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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その34
923 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:23:41.97 ID:TGCQmLnVo
〜次の日、西の寺〜

戦士「……んんー」パチッ

女侍「……おはよ」

戦士「何してんの? 人の上で……」

女侍「んふっ、朝一ですっきりさせてやろうかと思ってねぇ」

戦士「すっきり? それより……」ガシッ

女侍「おや、意外とダイタンなんだねぇ」

戦士「んな事ぁいいから、その手にしてる雷切……返して貰おうか」

女侍「盗みやしないよ。ちょっと拝見させて貰っただけさ」スッ

戦士「ふん」パチッ…ジーッ

女侍「すり替えてもいないよ。安心しなっ」

戦士「……」

女侍「それよりも、アタイといい事するんだろぉ〜?」

戦士「はぁ!?」

女侍「したくないのかいっ? 修行」


924 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:24:30.17 ID:TGCQmLnVo


女侍「ここいらでいいだろ」ザッザッ

戦士「ああ」

女侍「居合いだっけか? そんじゃまずは見せてご覧よ」

戦士「ん、ああ」

テクテクテク…ジャリッ

戦士「……ふーっ」

女侍「……」

戦士「……はあぁっ!!」

ビュオッ…ンンンン

戦士「……どうかな?」カシャッ

女侍「悪くないねぇ」

戦士「本当――」

女侍「でも、居合いとしちゃあ……全く話にならないねぇ」

戦士「……っ」


925 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:24:55.59 ID:TGCQmLnVo
女侍「まずあんたはね、居合いってもんを全く理解しちゃいないんだよ」

戦士「……」

女侍「ただ抜刀してカウンターを決めるってのと、居合いじゃあ大違い」

戦士「そ、そうなのか……」

女侍「あんたが今まで行ってきたのは前者。後者は全くの別モンさ」

戦士「そ、それを知りたいんだ」

女侍「まず、居合いの居ってのは座する、座るっって意味さね」ザッ

戦士「座る……」

女侍「何も本当に座る必要はないよ。立っていても重心を限界まで落として」

ググッ…チャキッ

女侍「相手を引き込むのさ」

戦士「……なるほど」

女侍「それにね、居合いってのは、抜かずして勝つって言葉がある」

戦士「抜かずして……?」

女侍「そうさ。刀を抜かずとも、相手に勝つって事さね」


926 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:25:30.11 ID:TGCQmLnVo
ゴゴゴゴゴゴ…

戦士「……っ」

女侍「分かるかい? アタイの威圧。これから抜刀するよって威圧がさ」

戦士「く……っ」ズザッ

女侍「これで相手を圧倒する。そうすりゃ刀を抜かずして勝ったも同然て事さ」スッ

戦士「な、なるほどな……っ」

女侍「そんじゃ次。居合いは何で座ってるか分かるかい?」

戦士「い、いやっ」

女侍「居合いは元来、自分より短い得物を持った相手への防御技なのさ」

戦士「……ほぉ」

女侍「例えばあんたがほら、この枝持ちなっ」ポイッ

戦士「……んで?」

女侍「そこに座りな」

戦士「……スッ」

女侍「例えば会談の場だとしよう。間合いは極端に近い挙句、あんたは短刀だ」


927 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:28:53.28 ID:TGCQmLnVo
戦士「これなら俺のが断然有利だわな」

女侍「だろ? そこで居合いさね」

戦士「……?」

女侍「んじゃその枝を、アタイめがけてガンガン突くなりしてみな」

戦士「……お、おう」

女侍「……」

戦士「……しっ」ビュオッ

フオンッ…ンンンン

戦士「…………」カランッ…カラカラッ

女侍「分かったかい? 居合いの真髄」カシャッ

戦士「う……そだろ……っ」

女侍「間合いで劣っていても、それを覆すのが居合いさね」

戦士「すげぇ……っ」

女侍「つまり、結論は見えてきたかい?」

戦士「……ああ。お陰さんで見えてきたぜ」


928 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:29:39.26 ID:TGCQmLnVo
女侍「ふふっ、それじゃあ早速……やってご覧よ」

