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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
348 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:40:39.41 ID:QYygOzR+o
サモナー「さて、と…。どうしようか?」

戦士「朱雀は結局、ハーピーぐらいのもんか?」

召喚士……うーん、能力の分からない召喚獣はどうしようもないしね」

サモナー「一応、専属の方も見てみるかい?」

召喚士「ありがとうございます」

魔道士「私達はその間に、他の属性を見てみましょうよっ」

盗賊「…そうだな」

戦士「何かオススメは…?」

サモナー「そうだねぇ。タイプ的な偏りがないのは白虎かなぁ……」

魔道士「白虎ですか…。何かいい召喚獣さん、いるかな……?」

サモナー「使い勝手で言えば、ゴーレムとかフェンリルあたりかな」

盗賊「…フェンリル……海峡の時に見たな」

召喚士「サモナーさん、これって何です?」

サモナー「……これはワルキューレだね」

召喚士「ワルキューレ……?」


349 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:41:33.66 ID:QYygOzR+o
サモナー「さっきフェニックスを最高位と言ったけど、間違いかもしれない」

召喚士「…?」

サモナー「フェニックスは最上位であって、ワルキューレが最高位という文献もあるほどだ」

魔道士「そんなに強いんですか?」

サモナー「一度の召喚で9体が同時に出るらしいよ」

召喚士「!?」

サモナー「おそらくその分、魔力消費も莫大だとは思うけどね」

召喚士「ど、どんんあ能力なんです…?」

サモナー「えぇと…ある古文書によると、人型の――」

召喚士「人型!?」

サモナー「らしいよ」

魔道士「人型って…シルフさんのような…?」

サモナー「そうなのかな…。女性の人型で背に羽が生えているって……」

盗賊「……ほぉ」

戦士「それすげぇじゃんか!手に入れられねぇのか!?」


350 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:42:28.91 ID:QYygOzR+o
召喚士「……専属なんですよね?」

サモナー「…うん。それも厄介な…ね」

魔道士「厄介…なんですか?」

サモナー「……」

パラッ

サモナー「はるか南西の密林地帯に住むという……」

盗賊「……」

サモナー「アマゾネスが所有しているんだ」

召喚士「!?」

戦士「アマゾネス…!?」

魔道士「それって確か…女性だけの……」

サモナー「…そう。女性しか入れない男子禁制の村さ」

召喚士「……」

戦士「ただですら専属な挙句、男が入れないんじゃあそいつは無理だな」

盗賊「……ああ」


351 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:44:07.76 ID:QYygOzR+o


召喚士「えぇと、とりあえずはハーピーがいいかな」

魔道士「私はこの…ゴーレムさんがお勧めです!ねっ、盗賊さん!」

盗賊「…そうだな。防御専門の召喚獣だしな」

戦士「俺はこの…白虎のザントマンあたりがいいんじゃねぇかと思うぜ」

サモナー「敵を眠らせる召喚獣だね。なかなかいいと思うよ」

召喚士「それではこの辺りの資料と持ち主の所在を頂きます」

サモナー「うん。また必要な時は訪ねてくれ」

召喚士「はい。ありがとうございます」

魔道士「やっぱり凄そうな召喚獣さんは、みんな専属なんですねぇ……」

戦士「このジズって奴なんか、強そうなんだけどなぁ…」

サモナー「朱雀の召喚獣だね。風を操る上位のものだよ」

召喚士「確かにこの能力は魅力的ですね……」

サモナー「かつてはベヒーモスやリヴァイアサンと三頭一対のような扱いだったようだね」

戦士「風で敵を粉々に切り裂き…殲滅する。想像もつかねぇな」


352 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:44:52.43 ID:QYygOzR+o
召喚士「でも風を操るっていうのは飛行タイプにとって効果的だよね」

