■戻る■ 下へ
女商人「勇者が行方不明に?」女武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク
1 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 11:34:04.58 ID:FOpM/nFAO


女商人「……なんでわくわくしてるの?」

女武闘家「え〜?だって久々の冒険って感じじゃん。」

武闘家「最近は腕がなまっちゃってさ〜。」ブンブン

商人「それってもしかして私も、って話じゃあないよねぇ?」ジッ


武闘家「……ふっふっふ……」ニヤニヤ

商人「(...私も連れてく気だこの子。)」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1359340444


2 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 11:54:28.97 ID:FOpM/nFAO


30分前

【アリアハン 武闘家の家】


トントン
ガチッ

商人「こんにちはー!」ヒョイ

武闘家の母「あれっ?その顔。商人ちゃん?」

商人「あ。おばさん!お久しぶりです〜!元気ですか?」

武闘家の母「ほんと久しぶりじゃないのさ〜!元気よ元気。」
武闘家の母「しばらく会わないうちにまぁた大人っぽくなっちゃって〜、このこの〜」ウリウリ

商人「そ、そんなぁ〜。変わらないですよ、別に。」タジ

武闘家の母「まったく〜娘も、商人ちゃんみたいに大人になってくれないものかねぇ。」

商人「(相変わらずパワフルだな〜おばさんは。)」


3 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2013/01/28(月) 12:06:02.30 ID:F+1xRKxm0
魔王討伐後の話って感じかな?


4 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 12:10:47.51 ID:FOpM/nFAO

武闘家の母「あ、そうそう。今日は突然どうしたの?仕事?」

商人「うん。ルイーダさんに前々から頼まれていたものが手に入ったから届けに来たんです。」

商人「そのついでに久々におばさんと武闘家の顔を見に寄ってみたんですよ。」

武闘家の母「そうなんだ。遠くからご苦労様だよ。お父さんには会ったかい?」

商人「それが、父はお城に行ってるようでいなかったから。」

武闘家の母「城内販売か。あれって最初は商人ちゃんが始めたのよね。」

商人「今は父が引き継いでやってくれてるので嬉しいです。」ニコ


5 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 12:24:58.27 ID:FOpM/nFAO

商人「ねえおばさん。そういえば武闘家は道場にいるの?」

武闘家の母「ああ〜ごめんね。たぶんもう帰ってくる頃だと思うけど...」


ガチャ
バターン!


武闘家「ただいま〜!!」

武闘家「お母さんお母さん!大変なんだよ!聞いて聞いて!」ドタバタ

武闘家の母「はいはい。帰ってきたそばから賑やかだね〜この子は。」

武闘家「大変なんだってばさ!ゆ、行方不明になっちゃったんだってさ!」

武闘家の母「行方不明ぇ〜?誰が?」

武闘家「勇者だよ!勇者!いなくなっちゃったんだって!」


商人「えーっ!!」

武闘家「えっ?」


6 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 12:55:44.42 ID:FOpM/nFAO


武闘家「あれ!商人じゃん!久しぶりだねー!今日はどうしたの?」

商人「いやいや、それより勇者が行方不明ってどういう事なの?あの子がいなくなるって...」

武闘家「ああ〜そうだ、勇者勇者。今日は少し早く終わりにしたから、城内をウロウロしてたんだよね、そしたら...」


武闘家が商人の父親が城内出張でやっている道具屋兼パン屋で
買い物をしていると、城内に自分はラダトームの兵士隊長と名乗る男が
入ってきて見張りの兵士に緊急の報告のため至急、陛下に謁見したいと告げていた。

武闘家はそれを聞くや、近づいて兵士隊長の男に自分は勇者パーティー
だった人間だけど何かあったのか?打ち明けた。
すると男はすぐさまこう言ったのだった。

『その勇者殿と半年以上連絡がまったく取れませぬ。今までこんな事はなかった。』と。


7 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 13:11:08.85 ID:FOpM/nFAO

商人「半年以上か...たしかにここ1年くらいは滅多に顔を見せなくなったけど。」

武闘家「私もそう。あいつがアリアハンにも来たって話もないんだよねぇ。」

商人「でも勇者に限ってなにかあるとは思えないけど、第一あの強さだし。」


武闘家「……………」


武闘家「何が匂うね、これは。」キラッ

商人「(あの目、ヤな予感...)」


武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク


8 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/28(月) 13:31:06.20 ID:bxb+i3Sx0
おぉ、早速続編か
期待してます
(投下中だったらすまぬ)


