■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 02:25:42.84 ID:ESmMyz2o
〜北方司令部〜

騎士長「何ぃ……敵襲!?」

北方兵「はっ!東より少数ではありますが司令部へ…っ」

騎士長「バカな!?いつの間に包囲を抜かれたと言うのか…っ!」

北方兵「いくら頑強といえど、こちらも兵数は少なく…」

騎士長「此処が落とされては元も子もない!何としても守り抜くのだ!」

北方兵「ははっ!!」

タッタッタッタッタ…

騎士長「くそ…っ、どうすれば……」

バキバキバキッ!!……ドオオォォンッ!!

騎士長「何だ!?」

北方兵「東の森からです!」

騎士長は城壁の上より東の森の倒れゆく木々を見つめる。

騎士長「あれは…オーガ!!厄介な…!!」

北方兵「弓兵!魔道兵!迎撃準備ーっ!!」


220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 02:31:36.88 ID:ESmMyz2o
オーガ「…ブハハハ!本当に手薄よ!これは楽に落とせそうだわ…!」

ドズンッ…ドズンッ

北方兵「撃てぇ−っ!!」

シュシュンッ!!…ババババッ!!

オーガ「ちぃ…!小賢しい!!」

オーガは巨大な棍棒で迫りくる複数の矢を叩き落とす。

オーガ「つーても…数が多いか。ちと痛てぇがガマンして進むかね」

弓兵「致命傷にはならないか…!魔道兵、次の準備を!」

魔道兵「は、はいっ!」

騎士長「……」

北方兵「弓兵も魔道兵も新兵や若い者がほとんど…なかなかうまくは…」

ドズウウゥゥンッ!!

騎士長「!?」

海兵「き…巨大な岩が…っ!……ぐあぁ!!」

森の方向より、多数の岩石が司令部めがけ投げ込まれ始める。


221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 02:37:55.89 ID:ESmMyz2o
ヒュオオォォッ……ドズウウゥゥンッ!!

魔道兵「う、うわあぁ!!」

騎士長「うろたえるな!よく見てかわせば良い!」

投石の合間を縫って、騎士長は大声で指示を飛ばす。

オーガ「ブハハハッ!!ほれほれっ、どんどんいくぜぇー?」

ヒュオオォォッ……ドズウウゥゥンッ!!

北方兵「くぅ…っ!こちらにも…何か決定打があれば!!」

その時、南側より空を切り裂く巨大な飛行物が、オーガめがけ一直線に向かう。

騎士長「…んっ!?」

ビュオオォォッ!!……

オーガ「な、なん……っ…ぐぎゃああぁぁ!!」

ドズウウゥゥッ!!

オーガ「なっ、なん…巨大な矢!?」

騎士長「あ……あれは…バ、バリスタ!?」

騎士長は慌てて南側の城壁へ走り、身を乗り出し発射元を確認した。


222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 02:44:58.49 ID:ESmMyz2o
ザッザッザッザッザ…

左翼長「はぁ?…何でバリスタかって?」

国軍兵「ええ。確か由来があるとか…昔習った覚えが…」

左翼長「……バリスタってのは、職業の名前でな」

国軍兵「職業…ですか!?」

左翼長「今は使われちゃねーが、昔はバール…軽食喫茶店つーかカフェっつーか…」

魔道兵「そこでコーヒーを淹れる人ですよね。バリスタって…」

左翼長「そ。そんで昔、軍にすっげぇコーヒー淹れるの上手い奴がてよ…」

国軍兵「そ、それが何か関係して……?」

左翼長「ソイツの十八番があの大型弩砲だったワケよ」

魔道兵「それで……バリスタ、ですか…」

国軍兵「その方は…もう軍にはらっしゃらないのですか?」

左翼長「……退役して今は自分の店持って商売してるよ」

魔道兵「へぇーっ!じゃあ…この戦いが終わったら行きましょうよ!!」

左翼長「…そうだな。ま、今はこの戦いを終わらせる事が先決!無駄口はこれまでだ。急ぐぞ!」


223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 02:50:54.79 ID:ESmMyz2o
〜北方司令部〜

