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女商人「勇者が行方不明に?」女武闘家「じゃあ探しに行こ〜」ワクワク
224 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 14:07:00.24 ID:HqWN9cRAO

それから1週間後
【アリアハン 酒場】


『かんぱーい!』

ガチャン

武闘家「んぐんぐ。ぷはー!いやぁ、仕事の後の一杯は染みますなー!」

商人「それどこのおじさんなのよ。」

魔法使い「あ〜このお酒美味しいわね〜。どこのお酒なの?商人。」

商人「これはね、ジパングで昔から作ってる『にほんしゅ』っていうお酒だよ。けっこう強いよ。」

魔法使い「へえ。気に入っちゃった。商人の店じゃ入れてないの?」

商人「はいはい、好評なら早速仕入れに入りますよ?」

僧侶「私、お酒苦手で。わざわざゼロ%の物を用意してくれてありがとうございます。」ペコ

商人「いいのいいの!私も全然お酒駄目だし、普通ので楽しもうよ、ね?」ニコ

武闘家「あ〜れぇ?僧侶ちゃんと商人ちゃんは飲めないんでしたっけぇ?」ヒック

商人「酔うの早っ!」

武闘家「ほれほれー遠慮せずに飲みなされ!さもなくば...」スッ

僧侶「ひゃあ!武闘家さん!いきなり触らないでくださいよ。」

武闘家「おおー、触り心地がええじゃないかー。って....」

商人「こらっ!って.....あれ?しょげちゃったよ、この子。」


武闘家「はーあ、やだやだ。」ブンブン

魔法使い「(久々ね、こういうノリ。)」ポー


225 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 14:20:18.12 ID:HqWN9cRAO


僧侶「それにしても、勇者様は遅いですね。お城でお話が長くなってるのでしょうか?」

魔法使い「まあ、かなり久々だろうから積もる話も積もりまくりなんじゃないの?」

商人「う〜、勇者ってやっぱり大変みたいだね。ね、武闘家?」チラッ

武闘家「むにゃむにゃ...そうりょのは...きいな...くう。」

商人「寝るのも早っ!」

魔法使い「弱いんだから無理して飲むからよ。ふふふ。」

僧侶「かわいい寝顔ですねー。くす。」



商人「そういえば、勇者の呪いってさ、大丈夫だったの?」

魔法使い「ああ。まったく心配ないわよ。何せ、一度死んじゃってるから。」

僧侶「ん、どういう事なの?」

商人「死んじゃってまずくなかったの?」


226 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 14:30:10.99 ID:HqWN9cRAO

魔法使い「ううん。あの男が掛けた呪いは、勇者が死ぬことを目的にしていた。」

魔法使い「だから勇者が死んだ時点で呪いの役目は終わって浄化されたのね。」


商人「ああ〜そうなんだ?呪いが消えた後に生き返ったから、今はもうピンピンって事か。」


僧侶「すごい仕組みなんですねー、呪いって。」


魔法使い「……二人とも元賢者なのに、その辺は全然なのねぇ。」ハア


商・僧「返す言葉もございません……」シュン


武闘家「くかーくかー」スヤスヤ


227 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 14:54:52.61 ID:HqWN9cRAO

魔法使い「あの賢者はどうなったの?捕まったって聞いたけど?」

僧侶「うん。捕まって今は牢屋の中よ。自分が作った隠し牢屋に入れられたみたい。」

商人「え。それって僧侶が監禁されてた牢屋?」

僧侶「はい。ざまみろって感じですよー。まあ、だいぶ反省はしてるみたいですが。」

魔法使い「ふん。気に食わないわ。
またリリルーラで押し掛けて拷問でもしてやろうかしらねぇ。」ヒック

商人「(ひぃ〜目が本気だ。)」ゾク

僧侶「大臣もかなりな不正行為を働いていたようで、
今回の事で明るみに出て、罪に問われているみたいだし....」

僧侶「ラダトームは今、大忙しです。王様もだいぶこたえていたみたいですし。」

商人「大変だね、それは。図書館も全壊しちゃったもんね。」

僧侶「はい、働くトコがなくなっちゃいました。」ガクッ

僧侶「今は、例の事があったし、お暇をもらってますけど。」

商人「いい機会だし、ゆっくり、のんびりしたら?私の所に遊びに来てもいいし。」

僧侶「あ!ホントですかぁ?また商人さんの手作り料理食べたいなー。」キラキラ

商人「お安いご用だよ!」グッ


228 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 15:08:57.04 ID:HqWN9cRAO

