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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
938 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:04:02.75 ID:i3xnMk51o


盗賊「……っう……う」

 ザッザッ……ザッ

東方司令「……」ポン

盗賊「……っ」

東方司令「ボク達の兄は……最高だった」

盗賊「……」

東方司令「立て。ボクらのゴールはここじゃない」

盗賊「……っ」グググッ

東方司令「先に進もう。それがボクとキミに課せられたものだ」

盗賊「……う……ん」

 ノソッ……スタ……スタスタ……

東方司令「……ありがとう、兄くん」

盗賊「ありがとう……兄様……っ」

 残された2人の妹。生まれや立場は違えど志と兄を思う気持ちは同じであった。


939 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:04:37.28 ID:i3xnMk51o


召喚士「魔道士さんっ、大丈夫……ですか?」

魔道士「え、ええ……。ちょっと疲れてしまいいました……えへへ」

召喚士「……っ」

魔道士「あっ、心配しないで下さいっ! 足手纏いにはなりませんから……っ」

戦士「無理すんな」ザッザッ

魔道士「戦士さん……」

戦士「お前と盗賊はここまでよくやってくれた。もう魔力も僅かなんだろ?」

魔道士「……っ」

戦士「こっから先は俺と召喚士が何とかする。無理はすんな」

魔道士「でもっ、お2人だってずっと戦いっぱなしで――」

戦士「何を言ってやがんだ。俺らはまだ戦える。なぁ?」

召喚士「うん。それにこの先の戦いは……俺達の舞台ではありませんから」

魔道士「あ……っ」

召喚士「あくまで天才さんの……花道ですから」


940 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:05:13.80 ID:i3xnMk51o
剣士「召喚士くん」スタスタスタ

召喚士「剣士さん、皆さんはご無事で?」

弓使い「ええ。でも、幼女が……」

魔道士「!?」

幼女「私は大丈夫だよ……。ちょっと、疲れただけだから……」

剣士「召喚士くん。こんな状況で申し訳ないとは思うんだけど……」

召喚士「気にしないで下さい。剣士さんと弓使いさんは、幼女ちゃんを連れて戻って下さい」

弓使い「……ゴメンね」

戦士「あとは俺らに任せてくれ」

弓使い「うん……っ」

幼女「私、まだ戦える――」

魔道士「幼女ちゃん」

幼女「!?」

魔道士「無理しないで。ここから先、残るは魔王だけなんだし」

幼女「でも……」


941 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:05:53.48 ID:i3xnMk51o
盗賊「私達以外にも、城内へは進んでいるんだ」ザッザッ

東方司令「そういう事だ。だから無理をせず退くといい」

幼女「……っ」

剣士「幼女、あとはみんなに任せよう?」

幼女「……ごめ……っなさい……!」ポロポロ

魔道士「気にしないでっ、幼女ちゃん! ねっ?」

幼女「うぅーっ」

東方司令「あまりゆっくりしてる時間ももうないな」

戦士「ああ。ネクロマンサーの野郎も、部屋もぶっ壊した」

盗賊「これでもう……兄様のような苦痛を味わう者は生まれないだろう……」

東方司令「……」

戦士「おし、そんじゃ行こう。剣士さん達も気を付けて戻ってくれ!」

剣士「ああ、ありがとう」

幼女「ごめんなさい……本当にっ。それ、じゃ……」

召喚士「あ……っ、幼女ちゃん!」


942 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:07:00.33 ID:i3xnMk51o
幼女「……?」クルッ

召喚士「……その、こっちこそ……ごめん」

幼女「……え?」

召喚士「お父さんの事……」

幼女「……ううん、いいの。お父もお……女賢者さんも、そういう宿命だったの」

召喚士「……っ」

 戦闘のさながら、お父の消滅と女賢者の死を聞いてはいたが、

 改めてその事を再認識し、沈痛な面持ちへとその表情は変わっていった。

幼女「今は、戦いに集中してね」

召喚士「……ありがとう」

幼女「じゃあ、頑張ってね。私も負けないから」

召喚士「うん。気を付けて」

 スタスタスタ……

戦士「……強いな、幼女」

召喚士「うん。本当にね」


943 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:07:38.84 ID:i3xnMk51o
東方司令「どうした? 早く行くぞ」

