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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その11
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga] :2010/01/31(日) 12:37:28.27 ID:CGZ9Ye2o

┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
    幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

コカトリスをクリト…と間違えて呼んでしまったダメ召喚士は、
パーティー仲間の頼れる戦士、どうみても処女な魔道士(戦士談)
スタイルいいが無口な盗賊(戦士談)と力を合わせて冒険を重ね、
数々の出会い…そして別れを経験し困難を乗り越えて行く。
北方で戦士の故郷を訪れた彼らは、再び戦闘に巻き込まれ…!?

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(くっ!投票しろと右腕が疼きやがる…!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆前スレ(その10)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/

◆過去ログ
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/


14 :GEPPERがお送りします [saga] :2010/01/31(日) 18:18:40.82 ID:CGZ9Ye2o
こんばんはー!ノシ
改めて製作速報にて宜しくお願い致します!

では途中までですが↓続き


15 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:19:44.82 ID:CGZ9Ye2o
〜本陣〜

参謀「……分かりました」

ワーカー「んじゃ、俺は戻るぜ!」

参謀「ありがとうございます。そちらも……」

ワーカー「ああ!たっぷり賞金用意しとけよっ?」

タッタッタ…

参謀「……集合を」

プリースト兵「ははっ!!」

参謀の掛け声で国軍とワーカー達が集合する。

参謀はワーカーからの伝言を皆に伝えた。

護衛兵「ほとんど火力はありませんよ!?」

プリースト兵「…ええ」

参謀「しかし、やるしかありません…」

護衛兵「魔法剣士ってワーカーだけが頼りだな…」

参謀「…彼なら、一人で一小隊に匹敵するでしょう」


16 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:20:57.32 ID:CGZ9Ye2o
〜山のふもと〜

ザザザザザッ…ピタッ

魔法剣士「……」

魔法剣士はかすかな物音に反応する。

魔法剣士「…こっちか」

タタタッ…ザッ

物音のした崖下を覗き込むと、川沿いに何かが動いている。

魔法剣士「…いた」

魔法剣士は上流へ向かうトロルの集団を確認すると、

ふと、上流を見上げる。

魔法剣士「本陣狙いではない……」

川の上流は、本陣のはるか手前で大きく、右にそれていた。

魔法剣士「山を回避し、合流する気か」

タンッ…タッタッタッタッタ…

魔法剣士はそのまま崖を下り、川沿いを目指す。


17 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:22:13.70 ID:CGZ9Ye2o
〜谷〜

ゴオオォォッ…バサッ…バサッ…

剣ワーカー「召喚獣!?初めて見るな…」

魔道ワーカー「朱雀の高等召喚獣か!?」

魔道士「あれはコカトリスですよっ」

剣ワーカー「コカトリス!!あ、あの…!?」

魔道ワーカー「再来の先代から引き継いだのか!」

魔道士「有名なんですね!」

剣ワーカー「そりゃあ魔王の…」

ドオォォンッ!!…ガシャッ…ガラッ…

お父「………」

剣ワーカー「だ…大丈夫か?」

お父「……問題ない」

ザッザッザ…

魔道ワーカー「す、すげぇな…。何者だ…?」

魔道士「さ、さぁ…」


18 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:24:12.05 ID:CGZ9Ye2o
コカトリスは上空から石化の息を吹きつける。

ゴアオオォォッ…

トロル「石化か!厄介だな…」

後方のトロルは雨天の空を飛びまわるコカトリスを目で追う。

トロル「だが精度は低い!散ればそう当たらねぇさ!」

トロルは密集を解き、散開し始める。

コカトリス「雨で視界が遮られる…。召喚士!」

召喚士「は、はい!!」

コカトリス「視界を切り開け!!」

召喚士「…分かった!」

召喚士は風のレイピアを薙ぎ払い、突風を巻き起こす。

巻き起こる風に、雨は一瞬の視界を開く。

召喚士「今だ!!」

コカトリス「…承知!」

コカトリスは、雨と雨の隙間に出来た風の道を飛ぶ。


19 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:25:49.89 ID:CGZ9Ye2o
戦士「…!?風が道を…?」

盗賊「…まるで…雨が避けているようだな」

戦士「おっと…。見入ってる場合じゃねーや」

盗賊「…こっちも…行くぞ!!」

タンッ!!

