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召喚士「行けっ!コカトリス!!」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:11:44.07 ID:JjxB3bko


召喚士は立ち上がり、膝の土を手で掃う。

ザッザ…

バーテン「港が一望出来る…眺めのいい場所だな…」

召喚士「バーテン…さん…」

スーツ姿に咥え煙草、手に持つ花束を肩に担いでいる。

バーテン「……アイツにゃ…贅沢な寝床だ」

ガサッ…

バーテンはしゃがみ、花束を墓前に添える。

召喚士「……」

バーテン「…やっと…楽になれたなぁ」

バーテンは咥えた煙草を墓前の土に突き刺す。

バーテン「…さ、戻ろうぜ」

ザッザッザッザッザ…


412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:15:30.38 ID:JjxB3bko
〜師匠の家〜

盗賊「オカエリナサイ」

魔道士「あ…バーテン…さん?」

バーテン「ほー…いい家だな」



召喚士「どうぞ」

バーテン「…悪いな」

戦士「……」

バーテンはカップに手をかけ、一口すする。

バーテン「…美味い」

魔道士「師匠さんの…手作り紅茶ですよ!」

バーテン「…アイツにしちゃ…いい趣味してるな」

カップの紅茶を覗き込み呟いた後、もう一口すする。

召喚士「バーテンさんも、師匠とは古いんですよね?」

バーテン「…あぁ」


413 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:19:29.36 ID:JjxB3bko
盗賊「……」

バーテン「俺はあの店を出す前に軍人をしててな…」

戦士「軍人だったのか…!?」

バーテン「……古い話さ」

召喚士「なぜ…辞められたんですか?」

バーテン「…不甲斐なさに嫌気が差したから…かな」

魔道士「不甲斐なさ…」

バーテン「…初めて出会ったのは…30年前」

戦士「そんな昔から…?」

バーテン「アイツらは魔道学校の学生でな」

盗賊「…」

バーテン「軍は毎年、魔道学校へ視察に行くんだ…」

魔道士「あ…優秀な人をスカウトするんですよね?」

バーテン「ほぅ…詳しいな」

魔道士「私もスカウト…されましたから」


414 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 14:19:42.60 ID:PrY7UcAO
昨日の「パー速がみれないんだけど」でのコカトリススレ住民との遭遇率は異常w


415 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 14:22:20.80 ID:JjxB3bko
>>414
今日気づいたんですが、ほんと嬉しかった…(´;ω;`)


416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:24:13.08 ID:JjxB3bko
バーテン「…へぇ、優秀なんだな。お嬢ちゃん」

魔道士「そ、そんな事は…ないです」

バーテン「まぁそれで…その年の担当が俺だったんだ」

召喚士「…なるほど」

バーテン「ヒドかったぜ?素行不良…問題児コンビ」

戦士「分かる気がする…」

召喚士「…うん」

バーテン「…だが、魔力は二人共ズバ抜けてやがった」

魔道士「…!」

バーテン「魔道学校始まって以来…とまで言われてたぜ」

召喚士「凄かったんだ…二人共…」

バーテン「まぁ結局、軍には入れられなくてなぁ」

魔道士「断られたんですか…?」

バーテン「それもあったが…素行の評価が…なぁ」

戦士「分かる気がする…」

召喚士「…うん」


417 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:26:30.09 ID:JjxB3bko
バーテン「技術よりもその辺はうるさいからな…軍ってのは」

魔道士「そんな気がしますー」

バーテン「まぁそれからは…戦地で何度かって感じか…」

召喚士「なぜ師匠は…怪我を…?」

バーテン「…さぁな、その頃には退役してたしな」

盗賊「……」

バーテン「ただ…アイツらが魔王討伐に参加してたのは、確かだ」

戦士「やっぱり魔王か…」

バーテン「…当時のアイツらはそりゃあ凄かったぜ」

魔道士「…?」

バーテン「世界一のパーティー、伝説の再来とまで言われてた程だ」

盗賊「…!!」

召喚士「伝説の…再来…!?」

バーテン「…あぁ。それぐらい強かったって事だ」

盗賊「…凄い」


418 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 14:45:30.27 ID:JjxB3bko
先に書くべきであった…orz
ツヴァイヘンダーはゲームなんかだとツヴァイハンダーって
なってますけど、後者のが馴染み深いですかね?ね?

