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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その9
842 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 17:59:45.25 ID:xq8dppso
〜前線〜

ラクシャーサ「はぁっ!!」

ザシュッ!!

剣兵「ぐあ…っ!!」

ラクシャーサ「…死ねっ!!」

キィンッ!!……ドシュッ!!…ドサッ…

戦士「大丈夫か!?」

剣兵「す、すまんっ!」

戦士は剣兵の腕を掴み、身体を起こす。

南方副官「負傷した兵は固まって後方へ退け!」

戦士「くっそ…。やはり数が多すぎるな!キリがねぇ!」

南方副官「もう少し相手をしたら…退こう」

南方副官は巨大なハンマーを担ぎ、ゆっくりと前に進む。

戦士「ああ…。メインはあっちだ」

一瞬後方を確認し、戦士も副官の後に続き足を早めた。


843 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 18:06:06.29 ID:xq8dppso
タッタッタ…

召喚士「大丈夫ですか!?」

召喚士は負傷し、後方へ退く兵達に声をかける

剣兵「構わず行け!もうこの先ですぐに…交戦中だ!」

召喚士「……分かりました!」

タッタッタ

剣兵「…っ!…た、頼むぞ…っ!」

召喚士はしばらく走り、分岐点で足を止める。

召喚士「では…よろしくお願いします…!」

玄武娘「はいですの!」

朱雀嬢「貴方も気をつけてね…!」

玄武娘と朱雀嬢が左右二手分かれ、森の奥へ消えて行く。

召喚士「さて……」

召喚士は二人の姿を見送ると、大きく深呼吸をする。

召喚士「行けっ!コカトリス!!」


844 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 18:17:03.50 ID:xq8dppso
ガキィンッ!!…チュインッ!!

戦士「はぁ…はぁ…っ!」

南方副官「うおりゃあぁっ!!」

ブンッ!!…ドズウゥゥンッ!!

戦士「コイツら…ただ突っ込んでくるだけじゃねぇ…!」

南方副官「ああ!傷ついた者は一度下がり、体制を整えてやがる」

戦士「魔物にもいるんだな…。マトモな戦術もった奴らが…!」

南方副官「ラクシャーサは魔王直属の部下だ。他とは一味違う」

戦士「なるほどな…!!」

戦士と南方副官を先頭に、ラクシャーサの軍勢に斬りかかる。

だが、数の不利が響き、徐々に後方へと押され始める。

戦士「そろそろ…、限界か…っ!りゃあ!!」

ザシュッ!!

南方副官「そうだな…!各員退却!後方へ下がれーっ」

南方副官が左手を大きく後ろへ振り、撤退の指示を出した。


845 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 18:21:23.81 ID:xq8dppso
剣兵「退け退けぇ!退却ーっ!!」

魔道兵「盾を貼る!その隙に…っ!」

ドンッ!ドドドドド…

魔道兵達が土の壁を作り、ラクシャーサの追撃を遮る。

戦士「副官!俺達も下がろうっ!」

南方副官「おぉ!!」

ダダッ!!

〜森の右側〜

玄武娘「ふー…」

ガサッ!!

玄武娘「だっ、誰ですの…!?」

魔道士「はぁ…はぁっ…お待たせ…!」

玄武娘「魔道士さん!!」

南方司令「うーん…やっぱり正面から参上のがカッコイイか?」

玄武娘「司令も…ですの!?」

魔道士「な、なんか付いてきてくれて…は、ははっ…」


846 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 18:26:39.82 ID:xq8dppso
タッタッタッタッタ…

戦士「召喚士!?」

召喚士「やぁ戦士、戦況は!?」

南方副官「やはり数で圧倒されている!今撤退を始めたところだ」

戦士「てか…何でお前が前線に…!?」

召喚士「あ、うん…。一応保険にね…」

戦士「……そっか。気をつけろよ?」

召喚士「…ありがとう」

タッタッタッタッタ…

戦士はゆっくりと、前線へ歩いて向かう召喚士を振り向き、見送った。

テクテクテク…

召喚士「…おお、凄い数だな…!」

ラクシャーサの軍勢はまもなく森にさしかかろうとしている。

ラクシャーサ「何だ…あいつ?一人で突っ立って…

召喚士「さぁ……かかって来いっ!」


850 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:19:30.30 ID:xq8dppso
ラクシャーサ「あれは…どう見ても罠だろ」

