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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
- 775 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/05/01(火) 18:00:29.10 ID:E1AbN9sNo
帝「ええいっ、前に出ては囲まれ、退いては攻撃できぬ。どうすれば良いのだ……っ」
老将軍「ワシと白馬が何とかするわい。お主はその娘を連れて退がるんじゃ」
名代「……上様をどうか頼みます……っ」ザッ
老将軍「さて白馬、行くとするかの」
白馬騎士「ええ。しかし……奴に近づく事は流石に出来ませぬ」
老将軍「東方の王はワシが引き受ける。お主は召喚士の娘を援護せいっ」タンッ
白馬騎士「老将軍殿!?」
老将軍「考えてもみぃ。奴が色の欲を操るというならば、ワシはもうお役御免じゃ」
白馬騎士「……っ」
老将軍「さぁ魔物よ、どうするのじゃ!」
アスモデウス「んんー阿呆ですねぇ」
老将軍「何?」
アスモデウス「年老いたから色欲が無くなるなどと、人は己を理解していないのかねぇ」
老将軍「ぐっ?」ドクン
アスモデウス「肉体の問題ではない。精神の問題なのだよぉ」
- 776 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:00:58.38 ID:E1AbN9sNo
老将軍「ぐ……っく」
アスモデウス「そう。それは人間の大罪。死の直前までそれは持ち続けるもの」
老将軍「……ふっふ。だからとて、貴様の言いなりになぞ……ならぬ……っ」
アスモデウス「んんー耐えたか。なかなか見どころのある人間も少なからず居るようですねぇ」
老将軍「文字通り……一矢報いるまではっ、心身共に折れたりはせぬわぁ!!」
ギリリッ……ズバシュウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「こんな矢ごときでェ、私に傷の1つでも付けられると思っているのかね?」バシッ
老将軍「今じゃあ! 白馬ぁ!」
白馬騎士「……っ」ガシッ
玄武娘「ぐ……ぅ」
アスモデウス「捨て身かえ。んんー小賢しい!」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ
老将軍「白馬っ、急げ! 早うするのじゃ!」
白馬騎士「駄目だっ、逃げ切れない……っ!」
アスモデウス「まとめて吹き飛べェ!!」
- 777 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:01:28.76 ID:E1AbN9sNo
ドッグオオオオオォォォォン!!
玄武娘「うぅ……っ!」
白馬騎士「ぐはぁ!」ドザザッ
アスモデウス「……ほぅ、身を挺して仲間を守りましたか」
白馬騎士「!?」
シュウウウウゥゥゥゥ……
老将軍「…………」
白馬騎士「老将軍殿――」
老将軍「言ったじゃろ……一矢報いるまでは……死なんてな」
ドサッ……
白馬騎士「老将軍殿ぉ!!」
アスモデウス「んんー人間の好きそうな、下らぬ美学ですよォ」
白馬騎士「よくも……貴様ぁ! よくもおおぉぉ!」ザッ
華国兵「おおぉぉぉぉ」グアッ
白馬騎士「くっ」
- 778 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:01:58.72 ID:E1AbN9sNo
華国兵「女……よこせぇ」
白馬騎士「貴様等っ、分からぬのか!!」
華国兵「女ああぁぁ」
白馬騎士「老将軍殿が……犠牲になったのだぞっ!!」
華国兵「どけぇ……どけぇ……」
白馬騎士「立ったまま!一歩も……微動だにしないのだぞ!」
老将軍「…………」
アスモデウス「んんー。早く逃げねば次なる一撃を、放っちゃいますぞぉ」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ……
白馬騎士「絶望的だな……だがっ、絶望だろうとぉ!! 守るべきものは守り通す!!」
アスモデウス「んじゃあ死ねィ。チェックメーイトオオォォォォ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ドッゴアアアアァァァァ!!
