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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
401 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:50:26.21 ID:um+F3Ch9o
ザザァッ

青年兵「大丈夫ですっ! 追ってきてはいないようです」

召喚士「行けっ! シービショップ!!」

シュイイィィン…パアアァァァァ

青龍兵「……がはっ! ごほごほっ」

青年兵「大丈夫ですかっ!?」

青龍兵「す、すみません……っ」

召喚士「何があったんです?」

青龍兵「わ、分かりません……っ。突如、マグマが噴火して……」

青年兵「タルウィの仕業でしょうか……」

召喚士「おそらく」

青年兵「……どうしましょう」

召喚士「君が総大将だ、俺は青年兵くんに従うよ」

青年兵「分かりました。では、僕は彼を南西砦まで連れて行きます!」

召喚士「……うん! 俺はこのまま鉱山の村でみんなと合流するよ!」


402 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:50:55.42 ID:um+F3Ch9o
〜火山、中央〜

サルワ「オオオオォォォォォォォ!!」

ズッガアアァァァァンッ!!

天才「さっすが眷属! なかなかの怪力じゃねぇか!」

サルワ「ちょこまかと逃げ回りやがって……時間稼ぎかぁ?」

天才「時間稼ぎねぇ。そんなマシなモンじゃねーって」

サルワ「あぁ!?」

天才「相手してねぇだけだよ。ハーッハッハッハ!」

サルワ「なめるなああぁぁ!!」

天才「!?」

怒りに任せ、サルワの大きく開いた口から暴風が巻き起こる。

天才「ぐ……ぬぅ!」

巨大な竜巻が天才の身体を包み込み、空高くへと舞い上がる。

サルワ「ドルアアァァァァ!!」

天才「なっ――!?」


403 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:51:27.02 ID:um+F3Ch9o
タッタッタッタッタ

魔道士「はぁ、はぁ……はぁ……」

ジュニア「おいおい、大丈夫なのか!?」

大軍師「司令なら大丈夫と……信じたいですが」

賢者「……ふぅ」

ジュニア「手を貸した方がいいんじゃねぇのか?」

大軍師「しかし、あれは私達の標的ではなさそうです」

賢者「……そうだね……ふぅ」

魔道士「でもっ、このままじゃ……」

大軍師「今は耐えるのです。司令なら……司令なら何とかしてくれるはずです」

ジュニア「だからと言って、静観してるだけじゃあ……」

大軍師「分かっております。作戦通り行きましょう」

魔道士「……と、いう事は……っ」

大軍師「南西砦まで後退して、スイッチ致します!」

賢者「賢明だね……ふぅ」


404 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:51:58.40 ID:um+F3Ch9o
〜火山、中央〜

サルワ「はっはっはっはっはああぁぁぁぁ!!」

天才「…………」

竜巻の中、サルワの巨大な右拳が天才の身を捉える。

ググッ…グググッ

サルワ「!?」

天才「ほん……っと、怪力は認めるぜぇ」

サルワ「何だとぉ!!」

グググググッ

サルワ「俺の一撃を……受け止めたぁ!?」

天才「だーから言ったろ。こっから先はぁ、全力だってなぁ!!」

サルワ「何をゴチャゴチャと――」

天才「てめぇの相手をしてやりたいところなんだがよぉ」

サルワ「……ッ」

天才「お前如きに全力使いたくないんだよなぁ」


405 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:52:37.12 ID:um+F3Ch9o
サルワ「どこまでも……ナメた真似おおぉぉ!!」

天才「……」

チラッ…キョッロキョロ

天才「……ほぉ、あいつら」

サルワ「ならばぁ、嫌でも全力を出させてくれるわああぁぁ!!」

ブオンッ…ゴウッ!!

サルワ「オオオオォォォォォォ!!」

ヒョイッ

サルワ「――ッ!?」

天才「あっぶね。だからー相手しないって言ってんじゃん」

サルワ「……ッ」

天才「だいたいよ、本気でもねぇテメーを相手にしたってな、末代までの恥ってモンよ」

サルワ「ワケの分からん事を……ゴチャゴチャぬかすなああぁぁ!!」

天才「あぁん? 風だけじゃなく、水も操るんでしょ? サルワちゃん」

サルワ「ウガアアアアァァァァ!!」


406 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:53:36.91 ID:um+F3Ch9o
ドッゴオオォォォォンッ!!

天才「おほぉ、怖えぇ怖えぇ。挑発しすぎたかな」

サルワ「逃がすかああぁぁ!!」

天才「いーや、逃げる!!」

ダダッ!!

天才(さっき見えた影……ありゃあ……)

タタタッ…タタッ…タンッ

サルワ「どこに逃げようとも……追い詰めれば良いだけの事おおぉぉ!!」

ゴアァッ!!

