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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その40
40 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 15:59:24.78 ID:l0X5JTwZo
〜南方、北の街〜

戦士「……そうきたか」

美女「何アンタ、召喚子のこと知ってるの?」

戦士「えっ!? あーえぇと……」

美女「しかも聞けば召喚子、白虎召喚士だって言うじゃない!」

南方参謀「そういえばアナタも召喚士だったのよね?」

美女「……別に隠してたわけじゃないのよ。言うと色々、面倒だから」

大軍師「貴方のお住まい、失礼ですが正直、良い生活とは思えません」

美女「……」

大軍師「ご実家は富豪。にも拘わらずです」

美女「うるっさいわねぇ」

大軍師「もしや援助など一切なしで、暮らしてらっしゃるのでは?」

戦士「!?」

大軍師「いや、得たくとも得られない、そういった事情がおありなのでは?」

美女「うるさいって言ってんだろうが!!」


41 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:00:22.97 ID:l0X5JTwZo
大軍師「……」

美女「だったらどうだってんだコラ? あぁ!? 誰にも迷惑かけてねーだろうが!!」

大軍師「仰る通り」

南方参謀「ねぇ、あなた本当は……」

美女「……何なのよもう!! 関わらないでよ!!」

戦士「なぁ、お前さ……意外とやるじゃんかよ」

美女「……?」

戦士「あんだけ金持ちなのに、資金援助なしで、1人で生活してんだろ?」

美女「……」

戦士「立派じゃねぇか。親に頼らず迷惑かけずによ」

美女「……気持ち悪い。何なの急に」

戦士「何か理由があんだろ? そこまでやる理由がよ」

美女「……」

南方参謀「裕福な家を飛び出して、私の店なんかで働いてるのがその理由、よね?」

美女「……っ」


42 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:02:24.80 ID:l0X5JTwZo
南方参謀「あなたは、男でありながら違う心を持っている」

盗賊「……?」

南方参謀「あなたは女になりたがっている。いえ、女だと感じているのよね?」

美女「……そうよっ! 私は……女なのよ!」

戦士「お前……」

美女「いつしか自分が、回りと違うって事に気が付いた……」

盗賊「……」

美女「だから私はっ、1人で生きていく事に決めたのよっ!」

戦士「家族は? 家族には何も言わなかったのか?」

美女「言ったわよ! でも理解なんてしてくれるわけないじゃない……っ」

大軍師「……」

美女「だから決めたの。もう誰にも頼らない、1人で生きていくってね」

南方参謀「そうだったのね……。それならそうと言ってくれれば良かったのに」

美女「打ち明けたら何かしてくれるとでもいうの?」

南方参謀「何も出来ない、出来ないけれど……相談くらいには……」


43 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:03:19.80 ID:l0X5JTwZo
美女「店長やお店の人達はみーんな、そんな事、深く悩んでないもんね」

南方参謀「……っ」

美女「仕事や趣味でやってる人達とは違うもの。分かるわけなんてないわよ」

戦士「お前なぁ、でも相談ぐらいは乗ってくれるだろ」

美女「はぁ?」

盗賊「悩みを抱えていても仕方ないんだ。誰か、頼るべき者に頼る事だってあるさ」

美女「はいはい。あなた達はいいですよね、そうやって慰めあってきたんでしょうから」

戦士「あのな、いい加減に……」

南方参謀「ごめんなさいね」スッ

戦士「……?」

南方参謀「美女」

美女「何よ――」

 パシイイィィィン

美女「…………」

南方参謀「私はねっ、あのお店で働いてる以上はね……親も同然なのよっ!」


44 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:04:59.83 ID:l0X5JTwZo
美女「……っ」

南方参謀「あなたが辛い思いをしていた事に気付けなかった……それは本当に悔やむわ」

美女「……」

南方参謀「でもっ、もっと私を! 仲間を頼ってくれてもいいじゃない!」

美女「店長……ぉ」

南方参謀「みんながみんな、趣味や娯楽でやってるわけじゃないの。思いは一緒なのよ!」

美女「……え……っ」

南方参謀「だからみんなを信じて、家族だと思って……なんでも打ち明けて頂戴」

美女「……っ」

南方参謀「……いいわね?」

美女「……分かんないわよ……っ、そんなの」

戦士「……ちょいといいか?」

南方参謀「……?」

戦士「召喚子にライバル心を抱いてるみてーだが、直接会ってみっか?」

美女「え……っ!?」


45 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:06:24.34 ID:l0X5JTwZo
盗賊「バっ、お前……っ!」

