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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
869 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:24:06.98 ID:KLIzicD8o
 ドッシュウウウウゥゥゥゥ……

白虎長「はぁ、はぁ……っ! やった……ざまあみなさい……っ」

アスモデウス「諦めろと言ったはずだ。往生際が悪い」ザッ

紅孩児「……は?」

アスモデウス「……」

 キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ!!

師匠「おいおい……っ、嘘だろぉ……っ」

白馬騎士「まだ……撃つと言うのかっ!!」

アスモデウス「無尽蔵ではない。これが正真正銘、最後の一撃だ」

同門「……っ」

アスモデウス「私にとっても、貴様等にとってもなぁ!!」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

王子「何度だって……止めてみせるさっ」

帝「ああ。どうやら既に、洗脳の類はないようだしな」

おさげ「言われてみれば男どもがいつの間にか……」


870 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:24:36.01 ID:KLIzicD8o
 ザッ ザザッ

足軽「はぁ、はぁーはぁーっ」

青竜兵「竜騎士隊……なめんじゃねぇぞ……っ」ポタポタッ

アスモデウス「死にぞこないの分際で、刃向わねば楽に死ねるものを」

王子「東方の女王よ」

帝「帝で良いぞ」

王子「……帝さん」

帝「何じゃ?」

王子「怖いか?」

帝「いや、全然。むしろ清々しい」

王子「そうか」

帝「王子殿、其の方は怖いのか?」

王子「怖くない、と言えば嘘になるかな」

帝「そうか」

王子「だが、男にはやらねばならぬ刻がある」


871 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:25:08.38 ID:KLIzicD8o
帝「ふむ」

王子「今更ここにきて、逃げろ……とか、後ろに隠れろなどとは言わない」

帝「……?」

王子「帝さん、共に戦おう。あなたの力が必要だ」

帝「……」

王子「……帝さん?」

帝「あ、ああ。すまぬ……っ。そ、そうだな」

王子「この戦いに勝利して、本当の世界を作り上げようではないか」

帝「ああ。世界は繋がった。私達は生きて、これからの世界を作り上げねばならぬ」

王子「……」ニコッ

帝「……」ニコッ

王子「さぁ、行こう!」

帝「うむ」チャキッ

 その時、最後尾から発せられる気配に、アスモデウスは反応を示した。

アスモデウス「……?」


872 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:26:17.52 ID:KLIzicD8o
 バシュッ!! ボウウウウゥゥゥゥン!!

毘沙門天「……」

名代「この法力に、皆々様の魔力を合わせて下さいませ!」

朱雀嬢「余裕ですわ。出て来いっ、グリフォン!!」

玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」

白虎嬢「いらしてっ! ベヒーモス!!」

青竜士官「出でよ……っ、バハムート!!」

 シュイイイイィィィィン ズゴゴゴゴゴゴ!!

アスモデウス「ッ!?」

師匠「いよいよ始まったか。どれ、お手並み拝見だ!」

アスモデウス「あの輝き……あれは、まずいッ」

 ガシィ!! ググググッ……

アスモデウス「召喚獣が1つになろうとしている。その前にイイィィィィ」

 ガッカアアアアァァァァ!!

アスモデウス「潰すウウゥゥゥゥ!!」


873 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:27:19.29 ID:KLIzicD8o
 ドバッシュウウウウウゥゥゥゥ!!

紅孩児「撃ちやが……ぐわぁ――」

王子「セクメト! 正面からぶつかれええぇぇ!」

帝「ぐっくううぅぅ!」

アスモデウス「無駄だ。どう考えても数が足りぬ。こちらの勝ちだ」

騎士長「ナマ言ってんじゃねぇ!!」

北方兵「突撃ぃー!!」

西方魔道長「土行おおぉぉ!!」

精鋭魔道兵「おおぉぉーっ!!」

 ドッゴオオオオォォォォン!!

帝「あやつら……っ」

左翼長「遅くなってすまん! あっちは殲滅した!」

戦士父「はああぁぁーっ!」バチチイイィィ!!

