■戻る■ 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
249 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/25(土) 23:40:17.74 ID:EhS4aOqoo
〜北関、北側〜

騎士長「おおおおぉぉぉぉっ!!」ザッシュウウゥゥゥゥ

戦士父「……ふんっ!!」ズババッ!!

バーテン「あと2匹いるぞ!」

師匠「おらぁ!!」ドガァッ!!

マジシャン「ていっ!!」

女侍「はぁっ!!」

東方司令「これでぇっ、最後だ!!」

 ザシュッ!! 

ゾンビ「――――ッ」

 グラァッ……ドシャッ

左翼長「これで全部かぁ!?」

イヌ「見える限りはこれで全部ね」

サル「やっと……終わったのか?」

女剣士「……いやっ、まだだ!!」


250 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/25(土) 23:45:08.28 ID:EhS4aOqoo
 ボゴボゴォ!! ズガガアァ!!

騎士長「何ぃ!?」

戦士父「北関側だっ! 五行!」

マジシャン「間に合わねぇ……っ」

師匠「大丈夫だろ」

左翼長「……?」

バーテン「いんだろ、北関には……守りのスペシャリストがよ」

 ガゴンッ!! ギイイイイィィィィ

将軍「ってええぇぇ!!」

 ガチャッ……ギギギギイイィィィィ

サル「んだありゃあ!?」

バーテン「バリスタさ。ただし、水平射撃用だけどな」

 バシュウウゥゥゥゥ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

コボルトゾンビ「ゴガアアァァーッ!」

将軍「閉門ーっ!」


251 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/25(土) 23:45:40.85 ID:EhS4aOqoo
 ギイイィィィィ……ガッゴオオォォン!!

将軍「続いて左翼より、一斉射撃ぃ!」

弓兵「撃てええぇぇ!!」

ワーカー「おおぉぉーっ!!」

 バシュシュシュシュシュシュッ!!

東方司令「結界石とはいえ、ただの矢では意味がないぞ?」

将軍「分かっておる! 何の為に彼らがここに留まっておるかぁ!」

 ザッ

南方魔道長「やっと出番かい。待ちくたびれたよ」ポウッ

魔道兵「魔法付加っ、いっけえぇ!!」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴオオォォォォ!!

南方魔道長「五行の最後は頼むぜ、再来のマジシャンさんよ」

マジシャン「ハッハ! 面倒事だけ押し付けやがって。これだから国軍は……よぉ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

女侍「今度こそ、これで終わりかねぇ」


252 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/25(土) 23:49:30.75 ID:EhS4aOqoo


北関兵「お怪我は!?」

東方司令「ボクは問題ない。気にするな」

マジシャン「ネーチャンは?」

女侍「アタイも平気だよ」

南方魔道長「しっかし、まさかだよな」

左翼長「あん?」

南方魔道長「この面子だよ。マニアが見たら失神モノだぜ」

騎士長「このメンバーは……30年振りか」

バーテン「……ああ、そうだな」

将軍「今でもまだ鮮明に、あの時の事は脳裏に浮かぶよ」

左翼長「足りないモンもあるけどな……」

戦士父「……」

師匠「お前らの息子だったんだな。なんつーか、妙な縁だよな」

マジシャン「全くだよ。お前の弟子もだけど、これもめぐり合わせなんだろうなぁ。ハッハ」


253 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:13:09.23 ID:addoouTwo
〜川中島、北側〜

南方司令「正義の拳ぃ! ジャスティスハリケーンパーンチイイィィ!」

西方司令「我が重き魂の一撃を込めて……放つは命の華の舞うひとひらの――」

当方参謀「どけどええい! 石破ぁ!」

槍侶「石破ああぁぁ!!」

 ズッガオオオオォォォォン!! ドドオオォォォォ……

西方参謀「おい見ろっ! 朝日だ!」

魔法剣士「これでアンデッドは……」

賢者「ああ、僕達の勝ちだね……ふぅ」

ジュニア「やっとか……」

眼鏡「ひとまずは、だけどな」

足軽「見ろっ、妖が撤退していくぞ……っ!」

白虎嬢「勝ったんだわ……っ」

青年兵「ええ、でもまだ油断はしないように! 追い払った後、一夜城へ後退します」

剣士「了解ですっ!」


255 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:13:51.23 ID:addoouTwo
〜川中島、一夜城〜

