■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その13
687 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:35:02.73 ID:qrKjGNYo
〜海峡〜

魔道士「…着きました」

戦士「ああ…」

四人は正面にそびえる大仰な要塞を見上げる。

テクテクテク…

召喚士「……」

魔道士「召喚士さん?」

召喚士「まずは…挨拶しないと」

戦士「……ああ、そうだな」

召喚士はと砦のから離れた橋の近くへと脚を進める。

こじんまりとした小さな石碑の手前には、枯れかけた花が備えられている。

ザッ…

召喚士「……」

召喚士は石碑の前へしゃがみ目を瞑り祈ると、周辺の雑草を抜く。

戦士「…サモナーさん…元気にやってたぜ」


688 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:35:37.21 ID:qrKjGNYo
戦士は手荷物の中から酒瓶を取り出し、石碑の前へ置く。

眼鏡「……」

ザッザッ…

召喚士「…よし。綺麗になった」

戦士「そんじゃ…行こうか」

召喚士「うん」

四人は門兵へ声をかけ、砦の中へと迎え入れられた。

〜海峡砦〜

海峡兵「お待ちしておりました!どうぞ!」

魔道士「ありがとうございます」

テクテクテク…

将軍「来てくれたかっ!頼もしい限りだ」

召喚士「ご無沙汰してます!」

将軍「積もる話もあるだろうが時間が少ない…」

召喚士「ええ。まずは手筈を整えましょう」


690 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:37:10.28 ID:qrKjGNYo
将軍「すまんな。ではこちらへ」

カツカツカツ…カチャッ…

戦士「!?」

魔道士「魔法剣士さんっ!?」

将軍を先頭に会議室へ入る一一同は、中にいる男に驚きを見せる。

召喚士「魔法剣士さんも…!?」

魔法剣士「君達か…」

眼鏡「……」

魔法剣士「そちらの彼は?」

眼鏡「始めまして…かな。眼鏡ですよろしく」

魔法剣士「魔法剣士だ」

魔道士「凄い…!功績上位ランカーが二人…!」

戦士「あとは大剣ヤローがいりゃ完璧だな」

将軍「大剣野郎…?」

召喚士「天才さんというツヴァイハンダー使いのワーカーです」


691 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:37:36.40 ID:qrKjGNYo
将軍「そうか…」

戦士「ソイツが一位。んでこの眼鏡さんが二位…」

魔道士「魔法剣士さんが四位…ですよね?」

将軍「実力者か…!それは頼もしい…!!」

魔法剣士「買い被りすぎだ」
眼鏡「買い被りすぎだよ…」

魔法剣士「…!?」

眼鏡「ははっ。君とは気が合いそうだね」

将軍「よし、それでは簡単ながら戦略を伝える」

召喚士「はい」

将軍「おい、地図を」

海峡副官「はっ!」

机上には大きな地図が広げられる。

将軍「我々は23時より橋を北上し、北の平野へと進軍する」

魔法剣士「……」


692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:38:02.83 ID:qrKjGNYo
将軍「更にここより西へと進み、魔王軍を西へと押し込む」

召喚士「なるほど……」

トントン…

将軍「この時の注意点は飛行タイプの魔物だ」

魔道士「飛行…?ああ、飛んでいる魔物ですね?」

将軍「左様。飛行タイプうぇお優先的に撃破してくれ」

戦士「そりゃまたなぜ?」

召喚士「川を渡られては逆にこちら側への進軍を許してしまう…」

将軍「そういう事だ」

戦士「なーるほど。それじゃ意味ねーわな」

眼鏡「了解した。後は…?」

将軍「西へと押し込んでいる間に、別働隊が北上する」

将軍は地図上の砦から真っ直ぐに線を引く。

将軍「別働隊が一気に結界石を打ち込んで、進路を塞ぐ」

魔法剣士「……分かった」


693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:38:29.61 ID:qrKjGNYo
将軍「どこまで広げられるか分からんが…とにかく気を引いてくれ」

