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少女『言葉が通じなくても』
502 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 16:37:38.08 ID:6nY.1gAO


少女『お兄さん、どこ行ったんだろ』

仮面の人との勝負に勝った後、お兄さんは出入り口に消えた

戻ってくるかと思ってしばらく待ってみたものの、第二試合、第三試合と大会がただただ進んだ

少女『あ、ここの人に聞けば分かるかな?』

【大会事務局】


503 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 16:45:34.68 ID:6nY.1gAO
少女『すみませーん』コンコン

局員『はーい』

少女『あの、大会に出てる黒髪の男の人はどこにいますか?』

局員『えーと、出場者の人は基本的に控え室にいると思いますけど、試合まで出歩く人も少なくないですね』

少女『控え室ってどっちですか?』

局員『その前に、あなたは出場者の身内の方ですか?』

少女『はい、家族です』

局員『わかりました。あちらに真っ直ぐ進むと控え室です。』

少女『ありがとうございます』ペコ



局員『あの子金髪なのに家族って…?』


504 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 16:50:10.63 ID:6nY.1gAO
侍「…むぅ」

観客席に戻ると少女がいなかった

太陽が真上に登り、皆昼飯にありつこうという時間

侍は出場者に支給される弁当をなんとか二人手に入れ、少女のところに戻ってきた

侍「厠にでも行ってるのか…」

侍は席に腰掛けると少女を待つ事にした


505 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 16:59:25.96 ID:6nY.1gAO
係員『黒髪の人なら弁当持って出て行ったよ』

少女『あ、そうですか』

控え室に行くと侍は既に部屋にいなかった

闘技場は楕円形なので、行き違いになったのだろう

少女『また行き違いになるかも知れないし、どうしようかな…』

少女が少し迷っていると



ザッ

少女『…ん? えっ』

地獄の遣い『…』


506 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:04:34.21 ID:6nY.1gAO
地獄の遣い『嬢ちゃん、あの黒髪のツレかい』

少女『あ、あ、あ、あのっ』

地獄の遣い『安心しな、別に嬢ちゃんをどうこうする気はねぇ』ズイ

少女(近い! 恐い!)

地獄の遣い『ちーっと頼まれ事をしてぇんだが』

少女『な、なんですかっ』

地獄の遣い『あの黒髪に礼がしたくてよ』ニィ

少女『…お兄さんに?』ピク

地獄の遣い『ああ、手ぇ貸してくれや』


507 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:18:09.69 ID:6nY.1gAO


ワー ワー

侍「…」

ほぼ全員が立ち上がって試合を見る中、侍だけが席に座っている

少女を待って小一時間、周りの人間の視線が刺さる

話しかけてきたりしないのはありがたいが、ジロジロ観察されるのもなかなか居心地悪い

少女の様子も気がかりなので探しに行こうか、と思った時

少女『お兄さーん!』

侍『!』


508 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:24:08.06 ID:6nY.1gAO
少女が侍に駆け寄る

その声を聞いた時侍は安堵し、振り返って驚いた

少女『ごめんね、行き違いになっちゃった』ガチャガチャ

その腕には刀が抱えられていた

少女『あ、これ、仮面の人から』


……


少女『これ…剣?』

地獄の遣い『カタナって言う蛇島の剣だ』


509 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:34:53.91 ID:6nY.1gAO
少女『蛇島?』

地獄の遣い『東の果てにある小さな島だ。八つ首の蛇の神が居て、草の床の家に住み、鯨を食う黒髪の人間の国らしい』

少女『へー!なんだか不思議!』

地獄の遣い『黒髪は多分「サムライ」って戦士なんだろう』

少女『サムライ?』

地獄の遣い『カタナを使う最強の戦士だ。あんな木の棒じゃ可哀想だからよ、持ってってやってくれ』

少女『……嫌です』


510 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 17:43:54.71 ID:6nY.1gAO
地獄の遣い『…あ?』

少女『これを受け取ったら、お兄さんは戦い続けるしかなくなる気がするんです』

地獄の遣い『嬢ちゃん、それは違うな』

地獄の遣い『黒髪は最初から戦いの中でしか生きられない定めなんだよ』

少女『そ、そんな事!』



地獄の遣い『じゃあなんでこんなところにいるんだ?』


512 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 21:17:36.69 ID:6nY.1gAO
少女は戸惑った

