■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
893 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:10:50.29 ID:cvyNusUo
ドヨッ…

左翼長「今…なんつった…!?」

博士「東方司令部……解散。そうきこえたのら…っ」

ザワザワザワ

議長「コホン、静粛に」

右大臣「屯田においては後ほど話すとして、まずは東方司令部」

東方司令「司令部の解散…だとぉ!?」

将軍「なっ、何という…!」

右大臣「皆も存じておる通り、龍脈の主…ヤマタノオロチは倒れた」

スッ

右大臣「ここにあるものが、殿下からの報告書である」

政治屋「やはり…噂は本当であったのか…!」

高官「……」

左大臣「異議あり」

議長「左大臣、発言を許可する」


894 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:11:58.99 ID:cvyNusUo
左大臣「右大臣、貴公は開会をした過ぎぬ。いわば部外者だァ」

右大臣「なれば、貴公もそうであろう」

左大臣「如何にも。あとは当人同士に任せようではないかァ」

右大臣「……っ」

左大臣の一言により、右大臣は再び着席する。

議長「…それでは、右大臣の提案について意見のある者」

スッ

議長「左秘書官」

左秘書官「東方司令部解散の意図が分かりかねます」

スッ

議長「右秘書官」

右秘書官「東方司令部の任務を考慮すれば、明白な事です」

左秘書官「つまり、ヤマタノオロチを倒したがために不要であると?」

右秘書官「東方司令部の主たる任務はご存知であろう?」

左秘書官「月の宴と心得るが」


895 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:12:50.29 ID:cvyNusUo
右秘書官「その通り。龍脈の主であるヤマタノオロチを倒したのであれば……」

左秘書官「しかし、完全に龍脈が途絶えたわけではなかろう」

右秘書官「それは承知。しかし案ずる事もなくなったのは事実」

左秘書官「どこにそのような根拠が……」

右秘書官「もし魔王軍が龍脈の正常化を望むのならばこそだ」

左秘書官「……?」

右秘書官「考えてもみよ。龍脈を取り戻すに奴等が如何な手を打つか」

ザワザワザワ

右秘書官「当然、初手は龍脈の根源を正常化するであろう」

騎士団長「成程。まずは東方の根源を奪還するか……」

南西砦長「その上で新たな主を据え置く……と」

右秘書官「その上で、次は東方司令部へ攻撃をかけてくる。私はそう思うが」

左秘書官「攻撃…?ならば尚更の事、東方司令部は……」

右秘書官「少なくとも、今の東方司令部では勝てぬ、と踏んでおります」

左秘書官「なに…っ!?」


896 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:13:41.02 ID:cvyNusUo
右秘書官「あのように魔道兵に偏った編制では防衛は難しい」

左秘書官「……そんな事はあるまい」

右秘書官「その辺りはプロに伺うとしましょう」

チラリ

東方司令「……難しいだろうな。現状の戦力では」

左秘書官「っ!!」

ザワザワ…

右秘書官「なればこそ、負け戦をする必要はございません」

左秘書官「攻め入られる前に、放棄すると……?」

右秘書官「生憎、付近には何故か村や町も御座いませんので……」

左秘書官「……」

右秘書官「その上で、東方司令部の兵を各部へ組み込めば……」

左秘書官「組み込む?」

右秘書官「ええ。多方面の増強にもなります。何せ軍事予算が少ないもので」

左秘書官「その為の屯田であろう?」


897 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:14:38.30 ID:cvyNusUo
右秘書官「数に限りが御座います。それとも……屯田を強化しても良いと?」

左秘書官「そうは言っておりません」

右秘書官「とにかく、現状の東方司令部は不要という事を申し上げたい」

左秘書官「では、再び龍脈が戻ったら如何なさるのだ?」

右秘書官「戻らぬよう、未然に防ぎます」

左秘書官「根拠がない」

右秘書官「根拠はこれから訪れます」

左秘書官「……?」

右秘書官それが程、右大臣様が示した書と共に送られてきた……」

ゴソッ……バッ

右秘書官「これです」

白虎長「あれは……!?」

隊長「何か書いてあるな……よく見えねぇ」

右秘書官「これは東方の王『ミカド』より承りし書面に御座います」

ドヨッ


898 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:15:39.68 ID:cvyNusUo
右秘書官「要約して読ませて頂きます。『今は同盟は組めない』……」

