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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:07:10.70 ID:.C3avZ2o
召喚士「…えぇと」

テクテクテク

召喚士「あ…っ、あったあった」

タッタッタ

召喚士「本国は栄えてて便利なんだけど…いっつも迷っちゃうんだよなぁ」

テクテクテク…カチャッ

〜ワークショップ〜

召喚士「こんにちはー」

店員「いらっしゃいませ!」

召喚士「えぇと、この手紙をジュニアさんと…あと北方司令部に」

店員「はい。お預かりいたします」

召喚士「あと…お金を下ろしたいんですが…」

店員「畏まりました。少々お待ち下さいませ」

スタスタスタ

召喚士「……」


729 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:07:47.24 ID:.C3avZ2o


ジャラッ…ゴトッ

店員「以上で宜しいですか?」

召喚士「はい。じゃあ…お願いします」

店員「お預かりいたします!ありがとうございました!」

カチャッ…テクテクテク

召喚士「…よし、あとは消耗品を買い揃えて……」

ドドッドドッドドッ

青年兵「召喚士さんっ!!」

召喚士「青年兵…くん!?」

ドドォ…

青年兵「良かったぁ。まだいてくれて…」

召喚士「ど、どうしたの!?」

青年兵「大した物ではないんですが、一応これをお渡ししたくて」

召喚士「……?」


730 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:08:42.87 ID:.C3avZ2o


召喚士「これ…っ」

青年兵「魔物図鑑の…ドッペルゲンガーの写しです」

召喚士「…い、いいの…っ?」

下馬した青年兵は紙を手渡すと同時に、召喚士の耳元で囁く。

青年兵「……内密にお願いします」

召喚士「…うん。分かった」

青年兵「偽者の行方は予測出来ますか?」

召喚士「…いや、難しいね」

青年兵「馴染みのある地域に逃亡したとか…?」

召喚士「それも考えて北方司令部とこの件を知る人には手紙を送ったよ」

青年兵「そうでしたか…」

召喚士「でも、わざわざ本国へ来たって事は逆に北方以外の地域へ行くって事も…」

青年兵「確かに…考えられますね」

召喚士「ひとまずは港街へ行き、本国と北方の間辺りを捜索しようと思ってるよ」


731 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:09:33.34 ID:.C3avZ2o
青年兵「…了解です。ならば本国近辺は任せて下さい」

召喚士「い、いや…何もそこまで…」

青年兵「いえいえ。これは最早、召喚士さん達だけの問題ではありません」

召喚士「青年兵くん…」

青年兵「いつも助けて頂いてるんです。このぐらいはさせて下さい!」

召喚士「……分かった。ありがと」

青年兵「いえ…っ。ところで…召喚士さんお一人ですか?」

召喚士「…うん。流石に直後だし…街中をうろつくのも…って」

青年兵「…た、確かにそうですね」

召喚士「青年兵くん、色々とありがとう!」

青年兵「いえっ!この程度しか出来ずすみません」

召喚士「ううん!大助かりさ!」

青年兵「…では、近いうちまた…!!」

召喚士「ありがとう!!」

グイッ…パッカパッカパッカ…ドドッドドッ…


732 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:10:00.47 ID:.C3avZ2o
召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第二十四部〜


733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:10:28.81 ID:.C3avZ2o


盗賊「……」

戦士「……」

魔道士「…召喚士さん、まだかなぁ」

ガサガサッ

魔道士「っ!?」

盗賊「これを被れっ!」

戦士「お、おうっ!」

ゴソゴソッ

盗賊「…………」

ガサッ…テクテクテク

召喚士「…あ、お待たせしました」

魔道士「ビックリしたぁ…っ!」

召喚士「え?あれ、何してんの戦士?」

戦士「な、何って…だってよ…」


734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:10:57.66 ID:.C3avZ2o
盗賊「…流石に公には…まずいだろう」

召喚士「本国を出てしまえば大丈夫ですって」

魔道士「そうですかぁ…?」

召喚士「もう無罪なんですよ?堂々と行きましょうよ」

戦士「そ、それもそうだわな…」

盗賊「…まぁ…そうだが」

召喚士「…さ、元気を出して…出発〜!」

テクテクテク

魔道士「…随分…ご機嫌ですね」

盗賊「…召喚士なりに励ましているんだろう」

魔道士「……」

戦士「……」

盗賊「…さ、行こう」

戦士「…おう」

魔道士「そうですよね。いつまでもクヨクヨしてたってしょうがないですもんねっ!」


735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:11:29.09 ID:.C3avZ2o
テクテクテクテク

