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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
- 276 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/01/27(金) 17:46:15.78 ID:M0J8kn7Mo
――……
マジシャン『諦める……だぁ!?』
師匠『ああ。悪りぃが、この身体じゃあリベンジは無理だわ……ガハハッ』
マジシャン『ガハハじゃねぇよコラ!! 仇……とりたくねぇのかよ!!』ガシッ
師匠『とりたいに決まってんだろ。そんな事も分からねぇのかよテメーは……っ』
マジシャン『……っ』バッ
師匠『悪いが俺は降りるしかねぇようだ。だがな、俺の魂までは諦めたりはしねぇ』
マジシャン『……どうするつもりだ?』
師匠『まだガキだ。10年間はみっちり、後継者として鍛える時間がある』
マジシャン『まさか……お前……っ』
師匠『俺の魂……コカトリスと朱雀の名は……召喚士に託す』
マジシャン『……素質は…あんのかよ』
師匠『さぁな〜。今のところサッパリだわな、ガハハッ! あとは神のみぞ知るってやつだな』
マジシャン『ちっ、あいも変わらずギャンブル人生だなテメーは』
師匠『お前に言われちゃオシマイだよバカ。ガハハハハッ!!』
- 277 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:46:46.48 ID:M0J8kn7Mo
……――
〜青年兵の故郷の村〜
青年兵「……」テクテクテク
閑散とした村。魔物に襲われたわけでも、皆が引っ越したわけでもない。
冬の海に面した漁村であるが為、外に出る事もなく、村民は屋内にいるのだ。
それに加え、漁がや農業の少ないこの季節、男は必然的に出稼ぎへと村を離れる。
この村の出身である青年兵は、幼い頃から見慣れている光景であり、特に何も感じなかった。
青年兵「……」ザッ
実家の前で足を止める。扉には鍵などない。施錠せずとも盗人が入る事は有り得ない。
言い方は悪いかもしれないが、本当にそれくらい寂れた村なのだ。
理由は至極簡単、近くの本国による影響である。
目と鼻の先と言える距離に国の首都がある。当然、人々は本国に集まる。
防備に不安はなく、人も多く、店や流通も多彩。当たり前の話しである。
いつ魔物に襲われてもおかしくない本国周辺の町村に、人々が集まるはずもなかった。
それでも青年兵はこの村が好きであり、誇りであり、この村の人間なのだ。
- 278 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:47:25.95 ID:M0J8kn7Mo
カチャッ
青年兵「……」
何も変わった事はなかった。ただそこに居るべき母親が居ない。それだけである。
洗いかけの食器が台所におかれ、洗濯物が室内に干され、テーブルの上には、
無造作に置かれた本と、青年兵が母に送った手紙が散らばっていた。
青年兵「……」
自分の文字が書かれた紙を手に取り、未だに実感の沸かぬ母の死を、
青年兵はほんの少しずつ受け入れ始めていた。
ザッザッザッ……ギイィ
青年兵「……?」
医者「おぉ、やはり青年兵君……いや、今や青年兵様と呼ばねばいかぬかな」
青年兵「構いませんよ。ご無沙汰しております、先生」
医者「……ワシもつい先程、連絡を受けてなぁ」
青年兵「そうでしたか。どうぞ、今……飲み物を」
医者「おぉ、すまぬ……」
- 279 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:53:57.54 ID:M0J8kn7Mo
コポコポコポッ カチャッ
医者「ワシは、君に謝らねばならん。本当に済まない……っ」
青年兵「……?」
医者「もっと早く、君のお母さんを治療する事が出来ていれば或いは……」
青年兵「あなたのせいではありませんよ。どのみち、治療は無理でしたでしょう」
医者「確かに設備や薬にも限界がある。しかし、もっと早く本国の病院へ移していれば……」
青年兵「それが無理だったのですよ」ズズッ
医者「……?」
青年兵「あの当時、もし入院を希望しても、莫大な金を請求されたでしょう」
医者「……」
青年兵「今でこそドクターさんが院長となり、少額での治療や通院が行えるようになりましたが」
医者「そうだな。こういった地方の病院にも薬や医療機器が配備されるようになった」
青年兵「それまでは左翼のフィクサーとして、腐りきっていましたからね」
医者「現院長も見かねて、各地を回って治療と現状視察に努めていたのやもなぁ」
