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女商人「あの時の冒険は忘れられないなぁ・・・」
- 110 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga]
投稿日:2013/02/19(火) 21:23:31.91 ID:8Mt1KiiW0
【いざないの洞窟】
ザッザッザ
武闘家「洞窟、みたいだね。ここがきっとロマリアへ続く洞窟なんだよ。」
商人「奥に通路が続いてるね。行ってみようよ武闘家ちゃん。」
武闘家「わかった。ここまで来たら行けるとこまで行くさ!」
すたすた
商人「ねえ武闘家ちゃん。奥が明るいよ。誰かいるのかな?」
武闘家「どうなんだろう?あ、誰かがいるみたい!」
商人「おじいさん?かな。」
武闘家「みたいだね。一体どういう人なのかな。」
洞窟を奥に進んでいくと、広くなっている場所があり、
そこに60歳を越えたであろう老人が杖をつき立っていた。
商人は声をかけてみることにした。
商人「あのう…こんにちはぁ。」ドキドキ
老人「む。何じゃお前さん達は?どうしてここに?」
老人「…それによく見ればまだ年端もいかぬ子供じゃないか。」
武闘家「二人とも10歳の女の子でっす!こんにちは。」
老人「おうおう、元気な女子じゃて。しかし何故にこの『いざないの洞窟』に?」
商人「『いざないの洞窟』?この洞窟の名前ですか?」
老人「それも知らんと来たのか?」
- 111 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/19(火) 21:36:14.79 ID:8Mt1KiiW0
武闘家「知らないねそういえば名前はさ…」
老人「そうか。ならば教えてやろう。ここは旅人を別の地へといざなうための洞窟なのじゃ。」
商人「それで、『いざないの洞窟』なんですね?ロマリアに通じるという。」
老人「何?その事を知っておるのか?という事はお前さん達はロマリアへ行きたいのか?」
武闘家「ううん、私達はこのアリアハン大陸を冒険してたんだ。その途中でここの事を聞いてさ。」
商人「で、ここを最終地点にしようかなって。」
商人「ロマリアにも行けるなら、少しだけ見てみたいなと思って、来ました。」
老人「ほう。そういう事じゃったか。しかしお前さん達のような子供がよくここまで無事に。」
武闘家「私達は強いもん。そこらへんの子供とはワケが違うんだよ〜エッヘン!」
商人「こら、武闘家ちゃん。調子に乗らない。」
老人「(ふむ…たしかに並みの子供じゃなさそうじゃ。だが…)」
老人「しかしなぁ、この先を通す事はできんのじゃ。すまぬがな。」
武闘家「えっー!だめなの?」
老人「だめじゃ。」キッパリ
商人「……壁ですか?おじいさん。」
老人「当たりじゃ。ふぉっふぉっふぉ。」
- 112 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/19(火) 21:54:30.93 ID:8Mt1KiiW0
老人「二人とも、そこの壁を見てみぃ。」スッ
老人が指さす場所に、部厚い壁がそびえたっている。
かなりな厚さで並みの事ではびくともしそうにない。
武闘家も跳び蹴りの構えを見せたものの、さすがに諦めた様子だ。
商人「武闘家ちゃん、これはさすがに無理でしょう?」
武闘家「びくともしないと思うなぁ、これじゃ。」ハァ
老人「ま、この壁はな。普通に壊そうとしても壊せないように細工されとる。」
老人「特殊な球でなければ壊せないのじゃ。」
商人「特殊な球?それっていうのは…どこに?」
老人「レーベにいる大魔道士が唯一作れるのじゃよ。」
武闘家「え!レーベの大魔道士って私達が会う予定だった人じゃん。」
商人「そうだったね〜でもあの時はそれどころじゃなかったし…」
その時、三人の背後から声がした。
男「ありゃー!これはあの時の武闘家さま、商人さんのお二人じゃないですかー?」
商人「え?あ、あれ。あなたはたしか。泥棒さん!」
武闘家「びっくりしたな〜!ど、どうして泥棒がここにいるわけ?」
男「あれ?言いませんでしたっけ?私もロマリアに行きたいって。」
- 113 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/19(火) 22:10:49.84 ID:8Mt1KiiW0
商人「(この人、突然あらわれたみたいだったけど…)」
武闘家「あ、そういえば言ってたよねぇ。反省したの?