魔道士「あ、はいっ」

召喚士「魔道士さん」

魔道士「はい?」

召喚士「1つ聞いてもいいですか?」

魔道士「何でしょう?」

召喚士「さっき言った事……残るは魔王だけって」

魔道士「……ええ」

召喚士「どうして分かるんですか?」

魔道士「……そういえばそうですね。でも、なんとなくそう思ったんです」

召喚士「……」

戦士「何か引っかかるのか?」

召喚士「いや、そういうわけじゃないんだけど」

盗賊「確かに、まだ敵が居るとも限らないしな」

召喚士「ええ……っ」


944 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:08:20.42 ID:i3xnMk51o


白馬騎士「まだ油断はするなよ。どこに敵が潜んでいるとも分からんぞ」

帝「警戒を怠るなっ」

足軽「御意に!」ザザッ

紅孩児「あーシンド。立つのもやっとだっつーの……チクショー」

同門「知るか」ザッザッ

紅孩児「おいおい冷てぇヤツだな。手ぇぐらい貸したらどうだ?」

 スッ

紅孩児「……?」

ハヌマーン「手助け、感謝するぞ」

紅孩児「チッ。勘違いすんな、そんなんじゃねぇっつーの」

ハヌマーン「……そうか」

紅孩児「紅孩児様が魔王になるために、邪魔な奴を排除したまでだ」

ハヌマーン「ほう。それではお主が皆に感謝せねばな」

紅孩児「ケッ! 知るか!」ザッザッ……


945 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:09:20.53 ID:i3xnMk51o


名代「皆様方、ご無事……ですか?」

白虎長「ご無事の基準が分からないから、何とも言えないわよ……っ」ノソッ

青竜士官「もう……魔力は枯渇間近、身体もガタガタだ」

朱雀嬢「立っているのもやっとですわ……。ねぇ、玄武娘……」

玄武娘「……サモナー……様?」

サモナー「玄武娘」

玄武娘「サモナー様ぁ……っ!!」

サモナー「無事かい? 玄武娘、強くなったね」

玄武娘「サモナー様ああぁぁ!!」ダッ

サモナー「ごほっ! ご……っほ!!」ビシャッ

玄武娘「――!?」

白虎長「ちょっと!! 大丈夫!?」

サモナー「げほげほっ!! ごほ!!」

白虎嬢「どなたか、回復出来る方はいらっしゃいませんかぁ!?」


946 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/11(金) 18:20:51.15 ID:i3xnMk51o
師匠「駄目だな」ザッザッ

白虎嬢「……?」

師匠「その玄武使い、自分の命を魔力に代えて、召喚してやがる」

サモナー「……っ」

師匠「召喚解除すりゃ魔力を延命に費やせるが……」

サモナー「き、気に……しないでくれ……っ」

師匠「……本人がこう言ってんだ。こればかりは治癒で何とかなるもんじゃねぇよ」

白虎嬢「そんな……っ」

師匠「だからと言ってこのままってわけにもいかん。誰か、運んで――」

オーク「オ、オラが行くです!!」ザッ

師匠「お、おぉ……」

ラクシャーサ「ほれッ、コイツの背中に乗っかれって!」

サモナー「あ、ありが……ごほごほっ!!」

オーク「それじゃ走るですよ!!」ダダッ!!

