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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
- 472 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/06/07(木) 18:04:54.84 ID:GKagw7VBo
〜ターミナル〜
西方参謀「昼過ぎには東方へ向けて出航出来ますぜ。ヒック」
帝「かたじけないな、船まで用意して貰って」
西方参謀「いまさら何を仰る……ヒック」
東方参謀「それでは、ワシらはこれにて失礼するぞ」
西方参謀「おうよ。またな〜」
名代「怪我の具合は?」
東方参謀「なぁに、これしきの傷、屁でもないわい」
東方司令「死にかけてたくせに」ボソッ
東方参謀「……」
槍侶「先生っ、どうかお元気で」
東方参謀「むっ、お主もな」
槍侶「また教えを請うても宜しいですか?」
東方参謀「何時でも構わん。まずは己を磨くべし」
槍侶「ははっ!!」ザッ
- 473 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:05:29.02 ID:GKagw7VBo
…
東方参謀「……?」ザッザッ
学園長「乗られます?」
東方参謀「軍用がある」
学園長「それもそうね」
水の先生「魔道学園までなんだが、いいか?」
御者「へいへいっ! お任せ下さい!」
火の先生「学園長、馬車の用意出来ましたぞ」
学園長「すぐに行くわ。先に行ってて頂戴」
東方参謀「……此度」
東方司令「ジジイ、遅れるなよー」スタスタ
東方参謀「……っ」
学園長「お忙しそうね」
東方参謀「気にするな。おほん、此度は何故また、無茶な真似を」
学園長「無茶?」
- 474 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:06:13.56 ID:GKagw7VBo
東方参謀「そうだ。戦場へ赴くなど無茶が過ぎるぞ」
学園長「そうかしら、生徒を連れたわけでもないし、別にお叱りを受ける筋合いはないわ」
東方参謀「あのな、自分の身を案じろと申しておるのだ」
学園長「こんな歳になって、何を案じろと言うのです」
東方参謀「そんな歳だから申しておるのだ!」
学園長「あら、でしたらそれは貴方だって同じじゃなくて?」
東方参謀「ワシは現役の軍人だ。立場が違う」
学園長「老いて後は死ぬのを待つだけなのに、案じる事などありますかねぇ」
東方参謀「お主には魔道学園で次代を担う若者を育てる義務がある!」
学園長「そうね。でももう、良いんじゃないかしら」
東方参謀「何ぃ?」
学園長「若い人達も沢山、育ってきているわ」
東方参謀「……」
学園長「そろそろ道を譲っても、良いんじゃない?」
東方参謀「だからと言って死ぬ事はなかろう」
- 475 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:06:55.49 ID:GKagw7VBo
学園長「死ぬ? 誰がです?」
東方参謀「だからお主が……はっ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
学園長「死ぬ気で戦地に赴く者など……おりまして?」
東方参謀「い、いや……っ。失言であった……っ」
学園長「……歳は老いても、まだ魔力で後れを取ったとはおもっておりませんわよ」ニコッ
東方参謀「……っ」
学園長「とは言え、いつまでも道を塞いでいるわけにいかないのも事実」
東方参謀「確かに、今回の事が1つの区切りとなるやもしれぬなぁ」
学園長「貴方も退いたら?」
東方参謀「馬鹿者っ。老いてますます盛んと言うではないか。まだまだ負けん!」フンッ
学園長「ふふっ。ところで、あの子は逝ったの?」
東方参謀「ああ。馬鹿な奴だ。頑なで意地っ張りよ」
学園長「不思議な子だったわね。でも、本当に真っ直ぐで……強かったわ」
東方参謀「……」
- 476 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:07:28.62 ID:GKagw7VBo
東方司令「ジジイ!! 早くしろ!! もう出るぞ!!」
火の先生「学園長、そろそろ行きますぞー」
東方参謀「……やれやれ」
学園長「それじゃあまたね」
東方参謀「うむ」
ザッザッザッ
学園長「たまには貴方も、遊びにいらしたら?」
東方参謀「ふん。考えておく」
学園長「……ふふっ」
ザッザッザッ
東方司令「年寄りの話は長くて困る」
東方参謀「五月蠅い」バタン
東方司令「東方司令部はサタン戦には不参加だ」
東方参謀「魔剣はどうする? 運び手はお主以外おらんだろうに」
東方司令「それはボクが個人的に動く事だ。司令部としての仕事は終わったんだよ」