しかも宿屋のおじさんの目を盗んで抜け出してきたんでしょ。」
男「はい、それはもう。真人間ですからね、僕は。」
商人「あの、今どうやってここに来たんですか?」
男「へ?どういう意味ですか?商人さん。」
商人「何かフッと現れた感じがしたので…」
男「いやだなぁ、僕はマジシャンじゃないんですから〜。」
老人「ふう。相変わらず悪趣味なやつじゃな。嫌われるぞい。」
商人「? おじいさんどういう事なの?」
武闘家「へ?なになに?何の話?」ポケ-
老人「こいつは普通の男なんかじゃない。こいつの正体は…」
男?「はい、そこまでよ!ワシのかっこいい所を取らんでもらえんかのう、じいさん。」
武闘家「こ、声が違う!?」
商人「誰なの?あなたは?」
- 114 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/19(火) 22:41:43.94 ID:8Mt1KiiW0
男?「わっはっは〜!バレちまったら仕方ねえの!ワシこそがレーベが誇る、大天才!」
男?「大魔道士様だぁ〜〜ぜ!!姿を見せてやろう!解!」
ボワン!
シュウゥゥ…
商人「えっ?大魔道士さま?変身魔法だったの?」
武闘家「あれれ!泥棒じゃなかったの?う、うわぁあ、デッカーイ!!」
大魔道士「よぉく目に焼き付けておくんだなぁ!これがワシの本当の姿だ!わっはっはー!」
商人と武闘家は目の前で起きていることにあっけに取られていた。
泥棒だと思ってた男が変身を解いて、自分は大魔道士だと名乗って
いること。そしてそのあまりにも豪快な登場に魅了されていた。
180cm以上はあろうかと思われる身長。ガタイもよく、まだ10歳の子供から
見たら山のような大男。派手な笑い顔、白色のボサボサ髪、真っ黒なローブに
真っ赤なマント、真っ青なブーツ、仰々しい装飾のされた杖、
それはまるでおかしなドラキュラのようないでたちのその男は高らかに笑って、
商人と武闘家を見下ろしていたのだった。
大魔道士「驚かせてすまんのお〜!!お前らが泥棒だと思ってた男は実はワシ!」
大魔道士「作戦成功じゃの〜!!ひゃっひゃっひゃ!!まだまだやれるなワシ。」
商人「…………」ポカーン
武闘家「…………」ポカーン
大魔道士「おお?感動のあまり、体が硬直しちまっとるようだの。まあ仕方ないわな。」
老人「お前にただびっくりして、固まってるだけじゃ。かわいそうにの。」
- 116 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/19(火) 22:46:07.57 ID:q2foFxcw0
おつ
なんか変なのが出てきたなw
- 118 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 09:09:57.81 ID:crhgWEOAO
………………
…………
……
商人「はっ!わ、私はどうして!ドラキュラに襲われそうに。」
武闘家「だは!目の前にヘンなドラキュラが。」
大魔道士「…………」グスン
老人「ほれ見てみぃ。そのとんでもない格好見れば子供ならトラウマものじゃ。」
大魔道士「た、多少やりすぎたかの?つい調子に乗りすぎたの。」
大魔道士「お、おい。お嬢ちゃんお二人さん?」
商人「え?…うわ。ってあなたは大魔道士さまなんですよね?」
武闘家「ど、ドラキュラだ。でかいドラキュラだぁ。」
大魔道士「頼むからドラキュラはナシで。へこんじゃうからワシ。」シュン
