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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
516 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:24:15.03 ID:zjkMDYyJo


 対ベルゼブブ戦役の開戦初日。いよいよ進軍が始まろうとしたいた。

青年兵「ここに集いし者達よ。これより、魔王ベルゼブブの討伐を開始する!」

 オオオオォォォォーッ!!

青年兵「今ここには、本国だけに留まらず、世界中より同志が集結してくれた。
      勇敢なる諸君らよ、君達はまさに勇者である!」

 オオオオォォォォーッ!!

青年兵「共に戦い、共に魔王を打ち倒し、共に生きて帰り、そして共に笑おうではないか!」

 オオオオォォォォーッ!!

青年兵「……出陣!」

 ドザザッ!! ドドオオオオォォォォ!!

 近年においても最大規模となる魔王討伐軍。その数、総兵力として約37万。

 その内、北西山のふもとに布陣した西国軍が3万。指揮官は当然、この男。

王子「…………」

 ドドッドドッドドッ

西国兵長「本国主力部隊、先程、出陣なされたようです!」


517 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:25:16.00 ID:zjkMDYyJo
王子「ご苦労。こちらも山を迂回して、一気に北へ突撃するぞ」

西国兵「山を迂回……ですか?」

王子「登頂には馬も人も体力を消耗する。必ずどこかで休息の為の布陣が必要だ」

西国兵長「山頂にて布陣など、愚かな事この上ないですからね」

王子「山を包囲されたり、空中から仕掛けられたら終わりだ。だからこそ迂回する」

西国兵「急がば回れ……ですね! 了解致しました!」

王子「……では行くぞっ! 出撃ぃーっ!」ドドッドドッドドッ

 北西山と北関の中間位置となる北方司令部。ここには3万の兵が駐屯する。

参謀「……いよいよ、動きましたね」

副官「はいっ。こちらの防衛準備も万全です!」

参謀「どんな事態においても、万全などという事はありませんよ。もう1度、確認を」

副官「はっ!」タッタッタッ

 バシュウウゥゥゥゥ……スタッ

青龍士官「北関の主力は進軍を開始した。こちらも竜騎士隊を出すぞ」

参謀「ええ、お願い致します」


518 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:25:46.92 ID:zjkMDYyJo
青龍兵「待ちくたびれましたよ」

青龍士官「良いか、我らの務めはあくまで制空権を確保する事だ」

竜騎士兵「それに、地獄の壁の防衛ですね?」

青龍士官「そうだ。万が一にでも壁を突破されれば、背後はガラ空き。それを忘れるなよ!」

青龍兵「了解っ!!」

青龍士官「では……行くぞ! 竜騎士隊の誇りをみせてやれっ!」

一同「おぉーっ!!」ザザッ

青龍士官「参謀殿、司令部は任せたぞ!」

参謀「お任せ下さい。皆様の帰るべき場所は、私が命に代えても守ります」

青龍士官「……」

 バシュウウゥゥゥゥ……

副官「……準備、万た……今のところ問題ありませんっ!」

参謀「宜しい。各地に伝令と、偵察隊に周囲の動きを探らせなさい」

副官「はいっ!」

参謀「……さぁ、来るなら来なさい……魔王軍!」


519 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:26:44.80 ID:zjkMDYyJo
 北関。ここには後詰めの西方司令部1万と、多数のワーカーが残っている。

 最終防衛ラインも言える、重要拠点を守る指揮官はこの男。

 プカーッ

左翼長「……中央軍は結局、どんだけの数になったんだ?」

騎士長「ワーカー以外が約10万。ワーカーを合わせると20万といったとこか」

左翼長「烏合の衆になんなきゃいいけどな。あっちもこっちも」

騎士長「正直、大軍での戦に慣れていないからな。心配といえば心配だ」

左翼長「ま、前線には優秀な指揮官が揃ってるし、杞憂ならいいけどな」プカー

騎士長「心配ならこっちの心配しろって話だな……」

おさげ「長ーっ、頑張りましょうねー!」タッタッタッ

アマゾネス「ああ。味方の魔物も居るそうだし、慎重に戦うぞ」

玄武娘「あーん、みんな行っちゃったですのー!」キョロキョロ

朱雀嬢「あなたがチンタラしてるからでしょうにっ! もうーっ!」

女賢者「おかしいわねぇ。また戻って来ち……あっ! あの子達は!」

左翼長「……ま、何とかなるさ」プカー


520 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:27:37.99 ID:zjkMDYyJo
 北関を出撃した主力隊はその数9万5000程度。