白馬騎士「――っ!!」
玄武娘「うぁ――」
老将軍「…………」
- 779 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:02:40.75 ID:E1AbN9sNo
一同を包み込んだまばゆい光。アスモデウスの放った強力な魔法は無常にも、
周囲の人間をまとめてその場から消し飛ばした。
アスモデウス「……」シュウウゥゥゥゥ
しかしアスモデウスは怪訝な表情を浮かべていた。
アスモデウス「んんー確かに、手ごたえはあった。あったのだがァ……」
シュウウウウゥゥゥゥ
アスモデウス「直前にて軌道が変わった。これは意図的なもーの」
その言葉通り、直撃を受けたと思われた白馬騎士らは重傷ながらも生きていた。
白馬騎士「……ぐ……ぅ」
玄武娘「…………っ」
華国兵「痛い……いて……ぇよ……っ」ピクッ
アスモデウス「何かが邪魔をした。そうだ、何者だ。誰が私の邪魔をしたァ!!」ゴアッ
ザッザッザッ……
――「……」
アスモデウス「……?」
- 780 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:03:10.29 ID:E1AbN9sNo
ザッザッザッ
アスモデウス「んんー何奴です?」
ザッ
同門「……名乗る必要はない。貴様を殺す」
アスモデウス「……アハハハハッ!! この私をッ、殺すッ? アハハハッ!」
同門「……」
アスモデウス「笑わせるんじゃあないよッ!!ズオッ!!
紅孩児「ひゃっはーッ!!」ババッ
アスモデウス「――!?」
紅孩児「バカが! この俺様が相手だっつーのぉ!!」
バギャアアァァ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!
アスモデウス「ゴホォーッ!!」
紅孩児「オラッ、さっさとカス共を助けろよ!」
同門「……ちっ」
紅孩児「その間は任せとけ……っつっても、そんなに長くは持たねぇぞ!」
- 781 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:03:37.47 ID:E1AbN9sNo
同門「すぐに終わる。行け、フェニックス」
シュイイィィィィン
同門「数が多い。使えるのはおそらくこの1度きりか」
紅孩児「オラオラァ! いつまでオネンネしてやがんだよッ!」
アスモデウス「魔族のガキがァ、調子に乗るんじゃあないってのォ!!」
紅孩児「ウルセェんだよ魔族のジジイ!!」
アスモデウス「だああァァれがジジイだアアァァァァ!!」
ドドオオオオォォォォン!! ゴガオオオオォォォォ!!
アスモデウス「んんーあっけない……」
紅孩児「おいおい、俺様に炎は効かねぇぜ?」
アスモデウス「何ッ!?」
紅孩児「灼熱業火より生まれし紅孩児様を……ナメんじゃねェ!!」
ビュオォ!! ドッゴオオォォォォン!!
アスモデウス「――ッ!!」ドズウウゥゥ
紅孩児「ヘッ。思ったよりも倒した事ぁねーな!」
- 782 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:04:07.78 ID:E1AbN9sNo
パアアアアァァァァ……
白馬騎士「……ん」
玄武娘「……ごほごほっ、げほっ!」
白馬騎士「こ……っれは?」
同門「……」フイッ
白馬騎士「フェニックス……? お、お主の召喚獣か」
同門「これっきりだ」
白馬騎士「……?」
同門「悪いが魔力が残りわずかでな。回復はこれっきりだと言っている」
白馬騎士「……そ、そうでしたか……っ」
同門「策は?」
白馬騎士「え? あ、あぁ……あります」
同門「だったら早くしてくれ。俺もあいつも大した時間稼ぎにはならん」
ダッ!!
