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新ジャンル「囚人二人」
201 :保守ついでの勢いでやった。反省している。 [] :2008/10/19(日) 10:43:00.22 ID:N4AcxXgrO

……ドン、ガタン、バタン!

男(……さっきから隣うるせえな)

――きゃあぁあっ!

男(ああ、隣に新しく来たの、女だったのか)
女「いやぁあっ、やめてぇっ!」
男(……うるせえな……看守にレイプでもされてんのか?)

……がしゃん!

女「来ないで、来ないでぇ!」
男(そういえば、前の奴が穴開けてたな、確かここらへんに……)

男(あれ?……暗い……?というか何だこれ。やけにカサカサして……)

男「おーい、どうかしたのか?」
女「ひゃああぁあ!?しゃ、喋った!!」
男「……ん?」
女「ゴキブリが喋ったあああ!」
男「ちょwwこれGの腹かよ!」
女「うわあああんこわいよー!」




202 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 10:52:18.16 ID:gVpA3UVI0
>>201
ちとワロタw


208 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/19(日) 11:59:49.65 ID:ch8+ZOqN0
>>146
新ジャンル「便所飯」だっけ?あれを思い出した


211 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 12:52:00.83 ID:h+lVmEUAO
>>208
「壁越し」だな。あれはいいものだ


212 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/19(日) 12:56:32.22 ID:P2zU/v6yO
なんかこう大地震が起こるとか政変とか戦争とか…駄目か。


231 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:21:34.31 ID:LD6VPLGF0
看守「ほら、さっさと入れ」

暗い、暗い牢屋のなか。
今日からここが私の居場所。
そして多分…私が終わるところ。
うん、それでいいかな、それで。

男「ん…新入りか?」
女「え、あ、はいっ!」
男「珍しいな、こんなところに女がくるなんて」
女「へぇ…そうなんですか?」
男「……へぇって…」
女「あの、私女っていいます。よろしくお願いしますっ」
男「……男だ、よろしく…」

突然の声。
壁越しから聞こえる声は少しだけ寂しげな男性の声でした。
それが、男さんの最初の印象。


232 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:23:51.90 ID:LD6VPLGF0
女「男さんはなんでここにいるんですか?」
男「…お前は馬鹿か」
女「あはは…よく言われます…」
男「はぁ……殺人だよ。些細なことで喧嘩して、気づいたときにはそこに殺人者の出来上がり」
女「男さん、そんなことしなそうな人ですけどね」
男「何を根拠にそんな言葉が出てくるんだよ…大体会って…というか話し始めてから数分しか経ってない人間の何が分かる」
女「根拠…そうですね…私の直感って当たるんですよ」
男「…やっぱりこいつ馬鹿だ…」


233 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:26:12.70 ID:LD6VPLGF0
男「お前は…女はどうしてここに連れてこられた?」
女「人殺し」
男「え?」
女「ん、どうかしました?」
男「いや…なんでもない…」
女「ふふ、おかしな男さんですね」
男「うるさい…でも、虫も殺さないような可愛い声のやつが人殺しなぁ…」
女「あ! 今ほめてくれました? えへへ、ありがとうございますっ」
男「…ポジティブって言葉はこういう奴の為にあるんだな…」


234 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:29:54.38 ID:U99D8P5V0
なんかきたー!


235 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:31:47.61 ID:T6+xJwBN0
>>1はまだかー


238 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 16:42:02.21 ID:xS2HzOC60
>>1には期待してるぞ!


