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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
819 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:05:54.06 ID:tlFeBRSyo
〜スグリーヴァの城〜

ジジッ…ズズズズッ

マーマン「と……止まった……?」

弓将軍「そのようじゃな」

シュウウゥゥゥゥ

オーク「やった……」

剣士「でもまだ、終わったわけじゃない」

白馬騎士「そうです。ここからが本当の勝負」

グアッ…ズズウウゥゥゥゥン

ヴァーリン「……ッ」

スグリーヴァ「ヴァーリン、いい加減に分かったであろう」

ヴァーリン「まだ問答するかぁ!」

スグリーヴァ「他人を信じぬ者に、力は得られぬ」

ヴァーリン「何度も何度も何度も何度も、同じ事をぬかすなあぁ!!」

スグリーヴァ「何度繰り返しても理解出来ぬから、愚か者なのだ!」


820 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:06:41.40 ID:tlFeBRSyo
ズガアアァァァァン!!

ハヌマーン「退がれっ!」

ヴァーリン「ガアアァァ!!」

怒りに我を忘れ、力任せに拳を振るうヴァーリンの一撃。ハヌマーンはそれを

最前列で防御するが、威力に圧倒され、大きく後方へと吹き飛び転がる。

錦将軍「んのやろぉ! やりやがったなぁ!」

弟者「行くぞおぉ!」

その攻撃を皮切りに1人、また1人と次々にヴァーリンへと攻撃を仕掛ける。

弓使い「えっ、え……っ!?」

兄者「馬鹿者っ、早まりおって……。白馬、後方をまとめあげてくれい!」

白馬騎士「了解致しました!」

剣士「こういう時、冷静さを忘れない指揮官がいると頼もしいな」

弓使い「本当ね」

剣士「よし、僕ら3人も微力ながら援護しよう!」

幼女「うんっ!」


821 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:07:12.71 ID:tlFeBRSyo
ヴァーリン「ヌガアアァァーッ!」

錦将軍「どうりゃああぁぁ!!」

ガゴォッ!!…ズザザザザアァ

錦将軍「かってーなチキショー」

弟者「どけっ、今度は俺だ!」

ブンブンブンッ…ガギイィ!!

ヴァーリン「アアァァァァ!!」

弟者「こんのデカブツ……ビクともしねぇぞくそ!」

兄者「お前1人では無理だ、手を貸すぞ」

ブンッ!!…ガキイイィィンン!!

ゴブリン「俺もー!」

オーガ「ウガアァー!!」

得物を振るっては弾かれ、それをカバーするようにまだ別の誰かが攻撃する。

一撃一撃は微々たるものだが、隻腕となったヴァーリンにとっては、

流石に苦戦を強いられ、徐々に隙を見せ始めていた。


822 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:08:07.72 ID:tlFeBRSyo
ズズッ…ズズズズッ

ヴァーリン「邪魔だああぁぁ!!」

グワッ!!…ズガアアァァァァン!!

トロル「うぐあぁーっ!!」

ゴブリン「いってぇ〜!」

ドサッ…グイッ

剣士「大丈夫か!? 怪我人は城に引き返すんだ!」

ゴブリン「あ、ありがとー! 大丈夫だ!」

白馬騎士「足並みを揃えれば被害は最小限に抑えられる! 左右から突撃!」

オーガ「オオォォォォーッ!」

ガーゴイル「オリャー!」

弓将軍「ひょっ、流石は白馬じゃ。魔物相手にようまとめ上げるわい」

ヴァーリン「正面からかと思えば左右から……動きが読めぬ! クソがあぁ!」

弓将軍「どーれ、魔物と言えど弱点は人間とさほど変わらんて……」

暴れ狂うヴァーリンめがけ、弓将軍は後方より弓を大きくしならせる。


823 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:08:46.31 ID:tlFeBRSyo
キリキリキリッ…バシュッ!!

ヴァーリン「!?」

ドスッ!!

弓将軍「どうじゃ、特製の結界石で出来た鏃じゃ。微弱の魔力でも多少は有効じゃろ」

寸分違わず放たれたその矢は、ヴァーリンの左足踵へと突き刺さる。

グラァ

剣士「幼女っ!!」

よろけるヴァーリンめがけ走り出す剣士。更には剣士だけでなく、五虎将軍や、

マーマンらもほぼ同時に、ヴァーリンめがけ一直線に走り出していた。

兄者(ここに居る者らは大半が相当の使い手)

白馬騎士(一瞬の隙であろうとも、逃すわけがない!)