白馬騎士「あっ!? 危険――」
- 783 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:04:41.06 ID:E1AbN9sNo
タッタッタッタッタッ……
白馬騎士「行ってしまったか……っ」ヨロッ
朱雀嬢「……」スッ
白馬騎士「朱雀嬢殿!? 無事で……」
朱雀嬢「玄武娘」
玄武娘「……はいですの」
朱雀嬢「行きますわよ」
玄武娘「はいですのっ!!」ザッ
白馬騎士「朱雀嬢殿、玄武娘殿!」
ザッザッザッ
朱雀嬢「名代さん、好機ですわよ」
名代「……ええ」ググッ
白馬騎士「……っ」
朱雀嬢「行きましょ。1発で仕留めてみせるわ」
玄武娘「絶対に……許さないですの」
- 784 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/01(火) 18:05:14.36 ID:E1AbN9sNo
名代「それでは後方へ退いて、下準備を進めましょう」
白馬騎士「……強いな、2人とも」
老将軍「……」・ピクッ
白馬騎士「……?」
老将軍「…………ぁ」
白馬騎士「老将軍殿っ!?」バッ
老将軍「……また……死にぞこなったか……っ」
白馬騎士「ご無事で……っ!!」
老将軍「じ、じゃが……っ、とても戦える力は……残されておらぬ……ごほっ」
白馬騎士「一夜城までお運び致す。使える馬を用意するゆえ、しばしここにて!」ザッ
老将軍「気にするな……っ、構わぬ」
白馬騎士「……っ」
老将軍「戦場で死にたくとも死ねず。そんなものなのかのぉ……騎都尉よ」
優しく吹いた微風はあざ笑う鼻息のようであった。
老将軍は静かに鳴り響く心音に、目を瞑りながら聞き入った。
- 790 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19:35:50.58 ID:PSd/G/MGo
>>1乙
玄武ちゃん、逞しくなったなあ…感動してきちゃった
- 791 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/05/01(火) 19:50:41.63 ID:X/8V7OgAO
紅孩児さんノリノリじゃないすか
- 796 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:30:04.39 ID:FKrXRXfHo
ザシャッ
アスモデウス「んんー、あまり調子に乗らない事ですね」
紅孩児「おいおい、そりゃコッチの台詞だっつーの」
アスモデウス「……」
紅孩児「1発でもダメージ与えてから言えよな。ハハッ!」
アスモデウス「んんーこれはあれですねぇ」
紅孩児「あぁ?」
アスモデウス「そういう事を言ってる奴は、大抵は早死にするものです」
紅孩児「あーはいはい。そうですね――」
ズゴゴゴゴゴゴ……
紅孩児「!?」
アスモデウス「魔族だろうがァ、たった1匹の虫ケラを捻り潰すのは容易なのだよッ!」
紅孩児「……言うだけあるじゃねぇか……っ」
アスモデウス「炎が効かぬと言うならばッ、凍え死ねィ!!」
紅孩児「くお……っ」
- 797 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:30:54.79 ID:FKrXRXfHo
ドッドオオオオォォォォン!! ガガキイイィィィィン!!
アスモデウス「さぁ、氷の矢に貫かれて死ぬべきです!!」
紅孩児「どうしたァ! そんなんじゃかすりもしねーぜェ!」
言うだけの事はあった。紅孩児はアスモデウスの放つ氷柱をことごとくかわし、
また、避ける際にもわざと当たるか当たらぬかスレスレの所を選んでいた。
紅孩児「ほれほれッ、もう終わりか!」
大きな動きで避ければ必ず隙を突かれる。だからこそ小さな動きでギリギリを避ける。
そして体の横を通過する直前、己の炎で氷を溶かし、スペースを更に作る。
紅孩児「ハーッハッハッハッ! 眷属がこんなのもかよッ。こりゃ俺様が王になる日も近いわな!」
簡単そうに見えるがそれは心技体が一体となって初めて成せる所業。
紅孩児はそんな素振りを全く見せぬが、以前とは違う強さを手に入れた事は容易に分かる。
アスモデウス「こんな……小僧にィ……ッ」
紅孩児「サボって偉そうに踏ん反り返ってるクソジジイとは違うんでねェ!!」
アスモデウス「減らず口を!!」
紅孩児「モタモタしてっとォ、紅孩児様だけじゃ済まなくなんぜぇーッ!」
- 798 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:31:28.83 ID:FKrXRXfHo
アスモデウス「――ッ!?」
ズザザアアァァ
同門「さて」
師匠「よぉ、さっきのフェニックスはお前さんのか?」ザッザッ
同門「……?」
師匠「いやちょっとな。それより残り魔力も少なねぇんだろ? 1人で無理すんなって」
同門「どこの誰か知らんが、そっちこそ無事とは思えんな」
師匠「ガハハ! ま、お互い様だわな。それでもよぉ……」
ザッ
師匠「1人より2人なら、多少は違うだろうよ」
同門「……召喚士なのか?」
師匠「ガハハッ、まーな。お前さんと同じ、朱雀だ」
同門「……朱雀、そうか。なら、足手纏いにはなるなよ」
師匠「言うねぇ。んじゃお言葉に甘えてバックアップに回るとすっかね」
紅孩児「それでいい」
- 799 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:32:05.75 ID:FKrXRXfHo
ザッ
紅孩児「……行けっ、グリフォン」
シュイイィィィィン
師匠「いい召喚だ。魔力が漏れる事なく、うまく流れ込んでやがる」
同門「……?」
師匠「さて、と。行けっ! ペガサス!」
シュイイィィィィン
同門「――!?」
師匠「フェニックスに師匠流。やっぱりそうか」
同門「師匠流だとぉ……!? まさかっ、貴様は……」
師匠「色々と話したい事もあるだろうが、今は敵を倒すのが先だ!」
同門「……っ」
師匠「終わってから、たっぷり聞いてやるぜ」
同門「……その言葉、忘れるなよ!」
師匠「ガハハッ! さぁ、行こうぜ」
- 800 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:32:34.86 ID:FKrXRXfHo
ズドドドドドッ!! ズッガアアァァァァ!!
