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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
- 305 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/07/13(金) 17:54:27.77 ID:e0z/aJpeo
〜地獄、外部〜
師匠「……っ」
マジシャン「だーから嫌だったんだ……よぉ!!」
ドッドオオオオォォォォン!!
マジシャン「――!?」
師匠「早いっ!!」
マジシャンの速攻に隙はなかった。しかし魔物はその魔法攻撃を軽く避けてみせた。
姿だけではない。その回避行動だけで、この魔物が只者ではないと容易に理解出来る。
そして獅子の兜をかぶり、甲冑姿の魔物はドスの利いた低い声でゆっくりと語りだす。
――「異界の者よ、この地獄へ何用だ」
マジシャン「……っ!!」
師匠「待てっ!」
戦う意思を見せるマジシャンを制し、師匠がその問いかけに答える。
師匠「我が名は師匠。こっちがマジシャン。我々は魔王サタンを倒しに地獄へ来た」
――「……ほぉ、サタンを」
- 306 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/13(金) 17:55:15.76 ID:e0z/aJpeo
師匠「しかし思わぬ反撃を食らい、ここまで来てしまった。それだけだ」
――「成程。理由は理解した」
師匠「それは何よりだ。すぐに戻――」
――「だが、侵入者は速やかに排除しなくてはならぬ」ジャキッ
師匠「!?」
――「覚えておくが良い。我が名はサブナック。二度と会わぬ事を祈るぞ」
サブナックと名乗る魔物が手にした巨大なスピアが螺旋状に突き放たれた。
骨格から肉と皮をそぎ落とすかと勢いで噴き付ける暴風は、地面を抉り、
師匠とマジシャンの身体をその場よりあっという間に消し去った。
サブナック「望み通りサタンの元まで送ってやった。まぁ、生きていればの話だがな」
ザッ……ドウンッ!!
青い馬が跳び、激しく抉れた大地と、動かなくなったインプだけが転がっていた。
サブナックにより吹き飛ばされた2人は、遥か彼方の岩壁へと埋まっていた。
死んではいない、生きている。しかし意識はない。あんな一撃を食らえばそれは当然だ。
高くそびえる岸壁の横には、巨大な宮殿が禍々しさと白い光柱を放っていた。
- 307 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/13(金) 17:55:51.48 ID:e0z/aJpeo
…
その宮殿内部、黒い空間が五行の光に貫かれ、振動していた。
美女「ちょっと……何これ!?」
格闘家「空気が震えているのか……っ?」
白虎長「見てっ!! サタンが……っ!!」
盗賊「!?」
空間が歪む。サタンの影に闇が吸い込まれるかのように流れ込んでゆく。
自分の周囲を物凄いスピードで流れる闇は、時折、青白い光を輝かせ、
まるで夜空が1ヶ所に集っていくような、不思議ながら幻想的な光景に見えた。
召喚士「――――っ!!」
その直後、強い耳鳴りと同時に、呼吸が出来なくなった。
まるでその場にある空気が一瞬で失われたようでった。言わば真空状態へと陥ったのだ。
真っ白に広がる空間の中で召喚士はふと、まるで召喚界のようだ、と感じた。
そしてすぐさま息が出来ない事に慌てるが、その直後、更に慌てる出来事に遭遇する。
召喚士「……俺……!?」
- 308 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/13(金) 17:56:23.10 ID:e0z/aJpeo
サタンが居た場所に自分の姿がある。息苦しさなど吹き飛び、
周りの景色と同様、頭の中まで真っ白になっていた。
落ち着きを取り戻す間もなく、目の前は光に包まれ、回りの空気は元通りとなった。
オオオオォォォォ……
召喚士「……っ!?」
だだっ広い宮殿。紛れもなくその宮殿は、かつて天才と共に訪ねたサタンの居場所であった。
大軍師「こ……れは……っ」
戦士「ここがサタンの宮殿だ!!」
アマゾネス「ここが? では先程のは何だというのだ!?」
召喚士「あれも……さたんだよきっと……ごほっ!」
戦士「召喚士っ! 大丈夫か!?」
召喚士「……うん。致命傷じゃない」
魔道士「でも……っ」
盗賊「……来るっ!!」
ジュニア「!?」
- 309 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/13(金) 17:58:07.46 ID:e0z/aJpeo
格闘家「な……んだっ、この感――」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
宮殿全体が揺れる。足元から突き刺さるような恐怖が、威圧が押し寄せる。
いつの間にか召喚士は自分の姿を見失っていた。ただそこには代わりに、
