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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39
- 237 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/05/28(月) 17:54:20.23 ID:2MY7Cbmmo
…
天才「よいっしょ」パシッ
大軍師「大丈夫ですか?」
天才「あ?」
大軍師「かなり、疲弊なされているようですが」
天才「人の事、言える立場じゃねーだろうが」
大軍師「それはそうですが……」
天才「鱗粉がいつ途切れるか分かんねぇ。早く行くぞ」ヨロッ
大軍師(まともに歩ける状態じゃない。これでは……)
戦士「なぁ、ゲーデの剣はどうする?」
天才「ほっとけ。魔剣なんだろ? ヘタに触ると呪われるぜ」
魔道士「……っ」
戦士「でもよ、俺は……どうなるんだ?」
召喚士「たぶん大丈夫だと思うよ」
戦士「……?」
- 238 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:55:08.65 ID:2MY7Cbmmo
召喚士「ケツァルコアトルが言ってた。肉体と精神は別だって」
戦士「どういう事だ?」
召喚士「魔剣に触れたり五行を使ってたのは、あくまで彼だって事」
戦士「……まぁ、俺にそんな力はねーしなぁ」
青年兵「あくまで戦士さんの身体を借りて、己を具現化したって事ですね」
戦士「よく分かんねーけど、まいっか。別にどこにも異変はねーみたいだし」
魔道士「でも、魔剣の影響が出たら不老になっちゃうんですよね……?」
戦士「そん時はそん時だ。そういう老後も楽しむとするよ。はははっ」
盗賊「……はぁ」
東方司令「楽しめるものか……っ。気楽なアホめ」
天才「人それぞれだろ。お前は陽の当たらない道を進んだ。それだけだ」
東方司令「……っ、じゃあアンタは! 幸せだったのかよっ!?」
天才「……ああ。最っ高に幸せな人生だったぜ。お前らのおかげでよ」
東方司令「え……っ?」
天才「何でもねぇよ、ハーッハッハッハ!!」
- 239 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:56:00.81 ID:2MY7Cbmmo
…
騎士長「焦る必要はないぞ。ゆっくりと順番に運べ!」
博士「まずは医療物資からなのら。その次に食糧、最後に武具なのら」
パッカパッカパッカ……
左翼長「……おっ!? あいつらは……!!」
弓使い「見て剣士っ! こっちはもう終わってるみたいよ」
剣士「良かった……」
騎士長「無事で何より! ご苦労!」
左翼長「こっちは見ての通りだ。そっちは?」
剣士「色々とありましたが……まぁ、何とか」
幼女「……」
剣士「ご心配なく。寝ているだけです。あ、そうだ……馬を返さないと……」ザッ
騎士長「あーいいよ。どうせもう使わん。それに、あんたの方がしっくりきてるみてーだしな」
赤兎「ヒヒイイィィィィン!」ドズゥッ
剣士「……あ、ありがとう……ございます」
- 240 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:56:44.22 ID:2MY7Cbmmo
ザッザッザッザッ
天才「ふぅん、スーパームーンにスパーノヴァねぇ」
召喚士「やっぱり天才さんもご存じなかったんですね」
天才「知るわけねーだろ。知ってりゃもっと楽に進めてる」
大軍師「……」
天才「だが、ラッキーだったな」
青年兵「ええ。あと2週間とちょっと残ってますからね」
戦士「本当に2週間で、サタンを倒せるのかよ……っ」
エリート「我らも外の連中も満身創痍。回復に費やす時間が少なすぎる」
皇太子「泣き言を申していても仕方ない。やるしかないのであろう」
天才「王様の言う通りだ。ここまできたら、後はやるしかねーんだよ」
盗賊「……」
男隊員「しかし、どこまで降って行けばいいんだよこれ……」
魔道士「ずいぶんと上まで来てたんですね」
ジュニア「変な粉はまだ下まで続いてんな……」
- 241 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:57:15.74 ID:2MY7Cbmmo
足取りは重い。体力も魔力も精神力も限界を迎えている一同。
それでもなお、緑と紫に淡くぼんやり光る鱗粉のようなものを辿り、
ひたすら下へ下へと魔王城を下ってゆく。
盗賊「……」ザッ
戦士「……はぁ」
最初は会話も続いたが、次第に声も少なくなり、ただ足音だけが響き渡る。
話をしたくないわけではない。だがどうしても会話がなくなってしまう。
1つは疲労によるものであろうが、もう1つ、というか大半の理由であろう、
この先に待つのは終着点である。魔王ベルゼブブとの戦いにおける終着点。
それは即ち、ある男の死を意味するものである。そう、天才である。
彼にとっては人生の終着点となってしますので。一同もそれは無論、把握している。
だからこそ思い足取りが更に重くなり、どうしても口数を減らしてしまうのだ。
どのくらい歩いたであろうか。毒々しい鱗粉は床の隙間から下へと流れ込んでいた。
召喚士「行き止まり……?」
天才「いや、この下だな」
- 242 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:58:05.49 ID:2MY7Cbmmo
グワッ!! バッゴオオォォォォン!!
