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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
272 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:40:23.20 ID:uWmaIYFeo
〜龍脈跡地〜

影忍「……」

 ザッザッザッ

影忍「……雷」

 空洞内に響き渡る水の滴る音と風の通る音。勿論、影忍以外の気配は全くない。

 激しい戦闘を容易に想像させる、辺り一面へと付着している血痕。

 その中で影忍は、一箇所の黒ずんだ地面を見付け、そこで足を止めた。

影忍「……っ」

 撫でるように地面の炭を 右手の指で擦り、それはすぐさま、握り拳へと変わる。

 人間であった頃の記憶、弟のように後を追ってきた雷忍の姿が思い浮かぶ。

影忍「幸せなのかもしれないな。戦場で心身共に逝けたのだから」

 自身の魔族化と重ね合わせ、影忍は自嘲地味にそう呟いた。

影忍「……さて、もう間もなくだろうか」

 スクッ ザッザッザッ……

影忍「もうしばしの辛抱だ。だから待っておれ……雷」


273 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:43:22.97 ID:uWmaIYFeo
〜最北端〜

国軍兵「陸地が見えてまいりましたぁーっ!」

青年兵「よし、船を岩壁に寄せて、上陸の準備を!」

漁師「荒れてはいるが波は一定の流れっ、このまま焦らず寄せて下せぇ!」

行軍兵「了解っ!」

隊長「……何か見えるか?」

格闘家「いえ、特に何も」

男隊員「本当に、こんな所に魔王がいんのかぁ?」

南方参謀「それは間違いないみたいだけど、どこかに身を潜めてるのかしら?」

西方参謀「魔王様がかぁ? 冗談キツイぜ……ヒック」

老人「よぉしっ、もうちょい……そう、そこじゃ! よーし、うまくいったわい!」

 ドドオオォォォォン

国軍兵「上陸可能です!」

青年兵「よし。それでは上陸開始っ!」

槍侶「さぁ、行きましょう!」


274 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:44:40.48 ID:uWmaIYFeo
 ザッ ザッザッザッザッ

戦士「だだっ広い陸地に、1本の川だけ」

盗賊「その先にも水辺が見えるな」

戦士「対岸か?」

風忍「いや、あれは湖のようだな」

火忍「湖?」

水忍「……おかしい」

火忍「あん?」

水忍「なぜこの寒さと雪で、この川と湖は凍っておらぬのだ?」

土忍「……確かにそうだな。これは、何かあると見て良かろう」

戦士「青年兵っ!」

青年兵「……?」

戦士「ちょっと来てくれ!」

 ザッザッザッ

青年兵「何でしょう?」


275 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:46:40.27 ID:uWmaIYFeo


青年兵「言われてみれば不自然ですね」

東方参謀「すると、湖に何かあるという事か?」

南方参謀「その可能性は高いって事よね……」

隊長「よし、特遊で探りを入れるとしよう」

西方参謀「いいのか?」

隊長「それが仕事だ。行くぞ」

男隊員「へいへい。おたくらは設営でもしててくんろ。ヒャハハ!」

 シュバッ ザザザザザザッ……

風忍「本国の方々ばかりに申し訳ない。我らも……」

青年兵「いえ、ここは特遊に任せましょう。手を空いている者は設営を」

東方参謀「軍船を拠点に、陣を敷けい」

青年兵「残りの者は周囲の警戒を怠らぬように!」

鬼丸「おう。任しとけ!」

僧兵長「総本山の者らは、炊き出しの準備を進めるぞ」


276 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:47:15.78 ID:uWmaIYFeo
 ザザザザッ  ズザッ

男隊員「大体よ、藤蔵がいんだから俺らが出張る必要もねーわけだ」

女隊員「それもそうッスねぇ」

隊長「藤蔵はこの先、大事な人達だ」

男隊員「何だそりゃ? 俺達なら大事じゃねぇってのか?」

隊長「魔王討伐に対しての力量を考えたらそうだろ」

男隊員「……」

隊長「西での事を忘れたのか? 俺を含めて特遊は……」

 ピクッ

格闘家「……かなりの数ですね」

隊長「湖畔か? 降りになっててよく見えねぇな」

女隊員「……うわ」

格闘家「……?」

男隊員「な、なんだぁー!?」

隊長「っ!!」


277 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:48:39.70 ID:uWmaIYFeo
 ドドドドドドッ……

