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冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
32 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:50:10 ID:IvlXpwtk
 
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……ガチャッ…
…ドサッ


オーナー「よいしょ。2階の…ココが君の部屋。自由に使っていいよ」ニコッ

冒剣士「ありがとうございます」


オーナー「少し汚れてるな…きちんと掃除してもらわんとな…はぁ」フキフキ


冒剣士(結局、最初の酒場じゃ適当に断られたって事か…、せめて1級とか教えてくれれば良かったのに…酒場で働くことになっちゃったよ…)


オーナー「で、えーと…、何か聞きたいことはある?」

冒剣士「あ、は、はい!え、えー…働く時間と休憩とか、もう色々と…あはは」


33 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:50:48 ID:IvlXpwtk
 
オーナー「えっと、朝8時には昼食の仕込みの手伝い、朝10時に部屋の清掃。うちは部屋が少ないからすぐ終わると思う」

冒剣士「なるほど」


オーナー「11時になったら、その時にもよるけど…お客さんの対応。昼食やら宿泊客とかの対応だね」

冒剣士「ふむふむ」
 

オーナー「13時になったら14時まで休憩、午後は宿泊者が来たり、色々とお客さんが来るから清掃やら客対応はその時に応じて」

冒剣士「結構人くるんですか?」

オーナー「あはは、おかげ様でね。忙しいよ〜?」

冒剣士「そ、そうですか…」


オーナー「そこから18時までで一応終了。夜は酒場がメインになるけど、そこはまだ子供だから…さすがに自由時間になるかな」

冒剣士「はい」


34 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:51:25 ID:IvlXpwtk
 
オーナー「君の門限は一応21時。…あ!親御さんに連絡してないや…連絡先わかる?働いてもいいのかなウチで?」


冒剣士「あ、問題ないです。元々、冒剣酒場でお世話になるために中央国まで行ってくると伝えてあるので」


オーナー「わかった。で、休みは毎週2日…といいたいんだけど、休日は忙しくなるから…」


冒剣士「あー…そうですよね」


オーナー「その時その時で、休みはあげることにするよ。一応休みは多くあげるし、慣れてきたらすぐにクエストを用意しよう」ニコッ

冒剣士「ありがとうございます!」

オーナー「あはは、それじゃ…何かあったら下に降りて来て。俺は酒場にいるから。町案内もするから、あとで身内を呼んでおくよ」


冒剣士「何から何までありがとうございます」

オーナー「いやいや、こっちこそ助かるよ。それじゃ…」


……ギィ…バタン…


35 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:51:57 ID:IvlXpwtk
 
ドサッ…ゴロン

冒剣士「…冒険に出るはずが、なぜか酒場で住み込みの働きをすることに……」


……ゴロゴロ

冒剣士「……あー…もう!一体僕は何をやってるんだ!」ゴロゴロ


…バンバン!…


冒剣士「確かに滑り込みみたいな形で入れたのはラッキーだけど、これじゃ冒険者というより…ただの冒険好きのバイト君だよ!」


…コンコン


冒剣士「んあ…、はーい?」


…ガチャッ


36 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:52:32 ID:IvlXpwtk
 
オーナー「や、ちょっと失礼」

冒剣士「お、オーナー!はい!」スタッ

オーナー「後で呼ぶつもりが、みんな来ちゃったから紹介するよ、1階に来てくれる?」

冒剣士「は、はい…?」


37 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:53:17 ID:IvlXpwtk
 
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439 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/19(月) 08:07:18 ID:iPx.iGbg
>>38 修正分です
 
