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新ジャンル「囚人二人」
1 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:19:40.88 ID:sW2vF9r80
看守「今日からおまえにはここで暮らしてもらう」

 背中をとん、と押され、女は独房に踏み込んだ。
直後、背後の扉が、重い音を立てて閉じた。
 外界から、完全に隔絶。その扉を恨めしげににらみ
つけたところで、金属でできたその扉は開きも溶けも
砕け散りもしない。しかたなく、壁際に置いてあった
ベッドに腰かけた。
 看守の足音が遠ざかってゆくのを聞くともなしに
聞きながら、考える。さあ、何もすることがない。
これからの退屈を、いったいどうやってしのげば
いいものやら――

男「お、新入りさんかい?」
女(……え?)
男「そこにいた奴が『連れて』いかれちまってよ。
  退屈してたんだ」
女(どこから……壁? あ、こんなところに
  小さな穴が開いてる……)
男「ま、これからよろしく頼むわ。短い間だが、な」
女(えらく慣れ慣れしい……でもまあ、一人で
  ふさぎ込んでるよりは――)
男「……あれ? 聞こえてねえのか? おーい」
女「聞こえてるよ……これからよろしく、ね」


2 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:22:35.63 ID:sW2vF9r80
男「よう。どうだい? ここでの寝ごこちは」
女「もうホント最高。どっかの五つ星ホテルかと
  思っちゃったよ」
男「だろ? むやみやたらに広々としたこの部屋!
  ホントは狭いのに、モノを置かないことで
  広く見せる工夫のタマモノってワケよ」
女「置いてあるものといったらこの固いベッドだけ。
  必要最低限なものだけを置く、機能美に特化した
  すっばらしい部屋だよね」
男「よくわかってるじゃねえか。まったく、舌打ちの
  ひとつもしたところでバチも当たりゃしねえ」
女「それに、これ以上バチの当たりようもない……よね?」
男「俺たちの場合はな。はっは」


3 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:22:43.66 ID:tXEKVWXP0
こういうのマジでもういいから


4 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:25:27.41 ID:8pw0Uzx00
秋田


5 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:25:33.29 ID:sW2vF9r80
女「ここってさ」
男「んー?」
女「夜になったら、けっこう暗いんだね」
男「昼でも暗いだろ?」
女「壁に、風と光を通すための窓があるじゃん」
男「まあ、昼はそこからお日さんが照らしてくれるわな」
女「夜はそういうのなくなるし」
男「お? もしかして、暗いのがニガテなのか?」
女「……うっさい。寝るっ」


7 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 00:27:30.52 ID:icMtzsta0
独房は一人部屋


9 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:30:03.40 ID:sW2vF9r80
男「よう、見てみろよ。いい月だぜ」
女「窓の外? んー、ここからだと建物に隠れて
  よく見えないや」
男「お、そうか。そいつは残念だな……
  鉄格子越しに見る月なんてオツなモンは、
  ムショ以外じゃそうは見られねえぜ?」
女「乙な物、ねえ。あんたの趣味、よくわかんない」


10 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:34:40.11 ID:sW2vF9r80
男「――――ってハナシがあってよ。おかしいだろ?」
女「あっはっは。おかしいおかしい」
男「! おい女、ちっと黙れや」
女「……はぁ? なにをいきなり――」
男「いいから!」
女「ちょっとあんたねえ」

 ……カツン。

女「!」
女(看守の足音!? 近づいてくる……
  まさか、声が聞こえてた……?)


11 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:35:47.39 ID:sW2vF9r80
>>10

 ……カツン、カツン、カツン……

女(通り過ぎた……)
男「……ふう。やっぱマズいんだよな、こうやって
  話すのは。もし聴かれたら、この穴もふさがれ
  ちまう」
女「……ごめん。これからはちょっと声を抑えるね」
男「かまいやしねえ。見回りの時間は決まってる。
  その間だけ気をつければいいさ」
女「うん……」
男「しかし、アレだ。こういうの、ワクワクするだろ?」
女「え?」
男「昔よ、やっただろ。学校の授業中にさ、センコーの
  目ぇ盗んで手紙の交換とかしてよ」
女「ああ……なつかしいね」
男「情報のやりとりが目的じゃなくてよォ。ただ、エラい
  人に隠れてあれやこれやするのが楽しかったんだ」
女「ふふ。あんた、子供みたいなコト言うんだね」
男「大人の男ってのぁな、でっけえ少年なのさ」
女「で、やんちゃが過ぎてここにいるってわけ?」
男「それは言わねえ約束だぜ」


