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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
116 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:06:55.01 ID:Zmk8eoJQo
〜次の日〜

侍女「はい。これ、御館様からの書状」

盗賊「ありがと。……父様は?」

侍女「…さぁ。朝から見てないけど」

盗賊「……そっか」

風忍「それでは皆様方、お気を付けて」

魔道士「はいっ。ありがとうございます!」

召喚士「それでは行きましょうか」

風忍「道案内を付けたいところなのですが……」

戦士「こっちはこっちで忙しいんだろ?気にしないでくれ」

盗賊「うん。道なら分かるから」

侍女「じゃあ、ご武運をっ!」

戦士父「一宿一飯のご恩はいずれ。御館様にも宜しくお伝え下さい」

風忍「ははっ。確かに」

盗賊「それじゃ、行ってきます」


117 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:07:28.60 ID:Zmk8eoJQo
テクテクテクテク…

戦士「んで、総本山てのはどの辺りなんだ?」

盗賊「…ここから南西の…山の上だ」

魔道士「山の上にあるんですねぇ」

盗賊「…うん。結構険しい」

魔道士「そ、そうなんですか!?」

盗賊「…行けば…分かると思う」

戦士「この前の雪山みてぇのは勘弁だなぁ……」

召喚士「とにかく、行くしかないですよね」

戦士父「ああ、すまんな」

召喚士「いえ、戦士父さんのせいではありませんよ」

戦士「いーや、親父のせいだね」

魔道士「戦士さんっ!」

戦士「…へいへい、とにかく早めに行こうぜ日が暮れると厄介だろ」

盗賊「…ああ。そうだな」


118 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:08:23.37 ID:Zmk8eoJQo
〜東方司令部〜

青年兵「それでは、お世話になりました」

東方司令「……ああ」

青年兵「皆様方も…お元気で」

スッ…ザッザッザッザ…

東方副司令「しかし、随分と急な話でしたね」

東方司令「……」

東方副司令「…まさか、先日の件……っ」

東方参謀「馬鹿者がっ。あやつの仕業だとでも申すのか!」

東方副司令「……ですよね」

東方司令「なんにしろ、これからどうなる事やらだな」

東方参謀「一気に二人も、士官を失ったからな」

東方副司令「え、ええ…っ」

東方参謀「まぁ、本部からの通達を待つしかあるまい」

東方司令「……」


119 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:08:57.15 ID:Zmk8eoJQo
ザッザッザ

東方伍長「……お、おい…っ」

青年兵「……」

東方伍長「ど、どうなっちまうんだよ!?なぁっ!」

青年兵「……」

ザッザッザッザ

東方伍長「なぁ、何とか言ってくれよ…っ!」

青年兵「分かったでしょ先輩、あれが左翼のやり方ですよ」

東方伍長「……っ」

青年兵「用無しと判断すれば、同胞ですら死に至らしめる……」

東方伍長「じ…じゃあやっぱり、東方魔道長様は…っ」

青年兵「……」

東方伍長「お、教えてくれっ!俺はどうしたら……」

青年兵「自分で考えて下さい。それに…口の利き方には気を付よ、伍長殿」

東方伍長「……っ」


120 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:09:48.56 ID:Zmk8eoJQo
〜東方、山中〜

戦士父「……」

魔道士「…はぁ……はぁ」

戦士「…何なんだ、ここはよ!」

標高3000メートル付近。やや暖かさをみせた地上とは打って変わり、

氷点下と豪雪が一同の足取りを重く、遅くさせる。

戦士「予想以上だな……」

召喚士「うん…。視界が遮られて……遭難しないように気を付けないと」

魔道士「い、いつも…こんなひどいんですかっ?」

盗賊「…ああ。難なく登山出来るのは夏の3ヶ月程度であろう」

魔道士「うえぇ……っ」

召喚士「今はまだ…何とか進めるけど……」

戦士「これ以上になると厄介なんてもんじゃねぇぞ?」

召喚士「…うん。その時は……」

戦士「…?」


121 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:10:43.82 ID:Zmk8eoJQo


ビュオオォォォォ

戦士「魔道士ぃ!!見えるかぁーっ!?」

魔道士「…えぇーっ?何ですーっ?」

召喚士「……これは、もう限界だなぁ」

戦士父「……どうした?」

召喚士「……」

ジャッ…ザザッ

召喚士「行けっ!クジャタ!!」

盗賊「!?」

シュイイィィン

戦士「な…んだぁ!?」

召喚士「クジャタ!お願いっ!!」

クジャタ「……ブオオォォォォ!!」

魔道士「え……えっ!?」


122 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:11:51.43 ID:Zmk8eoJQo
雪原の中に召喚された一匹の巨大な牛、クジャタ。

