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少女「嗤うは骸か人類か」
41 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 20:57:11 ID:q4Ree84w
それから彼は、布を持ってきてくれて、私の棒に丁寧に巻いてくれた。

巻きながら彼は、「人間と話したのは久しぶりだ」と嬉しそうに語っていた。

彼は、それからもたくさんのことを話してくれた。
高校に通っていたけれどバイトばかりの毎日が退屈だったこと。
高校を出たらすぐに働くつもりだったのに、頼りの両親が事故で亡くなったこと。
それから自分一人で弟を養っていこうとしていたこと。
その矢先、弟もいじめに遭い、命を落としたこと。


42 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 21:03:17 ID:q4Ree84w
弟さんの話になると、彼は凄く苦しそうで、つらそうで、見ていられなかった。
いじめはとても壮絶で、弟さんは苦しみながら亡くなったそうだ。

「いじめた人たちは……どうなったんですか?」

私は絞り出すように聞いた。
天罰が当たっていないと、弟さんが浮かばれない。
のうのうと生きていられたら、他人の私だって腹が立って許せなく思う。

「おれが、殺した」

「っ」

その答えを聞いたとき、私は奇妙な興奮と恐怖を感じた。


43 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 21:34:39 ID:q4Ree84w
「殺したって言っても、間接的に、だろうけどな」

「間接的?」

彼は、いじめの主犯格とその取り巻きを徹底的に晒しあげたそうだ。
マスコミに、インターネットに、学校に、その名前と個人情報をばらまいた。
家にマスコミが集まり、誹謗中傷が殺到し、同姓同名の芸能人が迷惑し、そして……

「主犯格は、自殺した」

「……」

「おれが殺したようなもんだ」

「その事件……知ってる……」

私は、テレビで報道されていた内容を思い出していた。


44 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 21:49:27 ID:q4Ree84w
「おれは何一つ後悔しちゃいない」

「……」

「遊び半分で弟を死なせたあいつらを、許すことなんてできなかった」

「……」

そういえば、最近もテレビでそのニュースの続報が流れていた。
そうだ、確か……

「お兄さんが……行方不明だと……」

「その兄ってのが、おれだ」


45 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 21:58:07 ID:q4Ree84w
「行方不明になったあなたがここにいるってことは……」

「ここを抜ければ、きっと元に戻れる」

「そう、ですね」

「ただそうなると……」

「私も、今、行方不明になっているってことですよね……」

「ああ」

どうしようどうしよう。
死んだのでなければ戻れるかもしれないけれど。
今も伯父さんたちは私を探しているのだろうか。
それとも、遊び歩いて帰ってこないと思っているだけだろうか。

……どこかで死んでいればいいのに、と思っているだろうか。


46 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:07:47 ID:q4Ree84w
「おれは正義感でやったわけじゃない」

「単なる復讐だ、私怨だ」

私怨……
普段の生活じゃあほとんど聞かない単語だ。
でも、このとき聞いた「私怨」は、この単語がこのときのためにあると感じさせてくれた。

「やりすぎだと言うやつもいたが、おれはまったく後悔しちゃいない」

「むしろ、死んだ加害者を笑いに行ったよ」

私の耳がぴくっと反応した。
笑いに行った。
私と似ている。


47 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:19:06 ID:q4Ree84w
「弟の墓にお参りして、花を添えて、『あいつ死んだぞ』って報告してやった」

「それから、加害者の墓にも行って、『自業自得だ馬鹿』って笑ってやった」

「そしたら……」

同じだ。
私もお墓の前で笑ってた。

「足元がぐにゃあってなって、めまいがして、いつのまにかここにいた」

「一緒です、私と……」

「君も?」

私も、ここへ来る直前、両親の墓の前で笑ってたことを話した。
「ざまあみろ」とか「自業自得だ」なんて感情はなかったけれど。
それでも悲しんだり苦しんだりする感情ではなかった。


48 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:25:57 ID:q4Ree84w
「似てますね、私たち」

そう言いながら、私はどこか妙な感覚を感じていた。
似ているからどうだと言うのだろう。
墓の前で死者を笑ったら、地獄に落ちるというルールでもあるのだろうか。

「……」

彼は難しい顔をしてなんだか考え込んでいる。
その姿は、私よりもずっと大人びていて、こんな状況だと言うのに少し素敵だと思ってしまった。

「それ、偶然かな」

彼は顔をあげて呟いた。


49 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:30:04 ID:q4Ree84w
「それが、ここに来る条件なんだとしたら……」

