■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
186 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:54:20.21 ID:7NuJEfl4o


右文官「それでは……乾杯!」

右秘書官「乾杯!」

神官「申し訳ありません。何やら私まで参加させて頂いて……」

右文官「いやいや、神官様にはご協力頂きましたし……」

チラリ

西方参謀「……んー、やはり勝利の美酒は格別ですなぁ。がははっ」

青年兵「……は、はぁ」

右文官「何やらよく分からぬのもおりますし……」

右秘書官「さて、盛大に祝いたいところではあるが……」

右文官「うむ。ぼちぼち行くとしようか」

青年兵「もう行かれるのですか?」

右秘書官「やはり左翼のあの手際……気になるのでな」

青年兵「ならばやはり、私も……」

右文官「いや、それには及ばん」


187 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:54:49.54 ID:7NuJEfl4o
青年兵「……」

右秘書官「青年兵、君は十分に働いてくれた。しばし休むが良い」

青年兵「……はぁ」

右文官「あとは我らに任せてもおけ。それとも…われらでは頼りないかな?」

青年兵「い…いえっ、そのような事は……」

右文官「ふっふ、ならば何も心配する事はない」

青年兵「…分かりました。それではお言葉に甘えて……」

右秘書官「では、我らこれにてしつれい致します」

神官「はい。殿下やエリート殿にも宜しくお伝え下さいませ」

右文官「では」

青年兵「お疲れ様でした……!」

テクテクテク…

西方参謀「…そんで、お前さんはどうするんだい?」

青年兵「そうですね。三日月島の視察は可能でしょうか?」

西方参謀「視察?かぁー、仕事熱心だねぇ」


188 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:55:31.28 ID:7NuJEfl4o
神官「ならば、西国側も視て行かれると良かろう」

青年兵「宜しいのですか…!?」

神官「勿論だ。是非に」

青年兵「それは有難いです。是非、拝見したいと思います」

神官「うむ。用事がなければ明日にでもすぐ…如何かな?」

青年兵「はい。宜しくお願い致します!」

神官「ではそのような手筈で。お待ちしてますぞ」

青年兵「了解致しました」

コトッ

神官「……さて、私もこの辺で失礼致します」

西方参謀「もう行かれるんですかい?」

神官「青年兵殿が視察に来られるのならば、下準備をせねば……」

青年兵「そ、そんなお構いなく……」

神官「ふふっ、冗談ですよ。現場監督はそんな役回りでして、仕事がね」

西方参謀「なーるほど。そいつはご苦労様です」


189 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:56:02.02 ID:7NuJEfl4o
神官「それでは明日、お待ちしておりますぞ」

青年兵「はい。宜しくお願い致します」

神官「こちらこそ」

スタスタスタスタ…

西方参謀「お前さんも少し、休んだらどうだ?」

青年兵「……そうですね。急に眠くなってきてしまいました」

西方参謀「全てやり終えて、どっと疲れが出たんだろうよ」

青年兵「ははっ、そうかもしれませんね……」

西方参謀「部屋は三階の突き当たり右奥……」

青年兵「あ、大丈夫です。分かりますので」

スクッ…テクテクテク

青年兵「それではお疲れ様でした。失礼致します」

西方参謀「おーう。お疲れさん!」

テクテクテク…パタン

西方参謀「…頑張るのもいいが、大丈夫かねぇ」


190 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:56:31.24 ID:7NuJEfl4o
〜客室〜

青年兵「……ふあ…ぁ」

スタスタスタ…ボフッ

青年兵「やっと……終わったぁ……」

ベッドへ倒れこむ青年兵は、笑顔も見せずぼーっと壁を見つめる。

青年兵「でも……これからだ」

ゴロン

青年兵「これからが…本当の…………」

ゴロ…

青年兵「…すーっ、すーっ……すーっ」

今議会、最終投票結果

南方 投票数100 右翼97 左翼3
西方 投票数100 右翼89 左翼11
北方 投票数100 右翼92 左翼8
東方 投票数100 右翼41 左翼59
本国 投票数500 右翼141 左翼359 

合計 投票数900 右翼460 左翼440


191 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:57:02.36 ID:7NuJEfl4o
〜本国、王宮〜

カツカツカツカツ…

執事「おぉ、お戻りになられましたか!お疲れ様でございます」

右秘書官「右大臣様は?」

執事「只今来客中でして。もうしばらくかかるかと……」

右文官「来客とな?これはまた珍しい……」

執事「何でも旧友であられるとか……」

右秘書官「分かった。終わり次第知らせて頂きたい」

執事「畏まりました」

〜右大臣室〜

右大臣「……いやいや、手間をかけましたな」

カチャッ…コトッ

学園長「貴方の頼みだから受諾したのよ?」

右大臣「先生には感謝しておりますよ」

学園長「丁度、学園も受験でしたし…良いリフレッシュになりましたわ」


192 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:57:50.30 ID:7NuJEfl4o
右大臣「そう言って頂けると光栄」