あと、バハムートって竜のイメージが強いですけど、
実際は魚なんですよね…これも竜のがしっくりきますよね


419 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/18(水) 14:47:19.38 ID:O3eHqBIo
>>418

スフィンクス「衆目なぞ気にせず、主の好きにやるがよい」

スフィンクス「知ってる知ってるー!どっちもわかるからいいよ!」


420 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 14:49:31.04 ID:JjxB3bko
>>419
ですよねーwとりあえず万人受けするであろう
ゲーム系などの表記でいってみたいと思います!感謝


422 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:52:06.22 ID:JjxB3bko
バーテン「4人共…とにかく強かった」

戦士「そんなにか…」

魔道士「あとの…二人も…?」

バーテン「前にパーティーの話はしたっけな?」

召喚士「えぇ…剣士とプリーストがいた…と」

バーテン「最初は剣士とプリーストのツーマンセルだったそうだ」

召喚士「ツーマンセル…珍しいですね」

戦士「それだけ自信があったって事だろ…」

バーテン「だろうな…まぁ凄かったそうだ…」

バーテン「歳はアイツらより下だったが、剣の腕は超一流」

盗賊「……」

バーテン「オマケに魔法まで使えるときたもんだ…」

戦士「…魔法剣士か」

バーテン「得物は剣身2メートル越えのツヴァイハンダー…」

戦士「!!」


423 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:54:16.44 ID:JjxB3bko
召喚士「両手剣…ですか?」

盗賊「…2メートル」

バーテン「それを片手で軽々と振り回してたそうだ…」

魔道士「…す、凄い…ですね」

バーテン「プリーストって女は主に補助役だったが…」

盗賊「…」

バーテン「魔道士とプリースト、どちらもいけたらしいぜ…」

魔道士「両方を…!?」

召喚士「…ワイズマン…ですね!!」

バーテン「あぁ、敬意を込めてみんな大賢者って呼んでたな…」

盗賊「……」

バーテン「その二人が当時同じくツーマンセルだったヤツらと…」

戦士「パーティーを組んだ!」

バーテン「……そういうこった」

召喚士「す…すごい…」


424 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 14:58:10.25 ID:JjxB3bko
バーテン「大剣士に大賢者、大魔道士に大召喚士…」

魔道士「…」

バーテン「いや…朱雀先生か」

戦士「朱雀先生…!?」

バーテン「あぁ。師匠に聞かなかったのか?」

魔道士「聞きましたけど…師匠の師匠だって…」

召喚士「…いや…まぁ、なんとなくは…分かってましたから」

バーテン「先生については?」

盗賊「…伝説」

戦士「確か…四属性にそれぞれ存在するって…」

バーテン「…そうだ。朱雀の初代がアイツの師匠…」

召喚士「…」

バーテン「…まぁ、先生を継承する前に逝っちまったみたいでな」

盗賊「……」

バーテン「唯一の弟子であるアイツが先生の継承者となった…」

戦士「…そうだったのか」


425 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:00:59.99 ID:JjxB3bko
バーテン「実力的にも申し分なかったしな…だが…」

魔道士「…だが?」

バーテン「アイツは自分で名乗ろうとはしなかったよ…」

戦士「そりゃまた…なぜ…?」

バーテン「……召喚士くんだっけか?」

召喚士「はい」

バーテン「師匠が死んだ今、キミが朱雀先生だ…」

召喚士「……そんな…俺は…」

バーテン「…アイツも同じ気持ちだったんじゃないのかねぇ」

盗賊「……」

バーテン「悪いな…あんまり詳しい話してやれなくて…」

召喚士「いえっ…!充分です!ありがとうございます!」

バーテン「まぁ後は…マジシャンにでも聞いてくれ」

魔道士「はい。ありがとうございます!」

バーテン「さぁ…港へ下りよう…日が暮れちまう…」


426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:02:49.62 ID:JjxB3bko
〜本国〜