玄武娘「サモナー様……っ」


960 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/05/13(日) 01:00:45.64 ID:A4kuGxYAO
楽しみ方は人それぞれでいいんじゃね。読む人多いほうが嬉しいだろうし


964 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/13(日) 10:26:58.70 ID:OXSzeS4DO
いちょつ

紺だけ続いていまだにスルーできないお前らが情けない

おまえもなってね


965 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/13(日) 12:37:42.83 ID:QZJT1Jmao
↑おまえもな


966 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/13(日) 13:52:07.50 ID:vqCKwdh9o
以下無限ループ


970 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:43:35.19 ID:6LHCiSTho
師匠「あんた、アイツの召喚獣だよな?」

マーメイド「……ええ」

師匠「早く行ってやりな。それが唯一の薬da]

マーメイド「……聞かないの?」

師匠「あ?」

マーメイド「事情」

師匠「聞いてどうこうなるもんじゃねぇ。そうだろ?」

マーメイド「……っ」

師匠「早く行ってやれよ。そんで治るってわけでもねーけど……」

マーメイド「……」

師匠「残された、貴重な時間なんだろ?」

マーメイド「……ごめんなさい……っ」バッ

師匠「……」

マジシャン「残された時間、か。お前さんはいいのか?」ザッザッ

師匠「けっ。ガラじゃねぇよ。そんなんはよ……」


971 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:45:29.43 ID:6LHCiSTho


名代「上様っ!」

帝「どうやら、うまくいったようだな」

名代「はい。うまくいきました」

帝「流石だの。大義であった」

名代「いえ、この戦は私の力などちっぽけなもの」

帝「そんな事はない」

名代「上様を始め、前線で戦い続けた皆の力……」

帝「……」

名代「そして、命を費やして使命を全うした者達のお陰です

帝「……そうじゃな」

名代「それに戦はまだ終わってはおりませぬ。あとは……信じましょう」

帝「うむ、そうであった。それでは信じて帰りを待とうではないか」

名代「……はい」

帝「……さて、それでは索敵の再開じゃ。付いて参れ」ザッ


972 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:45:57.96 ID:6LHCiSTho


西国兵「……遺体、収容を終えました」

王子「そうか」

西国兵「では、本陣に戻ります」

王子「……なぁ、どれほどだ」

西国兵「えっ? あ、ああ……遺体ですか。えぇと……」

王子「いや、やはり良い。まだ闘いは終わってなかったな」

西国兵「……っ」

王子「私もまだ無事とは限らぬし、聞くのは全てを終えてからとしよう」

西国兵「はっ!」ザッ

王子「動ける者は引き続き、魔物の探索と処理に務めよ」

西国兵「ははっ!」

王子「……」

 ギリッ

王子「これが最後と……祈りたいものだ……っ」


973 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:46:32.25 ID:6LHCiSTho


紅孩児「……はぁ」

 ズキッ

紅孩児「――ッ」

ハヌマーン「傷が痛むか?」

紅孩児「ハッ! バカ言えっての。こんくらい何てこたねぇよ」

ハヌマーン「……」

紅孩児「さーてと」ヨロッ

ハヌマーン「どこへ行く?」

紅孩児「決まってんだろ、ベルゼブブぶっ倒して……この紅孩児様が……」

ハヌマーン「無理するな」トンッ

紅孩児「!?」ドシャッ

ハヌマーン「後は任せるのだ。信じるのだ、人間を……仲間をな」

紅孩児「……ッ」

ハヌマーン「共に生きよう。お主にはまだ、すべき事が残っているのだ」


974 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:47:05.04 ID:6LHCiSTho


騎士長「……生きた、な」

左翼長「ああ……。生きた」

バーテン「残るは魔王か」シュボッ

戦士父「……」

騎士長「お前の息子もまだ、城内だよな?」

戦士父「ああ。だが何も案ずる事はないさ」

騎士長「ま、それもそうだな。あいつらなら、俺らなんざとっくに越えてるわな」

バーテン「心配するだけ無駄って話さ」プカー

左翼長「さ、俺らは身の丈に出来る事をやろうじゃねーの」

騎士長「おぉ、そうだな。とりあえず兵をまとめて、一夜城まで退かせよう」

バーテン「俺らは、帰るとするか」

左翼長「もう帰るのか?」

バーテン「民間人だぞ? ここにいる事の方が間違いだっつーの」スタスタ

戦士父「じゃあまたな。先に戻らせて貰うぞ」


975 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/13(日) 23:50:09.14 ID:6LHCiSTho
左翼長「……ったく、冷てぇ連中だ事」

