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少年「あなたが塔の魔女?」
95 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/30(水) 22:23:23 ID:T4ht73Gk



 まだ、朝露も乾いていない明け方に家をでました。

 山に囲まれたこの村はこの時間、霧に静かに包まれます。 

 辺りはぼんやりと白く、まるでミルクの海に沈んでいるようで、 夢の中にいるような気分になります。



少年「まだ魔女は寝てたりして」

 寝起きの魔女は想像できないので、見てみたいと思いましたがきっと怒らせてしまうでしょうね。

 魔女を怒らせたくはありませんから、どこかで時間を潰さなくてはいけないです。 


 霧の中でそんな事を考えていると、どこかから見られているような感じがしました。

 周りを見渡すと、近くの民家の窓が開いています。

 でも、人は居ませんでした。


96 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/30(水) 22:23:42 ID:T4ht73Gk


少年「気のせいか」


 どことなく、嫌な気分です。

 こんな時は、早く魔女の塔まで行ってしまいましょう。

 石段に座りながら魔女が起きるまで待っていた方が楽しいでしょうしね。



















村人3「気持ち悪い餓鬼だ……やっぱりアイツが……」


97 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/30(水) 22:28:34 ID:ZrQryI0o
怖い事になる?

(;・ω・)?


98 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/30(水) 22:28:43 ID:T4ht73Gk
>>96

1と2なんて存在しないのになぜか村人3が登場してしまいました(´・ω・`)。


正しくは、‘村人3’ではなく‘村人’です。



今日はここまでとなります。


明日も更新できるようにがんばります。


99 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/30(水) 22:37:46 ID:T4ht73Gk
>>97

プロットの段階でホラー的な要素はありませんが、どのような展開になるかはお答えできかねます。


ただ、読んでくださっている方が不快な思いをしないような話にはしたいと思います。


個人的には魔女をもう少し可愛い存在にしてあげたいです(`・ω・´)


101 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/31(木) 22:35:46 ID:wQMfF6CY


 森を歩きます。 草木を踏みしめ、新緑の空気を吸い込みます。

 なんだか森がざわついているような、気がしました。

 それは、塔の近くに行っても変わりません。 むしろ強くなっていくような感じさえします。

 でも、塔に入った瞬間、その感覚は消えました。 清廉とした空気がゆったりと漂っている、いつもの塔の雰囲気にほっとします。

 螺旋状の石段をぐるぐると廻り、頂上の魔女の部屋までたどり着きました。


 魔女の為に摘んだ花ですが、いざ渡す時になると、少し恥ずかしいような、それでいて早く渡したいような不思議な気持ちで胸がなんだかおかしな感じです。

 この気持ちを、お母さんが『とっても大切な物』だと言っていたのですが、気持ちの名前は忘れてしまいました。

 思い出した方が良いんでしょうかね?


103 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/01(金) 20:18:59 ID:B2neORoc


少年「おはよう魔女。 起きてる?」


 扉を開けます。

 いつもの安楽椅子に、魔女の姿は在りません。


少年「魔女? 居ないの?」


 主の居ない安楽椅子が、寂しいとでも言っているみたいに、風に揺られていました。


104 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/01(金) 20:19:17 ID:B2neORoc

少年「早く来すぎちゃったかな……」

 とりあえず、持ってきた花を花瓶に生けようと思います。

 本当なら直接渡して、魔女の喜ぶ顔が見たかったです。 残念です。


 でも、さり気なく飾っておくのもなかなかかもしれません。

 お兄ちゃんも『気づいたらプレゼントがあるっていうのに女は弱いんだぜ?』とか言ってましたし。


 いや、魔女に対してそんな下心は無いですよ?


 ほんとにほんとです。

 神様に誓っても良いです。


 居るか居ないかなんかは知りませんけど。


107 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/05(火) 21:04:06 ID:xARlpzjI


 花瓶に花を生けたあと、少しの間魔女を待ちましたが、一向に魔女は現れません。


少年「うーん、どこかに出かけているのかな?」


 もし居ないとしたら、戸締まりもしないで外出するなんてちょっと不用心ですね。

 戸締まりを忘れているとしたら案外ドジっ子なんでしょうか?


少年「魔女ー? 本当に居ないの?」


 返事はありません。 よく見ると、普段は閉まっている奥の部屋の扉が開いています。

 もしかしたら奥にいるかもしれないです。



 見ても、良いんでしょうか?