武闘家「あ、じゃあ。吸血鬼だぁ。血ぃ吸われるよぉー。」
大魔道士「同じだの……」ズーン
商人「武闘家ちゃん、駄目だよ。大魔道士さま、落ち込んじゃってるよ!」
武闘家「あ、やりすぎちゃった。あはははは。」
- 119 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 09:40:08.18 ID:crhgWEOAO
商人「あの。大魔道士さま?どうして私達の事を?」
武闘家「そうだよ〜。じゃあレーベにいた時から私達騙されてたって事でしょ?」
大魔道士「おお!聞いてくれるか?いやな、ワシはの。世界中の情報を常に集めとる。」
大魔道士「もちろん、アリアハンもだ。まあ特にあそこには知り合いが多くいてな。」
大魔道士「お前ら、レーベに入る直前に誰かと会わんかったかの?」
商人「レーベに入る前に?……あ、もしかして。」
武闘家「あの時の魔法使いの子だ!商人を助けてくれた、無愛想な。」
大魔道士「がっはっは!そいつはワシの弟子じゃ!ま、まあ無愛想なのは謝るがの。」
商人「あの子、お弟子さんだったんですね。凄かったです、メラで私を助けてくれました。」
大魔道士「そうかそうか!まだ子供だから魔法はあまり教えてないが、魔力の質はピカ一だ。」
大魔道士「あの子がたまたま向こうにいた時に幼なじみの僧侶見習いに二人の事を聞いたらしくての。」
商人「(あ、それ。教会にいたあのかわいい僧侶さんか。)」
大魔道士「帰ってきたあいつが、面白そうな二人組が来る、って言ってたからワシも。」
武闘家「いたずらしてやろう〜って事なの?ひどいや〜。」
大魔道士「すまんの〜!こんなににワクワクした事はなかったわい。」
商人「じゃあ私達をずっとどこかで監視してたんですか?」
大魔道士「いやいや!そこまではしとらん。ただ、子供だて
らになかなかやる奴らだと思ってな。」
大魔道士「そうだ。商人よ。母親の形見のナイフ、
盗んでしまって悪かったな。すまんの。」ペコリ
- 120 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 10:04:06.56 ID:crhgWEOAO
商人「あ、ああ、いいですよ〜。無事に手元に返してもらったし。気にしないで大魔道士さま。」
大魔道士「すまんの。武闘家も鉄の爪を悪かった。悪気は無かったんだ。」
武闘家「ああ〜私のはいいのに。あんなのまた自分で作れるからさ。」
大魔道士「重ねてすまなかった。」
商人「頭を上げてよ、大魔道士さま。私は逆に感謝してます。」
大魔道士「感謝とな?ワシにか?」
商人「お母さんが死んでから、弱くなっていた私が武闘家ちゃんに連れられて旅に出た。」
商人「戦い方もロクに知らない私でも魔物や泥棒さんのおかげで自分でも戦えるようになれた。」
商人「お母さんの形見のナイフが無くなった時に、絶対何があっても取り返す!って強く思えた。」
武闘家「商人……」
商人「この5日間で私は吹っ切る事ができた。落ち込んでばかりじゃいけないって。」
商人「だから大魔道士さまには感謝してるんですよ。ありがとうございます。」ニコ
大魔道士「…お。…おおお!」
武闘家「あれ?おじちゃんどうしたの?」
大魔道士「おおおお!このワシ、こんなに感謝されたのは初めてだの〜!
ただいたずらしただけなのにぃ〜!」ボロボロ
大魔道士「弟子からはいつも冷たくされてたというのに!