戦士「召喚子と直接会ってよ、白黒付けりゃいいじゃんかよ」

美女「やっぱりアンタ、召喚子を知ってるのね!?」

南方参謀「……それは面白そうねぇ」ニヤリ

盗賊「……はぁ」

美女「いいわ。召喚子と勝負しようじゃないの。どちらがナンバーワンかどうかをねっ!」

大軍師「もしそれが解決したならば、お力を貸して頂けますか?」

美女「……」

戦士「もし力を貸してくれるってんなら、召喚子を紹介してもいいぜ」

美女「……ズルイわね」

戦士「どうすんだ?」

美女「分かったわよもうっ! その代わりちゃんと召喚子に会わせなさいよ?」

戦士「ああ、約束すんぜ!」

盗賊「戦士……お前……」

戦士「四の五の言うな。これにて一件落着なんだからよ。はははっ!」


46 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 16:07:35.52 ID:l0X5JTwZo
大軍師「それでは本国へ戻りましょうか。ご同行頂けますね?」

美女「北関の件はチャラにしてよね」

大軍師「……承知致しました。私が責任をもって」

美女「ねぇ店長」

南方参謀「ん?」

美女「店長もやっぱり……私とおんなじなの?」

南方参謀「私はカワイイものに目がないだけ。それだけよっ♪」

〜ターミナル〜

召喚士「うぅ……」ゾワワッ

魔道士「召喚士さん……本当に大丈夫ですか?」

召喚士「何なんでしょうかね。体調不良というわけではないんですけど……」

船員「本国行き、まもなく出航致します!」

魔道士「あっ、船が出ちゃいますよ! 行きましょう!」

召喚士「は、はい」タタッ

 翌日、召喚士と魔道士、戦士と盗賊は数日振りの再会となる。満月の夜まであと3日。


48 名前:NIPPERがお送りします(石川県) [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 17:30:09.20 ID:BXfDnb1no
分かる!分かるぞ美女ぉぉおおお!ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!!


49 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 17:34:53.80 ID:YIiAfDYDO
やっと主人公である召喚子の出番か


50 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 17:36:51.29 ID:cU62VyBLo
いつの間にか魔道士ちゃんしか得しない流れになってる…


51 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:52:39.62 ID:l0X5JTwZo
〜本国、国軍本部〜

魔道士「あっ、いたいた!」

盗賊「魔道士」

魔道士「盗賊さーんっ」ダキッ

召喚士「お疲れ様」

戦士「おう、そっちもご苦労だったな」

召喚士「俺らはただ、各地を巡ってただけだよ。そっちは?」

戦士「……えーと」

大軍師「お待ちしておりました」

召喚士「大軍師さん?」

南方参謀「待ってたわよぉ、召喚士ちゃん!」

召喚士「へっ?」

美女「……誰こいつ」

召喚士「はいっ!?」

戦士「は、はは……あははははは……っ」


52 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:53:06.09 ID:l0X5JTwZo


召喚士「ええぇぇぇぇーっ!?」

戦士「すまんっ! あの場面はああするしかなかったんだ!」

召喚士「いやだって、えっ? えぇっ!?」

南方参謀「そういうわけでお忙しいところ申し訳ないけど、ちゃっちゃと済ましちゃいましょ」

召喚士「いやっ! 拒否権は!?」

戦士「ない」

南方参謀「うん」

召喚士「……っ」

南方参謀「適当に言いくるめて負けてあげればそれでいいからっ、ねっ?」

召喚士「……悪寒の理由がやっと分かった」

盗賊「……?」

召喚士「ちょっと魔道士さんからも何か言ってあげて下さいよ」

魔道士「やりましょうっ!! 是非!!」

召喚士「ええええぇぇぇ!?」


53 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:53:36.94 ID:l0X5JTwZo
〜図書室〜

