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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
876 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:10:49.03 ID:7OmZsL2fo
〜北方、川中島〜

南方副司令「逃がすかこのヤロウ!!」ドッゴオオォォ!!

白馬騎士「側面からあたれっ! 今なら切り崩せるぞ!」

剣士「おおぉぉーっ!!」ザシュウウゥゥ!!

眼鏡「……日の出だ」

ジュニア「よーし! これでアンデッドどもは出てこれねぇぞ、ハッハ!」

魔法剣士「他の魔物も退いているな」

 ジャーン!! ジャーン!! ジャーン!!

西方参謀「追撃の合図だ、深追いはするなよぉ!」

西方副司令「司令に続けぇ〜っ!」

 ドドオオォォォォ

大軍師「初日はひとまず、乗り切りましたかな」

青年兵「大変なのはこれからですけれどね」

大軍師「ええ。追撃で1キロ……いや、2キロは押したいところです」

青年兵「そろそろだとは思うんですが……」


877 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:11:29.45 ID:7OmZsL2fo
 ドドッドドッドドッ……

伝令「ご報告致します! 東側より東方司令部、及び東方国からの援軍到着っ!」

青年兵「来たかっ!!」

伝令「更には、北の森を攻略した陛下が合流との事でございます!」

青年兵「――っ!?」

大軍師「やりましたか。これは頼もしい限りです」

青年兵「……よし。援軍に合流し、東側を中心に戦線を押し上げるのだ!」

大軍師「前線の騎士団長を後退させるよう」

伝令「かしこまりました!」

 ドドッドドッドドッ……

国軍兵「大元帥っ! 西側、追撃の隙を突かれ、魔王軍が反転致しました!」

青年兵「何!?」

大軍師「やってくれますね」

青年兵「仕方ない。本体を西へ流しつつ、そのまま北上して魔王軍を押し返すのだ」

エリート「いや、それには及ばぬようだ」パッカパッカ……


878 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:11:58.92 ID:7OmZsL2fo
青年兵「どういう事ですか?」

エリート「報告致せ」

伝令「はっ。西国からの援軍が間もなくこちらへ到着するとの事です!」

青年兵「!?」

北方兵「なっ、何だあれは!?」

大軍師「どうしました?」

騎士団「山が……動いている……っ!!」

青年兵「山……?」

 ドドドドドド……

エリート「ど、どういう事だ!? 本当に山が動いているぞ!!」

大軍師「……いやっ、あれは山ではないようですよ」

青年兵「あれは……っ!!」

 ドドドドドドッ!! ドドオオォォォォ!!

王子「いけぇーっ! このまま山を下り……魔王軍へ突撃を敢行する!」

セクメト「オオオオォォォォ!!」


879 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:12:32.66 ID:7OmZsL2fo
西国兵「陛下に続けぇ! スフィンクスっ、まっすぐ突っ込めー!」

大軍師「西国の召喚獣……セクメトにスフィンクス……」

エリート「山の正体はあれか……っ」

 ドッガオオオオォォォォン!!

オーガ「な、何だコイツら――」ゴシャッ!!

西国兵「ブチかませぇ!!」

西方司令「重い物を背負った連中だな。我らも負けてはいられぬぞ!」ブワッ

西方魔道長「泣いてる場合かいっ! さっさと援護するよ!」

 ドドオオォォォォ……

大軍師「これで戦線は保てましたね」

青年兵「工兵っ、すぐに築城の準備を! 一夜で築きあげるのだ!」

エリート「本当に……可能なのか?」

大軍師「簡易的な城ですからね。一番の問題である資材の輸送はあれが助けてくれますから」

エリート「川か。考えたな」

大軍師「上流より小船と筏で流せば、手配は可能ですからねぇ」ヒラヒラ


880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:13:13.90 ID:7OmZsL2fo
 ドッズウウゥゥゥゥン

