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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その30
456 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:49:48.35 ID:oNJx2m+zo
〜本国、港〜

ボーッ…ボーッ

マジシャン「本国も久々だな」

召喚士「見た目は変わってないですけど、本国もだいぶ変わりましたよ」

マジシャン「ほぉ、そうなのか」

召喚士「ええ。電話が開通して遠方との連絡が瞬時に取れるようになりました」

占い師「ついに出来たのね」

召喚士「まだ全部ではないみたいですけど……」

戦士「あとは左翼が潰れた事で、色んなものが変わったな」

召喚士「うん。病院や新聞社なんかもね」

マジシャン「いい事だ。中が固まらないと敵にも遅れを取るからな」

魔道士「あっ!!」

盗賊「……?」

魔道士「電話と言えば……ジュニアさんは!?」

マジシャン「……!?」


457 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:51:06.45 ID:oNJx2m+zo
戦士「そうそう。オッサンの息子だろ? ジュニアってよ」

マジシャン「……」

戦士「せっかくなんだし、顔を合わせてけよ」

マジシャン「本国に……いんのか?」

盗賊「……多分」

召喚士「そういえば、会議以降見てないですね」

朱雀嬢「ですわね……」

魔道士「それじゃジュニアさんを探しに行きましょうか」

マジシャン「……あーいいよ」

魔道士「え……?」

マジシャン「無理に会う必要はねぇさ。そのうち嫌でも会うだろ」

召喚士「いいんですか?」

マジシャン「目的はジジイとの面会だ。終わってからでいい」

戦士「……」

召喚士「じゃあ……そうしましょうか」


458 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:51:55.41 ID:oNJx2m+zo


戦士「とりあえず今日は夜も遅いし、明朝訪ねるとすっかね」

召喚士「うん。そうしよう」

戦士「それじゃホテルの部屋を取って、晩メシだな!」

玄武娘「待ってましたですの!」

ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ

盗賊「……ん?」

魔道士「国軍の馬車ですね。夜なのに忙しそう……」

ガラガラガラッ…ガガアアァァ

朱雀嬢「止まりましたわよ?」

ガチャッ…カツカツカツ

天才「……何してんだこんな所で?」

魔道士「天才さん!?」

大軍師「こんばんは。おや……?」

占い師「……どうも」


459 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:52:58.74 ID:oNJx2m+zo
天才「何でお前がいるんだ? それに……」

ザッザッザ

マジシャン「……よぅ」

天才「治ったのか?」

マジシャン「まぁ、動ける程度にはな」

天才「……」

マジシャン「青龍のジジイが死ぬんだろ? 最後の挨拶にな」

天才「律儀な奴だな。どうせすぐに会うハメになんだろ」

マジシャン「……あのなぁ」

天才「ハーッハッハ! ま、いい心がけだ」

占い師「司令はどちらへ?」

天才「パズズ戦には参加しねぇからな。南の視察だ」

占い師「それはご苦労様です」

大軍師「パズズはお任せ致しますよ?」

召喚士「……はい」


460 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:54:50.49 ID:oNJx2m+zo
天才「そんじゃ、またな。素性だけはバレんなよ!」

カツカツカツ

天才「……あーそうだ、ところで」

マジシャン「……?」

天才「魔力はどの程度だ?」

マジシャン「1割がいいところだな。五行放出でほとんど失った」

占い師「……っ」

マジシャン「それに肉体がもたん。返して貰わん限りは厳しいだろうな」

天才「嫌でも返る。だが時期は4体目以降だな」

マジシャン「あぁ。半分叩けば開放しても影響力は低いだろ」

天才「ま、気長にリハビビって待っててくれや」

マジシャン「おい待て、その前には連絡しろよ!?」

天才「あん?」

マジシャン「俺はいいが、あっちは……」

天才「てめぇ……まさか……っ!!」


461 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:55:47.44 ID:oNJx2m+zo
戦士「何の話だ?」

盗賊「……さぁ」

天才「ハーッハッハ! 抜け目ない野郎だな!」

マジシャン「もしかしたらって事もあるだろうってな。ハッハ!」

大軍師「司令、そろそろお時間が……」

天才「おー悪い悪い。連絡はする。お前こそしくじるなよ?」

マジシャン「分かってるよ」

カツカツカツ…

召喚士「マジシャンさん、今の話……」

マジシャン「気にすんな。個人的な問題だよ……俺らのな」

召喚士「……っ」

マジシャン「ほれほれっ、早くメシにしようぜ! 腹減っちまったよ!」

玄武娘「そうですの! もうペッコペコですのー」

マジシャン「悪かった悪かった! そんじゃ俺のオゴリで食いに行くぞ!」

玄武娘「やったですのー!!」


462 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:56:52.14 ID:oNJx2m+zo
〜レストラン〜

