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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その24
198 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:02:05.65 ID:7NuJEfl4o
〜次の日〜

両陣営が当日中に早々と去った事によって、

西方司令部は既に平常時と同様の姿を見せていた。

青年兵「……おはようございます」

西方司令「お、おはようございます!ゆっくりと寝られましたか…?」

青年兵「ええ、お陰様で。ありがとうございました」

西方司令「め、滅相もない!これでゆっくりとお休み頂けなかったら私は……」

西方副司令「はいはい。おはようございます。朝食の準備、出来てますよ」

青年兵「すみません。早速いただきます」

西方副司令「今日は島の北部に行くんですって?」

青年兵「ええ。西国の視察に伺いたいと思っております」

西方副司令「一人で大丈夫?」

青年兵「はい。その方が気楽ですし…ははっ」

西方副司令「何かあれば言ってね。協力しますから」

青年兵「はい、ありがとうございます」


199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:03:07.40 ID:7NuJEfl4o


テクテクテク

青年兵「おはようございます」

西方参謀「お〜う、メシは食ったかぁ?」

青年兵「いただきました。ご馳走様です」

西方参謀「ここのメシは美味いけど…肴がないのが困る」

青年兵「はは……っ」

西方参謀「これから北側に行くのかい?……ヒック」

青年兵「ええ。……あれは確か電話の工事でしたね」

西方参謀「そうそう」

青年兵「あれ?北にも伸びてませんか?」

西方参謀「あぁ。試験的なやつだな」

青年兵「…?」

西方参謀「まずは北側の西国と通信出来るか、テストするんだとよ」

青年兵「なるほど……」


200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:04:04.85 ID:7NuJEfl4o
西方参謀「俺は難しい事ぁ分からんけど、成功すりゃいいな」

青年兵「そうですね。そうすれば情報交換も迅速に対応出来るようになりますし」

西方参謀「だなぁ。何だか…すっげぇ時代になっちまったモンだわな…ヒック」

青年兵「全くですね」

西方参謀「そんじゃ、気を付けて行ってきな!」

青年兵「はい。ありがとうございます」

西方参謀「馬は借りたか?」

青年兵「既に手配致しました」

西方参謀「流石っ、準備万端だねぇ……ヒ〜ック」

青年兵「それでは、行ってきます」

西方参謀「おーう」

ザッザッザッザ…

西方参謀「……ふぅん」

グビッ…ゴクッゴクッゴクッ

西方参謀「…っぷはぁっと。ああいう…先の見える男が将来を担うんだろうねぇ」


201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:05:02.72 ID:7NuJEfl4o
青年兵は間もなく、馬を飛ばし三日月島の北側へと移動した。

南側とは違い、まだ木々が生い茂る中、西国の男達が忙しなく動き回っている。

ドドッドドッドドッ…

青年兵「……へぇ!思った以上に進んでいるなぁ」

ドドォ…ザッ

青年兵「……あの、すみません」

西国兵「…ん、本国の方かね?」

青年兵「はい。神官様はいらっしゃいますか?」

西国兵「神官様なら中に居ると思うけど」

青年兵「は、入っても…構わないのですか?」

西国兵「…?そりゃあモチロン!何かマズイ事でも…?」

青年兵「い、いえ…それでは失礼致します」

ザッザッザッザッザ

青年兵「……随分とオープンなんだな」

ザッサッ゙…カツカツカツ…


202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:05:59.58 ID:7NuJEfl4o
青年兵「石造りの内側に鉄と結界石…。かなり強固な作りだな」

神官「一応、島での拠点ですからね」

青年兵「神官様っ!おはようございます」

神官「よくぞいらした。何もない所だが…ゆっくりしていってくれ」

青年兵「お世話になります」

神官「ここは本国で言うところの司令部といったところか」

青年兵「なるほど。軍事拠点ですね」

神官「うむ。しかしそれだけではないぞ」

青年兵「…?」

神官「今後における本国との貿易拠点にもなっている」

青年兵「そうでしたか……」

神官「見えますかな?中央に広場を設けている」

青年兵「本当だ…。ここで何か…?」

神官「いずれはキャラバンのような物を設けて、取引所にしようと思ってな」

青年兵「それは素晴らしいですね…!」


203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:06:52.11 ID:7NuJEfl4o
神官「軍事拠点内に設置する事で有事の際にも備えられるし……」

