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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その11
519 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:28:55.47 ID:dENOxuUo


魔道士「そんな気にしなくても…」

剣士「いや…近道もあるし、案内するよ!」

盗賊「…じゃあ…行こうか」

オーク「はいです」

村長「では…!」

幼女「さようならー!!」

テクテクテク…

召喚士「あの…剣士さん」

剣士「ん…?」

召喚士「昨日の話の続きですが…」

盗賊「…?」

剣士「ああ」

召喚士「あれは一体…どういう…」

剣士「……もうじき…分かるよ」


520 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:29:05.44 ID:dENOxuUo
召喚士「…え?」

魔道士「お話って…?」

剣士「頼む。信じてついて来てくれ」

戦士「な…なんだぁ?」

そう言うと剣士は山中へと足を早める。

魔道士「あ、あの…」

召喚士「行きましょう」

盗賊「……」

召喚士「剣士さんの事です。きっと考えが…」

戦士「……そうだな」

ザッザッザ…

オーク「!?」

戦士「どうした…?」

盗賊「…気配が!……かなりいるな」

召喚士「!?」


521 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:29:12.46 ID:dENOxuUo
剣士「……ふふ…っ…ふふふっ」

魔道士「剣士…さん…?」

ピュイイイィィィッ!!

剣士は岩の上に飛び立ち、口笛を吹く。

戦士「何だ!?」

召喚士「剣士さん…?」

ガサッ…ヒュバッ…タンッ…

盗賊「…くぅ…っ!」

魔道士「これは…!?」

剣士の口笛を合図に、無数のゴブリンが一同を囲む。

召喚士「こ、これは…!?」

オーク「…う…っ!!」

ゴブリン「……よぉ」

剣士「……やあ」

ゴブリン「調子は良さそうだな。剣士さん」


522 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:29:19.94 ID:dENOxuUo
盗賊「!?」

剣士「…ふふっ、まぁね」

ゴブリン「そっちの人間は誰?」

剣士「ああ。彼らは……」

剣士は召喚士をじっと見つめる。

召喚士「……」

魔道士「……」

剣士「………大切な友人だよ」

ゴブリン「おー、剣士さんのお友達か」

戦士「…こりゃつまり……!!」

剣士「そう。彼らは悪いゴブリンではないんだ…!」

盗賊「…そうか。道理で途中にゴブリンが……」

召喚士「ですね。山の反対側に密集してたんだ…!」

剣士「……流石ですね」

テクテクテク…


523 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:29:27.17 ID:dENOxuUo
ゴブリン「おや?オークじゃないか」

オーク「オ、オラ…オークです!」

戦士「コイツは魔王軍がイヤで、逃げてきたんだ」

ゴブリン「へぇ!すごいなー!」

オーク「凄くねぇです…」

召喚士「それで…剣士さん…」

剣士「……」

召喚士「本題があるわけですよね…?」

盗賊「……」

剣士「彼らも連れて行ってやれないだろうか?」

魔道士「え…っ!?」

召喚士「ゴブリン達を…ですか…?」

剣士「ああ…」

ゴブリン「剣士さん?」

剣士「……ああ。すまない」


524 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/08(月) 17:29:38.41 ID:dENOxuUo
魔道士「…でも何故?」

剣士「ここのゴブリンにはボスがいたんだが…」

ゴブリン「この前、北でやられちまったんだよ」

戦士「…ほう」

剣士「それで統制も取れず…かと言って人を襲うわけでもなく…」

盗賊「…それで?」

剣士「うん。実は国軍の動きが活発になってきてね…」

召喚士「国軍ですか…?」

剣士「小規模な地区から魔物を殲滅していくつもりらしい…」

召喚士「…なるほど。そうなると当然…」

戦士「ここのゴブリン達も危ないってワケか…」

剣士「先日、流石に痺れを切らして…掛け合ってみたんだが…」

盗賊「…駄目…か」

剣士「…ああ。聞かぬの一点張りだったよ」

召喚士「……」


525 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/02/08(月) 17:30:52.98 ID:oEWawVoo
戦士一人二役不覚笑


