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新ジャンル?『素直人間失格』
- 96 名前:VIPがお送りします。 [sage]
投稿日:2008/05/06(火) 10:40:28.69 ID:K/9Sl18G0
人間失格って何も感じないってことだっけ?
普通の人と一緒の気持ちにはなれないくらいじゃ…どうだっけ
なにはともあれ乙!
- 98 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 11:50:44.86 ID:TQEqk9dp0
今、人間失格を読まなかった自分を殴り殺してしまいたい衝動にかれれてる
ともかくみんな乙
- 99 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 12:00:56.99 ID:PompiKG+O
書きたい…
- 100 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 12:11:55.61 ID:ZHtcSX4YO
人間失格はおもしろいよー太宰が酒におぼれ薬におぼれ、でもなぜかそういう人に女はついていくんだよなーけっこう現実的な話だったよW
- 109 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 13:56:47.93 ID:bL1WnE7g0
零崎かと思った
- 118 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:22:30.98 ID:0lzGbKIo0
「高いところに来ると落ち着くなー」
「見ろ、人がゴミのようだ」
「あ、あっちで交通事故起こった」
「うわ、ぐしゃぐしゃだ」
「血とかいっぱい出てるなー、えぐーいっ」
「楽しい?」
「楽しい!」
- 120 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:26:08.18 ID:0lzGbKIo0
「好きなものって何?」
「アリとかが好きっ」
「せっせとエサを探してさー」
「持って来たやつ全部、女王に貢んだよ」
「下半身潰しても、だよっ」
「ばたばた暴れてでも、エサの方に行くんだ」
「馬鹿だなー、こいつらー」
「……」
「アリって大好きだなー」
- 121 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 15:27:35.55 ID:PompiKG+O
ほ?
- 122 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:28:28.60 ID:0lzGbKIo0
「何やってんの」
「アリの巣、生き埋めにしてる」
「何匹死んだかな」
「あ、結構頑張ってやがんの」
「やっぱ水攻めの方が効果的かー」
- 123 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:29:04.59 ID:K/9Sl18G0
それはむしろ人間として失格
- 124 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:33:13.70 ID:0lzGbKIo0
「動物って怖いよなー」
「何考えているのかわからないし」
「何言ってるのかわからないし」
「臭いし」
「汚いし」
「人間の子どもの方がましだよなー」
「子ども好きなの?」
「赤ちゃん、だーい好きっ!」
- 125 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:36:12.33 ID:0lzGbKIo0
「一人暮らしするじゃん」
「飯食って服着替えて寝るじゃん」
「朝起きたら、食器とか脱いだ服がそのままじゃん」
「これが実家だと」
「朝起きたら、食器とか脱いだ服とか綺麗になっててさ」
「おまけにごはんが炊けてるんだよ」
「一人暮らしなんてやってらんないねー」
- 127 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:42:34.60 ID:0lzGbKIo0
「え、これ、何の騒ぎ?」
「ちょっと待ってて、見てくる」
「人多いなー」
「あ、救急車来た」
「戻ったよ」
「何だった?」
「ケンカだってさ」
「酔っ払い同士だって」
「最近、多いよね、こういう事件」
「政府とか政治家とか何やってんだろうねー」
- 128 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:48:46.78 ID:0lzGbKIo0
「ねぇねぇ、知ってた?」
「何?」
「ファミレスって何時間居てもいいんだってさ」
「クーラーが効いてて」
「水はただで飲めて」
「トイレはついてて」
「夏場は入り浸り決定ー」
- 130 名前:128に追加 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:50:14.28 ID:0lzGbKIo0
「風呂はどうするの? あと洗濯とか」
「そうだよ」
「それだけが問題なんだよなー」
- 131 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:55:44.02 ID:0lzGbKIo0
「バイトするなら」
「うーん」
「食べ物関係がいいな」
「賞味期限切れとか貰えそう」
「あ、ケーキ屋とかいいな」
