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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
- 375 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/01/30(月) 17:57:47.46 ID:UOW7Y4xQo
〜東方司令部〜
ワイバーン「ん?」
青年兵「どうかした?」
ワイバーン「西の空で何か強い光のようなものが見えたが……」
青年兵「日の光は東からだし、山にでも反射したのかな?」
ワイバーン「……」
青年兵「さぁ東方司令部に到着だ」
バシュウウゥゥゥゥ スタッ
門兵「……!? こ、これは青年兵様!!」
青年兵「いいですか?」
門兵「勿論でありますっ!! どっ、どうぞ!!」ササッ
青年兵「どうも」ザッザッザッ
ピクッ
青年兵「……先日はお疲れ様でした、東方司令」
東方司令「振り向きもせず気配で察知するとは。気は緩んでいないようだな、大元帥殿」スッ
- 376 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 17:58:24.81 ID:UOW7Y4xQo
青年兵「東方司令こそ休んでおられないようですね」
東方司令「どうせすぐに戦いが始まる。休んでいる暇などない」
青年兵「確かにそうですね」
東方司令「それで、今日は何用だ? 人ならもう出せんぞ。むしろ増員の依頼をしたばかりだ」
青年兵「いえいえ。私用です」
東方司令「私用? はぁ、気の毒な奴だな」
青年兵「気の毒……」
東方司令「休みの時まで国軍関連か? お前こそ少し休んだ方が身の為だぞ」
青年兵「いやいや、休んでいる暇などは……」
東方司令「ボクとお前では立場が違う。トップがぶっ倒れたら代わりは利かんのだぞ」
青年兵「……」
東方司令「それに、お師匠に対抗意識を燃やすようならば、やめておけ」
青年兵「天才さんの事は別に……」
東方司令「あれは人間じゃない。人智を超えたバケモノだからな」
青年兵「……確かに」
- 377 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 17:58:56.97 ID:UOW7Y4xQo
天才「ぶぇーっくしょい!!」ゴシゴシ
召喚士「寒かったですもんね」
天才「全くだ。戦闘前に病欠なんざ、シャレにもなりゃしねーぞ」
魔道士「薬、要ります?」
天才「いい。っつーか、ここもまた寒みぃな〜」ブルッ
コカトリス「文句をぬかすのならば降りろ」
天才「冗談だっつーの。こんな所で降ろされたら流石の俺様でも死ぬわ」
盗賊「空から見ても、大きいな」
戦士「ああ、結界石かぁ」
召喚士「こうしてみると、ものの見事に均等なんですね」
天才「……本当だな。上から見るのは初めてだから気付かなかったな」
戦士「本当に人工物なのかあれ?」
天才「あの結界石はピンポイントに設置されてる」
盗賊「……?」
天才「サタンが元来、地上にいたのか、いる前からなのかは知らんが、
あの結界石があるせいで地上に出てくる事が出来ねーわけだ」
- 378 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 17:59:44.16 ID:UOW7Y4xQo
魔道士「なるほど……ですね」
天才「あれが作為的なもんどえなければ何でそんなピンポイントに設置されてんだって話だ」
召喚士「……一番新しい文献は闘王時代のものなんですよね?」
天才「ああ」
召喚士「一番古い文献は……?」
天才「俺様の見た限りじゃあ、神王時代だな」
魔道士「神王!?」
戦士「いつぐらいだそれ?」
天才「覇王なんざ遥かに昔の、神話時代の王だよ」
魔道士「そ、そんな昔からですか……!?」
天才「いや、流石にsれは有り得ねぇと思ってたが、これを見るとますますだな」
召喚士「測量技術もない時代に、こんな均等に設置なんて出来るわけがないですよ……っ」
盗賊「……同感だな」
天才「まぁ今更調べるのも無意味だし、サタンを倒した後にでもじっくり調べてくれや」
召喚士「……っ」
- 379 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:00:16.14 ID:UOW7Y4xQo
バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「あっ、師匠の家がある山だ」
コカトリス「……」
召喚士「こうしてみると、結構……広いなぁ」
戦士「そういやそうだよな。修行で森の中を走り回ったのが、つい昨日の事みてーだ」
盗賊「本当だな」
魔道士「あの頃は今なんかよりも全然、力もなくて……」
天才「それが今やこんなに立派になっちまって。会ったら大喜びだぜアイツ」
召喚士「……そうですね……本当」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
戦士「んだよ、気持ち悪りぃな」
天才「んじゃとっとと帰って、北へ向かう準備を進めるぞ」
召喚士「了解!」
魔道士「行きましょうっ!」
コカトリス、ペガサス、ワイバーンは召喚士らを乗せたまま、進路を大陸港の街へと羽ばたいて行った。
- 380 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:00:53.68 ID:UOW7Y4xQo
〜東方司令部、墓地〜
東方司令「供養の為に建ててはいるが、遺骨は本国だぞ?」
青年兵「分かっております」
東方司令「……じゃ、あとはご自由に」
青年兵「ありがとうございます」
東方司令「……」チラッ
テクテクテクテク……
青年兵「許してくれとは言わない。でも、ここまで無我夢中でやってこれたよ」
パサッ
青年兵「時代は変わった。君のとびっきりのスクープのお陰さ。ありがとう」
墓前に花束を添えると、青年兵の背中をポンと押すような、そんな感覚があった。
青年兵「……?」キョロキョロ
――うおおぉぉぉぉ!! 鬼頑張るっすよおおぉぉ!! 青年兵さんっ!!
