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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21
296 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:28:48.31 ID:mzK3kMso


ドドッドドッドドッ

占い師「別に貴方達まで同行しなくても良かったのに」

召喚士「すみません。でも興味本位でつい…」

学園長「貴方が居れば大丈夫じゃない?軍の人間なわけだし…」

占い師「いや…まぁ、私が居なくとも朱雀先生なら大丈夫でしょうけど…」

戦士「んで、満月の夜はその…何だっけ?」

学園長「月の宴?」

戦士「そうそう、月の宴ってのをいつもやるのかい?」

学園長「ええ、そうよ。これはとっても大事な事なの…」

占い師「宴って言っても酒宴じゃないわよ?」

戦士「んな事ぁ話の流れで分かるっての」

学園長「…さ、もう間もなく当方司令部ですわよ」

盗賊「……」

召喚士「東方司令部…かぁ」


297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:29:31.99 ID:mzK3kMso
ターミナルより北に位置する魔道学校。その更に北東に位置する要塞。

広い草原に佇むそれは周囲の景色とは浮いた存在であり、不気味さを醸し出す。

〜東方司令部〜

ドドッドドッ…ドドォ

学園長「着いたわ。さぁ降りましょう」

召喚士「ここが…東方司令部」

戦士「ここは北方並の防備だな…」

盗賊「…ああ」

占い師「…さぁて中に入りましょ。…あら?」

正門前に停められた一台の馬車。それを見て占い師は眉をひそめる。

占い師「この馬車……本国の?」

魔道士「どうかしたんですか?」

占い師「なんだか本国からお客様が見えているようね」

召喚士「本国…?」

学園長「貴方達、早くいらっしゃいな。手続きを済ませて頂戴」


298 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:30:20.03 ID:mzK3kMso
テクテクテクテク

戦士「…へぇ、内部も立派なもんだな」

召喚士「他の司令部より随分頑丈な作りだね」

――「それは海風でやられないようにだよ」

ふと、一同の背後より声が聞こえる。

学園長「あら、これはこれは。こんばんは」

学園長が挨拶した男は、車椅子を押しながらゆっくりと近づいてくる。

東方副司令「こんばんは先生。今宵は生徒の皆様とご一緒かな?」

学園長「ええ。と言っても、元生徒…。今は立派な国軍やワーカーよ」

東方副司令「国軍…?おや、占い師殿か…っ!!」

占い師「東方参謀、お元気そうで」

東方副司令「実は参謀ではなくなってしまったのだよ」

占い師「あら…!?そうなんですか?」

東方副司令「これがだいぶ悪くなってしまってね…」

そう言いながら、東方副司令は両足の太腿ををぽんと叩く。


299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:31:03.53 ID:mzK3kMso
占い師「…そう…ですか」

東方副司令「昨年までは船上にも何とか出られたんだが…今はお荷物さ」

学園長「…そういう言い方やめてくださいな」

東方副司令「いやいや良いんです。本当の事ですからね」

占い師「……」

東方副司令「戦場で参謀役を務めるのも限界。今後は拠点で防衛に勤めますよ」

召喚士「……」

東方副司令「それで、其方の四人がワーカーの…?」

召喚士「あ…っ、始めまして。召喚士と申します」

占い師「彼は朱雀先生よ」

東方副司令「朱雀先生!?…そうかぁ、君が朱雀先生か…っ」

召喚士「…一応、名乗らせて頂いております」

東方副司令「そうかそうかぁ…いやね、娘から話は伺ったよ!」

召喚士「……娘?」

東方副司令「白虎嬢…知らないかな…?」


300 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:31:39.18 ID:mzK3kMso
魔道士「えぇ!?」

