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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
310 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:51:52.14 ID:krtCj8Yoo
〜最北端、湖〜

青年兵「確かに、城に見えますね」

東方参謀「一体どういう事だ?」

西方参謀「不自然だなぁ。水没するような地形でもねぇし、何より……」

隊長「水の存在だな。何故、凍りつかずに流れ続けているのか」

盗賊「結論は?」

青年兵「どう考えても、魔王マーラの仕業としか思えませんね」

戦士「だとしてもだ、水の中に城って……まさかあの城の中にいるんじゃないだろうな?」

男隊員「どうやって入れってんだよ……。息が持たずに水死体になる事、間違いないぜ」

火忍「おら水、てめぇの出番だろうがよ」

水忍「あのな、これだけの水量を簡単に出来るわけなかろう」

風忍「先程使った、疾風怒濤の倍か、いやそれ以上の労力を費やすな……」

火忍「何でもいいからさっさと――」

 サアアァァァァ

盗賊「……何だ?」


311 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:53:48.87 ID:krtCj8Yoo
 ドッバアアアアァァァァン!!

格闘家「!?」

 ドザザザザザザアアァァァァ……

女隊員「み、水が……割れて……」

南方参謀「見てあれっ!! 橋が架かってるわよっ!!」

西方参謀「さぁてどうする? 司令官さんよぉ……ヒック」

青年兵「行くしかないでしょう。この機を逃すのは凡夫の所業です」

男隊員「言ってくれるじゃねぇか。ヒャハハ!」

隊長「こりゃ、進むしかなさそうだな」

東方参謀「それでは各自、突入開始!!」

 ダダッ タッタッタッタッ

水忍「……」

火忍「どしたぁ?」

水忍「この水の割れ方……」

風忍「ああ。まるで疾風怒濤の如くだな。いやしかし、これほどの威力……使いこなせる者など……」


312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:54:41.65 ID:krtCj8Yoo


 ドドオオオオォォォォ

影忍「……上手くいったか」

 ピクッ

影忍「!?」

 スウゥッ

影忍「妖……ではないようだな」チャキッ

アスタロス「……排除する」

影忍「貴様、ベルゼブブの……」

 ドウッ!!

影忍「――っ!!」

 ギイイィィィィン!! ズザザッ

影忍「問答無用か」

アスタロス「排除。それが……我が主の命令」

影忍「連中が無事、侵入するまで……少し相手をしてやるか」


313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:55:42.10 ID:krtCj8Yoo


タッタッタッタッタッ

戦士「このまま城に突入出来そうだな!」

土忍「門は目の前だな。このまま何事もなく進めば良いが……」

 ゴゴゴゴゴゴ……

火忍「へっ、そうもいかねぇみたいだなっ」

青年兵「水が戻ります! 急いで城の中へ!」

戦士「急ぐ……って、どうすりゃいいんだよ!」

鬼丸「とにかく突っ込むっきゃねぇだろうよ!」

東方参謀「ぬうぅ!」

青年兵「……強行突破します! 門へ総攻撃ぃ!」

男隊員「う……っおおぉぉぉぉ!!」

火忍「ぶち破れええぇぇ!!」

 バッゴオオオオォォォォン!!

鬼丸「うお……っと!」


314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:57:18.13 ID:krtCj8Yoo
 ドザザッ

戦士「いってぇ……」

盗賊「ここは……城内か?」

隊長「にしちゃあ……だだっ広いだけで、何もねぇな」

女隊員「ど、どういう事なんスかねぇ」

西方参謀「とにかく、進むしかねぇわな……ヒック」

青年兵「ここからは細心の注意を」

南方参謀「分かっているわ。それよりも……」

 チラッ

南方参謀「帰路……どうするのよ……っ」

隊長「帰りの事より今の事だろ」

東方参謀「そうだな。そもそも無事に帰れる保証もない」

南方参謀「嫌な事……言わないでよっ」

青年兵「さぁ、進みますよ。宜しいですか?」

戦士「おう! 行くっきゃねぇよな、道は……前にしかねぇんだからよ」


315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:58:27.22 ID:krtCj8Yoo
〜西の平原〜

