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女商人「勇者が行方不明に?」女武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク
- 189 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga]
投稿日:2013/02/04(月) 14:22:45.58 ID:DzXx0kaAO
賢者「貴方が魔法使いでしたか?」
賢者「流石は攻撃魔法のスペシャリストだ。………ん?」
賢者「どういう事だ。なぜ貴方の横に、僧侶がいるんだ?」
僧侶「……賢者。あなたは運が悪いですね。」ゲホゲホ
魔法使い「僧侶、あまりしゃべっちゃだめよ。」
僧侶「魔法使いの逆鱗に触れてしまった...」
賢者「な、何を。あの牢屋は絶対に、見つからないはずなのに...」
魔法使い「そうだ、二人を助けなきゃね。」ブツブツ
パキーン!
商人「………へ?あれ!生きてる?」サワサワ
武闘家「………冷たいなー!って、あれ?私はどうして。」キョロキョロ
スタスタ
魔法使い「良かった。無事に生きててくれたようね。」ニコッ
- 190 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 14:36:58.22 ID:DzXx0kaAO
商人「あ!魔法使い!よかった〜間に合ったんだね。あなたが助けてくれたの?」
魔法使い「ギリギリセーフだったけど。冷や汗かいたわよ。」
武闘家「大先生さっすがー!来てくれると信じてたよ!」キラッ
僧侶「ふふふ。」
商人「僧侶!無事でよかった。生きててくれたのね。あ、あまり無事じゃなさそうか。」
僧侶「商人さん、武闘家さん、来てくれてありがとうございます。」フラッ
武闘家「おおっと。危ない!」ガバッ
僧侶「信じていました、お二人が助けに来てくれるって。」ポロポロ
僧侶「怖かったよぉ。痛かったよぉ。寂しかったよぉ。」ポロポロ
武闘家「よかった。今は沢山泣きなよ、そしてゆっくり休みな。」
商人「そうだよ、お姉さんが仇を取ってくれる!きっとね。」
魔法使い「ええ、まかせて。あの男、許せない。」
魔法使い「僧侶の事頼むわね、二人とも。」ザッ
- 191 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 14:54:27.63 ID:DzXx0kaAO
賢者「うう。一体どうやった?どうやって牢を見つけた?」
魔法使い「そんなのアンタが倒れた後で嫌ってほど聞かせてあげる。」
賢者「く、なめるなよ。あの程度の魔法を防いだくらいで調子に乗るなぁ!」
魔法使い「あら?それにしては動揺してるようね。神に仕えし賢者様。」
賢者「だから私を、神を馬鹿にするなー!」ブツブツ
賢者「『マヒャド』!」
魔法使い「『メラゾーマ』!」
賢者の巨大氷塊のマヒャドが魔法使いに襲いかかるが、魔法使
いの唱えたメラゾーマの巨大火球がそれを一瞬で溶かしてしまった。
賢者「ば、馬鹿な!一瞬であの氷を...嘘だ。」フルフル
賢者「嘘だあー!」ブツブツ
賢者「『ドラゴラム』!」
魔法使い「竜になって全員焼き付くすつもりね。」
- 192 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 15:10:34.31 ID:DzXx0kaAO
竜になった賢者「ぐおおおぉ!がああぁぁ〜!!」ゴォォ
ドラゴラムで巨大竜になった賢者はこの場にいる全員を焼きつ
くしてしまおうと、灼熱の炎を吐いた。
魔法使い「だからそんな炎なんて私には届かない!」ブツブツ
魔法使いは左手に風を宿し、右手に氷を宿した。
魔法使い「炎ごとアンタを貫いてやる!かわいい妹の痛みを思い知れ!」
魔法使い「『バギクロス』『マヒャド』」
マヒャドの猛吹雪にバギクロスの大突風が合わさり、無数の氷の刃は嵐となり、竜の吐いた炎を一瞬で消し去り、そして竜をも貫いた。
竜「ぐぎゃああああ〜!!」
- 193 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 15:22:37.65 ID:DzXx0kaAO
魔法使いの魔法を食らい、竜はその姿は元の賢者へと戻った。
