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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
785 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:23:40.65 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、六道門・人〜

 タッタッタッ……

女賢者「おかしいなぁ〜」

 タッタッタッ

女賢者「どこ行っちゃったんだろう……占い師さぁ〜ん!」ウルッ

 タッタッ……トボトボ

女賢者「……うぅ。はぐれた挙句、迷子になっちゃった」ウルウル

 トボトボトボ……ジーッ

女賢者「……もしかして、お城の中に行ったのかな? 行ってみよ!」ダッ



占い師「もうっ! あの女賢者って人、どこに行ったのよ!」

 ガサッ!!

占い師「――!?」ビクゥ!!

くの一「あ……っ、人……だ」

占い師「!?」


786 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:24:25.31 ID:ISasBzC0o
女剣士「くの一、どうした!?」ドドッドドッ

占い師「味方っ! 良かったぁ〜!」

くの一「人がいます」

斥候「あっ! 占い師様!? どうしてこんな所へ……?」

占い師「元司令や朱雀先生と同行してたんだけど、はぐれちゃって……」

女剣士「はぐれた?」

占い師「まぁ正確に説明すると……」



くの一「……成程」

女剣士「それで、その女賢者という人は?」

占い師「知らないわよぉ。勝手にどっか行っちゃったんだもんっ」

斥候「ひとまず本陣へ戻りましょう。単独では危険です」

占い師「……でも」

女剣士「女賢者は功績5位なんだろう? だったら心配はしなくてもいいと思うけど……」

斥候「捜索は我らが引き受けますので」


787 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:25:27.76 ID:ISasBzC0o
占い師「う、うん……」

女剣士「それで、召喚士達は……無事に?」

占い師「まぁ無事といえるか分からないけれど、とにかく城内には潜入したわよ」

斥候「それは良かった」

占い師「そっちは?」

斥候「今は分かりませんが、まだ魔王軍との交戦は続いております」

占い師「そう……」

女剣士「まだ何日かは続くだろうな。厳しい戦いだ」

占い師「ええ、そうね……っ」

くの一「……あの、それじゃあ戻りましょうか」

占い師「あ、そうね。それじゃ宜しく頼むわ」

女剣士「馬は? 乗れるならば私の馬を使うといい」

占い師「ありがとう」ザッ

斥候「では、後は我らにお任せ下さい」

占い師「助かるわっ、お願いするわね!」ドドッ


788 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:26:05.04 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、二階〜

 カンカンカンカンカンッ

天才「……」

東方司令「……しかし、部屋が全く見当たらないな」

女隊員「そういえばそうッスねぇ」

男隊員「余計なモンは不要って事じゃねぇの?」

天才「恐らくそれが正解だろうな」

ボス「……はぁ……はぁっ」

天才「警備の魔物もいなけりゃ、罠らしきモンも見当たらねぇ」

格闘家「……このまま、魔王の所へ繋がっているのでしょうか」

天才「おっと、この話題やめやめっ!」

東方司令「……?」

天才「噂をすれば何とやらってな」ザッ

男隊員「見えてから言うなっての……」

格闘家「……これは」


789 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:26:38.75 ID:ISasBzC0o
 立ち止まる一同の前にはガラス張りのような球体の部屋が見えていた。

天才「あからさまに罠だろうな」

女隊員「でも、道はここしかないッスよ?」

男隊員「行くっきゃねぇか。ヒャハハ」

天才「さーて、誰が行く?」

東方司令「ボクが行くよ」ザッ

ボス「だ、大丈夫……すか?」

天才「どのみち進まにゃならん道だ」

東方司令「そういう事だ」ザッザッザッ

 バチィイイィッ!!

東方司令「……?」

 ゴゴゴゴゴゴ……ヴウウウウゥゥゥゥン!!

東方司令「な……に……ぃ!?」

 バシュン!! シュウウウウゥゥゥゥ……

女隊員「き、消えた……っ!!」


790 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:27:07.20 ID:ISasBzC0o
男隊員「どうなってやがる!?」

格闘家「……師匠っ」

天才「分からん。攻撃とかそんな素振りは一切なかった」

ボス「な、何が一体……」

――「キャーッキャッキャッキャッキャ!!」

格闘家「!?」ババッ

――「アイツとの約束だからネッ! 1人借りる代わりに1人あげるってサ!」

天才「……何だテメーは?」ザッ

――「オイラの名はウォッチマン。えーとだネ、ここ……六道門・修羅の門番サッ!」

ボス「ウォッチマン……っ!!」

ウォッチマン「さぁさぁ、潔く死ぬがいいヨッ!!」

 ギュルンッ!!