魔法使い「りりるーら....つぎは....べたん...まほかとーる」スースー

商人「あれ?魔法使いも寝てたんだ?」

僧侶「なんか、知らない魔法の名前を言ってましたね....」

商人「(あとまだ何を覚えちゃうんだろ....)」


僧侶「商人さん。そういえばあの時、世界樹の葉を使ってましたけど。...どこで?」

商人「ん?あれね。あれはね……」


ガチャ
ドッシャーン!

「あ〜あ、姉ちゃん。全部こぼしちゃったじゃねーか。どうしてくれんの?」

「あ!ゴメンナサイ!急いでたから、弁償しますから!すみませんすみません!」ペコペコ



商人「来たみたいね....」

僧侶「勇者様ぁ〜。おっちょこちょいは変わらないですね。」ニコ


229 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 15:20:54.22 ID:HqWN9cRAO


勇者「いやぁ〜またしてもお恥ずかしいところを。」テレ

商人「まったく、天性のおっちょこちょいだもんね勇者は。」

僧侶「ケガなどしてませんか?すごい音がしましたけど?」

勇者「あ。へーきへーき!足引っ掛かっただけだし、ありがとう僧侶。」

僧侶「いえ。勇者様がまた元気に私達とお話ができるならなんでもないです!」

商人「駄目だよ〜勇者。僧侶は心配性なんだからさ。」


勇者「でも本当に今回はみんなにご迷惑をかけちゃったよね?ごめんなさい。」ペコリ

勇者「ありゃ?武闘家と魔法使いは寝ちゃってんの?」

商人「二人ともお酒飲んで、気持ち良さそうに、寝に入ったよ。」

僧侶「起こしましょうか?」

勇者「あ、いいよ。かわいそうだし。二人とはまた話せるからね。」



230 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 15:29:45.61 ID:HqWN9cRAO

僧侶「そうだ、さっきは商人さんが勇者様を助けた時の事を話していたんですよ。」

勇者「ああー、私を生き返らせてくれたって話?聞きたいな、本人としては。」ワクワク

商人「世界樹の葉の事ね。そうだその事なんだけど。」

商人「あれを私が持ってたのは、勇者にもらったんだよ。覚えて...」

勇者「は?.....」ボケッ

商人「...ないかぁ。やっぱり。」ガクッ



僧侶「勇者様が商人さんに差し上げた物だったんですか?」

商人「そう。もう2年以上前かな。いつもの通り、勇者が店に顔を出しに来てくれて....」


231 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 15:44:06.15 ID:HqWN9cRAO
〜〜〜〜〜〜〜

2年前
【ホープバーク 商人の店】


勇者「じゃあこれ、頼まれてた道具一式ね。
袋に入れてあるから、後で確認しといてね〜!」

商人「いつもありがとう!助かります。また次の時にお礼するね。」

勇者「じゃあね〜ばいばーい!」ブンブン



商人「ええと、道具道具、と。」ガサガサ

商人「すごろく券だー、貴重な物だよね。しかも5枚も。これはいい値で売れるぞ〜。」ニタニタ

商人「あと不思議な木の実と命の木の実か〜、これも売れるね。」

ヒラッ

商人「ん?何これ?葉っぱ?なんでこんな物入ってんだろ?」

商人「………あれ。どこかで見た事ある形だけど。どこでだっけな〜。」ブツブツ


商人「あ!あの時の文献!たしか、これって死者を生き返らせる事ができる...」


232 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 15:53:38.11 ID:HqWN9cRAO

商人「『世界樹の葉』だ!」ガタン

商人「勇者ってば、こんな貴重な物を私なんかに....ありがと!」ウルウル



商人「さて、いくらで売りに出そうかなー」ブツブツ



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


商人「と、いうワケだったんだよね、これがさ。」

僧侶「売ろうとはしたんですね....一旦は。」

商人「あ、ま、まあ最初だけね。」アセ

僧侶「(さすが商売人ですね。)」

商人「でもとんでもなく貴重だからってずっと自分でバッグに入れてたんだ。」

僧侶「じゃあ勇者様は自分で自分を助けちゃったみたいな感じですね!」

勇者「えっ!なるほど、そういう事だよね。私って偉いねー。ははは。」



233 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 16:14:00.64 ID:HqWN9cRAO

