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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
507 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:43:50.09 ID:f9vio7P4o
〜次の日〜

パッカパッカパッカ……

占い師「もう魔王城の反対側なのね」

魔道士「やっぱりこっちからだと、全然早かったですねー」

召喚士「道も平坦ですし、見通しもいいですからね」

占い師「そうね。それを見越して魔王城を築いたのかしら?」

召喚士「どうなんでしょう。それもありそうですけど、元から配置も決まってたみたいですしね」

占い師「そうなの?」

召喚士「ええ。上空から見ると、サタンを中心にこう……」

 キュポン……キュキュキュッ

召喚士「魔王はこんな感じで、魔法陣を描くように配置されているんです」

占い師「そういえばそんな事、言ってたわねぇ」

召喚士「これにより龍脈の流れが世界中に巡り、そして中心のサタンには……」

占い師「そのエネルギーが全て巡回するようになっていた」

召喚士「はい」


508 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:44:21.83 ID:f9vio7P4o
魔道士「でも、龍脈や回りの魔王を倒したって事は、サタンは……」

召喚士「以後のエネルギーは巡回しないでしょうね」

占い師「じゃあ簡単に倒せるんじゃないの?」

召喚士「……どうですかね」

占い師「やっぱりそう簡単にはいかない?」

召喚士「いくら周囲のエネルギーを断ったとしても、サタン自身の力もありますし」

魔道士「それに、これまで蓄積された力もあるって事ですよね……?」

召喚士「そうなんです。それがどの程度のものか、ですね」

占い師「そっかぁ」

召喚士「……不思議なんですよね」

魔道士「え……っ?」

召喚士「もうすぐ世界が終わるかもしれない。それなのに、妙に落ち着いてるんです」

占い師「でも大変なのはこれからだと思うわよ」

魔道士「そうなんですか?」

占い師「今は緘口令が布かれてるからいいけど」


509 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:44:49.37 ID:f9vio7P4o
召喚士「まさか情報が漏れると!?」

占い師「時間の問題よ。漏れない情報なんてあって?」

召喚士「……っ」

魔道士「そのj情報が漏れると、どうなっちゃうんですか?」

占い師「世界中に広まるわよ」

召喚士「もしあと2週間でスーパーノヴァが起きるなんて、世界中に漏れてしまっては……」

魔道士「……っ!!」

占い師「大パニックでしょうね。まぁ、逃げる場所なんてないけれど」

召喚士「でも、本国中が大変な事になりますよ……っ」

占い師「でしょうね。強盗、略奪、何でもありになっちゃうかもね」

魔道士「まずいじゃないですかっ!!」

占い師「だから国軍の連中はみんな、準備にかかってるんじゃない」

魔道士「へ……?」

占い師「気づかなかった? 南や西の連中は真っ先に帰っていったわよ?」

召喚士「そうだったんだ……」


510 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:46:19.85 ID:f9vio7P4o
 大戦より約3日後のこの日、皇太子らと国軍一同は、

 再び本国の地を踏みしめていた。

〜本国〜

男「陛下ああぁぁ!! 万歳ーっ!!」

女「北方を制圧するなんて……まるで夢のよう……っ」

 歓喜の声を挙げる者。喜びのあまり号泣する者など多岐に渡る。

 しかし一貫して共通する事は、魔王ベルゼブブの討伐に胸を躍らせている事だ。

 そしてそれは、帰還した一同もまた同様であった。

青年兵「……」パッカパッカ

エリート「誇るが良い。この大勢の笑顔は、君や天才がもたらしたものだ」

青年兵「いえ。誰の功でもありません。人類皆の功です」

大軍師「問題はこの後ですね」

青年兵「ええ」

皇太子「乱れなく、円滑に進んでくれれば良いのだがな」

大軍師「陛下のご助力も必要になるかと」


511 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:47:08.65 ID:f9vio7P4o
皇太子「それは分かっている。出来る限りを費やそう」

