■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
727 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:02:09.23 ID:.6g7Q1co
ザッ…

戦士「…………」

ネクロマンサー「…バ…バカな!?アンデッド…不死なのですよ…!?」

隊長「そりゃ、あくまで肉体の話だろ。魂が離れちまった今…ただの器だけだ」

ネクロマンサー「こ、こんな事があって……」

隊長「お前にゃ永久に分かるまい…」

ネクロマンサー「お…のれぇ…っ」

隊長「さーて、次は貴様か?…ん?」

ネクロマンサー「……図に乗るなよ、人間…っ!」

バサッ…バサッバサッ…

男隊員「……あん?」

バサッ…バサッ……バサッ…

使い魔「もうお待ちかねですぞ?ネクロマンサー様…」

ネクロマンサー「……」

使い魔「お時間もだいぶ過ぎておられます。日の出も、とうに過ぎましたし…」


728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:04:18.68 ID:.6g7Q1co
隊長「使い魔…!?どこの手の者だ!」

ネクロマンサー「……仕方ない。まさかここまでやりよるとはな」

ザッ

女隊員「…逃げる…ッスか?」

ネクロマンサー「逃げる…?クッククク…勘違いしないで頂きたい」

隊長「……」

ネクロマンサー「逃げるのではなく、逃がすのですよ。貴方達をね…。クククッ」

男隊員「んなろぉ!!」

ネクロマンサー「そこの貴方っ」

戦士「……」

ネクロマンサー「いいものを見せて頂きました…」

戦士「……」

ネクロマンサー「お礼といっては何ですが、ソレ…あげますよ」

戦士「…」

ネクロマンサー「立て続けに人形を失うとは…。私の負けです。素直に認めましょう」


729 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:09:04.86 ID:.6g7Q1co
ヒュッ…トンッ

男隊員「逃がすかボケッ!!」

隊長「戦士っ!!」

戦士「……?」

隊長「お前はここで他の奴らを待て!」

女隊員「無理は禁物ッスよ!」

隊長「コイツの言う通りだっ、魔物が来たら退け!いいなっ!」

戦士「……」

ネクロマンサー「せっかく逃がしてやると言うのに…しつこい」

使い魔「こちらです、ネクロマンサー様っ」

バサァッ…バサッバサッ

男隊員「行くぞっ、クソアマ!」

女隊員「分かってるッスよぉ!……隊長っ!」

隊長「…あ、ああ!」

呆然と立ち尽くす戦士を余所目に、隊長以下、一同はネクロマンサーを追った。


730 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:15:49.80 ID:.6g7Q1co
戦士「……なぁ…騎都尉」

ザシャッ

戦士「俺は…これで良かったのかな…?」

騎都尉『――答えなんて誰にも分かんねぇよ!』

戦士「!?」

騎都尉『悔いるなら…成すべき事を全うしてからにしな!』

戦士「……騎…都尉…!?」

戦士は思わず振り返り、地に伏せる騎都尉に目をやる。

騎都尉「――」

戦士「…そう…だよな」

テクテクテク

戦士「他の奴らも頑張ってんだ。俺一人、挫けてどうする…」

テクテク……パシッ

足元に転がる戟を拾い上げ、もう一度天を見上げる戦士はぽつりと呟く。

戦士「頼むぜ……召喚士!」


732 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/16(月) 23:20:41.43 ID:PwJktgDO
1乙
やっぱり騎都尉のイメージは呂布かな
戟だし龍狼伝の黄子虎かな


733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:21:51.67 ID:.6g7Q1co
〜???〜

ボチャアァンッ!!

召喚士「……ぶは…っ!!」

チャプチャプッ

召喚士「こ…・・こは…?」

天才「ようっ!」

召喚士「天才さんっ!?」

南方司令「何だ、朱雀先生も捕まっちまったのか?」

召喚士「捕まったって…。違いますよ、お二人を助けに来たんです!」

天才「はーっはっは!そいつは有り難てぇ!!」

南方司令「まったくだ!わはははっ!!」

召喚士「……何を呑気な」

天才「ここは瓢箪の中らしいな…。んで、コイツが厄介だ」

天才は腰まで浸かる水を掬い上げ、召喚士に言葉を続ける。

天才「この水っつーか液体っつーか。こいつが魔力を吸い取っちまうらしいんだわ」


734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:26:11.08 ID:.6g7Q1co
召喚士「……なるほど」

