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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その30
1 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/06/19(日) 23:21:58.85 ID:mzvkQweLo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
ついに魔王アンラ・マンユを倒した一同。次なる敵とは一体……。

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
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◆前スレ(その29)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/


8 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 00:31:17.17 ID:ymowtv8Yo
ドスッ…シュウウゥゥゥゥ

バーテン「……問題ない。命中」

シュウウゥゥゥゥ

アンラ・マンユ「……?」

五行を含んだ矢が、アンラ・マンユの胸に突き刺さる。

戦士「や……った?」

戦士父「……」

アンラ・マンユ「何が起きた……?」

ググッ…ボゴォッ

アンラ・マンユ「何が……起きたというのだ!?」

シュウウゥゥゥゥ…

胸に刺さった矢から、煙のようなものを吐き出す少年の姿をした魔王。

更に、皮膚が脱皮のようにぱらぱらと剥がれ落ち始め、

まるで体全体が崩壊するような現象が現れた。

アンラ・マンユ「オ……オオォォ……ッ」


9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 00:41:12.24 ID:ymowtv8Yo
ザッ…ザッ…ザッ…ガクンッ

アンラ・マンユ「オ…アアァァァァ!!」

タッタッタ…ザザッ

剣士「!?」

ジュニア「ど、どうなってる?」

天才「!? 退けっ! まだ終わってねぇ!」

大軍師「あれは一体……っ?」

シュウウゥゥゥゥ…

アンラ・マンユ「コ……ノボクガアアァァァァ!!」

ボゴォッ!!…シュウウゥゥゥゥ…

バーテン「終わったのか?」

天才「まさか……」

アンラ・マンユの肉体が崩壊し、中より現れた黒い陰が宙を彷徨う。

そして、巨大な一つの顔のような、おぞましい形状を模し、漂っていた。

天才「あれが外殻だったってのかよ、くそぉ……っ」


10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 00:46:05.85 ID:ymowtv8Yo
オオォォォォ…

魔道士「あ、あぁ……っ」

戦士父「誰か、とどめを!」

天才「無理だな」

戦士「……っ」

天才「動ける奴なんぞ、もうここにはいねぇ……」

アンラ・マンユ「コノボクガ……コンナコトニ……ィ」

剣士「確かサモナーさんが動けるはずだ! 今すぐ呼びに――」

大軍師「間に合いませんよ」

剣士「!?」

大軍師の指差す先、コカトリスの石化が徐々に解け始めた、

地面へ横たわるアジ・ダハーカが鋭い瞳をゆっくりと開き、翼を広げた。

召喚士「まずいっ! 阻止を!!」

盗賊「くそ……っ!」

最早その場に動ける人間など、1人も居はしなかった。


11 名前:NIPPERがお送りします(大阪府) [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 00:49:37.36 ID:occgdOhRo
俺「だれか・・・・」


12 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 00:50:28.37 ID:ymowtv8Yo
ついに30スレも消費する事となってしまいました…
本当に申し訳ない&ありがとうございます!

皆様の支援あって、ここまでこれました!
やっと終わりも見え始めてきました
もうしばらくお付き合い頂ければと思います!

それではまた夕方頃、お休みなさい!ノシ

前スレ>>981
弓を拾いに行った剣士さんは、途中で帰還するみんなと合流しました
描写が薄くて申し訳ありません…


26 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 08:18:36.40 ID:MeIv5KeDO
>>1乙
30スレはマジで凄いな!
通勤の電車でコカトリス読むのが楽しみになっているので>>1にはマジで感謝する。
ありがとう!


28 名前:NIPPERがお送りします(長崎県) [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 09:16:55.00 ID:EmLEzWXoo
ん?魔王一体倒すまでが序章じゃなかった?


31 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 15:37:40.44 ID:r6TeliCIO
>>28
そして、召喚士の出生の秘密解明に向けて、新たな旅立ちだな!


