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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その34
- 199 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/11/30(水) 16:12:42.11 ID:UhalqTkVo
ザアアァァァァ…
天才「……」
盗賊「……っ」
サモナー「……」
魔道士「マーマン……さん……?」
イブリース「命懸けこの俺様から勝利を奪うとはな。フッ、大した奴であったわ」
青年兵「そ……んな……っ」
召喚士「マーマンさんが死んだ……? ふざけるなっ!」
イブリース「死んださ。俺様の奥義を至近距離で浴びてな。跡形も残らず消え去ったわ」
召喚士「……マーマンさんがやられたりなんて……するものか!」
イブリース「貴様も見ていただろう? 奴は死んだ。その証拠に水壁は存在せぬ」
召喚士「マーマンさんは各地を回って、同じような境遇の仲間を救うって言ってた……」
イブリース「認めよ。命を賭けた力で、この俺様をねじ伏せ、貴様等の命を救ったのだ」
召喚士「神官さんやハヌマーンさんだって、マーマンさんの帰りを待ってるんだ……なのにっ!」
ズギャッ!!…ゴゴゴゴゴゴ…
- 200 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:13:10.24 ID:UhalqTkVo
召喚士「こんな所で……死んだりするもんかよぉ!!」
イブリース「な、んだコイツは……!?」
ゴゴゴゴゴゴ
イブリース「小僧……ッ、大した魔力もないくせに貴様ァ」
青年兵「召喚士さん……っ」
サモナー「彼を止めるんだっ! あれは……あの魔力は……っ」
召喚士「イブリース……!」
イブリース「来いッ! 貴様もこの俺様を力でねじ伏せて見せよッ!」
サモナー「あの魔力は……命を燃やして捻出しているものだっ!」
青年兵「!?」
サモナー「ああ、僕と同じさ。止めないと召喚士くんの身に影響を及ぼすぞっ」
青年兵「召喚士さんっ!!」
召喚士「……行けっ、コカトリスーっ!!」
イブリース「ハァーッハッハッハ! 来いッ! この俺様を――」
ツツーッ
- 201 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:13:36.92 ID:UhalqTkVo
イブリース「……?」
召喚士「おああぁぁぁぁ!!」
イブリース(この俺様が……汗だとぉ……!?)
天才「う、腕を狙え! 自分の両足を切り落として……逃げるつもりだぞ!」
イブリース「ヌウゥッ!」
召喚士「ああああぁぁーっ!!」
戦士「駄目だっ、聞こえてねぇ……っ!」
ドッグウゥッ!!…ズズズッ…ズズッ
イブリース「…………」
召喚士「悪いけど、わざわざ腕なんか狙う必要ないですから」
イブリース「……貴様……何をしたッ」
召喚士「……」
イブリース「まさかこんな……小さなコカトリス如きにィ……ッ」
召喚士「あなたが教えてくれた事だろう」
ピキッ…ビシビシッ
- 202 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:14:03.38 ID:UhalqTkVo
召喚士「奥義を放ち、数度の五行を浴びたあなたは、魔力もおちているはずだ」
イブリース「……ッ」
召喚士「その証拠にあなたは、足を封じられているというのに、姿を変えようとはしなかった」
ビキビキビキッ…
召喚士「最初から足を捨てて、再び姿を変える事で脱出出来たはずだ」
男隊員「アイツ……そこまで……っ」
召喚士「そして、密度の薄くなったイブリースになら……」
ビキキッ…ピシィ
召喚士「コカトリス代の能力で、石化も可能なはずだ」
イブリース「ヌ……ウウゥゥゥッ」
召喚士「コカトリスの身を小さくしたのは、人間サイズになったあなたに合わせての事と……」
イブリース「オ……オオォォォォ……ッ!」
召喚士「密度を濃くすれば威力が増す。それが貴方から教わった事だ!」
盗賊「体内から……石化している……っ」
イブリース「な、なんと言う事カアアァァーッ!!」
- 203 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:15:04.42 ID:UhalqTkVo
ザッ
召喚士「あなたの負けだ、イブリース」
イブリース「フッ、フフ……ッ。ハァーッハッハッハッハッハ!!」
召喚士「……」
イブリース「この俺様が、拘束されるとはなぁ!!」
魔道士「……っ」
イブリース「両足には特殊な武器が刺さり、胴体は石化。動くは頭部だけよッ!!」
戦士「……いい加減、諦めろよ」
イブリース「力で敗北を喫する事はあろうとも、身を拘束された経験は始めてだわぁ」
召喚士「これでもう、勝ち目はないはずだ。潔く諦めるんだな」
イブリース「諦める? 貴様等とて最早、何も出来まいッ!」
召喚士「いいや、俺達にはまだ切り札がある」
イブリース「切り札……?」
召喚士「もうじき分かるさ。もうじき――」
ゾクゥッ!!