騎士長「何だあいつら? もう行ったのか?」スタスタ

左翼長「民間人はもう用無しだとさ」

騎士長「この期に及んでまだ民間人を気取るかよ」

左翼長「兵は?」

騎士長「魔道士兵どもがまとめてくれるとよ」

左翼長「そうか。んじゃ俺らは騎士団をまとめて北関へ向かうぞ」

騎士長「そうだな。あっちも心配だし……まぁ無事だろうけどよ」

左翼長「手筈は頼む」

騎士長「ベルゼブブ討伐を見届けられないってのは心残りだけどな」

左翼長「さっき言ったばっかだろ、心配ないってよ」

騎士長「そりゃそうだけどよ。でもなぁ……」

左翼長「……司令か?」

騎士長「自分の最後が予言で見えちまうってのも……辛いもんだよな」

左翼長「……まぁ、な」


976 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 00:12:37.98 ID:Y9YeaIMSo
 魔王城外部での戦闘が終了した頃、魔王城内では1つの演奏が終わろうとしていた。

詩人「……」

 〜♪

ベルゼブブ「……」

詩人「……っ」

 交響曲第9番ニ短調作品125第4楽章。通称『歓喜の歌』と呼ばれるその演奏。

 歓喜などその城には一切なかった。あるのはただ、哀しみとそして……絶望。

 タッタッタッタッタッ……ズザァ

ベルゼブブ「……」

戦士「あいつが……魔王かっ!!」

召喚士「……っ」

戦士「……ベルゼブブ!!」

ベルゼブブ「黙れ」

戦士「!?」

ベルゼブブ「もうじき演奏が終わる。それまで……黙れ」

 召喚士ら対峙した魔王は、今までのどの魔王よりも冷たく、そして恐怖であった。


986 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:28:13.26 ID:WskUfeWXo
 ドドオオオオォォォォ……

召喚士(あ……れがっ、魔王……ベルゼブブ……っ)

魔道士「……っ」

 皮肉な事に、1番最初に魔王へと辿り着いてしまったのは、彼らであった。

 5人の男女はベルゼブブの発した静かな一言に一喝され、ただ黙るしかなかった。

 これまで幾度も魔王と対峙してきた。戦ってきた。 

 単純な強さにおける畏怖であれば、イブリースが最もたるものであっただろう。

 しかし目の前に存在する、玉座に座り、片肘を立て、顔を乗せ、足を組む。

 目を瞑り、音楽に耳を傾けるその優雅なる存在は、明らかに異質であった。

 冷たく、静かで、思考の一切を悟らせないような、そんな存在。

 傍から見れば人間のようなシルエットの奥に潜む、不気味で恐怖の塊が、

 召喚士達をただ無言でその場に立ち尽くす事の要因となっていた。

 そしてついに、詩人の手は止まる。それは即ち、演奏の終了を意味するものだ。

召喚士「……っ!!」

 魔王ベルゼブブは今、ゆっくりと玉座より立ち上がった。


987 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:28:47.88 ID:WskUfeWXo
 パチパチパチパチ

盗賊「……?」

ベルゼブブ「どうした? 拍手はないのか?」

戦士「拍手……だぁ!?」

ベルゼブブ「これ程までに素晴らしく美しい演奏を前に、感動がないとは。不思議だな」

召喚士「何……をっ」

ベルゼブブ「人間が作り出した素晴らしき音楽。それを人間が理解せぬとは不思議な事よ」

戦士「悪いが、俺達は音楽を聴きに来たんじゃねぇ。テメーをブッ倒しに――」

 フォンッ

戦士「なっ!?」

盗賊「身体が浮い……戦士っ!!」

 ブンッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!

戦士「がはぁーっ!」ズシィ

ベルゼブブ「触れるまでもない。つまりは、そういう事だ」

召喚士「こ、これが……ベルゼブブの力……っ」


988 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:29:38.68 ID:WskUfeWXo
 コオオオオォォォォ……

ベルゼブブ「余と貴様等には、これ程までに差があるというのだ。理解したか?」

魔道士「……っ」

戦士「く……そぉ……っ」グググッ

ベルゼブブ「抗うな。貴様等では余に揺れる事すらまかり成らぬ――」

東方司令「そうかいっ!!」

ベルゼブブ「……」

 ブオンッ!!

