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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
321 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/30(月) 23:04:00.95 ID:s2sBkVEo
戦士「もしかして…この辺りの村全て…?」

大軍師「ええ」

戦士「ちょっと…気を付けた方がいいぜ」

大軍師「ドラゴンの巣の事ですか?」

戦士「……ああ」

大軍師「事前調査の結果、今のところは問題ありません」

戦士「……そっか」

召喚士「…頑張って下さい」

大軍師「ありがとうございます」

召喚士「この…更に北の山中に……」

大軍師「……?」

召喚士「あ…いえ、何でもありません…」

大軍師「……そうですか。ところで皆様方は…」

魔道士「これから北方司令部へ向かいます」

大軍師「やはり…そうでしたか」


322 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/30(月) 23:04:36.41 ID:s2sBkVEo
盗賊「……?」

大軍師「いつもご苦労様です」

魔道士「いえいえっ!」

大軍師「先程…密偵からの報告ですと、魔王軍はこの先の川沿いに布陣している模様です」

戦士「…分かった。伝えておくよ」

大軍師「私もここでの足止めを終えたら、合流致しますので…」

召喚士「はい」

大軍師「それでは、また後ほど」

魔道士「はいっ。失礼します」

戦士「あ…っ」

大軍師「……?」

戦士「白いコートの男…。見かけたか?」

大軍師「…いえ、そのような者は見ておりませんが…何か?」

戦士「もし見かけたら、そいつは敵だ。白虎召喚術を使うアンデッドだ」

大軍師「……ご忠告、感謝致します」


323 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/30(月) 23:05:08.94 ID:s2sBkVEo


魔道士「あちこちで準備が進んでいるんですねぇ…」

盗賊「…ああ。そろそろ開戦も間近か」

戦士「マジシャンのオッサンもすぐに見つかりゃいいけどな」

召喚士「うん…。魔法剣士さん達もいるし、今回もあまり出番ないかもね…」

戦士「まぁな〜・上位ランカーや再来は別格だもんな…」

盗賊「…ああ」

戦士「あとはこの山を下って……ん?」

魔道士「どうしました?」

盗賊「…あの明かり…何だろ」

山麓に長く連なる火の灯り。戦士と盗賊が不思議そうに眺める。

召喚士「……行軍?」

戦士「もう出ちまってるって事か…!!」

魔道士「じゃああそこへ行けば合流出来るって事ですね!」

召喚士「…そうですね。急ぎましょうか!」


324 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/30(月) 23:16:23.55 ID:s2sBkVEo
〜オマケ〜

隊長「今日はテメェらに秘密情報を教えてやる!」

女隊員「どこ向いてんスか、隊長…?」

隊長「俺ら特遊がもっている発行弾。これは白色の物だ」

男隊員「白ってのは俺達、特殊遊撃専用の発行弾なんだなこれが。ヒャハハ!」

隊長「この発行弾は1発撃ちの物から5発撃ちの物まで、計5種類から成ってる」

女隊員「それぞれ4個ずつで合計20個持参が基本スね」

隊長「コイツの組み合わせで連絡を送るってわけだ」

男隊員「ちなみに白いの一発は通称、シロイチ。これは敵の拠点に乗り込んだ合図だ」

女隊員「なんでそうなったんスか?」

隊長「城に一番乗り…略して、シロイチだよ」

女隊員「前回はシロハチも使ったッスよね?あれは…?」

隊長「ハチは鉢合わせ。要は敵に遭遇とか敵の増援が現れたって事…っつーか忘れてたのか!?」

女隊員「ま、まっさかー!復習ッスよ、復習…!!」

隊長「……まぁいい。他にも多々あるが、今日はここまで!んじゃな!」


325 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/30(月) 23:18:58.78 ID:GF2ErMgo
>>1乙
そういう意味だったのか…まさか駄洒落だったなんて…


328 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/31(火) 00:47:46.46 ID:Tp.dAEDO
壱乙

いつものきもい人もあいかわらずだな


331 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:11:55.29 ID:Z23CPQUo
〜北の平地〜

