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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
759 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:11:34.90 ID:EGlkgZfDo


青年兵「司令は、どこまでご存知なのですか?」

大軍師「……?」

青年兵「己の運命も、既に予言で……」

大軍師「どうでしょうね」

青年兵「……」

大軍師「私も全て伺っているわけではありませんから」

青年兵「……そうですか」

大軍師「それに、自身の事はあまりお話にならない方ですし」

青年兵「なるほど」

大軍師「して、如何なさいますか?」

青年兵「……確かに司令の安否も気がかりなところですが……」

大軍師「……」

青年兵「任務優先でいきましょう」

大軍師「賛成です。司令もおそらくそう仰るでしょう。それに簡単にやられたりはしませんよ」


760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:12:33.52 ID:EGlkgZfDo


青年兵「それでは、これより今後の展開をご説明します」

会議室に集まった一同に、青年兵と大軍師が説明を始める」

大軍師「まず、今作戦における成果を発表致します」

青年兵「当初の目標であるタルウィ、及びザリチュの討伐……」

召喚士「……」

青年兵「2体ともに、討伐を完遂した事をご報告致します」

ザワザワッ

歩兵「おぉ……っ!!」

南西砦兵「やった……やったんだ!!」

青年兵「更に、ドゥルジとも交戦の末、これを撃破致しました」

ワアアァァァァ!!

大軍師「眷属サルワについては、交戦致しましたが、生死は未確認となっております」

戦士「倒したと……思いたいがな」

戦士父「ああ」


761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:13:59.35 ID:EGlkgZfDo
青年兵「サルワについてはひとまず、調査隊を派遣し、詳細の確認を急ぎたいと思います」

大軍師「調査隊は特殊遊撃の面々にお願い致します」

隊長「了解した」

戦士父「それならば、私も同行しよう」

男隊員「そいつは頼もしい」

女隊員「宜しくお願いするッス!」

戦士「待ってくれ、それなら俺も一緒に行かせてくれよ」

格闘家「傷は大丈夫なのか?」

戦士「問題ねぇ。何より、サルワについては俺だって責任がある」

男隊員「だからよー、その傷で……」

戦士「最後まで見届けたいんだよ。そこまでが俺に課された任務だろ」

女隊員「戦士くん……」

隊長「……分かった。ただし、お前はなにがあっても交戦不可。いいな?」

戦士「……ああ」

隊長「では以上……特遊4名、ワーカー2名で調査隊を編制します」


762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:15:45.48 ID:EGlkgZfDo
大軍師「お願い致します」

青年兵「続いて、各地の被害状況についても調査を行います」

ジュニア「そんな大きな被害は出ていないと思うが……」

大軍師「現地だけとは限りません」

青年兵「事実、西側のでは山が一部吹き飛んだりしていますからね」

賢者「確かにそうだね……ふぅ」

青年兵「まずは南西部。タルウィの放った閃光によりかなりの距離で被害がみられます」

召喚士「それなら、俺が行きます」

大軍師「召喚士殿がですか……魔力は大丈夫ですか?」

召喚士「ええ。タルウィに好き勝手させてしまったのは俺の責任ですから」

朱雀嬢「だったら、私にも責任はありますわっ!」

玄武娘「私も行くですのー」

青年兵「ワーカーのみというわけにはいきませんね。僕が指揮します」

大軍師「それが宜しいでしょう。あと数名は……」

青年兵「……お願い出来ますか?」


763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:16:46.81 ID:EGlkgZfDo
魔道士「へっ?」

盗賊「……私達……か?」

青年兵「ええ。召喚士さんや朱雀嬢さん達とは気心知れた間柄ですし」

玄武娘「そうですのー!」

青年兵「出来れば戦士さんにもお願いしたいところだったのですが……」

戦士「悪いな。だがどうしても譲れないんだ」

青年兵「分かっています。代わりが務まるか分かりませんが、僕も頑張ります」

戦士「頼む」

神官「我らも参ろうか?」

青年兵「いえ、お二方はあくまでお客人。これ以上の負担はかけられませんよ」

名代「しかし、ここまで来たらそんな事……」

大軍師「では、お二人は私と共に、南西砦の近辺を警備頂けますか?」

神官「お安い御用です」

名代「お役に立てて良かった」

青年兵「それでは、お願い致します」


764 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:17:56.20 ID:EGlkgZfDo
大軍師「残りの人員と各兵は、ここの防衛と鉱山の村の被害状況を調査」

