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召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」
- 467 名前:深夜にお送りします [sage]
投稿日:2012/08/12(日) 23:37:10 ID:b.Nc3ME.
ーー
ネメア「………」
召喚士「まだ気にしてるの?」
ネメア「そうだ……」
姫宮「おはよう盗賊!」
盗賊「おは……」
剣士「ぐぁぁ……何で起きる度に脇腹痛えんだぁ……」
召喚士「パイアと離れて寝ればいいだろ……」
剣士「ぁあ?そうすれば痛くならねえのか?」
召喚士「知らないけど……そんな気がするだけ……」
剣士「なんだそれ……」
蒼頭「ジノ様おはようございます。お答えは出ましたかな?ぐふふふふ」
ジノ「こいつムカつく!……悔しいぃぃ!」
- 468 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/13(月) 21:21:55 ID:FykBVqAs
ー
喚起士「後はこのまま西に向かい……」
蒼頭「村を二つ越えた先が谷の国になり申す」
剣士「………」
蒼頭「どうなされた?」
剣士「いやぁな?……それまでにこいつをどうにかしてえなってな」
蒼頭「……そうですな。お互い良き出逢いがあればよろしいが………」
剣士「だな」
姫宮「………」
召喚士「大丈夫かい?」えへっ
姫宮「それ気持ち悪いからやめて……」
召喚士「………」
- 469 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/13(月) 22:43:15 ID:FykBVqAs
ー
ネメア (本当に偶然だろうか……私がこいつの元に来たのは……)
召喚士「………」
姫宮「気持ち悪いって言ってごめん……」
ネメア (偶然では無く何かしらの意図みたいな物があるのだろうか……)
召喚士「……お姫様、お城に美人っている?」
姫宮「いるけど……何で?」
ネメア (もしあるのならそれは何なのか……それにこいつの魔力もそうだ……)
召喚士「紹介してよ」
姫宮「……嫌だけど」
ネメア (魔力の増減がここまでわからぬ事などありえるのか?)
召喚士「メイドさんでいいから!むしろメイドさんがいいから!」
姫宮「嫌!……喚起士に言うよ?」
ネメア (私がこの姿なら魔力の消費は押さえられるが……それでも限度がある筈……)
- 470 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/13(月) 22:54:58 ID:FykBVqAs
召喚士「かかか喚起士さんは関係無いだろ!」
姫宮「へぇぇぇぇ!」
ネメア (召喚術を使った時もそうだ……魔力の変調は無いみたいだった……)
召喚士「な、何だよ!」
姫宮「……いつもジロジロ見てるのに関係ないの?」
ネメア (わからぬ……召喚士よ貴様は何者だ……)
召喚士「………」
姫宮「喚起士ぃぃッ!」
召喚士「馬鹿!やめろよ!」
姫宮「ほう……私に馬鹿って言っちゃう?」
召喚士「………」
姫宮「ほら、こう言う時って何て言うの?ねえ?」
召喚士「馬鹿って言ってすいませんでした……」
姫宮「ふふふ……」
召喚士「ぐぬぬ……」
- 471 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/13(月) 23:17:44 ID:FykBVqAs
ー
ジノ「まだ気にしてるの……」
喚起士「仕方無いじゃないですか……あのような事言われたの二回目なんですから……」
ジノ「二回目?……へぇ、過去にそう言う人いたんだ!」
喚起士「違いますよ……」
ジノ「じゃあ誰に言われたの?」
喚起士「……兄にですね」
ジノ「そうなんだ……」
喚起士「………」
ジノ「ごめんね……」
喚起士「いいですよ」
ジノ (召喚兄さん……高ポイントゲットしたみたいですぞ!)
- 472 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/13(月) 23:33:53 ID:FykBVqAs
ー
剣士「ドラァアッ!」
ブオンッ!
盗賊「………」ヒョイ
剣士「当たんねえッ!」
蒼頭「こちらもお忘れ無くッ!」
シュビンッシュガッガスッ!
剣士「ぐうぅッ!軽い武器だと動きが違うな蒼頭よっ!」
蒼頭「これが枝では無く刀なら良いのだが」
盗賊「………」シュッ!
