔法が使えないんじゃないか?」
少女「……ふふん」
- 451 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:04:48 ID:TsjRKeIE
少女「根拠は?」
魔法使い「君自身は、一度も魔法を使ってない」
魔力を介した攻撃はすべて無効化する癖に、視界を塞がれても魔法を使わずに対応していた。
更に言えば、だ。
魔法使い「君自体の魔力に干渉された時、酷く弱々しかった。 下級魔法が発動する程の量すらないほどに」
少女「なる程、流石だね。 確かに私自身の魔力量は今や、一般人の三分の一も無いだろう」
少女が笑う。 満たされているように。
魔法使い「なぜ?」
少女「愛故に、かな? 場所を移そうか」
- 452 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:05:27 ID:TsjRKeIE
少女の私室に通される。
品の良い調度品に囲まれた私室はどうにも居心地が悪い。
少女「僧侶、君も勇者が好きなんだね?」
僧侶「……はい」
少女「即答しないんだね」
暫くの沈黙。
少女「私は彼の事を愛している」
沈黙を破ったのは少女だった。
- 453 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:06:09 ID:TsjRKeIE
少女「あぁ、こんな気持ちは初めてだ。 もしかしたら昔々彼と私の魂は一つだったのかもしれない」
胸に手を当てて微笑む少女。 こんな顔も出来るんだ。
優しく笑みを浮かべたその表情は幸せそうに満たされているようでもあり、それでいて切なそうでもある。
少女「彼がいない私は不完全だとさえ思う」
恋愛経験のない僕でも解る。
少女のこの表情は人を本当に愛している時の顔だ。
- 454 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:06:53 ID:TsjRKeIE
少女「こんなにも、こんなにも勇者が愛おしい。 細胞の一つ一つが、私が私である為に必要な全てが、彼を愛おしいと叫んでいる」
少女の声は最初、淡々としていたものだったが、徐々に感情の籠もった震え声に変わる。
少女「彼と居ると春の優しい木漏れ日に包まれるようであり、彼の一挙一動は真夏の太陽のように私の心を焦がす。 彼と一時でも離れれば、秋の夕暮れのような寂しさでどうにかなりそうになり、真冬の雪のようにしんしんと想いだけが積もっていく」
少女「勇者は、私にとって世界と同義なんだ」
少女の独白のようなものが終わると、また私室は静寂に包まれた。
魔法使い「それと、君の魔力が少ない理由が繋がらないんだけど」
僧侶「私には分かりました。 勇者の呪い、ですね」
僧侶が俯きながら話す。
少女「聖職者にはわかってしまうんだね。 その通りだ」
- 455 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:08:19 ID:TsjRKeIE
今回の更新は以上になります。
沢山の支援、感謝です。
- 457 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/02(火) 00:57:03 ID:EPNW4IQI
よっしゃきてたああああああああああ!乙です!
- 461 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:09:54 ID:8vKuy7T6
更新します。
どうやらお隣の魔女の長編が完結されたみたいで、羨ましい限りです。
こちらもなるべく早く完結出来るように頑張りたいと思います。
- 462 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:11:23 ID:8vKuy7T6
僧侶「高次元の呪いの解呪にはそれ相応の代償を払わなくてはなりません。 世界を灼き尽くす程の怨恨を込めた魔王からの呪い。 解呪に払う代償は筆舌にし難いものでありましょう」
僧侶は肩を震わせながら言った。
燭台の火が微かに揺らめいて小さな音を立てる。
僧侶「ただ、そんな呪いですら解呪できた貴女が羨ましくて仕方がないのです」
魔法使い「……」
少女「解呪、か。 出来たら良かったんだけどね」
少女はじっと自分の手のひらを見つめる。
少女「僕の持てる全てを捧げても彼の呪いを緩和する程度が精一杯だったよ」
少女は、自嘲気味に笑みを浮かべたまま遠くを見つめた。
- 463 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:12:26 ID:8vKuy7T6
僧侶「……」
重苦しい空気の中、夜の色が深みを増していく。
息苦しさを覚える程の無音が、どれほど続いただろうか。
僧侶「私は、神に仕える身です。 信仰を生涯の伴侶とする事に何の迷いもありませんでした」
僧侶が口を開く。
僧侶「戦う術は持たずとも、この世界を救う為の力となれるのであれば喜んでこの身を捧げる覚悟で勇者の旅の供となったのです」
魔法使い「僧侶?」
僧侶「今でもその気持ちは変わりません――でも」
- 464 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:13:16 ID:8vKuy7T6
僧侶「夢みてしまったのです。魔王を倒したその先、平和となった世界で私と共に在ってくれないか、と」
僧侶はそこまで言うと部屋から出て行ってしまった。
早朝。
僧侶の姿は無かった。
魔法使い「勇者、心当たりは?」
勇者「俺だって知りたいさ」
戦士「探しに行かなくてはな、勇者」
戦士の目は厳しさと優しさが同居している不思議な眼差しだった。
父親みたいだ。
- 465 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:13:47 ID:8vKuy7T6
少女「私……か…」
珍しくうなだれるような態度の少女。
魔法使い「その通りだね」
励ましたりはしないけど。
魔法使い「ただ、事実をねじ曲げてまで相手を気遣った所で蟠りが無くなる訳じゃないし」
少女「……」
魔法使い「僧侶は僕にとっては、たいせ……あー、アレだ、一応仲間だしね。 この機会で何とかするのはちょうど良いんじゃないかな」
少女「すまないな」
魔法使い「気にしなくて良いさ、ほんのお礼だ」
少女だって悪い奴じゃあない訳だし。
- 466 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:14:54 ID:8vKuy7T6
魔法使い「〜〜」
指先に魔力の塊を作り上げると、勇者の後頭部目掛けて飛ばす。
勇者「ぬぁっ!?」
顔面から転ぶ勇者。
は、この鈍感。 お前がハッキリしてりゃ、こうならなかったんだ。
勇者「なにするんだよ!?」
魔法使い「手が滑った」
勇者は割と怒っている。
怒りたいのはこっちだ。
- 467 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:17:02 ID:8vKuy7T6
戦士「む」
戦士が勇者の後ろで高く右手を振り上げた。
勇者「んな訳あるっ、ん痛ってぇ」
鈍い音が響く。
振りかぶられた戦士の拳が、勇者のボリュームのある勇者の蒼髪に包まれた頭に振り下ろされた。
勇者「っ〜〜!? いきなり拳骨するとかどーいうつもりだよ!?」
戦士「それくらいで済んだと思ってるとこの後辛いぞ?」
この戦士はどこまで気づいているんだろうか?
