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剣「お前は勇者か」 少女「違うよ」
- 26 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga]
投稿日:2013/12/01(日) 11:10:06.38 ID:DljQtG0F0
少女「これとかどう?」
剣「もう少し平らになっている方がいいんだが」
少女「あんまり大きいと、私が剣でパワーアップしても運べないかもよ?」
剣「うーむ」
(割れた岩に代わる剣の台座岩探し)
- 27 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:12:26.05 ID:DljQtG0F0
少女「これなんていいんじゃない?」
剣「おお、苔むした感じがいいな……ちょっと突き立ててみてくれ」
少女「うん」グッ
ガッ!
バガン!
岩「」ギャアア!?
剣「……」
少女「……まっぷたつ……」
- 28 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:13:34.09 ID:DljQtG0F0
……
側近「聞け、我が同胞たる魔の血族たちよ!
我らが主たる魔王様復活を前にして、あの忌々しき勇者がこの世に誕生した!」
側近「我らに魔王様の庇護なき今、今までどおり復活を待つことなどできぬ!
現状の戦力で人間たちに戦いを仕掛け、最悪でも勇者だけは血祭りに上げるのだ!!」
オオオオオオオオオオオ!
……
- 29 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:14:05.41 ID:DljQtG0F0
トンテンカンテン!
少女「よし! この高級感あふれる木の箱に!」
剣「割と悪くないデキだな」
- 30 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:15:23.96 ID:DljQtG0F0
……
王「何! 魔王の軍勢が攻撃を開始した!?」
兵「すでに最接近領の砦において戦いが始まっております!」
将軍「なんということだ……神の予言にある勇者の誕生を待たずして、魔王が復活してしまったというのか!」
……
- 31 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:16:10.76 ID:DljQtG0F0
少女「聖域の真ん中辺りに置いて……」
コト
剣「……」
少女「……」
剣「レイアウトが寂しくないか?」
少女「うん……木箱が一個だけってなんか悲しいね……」
- 32 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:19:31.83 ID:DljQtG0F0
……
王「将軍、急ぎ兵を招集せよ!
最接近領の砦が落とされれば、領内への魔族の侵入が自由になってしまう!」
将軍「お、お待ちください! 魔王がまとう闇の衣を打ち破れるは、勇者のみが扱えるという「勇者の剣」のみ!
このままでは、我らに勝ち目はございませぬ!」
王「たわけが!」
メキ!
将軍「アゲフ!?」
王「いつから貴様は勝つだ負けるだで気を弱くする軟弱になった!?
民はいかなる時も、心強き我らの戦いを求めているのだ!」
将軍「王……!」
王「さあ、剣を持て! 馬を引け!
勇者などおらずともよい! たとえ負ける戦であろうとも、我らが一人でも多く魔族を倒せば!
後の世の子たちが必ず魔を打ち払ってくれる!」
将軍「ははぁ!」
……
- 33 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:20:04.96 ID:DljQtG0F0
少女「」ペタペタ
剣「」
粘土を剣にくっつけて台座にする作戦
- 34 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/01(日) 11:25:03.13 ID:8SqGuozDO
いったい何が始まるんです!?
- 35 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:25:09.92 ID:DljQtG0F0
……
魔物「所詮は人間の軍勢よ……この砦さえ落とせば、後は雪崩れ込むのみ!」
兵士「く、このままでは……!」
王「ぬおおおお!」
バキャ!
魔物「オムラ!?」
兵士「お、王!?」
将軍「怯むな! 魔物の軍勢をなぎ払うのだ!」
兵士「将軍!」
王「聞け皆の者!
この戦い、我々人間と魔族が争う最大のものとなるだろう!
もはやここに勇者などいらぬ! この戦いに勝利し、人類を救ったここにいる全員が勇者となるのだ!」
オオオオオオオオオ!
……
- 36 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:29:23.16 ID:DljQtG0F0
少女「うん、わりとそれっぽい!」
剣「」グラ
少女「!」
剣「」パタン
剣の重さで徐々に変形してしまった
- 37 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/01(日) 11:30:25.48 ID:DljQtG0F0
……
兵士「終わった、のか……?」
将軍「お、王! 王はどこに……」
王「案ずるな」
兵士「王!」
将軍「お喜び申し上げます、我が軍の勝利です!」
王「しかし、この戦い……これで終わりではあるまい」
将軍「はっ……未だ、魔王その人は姿を現しませんでした……」
王「長く、険しい戦いになろうな」
将軍「……」
王「そう深刻な顔をするな
今日この戦を乗り越えた兵達の顔を見よ
魔物の軍勢など、魔王など恐るるに足りぬ事だ」
将軍「ははぁ!」
―――後に神話として語られるその戦いの結末を知る者は、今は誰もいない……
FIN
- 38 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2013/12/01(日) 11:34:27.38 ID:1msYJXsA0
え、終わり?
- 39 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/01(日) 11:37:25.85 ID:GLYmvww2o
プロローグが終わったんだよな?
