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少女「戦場みたいな街に堕ちてしまった」
106 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [>>104どもー] :2009/02/06(金) 22:25:15.18 ID:ogvLqeml0
少女「おーい」

男「んん・・・」

少女「起きた??」

男「・・・今何時??」

少女「7時」

男「そっか・・・もう夜か」

少女「朝だよ??」

男「・・・寝すぎた・・・」


107 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:29:52.43 ID:ogvLqeml0
少女「さ、今日こそ行くぜ!!」

男「おーし!!」

少女「目覚めすっきり??」

男「おう。ところでその服は」

少女「あ、シャツ借りてるね。ちょっと大きいけど」

男「下着とかは??」

少女「そこはタブー」


108 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:32:53.03 ID:ogvLqeml0
少女「さ、じゃあとりあえずリュックだけ消しとくね」

ヒューン

男「・・・おお、すげえ」

少女「頑張ればムサシごと消せるんだけど、まあ今はリュックだけでいいでしょ」

男「なあ、おれとお前の両方消せたら、簡単に侵入できるんじゃね??」

少女「残念、消せる人間は一人だけなのです」

少女「その人の服とかカバンとかは一緒に消せるけど、二人消すことはできないの」

男「そっか。まあそんなに万能じゃないよな・・・これだけでも十分だ。ありがとう」


111 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:39:59.94 ID:ogvLqeml0
少女「さ、じゃあ行こうよ。丸腰の若者をいきなり殺すことはないでしょ」

男「そうだな」

・・・移動中・・・

男「で、どっから入ろうか」

少女「そりゃあやっぱり正面から突破!!」スタスタ

男「お、おい!!」

少女「すいませーん」

男「あーもう」


113 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:43:55.78 ID:ogvLqeml0
少女「誰かいますかー」

男「ったく」

??「誰だお前たちは!?」

少女「石像が喋った!?」

男「それは石像じゃない!!ちょっと大きめの人だ!!」


114 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:46:47.36 ID:ogvLqeml0
門番1・2「ここが我々の組織の本拠地と知って、ノコノコ入ってくるような馬鹿は久しぶりだ」

少女「こんな長いセリフをハモった!!」

男「そこに突っ込むのか」

門番1「何用だ」

門番2「返答次第では多くの人質を危険に晒すことになるぞ」

少女「え、えーと」

男「(言葉を選べよ)」ボソボソ

少女「(ちょ、あたしが言うのかよ。ムサシが言いなよ)」ボソボソ

門番1「どうした」


115 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 22:50:52.48 ID:ogvLqeml0
男「えーと」

門番2「・・・」

男「僕はここで働いていた研究員の息子でして」

男「この研究所にある、ある機械の操作方法を知っています」

門番1・2「!!」

男「ボスに会わせていただけませんか」

門番1・2「・・・少しここで待て」スタスタ

ピ 『ボス・・・研究員の息子らしき少年が来ています』ボソボソ


116 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:01:39.35 ID:ogvLqeml0
少女「(・・・結局、正直作戦??)」ボソボソ

男「(これが一番妥当じゃないか。人質の運命がおれたちにかかってること忘れてたよ)」ボソボソ

門番1「・・・おい、お前名前は」

男「・・・アマノです」

ピ 『アマノだそうです』ボソボソ

・・・

門番1「ボスのOKが出た。通れ。こいつが案内する」

少女「あの、あたしもOK??」

門番2「お前はなんだ??」

男「おれの妹です」

門番1「よし、二人とも通れ」


117 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:05:30.34 ID:ogvLqeml0
少女「・・・お父さん有名だったのかな」

男「さあ・・・どうだろう」

門番2「ふうふう」

少女「門番さん、もう息切れ??」

男「階段降りてんのになんで疲れるんすか」

門番2「ふうふう」


118 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:09:58.16 ID:ogvLqeml0
門番2「一番奥の・・・扉の向こうに・・・ボスが・・・い・・・るから・・・」

少女「はいはい、ありがとう」

門番2「他の・・・部屋には・・・勝手に・・・入るなよ・・・」

男「戻る方が大変そうだな」

門番2「ふうふう」

少女「太りすぎは身体に毒ですよー」

男「よし、いくか」


119 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:12:57.29 ID:ogvLqeml0
ギギギ・・・

少女「お邪魔しまーす」

??「ふむ・・・アマノ博士に娘がいるとは聞いていないが・・・」

男「あんたがこの組織のボスか」

紳士「そうだ。アマノ君、よく来てくれた」

男「ど、どうも」

少女「どもっす」


121 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:16:08.78 ID:ogvLqeml0
紳士「私たちの目的の品について、知っていることがあるそうだね」