火車「人間じゃ人間じゃあー!」

朧車「ウッヒヒヒヒヒィ〜」

女隊員「ぎゃあぁ!! 化物ッスよおおぉぉ!!」

男隊員「なっ、何だあいつら……怖えぇ!!」

 ダダッ

泥田坊「田を返せぇ〜」

男隊員「知らねぇよ! こっちくんなっ!」

女隊員「わーわーわーっ!!」

 バッゴオオォォォォン!!

格闘家「隊長っ!」

隊長「迎撃には数で分が悪い。シロハチあげろ。んでそのまま後退する」

格闘家「了解です!

 バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!

隊長「奴は……まだ居ないか」


278 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:50:27.21 ID:uWmaIYFeo
国軍兵「発光弾です!」

東方参謀「合図は?」

国軍兵「白の。特遊が魔物と遭遇の様相!」

青年兵「全軍出陣! 陣形は鶴翼のまま、中央に別働隊を配置せよ!」

戦士「中央は俺らが担うぜ」

盗賊「ああ」ジャキッ

南方参謀「東方軍、総本山、国軍を分ける事なく、平等に配置してっ!」

西方参謀「いいかぁ? こっからは互いの連携が重要だ。国や軍の関係なく……協力しろよっ」

僧兵長「宜しく頼むぞ」

国軍兵「こちらこそ! 私は魔道兵ですので援護はお任せ下さい!」

足軽「ならば総本山と俺が、前面で仕掛けると致そう!」

青年兵「進めぇ!!」

 若き指揮官の号令を合図に、左右を突出した様な形で陣を組んだ魔王討伐軍が出陣。

 数こそこれまでの戦いに比べると少ないものの、高揚する士気や結束力は類を見ない。

 それはひとえに、海上の船と言う隔離された空間で寝食共にしたからこそのものであった。


279 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:51:21.88 ID:uWmaIYFeo
 ダダダダッ

男隊員「しっつけぇなこの!」

 キュイイィィィィ ドドオオォォォォン

泥田坊「あっぢいいぃぃ!!」

女隊員「あっ! 他のみんながこっちに向かってるッスよぉ!」

隊長「合流後に即、反転! 中央を割って、一気に突き進むぞ!」

格闘家「了解っ」ボキボキッ

 ザザザザザザッ

火忍「正面っ! 妖がわんさか居やがるぜぇ」

土忍「さぁ、我らの出番よ」

 ズザァッ

土忍「土遁……砂塵!」

 ブワッ バシュシュシュシュウウゥゥゥゥ

戦士「な、何だぁ!?」

盗賊「砂塵は砂煙で、視界を遮断する技だ」


280 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:53:39.07 ID:uWmaIYFeo
戦士「なるほど……魔物の気配を感じ取って、斬りかかりゃいいわけだなっ!」

 ズザッ ガキイイィィィィン!!

戦士「……!?」

鬼丸「相棒っ、俺だ! 俺!」

戦士「す、すまねぇ! 魔物の気配が……」

鬼丸「グハハッ! まぁ仕方ねぇか!」

戦士「鬼丸はちょっと退がっとけ! 砂塵が晴れるまで後方で待機しろい!」

鬼丸「ったく、しゃーねぇな」

盗賊「はあぁーっ!」ザシュッ

槍侶「ふんっ!!」ドズッ!!

火忍「……っりゃ!!」

 キイイィィィィン

火忍「……おわっ!? す、すまねぇ!!」

隊長「この砂埃だからな。気にするな」

火忍「……お、おうっ」


281 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:54:16.45 ID:uWmaIYFeo
 スタッ

水忍「何をしているのだお前は」

火忍「いやっ、だってよ……」

火車「ウシャシャシャシャー!!」ゴウッ

水忍「水遁……水竜巻!」

 ドゴオオオオォォォォ!!