バーテン「どんな手でもいいっ! とにかく押し返せぇ!」

博士「おぉ、踏ん張ってるのら」


874 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:28:28.32 ID:KLIzicD8o
助手「装填完了〜♪」

博士「さーて、そんじゃあこっちは……本体を狙い撃ちなのら」

工兵「バリスタ……ってぇ!!」

 バシュシュシュッ!! ドッシュウウゥゥゥゥ!!

アスモデウス「何――ヌグォ!!」ドズッ!!

 ドスドスドスドスッ!! ジュウウゥゥゥゥ……

アスモデウス「こ、これは……ッ、結界石だとぉ……ッ!?」

ワーカー「いっけぇ!! 俺達の街を、世界を……この手で守るぞ!!」

ラクシャーサ「魔族だってなぁ……住みてえ所はァ、あるんだよぉーッ!」

白虎兵「もうこれで……枯渇だコンニャロー!!」

 ズッギャアアアアァァァァ!!

アスモデウス(……何だこれは)

三男「側面からもあたれっ! 一丸となれば出来ぬ事はないぞ!」

華国兵「おぉーっ!」

アスモデウス(人間共の力が1つになり、巨大な何かを生み出している……?)


875 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:29:03.07 ID:KLIzicD8o
騎士長「お前らっ、隊長の分まで存分に暴れてやれ!!」

騎士団「我らが騎士団長の誇りっ、この突撃をもって思い知るがいい!!」ドガァ!!

アスモデウス(これが、人間の持つ信頼というものか。助け合う力……愛)

王子「ぐくっ、この程度……っ! まだまだぁ!」

帝「止めるだけでは駄目だっ! 押し戻すのだ!」

アスモデウス(思えば、魔族お連中は1匹も見当たらぬ……気にも留めていなかったがな)

左翼長「おらっ! さっさと矢ぁ持ってこい!」

バーテン「閃光は他の連中に任せろ。とにかく本体だ、本体!」

アスモデウス(奴等は他者を信じて、不足を補いながら助け合い……)

戦士父「ふんっ!!」ザシュッ!!

師匠「すまんな……っ、助かったぜ」ガシッ

アスモデウス(ここまで、無き道を1つ1つ築き上げて……ほんの僅かな光を手繰り寄せたのかッ)

名代「良し。今ならばいけますっ!」

青竜士官「食らうがいい、これが最後の一撃だぁ!!」

アスモデウス「否アアァァ!! そんなものは弱者の戯れェ!! 認めんぞォ!!」


876 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:29:41.38 ID:KLIzicD8o
朱雀嬢「!?」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「我が全ての力を費やしてでもォ!! 貴様等の希望は打ち砕いてくれるわ!!」

 ガッカアアアアァァァァ!!

同門「なん……だとぉ!?」

魔法剣士「駄目だ……魔力が足りぬ……ッ」

南方魔道長「精鋭魔道兵が何人居ると思ってんだいっ! それで……支えきれないなんて!」

博士「バリスタ、戦線が拡大するのら。これ以上は危険なのら。後退するのら」

助手「だったら博士も来なさいっ!」グイッ

 ドッグオオオオォォォォン!!

左翼長「冗談じゃ……ねぇぞチクショウ……っ!」

戦士父「……」

師匠「何をボサっと突っ立ってるんだよ」

戦士父「お手上げだな。これは止めきれるか微妙なところだ」

師匠「0じゃねぇ限りは諦めねぇ。そうじゃねぇのかよ」


877 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:30:34.91 ID:KLIzicD8o
戦士父「確かにそうだが、ここは肉を切らせて骨を断つという事だ」ザッ

師匠「あぁ!?」

戦士父「ゾディアックでもあれば、楽なんだがな」

師匠「おい待て、どこへ行く気だ……?」

戦士父「……」ザッザッ

師匠「おい!! 死ぬつもりか!?」

戦士父「それも本望」

師匠「バカな事を言ってんじゃねぇ!!」

戦士父「懐に飛び込んでの一撃ならば、数秒は動きを止められるはず」バッ

師匠「くっそぉ!! 誰かっ、援護出来ねぇのかよ!!」

戦士父「……はあぁ!」ババッ

アスモデウス「何だ? 単身、自殺にでも来たか?」

 ザッシュウウゥゥゥゥ!!

