■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25
235 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:34:29.35 ID:Z7DbUmGbo
再び迎える夜。砂漠とは当然打って変わり、西国の街並みは人で溢れ、

賑やかな色を浮かび上がらせていた。

〜西国〜

玄武娘「おぉーっ!凄いですのー!」

魔法剣士「西国は初めてか?」

朱雀嬢「何度か来ているけれ、毎回素通りでしたわ」

玄武娘「そうですの!」

朱雀嬢「それに、夜は初めてですわね」

魔法剣士「この国も最近じゃ、随分と賑やかになったものだ」

玄武娘「昔は違ったんですの……?」

魔法剣士「ああ。つい数年前に魔物の危機から脱したようだ」

朱雀嬢「へぇ、数年でこんなに反映したんですわね」

魔法剣士「大したものだな」

玄武娘「あっ、あれ美味しそうですの〜」

朱雀嬢「さっき食べたばっかりですわ。我慢なさいっ!」


236 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:34:58.57 ID:Z7DbUmGbo


魔法剣士「いいか、ワーカーの基本は情報収集」

朱雀嬢「……ふむふむ」

玄武娘「おぉー、朱雀嬢ちゃん……ちゃんとメモってるですの」

朱雀嬢「……貴女も書いたら?」

玄武娘「書くものないですの。任せるですの」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「通常は酒場とワークショップが収集の基本として使われる」

朱雀嬢「酒場……っ。ちょっと気が引けますわね……」

魔法剣士「だろうな。ちなみにお前ら、年は幾つだ?」

玄武娘「今年で16ですの」

朱雀嬢「レディに聞くなんて失礼ですわよ。……今年18ですわ」

魔法剣士「…………」

玄武娘「どっ、どうしたんですの…!?」

魔法剣士「い、いや……っ」


237 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:35:29.12 ID:Z7DbUmGbo
朱雀嬢「それで、次は…?」

魔法剣士「あ、あぁ…。その年ならば酒場は難しかろう」

玄武娘「どうすればいいんですの!?」

魔法剣士「ワークショップのみでも、jかなりの情報は集まる」

玄武娘「ほおぉ〜っ」

魔法剣士「特に依頼関係だな。……まぁ百聞は一見に如かずか」

テクテクテク

魔法剣士「ついて来い」

玄武娘「ほえ?」

朱雀嬢「どこへ行くのかしら…?」

魔法剣士「……来れば分かる」

テクテクテク

玄武娘「あっ」

朱雀嬢「行きますわよ」

玄武娘「は、はいですの!」


238 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:36:33.63 ID:Z7DbUmGbo
〜ワークショップ〜

玄武娘「おおぉぉ…っ」

魔法剣士「まさか、初めて来るのか?」

朱雀嬢「私は違いますわ。この子は初めてですわね」

玄武娘「ワークショップ……楽しそうですの……!」

ガチャッ

店員「いらっしゃい」

魔法剣士「すまんな、依頼を見せてくれ」

玄武娘「ほおおぉぉ〜っ」

魔法剣士「壁中に貼られている紙が依頼だ」

玄武娘「凄い量ですの〜!」

魔法剣士「そうだな……例えばこの依頼」

朱雀嬢「西国、北東の森にてヘルハウンドの皮を採取」

魔法剣士「この依頼から、北東にヘルハウンドが生息していると汲み取れる」

朱雀嬢「……成程ですわ」


239 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:37:19.81 ID:Z7DbUmGbo
魔法剣士「そして人数」

玄武娘「えっと、2名〜4名ですの」

魔法剣士「つまり1パーティーを想定している」

朱雀嬢「分かりましたわ。つまりこのヘルハウンドはさほど強くない!」

魔法剣士「そういう事だ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん凄いですの!」

魔法剣士「こうやって依頼を受けずとも、文章を読めば情報を得られるわけだ」

朱雀嬢「ですわね。地理や魔物の生息地はすぐに分かりそうですわ」

魔法剣士「あとはこんな依頼とかだな」

玄武娘「人探しですの……?」

魔法剣士「そうだ。失踪者が地域で固まっているものは魔物の確立が高い」

朱雀嬢「ふむふむ」

魔法剣士「単独ならば自発的なものか……罪人だな」

玄武娘「そうなんですの?」

魔法剣士「お尋ね者として載せているケースもあるが……」


240 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:38:24.98 ID:Z7DbUmGbo
朱雀嬢「これとかそうですわね」