クジャタは召喚士のよびかけに咆哮し、天を見上げる。

盗賊「これ……はっ!?」

クジャタを中心に巻き起こる風。それは徐々に徐々にと外側へ広がり、

五人の行く手を遮る豪雪を、周囲より跡形もなく消し飛ばした。

戦士父「おぉ……っ!!」

戦士「これが…クジャタ!!すっげぇ!!」

召喚士「さぁ急ごう。まだ未知数の召喚獣だから、どうなるか分からないし……」

魔道士「はいっ!」

タタッ

召喚士「…ん?」

戦士「どした?」

召喚士「……今、あそこに女性の姿が」

戦士「…あん?」

盗賊「……見えぬぞ?」


123 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:12:46.04 ID:Zmk8eoJQo
ゴウッ

召喚士「あ……」

背後を振り向いた召喚士の視界が、再び雪へと戻る。

召喚士「……気のせい…か」

――「面白い奴じゃのう」

召喚士「っ!?」

戦士「召喚士ーっ!早くしろぉーっ!!」

召喚士「あ、うん……っ!!」

タッタッタッタッタ…

走るクジャタの後を、召喚士達は懸命に追う。

召喚士(クジャタを中心に、天候がかわるみたいだな……)

チラッ

召喚士(でも、離れすぎた背後は…徐々に天候が戻ってる…)

タッタッタ…

召喚士(……魔力次第って事か)


124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:13:56.69 ID:Zmk8eoJQo
走ることどれ程か。頂上へ近づくにつれ空気は薄くなる。

召喚士「はぁ……はぁはぁ……はぁ…っ」

戦士父「大丈夫か?」

召喚士「…はぁ、え……えぇ…っ」

ただでさえ空気の薄い場での困難な登山。それに加えて、

クジャタを召喚し続ける召喚士の体力には、限界がきていた。

召喚士「……なんとか…もう少し…っ」

盗賊「…見ろっ!雲を抜けるぞ!」

周囲の景色を捉えながら、盗賊が叫ぶ。

戦士「よし…いいぞ、召喚士!クジャタを解除しろっ」

召喚士「……うん…っ」

シュイイィィン

召喚士「はぁはぁはぁ……はぁ…はぁ」

魔道士「召喚士さん…大丈夫ですか…っ?」

召喚士「……な、なんとか…っ」


125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:14:41.45 ID:Zmk8eoJQo


戦士「…しっかし、本当にこんな所に…寺なんてのがあるのか?」

盗賊「……ある」

戦士「物好きな奴らもいたもんだわ」

盗賊「…昔から」

召喚士「…?」

盗賊「…ここは昔から、『不死の山』と呼ばれている」

魔道士「不死の山…ですかっ?」

盗賊「…うん。険しい道のりゆえ、登頂すれば不死を得られると伝わる」

召喚士「なるほど…。それで修験者はこの山に……」

盗賊「…ああ」

戦士父「それで、その総本山は頂上にあるのかな?」

盗賊「…おそらくは」

戦士「…しゃーねぇ、雪も落ち着いた事だし、一気に頑張るか!」

魔道士「はいっ!頑張りましょう〜!」


126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:15:42.06 ID:Zmk8eoJQo


戦士「……おっ!?」

魔道士「…わぁっ、日の出だ!綺麗〜っ!」

盗賊「ご来光か……。噂には聞いたが…素晴らしいな」

召喚士「……ええ」

戦士「おいっ!あれって……っ!!」

戦士父「どうやら頂上のようだな」

召喚士「……あれは屋根…ですかね?」

魔道士「やっと…着いたみたいですね」

戦士「ようやくかぁ…。長かったなぁ……」

盗賊「…ああ」

頂上到達と同時に迎える重々しい鉄の扉。

その向こうには幾つかの建物らしき屋根が見える。

召喚士「ここが……総本山」

五人は不死の山頂上、総本山へと、今…辿り着いた。


127 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/02/28(月) 00:37:52.06 ID:Zmk8eoJQo
週末はちょこっと更新ですんません…そして花粉ががが
それではおやすみなさい!ご支援感謝!ノシ

〜オマケ〜

火忍「……はぁ」

ザシュッ

火忍「風邪…引いて辛い……」

ザシュッ…ドシュッ

火忍「こんな時…姫が看病してくれたりしたら……」

ズバシュッ…ズバッ

火忍「…何だか、姫が近くに居る気がしてきたぞ…!」

ザクッ…ドムッ…グフッ

水忍「……何、馬鹿な事を言ってるんだお前は」

火忍「うるせぇ…。はぁ…姫……」

鬼丸「…アイツ、すげぇな」

帝「うむ。飄々と100人斬りは達しておるな。無我の境地というやつか……」

火忍「……うおおぉぉ!!姫ええぇぇ!!」



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