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冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
389 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/19(月) 07:34:44 ID:iPx.iGbg
みなさまありがとうございます。


390 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:35:23 ID:iPx.iGbg
 
…ドォォォッ!!バシャアアンッ!!


孤高騎士「走れぇぇ!」

女メイジ「きゃああっ!」

冒剣士「くっそおおっ!」


ダダダダッ……!!

……ガチャッ…


孤高騎士「そこを閉めるんだ!」

冒剣士「はいっ!」


…バタン!!


391 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:36:06 ID:iPx.iGbg
 
…バシャアンッ!!…ミシミシッ…


孤高騎士「水…止まったか…?」

冒剣士「止まりました…ね」

女メイジ「一体なんなの…」

孤高騎士「とりあえず、戻れないなら…進むしかないな」


冒剣士「そうですねー…」

女メイジ「結局、ヒュドラに出会う事になりそう…ね」


孤高騎士「でもほら、巨人族みたく優しいヤツかもしれんじゃないか?」

冒剣士「僕には、閉じ込められたのはヒュドラのせいにしか思えないんですけどね…」


392 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:36:42 ID:iPx.iGbg
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…トコトコ…ピタッ


孤高騎士「お前、あれどう思う?」

冒剣士「どう見ても、ですよね」

女メイジ「はぁ〜…」


…キラキラ

孤高騎士「あんな立派な建前のドア、俺には"そこにいます"としか思えないんだが」

冒剣士「…行きますか」


393 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:37:14 ID:iPx.iGbg
 
…グッ…

冒剣士「開けますよ」

女メイジ「慎重にね」


…ギィィィ………


冒剣士「…」

孤高騎士「…へェ」

女メイジ「…」


394 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:37:45 ID:iPx.iGbg
 
ヒュドラ『…ようこそ』


孤高騎士「あんたが…ヒュドラってやつかい?」

ヒュドラ『いかにも』


冒剣士「フィルボルグさんも大きかったけど…、ヒュドラも…」

女メイジ「どうなるの…?」

冒剣士「わからない…」


395 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:38:22 ID:iPx.iGbg
 
孤高騎士「ヒュドラさんよ、話では頭が9つあるって事だったが…今は1つしかない、ただの大蛇に見えるが?」

ヒュドラ『力が完全には戻っておらぬのだ』

孤高騎士「そうかよ…、で、俺らをここに呼んだ理由はなんだ」


ヒュドラ『…寄越せ』


孤高騎士「…あん?」

冒剣士「寄越せ?」

女メイジ「何を…?」


ヒュドラ『"宝玉"だ』


396 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:38:58 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「…宝玉!?」

孤高騎士「なんの…ことだ?」


ヒュドラ『トボけても無駄だ。そこの小僧、お前が持っていることは匂いで分かる』


女メイジ「そんなの…持ってるの?」

孤高騎士「なんだ、宝玉って…」

冒剣士「これの…ことですか」


スッ…キラッ


397 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:39:41 ID:iPx.iGbg
 
女メイジ「それってこの間、巨人にもらったっていう…」

孤高騎士「それが…宝玉なのか?」


ヒュドラ『おぉソレだ…早く、それを寄越すのだ…』


冒剣士「…なぜ欲しいんですか?」

ヒュドラ『我が力を復活するためだ!それがあれば…、我は再び力を手にすることが出来る!」


孤高騎士「一体…その玉は何なんだ?」

冒剣士「魔力を増大させる秘宝、と聞きました」

孤高騎士「魔力の…増大だと」ピクッ


398 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:40:20 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「ですが、使い方が分からないと意味がないと…」

女メイジ「そんなものが…」


ヒュドラ『ふ、ふはは!それは貴様ら人間が、であろう』

冒剣士「人間が…?」

ヒュドラ『そもそもそれは我が魔族が生みしモノ…、貴様らが使えるような代物ではない…!』

冒剣士「…」


ヒュドラ『さあ…早くそれをこっちに…!』


399 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:41:00 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「ひとつ聞く。これを使って力が戻ったら…何をするつもりだ…?」

ヒュドラ『ニンゲンの…殲滅…」ニタァ

冒剣士「なっ…」

ヒュドラ『我を閉じ込めた恨み…晴らす為に…』


冒剣士「フィルボルグさんや、知り合いが…神獣は本当は優しい生き物だって…言ってました…」

 
ヒュドラ『残念だったな…、我は"戦争が大好き"なのだ…、さあ…寄越せ…」

冒剣士「っ…!」

孤高騎士「…」


女メイジ「ダメ!」


400 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:41:48 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「そうです、これは渡せません!」


ヒュドラ『ふっ…そういうと思っていた。ならば死んで奪おう…!"極水流魔法"…』

…ドドドドッ…バシャアアアッ!!!!


冒剣士「!?」

孤高騎士「極流クラスの魔法だと!?」

女メイジ「つ、津波!?」
 

…バシャアアアッ!!!

