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冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
222 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:26:45 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「…横にさせるところ……あった!」


…スッ

女メイジ「っ…!」


孤高騎士「キズ、見せてみろ」

女メイジ「…」ハァハァ


…ビリビリッ…


冒剣士「…」

孤高騎士「こりゃひでえ…、腕全体が熱傷してやがる…」

冒剣士「…」


223 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:27:32 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「くそっ!冒剣士、バッグだ!」

冒剣士「はい!」

孤高騎士「薬草擦り付けて、ヒーリングポーションを飲ませろ!」


冒剣士「…」

…ガサガサ……


孤高騎士「俺は外を見てみる。一応敵は蹴散らしてから中に入ったから、大丈夫だとは思うが…」

冒剣士「わ、わかりました!」


224 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:28:06 ID:uCsWD1v6
 
女メイジ「…ごほっ……」ハァハァ

冒剣士「女メイジ…薬草塗るよ…少し痛いかも…ごめん!」


…ゴシッ…

女メイジ「っっっ〜〜〜!!」ブルブル

冒剣士「痛いよね…くっ…」

孤高騎士「構うな!痛くても塗れ!腕が使い物にならなくなる前に、押さえつけてでもやるんだ!」

冒剣士「…はい!」


…ゴシゴシ……

女メイジ「…っっ……」ズキズキ


225 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:28:43 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「…よし…」

孤高騎士「塗り終わったら、上から包帯を巻くんだ。魔法耐性のある包帯だから、上から軽く冷やす」

冒剣士「わかりました!」


…グルグル……ギュッ…

女メイジ「…っ!」ズキン!


冒剣士「女メイジ…これ、飲めるかな。ヒーリングポーション…口、開けて…」

…キュポンッ


女メイジ「…」

……ビチャビチャッ


226 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:29:17 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「孤高さん…ポーション飲んでくれません…どうすれば…」

孤高騎士「女メイジの意識が飛び掛ってるんだ…」

冒剣士「…!」

孤高騎士「口移しでもいい…とにかく飲ませろ!ちっ…敵がまた集まってきやがった…」


冒剣士「女メイジ…助けるからね…絶対に…」

…ガバッ………


女メイジ「っ…」

冒剣士「っ…」


女メイジ「…」ゴクン


227 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:29:49 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「…」プハッ

女メイジ「…」ハァハァ


孤高騎士「飲んだか!?」

冒剣士「飲ませました…次にどうすれば!」

孤高騎士「氷の魔石を小さくして、包帯に着けておくんだ」

冒剣士「わかりました…!」


…ガサガサ…キラッ…

…スッ…


女メイジ「…」スゥッ

冒剣士「少しだけ、落ち着いた…かな…」


228 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:30:38 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「よし…、それじゃ冒剣士、ちょっとだけこっち来て窓見てみろ」

冒剣士「は、はい…」

…トコトコ


冒剣士「…うわっ……」


ウィスプ『…』

ランタン『…』

スライム『…』


孤高騎士「ウィスプやランタンだけならマシだったが、スライムまで出てきたか…」


229 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:31:27 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「スライムならなんとか…なるんじゃないですか?」

孤高騎士「そりゃ一般的な知られてるスライムならな」

冒剣士「…?」


孤高騎士「今でこそ弱くなってるが、魔界の魔力が満ちたスライムは、最前線の歩兵だったんだ」

冒剣士「そうなんですか…?」

孤高騎士「火の魔力が満ちている今、生半可じゃ倒せない相手だぞ…」

冒剣士「…」


孤高騎士「打撃じゃキズつかない、魔法以外で倒す手立てはない」

冒剣士「魔法ですか…」


230 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:32:43 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「本来なら火の魔法がよく効くんだが…まさかファイアスライムとはな…」

冒剣士「倒す手立てがない…んですか」

孤高騎士「…」


…ガチャッ

孤高騎士「!?」バッ

冒剣士「誰だ!」


紅少女「…あなたたち……なぜ、ここに…」


231 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:33:44 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「く…紅少女?」

孤高騎士「お前、帰ったんじゃなかったのか」

紅少女「…まさか……」

冒剣士「なんでここにいるの…?」


紅少女「…ちょっと用事」

孤高騎士「ちょっとした用事で来れる場所じゃないんだがな。聞かせてもらえないか」

紅少女「…」

孤高騎士「それに、あの魔獣や魔物は簡単に捌けるような相手じゃなかった。どうやってココまで来た?」


232 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:34:31 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「…」