青年兵「不正も防げますね」

神官「その通りだ」

青年兵「効率的ですね」

神官「…そして、この北側の部分」

青年兵「随分と道幅が広いですね」

神官「ここは北の港と直結している道だ」

青年兵「……おぉ!」

神官「港からの輸送を円滑に行う為、道も広くしている」

青年兵「なるほど」

神官「出兵や進軍など、軍事的な場合においても効果的だ」

青年兵「確かにそうですね。北側は西国本土と通じますからね」

神官「そういう事です。その分、東西は壁を高くし、出入りも出来ぬ作りになっている」

青年兵「南は…?」

神官「北ほど広くはないが、主に軍事用の道を築くつもりだ」


204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:07:52.43 ID:7NuJEfl4o
青年兵「西方司令部との……」

神官「うむ。何れは本国領土への出兵もないとは限らぬしな」

青年兵「……」

神官「勿論、援軍として…であるぞ?」

青年兵「分かっておりますよ。ははっ」

神官「東側は海に面しておるので、見張り櫓を兼ねた灯台を設置します」

青年兵「本国にとっても助かりますね」

神官「拠点はひとまず、こんな所であろうか……」

青年兵「一つ気になったのですが…」

神官「何だろうか?」

青年兵「拠点周囲の木々は伐採なさらないのですか?」

神官「……」

青年兵「何かと不便かと思いますが…」

神官「我らの住む西国は、木々がほとんど生えぬ」

青年兵「……っ」


205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:08:46.20 ID:7NuJEfl4o
神官「気候的なものではあるがな」

青年兵「……」

神官「だからこそ、やはりあるべき自然を必要以上に壊すというのも気が引けてな」

青年兵「そう…でしたか……」

神官「ある意味、緑に囲まれ生活を送るという事は、西国の者にとっては夢」

青年兵「……」

神官「……まぁ、そんな些細な理由ですよ。ふふふっ」

青年兵「いえ、大変素晴らしい事だと思います」

神官「ありがとうございます」

青年兵「本国に住む者としては、なかなか気付きにくい事です」

神官「志は同じでも、環境が違えば手段も違う……という事ですな」

青年兵「…互いに良い部分を用いる事が出来れば、最高ですね」

神官「仰る通りだ。互いに目指そうではありませんか」

青年兵「…はい!是非にも!」

両者はようやく硬い表情を解き、心から笑った。


206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:09:44.86 ID:7NuJEfl4o


ドドッドドッドドッドドッ…

神官「ここが港です」

青年兵「……おぉ!」

騎乗より前方に見える港に、青年兵は興奮気味に声をあげる。

青年兵「かなりの規模ですね!」

神官「今後は頻繁に船が行き交うであろうからな。大きいに越した事はない」

青年兵「……凄いな。短期間でここまでのものが」

神官「細部はまだまだこれからだが、大筋の物は完成しているよ」

青年兵「ここも自然と融合した作りですね」

神官「ああっ。あとは木々の間を縫うように、市場を配置しようと思う」

青年兵「あの辺りですね?」

神官「日差しも強い故、日陰にもなるしな」

青年兵「良いと思いますよ!いや、本当に素晴らしいと思います!」

神官「私も閑静が待ち遠しいものですよ」


207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:10:26.27 ID:7NuJEfl4o
青年兵「更には、西方司令部との電話が……」

神官「うむ。近いうちに拠点、更には此処、港まで配備予定だ」

青年兵「凄いですね……」

神官「もし北より魔物の侵攻があろうとも、それさえあればすぐに……」

青年兵「司令部との連動可能ですね」

神官「そういう事だ」

青年兵「…いやはや、素晴らしいものをありがとうございました」

神官「こちらこそ」

青年兵「今度は是非、殿下もお連れ致したいと思います」

神官「それは楽しみ。待っておりますぞ」

青年兵「はい。それでは……」

神官「もう戻られるのか…!?」

青年兵「ええ。お仕事の邪魔にもなってしまいますでしょうし…」

神官「何を仰る。今宵は宴も設ける予定。もっとゆっくして下され」

青年兵「し、しかし……はぁ」


208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:11:25.12 ID:7NuJEfl4o
〜夜〜

