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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:39:21.78 ID:HguAcroo
戦士「……」

召喚士「……」

テクテクテク

戦士「どうだった?」

盗賊「……」

盗賊はただ無言で首を横に振る。

召喚士「そうですか…」

戦士「もう昼だぜ…。いつまでもここにいるわけにゃ…」

カチャッ…キィ…

魔道士「すみません…。お待たせしました……」

召喚士「魔道士さん、大丈夫…ですか…?」

魔道士「……」

盗賊「……」

魔道士「ごめんなさい…。行きましょう」

召喚士「……え、ええ」


557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:41:09.95 ID:HguAcroo

「行けっ!コカトリス!!」
   〜第十六部〜


558 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:42:00.71 ID:HguAcroo
〜数時間前〜

ガサゴソ…

戦士「……ん」

召喚士「あ、ごめん…。起こしちゃった?」

戦士「おお、おはよう…。もう朝かぁ…」

召喚士「おはよう。まだ寝てて大丈夫だよ」

戦士「……よいっしょ。…ん?」

召喚士「ああこれ?日記というか……」

戦士「マメだねぇ」

召喚士「戦士も書いたら良いのに…」

戦士「なんかガラじゃなねーしなぁ…」

召喚士「親父さんだって書いてたじゃん」

戦士「ま、まぁ…。それを言われると…」

召喚士「はははっ」

戦士「……今回の事でも書いてんのかい?」


559 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:44:16.61 ID:HguAcroo
召喚士「うん。規模の大きな戦いだったし…色々気になる事もね…」

戦士「…?」

召喚士「いや、こっちの話。ごめんごめん」

戦士「おっ、それって……」

召喚士「うん」

召喚士は手帳に挟まった、古びた札を戦士へ手渡す。

戦士「東方の式神かぁー!懐かしいなぁ!」

召喚士「うん。名代さん達、元気かなぁ」

戦士「そういやサモナーさんからも連絡なしだわな…」

召喚士「うん…。やっぱり難しいのかもね…」

戦士「こっちから一度行ってみっか?」

召喚士「あ、それもいいかもしれないね!」

戦士「玄武娘の事も…早めに伝えておかにゃならんだろうし…」

召喚士「あ……っ…」

二人は顔を見合わせ、苦笑した。


560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:44:50.89 ID:HguAcroo
テクテクテク…

召喚士「あっ、おはようございます」

大軍師「これは先生。お早いですね」

召喚士「先生はちょっと…。大軍師さんこそ早いですね」

大軍師「早いと言うか…寝ておりません。ふふふっ」

召喚士「!?」

戦士「酒宴の後もずっと起きてたんか…?」

大軍師「戦前処理を含めると…もう5日くらいですかねぇ…ふふふっ」

召喚士「た、大変ですね…」

戦士「ご苦労様です…」

大軍師「いえいえ。まぁ、これが務めですので…」

召喚士「ご自愛下さい…。もう戻られるんですか?」

大軍師「午前中には本国へ戻りますよ」

戦士「それはお疲……」

大軍師「私は別の任務があるのでまだですが…。ふふふふふっ…」


561 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:45:16.47 ID:HguAcroo
召喚士「お、お気の毒に……」

大軍師「ふふふふふー」

戦士「じゃ、じゃあ失礼します!」

戦士は召喚士の腕を掴み、二人は大軍師の元を立ち去る。

大軍師「…ふー」

スタスタスタ…コンコン

大軍師「失礼致します」

皇太子「うむ」

大軍師「此度の戦いにおける報告書です」

皇太子「ご苦労様」

パサッ…パラパラ…

皇太子「…ふむ。ご苦労だった」

大軍師「はっ。あと…許可を一つ頂きたいのですが」

皇太子「何だろう?私に出来る事であれば…」

大軍師「免罪の手続きを一件承認頂けますでしょうか?」


562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:45:43.62 ID:HguAcroo
大軍師は一枚の紙を机に置く。