コカトリス「それで、どうするのだ?」

サル「今のところ……ただの石像と化しちまったわけだなぁ」

召喚士「下手に触らない方がいいですよ」

名代「これで終わったとは思えませぬが……」

帝「だな。あれ程の強さを誇っておったくせに、これで終いとは……」

召喚士「コカトリス、手ごたえは?」

コカトリス「貴様は感じなかったのか?」

召喚士「いや、感触があったからこそ不思議だなと思って……」

魔道士「思念体って、アンデッドと同じような感じなんですか?」

召喚士「ええ。でもアンデッドの時とは若干、違うような感触が……」

キジ「どうするさー?」

女侍「いっその事、このままブチ壊しちまうのがいいんじゃないかい?」

名代「……そうですね。やってみましょうか」

召喚士「では、お願いします」


316 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:59:04.96 ID:krtCj8Yoo
 ザッ

東方司令「……はあっ!」

女侍「ふんっ!」

 ズガシュッ!! ドッゴオオォォォォ!!

魔道士「やった……っ!!」

 パラパラッ コトッ……

帝「……何も……起きないな」

名代「どういう事なのでしょうか?」

 テクテクテク ガシッ

サル「……なーなー、コカトリスっちの石化ってのはさ、普通の石にするもんなのかい?」

召喚士「え……っ?」

サル「ほれっ」ポイッ

召喚士「……!?」

イヌ「どう見ても普通の石ころね」

召喚士「ま……さか……っ!!」


317 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 16:59:36.15 ID:krtCj8Yoo
 ババッ!!

魔道士「ど、どうしました!?」

召喚士「やはり思念体を倒しても意味はないんだ……っ」

名代「あくまで、本体を捉えねば意味がないと?」

召喚士「石化の中身は空っぽです」

東方司令「ならば奴は、どこへ行ったのだ?」

サル「どっかに潜んでやがるのかっ!?」

帝「いや、奴は思念体になる事を嫌がっていた節がある」

キジ「そうなのさ?」

帝「でなくば勿体ぶって、思念体などという媒介を使う意味がない」

召喚士「なるほど……っ。つまりシンノアクゴロウは今……」

名代「剣聖の屋敷、ですね」

召喚士「結界を利用して戦う方法は無理みたいですね」

東方司令「いいよ。次は確実に仕留める」チャキッ

女侍「いつまでも剣聖を語らせやしないよ……っ!」


318 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 17:40:52.03 ID:krtCj8Yoo
〜最北端、湖の城〜

 ザッザッザッザッ

火忍「進めど進めど、何も無し」

男隊員こりゃ空振ったかねぇ……ヒャハハ」

隊長「いや待て、何だあれは……!?」

 ザッ

槍侶「階段のようですね」

格闘家「上りと下り、二つの階段がありますね」

盗賊「どうする?」

東方参謀「ここは3手に分かれるとしようか」

戦士「3手?」

青年兵「上と下、そしてこのフロアの3つです」

戦士「あぁそうか、このフロアにもまだ何かあるかもしれねーよな」

南方参謀「それで、どう分かれるの?」

青年兵「そうですね……」


319 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 17:41:27.41 ID:krtCj8Yoo


火忍「はっはっは! 良い編制だ!」

水忍「騒ぐでない。遊びではないんだぞ」

風忍「我らはこのまま、上へむかいます」

土忍「……宜しいですな?」

盗賊「ああ、勿論だ」カチャッ

青年兵「藤蔵の5名はこのまま上の階へ。次は……僕らですね」

男隊員「俺らは下だな。どうか魔王がいませんように……ヒャハハ」

女隊員「どうせ戦うんス。そんなの関係ないッスよ」

格闘家「女隊員さんの言う通りです。誰であろうと、敵は倒す」ボキボキッ

鬼丸「賛成だ! グハハッ!」

戦士「盗賊、予言の事……」

盗賊「分かっている。藤蔵の面々だ、心配は一切ないさ」

戦士「……ああ。それじゃ、また後で会おうぜ」

盗賊「……うん」


320 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 17:42:02.37 ID:krtCj8Yoo
東方参謀「残るは我らか」

