■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15
- 568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2010/06/08(火) 18:02:23.68 ID:FS08rEQo
ズズウウゥゥンッ…
一同は突如の地響きに慌てて周囲を見回す。
ズズウウゥゥンッ…バギャアアァァッ!!
山中へと続く道の木々がなぎ倒され、巨大な魔物が姿を現す。
盗賊「…っ!!」
召喚士「な…何だ!?見た事も…ないぞ!?」
姿を現した巨大魔物は、鰐のような顔を持ち表面は硬い鱗で覆われている。
大陸や北方ではその姿を見た事もなく、西方にひっそりと棲まう魔獣である。
魔道士「詠唱しますっ!」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
シュイィィン…
召喚士「気を付けて下さい!未知の魔物です!!」
盗賊「…ああ」
盗賊は口元へ布を上げ、蜘蛛切を右手に構える。
魔獣「……ブゴオオォォ…ッ!」
- 569 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/08(火) 18:06:04.11 ID:dYde1Y.o
コカトリス「ほう…めずらしい、峯山龍か…」
召喚士「峯山龍?」
コカトリス「あいつはやっかいだぞ…きたっ!!!」
みたいな?
- 570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/08(火) 18:15:06.52 ID:FS08rEQo
ズシイイィィンッ!!
召喚士「コカトリス!!」
召喚士の呼び掛けとともに、コカトリスは素早く上昇する。
コカトリス「……かなりの大きさだ。…骨が折れるな」
盗賊「魔道士っ!援護を頼む!」
魔道士「はいっ!!」
タンッ!!…タタタッ…
盗賊は魔獣めがけ走り出し、その巨大な顔の下に潜り込む。
盗賊「…しっ!」
シュンッ……キインッ!!
盗賊の手より放たれたクナイは、金属音を立て空しく地面へと落ちる。
盗賊「…はぁ!」
ザシュッ……チュインッ!!
盗賊(やはり見た目通りの強度…。通常攻撃では通じぬか…)
斬撃を浴びせ後方へと着地した盗賊は、蜘蛛切の刃先を眺め、再びそれを身構える。
- 571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/08(火) 18:28:26.79 ID:FS08rEQo
バサッ…
コカトリス「かなりの大きさだ!」
召喚士「ありがとう!」
上空からの報告を簡易的に済ませ、コカトリスは再び上昇を始める。
召喚士(全体の石化は無理かな…。一部分…顔だけでもなんとか食い止めれば…)
ドズウウゥゥン!!
召喚士「!?」
魔道士「きゃあ…っ!!」
サラマンダー「ななっ、何だぁ!?地面が盛り上がって…」
ドズウウゥゥン!!
召喚士「くぅ…っ!」
召喚士と魔道士はバランスを崩し、その場へ座り込む。
盗賊「大丈夫かっ!?」
召喚士「はいっ!こちらは気にせず!」
盗賊「分かった!」
- 572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/08(火) 18:35:34.88 ID:FS08rEQo
タンッ!!…
盗賊「…魔道士!」
魔道士「いつでもいけますっ!」
召喚士(流石は盗賊さんだな。足場を全くものともしていない…)
盗賊はただ一人、地響きの中を身軽に飛び回り間合いを詰める。
召喚士「行けっ!ユニコーン!!」
シュイィン…
召喚士「コカトリス!一緒に盗賊さんをっ!」
コカトリス「ああ!援護するっ!!」
ユニコーン「いっくよー!お姉ちゃんっ!!」
ユニコーンは勢いよく駆け出し、盗賊の後を猛スピードで追う。
魔獣「……ブゴオオォォ!!」
魔道士「撃ちますっ!」
盗賊「こいっ!」
魔道士は光り輝く両手で杖をかざし、大きな炎の塊が盗賊の頭上へと発生する。
- 573 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/08(火) 18:44:07.83 ID:FS08rEQo
ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!
盗賊「りゃあぁ!!」
ザシュッ!!
盗賊の放つ炎を纏った蜘蛛切の一撃が魔獣を直撃する。
盗賊「!?」
しかしその一撃は全く効果を見せず乾いた音を奏でながら、魔獣の鱗に弾き上げられた。
魔獣「ブグオオオオォォ!!」
ブオォッ!!
