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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15
- 401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]
:2010/06/04(金) 17:24:03.03 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜
戦士「ほれっ、もうちょいだ…頑張れ…っとぉ!」
野宿者「…はぁ…ひぃっ…!」
戦士「よーし…!着いたー!」
戦士は重い足取りで歩く野宿者の手を引き、司令部の城壁を見上げる。
戦士「朝っぱらから出たのに…もう夕方だよ…」
野宿者「…はぁ…はぁはぁ…はぁ…っ」
戦士「それでも…マシな方か…」
スタスタスタ…
戦士「たのもーっ!」
門兵「……?」
戦士「あっ、いや…弓のおじさ…左翼長殿をお願いしたい!」
門兵「あの…。貴方は…?」
戦士「戦士、と申します」
門兵は首を傾け、不思議そうな顔で城門の奥へ消えて行く。
- 402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:25:43.88 ID:MauQaI6o
戦士「さーて…。どうなる事やら…」
ザッザッザ…
参謀「…おぉ、本当に戦士殿だ」
戦士「アンタ…参謀さんだっけか?先日はどーも」
参謀「いえいえこちらこそ…。本日はお一人で…?」
戦士「あ、いやぁ…ちょっと知人が一人…」
戦士は後方に隠れている野宿者を呼びつける。
参謀「…?」
戦士「朱雀センセー達とは別行動でな。左翼長さんに取り次いで欲しいんだけど…」
参謀「それは構いませんよ。さぁ、どうぞ」
参謀の誘導に応じ、戦士は会釈しつつ城門を通過する。
ザッザッザ…
参謀「それで…そちらの方は…?」
戦士「……えぇと…親父です」
参謀「…!?」
- 403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:26:46.14 ID:MauQaI6o
〜応接間〜
戦士「……」
野宿者「…うぅっ……はぁ」
戦士「大丈夫だって。国軍には変わりないけど捕まったりしねぇから…」
コンコン…カチャッ
参謀「お連れしました」
左翼長「……」
戦士「どうも…」
騎士長「…ほ、本当…なのか!?」
椅子より立ち上がる二人の元へ、騎士長が走り寄る。
騎士長「…ちっきしょぉ!本物だ!おいっ、本物の戦士父だぞ!!」
左翼長「本物ってお前…。久しぶりだな…元気にしてたか?」
野宿者「……は…はっ……!!」
左翼長「……?」
戦士「…実はな、記憶喪失なんだそうだ」
- 404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:28:55.15 ID:MauQaI6o
…
応接間の中央にある円卓。
そこへ座る五人の男達からははただただ沈黙が続く。
ようやく重い口を開くように、騎士長の声が応接間へ響く。
騎士長「…そんで、どうするつもりだ?」
戦士「…分からん」
左翼長「……」
戦士「でも、何やら北東の村へ行かにゃならんらしい…」
参謀「北東の村…ですか?」
戦士「ああ。……なっ?」
野宿者「ほ、北東の村は…どこにありますか?」
騎士長「村に行かなきゃならんって事だけは覚えているのか…」
左翼長「そこへ行けば…何か手掛かりがある…か」
参謀「可能性は大いにありますね」
戦士「ああ…」
- 405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:30:05.64 ID:MauQaI6o
参謀「戦士殿もその為に、此処へ来られたのでしょう?」
戦士「!?…・・・はははっ、お見通しでしたか!」
騎士長「そうなのか?」
参謀「何もなければ、真っ先に向かっているはずです」
左翼長「手を貸せって事か…」
戦士「申し訳ないとは…思ってる」
左翼長「いや、むしろ好都合」
戦士「へっ…?」
参謀「実は本部より、各支部へ通達が出ているのですよ」
左翼長「結構前の話だけどな」
騎士長「それも…総司令直々のご命令だ」
戦士「……?」
左翼長「戦士父を捜索せよ…・・・ってな」
戦士「!?」
野宿者「……?」
- 406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:31:21.61 ID:MauQaI6o
戦士「何でまた…!」
左翼長「さぁなー…。そこまでは俺らも分からん」
参謀「おそらくですが、魔王討伐の為かと…」
戦士「魔王…討伐か…」
騎士長「バーテンのタコもようやく重い腰を上げやがったし…」
