■戻る■ 下へ 戻る 携
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その41
126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:10:12.45 ID:ZArNqrFRo
〜南方、剣士の故郷〜

女の子「見て見てっ! お船がきたよー!」

男の子「おぉーっ! かっけー!」

弓使い「これで物資の輸送も大幅に改善されるわねっ」

村長「まさかこの村に、港が出来る日が来るとはなぁ」

剣士「戦いが終わっても、まだ多くの孤児がいます。その子らの為にも」

村長「剣士、弓使い。君達のお陰だ……ありがとうよ」

剣士「何を言っているんですか。全ては村長のお陰ですよ」

弓使い「そうですよっ。私達のような孤児をずーっと面倒見てくれて、本当にありがとうございました」

剣士「ありがとうございました」

村長「や、やめぬかっ。いかんな……年を取ると涙もろくなって……」

幼女「……これからは両親を知らない子供なんて……現れないよね?」

剣士「ああ。僕らのような孤児が現れない時代を作っていく事が、これからの使命さ」

弓使い「悲しいとか辛いなんて思った事ないけれど、やっぱり家族って大切だものねっ」

幼女「うん」


127 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:10:58.49 ID:ZArNqrFRo
 テクテクテク……

剣士「男魔道士、見えるかい?」

弓使い「……」

剣士「僕らがこの村を飛び出し、世界へ羽ばたいたように……」

幼女「……」

剣士「これからこの村の子らが沢山、世界に出てゆくだろうね」

弓使い「本国だけじゃないかもね。船に乗って、東方や西方へも……」

幼女「うん」

剣士「見守っててくれ。みんなを」

 テクテクテク……

幼女「……ねぇお父さん、お母さん」

弓使い「んー?」

剣士「何だい、幼女?」

幼女「実はお願いが1つ、あるんだけど……」

弓使い「お願い? 何かしら……新しい洋服が欲しいとか?」


128 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:11:55.36 ID:ZArNqrFRo
幼女「私ね、そろそろ弟か妹が欲しいな……って」

剣士「――――っ!?」

弓使い「そ、そうなのー! へーっ!」

幼女「別に寂しいわけじゃないんだけど兄弟姉妹っていいなぁ……って」

弓使い「そっ、そのうち何とななるかもしれないわねっ! ねっ、剣士!?」

剣士「えっ!? あ、ああ……そうだねっ! あははは……っ」

幼女「……?」

村長「おーい、ちょっと来てくれないか?」

弓使い「村長が呼んでるわっ! ほらっ、行きましょ!」 タタッ

幼女「えっ!? う、うん」 タッタッタッ

剣士「……村長、どうかしましたか?」

村長「いやな、南東国からも援助やら何やら頂いたからな。お返しをせねばと思って」

弓使い「気遣い無用って言ってたけれど……そうよねぇ、何か恩返ししないと」

剣士「今はまだいいんじゃない? この村がもっと豊かになった時、恩返し出来れば」

弓使い「それもそうね。形だけじゃなく、人とか、心とか、目に見えない部分もね!」


129 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:13:20.04 ID:ZArNqrFRo
剣士「そうそう。この子達がいずれは、華国の力になるかもしれないしね!」

弓使い「なると……いいけどね」

女の子「今日は草むしり手伝ってくれるってゆったのに!」

男の子「へへっ! お前なんかより船の方が大事〜!」 タッタッタッ

船乗り「この村の村長さんいるかー!? 搬入についてなんだが」

村長「ここじゃここじゃ。搬入はこっちの倉庫を使ってくれい。案内する」 スタスタ

剣士「何だか一気に活気付いたね」

弓使い「本当。これじゃあしばらく、華国に行っている暇もないわねぇ」

幼女「えぇっ!?」

弓使い「へ……っ?」

幼女「あ、いや……別に……」

剣士「華国へ行きたいのかい?」

幼女「違うっ、違うの! そういうんじゃなくって、えっと……別にいいのっ!」 タッタッタッ

剣士「……何だろ?」

弓使い「……さぁ」


130 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:13:56.77 ID:ZArNqrFRo
〜華国、東の城〜

