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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 21:50:31.50 ID:yGEGD72o
〜街〜

魔道士「…はぁ〜っ、満喫したぁ…!」

戦士「買いすぎだっつの」

魔道士「だってぇ、なかなか本国に来られないんですもん〜」

召喚士「まぁ今のうちに買い溜めしておきましょうよ」

盗賊「……だな」

戦士「…おっと、もう夕暮れかぁ」

召喚士「随分冷えてきたなぁ〜」

盗賊「…ああ」

魔道士「そういえば、もうじきクリスマスですよっ!」

戦士「んなモンしてる暇あんのか?」

魔道士「え〜っ!?だって去年も何もなかったし……」

召喚士「せっかくなんで今年は何かしましょうか!」

盗賊「…クリスマスか……いいな」

戦士「……ったく。好きだねぇ…そういうの」


863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 21:51:24.83 ID:yGEGD72o
テクテクテク

召喚士「あれ!?」

魔道士「あっ!将軍さんっ!?」

将軍「……おぉ、君達か!」

戦士「お久しぶりっす」

将軍「色々と話は聞いているよ!それにしても……」

戦士「…?」

将軍「戦士くんが…一番槍の息子だったとはなぁ……」

戦士「やめて下さいよ。俺は俺、親父は親父っすよ」

将軍「……そうだな」

盗賊「…?」

将軍「…あ、いや……戦士くんの言う通りだな。わっははは!」

召喚士「これから王宮へ戻るのですが、一緒に行かれますか?」

将軍「そうだな。丁度、私も向かおうと思っていたところだ」

魔道士「良かった!それでは一緒に行きましょうっ!」


864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 21:52:56.31 ID:yGEGD72o
続々と王宮内へ人が集い始める。時刻は19時過ぎ。

辺りは一段と暗くなり、街並みにもその緊張感が漂う。

町人「いよいよなんだろ?議会」

店員「ああ。今回はかなり大規模な話し合いみてぇだぞ?」

町人「俺らが平和に暮らせるんならどっちが勝ったっていいさ」

店員「まぁな…。おっと……」

本国兵「道端で話し込むな!裏通りに移るか屋内へ入れ!」

町人「おぉ厳しい事…」

店員「しゃーねぇさ。要人がワンサカいるんだからなぁ」

テクテクテク

本国兵「ほらっ、早く下がれ!馬車が通るぞ!!」

ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ

左秘書官「街も事態の重さに気づいておるようですな」

左文官「それはそうであろう。自分達の行く末なのだ……」

左大臣「……馬を飛ばせ。遅刻などしては面子が立たぬわァ」


873 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:50:25.72 ID:yGEGD72o


ザワザワザワ

来賓室に集う国軍の士官達と、本国の政治官達。

通常はなかなか顔を合わさぬ彼ら。この時ばかりは互いに緊張が走る。

男隊員「おーヤダヤダ。これじゃ飯も美味しく頂けねぇや」

女隊員「全くッスね。あ…トマトジュース」

男隊員「何!?」

隊長「おー来たか」

女隊員「隊長」

男隊員「来たかたって、大した距離でもあるまいし…本国務めは全員召集でしょうが」

隊長「そりゃそうだけどよ」

カツカツカツ

騎士団長「失礼。飲み物を取らせてくれないか」

男隊員「おっとすいません」

女隊員「今のは確か……」


874 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:51:06.10 ID:yGEGD72o
隊長「本国の騎士団長だな……」

カツカツカツ

男隊員「政治屋?こっちに来んぞ?」

カツカツ…ザッ

高官「……」

隊長「お前か。何か用か?」

高官「……いや、飲み物を取りに来ただけだ」

隊長「…あっそ」

コトッ

高官「…どうするつもりだ?」

隊長「あぁん、探りか?悪いが今回の件ばかりは俺も絡んでねぇぞ」

高官「……」

隊長「お前こそどうするつもりだ…?」

高官「……私は」

男隊員「お、おいあれ……っ!」


875 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:51:46.63 ID:yGEGD72o
カツカツカツカツ…

