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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
1 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/08/01(月) 10:17:38.60 ID:7AKpV1hso
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。


                           ――かもしれない……。

〜前回までのあらすじ〜

世界でも有数の使い手となった召喚士、王の落胤でもあり
心優しき気丈な魔道士。本国最強の槍使いの父を持つ、
抜群なセンスと強さを兼ねた戦士。東方の忍でもあり
寡黙ながら心技体と美貌に優れた盗賊。4人はいよいよ
最終決戦の中で、新たな魔王と対峙する事となるのであった。

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
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◆前スレ(その30)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/


9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:41:48.11 ID:7AKpV1hso
シュウウゥゥゥゥ…

アバドン「――――ッ」

ガボンッ!!…ドボドボォ

崩れ落ちるアバドン。そしてもがれた両腕に握られたままの鎌。

それらと同時に青年兵が沼へと落下していく。

青年兵「……」

召喚士「青年兵くんっ! バハムートを建て直して!」

コカトリス「駄目だ、あやつ……気を失っている」

召喚士「……っ!!」

天才「朱雀!! 沼を固めろぉ!!」

召喚士「そ、そうかっ!」

コカトリス「急ぞ!」

召喚士「頼む!」

バシュウウゥゥゥゥ

コカトリス「オオォォォォ!!」


10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:42:51.09 ID:7AKpV1hso
ドドオオォォォォン!!…ゴゴオオォォォォ…

コカトリス「……おい、あやつを退かせろ!」

召喚士「戦士!?」

バシャバシャバシャッ…タッタッタ

戦士「間に合うわけねぇだろ!」

大軍師「戦士殿、沼から出なさい! 危険です!」

戦士「じゃあ誰が、落ちてくるアイツを助けるってんだよ!」

沼の中を疾走する戦士の目に、落下する青年兵が飛び込む。

天才「あんの……バカヤロウ!」

盗賊「戦士っ!!」

戦士「う……おおぉぉぉぉ!!」

ガシィ!!…バッシャアアァァ!!

青年兵「…………」

戦士「……生き……てるな。おい、しっかりしろ!」

青年兵「……」


11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:45:06.27 ID:7AKpV1hso
ズズッ…ズブブブブッ

戦士「目を覚ませ青年兵! おい!しっかり――」

ズブブッ…ズズズッ

戦士「……な、何だ……っ!?」

大軍師「やはり底なし沼か……っ。早く出るのです!」

戦士「……ちっ……んなろぉ!!」

ガシッ…ググググッ

召喚士「コカトリス! 戦士の周りを石化するんだ!」

コカトリス「土台を作るのだな。よし……!」

ゴゴオオォォォォ

召喚士「戦士! 早く足場に乗るんだ!」

戦士「……動……けねぇ!」

盗賊「……くっ」

ジャララッ…ビュオッ!!

盗賊「掴まれ!!」


12 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:46:21.53 ID:7AKpV1hso
戦士「……む……ぬぅ……っ」

ズブブブ…ズブゥ

盗賊「……う……くぅ!」

大軍師「駄目だっ、鎖を引きなさい! 貴女まで飲み込まれますよ!?」

盗賊「……い……やだっ!」

大軍師「しかしこれでは――」

スタッ…バシャア

大軍師「……司令……?」

天才「心配すんな! 2人は俺様が必ず連れて帰る!」

魔道士「……っ」

天才「いいかよく聞け! この沼をすぐに石化で蓋をしろぉ!」

召喚士「!?」

天才「あの程度でアバドンがくたばるとは思えねぇ! また復活するはずだ!」

魔道士「で、でも……蓋なんてしてしまったら……」

天才「アバドンを地上へ出さない為だ! 分かってんだろ!」


13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:47:55.48 ID:7AKpV1hso
召喚士「……」

天才「だから心配すんなっての。必ず3人で……帰るからよ!」

召喚士「……っ」

ズブブッ…ズズズズ…

天才「頼……むぞ――」

盗賊「く……っ」

大軍師「……朱雀先生」

召喚士「……分かって……います」

コカトリス「良いのだな?」

召喚士「天才さんが言ったんだ。必ず3人で戻るって……」

コカトリス「……」

召喚士「天才さんが言って、駄目だった事なんてない」

コカトリス「分かった。ならば塞ごう、どんなに費やしてもな」

召喚士「……うん」

淀んだ冷たい吐息は、少しずつアバドンと沼を石と化し始めた。


14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:48:38.14 ID:7AKpV1hso


ゴボボッ

戦士(……くそっ、何も見えねぇ……っ)

ズズッ…ズブブブブッ

戦士(一体何がどうなってやがんだ……!?)

沼の中でもがき苦しむ戦士は、足元に違和感を覚える。

戦士(何だ……っ!? すっげぇ冷て――」

ズルゥ!!…ズゴゴゴゴッ!!

戦士(吸い込まれ……青年兵っ!!)

