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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その9
- 54 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2010/01/07(木) 18:04:04.85 ID:WWDKUpMo
〜マジシャンの別荘〜
マジシャン「いただきまーす!」
魔道士「どうぞっ!」
マジシャン「おーっ!サンドイッチ!美味そうだな」
マジシャンはサンドイッチを一つ手に取り、口に頬張る。
マジシャン「んっ!……うまい!…モグモグ」
魔道士「私も………モグモグ」
マジシャン「あ、サンドイッチの由来って知ってるか?」
魔道士「えっ?いや…知らないです」
マジシャン「その昔、超凄腕の魔道士がいてな…」
魔道士「超凄腕の魔道士…」
マジシャン「それがまた家族を魔物に殺された復讐心から…」
魔道士「…はい」
マジシャン「寝る間も食事する間も惜しんで、魔物を倒し続け…」
魔道士「…ゴクッ」
- 55 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 18:09:14.54 ID:WWDKUpMo
マジシャン「しまいにゃ一人で魔王まで倒しちまった」
魔道士「!?」
マジシャン「そんで旅しながら、歩きながら食えるものってんで…」
魔道士「サンドイッチが…出来た…?」
マジシャン「そういう事」
魔道士「……凄い…ですね」
マジシャン「ちなみにその魔道士の通り名が『砂の魔女』…」
魔道士「サンド…ウィッチ!!」
マジシャン「正解!ハッハ!!」
魔道士「砂の魔女かぁ…」
マジシャン「何で砂の魔女っつーか分かるか?」
魔道士「…いえ」
マジシャン「家族を殺された怨みで、土行のスペシャリストだったからだよ」
魔道士「!!」
マジシャン「怨みと言ってもそれぞれ。正しい方向に使えばいいんだよ」
- 56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 18:18:02.48 ID:WWDKUpMo
魔道士「なるほど…勉強になります!」
マジシャン「ちなみに他の四行は習ったんだっけ?」
魔道士「えぇと…木行が怒りですよね!それから…」
マジシャン「…?」
魔道士「あれ…?師匠さんにそう習いましたけど…」
マジシャンは頭を掻き、溜息をつく。
マジシャン「あんのクソバカ野郎…。ホラ吹きやがって…」
魔道士「えっ!?違うんですか…?」
マジシャン「五情と五志の区別もつかねーのか…」
魔道士「…?」
マジシャン「…しようがねぇ。もう一回教えとくぞ」
魔道士「はい」
マジシャン「木は喜び、金は怒り、水は哀しみ、火は楽しみ、土は怨み」
魔道士「……。はいっ、覚えました!大丈夫です…!」
マジシャン「ハッハ!よしっ…さっさと食って始めるか…!」
- 58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 18:34:14.69 ID:WWDKUpMo
…
マジシャン「それじゃ、再開しまーす」
魔道士「お願いしますっ!」
マジシャン「気分転換に火の魔法撃ってみようか」
魔道士「はいっ!」
マジシャン「軽めにね…」
魔道士「……撃ちます!」
ドンッ!!ゴオォォォッ!!
マジシャン「軽めでこの威力か……!」
魔道士「ま、まずいですかね…?」
マジシャン「北関から、更にパワーアップしてるね…ハッハ」
魔道士「そうですか…?」
マジシャン「きっとスッキリしたんだろうな。心が…」
魔道士「……はい」
マジシャン「病は気から…ってな!ハッハッハ!」
- 59 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage saga] :2010/01/07(木) 18:42:19.09 ID:WWDKUpMo
さて帰ります!ご支援ありがとうございました!ノシ
後で来れるか半々な感じですが頑張ります!
- 61 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/07(木) 20:01:36.35 ID:2hHwQUDO
サンドイッチの下りは>>1が考えたのか?