戦士「そんで、港街まで行ってどうすんだ?」

召喚士「……どうしよっか」

盗賊「……」

召喚士「…占い師さんさえ無事だったらなぁ」

魔道士「あっ!そうですよね…っ。占い師さんなら居場所なんて一発で…」

召喚士「しかし今はそれも出来ず…。自分達の足で探すしかないですね」

盗賊「…ああ」

召喚士「そういえばさっき、青年兵くんに会いましたよ」

魔道士「青年兵さんですか!?」

召喚士「これを貰いました」

カサッ

戦士「何だこれ?」

召喚士「魔物図鑑の…ドッペルゲンガーの写しさ」

戦士「!?」


736 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:12:09.77 ID:.C3avZ2o
盗賊「…へぇ。こんな物まで」

召喚士「い、一応極秘と言う事で…」

魔道士「わ、分かりました…っ!」

召喚士「あと、本国近辺の捜索はあちらが担当してくれると」

魔道士「本当ですか!?」

召喚士「ええ」

戦士「こりゃ楽だな。」

盗賊「…という事は」

召喚士「北方も司令部やジュニアさんへ顛末を記した手紙を出しました」

戦士「…ほぉ」

召喚士「今日の朝現在で、乗船名簿に戦士の名はありませんでした」

魔道士「え、えぇと…つまり…?」

召喚士「泳いででも行かない限り、東方、南方、西方へは行ってないと思われます」

盗賊「…つまり…いるとすれば」

召喚士「…そう。この大陸のみという事です」


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:12:46.94 ID:.C3avZ2o
魔道士「ずいぶん絞られましたねっ!」

召喚士「そうは言ってもこの広い大陸…探しきれるかどうか…」

戦士「本国はともかく北なんて山に逃げ込まれた探しようがねーぜ」

召喚士「そうなんだよね…」

盗賊「…どうする?」

召喚士「…何か別の切り口がないだろうか」

盗賊「……」

召喚士「…ひとまずバーテンさんの所へ行きましょうか」

魔道士「そうですね…!」

戦士「そこでメシでも食いながらじっくり考えようぜ」

召喚士「うん」

魔道士「それでは港街目指して頑張りましょうっ!えへへ!」

戦士「おうよっ!」

盗賊「…おう」

四人は街道を進み、大陸港の街を目指す。


738 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:13:20.29 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…

子供「おじちゃーん!もう一回ーっ!」

男「はいはい。じゃあ順番に並んでね」

魔道士「なんだか賑やかですね」

戦士「催しものか?」

四人は港街手前の開けた平野に構えられた、大きなテントを見つける。

召喚士「あぁ、サーカスみたいですね」

魔道士「本当だっ!うわぁ〜!」

召喚士「近くまで行ってみましょうか!」

魔道士「はいっ!!」

戦士「…ったく、急にはしゃぎやがって。…なぁ?」

盗賊「…す、すごい」

タッタッタ

戦士「お、おいっ!お前もかよ!?」

目を輝かせ走る盗賊を見て、溜息まじりに戦士が後を追った。


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:14:00.42 ID:.C3avZ2o


団長「さぁさぁ、空中ブランコにライオンの火の輪潜り…」

魔道士「…うわぁ」

団長「小熊の玉乗り…おっと、続きは今夜開催予定の…当サーカスにて!」

子供「もっと見たい〜!!」

団長「じゃあ特別にマジックをご披露だぁ!」

子供「うわぁ〜い!」

盗賊「……ゴクッ」

魔道士「楽しみですねぇ!」

召喚士「ええっ!」

団長「それじゃピエロくん、マジックをご披露だ〜!」

ピエロ「ハイハーイ。ソレじゃマジックをヒロウするゼ!」

コトッ

ピエロ「ココにフタツのコップがあル。コッチはアカ。コッチはアオ!」

男性客「……ドキドキ」


740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:14:35.72 ID:.C3avZ2o
盗賊「…ドキドキ」

ピエロ「それじゃアカいコップにサイコロをヒトツいれるヨ!」

コロンッ…カラカラカラッ

ピエロ「ソレをサカサマにテーブルへおくヨ!」

タンッ

ピエロ「さぁサイコロがハイッテいるのはドッチ?カンタンすぎたカナ?」

男性客「そんなの赤に決まってんじゃーん!!」

魔道士「赤ですよっ!赤っ!!」

盗賊「…赤だ!」

ピエロ「……それデハ…ジャジャーン!!」

カパッ

男性客「あれぇ〜!?サイコロがなくなった!!」

魔道士「じゃ、じゃあ……青のコップですか!?」

ピエロ「……フフッ、ジャジャーン!!」

カパッ


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:15:05.50 ID:.C3avZ2o
盗賊「…な、ないっ!詐欺だ!!」

