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青年剣士「運命ということ・・」
166 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:33:00 ID:eBCluwfE
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――【2日目・コロシアム】


青年剣士「・・・」スタッ


・・・ワァァァァ!!!!!

アナウンス「さあ本日から始まる本選!英雄剣士、白竜人にウルフ、歴代優勝者が揃う・・・今年はまさにオールスターだ!」

・・・ウォォォォ!!!!!!



ウルフ『・・・』

白竜人『・・・』


167 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:33:39 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「・・・あいつらが、歴代優勝者・・の・・」

王傭兵「あぁ。白竜人のほうが最近連覇しているヤツだ。ウルフのほうは半狼で、相当やり手だな・・・もちろん優勝経験もある」

酒場の戦士「そうッスね・・・それと・・・・・・」チラッ

青年剣士「・・・?」


アナウンス「そして彼も戻ってきた!"不沈艦"と呼ばれた最強の傭兵・・・・王傭兵ぃぃぃっ!!」


・・・オ・・・・・・、ウオオオォォォォッ!!!!!??


青年剣士「・・・え」

王傭兵「ちょっと、お前に教えてたら俺も血がたぎってきてな・・ハハ」

青年剣士「ほ、本気ですか・・・・、トーナメントはどうなるんでしょうか?」


168 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:34:14 ID:eBCluwfE
 
王傭兵「一応調べておいた。俺らが当たるのは3回先、5回勝てば優勝。お互い頑張ろうぜ」

酒場の戦士「どっちも応援するぜ」

酒場の僧侶「楽しみだな、どうせ2人とも残るだろうしな」ハハ

青年剣士「俺は明日が1回戦、王傭兵さんは今日なんですね」


王傭兵「そうだな・・・そして、この間の続きだ・・・・俺も本気でやらせてもらうぜ・・・」ニタッ

青年剣士「ふふ・・・負けませんよ・・!」


酒場の戦士「はは、楽しみになってきやがった!」


アナウンス「それではぁ・・・・!!1回戦・・・、王傭兵・・対、エリート魔法使い・・・準備をしてください!」


169 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:34:56 ID:eBCluwfE
 
王傭兵「・・・お、早速だな。いってくるぜ」スッ

青年剣士「いってらっしゃい、頑張ってください」

王傭兵「・・・おう!」


・・・タッタッタッタ・・


酒場の戦士「王傭兵のやつ、武器のほとんどを使えるのに、ナックルスタイルなんだよなぁ」

青年剣士「何ででしょうね?」

酒場の戦士「たしか、ぶん殴る時に一番感覚がしっくりくるとかいってたっけ・・・、本当に・・・あいつは・・・」

青年剣士「戦いの中で戦いに生きているっていう・・・俺らと一緒じゃないですか結局」アハハ


酒場の戦士「ははは!確かにそうだったな!」


170 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:35:35 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「ここで毎年同じ注意ですが、観客席と会場全体には魔石と、陣による強力な抵抗魔法が展開されていますので、ご安心下さい」


観客「毎年ハデだからなー・・・、特に今年は人気だったしなチケット」

観客「あぁ・・・、英雄剣士の影響があるしな。俺らもそれが楽しみできたんだが・・・」

観客「王傭兵さんの復帰もあるみたいだし、今年は凄い楽しみだぜ!」

観客「そうだな!・・・お!」

観客「始まるみたいだな・・・・!」


171 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:36:10 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「皆さま!お待たせしました・・・、それでは!」

・・・・ウォォォォ!!!!

アナウンス「試合・・・はじめっ!」



王傭兵「・・・」スッ

エリート魔法使い「時代遅れのカタブツが・・・」

王傭兵「あ?」ピクッ


172 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:36:41 ID:eBCluwfE
 
エリート魔法使い「4年前の決勝で、白竜人にボロボロにされて再起不能にされた王傭兵・・・」

王傭兵「・・・」

エリート魔法使い「号外ですぐに出されたよな。くっく・・・、全身包帯まみれで・・・なっさけない姿を見せてなぁ・・・」

王傭兵「・・・」

エリート魔法使い「それ以来、ぜんぜん見なくなって。久々に出たと思ったら・・すっかり姿も年老いたなぁ・・・」ハッハッハ


酒場の戦士「・・・」

酒場の僧侶「・・・」

酒場の魔法使い「・・・」


青年剣士「あいつ・・・!」ガタッ

酒場の戦士「まぁ待て」スッ


王傭兵「・・・で?」


173 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:37:53 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「・・・王傭兵さん」


