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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その14
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:28:18.91 ID:.G.DzEEo


青年兵「えぇっ!?…ぼ、僕が…ですか!?」

エリート「うんん」

青年兵「な、何でまた…っ」

左翼長「おもしれぇから…かな?」

騎士長「未来ある若者に乾杯って事で…な?」

青年兵「え…えぇと…」

皇太子「頼むぞ!副官っ!!」

青年兵「うぅ…っ」

テクテクテク…

マジシャン「いよっ!未来の大元帥っ!!ハッハ!!」

青年兵「や…やめて下さいよっ!もう…」

占い師「ほらぁ…茶化さないの!」

マジシャン「へぇい……」

青年兵「ゴホン…!え、えぇと……」


470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:33:19.86 ID:.G.DzEEo
青年兵は一同が座る中、前へ立ち、乾杯の音頭をとる。

青年兵「今回は過酷な任務でありました!しかしながら皆様が一丸となり、無事完遂する事が出来ました!」

召喚士「……」

青年兵「人が助け合い、そして力を合わせれば…困難をも乗り越えられる…」

大軍師「……」

青年兵「改めて、実感出来た事でしょう」

バーテン「…ほう、これはなかなか…!」

青年兵「まずは一つの通過点に過ぎませんんが…今日の勝利を今ここに…!乾杯っ!!」

一同「乾杯っ!!」

皇太子「やるじゃないか!素晴らしかったよ!」

青年兵「いやっ、もう…緊張で何が何だか…」

副司令官「将来も安泰だなっ!はっははは!!」

大軍師「まだまだ皆様方には頑張って頂かないと困りますぞ…?」

皇太子「それもそうだな……ははははっ!!」

青年兵は照れ臭そうに、手にした酒を一気に飲み干した。


471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:37:06.72 ID:.G.DzEEo
騎士長「なんだぁ?嬢ちゃんはジュースか?」

魔道士「ま、まだ未成年ですので……」

左翼長「そうかぁ…!可哀想になぁ…」

マジシャン「全くだ…!これ程旨い物が他にあるかってんだ!」

魔道士「で、でもっ…もうすぐ誕生日で…」0歳になりますからっ」

バーテン「おぉ!そいつはめでたいな…!」

戦士「そうなのか?」

魔道士「はいっ!…エヘヘッ!!」

盗賊「……」

召喚士「盗賊さんは…お酒弱いんですもんね…」

盗賊「……うん」

占い師「アンタはちょっと控えなさい!何でももう5杯目なのよっ!?」

白虎長「何ぃ〜?なんか文句あるわけ?」

占い師「今日は殿下もいるんだから…もうっ!本当に頼むわよ…」

白虎長「殿下……殿下ねぇ…」


472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:41:44.32 ID:.G.DzEEo
魔法剣士「………」

召喚士「魔法剣士さんも…お酒苦手なんですか?」

魔法剣士「いや…そういうわけではないが…」

召喚士「……眼鏡さんが…心配、とか…?」

魔法剣士「それもある…が、無事だと信じている。彼は強い」

召喚士「そうですよね…」

魔道士「黒の三騎士さんも行方知れずですしね…」

戦士「成果の上位ランカーだぜ?奴らこそ問題ないだろうよ!」

魔道士「まあ…そうですけど…」

盗賊「……」

戦士「どした…?」

盗賊「……いや…あの男が…いないな、と」

戦士「……?」

マジシャン「……天才か?」

盗賊はこくりと黙って頷く。


473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:45:44.01 ID:.G.DzEEo
マジシャン「奴なら…来ねぇよ」

盗賊「……そうか」

マジシャン「ああ見えて、こういうとこが苦手だしな」

召喚士「天才さんと知り合いなんですか?」

マジシャン「まぁ長い事こういう仕事してっと、同業者同士絡む事も多々あるってもんだ」

魔道士「確かに私達と魔法剣士さんもよく顔を合わせますもんね…!」

戦士「なんだお前、天才に惚れでもしちまったか?」

盗賊「そ、そんな事っ!!」

戦士「何照れてんだ?はははっ」

盗賊「……照れてなどいない!」

盗賊は険しい顔つきで部屋を出て行く。

魔道士「戦士さんっ!!」

戦士「……へっ?」

魔道士「どうしてそういう事言うんですか…?全然女心を分かってない…!」

戦士「……は、はぁ……?」


474 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 02:48:42.00 ID:.G.DzEEo
マジシャン「色男はつらいねぇ…」

マジシャンは含み笑いをしながら、酒を口元へ運ぶ。

戦士「なっ、何なんだよ…!?」

召喚士「とりあえず行った方が…いいんじゃない…かな?」

マジシャン「おうおう!さっさと迎えに行って来い!!」

戦士「はぁ!?……仕方ねぇ…」

スッ…スタスタスタ…

マジシャン「すんげぇ鈍感……」

魔道士「はぁ……」

マジシャン「まぁ…こっちもこっちか…」

召喚士「……?」

魔道士「へっ…?何か言いましたか?」

マジシャン「いんや、何でもねーよ。若いっていいねー!ハッハッハ!!」

魔道士「変なマジシャンさん…。エヘヘッ!!」

召喚士「は…はははっ…!」


475 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 03:03:57.32 ID:.G.DzEEo
マジシャン「あ…酒が切れた…」

