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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38
- 22 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2012/03/23(金) 18:13:17.15 ID:2FRVhCnpo
〜六道門・修羅〜
ドグンッ!!
天才「……っ」ググッ
落ちてくる天井が天才の全身を押し潰すように、重く圧し掛かる。
ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! いい加減ッ、諦めたらッ!?」
天才「諦めたらなぁ……そこでぇ、終わりなんだよ……っ!!」ググッ
ウォッチマン「キャキャッ! だけどォ〜もう打つ手なしジャーン!」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
ウォッチマン「……? 気でも狂った?」
天才「手なんざ打たなくてもなぁ、何とかなるんだよ」
ウォッチマン「ハァ〜?」
天才「俺様がいちいち手を打つまでもねぇって言ってんだよ、バーカ!」
ウォッチマン「――ッ」
ギュオッ!!
ウォッチマン「生意気だよッ、キミはぁ!!」
- 23 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:14:04.44 ID:2FRVhCnpo
バキィ!! ドゴッ!! ドカァ!!
ウォッチマン「動けないくせにッ! 強がってんじゃあないヨッ! エェッ!」
天才「……ちっとも……効かねぇぞコラ」ギロッ
ウォッチマン「……ッ。な、生意気――」
ガッシャアアアアァァァァン!!
ウォッチマン「…………え?」
スタッ!! ゴロゴロゴロッ……ズザッ!!
天才「遅せぇんだよ……バーカ」
格闘家「すみません」
ボス「ここは……元の場所かっ!」
女隊員「やっと帰って来れたッス!」
男隊員「いいから司令を助けろっ! 天井を支えろぉ!」ググッ
天才「……んで、デッカイ土産……持って帰って来たじゃねぇか」
男隊員「……ん、まぁ」
天才「……やれんだろうな? あ?」
- 24 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:14:45.50 ID:2FRVhCnpo
ガッシイイィィィィ!!
隊長「ここは……俺が引き受ける!」
天才「上等ぉ!!」ザッ
ウォッチマン「ババッ、バカなああぁぁぁぁッ!?」
隊長「お前らも行け!!」
男隊員「!?」
隊長「ここは俺が1人で引き受ける」
女隊員「無茶ッスよ!」
隊長「そうでなくばこの門は突破出来んっ! いいから行けぇ!」グググッ
天才「そいつの言う通りだ」
格闘家「……」
天才「こいつは言わば砂時計。生きてる人間にゃ時間を課せられるが……」
ボス「……」
天才「死んだ人間には無意味って事だ」
隊長「そうだ。それにこの門は入ると出る、同一人物しか成し得ない」
- 25 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:16:06.92 ID:2FRVhCnpo
ボス「ど、どういう……」
隊長「門外より入り込んだ俺には、ここから出る術はないと言う事だ」
女隊員「――っ!?」
隊長「ましてや無理矢理コイツの結界をブチ破って現実世界に戻ってきたんだ」
男隊員「ふ……ざけんなよっ! だったらアンタは最初から助からないと分かってて――」
隊長「言っただろ。俺はもう死んでいる。終わった人間なんだよ」
天才「だからテメーはわざわざ、根暗ヤローから人形を借りたって事か」
ウォッチマン「ウルサイウルサイッ! まとめてさっさと死ねヨッ! 死ね――」
ガシッ!!
ウォッチマン「――ッ!!」
天才「黙ってろよクズが。もうちょいしたら軽くブチ殺してやるからよ」グイッ
隊長「分かったのなら……早く行け。チンタラしているとお前らまで下敷きになるぞ」グググッ
男隊員「……っ」
女隊員「隊長ぉ……」
隊長「早く……行けと言っている。俺からの……頼みだ」
- 26 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/03/23(金) 18:23:00.73 ID:2FRVhCnpo
それではキリよくここまでにて失礼致します!