青年兵「だからあなたに非はないのです。いえ、誰にも非などありません」
- 280 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:54:27.61 ID:M0J8kn7Mo
医者「青年兵……っ」
青年兵「母の寿命は宿命。人間の寿命など生まれた時に定められているのですよ、きっと」
医者「そう割り切れる君が羨ましい。職業柄、どうしても人の命をそうは見られなくてなぁ」
青年兵「先生は医者であられる。当たり前の事です」ゴクッ
医者「まぁな。皆が皆、宿命などと思ってしまったら、とっくに廃業じゃ」
青年兵「軍人であるからこそ、そう思わなければ……やっていられないんです……っ」ギュッ
医者「青年兵君……」
青年兵「僕だって……出来る事ならば……母さんを……」
医者「……いつも、君の話ばかりじゃった」
青年兵「……」ポタッ
医者「会えば必ず、君の手紙を自慢げに見せては話し……」
青年兵「……」ポタポタポタッ
医者「時には昔話。時には将来の事。自分の死期が分かっていただろうに、強いお人じゃった」
青年兵「……っ」ポタタッ
医者「君と会いたくとも、毎日毎日……手紙を見つめ、堪えていた……」
- 281 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:55:26.32 ID:M0J8kn7Mo
青年兵「母さん……っ」
医者「余計な心配や未練を残したくないと、遺書を書く事も拒んでおった」
青年兵「母……さん……っ!!」ポロポロポロッ
医者「青年兵君。己を責めてはならんぞ。君の言った通り、誰のせいでもないのだろう?」
青年兵「……っぐ」ポロポロッ
医者「……さて、ワシはそろそろ失礼するよ」
青年兵「ぐ……っうぅ……!」
医者「……墓は……どこへ?」
青年兵「……父と……共に、この地に……っ」
医者「それが良かろうな。君が帰ってくるまでは、墓守させて貰うよ」スクッ
ザッザッザッ
青年兵「先生……っ」
医者「……?」
青年兵「……ありがとうございました」ザッ
医者「……こちらこそ、有難う」
- 282 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:56:01.46 ID:M0J8kn7Mo
――……
青年兵『全く、足なんかひねって……。年なんだからあまり無茶しちゃ駄目だって』
母『仕方ないだろっ! じゃあアンタが代わりに働いとくれよ』
青年兵『だから働くって。それをとめて魔道学園に入学させたのは母さんじゃないかっ』
母『そりゃそうさ! 偉くなってこの村を立派にして貰うんだからねぇ』
青年兵『無茶言わないでよ……。それだけ偉くなればいいと思ってるのさ』
母『国軍で1番偉い人になれば、そのくらい簡単だろっ?』
青年兵『……はぁ。それにしても母さん、少し軽くなったんじゃない?』
母『そうかい!? いやーダイエットした甲斐があったねぇ〜』
青年兵『今更ダイエットだなんて……』
母『何か言ったかいっ!?』
青年兵『あははっ、何でもないよ! さぁ着いた、今日はそのまま安静にしてなよ』
母『いいよ、これから夕飯の支度だってにしなきゃいけないんだし……』
青年兵『今日は俺が作るよ。入れるなら先に風呂、入ってきちゃいなよ』
母『人を老人扱いするんじゃないよ全くっ! あはははっ!』
- 283 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:56:34.20 ID:M0J8kn7Mo
……――
青年兵「……」ザッザッザッ
あの日、歩いた道を逆に辿る。背におぶっていた母は、今や両腕に抱えられた、
小さな小さな木箱の中に、ただ静かに眠っている。
青年兵「……本当に……軽くなっちゃったね……母さん」
村の中央、南北に伸びる道。青年兵の家から北上し、上って行くと、
そこには畑が広がり、亡き母が漁のない日に耕していた面影が脳裏に浮かぶ。
畑を抜け、大きな木の下を抜けて行くと、その先には墓地が見えた。
高台の向こうには冬の海が広がり、冷たい風が墓地を吹き抜ける。
青年兵「……」
亡き父の墓。当然そこに遺骨はない。名ばかりのものである。
それでも父が居る。そう言い聞かせて祈り続けた母は、今そこに眠る。
青年兵以外の誰も居ない墓地。そこには北風と土を掘る音のみ。
青年兵「……さよなら、母さん」
遺骨を納めると青年兵は暫くの間祈り、そして故郷の村を後にした。
- 284 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:57:45.85 ID:M0J8kn7Mo
…
バシュウウウウゥゥゥゥ!!
