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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
840 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:42:57.42 ID:Uss5MX78o


ゾロゾロゾロ

青年兵「……」

緊急招集を終え一同が退室する中、青年兵は隊長へ声をかける。

青年兵「隊長……」

隊長「さっきも言ったはずだ。これ以上の詮索はするな」

青年兵「しかし……っ」

隊長「黙って指示に従えっ!!」

青年兵「――っ!!」

ビリビリビリッ

占い師「!?」

白虎長「なっ、何……っ?」

隊長「逆らうならば総司令と同様、国家反逆罪で処刑するぞ大佐殿」

青年兵「……」

隊長「分かったら大人しくしているか、司令を捜索しに行くんだな」


841 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:43:44.92 ID:Uss5MX78o
ザッ

青龍先生「しかし、即刻処刑というのは…如何なものかのぉ」

副司令官「……?」

青龍先生「そんな事をすれば、不審を募るだけじゃて」

騎士団長「私も同意だな。国民に余計な不信感を与えることは明白」

青龍先生「それに、とっ捕まえて拷問にでもかければ……」

博士「仲間の名前を吐くかもしれないのら」

副司令官「……まぁ、それもそうか」

隊長「よーし。そんじゃ司令を捕縛せよ」

男隊員「抵抗して困難なようであれば?」

隊長「……生死は問わん」

女隊員「……っ」

隊長「それともう一つ、大軍師にも気を付けろ」

白虎長「大軍……そうかっ、途中まで司令と同行して……」

隊長「南東国に入ったものと思うが、現時点での接触は控えるように」


842 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:44:24.92 ID:Uss5MX78o
ババッ…ザッザッザッザッザ

青龍先生「……ふぅむ。成程の」

青年兵「……先生…っ」

青龍先生「どれ、儂も戻るとするかの。ひょっひょ」

ザッザッザッザッザ

青龍先生「儂が先日、言った事を覚えておるか?」

青年兵「勿論です」

青龍先生「ならば、そういう事じゃ」

青年兵「……分かりました。失礼致します」

カツカツカツカツ…

青年兵「……」

隊長「……」

青年兵「僕は……動きません。特遊にお任せ致します」

隊長「……それでいい」

目線を合わせる事もなくすれ違う二人の間に、風が吹いた。


843 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:45:13.68 ID:Uss5MX78o
カツカツカツカツ…ザッ

隊長「それでは、特殊遊撃隊……行って参ります」

副司令官「うむ。頼んだぞ」

隊長「司令捕縛についての全権はお任せ頂けますかな?」

副司令官「……構わん」

隊長「はっ」

クルッ…カツカツカツカツ

隊長「お前ら二人はどう思う?」

男隊員「あん?」

隊長「東と西、どちらのルートを経由すると思う?」

男隊員「そりゃ東だろ。形だけでも南東国を視察するっしょ」

女隊員「同じく同意見ッス」

隊長「……だな。よし、今より南東国に向かい……司令を捕縛する」

男隊員「ヒャハハ!面白くなってきやがったぜ」

女隊員「面白くないッスよぉ……」


844 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:46:01.06 ID:Uss5MX78o
ザッ

隊長「それじゃ、お前らは直に南東国へ向かってくれ」

女隊員「隊長はどうするんスか?」

隊長「一応、南方司令部回りで南東国へ向かう」

男隊員「りょーかい。そんじゃ行くか」

女隊員「はいッス!」

隊長「待て。一つだけ聞け」

男隊員「……?」

隊長「もし大軍師を見かけても、接触はするな」

女隊員「へっ?」

隊長「あくまで司令にのみ集中しろ。いいな」

男隊員「よく分からんが、りょーかい」

女隊員「それじゃ…隊長もお気を付けてッス!」

タッタッタッタッタ

隊長「……」


845 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:47:14.90 ID:Uss5MX78o
午前8時。特殊襲撃隊3名が本部を発ってから2時間が経過していた。

