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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
733 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:44:41.72 ID:atJv9ngo
〜東方、藤蔵家〜

盗賊「……おはよぉ」

侍女「なーにがおはよう…ですかっ、もう6時ですよ?」

盗賊「……うん」

侍女「全く…。ねぼすけさんなんだから…」

盗賊「……すいません」

侍女「ほらっ、早くお布団畳んで。髪も梳かして…はい、これ着替えっ」

盗賊「……はい」

侍女「もう間もなく名代様が出立なさいますよ?お見送りは?」

盗賊「……行ってきます」

テクテクテク

盗賊「相変わらず五月蝿い奴じゃ…」

頬を膨らませ、ぶつぶつと独り言を続けながら、盗賊は正門へと辿り着く。

盗賊「…いた」

正門の前には名代と、それを見送る一同の姿がある。


734 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:45:56.14 ID:atJv9ngo
テクテクテク

風忍「おや、姫も見送りですか?」

盗賊「…世話になりました」

名代「こちらこそ泊めてまで頂きまして…。ありがとうございました」

御館様「また、後日改めて連絡致す」

名代「はい。待っております」

名代は馬車に乗り込み一礼する。それに応え、盗賊もお辞儀を返す。

ゴトンッ…ガラガラッ…パッカパッカパッカ…

土忍「…俺もこのまま都へ向かう」

水忍「雷と交代か?」

土忍「…ああ。アイツもしばらく休んでおらぬからな」

御館様「頼んだぞ。土」

土忍「はっ!!」

シュバッ……

盗賊「……」


735 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:47:03.50 ID:atJv9ngo
風忍「姫、お身体の具合は…?」

盗賊「だいぶ良くなってきたよ」

風忍「それは何より」

水忍「完治したら修行が待っておりますぞ」

盗賊「…ああ。頼む」

御館様「……」

風忍「さてと…。朝食に致しますか」

水忍「今日は朝一で取ってきたイワナにアユですぞ」

盗賊「おぉっ!」

風忍「姫は魚がお好きですもんね」

盗賊「好きだぞっ。美味しいからな!」

水忍「旬に近いですからね。脂も乗ってて旨いですよ」

盗賊「た、楽しみだ…っ」

御館様「……」

風忍「さぁさぁ、行きましょうぞ」


736 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:47:56.62 ID:atJv9ngo
〜広間〜

盗賊「……いっ、頂きます!」

カチャッ…パパパパッ

盗賊「……ん〜っ、美味しいっ!」

侍女「でっしょ〜!」

御館様「……」

風忍「御館様…?」

御館様「…不味い。食えた物ではない」

侍女「!?」

御館様「鮮度は良いが味付けがなっとらん。始末しておけ」

風忍「御館様…」

御館様「ああ…せっかく水が早朝取ってきたものだ。……盗賊」

盗賊「…は、はいっ」

御館様「お前が責任持って、処分しておけ」

盗賊「…っ!?」


737 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:48:49.94 ID:atJv9ngo
御館様「先に戻る」

ザッザッザッザッザ

盗賊「父…様っ」

水忍「流石…美食家。味付けには手厳しい……」

風忍「それよりも侍女、朝食担当の者…下手したら罰せられたり…」

侍女「ふふっ…あはははっ!!」

風忍「侍女…?」

侍女「だって…っ、今日の味付けは御館様がご自身でなされたのよ?」

水忍「……は…っ?」

侍女「…ほーんと、素直じゃないんだから」

侍女は席を立ち、御館様の残した焼き魚を盗賊の食膳へ盛り付ける。

風忍「成程な…。全く…御館様は…」

盗賊「あ、あの…っ」

侍女「勿体ないでしょ?姫が食べなさいな」

水忍「魚は身体を丈夫にします。怪我の回復にも良いですよ」


738 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/26(月) 17:49:04.37 ID:/pJ7JuQo
ツンデレすぎる…
ってかもはやツンデレという言葉で表すのがおかしいのか?


