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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
- 285 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/04/04(水) 18:01:33.10 ID:Jw9xpr41o
〜ネクロマンサーのラボ〜
影忍「この好機、逃すわけにはいかぬっ」タタッ
召喚士(この先に……ラボの中心が……)
戦士「このまま一気に、ケリをつけるぞ!」
魔道士「はいっ!」
盗賊「……」タタタッ
ピクッ
ネクロマンサー「……?」
剣士「どこを見ているっ!」ビュオッ!!
ネクロマンサー「何か……いや、どこへ向かっているのです……?」
弓使い「幼女っ、魔法付加お願いねっ!」バシュッ!!
ネクロマンサー「まさか……ッ!!」バッ!!
剣士「!?」
ネクロマンサー「狙いは……本体かッ!!」フッ
幼女「逃がさないよ」
- 286 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:02:03.34 ID:Jw9xpr41o
ドッドオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「ええいッ、小賢しい! どけッ!」
幼女「どかない」
ネクロマンサー「生意気なガキがぁ……ッ!!」ビュオッ
剣士「幼女!」ガシッ
ズザザザアアァァ
剣士「幼女っ、冷静に判断するんだ! 近づきすぎるな」
幼女「……ありがとう……っ」
ネクロマンサー「そこで大人しくしていなさいッ!」ババッ
弓使い「逃げる気!?」
剣士「……」
弓使い「どういう……事かしら」
剣士「何か焦っていたような素振りだったな。僕らも追おう」
弓使い「罠かもしれないわよ?」
幼女「……でも、行くしか道はないよ」
- 287 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:02:41.89 ID:Jw9xpr41o
剣士「幼女の言う通りさ。先に進むしか、僕らには道はないのだから」
弓使い「……そうね」
剣士「立てるか?」
幼女「ありがとうお父さん。私、少し熱くなってたかも」シュン
剣士「そういう時に止めるのが僕の役目さ」
幼女「お父さん……っ」
剣士「そして、僕が熱くなった時に止めてくれるのが、幼女の役目」ニコッ
幼女「……うんっ!」
弓使い「さーて行くわよぉ。みんなの安否も気になるところだけど」
剣士「大丈夫さ。他の皆だってそんなにヤワじゃない。きっとこの先に……」
幼女「うん」
タッタッタッタッタッ……
ネクロマンサー「……ッ」
ブンッ ヒュオッ
ネクロマンサー「もしここで材料を失えば、私が私に申し訳が立たぬ……ッ」
- 288 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:03:14.60 ID:Jw9xpr41o
ザザザザザザッ
ネクロマンサー「――!?」
盗賊「兄様あそこっ!!」
影忍「……ネクロマンサー!」
ネクロマンサー「貴様等ッ! それ以上は進ませぬぞッ!」
召喚士「あの焦りよう、やはりこの奥に本体が……」
ネクロマンサー「進むなと言っているッ!!」
ビュオォッ!! ズギャギャギャギャッ!!
戦士「今更この程度の触手で、止められると思うなよ!」
ネクロマンサー「貴方こそあまり調子に乗らない事だなッ!」ビュオッ
ガキイイィィィィン
ネクロマンサー「……ッ」
影忍「これまでだな、ネクロマンサー」
ネクロマンサー「……貴方は完成形だと思っていましたよ」
影忍「とんだ期待外れだったな」
- 289 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:04:06.77 ID:Jw9xpr41o
ネクロマンサー「全くですよ。本当にうんざりさせられる」
影忍「因果応報だな。さぁ、貴様もこれまでだ」
ネクロマンサー「……私が本当に、この程度で終わるとでもお思いですか?」
影忍「自身の生み出した人形に絶望を味わわされるが良い」スチャッ
ネクロマンサー「足止めするつもりでしょうが、不死同士で決着が付くとでも?」
影忍「言葉を誤るな。足止めならば決着を付ける必要はない!」
ネクロマンサー「問答している場合ではないのですよッ!」
影忍を飛び越えるように、大きく高らかと飛んだネクロマンサーは、
無数の触手を地上の影忍めがけ、一斉に伸ばし、放つ。
影忍「疾風……怒濤ぉ!!」
豪雨のように降り注ぐ触手を、影忍の放つ疾風怒濤により生じた水竜巻が、
絡め取るかのように飲み込み、そのほとんどを千切り捨ててゆく。
ネクロマンサー「小癪なぁ……ッ!」
影忍「馬鹿めっ、こっちだ!」シュバッ
ネクロマンサー「――ッ!!」
- 290 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:04:32.34 ID:Jw9xpr41o
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
影忍「!?」
確かに斬ったと思われたネクロマンサーは黒い粉となり霧散した。
ネクロマンサー「ククッ、甘いですねぇ!」ヒュオッ
影忍「なっ――」
ズガガガガッ!!