戦士「……ってぇ、ぶっ壊すならぶっ壊すって言えよな!」
天才「わりーわりー」
女隊員「……あれ? ここって」
大軍師「魔王城正面側、1階ですね」
魔道士「えっ!?」
盗賊「という事は……」
ジュニア「魔王の本体は地下って事か」
賢者「そのようだね……ふぅ」
――「大したものだね。自力でそこまで辿り着いたのかい?」ザッ
戦士「誰だっ!!」バッ
召喚士「――っ!!」
天才「魔物……だが、敵じゃあねぇな」スッ
召喚士「名士さんっ!!」
名士「ベルゼブブ、倒したみたいだね」
- 243 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:58:58.04 ID:2MY7Cbmmo
ジュニア「いや、まだだ。まだ終わりじゃねぇ」
名士「ほぼ終わったも同然さ」
東方司令「……?」
名士「この下に眠るのは、魔王ベルゼブブの核だ」
格闘家「……」
名士「それは即ち、精神や魂などと呼ばれるものに等しい」
天才「つまり、そいつを消しちまえばベルちゃんは金輪際、復活出来ないって事だな」
名士「通常、核なんてものは地獄に置いてあるはずなんだがね」
召喚士「……地獄?」
名士「核さえあれば時間はかかれど、再び蘇る事は可能なはずなのにね」
天才「トチ狂ったんだろ。欲に溺れてよ」
名士「成程ね。魔王たるものが無様な話だな」
天才「んで話の最中に悪いが、ちょっくら退いてくんねーか?」
名士「いや、そうはいかん。私にはまだすべき事が残っている」
召喚士「……?」
- 244 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 17:59:36.24 ID:2MY7Cbmmo
戦士「おいおい、まさか……戦おうなんて事はねーだろうな?」
名士「まさか」
召喚士「じ、じゃあ……何を……」
名士「地上に晒したと言えど、核ともなれば己の全と言っても過言ではない」
賢者「……」
名士「感じるか分からないが、並大抵の力では、開かないよ」
ジュニア「どういう事だぁ?」
男隊員「まさか、こじ開けるのにも力を使うってのかよ……っ」
名士「そういう事さ」
天才「んで、それをアンタがやってくれるとでも言うのか?」
名士「……ああ。そのつもりだ」
天才「!?」
召喚士「名士……さんが……っ!?」
名士「まだすべき事があると、先程述べたであろう?」
天才「ハーッハッハッハ!! そいつはありがてぇ話だ事」
- 245 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 18:00:25.79 ID:2MY7Cbmmo
ヒュバッ!! チャキッ
天才「……何をたくらんでいやがる」
名士「……剣をおろしたまえ」
天才「答えろ。んな事してもテメーにメリットはねぇはずだ」
召喚士「天才さんっ!! 名士さんは味方なんですよ!?」
天才「……」
名士「確かに、私にとって得する事は何もないね」
天才「だったら何でだ」
名士「……良いから剣をおろしてくれないか」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
天才「……っ!?」
名士「余計な力を使わせるな」
天才「……ちっ」バッ
名士「素直になると、得する事も多々あると思うよ」
天才「……もし下手な真似をしたら、すぐさまぶっ殺す。いいな!」
- 246 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/05/28(月) 18:10:26.79 ID:2MY7Cbmmo
ちょっとここまでにて失礼します。本日もご支援ありがとうございました!
召喚士はすぐ言い間違えしますね全く……ははっ
ははっ……ノシ
- 247 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/28(月) 18:28:14.49 ID:SmbVMrWDO
脇役のせいにしただとッ?
おつんぽ!