ラクシャーサ達はポケットに手を突っ込み、ポツンと立つ召喚士を見る。

ラクシャーサ「ああ。あれで罠じゃなかったら…タダのバカだ」

召喚士「ちょ、ちょっと…。聞こえてますって…」

ラクシャーサ「……散れ!左右から抜けるぞ!!」

召喚士「!?し、しまった…っ!!」

ラクシャーサ「馬鹿がっ!誰がみすみす罠に突っ込むかよ!」

ラクシャーサは二手に分かれ、左右の森へ突入していく。

ダダッ!!

召喚士「くそっ!!」

召喚士は風のレイピアを鞘から抜き、頭上に高く掲げる。

南方弓長「今だっ!!放てぇ!!」

弓兵「撃て撃て撃てぇーっ!!」

召喚士を合図に、左右の崖から無数の矢が、ラクシャーサの軍勢に降り注ぐ。

召喚士「さぁ、これで後続の足は止めましたよ!」


852 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:20:42.59 ID:xq8dppso
ヒュバッ!!…シュンシュンシュンシュンッ!!

魔道兵「それぇ!どんどん付加を施せーっ!!」

魔道兵達が放たれる矢へめがけ、次々と炎を付加をかける。

炎を纏った矢は、瞬く間にラクシャーサ達の中央へ撃ちこまれる。

ラクシャーサ「まずいぞ!分断されたっ!!」

ラクシャーサは後方を振り返り、焦りを見せる。

ラクシャーサ「仕方ない!このまま森を抜け、反対側で合流を…」

その時、森から突如複数の大蛇がラクシャーサへ飛びかかる。

玄武娘「さぁいくですの!ヒュドラ!!」

複数の大蛇の正体はヒュドラと呼ばれる、一匹の召喚獣であった。

ヒュドラ「カアアァァッ!!」

ヒュドラは巨大な複数の口から、猛吹雪を放つ。

ラクシャーサ「召喚獣!?バ、バカ……な………」

ドドオォンッ!!…ギキキイィィンッ…

ラクシャーサは次々と、ヒュドラの冷たい息により、朽ち果てていった…。


853 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:21:54.38 ID:xq8dppso
その一方、左の森からも大きな断末魔が飛び交う。

朱雀嬢「さぁ、グリフォン!行きますわよー?」

ドドンッ!!…ゴアオオォォッ!!

朱雀嬢が右手を振り下ろすと同時に、グリフォンが火炎を口から放つ。

ラクシャーサ「ぐわああぁぁっ!!」

グリフォンはそのまま浮上し、上空よりラクシャーサを一網打尽にする。

朱雀嬢「さぁ!今の内に!!」

盗賊「…すまん!」

ハヌマーン「大したものだな…!!」

盗賊とハヌマーンが朱雀嬢の横を抜け、前線へと駆ける。

朱雀嬢「簡単には通しませんわよー?」

ラクシャーサ「ちくしょう!こっちは無理だ!中央へ戻れっ!」

大半のラクシャーサは灰と化し、残りの者も散り散りに後退する。

朱雀嬢「うふふーっ!やはりアタシって強いですわねっ!」

朱雀嬢は右手を上げ、上空のグリフォンを前線へと進ませた。


854 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:25:19.95 ID:xq8dppso
ダダダッ…

ラクシャーサは左右の森より引き下がり、中央に集まる。

ラクシャーサ「貴様…!中央に罠があるように見せ…」

召喚士「……」

ラクシャーサ「我らを左右へと誘ったわけか…っ!!」

召喚士「そんなつもりは…ありませんけど」

ブ゙オォォンッ!!

突如後方より、大きな物音が響き渡る。

召喚士「な…何だ…!?」

ラクシャーサ「羅刹様だ…!!」

シュンシュンッ!!…バシッ!!…ブオォォンッ!!

南方弓長「なっ、何なの…!?矢が弾かれ…」

弓兵「何だあの突風は…!?」

ラクシャーサ「分断が解けたっ!後続も追いつくぞ!」

召喚士「くそ、しまったなぁ…」


855 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:26:52.50 ID:xq8dppso
ラクシャーサ「一挙に中央を抜けるぞ!!」

ラクシャーサ達は一丸となり、中央へ突撃する。

ザッ!!

