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冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
58 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:50:57 ID:JcEP4yaY
 
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――――【午前9時】


オーナー「えー…おはようございます!」

4人「おはようございます!」


オーナー「今日は吟遊詩人、聖剣士、女メイジ、そして冒剣士と俺の4人でやっていきます」


4人「はいっ!」


オーナー「吟遊詩人はいつものフロア清掃のちに買出し、女メイジは吟遊詩人のお手伝い。冒剣士は聖剣士と料理の仕込みです」

4人「わかりました」

オーナー「あとは、それぞれに指示を出すので宜しくお願いします」


4人「宜しくお願いします!」


59 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:51:31 ID:JcEP4yaY
 
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――――【厨房】

聖剣士「よいしょっと、この白衣身に着けてね。安全第一、清潔第一!手もしっかり洗って!」

冒剣士「は、はい!」


聖剣士「えーっと…兄さーん!」

オーナー「んー!」

聖剣士「今日は何か仕入れモノあるー!?」

オーナー「冷蔵庫に、昨日安く入った豚肉と、果物が入ってると思うぞー!」

聖剣士「りょうかーい!」


冒剣士(何作るんだろ…)


60 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:52:35 ID:JcEP4yaY
 
聖剣士「それじゃ…えーと」


…ゴソゴソ


聖剣士「こりゃ上質な豚肉だね…、それとフルーツはりんごオレンジ、グレープフルーツと野菜が少し…、他の材料はあるとして…」

冒剣士(…)

聖剣士「今日のメニューは、"豚肉のりんごソース"と、果物ポークカレーにしよう」


冒剣士「な、なんて奇抜なメニューを…」


聖剣士「奇抜でもないよ?りんごは酵素を含んでて、肉をやわらかく仕上げるのに向いてるし…甘みがあって砂糖を使わずソースを作れる」

冒剣士「へえ…」

聖剣士「まあ、果物と合う豚肉だからこそ出来るっていうのもあるけどね」


61 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:53:14 ID:JcEP4yaY
 
冒剣士「…そうなんですか、牛肉だと出来ないと?」

聖剣士「牛肉だと、脂身が多かったりで…どちらかというと牛肉の味が強すぎて、果物と競争して難しいんだ。もちろん、出来ないわけじゃない」

冒剣士「…ふむ」

聖剣士「牛肉でも、おいしく仕上げることは出来るけど…やっぱり手間がね…、煮込み時間が長かったりで難しい」

冒剣士「なるほど!」


聖剣士「それじゃ…時間もないし早速作ろうか!」

冒剣士「はいっ」


62 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:53:52 ID:JcEP4yaY
 
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……グツグツ…グツグツ…

冒剣士「暑いですね…」

聖剣士「あはは、火との戦いだからね。錬金術でガスの技術やら、冷凍技術が発展してない時はもっと大変だったから…だいぶ楽になったほうだよ」

冒剣士「それなら…文句もいってられませんね。頑張ります」

聖剣士「その意気さ」ニコッ



…グツグツ……ジリリリリリ!!!!!

聖剣士「とと、キッチンタイマーが…その鍋に少しだけ唐辛子を入れて」

冒剣士「はいっ」パラパラ

聖剣士「…うん」


冒剣士「わっ…、果物のいい香りが…、カレーと混じって凄い美味しそう…!」ジュルッ


63 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:54:23 ID:JcEP4yaY
 
聖剣士「はは…よいしょっと。はい、これ」スッ

冒剣士「スプーン?」

聖剣士「…さ、味見してごらん」


冒剣士「…」

…スッ…トロッ………パクッ…


冒剣士「……!」

聖剣士「…どう?」


冒剣士「…このまろやかで深い甘みと、後から来る…辛さが何ともいえない!美味しいぃ!」

聖剣士「はは、それは何より!」


64 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:54:53 ID:JcEP4yaY
 
冒剣士「…作る時は"うわっ"て思ったけど…」


聖剣士「これも…君のこの間の"食わず嫌いの話"と似ているってことだね。見た目や、噂、"これがこう"だからという概念…」

冒剣士「…」

聖剣士「それは、最後まで組み立てなければ分からない。実際にやらなければ分からない、料理だって…人生だって一緒ということだよ」


冒剣士「そう…ですね。料理に教えられた気分です…あはは…」


聖剣士「おっと、説教じみてしまった。ごめんごめん、それじゃ後は仕上げだけだから、冒剣士はオーナーに次の仕事を聞いてくるんだ」


冒剣士「いえ、教えていただけるのは有難いです。…はい、行ってきます!」


65 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:55:25 ID:JcEP4yaY
 
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冒剣士(ここがオーナーの部屋だったかな…)