 先鋒には国軍本部の精鋭、5000名を率いる騎士団長。

 パッカパッカパッカ……

騎士団長「良いか? 魔王軍と遭遇しても深入りはするなよ?」

騎士団「おおうっ!」

騎士団長「背後には頼もしい仲間が大勢いる。援護と合流を待ち、しっかりと撃破するのだ」

騎士団「おおうっ!」

騎士団長「我等、先鋒が壁となる。魔物の1匹たりとも通してはならんぞ」

騎士団「おおうっ!」

 本体右翼には南方軍3万を率いる南方司令と司令部の面々。

南方司令「見よっ、この正義の数を。これならば我らが負ける事など皆無!!」

南方副司令「だといいけどな」

南方参謀「そうよ。温い南方と違って、こっちの魔物は手強いのよ?」

南方司令「どんな魔物であろうと、我が正義の鉄拳の前に敗北は必死!」

南方魔道士「ま、指揮官がやる気に満ち溢れてりゃまだマシだわな」


521 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:28:25.03 ID:zjkMDYyJo
南方副司令「あっちと比べればな」

南方参謀「……そうね」

 反対側にあたる左翼。同じく3万の兵を率いる指揮官はこの男。

西方司令「……」

西方副司令「……大丈夫なの?」

西方参謀「もういちいちめんどくせぇから、とりあえずありったけの武器を持たせてみた」

西方副司令「人間兵器というより、人間全身武器……」

西方魔道士「んで、こっちはこのまま進めばいいのかい?」

西方司令「おう。このまま真っ直ぐ進み、先方の援護を第一優先とする」

西方参謀「ほら、マトモだ! ヒック」

西方魔道士「敵と遭遇したら?」

西方司令「……ブッコロース!!!!」

西方副司令「!?」

西方司令「いや待て待て待て待て。もっと冷静に大局的に戦況を見定めてだな……」ブツブツ

西方副司令「……司令?」


522 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 21:29:04.98 ID:zjkMDYyJo
西方司令「ゴチャゴチャうるせぇんだよカス共がああぁぁ!! さっさと魔物ぶっ殺してこいや!!」

西方副司令「性格が破綻してるわよ……?」

西方参謀「がははっ、こりゃ面白い! また1つ勉強になったわ……ヒック」

西方司令「あ、見せてやろ〜じゃねぇか! この俺様の強さって〜やつをよぉ〜っ!」

 主力部隊の中央には、南東国軍の1万、ワーカーなどを加えた多数の兵が進む。

白馬騎士「これだけの大軍だと、戦況を見極めるのも大変だな……っ」

老将軍「うむ。かつてない経験じゃわい……」

三男「……」

大軍師「ご安心下さい。本国にも貴方達に勝るとも劣らぬ将兵が揃っておりますよ」

白馬騎士「存じております。我らとて臆しているわけではございません」

老将軍「その通りじじゃ。どうせ散るならば戦場で死ぬが武人の誇りよ」

大軍師「老いてなお盛んなのは結構ですが、物騒な事は申さないで下さい……ふっふ」

白馬騎士「さぁ華国の勇士達よ、その武を存分に発揮するが良いっ!」

華国兵「おぉーっ!!」

白馬騎士「騎都尉らが天より見ておるぞ。笑われぬように奮迅するのだ!」


525 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 23:36:13.39 ID:zjkMDYyJo
〜オマケ〜

天才「天才でーす」
大軍師「大軍師でーす」

天才「2人合わせて――」
大軍師「合わせる必要あるんですか?」

天才「……」

大軍師「さて、本日は天才&大軍師の、良く分かるワーカー入門を行いたいと思います」

天才「話も佳境に入ったこの時期にやる意味あんのか?」

大軍師「さぁ?」

天才「……」

大軍師「さて今回、見事朱雀先生が6位にランクイン致しました」

天才「前は何位だったっけか?」

大軍師「さぁ? もう古い設定で忘れてしまいました」

天才「……」

大軍師「ともかく、召喚士殿らが大幅にらんくあっぷした経緯をお教え――」
天才「魔王倒したからだろ?」

大軍師「……」

天才「……何だよ」


526 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 23:49:07.71 ID:zjkMDYyJo
大軍師「まぁ、そうですね」

天才「にしちゃ功績が低いとか思ってる奴もいるかもしれんな」

大軍師「そうですね。しかし先述の通り、魔王討伐は数名で行っている為、功績も分割されます」

天才「例えばイブリースの時なんかは、50億の功績のうち、半分は西国の手柄と換算される」
大軍師そうですね。実質、25億はワーカーでも国軍でもないてがらとして消失します」

天才「これはアレだな、ワークショップの巧妙なというか汚ねぇ手口だな」

大軍師「あまり不謹慎な発言をされぬように」
天才「あ? 別に1ワーカーの戯言なんだからいいだろ。ハーッハッハッハ!」

大軍師「ずるい……」

天才「ま、そんなわけでイブリース戦の手柄は25億を6人で割る事になる」

大軍師「6人ですか?」

天才「朱雀の4人と俺様。あとサモナー」

大軍師「ああ、そういえばそうですね」

天才「これで1人当たりの功績は何とたったの4億2000万」

大軍師「まぁ、1ワーカーとしては優秀すぎる功績ですけどね」


527 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/02(木) 23:55:29.95 ID:zjkMDYyJo
天才「ラーヴァナ戦に至っては、役に立ったのかよく分からん
    空気ワーカーが多すぎて功績が更に分割、低くなってるわけだな」