黒い影が球体となり、魔王サタンの核として静かに存在していた。
召喚士「く……っ!」
咄嗟に攻撃を仕掛けようと試みる召喚士であったが、時既すでに遅く、
サタンの核は何かに包み込まれ、次第にどんどん膨張を始めていった。
時空が歪む。空間に少しずつ、うっすらと巨大な魔物の姿が現れ始める。
地鳴りと地響きと共に、魔王サタンが目に見える形で一同の前へと姿を現した。
巨大などという一言で済ませても良いものかどうか。サタンの新たな姿は、
文字通り山のような大きさで、それでも見えている部分は胸部より上だけであった。
王子「……で、でかい……な」
帝「これは正直、倒せる気がせぬな」
その場の誰しもが絶望や驚嘆を通り越し、開いた口が塞がらない状態であった。
- 318 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 21:59:23.71 ID:c/v7vtyGo
白虎長「ひゃあ〜。おっきいですねぇ〜!」
ジュニア「もう怖いとかそういうモン全部通り越して、笑えてくるぜ……ハッハ!」
サタン「……」
戦士「大したこたぁねぇよ。でけぇ魔物なんざ腐るほど相手してきた」
召喚士「戦士の言う通りだよ。今までだって戦ってきたじゃないか」
青年兵「牛魔王」
魔道士「そうですよ! 牛魔王だって大きかったですよ!」
盗賊「だが、上半身だけで牛魔王のような大きさだぞ」
青龍士官「デカイから強いというわけでもない。速さでかき回してやれ!」
朱雀嬢「そうですわっ!」
アマゾネス「行けっ、ワルキューレ! 相手は動けん。背後から強襲するのだっ!」
大軍師「うまく動きを封じさえすれば、タイミングを見計らって五行を叩き込めますね」
青年兵「はい。五行の準備に入りましょう」
大軍師「各自、移行して下さい」
召喚士「……はい」
- 319 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 22:00:18.59 ID:c/v7vtyGo
青龍士官「いけぇーっ!!」
ワイバーン「ウオオオオォォォォ!!」
アマゾネス「続けぇ!」
朱雀嬢「空中戦で負けるわけにはまいりませんわ!!」
戦士「いいぞっ! 地上と空中、両方から仕掛けりゃ、あの図体じゃ避けられんぜ!」
名代「召喚士殿、いきますか」
召喚士「名代さん、大丈夫です」
名代「……?」
召喚士「五行は俺、1人でいけます」ザッ
名代「召喚士殿!」
青年兵「召喚士さんっ!! 無茶は――」
大軍師「いや、ここは朱雀先生にお任せ致しましょう」
召喚士(出来るはずだ。5属性召喚……)
サタン「…………」
召喚士(命に関わらない、ギリギリの合体召喚。今なら感覚で放てるはずだ!)
- 320 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 22:01:33.27 ID:c/v7vtyGo
バシュウウゥゥゥゥ!!
白虎長「いいわよっ、もっと空中からかき回してっ!」
女隊員「隙が出来てるッスよ!!」
召喚士「……行け」
シュイイイイィィィィン
召喚士「サラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ノーム……座敷童子!!」
5対の召喚獣が金色の光を放ち、1つの細い光となる。
その光は次第に太く、長く変化をし、サタンを取り巻くように絡みつく。
美女「あれは……龍!? 金色の龍……っ」
盗賊「そうだ。あれこそ召喚士の5属性召喚士!」
召喚士「サタン、これでお前も終わりだ!!」
光がサタンの体内を蝕み、巨大な1つの金色の輝きを解き放つ。
サタン「ゴ……オオ……ゴガアアアアァァァァツ!!」
地響きのような轟音が鳴り響いた。サタンの悶絶するような咆哮だ。
召喚士が5属性召喚がサタンを捉えた証拠であった。
- 321 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/16(月) 23:07:42.04 ID:Lc7DanVCo
サタン「私に真の力があると思っているようだが。そんなものは無い」
おっさんs「過去の因縁とか忘れたぜ」
ご愛読ありがとうございました
- 322 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:20:09.97 ID:c/v7vtyGo
ドッドオオオオォォォォ……
男隊員「やった……か?」
戦士父「そうは思えんがな」
戦士「だがもしそうだとしても、ダメージはかなり与えられたはずだ」
魔道士「ええ!」
召喚士「ど……う……」
ドクン
召喚士「!?」ガクッ
戦士「召喚士!」
召喚士「大丈……夫」
青年兵「あれだけの召喚だ……っ、無事なはずがない……」
サモナー「……っ」
剣士「サタンは……」
サタン「…………オオォォォォ」
西方司令「何っ!?」
- 323 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:21:28.69 ID:c/v7vtyGo
ゴッガアアアアァァァァ!!
