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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
- 363 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/04/09(月) 17:56:39.89 ID:8IIsSSTao
〜ネクロマンサーのラボ〜
魔道士「うぇ……っ、ごほごほ!」
戦士(この嫌なカンジ……かつて経験した事がある……っ)
盗賊「これは瘴気か……? ごほっ」
召喚士(盗賊さんが耐性を持っていない……? これは毒やその類じゃない……っ)
戦士(そうだ、この嫌な感覚……かつて地獄で味わったアレと同じだ!)
ブシュウウウウゥゥゥゥ……
召喚士(足が重い……っ。この中に本体があるというのに……っ)ズッ
魔道士「……っ」
ドドオオオオォォォォン!! ゴアアァァァァッ!!
戦士「……風かっ、助かったぜ……げほっ」
盗賊「今のうちに……」タタッ
スタッ……ズザァ
召喚士「!?」
盗賊「……兄様?」
- 364 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 17:57:10.49 ID:8IIsSSTao
影忍「此処から先……」
盗賊「ええ、進みましょう。ここから先――」
ザシュッ!!
盗賊「え……?」ポタタッ
召喚士「な……っ!?」
影忍「此処から先、進ませぬゥ!」チャキッ
戦士「ど、どうなってやがるっ!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「クククッ、残念でしたねぇ」
魔道士「あぁっ!!」
召喚士「貴様ぁ……っ!」
ネクロマンサー「先程の瘴気を大量に吸い込み、貴方の兄君は理性を失いました」
盗賊「……ぐっ」ザシャッ
ネクロマンサー「さぁ、どうします? 此処から先、易々と通すわけには参りませんからねぇ」
召喚士「だったら……力ずくで抜けてやるっ!」
- 365 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 17:57:50.27 ID:8IIsSSTao
ズザァ!!
召喚士「行けっ! ワルキューレ! スキュラ! ユニコーン! コカトリス!!」
シュイイイイィィィィン……ドドオオォォォォ
ネクロマンサー「この程度の召喚獣でッ、この私をやれるとでもオォ!!」
召喚士「やってやるさ! 貴様を倒す為には手加減なんてしないっ!」
ズギャギャギャギャギャアアァァァァ!!
召喚士「!?」
ネクロマンサー「クククッ! 瘴気でパワーアップしたのは、人形だけではありませんよォ!」
バゴォ!! シュイイィィィィン……
召喚士「スキュラ!!」
ネクロマンサー「次ィーッ!!」ババッ
戦士「させっかよぉ!!」ダンッ!!
ネクロマンサー「邪魔です。寝ていなさいッ」
触手に捕らえられた戦士は、簀巻きのような状態でそのまま地面へと叩きつけられた。
戦士「ごほぉっ!! がはっ!!」ドガアアァァァァ!!
- 366 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 17:58:27.65 ID:8IIsSSTao
ネクロマンサー「さっきまでの威勢はどうしましたァ!? エェッ!?」
盗賊「ち、調子に……乗るなよっ」ググッ
ネクロマンサー「此方の台詞ですよッ!」
影忍「……」
バキッ!! ドガァ!!