勇者「ていうか、世界樹の葉っぱだったんだ?その時の葉っぱって。」


商・僧「は?」



勇者「いやー。あの時、ホープバークに行く直前にさ。」

勇者「ラーミアに乗ってて、ガルナの搭近くを飛んでたら、北の方に目立つ木があったのさ。」

勇者「たまたま行ってみたら、珍しい形の葉っぱだったから拾っただけなんだよねー。」


商人「………て事は、あなたは単に珍しい葉っぱだから私の所に持って来た、と。」

勇者「商人は何でも売っちゃうから、いくらで売れるのかなぁって。えへへへ〜。」テレ


勇者「まいったね、こりゃ。…あ、……ひぃぃー!!」

商人「…………」ゴゴゴゴゴゴ



勇者は商人からのキツいお仕置きの後で、目を覚ました武闘家
と魔法使いにさらにお説教を食らうのでした。


そして、夜は更け。



さらに1ヶ月が経った。


234 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 16:16:14.88 ID:HqWN9cRAO
今日は早いですが、ここまでです。
次回はエピローグになります。
最後まで楽しんで頂ければ幸いですm(_ _)m


235 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/05(火) 17:21:45.21 ID:JjDmypQw0
乙でした
勇者物なのに勇者は活躍しなかったけど十分楽しめたよ

エピローグも頑張れ!


236 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/05(火) 19:21:42.45 ID:1GDla9QAO
主役はあくまで商人だからな
wktkしながら待ってるよ


237 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 20:01:12.64 ID:0flvYJ3W0
>>215
僕は個人的に好きなFF6をプレイしていて思いました。
やっぱり魔力の差で、ダメージ量(回復量)を上限した方が
それっぽいですよね。

>>235
そうですね〜今で言う「魔王勇者系SS」の括りなんでしょうが、
前作とこのSSは勇者はあまり出番ないですね(笑)
おまけに説教食らったり、呪われたり....

>>236
最初のコンセプトはDQ3(携帯アプリ版)をプレイしていて
「スポットを浴びない不遇な商人」を不憫に感じてしまい(笑)
主役にしてあげたら面白いかな、と思ったのがキッカケでした。


238 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 20:04:00.15 ID:0flvYJ3W0
エピローグをどのようにするか、練っています。
最後って書くの難しいし緊張しますね。


239 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/05(火) 22:36:21.34 ID:0flvYJ3W0
そういえば前作は500行っちゃったけど、
今回は約半分で済みそう。短くて多少は
読みやすくなった(のかな?)


240 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/05(火) 22:45:38.78 ID:sWKVH+LIO
前回は前回、今回は今回の良さがあるとおもうよ。
続き頑張って!


241 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 08:46:50.81 ID:+YyjNfVAO
>>240
ありがとうございます。
最後までしっかり書ききりたいと思います。


242 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2013/02/06(水) 08:50:33.95 ID:uLL/6ijt0
>>239
私見ですが。

セリフと擬音だけのSSも多いが、そういうのって特に戦闘シーンでは読み手には意味不明だったり、セリフが説明的すぎて読みにくかったりする。
まあ、読み手の想像力不足かもしれないが、>>1は時々説明が入るので情景を思い浮かべやすく、読み易かった。

長さについては前作ぐらいあっても問題ないと思う。要は短い間隔で適度な量を投下してくれればリアルタイムで読んでいても途中でストリーを忘れたり、飽きたりしないからね。

という事でお疲れ様です。エピローグもカンバってください。


243 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 09:32:23.95 ID:+YyjNfVAO

《エピローグ 魔法使い編》

ある日の早朝
【ホープバーク 町外れの公園】


商人「ねえ〜、なんでこんな朝早くに起こされなきゃいけないの〜。」


魔法使い「まあいいじゃない。私は朝早し、それにほら健康的でしょ?」


商人「今日はお店お休みだからだら〜っと寝ていたかったのにさ。」ブツブツ


魔法使い「はいはい、愚痴は後で聞くから、ほら気合い入れて!そこの砂場に立って。」


商人「まったく、新しい魔法か何か知らないけど見てほしいって押し掛けてきてさ。」ブツブツ


魔法使い「よし。準備オッケーね!じゃあ、いくわよー!」ウズウズ


商人「はぁ〜い。」


244 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 09:47:47.40 ID:+YyjNfVAO

