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幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」
299 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:29:41 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・
―――【朝】


・・・・ドン・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・ドン

・・・ドンドン

・・・・・・・・・・・・・・・ダァァァァァン!!!


???「・・・・どんだけドア固めてあるんだよ!」

???「・・・・おい、無理やり開けたら壊れるだろうが」


幼剣士「・・・!」ビクッ

乙女僧侶「な、何事ですか・・・!?」ガバッ


300 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:30:24 ID:dsWBeyD.
 
童子騎士「な・・・何の音・・・!」ガバッ

めがね魔道「・・・」グゥグゥ


幼剣士「・・・扉が、開いてる・・・?」マブシイ


童子騎士「て、敵!?」

幼剣士「・・・ううん・・・人がたってる・・・2人・・・」


乙女僧侶「だ、誰ですか!?」


???「・・・誰ですか、だってさ」

???「ひでぇなおい・・・」


301 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:30:55 ID:dsWBeyD.
 
乙女僧侶「・・・・あぁっ!」



僧侶戦士「久しぶりだな」

武道家「よっ、無事だったか!」



乙女僧侶「・・・・武道家さん!僧侶戦士さん!」


僧侶戦士「アラクネの討伐完了だ。ひとまずちょっとだけ落ち着いたぞ」

武道家「へへ!」


302 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:31:45 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・・

僧侶戦士「・・・・町はひどい有様だった」

武道家「あんま言いたくないが・・・、あまりにも犠牲が多すぎる・・・」

乙女僧侶「・・・」


童子騎士「そんな・・・」

幼剣士「・・・」ブルッ

めがね魔道「なんで・・・こんなことに・・・」グスッ


303 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:32:50 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「軍に魔獣の異変が届いたのは約3週間前。パニックを恐れて非公開にしてたんだ」

乙女僧侶「そ、そんな前から・・・?」

僧侶戦士「あぁ。だが・・・それは逆効果になってな・・魔獣たちの赤眼・・・感染速度が尋常じゃなかったんだ」



幼剣士「感染・・・もしかして・・・塔・・?」ボソッ


武道家「ん・・・・お前・・・、弟クン・・・幼剣士だったか・・・?なんで塔のことを知ってる?」ピクッ

幼剣士「前、お兄ちゃんが話したのを聞いたから・・・」


乙女僧侶「塔ってなんですか?」


304 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:34:08 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・・僧侶戦士、いいのか?」

僧侶戦士「・・・身内だ。多少の話は仕方ないだろう」


武道家「いいか・・・、30年前の魔王との戦いは知っているな?」

幼剣士「・・・」コクン


武道家「その時に魔王軍が建てた負の遺産・・・、「魔法の塔」が星降町があるんだ」

乙女僧侶「あ、聞いたことがあります」

武道家「そのテッペンに真っ黒な純粋な魔法石があるんだが・・・それを巡って、その周辺で戦いが起きた」


童子騎士「それが・・紛争?」


305 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:35:28 ID:dsWBeyD.
 
武道家「アレがあると、元々貧乏だった村ですら巨大な産業国になりうるくらいの価値があったんだ」

幼剣士「・・・」


武道家「その紛争は地区同士の潰し合いから、どんどん肥大化していった。やがて・・その周辺全体が紛争地帯となっていったんだ」

僧侶戦士「それが星屑と呼ばれるようになった全貌だ」


幼剣士「で、でも・・・それが今回の襲撃と何か関係が?」


武道家「問題っつーのは、その負の遺産・・・"塔"の存在だ」

乙女僧侶「・・・?」


306 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:36:11 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「機密事項なんだがな・・・その"塔"の魔石ってのは、元々、魔力が宿ってなかったんだよ」

乙女僧侶「・・どういうことですか?」

僧侶戦士「単純にいえば、他の周囲の魔力を吸い取ることで力を発揮する物だったんだ」

乙女僧侶「周りの・・・ってことは・・・」


武道家「その通り。紛争は元々仕込まれたものだった可能性が高い。あの塔だってそういうのを見越してたのかもしれない」


幼剣士「・・・・!」


武道家「紛争が終了したっていうのも、その塔の周辺から"赤眼"が出たからだ」


307 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:37:22 ID:dsWBeyD.
 
乙女僧侶「・・・」

幼剣士「ち、ちょっと待ってよ!じゃあ・・・お兄ちゃんは!?お兄ちゃんはその星屑の町に向かったんだよ!」


武道家「・・・」

僧侶戦士「そのことなんだけどな・・・」


武道家「実は・・・、青年剣士が向かった理由は・・・その塔の調査だったんだ」

幼剣士「・・・お、お兄ちゃんは大丈夫なの・・・?」


僧侶戦士「約2週間前。最後に塔の中枢から連絡が入った日だ」

乙女僧侶「え・・・・じゃ、じゃあ・・」

武道家「行方不明・・・になってる」


308 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:38:08 ID:dsWBeyD.
 
