■戻る■ 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
290 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:18:22.39 ID:6TFWAR1ro
〜北の森〜

 ポツポツポツッ サアアァァァァ……

召喚士「また、降ってきましたね」

占い師「そうねぇ。しかも結構、強いみたいで嫌だわね……」

盗賊「……むっ!?」

魔道士「どうしましたか?」

戦士「おい……っ、あれって……」

 ザッザッザッ

天才「間違いねぇ、魔王城だ」

召喚士「あれが魔王城……っ!!」

天才「っつっても、まだ頭が見えただけだけどな」

戦士「でも、この森を抜けた先に……あるんだよな」

天才「もう1時間も歩けば着く距離だろ。感じねぇか? 威圧をよぉ。ハーッハッハ!」

盗賊「……確かに……まとわりつくような不気味な感じだ」

召喚士「……っ」


291 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:19:04.44 ID:6TFWAR1ro
〜川中島〜

青年兵「……出陣!!」

 ザザッ バッ!!

青龍士官「竜騎士隊っ、前へ!」

竜騎士兵「おぉーっ!」バシュッ

白虎長「フェンリル隊! 乗獣!」

白虎嬢「ベヒーモス、宜しくね」

ベヒーモス「ガウッ!」

朱雀嬢「私達も行きますわよ!」

玄武娘「はいですの! って、飛べませんし乗れませんの!」

アマゾネス「あとでゆっくり来れば良い。焦っても仕方ないさ」

玄武娘「うぅーっ」

おさげ「準備オッケー!」

大軍師「では先行、宜しくお願い致します」

青年兵「はいっ。……行くぞ!!」バシュウウゥゥゥゥ


292 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:19:34.23 ID:6TFWAR1ro
 ドドドドドドオオォォォォ

騎士長「おっ、あれは……」

戦士父「召喚獣。かなりの数だな」

左翼長「ヤベーな。始まっちまったかこりゃあ……」

バーテン「本隊じゃねぇだろ。音も静かなもんだし、本戦はこれからだな」

マジシャン「間一髪か。それじゃあ行こうかねぇ……ハッハ!」

師匠「おーう。肩慣らしは済んでるし、連中に合流してくるわ。ガハハッ!」バシュッ

騎士長「アイツら……勝手に……」

左翼長「国軍でもワーカーでもねぇんだ。抑止出来ん。そもそも出来ねー奴らだけどな」

バーテン「あの2人は泳がせておいた方が頼りになる。放っておけ」

 ガラガラガラッ……ドドオオォォォォ

局長「これが一夜城ってやつか? 背面がないじゃないか。あれで守りきれるのか?」

工兵「あんなもの飾りです。敵の居る正面だけ出来ていれば、実戦には何ら影響はありません」

局長「まぁ、それはそうだがな」

鍛冶娘「あっ」


293 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:20:40.05 ID:6TFWAR1ro
 ザッザッザッ

大軍師「ご苦労様です。お待ちしておりました」

局長「ひとまず完成した分を運んできた。製造は現在も北関で行っている」

鍛冶娘「武具や兵器も含め、順次、輸送予定でありますっ!」

大軍師「かしこまりました」

 ザワザワザワッ

大軍師「……ん?」

国軍兵「な、なぁ……あれって……」

北方兵「お、お前も気付いたか? やっぱ……そうだよな……っ」

戦士父「ん? 何だ?」

南方参謀「ちょっとちょっと! 初代特遊が揃ってるじゃないの……っ!!」

南方副司令「そりゃあ兵らもざわめきだすわなぁ」

西方参謀「今いる連中からすりゃ、尊敬っつーか崇拝してた奴らだもんな」

バーテン「ああ、そういう事か」

左翼長「おらおら、見せモンじゃねーぞ! 任務に戻れ!」


294 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:21:14.49 ID:6TFWAR1ro
騎士長「騎士団長がいてこの規律の乱れ。あとで灸をすえてやるとしようか」

