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女商人「勇者が行方不明に?」女武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク
- 155 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga]
投稿日:2013/02/03(日) 07:34:45.25 ID:XwF7q8wAO
【レーベ 魔法使いの家】
魔法使い「…そう。あの子まで行方知れずに...」
武闘家「魔法使い…ショックだよね。」
魔法使い「いいえ。なんとなくだけど感ずいていたわ、僧侶の事は。」
商人「ただ、ちょっと怪しいんだけどねぇ...」
魔法使い「ラダトームの城がでしょ?」
武闘家「えっ!わかるの?」
魔法使い「今、商人から聞いた話からもだけど。アレフガルドには大きい国ってラダトームしかないでしょ。」
魔法使い「それこそ『木の葉を隠すなら森の中』って言うからね。」
武闘家「木の葉〜?なにそれ?」ポケー
商人「ことわざだよ。こ・と・わ・ざ。」
- 156 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 07:59:45.43 ID:XwF7q8wAO
魔法使い「そう。一枚の木の葉を誰にも見つからないようにす
るなら、森の中に隠せばカモフラージュできるでしょ?」
武闘家「おお〜。なるへそ!確かにそうだね。さすが大先生!」ポンッ
魔法使い「(大先生?私かな、それ。)」
商人「人を隠すなら人が少ない所に隠すより、多い所に隠す方が案外わからないもんね。」
魔法使い「僧侶は間違いなく、ラダトーム城内のどこかに監禁されてるわ。」キッパリ
武闘家「すごっ!言い切ったよ。」
商人「(魔法使いは確信したみたいね。それと...)」
商人「あと、偽物の兵士についてはどう思う?魔法使い。」
魔法使い「ああ。それは多分これね〜。」ブツブツ
ボンッ
シュウウゥ
- 157 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 08:21:08.17 ID:XwF7q8wAO
魔法使いが何やら唱えるとたちまち、魔法使いは武闘家そっくりの姿になっていた。
武闘家「うわぁ!それってまさか私?どうやったのー?」アセアセ
商人「まったく一緒の姿形だね!不気味なくらいクリソツ。たしかこれって?」
偽武闘家「高等魔法『モシャス』よ。かなりのセンスと観察力を要するわ。」
武闘家「もうなんでもアリだな〜魔法使いは。私も使いたいから教えてよ。」
偽武闘家「絶対ダメ。あなたには危なくて教えられないもの。」
武闘家「ちぇ〜、意地悪。じゃ商人に教わるもんね〜!」ベッ
商人「丁重にお断りします。」バッ
商人「(てか私はモシャスなんて覚えたかもしれないけど一度も使ってないもん〜。)」
武闘家「くぅ。そんなぁ…」ガクッ
- 158 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 09:00:58.90 ID:XwF7q8wAO
偽武闘家「まあ、これが使える人間なんてこの世にそうはいないでしょうね。」
商人「………て事は。レベルが高い魔法使いや賢者とか?」
偽武闘家「そうね。」
武闘家「………んー」ジッ
偽武闘家「武闘家、どうかした?」
武闘家「え!いえいえ、お話続けてください。はっはっはー。」
武闘家「(私って、ぺしゃんこだなぁ...)」シュン
偽武闘家「?」
偽武闘家「あ、もう変身解くわね。」ブツブツ
ボンッ
シュウウゥ
魔法使いは変身を解いた。
- 159 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 10:21:52.09 ID:h2htnqIP0
商人「あと、勇者にかけられている呪いについてなんだけど...」
魔法使い「それも出来る限り調べてみた。まあ...結論から言っちゃうけど。」
魔法使い「呪いっていうのは誰にでも簡単に作れてしまう物のようね。」
商人「え?誰でもって...誰でもなの?」パチクリ