ネクロマンサー「何ィ――!?」
複数の触手が突き刺さった丸太を見て、ネクロマンサーは声をあげた。
影忍「馬鹿は貴様だ。俺が忍だと忘れたかっ!」
バギャアッ!! ドカァ!!
ネクロマンサー「……グクッ」
影忍「ここは俺が食い止める! お前らは先へ行き、本体を葬るのだ!」
魔道士「っ!!」
ネクロマンサー「お……のれッ」
召喚士「影忍さん……っ」
- 291 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:04:58.25 ID:Jw9xpr41o
盗賊「……行くぞ」
戦士「いいのか?」
盗賊「……っ」タタッ
戦士「行くぞ!」
魔道士「は、はいっ!」
召喚士「……」タッタッタッ
影忍「これで終わりだ。何もかも、全てがな」ザクッ
ネクロマンサー「……ククッ」
影忍「……」
ネクロマンサー「この私が、こんな無様な失態を……失態を……」
影忍「最後の最後で、詰めが甘かったようだな」
ネクロマンサー「無様な失態を……演じるとでも?」
影忍「強がりはよせ。大した手立てはなかろう」
ネクロマンサー「まぁ、そうですね」
影忍「……?」
- 292 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:05:25.73 ID:Jw9xpr41o
タッタッタッタッ……ジャリッ
盗賊「……ここ、か」
戦士「扉を開けるぞ。準備はいいか?」
召喚士「うん」
戦士「……ふーっ」
ガチャッ ソーッ
魔道士「……な、何だか変な臭い……っ」
ブッシュウウウウゥゥゥゥ!!
盗賊「――っ!?」
戦士「な、何だこの霧……ぐっ」ガバッ
召喚士(毒!? いやっ、何ともない……。何なんだこれは……っ!?)
シュウウウウゥゥゥゥ……
影忍「……?」
ネクロマンサー「大した事はしていませんよ。ただ、換気するのを忘れてました」
影忍「!?」
- 293 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:06:06.54 ID:Jw9xpr41o
ネクロマンサー「ラボに充満した瘴気が、一気にこのフロアへと広がっているのですッ!」
影忍「きっ、貴様……っ!!」ヨロッ
ネクロマンサー「そう。人間である彼らには、大した効果も得られません」
影忍「ごほっ、ごっほ……!!」
ネクロマンサー「せいぜい、吐き気を模様程度でしょうかねぇ」ムクッ
影忍「迂……闊……っ」ガクン
ネクロマンサー「しかし魔族に対しては、瘴気を得る事で力が増します」
影忍「かはっ、は……ッ」ググッ
ネクロマンサー「私も……貴方もねぇ。凶暴さが増し、理性が薄れてゆくでしょう?」
影忍「う……うぅ……ッ、ウガアァ!!」
ネクロマンサー「さぁ、この結界石で出来た短刀を抜きなさい。私を、解放するのです」
影忍「ウウゥゥ……ッ」
ズボォ!!
ネクロマンサー「さぁ参りましょう。貴方の妹君を含め、新たな素体を手に入れにね。ククッ!」
影忍「……」
- 294 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:06:29.66 ID:Jw9xpr41o
…
東方司令「おおぉぉぉぉ!!」
魔剣士「……」
ズギャッ!! ズガガガガガッ!!
東方司令(体力の消耗が激しい……っ、だが……)
魔剣士「……」
東方司令「互角以上に押す事が出来ている。このまま一気に……倒す!」
ドクンッ
魔剣士「……ッ!!」
東方司令「!?」
ブシュウウゥゥゥゥ……
魔剣士「ウ……グア……ァ」ガクン
東方司令「な……ん――」
魔剣士「アアアアァァァァーッ!!」
ダァン!! ガシィ!!
- 295 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:07:36.17 ID:Jw9xpr41o
東方司令「――――っ!?」
魔剣士「オアアアアァァァァ!!」
ブオンッ!! ドグシャアアァァァァ!!