帝「……終わったようだな」

大軍師「ええ、何とか防衛成功ですね」

白馬騎士「とはいえ、これからが本戦ですね」

名代「ええ、左様」

 ドドッドドッドドッ

老将軍「南より輸送隊が到着したぞい!」

大軍師「おぉ」

 ドドドドオオォォォォ

白虎嬢「遅くなりました」

大軍師「いえいえ。そちらは大丈夫でしたか?」

国軍兵「何度か魔王軍と交戦しましたが……まぁ……」

朱雀嬢「西国の王様はいらっしゃるかしら」

王子「……?」ザッザッ

朱雀嬢「……」


256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:14:21.77 ID:addoouTwo


王子「…………」

白虎嬢「この方は、最後まで立派に闘いました……」

ワーカー「ああ。この馬達を必ず、あなたに届けてくれってな」

王子「西国兵長……っ」

西国兵「こんな事って……あるかよ……っ」ダンッ!!

玄武娘「ごめんなさいですの……っ」

王子「貴方達のせいではありませんよ。責任は……私にある」

帝「……王子殿」

王子「……西国兵長……すまなかった」ジワッ

西国兵「うっ、うっ、うぅ……っ」

王子「私が……私……っが」

アマゾネス「……」

大軍師「遺体は冷凍し、丁重に西国へお送り致します」

王子「……世話に……なる」


257 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:14:50.93 ID:addoouTwo


博士「いいのら、よし……オッケーなのら」

助手「これでテントも設置完了! お城もバッチリ!」

博士「何とか魔王城突入の拠点は完成なのら」

大軍師「素晴らしいですね」

 ドドドドオオォォォォ

白馬騎士「おぉっ、皆も帰還してきたぞ!」

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「こちらの首尾は?」

大軍師「一通りの手筈は整いました。あとは北関からの物資待ちですね」

青年兵「了解で……!?」

朱雀嬢「青年兵さん」

青年兵「朱雀嬢さん、それに……皆さんも」

アマゾネス「ここから先、多少なりとも力になれるのであれば……共に闘うぞ」

玄武娘「ですのっ!!」


258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:15:31.07 ID:addoouTwo


ハヌマーン「半数は再び、魔王軍内へ潜り込ませた」

猿兵「白い鉢巻が目印です。それを身に付けておる者は味方です」

青年兵「了解です。さて、いよいよ魔王城突入の編成を行います」

旗本「何なりとっ!」

青年兵「まず先鋒は、ワーカーの皆様と南方、及び西方司令部」

西方参謀「けぇーっ。貧乏くじかよ」

大軍師「経験豊富ゆえのお願いです」

西方参謀「わぁってるって。仕方ねぇな〜ヒック」

西方副司令「司令、宜しいですわね?」

西方司令「重い使命を背負ったものだ……」ツツーッ

南方参謀「こっちも問題ないわよっ、ねぇ?」

南方司令「正義の旗の下、断る道理はない!」

南方副司令「……だ、そうだ」

青年兵「では宜しくお願いします」


259 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:16:15.95 ID:addoouTwo
大軍師「次に中軸は陛下、お願い致します」

皇太子「任せておけ」

エリート「中央から進むぞ」

騎士団「おうっ!!」

青年兵「その左右に西国、東方の皆様が続いて下さい」

帝「承知した」

名代「中軸と言う事は、援護と突撃を臨機応変にと言う事ですかな?」

大軍師「ええ、いかにも」

槍侶「前線でも援護でも、出来る限りの事は何でも致します」

槍兵長「うむ」

旗本「何が何でも落城させてみせる……っ!」

青年兵「後続は魔道兵、衛生兵、そして兵器隊」

博士「分かったのら」

助手「さぁ〜っ、頑張りましょうね♪」

西方魔道長「やれやれだねぇ……」


260 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:17:06.94 ID:addoouTwo
青年兵「ハヌマーン殿、剣士さんは遊軍として魔王軍をかき回して頂きたい」

