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幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」
- 1 名前: ◆HhIFXGIog2 []
投稿日:2013/06/26(水) 12:07:27 ID:yvVjkyBE
【過去作品】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1370948694/l50
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371177620/l50
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371707458/l50
上記シリーズの正式な続編ですが、
全く読んでいない方でも楽しめるような内容を目指しています。
よろしくお願いいたします。
- 2 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:08:34 ID:yvVjkyBE
――――――山奥村
・・・・・・キャー!!
・・タスケテェ・・・・コロサナイデ・・・!
幼剣士「・・・何、これ?」
山賊長「ハーハッハッハ・・・・奪え!犯せ!殺せ!!」
村人女「嫌ぁぁぁ・・・やめてください・・・!」ビリビリ
村人父「そ、その子だけは・・・!」
山賊A「ああ!?うるせえんだよ!!」
・・・・ザシュッ
・・・イヤァァァ!!!!
・・・・・・・・・・・・・・
- 3 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:09:13 ID:yvVjkyBE
幼剣士「・・・あ、お母さん・・・。お母さん・・・、どこ・・・?」フラフラ
・・・・パチッ・・・・パチパチッ・・・・ゴオオオッ
幼剣士「・・・火が、熱い・・」ハァハァ
山賊A「・・・お・・・、へへ。ガキはいい値段で売れるんだよな・・・」グッ
幼剣士「・・・!」
山賊A「おっと、暴れるなよ?」チャキッ
幼剣士「は・・・離せぇ!」ジタバタ
山賊A「ははは、無駄だ無駄無駄っ!」
- 4 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:11:00 ID:yvVjkyBE
・・・・・・ヒュッ・・・ゴツッ!!!
山賊A「いてっ・・・・石・・?っ痛ぇな・・・誰だ・・・・」タラッ
親父「そ、その子を離せ!」
母親「・・・・離してください・・・」
幼剣士「お、お父さん!お母さん!」
山賊A「てめえ・・・人の顔に傷つけといて、覚悟はできてんだな?」イラッ
親父「・・・・くっ」
山賊A「・・・」ポイッ
幼剣士「う、うわっ!」ドサッ
- 5 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:12:28 ID:yvVjkyBE
山賊A「覚悟しろや!」ダダダダッ
親父「・・・・!」
・・・・ザシュッ!!
山賊A「・・・・何・・だと・・・」ブルブル
親父「はは・・・ざ、ざまあ見ろ・・・」
幼剣士「・・・お父さん・・」ホッ
山賊A「・・・くそが・・・」ドサッ
親父「お前らの思い通りになんかさせな・・・・ふぐっ!」ドスッ
- 6 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:13:22 ID:yvVjkyBE
幼剣士「え・・・、お父さん・・・?」
母親「あ・・あなたぁぁ!」
山賊B「おい、人の仲間やっちゃってんの?」グリグリ
親父「な・・・、よ・・・・・・、幼剣士っ・・・!」ブルブル
山賊B「死ねよ」ザシュッ
親父「・・・」ドサッ・・
山賊B「で、こっちは・・お前の母親?」
幼剣士「・・・」ガクガク
- 7 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:13:54 ID:yvVjkyBE
母親「・・・・あなた・・・あなたぁ・・・」
山賊B「・・・お前も仲良く逝くんだな!!」ザシュッ
母親「・・・・・あ・・・」ドロッ・・
・・・・ドサッ
幼剣士「お父さん・・・お、お母さん・・・」グスッ
山賊B「・・・お前もだよ・・・ひひ・・・」ユラッ
・・・ザッ・・・ザッ・・・・・ザッ・・
山賊B「あの世でママとパパと遊んでな!!」チャキッ
- 8 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:15:32 ID:yvVjkyBE
山賊B「死ねやっ!」ヒュッ
・・・ググッ
山賊B「ん・・剣が振り下ろせねぇ・・・くっ、このっ!」ググッ
軍服の男「お前が・・・・あの世でその子のママとパパに懺悔するといいんじゃないかな」
山賊B「・・・へ?何だてめぇ、人の剣を・・・離せ・・・・!」スパッ
・・・ドサッ
軍服の男「かっこいい事言ったけど・・・ま。峰打ちだよ。どうせ防衛隊に引き渡さないといけないしね」
幼剣士「・・・・ひっ」ガクガク
軍服の男「・・・・!」
- 9 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:16:40 ID:yvVjkyBE
