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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その33
- 160 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/10/24(月) 17:50:14.52 ID:SMRZ5hcDo
〜西方司令部〜
西国兵「入港するぞーっ! 準備出来てるかーっ?」
ザザーン…ドドオォ
西方参謀「随分とまぁお早いお着きですなぁ」
天才「ヤボ用で前入りだよ。早速で悪いが馬を1頭出してくれや」
西方参謀「馬? 西国拠点ですかい?」
天才「ああ。それよりこっちの軍備は出来てんだろーなぁ?」
西方参謀「まぁ、ぼちぼちは……ヒック」
天才「ラーヴァナ戦で使い果たしましたじゃ済まされねーぞコラ」
西方参謀「分かってますって。どの道、砂漠じゃ兵器も使えんし、メインは西国頼みでしょうや」
天才「……まぁな。あのアホの武器は?」
西方参謀「もうじき作成にかかりますわ。どエライのが出来ますぜ? ヒック」
天才「何でもいいさ。とにかくあの人間兵器に道を切り拓いて貰わにゃ困る」
西方参謀「ですわな。ヒック」
天才「おっし、そんじゃ行ってくるわ。あとは頼んだぜ」
- 161 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:51:05.40 ID:SMRZ5hcDo
…
バサァ…バシュウウゥゥゥゥ
神官「いやぁ、気持ちいい。朱雀召喚獣は飛行出来て羨ましい」
召喚士「そうですね。その辺は俺も朱雀で良かったと思ってます」
コカトリス「どういう意味だ?」
召喚士「いやっ、違うって、変な意味じゃなくって!」
魔道士「うふふっ。あっ! 見てくださいあれっ。戦士さん達じゃないですか?」
召喚士「ホントだ。近づきすぎると気配で盗賊さんにきづかれてしまう。少し離れて降りましょう」
〜倉庫〜
船乗り「オーライオーライ。よーし、そこでいいぞー」
商人「もっと安くなりませんかね?」
元締め「だめだめ。これ以上は安く出来ないよ」
テクテクテク
戦士「結構、賑わってんなぁ」
盗賊「うん」
- 162 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:53:29.40 ID:SMRZ5hcDo
テクテクテク
鍛冶娘「着いた。ここ、ここ」
戦士「ほぉ」
鍛冶娘「こんにちはー」
元締め「おっ、開発局んとこの……」
鍛冶娘「鍛冶娘です。ご無沙汰してますー」
元締め「最近来てくれなくて寂しかったよ。わははっ!」
鍛冶娘「すみません、何だか色々と忙しくって」
元締め「まぁそうだろうねぇ。もうすぐこっちでも戦があるんだろう?」
鍛冶娘「そうなんです。それで今日はちょっと仕入れに来ました」
元締め「おうおう、好きに見てってくれよっ!」
鍛冶娘「はーい。失礼しますー」
元締め「そっちの2人は客人かい? 見ない顔だが……」
鍛冶娘「はい、ちょっとした知り合いで。こいつの武器を作らなくっちゃいけなくって」
戦士「世話になります」
- 163 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:54:17.61 ID:SMRZ5hcDo
元締め「なるほど。あんたらワーカーだな?」
盗賊「……ええ」
元締め「あんたらが戦ってくれてるからこうして俺達が生きていられるわけだ。よし、安くしとくぜ!」
鍛冶娘「ありがとうございます。さ、行こ」
戦士「おう」
スタスタスタ…
盗賊「……おぉ」
鍛冶娘「ここが資材置き場。ここなら仕入れ値でゲット出来るわよ」
戦士「そんじゃ早速、見て回るか」
鍛冶娘「ねぇ。盗賊さんも目利き出来るわけ?」
戦士「いや無理だろ。俺だって素材からはそんな自信ねぇぞ」
鍛冶娘「あっそ。それじゃ大人しく見てて」
盗賊「あ、うん……っ」
鍛冶娘「それじゃー行くわよ〜!」
戦士「おーうっ!」
- 164 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:55:13.65 ID:SMRZ5hcDo
テクテクテクテク
鍛冶娘「まず素材だけど、鋼でいいんだよね?」
戦士「まぁそれ以外にないだろ。あわよくば金剛石とか……」
鍛冶娘「バカじゃないの? どうやって加工するのよっ」
戦士「だよな。だったら鋼玉を金剛石で加工するとか……」
鍛冶娘「だからコランダムだって幾らかかると思ってるのよ。流石に時間なさすぎよ」
戦士「じゃあ……鋼を核に、鉱石でコーティングしたらどうだ?」
鍛冶娘「だったら鉱石を丸ごと刃にして、他を鋼で補った方がいいんじゃない?」
戦士「まぁそれが無難っつーか、ベストだわな」
鍛冶娘「問題は加工出来るかどうか……」
戦士「それなら秘策がある。任しとけ」
鍛冶娘「へっ?」
