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少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
- 1 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2010/11/25(木) 16:28:29.83 ID:t7biP0HoO
おーい
- 7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/25(木) 17:22:58.11 ID:+rVcgIo0O
ん?SSスレかと思って開いたら違うのか
ここは何?
- 8 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/25(木) 17:25:27.58 ID:AKlYRKPMP
鯖移転のため仕切り直し
- 10 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/25(木) 17:42:27.03 ID:uVyEujED0
>>7
移転前に盛り上がってたSSスレが
移転で落ちたから代行で立てたスレ
- 69 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 01:01:20.82 ID:q/igm2keO
ガチャ
少女「ただいま帰りました」
術師「おかえり……どうだった?」
魔女「全面戦争かッ」
少女「同盟を結ぶとすれば、四帝国それぞれと同時だと言っておきましたが……
どうにも頭の固い人達ばかりでしたね」
魔女「なんだつまんねぇーな。
見た目で舐められてんじゃねぇーの」
術師「わかる人……にはわかる……もの」
少女「はぁ。ありがとうございます」
妖精「!」パタパタ
魔女「ん?
あ、そうそう。てめぇーらが出かけてる間に、こっちにも客が来たぜ」
少女「そうなんですか?」
魔女「妖精界対人間界、全面戦争のお知らせだ。
そっちでバトらねぇーならこっちを頑張ってくれよ」
- 71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 01:08:55.59 ID:q/igm2keO
侍女「妖精界……でございますか?」
魔女「おうよ。連中の特使が来てな。
さすがに目ぇ付けられてるよ、僕らは。
そこらの帝国よりよっぽど危険な障害だと思われてるらしいぜ。
留守だっつったら、また来るってさ」
術師「前途多難……がんばって」
魔女「てめぇーも僕らの勢力の一人として数えられてただろうが」
術師「……満更でもない」
魔女「そーかい。そりゃ結構」
少女「また頭痛の種が増えた……」ガクッ
妖精「?」サスサス
侍女「どうかお気を確かに」
- 73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 01:19:01.61 ID:q/igm2keO
少女「……今日はもう休みます」
侍女「今すぐ寝室の準備を」
魔女「多分明日また来るだろうから、徹底抗戦、見敵必殺の旨をきっちり伝えろよ」
術師「相変わらず……魔王より魔王っぽい……」
……バタン。
術師「……でも、どうして……妖精界が?」
魔女「さぁ。暇だったんじゃねぇーの」
- 75 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/27(土) 01:20:27.49 ID:q/igm2keO
スレ落ちたと思って書きため消しちまったよ……
ちっとも進んでないが、風邪気味なので今日はもう寝る
- 92 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 13:46:37.82 ID:q/igm2keO
少女「おはようございます」
妖精「!」パタパタ
術師「おはよう……よく眠れた?」
少女「おかげさまで、それなりには……」
術師「昼前には特使……がまた来る」
少女「あぁ、そんな話でしたね……」
侍女「おはようございます。
朝食の準備ができました」ペコリ
少女「魔女さんは?」
術師「昨日夜更かし……してたからまだ寝てる」
少女「そうですか。
じゃあ先に食べちゃいましょう」
術師「いただき……ます」
侍女「どうぞこちらの部屋へ」
- 94 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 14:06:13.67 ID:q/igm2keO
少女「特使って、どんな方でした?」
術師「少しの間……しか居なかったからよくわからない……
……けど、かなり強烈な魔力……を纏ってた……つまり臨戦態勢」
少女「やっぱり警戒してたんでしょうか?
