■戻る■ 戻る 携 下へ
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その18
- 523 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/08/10(火) 18:04:23.94 ID:knhCk/Io
ボゴォ…ズグッ…ズズズッ…
魔道士「来ますよっ!!」
金角と銀角。両者が合体し巨大な鬼へと姿を化す。
大鬼「……グ…フフッ…ハハハ!!」
戦士「力任せに振り回してくるだけだ!無理に攻める必要も…」
ヒュオッ
大鬼「…グハハァッ!!残念だったなぁ!!」
戦士「何…っ!?」
大鬼の背後に回り込もうと動く戦士。それを完全に捉え大鬼が体を反転する。
盗賊「戦士ーっ!」
大鬼「前とは違うのだあぁ!!」
大鬼の左拳が戦士の足元に叩きつけられた。
ブオンッ……ドッグオオォォンッ!!
戦士「ぐお…っ!!」
盗賊「ちっ!!」
- 524 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:04:50.54 ID:knhCk/Io
強烈な一撃に吹き飛ばされる戦士と地面。それをしっかりと追い、
大鬼は右手に握った巨大な剣を戦士めがけて振り下ろす。
大鬼「死ねえぇぇ!!」
ビタッ
宙へ舞い上げられた地面を、お構いなしに斬り進む大鬼の刀身。
それは戦士へと到達する前に、ピタリとその動きを止める。
大鬼「…ぬ…ぐぅ……!?」
盗賊「…っ!!」
ギリギリギリッ…ググッ…
大鬼の右腕に絡まりつく鎖。盗賊は懸命にその巨体の動きを制する。
だが腕力の差は大きく、次第に盗賊の足が前へと引きずられ始めた。
大鬼「……ぬ…ぐああぁぁ!!」
ブンッ!!
盗賊「……っ!!」
戦士「助かった……っぜ!」
- 525 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:05:17.55 ID:knhCk/Io
戦士は空中で体勢を立て直し、手にした戟を大鬼の右手へ投げる。
ブンッ……ザクゥ!!
大鬼「ぐう…っ!!」
盗賊が鎖を解き間合いを取ると同時に、戦士は雷切を抜刀し、
着地と同時に地面を蹴り、一気に大鬼の懐へと潜り込む。
大鬼「こ…ざかしいいぃぃ!!」
迫る戦士に左拳で殴りつける大鬼。戦士は冷静に体勢を左に捻る。
戦士「……っ!!」
大鬼の巨大な拳が衝撃音とともに戦士へぶつかる。
それは左手の盾で遮られ、軌道を変え左腕をかち上げた。
魔道士「いっけぇ!!」
ドドオオォォンッ!!
ガラ空きとなた懐に、魔道士の放った巨大な氷が着弾する。
盗賊「やったか!?」
召喚士「いや…っ!駄目だ!!」
- 526 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:05:52.78 ID:knhCk/Io
シュウウゥゥ
魔道士「き…効いてないっ!?」
戦士「ならばっ!!」
よろめく大鬼めがけ、雷切が稲光を発し斬り上げられる。
ヒュッ…ザシュゥッ!!
