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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その10
535 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:17:00.09 ID:otaHZ0Mo
〜部屋〜

戦士「……」

盗賊「……」

戦士「……」

盗賊「……あの」

戦士「ん…?」

盗賊「…えと…何か…?」

戦士「ん?あ、ああ…」

戦士はソワソワと立ちあがり、部屋を見渡す。

盗賊「……」

盗賊はベッドへ腰掛け、戦士を見つめる。

戦士「え、えぇと…」

スタスタ…

戦士「…ん?こ、これ…」

盗賊「…!!」


538 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:20:23.06 ID:otaHZ0Mo
戦士「料理の本…?師匠んちにあったヤツ…」

タタッ…バッ!!

盗賊「ち、違っ!…こ…これは…っ!」

戦士「お前が持ってきたのか…!?」

盗賊「……」

盗賊は顔を真っ赤にして俯く。

戦士「こんなん…興味あったっけ…?」

盗賊「……ちょっと」

戦士「…?」

盗賊「ちょっと…っ!勉強しようと…思って…」

戦士「…!」

盗賊「だ、だから…っ、その…っ」

戦士「盗賊……」

盗賊「やっぱり…っ、料理くらい…で、出来ないと…」

戦士「……」


539 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:24:12.06 ID:otaHZ0Mo
盗賊「その…えと…お、女らしく…?」

盗賊はベッドに座りながら俯き、足をパタパタとさせる。

戦士「……いいんじゃねぇの?」

盗賊「……ん」

戦士「あんまり背伸びしなくてもさ」

盗賊「……」

パタパタッ…

戦士「自分のペースでゆっくりやってきゃいいじゃんか…」

盗賊「……う、うん」

戦士「まっ、料理くらい出来ないと…男も振り向かないかもな〜」

ピタッ

盗賊「!?」

戦士「……」

盗賊「…やっ、やっぱり…そう…」

戦士「……なんてな」


541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:27:07.22 ID:otaHZ0Mo
盗賊「……戦士」

戦士「俺、結構お前の料理好きだぜ…!」

盗賊「っ!!」

戦士「見た目はまぁ…アレだけどな…!」

盗賊「……うぅ」

戦士「…あんがとな」

盗賊「…え…っ?」

戦士「…これ」

戦士は腕をまくり、リストバンドを見せる。

盗賊「………あ…っ」

スタスタスタ…

盗賊「……!?」

ガサッ…

戦士「…ほ、ほれっ」

戦士は横を向いたまま、盗賊へ包みを突き付ける。


543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:31:27.97 ID:otaHZ0Mo
盗賊「な、なに…っ!?」

戦士「……やる」

盗賊「!?」

戦士「…お前に…やるよっ」

盗賊「わっ、私…に?」

戦士は黙って頷く。

盗賊「……あ、開けても…?」

戦士「早く開けてみな…っ!」

盗賊「ごご、ごめん…っ!!」

カサ…ペリペリッ…ゴソッ…

盗賊「……あ…っ…!」

戦士「お前…絵描くの…好きだったよな?」

盗賊「……う…うん」

戦士「…だから…やるよ」

盗賊は両手の絵画道具を見つめ、頬を赤らめた。


544 :パー速民がお送りします [] :2010/01/25(月) 23:32:01.25 ID:g5aQgbk0
召喚士もやっとリア充の仲間入りか…良かったな〜(´;ω;`)
でもリア充氏ね


546 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/25(月) 23:35:56.71 ID:IWtsLAAO
お前らもっと綺麗な心で召還士達を見てやれよ
お下品すぎて俺の股間が共鳴しだすわ


547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:35:56.71 ID:otaHZ0Mo
盗賊「…うわぁ…!」

戦士「まぁ…そんな高価なモンでもないけど…」

盗賊「…で、でもっ…これ…高いやつ…!」

盗賊は戦士の顔を見上げ、声高に語りかける。

戦士「そんな事ないって…」

スタスタ…

盗賊「…?」

戦士「よっと……」

戦士は蜘蛛切を手に取り、ポケットに手を入れる。

ゴソッ…シュルシュルッ…キュッ

戦士「よし…っと!」

盗賊「な…何?」

戦士「んー…?」

スタスタ

戦士「……ほれっ」


548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:41:12.72 ID:otaHZ0Mo
戦士は蜘蛛切を盗賊へ手渡す。