- 477 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:08:19.63 ID:GKagw7VBo
〜本国、軍港〜
南方参謀「それじゃあ、お疲れ様っ」
西方副司令「ええ、お疲れ様です」
南方副司令「西は次、どうするんだ?」
西方魔道長「とてもじゃないけれど、こんな戦力じゃあ参加は無理だよ」
西方副司令「そうね……」
南方参謀「私達の力不足も露呈しちゃったしね」
西方副司令「うん……っ」
南方魔道士「ま、何も前線で戦うだけが仕事じゃねぇさ」
南方副司令「そうだな。正真正銘、最後の戦いは、後方から支援しようじゃないか」
西方魔道長「そうだねぇ」
南方参謀「ところで司令はどこ行ったの?」
西方副司令「うちのも居ないから、一緒なんじゃない?」
南方参謀「早くしないと船、出ちゃうわよ……もうっ」
南方副司令「……」
- 478 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:09:03.13 ID:GKagw7VBo
…
南方司令「次はどうするつもりだ?」
西方司令「どうもこうもあと2週間足らずだ。全快はおろか役立つレベルとは思えん」
南方司令「やはりそうか」
西方司令「お前だってそうだろ? 回復間に合うのかよ」
南方司令「いや、こっちが無理だからお前に、と思ったのだが」
西方司令「アホー。実力伯仲の俺らが、どっちか片方なんてわけあるかよ」
南方司令「それもそうだな」
西方司令「出来る事と言や、地獄までの案内と……」
南方司令「現地での盾代わり、か」
西方司令「それでも2人で1人ってとこだわな。けっけっけ」
南方司令「お前も西に帰るのだろう?」
西方司令「ああ。事が起きるまで静養させて貰うよ」
南方司令「……」
西方司令「もう船も出んだろ。行くぞ」ザッ
- 479 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:09:30.70 ID:GKagw7VBo
南方司令「治ったな」
西方司令「あ? あぁー。戻ったってーか昔に戻ったってとこだな」
南方司令「ほう」
西方司令「これはこれで面倒なんだよ。武器を持つと気が触れる」
南方司令「むっ、そういえばそうだったな」
西方司令「まっ、武器がねーと気が触れてるよりマシだがな。けっけっけ」
南方司令「どっちもどっちだろう」
西方司令「テメーこそ正義大義はどうした?」
南方司令「正義の為の戦いは終わったのだ」
西方司令「ほー」
南方司令「最後の戦いは正義の為ではない。世界、人類、平和の為だ」
西方司令「戦いに理由なんざ要らねぇ。やられたからやりかえすまでだ」
南方司令「それでは復讐でしかない」
西方司令「戦いなんてのぁ、そんなもんだろうがよ。けっけっけ」ザッザッ
南方司令「……」
- 480 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:10:00.02 ID:GKagw7VBo
…
パッカパッカパッカ……
占い師「ところであなた達、もうじきサタンと戦うのよね?」
召喚士「はい」
占い師「いいの?」
魔道士「……何がですか?」
占い師「家族や友人に会っておかなくて」
召喚士「俺は家族なんて居ませんし、友人もわざわざ会うほどの人は……」
占い師「魔道士ちゃんはいいの?」
魔道士「……」
占い師「もう会えないかもしれないのよ?」
召喚士「占い師さん……」
占い師「事実でしょ? 別に予言云々関係なしにさ」
召喚士「まぁ、そうですけど……」
占い師「別に無理に会えって言うわけじゃないの」
- 481 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:10:29.29 ID:GKagw7VBo
魔道士「……」
占い師「会えば逆に迷いが生じるケースだってあるわけだし。ねぇ?」
召喚士「えっ、あ……そうですね」
占い師「まだ時間はあるわ。ゆっくり考えなさいな」
魔道士「……はい」
パッカパッカパッカ……
召喚士「あっ、もうすぐ魔王城ですよ」
占い師「魔王城? 方向が違うじゃない」
召喚士「海峡側の森を突っ切ると時間がかかりましたからね」
占い師「あ、そっか。あの時は1日以上歩いたっけ」
召喚士「今は馬車もありますし、魔王城を横切って行けば早いと思いますので」
占い師「さっすがー」
魔道士「……あれ? なんだか国軍の人が大勢近づいてきますよ?」
占い師「あら、本当ね」
召喚士「何でしょうかね」
- 482 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:11:06.59 ID:GKagw7VBo
パッカパッカパッカ……
騎士団「本国の馬車と見受けるが、どこの者かね?」
召喚士「あ、えぇと……」
騎士団「こっ、これは朱雀先生!! 失礼致しましたっ!!」ザザッ
召喚士「えっ? は、はぁ」
北方兵「すみません。ここから先は厳重区域の為、立ち入りを制限しておりましたもので」