魔法剣士「例えばこれを見てみろ」

玄武娘「国軍の依頼ですの。北に拠点を持つワーカーの捜索?」

魔法剣士「パーティーのリーダーは東方の女。これは間違いなく盗賊団だ」

玄武娘「そうなんですの!?」

魔法剣士「国軍が大々的に盗賊団を捕まえてくれとは言えん」

朱雀嬢「何か理由が…?」

魔法剣士「依頼するという事は、国軍では手に追えないと言っているようなもの」

朱雀嬢「あ……っ」

魔法剣士「それに、盗賊団が北で拠点を構えているなどと公言すれば…」

玄武娘「何かあるんですの?」

魔法剣士「北にまだ見ぬお宝があるという裏付けになってしまう」

玄武娘「そ、その通りですの…っ!」

魔法剣士「そうなれば盗賊連中は北へ押し寄せてくるぞ」

朱雀嬢「たった一つの依頼で…ここまで分かるんですわね……」


241 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:43:57.97 ID:Z7DbUmGbo


魔法剣士「大体言いたい事は分かったか?」

朱雀嬢「ええ、バッチリですわ」

玄武娘「さすが朱雀嬢ちゃんですの!」

朱雀嬢「……」

玄武娘「ひえぇっ、ゲンコツはご勘弁ですの〜」

魔法剣士「……ふっ」

朱雀嬢「あら?今…ちょっと笑いました?」

玄武娘「……?」

魔法剣士「……さて、戻ろうか」

玄武娘「さぁ、ご飯食べるですのー!」

朱雀嬢「貴女…また魔法剣士さんにたかる気?」

玄武娘「じ、じゃあ借りと言う事で……」

魔法剣士「…構わん。全額出してやる」

玄武娘「やったやったですのーっ!!」


242 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:47:37.78 ID:Z7DbUmGbo
魔法剣士「ところで、貯金はないのか?」

朱雀嬢「貯金?」

魔法剣士「依頼は…こなしてないのか?」

朱雀嬢「そんな纏まったお金が入るような事は……」

魔法剣士「…本当に…よく生きてられたな」

玄武娘「……?」

魔法剣士「自分の箱を定期的に見るのも仕事の内だぞ」

玄武娘「箱…ですの?」

魔法剣士「ワークショップの口座や、手紙預かりの総称だ」

朱雀嬢「……そうですわね。しばらく見てないですわね」

玄武娘「早速見てみるですの」

魔法剣士「俺もついでに……おい、手紙と…この二人は口座もだ」

店員「はい。少々お待ち下さい」

玄武娘「ワクワクするですの!」

朱雀嬢「口座はたかがしれてるし、手紙なんて来るはずもないですわ」


243 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 18:50:19.28 ID:Z7DbUmGbo


テクテクテク

店員「お待たせ致しました」

魔法剣士「…手紙?」

玄武娘「おぉーっ、どなたからですの?もしや……くふふっ」

ペシッ

玄武娘「あいたっ!」

魔法剣士「…お前ら宛にも来てるぞ」

朱雀嬢「私達に……?」

カサッ

魔法剣士「…戦士か。大陸港の町で待つ……成程、散り散りになったというわけか」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん、誰からですのー?」

朱雀嬢「ちょっと待つですわっ、そんな急かさ――」

玄武娘「だ、誰ですの……?」

朱雀嬢「……朱雀……先生っ!?」


244 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/09(水) 18:51:22.31 ID:Z7DbUmGbo
こんばんは!今日は朝から雪が降ってビックリでしたね!
お昼は暖かくなって助かりました。風邪引かぬよう気を付けて下さいね!

それでは、ご支援ありがとうございましたーっ、感謝感謝!ノシ


254 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/09(水) 23:01:13.94 ID:TGV+46qDO
16と18かよ…
ロリだとばかり思ってたのに…


256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 23:55:12.60 ID:CpVAS0o9o
玄武娘「ふぇっ?召喚士さん…ですの?」

魔法剣士「いつの手紙だ!?」

朱雀嬢「……最近ですわね」

魔法剣士「……俺のとは日付が違うな。別件か」

朱雀嬢「……?」

玄武娘「そ、それで…なんですの!?」

カサッ

朱雀嬢「……召喚獣の事で…会いたいって」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ、良かったですの!」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「彼の仲間と合流するつもりだ。丁度良かったな」

朱雀嬢「……」

玄武娘「そうですの!行くですの朱雀嬢ちゃん」

朱雀嬢「……いいえ、私は遠慮しますわ」

玄武娘「へ……っ?」


257 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/09(水) 23:55:34.28 ID:YMUXBnvAO
クジャタって召喚するだけで一国潰せそうだな


