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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:04:35.08 ID:VsxpxziRo
 シュウウウウゥゥゥゥ……

青竜兵「……は?」

北方兵「今なにか……降ってきたぞ……?」

青竜士官「!?」

 タッタッタッ……ザッ

青竜士官「大丈夫ですかっ!!」ガバッ

西方副司令「……」

竜騎士兵「こっちにも……あっ! あっちにもいます!」

南方兵「冗談じゃねぇぞ……っ、ウチの副司令と参謀じゃねぇか……!!」

青竜士官「搬送しろ!! 重傷だ、急げっ!!」

北方兵「な、何が起こっているんだ……!?」

竜騎士兵「誰か、見た者はいないのか!?」

西方兵「突然っ、場内から閃光が見えました……っ!」

青竜士官「閃光? とにかく早く搬送するのだ!」

竜騎士兵「了解っ!」


556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:05:02.52 ID:VsxpxziRo
 ゴゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「んんー?まだ何匹か生き残っているではないか」

ジュニア「オ……ヤジ……?」

皇太子「新手……!?」ザッ

エリート「陛下! お退がりを!」

アスモデウス「んんーまぁ良い。次の攻撃で殲滅全滅壊滅しようではないか」ズオッ

ジュニア「……て……めぇ――」

 ガシッ!!

ジュニア「!?」

賢者「……動かない方がいいよ……ふぅ」

ジュニア「離せ!!」

大軍師「賢者殿の申す通りです。単独行動は危険……」

ジュニア「言ってる場合かよっ!! オヤジも……やられたんだぞ!!」

青年兵「従って下さい!!」

ジュニア「!?」


557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:05:55.18 ID:VsxpxziRo
青年兵「マジシャンさんはこの程度で、やられる方ではありませんよ……っ」

ジュニア「……くっ」

アスモデウス「んんー、威勢が良いですねぇ。でもでも無意味。防ぎようがない」

エリート「来るぞおおぉぉ!!」

アスモデウス「全くいやはや、尻拭いなど面倒な作業をやらされる身にもなってみろ」

 ゴウッ!! キュイイイイィィィィ……

大軍師「このままでは……っ」

青年兵(もう魔力が……っ、でも防ぐしかない! せめて……陛下だけでも)ザッ

アスモデウス「んんー死ねい!!」

 ガバァッ!!

アスモデウス「おやおや何ぃ!?」

東方参謀「撃たせ……てっ、なるものかぁ!!」

南方司令「うおおおおぉぉぉぉ!!」ガシッ

アスモデウス「んんー死にぞこないめぇッ!!」

西方司令「絶対に離さぬ……いや、話しちゃおうかな……ごほごほっ!」ビチャッ


558 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:06:30.87 ID:VsxpxziRo
南方司令「絶対に離すなよ!! 正義の為だ!!」

アスモデウス「んんー、小賢しい小癪小生意気です」

東方参謀「目的は果たしたっ! このまま……我らごと城外に吹き飛ばすのだっ!」

青年兵「!?」

アスモデウス「んんーそれは厄介極まりない。やめましょうよそんな事」バギャッ!!

東方参謀「ご……ぶぉ!!」

皇太子「どうするのだ!?」

大軍師「……っ」

南方司令「早くしろぉ!! 正義の為なのだ!!」

西方司令「死ぬかもしれないし、死なないかもしれないっ!!」

アスモデウス「んんー、させませんって」

青年兵(駄目だ、躊躇している暇はない……っ!)

アスモデウス「では、失礼無礼非礼」グオォッ!!

師匠「させねーよ」ザッ

アスモデウス「!?」


559 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:07:41.36 ID:VsxpxziRo
師匠「このまま城外に吹っ飛ばすぜ!」

青年兵「師匠さん!?」

師匠「心配すんな。みんな死ぬわけじゃない……また会えるさ。ガハハ!」

青年兵「っ!!」

師匠「大軍師! 後押し頼むぜっ!」

 振り向きざまに師匠は朱雀召喚獣を魔力の限り、召喚する。

大軍師「承知っ」

 朱雀召喚獣は元来、風の魔法を得手としており、そこへ大軍師の木行も相まって、

 膨大な風が突風として巻き起こり、アスモデウスの巨体を軽々と持ち上げた。

アスモデウス「んんー!?」

師匠「んじゃな! 後は任せたぜ!」

アスモデウス「くおぉ――――」

 ドッドオオオオォォォォン!! ゴッガオオオオォォォォ!!