左翼長「ぶっちゃけ特殊遊撃の連中が一番手馴れてっからな…」
参謀「有能な人材は一人でも欲しい…と言ったところでしょうか」
戦士「なるほどなぁ…」
左翼長「明朝出発しよう。俺も出る」
騎士長「俺も出ざるを得ないわな…」
参謀「念の為、精鋭を若干名準備させましょう」
戦士「…すんません!…何だか」
左翼長「お前にも、お前の親父にも借りがあるからな…」
騎士長「ああ!ここで恩返ししねぇと…いつ返すんだか」
二人を顔を見合わせ、高らかに笑い飛ばした。
- 407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:32:22.08 ID:MauQaI6o
〜西方、西端の町〜
魔道士「到着〜!」
召喚士「もう日も暮れてしまいましたし…今日はここで一泊しましょうか」
盗賊「…そうだな」
テクテクテク…
召喚士「すいません。三人なんですが…」
宿屋「いらっしゃいませ。お部屋は一つで宜しかったですか?」
召喚士「宜しくありませんね。二つで…」
宿屋「かしこまりました…。こちらが鍵でございます」
召喚士「どうも…」
魔道士「先に食事済ませちゃいましょうかっ」
盗賊「…それがいい」
召喚士「そうですね。あ…先に行ってて下さい」
盗賊「……?」
召喚士「ワークショップでお金を下ろしてきます」
- 408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:33:32.94 ID:MauQaI6o
…
召喚士「……」
カチャッ…キィッ…
店員「いらっしゃいませ!」
召喚士「すみません。お金を下ろしたいのですが…」
店員「はい。では…こちらの書類をご記入下さい!」
召喚士「ありがとうございます」
キュポッ…キュキュッ…ススッ
店員「はい、ありがとうございます!少々お待ち下さい」
召喚士「……」
パラパラパラッ…パラ…
召喚士(……おっ、功績…24位か!!)
店員「お待たせ致しました!ご確認下さい!」
召喚士「あ、はい…。大丈夫です」
店員「他に何か、ご用件はございますか?」
- 409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:34:10.54 ID:MauQaI6o
召喚士「あの…手紙とか届いてないですよね?」
店員「手紙…ですか?……ええ、特にお預かりは…」
召喚士「そうですか。ありがとうございます」
店員「いえいえ!それではまたのお越しをお待ちしております!」
テクテクテク…カチャッ…パタンッ
召喚士「……戦士…大丈夫かなぁ」
召喚士は夜空を見上げ、宿へと足早に戻っていった。
〜西国の城〜
門兵「陛下のお戻りだっ!敬礼ーっ!!」
パッカパッカパッカ…
王子「いいよいいよ。もうっ…」
王子は眉間に皺を寄せ、整列する門兵に苦言を呈す。
ザッ…スタッ…
神官「王子、お帰りなさいませ」
王子「うん、ただいま!」
- 410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:35:23.54 ID:MauQaI6o
テクテクテクテクテク…
神官「如何ですか?西の首尾は?」
王子「まぁ…普通かな。魔物もどんどん西に逃げてるし…」
神官「ほぉ…」
王子「村や町もどんどん復興してるからね!活気が出てきたよ!」
神官「それは何より」
王子「こっちは何かあった?」
神官「特には…強いて言うなら本国の商人達が面会を…」
王子「えー、めんどくさいなぁ…。神官が済ませておいてよ」
神官「そうはいきませんよ」
王子「ちぇっ…。まぁいいや。適当にあしらっておこ…」
神官「あ、もう一つ重要な事が……」
王子「んー?」
神官「召喚士殿ご一行がお見えになられてましたよ」
王子「えぇ!?」
- 411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:36:24.83 ID:MauQaI6o
神官「もう…行ってしまわれましたけど…」
王子「何だよぉー!入れ違いかぁ…」
神官「残念でしたねぇ」
王子「何その嬉しそうな顔…」
神官「いえ…、私はお会いできましたからね」
王子「はぁ…会いたかったなぁ…」
神官「会おうと思えばいつでも会えますよ」
王子「それはそうだけど…みんなだって忙しいじゃん!」
神官「子供みたいに駄々こねないで下さい」
王子「子供だっ!!」
神官「はははっ…ごもっとも」
王子「まぁいいや、もっと……」
神官「……?」
王子「もっと…強く、そして…背も伸びてから会おう!うんっ!」
神官「…ふふっ。頑張って下さい」
- 412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:37:07.84 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜
