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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
- 499 名前: ◆1otsuV0WFc [sage]
投稿日:2011/08/20(土) 23:34:09.19 ID:Js6Dzxxqo
…
アスラ「ハアアァァァァーッ」
6本の腕が休まる事なく、地面へと叩きつけられる。
青龍兵「奴の間合いに入るな! 飲み込まれたら一撃だぞ!」
南方参謀「ラクシャーサは
竜騎士隊がラーヴァナの大軍を発見してから数時間、膠着状態はなおも続く。
とは言え、実際はラーヴァナ側があくまで行軍である事。
つまり魔王ラーヴァナにとって、これは戦闘ではなく行軍という認識の下にある。
五ヵ年計画の為に、あと数ヶ月内で魔王討伐を完遂した人間サイドに対し、
何ら急ぐ事もなく、ただ地獄に人間が踏み込んだ、その様子見も兼ねて
兵を興した魔王軍サイドでは、戦闘前から士気も意義も全く別物であった。
しかし今回に限っては、その意識が人間サイドに優位をもたらしている。
それは小を以って大を制す事のみに留まらず、まだ訪れぬ援軍の為の時間稼ぎ。
そして魔王軍にとって、少数で大勢と立ち向かい、想像以上の力を発揮している
その姿は、ラーヴァナを始め、アスラやラクシャーサの群れにも1つの懸念を与えていた。
- 500 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/20(土) 23:35:15.32 ID:Js6Dzxxqo
ドドドドドド…
ラーヴァナ「…………」
ラクシャーサ「アスラ様……苦戦しているようですね」
ラーヴァナ「本気ではないようだからなぁ。しかしまぁ、手を抜いているとも思えぬ」
ラクシャーサ「……ッ」
ラーヴァナ「人間とはあれ程までに厄介であったか?」
ラクシャーサ「さ、さぁ……どうなのでしょうか……っ」
1つの懸念。それは人間の予想外の強さ。それが選ばれし人間のみなのか、
それとも後続にて控えていると思われる人間全ても該当するのか。
ラーヴァナにとってすればそれはさほど問題ではない。所詮は魔王と人間。
しかし軍を統べる王として存在する今、自分だけの問題ではないのだ。
部下の命を思っての事ではない。先の行軍からも分かるように、
ラーヴァナにとっての軍というものは余興であり、1つの遊びである。
盤上の駒とも言えるラクシャーサを複数失うは、余興を削がれるに等しい行為。
ゆっくりとした行軍は魔王の懸念により、更にその速度を遅らせる事となった。
- 501 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/20(土) 23:46:45.25 ID:g7YwnTfpo
ヨルムンガンドって調べたらフェンリルと同格か……
マジぱねぇな。
- 502 名前:NIPPERがお送りします(大阪府) [] 投稿日:2011/08/21(日) 00:29:12.53 ID:oojMHikf0
支援!
- 503 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 00:45:40.05 ID:9hWyj+nAO
製作は支援要らんよ
まぁ、1の応援にはなるだろうけど
- 504 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [] 投稿日:2011/08/21(日) 00:50:15.27 ID:uhYxcDcCo
残ってる伏線
・魔道士と天才の関係
・戦士母の素性
・基本精霊→四神になる法則
・魔道士ちゃんは処女か否か←重要
- 507 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 02:19:00.82 ID:fqTXhV1DO
少なくとも、ヤマタノオロチ編では生娘との事。
という事は…
- 510 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 14:49:26.28 ID:EXp+XWCAO
>>504
天才の妹の子どもが魔導士だから叔父姪の関係だろ?
- 511 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 19:08:18.10 ID:EGmZKAuIO
召喚士、五行目としての式神
とか
眼鏡と詩人とか、まだいろいろあるだろ
- 512 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:12:17.99 ID:ov/6WQiDO
女賢者とかはチョイ役なのかな?
