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召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」
30 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 02:29:55 ID:nEMIm5Ig
ーー

召喚士「………」

ネメア「おい……」

召喚士「喋りかけるな……」

ネメア「……ぐぬぬ」

召喚士「………」

ネメア「……ふむ」

召喚士「………」

ネメア「……折入って頼みたい事があるのだが聞いてくれぬか?」

召喚士「………」

ネメア「まぁ……そのままでいい」

召喚士「………」

ネメア「私は天使に操られ勇者候補を抹殺しそうになった。これは覚えているな?」

召喚士「………」


31 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 02:47:33 ID:nEMIm5Ig
ネメア「そしてこの世界に放たれたのだが……それを阻止してくれた者がいた」

召喚士「………」

ネメア「……地獄の君主セーレ。この者が我を忘れ暴走していた私を止めてくれた」

召喚士「……?」

ネメア「うむ、ここで疑問が沸くだろ?」

召喚士「……地獄の君主って言うくらいだから……悪魔だよな?」

ネメア「そうだ」

召喚士「………」

ネメア「この世界には……簡単に来れぬ程の上級の悪魔だ」

召喚士「そんなもんが何故……」

ネメア「……召喚されたからだ」

召喚士「………」

ネメア「………」


32 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 03:12:44 ID:nEMIm5Ig
召喚士「へ、へぇ……世の中には凄い奴もいるんだな……」

ネメア「……上級の悪魔を召喚しても尽きぬ魔力、暴走した私を逸早く察知し対処出来る力……本当に凄い奴だと思う」

召喚士「………」

ネメア「で……頼みと言うのはだな……」

召喚士「嫌だ……」

ネメア「ほう……話も聞かずに断るか」

召喚士「……そいつに会いに行く!とか言うんだろ?」

ネメア「……そうだ」

召喚士「なんで俺がお前何かの為に……」

ネメア「悪い話では無いと思うがな……」

召喚士「………」


33 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 03:39:17 ID:nEMIm5Ig
ネメア「恐らく召喚術の使い手だろうが……それ程の力を持った奴だ」

召喚士「………」

ネメア「お前が召喚しようとしていた獣の小娘を召喚するなど造作も無い事だと思わぬか?」

召喚士「………」

ネメア「ああ……もしかしたら喚び寄せるだけでなく!……獣の小娘と契約を結べる手助けもしてくれるかもしれんな!」

召喚士「………」

ネメア「だが……お前が嫌なら!……私も無理強いする事は出来んな」

召喚士「……ちょっと

ネメア「いや!本当に無理をしなくていいから!私が!諦めればいいだけの事だ!」

召喚士「……いや

ネメア「ああぁ!残念だ!本当残念だ!行きたくないなら仕方が無いな!」

召喚士「一緒に行かせて下さい……」

ネメア「うむ」


34 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 06:19:18 ID:nEMIm5Ig


召喚士「……大丈夫だよな?」

ネメア「大丈夫!大丈夫!」

召喚士「……ところでさ、何でそいつに会いたいの?」

ネメア「礼を言いたい」

召喚士「………」

ネメア「私を止め、天使への仕返しまで手伝ってくれたのだからな」

召喚士「ふぅん……」

ネメア「………」

召喚士「どんな奴なんだろうな」

ネメア「お前より立派なのは確かだ」

召喚士「………」

ネメア「自分の魔力の増減がわからぬような奴よりかはな」

召喚士「どういう事だ?」


35 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 07:57:21 ID:nEMIm5Ig
ネメア「……魔力減っているか?」

召喚士「ん……わかんない……」

ネメア「わからぬと……それは基本ではないか……なら教えてやるがお前の魔力は殆んど減っていない」

召喚士「……そう?」

ネメア「………」

召喚士「……ん?なら俺は死なないんじゃ……」

ネメア「………」

召喚士「……騙したのか」

ネメア「騙してなどいない。私を使役しているのだ、それなりには減っている」

召喚士「………」

ネメア「このままではいずれ魔力が枯渇して死ぬな」

召喚士「それ……どうにかならないの?」


36 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 08:04:52 ID:nEMIm5Ig
ネメア「残念ながら……ならぬ」

召喚士「俺の魔力は後どれぐらいもちそうなんだ……?」ゴクッ

ネメア「そうだな……早くて三百年程で枯渇するな……」

召喚士「………」

ネメア「すまぬな……」

召喚士「い、いや気にしなくていいよ……」

ネメア「………」

召喚士 (これは……笑わせようとしているのか?)