ユニコーン「たあっ!」
ドシィンッ!!
ユニコーン「今のうちに!!」
盗賊「!?……す、すまんっ!」
顔を振り上げる魔獣へ体当たりし、ユニコーンは盗賊の退路を開く。
魔道士「…そ、そんな…っ」
召喚士「炎も…通じないのか…っ!」
- 574 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/06/08(火) 18:46:28.60 ID:FS08rEQo
うあぁ…傘がない…それでは帰ります!
ご支援ありがとうございます!ノシ
>>554
触手は一番ギリギリの表現が出来るので…
擬音や呻き声も含め…
>>569
ググったら結構モロですねwモンハン面白そう…
- 576 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/08(火) 18:52:05.63 ID:bQDg9UAO
引っ越しして一人暮らし始まってからまとまった読む時間がなくて辛い
せっかく師匠に励ましてもらったのに
やっぱり師匠程度じゃ所詮下ネタパワーしかみなぎらないのか…
やっぱりもう俺には魔導師ちゃんしか…
召還士loveだろうが関係ない 俺は俺の愛する魔導師ちゃんを思い続けるうんぬん
- 578 :GEPPERがお送りします [] :2010/06/08(火) 20:09:42.51 ID:2EtxXRc0
>>576
君は実に気持ち悪いなあ
- 580 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/08(火) 20:16:26.85 ID:ePZxmpIo
いつもの人に相応しいAAはこれしかないだろう
_ ,、_,、 ,
゙フ ゙) 'д')__ノ,ミi マドウシチャーン ハァハァ
i彡'^ヽ. i―'゛
〉 `--、 ,,,,,,,,,
/ / ̄フ/ ζ 'д)_ ウワーン、キモイヨー
,ノ/ レ' ノ 1. r'
レ' ゙-'`ー'
- 583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:18:10.50 ID:5xkAhTwo
シュウゥゥ…
ユニコーン「大丈夫!?」
盗賊「ああ!すまぬっ!」
コカトリス「召喚士!」
召喚士「うん…っ!」
盗賊の無事を確認すると、コカトリスは低空飛行で魔獣へ近づく。
召喚士「頭部を石化して…動きを封じる!」
盗賊「魔道士!」
魔道士「はいっ!…雷ですね!」
タンッ!!
ユニコーン「ほらっ、こっちだよー!!」
魔獣「ブゴオオォォ!!」
巨大な口を開き雄叫びをあげる魔獣を牽制するユニコーン。
その動きに合わせ、上空よりコカトリス、地上から盗賊が再び接近する。
コカトリス「…さぁ、行くぞ!」
- 584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:18:39.13 ID:5xkAhTwo
バサッ…シュイイィン!!
魔獣「ガアアアアァァッ!!」
盗賊「今だっ!!」
ジャララッ……ビュオォッ!!
魔道士「いっけぇ!!」
ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!
盗賊の投げ飛ばす鎖めがけ、魔道士の放つ雷が付加する。
稲妻を帯びた鎖は蛇のように暴れまわり、魔獣の上顎へと絡みつく。
バチチッ!!
魔獣「グガアアアアァァ!?」
先端へ巻きつく鎖の電撃に、魔獣の動きが一瞬止まる。
その瞬間を逃さず、コカトリスが魔獣の眼前に現れ、大きく口を開く。
召喚士「行けぇっ!!」
コカトリス「…食らうがいいっ!!」
黒く濁った吐息が、魔獣の頭部めがけて放たれた。
- 585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:26:12.47 ID:5xkAhTwo
ゴオオォォッ!!…
魔獣「ッ!!」
コカトリス「な…っ!?」
召喚士「っ!!」
ズズッ…ズゾゾオォ…
コカトリスによる石化の息は、魔獣を捉えたかと思われたが、
その直前、盾のように現れた木々の枝により、無情にも遮られる。
召喚士「くっ…!!」
ズゾゾッ!!