東方司令「か……っはぁ!!」
魔剣士「オオオオォォォォ!!」
東方司令(い、一体なん……急に、力が増して……っ)
魔剣士「ウアアァァァァーッ!」
ドガガガガッ!! ドゴオオォォォォン!!
魔剣士「フーッ、フーッ、フーッ」
東方司令「……」ドシャッ
魔剣士「フーッ」ザッザッザッ
東方司令「……」
ズルズルズル……グイッ
魔剣士「……」
東方司令「……」パチッ
- 296 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:08:11.33 ID:Jw9xpr41o
ズバッ!! ザッシュウウゥゥゥゥ!!
魔剣士「!?」
東方司令「この程度で、終わりだと思うなよ……?」ポタタッ
魔剣士「……」チャキッ
東方司令「はああぁぁーっ!!」
突如、力の増した魔剣士。それはラボの中心部へと繋がる扉を開けた事による
瘴気によって得られたものだという事は、安易に想像出来るものであった。
しかし東方司令はそんな事情は知らない。だが目の前の敵は紛れもなく、
先程までよりも格段に力を増し、猛威を振るっている。
何度も何度も、繰り返し打ち合う剣の音が広い部屋へとこだまする。
今しがた、優勢を誇っていた東方司令の剣は、魔剣士のそれと形勢を逆転していた。
防戦一方の東方司令は時折、反撃の素振りを見せるが、それも一瞬で潰された。
じわりじわりと削り取られていく力。自然に耳にへと入ってくる詩人の音楽も、
瘴気を吸い更なる力を身に付けた魔剣士の前では、付け焼刃に過ぎなかった。
そして、東方司令の剣は宙を舞い、身は地面へと伏せた。
- 297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:08:40.83 ID:Jw9xpr41o
〜六道門・餓鬼〜
南方参謀「金色の……龍……っ」
皇太子「あ……れが、青龍」
青龍「アアアアアアアアァァァァァァァァ!!」
ビリビリビリビリッ!!
青白い炎を纏ったような金色の龍が、宙を駆けた。
アスタロス「――――ッ!!」
その速さは光の如く、瞬く事すら与えぬ内に
一同の前を通り過ぎ、その後で轟音と突風が生じた。
アスタロス「……ッ」
一瞬、何が起きたのか、絶大な強さを誇るアスタロスですら理解するのに時間を要した。
その頃には足元のドラゴン型の魔物は黒焦げており、息絶えていた。
ズオオオオォォォォ……
大軍師「何という……」
青年兵「……」
- 298 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:09:19.84 ID:Jw9xpr41o
フラァ……
大軍師「大元帥っ!!」ガシッ
青年兵「たった……一撃なのに……っ」
アスタロス「たったの……一撃だというのに」
青年兵「ま、魔力が……ほぼっ、空に……」
アスタロス「我が一部を……葬っただとぉ!?」
青年兵「何て……何て力なんだ……っ」
アスタロス「何という……力なのだ……ッ」
大軍師「大元帥殿を頼みますっ!」ダッ
西方副司令「了解っ!」
大軍師「さぁ、今ですっ!」
東方参謀「はああぁぁ……東方参謀が最終奥義ぃ……っ!」キュイイィィィィ
南方司令「スーパーウルトラミラクルデンジャラスファイナルジャスティス……」キュイイィィィィ
西方司令「殺す殺す殺す死ね殺す殺す死ね殺すぶっ殺おおぉぉぉぉす!!」キュイイィィィィ
アスタロス「――ッ!?」
- 299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:10:38.41 ID:Jw9xpr41o
ジュニア「おおぉぉぉぉ!!」
賢者「……ふぅ」
大軍師「合体五行……発ど――」
恐らく大軍師だからこそ気づいたのであろう。
大軍師「退避――っ!!」
窮地に見えたアスタロスは防御行動のまま後退しながら、一瞬だけ笑った。
その笑みを大軍師は逃さなかった。そして、何かあると悟ったのだ。
エリート「!?」
その瞬間、アスタロスを中心にとてつもない爆風が巻き起こった。
皇太子「ぐお……あっ!!」
南方参謀「きゃあーっ!!」
南方副司令「……ぐ……っく!」ドシャッ
ジュニア「……おいおい、どうなってやがんだよ……ハッハ」
西方参謀「これも想定内……ってかぁ? ヒック」
大軍師「いいえ。ですが対応の範疇外……というレベルではありませんね」ヒラヒラ
- 300 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:11:44.88 ID:Jw9xpr41o
ドドオオオオォォォォ……
南方参謀「な、何なのよ……このバケモノは……っ」
賢者「まさか、もう1回変身するとはねぇ……ふぅ」
先程までの人型をしたアスタロスの姿は、一同の目の前にはなかった。
今あるのは、悪魔のような翼を持ち、巨大な毒蛇の尾を持つ1匹の魔物。
それこそまさに、息絶えたはずのドラゴンと合体したアスタロスの真の姿であった。
南方司令「どんな相手であれ、やる事は同じだ」
東方参謀「そういう事だ。しかし、再び隙を作らねば――」
アスタロス「……」カッ!!
