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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21
- 647 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/11/14(日) 20:52:34.27 ID:2iwiF9go
本国時間、4時過ぎ。先陣が最北の塔へと進軍開始。
ビュオオォォッ…
召喚士「視界が……」
魔道士「凄い…吹雪ですね…っ」
先陣に名を連ねるは召喚士、魔道士、戦士、盗賊、名代、鬼丸…。
更には帝、女剣士、雷忍、火忍の10名とそれに従う足軽、約300名。
雷忍「上様、いつでも申して下され。背負いまする故……」
帝「皆が歩いておるのに、一人楽を出来るものか」
雷忍「……し、しかし」
帝「身分か?年齢か?……気を遣う必要はない。周囲を気遣え」
雷忍「……御意に」
進む事数十分。吹雪の中うっすらと最北の塔が雪の中にその姿を映し出す。
盗賊「…あれが…最北の塔だ」
戦士「……思ったより小さいな」
名代「……」
- 648 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:53:10.71 ID:2iwiF9go
本国時間、4地30分頃。先頭の火忍と鬼丸の足が止まる。
名代「……どうした?」
鬼丸「…何か…臭いがするな」
ザッ
雷忍「雪上にうっすらと足跡があるな…」
召喚士「この雪の中、足跡が残るという事は…近くに何者かが…!?」
火忍「この足跡…人間だな。……ってかこれ」
ザッ!!
女剣士「っ!!」
戦士「誰だっ!!」
物音に気付いた女剣士と戦士が素早く武器を構える。
ザッザッザ
風忍「失礼……。脅かしてしまったか」
土忍「火急の知らせを受け、藤蔵より参陣仕りました」
帝「‥おぉ、これはご苦労」
- 649 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:53:48.15 ID:2iwiF9go
水忍「……姫…っ」
盗賊「みんな…っ!」
水忍「防寒具をお持ち致しました。ご必要な方は申し出て下され」
戦士「おぉ!こりゃ助かる!!」
召喚士「うんっ」
名代「藤蔵の五忍が揃うとは…。これはまた珍しい……」
土忍「…五忍が揃うは慶弔時か……」
火忍「余程の事態の時だけ…だな」
帝「……」
鬼丸「……違うな」
名代「…?」
鬼丸「さっきの臭いとコイツらの臭い…。全然違げぇ」
召喚士「っ!?」
名代「まさか…妖怪かっ!?」
鬼丸「いんや…。人間の臭いなんだが…血生臭せぇんだよなぁ……」
- 650 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:54:33.85 ID:2iwiF9go
魔道士「ど、どういう事ですか…?」
鬼丸「こりゃ死臭だな。人間が死んだ臭いだ」
戦士「何っ!?」
雷忍「……近いのか?」
鬼丸「近いっつーか……モロなんだがなぁ」
盗賊「……しかし…それらしき姿など」
名代「ま…さか!?」
ガバッ
土忍「…私が掘ろう」
雪の上に座り込みかき分ける名を起こし、土忍は印を結び始める。
土忍「……むんっ!!」
ドボォッ!!
土忍が地面へ両手を当てると、その上に積もった雪が激しく上空へと舞い上げられる。
帝「……」
風忍「…雪が……赤いな」
- 651 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:55:09.37 ID:2iwiF9go
名代「…間違いない。血ですね」
魔道士「っ!!」
水忍「降雪量と水分の状態から推測するに…半日以上経っているな……」
火忍「下忍の伝令で聞いたやつだな」
雷忍「……死体がないな」
風忍「大方、食われたのではないか?」
召喚士「待って下さい…っ」
名代「……?」
召喚士「血の痕が…続いています…っ」
戦士「ほんとだ…」
名代「西の方角……あの崖のあたりか」
魔道士「どっ、どういう事でしょうか…!?」
土忍「……食糧として…蓄えておるのか…っ!?」
雷忍「若しくは罠か……」
名代「……これより再編成致す。各々指示に従うように」
- 652 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:55:57.24 ID:2iwiF9go
本国時間5時前。先遣調査隊が西の崖に進む。
ザッザッザ…ビョオォォ