盗賊「……あっ」

戦士「…どうだ?カワイイだろ?」

盗賊「……根付?」

戦士「そ…っ!」

盗賊「……猫さんだ」

戦士「見てみ?猫が剣持ってんだぜ?」

盗賊「…ほ、ほんとだっ!」

戦士「こっちの赤い猫さんはお前の」

盗賊「へっ!?」

戦士「うんにゃ、何でもねぇ…」

盗賊は蜘蛛切の鞘に結ばれた、猫のストラップをじーっと見つめる。

戦士「とりあえず、お気持ち程度って事で…な?」

盗賊「……うん。凄い…嬉しい…」

盗賊は目を細め、しばらくの間ストラップを見つめた…。


549 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/25(月) 23:44:42.02 ID:gDeFIHoo
蜘蛛切「……」


550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/25(月) 23:46:13.35 ID:otaHZ0Mo
戦士「んじゃ、戻るわ」

盗賊「あ、あのっ…あ…ありがとっ!」

戦士「気にすんなって!」

盗賊「でも…でも…っ!」

戦士「明日からは大変だ。頑張ろうぜ」

盗賊「…う、うんっ」

戦士「そんじゃ、おやすみ…!」

盗賊「あっ!う、うん…!おやすみ…っ!」

スタスタ…カチャッ…パタンッ

戦士はニッコリと笑い、右手を上げ部屋を立ち去った。

盗賊「……」

テクテクテク…ポスッ

盗賊「……ありがとう…戦士」

盗賊はベッドへ横たわり、そのまま蜘蛛切をぎゅっと抱きしめた…。

微笑む盗賊の横で、猫のストラップもまた、微笑んでいた…。


554 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/25(月) 23:50:00.64 ID:A9HKGMSO
なんか胸がキュンキュンするんだけどなんて名前の病気なんだろう


556 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/25(月) 23:52:57.35 ID:LROuDBAo
不整脈じゃね?


560 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/25(月) 23:54:55.02 ID:otaHZ0Mo
…などといったところで本日は失礼致します
明日からはコイツらもちゃんと冒険すると思います!

今日も多数のご支援、ありがとうございました!ノシ


563 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/25(月) 23:56:14.64 ID:cliOV26o
萌える気持ちとともに心がささくれだつ


565 :パー速民がお送りします [] :2010/01/26(火) 00:02:39.74 ID:RxjzGN20
>>1乙

俺はなぜ純粋な気持ちを忘れないでいる間にこの作品に出会えなかったのか…orz


567 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/26(火) 00:09:19.69 ID:OgFO3ADO
>>1乙

色恋沙汰になってからレスが増えた気がするwwwwww


568 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/26(火) 00:12:12.96 ID:eAgdYkwo
〜オマケ〜

ゴロゴロゴロ…

盗賊「……」

ジーッ

盗賊「……ふふっ」

ゴロゴロゴロ…

盗賊「……ふふふっ!」

ツンンツン

盗賊「……かわいい」

ツンツンツンッ

盗賊「にゃー!私は猫さん剣士だぞー」

ツンツンツンッ

盗賊「やーっ!…ふふふっ!」

ゴロゴロゴロッ…ツンツンッ…

盗賊「……ふふっ…んふふーっ!///」



それでは、おやすみなさい!ノシ


573 :パー速民がお送りします [] :2010/01/26(火) 00:49:46.24 ID:E/4br0k0
根付(ねつけ、ねづけ)とは、江戸時代に煙草入れ、矢立て、印籠、小型の革製鞄(お金、食べ物、筆記用具、薬、煙草など小間物を入れた)などを紐で帯から吊るし持ち歩くときに用いた留め具。江戸時代から近代にかけての古根付と、昭和、平成の現代根付に大別される。高円宮憲仁親王が、収集家として名高かったことでも知られる。


580 :パー速民がお送りします [] :2010/01/26(火) 12:08:20.70 ID:lvXwT02o
最初、クリト…って言って、変態だの最低だの言われてたのにな。
こうやって強くなっていくんだなぁ。


583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:26:10.34 ID:xZ78k/oo
〜廊下〜

戦士「……はぁ〜」

テクテクテク

戦士「やべ…めっちゃ汗かいてる…」

テクテク…テク…

戦士「なんで緊張してんだ…俺…」

魔道士「何がですか?」

ビクゥッ!!