- 248 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/05/28(月) 19:09:20.20 ID:BYDSk7M0o
まぁ召喚士ならしかたないか
乙
- 255 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:13:31.80 ID:c0E3QSENo
名士「それじゃ、退がってくれたまえ」
天才「……あ?」
名士「此処にいると被害を被るぞ?」
天才「テメー1人に任せろってのか? ふざけん――」
召喚士「天才さん!!」
天才「……ちっ。分かったよ、うっせーなぁ!!」
大軍師「どの程度、退がれば良いですか?」
名士「そうだね、門外かな」
盗賊「!?」
名士「結構な威力だと思うから」
エリート「従うしか、なさそうだな」
名士「ありがとう」
天才「……しくじるんじゃねぇぞ」ザッ
名士「ああ。任せてくれたまえ」
召喚士「名士さん……っ」
- 256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:14:23.63 ID:c0E3QSENo
ザッザッザッ
魔道士「……大丈夫ですかね、名士さん」
戦士「アイツは前にも助けてくれた。心配はいらねーさ」
魔道士「いえっ、何だか……名士さんが心配で」
盗賊「……?」
魔道士「よく分からないんですけど、すごく堂々としてたというか……」
ジュニア「それだけ自信があるって事なんじゃないのか?」ザッザッ
魔道士「ええ。でもそれが逆に……心配で……」
召喚士「……」
ボス「んっ? あれって……門ですよね?」
男隊員「ヒャハハ! 城外に出ちまったな」
ザッザッザッ……
女剣士「……?」
くの一「あっ!!」
召喚士「外だ……っ。みんなが居る……!!」
- 257 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:14:59.01 ID:c0E3QSENo
女剣士「おいっ! あれを見てみろ!」
槍侶「!?」
名代「召喚士殿らだ! どうやらご無事のようであるぞ!」
大軍師「こちらの戦闘は終わっているようですね」
青年兵「ええ」
青竜士官「無事のようで何より。状況は?」
青年兵「一応、目処はついたよ。まだ終わったわけではないけれどね」
白虎長「どういう事なの?」
天才「これから魔王にトドメを差しに行くんだよ」
左翼長「これから? まだ倒したわけじゃねぇのか?」
騎士長「それじゃさっきの光は……」
天才「メンドクセーなぁ。おい大元帥、説明しとけ」ザッ
青年兵「えっ!? は、はい!」
左翼長「ったく。言ってやれよ、ワーカーの分際で大元帥に指図してんじゃねぇってな」
青年兵「……」
- 258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:15:38.16 ID:c0E3QSENo
テクテクテク
鍛冶娘「あっ、大軍師様!!」
大軍師「……? ああ、荷物ですか。ありがとうございます」
鍛冶娘「いえっ。でももう必要なかったですか……?」
大軍師「……そんな事はありませんよ。助かりました」
鍛冶娘「あの、戦士……他の人達は」
大軍師「あちらにいらっしゃいますよ、ほら」
鍛冶娘「……あれ、誰です?」
大軍師「おや? 先程まではお見かけしませんでしたが。顔見知りのようですね」
鍛冶娘「忙しそうだなぁ……あの、すみませんっ。頼んでしまっても宜しいですか?」ズイッ
大軍師「食糧と応急薬ですか。承知しました、皆に配っておきますよ」
鍛冶娘「ありがとうございます」ペコリ
大軍師「貴方達も本当にご苦労様です。引き続き、作業をお願い致しますね」
鍛冶娘「は、はいっ!!」
大軍師「……あれは、魔物……ですかねぇ」
- 259 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:16:10.58 ID:c0E3QSENo
ザッザッザッ
召喚士「お尋ねしてもよろしいですか?」
従者「私に答えられる事であらば」
召喚士「名士さんはどうして、1人きりでベルゼブブの……」
従者「あの方の意思です。それ以上でも以下でもありません」
魔道士「意思……」
召喚士「名士さんは自分1人でベルゼブブの核がある場所、
つまり地下をこじ開けると言ってました。それは名士さんが……」
従者「私は此処へ残るよう、ただそれだけを司りました」
召喚士「……」
従者「それ以上でも以下でも――」
戦士「何を我慢してるんだよ」
従者「……ッ」
戦士「アンタ、本当は全部分かってんじゃねぇのか?」
従者「……私……っは」
戦士「アイツはよぉ、死ぬつもりなんじゃねぇのかよ!?」
- 260 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:16:40.77 ID:c0E3QSENo
盗賊「……」
戦士「魔道士の直観がそれを感じ取った。たぶんそうなんじゃねぇかってな」
魔道士「……っ」
召喚士「あなたは名士さんの傍で、ずっと名士さんを見てきたんだ」
従者「……」
召喚士「だから分かるはずですよね?」
従者「……下さい」
召喚士「……!?」
従者「どうかっ、あの方を……救って下さい……ッ」
戦士「……やっぱりそうだったかよ……っ」ギリッ
従者「名士様はご自身の命と引き換えに、ベルゼブブを……」
