■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22
290 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:23:52.34 ID:oJC1m0Mo
〜次の日〜

女将「それじゃ皆様方、お気をつけて」

召喚士「はい。お世話になりました!」

戦士「また来ます!!」

魔道士「……顔、どーしたんですか!?」

隊長「……ちょっとな」

西方参謀「気にせんでくれ」

盗賊「…では、行くか」

テクテクテクテク

隊長「そんじゃ気を付けてな」

魔道士「隊長さん達は行かないんですか…?」

西方参謀「都に残ってるよ。本国からの返事も待たにゃならんし……」

隊長「一応、任務中だしな」

戦士「そっか」

召喚士「それでは、行ってきます」


291 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:26:23.05 ID:oJC1m0Mo
召喚士達は隊長、西方参謀と別れ、藤蔵を目指す為都を出発した。

西方参謀「さーてと……」

隊長「んで、何だって?」

西方参謀「あん?」

隊長「行ってきたんだろ?ワークショプ」

西方参謀「…ん、ああ」

パラッ

隊長「…なになに……って!?」

西方参謀「……フットワークが軽いのも困りものだ」

隊長「…どうすんだよ」

西方参謀「そうするもクソもねぇよ……ヒック」

隊長「……」

西方参謀「大人しく都で……」

ドンッ

西方参謀「…おっと、すまん」


292 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:29:22.34 ID:oJC1m0Mo
少女「……」

西方参謀「だ、大丈夫だったか?」

少女「こちらこそ…すみません」

テクテクテクテク

西方参謀「……?」

隊長「んで、どーすんだ?」

西方参謀「どうするもあったもんじゃねぇよ。来るってんだから仕方ねーだろ」

隊長「いくら東方の帝が良いっていうからってよぉ……」

西方参謀「流石は殿下ってとこだな…がはは!」

隊長「笑い事じゃねぇ!」

西方参謀「とりあえずだ、名代殿に話をつけておこう」

隊長「…だぁな」

西方参謀「……まさか昨日の今日で東方来ると言い出すとはなぁ…」

隊長「恐れ入ったよ…全く…」

西方参謀「そんで、名代殿の屋敷はどこだ?」

隊長「……知るか」


293 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:35:49.71 ID:oJC1m0Mo
〜帝の城〜

テクテクテク

家老「おや、名代殿。早朝から如何致した?」

名代「お早う御座います。上様は…?」

家老「それが見当たらんのだ…。全く…どこへ行かれたのやら……」

名代「……」

家老「それに女剣士殿も見当たらぬ。まさか、また二人でお忍びなどと…」

名代「…すぐに戻りますよ。きっと」

家老「むぅ、ならば良いが……」

名代「はい」

家老「そうそう、名代殿は見ておられぬか?」

名代「……?」

家老「先程から城内にて見かけぬ少女を目撃したと複数の者から報告が……」

名代「少女……。そうですか」

家老「妖怪などの類でなくば良いが…」


294 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:38:44.63 ID:oJC1m0Mo
名代「成程…ご安心を。妖怪などでは御座りませぬ」

家老「そ、そうか…?」

名代「はい。大切なものですよ」

家老「……?」

名代「近いうちに分かりまする。では、失礼」

テクテクテクテク

名代「…そうか。ふふふっ」

テクテクテクテクテク…

城を出た名代はその足で橋の下へと向かう。

名代「上様は…?」

鬼丸「もう行ったぞー。女剣士が付いてる…大丈夫だろ」

名代「そうか。お姿を拝見したか?」

鬼丸「…グハハ!まぁな!!」

名代「……そうかぁ」

鬼丸「帰ってくるのを楽しみにしてな…グハハハッ!!」


295 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:40:37.61 ID:oJC1m0Mo
〜藤蔵〜

魔道士「到着〜!」

盗賊「なんとか昼前に着けたな」

召喚士「久々ですねぇ」

戦士「…ああ」

テクテクテク…ギギイィ

戦士「見張りは居なくなったんだな」

盗賊「…ああ。もう影もなくなったしな」

召喚士「そっか……」

タッタッタッタッタ

盗賊「…ま、まずいっ!!」

魔道士「…へっ?」

タッタッタ…ガバッ

侍女「姫ぇ〜っ!!」

ギュウウゥゥッ!!


