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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
897 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:37:42.01 ID:9QlRjCN1o
〜火山。南部〜

法師「……よし、次の方」

魔道兵「痛みが消えた……。これならばっ!」

ババッ…ドドオオォォォォン!!

魔道兵「治癒が終わった奴は早く撃てぇ! どうやら苦戦してるみたいなんだ!」

オーク「みんな……頑張るです!」

魔道兵「いけぇーっ! こっちも健在だってとこ……見せてやれぇ!」

法師「……ふー」

オーク「法師様、大丈夫?」

法師「この程度、怪我で苦しむ皆に比べれば容易いものです」

フラッ

オーク「!?」

法師「構う事はない。オーク、貴方も援護を続けるのです!」

オーク「は、はいですっ!」

法師「まだですよ、私達はまだ負けません!」


898 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:39:00.20 ID:9QlRjCN1o
ズガアアァァ!!

山師妹「……っ!!」

山師「大丈夫か!?」

山師妹「かすり傷です!」

山師姉「無理はしないでね」

山師妹「今まで迷惑掛けてきた分……今度は……助けるのぉ!」

山師「山師妹……」

ドドオオォォン!!

双子姉「大丈夫!?」
双子妹「怪我はない!?」

山師「すまん。我らはは大丈夫だ」

皇太子「無理だけはするな。よし、更に東へ進むぞ!」

近衛兵「おぉーっ!」

ドドッドドッドドッ

山師妹「さぁ行こうっ、お姉ちゃん!」

山師姉「ええ!」


899 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:40:23.11 ID:9QlRjCN1o
ゾディアックが放たれて5分余り。通常ならそんな事は有り得ないような現象。

しかし、誰もがそんな疑問へ頭を働かせているような事はない。

ただ、眼の前の敵を倒し、居並ぶ者の命、そして己の命を守る為に戦っている。

マグマの球を突いた光は今もなお消える事なく、尾を帯びながら光り輝く。

それが消える時はつまり、魔力の付加がなくなった時。

どちらかが生き残り、どちらかが死ぬ。その結果が待っているだけなのかもしれない。

皇太子「……?」

ドドッドドッドドッ

皇太子は馬を走らせながら、北の崖に何か光るものを目撃した。

その途端、凄まじい光が一斉に飛び交い、ゾディアックの元へと伸びてゆく。

バシュウウゥゥゥゥ!!

皇太子「……まさか!?」

ザッ

――「すまんっ、待たせたな……皇太子!!」

皇太子「ようやくお出ましか。遅いぞ!」


900 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:42:22.87 ID:9QlRjCN1o
ザザッ

水の先生「さーて諸君、ここから先は危険すぎる。だからお前らはここまでだ」

学生「はいっ!」

火の先生「全く……とんだ課外授業じゃわい」

水の先生「いいか? お前らが自ら望んだ事だ。覚悟は出来ているな?」

魔道学校の学生らは力強く頷き、ある者は大声で返事をする。

水の先生「だが、俺らがいる限り……誰1人として死なせたりはしない」

火の先生「当然じゃ。かすり傷の1つすら負わせられんわい!」

水の先生「では、あとはお願いします。学園長」

学園長「貴方達も無茶はなさらないようにね」

水の先生「はい。それでは、行きましょうか!」

火の先生「よっこらせっと!」

ババッ…タッタッタッタッタ

学園長「さぁ皆さん。得意な魔法を思う存分、撃ちなさいな」

学生「よーし……いけぇ!!」


901 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:43:08.56 ID:9QlRjCN1o
ズッドオオォォォォン!!…ゴゴゴゴゴゴ

東方参謀「あ、あれは……っ!!」

賢者「全く、困ったものだね……ふぅ」

学生「東方先生! 賢者先生!」

ズザザザッ

水の先生「生徒らの安全を確保するのに手間取ってな」

皇太子「構わん。命は何ものにも変えられぬ」

女学生「陛下ーっ! 頑張りますからぁ!」

皇太子「ああ! 期待しているぞっ!」

女学生「よぉし……そっれえぇー!!」

ドドオオォォォォン

大軍師「……成程。とびきりの援軍ですね」

天才「ったく、もうこれ以上の援軍なんてオチはねーよなぁ!」

ザッ

天才「ラストだ!! 枯渇までぶっ放せぇ!!」


902 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:44:03.66 ID:9QlRjCN1o
ジュニア「うおおぉぉぉぉ!!」