南西砦兵「了解致しました!」

青年兵「それでは各自、行動を開始して下さい。期限はひとまず5日とします」

魔道士「それまでに、天才さんが戻ればいいですけど……」

召喚士「ええ……」

隊長「ところで、各地の動きは?」

青年兵「北方、南方ともに目立った動きはありません」

大軍師「本国や他の拠点もですね。引き続き伝令を待ちましょう」

隊長「さて、それじゃこっちは早速、行くとしようか」

男隊員「いつでもどーぞ」

女隊員「よーし、行くッスかぁ!」

隊長「今回は調査がメインだ。ハンマーは置いていけ」

女隊員「おぉっ、そうッスね」

戦士父「この戟、しばらく借りていいか?」

戦士「ああ。どうせ片手じゃ親父みたいに振るえねぇし」


765 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:18:47.87 ID:EGlkgZfDo
青年兵「では、くれぐれもお気を付けて」

隊長「調査隊、行ってきます」

ザッザッザ

戦士「んお!?」

マーマン「おっ! よぉ!!」

戦士「来てくれたんか! ハヌマーンさんも一緒か!」

ハヌマーン「ああ。少しでも力になれぬかと思ってな」

戦士「あんたらが来てくれるなんて、百人力……いや、百魔物力か?」

マーマン「ははっ! んで、今度は何だい?」

戦士父「戦後処理さ」

マーマン「へぇ、忙しいこったねぇ」

戦士「……ん? 面識あんのか?」

戦士父「ああ。随分と昔にだけどな」

マーマン「そうそうっ!」

戦士「ふぅん。不思議な縁だわな」


766 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:19:22.57 ID:EGlkgZfDo
マーマン「俺の持ってた槍だって、元はこの人のモンだったわけだ」

戦士「そうだったのか……って、あれ? これって……」

戦士父「ゾディアックだ」

戦士「やっぱり!!」

マーマン「大切なモンだったのか?」

戦士父「まぁ、今となってはな」

戦士「……あ」

戦士父「……?」

戦士「そういや……槍……あげちゃったな」

戦士父「何がだ?」

戦士「いや、北方司令部にあったやつ、1本オークって魔物に……」

戦士父「ゾディアックか。回収出来るのか?」

戦士「た、多分……。スグリーヴァさんとこにいいるだろうし」

ハヌマーン「オークなら待機しているぞ。何ならすぐにでも言えば、大丈夫であろう」

戦士父「……全く。親も親なら子も子だな」


767 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:20:09.52 ID:EGlkgZfDo
マーマン「……?」

戦士父「ああ、こいつは俺の息子なんだ」

マーマン「はぁ!? マジかよ!?」

戦士「ま、まぁ……」

マーマン「そーかそーか! よく見れば……似てるなぁ!」

紅孩児「確かに」

ハヌマーン「並び立つと、目元など一緒ではないか」

戦士「そーかぁ? ……ってぇ!!」

バッ

戦士「何でお前がいるっ!?」

紅孩児「へ? いちゃ悪いかよ?」

戦士「悪いだろ!! 何しに――」

ハヌマーン「待て待て、こ奴も助太刀に参ったのだ」

戦士「はぁ!?」

マーマン「改心したんだってよ」


768 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:21:16.07 ID:EGlkgZfDo
紅孩児「改心? 何を改心する事がある?」

戦士「ほ、ほんとに味方なんだろうな?」

紅孩児「味方ってのはおかしな言い方だが、一緒には戦ってやるよ」

戦士「マジかよ……っ」

紅孩児「俺も魔王だけはどうしてもぶっ殺してぇところだかんな」

戦士「……そうか」

紅孩児「その後は知らん。少なくとも貴様等には仮を返さにゃーならん」

戦士「終わってからな。但し、命のやり取りはしない。その上での勝負だ」

紅孩児「……あっそ」

戦士「あ、ところでお前……あの変な瓢箪どうした?」

紅孩児「あぁ、捨てた」

戦士「はぁ!?」

紅孩児「不要だしな。今頃海の底だろうよ」

戦士「……あれがありゃ魔王も簡単かと思ったんだがな」

紅孩児「んなワケないだろ。そんなんで簡単に片付くならとっくにやってるよ」


769 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:22:28.22 ID:EGlkgZfDo
戦士「だろうな。冗談だよ」