コカトリスは左右に散ったトロルを一匹ずつ捉える。

開けた視界と突風が追い風となり吐息お威力は更に増す。

ゴアオオオォォッ!!

トロル「…う…おぉ…っ……」

剣ワーカー「次々と石化していく…!?」

お父「……」

幼女「…すご…っ」

トロル「誰だよ!精度が低いとはホザいてたのはよぉ!」

逃げまどいながら叫ぶトロルへ、容赦なく頭上より吐息が放たれる。

コカトリス「視界が開ければ…どうという事はない!」


20 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:28:19.29 ID:CGZ9Ye2o
ゴアオオオォォッ!!

召喚士「…よし、次っ!!」

トロル「ダメだ!空は相手出来ねぇ!使い手を狙え!!」

トロルは一斉に突撃し、召喚士を狙う。

召喚士「捨て身かっ!?」

戦士「まずいっ!前衛ー!突破させんなよっ!」

剣ワーカー「当たり前だ!!」

ガキィィンッ!!…キィンッ!!…ドゴォ!!…

盗賊が蜘蛛切を片手に走り込む。

トロル「…うらぁ!!」

シュバッ!!

トロル「動きは見えてるぜぇ!上だ…っ!!」

戦士「…下だよ!」

トロル「なにぃ!?」

ザシュッ…ガカアアァッ!!


21 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:29:37.54 ID:CGZ9Ye2o
トロルが下を向く瞬間に、戦士の雷切が振り上げられる。

盗賊「はぁっ!」

ドスッ!!

宙へ飛んだ盗賊が、蜘蛛切をトロルの脳天へ突き刺す。

ドシャアァッ…スタッ!!

魔道ワーカー「コンビネーションばっちりだなっ!」

盗賊「!?」

戦士「い、いやっ…!まぁ…そうだな…!」

盗賊「う、うん…!」

二人は顔を見合わせ、前方のトロルへと走り出した。

ザシュッ!!

召喚士「…ふーっ」

オーク「うああ…!ひぃ」

召喚士「大丈夫ですか!?」

オーク「だだ、大丈夫です!」


22 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:31:42.48 ID:CGZ9Ye2o
召喚士「後方は任せましたよ…!」

オーク「……召喚士さぁん」

タッタッタ…

召喚士「どうだ!?」

戦士「あと15かそこらってとこか…!」

召喚士「こちらは…?」

盗賊「…死者はいない」

戦士「この先厳しそうなのは3、4人てとこか」

戦士は周りの様子を伺い、雷切を鞘に納める。

戦士「召喚士、奴らの狙いはお前だ」

召喚士「……」

盗賊「…手が出ず…使い手を狙っておる」

盗は交戦するコカトリスとトロルを眺める。

戦士「残りも少ない。コカトリスを戻して後方へ回れ」

召喚士「でも、大丈夫…?」


23 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:52:29.43 ID:CGZ9Ye2o
戦士「任しとけ。魔道士も他の奴らも、余力あるしな」

盗賊「…召喚士はこの先に備えておけ」

召喚士「…ありがとうございます」

戦士「負傷者をシービショップで頼む!」

召喚士「うん。そうだね…!」

盗賊「……」

召喚士「…後方に回ります!前線は任せました!」

盗賊「…任せろ」

タッタッタッタッタ…

戦士「んじゃ、俺らもあと一仕事…」

盗賊「……大丈夫か?」

戦士「…んー?」

盗賊「…戦士も少し休め」

戦士「バッカ…!まだまだ元気だっつの!」

盗賊「……なら何故、刀を戻した?」


24 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:57:34.81 ID:CGZ9Ye2o
戦士「……」

盗賊「魔力が尽きたのであろう?」

戦士「…けっ、お見通しかよ」

盗賊「……」

戦士「だが…魔力が尽きようが、本業はコッチだ!」

ガシッ

戦士は斧を右肩に担ぎあげる。

盗賊「…槍じゃないのか?」

戦士「不得手な得物をいきなり実践で使えるかよ」

盗賊「…戦士なら…出来ると思う…けど」

戦士「あん?」

盗賊「……何でもない!行くぞ!」

タンッ!!