739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:50:37.42 ID:atJv9ngo
盗賊「う、うんっ。頂きます!」

侍女「さて…お茶のお代わりは?」

風忍「頼む」

水忍「私も…」

盗賊「は、はいっ」

侍女「すぐお持ちしますからねっ」

風忍「姫が戻られて…藤蔵も明るくなったなぁ」

水忍「ああ…。ずっとこうであれば…良いがな…」

風忍「それは我らの都合なのかもしれぬな」

水忍「姫には姫の歩むべき道がある…か」

盗賊「……?」

水忍「何でも御座らぬ。さぁさ、早よう食べなされ」

風忍「食事を終えたら、池の鯉に餌など如何です?大きくなりましたぞ?」

盗賊「うんっ。そうする…!」

戦いのない平和な一時…。穏やかな日はあっと言う間に過ぎていく…。


740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:51:59.46 ID:atJv9ngo
〜数日後〜

グッグッ

盗賊「……よし」

侍女「姫っ!?もう大丈夫なの?」

盗賊「うん。直撃受けたわけじゃないし…」

侍女「それじゃ御館様呼んで……」

ザッザッザ

雷忍「カカカッ!御館様は今、説教中だよ」

盗賊「…雷」

侍女「説教って…?」

雷忍「知らね。なんか…火が怒られてたぞ。カカッ」

盗賊「…そっか」

侍女「まぁ、もう少し待ってましょうか」

雷忍「後で呼んで来ますよ」

盗賊「…ありがと」


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:52:34.13 ID:atJv9ngo
〜南東国、南の山〜

戦士「……」

ギリギリッ……ヒュバッ!!…ガスッ!!

女隊員「命中ッス!!お見事ッス!!」

男隊員「マジかよ…っ!?あんな小さい蛾を…っ!」

隊長「本当に当てるとは…阿呆にも程があんだろっ」

戦士「自分で課した修行じゃないっすか…」

隊長「それは弓の使い方、要は軌道の予測とか…そういう話だろが」

戦士「えぇー、せっかく当てたのに……」

隊長「当てる事に文句を言ってるわけじゃねぇよ。むしろ賞賛に値するわ」

戦士「マジすか!?」

隊長「当たり前だろ…。こんなん俺でも多分無理…」

戦士「まったまた〜!ご冗談を…」

男隊員「いや、普通に無理だろ……」

女隊員「うん。普通に無理ッス……」


742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:54:09.81 ID:atJv9ngo
戦士「んで、お次は……」

隊長「さて、いよいよ……槍といきますか!」

戦士「槍……かぁ」

隊長「なんだぁ?一番槍の嫡男が怖気付いたかぁ?」

戦士「そうじゃないけど…それっすよ……」

男隊員「……?」

戦士「親父がどれ程の槍使いか知らねぇけど、その…期待っつーか…」

女隊員「分かるッスよぉ!プレッシャーになるんスよね?」

戦士「……ええ」

男隊員「初代遊撃隊の一番槍っつったら…そりゃあ凄かったらしいかんなぁ」

隊長「…ああ。凄いなんてモンじゃあねぇよ」

戦士「……」

隊長「中でも一番槍の武は、国士無双と謳われた程さ…」

戦士「国士無双……」

男隊員「他に並ぶ者の居ない…国一番の使い手って事。ヒャハハッ」


743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:56:29.37 ID:atJv9ngo
戦士「そんなに働いたんすか…?」