こんなかわいいおなごに、ううう」ボロボロ
老人「せわしいやつじゃな、相変わらず……」
老人「二人ともすまんなぁ。こういう変わった男なんじゃよ、ふぉっふぉっふぉ。」
商人「は、はい。あんなに大泣きしちゃって……」
商人「(変わってるけど、すごく暖かくて優しい人だなぁ。)」
- 121 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 10:20:19.53 ID:crhgWEOAO
老人「ほれほれ。ええ加減に泣くのはやめい!50の大人がみっともないわい。」
大魔道士「お、おう。つい感極まっての。いやいやすまんな二人とも。」
武闘家「10分も泣いてたよー。この泣き虫ドラキュラ〜!」
大魔道士「ドラキュラやめい。」
大魔道士「そういえば、お前達はここを抜けてロマリアに行きたいと言ってたな。」
商人「は、はい。少しだけでも新しい場所を見たくて。」
大魔道士「なるほどの。その好奇心と探求心は素晴らしいが、はっきり言う、やめておけ。」
武闘家「ど、どうして?」
大魔道士「さっきじいさんが言ってた通り、ワシが作った球でしかこの壁は壊せん。」
大魔道士「今、その球がないからの〜。まあそれだけじゃあない。」
商人「……魔物の事?大魔道士さま。」
大魔道士「その通り。正直お前達は強いが、それはここアリアハン大陸の中だけでの事。」
大魔道士「ロマリアや他の大陸の魔物は比べ物にならんほどだの。」
大魔道士「まあ、ワシなら強すぎるからどこへでも行けるがの、がっはっはー!」
武闘家「自信たっぷりだな〜。うーんなんか悔しい!」
- 122 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 10:40:29.69 ID:crhgWEOAO
大魔道士「だから、まだ早い。もっと体がこうな、丸っこくな大人になってな。」
老人「手つきがいやらしいぞ、相手は子供じゃぞ。この変態が。」
大魔道士「ぬおお!しまった!いつもの癖が……ん?」
商人「え、何?」
武闘家「どしたのーおじいちゃん?」
大魔道士「(ほっ。まだギリギリわからん歳か。
弟子にはいっつも蹴られとるからの〜危ない危ない)」
大魔道士「あ〜ゴホン!とにかくもっと大人になってからを薦める。」
商人「……わかりました。大魔道士さまがそう言うなら私達も大人になるまで我慢する。」
商人「ね?そうしよ、武闘家ちゃん?」
武闘家「い・や・だ〜。だってまだこのおじちゃんの強さを見てないから説得力ないもん。」
商人「え?だってこの人は大魔道士さまなんだよ。言う事間違いないよ〜。」
武闘家「変身魔法を見ただけじゃあねぇ?そうでしょ商人?」
商人「ま、まあたしかに見たのはモシャスだけだし……」
武闘家「ほら〜!でしょ。おじちゃんが本当に大魔道士さまってとこを見なきゃ諦めない。」
商人「な、なら私も。大魔道士さまの力を見せてください。」キッ
大魔道士「……」
大魔道士「ふふふふ。が〜はっはっはっは〜!よく言ったなお前達。」
- 123 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 10:53:32.48 ID:crhgWEOAO
大魔道士「では本日は特別大サービスだの!お前達に目にものを見せてやろう。」ニヤリ
老人「また始まったわい。大概にしておくんじゃぞい。」
武闘家「見せてもらおうか〜。魔道士のおじちゃん!」ビシッ
商人「み、見せてください!大魔道士さまの力を!」ドキドキ
大魔道士「では、二人の大事な物を盗んだお詫びも兼ねてな、
少しだけロマリアの地を見せてやろうの。」
武闘家「え!ほんと?やったー!」
商人「いいんですか?」
大魔道士「気にするな。お詫びのつもりだ。じゃあ二人とも、ワシの手を取れ。」スッ
商人「は、はい!」ニギッ
武闘家「これでいい?」ギュ
大魔道士「よし。ではロマリアに行くぞ。」ブツブツ
商人「あれ?ここでルーラを使ったら…あぶな、」
大魔道士「ノンノン!」ニヤリ
大魔道士「行くぞぉ!『リリルーラァ』!」
パッ!
