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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 174 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/03/28(月) 18:35:26.79 ID:RuOqXbTYo
〜本国、中央広場〜
召喚士「……」
戦士「でもよ、本当に東方に行くかね」
盗賊「…どういう意味だ?」
戦士「だってよ、東方は交戦中なわけだろ?」
召喚士「そうらしいよ」
戦士「殿下だって長い事滞在してたんだし、邪魔になるんじゃねーか?」
盗賊「…だが、事情が事情。無碍には出来ぬだろう」
召喚士「東方側はそうですが、確かに殿下の心中を考えると……」
盗賊「…可能性は…低いか?」
召喚士「かも、しれませんね」
戦士「そんじゃ、東方以外だと…どこだ?」
召喚士「本国内に留まるとは思えないしなぁ」
盗賊「……やはり他国。だとすれば……」
戦士「……南東国あたりか?」
- 175 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:37:09.55 ID:RuOqXbTYo
〜南東国、東の城〜
老文官「まことかっ!?」
白馬騎士「…ええ。つい先程、本国からの伝令が届きました」
三男「……そうか」
若文官「弔問に出向く必要がありますね」
白馬騎士「ええ。まぁ、こう言っては何ですが…丁度良い機会ですね」
側近「それは、本国の視察も兼ねて…と言う意味合いですかな?」
白馬騎士「はい。本国の技術は、我らの想像を遥かに上回るものです」
兄者「……確かにな」
白馬騎士「いくら技術を伝授されても、有効活用出来ねば、なんら意味はありません」
老将軍「百聞は一見にしかず……という事じゃな」
三男「うむ。それではすぐに、弔問の手配を致せ」
若文官「ははっ」
三男「白馬。お主も同行せよ」
白馬騎士「仰せのままに」
- 176 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:38:29.35 ID:RuOqXbTYo
〜本国、中央広場〜
盗賊「…しかし南東国とは…それ程親密とは思えんが」
戦士「東方ほどじゃねーよなぁ」
召喚士「同盟も組んだばかりだしね。ようやくこれからって時だし」
戦士「まぁ、だからこそってのはあるかもな」
召喚士「…うーん」
盗賊「……」
召喚士「国政でもないのに訪問したとしても、あまり意味はないんじゃないかな」
戦士「そりゃそうだけどよ……」
召喚士「それに、どのルートを使っても、南方司令部に押さえられちゃうんだよね」
盗賊「…言われてみれば…そうだな」
戦士「南東国もないとすれば、残るは……」
盗賊「…西方か」
召喚士「三日月島は西方司令部もあるけど……」
盗賊「……互いの連携はまだ、取れておらぬ……か」
- 177 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:39:36.20 ID:RuOqXbTYo
〜三日月島〜
神官「…………っ」
副官「な、何と……?」
神官「本国の国王陛下が亡くなられたそうだ」
副官「っ!?」
神官「これから本国は忙しくなるぞ」
副官「我らとして、為すべき事は!?」
神官「先ずは早急に、王子……陛下と連絡を取れ」
副官「はっ」
神官「それから、本国へ出向く手筈も整えておけ。いつでも動けるようにな」
副官「ははっ」
神官「いよいよ……始まる」
副官「始まるとは……」
神官「本国が一つとなった刻、それが始まりだ。我らも遅れを取るわけにはいかんぞ」
副官「はい!」
- 178 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:41:01.68 ID:RuOqXbTYo
本国だけではなく、各国にまで広がる波紋。しかしそれは国王の崩御だけに留まり、
現在における本国の動きはまだ、届いていない。
届けばその騒動は大混乱を招く事は容易に想像がつき、とても手に負えるものではない。
〜本国、街外れ〜
テクテクテク
皇太子「どうだ?いかにもワーカーっぽいであろう?」
魔道士「どこでそんな服、買ったんですか?」
