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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
- 89 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2010/08/26(木) 17:32:19.27 ID:VEsVynUo
…
法師「……」
パアアァァ…
男隊員「……っつう…!」
法師「…はい、これで痛みも和らいだはずです」
男隊員「……」
スタッ…グルグルグルッ
男隊員「…すっげ、全然動くし…!」
法師「無理はしないで下さい。完治したわけではありませんので」
隊長「しかしこれほど高等の治癒…見た事もない…」
オーク「法師様の回復は一番すげぇです!」
法師「さぁ、次の方」
ハヌマーン「…法師様、余り無理をなさらず」
法師「これだけの負傷者が居るのです。休んでいる暇など御座いません」
ハヌマーン「……」
- 90 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:32:57.75 ID:VEsVynUo
法師「…今日まで旅を続けて、嬉しい事も多々…ありました」
ハヌマーン「……はい」
法師「しかし、今ほど嬉しい事があったでしょうか…」
ハヌマーン「……」
法師「これだけの人間と魔族が手を取り合い、心を通わせて…」
ハヌマーン「仰る通りです」
法師「父は魔族を力で排除し、兄は魔族の力を利用しようと企み…華国は疲弊した」
フラッ
ハヌマーン「法師様!?」
法師「共に歩む…理解するという心、それが…私の答えです…」
ハヌマーン「法師様!誰か…っ、水を!!」
法師「……」
……――
法師「……人と魔物の世界…ですか?」
スグリーヴァ「…うむ。もう何百年前になるかな」
- 91 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:34:00.65 ID:VEsVynUo
ハヌマーン「……」
スグリーヴァ「今でもあの人間の事は、よう覚えておる…」
法師「……」
スグリーヴァ「あの刻より幾星霜。ついに道は開けたのだ」
法師「道…とは…?」
ハヌマーン「パズズが倒され…その身を移した事により、道が開けたのです」
法師「……成程」
スグリーヴァ「この地はパズズとラーヴァナに挟まれておる故、進むにも難しい」
法師「それが、パズズを移した事により可能となったわけですね」
スグリーヴァ「左様。ラーヴァナのみに目をやれば良いからな」
ハヌマーン「パズズ自身が居なければ、残党とて大した行動も出来ませぬ故」
スブリーヴァ「数年百の悲願が今、達成されようとしているのだ」
法師「……」
スグリーヴァ「人間共が動くと言うなれば、我らが今動かんでどうする」
法師「その為に各地の、志を共にする魔物を募ったと…」
- 92 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:34:27.28 ID:VEsVynUo
スグリーヴァ「お主等には苦労をかける」
法師「いえ…。私も旅をする事で新たな発見や思うところが多々御座いました」
ハヌマーン「しかし…法師様は不思議な御方であられるな」
法師「……?」
ハヌマーン「貴方様が説く事で改心する魔族が多く見受けられました」
スグリーヴァ「……ほぅ」
法師「目が見えぬ故でしょう…。本心が見えるのです」
スグリーヴァ「我らも心も見透かされておるのかもしれんなぁ…」
法師「お二人は……とても綺麗なものをお持ちです」
ハヌマーン「……」
法師「そう…。人間よりもこの地を…この世界を案じておられる」
スグリーヴァ「我には分からぬ事よ…。フッフ」
ハヌマーン「どうでしょう?今、南方では人間とラーヴァナが交戦しております」
法師「……」
ハヌマーン「これに介入してみては?」
- 93 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:36:10.26 ID:VEsVynUo
スグリーヴァ「…人数も整って参った。動くなら早い方が良い…か」
法師「…宜しいのですか?」
スグリーヴァ「…見てみたくはないか?」
法師「……」
スグリーヴァ「多くの人と魔族が手を取り合い、共に歩む姿を…」
法師「……!!」
スグリーヴァ「今こそ為しえる刻ではないであろうか」
ハヌマーン「城が手薄になりますな…」
スグリーヴァ「侮るな。我一人でも十分な位じゃ」
ハヌマーン「…これは失礼を」
スグリーヴァ「それに、ラーヴァナは自ら動くような奴ではない」
法師「…そう…なのですか?」
スグリーヴァ「長きに渡り争ってきた。手の内は互いによう分かる」
ハヌマーン「では早速、火焔山と各町へ兵を派遣致しましょう」
スグリーヴァ「…うむ。急ぎ手筈を整え派遣せよ」
- 94 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:38:46.62 ID:VEsVynUo
――……
ハヌマーン「法師様っ!法師様っ!!」
法師「……っ」
法師がゆっくりと目を開けると、顔を覗き込む魔物達の姿が浮かび上がる。
オーク「法師様ぁ…!良かったです!」
マーマン「全く…無茶しすぎだ。治癒してるアンタが倒れてどうすんだよ…」
ハヌマーン「見えますか…?」
ハヌマーンは法師の上半身を起こし、荒れ果てた火焔山の跡地を指差す。
法師「……っ!!」
ハヌマーン「貴方様やスグリーヴァ様が望んだ光景が…広がっておりますぞ」
法師「…お…おぉ」
オーク「法師様!?」
法師「…えっ、あ…すみません。ははは…っ」
法師はとめどなく溢れる涙を拭い、その瞳には実際見えるはずのない、
しかしながら、確かに見えている人間と魔物が手や肩を組み合う光景をしばし眺めた。
- 95 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:39:53.86 ID:VEsVynUo
ラクシャーサ「ま…さか……牛魔王様が…っ」
シュッ…ドスッ!!
