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少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
402 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/23(火) 23:50:14.27 ID:znoTLrJOO
魔女「何はともあれ、おかげで随分明るくなったし、吹雪も弱まったな」
少女「何より驚きなのは、普通に水晶が健在だったことですね……」
侍女「少し火力を落とす魔導式を書き込んだので、また帰りにでも回収致しましょう」

魔女「しかし……これが例の壁か」
少女「壁と言うか垂直に立った大地ですね、これ」


ゴゴゴゴ……


404 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 00:19:08.36 ID:kbBBO15UO
魔女「さぁ、どうやって上まで登る?」
侍女「恐らく生身では不可能でしょうし、
   通常の魔導や召還獣でも時間が掛かり過ぎると思われます。
   飛行中はこの付近の魔物の恰好の餌食です」
魔女「だな。
   もうあんなのは御免だ」

少女「……さっきの氷竜を召還してみましょう」

魔女「おおッ? 出来んのか?」
少女「術師さんの理論に従うなら、人工妖精の召還よりは簡単なはずです」
侍女「確かにあの氷竜なら、安全に上まで辿り着けるでしょう」
少女「準備しますんで、ちょっと待ってください」
侍女「わたくしも魔法陣の書き込みを手伝います」
魔女「なるべく早くな。
   一応結界張っとくけど、気休めにしかならんだろうし」パキッ

妖精「ーっ、ーっ」フリフリ

侍女「自分は応援している、だそうです」
少女「ふふ、ありがとう」ガリガリ、ガリガリガリ


409 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 01:15:57.68 ID:i0ItukCtO
妖精可愛すぎる
ゼル伝のナビィとかチャットとか
あの辺の喋らない感じを想像してるぜ


411 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 01:44:33.29 ID:kbBBO15UO
氷竜「ヴグルルル……」バサッバサッ


少女「お疲れさま」ナデナデ
魔女「まさか丸1日飛び続けるとはな。
   ケツが痛ぇー」
侍女「この氷竜でなければ、途中で力尽きていたでしょうね」

妖精「!」パタパタ

魔女「で、壁の上に着いたわけだが……霧が掛かっててよく見えないな」
少女「少し歩いてみましょう」
侍女「足元にお気をつけくださいませ」スッ
魔女「……オイ、見ろよこれ」
少女「足跡……ですね。わたし達のじゃない」
侍女「そんなに古くないもののようでございます」
魔女「っつーことはよぉ、人が居るってことか?」
少女「人かどうかはわかりませんが……とりあえず『何か』は居るんでしょう」
侍女「予想通り、ここは気温も極端ではありませんし、魔獣の気配もしません。
   何者かが定住していても不思議ではないですね」
魔女「とりあえず足跡に沿って行ってみっか」


412 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 01:52:57.20 ID:kbBBO15UO
少女「風もないし、わたし達の他の音も何も聞こえませんね……」
魔女「こんな所に住むやつはよっぽどの物好きに違ぇねぇーよ」
侍女「これだけ徹底して何もありませんと、
   これはこれでやはり地獄なのかも知れません」
少女「そうですね……」
魔女「全くだ。
   ……それより、さっきりより霧が晴れて来てないか?」
侍女「確かに視界がよくなって来ていると思われます」
少女「足跡はこのまま真っ直ぐ続いてますね」
魔女「そろそろ、なんかありそうだぜ。
   気を抜くなよ」


415 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:01:33.93 ID:kbBBO15UO
少女「……あれは……?」
侍女「建造物……のようですね」
魔女「異常にでかいようだが……城か?」侍女「……何者かの気配がします。
   強力な魔力もあの建造物から感じます」
少女「足跡はやっぱりあのお城に向かってますね」
魔女「こんな何も無いところにあんなもんおっ建てたんだ。
   相当むちゃくちゃな魔導師か何かだろう」

少女「……もしかして、と言うか、
   多分いま全員同じ人を思い浮かべてると思うんですけど……」

魔女「……多分な」
侍女「恐らくは」


417 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:16:13.95 ID:kbBBO15UO
魔女「……全員あの城に近付けてる気がしねぇーな」
侍女「認識系に作用する結界の一種が張られている可能性がございます」
少女「どうしましょう?
   魔導式を逆算して部分的に破りましょうか?」
魔女「そんなまどろっこしいのはいらん。
   そいつに一発派手に撃たせりゃいいんだ」

氷竜「ヴルル」バサッ

少女「そんな乱暴な……」
魔女「魔王だったらそのくらいあっさり何とかするだろ。
   そら撃てッ! 凪ぎ払えッ!」

氷竜「ヴォアアッ!!」ドンッ


……バキィィイイインッ!!


