■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
- 420 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/12/06(月) 23:48:46.73 ID:1OW6cvso
〜東方司令部、前日〜
青年兵「…へっ?」
右文官「い、今…なんと申した!?」
右秘書官「ですから、東方司令部へ潜りこみます」
エリート「……だ、大胆というか…無謀すぎる…っ!!」
右秘書官「だからこそですよ。誰もそんなことするとは思わないでしょう」
皇太子「…はっははは!それはそうだ」
エリート「しかし、難しいですね……」
右文官「協力者がおらぬ事にはどうにもならん。素性を調べられたら終わりだ」
エリート「そもそも誰が潜り込むのです?顔は割れてますよ」
右秘書官「一人居るではないですか。新米が……」
チラッ
エリート「……あ」
青年兵「……え…っ?」
右秘書官「ここは青年兵しかおりませぬ」
- 421 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/06(月) 23:52:38.87 ID:1OW6cvso
青年兵「も…もしかして僕が…司令部へ!?」
右秘書官「そういう事になる」
青年兵「むむ、無理ですよ!!」
右秘書官「……しまったな…っ」
右文官「…?」
右秘書官「先程、厄介なヤツに顔を見られてしまった…っ」
エリート「左翼士官ですか」
右秘書官「……やはり無謀すぎましたかね。ふふっ」
皇太子「……いや、面白いな。やってみよう」
青年兵「殿下っ!?」
皇太子「すまんな青年兵。力を貸して貰えないか?」
エリート「殿下!」
皇太子「なぁに、先日の件もある。露見したところで罪は軽いさ」
右文官「縁起でもない!失敗を前提に話されるな…っ」
右秘書官「まずは第一に協力者ですが……」
- 422 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:03:42.01 ID:v5y8Mp6o
右文官「いるのか…?ただですら敵地にも等しいここで……」
右秘書官「何も内部でなくとも良いのですよ…?」
皇太子「いや、いる。協力者とまでいかぬかもしれんが」
右文官「……!?」
エリート「まさか……」
皇太子「…ああ。東方先生なら話は分かってくれるはずだ」
右秘書官「東方先生…?あの東方参謀殿ですか?」
皇太子「ああ見えても左翼一辺倒というわけではないよ。彼は」
エリート「右翼も左翼も関係ないお人ですからね」
皇太子「互いの正しいところだけを見ておられる御仁だ」
右秘書官「……ならば、頼れそうですな」
右文官「そしてもう一つ……素性だが……」
右秘書官「よりによって左翼士官に見られたのは痛いな……」
皇太子「…いっその事、変装でもするか?」
青年兵「……っ!?」
- 423 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:07:21.88 ID:v5y8Mp6o
皇太子「冗談だよ冗談。はははっ」
右秘書官「……変装…っ!」
右文官「まさか…本気か!?」
右秘書官「変装か…確かに可能やもしれませんね」
エリート「どのような変装を施すのだ?青年兵のような童顔では老けさせるのも難しいですよ?」
青年兵「……」
右文官「しかもこのような薄い顔では…人相を変えるのも困難…」
青年兵「…………」
右秘書官「筋肉や体格もしっかりしているわけではないですしねぇ」
青年兵「………………」
皇太子「……そうなれば、手は一つしかないな」
エリート「まさか……」
右文官「まさか…ですね……」
右秘書官「まさかのようですね……」
青年兵「え…っ?えぇ?……えぇ!?」
- 424 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:12:18.38 ID:v5y8Mp6o
…
右秘書官「お越し頂きました」
皇太子「わざわざすまんな。東方先生」
東方参謀「…悪巧みなら協力はしませんぞ」
皇太子「悪巧みではないよ。本国の明日を担うものだ」
東方参謀「…全く。本国は相変わらず右翼だの左翼だのと…」
右文官「ご理解頂きたい。それでこそ均衡が取れているという事もあるのだ」
東方参謀「…して、何をするおつもりか?」