騎士団「……騎士長様……その」

騎士長「何だ?」



騎士長「……」

騎士団「騎士団長様は最後まで、見事な働きぶりでありました……っ!」

騎士長「死んだ……のか? 騎士団長が……」

大軍師「我らが不甲斐ないばかりに、貴重な人材を失いました」

騎士長「……騎士団長はなぁ、昔っから真っ直ぐな奴で……上官として誇りだった」

左翼長「……」

騎士長「いずれは素晴らしい指揮官になるだろうと、ずっと思っていたものだよ」

騎士団「……う、うぅ」

騎士長「それが現実となり、とても嬉しかったよ……だが、情けないなぁ……」

戦士父「……お前のせいではないさ」

騎士長「俺は……っ、生きると言う事を教えてやれなかった……っ!」


295 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:21:53.04 ID:6TFWAR1ro


皇太子「諸君、それではこれより……魔王城攻略を目的とし、進軍を始める!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「この戦いこそ文字通り、総力戦になる事は諸君も明白であろう!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「ここに居る者は軍を越え、国を越え、そして種族を越え、集まった仲間だ」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「いや、ここに居る者だけではない。まだまだ続々とこの地へ集まっている」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「長年に渡り住む地を、この身を、命を、魔王に虐げられてきた」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「今度こそ、魔王を倒し、必ずや自由を勝ち取るのだ!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「……進めぇ!! 出陣っ!!」

 オオオオォォォォ!!


296 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:22:32.65 ID:6TFWAR1ro


ジュニア「さぁ、行くぜ! ハッハ!」

魔法剣士「俺達が道案内になる。慎重に進むぞ」

眼鏡「そうだね」

賢者「……ふぅ」

 中央を進む4人の。その後ろをぞろぞろと、ワーカーが連なり、国軍の多数も続く。

 左には西方司令部。右には南方司令部の面々が脇を固める形で布陣し、

 中軸には皇太子率いる騎士団、本国兵らが規律正しく足並みを揃える。

 中軸の左右を固めるのは西国の兵と東方の兵。

王子「……」パッカパッカパッカ

帝「……ご気分は大丈夫か?」

王子「気分? ええ、何か……具合が悪そうに見えますか?」

帝「いや、そういうわけではないのだが……」

王子「ああ、西国兵長の事ですか。お気遣いなく。これは戦なのですから」

帝「……うん」


297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:23:02.15 ID:6TFWAR1ro
王子「帝殿はお優しいのですね」