12 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:38:31.22 ID:FgstSbCq0
かまわん続けろ


13 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:42:31.47 ID:sW2vF9r80
男「よう。今日は空が高えなあ」
女「そうだねー……いい天気」
男「こんな日にゃあ、軽くそこいらをぶらぶらしてえもんだ」
女「またアンタは。無理だってわかってるくせにさ」
男「ないものねだりってのは、してみるもんだ。
  もしかしたら、欲しいモンが手に入るかもしれねえぜ?」
女「だからあんたはコドモだってのよ」
男「うっせ。そういうてめえはいくつなんだよ」
女「レディに歳を訊くもんじゃないわ」
男「レディ、ねえ」
女「レディ、よ」
男「ふ〜〜〜ん」
女「…………」
男「ふ〜〜〜〜〜〜ん」
女「……21、よ」
男「ふは! 俺の方がみっつも上だ!
  ガキはどっちだってんだよ、はっは!」
女「……だからあんたはコドモだってのよ……」


14 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:50:55.63 ID:sW2vF9r80
男「よう。あんた、お里はどこだい?」
女「故郷、か。捨てたよ、そんなもの」
男「なんだ。帰る場所、ねえのか」
女「あったとしても、もう帰れないじゃない」
男「……そうだな。そうだったな」
女「そういうあんたは、どうなのさ」
男「俺かい? 俺も捨てたよ、そんなもん」
女「だろうねえ。じゃなきゃ、今ごろこんなところに
  いたりはしない」
男「はっは。違いねえ」


15 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 00:56:26.05 ID:sW2vF9r80
男「よう。起きてるかい?」
女「……いちお。なんか用?」
男「いいや、なんにも。ここでしなきゃならねえことなんて
  なにもねえのに、用なんかあるわけねえだろ?」
女「ごもっとも。で? だったらなんで話しかけてくるわけ?」
男「冷たいねえ。することもなにもねえんだ、構ってほしいのさ」
女「子供みたいなコト言わないの。今は眠いからさ、明日にして
  くんない?」
男「今がいい」
女「後がいい」
男「今がいい」
女「…………」
男「おーい。なんだよ寝ちまったのか?
  おきろーおきろーおーきーろー」
女「ああもううるさい! 看守が来る!
  ったくもーしょーがないなあっ」
男「へへ」


16 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:05:28.51 ID:sW2vF9r80
男「しかし驚いたぜ。隣に、女の子が入ってくるなんてな」
女「なによ。べつに珍しいもんじゃないでしょ。女が犯罪を
  起こすなんて」
男「たしかに珍しくねえ。だが、『ここ』は違う」
女「どういう意味?」
男「わかってんだろ。ここがどこだか」
女「……危険度最高クラスの犯罪者が集まる刑務所。
  極めて大きな罪を犯し、終身刑以上の罰が言い渡された
  者を収容する」
男「そしてこのエリアの独房には――」
女「死刑判決を受けた者だけが収容される」
男「…………」
女「…………」
男「珍しいんだ。ここでは、な」


女「……それが、どうかしたの?」
男「いや。べつにどうもしねえさ。
  ただ、なにをやってここに来たのかが、気になった」
女「話さないと、夜も眠れない?」
男「いいや。そういうわけじゃねえ」
女「だったら、いいじゃない。そんなこと、どうでも」
男「そうか……そうだな。
  まあ、気が向いたら話してくれや。
  傷をなめあうのも、悪かぁねえぜ」
女「……そ」


18 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:13:20.31 ID:sW2vF9r80
男「いやしかし腹が減った。ここの暮らしには
  だいぶ慣れたが、メシの量が少ねえのだけはいただけねえな」
女「身体を動かすこともないし、十分じゃないの?」
男「てめえと一緒にすんじゃねえっての。こっちは大の男だぜ?」
女「あっそ。じゃあ――わたしの分、わけてあげようか?」
男「マジか!
  と言いてえが、こんなに小さい穴じゃあな。水くらいしか通らねえ」
女「噛み砕いた後なら通るけど」
男「ペンギンじゃあるめえし。いらね」
女「あーあ。人の親切を無為にするなんてねー」
男「てめえ無理だってわかってて言ってるだろ」


23 :新ジャンル「ストーカーストーカー」 [] :2008/10/18(土) 01:22:19.73 ID:XpR7JDsgO
男「今日も誰かに尾けられてる気が…」





女「男君男君男君男君男君ハァハァ」








スト「ストーカーしてる女ちゃん可愛ええええええ」


24 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:26:24.49 ID:XpR7JDsgO
スレタテミスの誤爆より恥ずかしい物は無い
支援