ハヌマーン「慣れた任務だ。お任せあれ」

オーク「やってやるです……!」

ラクシャーサ「アンタらの為にやるわけじゃねぇ。だが、アンタらは好きだ。だからやる」

剣士「僕らも頑張ります!」

弓使い「ええっ。何としても成功させましょうっ」

幼女「うんっ!」

青年兵「一夜城の守りは南東国軍にお任せ致します」

白馬騎士「承知した。三男様の身もあるし、申し訳ないがそうさせて頂きます」

老将軍「ワシは出るぞい。戦場に出ずは武人の恥」

大軍師「構いませんよ。是非、お力を貸して頂きたい」

青年兵「最後に召喚隊、私と共に……本隊とは別に出ます」

白虎長「別?」

青龍士官「他のルートから行くという事か?」

青年兵「いや、本隊よりも先に、先行する」


261 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 01:18:26.37 ID:addoouTwo
竜騎士兵「!?」

青年兵「臆したか?」

青龍士官「……冗談言え。重大任務で興奮するよ」

朱雀嬢「私達ももちろん、ご一緒致しますわ」

玄武娘「ですのっ!」

白虎嬢「頑張りましょう、従姉さん」

白虎長「ええ。白虎隊の意地、みせてやるわよっ」

色黒「長っ、私たちもモチロンだよね?」

アマゾネス「ああ。やってやる!」

おさげ「そうだそうだっ! やってやるぞぉー!」

ポニテ「おーっ!」

ツインテ「おぉーっ!」

青年兵「あとは北関の皆が来るのを待つだけだ……っ」

大軍師「ええ。それに、北の森側の皆様も突破した頃ですかね」

青年兵「……召喚士さん」


268 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:36:08.43 ID:addoouTwo
〜川中島、南側〜

騎士長「急げぇ! 既に日の出は迎えているんだぞ!」

左翼長「……くそぉ」

マジシャン「あんだよ?」

左翼長「ハラ減った……」

マジシャン「はぁ!? 呑気な事、言ってんじゃねぇよ!」

サル「あながち呑気でもね〜ぜ? 腹が減っては戦は出来ぬって、なぁ?」

イヌ「……そうね」

キジ「どうしたイヌ? 顔色悪いさー」

イヌ「平気ね。さっきの戦闘でちょっと疲れただけね」

女侍「……?」

イヌ「さっさと終わらせて、のんびりするね」

サル「今抜けてもいいんだぜ? 俺達ぁ別に、正義のヒーローでもねぇんだかーよ」

イヌ「それは分かってるね。でも、なんだかやってやりたいね」

女侍「イヌ、アンタ……」


269 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:36:39.36 ID:addoouTwo
 ドクンッ

イヌ「――――っ!?」

戦士父「様子がおかしいっ、どうした!?」

イヌ「……おぉ……ごっぼ……!!」ビチャビチャッ

キジ「イヌ――」

 ズギャッ!! バリイイィィィィ!!

バーテン「くそぉ、やられた……っ! 敵はどこだぁ!」

女剣士「いやっ、違う! 敵は外に居なかった……っ」

マジシャン「どういう事だ!?」

師匠「アイツ、内側から胸を破られたようなカンジに見えた」

女剣士「ああ……っ。おそらく魔物は……」

マジシャン「体内に憑かれてたってかぁ! ちっくしょお!」

左翼長「とにかく救助だっ、急げ!」

イヌ「……無理……ネ」

サル「!?」


270 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:38:41.51 ID:addoouTwo
 ザザッ……ジャリッ

イヌ「……ククッ、このニンゲン……アタクシが乗っ取ったもの」

騎士長「!?」

イヌ「この……リッチ様がねええぇぇーッ!!」ズアッ!!

サル「……おい、イヌ……お前なに言ってんだよ……っ」ザッ

師匠「近寄るな!!」

サル「お前よぉ……さっき言ってたばっかじゃねぇか。なんだかやってやりたい……ってよぉ」

女侍「サル、退がりな」

サル「さっさと終わらせて……ノンビリするってよおおぉぉ――」

女侍「サル!!」

サル「……っ」

女侍「退がれって言ってんだよ」

サル「退がってどーすんだよ!! あぁ!?」

女侍「コイツはねぇ、もうイヌじゃあないんだよ。殺るしかないだろう?」チャキッ

サル「……本気で言ってんのかよ」


271 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:39:09.36 ID:addoouTwo
キジ「サル、お頭の心中を察するさ……」

サル「ざっけんなよ! イヌはどうする!? イヌはよぉ!!」

キジ「イヌは……」

 ザッザッザッ

リッチ「飛べない体は、不便ですデスネェ」

戦士父「援護する」ザッ

左翼長「さっさと片付けるぞ」

女侍「余計な手出しは無用だよ」

バーテン「言ってる場合か」

女侍「だからだよっ!」

マジシャン「……」

女侍「イヌはねぇ、アタイの……アタイ達の大事な仲間なんだよっ!」

キジ「そうさー。だから、最後くらいお頭の手で葬らせてやって欲しいさー」

東方司令「だけどな、相手はアンデッドだぞ?」

女侍「やってみなくちゃあ……分かんないだろ!」


272 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:39:37.67 ID:addoouTwo
 ダンッ!! グアァッ!!