109 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/05(火) 21:19:54 ID:xARlpzjI





 怒らせてしまうかもしれないです。

 でも、魔女の身に何かあったのかもしれません。

 そうです。 魔女が心配なんです。

 別に、魔女の寝顔が見てみたいなんて思ったりはしていません。

少年「魔女、居るの?」

 扉から部屋を覗き込みました。

 そこに居たのは、美しい、綺麗な、可憐な、なんて言葉が全部集まったような少女がベッドで寝ていました。

 シーツよりも白い、透き通るような肌。

 上等な蜂蜜みたいな濃い色をした金髪は緩やかに波打ち、その少女を飾りたてているようでした。


 小さなベッドと小さな机と樫のタンスがあるだけの小部屋ですが、これよりも美しい光景を僕は見たことがありません。

 僕に絵の才能があればこの光景を絵にしたいですし、もしも神様だったら、時間を止めて独り占めしたくなってしまうような光景でした。

 魔女は、本当に綺麗な少女なんです。 多分都のお姫様だって魔女より綺麗じゃありません。


110 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/05(火) 22:35:36 ID:xARlpzjI


 起こしてしまうのが勿体ないような気がしました。

 この光景を崩すなんてとんでもないです。

 でも、眠っている魔女とはお喋りできません。


少年「魔女、花を持ってきたよ」

 魔女の寝ているベッドの脇に立ち、声をかけます。


魔女「……んぅ……」

 魔女は僅かに声を上げて寝返りをうちました。 肩まですっぽりと隠していたシーツがめくりあがります。


少年「……ぁ」



 シーツに隠れていた部分が露わになってしまいました。


111 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/06(水) 05:27:23 ID:rdG9ucIE

 透けるほど薄い生地のネグリジェは肩が丸出しで、その白い肌が目に焼き付きます。

 それと、そこに刻まれている呪文のような入れ墨も。

 それは、背中を中心にして魔法陣のように全身に施されているようでした。

 痛々しく、なんだか良くない物な感じがしました。


 そっと、指でその入れ墨に触れます。

少年「痛っ!」


 指先に針で刺したような痛みが走りました。

 恐る恐る指先を見ても、傷一つついていません。


112 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/07(木) 18:04:08 ID:vAbZG7Jo


少年「何なんだろう……コレ?」

魔女「……」


 魔女の背中一面の紋様は魔女の白い華奢な背中には似合いませんよね。

 魔法に関係あるのかもしれませんが、みているだけでなんだか不安な、悲しい気持ちになります。
魔女「……」

魔女「……」

 大変なことに気が付きました。


少年「もしかして、魔女、起きてる?」


魔女「もしまだ寝ていたら、君は僕の身体にいったいどんな事をするつもりかな?」


 魔女はいつの間にか起きていました。


113 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/07(木) 18:05:17 ID:vAbZG7Jo

少年「え、あの、そーいうつもりじゃ」


魔女「じゃあ、無遠慮に淑女の寝室に上がり込んだあげくに、何の許可もなく肌に触れ、あまつさえ、起きたことにも気が付かずに僕の無防備な肢体を舐め回すかのように見たのはどういうつもりなんだい?」


少年「ごめんなさい」

魔女「謝ると言うことは、だ。 なんらかの邪な考えがあったと認めると言うことかい? それとも、怒りを露わにしている僕をどうにかなだめようという安易な考えから口に出した意味のない音の羅列かい?」


 魔女は怒っています。 それもかなり。

 怒り過ぎているせいか、いつもより頬が赤いです。


114 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/07(木) 18:06:39 ID:vAbZG7Jo

少年「えと、あんまりにも魔女が、その」


魔女「なんだい? 聞くに値するだけの言い訳でなければ……そうだな」

 魔女は手をかざして何か呟きました。

 魔女の手の周りに次々と小さな火の玉が現れます。

 それは、魔女の手のひらに向かって集まっていき、最後には僕の頭くらいの大きさになりました。

魔女「さて、いま僕の手のひらにあるのは、自然界の中でも最も気性の荒い火の精霊だ。 これは僕の言葉に従い、お痛をした少年にお灸を据えてくれる可愛い奴でね」


 火の玉は魔女の手のひらで徐々に形を変え蜥蜴のような形になりました。

 チロチロと舌を出し、魔女に甘えているようにも見えます。

 僕には可愛い要素が見あたりませんでした。


115 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/07(木) 18:07:02 ID:vAbZG7Jo