25 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:31:08.41 ID:sW2vF9r80
男「しかしまあ顔も知らねえ男に対して
  噛み砕いたモノをくれてやるたあ、な」
女「べつにいーじゃない。現にこうやって
  壁で仕切られてるわけだし、襲われることは
  ないでしょ」
男「いやまあそうなんだがな」
女「むしろ互いに顔が見えないからこそできることも
  あるってもんでしょ」
男「それもそうだ。だがな女よ、その気になれば
  俺はその穴からそっちを覗きこむこともできるんだぜ?」
女「あっそ。するの? あんたが?」
男「……いや。隣にいる女性がどんな容姿なのか、わからない
  からこその楽しみもあるしな」
女「そう言うと思った。あんたはそーいうヤツよ」
男「想像は自由だと言ってくれ」
女「はいはい。ホント、子供みたいなんだから」


28 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:41:23.27 ID:sW2vF9r80
女「この穴ってさ」
男「ん?」
女「あんたが開けたの?」
男「……ああ。最後はな」
女「最後は?」
男「俺がここに来た時には、もうかなり深い穴が
  壁に開いてた。たぶん……俺の前にここにいた奴が、
  ちょっとずつ掘っていったんだと思う。
  いや、何人もの手で、カンナでやるみてえに削っていったのかもな。
  きっと寂しかったんだろうなあ。ここでたった一人で
  息をしてるのが」
女「…………」
男「で、俺がそれに気づいて、メシのたびにスプーンの柄で突ついたんだ。
  2週間くらい経ったころかな。いきなり、スプーンが向こうに
  突き抜けた」
女「晴れて、開通ってワケだね」
男「ああ。ほんの1センチやそこらの穴だがな。
  驚いてたぜ。そりゃそうだろうな、いきなり壁からスプーンが
  生えてくるんだ。
  そこからは……そうだな。おまえが今いる部屋にいた奴と、
  くだらねえ話に花を咲かせたもんだ」
女「……仲良く、してたんだ」
男「まあな。看守を除けば話ができるたった一人の相手だ、
  いがみあってもしょうがねえ。
  ま、そいつも今となっちゃあ――
  いや、やめとこう。シケた話だ」


29 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:47:48.19 ID:sW2vF9r80
女「で?」
男「ん?」
女「そーいうアンタは、いったい何をやったの?」
男「聞きてえか?」
女「まあ、ヒマ潰しのネタ程度には」
男「聞きたくねえのか……」
女「なによ。言いたいの?」
男「……まあ、ヒマ潰しのネタ程度には……」


30 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 01:58:22.40 ID:sW2vF9r80
男「大体よお、何をやったのかって言うけどな」
女「なによ?」
男「世の中には冤罪というものがあってだ」
女「な――まさかあんた」
男「もしかしたら、俺はなにもやってねえのかも
  しれないぜ?」
女「!」
男「とかいう夢を見ることもある」
女「…………
  結局どっちなのさ」
男「どうだかなあ。はっは」


31 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 02:08:33.61 ID:ONzTqoQjO
>>23
スレ立てするときは呼んでくれよ


32 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:08:41.79 ID:3FyYZvidO
なんだ終わりか


33 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:13:31.49 ID:sW2vF9r80
女「ヒマだね」
男「ああ。ヒマだ」
女「なんでこんなにヒマなの?」
男「することがねえからだ」
女「それってトートロジー」
男「わかってる」
女「なんですることがないの?」
男「それが今の俺たちの仕事だからだ」
女「待つことが仕事ってこと?」
男「ああそうだ。何を待つかって?
  はっは」
女「笑うしかないのもわかるけどさ」


34 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:18:32.76 ID:sW2vF9r80
>>32
書きためてたのが尽きた。
ペースがかなり落ちるが、ヒマだったらどうぞ


35 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 02:19:40.76 ID:zXqU6f2i0
迷わず支援


37 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:28:09.10 ID:7Su+rZxAO
男「……。(暇だ、あいつ何してんだろうな、ちょい覗いてみるか)」
ヌッ(互いに合う視線
女「きゃっ!」
男「うおわっ!びびった!なんだよ!なに覗いてんだよ!」
女「そっそっちこそなに覗いてんのよ!」
男「いや、俺はただなにしてるかな〜って、オマエは?」
女「…私もアンタがなにしてるかな〜って」
男「……。」
女「……。」
ヌッ
女「目潰し!」
男「痛っ!?」