「ケーキ食べ放題」
「イチゴ食べ放題」
「体重増え放題」
「いやっほぅー」
「いやっほぅー」
- 132 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 15:59:01.33 ID:0lzGbKIo0
「あ、イチゴ落ちた」
「3秒なら大丈夫、3秒なら大丈夫」
「また落とした」
「大丈夫リセットされる、大丈夫リセットされる」
「あ、指が届かない」
「ぐぬぬ」
「10秒経過」
「30秒ルール、30秒ルール」
「取れた」
「はい、君の」
「え?」
「ありがとうは?」
「……ありがとう」
「よろしい!」
- 136 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 16:27:50.15 ID:0lzGbKIo0
「可哀想な人って居るじゃん」
「雨の日にダンボールに入った子犬みたいな目をした人」
「私って、そういう人に弱いみたいんだよね」
「こう、がんばれー、って応援したくなるんだよ」
「へー」
「あ、がんばれー」
「がんばれー」
「がんばれー」
「がんばれー」
「何か言えー」
「無視すんなー」
「その耳は節穴かー」
- 137 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 16:35:09.80 ID:0lzGbKIo0
「がんばれー、って言うじゃん」
「がんばりますよ、って返すじゃん」
「これっておかしいよね」
「ここで」
「がんばれー、って言うじゃん」
「がんばりません、って返すじゃん」
「あらあらあらあら」
「鳩が豆鉄砲」
「何か辛いことあったの?」
「がんばれー」
- 138 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 16:36:15.31 ID:TQEqk9dp0
「…楽しいか、それ」
俺がそう尋ねたのは、ただ、その子がぼんやりとテレビを眺めていたからだった
「…そう見えるならそうなんじゃない」
と言葉を返してきた女の子は、俺を見る気配もなく、大して面白くも無いテレビを見続けていた
合宿と称して新しいクラスの友人を作ろうという魂胆なのだろう。新一年生であふれかえる合宿場は騒がしかった
「…めんどうだな」
「同意するわ」
「そりゃどうも」
「心にも無いことを」
「…よくお分かりで」
それが、失格者同士の出会いだった
続きはwebで
- 140 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 16:40:46.97 ID:0lzGbKIo0
「君のことが好きって言うじゃん」
「振られるじゃん」
「傷つくじゃん」
「泣くじゃん」
「そうしたら、急に相手は優しくなる」
「パフェおごってくれるし、雨が降ったら駅までのタクシー代をくれる」
「ぼろい商売」
「君のことが好き」
「君ってよくよく考えると青カビ臭いよね」
- 141 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 16:47:24.49 ID:0lzGbKIo0
「ゴキブリか君かって言われれば、断腸の思いでゴキブリ」
「この前君がくれた十円、すごい錆び付いてた」
「君ってよくよく考えると青カビ臭い」
「大仏に似ているってよく言われない?」
「人間は見てくれじゃなくて中身だよっ」
「何やってるの」
「告白の練習」
「何か照れるね」
「そうでもないよ」
- 147 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 17:46:34.46 ID:4niUbTCT0
また、少しだけ投下
男「ん?なにを読んでるんだ…?」
女「人間失格」
男「やめろ」
女「どうしてですか?」
男「お前が読んだら、物語に飲み込まれて一緒に自殺してしまう」
女「貴方は私に死んで欲しくない?」
男「死んで欲しいはずがない」
女「では、やめておきましょう。面白かったのですが…。ひどく共感を覚えましたし…」
男「それは太宰作品の魔力だ」
女「気になります…」
男「やめてくれ、頼むから」
- 148 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 17:52:09.09 ID:t9A9G2nxO
ペロッ
……これは新ジャンルと見せかけた文学少女スレの味だ
- 149 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 17:54:35.58 ID:4niUbTCT0
>>147
女「太宰作品の魔力とは?」
男「人間失格の場合、基本的に精神が不安定な人間が、強烈な共感を覚える。きっと太宰の筆力が為す技だ」
女「はい」
男「なのに、最終的には絶望的な結末に行きつくんだ。お前みたいに不安定さが尋常じゃない人間が読んだら、自殺してもおかしくない」
女「はぁ…」
男「だから、頼むから読まないでくれ」
女「なんとなくですが、わかりました」
- 150 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 17:59:10.86 ID:4niUbTCT0
>>149
女「では、貴方が他に面白いと思う本は…?」
男「同じ太宰なら、私は『走れメロス』を読んでもらいたいな」
女「少々、幼稚ではありませんか…?」
男「私は好きなんだが…。まったく違う考えを持っている人間が、最終的には友人となるんだぞ?実に素敵な話じゃないか」
女「わかりません…」