召喚士「えぇ…!もうですか!?」

バーテン「酒なら確かあっちに……」

マジシャン「おい朱雀先生」

召喚士「は、はいっ」

マジシャン「酒取って来い!」

召喚士「取って来いって…ど、どこに……」

マジシャン「ここ出て左に…食糧庫がある。そこに酒がたらふくあった」

バーテン「おいおい…だからあっちに……」

マジシャン「魔道士ちゃんと二人で今すぐ行って来い!ダッシュだ!」

召喚士「えっ!?魔道士さんも一緒にですか!?」

マジシャン「一人じゃ持ち切れないぐらいあんだよ!文句あっか?」

召喚士「い…いえっ…。あの…もう酔って……?」

マジシャン「おらっ!早く行って来い!!」

召喚士「は、はいぃ!!……ほんと…師匠そっくりだよなぁ。はぁ…」


476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 03:10:02.51 ID:.G.DzEEo


テクテクテク…

召喚士「な、なんだかすみません…」

魔道士「い、いえっ…」

召喚士「……」

魔道士「……」

スタスタ…

召喚士「あ、ここ…かな?」

魔道士「壊れてますけど…いいんですかね?」

ガチャガチャッ…

召喚士「あー…。酒瓶もほとんど割れてしまってますね…」

召喚士は無事である3本の程の酒瓶を両手で抱え、食糧庫を後にする。

召喚士「これなら一人でも良かったですね!ははっ…すみま……」

グイッ…

魔道士は背後より召喚士の服を引っ張り、悲しげな眼で唇を尖らせている。


477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 03:14:31.16 ID:.G.DzEEo
召喚士「ま…魔道士…さん…?」

召喚士は身動き取れず、正面を向いたまま魔道士へ問いかける。

魔道士「………」

召喚士「あ…あの…っ…」

魔道士「……うっ…うぅ……っ」

召喚士「ま、魔道士さん!?」

魔道士「ご…ごめんなさ…っ…!」

召喚士「い、いやっ!えぇと…!!」

召喚士は慌てて振り返り、心配そうに魔道士の顔を覗き込む。

ギュッ……ゴトゴトッ…

魔道士は召喚士の胸に顔を埋め、嗚咽を漏らす。

驚きのあまり、召喚士が手放した酒瓶が床を転がる。

召喚士「……魔道士…さん…?」

魔道士「ごめんなさいっ…!私…私っ…!!」

魔道士は召喚士の胸元をぎゅっと握り、涙を流した。


478 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 03:18:43.05 ID:.G.DzEEo
大軍師「えっ!?もうお酒がない…?」

青年兵「は……はい」

左翼長「さっきまで腐る程あったぞ…?」

青年兵「そ、それが……」

青年兵は背後を振り返り、あきれ顔で溜息を洩らす。

白虎長「じゃあ〜殿下はなんれ結婚しないわけですかぁ?」

占い師「ちょっともうっ!いい加減にしなさいよっ!!」

皇太子「は…ははっ、これは…参ったなぁ」

エリート「………はぁ」

白虎長「私は行き遅れてなんかいませんよぉ?仕事が恋人なのれす!」

皇太子「そ、そうか…!それは結構…」

白虎長「だーかーらー…結婚は関係ないの〜!」

占い師「結婚じゃなくて結構!!け・っ・こ・う!よっ!!」

左翼長「……ひとっ走り食糧庫まで…酒取って来てくれや」

青年兵「………はい」


479 : [sage saga] :2010/05/15(土) 03:44:18.47 ID:.G.DzEEo
もうほとんど大団円的な感じなんですが…睡魔が…
ここまでにて…申し訳ありません!次でおそらく!ノシ

〜オマケ〜

カチャッ

魔道士「わぁ…っ!広〜い!!」

占い師「…なかなかのものでしょ?ふふっ!」

魔道士「はいっ!エヘヘッ!!」

スタスタ…パシャッ…ザバザバッ

白虎長「うー…痛い〜!!」

バイーン

盗賊「…だ、大丈夫…ですか?」

ボイーン

占い師「…で、でかいわね」

魔道士「お、大きいですね…」

白虎長「へ…?」

盗賊「…何…か?」

占い師「……私も…小さくはない…はずだけど」

フニフニ…

魔道士「………うぅ…っ」


480 : [sage] :2010/05/15(土) 04:30:13.06 ID:znW0SEDO
超乙

マジシャンめ……いいおっさんだなー


482 : [sage] :2010/05/15(土) 09:25:59.77 ID:fseDx7s0
乙!
遂に魔道士と召喚士のいちゃいちゃか…


487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:17:59.82 ID:.G.DzEEo
テクテクテク…

青年兵「えぇと……ここを曲がって」

テクテク…ピタッ

青年兵「……っ!?」

ササッ

青年兵(……し、召喚士さんと・・・魔道士さんっ!?)