シュウウゥゥッ…

オーガ「バ…バカな!?一撃で…!!」

騎士長「な……何で……お前が!?」

ザッザッザ…カチッ…シュボッ

バリスタを発射した男は煙草の煙を吹かせ、苦笑で騎士長へ返した。

バーテン「てめぇら軍が不甲斐ねぇからよ、市民までこのザマよ」

騎士長「は…ははっ…!お前……!!」

バーテン「それにどこぞの女占い師が泣きつくもんでな」

国軍兵「え……えっ!?」

バーテン「貴方のお友達が危ないわよ、って…ダチなんざいねーっつーの…」

騎士長「…減らず口は相変わらずだな…!大佐殿!」

バーテン「元を付けろいっ!おらっ、次行くぞ!!」

バーテンは煙草を加えたまま、再びバリスタへ巨大な矢を装填する。

バーテン「今日限りこんな羽目は……ゴメンだからな!!」


224 : [sage saga] :2010/05/09(日) 02:57:38.45 ID:ESmMyz2o
こんばんはです!GW明けはちょっとバタバタしてて申し訳ないです!
それではこの辺にて失礼を…ご支援ありがとうございました!おやすみなさいです!ノシ

>>193
こちらこそあまり進んでなくごめんなさい!
宜しくお願い致します!!

>>201
最近は戦闘多めなので次の部は久々に日常パート気味にいきたいですね!

〜オマケ〜

魔道士「このお話の主人公は誰でしたっけ…?」

召喚士「えぇと…さ、さぁ…?」

戦士「お前だろうが!一体どんだけ出てねーんだよ俺ら!」

盗賊「…う、うむ」

召喚士「いやでも…皆さんも頑張ってる事ですし…」

天才「あのな、んな事言ったら俺は…」

名代「いやあなた方はまだ良い方かと…」

王子「あのね、僕なん(ry」

魔道士「こ、これからをお楽しみにっ…!エヘヘッ!!」


225 : [] :2010/05/09(日) 05:12:55.19 ID:I2582sSO
召喚士達以外がかっこよすぎてマジで影うすくなってるなww


229 : [sage] :2010/05/09(日) 18:34:25.85 ID:92dw1Fwo
バーテンかっこよすぎ惚れた


230 : [] :2010/05/09(日) 18:43:23.91 ID:P2GbUgAO
バーテンかっこよすぎ濡れた


232 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:54:51.33 ID:ESmMyz2o
オーガ「ナ…ナメやがって!んなもん当たらなきゃどうって……!?」

グッ…グッ…

オーガ「なん…っ!?足元に木の根と土がぁ!?」

オーガは己の足元が地中に飲まれ、身動きが取れなくなった事に気づく。

魔道兵「ざまぁみろってんだ!」

北方兵「よくやった!弓隊も仕留めなくともよいっ!牽制して投石させるな!」

弓兵は指示を二つ返事で了承し、オーガの手元めがけ矢を射かける。

シュシュンッ!!……ドッ!!…ドドッ!!

オーガ「ウザってぇ…!これじゃ近づくのはおろか、岩も……っ!」

騎士長「さあ、後は頼んだぜ!『元』少佐…!!」

北方兵「少…佐…?ま、まさかっ!!特殊遊撃…の…!!」

騎士長「ああ。元、特殊遊撃強襲隊隊長…バーテンだ」

北方兵「あ……あのっ、噂に名高き…!!」

バーテン「………」

バーテンはバリスタの後ろに立ち、オーガをジッと見つめ、ふと過去を思い出した。


233 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:55:23.39 ID:ESmMyz2o
――――……・・・・・・・・・

カツカツカツ…

バーテン「………」

タッタッタ…ガシッ

左翼長「いようっ!!」

騎士長「隊長就任おめでとう!!」

バーテン「お前ら……」

ザッザッザ

戦士父「……」

バーテン「よう」

戦士父「…おう」

バーテン「これから…世話になるな」

戦士父「そうか…?」

バーテン「そうか、って…頼むぜ副隊長」

戦士父「ん……ああ…」


234 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:56:04.11 ID:ESmMyz2o
左翼長「ほれ、話は会議が終わってからだ」