ドズッボグッ!
剣士「ぐがぁあ……」
蒼頭「ぐぁぁ……お子よ……」
盗賊「……よそ見は駄目」
剣士「ちったあ手加減しろよ……」
- 473 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 00:10:56 ID:dpl7VU1g
ー
ネメア「………」
召喚士「困るだろ!保険だよ保険!」
姫宮「うわ……」
召喚士「喚起士さんは好きだ。うん、これは揺るぎ無い。だがな!」
姫宮「………」
召喚士「振られたらどうするか、相手にされなかったらどうするか!」
姫宮「………」
召喚士「それで傷付いた俺を慰めてくれる優しくてオッパイの大きいちょっとエッチなメイドさんに側にいて欲しいだろ!」
姫宮「だろって言われても……」
召喚士「だから紹介してって言ってるの!お子様にはわからないか!」
姫宮「大人でもわからないと思うけど……」
ネメア「くだらぬ事をグダグダと……」
- 474 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 00:32:51 ID:dpl7VU1g
召喚士「俺には大事な事なの!」
ネメア「貴様は……私がこんなに悩みぬいてるのに……」
召喚士「悩んでもわからない事はわからないんだから仕方無いんじゃないの?」
ネメア「そうだが……」
召喚士「それよりもさ……谷の国に着いたらどうするのか決まってるの?」
ネメア「……喚起士に聞けばよいだろ」
召喚士「そうなんだけどね……何か避けられてる雰囲気みたいなのが……」
姫宮 (だからしつこく紹介しろって言ってきたのか……)
ネメア「何かしたのか?」
召喚士「してないよ!……多分」
ネメア「ならば……お前が獣の小娘を召喚しようとしていた理由がバレたのだな」
召喚士「……ああ……やっぱりそうかぁぁぁ!そうかぁぁぁ……」
- 475 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 16:39:45 ID:dpl7VU1g
ー
剣士「………」バッ……
蒼頭「………」スゥ……
盗賊「………」ザッ!
剣士、盗賊、蒼頭「………」
蒼頭「ハァァァアッ!」
シュガッ!
盗賊「………」ヒョイッ
剣士「そっちに跳ぶとこれがあるぜッ!デアアアッ!」
ズゥドンッ!……
剣士「チッ!」
盗賊「………」シュッ!
バババッ!ガスガスッ!
蒼頭「ほ!は!」
グラ……
- 476 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 16:57:40 ID:dpl7VU1g
剣士「やるな蒼頭!」
盗賊、蒼頭「………」ズサッ!
剣士「お?来いやッ!」
シュバッガガッ!
蒼頭「なんと!同時に受けるか!」
剣士「へっ!これだけ丸太の幅がありゃな!ダァァアアアッ!!!!」
盗賊「………」!
蒼頭「そんな大振りでは当たらん!」
ズゥゥゥンッ……
剣士「ああ!使いずれえな!」
グラグラッ………
蒼頭「な、なんだ?」
剣士「揺れてるぜ……?」
ガラガラガラッ!!!!
- 477 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 21:07:11 ID:dpl7VU1g
ー
ガラガラ……パラパラ……
剣士「盗賊ぅッ!蒼頭ぉッ!」
召喚士「……まさか二人落ちたのか?」
剣士「そうだぜ!うおぉぉおいッ!」
喚起士「今凄い音ッ……こ、この穴は……」
召喚士「パイアと蒼頭が落ちゃったみたいです……」
喚起士「ええ!……なら追い掛けなければ!」
剣士「……これを行くのか?」
召喚士「深そうだよね……」
喚起士「しかしですね……」
召喚士「ここはネメアに任せましょうか……」
ネメア「は?何を言っている?」
- 478 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 21:14:32 ID:dpl7VU1g
召喚士「ロープ付けてさ……降ろすから!」
ネメア「待て待て待て!」
ジノ「兄ちゃん頑張って!」
喚起士「なら私が行ってきます!」
召喚士「駄目ですよ!危ないですから!」
ネメア「私は危なく無いとでも言うのか……」
召喚士「頼むよネメア!」
ネメア「………」
喚起士、剣士「………」ジトー
ネメア「わかった!わかったから……そのような目で見るな」
召喚士「じゃあ降ろすからな!見付けたらパイアか蒼頭にロープ引っ張って貰って!」
ネメア「ああ……何故このような事を……」ブツブツ……
- 479 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 22:56:42 ID:dpl7VU1g
ー
蒼頭「………」
盗賊「………」ユサユサ……
蒼頭「ぐぅ……お子か……ここは……」
盗賊「……あれ」
蒼頭「……なるほど。あそこから落ちたのか……ハッ!」
盗賊「………」?