戦士「……ああ」ザッ

女侍「……」

戦士(間合いが不利、イコール……相手は至近距離にいるわけだ)

ジリジリジリッ

戦士「(それを意識して……相手を限界まで引き込む)

ゴゴゴゴゴゴ

女侍「……ほおぉ」

戦士「……はぁっ!」

フオンッ…ンンンン

女侍「……っ」

戦士「どう、だ?」

女侍「……まぁまぁだね。飲み込みが早いじゃないかい」

戦士「本当かっ!? よーし……これなら雷切の威力も増しそうだ!」

女侍「……ふふっ」


929 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:30:39.75 ID:TGCQmLnVo
戦士「サンキュー! とりあえずはこの形を身体に叩き込んでくる!」

女侍「あー待ちな」

戦士「……?」

女侍「抜刀の時だけどね、鞘をもっと水平にするといいよ」

戦士「……おうっ、ありがとよ!」タッタッタッ

女侍「……いやぁ、まさかこれ程とはね」

パリッ…バチバチバチッ

女侍「あの一振りで、アタイの背後の木まで……」

ドッドオオォォォォン!!…ドシャアアァァ

女侍「ほんと、末恐ろしいじゃないかい。ふふっ」

サル「おーい、ボチボチ出発しね〜かぁ?」

女侍「ああそうだね。身を隠せる場所……探しに行こうかい」

キジ「それと食糧の確保もさー」

イヌ「そうね。それに布団も欲しいね」

女侍「そうさねぇ。まだ東方を離れるわけにゃ……いかないからねぇ」


930 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:31:20.13 ID:TGCQmLnVo


戦士「……あれ? 他の連中は?」

鬼丸「今しがた出てったぞ。入れ違いじゃねぇか?」

戦士「マジかよ」

坊主「もう経つのか?」

戦士「おう、世話になりました」

鬼丸「……」

坊主「んっ、その袈裟を着た男……」

鬼丸「……何だよ」

坊主「もしや……」

戦士「ああ、こいつは鬼丸っつってな。俺の相棒なんだ」

坊主「鬼丸……」

戦士「都の大橋でな、妖を通すまいと毎晩毎晩、見張りを務めてるんだぜ! 凄いだろ!」

坊主「ほぉ、そうであったか。それは大した……人間じゃわい」

鬼丸「……」


931 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:32:07.44 ID:TGCQmLnVo


戦士「んじゃ、また機会があったら」

坊主「うむ。気を付けてな」

テクテクテクテク…

坊主「賊に妖に人間、か。何とも不思議な連中だわい」

テクテクテクテク…

鬼丸「修行ってのはもう終わったのか?」

戦士「ああ、さっき習ってきた。しかし一言も言わずに去るとはなぁ」

鬼丸「お前に迷惑かけまいと、去ってったんじゃねぇのか?」

戦士「そんな連中かよ。きっとこのまま東方を去るつもりなんだろうな」

鬼丸「どうだかなぁ」

戦士「あん?」

鬼丸「あの女、何か剣聖ってのに思い入れでもあんじゃねぇかと思ってな」

戦士「そうかぁ?」

鬼丸「鬼の勘は鋭いんだぜ? グハハハハハッ!!」


932 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:32:46.25 ID:TGCQmLnVo
〜都〜

バシュウウゥゥゥゥ

召喚士「あったぁ!!」

コカトリス「全く、まんまと迷いおって」

召喚士「だって、東方なんて数えるほどしか来てないし、ましてや上空からなんて……」

コカトリス「だからもっと計画的にだな……」

召喚士「まぁまぁ、こうして無事、着いたわけだし!」

コカトリス「……全く」

バシュウウゥゥゥゥ…スタッ

召喚士「あーっ、疲れた」

コカトリス「存分に疲れを癒しておけよ。また魔王と一戦、交えるのであろう?」

召喚士「……うん、ありがとう」

コカトリス「それと、行動する時はもっと計画的にだな――」

シュイイィィィィン

召喚士「よし、旅籠に戻ろう!」


933 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:33:37.41 ID:TGCQmLnVo
〜旅籠〜

