■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25
584 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:41:24.45 ID:NvP1sSQKo
〜本国、国軍本部〜

近衛兵「ご苦労様です!」

大軍師「どうも」

カツカツカツカツ

大軍師「……おや、こちらにおいでとは珍しいですね」

コンコン…カチャッ

秘書官「両名、お見えになられました」

司令官「…すまないね。わざわざお呼び立てして」

大軍師「いえいえ、構いませんよ」

皇太子「こちらもだ。して、今日は何用かな?」

大軍師「私だけではなく、殿下も呼ばれたとなると……」

司令官「…ん。いよいよ始めようかと思ってね」

皇太子「…そうか」

大軍師「……だが、その前にやるべき事がある」

司令官「…ん、流石だね」


585 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:42:29.91 ID:NvP1sSQKo
皇太子「やるべき事?」

司令官「そろそろ、終幕といこうじゃない」

大軍師「内通者を一掃…ですね」

皇太子「……成程」

大軍師「しかし、殿下まで動かれるのは危険かと」

司令官「勿論。殿下に動いて貰うつもりは最初からないよ」

皇太子「……?」

司令官「幾つか確認しておきたい事があってね」

皇太子「何かな?」

司令官「……その前に」

大軍師「……」

司令官「現状だけど、君は把握してる?」

大軍師「……込み入ったところまでは流石に」

司令官「…そう。殿下もいるしいい機会だ、整理しておこうか」

皇太子「すまないな」


586 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:43:01.56 ID:NvP1sSQKo


大軍師「現在、左翼と右翼は緊迫状態にあります」

司令官「それも限界すれすれのね」

皇太子「……」

大軍師「今に始まった事ではありませんが、発端は議会。いや……」

司令官「……」

大軍師「首謀者が特殊遊撃に内通者を送り込んだ辺りからですね」

司令官「そうだね。ま、あの時はすぐに気付けて良かったよ」

大軍師「あの時はあちらも焦りを見せていましたからね」

皇太子「焦り?……あぁ、そうか」

大軍師「そういう事です。何としても外交を阻止したかった」

皇太子「しかし、予め分かっておらねば潜り込ませようもないぞ?」

大軍師「分かっていたのですよ」

皇太子「……まさか」

大軍師「そう、予言です。あの時ばかりは裏目に出ました」


587 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:44:07.32 ID:NvP1sSQKo
皇太子「……っ」

司令官「西方との同盟、手段こそ不明だったけど…時期は分かっていた」

皇太子「そうであったか」

大軍師「当然、同盟ともなれば殿下直々に出向かうは必須」

皇太子「その護衛という事になれば、特遊が動くも当たり前か」

大軍師「マークはしていたのですが……」

皇太子「いや、構わん。それで?」

大軍師「以降、彼らはかなり焦りをみせておりますね」

皇太子「そこで付け入る隙が出来たわけか」

大軍師「ええ。ドッペルゲンガー事件と議会です」

司令官「あの辺りで、首謀者の一人は確実に掴めたよ」

大軍師「とは申しても、以前から可能性は限りなくあったわけですが……」

皇太子「……左大臣か」

司令官「…ん」

皇太子「しかし、左大臣一人が黒幕というわけではあるまい?」


589 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:45:20.19 ID:NvP1sSQKo
大軍師「……流石ですね、我らもそう踏んでおります」

皇太子「まさか掴んでいるのか?」

司令官「左大臣を含め、少なくとも三名は首謀者としか考えられるね」

大軍師「一人は国軍内。もう一人は……」

皇太子「……本国か?」

大軍師「もしくは、外部司令部かはたまた……」

司令官「他国か。その一名だけはなかなか尻尾を見せなくてねぇ」

皇太子「魔物の可能性は?」

大軍師「ありますが、それはまた別の扱いです」

皇太子「……」

大軍師「国軍内の内通者はほぼ確定でしょう。そうですね?」

司令官「…ん、そうだね。餌に食いつきつつあるよ」

皇太子「餌……?」

大軍師「ここ最近、新聞を賑わせている事件…ご存知ですか?」

皇太子「ああ。特遊の内通者が……」


590 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:46:57.02 ID:NvP1sSQKo
大軍師「あれをリークしたのは私です」

