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真剣士「英雄の…血…?」
47 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/11/10(日) 20:56:52 ID:kJ0mYrsA
皆さま、沢山の感想等有難うございます。投下開始致します。


48 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 20:58:00 ID:kJ0mYrsA
 
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――――【 放課後・帰路 】


真剣士「…何でお前が一緒に帰ってるの?」

大魔道「まぁまぁ」ニコニコ

黒髪乙女「芸能人と一緒に帰れるなんて、まだ信じられないなぁ」


大魔道「…」


真剣士「そのせいで、裏通りで遠回りで家に帰らないといけなくなったんだろうが!」

黒髪乙女「まぁまぁ、そのうちきっといい思い出になるって♪」

真剣士「だといいんだがな」


49 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 20:58:43 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「ね、大魔道さん」

大魔道「はい?」

黒髪乙女「何か、得意な魔法とかみたいなーなんて…」

大魔道「えぇ、いいですよ」アッサリ


黒髪乙女「はやっ!」

真剣士「軽っ!」


大魔道「…」パァッ

…ボワッ


50 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 20:59:29 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「…指先から炎が出てるぅ!」

真剣士「ライターを使ったトリックだよ」

大魔道「…」ボォォ


黒髪乙女「でも、手の中に何も持ってないよ?」

真剣士「精巧なトリックは見破れないんだよ」

黒髪乙女「うーん…魔法だよ!」


大魔道「では…これではいかがです?」パァッ

…キィン!!


51 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:00:32 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「青い…炎?」

大魔道「触ってみます?大丈夫ですよ」

真剣士「危ないだろ、青い炎は温度が高くてー…」


スッ…キィィン…

黒髪乙女「わっ、冷たい!!」


真剣士「…本当に触るなっつーの!って、冷たいだって?」

黒髪乙女「真剣士、触ってみなよ!うん、すっごい冷たい!」

真剣士「冗談だろ?」

黒髪乙女「早く!」グイッ

真剣士「ちょっ、危ないっだろって!」


52 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:01:15 ID:kJ0mYrsA
 
スッ…ヒヤッ…

真剣士「!」

大魔道「…」ニコッ

真剣士「つ、冷たい…何だこりゃ」


黒髪乙女「ねっ!?これのトリックは何だっていうの?」

真剣士「そ、そりゃあ何だ…、特殊なエフェクトとか…」

黒髪乙女「そんなの出来るわけないでしょ!」

真剣士「…ぐぬ」

大魔道「…」


53 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:02:50 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「やっぱ魔法なんだよ!」

真剣士「…んむぅ…」


大魔道「…目の前にある物が、全て真実とは限りません」

真剣士「?」

黒髪乙女「?」


大魔道「本物は、どこかで見落としているかもしれない。それに気づけるかどうか」

真剣士「…どういうことだ?」


54 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:04:32 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「僕の国に伝わる言葉ですよ」

真剣士「だから、意味は…」

大魔道「…それは、貴方自身が知るべきことですよ」

真剣士「いやだから、意味がさっぱりわから――…」


…ブーーーン…キキィ!!

大魔道「!」

黒髪乙女「!」

真剣士「!」


大魔道「大型トラック…?」

黒髪乙女「こ、ここ…歩行専用だよ?」

真剣士「おいおい!このままじゃ轢かれるんじゃねえの!」


55 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:05:15 ID:kJ0mYrsA
 
ゴォォォ…ブゥゥーン…!!