東方司令「――!?」

魔道士「か、空振り……?」

盗賊「……違うっ、確かに射程に捉えていたのに……っ」

東方司令「このボクが……外し――ぐあっ!!」フォンッ!!

ベルゼブブ「避けたとでも思うか? 違う。貴様が勝手に空振ったのだ」

東方司令「ぐ……くうぅ……っ」ググググッ

ベルゼブブ「勝手に余を恐れ、近づく事すら出来なかった。それだけだ」


989 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:30:14.19 ID:WskUfeWXo
 ビュオッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!

東方司令「――――っ!!」ドシャッ

盗賊「い……一撃……っ」

ベルゼブブ「いや、近づいたつもりではいたのかもしれぬな。心では」

魔道士「……ど、どうすれば……っ」

召喚士(こ、これが魔王ベルゼブブ……っ。活路が……見出せない……っ)ジャリッ

ベルゼブブ「六道門を突破した貴様等が、どれ程のものかと思えば、残念だ」

召喚士「……くっ!」

ベルゼブブ「余の前から消え失せろ。金輪際、転生しても余の前に姿を現すな」

 ドゴゴゴゴゴゴ……

召喚士「くっそ……ぉ!!」ズザッ

ベルゼブブ「……?」ピクッ

召喚士「……っ?」

――「捨て身など、闇雲に戦っては駄目ですっ!!」

召喚士「……あ、あぁ!!」


990 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:49:45.35 ID:WskUfeWXo
 ザッ

青年兵「ここは皆の力を合わせて、戦いましょう!」

召喚士「青年兵くんっ!!」

ベルゼブブ「……」

大軍師「あれが、魔王ベルゼブブ……ですか」

ジュニア「おいおい、シャレにならん気配がビンッビンだぜ……ハッハ」

賢者「骨が折れるね……ふぅ」

大軍師「骨だけで済めば良いですがね、ふふっ。さて、戦闘準備を」

賢者「回復の回数は限られてるよ。無理はごめんだ……ふぅ」スタスタ

 パアアァァァァ

戦士「……?」

東方司令「ん……っ」ノソッ

ジュニア「んじゃいっちょいくぜぇ……。魔道士ちゃん、手ぇ貸してくれや!」

魔道士「は、はいっ!!」

青年兵「召喚士さん、僕らも全開で……いきますよっ!!」


991 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 15:50:22.69 ID:WskUfeWXo
召喚士「うんっ!!」

ベルゼブブ「フッ、無駄な事を。まぁ良い、余の力が如何なるものか……」

 ズオッ!! ドゴゴゴゴゴゴ……

ベルゼブブ「未来永劫、言い伝えるが良い」

皇太子「行くぞ。これが最後の戦いだ」

エリート「はい。命を懸けて最後まで付き従ってみせます」

戦士「ちっ、いいモン貰っちまった。こいつは倍にして返すぜ! 盗賊、行くぞ!」

盗賊「ああ」チャキッ

ベルゼブブ「さぁ、来るが良い。決して超える事の出来ぬ壁の存在を……」

魔道士「……ふーっ」ギュッ

ベルゼブブ「思い知り、そして絶望を目の当たりにし、味わいながら……死ぬが良い」

召喚士「行けっ! コカトリス!!」





〜第六十部、完〜


993 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/14(月) 16:18:48.12 ID:WskUfeWXo
ナレーション「みなさんおまちかねーっ! ついに六道門を開放した召喚士達。
         そして、宿命に燃える天才は、世界と人類の未来を懸け、
         最大最後の戦いを、ベルゼブブにに挑みます!」

ナレーション「召喚士「行けっ!コカトリス!!」
         『さらば天才!マスク・ド・ジーニアス、暁に死す』 にぃ……、
         レデイイィィ……ゴーッ!!」



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