241 :231 [] :2008/10/19(日) 17:01:07.79 ID:gJNsWLQP0
女「牢屋のなかって、思ってたより広いんですね」
男「そこそこにな」
女「へぇ……あ、ラクガキありましたっ」
男「ほう、何が書いてあるんだ?」
女「これは…えーと、顔…かな? 芸術性があふれてますよ」
男「お前のセンスを疑うよ…」
女「もー! ほんとですよー! 他には……あ」
男「なんだ?」
女「生きたい……ごめんなさい…って書いてあります…」
男「………」
女「仕方ないんですよね……犯した罪を償うのは当たり前のことなんです…それが」
男「止めろ、もういい」
女「…ごめんなさい」


242 :231 [] :2008/10/19(日) 17:04:28.32 ID:gJNsWLQP0

男「そこにはな」
女「?」
男「妻子持ちだった男がいたんだよ」
女「…だった、ですか…」
男「ああ。その男の妻が浮気癖のあるやつで、何度も自宅に連れてきたらしいんだ」
女「……同じ、女として許せません……」
男「まあ、聞け。それでもその男は妻のことを許していた、何故だと思う?」
女「………」
男「自分が、自分が悪いんだとその男は俺に言ったんだよ。妻を満足させることのできない自分が悪いと」
女「だって、そんな!」
男「正直こいつは馬鹿だと俺は思ったよ。でもな、その男にとってはそれが罪だったんだ」


243 :231 [] :2008/10/19(日) 17:07:04.22 ID:gJNsWLQP0
女「奥さんを満足させることが出来なかったのが、罪…?」
男「理解し難いよな。浮気癖のある妻をどう満足させればいいんだ」
女「……」
男「そんなある日、いつものようにその男の妻は別な男を自宅に連れてきた」
 「夜も遅かったらしいからな、酒も含んでたしお互い酔ってたんだろう。男の妻と連れてきた男が口論になったんだ」
 「男が止めに入ったときには妻は死んでいた、連れてきた男が妻を刺殺した」
女「…ッ!」
男「それを見た男は、気が触れたんだろう…妻に刺さってるナイフを抜き、男を刺し、寝ていた子供をも殺した」
女「そんな…そんな……ひどい…」
男「気づいたときにはここにいたそうだ、まったくひどい話だ…」
女「……」
男「…ごめん、泣かんでくれ」


244 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 17:26:04.65 ID:N4AcxXgrO
>>1を信じて保守


245 :231 [] :2008/10/19(日) 17:38:18.52 ID:yXKHRUXu0
男「でも、最悪の末路だったとしても」
女「……え…?」
男「その男は最後まで妻や子供のことを愛していた、それだけは間違いない」
女「…はいっ」
男「…つまらない話をしたな」
女「そんなこと…ないです」
男「それじゃ、俺はもう寝る。お前も休めよ、朝は早い」
女「おやすみなさい…」
男「おやすみ…か。久しぶりに聞いた気がするよ」
女「これから、おやすみになるときは言ってあげますよ」
男「はは、それじゃ…おやすみ」
女「…はい、おやすみなさい」


246 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 17:50:36.65 ID:6w2aOMYx0
>>1はまだか!?

保守


247 :231 [] :2008/10/19(日) 17:55:07.88 ID:w7OmQXfI0
女「…さん、男さんっ!」
男「……んっ、看守か…」
女「違いますよ! 昨日入ってきた女です」
男「…あぁ……そうだっけか…」
女「その歳でもうボケてきましたか?」
男「…お前、意外とひどいことをサラッと言うタイプだろ…?」
女「そうなんですか?」
男「はぁ……もういい。それに俺はまだ22だ」
女「意外と若かったですねぇ…」
男「………」
女「えへへ、それよりも朝ですよ! おはようございますっ」
男「……あぁ、おはよう」


248 :231 [] :2008/10/19(日) 17:56:47.03 ID:w7OmQXfI0
>>1の独壇場っぽいからROMるわ


249 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/19(日) 17:58:23.19 ID:if5N1fzx0
>>248
>>1は乗っ取り推奨とか言ってたから好きにやるといいんだぜ


250 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 18:03:45.13 ID:6w2aOMYx0
>>248いや、ぜひ続けてくれ



252 :231 [] :2008/10/19(日) 18:26:46.04 ID:+1iysQ6w0
女「施設の朝って、ほんと早いんですね」
男「まあな、ここに入れられた者は蟻と同じ扱いだ」
女「蟻…ですか…?」
男「すぐに分かるさ」
女「はぁ……?」

