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少女「貴方のための娼館へようこそ。存分にお楽しみくださいませ」
63 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/20(日) 23:29:10.59 ID:8jD4j4/00
館は基本的に、自由に使って良いそうだ

メイド「だけど、主様の部屋は勝手に入っちゃいけません!」

男「ういうい。人の部屋に勝手に入るほどずうずうしくないよ」

男「ちなみに、俺はいつ現実世界に返れるの?」

メイド「夢みたいな物なので、気づいた時には帰っちゃってます」

男「ああそうなのね」

昼食をとりながら話す
料理したのはさっきの少女達だった


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/20(日) 23:35:20.97 ID:8jD4j4/00
一「お、お口に合うと良いのですが……」

男「ん、おいしいぞ」

一「よかった」

彼女達は自身を焼印の数字で呼んでくれと言う
それはすこし抵抗のあるものだったが、彼女達自ら望むのであればと俺は了承した

男(慣れない……)

メイドを入れれば六人の女の子に囲まれているのである
しかも恐ろしい事に、全員が全員男心をくすぐるのである

男(まいった、これはまいった……!)

ニ「どうしました? 気分でも悪いのですか?」

男「あっ、いやなんでも!」

内心嬉しいと思うこともあったが、やはり俺は生来のヘタレであった
もう頭の中は半分パニック状態である……


65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/20(日) 23:38:28.97 ID:NuCR8DakO
わっふるわっふる


67 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/20(日) 23:48:44.05 ID:8jD4j4/00
俺は早々に食堂から抜け、自室に向かう

男(このままいたらどうなるかわかんねえ)

自分だって男性である。
魅力的な女性が五人もいて、全員が誘ってくるとあれば耐え切る自信は無い

五「本当に大丈夫ですの?」

男「うわっ」

考えながら歩いていたから、ついてきた誰かがいたことに気づかなかった
少し背の高いつやのある黒い長髪が特徴なのは、五の印がある少女だ
俺の驚きに、五は目をパチクリとしばたかせる

五「お、驚かせてしまいましたか?」

男「……ちょっとな」


68 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/20(日) 23:53:03.69 ID:8jD4j4/00
五がついてきてるなら他の子もいるだろうと覚悟して振り返ると、誰もいない

五「ふふ、じゃんけんで勝ちましたの」

得意げに、五は笑う

男「じゃんけん?」

五「はい。勝った人が、貴方と一対一でお話できるのですわ」

五「皆でいっきに押し寄せてしまっては、きっと困るだろう、と」

男「なるほど……」

確かに、全員を一度に相手するというには、俺には難しい


70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/20(日) 23:57:05.75 ID:8jD4j4/00
五「その、やはり疑問なのですが」

五「何故、私達と、しないのですか?」

男「いや、ん、なんでかな……」

単純にヘタレである以上に理由は……
ないようなあるような?

男「恥ずかしいんだけど、俺したことないから……」

男「始めては出来れば、好きな人と、みたいな?」

自分で言ってて、恥ずかしさに顔が火照る

五「くすっ」

男「わ、笑うな」

五「いえいえ、操を立てるのは良い事ですわ」


71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/20(日) 23:57:33.77 ID:jAhfOR1n0
エロか非エロなのかだけしりたい


73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:00:02.74 ID:50JL+Ypy0
五「睨んだとおり、良い人なのですわね」

男「良い人かどうかは分からんよ」

五「またまたご冗談を」

そうして話しているうちに自室へとついた

五「ついちゃいましたね。……どうです、食後の一服に」

からかうように五は笑う

男「い、いいってば。からかわないでくれって」

五「ふふ、ごめんなさい」

俺が部屋に入ると、五はそれ以上ついてこなかった


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:00:27.90 ID:i8R8scur0
男娼「貴方のための娼館へようこそ。存分にお楽しみくださいませ」

ってのはまだか


75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:02:45.08 ID:7PUay1Ev0
>>74
イケメンに囲まれるとか素晴らしいじゃないか

全員殴らせろ


76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:03:27.80 ID:50JL+Ypy0
男「あれ」

部屋には既に先客があった

三「やっと帰ってきた」

男「なんでいるんだ? 一応俺の部屋らしいんだが……」

三「なんでって、娼館だし。部屋ってのはするところでしょ」

男「プライバシーとかはないのか」

三「プライバシーなんて、いる?」

男「いる!」

三「あげない」

男「なら聞くなよ……」


78 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 00:10:06.26 ID:50JL+Ypy0
聞けば、三は五の次に勝ったようで、部屋で待ち受けてたとの事

三「だってこれ、貴方にとっては現実世界じゃないんでしょ?」

三「プライバシーとか気にするところ?」

男「いや、まあ、それはそうなんだが……」

なんだがあまりに意識がはっきりしすぎていて、現実のように感じられてしまうのだ
実際、完全に夢の世界ではないのだとおもう
あのメイドの言い様からして、あくまで夢の「ような」世界であるというのはなんとなく察しがついていた
元いた自分の世界を現実世界と呼ぶのならば、確かにそれとは違うと言い切っていたが……

