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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
740 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:39:59.53 ID:E+BxmQ7ko
〜本国、酒場〜

 ガヤガヤガヤッ キィッ

ワーカー「……おい、見ろよ」

モヒカン「ヒューッ! 姉ちゃん、色っぽいねぇ。男漁りかい?」

ワーカー「ギャッハハハハハ!!」

 コツコツコツ…カツ

天才「……こんな所に何の様だよ」グビッ

占い師「……大して飲めもしないくせに」

天才「ハーッハッハッハ! いいじゃねぇか。どうせもうじき飲めなくなるんだ」

占い師「……」

天才「今のうちに飲めるだけ飲んで、冥土の土産にしときゃいいってもんだ」

占い師「あ……のさ……っ」

天才「盗賊か? まぁ座れよ」スッ

占い師「……」ストン

天才「お前も予言、見たんだろ?」


741 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:40:27.82 ID:E+BxmQ7ko
占い師「……」

天才「盗賊は死なねぇよ」

占い師「……は、ってどういう事よ」

天才「盗賊は死なねーけど、他の奴は死ぬってこった」グビッ

占い師「分かってて……送り出したの!?」

天才「どうにもならねー事もある。それに――」

 バシッ!!

占い師「……っ」

天才「……」

 占い師の平手打ちで酒場が一瞬で静まり、倒れた酒瓶から零れる酒の落ちる音だけが響き渡る。

モヒカン「……ごくっ」

天才「いってーな。落ち着けよ」

占い師「落ち着いていられるわけないでしょうっ!」

天才「落ち着けって言ってんだろうが!」ドンッ!!

占い師「……っ」


742 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:40:58.33 ID:E+BxmQ7ko
 天才がテーブルへ拳を打ちつけると、酒場はまたしても静寂と化した。

マスター「……っ」

天才「何見てんだよ」

ワーカー「!?」

モヒカン「マ、マスター! バーボンがねぇぞおら!」

マスター「こっ、このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」

天才「確かにお前の言いたい事も分かる。だが、手遅れだった」

占い師「……手遅れ?」

天才「ああ。既に死んでたんだよ」

占い師「どういう意味よ!? 既に……死ん……」

天才「隊長だよ」

占い師「……えっ?」

天才「あのヤローは、イブリース戦で既に、死んでたんだよ」

占い師「嘘……っ」

天才「俺様が自分で確認した。いや、触れたら知っちまったってとこか」


743 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:41:31.97 ID:E+BxmQ7ko
占い師「じゃあ……隊長は……」

天才「ネクロマンサーの人形と化してた。だがどういう事か、自分の意思を保ってた」

占い師「そんな事、あるわけ?」

天才「知るか。実際そうだったんだからそうなんだろうよ」グビッ

占い師「じゃあ隊長は……今度の戦いで……」

天才「死ぬつもりだろうな。自分が気付いちまったらな」

占い師「言わなかったの?」

天才「言えばあいつの性格上、その場で命を絶つだろうな」

占い師「敵に操られるくらいなら……死を……」

天才「そういうこった。アイツはそういう男だ」グビグビッ

占い師「盗賊ちゃんの予言は、運命なのよね?」

天才「宿命じゃねぇのは確かだが、運命とも限らん」

占い師「……?」

天才「そういうビジョンが見えただけだろ? 本人かも分からんだろ」

占い師「そ、そっか……! 盗賊ちゃんの姿をした何かや、幻術って事もあるわね……っ」


744 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:42:07.60 ID:E+BxmQ7ko
〜竜宮城、地下〜

戦士「許……さねぇ」

 ゴゴゴゴゴゴ……

マーラ「――ッ!?」

戦士「てめぇだけは絶対に……許さねぇ」ザッザッ

マーラ「な、何なのこれ……ッ、このアタシが……気圧されているとでも言うの……ッ!?」

戦士「……」

 バチッ!! バチチチチッ!! ズゴアアアアァァァァ!!

鬼丸「相棒!!」

西方参謀「何つう雷の量だ……っ! アイツ、まだあんなに余力があったのか……?」

兄様「生命力だ。己の命を燃やしている。あれは……危険だぞ!」

青年兵「…………ん」パチッ

 ガバッ!!