紅少女「それは…」

孤高騎士「…」


女メイジ「…はぁっ……はぁはぁ…」ガタンッ

冒剣士「女メイジ、気づいたの!?…動いちゃだめだ!」

女メイジ「…あ、ありがとう…ちょっとだけ…楽にな…った…」


紅少女「女メイジさん…どうしたの…?」


233 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:35:12 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「ウィスプの爆発にやられたんだ。僕らも体力が限界で、ようやくここまで辿り着いた」

紅少女「…」

孤高騎士「…」


紅少女「…キズ、見せて」

冒剣士「…?」


…スッ

女メイジ「ああっ…!」ズキズキ


冒剣士「女メイジが痛がってる!やめてくれ!」


234 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:36:08 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「…ダメ」

冒剣士「え?」

紅少女「ひどい…火傷で腕が…壊死してる。このままだと…」

冒剣士「や、薬草も塗ったし、ポーションだって…。目が覚めたし…治るよ!」


紅少女「ポーションで一時的に気づいただけ…。壊死はこの薬草じゃ治せない…」

冒剣士「…」

紅少女「壊死した場所から…感染症になったら…すぐに終わるよ…?」


女メイジ「はぁ…はぁ…」


235 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:37:00 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「じゃあ、どうすればいいんだ。お前なら、それがわかるのか」

紅少女「…」

冒剣士「…わかるの?」


紅少女「私だったら…治せる」


孤高騎士「…なんだって?」

冒剣士「ほ、本当に!?」

紅少女「…本当」


236 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:37:36 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「じゃあ、お願い…治してよ…。この通り…女メイジを助けたいんだ…」

孤高騎士「…」


紅少女「別に良いよ…だけど、条件があるの…」

冒剣士「な、何!?」


紅少女「"山"を下りて」


孤高騎士「…」

冒剣士「山を…下りて…?」


237 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:38:53 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「私なら…この子のキズを…すぐに治せる。変わりに、山を下りてほしい…」

冒剣士「な、なんで…?」

紅少女「…」

孤高騎士「…なんでだ」


紅少女「…言えない」

孤高騎士「言えないんじゃ、俺らもお前の事を信用できない」

冒剣士「…」


紅少女「じゃあ…勝手にして…」

…スッ……トコトコ…


238 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:40:17 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「…どこに行く」

紅少女「…」


…ガチャッ…バタン…


冒剣士「どこかの部屋に…入っちゃいましたね…」

孤高騎士「…あいつ、一体なんなんだ?会った時から不思議な感じはしてたが…」

冒剣士「…」チラッ


女メイジ「…」ハァハァ


239 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:41:58 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「本当に…女メイジを治せるんでしょうか…」

孤高騎士「どうだかな…、そもそも山を降りる手段なんか存在しねえよ」

冒剣士「スライム…と、敵の多さですよね」

孤高騎士「…」


女メイジ「…っ」ズキズキ


孤高騎士「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女娘「…私、将来…パパと結婚するの!」

騎士嫁「そればっかり、ダーメ。私の素敵な旦那さんなんだから!」

男息子「へーん、パパと僕は一緒に旅に出るんだもん!」

女娘「だめー!パパを連れてっちゃいやー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


240 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:42:58 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「…」チラッ


冒剣士「…」

女メイジ「…」


孤高騎士(…今回ので軍を世間に知らしめるいい機会になると思ったんだが……くそっ!)

…トコトコ…


冒剣士「…孤高さん?」

孤高騎士「…おい、紅少女。いるんだろ」


241 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:43:37 ID:uCsWD1v6
 
…ガチャッ

紅少女「…なに」

孤高騎士「本当に、山を下りるなら、女メイジを助けてくれるのか」

紅少女「約束する」


孤高騎士「…ちっ……頼む」

紅少女「…」


冒剣士「孤高さん…」

孤高騎士「大事な家族だと思って接してるお前らを、ここで死なせる訳には…いかねえだろうが…!!」


242 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:44:41 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「…」

孤高騎士「ただし、それがウソだったらお前を拘束する。何故ここにいるのか…教えてもらう」

紅少女「それはない。なぜなら…私は治せるから…」


…トコトコ……

女メイジ「…?」ハァハァ


紅少女「…」ボソボソ


…パァァッ!!