隊長「一番槍の名の通り、開幕の先陣を常に担当した」

男隊員「一番槍ってのは、一番目に槍で軍功を挙げる事を意味する」

隊長「しかし多対一に滅法強くてなぁ。俺も戦場で見た事ありが…まぁ凄かったよ」

男隊員「両手槍とかバカげた戦法でしたっけか?ヒャハハ!」

隊長「投擲と槍術を駆使して、無駄のない動きだ。あれは誰にも真似出来ん」

戦士「へぇ…」

隊長「中でも凄かったのは、20数年前の…南方撤退戦」

戦士「…?」

隊長「新卒の文官共が、南方研修中に魔王軍に襲撃されてな…」

男隊員「あー、たまたま居合わせた一番槍とバリスタが迎撃したってヤツ?」

隊長「ああ…。キリなく迫る敵を斬り払い、死者0で切り抜けたってやつだ」

戦士「マジかよ…」

隊長「流石の一番槍も瀕死を負ったらしいがな…」

戦士「……」


744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:58:30.98 ID:atJv9ngo
隊長「たまたま辿り着いたオアシスで一命を取り留めたって話しだ」

男隊員「全く…。無茶な話しだよな」

女隊員「魔物はどれ程いたんスか?」

隊長「よく分からんが300とも500とも言われてる」

男隊員「ドラゴンやらも居たって話だぜ?ヒャハッ」

戦士「凄かったんだな…」

男隊員「聞いた事なかったのか?」

戦士「むしろ国軍にいた事すら知らなかったよ……」

女隊員「家族思いなんスねぇ…」

戦士「…え…っ?」

女隊員「だってこの隊は特殊な部隊ッスよ。身の危険は満載ッスから…」

戦士「……親父」

隊長「…思い出話はここまで。んじゃ槍術いこうかね」

戦士「お願いします!」

隊長「一番槍のようにはいかんが…それなりには教えてやれるハズだ」


745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 17:59:12.42 ID:atJv9ngo


戦士「…こうすか?」

隊長「もっと腰を落とした方がいい。槍の基本は突き、だ」

戦士「突き…」

隊長「突きは腕のちからだけでは威力がない。下半身の力が重要」

戦士「なるほど…。確かに腕だけだと…軽いなぁ」

隊長「腰を落とし、地面を蹴るように…重心を前へっ!」

ヒュンッ!!

戦士「……こうかっ!?」

ヒュンッ!!

隊長「悪くねぇ…。ただ、動きが固いな」

戦士「……うーん」

隊長「槍は突いて終わりじゃねぇ。そこからニ撃目の動きを考えろ」

戦士「…ニ撃目かぁ。確かにそうっすよねぇ」

隊長「お前のこの…得物。こいつは戟っつって、南東国発祥のモンだ」


746 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 18:00:45.05 ID:atJv9ngo
戦士「……みたいすね」

隊長「槍の穂先、刃の部分に三日月状の刃が突いてるよな?」

戦士「…ええ」

隊長「こいつがまた厄介でな。突いても曳いても傷口深く、致命傷になる」

戦士「……」

隊長「更には横に刃がある分、薙ぐにも適してる。万能槍ってとこだな」

戦士「なるほど…っ」

隊長「だからこそ、ニ戟目以降の動きへ柔軟に移る事が出来れば…」

戦士「初撃の突きを外しても…ニ撃目で…!」

隊長「そう。槍の一撃なんてハナっから無理と思っておきな。突けりゃ万々歳よ」

戦士「…分かりました」

隊長「重心を落とし、力を入れるが…前進した後は脱力…」

戦士「……っ!!」

ヒュンッ!!…ヒュバッ!!

隊長「そうだっ!今のは悪くねぇ!……もう一丁!!」


747 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 18:17:45.08 ID:atJv9ngo
〜北方、泉〜

魔道士「……っ!!」

ドンッ!!…ボゴォッ…バキバキッ…ゴオオォォ!!