蒼頭「お子よ怪我は無いか!」
盗賊「……平気」
蒼頭「そ、そうか……某は!……ん、何とも無い……」
盗賊「………」
蒼頭「何故……かなりの高さから落ちたようだが……」
盗賊「……私が支えたから」
蒼頭「そうか……お子よ助けて頂き感謝する……」
- 480 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 23:04:44 ID:dpl7VU1g
蒼頭「しかしこれでは……戻れんな。お子は戻れそうか?」
盗賊「………」フルフル
蒼頭「そうか……」
盗賊「………」
蒼頭「こう暗くてはな……まずは灯りを……」カザカザ……
盗賊「………」?
蒼頭「待っておれ。今……」
カチッカチッ……ボッ……
蒼頭「……これなら少しはましか」
盗賊「……それは?」
蒼頭「提灯と言う。……この空洞……洞窟か?」
盗賊「………」
カツーン……カツーン……
- 481 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 23:13:51 ID:dpl7VU1g
ー
召喚士「ネメアぁぁ!まだぁぁあ!」
……「まだだッ!」
姫宮「大丈夫かな……」
喚起士「大丈夫ですよ……きっと……」
剣士「二人共人間じゃねえんだ。平気だって!」
姫宮「………」
剣士「盗賊は頑丈だしな!蒼頭だって身が軽りぃし」
姫宮「でも……」
喚起士「姫宮さん……」
召喚士「ネメアぁぁ!……ネメアぁぁ!?」
剣士「……どうしたんだ?」
召喚士「いや……返事が無くなったんだけど……」
剣士「ロープ……切れてねえよな?」
- 482 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/14(火) 23:48:45 ID:dpl7VU1g
召喚士「………」スルスル……
剣士「………」
召喚士「……うん、切れてる」
喚起士「ええ!」
剣士「どうするんだよ……」
召喚士「どうしよう……」
喚起士「と、取り合えずお湯を沸かして!」
姫宮「喚起士落ち着いて!」
召喚士「………」
剣士「………」
喚起士「………」
姫宮「………」
- 483 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 15:16:16 ID:WZM9RTDA
ー
ガランッガランッ!ドウンッ……
蒼頭「………」
ネメア「馬鹿がッ!私を粗末に扱いおってぇぇッ!」
蒼頭「ネメア殿……」
ネメア「おお!パイアと蒼頭無事だったか!」
蒼頭「まぁ何とかは。しかし……」
ネメア「上へは上がれないか?」
蒼頭「そのようで」
ネメア「ふむ……」
カツーン……カツーン……
ネメア「……この音は?」
蒼頭「わかりませぬ。この空洞、どうやら洞窟になっているようでして。音は奥から響いてきたものかと」
ネメア「……なるほど」
蒼頭「………」
- 484 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 15:29:18 ID:WZM9RTDA
ネメア「進むしかあるまい。音の正体が何であれな」
蒼頭「そうですな……」
盗賊「……剣士は?」
ネメア「上にいるが?」
盗賊「そう……」
ネメア「……?」
蒼頭「この先が極楽か地獄か……地獄へ続く道で無い事を祈りましょうぞ」
ネメア「そうだな」
蒼頭「まだどちらとも行きたくは無いですがな」
ネメア「……ふふふ」
蒼頭「何か可笑しかったで御座ろうか?」
ネメア「考え方が人間と同じだと思ってな」
蒼頭「………」
- 485 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 18:11:16 ID:WZM9RTDA
ー
カツーン……カツーン……
蒼頭「何やら金属を叩いている音のようで御座いますな」
ネメア「そうだな。……それに奥は明るいみたいだが」
盗賊「………」
蒼頭「お子よ、大丈夫か?いつもと感じが違うように見えるが」
盗賊「……まだ大丈夫」
ネメア「まだ?何がまだなんだ?」
盗賊「………」
蒼頭、ネメア「………?」
カツーン……カツーン……
- 486 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 18:50:59 ID:WZM9RTDA
ー
カツーン……カツーン……
蒼頭「こ、これは……」
ネメア「乱雑に並べられた武器の数々か……」
蒼頭「………」
ダダダダッ!
