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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その9
784 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:15:52.97 ID:/1wI722o
〜南の街、郊外〜

タッタッタ…

召喚士「お待たせしました!」

ハヌマーン「うむっ!では急ごう!!」

魔道士「街は大丈夫ですかね…?」

戦士「国軍がなんとかしてくれんだろ。俺達はやるべき事を…」

盗賊「…やるだけだ」

タッタッタッタッタ…

戦士「でも…よく気付いたな」

ハヌマーン「…?」

戦士「いや、女装してんのに…よく召喚士だって…」

ハヌマーン「気配や匂いで区別がつくからな…」

戦士「へぇ…。便利だな…」

魔道士「盗賊さんも似たような事…出来ますよね?」

盗賊「…まぁ。…幼い頃から…やらされてたから」


785 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:20:44.47 ID:/1wI722o
〜東の森、崖上〜

ハヌマーン「……」

召喚士「見えますか…?」

ハヌマーン「いや…まだ動きはなさそうだ」

戦士「そんで…どうすんだ?」

召喚士「街まで侵攻を許しては多大な被害が出る…」

戦士「食い止めるには、ここが最終防衛ラインってとこだな」

魔道士「私達だけで…大丈夫ですかね?」

盗賊「…数に…よるな」

ハヌマーン「…この中で足の速いものは…?」

盗賊が小さく右手を上げる。

ハヌマーン「私と共に…偵察へ出られるか?」

盗賊「…ん」

盗賊は小さく頷く。

ハヌマーン「よし。まずは二人で奴らの戦力を把握してくる」


787 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:25:01.23 ID:/1wI722o
召喚士「気を付けて…!」

盗賊「…任せろ」

盗賊は布を上げ、口元を隠す。

ハヌマーン「行くぞ!」

盗賊「…うむ!」

シュバッ!!……タタッ…

戦士「さーて…俺らはどうすっかね…?」

召喚士「魔道士さん」

魔道士「はい?」

召喚士「一旦街へ戻り、召喚フェスに出ていた方々に声をかけて貰えませんか?」

魔道士「!?」

召喚士「少しでも戦力になりそうな方を…」

魔道士「…分かりました!」

召喚士「すみません…。頼みます!」

魔道士「はいっ!では…行ってきます!!」


788 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:29:10.09 ID:/1wI722o
召喚士と戦士は崖を降り、森の手前に移動する。

召喚士「…戦士」

戦士「ん?」

召喚士「罠を張ろう」

戦士「…?」

召喚士「ありったけの結界石を…」

戦士「ん?…ああ」

戦士は荷袋から結界石を全て取りだす。

ジャラジャラッ

戦士「これしかねぇぞ?」

召喚士「これ…砕ける?」

戦士「んー、まぁ粉々には出来ねぇけど…」

召喚士「ある程度の数になればいいよ」

戦士「おう、ちょっくらやってみるわ」

召喚士「さて…と」


789 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/16(土) 23:32:17.64 ID:1gpaOgEo
戦士「フタエノ(ry」


790 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:32:29.18 ID:/1wI722o
召喚士「行けっ!スフィンクス!!」

シュイィィン

スフィンクス「あれ…?またー?」

召喚士「ゴメンゴメン!ちょっとお願いが…」

スフィンクス「…?」

〜東の森、数キロ先〜

タタッ…シュバッ!!

ハヌマーン「……」

盗賊「……」

ハヌマーン「この先に…いるな」

盗賊「…ああ」

ハヌマーン「あちらの高台に移ろう」

ハヌマーンは斜め前の崖上を指差す。

盗賊「…だな」

タンッ!!


791 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/16(土) 23:36:29.04 ID:XG3aC2DO
>>788
召喚士の戦術家としての才能がみれそうだな!
ワクテカが止まらないぜ!!!


792 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:37:26.96 ID:/1wI722o
盗賊「……く…っ!!」

ハヌマーン「…予想…以上だな…!」

盗賊とハヌマーンの目先には、ラクシャーサ達の大群が迫っている。

盗賊「…500、いや…もっとか…?」

ハヌマーン「尋常じゃない…!奴ら、この土地を制圧する気だ…!」

盗賊「…どうする?」

ハヌマーン「我らだけでは到底なんとかなる数ではない…」

盗賊「…だな」

ハヌマーン「国軍とやらに頑張って貰うしかないな…」

盗賊「……」

〜南方司令部〜

玄武娘「失礼しますのー!」

朱雀嬢「あら?誰もいませんわね…」

ザッザッザ

衛兵「どうしたお譲ちゃん達?迷子か?」


794 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/16(土) 23:54:08.66 ID:/1wI722o
朱雀嬢「まぁ、馬鹿にしてるのかしら…」

