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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
- 628 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/07/31(火) 18:33:08.49 ID:bfEiNiKOo
ドドオオオオォォォォ……
サタン「貴様、何者だ? 人間ではないな?」
召喚士「……ふ、夫人?」
夫人「大丈夫かの召喚士? おぉ、ひどい傷じゃの……」 ペロペロ
召喚士「……う……っぐ」
夫人「でも安心するが良い。わらわが来た以上、もう安心じゃ♪」 スリスリ
サタン「召喚獣風情か」
夫人「勘違いするでないぞ? わらわは自らの意思でここへ来たのじゃ」
サタン「何?」
夫人「わらわと召喚士は一心同体。召喚士の危機を救うのは当たり前なのじゃ!」
サタン「不可思議極まりないな。自らの意思で地上……いや、地獄へ現れるなど」
夫人「さぁ召喚士よ、このような輩はさっさと成敗してわらわと床を共にしようぞ」
サタン「貴様が何者であろうと、このサタンに及ぶとでも思っているのか?」 スッ
夫人「そんな事〜やってみなくては分からぬ」
サタン「ならば見せてくれようぞ。あり余る力量の差……その身で感じるが良い」
- 629 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:33:44.11 ID:bfEiNiKOo
ドゴアァ!!
夫人「ほぉー。大したものじゃの」
サタン「減らず口を」 ミシッ
夫人「!?」
バッゴオオオオォォォォン!!
夫人「……ちと、油断したかの」 ガラッ
サタン「そのまま寝ているが良い」
スッ……ドクン
サタン「……チッ」
夫人「……?」 ノソッ
火の先生「サ……サタンの奴……追撃せんかったぞ……?」 フラッ
魔法剣士「しないのではなく、出来なかったんだ」
魔道士「えっ!?」
魔法剣士「魔剣の効果が効いている。サタンは動けないんだ」
召喚士「……っ」
- 630 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:34:23.67 ID:bfEiNiKOo
夫人「どうした? もう終わりかの?」
サタン「そう思うか?」 チカッ
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
夫人「近接攻撃でなくば、わらわにはこの程度……防ぐのに造作もないのぅ」
サタン「そうか。ならばそのまま消えろ」 ガカァ!!
夫人「……ぬっ」
サタン「そら、どんどん行くぞ」
ズゴゴゴゴゴゴゴ……
戦士「な、なんつう連撃だよ……っ」
盗賊「しかし防いでいるっ。何という力だ……っ」
サタン「言うだけの事はある」
夫人「んー。流石にちとしんどくなってきたかの」
ズゴゴゴゴゴゴ……
サタン「……?」
夫人「わらわを見縊るでないぞ? うふっ♪」 ボボボォン!!
- 631 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:35:32.99 ID:bfEiNiKOo
魔道士「尻尾がっ!?」
夫人「この程度ならば四本で十分じゃなっ」
サタン「小賢しい」 ガカッ!!
夫人「ああもうっ、鬱陶しい輩じゃ。わらわと召喚士の邪魔をするでない! のう召喚士――」
召喚士「……」 フラフラ
夫人「こりゃっ、召喚士! どこへ行く!?」
サタン「余所見をしている暇があるのか?」 チカッ
夫人「頭にくるのぅ。わらわの真の力……みせてやろうか?」 ギロッ
召喚士「……大軍師……さん」
大軍師「わ、分かっております……ごほっ。お任せを」
召喚士「……くっ」
戦士「どこ行くんだっ、召喚士!」 ズキッ
盗賊「無茶するな戦士、我らももう庇っていられる余裕はない……っ」
戦士「……っ」
大軍師「皆さん、お集まり下さいませ」
- 632 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:37:05.23 ID:bfEiNiKOo
フラッ……フラフラッ
召喚士「……っ」
紅孩児「…………」
召喚士「紅……孩児……っ」
紅孩児「……ッ」 ゴトッ
召喚士「紅孩児、君の……力を借りたい」
紅孩児「何だお前……ッ、どけ……人間」
召喚士「頼む……っ! 君の力が必要なんだ!」
紅孩児「ふざけるなッ!! 俺は……」
召喚士「分かってるはずだ! 紅孩児……君は何が正しくて何が間違っているのかを!!」
紅孩児「黙れエエェェ!! 俺様は……紅孩児様なんだぞ!!」
召喚士「……」
紅孩児「誰の指図も受けねぇ!! 俺は……俺はアアァァ!!」 ゴアッ
召喚士「くっ!」
紅孩児「!?」
- 633 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:37:48.65 ID:bfEiNiKOo
ザシュウウウウゥゥゥゥ!!
