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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
- 616 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/12/12(日) 21:59:08.05 ID:5LG0ME6o
ザッザッザ…
戦士「お勤めご苦労さん」
鬼丸「おーっ、てっきりもう帰ったのかと思ってたぜ」
戦士「何だかんだ色々あってな。まだいるよ」
鬼丸「大変だなー」
戦士「まぁ仕方ねぇ事さ」
鬼丸「人間も色々苦労するもんだなぁ」
戦士「まぁな……」
ドスッ
鬼丸「んで、今日はどうしたんだよ?」
橋の縁に座り込む戦士に鬼丸が問う。
戦士「……別に〜」
鬼丸「…ぐははっ!用もねぇのに来たのかよ!」
戦士「悪いかよ…っ」
鬼丸「いやいや、悪くはねぇな!」
- 617 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 21:59:38.53 ID:5LG0ME6o
戦士「……あのよ」
鬼丸「んー?」
戦士「お前は魔族なんだよな…?」
鬼丸「今更何言ってんだ?人間に見えるか?」
戦士「いやっ、まぁそうなんだけどよ……」
鬼丸「じゃあ何だってんだ?まさか妖怪にでもなりてぇのか?」
戦士「バカ言え」
鬼丸「だよな、グハハ!」
戦士「何で魔族裏切ったんだ?」
鬼丸「裏切った?」
戦士「人間の味方してんじゃねぇか」
鬼丸「まーそういう事になるか」
戦士「……」
鬼丸「でも、そりゃ結果的なモンだ」
戦士「……?」
- 618 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:00:05.42 ID:5LG0ME6o
鬼丸「自分の好きに生きてぇ。そう思った時にお前に会った」
戦士「……」
鬼丸「んでだ、お前らと生きた方が楽しそう。ただそんだけだ」
戦士「……そうか」
鬼丸「俺にとっちゃ妖怪だろうが人間だるが関係ねぇわ」
戦士「……強いな」
鬼丸「そうか?よく分かんね…グハハッ!!」
戦士「魔族ってのはみんなお前みたいな考えしてんのか?」
鬼丸「どーだかなぁ。でも、人間よりは正直なんじゃねぇかな」
戦士「……」
鬼丸「人間てのは面倒だよなぁ……」
戦士「……ああ、全くだよ」
鬼丸「同じ種族同士で争ったり、ややこしったらありゃしねぇぜ」
戦士「……ほんとだよ」
鬼丸「相棒もそうなのか?」
- 619 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:00:35.38 ID:5LG0ME6o
戦士「え……っ?」
鬼丸「人間同士、殺しあったりする事あんのか?」
戦士「お生憎様、経験ねぇな」
鬼丸「いずれはすんのか?」
戦士「……」
鬼丸「……」
戦士「……分からん」
鬼丸「ふーん。大変だなぁ」
戦士「俺は……」
鬼丸「……んー?」
戦士「俺は、自分の大切な人が傷つけられたら……」
鬼丸「……」
戦士「傷つけられたら、その相手を躊躇なく殺す」
鬼丸「ほぉ」
戦士「そういう気持ちと覚悟は常に持ってる」
- 620 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:01:36.75 ID:5LG0ME6o
鬼丸「気持ちと覚悟……ねぇ。んで、実際はどうなんだ?」
戦士「知るかよ。そんな状況になった事もねぇし…」
鬼丸「……」
戦士「あっちゃならねんぇんだ。そんな状況はよ…っ」
鬼丸「お前は正直だ。だから俺はお前が好きなんだ」
戦士「……」
鬼丸「いいんじゃねぇの?そんぐらいの気構えでよ」
戦士「…お前が言うと説得力ねぇな」
鬼丸「……グハハッ!そりゃそうだわ!」
戦士「……さーて」
ザッ
鬼丸「行くのか?」
戦士「おう、仕事の邪魔しちゃ悪いしな」
鬼丸「仕事ったって、ヤマタノオロチ倒して妖怪もほとんど来ねぇよ」
戦士「……そっか」
- 621 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:02:14.22 ID:5LG0ME6o
