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女商人「やっと私の出番ね」ルイーダ「あ、登録しただけよ」女商人「えっ?」
- 367 名前:NIPPERがお送りします [saga]
投稿日:2013/01/22(火) 11:26:00.61 ID:gwBFKx6AO
こちらも賢者がメルキドの町に着くのとほぼ同時刻
ラダトームの城 図書館
武闘家「あの、新聞閲覧させていただいて助かりました。ありがとうございます。」ペコリ
司書「いえいえ。いろいろとこちらの世界のことはわかったかしら?」
武闘家「はい。アレフガルドもそれぞれの大陸でいろんなことが起きてるんですねー。」
司書「ラダトームも今の王様が王座に就く前はね、まったく違う家系の王様だったのよ。」
武闘家「え?あの王様は今の家系では初代なんですか。知らなかったなぁ。」フムフム
司書「ふふふ、あなたって好奇心旺盛なのね。」
武闘家「私は『知る』って凄いことだと思うんです。
本から得る知識って頭に染み込むから忘れないですし。」
司書「そうよね。私も本が好きだからこの仕事をしてるんだけどさ。日々発見があるわ。」
司書「ただ、以前はここも沢山の人で賑わっていたんだけど、すっかり今は...見ての通り。」
- 368 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 11:42:15.08 ID:gwBFKx6AO
司書が言う通り、アレフガルド最大の規模を誇るこの図書館も今や人がほとんどいないのだ。
武闘家「………ゾーマのせいですね。私以外には数人がいるだけです。」
司書「そう。あいつのせいで、みんなの楽しみが奪われてしまった。」
武闘家「司書さん....」
司書「勉強をしにくる人、読書をしにくる人、寝にくる人、
のんびりしにくる人、みんな来なくなった。」
武闘家「私も大好きな空間である図書館が、こんな景色なのは悲しいです。」
司書「だからあのゾーマが憎くてたまらない。武闘家さん、
押し付けちゃうのは心苦しいけどゾーマを絶対に倒してね。」
武闘家「まかせてください!明日、私達はゾーマの城に乗り込むつもりです。」
- 369 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 11:52:34.51 ID:gwBFKx6AO
司書「そっか。死んじゃだめだよ。またあなたとここで話がしたいわ。」
武闘家「私もです!えへへ。」ニコッ
司書「じゃあ、私はちょっとお昼を食べてくるわね。」
武闘家「あ、私も外に行って食べてきますね。また後でお邪魔します。」ペコ
武闘家「(こっちの人は暗くてもお昼の時間がわかるんだな。慣れちゃったのかな闇に...)」
武闘家は人がいなくなった図書館を出て、町中に向かった。
- 370 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 12:15:38.17 ID:gwBFKx6AO
ラダトームの町 宿屋の食堂
店員「いらっしゃーい。」
武闘家「1人分ランチお願いしま〜す。」ビッ
店員「はい。ランチひとつねー。」
武闘家「(まだみんな帰ってないみたい。私だけか、少し寂しいなぁ。)」
武闘家「(勇者さまも賢者さまもどこに行ったかわからないし。戦士と温泉に行けばよかったかなぁ。)」
店員「は〜い、お茶をどうぞ。」トン
武闘家「ありがとうございます。頂きます。」ズズ
武闘家「(あったかくて美味しい〜!あ〜やっぱり温泉にしとけば....ん?)」ジー
武闘家「(なんだろ、あれ?)」
武闘家がふと目をやった掲示板にずいぶん目立つ紙が貼ってあった。
目を凝らしても見えないので立ち上がって掲示板のところまで行こうとしたがちょうどランチが運ばれてきた。
- 371 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 12:25:07.83 ID:gwBFKx6AO
店員「はい、お待たせしましたー。特製ランチです。」トン
武闘家「あ、すみません。ありがとう。」
武闘家「(食べ終わったら見に行ってみるかな。)」
武闘家「では。いただきま〜す!」ペコ
ぱく
モグモグ
ぱくぱく
モグモグ
武闘家「(………イマイチ。賢者さまの食事がたまには食べたいなぁ。)」
ズズズズ
ごくっ
武闘家「(……スープも微妙ね。賢者さまの野菜スープ美味しかったな〜)」
武闘家は心の中でも文句を言いながらランチを食した。
- 372 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 12:47:30.06 ID:gwBFKx6AO
武闘家「(まあまあだったけど)ごちそうさまでした!」ペコ
武闘家は掲示板に近寄っていった。大きい掲示板に1枚だけ貼ってある紙をまじまじと見てみた。
《不審者の情報求む》
近頃、ここラダトームのみならずドムドーラなど各地で
商人を騙った不審者の目撃情報が寄せられています。
不審者の男は主に子供を狙い、話かけてはお菓子をあげる
という怪しい行動をしています。子供がいる親御さんは特に
注意を払ってください。
男の特徴は背丈は約180ほど
年齢は不明(20歳〜40歳?)
