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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
806 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 00:00:15.39 ID:FJcXSNoo
〜火焔山、頂上〜

戦士「……」

ザッザッザ

戦士「悪いな騎都尉。後で丁重に葬ってやるから…今はここで我慢してくれ」

ザッ

戦士「……!?」

テクテクテクテクテク

戦士「……厄介な奴が来ちまったか」

紅孩児「……ヘー、君一人かい?」

戦士「…みてぇだな」

戦士は戟を手にとり、階段から登って来る紅孩児に身体を向ける。

紅孩児「やめといたら?勝てると思ってるのかい?」

戦士「…やってみにゃ分からん」

紅孩児「君ほどの使い手だ。分かるだろ」

戦士「分かってても…やらなきゃならん時もあんだよ」


807 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 00:02:37.06 ID:FJcXSNoo
紅孩児「……ま、止めはしないけどさ」

ザッ

戦士「……」

紅孩児「その前に、お友達がどうなったか見てみたくはないかい?」

ヒョイッ

戦士「瓢箪…!」

紅孩児「さっき召喚士もはいったところだよ」

戦士「――っ!!」

紅孩児「ハハハッ!しかも…自ら降伏して、ね」

戦士「……降伏?あいつが?……そりゃお前、やられたな」

紅孩児「……は?」

戦士「アイツがそんな真似するわけねぇよ。罠にかかったんだよお前は」

紅孩児「……戯言を」

戦士「そう思うなら中身、確かめてみろよ」

紅孩児「……言われんでも、みてやるさ!」


808 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 00:07:03.78 ID:FJcXSNoo
紅孩児は瓢箪の蓋を取り、己の口の上で逆さまにひっくり返す。

キュポッ

紅孩児「さぁ…美味な酒……」

戦士「……」

紅孩児「……?」

何も出てこない瓢箪。紅孩児は不思議そうに瓢箪を何度か振る。その瞬間…。

ブンブンッ……ボッ!!

紅孩児「何っ!?」

シュイイィィィィン……ドサドサドサッ!!

紅孩児「……馬鹿な!?一体…何が…どうな…って」

戦士「……やっぱりな!!」

転載「いってぇ……。ん?外に出られたみてーだな」

南方指令「……っ、一時はどうなるかと思ったけど…!」

戦士「おかえり!召喚士!!……流石だな!」

召喚士「……戦…士!?。……ただいま!」


809 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 00:11:30.74 ID:FJcXSNoo
最近身体が重いので早めに寝るとします…寝違えて首も痛いし…><
ご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

天才「……おしっこしたい」

南方司令「はぁ!?」

召喚士「が…我慢して下さい!」

天才「なぁなぁ、おしっこも石化してくれりゃいいからさっ!」

コカトリス「そのような事に使えるか!貴様ごと石化してくれようっ!!」

天才「ちょ…っ!?冗談だよ、冗談!」

召喚士「……はぁ」

南方司令「石化してみれば、ここもなかなか快適だな。正義の秘密基地に使用するか…」

天才「バッカじゃねーの?」

南方司令「いやっ!正義はいかなる時にも秘密の基地をもってだな……

召喚士「……はぁ」

コカトリス「お前も…苦労しているのだな……」

召喚士「……はぁ」


820 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:50:35.78 ID:FJcXSNoo
紅孩児「オイオイ、何がどうなって……」

天才「ハーッハッハッハ!俺様にはあの程度のもの…無用!」

南方司令「その通りっ!正義は……勝つ!!」

紅孩児「何て奴らだ…っ、絶えやがったのかよ…」

召喚士「……ここは…?」

戦士「…山頂だ」

召喚士「他の人達は…?」

戦士「特殊遊撃の奴らはネクロマンサーを追った」

召喚士「!?」

戦士「……」

戦士は黙って背後の地面に寝そべる大男を見つめる。

召喚士「……あれ…って」

戦士「そういう事だ…」

召喚士「……」

戦士「騎都尉は…俺がやったよ」


821 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:51:05.59 ID:FJcXSNoo
召喚士「戦士……」

戦士「気遣いは無用だ。確かに…ちょいとキツかったけどよ…」

召喚士「……」

戦士「でも、さっき一人でボーっとしててさ…いや、後にしよう」

召喚士「……うん」

戦士「他の奴らもきっと無事だ。今は目の前の敵を…」

ザッ

召喚士「ああ…。そうしよう!」

紅孩児「ネェ、天才サン」

スッ…

紅孩児「……!?」

ヒュオッ!!……ゴッシャアアァァァァッ!!