パタンッ…
戦士「……」
左翼長「…寝たのか?」
戦士「ん、ああ…」
左翼長「どうだ?一杯やるか…?」
戦士「おっ、いいねぇ…!」
ニンマリと微笑む左翼長の後を追い、戦士も司令室へと向かう。
…
左翼長「まずは…戦士父の無事を祝って…」
戦士「無事…なのか?」
左翼長「生きていた事がまず無事だろ」
戦士「まぁ…そうだなぁ」
左翼長「最近じゃ…馴染みがどんどん逝っちまうからなぁ…」
戦士「おじさん……」
- 413 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 17:38:13.22 ID:MauQaI6o
左翼長「……アイツの事、聞きたいか?」
戦士「んー…」
左翼長「……」
戦士「そりゃ聞きたいさ…色々とな」
左翼長「……そうか」
戦士「でも、今はやめとくわ」
左翼長「…?」
戦士「やっぱり本人の口から聞きたい」
左翼長「戦士…」
戦士「そのためにも…親父の記憶を取り戻す…必ずな!」
左翼長「ああ…。この国の為にもだ…!」
戦士「へっへっへ!」
左翼長「何だよ…気持ち悪りぃな…」
戦士「いや、まさか弓のおじさんとこうして飲む日が来るなんてなぁ」
左翼長「……そうだな。嬉しい限りさ」
左翼長は笑みを浮かべ、グラスの酒を一気に飲み干した。
- 414 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 18:15:51.21 ID:MauQaI6o
〜次の日〜
魔道士「おはようございますー!」
召喚士「おはようございます」
盗賊「…ちゃんと寝れたか?」
召喚士「えっ、あ…えぇ」
盗賊「…なら…良し」
召喚士「それではサモナーさんの所へ…」
魔道士「出発〜!エヘヘ!!」
盗賊「…元気だな」
魔道士「盗賊さんも!だいぶ元気になりましたねっ」
盗賊「え…っ!?」
魔道士「いつまでも…クヨクヨしてても仕方ありませんからね」
盗賊「…ああ。その通りだ」
召喚士「魔道士さん、盗賊さん…」
魔道士「さぁ、頑張って…登りますよーっ!」
- 415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 18:26:22.58 ID:MauQaI6o
…
魔道士「でも…不思議ですねぇ」
盗賊「…?」
魔道士「ついこの前まであんなり魔物がいたのに…」
召喚士「そういえばここにもゴブリンの巣があったりしましたね…」
魔道士「もう、みんな倒してしまったんでしょうか?」
召喚士「まぁ、それもあるとは思いますが…」
盗賊「……」
召喚士「おそらくは西国の人達が頑張っているから…」
魔道士「あっ、そうですよねぇ」
召喚士「なんとか西へ追いやっているようですし…」
盗賊「…ああ」
召喚士「でも、魔物が出ないとは限りませんから」
魔道士「はいっ!警戒しながら…ですねっ!」
盗賊「…うん」
- 416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/04(金) 18:33:21.56 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜
左翼長「……髪も切っちまえ」
騎士長「おう、そうだな…きひひ!」
野宿者「…う、うわぁ…!!」
戦士「大丈夫だって…髭剃るだけだから…」
左翼長「おら、暴れんじゃねぇ!サッパリしろや!」
騎士長「記憶失っんのに…この辺は変わらんなぁ…」
野宿者「やだっ!…いやだ!!」
左翼長「おらっ、暴れると…危ねぇぞ!」
ジョリジョリッ…チョキチョキッ…
参謀「……べ、別人だ…!」
左翼長「ほれ…鏡。男前だねぇ…!」
騎士長「こんな小奇麗になったのは結婚式以来か?」
戦士「……だ、誰だよっ」
左翼長「いやいや…。親子ソックリじゃねぇか!がはははっ!!」
- 419 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/04(金) 22:34:53.13 ID:Nw1RwSso
/ ̄ ̄\
親父ぃ .ノ \,_. .\
(>)(< ) |
/ ̄(__人__) . |
/ _ノ ::.ヾ⌒ ´ |
/ o゚⌒ ::::{ . /
| (__人\ .カ
\ ` ⌒´ン .ノノ ギュッ
/  ̄ ./ . .. し}
.(⌒二_刄j⌒) .i
左翼長「いやいや…。親子ソックリじゃねぇか!がはははっ!!」
- 420 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/06/04(金) 23:01:59.93 ID:Pl6Qxf.o
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\ パシャッ!