マジシャンの作り話なのかマジなのかわからんが凄く納得したんだけどww
- 62 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/07(木) 20:26:16.41 ID:XRlRjoQ0
>>61
本当の由来と似てるよ
- 68 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage saga] :2010/01/07(木) 21:36:14.08 ID:cH.5ZKQo
だいたい使えそうな単発キーワードから設定を作っておいて、
組み込めそうな場面に入れていくって感じですかね…
師匠酒も実在のお酒のレシピを基にしてたりします
あ、ただいまです!ノシ
- 75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 22:18:13.80 ID:cH.5ZKQo
魔道士「私…今まで悩んでました…」
マジシャン「…そうか」
魔道士「でも今回…覚悟を決めて…全てを捨てるつもりで…」
マジシャン「……」
魔道士「死んでもいい…ってくらいの気持ちで…」
マジシャン「強い覚悟だな…」
魔道士「……」
マジシャン「でも、死ぬのはいけねぇな…!」
魔道士「…はい」
マジシャン「死ぬつもりで頑張るのと、死ぬ気で頑張るのは違うぜ?」
魔道士「そうですよね…」
マジシャン「絶対に生きて帰る!…そんぐらいの強さがなきゃな…!」
魔道士「はい」
マジシャン「よし、それじゃ土行、もういっちょ行こうか!」
魔道士「はいっ!」
- 76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 22:20:22.35 ID:cH.5ZKQo
マジシャン「ただ怨みを持っても仕方ない」
魔道士「はい…」
マジシャン「例えばそうだな…クソ…いや、師匠」
魔道士「師匠さん…?」
マジシャン「アイツは魔物に殺されたようなもんだ」
魔道士「……はい」
マジシャン「他にもいるよな?魔物にやられちまった知り合い…」
魔道士「…はい」
マジシャン「そいつらの事を思い出すんだ…」
魔道士「……っ」
マジシャン「ちょっと酷だが…。でもそれを悲しいと思うな」
魔道士「……はい」
マジシャン「やられた仲間達の仇を討ちたい!魔物を倒したい…!」
魔道士(魔道士さん…海峡のみんな…ドワーフのおじいさん。そして、武士さん…)
マジシャン「そう心で強く思って…それを魔法に変えるんだ!」
- 77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 22:21:53.91 ID:cH.5ZKQo
魔道士「……はい!」
マジシャン「さぁ…土を自分の力へ…。そして想いを土へ…!」
魔道士「……はい」
マジシャン「……!?…いいカンジだ」
魔道士「……ふー…っ」
魔道士の突き出した両手が光を帯びる。
マジシャン「気を抜くなよ…?そのまま…目を瞑ったままでいい…」
魔道士「はい」
マジシャン「……撃てっ!」
魔道士「……はいっ!!」
ドドンッ!!…ドドドドオォォッ!!
魔道士が声を発すると、目の前の土が隆起し針となり、前方へ突き進む。
魔道士「……で……た…!?」
マジシャン「……お見事!やっぱセンスあるわ…!ハッハ!」
魔道士「やった…っ!やりました…!マジシャンさん!」
- 81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 23:11:20.40 ID:cH.5ZKQo
タッタッタ…ガシッ!!
魔道士が走り寄り、マジシャンに飛びつき、
マジシャンは魔道士頭を右手で撫でる。
魔道士「ありがとうございます!やりましたよ!私…っ!」
マジシャン「よくやった…!今のカンジ、忘れるなよ?」
魔道士「はいっ!」
マジシャン「これで第一段階クリアだ!今日はここまで!」
魔道士「はいっ!エヘヘ!!」
〜師匠の家〜
カチャッ…ギギ…キイィ
戦士「ここか…」
召喚士「うん。しばらく何もしてないから…」
カチッ…チカチカッ…ドサドサアァッ!!