- 204 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:15:39.01 ID:UhalqTkVo
召喚士「……!!」
クルッ…バッ!!
盗賊「威圧……!?」
戦士「大きくはねぇが、なんつう不気味な威圧なんだ……っ」
傭兵「もしかして……王子っ、王子か!」
天才「……」
ゴゴゴゴゴゴ…
イブリース「こ……れは……ッ」
ドウッ!!…ズッドオオォォォォン
西国兵「あれはセクメト!? という事は……っ」
親衛隊「王子と……神官様が帰ってきたんだっ!」
傭兵「王子っ、王子!!」
バッ…ズダッ
王子「……」
傭兵「お、王子……?」
- 205 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:16:19.91 ID:UhalqTkVo
ザッザッザッザッ…
王子「軽々しく王子などと呼ぶでない。私は西国、即ち西方の王であるぞ」
親衛隊「……!?」
王子「気を付けよ。次は厳罰に処すぞ」
西国兵「は、はは……っ」
親衛隊「どうしちまったんだ……っ?」
傭兵「さ、さぁ……」
ザッザッザ
魔道士「王……子?」
王子「遅くなって申し訳御座いません、朱雀先生」
召喚士「……っ」
イブリース「このガキが……切り札だとおぉ!?」
王子「貴様が魔王イブリース、だな?」
イブリース「……」
王子「……」
- 206 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:16:56.71 ID:UhalqTkVo
イブリース(大した魔力も持たぬ非力そうなガキではあるが……確かに何だこれは……)
王子「……ふむ、最早とどめを待つといったところか」
イブリース(このガキの奥底に眠る、恐ろしき何かは……ッ)
召喚士「へ、陛下……」
王子「ご心配には及ばず。さて皆様、少しお退がり下さい」
ザッ
王子「……ふうぅーっ」
ドドドドドド
王子「我に……力を貸したまえっ!! アヌビス!!」
ガカアアァァァァ!!…ゴウッ!!
戦士「ぐおっ!」
女隊員「すっ、凄い光……ッス」
パアアァァァァ!!
