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白剣士「毎日が平和なこと」
1 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:37:30 ID:DrZhZqe2

【少年剣士シリーズ】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1370948694/l50
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371177620/l50
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371707458/l50

【幼剣士シリーズ】
幼剣士「待っていて下さい・・僕が・・必ず・・!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372216047/
幼剣士「僕には夢が出来ました」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1373284710/
青年剣士「運命ということ・・」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374051127/l50

【冒剣士シリーズ】
冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375843192/
冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1377051292/

上記作品のシリーズものですが、シリーズを読んでない方でも楽しめる作品(新シリーズ)でスタートします


2 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:38:40 ID:DrZhZqe2
 
光があれば、闇がある

表があれば裏がある

俺は、どっちかというと表舞台には立てない人間だった


まぁ…確かに普通に友人を作り、遊び、学校に通い、不自由が少ない生活を送ってたと思う


学校を卒業後、俺はのんびりと近くの店でバイトをして過ごし

それが当たり前の何もない日々…それが俺の日常だった


3 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/06(金) 10:40:20 ID:DrZhZqe2
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【中央大陸・中央国】


…ドサッ!

白剣士「お疲れさまでしたー。あ、今日の配達分これで終わりなので…先にあがりますね」

店長「はいよー。白剣士くん、また明日な」

白剣士「はーい」


…トコトコ

白剣士「今日も仕事終わりっと…」


4 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:40:52 ID:DrZhZqe2
 
―――バイトが終わると、考えるのは今日の夕食

そして明日のバイト

それが毎日毎日、明日も明後日も、ずっと続くのだろうと…


"思っていた"


5 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:41:28 ID:DrZhZqe2
 
…パカラッパカラッパカラッ


白剣士「…ん?」

???「くっ…」ヨロヨロ

白剣士「…あの男、あのままだと馬車に轢かれるぞ!おーい!」


???「…」フラフラ

白剣士「お、おい!あんた!」


…パカラッパカラッ!!


6 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:42:25 ID:DrZhZqe2
 
白剣士「くそっ!」

…タタタタタッ!!


馬車商人「なんだお前ら、危ないぞ!どけ!」

白剣士「危ないのはお前だっつーの!」


ダダダダッ…ダキッ……ズザザ…ダァン!!

白剣士「うおっ!…ててて…」

???「…」


馬車商人「バカヤロー!!あぶねえだろ!」


7 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:43:05 ID:DrZhZqe2
 
…パカラッパカラッパカラッ……カラッ……

 
白剣士「お前も人見たら止まれっつーの!ったく…」チラッ

???「…」

白剣士「おい、しっかりしろよ。おい!何だこいつ…」

???「…」


白剣士「…っち」


8 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:44:08 ID:DrZhZqe2
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【白剣士の自宅】


???「…」ハッ

白剣士「…」

???「…」ガバッ


白剣士「…お」

???「ここは…どこだ」


白剣士「ああ…気づいたか…ここは俺の家だ。あんた、馬車に轢かれそうになったんだぜ?」


9 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:44:54 ID:DrZhZqe2
 
???「…」

白剣士「…あんた名前は。命の恩人に名前くらい教えてくれてもいいんじゃねーの?」

剛闘家「…剛闘家だ」


白剣士「ふーん。俺は白剣士。見ろよ、お前のせいで腕擦りむいちまっただろ!」

剛闘家「…それはすまなかった」

白剣士「で、あんな所で何でフラフラしてたんだよ」


剛闘家「…今、何時だ?」

白剣士「さっき16時になったとこだけどな、お前、人の質問に…」


10 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:45:33 ID:DrZhZqe2
 
剛闘家「…俺はこんな事をしてる場合じゃないんだ。早く行かなければ!」ググッ

白剣士「お、おいおい!無理すんなって」

剛闘家「早く行かなければ…」

白剣士「どこに行くんだよ!」


剛闘家「…冒険酒場……」

…ガクッ


白剣士「…はあ〜……、何するかしらねーけど、自分が倒れてちゃ世話ねーな…」

剛闘家「…」

白剣士「お前な……って、聞いちゃいねえか。はぁ〜……」


11 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:46:16 ID:DrZhZqe2
 
…ヨイショッ

白剣士「思ったよりも軽いんだよお前…どうせ暇だし、連れてってやる。感謝しろよ?」

剛闘家「…」

白剣士「…ふん」



…ガチャッ……バタンッ…


12 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/06(金) 10:46:46 ID:DrZhZqe2

That's where the story begins!
―――――――――――――
【白剣士「毎日が平和なこと」】
―――――――――――――


13 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/06(金) 10:49:49 ID:DrZhZqe2