冒剣士「う、うわああああっ!」

孤高騎士「ぬああああっ!」

女メイジ「いやあああっ!」


401 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:42:21 ID:iPx.iGbg
 
…ザバア……


ヒュドラ『…ふはははっ!』


冒剣士「…」

孤高騎士「…」

女メイジ「…」


ヒュドラ『さぁ…宝玉を…』

…キラッ

ヒュドラ『見つけた……』


402 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:42:53 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「う…そ、それは渡さない…」ググッ

孤高騎士「…くっ…」

女メイジ「……だ…め…」


ヒュドラ『己の弱さを悔いるがいい…!さあ…今こそ我が元に…!』

…キラッ!!!…ゴクンッ…

ヒュドラ『つ…ついに手に入れたぞ……!』


冒剣士「宝玉を…飲み込んだ…」

女メイジ「ああ…」

孤高騎士「…ちっ……」


403 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:43:43 ID:iPx.iGbg
 
ヒュドラ『…おぉ、全身から……湧き上がる…力が…!』

…グググッ


ヒュドラ『我が兄弟、その首よ、今こそ再びこの世に…!』

冒剣士「くっ…」


ヒュドラ『うははははっ!』

ググググッ……

ヒュドラ『…む?』

グググググググッ…


404 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:44:36 ID:iPx.iGbg
 
ヒュドラ『いささか…力の増大が…強すぎる…』

…ビキッ…ビキビキ…


冒剣士「…?」


ヒュドラ『か、身体が…熱い…何だこれは…!』

…ビキビキビキッ!!

ヒュドラ『か、身体が崩れる…!?ぬうあああっ!!』


………バァン!!!!


ヒュドラ『がはぁっ!』


405 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:45:11 ID:iPx.iGbg
 
…ベチャベチャッ……ボトボトッ…


冒剣士「一体どうしたん…だ…?」


ヒュドラ『…我が…身体が…』


冒剣士「ヒュドラが…吹き飛んだ…?」

孤高騎士「ごほごほっ…ヒュドラが自爆したのか…?」ググッ

女メイジ「…?」


…コロコロ…キラッ

ヒュドラ『宝玉……そ、そうか…フィルボルグのやつ…』


406 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:45:52 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「…?」


ヒュドラ『許さぬぞ…許さぬ…く…』


孤高騎士「そ、それにしてもコレの"宝玉"は凄いモンなんだな…」


ヒョイッ…バチッ!!


孤高騎士「うおっ!?」

冒剣士「孤高さん!?」


ヒュドラ『…っ!』


孤高騎士「一体なんだ…?拾っただけで電撃が…」


407 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:46:39 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「さ、さぁ…僕は拾えますよ」

…ヒョイッ


ヒュドラ『…ほう』

孤高騎士「…ん?」


ヒュドラ『…く、クハハハ!!』

孤高騎士「何笑ってんだよ!」


冒剣士「?」


ヒュドラ『なるほどな、なるほど。なるほど…面白い。これは面白い!」

孤高騎士「突然…気味の悪い声で笑いやがって…」

ヒュドラ『憎しみか?孤高とやら…」

孤高騎士「…」


408 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:47:14 ID:iPx.iGbg
 
ヒュドラ『…ふっ』

孤高騎士「…首だけでいつまでも粋がってんじゃねーぞ!」ビュッ…


…ドシュッ!!!

ヒュドラ『…がっ…』

孤高騎士「死んでおけ…お前は危険すぎる…」


ヒュドラ『…』ドシャッ…

孤高騎士「…」


冒剣士「孤高さん…?」

女メイジ「…終わったの?」


409 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:47:49 ID:iPx.iGbg
 
……ガチャガチャッ!!


孤高騎士「…なんだ?」

冒剣士「入り口が騒がしいですね…?」


…ガヤガヤ

軍人A「大丈夫ですか!?」

軍人B「こちら、先発部隊!冒険者を発見しました…3名とも無事です!」

軍人C「もう大丈夫ですよ!」


冒剣士「わわっ、軍人さん…?」

孤高騎士「あー…そりゃあな…そうなるわな…」

女メイジ「そうなる?」


410 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:48:23 ID:iPx.iGbg
 
孤高騎士「あんな大規模な地震と、遺跡自体が沈んだんだ。軍に報告も行くだろう?」

冒剣士「あー…」

孤高騎士「多分、冒険酒場に連絡をとって冒険者がいないか調べたんだろう」

女メイジ「それで私たちが入ったのが分かった、ってことですね」

孤高騎士「ま、そうなだわな」


軍人A「うわっ、なんだこれ!」

軍人B「気持ち悪い…これ…あなたたちが…?」


孤高騎士「おいおい、軍人がビビってるんじゃねーぞ!」

軍人A「…」


411 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:49:04 ID:iPx.iGbg
 
孤高騎士「ま、やったのは俺じゃねーけどな」

軍人A「…では、誰が」

孤高騎士「そこの剣士だ」


冒剣士「ぼ、僕でもないですよ…これは宝玉の…」

孤高騎士「ば、バカ!」ゴツッ

冒剣士「あいたっ!」


孤高騎士「いいか、宝玉が表に出てみろ。あっという間に広まっちまうぞ…」ボソボソ

冒剣士「あ、そうですね」ボソボソ

孤高騎士「ここはお前がやったことにしろ。女メイジと一緒にな」

冒剣士「わ、わかりました…」


412 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:49:37 ID:iPx.iGbg
 
冒剣士「えーと…ごほん!結果的に、3人で討伐しました」

女メイジ「え!?」

孤高騎士「おいおい…」


軍人A「そうですか…それでは報告しておきます。冒険酒場のほうにも連絡はいれておきますね」

軍人B「では、脱出しましょう」


孤高騎士「はぁ…戻ったらとりあえず…いろいろやることはありそうだ」

冒剣士「…とにかく、無事に帰れるようでよかったです」

女メイジ「…だね」


413 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:50:18 ID:iPx.iGbg
 
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