女「…ぜぇ…はぁ…お、男さんの言った意味が分かりました…」
男「だろ?」
女「はぁ…はぁ…ふぅ…よしっ」
男「お前……」
女「はい?」
男「…意外と可愛い顔してるんだな」
女「なっ、なにをバカなこといってやがりますかですかっ!」
男「いや、ここに戻る前にチラっとお前を見つけてな」
女「むぅ……それにしてもよく私だって分かりましたね?」
男「それは……」
女「それは?」
男「男の直感だ」
女「なるほど…当てになりませんね」
男「うるせっ」


253 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 18:27:43.69 ID:F3C+MQLx0

1と両方やってくれ


255 :231 [] :2008/10/19(日) 18:43:58.16 ID:cTLu9qyF0
男「今日も日が落ちるな」
女「ですね、夕日が綺麗ですよ…きっと」
男「だろうな、秋の夕日は一段と綺麗だ」
女「男さんって意外とロマンチストですか?」
男「茶化すな。男は誰だってロマンチストだ」
女「結構恥ずかしいこと言ってますよ、でも…うん、そういうことをハッキリ言える人は素敵だと思います」
男「……」
女「どうしました?」
男「いや……お前も恥ずかしいこと言ってるなと…」
女「もー! 茶化さないでくださいっ!」


257 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:12:24.39 ID:Y4lA4Hb30
男「よう女、起きてるかい」
女「当たり前じゃない。昼すぎなんだから」
男「そうかそうか。飯食った後なんでお昼寝でもしてるかと思ってね」
女「あんたと違ってそんな単純な原理で動いてわけじゃないのよ」
男「はっは!厳しいお言葉で」
女「で、何の用?」
男「外見てみろよ。お空が真っ青だぜ」
女「ああ……どおりでいつもよりまぶしいと思ったわ」
男「ぶっ殺したいくらいの快晴だよな」
女「もうちょっと言葉を選びなさいよ……」
男「いやいや本心だ。お天とさんが綺麗なほど、俺は理不尽を感じてしょうがないのさ」
女「……私たちに理不尽なんて言葉、使う権利なんて無いわ」
男「はっは!分かってるよそんくらい。冗談だ冗談。言ってみただけさ。俗に言う中二ってやつさね」
女「本当にあなたってつかめない人ね」
男「褒め言葉として受け取っておくぜ」


258 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:17:54.32 ID:Y4lA4Hb30
男「この分だと星も綺麗に見えんじゃねえかな」
女「またぶっ殺したいとかぬかすわけ?」
男「はっは!一度受けなかったネタを繰り返し使うわけねえだろうが!」
女「あれがネタだっていうならあなた人を笑わせる才能は皆無ね」
男「あっちゃ〜……結構自信作だったんだけどなあ」
女「こんなところで平気な顔で笑えってほうが無理あるけどね」
男「そんなこたぁねえさ!笑ってりゃ救いもあるかもな」
女「新作?全く笑えないわ」
男「笑え笑え!……と、言いたいところだがそろそろ看守さんが来るんでね」
女「あら残念」
男「つーわけで俺は大人しく今までの人生を振り返りつつ思い出し笑いをすることにする」
女「キモっ……ちょっと壁から離れなさいよ」
男「断る。背中が冷たいのは結構寂しいんだぜ?」
女「それには同意しとくわ」


261 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:25:24.66 ID:Y4lA4Hb30
女「結局雨降っちゃったわね」
男「俺の予想は見事に外れたってわけだ」
女「にしては嬉しそうね」
男「おう!俺は雨が好きだからな」
女「綺麗じゃないから?」
男「ばっかおめえお天とさんが汚い時があるわけねえだろ」
女「それはどうかしらね。今は大気汚染がひどいらしいわよ」
男「お前さんにはロマンが足りねえ。晴れだろうが雨だろうがお空は綺麗なんだよ」
女「ロマンなんか感じてる暇なんかなかったのよ。私の人生ではね」
男「はっは!そりゃ失礼した。だが今から探しても遅くはねえよ」
女「死刑囚から出るセリフじゃあないわ」
男「全くだ!こいつぁロマンチックじゃねえか」
女「……理解できない」
男「理解しろ。それが人生を彩る要素だ」