戦士「防寒具のお陰でだいぶ暖かくなったな」
召喚士「動き辛くはない?大丈夫?」
戦士「問題ねぇ。それに四の五の選んでる境遇じゃねーしな」
名代「どうした、鬼丸?」
鬼丸「いんや、チョイと不思議に思ってなぁ」
名代「不思議…?」
鬼丸「相手が夜行なら、餌なんぞ蓄える必要ねぇってな」
名代「……」
鬼丸「腹が減ったら人の住む村まで言って、食せば済む話だかんな」
名代「……!?」
火忍「どうだー?何か見えっかぁ?」
風忍「視界が悪過ぎて何とも言えんな…」
火忍「……ん?」
- 653 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:56:30.12 ID:2iwiF9go
本国時間5時。調査隊は崖の麓へ到着し、正面に洞穴を発見する。
ザッザッザ
火忍「……奥もありそうだぞ、棲み処かもしれねぇ!」
風忍「こちらですっ!」
ザッザッザ
名代「…各自、左右に分かれよ。まだ中には入るでないぞ」
戦士「了解!!」
召喚士「……」
鬼丸「……いるぞ」
名代「!?」
鬼丸「この臭い……人間じゃねぇ!!」
召喚士(血の跡は…この穴の奥へと続いている。しかし……)
パラッ
召喚士「…?」
パラパラと落ちてきた小石に、召喚士はふと崖の上を見上げる。
- 654 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:56:59.19 ID:2iwiF9go
…
魔道士「大丈夫ですかね…。たった6人で……」
盗賊「……」
雷忍「隠密行動ですからな。こういう時は少ない方が良い」
水忍「足軽隊は前に出て、上様を護衛致せ!」
足軽頭「御意に!!」
帝「……」
女剣士「上様、もう少しお下がりを……」
帝「…ああ」
ドオオォォンッ…
土忍「!?……何の音だ!」
水忍「分からん…っ!だが西の方角からなのは間違いない!!」
盗賊「……まさか」
雷忍「……ちぃっ!」
帝「動くなっ!!」
- 656 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 20:59:39.64 ID:2iwiF9go
魔道士「っ!?」
帝「……調査隊に任せるのだ」
盗賊「……っ」
帝「ここで動けば、折角の策が台無しになる」
水忍「上様…っ」
帝「それに、仲間を信じぬのか?彼らでは勝てぬとでも申すのかっ!?」
土忍「上様の申される通りだ。調査隊に任しておけ」
盗賊「……だな」
土忍「それに、我らとて油断は出来ませぬぞ」
魔道士「え…っ!?」
水忍「今の音が妖怪とは限らぬ。本体のこちらが落ちる事とてあるのだからな」
水忍「そうならぬ為の……我らです」
女剣士「……」
帝「頼りにしておる。……周囲の警戒を怠るなっ」
雷忍「……聞いたか、各自警戒を強化。最北の塔からも目を離すな」
- 657 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 21:05:22.02 ID:Gjdd5aEo
最近
>召喚士「うんっ」
って多いな…可愛すぎだろwwwwwwww
- 658 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 23:05:45.32 ID:xB/s/YAO
初期の頃はこんな萌えキャラになるとは思わなかったな
- 659 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:26:18.58 ID:2iwiF9go
パラパラと落ちてきた小石に、召喚士はふと崖の上を見上げる。
そこに見えるは、首無し馬と、それに跨る異形の者。
召喚士「上だっ!!」
風忍「っ!?」
名代「散れぇーっ!!」
火忍「……ちっ!」
戦士「鬼丸ぅ!!」
ドオオォォンッ!!
鬼丸「……夜行ッ!!」
夜行「…ヒヒッ、今の一撃を受け止めるかぃ…」
鬼丸「……グハハッ!」
夜行「それに、俺っちの名前まで知ってるたぁ…」
鬼丸「勇名じゃねぇぞ?小汚ねぇ三下で有名だからな!」
夜行「アンタァ…人間じゃあないね」
鬼丸「…さぁな!」
- 660 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:26:52.16 ID:2iwiF9go
崖上から強襲する夜行の一刀。鬼は金棒でそれを防ぎ、鍔迫り合う。
夜行「口は達者だが…腕は大した事ないねぇ」
ググッ
鬼丸「……ぐ…うぉっ!」
名代「鬼丸っ!!」
鬼丸「心配はいいから…次の手打てや!!」
ドズウウゥゥンッ!!