軍隊で来られなかっただけよかったのかな……」
術師「妖精界の軍隊……は滅多に妖精界から外に出ない……
……大概の場合、魔導砲術団……が妖精界から一発……打ち込むだけで、
戦争……は終わる。防御結界に特化した要塞……でもないと、
一瞬で辺り一帯が灰……になるから」
少女「物騒ですね……」
術師「妖精は魔導工学にも、魔導そのもの……にもずば抜けて秀でてる……強敵」
リンリンリン、リンリンリン、
術師「噂をすれば……」
侍女「どういたしましょう?」
少女「とりあえず、応接室に通してください」
侍女「かしこまりました」
少女「術師さんも来てもらえますか?」
術師「わかった……行く」
- 95 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 14:10:22.51 ID:A9MJUpFXO
俺「俺も行こう」
- 96 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 14:28:16.88 ID:q/igm2keO
ガチャ、
侍女「どうぞこちらへ」
特使「……」
少女「初めまして。
一応魔王代理をやってる者です」ペコリ
術師「その師匠の知り合い……」
特使「お初にお目に掛かる。
私は妖精界第二魔導工学研究室の副室長をやっている者だ」
少女「この度はわざわざどうも。
昨日は留守にしてて申し訳ありません」
特使「いや、それは一向に構わない。
それより、本題に移ろう。時間が惜しい」
少女「はぁ」
術師「せっかち……」
特使「妖精界は、人間界に対し間も無く宣戦布告を行う。
これは王室の決定であり、恐らく覆されることは無い」
少女「……いきなりですね」
術師「ね……」
- 98 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 14:53:21.24 ID:q/igm2keO
特使「この宣戦布告には、勿論それなりの理由がある。
まずはそれについて簡単に説明したい」
少女「……」
特使「主には二つある。
一つは、現王権に反駁する者を黙らせる、もしくは炙り出すためだ」
術師「それ、言っちゃって……いいの?」
特使「もう一つは……人工妖精の問題がある」
少女「!」
侍女「……」
特使「妖精族、特に王家の血筋に近い者は、自らの血に大きな誇りを持っている。
実際に妖精族の中でも魔力的に特に優れた者を多く輩出しているからだ。
しかし、人間界の何名かの魔導師は、この『王家の血』に模した、
極めて精密精緻な人工妖精を生成し、これを使役する技術を持っている」
術師「……話が見えて来た」
- 99 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 14:56:54.16 ID:q/igm2keO
特使「現に、そこにいる侍女もそうだ。
……素体は妖魔大戦当時の第二皇女であろう。
彼女は少し特殊な血筋ではあったが……
いずれにせよ、王家の者にはそれが許せないのだ。
王家の血が人間に隷属するなどあってはならないと考えている」
少女「……」
特使「そして、人工妖精を使役する人間、
退いては人間に隷属する全ての人工妖精を、
この上なく嫌悪し、憎悪しているのだ。
なので、今回の宣戦布告と相成った」
侍女「……」
- 100 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 15:12:29.16 ID:EAQFkVR7P
大戦のときに人質として魔王に預けられたんだったな>第二皇女
実際は母親が王家の後継争いに巻き込まれないようにした訳だけど
- 101 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 15:15:07.70 ID:q/igm2keO
魔女「要するに、てめぇーんとこのくっだらねぇー選民意識が原因なわけだな。
どこでも戦争の原因ってのは、暇潰しか、差別か、もしくはそのどっちもかのどれかだ」
少女「魔女さん……」
術師「大体、妖精界……にもホムンクルスの生成技術……があるはず。
それも原理的……には人工妖精の生成技術と同じ」
魔女「大方、僕らのサンプルでもこっそり持って帰って、
早速ホムンクルス作る気だったんじゃねぇーの?」
特使「……」
少女「本当に、この戦争は避けられないんですか?」
特使「……一研究者には判断しかねる」
魔女「けっ。こう言う時だけ研究者面かよ」
- 103 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 15:31:19.76 ID:q/igm2keO
特使「……伝えるべきことは以上だ」ガタンッ
少女「特使さん」
特使「……なんだ」
少女「例えばですが、侍女さんには、拘束術式は施されていません」
侍女「……」
妖精「!」パタパタ
少女「この子もです。
侍女さんもこの子も、自分の意思でわたしと共に歩んでくれています」
特使「……自分も魔導研究者の端くれだ。
その位は最初からわかっている」
侍女「……では、僭越ながら申し上げます。
王家には王家の誇りがあるのかも知れませんが、
わたくし達にはわたくし達の自由意思と誇りがあるのです。
わたくしの誇りは、この城に、この方に使えることです。
何人たりとも、この誇りを陰らせることはできません」