526 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/02/08(月) 17:35:18.35 ID:w0zBxoDO
>>525
戦士はやる夫疑惑がでて焦ってるんだよ、きっと


532 :GEPPERがお送りします [saga] :2010/02/08(月) 18:31:30.22 ID:dENOxuUo
戦士が変な人と化している…
ごめんよ戦士。自分が不甲斐ないばかりに…

帰ります!また後ほど!ノシ


544 :GEPPERがお送りします [saga] :2010/02/08(月) 23:02:45.33 ID:JH1ZNyYo
ただいまーです!ノシ
最近仕事が終わらない…うぅ…
夕方の投下とオマケだけで何とかご勘弁を…!


549 :GEPPERがお送りします [saga] :2010/02/08(月) 23:26:25.36 ID:JH1ZNyYo
ほんとすいません。頑張ります!ノシ

〜オマケ〜

弓使い「これからよろしくね!幼女ちゃんっ!」

幼女「よろしくおねがいします!」

村長「お土産もありがとうな…!」

幼女「いいえ!あ…そうだっ」

弓使い「…?」

幼女「これからお世話になりますぅ〜!」

ドンッ!!…バサバサバサッ!!

弓使い「……な、何このお金…!?」

幼女「あの…あたしの…お父の遺産」

村長「…ゴクリ」

弓使い「これは…貰えないわよ…!」

村長「…幼女ちゃん、やはりワシと一緒に暮…」

弓使い「これはね、幼女ちゃんが大きくなった時の為に…取っておきましょう」

幼女「……うん!!」


569 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 15:47:15.45 ID:Gra/FN.o
剣士「軍は頼れない。そうなると…」

戦士「しっかしこれだけの数…いけるか?」

召喚士「……」

剣士「難しいだろうね…」

魔道士「どうするんですか?」

召喚士「闇に紛れて一気に進むしかないか…」

盗賊「…だが…この先は」

魔道士「え…?」

剣士「……盗賊さんは知ってるみたいだね」

召喚士「…?」

盗賊「…東方の出…だから」

戦士「この先に何かあんのか?」

剣士「…もうじき見えてくるよ」

魔道士「…一体…何が?」

剣士「……国だよ」


571 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 15:47:42.64 ID:Gra/FN.o
召喚士「…国!?」

剣士「ああ…」

剣士は頷くと、木々を掻き分け崖縁まで進む。

魔道士「あ…あの…」

ガサッ…

剣士「見えるかい…?」

戦士「なんだ…ありゃあ!?」

剣士「両脇には針のようにそびえる、天険の山…」

盗賊「……」

剣士「その間に高く城壁を構え、その内部に家や宮殿が建つ…」

魔道士「上から見ると…田の字に整備されて…」

剣士「南方へ行くには、嫌でも此処を縦断しなくてはならない」

召喚士「これは…国…なんですか!?」

剣士「正確には首都…というか…」

盗賊「…四角い城壁の中に…街がある」


572 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 15:47:57.28 ID:Gra/FN.o
剣士「そう。これはこの南東国独特のものだよ」

魔道士「南東国…」

剣士「上空から見た姿が満開の花に見える事から…」

オーク「……」

剣士「華の国…などとも呼ばれているけどね」

召喚士「これは…無理ですね」

剣士「…うん」

戦士「北関より頑丈だぞ、ありゃ…」

剣士「華の国は独立国家だ。国軍の協力も期待出来ない」

召喚士「……」

魔道士「やはり迂回して…」

戦士「この数じゃ無理だろう…」

盗賊「…すると…手は」

戦士「強行突破か…」

剣士「出来れば避けたいのだけど…」


573 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 15:48:07.83 ID:Gra/FN.o
召喚士「ええ」