占い師「……」ピクン

白虎嬢「どうなさいましたかぁ〜?」

占い師「何やら……楽しそうな臭いがする!」スクッ

白虎長「臭い?」

朱雀嬢「何の事かしら?」

玄武娘「よく分からないですの」

白虎長「予言?」

占い師「アーンド、女の勘!」ダッ

朱雀嬢「付いて行くですわ」

玄武娘「あっ、私も行きますのー!」

白虎長「全く、仕方ないわねぇ」

白虎嬢「従姉さんもちょっと楽しそうですけれど〜?」

白虎長「まーね。アレの勘は何か面白い事が起きるに違いないから」タッタッタッ

白虎嬢「あっ、待って下さいよぉ〜」タッタッタッ


54 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:54:06.88 ID:l0X5JTwZo


召喚士「……くっ」

戦士「だからすまんってば。な、この借りは必ず返すからよ!」

召喚士「戦士がやればいいんだ……ブツブツ」

南方参謀「はい動かないっ! 早くしないと時間がないわよ!」

召喚士「誰のせいで時間が――」

魔道士「でも大丈夫ですかね?」

南方参謀「何が?」

魔道士「召喚士さん1人で。バレたりしたら……」

戦士「俺がフォローするよ」

南方参謀「アンタじゃケンカ腰になって駄目よ」

盗賊「確かに」

魔道士「じゃあ仕方ありませんねっ。あの人にお願いしましょう!」

南方参謀「あの人?」

召喚士「……ま、まさか……っ!!」ガクガク


55 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:54:57.90 ID:l0X5JTwZo


青年兵「……お引き取り下さい」パタン

魔道士「どうかお願いしますっ! 召喚士さんを助けてあげて下さい!」

南方参謀「あなたしか頼りはいないのよっ!」

青年兵「――っ。わ た し は だ い げ ん す い で す よ ! ?」

南方参謀「知ってるわよ」

盗賊「うん」

魔道士「はい」

青年兵「そうじゃなくって! 何でそんな事をしなくてはいけないんですかっ!」

南方参謀「だから〜。召喚子さんを助けてあげて欲しいのよ〜」

青年兵「それが意味不明だと言っているんです!!」

魔道士「駄目ですか……?」

青年兵「おかしいでしょう!? 無関係の僕が何でわざわざ女装して参加しなければならないんです?」

盗賊「……理由なんてないんだ。多分、楽しいからだと思うよ。諦めろ」

青年兵「――――っ」


56 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:56:37.18 ID:l0X5JTwZo


美女「……」

 ガチャッ

美女「来たわねっ」スクッ

南方参謀「お待たせ。このコが……召喚子ちゃんよ」

召喚子「始めまして美女さん、召喚子……ですわ」

青年子「私は召喚子の友人で、青年子ですわ。宜しく」

美女「――っ!?」

南方参謀「ど、どう?」

美女「……た、確かになんという美貌……っ」

召喚子「そっ、そうかしら? おほほほ……っ」

美女「召喚子さん、あなたが男である事は、既に知っているのよ」

召喚士「そ、そう……っ」

美女「南方じゃ絶世の美女として通ってるらしいけれど、あるお客さんが教えてくれたんだから!」

召喚士「……?」


57 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:57:07.67 ID:l0X5JTwZo
……――

美女「召喚子が……男ぉ!?」

南方弓長「そうよぉ〜。実はねぇココだけの話……男なんらから〜」ドンッ

美女「……っ」

南方弓長「しかも召喚士フェスでぶっちぎりの強さでぇ〜」

美女「召喚士……!?」

南方弓長「なんとその正体はぁ……ぐぅ……ぐぅーっ」

美女「……召喚子が男で……召喚士……?」ワナワナ

南方弓長「ぐーっ、ぐぅーっ」

美女「許せない……っ。南方で、いえ……世界で一番のニューハーフは……この私よっ!」ゴウッ!!