西方司令「っ!!」

南方司令「……なに!?」

右秘書官「『だが半年以内に東方を統一し本国との同盟に備えよう』……」

ザワザワザワ…

右秘書官「東方には依然、反乱分子がおります。平定後に同盟をと……」

左秘書官「捏造ではあるまいな?」

右秘書官「……原本です。傷付けぬ様頼みますよ」

カツカツカツ…スゥッ

左秘書官「鑑定眼のある者と、東方情勢に詳しいものは前へ」

右秘書官「議会中であるぞ」

左秘書官「議長、許可を願います」

議長「……分かりました。許可しましょう」

ゾロゾロゾロ

左秘書官「自席での検証に許可をお願いします」


899 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:16:32.97 ID:cvyNusUo
議長「宜しい。大切な書です…くれぐれも扱いには注意されよ」

左公文書「はい。……これは殿下のサインで間違いないか?」

鑑定眼「……そのようで…ボソボソ」

議長「他に意見のあるもの」

スッ

議長「左文官」

左文官「仰りたい事は分かったが、司令部を一つ潰す事はないと考える」

右秘書官「それは先程も申し上げたはずです」

左文官「貴公が述べておるのは、全て五ヵ年計画とやらに基づいてのもの」

右秘書官「……」

左文官「かつて我々は、東方司令部の支えによって事無きを得てきたのだ」

右秘書官「では、一生このまま人類は過ごせと…?」

左文官「無いに越した事はないが、事実こうして生きてきたのだ」

右秘書官「それでは、東方の者は見捨てろと仰るのか?」

左文官「そうは申していない。鎖国を執ったのは彼らだぞ」


900 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:17:46.82 ID:cvyNusUo
右秘書官「それはそうですが……」

左文官「何も他国にまで兵を派遣するなど蛮族の為す事ではないか」

右秘書官「何を仰います!本国、ひいては東方を守る為ではないですか」

左文官「それならば自衛で十分ではないのかね?」

右秘書官「それで多くの人間が死んでいるのです」

左文官「攻めればもっと人が死ぬんだぞ」

右秘書官「だからこそ、短気決戦で損害を最小限にするべきなのです」

左文官「根拠がないのだよ。貴公らの言動にはな……!」

コンコン

議長「静粛に」

左文官「予言などという非現実的な根拠で、全ての者を納得させられるのか?」

右秘書官「……予言は絶対です」

左文官「現に一度、外したではないか」

ザワッ

占い師「…………」


901 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:18:35.93 ID:cvyNusUo
左翼長「……」

右秘書官「あれ以来、一度も外れてはいません」

左文官「もしまた外れたらどうする?大損害を再び出すというのか?」

右秘書官「予言抜きにしても、計画は順調に進んでおります」

左文官「……ほぉ」

右秘書官「今や本国内の統制は、かつてない程円滑であり順調」

左文官「根拠は?」

右秘書官「昨今における魔物の出現率を見れば明白でありましょう」

左文官「……」

右秘書官「ともかく、司令部を解散するにしろ何にしろ、東方出兵は必然なのです」

ザワザワザワ…

司令官「……」

副司令官「……」

右秘書官「東方の情勢については参考人を召致しております」

スッ


902 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:19:22.49 ID:cvyNusUo
右秘書官「召喚士殿、皆様方もお願いします」

議長「召喚士、戦士、魔道士、盗賊。発言を許可する」

ドヨッ

左翼官「……あれは…ワーカーではないのか!?」

政治屋「部外者を入れるとは…どういう事かっ!」

右文官「部外者ではない。れっきとした国軍付なるぞ!」

左翼士官「国軍付と言っても所詮はワーカーであろう!」

右文官「国軍付は国軍所属と同等の権利がある事を負わすれか!」

政治屋「……むうぅ」

右秘書官「議長、問題はありませんな?」

議長「……うむ。議決権はないが参加には問題ない」

右秘書官「…では、お願い致します」

スゥッ

召喚士「え……えっと……」

ジーッ


903 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:20:34.12 ID:cvyNusUo
召喚士(……し、視線が凄い…っ)