青年兵「ありがとう……とびっきりのスクープをお届けしますよ」
そんな声が聞こえたような気がした。ただそれだけ。
- 381 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:01:38.61 ID:UOW7Y4xQo
〜大陸港の街〜
魔道士「到着〜っ。ありがとっ、ペガサス♪」
ペガサス「いーのいーの! お姉ちゃんだったらいつでもオッケー!」
召喚士「俺の魔力なのに……」
天才「さーてさて、腹が減ったぁ!!」
ドバンッ!! ガシャガラガランッ
バーテン「てめぇは人の店をぶっ壊す気か!!」
天才「ハーッハッハッハ! こんな寂れた店は区画整理で撤去してやる」
バーテン「けっ。国軍でもねぇヤローが吠えるだけ無駄だ」シュボッ
戦士父「うまくいったのか?」
戦士「ああ。サタンの封印を解いたっつー実感はねぇけどな」
バーテン「んで、その足で北へ向かうのか?」
天才「俺様はな。お前らはどうする?」
魔道士「……どうします?」
召喚士「一緒に行ってもいいのなら、その方が楽かと……」
- 382 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:02:14.44 ID:UOW7Y4xQo
天才「俺様は構わんぜ」
戦士「どのみち北へ行かにゃならんもんなぁ」
盗賊「だな」
魔道士「ご一緒しても、宜しいですか?」
天才「仕方ねーなぁ。んじゃ軽食済ませて北へ向かうか」
バーテン「嬉しいくせに」ボソッ
天才「……あん!? 何か言ったかおい!!」
戦士父「いちいち騒ぐな。五月蝿い奴だ」
バーテン「んじゃ何か適当に――」
魔道士「私も手伝いますっ!」
戦士「おー! 久々、魔道士の手料理!」
バーテン「すまねぇな、助かるよ」
魔道士「いえいえっ。よーし久し振りだし……ハリキっていきあmすよ〜っ!」
戦士父「それじゃ、薪を持ってくるとするか」スクッ
戦士「俺も手伝うわ」テクテク
- 383 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:03:04.20 ID:UOW7Y4xQo
〜本国〜
青年兵「……」
カツカツカツカツ
青年兵「……」
高官「こちらです。どうぞ」
青年兵「失礼致します」
スッ テクテクテク
高官「まだきちんとした墓は建てておりません。遺体も見つかっておりませんし」
青年兵「……」
高官「万が一、生きていれば……などと思う事もあります」
青年兵「……」
高官「どんな形であれ、早く戻ってきて貰いたいものです」
青年兵「……」
高官「そして、私は償いたい。ウィッチの前で……っ」
青年兵「……っ」
- 384 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:03:44.29 ID:UOW7Y4xQo
パサッ
青年兵「必ずや、ここへ連れて戻ります」
高官「どうか、お願い致します……青年兵大元帥」
青年兵「……はい」
スッ
青年兵「それでは……」
高官「私が、ウィッチを理解し、もっと接してやる事が出来ていれば……っ」
青年兵「悔やんでも、過去は戻りません。それに高官様、あなただけの罪ではありません」
高官「……っ」
青年兵「この僕だって……っ」ググッ
高官「……あなたは悪くない」
青年兵「……失礼致します」
高官「……くぅっ」
ザッザッ カツカツカツ
青年兵「貴様だけは絶対にこの手で……ネクロマンサー」
- 385 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:05:38.31 ID:UOW7Y4xQo
〜東方、竜宮城跡〜
コオオオオォォォォ
ネクロマンサー「……何か、大きな気配が動きましたねぇ。ククッ」
ボゴォッ ザシャアアァァ
ネクロマンサー「いよいよサタン様の復活、ですか」
隊長「……」ジャリッ
ネクロマンサー「さぁ行きましょう。貴方にもまだ、働いて貰いますからねぇ……ククッ」
隊長「…………」
ネクロマンサー「魔族、人間……。最後の闘いの始まりです」
フワッ
ネクロマンサー「その先にあるモノを私は手に入れなければならない。そして……」
隊長「……」
ネクロマンサー「ククッ。貴方も歴史の証人として、その名を永遠に刻む事でしょう」
ブワッ
ネクロマンサー「待っていますよ人間……そして、召喚士! ククククッ!」
- 386 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:06:36.80 ID:UOW7Y4xQo
〜大陸港の街、バーテンの店〜
天才「……すげーな」
魔道士「ちょっと……はりきりすぎちゃいました……っ」
戦士「ご馳走なんてレベルじゃねーぞ」