西方参謀「こ、こいつぁ……五行みてぇな……」
召喚士「……っ!」
- 207 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:17:29.49 ID:UhalqTkVo
シュウウゥゥゥゥ
盗賊「……あ……っ」
サモナー「あれが……召喚獣、アヌビス……っ」
イブリース「……初見なる召喚獣だな」
王子「そうなのか。それでは、最初で最後だな」
イブリース「何……?」
王子「アヌビス、魔王イブリースを審判せよ」
ズズッ
アヌビス「……」
イブリース「審判……だとぉ!?」
ドクンッ
イブリース「――ッ!?」
アヌビス「……我は世の境界に在りし者。イブリース、貴様が正しき世か我が審判を下す」
イブリース「グ……ウオ……オオォォォォ!!」
アヌビス「見えるか? これが貴様の命。さぁ、相応しき場所へ還るが良い」
- 208 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:17:58.98 ID:UhalqTkVo
イブリース「ヌッ……グオオォォォォ!!」
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
召喚士「!?」
ドドオオオオォォォォ…
盗賊「な、何が起きたのだ……?」
戦士「魔王が真っ白になって……止まっちまった……っ」
アヌビス「……これが我が私の力……能力だ……なのです」
パアアァァァァ
サモナー「あれは……っ」
魔道士「し、神官さんっ!!」
アヌビス「我が力は、対象者の精神を審判し、正しき道へと
導くもの也」
神官「アヌビスの能力は、対象者の精神を審判し、正しき道へと導くのです」
王子「……っ」
アヌビス「これにより魔王イブリースは、地上界より消え去った。残るは抜け殻のみよ」
神官「私の命を生贄とし、魔王イブリースはこの世界より消滅致しました」
召喚士「神官さん……っ!」
- 209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:18:29.07 ID:UhalqTkVo
アヌビス「我が主、王子よ。これにて我の役目は終えた。もし再び我を欲するものならば……」
神官「召喚士殿、これにて私の役目は完了致しました。後の事は王子、いや……」
アヌビス「再び生贄を我に差し出し、我を呼び出すが良い」
神官「西国筆頭召喚士である陛下に、全てを託します」
シュイイィィィィ…
王子「……ご苦労であった……っ」
神官「まだ未熟ゆえ、陛下を頼みます。召喚士殿――」
召喚士「神官さんっ!」
神官「今までの恩義、大変感謝致します。そして……恩義を返せぬ事、お詫び致します」
召喚士「こちらこそっ、神官さんには……うっぐ……!」
神官「陛下や召喚士殿達が居るからこそ、私は安心して逝けるのです」
召喚士「……っ!」
神官「どうかこれからも、互いに手を取りあい……この世界の為に……人々の為に……」
王子「……っ」
召喚士「神官さああぁぁん!!」
神官「ありがとう……そして、さようなら――――」
- 210 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 16:19:11.97 ID:UhalqTkVo
俺は、この日の事を絶対に忘れない。忘れる事なんて出来ないだろう。
あの日の出会い、この日の別れ。そしてこの人との出会いがあって、
共に戦ったからこそ今の俺がある。多少なりとも、いっぱしの召喚士としての自信が持てたんだ。
召喚士「ありがとう神官さん。そして……さようなら」
また会う日まで――。
ゴオオォォォォ…
王子「……わ、私は泣かぬぞ」
召喚士「泣いても……いいんですよ」
王子「いや、泣かぬ。それが神官との約束だからな」
召喚士「……強いですね陛下は。俺は……涙がっ、止まりません……っ!」
王子「王は人前で涙を流さぬ! 神官はそう言った! だから、私の分も泣いてくれ!」
召喚士「……は……いっ」
魔王イブリースの命を審判の名の下に葬った、召喚獣アヌビスがゆっくりと消えていった。
そのアヌビスの消滅と共に、西国を支え続けた、西国に全てを注いだ神官もまた、消えて逝った。
神官の魂は完全にアヌビスへと吸収され、男は全てを託し、この地上より姿を消した……。
- 214 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:52:26.32 ID:UhalqTkVo
オオォォォォ…
サモナー「神官……さん……っ」
魔道士「うっ、うぅ……ぐう……っ!」
戦士「……っ」
男隊員「これで、助かったんだよな……俺達……」
西方副司令「終わった……のね」
隊長「……っつう。だ、大丈夫か……?」
踊り子「……う、うん……大丈夫」
ピクッ
天才「……?」
盗賊「……な、何だ……っ!?」
戦士「どうした?」
盗賊「後ろ……っ、何か……居る!?」
天才「よけろおおぉぉ!!」
