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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その23
- 636 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/01/06(木) 18:06:45.09 ID:JlCjllYo
ドドッドドッドドッ…
戦士「しっかり掴まってろよっ!」
魔道士「……っ」
迂回する、と言っても他に道などあるはずもない。
戦士は南側の森林部に馬首を返すと、木々を縫うように駆ける。
ドドッドドッ…ガサガサガサッ…
戦士(……頼むぞぉ!)
暗闇の中、小枝を避けて突き進むは戦士の乗馬技術も手助けしているが、
普段より馬と携わっていない彼の技術は、一流と呼べるようなものではない。
しかしながらそれを為せるのは、しなやかさを備えた南方馬自身によるもの。
戦士「もっとしっかり掴まって……身を屈めろっ」
魔道士「はい……っ!」
ドドッドドッ…ガサガサッ…ドドッドドッ…
戦士(この速さじゃあ、到底追いつけるとは思えねぇが……)
左腕に備えた盾を眼前に掲げ、戦士は森の中より気配を探る。
- 637 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:07:46.34 ID:JlCjllYo
ドドッドドッドドッ…
戦士「……」
魔道士「……」
キラッ
戦士「…っ!?」
ググッ…ドドッドドッ…ズザザアアァァ
魔道士「ど、どうし――」
戦士「静かにっ!」
魔道士「……っ」
右方で何かが光った。一瞬の出来事であったが、神経を研ぎ澄ませていた
戦士はそれを見逃す事はなかった。
戦士「……」
魔道士「……」
それはおそらく月明かりに反射した金属、例えば鞘や防具の一部か。
下馬する二人は森の中を慎重に、音を立てず、道へと足を進める。
- 638 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:08:15.29 ID:JlCjllYo
ガサッ…ザッザッザ…
魔道士「馬は……?」
戦士「鳴き声や気配で悟られたくねぇ。ここに結び付けておく」
魔道士「……はいっ。手伝います」
戦士「大丈夫だ、もう終わる」
キュキュッ…グイッ
戦士「すまんな、ちょいと待っててくれ」
馬「……ブルルッ」
ザッザッザ
この時点で魔道士は、何故、戦士が隠密行動を選択したのか謎であった。
馴染みの深い剣士相手ならば、隠れる必要はないからである。
魔道士「……」
しかし、戦士の強張った表情と、事前に聞いていたレジスタンスの人間。
その二つが作用して、魔道士の口から質問として零れる事はなかった。
戦士にとってもそれは同様であり、現在の行動へと至っている。
- 639 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:08:49.17 ID:JlCjllYo
ザッザッザ…
戦士「……建物?」
魔道士「お寺…ですかね?」
戦士「……っ!!赤兎だっ」
魔道士「……!!」
分かれ道よりやや北西へと進んだ場所に位置する、古びた小さな寺。
今は使われていないらしく、ところどころに苔や草の蔓が巻きついている。
コソコソッ…ソソーッ
戦士(……もう一頭…?誰かと会っているのか?」
寺の背後から正面側をそっと覗きこむ戦士の目に、馬が二頭並ぶ。
戦士「――っ!!」
一頭は言わずもがな赤兎馬。もう一頭は芦毛の馬。即ち白馬騎士のものである。
魔道士「……っ!!」
戦士(あれは……白馬騎士さんの!?)
戸惑う二人を余所に、寺の中より二人の男が会話を始めていた。
- 640 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:10:12.09 ID:JlCjllYo
…
剣士「……は、明……のですね?」
白馬騎士「ああ。……に…………っている」
剣士「安……ました。ならば……」
白馬騎士「……は承知。……だが、私が……」
戦士(…くそっ、途切れ途切れで全然分かんねぇ…っ)
魔道士「……」
ピクッ
戦士「……?」
何かの気配に勘付き、戦士は寺の屋根をゆっくりと見上げる。
戦士「っ!!」
ファサッ
戦士「……いつから…いた…っ」
ガーゴイル「……ケケッ!」
戦士「ちぃ…っ!」
- 641 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:11:29.20 ID:JlCjllYo
バッ!!…ダダッ!!