ワイバーン「……先程よりは少し、吹っ切れた顔をしているな」
青年兵「……今までは、死を受け入れずに、逃げ続けてきた」
ワイバーン「……」
青年兵「でも、母さんが死んで少し分かったんだ。逃げるんじゃない、受け入れるんだって」
ワイバーン「……ほぉ」
青年兵「大元帥になった今、今後の戦いにおいて、死は全て僕の責任だ」
ワイバーン「過酷だな」
青年兵「でもそれが仕事であって責任であって、宿命なんだ」
ワイバーン「……」
青年兵「誰かがやらなくちゃいけない事なんだ」
ワイバーン「それが青年兵、お前だと言う事だな」
青年兵「うん。だからワイバーン、ちょっとだけ付き合ってくれ」
ワイバーン「私はお前の召喚獣だ。どこまでも付いて行くさ」
- 285 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:58:11.39 ID:M0J8kn7Mo
〜バーテンの店〜
ドバンッ!!
バーテン「!?」
天才「おーっす。ん? オヤジ臭せぇ店だなおい、加齢臭漂うぞ」
バーテン「お前が1番ジジイだよ」
天才「ハーッハッハッハ! まぁいいや、マジシャンいるか?」
バーテン「おーいマジシャン、ご指名だぞ」
スタスタスタ
マジシャン「……何だお前さんかよ。美人からのご指名かと思ったのによ」
天才「年増もいるぞ?」
占い師「毎度毎度失礼ねぇ」
マジシャン「んー我慢しとく」
占い師「ちょっと!」
マジシャン「ハッハ! んで、何用だい?」
天才「マーラの討伐が完了した。いよいよだ」
- 286 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:59:02.37 ID:M0J8kn7Mo
戦士父「……そうか」
天才「サタンの封印を一旦、解く。いいな?」
マジシャン「……分かった。こっちもすぐに動く」
戦士父「何の話だ?」
天才「貸してたモンを返して貰うだけだ。なぁ?」
マジシャン「そうだな。俺もお前さんもあいつも……貸しっぱなしだ」
天才「俺様は貸しちゃいねーよ。お師匠の形見を引き取りにいくだけだ」
バーテン「魔剣なしにベルゼブブは倒せんのか?」
天才「無理だな。流石の天才様と言えど、魔行は使えん」
マジシャン「……なぁ、どうしても1人でやる気なのか?」
天才「魔王城突入には甚大な被害が予想される」
占い師「……っ」
天才「文字通り力押しだ。魔王様のツラを拝むまでにどんだけ疲弊する事やら……」
戦士父「魔王城内への突入など、前代未聞だからな」
マジシャン「未だかつて人類史上、到達した事のない道……」
- 287 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 17:59:54.68 ID:M0J8kn7Mo
天才「そんな渦中でいちいちご指名なんぞしてらんねーだろ」
バーテン「しかもあれだよな、突入は1ヶ所じゃないんだろ?」
天才「そうだ。だからこそ余計に選抜だとか回りくどい事はしてらんねぇんだよ」
戦士父「そうか……」
天才「はいはい、暗い話はおしまいよ! 準備はいつ出来る?」
マジシャン「いや、まぁ今からでも向かえば明日の朝には……」
天才「んじゃそれで頼むわ」
マジシャン「いっ!? せっかちなヤローだな……ハッハ」
天才「善は急げ。つーか元からモタモタしてる場合じゃねぇんだよ」
バーテン「北での戦闘、そんなに酷いのか?」
天才「ひどかねぇけど人手不足でな。まーもうじき人も揃うはずだがよ」
戦士父「……」
天才「つーかよ、てめぇらもサボってねーで参加しろや」
バーテン「サボってねぇだろ! 俺の仕事場はここだ!」
天才「ハーッハッハッハ! んじゃその仕事っぷりを見せて貰おうか。ブラックな」
- 288 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:01:19.66 ID:M0J8kn7Mo