ネメア「………」

召喚士「………」


37 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 17:50:53 ID:nEMIm5Ig


召喚士「そいつはどこにいるかわかってるんだよな?」

ネメア「大体はな。地図はあるか?」

召喚士「……待ってて」ガサゴソ……

ネメア「………」

召喚士「確かこの辺に……」

ネメア「良くもまぁ……このような劣悪な環境で暮らせるものだな……」

召喚士「うるさい……」

ネメア「………」

召喚士「ん……昔買ったのが……」

ネメア「……まだか?」

召喚士「……あった!」

ネメア「………」


38 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 18:20:27 ID:nEMIm5Ig
召喚士「でぇ……ここが今いる場所だけど」

ネメア「ならばこの辺りだな」

召喚士「………」

ネメア「どうした?」

召喚士「……遠くないか?」

ネメア「そのような事は無いだろ」

召喚士「………」

ネメア「ほら、お前の掌分だけだろ?」

召喚士「あのさ……縮尺って言葉知ってる?」

ネメア「馬鹿にするな。そのぐらい知っている」

召喚士「……どうやって行くんだ?」

ネメア「馬なり歩きなり好きな方法で行けばいいだろ」

召喚士「………」


39 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 20:11:33 ID:nEMIm5Ig
ネメア「まぁ、私の脚なら二日で着くな」

召喚士「俺の脚だと二年はかかるよ……」

ネメア「ならばそれでもいい」

召喚士「良く無いだろ……まだ色々問題あるぞ?」

ネメア「ふむ、例えば?」

召喚士「路銀とかさ……」

ネメア「蓄えは無いのか?」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「……あったら聞いてない」

ネメア「なるほど……」

召喚士「どうするのさ……」

ネメア「な、何とかなる!さあ!準備をはじめろ!」

召喚士 (最悪……この手甲売れば……)


40 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 21:09:44 ID:nEMIm5Ig


召喚士「………」ブツブツ……

ネメア「……?」

召喚士「……常世の声を聞こえし幻想の者よ……その姿現さん! 」

シーン……

召喚士「やっぱり駄目か……」

ネメア「………」

召喚士「お前に魔力減って無いって言われたから出来るかなって思っただけ」

ネメア「なるほど……」

召喚士「はぁ……ここで出てくれれば行かないで済むのに……」

ネメア「残念だったな」

召喚士「……じゃあ行くか」

ネメア「うむ」


41 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 22:08:45 ID:nEMIm5Ig
ーーー

召喚士「さて……取り合えず街まで来てみたが……」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「……どうするか」

ネメア「何か人より優れている事は無いのか?」

召喚士「ん……」

ネメア「………」

召喚士「特には……」

ネメア「………」

召喚士「………」


42 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/19(火) 22:17:38 ID:nEMIm5Ig
ネメア「仕方が無い……少し手伝ってやろう……」

召喚士「どうするんだ?」

ネメア「………」

召喚士「……?」

ネメア「聴け皆の者ぉッ!私を倒せた者には金貨一枚を進呈しようッ!!!」

召喚士「おおおおいッ!」

ザワザワ……

ネメア「参加料は銅貨二枚だッ!腕に自信がある者はいないかぁッ!!!」

召喚士「むむ無理だよ!」

ネメア「いいから……」

ザワザワ……ザワザワ……

召喚士「おおおおい!何かいっぱい集まって来ちゃったぞ!」

ネメア「………」


43 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/20(水) 00:03:51 ID:tL1fMIH.