頭に白いダーバンを巻き
いかにも商人という衣服を着て
いるが上から黒いロングコートを羽織っている。
顔は穏やかだが、絶えず口元に笑みを浮かべている
以上の特徴を持った男をもし見かけたらすぐに連絡を!
ラダトーム城 警備隊 まで
- 373 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 13:00:11.43 ID:gwBFKx6AO
武闘家「なんなのこれ?」
店員「ああ〜、それね。なんでもアレフガルドの各町に出没してるみたいなんだよな。」
武闘家「そうなんですか。このラダトームでも目撃されているんですか、この男。」
店員「みたいだね。ここに書いてあるように子供に話かけていたって話さ。」
武闘家「気味が悪いですね....」
店員「どこかで店を出すわけじゃなく、こんなことして。コイツ何考えてんだろねぇ。」
武闘家「(怪しいやつ………)」
店員「あんた達、勇者一行が取っ捕まえてくれよ。ゾーマ倒すついでにさ。」
- 374 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 13:15:39.64 ID:gwBFKx6AO
武闘家「へっ?私達がですか?」パチクリ
店員「あんたらかなり強いだろ。俺、この前、たまたま町の外に
用事があって出た時にキメラの集団をバッタバッタと倒すあんたらを見たんだよ。」
武闘家「あ、私達が戦ってるの見たんですか?恥ずかしいな。」
店員「あんたも身なりは小さい武闘家だけど、キメラより早い動きで攻撃も凄かったからな。」
店員「と思ったら、いきなり炎の魔法とか使ってたからな。この子らならゾーマ倒してくれるかもって思ったわけよ。」
武闘家「(へぇ。私達って案外見られてるんだなぁ。)」
武闘家「じゃあ期待していてください。きっとゾーマを倒しますから。」
店員「おう、頼りにしてるぜ。」
- 375 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 13:32:30.81 ID:gwBFKx6AO
ラダトームの町 宿屋 武闘家と戦士の部屋
武闘家「長かった旅ももう終わりか〜。」ボソ
武闘家「大魔王ゾーマ...倒せるかな私達に。」
武闘家「(みんなの前じゃ強がってるけど、ホントは不安だらけだし。)」
武闘家「(でもここまで来たら、当たって砕けろ、かなぁ。)」
武闘家「(もしアリアハンに帰ったらどうしよう?)」
武闘家「(僧侶に再再々転職して教会に戻るか。)」
武闘家「(このままで旅人さんのお母さんがやってる武術道場で働かせてもらうのもいいかも。)」
武闘家「(そうだ!司書さんにも相談してみよっかな。さて図書館に戻ろう。)」ダッ
バタン
武闘家は再び図書館に遊びにいった。
- 376 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 13:51:51.95 ID:gwBFKx6AO
一方こちらは賢者がメルキドに着く2時間ほど前
ルビスの塔 最上階
勇者「あ〜やっぱりここは気持ちいいや〜。風がそよいで、ボーっとするには持ってこいだね。」
勇者「よっこらせ、と」ゴロン
勇者「戦士は温泉ゆっくり楽しんでるかな。温泉に入って美味しいご飯を食べて、たまらんねー。」
勇者「武闘家は読書家だから、今頃図書館で目をキラキラさせてるんだろうな〜。私は読書は苦手だけどねぇ。」
勇者「賢者....はどこに行ったのかな?昨日の賢者の顔、暗かった。なにか考えてる顔してたし....」
勇者「(マイラで道具屋のおじさんから話しかけられてから、明らかに賢者は。)」
- 377 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 14:05:32.56 ID:gwBFKx6AO
勇者「頭が良くて慎重派の賢者のことだから、大丈夫だとは思うけど...」
勇者「なにか引っかかる。それになんだろう?この胸騒ぎは。」グッ
勇者「でも、私も眠〜くなってきたなー。ふわ〜あ。」ゴシゴシ
勇者「(みんなのおかげでここまで来た。明日は力合わせて頑張ろう.....)」スゥ
勇者「すーすー」
勇者「zzzzzzzzz〜〜」
勇者はあまりの心地良さに眠ってしまった。
- 378 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 14:22:08.18 ID:gwBFKx6AO
それから2時間後
ルビスの塔 最上階
勇者「…………う、う〜ん。」
勇者「ふぁあ〜。寝ちゃったみたい。どのくらい寝たかな。」カパッ
勇者は懐中時計を取り出した、勇者の父親の形見の懐中時計は鈍く光っている。
時計を見ると長針が2時間分程度進んでいた。
勇者「2時間も寝ちゃったのか私。」
ドクン!