幼剣士「・・・嘘だよ!!!絶対!!!お兄ちゃんがそんなわけない!!」

乙女僧侶「・・・青年剣士さん・・・が・・・・」


僧侶戦士「・・・」

武道家「・・・」


童子騎士「その・・・、師匠は・・・・、そんな重要な事を任される立場の人・・・だったんです・・か・・・?」

僧侶戦士「あいつはな・・・人以上の力を持ってる上に、成果をあげてる軍のエースなんだ」

武道家「実力だけでいえば、世界でも指折りになるかもしれないな」


童子騎士「・・・・師匠・・・」


309 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:38:59 ID:dsWBeyD.
 
乙女僧侶「・・・・それで、これからどうなるんですか・・・?」

武道家「・・・・、ここは大尉殿がいる限り安泰だから安心していい。あと問題は・・・・青年剣士だな・・・」


童子騎士「昨日から、大尉殿、大尉殿って皆言ってるけど・・・そんな・・・凄いんですか・・・?」



僧侶戦士「ああ強いぞ。なんて言っても、俺らの恩師だからな」

乙女僧侶「恩師?」

武道家「あ、そうか・・・おい!それ言っちゃだめだろ!」

僧侶戦士「あ・・・、悪い!何でもない!」


乙女僧侶「・・・・ま、まさか・・・」


310 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:39:48 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・ガチャッ・・・・ギィィィ・・・


幼剣士「ま、また誰か来た?」


???「・・・ここも大丈夫みたいだな」


僧侶戦士「た、大尉ど・・・」

武道家「ば、ばかっ!」ビシッ

乙女僧侶「・・・・や、やっぱり・・・」



戦士先生「・・・・ん?」


311 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:40:33 ID:dsWBeyD.
 
乙女僧侶「よ、良かった!戦士先生・・・無事だったんですねっ・・・」ダキッ

戦士先生「お、おいおい、若い娘に抱きつかれたら・・・いくら俺でも甲斐なく照れるぞ」ハハ


幼剣士「だ・・・誰?」


武道家「俺、青年剣士、幼馴染、僧侶戦士・・・、その冒険学校時代の恩師だ」

僧侶戦士「・・・1年前に軍にスカウトされて、光の速さで大尉まで上り詰めたんだ」


戦士先生「ったく・・・バラしちゃったのか」

乙女僧侶「どうして隠しているんですか・・・?」

戦士先生「知られないで行動するっていうのも、また1つの仕事だったんだ」ハハ


312 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:41:38 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「・・・ま、どのみちココを中心に護衛にあたるし・・いつか気付かれるじゃないですか」

戦士先生「そりゃ・・そうなんだけどな・・」

武道家「でも、これで俺らは俺らの事できるな」


幼剣士「俺らの・・事?」

武道家「そっ。青年剣士の後を追いかけて、救出に向かう」ニヤッ


乙女僧侶「そ、そんな・・・危険すぎますよ!」

僧侶戦士「だけどな、俺もあいつも・・・そんな単純な仲間じゃないんだ・・・だろ?」

乙女僧侶「・・・・」


313 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:42:20 ID:dsWBeyD.
 
戦士先生「星降町は今、暴走化した魔獣の巣窟だが・・・止めたって無駄だろう?」

僧侶戦士「・・・申し訳ないです」

武道家「物分りがいい上司殿でよかったよ」ハハ


戦士先生「特別に眼ぇつむるけどな・・・、道中は今まで以上に危険だし、どこもかしこも・・町は交戦中だぞ・・・」


僧侶戦士「何とかなりますよ多分」

戦士先生「楽観的な・・・。ま、昔からそれで何もかも解決してきたんだろうしな」ハハ


武道家「冒険の扉はやっぱもう使えないよな・・・」


314 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:43:20 ID:dsWBeyD.
 
戦士先生「あぁ。ダメだ・・・。中央国まで行けば動いてるのもあるかもしれん・・・・が・・・」

武道家「・・・何か?」


戦士先生「中央国にはかなりの冒険の扉があるだろう?」

僧侶戦士「・・・ありますね」

戦士先生「そこを逆に通って、魔獣たちが姿を現して、大規模な戦闘状態に陥ってるらしい」


幼剣士「中央国・・・そ、それじゃマスターは!?」


戦士先生「懐かしい名前だな、はは。あの人なら大丈夫だろ、よっぽどじゃない限り倒れないさ」


315 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:44:05 ID:dsWBeyD.
 
