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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その28
- 907 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/05/16(月) 17:37:35.38 ID:/JkdQGuPo
ゴトゴトッ…パラッ
タローマティ「……」
スゥッ
タローマティ「森から出ようなどと、無駄な足掻き」
ドンッ!!…ボシュウウゥゥゥゥ
法師「来ましたよっ」
天才「本体か!?」
法師「……はいっ」
天才「おい、土行撃て」
女賢者「んもーっ。人使い荒いんだからぁ〜♪」
天才「嬉しそうに、なーに言ってやがる」
ドドオオォォォォン!!…ボゴボゴボゴボゴッ!!
タローマティ「二番煎じは通用せんぞ」
キラッ……ゴウウゥゥッ!!
タローマティ「――ッ!!」
- 908 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:38:18.18 ID:/JkdQGuPo
土の壁に遮られ、方向転換するタローマティを側面から閃光が強襲する。
ドゴオオォォォォ!!
タローマティ「またも……召喚獣……ッ!!」
ザザッザザッ
ベヒーモス「ガアアァァァァーッ!!」
タローマティ「挟撃か? 精度が低いぞ」
ドォンッ!!…ヒョイッ…ヒョイッ
タローマティ「これだけではないはずだ……上かっ!」
コカトリス「ご名答っ!!」
タローマティ「一度見ているっ!」
ゴウッ…ゴゴオオォォォォ
コカトリス「逃がしはせんぞ!」
ゴウッ
ワイバーン「どけぇ!!」
コカトリス「!?」
- 909 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:38:55.85 ID:/JkdQGuPo
ズガァッ!!…ドドオオォォォォン!!
ワイバーン「……ちぃ、逃がしたか」
コカトリス「何が逃がしたか、だ。あんな稚拙な攻撃では当たる筈もなかろう」
ワイバーン「おい、貴様……口には気をつけろよ」
コカトリス「其方こそ足を引っ張るでないわ」
ワイバーン「貴様が余計な事をするからだろうがっ」
コカトリス「何だとぉ!?」
バシュウウゥゥ
ハーピー「ほらほら、揉めてる場合じゃないわよぉ〜」
ヒュドラ「ベヒーモスは奴を追ったぞ。我らも早く援護に向かおうぞ」
コカトリス「……」
ワイバーン「ちっ、いいかぁ? 俺の邪魔だけはすんじゃねーぞ?」
バサッ…ゴウウゥゥゥゥッ!!
ハーピー「……ほら、コカちゃんも行くわよぉ〜」
コカトリス「……ああ」
- 910 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:39:29.92 ID:/JkdQGuPo
…
召喚士「……うぅん、遠隔だとどうも精度が悪いなぁ」
山の腹部から森の中の様子を伺う召喚士達。
青年兵「ええ。反撃を受けて魔力を持っていかれる事だけは避けたいですね」
朱雀嬢「そうですわね……」
白虎長「…………」
玄武娘「ヒュドラで本当に大丈夫ですの?」
白虎長(この子達……)
青年兵「ええ。数で攻める分には、リヴァイアサンのような大型より小型の方がいいです」
白虎長(召喚獣の遠隔操作も苦にしないって言うの……っ?)