盗賊「……誰が持っているのだ?」

サモナー「実は分からないんだよね」

魔道士「そうなんですか?あ、確かに何も書いてない……」

サモナー「かなり昔に廃れてしまって、今は居るかどうかも分からないね」

魔道士「…という事は、チャンスなんじゃないですか!?」

召喚士「……ええ。召喚獣の世界に行けさえすれば手に入るかも」

戦士「あとはその手法か」

召喚士「それについては神官さんが別の手法で可能だからね」

魔道士「おぉ!そうですよっ!!」

召喚士「帰りにでも訪ねてみましょうか」

魔道士「そうしましょう!」

召喚士「サモナーさん、本当にありがとうございました!」

サモナー「いやいや、僕だって少しくらいは役に立ちたいからね」

魔道士「良かったですね、召喚士さんっ!えへへっ!」


353 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:52:11.30 ID:QYygOzR+o


盗賊「…では、行くか」

魔道士「マーメイドさんにもご挨拶していきましょうよっ」

召喚士「ええ、そうしましょう」

サモナー「彼女もきっと喜ぶよ。ありがとう」

スタスタスタ

サモナー「マーメイド、みんなが遊びにきてくれたよ」

魔道士「お久し振りです〜っ

マーメイド「あらぁ、お久し振りねっ」

戦士「元気そうで何よりだ」

マーメイド「うふふっ、元気というのは面白い表現ね。私はサモナー次第だから……」

召喚士「あ……」

サモナー「…まぁそうかもね。僕が元気なら限り、彼女も元気さ」

マーメイド「…ふふっ、そうね」

人間と召喚獣の不思議な恋人同士は、顔を見合わせてにこりと笑った。


354 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 17:54:21.46 ID:QYygOzR+o


召喚士「では、失礼します。本当にありがとうございました」

サモナー「まだまだ研究はおわりじゃないからね。また連絡するよ」

召喚士「はい。お待ちしてます」

マーメイド「みんなも気をつけてね」

魔道士「はいっ!」

戦士「そんじゃ、お邪魔しました」

盗賊「……また」

サモナー「いつでも待ってるよ」

テクテクテクテク

戦士「さーて、こうなったら次は……」

魔道士「久々の召喚獣集めですね!」

召喚士「すみません。何だか俺の事になってしまって…」

戦士「気にすんなって!お前が強くなる事は俺らにとってもいい事なんだからよ」

盗賊「…そういう事だ」


355 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/22(土) 18:02:00.88 ID:QYygOzR+o
召喚士「ついでに依頼もこなしつつ、お金も貯めるとしましょうか」

魔道士「そうですね!一石二鳥っ!」

盗賊「…ますはその前に」

戦士「西国の城に寄って、神官さんだな」

召喚士「うん。うまくいけばいきなり大物を会得出来るかもしれない」

魔道士「期待しちゃいますね…っ」

戦士「そんじゃあ張り切って、このまま真っ直ぐ向かうぞー!」

魔道士「おーっ!!」

盗賊「…おー」

召喚士「おーっ!」

一同はサモナーの家を出ると、西端の村を素通りし、真っ直ぐに西国を目指す。

魔道士「あっ、出店だ!あれ美味しそうですよっ!」

召喚士「食べていきましょうか」

本国だけではなく、西方の地においても魔物は少なくなり、人々の往来で道は賑わう。

これはひとえに、西国における、とある男の率いる軍隊によるものであった。


356 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/22(土) 18:21:59.43 ID:e5go3OkWo
>>1乙
西国のとある男の軍隊だと・・・奴の気配がぷんぷんしやがるっ


361 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/22(土) 21:38:33.27 ID:agxDBsYDO
ワルキューレがいるならヴァルキリーもいないかな
似たようなものだけど


362 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/22(土) 22:10:40.43 ID:3XdLCjC8o
日本語と英語

まぁバハムートとベヒーモスも似たようなもんだけど


370 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:08:41.93 ID:6L2IPbwSo
「ワルキューレ」は日本でしか通用しないですね
ドイツ語だと「ヴァルキューレ」。英語だと「ヴァルキリー」
個人的には日本語の「戦乙女」が好きです。はい

↓続き


371 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:09:07.62 ID:6L2IPbwSo
〜西高原国跡地〜