ハヌマーン「待たせた!!」

ジャリッ!!

魔道士「行きます!!」

森の左右から、魔道士とハヌマーンが姿を現す。

ラクシャーサ「援軍!?…い、いや…数は少ない…?」

召喚士「よしっ…!食らえっ!!」」

召喚士は風のレイピアを両手で構え、一気に振り上げる。

ハヌマーン「はあぁっ!!」

魔道士「撃ちますっ!!」

ドドンッ!!…ゴゴオオォォッ!!

三方向より三つの竜巻が、ラクシャーサ達を襲う。

ラクシャーサ「な、何っグアアァァッ!!」


856 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:28:56.99 ID:xq8dppso
召喚士「コカトリスー!!」

召喚士の呼び声と共に、正面の森よりコカトリスが羽ばたく。

玄武娘「おぉ…!あれが…コカトリスですの…!?」

朱雀嬢「……朱雀…先生!!」

コカトリス「………」

召喚士「さぁ、一気に片付けよう!!」

コカトリス「……無論だ!」

コカトリスは上空を旋回し、竜巻へ石化の息を放つ。

三つの竜巻はやがて一つの巨大な竜巻となり、ラクシャーサを舞いあげる。

魔道士「魔力配分バッチリですっ!エヘヘ!」

南方司令「おお!すっげぇ!!」

コカトリスは吐息をひた続け、やがて白い竜巻は黒く変色する。

ラクシャーサ「ぐえぁっ!!……から…だ…動か……」

竜巻は次々とラクシャーサを飲み込み、その中で石像を作り出し、吐き出していく。

召喚士「どうだっ!!……そ、想像以上の威力だけど」


857 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:30:06.41 ID:xq8dppso
ラクシャーサ「近づくなっ!石にされるぞ!!」

後続のラクシャーサ達が立ち止まる。

ラクシャーサ「し、しかし…どうすれば!!」

…ズン…ドズン…ドズウゥン…ドズウゥンッ!!

ラクシャーサ「ら…羅刹様!!」

羅刹「………」

羅刹は巨大な黒い竜巻を見つめる。

羅刹「ふんっ!!」

羅刹は怒声と同時に両手で扇を、竜巻めがけ一振りする。

ビュアオッ!!……ブオォォンッ!!

召喚士「!?」

魔道士「た…竜巻が…!!」

玄武娘「一瞬で…消えたですの…!!」

召喚士「バ…バカな!?あれだけのものを…!」

羅刹の放つ突風により、黒い竜巻は一瞬にして消えた。


858 : ◆1otsuV0WFc [saga] :2010/01/17(日) 19:32:42.87 ID:xq8dppso
ハヌマーン「羅刹…っ!!あれは…芭蕉扇かっ」

盗賊「…?」

ハヌマーン「奴は桁違いだ。挟撃にて動きを封じるぞ!」

盗賊「…分かった」

盗賊「が頷くと、ハヌマーンは反対の森へと走り抜けて行く。

ドズウゥンッ!!

羅刹「全く…。手こずらせおって」

ラクシャーサ「も…申し訳あり…」

グシャアッ!!

羅刹「……」

羅刹はラクシャーサを踏みつぶし、そのまま前進する。

コカトリス「…召喚士!」

召喚士「ええ…。あの鬼は…強い!!」

ドズウゥンッ!!…ドズウゥンッ!!…

羅刹は中央の召喚士めがけ、ゆっくりと近づき始める…。


859 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 19:35:05.86 ID:oLOa0pgo
なんか召喚士のキャラが変わってる気がするけど気のせいか


860 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 19:35:09.04 ID:qqHDDNoo
やはり風対風になったか


861 :パー速民がお送りします [saga] :2010/01/17(日) 19:49:19.35 ID:xq8dppso
ご飯&お風呂済ませてきます!ノシ
センター試験ご苦労様でした!!

>>840
フラグになるかはこれからサイコロ振ってきます。
…嘘です

>>859
ははっ、ききき気のせいですよ…ははは!