盗賊「い、頂きますっ!」カチャカチャ
バーテン「んで、開戦はいつなんだ?」
天才「大元帥様次第じゃねーの? モグモグ」
バーテン「ったく、とっとと辞任したからって他人事だなおい」
天才「別にもうここまできたら焦っても仕方ねぇだろ。あと1ヶ月はあるんだ。モグモグ」
戦士父「まぁ、急いでしくじっても仕方ないからな」
天才「んな事聞いて、参戦してくれんのか?」
バーテン「馬鹿言え。参戦したところで役にも立たねーよ」
魔道士「そんな事はないですよぉ〜」
天才「ほれ、救世主達が熱望してるぜ?」
- 387 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:07:46.74 ID:UOW7Y4xQo
バーテン「あのなぁ、民間人が戦場に出てどーすんだよ」
天才「ただの民間人じゃねーだろうが。初代特遊の隊長様がよ」
戦士父「役に立てるものなら、参戦したところだがな」
戦士「……」
天才「ま、いーや。開戦は北関集結でそこから各拠点を中心に北上する」
戦士父「戦役か。兵は足りているのか?」
天才「全軍総動員だろうよ。何たってベルゼブブ軍は100万の大軍らしいしな」
魔道士「ひ、100万……っ」
天才「ラーヴァナん時みてーな皮算用じゃねぇ。リアルな100万だ」
召喚士「……っ」
天才「しかも北の雑魚は他の地域とはレベルが違う」
戦士「確かに、北関やらの戦闘でも雑魚クラスで相当なモンだったからな」
盗賊「ああ。我らが未熟だった事を差し引いても……な」
天才「オーガやデュラハンクラスでこっちのキーマン潰されるくらいだからなぁ」
召喚士「……っ」
- 388 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:08:21.51 ID:UOW7Y4xQo
天才「拠点って、北方司令部とかですか?」
天才「ああ。それに東方司令部、海峡、西国の拠点に最北の村。ほぼ全てだ」
魔道士「うわぁ……っ」ゴクッ
天才「誰をどこに配置するかは大元帥ちゃんに任せるが、お前らは俺様と共に東だ」
盗賊「……東?」
天才「海峡の先、森を突破する」
戦士「……おいおい。森ってまさか……」
天才「1番の鬼門かもな。ハーッハッハッハ!」
バーテン「何がハーッハッハッハだ。笑ってる場合かっつーの」
召喚士「わざわざ各所からあたらなくてはいけないんですか?」
天才「いけないからこんな作戦取ってんだろ。一点集中で突破出来るなら楽なモンだ」
盗賊「……」
天才「魔王城ってのはな、そういう所なんだよ」
召喚士「だから、誰も突入出来た事のない、難攻不落の城……っ」
天才「分かれば宜しい。ハーッハッハッハ!!」
- 389 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/01/30(月) 18:16:13.49 ID:UOW7Y4xQo
明日はもっと頑張りまする。申し訳ございませぬる!
それでは失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ
〜オマケ〜
魔道士「>>363-366 ななっ、何を言ってるんですかっ!!」///
東方司令「ほほぅ、興味深いな」
女侍「戦士は割とあれだったぞ」
盗賊「アレ!?」
朱雀嬢「ふ、不潔ですわっ!!」
玄武娘「そうですの? じゃあ朱雀嬢ちゃんは要らないそうなのですの」
朱雀嬢「そんな事は言ってないですわっ!」///
占い師「……若いっていいわねぇ」ズズーッ
白虎長「ほーんと。羨ましい……ってか、同期が1人交じってるんだけど」
魔道士「と、とにかく! こんなものは宜しくないと思いますっ!」///
女侍「こういう清純ぶってる奴が実は、1番気になってんだよなぁ〜」
東方司令「そうそう」
魔道士「そんな事ないもーんっ!!」///
帝「……」
- 392 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/01/30(月) 19:34:12.14 ID:g91WSUnCo
>>1乙
はじめの頃は自分をいきなり天才だ!とか言い出したときは、
どこのアミバの類いかとも疑い、ゴルリンらに苦戦しているように見えてからは、
より一層カマセに見えていた天才さんも、いよいよ最高の仕事を成し遂げて、散るんだな
胸熱
- 396 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2012/01/31(火) 01:24:11.87 ID:m09P4mkDO
>>392
ゴルリンとは戦ってないんじゃ……
確か圧倒的っていう描写があたかも
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