魔女「さぁ、言い訳をしてごらんよ。 安心して良いよ? 大火傷はするけどもその後しっかりと傷は治してあげるから。 すっごい痛いだけで許してあげるから、さぁ、言い訳してごらん?」


 魔女がこんなにも饒舌なのは初めてです。

 火の照り返しで魔女の顔は真っ赤に見えています。

 痛いのは嫌だなぁ。

 でも、しっかりと治してくれるなんて、魔女は優しいなぁ。

少年「ごめんなさい、魔女があまりにも綺麗だからつい見とれちゃったんだ。 ほんとはすぐ起こすつもりだったんだよ」

魔女「……え、ぁ?」

 魔女は変な声を上げました。


119 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/09(土) 19:47:15 ID:EH3yf8cM
今日、明日とダラダラと更新したいと思います。

話が急展開を迎える予定ですので、ご了承ください(`・ω・´)


120 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/09(土) 21:43:55 ID:EH3yf8cM


 魔女は口をパクパクと動かして何か言おうとしていますが上手く声がでないようです。

 かざしていた手のひらに居た火の蜥蜴が小さく音を立てて消えてしまいました。

少年「魔女?」


 魔女はうなだれるようにため息を付くとベッドに腰掛けました。

魔女「はぁ、なんて言うかと思ったら」

 なんだか分からないけど、許してもらえたみたいです。

 その証拠に魔女から凄みのような物が消えていますもの。

魔女「君は卑怯だ」


 魔女は僕をじっと見つめて言いました。


121 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/09(土) 21:44:40 ID:EH3yf8cM

 僕は魔女と視線を合わせるのが恥ずかしいので適当に視線をずらします。

魔女「そんな分かりやすい言葉で褒められたら怒る気にもなれないじゃないか」

 魔女の声は、いつものように深くて静かな井戸の底のような調子に戻っていました。

 安心しました。 丸焦げは怖いですもんね。



少年「ねぇ魔女、聞いても良い?」


魔女「質問によるね」


 魔女はいつもの夕闇色の服を着て、安楽椅子に体を預けて言いました。


少年「背中の入れ墨についてなんだけど」


 魔女は少しの間悩みます。


魔女「これは、魔女と呼ばれる由縁かな」

 魔女は愛おしそうな、悲しそうな、そんな目をしてそう言いました。


122 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/09(土) 21:46:37 ID:EH3yf8cM