帝「……!?」

王子「才色兼備とはまさに貴女の事であるなぁ」

帝「そんな事は……」

王子「しかし、これは差別で言うわけではないが、貴女は女性であられる」

帝「分かっておる。腕力や体力は男子のものとは違うし、それに敵の手に落ちれば……」

王子「……ですから、いざと言う時は私を頼って欲しい」

帝「……相分かった。そうさせて貰う」

王子「命がけで守る事こそ男の務め。西国兵長が命を賭けて教えてくれた」

帝「……」

王子「勝ちましょう。本国だけではなく、我らの国の存亡にもかかっているのですから」

帝「うむ。今なお苦しんでいる人々を救う為にも」

王子「魔王を倒し平和になったら、一度、東方へ行ってみたいものです」

帝「ふふっ。世界は繋がったのだ。いつでも歓迎するぞ。そして、私も西国を訪ねるとしよう」

王子「是非にも。東方や本国にも負けぬ料理や娯楽で御持て成し致そうぞ」


298 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:23:30.97 ID:6TFWAR1ro


 パ゚ッカパッカパッカ……

エリート「大軍師、士気はどうだ?」

大軍師「陛下の演説で大いに昂っております。それに……」チラリ

左翼長「いいかぁ? 援護射撃はタイミングが重要っ、1人も乱れる事なく連携を――」

騎士長「私の赤母衣を目印に戦えば良い。無理して出る必要はないぞ」

国軍兵「は、はいっ!」

大軍師「初代特遊の面々が揃ってくれた事は大きいですねぇ」

エリート「確かにな。あの2人まで参戦してくれるとは……」チラリ

弓兵「ご、ご一緒に戦えるとは……夢のようですっ!」

バーテン「いいから前だけを見ていろ。いつ戦闘が始まってもおかしくねぇんだぞ」

本国兵「私の父は国軍の歩兵でして、一番槍のお噂は常に聞かされておりました!」

戦士父「……そうか」

大軍師「流石に疲労も目立ってきたかと思いましたが、何とか持ちそうですね」

エリート「今後の展開は?」


299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:24:04.82 ID:6TFWAR1ro
大軍師「まず、この雨が厄介ですね」

エリート「どうせ雨天時の作戦も想定済みなのだろう?」

大軍師「まぁ、やるべき事は1つですからね」

エリート「ハヌマーン軍の密偵情報によれば、魔王軍の残りは30万程度」

大軍師「昨日、一昨日の工房で戦意を失った者もいるでしょうから実質、25万程度でしょうね」

エリート「かたやこちらの総力はかき集めて10万ほど」

大軍師「ふっふ。だいぶ差も埋まってきたではないですか」

エリート「君のそういうポジティブな発想は尊敬に値するよ」

大軍師「そうですか? 勝機の見える数字だと思いますよ?」

エリート「城攻めとは言え、包囲戦など利くような相手ではない」

大軍師「でしょうね。平地での戦いになるでしょう」

エリート「魔王城の手前でぶつかるか?」

大軍師「はい。その隙に精鋭を城内へ向かわせます」

エリート「……それしか方法はない、か」

大軍師「先程も申し上げたように、やるべき事は1つですから」


300 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:24:30.29 ID:6TFWAR1ro
〜北の森〜

魔道士「……っ」

盗賊「……」

戦士「……なぁ」

召喚士「……っ」

天才「着いたぜ。見ろ、魔王城だ」

占い師「気味悪いわね……っ」

天才「気味悪いなんて一言で済むテメーが羨ましいわ」

占い師「へっ?」

戦士「こ、こんなにもかよ……っ」

盗賊「胸が……押し潰されそうだ……」

魔道士「……気持ち悪いです」

召喚士「こ、こんな距離でこれ程とは。入城なんて出来るんですかね……っ」

天才「病は気から! 心が折れたらその時点で負けるぞ」

召喚士「はいっ。分かっています……!」


301 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:24:56.69 ID:6TFWAR1ro
〜魔王城、正面〜

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「風が強まってきたな……っ」

ワイバーン「これは悪天候のせいだけではないぞ」

青年兵「え……っ?」

ワイバーン「あの城の内部からとてつもない力を感じる。何かしているはずだ」

青年兵「ま、まさかそんな……」

 ゴオオォォッ!! ブワッ!!

色黒「きゃああぁぁ!!」グラッ

 ガシイッ……ヒョイッ

色黒「……あ、ありがと」

師匠「気を付けろよ、ガハハッ!」

アマゾネス「色黒っ、大丈夫か?」

色黒「え、ええ。この人が助けてくれた……」

アマゾネス「……見ない顔だな。ワーカーか?」


302 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:25:29.40 ID:6TFWAR1ro
師匠「お前らこそ美女揃いで何モンだ?」

アマゾネス「ただの召喚士さ」

師匠「朱雀とは変わりモンだな。ガハハッ」

アマゾネス「あんたも朱雀だろ」

師匠「おうよ! 変わりモンだからなっ、ガハハハハ!」

 バッシュウウゥゥゥゥ……

おさげ「……はっや」

色黒「何者?」

アマゾネス「……何だろう、不思議な感じだ」

ポニテ「……?」

アマゾネス「あの男、初めて会ったのにそうでないような……不思議な感じ」

おさげ「長? 大丈夫?」

アマゾネス「あ、あぁ……。我らも続こう、行くぞ!」

色黒「おーう!」

 バッシュウウゥゥゥゥ……


303 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:26:00.44 ID:6TFWAR1ro
〜北の森、六道門・人〜