ユニコーン「まずいっ!?」
コカトリス「ぬう…っ!!」
周囲の木々からは二匹の召喚獣へもその枝を伸ばし、動きを封じる。
ユニコーン「足をとられたっ!?」
召喚士「仕方ないっ!」
召喚士が正面へ回ると同時に、二匹の召喚獣はその場より姿を消す。
- 586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:26:58.33 ID:5xkAhTwo
シュイィィン…
召喚士「再召喚士を…っ!」
盗賊「飛べっ!!」
魔道士「召喚士さんっ!後ろ!!」
召喚士「!?」
ズズズッ……ガシィ!!
召喚士「しま…っ……」
背後より迫る枝が、召喚士の身体を縛りつけ、宙へと舞い上げる。
召喚士「く…うぅ…っ!!」
ギチチッ…
魔獣「ググオオオオォォ…ッ!!」
魔獣の前へと突き出された召喚士は、苦悶の表情を浮かべる。
それと同時に巨大な口が開かれ、口内より赤い輝きが増幅する。
召喚士「っ……!!」
魔獣「グゴオオオオォォ!!」
- 587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:27:32.25 ID:5xkAhTwo
魔道士「召喚士さぁん!!」
ドドオオォンンッ!!…ゴアオオオォォ!!
召喚士「ぐああぁぁっ!!」
魔獣の口より発せられた炎が、召喚士の身を包み込む。
着弾と同時に上下へ伸び、一本の大きな火柱となり、その身を焦がす。
ドドオオォォッ!!
盗賊「召喚士ぃーっ!!」
召喚士(………!?)
ゴポゴポッ…
召喚士(…み……水…!?)
火柱は外部より徐々に水柱へと変わり、召喚士の身体を消火する。
召喚士(…心地良い…なんだろうこの感じ)
オオォォ……バシャアァァッ!!…ドサッ
地面へと落下し倒れる召喚士は、駆けつけた一人の男をその目で捉える。
サモナー「おいで、マーメイド!!」
- 588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:30:21.27 ID:5xkAhTwo
魔道士「…サ、サモナー…さん…!?」
盗賊「…!!」
召喚士「がはっ…!ごほ…っ!!」
ガシッ
サモナー「大丈夫かい?召喚士くん…」
召喚士「サ……サモナーさん…。どうして…」
サモナー「……遅くなってすまない」
サモナーは魔獣を睨みつけながら、召喚士へ腕を貸す。
召喚士「す、すみません…」
サモナー「初めて見るな…。なんだこいつは…」
魔獣「ブゴオオオオォォ!!」
サモナー「盗賊さん、召喚士くんを後方へ!」
盗賊「う、うんっ!」
盗賊は召喚士を肩に担ぎ、素早く後方へと下がる。
サモナー「さて……」
- 589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:32:33.09 ID:5xkAhTwo
ザザッ…
召喚士「ぐっ…!」
魔道士「大丈夫ですか!?」
召喚士「ええ…。大事になる前になんとか助かりました…」
盗賊「…良かった」
ガサッ…
召喚士「っ!!」
魔道士「……マーメイドさん!?」
マーメイド「何とか間に合ったわ」
背後の草むらよりマーメイドが姿を見せる。
マーメイド「召喚士くん、大丈夫?」
召喚士「さっきの水はマーメイドさんの…」
マーメイド「ええ…。そのまま動かないで…」
召喚士「…?」
起き上がろうとする召喚士を止め、マーメイドは両手をかざす。
- 590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:33:01.51 ID:5xkAhTwo
パアアァァッ…
魔道士「や、火傷が…っ!?」
召喚士「……す、凄い!」
マーメイド「洋服までは戻らないけどね…」
ボロボロに破れた上半身を見て、マーメイドは苦笑する。
マーメイド「ごめんなさいね。傷までは塞がらないけれど…」
召喚士「…充分です!」
破れた服を脱ぎ捨て、召喚士は立ち上がる。
盗賊「…いけるか?」
召喚士「ええ…!サモナーさんを援護しましょう!」
魔道士「はいっ!!」
三人は再び魔獣を見上げ、その巨体めがけ走り出す。
タッタッタッタッタ…
魔獣「ブゴオオオオォォ!!」
サモナー「くっ…!!」
- 591 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:34:15.54 ID:5xkAhTwo
ゴアオオォォッ!!