ネメア「どうしたッ!」
盗賊「………」
ネメア「パイアよ、蒼頭を追ってくれ!」
盗賊「………」コクッ
ダダダダ……
ネメア「この奥に何があるかわかったのだな蒼頭は……」
盗賊「………」
カツーン……
- 487 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 19:59:06 ID:WZM9RTDA
ー
……「………」カツーンッ!
蒼頭「………」
……「………」カツーンッ!
蒼頭「……もし、そこの御仁よ」
……「………」
蒼頭「もしやナイトメアなる武器の数々を製作している鍛冶匠とお見受けするが如何か?」
……「………」カツーンッ!
蒼頭「………」
……「………」カツーンッ!
蒼頭「答えよッ!」
……「……そんな物は知らん。邪魔だ」
蒼頭「そうか……」
……「………」
- 488 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 22:44:58 ID:WZM9RTDA
盗賊「………」
……「また人間か……出て行けぇえッ!お前らがわしの物を盗み邪魔ばかりするからぁッ!」
蒼頭「御仁よ……」
……「言い訳なんぞ聞かんッ!グゥゥ……わしにお前らを潰せる力があればぁぁ……」
蒼頭「………」
……「何故……わしの静寂の鍛冶場を荒らすんだ……」
蒼頭「……御仁……苦労しておるようだな」
……「誰のせいだと思っているッ!全部お前ら人間のせいだろうがッ!」
蒼頭「申し訳無いが……ここに人間はいない……」
……「はぁぁぁあ?人間だろッ!」
蒼頭「某とこのお子は人間では無い」
- 489 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 22:57:14 ID:WZM9RTDA
……「………」
蒼頭「……証明は出来んが」
……「信じられん……」
蒼頭「………」
ネメア「聞きたい事がある。いいか?」
……「………ぁぁ」
ネメア「……何だ?」
……「ノオオオオッ!おいお前!今この手甲から声が聞こえたぞッ!」
ネメア「そうだが……」
カバッ!
……「貸せッ!おおおお……」
蒼頭「……御仁?」
……「初めて見たぞ……魔王の魂の破片が込められた武具を……」
ネメア「……??」
蒼頭「ネメア殿……魔王だったのですか?」
- 490 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 02:57:41 ID:.63k26FU
ネメア「そんなものになった事は一度たりとも無いが……」
……「はぁぁぁぁあ凄………ん?」
蒼頭「どうした御仁よ?」
……「これもしかして……召喚器か?」
ネメア「そうだが?」
……「なんじゃ……つまらん」ポイッ
ネメア「投げるなッ!」
……「がっかりだわい……」
ネメア「………」
蒼頭「召喚器とはなんで御座ろうか?」
ネメア「それはな……召喚獣が宿る武具などを召喚器と言うのだ。召喚獣自体が召喚器になる事もあるがな」
蒼頭「……なるほど。ならばネメア殿はどちらで御座ろう?」
ネメア「私は後者だな」
蒼頭「ほう……」
- 491 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 05:43:39 ID:.63k26FU
盗賊「……これ」
……「なんじゃ……その剣がどうかしたのか?」
盗賊「売って」
……「売り物じゃ無いわい。……それにそんな鈍らを手にしてるようじゃお前見る目が無いな」
盗賊「………」
蒼頭「某は中々の物だと思うのだが……」
……「……お前、その腰の物見せてみろ」
蒼頭「はぁ?どうぞ」カチャ
……「………」スゥ……
蒼頭「………」
……「なるほど。確かに人間じゃ無いみたいだな」
蒼頭「……何故、刀を見てわかるのですか!」
……「魂の色相って知ってるか?」
蒼頭「魂を持つ者にある色や形……と聞き申したが……それが何か?」
