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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20
262 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 17:22:19.67 ID:Xpn7mVMo
〜食事処〜

盗賊「…あと…生春巻きとサーモンのカルパッチョ。あと…」

ジュニア「…よく食うなぁ」

魔道士「ジュニアさんはお酒だけでいいんですか?」

ジュニア「ん?ああ。酒は命の水よっ!!」

戦士「良い事言う!」

召喚士「……マジシャンさんと何一つ変わらない…っ」

テクテクテク…コトッ

店員「お待たせ致しました〜!」

ジュニア「来た来たぁ!待ってました!!」

戦士「…さーて、それじゃあ早速……」

召喚士「カンパーイ!」

チィンッ!!

ジュニア「………っかあぁ!うまいっ!おかわり!!」

盗賊「…早っ!!」


263 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 17:25:51.98 ID:Xpn7mVMo


ジュニア「んで、明日はどうするつもりだい?」

召喚士「まずは早朝のうちに北の村へ向かいます」

ジュニア「北の村?最北じゃなくて?」

召喚士「北の村に管轄責任者の大軍師さんがいますので…」

戦士「一応許可取っておかねぇと、何かあった時にマズイもんな」

ジュニア「別に良いと思うけどなー」

召喚士「まぁ…一応ですよ」

ジュニア「だいたい今まで無関心だった国軍の連中が、今更介入するってのも気に食わん…」

戦士「そりゃそうだけどな…」

召喚士「でも、それは国軍の体質が変わりつつあるって事にもなりませんか?」

盗賊「……確かに」

ジュニア「そうなのかねぇ…」

魔道士「召喚士さんにとっては…故郷でもあるんですものね…」

ジュニア「…そうなのか?」


264 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 17:29:08.36 ID:Xpn7mVMo
召喚士「え、ええ…まぁ。とは言っても幼い頃に離れましたけど…」

ジュニア「…やられたのか?」

召喚士「みたいです。3歳の頃だったのであまり記憶が…」

ジュニア「そうか……」

戦士「あ…」

魔道士「どうしたんですか?」

戦士「何かさ、手掛かりとかねぇのかな?」

盗賊「…手掛かり?」

戦士「ほら、召喚士の両親…形見だったりとかさ…」

魔道士「あ…っ」

戦士「だろ!?なぁ召喚士!ついでに探索してみようぜ!」

召喚士「…うぅん、随分経つから残ってるとは思えないけど…」

魔道士「探すだけ探してみましょうよっ!」

召喚士「ま、まぁせっかくですし…そうですね!」

魔道士「そうですよっ!えへへ!!」


265 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 18:17:32.11 ID:Xpn7mVMo
ジュニア「そうと決まれば…今日はたらふく飲んで…」

盗賊「…たらふく…食べる」

ジュニア「ハッハ!」

戦士「よっしゃ!俺も食う…ってほとんど残ってないじゃんかよ!」

魔道士「だって飲んでばかりで遅んですもの…」

召喚士「追加しようよ、ねっ?」

戦士「前祝いだ!パーっといくぞぉ!」

ジュニア「おうよ!その意気だっ!!」

召喚士「ま、前祝い…って」

盗賊「…意味が…分からぬ」

ジュニア「細かい事は気にすんなって!楽しくいこう、楽しく!」

戦士「そうだそうだ!」

盗賊「…酔ってる?」

魔道士「何だか…久々ですね、こういうのっ!」

召喚士「ジュニアさんのお陰ですね。あははっ」


266 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 18:20:45.63 ID:Xpn7mVMo


戦士「…うっぷ…食いすぎた」

盗賊「…無茶するから」

召喚士「さて、宿は…あ、あれですね」

ジュニア「悪いな。何だか俺も部屋まで取って貰っちゃって…」

魔道士「気にしないで下さい!」

戦士「そうそう。ジュニアさんも既に仲間よ、な・か・ま!」

ジュニア「ハッハ!そいつはありがたいね〜!」

召喚士「それぞれ個室ですので、明日は7時にロビーで」

盗賊「…了解……おやすみー」

魔道士「おやすみなさいですっ。また明日!」

戦士「さーて、風呂入って寝るかぁ…」

召喚士「…あれ?ジュニアさんは?」

ジュニア「バーで飲み直してくらぁ」

召喚士「まだ飲むんですかっ!?…ほ、程々にして下さいね」


267 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/09/30(木) 18:45:48.67 ID:Xpn7mVMo
〜宿〜

召喚士「……あぁ〜っ」

ボフッ…ドサッ

召喚士「……故郷…」

〜♪

召喚士「……?」

召喚士は外から聞こえる音色に窓を開ける。

カチャッ

召喚士「……この…音色」

〜♪

召喚士「…やっぱり…っ!」

バッ…タタッ…

慌てて宿の外に飛び出した召喚士は、一直線に音の主の下へと急ぎ駆ける。

召喚士「……いたっ!」

噴水のほとりで小さな琴を奏でる一人の見覚えある男。詩人であった。


269 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/09/30(木) 19:21:12.13 ID:.Aiwzd6o
やっぱり詩人は男なんだね


