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少女「貴方のための娼館へようこそ。存分にお楽しみくださいませ」
- 161 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2011/03/21(月) 04:04:11.53 ID:50JL+Ypy0
…
………
男「ん……」
目が覚めると、朝だった
男「幼馴染、か」
そういえばいつもああやって誘ってくれていたなと思い出す
それで遊びにいったのは、あまり多くなかったが
男「この夢から覚めたら、たまには付き合ってやるか……」
夢での光景を客観的に見たら、なんとも幼馴染がいたたまれなかったのだ
メイド「朝ですよー起きてますかー」
男「ああ、起きてるよ」
- 163 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:11:59.89 ID:50JL+Ypy0
朝食はまた賑やかなものだった
最初は何がなにやらわからなかったが
今は正直、こんな空気が好きになっていた
朝食が終わる頃に、ふと思い出す
そういえば、俺はすることがないなと
一「じゃ、じゃあ、しますか?」
男「しないっての」
一「あう」
四「娼館なのに」
三「ねー」
二「ヘタレですからね。まあ、気が向いたらいつでもお相手させていただきますよ」
男「へいへい」
- 167 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:16:23.70 ID:50JL+Ypy0
五「では、お屋敷の散策などいかがでしょう」
男「お?」
五「まだあまり見ていないのではありませんか?」
男「ああ、言われてみれば確かに」
男「これだけの屋敷だ、見て回れば一日くらいはつぶせるかもしれん」
男「良い案だな」
五「ふふ、お役に立てて光栄ですわ」
男「そんな大仰な」
メイド「じゃあ私が案内してさしあげますよ!」
男「頼む」
- 171 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 04:23:20.09 ID:e9DAEokc0
リア充www
- 173 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:26:20.31 ID:50JL+Ypy0
自室に戻り、私服に着替え――あれ、服ないんだけど
メイド「ああ、お洗濯中ですっ」
男「そうなのか……。これで歩き回るのもなんだな。なんか服ないか?」
メイド「ありますよ!」
メイドはこれぞ仕事といわんばかりに、部屋にしつらえられたクローゼットを開ける
メイド「お好きなのをどうぞ!」
男「うへ、見たことない服ばっかだな」
メイド「気に入りませんかっ。結構良いものばかりですが!」
男「できれば、もっとラフなやつない?」
メイド「んん、しかたありません」
と言ってメイドは、クローゼットの下の引き出しを空る
メイド「こんなもんですかね」
Yシャツとスラックスが出てきたので、俺はそれを着ることに決めた
- 174 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:34:02.85 ID:50JL+Ypy0
さっそく館内を回ろうと、部屋を出る
自室の前は窓の無い廊下で、右を見れば突き当たりだった
メイド「当館は地上三階、地下一階の構造となってるんですけど」
メイド「上から行きます? 下から行きます?」
男「うーん、じゃあ上からで」
メイド「了解ですっ。ではまず玄関ホールへ向かいましょう」
この部屋から玄関ホールに行くには、廊下を一度曲がれば良い
曲がるまで、自室以外の扉は無かった
メイド「お客様専用のVIPルームですからねーあそこ」
疑問に思って聞くと、そう答えられた
なんだか無駄に広くて豪華だとおもったら、特別な部屋だったのね
- 176 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:45:08.06 ID:50JL+Ypy0
玄関ホールには、左右に廊下が二本と、普通サイズの扉が一つ。それと玄関口になる大きな扉があった。
中央には、二階へとつながる踊り場付きの立派な石の階段がどっしりと構えている
見上げると三階まで吹き抜けとなっていた
その階段を上り、二階へ向かう。二階の吹き抜けを一度反対側へと回ってから三階へと上った
意外にめんどうである
メイド「三階は、ご主人様の部屋と、図書室。そして私の執務室がありますー」
左右に伸びる二つの廊下は、それぞれ途中で折れている
折れるまでに扉は見えないから、その折れた先に部屋があるのだろう
二つの廊下の左側をさして、こちらに私達の部屋がある、とメイドは言った
男「じゃあそっちはみなくてもいいか。図書室を見せて欲しい」
メイド「はーい!」
- 177 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 04:49:15.30 ID:UMbgP1mDO
以前娼婦をブラックカードで買い取って自分のメイドにして
各メイドにそれぞれの髪の色のを名前として付けてあげたSS思い出した
- 180 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:53:12.23 ID:50JL+Ypy0
図書室は電気をつけても一番奥が見えないほど広い
曰く、ご主人様――俺じゃなくて、この屋敷じたいのね――は、本を集めるのが好きらしい