- 513 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:43:55.03 ID:mN0eI6TCo
ズドドドドッ
地上へ叩きつけられる6本の腕をかわしながら、南方司令は間合いを詰める。
更にはその腕を木の枝のように飛び交い、巨大なアスラの肩へと駆け上る。
南方司令「おおぉぉぉぉーっ!!」
アスラ「……ッ」
南方司令「ギガトンフェイスブレイク……ジャスティスキーック!!」
バゴオオォォォォン!!
南方司令の蹴りがアスラの頬を捉え、力任せにそのまま振りぬかれる。
しかし、蹴り飛ばしたその真横に存在する、もう1つの顔の目がすぐさま、
南方司令の動きを逃さず、背後より左3本の腕を伸ばし掴みかかる。
ゴアッ
アスラ「しつこいぞ、羽虫が」
南方司令「動き回っていれば捕まる事はない! それに……」
バシュシュシュシュッ…バシュッ!!
弓兵「ダメージは与えられなくとも、牽制くらいにはなる! 撃ち続けよ!」
- 514 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:44:36.05 ID:mN0eI6TCo
南方弓長「こっちもよ!」
南方魔道長「撃つぞぉ!!」
ドドオオォォォォン…ズッガアアァァァァ!!
アスラ「……ッ」
南方副司令「おい、見ろ! 日の出だ!」
南方参謀「みんなっ、見える!? 朝日が昇っているわよ!」
青龍兵「……て事は……っ」
ゴロツキ「もうそんなに戦ってんのか……」
チンピラ「しかも俺達……結構頑張ってるよな」
南方参謀「そうよぉ! もう何時間も耐えてるじゃない。この勢い弱めないでよっ!」
青龍士官「いいタイミングだな」
竜騎士兵「タイミング……ですか?」
青龍士官「若干下がりかけた士気が、これでうまく持ち直せる」
竜騎士兵「な、なるほど……っ」
青龍士官「我らもこのまま後方のラクシャーサを分断するぞ」
- 515 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:45:22.01 ID:mN0eI6TCo
ズガガアアァァァァ!!
騎兵「ぐあっ!」
南方副司令「大丈夫か!? 退け!!」
騎兵「す、すみません……っ」
アスラ「……」
ここまでの交戦において、アスラはやや少し焦りを生じていた。
アスラ(何なのだこいつ等の力は。1歩も退かぬではないか……いや……)
南方司令「ぬおおりゃああぁぁーっ!!」
青龍士官「もっと低くだ! そうっ、敵の頭上ギリギリで攻めろぉ!」
アスラ(退かぬだけではない。この数で押し込む事も出来ぬとは……)
ボス「がはっ、あ……あのデカブツは……? ごほごほっ」
南方参謀「血が止まるまで下がってなさい! 誰か、この人を町の中へ!」
アスラ(やはり懸念ではない。下手をすればラーヴァナ様の喉下にも届きかねぬ)
人間側の必死な抵抗に一抹の不安を覚え始めたアスラは、警戒心を更に強める。
そしてアスラのとった行動は、敵味方全ての人間を驚きの表情へと変えた。
- 516 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:46:09.03 ID:mN0eI6TCo
ズザザッ
ラクシャーサ「……アスラ様……?」
アスラ「こちらは急ぐ必要はないのだ。後退する」
ラクシャーサ「……!?」
アスラ「聞こえなかったのか? 後退すると申したのだ」
ラクシャーサ「よ……宜しいので……?」
アスラ「何か宜しくない事でもあるのか?」
ラクシャーサ「……ぜ、全軍後退いぃ!!」
南方魔道長「後退……!? お、おい……どうすんだ!?」
南方参謀「ど、どうするったって……」
バシュウウゥゥゥゥ
青龍兵「な、何だ……!? 魔物がこちらへ下がってきていますよ!?」
青龍士官「後退しているのか……? いかん、緊急浮上だ! 挟撃にあうぞ!」
竜騎士兵「一体……急に何が……っ」
青龍士官「一度、皆と合流するぞ」