賢者「…………う。うう。」
魔法使い「流石は賢者ね、魔力で守られて死ぬまではいかなかったようね。」ハァハァ
魔法使い「私も一気に魔法を使いすぎちゃったみたい...だけど久々に暴れてすっきりしたわ。」
魔法使い「さて。コイツにはまだ聞くことがある。」
魔法使い「ねえ〜!商人こっち来て〜!」
商人「わ、わかった〜!今行くよ。」
商人「(なんて、恐ろしい人になったんだろ〜魔法使い。)」ブル
タッタッタ
- 194 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 15:33:09.90 ID:DzXx0kaAO
商人「どうしたの?魔法使い?」
魔法使い「その男を回復させてあげてくれる?聞きたい事が残ってるから。」ハァハァ
商人「魔力大丈夫?」
魔法使い「場合によれば、もう一度あの魔法を使わないといけないでしょうからね。温存しないと。」
商人「わかった、魔法使いはしばらく休んでいて。私はまだ大丈夫だから。」
魔法使い「ありがとう。何せ城の人間が起きて来ないよう、
城全体に強めにラリホーも使ったから。」ハァハァ
商人「もうなんでもありね、魔法使いって、ふふふ。」
魔法使い「魔法は私の十八番だもの。」ニコッ
商人「『ベホマ』!」パァー
ベホマにより賢者は回復した。
- 195 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 15:46:38.27 ID:DzXx0kaAO
………………………
賢者「私をなぜ殺さない?」
武闘家「殺したって仕方ないでしょ?後味悪いし。」
商人「私達は人間は殺せない。たとえあなたみたいな奴でもね。」
魔法使い「まあ、さっきはほんの紙一重でアンタ生きてたけどさ。」ニヤ
賢者「う、やめてくれ。」
僧侶「私にした事はもうどうでもいいんです。だから教えてください。」
賢者「何の事だ?」ビク
武闘家「隠してもダメ。」
商人「勇者はどこにいるの?言いなさい!」
賢者「知らないなぁ。私は。」
魔法使い「そう。ねえ、素敵な言葉を教えてあげようか?」
賢者「なんだ?」
魔法使い「ザキ。死の言葉よ。」ヒソッ
- 196 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 16:07:13.34 ID:DzXx0kaAO
賢者「ひっ!よせ!ヤメロ!」
魔法使い「ザキが嫌なら、ね?」
賢者「勇者は...ここより北西にある洞窟にいる。」
武闘家「洞窟ぅ?」
商人「ラダトームの北にあるあの洞窟の事?」
賢者「そうだ。」
僧侶「よかった。これで勇者様にも会えますね。」
賢者「ただ....まだ生きていればだがな。」
武闘家「なんだと!?」
商人「『呪い』の事ね?」
賢者「な?その事までわかってるのか?なんて奴らだ。」
魔法使い「アンタが掛けたの?その呪いは?」
賢者「あ、ああ。」
僧侶「呪い、なんて恐ろしい...勇者様が無事でなければ許しません!」キッ
- 197 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 16:22:22.56 ID:DzXx0kaAO
魔法使い「落ち着いて僧侶。」
魔法使い「とにかく行かなきゃわからないわね。みんなすぐに行こう!」
商人「だけどあそこは特別な結界があるからかわからないけど、ルーラじゃ行けないよ。」
僧侶「ふふふ、商人さん。安心して。そのために魔法使いがいるんですよ。」ニコ
商人「あ!まさか。それが。」
武闘家「え〜何だろう?昼に魔法使いが言ってた?」
魔法使い「そうよ。アンタも連れてくわ。私が牢屋を見つけられた方法見せてあげる。」
賢者「ち、わかったよ。何だってんだ。」
魔法使い「みんな目を閉じて、静かにしていて。かなり集中しないといけないから。」
商人「わ、わかった。」グッ
魔法使い「(この人数を一緒にはキツいけど、なんとかなるわ。)」ブツブツブツ
魔法使い「(勇者......捉えた!)」
魔法使い「我らを仲間の元に導け『リリルーラ』!」
パッ!
- 198 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 16:38:12.40 ID:DzXx0kaAO
【ラダトーム北の洞窟 最深部】
パッ!