また後で来れたら来ますね!週末もノンビリですがよろしくです!ノシ
- 28 名前:NIPPERがお送りします(愛媛県) [sage] 投稿日:2012/03/23(金) 18:57:53.24 ID:qF2O6A/oo
ちょつ
・・・なんか一瞬、ベルゼブブの姿があったような気がするけど
たぶん気のせいだろう、うん
- 29 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/23(金) 18:59:35.23 ID:aNE9n7jDO
魔道士ちゃんが自画自賛してた気がしたが、そんなことはなかったぜ!
- 33 名前:NIPPERがお送りします(千葉県) [sage] 投稿日:2012/03/23(金) 21:12:48.87 ID:YVeXYnW0o
おつ
魔剣士の顔色が変わらないのはアンデッドだからでは・・・
- 34 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/23(金) 23:20:03.27 ID:zgUHAdLIO
天才がその台詞を言うと初登場の頃を思い出して胸熱。
- 44 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/24(土) 23:54:53.50 ID:2D2LyeT1o
女隊員「そしたら隊長はっ、どうなるんスかぁ……」
隊長「……」
女隊員「隊長ぉ! 答えて下さいッスよぉ!」
隊長「……俺は」
女隊員「……?」
隊長「俺は、お前らに出会えて、本当に良かったと思ってる」
女隊員「――っ!!」
隊長「こんな俺を……ずっと慕って……」
男隊員「やめろ!!」
隊長「……」
男隊員「もうそれ以上喋らないでくれよ……なぁ」
隊長「男隊員……」ググッ
男隊員「それ以上……アンタの言葉を聞いてると……っ」
隊長「……」
男隊員「聞いてるとっ、別れが……辛くなんだろうがっ」
- 45 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/24(土) 23:55:31.22 ID:2D2LyeT1o
女隊員「何でそんな事、言うんすか!!」
男隊員「……」
女隊員「隊長の事っ、諦めるんスか!? あんたがいっつも言ってるじゃないッスか!」
隊長「……」
女隊員「隊長は生きてるって! 隊長は……必ず帰ってくるって!」
男隊員「……隊長は……死んだんだよ」
女隊員「……っ」
男隊員「会ってみて分かったよ。隊長は……もう、いないんだ」
格闘家「……っ」
女隊員「そんな……だって、現実に隊長は……」
男隊員「……『アレ』はもう、隊長なんかじゃねぇよ」
女隊員「本気で言ってんス――」ガシッ!!
格闘家「……行きましょう」
女隊員「……っ?」
格闘家「辛いでしょうが、最後は2人きりに」
- 46 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/24(土) 23:56:13.70 ID:2D2LyeT1o
女隊員「何言って――」
格闘家「1番辛いのは、あの人なんだと思います」
男隊員「……」
格闘家「最後の刻くらい、2人きりで別れをさせてあげましょう」
女隊員「……隊長おおぉぉ!!」
隊長「女隊員!」
女隊員「なんスかああぁぁ!!」
隊長「……早く、いい男でも捕まえろよっ!」
女隊員「――――っ!!」
隊長「じゃあな」
女隊員「余計な……お世話ッスよぉ!! 隊長ぉ!!」
格闘家「……行きましょう」
ボス「……っ」
ザッザッザッ……
隊長「……さて」
- 47 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/24(土) 23:56:46.25 ID:2D2LyeT1o
男隊員「……」
隊長「色々とありがとな」
男隊員「……なぁ、隊長」
隊長「ん?」
男隊員「俺は、あんたになれるかな?」
隊長「……無理だな」
男隊員「……だよなぁ」
隊長「お前はお前だ。俺なんかにはなれない」
男隊員「……」
隊長「お前は俺なんかより、もっと格好いいぜ」
男隊員「……っ」グッ
隊長「新しい時代にゃ俺みたいな男より、お前みたいな男の方が必要さ」ググッ
男隊員「んな事……っ」
隊長「俺は手を汚しすぎた。そういう連中は新世界には不要なのさ」
天才「……ああ、そうだな」
- 48 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/24(土) 23:57:20.74 ID:2D2LyeT1o