皇太子「以前にお忍びで出掛ける機会があってな。取っておいたのだ」
魔道士「まぁ、確かに……傍から見ればワーカーのようですけど」
皇太子「そうであろう?これなら容易に見つかりはしないさ」
魔道士「でも、他国には行かないんですよね?」
皇太子「これは本国の問題だ。他国に迷惑はかけられんよ」
魔道士「まぁ、そうですよね」
皇太子「それに、国軍の連中とて、それは真っ先に浮かぶであろう」
魔道士だから、その裏をとって……」
皇太子「灯台下暗し、という事だ」
- 179 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:41:32.63 ID:RuOqXbTYo
ザッザッザ
天才「ふーん」
魔道士「!?」
皇太子「……厄介な者に、見つかってしまったな」
天才「厄介?失礼な奴だな」
魔道士「……」
天才「しっかし、殿下と王女が揃って駆け落ちとはねぇ……」
魔道士「ちっ、違います!!」
天才「ハーッハッハ!冗談だっつーの」
皇太子悪いが、ここは見逃してくれ」
天才「見逃すも何も、俺様にゃ関係ねぇ話だ」
魔道士「……」
天才「んで、どうするつもりなんだ?」
皇太子「このまま、ワーカーとして旅するのも良いかと思ってな」
天才「ぶははっ!!そりゃいいわ!!」
- 180 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:42:06.99 ID:RuOqXbTYo
魔道士「ちょっと、やめて下さいよ……もうっ」
天才「剣の腕はそこそこあんだし、絶大な魔力も手に入ったから丁度いいかもな」
皇太子「なんなら、仲間になるか?」
天才「なーんでこの俺様がお前らの尻拭いしなきゃなんねーんだよ。アホか」
魔道士「天才さんっ、失礼ですよ!?」
天才「あぁ?殿下が嫌で逃げ出して来たんだろ?じゃあ一般人じゃねーか」
魔道士「そんな事……」
天才「実績もねぇ一般人にトップランカーの俺様がはなしかけてやってんだ」
魔道士「……」
天才「むしろ、そっちに感謝するんだな!ハーッハッハッハ!」
魔道士「……ひどいっ」
皇太子「気にする事はない。事実だ」
魔道士「でもぉ……」
天才「ところでよ、これからどーすんだよ?」
皇太子「私も、魔道士が即位する事が、一番望ましいと考えている」
- 181 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:43:18.73 ID:RuOqXbTYo
魔道士「ですから私は……」
皇太子「しかし、本人とて今まで生きてきた人生というものがある」
天才「そらそうだ」
皇太子「私の事はどうでもいい。魔道士の事をなんとか……」
天才「お前は、王女様なんかになりたくねぇって事だな?」
魔道士「……はい」
天才「お前が拒否ったせいで、本国が乱れてもだな?」
皇太子「そういう聞き方は好ましくないな」
天才「事実を言ったまでだろ。我侭で血筋が選べるかよ」
魔道士「……っ」
皇太子「魔道士が気に病む必要はない。今まで、大商家の娘として生きてきたのだ」
天才「それが急遽、お姫様だもんな。そりゃ敵わんわなぁ」
魔道士「…………」
天才「…なーるほどな。お前らの覚悟は分かったよ」
魔道士「……?」
- 182 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:44:04.82 ID:RuOqXbTYo
天才「俺様が良い事を教えてやろう」
皇太子「……何かな?」
天才「殿下は『王の手紙』、ってのを聞いた事があるか?」
皇太子「…いや、初耳だな」
天才「そりゃそうだろうな。あくまで保険みてぇなモンだし」
魔道士「あの、お手紙なんですか……?」
天才「亡き陛下が、こういう時の為に書き記した遺書だよ」
魔道士「えぇっ!?」
皇太子「そんな物が……あるのか……」
天才「勿論、極秘裏にな」
皇太子「それは一体誰が持っているのだ?右大臣か?」
天才「んなワケねーだろ。極秘裏っつったろうが」
皇太子「……」
天才「見つかったが最後、そんな危ねぇモンが王宮内にあるわけねーだろ」
魔道士「じ、じゃあ……」
- 183 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:45:00.76 ID:RuOqXbTYo
天才「思い当たる節はねーか?」