午後八時。辺りは漆黒に包まれ、松明の慌しい灯りのみがぽつぽつと照らす。

折りからの北風に煽られ、その炎や周囲の幌が騒がしく踊る。

ザッザッザ

左翼長「……」

北方兵「布陣、完成致しました」

左翼長「ご苦労」

参謀「司令、本陣にて軍議を始めます」

左翼長「ああ、先に行っててくれ」

参謀「…はっ」

ザッザッザ

左翼長「そこっ、もう少しバリスタを退げろ!目立ちすぎる」

北方兵「了解…っ!」

左翼長「全く…。もっと野戦に慣れないといかんな……」

強風の中、必死にタバコの火を点ける左翼長。ふと顔を上げ、思わずタバコを落とす。


332 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:12:24.03 ID:Z23CPQUo
左翼長「……あ…っ」

ザッザッザッザッザ

戦士「いよう!おじさん!!」

魔道士「こんばんは!」

左翼長「お前…ら…!?」

盗賊「…ご無沙汰…してます」

召喚士「既に布陣済でしたか…」

左翼長「は…はは…っ、よく来てくれた…!」

戦士「世話になるぜ!」

魔道士「頑張りましょうっ!」

召喚士「今回の作戦は…?」

左翼長「ああ、ちょうどこれから軍議だ。ぜひ一緒に来てくれ!」

盗賊「…行こうか」

魔道士「はいっ!」

左翼長と四人は陣の中央に立つテントの中へと足を運んだ。


333 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:13:08.42 ID:Z23CPQUo
バサッ…ザッザッザ

左翼長「…待たせた」

白虎長「……あれ!?」

参謀「朱雀先生…!?」

召喚士「ど、どうも…」

ザワザワザワッ

北方兵「朱雀先生だ……っ!」

魔道兵「朱雀先生だぞ!?」

バリスタ兵「英雄だ…っ、北の英雄が再び…!」

魔道士「な、なんだか…物凄い期待されてしまっているような…」

戦士「そりゃまぁ…評価されてるって事で、喜んでいいんじゃないの?」

盗賊「……」

白虎長「頼もしい戦力が来てくれましたね」

左翼長「…ああ。嬉しい誤算だ」

参謀「それでは早速、軍議を行います」


334 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:13:35.59 ID:Z23CPQUo


参謀「まずは戦力図です」

バサッ

参謀「先遣の偵察によれば、魔王軍は北の川沿いに布陣しております」

左翼長「1時間もあればぶつかれる距離だ」

参謀「ここから司令部までも、さほど子よりはありません」

白虎長「連携も容易ね…」

左翼長「裏を返せば、ここを抜かれれば司令部まであっと言う間だ」

召喚士「ええ……」

参謀「しかし、司令部自体もかなり強固の備えになっております」

左翼長「そうだ。だからこそ近い距離での布陣を選んだ」

戦士「だからと言って、易々と通すわけにはいかねーよな」

参謀「仰るとおりです。司令部はあくまで最終防衛の構えであたります」

召喚士「あ、そういえば……」

参謀「……?」


335 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:14:01.80 ID:Z23CPQUo


左翼長「…なるほど。大軍師も動いてくれてるか」

白虎長「流石ね」

参謀「もしそれが本当ならば、我らが注意すべきは……」

盗賊「……空」

左翼長「考えうる敵の推定戦力は?」

参謀「ヴァンパイアですね」

左翼長「前回の奴らか……」

召喚士「ヴァンパイア…」

魔道士「まさか…っ」

参謀「地上は検討つきませんが、アンデッド系が主体ではないかと…」

白虎長「わざわざ夜まで動かないところを考えると…」

戦士「だが油断はならん。今までだってトロルやらいたわけだし」

左翼長「戦士の言う通りだ。アンデッドは召喚隊に任せる」

白虎長「畏まりました」


336 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:14:34.65 ID:Z23CPQUo
左翼長「俺らは上空からの敵を牽制しつつ、バリスタを護衛する」

北方兵「畏まりました!」

左翼長「バリスタは上空のアンデッドを撃ってくれ」

バリスタ兵「はっ!!」

召喚士「あ、あの……」

左翼長「…?」

魔道士「私達はどうすれば…?」

左翼長「あぁ、好きにやってくれ。今更指示出して動く立場でもないだろ」

参謀「それに今までも、遊撃での戦果が目覚しいですからね」

盗賊「……分かった」

左翼長「無論助けも請いたいとこだが…出来れば温存しててくれ」

戦士「……?」

左翼長「もし軍団長クラスが来たら…こちらは切り札がない」

参謀「その際には…申し訳ありませんがお願いする事になるでしょう」

召喚士「……分かりました」


337 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:15:01.24 ID:Z23CPQUo
左翼長「よし、それでは各員配置に付け!!」