ダダッ
武闘家「うわっ、洞窟の中だ!すげ〜!」キョロキョロ
商人「ホント。あの時の洞窟だ。瞬間移動みたい。」
賢者「これがあの隠し牢屋を見つけた魔法。」
魔法使い「この魔法はルーラと違い、場所を到達点にしない。」
魔法使い「人物を思い浮かべて、その人物のいる場所に一瞬で移動する禁術魔法。」ハァハァ
魔法使い「だから、魔力の消費がとんでもなく多いの、よ。」バタッ
僧侶「魔法使い!大丈夫?たった数時間で魔力使いすぎよ。」
魔法使い「後はまかせるわね、みんな...」スー
商人「うん!任せて。」
- 199 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 16:48:42.86 ID:DzXx0kaAO
武闘家「魔法使いのためにも早く勇者を捜すよ。」
僧侶「あれ?武闘家さん、後ろの祭壇に横になってるのって...」
商人「ゆ、勇者だ!」バッ
武闘家「え!」クルッ
洞窟最深部にある祭壇の上に、その姿はあった。
全員が捜していたかつてのパーティーのリーダーである勇者だ。
祭壇に仰向けになり、目を閉じている勇者を見て、
商人、武闘家、僧侶は一斉に駆け寄った。
ただ、声をかけても、体を揺すっても、顔を軽く叩いても全く反応がない。
まるで静かに死んでいるように。
- 200 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 17:02:05.79 ID:DzXx0kaAO
武闘家「嘘だ。勇者、起きてよ!起きてよ!」ユサユサ
商人「早く蘇生をしないと!僧侶!」
僧侶「しょ、商人さん。この洞窟の中は魔法が使えないんです。」
商人「あっ、そうか!じゃあ一体どうしたら。」
武闘家「だったら、早くここから勇者を出して教会に行かないと!」アセアセ
賢者「く、くっくっく。無駄だよ。私の掛けた呪いは蘇生魔法など効かない。」
武闘家「何!だったらお前がなんとかして勇者を生き返らせろ!」グイッ
賢者「ぐうっ。無理だと言ってるだろう?蘇生魔法は効かないと。」
賢者「呪いが体中に行き渡り、死んでしまったみたいだな。こりゃあ傑作だ。」ケラケラ
武闘家「こんの野郎!」グワッ
商人「武闘家、ちょっと待って!」
武闘家「何で止めるの、商人!」
- 201 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 17:18:32.77 ID:DzXx0kaAO
商人「あんたが勇者を呪ったのは何故なの?」
賢者「今さらそんな事を知ってどうする?それで勇者が生き返るとでも?」
商人「うるさい!黙って私の質問に答えろ!」チャキ
商人「この勇者に貰った剣であんたを刺してもいいんだから!」
僧侶「商人さん....」
武闘家「商人。」
賢者「ふん。勇者が、勇者さえいなければ、私はラダトームの全てを手にしていた。」
商人「……………」
賢者「あの大魔王を勇者達が倒した事により、私がそれまで練っていた計画が瓦解した。」
賢者「頼りない王。それを蹴落とそうとする大臣。
私がその大臣に取り入り、王を失脚させた後、大臣が王になる。」
賢者「そして、その大臣には黒い噂が付きまとっていた。
私はそのスキャンダルを指摘し大臣をも失脚させる。」
賢者「と、いうシナリオが出来上がっていたが、
そこに勇者達が大魔王を倒したという話が舞い込んだ。」
商人「…………」
- 202 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 17:35:35.30 ID:DzXx0kaAO
賢者「当然、国は大騒ぎだ。王はアレフガルド全土に『勇者にロトの称号』を与えた事を知らせる。」
賢者「するとどうだ。人民は『あの王は素晴らしい』と持ち上げる。これでは失脚どころではない。」
賢者「計画は一時、凍結せざるを得なかった。時間を掛けて練った計画を邪魔されたんだ。」
僧侶「それであなたは賢者になったのね?勇者を殺せる力を得るために。」
賢者「その通り!賢者は神に選ばれし特殊な職だ。そうなれば何でもできるとね。」
武闘家「バカな事をしたもんね。賢者をそんな風に利用するなんてさ。」
賢者「私は死に物狂いで賢者になった。そうしていく中で、勇者パーティーの中にも賢者がいる事を知った。お二人の事ですよ。」