皇太子「残念ながら……ないな」
天才「かぁ〜。これだから凡人どもは……」
魔道士「すみません……」
天才「いいか?お前ら二人が世話になった、重要機関があんだろうが」
魔道士「……?」
皇太子「まっ、まさか……っ!!」
天才「行ってみ。あのババア……おそらく知ってるぜ」
魔道士「…え、えっと……?」
天才「あーだがな、王の手紙を手に入れても、すぐには動くな」
皇太子「何かあるのか?」
天才「両翼慌てふためいてる。国軍もな。少し落ち着くまで待ってろ」
皇太子「成程。承知した」
天才「それに……ちょいと一仕事せにゃならんからな」
魔道士「一仕事…ですか?」
- 184 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:45:55.84 ID:RuOqXbTYo
天才「気にすんな。コッチの話だ。聞かねー方がいいぜ?」
魔道士「……っ」
天才「ま、しばらくは本当に旅でもしてろよ」
皇太子「……」
天才「戦力はいんだろ。ババアの孫でも連れてけ。あ、でももう一人くらい欲しいわな」
魔道士「あの……何の話かさっぱり……」
天才「おーおー、王女付きの家系がいるじゃねーか。一報入れといてやるよ」
魔道士「天才さんって……何者なんです……?」
皇太子「知らないのか?彼は……」
天才「おうコラ!そういうのは野暮ってモンだぜ?」
皇太子「……と、言う事らしい」
魔道士「教えて下さいよっ。イジワル……!」
天才「ハッハッハ!嫌でもいずれ分かる。そん時は……」
魔道士「……」
天才「……ま、いいか。そんじゃ頑張れよ」
- 185 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 18:47:07.19 ID:RuOqXbTYo
テクテクテクテク
魔道士「ちょっとぉーっ!」
皇太子「気まぐれな輩だ。だが、それが彼の良いところでもある」
魔道士「そうですか〜?」
皇太子「さて、それでは行くとするか」
魔道士「陛下のお手紙を入手しに……ですか?」
皇太子「ああ。しばらくは二人きりだが、頼むぞ」
魔道士「やっぱり……他の方には頼めないですよね……」
皇太子「ああ。いかに事情を知っていようと、これは危険すぎる」
魔道士「……」
皇太子「朱雀先生に会いたいか?」
魔道士「――!?そ、そういうつもりじゃ……っ」
皇太子「ははっ。悪かった」
魔道士「もう…っ。それであの……どこへ?」
皇太子「……魔道学校さ。学園長に会いに行くぞ」
- 187 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/03/28(月) 19:01:17.90 ID:0Ywef/jDO
>>1乙
ついに天才まで謎のベールが
ババアの孫も王女付きも全くわからないけど楽しみだ
- 189 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2011/03/28(月) 20:34:25.24 ID:I81n6DYVo
>>1乙
>>187
今更言われても天才は登場時からずっと謎多すぎだろ
- 199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:30:11.83 ID:JmZMxM0Yo
正午前、王宮内において会見が開かれた。
但し、それは殿下や右翼陣ではなく、左大臣主体の左翼によるものである・
左翼官「早朝の発表にもありました通り、昨晩、陛下が崩御なされました」
ザワザワザワッ
記者「それで、今後はどうなるのです!?殿下はいつ、即位なさいますかっ?」
左翼官「その事についてですが……」
スクッ
左大臣「諸君もご存知の通り、殿下は生まれ持って、魔力を持ち合わせておらぬ」
記者「ええ、それが何か……?」
左大臣「よって、我々は殿下がご即位なされるものを、適当ではないと判断する」
記者「しかし、殿下がご即位為さらねば一体誰が……」
左大臣「……じつはなァ、それについても重大な発表をせねばならぬ」
ドヨドヨッ
記者「……発表?」
左翼官「どうか驚かずにきいて頂きたい。実は――」
- 200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:30:47.95 ID:JmZMxM0Yo
〜会議室〜
ダンッ!!