王子「遅くなってすまぬ。かろうじて間に合ったかな?」スタッ

青年兵「お陰様で無用な兵を動かさずに済みました」

王子「それは何より。実は手間取ったのにはわけがあってな」

大軍師「最北の村ですか?」

王子「いかにも。魔王軍の強襲を受けていた」

エリート「大丈夫なのか!?」

王子「そちらも魔物は殲滅した。多少の被害はあったようだがな……」

青年兵「そうですか……」

エリート「まずは初日の被害状況を確認する必要があるな」

大軍師「ええ。それにはまず、前線の撤退と東側の援軍が此方に合流してからですね」

エリート「陛下が到着したのか!?」

青年兵「はい。先程、そのような伝令が入りました」

エリート「そうか。これで優位に進める事が出来るな……!」

青年兵「各指揮官と主要人物をここへ集めよ! 築城の手は休めるな!」


881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:13:58.94 ID:7OmZsL2fo
〜北の森、入り口〜

女賢者「……うぅ、また迷った……。朱雀嬢ちゃんと玄武娘ちゃん、どこに行っちゃったんだろ」

 テクテクテク

女賢者「この森の中かな? 行ってみよ――」

 ガシッ!!

女賢者「きゃっ!?」

男隊員「こんな所で何してやがる! ここがどういう場所か分かってんのか!?」

女賢者「はああぁぁ!! 人だぁ! 良かった〜んふふっ」

女隊員「あれ? この人って確かワーカーの……」

ボス「上位ワーカーの女ですよね?」

男隊員「何で単独行動してんだ? 特務か?」

女賢者「ちょっと聞いてよ〜」

格闘家「何かワケありのようですね」

男隊員「分かった分かった、聞くから何だってんだよ」

女賢者「実はそのぅ……」


882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:14:48.82 ID:7OmZsL2fo


格闘家「……」

ボス「……」

男隊員「……なぁ、それ何ていうか知ってるか?」

女賢者「遭難?」

男隊員「迷子っつーんだよバカ!!」

女賢者「ひえぇっ」

男隊員「心配して損したぜ全く……」

女賢者「ごめんなさい〜」

女隊員「でも、放っておくわけにはいかないッスよねぇ」

格闘家「連れて行きますか?」

男隊員「……メンドクセーけど、まぁ役に立ちそうだしな」

女賢者「ありがとう〜んふふっ♪」

ボス「それでは行きますか?」

女隊員「本当に森の中に入って、大丈夫なんスよね?」


883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:15:52.25 ID:7OmZsL2fo
男隊員「報告じゃ陛下が中のバケモンを倒してくれたらしいからな」

格闘家「俺が、入ってみます」

男隊員「おう。死んだら墓はここでいいか? ヒャハハ!」

女隊員「不謹慎な事を言わないッスよ!」

格闘家「……行ってきます」

 ザッザッザッ……

格闘家「問題なさそうです。多分」

ボス「大丈夫みたいっすね」

男隊員「おーし、そんじゃこのまま、魔王城の裏側を目指すぞー」

女賢者「おーっ!」

ボス「おーって……気楽な人だな……」

女隊員「やる気があっていいじゃないッスか! さぁ行くッスよー!」

ボス「お、おー」

男隊員「あんた、名前は何だっけか?」

女賢者「女賢者です、ヨロシクね〜んふふっ♪」


884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:18:11.58 ID:7OmZsL2fo
〜北の森、内部〜

戦士「日が昇っちまったな」ザッザッザッ

魔道士「結構歩きましたけど、まだ着きそうもないですね」

天才「丸1日はかかんだろ。相当距離あるからな」

占い師「そんなに……っ?」

天才「イヤなら帰っていいぞー。どうせお前は役に立たん。ハーッハッハ!」

召喚士「……」

盗賊「とにかく、このまま進むしかなさそうだな」

天才「どうせ魔物なんざ出ねーし、今のうちに魔力なり回復させとけ」

召喚士「ええ……」

天才「こっから先は連戦だろうし、まぁ途中で仮眠も取りながら進むぞ」

戦士「そんなノンビリで大丈夫なのかよ?」

天才「むしろ早いくらいだ。主戦場は3日は動きもねーだろうし」

魔道士「そうなんですか?」

天才「そんだけデカイ戦だ。一部だけじゃなく大局を見とけって話。ハーッハッハッハ!」


885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:19:33.46 ID:7OmZsL2fo
〜川中島〜

