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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21
- 718 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/11/16(火) 18:41:59.51 ID:ii7MFeMo
本国時間で6時20分頃。吹雪の中、暁の空が広がり始める。
帝を中心とした少数の者らが、最北の塔入り口へと到着した…。
〜最北の塔〜
魔道士「ここが…最北の塔…っ」
盗賊「……ああ」
火忍「…姫」
盗賊「大丈夫。落ち込んだりしてないから」
火忍「……っ」
土忍「……外壁と…上部の損壊が酷いな」
召喚士「入り口は…ここ一箇所だけですか?」
風忍「ああ。それは間違いない」
バサァ
コカトリス「周囲に魔物の気配はない。…まぁ、安心は出来んがな」
召喚士「ありがとう、コカトリス!」
返答仕掛けたが、コカトリスは無言のままその姿を消した。
- 719 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 18:46:25.76 ID:ii7MFeMo
〜最北の塔、一階〜
ザザッ
雷忍「……」
正面を担う雷忍と火忍。そのやや後ろに盗賊と土忍が続く。
土忍「……」
盗賊「……」
最後尾の水忍と風忍が周囲をきょろきょろと見渡し、瓦礫を端に寄せる。
魔道士「……っ」
召喚士「大丈夫…そうですね……」
ドゴオオォォンッ!!
女剣士「!?」
帝「左だっ!!」
ザザザッ…
召喚士「……敵…か!?」
左方からの物音で一斉に身構える一同。そこには見覚えのある一人と一匹が姿を現した。
- 720 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 18:49:47.54 ID:ii7MFeMo
テクテクテク
戦士「よぉ、お待たせ」
火忍「……ふーっ」
盗賊「普通に出てこれんのか!お前はっ!」
戦士「い、いや…。道に迷っちまって……」
女剣士「だからって…外壁壊して入る阿呆がおるか…っ」
鬼丸「グハハ!面倒くせぇ事は嫌いだ!!」
召喚士「と、とにかく…あとは名代さん待ちか」
帝「名代はどうするのだ?」
召喚士「座敷わらしがいるので、問題ないとは思いますが……」
魔道士「……」
召喚士「座敷、そろそろ名代さん…いいかなぁ?」
座敷「知らぬっ。あたしはいつでも大丈夫だぞ!」
召喚士「……だ、そうですが…っ」
帝「……」
- 721 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 18:54:18.10 ID:ii7MFeMo
雷忍「で、では…良いのでは?」
召喚士「じゃあ…座敷、名代さんを呼んでくれ」
座敷「いいぞ!」
戦士「……」
召喚士「……」
帝「……」
召喚士「……あ、あの…まだかな?」
座敷「早よう、斬れ!」
召喚士「!?」
座敷「あたしを斬らねば、名代殿は来ぬ!」
魔道士「き、斬るって…!?」
水「お主を……か?」
座敷「そうだぞ!早よう早よう!!」
戦士「む…無理だろ…」
召喚士「……斬れない…っ」
- 722 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 18:57:38.54 ID:ii7MFeMo
帝「だ、誰か斬れる者はおらぬのか?」
雷忍「おまえ、斬れよ」
女剣士「はぁ!?お、お前が…斬れ!!」
召喚士「……し、仕方ない…っ」
ザッ
鬼丸「なーに躊躇してんだ?俺がやってやるよ!」
戦士「鬼ま……」
ブンッ!!……ドッゴオオォォッ!!…グシャアアァッ!!
魔道士「きゃあっ!!」
火忍「躊躇…ねぇ…っ」
鬼丸「これでいいか……んっ!?」
金棒にて押し潰された座敷わらしのふだが激しく破裂する。
ボウウゥゥンッ!!
召喚士「!!」
名代「……ふーっ、無事辿り着いたようですね」
- 723 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/11/16(火) 20:37:17.90 ID:1falaNUo
なんか帝がフラグを立ててらっしゃるwwww
- 725 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 23:57:57.09 ID:sXQOcLgo
魔道士「名代さんっ!」
召喚士「ご無事でしたか。良かった…!」
名代「いや…っ、実に素晴らしい時期でした…!」
盗賊「…?」
水忍「誘引は成功致したのですか?」
名代「ええ。問題ありません」
戦士「んじゃ、何のタイミングが良かったんだ?」
名代「え、ああ…。夜行と交戦中でしたので……」
帝「終わったのか?」
名代「……いえ。まだ継続中かと」
女剣士「……?」
召喚士「じゃ、じゃあ……」
名代「彼らなら大丈夫でしょう」
召喚士「……?」
名代「見させて頂きましたよ。本国の方の強さを…」
- 726 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/16(火) 23:58:57.92 ID:sXQOcLgo
――……
遡る事数十分前。本陣にて。
夜行「……ヒヒッ。腕もいじまえば、お得意の式神も打線わなぁ…」
名代「……っ」
ザザザッ…ザスッ
夜行「逃がしはせんよぉ。……そうれ…っ」
シュシュシュンッ…シュシュンッ!!