男隊員「枯渇間近だ……っつうの!!」

女隊員「これが……限界ッス!!」

ズッドオオォォォォン

アンラ・マンユ「……馬鹿な」

ゴゴゴゴゴゴ

アンラ・マンユ「数を揃えれば勝てるなどと言うわけではないのだぞ?」

ゴゴゴゴゴゴ

アンラ・マンユ「しかし、何だというのだ……この力は」

天才「これが……人間の信じる力……希望ってやつだ!!」

アンラ・マンユ「歯痒いな」

クンッ

マーマン「――!?」

危機を感じ取ったアンラ・マンユは球の底部分を棒状に尖らせ、

それを火口である地面へと一直線に伸ばし始めた。


903 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:45:39.09 ID:9QlRjCN1o
マーマン「んな――っ」

マグマの柱がマーマンへと降り注ぐ瞬間、1匹の召喚獣が間に割り込んだ。

ズガアァ!!…ジュウウゥゥゥゥ!!

玄武娘「……くぅっ!!」

青年兵「リヴァイアサン!?」

朱雀嬢「玄武娘っ、貴女はもう魔力も限界なのよっ!?」

玄武娘「だって……守らなきゃ……マーマンさん、死んじゃうですの……っ!」

マーマン「……っ!!」

玄武娘「だから……だからぁーっ!!」

マーマン「嬢ちゃん、ありがとうよ」

玄武娘「!?」

マーマン「俺っちなんかの為によ……」

玄武娘「あぐっ!! きゃあぁーっ!!」

ジュウウゥゥゥゥ

マーマン「だが、もう限界なんだろ? 無茶すんじゃねぇ!」


904 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:46:58.31 ID:9QlRjCN1o
玄武娘「だ……駄目っ、もたない……ですの――っ!!」

隊長「誰かいねぇのかっ!?」

召喚士「スキュラ!! 最後の魔力だっ!!」

アンラ・マンユ「小賢しいぞ」

ジュッ!!…ボシュウウゥゥゥゥ!!

アンラ・マンユの声と同時に、マグマの柱が大きくはじけ、

リバイアサンとスキュラは一瞬の内にその場で蒸発した。

召喚士「ぐあぁ!!」

玄武娘「――っ!!」

ドサッ…ゴロゴロゴロッ

召喚士「マーマン……さんっ」

マーマン「これでいい。俺っち達の勝ちだ……ざまぁみろ、魔王――」

ドジュウウゥゥゥゥ!!

魔道士「マーマンさああぁぁん!!」

ハヌマーン「く……っ!!」


905 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:47:45.25 ID:9QlRjCN1o
ゴオオォォォォ

隊長「……待て」

玄武娘「へ……っ?」

剣士「あ……れは……?」

ジュウウゥゥゥゥ

玄武娘「ヒュ……ドラ? 何で……」

――「おいで、ケルピー……マーメイド」

玄武娘「――っ!?」

ザッザッザ

――「大丈夫かい? 玄武娘」

玄武娘「……様ぁ……っ」

召喚士「あ……あぁ……っ!!」

玄武娘「サモナー様ぁ!!」

サモナー「よく頑張ったね、玄武娘」

玄武娘の煤けた頬を拭い、サモナーはその身体を抱き起こして微笑んだ。


906 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:48:44.26 ID:9QlRjCN1o
……――

マーマン「……」

サアアァァァァ

マーマン「……?」

ムクリ…ザッ

マーマン「川? 泉……か?」

サアアァァァァ…ピチャ

マーマン「誰か……いるのか?」

パシャッ

マーマン「……?」

テクテクテク…バシャッ

マーマン「誰かっ、誰かいるのなら返事を……顔を見せてくれ!」

――「マーマン……。貴方なのね……?」

マーマン「――!?」

――「マーマン……マーマン……」


907 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:49:58.43 ID:9QlRjCN1o
――……

マーマン「……ぐ……ぅ」

シュウウゥゥゥゥ

マグマの球を押し上げる複数の召喚獣による水と氷の攻撃。

それらが柱を成すかの如く、マーマンの命を支えている。

マーマン「……な……にが」

サアアァァァァ

マーマン「水……? 火傷が……消えて……」

チラッ

マーメイド「……」

マーマン「マ……メイド……?」

マーメイド「……マーマン」

サモナー「マーメイド。離脱しよう」

マーメイド「はい」

マーマン「……っ」


908 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:50:38.14 ID:9QlRjCN1o
ズゴゴゴゴゴゴ…

アンラ・マンユ「こんな……事が……」

天才「最後の一撃……押し込んでやるぜっ!!」

キュイイィィィィ…ガカアアァァァァ!!