天才「まぁ、俺様みてーな魔力膨大には無関係だがな。コイツと違って…」

南方司令「何を強がって…!?俺だってなぁ!」

天才「ほら、足元ふらふらじゃんかよ!はーっはっはっは!」

南方司令「……」

ドンッ……バシャッ

天才「てめぇ!何しやがる!!」

南方司令「そーいうアンタだってこのザマだ!」

召喚士「ちょ、ちょっと…二人ともやめましょうよ!」

天才「……そうだな。んな事してる場合じゃねーや」

南方司令「…全くだ」

召喚士「…正直なところどうなんです?天才さん…」

天才「…だいぶ吸われてるな。個人の絶対量に比例して吸い上げるみてぇだな」

召喚士「……」

天才「俺もコイツも、おそらく4割…いや、半分近く魔力を持ってかれてるだろうな……」


735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:29:25.43 ID:.6g7Q1co
召喚士「早いところなんとかしないと……」

南方司令「考えはあるのか?」

天才「なきゃあ来ねーだろ」

召喚士「…まぁ…やってみない事には分かりませんが」

南方司令「どうすんだい?」

召喚士「…コカトリスでこの水を石化します」

天才「出来んのか?」

召喚士「ですから、やってみない事には……」

天才「おいおい、一か八かかよ…っ」

召喚士「しかも…思った以上に広いので、石化出来たとしても魔力が持つかどうか…」

南方司令「しくじれば、三人仲良くお陀仏か」

天才「…ま、頼りはそれしかねぇ。任せたぜ」

召喚士「…はい。やってみます!」

ザッ…

召喚士「行けっ!コカトリス!!」


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:47:52.52 ID:.6g7Q1co
シュイィンッ

コカトリス「……」

召喚士「…いけそう?」

コカトリス「…さぁな。こんなもの前代未聞だ」

召喚士「だ、だよねぇ……」

天才「よーし、頼んだぞぉ朱雀セーンセ!」

召喚士「だいぶ回復したとは言え…今の魔力では……」

コカトリス「固形ではないこれだけの量。難しいかもしれんな」

南方司令「…ふぅむ」

天才「何とか力になってやりてぇところだが…」

天才は左手を掲げ、掌の上に炎を作り上げる。…が、それは一瞬の内に跡形もなく消えた。

天才「…この通り、発動の瞬間に吸いあげられちまうってワケ」

南方司令「我らは祈るのみ!愛と正義の為に…!」

天才「愛と正義はともかく、頑張ってくれ」

召喚士「…はいっ、いきます!」


738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:49:56.74 ID:.6g7Q1co
チャポッ…

召喚士「…コカトリス、一気に頼む!」

コカトリス「…おう」

バサッ……ドドオオォォンッ!!

南方司令「くお…っ!!」

召喚士「ど、どうだ…っ!?」

ゴオオオォォ……ピキッ……ピキピキッ

天才「いった!!石化してるぞ!!」

召喚士「足場が出来たら早くそっちに!」

南方司令「お、おうっ」

スタッ

召喚士「……い…っけぇ!」

コカトリス「はあぁーっ!!」

ゴオオォォォォ…

召喚士「……あ…あれ…っ?」


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/16(月) 23:53:27.73 ID:.6g7Q1co
ゴオオォォォォ…

天才「……どした?」

召喚士「魔力……減ってない…?」

南方司令「召喚獣だからじゃないのか?」

召喚士「い、いえっ…そうではなく……」

天才「召喚分の魔力も減ってないって事か…?」

召喚士「ええ…!石化を撃っても…全然……」

コカトリス「……どうも、この液体が関与しているようだが」

召喚士「そうか…!これが魔力を作り上げて……」

天才「っておいおい!俺らの吸われた魔力使ってるって事かよ!?」

南方司令「しかし何故だ?確か…人間は吸われて…魔物には餌になるんだよな?」

召喚士「召喚獣に対しても…餌になっているみたいですね」

コカトリス「…そのようだ」

天才「魔物だけじゃなくて…召喚獣もか?……不思議な話だな」

召喚士「…………」


740 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/17(火) 00:25:37.55 ID:sOEoFqoo
ひょうたんの中で何が起こってるのかわからんのに飛び込んじゃう召喚士さんぱねーっす


741 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 00:39:31.84 ID:abiYLgAo
なんという暑さ…それではここまでにて…
ご支援感謝です!おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

戦士父「…まぁ、放っておくわけにもいかんよなぁ」

ガシッ…グイッ

戦士父「いよ…っと。大丈夫か?」

眼鏡「……」

戦士父「この近くに村があったはずだな…。よぅし……」

テクテクテク

戦士父「しっかし…さっきの魔物の気配は何だったんだ?」

眼鏡「……ぅ…」

戦士父「誰かを背負うなんて…何年振りだろうか……」

テクテクテク

戦士父「おっと、そんな事言ってる場合じゃねぇわな…!」

偶然にも眼鏡を発見し救助する戦士父。一体、どうなってしまうのか…?