男「はい。父が残してくれたメッセージを読みました」

紳士「そうか。そんなものが・・・」

少女「お、お父さんは有名な研究者だったんですか??」

紳士「有名というか、生きていればきっと有名になっていただろうな」

紳士「それほどアマノ博士の研究は素晴らしいものだった」

男「・・・(研究内容を尋ねたら・・・怪しいよな)」

少女「どんな研究だったんですか??」

男「!!」

紳士「なんだ、妹さんの方は知らないのか」

紳士「君たちのお父さんの研究はね、世界を救う反面、使い方によっては世界を滅ぼすものだった」

男「(なんか流れで説明してくれそうだ・・・ラッキー)」


123 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:19:50.63 ID:ogvLqeml0
紳士「人の身体能力を・・・数十倍に引き上げる装置だ」

少女「!!」

紳士「いや、脳にかかっているブレーキを、無理やり外すといった方が正しいか」

男「(脳のブレーキを!?って聞きたい・・・ああ、リン頼むお前が誘導しろ)」

少女「脳のブレーキってなんですか??」

男「(ナイス!!)」

紳士「人間は身体に負担がかかりすぎないよう、脳が制御している」

紳士「普段我々が使っている力は、人間本来のものの数%でしかないのだよ」

少女「ほほー」


125 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:23:01.71 ID:ogvLqeml0
紳士「火事場の馬鹿力などと言うだろう。危機に陥った時、人間は脳のブレーキを少し外すのだ」

少女「ふむふむ」

紳士「それを常時出せるようにすることで、人間はとてつもない力を手に入れる」

少女「・・・人間ってすげー」

男「その装置には・・・パスワードがかかっていますよね」

紳士「そうだ。そして我々にはそれを解くすべがない」

男「恐らくですが・・・僕ならそれを解けます」


127 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:26:06.86 ID:ogvLqeml0
紳士「・・・なるほど・・・そういうことか」

紳士「しかし我々は日本警察すら敵に回したテロ組織として世間の注目を集めている」

紳士「そんな組織にやすやすと手を貸そうとする理由は何かね」

紳士「さらに我々としても、今初めて会った少年に目的の品を使わせるという行為は非常にリスクの高いものだ」

少女「大人って難しいんだね」

紳士「まあそんなものさ」

男「まあ僕にも確信があるわけではないのですが・・・」

男「父の遺作なのだとしたら、その研究は僕らが完成させたいと思いました」

紳士「我々に加担してまでかね??」

少女「えー」

男「ただし」

男「悪用しない場合に限りです」

紳士「ふむ」


128 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [今気付いたんだが小文字多くね?] :2009/02/06(金) 23:31:18.95 ID:ogvLqeml0
紳士「我々が悪用しないと思っているのかね??」

男「あなた方の最終目的は知りません」

男「ただ、その機械の封印を解いたら、人質の人たちを解放してもらえますか??」

紳士「・・・君たちは・・・警察の回し者かねw」

少女「違うよー」

男「僕らは、ただ自分たちの意志で来ました」


130 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:34:47.10 ID:ogvLqeml0
紳士「・・・わかった。人質を解放すると約束しよう」

男「本当ですか!?」

紳士「おい、例の機械をここへもってこい」

黒服「はっ」スッ

男「!!(他にも人いたのか)」

少女「黒子だー黒子だー」

少女「ほくろじゃないよーくろこだよー」

男「お前は黙ってろ」

少女「だってあたしほとんど空気じゃん。たまには喋らせろよー」

男「緊迫感がなくなるんだよ、お前が喋るとさ」


132 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:40:31.28 ID:ogvLqeml0
男「その機械を使えるようにしたら、そのあとはどうするつもりですか??」

紳士「もちろん大量生産だ。残念ながらあの一台しかない上に、具体的な調整方法の記録が残っていないのだ」

男「でも、今までしてきたことは・・・」

紳士「確かに我々は非人道的なやり方でここまで来たが、人を殺めたことはない」

紳士「アマノ博士の意志を受け継ぎ、研究を完成させ、生産が軌道に乗れば罰でも何でも受けるさw」

男「・・・そうですか」


133 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:43:39.45 ID:ogvLqeml0
少女「(おじさん結構いい奴じゃん)」ボソボソ