魔女「そーれみろ、やっぱり結界だ。
   これで呼び鈴にはなっただろ」
少女「もし魔王さんじゃなかったらどうするんですか?」
魔女「その時はその時だ。
   ピンポンダッシュってことにすれば問題ねぇーよ」
少女「問題無くはないでしょ、それ……」
侍女「! 今結界が解除されたようです」
魔女「おー、やっとお出ましか?」


421 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:35:57.46 ID:kbBBO15UO
少女「……誰か歩いて来ますよ」
侍女「結界や幻覚の類ではなさそうですね」
魔女「もう一発ぐらい撃っとくかぁ」

氷竜「ヴルルァ」

少女「ダメですってば!」
魔女「オイ忘れたのか? 僕は魔王をぶっ殺しに地獄まではるばる来たんだぜ?
   地獄で死んだらどうなるのかってのを今ここで実験して、
   冥界七不思議を六不思議にしてやんよ」



  「相変わらず物騒なやつだ。
   そんなだから単細胞言われるんだぞ」



少女「――――!」
侍女「この声は……」
魔女「よし決めたッ撃てッ! 今すぐ撃てッ!」

氷竜「ヴォヴルァアァアアァッ!!」ドーンッ

妖精「っ! っ!」パタパタ


424 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:50:07.11 ID:kbBBO15UO
――――この小競り合いの衝撃波で、
冥界では神殿が傾くわ地獄の釜の蓋は開くわの大騒ぎになった。

その時の魔女は、まるで女の子が父親に走り寄って飛びつくような、
とびっきりの笑顔で魔王を殺しに掛かってていたと言う。



これは、相変わらず壊滅的にぶっ飛んだ魔女と、
少し成長した魔法使いの少女の冒険の物語。


425 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:51:18.54 ID:kbBBO15UO
終わり。
まさかの二部完。


430 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:56:33.59 ID:8Z1nNowN0
少女達の冒険はこれからだ!!!!!!!!


       >>1先生の次回作へご期待下さい。


431 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 02:58:23.95 ID:Z9rooMQi0
ぬおおおおおぉおぉぉお終わらないでくれえええぇぇぇぇええええええええ
世界観が好きなんだよおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ



いやマジでお疲れ様です


435 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 03:01:19.40 ID:p19MbHHhP
第三部・始


436 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 03:01:28.69 ID:vew2aidY0
保守しなくても十分持つと思ってROMってたけど、乙です。
再会もできたし一区切り・・・ってとこですかね。このクオリティだと続けるのも難しそうですし。お疲れです。


438 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 03:03:05.88 ID:8Z1nNowN0
そういや勇者と魔女と入れ違いがどうたらこうたらのおなごは


443 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 03:21:28.82 ID:kbBBO15UO
何でこんな無駄にアレな世界観になったのか自分でもわからん。
設定をまき散らしまくるのは楽しいけどね。


寝る、おやすみ。


446 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 03:37:26.20 ID:EXV+ZOG8P
乙!

魔王の姿が色々想像できていいな


449 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 04:22:02.75 ID:MtgmMYOc0

ここまで頭の中で漫画化できた


455 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 07:23:33.38 ID:lJ60qqAK0

第三部に期待


461 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 09:21:20.01 ID:js0FxdWx0
別に第三部が読みたいなんて思ってないんだから!


466 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 12:59:05.46 ID:kbBBO15UO
妖精「♪」パタパタ
侍女「お祭りのようだ、と言っているようです。
   確かに、もし今この付近にいる人間がみな町民なら、
   ここ一帯は人間界最大規模の城下町になりますね」
術師「しかも人間界……で一番多国籍……かつ多文明……の魔導都市」
魔女「どっちかっつーと、今すぐ世界大戦がおっ始まりそうな雰囲気だけどな。
   っつーかなんでてめぇーがここに居んだよ」
術師「屍霊術師……としては地獄と言う場所に興味……がある」
魔女「あーそーかい。じゃあ今度連れてってやんよ」
術師「……わくわく」

少女「あぁ、もう……なんでこんな事に……」ガクッ


468 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:11:03.12 ID:PlAHcsLJO
第三部来たあああ


469 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:13:45.00 ID:svQuJiD/0
第三部…これはいいものだ…