三男「……良し。これで進めてくれ」

若文官「はっ」 ススッ

老文官「陛下、お手紙ですぞ」 カツカツカツ

三男「おぉっ! 待っていたぞ! 早く早くっ」 バッ

老文官「……」

側近「何事です?」

老文官「ほら、例の……幼女と申したか? 文通じゃよ」

側近「ああー」

老文官「ワシとしては陛下には、是非とも華国の女性を妃として迎え入れて欲しいんじゃが」

側近「何を仰いますか。もう国の隔たりなどないのですぞ」

老文官「……それもそうじゃがの」

三男「港が完成して、もうすぐ船が往来するのか。見てみたいものだ」

側近「我が国は港がない故、近々視察へ行ってみますか?」

三男「おぉ、是非ともそうしよう」 ニコニコ


131 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:14:27.32 ID:ZArNqrFRo
〜西の城〜

白馬騎士「……」

華国兵「失礼致します。茶で御座います」 ススッ

白馬騎士「有難う」

華国兵「書で御座いますか?」

白馬騎士「ああ。華国の歴史を記しておこうと思ってな」

華国兵「成程」

白馬騎士「私以外の将軍は、全て逝ってしまった。残された者の役目さ」

華国兵「大将軍……っ」

白馬騎士「失ったものは大きかったが、得たものはもっと大きかった」

華国兵「ええ、そうですね……」

白馬騎士「騎都尉や五虎将の功績を後世にしっかりと伝えねばならぬ」

華国兵「何れは忘れ去られてしまう事は、寂しいですからね」

白馬騎士「平和な世にこそ、教訓として伝えていかねばならないと私は思うよ」

華国兵「……はい」


132 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:15:35.00 ID:ZArNqrFRo
〜最南、スグリーヴァの城〜

紅孩児「…………」 ボケー

ラクシャーサ「何サボってんだ!」 バシッ!!

紅孩児「いってぇなコラ!!」

ガーゴイル「1人だけ楽してんじゃねー」

紅孩児「ケッ、だから俺様はテメーらの仲間になった覚えはねぇって言ってんだろ」

ラクシャーサ「何ィ!? そんじゃあこっから出てけよ! ここは俺達の家だ!」

ゴブリン「そうだそうだっ」

紅孩児「……ッ」

トロル「どうせ行くアテないね。だからここいるよコイツ」

紅孩児「うるせえっつーの!!」

ラクシャーサ「法師様がいねーからって調子に乗りやがって……」

紅孩児「んなモン関係ねぇ! この紅孩児様に怖いモンなんざねぇんだよ!」

ラクシャーサ「じゃあ法師様が帰ってきたら報告しとくわ」

紅孩児「おいっ、やめ……グッ」


133 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:16:24.22 ID:ZArNqrFRo
〜西方、砂漠〜

オーク「暑いよおおぉぉ! もう無理ですー!」

ハヌマーン「情けない事を申すな。これしきの事で死ぬものか」

オーク「だってぇ、オラ……暑くてもう歩けないです……」

法師「仕方ありません。そこの岩陰で休みましょう」

ハヌマーン「これでは今日中に目的地へ辿り着けぬぞ」

オーク「申し訳ねぇです……」

法師「急ぐ旅ではありません。構いませんよ」

オーク「でも、本当にこんな砂漠に魔族がいるんです?」

法師「居ますよ。砂漠だけではありません。山にも海にも、まだまだ多くの魔族が居ます」

ハヌマーン「各地でまだ少なからず、助けを求めておる同胞がおるのだ」

オーク「そっかぁ。じゃあみんな、助けないとです!」

法師「そうですよオーク。その為に私達はこうして、世界中を旅しているのですから」

ハヌマーン「法師様、次は東方になど向かってみましょうか」

法師「東方……それは良いですね。東方には神仏の教えが数多くありますから」


134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:17:14.02 ID:ZArNqrFRo
〜東方、剣聖家〜

