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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その41
82 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:46:30.69 ID:uRIg4hNZo


 召喚士「行けっ!コカトリス!!」

      〜エピローグ〜


83 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:47:12.19 ID:uRIg4hNZo
 ――数か月後。

〜本国、王宮〜

エリート「陛下ああああぁぁぁぁ!!」 ドバンッ!!

ウィッチ姉「あの、陛下ならば早朝からお出かけになられて……」

エリート「――っ!!」

右大臣「またか……」

エリート「国政を何だと思って……うぐっ、痛たたたた」

右大臣「掃除は後で良いから、胃薬と水を持ってきてくれ」

ウィッチ姉「は、はいっ」 タッタッタッ

右大臣「親子揃って胃が痛い思いをするとはのう」

エリート「困ったものです」

右大臣「まぁ仕方あるまい。その為にお前が居るのだからな」

エリート「父上、それでは困りますよ」

右大臣「なぁに、婚礼の儀を挙げて伴侶を娶れば落ち着くであろうよ」

エリート「そうだと良いのですがね」


84 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:48:02.87 ID:uRIg4hNZo
右大臣「お前もそろそろ考えなければな」

エリート「わ、私は別にですね……」

近衛兵「右大臣様っ、お客様がお見えになられておりますよ」

エリート「客?」

 カツカツカツ

白虎長「右大臣様、此度は申し訳ありません……」

エリート「これは白虎先生。申し訳ないとは?」

白虎長「その……占い師がご迷惑をお掛けして……」

エリート「いやいや、陛下が悪いのだ。占い師は決して悪くない。そして君もな」

白虎長「……っ」

エリート「親友の心配をするのも良いが、たまには自分も楽しんだらどうかな?」

白虎長「そうですね……。残念ながら相手がおりませんけれど」 ムスッ

エリート「っと、これは失礼」

右大臣「折角じゃ、相手が居らぬ者同士……楽しんで来たらどうかね?」

白虎長「……へっ!?」


85 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:49:16.53 ID:uRIg4hNZo
エリート「父上っ!! 失礼ですぞ!!」

右大臣「そうか? 白虎先生や、うちの息子ではいかんかね?」

エリート「父上!!」

白虎長「そ、そんな事は……っ。でも右大臣様に私みたいな者が……」

右大臣「いやいや、かの白虎先生がお相手など不肖の息子には勿体ないくらいじゃ」

エリート「……勝手に話を進めないで頂きたいっ!」

白虎長「そっ、そうですよね……っ」 カアァ

右大臣「そうか。残念じゃな」

エリート「……しっ、しかし陛下が居らぬのでは私も何も出来ぬ」

白虎長「……?」

エリート「まぁその、宜しければ食事など……も、勿論っ、陛下が戻るまでで結構!」

白虎長「右大臣様……っ」

エリート「もし白虎先生が宜しければ……だがな」 ポリポリ

白虎長「……よ、喜んでご一緒させて頂きます……っ!///」

右大臣「ふっふっふ。良かった良かった。何とか孫の顔も見られそうじゃわい」


86 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:49:58.99 ID:uRIg4hNZo
エリート「父上っ! いい加減に……」

