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召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」
148 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 15:00:52 ID:XfgIJFz2
ーー

召喚士「………」

喚起士「……おはようございます」

召喚士「お……おはよう……ございます……」

喚起士「……?」

召喚士「いやあ……夜中に鍛練を……張り切り過ぎましてね……はへは……」

喚起士「そうなんですか?」

召喚士「……もう少し横になっていますよ」

喚起士「はぁ……なら私は下へ降りていますので」

召喚士「は……い……ぐぐぐ……」

喚起士「……では」

ガチャ

召喚士「……イダダダダ……ネメア」


149 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 16:56:51 ID:XfgIJFz2
ネメア「なんだ?」

召喚士「少しでも動くと……激痛が走るんだけど……イダダ」

ネメア「ふむ……なるほど」

召喚士「………」

ネメア「夜中のあれは術者の体に相当負担をかけるみたいだな」

召喚士「首動かす……だけでイダダダダ……痛いんだけど」

ネメア「よい勉強になった」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「治してよ……」

ネメア「そんな力は無い。我慢しろ」

召喚士「………」


150 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 20:54:41 ID:XfgIJFz2
ーー

剣士「おっす!召喚士!」ツヤツヤ

召喚士「ぐぐ……おはよう……来てたのか……」

剣士「なんだぁ?お前も派手にやったのか?」

召喚士「そうじゃ無い……イダダ……」

喚起士「………」

剣士「そっか?召喚士ッ!今回は凄かったぜえ!」

召喚士「話さなくていいから……」

剣士「ええ?聞けよ!」

召喚士「レディの前でそういう下品な話をするなッ!……イテェ……」

剣士「いいじゃねえか……」

召喚士 (朝っぱらからババアと性交した話なんて聞きたく無いんだよ!)


151 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 21:42:12 ID:p8z6/.m2


剣士「もうキツくてな!全然長持ちしねえの!俺そんなに早漏じゃねえのに!」

召喚士「マジでやめろってッ!……イデデ」

喚起士 (この男……最低です……ん?)

剣士「でもな……婆さんみたいに声出さねえからそこだけが不満だったな!」

召喚士「いい加減に……ああ……違ったのか。いや、それでもやめ……あ?」

盗賊「………」ヒョコッ

剣士「表情もなあんまり変わらねえからこっちも嘗めるなよって頑張ったんだけどな……駄目だったぜ……」

召喚士、喚起士「………」

剣士「まぁそれでも一晩中付き合ってくれたから感謝だな!」

召喚士「剣士さ……」

剣士「おう?なんたい?」


153 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 23:21:10 ID:p8z6/.m2
召喚士「もしかしてした相手って……子供だったの……?」

剣士「子供?ん……ちっちゃかったしそうかな!」

召喚士「………」

剣士「それがどうかしたか?」

召喚士「どうかしたかって……笑えないんだけど……」

剣士「笑わせるつもりなんてねえよ?」

召喚士「………」

剣士「?」

召喚士「でもさ……気に入って連れて来ちゃうのはどうかと思うよ……」

剣士「はあ?」

盗賊「………」


154 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/30(土) 23:43:19 ID:p8z6/.m2
剣士「……何でいるんだ?」

盗賊「………」

喚起士「……表へ出なさい」

剣士「あ?」

喚起士「このようないたいけな少女を手にかけた挙げ句……人拐いのような事まで……」

剣士「し、してねえって人拐いなんて!」

喚起士「いい訳は聞きません!その汚らわしい物を……討ちますッ!」

剣士「召喚士!何とか……」

召喚士「この犯罪者めッ!」

剣士「………」

ネメア「またくだらぬ事を……」

ジノ「兄ちゃん……あれ……」

ネメア「何だ?」


155 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 01:01:29 ID:rSPxFrRI
ジノ「パイアだよ……」