王傭兵「確かに俺はあの戦いで大怪我を負った。だからこそ、分かった事もある」

エリート魔法使い「ほう?」

王傭兵「俺は怪我がもとで、使えなくなった傭兵として・・・最底辺になる病院に送られた」


エリート魔法使い「・・・」


王傭兵「そこで見たのは最低の光景だった。最強なんて言われて、上流階級しか見なかった俺には衝撃的すぎるほどな」

エリート魔法使い「へぇ?」

王傭兵「お前が思っている以上の体験だった。だから、俺は考え方が変わった。新たな仲間たちとも出会えた」

エリート魔法使い「・・・」


王傭兵「お前も上流階級の人間だろう?・・・一度落ちてみるのもいいかもしれないぞ?本当の仲間が、分かるはずだ」


174 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:38:28 ID:eBCluwfE
 
エリート魔法使い「・・・本当の仲間だ?」

王傭兵「あぁ・・・そうだ」

エリート魔法使い「くふっ・・・ぷっ・・・」プルプル

王傭兵「?」


エリート魔法使い「はっはっは・・・あっはっはっはっは!」

王傭兵「・・・」

エリート魔法使い「て、底辺に落ちて・・・くはは・・・、そこで仲間を見つけた?・・・はっはっはっははははは!」

王傭兵「・・・」


エリート魔法使い「ひーっひひひ・・・面白すぎるだろう・・・、底辺で出会った仲間など、底辺のような繋がりしかないだろう!?」


175 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:38:58 ID:eBCluwfE
 
王傭兵「・・・」ハァ


酒場の戦士「なんつーか・・・な」

酒場の僧侶「・・・まぁ」

青年剣士「・・・皆さん・・」


エリート魔法使い「どうした?頭にきたか?はっはっは」


王傭兵「なんていうか、昔の俺のまんまだなってな」


エリート魔法使い「・・・」ピクッ


王傭兵「・・・分からせる必要がありそうだ」


エリート魔法使い「・・・やってみろ!魔力攻撃増大魔法!」ピカッ


176 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:39:29 ID:eBCluwfE
 
青年剣士(物理的な面だけじゃなく、魔力の増大を行う!?どういう理屈なんだろうか・・・)


エリート魔法使い「・・・・特爆炎魔法っ!!」


・・・カッ・・・ドゴォォォォン!!!

・・グラグラグラ・・・


観客「う、うおおお!会場全体が揺れてる!」

青年剣士「・・・!」


・・・モクモク・・


アナウンス「おぉぉっと!?突如・・・強力な一撃!!!会場全体が震え上がったその威力・・・・、王傭兵は無事なのか!?」


177 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:40:01 ID:eBCluwfE
 
・・・・・サァァ・・・


アナウンス「舞い上がった埃が晴れていく!王傭兵は・・・・・!」


王傭兵「げほっ・・・、痛ぇな・・・このやろう!」


観客「!」

青年剣士「!」

酒場の僧侶「っへ」

酒場の戦士「・・・当然」


アナウンス「・・・・立っている!立っているぞ!あの一撃を微動打にしない、その姿!!まさに"不沈艦"だぁぁ!!」


178 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:40:33 ID:eBCluwfE
 
・・・・ワァァァッ!!!!! 
 
観客「うおおおおおっ!!!」

観客「すげえええ!」


青年剣士「・・・・さすが!」


エリート魔法使い「そ、そんなバカな・・・」

王傭兵「その程度で・・・俺を倒す・・・・・つもりか・・・・・・・!?」ギラッ

エリート魔法使い「ひっ・・・!だ・・・、大氷波魔法!」キキィン!!


・・・カキン・・・カキンカキンカキンッ!!!!