アスモデウス「口先ばかりの未熟者がァ!」
紅孩児「悪いがテメーと無理に戦う道理はねぇんでな!」
アスモデウス「恐れて逃げ回っているだけの事でしょうに!」
紅孩児「んだとコラァ!!」ピクッ
アスモデウス「んんー馬鹿めッ、すぐに熱くなるのは若さゆえの過ちですよォ」
紅孩児「しまっ――」
アスモデウス「んんー、貰いましたよオオォォ!」
紅孩児「……なんつってな。バーカ!」
アスモデウス「!?」
ドザアアァァッ!!
同門「いっけぇ!!」
師匠「おらああぁぁ!!」
アスモデウス「――ッ!」
紅孩児「だから言ったろ。モタモタしてっと俺様だけじゃ済まなくなるってな」
- 801 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:33:07.59 ID:FKrXRXfHo
ドッゴオオオオォォォォ!!
アスモデウス「グヌウウゥゥ……ッ」
師匠「手は休めるなよぉ! 火力が乏しいからすぐにひっくり返されっぞ!」
同門「分かっている!」
アスモデウス「んんー有翼の召喚獣かッ。そんなものッ、たったの2匹……恐るるに足りんッ!」
紅孩児「焦ってたくせによく言うぜ!」
アスモデウス「焦ってなどおらぬッ。その必要もないッ! 微塵もだッ!」ゴアッ!!
グリフォン「オオオオォォォォ!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
アスモデウス「んんー小賢しいッ。だったらこうだ!」
襲いかかる召喚獣にアスモデウスはドラゴンを充て、迎撃する。
同門「……ちぃ」
アスモデウス「んんー結局こんなもんですかいな」
師匠「やっぱり数も火力も足んねーか」
同門「だからと言って、退くわkにはいかん」
- 802 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:33:45.60 ID:FKrXRXfHo
ズオッ ドシュウウウウゥゥゥゥ!!
同門「!?」
師匠「……ワルキューレ……だとぉ!?」
アマゾネス「行っけぇ!!」
おさげ「行けっ! ハーピー!」
同門「……」
アマゾネス「援護するぞ」
師匠「お前ら……師匠流……か?」
アマゾネス「よく分からんが俗に言う朱雀召喚士だ」
師匠「マジかよ……っ」
アマゾネス「私達は、南東火山の森に住まう一族」
師匠「――!?」
色黒「そうっ。朱雀先生直伝の召喚術なんだから!」
師匠「そうか……そうなのか……はは……っ」
アマゾネス「さぁ、一気に押し込むぞっ!」
- 803 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/02(水) 17:36:36.59 ID:FKrXRXfHo
ドッグオオオオォォォォン!!