この男の入場により、ざわついた声は消え去り、冷たい空気が会場内に走った。

左大臣「……」

右大臣「…来たな」

青年兵「……ええ」

遠目からそれを見つめる右翼派の連中も表情が一層険しくなる。

右文官「…ついに始まる、と言ったところか」

右秘書官「あとは精一杯やるだけですよ」

カツカツカツ…

左大臣「……」

司令官「……」

カツカツカツ…

左大臣「……」

博士「……」

中央を堂々と奥へ進む左大臣の挙動に、会場内の視線が一気に集まった。


876 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:52:33.03 ID:yGEGD72o
召喚士「……あれは…?」

南方司令「左大臣さ。初めてか?」

魔道士「南方司令さん!」

南方司令「いよう。東でも大活躍だったみたいだな!」

戦士「…そっちはどうなんです?」

南方司令「順調よ!君達も早く見に来るといい」

召喚士「それはもう是非……」

カツカツカツ

東方司令「何だ?キミも彼らと顔見知りだったのか?」

南方司令「…という事はお前もか!?」

西方司令「ややっ!これは朱雀先生!!」

召喚士「東方司令さんに西方司令さん…!」

戦士「各部の司令が集合か…!なかなかお目にかかれねぇや」

盗賊「…ああ」

魔道士「ほんと、改めて考えても凄いですよねっ」


877 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:53:38.05 ID:yGEGD72o
カツカツカツ…

左翼長「お前らはほんと…顔が広いというか……」

戦士「おじさん」

左翼長「これだけ国軍と繋がりを持つワーカーも珍しいぞ?」

南方司令「全くだ!はっははは!」

テクテクテク

博士「司令、どこに行ってたのら?」

西方司令「これは博士!はあぁ…放ったらかしで私はなんと…もう駄目だ、死のう…」

博士「おや、見覚えのある顔……」

召喚士「召喚士です」

博士「ああ、そうそう。西国と同盟の時にいた連中なのら!」

魔道士「はいっ!」

東方司令「研究機関とまで顔見知りなのか…!?」

西方司令「えぇ…そのようで……」

南方司令「コイツはたまげたな!はっははは!!」


878 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:54:17.01 ID:yGEGD72o
左翼長「ここに集まった奴、全員知ってるんじゃないのか?」

召喚士「い、いや…流石にそれは……」

戦士「でもまぁ…一通りは知った顔だな……」

盗賊「…う、うん」

魔道士「えぇと…総司令官さんに副司令官さん。特殊遊撃の皆さん…」

盗賊「…青年兵達」

戦士「騎士団長さんにさっき挨拶された南西砦長さん」

召喚士「青龍先生と召喚隊の方。白虎先生に占い師さん……」

左翼長「…全く。どうなってんだよ」

東方司令「知るか」

右秘書官「間もなく会場へと移動致します。会食はこの辺りで……」

ザワザワザワ…

魔道士「あっちの…スーツの方々は?」

南方司令「あれは本国のお役人どもさ。つまり政治屋だよ」

左翼長「ほぼ全員が左翼派だ。関わるだけ無駄なこった」

召喚士「……」


879 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:54:51.67 ID:yGEGD72o
20時50分頃。来賓室に居た全ての者が移動する。

王宮内ではあるが別の建物。議事堂である。

ザワザワザワ…

召喚士「ここが議事堂か…」

戦士「場違いってカンジだよなぁ」

占い師「そう?よく似合ってるわよ、フォーマルな格好も」

魔道士「占い師さん!」

占い師「早く入りましょ。外は寒いわ…」

白虎長「先生っ、大丈夫ですか…!?」

青龍先生「ヒョッヒョッヒョ。気にするでない…」

召喚士「青龍先生…っ」

青龍先生「おぉ、朱雀先生か。ご苦労さん」

盗賊「…大丈夫ですか?」

青龍先生「ヒョッヒョ。こうやって女性の同情をかってるんじゃよ」

白虎長「……全くもうっ!」


880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:55:32.87 ID:yGEGD72o
青龍士官「先生、お手を」