9 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2013/01/28(月) 13:36:41.75 ID:FOpM/nFAO

勇者と仲間達が魔王バラモス、大魔王ゾーマを倒してから3年あまりが経ち、平和な世界が広がっていた。

しかし、そんな世を世界中の人間達が謳歌する中で、英雄となった勇者の行方がわからなくなっていたのだ。

ゾーマ討伐後、下の世界アレフガルドを治める国ラダトームに
身を寄せていた勇者が、城を飛び出して流浪の旅人となり、2年と9つの月を数えた。

その間、勇者は上と下の世界を自由に行き来し、ラダトームの城にも
一月に最低一度は必ず戻っていた。さらに各地に散った仲間にもたびたび会いに行っていたのだ。

しかし半年ほど前から彼女は城にも仲間にも姿を見せなくなっていた。
業を煮やしたラダトーム王はもしやと思い、アリアハンに使いを出したようだ。

しかしアリアハンにも半年前から勇者は姿を見せなくなっていたのだ。


10 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 14:02:40.01 ID:FOpM/nFAO

そんな勇者の失踪?を聞きつけた元勇者パーティーの一員だった武闘家は、
幼馴染みでこれまた元勇者パーティーの一員だった商人を半ば強制的に連れ出して
勇者を探す旅に出たのだった。


武闘家は自分が師範を務める道場を母親に任せ、
着の身着のままで愛用の鉄の爪を持ちアリアハンを出たのだ。


そしてまずは商人の支度もしないといけないと、彼女の住む《商人の町》ホープバークに向かうことになった。



11 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/28(月) 14:12:06.97 ID:TcNcuP5Vo
お、続編来とる。
これも楽しみだ


12 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 14:17:36.10 ID:FOpM/nFAO
作者です。
前作(女商人「やっと私の出番ね」〜)ではお世話になりました。

なんとなく勢いでタイトルを決めて、行き当たりばったりで書き始めました。

今回は舞台自体は引き続きドラクエ3ですが、話は完全オリジナル
なので多少不安がありますが、気長に読んでいただけると嬉しいです。

前作から約3年後を書いています。
3年後の各キャラや世界を自分なりに想像して書いていきます。


13 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 15:24:38.63 ID:FOpM/nFAO
【アリアハン 郊外】


武闘家「さて、じゃあホープバークに向けてレッツゴー!」ビシッ

てくてく

商人「あ、ねえ、武闘家何してるの?」

武闘家「ん?何って、ほらレッツゴー!」ビシッ

商人「じゃあなくて、なんで歩いてるの?キメラの翼で行くんでしょ?」


武闘家「…………」ポケー


商人「…………」


商人「(ん?ま、まさか徒歩で?)」ゴクッ

武闘家「うん、そうだよ。歩いてだよ。」

商人「心を読むな!」ガクッ



14 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 15:28:22.88 ID:FOpM/nFAO

武闘家の提案で、冒険は徒歩が基本でしょ!の元、
アリアハンからまずは徒歩でとなりかけたが、商人の都合もあり、とりあえずは
キメラの翼でホープバークに行くことにした。


15 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 15:44:55.32 ID:FOpM/nFAO
【商人の町ホープバーク】


商人「着いたぁ〜。一時はどうなることかと思ったけど、一安心ね〜。」

武闘家「うわっ!またでっかくなってない?前に来た時よりもさ。」

商人「そう?私はずっと住んでるから実感ないけど。でもそろそろ町から市に申請してもいいころだ、っておじいちゃん言ってたな。」

武闘家「じゃあそうなったらホープシティーになるわけ?」

商人「ううん。いくら大きくなっても名前は変えないつもりだよ。まあ私に権限はないんだけどね、へへ。」

武闘家「ふ〜ん。いろいろあったけど商人が一から作り上げた町だもんね。」

商人「よーしとりあえず私の店に戻らなきゃ。行こう武闘家!」

武闘家「はーい!」


タッタッタ


16 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 16:10:51.02 ID:FOpM/nFAO
【ホープバーク 商人の店(家)】