皇太子「免罪…?」

ヒラッ

皇太子「…成程。そういう事であったか」

皇太子は紙面を確認すると、即座にペンを取りサインする。

大軍師「……即決ですね」

皇太子「ん?マズかったかな?」

大軍師「いえいえ。ありがとうございます」

皇太子「総司令の指示を仰がなくても宜しいのか?」

大軍師「あの方には私が全権をお借りしてますので…」

皇太子「そうなのか…。ならば結構」

皇太子は紙を大軍師へと手渡す。

皇太子「本国隊は10時に進発する。国軍はどうする?」

大軍師「同時刻にて。副司令官殿にお願い致します」

皇太子「君は…?ああ、それか…」


563 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:46:11.44 ID:HguAcroo
大軍師「はい。このまま処理を終わらせて参ります」

皇太子「居場所は掴めているのか?」

大軍師「彼らの特徴を聞くに、まず間違いないかと」

皇太子「…ならば良し」

大軍師「はっ。それでは……」

カツカツカツ…

皇太子「あ、そうだ」

大軍師「……?」

皇太子「一つ伺っても…いいかな?」

大軍師「…何でしょう?」

皇太子「…もし我らの中に、魔王軍と通じているものがいる…」

大軍師「………」

皇太子「そう言ったら、君は信じるかな?」

大軍師「……恐れながら」

皇太子「ははっ、直球すぎたかな」


564 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:46:40.29 ID:HguAcroo
皇太子は席を立ち、大軍師へ一枚の報告書を見せる。

大軍師「……!!」

皇太子「我が親衛隊による報告書だ」

大軍師「そうですか……。将校殿が…」

皇太子「勿論これは蜥蜴の尾にすぎない…」

大軍師「……ええ」

皇太子「済まんな。苦労を掛ける」

大軍師「とんでも御座いません。しかし…まさか本国にまで…」

皇太子「……」

大軍師「…『小覇王』と謳われる殿下も、外征が厳しくなりそうですね…」

皇太子「ううむ。まぁその時は諸君らに頼るさ。はははっ」

大軍師「…ふふっ。あまり無茶しすぎると、こちらの方の寿命が心配ですよ?」

大軍師は扉を開け、外で待機するエリートの顔を見る。

エリート「っ!?」

大軍師「お待たせいたしました。私はこれにて……」


565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:47:08.64 ID:HguAcroo
テクテクテクテクテク…

皇太子「どうした?」

エリート「えっ、あ…朝食の準備が整いましたので…」

皇太子「そうか…。では行くとしよう」

皇太子はマントを羽織り、エリートと共に部屋を後にした。

〜大広間〜

戦士「すっげ……」

召喚士「う、うん…」

テクテクテク…

戦士「おう、おはよう」

盗賊「…おはよう」

召喚士「おはようございます。あれ…魔道士さんは?」

盗賊「…まだ…寝てる」

召喚士「そうなんですか…!?」

戦士「昨日の今日だし疲れちまったんかね?」


566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:47:49.59 ID:HguAcroo


長テーブルの上へ、次々と料理が運ばれ、真っ白な布を鮮やかに彩る。

左翼長「今日だけだ。明日からはいつも通りだからな」

騎士長「だよなぁ…」

参謀「まぁ…当然ですよ」

バーテン「いいのか?俺も馳走になっちまって?」

将軍「勿論であります!!隊長!!」

バーテン「やめてくれ……」

左翼長「そういやマジシャンはどうした?」

バーテン「まだ寝てるよ」

騎士長「……もったいねぇ」

盗賊「……モグモグ」

占い師「そんなに食べて…よく太らないわよねぇ。羨ましい…」

青年兵「あれ…?白虎先生は…?」

占い師「まだ寝てるわ。……二日酔いでね」


567 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:48:18.97 ID:HguAcroo


戦士「あー食った食った〜!」

盗賊「…満足」

召喚士「じゃあ、今日にはもう…?」

青年兵「ええ。昼間へには出発致します」

召喚士「そっかぁ…」

青年兵「召喚士さん達は…これからどちらへ?」

召喚士「いや…。まだ全然決めてなくて…」

青年兵「そうですか…」

召喚士「きっとまた、どこかで会えるよね!」

青年兵「…もちろんですっ!」

戦士「お互い頑張ろうな!!」

青年兵「ええっ!それでは…!!」

盗賊「…また」

青年兵は笑顔で会釈し、大広間を後にする皇太子らに続いた。


568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 17:58:53.98 ID:HguAcroo
戦士「さーて、俺達も…」

ダダダッ…バッ!!