〜続く?〜


743 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/17(火) 04:11:42.55 ID:hCKdyIAO
ん?魔物の気配ということは、眼鏡はさっきまで魔物だったのか?
だったら今の姿は…
何はともあれ>>1乙


745 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/17(火) 08:52:59.00 ID:e24Qr12o
>>743
眼鏡の心の友が人里か自分の住処?辺りまで引っ張ってた途中じゃなかろうか

よって眼鏡は全裸です


746 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/17(火) 09:40:37.36 ID:g54k3ewo
眼鏡の一物がさっきまで魔物だった まで読んだ


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:18:59.80 ID:OJzLHaEo
南方司令「だが、つまりは魔力負担なく召喚を続けられるって事だよな?」

召喚士「…そういう事になりますね」

南方司令「結果的に良かったではないか」

天才「コイツの言う通りだわな。こまけぇ事ぁ後でいい。まずは…」

召喚士「ここからの脱出が優先ですね」

天才「そういうこった!」

ゴオオォォォォ…

召喚士「これで粗方…」

南方司令「しかし、本当に出られるのかねぇ……」

召喚士「それは問題ないと思いますよ」

天才「…ほぅ」

召喚士「盗賊さんの話では、『酒』とか『飲む』とか言っていたそうですから」

天才「しばらく経てば、向こうから開けてくれるって寸法かい」

召喚士「それに異変に気付いたとすれば…もっと早く開ける可能性もありますね」

南方司令「確かにな。刻を待つばかり…か」


749 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:20:36.54 ID:OJzLHaEo
天才「しっかし…お前も無謀というか何というか…」

召喚士「相手は強敵でしたからね。この方が手っ取り早いと…」

南方司令「虎穴に入らずんば…ってやつだな」

天才「ったく、大博打だぜ」

召喚士(……自分だってそうだったくせに)

南方司令(人の事言えねーだろ俺達……)

天才「あん?」

召喚士「い、いえっ!あ…でも、ちゃんと切り札は考えてありましたよ?」

天才「そうなのか?なんだよソレ?」

召喚士「いや…まぁ、実は……」

ボソボソッ

天才「……ハーッハッハッハ!そりゃいいや!!」

南方司令「出来るのか!?そんな事…っ!」

召喚士「バッチリ修行しましたから!」

天才「ま、使う必要はなさそーだな。あとは蓋が開くのを待つのみ!」


750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:26:44.31 ID:OJzLHaEo
〜火焔山、洞窟内〜

盗賊「はっ…はっ…はっ……」

マジシャン「……見えてきたぞ!陽の光だっ!」

タッタッタッタッタ

盗賊は目を瞑り、ゆっくりと日差しに焦点を合わせる。

盗賊「……こ…こは!?」

マジシャン「…まっぶし。盗賊ちゃんよく見えるね」

盗賊「…直前で目を瞑って…少しずつ慣らすと…いいよ」

マジシャン「さっすが!」

盗賊「……修行の成果」

マジシャン「へぇ。……んで、ここは…山の中腹か」

盗賊「…もう…朝だな」

マジシャン「好都合かな。魔物にとってはよるより朝の方が弱いからね」

盗賊「…そっか」

マジシャン「さて、と…。ここから頂上目指して頑張りましょうかね」


751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:27:13.78 ID:OJzLHaEo
テクテクテク

盗賊「…また…洞窟だ」

マジシャン「この山…中身はずいぶんと空洞なんだな」

盗賊「……」

マジシャン「仮に頂上が潰れたりしたら…一気に崩れちまうかもしれんぞ」

盗賊「……ん…っ!?」

ザザッ

マジシャン「…何だ!?……魔物か!?」

盗賊「……」

洞の中の開けた、刺々しい岩場。その先の闇に盗賊はじっと目を凝らす。

スゥッ

マジシャン「何かいるな……」

盗賊「……敵だ」

チャキッ

着物のような布に身を包んだ魔物の影。ゆっくりと二人の元へと近づき始める。


752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:28:24.08 ID:OJzLHaEo
スウゥゥ…

マジシャン「……どちらさんかね?」

――「まさかこのような所まで人間が来るとは」

盗賊「……」

――「私の名は『道士』。この城の管理を任されております」

マジシャン「へぇ、って事はアンタがボスって事かね?」

道士「いえいえ、管理…を任されているだけですよ。人間サン」

マジシャン「……マジシャンだ」

盗賊「…あ、えっと…盗賊…です」

道士「マジシャンさんに盗賊さん。始めまして」

盗賊「……は、はぁ」

道士「こちらが名乗っても名乗らないので、名無し人かと思いましたよ」

マジシャン「……おちょくってんのか?」

道士「……まぁ、そういう事になりますね」

マジシャン「てんめぇ…っ」


753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:29:51.03 ID:OJzLHaEo
道士「すみません。戦う気のようですが、私は苦手でして……」