紅孩児「あっぶね…っ!」

天才「だーれが返事するか、このバカ!」

紅孩児「ハハッ、流石にもう引っ掛からないか…!」


822 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:51:37.56 ID:FJcXSNoo
南方司令「観念しろ!もう奥の手はあるまい!」

紅孩児「四人相手にはしたくないなぁ…」

ズズズッ…

戦士「槍が来るぞ!」

天才「わーってるよ!!」

紅孩児の右手に形成され始める火炎槍。その軌道はすぐに前方の天才へと向けられる。

ゴウッ!!

天才「んにゃろうっ!!」

突きと薙ぎのニ連撃を綺麗にかわす天才は、ツヴァイハンダーを両手で握り直す。

天才「っりゃああぁぁ!!」

ビキッ…ビキビキッ…ピキイイィィン

戦士「ツヴァイハンダーが凍って…!?」

紅孩児「…っ!?」

天才が凍りを纏ったツヴァイハンダーを一気に振り下ろす。

それを辛うじてではあるが、紅孩児は火炎槍で受け止めた。


823 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:53:08.60 ID:FJcXSNoo
ズガアアァァッ!!…ドッゴオオォォンッ!!

戦士「じ…地面が…っ」

南方司令「防がれたか…!」

召喚士「いや…まだだっ!!」

火炎槍で防がれたツヴァイハンダーの刀身から、細かな氷の粒子が舞い始める。

紅孩児「…な…に!?」

紅孩児が言葉を続ける間もなく、氷の粒子は吹雪となり、紅孩児へと吹き荒れる。

ゴウウゥゥゥゥッ!!

紅孩児「ぐあ…ぁ…!!」

天才「ハーッハッハッハ!なかなかの威力だな」

ユラッ…ググッ

紅孩児「……その武器…風の属性持ちかよ…っ」

天才「おー、ご名答」

召喚士「そうか!風の鉱石を持つ剣に…水行の魔法で合体を…!」

天才「そーいう事。使い方一つで色々出来んのさ!覚えておきな!」


824 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:55:46.74 ID:FJcXSNoo
紅孩児「やってくれるぜ…」

天才「それじゃトドメを…」

ザッザッザ…

紅孩児「……」

ドドオオォォンッ!!

歩み寄る天才の足元より、地面が隆起し炎の柱が噴き出す。

天才「気付いてるっつの!」

紅孩児「…残念」

天才「こんなモン…水行で相殺……」

ゴオオォォォォ…

天才「…なんだ…この……火力!?」

紅孩児「あれ?そっちは気付かなかったんだ」

天才「…く……っは…!」

戦士「ど、どうしちまったんだ!?」

激しさを増す炎は、天才の周囲を覆いつくし、更にその火力を増し始める。


825 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:57:41.27 ID:FJcXSNoo
紅孩児「ハハハッ!炎だけなら幾らでも出せるよぉ!?」

天才「……か…っ!!」

召喚士「ま…さか…っ!?」

戦士「!?」

召喚士「ほ、炎で…空気を……」

南方司令「呼吸かっ!!」

火の海の中心部にて悶え苦しむ天才。その左腕で必死に喉元を掻きむしる。

天才「……っ!!」

南方司令「まずい…っ!!」

ダッ

戦士「召喚士、俺らも…!」

召喚士「うんっ!!」

南方司令「でりゃあぁぁ!!」

紅孩児「ハハッ!凄い迫力だ!!」

南方司令「正義の鉄槌…っ!グランドジャスティスパアァーンチ!!」


826 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:59:32.34 ID:FJcXSNoo
カッ!!……ズガガガガアァンッ!!

紅孩児「空振り……い、いや…っ!!」

南方司令の放つ上空からの強烈な右拳の一撃。

それは紅孩児の前方へ逸れ、大地を粉々に打ち砕く。

戦士「外した…っ!?」

召喚士「いやっ、これは……」

南方司令「おおぉぉ!!」

ドドオオォォ…

紅孩児「地面を砕き…っ、炎を吹き飛ばしたか!!」

南方司令「……」

紅孩児「だが……手遅れかもね」

召喚士「天才さんっ!!」

天才「……・・がはっ!!……はぁ…っ!!」

戦士「……っ!!」

紅孩児「……!?」


827 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:06:46.22 ID:FJcXSNoo
ググッ…ブチィ!!

