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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
812 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:04:27.57 ID:BX1LGuMo
〜船上〜

魔道士「それでは、おやすみなさい!」

戦士「朝には港着くから寝坊すんなよ?」

召喚士「おやすみなさい」

盗賊「…おやすみ」

カチャッ……パタン

戦士「さーて…。行きますか!」

召喚士「うんっ」

〜船内のバー〜

戦士「カンパーイ!!」

チーンッ!!

召喚士「………ぷはぁ!」

戦士「二人で飲むのも久しぶりだなぁ!」

召喚士「うんっ!」


813 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:04:54.05 ID:BX1LGuMo
戦士「北関ん時みたいに、みんなでワイワイやんのも良いけど…」

召喚士「こうして落ち着いて飲むのも良いよね」

戦士「ああ…!お前と飲むと落ち着くっつーか…何だろうな…」

召喚士「分かるかも…。俺も戦士と飲んでるとリラックス出来るっていうか…」

戦士「素が出せるのかもなぁ…」

ぽつりと呟き、戦士はカウンターを見ながらグラスを傾ける。

召喚士「素…かぁ。そうかもね…」

戦士「良かったよ。ほんと」

召喚士「…?」

戦士「まだ一年弱だけどさ。お前らとパーティーやってこれて良かった」

召喚士「こちらこそ!みんなが居てくれたから…ここまで来れたよ」

戦士「あのままソロだったら俺…野垂れ死んでたろうなぁ…」

召喚士「そう?意外と上位ランカーになってたりしてね」

戦士「はははっ!無理無理!」


814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:05:20.88 ID:BX1LGuMo


戦士「ふー…」

召喚士「結構飲んじゃったね」

戦士「アイツらに寝坊すんなって言った手前、寝過ごせないわな…」

召喚士「ははっ、そうだね」

戦士「あのよ…」

召喚士「ん…?」

戦士「この先、どうするつもりだ?」

召喚士「えぇと…西、かなぁ。頼りたくはないんだけど…占い師さんも言ってたし」

戦士「ああ、うん。それもあるけど……」

召喚士「…?」

戦士「これから先、どこを目指すかって事」

召喚士「ああ…。そうか、そうだね…」

召喚士はやや考え、言葉を続ける。


815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:06:06.26 ID:BX1LGuMo
召喚士「正直言うと…分からない、かな」

召喚士はグラスをカウンターの上へ置くと、口元を緩め微笑む。

召喚士「俺達だけの力で何か出来るとはまだ思えないし…」

戦士「……」

召喚士「それに、まだまだ知らない事が多すぎると思うよ」

戦士「まぁ、そうだな…」

召喚士「旅を続けてきて思ったけど、あまりにも無知すぎたよ」

戦士「ああ。それは俺も感じてるよ」

召喚士「この先もし、何かを成し遂げたいと思うのなら…」

戦士「もっと沢山の事を知っていかないとな!」

召喚士「戦士は何かやりたい事…ある?」

戦士「そうだなぁ…」

戦士は腕組みし、唸りながら首を捻る。

戦士「やっぱり、ゆくゆくは大きな事をやりたいよな」


816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:06:48.49 ID:BX1LGuMo
召喚士「そっかぁ」

戦士「それが夢でこの道選んだわけだしな」

召喚士「うん」

戦士「凄い奴らも沢山見てきたし…」

召喚士「ありがたい事だよね」

戦士「ああいう風に強くなりたい、ってのは常に思うよ」

召喚士「いいじゃん!伝説…再来…なんて後々語られるような…」

戦士「おっ、いいなぁ!」

召喚士「でも、まずは…その為の今を頑張らないとね」

戦士「ああ!……そこで、だ」

召喚士「…?」

戦士「バーテンさんとこ行った後、ちょっと行きたい所があんだが…」

召喚士「いいけど…どこへ?」

戦士「ああ。実は………」


817 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:07:19.00 ID:BX1LGuMo
〜客室〜

魔道士「盗賊さー……あれ?」

キョロキョロ

魔道士「バルコニー…かな?」

テクテクテク

魔道士「あ、いたいた」

盗賊「!!」

魔道士「…?……どうしました?」

盗賊「な、何でもないっ」

魔道士「お風呂入りません…?」

盗賊「…そ、そうだな」

魔道士「……」

チラッ

盗賊「…!?」


818 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:07:50.30 ID:BX1LGuMo
魔道士「何ですそれ…?」

盗賊「えっ?いや…あ、あの…っ」

魔道士「絵ですか…?」

盗賊「う、うん…」

魔道士「盗賊さんお上手ですもんねぇ!」

盗賊「た、たまには描かないとなっ。ははっ」

魔道士「出来たら見せて下さいね!エヘヘッ!!」

盗賊「う、うんっ!」

魔道士「じゃあ、お風呂行きましょっか!」

盗賊「…うん」

スタスタ…カチャッ…パタン

魔道士「ふふ〜んふ〜………あれ?」

盗賊「……どうした?」

魔道士「ブラが……きつい…」


819 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:09:41.27 ID:BX1LGuMo
盗賊「……そ、そう」