右文官「どういう事だ!!断りもなく勝手に会見などと……っ!!」
エリート「……」
右秘書官「早々に誇示したいのですよ。王女の存在をね」
右文官「……身勝手な」
カツカツカツカツ
左秘書官「身勝手とは、失礼ですね」
右文官「貴様らっ!会見中ではないのか!?」
左文官「左大臣様と左翼官殿に任せておけばいい。我らにも別の仕事がある」
エリート「別の仕事…?」
左秘書官「改めて、女王陛下誕生に向けての話を詰めようかと思いまして」
右文官「何…っ!?」
左秘書官「皆様もご着席下さい。このまま此処で行いますので」
その一声を合図に、王宮や経済機関に勤める幹部らが会議室へと入室する。
- 201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:31:43.75 ID:JmZMxM0Yo
ズラズラッ…カツカツカツ
エリート「……!?」
左文官「王女は国政について、これから勉強せねばならぬ」
左秘書官「その為には、われらがしっかり補佐する所存」
右秘書官「……くっ」
ズラッ…スッ
高官「……」
左秘書官「さて、まずは戴冠式の手筈だが……」
右文官「勝手に話を進めるでない!」
左文官「ならば退出したら如何かね?」
右文官「……っ」
左秘書官「王女付の世話役は、代々それを生業とされている……双子父殿」
双子父「うむ。よもや我が代ではないものと思っていたが……」
右秘書官「右文官殿には、作法や所作のご指導を」
右文官「うむ」
- 202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:32:14.46 ID:JmZMxM0Yo
左秘書官「そして左大臣様と左翼官様、更に私で国政の指導を……」
エリート「その間の施策はどうするのです?」
左文官「それは決まっておろう。我ら金融機関が代行する」
右文官「それでは国政を牛耳ると言うのか!?」
左文官「人聞きの悪い事を申すでないわ」
エリート「貴方達は、本当に分かっておられるのですか?」
左秘書官「……」
エリート「左大臣様の意向を、本当に把握しておられるのですか?」
左秘書官「我らは国家運営の為の礎を築くに過ぎん」
エリート「それで何千、何万の人々を危険に晒す事になるのです」
左秘書官「ならば、五カ年計画で一人も死者を出さないとでも言うのか?」
エリート「その先にあるものを話しているのです」
左秘書官「人間の命を平等に考えているとは思えぬ発言だな」
エリート「魔王を倒さねば、この世界が何百年と続くのです」
左秘書官「しかし現に、人々はそうやって暮らしているのだ」
- 203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:35:22.45 ID:JmZMxM0Yo
エリート「いずれは脅威を取り払わねばなりません」
左秘書官「……」
エリート「魔王軍は、必ずや人間を滅ぼします」
左秘書官「だが、人間は生きている」
エリート「時代が変わったのです」
左秘書官「……?」
エリート「魔王軍に、人間が多数介入しております」
左秘書官「確証がない。それは最早、推測の域でしかない」
エリ−ト「内通者が多数おるのです。明らかに魔王軍の動きは変わっております」
左秘書官「左大臣様が、そうとでも言うつもりか?」
エリート「……身近に居ながら、何故……気付けんのです」
左秘書官「外に居る者が、何故分かるか」
エリート「…………」
左秘書官「…………」
左文官「とにかくだ、まずは失踪した殿下と王女の身柄を確保せねばならん」
- 204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:36:28.60 ID:JmZMxM0Yo
エリート「国軍が動いております。近いうちに必ずや」
左文官「早急に頼むぞ。後継者不在など、それこそ国家の大事であるからな」
エリート「……」
左秘書官「各々には改めて、分担の資料をお配り致します」
右秘書官「我らはどうすれば宜しいのです?」
左文官「右翼の連中は、国軍の整理でもしておるがいい」
右文官「何……っ?」
左文官「貴様らが言う内通者が出たのであろう?全く、困ったものよ」
左秘書官「それではお疲れ様でした。また明日、改めて」
ガタガタッ…カツカツカツカツ
左文官「せいぜい大人しくしておる事だ」
左秘書官「では、失礼致します」
カツカツカツ…
右文官「……くそっ!」
エリート「……」
- 205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:37:15.70 ID:JmZMxM0Yo