召喚士「っ!!」
魔剣士「……」 スタッ
紅孩児「……チッ」
召喚士「あなたは……」
魔剣士「……」 チャキッ
紅孩児「いい加減、しつこいヤローだな!!」
魔剣士「……」 ビュオッ
ズガガガガガガッ!! ガキイイィィィィ!!
召喚士「紅孩児っ!!」
紅孩児「指図すんなっつってんだろうが!」
召喚士「その男の相手は俺がする。お前は……」
紅孩児「コイツは不愉快だ。だから潰す!!」
ズガアアァァ!! ビュオッ!!
魔剣士「……」 スタッ
- 634 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:38:32.34 ID:bfEiNiKOo
ドッゴオオオオォォォォ!!
サタン「……」
夫人「……っ」
ジュニア「何だか……まさに地獄絵図ってやつだな……ハッハ」
朱雀嬢「わ、笑い事じゃないですわよ……っ」
青龍士官「満身創痍に瓦礫の山。なお立ちはだかる魔王、か」
青年兵「召喚士さんが言っていた。これは必然だって」
大軍師「ええ。彼の言葉には何か力があります」
戦士「根拠も理論もねぇけどな」 ザッ
魔道士「でも、いつも召喚士さんの言葉に助けられました」
盗賊「ああ。そして召喚士の言葉に嘘偽りはなかった」
青年兵「奇跡を現実に、0出ない限り可能性はあります」
大軍師「朱雀先生と私の結論は、同時五行攻撃です」
ボス「同時……」
魔法剣士「数は?」
- 635 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:39:12.65 ID:bfEiNiKOo
大軍師「12。この数字はある根拠に基づくものです」
戦士「……ゾディアックか」
大軍師「その通りです」
水の先生「この人数で12もの五行を生み出し、同時に放つと言うのか……!?」
王子「しかも一律の威力で。並大抵の事では出来ぬぞ」
青年兵「それでもやるしかありません」
幼女「……っ」
大軍師「それでは、手短に編成などのご説明を致します」
名代「あまり時間をかけていられませんからな」
青龍士官(……本当に可能なのか? そんな事……っ) チラッ
サモナー「ごほっ、ごほ!」
白虎長「ぐ……うぅ」
アマゾネス「……うっく」 ヨロッ
美女「もう無理よぉ……っ。来なきゃ良かった、こんな所ぉー!」
青龍士官(立つ事すらままならぬ者も少なくないではないか……くそっ!)
- 636 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:40:29.41 ID:bfEiNiKOo
バチイイイイィィィィ!!
サタン「よく頑張るではないか」
夫人「甘く見るなと申しておるじゃろうが!」
サタン「しかし、しつこ過ぎると言うのも不愉快」 スッ
夫人「!?」
サタン「これで更に倍。もう防ぎきれまい」
ズガゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
夫人「……わらわを本気にさせるとは、こっちこそ不愉快じゃ!」
ボボボボボオオォォン!!
サタン「ほぉ、九尾か」
夫人「醜き真の姿、しかも召喚士の前でなぞ見せたくはなかった」
サタン「……」
夫人「じゃがそうもゆかぬ。心して受けるが良い!!」
ゴアッ!! ズッギャアアアアァァァァ!!
サタン「一手遅かったな。終わりだ」
- 637 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:41:42.24 ID:bfEiNiKOo
ガッカアアアアァァァァァァァァ――――
戦士「なっ!!」
召喚士「――っ!!」
ドッドオオオオォォォォン!!
魔道士「きゃああぁぁーっ!」
盗賊「うあ……ぁ!!」
ドドオオオオォォォォ……
サタン「…………」
妖艶な女性は9つの尾を広げ、巨大な狐へと姿を化け、いや戻し、
サタンの強烈な一撃に対し身を挺してそれを防ぐと、その場に崩れ落ちた。
ズッズウウウウゥゥゥゥン……シュウウゥゥゥゥ
力を使い果たした夫人は倒れると同時に、狐の姿を失ってゆく。
地面でよこになるその姿は魔力を消耗し、先程とは打って変わった幼体と化していた、
サタン「切り札を失った、と言ったところか」
夫人「……ぅ」
- 638 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:43:40.57 ID:bfEiNiKOo
サタン「もう盾となるべきものは何もない。つまりそれがどういう事か……」
召喚士「ぐ……ごほっ!!」
サタン「赤子でも想像がつくであろう結末だ」
ブゥン……ズガゴゴゴゴゴゴゴゴ……
王子「あ……悪夢だっ。まだ、あんな攻撃を……」
戦士「く……っそ……」
サタン「正直、予想を超えたものではあったぞ。このサタンをここまで梃子摺らせるなどとな」
召喚士「ま……だ……」
サタン「そうだな。最後に見せてやろうか」 フワァ
盗賊「何をする……つもりだ……っ」
サタン「見るが良い。地上が絶望に覆われてゆく瞬間を」
召喚士「――――っ!!」
サタン「満月の光は闇に閉ざされ、地上は漆黒の闇へと姿を変えた」
魔道士「そ……そんな……っ」
サタン「さぁ、消えるは貴様等が先か地上が先か。しっかりその目に焼き付けるが良い」
- 639 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 18:44:26.32 ID:bfEiNiKOo
コオオオオォォォォ……
召喚士(何が……起きているんだ……?)