ピエロ「サギ!?ノンノーン!ひとギキわるいデスネー!」

パチンッ

ピエロ「アナタ…どろぼうサンですネー?」

盗賊「…ち、違うわ!たわけっ!!」

ピエロ「じゃあソノ、むねノあいだニはさまッタ…サイコロはなんデスカー?」

盗賊「んな…っ!!」

モゾモゾッ

盗賊「…サ、サイコロが…!」

召喚士「い、いつのまに…っ!?」

ピエロ「おっきなバストだと…カクしやすいデースネー!」

盗賊「……くっ!!」

ポイッ

ピエロ「ハイ、それじゃサイコロはボウヤにプレゼントしますヨー」

子供「ありがとー!!」


742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:15:39.09 ID:.C3avZ2o
団長「楽しんで頂けましたか?お次はこんなマジック〜!」

ワイワイワイ

戦士「…おい、まだ行かんのか?」

召喚士「あ、そうだね。そろそろ行こうか」

魔道士「で、ですね…。すみません…夢中になっちゃいました…ははっ」

盗賊「……うん」

戦士「いや、別にいいけどよ」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

魔道士「でも凄かったですねー!」

盗賊「…ああ」

戦士「お前ならサーカスみてぇな事は容易いんじゃねーの?」

盗賊「…そ、それはそうだが」

召喚士「……」

盗賊「…見世物と実戦では……鍛錬も動きも違う」

戦士「ふぅん。そんなもんかぁ」


743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:16:06.33 ID:.C3avZ2o
〜大陸、港の街〜

魔道士「到着〜!!」

召喚士「それじゃバーテンさんのお店に行きましょうか」

戦士「おうっ!」

〜バーテンの店〜

カチャッ…チリチリン

魔道士「こんにちはー…」

召喚士「……あれ?いないのかな?」

戦士「裏じゃないのか?」

召喚士「…バーテンさーん?」

テクテクテク…ガチャッ

召喚士「…あっ、バーテンさん!」

バーテン「!?」

召喚士「やっぱり裏口にいましたか。こんにちは」

バーテン「おう、今日はどした?」


744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:16:35.16 ID:.C3avZ2o
召喚士「あ、いや…これといったわけでもないんですが…」

バーテン「…そうか。すまんな、すぐそっち戻るから」

召喚士「何やってるんです?手伝いますよ…」

バーテン「あー気にすんな。薪だ、すぐ終わる」

召喚士「……分かりました」

テクテクテク

戦士「いたか?」

召喚士「うん。座って待ってよう」

盗賊「……ああ」

テクテクテク…ドサッ

バーテン「おう、待たせたな」

魔道士「こんにちは〜!」

バーテン「色々と大変だったみたいだな。手配書見たぜ?」

召喚士「はは…っ」

バーテン「お前もついにお尋ね者かぁ〜。ははっ」


745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:17:08.47 ID:.C3avZ2o
戦士「ははっ、じゃねぇ!もう無罪で釈放になったよ!!」

バーテン「冗談だよ、さっき新聞で見たさ。まぁ無事で何よりだ」

召喚士「まだ終わったわけではないですが…」

バーテン「偽者だろ?全く…どこウロついてやがんのかねぇ…」

盗賊「……」

バーテン「あ、そうだ…!そういやお前の親父だ来たぞ」

戦士「…ああ、会ったよ」

バーテン「…なんだ、そうだったか」

召喚士「戦士父さんには色々と助けて頂きました」

バーテン「んで、アイツは?またぶらり旅か…?」

召喚士「……みたいです」

バーテン「…ったく、落ち着きのねぇ奴だ」

ゴトッ

バーテン「ほれ、まずは酒…。それと魔道士ちゃん手伝ってくれや」

魔道士「ご飯ですね!?…お任せ下さいっ!えへへ!」


746 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:17:36.97 ID:.C3avZ2o


戦士「カンパーイ!!」

魔道士「乾杯〜!」

チィンッ!!