皇太子「う……っお!」

青年兵「っ!!」


560 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:08:22.22 ID:VsxpxziRo
 ビュオオオオォォォォ……

エリート「消……えた。大丈夫なのか……?」

大軍師「分かりませんが、城外ではまだ交戦中。此処よりは援護もましかと」

皇太子「それで、私達はどうするのだ?」

大軍師「我らの任務は達成されました」

ジュニア「敵を倒す事が任務じゃねぇのかよ!!」

大軍師「我らの第1優先任務は、陛下をお守りする事」

ジュニア「……っ」

大軍師「第2に場内の門を全て開く事です」

賢者「まぁ、目的は達成されたわけだね……ふぅ」

大軍師「そしてもう1つの任務として……」

青年兵「僕達には魔王ベルゼブブの最後を見届けなくてはいけない」

大軍師「その通りです。その為には、前へ進むしかありません」

ジュニア「……っ!!」

 唇を噛み締めたジュニアは、率先して立ち上がり、無言で門へを足を進めた。


561 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:08:58.89 ID:VsxpxziRo
 ォォォォオオオオ……ゴオオオオォォォォ!!

朱雀嬢「えっ!?」

玄武娘「何ですの――」

 ドッズウウウウゥゥゥゥン!!

王子「何事だっ!」

アマゾネス「な、何か降ってきたぞ……?」

 シュウウウウゥゥゥゥ……

名代「大きいな……っ。岩か何かか?」

帝「違うっ! 離れろ!」

名代「!?」

 ドッガアアアアァァァァ!!

アスモデウス「んんー。フッシュウウゥゥゥゥ」

王子「新手の魔物だ! 戦闘態勢――」

アスモデウス「んんー、いつまで纏わりついておるかいなッ!!」

 ブオッ!! ドグッシャアアアアァァァァ!!


562 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:09:31.35 ID:VsxpxziRo
東方参謀「が……っはああぁぁ!!」ドシャッ

おさげ「あ、あれって……味方じゃないの?」

色黒「怪我してるわよ!?」

王子「むっ、いかん! 早く救出するぞ」ダッ

アスモデウス「んんー救出? そんな必要は無用不要皆無」

 ズッギャアアアアァァァァ!!

南方司令「ご……っああぁぁ!!」

西国兵「放り飛ばしやがった!! くそぉ!!」

帝「拾い上げよっ、2人おるぞっ!」

名代「天狗っ、雪女!」ババッ

アスモデウス「んんー。邪魔をするない」

朱雀嬢「それはこちらの台詞ですわっ!」ザザッ

王子「さぁ来るがいい! 貴様の相手はこの私だ!」

アスモデウス「たわけーい!! 貴様如きでッ、相手になるかよ」

名代「……よし、救助を終えましたよ」


563 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/19(木) 18:09:59.89 ID:VsxpxziRo
アマゾネス「ポニテ、ツインテ。この2人を連れて行ってくれ」

王子「お前はこの者を」

西国兵「了解! さぁ、掴まってくれ!」

東方参謀「ぐ……」ググッ

アスモデウス「んんー、まーだこんなに居るのかよ」

帝「……」ススッ

アスモデウス「と言いますかね、城外じゃ押されているじゃありませんかい」

玄武娘「何だか、攻撃してきそうもないですの」

朱雀嬢「そんなわけがあいですわ。いつでも召喚出来るよう、準備なさいな」

アスモデウス「んんー。だから言っているんだ、こういう尻拭いじみた事をするのは……」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「この俺のオオォォ! 仕事じゃアアァァ! ねエエェェんだよオオォォ!!」

 カッ!! ドッグオオオオォォォォン!!

帝「くうぅーっ!!」

アスモデウス「んんー死んで詫びてろ!! カスクズボケ!!」


568 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/19(木) 18:35:59.32 ID:6q+EuuYDO
こりゃまたクセのあるキャラだな。
口調が二転三転するせいで外見のイメージがまるで出来ないww


574 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/04/20(金) 01:42:13.77 ID:HUo6ewjAO
>>1おつ

アスモデウスの外見は牡牛、人間、牡羊の3つの頭とこれまた気色悪い外見という


577 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 17:57:18.23 ID:5NoEQaj9o
 ドドドッ……ドドッドドッ

白虎長「今の爆発はなにっ? まだあんな攻撃が出来る魔物がいるわけぇ!?」

白虎兵「北側でしたねっ! どうします!?」

白虎長「あんた達はこのまま一夜城を目指しなさい」

白虎兵「白虎長様は!?」

白虎長「私はこのまま北側へ合流するわっ」ドドッ

白虎兵「お1人では危険です!」

白虎長「合流すれば他の人達もいるし、いいから行きなさい!」

白虎兵「……り、了解っ」ドドッ

フェンリル「良かったのか?」

白虎兵「どうせ俺達には大した魔力も残ってないし、逆に足手纏いだよ……」

フェンリル「むっ!?」

白虎兵「どうし――わわっ!」

ズザアアァァ!!