「墓の前で死者を笑う、っていうことがですか?」

「そうだ。だとしたら……」

「……」

「どういうことなんだろう?」

「ですよね」

少し状況がわかった気がしたが、気のせいだった。
私たちの頭では、到底この状況は説明できない。

「でもさ、来る条件があるってことは、帰る条件もきっとある」

彼はそう言って笑った。
強い人だ。


50 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:42:29 ID:q4Ree84w
「ここって、夜とか昼とかあるんですか?」

「……ないな」

そう言って、彼は腕時計を見せてくれた。

「今ほら、19時だけどさ、周りはずっと薄暗いし、月が出るわけでもないし」

「……ですね」

「朝になれば明るくなるわけでもないし」

「……健康に悪そう」

今更健康を気にしても仕方がないだろうけど、私はそう言わずにはおれなかった。
私、これからどうやって暮らしていくんだろう。


51 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 22:48:49 ID:q4Ree84w
パカン

気持ちのいい音がして、缶詰が開けられる。

「はい」

中身は豆のスープみたいなものだった。
曲がって汚れたスプーンと一緒に渡される。

「……豆、嫌い?」

「いえ、好きです」

好き嫌いはほとんどない。
この状況でなら、嫌いなものでも食べなきゃいけないだろうし。

ていうか、たき火で温めた豆のスープは、驚くほど美味しかった。
小学校で食べた給食よりもずっと美味しい気がした。


52 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 23:02:00 ID:q4Ree84w
「ごめんなさい、貴重な食料なのに」

「構わないよ、話す相手がいる方が、ずっと素敵だ」

でも彼は、私のことを聞かないでいてくれた。
墓の前でどのように死者を笑ったのかは話したけれど、両親への思いや愚痴は言わなかった。

その代わり、彼はたくさんのことを話してくれた。
どこに缶詰があって、どこに木の実があって、どの水道から水が出るのか。
意外とカエルは美味しいんだとか。
今までやっつけてきた骸骨は多分30匹を超すとか。
昔野球部だったから、スイングは得意だとか。


53 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 23:08:49 ID:q4Ree84w
「たき火見てるから、そっちで寝てていいよ」

「でも……」

「大丈夫、寝ちゃうかもしれないけど、ここにはほとんど骸骨は来ないから」

「……」

私、甘えすぎてる気がするな。
こんな状況に放り出されたら、こんなにも無力だなんて。

毛布をかぶり、たき火に背を向けて寝た。
鼻をすする音が、彼に聞こえなければいいのだけれど。

後から後から、ポロポロと涙がこぼれた。
だめだな、私。
弱いな、私。


54 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/16(火) 23:14:01 ID:q4Ree84w
……

なんだかいやな夢を見た。

真っ暗で、よく見えなくて、でも赤い光だけがチラチラと近づいてきた。

骸骨だ。

目の奥で赤く光っている。

二つ、四つ、八つ……

もっとだ。たくさんの赤い光が私を取り囲んでいる。

……


55 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/16(火) 23:23:41 ID:q4Ree84w
それでは、また明日


57 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/16(火) 23:39:35 ID:7l35FJr2

続き気になるぜ


58 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 21:49:11 ID:LbS0W7JA
「おはよう」

「おはよう」

「よく眠れた?」

「……ううん」

「だろうね」

「ずっと、起きていてくれたの?」

「ああ」

「……ごめんね」

「なんで謝るの」


59 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 21:54:05 ID:LbS0W7JA
「おれの方が年上だし、男だし、ここのこともよくわかってる」

「でも……」

「いいからいいから、さ、顔でも洗ってきな」

こんな廃墟みたいなところの水は怖かったけれど、案外きれいなものだった。
変なにおいもない。
飲み水にもなるのかな。


60 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 21:59:11 ID:LbS0W7JA
「朝食に、木の実盛りですよー」

「あ、ありがと」

「あと紅茶風ドリンクね、冷めないうちにどうぞ」

「……すご」

こんな状況でも、この人は力強く生きている。
すごいな。
ていうか紅茶風ってなんだろ。


61 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:03:38 ID:LbS0W7JA
「ここ、ぶっちゃけやることねえんだ」

「緊張感はあるけどさ、それだけっていうか」

確かに、ここには楽しそうな要素がなにもない。
私、やることがないときって、なにしてたっけ?