男隊員「そんなん、あんたらが決める事じゃねーだろ!」
隊長「決める事だよ。自分の引き際くらい自分で決める。それが男だ」
男隊員「……バカ……言ってんじゃねぇよ」
隊長「さぁ、もう終いだ。これで……全任務……完了だ」
男隊員「……隊長ぉ!!」
隊長「本当にありがとな。俺はお前を……弟のように……」
男隊員「俺だってっ、アンタの事を兄のようにっ!!」
隊長は何も言わず、ただにっこりと微笑んだ。
男隊員「ありがとうござい――――」
ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
男隊員「――――っ!!」
砂時計の砂が全て落ち、止まった時間は動き出し、動いていた時間は止まった。
男隊員「……隊長っ、あんた……カッコよすぎるんだよ……くそぉ!!」
長きに渡り、国軍の為、人々の為に戦い続けた特殊遊撃強襲隊隊長。
今ここに、全ての任務を全うし、その生涯を終えた――。
- 49 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/25(日) 00:16:27.18 ID:PpygWM3Eo
……――
隊長『…………』
――『……ありがとうよ』
隊長『そうか。あんたは俺の……ご先祖様だったんだなぁ』
――『いい弟分じゃあないかい。優しくて強い』
隊長『ああ。自慢の弟さ』
――『最後の刻だって、自分が1番辛いのに、無理してあんな事を言っちゃってさぁ』
隊長『ありがたい事だ』
――『あんたもさ、ほーんと……頑張ったよ。ありがとうさんだねぇ』
隊長『俺は俺の任務を全うしただけさ。ま、心残りがないわけじゃないけどな』
――『あんたみたいな末裔が居て、あたしもちょっと救われたよ』
隊長『そりゃ、何よりだ』
――『……さぁて、そろそろ逝こうかねぇ。美味いサンドイッチでも振舞うとするよぉ』
隊長『ははっ。そいつは楽しみだな』
――……
- 50 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/25(日) 00:17:02.20 ID:PpygWM3Eo
カランッ……カシャッ
女隊員「うっ、うぐ……うぅ……っ!!」
格闘家「……強い人でした」
天才「ああ。俺様が知る人間の中でも、最も信頼出来る腕の1人だったよ」
男隊員「……」
天才「さーて。感傷に浸ってるとこ悪いが、コイツを始末せにゃならん」グイッ
ウォッチマン「ヒッ!」
天才「ジタバタすんな。すぐ楽にしてやるからよ!」ゴゴゴゴ……
ウォッチマン「ナメッ、ナメるなヨォーッ!!」グアッ!!
ボス「逃がすかっ! ヨルムンガン――」
ガシィ!! グググッ!!
天才「慌てんなよ。そう簡単に離すかってんだ」
ボス「……っ」
天才「なーんか知らんが、今の俺様は妙に力が漲っててなぁ!!」ググッ
ウォッチマン「ゲッ、ゲブゥ!!」
- 51 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/25(日) 00:17:53.18 ID:PpygWM3Eo
天才「あわよくばこのまま、ブチヒネリ殺しちまいそうな勢いだ」グググッ
男隊員「待ってくれ」
天才「……」
男隊員「そいつは……俺達にやらせてくれ」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
女隊員「えっ、えぐ……っ!」
天才「元からそのつもりだバカヤロウ。さっさと片付けてやれ」
男隊員「……了解……っ」
ザッザッザッ……カシャッ
格闘家「それ……は……」
男隊員「……ったく、刃はボロボロ、ノコギリみてーなイビツな剣」
女隊員「……う……っぐ」ヨロッ
男隊員「この無骨な剣……まるで、本人みてーじゃねぇかよ」チャキッ
ウォッチマン「クッ、来るな来るな来るなクルナーッ!!」
男隊員「おい、まずはテメーのキッツイ1発……ブチこんでやれっ」
- 53 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/25(日) 00:19:01.32 ID:PpygWM3Eo
女隊員「……了解ッス」
ズイッ ドズンッ!!
女隊員「覚悟……するッスよ」
ウォッチマン「お、おのれッ!! こうなったらァーッ!!」
女隊員「この一撃は……今今での何よりもっ、重い一撃ッスよおおぉぉぉぉ!!」
グアッ!! ズッドオオオオォォォォン!!