盗賊「……ならば」

ザッ

魔道士「盗賊さん?」

盗賊「…情報収集あるのみ」

盗賊は立ち上がり、一同の顔を見渡す。

戦士「使えそうなネタを拾い集めてくるかぁ」

召喚士「…剣士さん」

剣士「…?」

召喚士「夜には戻ります。オークを…」

剣士「分かってる。この先の洞窟で待機してるよ」

戦士「さて、行くか…!」

オーク「気…気をつけて!!」

魔道士「ありがとうございますっ!」

四人はそのまま山を下り、南東国へと向かう。


574 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 15:48:19.43 ID:Gra/FN.o
〜南東国、正門前〜

テクテクテク…

戦士「正門は普通に通過出来んだな…」

召喚士「行商の兼ね合いで、いちいち検問はしてないみたい」

魔道士「厳しいのは夜だけみたいですね…」

盗賊「…とりあえず…入ろう」

四人は巨大な門をくぐり、街の中へと足を進める。

召喚士「何だか…似てますね」

戦士「ん?あー…言われてみれば…」

魔道士「やっぱり似てますよね!東方に…!」

盗賊「…うん」

召喚士「盗賊さんは来た事あるんですか?」

盗賊「…いや、ない」

戦士「そうなると誰も来た事ないってわけだな…!」

魔道士「不安だけど…楽しみですね!!」


579 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 17:58:57.00 ID:Gra/FN.o
〜大通り〜

戦士「あの中央に建ってるのが宮殿か…」

盗賊「…皇帝がいるそうだ」

召喚士「これは強行突破は不可能に近いね…」

魔道士「道は広いですけど…」

召喚士「街の外れに行ってみましょうか」

盗賊「…ああ」

テクテクテクテク…

〜南東国、東側〜

魔道士「ピッタリですね…」

召喚士「ええ。城壁と山の間に隙間もないですね…」

盗賊「…山を壁に…城壁を作っている」

戦士「かといって、こんな天険の山じゃ登れねーぞ?」

魔道士「やっぱりここを抜けるしかないですね…」

召喚士「ええ…」


580 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 17:59:08.05 ID:Gra/FN.o


テクテクテク…

戦士「……ざっとこんなもんか」

召喚士「日も落ちてきたし、一旦戻ろうか」

魔道士「そうですね…」

召喚士「街の作りも大体把握したし…」

戦士「さっすが!」

召喚士「いや…至ってシンプルな作りだから…」

魔道士「綺麗に区画が区切られてますよねぇ!」

戦士「どこがどの道か分かんなくなっちまうよ…」

盗賊「…さて…行こうか」

召喚士「そうですね。剣士さんも待たせてますし…」

戦士「食材だけ買っておくか?」

魔道士「あ、そうですねっ!」

召喚士「ええ」


581 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 17:59:15.83 ID:Gra/FN.o
〜山の道、洞窟〜

ザッザッザ…パキッ

剣士「……」

召喚士「剣士さん…俺達です」

剣士「……おかえり」

剣士は警戒を解き、洞窟の中より姿を現す。

オーク「ご無事で何よりです」

魔道士「あれ…?オークさんと二人ですか?」

剣士「ええ。ゴブリン達は一旦引き上げて貰いました」

盗賊「……」

剣士「それで…いかがでした?」

戦士「うーん…。一言で言うと…難しいな」

召喚士「うん。何かしら手を打たないと、反対側へは抜けられないね」

剣士「やはりそうか…」

魔道士「と、とりあえず…ご飯にしましょうか!」


582 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 17:59:26.49 ID:Gra/FN.o


戦士「いっただっきまーす!」

召喚士「それで…得た情報は…」

魔道士「まず、夜になると各門が閉まるみたいです」

戦士「んで、門には衛兵がガッチリだ」

召喚士「……うん」

盗賊「…左右の山は…とても登れぬ」

魔道士「あと、同じような街があと2箇所あるみたいですね」

戦士「2箇所?」

召喚士「うん。北と西にあるみたいだよ」

戦士「ふーん…」

召喚士「あとはつい先日、皇帝が崩御したらしいですね」

盗賊「…ああ」

魔道士「でも…息子さん達が仲が悪いって…」

戦士「後継者争いってやつか…」


583 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 17:59:37.65 ID:Gra/FN.o
召喚士「三兄弟で各街を拠点にしているらしいです」