召喚士「大丈夫ですか!?」
サモナー「召喚士くん、もう平気?」
召喚士「ええ。お陰様で…!」
炎を回避し片膝をつくサモナーへ、召喚士が手を差し伸べる。
召喚士「炎や物理攻撃は効きません…」
サモナー「トドメは君に任せるよ」
召喚士「…はい!」
四人はその身を寄せ、密集した状態で攻撃に備える。
魔獣「グブオオオオォォ!!」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
サモナー「おいで、ケルピー」
シュイィンン…
二人の召喚士による詠唱により、二匹の召喚獣が姿を成す。
見慣れた大鳥と、ケルピーと呼ばれる水を纏った馬のような召喚獣である。
- 592 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 17:37:30.86 ID:5xkAhTwo
バシュウゥッ!!
大きく上空へ羽ばたくコカトリスを確認し、二人の召喚士は左右へ散る。
その中央後方では盗賊が刀を構え、背後の魔道士が魔力を増幅する。
サモナー「あまり時間はかけたくない…」
召喚士「……チャンスは一度!」
魔獣「グボオオオオォォッ!!」
布陣をお構いなしに、魔獣は口を開け、炎を溜める。
キュイイィィ…
サモナー「今だっ!」
サモナーの指示に従い、ケルピーが魔獣の左足方向へと駆ける。
ドズンッ!!……バシャアアァァッ!!
魔獣「!?」
ケルピー「……ふんっ」
その刹那、魔獣の左足が地中へ大きく沈む。
その大きな左足の下には、巨大な水面が池のように広がる。
- 593 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 18:14:59.51 ID:5xkAhTwo
ガクンッ!!
水面に引き摺り込まれる様に、魔獣は足を取られバランスを大きく崩す。
召喚士「よぉし!!」
盗賊「いやっ、まだだ!!」
タンッ!!…タタタタ…
盗賊が叫び、召喚士とサモナーの間を抜け、魔獣へ駆け寄る。
魔獣「ウウウウゥゥ…ッ!!」
ズズッ…ズズズッ…
足元を掬われよろける魔獣を庇うように、無数の枝が再び伸びる。
盗賊「はあっ!」
タンッ!!…タタタッ…シュバッ!!
盗賊はその枝の上を器用に飛び跳ね、次々と斬り落とす。
サモナー「は…はは。凄いな…っ」
盗賊「ここで…っ、活路を……」
召喚士「盗賊さん!背後っ!!」
- 594 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/09(水) 18:17:12.14 ID:y4ARA2DO
>>1乙
どうしてもコカトリスの大きな姿が想像できない。
SFCのFF4召喚みたいな感じ。
- 595 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 18:25:52.14 ID:5xkAhTwo
盗賊「!?」
母体の枝から小さな枝が針のように飛び出し、背後より盗賊めがけ迫る。
魔道士「やあっ!」
ドドオオォンンッ!!…ボゴオォォ!!
盗賊「…流石っ!」
魔道士「はいっ!!」
魔道士の放つ土壁に背を守られ、盗賊は再び枝の上を走る。
盗賊「これで…っ…どうだ!!」
ズバッ…ザシュウゥッ!!
召喚士「空いたっ!コカトリス!!」
コカトリス「おう!!」
盗賊が斬り拓いた隙間より魔獣の顔を確認するコカトリス。
その口は大きく開き、冷たい石化の吐息を溜め込む。
召喚士「魔力を……もっとっ…!!」
コカトリス「はあぁっ!!」
- 596 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 18:27:01.21 ID:5xkAhTwo
魔獣「グゴオオオオォォッ!!」
猛スピードで急降下する召喚獣に対し、魔獣は抵抗の素振りを見せる。
両者の口が開かれ、互いの口内へ吐息と光が集約する。
サモナー「マーメイド!」
サモナーはすかさずマーメイドを呼び、火球を放つ魔獣の前に水壁を形成する。
巨大な水壁は魔獣の放つ火と衝突し、大量の水飛沫がその場に飛び散る。
サモナー「く…っ!……魔力が…」
召喚士「行けっ!スキュラ!!」
シュイィン…
スキュラ「…はぁ!!」
ドドオオォォンッ!!