……コンコン


オーナー「はいどうぞー」

…ガチャッ


オーナー「おや、仕込みは終わったのか?」

冒剣士「はい、一応。それで次の仕事を聞いてこいと言われたので…」

オーナー「まだ買出し組みが戻ってないからなぁ…、戻ったら室内清掃の教えをしようとしてたんだけど…」

冒剣士「…」


オーナー「ま、丁度いいか。こっち来て、この書類にサインしてくれるかな?」

冒剣士「はい?」


66 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:56:40 ID:JcEP4yaY
 
オーナー「一応…国と繋がる事業をしてるからね。1人の専属が出たら、必ず報告しないと」

冒剣士「専属…僕ですね。サインはここに?」

オーナー「そう…そこ」


…スラスラッ……


オーナー「よし、ありがとう」

冒剣士「いえ、このくらい…」


オーナー「これで君も、正式に…うちの専属冒険者だ。これから宜しくね」

冒剣士「宜しくお願いします」


…コンコン

オーナー「おや、買出し組みが戻ってきたかな」


67 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:57:12 ID:JcEP4yaY
 
…ガチャッ

吟遊詩人「オーナー、買出し終わりましたよ」

女メイジ「疲れたぁ…」


オーナー「ありがとう、それじゃ次は清掃業務だけど…冒剣士にも教えながら頼むよ」


吟遊詩人「分かりました」

女メイジ「…足引っ張らないでよね、新人」

冒剣士「…は、はぁ」


68 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:57:49 ID:JcEP4yaY
 
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吟遊詩人「……って感じ。基本的に、連泊のお客様の荷物は触ったりしちゃだめ。ベッドのシーツを入れ替える時、掃除の時のみ横にまとめること」

冒剣士「なるほど…入れ替えたシーツはどうすれば?」

吟遊詩人「部屋の廊下に、大きなリネンがあったでしょ?そこにまとめて、最後に締め上げて清掃室にまとめるの」


冒剣士「リネン?」


女メイジ「廊下にあった真っ白な大きな布のこと!そのくらい覚えておいて」

冒剣士「…聞いたことなかったから」

吟遊詩人「まあ確かにね…、宿泊施設では"リネンして"だけで通じるから…、私も教え不足だったのよ。ごめんね」


冒剣士「あ、いえ!自分も勉強不足でした!」


69 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:58:39 ID:JcEP4yaY
 
吟遊詩人「それと、お客様に会ったら必ず挨拶、"おはようございます"や"こんにちわ"くらいはすること」

冒剣士「なるほど」

吟遊詩人「男の子の君は、やっぱりベッドのシーツ入れ替えとか、机をどかして、きちんと掃除するとありがたいかな?」


冒剣士「分かりました、任せてください!」

……タッタッタ…グイッ!!


吟遊詩人「あ、いきなりベッドの間に指を入れると…」


…バチンッ!!!

冒剣士「あいたあっ!!」パッ


女メイジ「静電気にびっくりして手を離して…重いベッドが…」


…ドォン!!!


