■戻る■ 下へ
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
148 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:09:34 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・・・・・・

武道家「すげええ!何でも揃ってるな!」

僧侶戦士「当たり前だ」

幼馴染「防寒具は赤髪少女ちゃんの分も買わないとね」


少年剣士「そういや、赤髪少女ぜんぜん寒がらなかったなぁ・・さすが竜族ってところだね・・」

武道家「だな・・・。ま、一応ないよりはあったほうがいいだろ」ゴソゴソ

僧侶戦士「じゃあ俺は食料品買ってくるわ」

少年剣士「・・・わかった、ありがとう」

武道家「俺は肉がいいな!」

僧侶戦士「イエティの肉でも食ってろ」

武道家「アァ!?」


149 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:10:06 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・・・・・・

・・・・・ヒュオオオォオォ・・・

赤髪少女「お兄ちゃ・・・」ハァ・・・ハァ・・


・・・ザワザワ・・
アレ、ダレノコカシラ・・ミタコトナイワヨ・・


赤髪少女「・・・あう・・・ごほっ・・ごほごほごほっ・・」ハァ・・・ハァ・・


???(・・・あれは)

赤髪少女「・・・・ごほっ・・」ドサッ

???「・・・・」グイッ

赤髪少女「・・・・」フワッ

???「軽いな・・・」ヨイショ


タッ・・・タッ・・・タッ・・・・・


150 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:10:36 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・・・・

幼馴染「ふぅ〜買った買った!」

僧侶戦士「買いすぎだ・・」

幼馴染「えへへ、買い物なんて久々だから・・ね」

少年剣士「・・やっと聖堂に着いた・・・」ガサガサ


幼馴染「持ってもらっちゃって悪かったわね♪」

少年剣士「いやいやこれくらい・・・」アハハ

武道家「自分で持てよ・・」

幼馴染「私は可憐な乙女なのよ・・・」ウルウル

武道家「・・・ッハ!!」

幼馴染「鼻で笑ったわね?」ゲシッ

武道家「あいたぁ!」

 
僧侶戦士「ん・・?シスターが何か騒いでないか・・・?」


151 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:11:16 ID:kvp1yXlc
 
シスター「あ・・・僧侶戦士!」

僧侶戦士「どうしたんですか・・シスター?」

シスター「・・・赤髪少女ちゃんが消えちゃったの!」

少年剣士「・・・・え?」


シスター「ご飯を作ってる間に、寝かせてたベッドから消えて・・・」

幼馴染「せ、聖堂の中にはいないんですか?」

シスター「今見てきたところなんだけど・・・外に出てしまったのかも・・」


少年剣士「・・・・!」ダッ

幼馴染「あ・・・少年剣士!」

武道家「おい!待てよ!」

僧侶戦士「荷物、お願いします。ちょっと探してきます!」


152 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:12:45 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・・・・

少年剣士「・・・赤髪少女ぉーーー!」


・・・・・ヒュオオオオオオ

武道家「雪もひどいし・・・、まずいぜこりゃ」

幼馴染「赤髪少女ちゃん・・・どこー!」

僧侶戦士「くそ・・・」


町人「あのー・・」

少年剣士「・・・はい?」

町人「誰か探してるみたいだけど、どんな感じの人かな?」

少年剣士「真っ赤な髪の毛と眼をした、小さな女の子です・・」


町人「ああー・・・見たよ!」


153 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:13:16 ID:kvp1yXlc
 
武道家「・・・本当か!」

町人「ああ。何やら苦しそうで、お兄ちゃん、お兄ちゃんって必死に叫んでたけどねェ」

少年剣士「・・・!」

町人「でも、そこで倒れちゃってね」

幼馴染「倒れた・・・!?そ、それでどうなったんですか!?」


町人「何か、男の人が抱きかかえてそこの宿に入っていったよ」

武道家「おい・・・まずいんじゃないか?さっきの盗賊だったりしたら・・・」

少年剣士「くっ・・・!」ダッ


幼馴染「あ・・・!待って!」


154 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:13:46 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・バタン!!ガランガラン!