皇太子「一人、部下を東方司令部へ潜り込ませたい」
東方参謀「……その人物を見てから考えたいところですな」
エリート「…手厳しい方だ」
皇太子「…仕方ない。青年兵」
青年兵「はっ。失礼致します」
テクテクテク
東方参謀「…むぅ!?貴様は……っ」
- 425 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:16:09.72 ID:v5y8Mp6o
青年兵「…と、東方先生!?」
東方参謀「小僧…いや、青年兵か」
右秘書官「…面識がおありで?」
青年兵「先日、こやつが単身乗り込んできたであろう?」
エリート「…そういえば」
青年兵「その時、色々とお話させて頂いたのです」
皇太子「それでどうだ?私ら一番のお気に入りなのだが」
東方参謀「……」
青年兵「……っ」
東方参謀「…わっはははは!良かろう。この小僧なら預かり甲斐があるわっ!」
右文官「そ、それでは…!」
東方参謀「東方司令部におるうちは、ワシが手出しはさせん」
エリート「ありがとうございます…!」
皇太子「助かる。すまんな…東方先生」
東方参謀「ワシはこの者が気に入りました。ましてや殿下直々のご依頼では…断り切れませんな」
- 426 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:20:58.59 ID:v5y8Mp6o
…
右秘書官「しかし思わぬところで…ラッキーでしたな」
エリート「ましてや一度経験のある青年兵ならば…好都合であったか」
右文官「問題は……変装か」
皇太子「衣服や小道具はあったのか?」
エリート「ターミナルからの行商から買い入れました。手痛い出費ですよ…」
皇太子「・・・分かった分かった。後ほど経費で落とすが良い」
エリート「勿論です…!自腹など洒落になりません!」
海兵「で、出来ました〜」
バサッ…テクテクテク
右文官「こ、これは……っ」
右秘書官「海兵の中に女性が居て…助かりましたね…」
皇太子「……おぉ、これは予想以上ではないか!」
エリート「いいな?……今より君は『青年子』さんだ!」
青年兵「……っ」
- 414 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/06(月) 23:05:05.74 ID:mQ5WVsDO
餡蜜二つ頼もうとしたのは、部下の分じゃなくて自分で二つ食べるためなのか?
- 427 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 00:26:11.06 ID:v5y8Mp6o
ご支援ありがとうございました!
では、寝ます…おやすみなさい!ノシ
>>414
その通りでございます
〜オマケ〜
パッカパッカパッカ
戦士「腹減った〜」
召喚士「都まであと半分くらいだよ」
盗賊「…握り飯…用意して貰えば良かったな」
帝「仕方ない。近くの茶屋で小休止致すか」
魔道士「あっ!あそこにありますよっ!」
女剣士「なんて好都合……」
店員「いらっしゃいませ」
戦士「団子と握り飯!それから……」
女剣士「茶を。上様は如何なさいます?」
帝「……あ、あんみつ一つ!いやっ、ふ…二つ…っ!」
- 435 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 16:55:53.61 ID:dzFRQYoo
スタスタスタ…
東方参謀「……むっ!?」
青年子「……」
東方参謀「青年兵……か?」
右秘書官「どうです?見事な変装でしょう」
皇太子「うむ。大したものだ」
東方参謀「……うわーっはっはっは!」
エリート「……」
東方参謀「ここまでしよるとは…。いや、褒めておるのだ!わはははっ!」
青年子「……ありがとう…ございます」
右文官「それで、どのように潜り込ませるのです?」
エリート「東方先生の親族という事にでもするしかありませんな」
東方参謀「そうだな。姪、という事にしておこうか」
皇太子「すまんな。手間をかける」
東方参謀「この程度のの迷惑で…殿下らしくもないですぞ」
- 436 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 16:56:38.69 ID:dzFRQYoo
…
右秘書官「では、手筈をご説明致します」
皇太子「頼む」