青年兵「い、一体……何が……っ」

マーラ「……クッ! 人間の分際で魔王であるこのアタシを……アタシを……ッ」


745 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:42:34.24 ID:E+BxmQ7ko
戦士「俺の命がどうなろうと関係ねぇ。てめぇだけは……ぶっ殺す!!」

マーラ「なめるな人間風情イイィィィィ!!」

戦士「がああぁぁぁぁーっ!!」

 チュインッ!!

マーラ「――!?」

火忍「消え……違うっ! 早い!」クルッ

風忍「まさか我らの動体視力を上回るとでも言うのか……っ」

 ズガッシュウウウウゥゥゥゥ!!

マーラ「ヌグウウゥゥゥゥーッ!!」

戦士「っりゃああああぁぁぁぁ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

土忍「ま、魔王を……ふっ飛ばした……っ」

 スタッ

戦士「はぁ、はぁ……はぁ……はぁ……っ」

兄様「たわけがっ!!」バシッ!!


746 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:43:38.03 ID:E+BxmQ7ko
戦士「……はぁ、はぁっ」

兄様「死ぬつもりかっ!」

戦士「……もう……いんだよ」

兄様「よく見てみろ」

戦士「……?」

 ブンッ!! サアアァァァァ…

兄様「盗賊は死んでなどおらぬ。安心しろ」

戦士「盗……賊……?」

盗賊「い、一体……何が起きて……」

風忍「間一髪だったな」スタッ

火忍「おう。ほんと、てめぇとの合体奥義は役立たずだとばかり思ってたんだけどなぁ」

兄様「奥義、花鳥風月。幻術の一種だ」

盗賊「あ……っ、雷の時使った……」

風忍「そういう事です。奴にもうまく嵌ってくれたようですしね」

 チラッ


747 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:44:06.58 ID:E+BxmQ7ko
水忍「何ぃ!? い、居ない!!」

土忍「上だあぁ!!」

 ズッガアアアアァァァァン!!

盗賊「くうぅっ!」ゴロゴロッ

戦士「ぐはぁ!」ドシャッ

マーラ「ビックリさせやがって……クッ」

火忍「姫……は?」

鬼丸「相棒が身を挺して守ったぜ、ほれ」

兄様「流石は魔王か。無尽蔵ではないにせよ、どれ程までか底が見えぬわ」

マーラ「アンタ達こそ頑張ったじゃない」

風忍「まだ、これからよ」チャキッ

マーラ「いーえ。もういいわ。何だか色々と面倒になっちゃったもの」

西方参謀「何か……企んでいるぞ!」

マーラ「どうせ龍脈もないんだし、こんな地……不要よねぇ」ニタァ

兄様「……貴様っ!!」


748 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:44:33.60 ID:E+BxmQ7ko
マーラ「悉くを消し飛ばしてやるわ。大地も山も緑も、そして……人間もねぇ」

鬼丸「させるかよこの大蝦蟇ヤロー」

マーラ「ほっほっほ。下等な妖に口出しされる覚えはないわ」

鬼丸「下等はてめぇだろうが、蛙程度が図に乗るんじゃねぇぞ」

マーラ「……癇に障るわね。まずはアンタから始末してあげるわ」

鬼丸「出来るもんならやってみろや!」ズゴゴゴゴゴ

マーラ「!?」

鬼丸「どうしたよ魔羅サン。始末すんじゃなかったのかい?」

火忍「鬼丸の様子……おかしくねぇか?」

西方参謀「そういやさっき壁に打ち付けられた時から、蝦蟇がどうのとか、出世どうのって言ってたな」

鬼丸「来ねーのか? 来ねーならコッチから行くぞ?」タンッ!!

マーラ「生意気なああぁぁぁぁ――」

 メシャッ!! ドッゴオオォォォォン!!

マーラ「……?」

鬼丸「おおおおぉぉぉぉ!!」


749 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:45:14.25 ID:E+BxmQ7ko
 ズガガガガガッ!! ドドドドドドッ!!