魔道士「っ!?」
屋根の上に留まるガーゴイルを目撃し、魔道士は声を上げる間もなく、
その場を走り去る戦士の脇に抱えられていた。
ガーゴイル「逃がすかっ!」
ババッ!!
白馬騎士「何だ…っ!?」
剣士「僕が行きます!」
タタッ…ザザッ
剣士「…ガーゴイル!」
ガーゴイル「人間だ!逃げたぞ!!」
剣士「いい。僕が行く」
ガーゴイル「……ッ」
バサッ…バサァ
剣士「先に戻っていてくれ。それと場所をK-4地点に移すように」
- 642 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:12:13.77 ID:JlCjllYo
ガーゴイル「…分かった」
バサァ……バサッバサッ…
剣士「……」
ザッザッザ
白馬騎士「人間か?」
剣士「…白馬騎士様。そのようですね」
白馬騎士「……まさか、聞かれたか?」
剣士「…どうでしょう。しかし華国の人間であれば厄介ですね」
白馬騎士「……」
剣士「白馬騎士様はとにかくお戻り下さい」
白馬騎士「任せて…良いのだな?」
剣士「ええ。ここは僕が引き受けます」
白馬騎士「……すまん」
剣士「それでは、明日改めて…」
白馬騎士「…ああ」
- 643 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:13:05.47 ID:JlCjllYo
ザザッ…パッカパッカパッカ…
剣士「……」
白馬騎士とほぼ同時に、剣士は赤兎の背に跨り、
ガーゴイルの捉えた不審者を追う。
剣士「……はぁっ!」
ドウッ!!
一度の跳躍で空中を闊歩するように、弧を描き飛ぶ赤兎馬。
南方馬とは対称的に、直線的で力強いそれは、元の主を彷彿とさせる。
ドドッドドッドドッ…
剣士「……面倒な事にならねば良いが……」
ドドッドドッドドッ…
剣士「最悪の場合は……っ」
ドウッ
月光に照らされた赤兎が、闇夜の中を駆け抜ける。
それは大空を瞬く間に過ぎ去って行く、赤い彗星の如くであった。
- 644 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:13:46.46 ID:JlCjllYo
ザザッ…ザザザッ
戦士「…やっべぇ!来たぞぉ!!」
魔道士「も、もう大丈夫ですからっ!降ろして下さいっ!」
戦士「よし、着いた!!」
ザザァ!!
戦士「……紐を……こんのっ」
魔道士「……っ」
戦士「魔道士っ!時間稼げるか!?」
魔道士「……やってみますっ!」
キュイイィィ…
戦士「……解けた!行くぞっ、乗れ!!」
魔道士「は、はいっ!!」
ババッ…グイッ
戦士「振り落とされんなよぉーっ!」
魔道士「……っ!」
- 645 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:14:35.95 ID:JlCjllYo
ドドッドドッドドッ…
剣士「馬の音…!?こっちか!!」
グイッ…ドドッドドッドドッ…
剣士「単騎か…。偵察――」
ドドオオォォンッ!!…ボゴオオォォ!!