相変わらず良く分かんない奴だ。
- 468 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:17:49 ID:8vKuy7T6
少女「……マズいな」
勇者「?」
魔法使い「なにが?」
戦士「確かにまずいかもな、急いで僧侶を捜すぞ」
勇者「どーいうことだ!?」
少女「私の結界内に、なんだか良くないものが紛れ込んだみたいだ」
次から次って、あーもう!
僧侶の所の神様が僧侶を泣かせたから怒ってるんじゃないか?
- 469 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:25:31 ID:8vKuy7T6
今回の更新は以上になります。
このシリーズの構想を練っていた時、文章に直してるときに聴いている曲はいつも
:元ちとせ:語り継ぐこと
です。
- 470 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/09(火) 23:45:34 ID:NVeZHMPM
乙!
最高だZ!
- 474 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/13(土) 00:18:30 ID:ukNA6732
更新します。
タイトルに‘世界’がついたSSと言えばや、ファンタジーや魔女のSSと言えば、>>1と言われるようになりたいですねー。
- 475 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/13(土) 00:20:13 ID:ukNA6732
―――――――――――――――――――――――――
少年「なんだか大変そうだね」
好きな人が居るって幸せな事だとばかり思ってたんですが。
安楽椅子に揺られている魔女を見てそんな事を考えます。
魔女「あぁ、少しばかり大変だったね。 古今東西、色恋沙汰は苦労するのが世の常だ」
魔女にもそんな時があったんでしょうか?
- 476 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/13(土) 00:22:09 ID:ukNA6732
少年「好きな人に好きだと伝えるのってそんなに大変かなぁ?」
魔女は前髪を指でいじりながら少し考え込んでいます。
やっぱり魔女が何かを考えている姿は様になりますね。
魔女「好き、の種類によるんじゃあないかな?」
少年「僕は魔女が好きだよ?」
えぇ、僕にとって魔女イコール世界の全てと言っても過言でないくらいに。
魔女「……っ」
なにやら魔女が今度は山高帽子を深く被り直していました。
いったいどーしたんでしょうね?
- 477 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/13(土) 00:22:22 ID:ukNA6732
魔女「人の好意は受け取る方も大変だね。 直球なら尚更だ」
魔女は寂しそうに笑いました。
濃い蜂蜜色をした癖っ毛が、塔の窓から差し込む西日に照らされて優しい色をしています。
魔女「相手の事を想えばこそ、伝えないという形にもなるんだろうね。 今ならば分かるよ」
僕には分かりません。
人間って難しいですね。 僕も、難しいんですかね?
魔女「難しいさ、普通よりよっぽどね」
人の心の声に応答しないでよね、恥ずかしいじゃないか。
少年「それより、その後は?」
魔女「そう急かさないでくれないかな?」
だって、気になるし。
- 484 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/13(土) 19:48:12 ID:Uu4wlWqE
乙
確かに亀進行なのは否定できないな
だけど亀進行なスレにここまでついて来てる>>480のツンデレかわいい
- 495 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/23(火) 00:21:26 ID:VaV6ccBU
前のも読んでるけど、流れも綺麗だし、感情で走り過ぎてもいないし、言いたい事も解るし、特に日本語もおかしくないし(ss見てると日本語が滅茶苦茶なの多いよね)、安心して読める
また見に来る
- 496 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/23(火) 17:04:03 ID:VaV6ccBU
>>484
わかる
辛辣な言葉投げかけながら、実は反応待ってる>>480はツンデレかわいい
きっと本音では「もうちょっと早ければ……まあ、内容はわるくないんだし……とにかく、待ちきれないんだからね!」ってカンジ
もしくは、「構って欲しいのに素直になれなくて」ってパターンか……それもかわいい
これでとんがった反応返してきたら、もうヤバい
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