296 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:43:51.43 ID:oJC1m0Mo


侍女「……」

盗賊「だから何度も申しておるだろう!たわけっ!」

侍女「だってぇ……」

盗賊「窒息死させる気か!」

侍女「ごめんなさぁい……」

魔道士「ま、まぁまぁ…。お久しぶりです〜」

侍女「ようこそ、お待ちしておりましたわ!ささ、どうぞどうぞ」

召喚士「失礼します」

戦士「失礼……」

ヒュバッ!!…カカッ!!

戦士「!!……手裏剣!?」

火忍「…ほぉ、よくぞ避けたな、合格だ。東方に入る資格はあるよう……」

ゴチンッ!!

火忍「痛っ!!」


297 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:46:15.79 ID:oJC1m0Mo
土忍「…そんな試験はない。……ようこそ皆様方」

風忍「さぁ、お荷物を」

魔道士「ありがとうございますー!」

侍女「さぁ、姫。御館様にご挨拶してらっしゃい!」

盗賊「…父上はどちらに?」

侍女「書斎じゃないかしら」

盗賊「…行ってくる」

侍女「あ、待ちなさい」

盗賊「……?」

侍女「…じゃーん!」

魔道士「着物だっ!」

侍女「…ちゃーんと着替えてからねぇ〜」

盗賊「またか……っ」

水忍「皆様方も奥の部屋にてお着替え下され」

召喚士「あ、すみません…。ありがとうございます…!」


298 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 00:50:49.23 ID:oJC1m0Mo
〜オマケ〜

師匠「がはははは!!さぁ、追いつけるかな!?」

シュタタタタタッ

召喚士「は、早いっ!」

戦士「まさか…それで師走とか言うんじゃねーだろうな?」

ドキィ!!

師匠「な…なんの事かなぁ?」

召喚士「師走って忙しいよね…年賀状作らされたり…。ただですら仕事増えてしまって…」

魔道士「な、何の話をしてるんですかっ!?」

盗賊「…代弁…かな?」

召喚士「いや!そんな事でめげてどうする!」

魔道士「立ち直り早…っ!!」

召喚士「色々あると頭がこんがらがって…色々発散したくなるんですよ…ふふっ…」

戦士「……病んでるな」

盗賊「…ああ」

師匠「……あのー。俺…は?」


307 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:27:32.85 ID:rAdGRfUo


奉公人「……よし、出来ました」

召喚士「ありがとうございます」

戦士「東方の服を着るのも久々だな」

風忍「…おぉ、本国の方が着る姿もなかなか風情よ」

土忍「…うむ。よく似合っておられる」

召喚士「ありがとうございます」

火忍「…ふん、どうだかねぇ」

シズシズシズ…

魔道士「お待たせしましたー」

水忍「……おぉ」

風忍「これはまた……っ」

魔道士「に、似合いますかね…へへっ」

火忍「…いやはや、異国の方が着る姿も風情がありますなぁ!」

土忍「……」


308 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:29:00.86 ID:rAdGRfUo
スゥッ…シズシズシズ…

風忍「……おぉ…っ!」

土忍「…姫、お似合いですぞ!」

魔道士「わぁ…!盗賊さん素敵…!!」

盗賊「……っ」

侍女「なーに照れてるんですかっ!」

盗賊「だってこんな…艶やかな……」

召喚士「いえいえ、凄く似合ってますよ!」

戦士「ああ」

盗賊「戦士……」

火忍「…姫、とてもお美しゅうございます。あ、いや…普段の姫がどうとか……」

盗賊「ところで喪服でなくとも良かったのか?」

水忍「普段より黒装束の我らです。華やかに見送りましょうぞ」

盗賊「そうか……そうだな……」

火忍「……つまりはですねその…普段にも増して倍…いや!数倍にも増し……」


309 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:30:42.10 ID:rAdGRfUo
シズシズ…スッ