243 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:45:32 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「うわっ!眩しい!」

孤高騎士「こ…こいつは……!」


…パアアアッ……シュンッ…

紅少女「…終わり」


冒剣士「え?こ、これだけ…?」

孤高騎士「今の光は…、ヒールの…最上位魔法だ。信じられん…」

冒剣士「お、女メイジは…」


女メイジ「…!」ハッ


244 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:46:23 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「お、女メイジ…?」

女メイジ「腕…痛くない…、体、熱くない…」

冒剣士「…!」


…ガバッ

女メイジ「ち、ちょっと!」

冒剣士「良かった、良かった…女メイジ…!」

女メイジ「恥ずかしいから離れ…」


…ギュウウウッ


245 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:47:11 ID:uCsWD1v6
 
女メイジ「…」

冒剣士「…」

女メイジ「…うん。ありがとう、冒剣士…」

…ギュッ


孤高騎士「…本当に治すとは…ありがとうよ。また、大事なものを失うところだった…」

紅少女「別に…。それじゃ、約束…」

孤高騎士「あ、あぁ…下りるよ。だけどな、俺らも登ってきたばっかで体力が…」


246 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:48:03 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「…大丈夫のはず」

孤高騎士「ん?」


冒剣士「…あ、そういや、僕も腰の痛みが…」

孤高騎士「…言われれば、俺も魔力が戻って…」

女メイジ「私も…」


紅少女「…下りられるでしょ」


247 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:48:36 ID:uCsWD1v6
 
孤高騎士「…本当に何者なんだ…お前…」

紅少女「それは…ナシって言ったはず」

孤高騎士「…そうだったな」


冒剣士「…紅少女、ありがとう」

紅少女「いい、早く山から下りて」


冒剣士「あ、う…うん…」

孤高騎士「それじゃ…戻るか…」


248 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:49:24 ID:uCsWD1v6
 
冒剣士「…あ、そうだ…紅少女、お礼にコレでも…うわっ!」

…ドサドサッ

孤高騎士「あーあー、バッグぶちまけやがって…」

冒剣士「開けたまんまなの忘れてた…」


…コロコロ……キラッ

孤高騎士「あーあ、おいおい、ほうぎょ…いや、この玉…これは大事に持っとけよ」

冒剣士「す、すいません」


紅少女「…!」


249 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:50:09 ID:uCsWD1v6
 
女メイジ「手伝うから、ちゃんとしまって…そう…」


…カチャカチャッ…

冒剣士「…ふう、ありがと。…お礼の氷の魔石をあげる。余ってるからさ…」


紅少女「…」

冒剣士「…どうしたの?」

紅少女「…」

冒剣士「おーい…」


250 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:51:01 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「…った」

冒剣士「えっ?」


紅少女「…気が変わった。私が支援する。あなた達と一緒に…頂上へ行く」

冒剣士「…え!?」

孤高騎士「…気が変わった?」


251 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:52:16 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「うん」

孤高騎士「…いやまあ、それは俺らとしたら…ありがたい事なんだが…」
 

紅少女「…決まり。あなた達、体力はもう…大丈夫?」


孤高騎士「問題…ないが…」

冒剣士「僕も」

女メイジ「一応…私も…」

紅少女「そう。それじゃ…、私が案内する。道はわかってるから…」


孤高騎士「…?」

冒剣士「…う、うん、じゃあスグに…いく?」


252 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:53:05 ID:uCsWD1v6
 
紅少女「…行こう、早く」


冒剣士「わかった…よいしょっと…」

孤高騎士「…」


女メイジ「よろしくね、紅少女ちゃん!」

紅少女「…うん、よろしく…」


冒剣士「それじゃ武器を準備して…」チャキッ

孤高騎士「…」スチャッ

女メイジ「…」スッ


253 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:53:53 ID:uCsWD1v6
 
…ギィィィ……ガチャッ…


冒剣士「行きましょう!」

孤高騎士「…一人走りしすぎるなよ、爆発をもう1度受けたら洒落にならん」

冒剣士「もちろんです」


女メイジ「気をつけます…」

紅少女「後ろ。回復は…は任せて…」


冒剣士「…よし…行きましょう」


…タッタッタッタッタ……

…………………………


254 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/27(火) 07:54:31 ID:uCsWD1v6
本日はここまでです。ありがとうございました。


255 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/27(火) 08:02:24 ID:D.OtV.Tw
乙。

紅少女は味方なのか敵なのか……赤との関連性はあるのか……謎解きは明日かな?


259 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/27(火) 23:38:12 ID:7GxBDxa2
東方は自立国なのに大陸側の軍がいるの?
東方が技術提供するかわりに、軍が守る的な感じなのかな


261 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/28(水) 00:58:50 ID:3wRfDdqE
東方は一応独立国だが軍事的には中央国軍の保護下にあるって感じかな?


262 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/28(水) 01:02:51 ID:v8qgChsA
あれだ、日本とアメリカの関係だろ


263 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/28(水) 09:15:42 ID:XTjEsDuU
皆様、ありがとうございます。
>>259 イメージ的な部分は>>262ですね。
ただ、それほどの殺伐感はないですがw



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