武道家「はぁ、それじゃあやっぱり歩きで星屑まで行かないといけないのか・・・・」

戦士先生「海はどうするんだ?」

僧侶戦士「あ・・・」

乙女僧侶「そこ考えてなかったんですか・・・?」


武道家「港まで歩きで4日、そこから船で最速2日・・・か。船・・・動いてっかなぁ・・・」


戦士先生「・・・動いてないだろう・・・この状況じゃ・・・」

武道家「ど、どうしよう・・・」

 
乙女僧侶「ちょっと強くなりましたけど、何か色々と昔と変わってないのは安心します」ヘヘ


316 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:45:03 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・・乙女僧侶、さりげなくバカのまんまだなって意味で言っただろ・・」

乙女僧侶「い、いえそんな!」アセアセ


童子騎士「・・・あの」


武道家「どうした?えーっと・・・名前なんだっけか・・・」


童子騎士「・・・童子騎士です。その、船って"動けば"いいんですか?」

僧侶戦士「・・・どういうことだ?」


童子騎士「西の港ですよね?さすがに最新の魔動力船は無理ですが・・・・、 旧式であれば使える場所、知ってますよ」


武道家「・・・・何?本当か!?」


317 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:45:39 ID:dsWBeyD.
 
童子騎士「・・・はい。亡くなった親父が、よく船旅をしてたので、その周辺で昔よく着いてって遊んでたんです。
       そこの港では、いらなくなった旧式とかの船を貸し出し、していたので・・・大丈夫だと思います」

武道家「船の操作をできるやつは?」


童子騎士「本来ならサポーターがつくんですが、多分今はないないですよね?俺、できます」

幼剣士「・・・童子騎士くん、凄い・・」


 
僧侶戦士「・・・・だけどな、さすがに子供を連れてくわけには・・」


乙女僧侶「・・・そうですよ!ダメです!」


318 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:46:24 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・・」

童子騎士「じゃあ・・・それ以外に方法・・・あるんですか?」

乙女僧侶「そんなの・・・いくらでもありますよ!・・・ね?」


戦士先生「・・・」グヌヌ

武道家「・・・」ウーン

僧侶戦士「・・・」アルカナ・・



童子騎士「・・・」

乙女僧侶「・・・・・」


319 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:47:23 ID:dsWBeyD.
 
 
僧侶戦士「・・・・西の海を越えた後に、すぐに大きな漁港村がある。そこも交戦中だが、他の場所よりは安全だ」

武道家「だな・・・」

僧侶戦士「そこまでの案内、頼めるか?」

童子騎士「・・・大丈夫です」コクン

乙女僧侶「で、でも・・・!」



戦士先生「確かに危険だけどな、道が他にないんだろう・・。それとも、青年剣士のピンチを何もせず見ているか?」

乙女僧侶「それは・・・そうです・・・が・・」


320 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:47:54 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「『犠牲とか、俺のこととかはどうでもいい・・・チャンスを目の前にして逃げてみろ、俺が殴り飛ばす』」


乙女僧侶「・・・え?」


僧侶戦士「子供のとき、俺に人生の英断をさせてくれたヤツの言葉。それ以来、チャンスには必ず手を出すよう
       にしてる。もちろん、それが俺自身が犠牲になろうとも」

乙女僧侶「・・・」


僧侶戦士「俺が英断をしたのは、ちょうど童子騎士くらいの歳だったな・・・・。危険だが・・・頼めるか?童子騎士」

童子騎士「は、はいっ!」


321 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:48:24 ID:dsWBeyD.
 
幼剣士「・・・」


僧侶戦士「じゃあ1時間後には出発するか。準備はしておけよ」

童子騎士「わかりました!」


幼剣士「ぼ・・・僕も・・・ダメ、ですか・・・・!?」ブルブル

めがね魔道「よ、幼剣士くん・・・」


乙女僧侶「・・・」


322 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:49:10 ID:dsWBeyD.
  
武道家「・・・お前も、行きたいのか?」

幼剣士「ぼ・・・僕の家族は・・・、家族は・・・・・・・・山賊に・・・殺されて・・・」


僧侶戦士「・・・」


幼剣士「だ、だから・・・、お兄ちゃんになるって・・・言われた時・・凄い嬉しくて・・・」ヒグッ

武道家「・・・」


幼剣士「・・・だけど、今、お兄ちゃんはピンチで・・・僕は・・・何も出来なくて・・・」グスッ


323 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:49:40 ID:dsWBeyD.
 