青年兵「ありがとうございます」

記者「さぁさぁ号外号外っ!! 号外だよぉ!!」

大軍師「今はこの喜びを分かち合い、死者を弔うと致しましょう」

青年兵「……ええ」

〜王宮前〜

衛兵「だからっ、陛下の演説は夜だと言っておるだろうが!」

男「一目だけでも拝ませてくれよっ!」

 ワイワイガヤガヤ

皇太子「民も待ちきれないと言ったところだな」

エリート「仕方ありませんよ。人類史上、初めての事ですから」

皇太子「……あまり実感は湧かないがな」

エリート「陛下はそのぐらいで良いのです」

皇太子「深く首を突っ込むな、という事だな」

エリート「やるべき役割がある、という事です」


512 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:48:01.57 ID:f9vio7P4o
皇太子「お前の小言も久々だな。ははっ」

エリート「笑っておられますが、戦場へ出るのはもう最後ですからね」

皇太子「そう約束した。今後は自身に出来る事をする」

エリート「助かります。色々と」

 コンコン……カチャッ

右大臣「失礼する」

エリート「父上」

右大臣「魔王討伐、誠にご苦労様でした」

皇太子「なあに、私は従軍しただけに過ぎん」

エリート「……よくもまぁ」

皇太子「おい、心の声が漏れているぞ」

エリート「漏れているのではなく、はっきりと申し上げたのです」

皇太子「……」

右大臣「それで、今後はいかになさるおつもりじゃ?」

エリート「王宮は次戦への参加を自重致します」


513 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:49:13.06 ID:f9vio7P4o
右大臣「ほぉ」

エリート「残る魔王サタンに関しては、多勢で攻めても効果は薄いと見受けますので」

右大臣「すると、お主らもようやく政務に就くというわけじゃな?」

エリート「はい。専念致します。陛下も同意しています」

皇太子「これ以上は余計な迷惑になるやもしれぬからな」

右大臣「おぉ……これは良き知らせ……っ」

皇太子「何も涙を浮かべる事はなかろう」

右大臣「誰のせいでこれまで……ごほごほっ!」

エリート「年なんですから、あまり大声をあげられるな」サスサス

右大臣「……ごほん。すると残るは、ご婚礼ですな」

皇太子「……」

エリート「ええ。陛下には1日も早く皇后を迎え入れ、国民に安寧の――」

右大臣「お前もじゃエリート」

エリート「……」

右大臣「2人揃って年も年。人の事を年寄り呼ばわりしている場合ではないぞ?」


514 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:50:26.94 ID:f9vio7P4o
〜国軍本部、司令室〜

青年兵「はぁ〜」ドサッ

大軍師「どうです? 久々の司令室は」

青年兵「あまり実感はありませんよ。ましてや大元帥になってから座ったかどうかすら……」

大軍師「それもそうですね」

青年兵「さて、次なる準備にかかりましょうか」

大軍師「大元帥は先の戦いの疲労を癒すのが先決かと」

青年兵「それは大軍師さんも同じですよ」

大軍師「いえいえ。私は戦いの直後、仮眠を取らせていただきましたから」

青年兵「か、仮眠って……そんな何時間のレベルじゃないですかっ!」ガタッ

大軍師「はい。私とした事が6時間も眠ってしまいました」

青年兵「……」

大軍師「お陰様で今はすっきりしておりますよ。ですからご心配なく」

青年兵「……」

大軍師「……ん?どうかなさいましたか?」


515 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:51:13.46 ID:f9vio7P4o
〜魔王城、正面〜

鍛冶娘「出たっ!?」

北方兵「うーん……らしきものとしか言えねぇな〜」

鍛冶娘「すぐ行くわよっ!」ダッ

工兵「おいコラ! ったく……」スタスタ

男隊員「あんだけの戦いの後だってのに、元気だ事……ヒャハハ」

局長「あいつにとっちゃこっちが戦いみてーなもんだ」

男隊員「なーるほど」

 ザッザッザッ

男隊員「あん?」

ジュニア「入っても平気かい?」

男隊員「よぉトップランカー」

ジュニア「やめろ。好きでなったわけじゃねーよ」

男隊員「それもそっか。んで、お2人さんは何用だい?」

ジュニア「コイツは勝手に付いてきただけだ。俺は知らん」


516 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:51:53.97 ID:f9vio7P4o
賢者「……ふぅ」

男隊員「ま、いーや。あんまりいじくり回すなよー」

ジュニア「へいへい。お邪魔しますよっと」ザッ

賢者「……」ザッザッ

ジュニア「んで、お前は何しにきたんだよ?」

賢者「……君が無茶しないか、見張りだよ。ふぅ」

ジュニア「誰が無茶するかよ! ったく……」

 ザッザッザッ

ジュニア「お前、賢者っつったっけか?」

賢者「……ふぅ」

ジュニア「確か学園長の孫だったよな?」

賢者「……ふぅ」

ジュニア「国軍にもワーカーにもならねぇで、目的な何なんだ?」

賢者「……ふぅ」

ジュニア(会話にならねぇ〜っ!)


