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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その12
62 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:24:04.92 ID:1p0p9KQo
〜北の街〜

パッカパッカ…

魔道士「東の街と作りが一緒ですねー」

盗賊「…そうだな」

魔道士「やっぱり東方にも似てますよね…」

盗賊「…昔は…一緒だったのかもな」

〜寺〜

弓将軍「こちらだ。ついて参られよ」

盗賊「…寺」

弓将軍「この街には軍事施設の類がなくてな…」

魔道士「…なるほどですね」

弓将軍「それに次男様は……」

盗賊「…?」

弓将軍「…いや、参ろう」

三人は本堂の一室へと入って行く。


63 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:24:31.98 ID:1p0p9KQo
魔道士「お邪魔します」

盗賊「……」

弓将軍「戻りました」

襖の向こうより若い男の声が聞こえる。

次男「ああ。お客人かな?」

弓将軍「先日起きた東の件における関係者との事です」

次男「…ほう」

弓将軍「更には影とも顔見知りのようで…」

次男「そうか。しばし待たれよ…」

カラッ…パタンッ…

次男「お待たせ致しました。次男、と申します」

魔道士「魔道士と申します。お見知りおきを」

盗賊「…盗賊と申します」

次男「これはお二人とも素敵な声だ。さぞお美しいのであろう。はははっ」

盗賊「そっ、そんな…事っ!!」


64 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:25:08.25 ID:1p0p9KQo
次男「して、影は?」

弓将軍「はっ、現在は別任務を…」

次男「別任務…?何だそれは?」

弓将軍「東西の緊張は最早限界に達し、調査を…」

次男「承知した。そう声を荒げるでない」

弓将軍「はっ、し…失礼致しました」

次男「お嬢様方もお困りではないか…」

魔道士「いやっ、あ…あの…」

次男「ふむ。…おい、杖を持て」

世話役の少年が駆け寄り、次男へ杖を手渡す。

弓将軍「次男様…?」

次男「案ずるな…お嬢様方へ庭自慢だよ。ははっ」

盗賊「……」

次男「…と、言うわけですが。散策のお相手などなど宜しいですかな?」

魔道士「はいっ!喜んで…!エヘヘ!!」


65 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:25:35.01 ID:1p0p9KQo
〜西の街、宮廷〜

ヒュンッ……カッ!!…ビイィィンッ

衛兵「矢…!!敵襲か!?」

一人の衛兵が矢を柱から抜き、手に取る。

衛兵「いやっ!これは…矢文か!」



側近「……っ!!」

グシャグシャッ…バンッ!!

召喚士「そ…そんな…っ!!」

剣士「老文官さんが…殺された!?」

若文官「此度の事、いかがなさるおつもりか!!」

白馬騎士「まさか…ここまで…っ」

三男「…うぅ…!老文官がぁ…」

白馬騎士「……」

召喚士「…」


66 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:26:05.68 ID:1p0p9KQo
白馬騎士「分かりました。私は職を辞任致します」

剣士「!?」

若文官「何を仰る…!!」

白馬騎士「老文官殿を死なせた原因は私にあります…ですから…」

側近「し、しかし…!そちが辞任したら誰が軍事指揮を…」

白馬騎士「お二人がいらっしゃるではありませんか」

若文官「我らは戦の事などからっきしだ…。とてもじゃないが…」

側近「う、うむ…!」

白馬騎士「…三男様はいかがお考えで?」

三男「み、皆に任せるよ…っ!」

白馬騎士「………」

召喚士「……」

白馬騎士「分かりました。そこまで言って頂けるのであれば…」

側近「しかし…東の奴らここまでやりおるとは…!」

若文官「長男様には申し訳ないが…最早魔物と同類であるな」


67 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:26:32.97 ID:1p0p9KQo
白馬騎士「不本意ながら大義名分は得ました。早々に仕掛けましょう」