幼剣士「・・・お母さん・・・お父さん・・・」グスッグスッ
軍服の男「・・・大丈夫かい?ごめん、来るのが遅すぎた・・・」スッ
幼剣士「・・・助けて・・くれたの?」グスッグスッ
軍服の男「・・・・うん」
幼剣士「・・・僕、僕・・・・・・」
軍服の男「・・・・」
幼剣士「これから・・・どうしたらいいの・・・?」
軍服の男「・・・・」
幼剣士「お母さん・・・お父さん・・・いなくな・・・ちゃ・・・ったよ・・」
- 10 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:18:23 ID:yvVjkyBE
軍服の男「・・・」
幼剣士「・・・・ううう」グスッ
軍服の男「・・・こんな時、どう言えばいいか俺には分からない。
だけど、お父さんとお母さんが君を守った分、君は強く生きなくちゃいけない」
幼剣士「・・・無理・・・・・だよ・・・」
・・・・スタッ
軍人「・・・中尉殿!こちらの制圧は終わりました。ひどいものです・・・」
軍服の男「ありがとう。村の被害は?」
軍人「・・・・、最悪です。その・・・、そこの子を除いて・・・・・」
軍服の男「・・・本当に・・遅すぎたね・・・」
- 11 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:19:23 ID:yvVjkyBE
軍人「・・・中尉殿が悔やむことはありません。情報が来るのが遅すぎたのです」
軍服の男「・・・・」
幼剣士「・・・」グスッグスッ
軍人「・・・どうしますか?この子。養護施設に送るしかないですよね」
軍服の男「・・・、君の名前は?」
幼剣士「よ・・・幼剣士・・・」
軍服の男「いい名前だ。・・・・俺の知り合いに親のない子を預かる僧侶がいる。そこに送ろう」
幼剣士「そこで・・・僕はどうなるの・・・?」
軍服の男「生きる意味を見つけさせてあげるよ」
幼剣士「・・・生きる・・・意味?」
軍服の男「あぁ。世界はこんなにも広いんだって・・・さ。
こうなってしまったのは俺のせいでもある。君を強くして・・・、世界を見せてあげるよ」ニコッ
- 12 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:20:26 ID:yvVjkyBE
軍人「し、しかしそれでは・・・・!中尉殿が背負い込む問題ではありません!」
軍服の男「はは、いいんだよ」
軍人「まったく・・・あなたはいつもそうだ。色々と巻き込み、背負いこんでしまう・・・」
軍服の男「・・・母さんにも一緒のことを言われたよ。すぐに面倒事に巻き込まれる体質だってね」ハハ
幼剣士「・・ねえ・・僕・・、そこに・・・行けば・・・・・・何か変わるの・・・?」
軍服の男「お。泣き止んだか・・・強い子だね。ああ、変えてみせるさ」ハハ
- 13 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:21:14 ID:yvVjkyBE
幼剣士「あの・・・名前・・・」
「ああ・・・・そうか・・・俺はね・・・」
青年剣士「青年剣士。中央軍で働いている一介の剣士さ」ニコッ
- 14 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:21:55 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
- 15 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:22:50 ID:yvVjkyBE
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 16 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:24:12 ID:yvVjkyBE
―――【数日後、大聖堂】
幼剣士「大きい・・・」
青年剣士「・・・じゃ、乙女僧侶。頼んだよ」
乙女僧侶「分かりましたです!しっかり面倒を見させていただきますよ!」
青年剣士「それと・・・、幼剣士」
幼剣士「・・・?」
青年剣士「約束どおり、俺が・・君を強くしてあげよう。強くなれば、冒険・・・
世界に旅立つ勇気を持てる。世界に興味を持てれば、君の中の世界が変わるんだ」
幼剣士「・・・んー・・わかんない・・」
- 17 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:25:06 ID:yvVjkyBE
青年剣士「はは、そうか。今日は時間があるし・・・、アレも渡しておこう」ゴソゴソ
・・・チャキッ
幼剣士「・・・これって?」
青年剣士「プレゼント。君のために買ってきた、初心者向けの剣だよ」ニコッ
幼剣士「・・・いいの!?」
青年剣士「うん。大事にしてね」
幼剣士「あ・・・ありがとう・・・」ヘヘ
乙女僧侶「・・・ふふ」
青年剣士「よし、幼剣士!それで僕に本気で攻撃してくるんだ」
幼剣士「え・・・」
- 18 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:25:54 ID:yvVjkyBE
乙女僧侶「大丈夫ですよ。あのお兄ちゃん、強いんですよ!」
幼剣士「・・・わかった」チャキッ
青年剣士「おっしゃこーい!」
・・・ダダダッ、ブンッ!