剣士「地面が……っ!?」
赤兎馬「ヒヒイイィィン!」
ドドォ…
剣士「……っ」
赤兎馬「……ブルルゥ」
剣士「土行の魔法か…?」
地面より迫り出した岩の柱を見つめ、剣士は赤兎の手綱を引く。
剣士「……しかし、これで逃げ切れると思うなっ!」
グイッ…ドドッドドッドドッ…
剣士「……見られてしまったからには……っ!」
- 646 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:15:44.33 ID:JlCjllYo
ドドッドドッドドッ…
白馬騎士「……」
ドドッドドッ…ドドッ…
白馬騎士「……まさか……っ!」
帰路に着く白馬騎士が愛馬の足を止める。
白馬騎士「……っ」
あの場面での不審者による逃亡。それは普通、人間相手ならば
突如頭上に現れた魔物に対し、寺の中に居た彼らへ声をかけるはずである。
白馬騎士「……知っていた…のか!?」
咄嗟の場で逃走という選択肢を取った不審者の考えうる可能性。
それは、既にガーゴイルと彼らの関係を疑っていた者に限るのである。
白馬騎士「……」
その上で、白馬騎士の脳裏に浮かぶ不審者の正体。それは容易なもの。
白馬騎士「……戦士殿、か」
息を飲み込むように呟いた白馬騎士は咄嗟に馬を反転させ、来た道を駆けた。
- 647 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:16:23.84 ID:JlCjllYo
ドドッドドッドドッ…
戦士「……何とか…あそこまで」
森林を山あいの崖沿いに疾走する馬。その馬上には戦士と魔道士。
魔道士「戦士さんっ!!」
戦士「!!」
ドドッドドッドドッ
魔道士「き、来ましたよ…っ!」
戦士「何だよあの馬は!?……通常の三倍は早いぞ!!」
ドドッドドッドドッ
剣士「…二人……か!?」
ドドッドドッドドッ
戦士「ちっ、仕方ねぇ!しっかり捉まってろよっ」
魔道士「!?」
バッ!!
剣士「何っ!?崖を……!?」
- 648 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:18:54.00 ID:JlCjllYo
ズザザアアァァ
剣士「……」
急斜面の崖を勢い良く飛び降り、疾走する不審者の馬。
剣士は呆気に取られながらも、しばし崖下を見つめ生死を確認する。
ドドッドドッドドッ…パッカパッカ
白馬騎士「剣士殿っ!」
剣士「白馬騎士さん…!?」
ドドッドドッ…ドドォ
白馬騎士「……逃がしたか?」
剣士「崖を飛び降りました…。まさかそんな事が出来るとは……」
白馬騎士「柔軟性の高い馬なら可能であろうな」
剣士「……」
白馬騎士「それに、鹿が降りられるような崖だ。馬とて……」
騒ぎに呼応して慌てて崖をくだり、その場を逃げる一匹の鹿。
それを見つめ、白馬騎士は剣士へ語る。
- 649 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:19:31.90 ID:JlCjllYo
剣士「……なれば、赤兎とて」
白馬騎士「いや、いい」
剣士「……?」
白馬騎士「おそらくは華国のものではない」
剣士「…心当たりが?」
白馬騎士「…ああ。明日にでも分かるだろう」
剣士「……」
白馬騎士「とにかく今は、明日の事に専念してくれ」
剣士「……分かりました」
白馬騎士「それと、もし誰かが訪ねてきたら……」
剣士「……」
白馬騎士「その者らも同行させてくれ」
剣士「……?」
白馬騎士「では、失礼するぞ」
再び帰路へと発つ白馬騎士を見送り、剣士もその場を後にした。
- 650 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:20:08.61 ID:JlCjllYo
…
戦士「……」
魔道士「……はぁ」
戦士「大丈夫か…?」
魔道士「はい…っ。ビックリしましたけど……」
戦士「…ま、お陰で何とか振り切ったみてぇだな」
魔道士「……でも、凄いですね」
戦士「ああ…っ、お前のお陰だ。偉いぞっ!」
ガシガシッ
南方馬「ブヒヒィ!」
戦士「……さーてと」
魔道士「一度、東の城へ戻りますか?」
戦士「……いんや。このまま向かう」
魔道士「……?」
戦士「…剣士さんの村へな!」
- 651 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:20:48.77 ID:JlCjllYo
…
ドドッドドッドドッ…
魔道士「……あ、あのぉ…戦士さん」
