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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
843 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:35:37.31 ID:juZCjIx3o
〜北方、地獄の壁〜

青龍士官「なっ、何だあのバケモノは……っ」

アマゾネス「おさげっ! 色黒っ!」

色黒「……く……うぅ」

ポニテ「何なのよおおぉぉ!!」

竜騎士兵「い、一撃で上空の半数近くを……落としただと……!?」

青龍兵「援軍はまだかよぉ! この人数じゃ……限界があるっ!」

黒い物体「アアオオオオオオォォォォォ!!」

 カッ!! ズッドオオオオォォォォン!!

ツインテ「ふにゃああぁぁぁぁ!!」

青龍士官「空は狙い撃ちだれるっ、一旦地上に降りるんだ!」

竜騎士「了か――」

 バシュンッ!! ズッガアアアアァァァン!!

青龍兵「くっそぉ!! 隊長っ、なんなんですかアレは!?」

青龍士官「……着陸しろ」


844 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/13(月) 18:36:59.08 ID:juZCjIx3o
青龍兵「隊長ぉ!!」

青龍士官「いいから早く降りるんだ!!」

青龍兵「……っ」

 バシュウウゥゥゥゥ……スタッ

青龍士官「被害は?」

アマゾネス「3人やられた……っ。1人は軽傷だが、あとの2人はすぐに戦うのは難しい」

青龍士官「……すまんが、戦えるものは手を貸してくれないか?」

アマゾネス「……それはもちろんだ。あいつらがやられて、そのまま黙って引き下がれるか」

竜騎士兵「どうします? あの攻撃はちょっと厳しいですよ」

青龍士官「俺が1人、空中で囮になる。全員で地上と低空から一斉攻撃を仕掛けてくれ」

アマゾネス「!?」

青龍兵「無茶ですよっ! 死ぬ気ですか!?」

青龍士官「死にはせん。俺の腕をなめているのか?」

竜騎士兵「いくら隊長の腕とはいえ……あの中を飛行するのは……」

青龍士官「時間がない。とにかく配置につけ。あとは何とかする」


858 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 17:59:03.25 ID:7OmZsL2fo


アマゾネス「彼は大丈夫なのか?」

竜騎士兵「大丈夫なわけあるか!」

アマゾネス「……だろうな。分かった、私も行ってくる」

竜騎士兵「あっ、おい!!」

 バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「さてと、俺に出来るだろうか」

ワイバーン「ふっ、もはや特攻だなこれは」

青龍士官「笑うなよ。兵が見ている」

ワイバーン「さーて、行こうか。死出の羽ばたきへ」

青龍士官「……青龍先生、どうか導いて下さい」

黒い物体「アオオオオォォォォ!!」

 ギュイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!

青龍士官「かわすううぅぅ!!」

ワイバーン「オオォォォォ!!」


860 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 17:59:29.61 ID:7OmZsL2fo
 上空を拡散する閃光。その中をワイバーンが縦横無尽に飛行する。

 張り巡らされた蜘蛛の糸の間を縫うような、針の穴を通すような作業。

 全神経を集中させた回避行動。その作業は困難あどの一言で済むものではない。

青龍士官「……見える、見えるぞ!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

ワイバーン「もっとだ、もっと魔力をよこせ!」

青龍士官「おおぉぉぉぉ!!」

 閃光が止む事はなく、3度、4度と撃ち放たれている。

 それを回避する事は容易ではない。しかし、回避している。並外れた努力ではない。

 そこまでのレベルに到達したのは青龍士官の努力であり、才能である。

 しかしその閃光を回避するにはワイバーンにおいても高速を要する。

 消費する魔力は膨大であり、ワイバーンはそれを求め続ける。

 青龍士官もそれに応じて魔力を差し出し続けるが……。

ワイバーン「青龍士官っ、どうした!?」

青龍士官「……っ」


861 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:00:03.54 ID:7OmZsL2fo
 先程より連戦をこなし、かつ、バハムートの召喚までも行っていた。

 青龍士官の魔力は思いの外、残量は少ないものであった。

ワイバーン「速度が落ちるぞ! これでは……っ」

青龍士官「もう少しだぁ! 地上からの攻撃が始まるまでええぇぇ!」

 ゴアッ!!