- 517 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:47:14.91 ID:mN0eI6TCo
ドドドドドド
南方司令「……何が起きているのだ?」
騎兵「わ、分かりません! ただ、魔物が退いているようですが……」
南方司令「何? 恐れをなして逃げ出したか!?」
タッタッタッタッタ
南方参謀「それはどうか分からないけれど、とにかく体勢を立て直すチャンスよ!」
南方副司令「こっちも一度後退するぞ! 各自、協力しながら退がれぇ!」
南方魔道長「後退だ後退! 町の手前まで後退すんぞぉ!」
ザザッ
ラクシャーサ「引き返せぇ! アスラ様を護衛しろぉ!」
ザザッ…ザッザッザ…
アスラ「……」
ラーヴァナ「アスラ、梃子摺っておるようだなぁ。フハハハッ!」
アスラ「ラーヴァナ様、申し訳ありません。しかし人間共……思ったより油断出来ませぬ」
ラーヴァナ「アスラを以ってこう言わせしめるとは大したものよ……フッハハハハ」
- 518 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 23:47:51.33 ID:mN0eI6TCo
…
南方魔道長「あーしんど……」
南方参謀「死傷者はどの程度!? 大丈夫なの!?」
南方弓長「それで、後続の状況は?」
青龍兵「上空から見る限り、扇形に展開しているように見えました」
偵察隊「両翼は広く展開し、どうも狙いはこちらではないように思えます!」
南方副司令「東西に開いたか? いや、しかしそれは好都合か……?」
バシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「戦況は?」
南方副司令「魔王軍は一旦後退したようだ」
青龍士官「やはりそうか……。しかし何故……」
南方魔道長「こちらの力が思ったより強かったんじゃないのか?」
何歩参謀「だと良いけど……何か作戦なら面倒ねぇ」
南方副司令「とにかく時間稼ぎには打ってつけだな。早く来てくれりゃいいが……」
1度目の交戦が一段落着いた頃、一頭の馬が東の町へと辿り着いた。
- 523 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/08/22(月) 08:30:21.47 ID:vNHghPXAO
>>1乙
アスラが眷族にしては弱いのか、南の司令達が強いのか
でも次また戦ったら圧倒されそう
- 524 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:26:49.27 ID:HVvEXxSho
ドドッドドッドドッドドッ
南方副司令「ん? 何だ……?」
南方弓長「馬……ってあれもしかして!!」
ドドッドドッドドッ
西方司令「ひいいぃぃぃぃ!! 落ちるううぅぅぅぅ!!」
天才「ゴチャゴチャやかましーんだよ! 落ちるかっての!」
ドドッドドッ…ドドォ
天才「……よぉ。状況はどうだ?」
南方参謀「総司令っ!! 第一波は防ぎましたわ」
天才「ふーん。そんで?」
青龍士官「敵はかなり慎重です。今までの連中とは勝手が違うようですね」
南方参謀「ハッキリ言って厄介なのよね……そういう戦い方されるのってさ」
天才「だな。魔物は魔物らしく力ずくで来て貰わにゃあ困る」
南方司令「困るのか?」
南方参謀「戦術を用いた戦いじゃ、数の少ない方が不利なのは当然でしょ」
- 525 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:28:09.59 ID:HVvEXxSho
天才「せっかく出張ってくれたんだ。ここで敵の戦力を叩きたいしな」
南方魔道長「まぁな。あの数で守戦に入られたら、こっちはお手上げだ」
南方副司令「ラーヴァナの進軍はこちらにとっても好機というわけだ」
天才「だからヘタに退かれると、それはそれで手間っちゃ手間だ」
南方参謀「どうします?」