盗賊「がはぁっ!」
戦士「魔道士ぃ、盗賊の援護だ! 俺は召喚士の援護に回る!」
魔道士「は、はいっ!」タタッ
召喚士(……ネクロマンサーめ)
ネクロマンサー「ククッ」ビュオッ
召喚士(コカトリスの動きだけ徹底的にマークしてる……っ)
ネクロマンサー「召喚士、貴方の狙いは分かっていますよ」
召喚士「くっ」
ネクロマンサー「如何に強力なコカトリスと言えど、動き回っている相手には狙いも定まるまい!」
召喚士「だったら、まずはその動きを封じてみせる!」
- 367 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 17:59:11.97 ID:8IIsSSTao
ネクロマンサー「どうやって?」
召喚士「行けっ、クジャタ!」
シュイイィィィィン
ネクロマンサー「ほォ」
召喚士「クジャタの竜巻で、コカトリスと貴様を閉じ込める!」
ネクロマンサー「無駄ですね。召喚士、貴方には期待していたのですが……」
フッ
召喚士「!?」
ネクロマンサー「どうやら、期待外れのようだ」
戦士「召喚士ぃ! 後ろ――」
ネクロマンサー「寝てなさい。ククッ」
ドズドズドズドズッ!! ズググッ……
召喚士「か……かは……っ」
コカトリス「召喚士!!」
ネクロマンサー「所詮、この程度のものですか」
- 368 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 17:59:54.67 ID:8IIsSSTao
タッタッタッ
魔道士「盗賊さんっ!」
盗賊「来るな魔道士っ!」ググッ
影忍「……」
盗賊「こ、こは……私……っが」
魔道士「1人でなんて無茶ですっ!」
盗賊「……兄様は……私が……っ」グググッ
影忍「……」
魔道士「影忍さんっ!!」
影忍「……?」クルッ
魔道士「どうして……っ、盗賊さんは、あなたの妹なんですよっ!?」
影忍「……」
魔道士「大切な妹の事……忘れるわけないじゃないですかぁ!!」
影忍「妹……」
魔道士「盗賊さんの事……妹の事ぉ! 思い出して下さいよぉ!」
- 369 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:00:31.36 ID:8IIsSSTao
影忍「盗賊……妹……」
盗賊「……?」
影忍「……ウ……グゥ」パッ
盗賊「っ!!」ドシャッ
魔道士「盗賊さんっ!!」ダッ
盗賊「ご、ごほっ! ごほっ!」
影忍「妹……グゥッ」
魔道士「盗賊さんは妹ですよっ! 藤蔵のっ、大切な妹なんですよっ!!」
影忍「藤……蔵……」
ヨロッ……フラフラ……
魔道士「!?」
影忍「藤蔵……妹……」フラフラ
魔道士「ど、どこへ……」
影忍「盗賊……藤蔵……ウグッ」
盗賊「魔道士……お、追うぞ……っ」ザッ
- 370 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:01:48.86 ID:8IIsSSTao
…
魔剣士「……」
東方司令「……」
スタスタスタ……ザッ
東方司令「……こ、殺すなら殺――」
ガシィ!! グイィッ!!
東方司令「あぐ……ぅ!」
魔剣士「……」グイッ
ズルズルズル……
東方司令「は……なせ……っ」
魔剣士「……」
東方司令「どうするつもり……っだ!」
魔剣士「……」
東方司令「……何も語らない……かっ。くそっ」
魔剣士「……」
- 371 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:02:24.71 ID:8IIsSSTao
ズルズル……
東方司令(……惨めなものだな)
ズルズル……
東方司令(今まで色んなものを犠牲にして、強さを求めた結果がこれか……)
ズルズル……
東方司令(辿り着いたと思った山頂の先には、まだ険しい道があって……)
ズルズル……
東方司令(対峙して、手も足も出ない挙句、殺されもせず地を引き摺られている……)
ズルズル……
東方司令(所詮はこんなものか、ボクの力なんてさ……)
ズルズル……
東方司令(何で……涙なんか……くそ……っ)
ズルズル……
東方司令(身も心も……呪われた人生、生涯なのかよぉ……くそぉ……っ!)
ズルズル……グッグッ
- 372 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:04:47.10 ID:8IIsSSTao
魔剣士「……?」
東方司令「そんな人生……」
グイッグイッ……グッ
東方司令「もうそんな人生は……まっぴらだ!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
魔剣士「……!?」ズザッ
東方司令「ボクは……ボクはっ、もう嫌なんだああぁぁ!!」
突如、辺りが光に包まれる。東方司令の身体から発せられたそれは、
まるで五行の光に等しく、魔剣士はその衝撃で大きく後方へと吹き飛ばされた。
ドガアアァァッ!! ズシャッ!!