武闘家「じゃあ、私にもできるわけ?」ワクワク
魔法使い「誰でもよ。…『呪う』という行為自体。恐ろしく単純で強い。」
魔法使い「誰かを、何かを心底憎むというのは大きな力を産む。」
武闘家「…そっか…怖いんだね。」
商人「うん。」
魔法使い「今、『誰にでも』って言ったけど、言葉足らずだったね。」
商人「…どういう意味?」
魔法使い「その産まれた大きな力に、さらに強い魔力を送り込む事で
『呪い』が形となって現れる。今の勇者のようにね。」
商人「…それって。誰かの強く呪いたい気持ちにさらに誰かが助け船を出したって事?」
魔法使い「もしくは、その強い魔力を持つ本人自身が、かもしれない。」
- 160 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 10:59:51.78 ID:h2htnqIP0
…………………………
商人「とにかく、ここは先に僧侶を何としてでも捜し出して助けなきゃ!」グッ
武闘家「具体的にどうすればいいの?城に乗り込むの?」
商人「今夜、お城に忍び込む。上手くいけば私の仕掛けた罠にかかってくれるはず。」
魔法使い「罠?何かありそうね。久々に私も参加させてもらおうかしら。」
商人「え。魔法使いはここを離れても大丈夫なの?」
武闘家「愛する旦那さんを置いてってもいいのかなぁ。」ニタニタ
魔法使い「だ、大丈夫よ。わかってくれてるし。」カァ
商人「(あ、珍し。魔法使いが赤くなってるー可愛い〜)」
魔法使い「そっ、それより。つい昨日、師匠から伝授された
究極魔法が早速役に立つ時が来たわ!」
商人「きゅ、究極魔法?それはなんとも...いわくありげだね。」
魔法使い「可愛い妹とも久々に会いたいしね。無事だといいけど。」
武闘家「魔法使いが珍しくテンション上がってるよ。何か良からぬ事が...」
魔法使い「………」ブツ...
武闘家「起きませんよねぇ。」
- 161 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 11:35:29.85 ID:h2htnqIP0
【ラダトーム城内 大臣執務室】
大臣「賢者。あの僧侶の娘はどうするのだ?」
賢者「今夜、始末しようと思っておりましたが、少し気になる事がありまして。」
大臣「気になる事?なんだそれは。」
賢者「いえ、私の個人的な事です。お気になさらず。」
賢者「ですので、明日中にはと考えております。」
大臣「うむ。くれぐれもしくじるなよ。」
賢者「はい。誰にも邪魔はされない場所ですのでね、ふふふ。」
大臣「任せたぞ。私は今日明日、出かけてくる。」
賢者「(あなたなどいなくても、何も問題はない。)」
賢者「(せいぜい、大きい顔をしていればいい...)」
- 162 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 11:38:07.12 ID:h2htnqIP0
ここで中断します〜〜。これから山場(になればいいけど)です。
- 163 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/03(日) 12:30:32.65 ID:h2htnqIP0
すみません。今回「探す」という漢字を度々使ってましたが
正しくは(見えないものを)「捜す」ですね。
あと>>155で「感づく」を「感ずく」と間違えてました、重ねてお詫びします。
- 167 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 08:59:04.92 ID:DzXx0kaAO
深夜
【ラダトーム城内】
コツコツコツ
賢者「(さて頃合いか、あの女達が言っていた物を見つけねば。)」
賢者「(結局は家の中には何もなかった。とするとあの女の職場に...)」
………………………
スタスタ
見廻り兵士「賢者様?こんな深夜にどうかされましたか?」
賢者「(ん?見廻りか。)」
賢者「見廻りご苦労様。ただの夜の城内散歩ですよ。眠れなくてね。」ニコ
見廻り兵士「そうでありましたか、これは失礼しました。」ビシッ
賢者「気になさらず。では私はこれで。」ペコ