戦士「…んっ…んっ…ぷはぁ!うめぇ!!」

バーテン「んで、その偽者はどうするつもりなんだ?」

召喚士「目的も行動も読めないんじゃ…何ともしようが…」

バーテン「コイツの思考を持ってんだろ?単純そうなモンだがなぁ」

グリグリッ

戦士「…あのなぁ、俺だってちゃんと考えながら生きてるっつーの!」

魔道士「でも、戦士さんなら堂々としてそうですけどねぇ…」

盗賊「…確かに」

召喚士「それは考えたんですけど、目撃証言がなさすぎるんですよ…」

盗賊「……」

召喚士「事件後…ピタリと煙のように消えてしまっているんです」


747 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:18:06.55 ID:.C3avZ2o
バーテン「…もしかして死んだ?」

召喚士「まさか…相当の腕前じゃなきゃ難しいですよ」

魔道士「そうですよ、仮にも戦士さんなんですからっ」

バーテン「そりゃそうか…」

召喚士「本国にいない事はほぼ確かです。何日も滞在すれば流石に…」

バーテン「目撃証言の一つくらいは出る…か」

盗賊「…例えば」

魔道士「へ…っ?」

盗賊「…例えば…誰かに匿われていたり…とか」

魔道士「偽者をですよ!?一体誰が……」

召喚士「そ…そうか、待てよ…?」

魔道士「…?」

召喚士「偽者と知らず、本物の戦士として匿っていたならば…?」

バーテン「誰がそんな事するってんだ?」

召喚士「本国で戦士を知っている者といえば…」


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:18:42.15 ID:.C3avZ2o
魔道士「本国や国軍の皆さんは…まず違いますよねぇ…」

盗賊「…ドクターは?」

召喚士「有り得ますが病院は真っ先に捜索が入るでしょう…」

バーテン「だな。そういう施設は真っ先に疑われるからな」

召喚士「それに病人や怪我人も多数います。手配書や警備もいち早く入るでしょう」

魔道士「な、なるほどですね…」

盗賊「…あとは」

召喚士「……そ、そうだよ…っ。何で気付かなかったんだ…!!」

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん…っ!!」

召喚士「今回の張本人だ!彼女なら匿う理由も大いにあります!!」

バーテン「…確かに偽者を本人と思っているなら…可能性はあるだろうな」

盗賊「…どうする!?」

召喚士「…今からワークショップへ行ってきます!」

ダッ…カラカランッ

魔道士「お、お気をつけて!」


750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:19:14.96 ID:.C3avZ2o
タッタッタッタ

召喚士「……っ」

バンッ

召喚士「…はぁ…はぁ」

店員「い、いらっしゃい…っ」

召喚士「……手紙を…お願いします!」

店員「…?は、はぁ…っ」



召喚士「……よしっ」

キュキュッ

召喚士「これをお願いします」

店員「はいはいっ。本国の青年兵様ですね…?今夜中には届くと思います!」

召喚士「よろしくお願いします」

店員「あ、お待ち下さい。ご伝言が届いてますよ!」

召喚士「…?」


751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:19:53.66 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…カチャッ…チリチリンッ

戦士「おかえり〜」

召喚士「ただいま」

魔道士「大丈夫でしたか?」

召喚士「ええ。今夜のうちに届くようです」

盗賊「……それは?」

召喚士「左翼長さんとジュニアさんから伝言の返事です」

バーテン「何だって?」

召喚士「えと、左翼長さんは『こっちは俺らに任しとけ!見つけたらとっ捕まえる!』」

魔道士「頼もしいですねっ!」

召喚士「ジュニアさんは『了解!出来る限りはフォローすんぜ!ハッハ!』」

バーテン「アイツは今、どこにいんだ?」

盗賊「…鉱山の街」

召喚士「とりあえずこれで包囲網は完成…かな?」

魔道士「頼もしいですねっ!」


752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:20:23.41 ID:.C3avZ2o


バーテン「あとはどうするつもりだ?」

召喚士「何か別の手段はないか考えようかと…」

戦士「別ったって…何かあんのか?」

召喚士「いや…特に何も…」

バーテン「釣りってのはどうだ?」

魔道士「釣り…ですか?」

バーテン「ああ、餌をぶら下げて向こうから食いつくのを…待つ!」

盗賊「……なるほどな」

召喚士「でも、餌がないんですよね…」

バーテン「…確かに、そうもそうか」

魔道士「何かいいアイディアがあればいいんですけど…」

召喚士「とにかく…青年兵くんからの返事を待ちましょう」

バーテン「明日、改めてだな」

召喚士「…はい」


753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:20:50.92 ID:.C3avZ2o
〜本国、王宮〜

ドドッドドッドドッ…

門兵「何用か!」

ワーカー「青年兵さんはいらっしゃるか?」

門兵「…?」

ワーカー「手紙だ。渡してくれ」

門兵「…ふむ、確かに預かった」



カツカツカツ…コンコン

青年兵「はい」

門兵「失礼します。ワーカーより手紙を預かって参りました!」

ガチャッ

青年兵「ありがとうございます」

門兵「はっ!失礼致します!」

青年兵「……召喚士さんから…!?」


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:21:33.71 ID:.C3avZ2o
ガサッ…パラパラッ