召喚士「ただいまー」カラカラッ

タッタッタッタッタ

魔道士「召喚士さーんっ! お帰りなさい〜っ!」

召喚士「た、ただいま」

魔道士「どうでしたっ!?」

召喚士「いや、色々とありまして……みんないます?」

魔道士「戦士がまた帰ってこないんですよ……」

召喚士「戦士が?」

テクテクテク

盗賊「召喚士、戻ったか」

召喚士「盗賊さん。どこか行ってたんですか?」

盗賊「いや、実は……戦士が帰ってこなくてな……っ」

召喚士「今、効きました。一体どこへ……」

盗賊「鬼丸と出て行ったようなのだが、今……見てきたが、鬼丸もまだ戻っていないようだ」


934 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:34:31.04 ID:TGCQmLnVo


南方参謀「大丈夫よ。戦士くんがやられるようなタマに見える?」

西方参謀「それにその、鬼丸ってのが一緒なんだろ? じゃあ問題ねぇよ……ヒック」

東方参謀「知っておるのか?」

西方参謀「いんや。昨日初めて見たが、ありゃ相当なバケモンだぜ。ガハハっ」

青年兵「と、とにかく今日は都で待ちましょう」

召喚士「そうだね。夜までに戻らないようなら、捜索に向かった方がいいかもしれない」

盗賊「……っ」

魔道士「心配ないですって。盗賊さんっ!」

盗賊「うん」

召喚士「それで、魔王討伐の方はどう?」

青年兵「ええ。本国の軍船と兵、そして東方の兵をこれから東へ向かわせます」

召喚士「なるほど……」

青年兵「召喚士さん達は当初の予定通り、別働隊で宜しいですか?」

召喚士「実はその事なんだけど、戦士が戻ったら話したい事があるんだ」


935 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:35:08.04 ID:TGCQmLnVo
〜北の関所〜

旗本「これより先、山脈伝いに進むと、北の城が御座いまする」

隊長「なるほどな」

女隊員「ここまでの道のりはバッチリッスね」

男隊員「どうする? いっそ、その北の城ってとこまで行ってみっか?」

隊長「いや、今日は十分だろう。俺も最北までの道は経験済みだ」

格闘家「でも、1回ですよね?」

隊長「1回でも行きゃ、道くらい覚えるだろ」

男隊員「……」

隊長「北の城ってのは確か、城主さんてのがいたよな?」

旗本「ご存知ですか!? ええ、北の城を守っておられる主で御座いますよ」

隊長「前の戦いじゃ世話になったからな。今回も世話になりそうだ」

旗本「それでは、都へ戻られますかな?」

隊長「ああ、そうしよう。案内ありがとさん」

旗本「いえいえ。それでは帰路は、少し馬を飛ばすと致しましょう」


936 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:36:46.27 ID:TGCQmLnVo
〜夕方、名代の屋敷〜

名代「鬼丸……ですか?」

召喚士「ええ。戦士と出て行ったそうなんですが、何か聞いてないかな、と思いまして」

名代「いえ、特には何も……」

召喚士「そうですか……」

名代「まぁ、戦士殿もお強いですし、鬼丸が付いて居れば心配は無用かと」

召喚士「そうなんですけど……やっぱり待つしかないみたいですね」

名代「ところで召喚士殿は、何か得るものがありましたか?」

召喚士「あ、ええ。後ほど上様も交えてお話したいのですが……」

名代「……ふむ、重要事項のようですね。承知仕った、城にて手筈を整えておきましょう」

召喚士「助かります。戦士が戻り次第ですけど……」

名代「此方は何時でも構いませんよ。上様も私も、今は都から動けませんからね」

召喚士「分かりました。それでは戦士が戻り次第、連絡します」

名代「はい。私も城にて待つと致します。それでは」

召喚士「どうも、お邪魔しました」


937 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:39:04.22 ID:TGCQmLnVo
カラッ…スタスタスタ

召喚士「はぁ、手掛かりなしか。全く……どこ行っちゃったんだろ」

ギャーギャー

召喚士「まぁ俺も人の事……言えないけどさ」

ギャーギャーギャー!!