戦士「おっしゃあ!」

トロルめがけ走る盗賊を追い、戦士は後に続き走り出した。


25 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 18:59:19.44 ID:CGZ9Ye2o
召喚士「いけっ!シービショップ!!」

シュイィィン

召喚士「お願いします…」

シービショップ「ほっほっほ…」

シービショップは傷ついたワーカーを癒していく。

召喚士「……っ!?」

フラァッ…

召喚士(結構…魔力使うな…)

シービショップ「終わったぞい…」

召喚士「ありがとうございます」

シュイィィン

召喚士「…大丈夫ですか?」

剣ワーカー「…あぁ…す、すまねぇ…!」

召喚士「いえっ、無理なさらず…。癒えたら本陣へ」

剣ワ−カー「先に戻らせて貰うぜ…。情けねぇが…」

召喚士「…。あちらも無事だといいけど…」


26 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 19:00:47.33 ID:CGZ9Ye2o
〜山の中腹〜

ザッザッザ

トロル「この川沿いをずーっと降って行けば…」

ザッザッザ

トロル「本隊と合流アーンド、司令部ってことだ!うははっ!」

ジャリッ…

トロル「…何だ?一人で遭難でもしたか…?」

魔法剣士「……はー」

トロル「なーに溜息なんて吐いちゃって……」

魔法剣士「おめでたい奴らだな…」

ジャキッ!!

トロル「うおっ!?」

魔法剣士は背中より二本の剣を抜き、手に構える。

トロル「一人で…やる気か…?は、ははっ…うははは!!」

ヒュンヒュンッ!!…ザシュッ!!…ゴオオォォ…


27 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 19:02:58.35 ID:CGZ9Ye2o
大口を開けて笑う一匹のトロルめがけて、

魔法剣士の両剣がいとも容易く左右から斬り降ろされた。

トロル「…う…え…ぇ!?」

ズルッ……バシャッ!!…ドシャアァッ!!

トロル「…コイツ、なかなかやるぞ」

ジャリ…ジャリッ…

トロル「囲んで襲え。数で押すぞ!!」

魔法剣士「……雨で火力が落ちているな」

魔法剣士は目もくれず、炎の剣をじっと見つめている。

トロル「いけぇっ!!」

ダダッ!!

魔法剣士「…流石に一人は…無理があったかな」

魔法剣士はトロルの波状攻撃を受け流しながら呟く。

魔法剣士「………はあぁっ!!」

魔法剣士の剣に宿る炎と氷が、とてつもない勢いで巨大化する。


28 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 19:03:59.14 ID:CGZ9Ye2o
ドゴオォォン!!…ズズズズズ…

参謀「何の音だ…!?」

護衛兵「参謀!あれを…!!」

参謀は慌てて、崖の下を覗き込む。

参謀「巨大な炎…。敵か…!?」

伝令「ご報告!本陣崖下にてトロル隊とワーカーが交戦中!」

参謀「魔法剣士殿か!……我らも出るぞ!」

護衛兵「プリースト兵と伝令隊は残れ!いいな!」

プリースト兵「了解!!」

参謀「魔法剣士殿を援護するぞ!続けっ!!」

パカラッパカラッ……

参謀の馬を先頭に、本陣の護衛隊が崖下の川沿い目指し出陣する。

〜司令部、正門〜

左翼長「さぁて…そろそろ射程圏内だ」

騎士長「ぼちぼち援護といきますか!」


29 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/31(日) 19:05:18.09 ID:CGZ9Ye2o
左翼長「弓隊!城壁へ一列に並べっ!!」

ザザッ…ダダダッ…ガチャガチャッ…

騎士長「どうする?牽制でとめとくか?」

左翼長「いんや…。いっその事引き付けちまおう」

騎士長「お前も相変わらず、そういうの好きだよなぁ」

左翼長「お前もそうだろ?」

騎士長「…まぁな!ははは!!」

左翼長「弓隊構えっ!22時の方向……」

ギリギリギリッ…キチッ…

左翼長「……………ってぇ!!」

ヒュヒュヒュンッ!!…バババッ!!…ババッ!!…

斉射された弓は、遥か遠くの森へと着弾する。

………ヒュン…ヒュヒュンッ!!