学園長「……ふふ。皆、元気でやってるの?」

右大臣「どうでしょうなぁ。歳も歳ですし……」

学園長「私の前でそれを言いますか?」

右大臣「…ははっ、ご尤も」

学園長「しかし…教え子が国の右大臣とはねぇ」

右大臣「先生の教えの賜物ですよ」

学園長「そうかしら?」

右大臣「お、そうそう……」

テクテクテク…ゴソゴソッ

右大臣「これを」

学園長「手紙?何かしら……」

右大臣「村長からです。何でも式を挙げるとか」

学園長「あら、随分遅い結婚なのねぇ」

右大臣「いえいえ、彼がではありませんよ」


193 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:58:27.99 ID:7NuJEfl4o
学園長「……それもそうよね。ふふっ」

カサッ…ピラッ

右大臣「彼の者が孤児を保護しているのは存じておられますな?」

学園長「ええ。昔からそうらしいわね」

右大臣「その子らが結婚するそうなのです」

学園長「…そうなの。素晴らしい事ですわね」

右大臣「そこで私にも参加を……と」

学園長「良かったではありませんか」

右大臣「しかし、堅苦しくなりはしませんかね…?」

学園長「彼も嬉しいのよ」

右大臣「……」

学園長「だって、自分の子供達のようなものでしょう?」

右大臣「…まぁ、そうでしょうけれど」

学園長「それに貴方が参加する事で、格式も高く出来なくて?」

右大臣「…確かに新郎新婦共に、ワーカーであるようだし」


194 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 12:59:18.72 ID:7NuJEfl4o
学園長「祝ってあげなさいな」

右大臣「ふぅむ。では、余計な祝いなどは避けて、参加すると致しますか」

学園長「…彼、未だに頑張っているのねぇ」

右大臣「ええ。強い男です」

学園長「本当は、そんな村自体が存在してはいけないのだけれど……」

右大臣「ええ……」

学園長「貴方が助けてあげねばなりませんよ?」

右大臣「心得ておりますよ」

学園長「ならばよしっ。あ……そうそう」

右大臣「…?」

学園長「陛下の容態はどうなのかしら?」

右大臣「……正直、芳しくありませんね」

学園長「そう……」

右大臣「医者の話では数年内との事……」

学園長「……お気の毒に」


195 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:00:04.99 ID:7NuJEfl4o
右大臣「しかし、一時期に比べると今は比較的良くなっておりますね」

学園長「無理なさらないようお伝え下さいね」

右大臣「ええ。今はもう国政からも離れておりますし、大丈夫でしょう」

学園長「そうなの。ならば貴方や殿下が?」

右大臣「そういう事になりますね」

学園長「頑張ってね。皆が笑って暮らせる世の中を……」

右大臣「無論です」

学園長「ふふっ。さぁて、そろそろ戻らなければ……」

右大臣「もう少しゆっくりされれば良かろうに」

学園長「入試の採点もあるし、教頭に怒られてしまいますわ」

右大臣「…そうですか。此度はご無理を申し、誠に……」

学園長「気になさらないで。嫌なら断っているわよ。ふふっ」

コツコツコツコツ…

学園長「それでは、御機嫌よう」

右大臣「先生もお元気で……!」


196 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:00:51.13 ID:7NuJEfl4o


コンコン

右秘書官「はい」

執事「右大臣様、終えられたようです」

右文官「行こうか」

右秘書官「ええ」

カツカツカツカツ…

右秘書官「失礼致します」

右大臣「おぉ、待たせて済まぬ。ご苦労であった!」

右文官「結果はご存知であられるかとは思いますが……」

右大臣「うむっ!見事、よくぞやってくれた!」

右秘書官「ありがとうございます」

右文官「しかし、本当の主役は……」

右秘書官「青年兵です。彼には休暇を与えました」

右大臣「それが良かろう。若いのに…よくやってくれた」


197 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:01:22.10 ID:7NuJEfl4o
右秘書官「ええ…本当に。此度の働きで特進もあるのでは?」

右大臣「さあなぁ…。それは国軍の仕事であるからな」

右文官「そろそろ出向から正式に此方で引き取っては如何です?」

右大臣「うぅむ。殿下やエリートも気に入っておるようだしなぁ」

右秘書官「近日中に国軍へ申請してみましょう」

右文官「それは良い…っ!」

右大臣「二人も今日はゆっくりと休むが良い」

右秘書官「……それがですね」

右大臣「何かあったか?」

右秘書官「左翼の動きがやや気になります」

右大臣「動き…?まだ何か動いておるのか?」

右文官「逆です。こちらが驚くほど引き際が良いのです」

右大臣「……」

右秘書官「すぐに動くとは思えませぬが、殿下帰国までには策を練りたいですね」

右文官「うむ。しかしあちらに動きがないので、今は予防策しか取れぬがな……」



次へ 戻る 戻る 携 上へ