女侍「……はぁ!!」

リッチ「甘いッ、甘いデスよおぉ!」

 ガキイイィィィィン!!

女侍「……っぐ」

リッチ「アタクシはねぇッ、アンデッドなの! そんな剣で倒せると……思ってるのかしらァ!」

 バキィッ!!……ズザザアアァァ

女侍「……っ」

東方司令「無理だ。幾ら名刀だろうが普通の刀じゃ攻撃は効かん」

バーテン「五行付加しかねぇな」

サル「待てよっ! んな事したらイヌの身体は……」

戦士父「……消滅する」

サル「――っ!!」

リッチ「ククッ、どうしましたァ? もう、打つ手なしデスかァ!」

東方司令「どけ、ボクがやる。この魔剣なら奴を……」


273 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:40:21.59 ID:addoouTwo
女侍「……なぁ。アンタのその刀、アタイに貸してくれよ」ザッ

東方司令「……何?」

女侍「その刀、魔剣なんだろう? それならアンデッドを倒せなくてもさ……」

左翼長「引きずり出すってか?」

女剣士「姉上っ! あの刀は駄目だっ!」

東方司令「あの時、居たよな?」

女侍「分かってる。でもさ、その刀なら出来るんだろ?」

東方司令「……」

女侍「イヌの身体を傷つけず、消滅させず、魔物を引き剥がす事をさぁ」

東方司令「魔剣に触れれば、その身は呪われる」

女侍「年を取らないんだろ? いいじゃないか、この身体が永遠に続くなんてさぁ」

女剣士「姉上っ!!」

女侍「もったいないじゃと思わないかい? こーんなナイスバディー」

東方司令「……本気で言ってるのか?」

女侍「本気に決まってんだろっ!! 遊びでやってんじゃあないんだよ!!」


274 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:41:08.09 ID:addoouTwo
東方司令「……」

女侍「キジは片腕を失った! イヌは……命を失った」

女剣士「あ、姉上……っ」

女侍「アタイが失うものなんて、それに比べたら安いモンだろうが!」

サル「お……前……っ」

東方司令「覚悟は分かった。だがその意味は本当に理解してるんだな?」

女侍「……一生背負う覚悟ってとこかねぇ」

マジシャン「男らしいじゃねぇか。男より男らしいよネーチャン」

師匠「いいぜ、やってやりなよ。その代わりしくじったら、そん時は俺らが面倒みてやるよ」

騎士長「だとよ、北方司令」

左翼長「……軍人じゃねぇんだし、勝手にしろよ」

東方司令「いいよ、そこまで覚悟があるんなら……好きにするがいい」

 ポイッ

女剣士「姉上……っ!!」

女侍「ありがとう、恩に着るよ」パシィッ!!


275 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:41:56.28 ID:addoouTwo
リッチ「……な、何ですッ?」

女侍「……」

 オオオオォォォォ

女侍「特に、変化は感じられないねぇ」

東方司令「鞘に収めているうちは平気だよ。抜刀したら……呪われる」

女侍「へぇ。それじゃあ好都合だね」

 ザッザッザッ…・・・スウッ

リッチ「たった1人で……何をしようと……」

女侍「見せてあげるよ、世界最高と自負する剣術をさぁ」

女剣士「……っ」

女侍「剣聖流……裏奥義」

 チャキッ

師匠「ほぉ、抜刀術か」

リッチ「たった……1人でエエェェェェ――」

女侍「……隼」


276 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:42:36.75 ID:addoouTwo
 ドンッ!!

戦士父「神速の抜刀……っ!!」

女侍「ええああぁぁぁぁーっ!!」

リッチ「……クゥーッ!!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

左翼長「空振りっ!」

女剣士「いや……っ、これでいいんだ」

マジシャン「!?」

 ズザザアアァァァァ!! ギュルッ!!