隊長「―−!?」
- 215 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:53:26.16 ID:UhalqTkVo
〜北方、山間部〜
参謀「北方軍は東側へ展開! 大軍師殿の別働隊を救援せよっ」
副官「参謀様、北方司令部からの伝令です。バリスタの準備完了との事」
参謀「うむ。了解した」
北方兵「ご報告致しますっ! 北側よりオーガ隊600程度を確認! こちらへ迫っております」
参謀「……ここにきてやってくれる。別働隊へ伝令を出せ!」
北方兵「はっ」
参謀「……本体はこれより北上致します。ここの防衛、お願い出来ますか?」
眼鏡「了解。此処は重要拠点になるからね。死守するよ」
参謀「頼みます」
魔法剣士「しかし、ネクロマンサーの奴……姿を見せないな」
賢者「……まだ、西に居るんじゃないか? ふぅ」
ジュニア「あれから何日経つと思ってんだ。とっくに逃げたんだろうよ」
魔法剣士「……だと、いいがな」
眼鏡「とにかく今は、ここの防衛が最優先。任務にあたろう」
- 216 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:54:09.11 ID:UhalqTkVo
〜最西端、古代遺跡〜
それは本当に刹那の刻であった。
天才「……っ」
気配に気付いた天才ですら動けなかった。
それは負傷している影響もあったが、死角からの一撃は余りにも不意打ちすぎたのだ。
青年兵「な……っ」
鋭利な針のような、黒く細い触手は、踊り子を庇う隊長の背中へと深く突き刺さる。
魔道士「――っ!!」
そして、その先端は隊長の腹を突き抜け、
隊長「う……ぐおあ……ぁ!!」
腕の中へ抱きかかえられた踊り子の腹部へと、
踊り子「ぐ……うぅっ」
突き刺さった。
そして、攻撃を放った触手の主は漆黒の空で高らかに笑う。
ネクロマンサー「……ククッ、いやはやご苦労様です」
- 217 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:54:47.77 ID:UhalqTkVo
戦士「て……んめえぇ!!」
ズルゥ……ボトッ
女隊員「隊長おぉーっ!!」
召喚士「ネクロマンサーっ!!」
ネクロマンサー「来るかね、召喚士ィ!!」
ゴウッ!!
サモナー「無茶だっ! さっきので力を使い過ぎているっ、このままでは君が……」
召喚士「おおぉぉぉぉ!!」
ネクロマンサー「ククッ、残り少ない魔力で……何が出来るかぁ!」
ガクンッ
召喚士「――!?」
コカトリス「召喚士、もう無理だ。魔力――」
シュイイィィィィン
ネクロマンサー「クククッ! 大人しく寝ていなさいッ!」
バシィッ!!…ドシャアァ
- 218 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:55:20.46 ID:UhalqTkVo
召喚士「がっは……ぁ!!」」
ヒュンッ…スタッ
ネクロマンサー「……魔王イブリース」
イブリース「…………」
ネクロマンサー「惨めなものですねぇ。ククッ」
格闘家「隊長っ!」
隊長「…………ぁ」
男隊員「しっかりしろぉ!!」
隊長「……は」
男隊員「……?」
隊長「あ……のっ、娘……は?」
男隊員「無事なのか!?」
女隊員「……」
格闘家「なんとか……息はありますが……」
踊り子「…ひ……ひゅうぅ……ごふっ」
- 219 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:55:49.43 ID:UhalqTkVo
魔道士「――!?」
男隊員「回復役っ! 誰でもいいっ! 早く!!」
戦士「天才いぃ!! あんた回復魔法使えんだろ!!」
天才「……ああ。今……行く――」
ドサッ
西方参謀「……無理だ。司令はとっくに限界をむかえてる」
戦士「召喚士ぃ!!」
召喚士「…………ぅ」
青年兵「召喚士さんっ!」
召喚士「……行か……なくっちゃ。助けに……行かなくちゃ」
サモナー「召喚士くん、君の魔力ではもう無理だ」
召喚士「い、行か……な……っ」
サモナー「僕が行く。ごほごほっ」
ズズッ…ザッザッザッ…
ネクロマンサー「クククッ、なかなか感動的ではありませんか」
- 220 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:56:20.84 ID:UhalqTkVo
魔道士「……」
踊り子「……ひゅ……ぅ……っ」
女隊員「まずいッスよぉ! 早くっ!」
サモナー「ごほっ、今……行くからっ」
マーメイド「サモナー……っ」
サモナー「すまないマーメイド。手を……貸してくれないか?」
魔道士「あ……ああ……ぁ」
サモナー「シー……ビショップ……」
シュイイィィィィン
踊り子「こ……ひゅ……ぅ」
魔道士「踊り……子……ちゃん」
ゾワッ
天才「……!?」
魔道士「いやああああぁぁぁぁーっ!!」
ズドドドドドドオオォォォォ!!