青年兵「……」

司令官「……」

左大臣「……」

議長「…………」

召喚士(……な、何を言えばいいんだろ)

魔道士「わ、私達は…つい先日まで東方におりました」

ザワザワザワ

国軍曹長「誰だあれ…!?」

左翼官「……?」

魔道士「東方は、本国と全然違います。街も人も……」

隊長「……」

左翼長「……」

魔道士「魔物だって全然違うし…凄く…強いし」

占い師「……」


904 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:21:48.02 ID:cvyNusUo
白虎長「……」

魔道士「でも、住んでる人は同じ人間で…とっても温かくて…」

騎士団長「……」

南西砦長「……」

魔道士「あっ、ここにいる盗賊さんも東方の方なんですよ!ねっ、盗賊さん!」

盗賊「っ!?」

魔道士「でも東方は、本国ほど魔法とかあるわけじゃなくてその……」

東方司令「……」

南方司令「……」

魔道士「まだ、凄く強い敵が残ってるんです。だから…助けてあげないと…」

男隊員「……はっはは、面白い女だ」

女隊員「シーッ!静かにするッスよ!」

魔道士「何て言うか…戦う事は良い事ではありません。でも……」

青龍先生「……」

左大臣「……」


905 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:22:42.93 ID:cvyNusUo
魔道士「人が傷ついていくのは、もっと良くないと思うんです」

シーン…

魔道士「……あ、あれ…っ。ごご、ごめんなさいっ!!」

議長「……意見のあるもの」

スッ

議長「召喚士」

召喚士「今の魔道士さんの発言ですが、その通りだと考えます」

左文官「何がかな?」

召喚士「東方はヤマタノオロチを討伐し、一応の落ち着きを見せております」

左文官「……先程伺ったよ。国内の平定に努めておるのだろう?」

召喚士「ええ」

左文官「貴公らが言うように兵を進めるならば、何故平定に手を貸さない?」

召喚士「ミカドとの約束です。東方の揉め事は東方の力で解決したいと」

左文官「ならば放っておけば良いではないか」

召喚士「東方内の事は殿下もそのおつもりです」


906 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 18:25:17.78 ID:cvyNusUo
左文官「……?」

召喚士「分かっておられるのでしょう?……魔王討伐です」

ザワッ

召喚士「本国が力を貸す……軍事同盟はこの一度きりと考えます」

左文官「……」

召喚士「東方が平和になれば、本国も楽になります」

右文官「その通りだ!東側の軍備もそれこそ減らせるというもの」

左文官「なればその時に東方司令部を解散すれば良かろう」

右文官「ぐむ…っ」

召喚士「しかしそれでは遅すぎます」

左文官「……遅いだと?」

召喚士「五カ年計画によれば、東方の魔王討伐は……」

スッ

議長「青年兵」

青年兵「……およそ、二年以内と考えます」


912 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/20(月) 20:55:08.70 ID:RCrftIEo
おつおつおつ
肉弾戦も面白いが舌戦もたまらん ジュルリ

にしても各司令も個性派揃いだなww


913 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/20(月) 21:28:30.92 ID:3qZ9uOY0
>>1乙ー。

東方参謀「ええい!右だの左だの煩いわ!!東方の行く末は東方ファイトで決めるが、我が司令部の掟なりっ!行くぞ、青年兵ィ!貴様が勝てば、右翼の勝利。儂が勝てば、左翼が勝利でどうだ?…ふはは!口だけは達者になりよって…いざ、尋常にィ!東方ファイト・レディー…ゴォウッ!!」


915 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 23:25:44.80 ID:blCCtNoo
左文官「二年なら早いものではないか」