神官「皆の者、本日の勤めもご苦労であった」

西国兵「おー!!」

神官「今宵は本国からの客人、青年兵殿もお見えである」

西国兵「おぉーっ!!」

青年兵「…お、お邪魔します〜」

神官「労いと持て成しを……乾杯!」

一同「乾杯ーっ!!」

西国兵「ささっ、どうぞ!」

青年兵「ありがとうございます」

神官「西国の酒と特産品を揃えました。どうぞご遠慮なく」

青年兵「大変感謝いたします。ありがとうございます」

神官「今日は一通り視察されて、如何だったかな?」

青年兵「予想以上に進んでおり、心底驚きました」

西国兵「我ら西国の者は、団結力が違いまさぁ!」


209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:12:38.73 ID:7NuJEfl4o
青年兵「皆様の働きが素晴らしいからこそ、これだけ出来るのでしょうね」

西国兵「おぉ、分かりますか!?」

神官「これ、図に乗るでないっ」

西国兵「へへっ、失礼致しやしたっ!」

青年兵「皆、楽しそうに働いておりますね」

神官「ええ。我先にと率先して働いております」

青年兵「良い事です」

神官「西国もようやく、国内も安定し…活気付いてきたところ」

青年兵「……」

神官「つい数年前までは、西高原国の侵攻に怯えながら暮らしておりました…」

青年兵「……っ」

神官「しかしそれもこれも、全ては召喚士殿達のお陰です」

青年兵「召喚士さん…っ」

神官「彼らは西国の『救世主』なのです」


210 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:13:53.73 ID:7NuJEfl4o
青年兵「ええ…っ」

神官「王子もようやく、国王らしくなってきましたしね…ふふっ」

青年兵「国政ですか…?」

神官「いや、ほとんどが軍事ですが……」

青年兵「殿下と似ておりますね」

神官「いやいや、うちのは常に戦場を駆け回っておりますよ……」

青年兵「ご苦労様です……」

神官「ただ、前線に居るだけあって、西国の士気は非常に高いです」

青年兵「そう思います」

神官「それがこういった、戦以外の任務にも影響しておるのでしょうな」

青年兵「相乗効果ですね。良い事です」

神官「青年兵殿も近いうち、西国へいらして下され」

青年兵「ええ、必ず!」

神官「……ささ、飲んでくだされ」

青年兵「ありがとうございます…!」


211 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:14:40.33 ID:7NuJEfl4o


青年兵「ご馳走様でした」

神官「お口に合いましたかな?」

青年兵「ええ!交易規模が増したら是非、購入したいと思います!」

神官「ふふふっ、そんな事ならお送り致しますよ」

青年兵「いえいえ、そこまでは…。自分で買わせて頂きます。ははっ」

神官「ふふっ。……これ、青年兵殿を寝室へご案内せよ」

西国側近「ははっ」

青年兵「すみません。寝る所までご用意して頂いて……」

神官「これから帰るのも手間でしょう。お構いなく」

西国側近「では、ご案内致します」

青年兵「それでは、お休みなさい」

神官「ごゆっくり」

カツカツカツカツ…

青年兵「……?」


212 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:16:03.25 ID:7NuJEfl4o
西国側近「…どうかなさいましたか?」