ネメア「なん……だと……ッ!」

ジノ「………」

召喚士「犯罪者!犯罪者!」

剣士「違えって!こいつがいいって言うから!」

喚起士「言葉巧みに騙してまで……なんて人ですか貴方はッ!」

剣士「ええぇ盗賊よ……こいつらに何とか言ってくれよ……」

盗賊「………」

喚起士「可哀想に……ショックで言葉を失ってしまったのですね……」

剣士「いやこいつあんまり喋らないから……」

喚起士「問答無用ッ!この子が人間の心を取り戻す為にも貴方を此処で討ちますッ!」

ネメア「人間では無い……」

喚起士「そうですッ!人間ではありませんッ!……え?」


158 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 02:11:41 ID:rSPxFrRI
ネメア「……我々と同じ者だ」

喚起士「………」

剣士「は?お前人間じゃねえの?」

盗賊「………」コクッ

剣士「へぇそうだったのか……別にいいけどな」

ネメア「それとな……それは私の妹だ……」ゴゴゴゴ……

剣士「そうなのか、世間は狭いな!」

ネメア「………」ゴゴゴゴ……

召喚士 (な、なんだ?この左腕の重圧は!)

ネメア「貴様……表へ出ろ……」

剣士「お前かよ……」

ネメア「ジノに手を出そうとしただけで無く……パイアに貴様の毒牙を……グガァァ……」


159 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 02:39:22 ID:rSPxFrRI
剣士「………」

ネメア「召喚士ィィ……召喚術を使え……」

召喚士「無理です!」

喚起士「お、落ち着いてください!」

ネメア「女……貴様もこいつを討つのでは無かったのかッ!」

喚起士「……人間では無か

ネメア「手を貸してやる……この屑の存在自体を共に消しさろうではないか……ッ!」

喚起士「ひぃぃ……」

盗賊「………」バッ!

剣士「……?」

ネメア「どけパイア……今、辱しめを受けた……」

盗賊「……名前貰った」


160 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 02:52:01 ID:rSPxFrRI
ネメア「なッ!」

召喚士、喚起士「………」

剣士「そう言えばそんなのあったな」

盗賊「………」

ジノ「そうなんだ!」

ネメア「くっ……それでもだなッ!」

召喚士「……どういう事だ?」

ネメア「………」

ジノ「そこの筋肉がパイアを使役しちゃったんだよ!」

召喚士「へぇ……」

ジノ (こいつわかってないな……)

喚起士「……パイア……確かクロミュオーンの猪……でしたよね?」

ジノ「そうだよ!」


161 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 04:25:26 ID:rSPxFrRI
ーー

ネメア「………」ブツブツ……

召喚士「さっきからうるさいよ!」

ネメア「……何故あんな筋肉馬鹿なんぞと契約など」ブツブツ……

喚起士「………」

ジノ「兄ちゃん……ショック受け過ぎだよ……」

剣士「お前いつまで付いてくんの?」

盗賊「………」

剣士「何か言えよ……」

盗賊「剣士が死ぬまで」

剣士「へぇ……まあいいけど。召喚士よ、これから西へ向かうのか?」

召喚士「そうだね。地図みたけどこのまま北へ向かうと山越えしないといけないからね」

剣士「そうだな」

召喚士「だから西へ行って海沿いを行こうかなって」


162 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 04:41:30 ID:rSPxFrRI
剣士「なるほど」

盗賊「………」

喚起士「凄いですね……」

ジノ「なにが?」

喚起士「……神話に出てくる者達が三体もいるのですから」

ジノ「そう?結構そこらじゅうにゴロゴロしてるかもよ?」

喚起士「ゴロゴロされいたらまたりませんよ……ジノだけでも驚いているんですから……」

ジノ「そっか!」

喚起士「ジノ……パイアを探していたのですよね?これからどうするんです?」

ジノ「いや……探してたのは……」

喚起士「……?」

ジノ「暇潰しの為だったから……このまま喚起士に付いて行くよ?」

喚起士「そんな理由で探していたのですか……」


163 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 07:22:29 ID:rSPxFrRI
召喚士「……喚起士さん、あの盗賊?パイア?って何者何ですか?」