アンラ・マンユ「こんな事があって――」

ハヌマーン「掴まれっ!!」

マーマンの元へと咄嗟に如意棒を伸ばしすハヌマーン。

それをマーマンは決死の思い出しがみ付き、一気に球の下から離れる。

マーマン「ぐ……おぉ……っ」

学園長「さぁ、本当に最後の最後よっ」

学生「はいっ! うおおぉぉぉぉ!」

ウィッチ姉「つ、続けぇ!!」

宮廷魔道兵「おおぉぉぉぉーっ!!」

大軍師「これで……終わりですっ!!」

まだ魔力のある者らが一斉に、文字通り最後の一撃を、振り絞るように放出した。


909 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:55:28.39 ID:9QlRjCN1o
ドガカアアアアァァァァァァァァ!!

ジュニア「いけええぇぇぇぇ!!」

剣士「……っ!!」

青年兵「頼む……っ!」

白虎長「どうなのっ!?」

隊長「……」

賢者「……ふぅ」

名代「……っ」

アマゾネス「……」

山師「……くっ」

学園長「……」

女賢者「……頼むわよぉ」

法師「……」

オーク「……ど、どうなったの?」


910 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 18:57:48.69 ID:9QlRjCN1o
ハヌマーン「ぐ……ぬぅ」

マーマン「がは……っ」

朱雀嬢「……っ」

玄武娘「う……ぅ……」

神官「どう……だ?」

王子「……」

皇太子「………」

大軍師「もう……これ以上は……」

魔道士「……お願いっ」

召喚士「魔王は……」

ビシィ!!…ビキビキビキイイィィィィ!!

球は内部より激しいひび割れを起こし、その隙間から先行が漏れて放たれる。

ガカアアアアァァァァァァァ!!

その瞬間、目撃した者達は、誰もがその勝利を確信したのであった。

天才「……俺達の……勝ちだ!」


911 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 19:00:51.55 ID:9QlRjCN1o
ズッドオオォォォォン!!…ゴゴゴゴゴゴ…

激しく立ち上る五行の柱。それは柱という域を超え、

空全体をまるで昼間のように明るく照らし出す。

戦士父「……やったのか?」

バーテン「みたいだな」

ザザッ

盗賊「戦士!!」

戦士「あれは……五行なのか?」

盗賊「やったんだ……やったんだ……っ」

戦士「……行くぞ。みんなが待ってる」

盗賊「……うんっ!」

ゴオオオオォォォォ

南方参謀「あの光は……!?」

南方副司令「五行なのか!? っつー事は……」

南方弓長「勝った……?」


912 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/16(木) 19:04:13.58 ID:9QlRjCN1o
オオオオォォォォォ…

博士「……!?」

工兵「あれは……っ」

南西砦兵「博士!? あれを……あれを!!」

博士「買ったのら。人間が勝ったのら」

南方魔道長「……やりやがった」

衛生兵「お前ら見えるか? お前らの力が……勝ったんだぞ……っ!」

魔道兵「……う……あぁ」

歩兵「やったぞ、やったんだ!! は……はははっ!!」

オオォォォォ…

召喚士「光が天に昇っていく……」

魔道士「ついに……魔王を倒したんですね……」

召喚士「ええ……っ」

魔道士「良……かった、良かったぁ!!」

召喚士「俺達……魔王を……魔王を倒したんだっ!!」


916 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/16(木) 19:54:02.83 ID:LzQW++9DO
>>1乙
まさかマーマンとマーメイドが繋がるとはおもわなんだ


929 名前:NIPPERがお送りします(関東) [sage] 投稿日:2011/06/17(金) 01:56:55.62 ID:MOyy5HoAO
フラグ立ちまくりで怖い


930 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/06/17(金) 04:27:36.62 ID:JhrIdMMi0
1乙
ついに魔王を…泣いた



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