サモナー「!?」
召喚士「これで…っ…どうだぁ!!」
マーメイドの水壁にスキュラの水撃が合わさり、その大きさと厚みを増し始める。
ドドオオォォンッ!!……バシュウウゥゥッ!!
- 597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 18:27:35.92 ID:5xkAhTwo
火球は水壁へ完全に飲み込まれ、水蒸気となってその形を消失した。
コカトリス「これで……邪魔はないっ!」
シュオオォォッ…
コカトリスは大量に溢れる水蒸気の中より姿を現し、一直線に魔獣へ向かう。
コカトリス「……はあぁっ!!」
ゴアオオオオォォォォ……
魔獣「グ…ッ……ガアアアアァァッ!!」
放たれた石化の息が一瞬で魔獣の顔、左部分を飲み込む。
もがく様に顔を左右へと揺さぶるが、徐々に顔半分を灰色に染めていく。
召喚士「……っ」
魔道士「や、や…った!?」
魔獣「グアオオオオォォ……ッ!!」
ドズウゥンッ!!…ズズンッ!!…ズズウウゥゥ…
盗賊「逃げるぞ!?」
サモナー「追い討ちは危険です…!」
地中へと潜り込む魔獣の姿を追跡しようと飛び出す盗賊を、サモナーが諌める。
- 598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/09(水) 18:28:41.16 ID:5xkAhTwo
…
コカトリス「反撃の…反応はないな…」
召喚士「……」
盗賊「…枝も…動きを止めたな」
魔道士「終わり…ですかね…?」
召喚士「…ええ。……ぐく…っ!」
ガクッ…
サモナー「おっと…。大丈夫かい?」
召喚士「す、すいません…。ちょっと魔力を…使いすぎたみたいで…」
ふらつく召喚士を支え、サモナーが心配そうに見つめる。
盗賊「…一度…退こう」
サモナー「それが賢明だね。西国の砦まで退がろうか…」
シュイィン…
召喚士「は、はい…」
二人が顔を見合わせると同時に、周囲から召喚獣が消える。マーメイドを残して。
- 599 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/06/09(水) 18:35:30.59 ID:5xkAhTwo
それではここいらで!ご支援感謝感謝っ!ノシ
>>576
黄色い救急車をお奨めします。…嘘です
dat落ちもしないしまとめても頂いてるのでのんびりご覧下さいー
魔道士「ちゃんとご飯食べてますか?もし良かったらご飯作りに行
師匠「弱音吐くのはもっと耐えてからにしろ!バカヤロウ!」
>>594
適当でいいですよー
強いて言うなら魔力とともに日々大きくなってる感じですかね
- 601 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/09(水) 19:21:51.91 ID:7DQ2sQDO
>>1乙!
召喚士は格段に強くなってるよな
召喚士好きな俺としては嬉しいぜ。
パーティーがコカトリスの石化の息と毒の針で攻撃翌力は高いけれど
他が未熟だった頃とかを読み返すと今の成長っぷりに胸が熱くなるな!
