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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26
- 383 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/03/06(日) 23:05:34.84 ID:evX4dAM5o
〜北関〜
戦士「ふい〜っ。つっかれたー!!」
魔道士「今日も働きましたね〜っ」
召喚士「ええ」
盗賊「……」
戦士「しっかし、こんな事ずっとしてていいのかねぇ」
魔道士「大切な事ですよー?」
戦士「まぁ、そうなんだけどさ」
召喚士「今は国軍も忙しい時だからね」
盗賊「……」
召喚士「俺達も出来る事を精一杯手伝おうよ」
戦士「……まぁ、それもそうだな」
盗賊「……ああ」
魔道士「それじゃお食事にしましょうかっ」
召喚士「ええ、そうしましょう」
- 384 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/06(日) 23:08:37.95 ID:evX4dAM5o
…
テクテクテクテク
戦士「ん?」
参謀「戻られましたか」
召喚士「参謀さん」
参謀「先程、ワーカーが手紙を届けに来ましたよ」
魔道士「手紙?私達にですか……?」
参謀「はい」
スゥッ
戦士「誰からだ?」
召喚士「……サモナーさんっ!!」
盗賊「……何!?」
魔道士「も、もしかして……っ」
戦士「召喚獣の事か……!?」
召喚士「……うん。おそらく」
- 386 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/06(日) 23:46:06.48 ID:evX4dAM5o
…
戦士「何だって?」
召喚士「えぇと……召喚獣の事で新たな進展があったみたい」
魔道士「おぉーっ!」
盗賊「…それで?」
召喚士「…まぁ、暇が出来たら訪ねてくれって…っ」
戦士「急ぎじゃないのか……。大した動きでもなさそうだな」
魔道士「でも、行くなら今こそチャンスじゃないですか?」
戦士「んーまぁ、それもそっか」
盗賊「…どうする?」
召喚士「そうですね。出来るなら話は聞いてみたいと思いますけど」
魔道士「それじゃ行ってみましょうよ!ここも落ち着いてきましたし……」
戦士「ああ、俺もそれは賛成だな」
盗賊「…だってさ」
召喚士「……う、うん」
- 391 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/03/07(月) 07:02:09.42 ID:PsS1EoYSO
副ってつくやつはだいたい怪しいの法則
- 392 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/07(月) 07:15:08.82 ID:Koi7ttaDO
副司令官はわかりやすすぎだったな
司令官か副司令官のどちらかが内通者→司令官は内通者ではない
ってわかる話がどっかにあったはず
あえて言わなかったが
>>1乙
- 396 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/03/07(月) 18:13:56.73 ID:Dxn8vLIDO
>>1乙
みんなはもう一人の内通者を待っているのだよ…
主人公達よりも周りのお偉いさんの過去がこれからわかると思うと胸熱
- 397 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:25:17.08 ID:yQZio3Uno
〜本国、王宮〜
皇太子「…………」
エリート「……バ、バカな……っ」
ダンッ!!