ズッドオオオオォォォォン!!
南方副司令「破壊力がっ、さっきの比じゃねぇぞ!!」
西方副司令「このままじゃ、この部屋ごと粉々になってしまいそうよ……っ」
西方参謀「おら、軍師大先生様よぉ! さっさと何とかしろいっ!」
大軍師「さて、どう致しましょうかねぇ」
そう語る大軍師の額から、1滴の汗が流れ落ちていった。
- 301 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/04/04(水) 18:23:38.10 ID:Jw9xpr41o
キリよく今日はこの辺で…!
ご支援ありがとうございました!昨日は来れなくてごめんなさいね!
それでは失礼致します!ノシ
- 302 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/04(水) 18:28:21.48 ID:X/70qwYDO
おつんぽ低気圧
- 303 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/04/04(水) 20:01:43.68 ID:D74nBKtO0
>>1 おつ
アスタロスがついに本気か…
- 304 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/04(水) 21:42:23.38 ID:AB9LAcjDO
いちょつ
ロリBBAの安定したやられっぷり…
- 307 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/05(木) 14:33:06.29 ID:uPlRUs8P0
考えてみりゃ相手のホームなんだし
実力は互角だったとしても不利なんだよな
- 308 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:34:00.16 ID:a957thdco
オオオオォォォォ……
アスタロス「……」
この姿を見せたのはいつ以来であろうか。アスタロスはそんな事を考えていた。
無論、この地上において真の姿を晒すなどという事は始めてである。
己の一部でもあるドラゴン。それを取り込む事によって、初めて真の姿となり得るのである。
青龍により一瞬で存在を終えたそれを無駄にするは愚策。
そう判断したアスタロスは惜しげもなく真の姿を晒すという事を決断した。
いや、そもそもそう頭で考えたのは取り込むという行動を起こしてからである。
青龍を感じた時、既に無意識に行為は始まっていた。自己防衛である。
命の危険を感じたアスタロスは、意思とは無関係に変身を行っていたのである。
それをアスタロスは決して恥とは思わない。生物が生きる為の防衛本能であるからだ。
しかし今は自分自身に怒りが込み上げていた。主であるサタンへの冒涜である。
初めて対峙した段階で、他の人間よりは力を持っているものの、自分はおろか、
サタンには遠く及ばない。そう感じて、信じてやまなかった。
だがそれは青龍の出現により、一瞬で覆された。アスタロスに慢心はない。命を摘み取るのみ。
- 309 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:34:33.25 ID:a957thdco
アスタロス「貴様等が危険であると認識した。よって、今ここに排除を宣言する」
青年兵「……っ」
西方参謀「さぁ、敵さんも本気のようだぞ? どうすんだい……ヒック」
大軍師「計画に変更はありませんよ。五行を叩き込む、ただそれだけです」
東方参謀「しかし、今度のはそう簡単にいきそうもないぞ」
ドラゴン型へと姿を変えたアスタロスの周囲に、よどんだ空気が滞留している。
エリート「あれは先程の毒霧か……」
南方参謀「あんなの近づけないじゃないっ」
賢者「回復で解毒も出来るけどね……ふぅ」
ジュニア「お前が回復薬に徹したら、五行はどうすんだよ」
賢者「……1人で撃ったら? ふぅ」
ジュニア「死ねってのかよっ、バカ!!」
西方副司令「貴方達2人に対抗出来うる魔力を持っている者は……残念ながら居ないわ」
皇太子「あの毒は即死か?」
エリート「……?」
- 310 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:36:12.70 ID:a957thdco
皇太子「致死量はどの程度だと聞いている」
南方副司令「ど、どうなんだ?」
南方参謀「専門家じゃないからよくは分からないけど……即死ではないんじゃないかしら」
南方司令「それがどうだと?」
皇太子「即死でないなら毒に耐えつつ、攻撃するしかあるまいな」ザッ
エリート「陛下っ!!」
西方司令「国王陛下よぉ、自分で何言ってっか分かってらっしゃるんでぇ?」
皇太子「以前読んだ東方の書物にこんな言葉があった……」
大軍師「虎穴に入らずんば虎児を得ず……ですか」
皇太子「その通り。死地を越えねば活路は見出せぬ状況だろう?」
青年兵「む、無茶です……っ。それはなにません……ごほっ」
皇太子「大軍師、大元帥とは如何なる者か?」
大軍師「国軍の統括を務める、最高責任者です」
皇太子「だそうだ、青年兵大元帥殿。君に私を指揮する権限はない」
青年兵「陛下……っ!」
- 311 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:36:46.50 ID:a957thdco
皇太子「私は『本国王宮』の人間として独自に動く。行くぞ、エリート」
エリート「……っ」
青年兵「エリート様っ!」
エリート「くっ、陛下は私が何とかする! 君らは現状打破を模索してくれ」ダッ!!