見廻り兵士「は!」ビシッ
スタスタ
賢者「(ふ、雑兵が。)」
コツコツコツ
- 168 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 09:09:15.51 ID:DzXx0kaAO
【ラダトーム城内 図書館】
カタン
ガサガサ
賢者「(どこにある?)」
賢者「(ここにもないのか?)」
賢者「(あの女の事だ、何かしら書いてあってもおかしくはない。)」
賢者「(………机にも入っていない...)」
賢者「くそ。一体どこにある!」ドン
ガラ……
見廻り兵士「賢者様ですか?そこにいらっしゃるのは?」
賢者「!!」
- 169 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 09:25:09.37 ID:DzXx0kaAO
スタスタ
見廻り兵士「あ、やはり賢者様でしたか。図書館で本探しですか?」
賢者「(驚かせるな。グズが。)」
賢者「はい。眠れないもので何か本を借りて自室で読もうかと思いまして。」
見廻り兵士「そうでしたか。いや、度々失礼しました!」ビシッ
見廻り兵士「ちなみに賢者様はどんなご本を読まれるのですか?」
賢者「ああ。もっぱら魔法や政治経済の類です。まだまだ勉強不足なのでね。」ニコ
見廻り兵士「おお。流石だ。私のような者にはサッパリです。」
賢者「(当たり前だ、私は貴様らとは違う。神に選ばれし者だからな。)」
賢者「はは。そんなに堅苦しい物じゃないですよ。」
見廻り兵士「そうですか。あ、お探しの所、失礼しました。私はこれで。」イソイソ
- 170 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 09:35:24.68 ID:DzXx0kaAO
賢者「(さっさと出ていけ。ふん。)」
見廻り兵士「あ、あった。賢者様ありましたよ!」ガサ
賢者「は?何がです?」
賢者「(しつこい奴だ。魔法の本でも見つけたか。)」
見廻り兵士「僧侶の日記が。」スッ
賢者「!?」
賢者「(何、だと!?)」
賢者「だっ、誰ですか?貴方は?」
- 171 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 09:57:24.35 ID:DzXx0kaAO
見廻り兵士「賢者様とあろうお方が上手く引っ掛かってくれて良かった。」ブツブツ
ボンッ
シュウウゥ
賢者「モシャスだと?まさか貴方は。」
商人「変身も完璧じゃないけど、暗いし、まあまあかな。」ポンポン
賢者「商人さん……なぜここに?」
商人「なぜ?あなたに聞きたい事があったのと、僧侶を助け出しに来たんです。」
賢者「僧侶さんですか。嫌だなぁ、しかも助けるって何ですか?」
賢者「まるで僧侶さんはこの城の中に監禁されてるかのような口ぶりですね。」
商人「そうなんでしょ?」キッ
賢者「な!」
賢者「(馬鹿な、あの目。確信の色に染まって...)」
商人「ちなみに、あなたがここで必死に捜していた物はないよ。どこにもね。」
- 172 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 10:16:41.80 ID:DzXx0kaAO
賢者「何?」
商人「僧侶の日記なんて、私のでっち上げの産物。だから存在するわけない。」
賢者「………ハメたのですか、この私を?」
商人「大方、僧侶の日記には、この城のまずい内情が書かれてるとでも思ったんでしょ?」
商人「まあ僧侶は日記は書かない子だけど。そういう好奇心
旺盛な性格だし、難しい事に興味を持つはず。」
商人「実際にこの城でそんな事があるかは、わからないけどね。」
賢者「カマをかけ、それを餌に私がまんまと貴方に釣られたと?」
賢者「許せない...この私を。神に選ばれたこの私を。」ブツブツ
商人「?」
- 173 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 10:33:39.12 ID:DzXx0kaAO
賢者「この賢者様を騙すなど言語道断!許されない!」
賢者「今この場で夜のもくずとしてやります!」グッ
ギュウ!
グググ...