エリート「父上っ、今……何と申された!?」
右大臣「申した通りだ」
エリート「そ…んな……」
皇太子「…………」
エリート「では貴方は、それを承知の上で私を……」
右大臣「エリート、声を鎮めよ。陛下の御前だぞ」
国王「……う…う」
エリート「……っ」
ズザッ
右大臣「……殿下っ、申し訳御座いませんでした!全ては私の責務!」
皇太子「……」
- 398 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:26:10.06 ID:yQZio3Uno
スッ
エリート「で、殿下?」
皇太子「大丈夫、部屋に戻るだけだ。一人にさせてくれ」
エリート「……っ」
右大臣「殿下……」
カツカツカツカツ…パタン
右大臣「……う、うぅ」
エリート「何故、公になさらなかった…!?」
右大臣「……」
エリート「どうして殿下にまでっ」
右大臣「話せるわけがなかろう。このような事……」
エリート「何ですと……?」
右大臣「相手は絶大なる魔力を持った……」
エリート「それは分かっております!」
右大臣「殿下に変わる存在だったのかもしれぬのだ!言えるわけがなかろう」
- 399 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:28:03.08 ID:yQZio3Uno
エリート「何を……言っている……」
右大臣「殿下の魔力が開花しなかった時は……」
エリート「何を言っている……」
右大臣「やむを得ぬ事なのだ。そうして代々王家を……」
エリート「貴方は何を言っているのだ!」
右大臣「分かっている、分かっているのだ……」
エリート「分かっていない!貴方は人の人生を弄んだのですよ!」
右大臣「重々承知の上よ。しかしこの国を守る為には致し方ない事……」
エリート「承知?ならば何故、捨てるような真似を!」
右大臣「捨てたわけではない」
エリート「手離したのでしょう!?結果としては変わらぬっ!」
右大臣「男子であれば……しかし女子は……」
エリート「そんなものは差別、偏見です」
右大臣「……普通の女子ならば問題はなかったのだ。しかし……」
エリート「……っ」
- 400 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:29:05.35 ID:yQZio3Uno
右大臣「……魔力を持ち過ぎた。後々、利用される事は明白だ……っ」
エリート「だから手放したと?」
右大臣「隠したのだ…。全ては国を守る為の事なのだ……」
エリート「人と国と、どちらが大事かっ!!」
右大臣「……っ」
エリート「国とは、人々が成り立ってこそのものであろう!?」
右大臣「言い分は分かる。だがな、これは古来より代々執り行ってきた……」
エリート「悪しき習慣だ。もしそんなものが代々許され、伝えられると言うなら…」
右大臣「……」
エリート「そんなものは私が壊す。新しい時代を作ります」
右大臣「エリート、良いか?私も陛下もだな――」
国王「……もう…良い」
右大臣「……陛下!?」
国王「全て……エリートの申す……通りよ」
エリート「……」
- 401 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:29:41.65 ID:yQZio3Uno
国王「我らが……馬鹿であった…っ」
右大臣「陛下……」
国王「すまぬ……エリート。すまぬ皇太子……ごほごほっ!!」
右大臣「陛下っ!!」
エリート「……今日はこれにて失礼致します…っ」
クルッ…カツカツカツ…パタン
国王「ごほごほごほ…っ!!ごほっ!!」
右大臣「陛下っ!無理に起きたりなさらず……」
国王「……右大臣」
右大臣「……」
国王「…新しい……時代が…来たな」
右大臣「陛下…」
国王「老いぼれはそろそ…ろ、去るとしようか……」
右大臣「……っ」
国王「ごほごほ…っ!……げほぉ!!」
- 402 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:30:23.61 ID:yQZio3Uno
カツカツカツカツ
エリート「…………」
カツカツ…カツ…ピタッ
エリート「……」
皇太子の部屋の前。一度は足を止めたエリートであったが、
眉間に皺を寄せ、再び足を前へと出す。
エリート「――っ」
コンコン
皇太子「開いているぞ」
カチャッ…キイィ
皇太子「……どうしたエリート?」
窓から外を見つめる皇太子はドアの隙間から覗く男に声を掛ける。
エリート「よく…分かりましたね」
皇太子「一人にしてくれと言ったのに来るような無礼者はお前しかおらぬ」
エリ−ト「……失礼致しました…っ」
- 403 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:32:40.09 ID:yQZio3Uno
