■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
479 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:06:00.50 ID:ZZoSIhZto
〜南方、東山岳部〜

南方兵「……くあっ」

ザッザッザ

弓兵「あくびなんかしてると怒られるぞ」

南方兵「あぁ。でもよぉ、何にもなくって眠くなっちまうよ」

弓兵「何もないから良いんじゃないか」

南方兵「そりゃあそうだけどさぁ。他の連中は今も必死で戦ってるってのに……」

弓兵「今回は俺達の番じゃないってだけだ。もうじき嫌でも忙しくなるさ」

南方兵「それもそうだなぁ……」

ヒュンッ…メラメラッ

弓兵「……?」

南方兵「何だ? 何か……通ったか?」

弓兵「さぁ……っておい! 出火してるぞ!」

南方兵「おわっ! 消火消火!!」

パチパチ…ブスブスッ


480 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:06:34.55 ID:ZZoSIhZto
南方弓長「何やってるのよ?」

南方兵「あっ! ご、ご苦労様です!」

弓兵「どうやら、自然発火したようでして……」

南方弓長「気をつけてよ、もう到着する頃なんだから……」

ドドオオォォ…

南方弓長「言ってる傍から来たわよっ。整列!」

ザザザッ

南方兵「敬礼ーっ!!」

パッカパッカパッカ

白馬騎士「ご苦労様です。華国、増援の為に馳せ参じました」

弟者「宜しくお頼み申す」

南方弓長「国軍南方司令部所属、南方弓長です! 宜しくお願い致します!」

錦将軍「これはなかなかの上玉」

老将軍「ひょっひょ、確かに」

南方弓長「……?」


481 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:07:37.47 ID:ZZoSIhZto
白馬騎士「では、我々はここより東の警備を務めます」

南方弓長「ありがとうございます。本国は西の赤壁まで進軍しております」

白馬騎士「ええ、そう伺っております」

南方弓長「赤壁は軍事要塞です。救援物資や負傷者などいつでも……」

弟者「有難い! でもまぁ、大丈夫だ!」

老将軍「世話になる程、華国の兵は腑抜けてはおらぬよ」

南方弓長「失礼致しました……っ」

錦将軍「気にすんなって。頑固爺の戯言だから」

老将軍「何じゃとぉ!?」

弟者「がっはは! だが、違いねぇ」

老将軍「……まぁな。すまなかったの、お嬢ちゃん」

南方弓長「い、いえ……っ」

白馬騎士「それでは、失礼致します」

南方弓長「あ、はいっ。お気を付け下さいませ」

錦将軍「はいはい、ありがとさん」


482 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:08:09.45 ID:ZZoSIhZto
パッカパッカパッカ

弓兵「いやはや、頼もしい!」

南方兵「あぁ。南東国の将軍らの、威風堂々たるものよ」

テクテクテク

ボス「おーい、姉御〜」

南方弓長「その呼び名、やめさないって言ってるでしょ!」

ボス「……っ。あ、それより報告」

南方弓長「何?」

ボス「なんだか、あちこちで小火騒ぎがあって」

南方弓長「ボヤ? そういえばさっき……」

南方兵「ここでもありましたよっ」

ボス「でも、怪しい奴は一切見てないって」

弓兵「ええ。こちらも魔物はおろか、不審な人間もおりませんでした」

ボス「……どうする?」

南方弓長「…………」


483 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:09:13.38 ID:ZZoSIhZto
パッカパッカパッカ

老将軍「うーむ」

白馬騎士「どうかされたか?」

老将軍「顔は良いのじゃが、性格がのぉ……」

錦将軍「あれが良いんじゃねーか。強気で冷静」

弟者「へぇ、錦はそういう嗜好か」

錦将軍「理解に苦しむのぅ……」

錦将軍「ジジイの時とは、時代が違うんだよ」

老将軍「喧しいわ!」

弟者「しかし、競争率も高そうだぜ」

チラリ

錦将軍「姉御肌ってのは、慕われやすいからねぇ」

弟者「狙ってんのか?」

錦将軍「まっさかー。誰かさんとは違って、攫ったりしねーよ」

弟者「攫ってねぇ!! 合意の上でだ!!」


484 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:10:05.16 ID:ZZoSIhZto
老将軍「攫ったようなもんじゃわい」