瓦礫に埋まる召喚士は、隙間から見える真っ暗な空をぼんやりと見つめていた。
召喚士(何だろう。何か声がする……)
紅孩児「……ッ」 ゴトッ
召喚士(紅孩児……か?)
紅孩児「……」
召喚士(違う。何か別の……声が聞こえる……)
――『頑張れ』
召喚士「……?」
――『頑張れ。頑張れ。頑張れ』
召喚士「な……んだ……?」
――『頑張れ。頑張れ。頑張れ。頑張れ。頑張れ。頑張れ……!!』
召喚士「!?」
――『頑張れ!!』
- 643 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/31(火) 18:48:27.87 ID:f3BufCtso
>>1乙
ついに修造さんの出番か…
- 646 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/31(火) 19:18:00.15 ID:iQnaKCyDO
まさかの松岡修造
もしくわアニマル浜口
- 654 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:51:57.48 ID:C09Lystzo
…
〜北関〜
左翼長「頑張れ!! お前らしか世界は救えねぇんだ!!」
騎士長「まだ世界は終わってねぇぞ! 全員、あいつらにパワーを送ってやれ!」
北関兵「頑張れっ!!」
北方兵「どうか、世界を救ってくれぇ!!」
〜北方司令部〜
副官「……っ」
参謀「何も恐れる事はありません。信じるのみです……兄上や皆を」
魔道兵「頼むっ、頼むぞ!」
剣士長「頑張ってくれえぇ!」
〜最北の村〜
青年「ヒゲのオッサン、あんたも力を貸してやってくれよ……!」
チカチカッ
青年兵「!? は、墓が光った!? いや、気のせいか……っ」
- 655 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:52:35.33 ID:C09Lystzo
〜鉱山北の村〜
山師妹「真夜中のように暗いけれど……大丈夫だよねっ!?」
山師姉「きっとサタンの仕業ね。でも大丈夫よ。みんな頑張ってるんだもの」
山師「どうか彼らに……希望の光を」
〜鉱山の街〜
ワーカー「大丈夫大丈夫大丈夫……っ」 ガタガタッ
船乗り「ふふふ震えてんじゃねぇ! 大丈夫に決まってんだろ!」
おかみ「戦士くん達……ちゃんと帰ってくるよね?」
鍛冶屋「やははっ、勿論さ。みーんな強いんだ、負けるはずがないよ!」
〜海峡〜
北方兵「これはっ、どうなっているのだ!?」
東方参謀「落ち着けい。我らが狼狽えてどうするか。祈って信じぬか」
将軍「そうだ。勇敢なる勇者達の無事と、帰還を祈るのだ! 頑張ってくれ……っ!」
門兵「ニンジャの姉ちゃんに白虎先生……。そしてみんなっ、頼むぞ!」
海峡兵「勝てるぞっ! 頑張れ……頑張れっ!」
- 656 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:53:19.76 ID:C09Lystzo
〜戦士の故郷〜
青年「戦士さんっ! ファイトだぞぉ……!」
幼馴染父「戦士くん、君ならばきっと世界を……っ」
キラッ
幼馴染父「幼馴染の墓が……っ!? そうか、お前も励ましてくれているのだな……」
〜魔道学校〜
女子生徒「怖い……」
男子生徒「だ、大丈夫だって!」
学園長「……魔道士さん、皆さん、どうか……神のご加護を」
〜大陸港の街〜
男「魔道士ちゃん魔道士ちゃん魔道士ちゃん!」
少女「ママ……真っ暗だよぉ」
母「大丈夫よ、きっとみんなが助けてくれるから」
老人「魔道士ちゃん……頑張っとくれ。この老いぼれ祈る事しか出来ぬ……!」
ワーカー「……こんな暗闇、吹き飛ばしちまえ!」
- 657 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:54:01.57 ID:C09Lystzo
〜三日月島〜
西国兵「陛下ぁ! 頼みますよぉ!」
西方兵「頑張れぇみんな!!」
〜大きな街〜
大商家「魔道士、朱雀先生……皆っ!!」
魔道士母「どうか魔道士を……皆をお助け下さいまし」
使い「お嬢さんっ、頑張って下さい!!」
〜ターミナル〜
海兵「海がザワついてる……っ」
本国兵「暗くてよく分からんが……飛沫が上空へ上ってないか?」
御者「旦那ぁ、どうか世界をっ、我らを救って下せぇ……!!」
〜剣士の村〜
少女「暗いのやだよぉ! 怖いよぉ!」
村長「大丈夫、大丈夫じゃよ。剣士らがきっと救ってくれる」
少年「……? ねぇ、お兄ちゃんのお墓が光って……気のせいかな?」
- 658 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:54:31.49 ID:C09Lystzo