賢者「な!腕が、動かない。」ググ
『ムリムリ、私の力をなめてもらっちゃ困るよー。』
賢者「声が。だ、誰が後ろにいるのか?見えんぞ。」
スゥー
賢者「ぶ、武闘家だと...」
賢者「そうか、レムオルで姿を消して潜んでいたのか!」
武闘家「当たり〜!よくも純粋な乙女をニコニコ顔で騙してくれたね。えぃ!」ギュウ
賢者「ぐああぁ!…チビの女の癖になんて力だ。」
商人「(上手く隠れてたね武闘家!)」
商人「(……それにしても、純粋な乙女ねぇ。)」ジー
- 174 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 10:49:08.59 ID:DzXx0kaAO
商人「武闘家、ナイス!そのままね。手が使えなきゃ魔法も使えない。」
武闘家「えへへ〜、やったね。作戦成功だぜ!」ブイ
商人「あっ、駄目!手を放しちゃ!」
武闘家「へ?あっ、ヤバッ」ガッ
賢者「馬鹿な女だ、油断しやがって!ふんっ!」ドゴォッ
武闘家「うわぁぁー!」
ふいに締め付けられた両腕が緩まり、賢者は身を翻し、武闘家に蹴りを見舞った。
武闘家は、本棚に勢いよくぶつかりながらも体制を立て直した。
商人「くそ。武闘家大丈夫?」
武闘家「うん、ごめんね。つい調子に乗っちゃった。」
賢者「いい作戦だったのに、無駄にしましたね。手が自由ならこちらのもの。」
- 175 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 11:14:01.97 ID:DzXx0kaAO
商人「賢者さん!僧侶はここにいるんでしょ?どこに監禁したの!」
武闘家「そうだ!もうアンタは逃げられないよ!僧侶はどこにいる!」
賢者「しつこいですね。ここにはいないと何度も。」
商人「知らないの?あの子、普段は見せないけど、実は力も武闘家並みで足枷なんか壊して自力で出てくるわ!」
賢者「何?あの女が牢から出られる訳が……?」
商人「ふふ、また引っ掛かったわね。案外マヌケな賢者さんね。」
賢者「くっ。何度も何度もコケにしやがって!許さんぞ!」ブツブツ
賢者「くらえ〜!『マヒャド』!」ピキキ
商人「まずい。こんな所でそんな魔法を!?」
賢者が唱えたマヒャドは二人の真上から巨大な氷塊となり落ち
てきた。二人は図書館の高い天井を見上げた。
- 176 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 11:28:22.73 ID:DzXx0kaAO
賢者「氷に押し潰されぺしゃんこになってしまえー!はっはー!」
武闘家「プツン……商人!魔法を早くっ!」グッ
商人「(でかい!こんなマヒャド見たことない!じゃあ。)」
商人「わかった!」ブツブツ
武闘家「てえぇぇ〜!」バッ
商人「『バイキルト』!」パァ
商人の唱えたバイキルトが、上から落ちてくる氷塊目掛けて飛び上がる武闘家に力を与えた。
武闘家「ぺしゃんこだなんて言うなぁ〜!うりゃあああ〜!」
商人「(へ?何て?ぺしゃんこ?)」
ドッゴーン!!
武闘家の怒りの鉄拳は氷塊を粉々に砕いた。
- 177 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 11:52:40.92 ID:DzXx0kaAO
賢者「何ぃ?私のマヒャドを、粉々に?流石は大魔王を倒した
だけはある。ならば」スッ
商人「冷たっ!相変わらず凄いね、武闘家は。大丈夫?」
武闘家「うん、なんとも。久々でうずいちゃったよ、へへ。」ニカッ
賢者「……」ゴクゴク
商人「あと何、さっき叫んでたのは?ぺしゃんこだとか何とかって?」
武闘家「へ?…ああ、気にしない気にしない!気合いの一つだよ。」アセアセ
賢者「おしゃべりはそこまでだ!」ブツブツ
賢者「『バギクロス』!」ヒュオ
賢者の両手より放たれたバギクロスの竜巻が二人目掛けて向かっていく。
図書館内はすでに無数の本が竜巻に巻き込まれている。
窓も窓ガラスもすべて割れてしまった。
- 178 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 12:07:13.67 ID:DzXx0kaAO
商人「危ない!武闘家、私の後ろに来て!魔法で...」ブツブツ
武闘家「わかった。」
商人「『マヒャド』!」ピキピキ
ピキーン!
