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少女「治療完了、目を覚ますよ」 セカンド −オリジナル小説
- 72 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga]
投稿日:2012/10/29(月) 18:08:36.92 ID:9vajyWgQ0
こんばんは。
◇
圭介の自殺病治療後の持論と、一般的な治療の後の感覚は異なります。
本当は治って幸せなのかもしれませんし、生き残ってしまったこと
それ自体が不幸なのかもしれません。
圭介の複雑な表情に、その葛藤が含まれています。
◇
元老院は、揶揄的な表現ではなく存在している組織です。
医療業界は二つの勢力に二分され、片方が「元老院」側、もう片方が
存在が表立ってはいない「機関」側となります。
圭介や大河内は機関に育てられた元マインドスイーパーです。
その後圭介は直接元老院側につき、大河内は元老院管轄の赤十字病院に
在籍していることになります。
元老院の存在は医療界では知れ渡っていますが、
一般人は赤十字病院の存在しか知りません。
ナンバー]=一貴や岬達は機関に育てられた、いわば圭介達のような
マインドスイーパーです。
◇
第14話を投稿させていただきます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
- 73 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:09:56.20 ID:9vajyWgQ0
☆
全てがスクリプトだったら、どんなに楽だろう。
全てが全て、決められたことだったら、
どんなにか楽なことだろう。
だって、そのスクリプトの中でもがいて、
苦しんで、喚いていたって、結局は独り、
一人ぼっちであるという事実は変わらない。
スクリプトなら気が楽だ。
どんなに叫んでも、声が返ってくるわけはないのだから。
- 74 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:10:23.52 ID:9vajyWgQ0
幸せそうな人たちがいた。
充実した生活を送っている人たちがいた。
隣の芝は青く見えるということわざがある。
それはことわざだが、えてして的を射ている。
でも、事実は事実だ。
スクリプトだろうがなんだろうが、周りを見回すと、
人々は全て、ちっぽけな幸せを持って生きている。
必ず、持って生きている。
ならば。
ならば、そのちっぽけさえ持っていない自分は、
一体何なんだろう。
- 75 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:10:58.83 ID:9vajyWgQ0
生きてて楽しい? と頭の中の誰かが聞いた。
人生楽しい? と頭の中の誰かが聞いた。
楽しくはない。
楽しかったら、私は今ここにはいない。
そうだな。
苦しい、とは違うな。
悲しいな。
ただ、ひたすら、悲しいな。
それでも生きていってしまうであろう、私自身が悲しいな。
- 76 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:11:25.31 ID:9vajyWgQ0
全てがスクリプトだったら、どんなに楽だろう。
そう考えて、また同じ結論にたどり着く。
私は袋小路の中に入り込んでしまっていた。
もう、出ることは出来ない。
- 77 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:12:07.62 ID:9vajyWgQ0
▽
★Karte.14 時間よ止まれ★
△
「はぁ、そうなんですか」
ぼんやりした声で理緒がそう言う。
大河内は身を乗り出して、彼女の肩を揺すった。
「どうした? まだ意識がはっきりしないのか?」
「私ははっきりしていますよ。問題ありません。
先生こそ、何を戸惑ってらっしゃるんですか?」
人形のように淡々と理緒はそう言い、鳥かごに手を突っ込んだ。
- 78 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:12:45.51 ID:9vajyWgQ0
それは、赤十字病院に住む子供達が飼っていたインコの籠だった。
沢山の人達の言葉を覚え、人気があったマスコット的存在だった。
特に可愛がっていたのは理緒だった。
彼女が圭介の病院で暮らすことになってからは、
大河内が育てていたのだが、寿命か、昨日死んでしまったのだ。
仰向けになって硬直している小さなインコに、
泣いているマインドスイーパーの子達もいる。
全員が、一番優しかった理緒がどうするつもりなのか、
不安げな表情で見ていた。