水忍「火を使う奴はどいつもこいつも、手間がかかるものよ」

火忍「何だとこらぁ!!」

盗賊「遊んでいないで早く行くぞ」

 タンッ

火忍「は、はいっ!」

土忍「何をにやけておる。気持ち悪い」

火忍「だってよぉ、姫の……ますます凛々しくなられたお姿っ!」

水忍「そうだな。これがお前の見納めになるかもしれぬしな」

火忍「縁起でもねぇ事いうな!」


282 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:55:03.11 ID:uWmaIYFeo
 ズザアァ

青年兵「位でよっ、ワイバーン!」

 シュイイィィィィン バシュウウゥゥゥゥ!!

格闘家「はっ!!」バゴォッ!!

女隊員「おい……っしょおおぉぉぉぉ!!」

 ドッゴオオオオォォォォン!!

隊長「正面は突破したぞ! 魔物どもを左右に追いやれ!」

男隊員「中央がガラ空きになんぞ!」

隊長「その為の別働隊だろ。いいからそのまま進め!」

格闘家「別働隊……」

 ドドドドオオォォォォ

戦士「前衛が中央突破したみてーだな」

盗賊「我らも続くぞ」

鬼丸「おうよっ!」

青年兵「怯むなっ! 敵はさほど強くはないぞ、力で押し切るのだ!」


283 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:55:32.75 ID:uWmaIYFeo
 ドドドドドド……

西方参謀「いやはや、立派な指揮官になられちまいましたなぁ……ヒック」

南方参謀「何だか、初めて会った頃のウブな青年兵くんが懐かしいわぁ」

西方参謀「んで、準備はいいかい? 東方先生」

東方参謀「早く撃てぃ! とっくに準備出来ておるわぁ!」

西方参謀「ほんじゃま、いきますか」

南方参謀「風行でいい?」

 キュイイィィィィ

東方参謀「超級――」

西方参謀「発射ぁーっ!!」

 バッゴオオオオォォォォン!!

僧兵長「な、何事っ!?」

国軍兵「東方先生の必殺技です!」

東方参謀「ぬううぅぅりゃああああぁぁぁぁーっ!!」ボボボボボボッ

僧兵長「す、凄いな……っ。己の身に法力を纏い、突撃しているのか……っ」


284 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:56:03.47 ID:uWmaIYFeo
 ドッドッドドドドドドッ!!

東方参謀「爆発っ!!」

 カッ!! ズッドオオオオオォォォォン!!

火忍「……すっげ」

風忍「湖までの道が開けたな」

青年兵「このまま行きましょう」

戦士「周りの魔物は?」

青年兵「軍団長クラスはいないようです。後続にお任せしましょう」

盗賊「……そうだな」

青年兵「あくまで討伐軍は、魔王が標的です。極力、消耗は避けたいところです」

戦士「それもそうだな」

鬼丸「ガハハッ! この程度の妖なら、何ら心配はねぇよ」

槍侶「私も行きますっ!」

僧兵長「槍侶!」

槍侶「僧兵長様っ、ここは頼みましたよ!」


285 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:56:42.32 ID:uWmaIYFeo
 ザザッ タッタッタッタッタッ……

僧兵長「全く、困った奴だ」

僧兵「まぁ、槍侶ならば心配無用でしょう」

僧兵長「技量はな。しかし、精神がまだ未熟ゆえ……他の迷惑とならねば良いが……」

 ドザアアァァァァ!!

足軽「海からもきやがったでぇ!!」

海坊主「……ぬううぅぅぅぅん」

僧兵長「まずいっ! 船をやられては一大事だぞ!」

国軍兵「船を守れぇ! 船なくしては、勝っても帰れんぞ!」

 バシュシュシュシュッ!!