ラクシャーサ「…ぐ…ぶぅ」
猿兵「まだ息のある者がいたか…。しぶとい」
ゴブリン「おやびん!ハヌマーン様だ!」
ガーゴイル「本当だ!ハヌマーン様ぁ!!」
ハヌマーン「……!?」
ザッザッザ
猿兵「南の街は無事です。人間もよく戦ってくれました」
ハヌマーン「ご苦労。こちらもカタを付けたところだ」
ゴブリン「マーマン様もちゃんと働いたかぁ?」
マーマン「あったり前だろっ!大活躍よ!」
ハヌマーン「負傷した魔族や人間に手を貸してやってくれ」
猿兵「了解致しました。者どもっ、急ぎ救護にあたれ!」
ゴブリン「りょーかいっ!!」
- 96 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:41:01.26 ID:VEsVynUo
…
戦士「……」
テクテクテク…スッ
戦士「…おう、サンキュ」
召喚士「…うん」
戦士へ水の入った筒を手渡し、召喚士はその横へと腰掛ける。
戦士「…終わったんだな」
召喚士「…ああ。終わったね」
戦士「まぁ、まだ全てが終わったわけじゃないけどな…」
召喚士「…うん」
二人は同時に水で喉を潤し、つい先程までの激闘を思い返す。
……――
召喚士「…牛魔王の体が…金色に…!!」
南方参謀「五行が……」
青龍先生「…成功のようじゃな」
- 97 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:41:30.10 ID:VEsVynUo
青年兵「や…った…!?」
硬直し光り輝く牛魔王。その猛々しい雄叫びのみが周囲に響き渡る。
牛魔王「オオオオォォォォォォー!!」
少しずつ透過し薄れゆく体。光は徐々に天へと昇っていく。
南方司令「…す……っげ」
魔道士「きらきらと光り輝いて…っ!」
空を金色に染め降り注ぐ粉。それは勝利を祝福するかのような光景である。
隊長「ヤローの体が昇天して起きてんだな…」
女隊員「こんなの初めてッス…!綺麗…ッス」
スゥ……ガクンッ!!
盗賊「!?」
戦士「う…わぁ!!」
消失する体から足場を失う戦士と盗賊。
戦士「お…落ちるっ!!」
盗賊「…くぅ…っ!!」
- 98 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:42:09.90 ID:VEsVynUo
青龍先生「いかん!バハ……ごふっ!ごほ…っ!」
青年兵「先生ーっ!!」
青龍先生「バハムートは無理…か…っ、ならば…」
シュイィンン
青龍先生の召喚するワイバーンが猛スピードで宙へと羽ばたく。
ゴオオォォ
盗賊「!!」
ジャラララッ……ビュオッ
盗賊の投げ飛ばす鎖が、間一髪ワイバーンの前足へと絡まる。
盗賊「くぅ!!」
ガシィッ!!
