■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
194 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:29:45.05 ID:21IVfiAWo
〜アマゾネスの村〜

白虎長「さーて、残るはあなただけよ?」

アマゾネス「……はぁ、情けない」

ザッザッザ

アマゾネス「あとでキツーイ、おしおきが必要だな」

ツインテ「ひいいぃぃーっ!」

おさげ「そんなぁ〜っ」

アマゾネス「すまんが、代わりに合図を」

魔道士「えっ、あ……はい! えーと、白虎長さん対アマゾネスさん……始めっ!」

白虎長「さーて。見せて貰いましょうか、噂のワルキューレ」

アマゾネス「……ふっ、望むところ!」

ザザッ

アマゾネス「行けっ、ワルキューレ!!」

シュイイィィィィン!!

白虎長「!?」


195 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:30:21.65 ID:21IVfiAWo
アマゾネスの声に応じ、周囲に光り輝く人影が現れる。

影は1つから2つ、2つから4つとその数を増やし、最終的にはその数は9つになり、

光の中から徐々に甲冑を纏いし女性の姿が浮かび上がった。

魔道士「!?」

青年子「出たっ! あれがワルキューレです!」

9匹の女性を模した召喚獣は、美しい羽を広げ、にっこりと微笑んだ。

アマゾネス「さぁ、かかってくるがいい」

白虎長「一度に9体も……っ。ならば……」

ザッ

玄武娘「おぉ!?」

白虎長は先程の戦い同様、複数の召喚獣を一度に召喚し、これを迎え撃つ。

アマゾネス「……」

白虎長「飛行出来るからって、有利だとは思わないでねっ!」

キュイイィィィィ…ゴガアアァァァァッ!!

ベヒーモスの閃光が空中へ放たれ、右から左へ薙ぎるように放たれた。


196 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:30:59.00 ID:21IVfiAWo
ゲルヒルデ「ふふっ」

グリムゲルデ「凄い威力ねぇ」

ワルキューレは四散し、その閃光を起用に飛びながら回避する。

ヒュオッ…ヒュンッ…ヒュンッ

白虎長「すばしっこいわねぇ」

ロスヴァイセ「この程度なら全然余裕ね」」

オルトリンデ「うん。もっと近づきましょ」

ブワッ…バシュウウゥゥゥゥ

白虎長「カトブレパス!!」

カトブレパス「ブオオォォォォンッ!!」

ゴシュウウゥゥゥゥ!!

ヴァルトラウテ「こっちは石化ね、気をつけないと」

ジークルーネ「直線的な攻撃なんて……単調」

旋回しながら2本の軌道をものともせずかわすワルキューレ。

9体の戦乙女は徐々にその距離を標的へと近づけつつあった。


197 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:31:53.74 ID:21IVfiAWo
ドシュウウゥゥゥゥ!!

ヘルムヴィーゲ「さぁーっ、行くわよ」

シュヴェルトラウテ「私は右から回りこむわ」

白虎長「ガルムッ! フェンリルッ!」

ダダッ!!

盗賊「……どうも後手に回っているな」

朱雀嬢「ええ……っ」

青年子「おそらく、召喚獣の差でしょう」

魔道士「えっ?」

青年子「互いに複数の召喚獣を操っていますが、あちらは指揮系統が一つ」

白虎嬢「言われてみれば、そのようですねぇ〜」

青年子「一つの召喚で複数体が同時に機能するのであれば、司令は楽になります」

盗賊「……確かにそうだな」

青年子「それに比べ白虎長さんは複数の召喚で複数体の司令をしなくてはいけない」

朱雀嬢「特性も違えば、攻撃方法や魔力の使い方も違いますものね」


198 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:32:39.05 ID:21IVfiAWo
青年子「いかに白虎長さんが優れているとはいえ、これは厳しいかもしれませんよ」

白虎長「……くっ」

青年子の発言は的を射ていた。最初の魔力こそ消費の大きいと思われるワルキューレだが、

召喚以降に関しては召喚主が指示する動きは至極、シンプルなものとなる。

アマゾネス「……ふっ」

対して、複数の同時召喚を行っている白虎長は、召喚後も多大な魔力を消費し、

尚且つ、瞬時のうちに幾つもの指示を的確に出し続けねばならない。

白虎長「これはちょっと……マズイかもしれないわね……っ」

アマゾネス「さぁて、そろそろとどめだ」

いつからかは分からないが、いつの間にかアマゾネスの横には、

一体の召喚獣がスピアを手に立ちはだかっていた。

ブリュンヒルデ「全員、突撃」

その召喚獣の号令を合図に、羽を持つ女性はスピアを突き出しながら、

一斉に対峙する白虎召喚獣の元へと空を翔る。

白虎長「だから……っ、早いってばぁ!!」


199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:33:21.31 ID:21IVfiAWo
懸命にフェンリルとガルムで牽制をかける白虎長。飛びかかる2匹の召喚獣を横目に、

9体のワルキューレは飛行を続け、ただ一点目指してスピードを上げる。

白虎長「な……っ!?」

ジークルーネ「そーれっ!」

ドスドスドスドスッ!!