召喚士「朱雀嬢さん、ハーピーを上空へ!」
朱雀嬢「はいですわっ! 白虎嬢はベヒーモスをもっと前に出してっ!」
白虎嬢「はぁーい」
青年兵「姿を見せるまで攻撃の手をやめずにお願いします!」
白虎長「……本当、悔しいくらいに優秀ね……っ」
- 911 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:40:33.29 ID:/JkdQGuPo
クルクルッッ…グイッ…ギュッ
天才「……」
女賢者「包帯足りる?」
天才「……あのな、普通こういうのは誰かが巻いてくれるもんじゃないのか?」
女賢者「ごめんなさい……自分、不器用なんで」
天才「もういい。それよりだ、せっかくだからお前もちょっと手伝え」
女賢者「何すればいいんです?」
天才「五行ぶっ放す。単行でいいから賄え」
女賢者「はぁい。うふっ♪」
タッタッタッタ
魔道士「天才さーんっ、大丈夫ですかぁ!?」
天才「丁度いい。五行いくぞ、奴が姿を見せた瞬間を狙う」
魔道士「はいっ。あ、包帯解けてますよ」
キュッ…シュルシュルシュルッ…ギュッ
女賢者「……」
- 912 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:41:20.30 ID:/JkdQGuPo
タッタッタ
剣士「全員無事のようだね」
法師「魔物は依然、森の中を移動していますね」
天才「さーて、五行の準備に取り掛かるぞ」
魔道士「天才さん、本当に大丈夫――」
天才「一人増えたし、まぁ何とかなんだろ。あとの事は知らん」
魔道士「……っ」
弓使い「あのー。五行って5人でそれぞれの魔法を放つやつ?」
天才「それがどうした?」
幼女「それなら私達も……手伝います!」
魔道士「幼女ちゃん!?」
天才「あのなお嬢ちゃん、これはとてつもなく高難易度……」
ゴゴゴゴゴゴッ
天才「……おーし分かった。手伝ってくれ!」
幼女「やった……っ!」
- 913 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:42:18.76 ID:/JkdQGuPo
ザッ
天才「あのチビッコは何者だ?」
魔道士「へっ?」
天才「あの年であの魔力……ハッキリ言って化物だぞ」
魔道士「!?」
天才「まぁいいや。細かい事はあとあと。今はタローちゃんを――」
ドボッ!!
剣士「上空に現れた!」
法師「……違います。あれは本体ではないっ!」
天才「……ほーんと、助かるわ」
オーク「そうだぞー。法師様にもっと感謝しやがれです」
天才「……へいへい。んで法師さんよ、タローちゃんはどこだ?」
法師「分かりません。しかし森を縦横に移動しているのは確か――」
弓使い「な、何……っ!?」
魔道士「森が……腐っていく……っ!」
- 914 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:44:07.65 ID:/JkdQGuPo
ズズズッ…ボトボトッ…ドロォ
召喚士「まずいっ! 召喚解除!!」
青年兵「くっ!」
シュイイィィン
玄武娘「一体なんですの!?」
朱雀嬢「木が次々と腐って……」
白虎長「あれはっ!!」
モクモクモクッ
白虎嬢「黒い煙が森から立ち上ってますね……」
森全体から滲み出る黒煙が、木々を腐らせ、上空を覆う。
タローマティ「……フッハッハッハッハ」
青年兵「!?」
タローマティ「我にここまでさせるとは。後悔するなよ……人間」
召喚士「来ますよっ!」
タローマティ「死の雨を浴びて、息耐えるが良い!」
- 915 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:45:54.06 ID:/JkdQGuPo
ゴゴゴゴゴゴ
青年兵「させるかぁ!!」
白虎長「ベヒーモスを再召喚よっ!!」
白虎嬢「はい!」
朱雀嬢「玄武娘、思いっきりいきなさいですわ!」
玄武娘「おいで、リヴァイアサン!」
タローマティ「無駄だ。最早……我は雲。攻撃など効きはせぬ」
青年兵「ならば風で吹き飛ばしてくれる!!」
ゴウッ
タローマティ「無駄無駄、フッハッハッハ!!」
召喚士「……」
ザッ
タローマティ「……?」
召喚士「……行け、クジャタ」
タローマティ「――!?」
- 916 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:48:14.40 ID:/JkdQGuPo
シュイイィィン
白虎長「空が……晴れていく……!?」
タローマティ「何だこれは……っ!!」
召喚士「お前が雲なら、空を晴れさせるだけさ」
タローマティ「太陽光が……うぐぐ……っ」
シュウウゥゥゥゥ
玄武娘「萎み始めたですのっ!」
朱雀嬢「チャンスですわっ! ハーピー! グリフォン!」
白虎嬢「こっちも行きますよ〜!」
ドドオオォォォォン!!…ゴアオオォォォォ!!