盗賊「……盗賊です」

御館様「…うむ、入れ」

ススッ…

盗賊「父上におかれましたは、益々のご健勝……」

御館様「堅苦しい挨拶はよい」

盗賊「……」

御館様「此度はご苦労であった。よくぞ上様をお守りした」

盗賊「いえ……」

御館様「雷については残念であった」

盗賊「……私は…っ」

御館様「お前が已んでいても仕方あるまい」

盗賊「……」

御館様「皆が待っておるのであろう?行くとしようか」

盗賊「…はい」


310 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:31:24.21 ID:rAdGRfUo
テクテクテク

召喚士「…へぇ、裏手にこんな広い平原が…っ!」

魔道士「少し寒いですけど…気持ちいいですねぇ!」

水忍「春や夏であれば緑も生い茂り、良いのだがな…」

戦士「いやいや、冬も見晴らしよくて…なかなかのもんですよ」

土忍「この先に丘がある。そこにいたそう」

グイッ…ゴロゴロゴロ

火忍「…つーか重いなこれ。積み過ぎじゃないのか?」

風忍「つべこべ言わず引け。一気に押すぞ」

土忍「13人分の飲食物を積んだ荷車だからな」

火忍「へいへい」

水忍「…よし、いいだろう。速やかに支度を済ますぞ」

魔道士「あっ、手伝います〜!」

風忍「いやいや、客人に手伝わせるなど……」

魔道士「好きなんで構いませんよっ!えへへ…!!」


311 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:31:54.45 ID:rAdGRfUo
ザッザッザッザ

侍女「お待たせー!もう準備出来たー?」

火忍「見りゃ分かるだろ。ほれ、さっさと手伝え」

盗賊「…よし、何をすればいい?」

火忍「姫!?」

御館様「これを運べば良いのか?」

火忍「御館様!?めっ、滅相もない!某にお任せを!!」

侍女「生返事するからそうなるのよっ、もう」

召喚士「こっち、大丈夫でーす!」

風忍「ではそのまま敷いて下され」

魔道士「料理はこれとこれを…こっちに置いて……」

戦士「…よっと、こんなもんか」

水忍「なかなかの手際。素晴らしいな」

戦士「旅暮らしもだいぶ長いっすからね。なぁ…?」

召喚士「うん」


312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:32:29.63 ID:rAdGRfUo


土忍「…では、始めるとするか」

風忍「火、音頭とれ」

火忍「お、俺かよ…!?」

盗賊「頑張れ」

火忍「……えー、ゴホン」

侍女「ちょっと、立って言いなさいよ!」

火忍「え、あ…ああ!」

スクッ

火忍「えー、こうして一同会する機会も早々ありませぬ」

水忍「…固いぞ」

火忍「うっせ!……ですから〜今日は無礼講で楽しみたいと思います」

土忍「……」

火忍「約束したんだ…皆で酒宴をしようってな」

風忍「……ああ」


313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:32:57.48 ID:rAdGRfUo
火忍「だから、今日は雷の分まで笑って楽しもうじゃありませんか」

御館様「……」

火忍「……それでは、乾ぱ――」

テクテクテク

火忍「……?」

盗賊「どうした…?」

火忍「…おいおい、どっから入り込んだんだぁ?」

火忍の一言に一同が背後を振り返る。

火忍「お嬢ちゃん、悪いがここは藤蔵の敷地内……」

少女「知っておる」

火忍「知ってる…?じゃあ悪いが立ち去ってくれ」

少女「…うーむ、折角のお呼ばれであったが…仕方あるまいか」

風忍「…あ…れ?お主、女剣士か?」

少女の背後に立つ女性が俯きにながら無言で頷く。

女剣士「……正装のつもりだが…こ、こういう服は慣れてなくてな…っ」


314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:37:47.95 ID:rAdGRfUo
水忍「…み、見違えたな。いや…似合っておるぞ」