キジ「お頭ーこれでいいさー?」

女侍「ああ、そこに置いといてくれ」

サル「しっかし本当にこの屋敷を改装して、ここに住むのかよ?」

女侍「不満かい?」

サル「ああ不満だね。タダですら田舎な東方なのに、こんなド田舎……」

女侍「じゃあ本国へ帰りなよ。恩赦でもう指名手配もなくなってんだろ」

サル「んなこと言って、俺が居なくなったら寂しいんじゃねぇ〜の〜? んーふふふふふっ」

女侍「誰が寂しいもんかい。静かになって大助かりだよ」

キジ「サルの方が寂しいさー」

サル「んな事ぁねぇよ!!」

女侍「あはははっ」

サル「ったく……お前ら2人じゃ心細いだろうし、仕方ねーからもうちょい一緒に居てやるよ」

女侍「そうかい。そいつはありがとさんだねぇ」

キジ「3人一緒の方がイヌも喜ぶさー」


135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:18:20.39 ID:ZArNqrFRo
サル「でもよぉ、こんな所を拠点にしてこれからどーすんだよ……?」

キジ「ノンビリ農業でもいそしむさー?」

女侍「ま、それも悪くないねぇ」

サル「おいおい……」

女侍「でも、こっから西にはまだ野盗が沢山いるらしいじゃないかい」

キジ「そうさー」

女侍「隠れたお宝もたんまりありそうじゃないかい?」

サル「おっ!?」

女侍「まとめてそいつらブッ倒して、配下にしちまいってのもいいかもねぇ」

キジ「おぉー!?」

サル「お宝に部下か。悪くねぇな」

女侍「うまくいけば大名ばりの生活も出来るかもねぇ」

サル「大名……っ」 ゴクリッ

キジ「何だか、やる気になってきたさー!」

女侍「だったらちゃっちゃと屋敷を補修するよっ! ほれっ!」


136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:19:01.09 ID:ZArNqrFRo
〜三日月島、西方司令部〜

西方副司令「引き揚げ……ですか?」

西方司令「おうよ。東は解体、北も実働は地獄の壁撤去のみ」

西方魔道長「うちもやる事はなくなるってかい」

西方参謀「おいおい。三日月島はどうなるんだ?」

西方司令「んあもん西国にでもくれてやれ!」

西方副司令「く、くれてやれ……って」

西方司令「敵もいねーんだ。誰か持ってたって関係ねぇだろうがクソボケコラ!!」

西方魔道長「それはそうだろうけどよぉ、うちらはどうするんだい?」

西方司令「本国で余生をエンジョイすれば?」

西方参謀「なんつうテキトーっぷりだよ……ヒック」

西方魔道長「退役するも良し。本部勤務も良し、ってかい」

西方副司令「司令はどうなさるつもりで?」

西方司令「何でテメェらに言わなきゃならねぇんだこのボケが!!」

西方副司令「……もう……いいです」


137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:19:42.21 ID:ZArNqrFRo
〜研究機関〜

博士「出来たーっ!!」

助手「何それ〜?」 ムギュッ

博士「……邪魔なのら」

助手「私じゃなくっておっぱいと背の低い自分に言ってよん♪」

博士「背が低いのは分かるが、おっぱいはお前のものなのら」

助手「それで、何ですこれ?」

博士「鉄の道。その名も鉄道なのら」

助手「そのまんまですね」

博士「いいから聞くのら。これは言わば、陸上を走る船のようなもの」

助手「へぇーっ」

博士「その船を運ぶ為の道がこの鉄道なのら」

助手「ちなみにどうやって?」

博士「磁力と電気の力を使うのら?」

助手「電気って……。そんな事したら国中停電しちゃうんじゃないの〜?」


138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:21:37.90 ID:ZArNqrFRo
白衣「心配ご無用!」