〜華国、東の街〜
三男「幼女さん……。皆と共に無事である事を願うぞ」
白馬騎士「不甲斐ない……私はここにきて何も力になれぬとは……っ」
華国兵「祈りましょう! 頑張れと!」
老将軍「…………」 ニコリ
〜南西砦〜
南西砦兵「南西砦長の墓石がっ、今一瞬……っ」
南方兵「きっと、頑張れって言ってるんだよ! 俺達も祈ろう! なぁ!」
〜鉱山の村〜
男「この闇は魔物の仕業か……。大丈夫だ、あいつらはやるって言ったんだ」
少女「……っ」
村長「あの者達は強い。ワシらの思いもきっと、届くじゃろうて……」
〜西国の城〜
女王「あなた、どうか王子をお守り下さいませ」
王女「お姉様方、私の些細な祈り、どうか届きますように……っ」
- 659 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:55:16.73 ID:C09Lystzo
〜西方司令部〜
西方副司令「状況確認急いでっ! 各地の混乱は速やかに処理してよ!」
西方兵「はいっ!」 ダッ
局長「いよいよか」
鍛冶娘「戦士……大丈夫よね……?」
助手「博士〜っ、どうしましょう〜?」
博士「祈ってる暇があったら、各地に照明を配備するのら!」
西方魔道長「なーんて言いつつ、心の中では誰よりも祈っとるだろ?」
博士「うるさいのらっ!! 早くすべき事をするのら!!」
〜南方司令部〜
南方魔道長「嫌な空気だな……」
南方副司令「正義の力で払拭してくれんだろ、きっとな」
南方参謀「各町に駐屯している兵へ伝令を。暗闇だから気を付けて!」
南方副司令「赤壁ににも照明を最大にするよう伝えろ。多少はマシになるはずだ」
南方参謀「頼むから頑張ってよぉ……! 貴方達しか居ないんだからっ」
- 660 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:56:01.03 ID:C09Lystzo
〜南方、東の町〜
親衛隊長「ベリーピンチ! ファイトファイト〜!」
特攻隊長「何やってんだよクソっ!」
番長「信じるでゴワスよ。皆、頑張ってるんでゴワス!」
〜赤壁〜
ゴロツキ「真っ暗だぞ!? こういう時どうすりゃいいんだよ……」
南方弓長「照明を全開にしなさい。周囲へ光を照らせるように」 ザッザッ
チンピラ「姉御っ!!」
南方弓長「みんな頑張ってる。私達もやれる事を頑張るの!」
ゴロツキ「り、了解っ!」 ダッ
チンピラ「ボス……頑張れっ、頑張れぇ!!」
〜東方、剣聖家〜
サル「おいおいっ、本当に世界が終わるなんて事はねぇよな……?」
キジ「あるわけないさー。心配ないさー」
女侍「頑張っとくれよ……」
- 661 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:56:37.53 ID:C09Lystzo
〜不死山、総本山〜
大僧正「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。
色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。
是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、
無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法――」
僧兵長「……」
大僧正「――無眼界、乃至、無意識界。無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、
亦無老死尽。無苦・集・滅・道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩?、
依般若波羅蜜多故、心無?礙、無?礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、
究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提――」
槍侶「……」
大僧正「故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、
能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。即説呪曰、
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経……」
〜藤蔵〜
くの一「御館様……っ」
御館様「案ずるな。幾多の苦難を乗り越えここまで来たのだ」