玄武娘「あの、偉い人はいるですの?」

衛兵「…ん?偉い人はみんなカーニバルに行っちゃったよ」

玄武娘「そうですか。ありがとうですの」

朱雀嬢「相変わらず駄目な連中ですわね」

〜南の街〜

魔道士「えーっと…」

テクテクテク…

魔道士「あ…っ!国軍のっ!!」

南方参謀「あら?貴方は確か…?」

魔道士「すいません!実はご相談が…!」

南方参謀「何かしら…?もしかして…迷子?」



南方参謀「それ…本当なんでしょうね!?」

魔道士「はいっ!確かです!!」


795 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:01:43.36 ID:xq8dppso
南方参謀「ちょっと!!」

タッタッタ…

衛兵「はっ!!」

南方参謀「幹部全員へ伝言!至急司令部へ!」

衛兵「かしこまりました!」

南方参謀「あとこれ…伝令隊へ緊急で頼むわ!」

衛兵「はっ!」

タッタッタ

南方参謀「さぁ、私達も司令部へ行きましょ?」

南方参謀は厳しい表情を緩め、ニッコリと笑った。

テクテクテク…

玄武娘「どこにいるんですの…?」

朱雀嬢「…なんだかさっきから兵士が騒がしいですわね?」

玄武娘「あっ、あれ…偉い人っぽいですの!」

朱雀嬢「どこっ!?あ…っ、本当ですわっ!!」


796 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:06:48.19 ID:xq8dppso
〜南方司令部〜

南方参謀「……だ、そうだわ」

南方弓長「本当なの…!?」

南方副官「信じられん…まさか…」

魔道士「でも…、間違いありませんからっ!」

南方魔道長「…それでそどうすんだ?」

南方参謀「敵の数が分からない限り、人員は割けないわね…」

南方弓長「本国への救援は!?」

南方参謀「さっき出したけど…本国からはおそらく間に合わない…」

南方副官「遊撃隊頼みか…」

南方参謀「当たりがくれば戦力になるでしょうけど…」

南方魔道長「…てか…司令は?」

南方参謀「…?……さぁ」

南方弓長「相変わらずあの人はー…」

南方副官「居ても居なくても変わらん!先に街の警備を敷くぞ!」


797 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:10:51.85 ID:xq8dppso
テクテクテク…

南方司令「…どうだぁ?美味いだろぉー?」

玄武娘「はい!美味しいですのー!」

朱雀嬢「まぁまぁってとこかしらね…」

南方参謀「あ、来た」

カツカツカツ…ガシッ

南方弓長「…この緊急事態に…何チンタラしてるんですっ!」

南方司令「おいおい!こっちだって迷子を保護してだな…っ!!」

玄武娘「迷子じゃないですの!」

朱雀嬢「やっぱり馬鹿にしてますわね…!」

魔道士「あっ!玄武娘ちゃん!朱雀嬢ちゃん!」

玄武娘「魔道士さん!どうしたんですの?」

魔道士「うん。ちょっと援軍を…」

南方司令「どうした!!緊急かっ!?」

南方弓長「だから…そう言ってるでしょうがっ!!」


798 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:18:52.72 ID:xq8dppso
南方司令「……なるほど。把握した…!」

南方参謀「…本当に?」

南方司令「イメージは!!」

南方副官「イメージって何だよ…」

南方司令「よーし!指示を出す!!」

魔道士「……」

南方司令「副官は街中に衛兵の配置を完了させよ!東を厚めに投入しておけ!」

南方副官「ははっ!」

南方司令「弓長と参謀は東の森へ急ぎ、ワーカーと合流せよ!」

南方弓長「はっ!!」

南方司令「その際に伝令を二人連れて行け。一人は敵の戦力をここへ伝えよ!」

南方参謀「了解致しましたわ!」

南方司令「魔道長は本国からの指示と遊撃隊をここで待て!」

魔道長「……了解」

南方司令「その際、参謀からの伝令を本国と遊撃に伝えよ!」


801 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:24:07.69 ID:xq8dppso
南方司令「お子様達はどうする?」

朱雀嬢「お子様…?し、失礼ですわね…!」

魔道士「もちろん行きます!」

玄武娘「行くですの!!」

南方司令「……」

朱雀嬢「……何よ?」

南方司令「…分かった。ついて来い!」

魔道士「…?」

南方副官「よしっ、これよりラクシャーサ討伐作戦を開始する!」

南方参謀「街到達前に殲滅を目標とする!一同行かれよっ!」

ザザッ!!…タッタッタッタッタ…

敬礼と共に、司令部全体が慌ただしく動き始める。

南方参謀「さ、私達は馬車で森へ向かうわよっ!」

南方司令「おらっ、急げ!悪を倒す為にっ!はっはっは!」

魔道士「…はいっ!!」


802 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 00:27:40.88 ID:P1S38cIP
流石に司令駄目すぎるだろ…


