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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15
- 965 名前:GEPPERがお送りします [sage]
投稿日:2010/06/18(金) 00:14:29.87 ID:9XEMkT2o
>>1には読者の展開の希望や要望を聞かずに自由に書いてほしい
- 966 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 00:18:40.10 ID:AXEyEh6o
くそ…見てない間に>>1が>>960に!
- 967 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 00:36:50.92 ID:0rC9rAAO
>>1おつ
そういえばサモナーは寿命削って召喚してたな。魔翌力削られてマーメイドと会えない時間が増えるって解釈してたけど違ってたか
- 969 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 05:07:41.74 ID:92KAOUSO
この世界の郵便配達屋の話おまけで見てみたい
- 970 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 08:12:01.60 ID:sHybUIAO
新たに加わった死亡者達と先輩死亡者達のあの世での会話(魔物含む)
ちなみに今夜はカレーにします、参考までに…
- 971 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 13:59:00.50 ID:F70mJNgo
この時代、運送業においては、まだ確立されていなかった。
それは魔物の数が多く、素人には危険が大きいためである…。
それに手紙や小荷物など、大切な物を預けるには不安が多く、
確実に届けられる、尚且つ信用における者に託す必要性があった。
それを実現出来るところは大きく二つ。一つは『国軍』、もう一つは『ワーカー』である。
国軍の担う運輸業については、安価で信用性が非常に高い。
しかしその主たる職務内容から、運輸の日数が非常に長く、遅延も多かった。
一方でワーカーについてだが、ワークショップへの登録者数は思った以上に多い。
実はその大半がこの『運輸』についての依頼を担っている。
理由は簡単。同じ地域であれば、一度に多数依頼をこなせるし、
何より、魔物との戦闘をこなすよりは、はるかに安全だからである。
ワーカーにとっても、預かり物を無事届ける…それを繰り返すことにより、
信頼も強まり、指名客も増える。更にはそこから大富豪や商人の護衛へと繋がる。
そうなればしめたもの。更に楽な業務でありながら、大金を掴み取れるのだ。
まぁ…中には配達に命をかける、奇特なワーカーもいるのであるが……。
- 972 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 13:59:29.48 ID:F70mJNgo
〜本国〜
黒猫「コイツを…北の村に届ければいいわけだな…?」
店員「はい。まぁ…ご本人は既に病で亡くなってしまいましたけれど…」
通称『黒猫』、と呼ばれる一人の剣士。彼はワーカーである。
黒猫はいつものように店員から一通の手紙を受け取り、ニッコリ笑う。
黒猫「最後の手紙ってわけだ…。何が何でも届けてやるさ…!」
肩から提げた鞄の中に、その手紙を大事にしまい込む。そして目指すは北の村。
テクテクテク…ペラッ
黒猫「ふぅん…。画家だったのか……」
依頼主の情報が簡略に書かれた紙。それをまじまじと読みふけり呟く。
黒猫「北の村を出て、画家を目指して本国へ来たんだなぁ…」
テクテクテク
黒猫「……おっと、重なる部分があって、しんみり来ちまったぜ…。へへっ」
この頃の大陸は、魔物の動きも非常に活発で、北の村へも困難な道のりであった。
この剣士の前にも、お約束と言わんばかりに魔物が襲い掛かる。
- 973 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:00:48.14 ID:F70mJNgo
ザザッ
黒猫「……出やがったな!」
コボルト「グヘヘ!…男は不味い。武具を頂くとするか!」
ゴブリン「そうだぎゃ!」
黒猫「お前ら如きにやられっかよぉ!!」
二匹の魔物が身構える前に、黒猫は一気に間合いを詰める。
ゴブリン「早……っ…!?」
黒猫はすかさず長剣を抜き、左方のゴブリンめがけ振り下ろす。
ザシュッ!!
ゴブリン「ぐえぇ!!」
黒猫「次いぃーっ!!」
コボルト「一撃かよぉ…っ!」
ようやく剣を身構えるコボルトに対し、黒猫は振り下ろした剣をそのまま水平に薙ぐ。
ヒュオッ!!