何故闘技場にいるのか、何故この大陸にいるのか

仮面の男はどちらの意味で言ったのだろう

それとも両方…


地獄の遣い『嬢ちゃん、この街に来るまでにも何度もヤバい敵に出会ったろ』

少女『…』

地獄の遣い『黒髪は今までもそうやって生きてきたんだろうよ。そしてこれからもな』


513 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 21:22:57.76 ID:6nY.1gAO
少女『…でも』

少女『いつか、いつの日か、戦わずに暮らせる日が来ます…!』

地獄の遣い『…』

クルッ

地獄の遣い『さて、どうかな』スタスタ

少女『あっ!? 待ってこの剣…!』

地獄の遣い『いらなきゃ捨てていいぜ。お前ぇらこれからもっとヤバい敵とやり合うと、俺は思うけどな』スタスタ



少女『…』


514 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 21:48:09.57 ID:6nY.1gAO


少女『これ、お兄さん達サムライに必要な物なんだよね』

言葉が通じないにも関わらず、少女は続ける

少女『私、お兄さんに戦って欲しくない。お兄さんが傷付く姿なんて見たくない。ずっとそう思ってた』

少女『今でもそう思ってる。この大会にも参加して欲しくないし、どこか平和なところを早く見つけたいってずっと…』

少女『…でも、それって本当にお兄さんの事信じてるとは言わないよね』


515 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 22:00:15.75 ID:6nY.1gAO
少女『戦う事を避けて、可能性を捨てて…』

少女『はは…、私弱いまんまだね。お兄さんと出会う前と何も変わってないや』ジワッ

少女の目尻に涙が滲んだ

少女『ご、ごめんね…これ、渡すつもりなのに』カタカタ

刀を差し出そうとするも、身体が強張り抱き締めた腕が離れない


少女(お願い…もう少し勇気を!)



ギュッ


少女『…あ』

侍『…』ニコ


516 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 22:45:26.88 ID:6nY.1gAO
少女の涙を拭い、侍は少女をそっと離した

少女は刀をぎゅっと抱き、瞳を閉じたまま一つ深呼吸をする


少女『私、自分の未来の為に戦う。もう傷付く事を恐れたりしない!』


そう言うと、刀を侍に差し出した

瞳を開くと、侍が真っ直ぐ見つめていた

侍「お主の言葉は分からぬ。だが、その瞳が覚悟を決めた事を教えてくれた」

侍「子供と思っていたが、お主も己の生きる道を見出したのだな」


カチャッ

侍「ならば私は見届けよう! お主の見据えた未来を!」シャキンッ


517 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 23:07:14.95 ID:PJMLF4Eo
侍かっけえ……


518 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 23:11:33.90 ID:93NX5oDO
侍が今まで持ってたのは刀じゃ無かったのかな?
刀どっかで無くしてたっけ?


519 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 23:14:09.48 ID:rSlcBsEo
ずっと木の棒とかパンチキックで何とかしてたはず


520 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/27(月) 23:19:41.01 ID:93NX5oDO
シャキとか擬音にあったから刀だと思ってたでござる

機械巨人も枝きれで倒してるとは思わなんだ


521 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 23:36:04.26 ID:6nY.1gAO


少女『午後の試合が始まるみたいね』

侍『―』スクッ

少女『…頑張ってね、お兄さん!』

侍『…』コクリ

スタスタ


少女『さて、私は観客席に戻ろうかな』


『その必要はない』

少女『え!?』

中将『君には特別席を用意している』


522 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 23:42:26.27 ID:6nY.1gAO
中将『連れがいるとは言っていたが、子供とはね。拍子抜けだよ』

少女『なんですかっ あn…ムグッ!?』

兵士『大声を出すな』グッ

少女『―!! ―――!!』ググッ

中将『さ、特等席にご案内だ』



『じゃあまずはオメェからどうぞッ』

ギンッ ガキンッ バキッ



地獄の遣い『やっぱ手ぇ出してきたな』

少女『仮面さん!』


523 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 23:47:49.18 ID:6nY.1gAO
少女『一体どういうことですか!?』