隊長「おーい、そろそろ行くぞ」

戦士「おう!」

ハヌマーン「手伝うか?」

戦士父「いや、こっちは大丈夫だろう。ここの護衛を頼む」

マーマン「おう。任しとき!」

戦士「紅孩児も頼むぜ」

紅孩児「俺はもう帰る」

戦士「そっか。んじゃ、行ってくるわ」

タッタッタッタッタ

ハヌマーン「……帰るんじゃなかったのか?」

紅孩児「魔王と交戦するかもしれんだろ。……そのうち帰る」

マーマン「素直じゃねーなぁ」

紅孩児「何がだよ、このクソ河童!」

マーマン「河童じゃねぇって言ってんだろーがっ!!」


770 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:22:57.56 ID:EGlkgZfDo


召喚士「じゃあ、行きましょうか」

魔道士「はいっ!」

青年兵「交戦はないと思われますが、日帰りは難しいので……」

魔道士「あっ、それじゃあ荷物も多めに持って行った方がいいですねぇ」

盗賊「……だな」

大軍師「何かご必要な物はございますか?」

召喚士「……と、言いますと?」

大軍師「戦士父殿のご依頼で、南方軍へ物資の輸送を依頼致しますので」

玄武娘「そうなんですの?」

召喚士「うぅん、特に……ないですかねぇ」

魔道士「ええ。大丈夫ですよっ」

大軍師「畏まりました。それでは、お気を付けて」

召喚士「はい。ありがとうございます」

青年兵「それでは調査隊、出発致します」


771 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:23:40.24 ID:EGlkgZfDo
〜西方、南の砂漠〜

西方兵長「無闇に近づくな!」

西方兵「は、はい……っ」

西方兵長「……それで、これはどうします?」

王子「総力をもって、ぶっ飛ばす」

西方兵長「!?」

王子「……と、普段なら言いたいところだけど」

ザッ

王子「展開中の作戦と関係があるかもしれない。下手にては出せないなぁ」

西方兵長「死んではいないようですが、意識はないし、動きも見られませんね」

王子「すぐに本国へ連絡! あとは少し距離を置いて、コイツの監視を徹底!」

西方兵「了解です!」

王子「……あの刺さってるの、槍かな?」

西方兵長「そのようですね。一体誰が……」

王子「槍に精通した奴……そうだな、パイク長を呼んでおいて」


772 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:24:20.56 ID:EGlkgZfDo
〜北方司令部〜

斥候「北の空よりドラゴンが数匹襲来!」

ドドッドドッドドッ

騎士長「数匹って何だよ! 詳細は掴めないのか!?」

斥候「まだ距離があり、先行している斥候も詳細までは掴めていないようです!」

左翼長「……どう見る?」

参謀「本気ではないでしょうね。おそらくこちらの動きをみての牽制かと」

左翼長「だろうな。まさかその裏までは読まれてねぇと思うが」

騎士長「どうする?」

左翼長「決まってんだろ。空中戦だ!」

参謀「青龍士官殿、行けますか?」

青龍士官「いつでも。この日の為に鍛え上げてきたのです」

ガシャッ

左翼長「長槍片手に甲冑姿で竜の背に乗り駆る……さしずめ竜騎士ってところだな」

青龍士官「ワイバーン隊……出るぞ!!」


773 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:24:52.07 ID:EGlkgZfDo
〜???〜