>>860
本当はもっとカッコ良く表現したいんですけどね…すいませんorz


863 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 20:03:19.18 ID:ypVRlnIo
>>858
盗賊の一人ナレーションはミスだよね?


865 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 20:36:37.52 ID:VNEo4gIo
>>1は盗賊とか召喚士とか書くと名前の後に括弧を
付けたくなっちゃう病気なんだよ!


866 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 20:55:25.47 ID:A7Abc6DO
>>859
大勢に見られてる事を意識して厨二な面を全開にしたらあんな感じになるんじゃね?


877 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/17(日) 23:09:21.04 ID:xq8dppso
括弧については藤蔵事件の時に予め辞書登録というものを教わったので、
【盗賊「」】とか【召喚士「」】ってデフォルト変換で出るんですよ
その関係で括弧の消し忘れが…あうあうorz

今までずっとageてたw恥ずかしい…↓続き


878 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:10:17.29 ID:xq8dppso
召喚士「来るっ!」

羅刹は徐々に前進を早め、召喚士へ迫る。

朱雀嬢「くらえですわっ!!」

玄武娘「くらえですの!!」

ババッ!!……ドドンッ!!…ドドォンッ!!

左右から現れた繰り布団とヒュドラが羅刹へ襲いかかる。

羅刹「こざかしいっ!!」

ビュアオッ!!……ブオォォンッ!!

羅刹は芭蕉扇を一振りし、二匹の召喚獣を後方へ吹き飛ばす。

召喚士「今だ…っ!行けっ!スフィンクス!!」

シュイィィン…

スフィンクス「おりゃーっ!!」

羅刹「何っ!?」

スフィンクスは召喚と同時に、羅刹へ飛びかかる。

羅刹は両手を伸ばし、スフィンクスのを迎え撃つ。


880 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 23:12:00.18 ID:qqHDDNoo
布団?


882 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:13:39.60 ID:xq8dppso
召喚士「!?」

スフィンクス「うわ…っ!」

羅刹「見かけ倒しか…?こんなもの…」

スフィンクス「お兄ちゃん!魔力が…足りないよ…っ!!」

召喚士「くそ…っ!」

ザッ!!

ハヌマーン「羅刹ーっ!!」

右寄り現れたハヌマーンが棒を伸ばし、羅刹の左足へ振り下ろす。

同時に左からは、盗賊が羅刹の右足めがけ、鎖を放つ。

ジャララッ……ギュオッ…ガシィッ!!

盗賊「…!?」

ズズ…ズズズ…

ハヌマーン「これだけを持ってしても…まだ進むか…!」

羅刹「貴様は…ハヌマーン!裏切ったか!?」

ハヌマーン「裏切り?違うな…我らはハナから貴様らにはついておらぬわ!」


884 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:15:25.81 ID:xq8dppso
左右から現れた繰り布団とヒュドラが羅刹へ襲いかかる。
           ↓
左右から現れたグリフォンとヒュドラが羅刹へ襲いかかる。

どこをどうしたら打ち間違えるんだろう…これはひどいorz


889 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:18:04.91 ID:xq8dppso
四肢を捉えられた羅刹は引きずるように前進をする。

羅刹「小生意気なサルめ…。貴様もまとめて殺してくれるわ…」

盗賊「く…っ!」

盗賊は鎖ごと前へと引きずられ始める。

羅刹「貴様ら、さっさと行かぬか…!」

羅刹が号令を発し、後方のラクシャーサが詰めかける。

ラクシャーサ「い、行くぞ!」

タタッ!!

魔道士「まずい…!突破されます!」

サアァァ…

魔道士「あ、あれ…?南方司令さん…!?」

召喚士「皆さん!後退をっ!!」

ハヌマーン「もう少し戦力を削ぎたいが…。限界か…っ!」

ハヌマーンと盗賊は両足の拘束を解き、間合いを離れる。

羅刹「諦めたか…?懸命だな」


890 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:21:54.66 ID:xq8dppso
召喚士「さて…どうする…!!」