179 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:41:14 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「お、襲いかかる氷の波!コロシアム全体に氷の嵐が吹き荒れる!」

観客「さみぃぃ!」

観客「ふ、不沈艦といえども・・・さすがに凍らせられたら・・・」



青年剣士「・・・いや・・」

酒場の戦士「・・・」ニヤッ



王傭兵「・・・くく」

エリート魔法使い「・・・ばかなぁぁ!!」


アナウンス「・・・・これは驚きだ!!あの氷の嵐をどう切り抜けたというのか!?」


180 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:41:50 ID:eBCluwfE
 
エリート魔法使い「ど、どうやってだ!?」

王傭兵「・・・その程度の氷で俺を倒すっていうのか?」

エリート魔法使い「そ、その程度・・・・だと、最上級クラスの魔法術だぞ・・・・!?」


王傭兵「・・・元とはいえ、最強の傭兵といわれたこともある男だ。その意味が・・・・分からないのか」


エリート魔法使い「くっ・・・・特雷じ・・!」

王傭兵「・・・・ふっ!」ビュッ


・・・ドスッ!!


エリート魔法使い「ふぐぅっ!」ブシャッ

王傭兵「・・・顔に一撃。鼻血が出てるぜ・・・痛かったか?」


181 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:42:22 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「な・・・・!なんという速さだ!その図体からは想像出来ない素早さの一撃!!」


エリート魔法使い「・・・な、なな・・・」

・・・・・ポタポタ・・・


王傭兵「本気の一撃だったら、首がなくなってたな。降参しろよ・・・お前じゃ俺には勝てないよ」

青年剣士(あの時は大柄で分かりやすい攻撃だったっていうのに・・・、あんな動きされたんじゃ勝てるかわからなかった・・)


エリート魔法使い「・・・まだだ、負けてたまるか・・・堕ちた傭兵なんかに・・・一流のこの俺がぁぁ!!」


王傭兵「・・・青年剣士!よく聞け!人っていうのは、お前みたく優しさだけでは生きていけないんだ!」

青年剣士「き・・・急に何を・・・?」


182 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:43:35 ID:eBCluwfE
 
エリート魔法使い「うあああっ!特風旋・・・・!」


王傭兵「それは時に・・・非情になることも必要ということだ。覚えておくんだ!」

青年剣士「・・・・!」



王傭兵「うらぁ!」グイッ

エリート魔法使い「うっ!俺の服を掴ん・・・・!」

王傭兵「ふん!」ギュッ

エリート魔法使い「う、腕を・・・離せ!!」


王傭兵「・・・お前も一度、堕ちてみるといい。本当の・・・人ってのが分かるさ」ググ゙ッ

エリート魔法使い「や、やめ・・・・!」ブルブル



・・ゴキッ・・・・・・ゴキャッ・・


183 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:45:10 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「り・・・両腕を・・・・へし折ったぁぁぁ!!!」

・・・・ワァァァ!!!!!!


王傭兵「・・・」

エリート魔法使い「よ・・・よくも・・・・よくも俺の・・・おお、俺の腕を・・・・・!」

王傭兵「悔しかったら這い上がって来い。その過程で・・・お前も変わるかもしれんがな」

エリート魔法使い「・・・くそっ・・」ガクッ



青年剣士「・・・」ゴクッ


王傭兵「・・・みんな、今ここに・・・"不沈艦"が戻ってきたぜ!」ビシッ



・・・・!!!
・・・・・・・・ウオオオオオッ!!!!


184 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:45:40 ID:eBCluwfE
 
アナウンス「完・全・復・活!!4年ぶりに現れた王傭兵は、あの頃のままで・・・強かったァ!!!」

王傭兵「・・当然だ!」


・・・・ワァァァ!!!
パチパチパチパチ・・・・



青年剣士「凄い・・・」

酒場の戦士「・・・はは、アイツがあんなに熱くなるの久々に見たな」

青年剣士「そうなんですか?だいぶ静かでしたが・・・」


酒場の戦士「静かなる激昂っていうのかな・・・そういうところがあるんだアイツは」

酒場の僧侶「付き合ってたら分かるさ」ハハ

酒場の戦士「で、どうするか。今日の試合はあいつで終わりだしな・・・、軽く飲みにいくか?」


185 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:46:31 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「何かとつけて、毎日飲んでるような気がするのは気のせいでしょうか?」アハハ