魔剣士「……?」
ザッザッザッ
東方司令「……私はもう……屈さない」
魔剣士「……ッ」サッ
東方司令「お前を倒す。この……私が!」
- 373 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:05:43.09 ID:8IIsSSTao
すらりと伸びた長身に、細身ながら引き締まった筋肉。
衣服はところどころが破れ、軍服は七分袖のような状態になっている。
上半身も同様で、タンクトップに袖の短いジャケットを羽織っているような格好である。
普段から大き目の衣服を着ていたからこの程度の露出で済んだのかもしれない。
長身によく似合うさらりと長い黒髪が風に揺れ、その奥から眼光鋭く光らせる東方司令は、
普段とは全く勝手が違う邪魔な胸元を左手でモゾモゾと気にしながら、
目の前に立つ魔剣士の元へとゆっくりと、ゆっくりと歩み寄っていった。
東方司令「……」
魔剣士「……」ジャキッ
特に会話はなかった。魔剣士がツヴァイハンダーを身構えた瞬間、
東方司令は既に魔剣士の後方でツヴァイハンダーを振り終えていた。
魔剣士「――ッ!?」ザシャッ
何が起きたかすら理解出来ぬまま、膝を付いた魔剣士の胸から、
夥しい流血が噴水のように噴き出し、魔剣士はそのまま地面へと四つん這いで倒れこんだ。
それを見下すように、東方司令はくるりと振り返り、無言のまま大剣を再び構えなおした。
- 374 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/04/09(月) 18:09:02.44 ID:8IIsSSTao
今日はキリ良くここまでにて!ご支援ありがとうでした!
おっさんズに続いておっさんズも人気ですな。おっさん無双
それではまた!失礼致します!ノシ
- 376 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/09(月) 18:18:51.65 ID:OR0ox1RDO
ロリBBAがただのBBAになっちまいやがった………
いちおつ
- 391 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/10(火) 05:36:06.22 ID:TpRG2L4DO
いちょつ
ロリBBAがーロリBBAがー
ただのBBAになっちゃったよー
- 392 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/04/10(火) 08:20:37.43 ID:aNPzdVpAO
経験不足な君たちには解らんだろうなwwwwww BBAの良さをwwwwww あ、>>1乙んつんであります。
- 393 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:06:51.34 ID:6aC4KOGHo
魔剣士「……?」ゴトッ
東方司令「っりゃああぁぁ!」ビキビキビキッ
垂直に振り下ろすツヴァイハンダーの衝撃で、地面が大きく砕け散る。
かろうじて直撃を封じた魔剣士も、その衝撃に耐える事は出来ず、
手にしたツヴァイハンダーを弾き飛ばされ、自身も後方へと激しく吹き飛んだ。
魔剣士「――ッ!」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
宙を漂う魔剣士の大剣をそのまま手に取り、東方司令は速やかに追撃へ動く。
両手にツヴァイハンダーを持った妖艶な女は、瓦礫に埋まる魔剣士を見つけた途端、
間髪入れず、両手の得物を左右から門のように閉じ、一気に命を仕留めにかかる。
魔剣士「……ッ:」
東方司令「っだああぁぁ!!」
2本のツヴァイハンダーが激しくぶつかり合い、壊れんばかりの衝撃音が響き渡った。
間一髪でしゃがんでかわした魔剣士は、そのまま両足で2本の刀身を大きく蹴り上げる。
そして、がら空きとなった東方司令の懐に飛び込んだ瞬間……。
- 394 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:07:43.89 ID:6aC4KOGHo
東方司令「りゃああぁぁ!!」
ギュバッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「――――ッ!!」
蹴り上げられた2本の大剣は、態勢を崩される事もなくそのまま振り下ろされた。
刹那のうちに土行で防御を試みた魔剣士であったが、先程の倍はあろうかという威力に、
遥か後方、ラボの中心部へと凄まじい勢いで吹き飛ばされていった。
ギュオオオオォォォォ……ドゴッシャアアアアァァァァ!!