商人の唱えたマヒャドは氷で自らの周囲に分厚い壁を作り出した。
賢者「ほう。そんな使い方をするとは、考えたものだ。だが!」
商人「あ、竜巻の力が強い!氷が砕かれる!く、くそ!」ベキベキ
武闘家「う、うわあぁぁー!!」
商人「きゃあ〜!!」
竜巻は氷の壁を砕き、商人と武闘家を外に弾き飛ばした。
ガラスが割れる音が響く中、図書館のあらゆるものが吹き飛ばされ、半壊状態だ。
- 179 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 12:21:26.81 ID:DzXx0kaAO
武闘家「危なかったー。ねえ、商人大丈夫?」ググ
商人「う、うん。あんな威力のバギクロスなんて、どうして。」
タッ
賢者「魔力の強さの差ですね。貴方は今はただの商人だ。賢者の魔力とは違う。」
商人「そうか、同じ魔法でも威力に差が...あとさっき飲んでいた薬。」
賢者「…抜け目がないですね、これは私が少し改良した魔法の聖水。」
賢者「飲めば一時的に術者の魔力を増幅させる。」
武闘家「ずるいじゃんか!そんなの卑怯だぞ!」
賢者「なんとでも言えばいい。これだけの騒ぎだ、じきに城の人間も目を覚ます。」
賢者「その前に貴方達を跡形なく消します。散々コケにしてくれたお礼です。」
武闘家「『ベホイミ』!」
商人「『ベホマ』!」
- 180 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 12:35:20.72 ID:DzXx0kaAO
武闘家「あれ?唱えられない!くそ。『ベホイミ』!」シーン
商人「(しまった、やられた!)」
賢者「魔法封じさせてもらいましたよ、マホトーンでね。これで回復もできない。いい様だ。」
賢者「最初はどうなる事かと思ったが、結果オーライですかね。」
賢者「僧侶さんより先に貴方達を消し去ってあげましょう!神の裁きだ。」スッ
商人「あ、あの構えは!」
賢者が両手を広げ、詠唱しながら魔力を込めると、両手から炎が現れた。
その炎が次第に大きくなりながら、賢者のすぐ頭上で繋がりアーチ状になった。
賢者「冥土の土産にお見せしましょう!」
賢者「これが最強の『ベギラゴン』だ!」
武闘家「…あれってさ、相当ヤバいよね、商人。」
- 181 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 12:46:44.96 ID:DzXx0kaAO
商人「当たり前でしょ。あんなのマトモに食らったりしたら...」
商人「(あの時、私が放ったヤツの比じゃない!)」
武闘家「なんとか避けるくらいはしないと、死んじゃうよ。」
商人「(避けようにも封じられてピオリムさえ使えない!まずい。)」
賢者「神を馬鹿にした罰だ。祈っても無駄です、何せ私自身が神だからなぁ!」
賢者「灰となれ!『ベギラゴン』!!」ゴォォオ
賢者の合わせた両手から放たれた無慈悲な炎が、二人を目掛け襲いかかった。
- 182 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 12:58:06.67 ID:DzXx0kaAO
商人「(もうダメ!間に合わなかったの?)」
商人「(勇者、僧侶、ごめん。商人もごめんね。)」
武闘家「(私がヘマしたせいで...)」
武闘家「(商人ごめん!)」ガバッ
商人「(青年くん....もう一度会いたいよ。)」グッ
「二人とも遅くなってごめん。」ブツ
『マヒャド』ボソ
ピキ ピキ ピキ
パキンパキーン!!!
- 183 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 13:14:48.58 ID:DzXx0kaAO
賢者「はっはっは!終わりだ。やはり神には敵わない。」
賢者「…………な?」
賢者「これは...どうなってるんだ!」
賢者はベギラゴンの炎が商人と武闘家の二人を捉え、直撃したと思ったが、その直後。
その炎そのものが逆に全て凍らされているのを目の当たりにした。
二人とも氷の、いわば衣のようなもので覆われていた。
『そんなチャチな炎、私には効かないわ。』
賢者「だ!誰だッ!?」キョロキョロ
賢者「ん………」キッ
賢者「貴方は...」
賢者が目をやると図書館だった場所の瓦礫の中から僧侶に肩を貸した魔法使いがあらわれた。
魔法使い「魔法使いよ。…初めまして、賢者さん。」スッ
- 184 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 13:15:33.17 ID:DzXx0kaAO
ここで中断します〜。また後ほど〜。
- 185 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/04(月) 13:25:01.72 ID:cgdsu1jOo
うおおぉぉ!魔法使いさんかっこよすぎ!
おつ!
- 187 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/04(月) 13:32:18.60 ID:gRmS7tog0
魔法使い、美味しいところ持って行き過ぎw
乙でした
- 188 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 13:34:01.36 ID:DzXx0kaAO
>>182 商人が商人と言ってました、間違えました。すみません。
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