弟者「あのなぁ……」

錦将軍「それに、1人の女を追っかけまわすのは、趣味じゃねーしなぁ」

弟者「お前みてぇな遊び人は、一生独身なんだろうな」

錦将軍「なーに、白馬よりゃ先に結婚するよ! なぁ?」

白馬騎士「……」

錦将軍「でもま、あんな女に抱かれて死ぬなら、それも本望だわな!」

老将軍「お主の事じゃ、どうせそこいらで野垂れ死ぬわい」

錦将軍「おい、ジジイ……」

弟者「早く行くぞ。兄者がお待ちかねだ」

錦将軍「……へいへい」

老将軍「どれ、ついでに馬も飛ばしておくかのぉ」

弟者「おっ、そんなら久々に……酒でも賭けてやるかい?」

老将軍「良かろうっ! 負けんぞ、小僧どもっ!」

白馬騎士「……はぁ」


485 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:10:54.67 ID:ZZoSIhZto
〜火山、西側〜

隊長「……っらぁ!!」

ザシュッ!!…ズバッ!!

子供「痛いいぃぃぃぃ!!」

女性「ひぎいいぃぃ!!」

ドゥルジ「あらあら、躊躇いもsないのねぇ」

隊長「魔物相手に、何を躊躇い事がある」

ザシュウウゥゥッ!!

隊長「……とは言え、ちょいと同情はするぜ」

老人「うぐ……ぐううぅぅ」

子供「足がっ 足が痛いよおおぉぉ!!」

特殊遊撃。その名の通り、任務は一言で言えば、何でも屋である。

故に当たり前の話ではあるが、この男の持つ武器は多岐に渡る様々な物である。

今回の任務において、隊長は1つの剣を選択した。任務内容から耐久度が高く、

切れ味の衰えぬ物である。その剣は、刃の部分がギザギザに尖り、鋸状の物であった。


486 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:15:22.51 ID:ZZoSIhZto
ザシュッ…ザクゥ!!

女性「いっ……がああぁぁぁぁ!!」

老人「くっ、苦しい……っ」

そんな剣だからこそ、対象を一刀の元に葬る事は難しい。

隊長「……っ」

彼の言う同情とは、正にそこからきた、率直な意見なのである。

ドゥルジ「本当に手加減なしねぇ」

隊長「いつまで続ける気だ?」

ドゥルジ「うふっ、いつまででも」

隊長「……」

ドゥルジ「貴方が壊れるまで、続けてあげたいくらいよぉ」

隊長「嬉しくも何ともねぇ話だよっ」

ズバシュッ!!

ドゥルジ「ねぇ、ところでさ」

隊長「……」


487 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:16:40.12 ID:ZZoSIhZto
ドゥルジ「さっきから斬っている中に、本物の人間が混じってるんだけど」

隊長「……」

ザシュッ!!

隊長「嗅ぎわけられないほど、劣っちゃいねぇ」

ドゥルジ「どうかしらねぇ」

隊長「人間か魔物かの判別くらいつく。つまらん戯言はやめろ」

ドゥルジ「本当に本当? 自信はある?」

隊長「……あるに決まってんだろぉが!!」

ザシュウウゥゥ!!

子供「がは……っ」

隊長「さぁ、いい加減……かかってこいよ!」

ドゥルジ「嫌よ。戦うの嫌いって言ったじゃない」

隊長「……」

ドゥルジ「貴方が苦しむ様を、ここで見ていたいの」

隊長「……ふー」


488 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:17:08.39 ID:ZZoSIhZto
ドゥルジ「それに、まさか対等にやりあえるなんて……思ってないわよねぇ?」

隊長「やろうと思えば、何だって出来るさ」

ゴゴゴゴゴゴ

ドゥルジ「そういうのは、無謀を通り越して、馬鹿って言うのよ」

隊長「この命ある限り……やってやれねぇ事はない!」

ドウンッ!!