タッタッタッタッタ

西国兵「魔物の気配、ありません!」

ザッザッザ

王子「はいはいご苦労さん」

西国側近「これが西高原国の城跡ですか……」

王子「西国側近は始めてだったっけ?」

西国側近「ええ。王子の側近を務めてからは、ずっと南征でしたから」

王子「そっか。んじゃお前は?」

西国兵長「私は以前、例の戦いに参戦しておりましたので…」

王子「……そっか」

西国側近「それで、ここを本格的な防衛拠点にすると…?」

王子「うん。北の魔物を迎え撃つにはかなりの兵が必要になるからね」

西国兵長「賛成です。南の拠点同様、北にも置くべきと存じます」

王子「使えるものは何でも使っていこーよ。あははっ」


372 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:09:51.92 ID:6L2IPbwSo
ザッザッザッザッザ…

王子「…ふぅん。中はかなりの広さだな。神官の言ってた通りだ」

西国側近「神官様の話だと、財宝や武具なども多数放置されているとか…」

王子「へぇ。よく賊どもが嗅ぎ付けなかったね」

西国兵長「……いや、そうでもなさそうですぞ」

王子「ん…?」

カツカツカツカツ…ザッ

西国兵長「何者かが駐屯していた形跡があります」

王子「ほんとだ」

西国兵長「……財宝も盗まれていますね」

王子「うわぁ…。なーんでさっさと西国へ運ばないかな〜」

西国側近「運びましたよ。しかしとてつもない量なもので…」

王子「ちぇっ。まぁそれなら少しくらい譲ってやってもいっか…」

西国兵長「…本国にいる賊のようですね」

王子「分かるの?」


373 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:10:38.21 ID:6L2IPbwSo
西国兵長「いえ、持ち物…と言いますか、捨てていったゴミから想像するに……」

西国側近「確かに食べカスなどは本国の食料ですね」

西国兵長「……衣類もですね」

ペローン

王子「おぉっ!女物の下着!?女盗賊か!!」

西国兵長「そのようで」

王子「……美人かな?」

西国兵長「陛下」

王子「…はいはい。ジョーダンだろジョーダン」

西国兵長「冗談に聞こえませぬ」

西国側近(た、確かに……っ)

王子「とにかく、これなら大いに使えるな。早速復旧を進めよう」

西国側近「了解ですっ!」

タッタッタッタ

西国「大変ですっ!魔物の群れを確認!!北より迫っていますっ」


374 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:11:20.59 ID:6L2IPbwSo
西国側近「な…っ!?」

王子「はいはい。それじゃあいっちょ、暴れますよー」

西国兵長「各員、戦闘態勢を取れっ!騎馬隊は並列、召喚隊は背後より支援!」

王子「側近はここで支援、兵長は俺に続けっ!」

西国兵長「了解であります!」

タッタッタッタッタ

西国側近「陛下がご出陣なされるぞーっ!親衛隊、白虎兵は後に続けーっ!」

親衛隊「おぉう!!」

タッタッタッタッタ

王子「……数はぁーっ!?」

西国兵「ヘルハウンドがおよそ30ほど……」

王子「…ったく、その程度で呼ぶなよぉ」

西国兵「申し訳ありません!でも、戦いたいかな…と思いまして」

王子「…分かってんじゃん!よぉし、30分以内に殲滅するぞっ!」

西国兵「おぉーっ!!」


375 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:12:06.12 ID:6L2IPbwSo
〜西国〜

魔道士「いやぁ、お昼までに着けて良かったですね〜」

召喚士「ええ。昼食も済ませましたし、宮殿へ行きましょうか」

戦士「だな。夜やら食前だと、とんでもない持て成しが待ってるからなぁ……」

盗賊「……ああ」

予め職位を済ませ、四人は西国の城へと向かった。

テクテクテク

戦士「…おっと」

盗賊「……」

戦士「ここへ来たら、しっかりと黙祷してかないとな」

召喚士「……そうだね」

西国の為に散っていった英雄のナが刻まれた碑。召喚士は目を瞑り黙祷する。

それに続き、戦士、魔道士、盗賊が同様に黙祷を始めた。

召喚士「……よし、行きましょう」

魔道士「はいっ」


376 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:12:48.49 ID:6L2IPbwSo
〜西国の城〜