ベヒーモス「グガアアァァァァ!!」

9本のスピアが同時にベヒーモスへと突き刺さる。

ベヒーモス「グウウゥゥ……ッ」

グリムゲルデ「まだまだぁーっ!」

一度離れたワルキューレ達は、今度は突きではなくスピアの先端でベヒーモスを

引っ掻くように斬りつけ、そして空中へ離れ、再び接近し斬る、これを繰り返した。

白虎長「蝿みたいに五月蝿いわねぇ〜!」

ロスヴァイセ「まぁ、失礼ね」

白虎長「ベヒーモスはもう駄目ね……」

シュイイィィィン


200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:34:47.61 ID:21IVfiAWo
ブリュンヒルデ「次っ」

バシュウウゥゥゥゥ

白虎長「だからぁ、ちょっとは休ませてよおぉ!!」

ドスドスドスッ!!

カトブレパス「グゴガアアァァーッ!!」

青年子「徹底しているな……っ」

盗賊「……ああ」

玄武娘「徹底……ですの?」

青年子「対象の中で最も手強そうな相手から集中攻撃で撃破……っ」

盗賊「……そして、次はカトプレパスというわけだ」

魔道士「なるほど……っ」

青年子「更に無理な攻撃はせず、集団での一斉攻撃、及び離脱戦法」

朱雀嬢「戦術が出来上がってますわね……」

青年子「それに、白虎長さんの魔力も……」

白虎嬢「従姉さん……っ」


201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:38:05.95 ID:21IVfiAWo
ザシュウウゥゥゥゥ

スレイプニル「――ッ!!」

シュイイィィィィン

ブリュンヒルデ「……どうする?」

白虎長「はぁはぁ……はぁはぁ……っ」

ブリュンヒルデ「残るはそこの2匹のみ」

ガルム「グウウゥゥゥゥ」

フェンリル「グルル……ッ」

アマゾネス「まだ、続けるか?」

白虎長「……ふーっ」

シュイイィィィン

アマゾネス「召喚解除という事は……」

白虎長「流石にもう魔力も持たないわ。私の負け、降参するわ」

アマゾネス「……賢明だな。おい、勝ち名乗りを」

魔道士「……し、勝者! アマゾネスさんっ!」


202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:57:47.17 ID:21IVfiAWo


アマゾネス「さぁ、お次は誰?」

テクテクテク

玄武娘「私ですのっ!」

白虎嬢「玄武娘ちゃん、頑張って〜」

玄武娘「……ぬんっ!」

朱雀嬢「大丈夫かしら……」

魔道士「玄武娘ちゃん対アマゾネスさん……始めっ!」

盗賊「……勝てるかな」

青年子「どうでしょう」

白虎長「ふーっ」

テクテクテク

青年子「お疲れ様でした。……どうみます?」

白虎長「あの子じゃキツイかもね。準備しておいた方がいいかもよ」

青年子「……?」


203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 17:58:31.44 ID:21IVfiAWo
玄武娘「おいで、リヴァイアサン」

シュイイィィィィン…ゴゴゴゴゴゴゴ

朱雀嬢「あの……おばかっ!」

白虎嬢「あちゃ〜」

玄武娘「ほえっ?」

朱雀嬢「先程の戦いの、何を見ていたのかしらっ!」

白虎長「……ほらね」

青年子「……はぁ」

ブリュンヒルデ「と、突撃」

玄武娘「来たですのー!」

迫りくるワルキューレ頭よりの更に高く、大津波が押し寄せる。

リヴァイアサン「ゴアアァァァァーッ!!」

ブリュンヒルデ「上昇っ!」

ゴウッ!!…シュバアアァァァァ!!

玄武娘「逃げられたですのっ」


204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:00:02.37 ID:21IVfiAWo
朱雀嬢「玄武娘、もっと小さな召喚獣を――」

ブリュンヒルデ「突撃」

ザシュザシュザシュザシュッ!!