召喚士「戦いですか!?」

側近「しかしな、未だに戦力差が…」

白馬騎士「老文官殿がころされたのですぞ!?」

若文官「分かっておる…!」

白馬騎士「だからこその好機ではありませんか!」

側近「……」

白馬騎士「密偵は共に放っているはずです。軍備は漏れているでしょう」

剣士「…逆手に取ると?」

白馬騎士「左様。こちらの準備が完全ではない今…」

召喚士「東は打って出ると…考えてはいない…?」

白馬騎士「その通りです。後ほど早速…軍議を進めましょう」

側近「やはり北の協力は得られないものか…」

カタッ…

召喚士「!?」


68 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:27:12.96 ID:1p0p9KQo
剣士「…どうかした?」

召喚士「いや…。今、何か気配が…」

剣士「…?」

白馬騎士「次男様の性格からして…難しいでしょうね」

若文官「不戦なら万々歳であろう」

白馬騎士「続きは軍議にて…。お二人もぜひご参加を」

召喚士「…はい」

三男「頼むぞ!白馬騎士!!」

白馬騎士「命に代えても…。そして長男様も無事…!」

〜西の街〜

ヒュバッ…タンッ!!…スタッ…

影忍「……任務完了」

スタスタ…

影忍「俺の気配に気づくとは…。あの召喚士…ふふっ。面白い!」

シュバッ!!…タタタタッ…


69 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:27:38.69 ID:1p0p9KQo
〜北の街、寺〜

次男「いかがですか…?」

魔道士「うわぁ…!凄い綺麗ですー!!」

盗賊「…風情が…あります」

次男「それは良かった。まぁ目の見えぬ私にとっては宝の持ち腐れですがね。ははっ」

魔道士「ご病気ですか…?」

次男「んー…、まぁそうですね…はははっ」

盗賊「……」

次男「ところで皆様は何故魔物を南方へ…?」

魔道士「あの魔物さん達は…良い魔物さんなんです!」

次男「良い魔物?」

盗賊「…魔王軍を離反した」

次男「そんな…!?有り得るのですか…?」

魔道士「はい…。本当の事です!」

盗賊「…そんな魔物が…他にもおるのだ」


70 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:28:15.29 ID:1p0p9KQo
次男「魔物が改心し…魔王を見限るなど…」

魔道士「しかも…南方にはその大きな勢力があります…!」

盗賊「…我らはそこへ…誘導したのだ」

次男「…にわかには…信じ難いですね」

盗賊「…だろうな。…だが、真実だ」

魔道士「ご迷惑をお掛けい致しました…」

次男「いや、それは構わぬが…そうか。それで東が…」

魔道士「…?」

次男「今や東は多数の魔物が入り込んでおります」

魔道士「っ!!」

次男「成程な…うまく利用されたか…!」

盗賊「…戦が…始まる」

次男「さて…戻りましょうか」

魔道士「あ…は、はいっ!」

盗賊「……」


71 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:28:57.11 ID:1p0p9KQo


次男「なんとか東西の戦を食い止めるぞ」

弓将軍「お待ち下さい!それは最早困難な状況かと…!」

次男「何がだ…?」

弓将軍「東が異国の二人を引き渡せと書簡にて要求致しました」

次男「…それで?」

弓将軍「西はその要求を書簡にて拒否」

盗賊「……」

弓将軍「更には使者を斬り伏せたとの情報が…っ」

魔道士「!!」

次男「兄上が…!?どこまで堕ちれば気が済むのだ…」

弓将軍「両者はまさに一触即発。和平の使者すら通せる自信が…」

次男「やってみなければ分からんだろう…!」

弓将軍「かなりの危険が伴います!ここは何とぞ…っ!」

次男「…静観せよと申すか。くそ…不甲斐ない…」


72 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:41:11.82 ID:1p0p9KQo
今日はここまでにて…はぁ。本日もご支援ありがとうございました!
それでは、お休みなさい!ノシ


73 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/02/21(日) 23:41:55.76 ID:1p0p9KQo
〜オマケ〜
     ____  
   /      \
  /  ─    ─\ 
/    (●)  (●) \ 次回はいよいよ俺の出番だお!
|       (__人__)    |  
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ / 
     ↑【戦士】 