マジシャン「うん、悪くない…上等上等!ハッハ!!」

魔道士「二行補助は難しいですね…ふうっ」

マジシャン「慣れだよ慣れ。やってくうちに自然と身に付くって」

魔道士「そうでしょうか?」

マジシャン「魔道士ちゃんの場合、五行も補助も出来てるわけだし、慣れてないだけよ」

魔道士「…なるほどですね」

マジシャン「さて、休憩にすっかね」

魔道士「はいっ」

マジシャン「あ、そうだ。ちょっくら街に…買い出し行ってくるわ」

魔道士「はいっ。行ってらっしゃい!」

マジシャン「…というわけ」

魔道士「……?」


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 18:24:43.31 ID:atJv9ngo
ゴソゴソッ

マジシャン「これにサインと…あと、手紙も書くか?」

魔道士「何ですこれ?……委任状?」

マジシャン「ワークショップで手紙の引取りを委任するためのものだ」

魔道士「…えぇと、これにサインを?」

マジシャン「来てるかもしれないよ?お仲間さんからお手紙が…」

バッ

魔道士「……はいっ!書きました!」

マジシャン「…早いねぇ。んーじゃ、行ってくるわ!」

魔道士「お気をつけてっ!」

マジシャン「今のうち、しっかり休んでおけよ〜」

テクテクテク…

魔道士「は〜い!!」

森の奥へ姿を消すマジシャンを、魔道士は背後から手を振り、笑顔で見送る。

魔道士「…よーし、今のうちに洗濯済ませちゃおっ!」


749 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/26(月) 18:32:38.29 ID:uwVc6rko
……ん?あれ?
そういえば、召喚士だけ同じ場所に女性が居ない…


750 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 18:34:36.24 ID:atJv9ngo
中途半端ですが、ここらで失礼致します!
ご支援ありがとうございました!ノシ

>>749
本当ですね…。まぁ…いいか…


755 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/26(月) 20:43:23.51 ID:UK34xGAo
召喚士のところだけ花がないだって?
召喚士自体が花じゃないかwwwwwwww


770 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/26(月) 23:54:45.23 ID:JfFp5IAo
VIPから見続けて下さっている方には、本当に感謝です!
もちろん新たに来て下さった方も本当に感謝感謝!!
オマケだけ投下して失礼致します。おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

火忍「名代のヤロウ…。やっぱり泊まってやがった…くそっ!」

テクテクテク

火忍「さーて、もうすぐ愛しの姫…違う、藤蔵に到着〜!!」

その頃…

御館様「…もう一度…申してみよ」

風忍「で、ですので…そこで火が姫ともみ合いになり…しかし咄嗟に姫と気付いた私が……」

御館様「揉み合いだと?」

風忍「あ…えぇと、そんな大したことではなく…顔に胸が当たったとかその程……」

御館様「……」

風忍「程…度……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

盗賊「…ん?何だこの威圧…っ!?」

侍女「さぁ…?それより早く鯉に餌あげて下さいなっ」

盗賊「あっ、そうだった…。ほらっ…たーんと食べよっ!…ふふっ」


771 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/26(月) 23:57:28.42 ID:tj9DAIAO
火忍終わったなwww
一瞬天国を味わったんだから、もう十分だよなww


774 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/07/27(火) 02:39:28.91 ID:uT7..USO
魔道士が本気出したらこうなるはず

マジシャン「これにサインと……」

ドシュ! ドシュ!

魔道士「もう書いたよ。」
マジシャン「ドリッピング画法だ!」


785 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/27(火) 16:08:33.59 ID:89GTC2SO
やるおが戦士で長門が盗賊
やるおシリーズ妄想したけど召喚士の姿が思い浮かばん!


788 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/27(火) 17:26:58.21 ID:mTmxd42o
〜南方、南の山〜

召喚士「…………」

青年兵「…………」

青龍先生「……それまで」

召喚士「…ふー」

青龍先生「どうじゃ?精神統一を始めてから半月近く経つが…」

青年兵「あまり変化は感じませんが…気持ちが落ち着いたというか…」

召喚士「ええ…。常にリラックス出来ている感じですね…」

青龍先生「ふむ。それは無駄な力が抜けて、非常に良い状態じゃの…」

テクテクテク

青龍先生「どれ、ちょっとどいてみよ」

青年兵「は、はい…」

足をどけ、青年兵は青龍先生と場所を入れ替わる。

青龍先生「…ふむ。最初の頃と比べると…魔力の漏れもほとんどないのぅ」

召喚士「漏れ…ですか?」


789 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/27(火) 17:27:33.35 ID:mTmxd42o
青龍先生「そうじゃ。魔力を練る時、無意識にじゃが魔力が漏れておる」