剣士「三竦み状態か…」

戦士「争っている形跡はなかったけどなぁ」

盗賊「…表向きはな」

魔道士「……」

召喚士「利用出来る環境ではないか…」

魔道士「そうですねぇ」

オーク「……うぅ」

剣士「考えうる手は…」

戦士「穴を掘って地中を進む」

魔道士「何年かかるんですかー!もうっ!」

剣士は食事の手を止め、召喚士を見る。

剣士「堂々と行こうか」

召喚士「それしか…ないですかね」

魔道士「…?」


586 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/09(火) 18:18:01.05 ID:Gra/FN.o
剣士「変装して昼間に堂々と素通りしよう」

戦士「しかし…あんだけ数がいるんじゃ…」

魔道士「行商っていう事にも出来ないですよー?」

盗賊「…そうか」

召喚士「何も一度に行く必要はないですから」

魔道士「あ…っ!何回も往復して……」

戦士「そういう事か…!」

召喚士「まぁ…バレないとは言い難いけど…」

剣士「現状では最も適した方法かな」

盗賊「…ああ」

魔道士「うまく…いきますかね?」

召喚士「やるしか…ないですね…!」

戦士「いつから動く?」

剣士「国軍の動きもある。出来れば早い方が…」

召喚士「明日から…早速動きましょう…」


607 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 11:59:34.67 ID:B2WvCEYo
〜次の日〜

ジャリッ…

戦士「小道具はこんなモンでいいか…」

盗賊「…馬車…借りてきた」

魔道士「洋服はバッチリですねーっ!」

召喚士「師匠の所から持ってきておいて良かったですね」

戦士「使える物は何でも使わないとな!」

剣士「そうだね」

召喚士「オークは一番最後。いいかい?」

オーク「オラ、お任せします」

召喚士「……では、行きますか」

剣士「ああ…」

召喚士「ゴブリンの総勢は30名程…」

戦士「一回2匹で15往復か…」

盗賊「……」


608 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 11:59:45.88 ID:B2WvCEYo
剣士「東門を抜けたら、目立たない街の外れを迂回して…」

召喚士「西門から一気に街の外へ…!」

盗賊「…そこから南へ…だな」

魔道士「…頑張りましょう!」

剣士「通過したゴブリン達は街の外で待機を」

ゴブリン「へい」

召喚士「もし失敗したら…だけど…」

戦士「力ずくで突破するか…」

剣士「いや、一旦退いてほとぼりを冷まそう」

召喚士「そうですね」

戦士「突破した奴らは?」

剣士「失敗した時点ですぐに南方へ出発させよう」

魔道士「分かりました…!」

戦士「なんかややこしいが、とにかくバレなきゃいいんだな?」

召喚士「……撹乱もしておくかな」


609 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 11:59:55.90 ID:B2WvCEYo