玄武娘「くぅ……っ。やるですの!」

アマゾネス「そぉら、休む暇はないぞ!」

ドスドスドスッ!!…ザシュウウゥゥゥゥ!!

玄武娘「よーし、こうなったら……こっちもたくさん召喚するですの」

シュイイィィィィン

朱雀嬢「だからぁ、数を増やせばいいってものではないのよぉ!」

白虎嬢「聞こえてないわねぇ〜」

玄武娘「行けーですの!」

ゴウッ!!

ブリュンヒルデ「回避」

ケルピー「!?」

ブリュンヒルデ「突撃」


205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:01:33.83 ID:21IVfiAWo
ドスドスドスドスッ!!

リバイアサン「グガアアァァァァ!!」

青年子「やはり徹底的にリヴァイアサン狙いですね」

白虎長「あれが落ちたら、魔力もかなり失うわね……っ」

魔道士「玄武娘ちゃん……っ」

玄武娘「もうっ、全然当たらないですのー!」

朱雀嬢「もっと集中してっ!」

玄武娘「そんなコト言われても……あっちもこっちもおぉ〜」

白虎嬢「頑張って〜。右よ右っ、あ後ろ! 左っ、左!」

玄武娘「あうっ、あううぅぅ〜!」

白虎長「駄目だ……パニクっちゃってるわ」

青年子「……っ」

玄武娘「もう……どこに攻撃したらいいですのーっ!!」

朱雀嬢「ちょっとおぉ!?」

リヴァイアサンによる大津波が、玄武娘を中心に降り注いだ。


206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:02:27.54 ID:21IVfiAWo
ゴアァッ!!…ザッパアアァァァァンッ!!

玄武娘「ひゃああぁぁ!!」

リヴァイアサン「お、おいっ!?」

ブリュンヒルデ「とどめよ」

オルトリンデ「そーれっ」

ザシュズバド゙スッドシュウゥッザクゥッドムゥッゾックゥギャンッ…

リヴァイアサン「グ……グガアアァァァァ……」

シュイイィィィィン

魔道士「つ、津波が……っ」

白虎長「リヴァイアサンが消失したから、津波も消えたのよ」

朱雀嬢「玄武娘っ!!」

玄武娘「……は、はふぅ〜」

朱雀嬢「玄武使いが津波で溺れるなんて、信じられませんわ……っ!」

玄武娘「ま、参りましたぁ……」

魔道士「……勝者、アマゾネスさん!」


207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:10:57.84 ID:21IVfiAWo
アマゾネス「さーて、いよいよ大将同士の勝負ね」

魔道士「これで、決着が決まるわけですね……っ」

盗賊「……頑張れよ」

ザッザッザ

青年子「はい」

魔道士「それでは、青年子さん対アマゾネスさん……始め!!」

青年子「出でよ、ワイバーン」

シュイイィィィィン

白虎嬢「ワイバーン……。どうするのかしらね?」

白虎長「まずは様子見だろう。なんとか打開策を見つけないと厳しいわ」

ブリュンヒルデ「突撃」

バシュウウゥゥゥゥ!!

青年子(やっぱり傍からみた速さとは、全然違うなぁ)

ワイバーンは空高く舞い上がり、垂直に飛行を続ける。

青年子(あれを相手に面で戦うのは不利だな……っ)


208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:19:48.30 ID:21IVfiAWo
ドシュウウゥゥゥゥ!!

青年子(かと言って、決め手があるわけじゃないんだよなぁ……)

アマゾネス「なかなかの早さだな。アマゾネス相手によく逃げる」

青年子「確かに逃げてばかりいられないか……」

ワイバーンは急停止し、炎を吐きながら今度は垂直に急降下を始めた。

ブリュンヒルデ「炎で……壁のつもりか?」

ワルキューレは左手に装着した盾を身体の前へと掲げ、したから一気に上昇する。

青年子「……っ」

ワイバーン「グガアアァァァァ!!」

ブリュンヒルデ「突げ――」

リンドブルム「ガオオォォォォンッ!!」

アマゾネス「何ぃ!?」

ワイバーンの影より現れたリンドブルムが雷鳴を轟かせ、複数の稲妻を放つ。

ドガカアアァァァァッ!!

ブリュンヒルデ「くうぅ……っ」


209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/24(火) 18:23:51.90 ID:21IVfiAWo
シュウウゥゥゥゥ

青年子「やっと、ダメージを与えましたね」

アマゾネス「上空でもう1匹、召喚獣を忍ばせていたとはな」

盗賊「……なるほど、あの炎は囮だったのか」

白虎長「でも、相手の魔力はほとんど変化なしよ」

ブリュンヒルデ「回避」

バシュウウゥゥゥゥ

青年子(散られた状態の方が、もっと厳しいかな……っ)

アマゾネス「あまり一直線に攻めるのも危なそうだしな。ここは……」

ブリュンヒルデ「突撃」

ドシュウウゥゥゥゥ!!