天才「分断は進んでんのか?」
青龍士官「上空から見る限り、両翼は東西に展開しています」
天才「……」
青龍士官「分断と言うよりは、進路を変えているようでしたが」
天才「東はスグリーヴァ。西は……火山か?」
南方副司令「分断なら良いが、支隊は厄介だな……」
南方参謀「東は南東国もいるし安心だけど、西は手薄すぎやしない?」
天才「後詰の数を考えりゃ……まぁ、何とか踏ん張れるってとこだろうな」
南方副司令「ここを凌いだら我らも西の部隊にあたりましょう」
天才「おーう。んじゃまずはここを何とかしようじゃねぇか」
- 526 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:29:20.42 ID:HVvEXxSho
ドドドドオオォォ
アスラ「申し訳……ありませぬ」
ラーヴァナ「んー? 構わんよ。この場は全て貴様に託している」
アスラ「被害の数は?」
ラクシャーサ「300……いや、400近くは先頭不能に陥ったかと……」
アスラ「……くそっ」
ラーヴァナ「良い良い。しかしこれ以上は駒も減らしたくはないものよ」
アスラ「人間共、思ったよりやりまする」
ラーヴァナ「みたいだな。貴様もさぞかし梃子摺っておったではないか」
アスラ「次は本気で挑みます」
ラーヴァナ「アスラ、奴らの力はどう見る? 一部の者か? それとも……」
アスラ「現段階では何とも言えません。しかし短期間で人間全てがという事は……」
ラーヴァナ「ない、な。俺もそう思う」
アスラ「おそらく集結しているのは少数精鋭。ここを潰せば数で圧倒出来ます」
ラーヴァナ「良かろう。ならば俺は城にて朗報を待とうか。フハハハ!」
- 527 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:30:47.76 ID:HVvEXxSho
ザッ
天才「いいぞー。飛ばせー」
青龍士官「本当に……宜しいのですね?」
ワイバーンの背にのった青龍士官が、後ろに座る天才へ問いかける。
天才「いいって言ってんだろが。早くしろ」
青龍士官「それでは、出ます!」
南方参謀「ち、ちょっと……っ!?」
天才「ハーッハッハ! 心配すんな、偵察だ偵察!」
バシュウウゥゥゥゥ
南方弓長「行っちゃった……」
南方魔道長「不安だな」
シュゴオオォォォォ
天才「おらおらぁ、飛ばせ飛ばせーっ!」
青龍士官「……っ」
2人を乗せたワイバーンは、ラーヴァナ軍先陣の上空へと差しかかる。
- 528 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:32:48.35 ID:HVvEXxSho
ゴオオォォォォ
天才「うっひょーっ、こりゃ大したモンだわ」
青龍士官「見えますか? 両翼が大きく広がっていおります」
天才「ありゃどう見ても支隊だな。軍団長がいるはずだ」
青龍士官「確かに……っ。統制が取れておりますね」
天才(厄介だな……。まさかここまで戦略的に軍を率いてくるとはな)
青龍士官「司令……?」
天才「……おし、帰っていいぞ」
青龍士官「あっ、はい。……え? 帰って……いい?」
天才「中央突破だ。いいな!」
ババッ!!
青龍士官「――っ!! し、司令っ!?」
天才「……さーて、ちょっくらかき回してやろうかぁ」
ヒュウウゥゥゥゥ…ズシャッ
天才「ハローじゃなかった……グッモーニン!」
- 529 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:33:58.51 ID:HVvEXxSho
ゴゴゴゴゴゴ…
ラクシャーサ「な、なんだ……っ!?」
ザッザッザ
ラクシャーサ「空から降ってきたぞ!? に、人間……!?」
天才「降参するヤツ、この指とーまれ!」
ラクシャーサ「こ……殺せえぇ!!」
天才「ったく、たまーに慈悲の心を見せてやらあこれだよ……」
ジャキッ
天才「吹っ飛べやオラアアァァ!!」
グンッ…ドッゴオオォォォォン!!