38 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:42:12.54 ID:sW2vF9r80
女「くしゅんっ」
男「お。カゼでも引いたか?
  それとも……いい男でもいるのかい?」
女「心当たりはないね……もうシャバに
  わたしのこと覚えてる人もいないんじゃないかな」
男「えらく寂しいこと言うなぁ」
女「事実だもの。わたしのことウワサしそうなのって……
  この壁のむこうにしかいないよ」
男「おお。なんでおまえのこと考えてるってバレた」
女「くしゅんっ」
男「おおう」


39 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:47:18.42 ID:sW2vF9r80
男「へくし」
女「今あんた口で『へくし』って言ったでしょ」
男「へくし」
女「もっとそれっぽく聞こえるように言えばいいのに」
男「いやあ俺もウワサされてんのかねえ。
  俺のことウワサしそうなの、この壁のむこうにしか
  いねえんだけどなあ。あーへくし」
女「こら」
男「ああもしかして今女の頭の中は俺でいっぱい!?
  いやー照れるぜー」
女「…………」
男「へくし」
女「コドモ……いや、もういいや」


40 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 02:52:58.06 ID:sW2vF9r80
女「ねえ男ー」
男「…………」
女「男ー?」
男「…………」
女「あれ? 寝てんのかな……」
男「…………」
女「退屈だから構ってもらおうと思ったのに」
男「…………」
女「ねえ男ー?」
男「…………」
女「……つまんない」
男「そうかそうか。やっぱ女には俺がいねえとなあ」
女「なッ……もしかして今の全部聞いてた!?
  殺す! ぶっ殺すッ!」
男「そんなに怒んなよ。はっは」
女「はっはー、じゃない!」


43 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 03:04:07.48 ID:sW2vF9r80
女「わたし今着替えてるけど」
男「おおうッ」
女「よかったらその穴から、どうぞ?」
男「てめッ……想像は自由だってーのに、
  それを阻害しようってのか」
女「そうは言わないけど。
  オンナのカラダを見る機会も、
  もうないんじゃないかなって思ってさ」
男「……想像は自由だ。
  だが妄想はもっと自由だ!」
女「覗かないってはっきり言えばいいのにさ。
  純情だねー……もしかして童貞?」
男「ちがうわ!」


47 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 03:31:42.71 ID:sW2vF9r80
男「狭い」
女「そうだね」
男「動かねえ」
女「必要ないし」
男「身体がなまってしょうがねえ」
女「しょうがなくないでしょ。もう、いらないじゃん」
男「……えらく達観してやがんなあ。
  世の中なにが起こるかわかんねえぜ?」
女「そうだね。わかんないね」
男「なんだその反応……じゃあ言い方変えるか?
  世の中なにが起こせるかわかんねえ、ってな」
女「……なにを考えてるの?」
男「さあな。秘密だ……はっは」


48 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 03:43:45.35 ID:sW2vF9r80
男「今夜は冷え込むな」
女「秋だしね。あんた、今からそんなコト言ってて、
  これからの季節大丈夫なの?」
男「さあな。女がこっちに来てあっためてくれたら、
  そんな悩みはねえんだが」
女「あんたがこっち来るなら考えてやってもいいけど」
男「うおマジか! おおりゃあがんばれ俺!
  この穴をくぐれッ!」
女「あ。指が出てきた。
  とうっ」
男「あだっ!? 爪を立てるな!」


51 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 04:10:09.62 ID:sW2vF9r80
寝てない。が、ネタが思いつかん。
単発レスで終わらない(長編になりそうな)ネタならいくつかあるが…需要、ないよな。
だれか乗っ取ってくれてもいいんだが。
とりあえず自己age


52 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 04:15:38.19 ID:sW2vF9r80
男「冗談は横に置いとくとして……実際、寒いな」
女「この程度なら、まあ布団にくるまれば」
男「ハラが減って体温上がんねえんだよ」
女「しかたないね。コレもまた、罰ってコトさ」
男「暖房器具やあったけえメシが恋しいぜ」
女「なんだ。今さら後悔してるの? 自分のやったこと」
男「…………
  後悔なら、腐るほどしてきたさ」
女「あ、そうなんだ。お気楽極楽野郎だと思ってたけど」
男「るせえ」
女「怒んないでよ。いーコト教えたげるからさ」
男「……なんだよ?」
女「実はわたしも、すごく後悔してる」
男「……そうか」


54 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 04:25:00.72 ID:sW2vF9r80
女「たしかに、寒いけどさ」
男「ああ」
女「わたし今、壁の穴のすぐ隣にもたれて座ってる」
男「……そいつは奇遇だな。俺もだ」
女「だと思ったんだ。こうして背中合わせにしてるとさ、
  なんか」
男「ん?」
女「壁越しなのに……せなか、あったかいよね。へへ」
男「……俺もだ」