33 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:10:49.27 ID:qtIhhYfTo
ボオオォォォォ…

天才「どうする……」

声にこそ発したが、それは自問自答であった。

五行は即ち五感、そして形成する聖行は第六感。精神力。

肉体が崩壊し、精神……思念体とも言うべきか、魔王アンラ・マンユのそれは、

おそらく微弱な五行でも打ち込めば消滅する。天才はそう判断していた。

しかし魔力がない。だが、五行を撃とうと思えば撃てる。

それはつまり、己の命を燃やすという事。結果は見えている。

魔王アンラ・マンユとの心中。天才はその自問自答に思わず声を発してしまったのだ。

天才(予言に俺自身の死はなかった。信じるか……それとも……)

グッ

天才「俺様が信じてやらねーでどうすんだって話だ」

隊長「……?」

結論を出したその上で、天才が出来る事はただ1つであった。

天才「総員、退却――」


34 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:11:37.88 ID:qtIhhYfTo
ドンッ!!

天才「……?」

バチバチバチッ…バリッ

戦士「な……んだ!?」

バチバチッ…ジジッ

アンラ・マンユ「……オ……アア……ァ」

上空から垂直に降り注いだ雷の矢のような一撃。

アンラ・マンユ「ア……ガ……アアァァァァ」

それは黒い影の巨大な顔を脳天より貫き、地中の中へと消える。

ジジッ…ジジジッ

召喚士「魔法攻撃……?」

天才「はっ!」

バッ!!

上空を見上げる天才は目を細め、闇の中に何かを探すが、

夜空にはただ雲が漂うだけに留まり、天才の探す何かは存在しなかった。


35 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:12:17.75 ID:qtIhhYfTo
アンラ・マンユ「……ナ……ン……トイ……ウ」

フオオォォォォォン

大軍師「!?」

ジュニア「なんだぁ!? 魔王の様子がおかしいぞ!?」

剣士「姿が膨張している……っ」

天才「退避だ、退避ーっ!!」

大軍師「!? 全員、避難して下さいっ!」

ゴゴゴゴゴゴ

戦士父「大地が揺れているぞっ!」

天才「膨張と地響きは爆発の予兆だ! 早く退避しろぉ!!」

ジュニア「マ……ジかよぉ!」

ダダッ

召喚士「盗賊さんっ!」

盗賊「……すぐ行く!」

召喚士「!?」


36 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:12:56.94 ID:qtIhhYfTo
ババッ…ジャララッ

戦士「何やってんだアイツはよっ!」

盗賊「……届けぇ!!」

ビュッ!!……ガシィ!!

アンラ・マンユ「……ンド……ア、アアァァァァアアアアァァ」

天才「伏せろおおぉぉーっ!!」

魔道士「――っ!!」

カッ!!

状況も把握出来ずに、ただひたすら火口を離れ身を伏せる一同。

そして凄まじい閃光が起こった直後、とてつもない轟音が鳴り響いた。

ズッドオオオオォォォォォォン!!

朱雀嬢「きゃああぁぁーっ!!」

青年兵「くっ!!」

ズドドドドドド…

爆風と激しい岩石のつぶてが魔王を中心に巻き起こった。


37 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:13:25.26 ID:qtIhhYfTo
ゴオオォォォォ…

盗賊「……ぅ」

ゴトッ

戦士「……大……丈夫か……っ?」

盗賊「!?」

自分の上へ覆いかぶさる戦士を、盗賊は仰天した顔で見上げた。

盗賊「なっ、なん……」

戦士「お前1人庇うので精一杯。他の連中は大丈夫かな?」

ガシャッ…ゴトゴトッ

朱雀嬢「青年兵さんっ!?」

青年兵「うぅっ、痛……っつぅ!」

朱雀嬢「だ、大丈夫……ですか?」

青年兵「朱雀嬢さんこそ、大丈夫でしたか?」

朱雀嬢「わっ、私は大丈夫ですわっ! 青年兵さんのお陰で……」

青年兵「は、はは……っ。それなら良かったです……痛っ!」


38 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:14:06.94 ID:qtIhhYfTo
背後を振り向いた時、召喚士は立ち上るきのこ雲を無言で見上げていた。