戦士「浅いか…っ!」
大鬼「グ…ガアアァァァァッ!!」
大鬼は虫を振り払うかのように両腕を上げ、一気に地面へと叩きつける。
ドッグオオォォンッ!!…ドシャドシャアァッ…
青年兵「……」
召喚士「いや…ワイバーンはそのまま……」
青年兵「!?……わ、分かりましたっ。しかし…」
召喚士「……いくしかないか」
砂塵の中、牙を剥き出しに唸る大鬼。召喚士はゆっくりと足を進める。
格闘家「は…早くしないとっ、師匠が……」
- 527 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:06:19.34 ID:knhCk/Io
魔道士「……っ」
戦士「チンタラやってる暇はねぇよな!」
召喚士「…ああ!」
盗賊「……行くか」
盗賊は薄緑を握りなおし、重心を低く落とす。
大鬼「…まとめて…ブリ殺してくれるわっ!!」
召喚士「……はあぁ!!」
勢いよく迫る大鬼に対し、召喚士が身構えたその時…。
後方より一筋の稲光が、大鬼の両足へと直撃する。
ガカアアァァッ!!……ドズウゥンッ
大鬼「…ぐっ……な、何……」
ザッザッザッザッザ
召喚士「……!?」
戦士「…来て…くれたかっ!!」
マジシャン「ハッハ!ここは…任せとけ!」
- 528 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:06:56.75 ID:knhCk/Io
盗賊「…っ!!」
隊長「急ぐんだろ?大体の話は聞いた」
隊長は上空のワイバーンを顎で指し、腰に手を当てる。
女隊員「大丈夫ッスか!?」
格闘家「…し、師匠を…っ!」
男隊員「ここは前座で我慢しとくかぁ…!ヒャハハ!」
大鬼「次から次へと小賢しい…!!」
マジシャン「ほらっ、早く行け!」
青年兵「……行きましょう!」
戦士「後は頼むぜ!!」
隊長「誰に言ってんだ…阿呆っ」
魔道士「い、いいんですか?」
召喚士「早くあの瓢箪を取り戻さないと…!」
盗賊「ああっ!」
五人は大鬼から離れ、再び火焔山めがけて走り出す。
- 529 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:07:32.29 ID:knhCk/Io
ダダッ
大鬼「逃がすかぁ!!」
男隊員「させっかよぉ!!」
マジシャン「だりゃあぁ!!」
マジシャンの放つ土の魔法が、巨大な岩の針を作り出し大鬼へと迫る。
ドドオオォォンッ!!…ドドドドドドォッ…
大鬼「くそ…ぉ!!」
その間を器用に隊長と男隊員は剣を手に、間合いを詰める。
隊長「ふんっ!!」
男隊員「とおりゃあぁ!!」
ブンッ…ビュオッ……ギイィィンッ
大鬼「……ぐく…っ…!!」
マジシャン「さぁて、お相手願いますぜ?……ハッハ!」
土の針に身動きを封じられ、二人の長剣を両腕で受け止める大鬼。
その鋭く恐ろしい目は、火焔山へと走り去る五人の姿を睨み付けた。
- 530 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/10(火) 18:12:47.55 ID:Z9H9VI.o
コカトリッサーV
24面 火焔山の戦い
A:15ターン以内に紅孩児の討伐
B:紅孩児を20ターン撤退させない
C:大鬼の討伐
- 531 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:15:08.77 ID:knhCk/Io
〜火焔山、ふもと〜
ワイバーン「……こっちだ」
タッタッタッタッタ
戦士「さっきの野郎の…動きを追ってたとはな!」
魔道士「さすがですねっ!」
青年兵「…あそこですね!」
タタッ…ザザッ
盗賊「……」
戦士「…あっちぃ…っ!こんな所…入れんのかよ!?」
魔道士「あ…でも……」
召喚士「……?」
魔道士「ここ…通れそう……」
スゥッ
戦士「お、おい…っ!!」
盗賊「!!……も、燃えて…ない!?」
- 532 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:20:31.45 ID:knhCk/Io
召喚士「そうか…っ!この一画だけ…幻術なんだ!」
青年兵「た、確かに…ここだけ…何ともないですね」
青年兵は炎の中へ腕を突っ込み、出し入れする。
戦士「…マ、マジかよ…っ!」
魔道士「…行きましょう!」
召喚士「魔道士さん……分かりますか?」
魔道士「…何となく…ですけど」
盗賊「…よし、行こう」
召喚士「すみません…。玄武が使えればもっと楽に…」
魔道士「大丈夫です!任せて下さいっ…ふふっ!」
魔道士は炎の中をゆっくり慎重に、前へ前へと突き進む。
ススッ…テクテクテク…ススッ…
魔道士「一応…水行も詠唱しておきます…!」
戦士「……待ってろよぉ…!」
魔道士を先頭に、五人は燃えさかる炎の中へと姿を消した。
- 533 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:29:17.16 ID:knhCk/Io