理緒はぼんやりとした視線のまま、手の中で死んでいるインコを見た。
左腕には包帯が巻かれていて、長袖で隠れている。
右腕は点滴台を掴んでいて、いくつか、針が手の甲に刺さっていた。
- 79 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:13:14.52 ID:9vajyWgQ0
「死んだんですか」
理緒は淡白にそう言って、左手でインコを掴み出すと、
大河内に向かって差し出した。
「で、いつ死んだんですか?」
「いつって……今朝方だと思うが……」
「じゃあそろそろ腐り始めますね。捨てた方がいいと思います」
ニッコリと笑って、理緒は無造作にゴミ箱に
インコの死骸を投げ捨てた。
彼女の凶行に、周囲が唖然とする。
「理緒ちゃん……!」
大河内が声を荒げかけ、部屋に入ってきたジュリアを見て、
言葉を止めた。
- 80 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:13:46.87 ID:9vajyWgQ0
ジュリアはゴミ箱から大切そうにインコを掴み出すと、
紙に包んで胸に抱いた。
「片平さん、ちょっとお話があるの。お時間もらえるかしら」
「いいですよ」
インコを捨てた後だというのに、
何事もなかったかのように理緒は頷き、ジュリアの後に続いた。
ジュリアは近くのマインドスイーパーの頭を撫で
「後で埋めてあげましょうね」
と言ってから、理緒の手を掴んだ。
そして大河内と目配せをして、部屋を出る。
大河内もそれを追う。
- 81 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:14:24.79 ID:9vajyWgQ0
マインドスイーパーの一人が、そこで大河内に囁いた。
「理緒ちゃん、どうしたんですか?
何だか様子がおかしいです……」
大河内は不安げな顔でこちらを見ている子供達を見回し、
立ち止まると、質問してきた子に微笑みかけた。
「何、今回の仕事はかなりのものだったからね。
理緒ちゃんも、現実と空想の区別がまだついていないんだろう。
しばらくああいう状態が続くと思うが、
みんな優しくしてやってくれ」
- 82 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:15:05.94 ID:9vajyWgQ0
★
ジュリアの研究室に入り、促されるままソファーに座って、
理緒は息をついた。
急遽用意された研究室だったが、
きちんと整理整頓がなされていて、
所々に大きなぬいぐるみが飾ってある。
研究者の部屋というよりは、年頃の女性の部屋といった感じだ。
赤十字病院は、研究室といえども
二、三の部屋に分かれているので、そこに宿泊することも可能だ。
生活感が出ていても不思議ではない。
大河内も後から入ってきて、部屋の鍵を閉めた。
それを確認して、ジュリアは、
ミッフィーの大きなぬいぐるみを胸に抱いた理緒に目をやってから、
棚から取り出した桐の箱にインコを入れた。
- 83 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:15:41.46 ID:9vajyWgQ0
大河内は立ったまま、ポケットに手を突っ込んで、
神妙な顔つきをしていた。
ジュリアはぬいぐるみを弄りながら
嬉しそうな顔をしている理緒に、口を開いた。
「片平さん。何か飲む? コーヒーは大丈夫かしら」
「ごめんなさい、私コーヒー駄目なんです」
「あら、そうなの。じゃあミルクを温めるから少し待っててね」
冷蔵庫から牛乳を取り出してカップに注ぎ、
電子レンジに入れるジュリアを見てから、
大河内は理緒に目を落とした。
「どうした……理緒ちゃん。君はそんな……
何というか、人形のような子ではなかったはずだ」
「どういうことですか?」
- 84 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:16:15.10 ID:9vajyWgQ0
きょとんとして聞き返され、大河内は言葉に詰まった。
そして小さく唇をかんで、理緒から目をそらす。
「いや……分からないならいいんだ」
「はぁ、分からないので、じゃあいいんですね?」
機械的に問いかけられ、大河内は悲しそうな顔で頷いた。
それが全く気にならないのか、理緒はジュリアが差し出した
温かいミルクのカップを受け取り、口に運んだ。
「ありがとうございます」
「気にしないで。ドクター大河内はブラックでいいわね」
「すまないね」
手馴れた動作でバリスタを操作してカップをセットしてから、
ジュリアは理緒の正面に腰を下ろした。
- 85 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:16:56.43 ID:9vajyWgQ0