召喚士「…………」

火口付近、即ち山頂に近い高所での爆発は、大規模な爆風などを発生させたが、

山の斜面の関係上、土砂や落石は一同を飛び越え、低所へと大きく抜けていった。

ゴゴゴゴゴゴ

召喚士「……」

魔道士「……ん」

召喚士「魔道士さんっ、大丈夫ですか!?」

魔道士「……召喚士……さん」

召喚士「良かった。大きな怪我はないようですね」

魔道士「召喚士さんっ!? 頭から血が……っ!!」

召喚士「あぁ、大丈夫です。石がかすっただけなので」

魔道士「駄目ですよっ、すぐに応急処置を――」

スクッ…フラァ…

魔道士「きゃっ!」


39 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:14:47.85 ID:qtIhhYfTo
ダキッ

魔道士「…………っ」

召喚士「大丈夫……ですか?」

魔道士「……すみません」

召喚士「いえいえ」

魔道士「……っ」

召喚士がゆっくりと魔道士の顔へ自分の顔を近づける。

魔道士「へっ、え……っ!?」

召喚士「……」

魔道士「――っ!!」

そのまま目をゆっくりと閉じ、召喚士は……出血の眩暈でその場に倒れた。

魔道士「召喚士さぁん!!」

召喚士「は、はは……っ。大丈夫です……」

魔道士「今、止血しますからっ!」

召喚士「す、すみません……はは……っ」


40 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:15:28.55 ID:qtIhhYfTo
ゴゴオオォォォォ…

バーテン「今度こそ……終わったか?」

天才「あれを見な」

ジュニア「!?」

きのこ雲の横を飛行するアジ・ダハーカの姿。

大軍師「あ、あれは……?」

天才「魔王の魔力の塊、まぁ言ってみりゃ眷属みてぇなモンか」

剣士「えっ!?」

天才「魔王アンラ・マンユは確かに倒した。消滅した」

戦士父「……」

天才「だが、完全に決着したわけじゃねぇ」

隊長「仕掛けてきますかね?」

天才「いんや、あれも生まれたばっかだろうし、魔王はもういない」

大軍師「はい。仕掛けてくる事はなさそうですね」

何度か上空を8の字に飛行したアジ・ダハーカはきのこ雲の向こうへと消えて行った。


41 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:18:45.88 ID:qtIhhYfTo


戦士「何で早々と引き退がらなかったんだよ!」

盗賊「……ごめん」

戦士「……ったく」

盗賊「……っ」

スッ

戦士「ん……?」

盗賊「……これ」

俯く盗賊の細い指先から手渡された雷切。

戦士「お前……」

盗賊「折れた刀身は無理だった……ごめん」

戦士「……馬鹿」

テクテクテクテク

魔道士「盗賊さーんっ!! 戦士さん!!」

戦士「魔道士、召喚士!!」


42 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:19:48.80 ID:qtIhhYfTo
召喚士「良かった。怪我はない?」

戦士「お前こそ大丈夫かよ!?」

召喚士「え、あ……うん」

盗賊「……召喚士」

召喚士「はい?」

盗賊「……レイピア」

召喚士「!?」

戦士「全くよ、危険な真似してまで拾ってくれたんだと」

召喚士「あ……っ」

戦士「雷切の事か?」

召喚士「ご、ごめんっ!!」

戦士「あーいいよいいよ。別に召喚士のせいじゃねぇ」

召喚士「……本当、ごめん」

戦士「気にしないでくれ。それに、これは俺が未熟ゆえに招いた結果さ」

召喚士「……っ」


43 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:21:29.43 ID:qtIhhYfTo
戦士「お前のレイピアこそ……」

召喚士「あ、あぁ。これは……いいんだ」

戦士「そうなのか?」

召喚士「うん。気にしないで」

魔道士「あっ! みんな無事みたいですよっ!」

召喚士「本当だ……おーいっ!!」

戦士「さて、俺達も合流しようぜ」

盗賊「……うん!」

戦士「……お?」

ザッザッザ…パシッ

――『見事だったわよ。流石、私の息子ね』

戦士「――!?」

盗賊「戦士、行くぞ?」

戦士「……おう」

拾い上げた弓を担ぎ、戦士は一同の元へと笑顔で歩いていった。


44 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:23:41.07 ID:qtIhhYfTo
〜南西砦〜