天才「ちぃっ、この風だきゃ厄介だって話だよ」

ズズウウゥゥゥゥンッ

天才「しかも全体表しやがったか。巨人なんてレベルじゃねぇな、ははっ!」

山の内部に埋まっていた下半身を起こし、サルワがその全体を地上へと現す。

それはかつての牛魔王のように、山のような大きさを持つに至るものであった。

サルワ「もう、逃がさんぞおおぉぉぉぉ!!」


407 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:54:22.77 ID:um+F3Ch9o
グワッ

天才「しゃあねぇ!!」

サルワ「!?」

天才「おおりゃああぁぁ!!」

ジャキッ……ドゴオオォォォォンッ!!

天才「やっぱり……ただの物理じゃ話にならんか」

サルワ「……非力いいぃぃ!!」

天才のツヴァイハンダーを掌で受け止め、力任せにそのまま押し返す。

天才「……ま、これでいいさ!」

サルワ「オオオオォォォォ!!」

天才「五行……雷っ!!」

バリバリッ!!…バチィッ!!

サルワ「――ッ!?」

天才が放つ雷が、サルワの目に落ちる。それはダメージを与えるには

あまりにも小さいものであったが、目晦ましには十分な効果を発揮する。


408 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:55:04.50 ID:um+F3Ch9o
サルワ「グ……ウゥ!」

天才「今だぁ!!」

その直後、サルワの背後へ山岳部より一つの影が飛び出した。

バチチチチッ…チャキッ

戦士「でっりゃああぁぁぁぁ!!」

ガギイイィィィィ!!

サルワ「あぁ!?」

戦士「固ってぇ……っ! まぁいい! あとは……」

天才の目晦ましと戦士の奇襲により、サルワは完全に警戒を怠った。

正確には、上半身への警戒を強めたあまり、下半身への攻撃は無警戒であったのだ。

ドッゴオオォォォォンッ!!…グラアアァァ…

サルワ「な……っ!!」

女隊員「……もう……一丁ッス!!」

巨大なハンマーによる攻撃が、サルワの右足首めがけ放たれる。

鈍い音を打ち鳴らす女隊員の2撃目により、サルワはバランスを完全に失った。


409 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:56:28.37 ID:um+F3Ch9o
バッゴオオォォォォンッ!!

サルワ「なああぁぁ――!!」

天才「倒れんぞっ! 離れろおぉ!!」

戦士「おうっ!!」

女隊員「……っ」

ザザッ…ドッズウウゥゥゥゥンッ!!

戦士「こいつは!?」

天才「サルワだ。いやぁ、ナイスタイミングだ! ご苦労さん!」

女隊員「他の魔物は……?」

天才「こっちにゃいねぇ」

戦士「どうする?」

天才「こいつを沿岸部まで誘導すんぞ! 協力しろ!」

戦士「ああ。こいつがサルワなら、それが俺らの役目だからな」

女隊員「そうッスよ!」

天才「よーく分かってんじゃねぇか。上出来! よし、付いて来い!!」


410 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:57:15.54 ID:um+F3Ch9o
〜南西砦〜

タッタッタッタッタ

魔道士「見えましたっ!」

ジュニア「無事、戻ってこれたな」

カツカツカツ

南西砦長「戦況は!?」

大軍師「中央に、サルワと思われる眷族が出現しました」

南西砦長「……来たかっ」

大軍師「南西砦の各員は、サルワの牽制に入って下さい」

南西砦長「了解した! 各自、すぐに出るぞっ!!」

ドシュウウゥゥ…バサァッ

魔道士「あ、あれ……っ!」

賢者「……ワイバーンだね……ふぅ」

大軍師「青年兵殿っ」

青年兵「怪我人をっ! 傷口は塞がっていますが、火傷を負っています!」


411 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 00:58:59.34 ID:um+F3Ch9o
南西砦長「衛生兵っ! すぐに運ぶんだ!」

青年兵「大軍師様、戦況は?」

大軍師「こちらは中央にサルワが。やや予想外ですね」

青年兵「こちらはタルウィと思しき魔物と遭遇致しました」

大軍師「ザリチュも一緒ですか?」

青年兵「目視の限りではタルウィ1体でした」

ジュニア「しかし、どこか近くに潜んでる可能性もあるな……」

大軍師「……」

青年兵「すみません、それでは戻ります!」

魔道士「あ……っ」

青年兵「そちらも、気を付けて!」

ババッ…ドシュウウゥゥゥゥ…

賢者「……どうするんだい?ふぅ」

大軍師「……南西砦長の出陣と同時に、こちらも東へ向かいましょう」

魔道士「は、はいっ!」


412 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 01:02:04.66 ID:um+F3Ch9o
〜鉱山の村〜

バシュウウゥゥゥゥ

神官「召喚士殿だけ……!?」

名代「何か、ありましたか!?」

召喚士「タルウィが現れました」

朱雀嬢「……っ」

神官「それで、青年兵殿は?」

召喚士「南西砦へ向かいました。怪我人を退避させる為に……」

玄武娘「け、怪我人……ですの?」

召喚士「おそらく1番艦の召喚隊の方だと思うのですが……」

名代「大事ないのですか?」

召喚士「ええ。簡易的ですが治癒は施しましたので」

神官「……」

召喚士「それでなんですが、少し……火山の方へ進みましょう」

朱雀嬢「大丈夫……なのかしら……」


413 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/04/30(土) 01:03:32.27 ID:um+F3Ch9o
名代「確かにここでは、村が戦場となる可能性が御座いますな」