男隊員「んな――っ!?」

 突如、上下逆さになる球体状の部屋。一同はその不意打ちでバランスを崩し、

 落下しその場に倒れこんだ。更に追い討ちの如く、上部より何かが降り注ぐ。


791 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:28:18.28 ID:ISasBzC0o
女隊員「……砂?」パラッ

ウォッチマン「ねぇねぇ、ここが何か分かる?」

格闘家「……」

ウォッチマン「六道門・修羅はあるものの形になっているのサッ!」

天才「……砂時計か」

ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! ご名答ご名答ッ! 察しがイイネッ!」

男隊員「だから何だってんだよコラ! 東方司令をどこに――」

ウォッチマン「それはね〜ヒミツ! さぁ、オイラが刻を動かしてあげるヨッ!」

 パチン

 ウォッチマンが指を鳴らすと同時に、天井の砂が一塊となり、一気に地面めがけ降ってきた。

男隊員「何ぃ!?」

 ゴッゴオオオオォォォォ……ズシイイイイィィィィン!!

ボス「ぐ……っく!!」

ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! 1人でも力尽きたり気を抜くと、全滅だヨォ〜?」

天才「……クソヤローが」


792 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:29:12.67 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、地下〜

 コオオオオォォォォ……

戦士「……なんつーか、嫌な感じだな」

魔道士「はい……っ」

剣士「この感じ、あの遺跡に似ているね」

召喚士「確かに似てますね」

戦士「重い空気っつーか、命が圧し掛かっているようなそんな感覚だな」

盗賊「……」

召喚士「だからこそ分かる。この奥に、ネクロマンサーは居る」

弓使い「……倒せる……かしら」

剣士「倒すさ。何が何でもね」

幼女「うん……っ」

サラマンダー「おっ、もうじき部屋に出るでぇ」

戦士「盗賊、俺が先頭を行くからお前はすぐ後ろを頼む」

盗賊「了解だ」


793 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:30:02.94 ID:ISasBzC0o
剣士「弓使い、君は魔道士ちゃんと幼女を任せる」

弓使い「後列から援護ね、了解よ」

魔道士「幼女ちゃん宜しくね。幼女ちゃんの事は私が絶対に守るから」

幼女「……うんっ!」

召喚士「そして、俺と剣士さんが……」

剣士「遊撃……だね」

召喚士「はい。臨機応変に前線と後方をカバーします」

剣士「……あははははっ!!」

召喚士「……?」

剣士「陣形といい、その台詞といい、あの時の全く同じだね」

召喚士「……あっ」

弓使い「ふふっ! あの頃から私達、なーんにも成長してないのかしらね」

戦士「昔っから強かったって事にしとこうぜ。ははっ」

魔道士「それに、増えたものだってちゃーんとありますよ! ねっ、幼女ちゃん!」

幼女「そうよっ。私の事……忘れないでよ?」


794 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/14(水) 18:32:19.08 ID:ISasBzC0o
弓使い「忘れてなんていないわよ――」

 ゾクゥ!!

盗賊「――――っ!!」

戦士「な……っ!!」

 緊張が解れた一同であったが、全身に纏わり付くような不気味な感覚が襲い掛かり、

 再び一気に緊張へとその心を誘われる事となった。

剣士「な、なんて冷たくて……気持ち悪い威圧なんだ……っ」

幼女「……すっごく……寒い」

召喚士「冷たさの理由は分かってる」

盗賊「……ああ」チャキッ

 暗い暗い通路の奥に、ぼんやりと灯る赤い炎。そして薬品や腐臭といった独特の臭い。

 彼らですら今すぐにでも逃げ出したかったであろうその部屋は、

 常人ならば入っただけで気を失うか、その気配で正常な判断を失うであろう。

 部屋の奥に潜む陰から、見慣れた黒ずくめの男がゆっくりと歩き、近づいてきた。

ネクロマンサー「……ようこそ、私のラボへ」


798 名前:NIPPERがお送りします(愛媛県) [] 投稿日:2012/03/14(水) 19:26:23.38 ID:l0Z3yzHXo
玄武娘はもう色々とユルすぎるだろう