皇太子「!?」

大軍師「おそらく大抵の者は、左翼の陰謀と考えているでしょう」

皇太子「……っ」

大軍師「しかし、左翼や内通者にとっては違うのです」

司令官「軍内を混乱させるに容易な内容だが、裏を返せば……」

皇太子「内通者の意味を考えれば……そうだな」

大軍師「彼らにとっては大変不利な内容なのですよ」

皇太子「では、国軍内の事においては、任せて良いのだな?」

大軍師「はい。その為に私が呼ばれたのですからね」

司令官「…そういう事だね」

皇太子「すると最後の一人か……」

司令官「そこで殿下をお呼びしたわけだ」

皇太子「王宮内を探れと?」

司令官「…いや、それは大丈夫」


591 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:48:29.00 ID:NvP1sSQKo
皇太子「……?」

司令官「陛下の事だよ」

皇太子「父の?」

司令官「容態はどう?」

皇太子「……魔力での延命も限界が近い。おそらくもって半年」

司令官「……」

皇太子「それが、何かあるのか?」

司令官「奴らはね、狙ってくるよ」

大軍師「後継者問題ですよ」

皇太子「……ああ」

大軍師「陛下崩御と同時に、動くつもりでしょう」

司令官「つまり、陛下が存命な内に、カタをつけなきゃいけないんだ」

皇太子「……時間がないな」

司令官「半年か、仕方ないね。半年以内に内通者を一掃するよ」

大軍師「……なかなか困難を極めますが、材料は揃いつつあります」


592 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 00:49:31.21 ID:NvP1sSQKo
司令官「最後の内通者は今、特遊が調査に当たってる」

皇太子「……そうか」

司令官「さて、そして最後だ」

皇太子「……?」

司令官「君らに伝えておかねばならない事がある」

大軍師「何でしょう?」

司令官「……」

スッ…カチャッ…コトッ

皇太子「…久々に見たな。君の素顔も」

司令官「それはいい。問題はこっちだ」

大軍師「これは…?」

司令官「読んでみろ」

大軍師「…………!?」

皇太子「ば……馬鹿なっ!!」

司令官「これが真実だ。全てはあの日に隠された……真実」


601 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/17(木) 13:41:09.16 ID:f786rIHDO
あー、あの伏線やっと回収するのか。
なるほど後継者問題ねぇー


603 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:21:37.18 ID:/UeaVr+Zo


大軍師「では、失礼致します」

司令官「……ん」

皇太子「……」

カツカツカツ…

大軍師「あ、そうでした」

司令官「……?」

大軍師「先日、最北の村にて…素晴らしい発見がありましたよ」

スッ

司令官「報告書かな?」

パラッ

司令官「……ふぅん」

大軍師「知る者はごく僅かです。無論、彼らにも言っておりません」

司令官「…そうだね、まだ伏せておいてよ。色々と使えそうだしさ」

大軍師「無論、そのつもりですよ」


604 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:23:43.59 ID:/UeaVr+Zo
カツカツカツ…パタン

大軍師「顔色が優れませんが、大丈夫ですか?」

皇太子「君は強いな」

大軍師「…まさか。こう見えてもかなり動揺しておりますよ」

皇太子「……」

大軍師「それにしても驚きました」

皇太子「私もさ」

大軍師「いえ、まさか殿下がご存知ないとは……」

皇太子「存在は知っていても、誰かまでは知らなかったさ」

大軍師「成程。しかし、言われてみれば納得ですね」

皇太子「…ああ、道理で。全て繋がったよ」

大軍師「しかし、そうともなるとなかなか…面白い話ですねぇ」

皇太子「……私は逆だな。心配で叶わんよ」

大軍師「まぁ、今更言ったところで自重するとは思えませんけれどね……」

皇太子「……っ」


605 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:24:30.16 ID:/UeaVr+Zo
テクテクテクテク…ザッ

大軍師「では、私はこれで」

皇太子「どこか行くのか?」

大軍師「辞令が出たばかりですので、色々と手続きです」

皇太子「成程」

大軍師「それと、新聞社へ行こうかと」

皇太子「……?」

大軍師「前回は弟に頼んだものでして、私も一度、直にお伺いしようかと」

皇太子「そうであったか。多忙だな」

大軍師「まぁ、半年しかありませんからね」

皇太子「……」

大軍師「殿下も何か、お考えのようで」

皇太子「ああ。そろそろこちらも動こうかと考えていてね」

大軍師「……と、いう事は」

皇太子「南東国との同盟だ」


606 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:25:00.78 ID:/UeaVr+Zo
大軍師「……成程」

