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幼剣士「僕には夢が出来ました」
1 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/08(月) 20:58:30 ID:FNkoPUB.
【第一シリーズ】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1370948694/l50
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371177620/l50
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371707458/l50

【第二シリーズ】
幼剣士「待っていて下さい・・僕が・・必ず・・!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372216047/

上記作品の、少年剣士、幼剣士シリーズの第二作目、続編となります。


2 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:00:16 ID:FNkoPUB.
 
―――――【塔の暴走から1年半後の森の奥・墓地区】


・・・・ミーンミンミンミンミン・・・

ジジジジ・・・サァァ・・・


幼剣士「・・・」

戦士僧侶「・・・」

武道家「・・・」

幼馴染「・・・」

乙女僧侶「・・・」


3 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:01:08 ID:FNkoPUB.
 
戦士僧侶「・・・終わったか?」

幼剣士「・・・はい」

戦士僧侶「他は?」


乙女僧侶「・・・終わりました」

武道家「そうだな・・」

幼馴染「大丈夫よ」


戦士僧侶「あれからもう1年半か・・・」


4 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:01:39 ID:FNkoPUB.
 
武道家「死亡扱いでご丁寧に立派なお墓も建てられてよ・・」

僧侶戦士「世界の果て・・とはいえないが、捜査が及ぶところはくまなく探したしな・・・」


幼剣士「・・・でも、お兄ちゃんはひょっこり・・どこからか顔を出しそうな気がしますけどね・・」


乙女僧侶「そう・・ですね。いつも突拍子なく出てきては、やさしくしてもらいました」

幼馴染「・・・だね」


5 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:02:16 ID:FNkoPUB.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お兄ちゃん、今どこにいるの?
あれから1年後に捜索隊は打ち切られ・・・・貴方の落としたネックレスは形見になっちゃった・・・

お墓は建てられたけど、ここに・・・お兄ちゃんはいない・・・
だから僕は強くなって、貴方を探しに行くと決めたんだよ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


6 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:02:47 ID:FNkoPUB.
 
武道家「どうした?幼剣士、ボーっとそら見つめて」

僧侶戦士「・・・」


幼剣士「あ、いえ何でも・・・・」


武道家「それにしてもよ、お前が冒険学校を断って、俺らと一緒にクエスト参加するって聞いた時は驚いたぜ」

僧侶戦士「本当によかったのか・・・?じゃなかったら、今頃は友達が出来て・・・」

幼剣士「いいんです・・・僕は、世界に出てもっともっと強くなりたいんです」


乙女僧侶(立派・・・とはいえませんが、出会った頃よりは夢に満ち溢れた眼をしていますね)


7 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:03:33 ID:FNkoPUB.
 
武道家「まぁ確かにな。俺らもそんくらいの歳から軍の仕事に興味あったし」

僧侶戦士「そういう環境があって、やらせてやらないのは・・チャンスを失わせるだけだからな・・・断る理由もなかった」

武道家「そうだな。俺らが思ってるよりも、ずっと幼剣士は強くなれた」


幼剣士「そんな・・・まだまだですよ。2人に早く追いつきたいです!」

僧侶戦士「・・・鍛錬あるのみだ」


乙女僧侶「それじゃ、大聖堂に戻りますか?美味しいご飯出しますよ!」


武道家「お、いいねぇ!」

幼馴染「ご馳走になろっかな」

幼剣士「・・・はい!」


8 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:04:18 ID:FNkoPUB.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――【大聖堂・食堂】


・・・カチャカチャ・・

・・モグモグ・・・・・・・ゴクッ・・


武道家「相変わらず・・・美味い料理だな!」モグモグ

乙女僧侶「ありがとうございます♪」


僧侶戦士「この野菜は元々乾燥物だよな?どうやって・・みずみずしく戻した?」

乙女僧侶「あぁそれはですね・・・」


9 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:04:49 ID:FNkoPUB.
 
幼剣士「・・・」


武道家「・・・・ん?どうした幼剣士」


幼剣士「あ、いえ。何かと最近考えることが多くて・・・」

武道家「何をだ?」

幼剣士「さっきも言いましたが・・・、僕自身、このままで本当に強くなれるのか、強くなっているのかと・・・」


幼馴染「・・・アイツはね、そんな事考えないで、ひたすら人助け、仲間の事だけを想ってた」


幼剣士「仲間・・・・、人・・・」


幼馴染「だからね、幼剣士もそうやって人の想いってのを大事にすると、すぐに強くなれると思うよ」

幼剣士「・・・そう、ですよね」


10 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:05:22 ID:FNkoPUB.
 