青年剣士「・・・お」キィン
幼剣士「えぇいっ!」
・・・キィン!キィンキィン!!
青年剣士「・・・へえ。基本の型がしっかりしてるね」
幼剣士「・・・ぜ、全然当たらない・・・」ハァハァ
- 19 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:27:03 ID:yvVjkyBE
青年剣士「・・・幼剣士。もしかして、剣術を誰かに習ってたりした?」
幼剣士「う・・・うん。お父さんが剣の先生だったから・・・」
青年剣士「そうなのか・・・。荒削りな部分もあるけどしっかりと基本ができてるね・・・」
乙女僧侶「よく分からないけど、すごいってことですね!」
青年剣士「基本を教えつつ、発展した技術面もしっかり教えていけば・・・
冒険学校に入学できるようになったら・・・だいぶ役立つしね」
乙女僧侶「そうですねえ。北西冒険学校ならここから近いですし」
青年剣士「ここから通えるしちょうどいいね」
幼剣士「・・・?」
- 20 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:28:57 ID:yvVjkyBE
青年剣士「ま、今はまだ色々気にしなくてもいいよ」ポスッ
幼剣士「あう・・・・・、う、うん・・・」モジモジ
青年剣士「ん?・・・どうしたの?」
幼剣士「その・・・どう呼べばいいかなって・・・」
青年剣士「ああ、俺のこと?」
幼剣士「うん」
青年剣士「お父さんっていう歳じゃないし・・・そこまでの貫禄もないし・・・」
乙女僧侶「やっぱり、お兄ちゃんじゃないでしょうか?」
青年剣士「うん・・・・お兄ちゃん、でどうだろ?」
幼剣士「お、お兄ちゃん!・・・お兄ちゃんが・・・できた・・・えへへ」
青年剣士「・・・」ニコッ
- 21 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:30:29 ID:yvVjkyBE
幼剣士「お兄ちゃん・・・」ヘヘ
青年剣士「ふふ、君にはお姉ちゃんもいることになっちゃうけどね」
幼剣士「お姉ちゃん・・?」
青年剣士「ずっと遠い世界だけど、俺にはもう1人、妹がいるんだよ」ハハ
幼剣士「・・・遠い世界?」
青年剣士「そう。ここではない・・・ずっと遠い、遠い・・・。
けどね・・・どんなに離れていても、お互い想いあえば、本当の家族なんだ」
幼剣士「・・・」
青年剣士「幼剣士と俺は・・お互い知らない事も多いけど、一緒にゆっくり、仲良くなっていこう」ニコッ
幼剣士「・・・うん!」
- 22 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:31:34 ID:yvVjkyBE
乙女僧侶「それで、これからどうします?」
青年剣士「さっきも言ったけど、休みだから近くの森で色々見てあげようと思う」サスサス
幼剣士「・・・強くなれる?」
青年剣士「ああ。強くしてみせるよ」ハハ
乙女僧侶「今日の夜は、幼剣士くんを皆に紹介しないといけないので、早めに帰ってきてくださいね?」
青年剣士「分かった。じゃ、行こうか」
幼剣士「うん!」
- 23 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:32:15 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・・・
――【近くの森】
・・・キィン!!