マーラ「バ……馬鹿な……ぐぶぅ! こ、こんな……ごふぉ!!」

鬼丸「ハッ! さっきまで梃子摺ってたのが嘘みたいだな」ズガガガッ!!

マーラ「図に……乗るなアアァァ!!」

鬼丸「おっと」ヒョイッ

戦士「鬼丸……なのか……?」ヨロッ

盗賊「強い……っ」

鬼丸「このまま攻撃し続けてりゃあ、そのうち死にそうだわな。グワハハハハッ!!」

マーラ「……何なのだっ、何なのだ貴様等はああぁぁ!!」

 ゴアッ!! ドドオオオオォォォォン!!

土忍「巨大化したっ!」

火忍「デカけりゃいいってもんじゃねぇぞ!」

風忍「若、ここは今のうちに、一気に片を」

兄様「いや待て。何か……おかしい」

西方参謀「……?」


750 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:45:47.05 ID:E+BxmQ7ko
 ブオオオオォォォォ……

鬼丸「グワーッハッハ! 蝦蟇みてぇに大きく膨れてやがる」

マーラ「ほっほっほ……グフフッ、グフッ!」

盗賊「妙だ」

戦士「な、何をするつもりだ……?」

マーラ「アタシがこの美しい姿を捨てるのだ。光栄に思うが良いわっ!」

火忍「またバケモノガエルになるつもりか?」

 ヒュンッ!! ザシュウウゥゥ

火忍「な……にぃ……っ!?」ドサッ

マーラ「あらゴメンナサイ。舌が伸びすぎて、刺さっちゃったわ」

水忍「火っ! 馬鹿者めが……っ」グイッ

マーラ「さぁ、今度こそ正真正銘……本気よおおぉぉぉぉ!!」

 ドガガアアァァァァ!! ズッズウウゥゥゥゥン!!

盗賊「こ……れがっ、真なる魔王ーラの姿……っ」

マーラ「グッフウウゥゥゥゥ……ハアアァァァァ!!」


751 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:46:13.62 ID:E+BxmQ7ko
〜剣聖の屋敷〜

 ピシッ……ピキッ……ビシイイィィ!!

東方司令「来るぞっ!」

 バゴオオオオォォォォン!!

神野「……フウウゥゥ」

サル「お次は牛かいっ」

神野「猪や虎のようにいくと思ったら大間違いですよぉ!!」

 ゴガァ!!

東方司令「力が増している……くうぅっ!」ズザザザッ

神野「そらそらそらあぁ!! 吹き飛べえぇ!!」

東方司令「ぐはあっ!!」ドシャア

召喚士「東方司令さん……っ」

女剣士「お姉様ばかりに、戦わせるわけには参りませぬ!」ザッ

東方司令「……どけっ」ググッ

女剣士「お姉様……!?」


752 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:46:39.78 ID:E+BxmQ7ko
東方司令「これはボクにしか出来ない事なんだ。いいから、退がっていろ」ヨロッ

女剣士「……っ」

東方司令「この後、奴のトドメを刺す時まで……力を温存しておくんだ」

神野「この後? 笑わせますねぇ。この後など……ないっ!!」

東方司令「どけっ!」ドンッ!!

女剣士「お姉様っ!!」

神野「ヒャーッハッハッハ! 仲間を庇って盾となるっ! 実に愉快っ、滑稽っ!」

 ドッガアアァァァァ!!

東方司令「……が……ごほごほっ!!」ポタタッ

魔道士「召喚士さんっ! ここままでは……っ」

召喚士「……分かっていますっ!」ズザッ

東方司令「……? 何の真似だ……っ」

召喚士「ダメージが大きすぎます。いかに老化しないと言えど死んでしまっては意味がありません」

東方司令「……ふっ。ボクがこの程度で死ぬ? それこそ笑い話さ」フラッ

 ガシッ


753 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:47:09.37 ID:E+BxmQ7ko
東方司令「……?」

くの一「大丈夫……ですか?」グイッ

女剣士「お姉様、あなたは1一人ではありません」

魔道士「そうですっ! 私達だっているんですから……っ!」ズイッ

帝「ここまでの戦いぶり、誠に感謝すると共に、天晴れ也」

名代「全員で当たれば、多少のものは押しきれるやもしれませんね」

女侍「へぇ、理詰めかと思ったけどさ、博打的なとこもあるじゃない」

キジ「やれやれ。いっその事、お前が赤いジャケットで囮になるさー」

イヌ「おっ、それ名案ね!」パチパチパチッ

サル「闘牛じゃねぇんだぞ! アホな事言ってんじゃねぇ!」

神野「……宜しい。ならば総力戦といきましょうか」

召喚士「……行けっ! クジャタ!!」

 ズッシイイイイィィィィン!!