僧侶戦士「・・・・にしてもさ、未だに幼馴染が青年剣士の子を産んだなんて・・信じられないわ」

幼馴染「えー・・・そう?」

僧侶戦士「俺らと離れてる間にだろ?そんな時間あったか?」


幼馴染「結構会ってたし、だいぶ前から付き合ってたよ?」


乙女僧侶「全然知らなかったです・・・あうぅ」ハァ

武道家「ははは、元気だせや」


僧侶戦士「んで、その肝心の赤ん坊今いないけど・・・どこいった?」


11 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:05:57 ID:FNkoPUB.
 
乙女僧侶「うちのシスターさんに預かってもらってます」

幼馴染「最近こそ育児休暇だったり、休めるようになったけど・・・・、前は凄い忙しかったから、よくここで預かってもらってたんだ」

乙女僧侶「預かるのもお手のものですよ!もっと手のかかる子供も大勢いますし・・・」


武道家「なるほどな。・・・・ゲフッ・・・、うまかったー」カチャン


幼馴染「相変わらず食事マナー悪いわね・・・」

武道家「変わってないって言ってくれる?」

幼馴染「・・・」


僧侶戦士「ははは・・・、ご馳走様。美味しかったよ」

乙女僧侶「はい、お粗末さまでした」


12 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:06:49 ID:FNkoPUB.
 
・・・・コンコン


乙女僧侶「誰でしょうか・・・?」

僧侶戦士「どうぞー」


・・・・ガチャッ


軍人「失礼します!」

武道家「ん・・・なんだ?」

軍人「ご報告したいことがあります・・・・が、ここでも大丈夫でしょうか?」


僧侶戦士「あぁ、いいぞ」


13 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:07:28 ID:FNkoPUB.
 
軍人「・・・はい、実はまた暴走状態の魔獣が確認されました。小規模なものですが、クエストが出されています」


僧侶戦士「・・・・・まじか」

武道家「で、その暴走の理由はわかってるのか?また塔とかか?」


軍人「いえ・・それもまだ分かっておりません。付近の住民からの情報でしたので・・・」


僧侶戦士「ふむ・・・わかった」

武道家「・・・、幼剣士。お前は今回はここで待機しろ」


幼剣士「え・・・」


14 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:08:00 ID:FNkoPUB.
 
僧侶戦士「いや何もいらないという訳じゃない」

武道家「そう。もし前のような悲劇の序章なら、ここを守る人がいなくなるだろう?」

幼剣士「あ・・・」


僧侶戦士「そういうことだ。少なくとも、俺らに育てられ、俺らが見てる限り、お前はその辺のヤツにゃ負けないからな」

武道家「その通り。安心して任せられる・・・いいか?」

幼剣士「もちろんです!」


軍人「では、ご案内するので北西支部までお願いします」


僧侶戦士「んじゃ、いってくる」

武道家「ウメー飯も食ったし、すぐ帰ってくるよ」


乙女僧侶「気をつけてくださいね」


15 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:08:59 ID:FNkoPUB.
 
・・・・ギィ・・・・・・バタン


幼剣士「うん、そうだよね。何かあったら守らないといけないし・・・」

幼馴染「信頼されてるってことだね」ポン

幼剣士「あうっ・・・」

乙女僧侶「ですね!」


幼剣士「・・・、あ。ちょっとだけ行ってくる場所があるので・・・」


乙女僧侶「ん?わかりました」

幼馴染「じゃあ私も一回、女性寮に戻ろうかな・・・・」

乙女僧侶「赤ちゃんはどうします?」

幼馴染「もちろん一緒に帰るよー!一緒にいてあげないとね!」

乙女僧侶「うふふ、そうですね」


16 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:09:29 ID:FNkoPUB.
 
幼剣士「それじゃ幼馴染さん、乙女僧侶さんまたあとで!」

・・・・タタタタッ


乙女僧侶「幼剣士も、ずいぶん元気になったものです。成長を見てるのはうれしいですよ」

幼馴染「本当にね・・・・」


17 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:10:10 ID:FNkoPUB.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


幼剣士「・・・・」ハァハァ


・・・タッタッタッタ・・


幼剣士(やっぱり、暴走って聞くと心配だよ・・・。お兄ちゃんにもう1度だけ、手を合わせて・・・報告しなくちゃね)


・・タッタッタ・・・


幼剣士(・・・あれ?お墓の前に・・・・・、誰かいる?)


18 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:11:06 ID:FNkoPUB.
 
???「・・・」


幼剣士「あの・・・どなたですか?」


???「・・・・」


幼剣士「あの・・・」


???「静かに・・・」


幼剣士「あ・・・はい」


???「・・・」


幼剣士「・・・・」


19 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:11:55 ID:FNkoPUB.
 
???「よし・・・っと。で、何か用かな?」

幼剣士「あの、えと・・・・、お兄ちゃんの墓に・・挨拶してたんですよね?」

???「ん・・・あぁそうだね」


幼剣士「あなたは誰でしょうか?仮面を着けて・・・怪しいのですが・・」


仮面の男「・・・・この人は身を挺して世界を救ったのだろう・・・それに挨拶するのが変かい?」


幼剣士「あ・・・確かにそうですね。お名前を伺っても?」


仮面の男「名前はない。好きに呼んでくれ」

幼剣士「・・・・?」


20 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:12:27 ID:FNkoPUB.
 