弓兵「船外へは決して出ぬように!」

老人「ひっ、ひいいぃぃ!!」

漁師「……ほ、本当に大丈夫なんだなっ!?」

弓兵「俺達を信じてくれ! あんたらの為にも勝って、絶対に連れて帰るからよっ!」

漁師「わ、分かった! 頑張ってくれ!」


286 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:57:10.51 ID:uWmaIYFeo
 ズザッ ザシュウウゥゥ!!

隊長「湖畔か。確かに湖も凍っている様子はないな」

格闘家「この気候で、おかしな話ですね」

男隊員「何かあるとしか思えね――」

 ザザッ……スタッ

戦士「到着っ!」

盗賊「……ん、どうした?」

女隊員「な……なんスかこれ……っ」

隊長「……バカなっ」

 シュタタッ

土忍「どうかしたのか?」

 スタスタスタ……

戦士「何を覗き込んでるんだ? 湖の中に何か……」

盗賊「……何だ……あれは!!」

戦士「城だ……城が……湖の中にあるぞ!!」


287 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:57:47.90 ID:uWmaIYFeo
〜西の平原〜

神野「ひゃーっはっはっはっは!! なんやぁ、こんなモンかいな!!」

東方司令「ちっ、しぶとい奴だな」

神野「嬢ちゃんこそ、世界ニやなかったんか?」

東方司令「……殺す!」シュバッ

 キィンッ キィンッ キィンッ ガキイイィィン!!

神野「でもま、言うだけの事はあるわぁ」

東方司令「ほざいてろっ!!」

サル「ダメだなあのチビッコ、頭に血が昇ってやがる」

召喚士「いや、東方司令さんはそこまで愚かな人じゃありませんよ」

サル「そうかぁ?」

召喚士「きっと引きつけて、刀を奪うつもりなんでしょう」

名代「ならば加勢を」

召喚士「……しかし、召喚獣や式神では間合いを取られてしまう可能性が……」

魔道士「魔法援護もそうですね……っ」


288 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:58:15.56 ID:uWmaIYFeo
 ザッザッ

女侍「あたいが行くよ」

召喚士「女侍さん?」

女侍「あの娘の援護すりゃいいんだろ? だったら適任さね」

イヌ「援護するね」

女侍「あんたらもギリギリまで待ってな。ヘタに手出しして逃げられたらどうすんのさ」

キジ「でも、危険さ〜」

女侍「そんなもんは百も承知の上だろ。あたいよりも上様の護衛をしてなっ」タンッ

 キィンッ キィンッ キィンッ ヒュオンッ

神野「ようかわすやないけっ。ちっこい体が幸いしたなぁ」

東方司令「ごちゃごちゃと……五月蝿い! 本当に殺してやろうかっ!」

 ババッ!!

女侍「お楽しみの最中悪いけどさ、あたいも混ぜてくれよ♪」

神野「なんや、一人増えただけやないか」

女侍「女二人に囲まれて、両手に華でいいじゃないか。ふふっ」


289 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 17:59:06.28 ID:uWmaIYFeo
 ビュオッ!!

神野「なかなか早いやないか。でも、ガキンチョに負けとるでぇオバハン」

女侍「誰がババアだ!!」
東方司令「誰がガキだこらぁ!!」

 ビュンッ!! ブオッ!! シュバッ!!

魔道士「な、何だかだんだんと……ヒートアップしてませんか?」

召喚士「……き、気のせいですよきっと」

 ババババババッ!! ビュオンッ!!

神野「なんやつまらんなぁ。本体出すまでもないわな」

東方司令「なっ!?」

神野「おねんねしときぃ!!」

 バギャッ!! ドザザザザアアァァ

東方司令「ぐく……っ」

帝「東方司令っ!」

東方司令「……」ブンブン

帝「!?」


290 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 18:00:02.64 ID:uWmaIYFeo
名代「やはり東方司令殿、本気ではないようですね」

帝「ああ。今、間違いなく……目で合図を送っていた……っ」

 ヒュバッ!!

神野「次はこっちや!」

女侍「くぅっ!!」

 ビュオッ……キイイィィィィン!!