男「一応、考えてくれるとうれしい」

三「……ふーん。ま、仕方ないわね。ちょっとくらいは考えない事もないわ」

ほっと俺は息をついた


79 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:14:29.47 ID:50JL+Ypy0
三「で、えっちい事する?」

男「なんですぐそうなる」

三「私の仕事だし」

男「男を楽しませるのが仕事ならなあ、エッチい事以外もしてみろ」

娼館と名打ってるくらいだから、楽しませるってのはつまりソウイウコトをするってのとイコールだ
だけどまあ、それ以外もアリなんじゃないかなとおもって、だめ元で言ってみる

三「他の事ねえ」

三「何してほしい?」

しかし存外に、普通に受け答えされてしまった

男「む、そういわれると困るな」


81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:26:14.24 ID:50JL+Ypy0
三と印された少女は、紺色のポニーテールを揺らして俺ににじり寄った

男「な、なにを」

三「ふん、なんもしないわよ。時間切れ。次の子と交代」

彼女は不満そうに目をそらしてそう言うと、部屋から出て行った
そして変わるように、別の少女が入ってきた

一「あ、あれ、どうしたんですか? そんな胸をなでおろして……」

男「いや、なんでもないよ」

何事も無かった事に、安堵しただけである

一「あはは、なるほど。三ちゃんは押しが強かったんですね」

男「よく分かったな」

一「分かりやすい顔してましたから」


82 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:40:54.18 ID:50JL+Ypy0
一「隣、いいですか」

男「あ、ああ、どうぞ」

少女が、隣にすわる
一と印された少女は、濃い茶色の髪の三つ編み左右からたらしていた
それを恥ずかしがるように弄る

一「え、えっと、貴方の事を教えてもらいたいです」

男「俺の事?」

一「はい。仲良くなるなら、知ったほうがいいかなって」

男「うーん、大した事無いけど……」

自分のことを簡単に説明する
一言で言えば半ニート。時たまバイトしながらその日暮らしの身である。


85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:47:52.50 ID:50JL+Ypy0
なのに一は、ふむふむと熱心に聴いていた

男「そんなに面白いか?」

一「はい、面白いです」

男「なんの変哲もないんだが……」

まあ、聞いて面白いと言うならいいんだろう

一「その一人暮らしというのは、誰も周りに人がいないんですか?」

男「隣人くらいはいたけど……。ああ、そういえば幼馴染がたまに遊びに来てたな」

一「幼馴染ですかー、いいですねっ」

男「そうかねえ」

男(……あれ?)

そういえば俺、幼馴染がいたんだっけ
……すっかり忘れてた


86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:50:29.49 ID:IdCV7nDoO
地の文使うのは良いが「。」を使うのか使わないのかキッチリ決めとけ


88 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:52:44.01 ID:/lxyhjI60
なんかライアーとかそういうサブカルチックなエロゲーの匂いがする


89 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 00:55:32.48 ID:50JL+Ypy0
男「それはそうと、一はどうしてこんなとこで働いてるんだ?」

一「あ、それは……」

一「うーん、話すと少しだけ長くなっちゃいそうです」

一「でももう時間ですから、又後にしましょう」

男「あ、ああ。分かった」

別に急ぐ必要はない
一はにっこりと笑うと、部屋から出ていった

男「次は君か」

四「うん」


90 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:05:25.03 ID:50JL+Ypy0
四と印された少女は、手にお盆をもっていた
その上にのっているのはティーカップ

四「はじめまして」

男「ん、はじめまして」

ぺこりとお辞儀

四「紅茶、飲む?」

男「ああ、いただこうかな」

落ち着くのに、飲みもというのは欠かせない

ちらりと少女を盗み見る
切りそろえられた髪はボブカット
静かだからだろうか、この子は他の子に比べて線が細かった


91 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:11:18.00 ID:50JL+Ypy0
四「ここは、どう?」

男「ん、どうと聞かれても難しいが」

男「まあ、刺激の無い生活だったし、たまにはこういうのも良いかなって思ってる」

四「刺激無かったの?」

男「まあ、それは皆一緒なんだけどな」

男「平和ボケするくらい、いつも普通だよ」

男「事件とか災害とかが起こったって、自分が渦中に巻き込まれなきゃ何も無いのとさして変わらない」

四「そんなもの?」

男「そんなもんだ」

四「そっか」


93 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 01:16:40.82 ID:50JL+Ypy0
そうして紅茶をすすりながら、静かな会話が続いた後

四「じゃあ、そろそろ」

男「うん」

四は頃合を見て座っていた椅子から立ち上がったのだった

男(最後は……)