召喚士「あわわ……」

ネメア「………」

剣士「おい!」

ネメア「ハイ、なんでしょ?」

召喚士「ひ、人の声真似るなぁ!」

剣士「……?本当にお前ぶっ倒したら金貨貰えんのか?」

ネメア「ホントですよー」

召喚士「あぁぁ……」

剣士「……なら」ポイッ

ネメア「………」

剣士「武器の使用は?」

ネメア「イイデスよー」

剣士「……わかった」ザッ……

ネメア「おい……左腕を突き出せ……」コソコソ


44 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 00:13:04 ID:tL1fMIH.
召喚士「なな何言ってるんだ!あんなんに勝てるか!」コソコソ

ネメア「……いいから」コソコソ

召喚士「無理無理無理!あいつの腕俺の腿より太いんだぞ!」コソコソ

剣士「………」ザザッ……

ネメア「早くしないと本当に死ぬぞ?」コソコソ

召喚士「あわわわわわ……」

ネメア (うむ、これでいいな)

剣士 (左腕を突き出しただけ?……こいつこの身なりで拳法家か?)

ネメア「ハヤクこいボケー」

剣士「……ぐッ!」

ネメア「キンニクだるまーキンニクだるまー」


45 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 01:57:16 ID:tL1fMIH.
剣士「弱っちい見かけだから手加減してやろうと思ったが……骨一本覚悟しろよ……」

ネメア「おまえモナー」

剣士「………」ジリ……

ネメア「………」

召喚士「はわわわ……」

剣士「デエリャァァァアッ!」

召喚士 (し、死んだぁぁッ!)

ズキャャァッ!ズザザザ………

ネメア「……ふっ」

召喚士「………?」

ワアアアァァ……ッ!

召喚士「……え?」

ニイチャンスゲエナッ!フットンダゼッ!

召喚士「ッ?ッ?」キョロキョロ


46 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 02:17:27 ID:tL1fMIH.
剣士「グカァ……ゲホッゲホッ!……ハァハァ……」

召喚士「な、何これ?」

剣士 (なんだ今のは……左腕から白いモヤが出て来たと思ったら吹っ飛ばされていた……)

ネメア「………」

召喚士「おい!何が起きた!?」

ネメア「少しばかり私の脚で撫でてやっただけだ」

召喚士「………」

ネメア「さぁどんどん行くか」

召喚士「いやもういいって

ネメア「次はいないかぁッ!私を倒せた者には金貨三十枚だッ!!!」

召喚士「さささ三十ッ!!!」

ワアアアァァアアッ!


47 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 03:27:18 ID:tL1fMIH.
ーー

召喚士「………」

ネメア「四十人程吹っ飛ばしておいたが、それで足りそうだろうか?」

召喚士「う、うん……」

ネメア「そうか」

召喚士「………」

ネメア「……なんだ浮かない顔して」

召喚士「あれだけ死の瀬戸際に立たされればこうなるよ……」

ネメア「死んで無いだからいいだろうに」

召喚士「………」

ネメア「最近の人間は脆くていかんな」

召喚士「………」

ネメア「最初の人間以外触ってもいないのに吹き飛びおって……情けない……」


48 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 04:25:40 ID:tL1fMIH.
召喚士「………」

ネメア「昔は三日三晩人間と戦い続けたものなんだけどな」

召喚士 (柔らかいベットで横になりたい……)

ネメア「……凄かったんだぞ?もう首を締め上げられてな」

召喚士 (そっと夢の中へ行きたい……)

ネメア「おい!聞いているのか!」

召喚士「………」

ネメア「………」

剣士「……探したぜぇ」

召喚士「………」

ネメア「………」

剣士「……?」


49 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 04:54:59 ID:tL1fMIH.
ネメア (こいつ現実逃避しだしたな……)

剣士「……敗者にかける言葉は無いって訳か」

ネメア「スマン考え事シテター」

剣士「そうかい……」

ネメア「ナニかようかー」

剣士「……あの俺を吹っ飛ばした技は何なのか教えてくれ!」

ネメア「……オシエン!」

剣士「………」

ネメア (何やらめんどくさい事になりそうだな……適当にあしらっておくか……)

剣士「何となく見当は付いているんだ……あの技は東方の山に住むとういう仙人の技なんだろ?」

ネメア「………」

剣士「………」

ネメア「ソウダー」


50 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 05:10:29 ID:tL1fMIH.
剣士「やはり……」

ネメア「………」

召喚士「ふ……ふふふ……ふふふ」

剣士「……何がおかしい?」

ネメア「イ、イヤ!……ヨクゾ見抜いたートナ!」

剣士「まぁな……伊達に死線はくぐり抜けてない」

ネメア (馬鹿がッ!)