皇太子「ははっ。冗談だ、入りたまえ」
エリート「……っ」
パタン…カツカツカツ
皇太子「落ち込んでいる私を、励ましにでも来たか?」
エリート「い、いえ……っ」
皇太子「気に病む事はないぞ、別に落ち込んではいないさ」
エリート「……」
皇太子「王家では昔からある事だ。お前も知っているだろう?」
エリート「しかしですね……」
皇太子「事情があったのだろう。手離さなくてはならぬ事情が」
エリート「だからと言って、許される事では……」
皇太子「そうかもしれないな」
エリート「……」
皇太子「しかし、驚いたよ……落ち込んだ方がまだ良かったかもしれん」
エリート「……ええ」
- 404 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:33:49.77 ID:yQZio3Uno
皇太子「エリート、お前はどう思う?」
エリート「……と、申されますと?」
皇太子「もし生まれてからずっと、この城で王女として生活する事と……」
エリート「……」
皇太子「城を離れ、一人の女性として生活する事。どちらが幸せだろうな?」
エリート「……私には、分かりません」
皇太子「そうだな。しかし、彼女を見ていると…これで良かったのではないかな」
エリート「……」
皇太子「今更、妹として見る事は出来そうもないけれどな。はははっ」
エリート「私だって……そうですよ…っ」
皇太子「……申し分…ないんだがなぁ」
エリート「……え?」
皇太子「…いや、何でもない」
エリート「殿下…?」
皇太子「気晴らしに、たまには剣の稽古でもしようか。はははっ!」
- 405 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:36:10.70 ID:yQZio3Uno
〜次の日、北関〜
召喚士「すみません、何だか急に……」
騎士長「構わんさ、お陰で助かったよ」
戦士「そうか?別に何もしてないけどなぁ……」
騎士長「いやいや、俺らも常駐出来るわけじゃないだろ?」
戦士「…はぁ」
騎士長「現にこうして、日替わりで来てんだ」
盗賊「……」
騎士長「現状分かる人間が現場仕切ってくれて、大助かりってわけよ」
戦士「なるほどなぁ。ま、一応お役には立てたわけか」
騎士長「んで、お次はどちらへ行くんだ?」
魔道士「西方ですっ」
騎士長「東奔西走ってやつだな。忙しいこった…」
召喚士「ははっ、本当ですね」
騎士長「気を付けてな……って言っても、もうそんな立場じゃねーか」
- 406 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:37:37.76 ID:yQZio3Uno
…
魔道士「それでは、行ってきまーすっ!」
騎士長「おーう!」
戦士「おっさん達も頑張ってな」
おっさん「おうよっ、任しとけぃ!」
召喚士「それじゃ、行きましょうか」
盗賊「……ああ」
テクテクテクテク
戦士「ルートはどうする?」
召喚士「シンプルに……いや、待てよ」
盗賊「…?」
召喚士「陸路で西高原国から入ろうか」
戦士「おーそうだな。どの程度進んだかも気になるし」
魔道士「それじゃ陸路で行きましょっか!……ちょっと…大変だけど…」
盗賊「…頑張ろ。みんな一緒なら大丈夫」
- 407 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:39:46.02 ID:yQZio3Uno
〜本国、国軍本部〜
コンコン…カチャッ
秘書官「大軍師様、お見えです」
司令官「…ん」
大軍師「失礼致します。今日はどういったご用件で?」
司令官「…分かっているくせに」
大軍師「ふっふ、ここ最近やる事が多すぎて、どれの事やら」
司令官「強いて言えば全部かな」
大軍師「欲張りなお方だ」
司令官「新聞社の懐柔は進んでる?」
大軍師「……もはや打つ手なしですね」
司令官「……」
大軍師「墓穴を掘ってくれたお陰で、動かずとも事を終えましたよ」
司令官「例の亡くなった記者の件かな?」
大軍師「彼らは社の総力を挙げて、内通者を追い詰めると意気だっておりますよ」
- 408 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:41:50.11 ID:yQZio3Uno
司令官「……」
大軍師「事前に内通者の事を明かしておいた甲斐がありました」
司令官「…君、怖いねぇ」
大軍師「偶然ですよ。私とてそこまでは読めません」
司令官「それで、その東方司令部はどうするつもり?」
大軍師「私はただの参謀役です。それを決めるは副司令官様でしょう?」
司令官「それもそうだね。彼に任せるとしようか」
大軍師「そろそろ、仕掛けてきますよ」
司令官「…だろうね」