酒場の僧侶「気のせい気のせい!王傭兵もすぐ戻ってくるだろうし、俺らは酒場で待ってようぜ!」

酒場の戦士「そうだな」

青年剣士「あ、俺は1回戦突破のおめでとうがてら、呼んできますよ」


酒場の僧侶「そうか、じゃあ頼んだ」


青年剣士「はい、行ってきます」


・・・・タッタッタッタッタッタ・・


186 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:47:08 ID:eBCluwfE
 
・・・・・トコ・・・トコトコ・・・

青年剣士「えっと、選手控え室がこのへんだったはず・・・・、っといたいた・・」


王傭兵「・・・・だろ?」

白衣の男「・・・だ!」


青年剣士「ん?何しゃべってるんだろ・・・」スッ



王傭兵「大丈夫だって・・・俺は約束があるんだ。それを守るまでは・・・」

白衣の男「ダメだ!」

王傭兵「俺が復帰を決めた決意・・・それがどれほどか分かるだろ・・・?」

白衣の男「レジスタンスから話は聞いてる・・・が・・、それはお前の生命にかかわるんだぞ!?」


青年剣士(・・・・?)


187 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:48:04 ID:eBCluwfE
 
王傭兵「・・・」

白衣の男「お前が傭兵に復帰するときだって反対したんだ。確かにお前は素晴らしい。だが・・・」

王傭兵「だったら大丈夫だろ?あそこからリハビリも重ねて復帰できたわけだし」

白衣の男「・・・俺がお前の復帰を手助けしたのは、お前がもう無茶な戦いをしないといったからのはずだ」


王傭兵「・・・」

白衣の男「それを裏切り、王立兵士団に復帰し、前線に赴き、死に掛けたのはどこの誰だよ」

王傭兵「あの時の事は悪かったと思ってるよ・・・」


白衣の男「それだけじゃないだろ。あの時も、あの時も、あの時もだ」

王傭兵「・・・悪かったよ・・・・・、だけどよ・・・、今回で全部終わりにするつもりだ。いや、きっと終わる」

白衣の男「・・・」


188 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:49:14 ID:eBCluwfE

 
王傭兵「それほどに信じられるんだ。俺の体は壊れてもいい、だけど・・・あいつとの約束までは持たせてくれ・・・頼む」


白衣の男「・・・脊髄、筋肉、魔力繊維、右腕、右足、左足」

王傭兵「・・・」


白衣の男「お前の体の限界を迎えている部分だ。そして・・・・」

王傭兵「分かってる・・・毎回のことだ・・・」

白衣の男「・・痛み止め、興奮剤、魔力増強剤、魔力安定剤」

王傭兵「・・・」ハァ


白衣の男「一歩間違えればドーピングぎりぎりだ。これでも・・お前の全盛期には及ばないけどな」


189 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:50:04 ID:eBCluwfE
 
王傭兵「分かってる、わかってるから言わないでくれ・・・・」

白衣の男「いいや言うさ。俺らはお前を失うわけにはいかないんだ・・・それが分かっていない」

王傭兵「・・・」



・・・ガタン!!


白衣の男「誰だ!?」

青年剣士「・・・・あ・・」


王傭兵「青年剣士・・・・」


190 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:50:54 ID:eBCluwfE
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・酒場】