召喚士「戦士っ!」
戦士「分かってる!前衛は任しとけ!!」
ドオオォォ…
夜行「……頑丈さはあるみたいだなぁ」
金棒ごと地面へ押しつけ、雪中に埋もれた鬼丸に対し、声を掛ける夜行。
ガシッ
鬼丸「…てめぇが非力なだけだろ…っ!」
夜行の跨る馬の前足を掴み、鬼丸は言葉を返す。
- 661 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:27:24.21 ID:2iwiF9go
夜行「……アンタのその臭い、妖怪どころか……同族か?」
鬼丸「……だったら何だ?」
ババッ
風忍「風遁……旋風!!」
火忍「火遁…っ、焔!!」
夜行「む…っ!?」
ドズウウゥゥンッ!!…ゴゴオオォォ…
火忍「当たったか!?」
風忍「分からんっ!おい、鬼…!立てるか!?」
鬼丸「背後に跳んだ、もいっちょ来るぜ!」
グイッ
鬼丸「!?」
戦士「立て、俺とお前で前衛張るぞ!」
鬼丸「……久々だなぁ!相棒ッ!!」
戦士「……足引っ張んなよ?」
- 662 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:27:55.91 ID:2iwiF9go
鬼丸「……グハハッ!言ってくれるじゃねぇか!!」
戦士「来るぞ!!」
風忍「頼むっ!我らは左右より援護する!」
戦士「頼むぜ!!」
ドスッ…ドスッ…ドスッ…
夜行「ヒヒッ、俺っちと戦うってかぁ?」
召喚士「名代さん、俺らも援護を……」
名代「ああ、だが忘れるな。目的は倒す事ではない」
召喚士「分かってます!何としても西の陣へ誘い込みましょう!」
名代「うむ」
ザッ
夜行「……ヒヒッ!」
不気味な笑い声と共に、夜行は馬を勢いよく駆る。
戦士「来たぞっ!!」
鬼丸「おーう!」
- 663 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:34:06.32 ID:2iwiF9go
ガギイイィィンッ!!
鈍い音が辺りに響く。夜行の刀を鬼丸が金棒で再び防いだ。
夜行「懲りないねぇ……」
鬼丸「……んにゃろぉ!」
戦士「でりゃあ!!」
すかさず戦士が両者の間に割り込み、戟を振り上げる。
ビュオッ!!
夜行は刀を引き、戟を刀身で受け止めるが、その威力に右手ごと跳ね上げられた。
鬼丸「隙ありぃ!!」
自由となった金棒を力任せに振りかぶり、鬼丸は一気にそれを叩きつける。
鬼丸「まずはその偉そうな馬を……潰す!!」
グオォッ……ズッガアァァッ!!
鬼丸「ちっ!」
戦士「上だっ!!」
金棒は無常にも空振り、頭上の夜行はニタリと笑う。
- 664 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:38:19.84 ID:2iwiF9go
夜行「甘い甘い……ヒヒッ!」
グオッ!!
風忍「はぁっ!」
三度、刀を振り下ろす夜行の左後方より、突風が巻き起こり身を襲う。
夜行「ぬ…っ!」
風忍「此方も忘れて貰っては困るな」
夜行「……ほぉ〜」
凝縮された風は、馬ごと夜行の体を右方へ押しやる。
ズザァ…
火忍「…ようこそっ!!」
夜行「ッ!?」
火忍「火遁……焔ぁ!!」
火忍が素早く印を結ぶと、両手の火球が一つに合わさり、夜行へ迫る。
夜行「く…ぬっ!」
火球は夜行の頭上で大きく弾け、頭上より火の雨が降り注ぐ。
- 665 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:43:39.19 ID:2iwiF9go
ゴウウゥゥッ!!
夜行「小賢しい…!!」
左手の手綱を引く夜行の合図で、首無し馬がその場で大きく地面を蹴りつける。
ドズウウゥゥンッ!!
風忍「舞い上がった雪で…消化をっ!?」
火忍「…くそっ」
ババッ
夜行「ヒヒッ、逃がさんよぉ〜」
舞いあがる雪の中より首無し馬が威勢よ良く火忍へと迫る。
火忍(早い……っ!!)
夜行「一刀にて葬ってやろう…ヒヒッ!!」
ドウンッ!!
夜行「――ッ!!」
突如、目の前に現れた見た事もない巨鳥。夜行は一瞬仰け反り、笑った口を閉じた。
召喚士「……行けっ!コカトリス!!」
- 666 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:54:52.07 ID:2iwiF9go
コカトリス「……おう!」
ドシュウゥゥッ!!