召喚士「行きましょう」
盗賊「ああ。モタモタしていられんな」ザッ
魔道士「これ以上の犠牲は絶対に出したくありません……っ」
召喚士「はいっ!」
- 261 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:17:06.84 ID:c0E3QSENo
タッタッタッタッタッ……ズザッ
召喚士「!?」
男隊員「どこに行くつもりだ」
魔道士「お願いですっ! お城の中へ入らせて下さい!」
男隊員「駄目だ」
戦士「時間がねぇんだよ」
男隊員「お前らがあの魔物を信じて、託したんだろうが!」
盗賊「事情が変わった」
男隊員「今更行ってどうなる! お前らに何が出来るんだ」
戦士「やってみなくちゃ分からん」
男隊員「その程度の余力で出来るとでも、本気で思ってんのか?」
戦士「……っ」
男隊員「分かってんだろ? アイツがどうして1人で担うと言ったのか」
召喚士「……」
男隊員「アイツにゃそれだけの力がある。俺達が束になっても出せねぇ力がな」
- 262 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:17:34.60 ID:c0E3QSENo
格闘家「信じて待ちましょう。死ぬと決まったわけではないのでしょう?」ザッ
男隊員「とにかく、何が起こるか分からん限り、城内への立ち入りは禁止する」
戦士「見殺しにするつもりなのかよ……っ」
天才「テメーで望んだ事だろ」
召喚士「天才さん……」
天才「お前らが信じるっつったから俺様は譲ったんだ」
魔道士「……っ」
天才「お前らが信じてやらにゃ誰が信じるんだよ」
盗賊「……」
召喚士「そうです……よね」
戦士「おい……」
召喚士「俺達も名士さんを信じたからこそ、託しだんだ」
盗賊「奴を助けるような真似は、逆に背信という事か」
戦士「しゃーねぇな。だがもし、時間が経っても何もなければ突入すんぞ」
魔道士「はいっ!」
- 263 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:18:03.00 ID:c0E3QSENo
ガカアアアアァァァァ!! ズッガオオオオォォォォン!!
召喚士「――――!?」
魔道士「きゃあーっ!!」
皇太子「何事だ!?」
エリート「城内からですっ! 爆発が……ぐおっ」
ドドオオオオォォォォ……
戦士「……ぐくっ、ま……さか」
召喚士「名士さん……っ」
シュウウウウゥゥゥゥ……
青年兵「……?」
名士「……」テクテクテク
魔道士「あぁっ!!」
戦士「……っしゃあ! 無事だ!」
名士「ん? 何の騒ぎだい?」
従者「良かった……良か……っ」
- 264 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:18:29.82 ID:c0E3QSENo
天才「んで、成功したんだろうな?」
名士「ああ。これで核の眠る部屋へ通じるはずだよ」
天才「あいよ、ご苦労さん」
名士「君も困難な生を受けたものだね」
天才「困難? 俺様は1度もそんな風に思った事はねーぜ」
名士「そうか。それが君の宿命かい?」
天才「さぁな。でもいいんじゃねぇの? それで」
名士「……」
天才「誰かの為とかじゃねーけどよ、何かやって自分が納得して死ぬんだからよ」
名士「ああ、そうかもしれないな」
天才「ま、死んだら次は地獄で大暴れしてやるさ。ハーッハッハッハ!!」
名士「冗談に聞こえないからやめてくれ」
天才「ありがとよ。じゃあな」ザッ
名士「ああ。君とはまた会えると良いな」ザッ
スタスタスタスタ……
- 265 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:19:00.81 ID:c0E3QSENo
従者「ご無事で……?」
名士「ああ。見ての通り」
従者「……っ」
名士「悲しむ事はない」
従者「…………」
名士「私はこの時代に生きた事を、大変素晴らしく思っている」
従者「私もです……っ」
名士「次代まで生きればまた何か、素晴らしいものを得られるかもしれないが……」
従者「……」
名士「私にとって、あの庭があれば、それで幸せというものだ」
従者「はい……」
名士「ベルゼブブはこれで完全に消滅する。さぁ、帰って木々に水をやらねばな」
従者「……はい……っ」
名士「この地上における残りの余生……最後まで楽しませて貰うよ」
スタスタスタスタ……
- 266 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/05/29(火) 18:19:26.96 ID:c0E3QSENo
女隊員「……少し、明るくなってきたッスか?」
格闘家「日が昇る時間が近づいてますね」
天才「どーれ、さっさとケリをつけようかね」
大軍師「……」
召喚士「天才さんっ!!」タッタッタッタッ
天才「見ろ」
召喚士「!?」
天才「城内からとてつもない瘴気が漂ってやがる」
戦士「……っ」
天才「こりゃ地獄に等しいぜ。行くのは俺様1人だ」
魔道士「天才……さん……」
召喚士「ギリギリの所まではお供します! 護衛も兼ねてっ!」
天才「……好きにしろ」
青年兵「僕らも行きますよ。もちろん」
皇太子「ああ、私もだ」
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