ワイバーン「くっそおおぉぉ!! 防御しろっ、当たるぞ!!」

青龍士官「――っ!!」

 ドガアアァァァァ!!

青龍士官「…………!?」

オルトリンデ「あとは……頼むわよ……」ボシュッ!!

ヘルムヴィーゲ「私らが盾になるから――」ボシュッ!!

青龍士官「ワルキューレ……!? な、何故……っ」

ブリュンヒルデ「主も長くは持たないっ、早く……頼むわよ!」

青龍士官「!?」

アマゾネス「くっ、ううぅぅぅ!!」


862 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:01:04.37 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「何をしているっ!! 退がるんだ!!」

アマゾネス「お前にだけ……任せてはおけない!」

黒い物体「オアオオオオオォォォォ!!」

ブリュンヒルデ「さ……せないいぃぃ!!」

 ドッゴオオォォォォン!! ボシュンッ!!

アマゾネス「あぐぅ……っ」

青龍士官「枯渇するぞ! もういいから退がれ!」

ワイバーン「人の心配をしている場合か!」

 キュイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!

アマゾネス「しまっ――――」

青龍士官「うおおぉぉぉぉ!!」

 バチイイィィィィ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

ポニテ「長ぁーっ!!」

 シュウウゥゥゥゥ……

青龍士官「……ぐ……っく」


863 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:01:31.07 ID:7OmZsL2fo
アマゾネス「何故っ、庇って……」

竜騎士兵「隊長っ! まずいっ、落ちる……」

ツインテ「誰か……助けてぇ!!」

 ガシィ!!

青龍士官「…………?」

ハーピー「大丈夫〜? うふふっ」

アマゾネス「ハーピー……? だ、誰……」

 ザッザッザッ

朱雀嬢「何者かは知りませんけれど、これ以上はさせませんわ!」

玄武娘「ですのっ!」

青龍士官「あ……れは……」

朱雀嬢「さぁ、魔物を倒しますわよ!」

玄武娘「はいですの! リヴァイアサン、いくですのー!」

リヴァイアサン「グアオオオオォォォォ!!」ビリビリビリッ

青龍兵「リ、リヴァイアサンだとぉ!?」


864 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:02:09.52 ID:7OmZsL2fo
 ドッドオオオオォォォォン!! ズガガガガアアァァァァ!!

黒い物体「……ッ」ザザッ

 スタッ ザザァ

朱雀嬢「大丈夫かしら?」

青龍士官「す、すまない……っ。助かった」

朱雀嬢「傷は浅いみたいですわね。あとは任せてですわ」

玄武娘「あの魔物は何ですの?」

青龍士官「分からぬ。ベヒーモスのようだが……」

玄武娘「近づいてくるですのっ!」

黒い物体「アオオオオォォォォーッ!!」

 ズッズウウゥゥゥゥン

竜騎士兵「な、何だあれはっ!!」

 近づく黒い物体は月明かりに照らされ、徐々にその正体を明らかにする。

 巨大なベヒーモスの体。その頭部にはベヒーモス以外の何かがある。

 角のように生えているそれは、人間の上半身であった。


865 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:02:46.77 ID:7OmZsL2fo
 両腕のない、口は半開きとなり、白目をむいた生気を感じぬ人形のような姿。

 それはかつて、東方司令部の副司令を務めていた男。

 それはかつて、ベヒーモスを召喚する側の存在であった男。

 人間と魔物が合体したその存在は、もはや物体と呼ぶ以外に手立てはなかった。

黒い物体「オオアアアアァァァァー!!」

朱雀嬢「なんなのよ……これはっ!!」

玄武娘「うえぇ……っ、気持ち悪いですの……」

竜騎士兵「言ってる場合か! くるぞぉ! 迎撃ーっ!」

 ドッドオオォォォォン!!