博士「発電には貯水湖を使うのら」

助手「貯水湖?」

白衣「生活用水の為に貯水した水の勢いを使って電気を作るのさ!」

博士「それに、谷や丘には風車を設置して風の力も利用するのら」

助手「ほえー」

白衣「今まで魔物がいて出来なかった計画が……ようやく……ようやく……うっうっ」

博士「気持ちが分かるが泣くのは早いのら」

白衣「どころで助手、君のそれは……何?」

助手「ああこれ? これは羽です〜♪」

博士「羽?」

助手「そっ。これで大空をビューンと飛ぶんです〜うふふっ♪」

白衣「ひ、人が空を飛ぶ……? そんな無茶な……っ」

博士「まぁ何事もやってみる価値はあるのら。研究に限界や終わりはないのら!」

助手「その通り〜! いぇーっ!」


139 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:22:28.92 ID:ZArNqrFRo
〜開発局〜

工兵「なーんか暇っすね。作るのは鉄の道とかそんなんばっかだし」

局長「ばかやろう! これも仕事のうちだ。プライドを持ってやらんか!」

工兵「へ、へいっ!」

局長「技術は常に進歩しているのだ。我らが最前線に立たずしてどうする!」 ズイッ

博士「……き、気合入ってるのら」 スタスタ

局長「……何の用だ」

博士「鉄道の試運転を行う準備に入るのら。出来てる部材を船に積むのら」

局長「だとよ」

工兵「はいっ!」 タッタッタッタッタッ

博士「局長が居るから開発局も何とかなってるのら」

局長「当たり前だ! テメーら研究の連中より先には辞めねーぞ!」

博士「元から辞めるつもりはないのら。少なくとも大元帥が居る限りは続けるのら」

局長「大元帥が退役するまで50年以上あんぞ? 居座り続けたらどーすんだ」

博士「ふっふ。若さなら負けないのら。こっちも居座り続けてやるのら!」

局長「そうかよ。そんじゃ俺には世界で1番頑丈な墓でも作ってくれや」

博士「ん? そういえば鍛冶娘はどうしたのら?」

局長「本国へお使いに行ってるよ。使いなんだか遊びなんだか知らんけどな……けっ!」


140 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:23:05.75 ID:ZArNqrFRo
〜本国、国軍本部〜

男隊員「……」 ウロウロ

女隊員「何ソワソワしてるんスか? 筋トレでもして落ち着いたらどうッスか?」

男隊員「筋トレで落ち着けるわけねーだろ! お前と一緒にすんじゃねぇ!」

女隊員「そうッスか? けっこう落ち着くッスけどね……」 グイッグイッ

男隊員「あー格闘家とボスが心配だなー」 ソワソワ

女隊員「……いつからそんな部下思いキャラになったッスか?」

男隊員「いちいちうるせぇんだよ!! 隊長が部下の心配しちゃいけねーのか――」

鍛冶娘「こんにちはー。隊長さん、いらっしゃいますかー?」

男隊員「!?」 ドキッ

女隊員「鍛冶娘ちゃんっ! どうしたッスか!?」

鍛冶娘「隊長さんに言われてた武器を届けにきましたー」

男隊員「お、おうっ! 悪いなわざわざ……ヒャハハ!」

鍛冶娘「いーえっ。それより見て下さいよこれ! もっと近くで! ねっ、凄くない!?」

男隊員「お、おーっ! このギミックは……なるほど、こりゃ便利だわ! ヒャハハ!」


141 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:23:43.94 ID:ZArNqrFRo
女隊員「……ははぁ、なるほどッスねぇ〜」 グイッグイッ