「君は、普段なにして遊んでんの?」

「え?」

「ヒマなとき」

「あ……」


62 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:12:12 ID:LbS0W7JA
「私は……」

私は、ヒマなときなんてなかった。
友だちと遊んだ記憶もほとんどなかった。
ずっと、ずっと勉強してた。

「私は……遊んだこと、ない」

「!?」

「ずっと勉強、勉強で」

「……そっか」

彼は困った顔をしている。
そうだよね。
今どきの中学生が「遊んだことない」なんて、おかしな話だよね。
私もちょっと、困った顔をした。


63 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:17:31 ID:LbS0W7JA
「じゃあ、今日は遊ぼう」

「え?」

彼は顔をあげ、笑顔でそう言った。
遊ぶ?
こんなところで?
骸骨が襲ってくるのに?
一体なにをして?

たくさんのことが頭をよぎったけれど、どれも言葉にならなかった。

「遊びに行こう」

そう言って、彼は私の手を引いて外へ連れ出した。


64 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:28:42 ID:LbS0W7JA
「広い……」

「野球のグラウンドだよ、ボロボロだけどさ」

芝も土も真っ黒だけど、そこは確かにグラウンドだった。
照明も観客席もある。
高い高いネットもある。

「すごい……」

「いやあ、久しぶりにさあ、キャッチボールしてえなあと思って」

彼はそう言って、私に何か黒い塊を投げてよこした。

「ひゃっ」

「ぼろいけど、それグローブね」

「グ、グローブ……」


65 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:34:14 ID:LbS0W7JA
グローブなんて初めて触った。
父は野球が好きだったけれど、主に観戦するだけだったし、
女の私にキャッチボールをさせることもなかった。

「そんでこれがボール」

「わ、わっ」

彼はひょいっと軽く投げたのだろうけど、私は慌てていてうまくキャッチすることができなかった。

「最初っからうまくできるわけないんだから、ゆっくり、ね」

彼は下手くそな私を相手にしているのに、なぜかとても嬉しそうだった。


66 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:39:41 ID:LbS0W7JA
スパァン

気持ちのいい音が響く。
上手に投げるのはまだ無理だけど、キャッチできるようにはなった。

「いい音!!」

スパァン

彼もとても嬉しそうだ。
やっぱり男の人ってキャッチボールが好きなのかな。

私のボールはまだへろへろだけど、彼はうまくキャッチしてくれる。

楽しい。


67 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:44:46 ID:LbS0W7JA
「こう、ね、肩を開きながら……」

「こう?」

「そうそう!! それで肘から先に投げるんだよ」

「んん……難しい」

手だけで投げるんじゃなくて、身体全体をひねって投げる。
ボールを投げるのって、こんなにも難しい。
でも、こんなにも楽しいということを初めて知ることができた。


68 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 22:52:57 ID:LbS0W7JA
「ていっ」

「お、ちょっとうまくなった!!」

「ほんと?」

「飲み込みすっごい早いよ」

「えへへ」

あたりは真っ黒だったけれど、不思議とボールを見失うことはなかった。
彼はボールを投げながら、子どもの頃お父さんとキャッチボールをしていた話をしてくれた。
真っ暗になるまでキャッチボールをしていて顔にボールを当てて痛かったこと。
二人ともお母さんに怒られて、しょんぼりしながらご飯を食べたこと。

でも、今はちゃんとボールが見える。
やっぱり、「暗い」のと「黒い」のは少し違うんだろう。
よくわからないけれど。


69 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:00:39 ID:LbS0W7JA
スパァン

私が何十回目かのキャッチをしたとき、私の目は彼の背後にくぎ付けになった。

「っ!!」

動悸が激しくなる。
息苦しくなる。
言葉が出なくなる。

危ないよ。

そう言おうと思ったのに、口からはなんの音も出てこなかった。

「どうしたの?」

私の様子に彼は気付き、後ろを振り返った。


70 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:07:43 ID:LbS0W7JA
一瞬で状況を把握した彼は、あっという間に私のそばに来てくれた。

「大丈夫、動きは遅いから」

私の肩を掴み、励ますように、なだめるように、目を覗き込んでそう言った。

「に、逃げよう」

「だめだ、足は遅いけどどこまでも追いかけてくるから」

「じゃ、じゃあ、どうしたら……」

「倒すんだ、ここで」

倒すって、どうやって?
彼が作ってくれた棒はグラウンドの隅っこに置き去りにしてきてしまった。

「君が倒すんだ」


71 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:22:34 ID:LbS0W7JA
「え?」

私がその意味を理解できないうちに、彼は猛然と走って行ってしまった。
倒す? 私が? どうやって?