地に染まる左腕を、己の喉元からゆっくりと降ろす天才。

天才「はぁ…はぁ…っ、はぁ…っ……」

戦士「……っ!」

紅孩児「コイツ…!自分の喉を…突き破って……」

天才「…呼…吸出来ないな…ら……っ、直に…風を…送り込むだけだ…っ」

紅孩児「喉に穴開けて…風の魔法……」

南方司令「うらぁっ!!」

紅孩児「な…っ!!」

バギャアァッ!!

南方司令「もう…いっちょおぉ!!」

ゴガァッ!!……ズシャアァァッ

南方司令「今の内に!」

召喚士「は、はいっ!」

召喚士と戦士が急ぎ天才の元へと駆けつける。


828 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:45:43.94 ID:FJcXSNoo
タッタッタッタ…

戦士「大丈夫か!?」

天才「……うな」

召喚士「……?」

天才「こっち……構うな…っ。援護……」

戦士「……召喚士、天才さんを頼む!」

召喚士「戦士っ!?」

ダダッ

南方司令「うおおぉぉ!!」

紅孩児「しつ…っこい!!」

バキィッ!!……ドッ

南方司令「……ぐぅ…っ!」

紅孩児は南方司令を蹴り飛ばした後、口元を擦りながら起き上がる。

紅孩児「武器も持たぬ愚か者に…手こずっている暇など…ない!」

南方司令「……っ」


840 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:54:01.31 ID:Wdt2ZPgo
スウッ

紅孩児「こいつで…決めるっ!!」

紅孩児の構える火炎槍が、一層けたたましく燃え盛る。

南方司令「……!!」

紅孩児「……喰らえぃ!!」

ゴウッ!!…ゴゴゴゴゴゴ

召喚士「まずい!コカトリスを…っ」

戦士「駄目だ!まだ…こんなところで使うなっ!」

召喚士「!?」

戦士「……ここは……俺がぁ!!」

戦士の手に握りしめられた戟が、空を切り裂き紅孩児めがけて投擲される。

紅孩児「な…っ!?」

ビュオッ!!……ザシュウゥゥッ!!

紅孩児「が…あぁ…!!」

戟が紅孩児の右手に直撃し、そのまま紅孩児ごと地面へと突き刺さる。


841 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:54:54.13 ID:Wdt2ZPgo
ゴシャアアァァ

紅孩児「ぐは…っ!!」

戦士「まだ…まだぁ!!」

まだ起き上がる事の出来ない紅孩児に、戦士は雷切を片手に飛びかかる。

紅孩児「ふ…ざけるなぁ!」

戦士「!?」

ゴウッ!!

南方司令「ま…ずいっ!」

召喚士「戦士っ!炎だ…避けろ!!」

戦士「しま……っ…」

ダッ!!

南方司令「間合いが遠い…!何か…得物が……」

紅孩児「燃え尽きろぉーっ!!」

南方司令「っ!!あれは…っ!!」

ダダッ…ガシッ!!


842 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:55:41.84 ID:Wdt2ZPgo
紅孩児が左手で巻き起こす、竜巻のような炎の柱。それは勢い良く、戦士めがけ襲いかかる。

戦士「盾で…っ!」

紅孩児「無駄だぁ!そんなものでこの炎を……」

ヒュンッ

紅孩児「……ア?」

右の視界から飛び込んでくる一振りの巨大な刀身。

南方司令「はぁーっ!!」

天才のツヴァイハンダーを手にした南方司令の一撃が、紅孩児の右肩へ伸びる。

紅孩児「――ッ!!」

ドズッ!!……バシュウウゥゥッ!!

戦士「……っ」

召喚士「……」

天才「…な…んだよ……出来…」

ゴシャアアァァッ

大剣の一刀を直撃した紅孩児の体が、砕け散る地面へ大きく倒れ込んだ。


843 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:56:20.13 ID:Wdt2ZPgo
南方司令「…はぁ…はぁ……はぁ」

戦士「やった…のか……!?」

召喚士「……っ」

天才「……ぐ…っ」

召喚士「天才さん!じっとしていて下さい!」

天才「大……丈夫」

召喚士「その傷では……」

天才「俺様を……誰だと……思って…やが…る…」

上半身を起こす天才の右手が白く輝き始める。

パアアァァ…

召喚士「!?……そっか、天才さんは治癒魔法も…」

ザッ

天才「げほ…っ!……問題ねぇ!」

召喚士「……」

天才「それより…奴だ…!」


844 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:57:16.83 ID:Wdt2ZPgo
ザクゥッ!!……カランッ