〜三日月島、上空〜
バシュウウゥゥゥゥ
青年兵「うぅっ、寒い……っ」
ワイバーン「西へ入れば風も弱まる。しばしの我慢だ」
青年兵「だ、だねぇ……っ」ブルッ
ワイバーン「しかし……魔王を倒し、世界が戻った事で、距離も遠くなったものだ」
青年兵「だね。でも東西の海が繋がった事で、世界一周が出来るようになったよ」
ワイバーン「青年兵の魔力では持たんだろ」
青年兵「まぁそりゃ、休み休み行くしかないけどさ……今はね」
ワイバーン「それで、西のどこへ行けば良いのだ?」
青年兵「最西端。イブリースの居た所へ」
ワイバーン「過去との決別か」
青年兵「決別じゃないよ。再会さ。受け入れる為に僕は行くんだ」
ワイバーン「押し潰されるなよ。負の心に」
青年兵「打ち勝つさ。でなくばこの先、人の上に立つ事なんて無理だよ」
- 289 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:01:48.90 ID:M0J8kn7Mo
〜バーテンの店〜
カチャッ……チリチリン
魔道士「こんばんは――」ドンッ
マジシャン「おっとすま……おぉ! 魔道士ちゃんっ!」ギュウゥ
戦士「おいこらオッサン、どさくさに紛れて何やってんだよ」
魔道士「マジシャンさん、お久し振りです〜!」
マジシャン「いやぁ、噂は色々と聞いてるぞ! 大活躍みたいじゃないの。ハッハ!」
召喚士「マジシャンさんはこれからどこか行かれるんですか?」
マジシャン「ああ、大切な用事さ!」
盗賊「……?」
マジシャン「良かったな召喚士、ま……会えるかは分からんけど」ポンポン
召喚士「へっ?」
マジシャン「楽しみに待ってなって! ハッハ!」スタスタスタ
戦士「……何の事だ?」
召喚士「さ、さぁ……っ」
- 290 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:03:03.11 ID:M0J8kn7Mo
魔道士「改めて、こんばんはー!」
バーテン「いらっしゃい。お待ちかねだぜ?」クイッ
天才「思ったより早かったな!」
戦士「どうせ予言で分かってたんだろ?」テクテク
天才「ハーッハッハ! バレたか!」
盗賊「……はぁ」
戦士「んで、何の用――親父!?」
戦士父「腕の具合はどうだ?」
戦士「ああ、今はもう何とも……って、そっちこそどうなんだよ!?」
戦士父「だいぶ動くようにはなってきた。まぁ気にするほどでもない」クイクイッ
戦士「いや、気にするだろ普通……」
バーテン「とにかく座れ。占い師、飲み物を運んでやってくれ」
占い師「はいはい。それじゃこっちにどうぞ」
魔道士「失礼しまーす」
召喚士「それで、どういったご用件ですか?」スッ
- 291 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:03:34.11 ID:M0J8kn7Mo
天才「これからよ、サタンんお封印を一時的に解除する」
盗賊「!?」
天才「前に戦士にゃ話したよな? っつーか実際、地獄を見たよな。言葉通りよ」
戦士「……ああ」
天才「20年前、俺様や再来、それから当時の大元帥らはコイツの予言に従って、
サタン討伐作戦を開始した。まぁ結果はご存知の通りだがな」
占い師「……っ」
天才「当時まだ20だかそこらの小娘が、実力不足で予言を外した。誰もがそう思ってた」
召喚士「……」
天才「だが実際は違った。それから20年。コイツは一切の予言を外しちゃいねぇ」
占い師「途中で運命が変わる事はある……けどね」
バーテン「そんなもんは外したうちに入らねぇよ」スパー
天才「そっ。コイツの予言は大体誰かが死ぬ。だが外した時は何とラッキー。そいつは死なない」
戦士「あぁ、確かに……」
天才「だがサタンだけは違った」