西方参謀「このまま真っ直ぐ進むぞ。ま、何もないかもしれんがなぁ……がははっ!」

南方参謀「宜しく頼むわねっ!」

槍侶「は、はいっ!」

隊長「……それじゃ行くか」

青年兵「くれぐれも無茶はなさらないで下さい」

戦士「分かってるよ。魔王マーラが居ても、全員が揃うまでは極力、待機してるさ」

男隊員「出来りゃいいけどなぁ。軍団長クラスがいたらどーすんだ?」

鬼丸「そん時ゃそん時だ。押してでも通る!」

槍侶「ですね」

戦士「お、そうだ。槍侶っつったっけ?」

槍侶「はい」

戦士「あんた相当の使い手だ。これ、持っててくれよ」スッ

槍侶「……これは?」

戦士「ゾディアック。いいか? 決して魔力を込めて使ったりするなよ?」


321 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 17:43:18.60 ID:krtCj8Yoo
槍侶「魔力……とは?」

南方参謀「えっ!? もしかして……魔力ないの!?」

西方参謀「ないというより、文化が違うからなぁ。遣い方を知らんのかもしれんな」

南方参謀「でもっ、東方にだって本国のワーカーやら魔法使える人、来てるでしょ」

槍侶「総本山は隔離された空間なので、下界の事はあまり詳しく……」

東方参謀「成程な。ならば知らぬのも同意出来る」

女隊員「つまり、格闘家くんと同じって事ッスか?」

男隊員「今はな。だが、槍侶クンはこいつと違って、素質があるかもしれん」

格闘家「……」

隊長「ゾディアックある以上、今は無理に会得しない方が身のためだな」

青年兵「ええ。威力は桁外れですが、死に直結しますよ」

槍侶「……っ!?」

戦士「安心しろ! 魔力がない限りは五行もゾディアック内だけに留まるからよ」

槍侶「は、はぁ……」

青年兵「さぁ準備は良いですね? それでは……行きましょう!」


322 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage saga] 投稿日:2011/12/29(木) 17:44:14.51 ID:krtCj8Yoo
今日は短めですみません…
夜はちょっとこれないので、また明日!
それでは失礼致しました!ご支援感謝です!ノシ


324 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/29(木) 20:05:56.83 ID:uw6+XiFMo
槍侶が覚醒しませんように・・・


327 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/29(木) 23:11:54.61 ID:ZQ83G/ZVo
>>1乙
青年兵は戦士と盗賊の仲を知ってるんだっけ?

だとしたら予言の内容わかってて別編成とか嫌がらせに思えるわ


328 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/29(木) 23:59:41.81 ID:5mBt9EzS0
んな感情論で司令官やってられんよ


330 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/30(金) 01:46:09.05 ID:agJJ7QxAO
>>1おつ

単純に気心しれて連携とりやすいメンバーで編成したんだろう


333 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:54:44.17 ID:K/ad3YEPo
〜剣聖の屋敷〜

女剣士「……さて、都に戻るとしようか」

くの一「でも、酷いものですね……」

女剣士「ん?」

くの一「いやその……屋敷もこんな惨状ですし何より……」

女剣士「賊が入ったおであろうな。まぁ仕方のない事さ。そうだろう?」

くの一「……」

女剣士「下手な同情は要らんぞ。それが必然な事だろう」

くの一「そう……ですか」

女剣士「……さ、早く都へ戻って私達も出来る事をしよう」

くの一「……?」

女剣士「影忍が言っていただろう? 間もなく魔王討伐が始まると」

くの一「あ……っ」

女剣士「お互い東方を離れた身ではあるが故郷。東方の為にも戦おうじゃないか」

くの一「……はい。そう、そうですよね」


334 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:55:35.40 ID:K/ad3YEPo


 テクテクテク……

女剣士「……」

くの一「……」

女剣士「なぁ」

くの一「……」

女剣士「お前は何故、影にいたのだ?」

くの一「……好きで居たわけじゃ……ありません」

女剣士「……」

くの一「両親も知らぬ、捨て子。生まれた時より影に拾われ、影ですから」

女剣士「……そうか」

くの一「別にいいんです。拾われねば……死んでいたかもしれませんから」

女剣士「もし……さ、もし前はこの戦いの後、生き延びたら……」

 ピクッ

くの一「……!?」


335 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:56:59.66 ID:K/ad3YEPo
女剣士「私が行く」チャキッ

くの一「いえ、私も行きます」スッ

女剣士「誰だっ! 姿を見せろ」

くの一「……っ」

 テクテクテクテク

女剣士「――――っ!!」

くの一「……人?」

女剣士「ち……父上……!?」

くの一「えっ!?」

女剣士「いやっ、父上は……でも何故っ」

くの一(……この感じ、人じゃない……?)ザッ

女剣士「父上なのですかっ!? それとも……」

 ヒュンッ!!