 ドドッドドッドドッ

騎士団「遅くなって申し訳ない!」

大軍師「おや? 騎士団長殿は?」

騎士団「負傷の為、今は治療にあたっておりまする」

青年兵「大丈夫なんですか!?」

騎士団「本人は問題ないと……」

 ドドッドドッドドッ

皇太子「戦況はどうか!?」

エリート「陛下っ、ご無事で!」

皇太子「ああ、心配無用。森の魔物は何とか成敗した」

青年兵「皆様もご苦労様です」

帝「微弱ながら助太刀させて頂くぞ」

名代「将軍殿は北関に駐屯、東方司令部は前線の交代を致しました」

大軍師「分かりました。それではこれで全てのようですね。始めると致しましょうか」


887 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:21:33.51 ID:7OmZsL2fo
 集まった諸将が設置された円卓を囲み、地図を食い入るように見つめる。

大軍師「まずは初日の動きをご説明致します。布陣については簡略に説明致します」

青年兵「総兵力は37万あまり。うち、多国籍軍が20万、ワーカーが17万」

大軍師「戦役という広い視野で言えばそうですが、主戦場における兵は、
      西国軍の3万と東方軍、及び東方司令部、海峡の4万を除く30万」

青年兵「北関のワーカーが16万程度。北方司令部や北関などの拠点にいる兵を除き、
      川中島に駐屯する兵力はざっと12〜13万というところでしょう」

皇太子「どれ程の被害だ?」

大軍師「詳細はこれからですが、前線の大隊壊滅状況などから見ますと……」

青年兵「3000近くは失ったと考えております」

皇太子「情けない。そんなにもの命を失ったというのか……っ」

エリート「状況から判断すれば、少ない被害です」

皇太子「そういう問題ではない」

青年兵「陛下の仰る通りです。命の大きさに大小はありませんから」

大軍師「次に、西側の戦況です。お願い出来ますか?」

王子「うむ。西国軍はほとんど無傷といっても過言ではない」


888 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:22:36.61 ID:7OmZsL2fo
白馬騎士「おぉ……っ」

王子「北関を出陣してから魔王軍の小規模部隊を幾つか撃破し、
     そのまま補給地点である最北の村へ入った」

大軍師「そこで更に、交戦されたのですよね?」

王子「交戦とは言っても、ほとんどは屯田兵の皆が奮闘してくれた結果だ」

皇太子「……」

王子「そこからは強行軍の為に、軍馬は西国兵長に後から向かわせている」

青年兵「それで召喚獣を……」

王子「ああ。山を越えるにはその方が格段に早いからな」

大軍師「了解致しました。他の部隊は?」

西方参謀「こっちは一時、崩れかけたが、まぁ何とか踏ん張った」

西方副司令「死者は分かっているだけで70名程度。負傷者は300余りというところです」

西方司令「重いものを失ってしまった……ぐくっ」ツツーッ

大軍師「戦果を見れば殊勝ですよ。流石です」

青年兵「東側の様子はいかがですか?」


889 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:23:31.43 ID:7OmZsL2fo
南方司令「特に被害はないな。あまり激しい交戦はなかったからな」

南方参謀「東側は割りと手薄で、どっちかって言うと魔王軍は中央寄りに流れていたわ」

大軍師「……成程」

青年兵「他には?」

皇太子「バフォメットの討伐は完了した。天才と召喚士らはそのまま森を進んでいる」

名代「北関なる場所で敵と交戦中でありました」

青年兵「確か、将軍が駐屯したと」

皇太子「うむ。5000程を北関に回した」

エリート「5000か……」

大軍師「伝令の話では、地獄の壁付近に張り付いた魔王軍がかなりの箇所にいるらしく、
      その掃討の為に、かなりの援軍を出したそうですよ」

青年兵「その隙を突いて、北関を狙われたか……」

大軍師「北方司令部も同様のようですね」

青年兵「……中央はどうです?」

白馬騎士「騎士団長殿が前線となり、かなりの数を食い止めました」


890 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:23:59.19 ID:7OmZsL2fo
剣士「しかし、やはり正面からぶつかっただけあって……被害も……」