白虎兵「急に止まるな……」


578 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 17:57:53.97 ID:5NoEQaj9o
フェンリル「人だ」

白虎兵「!?」

魔法剣士「魔物は……まだいるのか?」ザッ

白虎兵「い、いるけど……あんた怪我人だろ!? 動けんのか……?」

魔法剣士「どこだ?」

三男「やはり無茶だ、この身体では……」

魔法剣士「言っただろう? 無茶かどうかなど関係ないのだ」

三男「……っ」

魔法剣士「救える命があるならば……戦い続ける」ザッザッ

白虎兵「お、おい……っ!!」

三男「……分かりました。行かせてあげて下さい」

白虎兵「!?」

三男「但し、私も貴方について行きます」

魔法剣士「何?」

三男「もし貴方が倒れても、私が抱えて連れて帰ります」


579 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 17:58:28.45 ID:5NoEQaj9o
白虎兵「冗談じゃないっ! 一国の主をそんな危険な目に遭わせられませんっ!」

三男「しかしこの方お1人では……」

――「我らが、共に参ります」

三男「……ハヌマーン!!」

ハヌマーン「三男様、それならば文句もなかろう?」

三男「よ、良いのか?」

ハヌマーン「ええ。攪乱の必要はほぼなくなりましたし、何より傷も癒えました」

ラクシャーサ「人間の医療技術っつーの? スッゲェよなぁ」ナデナデ

三男「……すまぬっ。私が無力なばかりに」

ハヌマーン「何を申される。人間にも魔族にも、それぞれ役割というものがありまする」

三男「……」

ハヌマーン「三男様は剣を振るう事が役割ではござらぬ。民を統べる事こそが役目」

三男「ハヌマーン……」

白虎兵「ん、なぁ。俺らの体長が単身、北に向かってんだ。助けになってやってくれ!」

魔法剣士「……ああ、分かった」


580 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 17:59:16.67 ID:5NoEQaj9o
 タッタッタッタッ……

ケルベロス「くぅーん」

魔法剣士「お前も行くのか?」

ケルベロス「ハッハッ」ブンブン

ハヌマーン「それでは参るぞ。このまま真っ直ぐ、北へ突っ切る!」

オーク「やってやるです……!!」ジャキッ

三男「お気をつけて!」

魔法剣士「……」ダッ!!

白虎兵「真っ直ぐって……魔王軍がまだ居るのに大丈夫かな……?」

三男「……っ」

 ザッザッザッ……スッ

三男「戦場にいる華国軍に告ぐ!!」

白馬騎士「!?」

老将軍「あれは……三男様か……?」

三男「これより北へ回り、立ちはだかる魔王軍を攻撃するのだっ!!」


581 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:00:44.48 ID:5NoEQaj9o
白馬騎士「三男様……っ」

三男「突破する必要はないっ! 道を切り拓けっ!」

華国兵「……お、おぉ……っ」

三男「その道の先には我らの、人間の未来が見えるはずだ! 心してかかれいっ!」

華国兵「お、おおおおぉぉぉぉーっ!!」

老将軍「三男様、見事なる君主ぶりよ!」

白馬騎士「……」

老将軍「ふっふっ。感極まっておるのかぁ?」

白馬騎士「!? ま、まさか……」グイッ

老将軍「……まぁ分からんでもないがな。儂は本当に後悔しとるよ」

白馬騎士「……」

老将軍「何故あの時祖国を見捨てず、お主のように留まり、助力しなかったのかとなぁ」

白馬騎士「仕方ありませんよ。私とて三男様のお目付けでなくばどうであったか」

老将軍「じゃがな、もし儂らが華国を見捨てず、華国の為に働いておれば……」

白馬騎士「ええ。あの場にはきっと、3人の王子が一丸となり、指揮を振るっていた事でしょうね」

 三男を見つめる白馬騎士と老将軍の目は、微笑ましくも寂しいものであった。


582 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:01:11.57 ID:5NoEQaj9o
 ドドオオオオォォォォ……

名代「な、何をしたのだ……っ」

アスモデウス「んんー何をって、体内に貯めた魔力を爆発させただけの事」

王子「下馬しろっ。召喚獣に変更する!」ザッ

アスモデウス「んんー。私とした事がぁ、少し熱くなりすぎてしまいましたかね」

朱雀嬢「玄武娘っ、リヴァイアサンよ!」

玄武娘「はいですっ!」ザッ

アスモデウス「もう1回くらいやったら、終わってしまいそうですかね。いやいやいや……」

 キュイイィィィィン……ズゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「終わらせましょう、そうしましょう」

師匠「ほざけやっ!!」バッ

アスモデウス「ッ!?」

師匠「行けっ! ペガサス!!」

 シュイイィィィィン……ドガガガガガガガッ!!