青龍兵「ごわっ!」

玄武娘「なんて力ですのおおぉぉ!!」

 バチィッ!! ズザザザザアアァァ

玄武娘「擦りむいたですのぉ、女賢者さぁん!」

朱雀嬢「とっくにはぐれたですわよっ! ガマンなさいな!」

玄武娘「うええぇぇ」


866 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:03:37.91 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「奴は拡散攻撃を持っている。地上からだけでは的になるだけだ」

玄武娘「どうすればいいのですのおぉ!?」

青龍士官「地上と空、2点より攻撃を仕掛けるのだ」

朱雀嬢「地上と空……」

 ドッヴォオオオオォォォォ!!

朱雀嬢「それでっ、作戦は……どうするの!?」ザザッ

青龍士官「上空で囮になりっ、攻撃をひきつける……のだ!」ゴロゴロッ

玄武娘「どうすればいいんですのおおぉぉ!?」ヒョイッ

青龍士官「俺が囮を務めたいところだが、先程ので魔力が……」スタッ

アマゾネス「……私もだ」ズザァ

竜騎士兵「分かってますよ、ここは俺らが――」

朱雀嬢「わたしが行きますわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん!?」

青龍士官「……いけるのか?」

朱雀嬢「攻撃を引きつければ宜しいのでしょう? 速さならば、誰にも負けませんわ!」


867 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:04:15.28 ID:7OmZsL2fo


青龍兵「いいか? 俺らが召喚獣を出してダミーになる」

竜騎士兵「嬢ちゃんはその隙に空へ出てくれ!」

朱雀嬢「了解ですわっ。さぁ行きますわよ……ペガサス!」

ペガサス「青龍の世話になるとはな。不思議なものだ」

 バシュッ!! シュウウウウゥゥゥゥ!!

竜騎士兵「いっけぇ! ワイバーンを飛行させろぉ!」

青龍兵「なんだか、久し振りだよな」

竜騎士兵「……?」

青龍兵「こうやって地上からワイバーンを眺めて、召喚するのってさ」

竜騎士兵「そういやそうだな。昔はこれが当たり前だったんだけどな……」

青龍兵「ああ。でも今じゃ寂しいもんだよな、一緒じゃねぇってのはさ」

竜騎士兵「本当だよな。いつからか、召喚獣の背に自分の身を預けるのが当たり前で……」

青龍兵「心地良くなってたよな。これが本当の姿なのかもな。俺達、人間と召喚獣のさ」

竜騎士兵「そうだな。心を通わせて対話して、当たり前の事なのにな……」


868 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:04:46.50 ID:7OmZsL2fo
 バシュウウウウゥゥゥゥ

ワイバーン「朱雀の、我らが壁になる。うまくやれよ!」

リンドブルム「貴様らに手を貸すわけではないが、白虎よりは数段マシだ」

ペガサス「此方とてそのつもりだ。それに我が意思は背上の主に委ねておる」

朱雀嬢「……!?」

ペガサス「我は我が主が好きで、動いているだけの事」

朱雀嬢「ペガサス……っ」

ワイバーン「フッ、麗しい話じゃないか」

ペガサス「貴様等は違うのか?」

リンドブルム「昔は違ったさ。人間など我らをただ利用するだけの存在。興味も関心もなかった」

ワイバーン「だが今は……人間が好きだ。人と言葉を交わし、好意を持ったよ」

ペガサス「……プライドの高い青龍連中も、変わったものだな」

リンドブルム「さぁ、お喋りはここまでだ。行くぞ!」

ワイバーン「しっかり頼むぞ、朱雀の!」

朱雀嬢「……任せてですわっ!!」


869 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:05:17.38 ID:7OmZsL2fo
 バシュウウゥゥゥゥ……ゴオオォォォォ!!