- 221 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:56:48.03 ID:UhalqTkVo
戦士「な……っ!?」
盗賊「魔道士っ!」
魔道士「ああああぁぁぁぁーっ!!」
ゴッゴオオオオォォォォ!!
ネクロマンサー「何です……ッ?」
天才「魔道士を止めろぉ!!」
召喚士「!?」
天才「それは五行だっ!! 魔道士が死ぬぞ!!」
魔道士「ああぁぁぁぁ!!」
盗賊「くっ!」
シュバッ
盗賊「すまぬっ、魔道士!」
ドズッ!!
魔道士「あ……っ」
ドサッ
- 222 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:57:42.65 ID:UhalqTkVo
西方参謀「気を……失ったか……っ」
天才「バカが……っ、我を忘れて暴走しやがって……」
戦士「盗賊、魔道士を連れて退がってろ」
盗賊「ああ、すまぬっ」
タタッ
戦士「さーて、サモナーさんの邪魔はさせねぇぜ」
ネクロマンサー「険しい表情ですが、戦う気力など残っているのですか?」
戦士「そういう問題じゃねぇんだよ」
女隊員「そうッス。ここまできたら、力尽きるまで戦う所存ッス」
男隊員「だよなぁ。魔物や民間人にばっかり、かっこいいとこ譲るわけにはいかねぇよ」
格闘家「俺は……貴様を許さん」
ネクロマンサー「ククッ、いいでしょう。大した力も残されていない貴方達がどれ程の――」
グオオォォッ!!……ドッグオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「な、何イイィィ――!?」
戦士「だ、誰が……」
- 223 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:59:22.44 ID:UhalqTkVo
シュウウウウゥゥゥゥ…
天才「バ、バカな……っ」
ネクロマンサー「ウ……ググッ、何と言う……力か……ッ」
召喚士「ど、どうして……」
ネクロマンサー「……何の真似ですか、イブリースさん!!」
イブリース「…………」
シュウウゥゥゥゥ…ズッ…ズズズッ
イブリース「……オ、オォ」
王子「くっ、まだ生きて――」
召喚士「待って!」
王子「!?」
召喚士「イブリースは……ネクロマンサーを攻撃した……」
ネクロマンサー「何の真似だと言っているのですッ!!」
召喚士「偶然なんかじゃない……っ、確かに……攻撃したんだっ」
王子「……っ」
- 224 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 17:59:59.04 ID:UhalqTkVo
ズズズズッ…ドズンッ
イブリース「……余計な真似を……スルナ」
ネクロマンサー「……何ですって?」
イブリース「これハ……俺様ト……コイツ等の戦イだ…!!」
ネクロマンサー「消滅したと思えば……まだ抜け殻に残りカスがありましたか」
イブリース「余計な真似ヲ……スるナアアアアァァァァ!!」
グワッ!!…ガシイイィィィィ!!