- 292 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:05:15.39 ID:M0J8kn7Mo
盗賊「何が……言いたいのだ?」
天才「サタンに予言は通じない。未来なんざないのさ。サタン相手にはな」
魔道士「!?」
戦士「ど、どういう事だよ……」
天才「あの日以来、サタンに関する予言なぞ、俺様もコイツもしちゃいねぇが……」
占い師「サタンについては何も分からないの……っ」
戦士父「だが、20年前には見えたんだよな?」
天才「それが虚像なのか、当時のコイツの持つ力なのか、今となっちゃ分からん」
占い師「……っ」
天才「あの日、予言ではマジシャンと師匠。それから俺様が死ぬ事になっていた」
召喚士「――っ!?」
天才「だが蓋を開けてみりゃ……死んだのは大元帥に魔剣士にプリーストだ」
戦士「予言と……正反対じゃねぇか……っ」
天才「ああそうだ。予言出来ないが為に、あえて逆の結果が出たか……」
召喚士「サタン自身の力で……運命を変えられたか……」
- 293 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/01/27(金) 18:10:02.81 ID:M0J8kn7Mo
ちょっと早いですが今日はここまでにて失礼致します!
肩凝りがヤバすぎてヤバいですバキバキでして…すみません
今日もご支援ありがとうでした!週末なので後で来られたら来ます!
それでは失礼致しますね!ノシ
- 294 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage] 投稿日:2012/01/27(金) 18:11:58.22 ID:HGJMJmlRo
サタンの全貌は楽しみでしかたない
- 303 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2012/01/27(金) 20:56:37.45 ID:6HbQFBMV0
いちおつ
サタンを一時的にってことは また封印するのか
けっこう被害がでそうだな
- 312 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/28(土) 02:36:01.22 ID:0ldE0ALmo
天才「ま、そんな結果はどうでもいい。問題は何が起きたのかって事だ」
召喚士「話して頂けるんですか?」
天才「俺様は構わんぜ。ま、話さない事には先に進めねぇし」
占い師「……うん」
天才「お前らも聞いているかもしれんが、あの日サタンは倒せなかった」
バーテン「だが、封印は出来た……か」
天才「そうだ。ゴリ押しだったけどな。何とか封印する事には成功した」
戦士「どうやったんだ?」
召喚士「確か、師匠とマジシャンさんが……」
天才「ああ。最初に突入したのは再来の4人だ」
戦士「ちょっと待て。たったの……6人で挑んだのか?」
天才「ああ。何か問題か?」
戦士「い、いや……問題はねーけどよ、少なすぎやしねぇか?」
天才「少ねぇよ。それでも当時は最強とも言える面子だったんだがな」
盗賊「……」
- 313 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/28(土) 02:36:52.91 ID:0ldE0ALmo
天才「魔王相手に大人数で挑んでも無駄だってのは、よく分かってんだろ?」
戦士「……まぁな」
天才「んでだ、再来の4人が最初にサタンと激突した」
魔道士「……っ」
天才「まぁ奮闘はしたが、結果は知っての通り」
召喚士「魔剣士さんと、プリーストさんでしたっけ?」
天才「ああ。そん時ぁ俺様も未到着だったから、詳しくは知らねーが」
バーテン「確か、プリーストがやられたんだっけか」