右大臣「ほれ、さっさと行って来たらどうじゃ? 王宮の事は他の者に任せておけ」

エリート「……陛下が戻ったらこの書類にサインする様、お伝え下さい」 ドササッ

右大臣「うむ」

エリート「……えーと、それじゃあ行きましょうか」

白虎長「は、はいっ。すみません何だか……」

エリート「いや、こちらこそ。何か食べたい物……いや、苦手な物はありますかな? カツカツ

白虎長「私は特にっ。右大臣様にお任せ致します」 カツカツ

 カツカツカツカツ……

近衛兵「……よ、宜しいので?」

右大臣「どうせ陛下が居なくば会議も出来ぬ。夜までは国政もお預けじゃ」

近衛兵「はぁ」

右大臣「それに今は治世。必要なのは王や国よりも民の力じゃよ」

近衛兵「成程。確かにそうですなぁ」

右大臣「これからの時代に必要なのは、陛下の様な王なのかもしれぬなぁ」


87 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:51:16.82 ID:uRIg4hNZo


 パッカパッカパッカ……

占い師「……あ、あの」

皇太子「ん?」

占い師「また右大臣様に叱られてしまいますよ?」

皇太子「構わんよ。私が居ようが居まいが、どうせやる事は大してないのだ」

占い師「そんな事は……」

皇太子「それであらば、こうして馬を駆り、国中を見て回った方が有意義というもの」

占い師「……」

皇太子「それとも私と一緒では不満かな?」

占い師「そっ、そんな事はございません!」

皇太子「……私はな、出来れば王の座など捨てて普通の暮らしがしてみたい」

占い師「陛下……。お気持ちは分からなくもありません。でも……」

皇太子「王に生まれてしまったからには宿命。そうもいかぬものだ」

占い師「……っ」


88 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:52:39.98 ID:uRIg4hNZo
皇太子「だから私は、王であろうとも玉座に留まらず、こうして世界へ出ようと思う」

占い師「王の務めを根本から覆すと? また右大臣様に叱られてしまいます……」

皇太子「駄目か?」

占い師「……でも、そういう陛下のお考え、嫌いではありません」

皇太子「そうだろう? こうやって子供達の笑顔が見られるのだ。これほど幸福な事はない」

少年「へいか〜っ!!」 テッテッテッ

皇太子「皆、元気だったか? ほら、今日は菓子を沢山持ってきたぞ」

少女「わーいっ!! ありがとーへいか! わたし、へいかとけっこんしてあげるー」

少年「だめでよー。へいかとけっこんするのはおねえちゃんだもんっ! ねー?」

占い師「へぇっ!?」

皇太子「こらこら、からかうのはやめなさい」

少年「けっこんけっこんー!」

少女「けっこんけっこんー!!」

占い師「ち、ちょっと……っ! もう……っ///」

皇太子「はっはっは。子供は無邪気で良い。思った事を直ぐ口に出来るからな」


89 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:53:38.96 ID:uRIg4hNZo
占い師「……陛下まで」

皇太子「大人になると思った事も、なかなか口に出来ぬものよ」

占い師「そうですね……」

皇太子「……」

占い師「……?」

皇太子「以前のように、やはり触れると見えてしまうのか?」

占い師「……以前よりはかなり力は落ちました。でも、部分的には見えてしまいます」

皇太子「そうか。結局、見えぬのは魔力のない私だけ、か」

占い師「はい。そのようです」

皇太子「そうか」

占い師「……あの、陛下……?」

皇太子「ん、ああ。そうであれば何か、君の支えになれないかと思ってな」

占い師「そっ、そんな支えなんて! 今まさに十分過ぎるほど助けて頂いて――」

皇太子「占い師」

占い師「!?」 ビクッ


90 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:54:21.67 ID:uRIg4hNZo
皇太子「いままでずっと、先が見えてしまうという辛い人生を送ってきた」

占い師「……はい……っ」

皇太子「もし良ければなのだがその、先の見えぬ人生というものを味わってはみないか?」

占い師「――!?」

皇太子「恐怖もあるし不安もある。だが、先が見えぬからこそ楽しい事も沢山ある」

占い師「陛……下っ」

皇太子「だがその為には1つだけ覚悟を決めて貰わねばならぬ事がある」

占い師「……っ」 ゴクッ

皇太子「この本国の王妃と、王の妃となって頂きたい」

占い師「――――っ!!」

皇太子「……どうかな、駄目……か?」

占い師「……あのっ、わ……私」

皇太子「……」

占い師「私でそのっ、よ……宜しければっ!!///」

皇太子「そうか、良かった。とても緊張してしまったよ。はははっ」


91 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:55:03.15 ID:uRIg4hNZo
〜鉱山北の山村〜