(>)(<)。 | ____
(__人__) ゚ | / \
l` ⌒´ | / ─ ─ \
. { |/ 。⌒ ⌒ o \
{ / | (__人__) |
,-、 ヽ ノ、\ ` ⌒´ /_
/ ノ/ ̄/ ` ー ─ '/>< ` ー─ ' ┌、 ヽ ...ヽ,
/ L_  ̄ / _l__( { r-、 .ト
_,,二) / 〔― ‐} Ll | l) )
>_,フ / }二 コ\ Li‐'
最愛の息子と共に
- 424 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:02:54.79 ID:4dwkLOEo
西端の村から数里の先、標高こそさほどの大きさはないが、
獣道の続く険しい山がそびえ立つ。人も住まぬような険しい山。
〜サモナーの家〜
召喚士「着いた…」
魔道士「相変わらず…綺麗な所ですね…」
盗賊「……ああ」
草木が乱雑に生え、自然の作りだす幻想的な景色。
その頂上付近に、一つの小さな家が構えられている。
テクテクテク…
魔道士「あっ…マーメイドさんっ!」
召喚士「こっ、こんにちは…!」
マーメイド「…あら、こんにちは。お久しぶりね」
盗賊「…お久し振りです」
そこにせせらぐ水流の行きつく先…きらきらと水面の光る小さな泉。
ここに住まうはさも美しき人魚の姿、すなわち召喚獣『マーメイド』である。
- 425 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:03:57.76 ID:4dwkLOEo
召喚士「あの…サモナーさんは…?」
マーメイド「家の中にいると思うけど…」
召喚士「そうですか。ありがとうございます」
召喚士はお辞儀をし、裏手から玄関へと向かう。
コンコン…
サモナー「はーい」
カチャッ
召喚士「どうも…!」
サモナー「…!?召喚士くん…!」
魔道士「こんにちはっ!ご無沙汰してます!」
盗賊「…お無沙汰してます」
サモナー「皆さん、お元気そうで何より」
召喚士「突然の訪問…失礼します」
サモナー「いえいえ、気にする事はないよ。さぁ、どうぞ」
魔道士「はいっ!お邪魔します!」
- 426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:05:02.02 ID:4dwkLOEo
…
サモナー「荷物は置いた?」
魔道士「はいっ」
サモナー「それじゃ紅茶を淹れたから、庭へ移ろうか」
盗賊「…うん」
スタスタスタ…カチャッ…
サモナー「マーメイド、召喚士くん達が来てくれたよ!」
マーメイド「ええ。先程ご挨拶したわ」
サモナー「そうだったか。それじゃこっちにどうぞ」
魔道士「はいっ!」
召喚士「失礼します」
三人は泉のほとりにあるテーブルへ移り、着座する。
カチャッ…コトッ
盗賊「…ありがとう…ございます」
サモナー「それで、今日は…どうしたのかな?」
- 427 :GEPPERがお送りします [] :2010/06/05(土) 03:05:04.55 ID:14CYU3Mo
寝なくていいのか?
- 428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:07:00.51 ID:4dwkLOEo
召喚士「ええ。サモナーさんの様子を伺いにきたのが一つと…」
サモナー「もう一つは…あれかな…?」
召喚士「……はい。急かすようですみません」
サモナー「こちらこそ、連絡出来ず申し訳ない…」
召喚士「い、いえっ…」
サモナー「結論から言うと、実はまだ分かってない事が多すぎるんだ…」
召喚士「そうでしたか…すみません…」
サモナー「いやいや、それぐらいは報告するべきだったね…」
召喚士「いえっ!とんでもない…っ」
サモナー「いやいや…本当に申し訳ない…」
召喚士「そんな…」こちらこそ催促するようで……」
サモナー「いや、結局は僕が伝えるべき事を怠ったために…」
召喚士「そんな事…っ!」
盗賊(……この二人……何だか)
魔道士(とても……面倒臭いですね……)
- 429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:08:12.88 ID:4dwkLOEo
…
サモナー「……そうかぁ。あと4年を切っている…のか」
盗賊「……」
召喚士「本来なら慌ててすべき事でもないのですが…事態が事態なので…」
サモナー「うん…。そうなると事は急を要するね」
魔道士「はい……」
サモナー「とりあえず今、把握ている限りを伝えよう」
召喚士「…ありがとうございます!」
サモナー「まず一つ目。召喚獣の五行について…」
召喚士「……はい」
サモナー「僕の見解によると、五つ目の属性、これは存在すると思う」
魔道士「…つまり魔法と同じ仕組みと言う事ですか…?」
サモナー「うん。そういう事になるかな」
召喚士「それは、どんなものなのですか?」
サモナー「…ごめん。まだそこまでは分かってないんだ」
- 430 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 03:09:16.26 ID:4dwkLOEo
盗賊「……」
召喚士「そうですか…」
サモナー「でも、本国や西国にはこれといって一切の手掛かりがないのも確か…」
召喚士「それ以外の地域になる…と?」
サモナー「僕はそう踏んでいるよ」
魔道士「それ以外の地域……」
盗賊「……東方…?」
サモナー「……かもしれないね」
召喚士「式神…っ!」
サモナー「そこで二つ目、召喚獣と東方の式神の関連性…」
盗賊「……」
サモナー「全く同じとは言い切れないけど、近しいものは確かにある」
召喚士「ええ。俺も実際この目で見て、そう感じました」
サモナー「大きく違うところは召喚方法。そして召喚獣の種類」
召喚士「東方では陰陽師と呼ばれる方々が、札を利用して召喚してましたね…」
- 431 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/06/05(土) 03:20:43.06 ID:4dwkLOEo
>>427
すみません…寝ます…
というわけで、おやすみなさいです!ノシ
>>419-423
「やる夫が戦士になるようです」ですね!これは期待!