夜行「……矢、だとぉ?」
名代「……!?」
ザザッ…ズザァ
弓隊「名代様!ご無事で!?」
足軽「今の内にお退き下さいませ!本陣はもう目の前ですぞ!」
夜行「……やっぱりそうかぁ。ヒヒッ」
名代「本陣へ伝えよ。鶴翼で迎え撃てい!」
足軽「御意にっ!」
- 728 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 00:15:06.36 ID:s6IdLvwo
弓隊「妖怪はこ奴、一匹のみですか!?」
名代「油断するでない。千にも匹敵する妖怪ぞ!」
足軽「……っ!」
夜行「ヒヒッ、千じゃあねぇよ。万だよ……万」
弓隊「ええいっ!射かけよ!!」
シュシュシュンッ!!
夜行「他愛ねぇや」
一斉に射かけられる矢を物ともせず、夜行は前進を続ける。
弓隊「矢が…効いていない!?」
足軽「なんだこの化物は…っ!後退っ、退け退けぇ!!」
夜行「逃がさねぇよ」
ザザザッ……ズバュウゥッ!!
足軽「ぐぎゃあぁーっ!」
名代「無暗に近づくな!本陣まで下がるのだ!」
夜行の一振りで数名の兵が無残にも命を落とし、雪上を赤く染め、息絶えた。
- 691 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/15(月) 22:52:16.81 ID:DBucNMAO
1さん乙です、明日は師匠の一周忌ですね、という事で師匠他数名をUpしましたのでお納め下さい
- 692 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 01:16:25.01 ID:vyoquck0
>>691 何処に?
資格試験も終わったし久しぶりに登場人物のまとめをしようと考えてるんだけど、
需要ある?
- 724 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:39:30.37 ID:vyoquck0
>>1乙
>>697 そこの11部の最後にある「人」って項目に手を加える。
スレも長くなって登場人物も新たに増えたり以前より成長したり落ちぶれたりしてるからそろそろやったほうがいいかなー、と思った次第で。
前回はおふざけが過ぎた感もあるから…
- 730 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 00:30:37.72 ID:s6IdLvwo
>>691
ありがとうございます!相変わらずカッコよすぎる!
ぜひプレイしてみたいですね!!
>>692>>696>>724
うおおぉぉ!!需要ありまくりです!!
いつもありがとうございます〜!とても助かっております!
>>723
そ、そんな事は…!!
>>727>>729
もう全然、無理せず寝て下さい!かく言う>>1も失礼致します
ちょっと展開忘れそうな部分だけ投下したまでなので…
前日も23時前にねてしまい、最近やたら眠いです…すみません
それではご支援ありがとうございました!おやすみなさい!
〜オマケ(次回予告)〜
占い師「東方で死闘を繰り広げる召喚士達…」
占い師「夜行を、そしてヤマタノオロチを倒す事は出来るのか!?」
占い師「そして今…動き出す、あの者達……」
占い師「次回、第383話【盗賊、心のむこうに】」
占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」
- 731 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 00:33:18.28 ID:g.f8MyMo
1乙
次回予告久しぶりだな
- 734 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 08:24:58.49 ID:W2qwcIAO
>>1乙
頻繁に訪れる魔導師ちゃんの出番皆無な時間…
それでも、こんな手ごわそうな敵がいても傷つく心配が少ないから、悪いことだらけって訳ではないが…
心配してる自分と安心してる自分、この気持ちが混ざり合ってもどかしい
- 735 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 11:01:33.86 ID:6zNSNAQo
イけクリ面白いなぁ
- 736 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 11:18:41.96 ID:B5ZVL3wo
第383話って適当な数字かと思ったら始まってからの日数なのね…乙
- 738 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:03:32.24 ID:ohr8Dsso
こんばんは!です!
>>734
なんだか…お久し振りなカンジが…
>>735
略が間違ってますよ!ありがとうございます〜!