天才「ここは魔王城の背後にあたる。門はここだけだ」

魔道士「思ったより、小さいんですね」

戦士「盗賊、行けるか?」

盗賊「……ああ」グッグッ

天才「お前は城外で待機してろ」

占い師「こんな所で待てって言うの!?」

天才「どうせしばらくしたらこっちにも援軍がくる。そん時合流すりゃあいい」

占い師「……分かったわよっ」

召喚士「それで、どうやって開門するんですか?」

天才「そりゃ……力ずく。フルパワーで――」

 ゴオオォォォォン!! ギギギギギギイイィィィィ……

魔道士「……開きましたね」

天才「自ら開けるとは……余裕だってか……?」ピキピキッ

召喚士「お、落ち着いて下さいよっ!」


304 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:26:34.23 ID:6TFWAR1ro
天才「……あん?」

 スウウゥゥゥゥッ フワッ

魔道士「――っ!!」

戦士「……出やがったな、クソヤローが」チャキッ

召喚士「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「ククッ、ようこそ……魔王城へ!」

天才「よう根暗ちゃん。最初の相手はテメーか?」ドズンッ

ネクロマンサー「まさか。私がいちいち相手すると思っているのですか?」

盗賊「貴様……っ」

ネクロマンサー「この六道門・人を抜けた先は……私のラボ。お相手は好きに選んで結構ですよ」

召喚士「ふざけるなよ……貴様ぁ!!」

ネクロマンサー「クククッ! まぁ良いでしょう。1人目は私が勝手に決めさせて頂きますよ」スッ

 ザッザッザッ

盗賊「何か……来るっ」

魔道士「……?」


305 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:27:02.33 ID:6TFWAR1ro


 ――ドクン

青年兵「このまま……突っ込む!!」
召喚士「だ、誰だ……?」

ワイバーン「突風が増して……これ以上はまずいぞ!!」
占い師「えっ? な、なに……? 女の子……?」

青年兵「な……っ!!」
召喚士「な……っ!!」

 ドッゴオオオオォォォォ!!

魔道士「きゃああぁぁ!!」

戦士「な、何だこの突風……いやっ、吹雪!?」

天才「魔王城からだな……くそっ」

盗賊「……召喚士?」

魔道士「え……っ?」

盗賊「召喚士が……消えた……っ」

戦士「消えた……って、どういう事だよ!」

盗賊「分からない……。つい今まで隣に居たのに……突然、消えた」


306 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:27:33.77 ID:6TFWAR1ro
天才「それよりも前だ。来るぞ」

 ザッザッザッザッ

盗賊「――っ!!」

戦士「ふ……ざけんなよ……っ。冗談だろ!!」

占い師「やっぱり……女の子……」

魔道士「嘘……なんで、なん……で……」

 ザッザッザッ……ザッ

ネクロマンサー「さぁ、お相手してあげなさい。ククククッ!」

ウィッチ「はい」

魔道士「なんで……ウィッチちゃんが……」

ウィッチ「魔道士ちゃん」

魔道士「なんで……どうして……っ」

ウィッチ「魔道士ちゃん……魔道士ちゃん」

魔道士「いや……っ、いやああああぁぁぁぁ!!」

ネクロマンサー「クククッ、ハハハッ……アーッハッハッハッハ!!」


329 名前:NIPPERがお送りします(長崎県) [] 投稿日:2012/02/28(火) 17:53:52.19 ID:esCgv7qVo
この臭い流れを断ち切れるのは>>1しかいない ↓



次へ 戻る 戻る 携 上へ