盗賊「む…娘ぇ!?」

戦士「白虎嬢って…南方の…あの?」

東方副司令「白虎嬢は私の娘なんだ」

召喚士「そ、そうだったんですか…。ん…!?という事は…」

東方副司令「そう。私も召喚士…だったのさ」

召喚士「今は…違うのですか?」

東方副司令「この身体ではね…。最早、前線で働ける程の力はないよ」

召喚士「……そう…ですか」

占い師「ちなみに白虎長、知ってるわよね?」

戦士「…あぁ、あの酒癖悪い姉ちゃんか」

占い師「彼女の叔父に当たる人よ」

魔道士「へっ!?じゃあ…白虎嬢ちゃんと白虎長さんは…」

東方副司令「従姉妹という事だね」

召喚士「そ…そうか!だからベヒーモスを……」


301 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:32:21.86 ID:mzK3kMso
東方副司令「……」

召喚士「あ、あの…」

東方副司令「…ん?」

召喚士「ベヒーモスって…白虎なら誰でも召喚出来るものなんですか?」

東方副司令「…誰でもってわけではないかな」

召喚士「…そうですか」

東方副司令「何かあったかい?」

召喚士「あ、いえ……実は…」

カツカツカツ

――「副司令、何をしておる」

魔道士「…女の子…?」

――「…誰が女の子だ!この小娘が!」

召喚士「!?」

学園長「これはこれは…東方司令」

目の前に立つ少女のような女性。学園長は確かに東方司令と呼んだ。


302 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:33:37.34 ID:mzK3kMso
戦士「と……東方司令!?」

召喚士「こ…この人が…!?」

東方司令「…ボクが東方司令で何か文句でもあるのか?」

盗賊「…い、いや…っ」

東方司令「人を見かけで判断するとは…たかが知れた連中だな」

戦士「…いや…誰でもそう思うぞ」

東方司令「副司令、油を売ってないで準備せんか」

東方副司令「これは失礼致しました」

学園長「私もご一緒致しますわ」

東方副司令「それでは参謀と合流し、先に準備を進めておきます」

学園長は東方副司令の車椅子に手をかけ押し始める。

東方司令「それで占い師、コイツらは誰だ?」

占い師「朱雀先生。聞いた事あるでしょ?」

東方司令「朱雀…?あぁ、噂の……」

じっと見つめながら、東方司令はゆっくりと召喚士の元へ近づく。


303 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:34:42.36 ID:mzK3kMso
カツカツカツ…

東方司令「確かに噂通り…」

ガシッ

東方司令「女に縁のなさそうな顔だな」

召喚士「…!?」

グイッ…ブチュウゥ

戦士「はっ?」

盗賊「ひ…っ?」

魔道士「……へっ!?」

ババッ!!

召喚士「――っ!!」

東方司令「…キスは初めてか?ウブな奴だな」

召喚士「ち…ちょ……」

東方司令「動揺するな…挨拶だろうが。童貞がバレるぞ?」

召喚士「あ…あのですね…っ!」


304 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 17:35:37.02 ID:mzK3kMso
ズイッ

東方司令「なんなら…童貞もボクが貰ってやろうか?」

召喚士「――!?」

東方司令「はっはは!ジョーダンだよっ、ジョーダン!」

カツカツカツ

東方司令「あんまり司令部内をウロつくなよ。占い師、案内任せたよ」

占い師「え…あ、うん…っ」

召喚士「……」

戦士「だ、大丈夫か…?」

召喚士「…う、うん…っ」

盗賊「…魔道士?」

魔道士「……」

盗賊「…おーい、魔道士ー」

魔道士「…えっ!?あ…あ、あぁ」

盗賊「…大丈夫か?」


305 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 18:26:59.80 ID:mzK3kMso