コボルト「あっぶね…!」
- 974 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:01:31.66 ID:F70mJNgo
間一髪それをかわし、コボルトは手にした剣を振り下ろす。
コボルト「りゃあぁー!!」
黒猫「……ふんっ!」
キィンッ!!
コボルト「かち上げ……っ…!?」
黒猫「ガラ空きぃ!!」
コボルトの剣を左手の盾で押し上げ、丸見えとなった腹部へ右手の剣を突き刺す。
ヒュオッ……ザシュウウゥ!!
コボルト「…ク……ッハ…ア…」
コボルトはしばし抵抗を見せるが、次第に力を失い、うなだれるように力尽きた。
ドサァッ…
黒猫「ふんっ」
コボルトの腹部より剣を引き抜き、一度振り下ろし、刀身の血を掃う。
黒猫「背負ってるモンの重みが違げぇんだよ!雑魚っ!」
吐き捨てるように呟き、黒猫はその場を後にした。
- 975 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:02:53.61 ID:F70mJNgo
それでもワーカー同士の繋がりは大きい。
黒猫「おーしおし、こっからは結界が張ってあるな!」
ワーカー達が自ら開拓した『道』。それはもちろんワーカーしか知らない。
黒猫「この渓谷を抜ければ、北の村までもう一息だな…!」
今でこそ国軍とワーカーは密接な関係にあるが、当時は必ずしもそうとは限らなかった。
国軍にとってワーカーはたかが傭兵、といったレベルのものであり、
ワーカーにとって国軍とは、己の保身しか考えない、本国の駒であった。
その両極端が相容れるはずもなく、ワーカーにはワーカーだけの情報、
即ち『道』や『魔物の情報』、そういったものを持っているのである。
ワークショップこそ本国の管理するそれであるが、そこへ登録するワーカー、
彼らは国の為ではなく、あくまで人の為に働き…そして金を貰う、そういった考えである。
その壁が取り除かれる日は、この時点ではまだ想像もつかなかった。
ゴソゴソ…
黒猫「待ってろよ…。もうじき届けてやっからな…」
鞄から取り出した手紙を見つめ、黒猫はぽつりと呟いた。
- 976 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:03:58.98 ID:F70mJNgo
ザッザッザッザッザ…
黒猫「……着いた。ここだ」
渓谷の奥、ひっそりと佇むようにその村はあった。
黒猫「軍の奴らもさっさと働けってんだ……」
遠方に見える無造作に置かれた巨大な石と結界石。それを見て黒猫はぼやく。
黒猫「地獄の壁だか何だかしらんが…さっさと魔物を塞いじまえばいいんだよ」
足元にも転がる小さな結界石を拾い上げ、手のひらでぽんぽんと放る。
坂を下ると、ぽつぽつとまばらに屋根が見え始める。北の村だ。
テクテクテク…
黒猫「見つけた…。この家だ」
コンコン……カチャッ
女「……はい…?」
ドアをノックすると、一人の美しい女性が姿を見せる。
黒猫「あんたが…『女』さんかい?」
女「ええ…。そうですが……」
- 977 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:06:32.96 ID:F70mJNgo
貴方は?と聞き返す前に黒猫は手紙を差し出す。
黒猫「俺はワーカーのモンだ。あんたの恋人から手紙を預かって来た」
女「っ!?」
黒猫「……読んでやってくれ」
女は慌てて手紙を受け取り、封を切る。
そして…徐々にその表情を変え、やがてとめどなく涙が溢れた。
女「……うぅ……っ…うっ…!」
黒猫「残念だが…既に病で亡くなったそうだ…」
女「……男…さ…んっ…」
黒猫「……じゃあ、失礼する」
黒猫は丁寧に頭を下げ、女の家を後にする。
帰ろうとした矢先、黒猫は村の入り口に複数の気配を感じる。
黒猫「……くっそぉ、つけられたか…!?」
コボルト「ケヘヘヘッ!こんなところに村があったとはなぁ…」
招かれざる来客、魔物の群れが不敵な笑みを浮かべた。
- 978 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:07:38.29 ID:F70mJNgo
黒猫「……ちぃっ」
コボルト「さーて…片っ端から……ん?」
黒猫「魔物だーっ!家から一歩も出るなぁ!!」
コボルト「何だぁ!?」
黒猫「あんたもだっ!家の中へ!!」
女「っ!?」
黒猫「早くっ!」
大声で叫びながら女を家の中へ押し込み、黒猫はそのドアを閉める。
コボルト「威勢いいのが…一人いるなぁ…?」
数匹のコボルトはゆっくりと黒猫の前へ歩み寄る。
黒猫「……雑魚が」
コボルト「はぁ!?……やっちまえぇ!」
コボルトの群れが一斉に襲い掛かる。
黒猫「っらああぁぁー!!」
前後左右から群がる魔物達を、黒猫は長剣で斬り落としていく。
- 979 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:09:01.70 ID:F70mJNgo
ザクッ!!…ブオッ……ザシュッ!!…バシュッ!!