大軍師「どうなさるおつもりですか?まさか囮に……?」
司令官「…うーん、それもアリだね」
大軍師「……っ」
司令官「いい機会だね。死んで貰おうか」
大軍師「……」
司令官「…ん、決めた。総司令官には死んで貰う事にしよう」
- 409 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:43:13.60 ID:yQZio3Uno
〜北方司令部〜
戦士「すっかり夜になっちまったなぁ」
魔道士「でもっ、日没もだいぶ遅くなりましたよ〜」
召喚士「そうですね。気温も暖かくなってきましたし」
盗賊「…ああ。助かるな」
テクテクテクテク
魔道士「こんばんはーっ」
左翼長「お、来たな」
参謀「どうぞごゆっくりなさって下さい」
召喚士「いえいえ、宿泊させて頂くだけでも十分なのに……」
カツカツカツ
騎士団長「おや、朱雀先生か」
召喚士「騎士団長さん…っ!?お久し振りです」
魔道士「今日はどうなさったんですか?」
騎士団長「ん、ああ。実はな……」
- 410 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:45:26.46 ID:yQZio3Uno
…
盗賊「…軍事演習?」
騎士団長「うむ。決戦間もなくだしな、そろそろ本格的に準備せねばならん」
戦士「ほぉ」
騎士団長「我らの役目は壁。その為のルートと連携において失敗は許されん」
召喚士「……壁ですか?」
騎士団長「いずれ分かると思うが、最終決戦の場は北となる」
魔道士「……っ!!」
騎士団長「全軍を押し上げ、更に精鋭が魔王城へと乗り込むだろう…」
召喚士「まさか……っ」
騎士団長「その時、我らが壁となり雑魚共を封じるのさ」
盗賊「……なるほど」
騎士団長「壁が崩れれば潰走の危険もある。だから入念に準備せねばならんのだ」
戦士「つー事は、地獄の壁と……」
騎士団長「我ら国軍の壁。これで魔王軍を全て封じる」
- 411 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:46:28.93 ID:yQZio3Uno
…
左翼長「そんじゃな。おやすみ」
召喚士「おやすみなさい」
テクテクテクテク
戦士「国軍も、本当に忙しそうだな」
ぽつりとそう呟く戦士の目には、爛々とした正面にある多数の窓が飛び込む。
魔道士「本当だ……。あんなに沢山明かりが点いて……」
戦士「さっきの騎士団長さんもそうだけどよ、大変だよな」
盗賊「…でも、仕事だからな」
戦士「そうだけどさ、俺らみたいなワーカーはまだ気楽じゃん?」
盗賊「…まぁ、それはそうだけど」
戦士「なーんで国軍なんて入りたがるんだろうなぁ」
召喚士「……前にさ、青年兵くんが言ってたけど……」
魔道士「…?」
召喚士「みんな、それが夢だったんじゃないかな?」
- 412 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:47:13.02 ID:yQZio3Uno
戦士「夢…?」
召喚士「うん。例えば子供の頃とかにさ、助けて貰ったりとか……」
戦士「なーるほどな。そういう事か」
召喚士「きっとその国軍の人に憧れて、自分もそうなりたい…ってさ」
盗賊「…そう…かもな」
魔道士「……ええ…っ」
戦士「……」
召喚士「……」
四人がそれぞれ、己の胸に問いかける。自分がこの道を選んだきっかけ。
それは幼き頃に見た光景。それぞれが景色は違っても、思いは同じ。
その勇姿、その背中を見て、そして追いかけてきた。
戦士「形は違えど、みんな通る道は同じって事だわな」
盗賊「…そうだな」
魔道士「はいっ!」
召喚士「……うん」
- 413 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/07(月) 18:48:23.51 ID:yQZio3Uno
〜次の日〜
テクテクテクテク
召喚士「まずはこのまま、北の街まで向かいましょう」
魔道士「はいっ!」
召喚士「そこで一晩過ごし、明朝より山岳地帯を進みます」
戦士「おう。一度行ってるし降雪もない。前ほど苦戦はしねぇだろ」
召喚士「それからは進み具合だね。行けるならば西高原国の城跡までか…」
盗賊「……無理なようなら高台の山で野宿…か」
魔道士「野宿は嫌だなぁ……」
戦士「どのみち西高原国まで行っても、風呂は入れねーぞ?」
魔道士「うぅ……」
召喚士「それから西国まで一気に進む……と」
戦士「船使わないだけで、こんなにも大変なんだなぁ……」
盗賊「…でも、最初の頃はそうだったぞ?」
戦士「……言われてみりゃそうだわな!よーし……気合い入れて行くかぁ!」
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