男「はあ、すごいなこりゃ」
おれは驚くばかりであった
一通り図書館内を歩いてみて、満足したころに二階へとおりた
二階にはいくつもの部屋があったが、大半は空き部屋なようだ
使っていても、ほぼ倉庫のような状態だったが
それらを一つ一つ開けて見ながら歩いたので、それだけで結構な時間がかかった
時間はとっくに昼を過ぎていたが、部屋を見るというのは中々におもしろくて
そんなのはおかまいなしだった
そうして、俺達は一階に戻ってくる
- 181 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 04:57:09.34 ID:50JL+Ypy0
男「いやあ、大きいな」
二階で一番おもしろかったのは、遊戯室
つかってはいなかったが、色々面白そうなものが置いてあった
メイド「お褒め頂き光栄ですっ」
嬉しそうにメイドさんは笑う
男「一階は、いつものダイニングと厨房、それと浴場くらい?」
メイド「それと、サロンがありますよ」
男「サロン?」
メイド「んー、談話室、ですね」
男「なるほど」
- 182 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:01:12.57 ID:50JL+Ypy0
男「ってことは、あの扉がそれかな」
俺は玄関ホールの一つにとりつけられた扉をさして言う
メイド「あー……」
メイド「あれはちょっと別物ですね」
男「あ、そうなのか。何があるんだ?」
メイド「別館につながってますね」
男「別館!? すごいな」
メイド「必要ですからねー」
男「今そっちは入れないのか?」
- 183 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:04:51.44 ID:50JL+Ypy0
メイド「入れないって事は無いんですけど、それはまた別の機会にしませんか」
メイド「結構歩きましたし、ね」
まるで行きたくなさそうにも見える言動で、メイドは言う
男「ん、そうだな」
興味はあったが無理に行く必要もないし、俺は素直に従った
が、一つ気になったことがあるので聞いてみる
男「扉のとなりのあの飾り、壊れてないか?」
小さめの机の上に、大き目の綺麗な石が二つつんであった
しかしその隣に、さらにもう一つ、石が置いてある――いや、落ちている
メイド「ああ、あれはあれで良いのです」
メイド「そういった置物なんですよ」
- 184 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 05:08:41.54 ID:50JL+Ypy0
男「そっか」
取り立てて芸術の分かる自分ではない
だから特に深く聞くことも無く、俺達はそのまま食堂へと向かった
三「あ、やっと来た」
五「散策は、終わりましたか?」
食堂には、三と五の二人。
男「ああ、なんとかな」
三「結構時間かかってたね」
男「広くてな」
- 187 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:12:15.37 ID:50JL+Ypy0
五「ではかなり遅いですが、昼食を」
男「いやいいよ、今食べたらなんか中途半端だし、夜が食べれなくなるかもしれないし」
三「あ、私の当たりー」
男「え?」
五「あはは、負けました。いえ、遅くなっても昼食を取るか取らないか、なんて話をしていたのです」
三「そういうこと。だからね、おやつを作っておいたのよ。つまむくらいならいいでしょ」
男「おお、ソレは気が利くな」
メイド「ではさっそく準備しちゃいましょう!」
- 188 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:17:42.92 ID:50JL+Ypy0
残りの三人―― 一と二と四――は、サロンでくつろいでいるとのことだったので
おやつはそちらに持っていくことにした
四「あ、良い匂い」
五「ドーナツと、クッキーですわ。簡単にね」
二「これはまた、美味しそうですね」
三「中々良い出来よ」
横長のテーブルに、それらを置いていく
メイド「お紅茶はいりましたよー」
一「わ、ありがとうございます」
すぐに場は賑やかなものへとなっていった
- 189 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:19:40.31 ID:Y+yWbw8vO
見ててすげえ楽しくなってくるわ
紫煙
- 191 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:27:41.07 ID:CxQN5x+UO
少女が気になる
- 192 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:31:21.92 ID:50JL+Ypy0
男「あ、そういえばさ」
屋敷を歩いてて、気になったことがある
男「皆は、どこで寝泊りしてるんだ?」
二「ああ、地下ですよ。最初に会ったでしょう」
男「え、あの部屋?」
五「違いますわ。あそこは接待室。お客様をお迎えするところです」
五「それとは別に、廊下の奥に別々の部屋がありますの」
男「ああ、そうなんだ」
そういえば地下はさっきいかなかったなーと思い出す
ちなみに地下へつながる階段は、玄関ホールにある階段の裏だった
- 194 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:38:36.22 ID:GADgJsBd0
パンツはおろしたままでいいのかね?