アスモデウス「グクゥ……ッ! 次から次へと喧しい……ッ」
師匠「……」
おさげ「とりゃああぁぁーっ!」
師匠「……っ」
アマゾネス「何をボサッとしている! 来るぞっ!」
師匠「お、おう! すまんっ!」
思わず涙がこぼれそうだった。何の因果であろうか、今ここに師匠流の使い手が揃っている。
初代朱雀先生の一番弟子であった男の息子、同門。
自身がその術を置き土産としたジャングルの少女達。そして、アマゾネス。
師匠(俺は宿命だとかそんなもんはあまり信じたくねぇけどよ……)
同門「おおおおぉぉぉーっ!!」
アマゾネス「はああぁぁぁぁ!!」
師匠(もしやっぱり、そういうのがあるんなら……こういう事を言うんだろうな)
2代目朱雀先生、師匠の軌跡は、確かに奇跡となった。
- 818 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/03(木) 23:18:35.54 ID:mSV+5cLGo
タッタッタッ……ザザッ
名代「この辺りで宜しいでしょう」
朱雀嬢「それで、普通に召喚すば宜しいんですわよね?」
名代「ええ。そうなのですが、一つ注意事項が……」
玄武娘「何ですの?」
名代「全員の使役、あ……つまり召喚を均一にせねばなりませぬ」
玄武娘「均一?」
朱雀嬢「要は、同じ魔力に揃えるって事ですわよ」
玄武娘「なるほどですのー」
名代「そこで問題がありまして……」
玄武娘「えっ?」
名代「先程、私は敵を殲滅する為に、毘沙門天と言う式神の使役を施しました」
朱雀嬢「施す? あぁ、東方はお札を使うんでしたわね」
名代「はい。そしてそこで魔力をほぼ、使い切ってしまったのです」
玄武娘「えぇーっ!?」
- 819 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/03(木) 23:19:44.51 ID:mSV+5cLGo
朱雀嬢「それが何の問題なのかしら?」
名代「私が使役出来る式神は、その毘沙門天のみなのです」
朱雀嬢「つまり、毘沙門天に私達が魔力を合わせなくてはならないわけですわね?」
名代「左様」
朱雀嬢「……一応、聞いておきますけど、微弱な魔力の合体では?」
名代「属性召喚は成功するでしょうが、おそらく奴を倒す程には……」
朱雀嬢「やっぱりそうですわよね」
玄武娘「だ、大丈夫かなぁ。何だか自信ないですの……」
朱雀嬢「……あなたが自信なかったら、世の中の召喚士はみんな無理ですわよ」
名代「ともかくまずは、毘沙門天を使役致します」
朱雀嬢「お願いしますわ」
玄武娘「ここで大丈夫ですの?」
名代「敵の直線上ではありますが、間に味方がおりますから」
朱雀嬢「悪い言い方ですけれど、盾になってくれるわけですわね」
名代「……ええ」
- 820 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/03(木) 23:20:29.25 ID:mSV+5cLGo
ドドオオォォォォ……
アスモデウス「んんーくそッ、正直ここまでは予想だにしていなかったわい」
白虎長「チャンスね。魔物は怯んでいるわよっ」
青龍士官「白虎先生!」
白虎長「何っ?」
青龍士官「東方の召喚士が準備に入った。我らも向かいましょう」
白虎長「了解っ! しっかり護衛させて貰うわっ」ザッ
魔法剣士「準備に入ったか」
アスモデウス「んんー仕方ない。最終形態へと入るか」
魔法剣士「……さて、あとはどう……守り抜くか」
ケルベロス「わんわんっ!」
魔法剣士「どうした? あれは……っ」
ドドッドドッドドッ……
占い師「ちょっと! 交戦中よ!?」
女剣士「構わん! このまま突っ込め!」
- 821 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/03(木) 23:21:19.41 ID:mSV+5cLGo
占い師「ええぇぇーっ!?」
くの一「あとで私が本陣まで送ります」
女剣士「ほらっ、早く行け!!」
師匠「あれは……ベヒーーモスか!!」
ドドッドドッドドッ……
白虎嬢「どうなっても知らないですよぉ〜!」
魔法剣士「全員女か。助かった」
アスモデウス「!?」
女剣士「はあぁーっ!!」
くの一「影奥義……百花繚乱っ!」
バシュシュシュシュッ!! ガキイイィィン!!
くの一「あとは任せます! さぁ、こっちに!」
占い師「それじゃ、頑張ってね!」
女剣士「たった1匹に何をてこずっている!」
魔法剣士「数で判断するな。色々あるのだ」
- 822 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/03(木) 23:22:40.51 ID:mSV+5cLGo
白虎嬢「従姉さん」
白虎長「やっと来たわね、待ってたわよ!」
白虎嬢「遅くなってごめんなさい〜」
白馬騎士「待っていた?」
白虎長「言ったでしょ? 温存してるって」
青龍士官「それってまさか……」
白虎長「そっ。このコがやってくれるわ」
白馬騎士「成程……っ」
青龍士官「いけるんですね?」
白虎長「あーら、私の従妹なのよ?」
白虎嬢「えっとぉー。なんのお話でしょうか〜?」
白虎長「白虎嬢、魔力はまだ残っているわね?」
白虎嬢「えっとぉ……まぁ、はい」
青龍士官「よし、ならばこっちだ。来てくれ」
白虎嬢「……?」
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