大魔道「横の塀を乗り越えて避けましょう!」バッ

真剣士「それがよさそうだ!」バッ

黒髪乙女「…待ってよ、私登れない!」


真剣士「塀に手かけろ!下から押し上げる!」

黒髪乙女「う、うん!」バッ

真剣士「大魔道、上から引っ張ってやってくれ!」

大魔道「わかりました、急いで」


真剣士「せーのっ、おらぁっ!」グンッ


56 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:06:13 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「ちょ、どこ触って!っていうか、パンツ見えてるってば!」

真剣士「死ぬよりマシだろうが、早く登れーーー!」

黒髪乙女「う〜っ!」


大魔道「よっ!」グイッ

黒髪乙女「きゃっ!」ドサッ

大魔道「真剣士さん、早く上に!」スッ


真剣士「手はいらん、一人で充分だ」タァンッ

大魔道「…!」


57 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:07:32 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「お〜…さすがだね、真剣士」

真剣士「昔から人より運動能力だけは良かったからな」ハハハ

大魔道「…軽々と塀を飛び越えるとは、凄いですね」

真剣士「まぁな」ハハ


黒髪乙女「あっ、そういえばトラックは…」


ブゥゥン…キイイイ………ブゥゥン…………


58 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:08:21 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「…」

黒髪乙女「…」

大魔道「…」


ブウン……ゥン………


真剣士「はぁ、行ったみたいだな」

大魔道「寿命縮まりましたね」

真剣士「つーかさ…止まる気なかったよな。警察通報しといたほうがいいんじゃねえの?」

黒髪乙女「私たちが慌てすぎただけかも?」

真剣士「いやそもそもここ、歩行者専用通路だったし」

黒髪乙女「あっ、そっか…」


真剣士「お前さっき自分で言ってたじゃないか」

黒髪乙女「あはは…気が動転しちゃって」


59 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:09:12 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「僕が通報しときますよ。ああいうドライバーは放置できませんし」

黒髪乙女「いいんですか?」

大魔道「メディアに顔のある僕のほうが、動いてくれるかもしれませんしね」

黒髪乙女「じゃあ…お願いします」

大魔道「はい」ニコッ


真剣士「…」


黒髪乙女「…真剣士?」

真剣士「ん…え?」

黒髪乙女「いや、ボーっとしてて…どうしたのかなって」

真剣士「あ、いや何でもない。それよか、日暮れる前に帰るか」


60 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:09:56 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「だね」

大魔道「そうですね、日暮れも早くなり始める頃ですし」


真剣士「んじゃ、俺らはこっち側だから」

大魔道「はい、僕はこっちなので」


黒髪乙女「じゃあね、大魔道さん。また明日♪」

大魔道「はい、また明日です」

真剣士「ん…じゃあな」


61 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:10:31 ID:kJ0mYrsA
 
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………ブゥゥゥン…


女子生徒A「でさぁ…」

女子生徒B「うんうん、だよねー」

女子生徒C「あはは!」


ブゥゥゥゥン……

運転手『…』


女子生徒A「ね、ねえ…」

女子生徒B「ん?」

女子生徒C「どうしたの?」


62 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:11:11 ID:kJ0mYrsA
 
運転手『…』

ゴォォォォ…


女子生徒A「あのトラック…スピード出しすぎじゃない?」

女子生徒B「…うん、危ないよね」

女子生徒C「っていうか…ここカーブなのに…大丈夫なのかな」


ゴォォォォォ!!

運転手『…』


女子生徒A「…え、ねえ、ちょっと!」

女子生徒B「きゃあああ!」

女子生徒C「いやぁぁ!」


63 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:11:59 ID:kJ0mYrsA
 
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…ピーポーピーポー…


黒髪乙女「救急車と消防車、随分行くね?」

真剣士「まさか、さっきのトラックじゃねえだろうな…」

黒髪乙女「…」

真剣士「…」


黒髪乙女「ま、まさかね」アハハ

真剣士「…まさかな」ハハハ


64 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:12:52 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「はぁー、でも、大魔道さんいい人だよね」

真剣士「のんびりした奴だと思ってたが、意外と行動力はあるんだな」


黒髪乙女「ね。びっくりしちゃった…あっー!」
 

…ゴツンッ

真剣士「」プシュー


黒髪乙女「…思い出した」

真剣士「いってぇぇ!突然、何しやがる!」

黒髪乙女「思い出したの!真剣士、お尻触って、パンツ見たでしょ!」

真剣士「ケツ触るしかなかったんだから、仕方ねーだろ!それに、パンツは見てねーよ!」


65 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:13:39 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「本当?」