盗賊「…だ、大丈夫か…!?」
召喚士「え、ええ…。棚の上の物が落ちたみたいです…はは」
- 83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 23:25:05.04 ID:cH.5ZKQo
召喚士は改めて灯りをつけ直し、物置に入る。
召喚士「うわ…凄い埃…」
戦士「ここも掃除からか……」
盗賊「…だな」
召喚士「要らない物もいっぱいありそうだしね…」
戦士「もの凄い箱の数だな…」
召喚士「うん。不必要な物はとにかくここにまとめて置いてたからね」
盗賊「…・」
戦士「んじゃ、ちゃっちゃっとやっちまうか!」
召喚士「そうだね…。もう夕方だし、今日は掃除して終わりにしよう」
盗賊「…うむ」
盗賊は口元に布を上げ、落ちた荷物を端に寄せる。
戦士「バケツと雑巾取ってくるわ」
召喚士「ありがと…ってか何しにきたんだろ。…俺達」
盗賊「……ふふっ」
- 84 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 23:32:07.12 ID:cH.5ZKQo
〜マジシャンの別荘〜
食卓には魔道士の作った夕食が、綺麗に盛りつけられ並ぶ。
マジシャン「今日も美味そうだなぁ!いっただっきまーす!」
魔道士「ふふっ…どうぞ」
マジシャン「…うん!うめぇ!!」
魔道士「ありがとうございます」
マジシャン「魔道士ちゃんはホント、いい子だなぁ〜」
魔道士「あの…マジシャンさん」
マジシャン「…んー?……モグモグ」
魔道士「マジシャンさんは昔、師匠さん達とパーティー組まれてたんですよね?」
マジシャン「……まぁな」
魔道士「どんなパーティーだったんですか?」
マジシャン「……その辺の奴らと変わんないよ」
魔道士「でも…凄かったんですよね…?」
マジシャン「…ハッハ!買いかぶりすぎだよ!」
- 85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/07(木) 23:55:16.22 ID:cH.5ZKQo
魔道士「四人…だったんですよね…?」
マジシャン「ん、そうだね…モグモグ」
魔道士「他のお二人はどうしたんですか…?」
ピタッ…
魔道士「…?」
マジシャン「……死んだよ」
魔道士「あ…すみません…」
マジシャン「いや、いいよ」
魔道士「……」
マジシャン「バーテンに聞いたのか?」
魔道士「…はい」
マジシャン「そっか…。あのお喋り野郎…」
魔道士「……」
マジシャン「今じゃ俺一人…惨めに生きてるよ…ハッハ」
魔道士「マジシャンさん……」
- 86 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/08(金) 00:00:26.06 ID:TiE3x6AO
気の知れた仲間達がどんどん死んでいくのは辛いよな
例えるなら、空を駆ける一筋の流れ星
- 89 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage saga] :2010/01/08(金) 00:10:29.80 ID:Ef8rptUo
本日ここまでにて!ご支援ありがとうございました!ノシ
〜オマケ〜
師匠の家、真夜中
ギシッギシッギシッ…コソコソ…
召喚士「……」
戦士「……」
テクテクテク…
召喚士「!!」
戦士「!!」
召喚士「せ、戦士!?書斎の前で何を…?」
戦士「お、お前こそ…!」
召喚士「お、俺は昼間に…忘れ物を…!」
戦士「ぐ、偶然だなぁ!お、俺もだっ!!」
召喚士「…や、やっぱ明日でいいや!おっ、おやすみ!」
戦士「お、おうっ!俺も…さぁて寝ようかなっ!ははっ!」
テクテクテク…
- 91 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage] :2010/01/08(金) 00:21:35.89 ID:y.3nEUw0
やっぱ二人とも男なんだなwwww
あ、>>1乙
- 99 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:12:41.89 ID:/xWLy82o
マジシャン「さ、もういいだろ。メシは楽しく食べなきゃな!」
魔道士「あ、はい…」
マジシャン「四人とも…頑張れよ!・・・モグモグ」
魔道士「…はい!」
〜次の日〜
戦士「おはよう…」
戦士は物置から荷物を出している召喚士に声をかける。