コボルト「何だコイツ…!?つ…強えぇ…!」
黒猫「はぁはぁ…っ、ナメんなよ…!!」
コボルト「く…っそぉ!!」
ザンッ!!
無数の切り傷を負いながらも、コボルトの群れを全て切り伏せた黒猫は、
その奥にどっしりと立ちはだかる一匹の魔物を睨みつける。
黒猫「……あとはお前で…最後だっ!」
顔のない甲冑の魔物は当然言葉を返すわけもなく、ゆっくりと近づき始める。
デュラハン「……」
黒猫「はぁ……はぁ…っ…!」
ザッザッザ…
黒猫「……りゃあ!!」
ブンッ!!……ギイィンッ!!
鈍い金属音が辺りに響き渡る。
- 980 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:09:59.42 ID:F70mJNgo
デュラハン「……」
黒猫「はぁ…はぁ……!くそ…っ!」
振り下ろした長剣をゆっくり引き上げ、黒猫は舌打ちを鳴らす。
無傷のデュラハンは何事もなかったかのように右手の剣を振り上げる。
黒猫「……はあぁ!!」
キィンッ…ギキィンッ!!…ヒュオッ…キィンッ!!
激しい剣の打ち合う音が、不気味なほど静かな周囲にこだまする。
数合打ち合った両者であったが、徐々にその攻勢は変わりつつあった。
デュラハン「……」
ブンッ……ザシュッ!!
黒猫「…うぐ…っ!!」
吹き出る血を押さえるように、黒猫は左肩に手をやる。
デュラハンの手は休まる事なく、黒猫を無慈悲に斬り続ける。
サクッ!!…ザシュッ!!……ザンッ!!
黒猫「ぐああぁぁっ!!」
- 981 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:10:39.45 ID:F70mJNgo
ドサッ…
黒猫「……ここまで…か…っ」
甲冑の魔物による攻撃で地面へ仰向けに倒れる黒猫。
諦めたような口調でとどめを刺しに近づくデュラハンを見据える。
デュラハン「…………」
タンッ!!
そんな事はお構いなしと言わんばかりに、魔物は最後の一振りを放つ。
黒猫「……こ…んの…っ!!」
ポケットの中から取り出された小さな結界石。それは先程拾い上げた物…。
飛び掛るデュラハンの胸を、黒猫の長剣が一点を貫く。
バキイィィンッ!!