マジシャン「………っ」

スタスタスタ…

バーテン「おう、もう終わったぞ」

騎士長「さ、部屋に帰ろ帰ろ…」

スタスタスタ…

マジシャン「…くっ!!」

占い師「起きるの遅いから……」

マジシャン「仕方ねーだろ…っ。朝…弱いんだから…」

占い師「何も……そんな涙目で…」

マジシャン「これが…運命だというのかっ!?なんという事だあぁ!!」

盗賊「………」

召喚士「……戻ろっか」

戦士「…おう」


569 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 18:04:20.95 ID:HguAcroo


戦士「んじゃ、頼んだぜ」

盗賊「…うん」

召喚士「具合が悪いようでしたら、何日いても良いそうなので…」

盗賊「…分かった」

盗賊は自室のドアを開け、中へと入っていく。

戦士「大丈夫かな…?」

召喚士「…だと…良いけど」

戦士「さて、荷造りしておくかねぇ」

召喚士「…?」

戦士「いつでも出られるようにな!」

召喚士「でも……」

戦士「…そんな弱い奴じゃないだろ?」

召喚士「うん…そうだね…」

戦士は召喚士の背中をポンと叩き、二人は部屋へと戻った。


570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 18:40:13.53 ID:HguAcroo
〜マジシャン、バーテンの部屋〜

マジシャン「はぁ…」

バーテン「ほれ……」

バーテンはマグカップへコーヒーを注ぎ、マジシャンへ手渡す。

マジシャン「……はぁ」

バーテン「大体お前、朝食取らんだろ」

マジシャン「まぁねぇ……」

マジシャンはマグカップに口を当て、少しずつゆっくりとすすり始める。

マジシャン「あー…うめぇ」

バーテン「…そりゃあどうも」

マジシャン「アイツら飲みたがってたぜ?」

バーテン「店に来いって言っとけ…」

マジシャン「素直じゃないねぇ…ハッハ!」

バーテン「ああん?」

マジシャンは笑いながら、コーヒーをまたゆっくりとすすった。


571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 18:52:08.94 ID:HguAcroo
〜北関南門〜

時刻はまもなく10時を迎えようとしており、

本国へと戻る兵達が整列して並び始める。

副司令官「では、出発する」

召喚士「気をつけて!」

青年兵「ありがとうございます!それではっ!」

青年兵は馬上にて敬礼し、隊列の先頭に位置する一角を進む。

パッカパッカパッカ…

エリート「…魔道士さんは?」

召喚士「あ…彼女ならまだ気分が優れないそうで…」

エリート「そう…ですか…」

戦士「……」

エリート「あ、あの……」

召喚士「…は、はいっ」

エリート「………魔道士さんを…宜しくお願い致します」


572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/17(月) 18:55:26.20 ID:HguAcroo
召喚士「も、もちろんですっ!!」

戦士「……」

エリート「そ、それでは…っ」

パッカパッカパッカ…

戦士「召喚士もなかなかやるなぁ…!」

召喚士「え…?な、何がっ!?」

戦士「あーいやいや…何でもねぇ」

召喚士「…?」

戦士「意味分かって…返事してんのかねぇ…鈍感」

マジシャン「……お前もだよ」

戦士「…?」

マジシャン「よっしゃ!俺もボチボチ行くかな…!」

戦士「もう行くのか?」

マジシャン「女が待ってるんだよ!ハッハッハ!!」

戦士「いっつもそれだな…。だんだん嘘くさく思えてきた……」


576 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/17(月) 22:21:11.63 ID:oc7VsBwo