517 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:52:49.37 ID:f9vio7P4o


ジュニア「……ダーメだ。何にもねーや」

賢者「……」

ジュニア「サタン討伐の為のヒントでも見つかるかと思ったんだけどなぁ。ハッハ」

賢者「……」ゴトッ

ジュニア「……何だそれ?」

賢者「……ハープだね……ふぅ」

ジュニア「ハープ? ああ、詩人ってヤツのか」

賢者「……」スッ

 〜♪

ジュニア「おっ!? ひけるのかよ?」

賢者「……」

 〜♪

ジュニア「俺は音楽に関しちゃサッパリだけどよ、なかなかいいと思うぜ」

賢者「……彼さ……ふぅ」〜♪


518 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:53:34.51 ID:f9vio7P4o
ジュニア「あ?」

賢者「僕じゃない。彼が奏でているのさ……ふぅ」

ジュニア「……ふぅん」

賢者「……彼の悲しい想いが……伝わってくるようだ……ふぅ」

ジュニア「……」

 〜♪

ジュニア「よっ、ブラボー!」パチパチパチ

賢者「……君、家族は? ふぅ」

ジュニア「は? まぁいるけどそれがどうしたよ?」

賢者「今のうちだよ……会えるのは……ふぅ」

ジュニア「……お前は?」

賢者「……そうだね……ふぅ」

ジュニア「今のうち、か。どうだかねぇ」

賢者「……」スッ

ジュニア「ハッハ、まぁいいや。さてと帰るか。それ、持って帰るんだろ? 行こうぜ」ザッ


519 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:54:21.82 ID:f9vio7P4o
〜バーテンの店〜

バーテン「……」

戦士父「……」

バーテン「んで、何でテメーらがさも当たり前のように居るんだよ」

マジシャン「ハッハ! 何をすっとぼけていらっしゃるのやら」

師匠「教会最寄りの拠点だろ? その為に、ここに店開いたんだろ?」

バーテン「違げぇよ。だいたいここはテナントなんだからよ」

マジシャン「えっ? 持ち店舗じゃなかったの?」

師匠「情けんぇな〜。バリスタの大佐が賃料払って経営かよ……」

バーテン「お前ら出てけば?」スパー

マジシャン「冗談だっつの。ハッハ!」

バーテン「そうそう。お前らにいつかこれ渡そうと思ってたんだ」バサッ

マジシャン「あん? 何じゃこりゃ?」

バーテン「ツケの代金だ。さっさと返せ」

師匠「――っ!?」


520 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:55:06.33 ID:f9vio7P4o
マジシャン「バっ、おま……チャラになったんじゃねぇのかよ!?」

バーテン「チャラ? いつ誰がそんな事を言った?」

マジシャン「召喚士達が払ったんじゃねぇのかよ!?」

バーテン「あんなんで足りるか」

師匠「何で俺の弟子がてめぇの分まで払ってんだよ!」

マジシャン「テメーが死んでからこちとら、てめーのツケも払ってやってたんだぞ!」

師匠「そりゃてめぇの勝手だろ!」

マジシャン「じゃあ召喚士だってそうだろ! テメーに払うより俺に払った方がマシだって事だ!」

師匠「あぁ!?」

マジシャン「おぉ!?」

戦士父「……騒がしくて休養もままならん」

バーテン「ったく。まぁ今はいいさ」

戦士父「……そうだな」

師匠「表出ろやコラ! 瞬殺してやる!」

マジシャン「こっちの台詞だボケ。灰になってあの世に戻るんだな! ハッハ!」


521 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:56:02.84 ID:f9vio7P4o
〜北の森〜