「片平さん。元老院から正式な決定が下されたわ。
あなたは、これから特A級スイーパーとして扱われることになったわ」
「はぁ、そうなんですか」
どうでも良さそうに頷いた理緒に、ジュリアは続けた。
「特A級スイーパーは、日本には、あなたを含めて二人しかいないわ。
もう一人は言わなくても分かるわね?」
「はい。汀ちゃんですね」
「嬉しくないの? 給与手当ても、待遇面も、
今までとは段違いに良くなるわ」
「特には……別にそういう、大人の人の事情って、
私、よく分からないもので」
淡々とそう言い、理緒はミルクを口に運んだ。
- 86 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:17:34.61 ID:9vajyWgQ0
ジュリアが怪訝そうな顔で大河内を見る。
大河内はしばらく押し黙った後、ジュリアの隣に腰を下ろした。
「理緒ちゃん。だいぶ紹介が遅れたが、
こちらは、ジュリア・エドシニア教授だ。
今回は君達を助けるために、アメリカから派遣されてきた。
私達と、昔仕事をしたことがある、元マインドスイーパーの一人だよ」
「とはいっても、私が出来ることなんて、
普通のダイブだけだったんだけれどもね」
微笑んだジュリアに、ミッフィーの人形を抱きながら理緒は笑い返した。
「わざわざ私なんかを助けに来てくれて、ありがとうございます」
「よく聞いてくれ」
大河内は含みをこめてそう言うと、
きょとんとした理緒を真正面から見た。
- 87 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:18:11.51 ID:9vajyWgQ0
「君を助けるために、三人のマインドスイーパーが死亡した。
高畑はまだ目を覚まさない。そのことについて、君はどう思う?」
「そうなんですか」
理緒は首を傾げた。
「死んだんですか」
「高畑はまだ死んではいないよ」
「他の三人の人は、どうして死んだんですか?」
「スカイフィッシュの攻撃を防ぐことが出来なかった。
言うなれば、君の盾になったようなものだ」
どこか、大河内の口調に責めるような語気が混じってくる。
理緒は、それに全く動じることもなく、ただ淡々と言葉を口にした。
- 88 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:18:46.68 ID:9vajyWgQ0
「はぁ、それはありがとうございます」
「ありがとう……?」
呆然とした大河内に、理緒は頷いた。
「いえ、私なんかのために命を落としてくれて、
勿体無いなぁと。それだけです」
「悲しいとか、苦しいとか、心に来るものは何かないのかい?」
「うーん……」
理緒は、意味が分からないという顔をしてから、息をついた。
「特には……」
逆に困ったような顔をされ、大河内は深くため息をついた。
「ドクター大河内。その話題はやめましょう。
この原因は、私達です」
- 89 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:19:23.05 ID:9vajyWgQ0
「ジュリアさん、しかし……」
「この子を責めても何も変わりません。
お気持ちは分かりますが……」
「責めているわけではない。
責めるのなら、何も出来なかった私自身をだ」
大河内はもう一つため息をつき、バリスタの方に
歩いていったジュリアを目で追った。
「ドクター大河内のサポートは完璧でした。
目的も達成しました。確かに犠牲はありましたが、
私達はそれを覚悟してこのミッションに臨みました。
結果は上々です」
「上々……」
ジュリアからコーヒーを受け取り、
しかしそれに口をつけずに、大河内は声を荒げた。
- 90 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:19:52.67 ID:9vajyWgQ0
「人が死んでいるのに、上々はないんではないですか?」
「上々です。それ以外の言葉は、見つかりません」
大河内の言葉を打ち消し、ジュリアはため息をついた。
その悲しそうな顔を見て、大河内が言葉を飲み込む。
「惜しむらくは、ドクター高畑がタイムアップにより、
テロリストの排除に失敗したことです。
これから、テロリスト達は、より慎重な行動をしてくることでしょう」
「テロリスト……」
そこで、大河内はハッとして理緒を見た。
「理緒ちゃん、まさかとは思うが……
君は、あのテロリストの少年と知り合いなのか?」
問いかけられ、理緒は特に隠す気配もなく、元気に頷いてみせた。
- 91 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:20:36.09 ID:9vajyWgQ0
「はい」
「何だって……?」
