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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その30
245 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/27(月) 23:41:29.83 ID:u2yoEshio


大軍師「さて、ではいよいよ本題へ入りましょうか」

天才「今さっき言ったように、厄介な魔王はぶっ倒した」

左翼長「厄介ったって、魔王は魔王だ」

大軍師「その通りです。後が楽……というわけではありません」

天才「こっからは先は順序が大切だ。少しのミスも出来ねぇ」

大軍師「皆様のご意見を是非、伺わせて頂きたく」

天才「その前に1つ。分かってると思うが……サタンは駄目だ」

玄武娘「何で駄目なんですの?」

大軍師「大黒柱をいきなり抜くと、他所への影響が懸念されます」

玄武娘「どういう意味ですの?」

朱雀嬢「ケーキは端っこから食べなさいって事ですわ」

玄武娘「おぉ! そうしないと倒れちゃうですの!」

戦士「なんつう説明だよ」

召喚士「は、はは……っ」


246 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/27(月) 23:42:07.12 ID:u2yoEshio
スッ

エリート「良いかな?」

大軍師「右大臣殿」

エリート「私が思うに、まずはパズズの片を付けるのが良策かと」

南方司令「いや、南方はいつでもいける。ラーヴァナが良かろう」

南方参謀「そうね。士気も非常に高くって、やる気に満ち溢れているわ」

大軍師「成程」

天才「北はどうだ?」

左翼長「ベルゼブブは残すつもりなんだろ?」

天才「お前らがいけるってんなら、別に構わん」

将軍「正直、あまり強気では言えませんな」

騎士長「だな。まだまだ北への道は長い。無理をするにも早すぎるな」

東方参謀「同感だな。海峡側も動きはないとは言え、不気味だしな」

天才「……」

騎士団長「南が片付いてから、兵を押し上げて北上するがベストかな」


247 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/27(月) 23:56:29.70 ID:u2yoEshio
大軍師「名代殿、東は如何です?」

名代「一度、確認する必要はありますね」

戦士「東方の戦力は大丈夫なのか」

盗賊「……どうなんだろうな」

東方司令「足りるとは思えんがな」

名代「……」

東方司令「失礼。悪気はないのだ」

名代「いえいえ、事実は事実。不足しているのは確かです」

天才「そこが最大のポイントだな。南北から兵を割く必要がある」

東方副司令「北方軍を割くのは難しいのでは……?」

西方司令「ななっ、南方も無理ですよ……っ! これはもう終わりだぁ……!」

南方弓長「でも、南はうまく回せば、余力あるんじゃないかしら」

騎士団長「成程、南東国か」

大軍師「南東国の兵を南へ充てる事が出来れば、増援は可能ですね」

天才「……」


248 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 00:13:15.95 ID:NNrSQOhko
大軍師「どう思われますか?」

天才「悪かねぇ。悪かねぇんだがなぁ……」

東方参謀「動きがない以上、こちらから責めるには兵站が長すぎやしないか?」

天才「そこなんだよな。東方のみで凌げるなら押さえ込むだけで十分なんだよな」

ジュニア「何だよ、結局あっちもダメ、こっちもダメってよぉ」

戦士「残るはイブリースか?」

天才「イブリースは一匹狼だ。まだ放っておいてもいい」

戦士「じゃあ結局どの魔王なんだよ……」

天才「……」

召喚士「……?」

天才「ジジイ」

青龍先生「分かっておるよ。いつでも構わん」

天才「……そうかい。一旦休憩だ。15分後に再開する」

召喚士「・・・…」

それだけを言い残し、天才は大会議室を後にした。


249 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 00:25:39.71 ID:NNrSQOhko
ありがとうございます。こちらこそ本当に感謝!
毎日読んで下さったり、追いついて下さったり…
いつも同じ言葉ですが、嬉しい限りで言葉に表せません!

それでは、今宵はこれにて失礼します!ノシ

〜オマケ〜

アマゾネス「……おぉ」

色黒「あれ、何でしょうかね?」

おさげ「海を照らしてるように見えるけど……」

ツインテ「ふにゃあぁ〜。いい匂い〜っ!」

ポニテ「ほんとだぁ! なにあれっ! ねっ、ねっ!」

アマゾネス本国……って、凄いな」

色黒「凄い……」

ポニテ「ねーねー長ぁ、アレ欲しい〜」

ツインテ「ずーるーいーっ! 私もーっ!」

色黒「あっ、じゃあ私も――」

アマゾネス「あのさ、ところで誰がお金持ってるんだ?」


251 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/06/28(火) 08:32:28.72 ID:cEEToH6AO
>>1乙

それにしても青年兵も出世したよな
昔はポンと出のサラマンダー使い程度だったのに

青年兵「召喚獣と話せるなんて授業で教えてもらってないから知りません」
的なダメ子だった記憶が…


252 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/28(火) 11:52:26.58 ID:SAWIhCzSO
青龍の教えがそうなだけで
青年兵は優秀だぞ
召喚士があんなにわかいのに〜みたいに言ってたとおも


253 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/28(火) 13:59:40.20 ID:uY+sBjRDO
>>1乙
そういえば青年兵にも魔道兵だった時期とかあるのかな?
魔翌力が強くていきなり召喚兵に抜擢されてたりするんだろうか?