マジシャン「そんじゃここを通して貰おうか」

道士「そうは参りませんよ。立ち入らせない事が私の仕事ですから」

パチンッ

マジシャン「な…んだ…っ!?」

ピョンッ…ピョン…ピョン…

盗賊「…!?」

道士「彼らは私の忠実なしもべ。私の代わりにお相手致しましょう」

マジシャン「なんだか…気味の悪い奴らだな…」

盗賊「…アンデッド…?」

マジシャンと盗賊を取り囲むように、南東特有の衣服を纏った人型の魔物が集う。

額には黄色の札が張られており、顔や肌に血の気はない。

道士「さぁ、相手なさい。……僵尸!」

マジシャン「キョン…シー!?見た事あっか…?」

盗賊「…いやっ、初見だ!」


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:31:23.89 ID:OJzLHaEo
ババッ!!

僵尸「…………」

マジシャン「そりゃあ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ

道士「…くくっ」

マジシャン「…おいおい、燃え立ってのに」

盗賊「…また…起き上がって!?」

僵尸「……」

ヒュオッ!!…ブンッ…ヒュンッ

マジシャン「早い…っ!!だが…っ」

バキィッ!!…ドシャアァッ

僵尸「……」

ムクッ…ピョンピョンピョンッ…

マジシャン「大して強くはねぇが、とにかく数が多すぎる!」

盗賊「ああ!早く何とかしないと……」


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:32:17.14 ID:OJzLHaEo
ガシッ

盗賊「!?……たあっ!」

ブンッ!!…ズガアァッ!!

道士「それなりに強いようですね。しかし…この数相手に……」

僵尸「……」

ブンッ…ブンッ…ヒュオッ!!

道士「体力がどれだけ持つか…。くく…っ」

盗賊「やぁっ!!」

チャキッ…ザシュッ!!

マジシャン(道士って野郎が操ってんだ。何か仕掛けがあるハズだ…!)

おびただしい数の僵尸を振り払い、二人は防戦一方の状態で迎撃する。

道士「まだまだいますよ。さぁ、諦めてお引き取り下さいな」

マジシャン「んな易々と帰れるかってんだよ!」

ドドンッ!!…ゴアアァァ

マジシャン「……ん…?」


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:34:27.31 ID:OJzLHaEo
マジシャンの放つ炎から一匹の僵尸が両腕で頭部をガードする。

マジシャン「…もしやっ。……盗賊ちゃん!」

盗賊「……!?」

マジシャン「あの札…狙ってみてくれ!」

盗賊「…札?……分かった!」

タンッ…シュバッ!!

盗賊「たあぁっ!」

盗賊は正面の僵尸に飛び掛かり、額の札へ斬りつける。

ズバッ!!……シュウウゥゥッ

盗賊「…!?」

マジシャン「消滅してるぞ!やっぱりなぁ…!」

道士「…おや、気付かれてしまいましたか」

マジシャン「そうと分かりゃ…他は気にせず札だけひたすら狙ってくぞ!」

盗賊「よし…っ!」

マジシャンと盗賊の二人は左右に展開し、僵尸の札を狙って攻撃を続ける。


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 17:50:33.52 ID:OJzLHaEo
ススッ…ザザザザザッ

ネクロマンサー「ふぅ、なんとまぁ…しつこいですねぇ」

男隊員「待てこらぁ!!」

タタタッ…

ネクロマンサー「幻城では瞬時に移動出来ないのが…辛いところですね」

使い魔「もう間もなくですよっ」

隊長「……」

ネクロマンサーは使い魔の誘導で洞の一画へと入っていく。

女隊員「あっちに逃げるッスよ!」

隊長「分かってるよ!」

ダンッ!!

隊長は威勢良く岩場を蹴り上げ、先頭を切ってその後を追う。

男隊員「罠かもしんねぇ!支援すんぞ!!」

女隊員「いつでも…いけるッスよぉ!」

更にその後を追い、男隊員と女隊員が洞の内部へと足を進めた。


758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 18:00:30.58 ID:OJzLHaEo
マジシャン「とりゃあぁ!!」

ドドオォンッ…ゴアオオォォ

盗賊「…しっ!」

ズバシュッ…ドシュッ!!