山師姉「よいっしょ……っ」

山師妹「お姉ちゃん! そういう仕事は私に任せてって言ったでしょ!」

山師姉「でもぉ」

山師妹「お腹の赤ちゃんに何かあったらどうするのよっ! ねぇ、お義兄ちゃん?」

山師「あとは俺がやるから、2人とも休んでいなさい」

村長「山師、居るかの?」 カチャッ

山師「村長、どうしました?」

村長「この村にもようやく道が出来る事になったのじゃよ!」

山師妹「本当っ!? やったぁ! これで買い物も楽になるねっ!」

山師姉「うんっ。助かるわね!」

山師「これも全て彼らのお陰だ。本当に感謝すべきだな」

村長「そうじゃの。道が伸びればこの村の特産品も数多く出荷出来る」

山師姉「そうすれば村も潤って、もっともっと楽に……あっ、今……動いた!?」

山師妹「本当!? ねっ、ねっ、触らせて!!」


92 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:55:59.52 ID:uRIg4hNZo
〜最北の村〜

青年「おーっす! 元気か、ネーチャン」

副官「調子はどう? 何か手伝う事があれば」

青年「いやいや十分さ。屯田も終わって農業に専念出来てんだし」

副官「……そっか」

青年「ほら見ろよ、いよいよ出荷第一弾だぜ!?」

副官「少し、飲んでもいい?」

青年「おー飲んでくれ。出来たてホヤホヤのワインだ!」

副官「……んくっ。あっ、美味しい!!」

青年「だろ? はははっ!」

副官「名前何だっけ?」

青年「マジシャン。再来のマジシャンから取った名前さ」

副官「マジシャン……」

青年「約束だったらしいからな。キッチリ約束は守らねぇと!」

副官「律儀ねぇ」


93 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:56:53.61 ID:uRIg4hNZo
青年「それとこれ、白の方なんだけどよ」

副官「うん」

青年「どうだ?」

副官「……少し酸味があって、でも……後味はとても心地良い……」

青年「だろ? 最初はとっつきにくくても、後から後から味が込み上げてくる」

副官「うん。えっと、これも出荷するの?」

青年「ああ。赤と一緒にな」

副官「へぇ。こっちの名前は?」

青年「ヒゲ」

副官「――――っ!?」

青年「ソックリだろ? 見た目はとっつきにくいけど、付き合ってみると最っ高の味なんだ」

副官「……うん」 ウルッ

青年「ほれっ、2本とも持ってけ!」

副官「えっ!? いや、そんなの悪いわよ……」

青年「いいからいっから。参謀さんと一緒に飲んでくれよ!」

副官「な、何で参謀さんの名前が出てくるのよ……っ!」

青年「式はいつなんだ? もちろんこの村総出で祝うぜ? あっはっはっは!!」

副官「だからっ、もう……っ!///」


94 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:57:46.37 ID:uRIg4hNZo
〜北方司令部〜

参謀「へっくしゅ!!」

左翼長「風邪か?」

参謀「あ、いえ……大丈夫です。それよりも北関の件、いつから着手致しますか?」

騎士長「お前の兄上は何て言ってんだ?」

参謀「一任すると」

左翼長「電話が通じてる以上、おいそれとぶっ壊せねぇからな」

騎士長「何か案は?」

参謀「……下地だけ残して取り壊すのはどうでしょうか?」

騎士長「下地? どういう事だ?」

参謀「全て撤去となると電話の線も壊す事となります」

左翼長「まぁそうだな」

参謀「でしたらその上へ、道を築いてしまえば宜しいかと」

騎士長「ほー。道を作るってか。なるほどな!」

左翼長「……確かに効率はいいし、交通網という意味でも貢献出来るな」


95 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:58:35.91 ID:uRIg4hNZo
参謀「今後はあのような壁は不要です。必要なのは道。皆を繋ぐ為の道です」

騎士長「こっから北関、更には東へ伸びて海峡」

左翼長「海峡は今後、東方との交易を中心とした港町に生まれ変わるしな」

参謀「更には北方司令部より西へ伸ばし、北の港」

騎士長「おーっ」

参謀「あわよくば西国拠点、いや……西国の城まで通じる事だって出来ます」

左翼長「おおーっ」

騎士長「凄いじゃねぇか。本当にみんなが繋がっちまうぞおい……!」

左翼長「よし、そんじゃそれを中心に計画書を練って、本部へ申請してくれ」

参謀「はっ」

騎士長「あ、そうだ」

参謀「……?」

騎士長「ずっと働き詰めだろ? たまには休めよ?」

参謀「しかし今は休んでいる暇など……」

左翼長「これは命令だ。休め」


96 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:59:19.87 ID:uRIg4hNZo
参謀「……はぁ」