玄武娘「すいません、これとあれとそれと……これも3つ追加ですの!」

店員「はい、畏まりました」

マジシャン「……」

戦士「後悔してるだろ」

マジシャン「……べ、別に〜」

召喚士「いいですよマジシャンさん。ここは俺らに払わせて下さい」

マジシャン「ハッハ! こう見えても任務で稼いだ貯蓄がだな……」

占い師「ないわよ」

マジシャン「えっ?」

占い師「あなたが亡くなったと思って、バーテンさんが全部ツケ代に……」

マジシャン「はぁーっ!?」

戦士「ツケ代で消えるとか……どんだけだよ」

召喚士「ていうか、バーテンさんもよく生活出来てましたね……」

魔道士「あ、あはは……っ」


463 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:57:53.00 ID:oNJx2m+zo


玄武娘「食ったですのー!」

朱雀嬢「あの、お代は私達が……」

召喚士「いですよ、気にしないで」

朱雀嬢「でも……」

戦士「心配すんなって。俺らだって意外と稼いでんだから」

マジシャン「ところでどんくらい稼いでんだ?」

戦士「何だよ、金の話はやめようぜ」

マジシャン「気になるじゃねーか」

占い師「ちょっと、もう……っ」

召喚士「えっと……ごにょごにょ」

マジシャン「い……っ!?」

玄武娘「ほえ?」

マジシャン「4人で……か?」

召喚士「はい。ですから1人当たりは割る事の4ですね」


464 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:58:51.19 ID:oNJx2m+zo
マジシャン「……」

占い師「マジシャン?」

マジシャン「再来の全盛期並に稼いでるぞコイツら」

盗賊「……そうなのか?」

占い師「再来の全盛期ってそんなに稼ぎ良かったの?」

マジシャン「デカイ仕事なら1発で家が建つレベルだ」

朱雀嬢「――!?」

召喚士「い、いや……幾ら何でもそんなには貰ってないですよ!」

マジシャン「ワーカーは仲介料やら税金やらもあるってのに……」

戦士「別にいいじゃんかよ」

マジシャン「そうういやランキングは?」

召喚士「国軍付だからよく分からないですね」

戦士「でも上にいるのって、天才と眼鏡とジュニアと魔法剣士くらいじゃねぇか?」

魔道士「女賢者さんもいますよ」

マジシャン「……立派になったモンだよ全く。ハッハ!」


465 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 17:59:34.15 ID:oNJx2m+zo


占い師「それじゃご馳走様。ほんとごめんね」

召喚士「気にしないで下さい。快気祝いという事で」

マジシャン「快気してねーけどな。ハッハ!」

占い師「えばる所じゃないでしょ!」

朱雀嬢「ホテルへは行かれませんの?」

占い師「私は本国に自分の家があるから」

マジシャン「俺はコイツんちに泊まらせて貰うよ」

朱雀嬢「……おぉ」

占い師「広ければみんなも招きたいんだけど、ごめんなさいね」

戦士「気にしないでくれ。2人の邪魔すんのも悪いしな」

占い師「もうっ!」

戦士「はははっ!」

召喚士「それじゃまた明日!」

魔道士「おやすみなさーい!」


466 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:00:23.37 ID:oNJx2m+zo
テクテクテクテク

朱雀嬢「さ、私達も戻って寝ると致しますわ」

玄武娘「はいですの」

魔道士「今日も一緒にお風呂だよー!」

玄武娘「はいですの!」

朱雀嬢「流石にもう慣れましたわ」

盗賊「順応力高いな……」

テクテクテクテク

召喚士「それじゃ明日は7時にロビーで」

魔道士「はぁい!」

朱雀嬢「お休みなさいですわ」

玄武娘「ですの!」

盗賊「です」

戦士「おう、おやすみ」

召喚士「お休みなさい!」


467 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:01:17.32 ID:oNJx2m+zo
〜男部屋〜

戦士「お疲れさん」

召喚士「お疲れ様」

ゴクゴクッ

戦士「……っはぁ! うめぇ!」

召喚士「気温も高くなってきたし、美味しいね」

戦士「……」

召喚士「どしたの?」

戦士「ちょっとだけ飲んでいいかな師匠酒」

召喚士「駄目だよっ! 明日青龍先生と会う時までお楽しみ……」

戦士ちぇっ」

召喚士「もう……」

戦士「じゃあ深酒しないように、これを最後でして寝るかー」

召喚士「そうだね。そうしよっか」

戦士「おうっ!」


468 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:01:56.63 ID:oNJx2m+zo
〜次の日〜

魔道士「おはようございます〜」

戦士「おはよーさん」

盗賊「あれ?」

戦士「包帯か?もう大丈夫だろ」

盗賊「……」

戦士「心配すんなって。ほれ」

グルグルグル

戦士「なっ?」

盗賊「……うん」

召喚士「朱雀嬢さんと玄武娘さんは?」

魔道士「もうじき来ると思いますけど……」

テクテクテク

朱雀嬢「お待たせ致しましたわ」

玄武娘「おはよう……ございますですの……」


469 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:03:05.78 ID:oNJx2m+zo


占い師「おっはよー」

魔道士「おはようございますー!」

召喚士「このまま真っ直ぐ国軍本部へ向かいますけどいいですか?」

マジシャン「ああ、構わんぜ」

戦士「もうすぐ8時か、時間的にもちょうど良さそうだな」

盗賊「……ああ」

占い師「私も久し振りだわ」

魔道士「そういえばそうですよねっ。お休み中ですか?」

占い師「うん。休職させて貰ってるの。そろそろ復職しようかしら」

戦士「まぁ無理せずにな」

占い師「ふふっ、ありがと」

テクテクテクテク…

玄武娘「見えてきたですの!」

魔道士「到着〜!」


470 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:04:00.67 ID:oNJx2m+zo
〜国軍本部〜