戦士「んー?」
魔道士「…やっぱり剣士さんと…白馬騎士さんが」
戦士「目撃情報のあったレジスタンスのリーダーってのは、剣士さんだろうな」
魔道士「……っ」
戦士「ただ、白馬騎士さんの目論見が読めねぇ」
魔道士「ええ…っ」
戦士「でもよ、なんとなく見えてきたぜ。この一件」
魔道士「……そうですか?」
戦士「剣士さんが魔王軍と通じるような人だと思うか?」
魔道士「…思いませんっ!」
戦士「だろ?なら考えうるは一つ。…まぁ、剣士さんの村へ行けば分かるはずだ」
魔道士「……はいっ」
- 652 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:21:27.54 ID:JlCjllYo
戦士と魔道士、そして二人を乗せる南方馬は休憩を挟みつつ、
夜通し華国を駆け抜け、明け方には剣士らの住む村へと到着する。
パッカパッカパッカ…
戦士「着いたー!ご苦労さんっ!」
南方馬「ブルルウゥ!」
魔道士「あとでたっくさん、ご飯あげますからねっ!」
南方馬「ヒヒイイィィンッ!」
戦士「さーて、行くか」
魔道士「もう帰ってますかね?」
戦士「いや、まだだと思う」
魔道士「じゃあ……」
戦士「先に行って待ってようぜ」
テクテクテク…コンコン
戦士「……」
魔道士「……」
- 653 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:22:04.00 ID:JlCjllYo
カチャッ
弓使い「はぁ〜い。……っ!!」
戦士「お久し振りっす!」
魔道士「弓使いさんっ!お元気ですか?」
弓使い「戦士くんに……魔道士ちゃんっ!!」
ガバッ…ギュウウゥゥ
弓使い「ちょっとぉ、久し振りじゃない〜!」
魔道士「……ゆみちゅかいしゃん……くりゅしいぃ…っ」
弓使い「…あっ、ごめんなさいっ。!さぁ、入って入って!」
戦士「お邪魔しまーす」
魔道士「…お、お邪魔しますっ」
スタスタスタ
弓使い「幼女ちゃ〜ん、ちょっとーっ」
幼女「はぁーい」
パタパタパタッ
- 654 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:22:42.29 ID:JlCjllYo
幼女「っ!!」
魔道士「幼女ちゃーんっ!!」
幼女「お姉ちゃーん!」
タッタッタ…ダキッ
魔道士「元気だったぁ!?」
幼女「うんっ!元気だよっ。お姉ちゃんも?」
魔道士「私もだよーっ!幼女ちゃん、ちょっとおっきくなったんじゃない!?」
幼女「うんっ!おっきくなったーっ」
弓使い「今日はどうしたの!?前もって連絡くれれば良いのに〜」
戦士「ちょっと近くまで来たもんでね。ところで、剣士さんは…?」
弓使い「それがまだ帰ってないのよ〜」
戦士「……ふぅん」
弓使い「最近は夜も仕事してるみたいで……」
戦士「へぇ…。大変だなぁ」
弓使い「そんな貧乏な生活してるわけでもないのにね…。さ、座って頂戴っ」
- 655 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:23:29.48 ID:JlCjllYo
…
テクテクテク…コトッ
弓使い「ごめんなさいね〜。朝食の準備してたから適当で…」
戦士「お構いなく。こっちこそ朝っぱらからすいません」
幼女「お姉ちゃん見て見て!これ、私作ったのー!」
魔道士「花飾り?上手〜!見せて見せてっ」
弓使い「幼女ちゃんたら、すっかりはしゃいじゃって」
戦士「年齢の近い奴が来て嬉しいんすよ。精神的な……」
魔道士「何か言いましたぁ〜?」
戦士「いーえ。……それで、剣士さんは何を?」
弓使い「それが全く教えてくれないのよ〜」
戦士「……」
弓使い「私ね……思うの」
ズイッ…コソコソッ
戦士(やっぱ弓使いさんも…勘付いて……)
- 656 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:24:05.29 ID:JlCjllYo
弓使い「剣士ったら、隠れて浮気してるんじゃないかしら…?」
戦士「!?」
弓使い「…それ以外に理由が浮かばないのよ…っ」
戦士「そ、それは…ないんじゃないかなぁ…?」
弓使い「……だってぇ」
戦士「剣士さんはそんな男じゃないっすよ!は、ははっ…!」
弓使い「ワーカーとして普段の依頼で十分生活出来てるのよ〜?なのに……」
戦士「た、鍛錬でも…してるんじゃないかなぁ〜?」
弓使い「…ねっ、戦士くん。お願いがあるのっ!」
ズイッ!!