戦士「加工する道具の事だろ? 鉱石の加工なんて易々と出来ねーだろ」
鍛冶娘「だからそれを言ってんの!」
戦士「わーってるよ。だから秘策があるんだって!」
- 165 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:56:08.56 ID:SMRZ5hcDo
ワイワイワイ
盗賊「……ん?」
クルッ…ササッ
盗賊「……?」
クルッ…テクテクテク
魔道士「あっ、あぶなかったぁ〜」
召喚士「この距離で勘付かれるとは……盗賊さん、腕を上げましたね……」
神官「今のところ優勢は鍛冶娘さんのようですね」
召喚士「神官さん!?」
魔道士「でも盗賊さんと戦士さんは、もう既にお互いの気持ちを伝え合っているんですよ?」
神官「何と! そうだったのですか! それはまずい展開ですね。ええ」
魔道士「そうなんですよ……」
神官「しかし、我々には見守る事しか出来ない。辛いところですねぇ」
魔道士「ええ……っ」
召喚士「あの……神官さん?」
- 166 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:57:11.97 ID:SMRZ5hcDo
…
鍛冶娘「どう?」
戦士「悪くねぇ。だがあっちのやつがやっぱり1番だな」
鍛冶娘「あ、やっぱり。私もそう思った!」
戦士「軽いわりに密度が高い。ありゃかなり上質なモンだよ」
鍛冶娘「ねっ。私も自分用に買っちゃおうかな」
戦士「おやっさん達にも買ってやったら喜ぶかもな!」
鍛冶娘「あ、それいいかも……ふふっ!」
盗賊「……」
戦士「「よし、そんじゃ買ってくっか」
鍛冶娘「うんっ」
テクテクテクテク
鍛冶娘「すみませーん。あの、奥のが欲しいんですけど」
元締め「あいよ。おい、こっち持ってきてくれや。どんんくらいいる?」
戦士「流石に持って帰れんぞこりゃ」
- 167 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:57:54.72 ID:SMRZ5hcDo
鍛冶娘「馬車だって無理よ。帰路は船だから安心して」
戦士「なーるほど」
鍛冶娘「国軍の船っています?」
元締め「ああ、丁度15時頃に出航する便があるぞ」
鍛冶娘「良かった。それじゃついでに乗せて行って貰いましょ」
元締め「積載量ギリギリだからいけても500kgくらいだぞ?」
戦士「そんなに要らねーよ!」
元締め「何だよ、だったら余裕だ」
鍛冶娘「積載ぎりぎりって、そんなに……あっ! もしかして……」
元締め「そこ出たらすぐ見えるさ。帰りに覗いてみたらどうだ?」
鍛冶娘「そうする。えっと……お代は……」
元締め「うーん。まぁ、こんなもんだな」
戦士「……もちっと安くならねぇか?」
元締め「おいおい、これでも結構値引いてんだぞ?」
鍛冶娘「お願いします。もうちょっとだけ! ねっ!」
- 168 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:58:27.20 ID:SMRZ5hcDo
…
元締め「全く、鍛冶娘ちゃんだから値引いたようなモンだぞ?」
鍛冶娘「ありがとうございますっ! その分、しっかり働くから!」
元締め「おう、期待してんぜ! 兄ちゃんらも頑張ってな!」
戦士「あんがとよ!」
盗賊「……では」
スタスタスタ
鍛冶娘「思ったより良質なのが手に入って良かったじゃん」
戦士「だな。あとは司令部戻って、早速取り掛かるとするか」
鍛冶娘「あ、そういえば……お父さん達、いいって?」
戦士「ああ。喜んで協力してくれるとさ」
鍛冶娘「そ、そう……っ。それは良かったわねっ!」
戦士「本当に嬉しいのは、お前の方なんじゃないのか〜?」
鍛冶娘「なっ、何で私が嬉しいのよっ! バッカじゃないのっ!」
戦士「照れんなって、ハハハッ!」
- 169 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:59:24.08 ID:SMRZ5hcDo
テクテクテクテク
鍛冶娘「あったあった。あの船に積んでもらうから」
戦士「あー。さっき言ってた国軍の船か」
盗賊「……?」
戦士「な、何だあれ……っ。すげぇ量だな……」
鍛冶娘「でしょ〜。あれのせいで開発局も大忙しなのよ」
戦士「何作るんだ? あの大きさからすると船か何かか?」
鍛冶娘「へっへ〜ん、秘密ー」
戦士「何だよ、教えろよな」
鍛冶娘「嫌ですぅ〜。ふふふっ」
盗賊「……」
戦士「おっと、そろそろ戻るか。あんまり長居してると日が暮れちまうぞ」
鍛冶娘「えぇ〜? つまんなーい」
戦士「遊びに来てるんじゃねぇんだからよ」
鍛冶娘「……ちぇっ」
- 170 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 17:59:54.35 ID:SMRZ5hcDo
…
召喚士「――!?」
魔道士「っ!!」
グイッ!!