真剣士「本当!」

黒髪乙女「白かった?」


真剣士「水色だった」


黒髪乙女「…」カァァ

真剣士「…あ」

黒髪乙女「…天罰っ!」ブンブンッ
 
真剣士「あんな状況だったから、仕方ないだろうが!カバン振り回すな、危ないっつーの!」


66 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:14:25 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「ま…それもそっか」

真剣士「はぁ〜乱暴者め」

黒髪乙女「もー…貸しにしとくからね!」

真剣士「何でだよ」


黒髪乙女「貸しは、ケーキで返してもらえればいいよ♪」

真剣士「お前、最初っからそれが目的だったな」

黒髪乙女「えー?」

真剣士「はいはい…分かったよ、今度な」

黒髪乙女「えへへ〜」


67 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:15:46 ID:kJ0mYrsA
 
トコトコ…

真剣士「っと、家についたし…また明日な」

黒髪乙女「うん、また明日〜!」


真剣士「お疲れさーん」

黒髪乙女「ばいばーい」


68 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:16:31 ID:kJ0mYrsA
 
トコトコトコ…トコトコ…

ガチャッ…バタンッ


真剣士「…ただいまー」


母親「おかえりなさい」

妹「おかえり〜♪」


真剣士「ふわぁ…、すげぇ疲れたよ」

妹「もうすぐご飯できるから待っててねー」トントン

真剣士「はいよー。テレビ点けとけよ…リモコンどこ?」

妹「テーブルの上だと思うよ〜」

真剣士「はいよ」


69 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:17:13 ID:kJ0mYrsA
 
カチャカチャ…プチッ

…ヴーッヴーッ!!!


真剣士「ん?」

妹「今の音…何?」ヒョイッ

真剣士「なんか緊急ニュース速報だって」

妹「何〜?」


ニュース"「ニュース速報です。本日夕方、東都にて暴走トラックが―…」"


70 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:18:22 ID:kJ0mYrsA
 
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71 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:19:38 ID:kJ0mYrsA
 
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――――【 次の日・学校 】


ガヤガヤ…ザワザワ…


校長「はい…静かにしてください」


黒髪乙女「…」

真剣士「…」

大魔道「…」

生徒「…」


72 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:20:39 ID:kJ0mYrsA
 
校長「既に知っていると思う人も思いますが、昨日の夕方、我が生徒が事故に巻き込まれました」

ザワザワ…

校長「暴走したトラックが、我が校の女子生徒3人を跳ね、重症を負わせられました」


大魔道「…」

真剣士「昨日の…か」

黒髪乙女「そんな…」

真剣士「はぁ…嫌でもため息は出るな…」

黒髪乙女「だね…」


大魔道「僕らがどうこう出来る問題ではありませんでした…けど…」

真剣士「あぁ。気持ち的に沈むってな」


73 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:22:05 ID:kJ0mYrsA
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ザワザワ…

先生「以上です。という訳で、メディア関連がきても…あまり余計な事は言わないように」

生徒達「…」

先生「明日から1週間、学校は休校になります。粗相のないように…」


真剣士「1週間の休みか…」

黒髪乙女「素直に喜べないよね」

真剣士「当たり前だろ」

黒髪乙女「…」

真剣士「…」ハァ


74 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:22:48 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「僕も、メディアの仕事は少し自粛ですね」

真剣士「学校関連だもんな」

大魔道「…」

真剣士「…」

黒髪乙女「…」


大魔道「そうだ、気分転換に…我が家に遊びに来ませんか?」

真剣士「家に?」

黒髪乙女「大魔道さんの家に?」ピクッ

大魔道「はい」ニコッ


75 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:23:54 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「…どんな感じなんだ?」