鬼丸「んじゃ、またな」
戦士「おう」
ザッザッザ
戦士「……あのよ」
鬼丸「…?」
戦士「龍脈封じちまったら…お前らどうなるんだ?」
鬼丸「あ…?」
戦士「魔王倒したら……どうなっちまうんだ?」
鬼丸「分かってんだろ?」
戦士「……」
鬼丸「んな事ぁ誰も知らねぇよ」
戦士「……?」
鬼丸「何百年、何千年と…そんな事あったのかよ?」
戦士「…それもそうだな」
鬼丸「やってみにゃ分からんな」
- 622 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:02:50.66 ID:5LG0ME6o
戦士「……もしだ」
鬼丸「…あ?」
戦士「もし、それでお前らが消滅しようとも…俺はやるぜ」
鬼丸「……」
戦士「何千、何万の人間が平穏に暮らせる。だから俺は…やる」
鬼丸「……ああ、それでいい」
戦士「……」
鬼丸「俺らが行き着く先、相容れる存在じゃなぇ。狩るか狩られるかだけだ」
戦士「……」
鬼丸「強い種族が生き残る。当然の真理だよ」
戦士「……じゃあな」
ザッザッザ…
戦士「ありがとよ鬼丸…。少し気が楽になったよ」
ザッザッザ…
戦士「…さぁて、大切な奴らの所へ帰るかね…!」
- 623 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:03:22.30 ID:5LG0ME6o
〜旅籠〜
魔道士「…はーっ、サッパリした〜!」
盗賊「…良い湯であった」
魔道士「ほんと・・・お肌ツルツルですねっ!エヘヘ!」
ガラガラッ
魔道士「あっ、おかえりなさーい!」
戦士「おう。お…っ、風呂上りか」
魔道士「そうですよー!ほらっ、スベスベです〜」
盗賊「……」
戦士「何コソコソしてんだお前は」
盗賊「…べ、別に……っ」
戦士「召喚士は?」
魔道士「お座敷で他の皆さんと寛いでますよっ」
戦士「そっか。んじゃ俺も邪魔すっかね」
盗賊「……」
- 624 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:04:39.68 ID:5LG0ME6o
スタスタスタ
召喚士「あっ、戦士。おかえりー」
西方参謀「おーう!呑むかぁ?」
戦士「うっし、いただきますか!」
女将「今、器をご用意しますわね〜」
隊長「とにかくだ、東方の件はこれでひとまず落着」
召喚士「ですね」
西方参謀「問題は左翼の連中だな……ヒック」
戦士「何か策はあんのかい?」
隊長「今のところはねぇな」
西方参謀「殿下らも明日、それについて作戦会議をされるだろう」
西方参謀「俺らも参加して、とにかく少しでも手助けをする」
戦士「当然よ!」
召喚士「あとは……青年兵くん、大丈夫かなぁ…」
心配そうに呟くと、召喚士は手元の酒を一気に飲み干した。
- 625 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:05:13.69 ID:5LG0ME6o
〜東方司令部〜
東方兵「そうですね…。まぁ欲を言えば…ですけど…」
青年子「…なるほど。ありがとうございました」
東方兵「あっ、いえいえ…」
スッ…テクテクテク
青年子(彼も同じか…。やはりみんな……)
東方参謀「どうだ、順調か?」
青年子「東方先生…!」
東方参謀「…まぁ座れ」
青年子「はい」
カチャッ…ストッ
東方参謀「今日はここまでにしておけい」
青年子「……?」
東方参謀「反対側の出入り口を見てみろ」
青年兵「!?」
- 626 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:06:01.02 ID:5LG0ME6o
カツカツカツ
左翼士官「……ご苦労様です」
東方魔道長「おぉ、どうだ…順調か?」
左翼士官「ええ。明日には一通り片付きそうです」
東方魔道長「…まぁ座れ」
左翼士官「…はい」
カチャッ…ストッ
東方参謀「左翼の奴ら、相当…力を入れておるようだのう」
青年子「ええ。次の議会で右翼の軍権を大幅に削るつもりのようです」
東方参謀「…全く。しばらく落ち着いていたかと思えば…いい迷惑だ」
青年子「……すみません」
東方参謀「お前が謝ることではない」
青年子「……っ」
東方参謀「右翼の力を奪って、左翼は何をするつもりなのだ?」