外は雨が降ってきて寒くなってきたんだが…
- 196 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:41:31.37 ID:50JL+Ypy0
俺にはもったいないくらい品の良い紅茶の香りと、甘いお菓子の匂いにつつまれて
なんだかとても幸せだなあと俺は思った
男「そういえば散策してる時に、遊戯室を見つけたんだが」
男「明日遊ばないか?」
五「わあ、良いですわね」
二「そうですね、行きましょう」
皆快く了解してくれた
本当に、のんきなものである
そうして、日も暮れだす頃、解散となった
夕食の準備らしい
料理に関して俺は全く役にはたたないが
だからといって他にやることもないので、俺はそれを見せてもらう事にした
- 197 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:47:43.63 ID:50JL+Ypy0
これまた厨房は広かった
一「な、なんか見られていると恥ずかしいですね」
メイド「これはもしや調査ですね!?」
メイド「仕事をしっかりしているか、俺がみてやるぜー! なんて!」
男「別にそんなこと思ってないよ」
男「興味があっただけだ」
四「ふふ、気合はいる」
二「がんばりましょー」
話していられたのは最初だけで、皆はせわしなく動く
たぶん、あらかじめ分担がきまっていたのだろう
少し寂しかったので、俺は厨房を歩きながらどんな事をしているのかと手元を覗いてみることにした
- 199 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:49:52.31 ID:50JL+Ypy0
――のだが
三「ああこら! ちょろちょろ歩かない!」
男「わ、悪い」
ひょいと退くと
五「っとと、危ないですわ」
五にぶつかってしまった
男「ご、ごめん」
厨房そのものはそこそこ広いが、全員が動きだすとたちどころに狭くなってしまったのだ
男(動かない方がいいな……)
俺はすぐに、部屋の角においてあった椅子へと非難するのだった
- 201 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 05:57:46.50 ID:50JL+Ypy0
そうして夕食
四「肩身狭かった?」
男「ああ、正に」
四「よしよし」
四は頭をなでるしぐさをする
男「きっと、調理場に男が入るのがいけなかったんだな」
三「あはは、端っこで縮こまってるのは、見ててちょっと面白かったよ」
男「ぐう」
五「ではおやつ作る時にでもいらっしゃってください」
五「そのときなら、そうあわただしくもないですし」
男「ああ、ありがとう」
- 202 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 05:58:37.97 ID:mPXJ+D18O
読みやすいなぁ
- 203 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:03:29.13 ID:50JL+Ypy0
二「それに、今日は皆いつもよりやる気でてましたよ」
二「貴方がいたから、だと思います」
男「そ、そうなのか……?」
二「はい」
俺はどう答えて良いか分からなくて、頭を掻く
とりあえずフォローだと受け取っておこう
メイド「落ち込んだら、これ!」
メイド「この特製ミックスジュースを飲んで、元気になりましょう!」
男「ああ、そうするよ」
あれはおいしくて、俺は好きだった
その日の夕食もこうしてつつがなく終了した
そして自室に戻ると、寝巻きに着替えてベッドに横たわる
今風呂に入ればきっとまた皆が来るだろうから、今日は早く寝て夜中に行こう、という考えだった
- 204 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:06:59.85 ID:0W7u58rw0
そのジュース絶対なんか盛ってるだろ
- 205 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:09:31.23 ID:rXPNaDnlO
盛られてえな
- 206 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:12:13.95 ID:50JL+Ypy0
夜、また夢をみた
昨日と同じシチュエーションのようだ
幼馴染「このまえのドライブの話なんだけどさ」
幼馴染「この日に行こうって言ってたじゃない?」
男(そうだ……、確かあの後、結局行く日をきめたんだ)
男(幼馴染任せで、俺は頷いてただけだったけど)
幼馴染「でもごめん! その日別の予定が重なっちゃって!」
幼馴染「だから別の日にしてもいいかな」
男「ああ、うん。構わないよ」
幼馴染「……ごめんね」
男(そうだ、それで結局、いかなかったんだっけ……?)