宿人「はいー・・・イラッシャイ」

少年剣士「すいません、さっきここに女の子を抱えた男が来ませんでした!?」


宿人「・・・泊まってる人のプライバシーは教えられないよ」

僧侶戦士「・・・・」チャリッ

宿人「1万G金貨・・・!?だ、だけどねえ・・・」

僧侶戦士「・・・・」チャリッチャリッ

宿人「・・・たぶん、2階の一番右奥の部屋だよ」


少年剣士「ありがとうございます!」


155 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:14:20 ID:kvp1yXlc
 
タッタッタッタ・・・

少年剣士「ここか・・・!」

武道家「何かあってからじゃ遅い!蹴り開けろ!」

少年剣士「っうおおお!」

・・・バキィ!!ドゴォン!!


???「な・・・なんだ!?」

少年剣士「赤髪少女を返せっ!!」チャキッ

武道家「おとなしく返さないとヒデー目にあわせるぞ!」

僧侶戦士「・・・」スッ

幼馴染「そ、そうよ!返しなさ・・って・・」


初老の商人「な・・・何だ何だ・・・!?」


156 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:15:03 ID:kvp1yXlc
 
少年剣士「し、商人さん!?」

初老の商人「何だ君たちか・・・人の宿のドアを蹴り飛ばすのは・・少々マナー違反だな・・」

僧侶戦士「なんだ・・・知り合いか?」

幼馴染「東町から、ここまで運んでくれた商人さんよ・・」


武道家「赤髪少女が連れ去られたって聞いて・・」

初老の商人「人聞きが悪いな・・・、倒れたところを介抱しただけだ・・・そこで寝てるだろう」

赤髪少女「・・・」スゥ・・スゥ・・


少年剣士「よ・・よかった・・・」ヘナヘナ


157 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:15:55 ID:kvp1yXlc
 
僧侶戦士「よくわからんが・・・良かったみたいだな」


初老の商人「・・・・、少年剣士くんと言ったか?」

少年剣士「はい・・」

初老の商人「理由はわからんが、こんな子を放っといてどこにいってたんだ?」

少年剣士「預けて・・・買い物を・・」

初老の商人「見たところ、君はこの子のお兄ちゃんなんだろう?」


幼馴染「あ・・それは」

僧侶戦士「・・・っし」


158 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:16:28 ID:kvp1yXlc
 
少年剣士「あの・・・はい・・・」

初老の商人「だめだろう・・・?傍にいてあげなければ・・・」

少年剣士「すいませんでした・・」

初老の商人「こんな雪の中を・・・、君を必死に探して歩くほどだ・・もう離れるんじゃないぞ・・?」

少年剣士「・・・はい・・」

初老の商人「わかったらいいんだ。一瞬の別れが永遠の別れになることもあるんだ・・」

少年剣士「・・・・?」

初老の商人「あ、いやこっちの話だ。それよりも、この少女を早く連れてってあげなさい」


少年剣士「本当にご迷惑をおかけしました・・・」


159 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:17:01 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
 