ラクシャーサ「ガッハアァ!!」
ドサドサドサッ
天才「おらおらぁ! どーしたぁ、かかってきやがれ! こっちゃ1人だぞぉー?」
ラクシャーサ「か、囲めぇ! 相手はたった1人の人間だぞぉ!」
天才「ハーッハッハッハ! 早くしないと……たーくさん来ちゃうよー?」
- 530 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:35:12.32 ID:HVvEXxSho
ドドオオォォォォ
アスラ「何の音だ?」
ラクシャーサ「確認致します!」
ラーヴァナ「……」
タッタッタッタ
ラクシャーサ「て、敵襲です! 前線が蹴散らされております!」
アスラ「何ぃ?」
ラクシャーサ「上空から突如現れたえらしく、兵どもが混乱を……っ」
アスラ「相手は何匹だ!」
ラクシャーサ「そ、それが……1人との……」
アスラ「1人だあぁ!?」
ラーヴァナ「フハハハハハ!」
アスラ「……ッ」
ラーヴァナ「人間にもなかなかに面白い奴がいるようだ」
アスラ「……すぐに消して参ります」
- 531 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:37:00.64 ID:HVvEXxSho
ラーヴァナ「まぁ待て。城へ戻る前にツラを拝んでいくとしよう」
アスラ「なりませぬ」
ラーヴァナ「……」
アスラ「単身、この大軍に乗り込んでくるとは、よほど自信があるのでしょう」
ラーヴァナ「負けるとでも?」
アスラ「そ、そうではありません……っ! 余計な労力をかける事もないかと……」
ラーヴァナ「……ふーむ」
アスラ「ここは私に免じて、どうかご帰還下さいます様」
ラーヴァナ「良かろう。貴様に任せると述べた以上、従おうじゃあないか」
アスラ「はっ。必ずや人間共の亡骸をラーヴァナ様の元に!」
ラーヴァナ「……第1軍、反転せい。城へ還るぞ」
ザザザッ…ドドオオォォォォ
ラクシャーサ「第1軍、急ぎ反転せよ! ラーヴァナ様ご帰還!」
ラーヴァナ「アスラ、過ちは許されんぞ」
アスラ「……胆に……命じておきます」
- 532 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:38:04.13 ID:HVvEXxSho
ズガガガガガッ!!
天才「うらああぁぁぁぁ!!」
ラクシャーサ「何だコイツは!?」
手にしたツヴァイハンダーを頭上で大きく振り回し、
一振りで数匹のラクシャーサを一気に吹き飛ばす天才。
ラクシャーサ「止めろぉ! これ以上進ませるなぁ!」
天才「ハーッハッハ! さっすがツヴァイハンダーフュンフ。五行なしでも十分だ」
ザシュウウゥゥゥゥ
天才「コイツが量産の暁には、テメェら豆腐のようにスッパリサッパリだぜ」
ラクシャーサ「人間風情が……ッ」
ドスンッ!!