- 608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 00:17:03.16 ID:glD1lngo
〜西国、西の砦〜
盗賊「……朝だ」
盗賊は砦の奥、東から登る太陽を見つめてつぶやく。
魔道士「本当だ…。いつの間に…」
サモナー「…どうやら助かったみたいだね」
砦の脇に巻き上がる砂塵をサモナーが指差す。
ドドッドドッドドッ…
召喚士「…西国の…兵…!?」
サモナー「そのようだ…。砦で休ませて貰えそうだね」
騎馬隊は砦の正門を通過し、徐々にこちらへ近づいて来る。
ドドッドドッ…ドドッ…
親衛隊「…やはり…そうであったか!」
召喚士「……?」
魔道士「あ、あの……」
一人の親衛隊が下馬し、盗賊の前へと歩み寄る。
- 610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 00:23:48.04 ID:glD1lngo
ザッザッザ…
盗賊「……あ、あの」
親衛隊「覚えて…らっしゃいませんか…?」
盗賊「……?」
親衛隊「一年以上前、ヴァンパイア討伐の時…」
盗賊「…あ…っ」
親衛隊「その時…生き残った者の一人です。今は親衛隊長を…」
親衛隊は緊張からかもじもじと小声で盗賊へ説明を続ける。
親衛隊「あの時、森で貴方に…貴方の強さに驚嘆致しました」
盗賊「……う、うん」
親衛隊「改めて、ありがとうございました!」
召喚士「あの時の…生き残りの…!?」
親衛隊「はい。3人の内の一人です…」
魔道士「そうでしたかぁ…」
喜ばしい事ながらも素直に喜ぶわけにはいかず、神妙な面持ちで一同は沈黙する。
- 611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 00:31:27.68 ID:glD1lngo
親衛隊「あっ、とにかく…此度はまことありがとうございました!」
魔道士「い、いえっ…魔物はまだ完全に倒したわけではなく…」
親衛隊「分かっております…」
召喚士「……?」
サモナー「えぇと…それはつまり…?」
親衛隊「続きは砦の中でお話しましょう。さぁ、どうぞ」
親衛隊の案内により、一同は砦内へと足を進める。
ザッザッザ…
親衛隊「いやぁ、本当なら王子も来れれば良かったのですが…」
召喚士「…!?」
魔道士「王子様が…ですか?」
親衛隊「ええ。通常なら王子が率先するのですが、今回は珍しく来客の為そのまま西国に…」
召喚士「そうでしたか…。残念…」
親衛隊「さ、お入りください」
召喚士「あ、すみません」
- 612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 00:35:43.78 ID:glD1lngo
〜西国の砦、応接室〜
コトッ…
親衛隊「どうぞ」
魔道士「ありがとうございます!エヘヘッ!」
召喚士「それで…先程の続きですが…」
親衛隊「ええ。通常なら魔物から襲ってくる事はありません…」
サモナー「……ほう」
親衛隊「ですから、こうして全軍引き揚げる事も出来たのです…」
盗賊「……では…何故?」
親衛隊「あの山に棲む魔物は決して自ら襲いかかる事はありませんでした。過去一度も…」
魔道士「それって…つまり…」
召喚士「何者かが…足を踏み入れたが為に…!?」
親衛隊「以外は考えられません…。町には触れ書きを出しておいたのですが…」
サモナー「外部の…者…」
召喚士「可能性はありますね…」
- 622 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 17:22:43.02 ID:VlWhtqEo
盗賊「……」
魔道士「人なんて、居なかったですけどねぇ…」
サモナー「ええ…」
召喚士「盗賊さんは何か感じました?」
盗賊「…いや…特に」
親衛隊「その辺りは我々が調査させて頂きます」
召喚士「よろしくお願いします」
親衛隊「察するに、一度退いたからには問題ないでしょう」
召喚士「町の人には改めて伝えておいた方が良さそうですね」
サモナー「ええ。魔物が接近していると感じている節がありましたから…」
召喚士「近づいたわけではなく、あくまで棲み付いている…」
盗賊「……」
召喚士「結界で封じるよりは、人間が立ち入れないようにした方がいいですね」
親衛隊「分かりました。立て札以外にも見張り台などを設けるよう検討しましょう」
サモナー「宜しくお願いします。町の人は僕から伝えておきます」
- 623 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/10(木) 17:23:12.10 ID:VlWhtqEo
…
親衛隊「では…お気をつけて」
魔道士「ありがとうございますっ、王子様にもよろしくお伝え下さい!」
親衛隊「承知しました。戦士先生にも是非宜しくと…」
盗賊「…先生?」
親衛隊「ええ!以前稽古をつけて貰いましたので…」
召喚士「あ…そういえば…っ」
親衛隊「あれからますます腕をお上げになられているのでしょうね」
魔道士「…はい!もちろんですとも!」
親衛隊「我らも負けぬよう頑張ると、そうお伝え下さい!」
盗賊「…相分かった。…必ずや」
サモナー「では…行きましょうか」
召喚士「それでは失礼します」
魔道士「皆様もお元気で!それでは…!」
四人は門の前にて一礼し、西国の砦を後にした。
次へ 戻る 戻る 携 上へ