右秘書官「まず、我々はひとまず…軍船へと戻り夜を待ちます」
右文官「夜?」
右秘書官「夜間の方が隠密行動は確立が上がります」
エリート「顔もまじまじと見られないしな…」
青年子「……」
右秘書官「そこで青年兵…青年子殿には東方司令部へ向かって頂きます」
青年子「…はい」
右秘書官「東方先生は司令部にて待機していて下され」
東方参謀「うむ。時間を決めて正門まで出迎えに行こう」
エリート「手紙があると良いか。後で作成しておきます」
右秘書官「左翼士官が何時まで東方司令部にいるか分かりませんが…」
青年子「……」
- 437 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 16:57:25.04 ID:dzFRQYoo
右秘書官「それまでに出来る限りの事をしてみて下さい」
皇太子「やり方は君に任せる。自分で考え、自分の判断で動くのだ」
青年子「…やってみます」
右秘書官「但し、戦闘だけは一切を禁止します」
青年子「…心得ております」
右秘書官「相手が仕掛け、命の危機に及ぶ時のみ許可する」
青年子「はっ!」
右文官「工作と言っても援護も計画もない。無茶だけはするなよ?」
エリート「そうだ。左翼の戯言を最低限封じれば良い」
青年子「はい、ありがとうございます」
右秘書官「青年子殿の手筈が整い次第、軍船を本国へ出航致します」
右文官「本国?」
右秘書官「無論、空のままです。我々は観光船に乗り換え、東方へ向かいます」
東方参謀「やはり狙いは東方か……」
右秘書官「どうぞ、ご内密に」
- 438 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 16:58:36.68 ID:dzFRQYoo
東方参謀「内密と言えど、奴等とて気付いておるのだろう?」
エリート「確信はないようです。本命は東方司令部と思わせました」
東方参謀「…ふぅむ」
右秘書官「撤退時期や緊急要項は東方からも指示を送る」
青年子「お願い致します」
右秘書官「では我らは一旦、軍船へ戻ります」
東方参謀「うむ。ワシは司令部に戻り、待機していよう」
エリート「後ほど手紙を送ります。最寄のワークショップはご存知ですか?」
東方参謀「ターミナルなら簡易的なショップがあるはずだ」
右秘書官「それならば問題なさそうだな」
皇太子「…よし、それでは宜しく頼む」
青年子「はっ!」
東方参謀「……ふむ。それでは失礼するぞ」
青年子「よ、宜しくお願いします!」
東方参謀「…声はもう少し高い方が良いな。わーっはっはっは!」
- 439 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 16:59:35.94 ID:dzFRQYoo
〜東方の都、現在〜
コツコツコツ・・・
西方参謀「ここは『神社』と言いましてな、まぁ教会のようなものですかね」
皇太子「…ほぉ」
エリート「これは興味深い構造ですね。これは何だ?」
隊長「門…にしては扉も何もないな…」
皇太子「こういう場所は右文官や右秘書官に見せたかったな」
エリート「仕方ありませんよ。彼らも仕事がありますから」
皇太子「まぁな。都の中心部からは離れられん…か」
西方参謀「ここは不思議な場所でしてね」
エリート「不思議…?」
西方参謀「東方の皆は縁結びの神が祀られている場所だと言いまする」
隊長「縁結び……」
エリート「縁…結び…」
皇太子「縁結び…か」
- 440 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:00:17.93 ID:dzFRQYoo
…
ガランガランガラン
西方参謀「そしてら次に、賽銭を入れます」
エリート「……賽銭?」
西方参謀「願いを込めて金を納付するそうです」
皇太子「…成程な」
チャリンチャリンチャリン
エリート「殿下、随分入れましたね」
皇太子「お前こそ放った金が東方で幾らか把握しているのか?」
隊長「…ケチってもしかたありませんからな」
皇太子「…お前らも随分と放ったな」
西方参謀「つ、次に二礼二拍手一礼で祈りまする」
エリート「二礼して……。二拍手」
パンパンッ
四人の独身壮年は手を合わせ、深く目を瞑る。
- 441 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:00:45.42 ID:dzFRQYoo