西方司令「それでいいんだよおおぉぉ!! やっぱりそうでなくちゃなあぁ! 漢は特攻おおぉぉ!」
南方司令「陛下1人に任せては……正義の恥よ!」ダダッ
西方副司令「ちょっと、勝手に……っ!」
西方参謀「ほっとけほっとけ。そう簡単には死なん連中だろ……ヒック」
東方参謀「それで、現状打破はどうするのだ?」
大軍師「アスタロスが動かない事が気になりますね」
西方参謀「だよなぁ。ありゃあ、カウンタータイプか?」
青年兵「……っ」
その言葉に、青年兵の脳裏には魔王マーラが蘇った。
しかしその考えは否定という決断において、一瞬の内に掻き消された。
青年兵(いや、それはない。さっきから青龍や五行の存在を見せているんだ)
- 312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:37:22.59 ID:a957thdco
その結論は大軍師も同様であった。
大軍師「カウンタータイプかもしれませんが、ダメージは与えられると思いますよ」
西方参謀「まぁな。どこぞの魔王みてぇに、攻撃を跳ね返すってのは無さそうだ」
大軍師「でなくば、わざわざあのような毒を纏ったりしませんからね」ヒラヒラ
南方副司令「そ、そうかっ。確かにそうだな」
西方副司令「じゃあ何故、敵は動かないの?」
西方参謀「体力、魔力の回復を図っているか、もしくは……」
南方参謀「何かを狙っているのか……」
大軍師「若しくは、何も狙っていないか」
西方副司令「……へっ?」
大軍師「間合いがそれだけ狭いという事なのかもしれません」
西方参謀「超至近距離型か……っ」
南方参謀「ちょっと! だったら陛下達、ヤバイじゃないっ!」
大軍師「だとすればすべき事は1つ」
青年兵「……?」
- 313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:37:52.12 ID:a957thdco
大軍師「ですよね?」
ジュニア「ハッハ。詳しくは聞こえなかったが、やるんだろ? 五行をよ」
賢者「離れて五行を撃ち……ほうむって終わりさ。ふぅ」
南方参謀「そ、そうよっ! 近づいて来ないなら、遠方から五行を放てば終わりじゃないっ!」
南方副司令「た、確かに……っ」
西方参謀「しかしよ、そんなアッサリと片付くモンかねぇ……ヒック」
大軍師「お2人の魔力ならば、2発程度は放てますか?」
ジュニア「まぁな。この音楽のせいでむしろあふれかけてんぜ……ハッハ!」
賢者「諸刃だけどね……ふぅ」
ジュニア「あん?」
大軍師「とにかく、我ら3人で遠方より五行を放つ事が、最も被害を最小限に抑える策です」
南方副司令「分かった。だったら多少の護衛は俺らに任せとけ」
大軍師「陛下らの援護もお願い致しますよ?」
西方副司令「もちろんよっ!」
大軍師「……ふむ。それでは参りましょうか」ザッ
- 314 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/04/05(木) 18:40:33.87 ID:a957thdco
>>274-280
今月から業務変わってペースがバラバラです…すみません
>>281
お大事になさって下さいまし!少しでも元気の源になれば!
ほんと短くてゴメンナサイ…!そいでは失礼致します!ノシ
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