左翼長は呆れ顔で会議室のドアを開ける。

ガチャッ

騎士長「!?」

バーテン「…お、お前…!!」

会議室内には一人の女性が腰掛け、窓から外を眺めていた。

左翼長「女弓兵……!?」

女弓兵「あっ、お兄ちゃん!!」

左翼長「おま…何でここに!?」

女弓兵「あら、聞いてないの?私も今日から皆さんのお仲間よっ。ヨロシクね!」

騎士長「おいおい…マジかよ…っ!」

戦士父「お前な……」

女弓兵「今更駄目とかありませんからね!大元帥直々の許可も貰いましたから!」

バーテン「はぁ…。おい、左翼長…」

左翼長「ん…?」


235 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:56:33.36 ID:ESmMyz2o
バーテン「兄のお前が責任持って面倒みろよ」

左翼長「はぁ!?だったら彼…」

女弓兵「とにかく、これから宜しくお願いしますっ!」

バーテン「……はいはい、分かったよ」

女弓兵「えへへへっ!!」

………

ドドッドドッ…パカラッパカラッパカラッ…

戦士父「ふんっ!!」

ドシュゥッ!!

左翼長「さっすが『一番槍』…!すげぇ勢いだな」

女弓兵「もちろんですっ!」

バーテン「……アイツも負けてねーぞ?」

ドドドッ…ドドッ…ヒュンッ!!……ザシュッ!!

騎士長「討ち取ったり!!」

戦士父「……やるな!」


236 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:57:00.44 ID:ESmMyz2o
騎士長「お前だけに見せ場は譲れねぇからな!ハハハッ!!」

戦士父「…言ってくれる!

左翼長「ほう…!流石は『赤備え』の異名で恐れられる騎士長よ」

バーテン「ほれ、前衛の二人が頑張ってるんだ。俺らも行くぞ!」

女弓兵「はいっ!!」

ゴトンッ……ガラガラガラッ!!

左翼長「出たな…!バリスタ!!」

バーテン「バリスタ…!?」

左翼長「ああ。大型弩砲じゃ長げぇし堅っ苦しいからな」

女弓兵「隊長のアダ名ですよ!隊長の淹れるコーヒー、最高ですもん!」

バーテン「ま、何でもいいけどよ。脇はしっかり固めてくれよ。…兄妹」

左翼長「おうっ!!」

女弓兵「もちろんです!!」

バーテン「へっ…!」

左翼長と女弓兵はバリスタの両脇に立ち、手にした弓を構えた。


237 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:57:38.87 ID:ESmMyz2o
………

ザッザッザ…

女弓兵「本当に…こんな密林の奥地に魔王の…!?」

バーテン「ああ、間違いない。ワーカーによる調査も済んでいる」

騎士長「んで、そのワーカーってのは?」

バーテン「ここいらで合流のハズなんだが……」

左翼長「あっちから人の声がするな……」

テクテクテク

マジシャン「ウソつけって!!」

師匠「いーやマジだって!この奥にアマゾネスの村があってだな…」

マジシャン「んなもん信じられっか!だいたい何時行ったってんだよ!」

師匠「この前テメーが女に愛想尽かされてソロしてた時にだよ!」

マジシャン「クッソー…!一人だけいい思いしやがって…!」

師匠「そんなんだから女に逃げられるんだよバカヤロウ」

マジシャン「あんだと!?」


238 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:58:05.13 ID:ESmMyz2o
ザッ

女弓兵「あ、あのー…」

マジシャン「うおっ!?美人!!」

師匠「何か御用で!?良かったら俺と…」

ザッザッザ

騎士長「おいおい、人妻口説くとはいい度胸だなガキども…」

師匠「人妻…!?それは失礼…いや、アリか?…ゴニョゴニョ」

戦士父「…ん?」

バーテン「お前らが…ワーカーか?」

マジシャン「いかにも!!」

左翼長「この先に…あるんだな?」

師匠「間違いない。アンラ・マンユのアジトだ!」

バーテン「……名前は?」

師匠「俺が師匠、コイツは相棒のマジシャンだ!ガハハッ!」

マジシャン「…ヨロシクな!ハッハッハ!!」


239 : [sage] :2010/05/09(日) 22:58:18.83 ID:WkoRk6DO
>>1乙!
往年の名パーティーが活躍するのは嬉しいな!
今回は本当に豪華なメンバーだよな!