東方司令「……吹き飛ばしすぎたか?」ガシャッ
2本のツヴァイハンダーに映る、変貌した自身の顔を見つめ東方司令が目を丸くした。
東方司令「……こ、これが私……!? わ、悪くないな……っ」ゴクッ
シュウウウウゥゥゥゥ……
ネクロマンサー「……?」
戦士「な、なんだぁ!?」
魔剣士「……ゴ……ゴフッ」ガラガラッ
ネクロマンサー「――!?」
- 395 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:08:33.54 ID:6aC4KOGHo
召喚士「あ……あれは……ごほっ」
ネクロマンサー「まさか、やられたとでも言うのか……ッ?」フワッ
召喚士「行か……せるかっ!」
ネクロマンサー「小賢しいッ!」
召喚士「戦士! 今のうちに魔剣士さんにとどめを!」
戦士「お、おう……っ」
ネクロマンサー「そう簡単にッ、人形を失うわけにはいかないのですよッ!」
コカトリス「馬鹿め、焦りは隙を生じるぞ」
ネクロマンサー「!?」
ドドオオオオォォォォ!! ゴゴオオオオォォォォ……
ネクロマンサー「……クッ」ピキピキミシッ
戦士「よしっ、ナイスだ!」
召喚士「いや、一時的なもの。その気になれば体を捨てて、脱出できるはずだ」
ネクロマンサー「……ッ」
召喚士「こいつはそういう奴だ。今まで何度も戦ってきて……理解してる」
- 396 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:09:27.88 ID:6aC4KOGHo
ネクロマンサー「……ククッ」
召喚士「……動けば次の召喚獣が貴様を攻撃する」
ネクロマンサー「召喚士、貴方もやはり普通ではない」
召喚士「……」
ネクロマンサー「とどめを差せだの、随分と命が軽く感じ取れるようになってきたのでは?」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「人間なんてそんなものです。一歩間違えれば闇に――」
召喚士「違うっ! 人間だって魔物だって、心はあるんだ」
ネクロマンサー「……」
召喚士「同じ志があれば、共に生きて行く事が出来る。いまはもう、そういう時代なんだ!」
ネクロマンサー「確かにそれは一理ありますよ」
召喚士「だったら――」
ネクロマンサー「私は此方側と同じ志だったからこそ、此方に来た」
召喚士「俺は違う。お前とは真逆の場所にいるんだ!」
ネクロマンサー「表裏一体なんて言葉、知ってますか?」
- 397 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:10:17.54 ID:6aC4KOGHo
召喚士「……」
ネクロマンサー「自身が正しい、白だと思っていても、はたしてそれはどうでしょうか?」
召喚士「何が言いたい」
ネクロマンサー「召喚士、貴方は真っ白なのです。汚れなき白。だからこそ汚れやすい」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「一度汚れてしまえば、純白などあっと言う間に濁り、黒となる」
召喚士「俺は――」
ネクロマンサー「たまたま黒に出会ってないだけです。1度出会えば、貴方は必ず堕ちますよ」
召喚士「俺はお前とは違う!」ゴアッ
コカトリス「落ち着け」
召喚士「コカトリス……!」
コカトリス「ただの言葉遊びだ。何も気にする必要はない」
ネクロマンサー「ククッ。はたしてそうでしょうかねぇ」
コカトリス「……」
ネクロマンサー「召喚獣さん。貴方だって危ういと思っているのではないのですか?」
- 398 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:11:10.41 ID:6aC4KOGHo
コカトリス「……どうかな」
ネクロマンサー「先程、話しましたね」
召喚士「……何?」
ネクロマンサー「レメゲントン。貴方が手にする日が来れば、どうなる事やら……ククッ!」
召喚士「お前は、何を望んでいる!? 何を見ているんだ!」
ネクロマンサー「知りたければ同じ舞台に立つ事です。きっと楽しいですよぉ?」
コカトリス「召喚士、もういい。よすんだ」
ネクロマンサー「貴方が見た事もない、新たな世界が見えるはずですよッ。ククッ!」
召喚士「……やっぱりお前は危険だ。どんな形であろうとお前を倒す!」
ズゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「ほぉ、これは……4属性召喚というやつですか」
召喚士「ネクロマンサー! 今日がお前の最後だ!」
ネクロマンサー「……ククッ、どうだか」
ドゴオオォォォォン!!