僧侶「私と商人さん、というわけね?私をさらった理由は?」
賢者「ふ。単に同じ賢者として思想を共有したかっただけですよ。しかし貴方も商人も簡単な理由で賢者を辞めている。」
賢者「自分達を選んでくれた神への冒涜以外の何者でもない!」
商人「…………」ギリ
- 204 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 17:47:47.82 ID:DzXx0kaAO
賢者「勇者には私の計画を壊してくれた恨みと憎しみを最大限まで増幅させ、
そこに魔力をミックスさせた『呪い』をかけた。徐々に体が動かなくなるようにね。」
賢者「勇者はあろう事か、ロトの称号を得ながらも、ラダトーム
に腰を据えようともせずに城を飛び出した。」
賢者「自由気ままに世界を遊び歩いていたのがどうして許せなかった。」
武闘家「それだけの理由で?」
賢者「私にとっては十分すぎる理由だ。」
賢者「勇者には魔法の使えないこの洞窟に上手く誘い込み。
そこで呪いを増幅させ、身動きを取れないようにした。」
僧侶「それが半年前って事なのね?通りで...長く勇者様を苦しめたのですね。」
賢者「しかし、長きに渡ったこの復讐もどうやら、完結を迎えたようだな。勇者の死でな。」
- 205 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 17:55:04.53 ID:DzXx0kaAO
とりあえず今日はここまでが限界かな。すみません。
- 206 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/04(月) 18:15:42.97 ID:DzXx0kaAO
前に書いた、ダイの大冒険のオリジナル魔法で使いたかったのは、
瞬間移動魔法『リリルーラ』でした。アバンが使ってた記憶がありました。
それにしても魔法使いさん、強すぎ!(笑)
- 213 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/05(火) 09:17:03.30 ID:b+ujWLhwo
これがベホマではないホイミだ。とかやって欲しかった・・・
- 214 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 09:48:12.51 ID:HqWN9cRAO
>>213
おお、懐かしのバーン様のようだ(笑)
まあ魔法使いはこのくらい強くても当然っぽい感じなんですよね。
前作を経て、ずっと引きこもりで修行してるから。
- 215 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/05(火) 09:51:13.85 ID:b+ujWLhwo
これはヒキコモリではない、修行だ!
ゲームでは一律ですが矢張り魔翌力量で威力が違うと実力差とかがハッキリして素敵ですな
- 216 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 10:07:02.48 ID:HqWN9cRAO
武闘家「ちくしょう!ふざけんな!賢者だったらなんとかしろ!」
僧侶「武闘家さん...あの、なんとかできないのですか!」
賢者「無理です。そもそも何故、私が殺したくて殺した勇者を生き返さなければならない?」
商人「……………」
武闘家「許せない!私があんたを殺してやる!」バッ
僧侶「ぶ、武闘家さん!」
賢者「人は殺さないんじゃないんですか?お嬢さん。」ニヤ
武闘家「あんたは人でも神でもない!ただの悪魔だ!だから殺したって構わない!」ジャキ
僧侶「駄目です!武闘家さん!」
武闘家「僧侶、ごめん。コイツだけは許せないんだ。」
武闘家「でやぁぁぁー!」バシュ
賢者「な!?くっ!」グッ
- 217 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 10:23:02.22 ID:HqWN9cRAO
ガキンッ!
武闘家の爪が賢者に届く寸前。それを止めたのは鋼鉄の剣だった。
武闘家「しょ、商人。なんで止めるの?」
武闘家「コイツだけは絶対許せないんだ!私達の大切な仲間を殺したんだぞ!だったら...」
パンッ!