- 207 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:18:10.32 ID:50JL+Ypy0
男「ん……」
真夜中に目が覚める
早朝というには少し早すぎる時間だった
狙い通りである
男(あいつ……。出かけるのなんていつでも良いのに、なんであんなに謝ってたんだろう)
俺はどうせ頷いていただけだ
俺は別に予定があるわけでもないし、決めるのも変えるのも、彼女の自由だった
男(いや……、違うな。決めるときは確か、そうだ)
男(俺が適当に、この日でいいんじゃないか、なんていったっけ)
なるほど、俺が適当に指した日が、彼女には「男が行きたい日」だと勘違いしたのだ
そう考えれば、ああして謝っていたのも説明がつく
男「なんかますます悪い事してんな俺……」
その場ではあまり気づかないものなのだなと、少し後悔した
- 209 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:20:55.13 ID:n/l+nQ5c0
>>177
幼馴染もでてるし色々似てるよな
案外同じ人だったりして
- 210 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:22:17.34 ID:rkt+3U5J0
>>177
それkwsk
- 211 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:23:56.82 ID:50JL+Ypy0
男「風呂はいれば、さっぱりするかな」
変な気持になったので、切り替えるために俺はすぐに部屋からでた
廊下は昼間と比べて薄暗い
実際光量がおちているというのもあるだろうが
何より、人がいないということが、薄ら寒さを感じさせるのだ
若干怖気づきながら、そそくさと廊下を抜けて浴場を目指す
男「あれ」
玄関ホールを通り過ぎようとした時、別館へつながっているとメイドが言っていた扉が開いた
少女「あら」
出てきたのは、一番最初に会った少女だった
- 212 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 06:31:49.73 ID:UMbgP1mDO
>>210
メイド「だから愛しています”ご主人様”」
でググれ
- 213 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:31:51.52 ID:N6vgsotE0
館の主が気になるな
是非完結までいってもらいたい
- 214 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:32:49.37 ID:50JL+Ypy0
少女「こんなお時間に、どうされました?」
少女は人当たりよく微笑んだ
男「ちょっと起きてしまったので、お風呂にでもつかろうかと」
少女「まあ、そうでしたの」
男「貴方は……?」
少女「私? ああ、別館へ少し用がありましたので」
少女「今はちょうど、その帰りです」
男「あ、なるほど」
やはり、あの扉は別館へと通じているらしい
疑っていたわけではないが
こんな大きな屋敷のほかに、さらに別館がある。というのも少し信じづらかったのだ
- 216 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:39:12.35 ID:50JL+Ypy0
少女「……ところで、調子はどうですか?」
男「調子?」
少女「……ええ」
何を言っているのか図りかねて、答えに窮する
少女「ふふ。……そう、まだまだなのね」
男「……?」
少女「そうですね、ここで会えたのも何かの縁かしら」
少女「多少の助言くらい、いいのかもしれない」
- 218 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:46:51.95 ID:50JL+Ypy0
少女「ねえ、お客様。仏の顔も三度、と言う言葉をご存知?」
男「あ、ああ。知ってる」
男「仏さんは三度までなら許してくれるけど、四度目は許してくれないってこと、ですよね」
少女「いいえ。それは“仏の顔も三度まで”っていう、間違った言い伝え」
少女「本当は、“仏の顔は三度”と言うの」
少女「だからね、仏様が許してくれるのは二度まで」
少女「三度目は、もう呆れてしまっているのです」
少女「仏様がいなくなってしまえば、きっとそこには鬼が来る」
少女「ふふ、気をつけてくださいね」
男「……」
少女は言うだけ言うと、もう話す事は無いという風に会釈して、俺に背を向けた
そして階段の上の暗闇へと消えていったのだ
- 219 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:48:55.49 ID:GADgJsBd0
>>212
うろ覚えだけど、確か最後はパラレルワールドってオチじゃなかった?
今回もそんな感じか希ガス
- 220 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:53:14.86 ID:50JL+Ypy0
男「ふう」
風呂につかり、少女を思い返す
男(仏さん、二度までしかゆるしてくれないのか……)
思っていたより一回少ないだけで、とたんに仏様が人間くさくなった気がした
……とか言ったら怖いお兄さんに怒られちゃうか
でも助言って言っていたのが引っかかる
一体何を俺は助言されたのか、さっぱり分からないのだ
男「まあ、夢だし」
メイドさんはきっぱりとそういっていた
気づいたときには醒めている、と
深く考える必要もないのだろう
今はただ、この暖かい湯が心地よかった
- 221 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 06:56:01.09 ID:aWtjC+xM0
不自然に大きな屋敷、姿を見せない主、メイド、謎の少女と来たら双子と入れ替わりトリックと最後に屋敷炎上ですね分かります
- 222 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 06:58:20.12 ID:50JL+Ypy0
一時間近く掛けてゆっくりと湯を楽しんで、俺は浴場を出た
男「いやはや、良い湯だった」
これで牛乳があれば最高なのに――いや、さすがに洋風の風呂に瓶牛乳は似合わないか
男「あれ?」
何かもう一つ、ひっかかる
タオルでごしごしとこすりながら、思考を集中する
男「あ!!」
あの少女『帰る』と言っていた
そしてあの階段を上って消えた
そしてそして、あの階段の上にあるのはあのメイドの部屋と――ご主人様だけ
男「も、もしやあの少女が、ご主人様か……!」
とんでもないことに気づいた、と俺は思った
あたっているかどうかは分からないが……あまり触れて良い話でもない気がする
男(とりあえず、そっと心にしまっておこう……)
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