803 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:30:01.31 ID:xq8dppso
〜東の森〜

ヒュウゥゥン…

シルフ「ダメね…川なんてないわ」

召喚士「そうですか…。ありがとうございます!」

ザッザッザ…

戦士「あぁ、ここにいたのか…着替えたのか?」

召喚士「流石にあのまんまじゃね…。ははっ…」

戦士「そりゃそーだ!はははっ!」

召喚士「出来た?」

戦士「こんなモンでいいか?」

戦士は粉々に砕けた結界石を見せる。

召喚士「うん。ありがとう」

戦士「こんなもんどうすんだ…?」

召喚士「まぁ…足止めくらいにはなるかなぁって…」

戦士「こ、これ…!!……成程な」


805 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 00:31:07.70 ID:oLOa0pgo
指令は的確かと思うんだが


806 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 00:48:04.69 ID:xq8dppso
タタッ…スタッ!!

召喚士「あ、おかえりなさい」

盗賊「…何だ?…この穴」

戦士「どうだった?」

ハヌマーン「思った以上の大群だ」

召喚士「そうですか…」

ハヌマーン「援軍を要請した方がいい」

召喚士「はい。一応手配は…」

戦士「よし!とっとと迎撃の準備を進めちまおう!」

召喚士「うん。シルフさん、結界を」

シルフ「はいはーい」

盗賊「…罠…か」

戦士「ああ」

戦士は両脇の崖を見上げる。

盗賊「……成程な」


807 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 01:06:50.72 ID:xq8dppso


召喚士「よし…!準備完了!」

戦士「後は……」

ドドッドドッドドッ…

盗賊「…馬と…馬車?」

ザザァ…ストッ

魔道士「お待たせしました!」

南方弓長「話は聞いたわ!」

召喚士「国軍の皆さん…!」

南方参謀「街はフェスタの召喚士達と衛兵でカバーするわ」

ザッザッザ

南方司令「……」

ハヌマーン「……」

南方司令「…珍しい仮装だな!カーニバルにふさわしい!」

ハヌマーン「……?」


808 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 01:12:55.29 ID:9znlBvw0
ダメだこいつwwwwww


809 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 01:13:08.28 ID:xq8dppso


南方参謀「500以上…と頼んだわよ」

伝令「ははっ!」

パカラッパカラッ…

南方参謀「これで援軍として、魔道長達と遊撃隊が来るハズよ」

南方副官「先程突発でワークショップにも依頼をかけておいた」

南方参謀「これで駒の配置は完了、ってとこね…」

南方弓長「それでは、司令…」

南方司令「うむ…」

ザッ

南方司令「諸君、これより大規模な戦闘が始まる…」

召喚士「……」

南方司令「いいか、勇敢と無謀をはき違えず…」

玄武娘「…」

南方司令「生きて皆で帰ろう…!以上だ!!」

ザッ…ババッ!!

作戦開始と同時に景色は暗く変わり、まもなく日没を迎えようとしていた…。


810 :パー速民がお送りします [saga] :2010/01/17(日) 01:16:33.29 ID:xq8dppso
キリよくここまでにて!今日は多少進められましたかね…はは
本当に多数のご支援、毎日ありがとうございます!
受験生の皆さんは、明日も頑張って下さいね!

あと、あっちもチョロっと更新しました…

それでは、おやすみなさいです!ノシ


811 :パー速民がお送りします [] :2010/01/17(日) 01:21:45.49 ID:Ow1Jq7g0
初期召喚獣はやっぱ存在感あるな
おつ


815 :パー速民がお送りします [saga] :2010/01/17(日) 01:34:08.07 ID:xq8dppso
〜オマケ〜

テテーテテーテテーテテーン!!

南方司令「悪は許さじ!正義の味方、南方レッド!!」

南方魔道長「……ブルー」

南方副官「おい司令…これガタイで決めたろ。イエロー」

南方弓長「紅一点!南方ピンク!うっふん♪」

南方参謀「キーッ!何が紅一点よ!アタシがいるじゃない!グリーン」

南方司令「南方戦隊、コクグンジャー!!」

南方副官「いや…やっぱ無理だわこれ。絶対無理」

南方魔道長「……帰りますね」

南方司令「おいてめぇら!ふざけんなし!」

南方弓長「ちょっとっ!コスチューム引っ張らないでよっ!」

南方参謀「ピンクはアタシでしょうが!常識的に考えて!!」

玄武娘「……あの人達、…なんですの?」

朱雀嬢「教育上、見ない方がいいですわ。行きましょ…」


823 :パー速民がお送りします [] :2010/01/17(日) 11:08:53.04 ID:Gga3Z56o
今日は休みかな?


