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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
- 97 名前: ◆1otsuV0WFc []
投稿日:2011/12/24(土) 23:30:03.17 ID:JJdx3jqIo
帝「な……っ」
東方司令(馬鹿な……っ! コイツ、いつから……っ)
神野「まぁそう固い顔すんなや。いきなり襲い掛かったりせぇへんて」
魔道士「し……召喚士さん……っ」
召喚士「ええ……」
ザッ
召喚士(……こいつがシンノアクゴロウ)
神野「ま、正々堂々と勝負しようや」
召喚士(……強い。色々な魔物と戦ってきたから分かる)
神野「ん〜? 五人か。こないだの連中は居ないみたいやなぁ」
名代「お主、神野悪五郎とお見受けする」
神野「ああそうや。如何にもわいが神野悪五郎や」
名代「一つお伺いしたい。貴方の目的は何です?」
神野「んなもんあらへん。わいは自由に生きてるだけや」
名代「そうですか。ならば倒すしかありませんね」
- 98 名前:>>96ありがとうございまーす! ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/24(土) 23:30:45.70 ID:JJdx3jqIo
ピクッ
神野「ほぉ、わいを倒す? 言うてくれるやないか」
名代「その為に来たのです」
神野「自由に生きてるだけや言うてるのに、酷い話やなぁ」
名代「自由に生きられたのでは困るのですよ」
神野「何やとぉ……?」
召喚士「この地上は人の住む場所だ。お前は帰るべき場所へ帰ってくれ」
神野「……」ポリポリ
召喚士「そうでなくば、俺達は……」
神野「あのな」
召喚士「……」
神野「地上とか地上じゃないとかそんなん関係あらへん」
召喚士「何?」
神野「あんさんも色んな奴と戦ってきたんやろ?」
召喚士「何が言いたい」
- 99 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/24(土) 23:31:29.65 ID:JJdx3jqIo
神野「人が住むとか地上とか関係あらへん。強いモンが生き残る。そやろ?」
東方司令「じゃあ力でねじ伏せればいいんだな?」
神野「あんたらさー、さっきからそんなん言うてるけど……勝てんの?」
ヒュバッ!!…キイイィィィィン
神野「……」
東方司令「なかなか早いじゃないか」
神野「……ナメとんのかわれぇ」ピキッ
東方司令「それにいい刀だ。お前にはもったいないな」
神野「――っ」ピキピキピキッ
召喚士「東方司令さんっ!」
東方司令「来ないなら、こちらから行くぞ」
神野「殺すッ!!」
ブオンッ!!…ガキイイィィン
東方司令「……そんなものか」
神野「アァ!?」
- 100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/24(土) 23:33:01.15 ID:JJdx3jqIo
東方司令「剣を使うからどんなものかと思ったが……」
ググッ
神野「……ッ!?」
東方司令「ああそうか。媒体がどーのこーの言ってたなぁ」
グググッ
東方司令「所詮は借り物の剣術と……刀とって事か」
神野「何やァ……お前ッ!?」
東方司令「覚えとけ。ボクは世界で2番目に強い剣の使い手だ」
神野「――ッ!!」
ザシュウウゥゥゥゥ
魔道士「斬った……っ!?」
帝「……い、いやっ」
東方司令「……っ」
神野「もう終わりか?」
召喚士「傷口が元通りに!? やはり駄目か……っ」
- 101 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/24(土) 23:35:09.85 ID:JJdx3jqIo
ズグググッ
神野「世界で二番目ねぇ」
グググッ
東方司令「な……っ!?」
神野「それ、所詮……人間での話しやろ?」
サクッ
東方司令「ぐっ!」
神野「井の中の蛙、大海を知らずっちゅー話や」
魔道士「東方司令さん!」
東方司令「かすり傷だ。大丈夫」
名代「召喚士殿、やはり全力でいくしかありませんね」
召喚士「ええ。そうしましょう!」
神野「ん? なんや、まだやんのか?」
召喚士「ああ。これからが本番だ!」
神野「なんやまだ準備運動やったんかい。勿体ぶってくれるやないかい……」
- 186 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:54:19.69 ID:PmV7ryl3o
名代「召喚士殿」
召喚士「……はい」
神野「何の合図か知らんけどなぁ、束になろうが無駄な事やでぇ!!」
バシュッ!!