女侍「な――っ!!」

 クルクルクルッ……ザスッ

神野「刀を失ってもーたなぁ」ザッザッザッ

イヌ「お頭――」

 バッ!!

サル「まだだ。この程度でやられるタマかよ」

キジ「……っ」

神野「さーてさて、とどめ……刺させて貰うでぇ!!」

 ブオンッ!!


291 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 18:00:43.10 ID:uWmaIYFeo
神野「……?」

女侍「……」

神野(……コイツ、何でこんな目の前に居るんや……ッ?)

女侍「真剣白刃取りなんて一か八かの技、実戦じゃあ不向きさねぇ」

神野(そうや。わいが振り下ろした瞬間、懐に飛び込んできて……)

 ツツーッ

魔道士「血がっ!」

女侍「額をかすめただけさ。平気平気っ」グググッ

神野(そして……両腕を捕まれた……!?)

女侍「手首握られるとさ、固定させて動かせないだろ?」

神野「くっ!」

女侍「逃がしゃしないよっ! このまま刀……ぶん取って――」

 ザシュッ!! ボトボトッ

女侍「……!?」

名代「……う、腕……がっ」


292 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 18:01:13.51 ID:uWmaIYFeo
 ポタポタポタッ

神野「……う……ぐああぁぁ!!」

女侍「あんたぁ……」

 チャキッ

東方司令「刀に触れてはいないだろうな?」」ギロッ

女侍「残念。せっかくこの美貌が、死ぬまで保てると思ったのにねぇ」

東方司令「ふざけるな!! 不老など不幸以外の何でもない!!」

女侍「冗談さね。そう怒りなさんなって……ふふっ」

神野「わいの……腕ぇ……ッ!」

女侍「あんたのじゃあないだろ! 剣聖の腕さ!」

東方司令「魔剣は確かに頂いた。これで貴様が振るう武器はない」

神野「あんまり調子こくなよ……人間風情がァ……!!」

召喚士「今だっ!」

名代「一旦木綿!」ボンッ

魔道士「やあぁっ!!」


293 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/28(水) 18:01:43.88 ID:uWmaIYFeo
 ドッドオオォォォォン!! ゴアアァァァァ!!

神野「小賢しいっ! たかが突風……」

 ピシッ ピキピキッ

神野「な、何や……? おいコラァ! 風に何を細工――」

コカトリス「こんな手に引っ掛かるとは、久々に清々しいな」

神野「ッ!!」

一旦木綿「そうらっ」

 ギュルギュルギュルッ!!

神野「何やこらっ、離せ! 離さんかワレェ!!」

一旦木綿「構わんよ。このまま石化しておくれ」

コカトリス「遠慮はせんぞ」

神野「離せ言うとるやろがああぁぁ!!」

コカトリス「やかましいな。まずはその口から封じてやろう」

神野「何をほざ――――」ゴオオォォォォ……

コカトリス「……ふっ、おもわず全身、石化してしまったわ」


295 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 18:08:22.88 ID:9by6ryBAO

コカトリスさん久々のまともな活躍ですね!


301 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [] 投稿日:2011/12/28(水) 21:56:15.28 ID:aLRNdjVI0
いちおつ
水中の城か…洞窟からしか入れないのかな


302 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 22:27:32.56 ID:Xo+cBfx3o
山に埋もれた城に続いて湖に沈んだ城か


303 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [] 投稿日:2011/12/28(水) 22:43:31.53 ID:cM9ZkMtV0
火山の頂上にも城みたいなのがなかったっけか?


304 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 22:45:50.86 ID:c2Slq+xbo
じゃぁ次は天空の城だな


306 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 23:19:13.99 ID:Fkw5azqyo
>>304
バルス

アンラマンユ様だけ城を持ってないね、皆城に住むなんて律儀ですな


307 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 23:47:36.77 ID:1Jo6EhQSO
>>303南方の牛魔王かな
アンラマンユは火山の天然要塞か


308 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/29(木) 00:05:35.40 ID:J0G/io9oo
城は力の象徴だからな
最強だと自負しているアンマにそんなものは必要ないんだろう



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