〜火焔山、城内〜
牛魔王「……」
ネクロマンサー「ほぉ、山中へ入られたようですねぇ」
羅刹女「全く…。やっぱりあんな奴らに任せるんじゃなかったよ」
ネクロマンサー「まぁまぁ、彼らもまだ全快ではなかったわけですし…」
羅刹女「それにしたって役立たずさ。人様の血まで頂いておいて…」
牛魔王「グッハハハ!まぁ良いではないか…!」
羅刹女「アンタ、何をそんな悠長な……」
牛魔王「紅孩児もおるのだろう?奴一人居れば…負けはせんよ」
羅刹女「それはそうだけど……」
ネクロマンサー「それより、援軍は動いているのですか?」
牛魔王「それは抜かりない。お前の言う通り、全てこちらに目を向けた事で…」
ネクロマンサー「街の守備は手薄でしょうね…。クッククク!」
羅刹女「街なんか潰したって…面白い事なんてないのにねぇ…」
ネクロマンサー「私が欲しいのは…街なんかではありませんよ。…ククク!」
- 534 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/10(火) 18:30:30.04 ID:0whG1QAO
みんな各々の修行で得た力を大なり小なり披露しているというのに
おお主人公よ、枯渇してしまうとは情けない
- 535 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/10(火) 18:40:33.75 ID:Ps5yJcAO
ブリ[ピーーー]は無いわwww
思わず2度見して笑ってしまったw
- 536 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:42:06.49 ID:knhCk/Io
〜火焔山、山中〜
戦士「…へぇ、洞窟になってんのか」
青年兵「燃えているのは外部だけのようですね」
魔道士「…でも、熱はありますね」
戦士「なんだか、イヤな事思い出しちまうな…」
召喚士「……」
戦士「…そんで、その瓢箪に天才と司令が吸い込まれたんだな?」
盗賊「…ああ。はっきりこの目で…見た」
召喚士「魔法か何かですか?」
盗賊「…分からぬ。…ただ…会話しただけだった」
魔道士「持って…一日なんですよね…?」
盗賊「…奴らが言うには」
戦士「とにかく、まずは瓢箪を奪還でにゃ…何も始まらんな」
盗賊「…ああ」
召喚士「……急ぎましょう!」
- 537 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/10(火) 18:50:55.62 ID:knhCk/Io
>>530
何時の間にVが!?RPGよりSLGっぽくなってきましたかね…?
>>534
召喚士「は…ははっ、いやいや…これから!これからですって…ははっ」
>>535
ブチなぶり殺す、の略です!嘘です!ごめんなさい…!
天気が崩れる前に失礼致します!
ご支援ありがとうございましたー!ノシ
- 544 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/11(水) 11:09:31.49 ID:nnaf7d.o
ふもとがふとももに見えた・・・っどうしちゃったんだろ俺・・・
- 545 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:57:53.52 ID:WUzt/ESO
>>544
ナカーマ(*^o^)/\(^-^*)
- 546 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:27:04.45 ID:FEh6T.wo
〜火焔山、ふもと〜
隊長「っしゃあ!!」
マジシャン「ほいよっ!!」
ザシュッ…ドドオオォォンッ!!…ズガアアァァッ!!
女隊員「駄目ッス…!ほとんど効いてないッス!」
スタッ
隊長「……どうすんだよ」
マジシャン「そう言われてもなぁ…」
隊長「五行でちょちょいと片付けてくれよ」
マジシャン「はぁ!?こんな奴に五行使って死ねってか!?」
男隊員「手間省けていいじゃんか」
マジシャン「よくねぇよ!人の命を何だと思ってやがる!」
隊長「死ぬったって確立80%ぐらいのモンだろ?20%あんじゃんかよ」
マジシャン「ふざけんな!大体、俺の五行はなぁ……」
大鬼「何を…ゴチャゴチャとおおぉぉ!!」
- 547 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:27:44.23 ID:FEh6T.wo
マジシャン「アイツに一撃ブチかます為に…とってあんだよぉ!」
マジシャンは叫びとともに、突進する大鬼へ炎を放つ。
ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ!!
大鬼「無駄無駄ぁ!!」
マジシャン「おらっ!さっさと攻撃しろ!!」
隊長「足だけ狙えっ!動きを止める!!」
女隊員「はいッス!!」
ババッ……ズバッ…バシュッ!!