470 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:15:09.17 ID:kbBBO15UO
侍女「! どうやら外で動きがあったようです」
魔女「おおッ、ドンパチか?」
術師「ここで大戦勃発……したらコレが仕掛け人……歴史に残る。汚点として」
魔女「うッせぇー。戦場のど真ん中に投げ込むぞ」
術師「そもそもコレ……があっちこっちで弟子自慢をしたせい……
   どの国も魔王の後継ぎと同盟……を結びたいのが本音」
侍女「勇者派遣協約もすっかり形骸化しつつありますしね」
少女「協約?」

侍女「東西南北の四帝国で結ばれた一つの国際協約でございます。
   魔王討伐による世界平和の維持のため、
   定期的に各帝国から有能な戦士や魔導師を派遣して、
   この任務に当たらせると言うものです」

魔女「まぁ表向きはそうなってるが、実際は魔王退治で人材を『消耗』させて、
   それぞれの帝国が互いの戦力が強くなりすぎないようにするための一種の軍縮協約だな。
   もし討伐に成功したら、それはそれでえれぇーアドバンテージになるから
   どこも文句は言わねぇーけどよー」

術師「派遣されるパーティー……はたまったものじゃあ……ない」
魔女「しかしそう考えると、あの勇者は結構骨のあるやつだったんだなぁ」


471 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:31:12.31 ID:kbBBO15UO
侍女「しかし……魔王様がお亡くなりに……
   と言うより地獄に移住されたので、事情が変わったのでございます」
魔女「人間のてめぇーなら同盟交渉の余地があるって思われたんだろ」
少女「……同盟交渉って、いきなり軍隊を派遣してするようなものなんですか?」
術師「それがコレ……のせい。
   四帝国での『魔王後継者』の評価……これ」ペラッ


【魔王後継者について】

……人間族の少女であるが、魔王の魔力を受け継いでおり、
魔王以上の比類無き才覚を有し、魔導・魔術・人外外法に通じ、
一国を易々と滅ぼす地獄の氷竜を従え、
しかもその氷竜を一瞬で葬り去るほどの力を有する……


少女「頭が痛くなって来ました……」
術師「……誉めすぎ」
魔女「その方が師匠の僕に箔が付くだろうが」
侍女「だから使節団ではなく、軍隊を派遣して来たのですね」
魔女「しかも四帝国が同じタイミングで来たもんだから、
   睨み合いになってるわけだ」
術師「それで小競り合い……が起きてる……」

少女「はぁ……とりあえず、様子を見て来ますよ」
侍女「お供致します」
魔女「ちゃんと全面衝突の総力戦に持ってけよな」


472 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:42:04.18 ID:kbBBO15UO
侍女「どこから交渉に行かれますか?」
少女「まずはあの小競り合いを止めます。
   まったくもう……」パリッ、バチチッ


バキィィイイインッ!


氷竜「フュウゥウヴ……」ズゥウウゥン


ウ……ウワァアアアアアア


侍女「両国の兵士が散り散りに逃げて行きましたね。
   争っていたのは西の帝国と北の帝国のようです」
少女「これでよし。
   別にどこからでもいいんだけど、西の帝国から行ってみようかな……」


473 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 13:50:12.62 ID:kbBBO15UO
出掛ける。
まさか残ってるとは思わなかった。


474 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 13:50:48.09 ID:IbNevAmmO
すっかり存在を忘れられたママ


475 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 14:02:41.64 ID:PlAHcsLJO
>>473
完結するまで許さない

>>474
ちょいちょい顔を見に帰ってはいそう


476 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 14:15:01.89 ID:pC1rGTyU0
おい術師を能登で再生すると幸せだぞ


477 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 14:15:27.11 ID:6jY4Apgn0
そういやお母さん、生き返ったら娘がこんなことになってて、いまどうしてるんだろ


478 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 14:35:46.70 ID:d9t0UR3QO
魔王さん帰ってこんの?


488 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 17:33:39.92 ID:qFLKGSnl0
勇者とはなんだったのか


489 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 17:42:31.61 ID:q0DXDN4nO
もっと言えば事の発端の三流賢者


490 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 17:44:43.34 ID:HwL1WZRh0
>>488
普通に勇者だと思うよ。
どっかの国の騎士とかそんな感じじゃない?

今は魔王の城のオブジェになってそうだけど


491 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 17:48:39.73 ID:VfkWpmCRO
術師は某戦場カメラマンにしか見えねえ


492 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/24(水) 18:04:28.69 ID:8Z1nNowN0
あれ、少女の母親って


501 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 21:35:14.88 ID:kbBBO15UO
泊まりになってしまった。
申し訳ないがしばらく投下できない。


549 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/25(木) 15:30:45.23 ID:X1K5Xygo0



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