青年兵「逆です。二年間、どのように防衛するのです?」

左文官「……」

青年兵「繰り返し言いますが、今の東方司令部では支えきれません」

左文官「何…ぃ!?」

青年兵「魔力一辺倒のあれでは駄目だと申しているのです」

左文官「しかしだな……」

青年兵「龍脈を途絶えさせた今、役目は終えたのです」

左文官「魔道兵さえおれば、他に頼らずとも……」

青年兵「先程の魔道士さんのお話、よく思い出して下さい」

左文官「……?」

青年兵「東方は何故、魔力を戦闘に介入させず持つのです?」

左文官「……さ、さぁな」

青年兵「そこに東方の魔物と龍脈。何か秘密があるのではないでしょうか」

左文官「……っ」


917 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 23:28:36.23 ID:blCCtNoo
青年兵「根拠、と申すのなら…東方そのものが根拠でしょう」

スッ

議長「隊長」

隊長「それについては口添えさせて貰う」

青年兵「隊長さん……」

隊長「俺も先日、東方で彼らの戦いぶりを目の当たりにしてきた」

ザワッ

隊長「確かに東方は、我が国よりも技術的には劣る……」

盗賊「……」

隊長「しかしだ。魔法も使わず、統制された集団戦法で見事追い払っていた」

青年兵「つまり……どうみます?」

隊長「東方の魔物は卓越した物理攻撃なら、退けられる」

召喚士「俺も目撃しました。更に言えば……」

左文官「……」

召喚士「東方の魔物は、魔法が聞きにくいと思います」


919 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 23:41:48.50 ID:blCCtNoo
ドヨドヨドヨッ

議長「静粛に」

召喚士「何度か東方でも戦っておりますが、全体的に魔法が効き難いと言えます」

戦士「ああ。無傷ではないが、有効的ではないな」

召喚士「もちろん、全てがそうと言うわけではありませんが……」

左文官「もう良い、分かった」

青年兵「実戦の経験者がこう言うのです。お分かり頂けたようで……」

左文官「しかしだ、それと司令部の解散はまた話が別」

青年兵「……と、言いますと?」

左文官「何も不要だからとて解散する必要もあるまい」

青年兵「……」

左文官「魔物が攻めて来る可能性もある。そう申したではないか」

青年兵「如何にも」

左文官「それに、現在東方司令部に居る者らはどうなる?身柄を保証出来るのかね?」

青年兵「……」


920 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 23:45:44.84 ID:blCCtNoo
左文官「他の司令部とて枠が多いわけではあるまい。のう、各部司令殿!」

南方司令「人では欲しいが……予算がなぁ」

西方司令「はあぁ…。この命をもってお詫び致しますうぅ」

左文官「まさか……全員を本国で受け入れるなどと?」

青年兵「何が何でも維持したようですね。魔道兵を」

左文官「な、何を申しておる!?」

青年兵「何か理由がおありなのですか?」

左文官「……そのようなものはない!」

青年兵「じゃあこうしましょう。仰るとおり、東方司令部は維持致しましょう」

左文官「!?」

召喚士「……青年兵くん?」

青年兵「但し、お話した通り…魔道兵ばかりでは防衛は困難…」

左文官「……」

青年兵「再編成を致しましょう。東方司令部だけではありません。国軍全体をです」

左大臣「なに…ぃ!?」


921 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 00:04:31.10 ID:sM2siy2o
うぐぐ…偏頭痛が……
それでは、本日もご支援ありがとうございました!
おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

幼女「クリマスス…?」

弓使い「そうよ〜。幼女ちゃんはやった事……ない?」

幼女「うん…。お父も興味なかったし……」

弓使い「そっかぁ…。じゃあさ、今年は三人で盛り上がりましょうかっ」

幼女「ほんと…っ!?」

弓使い「うんっ!剣士が帰ってきたら早速お願いしましょ」

幼女「やったぁ〜!」

カチャッ

剣士「ただいま〜」

弓使い「遅かったわねぇ」

剣士「うん。最近色々と忙しくてね…ははっ。ん、どうした?」

幼女「あ、あのね…っ、私……クリスマスしたいのっ!」

剣士「クリスマス…?あぁ、もうそんな時期だね!そっか…それじゃあパーティーでもしようか!」

幼女「やったぁーっ!」

弓使い「良かったわねぇ!さーて、それじゃあ今から準備しなきゃねっ」

幼女「うんっ!するーっ!!」


926 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/21(火) 06:27:08.38 ID:NtKyHADO
>>1乙っす
この三人にはいつまでも幸せに平和に暮らしてもらいたいものだ