夜行「…何だあれは!?」
火忍「……」
タタッ…
夜行「…ちっ、すばしっこい奴だねぇ」
火忍「…すまねぇ、助かった」
召喚士「思ったより早いですね」
火忍「あれをどうやって誘い込むってんだ!?」
名代「……骨が折れそうですね」
火忍「……っ」
召喚士「とにかく…まずはあの機動力を奪いましょう!」
言葉を発すると同時に、召喚士は上空のコカトリスを見上げる。
召喚士「…この吹雪じゃ、細かな指示は難しそうだな…っ」
なおも勢いの衰えない吹雪。それは空と共に、上空を飛ぶであろうコカトリスの姿をも白く包み込む。
- 667 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 23:59:14.43 ID:wTd/1KYo
召喚士かっけええええええ
- 668 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:59:26.14 ID:2iwiF9go
ゴオオォォ…
コカトリス「雪にこの風…。こうも悪天候ではな」
ぼやくコカトリスは低空を旋回しつつ、再び夜行へと照準を合わせる。
コカトリス「…互いに臭いで嗅ぎ取るしかない、か」
ドシュウゥゥ…
戦士「鬼丸!」
鬼丸「あん?」
戦士「まずはあの馬を潰すぞ!足を止める!!」
鬼丸「賛成だ!んで、どうする?」
戦士「……作戦なんてねぇ!ガチンコだ!」
鬼丸「…グッハハハ!悪くねぇ!!」
戟をその場に突き刺し、戦士は腰の雷切りをゆっくりと抜き、歩き始める。
ザッザッザ…ザッザッ…
戦士「俺が囮になる。馬はお前がなんとかしてくれ」
鬼丸「……あいよ!」
- 669 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 00:06:26.77 ID:u486TrQo
夜行「あのヘンテコな鳥は…後回し後回し」
ドズンッ
夜行「まずはこの人間から…頂くか」
ザッ
戦士「…来な!」
夜行「……ヒヒッ、嫌いじゃないぜぇ…そういう態度!」
両者の間合いが切迫した刹那、首無し馬の上体が一気に縮まる。
夜行「ヒャアーッ!!」
身を乗り出した夜行が刀を振り下ろす。
戦士「っらあぁ!!」
同時に戦士の雷切も雪中を一閃した。
風忍「早いっ!!」
僅かに戦士の一刀が夜行の速度を勝る。
夜行「……甘いねぇ」
鍔迫り合いを嫌ってか、夜行の右手が止まると同時に、首無し馬が左方へ大きく跳ねた。
- 670 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 00:11:59.23 ID:u486TrQo
鬼丸「まずいか…っ!?」
夜行「……そうれっ!!」
空振る戦士の隙だらけの身に、夜行が構え直した刀を振り下ろす。
風忍「っ!!」
戦士「これで…いいんだよぉ!!」
夜行「――ッ!?」
ガキイイィィンッ!!
夜行「……盾…だとぉ!?」
雷切を振った反動でその左腕を大きく突き出した戦士。
夜行の刀はその左腕に備えられた盾により呆気なく防がれた。
夜行「…小…癪うぅ…っ!!」
戦士「鬼丸ーっ!!」
鬼丸「おうよ!!」
グオォッ…ブンッ!!
下段に構えられた金棒が首無し馬の胸部めがけ大きく振り上げられた。
- 672 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 00:24:21.91 ID:u486TrQo
〜忘れてたオマケ〜
ボーッ…ボーッ
女隊員「隊長おかえりッスって……あれぇ!?」
男隊員「何でアンタらが乗ってんだ?」
青年兵「い、いや…ちょっと事情がありまして……」
占い師「そのうち連絡来ると思うけど、観光で東方入りしたわ」
女隊員「観光ッスか!?」
男隊員「あんのヤロー。コソコソしてると思ったらやっぱりそういう事か!」
格闘家「…いや、違うんじゃないでしょうか」
女隊員「東方とか、超行ってみたいッスよぉ!いいなぁ〜」
男隊員「何だっけ?ゲイシャとか言う偉い美人がいるんだろ!?チクショー!」
女隊員「見るッス!この東方ガイドブックによると食べ物は……」
格闘家「何でそんな物を…!?」
男隊員「くっそー!!お土産なかったらブッ殺す!」
青年兵「あ……あのぉ」
占い師「……放っておきましょ」
- 676 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:00:49.01 ID:wTmnkO6o
ブンッ!!