 パッカパッカパッカ……

占い師「うーん、もうちょっとかしら」

召喚士「景色がほぼ一緒なので、全然分かりませんね」

魔道士「でも、前来た時のような不快感はなくなりましたね」

召喚士「やはりバフォメットを倒したからでしょうか……」

占い師「……」

 パッカパッカパッカ……

北関兵「あ、あのっ」

占い師「着いた?」

北関兵「前方に建物が! あれ……でしょうか?」

魔道士「あっ、見覚えありますねっ! 確かここですよ!」

召喚士「ようやく到着ですね」

占い師「ご苦労様。馬車はここで待ってて。すぐに戻るわ」

北関兵「は、はい……っ!」


522 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:56:41.88 ID:f9vio7P4o


占い師「確か、この1番奥の家だったわよね」

召喚士「ええ」

 テクテクテク……ピタッ

占い師「あの――」コンコ……

ババ様「入りな」ガチャッ

魔道士「!?」

ババ様「何をビックリしてんだい。予言でお見通しだよ」

召喚士「あ、そっか……。お邪魔します」スタスタ

ババ様「早く座りな。紅茶が冷めちまうよ」カタッ

魔道士「い、いただきます……っ」

ババ様「ベルゼブブを倒したみたいだね。正直、感動したよ」

占い師「やっぱり予言では見えませんでしたか?」

ババ様「ああ。どうにも魔王は力が強すぎるからね」

魔道士「それじゃやっぱり、サタンとの戦いもどうなるか分からないですよねぇ……」


523 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:57:12.05 ID:f9vio7P4o
占い師「うん。でもどの分、他の観点から捉えれば、多少は見えるけどね」

魔道士「えっ?」

ババ様「要は間接的に予言を占うんじゃよ」

召喚士「そうかっ、それならサタンと直接の関係はないですよね!」

魔道士「な、なるほど……っ。それで、何か分かりましたか?」

占い師「……実は、怖くてまだ見てないの」

召喚士「……っ」

ババ様「あんたが見なきゃあ、どうしようもないよ」

占い師「そう……なんですけどね」

ババ様「何なら代わりに見てやろうかい?」

占い師「……いえ。私が見ます」スッ

召喚士「……?」

占い師「前に話したっけ? 手で直に触れると、その人の未来が見えちゃうのよ」

召喚士「えっ? あ、あの……」

占い師「じゃあちょっと失礼」


524 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:57:58.30 ID:f9vio7P4o
 スッ

召喚士「――!?」

占い師「え……っ?」

 バチイイイイィィィィ!!

魔道士「!?」

占い師「痛……った」

召喚士「だ、大丈夫ですか!?」

占い師「う、うん……っ。何かしら今の。魔力?」

ババ様「……」

召喚士「そ、それで……何か見えましたか?」

占い師「な、なんだかよく分からなかったけど……」

召喚士「……?」

占い師「召喚士くんが、地上とは思えない所で大勢の魔物と戦ってるのが見えたわ」

召喚士「えっ!?」

占い師「おかしいわね……。サタンって1人なのよね?」


525 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:58:40.94 ID:f9vio7P4o
召喚士「え、ええ。そう聞いてますけど……」

ババ様「どれ、こっちへおいで。見てやろうぞ」

召喚士「は、あはい」

ババ様「……」

召喚士「……」

ババ様「……むっ」

 バチイイイイィィィィ!!

魔道士「さっきと同じっ!」

召喚士「ど、どういう事……」

ババ様「こやつは何か、特別な力があるようじゃの」

召喚士「……っ」

ババ様「ま、多少は見えた事もある」

召喚士「ど、どうでした!?」

ババ様「あんた、地獄に落ちるわよ」

召喚士「――――!!」


526 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 17:59:21.58 ID:f9vio7P4o
〜北関〜

左翼長「おいーす」

戦士「……うっす」

左翼長「どうだ調子は?」

戦士「全っ然、動かねぇ」

左翼長「ははっ。このまま起きなかったりしてな」

戦士「不謹慎な事、言ってんじゃねぇ!」

左翼長「悪い悪い」

戦士「……ったく」

左翼長「ま、ゆっくり休んどけ」

戦士「そうしたいのは山々なんだが、そうもいかねぇ」

左翼長「だが、休む以外ねーだろ。どうせ動けないんだし」

戦士「……そうなんだよなぁ」

左翼長「何か食うか? 一応、色々と持ってきたつもりだが」

戦士「おっ、助かりまっす!」


527 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 18:00:00.06 ID:f9vio7P4o


