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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その41
1 名前:NIPPERがお送りします [] 投稿日:2012/08/12(日) 22:17:20.68 ID:MgDgJ9Dzo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を『召喚士』。後に『救世主』と呼ばれた者である……。


〜前回までのあらすじ〜

最初はただ、ちっぽけな存在に過ぎなかった。
数多くの出会いと別れ。そして戦いの中で強くなった。
長い歴史の中での、たったの5年の物語。
召喚士達の小さくて大きな旅。今ここに堂々の完結!


◆7xまとめ様(いつもありがとうございます!)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆かぎまとめ様(日々のまとめありがとうございます!)
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-3022.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329994650/

◆前スレ(その40)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1340982413/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1344777440


4 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:39:19.20 ID:MgDgJ9Dzo
〜本国〜

双子姉妹「空に……光が……っ」

赤い彗星「世界に再び……光が……」

 パアアアアァァァァ……

右大臣「やった……やったぞ。やったのだな……っ!」

エリート「見よっ、光だ!! 光が戻ったぞ!!」

男「おおおおぉぉぉーっ!!」

老人「世界が……救われたっ! 救われたのじゃ!」

占い師「陛下っ!」 タッタッタッ

記者「ど、どうなったのですか!?」

皇太子「信じた結果だ。皆の願いが通じたのだ! 信じる心が通じたのだ!」

占い師「――っ!!」

書家「うおおおぉっしゃああぁぁぁぁ!!」

高官「ありがとう、ありがとう……っ」

皇太子「あとは皆の無事を、帰還を待つばかりだ」


5 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:39:55.87 ID:MgDgJ9Dzo
〜北関〜

騎士長「いよおぉっしゃああぁぁぁぁ!!」 ワアアアアァァァァ!!

左翼長「バカか。まだ……どうか分かんねーだろ」

騎士長「いーや、勝ったさ。俺の第六感がそう言ってる!!」

左翼長「けっ、アテになんねぇな」

騎士長「はあぁ……って、泣いてんのか!?」

左翼長「誰が泣くかアホ!!」

騎士長「ちょっとジーンときてんじゃねぇかよっ」

左翼長「そういうテメーこそ!!」

騎士長「そりゃあ泣くさ! 世界が救われたんだ! 泣くに決まってる!」

左翼長「ああそうかよ。じゃあ俺も泣くぞ」

騎士長「泣け泣けっ! みーんな泣け! 嬉しい時は泣いていいんだ!」

北関兵「泣きますっ! 泣かせて頂きます! くううぅぅぅぅ!!」

騎士長「でもよ、涙はとっとけよ! みんなが帰ってきた時のためによぉ!」

左翼長「はやきう戻ってこい……っ。最っ高の酒を用意しといてやっからなチクショウ!」


6 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:40:31.08 ID:MgDgJ9Dzo
左翼長「早く戻ってこい……っ。最っ高の酒を用意しといてやっからなチクショウ!」



〜華国〜

三男「どうなったのだ!? 状況は!?」

側近「魔王は倒した……という事で宜しいのだよな!?」

白馬騎士「……恐らく、恐らくですが」

若文官「やった……っ」

老文官「報われた……全てが……っ!!」

白馬騎士「そうだっ、老将軍殿」 カツカツカツ

老将軍「……」

白馬騎士「老将軍殿っ! やりましたぞ!」 ガチャッ

老将軍「…………」

白馬騎士「老……将軍……殿……?」

老将軍「…………」

白馬騎士「……終わりましたよ。長きに渡る戦いが、終わったのです」

老将軍「…………」

 白馬騎士は眠る老将軍の瞼をそっと掌で閉じ、老人の胸の上で泣き崩れた。


7 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:40:59.48 ID:MgDgJ9Dzo
〜東方〜

門番壱「見ろっ! お天道様だ!」

門番弐「てぇ事は……っ」

家老「上様達が、やってくれたのじゃよ」



侍女「御館様っ!!」

御館様「……ああ」

侍女「やった、やったぁ……っ」



女将「……ちゃんと、帰るべき所へ……帰ってらっしゃいな」



槍侶「……っ!」

槍兵長「大僧正っ、い……如何にお考えで?」

大僧正「か……勝ったのじゃよっ、勝ったのじゃ……!!」

槍侶「お、おぉ……おおおおぉぉぉぉーっ!!」


8 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:42:10.44 ID:MgDgJ9Dzo
 闇に閉ざされた世界に再び持たされた太陽の光。