824 :パー速民がお送りします [saga] :2010/01/17(日) 11:44:30.64 ID:xq8dppso
おはようございます!ノシ
昨日家事サボったので今日は頑張ってるっす!
しばしお待ち頂けるとありがたいっす!


828 :パー速民がお送りします [] :2010/01/17(日) 14:14:07.84 ID:z9Ve/6DO
みんなが休んでおけ、と言ってもがんばる>>1であった。

頼むから、無理だけはしないようにな。
家事とか手伝えるもんならスレ住民全員で手伝いたいくらいだ。


830 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 14:36:05.33 ID:x19KhMDO
シルフ「まったく、なんであたしが>>1の洗濯物なんて畳まなきゃいけないのよー!」
ユニコーン「そうだそうだ、どうせなら盗賊さんとか魔道士ちゃんのとこにいかせてよー!」

スフィンクス「この粗大ゴミの山、壊していいんだよね?いいんだよね?いっくぞー!」


831 :パー速民がお送りします [saga] :2010/01/17(日) 17:12:33.02 ID:xq8dppso
ありがたいお言葉感謝致します!結構サボリ性なんで、
一度休んじゃうとクセになっちゃいそうなんですよね…
3か月連続で頑張ったら、週休2日制とか考えてみます!

今日は阪神大震災から15年ですね…
私は被災者ではないのですが、及ばずながらご冥福をお祈りさせて頂きます

そして受験生はセンターももうわずか!頑張れ〜!ノシ

↓続き


832 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:14:44.33 ID:xq8dppso


剣兵「配置完了致しました」

南方司令「召喚隊が少ないな…。何とかならんのか?」

南方参謀「北の戦闘でだいぶ持ってかれちゃいましたからねぇ」

南方司令「全く…。こんな時に限って…」

南方司令は拳を机に叩きつけ、苦悶の表情を浮かべる。

ザッザッザ

南方魔道長「魔道隊、配置完了」

南方司令「よし…。これで迎撃態勢は整った」

南方参謀「ここからは、各部隊ごとに行動を開始するわっ!」

南方参謀が前に立ち、各々の部隊に指示を伝える。

南方参謀「弓長率いる別働隊は、左右の崖上にて待機」

南方弓長「了解!!」

南方参謀「貴方達も一緒に行動して頂戴」

盗賊とハヌマーンが深く頷く。


833 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:16:07.33 ID:xq8dppso
南方参謀「魔道隊は正面後方にて待機」

南方魔道長「……・了解」

南方参謀「ラクシャーサは物理攻撃が効かない。貴方達が頼りよ…?」

魔道士「はいっ!!」

南方参謀「剣兵隊は副官の指揮の下、前線で迎撃と盾を」

副官「任せろ。行くぞ!」

戦士「おうよっ!!」

南方参謀「最後に朱雀先生…」

召喚士「……はい」

南方参謀「奴らは空中戦が苦手…。貴方が切り札よ?」

召喚士「……分かりました」

玄武娘「頑張るですの!」

朱雀嬢「切り札…。いい響きですわ!」

南方司令「……俺は?」

南方参謀「いつも通り。プラプラしてて下さい」


835 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:17:23.24 ID:xq8dppso
タッタッタ

召喚士「二人とも魔力は大丈夫ですか…?」

玄武娘「う〜ん…。まだ全快ではないですの」

朱雀嬢「ま、なんとかなりますわ」

召喚士「ははっ…、頼もしいです」



輸送兵「結界石の輸送、完了致しました」

南方参謀「ありがとう。急いで準備して頂戴」

剣兵「遊撃隊到着予定時刻は23時間です!!」

南方司令「まだ5時間もあんぞ?相変わらずチンタラと…」

剣兵「伝令っ!ワーカーの柄軍到着まで2時間です!」

南方参謀「なんとしてもここで食い止めるわ…っ!」

シュバッ………・ドオォォンッ!!