258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 23:55:48.08 ID:CpVAS0o9o
朱雀嬢「朱雀先生は、私ではなく…召喚獣で用があるんですわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……?」

朱雀嬢「それは駄目ですわ。私が納得いきませんもの」

魔法剣士「……」

朱雀嬢「私は……」

魔法剣士「自身が必要とされたいのか?」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「複雑なものだな…。女心というものは」

朱雀嬢「…それが…レディの嗜みですわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……っ」

朱雀嬢「それに……」

魔法剣士「……」

朱雀嬢「それに、今はまだ…会えませんわ」

玄武娘「……」

朱雀嬢「相応しい女になってから、会いに行きますわ」


259 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/09(水) 23:57:19.06 ID:CpVAS0o9o
玄武娘「…そうですのっ!!その意気ですの!!」

魔法剣士「…では、今回は会うつもりはないのだな?」

朱雀嬢「…ええ。あの方に伝えて下さいですわ」

魔法剣士「……分かった」

朱雀嬢「召喚士の事もあります。近いうちに……必ず」

魔法剣士「伝えておく」

玄武娘「何だか……朱雀嬢ちゃん、かっこいいですの…っ」

朱雀嬢「そう?貴女にも叩き込んであげますわ」

玄武娘「ほえ…っ?」

朱雀嬢「……レディの嗜みですわ。さぁ、早速宿へ行きましょっ」

玄武娘「え…えぇーっ!?」

朱雀嬢「今日は寝ずにレクチャーですわ」

玄武娘「いやですのおおぉぉーっ!!」

魔法剣士「……ふっ」

朱雀嬢「……ふふっ、ほーっほっほっほ!」


260 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/10(木) 00:04:28.86 ID:3o+jxdBxo
〜次の日〜

玄武娘「お世話になりましたですの!」

朱雀嬢「それでは、朱雀先生方に宜しくですわ」

魔法剣士「ああ、伝えておく」

朱雀嬢「……本当に色々と感謝ですわ」

玄武娘「ご馳走様ですの!!」

魔法剣士「…ああ、構わん」

朱雀嬢「それじゃ、また」

魔法剣士「元気でな」

玄武娘「さようならですの〜っ!」

テクテクテクテク…

魔法剣士「…悪くないか、たまにはな」

ザッ…スタスタスタスタ

偶然とはいえ、奇妙な三人の小旅行は終わりを告げた。

ふと数日の出来事を振り返り、鼻で笑う魔法剣士。気分は幾らか晴れていた。


261 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/02/10(木) 00:11:20.52 ID:3o+jxdBxo
とりあえずキリいいとこまで進めてみましたよ
狙ったつもりはないというか、自分ではキリよく終えたつもりなんですよ>>243とか

>>254
初出から4つ年とってますからね
幼女ですら幼女じゃなくなってしまうぅ

朱雀嬢の人気が徐々に…来てるのか!?来てるのか!?
それでは、おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

朱雀嬢「まず、レディはおしとやかに!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんも当てはまらないですの」

朱雀嬢「シャラップ!!歩き方はこうっ!こうですわっ!」

クネックネックネッ

玄武娘「何だか気持ち悪いですの」

朱雀嬢「次に殿方のゆ・う・わ・く♪ですわ」

玄武娘「誘惑ですの?」

朱雀嬢「前屈みで上目遣いで両手をキュ……っと!ですわ」

玄武娘「……こう…ですの?」

チマッ…クネクネ

玄武娘「……何が面白いんですの、これ」

朱雀嬢「知りませんわ!本に書いてありましたものっ、間違いないですわ!」

夜は更けた。


262 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/10(木) 00:16:31.53 ID:aiTrMwjXo
>>1乙




魔法剣士「・・・という夢をみたんだ」

戦士「ロリコン」

盗賊「ろりこん」

魔道士「ロリコンさんです」

召喚士「すば・・・ロ、ロリコンですね」

賢者「・・・ふぅ」


270 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/10(木) 12:59:51.01 ID:nnAY1nfNo
封嘴のコカトリスという漫画があってだな…


299 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/02/10(木) 19:01:04.31 ID:9u/A9CzNo
こんばんは!週末は忙しい……ひぃっ
とりあえずこれにて失礼します!ご支援ありがとうですー!ノシ

>>262
召喚士!?すば…って!すば…って!?

>>270
おぉ!?なんだか面白そうなタイトル!ちょっと気になりますね…
てか、もしかして内容カブってたりとか…ですか!?



次へ 戻る 戻る 携 上へ