ウォッチマン「――――ッ」ゴシャッ!!
メキメキメキィ!! ググシャアアァァァァ!!
ウォッチマン「ギイアアァァァァーッ!! イッ、痛アアァァ――」
男隊員「一人前に痛がってんじゃねぇ。さっさとぉ……」
ヒュオッ!!
男隊員「死ねええぇぇぇぇーっ!!」
ズガッシュウウウウゥゥゥゥ!!
ウォッチマン「――――ッ」
男隊員「隊長への手向けだ。あの世でせいぜい詫びるがいい」スチャッ
- 54 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/25(日) 00:38:10.61 ID:fp7ujfS/o
隊長かっこよすぎ
- 63 名前:NIPPERがお送りします(愛媛県) [sage] 投稿日:2012/03/25(日) 21:06:36.35 ID:RwZWmSj/o
何が起こってるんです?
- 64 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/03/25(日) 22:48:06.45 ID:OXL1JL+DO
>>63
春休みだ。
- 65 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:05:20.30 ID:uqySCMANo
〜六道門・餓鬼〜
西方司令「だああぁぁらっしゃああぁぁぁぁ!!」
南方司令「アアァァルティメットオオォォ! ジャスティスパアアァァァァンチ!!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
西方副司令「あ、あの2人……どうして動けるの……っ」グググッ
皇太子「気力の問題だろうな。あれは人として1つ上の壁を越えている」
南方副司令「超人ってやつだな」
大軍師「しかし貴方達とて気負いしているとは思えませんが」
エリート「……当たり前だ」ググッ
大軍師「宜しい、流石です。良いですか? よーく耳を澄ませ、心を落ち着かせて下さい」
青年兵「……」
大軍師「聞こえてくるはずですよ。この響き渡る音楽の向こうから、大勢の声が」
西方参謀「……声?」
大軍師「そうです。貴方達の無事を願い、祈りを捧げる人々の声が聞こえるはずです」
皇太子「……おぉ」
- 66 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:06:00.19 ID:uqySCMANo
詩人の演奏は延々と続く。奏でているのは手持ちの小さなハープだけのはすだが、
不思議と魔王城……いや、北の大地全体に広がる音楽にはまるでオーケストラのように、
打楽器、弦楽器など、そして合唱までもが1つとなり人々や魔物の耳を潤す。
ベルゼブブ「……」
魔王はその音色が魔族だけではなく、人間に対しても力を与えるものだと分かっていた。
分かっていたが止める事はなかった。それは自身の為でもなければ人間の為でもない。
演奏を中断させる事が詩人に対しての無礼であるからだ。
詩人「……っ」
しかし魔王より発せられる威圧に、詩人は喉元に短刀を突きつけられたような感覚であった。
それでもなお、詩人は演奏を止める事はない。ベルゼブブが止める事もない。
演奏が終わる時は舞台が閉幕の時。自身に言い聞かせ、詩人は再び、平静さを取り戻した。
…
ジュニア「……う……ぐくっ」ヨロッ
賢者「……ここは……ふぅ」
ジュニア「どうやら……魔王城の内部みてぇだな……っ」
- 67 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:06:27.52 ID:uqySCMANo
〜北方、川中島〜
白馬騎士「戦況はっ!?」
華国兵「左右、よく持ち堪えておりますが、一角にて壊滅した部隊もあるとの事っ」
白馬騎士「厳しいな。魔王城にはすでに突入しているのだ。あと半日程度でも持ってくれれば……」
華国兵「我らも出ますか?」
白馬騎士「そうしたいのは山々だが、それはならぬ。此処が落ちれば全軍潰走は必死」
華国兵「……っ」
白馬騎士「信じるしかあるまい。同胞を……」グッ
魔王城内にて交戦が開始された頃、外部では一進一退の攻防が繰り広げられていた。
魔王軍の思惑は至極明解。死地である北を突破し、南下する事ただそれだけ。
これは魔王を見限ったわけではない。最早、魔物らに帰るべき場所などないのだ。
防衛を命じられていながらも魔王城への侵入を許してしまった事については、
撤退しようが追跡しようが手遅れ。勝っても負けてもその先に残るものは死あるのみ。
ならばひとまずは安寧の地へ落ち延びるのが最良。魔王軍の半数近くがそう考えていた。
では残る半数はどうか。それははっきりと二手に分かれるものとなった。
- 68 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:07:06.44 ID:uqySCMANo
ドドドドドド……
コボルト「も、もうダメだ……っ。人間に投降しようぜ……!」
ゴブリン「ああ。もう勝ち目なんてねぇだよ――」
ザシュウウゥゥ!!