召喚士「!?」
- 399 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:11:38.20 ID:6aC4KOGHo
シュウウゥゥゥゥ……
戦士「……くっ」
召喚士「戦士!」
ネクロマンサー「ククッ。人形は1体ではありませんからねぇ」
戦士「そこをどいてくれ!」
影忍「……」ザッ
タッタッタッ……
魔道士「いましたっ!」
盗賊「兄様っ!!」
戦士「盗賊っ、後ろだ!!」
盗賊「――!?」
魔剣士「……」ブワッ
ガシイイィィィィ!!
盗賊「くっ、こ……っの!」
魔剣士「……」グググッ
- 400 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:12:12.67 ID:6aC4KOGHo
魔道士「盗賊さんっ!」
盗賊「……だ、大丈夫っ。どうやら素手のようだ……っ」ググッ
魔道士「援護します……っ!」
戦士「そっちは頼むぞ!」チャキッ
影忍「……そこを……どけ」
戦士「どいたらいい事でもあんのか? だったらどいてやるぜ」
影忍「いいから……どけェ!」
ビュオッ!! キィンッ ガキイイィィン!! ズガガガガッ!!
戦士「流石に……強えぇな……っ」
影忍「……グッ、クウゥ」
ネクロマンサー「ククッ、せいぜい争うが良いッ」
影忍「そこヲ……どけエエェェ!!」
戦士「いい加減っ、目ぇ覚ませよ!!」
ネクロマンサー「ククッ……」
影忍「どけ……どけぇ!! 戦士!!」
- 401 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:12:39.79 ID:6aC4KOGHo
戦士「!?」
ネクロマンサー「……?」
影忍「そこを……ど、くのだ……っ」ズズッ
ネクロマンサー(そういえばさっきからあいつ、どこを目指しているのです……?)
戦士「お、おい……っ」
影忍「この奥に……行くん……だ」ズズズッ
ネクロマンサー「まさかッ! この瘴気の中で……理性を取り戻したとでも言うのかッ!?」
影忍「この奥に……俺の……本体が……っ」
ネクロマンサー「バ、バカな……ッ。いや、それどころではない! まずい事になるッ!」フッ
召喚士「逃がすかっ!!」
ネクロマンサー「貴方に捕らえる事は出来ませんよッ。ククッ――」
サアアアアァァァァ……サラサラッ
召喚士「くそぉ! 霧のような姿に……」
ゴアッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!
ネクロマンサー「――ッ!?」バッ!!
- 402 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:13:33.84 ID:6aC4KOGHo
幼女「どんなに小さくなろうと、燃やせば終わり」
召喚士「幼女ちゃんっ!」
剣士「召喚士くん、ここは僕らに任せてくれ!」
召喚士「す、すみません……っ」
弓使い「さぁ、さっきの続きよ! ネクロマンサー!」
ネクロマンサー「雑魚共がァ……」メラメラッ
召喚士「戦士っ!」タッタッタッ
戦士「こっちはいいからっ、お前は奥へ進め!」
召喚士「!?」
戦士「影忍さんが何か知ってるみてぇなんだ」
召喚士「……わ、分かった」
ネクロマンサー「やめろッ! その奥には進むなアアァァ!!」
幼女「絶対に……逃がさない!」ゴアッ!!