衛兵「お疲れ様ですっ!」

占い師「お疲れ様っ…うふふっ」

カツカツカツ…

コンコン…ガチャッ

占い師「失礼致します」

青龍先生「…おぉ…占い師ちゃんか」

占い師「ご無沙汰してますわ…先生」

青龍先生「今日はどうした…?デートの約束だったかの…」

占い師「うふふっ…そうしたいところですけど」

青龍先生「なんじゃ違うのか…」

占い師「いいお話と悪いお話…」

青龍先生「悪いお話は…嫌い」

占い師「好きな人なんていませんよ…うふふっ」

青龍先生「それで…どんな悪いお話?」


427 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:04:46.09 ID:JjxB3bko
占い師「……朱雀先生が…逝かれました」

青龍先生「…そうか。逝ったか」

占い師「…はい」

青龍先生「まだ若いのに…惜しいのぅ…」

占い師「まったくですわね…」

青龍先生「ワシのような老いぼれを連れて行けばいいものを」

占い師「先生はまだまだ若いですわよ」

青龍先生「もう90じゃぞ…?いつ死んでもおかしくないわい…ヒョッヒョ」

占い師「全くそうは見えないところがお若い証拠…」

青龍先生「…それで…いいお話は?」

占い師「朱雀先生のお弟子さん…」

青龍先生「…ふむ」

占い師「信じられませんが…全属性の召喚が出来る…と」

青龍先生「………ほぅ」

占い師「……」


428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:07:39.58 ID:JjxB3bko
青龍先生「それは凄いのぅ…」

占い師「いかがいたします?」

青龍先生「三代目朱雀先生の就任式もしなくてはな…」

占い師「…気が向いたら来るよう、お伝えしますわ」

青龍先生「まぁ…自ずと来るじゃろ…」

占い師「そう…ですわね…」

青龍先生「来るならワシが死ぬ前にな…ヒョヒョヒョ」

占い師「……はぁー」

〜次の日〜

戦士「…さぁ、どうする?」

魔道士「本国へ行きますか…?」

召喚士「…いや、今はやめておこう」

盗賊「…」

召喚士「まだ…気持ちに余裕もないし…」

魔道士「……そうですよね」


429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:12:26.36 ID:JjxB3bko
戦士「じゃあ…遺跡の再調査、だな」

召喚士「…うん」

魔道士「まずは…剣士さんと弓使いさんを探さないと」

戦士「だよなぁ…」

召喚士「大丈夫…だと思う。困った時の…」

盗賊「…ワーク…ショップか」

召喚士「はい」

戦士「なんか久々の仕事ってカンジだな!」

魔道士「そうですねー!このところ冒険ばっかりで…」

盗賊「…燃える」

召喚士「じゃあ…南の港へ向かいますか!」

戦士「おう!」

魔道士「出ー発っ!」

盗賊「シュッパーツ」


431 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 15:14:54.76 ID:PrY7UcAO
最初にクリトリスとか言ってた奴が今じゃ先生と呼ばれるまでに…
胸が熱くなるな


432 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:16:30.80 ID:JjxB3bko
〜船上〜

召喚士「……」

上甲板のテラスから召喚士は海を眺めている。

スタスタ…

戦士「…ほら」

戦士は手に持ったグラスを召喚士に渡す。

召喚士「…ありがとう」

戦士「そういや、ついこの前だよなぁ」

召喚士「んー?」

戦士「クラーケン。あん時は強かったよなぁ」

召喚士「そうだなぁ…」

戦士「それがミノタウロスにヴァンパイアに…」

召喚士「強い敵ばっかりだったな…ははっ」

戦士「なんとか…生きてきた…な」

召喚士「……あぁ。生かされた…ってとこか」


434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:18:19.20 ID:JjxB3bko
戦士「……いずれはやるんだろ?」

召喚士「…ん?」

戦士「とぼけやがって!…魔王討伐だよ」

召喚士「……んー」

戦士「もっともっと強くなって…頑張らなねぇとな!」

召喚士「…そうだね。頑張ろう」

〜南の港〜

魔道士「到着〜!」

盗賊「トウチャク」

召喚士「久々ですねぇ!懐かしいなぁ」

戦士「しかし…南は田舎だなぁ…ハハハッ!」

魔道士「大陸にばっかりいたからそう見えるんですよー」

召喚士「うん…良い所だよ、南は」

盗賊「…だな」

戦士「さぁ…そんじゃ山あいの街へ行きますか!」

魔道士「行きましょうー!」

盗賊「イキマショー」


435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:23:47.70 ID:JjxB3bko
〜山あいの街〜