男隊員「硬ってぇな、くそ!…魔法剣でこれかよっ!」
隊長「徹夜は勘弁してくれよ、ほんと…」
男隊員「仕方ねぇ…おいっ、クソアマ!」
女隊員「……?」
男隊員「アレやんぞ!準備しろっ!」
女隊員「…ういッス、了解ッス!」
マジシャン「ん…っ?」
- 548 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:28:12.50 ID:FEh6T.wo
ザッザッザ
男隊員「隊長、時間稼ぎ頼むわ」
男隊員と女隊員が前へ進み、剣を構え並ぶ。
隊長「…はいよ」
男隊員「……いくぞ!」
女隊員「ういッス!!」
両手で得物を握り締め、示し合わせたかのように力を溜める二人。
ドドドドドド…
マジシャン「おぉ、すっげぇ魔力…!」
大鬼「何をするかは知らんが…っ!させるかぁ!!」
ドンッ!!……ガキイィィンッ!!
大鬼「……ッ!!」
隊長「こっからは…一歩も行かせねぇよ!」
大鬼の振るう大刀を隊長が渾身の力で受け止める。
大鬼「く…っ、ぬぅ……っ!!」
- 549 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:29:02.01 ID:FEh6T.wo
グググッ
隊長「…お…らぁ!早くしやがれっ!!」
男隊員「……いけるか!?」
女隊員「いいッスよぉ!」
マジシャン「ほぉぉ、ありゃ二行ずつで四行か…」
ザッ
マジシャン「無ぇのは土行…。そんなら……」
隊長の背後より男隊員と女隊員が、大鬼へと飛びかかる。
キイィィンッ……ブオンッ!!
男隊員「くらええぇぇ!!」
女隊員「てやあぁ!!」
マジシャン「こいつで……五行っ!!」
ドドオオォォンッ!!
大鬼「!!」
二本の剣とそれを追尾するように、マジシャンの放った光が大鬼へと襲い掛かった。
- 550 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:29:50.78 ID:FEh6T.wo
〜火焔山、山中〜
テクテクテク
先頭を歩く戦士が松明を左右に揺らす。
魔道士「……なんだか…物騒ですね」
召喚士「ええ……」
盗賊「…でも…魔物の気配は…ないな」
戦士「この洞窟を抜ければ、出て来るかもなぁ…」
青年兵「……」
召喚士「青年兵くん」
青年兵「はい…?」
召喚士「青年兵くんは、どう思う?」
青年兵「瓢箪ですか?うーん、そうですねぇ…」
召喚士「確か、会話をしただけと言ってましたよね?」
盗賊「…うん。些細な会話だった」
召喚士「具体的には…?」
- 551 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:30:28.46 ID:FEh6T.wo
盗賊「……えぇと」
戦士「……」
盗賊「…最初に天才が…瓢箪の事を…尋ねてた」
召喚士「それで…?」
盗賊「…それで…天才が挑発してたら…吸い込まれた」
戦士「何だそりゃ…」
盗賊「…ほ、本当だもん」
青年兵「そ、それで…司令も…?」
盗賊「…うん。発動とか解除とかの方法を尋ねて…問答してたら…」
戦士「サッパリ分からんな」
魔道士「…ですね」
召喚士「二人とも、魔物と会話をしていて吸い込まれた…と?」
盗賊「…そう…なるかな」
青年兵「ひとまず、会話は避けた方が良さそうですね」
召喚士「うん…。奴に話しかけられても、沈黙を貫こう」
- 552 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:31:56.26 ID:FEh6T.wo
戦士「よっしゃ、了解!」
召喚士「とにかく今は、この洞窟を抜けないと…」
魔道士「ですね…っ」
青年兵「召喚士さん、魔力はどうですか?」
召喚士「…うん。少しずつ…戻ってきてるよ」
戦士「何でそんな目に合ったんだ?修行か?」
召喚士「いや…実は……」
召喚士は南方での出来事を簡潔に話す。
魔道士「召喚フェス…!懐かしいですね!」
戦士「へぇ…っ、青年兵が優勝したのか!すげぇな!」
青年兵「いやいや、運が良かっただけですよ…ははっ」
召喚士「みんなも、修行は完璧…?」