青年兵「……」

青龍先生「それは最も意識の遠い足元から漏れていくのじゃ」

召喚士「…なるほど」

青龍先生「しかし、直立状態で瞑想をする事により、全身に意識が回り…」

青年兵「…漏れを防いだと?」

青龍先生「うむ。ここに立つとよう分かる。お主の魔力を地よりほとんど感じぬ」

召喚士「それって、うまく体内に留めておけているという事ですか?」

青龍先生「そういう事じゃ。それは即ち、魔力を無駄にする事なく使用出来るのじゃ」

青年兵「そのような意図があったのですね…っ!」

青龍先生「それだけではないぞ……」

召喚士「……?」

青龍先生「先程、お主等が申しておったリラックス……」

テクテクテク

青龍先生「どれ、今度は互いに場所を入れ替えてみぃ」


790 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/27(火) 17:29:01.91 ID:mTmxd42o
召喚士「……?」

テクテクテク…ザッ

青年兵「入れ替わりました」

青龍先生「では、目を瞑ってみよ」

二人は言われるがまま、入れ替わった互いの場所にて目を瞑る。

召喚士「……!?」

青年兵「…こ、これは…っ!!」

青龍先生「……どうじゃ?」

召喚士「何か…違和感があります。落ち着かないというか…」

青年兵「え、ええ…っ」

青龍先生「それがリラックスの答えじゃ。簡単に言えば…己の空間…」

召喚士「空間…?」

青龍先生「例えば…自室にいる時、お主等は落ち着かんか?」

青年兵「もちろん…落ち着きます」

青龍先生「何でじゃと思う?」


791 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/27(火) 17:30:02.23 ID:mTmxd42o
召喚士「…慣れ親しんだ場所だからですか?」

青龍先生「まぁそうじゃな。視覚的要因が一つ…」

青年兵「視覚的…?すると他にも……あ、匂いとか…」

青龍先生「そうじゃな。己の匂い、即ち臭覚的要因じゃな」

召喚士「確かに…布団や枕などはそうかもしれません」

青年兵「宿や他人の布団は慣れないですよね…」

青龍先生「他にも耳に入る音、聴覚的要因もじゃな」

召喚士「音ですか?」

青龍先生「今も聞こえるじゃろ?風の音、鳥の鳴き声…。そういった雑音も含めてじゃ」

青年兵「成程…。置くが深いですね」

青龍先生「そして最後に、己の纏う気…じゃな」

召喚士「……気」

青龍先生「これは目に見えぬし、匂いも音もなく表現が難しいが……」

青年兵「魔力のようなものですか?」

青龍先生「そうじゃ。殺気、闘気、怒気…そういった類のものじゃ」


792 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/27(火) 17:31:02.19 ID:mTmxd42o
召喚士「…威圧もその一つなのかな…?」

青年兵「色々な要因で心の持ち方も変わる、という事ですね」

青龍先生「うむ。なんとなく答えが見え始めておるかの?」

召喚士「…はい。心構え、気構えが大切ですね」

青龍先生「…ひょっひょ!心配は無用のようじゃの…!」

青年兵「では、次は基本精霊同士の組み手を…」

青龍先生「その前に、ちと、場所を変えるとするかの…」

召喚士「場所ですか…?」

青龍先生「そろそろ次のステップに移るとしよう」

青年兵「はい!」

青龍先生「それでは荷支度して…距離はさほど遠くはないから安心せい」

召喚士「すぐに準備します…っ」

青年兵「僕はテントを畳んできます!」

タッタッタッタッタ

青龍先生「……ひょっひょっひょ」



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