――……

南方参謀「あんの……バカ……っ」

召喚子「……」

青年子「……」

美女「とにかくっ、勝負してどちらが真のニューハーフナンバーワンか決めようじゃないの!」


58 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:57:42.17 ID:l0X5JTwZo
召喚子「……美女さん、今はそのような事をしている時でして?」

美女「……どういう意味よっ!?」

召喚子「知っていると思うけれど、世界は今……大変な時を迎えているの」

美女「それがどうだっていうのよ。私達に何かできるわけじゃあるまいし」

朱雀嬢「それは違いますわっ!」ザッ

美女「誰っ!?」

朱雀嬢「私はえぇと、その……召喚子さんの友人よ!」

玄武娘「そうですのっ!」

白虎長「あら、よくお似合いですわねぇ」ニヤニヤ

青年子「ややこしくなってきた……」

美女「その友人が何の用? 私は召喚子と話があるのよ!」

朱雀嬢「召喚子さんはこれから、サタン討伐に参加するという重大な任務があるんですわ」

美女「えっ!?」

朱雀嬢「そんな時に、あなたのワガママなんかに付き合っている暇はありませんわよ」

召喚子「そそっ、そうですわよっ!」


59 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:58:22.52 ID:l0X5JTwZo
美女「……くっ」

朱雀嬢「もし決着を付けたいのならば、その後になさいな!」

召喚子「えぇっ!?」

朱雀嬢「次の召喚フェス、貴女も参加して召喚子さんと決着を付けるといいですわ」

美女「……召喚……フェス」

朱雀嬢「でも、サタン討伐に参加したら……召喚子さんの方が格上でしょうけれど」

美女「ちょっと待ちなさいよ! 誰が参加しないなんて言ったぁ!?」

朱雀嬢「あら? 貴女も参加するのかしら?」

美女「……召喚子が参加するなら、参加しようじゃないのっ!」

朱雀嬢「ですって。召喚子さん?」

召喚子「く……っ」

朱雀嬢「じゃあ決着は、サタン討伐の後、召喚フェスって事で宜しいですわね」

占い師「宜しいです」

白虎嬢「です〜」

玄武娘「はいですの!」


60 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 17:59:54.02 ID:l0X5JTwZo
美女「……わ、分かったわよ! その条件……飲んでやるわっ」

戦士「これにて一件落着!」

魔道士「良かったですね、えへへ!」

南方参謀「さーて、お開きにしましょ!」スタスタ

盗賊「……ご愁傷様です」

青年子「だから嫌だったんです。絶対こういう展開になるって分かってたから」

朱雀嬢「……」ジーッ

青年子「……あ、ありがとうございました。朱雀嬢さん」

朱雀嬢「たまにはアリですわね……」ボソッ

青年子「へっ!?」

朱雀嬢「さっ、早く着替えましょ! 青年兵さんは普段の方がやっぱり良いですわっ!」

青年兵「は、はい……。はい!? えっ!?」

朱雀嬢「は、早く行きますわよっ!!」

玄武娘「……召喚士さん、燃え尽きてるですの」

召喚士「…………」


61 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 18:02:30.71 ID:l0X5JTwZo
用はここまでにて失礼します!
美女の本名は前スレでオカマでいいって言ってたから…
色々な名前を挙げてもらったので、その中から採用したいと思います!

今日も沢山のご支援ありがとうでした!それでは!ノシ


62 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 18:05:59.35 ID:YIiAfDYDO
これで>>1はオカマ召喚フェスも書かなくてはいけなくなったな

おつんぽ!


68 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage saga] 投稿日:2012/07/02(月) 20:10:06.55 ID:pMdcnlB1o
>>1乙

サタン倒した後の楽しい約束ってのは良いよな


69 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/02(月) 20:50:05.84 ID:Oe9XtEsho
>>1乙!

でも、サタン倒したら人間は魔翌力使えなくなるんじゃないの?


71 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/07/03(火) 02:10:21.30 ID:Xs1WciXAO
>>1おつ

大元帥を弄ぶ召喚士パーティwwww天才も高笑いしてるだろうなww


72 名前:NIPPERがお送りします(大阪府) [] 投稿日:2012/07/03(火) 16:00:28.14 ID:JjDpSaae0
見える、見えるぞ、悪ノリする魔導士ちゃんの姿が、



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