コボルト「――ッ!?」
オーガ「貴様ラァ! 敵を前にシテッ、逃亡するカァー!」ゴゴゴゴ……
コボルト「ヒッ、ヒイィーッ!!」ザシュッ!!
オーガ「まだダッ、まだまだこれからヨオオォォーッ!」
ガゴオオォォォォッ!! ビリビリビリッ!!
足軽「敵だぁーっ! 今今でのよりも大きいぞぉー!」
帝「ええいっ、何とか食い止めよ! 進ませるでないぞっ」
名代「天狗っ、上空より奇襲を仕掛けるのだっ!」ゴウッ!!
王子「維持でも食い止めろっ! そこを突破されればもう防衛線はないぞ!」
西国兵「スフィンクスを前へ――」
オーガ「マダマダァッ、俺はヤルゾオオォォ!!」
- 69 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:07:42.79 ID:uqySCMANo
ドッゴオオォォォォン!!
西国兵「駄目だぁ! 何だコイツはぁ!?」
オーガ「ガオオォォォォ!!」
北方兵「電撃をまとったオーガの亜種だ! 俺達じゃあ勝ち目はない……」
オーガ「アオッ! アオッ!」ギュルルルッ!!
足軽「回転して突っ込んできたぁ!」
本国兵「あっ! そこのワーカー! んなとこでしゃがんでると危な――」
ザザッ!!
??「サマソオオオオォォォォ!!」ドッギャアアァァァァ!!
オーガ「アオウッ……アオウッ……アオウッ……」ドシャッ
??「くにへかえるんだな。おまえにも かぞくが いるだろう……」
王子「何者だ……?」
北方兵「……あ、あれは……っ!!」
帝「新手の『わーかー』……存じておるのか?」
北方司令「ま、まさか……UFRの……嘘だろっ、マジかよ……ははっ!!」
- 70 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:08:26.13 ID:uqySCMANo
チャンプ「……ふーっ」ファサッ
北方兵「チャンプだぞっ! あのチャンプが援軍に来てくれやがったんだ……っ!!」
国軍兵「マ……マジかよっ! こりゃスゲェ助っ人だ……っ」
北方兵「チャンプがいれば百人力……いやっ、万人力だ!」
チャンプ「…………」
オーガ「グルウウゥゥッ、まだじゃあ……ラウンド2じゃアアァァ!!」
チャンプ「ヘイッ、いつでも来るがいい!」ザッ
帝「あの者、大丈夫か!? しゃがみ込んだが危ないのでは……?」
北方兵「いやご心配なくっ! あれがチャンプの真骨頂ですから!」
帝「……そうか。ならば奴はあの者に任せ、我らは他の敵を押し返すぞ!」
ワーカー「チャンプだけじゃねぇっ! 北のワーカーの力ぁ、みせてやれぇ!!」
ドドオオォォォォ……
西国兵「か、かなりの数だな……っ、まだあんなにも戦力が残ってたのか……」
王子「あれは北の港とその街道を守っていた連中だな。変局を受けて救援へ駆けつけたのだろう」
ワーカー「いけいけいけぇ!! 北は俺達の故郷であり全てなんだっ! 守り抜くぞぉー!」
- 71 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:09:05.87 ID:uqySCMANo
ギュルッ!! バチバチバチイイィィ……
オーガ「ギャオオォォォォーッ!!」ギュオッ!!