少年「それ以上の事は聞かない方が良いの?」


魔女「何日もかかるし、まず信じないと思うよ?」


 魔女ははぐらかすように応えました。


少年「それでも聞きたい!」

魔女「君は、物好きだね。 それに意外と厚かましい」



 そう言うと魔女は紅茶をティーカップをニつ用意して、静かに語り出しました。


123 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 10:32:07 ID:E0qVI6ko


 魔女は紅茶を一口飲むと、窓辺に飾られた花を見ながら話し出しました。


魔女「君は最初に僕がいつからここに居るかを聞いたね」

 夕闇色の瞳が僕を見据えます。

少年「たしか、僕のお祖父ちゃんのお祖父ちゃんが生まれた時位には居るって」


魔女「そう、だいたい二百年くらい前だ。 その頃の事は何か知ってる?」


 僕はまだ十年くらいしか生きていないので、さっぱりです。


124 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 10:32:38 ID:E0qVI6ko

少年「わからない」


魔女「魔王、魔物、勇者。 これだけ言えば何となくは勘付いてくれないかな」


少年「昔話で聞いたことがある」

 お祖父ちゃんが、話してくれた、昔話を思い出します。


 その昔、世界は魔王に支配されていて、魔物が溢れかえり、常に厚い雲に覆われていて、それを勇者が倒して世界に平和を取り戻したっていう話でした。


魔女「僕はその頃から人間を止めたんだ。 この入れ墨はその烙印、人を止め、太陽に背を向けた者への戒めだよ」


 やっぱり、良くないモノでした。

 でも知りたいのは入れ墨が何なのかではなく、何故そんな事をしたのか、です。


125 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 10:33:05 ID:E0qVI6ko

少年「なんで」

 僕は魔女に聞こうと思いましたが、結局聞けませんでした。

魔女「これ以上を話す気は無いんだ。 ごめんね」

 そう言った魔女の目が、あまりにも優しくて、泣きそうなくらい悲しい目だったからです。

 魔女はたまに、そんな目をします。

 何もかもを諦めているような、何もかもを拒絶したような、何もかもを許したような。

 いったいどんな物をその瞳に写したら、こんなに美しくて、悲しい瞳になるのか僕には想像も付きません。

 だけど、いつかそんな魔女の悲しみを和らげてあげたいと思いました。


126 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:20:27 ID:E0qVI6ko


魔女「花を、持ってきてくれたんだね」

 魔女は飾ってある花を見て言いました。

少年「魔女が喜んでくれるなら持ってきて良かった」


 本当にそう思います。


魔女「ただ、この花をどこで摘んだのかは知らないけど、良くないモノがついているね」


 魔女が指を動かして、花を浮かべます。

魔女「〜〜」

 よく聞き取れない言葉を鼻歌のように口にすると、花から黒い靄のような物が出てきました。


 もの凄く嫌な感じがします。


127 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:21:16 ID:E0qVI6ko


少年「なにこれ?」

魔女「人の悪意かな」

 魔女はそう答えると空いている手から紅い靄のような物をだしました。

 それは次第に形を変えて、大きな狼の顎になり、唸り声をあげています。


魔女「喰らえ」

 魔女が一言そう呟くと狼の顎は黒い靄を一口で平らげてしまいました。

 絶対に美味しくなさそうなんですが、狼の顎は満足げです。

 もしかしたら、美味しいのかもしれません。

 食べたくはありませんけど。


128 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:21:48 ID:E0qVI6ko

少年「いまの、なに?」

魔女「せっかくの花に虫が付いていたら長く飾れないだろう?」


 魔女いわく、黒い靄は人の悪意が形を持った物らしく、あそこまで濃い物は珍しいらしいです。


魔女「あんなにしっかりと形ができる奴は、普通なら戦場くらいでしかお目にかかれないよ」


少年「ここは、戦場じゃなくてただの森なのに」

 戦場で花を摘んだ覚えはありません。

 まぁ、人は埋まっているんでしょうけど。

魔女「ただの森、ではないけどね」

少年「え?」


魔女「ただの森なら僕はここに居ないさ」


 すっかり冷めてしまった紅茶を一口飲んで魔女は言いました。


129 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:23:36 ID:E0qVI6ko


少年「何故魔女はこの森に?」

魔女「魔女だから、かな」



 魔女はこれ以上は何も言いません。

 いつものように本を読み始めました。

 静かな空気は居心地が良いはずなのですが、なんだか今日は寂しいです。


少年「なにか、話をしよう」

魔女「いいよ。 まずは君から」

 魔女は優しい声で言いました。

少年「何か話すことあるかな」


魔女「そうだな、君の事を知りたいな」

 魔女はもう一度、優しい声で言いました。


130 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:24:17 ID:E0qVI6ko

 それから、他愛もない話をしました。

 本当に、退屈でどこにでもあるような他愛のない話です。


 きっと僕以外にもこんな話をする人はいっぱい居るはずです。

 魔女はそれを、優しく頷きながら聞いてくれました。

 僕は、話し終わる頃には泣いてしまいました。


 そんな僕を見て魔女は、「大変だったね」と言ってくれました。

 なぜ、魔女はこんなに優しくできるのでしょうね。


131 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/10(日) 18:24:56 ID:E0qVI6ko



少年「ごめんね、こんな話じゃ魔女はつまらなかったんじゃないかな」


 いつの間にか、日は暮れていました。

 部屋の壁が蛍火のように、冷たい光を発しています。

魔女「いや、そんなことはないよ」

 魔女は頭を撫でてくれました。

 子供扱いされるのは好きではありませんが、魔女の手が優しいので思わず頬が緩みます。

少年「子供扱いはあまり好きじゃないよ」

 見られたくはないので、顔を背けました。 恥ずかしいですから。

魔女「もう少し子供らしくしても良いよ?」

 今日の魔女はなんだか優しくて嬉しくなりました。


134 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/16(土) 20:35:12 ID:auoAPclo


少年「じゃあ、僕はそろそろ帰るよ」

魔女「君の寝具も用意しようか? 帰ったところで君には」

 魔女が心配そうに言いました。

少年「そうも行かないよ、お母さんも心配するし」

魔女「……」

 魔女は少し悲しそうな顔をしてうなずきました。


135 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/16(土) 20:35:36 ID:auoAPclo

 塔をでて森を歩きます。

 今朝よりも、もっと嫌な感じが肌に纏わりつきます。


 木々の影がまるでニタニタと笑いながら僕を見ているように感じました。

 早く森を出たくて駆け出します。

 途中、流れる景色に、森の獣のように恐ろしく、人間みたいに不気味な生き物が見えた気がしました。



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