皇太子「……よし、最後に一礼してこれで完了だな」
エリート「殿下に縁があると宜しいですな」
皇太子「……お前もな」
エリート「なっ!?私はそのようなつもりでは…」
皇太子「私とてそうだ。勘違いするな」
西方参謀「で、では参りましょうか」
皇太子「しかし、西方参謀は随分と東方に詳しいのだな」
西方参謀「ガイドブックにて猛烈に勉強しました」
エリート「熱心ですね」
西方参謀「いやぁ、東方がすっかり気に入りましてね…がははっ!」
皇太子「ほぉ」
西方参謀「退役後には東方で宿経営なども悪くないかなぁ…と」
隊長「!?」
皇太子「それは楽しみだ。公用で利用出来るよう頼むぞ」
西方参謀「おぉ!それは有難いですなぁ…がっははは!」
- 442 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:01:26.52 ID:dzFRQYoo
ザッザッザッザ…
隊長「すっかり夕暮れですね」
エリート「…ええ。殿下、もうご満足ですか?」
皇太子「ああ。色々と楽しませて貰ったよ」
西方参謀「日が暮れる前に都の中心部へ戻りましょう」
エリート「そう致しましょう」
ザッザッザ…ピタッ
エリート「殿下、どうなされました?」
皇太子「…いや、地上では本国と東方…これ程までに文化が違う…」
隊長「……」
皇太子「だが、見上げれば夕暮れや空は変わらぬものだな」
西方参謀「……ですな」
皇太子「やはり…世界は一つに繋がらねばならん」
エリート「……殿下」
皇太子は夕暮れの空をしばらく見つめた後、再び前へと歩き出した。
- 443 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:02:00.76 ID:dzFRQYoo
〜本国ターミナル、24時間前〜
ドドッドドッ…ガラガラガラ…
海兵「ご苦労様です。ご無事で…!」
エリート「すまんが急ぎ、船内会議室の準備を」
海兵「はっ!」
エリート「それと封筒と便箋を頼む」
海兵「かしこまりました!」
エリート「…殿下?」
皇太子「ん、ああ…。すまんすまん」
ザッザッザ
皇太子「夕暮れが綺麗だなと思ってな」
エリート「夕暮れ…?王宮から見る景色と違いがありますか?」
皇太子「王宮か…。王宮からの夕暮れはまた違う景色だな」
エリート「……?」
皇太子「東方の夕暮れは…どうだろうな」
- 444 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:03:00.88 ID:dzFRQYoo
〜船内、会議室〜
右秘書官「では、始めます」
右文官「まずは最低限、必要な物を手配しておこう」
エリート「はい。手紙については手配しました。あとはしたためるだけです」
右秘書官「東方参謀殿との合流時間を記入せねばなりませんな」
右文官「21時か22時頃で良いのではないか?」
エリート「はい。問題ないかと思います」
右秘書官「では、21時に東方司令部正門という事で」
青年兵「…分かりました」
皇太子「何だ?変装はやめたのか?」
青年兵「何時間もあのまま待機していられませんよ…っ」
皇太子「はははっ。それもそうか」
右秘書官「青年兵は必要な物をピックアップしておいてくれ」
青年兵「分かりました」
右文官「あとは船の手配か」
- 445 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:04:18.97 ID:dzFRQYoo
エリート「……おい」
海兵「はっ」
タッタッタ
エリート「東方への便はあるのか?」
海兵「都へ直接…ではありませんが、東方南の島までの便であれば…」
右文官「最終便は何時までだ?」
海兵「はっ。深夜の便も出ております。巡回船ですので…」
エリート「ならば問題はなさそうだな」
右秘書官「東方、南の島経由でそこから本島行きへ乗り換えよう」
右文官「それで、我らはいつここを発つつもりだ?」
エリート「遅ければ遅いほど都合が良いですね」
右秘書官「青年兵を見送り、少し間をおきたいと思う」
エリート「様子見も兼ねてですね」
右秘書官「…うむ。軍船出航は0時頃が妥当か……」
エリート「問題ないと思います」
- 446 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 17:05:45.65 ID:dzFRQYoo