女剣士「う、うるさい!殺すぞ!!」

火忍「何で女剣士が……って…え、えぇと…あれ……」

御館様「もしや……上様か…っ?」

魔道士「えぇーっ!?」

少女は微笑んで応える。

帝「…ふふっ。私もなかなかのものであろう?」

火忍「――っ!!」

侍女「ひ…ひええぇぇ!!上様が…女子だったなんてえぇ!」

土忍「…そういえば侍女には話してなかったな」

風忍「…あ、ああ」

帝「これからは性別など偽らず、いや…隠す事なく生きようと思う」

召喚士「う、上様…っ」

帝「のう、盗賊……?」

盗賊「上様…っ」


315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:38:41.30 ID:rAdGRfUo


火忍「…………」

帝「も、もう良いから表をあげい…」

火忍「そうはいきませぬ!存ぜぬといえど…とんだご゙無礼を…っ!」

盗賊「お前は本当に土下座が好きだなぁ」

侍女「放っておきましょう。自業自得ですよっ」

女剣士「しからば、介錯を」

帝「よいよい。城の者ですら気付かなかったのだ、致し方あるまい」

戦士「そりゃあ…今まで男と思ってたら…なぁ…」

魔道士「こんなにカワイイ女の子だなんて、誰も分かりませんよ〜」

帝「…なんだか、照れるのう」

御館様「では一同が揃ったところで改めて乾杯と致すぞ」

風忍「折角ですので上様、お願い致しまする」

帝「…良いのか?」

水忍「雷も喜びまする」


316 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:39:15.91 ID:rAdGRfUo
帝「……」

スクッ

帝「藤蔵、そして本国の皆…大変ご苦労であった」

御館様「……」

帝「皆の力でヤマタノオロチは見事、討ち果たす事が出来た」

女剣士「……」

帝「そして……」

召喚士「……」

帝「雷、今はゆっくりと休むが良い……」

スッ

侍女「…さぁさぁ、食べましょう!」

土忍「…火、いい加減立たぬか。邪魔だぞ」

火忍「……憑かれてるのかな。厄払いにでも行くか…っ」

盗賊「上様、どうぞ」

帝「……ありがとう」


317 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:40:17.02 ID:rAdGRfUo
ススッ

盗賊「お覚悟を…決めたのですね」

帝「ああ。。そなたのお陰だ」

盗賊「そ、そんな事……」

帝「いやいや、女子でも立派に生きていける。力を貰った」

盗賊「……」

帝「私はそんな世を築きたい…そう思ったのだ」

盗賊「上様……」

帝「老若男女問わず、皆が平等に暮らせる…そんな国、そんな世をな」

盗賊「素晴らしいお考えです」

帝「だから、まずは己がその道を示さねばならぬ」

盗賊「……」

帝「簡単には行かぬであろうが、盗賊や皆のお陰で自信が付いた」

盗賊「…はい」

帝「共に頑張ろうではないか。…ふふっ」


318 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:50:29.44 ID:rAdGRfUo
ザッザッザッザッザ

侍女「天気にも恵まれて、良かったわねぇ〜」

水忍「全くだな」

風忍「さぁ上様、姫」

盗賊「うん」

帝「……」

荷車より13人目の食べ物と酒を取り出し、帝と盗賊を先頭に、

小高い丘の頂上に生える一本の大きな木へと、12人は足を進める。

女剣士「……」

土忍「…見晴らしも良く、少し贅沢すぎるかな」

火忍「…ははっ、そうだな」

ザッザッザ

木の根元にしゃがみ込む帝と盗賊が、花と飲食物を供える。

帝「……」

盗賊「……雷」


319 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 17:53:51.62 ID:rAdGRfUo
御館様「いずれは墓石も立てるとしよう」

