■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
440 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:12:37.71 ID:l7aWj8Uo
〜火焔山、北側〜

男隊員「あいつの特性は!?」

戦士「術も使う。そして…鬼に化けるぞ!」

隊長「……」

戦士「あと…もう一匹、仲間がいる」

魔道士「た、確か…合体して巨大な魔物に……」

マジシャン「うっへ…ぇ。疲れる敵は相手にしたくないっちゅー話だよ…」

銀角「……おい」

銀角は額を指差し、戦士へ呼びかける。

戦士「……」

銀角「貴様にやられたこの傷…。疼いて仕方がないですよ」

戦士「…そうかい」

銀角「私も運がいい…。この手で借りを返せるとはね!」

隊長「来るぞっ!」

隊長の声を同時に、銀角が一気に走りだす。


441 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:13:10.63 ID:l7aWj8Uo
ヒュバッ!!

マジシャン「うりゃあぁ!!」

真正面に突進する銀角。それをマジシャンの土壁が遮ろうと、地中よりせり上がる。

ドドオオォォンッ!!…ゴガガアァッ!!

マジシャン「何ぃ!?早い…っ!!」

銀角「その程度っ!」

銀角はマジシャンの放つ土壁を軽々とかわし、更に接近する。

隊長「ちゃんと援護しろっ!!」

マジシャン「うっせぇな!わーったよ!」

ドドオォンッ!!…ゴオオォォッ!!

銀角「だから言っておるだろ!」

ブオッ

男隊員「扇子!?」

銀角「その程度、効かぬと…言っておるだろ!!」

銀角は左手にした扇子で、マジシャンの発した炎を仰ぐ。


442 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:15:16.24 ID:l7aWj8Uo
ゴウッ!!

マジシャン「ぐぬ…っ!!」

隊長「何してんだ!……どけっ!」

女隊員「そっち行ったッスよ!!」

戦士「おうっ!」

銀角「まずは…貴様だっ!」

戦士「あん時と同じだと……思うなよぉ!!」

戦士は戟を身体の前に構え、上空より剣で襲いかかる銀角を迎え撃つ。

銀角「はあっ!!」

戦士「うりゃあぁっ!!」

ギキイィンッ!!

戦士「ぐ……くく…っ!」

隊長「バッカ野郎!間合い詰め過ぎだっ、何の為の修行だ全く…」

銀角「そうらっ!!」

銀角は右手の剣を引き、左手の扇子を再び戦士の前で振り下ろす。


443 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:16:35.85 ID:l7aWj8Uo
ブワッ!!……ゴウッ!!

魔道士「きゃ…っ!!」

戦士「ぐ…おっ!!」

隊長「奴の突風を何とかしろっ!」

女隊員「はいッス!」

銀角「どうれ……もう一丁!」

ゴウッ!!

魔道士「やあぁっ!!」

三度起きる銀角の突風。だがそれは、魔道士の起こした土壁に遮られる。

ドオオォォンッ!!…ドゴォ!!

戦士「悪りぃ…!助かった!!」

魔道士「いえっ!次来ますよ!」

戦士「おうっ!!」

ダダッ!!

隊長「いいサポートだ。師匠よりいい腕してんぜ!」


444 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:18:09.99 ID:l7aWj8Uo
マジシャン「うるせぇ!俺は攻撃専門なのっ!!」

愚痴を垂れるマジシャンの両手が激しく光り、稲妻がほとばしる。

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

銀角「……ちっ!!」

それを間一髪交わす銀角。頭上に戦士が迫る。

戦士「っりゃあぁ!!」

銀角「……こ…のっ!!」

ギキイィンッ!!

女隊員「受けとめたっ!?」

男隊員「おりゃあぁっ!!」

銀角の背後に回り込んだ男隊員が、その左足へと長剣で斬りかかる。

ヒュンッ……ザシュッ!!

銀角「くそ…っ!!」

ザッ

男隊員「なーに遊んでんだテメェは!!」


445 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/08(日) 23:41:48.68 ID:6GF8UQAO
銀角…
その発祥は戦国時代にまで遡る…
その戦う様はまさに鬼そのもの…あまりの残酷さに、時の皇帝が銀角と銀角にまつわる一切の情報を封印したと言われている…

まさか実在していたとはな…


446 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/08(日) 23:59:31.04 ID:l7aWj8Uo
戦士「べ、別に遊んでいるわけじゃ…」