女剣士「!?」

くの一「危ないっ!!」


336 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:57:38.56 ID:K/ad3YEPo
 ザシュウウゥゥゥゥッ!!

女剣士「くの一いいぃぃ!!」

 ドサッ……ツツーッ

女剣士「お前っ、どうして……っ」

くの一「無事……良か……った……」

女剣士「くの一……っ」

くの一「良か……」

女剣士「貴様……ぁ!! 父上ではない……何者だ!!」

 ザッザッザッザッ

神野「ほぉ、さっきの奴らとはまた別かいな」

女剣士「!?」

神野「ったく、次から次へとキリないなぁ」

女剣士「……貴様は一体、何者だと聞いている!」

神野「答えなあかんの?」

女剣士「なっ!?」


337 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:58:20.79 ID:K/ad3YEPo
神野「あんさんにゃ関係ないやろ。わいの名前なんて」

女剣士「ある。何故、父上の姿をしている!」

神野「父上? ああ、そういう事」スウゥッ

女剣士「……?」

神野「ふぅん、なるほどなるほど。女剣士っちゅーんか」

女剣士「!?」

神野「あー奇術でも何でもあらへんよ。媒介の記憶を深く手繰っただけや」

女剣士「媒介……だと?」

神野「しっかしまぁ、大切な娘なのに随分と深くに仕舞い込んだもんやなぁ」

女剣士「貴様……父上に何をしたぁ!!」

神野「勘違いすんなや。わいはこの、剣聖って奴の思念を勝手に使うてるだけや」

女剣士「思念? 使っている……?」

神野「ま、説明しても分からへんよなぁ」スゥッ

女剣士「……どういう事だ! 父上は……っ」

神野「もうええやろ。とりあえず……」


338 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:59:01.27 ID:K/ad3YEPo
 ジャキッ

神野「邪魔や。死んどきぃ」

女剣士「父上……にぃ……」

 ザッザッザッ

女剣士「父上に何をしたぁ!!」

神野「しつこいやっちゃなぁ!」ダンッ!!

 ビュオッ!! キイイィィィィン!!

神野「……やるやないか」

女剣士「父上の……太刀筋……」

神野「言うたやろっ! わいはこの媒介を使うてるってなァ!!」

女剣士「私でも……かわせた……」

神野「突っ立てるだけなら、このまま殺らせて貰うでぇ!」

女剣士「かわせるわけ……ないだろうがっ!!」

神野「あぁ!?」

女剣士「父上の剣はこんなに……生ぬるいものではない!!」


339 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 22:59:46.12 ID:K/ad3YEPo
神野「だったらどうだって言うんやァ!!」

女剣士「父上を……返せええぇぇ!!」

神野「――ッ!?」

 ザシュッ!! ヒュンッ!!

女剣士「父上ぇ!! 私です……女剣士……」

神野「じゃかあしい!!」

女剣士「父上ぇ!!」

神野「もう終わりかぁ!? こんなんかすり傷にもならへんでぇ!!」

女剣士「父上ええぇぇぇぇ!!」

神野「ひゃーっはっはっはっはっは!!」

 フオンッ!! ドズッ……スググッ

女剣士「…………かは……っ」

神野「くっくっく、生温い言うとった割に、このザマや」

女剣士「父上……ぇ……」

神野「この姿相手じゃあ本気で斬りかかれないみたいやなぁ」


340 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:00:53.52 ID:K/ad3YEPo
女剣士「父……」

神野「じゃ、終いにさせて貰うわ。客、待たせてるんでなぁ」スッ

女剣士「……っ」ポタポタポタッ

神野「ほんじゃ、お疲れさんっ♪」チャキッ

女剣士「……ぇ。父上ええええぇぇぇぇ!!」

神野「ひゃーっはっはっはっはっは――――」

 ビュオッ!!