3人の姿が消えた
- 124 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 11:13:14.34 ID:crhgWEOAO
パッ
大魔道士「もう一つ行くぞ!『トベルーラ』!」ギュン
ふわああ
商人「何これ〜!いきなり消えたと思ったら、今度は浮き上がったよ〜!」
武闘家「空飛んでるの?これって。」
大魔道士「ぶわっはっは〜!驚いたろ!瞬間移動魔法と飛翔魔法のダブルパンチよの〜!」
商人「そんな魔法聞いた事ありませんけど。でも、すごいよ〜。」
大魔道士「そりゃ聞いた事なくて当然だの。ずいぶん昔に禁じられた魔法だしの、これ。」
武闘家「ていうか何でもありだね、このおじちゃん。ははは。」
商人「大魔道士さま、ここがロマリアですか?お城が見えます。」
大魔道士「そうだ。あれがロマリアだの。アリアハンよりずっと広いだろ、の?」
武闘家「めちゃくちゃ広いね〜。見渡す限り大地だなー。」
大魔道士「楽しいぞ〜。新しい大地は。お前達も早く大人になって世界を見て回るといい。」
商人「(これが、ロマリア。新しい大地かぁ。)」
大魔道士「んじゃ、これでワシの事を認めてくれるかの?お嬢ちゃん達。」
武闘家「大魔法使いさま!」
大魔道士「いや、魔道士ね。覚えといてほしいのぉ。」
商人「素晴らしいです。大魔道士さま!ありがとう。」
- 125 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 11:30:40.16 ID:crhgWEOAO
【いざないの洞窟 外】
商人「大魔道士さま。すごい体験しちゃいました!体がまだザワザワします。」
武闘家「私も〜。瞬間移動して空飛んだら、体がマヒしてるもの〜。」
大魔道士「そうかそうか!いやよかったの〜!
大天才に魔法を見せてもらっての。はっはっは〜!」
武闘家「旅の最後にいい思い出になったよ、ありがとう、ええと大魔道士のおじちゃん!」ニコ
大魔道士「覚えてくれたか〜よかったよかった!うん。」
商人「これからは頑張って行ける自信がつきました。」ペコ
大魔道士「それはワシじゃなく、隣の相棒に言う事だのぉ。」
商人「え?」
大魔道士「お前をここまで支えてくれたのは武闘家のおかげだろう。」
商人「武闘家ちゃん。」ウル
武闘家「商人。よくやったね。」グッ
商人「ぶとうかぢゃん…ありがとう〜!!」ガバッ
武闘家「おーよしよし。泣かない泣かない。大魔道士のおじちゃんみたいになるよ。」
大魔道士「あ、あの事は忘れてもらってもいいかの?武闘家ぢゃん。」
商人「ありがとね、武闘家ちゃん。いつもいつも。」ギュウ
武闘家「私だって、商人に何度も助けられたから頑張れたんだもん。こちらこそありがとね。」
商人「凸凹コンビだもんね、私達。えへへへ。」ニコ
- 126 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 11:42:57.66 ID:crhgWEOAO
商人「じゃあ、アリアハンに帰ろっか。旅も終わった事だし。」
武闘家「そうだね〜。家に帰って、もいないか。商人の家に泊まろうかな。」
商人「いいよ〜。じゃあさ晩ごはんはお父さんと3人で食べようよ!」
大魔道士「(ふむ、商人の足、治しておいてやるかの。『ベホマ』)」パア
商人の足の傷が完全に癒えた
商人「ん?あれぇ、急に足の痛みが消えたな。」シュルシュル
商人「あ、傷が完全に治ってる!なんで?」
武闘家「…まさか!おじちゃんが、」クルッ
商人「いないよ。あれ?大魔道士さま〜!」キョロキョロ
二人が振り向くとそこに大魔道士の姿はなく、忽然といなくなっていたのだ。
ただ、地面にキメラの翼とメモが添えられていた。
商人「紙だ。大魔道士さまだねきっと。」ヒョイ
- 127 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 11:52:17.01 ID:crhgWEOAO
『ベホマとキメラの翼はサービスしておいた。お前達が大人になったら会えるのを楽しみにしとるの。』
『あと、ワシが大泣きしたのは他言無用で頼みます。いや本当に頼みます。お願いします。』
『レーベの大天才 大魔道士さまより』
商人「どんだけ秘密にしたいんだろこの人……」
武闘家「いいよ。言いふらしちゃえばさ〜!」ニタニタ
商人「(足を治してくれてありがとう、大魔道士さま。また会いましょうね。)」
- 128 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 12:08:31.23 ID:crhgWEOAO
【アリアハン城下町 入口】
商人「武闘家ちゃん。5日間本当にありがとう。楽しかったよとっても。」ニコ
武闘家「私もじゅうぶん楽しめたな〜。あ、そういえばさ商人。」
商人「何?どうかした武闘家ちゃん?」
武闘家「そのさ、『武闘家ちゃん』っていうのはくすぐったくて。