魔法使い「大地に眠る精霊達よ…今こそ我の声に耳を傾けたまえ。」ブツブツ


魔法使い「『ベタン』!」グググ


商人「ふわぁああ〜。う〜目がショボショボする...ん?」ズン


商人「ちょ、ちょっと何?体が...わあぁぁ〜!!」ズンズン


魔法使い「きゃー!やった成功よ〜!師匠やりました!」ピョンピョン


魔法使い「(ベタン、やっとモノにしたわ!次は僧侶のとこに行って実験よ。)」


商人「…うう、重いよぉ〜。助けてぇ…」


魔法使い「ん?…あ。商人ごめ〜ん!今魔法解くから。」アセアセ


商人「(ううう、酷い目にあったなぁ。ぐすん...)」


245 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 10:08:41.43 ID:+YyjNfVAO

【ホープバーク 商人の店】


商人「……はい、ご注文の『にほんしゅ』です。二箱で宜しかったですかね?」ドン


魔法使い「あ、いやねぇ。怒ってるの?だから謝ってるじゃない。ごめんなさい。」ペコ


商人「………」ジロ


魔法使い「わ、わかったわよー、じゃあ、あと二箱追加で。ね?」


商人「………」ニコッ

商人「ありがとーございまーす!魔法使いさん太っ腹!」


魔法使い「ふう。あなたには負けたわ。でも朝からいきなりごめんなさい。」


商人「痛かったけど…いいの。新しい魔法が使えるようになってよかったね!」


魔法使い「まだまだ私は極めないと気が済まないもの。
いつか世界一の魔法使いになるわ。」グッ


商人「うん!応援してるよ、頑張ってね。」

商人「(でもすでに世界一なんじゃ.....)」


魔法使いは大量の酒と共にルーラで飛び去っていった。


246 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 10:40:52.13 ID:+YyjNfVAO

《エピローグ 僧侶編》

その日の夜
【ホープバーク 商人の家】


僧侶「美味しかった〜!商人さん、ごちそうさまでした!」


商人「いえいえ。こちらこそ、たっぷり食べてもらって。腕を振るった甲斐があったよ〜。」


僧侶「いつ来ても、商人さんの美味しい食事を頂けて私は幸せ者ですよ。」ニッコリ


商人「照れるなぁ。えへへ。」

商人「あ、ねえ。そういえば家は決めたの?」


僧侶「はい!町外れですけど、静かそうでいいかなって。でもわざわざ私の為に。」


商人「私は何もしてないよ。おじいちゃんに言ってあげてね。町長様だし。」


僧侶「わかりました。ん〜、新しい図書館が出来るのすごく楽しみですー。」


商人「おじいちゃんにお願いしてみたら、『喜んで建てる!』なんて言ってくれたもの。」


僧侶「まさか自分がホープバークに住むなんて思わなかったから、
商人さんに誘われた時はビックリしたし、嬉しかったです。」


247 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 10:59:43.72 ID:+YyjNfVAO

商人「そういうサポートも仕事の一つなんですよ。ってね。」ニコ


僧侶「私も図書館が出来たら司書として一生懸命がんばります!」グッ


商人「私もたまには遊びに行くからさ。期待してるよ〜かわいい司書さん。」ツン

僧侶「えへへ〜。」ニヤニヤ


商人「あ、そうそう。昨日ねポルトガから新しいチョコがね届いんだ。食べてみる?」トン


僧侶「あ〜!私の大好物だ〜。食べたい!食べたい!」ワクワク


商人「はい、どうぞ。私も食べてみようっと。」モグ

商人「(ん?めちゃ美味しいけどこの風味...)」ポー


僧侶「う〜ん!新作はさらに甘くてコクがあって美味しぃ〜!」

僧侶「…ありゃ?なんかヘンな感じですぅ....頭がポーっとするな。」ポー


商人「このチョコはお酒入りね。そんなに強くないけど。大丈夫?そうりょ.....ん?」


僧侶「……」キョロキョロ

僧侶「魔法使いはどこ?」


商人「はい?(目が座ってますけど?)」


248 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 11:19:00.72 ID:+YyjNfVAO