冒剣士「この方々が…?」

オーナー「そう。俺の嫁のえーと…、魔法使いと、それと従業員の女メイジちゃん」


魔法使い「君が新しい専属冒険者さんね?ふふ、よろしくね」ニコッ

女メイジ「…よろしく」


冒剣士「よ、宜しくお願いします」ペコッ


オーナー「一応、女メイジちゃんは一緒くらいの年齢だし、話も弾むかも?とりあえず、挨拶だけってことで」

女メイジ「…ちょっと、オーナーこっちきて」グイッ

オーナー「ん?わわっ、引っ張らないで…どこに…!」


冒剣士「…?」


39 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:55:23 ID:IvlXpwtk
 
オーナー「厨房に連れて来て…どうしたの?」

女戦士「なんなのあの子!私と一緒くらいなのに、専属を結ぶなんて…、そんなに強いの!?」

オーナー「いや…強さは見てないけど、専属希望だったとか聞いて、勢いで決めたんだけど…まだ書類も通してないし正式じゃないけどね」


女メイジ「む…むううう!なんでそんな簡単に決めるの!」


オーナー「な、何でって…、あの位の子を見ると、やっぱり放っとけなくなるっていうか…ね?」

女メイジ「むうう!オーナーはそんなんだから甘いって言われるのよ!」

オーナー「そ、そう…?」


女メイジ「見てて!私が判断してあげるんだから!」

オーナー「お、おい…」


……ダダダッ


40 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:56:06 ID:IvlXpwtk
 
冒剣士「あ、戻ってきた」


……ダダダダダッ!!


女メイジ「ちょっといい!?えーとあなた…冒剣士!私と勝負しなさい!」

冒剣士「はい、いいですよ……って、え!?」

女メイジ「今いいっていったわよね!よーっし、魔法使いさん!審判して!外で勝負する!」


…ドコツカンデ…ワァァ!!!ヒッパラナイデ!!……タッタッタッタ…!!


魔法使い「…な、なんで急に勝負……?」キョトン


41 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:56:54 ID:IvlXpwtk
 
…トコトコ

オーナー「…やれやれ、どうにも、俺があの子を勝手に迎えた事に納得いかなかったようだ」ハァ

魔法使い「あー…そういやあの子…あんたにホの字だし、ここの専属になるのが夢ですものね」ニヤニヤ

オーナー「俺は一応、妻子もちなんだけどな」ヤレヤレ

魔法使い「いつまでたっても若いってことで、いいんじゃないの?」クスッ

オーナー「俺は君と、息子、皆いれば充分若くいられると思ってるよ」アハハ


42 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:57:39 ID:IvlXpwtk
 
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女メイジ「よし…勝負っ!この武器を使って、ここにある擬似武器…あるいは魔法で一撃を入れたほうが勝ち!あなたは剣でいいわよね?」

冒剣士「いいよ…何がなんだか…と、とりあえず分かった」チャキッ

女メイジ「魔法使いさん!開始をお願いします!」


魔法使い「…わかったわよ…開始っ!」


女メイジ「…小火炎魔法っ!」ボワッ

…ドォン!!


冒剣士「うひゃっ!」

女メイジ「小水流魔法っ!…小風刃魔法っ!」バシャッ!!ビュゥン!!!


冒剣士「うわわわっ!」


43 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 07:58:11 ID:IvlXpwtk
 
女メイジ「逃げてちゃ勝負にならないでしょ!」

冒剣士「って、言っても…」ウジウジ

女メイジ「そんなんで、ここの専属冒険者になるなんて…百年はやぁぁい!中火炎魔法っ!」ボワッ!!



オーナー「中火炎…あれ、お前…教えただろ」

魔法使い「やー…なんのことだか…あはは…」



冒剣士「中級魔法!?うわっ!」


……ドゴォォン!!ベシャッ!!


冒剣士「うわっぷ!爆発で泥が…!」

女メイジ「隙ありぃ!小火炎魔法っ!」ボワッ


45 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:00:01 ID:IvlXpwtk
 
オーナー「勝負あったかな?」

魔法使い「女メイジちゃんも結構強いところあるからねぇ」



…ギラッ

冒剣士「…負けない」


女メイジ「…へっ?」

冒剣士「はァッ!!!」チャキッ…ビュッ!!


……バキッ!!!

女メイジ「はぐっ!」

…………ドサッ…


冒剣士「…ふぅ」


オーナー「何っ!女メイジが吹き飛んだ!?」

魔法使い「何…今の?真横から円を描くように…物凄い速度の切り抜き…」


46 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:00:33 ID:IvlXpwtk
 
女メイジ「…ったぁい…」

冒剣士「だ、大丈夫?」スッ

女メイジ「…」ハッ


…バシッ!!