天才「らしいな。魔剣士を庇って死んだらしい」
召喚士「!?」
天才「その後、魔剣士も力尽き、師匠とマジシャンがかろうじてサタンの頭部を押さえた」
召喚士「コカトリス……ですよね」
天才「ああ。マジシャンが五行を放ち、コカトリスの石化でそれを封じ込めた」
召喚士「……」
天才「んで、お師匠の魔剣でその首を斬り落としたってわけだ」
- 314 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/28(土) 02:37:38.67 ID:0ldE0ALmo
盗賊「…………」
天才「首を落とした事でサタンの動きは止まった」
戦士父「それでサタンを封印出来たわけだな」
天才「そういう事だ。そんんでまぁ今回は、その封印を解きに行くってわけだ」
魔道士「大丈夫なんですか……?」
天才「……大丈夫かと言われれば大丈夫だし、駄目かと言われれば駄目だな」
戦士「何だよそりゃ……」
天才「封印を解除してすぐには、サタンも動けねぇ」
召喚士「ベルゼブブを倒しても、あまり時間がないという事ですね?」
天才「ああ。お前らにゃ苦労かけるが、まぁ頑張ってくれや。ハーッハッハ!」
召喚士「……」
言い返したい思いもあった召喚士だが、天才の言葉は即ち、遺言であった。
最後の戦いとなるであろうサタン戦に自分はいない。お前らに託す。そういう意味である。
天才「……っと、時間だ。そろそろ向かうぞ、サタンちゃんの所へよ」
沈黙を破る天才の声が、再び時計の針を刻みだした。
- 315 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/28(土) 02:39:54.45 ID:0ldE0ALmo
〜最西端、遺跡〜
青年兵「……」
ザッザッザッ
青年兵「ここで、彼女は踊っていたんだ」
ワイバーン「……」
青年兵「魔王をも圧倒する……世界一の踊りだった」
ワイバーン「人の力は時として、魔王をも凌駕する事がある」
青年兵「うん。でもそれは理由があるからなんだ」
ワイバーン「ほう」
青年兵「それは誰かを、何かを守りたいという力」
ワイバーン「守る力……か」
青年兵「踊り子さんだけじゃない。隊長もマーマンさんも……」
ザッザッザッ
青年兵「それに、藤蔵の皆さんも鬼丸も……」パサッ
献花は荒廃した無地の中に、鮮やかな色を加えた。
- 316 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/01/28(土) 02:55:31.38 ID:0ldE0ALmo
〜深夜、大きな街〜
ザッ
天才「うーし、準備いいかぁ?」
戦士「おーう」
魔道士「何だか、ドキドキしてきました……っ」
盗賊「危険はないんだろうな?」
天才「これから行く先は、天国と地獄。危ないかは知らんが普通じゃねぇ」
召喚士「……天国と地獄?」
天才「行きゃ分かる」
召喚士「確か、ここから西へ進んだ森ですよね?」
盗賊「ああ、あの森か」
天才「安心しろ、死にゃしねーよ、俺様がいる限りな」
戦士「マジで頼むぜ、天才さんよー」
天才「ハーッハッハッハ!任しときな。それじゃ行くぞ」
召喚士「はいっ!」
- 317 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2012/01/28(土) 03:12:39.42 ID:h9I7XdQq0
>>1 深夜更新乙
封印を解いても すぐには動けないのか
ちょっと安心した
- 318 名前:NIPPERがお送りします(愛知県) [] 投稿日:2012/01/28(土) 03:19:12.20 ID:1Fw97xSv0
ベルゼブブ戦中にサタンが動き出すとかは…
ハラハラするわ!
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