テクテクテクテク

魔道士「何だか、やけに静かですね……」

戦士「そうか?」

召喚士「言われて見れば、何となくいつもと違う気が……」

盗賊「…兵が…少ないな」

魔道士「あっ、そうですよ!」

戦士「そうかぁ?早朝なんてこんなもんじゃないか?」

召喚士「うーん…。でも確かに警備兵が少ない感じも…」

双子姉「何か」
双子妹「起きているの?」

召喚士「いや、それは分かりませんけど……」

盗賊「……」

戦士「まぁいいや。こないだから国軍も大変そうだしな」

魔道士「そうですよね…。東方司令部の事とか……」

召喚士「ええ…」


846 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:47:55.65 ID:Uss5MX78o
同時刻、国軍本部作戦室にて――。

青年兵「南方司令部からの連絡は?」

本国兵「まだありません!」

青年兵「……っ」

グシャッ

青年兵「人手が足りない……っ、これでは……」

テクテクテク

博士「電話が間に合えば…良かったのらけどな」

青年兵「博士……」

博士「まぁ落ち着くのら。大将はどっしり構えているのら」

青年兵「……東方司令部復旧に随分と人員を割いてます」

博士「……」

青年兵「更には南方司令部も赤壁の着手にラストスパート……」

博士「どこも人で不足なのら」

青年兵「一番の問題は本部での指揮官が圧倒てき二少ない事ですよ」


847 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:48:35.27 ID:Uss5MX78o
博士「…それはいるのら」

青年兵「……?」

博士「青年兵、君しかいないのら」

青年兵「っ!!」

博士「今だって、それで任されているのら?」

青年兵「今は非常事態です。ただそれだけの事……」

博士「非常事態にこそ、有能な指揮官が必要じゃないのら?」

青年兵「……人が居ない、ただそれだけですよ」

博士「……」

本国兵「騎士団長様、出発の準備整いました!」

青年兵「本国周囲の巡回と、各出入り口の警備を進めるように」

本国兵「了解致しました!」

博士「…まぁ、出来る事はするのら。言って欲しいのら」

青年兵「…分かりました、ありがとうございます」

博士「それじゃ、頑張るのら」


848 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:49:04.59 ID:Uss5MX78o
午前10時、南方司令部に伝令が到着。

南方副司令「……これは…どういう事だ!?」

南方魔道長「……さぁな」

南方参謀「とにかく、司令がいないんじゃどうしようもないわ」

南方副司令「すぐに赤壁へ伝令を走らせろ!」

南方兵「ははっ!」

南方魔道長「とにかくだ、総司令が来たら捕まえりゃいいんだろ?」

南方参謀「まぁ、来る可能性は低いわね……」

南方副司令「念の為だ、巡回の兵を増員しろ」

南方参謀「ここの防衛は屯田兵を招集!急いで頂戴っ!」

南方兵「かしこまりましたっ!」

南方魔道長「さぁて、どうなる事やら……」

南方参謀「総司令が内通者……っ。信じがたいわね……」

南方副司令「まぁな。しかししっくりくる事もあるし……これは……」

南方参謀「…………」


849 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:51:06.49 ID:Uss5MX78o
正午過ぎ、特殊遊撃隊隊長が南方司令部へ到着。

カツカツカツ

隊長「ご苦労様」

南方副司令「そっちこそ、また大変だな」

隊長「まぁな。それより通達は来てるな?」

南方魔道長「既に兵も手配済だ」

南方参謀「でも…可能性は低いんでしょ?」

隊長「だろうな。十中八九、南東国ルートだろう」

南方副司令「…流石にあっちまでは兵を派遣出来んぞ」

隊長「それは構わん。大人数は逆に目立つ」

南方参謀「ねぇ、今回の件って……」

隊長「……南方司令は?」

南方参謀「相変わらず赤壁よ。こんな時に全く……」

隊長「……そうか。んじゃ、ここは任せたぞ」

南方魔道長「どこへ?」

隊長「……赤壁だ」


850 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:51:54.45 ID:Uss5MX78o
13時過ぎ。先行していた特殊襲撃の2名が南東国付近に到着。