 その輝きは世界中の人々に歓喜と希望をもたらした。

鍛冶屋「夜が……終わった」

おかみ「長い長い夜だった……。でも、終わったんだね」

 小さな星々のように消えた命もあらば、また1つ生まれる命もある。

ナース「院長っ!」

ドクター「そのままっ、そう……よし! いいぞっ!」

赤子「ほぎゃーっ!! ほぎゃーっ!!」

ドクター「……元気な男の子ですよっ。おめでとうございます!」

母「うっ……うぅ……っ」 

 人間だけでなく、絆を繋いだ魔族も居る。

オーク「ハヌマーン様ぁ!!」

ハヌマーン「ああ。これで全て終わったのだ。そうですな、スグリーヴァ様」

 勇敢と無謀を履き違えず、慎重と臆病を履き違えず、

 自信と慢心を履き違えず、全員が勇者となった、1つとなった瞬間であった。


9 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:42:48.50 ID:MgDgJ9Dzo


盗賊「魔道士、立てる?」

魔道士「……はい」 スッ

賢者「……終わったね……ふぅ」

魔法剣士「……ああ」

大軍師「重軽傷者はほぼ全員ですが、死者は0。最良の結果ですね」

青年兵「ええ。あとは……帰るだけです」

戦士「召喚士っ」

召喚士「戦士……」

剣士「召喚士くん、さぁ……つかまって!」

召喚士「ありがとうございます……。でも、俺よりも……」

玄武娘「っ!!」

サモナー「…………」

召喚士「サモナーさん、約束したんだ……っ。一緒に帰るって……!!」

玄武娘「サモナー様!」


10 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:43:40.92 ID:MgDgJ9Dzo
西方司令「んで、どうやって出んだっけか? このままなんてオチはまっぴらだぞ」

大軍師「ご安心を。あの光目指して帰るだけです」

王子「さぁ帰ろう。光ある世界へ」

東方司令「……だな」 ザッ

青年兵「全員、中央へ」

 ザッザッザッザッ……ザザッ

大軍師「目を閉じて祈るだけです。帰るべき場所を」

白虎長「オッケーよ!」

同門「紅孩児、お前はどうする?」

紅孩児「……」

同門「魔王を目指すというのなら、地獄へ残ってもいいんだぞ?」

紅孩児「……俺はな、テメーらも支配しねぇと気が済まねぇんだよ!!」

同門「そうか。じゃあ共に行こう」

紅孩児「……ケッ」

男隊員「おーし、全員準備出来たぞ」


11 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/12(日) 23:44:43.19 ID:MgDgJ9Dzo
魔道士「……」

盗賊「……」

戦士「……」

召喚士「……行こう」

大軍師「では。導き給え……我らを!!」 カッ!!

 ガッカアアアアァァァァ―――――!!

召喚士『――――っ』

天才『そんじゃあな、召喚士』

ナイト『……ふっ』

お師匠『勇敢で、そして強かった。見事だ……勇者よ!』

召喚士『ありがとう……ございました――――』

 パアアアアァァァァ……

 雲の糸のように伸びる細い光を手繰り寄せ、一同は地上へと出る。

 暖かい朝日。さえずる小鳥。囁かな草木をなぞる風の声。

 何でもない景色が、彼らの胸には至福の褒美の様なものに感じた。


25 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:52:43.00 ID:lN6++97go


女隊員「……ん」

東方司令「……?」 モゾッ

朱雀嬢「あ……っ」

格闘家「ここは」

同門「……地上だ……っ」

ジュニア「帰って……来たんだよなっ!? なぁ!!」

朱雀嬢「やれやれですわね……。ねぇ玄武娘……」

玄武娘「……っ」

朱雀嬢「……玄武……娘?」

玄武娘「どう……ですの? 召喚士さん」

召喚士「帰りましょうサモナーさん。あなたの家へ……帰りましょう」

美女「病院連れてった方が早いんじゃないのぉ?」

召喚士「戦いの前に言われたんです。病院ではもう手の施しようがない……って」

美女「……っ」


26 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:53:13.88 ID:lN6++97go
南方司令「このまま、眠りにつくのを待つだけという事か」