竜側近「お父様は、貴方をこの戦いに巻き込みたくないのです」

赤竜「い・・嫌だ!お父様と一緒にいる!」

竜側近「わかってください・・・」

赤竜「やだ・・・嫌だ・・・」

竜側近「いいですか?ここから人間界に抜けることができます。
     どこに出るかはわかりませんが、今の魔界よりは確実に安全です」

赤竜「・・・」グスッ

竜側近「あちらに着いたら、すぐに身を隠せる場所で変身魔法で人間になってください」

赤竜「竜側近・・・お父様は・・・大丈夫・・・だよね・・?」グスッ

竜側近「ええ・・・私もついています。きっと大丈夫です」ニコッ


160 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:17:33 ID:kvp1yXlc
 
赤竜「わかった・・・」スッ

竜側近「わかっていただけたなら結構です。すぐに迎えに行きますので・・・」

赤竜「ジっとしていれば・・いいんだよね・・・?」

竜側近「はい・・・お願い致します。
     万が一、人間のままバレた場合は、赤髪少女と名乗ってください」

赤竜「・・・わかった」

竜側近「さすがです、お嬢様」ニコッ

赤竜「・・・」

竜側近「では・・・」


・・・・ギュウウウン!
・・・・・・・・・・・・・・・ウウウウン・・・・・・


161 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:18:06 ID:kvp1yXlc
 
・・・・ドサッ

赤竜「・・・ここは・・・雪山?」ハッ

・・・ヒュオオオオ

赤竜「とにかく・・違う場所に行こう・・・ごほっ・・」

・・・バサッバサッ


赤竜「このへん・・で待ってよう・・・」

・・・ザワザワ・・
・・コノヘンデミタンダ!

赤竜「・・?」

・・・・ガサガサ

赤竜「あ・・・人間が・・・・変身魔法・・・!」ピカッ


162 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:18:37 ID:kvp1yXlc
 
村人A「・・・だから、マジで真っ赤な竜がいたんだよ!」

村人B「あ?やっぱ見間違えじゃねーの?」

村人A「見間違えじゃねーよ・・・確かこの辺に・・・」


赤髪少女「・・・」

村人B「女の子じゃん。・・どうしたのこんなところで?」

赤髪少女「・・・」

村人A「おい・・・そいつから離れろ・・」

村人B「あ?」

村人A「さっき見た竜と一緒の色をした髪の毛と眼・・・そいつが・・竜だ・・」

村人B「んなわけないって・・・」


163 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:19:19 ID:kvp1yXlc
 
赤髪少女(追い払わないと・・・怪しまれてる・・・)ググッ

村人A「お、おい!動くな!」

赤髪少女「・・・変身解除・・・・・!」パァッ


村人A「・・・・!」
村人B「・・・・!」

赤髪少女「・・変身が・・・解除できない・・・!」


村人A「・・やっぱりな!今の聞いただろ!」

村人B「あ・・あぁ!」

村人A「今のこいつ・・・少女から戻れないみたいだぜ・・・」チャキッ

村人B「捕まえて村長に相談だな・・・」スッ


164 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:19:56 ID:kvp1yXlc
 
赤髪少女「や・・・」

村人A「う、動くんじゃねえ!」ヒュッ

赤髪少女「・・・痛いっ!」スパッ

・・・タラ・・


村人B「いまだ・・・捕まえろ!」

村人A「おらっ!」


赤髪少女「・・・に・・逃げないと・・・!」ダッ

村人A「に・・・逃がすか!」

 
・・・ダッダッダッダ・・


165 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:20:26 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・タタタタ・・ 
 
村人B「くっ・・」

村人A「どこいきやがった・・・」

村人B「まあいい・・一回村長に報告しよう」

村人A「そうだな・・・」


赤髪少女「・・・回復魔法!」ハァハァ

・・・シーン

赤髪少女「なんで・・・使えないの・・・・・」ハァハァ


・・・・ガサッ


166 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:21:09 ID:kvp1yXlc
 
赤髪少女「ひっ!」ビクッ

少年剣士「うわっ!・・・って、女の子!?」

赤髪少女(もう・・・動けない・・・痛いよ・・)

少年剣士「・・・」ジイッ

赤髪少女(私・・殺されるのかなっ・・)プイッ

少年剣士「あ・・・ちょっと見つめすぎたね、ごめん・・・」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「・・・?、その脚どうしたの・・?血が出てるよ」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「・・・・あの、大丈夫?」アセ

赤髪少女「・・・」


167 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:21:43 ID:kvp1yXlc
 
少年剣士「痛くてしゃべれないの・・かな?・・・・う〜ん・・そうだっ」ヨイショ

???「ひっ・・・、こっちに・・来ないで・・・」ビクッ


少年剣士「怖がらなくても大丈夫だよ・・・回復魔法!」パァッ

赤髪少女「・・・!」


少年剣士「これでもう大丈夫」ニコッ

赤髪少女「あの・・・ありがとう・・」

少年剣士「・・うん。君のこと、、なんて呼べばいいかな?」

赤髪少女「・・・赤髪少女・・・。あなたの名前は・・?」

少年剣士「僕の名前は少年剣士!」


赤髪少女「少年・・剣士・・・・・」ギュッ

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・


168 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:22:31 ID:kvp1yXlc
 
赤髪少女「・・・・・少年剣士・・!」ハッ

・・シーン

赤髪少女「・・・」キョロキョロ


少年剣士「・・・」グゥグゥ

武道家「・・・」フゴー!!