ドゥルジ「命を燃やしてまで、勝利を得たいワケ?」

隊長「死なばもろともだっ!!」

周囲のアンデッドを振り払い、隊長は文字通り、命を懸けた一撃に打って出る。

ドゥルジ「もう少し遊びたかったのに……ザーンネン」

隊長「おおおおぉぉぉぉーっ!!」

地面を大きく蹴り上げ、正面に待ち構えるドゥルジへと一直線に向かう隊長。

しかし、その途中、巨大な金属にその行く手を阻まれた。

ズザザザザアァ!!

隊長「――!!」


489 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:17:58.80 ID:ZZoSIhZto
ジャキッ

巨大な金属の正体は、水平に出されたツヴァイハンダーの刀身。

隊長「……司令っ!?」

天才「ふーっ、間に合ったか」

隊長「……」

天才「ったく、勝手に早まんなよなぁ」

隊長「……っ」

天才「んで、この白黒オネーサンが眷属か?」

ドゥルジ「始めまして、ドゥルジよ。ヨロシクね」

天才「あっそ」

ドゥルジ「……」

天才「それよりヤベーんだよ。こんな所で時間食ってる場合じゃねーぞ」

ドゥルジ「……」

天才「うわ、来ちまったよ」

隊長「……?」


490 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:18:35.13 ID:ZZoSIhZto
クルッ

戦士「うおおぉぉーっ!」

女隊員「ひいいぃぃ!!」

男隊員「ぎゃああぁぁぁぁ!!」

ズズウウゥゥン!!…ズズウウゥゥン!!

サルワ「ガアアアアァァァァ!!」

隊長「何だぁ、ありゃあ……っ!」

天才「眷属、サルワちゃん」

タッタッタッタッタ…ズザザァ

男隊員「隊長っ!? 無事だったか!!」

女隊員「おぉっ、隊長じゃないッスかぁ!!」

戦士「そんでっ、どうすんだよ!?」

天才「もうちょっと時間稼げねーのかお前らはよ……」

戦士「んな事言ったって、あんなのに追いかけられたら誰だってなぁ……」

女隊員「あ、あれ……何スか!?」


491 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:19:10.14 ID:ZZoSIhZto
隊長「もう1匹の眷属、ドゥルジだよ」

女隊員「だからぁ、2匹も相手出来ないッスよぉ!」

隊長「俺に言うな」

ズシイイィィィィンッ

サルワ「コオオォォォォ……」

ドゥルジ「サルワ、何しに来たのかしら?」

サルワ「来たくて来たわけじゃねぇ!」

ドゥルジ「あら、此処は私が任されたのよ?」

サルワ「知るか。この虫けら共は俺が皆殺しにする。下がってろ」

ドゥルジ「……身勝手ねぇ」

天才「……」

ニヤリ

天才「ほれほれ、サルワちゃん! 早く遊ぼうぜ!」

サルワ「わざわざ、海沿いにまで来て……死を選ぶとはなぁ!」

戦士「やんのか!? やんねーのか!?」


492 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:19:49.79 ID:ZZoSIhZto
天才「だーから、やるって言ってんだろ! 戦闘準備ぃ!!」

ザザッ

ドゥルジ「手を貸しましょうか?」

サルワ「要らん!!」

怒号をあげるサルワの四方を囲むように身構える一同。

天才「まずは小手調べ。攻撃……開始ぃ!!」

叫び声を合図に、全員が同時にサルワめがけ走り出した……はずだった。

ヒュバッ

ドゥルジ「な……っ!?」

天才「……よぉ」

キュイイィィィィ…ズッドオオォォォォンッ!!

サルワ「!?」

戦士「余所見してんじゃねぇ!!」

ビュオッ…ガッキイイィィンッ!!