青年兵「拠点には、地下もあるのですか?」

西国側近「…ああ、作る予定でしたが結局なくなりました」

青年兵「そうですか……」

西国側近「この階段はその時の名残ですよ」

青年兵「なるほど。地下は色々使えますよ」

西国側近「そうなのですか?」

青年兵「食糧の保存庫などにも適しておりますしね」

西国側近「それは素晴らしい!早速、神官様へお伝え致しましょう」

青年兵「ははっ、ただの浅知恵ですよ。それではお休みなさい」

西国側近「……はい。ごゆっくりお休み下さいませ」

テクテクテク…パタン

西国側近「……」

クルッ…テクテクテクテク


213 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:17:02.55 ID:7NuJEfl4o


神官「…ほぅ、地下を?」

西国側近「はい……」

神官「まぁ構わぬ。問題はないであろう」

西国側近「はい。私もそのように思います」

神官「青年兵殿の申すとおり、保存庫にしておこう」

西国側近「では、そのように」

神官「隠すつもりはないが、今は知られたくない」

西国側近「……」

神官「本国へは来るべき時に話せば良いからな」

西国側近「ええ」

神官「では、地下は食糧保存庫として偽装しておいてくれ」

西国側近「…はっ、早速!」

クルッ…タッタッタッタッタ…

神官「…………」


214 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:17:49.64 ID:7NuJEfl4o
〜次の日〜

青年兵「……昨日はありがとうございました」

神官「いえいえ。大した振る舞いも出来ず……」

青年兵「十分過ぎる程ですよ。この御礼は必ず……」

神官「なぁに、気になさいますな。本国からは色々とご協力頂いておる故」

青年兵「そう…ですか」

神官「それでは、お気を付けて」

青年兵「はいっ!近いうちにまた…!!」

クルッ…パッカパッカパッカ…

三日月島北側における、西国の拠点及び港の視察を終えた青年兵。

西国の思いを胸に、今再び西方司令部へと戻って行った。

〜西方司令部〜

青年兵「…ただいま戻りました!」

西方副司令「おかえりなさい。いかがでした?」

青年兵「いやぁ…実に凄い物でした」


215 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:18:52.63 ID:7NuJEfl4o
西方副司令「でしょっ!?私も始めて見た時は驚いたわぁ」

青年兵「本国も負けてられませんね」

西方副司令「ほーんと。あ、そこでなんだけど……」

青年兵「…?」

西方副司令「ここも少し、ちゃんとしたいし〜」

青年兵「…え、ええ」

西方副司令「司令と参謀を入れ替えて貰えないかしら?」

西方司令「ひ、ひええぇぇ!?」

西方参謀「ぶほっ!」

西方副司令「あら、いたの?」

西方司令「ひいぃ……も、もう終わりだぁ!」

西方参謀「お、おいおい…まさか本気じゃないだろうなぁ…?」

西方副司令「あら、冗談よ」

西方参謀「…ったく」

西方司令「はあぁ……もうダメだぁ!投身するしかいないいぃぃ」


216 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:19:52.49 ID:7NuJEfl4o


青年兵「屯田…ですか!?」

西方副司令「ええ。議会が終われば進められるでしょ?」

西方参謀「確かにな。三日月島でも屯田を行えば……」

西方副司令「食糧も確保出来るし、兵の増強にもなるわ」

青年兵「それで、屯田について教示出来る者を…ですね?」

西方副司令「ええ。誰かいるかしら…?」

青年兵「今は大軍師様が一手に引き受けてますからね……」

西方参謀「じゃあ大軍師に来て貰わねぇと無理か…」

青年兵「一応、話は通しておきます」

西方副司令「ごめんなさいね。手間掛けちゃって……」

青年兵「いえいえ、このくらい大した事ではありませんよ」

西方副司令「頼もしいわねぇ。キミが司令になっちゃえばいいのに……」

西方司令「ひ、ひいいぃぃ…っ!」

西方参謀「それ…本音だろ……」


217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:20:40.04 ID:7NuJEfl4o


青年兵「それでは長い事、お世話になりました!」

西方副司令「いえいえっ。右翼の勝利、改めておめでとう!」

西方参謀「んじゃー元気でなぁ!……ヒック」

青年兵「では、失礼致します」

西方司令「ど、どうか…お許しをおおぉぉ」

青年兵「…は、ははっ」

ザッザッザッザッザ

青年兵「……!?」

西方魔道長「結局勝っちまったねぇ」

青年兵「…ええ、勝たせて頂きました」

西方魔道長「お前さんらだけの問題じゃあないんだ」

青年兵「……」

西方魔道長「世界中の人間を巻き込んでるって事、忘れなさんな」

青年兵「…はい」


218 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:21:36.60 ID:7NuJEfl4o
西方魔道長「ほれっ、勝者は胸張って帰りな!」