侍女「姫……どうかご無事で」
御館様「盗賊、必ずや生きて戻るのだぞ」
- 662 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:57:38.72 ID:C09Lystzo
〜都、帝の城〜
門番壱「畜生っ、何だってんだぁ!」
門番弐「おおxっつ、落ち着け! 慌てても仕方ないだろ……っ」
家老「その通りじゃ。闇が訪れれば必ずや次に、光が訪れるというもの」
女剣士「上様……どうか、ご武運を……!」
〜本国、病院〜
ナース「院長……っ」
ドクター「オペを続けます。私達のすべき事は今ここにあるのですよ?」
〜出版社〜
新入り「編集長っ! 明日の一面、本当にまだ白紙でいいんですか!?」
記者「ビッグニュースが舞い込んでくるはずだ! ギリギリまで待つ。いいですね社長?」
編集長「好きにしろ。新世界の幕開けなら白紙でも国民は大喜びだ」
書家「俺様の一世一代の賭けなんだ! 頑張れよ! 帰ってきてくれよぉ!」
チカッ
記者「ん!? 今……女記者のデスクが……」
- 663 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:58:28.21 ID:C09Lystzo
〜王宮〜
右大臣「……っ」
双子姉「神様、どうか……」
双子妹「皆様をお助け下さいませっ」
高官「顛末を見届けるまでは……償いも出来ぬ。どうか慈悲を」
〜中央広場〜
エリート「見よ、空が暗くなろうとも何も起こらぬぞ! やはりこれは迷信なのだ!」
皇太子「さぁ皆よ、私と共に勇者達へ願いを、思いを祈るのだ」
女性「どうか世界をお救い下さいませ……勇者様っ!」
オッサン「頑張れっ! 何が何でもぶっ倒せぇ!!」
老人「ワシの命はどうなっても良い。孫の為に、世界を……世界を……!」
おさげ「頑張れっ!」
色黒「頑張れ!!」
ポニテ「頑張れーっ!」
ツインテ「頑張るにゃー!」
- 664 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 16:59:29.20 ID:C09Lystzo
…
召喚士「この声は……みんなの声だっ!!」
紅孩児「……ッ」
召喚士「聞こえないか紅孩児? みんなの、頑張れって励ます声が!」
紅孩児「聞こえねぇ……ッ!!」
――『頑張れ!!』
紅孩児「んなモン俺様には聞こえねエエェェェェ!!」
ドクン……
紅孩児「……!?」
オーク『みんな……頑張るです!』
ラクシャーサ『サタンなんざブッ倒して、俺達と人間が生きていける世界を守ってくれ!』
ゴブリン『もう戦うのは嫌ダ。楽しいのがいい!』
ガーゴイル『頑張れッ!』
ハヌマーン『人間だけではない。魔族の未来の為にも……栄光の勝利を導き賜え!』
紅孩児「こ……こんな……こんなもの」
- 665 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 17:00:32.58 ID:C09Lystzo
法師『紅孩児』
紅孩児「――!?」
法師『貴方にも葛藤はあるでしょう。しかし、貴方の心は決まっているはずです』
紅孩児「……貴……様ッ」
法師『貴方は清い。サタンの力になぞ決して屈してはならない』
紅孩児「黙れッ!!」
法師『皆を、仲間を助けるのです。貴方にはその力があるのですから』
紅孩児「やめろオオォォォォ!!」 ドクン……
名士『君は、魔王になると言っていたね』
紅孩児「――――ッ!!」
名士『魔王なんてものはただの形に過ぎない。忌まわしき1つの形だ』
紅孩児「……グ……ウゥ」
名士『本当の強さは形だけではないよ。もっと高みにあるはずだ』
紅孩児「俺……っは……俺様は……」
名士『さぁ目覚めよ紅孩児。魔族の行く末は君にかかっているのだよ』
- 666 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/01(水) 17:09:04.81 ID:C09Lystzo
ドッゴオオオオォォォォ!!
召喚士「……っ!?」
シュウウゥゥゥゥ……
紅孩児「……」
召喚士「こ……紅孩児?」
紅孩児「俺様は……」
ザッ!!
紅孩児「俺様は紅孩児だ! 魔族の頂点へ立つ為にィ! まずはサタン! テメーを殺す!」
召喚士「紅孩児……っ!」
紅孩児「おらおら人間共ォ! 足引っ張んじゃねーぞ!」 ダンッ!!
戦士「あ……いつ……!」
大軍師「まさかこんな事が……っ」
紅孩児「うおりゃああああぁぁぁぁ!」
サタン「……?」
大軍師「奇跡……いやそれどころではないですね。今こそがまさに好機!」
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