ニ「一番負けちゃいました」

男「負けちゃったか」

ニと印された少女は、すらりとした体躯
セミロングの栗毛がかわいらしかった


94 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:23:29.19 ID:50JL+Ypy0
ニ「一番最後だと、話す事が見つかりづらいですね」

男「何でも良いよ」

ニ「とは言いますが、全部聞いてましたから」

男「え?」

ニ「そこでです」

ニは扉を指差す

ニ「皆いますよ」

男「え、えー……」

ニ「私含め、皆、興味深々なんですよ。許してあげてくれると嬉しいです」

男「ま、まあ、聞かれて困る話もしてないから構わないけどな」


95 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:28:22.65 ID:50JL+Ypy0
ニ「そうですね、先の話できになったのですが」

ニ「恋人などはおられないのですか?」

男「ぐっ……」

男「おられません……」

ニ「そうですか」

なんだか納得のいっていなさそうな顔で、二はクビをかしげた

男「どうした?」

二「いえ……、貴方のような人ならば、女性もよってくるかと思いまして」

男「ハハハ、冗談はよしたまえ」

ニ「ははは、冗談です」

男「あ、冗談なのね、そうだよね……」

ニ「……?」


97 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:30:15.59 ID:tgp4ugoWO
男の末期の夢とかありがちだよな


99 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:38:32.49 ID:50JL+Ypy0
二「でも、実際貴方は少し特殊だと思います」

男「なんでさ。聞いてたなら分かるだろうけど、一般人よ俺」

二「いえ。多くの男性は、女性に誘われればほとんど断りません」

ニ「ケダモノばかりです」

男「それは偏見なような……?」

二「でも、ここは貴方にとって夢のような場所。現実ではありません」

二「果たして、夢で誘われた目合いを断る人は何人いるでしょう」

男「んー、まあそりゃあそうなんだが」

男「俺みたいなヘタれってのはさ、いざってなるとどうしても手がだせないっていうか」

しないならしないで決めてしまえば良いのに
心の中で娼館なのだからしてもいいじゃないかとも思っている

男「優柔不断なだけだと思うよ」


100 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:40:45.19 ID:cX37hKRC0
こういうのはラストで
「ああ・・・ゴミじゃん」って
なっちゃうからラスト頑張ってほしい


101 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:42:44.33 ID:50JL+Ypy0
二「ふむ……。では誘いではなく」

男「……?」

二「襲ってみましょう」

男「え? え。ちょ。ま。まって! すとっぷ!」

ベッドに腰掛けていた俺は、あっさりと少女によって押し倒された
肩を抑えられて、上から見下ろされる

男「お、おちつこう、な?」

二「いやならば私を拒絶してみてください」

二「男性ならば、容易でしょう」

栗色の髪の毛が頬をなでた


103 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:49:27.44 ID:50JL+Ypy0
男「い、いや、えっと……」

俺が迷っている間にも、少女の手は俺の体を這う
つーっと指でなでられると、服の上からでもそれはぞくりと背筋を緊張させた

これは現実じゃない
そうだ、現実じゃない

二「もし初めては好きな人と言うのならば、そうですね」

二「手と口だけというのもアリでしょう」

男「……っ」

確かにそれでは童貞喪失にはならないかもしれない

なら、いいんじゃないか……?


104 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:51:26.42 ID:XNFlCbds0
たいして描けないけど私怨
http://up3.viploader.net/news/src/vlnews031886.jpg


105 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 01:51:42.10 ID:XAdicjwa0
いい雰囲気だ 期待


108 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:55:54.00 ID:50JL+Ypy0
二「……!」

覆いかぶさっていた少女が、横に倒される

男「……わ、悪い、痛くないか」

二「いえ、問題ありません」

俺はやはり、だめだったらしい

二「やはり、特殊かもしれません」

二は何故か嬉しそうに微笑んだ。

男「ヘタレにもほどがありますね……」

二「……」

男「ん……?」

二「いえ」

しかし俺の答えは腑に落ちない様子だった


109 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 01:57:35.06 ID:EYNrVnl20
なにこれこわい


111 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:03:06.23 ID:zaVcZB9IO
絵師様(笑)


112 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/03/21(月) 02:03:42.96 ID:50JL+Ypy0
時間が来て、二は部屋から去った
もうその後に続くものはなく、少しだけ、さびしく思った

窓から外をみると、まだ空は明るい

男「そういえば、今何時だろう」

かるく部屋を見回すと、アンティークの時計が鏡台においてあった
針は三時すぎを指している

男「……昼寝でもするか?」

ここは娼館であって自分の家ではもちろん無い
なのに娼館でいう“遊び”をしない自分は、まさにすることがなかったのだ

俺は体をベッドに投げ出すと、すぐに眠りへと落ちてしまった



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