254 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:05:41.07 ID:u57uE4U6o
ガヤガヤガヤ

召喚士「……」

青龍先生「……ふー。年を取ると、会議如きでも疲れるわい」

召喚士「……あの、青龍先生」」

青龍先生「……?」

召喚士「魔王パズズ、何かあるんですか?」

青龍先生「ん? どういう意味じゃ?」

召喚士「いえっ、何となく何かあるのかと……」

青龍先生「別に何かあろうとなかろうと、倒す事に変わりはないじゃろ。ひょっひょ」

召喚士「まぁ、そうかもしれませんけど……」

青年兵「……」

青龍先生「パズズは任せておけ。ありゃあ儂の未練じゃからの」

青龍士官「先生……」

青龍先生「さて休憩も終わりじゃ。席に着くとしようかの……ひょっひょ」

召喚士「……っ」


255 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:07:02.65 ID:u57uE4U6o
カツカツカツ

天才「そんじゃ再開すんぞ」

大軍師「幾つかのご意見を頂きましたが、結果は見えておりましたね」

天才「まぁ一応の確認だしな。当初の予定通りでいく」

ザワッ

天才「魔王討伐、次は……パズズだ」

青龍先生「……」

大軍師「パズズ討伐につきましては大軍は擁しません」

天才「今から名を呼ばれた奴は、ちょいと残ってくれ」

大軍師「青龍先生、白虎先生。青年兵殿、青龍士官殿」

青年兵「はい」

青龍士官「……」

大軍師「朱雀先生、玄武先生、名代殿」

名代「某もか」

召喚士「……はい」


256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:09:03.58 ID:u57uE4U6o
ザッ…カツカツカツ

大軍師「以外の方々はご苦労様でした。広間に食事をご用意致しております」

玄武娘「えぇーっ!?」

朱雀嬢「残しておいてあげるから、早く行ってらっしゃいな」

玄武娘「はぁいですの……」

魔道士「それじゃ、お先に失礼しますねっ」

召喚士「はい」

ゾロゾロゾロ…

天才「さて、ここに残って貰ったお前らが、今回の主役だ」

大軍師「パズズ討伐は皆様のみで行います」

召喚士「!?」

青年兵「あの、失礼ですが……流石に少なくはありませんか?」

天才「別に寝てる奴相手なんだし、多いくらいだろ」

青龍士官「……っ」

天才「自信ねーなら降りてもいいぞ」


257 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:10:51.46 ID:u57uE4U6o
青年兵「……いえ、そういうわけではありません」

召喚士「作戦の概要を伺いたいのですが」

天才「概要なんてねぇよ」

玄武娘「……へっ?」

天才「ジジイがカタを付ける。お前らはバックアップ。以上」

白虎長「……っ」

天才「いいんだよな?」

青龍先生「無論じゃ。儂も長く生きた……もう十分じゃわい」

青年兵「……どういう……意味でしょうか?」

天才「悪いが、青龍先生には死んで貰う」

玄武娘「――っ!!」

青龍士官「……死んで……って」

天才「魔王を消滅させるには、青龍先生の命が引き換えとなる」

大軍師「これは、どうしても避けられないのです……」

召喚士「そ……んな……」


258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:11:30.74 ID:u57uE4U6o
青龍先生「仕方のない事なのじゃ。そういう封印じゃからのぉ」

召喚士「……っ」

かつての召喚士であれば、真っ先に反対の声をあげていたであろう。

しかし、先だっての書家の言葉が脳裏から離れなかった。

青年兵「1つ、宜しいでしょうか?」

天才「何だ」

青年兵「他に手立ては?」

天才「ない」

青龍士官「どうしても倒す必要があるのですか?」

大軍師「あろ、。といえば嘘になります」

青龍士官「だったら――」

大軍師「パズズを倒せば、他の魔王は更に力を弱めます」

白虎長「……」

大軍師「それにいつかはやらなければいけないのです」

召喚士「何故、青龍先生の命が必要なのですか?」


259 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:12:28.23 ID:u57uE4U6o
青龍先生「簡単に言えば、五行を完成させる必要がある」