戦士「ところで、親父は?」モグモグ

左翼長「そういやあれっきり見かけてねーな」

戦士「……?」

左翼長「いやな、戦いには居たんだが……早々に切り上げて行っちまってな」

戦士「そうだったのか……」

左翼長「バーテンと一緒だし、多分あいつの店だろ」

戦士「そっか」モグモグ

左翼長「サタンとの戦い、絶対に生きて帰れよ」

戦士「へっ? 当たり前だろ。死ぬつもりなんざ毛頭ねーよ」パクパク

左翼長「……そうだよな」

戦士「何だよ、気持ち悪いな……」

左翼長「もういいか?」

戦士「あ、おう。ごちそーさん! 助かったよ」

左翼長「明日にはせめて、腕だけでも動くといいな」スクッ


528 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 18:00:27.23 ID:f9vio7P4o
戦士「だな。食事まで人の手を借りてってのは、なんか申し訳ないし……」

左翼長「俺は今晩、北方司令部に戻る」

戦士「そっか。お疲れ様」

左翼長「……」

戦士「んじゃ引き続き、お互い頑張りましょう」

左翼長「なぁ」

戦士「ん?」

左翼長「サタンとの戦いが終わったら、俺の所へ来い」

戦士「……は?」

左翼長「どうしてもお前に話したい事がある」

戦士「母親の事か?」

左翼長「っ!?」

戦士「……そんな気ねぇよ」

左翼長「今はな。考えておいてくれ」バサッ

戦士「……ちっ」


529 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 18:01:11.20 ID:f9vio7P4o
〜ババ様の家〜

召喚士「じ、地獄に落ちる……って」

占い師「まさかっ、召喚士くんが死ぬ――」

魔道士「そんなの嘘ですよっ!!」

ババ様「予言は予言さ。嘘偽りもなく、真実だけを伝え取とる」

召喚士「……っ」

ババ様「さっき言ったろ? 要は解釈1つさ。地獄に落ちても、死んだとは出ておらん」

召喚士「……えっ?」

ババ様「あんたは間違いなく生きるさ。まだまだずっとね」

魔道士「予言ですかっ!?」

ババ様「いいや、勘だよ。長く生きた者としてのね」

召喚士「あの、1つお伺いしたい事があったんですが」

ババ様「……何だい?」

召喚士「あなたの正体についてです」

占い師「えっ!?」


530 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 18:03:52.27 ID:f9vio7P4o
召喚士「あなたは随分と昔の事までご存じだ」

ババ様「……」

召喚士「それはもはや、人間の寿命ではないですよね?」

占い師「ちょっと、何を言って……」

ババ様「ほっほっほ。いやはや、やっぱりあんたはタダ者じゃあないね。特別な人間だよ」

召喚士「今まで不老である人は何人か見てきました。しかし……」

ババ様「……」

召喚士「不死であるんあんて人は見た事がない。それは有り得ない事なんです」

魔道士「で、でもっ……現にこうして……」

召喚士「人間でなければ、寿命は長い。そういう事ですよね」

占い師「まさか魔物だとでも言うの!? ババ様は予言の力だってあるのよ!?」

召喚士「人間に化けるのではなく人間になる。俺はそんな魔物を1人知ってます」

魔道士「!?」

召喚士「そうすれば予言の力だって引き継げる。そう、あなたは……ドッペルゲンガーだ」

ババ様「……」ニヤリ


531 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/06/08(金) 18:04:51.38 ID:f9vio7P4o
本日ここまでにて失礼致します!
週末はいつも通りまったりモードで失礼するかと…
ご支援ありがとうございます!それではまた!ノシ


532 名前:NIPPERがお送りします(島根県) [sage] 投稿日:2012/06/08(金) 18:07:04.27 ID:pheJJkm5o
乙!

細木数子wwww


533 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/06/08(金) 18:10:37.86 ID:uan2XLIro
ババ様が完全に細木数子で再生される…
シリアスなシーンなのに、なんてこったい


537 名前:NIPPERがお送りします(関東) [sage] 投稿日:2012/06/08(金) 21:55:00.24 ID:3pvaj0vAO
もう細木数子にしか見えない



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