神野「其方も牛の化物ですか。わざわざご苦労な事です」

召喚士「さぁ、かかって来い!! シンノアクゴロウ!!」


754 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:47:41.65 ID:E+BxmQ7ko
……――

 タッタッタッタッタッ

妹『兄さんっ! 今日もボクと剣の稽古しよっ!』

兄『ははっ。そうしたいのは山々だけど、お前は俺よりも遥かに強くなってしまったからなぁ』

妹『え〜っ? でもボク……稽古したいよぉ!』

兄『そんなに強くなって、どうするんだ?』

妹『決まってる! ボク達のお父さんとお母さんを奪った魔物を……倒すんだ!』

兄『剣を振るうだけが戦いじゃないぞ?』

妹『兄さんはいっつもそうやって勉強ばっかり。つまんない』

兄『仕方ないなぁ……。それじゃ、この前の人の所で世話になるかい?』

妹『さんせいっ! だってあの人、すっごく強いから、ボクでも勝てないくらい強いからねっ!』

兄『そうなると必然的に僕も弟子になる事に……はぁ』

妹『何か言ったぁ?』

兄『いーや。何でもないよ、東方司令っ』

妹『ぬへへぇ〜っ! いつもありがとっ、北方司令兄さんっ!』


755 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:48:08.66 ID:E+BxmQ7ko
――……

 いつの頃か不老となり、容姿は変わる事無く、少女のままとなっていた。

 それでも国軍へ入隊し、剣を振るい、自身を奮い、お師匠の下、司令にまで上りつめた。

 私生活では人間からバケモノ扱い。戦場では魔物からバケモノ扱い。

 別にそれは慣れてしまえば、苦でも何でもなくなった。

 強くなって戦って、生き延びて。その度にバケモノの数は増えていった。

 反面、周りから人間は次第に減っていった。残ったのは気心知れた一部の者と兄さん。

 そして兄さんも北で死んだ。最後まで戦場で、不得手な武器を振るいながら戦って死んだ。

 僕は一人になった。眠れない。母の暖かな温もりが欲しい。誰かを……愛したい。

 でも失う事が怖かった。人を愛する、慕うなど無用だった。そう言い聞かせ続けた。

 でも、違ったんだな。気が付けば……ほら、こんなに。

東方司令「…………」

女剣士「お姉様を……守るっ!!」

召喚士「魔道士さんっ! 風を……お願いします!」

魔道士「はいいっ!!」


756 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:48:36.98 ID:E+BxmQ7ko
帝「どうした? 痛みが増すか……?」ズイッ

東方司令「――っ!!」ビクッ

帝「……?」

東方司令「い、いえっ! 大丈夫……っ」

名代「一先ず後方へ。我らが何とか、触れずに食い止めてみせまする!」

キジ「風ならこっちも手伝うさー!」

召喚士「クジャタ! もっと……もっとだぁ!!」

クジャタ「オオオオォォォォ!!」

名代「天狗っ!!」ボウンッ!!

天狗「ハアァーッ!」ゴアッ!!

神野「さぁさぁさぁさぁさぁーっ!! まだまだいきますよおおぉぉ!!」ドゴォ!!

サル「この風量で止まらねぇのかよ……っ!」

イヌ「何か手はないね!?」

召喚士「……よし、あの手でいきましょうか!」

女侍「アンタに任せるよ。何なりと言っとくれ!」


757 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:49:18.54 ID:E+BxmQ7ko
 ゴッガアアアアァァァァ!!