ザッザッザ…

門兵「……師匠!?」

戦士「へ…っ?」

門兵「師匠ではありませんかっ!!」

西国兵「何っ!?ほ、本当だ……っ」

召喚士「師匠……なの?」

戦士「師匠…みたい」

門兵「さぁさぁどうぞ!お入り下さいませっ!」

魔道士「あ、ありがとうございます…っ」

西国兵「師匠!後ほど剣の稽古などお願い出来ませんでしょうか!?」

戦士「え、あ……あぁ」

西国兵「ありがとうございますっ!皆、喜びますよっ!」

盗賊「……モテモテではないか。良かったな」

戦士「良くねぇよ……」


377 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:13:19.58 ID:6L2IPbwSo
〜来賓室〜

召喚士「……」

盗賊「……」

カチャッ…シズシズシズ

女王「お待たせ致しました召喚士様。皆様もお元気そうで」

召喚士「女王陛下もご機嫌麗しく……」

王女「お姉様っ、ご無沙汰しておりますわ…っ」

魔道士「王女様…!ご無沙汰しておりますっ」

盗賊「……どうも」

女王「今回は如何なされましたの…?」

召喚士「ええ、実は神官さんに用がありまして……」

女王「まぁ、神官に…ですか?それはそれは……」

王女「実は神官様、現在は此処におられないのですよ」

召喚士「えっ!?そうなんですか……?」

盗賊「…えっと、どちらに?」


378 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:13:52.46 ID:6L2IPbwSo
女王「神官は今、三日月島におります」

魔道士「三日月島にですかっ!?」

女王「ええ。あちらの現場指揮を執っておりまして……」

召喚士「そうでしたかぁ……」

戦士「まさか不在とは…。しまったな」

王女「神官様が戻るまで此方で待たれては如何です?ねぇ陛下」

女王「ええ、そうは良い考えです」

召喚士「いつ頃…戻られるんですか?」

女王「分かりませぬ。不定期ですので……」

召喚士「……」

戦士「それじゃあダメだな…っ」

女王「そうなのですか……?」

召喚士「お、俺らも旅の途中なので……」

王女「そうですわねぇ……。残念……」

召喚士「ほ、本当ですよね…っ、ははは…っ」


379 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 03:23:07.03 ID:6L2IPbwSo


王女「もっとゆっくりなさったら宜しいのに……」

女王「全くですわ。遠慮など無用ですよ?」

召喚士「い、いえいえ…これから色々と巡らなければならないもので……」

魔道士「そ、そうなんですよ…っ、えへへへ…っ」

女王「まぁ、そうですか。それならまた、旅のお話を聞かせて下さいまし」

王女「近いうちに必ずお越し下さいね……?」

召喚士「そ、そうさせて頂きます!」

戦士「それじゃ……」

盗賊「…失礼します」

王女「道中…お気を付けてっ!」

テクテクテク…

戦士「…いやぁ、危なかったな」

召喚士「う、うん…っ」

四人は西国を離れ、再び本国へと入国するのであった。


383 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/23(日) 22:39:40.35 ID:Z39dSZhKo
>四人は西国を離れ、再び本国へと入国するのであった。
なんかここら辺に、召還士一行だけじゃなくて、作者が駆け足にしてるのを感じる


386 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/01/23(日) 23:50:40.75 ID:6L2IPbwSo
こんばんは!

>>383
急いでるわけではないんですが、
道中、然したる事もなく……

〜道中〜

魔道士「あっ花が咲いてる!パンジーと…あれ何ですかねぇ?」

盗賊「あれは水仙だな」

魔道士「スイセン…?あぁ〜聞いた事ありますーっ」

戦士「しっかし地図ってのは誰が作り出したんだろうなぁ」

召喚士「これって凄いよね。上から見たみたいに正確にさ〜」

戦士「召喚獣に乗って、空から描いてんじゃねえの?」

召喚士「まっさか〜。測量士がいるでしょー」



多分こんな他愛ない会話が延々と……

↓続き



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