青年兵「……成程…っ」

ガチャガチャガチャッ…バサァ

右秘書官「…おや?おでかけかな、青年兵殿?」

青年兵「…すみません!」

タッタッタッタッタ

右秘書官「…はて…?」

タッタッタッタ…コンコン

青年兵「エリート様っ!!」

エリート「青年兵か?開いているぞ…入りたまえ」

青年兵「失礼致します!」

カツカツカツ

エリート「夜分にどうした?」

青年兵「…ウィッチさんは王宮へ戻られてますか!?」

エリート「ウィッチさん…?いや、知らぬぞ?」


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:22:11.69 ID:.C3avZ2o
青年兵「……ならば、大丈夫です」

エリート「何があったのだ?」

青年兵「これを…」

パラッ

エリート「……成程。確かに彼女は戦士君に対して恩があるからな」

青年兵「もしや…と思ったのですが…」

エリート「君も知っているだろう?彼女は行ったんだ」

青年兵「…ええ」

エリート「自分の運命を自分自身で変える為、彼女は自ら旅立ったのだ」

青年兵「…そうですよね」

エリート「しかし…逆に厄介かもしれんな…」

青年兵「…え?」

エリート「もし旅先でばったり出会ったら…彼女は偽物をどう思う?」

青年兵「……あ…っ!!」

エリート「これは早めに手を打った方が良いかもしれん…」


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:23:02.19 ID:.C3avZ2o
青年兵「そ、それでは…戦士さんと関わった人間全てを…」

エリート「国軍の目が行きとどく所は問題ないはずだ」

青年兵「そうか…っ。問題はワーカーや馴染みの店…」

エリート「こればっかりはカバーしきれんな。どうする…何か手は…」

青年兵「まさか左大臣様はそこまで考えて……」

エリート「……待て、今…なんと申した?」

青年兵「え…?いやっ、左大臣様が…」

エリート「…ナイスだ青年兵」

青年兵「…?」

エリート「逆だよ逆っ!もし…無罪の判決を下したにも関わらず…偽物が再犯したら?」

青年兵「当然、責任や風評は……さ、左大臣様達に…っ!?」

エリート「左の連中がそんな過ちを犯すと思うか?」

青年兵「…まさか」

エリート「そうなると偽物は…偽物…は……っ」

青年兵「エ、エリート様…!?」


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:24:18.02 ID:.C3avZ2o
〜バーテンの店〜

バーテン「さーて、今日はキリねぇし休んでおけ」

盗賊「…だな」

召喚士「そうしましょうか」

魔道士「はいっ!お風呂の準備してきます!」

戦士「んじゃ、明日は青年兵からの返事を待って…」

召喚士「うん。次の一手を考えよう」

戦士「…うっし。そうだな」

盗賊「……」

バーテン「俺も何か手助けしてやりてぇところだが…」

召喚士「いえいえ、お構いなく」

バーテン「…んじゃ、ここを自由に使ってくれ」

戦士「い、いいのかよ…?」

バーテン「どうせ寂れたバーさ、好きにしな」

盗賊「……助かる」


758 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:24:54.12 ID:.C3avZ2o
テクテクテク

魔道士「お風呂の準備出来ましたよー」

盗賊「…今、行く」

スタスタスタ

魔道士「よいっしょ」

パサッ…ヌギヌギッ…カチャッ

盗賊「……」

ジャーッ…バシャバシャッ

魔道士「……はぁ〜」

盗賊「……はー」

魔道士「なんか…『は〜』っておばちゃんっぽいですね…へへっ」

盗賊「…そ、そうか?」

魔道士「だ、だめですよ!私達まだまだ若いんですからっ!!」

盗賊「…う、うん」

魔道士「気をつけよっと……」


759 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/20(水) 23:25:33.97 ID:.C3avZ2o


召喚士「戦士、飲み直す?」

戦士「おーそうだな」

トクトクトクッ…コトッ

戦士「サンキュ」

召喚士「…災難だったね」

戦士「んーまぁな」

召喚士「警備所、大変だった?」

戦士「ん、ああ…。まぁそうでもなかったかな…ははっ」

召喚士「……そっか」

戦士「ま、こうして出てこれたし…もういいさ」

召喚士「…そうだね」

戦士「明日からまた頑張ろうぜ!」

召喚士「……うんっ!」

戦士「へへっ!」



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