召喚士「分かりました」

将軍「全滅させる必要はない。粘ってさえくれれば…それでいい」

戦士「…そこはビシっといきましょうや!」

将軍「…?」

戦士「アンタは大将なんだ。気前良く鼓舞しないと!」

将軍「………ああ」

魔法剣士「……」

将軍「勇敢に……魔王軍を撃破してくれ!」

戦士「おっしゃあ!!」

魔道士「頑張りますっ!」

召喚士「いよいよだな…」

将軍「時刻は!?」

海峡副官「22時を回りましたっ!」

将軍「ようし…!進軍及び結界石の用意を!!」


694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 17:39:25.45 ID:qrKjGNYo
海峡副官「はは!!」

タッタッタッタッタ…

召喚士「俺達も…いつでも行けるよう支度をしましょう!」

魔道士「盗賊さん…大丈夫ですかね?」

眼鏡「きっと大丈夫だよ。さあ行こう…」

戦士「盗賊…」

召喚士「…戦士、行くよ?」

戦士「ん、ああ。すまねぇ」

テクテクテク…

〜北関〜

タタタッ…スタッ

盗賊「はぁはぁ…っ…着いた」

盗賊は息を整えつつ、北関の正門へと向かう。

衛兵「…!?あ、あれ…貴女は…!?」

盗賊「…こ、こんばん…は」


696 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 18:12:34.88 ID:qrKjGNYo
〜北関、司令室〜

副司令官「何!?デュラハンタイプの斥候だと!?」

盗賊は黙り、頷く。

副司令官「何か分からんのか?」

占い師「私だってそんなに万能じゃありませんよ」

大軍師「………」

スッ…

盗賊「…では」

副司令官「もう戻るのか?」

盗賊「…仲間が…待ってるから」

占い師「うん。気をつけてね」

盗賊「…はい」

スタスタスタ…

大軍師「…斥候」

占い師「…?」


697 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 18:13:06.88 ID:qrKjGNYo
テクテクテク…

マジシャン「おっ!?ボインちゃんじゃねーか!」

盗賊「…!!」

マジシャン「ハッハ!他の奴らはどうしたんだ?」

盗賊「………実は」



マジシャン「ふぅん…」

盗賊「……」

マジシャン「それ、どこで遭遇した?」

盗賊「…海峡との…中間地点付近」

マジシャン「…そうか」

盗賊「…何…か?」

マジシャン「いや…めんどくせえなーってな!ハッハ!」

盗賊「…そう」

マジシャン「まあいい。こっちは任せておけ」


698 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 18:14:02.65 ID:qrKjGNYo
盗賊「……うん」

マジシャン「お前は早くカレシの元へ…」

盗賊「!?…ち、違うっ!!」

マジシャン「照れるなって!ハッハッハ!!」

盗賊「…も、もういいっ!…では!」

タタタッ…

マジシャン「ウブだねぇ…ハッハ!」

ザッ

マジシャン「さーてと……」

〜北関、司令室〜

副司令官「斥候とは…。魔王軍が既に水面下で動いておると…?」

大軍師「……」

占い師「でも場所も規模分からないんじゃあどうしようも…」

副司令官「白虎隊を戻すか…?」

大軍師「いえ…。それは後手に回りますね」


699 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 18:15:06.80 ID:qrKjGNYo
副司令官「対処法は無し…か」

テクテクテク…

マジシャン「邪魔するぜ」

副司令官「どうした?」

マジシャン「いや、話は聞いた」

占い師「珍しくやる気満々ね」

マジシャン「まだ死にたくないんでな。ハッハ!」

大軍師「……」

マジシャン「んで、作戦の変更は無しかい?」

大軍師「ええ。23時に予定通り北進します」

副司令官「関の防衛を少し増やすか」

大軍師「そうですね…」

マジシャン「位置的にマズイもんなぁ…」

大軍師「海峡との輜重を分断されると…非常に苦しいですね」

副司令官「慎重策を取らざるを得ないな…」


700 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/19(月) 18:37:16.14 ID:g2BVOp.o
さて…ジュニアは今回こそ出るのだろうか