戦士「うおぉっ!お、お前ら…!?」

召喚士「ど、どうしたんだ?ボーっとつっ立って…」

戦士「何でもねぇっ!」

魔道士「…?」

召喚士「そ、そう……」

戦士「お、お前らこそ…!」

召喚士「戦士!飲みに行こうっ!俺がオゴるよ!!」


584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:27:44.20 ID:xZ78k/oo
魔道士「それじゃ…お、おやすみなさいっ!」

召喚士「あ、はい…!おやすみなさい」

戦士「おーう」

タッタッタ…

戦士「ほぉ〜…」

召喚士「な、何?」

戦士「なかなか良さげなショールじゃねぇか…」

召喚士「!!」

戦士「センスあるなぁ…」

戦士は右手で顎を触り、ニヤニヤと笑う。

召喚士「そういう戦士こそっ…どうだったのさ!?」

戦士「俺は別に…いいんだよっ!」

召喚士「良くない!!」

戦士「別に下心あってあげたワケじゃねーし…」

召喚士「俺だってないよ!!」


586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:28:59.02 ID:xZ78k/oo
〜部屋〜

…タッタッタ…ガチャッ…パタンッ

魔道士「…はぁ…はぁ……はぁ」

ゴロゴロ…ピタッ!!

盗賊「…おかえり」

魔道士「…何してるんですか?正座して…」

盗賊「…ん?」

魔道士「いや今…ベッドでゴロゴロしてませんでした?」

盗賊「……」

魔道士「慌てて正座し…」

盗賊「…ス、ストレッチ!!」

魔道士「ストレッチ…ですか?」

盗賊「そう!」

魔道士「な…何でストレッチ……?」

盗賊「…これはな、腰が細くなる…気が…」

魔道士「!?……ご教示下さいっ!!」


587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:30:33.94 ID:xZ78k/oo
〜バー〜

戦士「ご馳走様でーす!!」

召喚士「乾杯〜!」

チンッ

戦士「かぁー…!ウマイっ!!」

召喚士「ははっ…親父臭い…!!」

戦士「あんっ?バカ!まだ26だっ!!」

召喚士「知ってるってば…!ははは!」

戦士「……もう26かぁ」

召喚士「……」

戦士「なんかさ、ガキの頃って26なんて聞くと…大人だなぁって思ったよな」

召喚士「そうだねぇ…。20代なんて想像もつかなかったよ…」

戦士「実際自分がなってみると…変わらないモンだよなぁ」

召喚士「……うん」

二人は酒を一口含み、グラスを見つめる。


588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:31:25.53 ID:xZ78k/oo
戦士「大人って何だろうな…」

召喚士「ど、どうしたの!?急に…」

戦士「いや、俺らもいずれは結婚とかさ…するかもしれないよな?」

召喚士「…うん」

戦士「でも、こうして旅も続けてるわけだしさ…」

召喚士「難しいよね…」

戦士「このままいったら俺も30とか……」

召喚士「30……」

戦士「あ、あり得ん…あり得ねぇ…」

召喚士「想像…つかないよね……」

戦士「こういうのって…みんな悩んでんのかな…?」

召喚士「ど、どうだろ…聞けないよ…」

戦士「……うん」

召喚士「…うん」

二人は酒を一口含み、グラスを見つめる。


589 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/26(火) 15:31:35.31 ID:/ZXexKco
また今日もニヤニヤがとまらないどうしてくれるww


590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:32:29.20 ID:xZ78k/oo
召喚士「あ、あのさ…!」

戦士「んー?」

召喚士「プレゼント…ど、どうだったの?」

戦士「……んー」

召喚士「…あ、あれ?」

戦士「特に…普通に渡したよー」

召喚士「そ、そっか…」

戦士「でもあれだ、思ったより…緊張した…」

召喚士「……分かる」

戦士「すんげぇ強い魔物とか…そんなレベルじゃない…」

召喚士「…分かります」

戦士「…俺、盗賊の事どう思ってんだろな」

召喚士「…それは…自分にしか分からないよ」

戦士「自分でもさ、よく分かんねーんだ…」

二人は酒を一口含み、グラスを見つめる。


591 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/26(火) 15:33:20.99 ID:Pnz6cwSO
このニヤニヤはとまらない