魔道士「最初は四日くらいかかりましたよねぇー」

盗賊「…うむ」

戦士「このあたりの魔物も特性掴んだし…」

召喚士「大陸に比べると弱め…かな」

戦士「だな。まぁ油断は出来ねぇけどな」

魔道士「さぁ、ワークショップへレッツゴー!」

盗賊「レ、レッツゴー」

〜ワークショップ〜

店員「いらっしゃいませ」

召喚士「パーティー成果リストを見せて下さい」

店員「かしこまりました」

テクテク…

戦士「俺は調査依頼の方をさがしてみるか…」

盗賊「…ふむ」


436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:27:08.00 ID:JjxB3bko
パラパラ…

魔道士「……ふふっ」

戦士「ん?」

盗賊「…?」

魔道士「二人で並んでみてると…カップルみたいですね!」

戦士「は、はぁっ!?」

盗賊「なな、なに!!?///」

魔道士「お似合いですよ!エヘヘヘッ!」

戦士「き、急に何言ってんだ!!」

盗賊「…///」

テクテク

店員「お待たせ致しました」

召喚士「あ、どうも…」

パラパラパラ…


437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:30:07.88 ID:JjxB3bko
召喚士「…んーと…あ、いたいた!」

魔道士「…どれどれ?あっ、バッチリですね!」

召喚士「えぇ!」

戦士「…コホン。二人で見てると…」

盗賊「…カップル…みたいだな」

魔道士「…エヘヘ!本当ですか〜?」

召喚士「…えっ!?な、何!?」

魔道士「ふふっ。何でもないですー!」

戦士「…あれ…?」

盗賊「……」

召喚士「!?…は、ははっ…?」

魔道士「それで、居場所は分かるんですか?」

召喚士「あ、何か依頼を受けていれば分かります」

戦士「そうなのか」


439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:32:02.40 ID:JjxB3bko
召喚士「うん。クライアントからの指名とかあるしね」

盗賊「…指名?」

召喚士「例えば、前にいい仕事してくれたから次も…」

魔道士「同じパーティーにお願いしよう!って事ですね」

戦士「逆指名か…」

召喚士「まぁそこまでいくと相当ランクの高いパーティーですが…」

戦士「逆指名か…いいじゃねぇか…!」

盗賊「…うむ」

召喚士「そうなると、もう一人前のパーティーって感じだね」

魔道士「そうですねー。私達もそうなりたいですねぇ」

召喚士「頑張りましょう」

盗賊「ガンバリマショウ」

戦士「それで…剣士さん達は?」

召喚士「えぇと…港から更に南の鉱山で任務中みたいですね」

魔道士「鉱山ですか…?」


440 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 15:32:46.48 ID:PrY7UcAO
いいパーティーだ


443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2009/11/18(水) 15:35:14.66 ID:JjxB3bko
召喚士「えぇ。南の鉱山は鉄や宝石の産地なんですよ」

盗賊「…宝石」

戦士「じゃあそこに行けばいいわけか…」

召喚士「ところで、遺跡再調査の依頼は…?」

戦士「いや…出てないみたいだな…」

召喚士「調査依頼は前回で終わりか…」

魔道士「依頼もあれば一石二鳥だったんですけどねぇ」

召喚士(最下層まで調査せず終了…?何が目的だったんだ…?)

盗賊「…?」

召喚士(あれより下に…何かが…ある…?)

戦士「……さて」

召喚士「あ、それじゃ…南の鉱山へ向かいましょうか!」

魔道士「賛成!!」

戦士「よっし…行きますか!」

盗賊「…イキマショウ」


444 :パー速民がお送りします [] :2009/11/18(水) 15:37:04.23 ID:e0kGvwAO
原点回帰って感じでしみじみくるな


445 :パー速民がお送りします [sage saga] :2009/11/18(水) 15:38:42.93 ID:JjxB3bko
くそっ!いいところで…カイギデスッテヨー

>>442
べ、別に嬉しくないんだからねっ!!///



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