左翼長「んでだ、副官をどこかに連れてってやれ」

参謀「ふ、副官を……ですかっ!?」

騎士長「もう一度言うぞ。これは命令だ! はははっ!」

参謀「……っ」

左翼長「これからの時代は仕事以外にも生き甲斐を見付けろよ」

参謀「命令ならば仕方ありません。任務遂行して参ります」 スタスタスタ

騎士長「ったく、どこまでも一筋な男だなぁ」

左翼長「兄が兄だからな。尊敬もしてるだろうが、負けじと励んでるんだろうよ」

騎士長「なるほどな」

左翼長「誰か、コーヒーを頼む。ブラックでだ」

騎士長「珍しいな」

左翼長「タバコやめてから口寂しいんだよ。察しろ」

騎士長「ああ、そういう事か。約束したもんな〜」

左翼長「うっせ」


97 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 17:59:55.24 ID:uRIg4hNZo
騎士長「……なぁ」

左翼長「あん?」

騎士長「結局、戦士には何も言わず終いか?」

左翼長「アイツも分かってんだろ。聞いてこねーって事はそういう事だ」

騎士長「数少ねぇ家族じゃねぇか。いいのかよ?」

左翼長「別にいいだろ。家族とかそんなもんは関係ねぇ」

騎士長「いや関係あるだろ」

左翼長「血なんかよりも、よっぽど濃いモンで繋がってんだ。それでいいだろ」

騎士長「なーるほど。流石だねぇ、弓のオジサン」

左翼長「お前なぁ……」

北方兵「コーヒーお持ち致しました!」 カチャッ

左翼長「ありがとよ。そこに置いといてくれや」

騎士長「さーて、これから忙しくなるぜ?」 ズズー

左翼長「ああ。ヘタすりゃ今以上にな。全く……いつまで咲かせてりゃいいんだよ」

騎士長「こうなりゃ死ぬまで咲いてようじゃねぇか。1度枯れかけた花は強えーぞ? はははっ!」


98 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:00:38.14 ID:uRIg4hNZo
〜海峡〜

将軍「……」

海峡兵「もう少しで、ここも引き揚げですね」

将軍「ああ、そうだな」

門兵「色々……ありました」

将軍「ああ、そうだな」

海峡兵「将来的にはここも港町に変わるんですよね?」

将軍「その予定だ」

門兵「何だか、誇りに思いますよ」

将軍「……?」

門兵「俺達が守ってきた場所が、新しい……人の住む場所へと変わるんですから」

海峡兵「そうだよな……。守ってきた甲斐があったってもんだよ」

将軍「我らだけではない。多くのワーカーもこの地を守ってきた」

門兵「そうですよね。みんなで守ってきたんですよね」

将軍「次に訪ねる時には、笑顔で来る事が出来そうだ」


99 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:01:22.01 ID:uRIg4hNZo
〜ターミナル〜

ワーカー「聞いたか? 海峡も港町になるんだってなぁ」

御者「らしいっすね!」

商人「そうなれば、馬車を生業とするあんたも更に儲かるな。羨ましい限りだよ」

御者「へへっ。お蔭さんで!」

ワーカー「そういう商人だってよ、東方との貿易で今後は大儲けだろ?」

商人「ん〜まぁな」

ワーカー「結局よぉ、商売あがったりはワーカーだけさ……はぁ」

御者「何言ってるんです。何かをやる事に遅いなんて事はないですぜ?」

商人「そうそう。これから手に職付けて頑張りゃいいんだよっ」

ワーカー「……うーん。そんじゃ体力には自信あっから……馬車でも……」

御者「そりゃないですぜ! 勘弁して下さいよ〜」

商人「安心しなよ。救世主お墨付きの馬車なんだ。あんたは誰にも負けねーよ」

御者「なーに、まだまだっ! もっと稼いで馬車の会社作ってやんだ!」

ワーカー「おー! そしたら俺も雇ってくれや! なっ、なっ!?」


100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:01:50.20 ID:uRIg4hNZo
〜魔道学校〜