大河内の顔が青くなる。
ジュリアも息を呑んで、そして声を低くして理緒に聞いた。
「どこで会ったの?」
「少し前に赤十字病院で会いました。
工藤一貴さんというらしいです。
あの人、テロリストなんですか?」
「工藤……一貴……」
そこまで言って、大河内は、自分が理緒に対して
何も説明していなかったことに気がついた。
言葉に詰まった彼を横目に、ジュリアが言葉を引き継いだ。
- 92 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:21:09.92 ID:9vajyWgQ0
「彼の型番はX、十番目のナンバーズよ」
「ナンバーズ?」
「少し前に、特A級からS級のマインドスイーパーには、
ナンバーがつけられることになったの。
ちなみに、あなたはナンバー14に当たるわ」
「そうなんですか」
特に感慨はわかなそうに理緒は言うと、
大きくあくびをしてカップをテーブルに置いた。
「赤十字病院まで潜入してたのか……」
「監視映像を当たらせるわ。理緒ちゃん、いつ頃?」
「二ヶ月くらい前です」
「警備を強化させてくれ。今の奴らの狙いは理緒ちゃんだ」
- 93 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:21:43.55 ID:9vajyWgQ0
「私、狙われてるんですか?」
首を傾げて、理緒は面白そうにフフフと笑った。
「何だか鬼ごっこみたいですね」
「理緒ちゃん、冗談を言っているんじゃ……」
「……そうよ、鬼ごっこ。
命をかけて、あなたは鬼ごっこをしなきゃいけないの」
しかしジュリアが大河内の声を打ち消した。
彼女はやるせない表情で理緒を見て、悲しそうに呟いた。
「ごめんなさい……
あなたを巻き込んでしまったのは、私達の落ち度だわ」
「どうして……謝るんですか?」
- 94 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:22:11.39 ID:9vajyWgQ0
「分からなくてもいい。いいの……でも、謝らせて……」
「はぁ、そういうことなら……」
理緒は釈然としなさそうに頷いてから、小さく呟いた。
「汀ちゃんと遊びたいな……」
それを聞いて、大河内は一瞬押し黙った後、口を開いた。
「すぐに遊べるさ。君の力を使えば」
「本当ですか?」
「ああ。君が心の中に持っている、汀ちゃんの精神中核を、
無事に彼女の中に戻せば、汀ちゃんは目を覚ます」
「それなら簡単ですね」
頷いて、理緒は微笑んだ。
- 95 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:22:37.94 ID:9vajyWgQ0
「精神中核がない人間の心の中って、赤ちゃんと同じですもの」
「その通りだよ。汀ちゃんのダイブには、君一人で入ってもらいたい。
私達は、外部からのハッキングを防ぐことに全力を尽くす」
「分かりました」
理緒は点滴台を適当に弄りながら、
どこか焦点が合わない目で大河内を見た。
「で、いつダイブするんですか?」
- 96 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:23:17.61 ID:9vajyWgQ0
★
もう既に準備がなされていたようで、
理緒による汀へのダイブは、それから二時間後のことだった。
汀の横には、丸くなって眠っている小白がいる。
その頭を撫で、理緒は汀の手を握った。
「汀ちゃん……」
そう呟いて、彼女は口の端を吊り上げて、
形容しがたい、人形のような冷たい笑みを発した。
「おそろいだね、私達」
その冷たい、感情が麻痺したかのような顔を見て、
大河内が息を呑む。
ジュリアと他のマインドスイーパー達が、
計器を操作しながら目配せをした。
- 97 名前:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY [saga] 投稿日:2012/10/29(月) 18:24:03.81 ID:9vajyWgQ0
そして彼女は口を開いた。
「片平さん、いい?
汀さんの精神中核を元に戻すだけの簡単な作業よ。
精神中核を触れるあなたなら、一瞬で終わるはず。
時間は三分間に設定させてもらうわ」
「いいですよ。それで」
理緒とは思えないほど、単純に、即決に彼女は言うと、
自分でヘッドセットを被った。
「いいか、理緒ちゃん。精神中核を戻した途端に、
精神世界が構築されて、汀ちゃんのスカイフィッシュが現れるかもしれない。
そのときは、上手くフォローして逃げてくれ」
「はい」
頷いて、理緒はニッコリと笑った。
「まぁ、死んだらその時はその時でお願いします」
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