大魔道「家ですが、ちょっとした別荘みたいなものなんですけど、いかがでしょう?」

真剣士「…えー」

黒髪乙女「今日じゃなく、明日ですか?」


大魔道「ですねぇ歓迎したいですし。準備もあるので、出来れば明日がいいかと」

真剣士「んー…でもなぁ」

大魔道「面白いものも用意しますよ」

真剣士「まー…そこまで言うなら…」

大魔道「はは、ありがとうございます」


76 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:24:42 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「明日、どこへ行けばいいんですか?」

大魔道「ちょっと入り組んだ場所なので、分かりづらいですが…町外れまで来て頂けますか?」

黒髪乙女「はーい♪」

真剣士「あいよ」


…キーンコーンカーンコーン

先生「っと…これで今日は終わりですね。それでは皆さん、お気をつけて帰ってくださいね」

生徒達「わかりましたー」


77 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:25:30 ID:kJ0mYrsA
 
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78 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:27:08 ID:kJ0mYrsA
 
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――――【 次の日・町はずれ 】


大魔道「お待たせいたしました」

真剣士「歓迎するにしても、おせぇ!」

大魔道「ちょっと手間取ってしまいまして…」


黒髪乙女「真剣士落ち着いてよ。今日は招待してもらって、ありがとうございます」ペコッ

大魔道「いえいえ、遅れたのは自分の責任なので…それでは行きましょうか」


黒髪乙女「うんっ」

真剣士「おーう」


79 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:28:08 ID:kJ0mYrsA
 
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トコトコ…

大魔道「ここが別荘です。今は一人で住んでますけど」

真剣士「…立派なもんだな」

大魔道「そうでしょうか?」


真剣士「一人住まいで、これで別荘だろ?立派なもんだよ」

黒髪乙女「本当にねー。立派だよ」


大魔道「あはは…とりあえず中に案内します」


80 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:28:56 ID:kJ0mYrsA
 
ガチャッ…バタンッ

大魔道「居間でくつろいでください。面白いものを持ってきますよ」

黒髪乙女「はーいっ!」

真剣士「あいよ」

タッタッタッタ…


黒髪乙女「ね、凄いねー」

真剣士「んむ…まぁな。随分綺麗だし」

黒髪乙女「ねー。綺麗だよねー…」

真剣士「だけど、だいぶレトロだな。暖炉とか、初めて見たぞ」

黒髪乙女「テレビもないし、ピアノも少し古いタイプだよね」


81 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:29:34 ID:kJ0mYrsA
 
タッタッタッタ…

大魔道「お待たせしました。僕の魔法道具ですよ」


ドサドサ…ガランガランッ!!


真剣士「魔法道具だぁ?あぁ…手品道具か」

黒髪乙女「わぁ〜!すっごーい!」キラキラ

真剣士「この杖みたいのとか、どうせ振ると花が出るんだろ?」スッ

大魔道「あ、それは違いますよ。火が具現するイメージで振るんです」

真剣士「はぁ?」


82 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:30:35 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「貸して下さい…こうです」スッ…パァッ!!

ボワッ!!…ボォォォッ…


真剣士「…!」

黒髪乙女「すごーい…私もできる!?」

大魔道「イメージさえ上手くすれば、出来ない事はないですよ」ニコッ

黒髪乙女「…やってみても?」

大魔道「どうぞ」


…ヒュンッ…シュン…

黒髪乙女「…?」

真剣士「はっはっは、でてねーぞ!やっぱりタネが分かってないと無理なんだって!」

黒髪乙女「ち、違うよ!魔法だもん!私みたいな一般人は魔法なんか使えないの!」


83 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:31:39 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「くっくっく…笑わせてくれる」

黒髪乙女「むぅぅ…」


大魔道「大丈夫です。黒髪乙女さん…魔法は、どんな人も使えるんですよ」

黒髪乙女「でも…」

大魔道「大事なのはイメージ。そして具現する力。人には忘れられた…その力が眠っています」

黒髪乙女「…」


大魔道「さぁ落ち着いてもう1度。この空間に浮かぶ魔力を集めるイメージで、火を念じて…振るんです」

黒髪乙女「…は、はい」スッ

…ヒュンッ…


84 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:32:40 ID:kJ0mYrsA
 
…パァッ…ボワァッ!!