召喚士「……ん?」

戦士「お前が地図なくすからだろ!!」

鬼丸「仕方ねーだろ!! あんな状況で落としても文句言えるか!?」

戦士「なくすなよって散々、言っただろ!!」

鬼丸「何ィ!? 頭来たっ! おめぇとは相棒解消だ!」

召喚士「戦士っ!!」

戦士「……あん? おぉ、召喚士」

召喚士「おぉ、じゃないよっ!!」

鬼丸「……何だぁ?」

戦士「……さぁ」


938 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:47:11.52 ID:TGCQmLnVo
〜旅籠〜

召喚士「ただいま戻りました」

戦士「ただいまー」

盗賊「!?」

ズダダダッ…ザザッ

戦士「げ、元気だな……」

盗賊「……っ」

魔道士「ちょっと戦士さんっ! どれだけ心配したと思ってるんですかっ!」

戦士「えっ? あ、あぁ……すまん。色々とあって……」

盗賊「……」

戦士「……色々と……とにかく、説明すっから」

召喚士「戦士も何かあったの?」

戦士「も、って事はお前もか?」

召喚士「うん。それじゃあみんなで城に向かおう。上様と名代さんも待っているから」

戦士「そうすっか。ひとまず風呂にだけ入らせてくれ。汗臭くてかなわん」


939 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 17:59:23.07 ID:TGCQmLnVo


女将「あら、お出かけですの?」

南方参謀ええ。ちょっとお城まで」

女将「じゃあ夕飯は不要かしら?」

西方参謀「もし作って頂けるんなら、俺が全部食いますよ」

女将「は、はぁ」

魔道士「それじゃい行ってきまーす!」

女将「気ぃ付けてなぁ」

ゾロゾロゾロ

鬼丸「そんじゃ俺は橋に帰らせて貰うぜ」

戦士「城には行かねーのか?」

鬼丸「寺と一緒でよ、城もあんまり好きな感じじゃねぇんだわ。グハハッ」

召喚士「鬼丸さん、それじゃまた……」

鬼丸「おう。またなっ!」

戦士「ゆっくり休めよー」


940 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:00:37.79 ID:TGCQmLnVo
〜帝の城〜