青年剣士「脇をもっと締めて・・・力いっぱい振り下ろすんじゃなくて・・・・」
幼剣士「・・・えぇいっ!」
青年剣士「そうそう。飲み込みが早くていいね」
幼剣士「・・・」ハァハァ
青年剣士「ちょっと休憩しようか」
幼剣士「疲れたぁ」ハァハァ
- 24 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:33:56 ID:yvVjkyBE
青年剣士(思った以上の素質だよ・・・って、未熟な俺が言える事じゃあないよね・・・はは)
幼剣士「・・・」ジー
青年剣士「・・・ん?どうしたの?」
幼剣士「お兄ちゃんって、やっぱ凄い人?強いんだよね?」
青年剣士「うーん、どうだろう。中央軍に入って日も浅いし・・・」
幼剣士「でも、あの・・・あ・・あの日・・・、さ、山賊・・を・・・一撃で・・・」
青年剣士「・・・、大丈夫。今は俺がいる」ギュッ
幼剣士「・・・」ブルブル
- 25 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:35:28 ID:yvVjkyBE
青年剣士「ちょっと休憩がてら、俺の見てきた世界をお話しよっか」
幼剣士「・・・うん」
青年剣士「・・・魔法の国ではオーガを倒したり、太陽の祭壇っていう所でバンシーっていう
凄い強い魔物と戦ったりしたんだ。アイスタイガーに殺されかけたことも・・・」アハハ
幼剣士「いっぱい色んな所に行ってるんだ・・。殺されかけた・・・の・・?」
青年剣士「うん。雪山に登って倒れた時、仲間が支えてくれて助かったんだ」
幼剣士「・・・怖かった?」
青年剣士「その時は、仲間がやられるのを見ていられなくて・・・
無我夢中だったから、怖いっていうより"守ってやる"って気持ちでいっぱいだったよ」
幼剣士「・・・」
- 26 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:36:24 ID:yvVjkyBE
青年剣士「そのときだよ。妹・・・、君のお姉ちゃんが・・一生懸命、俺を助けてくれたんだ」
幼剣士「お姉ちゃん・・」
青年剣士「そう。いつか、幼剣士も強くなって、俺を助けてくれるようになるかもね」ナデナデ
幼剣士「うん・・・僕、強くなる・・・」
青年剣士「よっしゃ!そう決まったら、あるのは修行のみ!」
幼剣士「よおーし!」チャキッ
青年剣士「・・かかってこいっ!」
- 27 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:37:03 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・
・
- 28 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:38:04 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・・・・・
――【夕方・大聖堂】
乙女僧侶「あ・・・お帰りなさい・・・って、ドロドロじゃないですか!」
青年剣士「あ・・・あはは、ちょっとハリキリすぎちゃったかなって」ドロドロ
幼剣士「疲れたぁぁ・・・」ドロドロ
乙女僧侶「あーあー・・・、洗濯するので脱いで下さいよ・・・」ハァ
青年剣士「あー・・・うん、なんかゴメン」
乙女僧侶「お風呂沸かしといて正解でした。ご飯も用意するので、先に入ってきてください」
青年剣士「はは・・・ありがと。幼剣士、お風呂行こうかー」
幼剣士「うん〜!」
乙女僧侶(あっという間に仲良しさんですね。男の子同士って、何かうらやましいです)
- 29 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:39:45 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・・
・・・カポーン・・・
青年剣士「・・・ふうー。疲れた体にお風呂は気持ちいいなあ」
幼剣士「・・・お兄ちゃん、凄い傷・・・」
青年剣士「・・・そうだね。たくさん戦ってきたからね・・・、でも、これが俺の証にもなってるんだ」
幼剣士「証?」
青年剣士「それを忘れてはいけないという心。それと仲間との絆・・かな」
幼剣士「傷がないと絆・・・にはならないの?」