地獄の遣い『奴ら強い奴を集めて自分らの兵隊にしてんだよ』

少女『…その為に大会を?』

地獄の遣い『ああ、俺もあの魔力を帯びた槍を渡されてからの記憶がねぇ』

少女『それでお兄さんをこ、殺しに…?』

地獄の遣い『いや、正気でも俺は殺しにかかってるな』

少女『…』


524 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/27(月) 23:54:18.47 ID:6nY.1gAO
地獄の遣い『嬢ちゃんが人質に取られると分が悪いからな、無事で何よりだ』

少女『助けてくれてありがとうございます』

地獄の遣い『礼はいらねえ。お前ぇらにはこれからシッカリ働いてもらうからな』

少女『働く?』





ガヤガヤ ガヤガヤ

『では第27試合、始め!』

無影『さあ、死合いを始めよう』

侍『…』カチャカチャ


525 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 00:32:26.04 ID:pEKlr6AO
『片方はさっき地獄の遣いを倒した黒髪か。対戦相手の黒服は?』

『無影って通り名の殺し屋だと。ほら、1試合目で分身してた』

『ああ! 何してんだかさっぱりだったな』

『相手も為す術無く刻まれてたからなぁ』


無影『俺の速さについてこれるか…』ススッ

足音も無く侍を撹乱する黒服

付かず離れず、侍の周りを跳ぶように回る

侍『…』カチチャキ

と、暫くして


『あ! 始まった! 分身だ!』

『6、7…どんどん増えるぞ!』


526 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 00:41:40.17 ID:pEKlr6AO
侍の周りに二十数人の黒服

無影『ふ、どれが本物か分かるまい』ススッ

じわりじわり、にじり寄る黒服

侍『…』クイッ

この光景を目前にして、侍は未だ刀の鍔や柄を点検していた

無影『…死にたがりが。殺してやる』スッ

タッ――――――

二十数人の黒服が一斉に襲いかかる


ゴキッ


無影「―」ゴシャッ

侍「遅すぎる」チャキン


527 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 00:49:04.63 ID:843BWGEo
侍かっこよすぎだろ


528 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 00:53:22.33 ID:pEKlr6AO
侍「速さで撹乱…残像でも見せていたつもりかも知れんが、私には一人に見えたな」

無影「…―!!」ペッ

殴られて口を切ったのか、血混じりの唾を吐く

黒服は立ち上がると汚れを払い、再び跳んだ


フッ―


今度は残像も無い、影も無い

立ち消えたかのように見える高速移動

侍「ほう、これほどの動きは青嵐の忍以来やも知れぬ」


529 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 01:05:33.35 ID:pEKlr6AO
『おい、黒髪が構えたぞ』

『本気…って事か?』


音も姿も、気配すら感じさせない黒服の動き

人間はおろか、野生の獣すら存在に気付く前に殺されるだろう


―ヒュンッ

無影『…ふ』スタッ

侍『…』

ミシッ

無影『なんて奴だよ…』ガクッ

ドサッ

侍「空気を動かさずに移動出来れば、良い忍になれるやもな」


530 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/09/28(火) 01:26:59.23 ID:pEKlr6AO
今日はここまでです
いつも通り亀進行ですいません

一応オリジナルですが、なんか北斗の拳に通じる物を感じる今日このごろ


武闘会編どうですかね…
今まで戦闘描写少なかったから今回で沢山書こうかなと思ったんですが

では、おやすみなさい


531 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 01:36:37.24 ID:L3mu7sDO
戦闘描写いいね


533 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/29(水) 23:53:41.08 ID:FhySSzUo
侍のチートっぷりがかっこいい


535 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/08(金) 11:58:32.80 ID:8i5Gm2AO
今日の夜再開します
今暫くお待ち下さい


539 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/08(金) 23:40:20.66 ID:8i5Gm2AO



地獄の遣い『この大会、只の見せ物じゃねぇ』

少女『確かに、みんな人が死ねのを何とも思ってないみたいだし…』

地獄の遣い『それだけじゃねぇ。街中どこにも暦がねぇし、廃止になった通貨が飛び交ってる』

地獄の遣い『それに加えて洗脳に誘拐だ。ただ事じゃないぜこりゃ』

少女『何か事件が起きてるってこと?』

地獄の遣い『嬢ちゃん、俺の言うただ事ってのは事件とかそんなチャチな物じゃねぇ』

少女『じゃあ…何なの?』

地獄の遣い『黒幕をブッ倒す以外に生きて出られねぇって事さ』


540 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/08(金) 23:49:55.82 ID:8i5Gm2AO
地獄の遣い『これから話す事は全部想像の話だ。常識は置いてこい』