…な?
- 40 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/01(日) 11:40:28.34 ID:+KqghZsmo
序章が終わっただけだもんな!
これから第1章が始まるんだよな・・・?
- 42 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/01(日) 12:09:23.07 ID:gyJ3nQrAO
スレタイどこ行ったwwww
- 43 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/01(日) 12:12:34.28 ID:x1GzyA+G0
もしかしてお昼?
- 45 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:06:24.72 ID:UogfnnaT0
少女「もう地面にそのまま刺しちゃおうか?」
剣「さすがにそれはな……」
少女「こうやってさ」
ザク!
剣「」(突き立てられた)
少女「こーゆうかんじで……」ガリガリ
少女「魔法陣っぽいものを周りに描けば……」ガリガリ
剣「ほう、なかなか……」
少女「でしょ!」
- 46 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:08:08.84 ID:UogfnnaT0
少女「この石も削ってドクロっぽくして……」
剣「(いかんなんか調子に乗り始めている!)」
- 47 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:09:07.87 ID:UogfnnaT0
側近「(クソ、なんということだ!
勇者ではなくただの人間相手に敗北を喫するとは……)」
側近「(こうなれば、あの剣の場所から何か一つでも勇者の情報を得なくては!)」ザッ!
- 48 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:11:01.16 ID:UogfnnaT0
剣「ドクロをこんなに転がしてどうするつもりだ!?」
少女「えー、これとか剣の首? にかけたらそれっぽくない?」ドクロネックレス!
剣「やめろ」
少女「まあまあ」ジャラジャラ
剣「止めろというに!」
側近「(なんかすっごく禍々しくなっている!?)」
- 49 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:15:36.20 ID:UogfnnaT0
側近「」
少女「? 誰?」
剣「お前の知り合いではないのか?」
側近「(アレは紛れも無く勇者の剣! まさか、あの小娘が勇者!?)」
少女「あ、もしかして剣が待ってる勇者の人じゃない?」
剣「……いや、奴は見たところ魔族のようだが」
側近「(ゆ、勇者ではない!? いやしかし前回来た時に無かったのは一体!??)」
混乱している!
- 50 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:20:18.67 ID:UogfnnaT0
側近「おい! 貴様は勇者の剣か!?」
剣「そうだが」
少女「(剣に名前問いただす人初めて見た)」
側近「貴様!」
少女「え、私?」
側近「貴様が勇者だな!?」
少女「違うよ」
側近「ならば、以前ここから剣を持ちだしたのは誰だ!」
少女「私だけど」
側近「(くああぁ! わけがわからん!)」
- 51 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/02(月) 19:29:34.62 ID:lFkXVDRco
乙
クソワロタ( '-^ )b
- 52 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:30:01.16 ID:UogfnnaT0
剣「単に勇者でもない人間が私を持っているというだけの話だが」
少女「(それなのに「勇者の剣」っていうネーミングはどうなんだろ……)」
側近「ば、バカな! 貴様は気位が高く、
認めた勇者以外の人間に触れられることさえ嫌っていたはず……!」
剣「ふん、数百年も一人きりにされたらもう誰が持ってもいいかな、なんて思い始めるわ」
少女「寂しかったんだ」
側近「……」
- 53 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/02(月) 19:47:28.58 ID:1TCabf1SO
まるでどこぞのエクスカゲフンゲフン
- 54 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:47:43.84 ID:UogfnnaT0
側近「……まあいい、この場で貴様を砕けば、魔王様が復活なされた時に人間たちに倒す術はなくなる!」
ビュン!
少女「」パシ
剣「」
チャキ!
ガキン!
側近「!?」
少女「」ヒュンヒュン!
側近「(ぶ、分身!?)」
剣「はああ!」
少女「ダークネスツインフロスティックブレード!」
側近「ギャアア!」
- 55 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:49:21.19 ID:UogfnnaT0
側近「」パタリ
少女「」
剣「」
剣「(なんだあの技名)」
- 56 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 19:51:58.00 ID:UogfnnaT0
少女「……終わった……」
剣「(そもそも何が始まっていたと言うのだろう)」
- 57 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 20:03:56.65 ID:UogfnnaT0
剣「しかし、コイツの言っていた……」
少女「(そういえば、この人誰なんだろ……)」
側近「」グッタリ
剣「魔王はまだ復活していないとなると……勇者が現れるのはまだまだ先か」
少女「そうなの?」
剣「考えてもみろ、魔王より先に現れる勇者がいるか?」
少女「まあ、いないかなぁ」
剣「やはり、私は当分ヒマなようだ」
- 58 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 20:04:30.61 ID:UogfnnaT0
少女「……なってみようかな、勇者」
剣「何?」
少女「だって、ある種私が抜いたようなものじゃない?」
剣「アレを抜いたというのか?」
- 59 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 20:08:41.96 ID:UogfnnaT0
アリ「ヌイタノハ オレノ アニキダ!」
少女「」
プチ!