戦士父「……っ!?」ピシッ

アスモデウス「狙いは良かったが、浅はかにも程があったな」


878 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:32:02.12 ID:KLIzicD8o
戦士父「力不足か……」

アスモデウス「その通り。分かっているじゃないか」

戦士父「……」

アスモデウス「力なくば、どんなに策を練ろうとも終いだ」

戦士父「そうみたいだな」

アスモデウス「なかなか利口だ。楽に死ぬと良い」

 ガシッ……ブン!!

アスモデウス「閃光を浴びて死ねィ!!」

 ドガカアアアアァァァァ!!

アスモデウス「……ッ!?」

師匠「な、何だ? 奴が何か……したのか……?」

白馬騎士「いえっ、奴ではない何かが……」

南方魔道長「むしろ、味方側のものじゃないのか?」

 シュウウウウゥゥゥゥ……

アスモデウス「……貴様ァ」


879 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:32:53.27 ID:KLIzicD8o
名士「……」

アスモデウス「なんのつもりだァ!!」

名士「この先には、我が家があるんでね」

アスモデウス「……ア?」

名士「もうじき庭に花が咲くんだよ。とても綺麗なんだ」

アスモデウス「花? 綺麗? 貴様……何を言っているかアアァァ!」ビリビリッ

名士「お前のような下衆には一生涯分からんさ」ググッ

アスモデウス「口は達者だが、大した助けにもなっておらんぞ?」

名士「まぁ仕方ないよね。ここ最近、魔力を使いすぎたから」ボロッ

アスモデウス「ハハハハッ! 自身を形成する魔力も削られておるではないか」

名士「そんな事はどうでもいいんだ。だがね……」

アスモデウス「……?」

名士「このノーンハスヤ様の美学を汚す下衆は、許さん!!」ズオッ!!

アスモデウス「ならば貴様の美学とやら諸共……消え失せよッ!!」

 ドッゴアオオオオォォォォ!!


880 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:33:29.09 ID:KLIzicD8o
精鋭魔道兵「ぐああぁぁーっ!!」

オーク「ふ、防げないいぃぃぃぃ!」

アマゾネス「これだけの人数なんだぞ……っ、なのに……なのに……!!」

 ドッグオオオオォォォォン!!

名代「合体召喚は成しえました。あとは……」

朱雀嬢「今撃っても、うまくいくかどうか」

青竜士官「せめてあの閃光が、もうほんの僅かずれてくれさえすれば……」

玄武娘「……」

白虎嬢「玄武娘ちゃん……?」

玄武娘「大丈夫ですの」

朱雀嬢「へっ?」

玄武娘「召喚はもう、終えましたの」

朱雀嬢「玄武……娘?」

玄武娘「最後は私が、食い止めてみせますの」

青竜士官「何を言っている! 無理だっ!」


881 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:34:25.14 ID:KLIzicD8o
玄武娘「まだ魔力は少し、残ってますの」

朱雀嬢「嘘おっしゃい! 幾らあなただって、もう大した魔力は……」

玄武娘「それじゃ、後は頼みますの!」タッ

白虎嬢「あっ!」

朱雀嬢「玄武娘!!」

名代「……行ってはなりません!」

朱雀嬢「だって玄武娘がぁ!!」

名代「今、召喚獣から離れては魔力が不安定になります」

青竜士官「玄武娘だからこそ出来る行為だ。もう……任せる以外にない……っ」

白虎嬢「玄武娘ちゃん……っ」

朱雀嬢「……何やってるのよバカーっ!!」

 タッタッタッタッ

玄武娘「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 ズザァ……ザッ

玄武娘「おいで、ヒュドラ」


882 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:35:10.52 ID:KLIzicD8o
 シュイイィィィィン