番長「へっくしょいでゴワス!」
親衛隊長「ヘイ番長、ベリーコールドですかい?」

大軍師「まぁそんなこんなで召喚士さんの功績は1億5000万といったところでしょうか」
天才「ヘタすりゃもっと低いかもな。半分は南東国に持っていかれてるし」

大軍師「同門さんやら剣士さんも参加してましたしね」

天才「剣士のランクが上がったのもこれとか南東国での働きとか」
大軍師「あとは本国とスグリーヴァ様を繋いだ功績が大きいですね」

天才「ま、そうだな」

大軍師「ところで、それでも眼鏡さんや魔法剣士さんには追いつかないんですよね?」

天才「ああ。アイツらの場合は移動時間がないからな。質より量だよ。完全にな」

大軍師「それに天才さんや召喚士殿が公式の依頼ではないのに対し……」
天才「あっちは強制的に公式な依頼扱いになってるから、その分数字もデカイ」

大軍師「もっと分かり易く述べた方が宜しいかと……」
天才「あぁ!? じゃあテメーが言えアホー!!」


528 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 00:06:44.09 ID:a88BUXd5o
大軍師「ええと、簡潔に言いますと……眼鏡さんや魔法剣士さんは、
      ワークショップから公式の依頼を受けての任務、先頭となるわけです。
      ちなみにこの依頼を出しているのは北方司令部。つまり魔物を倒した際の
      功績は依頼主である北方司令部=国軍のものもワーカーに還元される為、
      仮に魔王を倒した場合、50億が丸々手に入るわけですね。ここで差が出ます。
      ちなみに彼らは召喚士殿らが各地を回っている間、北方にてかなりの数の
      魔物を倒し、中には軍団長クラスも居たという噂です。これにより功績の評価は
      歓談に高いものとなり、また、北方における北関建設場所の防衛、確保、
      川中島、最北の村など主要拠点の防衛。さらには未開の地とも言える
      魔王城近辺の捜索、偵察なども兼ねておりますので、その功績は計り知れません」

天才「と言う事だ。結局、北方司令部が役立たずだから儲かってるってわけだな」

大軍師「使えない……って。ご自身が配置したのでしょう?」

天才「まぁな、北は魔王と直接戦わねーし、あくまで防衛が優先の場所だからな」

大軍師「だから、片目を失って弓使いとしては役立たずですが、特遊時代より
      その類まれなる防戦能力を買われた左翼長さんと……」

天才「かつては赤備えと恐れられたが、今じゃ老後の備えをせっせこしてるが
    戦局を見据える眼は確かな騎士長を北方司令部に置いたわけだ」

左翼長「ぶわーっくしょい!!」
騎士長「ぶへぇーっくしゅ!!」

大軍師「それ以前は武術は二流でしたがやはり大局を見地出来るお北方司令さんでしたしね」

天才「ハーッハッハ! ちゃんーんと考えてるわけよ俺様もなっ!」


529 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 00:12:45.24 ID:a88BUXd5o
大軍師「まぁそんなわけで功績というものが配分されているわけですね」

天才「ちなみに3位のジュニアだが、穴を掘る任務自体が長期間の拘束で、
    莫大な功績だったが、それ以外にも穴掘りの副産物で稼いでたな」

大軍師「発掘した鉱石を国軍に提供していたわけですよね?」

天才「そ。あとアイツの場合、魔法関連の研究やらで功績を稼いでたな」

大軍師「彼も父親が父親ですからね。反骨精神でかなり必死な頃もあったようです」

天才「女賢者? あいつは不思議ちゃんの挙句、方向音痴でどこで何してるか分からんから知らん」
大軍師「行く先々でトラブルに巻き込まれては解決して、功績を稼いでいたようですね」

天才「まーそんなわけで功績ランク入門編おしまいだ。あとは自分で調べな」
大軍師「どうやって!? というか、入門編って、またやるのですか?」

天才「知らん」
大軍師「…………」

天才「ちなみにワーカー乱立時代に、総司令自らがワーカーになって、
    財政赤字の国軍を救ったワーカーも居るらしいぞ?」

大軍師「そうですか。それは良かったですね」
天才「……」

大軍師「それではまた、お会い致しましょう。ふっふっふ」
天才「気になる事があったら質問すると、答えるかもしれねーぜ!ハーッハッハッハ!」


531 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/03(金) 00:38:54.01 ID:gegndI9ro
なるほどなるほど
じゃあ前のおまけの眼鏡が犬を使って荒稼ぎしていたのもあながち嘘じゃないんかなww

魔王討伐云々よりも前からいて、今もなお抜かれてないし


532 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/03(金) 00:44:45.06 ID:dZVdFozOo
黒い三連星のことも思いだしてあげてください


534 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/03(金) 02:52:43.17 ID:aitL3/6Wo
>>532
噛ませと思ってたけど本当に相手が悪かったな…


540 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/03(金) 10:13:46.87 ID:HLtpwMQIO


剣士がそこまで評価されてるのに
各国との仲介をしたりしてた主人公パーティーはその程度なのか…



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