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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
- 1 名前:NIPPERがお送りします []
投稿日:2012/03/22(木) 21:41:04.90 ID:wdhTVgwfo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
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――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
〜前回までのあらすじ〜
召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
5年にも及ぶ人間対魔族の闘いはいよいよ佳境を迎えた。
君臨する魔王ベルゼブブの前に散りゆく仲間達。
はたして大戦の結末とはいかに……。
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- 4 名前:NIPPERがお送りします(空) [] 投稿日:2012/03/23(金) 00:12:26.28 ID:wwkXJyG+0
>>1乙
ブロローグもようやく佳境か・・・
- 9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:45:29.38 ID:2FRVhCnpo
……――
優女『……あ……っ』
お父『元気か……ってのもおかしいか』
優男『おかえり優女。そしてお父、色々と世話になったな』
お父『お前らには散々、世話になったんだ。この程度、恩返しにもならんさ』
優女『優男、あなたが居るって事は……』
優男『ああ。迎えにきたよ……君達2人をね』
優女『そう……そうなのね、ありがとう』
優男『幼女なら心配は要らないさ。そうだろ?』
優女『ええ……何も心配は要らないわ』
お父『幼女は本当に強い子だ。これからはきっと……』
フワアアァァァァ……
お父『きっと、自分自身の幸せの為に生きていく事だろう』
優女『うん……。さようなら……幼女』
優男『さぁ、また3人で……旅立とうじゃないか――』
- 10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:46:17.85 ID:2FRVhCnpo
――……
ゴッゴオオオオォォォォ……
幼女「…………っ」
剣士「……泣くなよ弓使い、幼女が我慢してるんだ……っ」
弓使い「……ぐすっ、ひっく……うん」ゴシゴシ
剣士「……幼女」スタスタ
幼女「……」
剣士「幼女、聞いてくれ。その……女賢者さんは……な」
幼女「言わないでっ!!」
剣士「……」
幼女「それ以上……聞きたくないから。言わないで……お願い……っ」
剣士「……ああ、分かった」
幼女「さぁ、行こうっ。お父さん、お母さん」ニコッ
涙でぐしゃぐしゃの顔をした幼女は剣士の方へ振り返ると、精一杯の笑みを見せた。
その表情はとても12歳の少女とは思えぬ程、大人びていて、純粋で、美しかった。
- 11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:47:04.78 ID:2FRVhCnpo
…
ネクロマンサー「……どういう事だッ、何故……全ての因果を突破されているのですッ」
シュバッ!! スタッ
ネクロマンサー「ッ!!」
影忍「それが人の力だ、ネクロマンサー。最早、そんな事すらも忘れてしまったか?」
ネクロマンサー「どうして結界に入れたッ!? 因果とはそういうものなのか……?」
盗賊「人の肉体は操る事が出来ても、人の心までは思い通りになど出来ぬ!」
ネクロマンサー「……この私に……意見する気かぁ!!」
ザッザッザッ……ゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「――ッ!!」ゾクッ!!
戦士「……やっと見つけたぜ、このクソヤローが」ザッザッ
ネクロマンサー「お……のれ……ッ――」ゾクゥ!!
剣士「ここまでだなネクロマンサー。観念しろっ!」ジャキッ
弓使い「お父さんの……そして、女賢者さんの仇っ、取らせて貰うわよ!」
幼女「あなただけは絶対に……許さない!」
- 12 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:47:50.72 ID:2FRVhCnpo
…
召喚士「く……っ!!」
魔剣士「……」
召喚士「あなたに怨みはないが、俺達にはしなければならない事があるんだっ!」
魔剣士「……」
召喚士「魔道士さん、一気にいきますよっ! 援護をお願いします!」
魔道士「はいっ!」キュイイィィィィ
召喚士「行けぇっ! コカトリス!!」
シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ!!
魔剣士「……」フッ
召喚士「早いっ!! だが……っ!!」
コカトリスの猛攻を交わし続ける魔剣士。召喚士は続けざまにスキュラ、ワイバーン、
そして新たに契約した白虎召喚獣である、スレイプニルを召喚した。
魔剣士「……」
魔道士「な、何なのこの人……っ」ギュオッ!!