戦士「ちっきしょお、どこ狙っても固ってぇな……」


493 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:20:50.13 ID:ZZoSIhZto
ドゥルジ「……」

人間の1匹が号令を発し、それに併せてサルワへ攻撃を開始した。

ズザッ…ゴロゴロゴロッ

でも、1匹だけが何時の間にか私の前に現れて……勢いよく吹き飛ばしてくれたワケね。

ズザザザアアァァ…

ドゥルジ「無関心を装って、最初から狙ってたわね」

ザッザッザ

天才「コイツの便利なところってのはよ、縦にすりゃブッ叩けるったとこだよなー」

チャキッ

ドゥルジ「大きくて固くて太くて……そそるけど、あんまり好きじゃないわ」

天才「コイツの良さが分からんようじゃ、終わってんぜアンタ」

ツヴァイハンダーを突きつけ、天才はにやりと笑う。

ドゥルジ「それで、突風起こして攻撃したつもり?」

天才「どーだかねぇ」

ドゥルジ「風はともかく、その剣はちょっと痛かったわ」


494 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:21:37.30 ID:ZZoSIhZto
天才「ふーん」

ドゥルジ「でも、同じ手は二度――」

天才「……っ」

ヒュンッ!!…バギャアアァァァァ!!

天才「喰ってじゃん」

ドゥルジ「――ッ」

天才「あ、悪い。風忘れてたわ」

先程と同様、ドゥルジをツヴァイハンダーの腹で力任せに殴った天才は、

思い出したかのように掌から突風を巻き起こし、ドゥルジを吹き飛ばす。

ゴウウゥゥゥゥッ!!

ドゥルジ「……だからっ、効かないってば!」

天才「いいんだよ、別に」

ドゥルジ「……?」

ザザザザザッ

南西砦長「待っていたぞ、魔物!」


495 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:22:35.38 ID:ZZoSIhZto
ドゥルジ「……!?」

南西砦兵「弓隊っ、斉射あぁ!!」

ドシュシュシュシュッ!!

ドゥルジ「小賢しいわねぇ……っ」

南西砦長「魔道兵も援護に入れぇ!」

天才「……任せて大丈夫か?」

南西砦長「何年ここを任せれておると思っているのです?」

天才「そりゃ、そうだわな」

南西砦長「30分は持たせてみせますよ」

天才「……すまんな」

南西砦長「あとは、頼みます!」

天才「あとの事は心配するな。ちゃんとやっとくからよ」

南西砦長「感謝します。それでは、お先に!」

天才「ああ、また会おう」

タッタッタッタッタ


496 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:23:15.17 ID:ZZoSIhZto
〜火山、中央〜

ザリチュ「……」

ムクリ

ザリチュ「……不覚」

タタタッ…ザザッ

盗賊「……」

格闘家「……」

ザリチュ「……執拗」

格闘家「……」

ゴソゴソッ…ブンッ

ザリチュ「……?」

バシュシュシュシュシュシュシュシュ!!

ザリチュ「……合図?」

格闘家「これで、居場所は伝えた」

盗賊「……ああ。あとは、持ち堪える」


497 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:24:32.60 ID:ZZoSIhZto
タッタッタ…

ジュニア「おいっ、今のは発光弾じゃねーのか!?」

大軍師「白の8……。この先に居るようですね」

魔道士「い、急ぎましょう!」

大軍師「ええ。うまくザリチュを引き離してくれたようですしね」

賢者「……いよいよだね……ふぅ」

ジュニア「他も気にはなるが、寄り道してる暇はなさそうだな」

大軍師「はい。皆を信じて、私達もやれる事をやりましょう」

魔道士「はいっ」

ジュニア「おーし、行くぞ! 一撃で決めてやろうぜ!」

賢者「……ふぅ」

ジュニア「気合い入れろっ! 返事!」

賢者「……はいはい。ふぅ」

大軍師「あとは……司令、頼みますよ」

魔道士「……っ」


498 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:26:08.46 ID:ZZoSIhZto
〜火山、東側〜

タルウィ「…………」

ビシッ…ミシミシッ…バキャアアァァァァ!!