272 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/30(木) 21:49:48.66 ID:iBK41UDO
召喚士の出生の秘密が少しは明らかになるのかな?
wwktk


278 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:16:35.49 ID:r0Qny9Uo
〜♪

召喚士「…あ、あなたは…!?」

詩人「…おや、君は確か…一風変わった召喚術士君」

召喚士「…召喚士と申します」

詩人「召喚士君か…僕は詩人。宜しく」

召喚士「詩人…さん……」

詩人「先日は素晴らしい音色を聞かせて貰ったよ。ありがとう」

召喚士「えっ?あ…い、いえ…こちらこそ…っ」

詩人「今日は何か?」

召喚士「いえ…っ、聞き覚えのある音色だったもので…」

詩人「…そう」

召喚士「…あ、あの…っ」

詩人「…?」

召喚士「詩人さんは…何者なんですか?」

詩人「何者でもないよ。ただの吟遊詩人さ」


279 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:17:01.79 ID:r0Qny9Uo
召喚士「……」

詩人「何か言いたそうな表情だね」

召喚士「あの時、あなたの力によって俺は……」

詩人「あのような魔力、僕も始めて見たよ…ふふっ」

召喚士「……」

詩人「君の魔力、何か特別な力をもっているね?」

召喚士「…!?」

詩人「…おや、これは本人も気付いていなかったのかな…?」

召喚士「…確かに、召喚術については思い当たる節が…」

詩人「何て言うのかな、召喚士君の魔力は…一つじゃないんだよね?」

召喚士「……?」

詩人「通常魔力と言うのは、一つの源を変化させて使用しているんだ」

召喚士「…変化…!?」

詩人「そう。例えば……」

詩人は足元の水の瓶を手に取り、小さなコップへと注ぎ込む。


280 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:17:27.37 ID:r0Qny9Uo
トポトポトポッ

召喚士「……」

詩人「これが魔力の源、まっさらな状態だとしよう。これに…」

詩人は続けて、足元の茶色い酒瓶を手に取り、それをコップの水へと注ぎ足す。

トポトポッ

詩人「…これが一つの行に染まった魔力…。どうぞ」

召喚士「あ…ど、どうも…」

詩人の差し出すコップを受け取り、召喚士はそれを一口喉に通す。

詩人「ちょっと薄かったかな?」

召喚士「い、いえ…っ。丁度いいですよ、ありがとうございます」

詩人「今度は更にこれを入れてみようか」

詩人はバッグよりオレンジを1個取り出し、ナイフで皮を剥き始める。

詩人「これを……」

ギュッ…ポトポトッ

詩人「ウィスキーオレンジの水割り…ってとこかな」


281 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:17:53.70 ID:r0Qny9Uo
詩人は再び、コップを召喚士へと差し出し、召喚士はそれを口にする。

召喚士「……んっ、美味しいですね…!」

詩人「これが二行合体といったところかな」

召喚士「……なるほど」

詩人「でも、召喚士君の場合は…」

トポトポトポッ…コトッ

詩人「……こういう事」

詩人は二つのコップに水を注ぎ、それを置く。

召喚士「…二つ…ですか?」

詩人「そう。源となる魔力が一つではないって事さ」

召喚士「それってどういう…」

詩人「さぁ、それは僕にも分からないな」

召喚士「……」

詩人「はっきり言える事、それは君の奏でる音色が一つではなかったって事」

召喚士「複数の…魔力の源…」


282 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:18:19.52 ID:r0Qny9Uo
詩人「何か思い当たる?」

召喚士「い、いえ…特には……」

詩人「…そう。ならそれは、生まれつきのものかもしれないね」

召喚士「……」

詩人「召喚士君のご両親は?」

召喚士「…すでに死別してます」

詩人「魔道士か召喚士だったとか?」

召喚士「…いや、詳しくは知りませんが…おそらく違うかと…」

詩人「……そうか」

コトッ…ゴソゴソ

召喚士「……?」

詩人「さて、僕はそろそろ失礼するよ」

召喚士「あっ、すみません…お引止めしてしまって…」

詩人「いやいや、それじゃ…」

召喚士「…あの、また…聞かせて下さい!」


283 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:18:46.07 ID:r0Qny9Uo
詩人「…いつでも。北にいる限りまた会う事もあるだろうね」