神野「使役する前に、死ねやコラ――」
召喚士「……スフィンクス」
ズアァッ!!
神野「……っにぃ〜!?」
スフィンクス「ふいうち……地面からぱーんちっ!!」
バッゴオオォォォォン!!
神野「ゴハアアァァーッ!」
名代「「オン・バザラダトバン・オン・アミリタ・テイゼイカラウン・ノウボウ・
アカーシャキャリバヤ・オン・アリキャマリボリ・ソワカ・オン・
アラハシャノウ・オン・サンマヤ・サトバンオン・バザラ・タラマ・
キリク・オン・サンザンサク・ソワカ・ノウマクサマンダ・バザラダン・
センダマカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!」
バシュウウゥゥゥゥ
名代「毘沙門天よっ、妖を滅するのだ!」
- 188 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:54:49.56 ID:PmV7ryl3o
ドズウウゥゥゥゥン
スフィンクス「おぉーっ! かっこいい!」
毘沙門天は使役されるや否や、すぐさまスフィンクスの一撃により中に浮いた
神野悪五郎を勢いそのままに地面へと叩き落した。
神野「げ……っふうぅ!!」
ズドオオォォォォン!!
名代「……さて、無傷かそれとも」
召喚士「多少でもダメージを負ってくれていれば……いいんですけどね」
帝「……っ」
東方司令「上様」
帝「……?」
東方司令「上様はボクが斬りかかった直後の隙を」
帝「承知した」
ゴトッ パラパラパラッ
神野「……やるやんけ。人間共ォ」
名代「どうやら……無傷のようですね……っ」
- 189 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:55:28.51 ID:PmV7ryl3o
神野「……かぁ〜っ、ぺっ!」
ゴシゴシ
神野「人間の記憶っちゅーのは、面倒なもんやなぁ」
魔道士「……っ」
神野「強ければ強い程、痛みっちゅーモンを知っとる」
召喚士「強いから痛みを知っているんだ」
神野「そらおかしいやろ。強けりゃあ痛みを味わう必要ないっちゅー話や」
召喚士「人間だからさ」
神野「あん?」
召喚士「人間だから、己に対する痛み、他人を痛み、それを知っているんだ!」
神野「ますますよー分からんなぁ」ポリポリポリ
ドウッ!!
神野「もうええわっ! 殺す!」
召喚士「行けっ! コカトリ――」
神野「誰がまた、正面から突っ込むかっちゅーねん!」
召喚士「!?」
- 190 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:56:12.68 ID:PmV7ryl3o
名代「側面には回りこませぬ!」
神野「そやろなぁ」
魔道士「召喚士さんっ!!」
召喚士「背後っ!? 早い――」
神野「なかなかいい媒介や。かつてない速さやで……」
東方司令「だが、その腕前は東方じゃあ2番目だ」
神野「――ッ!?」
ザシュッ!! ビュオッ!! ブンッ!!
神野「こ……んのっ」
東方司令「悪いけど、こっちは常日頃から巨大な剣を振り回してるんだ」
神野「……くっ……ぬぅ!」
東方司令「接近戦なら……慣れてる」
ザシュウウゥゥゥゥ
神野「わいが二番やとぉ!? なら、東方一は誰や!!」
東方司令「後ろ」
神野「……あん?」
- 191 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:56:42.97 ID:PmV7ryl3o
ビュオッ
帝「やあぁっ!!」
神野「な……っ!?」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
帝「かわされた……!?」
東方司令「いや、当たりました。お見事」
ズザザザアアァァ
神野「……ククッ、右手掠めただけやないかい」
スグッ
神野「……?」
召喚士「様子がおかしい……っ」
神野「……貴様ッ、何やその刀はぁ!!」
帝「……」
神野「答えんかいダボッ! その刀……何をしたぁ!」
魔道士「ど、どうしたんでしょうか……?」
名代「分かりません。上様の……天叢雲剣を嫌っているようにみえますね」
- 192 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:57:09.91 ID:PmV7ryl3o
ズググッ
神野「やってくれるやないかい……人間ッ!」
召喚士「ダメージが、ダメージを与えているのか!?」
魔道士「上様の剣が……っ」
名代「天叢雲剣に、何か秘密が……?」
神野「再生出来んだけの話や。力が衰えたわけやない」
東方司令「それはア安心した。思いの外、大した事ないから終わりかと思った」
神野「……」ピキッ
ドウッ!!