玄武娘「わ、割れたですのーっ!」

青年兵「……来ますね」

召喚士「うん。さっきよりも更に、物凄い威圧を感じる」

ゴゴゴゴゴゴ

タルウィ「……ゴオォ」

ズズッ…ジュクッ…ドロォ

神官「な、何だ……っ!?」

青年兵「マグマを体内に取り込んでいる……っ」

名代「凝縮しているのだ……っ。また、小さく姿を……」

ズチュッ…ズググググッ

タルウィ「ふううぅぅぅぅ」

ブワッ……スタッ


499 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:27:27.62 ID:ZZoSIhZto
タルウィ「ザリチュ……まぁ、死にはしないか」

ザッザッザ…ザッ

タルウィ「……」

マーマン「……」

タルウィ「以前も聞いたが、何故、人間の肩を持つ?」

マーマン「別に。種族は関係ねぇ。アイツらが好きだからだよ」

タルウィ「お前は、捕獲対象の虫けらに情を注ぐのか?」

マーマン「そういう括りで見ているうちは、辿り着けねぇよ」

タルウィ「辿り着く気も起きぬ」

マーマン「でしょうね」

タルウィ「2度目はないぞ。その命……」

マーマン「御託はいい。かかってきな!」

タルウィ「……」

キュイイィィィィ…

タルウィ「ならば、死ね」


500 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:28:49.26 ID:ZZoSIhZto
ボッ!!…ドズウウゥゥゥゥ!!

マーマン「ぬっりゃああぁぁ!!」

タルウィの閃光とマーマンの水が激しくぶつかり合う。

だがその威力は圧倒的で、炎は徐々に水の威力を飲み込み、打ち消してゆく。

タルウィ「かつては上位の魔族とも思ったが、やはりこの程度であったか」

マーマン「……ぬ……ぐぐっ!」

ズズズッ…ゴアアァァァァッ!!

タルウィ「灰になるがいいっ! 己の気の迷いで落命する事、その胸に刻んでな!」

マーマン「そう簡単に……死んでたまるかよおぉ!!」

ゴウッ

タルウィ「!?」

マーマン「この背中の後ろにゃよ……重てぇモン背負ってんだよ!」

タルウィ「……」

マーマン「こんな俺でも慕って……信じてくれた『仲間』がいるんだよおおぉぉ!!」

タルウィ「……ふん」


501 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:30:09.37 ID:ZZoSIhZto
ゴアアァァァァ!!

マーマン「ぐ……あぁ!!」

タルウィ「どうした? 口だけか?」

ゴオオォォォォォ

タルウィ「もはや周囲は火の海。時間の問題だぞ」

マーマン「何度も言わせんなっ! 簡単に死んでたまるかよおぉ!!」

ザッ

ハヌマーン「よくぞ言った」

タルウィ「何……っ!?」

朱雀嬢「出て来いっ!グリフォン!!」

マーマン「遅いっつーの……お前ら……っ」

ハヌマーン「すまんな。いくぞ、一気に押し返す」

朱雀嬢「はいですわっ!!」

マーマンの左右より、ハヌマーンとグリフォンの風が、マーマンの前方へと吹きつける。

それは水の力と相まって、炎の閃光を徐々にではあるが、押し返し始めた。


502 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/02(月) 18:31:02.64 ID:ZZoSIhZto
ハヌマーン「おおぉぉ!!」

朱雀嬢「いっけええぇぇーっ!!」

ゴゴゴゴッ…ズアァッ!!

マーマン「――!?」

タルウィ「無駄無駄。我が炎を消すなどと……愚の骨頂よ!」

マーマン「ぐ……ぎぎ……っ!」

タルウィ「その程度の水力で、相殺出来るわけがなかろうっ!!」

マーマン「くっそおぉ……ここまでか……っ」

ゴアアアァァァァ

タルウィ「とどめだ。死ねっ!」

マーマン「でも、1分稼いだぞ!!」

タルウィ「……?」

ドドンッ!!

タルウィ「な……っ!?」

炎の魔物は、自身の周囲に現れた召喚獣に、驚きの表情を見せた。



次へ 戻る 戻る 携 上へ