召喚士「は、はい…っ」

テクテクテク…

詩人「…あ、そうそう」

召喚士「…?」

詩人「召喚士君は魔物が全て、敵だと思ってるかい?」

召喚士「…いえ」

詩人「理由は…?」

召喚士「特にありませんが、志を共にする魔物を何度も見て…」

詩人「……」

召喚士「…そして、共闘してきましたから」

詩人「…そうか、それならば良かった」

召喚士「……?」

詩人「…それじゃ」

詩人は一瞬微笑み、その場を立ち去って行った。


284 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:19:12.93 ID:r0Qny9Uo
〜次の日〜

戦士「……遅せぇ」

盗賊「……」

テクテクテク

ジュニア「おっはよう」

戦士「おっはよう…じゃねぇよ!7時って言ったろ!?」

ジュニア「…ありゃ?そうだっけか?」

魔道士「もう8時ですよ!」

ジュニア「ハッハ!細かい事は気にすんなって!」

戦士「細かくねぇだろ!一時間はよぉ!」

ジュニア「悪い悪い…ハッハ!」

召喚士「と、とにかく行きましょうか」

盗賊「……ああ」

ジュニア「先が思いやられるなぁ」

戦士「誰のせいだっ!!」


285 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/01(金) 17:19:50.85 ID:r0Qny9Uo


魔道士「えぇと、ここから北の村は……」

召喚士「街道を行くよりは山脈を行ったほうが近いですね」

戦士「でもあっちは結構険しいぜ?」

盗賊「…私は…構わぬ」

魔道士「私も平気ですっ」

ジュニア「俺は楽な方がいいなぁ…」

戦士「……よし、山脈で行こう!」

ジュニア「おいおい…聞いてましたかぁ?」

召喚士「さ、山脈経由でいいですかね…?」

ジュニア「…まぁいいさ。お任せするよ」

魔道士「……て、適当というか柔軟というか」

盗賊「…適当だ」

戦士「…ああ」

一同は北の街を発ち、一路山脈経由で北の村を目指す。


286 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 18:18:04.30 ID:jL09fMDO
>>1乙!
左大臣のフラグがやな感じだぜ…
鍛治屋フラグは嬉しいけどな
そういえば眼鏡と始めて出会ったのは鉱山の町だったな


287 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/10/01(金) 19:48:40.14 ID:NbDFDYAO
乙!

>>1が毎日頑張ってるというのに何もしてやれない俺…せめてあげ!
書籍化したら各巻10冊買うから勘弁して下さい


288 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 21:57:56.98 ID:/TKejgDO
>>1乙
アニメ化マダー?


290 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 23:54:33.83 ID:Ge9Zxsc0
最初の方の下ネタでアニメ化アウト


291 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/02(土) 00:09:03.14 ID:7vMxfj.o
アニメ化するとダサいタイトルに改変されるからおk
下手するとコカトリスリストラ


295 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/02(土) 19:20:22.42 ID:t9AUpgAO
連載1年までもう1ヶ月切りましたね、無理せず100部完結まで頑張って下さい。
某格ゲーで作成した画像をアプしましたのでもし見かけた際はよろしくお願いします。


299 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:39:25.64 ID:jAGsW0Mo
テクテクテクテク

魔道士「ジュニアさんは鉱山の街で働いてるんですか?」

ジュニア「…ん?」

魔道士「いや…途中乗船だったから、そうなのかなって…」

ジュニア「んー、まぁ…別にいっか」

盗賊「……」

ジュニア「…ああ。鉱山の街で働いてるよ」

魔道士「何だぁ!やっぱりそうだったんですねっ!」

ジュニア「……?」

召喚士「何度か立ち寄った事あるんですよ、鉱山の街」

戦士「馴染みの鍛冶屋がいてな」

ジュニア「ほぉ、そうだったのか」

魔道士「ええっ。鉱山にも行った事ありますよ」

ジュニア「……鉱山…ねぇ」

召喚士「……?」


300 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:42:27.69 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「鉱山へは何しに行ったんだ?…依頼か?」

召喚士「あ、いえ…」

戦士「鉱石発掘さ。個人的な理由でな」

ジュニア「…そういう事か。なるほどな」

召喚士「ジュニアさんは鉱山の護衛とか見張りですか?」

ジュニア「んーまぁそんなとこだね」

召喚士「やっぱりそうでしたか」

盗賊「……?」

ジュニア「…ハッハ、いや正直シンドイのよ…」

魔道士「大変そうですものね……」

ジュニア「ただですら忙しいのに主力が一人抜けちまってなぁ」

戦士「……サボってていいのか?」

ジュニア「ああ…いい、いい。忌引休暇ってとこさ。ハッハ」

戦士「ま、そんならいいけどよ……」

ジュニア「国軍もカバーしてくれんだろうよ。気にすんなって!先を急ごうぜ!」


301 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:43:09.34 ID:jAGsW0Mo
山あいの道をしばらく進むと、間もなく北の村のふもとへと辿り着く。