左翼長「反撃だっ!身を低め反撃しろぉ!!」

司令部と港方面のトロル隊による交戦が開始した。


30 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/01/31(日) 19:35:01.00 ID:Prqii3.0
やっぱり昔のユニコーンは特殊だったんだろうな
正体が気になるところだ


31 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/01/31(日) 21:05:06.12 ID:vj3bKTYo
>>18
コカトリス「雨で視界が遮られる…。召喚士!」

ペニスじゃない…だと…


33 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/01/31(日) 21:24:46.45 ID:ta2y6nAo
>>31
もう許してやれよww


34 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/01/31(日) 21:42:33.29 ID:O8O7SgI0
>>30
ユニコーンは召還士から魔翌力殆ど貰わずにずっとやってたんじゃないかとおもた


39 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:08:07.13 ID:kSGb.eQo
北方司令部とトロルの戦闘が始まった中、

付近の森に二人の男女が身を潜めていた。

ザッザッザ…

マントを靡かせ、溜息まじりに男は言う。

マジシャン「はぁ…。たった二人でヒドイ話だよまったく…」

マジシャンの呟きを聞いた女は刀を手に返答する。

女剣士「己で志願したのだろうが」

マジシャン「そりゃそうだけどさ…普通もう少しいない?」

女剣士「お主一人のところを助太刀に来てやったのだ。感謝しろ!」

マジシャン「へいへい。お前さんと二人ってのも悪かないか…」

女剣士「悪い!」

マジシャン「ハッハ!照れ屋なんだから…」

チャキッ

女剣士「……殺すぞ」

マジシャン「うへぇ…。さて、冗談はここまでだ…!」


40 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:10:02.81 ID:kSGb.eQo
マジシャンは上空を飛び交う矢を見つめる。

女剣士「報酬は全て貰うからなっ!」

タンッ!!

マジシャン「あ!ちょっと・・・っ!」

女剣士は木々を縫い、先へと進む。

マジシャン「こっちも生活かかってんのになぁ…ハッハ」

マジシャンは呆れ顔で女剣士の後を追った。

タッタッタッタ・・・ザザッ

マジシャン「……どうだ?」

女剣士「……」

女剣士が森の中から見つめる左の平原には、

複数のトロルが矢を射ながら進軍している。

女剣士「雨が幸いしたな…」

マジシャン「ああ。この距離でも臭いで嗅ぎつけられねぇ」

女剣士「……側面を強襲するぞ!」


41 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:10:49.38 ID:kSGb.eQo
ザアアァァッ…ポツポツッ…

女剣士「……」

カチャカチャッ…スゥッ…

マジシャン「何それ…?」

女剣士「見ればわかるであろう?ナイフだ」

マジシャン「……はぁ」

女剣士は大量のナイフを地面に置く。

女剣士「一本も逃すなよ?」

マジシャン「ちょっと!それって……」

女剣士「っりゃ!!」

シュバババババッ!!…

トロル隊が森に差しかかると、女剣士は地面のナイフを

拾い上げ、次々とトロル隊の上空へ投げ飛ばす。

マジシャン「数多すぎるって…!!」

女剣士「ゴチャゴチャ五月蝿い!」


42 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:11:50.63 ID:kSGb.eQo
タンッ!!

マジシャン「おいっ!?くっそー…!!」

マジシャンは飛び出す女剣士を横目に、両手をかざす。

マジシャン「いっくぜぇー!!」

ドドオオォォンッ!!

トロル「な、何だ!?」

トロル達は森の中で起きる轟音に立ち止まる。

そこから発生した光は上空に上り、雨に紛れたナイフへと向かう。

ガカアアァァッ!!…ザシュッ!!…ズドドドオォ!!

トロル「うぎゃああぁっ!!」

ドスドスドスッ!!・・・シュンッ!!