青年子「出でよ、アンフィスバエナ!」

アマゾネス「!?」

前後両方に頭を持つ龍は、他方から仕掛けるワルキューレの攻撃を読み取り、

炎で牽制しながらその包囲を見事に振り切り、猛攻を退けた。


212 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/24(火) 19:04:35.03 ID:RYUjSAeDO
熱い闘いだな…!


219 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/24(火) 20:07:13.32 ID:LIrkIW5DO
だからエラー=書き込み完了の代わりだと思えとあれほど


220 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/05/24(火) 20:12:57.95 ID:QSpBNqTAO
>>1乙
さりげなくガンダムネタ混ぜないでくれwwwwww


224 名前:NIPPERがお送りします(千葉県) [sage] 投稿日:2011/05/25(水) 08:22:03.67 ID:DwGUb+ZN0
やっぱ召喚獣戦闘は楽しいわ
前々から思ってたけど、玄人的な戦術の演出が上手い
ただ強い召喚獣っていうんじゃなくて、召喚者の技量をちゃんと表現してて好き


230 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:01:50.91 ID:RKU6WSSXo
シュウウゥゥゥゥ

アマゾネス「へぇ、やるじゃないか」

青年子「……」

ブリュンヒルデ「突撃」

ゴアッ!!

青年子(しかしこれでは、キリがないぞ……っ)

ワイバーン「ガアアァァーッ!!」

ドドオオォォォォン!!

青年子「仕方ない……。一か八かだっ!」

アマゾネス「!?」

青年子はワイバーンを急速反転させると、居並ぶワルキューレの中へと突撃する。

アマゾネス「特攻か?」

青年子「おおぉぉぉぉ!!」

ブリュンヒルデ「回避」

青年子「今だっ!!」


231 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:02:41.78 ID:RKU6WSSXo
ギュインッ…ドシュウウゥゥゥゥ!!

ワイバーンの突撃に備え散開するワルキューレ。しかしその中の1体、

グリムゲルデは、その光景に我が目を疑った。

ワイバーン「オオォォォォ!!」

グリムゲルデ「――!?」

ブリュンヒルデ「まずいな、突撃」

バシュッ!!…シュゴオオォォォォ!!

白虎長「まさかそのまま突っ込む気!? 無茶よっ!!」

速度を緩めずグリムゲルデめがけ特攻をかけるワイバーン。

その周囲に他のワルキューレが集い特攻を阻止しようと試みるが……。

ズガアアァァァァ!!…ゴゴオオォォォォ

ブリュンヒルデ「……」

盗賊「……本当に……突っ込んだ」

アマゾネス「……くっ」

爆炎の上がる中、ワイバーンとグリムゲルデの姿が消えた。


232 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:03:41.23 ID:RKU6WSSXo
青年子「はぁ……はぁ……っ」

アマゾネス「やってくれる」

青年子(やっぱり、他の8体に異常はなし……か)

アマゾネス「やられたのはグリムゲルデか。だが、残りはまだ8人……どうする?」

ブリュンヒルデ「突撃」

ゴアッ!!

青年子「出でよ、ワーム! ワイバーン!」

シュイイィィィィン

アマゾネス「また数を増やしたか。しかし、決め手がなくば結果は変わらんぞ」

青年子「……さぁ、行けぇ!」

バサッ…ドシュウウゥゥゥゥ

魔道士「まさかまた……っ」

盗賊「……いやっ、これは……!」

4匹の青龍召喚獣が横並びに左右へ広がり、一斉に両翼を羽ばたかせる。

そして、正面に構えるワルキューレの集団の間を縦横無尽に翔け抜けた。


233 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:04:56.71 ID:RKU6WSSXo
白虎長「うまいわね」

玄武娘「……?」

朱雀嬢「一点集中攻撃をされないように、留まらず動き回っていますわね」

白虎長「それだけじゃないわよ……っ」

白虎嬢「何か……狙っているようにもみえますけれどぉ〜」

白虎長「ええ。ワルキューレを分散しているのよ」

魔道士「分散……ですか?」

白虎長「見てみなさい」

魔道士「……?」

白虎長「うまく2対1の形に持ち込んだわ」

魔道士「本当だ……っ」

白虎長「まぁそれでも2対1。不利な状況には変わりないけどね」

盗賊「……だな」

玄武娘「ファイトですのーっ!」

白虎嬢「頑張って〜!」


234 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:05:24.49 ID:RKU6WSSXo
ドガガガガガッ…ザシュウウゥゥゥゥ