商人「はい到着っと。ただいま〜!」

ガチャ

青年「ああ、おかえり。商人ちゃん。、とあれぇ?」

武闘家「こんちわー!久々に武闘家さんがやってきましたよ。青年くん元気だった?」ヒョイ

青年「武闘家さん!?久しぶりだな〜相変わらず元気だね。」

商人「あ、青年くん。店番ありがとう。ごめんね遅くなっちゃって。」

青年「いいよ気にしないで。それより道中何事もなかった?魔物もいないわけじゃないんだし。」ニコ


商人「うん、大丈夫。ふふふ、心配症だな青年くんは〜。」


武闘家「いひひひ。熱いね、お二人さんっ。つんつん。」ニタニタ

商人「きゃっ!こら武闘家、毎度毎度茶化さないでよ。ねえ、青年くん?」カァー


17 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 16:29:52.92 ID:FOpM/nFAO

青年「あ、いやぁ。たしかに僕も茶化されると恥ずかしいけど....」

青年「商人ちゃんとこうして付き合ってると自分は幸せモノだな〜って思うんだ。」キッパリ

商人「せっ、青年くん....(嬉しいけど死ぬほど恥ずかしいよー)」カッカカッカ

武闘家「ヒューヒュー!ストレートだね。男だねっ!熱いよ、このっ!
こっちまで赤くなっちゃうよー。まいったね。」カァ

商人「……なんであなたが赤くなってんの?」


………………………



青年「あ、そうだ。そういえば武闘家さんはなぜここへ?遊びにきたの?」

武闘家「へ?あ、ああ。忘れてた忘れてた。」

商人「まったく〜。なにしに来たのやら。」



18 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 16:42:18.94 ID:FOpM/nFAO

武闘家「うんとね、ええと。あれだあれ、勇者。」

青年「勇者さん?……がどうかしたの?」

商人「行方不明になったみたいなんだ。勇者が。」

青年「行方不明だって?どうしてまた。」

武闘家「半年くらい前から、さっぱり見なくなったんだよねあいつ。」

商人「青年くんはここ半年で勇者を見たり、見たって話とかを聞いたことはない?」

青年「う〜む。たしかに8ヶ月ほど前かな、勇者さんがホープバークにも来たよね?」

商人「うん。私の店にも顔出してくれたし、青年くんにもおじいちゃんにも会ってたものね。」

青年「でもたしかにそれ以降は勇者さんは来てないな。それまではちょくちょく来てたのにね。」


19 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 17:03:03.17 ID:FOpM/nFAO

武闘家「んで、そんなわけで勇者を探す旅に出てるってわけなんだよね。」

青年「なるほど………」


青年「………じゃあ君も行くんだね?」チラ

商人「…………」コクリ

青年「寂しいけど、君の大切な仲間が行方知れずじゃあ仕事にも力が入らないだろう。」

青年「気を付けて行ってくるんだよ。まあ元賢者様だから心配はいらないかな?あっはっはー。」


武闘家「青年くん....ごめんね商人を連れ出して。」

青年「僕だって男だ。男はどっしり構えて我慢我慢さ。僕はこの町で君らの無事を祈ってるよ。」ニコ

商人「青年くん、ありがとう。必ず勇者を探し出して帰ってくるよ。」

青年「うんうん。それでこそ僕が大好きな商人ちゃんだ。」


20 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 17:33:29.66 ID:FOpM/nFAO

商人は店を一時休みにして、武闘家と共に旅に出る決意をした。

ふと自分の店のカウンターの隅に立て掛けてある剣を手に取り、装備した。

修行〜賢者時代に愛用していた鋼鉄の剣だ。

商人がパーティーに入った時に勇者からもらった剣で、勇者のお下がりだが、以後、旅が終わるまでずっとこの剣を使っていたのだ。

武器を見たり売るのは好きだが、武器を使うことに興味がない彼女が今でも唯一、手入れをし、手放さず、大切にしていた剣。

その剣をじっと見つめた。


商人「(勇者、いったいどこに行っちゃったんだろう。)」


21 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 17:47:12.33 ID:FOpM/nFAO

武闘家「商人。そろそろ出よっかー。」

商人「うん、わかった。行こう。」スッ


二人は青年と店の前で別れ、町の出口に向かって歩き出した。
別れ際、青年が思い出したかのように商人に言おうとしたが、躊躇してしまった。

青年「(商人、君が無事に帰ってきたら、その時には....)」



二人の旅が始まるその時と同じくして、世界のあちこちでは見えないところで不穏な影が動きはじめていたのをまだ二人は知るはずもなかった。



序章 おわり


22 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/28(月) 17:48:13.10 ID:FOpM/nFAO
今日はここまでです。
まずは序章まで。


23 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/28(月) 19:38:08.88 ID:0nyEh2+AO
続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

そして青年さり気なくフラグ立てんなww



次へ 戻る 上へ