無理!!
絶対無理!!

目はずっと骸骨の方を睨んでいたけれど、足はすくんでいるし手も震えている。

怖い。
ただただ怖い。

でも、あれに喰われて死ぬのはもっと……怖い。


72 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:27:25 ID:LbS0W7JA
骸骨はゆっくりとこちらに近づいてくる。

目の奥が赤く光っている。

ここに来て最初に見たやつと同じだ。

夢で見たのと同じだ。

もし掴まれたら……

もし囲まれたら……


73 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:32:48 ID:LbS0W7JA
足が震える。
足が震える。
足が……

私はすとんと、糸の切れた操り人形のようにその場にへたり込んでしまった。

「あ、あ、あ……」

もうだめだ。
私、ここで死ぬんだ。

足の感覚がない。
それどころか、もう全身の力が入らない。
借り物の身体みたいだ。

仮想現実のゲームって、こういう感じなのかな。


74 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:38:07 ID:LbS0W7JA
骸骨から目を逸らした。
もう、あれを見たくない。
いっそのこと気絶してしまいたい。

ふと、私はグローブの中のボールを見ていることに気がついた。

「ボール……」

その瞬間、私の右手だけ、感覚が息を吹き返した。
投げよう。
ここで死ぬとしても、少しくらい抵抗してやろう。
ただ喰われてしまったら、あのとき彼が助けてくれた意味がなくなるじゃないか。
なんのために生き延びたんだ。

次に骸骨を見上げたとき、私は少しだけ勇気が湧いていた。
彼の教えてくれた投げ方で、あの、赤い光をめがけて。
力いっぱい。

私はボールを投げた。


75 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:43:42 ID:LbS0W7JA
ゴツンッ

鈍い音とともに、なんとボールは骸骨の顔面に命中した。

「あ、当たった……」

骸骨は全く砕ける様子がない。
でも少しだけ、よろよろとしている気がした。

私の足は自然と立ち上がり、ボールを拾いに走っていた。

「何度でも当ててやるぅ!!」

それはまぐれだったとしても。
ボールを当てられた感覚が、私の全身に響いていたんだ。

当てられる。
攻撃ができる。

そのとき、私は少し、笑っていたかもしれない。


76 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:50:09 ID:LbS0W7JA
ゴツンッ

「まだまだ!!」

ゴツンッ

「早く倒れなさいよね!!」

ヒュンッ

「ああっ、外れた!!」

「やるじゃん」

いつの間にか彼が傍に立っていた。


77 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:55:04 ID:LbS0W7JA
「あ、ちょっと!! 女の子ほっぽって逃げるなんて最低よ!?」

「これ、取りに行ってた」

彼は私に棒を渡してくれた。
ずっしりと、手に重さを感じる。

「私、最初腰抜かしちゃったんだからね」

「でもちゃんと応戦できてるじゃん」

「紙一重だったの!!」

「まあ結果オーライってことで」

「無責任!!」


78 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/04/17(水) 23:59:29 ID:LbS0W7JA
私は、骸骨がまだ目の前にいることも忘れて、彼に生意気な口をきいていた。
きっと心のどこかで、もう安心だと感じたのだろう。
最初に腰を抜かしていたのが嘘のように、私はリラックスしていた。

「ほれ、とどめ刺しちゃいな」

「う、うん」

「まっすぐ振り下ろせ」

私は棒を、ぎゅっと握りしめて、骸骨の目の前に立った。

怖くない、怖くない。
倒せる、倒せる。
私は、骸骨を倒せる!!

頭の上に構えた棒を、私は力任せに降り下ろした。


79 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/04/18(木) 00:00:02 ID:KcndvH0I
では、また明日です



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