こちらこそ毎日読んで下さってありがとうございます!感謝!
〜オマケ〜
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 魔王倒すお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
【戦士】
| \
| ('A`) キャッキャ
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ ウフフ/
【召喚士】
∧ ∧
(*゚ー゚) エヘヘ!! 川゚ -゚) たわけっ!
⊂ ⊃ |(| |)
〜( | | |
U U し`J
【魔道士】 【盗賊】
∧_∧
( ´∀`)
( )
│ │ │
(__)_)
【サ モナー】
- 439 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/06/05(土) 14:50:03.73 ID:4dwkLOEo
>>1も今日は動物病院行ったですよ…
昨日ぬこが怪我しちゃったですよ…
ワンコも良くなりますように…!!
- 450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 21:02:54.41 ID:4dwkLOEo
サモナー「札……」
召喚士「……あっ、そうだ」
盗賊「…?」
召喚士は室内へ戻り、手荷物より小さな巾着を取り、戻って来る。
召喚士「…これが、その札です」
サモナー「こ、これが…っ!?」
手渡された数枚の札。それを見てサモナーが表情を引き締める。
召喚士「ええ。東方の陰陽師さんに頂いた物です」
サモナー「これで……召喚が出来るのかい?」
召喚士「召喚獣…式神を予め札内へストックしておくようです」
サモナー「そ…そんな事が…っ!?」
召喚士「彼からはそれを召喚ではなく…『使役』、と呼んでいました」
サモナー「式神…。神を使役する…か」
召喚士「言葉は違えど、やはり召喚術と同じ類になるのでしょうか…?」
サモナー「……おそらくはね」
- 451 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 21:03:27.42 ID:4dwkLOEo
召喚士「…って事は、俺達にも扱う事が出来る…」
サモナー「大きな違いは…?」
召喚士「えっ…?」
サモナー「召喚士が体感した限りでいいよ」
召喚士「あ、はい・・。召喚術はリアルタイムで魔力を消費します…」
サモナー「……うん」
召喚士「しかし式神の使役は、前もって魔力を蓄積する…」
サモナー「召喚術のように、召喚獣がやられても…術者への被害はない…」
召喚士「はい。しかし、魔力の追加が出来ないので…使い方が大変難しいですね…」
サモナー「そうだね。相当の熟練者…戦闘中の判断にも長けていないといけないね」
召喚士「その分、札によって複数のストックが可能のようですから…」
サモナー「同じ式神でも、魔力によって五段階とか…持っていれば良いわけだね」
召喚士「その辺り、便利といえば便利かもしれません…」
盗賊「…む、難しい」
魔道士「何が…何だか……」
- 452 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/06/05(土) 21:03:54.27 ID:4dwkLOEo
召喚士「とりあえずは…東方に鍵がありそうですね…」
サモナー「本国や西方なら使用者がいてもおかしくないしね」
魔道士「そうですよね…。五つ目の属性があるなら使う人がいないとおかしいですもんね」
盗賊「……うん」
召喚士(東方…か。行くべきなのかな…)
サモナー「マーメイドも知らないそうだしね」
マーメイド「お役に立てず…ごめんなさい」
召喚士「いえっ、とんでもないです」
サモナー「東方か…。僕もいずれは訪れてみたいな」
召喚士(占い師さんの予言……)
盗賊「……?」
召喚士「あ、いえ…っ」
魔道士「とにかく、今はこれといって動けませんね」
サモナー「ええ。僕も引き続き調査を進めよう」
召喚士「…ありがとうございます」
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