占い師「…ごめんなさいね。ああいう性格なのよ」

戦士「顔馴染みなのか?」

占い師「…まぁね」

戦士「盗賊、どうだ?」

盗賊「……」

盗賊は首を左右に振り、二人を指さす。

召喚士「…………」

魔道士「…………」

戦士「…ったく、何時までもポケーっとしてんじゃねぇ!」

召喚士「…え、あ…うん」

占い師「…えっと、あ…ここが応接室ね」

カチャッ

占い師「あら?誰かいるのかしら…?」

中より人の気配を感じ、占い師が開けたドアをそっと覗きこむ。


306 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 18:32:51.20 ID:mzK3kMso
占い師「…あらっ」

召喚士「せ、青年兵くん!?」

青年兵「召喚士さん!?」

戦士「…しっかし…よく会うよなぁ」

召喚士「ど、どうしたの…!?こんな所で…」

青年兵「こちらの台詞ですよ!ビックリしました…!」

占い師「月の宴…ってわけではなさそうね…」

青年兵「ええ、別件なのですが…面倒な日に来てしまいましたね…」

占い師「一ヶ月で一番忙しい日ですものね…」

戦士「その宴っての、具体的に何をするんだ?」

占い師「そうねぇ…お祈りってとこかしら」

盗賊「…祈り?」

占い師「うん。満月が一番魔物の力が強くなるって言うのは知ってるわよね?」

召喚士「…はい」

占い師「その力を少しでも押さえ込もうって言うのが、月の宴よ」


307 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 18:38:22.97 ID:mzK3kMso
召喚士「押さえ込む…?」

戦士「そんなん途方もない話じゃないのか?」

占い師「抑えると言っても全てじゃないわよっ」

盗賊「……」

占い師「外部から流れ込む一定のものを抑えるだけ」

盗賊「…外部?」

占い師「…そ。まぁ百聞は一見に如かずよね。あとで見に行きましょ」

召喚士「ぜ、是非っ!」

青年兵「あの…東方司令見ませんでしたか?」

占い師「さっき…上へ向かって行ったけど…」

青年兵「……はぁ、そうですか」

占い師「何かあった?」

青年兵「いや…立て込んでいるからここで待てと。かれこれ1時間以上…」

召喚士「ひ、ひどい…」

占い師「……全くっ!直接行きましょ。用があるんでしょ?」


310 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/11/04(木) 20:35:52.55 ID:wB5y9Rs0
1乙
ここでようやく、いただきまんこを回収か……


314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 23:53:30.96 ID:CkVPFbgo
テクテクテクテクテク

召喚士「ここは…?」

占い師「司令部の東側。城壁…というより壁かしらね」

魔道士「凄い…!」

盗賊「…あ、生き返った」

戦士「アイツらは何をしてるんだ?」

城壁の上で慌ただしく動き回る兵達を指差し、戦士が訪ねる。

占い師「月の宴の準備よ。もうすぐ始まるみたいね」

ザッザッザ

東方司令「何だ?お前らも手伝ってくれるのか?」

青年兵「東方司令っ!」

東方司令「…おぉ、何だっけ…えぇと少年兵君だったか?」

青年兵「青年兵です!司令っ、お話を…」

東方司令「分かった分かった。とにかく今は見ての通り忙しい。後にしてくれ」

青年兵「……はい」


315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 23:54:32.66 ID:CkVPFbgo
カラカラカラッ…キィ

東方副司令「司令、魔道兵の準備は整いました」

東方司令「ありがと。ボクももう少ししたら行くよ」

東方副司令「ワーカーの者らが遅れているようです」

東方司令「…全く。だからワーカーは面倒で嫌なんだ」

戦士「……」

東方副司令「あと…東方参謀殿も見当たりません…」

東方司令「……」

占い師「そう言えば、東方参謀ってどんな人なの?」

東方司令「あー例のあのむさ苦しいオッサンだよ」

占い師「…?」

東方司令「知らない?武闘派軍師とか言われてるヒゲの…」

占い師「あぁ!あの人か。頼もしいじゃないっ!」

東方司令「…そうか?」

召喚士「ぶ…武闘派軍師…!?」


316 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/11/04(木) 23:54:55.12 ID:0wfT6lYo
………ショタ兵もありかもしれんな