701 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/19(月) 18:38:35.29 ID:qrKjGNYo


マジシャン「……」

ザッザッザ…

大軍師「どうぞ。この季節とは言え冷えますよ?」

大軍師は手にしたコーヒーをマジシャンへ手渡す。

マジシャン「…んで、どう踏んでるんだい?」

マジシャンはコーヒーを受け取り、一口すする。

大軍師「…と言いますと?」

マジシャン「分かってんだろ。さっきの件だよ」

大軍師「……なかなか鋭い方だ」

マジシャン「本当に斥候と踏んでるのか?」

大軍師「どうですかねぇ…ふふふ」

マジシャン「斥候があんなに深く入り込んで伝令なんぞするかね?」

大軍師「……」

マジシャン「魔物っつーより…こっち側にいるんじゃねーのか…?」


702 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/04/19(月) 18:52:24.09 ID:qrKjGNYo
それでは失礼致します!ご支援ありありがとうございました!ノシ


703 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/04/19(月) 19:11:50.43 ID:7UkaLzo0
乙!!
久々の大規模な戦いだから楽しみだな


707 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/04/20(火) 00:51:56.55 ID:y5v.HwAO
前々から怪しいと思ってた北方指令は戦死したしなぁ
もう内通者がいるのかもっと他の何かなのか俺にはわからない
でもわからない方が楽しくもある

とりあえず俺も盗賊ちゃんのオッパオをオッパオしてオッパオ!!


708 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/20(火) 01:13:11.45 ID:Q8gevgDO
落ち着けw


709 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/20(火) 02:58:05.64 ID:vP/KcCYo
将軍「飛行タイプうぇお」

将軍も落ち着けwwww


710 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/04/20(火) 11:01:54.45 ID:l.gWvvIo
前スレ終わってからしばらく読むの休んでて今日一気に読んで追いついた

m(ry


711 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/04/20(火) 16:47:18.19 ID:xlhs5cso
こんにちは!本日もご支援ありがとうございます!

>>709
これはひどいww
…失礼しました。落ち着きます…orz

↓続き


712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:47:46.43 ID:xlhs5cso
大軍師「……」

マジシャン「図星だな」

大軍師「ふっふっふ…恐ろしい方だ」

マジシャン「何がだよ…。ワザと悟らせやがって…」

大軍師「それに気づけるのは…貴方のような方々だけですよ」

マジシャン「軍の動きを長年見てなきゃ分からんわな…」

大軍師「ふっふ…」

マジシャン「しかも外から見てないと分からん…えげつねぇよ」

大軍師「流石ですよ…!これだから頼もしい」

マジシャン「……検討は付いてんのか?」

大軍師「残念ながら……」

マジシャン「ふぅん…」

大軍師「一つ言えるのは、下の人間ではありませんね…」

マジシャン「幹部クラスか……」

大軍師「だからこそ参っているのですよ…ふふふ」


713 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:48:53.29 ID:xlhs5cso
マジシャン「この戦で炙り出そうってのか?」

大軍師「そこまでは考えておりません。しかし…」

マジシャン「……」

大軍師「謎の斥候によって、少し光が差し込みました…かな」

マジシャン「この件について知ってるのは?」

大軍師「南方の面々、そして副司令官殿…そして私です。ふふっ」

マジシャン「南方?」

大軍師「以前より疑惑はあったのですが、事の発端は…」

マジシャン「…」

大軍師「南方への増援がきっかけです」

マジシャン「ふぅん…。て事は南方の奴らは関わりなし、か」

大軍師「各方面の指令についてもこれで疑惑が消えました」

マジシャン「…?」

大軍師「此度の戦いに於いて、彼らには増援を依頼しておりません」

マジシャン「それで…?」


714 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:49:21.70 ID:xlhs5cso
大軍師「動く事のない東方や西方に斥候が何をしに行くのです…?」