黒い物体「オアオオオオォォォォーッ!!」ビリビリッ!!

 キュイイイイイィィィィ……

ワイバーン「来るぞぉ!!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥン!! ドッドオオオオォォォォン!!

リンドブルム「空の王者たる青龍を……なめるなよおおぉぉ!!」

 数百にも及ぶ閃光は夜空を昼間のように照らした。その眩さは前線からも目視出来る程である。

 それ程までに強烈な光は、1匹、2匹と青龍召喚獣を消滅させていった。

ワイバーン「まだ……まだああぁぁ!!」

リンドブルム「行けいっ!! 光の軌跡……しっかりとその目に焼きつけよ!!」

 ズガガガガアアァァ!! ボンッ!! ボシュウウゥゥ!!

朱雀嬢「……っ」

ペガサス「くぐり抜けたぞっ!」

朱雀嬢「せめてもの……っ、一撃いいぃぃ!!」

 ペガサスが放つ無数の流星が、黒い物体の頭部を捉えた。


870 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:05:54.29 ID:7OmZsL2fo
 ズドドドドドドド!!

黒い物体「アアアアオオオオオオォォォォォォ!!」

ペガサス「ちぃっ、効いてないか」

朱雀嬢「構いませんわ。こちらの狙いは倒す事ではありませんもの」

ペガサス「そうだったな。ここからが本番だ」

朱雀嬢「さぁ、鬼ごっこですわ!」

黒い物体「オオアアアアァァァァ!!」

 キュイイイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!

ペガサス「来たぞ!」

朱雀嬢「一度見ていますわっ! かわしてみせる!」

 またしても放たれる閃光の中を、めまぐるしく動き回る朱雀嬢を乗せたペガサス。

 戦いのさなかではあるが、華麗に舞う天馬はとても幻想的なものである。

 当たらぬ攻撃。それを察してか黒いベヒーモスのようなそれは、次第に閃光を増した。

 拡散する光はその全てが上空へと向けられ、朱雀嬢とペガサスに照準を合わせる。

 やがて黒い物体の上半身もが空を向き、地上からの隙を見出した。


871 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:06:26.59 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「今だああぁぁ!!」

 若き士官の号令が周囲に響き渡った。それを皮切りに無数の召喚獣が舞う。

 ある者はワイバーンの背に身を預け、突撃しまたある者は全身全霊の魔力を、

 信頼すべき相手である召喚獣に託し、敵を討つべく疾走させる。

アマゾネス「これで……決める!!」

竜騎士兵「ワーカーに負けていられるかぁ! 我らはっ、選ばれし竜騎士隊だぁ!」

ポニテ「私だってぇ、役に立ってみせるんだからぁ!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……頑張ってるですの」

リヴァイアサン「ゴアアアアァァァァ……ッ」

玄武娘「私だって……やってやるですのおおぉぉ!!」

リヴァイアサン「ガアアアアァァァァ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ズッガアアアアァァァァン!!

青龍士官「空を駆け、猛攻を掻い潜り仕掛ける力はもう残されてはいない」

黒い物体「オアアオオオオォォォォ!!」

青龍士官「それでもっ、まだあと一撃を放つ程度の魔力は……残っている!!」


872 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:07:33.60 ID:7OmZsL2fo
 シュイイィィィィン

青龍士官「バハムート……最後の一撃っ、見舞ってやろうぞ!!」

バハムート「ゴッガアアアアァァァァ!!」

 地上を這うバハムート。空を制する王のあるまじきその姿。プライドなどそこにはない。

 それでも、青龍士官とバハムートの振る舞いは勇敢であり尊大であり猛者であった。

 バハムートは一度、大きく首を空へと向けると、口内よりとてつもない光を一気に放った。

 一直線に黒い敵へと向けられた光は、豪快な爆発音を立てて対象へと直撃する。

 ドッズオオオオォォォォン!!