天才「……おっ?」
アスラ「…………」
天才「魔王……じゃねぇな。何だテメェさんは?」
アスラ「退がっていろ」
- 533 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:39:53.56 ID:HVvEXxSho
ラクシャーサ「し、しかし……ッ」
アスラ「貴様等が束になっても適う相手ではない。分かるだろう」
ラクシャーサ「……ッ」
アスラ「我が命はラーヴァナ様の命も同じ」
ラクシャーサ「は、ははぁ!」
アスラ「二手に別れ、町は無視していい。奴等の本拠を襲え」
天才「させっかよ」
アスラ「させて貰う」
ザッ
天才「……」
ラクシャーサ「い、今だ! 突っ込めぇー!」
ザザッ…ドドドドドド…
アスラ「……大人しく通すとはな。てっきり抵抗するかと思ったが」
天才「あんな雑魚、放っておいても問題ないんでねぇ」
アスラ「……」
- 534 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:41:48.60 ID:HVvEXxSho
天才「一か八か突っ込んで正解だったわ。とんだ大物が引っ掛かったわ」
アスラ「……」
天才「ここでテメーをブッ殺せば、ラーヴァナの右腕をもいだも同じよ」
アスラ「違うな」
天才「あぁ?」
アスラ「ラーヴァナ様は絶対なのだ。我が力など欲していない」
天才「……」
アスラ「それに貴様、その剣……量産など出来る代物ではあるまい」
天才「……」
アスラの言葉にミミを傾ける天才は、ラーヴァナ軍の思慮深い統制と至高に、
危惧を抱きながらも、一筋の光を導き出そうとしていた。
天才(コイツらはかなり慎重になってやがる。理由は……アンラ・マンユか)
サタンを封印され、同じく封印されていたパズズを葬られた。
そして初めて真っ向からぶつかり、アンラ・マンユが人間の手で倒された。
天才(だったら打つ手はある。切れ者のラーヴァナちゃんならなぁ!)
- 535 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/08/22(月) 18:48:45.51 ID:HVvEXxSho
ここまでにて失礼致します!体が強烈にダルイ…
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
- 537 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/22(月) 19:45:18.48 ID:7ZGR3HpDO
>>1乙!
土日更新も乙!体調には気をつけてなー
今の所順調な感じだけど、戦力差がある上に魔王軍にも戦略があるとか厳しそうだな……
- 539 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/08/23(火) 00:30:56.34 ID:vpCwjLGAO
>>1おつ
阿修羅って聞くと阿修羅像の綺麗な姿想像しちゃうけど、魔物verの画像見たらけっこうイケイケな性格してそうだな
- 540 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/23(火) 22:30:06.98 ID:F9IZQHzjo
アスラ「貴様の戯言に惑わされる我らではない」
天才「どうかねぇ。戯言かどうかはそのうち分かるさ」
アスラ「仮にそうだとしても、叩き潰すのみだ」
天才「そうしろそうしろ。せいぜい時間をかけてくれや」
アスラ「……」
天才「その間に、こっちはこっちで次の手ぇ打たせて貰うわ」
アスラが天才の声に耳を傾ける事はなかった。ある一部分を除いては。
天才「ま、とにかく今はここでテメーを潰す。そんだけだ」
アスラ(この人間の話は虚言に過ぎない。だが、この意図は何か?)
天才(さぁ考えろ。頭使ってるテメーらなら悩むはずだ)
アスラ(人間共に大した手は持たぬはずだ。では何が狙いだ?)
天才(奴らは時間をかけたい。それは五ヵ年計画にとっては不利)
アスラ(てっきり急いていると思ったが……遅らせたいかのような言動)
天才(悩め悩め。悩んだ先に導くがいいさ。それがテメーらの過ちだ……!)
アスラ(こいつ等……時間をかけて何か行う気か。時間をかけるのは過ちか)
- 541 名前: ◆1otsuV0WFc [sage] 投稿日:2011/08/23(火) 22:44:00.57 ID:F9IZQHzjo
ザッ
天才「来いよ。それともこのままテメーも、魔王様と仲良く退くかぁ?」
アスラ「退く理由が見付からぬ」
天才「ハーッハッハ! じゃあかかってきな」
アスラ「……」
シュバッ!!…ドガガガガガッ!!
アスラの繰り出す6本の拳と天才の大剣が激しくぶつかり合う。
天才「おらおらおらぁーっ!!」
アスラ「たかが1匹の分際で……」
天才「テメーも1匹だろうがよぉ」
アスラ「……」
天才「1対1なら負けねぇとでも思ってんじゃねぇだろうなぁ!?」
アスラ「勝ってから語るがいい」
天才「おーおーそうさせて貰うぜぇ!!」
アスラ「後悔するがいいさ……虫ケラが!」
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