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少女「男はどうして私と話すの?」男「それが俺のバイトだ」
132 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 07:16:24 ID:0Ua20qO.
10分後
男「………少女、寝たか?」

少女「ぽわ〜……ぐちょ〜……」

男「どんな寝息だよ………。さて、寝たのなら、俺は離れた方が……」

少女「んぅ………んん〜……」ガシッ

男「無理っぽいな………。さて、どうしたもんかなぁ………」

執事「なかなかに、幸せそうな光景ですね。」

男「………レディの寝る部屋に侵入するのはいかがなもんかと思いますよ。」

執事「いえいえ、本来ならワタクシもこのような真似はいたしません。本日はどこの馬の骨とも知れない男が、お嬢様と寝ているため、お嬢様の身に万一のことがあってないか、確認しにきただけです。」

男「………執事としては正しいのかなぁ?」


133 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 07:25:24 ID:0Ua20qO.
男「まぁ、いいや。このままじゃ寝付けないから、何とかしてください。」

執事「無理です。」

男「は?」

執事「貴方がお嬢様の裸を見ても、手を出せないチキンということがわかりましたので、別にお嬢様と寝ることは問題ないと判断いたしました。」

男「………だから?」

執事「ですので、お嬢様が目を覚ました際に貴方が消えていた場合、少々面倒なことになることを考えると、このまま放置するのが一番いいのです。」

男「………嘘だろ、オイ。」


134 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 07:29:06 ID:0Ua20qO.
今気づいたIDまた変わってる……


135 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 07:50:45 ID:0Ua20qO.
執事「ご安心を。貴方の学生服や鞄はすでにこちらに用意してありますので。明日は、こちらから、学校に向かってください。」

男「ちょっと待て。その二つは俺の家にあったものでしょ?」

執事「えぇ、貴方の家から拝借してきました。」

男「鍵がかかっていたはずですけど………?」

執事「あの程度の鍵、三秒で開けられますよ?」

男「犯罪だっ!」


136 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 08:11:58 ID:0Ua20qO.
執事「お嬢様の無茶ぶりに答えるのが、執事の仕事ですから。」

男「不幸体質の高校生執事と、話が合いそうですね。」

執事「執事というものは、おおよそ不幸体質ですよ。」

男「そんなもんですか。」

執事「えぇ、ですが、例え不幸だとしても、お嬢様の笑顔を見ることができるのであれば、ワタクシは幸せです。」

男「アンタ、まさか………」

執事「いえ、ワタクシはあくまで執事です。お嬢様にたいして、恋愛感情を抱くことなどありません。」

男「…………」

執事「ワタクシはお嬢様を手に入れたいのではなく、お嬢様を守って差し上げたいだけですので。」

男「…………」

執事「ですから、貴方に言わせてもらいます。お嬢様を守るためにも。一言だけ。」

男「……………」

執事「―――貴方はいつまで、お嬢様の気持ちに気づかないのですか、と。」


137 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 08:26:06 ID:0Ua20qO.
男「………それは。」

執事「お嬢様は、少々変わったお方です。世間の一般常識からは、少しずれているところがございます。」

男「…………」

執事「話は変わりますけど、本日、貴方はお嬢様の髪を洗って差し上げたそうですね。」

男「…………」

男(どこで見てたんだよ………、とツッコムのは負けか?)

執事「あれは、お嬢様だから、別におかしい行動ではない、と思いましたか?」

男「………まぁ、アンタとでも風呂にはいってるみたいだし、別におかしくはないですよね?」

執事「いえ、お嬢様はワタクシを含め、誰にも髪を洗わせようなどとはしません。」


138 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 08:44:27 ID:0Ua20qO.
執事「そもそも、髪自体を触らせることがほぼありません。例外としては、魔女様くらいでしょうね。」

男「アイツか………」

執事「………もっとも、魔女様の場合は、拒絶なさっているお嬢様を強引になで回してる、みたいなものですが。」

男「なつかない猫みたいに、抵抗してましたね、確か。………じゃあ、アイツの髪が長いのも?」

執事「えぇ、誰かに触られるのを拒否している結果です。」

男「…………」

執事「そこのところを踏まえると、本日、お嬢様が貴方に髪を洗わせた、というのが、どういうことか、ご理解いただけましたか?」

男「…………多少、強引な話の気がするけど、なんとなくは。」

執事「結構です。これはお嬢様が貴方に好意を向けている、ということを理解していただくための例え話でしたので。」

男「…………」

執事「そろそろ、おやすみになられた方がよさそうですね。」

男「…………1つだけいいですか?」

執事「なんなりと。」

男「コイツは、俺に何を隠してるんですか?」

執事「淡い恋心と、もうひとつは………お嬢様に聞いてください。それでは、おやすみなさいませ。」


139 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 08:45:06 ID:KzqA9Lq2
C
IDは日付が変わったら変わる。


140 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 08:48:22 ID:0Ua20qO.
>>139
そ、それぐらい知ってるわよっ!
ば、バカにしないでよねっ!
べ、別にネット初心者とか言う訳じゃないんだからっ!