ドドッドドッドドッ…

男隊員「もうじき南東国だ」

女隊員「そういえば、観光じゃなくて入国出来るンスか!?」

男隊員「軍事同盟も締結済だ。問題ねぇ!」

ドドッドドッドドッ…

門兵「……本国の者か!?」

男隊員「通達は来てんだろっ!?本国の特殊遊撃だ!」

門兵「おぉ…っ、やはりそうか。さぁどうぞ」

男隊員「すまんな!」

ドドッドドッドドッ

女隊員「本当に素通りだったッス……」

男隊員「ちゃんと身分証は提示したぞ」

女隊員「い、いや…それはそうッスけどぉ……」

男隊員「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!もうじき本チャンだ!」


851 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:52:57.18 ID:Uss5MX78o
ドドッドドッ…ドドォ

男隊員「……」

女隊員「……あれっ?」

男隊員「どうした?」

女隊員「あの……門の所……」

男隊員「――っ!!」

ザザッ

女隊員「えっ、えっ!?」

男隊員「早く来いっ!」

グイッ…パッカパッカパッカ

女隊員「今のって……」

男隊員「大軍師だな……っ」

女隊員「でも、一人……?」

男隊員「……関わるなって言われたろ。ほっとけ」

女隊員「……っ」


852 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:53:54.70 ID:Uss5MX78o
14時前。各司令部への通達も完了した。

〜北方司令部〜

左翼長「あぁ!?どういう事だよこりゃあ……!!」

騎士長「イカれてるとしか思えんな……」

参謀「何か不自然ですね……」

左翼長「まーたお前の兄上様が画策したか?」

参謀「いえ、そのような報告は聞いてはおりません」

騎士長「しかし司令がクロだとすると…非常にマズイぞ?」

左翼長「お前だって分かってんだろ。司令は司令だ」

騎士長「……まぁな」

参謀「兄上…いえ、大軍師殿に裏を取ってみましょうか?」

左翼長「それには及ばん。どうせこっちには無関係な話だ」

騎士長「まぁな。ここは静観して、お手並み拝見といこうじゃないか」

左翼長「……未来の大元帥様のな」

参謀「……ええ」


853 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:54:33.04 ID:Uss5MX78o
〜西方司令部〜

ジリリリリリッ

通信兵「こちら西方司令部!」

博士『何度もすまんのら』

助手「誰?博士?」

通信兵「ええ、そうで――」

パシッ

助手「もっしもーし!!」

博士『何で代わるのら……』

助手「まぁ、嬉しそうな声しちゃってぇ〜」

博士『耳が腐ってるのら…。まぁいい、司令に伝えて欲しいのら』

助手「はいは〜い」

博士『南方司令部にいつでも出動出来るよう、準備するように』

助手「了解〜。お伝えしま〜」

ガチャッ…ツー


854 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 18:55:36.52 ID:Uss5MX78o
〜東方司令部〜

東方参謀「……」

東方副司令「先生、この通達は……っ」

東方参謀「ここも下手に動かぬ様、指示を出した方が良いな」

カツカツカツ

東方司令「もう済んだ」

東方参謀「ほぅ、早いな」

東方司令「当たり前だ。ここにもいるかもしれないのだからな」

女剣士「……?」

東方司令「内通者だよ。全容が分かったわけではないだろう?」

東方参謀「その通りだ。だからこそ逆に警戒する必要がある」

東方副司令「……っ」

東方司令「不審な動きを見せた者は、すぐ報告するように」

東方副司令「……了解…致しました」

東方司令「……」


855 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2011/03/18(金) 19:00:20.39 ID:k6x1C+hUo
なんかあれだな、こういう物語の進み方何かで見たことあると思ったらハガレンだな


856 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/03/18(金) 19:01:58.32 ID:Uss5MX78o
ではそろそろ帰りますです
本日もご支援ありがとございました!ノシ

>>855
そうなんですよね…なんというかその…ごめんなさいな感じです



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