盗賊「戦士!!手をっ!!」
戦士「駄…目だ、届かね…っ…」
盗賊「戦士ーっ!!」
周囲の瓦礫と共に落下する戦士。ワイバーンは盗賊のみをぶら下げ引き返した。
- 99 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:42:58.26 ID:VEsVynUo
南方司令「岩が降ってくる!退がれぇ!!」
格闘家「…ぐ…ぅ!」
トロル「掴マレ!」
格闘家「!?……す、すまん」
ガシッ…タッタッタッタッタ
ゴブリン「足が痛いよー!」
騎兵「手を貸してやる!馬に乗れ!」
ゴブリン「ほんとっ!?ありがとー!」
ガーゴイル「左が安全だ!左に行け!」
ドドドドオオォォッ
戦士「…く…そぉ……っ」
――「掴まれっ!」
戦士「!?」
岩の間から差し伸べられる一本の腕。戦士はそれを必死に掴む。
騎都尉「……フッ」
- 100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:43:45.98 ID:VEsVynUo
戦士「騎…都尉!?」
ガラガラガラッ…ドドオオォォ
戦士「ぐあ…っ!!」
崩れ落ちる岩々から、かろうじてなんを逃れた戦士。
体は崖の岩壁へ右腕一本でしがみ付いた状態である。
戦士「…く…ぅ」
戦士は体勢を戻し、右腕の掴まる先を見上げる。
戦士「!!」
自身の右腕は、岩へ突き刺さった戟をしっかりと握り締めていた。
戦士「……戟?」
バサッバサッ
マーマン「大丈夫か!?」
戦士「の元へガーゴイルにぶら下がるハヌマーンとマーマンが向かってくる。
ハヌマーン「これに…掴まれ!」
ハヌマーンは如意棒を伸ばすと、戦士の目の前へと突き出した。
- 101 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:44:27.24 ID:VEsVynUo
ググッ…パシッ
戦士「…助…かった!!」
ハヌマーン「このままゆっくり降ろすぞ」
ガーゴイル「重いよ!店員オーバー!!」
マーマン「ゴチャゴチャ言ってねーで踏ん張れ!」
ヨロヨロッ…バッサバッサ…
戦士「……騎都尉」
跡形もなく砕け散った火焔山をぼんやり見つめ、戦士は呟いた。
南方参謀「全員無事っ!?」
召喚士「…天才さんは!?」
南方司令「……見てない」
隊長「…無事ならいいが…あれじゃあな」
魔道士「だ、大丈夫ですよ!きっと…!!」
召喚士「……探しましょう!」
隊長「お…う…」
- 102 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:44:55.50 ID:VEsVynUo
女隊員「怪我人は無理しないで下さいッス!」
ザッザッザ
法師「…どれ、見せて下さい」
隊長「…?」
法師「……ふむ」
パアアァァッ
隊長「お……おぉ…っ!?」
法師「応急処置です。完治までは安静になさって下さい」
女隊員「す…すごいッス!」
南方参謀「…あんたらも診て貰いなさいよ」
男隊員「……っ」
格闘家「……すみません」
法師「では順番に失礼致しますね」
オーク「オ…おらはもう平気だから、手伝ってきます!」
法師「ええ、お願いします」
- 103 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:45:51.07 ID:VEsVynUo
タッタッタッタッタ
召喚士「戦士!盗賊さんっ!」
戦士「おーう…」
盗賊「…皆、無事か?」
魔道士「天才さんが……」
盗賊「…大丈夫。きっと…無事」
魔道士「…ですよね…!」
青年兵「僕らはこちらをあたります」
南方司令「そんならこっちを引き受けよう」
ザザッ…ガラガラッ…ゴトッ
南方参謀「岩はゆっくりどかして行って!慌てると落盤を引き起こすわよっ!」
魔道士「…ゆっくり…ゆっくり」
ガシッ
魔道士「!?」
召喚士「…やりますよ」
- 104 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:47:09.97 ID:VEsVynUo
魔道士「…あ、ああ…ありがとうございますっ!」
チョン
召喚士「…あ!ごごっ、ごめんなさい!」
魔道士「いいいえ…っ!」
召喚士「……」
魔道士「……っ」
召喚士「あ…あのっ!」
ゴトッ
天才「なーにしてんだてめぇらは…」
魔道士「天才さん!?」
ヒラヒラッ
前方足元より伸びた腕が召喚士と魔道士めがけ手振りする。
召喚士「天才さんいましたー!!」
南方司令「何!?息はあるか…!?」
戦士「…!!」
- 105 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:48:07.42 ID:VEsVynUo
タッタッタッタッタ
魔道士「この下です!」
南方参謀「かなり大きいわね…。持ち上がるかしら……」
テクテクテク
オーク「オ、オラがやります!」
戦士「オーク!お前……」
オーク「さ、下がって…!!」
ググッ
オーク「ふぬううぅぅぅぅー!!」
グググググッ……ゴアァッ!!
南方司令「すっげぇ怪力っ!!」
戦士「さっすがぁ!!」
オーク「……ふんっ!!」
ゴシャアアァァッ!!