ジノ (やっぱりわかって無かったか……)

喚起士「ネメアに聞いてみては?」

召喚士「………」

ネメア「………」ブツブツ……

喚起士「な、なるほど……ジノの方が詳しいと思いますのでお願いします」

ジノ「オッケー!」

召喚士「あの子は全然ライオンしてないけど本当に兄妹なのか?」

ジノ「本当本当!ちなみにあたしの姉ちゃんだよ」

召喚士「あっちの方が上なのか……」

ジノ「上なのよ……」


164 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 18:47:58 ID:DmtqFAnI
召喚士「で、何であの子だけ人間の姿なの?」

ジノ「パイアは人間に育てられたから、それでじゃないかな」

召喚士「………」

ジノ「可哀想とか思わなくていいからね。あたし達の世界じゃ普通の事だし」

召喚士「そうなのか?」

ジノ「うん、結構複雑なのよこれが。まぁそれは置いておいて……」

召喚士「………」

ジノ「人間と暮らして人間のようになり……パイアって名前も一緒に暮らしてたお婆さんの名前だからね」

召喚士「へぇ……」

ジノ「いつしか名前をくれる人に使役するようになったんだよ」

召喚士「……使役するのはいいとして……魔力はどうしてるんだ?剣士に魔力は無いと思うんだけど」

ジノ「……パイアは色んな所から魔力を引っ張り出してこれるから契約した人間が魔力無くても平気なんだよ」


165 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 19:02:16 ID:DmtqFAnI
召喚士「便利だな……」

ジノ「本当……便利だよ……」

召喚士「どこから魔力引っ張り出してるんだろうな……」

ジノ「さあ?もうやってるから筋肉の精からじゃない?」

ネメア「………」

召喚士「………」

ジノ「………」

ネメア「やめろ………」

ジノ「な、何をやめるの兄ちゃん?」

ネメア「パイアと筋肉の性交の話はするなッ!!!」

召喚士「落ち着けよ……!」

ネメア「落ち着いていられるかぁぁッ!グガァァッ!パイアがいつ孕んでしまうかッ!」

召喚士、ジノ「………」


166 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/01(日) 22:30:50 ID:DmtqFAnI


剣士「やっぱり人間だよな?」

盗賊「………」

剣士「どう見ても化物には見えないぜ……」

盗賊「………」

剣士「しかしまあ……あっちの方は人間と変わらないんだな」

盗賊「………」

剣士「もう少し顔に表情があればな……文句はねえんだけど」

盗賊「………」

剣士「ん……なに考えてるかわかんねえなお前」

盗賊「………」

剣士「………」


167 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 00:50:31 ID:Rulg.WQk
ーー

喚起士「どうもありがとうございました」

召喚士「どうでした?」

喚起士「ええ、今の旅の方がこの先に小さな村があるそうですよ」

召喚士「そうですか……良かった」

喚起士「本当ですね」

召喚士 (いや……喚起士さん頼りになるなぁ……)

喚起士「あまり野宿はしたくありませんから」たゆん

召喚士 (オッパイ大きいし……オッパイ大きいし……オッパイ大きいし……)

喚起士「……?」

召喚士「いやぁ……オッパイさんは素晴らしい人だなと!ははは!」

喚起士「………」


168 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 02:21:27 ID:Rulg.WQk


召喚士「………」ジンジン……

喚起士「………」

ジノ (召喚兄さん普通に馬鹿なのかな……)

ネメア「大丈夫か?」

召喚士「まだグーで殴られなくて良かったよ……」

喚起士「………」

ネメア「……おい女」

喚起士「何でしょう?……叩いた事は謝りませんよ」

ネメア「それはいい。この馬鹿が悪いのだから」

召喚士「馬鹿って言うなよ……」

ネメア「召喚術を使えるか聞きたいのだが」

喚起士「……今は武具などしか出来ませんが」

ネメア「そうでは無い。喚起術では無く召喚術をだ」

喚起士「そちらの召喚術は……一応出来ますが低級の者を呼べるくらいですよ」


169 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 02:44:17 ID:Rulg.WQk
ネメア「そうなのか?ジノを召喚すれば……」