術師「かっこいい……」パチパチ
少女「あなたにも、あなたの誇りがあるでしょう。
それをよく考えてみてください」
特使「……失礼する」
……バタン。
- 104 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 15:42:18.03 ID:q/igm2keO
魔女「いけ好かねぇーやつだな」
術師「妖精界……では魔導技術の研究……は完全に王権の管理下……にある。
こちらとは文化……も価値観……も違うからある意味……しょうがない」
少女「あの人なら、きっとわかってくれますよ」
侍女「わたくしも、そう思います」
妖精「!」コクコク
魔女「ま、話が通じたところでどうしようもねぇーけどな。
僕は工房に戻るぜ。色々準備があるし」
術師「……あなた……はどうするの?」
少女「わたしは、四帝国で同盟を結ぶように説得して来ます。
人間同士で争っている場合ではないと。
……それが終わったら、妖精界に行きます」
- 106 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 16:11:26.53 ID:q/igm2keO
魔女「っつーわけで、はるばる来たぜ妖精界!」ドーン
術師「工房に帰る……んじゃなかったの?」
魔女「何言ってんだよ。
『ハイパーかっこいい魔女と不愉快な仲間達の冒険・妖精界征服編』に
主人公が居ないわけにはいかないだろーが。
だからこないだの『門』だって妖精界仕様に改造してやったんだろ」
術師「自己顕示欲……のかたまり」
魔女「うるせぇー!」
少女「とにかく、とりあえず首都を目指しましょう。
あまり目立たないように……ってもう手遅れかな……」
侍女「以前より更に荘厳で巨大な造形になっていますね、あの門」
魔女「階段も13段まで減らした改良型だぜ。
妖精界にも似たようなもんはあるだろうが、
地獄にも竜界深部にも対応してるやつはそうそう無いな」
術師「すぐ張り合いたがる……お子ちゃま」
魔女「お前だけ今から地獄行くか? あ?」
- 107 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/27(土) 16:13:10.31 ID:q/igm2keO
休憩
- 110 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/27(土) 16:36:13.45 ID:/F3ANJuu0
魔王さんはもう登場しないのですか?
- 126 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/27(土) 23:09:25.35 ID:p4SBLfE9O
熱が下がらんね。
gdgdしててすまん。
- 130 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/28(日) 00:58:10.06 ID:gS/hz3iz0
風邪薬といっしょにリポDを飲むといいと聞いた
- 132 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/28(日) 02:11:18.16 ID:TvfBlBkQ0
熱がある時はりぽDとかは一緒にはだめだよー
風邪薬と一緒に飲めるタイプの栄養剤があるからそれがいいよ
- 160 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 20:58:35.25 ID:fpFDfMfb0
ちゃんと読むから制作でやれよ
- 163 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 22:14:21.23 ID:GsBlRFawO
少女「侍女さん、地図を」
侍女「はい。すぐに用意いたします」ガサゴソ…
バサッ、
侍女「こちらが妖精界の地図です。
書庫にあったものですが、これはかなり正確なものかと思われます」
魔女「お、僕の持ってるやつより細かいな」
術師「魔導式……が施されてる」
侍女「暦に従った回路に魔力を流せば、
その年月日時点での移動地形や浮島の座標も厳密に表示されます」ポゥ…
ジジッ…ザザザザ……
魔女「おー、地図が書き換わったな」
侍女「便利……」
- 165 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 22:26:14.04 ID:GsBlRFawO
少女「今いる場所もこの印を見れば一目瞭然ですね」
術師「首都は……これ?」
少女「それですね。
ここからだとそんなに距離は無いはずです」
魔女「そうなるように設定したからな。
……まぁ問題と言えば、僕が使ってた地図はそんなハイカラなもんじゃなかったから、
移動地形に乗った妖精軍哨戒基地がすぐそばに来てたってのを知らなかったっつーことだ」
術師「三方向から多数……の魔力源の移動……を感じる」
魔女「早速お出迎えか」
侍女「どういたしましょう?」
少女「ここで捕まるわけにはいきません」パリッ、パキキッ
- 166 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 22:41:19.94 ID:JXzBhmcLO
かぜは治ったのか?