名代「それで、私も呼ばれたわけですな」

天才「そーいう事だ」

大軍師「具体的な作戦は後ほど申しますが、青龍先生は……」

青年兵「……」

大軍師「五行を放つ必要があります」

白虎長「青龍先生が!?」

天才「これがどういう意味か分かるか?」

青年兵「召喚士になられた先生が……五行を撃つ……」

白虎長「無茶よっ! 魔力が暴走するわ!」

天才「だからだよ。だから……死ぬんだ」

召喚士「……っ」

玄武娘「そ、そんなぁ……」

青龍先生「誰かがやらねばならん。だからこそ自分の手でけじめをつけたいのじゃ」

召喚士「青龍先生……」


260 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:13:34.84 ID:u57uE4U6o
天才「いいか、アンラ・マンユ同様、1度の失敗も許されん」

大軍師「他の方々も負担はありますが、命に別状はありませんのでご安心を」

白虎長「具体的には何をすればいいわけ?」

青龍先生「パズズは4属性の召喚術を用いて封印しておる」

青龍士官「……」

青龍先生「それを吸い上げて、1度相殺する事で封印を解く」

玄武娘「!?」

大軍師「解くと言っても、魔王が蘇るわけではありません」

青龍先生「そして魔王の核にその魔力と五行を撃ち込むのじゃ」

青年兵「そんな事が出来るんですか……っ?」

青龍先生「……玄武娘、お前の爺さんが長年研究したんじゃ」

玄武娘「……?」

青龍先生「そしてようやっと、この方法を築き上げた。大した男じゃったよ」

玄武娘「お爺ちゃん……が?」

青龍先生「さーて、伝説の幕開けといこうかのぉ……ひょっひょ!」


261 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:14:43.16 ID:u57uE4U6o


ゾロゾロゾロ

魔道士「あっ、お帰りなさい」

朱雀嬢「玄武娘、食事……」

玄武娘「いらないですの……」

朱雀嬢「えっ?」

玄武娘「お腹……空いてないですの……」

トボトボ…

朱雀嬢「め、珍しいわね。どうしたのかしら?」

盗賊「……さぁ。もぐもぐ」

戦士「どうだった?」

召喚士「……うん。あとで話すよ」

戦士「お、おう」

魔道士「なんだか……皆さん暗いですね……」

盗賊「……うん」


262 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:15:51.30 ID:u57uE4U6o
カツカツカツ

天才「さーて、メシメシ!」

青年兵「……」

カツカツ…ザッ

青龍士官「司令」

天才「あん?」

青龍士官「やはり、自分は反対です」

天才「……」

青龍士官「どうしても、他の手はないんですか!?」

ザワッ

東方司令「……?」

将軍「な、何事だ?」

天才「あのなぁ、お前の言いたい事はよーく分かる」

青龍士官「……」

天才「じゃあ他に手はあるのか? 他に誰かが犠牲になるんだぞ?」


263 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:19:40.56 ID:u57uE4U6o
青龍士官「……」

天才「かと言って、放置するわけにもいかんだろ」

大軍師「魔王は1体たりとも残すわけには参りません」

青龍士官「……っ」

カツカツカツ

青年兵「青龍士官、会議は終わったんだ。下がりたまえ」

青龍士官「……」

青年兵「これ以上は反逆罪に問われるぞ。下がれと言っている」

グッ

青龍士官「――っ!」

バッ!!

青龍士官「……変わったよな、お前」

青年兵「……」

ザッザッザッザッザ

青年兵「……っ」


264 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:21:07.65 ID:u57uE4U6o
ザワザワ

皇太子「揉め事か?」

エリート「いえ、大丈夫のようです」

南方参謀「青年兵くんが声を荒げるなんて珍しいわね」

南方魔道長「ああ。まぁ、何もないみたいだな」

青年兵「失礼を致しました。私も下がらせて頂きます」

大軍師「ご苦労様でした。次は20時の予定ですので」

青年兵「存じております。では」

カツカツカツカツ…

白虎長「青年兵も……ほんと変わっちゃったわね」

青龍先生「そうかのぅ?」

白虎長「……?」

天才「アイツの胸中はなーんも変わってねぇよ。ハーッハッハ!」

白虎長「はぁ……」

青龍先生「青年兵に青龍士官。楽しみが出来たわい。ひょっひょ」


265 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/28(火) 18:21:59.83 ID:u57uE4U6o
カツカツカツ

青龍士官「……くそっ」

ガンッ

青龍士官「分かってんだよ、そんな事はよ……っ」

どこにもぶつける事の出来ない苛立ち。青龍仕官は自身でも分かっている。

それでも、誰かに、何かにぶつけなくては気が収まらなかった。

カツカツカツ

青龍士官「……?」

通路を横切る青年兵。青龍士官はそれを見るやすぐさま後を追う。

別に殴りかかろうというわけではない。先程の謝罪を述べたいと思ったのだ。

カツカツカツ

青龍士官「……おい、青年へ――」

青年兵「……っ」

突き当たりの壁に額を付け、拳を握り嗚咽する国軍副司令官の姿。

同期として共に歩んできた青龍士官は、それ以上の言葉を掛けられなかった。



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