アマゾネス「ペガサス……? 朱雀召喚士か?」


583 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:02:01.82 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「今……何て……」

玄武娘「えっ? 何も言ってないですの」

朱雀嬢「違いますわよっ! あの男『行けっ!』……って」

アスモデウス「んっんー! 油断誤算慢心!」ドゴォ

師匠「そのまんま……寝てろやぁ!!」

アスモデウス「でもでもでもでも、冷静沈着平静に対応すれば、問題なしですね」

 ドッ!! ゴッガアアアアァァァァ!!

師匠「――――っ!!」

チャンプ「うおっ、アイツ……吹き飛ばされたぞ!?」

北方兵「お前も邪魔だ! 退がれっ!」

帝「名代、あの者の救助を……」

朱雀嬢「私達が行きますわ!」タッ

師匠「ぐ……っく」

 バシュウウゥゥゥゥ!! ガシィ!!

師匠「!?」


584 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:02:27.55 ID:5NoEQaj9o
ハーピー「大丈夫〜?」

師匠「……ハーピーか……っ」

朱雀嬢「どう? 大丈夫そう?」

ハーピー「今、そっちに降ろすわよぉ」ヒュオッ

玄武娘「ナイスキャッチですの!」

ハーピー「へっへー!」

朱雀嬢「目立った傷は……ないようですわね」

師匠「あ、ああ……っ。怪我よりも魔力枯渇だ……っ」

王子「危ないぞ、もっと退きたまえ」

朱雀嬢「お願いしますわ」

王子「突撃ーっ!!」

西国兵「スフィンクス隊……いっけぇ!!」

 ドッドオオオオォォォォ……

師匠「な、何だか……活気溢れる戦場だな」

朱雀嬢「そうかしら?」


585 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:02:55.14 ID:5NoEQaj9o
師匠「俺が前線に立ってた頃なんざ、召喚獣なんてほぼ皆無だったんだがなぁ……ガハハ!」

玄武娘「時代は変わったんですの〜」

西国兵「そこのワーカー! 手を貸してくれ!」

玄武娘「は、はいですのっ! 朱雀嬢ちゃん、先に行ってるですの!」タッ

師匠「お前さんも気にせず、行ってくれ」

朱雀嬢「……あの」

師匠「……?」

朱雀嬢「あなた、何者なのかしら?」

師匠「どういう意味だ?」

朱雀嬢「ペガサスを使う朱雀召喚士。いや、それよりも確か……」

師匠「……」

朱雀嬢「召喚流派に『行けっ!』、と仰いましたわよね?」

師匠「……ああ。俺の流派は師匠流だからな」

朱雀嬢「そう」

師匠「それが何かあんのか?」


586 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:03:26.36 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「……出て来い、ハーピー」

 シュイイィィィィン

師匠「――っ!?」

朱雀嬢「やはりご存じのようですわね」

師匠「お前、本家の人間か……っ」

朱雀嬢「私の予想が正しければ、現存する師匠流は朱雀先生と同門という方のみのはず」

師匠「……朱雀先生? あぁ、アイツか」

朱雀嬢「あなたは……師匠さんですわね? まさか生きてらしたなんてね」

師匠「ガハハッ! 大したお嬢ちゃんだなこりゃ」

朱雀嬢「朱雀の事ならば、情報は収集していますわ」

師匠「そうか。なら話は早いわな」

朱雀嬢「生きていた理由や詳細は聞きませんわ。でも――」

師匠「……」ザッ

朱雀嬢「!? あ、頭を上げてですわ……っ!!」

師匠「本家を守る事が朱雀召喚士の務め」


587 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/20(金) 18:04:08.48 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「い、今更っ! そんな事を……っ」

師匠「……」

朱雀嬢「今更、そんな事を言われても……どうしようもありませんわ」

師匠「……そうか」

朱雀嬢「それに今のあなたに私を守れるのかしら?」

師匠「ガハハ! その通りだな。もう練りだした魔力は枯渇だ」

朱雀嬢「だから護衛は不要。あなたはお戻りになられると良いですわ」

師匠「大丈夫か?」

朱雀嬢「私には仲間が居ますもの。それに……」

師匠「……」

朱雀嬢「朱雀本家なんてものは、もう存在しませんから」

 スッ……タッタッタッタッ……

師匠「……零細だけどよ、朱雀も安泰そうだな師匠! ガハハッ!」

朱雀嬢「玄武娘っ、さっさと行きますわよっ!!」タッ

玄武娘「えっ!? あ、はいですのー!」



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