青年子「…考えうるは…殿下の失脚かと」
- 627 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:07:21.95 ID:5LG0ME6o
東方参謀「…やはりそれしか狙いはあるまいか」
青年子「……」
東方参謀「右翼の軍事力が低下すれば、必然的に戦闘は……」
青年子「本国は絡まず、国軍のみに留まるでしょう」
東方参謀「殿下も戦いに赴く事はなくなるな」
青年子「ええ…っ」
東方参謀「それはそれで、逆に良いのではないのか?ふっふ……」
青年子「た、確かにそうかもしれませんが……」
東方参謀「厳しい言い方だが、戦わぬ殿下はただのお飾りにすぎんな」
青年子「……はっきり仰いますね…っ」
東方参謀「事実を述べたまでだ。魔力のない殿下にとって戦いとは…」
青年子「己が出来る唯一の手段とお考えなのでしょう…」
東方参謀「…全く。若すぎるな」
青年子「……」
東方参謀「まぁそれが、殿下の……ん?」
- 628 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/12(日) 22:09:51.57 ID:5LG0ME6o
テクテクテク
東方司令「何やら難しい話をしてるな」
東方参謀「…こやつも軍の仕事に興味があるみたいでな」
東方司令「何っ!?そ…それは……いいな」
青年子「…?」
東方司令「なんなら、ボクの元で働くか!?斡旋するぞ?」
青年子「か…考えておきます〜」
スクッ
東方司令「も、もう…戻るのか…?」
青年子「す、すみません。もう食べ終えてしまって…」
東方司令「……そうか」
青年子「それでは、失礼します〜」
東方司令「あっ、今日の部屋は…4階の一番奥に用意した!そこを使えっ!」
青年子「わ、わざわざすみません〜。ありがとうございます…っ」
東方司令「い、いや…気にするな。ふふ…っ」
- 629 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/12(日) 22:47:00.14 ID:dZN1Qi.o
人間の共通の敵・・・魔物がいなくなったら
今度は人間同士の争いとかが起こるのだろうか・・・
それなら魔物は滅びないほうがいいのか
難しいな・・・
- 632 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 00:08:01.41 ID:MZD9Gzko
今週はかなりペースが落ちそうです…
もうイラレは飽きたお…年賀状ェ…
本日もご支援感謝です!おやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
帝「はあぁ〜。東方のお菓子…美味しかったなぁ」
ウズウズ
帝「買いに…行っちゃおうかな」
ズイッ
女剣士「駄目です」
帝「おわっ!……どこに行っておったのだ!?」
女剣士「ちょっと…色々と……」
帝「そ、そうか……」
女剣士「お菓子なら私が買って参りますから」
キラキラキラッ
帝「よ、良いのかっ!?」
女剣士「……はい」
- 633 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/12/13(月) 00:19:07.33 ID:jrOESsk0
1乙
盗賊は何でこそこそしてたんだろ?
- 636 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/13(月) 06:24:00.36 ID:NBwWYIDO
前に胸の谷間をちらっと見られたの思い出したんじゃね
- 637 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:10:45.67 ID:z4JVa0go
…
青年子「…えっと、ここか」
テクテクテク…カチャッ…パタン
青年子「……はぁ〜」
バサッ…ボフッ
青年子「着替えは…後でいいや。少し休も…」
かつらを外しベッドに倒れこむ青年兵。
青年子「流石に疲れた……」
衣服や化粧もそのままで虚ろな瞳を閉じ、しばし仮眠を取る。
青年子「……すーっ、すーっ」
コンコン
青年子「すーっ…すーっ…」
コンコンコンコンコン!!