地獄の遣い『街中の使えねぇ金。試しに新しい通貨を出したが相手にされなかった』

少女『この街ではまだ新通貨が普及してないって事…?』

地獄の遣い『嬢ちゃんぐらいの歳だと知らねえかもしれんが、新通貨は大分前に施行されてる。普及してない筈がねぇ』

少女『って事は』

地獄の遣い『まぁ待て、ヒントはまだ出揃ってねぇ』


542 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/09(土) 00:09:58.72 ID:lLHyo2AO
地獄の遣い『次に暦だ。暦どころが日付がどこにもねぇ』

少女『新聞とかも?』

地獄の遣い『ああ、時計はあるが日付がない。この街に来て何日かさっぱりだ』

少女『それって1日2日ならいいですけど、お給料日とかわからないと困りますよね?』

地獄の遣い『だろうな。まぁ街の連中がどうやって生活してるかは大した問題じゃない』

少女『私達に関わる部分が問題なんですね』

地獄の遣い『そうだ。段々わかってきたな』


543 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/11(月) 05:08:12.09 ID:xe3th.DO
やっと追いついた
なにこれおもしろすぎる


小ネタスレって過去ログあるの?
これの前が読みたい


544 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/11(月) 15:39:25.05 ID:redJH.DO
あるけど別にこれの前があるわけじゃなくてただの宣伝だったかと


546 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/12(火) 16:06:18.30 ID:FbJF8oAO
そろそろ銘刀を手に入れても良い頃


547 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 23:25:02.55 ID:NTnq/wAO


侍「種子島か? それでは私には勝てないぞ」


侍の前の一人の撃ち手

腰に拳銃を一丁だけ下げた男は、侍と視線交える事なく深々と帽子を被っていた


『地味な戦いになったな』

『あの早撃ちに勝ち目ねぇだろ』

『あの人間離れした黒髪相手に拳銃じゃあなぁ』



侍『…』

早撃ち『…構えろよ、手加減されちゃ死にきれない』

侍『…』チャキッ


549 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 23:39:34.50 ID:NTnq/wAO
早撃ち『…』

侍『…』


『…動かないな』

『一撃で決まるんだ、下手には動けないだr

侍『―――ッ』バッ

早撃ち『…ッ』チャッ


疾風の様に斬りかかる侍の額を早撃ちの照準が捉える

瞬間、引き金が引かれ―

ガウンッ

―侍はより低空を跳ぶ




早撃ち『…んなとこ見てていいのか?』バッ

侍『―!?』


550 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 23:49:44.55 ID:NTnq/wAO
早撃ちは侍の頭上を飛んでいた

侍が銃口から弾が出るのを見送り、早撃ちに視線を戻すと既に姿はなかった



早撃ち『低く飛ぶ鳥は撃たれるんだよ…!』チャキッ





侍「…お主、燕という鳥を知っておるか?」





ガウンッッ


551 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/12(火) 23:57:33.32 ID:NTnq/wAO
早撃ちは低く跳ぶ侍の背を見ていた

地面から浮いたこの状態で自分の動きを視る事は不可能

引き金を引けば間違いなく鉛弾が後頭部を貫く

早撃ち『…あばよ!』

ガウンッッ


侍「翻る事―」


ッヒュン    チュインッ


早撃ち「…!」スタッ

侍「―燕の如し」スタッ


552 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/10/13(水) 00:13:26.44 ID:wU3Q.gAO
早撃ち『…アンタが本気なら、俺の首は帽子みてぇになってたって訳か』

…パサッ

侍『…』

スタスタ

早撃ち『全く、恐れ入ったよ…』


『おい何してんだ! 奴の背中ががら空きだぞ!!』

『後ろからぶち抜け!』


早撃ち『うるせぇ!! 舞い上がる鳥に弾は当たらねえんだよ!!』


553 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:20:21.42 ID:SKnlvewo
キテター!
侍かっこいい!



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