マジシャン「言われてみりゃそうだわな…」

大軍師「内通者は本国…または北が濃厚かと…」

マジシャン「ジジイは違うよな…?」

大軍師「青龍先生はまず当てはまらないでしょう」

マジシャン「存在が魔物みてーなモンだから心配っちゃ心配だがな」

大軍師「ふふっ…。まあ今のところは泳がせておきますよ」

マジシャン「手遅れになる前に潰せよ?」

大軍師「ええ。しかし…慎重にならざるを得ませんからね…」

マジシャン「最悪のパターンを踏んじまったら…終わりだモンな」

ザッザッザ…

副司令官「総司令か…」

大軍師「もしくは…いや、止めておきましょう」

マジシャン「殿下に限ってそれはねぇよ」

副司令官「皇族以外にもあり得る…という事だ」


715 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:50:41.97 ID:xlhs5cso
大軍師「私達とて皇族など疑っておりませんよ」

マジシャン「………」

大軍師「疑う…即ちそれは、国家の反逆者です…」

マジシャン「……んで、どうした?」

副司令官「そろそろ準備を終わらせるぞ」

大軍師「おや、長話になってしましましたね…失礼」

マジシャン「…」

副司令官「伝令ーっ!!」

テクテクテク…

大軍師「…どうか、ご内密に…ふふふ」

ザッザッザ…

マジシャン「話したところで…誰が信じるんだよ」

マジシャンは去り行く二人の背中を見つめる。

副司令官「海峡の手筈は?」

大軍師「問題ありません。既に彼らが動いております故…ふふふ…」


716 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:51:22.06 ID:xlhs5cso
〜海峡〜

海峡兵「まもなく残り10分を切ります!」

将軍「よし、結界石を出せっ!」

海峡兵「はっ!」

タッタッタッタ…

戦士「さぁ、俺達も行くかね」

眼鏡「そうだね」

召喚士「…将軍さん」

将軍「ん…?」

召喚士「一つ権限を頂きたいのですが…」

将軍「ほう、一体何か…?」

召喚士「俺たちは自由に動ける権限を頂きたいのです」

将軍「遊撃…か!?」

魔法剣士「……その方が都合が良いな」

召喚士「はい…」


717 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:53:16.26 ID:xlhs5cso
将軍「……」

召喚士「軍紀を乱す事は分かっております。でも…」

将軍「よかろう」

召喚士「本当ですか!?」

将軍「いやな…正直言うとハナっからそのつもりでおったのよ」

魔道士「えっ…?」

将軍「少数とは言え、君達の火力は凄まじい…」

眼鏡「…」

将軍「前衛や後方支援のみ、と言うのでは勿体ないのだよ」

戦士「そいつはありがてぇ…!」

将軍「最大限の力を発揮できる環境で…諸君らの…」

召喚士「はい…!分かってます」

戦士「言われなくともな!」

魔道士「頑張りましょう、皆さんっ!」

将軍「……う、うむ!」


718 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 16:59:36.34 ID:xlhs5cso
タッタッタ…

海峡兵「結界石の準備、完了致しました!

将軍「よし…出陣するぞ!門前へ移動せよっ!」

海峡兵「ははっ!!」

テクテクテク…

魔法剣士「……」

魔道士「魔法剣士さんっ!?」

魔法剣士「先陣で行く」

召喚士「いきなりですか!?」

戦士「へっへっへ!そうこなくっちゃな!」

眼鏡「…そうだね」

召喚士「もう…みんなして…」

魔道士「燃えてますね…!」

召喚士「分かりました。五人で行きましょう」

魔法剣士「……ああ」


719 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 17:10:16.82 ID:xlhs5cso
召喚士「では編制を…」