男隊員「んじゃ、さっさと片付けんぞっ!」

隊長「付加任せたぞっ!!」

魔道士「はいっ!」

女隊員「いくッスよぉ…!」

男隊員「どおりゃあぁっ!!」

隊長「っりゃあ!!」

戦士「はぁっ!!」

銀角「ッ!!」

左足を庇い起き上がる銀角に、三人が同時に襲いかかる。

マジシャン「付加の行ぐらい……リクエストしろ…っての!」

更に後衛三人がそれぞれ、前衛の武器に対して魔法を放つ。

隊長「一気に決める!叩き込めっ!!」

男隊員「言われんでも…っ!!」

戦士「だりゃああぁぁ!!」


447 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 00:07:51.32 ID:EZBwllQo
ズバッ!!…バシュッ!!……ギギッ…ギキィ…

男隊員「な…にぃ!?」

魔道士「こ、これは…っ!!」

戦士「マズイッ!変身するぞ!!」

ググッ…ゴゴゴゴゴ…

女隊員「か、体が膨れて…巨大化…っ」

銀角の硬化した体は刃を跳ね返し、その密度を大きく膨らませ始める。

マジシャン「ちぃ…!させっかよっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

隊長「駄目だっ!あれだけの炎を耐えやがった……!」

戦士「くっそぉ…!前より強度増してんじゃねぇか!!」

銀角「……フウウ」

ドズンッ…ドズンッ…

銀角「あの時と同じではないのは…貴様だけと思うなよ?」

戦士「……ち…っ!!」


448 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 00:12:16.45 ID:EZBwllQo
〜火焔山、西側〜

ザッザッザッザッザ

金角「……ふっふふふ」

天才「よーし、そんじゃますは俺からお相手頂こうかね」

ザッ

金角「では、お手柔らかに……」

キュポッ

天才「おうっ、お手柔らかに……って何だ、それ?」

天才は金角が手にする、赤色の瓢箪を不思議そうな顔で覗く。

金角「あぁ、これですか…?瓢箪です」

天才「……はーっはっはっは!それは見りゃ分かるっつーの!」

金角「ふっふふ。それもそうですね」

天才「お前、面白い奴だな」

金角「貴方こそ。えぇと……」

天才「ああ、俺様の名は天才だ。よーく覚えておけっ!」


449 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 00:15:31.35 ID:EZBwllQo
金角「……ほほぉ!」

天才「もっとも、月並みに言えば…お前さんが覚えたところで…」

金角「…天才さん?」

天才「あん?」

金角「……くっははは!!」

天才「何がおかし…っ……!?」

南方司令「な、何だっ!?」

格闘家「師匠の…身体が!?」

突如金角の手にした赤瓢箪へと、天才の身体が吸い込まれ始める。

ギュルギュルギュルッ

盗賊「…くっ!!」

南方司令「下手に動くな!」

盗賊「で、でもっ!」

南方司令「全滅すんぞ!とにかく間合いを取れっ!」

天才の身体は、あっという間に瓢箪の中へと吸い込まれ、その場より姿を消した。


451 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 00:28:59.09 ID:EZBwllQo
〜オマケ〜

戦士父「だーれがとっつぁんだ!待て〜い!!」

大軍師「何です…?そ、その口調は…」

サル「はるばる最北まで来て手に入れたお宝だ!おいそれと渡せっかよ!」

戦士父「違…っ!俺は別にお前を追いに来たわけじゃ……」

サル「その手はくわないってーの!ぬっふふふふ〜!」

戦士父「ちっ…猿みてぇにすばしっこい奴だ!」

大軍師「…今のは…あの時の…?」

戦士「まぁいい。盗人の一人や二人放っておくか」

大軍師「…え、ええ。それで…この村以外も…?」

戦士「北はほぼ…全滅だよこの50年近くで30以上の村がやられてる…!」

大軍師「あと数年…。数年以内に終わらせますよ」

戦士父「大きく出たな。ま…期待してるよ」

大軍師「ど、どちらへ…?」

戦士父「もうここに用はねぇ。次に行くさ……」


465 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:00:33.11 ID:I6nzVn6o
ウウゥゥ…

盗賊「え…っ……」

南方司令「か、身体が……瓢箪の中…に…」

格闘家「し…師匠…っ!?」

キュポッ…キュキュッ

金角「…ふっふふふ…っ!まずは、一人…っ」

金角はニヤニヤと瓢箪を見つめながら、その口に蓋をする。

盗賊「な、何がどうなって…!?」

南方司令「動揺するな!術の類か何かだ!」

盗賊「…や、やられたの…?」

金角「ご安心を…まだ死んではおりません」

格闘家「……」

金角「但し、時間の問題。一日もすれば溶けて跡形もないでしょうね」

盗賊「……!!」

金角「…そう、旨い酒とでもなってくれるでしょう。ふっふ!」


466 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:02:23.81 ID:I6nzVn6o
南方司令「おい、金角とやら!」

金角「…?何でしょうか?」

南方司令「悪党にしては正々堂々と名乗り、なかなか見どころのある奴!」

盗賊(悪党…正々堂々……?)