戦士「完璧かは分からんが、やるだけの事はやったつもりだ」
魔道士「…はいっ!」
盗賊「…ああ」
- 553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:32:49.60 ID:FEh6T.wo
召喚士「…それなら…良かった!」
魔道士「あの、戦士さん」
戦士「ん?」
魔道士「騎都尉さんの話…ですけど…」
戦士「……」
盗賊「……」
戦士「俺も確証掴んだわけじゃないんだ…」
召喚士「……」
戦士「ただ…東の街での噂が、かなり大きく広がってた」
召喚士「虚報ではない…?」
戦士「ああ。目撃情報が多数。それも日を追うごとにな…」
青年兵「アンデッド…という事ですが…」
戦士「魔物と一緒だったって話さ。信じたくはねぇけどな…」
魔道士「……戦士さん…っ」
召喚士「アンデッド…まさか……」
- 554 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:33:18.92 ID:FEh6T.wo
戦士「あのネクロマンサーって奴なら…最悪だな」
盗賊「……っ!!」
戦士「…どした?」
盗賊「…ネクロ…マンサー」
魔道士「盗賊さん…?」
盗賊「…じ、実は……だな…っ」
盗賊は、先で起きた東方での出来事を、一同へと伝えた。
召喚士「……」
戦士「……っ」
魔道士「影忍さんが…盗賊さんのっ……」
盗賊「…奴が死んだとは…思えない」
青年兵「同一の可能性は大いに考えられますね…」
戦士「…許せねぇ。死者を弄びやがって…っ!」
召喚士「……」
召喚士は下唇を噛み締め、鋭い目つきで洞窟の奥を見つめた。
- 555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:35:13.31 ID:FEh6T.wo
…
戦士「…んっ?」
青年兵「どうしました?」
盗賊「…奥に…光が」
召喚士「出口だ!」
魔道士「行きましょうっ!」
戦士「待てっ!罠かもしれん。このままゆっくり進むぞ」
魔道士「あっ、は…はいっ!」
五人は列を崩さず、周囲を警戒しながらゆっくりと光の方向へ進む。
ザッザッザッザ…
召喚士「……」
戦士「外へ出るぞ…っ」
ザッ
魔道士「……こ、これ…は!?」
盗賊「……っ!!」
- 556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:35:53.30 ID:FEh6T.wo
ドオオォォォォ…
出口の先へ前へそびえ立つのは巨大な城。五人はそれを見上げ、驚嘆する。
戦士「山の頂に…こんなバカでけぇ城が…っ」
召喚士「この先に…魔物が…」
青年兵「……衛兵一人見当たりませんね」
戦士「へっ、余裕かましやがって…」
戦士はゆっくりと左右を確認しながら正門へ近づく。
戦士「……」
グイッ…ゴゴオオォォン…
戦士「開いた…っ」
魔道士「罠も…なさそうですね…」
盗賊「……」
戦士が開いた正門の扉へ盗賊が近づき、中を覗き込む。
盗賊「…………」
戦士「…どうだ?」
- 557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/11(水) 17:36:33.64 ID:FEh6T.wo
盗賊「……気配…なし」
召喚士「…行きましょう」
魔道士「はいっ」
タタッ…スススッ…テクテクテク…
戦士「…城内はだだっ広い広間に…奥の階段だけ」
盗賊「……」
テクテクテク…ギイイィィッ……ゴゴオオォォンッ!!
魔道士「と、扉が…っ!!」
青年兵「くっ!!」
タタタッ……グイッ…グッグッ
青年兵「駄目です!開きませんっ!!」
戦士「罠かっ!?」
盗賊「…いやっ、気配は…ない」
召喚士「…閉じ込められたか」
戦士「まぁいいさ。ハナっから退くつもりもねぇ!先へ進むだけさ。…行こうぜ」
- 558 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/08/11(水) 18:01:45.55 ID:qahNjT2o
おぉ、これはボスのダンジョンっぽいな
次へ 戻る 戻る 携 上へ