男「まぁ、本の好みは人それぞれだからな。無理には薦めない。しかし、お前にはやはり太宰の本が向いているかもしれないな。人間失格は極力避けてもらいたいが、その他にも名作はあるから…」
女「では、そうしましょう」
- 152 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:05:08.81 ID:4niUbTCT0
>>150
女「一言…」
男「ん?」
女「貴方と会えてよかった」
男「なんだ、いきなり」
女「もし私が彼と同じように、道化の顔で周囲に溶け込むことを覚え、周囲を欺かないでいられなくなっていたら、きっと今の平穏はありませんでした…」
男「そんなところまで読んでいたのか…」
女「私の正体を見破り、しかし一番の理解者となり、ずっとそばで支えてくれた貴方は、私にとって大恩人なのでしょうか?」
男「………」
女「貴方のおかげで私は、彼と比べて、さほど罪深くならずに済みました。これは、通常なら、きっと感謝するべきなのでしょうね」
男「どういたしまして」
女「はい…」
- 153 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:09:37.07 ID:4niUbTCT0
>>150
女「彼は、不憫な人ですね…」
男「そうだな」
女「人と違う感性ゆえに、人の行為が理解できず、醜く見えるのは私も同じですが、出会った人が違った…」
男「片や、非現実的なほどに変わり者の男」
女「もし、彼と同じ境遇に立たされて居たら…」
男「私がお前に救いを与えられたなら、重畳だな」
- 154 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:10:46.29 ID:4niUbTCT0
>>153の『>>150』は『>>152』だった…
- 155 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:11:09.69 ID:TQEqk9dp0
誰もそんな些細な事は気にしないさ
- 156 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:12:44.37 ID:4niUbTCT0
>>153
女「思い出してみると、都会とは怖い場所でしたね…」
男「あぁ…」
女「醜い人間であふれ返っていました」
男「私も似たようなものだがな」
女「貴方は私の理解者なうえに、私が理解できない行為を、あまりしません。彼らとは違います」
男「大した違いはないさ。ただ、私はお前のことが好きで、おまけに女の為に人生を全て捧げられるくらいの阿呆だというだけだ」
女「そういえば、彼の理解者である竹一という人物もまた、阿呆でしたね」
男「お前たちが気を許せるのは阿呆だけということか」
女「そうなのかもしれませんね。もっとも、彼の場合竹一を恐れていたようですが」
男「理解者であり、破滅をもたらす者、だったか」
女「私の場合、出会ったのは理解者であり救いをもたらす者だったわけですが」
男「褒めすぎだろう」
女「貴方は私のために、あらゆるものを捨てて来た。何も言わないわけにはまいりません」
男「随分と人間らしいことを言うなと思ったが…」
女「もちろん、世間一般の人間がこう思うに違いないという言葉を言ったまでです。中身は空っぽです」
男「やはりそうか…。だが、それでも私にとっては力になる」
女「そうですか…」
- 157 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:13:37.59 ID:PompiKG+O
少しだけ投下
男「川にでも行くか」
女「なにか用でもて?」
男「俺にはそんな用事はない」
女「?」
男「ただの暇つぶしだ」
女「そうですか」
男「オマエは暇も感じないのか?」
女「…わかりません」
男「つまらない話しだな」
女「それもわかりません」
男「そうか」
- 159 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:18:53.27 ID:PompiKG+O
>>157 なんだこのミス…死にたい
男「川だ」
女「そうですね」
男「目障りなガキはここでも全力か」
女「楽しそうですね」
男「騒がしいだけだ」
女「貴方は泳がないのですか?」
男「あいにく水着がなくてな」
女「あちらの子供は裸で泳いでますが」
男「俺がやったら逮捕されるな」
女「なぜ子供は許されるのですか?」
男「ガキは人間じゃないからだ」
女「そうですか」
男「ああ、そうだ」
- 160 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/06(火) 18:21:11.79 ID:4niUbTCT0
>>156
女「………」
男「どうした?」
女「読んでみましたが…。走れメロスも、悪くはないかもしれません」
男「ほぅ?」
女「私も、貴方の行為が理解できず、いくら力を貸していただいたところで、恩などほとんど感じない恥さらしではありますが、裸で広場を駆け抜けたメロスのように、懸命に生きてみるのも、ある意味清々しいかと」
男「そう思えるか」
女「貴方以外に誰も居ない此処だから言えることですが」
男「なら、私はお前の一生という名の疾走を、そっと見守ることにしよう」
女「ゴールは何処にあるのでしょうね…」
男「お前が満足する時だろう」
女「遠いですね…」
男「メロスの目指した場所も遠かっただろうさ」
ラスト
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