南方司令「俺の名は南方司令、よーく覚えておくがいい!」

金角「……ふ…っくく!自分で名乗りおったわ」

南方司令「さぁ、教えて貰おうか!その怪しげな瓢箪っ!何なのだ!?」

金角「なかなか面白い人間ですね。……良いですよ、特別に教えて差し上げましょう」

格闘家「……」

ジャリッ

南方司令「動くなっ!…ここは俺に任せろ」

格闘家「……っ」

金角「この瓢箪は人間の魔力を吸い取る…とても便利な物なのですよ」

盗賊「…!!」

金角「それを我らが飲めば…怪我は治り、力が沸き、そう…糧となるのだ!」


467 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:03:13.56 ID:I6nzVn6o
南方司令「……発動方法は?」

金角「そこまで教えると思うか?」

南方司令「んじゃ解除方法は?」

金角「非凡かと警戒したが…ただの阿呆であったか」

南方司令「誰がアホだ!!」

金角「問答はここらで良かろう…?」

南方司令「…ちっ!ならば拳で語るのみ!!」

金角「ふっふふ!さぁ、くるが良い!南方司令!!」

南方司令「おうよっ!!」

金角「……かかったっ!!」

キュポッ!!

南方司令「あ?……な、なん…っ!?」

ギュルギュルギュルッ!!…キュッ

盗賊「…っ!?」

金角「これで…二人!!……ふっふふふ!!」


468 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:04:13.74 ID:I6nzVn6o
〜国軍、陣〜

パカラッパカラッ…ドドォ

召喚士「陣か…っ!司令や…戦士は!?」

騎兵「何者かっ!!」

召喚士「すみません、南方司令達は!?」

騎兵「…朱雀…先生ですかっ!?」

召喚士「ええ!司令は…?」

騎兵「司令はそのまま、ワーカーの方々と南下されました!」

青年兵「…ワーカー?」

騎兵「ええ。巨大な剣の男とその仲間らしきガタイの良い男…」

召喚士「……巨大な…剣?」

騎兵「あ、あと…黒装束の女が一人!三名でした!」

召喚士「っ!!」

青年兵「それって…もしや……」

召喚士「…急ごう!!」


469 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:06:04.76 ID:I6nzVn6o
ダダッ…グイッ

騎兵「お、お気をつけて!ここにはプリーストもおりますので…!」

青年兵「ありがとうございます!」

駆け足で馬に跨る召喚士。その後を追い、青年兵も馬に跨り駆け出した。

その姿を見送り、騎兵は周囲へ指示を出す。

騎兵「赤壁への伝令は出したな!?そこっ、警備を怠るな!」

ドドッドドッドドッ…

召喚士「……もうすぐだ!もうすぐ…っ!」

青年兵「ワイバーンを出して様子を探りますか!?」

召喚士「いやっ、魔力はギリギリまで蓄えておこう…!」

青年兵「…ですよね!了解ですっ!!」

召喚士「ラクシャーサだけであれば…いいけど…」

青年兵「…それ程、楽にいくとは思えませんね」

召喚士「……うん」

二匹の馬は森を疾走し、火焔山のふもとまであと少しと迫りつつあった。


470 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:07:37.09 ID:I6nzVn6o
〜火焔山、北側〜

銀角「さて、どうします?」

戦士「こうも硬てぇとは…!どうやって攻めりゃあ……」

銀角「何人で来ようが…通用せんぞ!!」

ザッザッザ

隊長「……と、思わせようとしている」

魔道士「え…っ?」

隊長「コイツの今の心境」

銀角「……」

隊長「変身したとこで多勢に無勢…。口先で誤魔化して、手を考えてんのさ」

銀角「ほぉ!…お前から死ぬか?」

隊長「ほらな、証拠にかかってこねぇ。本当にものともしねぇなら…」

ザッ…ダンッ!!

隊長「とっくに襲い掛かってきてんだろうが!!」

怒号をあげながら、隊長は銀角へ飛び掛かる。


471 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:12:23.59 ID:I6nzVn6o
隊長「付加ぁ!!」

魔道士「はいっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

隊長「うーりゃあぁ!!」

稲光が輝く隊長の一撃が、銀角の左肩めがけ振り下ろされる。

ズガッ!!