神野「調子ぃ乗んなやボケェーッ!!」
東方司令「むっ」
ガキイイィィィィ
神野「ハハッ、力はわいのが上やなぁ……!!」
東方司令「手加減してやっいれば、調子に乗るな」
神野「アァ!?」
東方司令「そんな一撃を振り下ろしたら、側面がガラ空きだぞ?」
- 193 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:58:01.46 ID:PmV7ryl3o
ズザァ
帝「はぁっ!!」
神野「――!?」
ザシュウウゥゥゥゥ
帝「また避けたか……っ」
東方司令「逃げ足は速いね。ボクよりは」
ジャッ
神野「……はぁ」
帝「……」
神野「二人も同時に相手するのは敵わんわぁ。止めや、止め」クルッ
東方司令「それがいいだろうな。どうせ勝てないんだし」
神野「はいはい。ほな、さいなら」ザッザッザッ
東方司令「……さ、上様。ボクらも引き揚げましょう」
神野「んなワケあるかボケエエェェ!!」グアッ
スフィンクス「じゃんじゃじゃーん!!」
神野「何ィーッ!?」
- 194 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:58:27.45 ID:PmV7ryl3o
バッゴオオォォォォン!!
神野「ぐく……っ」
ドンッ
神野「は……っ!!」
コカトリス「この数相手に……」
ワイバーン「勝てるとでも……」
スキュラ「思っているのか?」
グリフォン「もし思っているのなら……」
ペガサス「バーカバーカ!!」
ブリュンヒルデ「ですわよ」
毘沙門天「…………」
召喚士「全員……突撃ぃーっ!!」
名代「一気に攻め立てよっ!」」
神野「ぬ……う……がああぁぁーっ!!」
ズガガガガッ!! ドドドドッ!! ズッガオオォォォォン!!
召喚士「……これで、どうだっ」
- 195 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:59:01.98 ID:PmV7ryl3o
シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……っ」
ゴトッ ザシャッ
名代「無傷……っ」
召喚士「いや、見た目だけであって、魔力は消費しているはずです」
神野「あーしんど。なんやねんこの数。それに……」コキコキッ
帝「……」
神野「その刀、厄介やなぁ。何を施してんねん」
帝「何もしてはおらぬ」
神野「んなわけあるかいっ。ほな何でわいが元通りにならへんねん」
名代「知った事ではない。それに答える義務も無い」
神野「はいはい。もうええわ」
召喚士「くっ」ジャリッ
神野「もうええ言うとるやろが!!」ビリビリビリッ!!
帝「……っ」
召喚士「ど、どういう……」
- 196 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 17:59:43.33 ID:PmV7ryl3o
神野「まとめて相手したる。本気でな」
東方司令「本気? じゃあ何か? 今まで手を抜いていたとでも?」
神野「それ以前の問題や。わいですらない」
東方司令「……は?」
神野「わいの……神野悪五郎の本体……見せたるわ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴッ
東方司令「な……っ!!」
名代「ま、まさか……こんな……っ」
ゴゴゴゴゴゴ!! シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……?」
帝「……あまり……変わったようには見えぬな」
魔道士「ええ……っ」
後方に控える帝と魔道士がそう発した時には、前方の3人が動き始めていた。
それは神野悪五郎に対する戦闘行為ではなく、逃亡の為の動作であった。
神野「……」
正面で5人を見つめる、冠装束姿の高貴な風貌をした青白い人間が、にたりと笑った。
- 197 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:00:23.07 ID:PmV7ryl3o
名代「召喚士殿ぉ!!」
召喚士「はいっ!!」
このやりとりは神野悪五郎と初めて召喚獣、式神を会わせた際にも発した合図。
この合図は何も互いのタイミングを合わせるといった類のものではない。
言わば意思の疎通。両者の思惑は合致し、即ち、退却路を作る為の確認である。
召喚士「スフィンクス!!」
名代「毘沙門天っ、雪女!」
ゴウッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
神野「……はっ」
ボンッ!!