240 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:58:33.52 ID:ESmMyz2o
………

騎士長「軍を……抜ける…?」

バーテン「ああ。世話になったな」

ガタッ

左翼長「あの時の事…引きずってんのか?」

バーテン「………」

ガシッ!!…バキィ!!

バーテン「っ!?」

左翼長「てめぇ一人で…責任感じてんじゃねぇよ!」

バーテン「……そうじゃない。…そうじゃねぇんだがよ」

騎士長「バーテン……」

バーテン「枯れた花は…もう咲きはしねぇんだ…。俺も…アイツも…」

騎士長「戦士父も…辞めんのか…」

バーテン「悪いな……」

左翼長「これから…どうすんだ?」


241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:59:02.86 ID:ESmMyz2o
バーテン「……しばらく休むさ」

騎士長「……くそっ!」

ガンッ!!

左翼長「妹は…そんなお前らの姿なんて見たく……」

バーテン「まあ…店でも開いて、のんびりコーヒーでも淹れてるよ」

騎士長「……どうせなら酒にしろ。…タダ酒飲めるしな」

バーテン「へいへい、考えておくよ」

ザッザッザ…

左翼長「……あばよ、隊長」

バーテン「……ああ、あばよ戦友」

バタンッ…ザッザッザ…

バーテン「!!」

戦士父「………」

バーテン「……よう」

戦士父「…おう」


242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 22:59:30.35 ID:ESmMyz2o
バーテン「お前も…抜けるんだってな」

戦士父「…俺達は孤児だ」

バーテン「ああ、そうだ」

戦士父「俺の息子には…そんな思いをさせたくはない」

バーテン「………」

戦士父「せめて父親だけでも…傍にいてやらんとな」

バーテン「…お前らしいな。律義で」

戦士父「どこに行くつもりだ?まさか一人で…」

バーテン「そこまでバカじゃねーよ。お前こそどうすんだ?」

戦士父「南はコリゴリだ。どこかの村でゆっくり過ごすさ」

バーテン「そうか……」

戦士父「最後に…美味いコーヒーを淹れてくれないか?…バリスタ」

バーテン「……おやすいご用だ」

戦士父「………ふっ」

バーテン「………ははっ」


243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/09(日) 23:03:38.93 ID:ESmMyz2o
・・・・・・・・・……――――

バーテン「………おっと」

バーテンはゆっくりと目を開け、再びオーガをジッと見つめる。

バーテン「過去は過去…今は今、だ!!」

グイッ……バスッ!!…ドシュウゥゥッ!!

騎士長「魔道兵!付加をっ!!」

魔道兵「くぅっ…!早い!!」

ドドオオォンンッ!!…ギキイイィィンッ!!

北方兵「…着弾!なんとか間に合ったか…!」

バーテンにより発射された巨大な矢は、途中で氷を纏い、

その勢いのまま一匹のオーガを真正面から貫いた。

ズガアアァァッ!!……ドズウゥンンッ!!

バーテン「バリスタに…魔法付加とはな…!」

騎士長「昔から左翼長と考えてたんだ!出来たら面白いなってよ!」

騎士長は親指を立て大声で笑い、それを見たバーテンも照れ臭そうに笑った。


244 : [] :2010/05/09(日) 23:41:41.05 ID:spc9A7Q0
推定40代ベテラン戦士達の友情とはこれまた熱いな。


252 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:02:15.37 ID:N5DKidAo
〜海峡、北の森付近〜

魔道士「あっ!見えてきましたよ!」

戦士「おっ、やっと来たか……」

魔道士と戦士は腰掛けた岩から起き上がり、無数に浮かび上がる人影を見つめる。

ドドッドドッドドッ…

召喚士「ご苦労様です」

海峡兵「これは朱雀先生…!魔物は…?」

召喚士「今のところ無事、鎮圧しています」

戦士「余裕っすよ、余裕!」

海峡兵「それは…流石ですね!お見事!」

魔道士「いえいえ〜!エヘヘ!!」

まもなく松明や人の声、そして車輪の音が近づき始める。

ゴトンゴトン…ゴトンッ…

海峡兵「進軍停止ーっ!!」

盗賊「………」


253 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:02:41.33 ID:N5DKidAo
ザッザッザ…