- 168 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/28(日) 22:55:03.62 ID:GsBlRFawO
>>166
熱は下がったが、今は謎の腹痛に襲われてる。
- 169 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/28(日) 22:58:16.59 ID:GsBlRFawO
「目標消失しました!」「機器系統は全て異常無しを示しています……」
「探せ。まだこの付近にいるはずだ」「はッ! 直ちに!」
「ここに足跡が……」「結界解析班が到着……」
魔女「なんだ、腕慣らしに一発かましてやろうと思ったのによー」
術師「目と鼻の先……なのに全然気付かれない……」
少女「『門』の構造を応用した術式です。
魔導的存在階層を僅かにずらしたことで、
わたし達は通常階層からは魔力質量ゼロとしてしか認識されません」
侍女「つまり、彼らから見れば完全に『消失』したと言うわけでございますね」
魔女「なるほどなー。術式の痕跡も残らないから追跡も難しいってことか」
術師「しかも全員分……無駄魔力垂れ流し……してるコレまで……すごい」
少女「あまり長くは保ちませんけどね」
魔女「一々喧嘩売りつけないと喋れねぇーのかてめぇーは」
- 170 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 23:17:35.99 ID:GsBlRFawO
少女「では、このまま首都の王宮まで行きましょう」パキッ、パリッ……
魔女「そんなに保たないんじゃねぇーのか?
あの門を連続稼働させてるようなもんなんだろ?」
少女「そうですね。
大体この人数だと三日間ぐらいかな」
術師「それでも三日……」
魔女「改めて、大概規格外だなてめぇーも」
侍女「しかし、近いとは言ってもここから首都までは大河を越えなければなりませんし、
三日で歩ききれる距離でしょうか?」
少女「大丈夫ですよ。
わたしに考えがあります」
- 171 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 23:31:15.30 ID:GsBlRFawO
皇帝「……わかった、下がって良いぞ」
大臣「失礼致します」
……バタン。
皇帝「やれやれ……戦争か……」
――――バキンッ
少女「どうも初めまして、皇帝さん」ペコリ
術師「ここが……執務室……すごい結界装置……」
魔女「お疲れ気味の所申し訳ねぇーけど、お茶でも淹れてくんない?」
侍女「では、わたくしめが」カチャカチャ
妖精「♪」パタパタ
皇帝「……は?」ガタンッ
- 172 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/28(日) 23:47:40.63 ID:GsBlRFawO
術師「まさか氷竜……ごとあの術式……を施して首都まで飛ぶなんて……」
少女「さすがに半日弱しか保たなくなりますけど、間に合ったでしょう?」
魔女「都市の周りを雲の上まで貫いてた結界も完全スルーだったしな」
侍女「王宮の結界もまた同様です。
どんなに堅牢でも、そこに存在しない者の侵入は拒めない」トポポポ……
魔女「おー、いい香りだな」
侍女「携帯型魔導ティーセットでございます。
どうぞお熱いのでお気を付けて」カチャ、
魔女「ちょっと防犯対策考え直した方がいいんじゃねぇーの?