王傭兵「・・・」

白衣の男「・・・」


青年剣士「・・・」チラッ


王傭兵「んー・・・あ、あぁ・・・えっとな。こいつは医聖者・・・だ」

医聖者「よろしくね」ギュッ

青年剣士「あ、よろしくお願いします」


192 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:52:19 ID:eBCluwfE
 
医聖者「俺は一応こいつの担当医っていうのかな、医者をしてる」


青年剣士「医者・・・医者ですか?」

王傭兵「あー・・・そうか。その時代だとまだ医者っていう概念がないんだ」

医聖者「へえぇ、医者って言うのはね・・・、いわゆる僧侶みたいなものだよ」

青年剣士「・・・?」


医聖者「えーっと・・・」

王傭兵「回復や治癒のみに技術の長けた職のことを指すんだ」


青年剣士「なるほど・・・」


193 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:53:18 ID:eBCluwfE
 
酒場の戦士「・・・」

酒場の僧侶「・・・さて、どういうことか説明してもらおうか」


王傭兵「・・・こういうことだろう。こいつがここにいるんだから」

医聖者「・・・」ハァ


酒場の戦士「まぁ・・・俺は大体わかってた。こうなってるんじゃないかってな」

酒場の僧侶「かくいう・・・俺もな」

青年剣士「・・・」



王傭兵「・・・ま、俺の体は限界に近い。いつ壊れてもおかしくないってことだ」


194 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:54:04 ID:eBCluwfE
 
医聖者「・・・これ以上は寿命を減らし続けるだけだ。戦いに生きる?そんなもん死んだら意味ねえじゃねえか」

王傭兵「生きるから死ぬ。それだけだろ」

医聖者「・・・」


酒場の戦士「だが、王傭兵の体は1人のもんじゃねえ。今は俺らと運命共同体だろ」

酒場の僧侶「その通りだ。あんたを失うことは、俺ら全体の損失だ」

酒場の魔法使い「体ァ大事にしろよ」


王傭兵「わかってるよ・・・」


195 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:55:47 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「・・・」

王傭兵「いらねぇ心配かけちまったな。悪かった」

青年剣士「いえ・・・」


酒場の戦士「お前、本当に大丈夫なのか?戦い続けても・・・」

王傭兵「普通に戦う分なら問題ない。今日みたいな大魔法を受け続ける事はもう難しいがな・・・」

酒場の戦士「無理だけはするなよ。医聖者・・・悪いが、ついてやってくれ・・・」


医聖者「文句をいいつつも、やっぱり俺もコイツは心配だ。わかってる・・・任せてくれ」

酒場の戦士「すまない・・・ありがとう」

王傭兵「・・・」


196 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:57:03 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「ところで・・・4年前に一体何があったんですか?」

酒場の戦士「それは・・・・」

王傭兵「あ、いやいい。俺が言う。いまさら気にすることじゃない」

酒場の戦士「・・・」


王傭兵「俺がまだ現役だった頃、白竜人がエリート家と呼ばれる一族に腕を買われ、コロシアムに乗り込んできたんだ」

青年剣士「エリート家って・・・」

王傭兵「そう、俺が倒した昼間のな」

青年剣士「だからあそこまで・・・お互いのことを言い合ったんですね」


197 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:58:21 ID:eBCluwfE

 
王傭兵「正確にいえば、俺が戦争に参加した時に殺した相手がアイツの親父だった。だから、あいつらは俺を全力で殺しに来たんだ・・・雇ってな」

青年剣士「なるほど・・・」

王傭兵「そんなものに負ける訳ないと、"無敵"だの"不沈艦”だと呼ばれ・・思い上がっていた俺は・・・・・完膚なきまでに叩き潰された」

青年剣士「・・・・」


王傭兵「その時に大怪我を負って、俺の存在に変わり、白竜人がのし上がった。数年築いた地位も、名誉も失ってな・・・」

青年剣士「・・・」

王傭兵「この程度の人間だと思い知らされ・・死ぬ事も考えた。だが、そこで出会ったのがこいつらだった」


酒場の人間たち「・・・」


王傭兵「こいつらは、天狗になり、地に堕ちた俺ですら暖かく迎えてくれた。そこで彼らの人生を聞き、世界が腐っているとようやく気づけた」


198 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 11:59:22 ID:eBCluwfE
 
青年剣士「王傭兵さん・・・」

王傭兵「だが、体が限界だった俺は夢をあきらめかけていた。そこに・・・現れたのが・・英雄剣士だった・・・」


青年剣士「・・・」ゴクッ


王傭兵「・・・頼むぞ」

青年剣士「もちろん・・・・精一杯、力の限り尽くします。英雄剣士・・ですからね!」ニコッ


王傭兵「・・・ありがとよ」

医聖者(いい仲間に囲まれて、良かったな王傭兵)


199 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 12:00:35 ID:eBCluwfE
 
酒場の僧侶「・・・まぁまぁ!しょっぱすぎる話はこれまで!不沈艦は沈まない・・・俺らの夢を乗せているからな!」

酒場の戦士「そうとも!」

王傭兵「俺らの!」

医聖者「夢に向かって・・・」


青年剣士「乾杯っ!!」


全員「乾杯っっ!!」ガシャンッ!!


200 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/22(月) 12:01:05 ID:eBCluwfE
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・



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