            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)   
          |     (__人__)   てめーしっかり働けよ?
             |     ` ⌒´ノ   
              |         }    
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
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          ↑【騎都尉】

      ____  
    /     \
   /  ─    ─\      
 /    (●) (●) \   勿論だお。しっかり働くお!
 |       (__人__)    | 
 \     ` ⌒´   /    
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||


        / ̄ ̄\   
      / ∪    \      ____
      |::::::        |   /      \  
     . |:::::::::::  ∪  |  / ⌒   ⌒  \                  
       |::::::::::::::    |/  (●) (●)   \  それで…なにすればいいんだお?
     .  |::::::::::::::    } |    (__人__)     | 
     .  ヽ::::::::::::::    } \   ` ⌒´     _/ 
        ヽ::::::::::  ノ   |           \
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         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)


82 :GEPPERがお送りします [sage] :2010/02/22(月) 11:37:43.67 ID:vAM71Sko
東(長男) 戦士騎都尉 夫人金銀が暗躍 悪役? 西と戦争
西(三男) 召喚剣士白馬  東と戦争
北(次男) 魔道士ちゃん盗賊弓将軍 影忍が絡んでる 戦争傍観 

であってる?
おつむ弱いから三つ巴でこんがらがってきた…


83 :GEPPERがお送りします [] :2010/02/22(月) 11:50:55.41 ID:22MyzCso
北は傍観じゃなく、弓による積極的な漁夫の利狙いだろう


84 :GEPPERがお送りします [sage saga] :2010/02/22(月) 17:02:20.90 ID:i9DIZb2o
>>82
そんな感じです。魔道士のみちゃん付けなんですね!

↓続き


85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:02:57.34 ID:i9DIZb2o
〜北の街、宿〜

魔道士「あの…お気になさらずとも…」

弓将軍「次男様より丁重に扱えとの言伝だ」

盗賊「…それは…どうも」

弓将軍「明朝、使いの者を派遣する故…」

盗賊「…分かった」

弓将軍「なにかあればこの護衛に申しつけよ」

魔道士「あの…護衛なんて別に…」

弓将軍「このような情勢だ。客人を守れぬなど我らの恥」

衛兵「お任せ下さい。この宿は貸切です」

弓将軍「小さい宿だ。衛兵二人で申し訳ないが…」

衛兵「宿内へは鼠の一匹すら入らせませんよ!」

弓将軍「ではまた明日。失礼致す…」

ザッザッザ…

盗賊「……」


86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:06:02.13 ID:i9DIZb2o
〜部屋〜

魔道士「なんだか申し訳ないですね!」

盗賊「…ん?」

魔道士「こんな待遇までして貰っちゃって…」

盗賊「…ちょっと違うぞ」

魔道士「…ふぇ?」

盗賊「…表面上は大切な客人として扱っているが」

魔道士「……」

盗賊「…監視。人質に近い扱いだな」

魔道士「そうなんですか!?」

盗賊「…ああ。外の衛兵がいい例だ」

魔道士「…まさか…私たちが逃げないように?」

盗賊はコクンと頷く。

魔道士「…そんな」

盗賊「…利用されているんだ」


87 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:06:33.71 ID:i9DIZb2o
魔道士「でもっ、そんな人には見えませんでしたよ!?」

盗賊「…次男…殿はな」

魔道士「まさか……」

盗賊「…分かれ道で聞いた話と次男殿の思惑」

魔道士「はい」

盗賊「…どうも食い違いがある気がしてならぬのだ」

魔道士「…確かに。違和感は感じます」

盗賊「…あと一つ、…気がかりなのは」

魔道士「…?」

盗賊「…影。何故…ここにおり…彼らに手を貸しているのか」

魔道士「そうですよね…」

盗賊「…この戦い。…何か裏がある」

魔道士「国の王子同士が戦うなんて…おかしいです」

盗賊「…ああ」

魔道士「なんとか…力になりたい…!」


88 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:06:59.62 ID:i9DIZb2o
〜屋敷〜