さっきここの裏庭に氷竜が着陸したんだぜ」ズズッ
術師「これが戦争……だったらチェックメイト」
皇帝「……何が望みだ?」
少女「対話ですよ、皇帝さん。
お茶、こっちにも頂けますか?」
- 178 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/29(月) 01:16:43.56 ID:RjlMA036O
侍女「お待たせいたしました」カチャカチャ、
少女「ありがとうございます。
……さて、では、とりあえず自己紹介からですね。
わたしは人間界四帝国同盟監査調停役の者です。
あ、魔王代理もやってます」
皇帝「……第五八代妖精界皇帝だ。
君達の噂はよく聞いている」
魔女「光栄なもんだぜ。
これなんだ?」ツンツン
術師「それ……は魔導天秤……妖精界の魔導工学で用いる複合実験機……
……今はこの部屋の結界……を維持、調整してる」
魔女「ふーん。他にも色々あるな」
少女「あんまり暴れないで下さいね」
魔女「わかってるっつーの。
さすがに敵陣のど真ん中で面倒事は御免だ」
皇帝「……どうしてここに?」
少女「あなたに皇帝として、一つ意見を伺いに来ました」
皇帝「……」
少女「あなたは人間を憎んでいるのですか?」
- 179 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/29(月) 01:31:37.26 ID:RjlMA036O
少女「特使さんの説明では、どうしても納得できなかったんです。
もし妖精界全体が人間を憎んでいるなら、色々な矛盾が生じるはずです」
術師「……妖精と人間が結ばれ……その子孫……が活躍する伝説は、
妖精界……でも人間界……でも無数にある」
魔女「古い魔導書の中では、人工妖精やホムンクルスの由来はそこにあるってことになってるしな」
少女「それどころか、妖精界の王家にも人間と結ばれた人や、
その子供が玉座についた記録もあります」
皇帝「……その通りだ。
太古の昔、人間が妖精を異世界の住人として特別視していたように、
妖精もまた人間を特別な存在だと考えいた。
まだ今ほど魔導が発達しておらず、互いに素朴な暮らしを営んでいた頃はな」
魔女「王権に説得力を持たせるために、人間との混血も大いに歓迎されたわけだ」
術師「歴史上の偉大な魔導師……は、その多くが異種族との混血……」
皇帝「ある意味で、我々が人間界と密接に繋がっていた時期が、
最も妖精界が繁栄した時期であると言える……
妖精界の優れた魔導工学技術も、その時代に生み出されたものだ」
- 181 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/29(月) 01:42:32.24 ID:RjlMA036O
魔女「えらくあっさり認めるじゃねぇーか」
術師「人工妖精の話……は戦争と関係……ない?」
皇帝「いや、人間や人工妖精を忌み嫌っている者も相当数いるのは事実だ。
……しかし、さっき言ったように、それは現王権の否定にもなる」
少女「では、一体何が原因なんです?
なぜ突然妖精界は人間界と断絶して、今度は戦争まで起こそうとしているのですか?」
皇帝「……」
侍女「お茶のおかわりはいかがですか?」カチャ、
術師「気が利く……ありがとう」
- 182 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/29(月) 02:06:17.97 ID:RjlMA036O
皇帝「……妖魔大戦の折り、魔王に引き渡された第二皇女。
あの子は……この五八代皇帝の実の娘だ。
まさに、その侍女はあの子の生き写しだ……母親にも良く似ている」
侍女「……」
皇帝「第一皇女の母親は純粋な妖精族の貴族出身の者だったが、
第二皇女の母親は人間と交わった血流を持つ有能な魔導技師だった。
……しかし妖魔大戦終結時には、彼女らの血筋は完全に途絶えたのだ」
術師「第一皇女……とその母親たる現王妃……が皆殺しにした。
……ま、コレもそれ……に荷担してたわけだけど」
魔女「なんだよ、昔の話だろ?
そんな事情知らねぇーよ」
皇帝「……王妃とその一族は、純粋な妖精族のみが妖精界を束ねるべきだと考えている。
第一皇女にも、人間の血は流れていない」
少女「つまり……あなたの娘では無い?」
皇帝「そうだ。
地位の関係で第一継承権を持ってはいるが……」
術師「……その理屈……で考えると、皇帝もまた憎むべき血――――」
――――ドゴォォォオオオン……
- 183 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/29(月) 02:07:21.58 ID:y6iJ59Ks0
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