火忍「取った!」
鬼丸の豪快な一撃が吹雪を切り裂く。
戦士「…いやっ、これは……!?」
首の切れた馬は即座にその身を屈ませ、騎乗主を背より離す。
分離した両者の間、鬼丸の金棒が空を切る。
鬼丸「ちいぃ…っ!」
足元を通り過ぎる金棒をゆっくりと見据え、夜行は体制を曲げる。
夜行「……ヒヒッ」
戦士「!?」
前方に伸ばした両足で戦士を力強く蹴り上げ、夜行はその反動で宙へ身を移す。
グッ…バキィッ!!
戦士「ぐ…っ!」
召喚士「戦士!!」
後方へ蹴り飛ばされる戦士へ一同の目線が集まる隙に、首無し馬が高く跳躍した。
- 677 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:03:03.26 ID:wTmnkO6o
ドウッ
鬼丸「ちっ…。戦士、大丈夫か?」
戦士「それより上だ。もう一度来るぞ!」
上空で首無し馬へと再度跨ろうと試みる夜行。
ゴウッ!!
夜行「来たか…!」
コカトリス「……」
ザッザッザ…ザザッ
召喚士「両者が交わる瞬間を……叩くっ!」
名代「……」
騎乗のタイミングを狙い、コカトリスが大きく口を開く。
コオオォォッ…
コカトリス「食らえ…っ!!」
夜行「吐息系かぃ。成程ねぇ〜」
突如夜行は首無し馬の背を掴み、コカトリスの正面へと投げつける。
- 678 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:06:12.21 ID:wTmnkO6o
コカトリス「!?」
召喚士「な…っ!!」
ゴオオォォッ…ビキキッ…イィ
火忍「う…馬を盾に…!?」
ドウッ!!
コカトリス「!!」
召喚士「まずいっ!」
飛びかかる夜行がコカトリスめがけ刀を振り下ろす。
ブオッ……バシュッ!!
夜行「……?」
振り下ろした刀は数枚の羽を落とすのみに留まり、夜行の一撃は不発に終わる。
突如消えた眼前の者。消え入る羽を見つめつつ、夜行は地上へと着地した。
ズザッ
夜行「…なーんか、嫌な感じだねぇ」
召喚士「……」
- 679 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:07:14.74 ID:wTmnkO6o
ザッザッザ…
戦士「直前で召喚解除したか」
召喚士「視界が悪くて…少しかすったけどね……」
戦士「でも、これで馬は叩いたぜ!」
夜行「ヒヒッ!!」
風忍「……?」
夜行「勘違いしとらんかぃ?」
名代「……」
夜行「俺っちがあんな馬に頼らんといけねぇとでも…?」
火忍「こっからが…本番てかぁ!?」
夜行「ひひっ、ご名答〜!」
ドンッ!!
火忍「風ぇ!!」
風忍「くぅ…っ!」
反転し、後方の風忍へと迫る夜行。風忍は慌てて印を結ぶ。
- 680 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:10:20.59 ID:wTmnkO6o
夜行「……そぉれぇ…っ!!」
風忍「風遁……颪!」
ギュルルルッ…ググオォ…
両手を突き出す風忍の前に巻き起こった風の壁。
そろえは夜行の持つ刀身を包み込み、動きを制す。
夜行「……ほー」
火忍「風っ!耐えらんねーぞ!?」
風忍「……っ!」
グググッ…
夜行「もう終わりかぃ?」
風忍「…………ちっ」
ドズズウウゥゥンッ!!
戦士「!?」
名代「な、何だ…っ!?」
風忍と夜行を突如襲った爆風。雪が舞い上がり視界は更に不良となる。
- 681 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/15(月) 18:11:42.42 ID:wTmnkO6o
召喚士「風忍さん…!?」
火忍「待て、今のは風の攻撃だ!」
召喚士「!?」
火忍「まだ視界が悪い。下手に踏み込むな」
オオオオォォ…
風忍「…はぁ…はぁ……はぁ」
ズシャッ
夜行「…ヒ、ヒヒッ。何を…した?」
腹部を苦しそうに押さえ、距離を取る夜行。
夜行「一瞬、息が止まっちまったわぃ……」
それを睨みつける風忍。押さえた左肩からゆっくりと右手を離す。
ポタポタポタッ…ポタタッ
名代「……っ」
火忍「食らいやがったか…。おい風!退がれ!!」
風忍「……はぁ…はぁ」
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