名代「お待ちしておりましたよ」

帝「てっきり明日になるかと思っていたがな」

召喚士「す、すみません」

帝「いやいや良いのだ。私も暇を持て余しておってな」

家老「これ上様。そのような言い草は……」

帝「冗談だ。それで、話があると伺っているが?」

召喚士「はい。えっと、それじゃあまずは俺から報告させて頂きます」

東方司令「……」

召喚士「昨日より槍侶さんの案内で、不死の山へと行って参りました」

帝「そのようだな。何か収穫はあったのか?」

召喚士「……十分すぎる収穫でした」

名代「もしや……五行目がついに!?」

召喚士「いえ、それは……近いものは得ましたがまだ。それよりも重大な事が1つ……」

帝「構わぬ。申してみよ」


941 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:03:12.37 ID:TGCQmLnVo


魔道士「……っ」

東方参謀「魔王マーラ以外の……敵だと!?」

召喚士「はい。その妖を倒――」

戦士「今、なんつった……?」

召喚士「へっ?」

戦士「……何て……言ったんだ」

召喚士「えっと、シンノアクゴロウ……」

戦士「おいおい……冗談だろ……っ?」

盗賊「どうかしたのか?」

戦士「シンノアクゴローを……倒すだ?」

青年兵「戦士さん、何かあったのですか?」

戦士「昨日、俺と鬼丸が遭遇した魔物がよぉ……言ったんだ」

召喚士「……まさか」

戦士「シンノアクゴローだってよぉ!!」


942 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:06:19.79 ID:TGCQmLnVo


青年兵「では、戦士さんがその屋敷で戦った相手が、シンノアクゴロウだったと?」

戦士「ああ、間違いねぇ。鬼丸も知ってるし、西の坊主の話でもそうだった」

召喚士「……っ」

戦士「ハッキリ言う。軍団長クラスの妖だ。相当の戦力が必要になるぜ」

西方参謀「厄介な話になっちまったなおい……ヒック」

東方司令「でも別に、魔王を倒してから始末すればいいんだろ?」

召喚士「ええ。但し時間は限られていますが」

魔道士「……?」

召喚士「マーラを倒した後、シンノアクゴロウが魔王の座を狙うと山本さんは言ってました」

東方参謀「そのサンモトとか言う魔物は、信用出来るのか?」

召喚士「はい。山本さんは悪い妖ではないです。断言出来ます」

帝「……ふーむ。出来るだけ期間は空けぬ方が良いようだな」

名代「しかし上様も周知の通り、西は治安も悪く、手の施しようがありませぬぞ?」

帝「しかし、この事態ではそうも申して要られぬ事じゃ」


943 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:15:03.65 ID:TGCQmLnVo
南方参謀「でもそうなると、戦力を分ける事になりますわよ?」

名代「青年兵殿、それは可能なのですか?」

青年兵「……もちろんですが、不可能ではありませんよ」

東方参謀「だが当然、厚みはなくなる。各々の負担が増える事は明確よ」

青年兵「ええ。敵の戦力によりますが、更なる苦戦を強いる事にも……」

名代「如何なさいます?」

帝「召喚士よ、お主も急ぐのであるよな?」

召喚士「満月の事ですか? それなら別に気にしなくても……」

帝「どうせ倒さねばならぬ相手。ならば二手に分かれて討とうではないか」

青年兵「上様がそのお覚悟ならば、本国は従うまでです」

戦士「ちょいと待ってくれ。確か、シンノの野郎は都まで来れないはずだ!」

名代「……どういう事です?」

戦士「何でも、古くにシンノだけが通れない結界が張られたらしくて」

魔道士「結界ですか?」

南方参謀「シンノアクゴロウだけ? どうして……?」


944 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:20:09.79 ID:TGCQmLnVo
戦士「いや、理由は分からんが、とにかくシンノだけが通れないらしい」

召喚士「……それって、陰陽師か何かの人?」

戦士「ああ、陰陽師とか言ってたかもしれん」

召喚士「……なるほど……っ。だとしたらその人、凄いかも」

魔道士「へっ?」

召喚士「式神と妖は同一。だったら全てを滅する必要はないんだ」

名代「まさか、野の妖達も式神とする為に!?」

召喚士「魔王クラスであるシンノが従うとは思えないし……」

東方参謀「最も厄介な首領を制し、他の妖を得ようとしていたのか……?」

青年兵「もしそうなら……確かに凄い人ですね……っ」

召喚士「うん。俺らがここまで行き着く前に、式神と妖の存在に勘付いていたんだ」

西方参謀「もしくは、お前さんみたいに、妖と接触したか……ヒック」

召喚士「名代さん。同じ陰陽師として、何か手掛かりはありませんか!?」

名代「城内の書物を漁ってみましょう。龍脈の事も残されていたくらいです」

家老「もしかしたら何かしらあるやもしれぬな。よし、早速探させよ!」


945 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage saga] 投稿日:2011/12/19(月) 18:21:34.99 ID:TGCQmLnVo
今日はここまでにて失礼致します!
ご支援感謝です!それでは失礼致します!ノシ

年賀状はまたここ用の作って落書きでもうpります…


947 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [] 投稿日:2011/12/19(月) 20:08:53.05 ID:4SComHm70
女将「気ぃ付けてなぁ」



948 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/19(月) 20:36:17.72 ID:LhR/s4PSO
おつおつ!

>>947京都弁で美人声なら違和感はない



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