800 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/14(水) 20:00:12.36 ID:2ouoq5kIo
ネクロマンサー「……ようこそ、私のラブボへ」
に見えてスレ間違ったかと思った>>1乙


807 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:01:48.35 ID:EkrbdbCFo
戦士「出やがったなクソヤローが」

ネクロマンサー「ククッ。まぁまぁ、まずは穏やかにいきましょうよ」

召喚士「ふざけるなよ……貴様っ!」

ネクロマンサー「怒りは冷静さを失いますよぉ? クククッ!」

剣士「召喚士くん、徴発に乗れば奴の思うつぼだ。冷静に行こう」ザッ

召喚士「……っ」

 奇しくも同日、大軍師が言っていた。召喚士は冷静な反面、熱くなると。

 長きに渡り遺恨のある憎き相手、ネクロマンサーを前に激情する召喚士だが、

 この時ばかりは剣士が居てくれて、内心、その心遣いに感謝した。

ネクロマンサー「思ったよりも冷静ですねぇ」

召喚士「お前の野心もここまでだ。今ここで、全てを終わらせる!」

ネクロマンサー「やってみるがいいッ、召喚士」

召喚士「行けっ! コカト――」

 ブゥン……ガゴンッ!!

召喚士「!?」


808 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:02:35.31 ID:EkrbdbCFo
ネクロマンサー「……ククッ」

戦士「な……んだ!?」

ネクロマンサー「いつもいつも多勢に無勢ですからねぇ」

盗賊(壁……? いやしかし、透き通って、奥は見える……)

ネクロマンサー「私のラボでくらいゆっくりと、個々にお楽しみ下さいな」

 ズオオオオォォォォ……

弓使い「なっ、何なのよ……っ」

剣士「幼女!! 僕の傍を離れるなよっ!!」

幼女「お父さんっ、お母さん!」

魔道士「剣士さん達と離れ離れに……っ」

召喚士「……こちらもそうみたいですね」

魔道士「戦士さん、盗賊さんっ!?」

戦士「……ちっ」ザッ

盗賊「隔離されたか」コンコン

ネクロマンサー「さて、では各々のお相手をご紹介致しましょうか」


809 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:03:17.11 ID:EkrbdbCFo
 ザッ……ザッザッザッ

ネクロマンサー「こういうのってあれですか? 貴方達の言う、宿命というやつですかねぇ」

盗賊「……っ!!」

 ザッザッザッ

兄様「……」

盗賊「兄様……っ」

ネクロマンサー「貴方とは東方での因縁もありますからねぇ」

盗賊「貴様……ぁ」

ネクロマンサー「今度は正真正銘のオリジナルですよ。存分にどうぞ」

 ザッザッザッ

戦士「……どういう……事だよ……っ!!」

偽戦士「……」

ネクロマンサー「ククッ、ご自身と戦うのは初めてですか?」

戦士「お前、まさか……」

ネクロマンサー「今度の彼は槍特化です。簡単にはいかないでしょうねぇ」


810 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:04:26.29 ID:EkrbdbCFo
 ザッザッザッ

幼女「……お………父」

お父「……」

ネクロマンサー「久し振りの再開はいかがですか?」

幼女「そんな……そ……んな……」

ネクロマンサー「再開に水を差すものは居りません。ごゆっくり……ククッ!」

剣士「貴様はどこまで腐っているんだ」

ネクロマンサー「ククッ、褒め言葉ですね。ほら、彼が相手をして欲しいと手招きしてますよ?」

召喚士「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「召喚士、貴方の相手はこの私です」

召喚士「望むところだ」

ネクロマンサー「そうそう、そこのお嬢さん」

魔道士「……っ」

ネクロマンサー「貴方、召喚士と懇意なのでしょう? 手助けして構いませんよ」

召喚士「貴様ぁ!!」


811 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:04:56.27 ID:EkrbdbCFo
ネクロマンサー「既に私の余興はこなしたようですし……ククッ」