女メイジ「あんたの助けなんていらない!バカ!魔法使いさん、泥落とすからタオル借ります!」

魔法使い「ど、どうぞ〜…」


……タッタッタッタ………バタン…



冒剣士「なんだよ、折角人の優しさを…」

オーナー「すごかったな今の。真横への切り込み、あんな速度の初めてみる。何かの技術か?」

冒剣士「あれは"居合い"です。本来なら、"鞘"が無ければ出来ないんですが…手で抑えをして無理やり…」


オーナー「居合い…?」


47 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:01:24 ID:IvlXpwtk
 
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魔法使い「へー、冒剣士くんは東方出身なんだ」

オーナー「道理で見たことない技術だと思った。鞘ってことは、カタナってことだよね」

冒剣士「はい、鞘を滑らせるようにして加速をつけて、刃を円状…つまり弧を描きながら切り込むのが居合いです」


オーナー「なるほどね、冒険者としてのレベルは高そうだね」

冒剣士「高いかどうかは分かりませんが…」

オーナー「…簡単なクエストだけ渡そうと思ったけど、考えが変わった。それなりのクエストをお願いしてもよさそうだ」

冒剣士「本当ですか!」


……トコトコ…


48 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:01:55 ID:IvlXpwtk
 
女メイジ「ったく…か弱い乙女になんてことを…」

冒剣士「あ、さっきはごめん。大丈夫だった?」


女メイジ「大丈夫なわけないでしょ。見事に一撃入れられて…」

冒剣士「勝負っていうから…」


女メイジ「でもまあ…勝負は勝負。負けは…負け。認めるわ、あなたのこと」

冒剣士「あ、ありがとう」

女メイジ「…冒剣士…そんなに強いのに冒険学校には入らなかったの?」


冒剣士「うん。僕は最初から冒険酒場から何もかもスタートする気だったから…、君は冒険学校に通ってるの?」


49 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:02:33 ID:IvlXpwtk
 
女メイジ「いいえ?私は家が貧乏で、支払うお金がなかったの」

冒剣士「…そうなんだ」


オーナー「…」


女メイジ「だけど、冒険の夢を諦められなかった時、オーナーと知り合って、家にお金を入れながらクエストも出来る、冒険酒場の仕事をお願いされたのよ」

冒剣士「へえ…、それじゃ君もクエストを受けてるんだ」


オーナー「さっき分かったと思うけど、女メイジちゃんの実力は結構高いからね。俺も信頼して…それなりのクエストはお願いしてるんだ」


女メイジ「信頼なんて…そんな」ポッ

冒剣士(分かりやすっ!)


オーナー「だけど、これで仲間が出来たことになるんじゃない?今まで1人だったのも、2人ならもっと楽にクリアできるようになるし」


50 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/08(木) 08:03:09 ID:IvlXpwtk
 
冒剣士「2人…?」

女メイジ「それって…」


オーナー「冒剣士と女メイジの2人で、パーティを組んだらどうだろう」


冒剣士「僕はいいですが…」

女メイジ「えぇぇ!嫌っ!私は私で一人で出来るから…このままでいいです!」


オーナー「うーん、2人だと実力も高まるし、上位クエストを委託できたんだけど…だめか」


女メイジ「やります!」

冒剣士(えぇ〜!?変わり身はやっ!)


オーナー「そっかそっか、じゃあ後で色々と調整したり書類書いたりしておくよ」


女メイジ「私の足を引っ張らないでね!」

冒剣士「は…はは…」


51 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/08(木) 08:04:17 ID:IvlXpwtk
本日は終了です。


52 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/08(木) 08:14:06 ID:GpQ0VU9M
乙です!

……おい女メイジww


53 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/08/08(木) 10:32:25 ID:7IxcDsYo
幼馴染って魔法使いだったか。すっかり忘れてた。

>>そう。俺の嫁のえーと…、魔法使いと、女メイジちゃん
読解力がないせいで、嫁さん2人いるかと思ってしまったwww


54 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/08(木) 21:46:49 ID:dp3UEvT.
良かった…青年剣士が中年剣士にならなくて…


56 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:49:33 ID:JcEP4yaY
 
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――――【冒険酒場・夜の自室】


…ホー…ホー…

冒剣士(何はともあれ…僕の新しい生活が…始まったんだよね…。あと…)


…パサッ


"冒険酒場で働くために"

"接客の基本"

"誠意を見せて働く為に"

"流通とマネージメント"

"ストレス解消法!"


冒剣士(あの後、聖剣士さんが持ってきてくれた本…多すぎ!ゆっくり読んで、しっかり覚えないとなぁ…)ハァ


57 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/09(金) 09:50:27 ID:JcEP4yaY
 
………ゴロン

冒剣士(ま、明日から仕事も始まるし……今日は寝よう…、おやすみなさい…)



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