262 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:30:48.42 ID:Y4lA4Hb30
男「しっかしあんたはどんな顔をしてるんだろうなあ」
女「気になるならその穴から覗いてみなさいよ」
男「前にも言ったが想像すんのが楽しいのさ」
女「男の頭の中で私はどんな顔してんのかしらね……」
男「結構美人さんだぜ?なぜなら不細工を想像したってちっとも面白くないからだ」
女「あなた今全国の不細工敵にまわしたわよ」
男「はっは!上等じゃねえか。それに敵にまわった時点でそいつは自分が不細工だって認めたことになるしな」
女「あら?そしたら私も敵にまわろうかしら」
男「面白いジョークだ。あんた最高だぜ」
女「それはどうも」


263 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:33:58.04 ID:Y4lA4Hb30
男「煙草が欲しい。俺は今無性に煙草が吸いたい」
女「ずいぶんいきなりね。あなた喫煙家だったの?」
男「いや俺は大の嫌煙家だった。あの煙の臭いが大嫌いでしょうがない」
女「……は?じゃ、どうして」
男「そろそろ人生においてのカタルシスが欲しいのさ、俺は」
女「こんな人生の瀬戸際で?」
男「瀬戸際だからこそさ!俺は俺のやりそうにないことをやりたいんだよ」
女「それはそれは……至極どうでもいいわ」
男「冷たいねえ。周りが灰色だからって自分が灰色になる必要はないぜ?例えばバラ色とか」
女「こんなところでバラ色になってどうすんのよ。男の頭ん中じゃあるまいし」
男「はっは!違えねえ!」


264 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:36:29.07 ID:Y4lA4Hb30
女「あなたほど死刑囚が似合わない人はいないわね……」
男「何言ってんだ。人格で人を判断しちゃいけねえってばあちゃんに習わなかったのか?」
女「そんな格言初めて聞いたわよ。つーか人格じゃなかったらどこで人を判断すんのよ」
男「もちろん見た目さ!」
女「じゃ、私たちはお互いを判断できない状態ってことね」
男「判断なんかする必要なんてねえ。こうして互いに会話できるんだからな」
女「ま、会話できるだけマシってことかしらね……」
男「穴に感謝しとけー。ついでに穴を開けた俺にも感謝しとけー」
女「穴を開けたのは前に住んでた人でしょうが」
男「今いないやつに感謝してどうすんだよ。ほれほれ」
女「穴があったって人がいないとどうしようもないでしょ。そっちこそ私に感謝しなさい」
男「死刑囚に感謝なんかしてたまるか」
女「その言葉、そっくりそのままお返しするわよ」


266 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 19:48:34.95 ID:T6+xJwBN0
ハッピーエンドを説に希望


268 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 20:00:24.02 ID:F3C+MQLx0
1来てくれたのか!


269 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 20:05:26.08 ID:Y4lA4Hb30
ごめ、俺>>1じゃないよ


271 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 20:08:28.57 ID:TQ1PgMMmO
>>269かまわん続けろ


273 :VIPがお送りします [] :2008/10/19(日) 20:15:42.18 ID:Y4lA4Hb30
男「なあ。あんたはこっから出たいと思うかい?」
女「こっから?……そんなわけないでしょ」
男「そりゃまたどうして」
女「私は自分のやってきたことを後悔してる。でもちゃんと償うものは償うわ」
男「はっは!それはそれはご立派なことで」
女「……馬鹿にしてるの?」
男「そんなこたぁねえよ誤解すんな。俺にはそんな覚悟、できやしないからな」
女「じゃあなんであなたはそこにじっとしてるのよ」
男「単純な話だ。他に選択肢が無いからさ」
女「ただの思考停止ね。反吐が出る」
男「死刑囚の思考なんて反吐よりも役に立たねえよ」
女「全くだわ」



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