剣士「……あんたそんな身なりだが凄い奴なんだろ?」

ネメア「凄くはナイゾー」

剣士「謙遜しなさんなって……」

召喚士「ふふふ……もう少しで空も飛べそうだ……」

ネメア、剣士「なッ!」

剣士「あんた……そんなに凄い達人だったのか……」


51 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/20(水) 05:35:51 ID:jqtFDJoA
話がどんどんややこしくなっていってるwwww


52 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 07:30:57 ID:tL1fMIH.
ネメア「アア、ソレハあれだ……例えだー」

剣士「ほう……空を舞うような何か……だと」

ネメア「ソウダー」

剣士「なるほど……」

ネメア (ぐぬぬ……こいつ……)

剣士「………」

召喚士「あはは……付いて来いよ……」

剣士「ッ!!!」

ネメア「?」

剣士「まさか……読心術まで身に付けているとはな……恐れ入った……」

ネメア (何を言っておるのだ……こやつは……)

剣士「決めた!」


53 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/20(水) 09:50:14 ID:OalSN5PA
召喚士はどんな夢を見てるんだwww

支援


54 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 15:08:57 ID:tL1fMIH.
ーー

召喚士、ネメア「………」

剣士「ふふん!」

召喚士「ねぇ……何でこの人いるの……」

ネメア「……お前が幻想世界へ旅立っている時に来た」

召喚士「………」

ネメア「剣士よーチョット離れてくれるかー」

剣士「そうだな!弟子は三寸離れてって言うもんな!」

ネメア「それを言うなら三尺だ……」

召喚士「……弟子?」

ネメア「弟子だな」

召喚士「誰が?」

ネメア「筋肉が」


55 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 17:04:24 ID:tL1fMIH.
召喚士「……お前の?」

ネメア「違うな。お前だ」

召喚士「意味がわからないんだけど……」

ネメア「お前があれを弟子にすると言ったんだ。仕方が無いな」

召喚士「いいい言って無いよッ!」

ネメア「言ったんだ!……全く余計な事をしてくれたものだ」

召喚士「断ってよッ!無理だよッ!筋肉だよッ!」

ネメア「私はもう知らん。自分でなんとかしろ」

召喚士「………」

ネメア「ああ、それとな」

召喚士「……まだ何かあるの?」


56 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 17:13:15 ID:tL1fMIH.
ネメア「あの筋肉に、お前が凡人以下だという事は絶対悟られるな」

召喚士「何それ……」

ネメア「少しは否定をしろ……どうやらあの筋肉はお前を何かの達人と勘違いをしている」

召喚士「………」

ネメア「だから気を付けろよ」

召喚士「あのさ……もしも弱いって悟られたらどうなるの?」

ネメア「怒り狂うであろうな……私は助けんが」

召喚士「………」

ネメア「骨一本持っていかれるのは確実だな……私は助けんが」

召喚士「………」

ネメア「最悪、致命傷となる骨をやられるであろうな……私は助けんが」

召喚士「致命傷って……例えば?」


57 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/20(水) 17:29:59 ID:tL1fMIH.
ネメア「首の骨をこうコキッとな……私は助けんが」

召喚士「………」サー……

ネメア「はぁ……首の骨を折られたら人間は頚椎損

召喚士「……そんなの説明しなくてもいいから」

ネメア「そうか……私は助けんぞ」

召喚士「どうすれば………」

剣士「師匠よ!これから飲みに行かねえか?」

召喚士「ええ遠慮しときます!」

剣士「そう言わずに!師弟になった記念って事でさ!」

召喚士「いいです!本当にいいですから」

剣士「そうか!じゃあ行くぜぇ!」

召喚士「そっちの良いですじゃ無いよッ!」



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