大軍師「3000の大半が中央の主力ですからね」

魔法剣士「まぁその分、魔王軍も相当数を削ったがな」

エリート「どの程度かは分かるか?」

ジュニア「どうだろうな、1万やそこらは余裕で越えてると思うけど」

眼鏡「アンデッドの撤退も重なったから、何とも判断し難いね」

大軍師「構いませんよ。本格的な掃討は2日目からですし」

皇太子「いよいよ城を築くのか?」

青年兵「はい。上流からの資材と後方からの資材、それに……」

白虎長「白虎と青龍の召喚獣にも運ばせています」

大軍師「既に着工しておりますし、夜中には完成しますよ。邪魔が入らなければ、ですがね」

エリート「入らないと思うか?」

大軍師「まさか。向こうも気付けば躍起になって仕掛けてくるでしょうね」

青年兵「数は揃いました。押し返すには十分ですよ」

皇太子「その通りだ。これ以上の損害は許されぬ。それを踏まえて挑むのだ」


891 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:24:31.52 ID:7OmZsL2fo


 テクテクテク

青年兵「失礼します」

騎士団長「おぉ、大元帥か。これはすまぬ……っ」

青年兵「そのままで結構ですよ。傷の具合はいかがです?」

騎士団長「この程度で戦線離脱など騎士団長の名が廃るというもの」

青年兵「……あまり、ご無理はなさらぬよう」

騎士団長「君はまだ若い。経験も浅ければ、思考も若さ特有のものがある」

青年兵「……」

騎士団長「戦場に長く居座っているとな、感覚がおかしくなってくるのだ」

青年兵「どういう事です?」

騎士団長「多少の無理をしてでも戦わねば、示しが付かぬ。それこそが武の誉れ、とな」

青年兵「しかし……」

騎士団長「そしてこう思うのだ。戦場で死ねる事こそ至高とな」

青年兵!?」


892 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:26:38.22 ID:7OmZsL2fo
騎士団長「なぁに、死にはせん。しかし、仮に命を落としても悔いはないという事よ」

青年兵「騎士団長殿……っ」

騎士団長「一夜城は何が何でも衛る。それが騎士団の勤めだからな」スクッ

青年兵「ま、まだ立たぬ方が……」

騎士団長「魔王軍は退いたとは言え戦いの最中。そう長く休んでなどいられぬ」

 ザッ スタスタスタスタ……

青年兵「……っ」

大軍師「あまり、無理はして欲しくないのですがねぇ」スタスタ

青年兵「……死ぬ覚悟でした……騎士団長さん」

大軍師「止められますか?」

青年兵「……いえ……っ」

大軍師「ならば、間接的に援護するしかありませんね」

青年兵「騎士団には前線から後退させ、築城の防衛を任せましょう」

大軍師「承知致しました、大元帥殿……ふふふっ」スタスタ……

青年兵「……っ」


893 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:28:39.62 ID:7OmZsL2fo
2日分なのに書き溜めしてないあはは…ごめんなさい…

>>859>>886
魔道士「お誕生日おめでとうございます〜っ!!」
盗賊「おめでとうだな」

ちなみに2月14日を過ぎてしまったので、
バレンタインデーオマケはなくなりました!

それでは失礼致します!ノシ


898 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/15(水) 20:17:53.81 ID:ktI0ZYhDO
ちくしょう……ちくしょう……!