トロル「敵だぁ!蹴散らせぇ!!」

突如の奇襲にトロル達が慌てふためく。

トロル「敵っつっても…どっから…」

タッタッタ…


43 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:13:03.73 ID:kSGb.eQo
トロル「いたぞっ!森だ!!」

マジシャン「げっ!こっち来やがった…!」

マジシャンは森の中を司令部方面へ走る。

トロル「南からの矢は気にするな!大した事はねぇ!」

マジシャン「なら大した事に…してやらぁ!」

マジシャンは司令部からの矢にめがけ、雷を放つ。

ドドォンッ!!…ガカアアァァッ…バチッチッ…

しかし矢の三割程は、雷に打たれ消滅する。

マジシャン「ちっきしょー…。非力な矢ブッ放しやがって…!」

トロル「弾き落として回り込め!」

矢を弾きつつ近づくトロルに一閃が放たれる。

タタッ…シュンッ…ザシュウゥッ!!

トロル「!!」

マジシャン「遅っせぇよ!バカ!!」

女剣士「本当に五月蝿い男だのぉ、お主は!」


44 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:14:22.83 ID:kSGb.eQo
トロルを斬り伏せた女剣士は、文句を垂れるマジシャンに反論する。

トロル「…女…一人!?」

ザッ…

マジシャン「残念!男付きでした。ハッハ!」

女剣士「ホントに残念だ…」

マジシャン「あぁ?」

タンッ!!

女剣士は矢を掻い潜り、トロルの足元を斬り抜けていく。

トロル「くそぉ!チョコマカと…!動きを封じろ!」

マジシャン「了解っ!!」

マジシャンは両手を地面にかざし魔法を放つ。

地面からは無数の根が伸び、トロル達の足元に絡みつく。

トロル「う…動きが!?」

マジシャン「魔法は効かなくても、こういう援護は出来るんだぜ?」

足元を取られたトロルの群れが、次々と斬られていく。


45 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:16:53.13 ID:kSGb.eQo
トロル「矢だ!射かけて牽制しろ!!」

シュババッ!!

マジシャン「お次は…風行!」

ドドオオォォンッ!!ゴアアアァァ…

後方のトロルが放った矢は、突風により押し戻される。

トロル「くっそ…ぐぎゃっ!!」

ザシュッ!!…スタッ

女剣士「…雨が鬱陶しい!!」

女剣士は不安定な足場に苛立ちを見せつつ、地面を蹴る。

マジシャン「そんで次は……水行!!」

ドドオオォォンッ!!ギキイイィンッ!!

トロル「!?」

マジシャンの両手が光り、地面に吹雪が吹きつけられる。

塗れた地面を凍らせ、足元が次々と固まっていく。

マジシャン「これでいいかい?お嬢さん!」


46 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:17:30.67 ID:kSGb.eQo
女剣士「まぁ凍っている方がまだマシであるか」

タンッ!!…バシュッ!!…ズバッ!!…ドスドスッ!!

女剣士は着地と跳躍を繰り返し、トロル達をテンポよく

次々と斬り伏せ倒していく。

トロル「なんで一刀の元に…やられ…っ」

スタッ

女剣士「何でだろうな…?もどかしいのぉ…」

ザシュッ!!

トロル「ぐわっ!!」

ドサッ……チンッ!!

マジシャン「おっしゃ!退くぞぉ!!」

女剣士「……」

マジシャンの声に反応し、女剣士は後方へ下がる。

マジシャン「上出来上出来。ハッハッハ!!」

タタタッ!!


47 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/01(月) 15:18:34.38 ID:kSGb.eQo
トロル「逃がすか!!うおっ…!?」

再び森へと姿を消す二人をトロルは追跡するが、

足元の根と氷によりその姿を追えず、見失う。

トロル「くっそ…ぉ!!」

ドズンッ!!

トロル「大将に報告だ!合流して皆殺しにすんぞ!」

〜後方、森の奥〜

女剣士「全滅させてはならんのか?」

マジシャン「本隊が急にこっち来たらマズイでしょ」

女剣士「ふぅん。戦略ってのは…どうも面倒で好かぬ」

ドンッ!!…ボウゥ…

マジシャン「最後は火行ってか…」

女剣士「あぁ?」

マジシャンが焚き火を起こし、女剣士の冷えた身体を癒す。

港方面のトロル隊はその数を67匹まで減らした…。



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