青龍先生「……なんじゃ、男が釣れてしまったわい」

タッタッタ

青年兵「先生っ!」

青龍先生「青年兵か……」

青龍士官「……」

青年兵「お体が悪いのでは…!?」

青龍士官「お前の役目ではないだろう。行け」

青年兵「……っ」

青龍士官「行けと言ったのだ」

青年兵「先生を……頼む…っ」

タッタッタッタッタ

青龍先生「…ヒョッヒョ。邪険にする事もなかろうて」

青龍士官「彼には彼の立場がありますから」

青龍先生「…全く。強情な弟子どもじゃの……ヒョッヒョッヒョ」


881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:56:45.43 ID:yGEGD72o
タッタッタ…カツカツカツ

青年兵「……」

司令官「気にする事はない。彼は面子を保ってくれたのだ」

青年兵「司令…っ」

司令官「分かっているとはいえ、公のばで右翼を丸出しにするのはねぇ」

青年兵「ええ。右翼どころか、左翼にも青龍先生にも迷惑がかかります」

司令官「…ん。ならいい」

青年兵「…今日は宜しくお願いします」

司令官「……」

タッタッタッタッタ

司令官「…順調じゃあないか」

占い師「……」

司令官「君の予言を信じて良かったよ」

占い師「司令…っ」

司令官「今日の結果も、分かれば良かったのにねぇ…」


882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:57:27.21 ID:yGEGD72o
20時55分。議事堂内における各席に、一同が腰を据える。

戦士「うへぇ、すっげぇ……」

魔道士「私達の席も決まってるんですね」

召喚士「中央から左右に分かれてるんだ」

カツカツカツ

副司令官「それが右翼、左翼の起源だよ」

召喚士「副司令さん」

副司令官「君らが今日座るのは、あの右の手前」

盗賊「……」

副司令官「右翼側の参考人席だ」

召喚士「参考人……」

副司令官「別段難しく考える必要はない。聞かれた事に応えれば良い」

魔道士「き、緊張しますね…っ」

副司令官「但し、述べる言葉は全て真実のみ。宜しいな?」

召喚士「……はい」


883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:58:10.85 ID:yGEGD72o
ザワザワ…ガタッ

男隊員「隊長は…大佐席か」

女隊員「大佐と言っても上級大佐ッスけどね」

スッ

占い師「こんばんは」

女隊員「あっ、こんばんはッス!」

占い師「貴方達、少佐だったのね…。もっと上なのかと思ってた…」

男隊員「一介の特遊隊員だぜ?アンタこそ上かと思ってたよ」

占い師「あら、私だって一介の事務よ。予言がなければね」

女隊員「…あれ?中将席、一個空いてるッスね…」

占い師「北方司令が亡くなったから……」

男隊員「繰上げで左翼長がなるんじゃないのか?」

占い師「いずれはなるだろうけど…今は上級大佐据え置きよ」

男隊員「隊長と一緒か…」

女隊員「…大佐席も一個空いてるッスよ?」


884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:59:06.09 ID:yGEGD72o
占い師「ああ。あそこは彼よ」

女隊員「…?」

男隊員「ん!?あのガキんちょ、大佐かよ…っ」

占い師「博士の事?だって彼、研究機関の長でしょ?技術士官よ」

女隊員「うへぇ…。若いのに凄いッスね」

男隊員「若いってレベルか…?」

女隊員「……あの席、いつまで空席なんスかねぇ」

最前列、一つだけポッカリと空いた席を見つめ、女隊員が呟く。

占い師「司令がなりたがらないし…そのうち誰かが座るわよ」

男隊員「お前が目指したら?」

女隊員「嫌ッスよ。大元帥なんて想像しただけで疲れるッス…」

男隊員「…だろうな。俺もガラじゃねぇしなりたい奴がなりゃいいさ」

占い師「……そうね。なるべき人は自然となるものよ」

女隊員「そうッスよね!」

占い師「さ、無駄話はおしまい。もうそろそろ始まるわよ」


885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 23:59:46.89 ID:yGEGD72o
一同と対面する二つの席。それぞれの大臣が着席する。

左大臣「……」

右大臣「……」

その中央にある一席に、白髪を蓄えた老人が腰を落とし、声を上げる。

議長「此度の議会に於いて、議長を務めさせて頂きます。異議のあるものは――」

右秘書官「いよいよ始まったか……」

右文官「あやつはどうした?連絡はないのか…!?」

青年兵「それが…まだ……」

コソコソと談話する右翼を見つめ、左翼が顔を見合わせる。

左文官「何やらあるようだな…?」

左秘書官「一つ空席があります。遅れている者がおるようですね」

左翼官「もう時間です。間に合わなければ途中参加は残念ながら……」

ギィ…バタンッ!!