神官「ええ。移動した方が良いでしょうね」

召喚士「タルウィもおそらく、嗅ぎつけてくるはずです。迎え撃つ準備を」

神官「それで、もう1匹の眷属は……」

召喚士「俺らが遭遇した段階では、いませんでした」

玄武娘「どういう事ですの……?」

朱雀嬢「どこかに、隠れているのかしら……」

召喚士「可能性はありますね。用心しましょう」

玄武娘「は、はいですのっ!」

朱雀嬢「それならば、私がグリフォンを出して、様子を探りますわ」

召喚士「いやっ、それは……」

朱雀嬢「いえ、私の役目ですわ。他の皆様にはやるべき事があるでしょう?」

召喚士「……助かります」

朱雀嬢「それでは、行きますわよっ!!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん! 気を付けてですのっ!」


424 名前:NIPPERがお送りします(長崎県) [sage] 投稿日:2011/04/30(土) 11:16:58.90 ID:LKwu2vqko
お…おおう

朱雀 シルフ、コカトリス、ハーピー
玄武 ウンディーネ、スキュラ、シービショップ
青龍 サラマンダー、ワイバーン
白虎 ノーム、ユニコーン、スフィンクス、ザントマン、ゴーレム、クジャタ


召喚士って実は白虎先生なんじゃね?


440 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/01(日) 16:17:29.68 ID:n3KyRZSIO
コピペで汚すな


441 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/05/01(日) 17:27:10.20 ID:A91q+Y7AO
毎度毎度相変わらずの展開ですね


442 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:23:04.75 ID:dwApgOLJo
〜火山、西側〜

男隊員「……んだよ、あれ……っ」

隊長「あっちの気にしてる場合じゃねーだろ」

男隊員「……っ」

ドゥルジ「それで、いつまで逃げ回るつもりなワケ?」

隊長「……」

子供「お母さーん!! どこーっ!?」

女性「苦しい……苦しいのおおぉぉ!」

男隊員「……くっ」

隊長「どうする、やれんのか?」

男隊員「……っ」

隊長「お前に、コイツらが殺れるのかと聞いてるんだ」

老人「む……村は……息子と、娘は……」

男隊員「……いくら魔物とはいえ、自分には出来ません」

隊長「……」


443 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:23:30.48 ID:dwApgOLJo
男隊員「すんません……隊長っ」

隊長「それでいい。殺せない強さもまた、ある」

男隊員「……」

隊長「よし、ここから二手に分かれるぞ」

男隊員「!?」

隊長「お前はこのまま東へ抜けろ。どこかでスイッチ出来るはずだ」

男隊員「隊長は!?」

隊長「俺はこの雑魚共を蹴散らして……」

チラッ

ドゥルジ「……うふふ」

男隊員「大丈夫……なんすか?」

隊長「さぁな。ま、もたせて見せるさ」

男隊員「……了解!」

ババッ…ザザザザッ

ドゥルジ「逃がさないわよぉ?」


444 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:24:16.38 ID:dwApgOLJo
〜北方、三途の川〜

魔法剣士「はあぁっ!!」

シャキンッ…ギィンギィンッ

眼鏡「……へぇ、更に腕を上げたね」

双剣を巧みに操り、北方司令の剣を見事に封じる魔法剣士。

眼鏡「でも、こちらから仕掛けないと、相手は倒せないよ」

魔法剣士「分かっているさ」

キュイイィィ…

魔法剣士「魔法剣……四行っ!!」

ズガアアァァ!!

北方司令「!?」

魔法剣士の構える左右の剣が光り輝き、ぼんやりと膜の様なものを纏う。

眼鏡「火と雷、水と土……。成程、威力も倍増だな」

魔法剣士「はああぁぁぁぁ……っ」

ゴゴゴゴゴゴ…ドンッ!!


445 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/01(日) 22:25:33.37 ID:dwApgOLJo
高く跳躍した魔法剣士は、まず右手の火行と金行を付加した剣を振り下ろす。

ズッガアアァァ!!

北方司令「……っ」

魔法剣士「でやああぁぁ!!」

着地と続けざまに、今度は左手の水行と土行を付加した剣を突き上げる。

ドボオオォォッ!!

鈍い音と共に、北方司令の左肩に剣が突き刺さり、その身は吹き飛ばされた。

魔法剣士「……ふーっ」

眼鏡「やっぱり難しいかい?」

魔法剣士「……」

眼鏡「魔物とはいえ、元人間を殺すっていうのは」

魔法剣士「……」

倒れた北方司令は無表情のまま起き上がり、凍りついた左肩をちらりと見つめた。

眼鏡「全力でいかないと、こちらが息切れして……死ぬよ」

魔法剣士「……っ」



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