ヒュドラ「ねぇ、魔力がほぼ空に近しいじゃない」

玄武娘「へへっ。使いすぎたですの」

ヒュドラ「……死ぬわよ?」

玄武娘「いいんですの」

ヒュドラ「……?」

玄武娘「ずーっと迷惑かけてきたですの。このくらいしないと、怒られちゃうですの」

ヒュドラ「怒られる?」

玄武娘「ええ。おじいちゃんに……怒られちゃうですの!」

ヒュドラ「フッ、馬鹿な娘ね」

玄武娘「バカじゃないですのっ!」

ヒュドラ「あの甘ちゃんが怒りなどするものですか」

玄武娘「……っ」

ヒュドラ「きっと、笑顔で褒めてくれるわよ」

玄武娘「……うぅ」


883 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:35:58.64 ID:KLIzicD8o
ヒュドラ「さぁ行くぞ。お前を死なせたりはしない」

玄武娘「……ありがとうですの!」ゴシゴシ

ヒュドラ「来るぞ、しっかり……身構えろぉ!!」

玄武娘「おぉ――――」

 ズッガアアアアァァァァ!!

玄武娘「きゃああぁぁーっ!!」

ヒュドラ「これは、予想外かもね……っ」ジジジジッ

玄武娘「でもぉ! 負けるわけにはいかないですのおおぉぉ!」

ヒュドラ「もっと退がれっ!」

玄武娘「下がらないですのっ!」

ヒュドラ「後ろに隠れろ! 直撃を受けるぞ!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんを……みんなをっ、守るんですのおおぉぉぉぉ――」

 パアアァァァァ……

玄武娘「……へっ?」

――「素晴らしい覚悟だ。でもね、死んでは駄目だよ。何も残らない」


884 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:36:30.13 ID:KLIzicD8o
玄武娘「だ、誰……ですの……?」

ヒュドラ「良かった……味方――」ボシュッ!!

玄武娘「ヒョド……あうっ」ガクンッ

――「魔力を消耗し過ぎたね。あぁ、あとは任せてくれ」

マーメイド「いくわよっ、サモナー!」

サモナー「ああ。ここを押し返せばぁーっ」

 ドゴゴゴゴゴゴ……

アスモデウス「……な……ッ?」

サモナー「道は……拓ける!!」

マーメイド「サモナー! 今よっ!」

サモナー「おいで、スキュラ、ヒュドラ……ごほごほっ!!」

マーメイド「!?」

サモナー「……くそっ、こんな時に……ごほっ」ツツー

マジシャン「十分だよ、ハッハ!」ザザッ

サモナー「!?」


885 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:37:04.18 ID:KLIzicD8o
マジシャン「はあぁーっ!」

 ドドオオォォォォン!! スガガガガッ

マジシャン「情けねぇ……っ。再来のマジシャンがこれっぽっちかよ……」

 ドサッ

マーメイド「ちょっと!? サモナー彼……」

サモナー「玄武娘……を……」ドサッ

玄武娘「……」

アスモデウス「ハハッ、ハハハハ! 間に合った……ッ!!」

名代「ああ。貴様の言う通り……間に合ったさ」

青竜士官「とくと味わえ、我らの力をなっ!」

白虎嬢「これで……決めてみせる」

アスモデウス「な、何イイィィ!?」

朱雀嬢「玄武娘……っ」ザッザッ

玄武娘「あ……ぅ、朱雀嬢……ちゃん?」

朱雀嬢「私達の勝ちですわよ。ほら見える? あの……金色の光が」


886 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/08(火) 18:38:11.15 ID:KLIzicD8o
途中PCが急に再起動するトラブルがありましたが、
きちんと保存してた自分にビックリというか流石に学んでいた

とりあえずここまでにて!ご支援ありがとうでした!それでは!ノシ


893 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/05/09(水) 01:32:44.16 ID:RnceXZzAO
>>1おつ

アスモデウスさん真の姿めっちゃイケメンだな



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