勇者「!?」グッ
勇者「(な、何?今の鼓動。)」
ふと勇者は自分の胸のあたりを見た。
すると首から提げていた聖なるお守りが光っていた。
勇者「お守りが光ってる?これはどうなってるわけ?」カチャ
勇者は聖なるお守りを握り締めた。
すると勇者の頭の中に声が聞こえてきた。
- 379 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 14:31:29.41 ID:gwBFKx6AO
『勇者よ。定めの勇者よ。』
『はじめまして、私はルビス。精霊ルビス。』
「あ、あなたが精霊ルビスさま?」
「私はゆ、勇者です。ルビスさまがどうして?」
『危機を告げるためです。』
『今、このアレフガルドでなにかが起きようとしています。』
「危機?どこでですか。ゾーマの城ですか?」
『いいえ。また魔物のそれとは違うようです。』
『これは、人間。にわかに信じたくはありませんが。』
- 380 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 14:43:18.20 ID:gwBFKx6AO
「人間って、私達と同じ人間ですか?」
『そのようです。それに...』
『あなたの仲間がそこにいます。』
「!?」
「きっと賢者だ!!私の胸騒ぎの正体はこれだったんだ!!」
『勇者よ、助けに行っておあげなさい。』
「ルビスさま!場所はわかりませんか?」
『南の地、としかわかりませんが。』
「(南?メルキドの方か!)」
「ルビスさま、ありがとう!すぐに行きます!」
『頼みましたよ。勇者よ。』
勇者は目を明け、握り締めていた手を広げた。
- 381 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 14:48:41.22 ID:gwBFKx6AO
勇者「(よくわからないけど、賢者が危ない。)」
勇者「(2人に声をかけからじゃ遅いよね。私が行く!)」
勇者「(無事でいて、賢者。今行くよ。)」ブツブツ
勇者「『ルーラッ!』」ヒューン
勇者はルーラを唱えた。
- 382 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2013/01/22(火) 15:11:33.56 ID:gwBFKx6AO
メルキドの町 入口
キーーン!
スタッ
勇者「とりあえずメルキドの入口に来たけど、なんなのこの空気は....」
勇者「ん?しかも町の人が眠らされてる?」
勇者「(賢者の仕業?だったらなぜこんなことを?)」
勇者「これほどの広範囲にラリホーを分散させるとなるとかなりの魔翌力を使ってるはずだ。」
ヒュー
勇者が賢者を探そうとして町に入ったその時、
風の音が勇者の耳に入った。
ふと町とは逆の方角を振り向くと少し遠くで竜巻の欠片を見た。
勇者「あれは!?」
勇者「(賢者のバギクロスだ。)」
勇者「あっちだ!」ダッ
勇者は賢者がいるであろう場所に向けて全力で走った。
- 383 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 15:28:40.21 ID:gwBFKx6AO
メルキド 近くの平原
勇者「(賢者!)」ダッ
勇者「(あれは!魔物!)」
ピタッ
ガササッ
勇者は平原を見渡せる巨大樹の枝の上に隠れた。
勇者「な!魔物があんなに!」
勇者「(それでも賢者が数を減らしたんだろうけど...)」
勇者「(あんなに一斉にに魔物が出るなんておかしい!誰かが手引きしたとしか。)」
勇者「(それより賢者はどこに?)」キョロキョロ
勇者が魔物達の多さに驚く直後に賢者の姿を探した。
すると剣を片手に、うつ伏せで倒れている賢者を見つけた。
衣服は汚れ、ところどころボロボロになっている。手や足にも血が滲んでいた。
- 384 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 15:41:24.38 ID:gwBFKx6AO
賢者は倒れたまま動かない。
するとそれを認めたのか遠巻きに様子を見ていた
魔物達が一斉に賢者に飛びかかった。
勇者「(まずい!)」
勇者「(くそッ!こうなったら!)」バシュッ!
勇者「うおぉぉぉー!」
勇者「天なる轟きよー!」
勇者「裁きの雷となり、降り注げーっ!!」
『ギ ガ デイィーーーーーン!!!!』
ピカァ!
勇者は天高くジャンプし、詠唱した。
勇者はギガデインを唱えた!
- 385 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 15:43:25.21 ID:gwBFKx6AO
戦士編、武闘家編、勇者編。書いてみました。
- 386 名前:NIPPERがお送りします [saga] 投稿日:2013/01/22(火) 16:01:28.27 ID:gwBFKx6AO
>>382
たまたま saga 入れるの忘れた時に限って「魔力」を使ってしまいました。おかげで違和感が...
- 388 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/22(火) 16:45:29.28 ID:zyZtt+OEo
ドラクエ3ってロトの物語だっけ?
懐かしいなあ
- 389 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/01/22(火) 17:11:33.16 ID:gwBFKx6AO
ドラクエ3はロト3部作の最終作ですが、時系列的には 3→1→2
となって、1、2よりも前の話になりますよね。
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