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冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
- 414 名前: ◆qqtckwRIh. []
投稿日:2013/08/19(月) 07:51:00 ID:iPx.iGbg
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――――【3日後・冒険酒場】
冒剣士「…というわけで、今回も色々ありました…」
オーナー「今回もお疲れ様。遺跡と一緒に沈んだって聞いたときは肝が冷えたよ…」
女メイジ「本当ですよ…、死ぬかと思いました…」
オーナー「今回の報酬は弾んでおかないとね…」
孤高騎士「色つけて頼むよ、オーナー」ニカッ
- 415 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:51:30 ID:iPx.iGbg
オーナー「ああ、もちろん……ん?」
冒剣士「…」
オーナー「…どうした?冒剣士」
冒剣士「あ、いえ…一度…、実家に戻ろうかなって…」
オーナー「実家に?」
冒剣士「今回のこともですが、前も…死にかけました。こんなことしてたら、いつ倒れるか分からないので…」
女メイジ「…」
冒剣士「出来るだけ、元気なうちに顔を見せておこうかなって…」
孤高騎士「本当はこんな国家級のクエストが連続することなんてないんだけどな…、運がいいんだか悪いんだか…」
- 416 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:52:08 ID:iPx.iGbg
冒剣士「だから、次に連休が入ったら戻ってみようかなって…」
オーナー「なるほどね…うん、いいよ」ニコッ
冒剣士「本当ですか!?」
オーナー「確か、3週間後からしばらくは軍から遠征要請が入るから、酒場のほうも少し暇になる。休みを長くあげるよ」
冒剣士「ありがとうございます!」
オーナー「うんうん、親にはきちんと顔を出すほうがいいさ」
孤高騎士「東方か…」
冒剣士「僕の故郷…そうですね」
- 417 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:52:49 ID:iPx.iGbg
孤高騎士「東方は錬金術にも長けていて、技術水準が高いんだよな?」
冒剣士「そう…ですね」
孤高騎士「もしかしたら、"宝玉"の秘密も分かるんじゃないか?」
冒剣士「…なるほど」
オーナー「…」
孤高騎士「ヒュドラが吹き飛んだ原因とか、な」
オーナー「うーん…それは多分、強力な封印魔法…いや、放出魔法…?が掛かっていたんじゃないかな」
- 418 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:53:21 ID:iPx.iGbg
冒剣士「?」
オーナー「例えば、冒剣士以外が使えないとか、色々と憶測は出来る」
冒剣士「僕だけ…?」
オーナー「昔から、高貴な魔族は少しの未来を読む力があると言われているんだ」
孤高騎士「…」
オーナー「だから、もしかしたら冒剣士がフィルボルグの前に現れることも、すべて知っていたのかも…ってこと」
冒剣士「…なるほど」
オーナー「…とりあえず、東方にいったら羽を伸ばしてきなよ!」
冒剣士「はい、休ませていただきます!」
- 419 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:53:57 ID:iPx.iGbg
孤高騎士「あのよ、俺も行っていいか?」
冒剣士「え?」
女メイジ「!」
孤高騎士「ほら、サクラとか色々見たいって言ってただろ?一回いってみようと思ってたんだよ」
冒剣士「い、一緒にですか?ぜひ!」
孤高騎士「お、いいのか?」
冒剣士「お世話になってるって、お母さんにも紹介したいです!」
孤高騎士「はは、ありがとうよ!」
女メイジ「あの…オーナー」
- 420 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:54:35 ID:iPx.iGbg
オーナー「ん?」
女メイジ「私も…東方に行っていいいですか?」
冒剣士「え?」
女メイジ「そ、その…、最近はずっと3人一緒だったし…、私も…だめかなって…」
冒剣士「僕はいいよ!もちろん、女メイジと一緒にいけたら楽しいし」ニコッ
女メイジ「…むぅ」テレッ
オーナー「2人も穴が開くのは…うーん…むむむ…」
女メイジ「…」
オーナー「ま、いいか。いっておいで!」
- 421 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:55:11 ID:iPx.iGbg
女メイジ「…ありがとうございます!」
冒剣士「やった!色々町も案内するね!」
女メイジ「…楽しみにしてる!」
孤高騎士「はっはっは、楽しくなってきたな!そうと決まれば準備だ!」
冒剣士「え、ええ!?3週間後ですよ!?」
孤高騎士「善は急げってね!オーナー、とりあえずこの2人と買い物いってくるぜ!」
女メイジ「準備しに行きましょうっー!ほら、冒剣士も急いで!」
…ヒッパラナイデー!!