激しく砕け散る長剣の刀身。きらきらと輝くその中で魔物の剣が伸びる。
ドスッ…
黒猫「ま…まだ…まだぁーっ!!」
互いの胸部を貫いた両者の身体は、覆い被さるようにその身を寄せる。
- 982 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:11:22.98 ID:F70mJNgo
デュラハン「……!!」
デュラハンの胸元が光り輝く。その光は全身に広がり、その甲冑を覆い包む。
黒猫「へ…へへ…っ。どうだ……!」
黒猫の伸びた右腕。その手に握られた結界石がその光の主。
悲鳴を上げる事こそないが、デュラハンはいかにも苦しそうに身悶える。
やがてその体は、光とともにこの世から消滅したのであった。
黒猫「……へ…っ」
ググッ…
黒猫「や……った…ぜ……」
突き上げた右拳。その手に握られた結界石が零れ落ちると同時に、
黒猫もその役目を終えたように、静かに目を閉じ、笑った…。
カチャッ……
女「……っ!!」
静寂が蘇る村の外。それを察して人々が屋内より姿を見せる。
真っ先に駆け寄った女は、手紙を握り締めたまま黒猫の顔へ涙の粒を落とした。
- 983 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:12:42.71 ID:F70mJNgo
…
村長「……これで良いじゃろう」
女「……はい」
村人達は、その英雄の墓を立てた。名も知れぬワーカー。
しかし村人にとってその男は、間違いなく英雄なのである。
女は英雄の運んだ手紙を一緒に埋めた。
村人は黒猫を英雄と崇め、代々語り継ぐ事になるだろう。
そして、敬意を込めてこう呼んだ。『聖なる騎士』…と。
…
この出来事は数ある戦いの、表には決して出る事のないごく一部に過ぎない。
しかし限られた人々の中であれ、その功績は他の何ものよりも大きいのである。
現在においては国軍とワーカー、両者は非常に密接な関係にあり、
運輸業においても円滑かつ更に安全なものとなりつつある。
この先、それは更に便利なものになるだろう。
その時には、英雄の功績も役目を終わる運命にあるのかもしれない。
〜行けっ!コカトリス!!外伝、完〜
- 984 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 14:20:35.05 ID:xNPTdlQo
ヤマトかと思ったらKだったでござるの巻wwwwwwww
いつ佐川は出るんだと思ったらwwwwwwww
面白かったですwwwwwwww
- 987 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:34:28.94 ID:F70mJNgo
テクテクテク…
親衛隊長「……はぁ。死んでしまった」
スタスタ…
親衛隊長「…ん?」
騎都尉「…?」
親衛隊長「…どうも」
騎都尉「どうも」
親衛隊長「…貴方も魔物にやられたクチですか?」
騎都尉「ああ…。まぁ…」
親衛隊長「そうですか。ご愁傷様です…」
騎都尉「……そちらこそ」
テクテクテク…
親衛隊長「!?」
トロル「…ふが?」
親衛隊長「…死んでしまえば…人間も魔物もない…か」
- 988 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:35:06.32 ID:F70mJNgo
師匠「…………」
お父「……」
騎都尉「……グビッ」
親衛隊長「ほー、大軍師がねぇ…」
フンババ「アイツ強い…キライ」
トロル「……ふが」
テクテクテク…
北方司令「あれ、師匠。今日はお酒が進んでないですね…」
師匠「進むと思うか…?バカヤロウ」
北方司令「へっ…?」
師匠「……非常に…暑苦しい」
北方司令「……た、確かに…っ!」
師匠「女は来ないのか?女は……」
北方司令「いや、あまり女性を死なせてしまうと…ちょっと…」
師匠「はぁ!?男女平等だろうが!不公平だこんなん!!」
- 989 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:36:14.38 ID:F70mJNgo
テクテクテク…
プリースト「師匠さーん!今日はカレーよ?どうっ?」
師匠「うひょー!美味そうっ!!どれ……」
北方司令「……美味しい!」
師匠「うめぇ!!さっすがプリーストちゃん!!」
短髪「なんだこの現金なヤローは…」
弓使い男「さぁ……」
プリースト「良かったぁ!褒められたよ?」
クラーケン「いやぁ…自分の足をふんだんに使った甲斐がありました」
師匠「ブーッ!!」
プリースト「クラーケンちゃんたら、とっても料理上手なんですよ!」
お父「…ほう」
親衛隊長「いやはや…魔物にも色々とあるんだなぁ…」
ドワーフ「ほっほっほ!これにて一件…」
師匠「落着してねぇよ!!バカヤロウッ!!」
あの世は今日も平和です……。
〜行けっ!コカトリス!!外伝?、完〜
- 990 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:41:59.58 ID:F70mJNgo
>>969-970
オマケリクありがとうございます!完了です!
>>965
ギリギリご要望に沿えるものは頑張りますが、
基本的には自由に書かせて貰っちゃってます!
>>967
結果としては同じ意味でおKです。寿命も魔力も減る一方なので…
>>984-986
ありがとうございます!ちなみに黒猫は両方の意味です!
Kを聞きながら呼んで頂ければ…!
あと10なので本編は次スレからにて!ありがとうございました!ノシ
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