青年剣士「ううん、そういうことじゃないよ。ただ、俺はずっと戦う日々を送ってきたからさ・・・。
僕にもネックレスや指輪っていう形に残るのもあるけど、やっぱり傷が一番の思い出ってことだよ」
- 30 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:42:31 ID:yvVjkyBE
幼剣士「・・・難しいね・・・」
青年剣士「・・・そうだね。俺も難しいと思うよ」
幼剣士「・・・ねえ、僕、強くなれるかな?」
青年剣士「なれるさ。大丈夫・・・、きっとね」ニコッ
幼剣士「がんばる・・・」
青年剣士「よしっ、そろそろあがろうか。ご飯も待ってるしね!」ザバッ
(気づかなかったみたいだけど、昔話をすると・・つい"俺"じゃなくて"僕"って言っちゃうのは・・・抜けないクセだな・・・)
幼剣士「うん・・お腹も空いた・・・」グゥゥゥ
- 31 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:43:56 ID:yvVjkyBE
青年剣士「よっと・・・これに着替えればいいのかな・・・」ゴソゴソ
・・・・・ガチャッ
乙女僧侶「いつまで入ってるんですかー。もう他の子もまってますよ・・・」
青年剣士「・・・あ」
乙女僧侶「あ・・・」
幼剣士「?」
乙女僧侶「きゃああああっ、ごめんなさいですーーー!」カァァ
青年剣士「わ、わあああ!な、なんかこっちこそごめんーー!」
乙女僧侶「ま、待ってますので早くしてくださいね!」
青年剣士「わ、わかった!」
幼剣士「・・あはは、お兄ちゃん変なのっ!」
- 32 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:44:29 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――【大聖堂・食堂】
乙女僧侶「・・・遅いですよ!」
青年剣士「ごめんごめん」アセアセ
乙女僧侶「皆さん、今日は新しい友達が来てくれました」
幼剣士「・・・」ドキドキ
乙女僧侶「幼剣士くんです。仲良くしてくださいね」
子供たち「はい」
- 33 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:45:21 ID:yvVjkyBE
青年剣士「幼剣士、ここの子供たちはね・・・みんな親がいなかったり、色々複雑な事情を持った子たちなんだ」
幼剣士「・・・」
青年剣士「・・・仲良くしような」
幼剣士「うん・・」
乙女僧侶「では・・・・・父と子の聖霊のみ名によって、主願わくは我らを祝し、
我らの食せんとする賜物を祝したまえ・・・」
全員「いただきます」
- 34 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:46:10 ID:yvVjkyBE
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
青年剣士「・・・ふわぁ」
乙女僧侶「お疲れ様でした」
青年剣士「・・・うん」
乙女僧侶「・・・」
青年剣士「あの子、馴染めそうかな?」
乙女僧侶「えぇ・・大丈夫だと思います」
青年剣士「そっか・・・良かった」
乙女僧侶「そういや、今、幼馴染さんは元気ですか?」
- 35 名前: ◆HhIFXGIog2 [] 投稿日:2013/06/26(水) 12:46:48 ID:yvVjkyBE
青年剣士「魔法研究部でがんばってるよ。期待のエースだってさ」ハハ
乙女僧侶「さすがですね。私はここで子供の面倒を見てるだけなのに・・」
青年剣士「だけ・・・なんて言っちゃだめだ。乙女僧侶のおかげで、
子供たちはもう1度、幸せってのを手に入れたんだし・・・さ」
乙女僧侶「幸せ・・になってくれているんでしょうか?」
青年剣士「うん。あの子たちの笑顔は本物だよ」ニコッ
乙女僧侶「青年剣士さん・・・」
青年剣士「さてと、明日は早く出発しないと・・・軍の仕事があるし・・・」
乙女僧侶「そうですね、今日は寝ましょうか」
青年剣士「・・・うん。お休み、乙女僧侶」
乙女僧侶「おやすみなさい・・」
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