盗賊「ええ…」

帝「……」

ゴソゴソッ

魔道士「それは…?」

帝「遺灰だ。半分はここに埋めようと思うてな」

戦士「……」

帝は小さな両手で木の根元を掘り始める。

女剣士「上様っ!?私がやります…!」

帝「良い…。自分でやりたいのだ」

盗賊「私が手伝います…」

ゴソゴソッ…ザッザッザ

帝「……これで…良し」

盗賊「……はい」

掘った穴の中へ、帝は雷の遺灰を半分程、丁寧に埋めた。


320 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:09:33.93 ID:rAdGRfUo
風忍「墓石には名と辞世の句も刻まねばな」

火忍「おう、そうしよう」

御館様「上様」

帝「ん?」

御館様「宜しければ、彼奴に返句を頂けませぬか?」

帝「返句…返句か。そうだな」

御館様「紙と筆を」

侍女「はいっ」

帝「……うむ」

サラサラサラッ

帝「これで…良いかの?」

御館様「…ええ。きっと喜ぶ事でしょう」

帝「そうだと良いな」

盗賊「きっと…喜んでおります」

召喚士「ええ……」


321 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:19:33.00 ID:rAdGRfUo


風忍「……では、屋敷に戻ると致しましょう」

御館様「…うむ」

盗賊「……」

テクテクテクテク

召喚士「……」

――『カカッ!』

召喚士「えっ…?」

召喚士は突如振り返り、それと同時に空が一瞬光った。

ゴロゴロゴロッ…

水忍「雷鳴…?」

侍女「こんな晴天なのに……」

召喚士「きっと……雷忍さんが笑ったんですよ」

盗賊「…ああ」

帝「……またな、雷」


322 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:32:25.43 ID:rAdGRfUo
耳に飛び込んだ声は、ただの雷鳴かそれとも幻聴かもしれない。

でも俺にとっては、雷忍さんからの感謝の返答…そんな気がしたんだ……。



後日、木の下には墓石が建てられ、雷忍の名と辞世の句が刻まれた。

また、その裏には帝から賜った返句が刻まれている。



――宵空に 隠れて見えぬ 二つ星 道ぞ照らすは 蛍一匹


323 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:40:06.52 ID:rAdGRfUo
〜???〜

ビュオオォォォォ…ザッ

ネクロマンサー「……」

夜行「…ヒヒッ、よう」

ネクロマンサー「これはこれは」

夜行「しくじったらしいなぁ…?」

ネクロマンサー「…ククッ、申し訳……」

ヒュオンッ!!

ネクロマンサー「…おぉ、これは怖い。鞘に納めて頂けませんか?」

夜行「…ヒヒッ、貴様は二度と東方に手を出すな」

ネクロマンサー「……」

夜行「人間上がりの分際で、ましてや東方ででけぇツラした結果がこれかい?」

ネクロマンサー「……」

夜行「魔羅様からお咎めが出る前に…さっさと消えちまいな」



324 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:45:55.12 ID:rAdGRfUo
ネクロマンサー「……致し方、ありませんねぇ」

夜行「……」

ネクロマンサー「では、失礼しますよ……ククッ」

フォンッ

夜行「……」

バサッ…バサッバサッ…

ヤタガラス「良かったんか?帰しちまって……」

夜行「やっぱりあんな奴らにゃ頼るべきじゃあないわな」

ヤタガラス「…せやなぁ」

夜行「…次は、いよいよだわ」

ヤタガラス「…魔羅様が直々に…っ」

夜行「……さぁひとまず戻ろうかねぇ」

ヤタガラス「仕切り直しせなアカンな!」

夜行「……ヒヒッ!」

吹雪く漆黒の闇の中、夜行とヤタガラスは溶けるように消えて行った。



〜第二十六部、完〜


325 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/12/03(金) 18:50:09.61 ID:rAdGRfUo
二十六部、ようやく終わりました。時間かかってすみません…!
では失礼致します。ご支援ありがとうございましたー!ノシ