魔道兵「ははっ!」

北方兵「歩兵、騎兵は北側へ集まれーっ!」

ザッザッザッザッザ

参謀「赤壁と海峡の配備ですが…」

左翼長「おう」

召喚士「あ、あの……」

左翼長「…ん?どした?」

召喚士「マジシャンさん…見てないですか?」

左翼長「…ああ、司令部で会ったよ。別行動で動くってよ」

盗賊「……」

左翼長「なんだか特殊任務みてぇなものがあるって言ってたな」

戦士「やっぱりネクロマンサーを追って…」

召喚士「…みたいだね」

魔道士「マジシャンさん…」


338 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:15:27.44 ID:Z23CPQUo
左翼長「あっ!そうだ…!!」

戦士「…?」

左翼長「親父はどうした!?」

戦士「え!?あ…!い、いやぁ…結構前に北で別れたっきり…ははっ」

左翼長「…ったく、この親子は…っ」

魔道士「……?」

戦士「…親父の事さ、きっと北にいるよ」

参謀「もし居て下されば、戦力として大きいのですが…」

左翼長「いいさ。あイツらは泳がせて好き勝手して貰うさ」

参謀「…確かに、その方が効率的かも…」

左翼長「それじゃ任せるよ。英雄さん方…!」

魔道士「や、やめて下さいよ、もう…っ!」

戦士「それじゃ、行ってくるわ!」

左翼長「第一目標は本陣の防衛と村の安全確保だぞーっ!」

戦士「へーい!」


339 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:15:53.34 ID:Z23CPQUo
テクテクテクテク

白虎長「あら、行くの…?」

召喚士「はい。他の皆もも遊撃で動いてますし…」

白虎長「マジシャン以外にも?」

魔道士「魔法剣士さんと眼鏡さんが…」

白虎長「確か…上位ランカーよね?」

盗賊「…うん」

白虎長「分かったわ。何かあったら声を掛けてね。手助け出来る限りはするから!」

魔道士「ありがとうございます!」

戦士「んじゃ」

白虎長「うん。気を付けてね」

召喚士「皆さんも…!それでは、行ってきます!」

テクテクテク

白虎長「さぁ、こっちも準備して!いつ来るか分からないわよっ?」

青龍兵「了解です!」


340 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 17:22:35.97 ID:Z23CPQUo
ゴロゴロゴロッ…

戦士父「……ひと雨来そうな天気だな」



マジシャン「どこにいやがる…!ちきしょう…!」



魔法剣士「急いだ方が良さそうだな」

眼鏡「…そうだね」



大軍師「降雨はこちらにとって不利…。もってくれれば良いのですが…」



盗賊「…まずは…どうする?」

召喚士「北へ向かい、大軍師さんの仕掛けた罠へおびき寄せましょう」

戦士「なるほど…!そこで戦力を削りたいとこだな!」

魔道士「はいっ!頑張りましょう!!」

時刻は午後十時を迎え、伯爵率いる魔王軍の侵攻がゆっくりと始まった…。


341 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/31(火) 18:01:45.09 ID:9U88Qaco
さほど子・・・萌えキャラ期待


342 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/31(火) 18:08:37.08 ID:Z23CPQUo
ドドッ…ガラガラガラッ

伯爵「……」

バサッバサッ

使い魔「おや、伯爵様はお出にならないので?」

伯爵「無粋だな。大将は黙って後方より戦局を見据えるものよ」

使い魔「なるほど!それでこのような馬車まで…」

伯爵「堂々かつ優雅に。これぞ美しき戦い方というものよ」

使い魔「仰る通りで!」

伯爵「それで…?」

使い魔「あっ!ネクロマンサーの奴ですが…」

伯爵「…動いたか?」

使い魔「いえ、例の人形を携えて、ここより東の山中にて待機しております」

伯爵「…ほぉ、美味しいところだけ持って行こうとでも言う魂胆かな」

使い魔「汚い奴ですね!ケケケ!」

伯爵「まぁいい…捨て置け。どうせ役にも立たんだろう」



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