ドカッ

天才「あー疲れた。もうこんなんは勘弁だぞ」

大軍師「お疲れ様でした」

天才「んで?」

隊長「各地に布陣した魔道兵も帰還致しました」

天才「さっき見たよ。そうじゃねぇ、被害状況だ」

大軍師「アンラ・マンユ軍は壊滅的打撃を受け、再起不能とみられます」

隊長「殲滅は魔王含め6体。逃亡が2体です」

天才「上出来だ。魔王を潰した事に意義がある。んで、こっちの状況は?」

大軍師「死者……1158名。負傷者2094名。行方不明者403名です」

青年兵「……っ」

天才「内訳は?」

大軍師「大半が国軍。ワーカーに死者はおらず、学生には負傷者も出ておりません」

天才「……そーかい」


45 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:25:31.67 ID:qtIhhYfTo
〜南西砦、正門前〜

召喚士「アジ・ダハーカですか……?」

ハヌマーン「うむ、間違いないであろう」

マーマン「アンラ・マンユの眷属っつーか、ペットみてーなモンかな」

戦士「あれも眷属なのかよ……」

魔道士「それじゃあ、魔王はまだ……」

ハヌマーン「いや、それはないと思うぞ。魔王は間違いなく死んだ」

剣士「……」

ハヌマーン「核がなくなった今、アンラ・マンユが復活する事はないであろう」

魔道士「私達……本当に魔王を……」

ハヌマーン「ああ。お主等が魔王アンラ・マンユを打ち倒したのだ」

盗賊「……」

召喚士「そっか……魔王を……」

魔道士「倒したんですよね……私達」

戦士「ああ」


46 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:28:08.92 ID:qtIhhYfTo
〜南西砦、広場〜

魔道兵「ちくしょぉ……痛てぇ、痛てぇよぉ!!」

衛生兵「包帯が足りない! もっとないのか!?」

パアアァァァァ

学園長「……はい、いいわ。次の方」

パアアァァァァ

法師「……ふーっ」

南方魔道長「あまり無茶はせんで下さい」

法師「救える命があるのです。みすみす放ってはおけませんよ」

南方魔道長「しかし、あなた自身が潰れては元も子もない」

法師「分かっております。そこまで愚かではありませんよ」

南方魔道長「……」

法師「己の命があってこそ、他人を救えるのです」

南方魔道長「まさに」

法師「それに、祈りや念仏で救えるものなど有りはしませんよ」


47 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:31:53.65 ID:qtIhhYfTo
パアアァァァァ

シービショップ「……」

魔道兵「う、あぁ……」

サモナー「次は……こっちか。さ、身体を起こせるかい?」

玄武娘「サモナー様……っ」

朱雀嬢「……」

玄武娘「やっぱりこれ以上は……」

朱雀嬢「貴女に、止める権利があるのかしら?」

玄武娘「で、でもぉ……」

朱雀嬢「サモナー様はご自分の意思で、怪我人を助けているのですわ」

玄武娘「……っ」

朱雀嬢「私達が止めたところで、聞いて貰えるとは……」

玄武娘「でも、サモナー様が魔力を使えばそれは……」

朱雀嬢「ええ。サモナー様は今、自分の命を他人に分け与えているんですわ……っ」

玄武娘「サモナー様ぁ……」


48 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:41:47.28 ID:qtIhhYfTo


女学生「ひっ、ひぐ……えぐっ!」

ヘタッ

女学生「お父さん……どうし……てぇ!!」

横たわる魔道兵の亡骸。その前で泣き崩れる1人の学生。

女学生「何でよぉ!! どうしてお父さん……がぁ!!」

カツカツカツ

皇太子「……君の父上か?」

女学生「ひぐっ、うっ、うぅ……っ!!」

皇太子「……」

女学生「何で……こんな……うぅ……っ」

皇太子「月並みな事しか言えぬが、君の父上は立派に戦った」

女学生「う……ああぁぁ!!」

皇太子「そして、父上の命を奪ったのは私の責任だ。他の誰でもない」

女学生「そ……んなの……っ、そんなの分からないよぉ!!」


49 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:45:49.96 ID:qtIhhYfTo
皇太子「……」