魔道士「はいっ!」

召喚士「前衛には戦士と魔法剣士さん」

戦士「任しとけ!」

魔法剣士「……」

召喚士「後列に魔道士さん…そして俺が付きます」

魔道士「はいっ!頑張りましょう!!」

召喚士「眼鏡さんは前後の状況に応じて…」

眼鏡「遊撃の中で遊撃…。面白いね」

召喚士「好守のバランスに優れておられるので…」

眼鏡「そうかい?まあ、頑張るよ」

戦士「よーし…。後は盗賊が帰ってくりゃカンペキだな!」

召喚士「盗賊さんが戻った場合には再編制しますので…」

ザッザッザ…

将軍「…行けるかね?」


720 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 17:10:48.67 ID:xlhs5cso
召喚士「はい。いつでも…」

海峡兵「あと2分です!」

戦士「何だありゃっ!?」

魔道士「!!」

一同の前へ数頭の馬が引いた巨大な荷車が現れる。

荷車の上には巨大な幌が張られ、数名の兵が懸命に荷車を押す。


721 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 17:11:52.48 ID:xlhs5cso
召喚士「こ、これは…!!」

将軍「巨大な結界石を運ぶ為の荷車だ」

眼鏡「……」

魔道士「眼鏡さん…?」

眼鏡「ああ…大丈夫。少し目眩がしただけだよ」

戦士「大丈夫か?開戦前に…?」

眼鏡「うん。すまないね」

将軍「馬車を出すぞ!まずは3台だっ!!」

海峡兵「前進ーっ!!」

海峡兵の掛け声と共に、巨大な荷車がゆっくりと前進を始める。

ギギッ…ゴトンッ…ゴ…ゴゴ…

海峡兵「23時です!!」

将軍「……」

将軍は深呼吸を一つつき、大声で叫んだ。

将軍「出陣っ!!北伐作戦開始ーっ!!」


724 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/20(火) 17:32:35.38 ID:1Grpm560
眼鏡って…魔物だったか?


725 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/20(火) 17:49:07.04 ID:K4GtlDMo
>>724
そう 前に鉱山で人間を襲ったスプリガンを
ケルベロスの姿になって殺してる


726 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:03:34.58 ID:xlhs5cso
〜北方司令部〜

本国兵「23時です」

エリート「では殿下、宜しいですね?」

皇太子「さぁ…行こうか」

皇太子は白馬の手綱を掴み、馬上に跨る。

将校「出るぞっ、出陣!」

エリート「健闘を祈ります…。馬上より失礼」

左翼長「こちらこそ。…頼む」

エリート「殿下ご出陣ーっ!!」

パッカパッカパッカパッカパッカ…

左右に控えた北方の兵が敬礼をする中、

巨大な国旗が四本掲げられ、皇太子は悠然と進む。

皇太子「久々の戦場だ。最初から飛ばして行くぞ…!」

エリート「殿下!?」

皇太子「はぁっ!!」

皇太子は鞭で馬の一叩きすると、一気に城門を駆け抜けて行った。


727 :GEPPERがお送りします [] :2010/04/20(火) 18:13:38.47 ID:1Grpm560
>>725
それは覚えてるんだが、ケルって魔物だっけ?


728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:16:28.67 ID:xlhs5cso
ジャッ…