朱雀嬢「きゃああぁぁーっ!」
玄武娘「朱雀嬢ちゃん!!」
アマゾネス「馬鹿な……っ」ドサッ
美女「ウソ……でしょ……?」
青龍士官「あれだけの召喚獣を……」
サタン「オオォォォォ……」
青龍士官「たったの……一撃……だと……ぉ」ドシャッ
金色に包まれたサタンが放った拡散する光。
その一撃、たったの一撃で空中の召喚獣全てが消滅した。
サタン「……つまらぬ」
ジュニア「!?」
サタン「五行であれば倒せる、そんな浅はかな嗜好」
弓使い「ま、まさか……無傷だって言うの……っ?」
サタン「巨大であるが故に、遅いなどと決め付けるその一辺倒な戦術」
- 324 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:22:00.52 ID:c/v7vtyGo
召喚士「……っ」ヨロッ
サタン「何もかもが浅はかであり、人間の知恵として限界なのであろうな」
ジュニア「……バケモノめっ、こりゃあちょっと……ヤバイかもな」
水の先生「五行が通じないならば、どうやって倒せばいいんだ……!」
青年兵「通じないなんて事、あるはずがない……っ」
大軍師「同感ですね。何か、あるはずなのです」
南方司令「その何かを探っているうちに、全滅するぞ」
男隊員「させっかよ、そんな事は」
戦士「召喚士っ! 起きれっか!?」ダダッ
召喚士「ありがとう……っ」グッ
盗賊「どうする?」
魔道士「私達で、何とかできないでしょうか……」
戦士「五行が効かない、なんて事はないよな?」
召喚士「ああ。通じないはずはないんだ。でも、今のままでは……」
戦士父「戦士、ゾディアックをよこせ」
- 325 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:22:42.08 ID:c/v7vtyGo
戦士「!?」
戦士父「ゾディアックに五行を限界まで付加して、叩き込む」ザッ
戦士「親父っ!」
戦士父「外部からが無理なら、内部に直接叩き込むのみだ」
戦士「無茶を言え! んな事したら……」
戦士父「死ぬ? だからどうした。サタンを倒さねば全てが死ぬんだ」
戦士「……っ」
戦士父「俺の命なんざどうでもいい。早くしろ」
戦士「……だからって」
召喚士「戦士父さん、駄目です」
戦士父「今の話が聞こえなかったのか?」
召喚士「もう少しだけ時間を下さい。必ず、攻略の糸口を掴んでみせますから」
戦士父「……死ぬぞ?」
召喚士「死にません。絶対に」
戦士父「……分かった。何とか時間を稼ぐ」
- 326 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:23:59.47 ID:c/v7vtyGo
召喚士「ありがとうございます……」
戦士「だからってどうすんだよ!?」
召喚士「4人でサタンに攻撃しよう」
魔道士「4人で、ですか?」
召喚士「何かヒントを、サタンを倒すヒントを見つけるんです」
盗賊「……そうだな。この4人ならば動きもとりやすい」チャキッ
戦士「しゃーねぇ。今まで修羅場潜り抜けてきたパーティーだ。サタン相手だろうが……」
召喚士「うん。うまく連携をとれば、好きにはさせないよ」
戦士「おっしゃ! やってyろうじゃねぇか。行くぞ、盗賊!」ジャキッ
盗賊「……ああ」
魔道士「精一杯、援護しますっ!」グッ
召喚士「……行けっ! コカトリス!!」
シュイイィィィィン
召喚士「5年間の集大成、見せてやる!!」
コカトリス「ああ。みせてやれ召喚士、お前の本当の強さをな」
- 327 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/16(月) 23:28:25.41 ID:c/v7vtyGo
大軍師「まずは朱雀先生の五行が効いたのかどうか、ですね」
青年兵「ええ。効いているのならば連続で叩き込めばいい」
大軍師「しかし効いていないのであれば、戦術を立て直す必要があります」
ジュニア「サタンの余裕っぷりからすると、あんま期待できねーけどな」
大軍師「分かりませんよ?」
戦士父「朱雀が仕掛ける。サタン攻略の糸口を見つけるそうだ」タタッ
青年兵「我らも続きましょう」
大軍師「各自、一旦編成を解きます。各々、動き易い形へスイッチを!」バッ
剣士「あっちは朱雀パーティーか。ならば僕らも!」
弓使い「ええっ。行きましょう! 幼女、行くわよ!」
幼女「うんっ!」タタッ
男隊員「特遊も4人で攻めるぞ!」
ボス「了解!」
格闘家「……了解」グイッ
女隊員「了解っス!!」
- 329 名前:NIPPERがお送りします(千葉県) [sage] 投稿日:2012/07/17(火) 07:18:48.27 ID:6HsqUlVBo
大軍師「はーい、仲の良い人でパーティ組んでサタンに攻撃してー」
- 330 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/07/17(火) 08:28:20.04 ID:RJGSy7wAO
>>329
ビクッ!
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