仮面の男「で、君はここに何をしに来たんだい?」


幼剣士「あ・・・そうだった。お兄ちゃんに報告することがありまして・・・」


仮面の男「ふむ・・・この方は君のお兄さんなのか?」

幼剣士「はい。実は・・・暴走した魔獣がまた確認されたと報告があったので、僕らを守ってくださいとお願いしにきました」


仮面の男「何・・・・・?暴走した魔獣だと?」


幼剣士「あ・・・言っちゃいけないことでしたぁぁ!忘れてくださいお願いします!」ガーン


仮面の男「・・・、口はあまり滑らせるんじゃない。注意することだ」

幼剣士「う・・・」


21 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:12:57 ID:FNkoPUB.
 
・・・・ガサッ
 
 
仮面の男「・・・・!」ピクッ

幼剣士「・・・?」

仮面の男「ひとつ聞くが、君は他に誰か連れてきたかな?」

幼剣士「え?いや・・・僕一人ですよ」


仮面の男「・・・ということは・・」


・・・ガサガサガサ!!

・・・・・ザスッ・・・


アラクネ『久しぶりだわぁ・・・・』


22 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:13:28 ID:FNkoPUB.
 
幼剣士「く・・・蜘蛛!?でかっ!」

仮面の男「ほう、アラクネか」


アラクネ『傷を癒すのに1年以上もかかったけど・・・目の前にご馳走があるじゃない・・・・』


幼剣士「アラクネ!?武道家たちさんが倒したっていう・・・」


アラクネ『ごめんなさいね・・・あなたたち、私の為に食べられてちょーだい』


幼剣士「・・・・くっ!」チャキッ

仮面の男「まぁ、待ちたまえ」スッ

幼剣士「・・・!」


23 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:13:59 ID:FNkoPUB.
 
仮面の男「ここは私がやろう」チャキッ


アラクネ『あら・・・抵抗するの・・・・?でも、そういう男って・・・大好き!』クワッ

幼剣士「う、うわっ!」


仮面の男「・・・」ヒュッ


・・・・ズバッ!!!
・・ボトッ・・


アラクネ『あらやだ・・・腕が取れちゃったじゃない・・・」


仮面の男「・・・」


アラクネ『でもね・・・まだよ!』ビュッ


24 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:14:50 ID:FNkoPUB.
 
仮面の男「大火炎魔法っ!」ボワッ

・・・・ドゴォォォン!!


アラクネ『あ・・・熱い・・・熱いィィ!!!』


仮面の男「火炎装っ!・・・・火炎刃っ!」・・ボゥッ!!!


・・・・ドゴォォォォンッ!!!

アラクネ『そ、そんな・・・私がこんな簡単に・・・・・・・・』


仮面の男「病み上がりで悪いが、君はこの世には危険すぎる」



・・・・ドサッ・・・


25 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:16:05 ID:FNkoPUB.
 
幼剣士(強い・・)

仮面の男「・・・」スチャッ

幼剣士「・・・」ゴクリ


仮面の男「ああ、ケガはないかい?」

幼剣士「あ・・・大丈夫です」


仮面の男「それは何より。それではこれで失礼するよ」スッ

幼剣士「あ、あの!待ってください!」


仮面の男「・・・・なんだい?」ピタッ


幼剣士「あなた・・・本当に何者なんですか?身内にも強い方はいますが・・・、あなたはケタが違う・・・」


26 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:16:37 ID:FNkoPUB.
 
仮面の男「私は誰でもない。ただ世界を旅する一介の剣士、さ」

幼剣士「・・・・!」

仮面の男「話はそれだけかな?」


幼剣士「・・・・」


仮面の男「それでは今度こそ失礼する。私は急いでいるのでね・・・では」


幼剣士「・・・・」


28 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:17:19 ID:FNkoPUB.
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・


29 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/08(月) 21:18:56 ID:FNkoPUB.
一旦はここまでです。ありがとうございました。


30 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/07/08(月) 21:24:46 ID:qD0uXHls
乙幼馴染さん出産おめでた


31 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/07/08(月) 21:26:42 ID:IPYdlnz2
乙です
続編期待しております


33 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/07/09(火) 07:39:30 ID:8VTGQShk
>>27
誤爆すいません
悪意はありませんとにかく 
本当にすいませんでした。


34 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/07/09(火) 08:42:28 ID:r52xlotA
そいや、中級魔道ってどうなったんだっけ?


35 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/09(火) 09:45:15 ID:HEUASVA.
>>33 大丈夫ですよ

>>34 2作目の中盤で最上官に、後半で時点で先に卒業していきました。魔物の雰囲気を残したまま…



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