幼馴染「・・・」クークー・・

僧侶戦士「・・・」スー・・・スー・・


赤髪少女「・・・夜?」

少年剣士「・・・ん」パチッ

赤髪少女「あ・・・お兄ちゃん・・・」

少年剣士「赤髪少女・・起きた・・?・・体、大丈夫?」


169 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:23:13 ID:kvp1yXlc
 
赤髪少女「ちょっとだけ楽になった・・」

少年剣士「そっか。昼間はごめんね・・・もう1人にはしないからね・・」

赤髪少女「・・・寂しかった・・」グスッ

少年剣士「うん・・・」



赤髪少女「・・・ごほっ」

少年剣士「・・・赤髪少女?」

赤髪少女「ごほっ・・・ごほごほごほ・・ごほっ・・・!」

少年剣士「・・・・!」

赤髪少女「はぁ・・・はぁ・・・苦し・・ごほっ・・・」・・・ドサッ


170 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:23:49 ID:kvp1yXlc
 
少年剣士「赤髪少女!!」


武道家「・・・な、なんだどうした!?」

少年剣士「あ、赤髪少女が!」

僧侶戦士「・・・どうした」

幼馴染「・・・・ふわ・・・」


少年剣士「あ、赤髪少女が凄い咳をした後に・・・倒れ・・」

武道家「落ち着け!」

僧侶戦士「見せてみろ・・・」

幼馴染「・・・・あ・・赤髪少女ちゃん・・?」


171 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:24:24 ID:kvp1yXlc
 
僧侶戦士「・・・、顔が青い・・・」

武道家「な、なんだ!?」

僧侶戦士「・・・、凄い熱だ。風邪を引いたんだ・・・」

少年剣士「風邪・・・!」

僧侶戦士「マナ不足の影響も受けて、悪化してるんだ・・・」

少年剣士「どうにか・・ならないの!?」


僧侶戦士「一応即効で効く風邪薬はあるが・・・」

幼馴染「早く飲ませましょう!」

僧侶戦士「だめだ・・・」


172 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:24:55 ID:kvp1yXlc
 
少年剣士「なんで・・・!」

僧侶戦士「あれは人間用だろう・・・?竜が飲んでどうなるという保障がない!」

少年剣士「くっそ・・・・」

赤髪少女「・・・」ハァハァ


僧侶戦士「今は・・この子の強さに賭けるしか・・・ない・・・」

幼馴染「・・・・」

赤髪少女「お父様・・・おにい・・・ちゃ・・・」ハァハァ

僧侶戦士「少年剣士。腕を握っててやれ・・・、それが今の俺らにできる精一杯だ」

少年剣士「・・・わかった」ギュッ

武道家「俺らも様子を見てようぜ・・・・」

幼馴染「・・・うん」


173 名前: ◆HhIFXGIog2 [sage] 投稿日:2013/06/22(土) 18:25:25 ID:kvp1yXlc
 
・・・・・・・・・
――――3時間後

・・・・・チュン・・・
チュンチュン・・・

僧侶戦士「・・・夜明けだ」

少年剣士「・・・赤髪少女の顔色、少しだけど良くなってきた・・」

赤髪少女「・・・・」ハァハァ


武道家「良かったぜ・・・とりあえず一安心ってとこか?」

幼馴染「・・・だね・・」


僧侶戦士「・・・お、今日はいい天気だな・・・」サァァ

武道家「それじゃ・・・・」

僧侶戦士「ああ」


少年剣士「出発だ・・・!」



次へ 戻る 上へ