魔道士「えっ!?やだっ…な、何で!?」

盗賊「…大きく…なった?」

魔道士「太ったかなぁ……」

盗賊「…そうは見えないけど」

魔道士「…本当ですか?」

盗賊「う、うん…」

魔道士「じゃ、じゃあ…おっきくなったのかなっ!?」

フニフニ

盗賊「……」

ジーッ

魔道士「あっ、ごめんなさい!入りましょうか!」

盗賊「うん」

テクテクテク…カラカラッ…パタンッ


820 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:10:48.61 ID:BX1LGuMo
魔道士「るるる〜ん♪」

キュッ…シャアァッ…

盗賊「……」

ジーッ

魔道士「るるんる〜…ん?」

盗賊「……」

サッ

魔道士「…な、何ですか?…盗賊さん」

盗賊「…な、何でも…ない」

魔道士「……?」

チラッ…ササッ

魔道士「何か…変ですか?」

盗賊「い、いやっ!」

きょろきょろと身体を気にする魔道士を余所に、盗賊はそそくさと目を逸らす。


821 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:11:28.05 ID:BX1LGuMo
魔道士「何ですかー?気になりますよー!」

盗賊「……え、えっと…あの」

魔道士「はいっ」

盗賊「……さ、触っても…い、いいかな…?」

魔道士「えっ!?」

盗賊「ご、ごめんっ!何でもないっ!!」

盗賊は赤面し、慌てて湯を頭から被る。

魔道士「……いいですよ」

盗賊「…!?」

魔道士「いっつも盗賊さんの事、触ってばかりですし…」

盗賊「…い、いや」

魔道士「…恥ずかしいですけど、どうぞっ!」

盗賊「魔道士…」

恥ずかしそうに両目をぎゅっと瞑る魔道士は、胸の前に構える両腕を下ろす。


822 :GEPPERがお送りします [] :2010/05/24(月) 18:11:46.19 ID:OixG35go
ブラが…キツイだとっっっ!
にやぁ〜〜〜ギンッ!


823 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:12:12.38 ID:BX1LGuMo
盗賊「………」

魔道士「……うぅー」

盗賊(わ…私、何してんだろ…っ)

ふと我に返り、照れながらも、盗賊は両腕を魔道士へ伸ばす。

フニッ…フニフニッ

魔道士「ん……っ!」

盗賊「……か、かわいい」

魔道士「へっ!?」

盗賊「い、いやっ!何でも…ないです!」

魔道士「は、はいっ!」

魔道士は大きく見開いた両目を、再びぎゅっと瞑る。

フニフニフニ…フニフニ…

魔道士「……んぅ……んっ…んん!」

盗賊(な…なんだろ。凄く……た、楽しいっ!)


824 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:13:25.35 ID:BX1LGuMo
魔道士「も…もう…いいですかぁ…?」

盗賊「!?…あぁっ、ご…ごめん!」

パッ

魔道士「はふぅ……」

魔道士はクタッと床に座り込む。

盗賊「あの…あ、ありがと…!」

魔道士「………ふふっ、えへへ!」

盗賊「……?」

魔道士「何だかお礼を言われる程の事でもないのに…ふふっ」

盗賊「…そう…だね。……ふっ、ふふふっ」

魔道士「よーし、じゃあ次は私の番ー!」

盗賊「えぇっ!?そ、それは聞いてな……あっ…」

魔道士「それぇ!!」

ムニッ…モミモミ…

盗賊「ちょ…っとぉ…!そ、そこはぁ……っ!」


825 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:13:54.34 ID:BX1LGuMo


魔道士「はーっ、サッパリですねぇ!」

ボーッ

盗賊「………」

魔道士「盗賊さん、早く服着ないと風邪引いちゃいますよー?」

盗賊「……は…ぁい」

クタァ…ボフッ

魔道士「もうっ!髪の毛も乾かさないでベッドに寝ないで下さいっ!」

盗賊「……力が…入らない…」

魔道士「あと、お肌のケアもしないと駄目ですからねっ」

盗賊「…はい」

魔道士「特に…踵とか肘とか。すぐカサカサになっちゃいますから」

盗賊「…はい」

魔道士「はいっ!じゃあ今すぐ起きてケアしましょう!」

盗賊「…はい」


827 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:14:16.01 ID:BX1LGuMo


魔道士「すーっ…すーっ…」

盗賊「……ふう」

ベッドですやすやと眠る魔道士に布団をかけ、盗賊はバルコニーへ移る。

盗賊「……さて」

テクテクテク…ゴソゴソッ…ストッ

盗賊「……」

画材を広げ、イーゼルを立てる盗賊の前に、海が広がっている。

暗いながらも穏やかな海は、月明かりに照らされ、時折きらきらと光を見せる。

盗賊「……」

コトッ…ススス…ササッ

盗賊「間に合うかなぁ…」

盗賊はバルコニーから室内へ振り向き、魔道士の様子を伺う。

冷たいながらも穏やかな海風は、盗賊の髪に優しく吹き、時折ひらひらとなびかせた。


828 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:15:16.65 ID:BX1LGuMo
〜朝〜