男「(・・・簡単に信用していいものか迷うけどな)」ボソボソ

紳士「・・・」ニヤリ

少女「(黒子の人他にもいるかな)」ボソボソ

男「(これだけ大きなことをやらかした組織だ。山ほど仲間はいるだろ)」ボソボソ

黒服「・・・お持ちいたしました」スッ

少女「うおう!!」

紳士「うむ」

男「ほんとに音もなく忍び寄るなこの人は」


134 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/06(金) 23:45:07.34 ID:4mTK/FGYO
黒子って見るとインデックスの子が浮かぶな


135 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:46:18.44 ID:ogvLqeml0
少女「小型のヘルメットみたいだね」

男「思ったほど大掛かりじゃないな」

紳士「さあ、パスワードを教えてもらおうか」

男「・・・入力は僕にやらせてはくれませんか」

紳士「なぜだ」

男「パスワードを解いたあと、僕が実験台になり、データを入力する必要があるらしいのですが」

紳士「そこまで信用できないな」


136 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:48:51.05 ID:ogvLqeml0
少女「むー」

男「信用云々は、もとより僕らの間には存在しないでしょう」

紳士「うむ、しかし」

男「もし何らかの脅しが介入しても、僕は父の研究が悪用される未来は作りたくありません」

黒服「・・・」ピクッ

男「僕らが死ねば、もうパスワードを知るものはいませんよ」

紳士「・・・仕方ない、渡せ」

黒服「はっ」スッ


138 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:52:00.28 ID:ogvLqeml0
少女「あたしが付けたげる♪」カチャカチャ

男「ちょw痛い痛い」

少女「ほれほれ♪」グイグイ

少女「(・・・)」ボソボソ

ヒューン

男「!!」

少女「(・・・)」ニヤリ


139 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/06(金) 23:55:33.48 ID:ogvLqeml0
男「そ、それでパスワードを入れるにはどうしたらいいんですか??」

紳士「右耳の部分にいくつかボタンがついている。赤色のボタンで起動し、あとは前を見ていればいい」

少女「ゴーグル部分は下ろすの??」

紳士「ああ。そこを見つめていれば目線で操作できる」

少女「すげー!!そんなの天界にもないって!!」

紳士「てん・・・??何かね??」

少女「あ、いやなんでもないっすw」


140 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/07(土) 00:01:42.73 ID:YuZpmXq40
男「ボタン押して」

少女「ほい」ピッ

ブーン

男「おお、これか」

少女「・・・」ワクワク

紳士「いろいろなパスワードを試したが、ついに解くことはできなかった」

紳士「vip、vipvip、vipper、vippest」

紳士「zip、zipzip、zipper、zippest」

紳士「sage、鏡、蟹、今日4、今日8・・・」

少女「おじさんも呪文唱えれるんだね」

紳士「効かなかったけどね」


142 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [猿ってこんな早く解けるんか] :2009/02/07(土) 00:07:06.00 ID:YuZpmXq40
男「(パソコンの方のパスワードがRIN・・・)」

男「(なら、こっちはきっと・・・おれの名前だ)」

ブーン

少女「!!」

紳士「!!」

男「解けました」

少女「やった!!」

男「で・・・と。おれのデータを入れるのか」

紳士「・・・」チラッ

黒服「・・・」コクッ

男「面倒くさいな」


143 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/07(土) 00:10:08.92 ID:YuZpmXq40
少女「頑張れお兄ちゃんー♪」

男「(お兄ちゃんか・・・)」

男「(しかし、妹にはやはり『おにぃ』か『にいに』と呼ばれたいものだ)」

男「(そしてお姉ちゃんには『ムサしゃん』とか呼ばれて・・・)」ハァハァ

男「(・・・ハッいかんいかん雑念が)」プルプル

黒服「・・・」スッ

男「年齢・・・性別・・・父親のフルネーム・・・こんなのまで入れるのか」

男「いかん目が疲れてきた」


144 :HAM ◆HAM/FeZ/c2 [] :2009/02/07(土) 00:13:27.14 ID:YuZpmXq40
少女「あはは目ぇ動きすぎーwww」

男「間違いはないですか・・・か。よしこれでOK・・・と」

ピピッ

ビリビリビリ!!!

少女「!!」

男「!!」

紳士「!!」

黒服「!!」


145 :VIPがお送りします [] :2009/02/07(土) 00:14:58.06 ID:wiTieMVXP
!!


146 :VIPがお送りします [] :2009/02/07(土) 00:15:27.78 ID:somZjQ3H0
!!



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