戦士「こ、こいつ…まだ……」

ヨロッ…ザッザッザ

紅孩児「……ぺっ!」

南方司令「……」

テクテクテク…ガシッ

南方司令「!?」

天才「……続けるかい?紅孩児さんとやら」

天才は南方司令の手からツヴァイハンダーをもぎ取り、紅孩児へ言葉を発す。

紅孩児「……フンッ」

ザッザッザ…

戦士「……ちっ」

南方司令「……」

召喚士「……まだ…続ける気か…っ!」

紅孩児「……ヤメだヤメだ、降参」


845 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:58:10.11 ID:Wdt2ZPgo
召喚士「!?」

天才「ほぉ、身の程わきまえたか。潔いなぁ」

紅孩児「……ん」

紅孩児は腕を伸ばし正面、即ち一同の背後を指差す。

戦士「……?」

召喚士「あ…れって…!」

タッタッタッタッタ

魔道士「……召喚士さんっ!!」

青年兵「ご無事ですか!?」

南方司令「おぉ、君達は…!!」

戦士「魔道士に青年兵!!」

天才「ま、こんだけの相手をいっぺんにすんのは無理だろうなぁ」

紅孩児「……それだけじゃないよ」

南方司令「…あっちに…!!」

召喚士「!!」


846 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 22:59:33.92 ID:Wdt2ZPgo
タタタタッ……ザザッ

盗賊「……!?」

男隊員「おっとと…。こっちもお忙しいみたいです事…」

女隊員「皆さんご無事ッスか!?」

隊長「……全員集合か」

紅孩児「流石にこんなの相手にしてらんないよ。…降参だね」

ザッ

南方司令「どこ行きやがる!」

紅孩児「降参だってば。退却だよ」

男隊員「おいおい…。そう簡単に見逃す…」

紅孩児「何だ、結局口だけなんだ」

召喚士「……」

紅孩児「正義だ大義だ謳ってて、結局は手負いの一人を大人数で囲んじゃってさぁ」

男隊員「何だとぉ!?」

南方司令「……ぐぬ…っ!」


847 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 23:00:26.02 ID:Wdt2ZPgo
天才「ほっとけ。見逃してやろうじゃねーか」

隊長「……だな」

青年兵「宜しいのですか…?」

南方司令「まぁ…あの怪我では離脱せざるを得まい」

天才「そゆこと」

紅孩児「フーン、言ってみるもんだね」

男隊員「てめぇ!やっぱり……!」

紅孩児「おぉ、怖っ!ささと消えよ…!!」

召喚士「……紅孩児!」

紅孩児「……?」

召喚士「この上…城には家族がいるんじゃないの?」

紅孩児「……いるよ」

召喚士「……」

紅孩児「だから何?放っておいていいのかって事?」

召喚士「…俺達は、倒さなくちゃいけないんだ」


848 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 23:03:44.80 ID:Wdt2ZPgo
紅孩児「……それで?」

召喚士「そ、それでって……」

紅孩児「勝てると思ってるの?」

ザッ

戦士「勝てる、じゃなくて…勝つんだよ」」

紅孩児「……」

盗賊「…ああ」

魔道士「…絶対に…負けません!」

召喚士「……」

紅孩児「…ハハッ、ハッハッハッハッハ!!」

男隊員「何がおかしい!」

紅孩児「…まぁ、せいぜい頑張ってよ」

クルッ…スタスタスタ

紅孩児「それに……いや、まぁいいか…」

紅孩児は不敵に笑い、一同の前から姿を消した…。


849 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 23:07:26.87 ID:Wdt2ZPgo
青年兵「……消え…た」

南方司令「大丈……」

パシッ

天才「お前に心配される程…ヤワじゃねぇ」

男隊員「残るはあの城だけか…」

隊長「なぁ、どう見る…?」

召喚士「……?」

隊長「この先さ。魔物の数はどう見る?」

召喚士「……おそらく、さほどいないかと」

隊長「やっぱそうか…」

女隊員「分かるんスか?」

召喚士「ここまでの警備、魔物の数……」

隊長「それに…魔物の撤退が早い。どいつもこいつもな」

女隊員「なるほど…」

天才「そっち、何匹かいたのか?」


850 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 23:08:24.15 ID:Wdt2ZPgo
男隊員「幻術使いがな。今は退却したよ」