僧侶「ねぇー、商人さーん。あの馬鹿魔法使いはどこにいるのー?」


商人「(もしかして、僧侶って酒乱?)」アセ

商人「あの、僧侶ちゃん?」


僧侶「あの女、昼にいきなり来て、私にベタンとかいう魔法を
かけてすぐに帰っちゃったのよー!許せないわ!」

僧侶「引っ張りだして来て、ザキでもメラでもお返ししてやるわー!」ガー


商人「ひぃぃ〜!やめてー!家が壊れるー!」アタフタ


僧侶「年上だからっていつまでも子供扱いしてんじゃないわよ〜!出てこーい!!」ウガー


商人「こうなったら、ごめんね僧侶。『ラリホー』!」パァ


僧侶「うー、ん。急に眠く...なっちゃった。」トスッ

僧侶「しょうにんさぁん....ごめんなさぁい....むにゃむにゃ」スー


商人「ふう〜危ない。てか魔法使い、酷っ!」ガクッ


僧侶はそのまま眠りについた。商人は後片付けを渋々やる羽目になったのだった。


249 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 11:36:43.62 ID:+YyjNfVAO

《エピローグ 武闘家編》

明くる日の昼過ぎ
【ホープバーク 商人の店】


武闘家「商人いる〜?」ヒョイ


商人「いるよ〜。」ボー


武闘家「ありゃ?どしたのさー?らしくない顔して。」


商人「昨日はまあいろいろあったから疲れちゃってね。今日は何の用?」


武闘家「イヤだな〜せっかく幼馴染みが遊びに来たっていうのにさ。」


商人「あのねぇ。私は今仕事中なんだよ。見てわかると思うけど。」


武闘家「見てもただぼーっとしてるだけじゃんか。その格好だと。」


商人「う。ま、まあとにかく今は忙しいから、あなたと遊んでる暇なんてな...い..」チラ

商人「あれ?あの、あなたの後ろにいるのはどちらさま?」


武闘家「ん〜?どちらさまって、もしかして〜この人?」ニヤニヤ


商人「そう。その男の人。武闘家の知り合い?」



250 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 11:52:20.72 ID:+YyjNfVAO

背の高い男「あ、あの初めまして。商人さんですか?」ペコリ


商人「あ、はい。はじめまして。この店の主の商人と申します!」ペコッ


背の高い男「いつも妻から聞いてます。仲のよい幼なじみで頼りになる姉さんみたいだと。」


商人「ああ。そうなんですか!頼りになるだなんて、そんな事ないです……よ」

商人「あれ?今なんて言いました?『つま』?ってどういう意味だっけ?」ポカン


武闘家「『つま』は『妻』でしょー?そんな言葉も知らないの〜?」


商人「いや、知ってるけど。なんでこの状況でその言葉が出てくるわけ?」


武闘家「ふっふっふっふ」ニタニタ


商人「え!ま、まさか…武闘家……」


武闘家「私、ケッコンしました〜〜!!」バーン


商人「………」

商人「……」ピカ

商人「ええええぇぇぇ〜〜!!」バタン


251 名前:gaku ◆p5aHKPi6K9ce [saga] 投稿日:2013/02/06(水) 12:07:34.53 ID:+YyjNfVAO

数分後〜


商人「いやいや、まさかあなたが結婚しちゃうだなんて。嵐が来るんじゃないの?」


武闘家「こら、失礼な事を言うな。新婚ホヤホヤさんに向かって〜。」


商人「あの旦那さん。この子とはどこで?」


武闘家の夫「アリアハンの道場で。俺が道場に通ってて、師範の妻に一目惚れしたんです。」


商人「はあー。どこが好きになったんですか?」


武闘家の夫「とにかく必死に教えている凛々しい表情と姿に痺れました!」


武闘家「て、照れるからヤメテ。」カァ


商人「(あ〜あ。顔真っ赤っかにしちゃって。)」


商人「武闘家。カッコイイ旦那様ね。おめでとう!!」


武闘家「あ、ありがとう。」


武闘家「じゃあ、たっぷり私達の馴れそめやエピソードを聞かせてあげちゃおっかな〜。」


商人「あ。それはいいです。仕事あるんで。」キッパリ


武闘家は幸せを手に入れた。
商人は仕事に戻った。



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