武闘家「え?」
商人「私だって大好きな勇者を殺されて、この男の事は許せないよ。」
商人「だったらお返しに殺せば満足なの?それじゃこの男と同じだよ!」
商人「私はそんな武闘家は嫌いだ。もう顔も見たくなくなっちゃうよ...」ポロ
武闘家「あ....」
武闘家「……熱くなりすぎちゃったよ。」
僧侶「武闘家さん…よかった。」ホッ
武闘家「商人、僧侶ごめんね。」
商人「ふふ。わかればよろしい!」ニコッ
- 218 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 10:36:41.09 ID:HqWN9cRAO
賢者「よかったですね、人殺しを寸でのところで止めてもらって。」
武闘家「………くそ。」
商人「ずいぶんと嬉しそうね、賢者さん。身動きが取れないのにさ。」
賢者「ええ、私は勇者が死んでくれさえすればいいのですから。」
商人「………」クルッ
スタスタスタ
武闘家「商人?」
僧侶「商人さん、何を?」
賢者「勇者は死んでる。ここでは魔法も使えない、そもそも蘇生魔法は効きませんよ。」
賢者「私が勇者自身も魔法を使えないように呪いもかけた、何をしても....?」
賢者「何をしている?」
- 219 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 11:18:14.93 ID:HqWN9cRAO
商人は再び祭壇に歩み寄り、横たわる勇者を前に座り込んだ。
おもむろに肩掛けバッグから何か道具を取り出した。
武闘家「何をしてるの商人?勇者死んじゃってるんだよ。そんな道具じゃ...もがっ」
僧侶「武闘家さん。しー。」
武闘家「んぐぐ。(また口閉じられた〜)」
僧侶「(あれ、はもしかしたら....)」
賢者「それは、薬草か何かですか?勇者の死で頭がおかしくなったようだ。」
賢者「かわいそうな方だ、はっはっは!」
商人は取り出した一枚の葉を小さいすりこぎですり潰して、
それを勇者の口に少しずつ注いでいった。
商人「ふう。これでよし、と。」
賢者「そんな物を飲ませたところで、何になる?」
賢者「はっはっは!愚かな。それでも貴方は元賢者か?情けない。」
ぴくっ
- 220 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 11:37:52.57 ID:HqWN9cRAO
ぴくっ
賢者「なっ!何だと!」
もぞもぞ
ぱちっ
勇者「ん、んん。うう〜ん..」
勇者「あ〜よーく寝たなぁ〜。ふわぁ〜。」ゴシゴシ
勇者「あれぇ?そういえば、ここは。私は何で...」キョロ
勇者「ん?商人?どーしたの?」
商人「えへへ〜。勇者、おはよう!」ニコッ
武闘家「あ、ああ。ゆ、えぐっ」ポロポロ
武闘家「ゆうしゃぁ〜〜〜!!」ガバッ
僧侶「勇者様ぁ〜〜!!」ダダダッ
勇者「へっ?う、うわぁ!」ガタン
勇者「武闘家と僧侶も?どうしたの〜?大泣きしちゃって?」
商人「ふふ。何でだろうねー?」ウル
武闘家「バカ勇者!もう二度と会えないと思ったぞ。」
僧侶「私もですー!心配したんですから。うわぁ〜ん!」
勇者「はて?」キョトン
- 221 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 12:01:43.97 ID:HqWN9cRAO
賢者「そんな、馬鹿な...」ワナワナ
賢者「完全に私の呪いが効いて、死んだはずなのに、どうしてだ。」ワナワナ
商人「『世界樹の葉』だよ。」
賢者「!?」
賢者「世界樹の葉、だと?」
商人「不慮の事態で死んでしまった者を完全に生き返せる事ができる。」
賢者「そ、そんな物が。しかし蘇生は不可能のはずだ!」
商人「蘇生"魔法"では、でしょ?おそらく。あなたは魔法にこだわりすぎた。」
商人「ただ、この葉は、世界に一枚あるかないかの希少な物よ。普通なら知り得ない。」
商人「私や僧侶は賢者になってから修行の中、同時に色々と勉強もした。」
商人「必死に古い文献や書物から知識を得た。その時にこの世界樹の葉の事を知ったの。」
賢者「く、私は知らなかった。そんな知識や物には興味すら無かった。」
商人「あなたの方がよっぽど賢者失格じゃないの?神に選ばれた、とばかりで。何も得ていない。」
賢者「く、くそぉ....こんなはずじゃ。」ヘタ
- 222 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 12:18:09.71 ID:HqWN9cRAO
勇者「ねえ、商人。」タタタ
商人「勇者どうしたの?」
勇者「そこの男の人は?縛られててうなだれちゃってるけど。」
商人「え。ああ、まあ。後でゆっくりさ、説明するよ。」
商人「とにかく、今はここを出よう。どっぷり疲れが...わっ!」
勇者「商人!ごめんね。ありがとう。」ガバッ
商人「勇者……」
商人「おかえり勇者。生きててよかった。」ニコッ
魔法使い「………なんの音かしら?」
魔法使い「んー。よく寝たわねぇ。魔法を使いすぎてダルいし。」ポリポリ
魔法使い「……」キョロキョロ
魔法使い「あ!」キッ
勇者「あ!」
商・武・僧「あ!」
- 223 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 12:19:01.53 ID:HqWN9cRAO
ここで休憩に入ります〜。さあもうちょいだ。
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