56 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 04:50:13.86 ID:sW2vF9r80
女「殺したよ」
男「……ん?」
女「たくさん殺した」
男「そうか。死刑の判決もらうくらいだもんな」
女「わたしの知らない人ばっかり」
男「……どういうことだ?」
女「知ってる人なら殺せなかったかもね」
男「違う。そうじゃない」
女「……暗殺」
男「……なんだと?」
女「えらい人がいてさ。その人が邪魔だと思った相手を、
  あの世に送っちゃうの」
男「それを、やってたってのか?」
女「ちっちゃい頃に親に捨てられてね。拾ってくれた人が――」
男「いや、もういい。だいたいわかった」
女「他に生きる方法がなくてさ。
  殺したよ。たくさん殺した」
男「……そうか」


57 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 04:51:03.86 ID:sW2vF9r80
>>56

女「すごく後悔してる。今になってみればさ、他に生きる
  手段なんてたくさんあったのに。カラダ売ってでも
  食べていけばよかったのに。
  でもさ、また捨てられるのがこわくてさ――」
男「……ああ」
女「いやだって言えなかった。それが、わたしの罪」
男「……わかった」
女「ホントきたないの。くのいちのまねごとみたいなことまでして」
男「くのいち?」
女「バカな男を身体で誘惑して篭絡して、油断したところを
  ズドン、って。サイテーだってわかってた。
  だからもう――」
男「――もういい!」
女「…………!」
男「今日はもう寝ろ。俺も寝るから、それ以上しゃべっても
  聞かねえぞ」
女「…………」
男「じゃあ、また明日な」
女「…………
  ごめん。ありがとう……」


58 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 04:58:08.11 ID:+LFaygaB0
>>57
女が厨設定なのは非常に残念だ


59 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:00:23.47 ID:sW2vF9r80
>>58
そうか。なら、さらに残念なお知らせがある。
男も厨設定だ。

…寝るか


60 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 05:01:41.40 ID:+LFaygaB0
>>59
まあ、こういうのはオチ次第だ
いいから最後まで書け
俺は読む


61 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:10:35.02 ID:sW2vF9r80
ぬ。そう言ってくれるのはうれしいのだが、問題がある。
俺が非常にねむいということだ


64 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:39:46.17 ID:sW2vF9r80
女「うー……退屈」
男「つ? 津波」
女「み……ミルク」
男「クック船長」
女「またそんなマニアックな……うさぎ」
男「義理チョコ」
女「……なんかイヤな思い出でもあんの?」
男「……若え頃の話さ」
女「あっそ。コスタリカ」
男「行ったことねえな。カシミール」
女「わたしも。ルンバ」
男「お。得意なのか? バスケットボール」
女「踊れないよ。ルールブック」
男「くすだま」
女「飽きてきた。まんじゅう」
男「そう言うなよ。牛」
女「だんだん単語のチョイスが適当になってるけど。鹿」
男「考えんのが面倒になっただけだ。カタコンベ」
女「あーもう無理すんな。ベラルーシ」
男「ふふん、負けてやるもんかよ。シックスセンス」
女(あーもう。こいつは……)
女「寸断」
男「ん? ンジャメナ」
女「続けんの!? せっかくわざと負けてやったのに!」


65 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:41:07.04 ID:sW2vF9r80
男(しかし……男を次々に篭絡とは、な。
  不謹慎だが、よっぽどの美女なんだろ)
女「っくしゅん!
  あれ、また風邪ひいたかな」
男「ん? まあ、想像は自由だってコトさ」
女「……またアンタは」


66 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:47:21.38 ID:sW2vF9r80
すまんが寝る
もし残ってたらまたなんか考えて書く
乗っ取ってくれてもいい。というか乗っ取り推奨

縁があったらまた会おうぜおまえら ノシ


67 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/18(土) 05:48:04.59 ID:+LFaygaB0
>>66


しかし全く保守する自身がない


68 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:50:08.57 ID:sW2vF9r80
このスレがおもしろければ残る
そうでなければ落ちる
それだけの話だ

つまり、落ちたところで立てた俺の責任だ。気にやむな

ノシ


69 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:56:24.91 ID:D+m12Gav0
おいコラ、男がそこにいる理由も語ってけw


70 :VIPがお送りします [] :2008/10/18(土) 05:58:21.40 ID:cVD8KpIr0
それはのちのちだろ。
ほしゅ



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