魔道士「召喚士さん…っ!私…っ…」

召喚士「ど、どうしたん…ですか!?」

魔道士「ごめんなさい…っ、ごめんなさっ……うぅっ…!」

召喚士「おっ、落ち着いて下さい…!一体何が……」

魔道士はポケットから取りだし、召喚士へ恐る恐る突き付ける。

召喚士「あ…っ、これ………」

魔道士の白い手にぎゅっと握られたショール。

それは泥水と埃にまみれ、所々に焼け焦げたような後を残し、痛んでいた。

魔道士「ふ…うっ……うえぇ…っ!!」


488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:19:22.44 ID:.G.DzEEo
魔道士は泣き顔を見られたくないのか、召喚士の胸に顔を埋め泣きじゃくる。

魔道士「召…喚士さんにっ、も…もらったのに…っ!私…私っ…!!」

召喚士「魔道士さん……」

魔道士「雨降ってきたから、すっ…すぐ…閉まって…なのにっ…ひぐっ!」

召喚士「魔道士さん…気にしないで下さい」

魔道士「ごめんなさいっ…せっかく、召喚士さんが……」

召喚士「また買えばいい話ですし…な、何より……」

魔道士「……ふぐっ……ひぐぅ…!!」

召喚士「魔道士さんが無傷なら…俺は、それで……」

魔道士「……ううぅっ……召喚士さぁん…!!」

召喚士「だ、だから……大丈夫ですからっ。ははっ…」

魔道士「うああぁん……!うっ……ふぐぅ…っ!!」

召喚士「………」

召喚士は両手を広げ、魔道士を抱き締める。

……つもりであったが、緊張のためか身体がうまく動かず、両腕は下がったままであった。


489 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:24:18.60 ID:.G.DzEEo
ドキドキドキドキドキ…

青年兵「………」

ソーッ……タッタッタッタッタ…

青年兵(み…見てはいけないものを見てしまった…!!)

タッタッタ…テクテクテク…

青年兵(でも…あのお二人なら…お似合い、だなぁ…)

テクテク…

青年兵(早く平和に暮らせる日が来れば……いいな…)

テクテク…ピタッ

青年兵(………恋人、か)

青年兵は空を見上げ、一つ大きく溜息を吐いた。

青年兵「あ…っ、お酒……」

キョキョロ……

青年兵(遠いけど、反対側の食糧庫まで行くか…)

クルッ…タッタッタッタッタ…


490 : [sage] :2010/05/15(土) 23:27:21.72 ID:neheMIko
初々しい恋って見てて楽しい
同時に空しくなってくる


491 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:34:09.44 ID:.G.DzEEo
テクテクテク…

青年兵「えぇと……ここを曲がって」

テクテク…ピタッ

青年兵「……っ!?」

ササッ

青年兵(……せ、戦士さんと…盗賊さんっ!?)

盗賊「………」

戦士「わ…悪…かった」

盗賊「……別に」

戦士「……」

盗賊「……」

戦士「も、戻るか…」

盗賊「………うん」

戦士は一つ背伸びをし、歩き出す。

盗賊「……ね、ねぇ」


492 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:37:22.64 ID:.G.DzEEo
戦士「んー?」

盗賊「………」

戦士「…何だよ?」

盗賊「……え、えっと……その」

戦士「………?」

盗賊「…おっ、お前は…好きな人とか…い、いるの…か?」

戦士「はぁ!?」

盗賊「…いやっ!あ、あの…ごめんっ!!」

タッタッタッタッタ…

戦士「…いるよ」

ピタッ…

盗賊「……え…?」

スタスタスタ…

盗賊「…え、えと…あのっ」

戦士「……お前」


495 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/05/15(土) 23:48:44.35 ID:.G.DzEEo
盗賊「っ!!!!」

戦士「…なーんてな。はははっ!」

盗賊「………」

戦士「ほらっ、行くぞ!」

盗賊「…あっ。……うん」

スタスタスタ…

戦士「でも…頼りになるし…カワイイとこあるぜ、お前」

盗賊「…っ!!」

戦士「何うつむいて……顔赤……」

盗賊「………うぅ」

戦士「い、いやっ!あのっ!そ、そういう意味じゃなくて…っ!」

盗賊「……う、うんっ!大丈夫!」

戦士「だ、大丈夫って何だよ!?いや…つーかあの……」

盗賊「……えっ!?あっ!……こちらこそ…そのっ!」

二人はしばし赤面でやりとりを続けたが会話にならず、やがて沈黙のまま歩き続けた。


496 : [] :2010/05/15(土) 23:50:31.14 ID:EOWG8tQ0
青年兵がかわいそうになってきた
弓使いみたいな可愛い子を登場させてあげて下さい


497 : [sage] :2010/05/16(日) 00:07:57.52 ID:9iog7Wgo
>>496
そこで白虎嬢とかですよ。
そういや白虎嬢って家族が国軍とか言ってたけど白虎長の娘なのかな?


503 : [sage] :2010/05/16(日) 00:36:53.61 ID:1QqazmE0
お前ら…
親戚とか姉妹とかっていう思考はないのか?


さらに言えば
白とら長:35才
白とら嬢:18才
という設定あるんやで



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