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少女「ねえ、またいつか」
49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:25:26.41 ID:tSQVz1JC0
次の日

女「えっ? お出かけの行き先?」

僕「うん。気になっちゃってさ、よかったらプランとか教えよて」

女「んんー……とりあえず私が考えてるのはね」

僕「うんうん」

女「まず学校の周辺を歩き回るでしょ」

僕「学校? ここの?」

女「うん、そうだよー」

僕「……なんでまた学校?」


51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:37:46.82 ID:tSQVz1JC0
女「秘密っ!」

僕「……」

女「あはは、そんな顔して見ても場所の変更は無しですよっ」

僕「いや、出かける場所が嫌とかじゃなくてぇ……」

女「あはは。とにかく約束したんだからさ、あとは出かけるだけだよ」

女「出発前に色々考え過ぎちゃうと多分楽しめなくなっちゃうよ?」

僕「……そんなもんかな」

女「絶対そうだよ。ワクワクとかドキドキとかいっぱいあるんだろうけど」

女「当日までその分の気持ちを溜めておいた方が絶対にいいよっ!」


52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:44:33.66 ID:tSQVz1JC0
僕「そう……かな?」

女「絶対そうだよ! はい、じゃあこの話題は終わりっ!」

女「ねえ、今日も鬼ごっこしようよ?」

僕「……また? どうせすぐにつかまって終わりになっちゃうよ」

女「むー……今日は頑張るもん。昨日よりは絶対長く逃げ切ってみせるもん」

僕「くすっ、はいはい」

女「最悪ー、ちょーバカにした笑い方と言い方じゃんっ!」

女「そんな鬼さんはこうだあぁっ」

ドンッ。

僕「いてっ! な、なんで急に押すのさ!」


53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:50:07.23 ID:tSQVz1JC0
女「わははー、倒れてスタート出来ないだろー……」

僕「……怒ったからな!」

女「!?」

女「わっ、待った待った、速い速いはや……」

女「むぎゅう」

僕「はい、タッチしたー」

女「うぅ……だから早く終わりすぎだってばー」

僕「しょうがないでしょ。鬼はともかく逃げる人が一人しかいないんだからさ」

僕「あ、それとも誰か誘ってみる? これだけ広い場所なら鬼ごっこくらい余裕で出来……」

女「やあよ」


54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:53:55.79 ID:tSQVz1JC0
僕「やだ、って言った?」

女「うん、やあ」

僕「鬼ごっこしたくないの?」

女「……うん」

女「みんなと鬼ごっこがしたいわけじゃないから、ね」

僕「まあ、それは確かに。自分もそれはわかる、かも」

女「……それに何よりさ」

女「この場所を、他の誰かに知られるのが嫌なの」

僕「えっ?」


55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 06:59:24.93 ID:tSQVz1JC0
女「……なんてね」

女「学校のすぐ裏だもん。みんなこの原っぱがある事くらいは知ってるよね」

僕「まあ、それはね。ただ遊ぶ人が僕たち以外にいないだけで……」

女「……なんでだろうね」

女「こんなにいい場所なのにさー」

女「みんなに来てほしいわけじゃないけど、なんかもったいない気もするよ」

女「こんな場所がこの町にはあるんだぞーって、考えるとさ」

僕「……」

女「ね、そう思わない?」


56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:07:00.21 ID:tSQVz1JC0
僕「……まあ、少しはやっぱり思うよ」

女「でしょ? みんなもったいないよ、友達のお家でゲームばっかりなんてさー」

僕「学校の中でもそういうのあるよね」

僕「図書室とかさ……意外と利用する人少ないと思わない?」

女「あるねー。静かでゆっくり出来るし、面白い本もあるしで最高なのにねー」

僕「……でも、そこに行かない人は絶対行かないよね」

女「そうだね、やっぱり最後は趣味や好みの問題になっちゃうのかな」

僕「趣味や好み……ね」


57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:13:14.27 ID:tSQVz1JC0
僕「じゃあ一つ聞くけど、君は」