第四部、白剣士編がスタート致します。
が、従来と全く異なったテイストで、ストーリーなどが進むとわかりますが…かなり複雑な表現も絡みます。
今までのような"冒険"に縛られるのではないこと、複雑なことなど、今までのものとはかなり違う作品に仕上がると思います。

一度、今作のような展開で作品を仕上げてみたかったので、どうぞお付き合い頂ければ幸いです。


修正 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/09/15(日) 10:51:52 ID:3mByo3oY
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


…コンコン

店員「はーい、どうぞー」

…ガチャッ

 
白剣士「えーっと…」

店員「お泊りのお客様ですか?」

白剣士「あ、いや違う。こいつが用事あるっつーもんで…」


剛闘家「…」

白剣士「おい、起きろ。おい!」

剛闘家「…」


20 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:12:27 ID:CNrpXKTw
 
店員「…大丈夫ですか?」

白剣士「悪いな…そこの椅子に寝かせといていいか?」

店員「ええ。いいですが…」

白剣士「よい…しょっと」


…ドサッ


白剣士「ふいー…いくら軽いっつっても体には負担がかかるな」

店員「はは、休憩がてら何かお飲みになりますか?」


21 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:12:59 ID:CNrpXKTw
 
白剣士「そうだな…何か軽くくれ」

店員「わかりました…お飲み物はジントニック等でいいですか?…お名前は何とお呼びすればいいでしょうか?」

白剣士「白剣士だ。…酒は苦手だからな…、お茶でいい」


店員「白剣士さん、結構飲みそうな感じするんですけどね?」


白剣士「親父と一緒なんだよ。気にするな」

店員「あ…すいません出過ぎました」


白剣士「気にするな」


22 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:13:33 ID:CNrpXKTw
 
店員「…どうぞ」コトッ


白剣士「ありがとよ。しかしなんだ、冒険酒場って相変わらず雰囲気が苦手だぜ」

店員「今じゃすっかり冒険者たちの集会所ですからね。一般人には少し重い気もします」

白剣士「…ああ」


…ガタガタッ!!…ゴンッ!!

剛闘家「って…、ん…」


白剣士「お、気づいたか。ほらよ、冒険酒場に連れてきてやったぜ」

剛闘家「!」


23 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:14:05 ID:CNrpXKTw
 
店員「大丈夫ですか…?」

剛闘家「白剣士殿、面目ない。そ、それより…ここに英雄剣士殿がいると聞いてきたのだが!」

店員「…あぁ」


白剣士「…」


剛闘家「すぐにクエストを発注したいのだ!頼む!」

店員「オーナー…いえ、英雄剣士なら既に酒場も引退し、もうここにはいませんよ」

剛闘家「…何…だって…」

店員「ご期待に添えず、申し訳ありません…」


24 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:15:08 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「それでは一体どうすれば…」ガクッ

店員「どうしたのですか?お話なら聞きますよ?」

白剣士「…言えよ。そこまで言っといて、何も言わないのは許さないぜ?」


剛闘家「…私は"悠久国"の王国に仕える騎士団の一人なんだ」

白剣士「はあ!?」

店員「悠久国…、果ての国ですね」

白剣士「待ってくれよ、遠すぎるだろ!ここから何キロ離れてると…」


25 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:15:47 ID:CNrpXKTw
 
店員「…そうですね。珍しいことではないですよ。それで…?」

剛闘家「ああ…、そこの…姫様が誘拐されたのだ。それで…英雄剣士殿を頼ってきたのだが…」

店員「…そうでしたか」


白剣士「…よ」ボソッ


剛闘家「…へっ?」

店員「今、なんて?」

白剣士「ん…ああ、すまん何でもない。続けてくれ」


26 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:16:33 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「それでは…どうすればいいのだ…」ハァ