船員「皆様おはようございます!船はあと2時間程で入港致します……」

船内の至る所に設置された金属の管より、船員の声が鳴り響く。

テクテクテク…

魔道士「おはようございます〜」

召喚士「おはようございます!」

戦士「眠そうだな…」

盗賊「…うん……眠い。寝てない」

召喚士「じゃあ朝食にしましょうか」

魔道士「はいっ!」

戦士「もうじき港だ。ちゃっちゃと食って準備しよう」

召喚士「うん」

魔道士「盗賊さん、行きましょっ?」

盗賊「行きましょう…」


829 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:16:20.01 ID:BX1LGuMo
船員「長旅ご苦労様でした。間もなく港致します。お忘れ物などなきよう……」

テクテクテク…ザッ

〜大陸港の町〜

魔道士「着きましたー!!」

召喚士「最近はもう、帰ってきた!って感じですね」

魔道士「ほんとっ、ふふふっ!」

タッタッタッタッタ…

若漁師「やっと会えた!!久しぶりっ!!」

戦士「あれ?アンタは確か……」

若漁師「覚えてるか!?」

魔道士「覚えてますよー!その節は色々と…」

若漁師「いやいや!こっちこそすんません!」

盗賊「…?」

若漁師「やっぱりお嬢さんだったんですね!」

召喚士「どうしてそれを……!?」


830 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:17:20.99 ID:BX1LGuMo
若漁師「いや、実は大商家の旦那様から色々と話を伺いまして…」

魔道士「お父様から…?」

若漁師「ええ。お嬢さんが冒険者として旅をされてるって!」

戦士「そっかぁ…」

若漁師「その時ピ−ンと来たんです!やっぱりあの娘がお嬢さんだったんだって!」

魔道士「そうでしたか…」

若漁師「…旦那様、心配されてましたよ?」

魔道士「……」

若旦那「でも、国軍経由で色々とお耳にされてるそうで…」

召喚士「………」

若旦那「最近じゃあ取引で伺う度に、お嬢さんの自慢話ですよ!はははっ!」

魔道士「!!」

戦士「そっかぁ…そうかぁ!良かったなぁ、魔道士!」

魔道士「は…い…っ!」

盗賊「…ふふっ」


831 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:18:58.41 ID:BX1LGuMo
若旦那「もうじき誕生日なんですってね!」

魔道士「え、ええっ…」

魔道士は浮かべた涙を指で拭い、答える。

若旦那「誕生日は帰ってくるのか?ってソワソワされてましたよ?」

盗賊「……」

若旦那「いよいよ成人だって!」

魔道士「…そうですか。……ありがとうございます」

若旦那「いえいえっ、たまにはお顔を見せてあげて下さい!」

魔道士「…はい…っ」

若旦那「一人娘なんです。旦那様も寂しいんですよ」

魔道士「は……い…っ」

若旦那「おっと、来た来た!それじゃ失礼します!」

召喚士「あっ、はい…ありがとうございます!」

若旦那は笑顔で積荷の元へと走り去っていく。

損姿を背後から、魔道士は目を潤ませたまま深々と頭を下げた。


832 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/24(月) 18:19:57.62 ID:BX1LGuMo
テクテクテク…

戦士「良かったな、魔道士」

魔道士「はい…」

戦士「たまには顔見せにいかんとなぁ…」

召喚士「そうだよね…」

魔道士「いえっ、あの…気にしなくていいですからっ」

盗賊「…そうは…いかん」

戦士「いや、つーかお前もそうだろ」

盗賊「!?……うぅ」

召喚士「俺らはいつでも大丈夫なんで、気にせず言って下さいね」

魔道士「はい…。ありがとうございます」

盗賊「……うん」

戦士「さーて…着いた」

魔道士「ところで何でバーテンさんの所へ…?」

召喚士「ああ、えぇと……と、とにかく入りましょう!」


833 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/24(月) 18:47:07.80 ID:BX1LGuMo
なぜか1投下27行になってました…すみません
修正しつつ後ほど投下致します!では失礼します!ノシ


834 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/24(月) 19:05:13.52 ID:p92tOGko
若漁師なのか若旦那なのか


835 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/24(月) 19:47:40.84 ID:d6J7hAAO
>>1乙!

てか1投下何行とかそんな所まで…


836 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/24(月) 21:38:41.16 ID:DaXd1NUo
>>834
若旦那…?どうしてこうなった……?
ごめんなさい!何とか致します…うう…orz

>>835
ちょっと語りになって申し訳ないですが…

パー速来てからは、空白含め1レス29行で投下してます
理由はないのですが、そのぐらいが見やすいのでは?…と
もしもしの時は流石に把握が手間なので気にしてませんが…

あと台詞は同一人物が連続しないようにしてます
しそうな時は効果音や地の文を挟んだりしてます
台詞も必ず一行以内にしてます

無駄にこだわっているのはこんなところでしょうか…



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