天才「……」

お師匠「……」

オオォォォォ…

天才「見なよ。お師匠のツヴァイハンダー……また一つに戻ったぜ」

お師匠「……」

グイッ…ジャキッ

天才「……おいおい、幻術だからってそれは反則だろ」

お師匠「この魔剣の威力は、お前も十分知っているよな」

天才「当たり前っすよ。俺もお師匠もあいつも……あの人も、みんな呪われたんすから」

お師匠「さぁ、かかってこい」

天才「悪いけど、時間はかけられないんで」

ゴゴゴゴゴゴ…

天才「すぐに終わらせますよ!」

お師匠「……」


774 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:25:47.21 ID:EGlkgZfDo
とんっ、と言う軽い音が闇の中に響き渡る。天才が飛んだブーツの音だ。

魔剣と呼んだ凶々しいその大剣を、お師匠は降ろしたまま棒立ちしている。

すかさず間合いに入った天才はツヴァイハンダーを振り下ろすが、お師匠の手にする

魔剣は、それを凌ぐ速度でツヴァイハンダーを弾き返し、刀身を返す。

天才「――っ!!」

押し戻された大剣を軸に、天才は跳躍し、更には後方、左右とフェイントをかける。

魔剣はそれを自動追尾するかのように、天才の顔を何度も突き狙う。

ブオンッ…フォンッフォンッ!!

天才「く……っ!!」

身を低くし、地面へ右手をつく天才。更に側転し、魔剣の突きをかろうじてかわす。

サクッサクッ、と地面を紙や布のように貫くお師匠の魔剣。

ひとたび触れれば致命傷と思われる連撃を、天才は片手をつきながら必死でかわし続けた。

魔剣が突き刺さる地面から引き抜かれ、お師匠の頭上に掲げられた瞬間、

天才「ここだぁ!!」

その隙を狙う天才のツヴァイハンダーが魔剣めがけ突き上げられた。


775 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:27:27.33 ID:EGlkgZfDo
ガキイイィィィィン

天才「……」

お師匠「武器破壊の一撃か。悪くない」

天才「何……ぃ!?」

ツヴァイハンダーの鋭利な先端が、魔剣の柄で打ち落とされる。

お師匠「だが、見え見えでは意味がないな」

ツヴァイハンダーは天才の手を離れ、地面へと突き刺さる。

天才「……っ」

お師匠「終わりだ」

天才「……あんたがな」

お師匠「……?」

キュイイィィィィ

お師匠「な……っ!?」

突如、お師匠の足元が光り輝く円に包まれた。

お師匠「これは……五行!?」


776 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:28:09.75 ID:EGlkgZfDo
天才「さっき魔方陣を張ってんの、気付かなかったっすか?」

お師匠「……っ」

グイッ…ズボッ

天才「ふーっ、とりあえず終わりっす」

お師匠「……初めて、負けたな」

天才「そうっすね。何千敗したか分かりませんけど」

お師匠「最後に残った者が勝者だ。勇敢な……な」

天才「何千回の無謀よりもまた、たった一回の勇敢ですか」

お師匠「ああ、そうだな」

天才「今でもずっと国軍の教訓ですよ、それ」

お師匠「……」

天才「それじゃ、お元気で」

お師匠「……天才」

天才「すぐ行きますって。ハーッハッハ!」

お師匠「……ハーッハッハッハ!!」


777 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:30:07.88 ID:EGlkgZfDo
ドオオォォォォンッ…

天才「なん――」

パアアァァァァ…ドサァッ!!

天才「いって――」

ザッ

天才「……てめぇ……っ」

タローマティ「まさか、我が結界を突破したというのか?」

天才「……お久し振りさんじゃねぇか」

タローマティ「下がれ、無礼者」

天才「黙ってろよ三下。こっちは久々の再開で胸震えてんだ」

タローマティ「下がれと言っている。御前であるぞ」

天才「分かってるっつーの。なぁ……」

――「…………」

天才「アンラ・マンユちゃんよぉ!」

アンラ・マンユ「……何か用か、人間?」



〜第四十六部、完〜


778 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/05/11(水) 18:41:59.09 ID:EGlkgZfDo
そいではここまでにて!ご支援ありがとうございました!
風呂敷…畳みきれるかっ!?畳んでみせるっ!それでは!ノシ


780 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/11(水) 18:51:51.21 ID:2KUDVh0DO
>>1乙
総司令が大元帥にならなかったのはこれか……



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