盗賊「……ん?」
ピタッ…キョロキョロ
戦士「どした?」
盗賊「……いや、何でもない」
テクテクテクテク…
魔道士「あ、危なかったぁ」
召喚士「神官さん、すみません」
神官「いえいえ」
召喚士「……ていうか、物凄い跳躍力ですね……っ」
神官「はははっ。これもアヌビスの力でしょうか」
召喚士「……っ」
- 171 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:00:27.73 ID:SMRZ5hcDo
…
パッカパッカパッカ
戦士「お疲れさん」
鍛冶娘「もう着いたんだ」
戦士「ゆっくりだったから、結構かかったぜ?」
鍛冶娘「それじゃ、ここでお別れだね」
戦士「ああ。俺らは西国拠点に止まるからよ」
鍛冶娘「……っ」
戦士「そんじゃ、また明日な」
盗賊「……また」
鍛冶娘「あっ。明日は戦士1人だからっ!」
戦士「……?」
鍛冶娘「本当は部外者入れないからっ、だから戦士1人で来てよねっ!」
戦士「俺やおやっさん達は許可貰ってるって事か?」
鍛冶娘「局長に話したでしょっ! もう忘れたの!?」
- 172 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:01:10.43 ID:SMRZ5hcDo
戦士「あ、ああ。そういやそうだった」
鍛冶娘「それじゃ明日、10時に待ってるから」
グッ…パッカパッカパッカ…
戦士「……はぁ。なんだかめんどくせぇなー」
盗賊「でも、雷切の為なんだし……」
戦士「だな。そんじゃ早速」
テクテクテク
戦士「あれ? 召喚士達どこに言ったんだ?」
タッタッタッタッタ
召喚士「お、おかえりー! はぁ、はぁ、はぁ……っ」
戦士「何、息切らせてんだ?」
召喚士「い、いやっ。ちょっと身体が鈍ってたから運動しててさ。はははっ」
戦士「ふーん。あ、そうそう。悪いがこれからひとッ飛び頼めるか?」
召喚士「えぇ!? い、今から……?」
戦士「ああ。昨日言ってたろ? 今は魔力使ったほうがスッキリするって」
- 173 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:02:18.23 ID:SMRZ5hcDo
召喚士「そ、そうだね……ははは……っ」
盗賊「どこか行くのか?」
戦士「ちょいと道具を取りにな。確証はねぇが」
盗賊「道具?」
戦士「昨日より距離あっから、早速頼んでもいいか?」
召喚士「う、うん……もっちろん! はははー」
戦士「悪いな盗賊、魔道士と待っててくれ。そんじゃお疲れさん」
盗賊「あっ、うん……」
召喚士「行けっ、はぁはぁ……コカトリス」
シュイイィィィィン
戦士「昨日より小さくねぇか?」
召喚士「きっ、気のせいだよ!」
戦士「……だよな。そんじゃこのまま北へ真っ直ぐ頼む!」
バシュウウゥゥゥゥ…
盗賊「……」
- 174 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:02:55.82 ID:SMRZ5hcDo
タッタッタ
魔道士「あ、盗賊さん。あの2人……またどこか行ったんですか?」
盗賊「……」
クルッ…スタスタスタ
魔道士「と、盗賊さん……?」
盗賊「なんか、ちょっと疲れちゃった」
魔道士「だ、大丈夫ですか!?」
盗賊「……うん。部屋で、少し休む」
魔道士「何か飲み物とか――」
盗賊「大丈夫」
魔道士「あ……っ」
テクテクテクテク…
魔道士「盗賊さん……っ」
神官「今はそっとしておいてあげましょう」
魔道士「ええ……。っていうか、居たんですね神官さん……」
- 175 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:08:14.63 ID:SMRZ5hcDo
バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「それでっ、どこへ向かえばいいのー!?」
戦士「西高原国の城跡まで頼む!」
召喚士「!?」
戦士「あそこにならあるはずだ! 鉱石をも容易に加工出来る道具がな!」
召喚士「……ドワーフさんの……っ」
戦士「そういう事だ。ジーサンの遺品……まだ残ってりゃいいけどな」
召喚士「前に訪ねた時は、武器とか結構運び出してたよね?」
戦士「そうなんだよな。でもあの部屋は比較的そのままの状態だったはずだからな」
召喚士「そうだね。大丈夫だよ、きっとあるよ!」
戦士「ああ、そうあってくれる事を願うぜ!」
召喚士「よし、そうと決まれば飛ばすよ!」