330 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 19:34:34.76 ID:NbKbknQo
ご立派でいらっしゃる魔翌羅様。


331 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 19:56:40.15 ID:IODi91co
           /´ ̄`ヽ            , --、               
          /  人   l             /    \      
        / /爻ヽ  ヽ      , ---、 | く⌒ヽ ヽ , -─‐-、   
        { /∠⌒ヽ }  }       / ,--、ヾ> ヽ } レ'  , ---、 ヽ    ____,
        レ'彡イ {Uj }ヾミイ       {  \ } }|  V /  /     `! |  !  
    ⌒)ノ  |  ドこzン八三}     ,ィ\/⌒ヾ ̄ヾノ_ノ  ァ'-─-、 ゞL__,〃 
     (ソ⌒ヽ! ト--イ ⌒__,ハ  ,ィシvく}了ミy'´7´l}_, -‐┴-、   `ヽ  ̄ ′ 
       レ)   ! ト--イ (  ノ `ーべ⌒ヽ>y' 〃, -┴┴ミ、_}_}_}_j ヽ⌒) j     
      ヽ)、___,>、ト--イ ))〈     ト_チrく    // ̄ヽ、_) / /  _..._  
  '⌒>‐ミ、 \)こZヾ--ヘ{{ l|  y' ゝ ヾミ゙)'}|≧>、 / /バ⌒ヽn V/ 〃⌒ヽ 
  (⌒ヾ>ニKド、⌒Yく_/ヽj} 人_ゝ__>==1 r彡"´/ / | |   /y'}[__//   .`
    ,ィ  ゙̄Vソ,イノ \__ム丁了)ノr'ン´フノ ィ彡/| | ヽヽ. // ヽVソ´     
   / / r‐ヘ `Y {    [二[| ,勹77´ ̄ シ三彡'/| |\ ヽV/ミ、_} Kミ、
  { {   トZべ.」 |   [三}〒ラ77 (_)(_) r三/ / | |> \f⌒l/l | L }
 ヾl |  l三ィ∧ l __. [三}⊥.イ工===ァべ/ /,ィ| |/>l{ l>}X.| |゙)レ′
  ヾ, ヽ  {三N>} Y二ヽ」ニ/l⌒ヾ´  /  {O}___」 |/rくゝ _ソ\l |(
   >、 \ 缶jfハ >n' fy' l ⌒y} //⌒\/rヘ l/ /7j\j j
  /∧>、_/フイ/7-Vきy'/1 |(⌒)|}./|ト、   \j.ハ ヽ. //) l| //
  !{ニ///,イ///∠7/Zl{ |ィ^トl|\.j| ノへ.____}へ. V/´ ヽV./
  ゞ〃'Tヽ 〃´ ̄ ̄〃⌒l  VハVj  }ソ       ヽ \  //
  ケミ三彡"     /   ゝ ゞ='ノ二/         \ ゝ" /

ご立派様で支援


332 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/03(金) 20:18:40.33 ID:d6g0QWQo
ペニス対マラか…


334 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 05:30:52.42 ID:GnQEF2AO
火忍の土下座がもはや安すぎて吹く

>>1乙でござる


335 名前:三日目東R59Aがお送りします [] 投稿日:2010/12/04(土) 08:53:38.41 ID:3QGQSnk0
1乙
何か御館様が盗賊に優しくなってきた



336 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 15:02:27.68 ID:qBrXv9w0
>>1乙
親方様に悲しいニュースばっかりだからなあ



次へ 戻る 戻る 携 上へ