タッタッタ…

南方司令「おいっ!あのデカイのどけろ!!」

召喚士「司令!?」

召喚士は南方司令の言葉でスフィンクスを戻す。

シュイィィン

スフィンクスが消えたと同時に、南方司令が召喚士を横切り、羅刹へ向かう。

羅刹「!?」

南方司令「喰らえーっ!えーっと…メガトンパーンチッ!!」

ブオッ!!……ドッゴオォォ!!…メキィッ…スウゥゥン…

南方司令の右拳は羅刹の腹部にヒットし、羅刹はその場に倒れ込む。

スタッ…

南方司令「くっそー!効かなかったか!!」

羅刹は右手で腹部を数回払い、ゆっくりと起き上がる。

羅刹「この俺に…土をつけるとは…」


892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:30:29.04 ID:xq8dppso
ハヌマーン「今だ、ラクシャーサを追うぞっ!」

召喚士「あっ、は…はい!!」

ハヌマーンの声に反応し、各々が後方へ退き始める。

召喚士「……」

召喚士は振り返り、南方司令を見つめる。

召喚士「……先に行ってて下さい!」

ハヌマーン「!?」

召喚士「さすがに強いといえど…一人では無理だ」

盗賊「…だが」

召喚士「司令を連れてすぐ合流します…!」

ハヌマーン「……承知した!」

盗賊「…気を付けてな」

魔道士「召喚士さん……」

盗賊「魔道士っ、行くぞ!!」

盗賊は魔道士の手を引き、森の奥へと退いた。


893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:32:26.70 ID:xq8dppso
南方司令「……なんてタフなヤローだ…!」

羅刹「お前は逃げなくていいのか?」

南方司令「はっはっは!悪を前に、背など見せぬ!!」

羅刹「ほぉ…」

羅刹はゆっくりと南方司令へ間合いを詰める。

ドズウゥゥン…ザッ……

羅刹「はぁっ!!」

南方司令「うりゃあっ!!」

ブオォッ!!……ドゴオォォンッ!!

羅刹は巨大な右拳を振り下ろすが、南方司令は飛びかわし、

地面へ突き刺さる右手を階段のように駆け上がる。

タタッ!!

南方司令「いっくぜぇ…っ!ギガトンパーンチイイィィ!!」

バゴオォォンッ!!

南方司令は右拳を、羅刹の頬に叩きこんだ。


894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:34:13.75 ID:xq8dppso
羅刹「!?」

グラァッ…

南方司令「まだまだぁ!!」

南方司令は地面に飛び降りると、羅刹の右足めがけ飛ぶ。

南方司令「ジャスティス足払い!!」

バキャアァッ!!…グオォ……ズズウウゥゥンッ!!

南方司令「はっはっは!どうだっ、悪党!!」

羅刹「二度も…土をつけられるとはな…」

羅刹は右手を地面につき、ゆっくりと上半身を起こす。

南方司令「けっ!こうなりゃテラトンパンチを…」

羅刹「ふんっ!!」

羅刹は左手に持った芭蕉扇を振り上げる。

ビュアオッ!!……ブオォォンッ!!

南方司令「うおぉ…っ!?」

南方司令の身体が浮き上がり、後方へ吹き飛ばされる。


895 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 23:34:31.02 ID:TjM1bo.o
南方司令って強いのはわかるが司令としてはアレだな
まあファンタジーではよくある話だが


896 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 23:35:48.33 ID:0Zflmzwo
司令なら強さよりも…
だがこまけぇこたぁ(ry


898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:38:07.17 ID:xq8dppso
南方司令「な…なんのっ!!」

シュッ!!…ドスドスッ!!

南方司令は吹き飛ぶ身体で両手を地面に突き刺す。

固定された両腕が筋肉を膨張させ、支えとなり突風を耐える。

南方司令「ふん…っ!!」

ビュオオォォォ…

召喚士「こ、この風…!?まさかっ!!」

タッ…

玄武娘「召喚士さん!」

召喚士「玄武娘さんに朱雀嬢さん!?」

朱雀嬢「さぁ、行きますわよ?」

召喚士「速く逃げて下さい!!」

玄武娘「あの人を…助けるですの!」

朱雀嬢「そうよ?見捨てて逃げるなんて…性に合いませんわっ!」

召喚士「ふ、二人とも……」


899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:40:26.79 ID:xq8dppso
南方司令「ふーっ…やっと収ま…」

ドズウゥンッ!!