ヒュンッ…スタッ…

弓将軍「…戻ったか」

部屋で書物を読む弓将軍の姿が、蝋燭の灯りを通し襖に写る。

影忍「…無事遂行した」

弓将軍「ご苦労。動きそうか?」

影忍「早ければ明日にも動くだろう」

弓将軍「…決して悟られてはおらぬであろうな?」

影忍「当たり前だ」

弓将軍「我らは最後まで正義であらねばならぬ!」

影忍「…正義…ねぇ」

弓将軍「明日より忙しくなる…。頼んだぞ」

影忍「……」

シュバッ!!…

影忍「…俺にとっては…どうでもいい事だ」


89 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:07:52.45 ID:i9DIZb2o
〜西の街、宮廷〜

召喚士「失礼します」

白馬騎士「こちらへどうぞ」

剣士「はい」

白馬騎士「揃ったようなので始めます」

側近「我らは戦闘においては役立たず…」

白馬騎士「我らで決めても宜しいですかな?」

若文官「兵站についてはお任せ頂ければ…」

白馬騎士「承知致しました」

召喚士「……」

白馬騎士「明日…仕掛けます」

剣士「!?…早急なのでは?」

白馬騎士「だからこそです」

召喚士「強引…ではないのですね?」

白馬騎士「7割程の力は出せるかと…」


90 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:08:26.95 ID:i9DIZb2o
側近「7割…。それで東を叩けるのかね?」

白馬騎士「明日なら相手の戦力は半減以下」

剣士「それでほぼ互角と…?」

白馬騎士「…何もなければですが」

召喚士「…」

白馬騎士「その為のお二人です」

召喚士「…頑張ります」

白馬騎士「明朝日の出前に、分かれ道手前まで進軍します」

若文官「分かれ道に踏み込めば勘付かれるからな…」

白馬騎士「ここで騎馬隊が一挙に突撃します」

剣士「大丈夫ですか?」

白馬騎士「奇襲ですし、人間相手でしょうから問題ありません」

召喚士「……」

白馬騎士「そのまま東の街の西門を制圧します」

若文官「兵站が伸びすぎやしないか?」


91 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:09:12.83 ID:i9DIZb2o
白馬騎士「北さえ動かねばあまり気にする事もないでしょう」

召喚士「俺達は…?」

白馬騎士「後続より続いてください」

白馬騎士は地図を指差し、二人を見る。

白馬騎士「西門制圧の後に合流を。おそらく魔物が出るはずです」

召喚士「分かりました…」

白馬騎士「ここで騎馬隊は一旦退かせます」

剣士「……」

白馬騎士「後はお二人…そして私で魔物の撃退を」

召喚士「三人で凌げますか?」

白馬騎士「これはあくまで囮です」

剣士「囮…ですか?」

白馬騎士「ええ。敵の親玉を引きずり出す為の…」

召喚士「…なるほど」

白馬騎士「我らの狙いは魔物の総大将です…!」


92 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/02/22(月) 17:09:39.26 ID:i9DIZb2o
側近「…総大将…討てるか…?」

白馬騎士「総大将出現を合図に、騎馬隊を再出陣させます」

剣士「……」

白馬騎士「これで雑魚を一掃し、魔物を完全に封じ込めます」

召喚士「被害は西門のみに留め…効率も良いですね」

若文官「失敗は許されんな…」

白馬騎士「細かな連携がカギとなります!」

剣士「そうですね。伝達は早めにした方が良さそうです」

白馬騎士「作戦開始は6時間後。正門より出発します!」

召喚士「分かりました」

剣士「いよいよですね…」

白馬騎士「明日、魔物を殲滅し…南東国に再び華を…!」

若文官「側近殿、我らは補給の手配を!」

側近「うむ。三男様へも報告して来よう」

一同は軍議を終え、各々の準備へと取り掛かる。



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