青年子「はい……あ!いや…っ、はぁ〜い♪」
- 638 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:17:24.36 ID:z4JVa0go
ガバッ
青年子「か、かつらかつら…っ!!」
バタバタバタッ!!…タッタッタ
青年子「…は、はぁい」
東方司令「…おう。起きてたか」
青年子「司令…!?」
東方司令「今、いいか?」
青年子「えっ!?あ、あの……っ」
東方司令「邪魔するぞ」
グイッ…テクテクテク
青年子「!?」
東方司令「…寝てたのか?すまんな、起こしてしまったようだ」
青年子「い、いえ…大丈夫です」
東方司令「それなら良かった」
- 639 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:18:00.53 ID:z4JVa0go
青年子「一体…どうなさったのです?」
東方司令「ん〜……」
青年子「……?」
東方司令「いや、せっかくの客人だ。持て成そうかと思って」
青年子「そんな…お気遣いなく……」
東方司令「良い良い。ボクが好きでやってるわけだし」
ドンッ
青年子「…酒、ですか?」
東方司令「飲めるか?」
青年子「す、少しくらいなら…。弱いもので」
東方司令「……カワイイ」
青年子「へ…?」
東方司令「何でもないっ!さぁ、飲もう!」
青年子「は、はいっ!いただきます!」
- 640 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:18:38.94 ID:z4JVa0go
〜東方、旅籠〜
隊長「青年兵か…。アイツは良い」
召喚士「…?」
隊長「お前らも付き合い長いんだろ?」
戦士「まぁ、それなりにはなぁ…」
西方参謀「あの若さであんだけしっかりしてんだ。大丈夫だよ」
隊長「そうそう。文武両道ってヤツだ。心配ねぇよ」
召喚士「だと、いいですけど……」
西方参謀「しっかし女装してまで潜り込むとは…がはははっ!!」
戦士「誰かさんも耳が痛いんじゃねーのか?」
召喚士「…やめて。思い出したくないから……」
隊長「是非、拝んでみたいわな!はははっ!」
西方参謀「本国帰ったら見せて貰おうぜ」
隊長「変な趣味に目覚めてたりしてな!わっははは!」
- 641 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:19:26.87 ID:z4JVa0go
召喚士「……」
戦士「…気にすんな。お前の事じゃねぇ」
召喚士「……」
隊長「東方も以前ほど左翼一辺倒てわけじゃなさそうだしな」
西方参謀「少なくとも上層部はな。特に東方参謀が大きい」
召喚士「東方先生って方ですか?」
隊長「そうだ。あの人は以前、陛下直属だったりもしたからな」
西方参謀「無派閥ながらどっちかってーと右翼に理解あり、って感じだな」
戦士「そりゃ頼もしいな」
隊長「あとは…魔道長は完全に左翼だし、副司令は分からんな…」
召喚士「東方司令はどうなんです?」
西方参謀「あれも右翼のハズなんだが…。それよりも中身がマズイ」
隊長「酒癖がヒドすぎる。国軍でも三本の指に入るなありゃ」
召喚士「……」
- 642 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:20:03.84 ID:z4JVa0go
〜東方司令部〜
青年子「あ、あのぉ……」
トローン
東方司令「にゃんだよ〜。ボクの酒が飲めないってのかぁ?」
青年子「そ、そろそろ…控えた方が……」
東方司令「うるさーい!ボクの勝手だぁ!」
ヌギッ
青年子「うわぁーっ!!」
東方司令「にゃんだよ…?はらかににゃって…にゃにが悪い〜!」
青年子「は、裸はマズイですって!!」
東方司令「女同士でウマイもマズイもあるかぁ〜!お前もにゅげ〜!」
青年子「ちょ、ちょっとぉ!!」
東方司令「にゅふふっ。よーし分かった…今日はボクが一緒に寝てやるぅ〜」
青年子「……結構です」
- 643 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:20:57.11 ID:z4JVa0go
…
東方司令「……にゃむにゃむっ」
青年子「……あ、危なかった」
半裸状態の東方司令をベッドへ寝かせ、青年兵は退室する。
テクテクテクテク
青年子「色んな意味でこれ以上の潜入は危ないな……」
〜東方参謀の部屋〜
コンコン
東方参謀「何奴?」
カチャッ…スタスタスタ
青年子「失礼します」
東方参謀「お前か。どうした?部屋は用意してあったはずだが…」
青年子「ちょっと諸事情がありまして……」
東方参謀「…?」
- 644 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:21:26.65 ID:z4JVa0go
…
東方参謀「うわーっはっはっは!!」
青年子「笑い事じゃないですよ!」
洗面所まで響く東方参謀の笑い声に、顔を洗いながら青年兵が怒る。
東方参謀「すまぬすまぬ。災難だったな」
青年子「これ以上は流石に厳しいです」
東方参謀「ん…?帰るのか?」
青年子「そうしたいところですが、左翼士官様がいる以上は…」