ネクロマンサー「……チッ、これは予想外ですね」
戦士「ど、どうして……魔王が……っ」
イブリース「ハァ……ッハッハッハ!! 勘違イはスルなよオォ」
グググッ
ネクロマンサー「ヌグアァ……ッ! チィ……これまでですね」
イブリース「これはナァ……決シテ己の信念ヲ曲ゲズ、恐れなカッタ……ソの娘とオォ」
踊り子「…………」
イブリース「全身全霊ヲ以ッテ……俺様ト対峙シタァ……マーマンヘノ手向ケデアル!!」
- 225 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 18:00:31.11 ID:UhalqTkVo
ネクロマンサー「……ククッ、まぁ良い。また会うと致しましょう」
ググググッ
ネクロマンサー「次は人形ではなく、本体で戦ってあげますよ……クククッ――」
ゴッシャアアァァァァ!!
イブリース「見事ダアアァァ!! 人間共ヨオオォォ!!」
ボゴォッ!!…ピシッ…ピシシッ
西方副司令「まるで……石膏が割れるように……っ」
盗賊「……砕けてゆく」
イブリース「この俺様ニイイィィ……力デェ、勝利シタノダカラナアアァァ!!」
天才「テメーも強かったぜ、イブちゃんよ……」
イブリース「力デ俺様ヲ支配シテ見セタノダアァァ!! 称エテヤルゾ!!」
ボロボロッ…ゴトッ!!
イブリース「ハァーッハッハッハ!! 為シ得テ見セヨ!!」
召喚士「……?」
イブリース「俺様ヲ倒シタノダ!! 残ルサタンヤベルゼバブヲモ倒シ……支配シテ見セヨ!!」
- 226 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/11/30(水) 18:01:04.98 ID:UhalqTkVo
ドゴォッ…ゴトッ…パアアァァァァ
イブリース「人間ヨ……貴様等ハ強カッタゾ!! 力デ敗北シタ俺様ニ悔イハ無イ!!」
親衛隊「ま、魔王が……溶けてく……」
イブリース「ハァーッハッハッハ!! 地獄デ待ッテイルゾ!! 貴様等ガ来ル日ヲナアアァァ!!」
ズッシャアアアアァァァ
イブリース「地獄ヘ来タ刻ニハ……マタ死合オウゾ!! 次コソハ俺様ガ勝ツ!!」
アアァァァァ…
イブリース「ハァーッハッハッハッハッハッハッハ――――」
耳をつんざくような、それでいてどこか清々しいような魔王の豪快な笑い声。
それが徐々に小さくなり、夜空の中へと消えていった。
最西端の古代遺跡は漆黒の中で、白く。力強く存在し、消えゆく魔王を
更に神秘的な情景へと彩る為の背景と化す。
静寂が戻った満月の夜に、一同は無言で空を見上げていた。
満月は段々と薄くなり、周囲の夜空も明るみを帯び始めていた。
魔王イブリース討伐とい言う一夜の物語は、朝日と共に終わりを告げたのであった。
- 230 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 18:45:05.90 ID:oov3/AR20
1乙
イブリースの武人っぷりかっこよすぎる
- 232 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 18:54:24.17 ID:IHYjQcH4o
イブさん敵ながら天晴で、清々しいな
- 238 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 20:38:19.75 ID:RZkezPVSO
イブリースさん…。
遠い未来に寓話や絵本になりそうな程の好漢。
>>1GJ
- 240 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です) [] 投稿日:2011/11/30(水) 20:57:26.24 ID:YOOmltKDO
神官さんの国、王子への愛情が良かったな!
- 241 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 21:05:04.12 ID:ezfDO6zLo
お前らちょっとは命燃やした召喚士にも触れてやれよ・・・
- 242 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(富山県) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 21:27:57.67 ID:ibWYtD9n0
>>1おつ!
>>241脇役にしてはかっこいいよな!
- 244 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です) [sage] 投稿日:2011/11/30(水) 21:39:43.30 ID:EkdFwBF70
お前らもうちょっとアヌビスの語尾が萌えるシーンがあったことにも触れてやれよ……
- 250 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage] 投稿日:2011/12/01(木) 00:57:20.36 ID:uvYoqO/AO
イブリース人気だな
- 251 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です) [sage] 投稿日:2011/12/01(木) 01:24:17.66 ID:vWJRcirJo
ホモが多いからな
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