左翼長「さーて…こっちも準備にかかるかね」

騎士長「だな」

参謀「前回の防衛線で正面の平地が確保出来ましたからね」

左翼長「お前らは結界石の準備を進めてくれ」

騎士長「お前はどうすんだ?」

左翼長「北上して川沿いまで進軍する」

騎士長「!?進軍ったってなぁ…」

左翼長「……」

カチャッ…

騎士長「おいっ…!?」

左翼長は一つの弓を手に取り、まじまじと見つめる。

左翼長「どっかの馬鹿にたるんでるって言われちまったからなぁ…」

参謀「で、では……!?」

左翼長「国軍弓兵隊…。北の地で再び咲かせてやるよ…!」


729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:23:08.85 ID:xlhs5cso


参謀「この地より平野までの支援射撃が可能である事は…」

騎士長「前回の防衛線で証明済みだ」

左翼長「前司令の死も…無駄じゃなかったよ…!」

参謀「ええ…」

左翼長「……んで?」

参謀「あ、はい…。我が輸送隊が平野まで結界石を輸送します」

騎士長「魔物が出てもここから支援可能だ。俺が指揮する」

左翼長「魔道兵も備えておけ」

騎士長「無論だ」

参謀「そのタイミングで司令に北進願います」

左翼長「先行して進路を確保しよう」

参謀「お願いします」

騎士長「両隊の進軍を無事見届けたら、拠点組は平野まで進軍する」

左翼長「うむ…、なんら問題はないな。これで行くぞ!」


730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:28:42.99 ID:xlhs5cso
騎士長「後は殿下の部隊が、うまく敵を…」

左翼長「本国の精鋭だ。大丈夫だろうよ」

参謀「伝令を三方向から北へ向かわせましょう」

左翼長「大事があればすぐに知らせろ」

参謀「…了解致しました」

左翼長「よし。……騎士長」

騎士長「…?」

左翼長「頼んだぞ」

騎士長「昔と立場が逆になっちまったな…!」

左翼長「がっはっは!違いねぇや…!」

騎士長「咲いた途端に枯れるなよ?」

左翼長「お前もな…!」

二人は拳を突き出し、互いに打ち合う。

参謀「もうまもなく準備が整います」

左翼長「ようし…!すこしでも北へ…防衛ラインを引くぞっ!!」


732 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:44:37.95 ID:xlhs5cso
〜海峡付近の橋〜

海峡兵「ゆっくりでいいぞ!ここは結界に守られてる。敵は来ない!」

将軍「この日が来たのも…君らのお陰だな」

魔道士「へっ…?」

将軍「あの日、砦と橋を一度は失い…再び奪還する事が出来た…」

戦士「……俺達だけじゃねーよ」

召喚士「……」

戦士「この地に敗れ、散っていったワーカーが沢山いるだろうが」

将軍「無論分かっておる…。彼らも含めてだよ」

眼鏡「橋を渡ればいよいよ魔王軍の領域だね」

魔法剣士「……」

将軍「後ほど白虎長率いる国軍本隊が援軍に駆けつけるはずだ」

召喚士「ええ…」

戦士「それまでは俺らで一暴れってか」

魔道士「無茶しないで下さいよ…?」


733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/04/20(火) 18:50:28.81 ID:xlhs5cso
戦士「でもこの人数じゃ頑張らねーとなかなか…」

将軍「確か…大軍師殿の手配で既にワーカーが潜り込んでいるはず」

魔法剣士「…ほう」

将軍「詳細は知らせていないが、撹乱に務めてくれておるはずだ」

召喚士「……撹乱」

戦士「どした?」

召喚士「そういや俺達が遭遇したデュラハン…」

眼鏡「うん?」

召喚士「関に向かっていたとは限らないよね…?」

魔道士「でも…方向的には関の方へ…」

召喚士「そう…ですよね…」

将軍「デュラハン…!?まさか…すでに敵が入り込んでおるのか!?」

召喚士「分かりません…。しかし可能性はあります」

魔法剣士「今となってはもう引き返せん。俺らは前に進むだけだ」

召喚士「……ええ」


734 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/04/20(火) 18:50:58.13 ID:xlhs5cso
では帰ります!ご支援ありがとうございました。また後ほど!ノシ


737 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/04/20(火) 21:16:25.30 ID:ptQ3UCEo
>>727
正確に魔物とは表記されてないな、引き連れてた犬が魔獣とはなっていたが。
意表をついて召喚獣というのも考えられるが、まだ魔物と召喚獣についての違いは明らかになってない。



次へ 戻る 戻る 携 上へ