930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 17:51:13.61 ID:PLfae5wo
ザワザワザワ…

副司令「国軍全体の再編…だと…!?」

左翼長「…ほぉ、こいつはまた思い切った事を」

スッ

議長「左翼官」

左翼官「今の発言、此度の主旨とはややずれております」

青年兵「そうですか?」

左文官「貴公らの議題は東方司令部の解散であろう?」

青年兵「解散が難しいと申したのは、そちらですよ?」

左文官「しかしだな……そんなもの唐突に……」

青年兵「私は、殿下のご意向を一任されております」

左翼官「……つまりそれは、殿下のご意向であられると?」

青年兵は無言で頷く。

左翼官「……総司令殿、如何なのですか?」

司令官「……ん、いいんじゃない?」


931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 17:52:26.38 ID:PLfae5wo
ザワザワ…

議長「静粛に」

青年兵「国軍トップの許可も出ました。問題ありませんね?」

左翼官は下唇を噛み、着座する。

青年兵「解散が難しいのであれば、剣兵や弓兵、召喚兵を均等し配置致します」

右文官「…ど、どうなのだ…ゴニョゴニョ」

右秘書官「青年兵…っ」

青年兵「それで如何ですか?……左大臣様」

ザワッ

左大臣「……」

スッ

議長「左大臣」

左大臣「……良かろう」

ザワザワッ!!

左秘書官「……左大臣様」


932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 17:52:58.20 ID:PLfae5wo
背後から声をかける左秘書官を右手で制し、左大臣は言葉を続ける。

左大臣「てっきり思い違いをしておったわァ」

青年兵「……」

左大臣「私はなァ、右翼の連中が左翼の議決権を減らす為に……」

ドヨドヨドヨッ

左大臣「東方司令部を解散するのかと、そう思っていたァ……」

青年兵「……」

左大臣「この通り、深くお詫び申し上げる」

スクッ……スッ

将軍「左大臣様が……」

東方司令「頭を……下げた!?」

青年兵「おやめ下さい、左大臣様…っ」

左大臣「…しかし、貴殿の話を聞いてすっかり疑いは晴れましたわァ」

青年兵「……」

左大臣「再編制なら議決権は変わらぬ。それで良いのだなァ?」


933 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 17:53:30.14 ID:PLfae5wo
青年兵「……私は構いません」

ザワザワ

右文官「あやつ…っ、それでは結局……」

右秘書官「……青年兵を信じましょう」

左大臣「…ふん、分かった。本日はここまでとしようかァ」

右大臣「良いだろう。再開は12時間後だ」

議長「それでは、議会初日は以上で閉会とする。宜しいな?」

左大臣「あァ」

右大臣「異論なし」

議長「これを以って、議会初日を閉会とする。次回は12時間後」

ガタッ…ザワザワザワ

議長「任務のある者以外は、必ず集まられたし。以上!」

ゾロゾロゾロ

召喚士「お、終わったのかな…?」

青年兵「はい、お疲れ様でした」


934 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/21(火) 17:54:12.76 ID:PLfae5wo
ゾロゾロ…テクテクテク

左翼官「……お疲れ様でした」

左大臣「あァ」

左秘書官「書面は間違いなく殿下のサインでした」

左文官「すると、本物か!?」

左秘書官「訳しましたが、確かに東方からの同盟許諾に関する内容です」

左翼官「……」

左大臣「それにしても…厄介な奴を組したなァ…」

左秘書官「大軍師ですか?前回の会談以降調べましたがあれは……」

左大臣「…奴もだがァ、あの小娘よ」

左文官「あぁ、朱雀の一行ですか」

左大臣「あの小娘の発言で、堂内の空気がガラリと変わってしまったわァ」

左翼官「若い女というだけで興味を惹きますからな。何か気にかかりますか?」

左文官「まぁ、奴らのい発言も初日のみでしょうし、案ずるに及びません」

左大臣「そうよなァ。さて、見は終わりだァ。明日よりこちらも攻めるぞ」



次へ 戻る 戻る 携 上へ