- 492 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 17:27:35 ID:.63k26FU
……「武器ってのはな、使えば使っただけ持ち主の色相が染み付くもんなんだよ」
蒼頭「………」
……「……知らんのか?」
蒼頭「某は未熟者故……知りませぬ……」
……「そっか。こんな刀……だったか、使ってるようじゃわからんわな」
蒼頭「………」ムッ……
……「……ん」
蒼頭「何を……」
……「……えい」ガシッ!……パキィィンッ……
蒼頭「うわああああッ!某の刀をぉぉぉあッ!」
……「必要無いだろ。もう武器を解放してやれ」
蒼頭「かたかたかたかた……おおおら折られ……あばばば……」
……「………」
- 493 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 23:13:48 ID:.63k26FU
蒼頭「な、何故ぇぁあッ!某の大切な刀をぉぉおッ!」
……「この刀……泣いていたぞ?」
蒼頭「ふうぅ……泣いてとはどう言う事で……グスッ御座ろうか……」
……「お前この刀を使いこなせ無いのに振り回してたろ」
蒼頭「如何にも……」
……「巧く扱われない武器の気持ち考えた事あるか?」
蒼頭「……ありませぬ」
……「所詮武器は物だと思っているんだろうが……違うんだぞ。これは使い続ければ使用した者の魂の残留物が蓄積されていくんだ」
蒼頭「………」
……「どんな武器でもな。そして心を持つ……」
蒼頭「まさか……」
……「お前はあの刀を手放す事は考えていなかっただろ?」
蒼頭「無論!某の大切な刀ですからな!」
- 494 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/17(金) 21:51:10 ID:3G/PKOBI
……「大切なら何故泣かせる?……ってわからなかったんだよな」
蒼頭「左様で……」
……「代弁してやるが……もう戦いたく無いだとさ」
蒼頭「………」
……「この刀が幾つの命を奪ったかは知らん。……お前の側にいたくも無かったみたいだ」
蒼頭「………」
……「お前が修羅の途へ堕ちないようにとな」
蒼頭「………」
……「だから……理解し解放してやれ」
蒼頭「ぐぅぅ刀よ……」
- 495 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/18(土) 13:51:15 ID:TxFnlgzk
ー
蒼頭「………」
……「………」
蒼頭「……刀よ、今まで御苦労であったな。緩くりと休まれよ……」
……「……わしが言うのもなんだが、お前丸腰だと困るだろ?」
蒼頭「そうですな……」
……「どっこいせ!あぁ……どこ置いたかな」ズリズリ……
蒼頭「御仁、左足をどうにかしたのか?」
……「ちょっと太陽の光に当ててな灰にしちまった」
蒼頭「灰?」
ネメア「……お前ドヴェルグか?」
ドヴェルグ「そうだ。よくわかったな」
ネメア「それでか。このような場所で……よく生き残っていたものだな」
ドヴェルグ「………」
- 496 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/08/18(土) 14:03:07 ID:TxFnlgzk
ネメア「滅びたとばかり思っていたが」
蒼頭「ネメア殿……お知り合いなのですか?」
ネメア「いや、知らん。だが……こいつの一族は有名だからな」
ドヴェルグ「どうせ有名って言っても悪い方でだろ。嬉しく無いわい」
ネメア「……お前はまだ作り続けているのか?」
ドヴェルグ「………」
ネメア「もうそのような物が必要な時代では無いと思うが」
ドヴェルグ「仕方あるめえ……それがわしの存在意義だ。それにそれしか生き方を知らん」
ネメア「……そうか」
蒼頭「ネメア殿……どう言う事で御座ろうか?」
ネメア「こいつは神殺しの武器を造る一族なんだ」
蒼頭「なんと……」
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