召喚士「あ、おはよう」
戦士「まさか…夜通しやってたのか?」
召喚士「まさか…、早く起きたから進めてただけだよ」
戦士「そんならいいけど…」
召喚士「俺が片付けてた頃より…量増えてるなぁ…」
荷物を抱えながら、召喚士が愚痴をこぼす。
戦士「ははっ…。あれ…盗賊は?」
召喚士「盗賊さんなら朝食の材料を手配してくれてるよ」
- 100 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:13:38.10 ID:/xWLy82o
戦士「そっか。悪りぃな…、昨日深酒しちまったかな…」
召喚士「いいよ、普段は早いんだし…こういう時くらいゆっくりしてくれ」
戦士「おう、サンキュ。顔洗って手伝うわ!」
召喚士「うん」
カチャッ…キィィ
盗賊「…ただいま」
召喚士「おかえりなさい!」
タッタッタ
盗賊「……ん」
召喚士「また…凄い量ですね…」
盗賊「…こっちも」
召喚士「…これは?」
盗賊「…ナスだ」
召喚士「あ、ホントだ。ありがとうございます!」
盗賊「…ん」
- 101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:14:39.84 ID:/xWLy82o
テクテク
戦士「おっ、戻ってたか」
盗賊「…おはよう」
召喚士「それじゃ先に朝食としますか!」
戦士「おう!」
盗賊「……おねがいします」
〜マジシャンの別荘〜
マジシャン「さて…朝メシも食って元気一杯!」
魔道士「元気一杯ですっ!」
マジシャン「今日からは魔法補助の修行に移るぞ」
魔道士「はい、よろしくお願いします!」
マジシャン「まずは補助とは何か…はい、魔道士ちゃん!」
魔道士「自分や仲間の盾を作ったり…敵の動きを止めたり…ですかね」
マジシャン「正解!味方補助ってのが前者だな」
魔道士「はい」
- 102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:16:52.06 ID:/xWLy82o
マジシャン「手っ取り早いのは土で壁や鎧を作ったり…」
魔道士「はい」
マジシャン「あとは風を纏い、飛来物の軌道を変えたりとか…」
魔道士「なるほど……」
マジシャン「ちょっと工夫すると、相手の魔法を防いだりな」
魔道士「相手の魔法…?」
マジシャン「例えば相手が水行を使ったとしよう」
魔道士「はい」
マジシャン「こっちは土行と火行を二行融合させる…」
魔道士「な、なるほど…!」
マジシャン「そうすれば…炎の壁の出来上がりってワケだ」
魔道士「それで水行の攻撃を相殺するんですね?」
マジシャン「そういう事!」
魔道士「ただ魔法を放つだけじゃなく…色々とあるんですねぇ」
マジシャン「自信無くなってきたか…?」
- 103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:17:52.61 ID:/xWLy82o
魔道士「いえっ、なんだかワクワクします!」
マジシャン「ハッハッハ!そいつはいい心意気だ!」
魔道士「皆さんを守る為の力…頑張ります!ふふっ」
マジシャン「そんじゃあ早速やってみようか」
魔道士「はい」
マジシャン「昨日はただ土の魔法を放つだけだったな」
魔道士「そうですね…」
マジシャン「これを一点に留めてだな…」
マジシャンは右手を地面にかざす。
魔道士「……」
マジシャン「そして壁を作り出す…」
ドンッ!!…ドドドドド…ボゴォ!!
マジシャンの前に高くそびえる土の壁が出来上がる。
魔道士「…すごい…っ!」
マジシャン「ま、こんな感じだ」
- 104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/08(金) 13:28:19.85 ID:/xWLy82o
魔道士「な…なるほど」
マジシャン「さぁ、やってみようか!」
魔道士「はいっ」
魔道士は目を瞑り、両手を地面に向け、集中する。
マジシャン「おのれ魔物〜、攻撃なんてしやがって〜」
魔道士「……」
マジシャン「そんな意識を持ってな」
魔道士「……はい」
マジシャン「…」
魔道士「…撃ちます!」
ドンッ!!…ドドドドド…ピョロッ…
マジシャン「……」
魔道士「ち…ちっさ……」
マジシャン「ハッハ!これじゃあ足首しか守れねぇな!」
魔道士「……うぅ」
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