- 13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:48:29.68 ID:2FRVhCnpo
召喚士「俺の召喚獣を全てかわしながら……魔道士さんの魔法まで回避するなんて……っ」
魔剣士「……」ヒュオッ
召喚士「しかも顔色1つ変えずに……」
魔剣士「……」スタッ
召喚士「顔色が変わらないのは、余裕なのかそれとも……」ザッ
ズガアアァァァァ!!
スフィンクス「じゃじゃーん! いきなり登場からの〜ふいうちぱーんちっ!」
ゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「……」ズズッ
スフィンクス「受け止めたぁ!?」
召喚士「流石は天才さんの弟子で……再来の1人……っ」
魔剣士「……」スチャッ
召喚士「だが、これならどうだっ!!」
4属性4対の召喚獣が金色に輝き共鳴を見せ始めた。それは即ち、五行に近しいもの。
それに気圧されたか、無表情のままではあるが魔剣士に戸惑いのようなものが一瞬見えた。
- 14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:49:02.36 ID:2FRVhCnpo
召喚士「いっけええぇぇ!!」
ゴアッ!!
魔剣士「……」ヒュンッ
大きく跳躍して金色の召喚獣達をかわす魔剣士だったが、もう1体の召喚獣までには気付かず、
まんまとその召喚獣の餌食となり、地面へと勢い良く叩きつけられた。
スフィンクス「まわりこみ……だぶるはんまーぱーんち!!」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「――――ッ!!」ゴシャッ!!
魔道士「やあぁーっ!!」ズドドドドッ!!
倒れた魔剣士めがけ、魔道士の追撃魔法が雨霰の如く降り注ぐ。
ドドオオオオォォォォ……
魔道士「それにしても凄い……っ。合体召喚まで囮に使うなんて……」
召喚士「魔道士さん、流石だな。完璧な追撃のタイミングだ」
魔道士「以前とは明らかに違うっ。完璧にコントロール出来てるんだ……っ」
召喚士「それにあれだけの魔法を撃っても、疲労を感じさせないなんて……凄いな」
- 15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:49:57.40 ID:2FRVhCnpo
ザシャッ!!
召喚士「!?」
魔剣士「……」ポンポン
魔道士「ぜ、全然……効いてない……っ!」
召喚士「いやっ、そんなはずはないです! 見えないだけでダメージはあるはず!」
魔道士「だったら……」
キュイイイイィィィィ……
召喚士「こ、この光は……っ!!」
魔道士「うまく……コントロール出来ればっ、私にも……」
召喚士「駄目だ魔道士さんっ!!」
魔道士「!?」
召喚士「1人で五行は危険すぎるっ! 俺がいきますからっ!」ダッ!!
魔剣士「……」スッ
召喚士「……?」
魔道士「に、逃げる……の?」
- 16 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:50:57.09 ID:2FRVhCnpo
起き上がると同時に突然、背を向けて歩き出す魔剣士。
召喚士「何をするつもりだ……?」
魔剣士「……」ザッザッザッ……フッ
魔道士「消え――!?」
召喚士(どういうつもりだ!? どうしていきなり……)
フッ
召喚士「!?」
魔道士「い、今……景色が一瞬だけっ、ぶれたというか……」
召喚士「……ええ。ようやく解放されたみたいですね」
魔道士「でもっ、他の人達は……」キョロキョロ
召喚士「――っ!!」
魔道士「あ、あれって! 東方司令さんっ!?」
タタタッ!! グイッ
召喚士「東方司令さんっ!! しっかり!! 東方司令さんっ!!」
東方司令「…………」
- 17 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:51:22.47 ID:2FRVhCnpo
〜六道門・餓鬼〜
大軍師「あれが噂の、アスタロスという魔物ですか」
青年兵「……ええ。東方では全く、実力は分かりませんでしたが」
西方参謀「何はともあれアレを倒さん事には、先に進めそうもないわな……ヒック」
南方司令「倒すさ。正義の為にな!」ザッ
青年兵は懸念していた。敵は恐らく軍団長クラス。それも魔王城の六道門の1つを
単体にて負かされた者。強さはおそらく尋常ではない、と。
青年兵(よりにもよって要人ばかり。僕らはまだいいけど……)チラッ
皇太子「青年兵」
青年兵「!?」
皇太子「今更、私の身を案じるなどという下らない事は考えぬように」
青年兵「……っ」ゴクッ
皇太子「ふっ。私に考えを暴かれるとはまだまだ青いな、大元帥殿」
青年兵「失礼を致しました……っ」
皇太子「かといって死ぬつもりも毛頭ない。皆で無事、生きて帰るぞ……本国に」
- 18 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 17:52:33.09 ID:2FRVhCnpo
ズゴゴゴゴゴ……
南方参謀「来るわよぉーっ!!」
アスタロス「邪魔者は……排除する」ドウッ!!