317 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 23:55:07.68 ID:CkVPFbgo
東方司令「…まぁいいわ。ヒゲが来たらすぐ始めるよ」

東方副司令「ワーカーは宜しいので?」

東方司令「いざとなったらそこの連中にでもお願いするよ」

戦士「え…?俺らかよ…っ」

東方司令「とは言っても…使えそうもないけどね…」

テクテクテク

戦士「なんて生意気な女だ…」

盗賊「…同意」

東方副司令「まぁまぁ。ああ見えても腕は確かですから」

召喚士「司令…ですもんね」

東方副司令「ええ」

占い師「副司令も大変ね。あんなじゃじゃ馬の世話なんて」

東方副司令「いえいえ、娘で慣れておりますから」

占い師「そうは言っても階級は同じでしょ?」

東方副司令「それはそうですが、司令は司令ですよ」


318 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 23:55:50.42 ID:CkVPFbgo
タッタッタ

東方兵「副司令、ワーカーの一団が到着致しました!」

東方副司令「おぉ、来ましたか…。それでは準備に取り掛かりましょう」

ザッザッザッザッザ

OB「待たせてすまんな。コイツがチンタラしてっからよ…」

魔道ワーカー「そうだぜ。俺らは時間通りだったんだぞ?」

召喚士「け、賢者さん…!?」

賢者「……ふぅ」

魔道ワーカー「賢者だか愚者だか知らんが…毎度毎度…」

戦士「…なんかいつもの事みてぇだな」

魔道士「え、ええ…っ」

東方副司令「それでは皆さん、城壁の上に移動して下さい」

OB「へいへい」

東方副司令「あとは…東方参謀殿か…」

占い師「どこに言ったのかしら…」


319 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/04(木) 23:56:43.63 ID:CkVPFbgo
その時、突如塔の一角より声が響き渡る。

――「ワシはここだっ!ココにおるっ!!」

盗賊「!?」

戦士「な…何だぁ!?」

東方副司令「参謀殿…!」

東方参謀「はあぁっ!!」

ババッ!!…クルクrクルッ…スタッ!!

魔道士「あっ!!あなたは…!!」

東方参謀「…ほう、ワシを知っておるのか?」

魔道士「東方先生じゃありませんか!」

東方参謀「如何にも。娘、お主…魔道学校の者か?」

魔道士「そうですっ!」

召喚士「こ…この方は?」

魔道士「東方先生は魔道学校に国軍の臨時講師といして来られてた方なんですっ」

召喚士「…へぇ!そうでしたか!」


320 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/05(金) 00:02:21.06 ID:GPLq4lQo
東方副司令「参謀殿っ、司令がお怒りでしたよ…?」

東方参謀「…ふん。あんな小娘…偉そうに」

テクテクテク

東方副司令「さ、参謀殿…っ」

占い師「私達も城壁へ行きましょうか」

召喚士「そ、そうですね…!」

戦士「なんか…各司令部の奴らって…なんていうか…」

盗賊「…濃いな」

戦士「そうそう…」

魔道士「た、楽しくていいんじゃないですか…?」

召喚士「青年兵くんは月の宴、参加した事あるの?」

青年兵「いえ、僕も実際見るのは初めてでして…」

召喚士「そうなんだ」

占い師「ほらっ、早く行くわよ〜」

召喚士「は、はいっ」


321 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/11/05(金) 00:06:01.55 ID:jtaW5o.o
しぃぃぃぃしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!


322 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/05(金) 00:23:38.98 ID:5kyNuHMo
マスターアジアで固定されたのは俺以外にもいるはずだ


323 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/05(金) 00:52:05.00 ID:CMem02.o
脳内再生余裕でしたwwww


324 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/05(金) 01:54:29.79 ID:FESLswAO
盗賊の兄貴のシュバルツとか師匠とか>>1はGガン好きだなww



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