黒髪乙女「わぁっ!」

大魔道「…」ニコッ

黒髪乙女「真剣士、出来たよ!ほらほら!」

真剣士「はぁ!?」


黒髪乙女「やったー!私も魔法が使えた!」

真剣士「て、手品のタネを使っただけだ!お前ら、俺を騙そうと…!」

黒髪乙女「でも、朝から私と一緒だったし…そういう事できる時間ないじゃん…」

真剣士「くっ…」


85 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:33:45 ID:kJ0mYrsA
 
黒髪乙女「私にも魔法が使えるんだ〜♪」

真剣士「だ、大魔道…どうやったんだ?タネを教えてくれ!」


大魔道「…」


黒髪乙女「…?」

真剣士「どうした?」


大魔道「…魔法というのは」

真剣士「お、おう」

大魔道「タネも仕掛けもないです。魔力というのは、人間に元々ある性質の1つですから」

真剣士「だーかーらー…」


86 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:34:48 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「本当の事です。それに気づいているか、気づいていないか…それだけなんです」

真剣士「どういうことだ?」

大魔道「さて…彼らも焦っているようだ」

真剣士「何?」


大魔道「…直球に言いましょう。貴方は、僕と出会うべくして出会った人間なんです」

真剣士「ちょっと待て、一体何を言ってるんだ?」

黒髪乙女「大魔道さん、どういうこと?」


大魔道「…気づいてください」

真剣士「あん?」


87 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:35:47 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「あなた方が、どこにいるのかを」

真剣士「どこって…お前の家だろ?」

大魔道「…」

真剣士「?」


大魔道「…ここは、僕の家じゃありません」

黒髪乙女「どういうこと?」

大魔道「ここにあったものは…これです」パチンッ


パァァ…ボロッ…ボロボロ…


88 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:36:49 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「は…え?お、おいおい…家が…腐ってくぞ!?」

黒髪乙女「わわっ…何これ!」

真剣士「一体なんだよこれ…大魔道!」


大魔道「それに、貴方たちにかけた意識の魔法を解きます…」パチンッ


真剣士「!」ハッ

黒髪乙女「!」ハッ

大魔道「…気づきましたか?」


真剣士「ここって…あの廃墟じゃねえか…?」

黒髪乙女「そ、そうだよ!ここは…あの廃墟じゃない!」


89 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:38:01 ID:kJ0mYrsA
 
真剣士「で、でも…確かにここにさっきまで立派なソファーに…家が…」

黒髪乙女「暖炉も壊れてる…ど、どういうこと!?」

大魔道「これが、"魔法"です。まるで本物のように、気づかぬうちに幻影を見せる…"魔法"」


真剣士「…タネが」

大魔道「ありません。貴方も見て、感じましたよね。そこにあった、本物を」

真剣士「…っ」

大魔道「本当はもう少しゆっくり教えるつもりでした。ですが…時間がなくなってきたようです」


真剣士「…ど、どういう事だ?」

黒髪乙女「ねぇ…大魔道さん。教えてよ…何がなんなの?」


90 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:38:35 ID:kJ0mYrsA
 
大魔道「僕は大魔道。世界に忘れられた、最後の魔道師です」

真剣士「魔道…師?」


大魔道「そして僕の使命は…英雄を血を紡ぐ者に、それを…伝えること」


91 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/11/10(日) 21:39:15 ID:kJ0mYrsA
 
-Eye catch !-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真剣士「英雄の…血…?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
-proceed to the next !-


93 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/11/10(日) 21:57:58 ID:eFQROLVE
乙です!
これは胸熱な展開になってきましたな


94 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/11/10(日) 22:23:49 ID:Qe8vaNOQ
2日目にして急展開!
これで毎日wktkしてしまいます!


95 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/11/10(日) 23:33:13 ID:B9DC28HY
ふつうにアニメで再生されるな

具現化できないのが残念…



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