アリ「ギャアア!?」
- 60 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 22:05:52.87 ID:UogfnnaT0
〜〜〜〜〜〜〜
少女「と、いうわけで旅に出ようと思うの」
剣「(旅!?)」
父「何を考えているんだ!」
母「女の子が一人で、できるわけ無いでしょ!」
剣「(親の思考はまともでよかった……)」
少女「大丈夫! 剣もついてきてくれるから!」
父「なんだ、なら安心だな」
母「もう、それならそうと早く言いなさい」
剣「(私の何が二人の心を動かしたんだ!?)」
- 61 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 22:15:25.38 ID:UogfnnaT0
少女「じゃあ、行ってきます!」
剣「待て待て待て!
私は行かんぞ!」
少女「なんで?」
剣「いいか、私は魔王が復活した時のため、勇者の武器として戦う使命を負っている!
ここで勇者を待つことが」
少女「剣のバカ!」
剣「!?」
少女「そんな受け身でどうするの!
今、国中の人たちが魔族の攻撃に怯えてるんだよ!?
自分で「勇者」を探しに出るくらいしなきゃダメだよ!」
剣「! そ、そんな考えがあったのか」
- 62 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 22:18:05.58 ID:UogfnnaT0
剣「しかし、聖域に勇者が来たら……」
母「なら代わりに、ウチの包丁を置いといたらどうかしら」
少女「おお、いいアイディア!」
剣「……まあ、何もないよりはいいか」
いいのだろうか?
- 63 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 22:21:26.57 ID:UogfnnaT0
剣「しかし旅と言っても、行き先は決まっているのか?」
少女「うん、まずここから北にある商都に行くんだ」
剣「ほう」
少女「そこから馬車が出てるから、それに乗って王都まで。
で、魔物と最接近の城塞都市から魔族の土地に入って魔王城を目指すの」
剣「なるほど」
剣「待ておい」
- 64 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/02(月) 22:26:37.92 ID:UogfnnaT0
今日はここまでです
明日にはこのお話も終わる予定なので、最後まで読んでいただけると幸いです
- 65 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [sage] 投稿日:2013/12/02(月) 22:37:36.14 ID:nwsq80Pj0
乙
大いにワロタわ
- 66 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/03(火) 02:52:18.69 ID:gkN1yCIno
明日には終わっちゃうのかよwwww
- 67 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/03(火) 02:59:24.70 ID:pPnUA8wn0
名残惜しい
乙乙
- 68 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/12/03(火) 07:53:45.35 ID:EDteCFjSO
終わるのは第一章なんだろ?
そんなんだろ?
乙
- 69 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/03(火) 18:46:28.53 ID:2qpQJqGa0
剣「まさか、自分で魔王を倒そうなどとバカなことを考えてるわけではないだろうな?」
少女「違うよ!
いい? 人の流れの多い商都なら、人がたくさんいるでしょ!」
剣「ああ」
少女「じゃあ、勇者がいるかもしれないじゃん!」
剣「まあ……そうだな」
少女「で、王都では今、腕利きの戦士を募ってるの!
これまた勇者っていう人がいる可能性大!」
剣「まあ……正しいな」
少女「で、この2つにいなかったら、後は魔物の脅威に一番さらされてる城塞都市に勇者さんがいると考えるのは当然でしょ!」
剣「う……ん」
少女「で、そこまで行ってもいなかったら!
あとは魔王城くらいしか無いじゃない!」
剣「まあ……そうなるのかな……?」
剣「……???」
- 70 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/03(火) 18:48:36.83 ID:2qpQJqGa0
……
側近「(バカなバカなバカな! この私が小娘ごときに……!
いかに勇者の剣とはいえ! いかに人間の王と将軍にアバラ4本と内臓を持っていかれていたとは言え!」
将軍「王よ! 今です!」ガッチリハガイジメ!
側近「! く、貴様もただでは」
王「ぬおおおお!」
ボキゴキメキ!
側近
「アゲホ!」
将軍
- 71 名前:NIPPERがお送りします(SSL) [saga] 投稿日:2013/12/03(火) 18:52:11.71 ID:2qpQJqGa0
???「ふん、だらしないな」
側近「! き、貴様は幹部!」
幹部「魔王様も嘆かれるだろう、今のお前の姿を見ればな」
側近「黙れ! そもそも貴様、なぜ前の総攻撃に部隊を参加させなかった!」
幹部「これは異なことを言う
魔王様がご不在の折に、お前が勇者が現れたなどと大騒ぎをしていただけだったではないか
そんな戦に我が兵を使えるか」
側近「く……」
幹部「ふふ、おまえも、お前の兵たちも疲れきっているだろう……
今後の人間への、勇者への対応は私が行う」
側近「(……謀られたか……完全ならともかく、今の私には手に余る……)」
側近「……たのんだぞ」
幹部「なかなか殊勝だな……まあ、期待して待っているがいい」
コツコツコツ
側近「(……奴は確かに私より若く、英気に溢れている……
全快の状態で負けることはあるまい)」
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