乙女僧侶「幼剣士くん・・・」


幼剣士「・・・待ってようと思ったけど、童子騎士くんが一緒に行く事になって・・・なんか・・凄い悔しくて・・・」ポロポロ

童子騎士「・・・幼剣士・・」


幼剣士「だから・・・無理だってわかってるけど・・・お願い・・したかった・・・・・」グスッグスッ


僧侶戦士「・・・」


幼剣士「わがまま言って・・ごめん・・・・なさい・・・・」


324 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:50:45 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・幼剣士。言っとくが、人のこと構えるほどの状況じゃないかもしれん。危険は必ず伴う」
 
僧侶戦士「痛いし、辛いし、もしかしたら最悪の結末だってあるかもしれない」

武道家「それでも・・・・」

僧侶戦士「我慢、出来るか?」


乙女僧侶「・・・・」


幼剣士「我慢・・・する・・・・・。だから・・・・僕も・・・連れてってっ!!」


325 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:51:18 ID:dsWBeyD.
 
戦士先生「はっは・・・お前ら、いっぱし言うようになったな」

武道家「へへ、でしょ。・・・これで4人パーティだな」ハハ

僧侶戦士「・・・多少の面倒はお前も見ろよ?」


童子騎士「そ、それじゃ・・・」

幼剣士「いいの・・・?」


武道家「男の決断を無碍にしたら、俺らの男が下がっちまうだろ」ハハ

僧侶戦士「無理だけはすんなよ。無理だと思ったらすぐに、そこで待機だからな?」


幼剣士「・・・うん!!」


乙女僧侶(何を言っても・・無駄ですね。頑張ってください・・・皆さん)


326 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:51:49 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

 
乙女僧侶「その・・・必ず・・・無事に戻ってきてくださいね・・・。本当にお気をつけて・・・」

武道家「もちろんよ!」


めがね魔道「る、留守の間は僕がここを守ります!」


僧侶戦士「おう、乙女僧侶のことしっかり守れよ?」

戦士先生「・・・気をつけてな」

武道家「・・・もちろん!」


幼剣士(待ってて・・・・お兄ちゃん・・僕が、必ず・・・!)


327 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:53:25 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・トコトコ・・・


武道家「それにしても・・・弟クン、さっきはよく男らしく言ったな。勇気があってよかったぜ」ハハハ

幼剣士「そ、そんな・・・必死だったっていうか・・」

僧侶戦士「いや、凄いと思うぜ。勇気と行動力は、青年剣士の子供のころソックリだな」ハハ

幼剣士「そうかな・・」テレッ

 
 
童子騎士「師匠はやっぱり、子供のころから強かったんですか?」


328 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:54:19 ID:dsWBeyD.

武道家「んー・・・アイツはやっぱ少し秀でてた」

僧侶戦士「冒険学校に入学した最初の試験で、キングゴブリン倒したのも実質アイツだったしな」


童子騎士「き、キングゴブリンを!?」

幼剣士「凄い・・」


武道家「あの時は童子騎士と一緒くらいの歳だったはず」

僧侶戦士「・・・その後はトントン拍子に色々あって、妹まで出来たりして・・・」


幼剣士「あ・・・僕のお姉ちゃん?確か、凄い遠い場所にいるって・・・」


329 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:54:50 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「あーあの子は・・・お姉ちゃんになるな。遠い場所で、今は王女になる特訓でもしてるんじゃないか」

武道家「・・・かもな」


幼剣士「ど、どんだけ凄い人が・・・・。いつか会えるかなあ」


僧侶戦士「ああ。いつか会えると思うぞ・・・きっとな」

幼剣士「・・・うんっ」


・・・・ガサッ


アウルベア『・・・・グルル・・・』


330 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:55:24 ID:dsWBeyD.
 
武道家「うは、早速かよ・・・!」スッ


僧侶戦士「遅れるなよ、2人とも!」チャキッ


幼剣士「も、もちろん!」チャキッ


童子騎士「任せてくださいよ!」スチャッ


331 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:56:30 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・


332 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:57:22 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【夜・道中の村】


・・・・・ホゥ・・・ホゥ・・・


武道家「交易に使われる村だが・・・・、見事に真っ暗だな」ハァ

僧侶戦士「・・・血の痕がひどい。全員やられたか、逃げたか・・・」

武道家「逃げた・・・と願うよ」


幼剣士「・・・凄い怖い・・」ガクガク

童子騎士「・・・」ブルッ


333 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:58:28 ID:dsWBeyD.
 