盗賊「…大丈夫か!?」
- 106 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:51:42.36 ID:VEsVynUo
ヨロヨロッ…
天才「……何…とかな…っ」
南方参謀「しっかし、よく押し潰されなかったわねぇ〜」
天才「こいつが岩の間に挟まってな…。空洞が出来た」
天才は一本の槍を奮える左手で突き出す。
マーマン「…俺の槍じゃねーか…!」
天才「ハーッハッハ、お陰で助か…ったぜ」
ハヌマーン「頭部への衝撃で落下したのかもな」
戦士「何はともあれ…全員無事だったか!!」
青年兵「皆…酷い格好ですけどね…」
南方司令「馬鹿者!そういうのはな、泥まみれの格好良い…」
南方参謀「かっこよかないわよっ!化粧もアクセサリーも台無しよ!」
魔道士「確かに〜。早くお風呂入りたいです…」
召喚士「そうですよね…!早く後処理を済ませて…切り上げるとしましょうか!」
戦士「…だな!!」
- 107 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:52:21.96 ID:VEsVynUo
――……
召喚士「……でも、良かったのかな?」
戦士「んー?」
召喚士「戦後処理、国軍のみんなに任せっきりでさ…」
戦士「良いんじゃねぇの?一応国軍主体の戦いなわけだし…」
召喚士「ヘタに手を出して余計な真似はしない方がいっか…」
戦士「そゆ事」
タッタッタッタッタ
魔道士「召喚士さーん!戦士さーん!!」
戦士「…?」
盗賊「…南の街に…戻るってさ」
召喚士「そうですか…」
魔道士「私達も良かったら先に…って」
戦士「…そんじゃ、お言葉に甘えるとすっかね」
召喚士「…うん、そうだね」
- 108 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:53:17.82 ID:VEsVynUo
…
テクテクテク
召喚士「…ハヌマーンさん」
ハヌマーン「召喚士殿、お戻りか…?」
召喚士「ええ。お先に失礼しようかと思います」
ハヌマーン「丁度良かった。我らも戻るところだ」
戦士「そっか…」
魔道士「法師様、大丈夫ですか?」
ハヌマーン「…おや?先程までいたんだがな。まぁ…治癒による疲労だ。問題ない」
盗賊「…良かった」
マーマン「……そんじゃ、またな」
オーク「皆さん…お元気で!!」
魔道士「はいっ、オークさん達も!えへへっ!!」
ハヌマーン「また近いうち来て下され。一同お待ちしておりますぞ」
召喚士「はいっ。ありがとうございます…!」
- 109 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:54:31.14 ID:VEsVynUo
…
南方参謀「ゆっくりよ!赤壁まで連れてって!」
南方司令「……」
召喚士「…ご苦労様です」
南方司令「おう、先に戻っていてくれ」
戦士「ああ、そのつもりだ」
南方参謀「今回も助けられちゃったわね…」
召喚士「そんな事ありませんよ。俺らだけじゃありませんから…」
盗賊「…ああ」
南方参謀「何はともあれ、みんな無事で良かったわ!」
南方司令「命あってのものだ。死者も皆無で何よりさ」
戦士「でも、死んでいった者もいるんだよな…」
南方参謀「これだけの規模、死者が出ない方がおかしいわよ」
召喚士「…いつ自分がその立場になるか…ですよね…」
南方司令「そうならないよう、日々精進しているのだろう?」
- 110 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:56:17.20 ID:VEsVynUo
南方参謀「……」
南方司令「な、何だ…!?」
南方参謀「いや、熱でもあるのかしら…って」
南方司令「常に大真面目だ!!」
戦士「あはははっ!!」
南方参謀「それじゃまた後で。明日には戻れると思うから」
魔道士「はいっ!」
盗賊「…失礼…します」
四人は一礼し、南方司令と南方参謀の前を立ち去る。
テクテクテクテク
南方参謀「……ほらっ、そこ危ないわよ!」
南方司令「…これで、南も忙しくなるな」
南方参謀「でも頼もしい味方が付いたじゃない」
南方司令「あとは赤壁が完成すれば……」
南方参謀「……いよいよ…魔王と決戦よっ!」
- 111 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:57:37.69 ID:VEsVynUo
…
テクテクテク
青年兵「召喚士さん!」
召喚士「青年兵くん」
青年兵「このまま本国へ戻られますか!?」
召喚士「いや、俺らは一旦…南の街へ向かおうと思います」
青年兵「そうですか…」
盗賊「…?」
隊長「俺らはこのまま直で本国へ戻る」
魔道士「そうなんですか!?」
女隊員「なんだか本部もバタバタしてるみたいなんスよ…」
戦士「…?」
隊長「北で魔王軍の動きありだとか、総司令の馬車が魔物の襲撃にあっただとか…」
召喚士「だ、大丈夫なんですか…?」
男隊員「そんなワケで即、帰還命令だとよ…全く」
- 112 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 17:58:36.90 ID:VEsVynUo
魔道士「た、大変ですね……」
青年兵「じゃあ、ここでお別れですね」
召喚士「…うん。あ、青龍先生は…?」
青年兵「今は寝てます。過労で持病が悪化したようで…」
隊長「無茶しすぎだ…あのジーサンは…」
男隊員「年考えろっての…ヒャハハ」
青年兵「では、また…!」
召喚士「うん!色々とありがとう!」
青年兵「こちらこそ!」
隊長「修行の内容、忘れんなよ?」
戦士「ああ…。お世話になりました!」
女隊員「気を付けるッスよ〜!」
男隊員「んじゃーな」
盗賊「…ああ」
魔道士「はいっ!それでは!!」
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