チャンプ「甘いっ!! サアアァァァァ――」
スカッ
チャンプ「――――っ!!」
オーガ「空ぶりやがったアアァァ! バカがッ、死ねエエェェ!!」
ドッガガアアアアァァァァ!!
オーガ「ギアアアアァァァァ!!」バリバリバリッ!!
チャンプ「!?」
――「死ぬのは君の方だ。自らの電撃で感電するがいい」
オーガ「ゴ……ッハァ……ッ――」ドシャッ
――「……大丈夫かい?」スッ
チャンプ「……あ、ああ」ググッ
マーメイド「うまく感電させられたわね、サモナー」
サモナー「ああ。彼にとって僕は、最悪の相性だったようだね」ザッ
- 72 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:09:33.11 ID:uqySCMANo
〜一夜城〜
白馬騎士「北側が持ち直した!? よし……っ、防衛を南へ集中させるのだ!」
華国兵「しかし、何故……急に持ち直したのでしょうか?」
白馬騎士「考えられるとするならば……援軍か?」
――「その通りです」ザッザッ
白馬騎士「おぉ、貴方は……っ!」
参謀「北方司令部全軍、最北の村の屯田兵、及び北の港のワーカーらを全て前線へ投じました」
白馬騎士「そうでありましたか」
参謀「これで背後は空。もうここで全てを終わらせるしかありません」
白馬騎士「背水の陣、というわけですな」
参謀「……さて、まずは怪我人の手当てをお願いします」
白馬騎士「……?」
ドクター「医療器具を運び込め。重傷者から優先的に手術を行う!」
白馬騎士「あの方々は?」
参謀「有志です。彼らは本国の誇る、一流の医師団ですよ」
- 73 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:10:10.33 ID:uqySCMANo
ドクター「先に消毒と殺菌だ。手術は5チームに分けて行います!」
看護士「了解です。怪我の軽い者は別室へ移動して下さい。そちらで手当てします」
華国兵「それにしても……有志たって、あんな数……」
老医者「あのドクターって方はな、ちょっと奇特な人でね」
華国兵「……?」
老医者「若い頃から世界各地を回って、ボランティアで治療活動を続けてなぁ」
白馬騎士「……っ」
老医者「それに感銘を受けた連中が、各地でこういう有事の為にスタンバってたのさ」
白馬騎士「成程……っ」
老医者「しかも当の本人は、本国が誇る大病院の院長だってんだから大したモンだよなぁ」
華国兵「……す、凄い奴も居たもんだな……っ」
白馬騎士「ともかく、これで負傷兵も九死に一生を得たかな」
老医者「さぁ、アンタらも気張ってきな。怪我したら俺らがある程度は何とかしてやらぁ」
華国兵「あ、ある程度ってなぁ……」
白馬騎士「後詰めが来た事で此処の兵は充実した。我らは……打って出るぞ!」ザッ
- 74 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/03/26(月) 18:10:52.68 ID:uqySCMANo
〜川中島、南側〜
伝令「第23小隊、及び41小隊、43小隊、76小隊、85小隊、88小隊壊滅です!」
騎士長「情けない……っ。それでも国軍か!」
バーテン「まぁ仕方ねぇさ。昔とは環境が違うんだよ」シュボッ
左翼長「悠長な事をヌカしてる場合じゃねぇぞ。相当数、南へ抜かれちまってんだ」
戦士父「心配はない」
左翼長「……?」
戦士父「北関はそう簡単に落ちん」
騎士長「そりゃそうだけどよ……」
戦士父「それに北関には奴がいる」
バーテン「まぁ、お手並み拝見といこうじゃねぇか。親父譲りの守戦をよ」プカー
左翼長「それしかあるまい。どのみち、こっちにゃ回せる兵なんざいねぇんだしな」
騎士長「出来る事と言えば、1匹でも多くの魔物を北関に向かわせぬ事か」スチャッ
左翼長「さぁ、もう一仕事……行くぞ!」
戦士父「了解」ザザッ
- 75 名前:NIPPERがお送りします(埼玉県) [sage] 投稿日:2012/03/26(月) 18:11:11.48 ID:qd0fzZQl0
お兄様何故ここにwwwwww
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