玄武娘「何でですのっ!!」

召喚士「……」

玄武娘「せっかく……せっかく魔王倒したのに……どうして……」

王子「彼の望みでもあったのだろう」

召喚士「……っ」

王子「神官が言っていた。彼はずっと、召喚獣になる事を夢見ていたと」

玄武娘「……」

王子「だがならなかった。彼は人間としての死を選んだのだな」

召喚士「うん。サモナーさんは……延命しようと思えばあと数年は出来たはずなんだ」

玄武娘「……っ」

召喚士「でもこの道を選んだ。みんなの為に、世界の為に……」

玄武娘「サモナー……様ぁ……っ」

召喚士「だから帰りましょう。あの美しい池のある家へ」 ザッ

サモナー「…………」


27 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:53:49.43 ID:lN6++97go
召喚士「きっと待っているはずですから。マーメイドさんが……待っていますから」

大軍師「……馬車を」

召喚士「時間がありません。行け、コカトリス」

 シュイイイイィィィィン

青龍士官「無茶です! 魔力がもつとは思えません」

召喚士「もつよ。もたせるよ絶対に……!!」

 バシュウウウウゥゥゥゥ!!

魔道士「召喚士さんっ!!」

青年兵「出でよ、ワイバーン!」

朱雀嬢「グリフォン!! 玄武娘っ、早く乗りなさい!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……っ」

戦士「俺達も載せて行ってくれ!」

青龍士官「……ええい、どうなっても知りませんよ!」

青年兵「皆さんはひとまず大陸港の街で待機を!」

大軍師「畏まりました。お気を付けて」


28 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:54:46.89 ID:lN6++97go
 バッシュウウウウゥゥゥゥ……

コカトリス「……かろうじてだな」

召喚士「枯渇してもいい、サモナーさんが眠る前に絶対に――」

サモナー「召喚士くん」

召喚士「――!?」

サモナー「ここはどこだい? 風が……心地良いね」

召喚士「サモナーさ……ん……」

サモナー「何だか空が高く感じる。太陽の光だ」

召喚士「……ええ。……全て……終わりましたよ」

サモナー「そうか。それは良かった」

召喚士「だから、帰りましょう……サモナーさん」

サモナー「うん、そうだね。疲れてしまったようだ……とても……眠いんだ」

召喚士「もう少しですからっ、もうすぐ着きますから!」

サモナー「何だかすまないね。ありがとう」

召喚士「……っ」


29 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:55:28.82 ID:lN6++97go
 バシュウウウウゥゥゥゥ

玄武娘「追いつける……ですの?」

朱雀嬢「……厳しいかもしれないですわね」

戦士「大丈夫か?」

盗賊「……っ」

青龍士官「……な、何とか……っ」

魔道士「青年兵さん……っ」

青年兵「大丈夫ですっ、でも……」

ワイバーン「このペースでは届かぬな」

青年兵「ギリギリの所までは行きますから」

魔道士「……っ」

リンドヴルム「ムッ!?」 ガクンッ

戦士「お、おいっ!!」

青龍士官「はぁ……はぁ……はぁっ」

盗賊「しっかりしろっ」


30 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:56:33.42 ID:lN6++97go
青龍士官「疲労だけではない……、今までの召喚と何か……違う」

青年兵「青龍士官……?」 ガクンッ

ワイバーン「!?」

青年兵「ぐっ! 何だ!? 以前よりバランスが……っ」

青龍士官「ダメ……かっ」

 キラッ バシュウウウウゥゥゥゥ

青龍士官「……?」

青年兵「あ、あれは……っ!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

竜騎士兵「やっぱりそうだっ! 隊長っ! 大元帥!」

青龍兵「隣に付けます! 飛び移って下さい!」

青龍士官「お前ら……っ」

龍騎士兵「ご無事で何より! 勝ったんですよねっ!?」

青龍士官「もちろんだ」

青龍兵「よおおぉぉぉぉっしゃああぁぁぁぁ!!」


31 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/08/13(月) 17:57:02.29 ID:lN6++97go
竜騎士兵「それで、どちらに向かっているんです?」

青年兵「あのグリフォンを追ってくれ!」

青龍士官「まずいな……。グリフォンもかかなり不安定になっている」

朱雀嬢「う……っく」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ、大丈夫ですの!?」

朱雀嬢「話しかけないでっ! 気が散る――」 グラァ

玄武娘「!?」

朱雀嬢「しま――――」

 バシュウウゥゥゥゥ ボフッ

青年兵「間に合った……っ!」 ダキッ

朱雀嬢「青年兵……さん……っ」

青年兵「青龍士官っ!!」

青龍士官「玄武先生も無事だ!」

玄武娘「ビ……ビックリしたですの……」

青年兵「このまま真っ直ぐ、召喚士さんを追ってくれ!」



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