剣士「はあぁーっ!!」

ヴァーリン「――!?」

一番手に到達した剣士は、矢が刺さった左足へ更なる追い討ちをかけるべく、

幼女の魔法付加を得た長剣を迷いなく一気に振り下ろす。


824 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:09:43.61 ID:tlFeBRSyo
ザシュウウゥゥゥゥ!!

振り下ろした剣を素早く引き抜くと、その背後から今度は2本の矛と槍が伸びる。

弟者「ぬうりゃああぁぁぁぁ!!」

錦将軍「でっりゃああぁぁーっ!!」

ザクザクウゥ!!…ドズッ!!

弟者「一番槍は許したが、二番手は俺だったな!」

錦将軍「はぁ!? 俺のが早いだろ!」

兄者「早くどけいっ!」

口論する2人を尻目に、新調された青龍偃月刀を頭上で振り回し、

兄者はそのままヴァーリンの左足甲へと刃を突き立てる。

ザグウウゥゥ!!

ヴァーリン「グガ……ァ」

兄者「もう一撃だ、頼むぞ」

白馬騎士「お任せ下され!」

駆け抜ける白馬から繰り出された槍の連撃は、ヴァーリンの左足を数箇所痛めつけた。


825 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:10:23.24 ID:tlFeBRSyo
ドドッドドッドドッ…

ヴァーリン「このカス共……徹底的に同じ箇所を……っ!!」

剣士「まだ立っていられるのか……っ、ならば……!」

思いの外しぶといヴァーリンに対し、剣士はもう一度攻撃を仕掛ける為に疾走する。

ヴァーリン「同じ手が通じるかああぁぁ!!」

動きを予測していたヴァーリンの左拳が、剣士の身体へと振り下ろされる。

マーマン「そのくらいの事ぁ……」

ハヌマーン「読んでいる!」

剣士の脇に回りこむ2人の両手からおびただしい魔力が放出され、その風と水は

ヴァーリンの強撃を下から突き上げるように剣士を守る壁となる。

オーク「剣士さんは……オラが守る!」

弓使い「幼女っ、今度は……こっちよ!」

力強く踏み込んだオークはそのまま手にした槍を突き上げ、その後方から輝く、

魔法付加を施した弓使いの矢がヴァーリンの左腕へと命中する。

その瞬間、上半身のバランスを崩したヴァーリンはたまらず転倒する事となった。


826 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:10:59.45 ID:tlFeBRSyo
ズッガアアァァァァン!!

ヴァーリン「ヌグアアァァ!!」

スグリーヴァ「今一度喰らうが良い! 我が一撃!」

地に腰を着けたヴァーリンへ、スグリーヴァが雷鳴轟かせ正面へと立ちはだかる。

ヴァーリン「ウヌアアアアァァァァ!!」

スグリーヴァ「はああぁぁーっ!!」

剣士「みんなっ、スグリーヴァ様に出来る限りの援護を!!」

弟者「大した魔力、持ち合わせてないっつーの!」

錦将軍「それでも多少の足しにはなんだろうがよ!」

マーマン「こっちは枯渇間近だっつーのおぉ!」

ハヌマーン「四の五の申している場合ではないぞ」

オーク「おああぁぁぁぁ!!」

スグリーヴァ「貴様にも感じるであろう。我が背後に集いし、皆の力が」

ヴァーリン「クッソオオォォォォ!!」

助力を得たスグリーヴァの一撃は、ヴァーリンを遥か後方へと弾き飛ばした。


827 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:12:12.50 ID:tlFeBRSyo
ドガガガガガガッ…ゴガアアァァァァ…

弓使い「や……った……?」

剣士「いや分からないっ、行きましょう!」

白馬騎士「うむ。全員、続けぇ!」

ザザッ…ドドッドドッドドッ…

錦将軍「これで生きてりゃ……手の付けようがねぇぜ」

兄者「……うむ」

スグリーヴァ「奴はまだ生きている。この程度では駄目だ」

ハヌマーン「スグリーヴァ様?」

スグリーヴァ「情けないものだなハヌマーンよ。我らの力も……衰えたものだ」

ハヌマーン「……ッ」

スグリーヴァ「さて、総仕上げとかかるか」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……な、何を……」