…ドタドタ…ガチャッ………バタン…
- 422 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:56:02 ID:iPx.iGbg
…シーン
オーナー「…」
…コンコン……ガチャッ
オーナー「お…」
僧侶戦士「よっ…みんないるんだろ?」
オーナー「僧侶戦士…」
トコトコ…スタッ
聖剣士「…ここに」
魔法使い「…もちろんいるわよ」
吟遊詩人「…隠れるのって、案外疲れますよね」
- 423 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:56:33 ID:iPx.iGbg
僧侶戦士「よしよし…で、どうなんだ?」
オーナー「…話を聞く限りでは、恐らく…」
聖剣士「…」
吟遊詩人「どうにも…ならないんですか?」
魔法使い「…」
オーナー「まだ何か始まったわけじゃないけど、充分すぎる役者は揃いすぎている…」
聖剣士「分かってます。心に変化が起きてるということでしょう…」
オーナー「…」
- 424 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:57:03 ID:iPx.iGbg
僧侶戦士「…どうするんだ?俺らは」
オーナー「今は…どうしようもないよ」
魔法使い「…何にしろ…、もしアナタの考えが合っているとしたら…」
オーナー「……話を聞いた限りでは、繋がるという話で…」
僧侶戦士「お前の気持ちも分かるが、哀しい思いをするのは…あいつなんだぞ?」
オーナー「…」
僧侶戦士「…」
- 425 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:57:40 ID:iPx.iGbg
オーナー「…」
僧侶戦士「…」
聖剣士「…」
僧侶戦士「これからどうするべきか、お前がどう考えているかも分かる。だが…」
オーナー「…かといって、今から動くのは…」
僧侶戦士「元々は別のクエストだったのが、お前がダダこねて招いたのがこの結果でもあるんだぞ!?」
オーナー「…くっ」
僧侶戦士「今からでも遅くないだろ!?」
オーナー「だめだ…今は、もう…」
- 426 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:58:57 ID:iPx.iGbg
僧侶戦士「…あいつらが…そこまで気にかかるか、お前らしいがな」
オーナー「…」
僧侶戦士「…分かってるよ。俺だって。じゃあどうする!?宝玉の反応が、全てを物語っているじゃないか!」
オーナー「…もし、何かが起きたら俺も出る。それに…軍も弱い訳じゃない。よっぽどじゃない限りは大丈夫だろう」
吟遊詩人「でも…どっちの選択も、どっちの結果も…、辛い結果になりますね…」
オーナー「…今は、願うしかないだろう…」
僧侶戦士「頼むぜ…"英雄剣士"」
オーナー「…あぁ」
- 427 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 07:59:34 ID:iPx.iGbg
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冒剣士「えー、これはハデすぎますよ!」
孤高騎士「ははは、いいと思うんだけどな!?」
女メイジ「孤高さん…センス悪いですね…」
孤高騎士「何だと!?」
- 428 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:00:05 ID:iPx.iGbg
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オーナー「…悲しませることだけは、したくないんだけどな」
僧侶戦士「考えが、改まればいいんだが…」
聖剣士「このタイミングで、こうなるのは運命だったんでしょうか」
- 429 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:01:17 ID:iPx.iGbg
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冒剣士「次は女メイジの選んでくださいよ!」
女メイジ「やだー!こんなハデなの着たくないー!」
- 430 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:02:03 ID:iPx.iGbg
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オーナー「…偶然という名の、運命…か」
- 431 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:02:45 ID:iPx.iGbg
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――――【オーナーの部屋】
…ビュウウウウッ!!!