皇太子「それだけではないな。西方の王とも直に会わねばならんしな」

大軍師「東方との同盟締結も確か……」

皇太子「猶予はあと5ヶ月といったところか」

大軍師「そうなると最早、同盟とは言えませんな」

皇太子「今は同盟さ。しかし半年後には変わっているだろう」

大軍師「本国を仲介に、各国間でも同盟が結ばれ……」

皇太子「そうだ。それは即ち、連合という事になる」

大軍師「そして迎えるは……魔王討伐ですか」

皇太子「…出来過ぎだな。シナリオ通りと言う事か」

大軍師「ふっふ、どうなんでしょうね。私も全て知るわけではありませんので」

皇太子「そうなのか?」

大軍師「ええ。……早く、回復すると良いのですがねぇ」

皇太子「……彼女か?」

大軍師「はい。不可欠な存在ですよ……人類の未来においてね」


607 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:26:25.83 ID:/UeaVr+Zo
〜司令室〜

司令官「……」

占い師「……」

司令官「調子はどう?」

占い師「変わりません」

司令官「…ん。それは残念だね」

占い師「いい加減、私を除隊に――」

司令官「出来ると思う?」

占い師「……っ」

司令官「これ以上、迷惑をかけたくない……とでも言うのかな?」

占い師「…予言の力なき私など、何も残ってはおりません……っ」

司令官「…それもそうだね」

占い師「相変わらず……正直な人」

司令官「……さっきね、話をしたんだ。大軍師がこんな物を置いて行ったよ」

占い師「……?」


608 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:32:15.08 ID:/UeaVr+Zo
スッ

司令官「見てご覧、凄くないかい?」

占い師「……」

カサッ…パラパラッ

占い師「――っ!?」

バサッ!!

占い師「…………っ」

司令官「どう思う?」

占い師「こ……んな…事……っ」

司令官「でもこれ、本当かな。調査してみないとね」

占い師「……」

司令官「極秘事項だから、限られた誰かに頼むしかないけど」

占い師「……私……行きます」

司令官「……ん。そう言ってくれると思ってたよ」

返答の代わりに、占い師は小さく、俯きながら頷いた。


609 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:37:18.28 ID:/UeaVr+Zo
〜西高原国、城跡〜

戦士「しっかし、昨晩はビックリしたな」

魔道士「本当ですよ。まさかあの四人が……」

召喚士「不思議な縁だよね」

戦士「同門がいるってのが、不思議でならねーが……」

召喚士「同門さんにも、色々と思うところがあるんじゃないかな」

盗賊「……」

召喚士「口ではああ言ってたけど、決して嫌なわけじゃなさそうだったし」

魔道士「そうですか?」

戦士「だってよ、あの手の奴は嫌ならとっとと離れてんだろ」

魔道士「……た、確かに」

盗賊「…仲間が…欲しかったのかな」

召喚士「そこまでは分かりませんが、いい事ですよ」

戦士「…おっ、見えてきたぜ!」

魔道士「本当だぁ〜!」


610 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:38:27.77 ID:/UeaVr+Zo
もう間もなく昼を迎えようという頃、四人の目には、

見覚えのある城跡の建造物が飛び込んできた。

盗賊「……懐かしいな」

召喚士「ええ」

戦士「……」

召喚士「戦士?」

戦士「ん、ああ。ちょっくら中入ってみっか」

魔道士「入れて貰えますかね?」

テクテクテク…

戦士「昼休憩かい?ご苦労さん」

スタスタ

西国兵「な、なんだいアンタ?」

戦士「ちょっと通して貰っていいかな?」

西国兵「駄目に決まっているだろ!」

戦士「何だよ、いいじゃねぇか」


611 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:39:18.48 ID:/UeaVr+Zo
西国兵「は?」

魔道士「ちょっと戦士さん、無理言い過ぎですよ〜」

召喚士「すみません。ちょっとここ、思い入れがありまして……」

西国兵「……?」

召喚士「あっ、いえいえ…いいんです!戦士、戻ろう!」

ザッザッザ

西国兵長「どうした?」

西国兵「あっ、隊長!何やら怪しい一味が……」

西国兵長「まさか…ここを寝床にしていた盗賊団か!?」

召喚士「ち、違います!俺らは……」

西国兵長「……おや?」

ザッザッザ…ジーッ

西国兵長「……もしや、あなた方はもしや…!?」

西国兵「ご存知なのですか?」

西国兵長「…間違いない!救世主様ではありませんか!」


612 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:40:06.04 ID:/UeaVr+Zo
盗賊「!?」

召喚士「救世主って……」

西国兵長「この方々は、我が国の危機をお救い下さったのだぞ!?」

西国兵「……!!」

西国兵長「講義で習わなかったのか?」

西国兵「まさかあの……っ!?」

戦士「講義……」

魔道士「何だか、大変な事になっている気が……」

西国兵長「いやぁ、まさかこのような地で会うとは。さぁお入り下さいませ」

召喚士「…ど、どうも」

盗賊「…良かったな」

戦士「良かった…のか?」

西国兵「まさか皆様がそうであったとは…いざ知らず…申し訳ありません」

西国兵長「申し訳ありません。まだ新兵なものでご無礼を……」

召喚士「い、いえ…。気にしないで下さい…」


613 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:41:16.36 ID:/UeaVr+Zo
〜城跡、内部〜