カツカツカツ
高官「困った事になりましたな」
エリート「高官殿」
高官「彼らもかつての私と同様です。耄碌しているのですよ」
エリート「左大臣と密な二人は正直、説得の余地はないでしょうね」
右秘書官「しかし、今日集まった幹部の中には、疑問を抱いている者もおるようだ」
エリート「はい。どう見ても焦りすぎです。そこに矛盾を感じているのでしょう」
右秘書官「遠回りだが、個別に説くしかないか……」
エリート「加えて、何とか殿下を即位させる手立てを考えねばなりません」
右文官「八方塞がりか……。困難を極めるな」
エリート「やるしかありませんよ。やらねば……人間は滅びます」
右秘書官「…だな。こうなれば一人でも多く、こちらに味方を引き入れるしかあるまい」
右文官「各司令部にも連絡して貰い、協力を仰ごう」
右秘書官「ええ。各国にもです」
エリート「……まずは……あの人か」
- 206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:38:22.90 ID:JmZMxM0Yo
〜国軍本部、資料室〜
大軍師「はっくしょん!」
参謀「珍しいですね、隊長でも崩しましたか?」
大軍師「いや、この埃はちょっと敵わんな」
参謀「確かに。それに、誰かが噂しておるのやもしれませんね」
大軍師「噂?……私のか?」
参謀「そろそろ要請がかかるのではありませんか?」
大軍師「……ふっふ。そうかもしれないな」
参謀「しかし……このような、重箱の隅を突く真似をする事になろうとは……」
大軍師「何れはせねばならなかった事。前倒しだと思えば楽なものさ」
参謀「はぁ」
大軍師「さて、これで最後……と」
参謀「これで本当に……」
大軍師「内通者は一人で十分です。不要な方には……退いて頂きましょう」
参謀「……っ」
- 207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:39:32.28 ID:JmZMxM0Yo
〜本国、郊外〜
テクテクテクテク
盗賊「…本当に本国を離れても…いいのか?」
召喚士「ええ。留まっていても何も始まりませんから」
戦士「…まぁな。ブラブラしてた方が、情報入るかもしれないしな」
召喚士「うん…」
盗賊「…しかし、どこへ行くのだ?」
戦士「まずは手短なところからがいいんじゃないか?」
召喚士「俺もそう思う」
盗賊「……と、いう事は」
召喚士「バーテンさんの所ですね」
戦士「だな。そこで今後の計画を立てようじゃねぇか」
盗賊「…ああ」
召喚士はにこりと笑顔を見せ、戦士と盗賊も笑みを返す。
しかしそれは、どこか寂しげな、そんな笑顔であった。
- 208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:44:43.72 ID:JmZMxM0Yo
ザッザッザ…
青年兵「……」
隊長「……」
〜国軍本部、作戦室〜
スッ
隊長「天才からだ。お前の手柄にするといい」
青年兵「司令は……」
隊長「死んだ。その仮面が証拠だ」
青年兵「……」
隊長「どうした?暗い顔だな……?」
青年兵「殿下と魔道士王女が失踪致しました」
男隊員「何ぃーっ!?」
隊長「本当……なのか……っ?」
青年兵「間違いありません」
隊長「どうなってんだよ……っ」
- 209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/29(火) 18:48:37.23 ID:JmZMxM0Yo
青年兵「現在、騎士団長様指揮の元、捜索にあたっております」
隊長「合流しろってか?」
青年兵「お願いします」
女隊員「国外へ出た可能性は……ないッスか……?」
青年兵「有り得ます。有り得ますが、今は国内優先でお願いします」
隊長「……分かった」
青年兵「それともう一つ」
隊長「……?」
カツカツカツカツ
大軍師「ある人物を、徹底的に追って貰えませんかね?」
隊長「……大軍師か。それで、ある人物とは……?」
大軍師「決まっているでしょう?」
隊長「……?」
大軍師「……左大臣殿です」
隊長「――っ!!」
- 212 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 19:19:10.51 ID:3IhEdkmqo
>>1乙
双子父とか登場しただけでネタバレしててワロタ
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