青年兵「回避――」
ドゴオオォォォォ!!
青年兵「!?」
西方司令「だーれが回避だこのクソッタコがああぁぁぁぁ!!」ズギャッ!!
青年兵「西方司令さんっ!」
大軍師「皆様っ、援護しますよっ!」ババッ!!
南方司令「クソッタコとは何だ?」
南方副司令「知るかっ! 後で本人に聞け!」ズバッ!!
青年兵「最初から全力でいくぞ! 出でよっ、バハムート!」
シュイイイイィィィィン
バハムート「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
アスタロス「……」
- 19 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:07:32.02 ID:2FRVhCnpo
魔王ベルゼブブの片腕ともいえる魔族、アスタロス。
その人型とも獣型とも言えぬような不可思議な姿の魔物は、
襲い掛かる複数の敵を冷静に見据え、淡々といなしてゆく。
しかし多勢に無勢。やがて均衡は崩れ始め、アスタロスは徐々に押され始めた。
西方司令「だりゃっしゃああああぁぁぁぁ!!」
ズガッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
西方副司令「援護よっ、援護!」
大軍師「食らいなさいっ」ゴアッ!!
アスタロス「人間……これが人間の力なのか」
西方参謀「敵さんも戸惑ってるぞぉ! もう一押しだ!」
エリート「隙ありぃ!!」
ズガシュウウゥゥッ!! ズザザアアァァ……
アスタロス「……」
南方司令「さぁどうした? まだ私は必殺のジャスティスパンチも出してはいないぞ!」
南方参謀「出しなさいよっ! 速攻だって言ってるでしょ!」
- 20 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:10:51.30 ID:2FRVhCnpo
アスタロス「ククッ」
青年兵「!?」
アスタロス「……他の魔王が焦る気持ち……少しだけ理解」
大軍師「いよいよ本気のようですね」
皇太子「ああ。今までとは何か、雰囲気が違うな」
アスタロス「これ以上、この姿で居るは不利。止む無しか」
青年兵「……この姿?」
大軍師「どうやら変身型のようですね。本気とはまさにこの事だったようです」
ズゴゴゴゴゴゴ……
西方副司令「う……っ」
エリート「な、何だこれは……っ。周囲の空気が張り詰めている……!?」
西方参謀「風が遡ってらぁ。ヤローさんの内部に取り込まれてんだ……ヒック」
西方司令「何が変身だ。変身だか変態だかしらんが先にぶっ潰してやる!!」ザッ
大軍師「お待ちなさいっ!!」
西方司令「あぁ!?」
- 21 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:12:01.14 ID:2FRVhCnpo
大軍師「分からないのですか? あの……発せられる邪悪な気が……っ」
青年兵(大軍師さんが汗を……!? そ、そんなにも――)
ピキイイィィィィ
青年兵「――!?」
皇太子「くっ、平常を保たねば……気を失いそうな威圧だな……っ」
西方副司令「息が……苦し……っ」
ズゴゴゴゴゴゴ……
南方副司令「んなっ!?」
床を壊す事もなくせり上がり現れる魔物。その姿はドラゴンのようであった。
ベルゼブブはその背に押されるようにドラゴンの背中へと居場所を移し、
隆起した両肩の背後からは、不気味な黒い翼が生えてきた。
人型ではあるが、まさに悪魔の顔とも言うべき恐ろしい表情と、
右腕に同化しているかのように巻きつく、毒々しい色をした蛇が印象的であった。
1つ呼吸を吐くと、アスタロスの口内からは灰色の吐息がゆっくりと漏れた。
アスタロス「さぁ来るが良い人間共。貴様等を……排除する!」
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