戦士「は、はいぃ…!」
弓使い「ワーカーとして浮気調査を――」
カチャッ
剣士「ただいまー」
戦士「!!」
- 657 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:24:55.16 ID:JlCjllYo
テクテクテク…ピタッ
剣士「……戦士…くんっ!?」
戦士「剣士さん、お久し振りです」
幼女「あっ、おかえりなさーい!」
魔道士「……剣士さんっ!」
剣士「魔道士さんも……っ」
弓使い「もうっ、こんな朝っぱらまでどこ行ってたのよっ!」
剣士「ゴメンゴメン、仕事が長引いちゃって……」
テクテクテク…スンスン
剣士「な、何っ!?臭い……?」
弓使い「……匂いは普通ね」
剣士「へ…っ?」
戦士「……あー、帰ってきて早々なんだが…剣士さん」
剣士「ん、何だい…?」
戦士「ちょいとお話があるんだが……」
- 658 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:26:02.20 ID:JlCjllYo
…
剣士「二人きりで良かったのかい?」
戦士「…ええ。二人のが都合いいもんで」
家の外に出る戦士と剣士。二人は無言で歩きながら村の入り口へと移る。
スタスタスタ…
剣士「ところで、今日は召喚士くんと盗賊さんは……」
戦士「別行動っす。今日は俺と魔道士の二人、それに……」
スタスタスタ…ザッ
戦士「……この、馬だけっす」
南方馬「ブヒヒイィン」
剣士「……」
戦士「剣士さん、アンタ…昨晩俺らと会ったよな?」
剣士「……」
戦士「赤兎なんて馬、世界に一頭しかいやしねぇ」
剣士「……ふ、ふふっ。あはははっ!!」
- 659 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:26:49.79 ID:JlCjllYo
戦士「……」
剣士「…なるほど、白馬騎士様の言っていた事が分かったよ」
戦士「……?」
剣士「戦士くん。察しの通りさ」
戦士「…話せますか?」
剣士「もちろん。だが、これだけは約束して欲しい」
戦士「…内容によります」
剣士「弓使いと幼女にだけは言わないで欲しいんだ」
戦士「……」
剣士「とは言っても、もう話してしまったかな?」
戦士「そんなこったろうと思って、まだ話してないっすよ」
剣士「……そうか。ありがとう」
戦士「でも、別の心配した方がいいかもしれないですよ…」
剣士「え…?」
戦士「い、いや…っ。それは…当事者同士で解決して下さい…」
- 660 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/06(木) 18:29:53.15 ID:JlCjllYo
…
戦士「さっきは逃げてすいませんでした」
剣士「いや、こっちこそ。済まない」
戦士「剣士さんだと分かったが、万に一つの可能性も考えて…」
剣士「賢明な判断だと思うよ。僕も同様だったと思うし」
戦士「でも、ここで弓使いさんの話を聞いて、はっきり分かりましたよ」
剣士「……」
戦士「噂されている魔物の群れ、あれは味方だ」
剣士「……」
戦士「そしてそれを統制しているのは、剣士さん…あんたですね?」
剣士「…流石だね。まさにその通りさ」
戦士「しかし、何でそんな手間のかかるような真似を……」
剣士「実は、頼まれてしまってね」
戦士「頼みって……まさか…っ」
剣士「…ああ。白馬騎士様だよ」
- 663 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/06(木) 18:56:02.22 ID:B3qA56AO
>>1おつ
思ったが召喚士って近接戦闘用の召喚獣が少ないな。スフィンクスはでかいし、ユニコーンだと馬力に欠ける
- 665 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2011/01/06(木) 19:46:16.75 ID:IKFdRr2o
>>663
そりゃお前、馬なんだから一馬力にしかならんわな。
- 668 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/06(木) 20:42:54.11 ID:hkklOCwo
ガンダムと源義経の夢の競演わろた
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