召喚士「余興だと……?」

 ゴゴゴゴゴゴ……

召喚士「ウィッチさんがどんな思いで……貴様は畜生にも劣るクズだな!」

ネクロマンサー「勝手に吠えているがいい。口では何とでも言える事よッ! ククククッ!」

魔道士「……くっ」

ネクロマンサー「ああ、そうそう。貴方の相手をする前に1つ」

召喚士「……」

ネクロマンサー「1体貸して欲しいと言うので、新たな素材を1体よこすように言ったんですよ」

召喚士「何を……言っている……?」

 フワッ……ズオオォォォォ

ネクロマンサー「ほぉ、これまたなかなか、可愛らしいレディーがきたものですね」

召喚士「東方司令さんっ!?」

東方司令「……」

ネクロマンサー「吉報ですよ。何せ、この者らが六道門・修羅に到達したという事ですから」


812 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:05:36.85 ID:EkrbdbCFo
魔道士「ど、どういう事なんですか!?」

召喚士「……分かりません。しかしあの東方司令は偽者でもなさそうですし」

ネクロマンサー「ククッ、生きたまま施すのは気が引けますが、仕方ないでしょう」

東方司令「……」

 蔓のようなものに吊られた東方司令は気を失っているようで、ネクロマンサーが近づき、

 頬をそっと撫でても、目を閉じたまま無言の表情であった。

ネクロマンサー「……では」

召喚士「やめろぉ!! 何をするつもりだ!!」

ネクロマンサー「分かっているのでしょう?」

 ドスッ!!

召喚士「――っ!!」

ネクロマンサー「急所は外しているよ、ご安心を。このまま殺さず、まずは魔族化――」

 パチッ

東方司令「……」

ネクロマンサー「……?」


813 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:06:04.07 ID:EkrbdbCFo
東方司令「……何だ貴様は」

ネクロマンサー「どういう事です……?」

東方司令「痛みの原因はこれか」ググッ

 ズボオオォォ

ネクロマンサー「何故……魔族化しないのですッ!?」

東方司令「何を言っているのかよく分からんが、貴様が敵なのは理解している」

ネクロマンサー「ッ!?」

東方司令「ボクに……触れるなっ! 下衆がっ!」

 ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 東方司令のツヴァイハンダーヤクトが、ネクロマンサーを縦真っ二つに斬り裂く。

ネクロマンサー「……グ……クゥ」

 ジュウウゥゥゥゥ

ネクロマンサー「な……ッ!?」

東方司令「新たなツヴァイハンダーをナメるなよ? 結界石のオマケ付きだ」

ネクロマンサー「……余計な魔力を使わせてくれる……ッ」


814 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:06:40.81 ID:EkrbdbCFo
 シュウウウウゥゥゥゥ

東方司令「……ん? 何をしているのだ?」

召喚士「ネクロマンサーに何か仕掛けられて、個別に隔離されているんです!」

東方司令「何かとは何だ?」スタッ

召喚士「分かりませんっ!」

東方司令「……ふー。じゃあ知らん、自力で何とかしろ」

召喚士「……っ」

ネクロマンサー「貴様ぁ、よくも……やってくれましたねぇ」ズズッ

東方司令「やはりアンデッドか。ん? ネクロマンサー?」

召喚士「そうですよっ! そいつが諸悪の根源……」

東方司令「そうだっけか? まぁいい、とにかく敵は……殺すだけだ」ジャキッ

ネクロマンサー「敵は殺すだけ……ねぇ。ククッ、良いでしょう良いでしょう」

東方司令「……?」

ネクロマンサー「貴女にも余興を1つ、与えてあげましょう!」

東方司令「……?」


815 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:07:30.92 ID:EkrbdbCFo
 ザッザッザッ

ネクロマンサー「同じような武器を得手にしているようですし、顔見知りでしょう?」

東方司令「……最悪だ……っ」ツツーッ

魔道士「あ……あ……ぁっ」

東方司令「……兄くん」ギリッ

北方司令「……」

ネクロマンサー「さぁ、それでは始めましょう。素晴らしき舞台の幕開けですッ!!」

盗賊「……兄様」

戦士「……お前、ドッペルゲンガーなんだろ? なぁっ! 思い出せよっ!」

幼女「お父……どうして……」

弓使い「剣士……っ」

剣士「分かってる。僕が何とかするから、弓使いは幼女と一緒に退がっていてくれ」

魔道士「召喚士さんっ、私達……」

召喚士「すみません魔道士さん、いざという時は援護をお願いします……!」

ネクロマンサー「さぁ、来るが良いッ……召喚士!」


816 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:08:43.25 ID:EkrbdbCFo
〜魔王城、玉座〜