魔道士「はああぁぁーっ!!」

 ドッゴオオオオォォォォン!! ゴガガガガアアァァ!!

神野「ヒャーッハッハッハッハ! どこへ撃っておるかぁ!」

魔道士「う、うるさいっ!」

帝「ほぉ、魔道士も怒るのだな。初めて見たぞ」マジマジ

魔道士「……っ」カァーッ

女剣士「スタンバイ完了だ。あとは……」

くの一「導く……のみ」ジャキッ

召喚士「ただ、最後の決め手が……」

 ザッザッザッ グイッ

召喚士「……東方司令さん?」

東方司令「ボクが行く」

召喚士「し、しかし……っ!」

東方司令「ボクはもう1人じゃない。それが分かっただけでも十分。悔いはないよ」ザッザッ


758 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/01/16(月) 17:53:46.08 ID:E+BxmQ7ko
それではここまでにて残業してきます!
ご支援ありがとうございます!そいでは!ノシ


759 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/16(月) 18:09:17.34 ID:gCgajd8Ao
>>1乙!
北方司令にそんな過去が・・・


762 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/16(月) 19:43:48.07 ID:/ICufOxDO
>>1乙!
戦士が主人公すぎてわろたww
東方司令の台詞…もう何も怖くない状態だけど大丈夫だよ…ね?


765 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/01/16(月) 20:51:22.80 ID:n/RJemkDO
このタイミングで回想はやばい


780 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 17:58:13.57 ID:iLT0s0ijo
召喚士「東方……司令さん……?」

東方司令「大丈夫。ボクは死なない。いや、こんな所では死ねないよ」

 ザッザッザッ

神野「こんな所、か。なめるなよ……神野悪五郎様をっ!!」

 ドッギャアアァァァァ!!

女侍「来たよっ!」

召喚士「クジャタ!!」

 ゴッゴオオオオォォォォ!!

神野「この程度の風で……押し返せると思うてかああぁぁ!!」

召喚士「援護……っ、お願いします!」

魔道士「撃ちますっ!!」

キジ「いくさー!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

 クジャタ、天狗、魔道士、キジの風が1つとなり、神野悪五郎の突進を食い止める。

 攻防は均衡状態となり、共に決め手を欠く、真っ向からの消耗戦へと相成った。


781 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 17:58:50.42 ID:iLT0s0ijo
 ズゴゴゴゴゴゴ……

神野「……さぁ、耐え切れるかアアァァ!?」

召喚士「耐えてみせるさ!」

魔道士「くっ、うぅーっ!!」ゴウッ!!

東方司令「女剣士、頼みがある」

女剣士「!?」

東方司令「一瞬でいい、風を斬り裂き、道を拓いてくれ」

女剣士「お姉様……?」

東方司令「大丈夫。死なぬ、と言っただろ」スッ

女剣士「……分かりました」

 スチャッ ググググッ

女剣士「いきますっ!」

東方司令「頼む!」

 バッシュウウゥゥゥゥ!!

東方司令「でやああぁぁぁぁーっ!!」


782 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 17:59:28.11 ID:iLT0s0ijo
 タァンッ!! ズザザザザアアァァ

神野「何ッ!?」

帝「東方司令!!」

東方司令「構うな! 風を……防御を続けろぉ!!」

召喚士「く……っ」ババッ!!

 ドッゴウウゥゥゥゥン!!

神野「特攻か? 無謀也ッ!」

東方司令「無謀ではないっ! 勇敢だ!」

 ガギギギギイイィィィィ!!

神野「自身を起点に、押し返す気か……?」

東方司令「おおぉぉぉぉ!!」

 ズズッ……ズズズズッ

サル「やっぱり無茶だろっ、押されてる挙句、風の魔法をモロだぞ!?」

東方司令「ぐ……ううぅぅぅ!!」

神野「耐え切れるものか……愚か者めがぁ!!」


783 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 17:59:55.73 ID:iLT0s0ijo
 ズッガアアァァァァ!!

東方司令「くあぁ……っ!」ズザザッ

くの一「だ、駄目だ……っ。耐えられるわけ……」

女剣士「信じるのだ、お姉様を……っ」

魔道士「……っ」

東方司令「手を緩めるなぁ! 放ち続けよっ!」

魔道士「は、はいっ!」ドウンッ!!