青年兵「……はいっ!失礼致します!」

ザッザッザッザッザ

西方魔道長「……ふふふっ。面白い奴じゃあないかい」

博士「ババが気に入るとは、珍しいのら」

西方魔道長「そうかい?お前さんの事だって孫のように思っとるよぉ」

博士「…それは遠慮するのら」

西方魔道長「…ふっふ、そりゃあ残念だねぇ」

博士「……さて、これから忙しくなるのら」

西方魔道長「あたしゃ戦うつもりはないよぉ」

博士「なくても下の者はやるき出てるのら」

魔道士官「…いよぉーし。再編が始まれば…狙うは本国務め…!」

西方士官「……そこで戦果を上げて…出世コースだっ!!」

西方魔道長「張り切りすぎるとロクな事はないよぉ?早死にするだけさ」

博士「…今は士気が高いに越した事はないのら。そのうち限界がみえるのら」


219 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:22:36.39 ID:7NuJEfl4o
西方司令部での演説、そして視察を終えた青年兵は、

単身本国へと戻ったのであった。

〜本国〜

青年兵「……ようやく…戻ってきたぁ」

ザザーン…ザザーン

海兵「入港完了ーっ!」

青年兵「…ご苦労様です」

海兵「青年兵様、お疲れ様です!」

青年兵「ありがとう」

テクテクテクテク…

青年兵「……戻りました」

右文官「…うむ、ご苦労」

右秘書官「視察はどうであったか?」

青年兵「大変有意義なものでした」

右秘書官「それは何より」


220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:23:19.21 ID:7NuJEfl4o
右文官「機関早々、申し訳ないのだが……」

青年兵「何か…あったのですか?」

右文官「…う、うむ」



青年兵「取材!?」

右秘書官「新聞各紙がどうしても……とな」

右文官「これも右翼の政策アピールとして、何とか受けて貰えぬだろうか?」

青年兵「し、しかし……っ」

右秘書官「畏まる事はない。ただ、己の考えをそのまま述べてくれれば良いのだ」

青年兵「……」

右文官「新聞社も、何もこんな直後に行わなくてもなぁ…」

右秘書官「彼らとしてもホットな話題が欲しいのではないのですかね」

青年兵「……どうしても…ですか?」

右文官「強制はせん。しかし、これも政治の一環であるという事だけは申しておこう」

青年兵「……」


221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:23:54.21 ID:7NuJEfl4o


記者「いやはや、今回は取材の受諾…まことにありがとうございます!」

青年兵「い、いえ…っ」

記者「では早速、始めさせて頂きたいと思います」

絵師「こちらを向いて頂けますか?あ、そうそう…そうです!いいですねー」

右文官「……すまんな青年兵」

右秘書官「困ったことがあればすぐに申してくれ」

記者「それではまず…今回の政策における――」



青年兵「つまり、国軍全体の再編における相乗効果にて――」



青年兵「ですから、再編と屯田制の推進をですね――」



青年兵「東方司令部の魔道兵を各司令部、及び本国へ――」

記者「……なるほどなるほど!」


222 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/01/19(水) 13:24:38.95 ID:7NuJEfl4o


記者「どうも、長々とありがとうございました!」

絵師「…うんっ、よく描けてる!どうです?問題ありますかね?」

青年兵「……い、いえっ」

記者「本日は取材、ありがとうございました!」

絵師「記事は数日内に掲載出来ると思いますので!」

テクテクテクテク…

青年兵「…はぁ、やっと終わった…っ」

右文官「…ご苦労であった」

右秘書官「何か飲むか?」

青年兵「ありがとうございます。しかし、同じ様な事を何度も……」

右秘書官「どうやら今回は国軍再編を目玉として打ち出したいようだな」

右文官「うむ。インパクトもあるしな」

青年兵「……そのようですね」

右秘書官「あとは…記事になるのを楽しみに待っているとするか」



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