休憩するわ。


141 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/03/17(土) 16:57:53 ID:QYtCFk0I
何か知らんけど深夜はころころID変わるみたい


144 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 19:54:45 ID:0Ua20qO.
朝。
少女「……………」ムクッ

少女「……………」キョロキョロ

少女「…………あ」グニッ

男「すぅ〜……すぅ〜……」

少女「………ふふっ」

少女「…………男、朝だよ。」ユサユサ

男「すぅ〜……すぅ〜……」

少女「………起きて」ユサユサ

男「す〜……す〜……」

少女「………困った。」


145 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 20:03:10 ID:0Ua20qO.
少女「………そうだ。」

少女「……………」キョロキョロ

少女「………男が起きないのが悪い。これは、起こすために必要なこと。」スッ

男「すぅすぅ………」


少女「ぅ………」ジィーッ

少女「………やっぱり無理。」パッ

少女「………でも、男起きないし。………し、仕方ない、ゆ、勇気をだして……。」

執事「何をなさってるんですか、お嬢様?」

少女「ぇ………?」


146 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 20:20:38 ID:0Ua20qO.
少女「い、いつから?」

執事「つい、先程でございます。」

少女「………なにか見た?」

執事「いえ、何も見ておりませんよ。本日、男様は学校でございますので、朝食や通学などの時間を考慮いたしますと、そろそろ起こされた方がよろしいかと思いまして、起こしにきただけですから。」

少女「そ、そうなの………ご苦労様」

執事「して、お嬢様は何をなさろうとしていたんですか?」

少女「なにって………」

執事「まぁ、ワタクシから言わせてもらいますと、キスで目をさますのは、王子ではなく姫だと思いますよ?」

少女「〜〜〜〜〜ッ!?」


147 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 20:24:43 ID:0Ua20qO.
少女「………か、顔洗ってくるっ!」

執事「左様でございますか。では、ワタクシが男様を起こしておいてあげましょう。」

少女「………おねがい。手をだしちゃ、ダメだからね。」

執事「だしませんよ………」

少女「……………」フィッ

トトト………


148 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 20:46:52 ID:0Ua20qO.
執事「……………さて。」

男「……………」

執事「……………起きていらっしゃいますよね?」

男「………あの状況下で寝付ける人がいたら、会ってみたいですよ。」

執事「全面的に同意です。………これでわかりましたか?」

男「………何のことですか?」

執事「いくら、一般からずれているとは言え、お嬢様があそこまでしていたんです。いい加減好意に気づいてもいいのでは?」

男「………そんなもん、アイツと初めて会ったときから気がついてますよ。」

執事「ほぅ………」

男「けど、アイツがこのままの関係を望んでいる以上、気付かないふりをし続けますよ。」

執事「ハイ?」


149 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 21:02:07 ID:0Ua20qO.
男「昨日のことですよ。アイツ、夢にうなされてたとき、俺の名前を呼んでたんです。」

執事「それは、助けてという意味合いとしてですか?」

男「違うと思います。………たぶん、そんなものじゃない。」

執事「どうして、そう思うのですか?」

男「勘ですよ、勘。あのときのアイツからは、そんな感じがしたんです。」

執事「……………」

男「例えるなら、そうですね。何かしらの秘密が俺にバレて、それが決別の原因になった、とか?」

執事「………朝食の用意ができております。食堂にお越しください。」

男「ちょっと!真面目に言ってる俺が、痛い奴みたいじゃないですかっ!」

執事「こちらもいたって真面目です。昨晩も言いましたが、ワタクシはあくまで執事ですので。」

男「お嬢様の秘密を明かすわけにはいかないってことか。」

執事「えぇ、そういうことです。」

男「いい性格してるよ、ホント………」


150 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 21:04:03 ID:0Ua20qO.
だんだんだれてきてるな……。

30分くらい休憩。


151 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 21:21:45 ID:HJqVLSro
>>87
仕様を考えると基本的に落ちるってことは無いと思うよ、書いてる奴が飽きなけりゃ