901 名前:し、仕方ないわねっ! [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:30:53.24 ID:Hm53Qk7Qo


盗賊「……はぁ」

 それは昨年の事。盗賊の手作りチョコを食べた戦士は……お察し下さい。

盗賊「今年こそは同じ過ちを繰り返すわけにはいかぬ……」

 スタスタスタ

盗賊「……ん?」

院長「さぁ、いらっしゃい。出来立てのフィナンシェはいかがかね〜」

盗賊「これだっ!!」

院長兄「!?」

盗賊「そうか私を雇ってくれ!」

院長兄「な、何を言っているのだ……!?」

盗賊「どうか! さぁっ!」ズイッ

院長「いや、人は足りているし……」

盗賊「どうかっ!!」ブルンッ

院長「……いいでしょう」


902 名前:別にこれは [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:31:49.68 ID:Hm53Qk7Qo


盗賊「よし、出来た……っ」

院長兄「見た目は問題ないな」

盗賊「た、食べてみてくれ」

院長兄「うむ。では――」

常連「すまん、フィナンシェを急ぎで100個頼む」

院長「100個!? そんな無茶を……」

院長兄「盗賊ちゃんが作った30個を足せば、何とか出せなくはないが……」

常連「何でもいい! とにかく急ぎなんだっ、頼む!」

院長「……仕方ない」

 ゴソゴソッ ガサッ

常連「金はあとで払いに来るから!」

盗賊「ま、毎度〜」

院長兄「まぁ……仕方ないか」

盗賊「それじゃ、もう1回作る」


903 名前:みんながリクエストしたからとか [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:32:33.13 ID:Hm53Qk7Qo
〜数時間後〜

院長兄「毎度〜」

 ザワザワザワ

院長兄「ん? 何だ?」

院長「何やら病院が騒がしいな」

盗賊「……ほんとだ」

 ガヤガヤガヤガヤッ

ドクター「集団食中毒!? 一体、何を食べたんだ……っ」

常連「し、死ぬううぅぅ……っ。助けてくれぇ……っ」

ナース「先生っ、患者の数は30名あまりに……」

ドクター「……間に合わないかもしれないな。何とか救いたいところだが……くっ」

院長兄「……」

院長「……」

盗賊「……」

 その後、謎の食中毒事件は死者もなく、無事に収束したと言う。


904 名前:日頃の感謝とか [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:33:10.90 ID:Hm53Qk7Qo


魔道士「召〜喚士さんっ!」

召喚士「はい?」

魔道士「今日は何の日だ?」

召喚士「今日ですか? えぇと……野菜の特売でしたっけ?」

魔道士「もぉ〜っ、違いますよー」

召喚士「えぇっと……」

魔道士「今日は、バレンタインデーでしたっ! えへへ!」

召喚士「あ……っ」

魔道士「駄目ですよ〜大切な日なのに忘れちゃったら〜」

召喚士「す、すみません……」

天才「仕方ねーんだよ、コイツは縁なんてず――――っとなかったんだからよ」

召喚士「……」

魔道士「……」

天才「……何だよ」


905 名前:バレンタインだからとか [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:33:42.57 ID:Hm53Qk7Qo


盗賊「……まずい事になった」トボトボ

弓使い「あら、盗賊ちゃん!」

盗賊「弓使いさん……」

弓使い「どうしたの? 今日は1人――」

盗賊「弓使いさぁん!!」ダキッ!!

弓使い「へ、へぇっ!?」



弓使い「……ふぅん、なるほどねー」

盗賊「うっ、うぐぅ……」

弓使い「それじゃこれから、ウチで一緒に……どう?」

盗賊「……え?」

弓使い「幼女と一緒にこれから、手作りチョコを作ろうかと思って、買出しに来たのよ」

盗賊「い、いいんですかっ!?」

弓使い「もっちろん♪」


906 名前:そんなつもりで [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:34:15.39 ID:Hm53Qk7Qo