僕「君はどうしてこの草原に来たの?」

女「……ここに?」

僕「うん、来た理由。ここにいる理由」

女「あはは、そんなの。君にはもう話したじゃんか」

僕「あれ、そうだっけ……?」

女「んっ」

女「私がここにいるのは、背中……寂しそうな背中が見えたから」

僕「女ちゃ……」

女「だ、か、ら。私は君にお付き合いして追いかけっこをしてあげてるんだよ、きみぃ」

僕「……」

女「くすっ、おわかりかな? くすくすっ」


58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:17:51.62 ID:tSQVz1JC0
僕「……ちょっと感動したけど、やっぱり無し」

女「ええっなんでー?」

僕「そんなこと言われた当たり前でしょ! 全く……」

女「むー、もう一回さっきの表情見せてよ。ほら、感動した感じのあの瞬か……」

僕「だから無しだってば! はい、この話はおしまい!」

女「……けちー」

僕「けちで言ってるんじゃないの。ほら、もう太陽沈むから」

女「……あ、本当だね」


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:22:49.22 ID:tSQVz1JC0
女「じゃあさじゃあさ、一緒に帰ってもいい?」

僕「……別に寂しい背中は見せてないけど?」

女「もう、鈍いなー君は」

僕「?」

女「今一人で帰ったら、寂しい背中が二つに増えちゃうだけなんだよ?」

僕「……」

女「だから私と一緒にとりあえず……」

僕「とりあえず、一緒に帰ろう?」

女「うん、いつもの」

僕「……」

僕「寂しい背中が増えるのなんてさ、いくら僕でもわかるよ」

女「うん」

僕「だから、今日もとりあえず」

僕「……とりあえず、一緒に帰るだけなんだ」

女「うんっ!」


61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:29:07.32 ID:tSQVz1JC0
女「えへへー、週末楽しみだなー」

僕「……そう言えばさ、時間とか集合場所はどうするの?」

女「あ、そっか。んと、一応私が考えてた時間は「朝」十一時にあの草原に集合って感じなんだけどさ」

僕「その時間だと、朝って言えるのかな……?」

女「細かい事はいいのっ! とにかく午前中に集まれればいいかなってだけ!」

僕「んー、お昼御飯はどうする? 出掛けた先で食べるの?」

女「んっふっふー」

僕「?」


62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:33:23.21 ID:VTLCmndzO
女「ご飯の心配はしないで大丈夫。そのための午前集合ですもの」

僕「?」

女「わからないって顔しないで! とにかく私に任せてくれれば大丈夫だから、ね?」

僕「まあ、君がそう言うならお任せ……かな?」

女「えへへー、決まり決まり。そろそろお家だし……じゃあ、また明日ねっ」

女「いつもの場所で、会いましょー」

僕「あ、ああ。ばいばい……」

女「またねーっ」


63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:38:08.69 ID:tSQVz1JC0
……。

僕(彼女の言葉に不安は無いけれど)

僕(やっぱり行き先がはっきりしてないのは、引っ掛かるなあ)

僕(……)

僕(いや、休みになればわかるんだしいいか)

僕(でも彼女なら、いつもの場所に集まってそのまま草原で過ごす……なんて事も)

僕(はは、まさかね)

僕(歩き回るって言ってたから、多分それは)

僕(それは……な……)

僕「……おやすみ、女」


僕「すー、すー……」


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 07:45:07.07 ID:qT6Q1pWP0
がんばれ見てるぞ


66 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/13(月) 07:50:40.97 ID:qj+/db0l0
つかまえての人かな?


69 名前: 忍法帖【Lv=3,xxxP】 [] 投稿日:2011/06/13(月) 10:18:02.18 ID:GEnd438gi
雰囲気にてるけどちがうのかな。

タイトルに入ってないし


72 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/06/13(月) 12:02:43.36 ID:oKGKKKjp0
俺が小学生のときはこんなに物事を考えたことはなかった


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/13(月) 13:18:49.91 ID:UWHvVhNn0
ほしゅ
>>69つかまえての人はつかまえてシリーズ以外も書いてる



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