152 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 21:33:48 ID:az.QK04o
食堂
男「規格外という言葉があるが、これはまたスゲーな。どこのホテルだよ、って感じだ。」

少女「………ここで食べるの、久しぶり。」

男「は?」

少女「………最近は喫茶店で食べてた。」

男「なるほどね………。」

少女「…………男は、学校いくの?」

男「学生の本分だからな。当たり前だろ。」

少女「退屈…………」

男「本でも読んでろ」

少女「飽きる………」

男「一日中本読んでるからだろ。」

少女「むぅ…………。」

男「むくれるなよ。学校終わったら、喫茶店行くから。」

少女「…………絶対来て。」


153 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 21:44:51 ID:0Ua20qO.
男「分かってるよ。と、もうこんな時間か。……ここから学校までどれくらいの距離があるか?」

少女「………わかんない。けど、遠い。」

執事「普通に行きますと、三十分といったとこでしょうか。」

男「マジかよ……ギリギリになるな。」

少女「………ギリギリだと、悪いの?」

男「一時間目が厳しい先生だから、できれば遅刻したくはないな。………というわけでもう行くとするか。すいません、執事さん。大通りに出る道だけ教えてください。」

執事「それでしたら………」


155 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 22:05:03 ID:0Ua20qO.
少女「………教えなくていい。執事が……送ればいい。」

執事「それもそうですね。荷物を車に運んでおきますので、お食事が終わり次第、車に来てください。」

少女「………そういうこと。だから、もう少しここにいて。」

男「………分かったよ。あと十分だけな。」

少女「うん………」ニパァ

男(なんっか、ペースが掴みにくいなぁ……)


156 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 22:14:35 ID:0Ua20qO.
学校・男の教室
男「………気持ち悪い。」ウェップ

友「どうしたんだ、男。今にも死にそうな顔してるぞ。」

男「悪い……今話しかけんな。朝食べたものが逆流する………」

友「辛そうだな。」サスサス

男「…………大分楽になってきた。」

友「そうか、ならもう話していいよな。」

男「あぁ………あんまり頭働いてないけどいいぞ。」

友「昨日のことなんだが……」

男「なんだ?マスタードなら、俺の奢りだぞ?」

友「ちげーよ、そのことじゃねぇ。というか、お前、マスタード塗りたくってやがったのか。」

男「俺なりのサービスだ。」

友「その件は後回しにしておいてやるから、俺の話を聞け。昨日の女の子のことだよ。」


157 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 22:38:23 ID:0Ua20qO.
男「………アイツのこと?」

友「そ、色白で長髪のお嬢様チックな女の子のことだよ。……随分親しそうだな。」

ナンカ,イマオトコガ,オンナノコトシタシイトキコエタゾ?
ウラギリモノカ?
ショバツノヨウイヲシテオクベキカ?
マテ,エンザイヲサケルタメニモココハ,ハナシヲキイテオコウ
ソウダナ,クラスメイトヲシンジヨウ

男「………場所変えない?周囲の圧力が辛い。」

友「だな………」


158 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 22:52:33 ID:0Ua20qO.
屋上
友「やっぱりここになるのか………」

男「ほとんど人が来ない場所ってここくらいだろ。」

友「ここ、結構人来るぞ?」

男「は?なんで?」

友「告白スポットだからな。俺も何回か呼び出されたことがある。」

男「……………」

友「……………」

男「………あー、もしもし、団長?裏切り者を発見した。詳細はあとで知らせるから、処刑用意頼む。」

友「お前、あの空気を辛いって言う資格ねーぞ。」

男「さて、これでお前の命は俺の手のひらの上だ。下らない話だったら、死ぬと思えよ?」

友「………また今日は機嫌悪いな。」

男「寝不足な上に、絶叫マシン擬きに乗って登校したからな………」

友「すっげぇ気になるな、それ。」


159 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 22:58:31 ID:i8lo6zms
男のクラスメイトはSSS団かよw


160 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/03/17(土) 23:04:54 ID:0Ua20qO.
男「こっちの話だ。………それで、アイツの話ってなんだよ。昨日のメールにも書いてあったけどさ。」

友「あ、メールは読んでたんだな。」

男「アイツのことで、なにか聞きたいことでも?」

友「あー……その娘のことと言えばそうなんだけど……。」

男「なんだよ、歯切れ悪いな。死にたいのか?」

友「………お前、俺にたいして辛辣すぎない?」

男「気のせいだ。さっさと話せ。」

友「あー、うん。分かった、話す。お前さ―――」



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