名代「!?」
神野「ははっ……ははははっ、ハーッハッハッハッハ!!」
ボンッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
魔道士「し、召喚獣が……次々と……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
大声で笑う妖、神野悪五郎は、周囲に近づく召喚獣を刹那の内に次々と葬ってみせた。
- 198 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:01:02.37 ID:PmV7ryl3o
召喚士「がは……っ」ガクンッ
魔道士「召喚士さんっ!?」
名代「は、早すぎて……何をしているのかさえ見えぬ……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハ……」ピタッ
帝「く……っ」
神野「分かったか? わいの本当の力」
東方司令「……ハッタリなんかじゃなかったわけだね……っ」
神野「分かって貰えたんなら、ええよ」スーッ
魔道士「くうっ!」
神野「動くな」ピタッ
魔道士「……っ」
神野「それとも、先に殺して欲しいんか?」
東方司令「でりゃあぁーっ!!」ビュオッ
神野「おっそ……」ヒュンッ
東方司令「――っ!?」
神野「寝とれ」
- 199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:01:48.87 ID:PmV7ryl3o
バギャッ!! ズシャアアァァァァ
東方司令「か……かは……っ」ドサッ
帝「東方司令――っ!」
神野「殺してない。殺したら……おもろないもんなぁ」
帝「貴様ぁーっ!!」
名代「毘沙門天!」ゴウッ
帝「!?」
名代「上様っ、退却します」
帝「何!?」
魔道士「召喚士さんっ、立てますか!?」
召喚士「な、何とか……っ」
名代「東方司令殿は私が」グイッ
神野「毘沙門天か……大層なモン使役しよって」
毘沙門天「……」
グググッ ググッ
名代「うまく押さえ込んでいるな。今のうちに退きましょう」
- 200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:02:26.84 ID:PmV7ryl3o
タタッ
神野「逃がさへんでぇ!!」
毘沙門天「……」ズンッ
神野「邪魔すんなやああぁぁ!!」
バギャッ!! ドゴオオォォォォ!!
魔道士「突破されましたっ!」
召喚士「とにかく、馬の所まで……急ぎましょう!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!! 待てやコラァ!!」
名代「このままでは間に合わないか……っ」
召喚士「……っ」
ザッ
魔道士「召喚士さん!?」
神野「諦めたかぁーっ!?」
召喚士「行けっ、クジャタ!!」
シュイイィィィィン ドッズウウゥゥゥゥン
神野「!?」
- 201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:02:58.12 ID:PmV7ryl3o
クジャタ「……ゴオオォォォォ!!」
バヒュウウゥゥゥゥ!! ドッドオオォォォォ!!
神野「な、なん……竜巻ィ!?」
召喚士「今のうちにっ」
タタッ ザザザザッ
帝「見えたぞっ」
名代「このまま結界まで、一気に駆け抜けましょう!」
東方司令「ぐ……くっ」
帝「大丈夫か!?」
東方司令「このボクが……まさか一撃で倒れるとは……っ」
グイッ ドドッドドッドドッ……
神野「ガアアアアァァァァ!!」
バシュウウゥゥゥゥ!!