タローマティ「グギギ……ッ!!」
ジュウウゥゥ…ブシュウウゥゥゥゥ
タローマティ「ハァ……ハァッ、ハァ……ッ」
召喚士「終わりだよ、タローマティ」
タローマティ「クッソオオォォォォーッ!!」
- 917 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:48:50.55 ID:/JkdQGuPo
ピキイイィィィィン
タローマティ「……?」
空中で疲弊するタローマティの周囲へ、筒のように、白い光が取り囲む。
タローマティ「な……ん……」
キイイィィィィン
天才「よぉ、タローちゃん!」
タローマティ「……ッ!!」
天才「すっかり召喚獣とのお戯れに、夢中になっちまって」
タローマティ「まさか……」
女賢者「捕獲完了〜」
弓使い「私の魔力……持ってよおぉ!」
魔道士「行くよっ、幼女ちゃん!」
幼女「……うんっ!!」
天才「グッバイ、五行!!」
激しい光と共に、タローマティの体がゆっくりと消滅を始めた。
- 918 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:49:59.92 ID:/JkdQGuPo
ガカアアァァァァ!!…ドドオオォォォォンッ!!
タローマティ「眷属である……私が……ぁ……」
弓使い「……っ」
ガシッ…キュイイィィ
弓使い「!?」
剣士「不足分は僕の魔力で補う。二人で一つだ」
弓使い「……ありがとう!」
ふらつく弓使いの肩を支えながら、剣士が足りない魔力を横から補う。
タローマティ「我が主よおぉ……」
ズドオオォォォォ
タローマティ「存分に……受……け取――――」
オオォォォォ…
天才「はい、おしまいっと」
召喚士「終わった……のか」
青年兵「眷属、タローマティ……。討伐完了です!」
- 919 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:51:20.24 ID:/JkdQGuPo
…
ザッザッザッザ
天才「おう、ご苦労だったな」
青年兵「タローマティ……やりましたねっ」
天才「ああ。正直眷属壊滅させるなんざぁ、出来過ぎだよ」
召喚士「ええ」
天才「何か引っ掛かるな……」
魔道士「へ……っ?」
天才「……なぁ、法師さんよ」
法師「はい」
天才「アンタ、北の魔物と取り次ぎ出来っか?」
法師「名士様ですか。まぁ、お話くらいは可能かと」
召喚士「名士さんて……もしかしてあの……っ?」
天才「お前、知ってんの?」
召喚士「いや、一度だけ訪ねた事が――」
- 920 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:53:05.02 ID:/JkdQGuPo
グイッ
召喚士「ぐえっ!」
天才「それじゃ、俺様と法師どんとコイツで3人か」
盗賊「……?」
天才「ちょっくら北へ出掛けてくる。ここはお前と大軍師で頼んだぞー」
青年兵「あのっ、司令!?」
天才「その前に、さっさと任務終わらせて南西砦に戻って来いよ」
朱雀嬢「そういえば、任務の最中でしたわね……」
青年兵「あの、召喚士さんを……」
天才「借りてくぞ」
スタスタスタ…ズルズル
召喚士「ちょっとぉ!?」
天才「代わりにお前が手伝ってやれ」
白虎長「はい」
天才「そんじゃ、俺らは南西砦に戻る。そんじゃな」
- 921 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:54:12.37 ID:/JkdQGuPo
ザッザッザ
魔道士「行っちゃった……」
盗賊「……相変わらず……自由な人だな」
オーク「どどど、どうしよう! 法師様が……」
剣士「オーク、落ち着いて。僕らも後を追おう」
オーク「は、早く行くです!」
ダダッ
幼女「あ、こらーっ!」
弓使い「んもぅ。それじゃ、私達も先に行くわね」
魔道士「またあとで。えへへっ!」
朱雀嬢「白虎嬢、貴方は一緒に来るですわ」
白虎嬢「えぇ〜。仕方ないですねぇ」
剣士「それじゃ、僕らも失礼します」
幼女「あれ……? お姉ちゃんは?」
弓使い「あら、そういえば……どこへいったのかしら?」
- 922 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:55:13.79 ID:/JkdQGuPo
〜火山のどこか〜
女賢者「……迷った。完全に迷ったわ……ぐすっ」
…
同門「……」
ザッザッザ
同門「……ん」