ネクロマンサー「召喚士イイィィ!! 貴様はアアァァ!!」
召喚士「……っ」
- 403 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:14:08.22 ID:6aC4KOGHo
タッタッタッタッタッ……
召喚士「この奥に……本体があるんだ……っ」
タッタッタッタッ……
召喚士「いやっ、それだけじゃない。ネクロマンサーが持つ何かが……」
タッタッタッ……
召喚士「それを突き止めれば、奴の野望も……」
タッタッ……
召喚士「今日ここで、その全てを止められる!」
タッ……
召喚士「……ごほごほっ、瘴気が晴れる……ここか?」
ザッ
召喚士「――――っ!!」
ゴポッ……コポコポコポ……
召喚士「……う……うぅ……ううぅぅ」
ヒト「アアアアァァァァ……ッ」
- 404 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:14:55.51 ID:6aC4KOGHo
召喚士「はっ、はっ、はっ、はっ、は……っ」
ネクロマンサー「これはこれはお久し振りですねぇ」スッ
召喚士「は……っ、はぁ……はぁ、はぁ」
ネクロマンサー「ここまで辿り着けたのは、人間では貴方が始めてですよ」
召喚士「…………」
ネクロマンサー「面白味のなお反応だな。まぁ、並の人間が見ればこんなものですかね」
召喚士「う……うぅ……あぁ」
ネクロマンサー「意識のあるうちに解説しておきましょうか。正面、見えますか?」
スッ
ネクロマンサー「あれが本体ですよ。ほら、顔見知りも居るでしょう? ククッ」
召喚士「……う……うぅ」ガチガチ
ネクロマンサー「老若男女、ありとあらゆる死体を揃え、そこから生を生み出している」サワッ
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「あの液体は防腐のため。まるで宝石かオブジェのようで綺麗でしょう?」
ドズッ!!
- 405 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/04/10(火) 18:16:19.48 ID:6aC4KOGHo
ネクロマンサー「そこへ延々と魔力を送り続ける。管が見えるでしょう? あれがそうですよ」
召喚士「……っ」ツツーッ
ネクロマンサー「管の先には魔力放出の媒体。人間に良く似ていますが違うのでご安心を」
ヒト「ウアアァァ……アアァァァァ……」
ネクロマンサー「あとは実験に使ったガラクタがまだ転がっていますか」グイッ
召喚士「か……はっ」ゴポッ
ネクロマンサー「貴方も興味が沸きませんか? 人は死が終わりではないのですよ」
召喚士「が、がは……っ」ガクン
ネクロマンサー「ゼロから命を生み出せる力が、ここにはある。それは即ち、人間でも魔族でもない」
召喚士「あ……ぐぅ……っ」ポタポタッ
ネクロマンサー「言わば神の所業とでも言いますか……ククッ」
召喚士「貴……様……」
ネクロマンサー「ま、そんなものには何の興味もありませんけれど」
地獄と見間違う程、負の力に満ちたこの場所は、人智を遥かに超えた狂気の世界。
その絶望でおぞましい悪夢を見た召喚士は、うつろな目で自身の流血を眺めていた。
- 408 名前:NIPPERがお送りします(愛媛県) [sage] 投稿日:2012/04/10(火) 19:29:51.21 ID:TQuHBWl/o
自分自身にハァhァしてそうだな東方司令
- 410 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/04/10(火) 19:41:40.45 ID:M+4mif9Jo
>>1乙
本体の根倉が出てきたのか
久し振りってことは、会ったことあるってことかな?
- 412 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage] 投稿日:2012/04/10(火) 20:30:30.98 ID:rn0X78jNo
遺跡の奴だろ
- 414 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/04/11(水) 02:16:10.12 ID:C2azOVAa0
いちおつ
ネクロも人形だったのか
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