鍛冶娘「とまぁ、こんなカンジです!」

男隊員「いや大した腕だ。俺の注文を遥かに超えてるぜ!」

鍛冶娘「隊長さん詳しいから、私も頑張っちゃいましたっ」

男隊員「……っ」

鍛冶娘「えっと、それじゃ私はこれで……」

男隊員「あー待て待て。せっかくだからメシでも食っていかねぇか?」 ポリッ

鍛冶娘「えっ!? あ、はい……全然オッケーですよ!」

男隊員「んじゃすぐ行く! 入口んとこで待っててくれ!」

鍛冶娘「はいっ! 失礼します」 テクテクテク

女隊員「ソワソワの理由はこういう事だったんスねぇ〜」 ニヤニヤ

男隊員「気持ち悪りぃな……ニヤニヤすんな! つーかそういうお前はどうなんだよ!?」

女隊員「わ、私ッスかぁ!?」

男隊員「まさかこのままダンベルと結婚する気じゃねぇだろうなおい?」

女隊員「うーん……マッチョでスラっとしててスキンヘッドのステキな人でも居ればいいッスけど……」

男隊員「……いや、いんだろおい」


142 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:24:19.72 ID:ZArNqrFRo
〜東方、不死山〜

槍侶「ぶえっくし!!」

僧兵長「どうした? 修業が足りぬぞ!」

槍侶「修業で風邪が克服出来るならば苦労しませんよ」

僧兵長「病は気から。安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も亦た涼し」

槍侶「へっ?」

僧兵長「お前は武芸に秀でておるが、どうにも頭が弱い」

槍侶「……」

大僧正「そうじゃのう。槍侶よ、なれば世界を見て回ってはどうかの?」

僧兵長「大僧正っ、それは……」

大僧正「百聞は一見に如かず。学ぶ事も多々あろうて」

槍侶「世界を巡る修業ですか……うん、いいですねそれ!」

僧兵長「心配だ……胃が痛い」

槍侶「僧兵長、病は気からですよっ、あはは!」

大僧正「ほっほっほっほっほ!」


143 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 18:25:35.67 ID:ZArNqrFRo
〜本国、都〜

名代「……」

女将「外なんてボーっと見て、どうされはりましたの?」 トクトクトク

名代「何やら役目を終えてしまった……そんな境遇なんです」

女将「おやまぁ。でも、分からんでもないわぁ」

名代「やる事は多岐に渡る……。しかしどうにも気が抜けてしまいましてね」 コクッ

女将「誰か、支えてくれる人でも居れば良いんでしょうけれど」 トクトク

名代「居ませんよ。それに私一人が幸せになろうなど、虫が良すぎます」

女将「あら、誰がそんな事を決めたの?」

名代「……」

女将「逆よ? 貴方が皆の分まで……幸せにならなきゃいけないんよ?」

名代「……女将」

女将「仕方ないわね。私がひと肌脱いで、昔のよしみで花街から紹介を……」

名代「女将、は……駄目ですか?」

女将「へぇっ!? わ、私……っ? 無理無理っ、年も年やし……」

名代「私が小さな頃より憧れ続けた高嶺の花。それを覚悟の上で申し上げさせて頂きます」

女将「えっ、えぇ!?」

名代「どうかこの名代と、夫婦となって頂きたい。ずっと……支えて頂きたい」 スッ

女将「――――っ!!」


146 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 18:45:13.40 ID:hB3oaQ3Uo
女将はそこにおちつくのかああああああ!>>1乙


147 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 18:56:43.45 ID:MbjuB2aDO
鍛冶娘がそう簡単に他人になびくのかと思ったが戦士のことは吹っ切れるのか


148 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 21:05:16.29 ID:zChLEwPOo
なんか急いでくっつけすぎじゃね?

一生独身でいろとは言わんまでも作中でくっつくとこ見たくなかったキャラもちらほら
女将とか


あとサタンに持って行かれたものってどうなったん?


153 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/08/15(水) 22:45:41.37 ID:ghkchQRuo
>>148
それぞれフラグ立ってたから、
いきなりってワケでもない
お前の読み込みが浅いのだ


155 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 01:23:21.71 ID:Hq2sYOIDO
>>1乙

だが王子と帝だけは許せない


162 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/08/16(木) 15:04:29.47 ID:VY0IX/vDO
王子は最後までおまいらに許されなかったなww



次へ 戻る 上へ 戻る 携