脇に抱えた青年兵を必死で抱き締め、戦士は沼の底へと飲み込まれた。

ズルゥ……バシャアアァァ!!

戦士「がはっ! ごほごほ……っ、ごほ……っ!」

ビチャビチャ…ヨロッ

戦士「……地……面? 何が何だか……」

顔にまとわりつく泥を拭い取り、戦士はゆっくりと瞼を開く。


15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:51:08.40 ID:7AKpV1hso
オオォォォォ…

戦士「…………」

絶句。声を出さなかったわけではなく、単純に声が出なかった。

バシャッ…ビチャッ…ビチャッ

2、3歩足を進めたところで、戦士は手ぶらな事に気が付く。

戦士「――っ!!」

クルッ…バシャッ!!

戦士「……お、おいっ!」

すぐ背後でうつ伏せに倒れる青年兵。戦士はすぐに駆け寄り、

青年兵を抱きかかえて大声で叫ぶ。

戦士「青年兵っ、起きろぉ!!」

青年兵「…………ぅ」

戦士「!?」

青年兵「……く……うぅ」

戦士「しっかりしろ! 大丈夫か!?」


16 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:53:46.19 ID:7AKpV1hso
ヨロッ

青年兵「戦士……さん……?」

戦士「……良かった、大丈夫か?」

青年兵「……はっ!」

ガバッ

青年兵「……こ……こは!?」

戦士「分からねぇ。ただ、沼の中に飲み込まれたのは確かだ」

青年兵「……沼」

戦士「あぁ!! 戟が……っ!!」

バシャバシャッ…ズブッ

ゆらゆらとどす黒い液体の上を漂う戟。沼という割には粘度は低く、

泥水のような雰囲気であり、浜辺のように波が寄せては引いている。

戦士「……なん……なんだよ……っ」

戟を拾う戦士の視界に広がっているのは、沼などとはとても言い難い、

言うなれば泥の海のような巨大な水面が広がっていた。


17 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:55:57.04 ID:7AKpV1hso
バシャ…バシャ…バシャ

青年兵「明らかに……先程とは違う所ですね」

戦士「……あ、あぁ」

青年兵「やたら寒いな……っ。まるで冬のようだ……」

戦士「……」

幻術かとも考えた戦士だが、青年兵と共にいる事や感覚が現実味帯びている事、

それらを踏まえた上で、どこか別の場所へ移動させられた、と判断した。

戦士「ともかく陸地に上がろうぜ」

青年兵「ですね」

バシャバシャバシャ…

戦士「どう見る?」

青年兵「あの沼を介して、別の場所へ来てしまったように思えます」

戦士「……だよな」

針のように刺々しい山から流れ落ちる泥水の滝は、川を為し海を形成している。

空は薄暗く、ありとあらゆる場所に光を感じない、モノトーンのような世界。

異形の光景に2人はただ足を止め、困惑するばかりであった。


18 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:57:39.18 ID:7AKpV1hso


ゴオオォォォォ…

魔道士「……」

大軍師「心配……ですか? いや、それは勿論の事ですよね」

魔道士「本当に、大丈夫ですよねっ!?」

召喚士「いまのところは大丈夫でしょう」

大軍師「ええ。あれが存在する限りは……心配ないでしょうね」

沼を挟んで佇む巨大な召喚獣バハムート。

巨龍は微動だにせず沼を見つめ、主の帰りを待つかのようである。

召喚士「バハムートが存在する限り、少なくとも青年兵くんは無事のはずだ」

大軍師「司令や戦士殿も一緒です。心配はいりませんよ」

盗賊「……ああ」

大軍師「兎に角、我らの最優先事項は、沼の封鎖、及びアバドンの――」

ミシミシミシッ…メキッ

盗賊「……な、何の音だ……!?」


19 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 17:58:38.01 ID:7AKpV1hso
コカトリス「まずいな。中からこじ開けようとしている……」

召喚士「地上に出ている部分だけでも固めるんだ!」

コカトリス「魔力全開でいくぞ!」

召喚士「うん!」

ガゴオオォォォォ!!

魔道士「お、おぉ!? いい感じに押してますよっ!」

召喚士「このまま……何とか……」

大軍師「押し込めそうですね。やれやれ」

ピクッ

盗賊「何か来る……っ! 魔道士、防御壁――」

その刹那、激しい閃光が北よりコカトリスを襲う。

バシュウウゥゥゥゥ!!

召喚士「――っ!?」

大軍師「しまった! 間に……合うかっ!?」

魔道士「やあぁ!!」


20 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:00:58.68 ID:7AKpV1hso
ドドオオォォォォン!!…ゴアオオォォォォ!!

魔道士と大軍師による風と土の魔法が防御壁を成す。

しかし、威力は凄まじく、閃光は隙間よりコカトリスへと直撃した。

ズッガアアァァァァ!!