神野「……」

東方司令「ふ、ふふ……っ。どうした……魔王よ……っ」ググッ

神野「その目。命落とそうとも諦めぬといったその目……不愉快ですねぇ」

東方司令「ボクの後ろには大切な仲間がいるんだ」

神野「……」

東方司令「決して諦めない。そして……負けない!」

神野「……?」

東方司令「はあああぁぁぁぁ!!」


784 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 18:00:28.69 ID:iLT0s0ijo
 ボウッ

神野(思念体……? 何だっ、幻術の類か……!?)

東方司令「ああああぁぁぁあ――」

北方司令『東方司令、分かっだろう?』

東方司令「……っ!!」ハッ!!

北方司令『強くなると言う事は、敵を倒す事にあらず』

東方司令「兄さん……っ!?」

北方司令『お前は1人じゃない。お前の後ろには、頼れる仲間が大勢いるではないか』

召喚士「東方司令さん!!」

魔道士「東方司令さぁん!」

女剣士「お姉様……っ」

帝「東方司令、耐えるのだ……っ!」

北方司令『得た強さは、お前の背後を護る為にあるのだ。忘れてはならんぞ』

東方司令「兄さん……? 兄さんっ!!」

北方司令『お前は強い。強くなった。さぁ、見せてやれ……お前の強さを!』


785 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 18:01:07.81 ID:iLT0s0ijo
 パアアアァァァァ

神野「何いいぃぃーッ!?」

東方司令「うああああぁぁぁぁーっ!!」

 ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

神野「……が……っ」ガクンッ

召喚士「止まった!!」

女侍「サル!!」

サル「あいよーっ!」

 取り出した球を側面から神野悪五郎の足元へと転がすサル。

 その直後、球は爆発を巻き起こし、神野悪五郎の足元が一気に崩壊した。

 ズッドオオォォォォン!! ゴガアアアアァァァァ!!

神野「なああぁぁにいいぃぃーッ!?」

 崩れ落ちる地面へと牛の姿をした神野悪五郎が落下してゆく。

神野「そ、そうかっ。先程放った魔法……外したわけではなく最初から地面を……っ!」

魔道士「うるさいっ、って言いました!」


787 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 18:01:29.90 ID:iLT0s0ijo
 ズガガガガガガッ!!

名代「追撃をっ!!」

くの一「百花……繚乱っ!!」ズララッ

 バシュシュシュシュシュッ!! ドドドドドドッ!!

神野「この私が……一杯食わされるとはな……っ」

召喚士「行けっ! スフィンクス! サンダーバード! スキュラ!」

 シュイイィィィィン

スキュラ「凍りつっ!」

サンダーバード「ハアアァァーッ!」ガカアアァァァァ!!

スフィンクス「だぶるどろっぷ……きーっく!!」

 バッゴオオオオォォォォン!!

神野「ガフウウゥゥ……ッ!!」ゴシャッ!!

スフィンクス「おぉ、また大人になったぞ! フフン、これで私も――」

 シュイイィィィィン

召喚士「さぁ、とどめをっ!」


788 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/17(火) 18:02:00.74 ID:iLT0s0ijo
 タアンッ!!

東方司令「付加を頼むっ!」

魔道士「雷……撃ちますっ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ガカアアアアァァァァ!!

東方司令「はああああぁぁぁぁーっ!!」

 大空高く跳び上がった小さな身体は、大きな刀を振り上げ、地面で小さく息を吐く

 大牛の化物めがけ刃を突き降ろす。そして彼女は、小さな笑みを浮かべた。

東方司令「……ふーっ」スタッ

 バチチチイイィィィィ!! ズッガアアァァァァ!!

神野「ゴ……ガアアァァァァ!!」

サル「今度こそ……やったよな……?」

名代「あと一回。最後は鼠はずです」

イヌ「ネズミ? ははっ、最後に小者ね」

帝「分からぬぞ、窮鼠猫を噛むという諺もあるくらいだからな」

召喚士「……ええ」



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