マジシャン「それにしても…凄まじい数だ事…っ」

盗賊「……!?」

クルッ…キッ

マジシャン「どしたぁ!?」

盗賊「あそこっ!魔物の気配…っ!!」

マジシャン「新手か!?」

バサッ…バサッ

使い魔「……おや…!?」

ヒュッ…ストッ

ネクロマンサー「…こちらも交戦中でしたか。クククッ」

道士「やぁ、助けに来てくれたのかな?」


759 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/17(火) 18:01:53.70 ID:URQlYMco
おー、それぞれで熱い展開が
1乙です


760 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 18:04:45.73 ID:OJzLHaEo
ネクロマンサー「…残念ですが、ショーの観戦は終わりのようで」

道士「ああ、帰るのか。ご苦労様」

マジシャン「……ア…イツはっ!!」

盗賊「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「……?」

ヒュウゥゥンッ……スタッ

ネクロマンサー「…貴方、先日…東方でお会いしましたね」

盗賊「……」

マジシャン「あいつはどこだ」

ネクロマンサー「……あいつ?」

マジシャン「とぼけてんじゃねぇ!魔剣士だよ!!」

ネクロマンサー「ああ、彼ならこれから…北で頑張って頂きますよ。クククッ」

マジシャン「…んだとぉ!?」

ネクロマンサー「私も待ち合わせに遅れてしまいそうなので…失礼いますよ」

ネクロマンサーはマジシャンと盗賊へ頭を下げると、再び岩場の上へと飛び乗る。


761 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 18:22:17.27 ID:OJzLHaEo
トンッ

ネクロマンサー「!?」

隊長「でりゃあぁ!!」

ダンッ!!……ズバッ!!

ネrクオマンサー「……っ」

男隊員「クソアマ!氷だっ!!」

女隊員「了解ッス!!」

上部の穴から飛び出した隊長が、ネクロマンサーを一刀の元に斬り伏せる。

更には二人の隊員が、後方支援の為の魔法を撃ち放つ。

ドドドドオオォォンッ!!…ゴガアアァァッ!!

ネクロマンサー「……無駄な事を…っ」

残撃と魔法をものともせず、ネクロマンサーはのらりくらりと着地する。

マジシャン「俺が追う!こっちを頼む!!」

隊長「あぁ!?」

マジシャン「そこの下にいるヤツがマスターだ!叩いてくれ!!」


762 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 18:25:17.73 ID:OJzLHaEo
道士「……僵尸」

バババッ

男隊員「何…だ。コイツらっ!?」

マジシャン「札が弱点だ!札だけ狙えっ!」

女隊員「了解ッスー!!」

隊長「こいつをやりゃあいいんだな!?」

道士「……」

マジシャン「この城の管理人…おそらく幻術の使い手だ!」

隊長「…そいつはまた厄介だ事…っ」

使い魔「ネクロマンサー様!」

ネクロマンサー「分かってますって…」

盗賊「待てっ!」

マジシャン「かまうな!ヤツは俺に任せておけっ!!」

盗賊「…で、でも…っ」

マジシャン「いいから!……聞かなきゃなんねぇ事もあるしなっ!!」


763 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/17(火) 18:28:25.70 ID:OJzLHaEo
盗賊「…わ、分かった」

使い魔「早くして下さいっ、伯爵様に叱られるのは私なんですよ?」

ネクロマンサー「……」

ザザッ…ヒュンッ

マジシャン「逃がすかあぁ!!」

洞の外へと逃げるネクロマンサーと使い魔。それをマジシャンが単身、懸命に追いかける。

隊長「っりゃあ!!」

ブンッ…ヒュオッ

道士「…危ないですね。私は戦いたくないのですよ」

隊長「お前がどうであれ、こっちにゃ戦わなくちゃならん理由があるんでな!」

道士「……」

隊長「さっさと幻術、解いて貰おうかっ!!」

ブンッ!!

道士「…おぉ、怖い怖い」

隊長「にゃろう、逃がすかっ!!」


766 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/17(火) 21:24:17.71 ID:Hk71fyAo
火焔山にある全戦力が本気になったら、余裕で人間側を撃破出来そうだけど
力を持ってるが故の個の重視や肥大したプライドが原因で
人間側の思考と違って協力したり、戦局を見据えて本気で相手の戦力を削る思考が無かったりするんだろうな
男女間の思考のズレが一番近そう (何故分かってくれないの? 論理的に考えろよ!! って)


771 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/18(水) 07:00:59.66 ID:dzgyaRk0
オマンサーって……
なんだか卑猥だな……


772 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/18(水) 16:50:01.88 ID:M0STbcMo
考えすぎだ



次へ 戻る 戻る 携 上へ