召喚士「ぐ……うぅ……っ!!」

コカトリス「押……し……返せ!」

召喚士「うおおぉぉぉぉーっ!!」

コカトリスによる石化の息が軌道を変えると、閃光と激しくぶつかり合い、

2つのパワーが空中で燻るように激しく押し合っている。

召喚士「……く……ぐくぅ!!」

バチバチバチッ…グググッ

コカトリス「いけるぞ! もうひとふん張り……」

スタッ

コート男「残念だったな、若き召喚士よ」

召喚士「――っ!?」


21 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:20:16.60 ID:7AKpV1hso
召喚士の背後に現れた白いコートの男。

コート男「……ぬん!」

バキャアアァァ!!…ズザザアァ

魔道士「召喚士さんっ!?」

召喚士「……ぐく……っ」

コート男「ほぉ、我が蹴りを素手でいなし、直撃を避けたか……」

ザッザッザ

コート男「だが、集中力を欠き、ダメージを負ったお陰で……切れたな」

魔道士「コ、コカトリスが……っ!!」

シュウウゥゥゥゥ

大軍師「朱雀先生の援護を!」

コート男「甘い!」

バキィ!!

召喚士「ぐう……っ」

コート男「貴様等はそこで傍観していろ。不用意に近づけば……即座に消す」


22 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:30:06.81 ID:7AKpV1hso
盗賊「く……っ」

大軍師「指示に従いましょう。何か、手はあるはずです」

コート男「フハハハ!」

ザッザッザ

召喚士「……貴……様ぁ」

コート男「全く、アバドンと言うからどれ程の魔物かと思えば……この程度か」

召喚士「……何が……目的なんだっ、お前は!」

コート男「……」

召喚士「こんな事をして、何になる!」

コート男「お前のような奴が知るところではない」

召喚士「……!!」

コート男「大体、知ったところでどうする? 止められるか? あ? 殺せるか?」

召喚士「……っ」

コート男「世界は新しい時代を迎えようとしているのだ。邪魔はさせん」

召喚士「何……っ!?」


23 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:38:33.97 ID:7AKpV1hso
大軍師「貴方は、魔物を使って何をしようと言うのですか?」

コート男「世界を変える。それだけよ」

大軍師「どういう……意味です?」

コート男「知る必要はない」

召喚士「人を殺してまで、するべき事なのかっ!」

コート男「ならばお前は何故、魔物を殺す?」

召喚士「それは……」

コート男「魔物ならば良くて、人間ならば駄目だとでも言うのか?」

召喚士「違うっ! 魔物にも人間にも……善悪はあるんだ!」

コート男「善悪……ねぇ」

召喚士「……」

コート男「そんな基準は誰が決めるのだ? お前か? お前が独断で決めるのか?」

召喚士「そ……れは……」

コート男「何が善で何が悪なのか、そんなものは個人の観点! 力こそが正義だ!」

召喚士「……っ」


24 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:42:11.82 ID:7AKpV1hso
大軍師「朱雀先生、問答する必要はありませんよ」

コート男「問答ではない、それが心理だろう?」

大軍師「そうかもしれませんね」

コート男「ほぉ」

大軍師「ならば貴方の正義を、我らが討ちます」

コート男「フハハ! 笑わせる!」

大軍師「貴方の正義で……世界は救われない」

コート男「救いとは何か!!」

大軍師「救いとは、望む者に与える者が居る……平等なる世です!」

コート男「それはお前の観点だろう!」

大軍師「いいえ、私が背負った……世界の希望です!」

コート男「……」

大軍師「貴方は誰の希望を背負っているのです? 孤独な正義ではありませんか」

コート男「だ……まれ、黙れええぇぇ!!」

大軍師「個人の観点を持ち出すは正義に非ず! 語るに落ちたり!」


25 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/08/01(月) 18:44:38.10 ID:7AKpV1hso
中途半端ですが、これにて失礼致します!
新スレでもご支援感謝!ヨロシクです!

31スレとか…もう長すぎて読む気もしないかもですが、
とりあえず完結までは頑張りますのでご容赦を…!
それでは、失礼致します!ノシ

>>3-8
早速ありがとうありがとーございます!感謝!


28 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/08/01(月) 19:05:17.12 ID:vjXQGt/AO
>>1乙

完 全 論 破


29 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/01(月) 19:06:05.09 ID:8iIlxcNBo
>>1乙
大軍師論破しちゃったな


35 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 07:29:54.32 ID:25xRvWKIO
31スレとか…もう壮大で胸熱かもですが、
とりあえず完結までは頑張らないと容赦いたしません!
それでは、失礼致します!ノシ


36 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 09:37:03.12 ID:1sJ7DO9DO
携帯から>>1が書き込んだのかと思った


37 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 14:33:03.75 ID:xefqpZIDO
>>1乙!!
そういや前回のあらすじ変わった?今気付いたけど



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