召喚士「そうでしたか。こちらこそ知らずにすみませんでした」
騎士団「ささ、どうぞ。お通り下さいませ」
魔道士「ありがとうございますっ!」
パッカパッカパッカ……
召喚士「厳しいんですね」
占い師「大戦が終わったばっかりだしね」
召喚士「確かにそうですよね」
魔道士「何かあるんですか?」
召喚士「1つは魔物を警戒したものでしょう」
- 483 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:11:37.13 ID:GKagw7VBo
占い師「魔王を倒したからって、部下が全員死んだわけじゃないからね」
魔道士「そっかぁ」
召喚士「もう1つは人間を警戒したものですね」
魔道士「えっ? 人間もですか?」
召喚士「今回の戦いでは、大勢の人が亡くなりました」
魔道士「……ええ」
召喚士「例えば高級な装飾品を身に着けてた人なんかも居たでしょう」
魔道士「あ……っ」
占い師「追い剥ぎね」
召喚士「あとは大勢の人が居ると、行方不明者の捜索にも邪魔になりますしね」
魔道士「なるほどっ、そうですね……」
召喚士「あとは……」
パッカパッカ……ドドォ
占い師「魔王城へ着いたみたいね」
魔道士「あ、本当ですね」
- 484 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:12:08.26 ID:GKagw7VBo
〜魔王城、正面〜
男隊員「おーし、そのままゆっくり瓦礫を運び出せー」
女隊員「ふんぬーっ!!」グワッ
男隊員「ゆっくりって言ってんだろこのメスゴリラ!!」
女隊員「え〜っ?」
男隊員「だいたい士官のてめぇが肉体労働してんじゃねぇよ!」
恩隊員「頭使うのは面倒ッス。こっちのが楽でいいっすよ〜」ドサッ
男隊員「現場監督は俺だぞ! 逆らってんじゃねぇ!」
博士「相変わらず騒がしいのら」
男隊員「そっちもな」
助手「博士ーっ、ねぇ見て見てこれすっごくなぁ〜い!?」
博士「……」
男隊員「んで何の用だよ? 鉱石ならまだ発掘されてねーぞ?」
博士「それは開発機関に任せるのら」
男隊員「んじゃ何だ? 魔剣か?」
- 485 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:12:43.34 ID:GKagw7VBo
博士「だけじゃないのら。彼の武具を回収するのら」
男隊員「リサイクルか?」
博士「サタンとの戦いには、きっと必要になるのら」
男隊員「……へいへい。探しておくよ。ヒャハハ!」
パッカパッカパッカ……
ボス「ん?」
占い師「ちょっと通らせてもらうわよーっ」
男隊員「占い師……に、朱雀か」
魔道士「こんにちはー。って言っても、もう夕方ですね」
女隊員「あれ? 戦士くんと盗賊ちゃんは一緒じゃないんスね」
召喚士「ええ。少しの間、別行動なんです」
男隊員「祝賀会はどうだったよ? ったく、こっちは仕事だってのになぁ?」
女隊員「そんな気しねーって言ってたじゃないッスか」
男隊員「てめぇはいちいちウルセーんだよ!!」
召喚士「順調ですか?」
- 486 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:13:27.53 ID:GKagw7VBo
男隊員「まぁ何をもって順調って言うか分からんけどな」
ボス「隊長、ところで例の話」
男隊員「ああ、そうだった。お前らの耳にも一応、入れておいてくれ」
召喚士「……?」
男隊員「今回の戦闘に参加したワーカーの中で一部、行方不明の奴がいる」
魔道士「行方不明、ですか?」
男隊員「とは言っても、戦闘直後は生存確認してんだが、そのあとの話だ」
召喚士「つまり、戦いが終わってから居なくなった……と?」
男隊員「そういう事。おい、リストあるか?」
ボス「はい、これです。どうぞ」パサッ
魔道士「えぇと、紅孩児さんに同門さんに……魔法剣士さんもっ!?」
召喚士「確かに北関でも見かけませんでしたね……」
男隊員「血気盛んなあまり、単独行動を起こす可能性も否定できん」
占い師「下手にサタンなんか刺激したら、危ないんじゃない?」
男隊員「そういう事だ。もし見かけたら捕えるか控えるよう促してくれ」
- 487 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:14:22.65 ID:GKagw7VBo
召喚士「分かりました」ガサッ
女隊員「ところで、ここを通るって……どこに行くんスか?」
占い師「予言の民の所。こっち経由のが近いから」
女隊員「そうッスか。でももう日もくれるッスよ?」
ボス「ここで1泊していったらどうです?」
占い師「……まぁ、確かにそうね」
召喚士「邪魔にならないようでしたら」
男隊員「邪魔にはならんさ。その代わりタダ飯とはいかんぞ?」
魔道士「分かってます! お手伝いしますねっ、えへへ!」
男隊員「そんじゃお嬢は早速、占い師と夕飯の支度へ回ってくれ」