右文官「念のため、船の時間を調べておいてくれ」
海兵「ははっ!」
タッタッタッタッタ
右秘書官「これでうまく騙せれば良いが……」
エリート「軍船が本国に着けばいずれはバレます。一時凌ぎに過ぎませんよ」
右文官「まぁ、それはそうだがな……」
右秘書官「東方にさえ入ってしまえばこちらのものです」
エリート「ええ…。うまく日程を調整さえすれば……」
右文官「その間に青年兵の働きに期待するかな」
青年兵「…が、頑張ります!」
右文官「ふっふ…冗談だよ。肩の力を抜いて励んでくれ」
青年兵「はい!」
エリート「では私は、手紙を書くと致しますか」
右秘書官「右文官殿は乗船券の手配をお願いします」
右文官「うむ。心得た」
- 447 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 18:30:13.20 ID:dzFRQYoo
…
右文官「な、なんだとぉ…!?」
右秘書官「…!?」
テクテクテク
エリート「どうしました?」
右文官「東方行きの船が……」
エリート「……?」
海兵「げ…現在東方では、大規模な交戦により危険な為…船舶の出入りを凍結すると……」
右秘書官「何だとっ!?」
右文官「マ…マズイ事になったぞ……」
エリート「……何か…何か手はないものか」
皇太子「他に…ターミナルへ出入りしている船はあるのか?」
海兵「あとは行商の船と…国軍の巡回船程度でしょうか…」
皇太子「巡回船…?」
海兵「あ、海上警備のパトロール船です」
- 448 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 18:37:23.44 ID:dzFRQYoo
右秘書官「警備艇か…!」
エリート「待て、それはいつ巡回しているのだ?」
海兵「い、いえ…特にきまってはおりませんが…1日数回は……」
皇太子「夜……深夜もか?」
海兵「は、はい…っ」
エリート「……それだ」
右秘書官「小型と申したな。武装や規模はどの程度なのだ?」
海兵「さほど優れてはおりません。足は速いのですが……」
エリート「いや、好都合だ」
右秘書官「大した武装のない小型船なら、直接都へ入港出来るぞ…っ!」
右文官「思わぬラッキーであったな。まずはその警備艇を捕まえねば…」
エリート「海兵、国軍の者がターミナルへ入ったら報告せよ」
海兵「かしこまりました!」
右秘書官「…とりあえずは一安心か。全く…ヒヤヒヤさせてくれる」
皇太子「はははっ。全くだな」
- 449 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 18:49:56.56 ID:dzFRQYoo
エリート「はははっ、じゃありませんよ」
皇太子「…?」
エリート「聞いておりましたか?出入りを凍結しているのですよ」
皇太子「…そうか、折角乗船出来ても…入港出来るか分からんというわけか」
右秘書官「それについては隊長殿と西方参謀殿が手引きしてくれるでしょう」
エリート「身を明かせば可能かとは思いますが……」
皇太子「まぁエリートの心配ももっともではあるな」
エリート「そうです。楽観視は出来ませんぞ」
右秘書官「あとは…交戦が終わってくれれば良いのだがな……」
右文官「都合良く終わるとは思えんがなぁ…。大規模ななのであろう?」
エリート「とにかく…前へ進むしかない、という事か……」
皇太子「…もう19時か。警備艇は来ないな」
右秘書官「早く捕まえぬ事には青年兵を安心して送りだせん……」
エリート「信じて待つしかあるまい…」
皇太子「……そうだな」
- 450 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/07(火) 18:53:11.40 ID:dzFRQYoo
…
右文官「……もう…20時を回ってしまったぞ」
エリート「青年兵、一応女……変装の準備を進めてくれ」
青年兵「…はい」
スタスタスタ…
右秘書官「最悪、行商の船で乗り込むか…?」
エリート「それは無謀ですよ。殿下と知られれば……」
右秘書官「だよなぁ……」
タッタッタッタッタ
海兵「こ、国軍の警備艇が入港致しました!」
右文官「何っ!!」
エリート「……間に合った!」
右秘書官「すぐに向かいましょう!」
エリート「殿下と右文官殿はここで待機を!」
皇太子「うむ」
次へ 戻る 戻る 携 上へ