592 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:34:55.10 ID:xZ78k/oo
召喚士「でも、盗賊さんは……」

戦士「んー…?」

召喚士「戦士の事…し、慕ってるんじゃないかなぁ…なんて…」

戦士「……そうかねぇ?」

召喚士「そんな気がする…けど…」

戦士「……」

召喚士「……」

戦士「お前は…?」

召喚士「…?」

戦士「魔道士…。好きなのか?」

召喚士「えっ!?いや…ど、どうなんだろ…はは…」

戦士「…魔道士はお前の事好きなんじゃないかな」

召喚士「!?」

戦士「そんな気がする…」

二人は酒を一口含み、グラスを見つめる。


593 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:35:58.66 ID:xZ78k/oo
召喚士「で、でもさ…っ!」

戦士「……」

召喚士「今はその…なんていうか…」

戦士「分かるよ」

召喚士「……」

戦士「俺達は今、旅の途中だ…」

召喚士「…うん」

戦士「ゴールは見えねぇけど…一歩一歩進んでる」

召喚士「…ゆっくりだけどね」

戦士「それに四人の関係もすげぇいいと思う」

召喚士「それは分かるなぁ。居心地いいって言うか…」

戦士「今の状態を壊したくないんだよな…」

召喚士「…ああ」

戦士「それに…もしそうなったとしても、そこで終わっちまいそうなんだ」

召喚士「……」


594 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:36:52.30 ID:xZ78k/oo
戦士「緊張が途切れるっつーか…。だらけちまいそうで…」

召喚士「そう…なんだよね」

戦士「だからこの旅が終わってから見つめようと思う…」

召喚士「自分を…?」

戦士は振り向き、ニッコリと笑う。

召喚士「ふふっ…、あはは…っ!」

戦士「…?」

召喚士「考えてる事…一緒…!あははっ!」

戦士「…ははっ、ははははっ!」

召喚士「とりあえず明日からは…平常心でいこう…!」

戦士「その通り…!!」

召喚士「そして…旅を無事終えよう!」

戦士「おうっ!!」

二人は酒を一気に飲み干し、空のグラスを見つめる。

店の灯りと二人の笑い声を、ゆっくりと夜が包み込む…。


595 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:37:55.99 ID:xZ78k/oo
〜部屋〜

魔道士「らら〜っら〜るら〜…ふふーん」

盗賊「ま、魔道士…」

魔道士「はいっ?」

盗賊「お風呂…入らない…?」

魔道士「!?」

盗賊「……」

魔道士「ど…どうしちゃったんですか!?」

盗賊「…いや…別にその…っ」

魔道士「…喜んでっ!エヘヘ!!」

ジャアアァァッ…

魔道士「るるる〜らら〜るるる〜らら〜」

盗賊「…楽しそうだな」

魔道士「楽しいです〜!!」

クチュッ…ニュルッ…コシュコシュッ…


596 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:39:21.43 ID:xZ78k/oo
盗賊「…良い事…あったか?」

魔道士「ありましたぁ〜!」

盗賊「そっか……」

魔道士「盗賊さんも…っ!!」

盗賊「…んっ?」

魔道士「今日は念入りに洗顔なんてして…」

盗賊「!?」

魔道士「何かあったんですかぁ…?ふふふ…っ!」

パシャッ…ザブッ!!

盗賊「……ブクブク」

魔道士「戦士さんですか?」

盗賊「……お返し…貰った」

魔道士「おーっ、良かったですねぇ!!」

盗賊「う、うん…っ!」

魔道士「嬉しいですよね…こういうのって…」


597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/26(火) 15:40:14.33 ID:xZ78k/oo
盗賊「……うん」

チャプッ…

魔道士「…私も…初めてです」

盗賊「……私も」

魔道士「私…ダメだなぁ……」

盗賊「…ん?」

魔道士「このまま四人で…楽しく暮らせればなんて思っちゃう…」

盗賊「……」

魔道士「ほんと…ダメですよねぇ…」

ザブッ…ブクブクブク…

盗賊「良いんじゃないか…?そう…思っても」

魔道士「……」

盗賊「ううん。早くそうなれるよう…頑張ろう」

魔道士「…はい」

二人は何かを隠すよう、浴槽に顔をうずめた。



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