コカトリス「全く、昼夜無茶をする――」
召喚士「わーわーわーっ!!」
戦士「……?」
- 176 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:09:09.10 ID:SMRZ5hcDo
〜西国拠点、客室〜
盗賊「……」
ベッドの上でタンクトップに下着姿のまま膝を抱え、顔を埋めて座り込んでいる盗賊。
盗賊「…………」
カチャッ
魔道士「……盗賊さん?」
盗賊「……」
魔道士「あれ、盗賊さん?」
テクテクテク
魔道士「……」
盗賊「……」
魔道士「……お風呂、入りました?」
盗賊「……うん」
魔道士「お腹は……?」
盗賊「……大丈夫」
- 177 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:11:26.32 ID:SMRZ5hcDo
魔道士「……じゃあ、少し横になって寝た方がいいですよっ」
盗賊「……うん」
魔道士「あとあとっ、暖かい格好して下さいね。夜は冷えますから」
盗賊「……うん」
魔道士「……っ」
テクテクテク…パタン
盗賊「……」
ぎゅうぅっ
盗賊(私……駄目だ……っ。みんなに迷惑かけて……役立たずだ)
コンコン
盗賊「……?」
バルコニーの窓を叩く音。盗賊はハッとし、思わず顔を見上げた。
そこには、見慣れた袖の先に付けられた手人形が、笑顔で顔を左右に振っていた。
盗賊「!?」
――「こんばんはー。ボクは猫さん剣士だよー!」
- 178 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:12:02.24 ID:SMRZ5hcDo
盗賊「魔道士……?」
――「猫さん剣士です……だよっ!」
盗賊「……」
――「どうしたんだい? 悩み事ならボクにはなしてごらんっ?」
盗賊「……私、駄目なんだ」
――「へぇっ!? あ、いや……何が駄目なんだいっ?」
盗賊「せっかく戦士が、剣を直そうとしてるのに……全然、役に立てないし」
――「何を言っているんだいっ、盗賊くん!」
盗賊「……」
――「キミは出来る範囲で協力してあげればいいんだよっ!」
盗賊「出来る範囲……」
――「そう! キミに出来る最大の事は何だいっ?」
盗賊「……な、何だろ。励ます……応援、とか?」
――「そ、それも大事だろうけど、キミにしか出来ない事があるじゃないかっ!」
盗賊「私にしか出来ない事……」
- 179 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:13:14.03 ID:SMRZ5hcDo
――「それは、戦士クンの傍に居てあげる事さ!」
盗賊「!?」
――「戦士くんだって不安なはずだっ。そんな時は盗賊くん。キミが傍に居てあげるんだ!」
盗賊「私が……傍に……」
――「そう! それがキミにしか出来ない事! 他の誰にも出来ない事さっ!」
盗賊「……私、もう1つ駄目なんだ……っ」ぽろぽろ
――「盗賊さん!? な、泣いて……あ、違う! な、泣くな盗賊クン!」
盗賊「私ね、大切な友達に心配掛けちゃって……っ」ぽろぽろぽろっ
――「っ!!」
盗賊「なのに……いっぱいっ、心配して……っくれてぇ……っ」
――「……ひうっ、ひぐぅ……!!」
盗賊「いっつも心配してくれて……気を遣ってくれて……」
――「盗賊さぁん……っ」
盗賊「だからさ、猫さん剣士。頼みがあるんだ」
――「は、はいぃ……っ。出来る事ならばぁ……」ぼろぼろぼろ
- 180 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/10/24(月) 18:14:16.35 ID:SMRZ5hcDo
盗賊「私の大切な友達、魔道士に……ありがとうって、伝えて欲しいんだ」
――「……うっ、うぐぅ……ひっく! う……っ!」
盗賊「いつもありがとう。心配してくれてありがとう!」
――「うああぁぁ……っ! 盗賊ひゃあぁん……!」
盗賊「頼んだぞ、猫さん剣士!」
――「はっ、ひゃいぃ! ひぐっ、ひぐぅ……!」
コソコソ…タッタッタッ…
盗賊「……ありがと、魔道士」
ノソッ…スクッ
盗賊(駄目でもいい。私には仲間がいる。もう迷ったりはしない……何があっても!)
ゴソゴソッ…モゾモゾ
盗賊「……ふーっ!!」
バチイイィィン!!
盗賊「……よし! お腹空いたぞっ!」
右頬を赤く腫らしたまま、盗賊は勢いよく部屋を飛び出して行った。
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