青年兵「そうか…っ、それで城が急に消えて……」

魔道士「あれ…?そういえばマジシャンさんは……」

盗賊「……ネクロマンサーを追って…消えた」

魔道士「え…っ…?」

盗賊「…気配がない。おそらく…」

戦士「や…やられちまったってのか!?」

盗賊「…いや、奴を追って…ここにはもういないと思う」

召喚士「どちらへ…?」

盗賊「……多分…北」

南方司令「北…?」

隊長「北でも魔王軍の動きがあんのか?」

南方司令「特に報告は受けてないが……」

天才「とにかくだ。今は先へと進むだけってこった」

男隊員「だぁな…。ヒャハハ!」


851 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/20(金) 23:14:21.91 ID:Wdt2ZPgo
隊長「んで、どうする?」

南方司令「10人か…。3パーティーだな」

魔道士「…?」

天才「人数が多すぎる。パーティーを三つに分けんぞ」

戦士「そう…か?」

隊長「ひと固まりで当たって全滅するのはまずい。ルートを分けてあたるぞ」

男隊員「つー事は……」

たいちょう「特遊三人で一パーティー務める」

天才「んじゃ、お前らは四人でやれや。慣れてんだろ」

召喚士「…は、はい」

戦士「…久々に復活だな!」

魔道士「ですねっ!」

天才「残りの俺達三人が一つ…。これで三つだ」

青年兵「なかなかバランスもよくて…問題ないと思います!」

南方司令「よーし…っ、一気に乗り込んでやろうじゃないか!」


852 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 00:00:26.18 ID:bk3/vxQo
Yボタンでパーティー切り替えクポッ!


855 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/21(土) 00:37:52.77 ID:VxYFbbgo
ザッ

隊長「俺らは左側を登る」

天才「んじゃ俺らは……右で行くか」

召喚士「では…正面ですね」

天才「オイシイところゆずってやるよ!」

戦士「……」

青年兵「では、城で…!!」

盗賊「…ああ」

男隊員「ちゃっちゃと終わらせて帰ろうぜ」

女隊員「皆さん…気を付けるッスよ!」

南方司令「よーし!それでは……進軍!!」

魔道士「が、頑張りましょうっ!」

10人の男女が3つのパーティーに分かれ、城を目指し進む。

召喚士「……もう少し…もう少しで終わる…っ!」

正面の階段を登る召喚士。強い眼差しで言葉をかみしめた。


856 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/21(土) 00:41:41.25 ID:VxYFbbgo
ザッザッザ…

戦士「……良かったのか?」

召喚士「…?」

戦士「あの…紅孩児って奴、逃がしちゃってさ」

召喚士「ああ…。もうしばらくは抵抗出来ないと思うし…それに…」

盗賊「……」

召喚士「なんだか、あまり悪い魔物には見えなくてさ…」

戦士「う〜ん…確かになぁ。無邪気というか…純真というか…」

魔道士「確かに…あまり悪そうにはみえませんでしたね…」

召喚士「人間とか魔物とか…世界とか、そういう事を考えてる感じじゃなかった…」

盗賊「……私欲…か?」

召喚士「おそらく…。家族や他の仲間の事も気にしていませんでしたし…」

戦士「倒せっかな、俺達……」

召喚士「紅孩児には悪いけど…ここで食い止めなきゃね」

魔道士「……ええ…っ」


857 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/21(土) 01:09:09.25 ID:VxYFbbgo
戦士「そういや、マジシャンのオッサンはネクロマンサーを追ったって…」

盗賊「……ああ」

召喚士「……」

盗賊「逃げてきた奴と偶然鉢合わせて…。マジシャン一人……」

召喚士「そうですか…」

魔道士マジシャンさん…大丈夫ですよね?」

戦士「まぁ…心配はねぇと思うけど…」

召喚士「…北…か」

盗賊「……とにかく今は」

戦士「ああ、そうだ。ここの魔物を何とかしないとな!」

魔道士「はい…!」

盗賊「…見えてきたっ」

戦士「おーし…!このまま一気に……」

召喚士「!?」

魔道士「あれ…は…!?」


858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/21(土) 01:40:49.56 ID:VxYFbbgo
タッタッタ…ザザッ

盗賊「……っ」

戦士「魔道士…援護頼むぜ」

魔道士「…はいっ!!」

コツコツコツ

召喚士「…紅孩児は退いたぞ」

羅刹女「…そうかい。それで…?」

召喚士「……まだ、やるつもりか?」

羅刹女「当たり前だろう?ここはワタシ達の家さね!」

盗賊「……」

召喚士「ならば、もう抵抗は止めて…諦」

羅刹女「もう遅いね!既にラーヴァナ様の兵は動いているのさ…!」

召喚士「……!!」

羅刹女「ここが本命だと思っていたのかい!?アハハッ!呑気なモンだねぇ…」

戦士「ま…さか……」



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