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少女「ねえ、またいつか」
- 1 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2011/06/13(月) 03:13:46.86 ID:Jute2hcu0
小学校の裏にある、小さな草原原っぱ。
僕はこの場所で一人遊ぶのが好きだった。
学校が終わってから、日が落ちるまで僕は一人きりで……。
女「……あれ?」
でもある日、そんな一人だけの場所に同じクラスの女がやって来たんだ。
代行ID:tSQVz1JC0
- 3 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:15:36.91 ID:tSQVz1JC0
>>1
代行ありがとうございます
- 5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:19:43.15 ID:tSQVz1JC0
女「えっと……こんにちは」
僕「……こんにちは」
女「なにしてるの?」
僕「……」
女「お家帰らないの?」
僕「まだ、遊んでるから」
女「遊んでいる? もしかして一人で?」
僕「ん……」
女「そっか。楽しい?」
僕「……あんまり」
- 7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:24:17.68 ID:tSQVz1JC0
女「そうだよねー。一人はちょっと退屈だよね」
僕「……そう言う女ちゃんだって。一人じゃんか」
女「私はいいんだよ、一人でお家に帰るとこだったんだから。君がここに入ってくのが見えたから……つい」
僕「……」
女「でも、やっぱり一人は寂しいよね。私も転校してきたばかりの時は学校とか嫌だったもん」
- 8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:30:49.82 ID:tSQVz1JC0
女「君は友達がいないから一人なの?」
僕「友達は、いるよ」
女「でもみんな校庭で遊んでたり、他の友達の家に集まったりしてるよ?」
女「一緒に遊ばないの?」
僕「……放課後は一人でいたいだけだよ」
女「どうして? みんなで遊んだ方がきっと楽しいよ?」
- 11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:35:02.10 ID:tSQVz1JC0
僕「僕はこの時間にここにいるのが好きなんだよ」
女「夕焼けの原っぱ……ね」
女「……」
女「確かに気持ちいいね。好きっていうのもわかるよ」
僕「うん」
僕「ところでさ、君は誰かと遊びにいかないの? 一人でただ家に帰るだけはつまらなくない?」
女「私は……いいよ」
女「一緒に遊びにいってもつまらないから」
僕「え?」
女「私と遊んでも面白くないんだよ、みんな」
- 12 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:38:59.58 ID:tSQVz1JC0
僕「どうしてそんな事がわかるの?」
女「んー……なんとなく。別に悪口とか言われてるわけじゃないんだけどね」
僕「それだったら……」
女「でも、ダメ。一緒に遊んでても私自身がつまらなそうな顔しちゃうんだもの」
女「帰りたそうな顔してる、ってよく言われるの」
僕「ふーん」
女「どう? そんな顔してるでしょ」
- 13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:44:44.82 ID:tSQVz1JC0
女「どう?」
僕「してないよ」
女「本当?」
僕「だって君、すごく穏やかな顔してるもん。つまらないって感じしないよー」
女「あはは、じゃあここにいる時は帰りたくないって顔してるんだよ、きっと」
僕「えっ?」
僕「そんな単純な事なの?」
女「……それとも。場所じゃなくって人、なのかな」
女「君とは、転校して来てからほとんど話した事も無いのにね」
- 15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:49:02.82 ID:tSQVz1JC0
女「だから、余計な気を遣ってないのかな?」
僕「普通は逆じゃないかな」
女「あはは。第一印象そのままって感じで会話してるからね。ちょっと仲が知れてるよりは素直な反応してるんだと思うよ」
女「少なくとも私は、ね」
僕「……そんなもんかな」
女「ふふっ、そんなもんだよ」
- 17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:54:04.62 ID:tSQVz1JC0
女「でも、そろそろ帰らないと」
僕「もう?」
女「ほら、夕焼け。もうすぐ沈んじゃから」
僕「あ……本当だ。話してたらあっという間だね」
女「ね。学校の授業もこれくらい早く終わってくれればいいのに」
僕「そうだね」
女「ふふっ」
僕「……」
僕「ねえ」
女「んっ? なに?」
僕「また明日もここへ来る?」
- 18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 03:58:00.85 ID:JL9nez9z0
死にたくなってきた
- 19 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:01:09.49 ID:tSQVz1JC0
女「ふふっ、君はどうするの?」
僕「……元々は僕が先にここに来てたんだもの。明日も来るよ」
女「そっか。じゃあ」
女「私も明日来ようかな」
僕「く、来るんだ……?」
女「嫌?」
僕「う、ううん。嫌じゃない」
女「くすっ。その顔見たらわかっちゃうよ。すごく楽しそうにしてるその顔……」
僕「そんな顔してる?」
女「なんとなくわかるんだ。多分それは……お友達と遊ぶ約束をしたから」
女「だから、ね」
- 20 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:06:14.56 ID:tSQVz1JC0
僕「約束……」
女「ふふっ、じゃあまた明日学校でね。ばいばい」
僕「ん……ばいばい」
……。
僕「行っちゃった」
僕「僕も一緒に歩いてけばよかったかな」
僕「……たしか家が同じ方向だったから、もしかしたら並んで」
僕「……なんてね」
- 21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:12:42.63 ID:tSQVz1JC0
僕「夕日が沈む……僕も帰ろう」
僕「明日またここで、ね」
女「ね」
僕「うわあっ!」
女「わっ……びっくりした」
女「いきなり叫んでどうしたの?」
僕「か、帰って誰もいないと思ってたから……」
女「あはは、ごめんごめん」
女「ちょっと途中で戻って来ちゃったよ」
僕「……なにか言い忘れた事でも?」
女「ううん」
- 22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:17:47.24 ID:tSQVz1JC0
女「君の背中が寂しそうにしてこっち見てたから」
女「戻ってきちゃった」
僕「……背中?」
僕「た、多分夕焼けが見えたせいだよ。だから……」
女「あはは、強がり言わないの」
女「そう言えばお家近いなーって思ってさ。よかったら一緒に」
女「一緒に帰らない?」
僕「……」
女「だめ?」
僕「……いいの?」
- 23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:19:06.13 ID:8HWGO3Xx0
おいやめろ
- 24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 04:22:56.26 ID:tSQVz1JC0
……
僕「じゃあ、家こっちだから」
女「また明日学校でねー」
女「あ、あと」
僕「ん?」
女「放課後、いつもの場所でね」
僕「もう、いつもの呼ばわりするんだ?」
女「あはは、気にしない気にしない。じゃあまたねー」
僕「ん……ばいばい」
僕「……」
僕「明日は何話そうかな」
女「……」
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