>>736
お気気付き頂けましたか!でも、意味はありません
↓続き
- 739 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:04:20.29 ID:ohr8Dsso
ワアアァァ…
隊長「何の騒ぎだ!?敵襲か…?」
西方参謀「おいおい、まさか本陣まで押し込まれたってのか!?」
隊長「まさか。あれだけの精鋭が居てか?」
西方参謀「つー事は、」
ワアアァァ…ザザザッ
隊長「本隊で迎え撃つってか」
タッタッタ
城主「お二方、後方へお退がり下され」
西方参謀「……だってよ。ヒック」
隊長「そうはいきませんって」
城主「!?」
隊長「助太刀させて貰いますぜ!」
西方参謀「まずは情報収集を。敵の数と大将、判れば能力も知りてぇな」
城主「……ぎ、御意に…っ!!」
- 740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:04:47.36 ID:ohr8Dsso
ドボッ!!……ズズウウゥゥンッ
夜行「こんなもんかねぇ…ヒヒッ」
名代「……やはり一筋縄ではいかぬか」
弓隊「足じゃ!足を狙え!!動きを止めるのだ」
バシュシュシュッ……キィン
弓隊「だ、駄目じゃ…!やはり効かぬ!!」
後退する名代と先方の弓隊、足軽隊は、間もなく本陣まで押し込まれる。
名代(南の陣が来るまで…もう少し稼ぎたかったが……)
夜行「…ようやく見えたぁ。あれが本隊だなぁ?」
ザスッ…ザスッ…
隊長「うお…っと。何やら慌しくなってきたぞ!」
西方参謀「ああ。敵さん、ここまで来やがったかな?」
タッタッタ
斥候「敵は一匹じゃあ!一匹だが…えらい強い!矢も効かぬ!!」
隊長「一匹!?」
- 741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:05:14.38 ID:ohr8Dsso
西方参謀「…城で聞いた奴だな」
城主「長槍隊と足軽は左右に開き、鶴翼で迎え撃てい!!」
西方参謀「俺達ゃどうすんだ?」
隊長「他人様の軍を勝手に指揮するわけにゃいかん」
西方参謀「そらそうだ」
隊長「個別で支援すんぞ!手伝え!!」
西方参謀「へいへい……」
ダダッ!!
城主「あっ!!ど、どちらへ…っ!?」
隊長「中央へ誘い込む!うまく兵を動かしてくれ!!」
城主「えっ?あ、御意に…っ!!」
タッタッタッタッタ
西方参謀「う〜さみぃ……」
隊長「いたぞ!あれか…っ!!」
西方参謀「大きさはねーな。しかし初めて見る…。何だアイツは?」
- 742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:05:42.22 ID:ohr8Dsso
隊長「東方の魔物だろ?まずは手の内を……」
ザッザッザ
名代「お二方っ!?」
隊長「おぉ、こりゃどうも!他の連中は?」
名代「先にヤマタノオロチの元へと向かいました」
西方参謀「なーるほど。うまくいったようですなぁ」
名代「問題はあの夜行という妖怪です」
隊長「単体ですかい?」
名代「ええ。しかし恐ろしく強いです」
西方参謀「矢も刀も弾き返してやがる。防御する気もねぇってか…」
隊長「……」
名代「お二方は……」
隊長「退がれなどと申さんで下さいよ?微弱ながら協力致します!」
名代「しかし…っ」
西方参謀「まぁまぁ。同盟の材料にでも活用下され!」
- 743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:06:26.03 ID:ohr8Dsso
名代「……かたじけない」
隊長「さーて、行こうか」
西方参謀「んで、どうするよ?」
隊長「まずは攻撃が効くのかどうか。それが問題だな」
西方参謀「どれ、試してみるか。…名代殿!」
名代「!?」
西方参謀「矢を一斉射撃するよう、指示して下され」
名代「矢を…ですか?」
西方参謀「寒いんでね…。キャンプファイアーといきましょうや」
名代「……きゃんぷ…ふぁー?」
ゴソゴソッ…キュポン
西方参謀「…そんじゃあいきますぜ!……ゴクッゴクッ」
名代「…ゆ、弓隊!一斉に矢を放てい!」
弓隊「しかし…矢は効きませんぜ!?」
名代「良いから指示に従うのだ。射かけよっ!」
- 744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/11/17(水) 18:08:18.11 ID:ohr8Dsso
ググッ…バシュシュシュッ
吹雪の中を飛び交う無数の矢。夜行は嘲笑うかのように口元を緩める。
夜行「ヒヒッ、無駄だっての」
夜行めがけ放たれた矢は猛吹雪を切り裂くが、夜行に空しくも弾き落とされた。
弓隊「やっぱり…効かねぇよぉ」
ボッ……ボボッ
夜行「……?」
弓隊「弓が…燃え……」
名代「火矢!?いや…これはただの火矢ではない…っ!」
名代は横に立つ、炎を両手で操る西方参謀を驚きの表情で見つめる。
西方参謀「たーだの火じゃないですぜ。火行をありったけ凝縮した……」
隊長「見た目は小せぇが…威力は相当!」
名代「何を見とれておる!矢を射続けぬか!」
弓隊「そ、そうだ…!どんどん射かけろぉー!」
鏃だけではなく矢、全体が炎を纏い、雪中を一直線に切り裂く。
夜行は初めて、刀で払い落とすという『防御』を見せた。
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