黒い物体「……オオ……アアアアァァァァ!!」

青龍士官「撃ち抜けええぇぇぇぇ!!」

竜騎士兵「隊長の攻撃に合わせろ! 奴を……ブチ破れぇ!」

青龍兵「おおぉぉぉぉ!!」

 追撃に次ぐ追撃。その相乗効果により、バハムートの放った一撃が大きく膨れ上がった。

 攻撃は黒い物体の顎部を下から押し上げ、その咆哮を打ち消した。

 そして眩い一撃は顎を貫き、額上に生えていた人であったものを一撃の下に消滅させた。


873 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:08:18.71 ID:7OmZsL2fo
 ドッゴオオオオォォォォォォ!!

玄武娘「とどめ……ですのぉ!!」

朱雀嬢「くらえですわ!!」

 ガカアアアアァァァァ!! ズッガアアアアァァァァン!!

 リヴァイアサンとペガサスによる最後の攻撃が、頭部を吹き飛ばされた黒い体を襲う。

 攻撃の為か生えていた宿主の消失の為か、巨体は腐り果てたように溶け出し、

 骨を剥き出しにしながらその場に崩れ落ちると、やがて霧散するかのように消えていった。

 コオオオオォォォォ……

竜騎士兵「お、終わったのか……?」

ポニテ「やった……のよね……っ」

 バシュウウゥゥゥゥ スタッ

朱雀嬢「玄武娘っ、魔物は?」

玄武娘「倒したですのー! やったですの!」

朱雀嬢「……そう。ふーっ、何とかなって良かったですわ」

玄武娘「大勝利ですのっ!!」ニコッ


874 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:09:26.66 ID:7OmZsL2fo
 ザッザッザッ

青龍士官「ご苦労だった。感謝するぞ」

朱雀嬢「いえいえ、お気になさらずですわ」

玄武娘「そうですの! みんなの力で倒したんですの!」

アマゾネス「あの時よりもまた更に、強くなったのではないか……?」

朱雀嬢「どうなのかしら。まぁ、迷いがなくなって……吹っ切れた感じですわ」

アマゾネス「そうか」

朱雀嬢「さーて、私達はこれで失礼致しますですわ」

アマゾネス「もう行くのか?」

朱雀嬢「北ではもっと激しい戦いが続いているはずですわ」

玄武娘「そうですの! 私達の目的はそこですの!」

朱雀嬢「それでは失礼」フワッ スタスタスタ……

竜騎士兵「……年頃の少女にしか見えないんだけどな」

青龍兵「す、すげぇモンだよ……っ」

青龍士官「それはそうだろう。お前らでは足元にも及ばぬ存在かもしれんぞ?」


875 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/15(水) 18:10:04.81 ID:7OmZsL2fo
アマゾネス「……?」

青龍士官「何と言っても、玄武先生の実孫と朱雀本家の正当な後継者だからな」

竜騎士「――っ!?」

青龍兵「う、噂には聞いていたが……あれがそうか……っ!」

青龍士官「……さて、こちらも少し休憩したら、すぐに北へ戻るぞ」

竜騎士兵「了解です! 手の空いているものは現場検証と戦闘報告をまとめろっ!」

おさげ「長〜っ」タッタッタッ

アマゾネス「お前ら……っ、大丈夫か!?」

色黒「な、何とかぁ……」

アマゾネス「そうか、良かった」

青龍士官「もし傷を致したり休息を取るならば、この壁沿いに進めば北関が……」

アマゾネス「構わぬ。このまま我らも北を目指すさ」

ポニテ「そうよっ。あの2人が我慢してるってのに、こっちが休んでいられないわっ!」

竜騎士兵「おぉっ、日の出だ!!」

青龍士官「……さて、どう出る魔王軍」



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