70 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:59:14 ID:JcEP4yaY
 
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――――【1階・オーナー室】


…ドォン!!……パラパラ…

オーナー「…はは、やってるやってる。ベッド落とし…最初は俺も静電気に驚いて床が抜けそうになったっけ…」



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――――【2階・客室】


冒剣士「あわわわ…ごご、ごめんなさい!」

女メイジ「…最後まで人の話は聞くの。ベッドの間に使われてる金属が、シーツと擦れて静電気を起こすわけ。だから、一応手袋をはめてから…」


冒剣士「…ごめんなさい」ショボーン


女メイジ「はぁ、私も最初同じことやったし、気にしてると次にいけないから…、失敗は次に生かすの。わかった?」

冒剣士「あ…あぁ」


吟遊詩人(…ふうん)クスッ


71 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:59:47 ID:JcEP4yaY
 
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冒剣士「はー…疲れた……、これで小規模なんですか?」


吟遊詩人「客室は全部で16部屋、全然小さいほうかな。大型宿泊施設が併設されてると、300部屋とか400部屋とかになるし…」


冒剣士「…僕、ここでよかったと思います」

女メイジ「その話聞くと、私もいつもそう思うわ…」



吟遊詩人「えーっと…もう11時30分か。それじゃ、オーナーの所にいこっか」


72 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:00:59 ID:JcEP4yaY
 
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…コンコン……ガチャッ…


吟遊詩人「オーナー、客室の清掃終わりました」

オーナー「お、ご苦労様。それじゃちょっと早いけど、休憩とってくれる?今日の12時30分から、予約がもう入ってるんだ」

吟遊詩人「わかりました」


女メイジ「ええ…、今日は何人?休みだから相当多そうだけど…」


オーナー「んと…宿泊が13人、9部屋。今いる連泊さんが4部屋で、もう13部屋で…いっぱいいっぱいだね」

女メイジ「冒険者?」

オーナー「一応冒険者たちかな。今回は"シルバープレート"の人もいるよ」

女メイジ「銀プレート!?やった!お話聞かせてもらおっ!」


73 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:01:36 ID:JcEP4yaY
 
冒剣士「銀プレート?」

女メイジ「えー…そんなことも知らないの…?とりあえず昼ごはん食べながら教えるから…早く!」

冒剣士「わかったよ…わかったから引っ張らないでえー!」


…ズルズル…ガチャンッ……


オーナー「……な、仲良しになってるようで良かった」

吟遊詩人「そ、そうですかね…」


74 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:02:06 ID:JcEP4yaY
 
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冒剣士「で、銀プレートって何?」モグモグ

女メイジ「あなたね…、本当に冒険者志願?プレートのことも知らないの…?」ゴクゴク

冒剣士「だから知らないって…。わ、カレー美味しい…」


聖剣士「談話しながら食べるのもいいが…ゆっくりしすぎて休憩時間終わらないようにな…」ハハ…


女メイジ「分かってますよ!」

冒剣士「善処します!」


75 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:02:36 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「それでプレートっていうのは、冒険者に付けられるランクみたいなものよ」モグモグ

冒剣士「ランク?」

女メイジ「軍の階級に近いかも。クエストとか、実績に反映して贈られる階級証みたいなものかな?」


冒剣士「ふむふむ、それで銀っていうのは凄いの?」


女メイジ「そりゃ…。白から始まって、青、赤、銅、銀、金。……銀といえば、かなりの場数を踏んだベテラン冒険者になるわね」


冒剣士「それじゃ、僕は昨日登録したばっかだから白かぁ」

女メイジ「私はもう赤だけどね〜♪」

冒剣士「なんでっ!?」


76 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:03:12 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「なんでって…それなりにクエストをやってるし、軍事クエストについてった経験もあるし…」

冒剣士「…はーそっかぁ。でもまあ、スタートラインだし仕方ないか…」

女メイジ「1回、何でもいいからクエストを完了すれば青にはなれるしね」


冒剣士「うわー…かんたーん…」


女メイジ「大変なのはそこから。それぞれのプレートカラーには最低条件があって、それをクリアしないと次の段階にはいけないの」


冒剣士「でもさ、プレートって何のためにあるの?ただの証?」

女メイジ「そりゃ大事な証よ。クエストの中には、一定カラー以上じゃないと受けられないのもあるし…」

冒剣士「なるほどねー…僕も頑張ろう」


77 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:04:11 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「ちなみに、厨房の聖剣士と、吟遊詩人さんは銅色。オーナーも相当やり手っていうけど、登録してるのかは分からないわねー…」

冒剣士「ここの他の専属冒険者さんたちは?」


女メイジ「"僧侶戦士"さんが銀、"武道家"が銅。"筋肉僧侶"さんが銀…だったかな?」


冒剣士「へええ、うちの専属もかなり優秀なメンバーがそろってるんだ…」

女メイジ「みんな、本業は軍の仕事で…こっちは傍らで多くは難しいから、基本的に一般冒険者に自由委託で賄ってるのがうちのスタイルかな」

冒剣士「自由委託だけって…、それで採算というか…経営できるものなの?」


女メイジ「だからこそ、よ」

冒剣士「え?」


78 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:04:44 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「他の1級酒場とか、冒険酒場の多くは"専属便り"だけど、うちは"自由寄り"だから、一般冒険者の高位プレートが来てくれるわけ」

冒剣士「あ…あー!」

女メイジ「そもそも、冒険者っていうのはこんくらい自由なほうが良いんじゃないの?私だったらそっちのほうがいいし…」

冒剣士「あー…うん。確かにね、僕もそういうの目的で来てたってのあるし…」


女メイジ「でしょ?だから採算は取れるだろうけど、そもそも儲けの為だけにやってる場所じゃないのよここは」


冒剣士「なるほどなぁ…」


79 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:05:24 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「ご馳走様でしたっ!」