南方参謀「合図の花火よ!!来たわっ!!」

時刻は18時。いよいよラクシャーサとの戦いが始まろうとしていた。


836 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:18:26.50 ID:xq8dppso
〜東の森〜

南方副官「合図が上がった!進軍開始!!」

南方副官の号令により、前線の兵士約50名が前進を開始する。

そのうち5名程は補助と付加の為に付けられた、魔道兵の援軍である。

剣兵「斬っても大したダメージにはならん!誘導を優先するぞ!」

戦士「だな…」

魔道兵「支援は私達にお任せを…!!」

南方副官「このまま森を抜け、作戦通り先の平原で迎え撃つ!」

剣兵「おぉーっ!!」

戦士「不謹慎だが…武者震いが止まらねぇ…!」

南方副官「…!?」

戦士「あぁ、すまねぇのは分かってる…」

南方副官「ガッハッハッハ!!……悪いな、俺もだ!!」

戦士「アンタ…!無事終わったら酒でも飲みましょうや…!」

南方副官「任しておけっ!とっておきのを用意してやる!ガハハッ!」


837 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:19:49.09 ID:xq8dppso
〜左の崖上〜

ハヌマーン「来た。数などの変化は特にないな」

盗賊「……こっちもだ」

盗賊は森の端から出てくる、戦士達の姿を指差す。

弓兵「なっ、なんだ…あの数は…!?」

魔道兵「か…勝ち目はあるのか…?」

二人の後ろに布陣する国軍の兵達がどよめく。

ハヌマーン「お主、対崖に合図を…!」

弓兵「は、はいっ!!」

一人の弓兵が、手鏡で右の崖に光を送り、伝達を開始する。

対崖からも瞬時に光が輝き、了解の合図が戻ってくる。

ハヌマーン「よしっ、行くか…」

盗賊「…ああ。…ここは頼んだぞ」

弓兵「了解したっ!」

盗賊はハヌマーンの後に続き、崖を飛び降り、器用に岩の間を抜けていく。


838 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:21:16.97 ID:xq8dppso
〜森正面〜

ドドドドド…

戦士「来たぜ…!」

南方副官「全員…剣と盾を構えよっ!!」

ジャキッ!!…ガチャガチャッ…

地鳴りは徐々に近づき、同時に前方より砂埃が舞い上がる。

ラクシャーサ「…!?何だ…?人間か?」

地鳴りと砂埃の最前列に位置するラクシャーサが呟く。

ラクシャーサ「待ち構えてたか。どうする?このまま突っ込むか?」

すぐに、真横を歩くラクシャーサが問いかけに答える。

ラクシャーサ「厄介だな…。羅刹女様に確認してこよう」

ザッザッザ

南方副官「魔道隊っ!挨拶代わりをブチ込めぇっ!!」

魔道兵「了解っ!!」

5名の魔道兵が一斉に炎を放ち、開戦の合図となった。


839 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:22:18.95 ID:xq8dppso
ドドンッ・・ドンッ…ドンッ!!…ゴアオオオォォッ!!

ラクシャーサ「な、何だ…!?」

ラクシャーサの部隊は、突如降り注ぐ炎に慌てふためく。

剣兵「うおぉっ!」

南方副官「怯むなぁ!前進だ、前進っ!!」

ガキィィンッ!!…ガチガチガチィッ!!

ラクシャーサ「くっ…!」

戦士「ここは簡単に通さねぇぞ…!」

両軍の前衛が激突し、互いの剣が激しく火花を散らす。

ガインッ…キィン!!…ザシュッ!!

戦士「うおりゃぁっ!!」

戦士は刀身に雷を纏った雷切を手に、敵陣へ斬り込む。

バシュウゥッ!!…ガカアァァッ!!

ラクシャーサ「なんだ…コイツ!?ぐわあぁっ!!」

戦士「さぁ、どんどんかかって来やがれっ!!」


840 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 17:23:43.12 ID:oLOa0pgo
さりげなくフラグを・・・


841 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:48:48.22 ID:xq8dppso
タッタッタ…

ラクシャーサ「羅刹女様…!」

ラクシャーサは部隊の最後方に構える羅刹女の下へ駆け寄る。

禍々しい魔獣達の上に輿を構えた美女は不敵な笑みを浮かべ、口を開く。

羅刹女「…何です?騒々しい」

ラクシャーサ「前方にて人間達と交戦が…!」

羅刹女「そのような事でいちいち…。さっさと片付けなさい」

ラクシャーサ「はっ、はは!!」

タッタッタッタッタ

羅刹女「全く情けない…。あれでもラーヴァナ様の兵なのかしら…」

ズイッ

羅刹「仕方なかろう姉上…。奴らはただの駒に過ぎませんから」

輿の横を歩く、羅刹と呼ばれるひと際大きな鬼が、羅刹女に語りかける。

羅刹女「それもそうね…。羅刹、あんたも前方へ向かいなさい」

羅刹「かしこまりました。瞬時に終わらせて参りましょう…」



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