商人の方が先に年上になるんだからさ。」
武闘家「あと、私達は今回の事で幼なじみの友達で、さらに『仲間』になったじゃん。」
武闘家「あの、だからさ……ええと、その。」モジモジ
商人「…わかったよ。じゃあ私達、幼なじみ友達であると同時に、仲間でもあるもんね。」
武闘家「そうだよ、そう。商人ともっと仲間になりたいよ私。」
商人「じゃあ、この前しなかったから握手をしようかー!」
武闘家「あ、そうそう。しようしよう!ほらっ」スッ
商人「えへへ、ありがとう。じゃあこれからもよろしくね。武闘家。」ガシッ
夕焼けに照らされた商人と武闘家は固く握手を交わした。
- 129 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 12:28:53.76 ID:crhgWEOAO
時は戻り、現在……
商人「っていう事があったでしょー?覚えてないの武闘家は?」
武闘家「あ〜まあ、そこそこに、うろ覚えです。」シレッ
商人「は〜あ。せっかく昔の頃の思い出をさ、熱く語りたかったのに。」
武闘家「でもさ、今思うと、僧侶にも魔法使いにも私達一度会ってるんだよね〜。」
商人「あ!たしかに。何年かして勇者PTを組んだ時はお互いに忘れてるんだもん。」
武闘家「無愛想だったねー魔法使いったら。『危なかったわね…』だけだもん。」
武闘家「あんなに無愛想だったとはね〜笑えちゃうよね。危なかったわね、って。」ケタケタ
商人「そんなに笑ったらだめだよ〜、…………あ!」ピタ
武闘家「だってさ、まだ11歳くらいの女の子がさ、危なかったわね、だもん〜。」
『悪かったわね無愛想で。「危ないわよ〜」武闘家さん?』
武闘家「えっ?!まさか…」
魔法使い「……………」ゴゴゴゴゴ
武闘家「あ、いや。あの、これはね魔法使いさん。しょ、商人?」
商人「バーイ!私は逃っげる〜!」ババッ
武闘家「ごめんなさーい!お許しをー!」
商人「ああ、あれは簡単には収まらないね〜。武闘家ご愁傷さま」ナム
商人「(ふう〜。まあ、あの時の事があって今があるなら、いいよね。)」
商人「さて、私は僧侶がいる図書館にでも行こう〜っと。」
おしまい
- 130 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 12:31:10.85 ID:crhgWEOAO
無事に終われました。
今回もありがとうございましたm(_ _)m
また夜に来ますー。
- 131 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/20(水) 12:37:54.11 ID:oLevoTbco
昼間っから>>1乙!
これで女商人の一連の物語は終わりか…
感慨深くなるな
- 132 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/20(水) 12:39:09.77 ID:MPJiLi3io
おつおつ!適度なボリュームで楽しめました!
- 133 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/20(水) 16:57:35.27 ID:zKb/6fhDO
乙乙
ほのぼのしていて良かった
- 134 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 20:04:58.53 ID:wCs41v5m0
>>131
とりあえず3作品書き終わりました。まあこのSSは番外編みたいな
感じなので…あと1作大きいやつを考えてはいますよ。
>>132
書いてる自分でもちょうど良いボリュームでよかったです。
>>133
ほのぼのしてて書いてて楽しかったです〜。
- 135 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/20(水) 21:42:31.76 ID:wCs41v5m0
大魔道士のキャラですが。口調や年齢などは「NARUTO」の
自来也を参考にしてます。あとの設定はとにかく派手に(笑)
>>48などで「大魔導師」になってますが、「大魔道士」で統一します。ごめんなさい。
- 139 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/21(木) 21:11:58.69 ID:6ZhoFRwR0
女商人シリーズはキリがついたので一旦ここまでにして次は
こんなの書こうと思ってます。
DQ3の同時期の作品「探偵・神宮寺三郎」の二次創作
を書こうかと。
神宮寺「スマホか…わけがわからないな。」洋子「先生…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361345323/
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