東方参謀「そうだな。先に奴を帰らせたいところだな」
青年子「ええ…」
フキフキッ
青年兵「…よし、バッチリ!」
東方参謀「やはり素顔であった方が冴えてみえるぞ?」
青年兵「当たり前です!」
- 645 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:21:55.89 ID:z4JVa0go
…
東方参謀「それで、どうするつもりだ?」
青年兵「え…?」
東方参謀「何か頼みに来たのであろう?」
青年兵「…流石は東方先生ですね」
東方参謀「伊達に歳はくっておらん」
青年兵「一つだけ、お願いがございます」
東方参謀「何だ?」
青年兵「今度は『青年子』ではなく、青年兵として訪れます」
東方参謀「…成程。ワシにアポイントを取る口実を作る気か」
青年兵「お願い出来ますか?」
東方参謀「断っても強引に来るのだろう?構わん、好きにせい」
青年兵「助かります!では…これより一度、司令部を発ちます」
東方参謀「今なら裏門から出られるはずだ、気を付けい。ではまた明日会おう」
- 646 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:22:26.59 ID:z4JVa0go
〜東方、旅籠〜
召喚士「それじゃ、おやすみなさい」
女将「はいはい、お休みなさい」
隊長「また明日な〜!」
戦士「女将に迷惑かけんなよ〜?」
西方参謀「ばっきゃろい!女将はなぁ…天使だぞぉ!がっははは!」
戦士「……行こうぜ」
召喚士「う、うん」
テクテクテク
戦士「青年兵も殿下も…みんな頑張ってんなぁ」
召喚士「東方の皆もそうだし…俺らももっと力になりたいね!」
戦士「そうだな…!まぁ今は異国の地から青年子さんを応援しようかね!」
召喚士「青年兵くんだよ!もうっ!」
本国と東方。それぞれの思惑を胸に、広がる一つの夜空は更けていった。
- 647 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:22:59.26 ID:z4JVa0go
〜次の日〜
盗賊「…おはよう」
戦士「おっす」
魔道士「おはよーございますっ」
召喚士「おはようございます。あれ、隊長さん達は…?」
盗賊「…見てないぞ?」
女将「ほらほらっ、しっかりなさいなぁ。お水飲みます?」
隊長「あ…あぁ、すいません……」
西方参謀「だらしねぇ野郎だなぁ…ヒック」
隊長「てめぇが強すぎるだけだ……ボケ」
戦士「……ま、いつも通りだな」
魔道士「ですね…」
召喚士「先に行ってますよ〜?」
隊長「あぁ、すまん…。すぐに行く……痛…っ!」
- 648 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:23:26.02 ID:z4JVa0go
〜東方司令部、食堂〜
フラフラッ
東方参謀「……おはよう」
東方司令「……あぁ」
ヨロッ…トスッ
東方参謀「また二日酔いか…。飲みすぎだ」
東方司令「五月蝿い…。それより、お前の姪はどこへ行った?」
東方参謀「早朝一番で帰ったぞ」
新聞を片手にコーヒーをすする東方参謀は冷たくあしらう様に即答する。
東方司令「なにぃ!?……いたっ!痛たた…っ!」
東方参謀「大声出すからだ。バカモノ」
東方司令「ボクの許可なく帰らせるなんて…何という……」
東方参謀「何故許可を取らねばならん…」
東方司令「……くぅ…っ!!」
- 649 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:23:55.76 ID:z4JVa0go
東方参謀「大の大人が泣きべそかくでない」
東方司令「泣いてなどおらぬわ!」
バシッ!!…バシャッ!!
東方参謀「な、なにをす……熱っ!!」
東方司令「のん気に食事なんてしやがって!さっさと働け!」
タッタッタ
東方参謀「まだ就業時間ではないわ!!」
東方司令「…ふんっ!」
東方参謀「…全く、人の頭を叩きおって。何だと思っておる」
カラカラッ
東方副司令「どうしました?東方先生ともあろうお方が…床など拭いて…」
東方参謀「…ああ、ちょっとな」
東方副司令「…?ところで、姪御さんはどちらに?」
東方参謀「今朝方、本国へ戻ったぞ」
- 650 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/13(月) 18:24:32.20 ID:z4JVa0go
東方副司令「そうでしたか。それは良かった」
東方参謀「…?」
東方副司令「あれを……」
反対側の壁に目をやる二人。底に集まる人だかりをじっと見つめる。
東方参謀「…またも左翼か」
ザワザワザワ…カツカツカツ
左翼士官「ご苦労様でしたな」
左秘書官「……いえ」
東方魔道長「それで、どうなのだ?」
左秘書官「後ほどお話致します。まだ公にしたくはありませんので…」
東方参謀「確か…左秘書官だったか?」
東方副司令「左大臣様の側近ですね」
東方参謀「…今日も一段と騒がしくなるな。全く…いい迷惑だ」
東方副司令「……」
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