魔道士「はーい!」スタスタスタ
男隊員「……ようやくサバイバルディナーともおさらばだな」ゴニョゴニョ
ボス「ですね。マズくはないんですけど、毎日あれじゃあ味気なくて……はは」ボソボソ
女隊員「ん? 何か言ったッスか?」
男隊員「何でもねぇよ!」
- 488 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:15:07.98 ID:GKagw7VBo
〜東の洋上〜
盗賊「……」ザザーン
女剣士「話は上様より聞いた。大変だったみたいだな」
盗賊「……居たのか」
くの一「もう本国には、何もありませんから」
盗賊「そうか」
女剣士「頼みがある」
盗賊「何だ?」
女剣士「この子をどうか、藤蔵へ連れてってやってはくれまいか?」
くの一「私は……別に……」
盗賊「いいよ」
くの一「!?」
盗賊「一緒に行こう。父上も事情は察しているはずだし」
女剣士「ありがとう」
くの一「……っ」
- 489 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:15:50.41 ID:GKagw7VBo
…
西方参謀「おっとと、どうもどうも」トクトクトク
名代「確か以前、東方の酒は飲まれておりましたな」
西方参謀「ええそりゃあもう。世界中の酒を飲んできたが、東方の酒は絶品ですわ」
名代「歴史がありますからね」コクッ
西方参謀「んぐっ……ぷっはぁ!! 旨いっ!! がははは!!」
名代「西方参謀殿は何故、東方へ?」
西方参謀「んー。ちょっと人に会いにねぇ」
名代「人ですか?」
西方参謀「都に宿を構えてる女将って人さ……ヒック」
名代「……ああ、女将ですか」
西方参謀「おっ、ご存じで?」ゴクゴクッ
名代「……ええ知ってますとも。ずっと昔から」
召喚士恵方参謀「ほう。もしかして……恋仲だったとか? ヒック」
名代「いえいえ。一方的なものですよ。私達のね」
- 490 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:16:27.27 ID:GKagw7VBo
西方参謀「ほぉー」
名代「女将は私がまだ小さな頃より、花魁として名を馳せておりました」
西方参謀「オイラン?」
名代「はい。都一の……いや、東方一の美女という事です」
西方参謀「ああ思い出した。大スターの女優みてぇなもんだったっけか?」
名代「私や幼馴染の武士、都じゅうの男にとって羨望の的でした」
西方参謀「……だろうな。いい女だよ女将さんは」ゴクッ
名代「花魁を見初めるには莫大な費用と、そして時間がかかります」
西方参謀「へぇ〜」
名代「それを成し得たのは、ある宿場の主人でした」
西方参謀「もしかしてそれが……」
名代「はい。今の旅籠です。女将は花魁を引退し、宿の女将となったのです」
西方参謀「そういう経緯だったのかい……ヒック」
名代「しかし旅籠の主人は女将を残し、早逝致しました」
西方参謀「それで、旅籠を女将がきりもりする事になったってわけだ」
- 491 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:17:01.48 ID:GKagw7VBo
名代「左様」
西方参謀「再婚しないのは、ワケがありそうだねぇ……ヒック」
名代「どうなんでしょうね。私も真意は量りかねますが」トクトクッ
西方参謀「そういう、星の下にいるのかもしれませんなぁ」
名代「……?」
西方参謀「美しすぎるがゆえに、男運がない……ってね」ゴクッ
名代「……成程。そういうものなのかもしれませんね」コクッ
西方参謀「名代さんは妻を娶らないのかい?」
名代「わ、私は……陰陽師ですから……っ」
西方参謀「陰陽師ってのは妻を娶らないのかい?」
名代「そうではありませんが、やるべき事が……」
西方参謀「もう戦も終わるんだ。そろそろ自分の人生に費やす番だぜ?」
名代「……っ」
西方参謀「もしいい出会いがないってんなら、本国ので良ければ紹介するよ! ガハハ!」ゴクッ
名代「い、いやっ! あの……えっ、はい……っ」
- 492 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:17:35.12 ID:GKagw7VBo
〜魔王城、正面〜
男隊員「ごちっ!! あぁ美味かった〜!!」
格闘家「今日は趣向が違うと思ったら、こういう事だったんですね」
女隊員「そういえば格闘家くん、どこ行ってたッスか?」
格闘家「少し中心部まで」
男隊員「危ねぇぞ、どでかい穴が開いてんだからよ」
格闘家「ええ。でもこれを拾う事が出来ました」ゴトッ
召喚士「!?」
格闘家「師匠の仮面です。結界石で出来ているのか、破損はあまり見当たりません」
ボス「よく残ってたな……」
魔道士「天才さん……っ」
男隊員「ったくよぉ、んなモンしまっとけ! 今は楽しい食事時だろうが!」
格闘家「……すみません」
占い師「それ、どうするの?」