青年子「はああぁぁーっ!!」

ジークルーネ「ちょっとぉ」

ロスヴァイセ「2対1で……よくやるわねっ」

アンフィスバエナ「ゴッガアアァァァァ!!」

ロスヴァイセ「!?」

アンフィスバエナは執拗に、ロスヴァイセただ1体のみを集中的に狙い続ける。

ロスヴァイセ「こ……のっ」

ジークルーネ「私の存在は無視って事ぉ」

ザシュッ

ジークルーネ「フンッ、幾ら顔が前後にあるからって、横からの攻撃は隙――」

アンフィスバエナ「ガオオォォォォンッ!!」

ロスヴァイセ「しつっこいわねぇ……っ!!」

アンフィスバエナは傷付きながらも、ロスヴァイセめがけ最後の特攻を仕掛けた。

ロスヴァイセ「――っ!!」


235 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:06:23.18 ID:RKU6WSSXo
ズッガアアァァァァ!!…ゴゴオオォォ…

ジークルーネ「……っ」

ズゴオオォォォォンッ!!

ジークルーネ「!?」

ブリュンヒルデ「……」

ジークルーネ「ヴァルトラウテも……やられたの?」

アマゾネス「これで残るはブリュンヒルデ、ゲルヒルデ、オルトリンデ、ジークルーネ」

青年子「はぁはぁ……っ、はぁ……うぅ」

アマゾネス「しかしそちらは今の特攻で再び0」

朱雀嬢「無茶ですわ……っ、こんな戦い方……」

白虎長「それでも、こうやって減らし続けるしか道はないのかもしれないわ」

アマゾネス「さぁ、どうする?」

青年子「……出でよ」

シュイイィィィィン

アマゾネス「ほぉ、まだそれだけの魔力があるのか。凄いものだ」


236 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:06:59.27 ID:RKU6WSSXo
再度召喚された4匹の龍達。ようやく漕ぎ着けた4対4の場面に、

青年子は再び、召喚獣達を並列させ、突撃の号令を上げる。

ワーム「ゴアアァァァァ!!」

アマゾネス「今度は1体1同士に持ち込むつもりか?」

その時、4匹の散らばった召喚獣が、一箇所に集まり始めた。

アマゾネス「何っ!?」

青年子「まずはそこからだっ!!」

ジークルーネ「――っ!?」

リンドブルム「グガアアァァァァーッ!!」

ガカアアァァァ!!…スガアアァァン!!

アマゾネス「しまった……っ、他の奴らを……」

青年子「もう遅いですよ」

ジークルーネ「……く……うぅ」

シュウウゥゥゥゥ

4匹の一斉攻撃をモロに受けたジークルーネは、反撃の間もなく消失した。


237 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:07:36.37 ID:RKU6WSSXo
朱雀嬢「これで……4体3ですわっ」

魔道士「初めて有利に……っ」

アマゾネス「ふん、それならばこちらとて」

ザザッ

ブリュンヒルデ「突撃」

バシュウウゥゥゥゥ

リンドブルム「!?」

ズガアアァァァァ

アマゾネス「これでまた、3体3ね」

青年子「……ぐっ」

ヨロッ

青年子(やはりこの程度の魔力ではあっさりか……。しかし、諦めるわけにはいかない!)

ワイバーン「ガオオォォォォンッ!!」

オルトリンデ「くぅーっ!!」

盗賊「……これで3対2」


238 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/25(水) 18:08:08.54 ID:RKU6WSSXo
ブリュンヒルデ「突撃」

ワーム「ギャオオォォォォ!!」

アマゾネス「2対2」

ゲルヒルデ「きゃあぁーっ!」

魔道士「2対1……っ!!」

アンフィスバエナ「グオアアァァァァー!!」

青年子「……1対1っ!!」

アマゾネス「さぁ、これで最後かしら」

青年子「はぁはぁはぁ……はぁ……っ」

白虎長「ようやく、1対1の形にはなったけど……」

白虎嬢「青年子さん、つらそうですねぇ……」

玄武娘「あと一息ですのーっ!!」

対峙するワイバーンとワルキューレ最後の1体、ブリュンヒルデ。

アマゾネス「随分きつそうだけれども、まだ続ける気か?」

青年子「……」



次へ 戻る 戻る 携 上へ