銀角「ぐう…っ!!」

スタッ

隊長「…ま、言うだけの事はある。硬てぇな…」

隊長は刃こぼれした長剣を見つめ、構え直しながらぽつりと呟く。

女隊員「隊長っ、どうするッスかぁ!?」

隊長「付加しろ。全員で俺に…だ」

マジシャン「はぁ!?おいおい…四行でも肉体的にゃ相当の負担が…」

隊長「時間かけてらんねーだろ。死にゃしねぇよ!」

男隊員「さっすが隊長!我らの犠牲になってまで…」


472 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:13:53.70 ID:I6nzVn6o
隊長「いいからさっさとやれ!!」

女隊員「じゃ、じゃあ…ウチは風行やるッス!」

マジシャン「本当に…いいんだな?」

隊長「くどい!!」

マジシャン「…魔道士ちゃんは雷だ」

魔道士「は、はいっ!」

銀角「なっ、何だ…!?何をするつもりだ…っ?」

隊長「風格あるっぽくは見えるが、お前からは小物臭しか漂わねぇんだよなぁ」

銀角「……くっ!」

隊長「ほんじゃ、行くぜっ!!」

銀角「な…なめるなぁ!!」

隊長「どりゃああぁぁーっ!!」

マジシャン「……今だっ!援護しろ!!」

魔道士「はあぁっ!!」

…ォォォォオオ


473 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:14:54.26 ID:I6nzVn6o
たじろぐ銀閣。その一瞬の隙を見逃さず隊長は大きく飛び上がる。

長剣を頭上の後頭部まで大きく振りかぶり、マジシャンらの魔法付加を待つ。

戦士「……え…な、何だ…っ?」

隊長めがけ、最初に到達したのは突風。

隊長「なん…だとぉ…!?」

しかしそれは、背後からの援護ではなく、正面の火焔山からである。

銀角「これは…!?くぅっ!!」

ババッ!!

マジシャン「よけろぉ!!」

男隊員「な…にぃ!?」

ゴオオォォォォッ!!

女隊員「く…っ……!!」

戦士「う…ぐあぁ!!」

魔道士「きゃああぁぁ!!」

大嵐のような突風に、その場の全員が巻き込まれ吹き飛んだ。


475 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:15:56.89 ID:I6nzVn6o
オオォォォォ…ドサッ

戦士「…っ……つう」

魔道士「……ぅ」

カツコツカツコツ…

うつ伏せに倒れる戦士と魔道士。その先に巨大な扇子を持った女の姿がある。

羅刹女「…何を遊んでいるんだい」

銀角「…うぅ…っ!ら…羅刹女…様」

戦士「…ア…アイツ…見た事あんぞ…!」

ググッ…

羅刹女「ほらっ、早く金角の元へ行き、合体でも何でもしなよっ」

銀角「…は、はは…っ!」

ググッ…ヨロッ…

羅刹女「全く、情けないねぇ…。助けてやった恩を忘れてさ…!」

戦士「ま…ちやがれ!!」

羅刹女「おや、意識があるのかい?他の奴ら同様…森の奥まで飛んで行きなっ!」


476 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:17:30.82 ID:I6nzVn6o
羅刹女は手にした芭蕉扇を大きく仰ぐ。

グググッ…ブオォッッ!!

戦士「ちぃ…っ!!」

魔道士「……やあぁっ!!」

ドドオオォォォォンッ!!……ベキベキベキィ!!

羅刹女「何だい!?巨大な壁…っ!?」

魔道士が放つ渾身の一撃。それは巨大な大地の壁を作り上げ、

芭蕉扇の作り上げた強風を防ぐ防御壁となる。

ドドオオォォンッ!!…ミシミシミシッ!!

羅刹女「ふん…っ!まぁいいさ。後は任せたよっ!」

銀角「は、ははっ!!必ずや牛魔王様の為に…!!」

戦士「…ま……魔王だ…と…!?」

魔道士「戦士さんっ!これ以上は壁が持ちませんっ!!」

戦士「!?……こっちだ!急げっ!!」

魔道士「は、はいっ!!」


477 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/09(月) 18:18:42.44 ID:I6nzVn6o
タッタッタ……ゴシャアアァァッ!!…ドドオオォォ…

突風は土の防御壁を破壊しながら、森の奥へと吹き荒れていく。

戦士「…逃がすかっ!!」

羅刹女「ほーっほっほっほ!」

必死に追う戦士を横目に、羅刹女は火の中へと消えて行く。

戦士「熱…っち!!くそぉ!!」

魔道士「戦士さんっ!」

魔道士が指差す先、銀角が這う這うの体で山沿いを逃げる。

戦士「ちっ!そっちは逃がさねぇぞ!!」

タッタッタッタッタ

戦士は小走りで戟を拾い上げ、銀角の後を追う。

魔道士「せ、戦士さんっ!?」

戦士「ここで逃がすと厄介だ!トドメを刺す!!」

魔道士「で、でも…っ!」

戦士「隊長やオッサン達なら…きっと無事だ!今は奴を追うぞ!」



次へ 戻る 戻る 携 上へ