格闘家「特に決めてませんが、大元帥に渡すのがいいかなと」
- 493 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:18:12.96 ID:GKagw7VBo
…
女隊員「申し訳ないッスねぇ。こんな所に野宿で」
魔道士「いえっ、ちゃんと屋根もあるし問題ありませんよ」
占い師「お風呂がないのは残念なんじゃない?」
魔道士「そうですけど、贅沢は言えませんからねっ」
占い師「へぇ、成長したわね〜」
魔道士「慣れって怖いですよねー。野宿も平気になっちゃいましたーえへへー」
占い師「目が死んでるわね……」
男隊員「一夜城も解体始めちまったしなぁ。ま、我慢しろや。ヒャハハ」
格闘家「それじゃおやすみなさい」ザッザッ
召喚士「えっ? みんなここに寝るんじゃないんですか?」
占い師「一応個別に別れてるわよ。あなた達以外だけど」
召喚士「何でっ!!」
占い師「それじゃおやすみなさーい♪ おほほほほーっ」スタコラ
召喚士「……っ」
- 494 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:18:47.64 ID:GKagw7VBo
魔道士「それじゃ召喚士さん、寝ましょうか」
召喚士「そ、そうですね……っ」
魔道士「私、こっちの布団で寝ますねっ」ゴソゴソ
召喚士「は、はい……っ」モゾッ
魔道士「……星空が綺麗ですねぇ」
召喚士「えっ? あ……そうですね……」
魔道士「……」
召喚士「……」
魔道士「……」
召喚士「……あの」
魔道士「私、北の森のあと……一度、家に戻ろうかと思います」
召喚士「そ、そうですか! それはいいと思いますよ!」
魔道士「召喚士さんも来ます?」
召喚士「い、いやぁ……それは……」
魔道士「そうですか、良かったぁ。それじゃ一緒に行きましょうっ!」
- 495 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:19:38.30 ID:GKagw7VBo
召喚士「へっ!?」
魔道士「正直、1人だと何だか心細くて……」
召喚士「魔道士さん……」
魔道士「会いたくないわけじゃないんです。でも……」
召喚士「……」
魔道士「あの一件以来、どう接していいのか分からなくて……」
召喚士「……なるほど」
道士「私、どうすればいいんでしょうね……」
召喚士「普通でいいと思いますよ」
魔道士「……?」
召喚士「あの2人は紛れもなく魔道士さんお父親と母親で……」
魔道士「召喚士さん……っ」ウルッ
召喚士「別に魔道士さんの生い立ちがどうであれ、それは変わらない事なんです」
魔道士「……」
召喚士「だから、会って目いっぱい甘えればいいと思います」
- 496 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:20:18.56 ID:GKagw7VBo
魔道士「…………」
召喚士「それが魔道士さんにとっても、大商家さん達にとっても……幸せなんだと思います」
魔道士「……」
召喚士「幸せ……しあ……」
魔道士「……すーっ、すーっ」
召喚士「……あの……魔道士さん?」
魔道士「むにゃ……っ、すーっ」モゾッ
召喚士「……と、思い……ます」
魔道士「すーっ、すぴーっ」
召喚士「……おやすみなさい」モゾッ
魔道士「……大好き」
召喚士「……へっ?」ノソッ
魔道士「すーっ、すーっ、すーっ///」
召喚士「お、おやすみ……なさい……っ」ノソノソ
夜は更けた。
- 497 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/06/07(木) 18:25:24.97 ID:GKagw7VBo
召喚士が生意気なので今日はここまで
ご支援ありがとうでした!それではまた!ノシ
>>467
まだ今年で24ですたい
>>468-471
作者1位とか前代未聞のイミフなんですけれどね…
まぁその……ありがとうございます///
- 498 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/07(木) 18:41:09.04 ID:5yrx/HdDO
いちょつ
東方参謀と学園長の言ってたあの子って天才だよね?
ランキング久々に見たけどゴルリンわろた
- 500 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/06/07(木) 19:55:34.50 ID:VUkote4IO
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戦士(31)
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多分合ってる
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