…バサバサバサッ…!!…
ヒラヒラ…
…パサッ…
- 432 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:03:15 ID:iPx.iGbg
"国家クエスト"
英雄剣士及び、その経営する専属冒険者たちへ
本クエストは、人物の調査を行ってもらう
元、国際指名手配者であり
"軍人殺し"を行った者の身辺調査、及び観察である
当該する酒場に通い"冒険者"として活躍する現在の情報を定期的に送って欲しい
反逆を行う意思がないか、これは非常に重要なことである
彼は一人でも十二分に国軍への影響を与える可能性があるからだ
"「孤高騎士」"の調査を宜しく頼む
- 433 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:03:45 ID:iPx.iGbg
【TO BE CONTINUED】
- 434 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/19(月) 08:04:16 ID:iPx.iGbg
読んでくださった方々、ありがとうございました。
次回作は別スレで、第二幕としてスタートいたします。
修正分、ファンタジー辞典を張って、今回は終了です。
- 435 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/19(月) 08:04:55 ID:TMxXK53Y
乙
次も期待してます
- 436 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:05:03 ID:iPx.iGbg
【ファンタジー辞典】
■ヒュドラ
ギリシア神話に登場する怪物で、古代ギリシア語で"水蛇"という意味です。
しかし、もう1つ意味があり、それはヘラクレスに退治されたヒュドラーという意味もあるようです。
星座の中にある"うみへび座"は、ヒュドラのことです。
■フィルボルグ
ケルト神話、アイルランドに伝わる神族の巨人"フィルボルグ族"が元ネタです。
元々はエリンという世界で、5つの種族が繁栄、滅んだという神話のストーリーの種族の1つです。
- 437 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/19(月) 08:05:46 ID:NiTlAjfQ
早起きは三文の得った
まさかのリアルタイム遭遇 乙!!
- 438 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:05:49 ID:iPx.iGbg
★カタナ
ご存知のとおり、日本に伝わる武器の1つです。
実は刀の歴史は平安時代まで遡り、そこで生まれた"太刀"が今日の刀の原型の1つとも言われています。
その時代から、武人の一般的な武器と認知され、今は平安時代以降の太刀などを"日本刀"と呼びます。
●居合い
鞘を滑らせて、摩擦を使って加速させて切り込む"居合い"という剣術です。
"抜刀術"の中にある1つ、居合いとして認識されることも多いですが、実際は"抜刀術"の別称が"居合い"なのです。
本作では、認識の多くである"抜刀術の1つ"として扱っています。
●燕返し
佐々木小次郎が得意とした"虎切"を燕返しと認知されています。
作中ではカウンター技でしたが、実際は"二回の攻撃による切り替えし術"が基本です。
分かりやすくいえば、居合いや刀の切り込みは必ず1度目のあとに"スキ"が生じます。
それを利用し、大きく1度目の攻撃を外し、そこを狙った相手に更に早い速度で斬りを入れるという技と伝えられています。
●居合い刀
本作では何度も使っていますが、"居合い専用の刀"というのが日本にはあります。
なぜなら、鞘を通して加速する技なので、その度に刀身が削れ、やがて刃先がボロボロになってしまうのです。
その為、居合い刀は"消耗品"として扱われており、現在の刀も居合い刀は一般的な日本刀よりも値段が落ちます。
(ただし歴史的な価値品を除く)
- 440 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:10:46 ID:iPx.iGbg
今回はこれで終了になります。
もう1度時間を得て、新たなステージの作品を書けて嬉しい限りです。
ありがとうございました、次回作もお付き合い頂ければありがたいです。
次回作の目処が立ち次第、こちらにURLを張らせていただきます(A´ω`)ソレデハ
- 441 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/19(月) 08:11:22 ID:iPx.iGbg
>>435 >>437
お早い乙ありです(A´ω`)v
- 445 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/21(水) 11:18:13 ID:LsCcfpcw
冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1377051292/l50
開始しました。
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