弓使い「えっと、ブランデーとか少し買っておこうかな」

盗賊「お酒? えっと、じゃあ……これは?」カチャッ

弓使い「うーん……紹興酒は要らないわねぇ」

盗賊「……そっか」

弓使い「あとは、フルーツも使っちゃおうかな♪ ストロベリーにブルーベリー」

盗賊「これは?」

弓使い「……うん、冬虫夏草とサルノコシカケは要らないわね」

盗賊「そ、そうだよね……」

弓使い「あとは……ココアパウダーにあっ、無塩バターとベーキングパウダー!」

盗賊「じ、じゃあこれもっ」

弓使い「鮭お切り身とちくわぶは全然要りません」

盗賊「……はい」

弓使い「それじゃお会計しましょ」

盗賊「……はい」


907 名前:書いたりしたわけじゃ [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:34:50.53 ID:Hm53Qk7Qo


魔道士「去年は失敗しちゃったので、今年はちょっと嗜好を変えてみましたっ♪」

召喚士「失敗!?」

魔道士「じゃじゃーん!」

召喚士「こ……れは!?」

魔道士「抹茶のロールケーキに抹茶の生チョコ、抹茶わらび餅に抹茶大福です!」

召喚士「お、おおぉぉ」

魔道士「今年は東方の素材をうまく生かした手作りスイーツで勝負ですっ!」ドンッ!!

召喚士「勝負……!?」

魔道士「さぁどうぞ、食べてみて下さい♪」

召喚士「で、では……いただきます!」パクッ

魔道士「……」ゴクッ

召喚士「お、美味しい……すっごく美味しいですこれっ!」

魔道士「本当っ!? 良かったぁ〜えへへっ!」

天才「……おい、オチねーのかよ。くそがっ!!」


908 名前:ないんだから [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:35:33.86 ID:Hm53Qk7Qo


 チャッチャッチャッチャッ

弓使い「出来たー!」

幼女「出来たー!!」

盗賊「で、出来た……っ」ボロッ

幼女「お姉ちゃん、手の指……大丈夫?」

盗賊「うん。魔王討伐より傷だらけになったけど」

弓使い「と、ともかくこれで完成ねっ!」

剣士「ただいまー」ガチャッ

幼女あ、お父さんおかえりなさい〜」

剣士「おぉっ、チョコ作り? どれどれ」

弓使い「ちょっとぉ、気が早いわよ、もう〜っ」

剣士「へへー。いっただっきまーす!」パクッ

盗賊「あぁっ! それは私の――」

 ドターン!! ピクピクピクッ


909 名前:勘違いしたり [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:36:06.70 ID:Hm53Qk7Qo
弓使い「きゃああぁぁぁぁ!!」

幼女「お、お父さん!!」

盗賊「……」

 パアアァァァァ

魔道士男「剣士……剣士……」

盗賊「ぎゃあ!?」

魔道士男「迎えに来たよ。さぁ、一緒に行こう」

盗賊「駄目ええぇぇぇぇ!!」

 こうして剣士は2週間ほど入院生活を満喫(?)したのであった。



盗賊「……もういいよ」グスン

戦士「盗賊、こんな所にいたのか」

盗賊「戦士……っ」ウルウル

戦士「お、おいっ! 何……涙目になって……」

 タッタッタッ ギュッ


910 名前:しないでよねっ!/// [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 22:37:01.53 ID:Hm53Qk7Qo
盗賊「ごめんねぇ……っ!」

戦士「ど、どうしたんだよ……!?」

盗賊「私っ、不器用だし……いつも戦士に……」

戦士「盗賊……」

 ギュッ

盗賊「へあっ!?」

戦士「何があったか知らんが、お前が泣くなんて似合わねーぞ」

盗賊「……どうせ……か弱くないもんっ」

戦士「そうじゃねぇって。お前には笑顔でいて欲しいんだよ、俺は」

盗賊「せ、戦士……っ」ドキーン!!

戦士「不器用だろうが何だろうが、俺はお前が傍に居てくれやあそれでいいんだよ」

盗賊「戦士ぃ……っ!」ギュウウゥゥ

戦士「ははっ、そんじゃメシでも食いに行こうか」

盗賊「うんっ。へへ……っ」ニパァ

天才「……だからオチろっつってんだろうがコルアアァァァァ!!」


911 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage] 投稿日:2012/02/15(水) 22:37:35.08 ID:hYY4/EpWo
しね



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