喚起士「無理ですよ……ジノ程の召喚獣を憑依召喚なんて……私の体が持ちません」

ネメア「……?」

喚起士「余程魔力が潤沢にある方でなければ耐えられないと思いますよ」

ネメア「………」

召喚士「どういう事?」

ネメア「黙っていろ……」

喚起士「……何故そのような事を聞かれたのですか?」

ネメア「いや……私の不足している知識を補おうとな」

喚起士「……なら召喚士さんにお聞きになられたら?」

ネメア「………」

喚起士「なるほど……」

召喚士「……??」


170 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 03:19:57 ID:Rulg.WQk


喚起士「今は……喚起と召喚の意味を知っている方も少ないと思います」

ネメア「ふむ……」

喚起士「この二つの術は召喚術として同混されてしまっていますから」

ネメア「そうだったのか……」

喚起士「……召喚術を使おうとお考え何ですか?」

ネメア「………」

喚起士「失敗した時の事を考えたら……止めた方がいいと思いますよ」

召喚士「喚起士さん……失敗したらどうなるんですか?」

喚起士「……四散します」

召喚士「何が……?」

喚起士「召喚者の身体が……」

召喚士、ネメア「………」


171 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 04:06:10 ID:Rulg.WQk
喚起士「最悪の場合ですね」

召喚士「……驚かせないでくださいよぉ」

喚起士「後は、召喚者の魂がこの世に留まりきれなくなったりですか……」

召喚士「……それはどういう事ですか?」

喚起士「召喚者の体に召喚獣が入る訳ですから……召喚者の魂が押し出される形で外に出てしまうんですよ」

召喚士「……つまり?」

喚起士「死です」

召喚士「………」

ネメア (私には害は無いみたいだな……)

喚起士「召喚獣の方にも影響が出る場合もありますよ」

ネメア「ッ!!!」

喚起士「召喚獣は召喚者の魂に触れた時に……」

ネメア「……何が起きるのだ?」


172 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 04:19:26 ID:Rulg.WQk
喚起士「召喚獣の存在自体にズレが生じて元の状態に戻らなくなりますね」

ネメア「……つまり?」

喚起士「消滅します」

ネメア「………」

喚起士「その前に魔力の消耗が激し過ぎて召喚者が気を失ってしまうので滅多に起きませんけど」

召喚士、ネメア「………」

喚起士「……どうかいたしました?」

召喚士「い、いやぁ……喚起士さんは博識だなぁと……は……はは……」

ネメア「本当に……か、関心するな……」

喚起士「そのような事は……」

召喚士、ネメア (笑えん……)


173 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 04:28:34 ID:Rulg.WQk


剣士「召喚?とかな……ああ言う話題だとさっぱりわからねえぜ……」

盗賊「………」

剣士「何か仲間外れみたいで嫌だな。そう思わねえ?」

盗賊「………」

剣士「……まぁいいや。お前ってさ、化物なんだから……強いよな?」

盗賊「………」

剣士「……弱いのか?」

盗賊「……強い」

剣士「そうか!ならよ、村に着いたら手合わせしてくれよ!」

盗賊「………」コクッ

剣士「おし!約束な!」

盗賊「………」


174 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 17:54:11 ID:zARtH0nA


召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「……おい」

ネメア「何も言うな……」

召喚士「死んでたらどうするんだよッ!」

ネメア「私だって消滅していたかもしれないのだ!……知らなかったとは言え……すまなかった」

召喚士「………」

ネメア「……お前、あの後体の痛み以外は何とも無かったのか?」

召喚士「……無いよ?」

ネメア「………」

召喚士「何?」

ネメア「魔力は?」

召喚士「……わからない」

ネメア「………」



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