将軍「…ご苦労」

召喚士「いえ…こちらは特に問題ありません」

将軍「そうか。…おや?あとの二人は……」

戦士「ちょっくら森まで偵察に行ってます」

魔道士「黒の三騎士さんから…連絡がなくなってしまって…」

召喚士「橋には戻られてましたか?」

将軍「いや、特に何も無かったが…」

盗賊「……」

召喚士「やはり何かあったのかな?」

将軍「……?」

魔道士「あ、いえ…なんだか不気味な気配を感じた…とか…」

魔道士は不安そうに盗賊の顔を見つめる。

盗賊「……少し、な」

将軍「……ふむ。何も無ければ良いがな」


254 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:03:07.71 ID:N5DKidAo
ズズズ…ドドオオォォンッ!!

海峡兵「ゆっくりだ!ゆっくりでいいぞ!」

盗賊「…?」

将軍「ああ。いよいよ結界石を打ち込む」

戦士「おぉ!!」

召喚士「ここにですか?」

将軍「うむ。あまり拠点より離れても意味は無いし…」

召喚士「……」

将軍「何より森と川に挟まれた、この不安定な土地に進路を確保出来れば…」

召喚士「今後の展開は非常に楽ですね」

将軍「左様」

戦士「ふーん。とにかくこの辺りが重要ってワケだわな…」

召喚士「ここを押さえれば…好守ともに楽になるわけですね」

将軍「…うむ。魔王軍にとってもな」

召喚士「……」


255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:03:33.18 ID:N5DKidAo
テクテク…

海峡兵「結界石、準備整いました」

将軍「うむ。では…あの辺りに打ち込むとしよう」

将軍は前方に見える開けた地面を指差す。

海峡兵「かしこまりました!」

魔道士「あそこに結界石を置くんですか?」

将軍「うむ。あとは間隔をおいてそれぞれ石を配置する」

盗賊「…それで?」

将軍「あとは魔力によって結界石と結界石を結ぶのだ」

召喚士「なるほど…!それで引いた線上が…」

将軍「そう。結界となる」

戦士「へぇ…!大それた事してんだなぁ…」

将軍「こうして少しずつ…陣地を広げていく、というわけだ」

戦士「陣取りゲームみたいな感じだな」

将軍「まぁ…そういう事になるかな。ははっ」


256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:04:00.84 ID:N5DKidAo
魔道兵が地面を囲むように立ち、一斉に魔法を放つ。

ドドドオオォォンッ!!……ズズズッ…ボゴオオォォッ!!

魔道士「っ!!凄い!!」

戦士「でっけぇ穴が…ポッカリと…!」

将軍「ゆっくり運べ!」

海峡兵「そーれっ!!」

ズズズッ…ググッ…ズズッ…

魔道兵により空けられた地面の巨大な穴に、結界石が埋め込まれていく。

半分ほどが地面に埋まり、上半分が神々しく地上で輝く。

海峡兵「よーし…!!周囲を補強しろっ!」

ザッザッ…ズシャッ…

召喚士「これが……結界…」

将軍「起点は無事築けたな。では…次の地点へと急ごう」

海峡兵「はは!ようし…進軍準備ーっ!」

兵達は作業を終え、慌しく進軍の準備へと取り掛かる。


257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/10(月) 18:04:26.50 ID:N5DKidAo
召喚士「では俺達も先へ向かいます」

将軍「すまんな。引き続き魔物の撃退を頼む」

召喚士「はい。ルートはこのまま西で…?」

将軍「問題ない。任せたぞ」

戦士「おうっ!そちらさんもな!!」

海峡兵「ああ!!」

召喚士「では…」

盗賊「……」

テクテクテク…

魔道士「大丈夫ですかね…?」

召喚士「…?」

魔道士「魔法剣士さんと…眼鏡さん…」

戦士「まぁあの二人なら何かあったとして問題はないだろ」

召喚士「うん…」

魔道士「そう…ですよねっ!私達も頑張りましょう!」



次へ 戻る 戻る 携 上へ