女剣士「…………っ」

神野「…………」

女剣士「……?」

神野「……な、何や!? 体……動かへん……!?」

女剣士「父……上?」

神野「阿呆かっ!! 思念体やぞ!? 意識なんかあるはずないやんか!!」

女剣士「父上……っ!! 父上なのでしょう!?」

神野「くっ! こんの……何が起きとるんやクソがぁ!!」


341 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:01:44.08 ID:K/ad3YEPo
女剣士「父上っ! どうか、どうか剣を収め下さいませ……!」

神野「んな事あるはずない……。思念体が意志を持つなどそんな阿呆な……」グググッ

女剣士「父上……ぐくっ」ポタタッ

神野「……どいつもこいつも……頭に来るわ」

女剣士「……っ」

神野「もうええ。動かへんなら、わいが直々に殺したる」

女剣士「!?」

神野「たかが手負いの二匹、一瞬で終わらせたるわ」

女剣士「二……?」クルッ

くの一「……はぁ、はぁ……っ!」

女剣士「くの一!!」

くの一「私……だって……」

神野「ヒャーハッハッハッハッハ!! 死ね!!」

 グワッ!!

女剣士「っ!!」


342 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:02:28.61 ID:K/ad3YEPo
くの一「……!!」

 ググッ……ググググッ……ピタッ

神野「……ええ加減にせぇよ」

女剣士「……?」

神野「何で本体になれへんねや!! 邪魔すんなぼけぇ!!」

くの一「な……何が……」

女剣士「……っ」

神野「思念体の分際で……わいを抑えつけるつもりかぁ!!」

――『逃げろ、女剣士』

女剣士「――っ!?」

神野「邪魔……すんなああぁぁぁぁ!!」

 バチィッ!! ズゴゴゴゴゴ

くの一「くう……っ」

女剣士「逃げるぞ」

くの一「へっ!?」


343 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:03:22.94 ID:K/ad3YEPo
女剣士「動けるよな? 早くっ!!」

くの一「逃げ……? えっ、は……はい!」

女剣士「……ありがとう……父上」

 ババッ タタタタッ

神野「……逃がすかよ、このボケがぁ!!」

女剣士「先に行けっ!!」

くの一「えっ!?」

女剣士「この屋敷の事は分かっている! 何とか時間を稼ぐ!」

くの一「……う、うん!」タタッ

神野「自分が犠牲になろうってかぁ? 素敵やん」

女剣士「そこに居ると、危険だぞ?」

神野「あ?」

女剣士「カラクリが多くてな」クイッ

神野「ああぁぁ!?」

 ズガッ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!


344 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:04:11.01 ID:K/ad3YEPo
女剣士「言い忘れてた。このスイッチを押すと、そこに天井から巨大な岩が落ちてくるんだ」

 スッ

女剣士「もう聞こえてないか」

 ザッ タッタッタッタッタッ

神野「…………」

 バッゴオオォォォォン!! パラパラパラッ

神野「……殺す」

 タッタッタッタッタッ

女剣士「くの一!」

くの一「早くこちらへ!」ズイッ

女剣士「ここまで来れば……」

くの一「あぁ!?」

女剣士「もう来たのか、早い!」

神野「ひゃーっはっはっはっは!! 見つけたでぇ!!」

女剣士「くそっ、やはり戦うしか……」


345 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/31(土) 23:04:55.75 ID:K/ad3YEPo
神野「そのまま……死ねええぇぇ!!」

 ズドオオォォォォ!!

神野「ハアアァァァァ!?」

スフィンクス「じゃじゃーん! 下からふいうち……だぶるぱーんちっ!!」

神野「――っ!?」

 ズギャアッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

くの一「こ、これは……っ」

 ドドッドドッドドッ……

召喚士「人がいる……!?」

魔道士「あっ!! あれって……女剣士さんに……くの一さん!?」

女剣士「まさか……う、上様っ!?」

帝「女剣士か。血が出ているようだが、大事ないか!?」

 ドドォッ スタッ

名代「二人とも怪我を……。しかし傷は深くはないようですね」

召喚士「シービショップとユニコーンで治療します!」



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