盗賊「…では…行こうか」

戦士「一番手頼んだぜ!」

魔道士「ドレス…よくに会ってますよ!エヘヘ!」

盗賊「う、うるさいっ!」

戦士「従者もしっかりな!」

召喚士「はぁ…」

召喚士は盗賊を乗せた馬車の手綱を引き、ゆっくりと進む。

ゴブリン「……大丈夫かなぁ」

召喚士「緊張せず普通にしていればいいから」

ゴブリン「へい」

ガラガラガラッ…パッカパッカ…

召喚士「……こんにちはー」

衛兵「……」

パッカパッカパッカ…


610 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:00:06.21 ID:B2WvCEYo


召喚士「…普通に通過できたな」

ゴブリン「バレてねーな。やったやった!」

ゴソッ

盗賊「…拍子抜けだな」

召喚士「ええ。あっさりすぎるというか…」

盗賊「…まぁ…楽に越した事はないか」

召喚士「そうですね」

〜西門〜

パッカパッカパッカ…

召喚士「この先の平野で道が三方向に分かれています」

盗賊「…北と西が各街…だったな」

召喚士「はい。なので南へ進み、海沿いを南方へ抜けます」

盗賊「…承知した。手筈を整えておく」

召喚士「お願いします。俺はまた戻ります!」


611 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:00:16.87 ID:B2WvCEYo


タッタッタ…

召喚士「お待たせ!」

魔道士「大丈夫でしたか!?」

召喚士「ええ。案外あっさりと抜けられました」

剣士「…そうか」

召喚士「馬車はそんなに使わなくて良いかも…」

戦士「次は俺達か…」

剣士「じゃあ、二人は撹乱を…」

召喚士「はい」

魔道士「行きましょうか」

戦士「設定は…?」

剣士「ゴロツキ四人ってカンジかな…?ははっ」

戦士「だとさ!行くか〜!」

ゴブリン「へいへい!」


612 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:00:27.49 ID:B2WvCEYo


ザッザッザ…

衛兵「……」

戦士「……クッチャクッチャ」

ゴブリン「…クッチャクッチャ」

衛兵「……」

テクテクテク…

魔道士「貴方っていっつもそう!!」

召喚士「…!?」

魔道士「そうやって…他の女に…!!」

ヒュッ…バチーンッ!!

召喚士「いって……!!」

魔道士「もう知らないっ!!」

タッタッタ…

衛兵「…痴話喧嘩は…余所でしてくれないか?」


614 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:00:36.13 ID:B2WvCEYo
召喚士「あ…す、すみません」

タッタッタ…

衛兵「全く…」

戦士「アイツら…迫真の演技だな!」

剣士「何もあそこまでしなくても…」

四人はそのまま西門を通過する。

盗賊「…こっちだ」

分かれ道手前のキャンプ場で盗賊が声をかける。

戦士「おー、首尾はどうだ?」

盗賊「…問題ない。…人通りも少ないし」

剣士「じゃあ次は僕がここを見張ってよう」

戦士「うっす。んじゃ戻るか」

盗賊「…うん」

ゴブリン「ありがとうな」

戦士「おう、お仲間も全員連れてきてやるよ!」


615 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:00:46.15 ID:B2WvCEYo


テクテクテク…

戦士「ただいまー」

召喚士「あ、おかえり…!」

戦士「迫真の演技でしたなぁ?」

召喚士「…ま、まぁ」

魔道士「本当にごめんなさいっ!」

魔道士は涙目で召喚士へ頭を下げる。

召喚士「いやいや…打ち合わせ通り、バッチリでしたから」

魔道士「でも…」

戦士「お前にも見せてやりたかったなぁ。ははは!」

盗賊「…?」

召喚士「とにかくどんどん進めましょう…!」

魔道士「そ、そうですね!」

戦士「おしっ!さっさと行くぞー!」


616 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:01:18.36 ID:B2WvCEYo


魔道士「ねーあなた〜。此処が南東国ぅ〜?」

ゴブリン「あ、ああ!そうだよー!」

衛兵「……」



戦士「ワタシ旅の行商ネ!ヨロシクアル!!」

ゴブリン「アルアル!!」

衛兵「……」



召喚士(なぜ女装する必要があるのだろうか…?)

魔道士「お姉様、お兄様、行きますわよ?」

ゴブリン「う、うむ!」

召喚士「そ、そうね!ほほほ!」

衛兵「……」



617 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/10(水) 12:02:24.27 ID:B2WvCEYo
〜宮殿、最上階〜

煌びやかな衣服を纏った美しい女性が外を眺める。

その後方には二人の巨漢が腕を組み、その姿を見つめる。

夫人「……何やら面白そうな集団がいるわね」

金角「魔物の臭いがプンプンと漂いますな…」

銀角「目的は何であろうか…」

夫人「……うふふ」

夫人はゆっくりと手にする扇子を仰ぐ。

金角「もしや次男、三男の差し金か…?」

銀角「奴等に魔物と結託する力はないよ」

金角「ふぅむ…。では何故?奇怪な話よ」

銀角「…如何なさいまするか?」

夫人「…そうね。少し悪戯してあげようかしら…うふふっ」

金角「では…早速手筈を整えまする」

夫人「…ふふっ……うふふ」



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