召喚士パーティは鈍感のフリしてお互いの距離はかってるようにしか思えない
というか魔道士はどうしたんだ


577 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/17(月) 23:05:15.45 ID:f5rS0sAO
魔導師ちゃんは召還士からのプレゼントが灰になって消沈してるんだよ

こんなとき俺が画面への入り方さえ知っていれば魔導師ちゃんを優しく抱きしめてあげられるのに…


583 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 01:47:39.87 ID:7BDshgw0
そういえば段々、拠点防衛や攻撃での死者が増えてるなぁ・・・
大型や魔王の直属クラスもちらほら出てきてるし、心配だ


584 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 02:15:22.89 ID:.KRLLC.0
投入兵力が増えればその分被害も増えるのは当たり前だよ。
むしろ作戦筒抜け+制空権も奪われてる中で被害が100ちょいってのは上出来。
伯符パネェっすwwwwww

これからは数千数万規模の大会戦が繰り広げられると思うと…

>>1の頭がスパークしないか心配である。


585 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 02:45:21.05 ID:wfmcWN20
何というか、魔王の直属クラスの強さパネェ
魔王軍に本当に勝つ気があるなら今回の戦いは直属クラスをあと3体各拠点に向かわせればそれで終了になってた
国軍は今までよく勝ってこれたな


586 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 02:56:02.63 ID:tLziLkAO
>>585
送り込まないのがRPGの常


587 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 06:55:09.56 ID:BXFppHc0
待ちかまえていてくれるわけだな


588 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/18(火) 06:56:10.48 ID:eg28yJgo
マグネタイトが足りないんだよ


597 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/05/19(水) 17:30:40.24 ID:YxTf4I60
落ちてる間>>1はナニしているのだろうか…

月一で変態か


599 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/05/19(水) 17:42:41.63 ID:vr5XKO.o
おお復活してましたね!こんにちは!


今回の戦いで魔王軍の目的はあくまで結界を阻止する事だったので、
特に拠点殲滅は考えておりませんでした…と思います
まぁRPG的なアレでお願い致します…!

>>597
仕事してましたよー。あとはゲームなどを…大した書き溜めもせず…

↓続き


600 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/19(水) 17:43:10.55 ID:vr5XKO.o
マジシャン「そんじゃ、またな」

召喚士「はいっ!」

戦士「オッサンも元気でな!」

マジシャン「おう。……あっ」

マジシャンは二人の首を両腕で抱え、小声で話しかける。

マジシャン「いいか?いくら強いからって女の子はナイーブなんだ」

召喚士「は、はぁ…」

マジシャン「お前ら男どもがしっかり守ってやんねーと駄目だぞ?」

戦士「お、おうっ…」

マジシャン「戦いの最中は気丈に振舞っちゃいるけど…」

召喚士「……」

マジシャン「緊張が抜けた途端、ふと精神的にきちまう時もあるからな」

戦士「魔道士の…事か……」

マジシャン「盗賊ちゃんもだよ。それはお前の役目だろ」

戦士「は!?……え、お…おうっ」


601 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/19(水) 17:43:36.63 ID:vr5XKO.o
マジシャン「お前らはまだ若い!色々と楽しめ!!」

バシッ!!

召喚士「いっ!!」

マジシャン「じゃあな!ハッハッハ!!」

マジシャンは声を上げて笑いながら、南門を抜け関を後にした。

戦士「な、なんだっつーんだよな!あのオッサン…はははっ!」

召喚士「う、うん……」

戦士「………」

召喚士「……」

戦士「に、荷造りに戻っか…」

召喚士「そ…そうだね」

テクテクテク…

戦士「守る…ただ身を挺して庇うとか、そういう事じゃないんだよな…」

召喚士「俺達がもっと…二人の事、分かってあげないといけないね…」

戦士「……だな」



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