店員「そいつらからの要求とかはあるんですか?」

剛闘家「…500億ゴールド……」

店員「ごっ…」


剛闘家「もちろん、そんな金はない。それを断るのを分かってて、もう1つ…王政の交代を要求してきた」

店員「王政の…交代」

剛闘家「いうなれば、王様を自分たちの親玉と交換しろということだな」

店員「最初からそちらが目的だったってことですね」


剛闘家「そうなるだろう…。公にできるはずもなく、ここへと来たのだ…」


27 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:17:06 ID:CNrpXKTw
 
白剣士「…ふーん」


剛闘家「頼みの綱もここで途切れたか…」

店員「…申し訳ないです」


剛闘家「…英雄剣士殿と、連絡をとることは出来ないのか…?」

店員「今は行方が分かりません。恐らく、どこか遠い地で旅をしているかと…」

剛闘家「…そうか」

店員「新しくオーナーになった聖剣士さんもいますが彼は今、軍の任務にあたっていて留守なんです」


白剣士「ボロボロじゃないか」


28 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:17:49 ID:CNrpXKTw
 
店員「そう…ですね。元々は駆け込みのクエスト受諾も行っているのですが、日が悪いので…」

剛闘家「…ありがとう。この問題は公にはしないでくれ。こっちで何とかするように努力する」

店員「ご期待に沿えず、本当に申し訳ありません」

剛闘家「いや…いいんだ」シュンッ


白剣士「…」

剛闘家「それでは俺は戻らなければならないからな…。これで失礼する」

白剣士「…」


…ググッ……ガタンッ!!


29 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:18:25 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「…っ」

店員「だ、大丈夫ですか!?」

白剣士「何だか知らないが、体力が限界なんだろ。少し休んでけばいいんじゃねーの」


剛闘家「そんな…暇はない…姫様にもしもの事があったら…!」

白剣士「…」


…ドサッ


店員「あ…」

白剣士「言わんこっちゃねえじゃねえか。しゃあねえ、俺の部屋ででも休ませるよ」

店員「だったらうちの部屋を使ってもらっても…」


30 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:19:01 ID:CNrpXKTw
 
白剣士「どうせ金がねーだろうよ。さすがに見ず知らずのやつに、金出すほど俺はバカじゃねぇ」

店員「…」

白剣士「んじゃあな。飲み物ありがとよ」


…ガチャ……バタンッ


店員「自分の部屋を使わせるほうが、よっぽどだと思うんだけどな…」ハハ


31 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:19:37 ID:CNrpXKTw
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【白剣士の自宅】


剛闘家「…む」パチッ

白剣士「目覚める度に場所変わってたらビックリするだろ?」

剛闘家「また手を煩わせてしまったな」


白剣士「気にするな」

剛闘家「…」

白剣士「つか、休むなら休んでから帰れよ。目の前で倒れてちゃ放っておけねーんだよ」


32 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:20:12 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「…優しいんだな」

白剣士「そういうことじゃねーよ!それが当たり前だろうが!」

剛闘家「…白剣士殿の言うとおりだな。少しだけ、休ませてもらってもいいか?」

白剣士「…勝手にしろ。食い物はそこのテーブルにあるのしかねえ。不味くても文句いうな」


…ムクッ

剛闘家「これは…白剣士殿が?」

白剣士「一人暮らしも長いからな。お手のもんだ」

剛闘家「…」


33 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:20:47 ID:CNrpXKTw
 
…カチャカチャ……パクッ…


剛闘家「…」

白剣士「…」

剛闘家「…」

白剣士「…ん?おい、どうした」


剛闘家「…」

白剣士「……おい!不味いなら食わなくてもいい……」

剛闘家「…」ポロポロ


34 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:21:26 ID:CNrpXKTw
 
白剣士「…どうしたんだよ」

剛闘家「…美味いんだ…美味い…」

白剣士「泣くほど美味いってか?」


剛闘家「今頃…姫様はどんな生活をしているのか…考えるだけで…涙が出る…」

白剣士「…」

剛闘家「俺は平和な場所で、こんな美味い料理を食べて…寝て…一体何をしているのだ…」


白剣士「バカか」

…ゴツッ


35 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:21:57 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「いてっ!」

白剣士「お前な、姫を助け出したいんだったら、自分自身をまずなんとかしてから…しっかりしてからだろうが」

剛闘家「…」

白剣士「お前自身が倒れてちゃ世話ないだろって言ってるだろ。忠誠心は立派だが、ちとお前はアホみたいだな」


剛闘家「…」

白剣士「美味いと思うなら食って、休め。それからだろうが」

剛闘家「…そうか、そうだな…では…頂くとするよ…」


…モグモグッ……ゴクゴクゴク…カチャッ…

……パクパクパク…


36 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:22:28 ID:CNrpXKTw
 
白剣士「…おーおー」

剛闘家「…」

ガツガツ…パクパク………フラッ


白剣士「おー……お?」


…ドサッ

剛闘家「…」

白剣士「何だ、今度はどうした」


37 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:23:14 ID:CNrpXKTw
 
剛闘家「…」グーグー

白剣士「ね…寝てやがる……マジかこいつ…」


剛闘家「…」グーグー
 
 
白剣士「…王族の守人ってこんな感じなのか……?だとしたらバカばっかだな…」

剛闘家「…」スヤスヤ

白剣士「……あ、布団1つしかねえよ………」


38 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/09/07(土) 10:23:45 ID:CNrpXKTw
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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