ベルゼブブ「……」

 カツカツカツ……

ベルゼブブ「どこへ行っていた?」

詩人「戦場へ」

ベルゼブブ「ほう、何ゆえだ?」

詩人「命の灯火が終わるその瞬間は、儚くも美しいものですから」

ベルゼブブ「ふっ。お前のそういう感覚が面白いものだ」

詩人「貴方はお感じになられないので?」

ベルゼブブ「生死などその世界における肉体の維持、その役目に過ぎぬ」

詩人「……」

ベルゼブブ「美しいなどと言う感情的なものは、余には全く感じられぬな」

詩人「そうですか」

ベルゼブブ「地獄においても同様。無になれば再び、有が生まれるというものよ」

詩人「私には難しすぎて、理解出来ませぬ」


817 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:09:29.88 ID:EkrbdbCFo
 〜♪

ベルゼブブ「……」

詩人「……っ」

 〜♪

ベルゼブブ「旋律が少し、外れかけているぞ」

詩人「……申し訳ありません。えも言われぬ緊張感がありまする」

ベルゼブブ「……この曲は?」

詩人「交響曲第9番ニ短調作品125第4楽章」

ベルゼブブ「……」

詩人「別名……歓喜の歌です」

ベルゼブブ「……歓喜とは余に対してか? それとも人間に対してか?」

詩人「……」

ベルゼブブ「お前が余を裏切れば、愛しき者の命は一瞬にして尽きる事となるぞ」

詩人「……っ」

ベルゼブブ「また旋律が乱れかけているぞ。動揺せずそのまま奏で続けよ」


818 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:10:09.75 ID:EkrbdbCFo
〜六道門・餓鬼〜

 タッタッタッタッタッ

西方参謀「んだぁ? この音楽は……?」

南方参謀「城内全体に響き渡っているようだけど……どういう事なのかしら……っ」

南方司令「何でも構わんさ。勇気が出るような、良い曲ではないか!」

青年兵「罠とは思えないな」

大軍師「例の詩人、という方ですかねぇ」

青年兵「……どう思います?」

大軍師「魔法剣士殿の話によれば、臨終の間際、眼鏡殿が申されたという言葉……」

青年兵「ええ」

大軍師「貴方は信じますか?」

青年兵「……眼鏡さんが何者であろうと、僕は信じています」

大軍師「宜しい。それならばそれは、軍全体の意見とみなされます」

青年兵「……」

大軍師「何せ貴方は、大元帥なのですから。ふふふっ」


819 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:11:04.16 ID:EkrbdbCFo
 カンカンカンカンカンッ

皇太子「……むっ」ズザッ

エリート「部屋……か?」

西方参謀「部屋にしちゃあ、殺風景だな」

南方副司令「部屋というよりは……闘技場といった感じだな」

大軍師「恐らくそれが正解でしょうね」ヒラヒラ

 ピクンッ……ゾクウウゥゥゥゥ!!

青年兵「――っ!?」

西方副司令「何か……いる……っ!!」

東方参謀「どうやら門番のようだな」

 ズズッ……ズズズズッ

青年兵「あいつは……っ!!」

皇太子「知っているのか?」

青年兵「確か……アスタロスとかいう……っ」

アスタロス「邪魔者は……排除する」ズズッ


820 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/03/15(木) 18:13:26.58 ID:EkrbdbCFo
今日はここまでにて失礼致しまする!
ご支援ありがとうございました!ではまた明日っ!ノシ


827 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/15(木) 20:48:23.48 ID:37Lk/NG10
>>1おっつっつ


北方司令って誰の兄だっけ…
いかんド忘れした


828 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/15(木) 21:15:49.48 ID:Em+qsWEDO
>>827
東方司令の兄。
元来戦闘に長けるわけでもないが、東方司令が天才への弟子入りを強行したため、
保護者としてついてきた感じだったはず。



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