召喚士「へぇ〜。結構改築も進んでいるんですね」

西国兵長「元が元ですからね」

召喚士「かなり強固で…大きな作りですよね」

西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……金品を毟り取り……」

盗賊「……」

西国兵長「同じ西方の民の血が流れたと思うと…無念でなりません」

召喚士「その為にも有用に扱わなければなりませんね」

西国兵長「ええ。陛下も同様のお考えです」

召喚士「そういえば、王子は……」

西国兵長「それが、つい先日までこちらにいらしたのですが……」

魔道士「今はいないんですか?」

西国兵長「ええ。南で魔物が活発に活動し始めまして…」

戦士「大変だなぁ」

西国兵長「普段はそんな事ないんですが、誰かが踏み込んだのかもしれません」


614 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:42:04.09 ID:/UeaVr+Zo
盗賊「…踏み込んだ?」

西国兵長「南の砂漠はサンドワームの棲みかですから」

召喚士「なるほど。そこに人間が立ち入ったと…」

西国兵長「奴らは自分から攻める事はありませんが……」

盗賊「…縄張りへ入れば…容赦しない、か」

魔道士「縄張り?」

盗賊「…えっと、テリトリーって事」

西国兵長「南の砦でワーカーを救助したという話がありますし」

召喚士「その人達か……」

戦士「…?」

召喚士「か……」

西国兵長「な、何か…?」

召喚士「い、いえ…。何でもないです」

盗賊「……魔法剣士達か…ボソッ」

召喚士「…ええ、おそらく……はは…っ」


615 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:42:40.59 ID:/UeaVr+Zo
ザッザッザッザ

西国兵長「こちらですか?」

王宮内の地下へと足を運ぶ召喚士らを、不思議そうな目で見つめる西国兵長。

戦士「そうそう、ここだ。……流石に武器はもうないか」

西国兵長「全て西国へと運んでしまいましたからね」

戦士「そっか…」

西国兵長「もしご必要であれば、手配を致しますが……」

戦士「いやいや、そうじゃねぇんだ。気にしないでくれ!」

西国兵長「……は、はぁ」

魔道士「ここで、ドワーフさんと会ったんですよねぇ……」

召喚士「今にして思えば、。初めて出会った、良い魔物でしたね」

盗賊「…ああ」

ザッザッザ…キュポッ…バシャバシャバシャッ

戦士「…ジーサンよ、あれから俺…強くなったよな」

以前とは異なり閑散とした室内。戦士は手持ちの酒を床へと注いだ。


616 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:44:10.56 ID:/UeaVr+Zo


戦士「ありがとよ。無理言って済まなかったな」

西国兵長「いえ、こちらこそ失礼を致しました」

西国兵「し、失礼致しましたっ!」

魔道士「気にしないで下さい〜。えへへ!」

西国兵「…………」

西国兵長「ほらっ、しっかりと頭を下げろ」

グイッ

西国兵「わ、わぶっ!」

盗賊「……それでは」

召喚士「今度は、城砦が完成した時に来ますよ!」

西国兵長「お待ちしております!」

西国兵「そ、それでは…!!いってらっしゃいませっ!!」

魔道士「…えへへっ!行ってきます!!」

硬い表情で敬礼する西国兵を見て、魔道士も笑顔で敬礼を返した。


617 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/17(木) 17:49:20.82 ID:/UeaVr+Zo


召喚士「……もう夕方かぁ」

戦士「赤く染まって、いい景色だな」

魔道士「本当ですねっ、砂漠に反射して…赤みが増して……」

盗賊「…綺麗だな」

戦士「……なーんか、ちょっと気合入ったわ」

召喚士「うん。いい出会いもあったしね」

魔道士「そうですね!みんな、頑張ってますもんねっ」

盗賊「…さて、どうしようか」

戦士「魔王討伐までもう1年切ってんだな」

召喚士「そろそろ、最後の準備に取り掛かろっか」

盗賊「…そうだな。猶予は半年程度は欲しい」

魔道士「それじゃ、えっと……どうします?」

召喚士「ますは本国へ戻って、行動開始といきましょう!」

力強い叫び声と掲げた4本の右手。周囲と同様、夕日に染まり赤く色づいていた。



〜第三十七部、完〜



次へ 戻る 戻る 携 上へ