テクテクテク

受付「――っ!?」

占い師「久し振りね。元気?」

受付「占い師様っ!!」

占い師「青龍先生は?」

受付「あっ、はい! えぇと……講堂にいらっしゃいますよ!」

占い師「ありがとっ。それじゃ行きましょうか」

カツカツ…テクテクテク…

マジシャン「本部も、随分と静かになったなぁ」

召喚士「今は前線へ出兵してますからね」

マジシャン「あぁ、そういう事か」

召喚士「天才さんは人手不足だって嘆いてましたよ」

マジシャン「何十年も計画してきて今更人手不足なんてあるかってっつーの」

召喚士「それもそうですよね……ははっ」


471 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:04:57.03 ID:oNJx2m+zo
〜講堂〜

テクテク…カチャッ…ギイイィィィィ

召喚士「おはようございます」

青龍先生「……? おぉ、朱雀先生か」

占い師「青龍先生……っ」

青龍先生「占い師ちゃんも来てくれたのか。ひょっひょ!」

マジシャン「おうジーサン、調子はどうだい?」

青龍先生「誰じゃ?」

マジシャンおっと、すまん」

シュルルッ…パサッ

青龍先生「お……お主は……っ!!」

マジシャン「久し振りだな……ハッハ!」

青龍先生「……誰じゃっけか?」

マジシャン「そういう古典的なヤツはもういいよ」

青龍先生「冗談じゃよ、ひょっひょ!」


472 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:06:08.36 ID:oNJx2m+zo


マジシャン「んで、死ぬんだって?」

青龍先生「お主、もう帰っても良いぞ」

占い師「ちょっとマジシャン!」

マジシャン「事実だろ。んで、いいんだな?」

青龍先生「……」

魔道士「……っ」

召喚士「……」

青龍先生「うむ。もう決めた事じゃ。どのみち長くはないしのぉ」

マジシャン「ハッハ、そうかい。それならいい」

青龍先生「あの世はどんな所じゃった?」

マジシャン「先立ったみんなが待ってるぜ、ハッハ!」

青龍先生「そうかそうか、それは何よりじゃ……ひょっひょ!」

マジシャン「おーし、そんじゃまだ昼前だが……飲むぞぉ〜!」

青龍先生「おぉ、良いのぅ! ここは飲食禁止じゃ。外へ行こうかの」


473 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:06:35.77 ID:oNJx2m+zo
〜国軍本部、裏庭〜

テクテクテク

青龍先生「ここいらで良いじゃろ」

戦士「先生にはまずコイツだ」

青龍先生「ひょっ?」

魔道士「55年もののワイン、その名も『伝説』 です!」

青龍先生「……っ!!」

召喚士「パズズを倒した記念に作られたワイン……ですよね?」

青龍先生「よくもまぁ、こんな年代モノを……」

戦士「バーテンさんからの贈り物だ。さ、開けてくれ」

青龍先生「バーテン……あ奴か。どれ……」

キュッキュッ…ポンッ

青龍先生「……匂いもいまいち落ちとるのぅ」

マジシャン「誰かさんと一緒だな、ハッハ!」

青龍先生「全くじゃのぉ……ひょっひょ」


474 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:07:29.78 ID:oNJx2m+zo


召喚士「それでは、乾杯〜」

チィン

戦士「……んおっ!?」

マジシャン「……っ!?」

青龍先生「ほぉ……!」

召喚士「これ、普通に美味しいですよ!?」

占い師「本当。長時間寝かせておいてコクが出たと言うか……」

魔道士「美味しさが中にぎゅっと詰まったような感じですね!」

マジシャン「熟成された濃厚な味わいか。一癖あって唸らせるような感じもあるな」

戦士「ああ。これはこれで味がある、いいワインだな」

マジシャン「ハッハ! やっぱり誰かさんみてぇじゃねぇか」

青龍先生「……」

召喚士「ええ。本当にいいワインですよ」

魔道士「……はいっ、えへへ!」


475 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/07/05(火) 18:08:07.88 ID:oNJx2m+zo


盗賊「……」

玄武娘「んーワインはよく分からないですの」

朱雀嬢「味わってないからですわ」

盗賊「……」

玄武娘「……んーやっぱり分からないですの」

朱雀嬢「もっと少しずつ飲んで、口の中で香りを楽しむ――」

玄武娘「モゴモゴ……ぶふぅ!」

朱雀嬢「ちょっと! 汚いですわねぇ……」

玄武娘「げほっ、ごっ、ごめんなさい……ですの」

盗賊「……」

朱雀嬢「そういえば、盗賊さんは飲まれないのかしら?」

盗賊「飲まれません」

朱雀嬢「美味しいですわよ、折角なら飲まれたら――」

盗賊「飲まれません! 飲めません!」



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