女学生「待てーっ!!」

男学生「うるせーっ! バーカ――」 ドンッ

女学生「あ……っ」

男学生「き……教頭先生っ!? すすっ、すみません!!」

東方参謀「このバカ者がっ! 廊下は走るなと言っておるだろうがっ!」

水の先生「いやぁ、東方先生が来てくれたお陰で、規律も良くなったなぁ」

火の先生「……ま、あやつ等のお陰でトントンじゃがの」

女生徒「セクハラですっ、先生!!」

ジュニア「んだよ、ちょっとパンツ見えちゃっただけだろうよ……ハッハ!!」

男生徒「先生……鏡の前で何してんすか?」

賢者「……美しい……ふぅ」

学園長「明るくて良いじゃないですか」 スタスタ

火の先生「明るいだけじゃ困るわい……」

学園長「平和な世界を支えていく若者。今後は心もしっかりと育てていかないとねっ」

水の先生「その通りですね。あはははっ!!」


101 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:02:37.76 ID:uRIg4hNZo
〜本国、墓地〜

高官「……」

双子父「やぁ」 ザッ

高官「双子父殿」

双子父「高官殿が王宮を辞めて以来、かな?」

高官「そうですな。今日はどうなさったので?」

双子父「いや、私もウィッチの墓参りをさせて貰おうとな」

高官「そうでしたか。それは有り難い。どうぞ」

双子父「失礼」 スッ

高官「……」

双子父「君の代わりにウィッチ姉が正式に王宮入りしたようだね」

高官「右翼ですからね。貴方や双子姉妹と今後はぶつかる事もあるでしょう」

双子父「楽しみにしているよ。最近の王宮は張り合いがなくてね」

高官「これから若い、粋の良い連中が頭角を現してきますよ」

双子父「かつて我らがそうだったように、か?」


102 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:03:28.95 ID:uRIg4hNZo
高官「……ええ」

双子父「……さて」 ザッ

高官「ウィッチの為に、有難う」

双子父「なに、こちらこそ邪魔を。そうだ、今は何処へ居るんだったかな?」

高官「しらばら修行の身として、南方へ」

双子父「そうか」

双子姉「お父様、そろそろ……」
双子妹「お時間ですわよっ」 スタスタスタ

双子父「いつでも戻ってくると良い。君の頭脳はこれからの時代に活かされるべきだぞ」

高官「……」

双子父「では、また」

高官「……では」

 スタスタスタ……

双子姉「お父様、今日はまた……」
双子妹「急にどうしたんです?」

双子父「いや、何だか此処へ来れば……出会いがありそうな、そんな虫の知らせさ」 スタスタ


103 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:04:38.22 ID:uRIg4hNZo
〜戦士の故郷〜

青年「やったよ!! 東側でも湧いたよぉ!!」

幼馴染父「本当かっ!? 凄いじゃないか……っ」

村長「これでこの村も温泉街として、観光地となる事は間違いなしじゃ……!」

幼馴染父「これも全て戦士くんの援助があったからこそですね」

村長「ああ。戦士には本当に感謝しきれんよ……」

青年「戦士さんもこの村に、戻ってくればいいのになぁ」

幼馴染父「それは望ましい事だが、彼には彼の人生があるからな」

村長「そうじゃ。ようやく戦いから解放されたんじゃ。第2の人生も満喫したいじゃろうよ」

青年「まぁそうだけどね。それに戦士さんが帰ってきたら間違いなく新村長だし」

村長「っ!?」

幼馴染父「確かに。次期村長の投票も近々ありますしなぁ」 チラッ

村長「ごほんっ、やはり戦士はこの村には不要! 援助だけありがたく貰っておく!」

青年「あははははっ!!」

幼馴染父「ありがとうよ戦士くん。この村の皆も幼馴染も……喜んでいるよ」


104 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:05:15.51 ID:uRIg4hNZo
〜鉱山の町〜