冒剣士「ご馳走様〜」


聖剣士「はいよ〜、そこに置いててくれれば片付けとくよ。オーナーに次何すればいいか聞いておいでー!」


冒剣士「はーい!」


80 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:06:01 ID:JcEP4yaY
 
……コンコン…ガチャッ


冒剣士「失礼します」

女メイジ「失礼します」


オーナー「おや少し早かったね。まだ休憩時間は少し残ってるけど…」


女メイジ「今日忙しいみたいだし、さっさと準備したほうがいいかなって」

オーナー「助かるよ。それじゃ、そろそろ接客のほうの準備お願いするよ」

女メイジ「冒剣士もですか?」

オーナー「一緒に教えてくれる?宿泊の他に、酒場の受付なんかのもやっといて損はなさそうだし」


女メイジ「わかりました」


81 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:06:32 ID:JcEP4yaY
 
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冒剣士「…ここ?」

女メイジ「そう…ここ。で、お客さんが来たら、宿泊の場合はここに、酒場のお客の場合はそっちのカウンターとか、席につくから」


冒剣士「宿泊対応は大体わかるけど、酒場の対応は?」


女メイジ「呼ばれたら行って、メニューを聞く。それを聖剣士に伝えればいいし、酒場のほうはオーナーも手伝うから楽だけどね」

冒剣士「わかった」


……ガチャッ


82 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:07:26 ID:JcEP4yaY
 
お客A「…ふぅ疲れた。思ったよりキレイなところだね」

お客B「商店街も近いし、滞在するには丁度いいかもねー」


冒剣士(ってもうお客さんきたー!)


女メイジ「いらっしゃいませ」

冒剣士「え、あの…い、いらっしゃ…」モゴモゴ


お客A「おやおや、どうしたんだい緊張して。新人クンかい?」


女メイジ「あ、あはは…慣れてないもので」ゲシッ

冒剣士「あいたっ!…い、いらっしゃいませ!」
 
 
お客A「ははは、ゆっくり慣れればいいと思うよ」


83 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:08:23 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「えー…と、お泊りのお客様でよろしいですか?予約の場合は、予約用紙のご提示をお願いします」

お客A「そうです…えーと…、この紙かな…」

…パサッ


女メイジ「あ、ご予約頂いていた方ですね。ありがとうございます、少々お待ちください…」ゴソゴソ


お客A「…」

お客B「酒場いい雰囲気じゃん、今日のメニューはフルーツカレーだってよ!」

お客「へえ、お昼食べてないし荷物置いたら食べようか?」

お客B「店員さん、フルーツカレーは美味しいのか?」


冒剣士「え、あ!僕ですか…えっと、フルーツの甘さとカレーの辛さがマッチして…かなり美味しいと思います!」

お客A「げ、元気だね…そっか、美味しいならすぐ食べにくるよ」

お客B「先に準備とかしてて貰えるのかな?」


84 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:09:16 ID:JcEP4yaY
 
冒剣士「え、えーと…」チラッ

女メイジ「…」ボソボソ

冒剣士「…わ、わかった」


お客A「…」

冒剣士「えーと、大丈夫です。準備し、席もご用意しておきますので、荷物を置いたらどうぞ足をお運びください」

お客A「わかった、ありがとう」ニコッ

冒剣士「へへ…」


85 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:09:49 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「…それでは、こちらが連泊の証明書です」スッ


お客A「ありがとう。それでは後また来るよ」

女メイジ「はい、お待ちしております」ペコッ


……トコトコ…


女メイジ「あんたも頭下げるの!」ボソッ

冒剣士「あ、そうか…」ペコッ


86 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:10:21 ID:JcEP4yaY
 
女メイジ「…」

冒剣士「…」


女メイジ「頭上げて、よし」

冒剣士「ふう、大変だね接客のほうも」

女メイジ「お客さんの前じゃなかったら、色々と言いたくなるような態度だったけどね…」

冒剣士「色々言ってたくせに…」


女メイジ「全然言ってないほうよ…お客さんの前で、大声…じゃなくても怒ったり、色々言うのはマナー違反なの」


冒剣士「そ、そっか…」

女メイジ「…ま、最初にしては良いんじゃないの?これからもっと忙しくなるから、ちゃんと慣れてね」

冒剣士「わかってるよ、足引っ張らないように頑張るよ」

女メイジ「よーろしぃ!」


87 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 10:10:52 ID:JcEP4yaY
 
……コソッ

聖剣士「えーと…昼食の注文があったら、一言来てくれると嬉しいんだけどな…はは」


女メイジ「あっ」

冒剣士「あっ」



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