天才「お、気付いたか」
同門「!?」
オーク「わわっ暴れるでねーです!」
同門「は、離せ!!」
天才「ハーッハッハ! ここまでおぶってきて貰って、それはないだろ」
同門「……余計な事を」
召喚士「ははっ。あ、見えてきましたね……南西砦」
天才「あーくそ、長かったわ……」
召喚士「お疲れ様でしたっ」
- 923 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:57:10.63 ID:/JkdQGuPo
〜南西砦〜
オーク「あーっ!!」
マーマン「オーク!!」
ハヌマーン「それに法師殿まで……一体、どうなされたのだ?」
法師「あちらは大丈夫だkら様子を見て来るよう、スグリーヴァ様から言われてな」
マーマン「そうかぁ! いや、良かった良かった!」
オーク「あと。これ持って来いって言われたです」
スイッ
ハヌマーン「おぉ、槍か。そういえば彼の者が必要だと述べていたな」
マーマン「ああ。あいつにとって、大切なモンなんだろう」
法師「……おや?」
紅孩児「……っ」
法師「紅孩児、君も――」
紅孩児「……暇だったからなっ、魔王倒すの手伝ってやってるんだよ」
法師「……そうかそうか。ふっふ!」
- 924 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:58:57.20 ID:/JkdQGuPo
〜南西砦、内部〜
ザッザッ…カツカツカツ
天才「おーう、戻ったぞー」
大軍師「司令っ!! ご無事でしたか……っ」
天才「俺様が早々、死ぬかっての」
大軍師「……おや、そちらの方々は?」
天才「お前が伝令飛ばしたんじゃねーのか?」
大軍師「あぁ。南方からの救援物資ですか」
天才「ほらよ、ゾディアックだ」
ポイッ
大軍師「おっとと……」
天才「ところで、その槍投げヤローはどこに行ったんだ?」
大軍師「ええ、それならば西方へ」
召喚士「西方……ですか!?」
大軍師「はい。実はですね……」
- 925 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 17:59:50.87 ID:/JkdQGuPo
…
天才「あぁ、そういう事か」
召喚士「それじゃあ、サルワはまだ生きて……」
天才「生きてるもクソも五行撃ったわけでも何でもねーしな」
大軍師「はい」
天才「まーいいや。そっちは任せておくか」
大軍師「と言いますと、何か別の任務を?」
天才「ちょっくら北へ行く。コイツら連れてな」
召喚士「うぅ……」
大軍師「まさか……」
天才「あー。そっちもついでに片付けておくか」
召喚士「……?」
天才「お前は大人しく付いてくりゃいいんだよ」
大軍師「他に何かなさるので?」
天才「北の名士さんに色々とお話を伺おうと思ってな」
- 926 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 18:02:05.92 ID:/JkdQGuPo
法師「……」
大軍師「名士……様。成程」
天才「ついでに北の村にも寄って、まぁ3日もありゃ十分だろ」
大軍師「高速艇をすぐに手配致しましょう」
天才「頼むわ。少人数でちゃっちゃと済ませっからよ」
大軍師「はい。高速艇の中でも警備用の小型船を用意致します」
天才「さて、船が着くまで休憩〜。あんたらはここで待機しててくれや」
剣士「お世話になります」
幼女「おっ、お世話になりますっ!」
南西砦「……子供!?」
弓使い「えぇと、荷物は……」
スッ
弓使い「!?」
ジュニア「お嬢さん、お荷物は私が持ちましょうか」
弓使い「あ、あのぉ……」
- 927 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/16(月) 18:03:27.58 ID:/JkdQGuPo
ジュニア「なーに遠慮なさらず。紳士として――」
スッ…ズイッ
剣士「それじゃ行こうか、妻に娘」
幼女「はーいっ!」
テッテッテ
ジュニア「……」
弓使い「御免なさいねっ、私……人妻なの」
ジュニア「……」
賢者「……紳士ねぇ……ふぅ」
ジュニア「……うるせぇ」
幼女「妻だって、良かったねお母さんっ!」
弓使い「本当ね、初めて呼ばれたかも〜♪」
剣士「こ、こほんっ!」
幼女「ふふっ、あはははっ!」
弓使い「ふふふっ!」
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