武道家「しかし参った・・・ココに泊まる予定だったんだが・・・」


僧侶戦士「宿も宿番もいないだろうしな・・・、勝手に借りるか?」

武道家「緊急事態だしいいんじゃねーか?」

僧侶戦士「じゃ、行ってみるか・・・」


トコトコ・・・・


幼剣士「あの・・・2人はこういう場所・・・怖くないの・・・?」

童子騎士「平然と・・・してて凄いとは思いますが・・」


武道家「ん?あぁ・・・怖いっていうか・・・」


334 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 15:59:23 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「慣れてるってのもあるけど、怖くないわけじゃない」

武道家「だな。それ以上に悲しいって思いが大きい」

僧侶戦士「・・・そうだな・・」


童子騎士「・・・」


・・・・ザッザッザ・・・トコトコ・・・


僧侶戦士「お、あったあった。やっぱココも真っ暗・・・か」

武道家「魔獣は・・・ない。一応安全だ」

僧侶戦士「・・・失礼しますよっと」


・・・・・ギィ・・・


335 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:00:18 ID:dsWBeyD.
 
幼剣士「・・・・うっ・・・」


宿番「・・・」

客「・・・」


僧侶戦士「ひ、ひでぇ・・・」

武道家「血だらけじゃないか・・・、こりゃアウルベアのやり方だ・・・」ドロッ

僧侶戦士「・・・とりあえず2階で休もう・・」


336 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:01:02 ID:dsWBeyD.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・


幼剣士「・・・何で、ここは・・・こんなに・・被害がひどいの・・・?」

僧侶戦士「交易の休憩所って呼ばれる村でな、見てわかると思うが凄い小さい村なんだ。
       だから、軍の支部を置くには経費問題もあるし、村人自体の戦闘知識も少なかったんだ」

武道家「・・・」


幼剣士「そ・・そうなんだ・・・」


僧侶戦士「・・・」

武道家「・・・」

童子騎士「・・・」

幼剣士「・・・」


337 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:01:40 ID:dsWBeyD.
 
童子騎士「そ、そういや・・・、魔物とか魔獣とか言ってましたが・・・どんな意味があるんですか?詳しくわからなくて・・」

武道家「ん・・・あぁ。魔獣とか魔物っていうのはいわゆる区分だ」

童子騎士「・・・区分?」


僧侶戦士「魔獣は下位。スライムやウルフとか、弱めの奴の全般をそう呼んでいるんだ」

幼剣士「へえ・・・」

武道家「まあ、魔獣でも上級や下級、亜種や異種なんてのもあるから、一概に弱いとは言えないけどな」


童子騎士「じゃあ、さきほど僧侶戦士さんたちが倒したアラクネっていうのは・・・」


338 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:03:10 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「蜘蛛の女王で、魔物では割と有名なほうだ」

童子騎士「・・そうなんですね」


幼剣士「じゃあ、魔物って呼ばれるのが一番強いの?」


僧侶戦士「いや、一番上には神獣っていう更に上位種がいる」

幼剣士「神獣・・・」

僧侶戦士「ま、その辺までいくと・・・ほぼ伝説的なのが多い」


武道家「ちなみに、竜族、神族、魔族、巨人族。それが神獣の中でも四天王って呼ばれてるワケだ」


幼剣士「す、凄い・・・」


339 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:03:41 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「ま、一生かかっても会えるかどうかって話だけどな」ハハ

武道家「・・・そうだな」ハァ


童子騎士「・・・色々聞けて本当に勉強になります」

幼剣士「だねっ」


武道家「ま、明日も早いし今日はさっさと寝るか」

僧侶戦士「そうだな」


幼剣士「うん・・・」

童子騎士「・・・」


340 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:04:16 ID:dsWBeyD.
 
僧侶戦士「よっしゃ、休むことも大事だ。おやすみ・・」ゴソゴソ


童子騎士「はい・・・おやすみなさい」モゾモゾ

幼剣士「・・・おやすみなさい」


武道家「・・・」

僧侶戦士「・・・」


幼剣士「・・・」

童子騎士「・・・」


341 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:04:47 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・」

僧侶戦士「・・・」


幼剣士「・・・」スゥ・・・

童子騎士「・・・」グゥ・・・


武道家「・・・」

僧侶戦士「・・・」


幼剣士「・・・」スゥ・・・スゥ・・・

童子騎士「・・・」グゥ・・・グゥ・・・


342 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/02(火) 16:05:29 ID:dsWBeyD.
 
武道家「・・・寝たか?」

僧侶戦士「みたいだ・・・じゃ、行くか?」

武道家「面倒くせー・・・魔力プンプン放ちやがって・・・」

僧侶戦士「起こさないようにな」



・・・・・ギシッ・・・トコトコ・・
・・バタン・・・・



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