議長「……?」

左秘書官「なっ、何ぃ!?奴は……っ!!」


886 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 00:00:33.94 ID:blCCtNoo
スゥッ

本堂正面の扉がすぅっと開き、隙間より白い羽がひらひらとはみ出す。

青年兵「来たっ!!」

右文官「全く…っ、ヒヤヒヤさせおって!」

カツカツカツカツカツ…

左大臣「…厄介な奴を呼んだものだァ」

左文官「く…っ!!」

カツカツカツ…ザッ

魔道士「あ…あれはっ!」

召喚士「……大軍師さん!!」

大軍師「遅くなり、誠に申し訳御座いません」

議長「急ぎ、ご着席を」

大軍師「…はい」

隊長「…ん?大佐席じゃないのか?」

左翼長「…ああ。奴は今回、あっちだよ」


887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 00:01:34.55 ID:blCCtNoo
カツカツカツ…ストッ

大軍師「…これは朱雀先生。ご無沙汰してます」

召喚士「こ、こんばんは」

魔道士「大軍師さんも参考人なんですか?」

大軍師「屯田についてですからねぇ…ふふっ」

戦士「こいつは頼もしいな!」

盗賊「……ああ」

議長「時間です。それでは、これより開会致します」

カンカンッ

議長「それではまず、開会当事者である右大臣」

右大臣「……はっ」

議長「開会における議題を述べなさい」

右大臣「はい。此度の議会に於いては、屯田における予算の増加。及び……」

左大臣「……」

右大臣「東方司令部の解散を提案致します」


888 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/20(月) 00:26:10.21 ID:1HdgjsDO
>>1乙!
いよいよ議会か!
頭脳戦wwktkするぜー!
東方司令部の解散に対する皆の反応が楽しみだ!!


865 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/19(日) 21:59:19.85 ID:yGEGD72o
書き溜め終了…ご飯食べてお風呂入ってまた書き溜めてきます!
しかし…好きなものって無意識にオマージュしちゃうものなんですねぇ…反省


866 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 22:47:32.93 ID:H3WRwBwo
乙っ!

好きなものって何ぞや?


870 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/12/19(日) 23:21:40.10 ID:QvkYVaUo
>>851の青龍士官が突然じじいになってる


889 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/20(月) 00:38:12.73 ID:blCCtNoo
>>866-877
久々に∀やらファイブスター物語見たんですけど…
女装やら色々と…パク…無意識なんですけどね…

>>870
ほんとだ…すみません…

ご支援ありがとうございます!それではおやすみなさい!ノシ
以下、オマケ。都合により若干変更が発生するかもしれませんので参考程度に…

〜国軍階級〜

大元帥:
元帥:
上級大将:司令官
大将:副司令官
中将:各部司令
少将:騎士団長、青龍先生、将軍
准将:
上級大佐:エリート、左翼長、隊長、大軍師
大佐:白虎長、各部副指令、博士<技術士官>
中佐:各部参謀、各部魔道長、各拠点長
少佐:占い師、男隊員、女隊員、南方弓長、(バーテン)、(戦士父)
大尉:
中尉:青年兵
少尉:各部副官、青龍士官
准尉:
曹長:格闘家
軍曹:ボス
伍長:東方伍長
兵長:
上等兵:
一等兵:
二等兵:

()は現役当時。<技術士官は>通常二階級下


890 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/20(月) 01:13:47.03 ID:0JRpwiIo
こうやって見ると、主人公一行の顔の広さは、やばいな
本国だけでコレで、後の国ではどこ行っても英雄扱いって、どこ行っても宿とっちゃいけないレベルだろ



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