ザッザッザ

青年兵「陛下、司令がお呼びです」

皇太子「……うむ」

カツカツカツ…チラッ

女学生「お……父さんっ。ごめんね……私……私っ、ひぐっ」

皇太子「遺族への補償は最大限に行うように」

青年兵「心得ております」

皇太子「本国の財源を削っても構わん。いいな」

青年兵「……はっ」

カツカツカツカツ

女学生「うああぁぁーっ!!」

青年兵「……っ」

クルッ…ザッザッザ…

女学生の悲鳴は、沈痛な面持ちで歩く青年兵の背中でへと響いた。


50 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:48:44.68 ID:qtIhhYfTo


格闘家「……?」

カツカツカツ

男隊員「おう。生きてっか?」

格闘家「……無事、終わったようですね」

男隊員「無事かどうかは分からんけどな」

女隊員「格闘家くんは大丈夫ッスか?」

格闘家「はい。1ヶ月程度は戦闘への参加は出来そうもありませんが」

男隊員「そういうのは無事とは言わねーんだよ」

女隊員「とにかくまだ戦いは続くんスよ。しっかり療養するッス!」

格闘家「はい」

テクテクテクテク

博士「おや、特遊お揃いでどうしたのら?」

男隊員「別にただの見舞いだよ。そっちこそ何してんだ?」

博士「ふっふっふ」


51 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:52:04.58 ID:qtIhhYfTo
ゴソッ

博士「ついに南西砦まで電話が開通したのら!」

男隊員「遅……」

博士「これでも相当急かしたのら!」

女隊員「でも、戦いはもう終わっちゃったッスよ……」

博士「あのな、戦後処理が一番、連絡のやり取りが必要なのらぞ?」

男隊員「……あぁ、言われてみればそうかもな」

博士「今だって急遽、各方面に衛生兵と物資の連絡をいれたところなのら」

女隊員「おぉーっ!」

博士「馬での伝令なら数日のロスが生じるのら。でも電話なら……」

男隊員「一瞬だもんな」

博士「うむ。これで救える命も増えるはずなのら」

女隊員「確かにそうッスよ! 凄いッス!」

博士「みんなが戦ってる間、こっちだって頑張ってたのら!」

男隊員「やるじゃん! ヒャハハッ!」


52 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 18:57:38.53 ID:qtIhhYfTo
やがて、南西砦に朝日が昇る。

剣士「もう朝か……」

幼女「くあ……っ」

弓使い「幼女、眠かったら寝ていなさいね?」

幼女「……大丈夫」

各地では未だに煙が立ち上り、戦いの激しさを物語っている。

南西砦兵「南西砦長様……見ていますか? 我ら、勝ちましたよ……っ!」

ついに、魔王アンラ・マンユを倒した一同。しかしその代償は計り知れない。

奪われた命は、過去数十年の戦いにおいても甚大なものとなった。

アマゾネス「皆、無事だな?」

色黒「はい!」

おさげ「ちょっと髪の毛が焦げちゃったけど……」

ポニテ「そんなの全然マシじゃない!」

ツインテ「とにかく無事で、何はともあれだにゃあ〜」

魔王を倒した彼らに、笑顔はほとんど見られる事はなかった。


53 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/06/20(月) 19:08:29.57 ID:qtIhhYfTo
>>26-27
日課とか超恐れ多いです。貴重なお時間を申し訳ない

あと本当に嬉しいレスばかりなのですが、
とりあえず目標は40スレ以内で頑張ります!

本日も数多くの一乙ありがとうございます!
それではここまでにて失礼をば!ノシ



56 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 20:01:12.06 ID:ztaCrGtho
>>1乙
逃亡ってアジダカーハと誰?

サルワは...?


59 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/20(月) 23:36:51.67 ID:nmaEsnDSo
アカ・マハフは養分になった
サルワが西国に飛ばされて、そこから逃げた


68 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2011/06/21(火) 04:00:26.70 ID:3REo1clDO
魔王にとどめをさしたのは誰だ!?


69 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [] 投稿日:2011/06/21(火) 05:10:18.36 ID:ZbeXquH30
1乙
ついに魔王……
アジ・ダハーカは宿主を探しにいったのかな?




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