ドドオオォォォォ

マーマン「な、何だぁ!?」


828 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:12:51.17 ID:tlFeBRSyo
大きく抉れた地面の先にヴァーリンが横たわる。

錦将軍「いやがった! 寝てやがるぜ!」

弓将軍「まだ倒したとは限らぬじゃろ。それに、あの周囲におるのは……」

ヴァーリンの後方に無数の影が見える。先程、戦線を離脱し後退したラクシャーサの軍勢。

退却したものの逃げ場を失い、未だにこの地へ留まっていた矢先、

轟音に様子を探っていたが、それはヴァーリンの打ちのめされた姿であった。

弟者「何でぇ、雑魚かよ。どーする! 諦めて降伏――」

まさに一瞬の出来事であった。とてつもない衝撃音と共に爆風が巻き起こり、

周囲は火山でも噴火したかの如く、真っ赤に燃えさかっていた。

ゴゴゴゴゴゴ…

白馬騎士「…………っ!!」

幼女「あ……あぁ……ぁ」

上空へ吹き飛ぶ何百というラクシャーサ。もちろん生きている者はいなかった。

ハヌマーン「バ……バカな……ッ!!」

スグリーヴァ「……」


829 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:13:26.43 ID:tlFeBRSyo
空に漂う黒煙の中より、それはゆっくりと、静かに姿を見せる。

押し寄せる熱風と凶悪な威圧。そして圧倒的な存在感に、一同は気圧されていた。

弟者(あ……足が……動かねぇ!!)

兄者「何なのだ……これはっ!!」

スウウゥゥ…ゴゴゴゴゴゴ

ラクシャーサ「う……あぁ……っ」

光が煌くと、先程と同様、再び轟音ときのこ雲が沸き起こった。

ズガアアァァァァ!!…ズッドオオォォォォン!!

弓使い「きゃあーっ!」

マーマン「こっ、このカンジはまさか……ッ!!」

スグリーヴァ「まさか、直々に来るとは思いもしなかったぞ……ラーヴァナ!!」

ラーヴァナ「……情けない、不甲斐ない、失望を通り越し、呆れ果てる」

ラクシャーサ「お、お許しをっ!! どうか、どうかああぁぁ!!」

ラーヴァナ「誇り高きラーヴァナの精鋭、それを忘れた者は死すべし」

言い終えると、3度目の光が起こり、ラクシャーサの群れは消滅した。


830 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:15:21.55 ID:tlFeBRSyo
ゴゴゴゴゴゴ…

錦将軍「な、何なんだよ……これはよぉ……っ」

生い茂る緑は一瞬の内に焼失し、枯れ果て、灰と化した。

先程までとは打って変わって現れた光景は、まさに地獄と呼ぶに相応しいものとなった。

剣士「あれが……魔王ラーヴァナ……!?」

ラーヴァナ「……しかも情けないに尽きるはこの者」

グイッ

ヴァーリン「ア……グゥ」

ラーヴァナ「多少は役に立つかとも思ったが、やはりこの程度か」

ヴァーリン「ラ……ヴァナ様」

ラーヴァナ「なぁヴァーリンよ、貴様はこの程度で終いかね?」

ヴァーリン「……ッ」

アウグリーヴァ「ラーヴァナよ、もう良かろう。そやつは最早、大した力も残しておらぬ」

ラーヴァナ「おぉ、これはスグリーヴァか。いつ以来か、しかしまた随分と縮んだなフハハハッ!」

スグリーヴァ「……貴様」


831 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/09/06(火) 18:18:12.64 ID:tlFeBRSyo
ひえー凄い雨降ってきた…では帰ります!
ご支援ありがとうございました!では!ノシ

>>813-818
うわー!細部まで本当にありがとうございます!
参考にさせて頂きます!!


834 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/06(火) 23:14:22.92 ID:lF/hqKvl0
みんな、これまだラスボス戦じゃないんだぜ


835 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2011/09/07(水) 00:02:30.29 ID:sCjZqEGAO
>>1おつ

絶望しかねぇなこの状況は


836 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/09/07(水) 02:50:46.58 ID:+dCMscRt0
いちおつ
退いてもらうほかないな


837 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/07(水) 04:11:18.55 ID:2VobsWXlo
左足怯みハメでヴァーリンゆゆう



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