ワーカー「まいどー」

おかみ「はい、いらっしゃ……何だい、またアンタ達かい」

ワーカー「仕方ないっしょ。鉱石ももう売り先ねーんだし」

おかみ「あんた、どうする?」

鍛冶屋「やははっ。いいよいいよ、全部買い取るよ!」

ワーカー「サンキュー! ついでにこれも」 ガチャガチャッ

おかみ「武具……かい?」

ワーカー「ああ。戦う必要がなくなったからな。これも買い取れっかい?」

鍛冶屋「買い取る買い取る! 喜んで!」

おかみ「……はぁ。仕方ないねぇ」

ワーカー「助かるぜぇ! んじゃ後日、金を受け取りに来っからよ!」 スタスタ

おかみ「全くもう、調子のいい連中だよ」

鍛冶屋「いいじゃない。僕らも楽して材料が集まるんだから」

おかみ「ふふっ、そうれもそうだねぇ」


105 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:05:46.55 ID:uRIg4hNZo
鍛冶屋「武具はなくとも、平和な時代に必要な物はたっくさんあるんだ!」

おかみ「鍋やら調理道具に船や馬車の一部」

鍛冶屋「それに装飾品! ほら、どう!?」

おかみ「これ……鉱石かいっ!?」

鍛冶屋「指輪やブレスレット、ブローチに髪飾り!」

おかみ「へぇ〜っ。綺麗じゃないか」

鍛冶屋「でしょでしょっ!? 宝石より安価だし、これは売れると思うよ〜」

おかみ「あははっ、ウチもしばらく安泰だねこりゃ!」

鍛冶屋「はいっ」 スッ

おかみ「……何だいこれ?」

鍛冶屋「君に髪飾りさ。ささ、付けてみて付けてみてっ」

おかみ「わっ、私にかいっ!? ち……ちょっと何なんだい急に……もう……っ」

鍛冶屋「うんっ、似合ってる! すごくステキだよ!」

おかみ「き、急に気持ち悪いねっ! そんな事でお小遣いはあがらないよっ!」

鍛冶屋「君と一緒ならばお金なんて構わないよ。ずっとこうして笑顔で暮らしていこうね!」


106 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:06:35.35 ID:uRIg4hNZo
〜北の港〜

名士「……」

従者「おかわり、いかがですか?」

名士「なぁ」

従者「……?」

名士「君は自分が何の為に生まれ、何の為に死ぬのか考えた事はあるかい?」

従者「……いえ」

名士「そうか」 カチャッ

従者「名士様はお考えで?」 コポコポコポッ

名士「私は生まれた時からその運命を決定付けられていたよ」 ズズッ

従者「……」

名士「アンラ・マンユの一部として、主を守り死ぬ存在として、ね」

従者「でも、抗ったではありませんか。運命を変えたではありませんか」

名士「そうだな。そして良き出会いもあった」

従者「はい」


107 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:08:07.20 ID:uRIg4hNZo
名士「……そうだ。この庭にも、もっと花を植えようか」

従者「はい」

名士「池に浮かぶ月明かりに映える花が良いな」

従者「……はい」

名士「そうすれば蝶やホタルなども居着くやもしれないな」

従者「……は……い」

名士「……従者」

従者「……ッ」

名士「水の手入れは欠かす事なく、な」

従者「名士……様……っ」

名士「もう少し見て見たかったな……新たな時代を」 スゥッ

従者「名士様っ!!」

名士「ああ、体が透けてきたな……」

従者「――ッ!!」

名士「彼らに……ありがとうと……伝えてくれ――」


112 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage saga] 投稿日:2012/08/14(火) 18:49:29.35 ID:CtOumffpo
>>1乙

もう終わるな。ホントに終わるな。
マジシャンは占い師ゲット出来なかったな


118 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 22:37:17.77 ID:Pa0u4Eixo

こうやってみると
けっこういい歳まで独身貫いてる奴多すぎ
あと東方参謀と学園長はくっ付くかと思ったが何も無かったな


119 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 23:26:12.54 ID:PBXTDxGDO
王子と帝がくっついたら呪う



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