魔道士「この辺も魔物…減りましたね」

召喚士「そうですね。北方の皆さんが頑張ってますからね」

戦士「なーんか狩りしてた頃が懐かしいなぁ」

召喚士「うん…」

ジュニア「それだけ強くなったって事さ」

戦士「ま、そうだよな…」

ジュニア「国軍だけじゃねーぞ?至る所じゃワーカーが昔のお前らみたいに頑張ってる」

魔道士「そうかぁ…そうですよね」

盗賊「……見えてきたぞ」

〜北の村〜

戦士「…何だ?国軍の連中がやたらいるが……」

召喚士「えぇと、大軍師さんは…」

テクテクtク

召喚士「あの…すみません」


302 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:43:56.55 ID:jAGsW0Mo
ヒゲの男「…はいよ?ワーカーの方かね?」

召喚士「こちらに大軍師さんはいらっしゃいますか?」

ヒゲの男「大軍師様?今は本国に戻られてるぞ」

召喚士「そうなんですか?」

ヒゲの男「ああ。何か用か?」

戦士「参ったな…」

召喚士「他に責任者の方は?」

ヒゲの男「今はあちらの男が代行だが…?」

ヒゲの男は一人の軍人を指差す。

魔道士「あの人…っ」

召喚士「…参謀さん?」

参謀「……?おや、朱雀先生っ!」

召喚士「どうも。今は参謀さんがこちらを?」

参謀「ええ、兄が本国へ戻っている最中を頼まれまして…」

召喚士「!?」

盗賊「…兄?」


303 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:44:52.55 ID:jAGsW0Mo
参謀「あ、ええ…。大軍師は私の兄です」

魔道士「そうだったんですかぁ!」

参謀「ところで、何かご用ですか?」

召喚士「あ、実は……」

召喚士はマジシャンの遺体捜索についての詳細を問う。

参謀「……成程」

召喚士「ダ、ダメでしょうか…?」

参謀「…いや、ご子息がいらっしゃるなら…駄目とは言えませんよ」

ジュニア「…すまんね」

参謀「いえいえ」

戦士「んじゃ早速、最北の村へ行きますか」

参謀「ちなみに催促の村には、北方司令がいらっしゃいますので…」

召喚士「左翼長さんが…!?」

参謀「はい。戦後処理と…やはり捜索活動を……」

召喚士「そうですか…」


304 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:47:14.10 ID:jAGsW0Mo
参謀「事情は分かっているはずです。言えば合流出来るかと…」

召喚士「分かりました」

魔道士「ありがとうございますっ」

参謀「此処には衛生兵も居ますし、いざという時は無理せず…」

召喚士「はいっ、ありがとうございます!」

参謀「では、お気を付けて」

魔道士「行ってきますっ!」

戦士「さーて、最北へはこのまま北に真っ直ぐか…」

ジュニア「山道続きだが、夕方までには着くだろう」

盗賊「…だな」

五人は北の村を後にし、最北の村を目指し出発する。

テクテクテクテク

魔道士「ジュニアさんは、マジシャンさんの記憶とか…ないんですか…?」

ジュニア「…んー、ないなぁ。俺が生まれて間もなく別れたらしいしなぁ」

魔道士「そうですかぁ……」


305 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:47:46.44 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「そっ。だから親子っつっても実感ねーし、関わりもねーのよ」

盗賊「……」

ジュニア「頂いたのは名前だけってか…。ハッハ!」

召喚士「それでも…親には変わりないですよ」

ジュニア「…まぁな。だからこうして…な。せめて墓でも建ててやらんとな」

魔道士「……はい」

ジュニア「…まぁまぁ、楽しく行こうじゃないの!ハッハ…あっ」

盗賊「……?」

ジュニア「……腹…減った」

魔道士「あっ、ちょっと待って下さい!」

ゴソゴソッ

ジュニア「……?」

魔道士「おにぎり、作ってきたんです!」

ジュニア「おぉ!?マジかよ!いっただっきまーす!」

戦士「俺も一個くれ!」


306 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/10/02(土) 23:48:19.81 ID:jAGsW0Mo
盗賊「……わ、私もっ」

召喚士「じゃ、じゃあちょっと休憩にしましょうか…」

ジュニア「あーいいよ。歩きながらでさ!」

召喚士「そうですか?」

ジュニア「なかなかオツなもんじゃないの。こういうのもさ」

戦士「青い空…自然の中でおにぎり食いながら散歩…」

召喚士「さ、散歩って……」

盗賊「…心地良い。はむっ」

ジュニア「‥‥んー!うまい!!」

魔道士「本当ですかっ!?良かった…えへへっ!」

戦士「さぁ、元気も出たところでもうひと踏ん張り…頑張りますかぁ!」

ジュニア「ですなぁ!」

盗賊「…ですなぁ」

魔道士「ですなー!!えへへ!!」

召喚士「……あははっ!」



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