南方司令「しまった…っ!!」

羅刹「終わりだ!」

羅刹は目の前の南方司令へ、右拳を振り下ろす。

南方司令はそのまま倒立し、両足で羅刹の拳を受け止める。

ガシィッ!!………ドドオォンッ!!

南方司令「ぐく…っ!……やっぱ無理か…」

羅刹「蹴りで威力を弱めたか…。まぁ無傷ではあるまい」

南方司令「……お、おのれぇ…!!」

羅刹「次で…終わりだ」

タタッ……ザッ…

召喚士「……っ」

羅刹「何だ貴様ら…?わざわざ死にに戻って来たのか…

南方司令「お、お前らっ…何故…?」


900 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:41:31.06 ID:xq8dppso
朱雀嬢「やってみなければ…分かりませんわっ!」

玄武娘「そうですの!!」

羅刹「ブハハハッ!!こざかしい…!」

召喚士「行けッ!コカトリス!!」

朱雀嬢「出て来い、ハーピー!!」

玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」

シュイィィン

羅刹「なにぃ…!?召喚獣か…!!」

召喚士「はぁっ!!」

召喚士は風のレイピアを薙ぎ払う。それと同時に突風が羅刹を襲う。

羅刹「こんなもの…!!」

バシッ!!……ザシュッ!!…バスッ!!

羅刹「…!?……っ痛!」

朱雀嬢「うふふーっ!風なんかに気を取られて…っ!」

朱雀嬢のハーピーが、目に見えぬ高速攻撃で羅刹を斬り刻む。


901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:44:29.39 ID:xq8dppso
召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「………はぁっ!!」

コカトリスが羅刹の真上より急降下を仕掛ける。

更にはそのまま石化の息を吐き出し、羅刹を狙う。

羅刹「…マズイ!!」

シュンッ!!…ドズウゥンッ!!

羅刹は後ろへ飛び、石化の息をギリギリのところでかわす。

だがコカトリスは間髪入れず、正面より再び石化の息を吹きつける。

羅刹「ふんっ!!」

羅刹は左手の芭蕉扇を振り、石化の息を吹き飛ばす。

コカトリス「!?……ほぅ」

召喚士「ダメだ…!相性が悪すぎる…!」

玄武娘「お待たせですの…!さぁ、行きますの!!」

リヴァイアサン「グアオオォォォッ!!」

召喚士「これが…リ、リヴァイアサン!!凄い…!!」


902 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/17(日) 23:46:47.21 ID:qqHDDNoo
一匹だけ格が違います><


903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/17(日) 23:46:53.18 ID:xq8dppso
玄武娘「くらえですのー!!」

玄武娘が両手を広げ、前に伸ばす。

リヴァイアサン「グオアオオオォォォッ!!」

その直後、リヴァイアサンが咆哮し、轟音が鳴り響く。

朱雀嬢「下がりますわよっ!!」

召喚士「!?」

召喚士は南方司令を抱え上げ、玄武娘とリヴァイアサンの後ろへ退く。

羅刹「な……何だ!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…オォォ…

突如、リヴァイアサンから羅刹めがけ、大津波が放たれる。

ドドオォォンッ!!…ザッバアアァァッ!!…ドシャアァァッ…

羅刹「う…うおおぉぉ…っ!!」

羅刹は大津波に飲まれ、後方へ消えて行く。

玄武娘「ちょっと…魔力が弱かったですの…」

召喚士「いえっ、充分ですよ…!二人共!!」


904 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/18(月) 00:00:14.73 ID:d7MO6tEo
ダメだ…眠気が…。キリよくなくてホントすいません!><
本日も圧倒的支援っ!ありがとうございました!!

〜私的次回予告〜

羅刹を食い止めた一同だが…

南方弓長「う、うそっ!?」

南方副官「…後は…頼んだぜ!」

迫るラクシャーサの大群…

南方魔道長「…撃つぞ」

ハヌマーン「掴まれっ!」

そして再び迫りくる羅刹…

南方参謀「開戦から…2時間」

召喚士「うおぉぉぉっ!」

彼らの運命やいかに!?

※明日書く分を自分で忘れない為のものであり、
予告なく変更となる場合がございます。予めご了承下さいませ



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