騎士長「背後で急停止からの……反転っ!?」

師匠「そっから更に……」

東方司令「次の一撃っ!」

女剣士「抜刀の初撃で相手を硬直させ、背後から反転による……」

 ザッシュウウウウゥゥゥゥッ!!

リッチ「……突……きィ!?」


277 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:43:26.35 ID:addoouTwo
 ズググッ……ズズッ

リッチ「……だ、だがァ……こんなモノ」

女侍「――!?」

東方司令「魔剣の呪いがくるぞ」

 ドクンッ!!

女侍「がは……ぁ!!」ビクビクッ

リッチ「な、何だァ!? 身体が吸われ――」

 ズルゥ……

女侍(何だこれは……っ!! 全身の血が逆流するような感覚――)

 ブシュッ……ガクンッ

女剣士「姉上ぇ!!」

女侍「来るなあぁ!!」

女剣士「……っ」

女侍「まだ……っ、闘いは終わってない……!」ガクンッ

キジ「お頭……っ」


278 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/26(日) 23:44:16.17 ID:addoouTwo
リッチ「グ……ウガアアァァーッ!!」

 ズルゥッ……ズズズズッ

リッチ「カッ、身体がァ……溶けるウウゥゥ……ッ!!」

マジシャン「今、五行を撃てば完全に倒せる」

師匠「野暮な真似はよせっつーの。約束しただろうがよ」

 ググググッ

リッチ「オアアアアァァァァーッ!!」ドチャッ!!

バーテン「どうせ日が出てるんだ。長くは持つまい」

リッチ「アアアアァァァァ――」

 バチュンッ!! ウウゥゥゥゥ……

騎士長「消え……た?」

左翼長「倒したのか!? いや、そうは思えんな……」

戦士父「治療が先だ! 誰か回復出来る奴はいないのか!?」

騎士長「ここには居ないっ。北関まで退くしかあるまいっ!」

女侍「奴は…。…奴……っ」ドサッ


283 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/02/27(月) 01:38:33.15 ID:r4CBPGRx0
>>1 おつ
リッチしぶといな…


285 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/27(月) 01:50:26.22 ID:lTSa8+xSO
おつおつ!

おっさん達の戦い慣れっぷりと初代隊長の冷静な判断が何とも言えないおつ


287 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/27(月) 08:20:17.75 ID:QyQeFU0Io
>>1乙

いつの間に乗っ取られてたんだ
イヌ残念だな


288 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:17:13.77 ID:6TFWAR1ro
……――

イヌ『お頭……お頭……』

女侍「……?」

イヌ『起きるね、お頭』

女侍「イヌ……アンタは……」

イヌ『気にする必要はないね。お頭に会わなければ、とっくに野垂れ死んでたね』

女侍「……っ」

イヌ『孤児だった俺に、家族が出来たね。それだけで幸せだったね』

女侍「何……言ってんだよ……バカっ」

イヌ『やっぱり悪党は正義の味方なんて気取っちゃダメね。罰が当たったね』

女侍「そうかもしれないね……こんな事になるならハナっから……」

イヌ『でもいいね。最後の最後に、胸張って死ねるね』

女侍「イ……ヌ……」

イヌ『それじゃ、先に行くね。バイバイ……お頭』

女侍「ちょいと待ってくれよっ! なぁっ、イヌ――」


289 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/27(月) 18:17:41.76 ID:6TFWAR1ro
――……

女侍「……あ」パチッ

女剣士「姉上っ!!」

女侍「……ここは?」モゾッ

〜北関〜

衛生兵「大丈夫か!? 止血はしたが他に怪我や具合の悪いところはないか?」

女侍「……すまないねぇ。世話になって情けない限りだよ」

女剣士「まだ……寝ていた方が……」

女侍「構やしないよ。別に傷を負ったわけじゃあないんだ」ノソッ

女剣士「でもっ、呪い……って」

女侍「……ん? 他の連中はどうしたんだい?」

 ザッザッザッ

南方魔道長「先に北へ向かったよ。なんせ急ぎの輸送なもんでな」

将軍「君達はここで休むと良い。敵は追い払ったし、急ぐ必要もなかろう」

女侍「……っ」



次へ 戻る 戻る 携 上へ