クジャタ「……」
神野「何やお前ェ! 見ない顔やな――」
フッ
- 202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:03:33.01 ID:PmV7ryl3o
神野「……」ピキキッ
ドドッドドッドドッ……
召喚士「召喚解除しました。これで足止めはなくなった……」
名代「では次なる手を打ちましょうか」
帝「どうするつもりだ?」
名代「……」ポイッ
バシュウウゥゥ
座敷「……?」
名代「召喚士殿、合図と同時に座敷を消して下さい」
召喚士「……?」
名代「私が奴の足を止めます」
グイッ ドドッドドッドドッ
魔道士「名代さんっ!?」
召喚士「そうかっ、座敷の能力は使役した者との場所を入れ替える事……っ」
帝「しかし、危うすぎやしないか?」
召喚士「ええ。タイミングを間違えば名代さんが……」
- 203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:04:08.22 ID:PmV7ryl3o
東方司令「ボ、ボクが斬る……」
召喚士「……大丈夫ですか?」
東方司令「迷惑をかけたからな。それに、命ある限り……剣はまだ振るえる!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……むっ」
神野「見つけたでぇ! あんさん一人かいっ、ツイとらんなぁー!!」
名代「それは貴様の方かもしれぬぞっ」
神野「大層な自信やないかいっ!」
名代「さぁ、追いつけるかな?」
神野「……さっきまでの速さと……思うなよぉ!!」
ドウッ!!
名代「――っ!?」
神野「死ねええぇぇ!!」
ザッシュウウゥゥゥゥッ!!
神野「……?」
ボンッ
- 204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:05:13.80 ID:PmV7ryl3o
座敷「……むぅー」
バシュッ ヒラヒラヒラッ
神野「……ブッ殺す!!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……ふーっ。うまくいきましたね。お見事です」
召喚士「結界の推定位置まで……えっと、あと少しですね」
魔道士「このまま逃げ切れればいいんですけど……」
ピクッ
召喚士「……っ!?」
東方司令「バ、バカな……っ!!」
ヒュオオォォォォ
神野「ええ加減にせぇよコラァ!!」
帝「追いつかれるぞ!」
召喚士「……仕方ない」
魔道士「待って!」
召喚士「!?」
- 205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:06:20.72 ID:PmV7ryl3o
魔道士「私が……やりますっ!」
召喚士「魔道士さんっ!?」
魔道士「……はあぁ」
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「あん……? 何やこの感――」
ドッドオオォォォォン!! バゴゴゴゴオオォォォォ!!
神野「んな――ッ!!」
帝「じ、地面が捲り上がって……」
魔道士「まだまだぁーっ!!」
神野「じゃかあしぃ!! こんなん飛べば――」
ドッドオオォォォォン!! ゴアオオオオォォォォ!!
神野「ぐぶおおぉぉ!!」
東方司令「今度は突風……というか、風の壁だなもはや」
神野「んな……子供騙しでええぇぇ!!」
ジャキッ バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「な、何だっ!?」
- 206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:06:53.05 ID:PmV7ryl3o
名代「風が……吸収されていますよっ!?」
東方司令「あの刀だ! 刀が魔法を吸い取っている……っ!」
神野「妖刀……ナメんなやぁ!!」
魔道士「くぅーっ!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハ!! さぁさぁっ、万事休すや!!」
帝「こうなっては最早、戦うしかないな」
名代「……いえっ」
帝「……?」
召喚士「俺達の勝ちです。ひとまずは……ですけど」
帝「何……?」
神野「ヌッ……ガアアアアァァァァ!!」
ドドドッドドドッドドドッ……
神野「――――ッ」
ビタァッ!!
神野「……結界の事、知ってたんやなぁ」
召喚士「……残念だけどね」
- 207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/26(月) 18:08:21.64 ID:PmV7ryl3o
バチバチバチィッ!!
神野「本体で触れる事が出来る位まで弱まっとる」
名代「……」
神野「お前ら人間が龍脈消してくれたお陰や。感謝するで」
魔道士「……っ」
神野「ほな、今日はここまでや。次は逃がさへんでぇ……覚悟しときやッ!!」
バシュッ……ドウッ!!
東方司令「……消えた、か」
帝「何とか、生き長らえたな」
召喚士「敵の力量も分かりましたしね」
名代「ええ。一先ずは、かろうじてですが、予定通りかと」
東方司令「なるほど」
魔道士「……?」
東方司令「上様をこんな危険な前線に引っ張り出して、どうするつもりかと思っていたが……」
帝「予めこの結果を利用する上での作戦だったわけだな」
召喚士「そうでなくば、一国の主を危険な目になんて遭わせられませんよ……」
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