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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
73 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:26:57.30 ID:M0SkH1wEo
 夜。魔王軍は戦況を打破すべく、前日同様、アンデッドタイプの魔物を導入する。

 ボゴッ ボコボコォ!!

ゾンビ「ウアアァァ……ッ」

グール「グウウゥゥル……」

足軽「ひぃっ! じ、地面から妖が……っ!」

東方司令「アンデッドが来たか。手間がかかるな」ザシュッ

東方参謀「アンデッドを完全に倒すには五行か結界石が必要だ。動きだけ封じれば良い」

 ドドッドドッドドッ……ヒュオッ

ゾンビ「――ッ!!」ズガシュウゥ!!

東方兵「……?」

帝「神野悪五郎の例があったから試してみたが、やはりそうか」チャキッ

旗本「上様の御刀ならば、不死の妖とて消滅出来るっ!」

女剣士「アンデッドの動きを止めるんだ! トドメは上様が差す!」

槍侶「了解! はああぁぁ……っ、石破ぁ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

名代「続くのだっ! 上様をお守り致せっ!」


74 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:27:30.20 ID:M0SkH1wEo
 ドドッドドッドドッ……

伝令「ご報告致します! アンデッド出現、東方軍を中心に激突致しました!」

大軍師「戦況は?」

伝令「はっ。東方陛下を中心に、これをよく抑えておられます!」

青年兵「西方司令部へ伝令を。精鋭魔道兵を援軍に」

伝令「了解致しました!」ザザッ

青年兵「大軍師殿」

大軍師「はい」

青年兵「これ、敵の数は多いですけれど、今なら叩けるのではないでしょうか」

大軍師「……魔王軍の戦線は南北へと長く伸びている形となっています」

 淡々と呟きながら、大軍師は棒で地面に1本の線を引く。

大軍師「そして我らは、夕方からの布陣でこの長い隊列の西側へ正面を向ける事が出来ました」

 描いた線の左側に幾つかの丸印を更に付け加える大軍師。

大軍師「北側、魔王軍の背後には西国軍とワーカー、白虎長率いる白虎隊が回り込んでいます」

 今度は線の上部分、北側に見立てた箇所へ、左側より矢印を記す。


75 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:28:34.38 ID:M0SkH1wEo
青年兵「ええ。それに西方司令部もその後に続いておりますね」

大軍師「対して、前線では東方軍、東方司令部、南方司令部の面々があたっております」

 今と同じように、線の下側へ大軍師は棒で矢印を付け加えた。

青年兵「この戦況を見るに、魔王軍を挟撃し、動きを封じていると思います」

大軍師「ええ、その通りですね」

青年兵「更にここへ、西側側面より本隊の攻撃を仕掛ければ……」

大軍師「……」

青年兵「やはり、難しいですか?」

大軍師「魔王軍の隊列は、森ではありませんが木々が多い所を進んでおります」

 ガリガリガリ

大軍師「側面より当たるにしても、突破は難しく、西側から攻撃を繰り返すに留まります」

青年兵「ですね」

大軍師「更に、木々に阻まれ、攻撃をしたとしても、魔王軍はかなり隊列を乱されます」

青年兵「……」

大軍師「平地であれば、これほど素晴らしい事はありませんが、密集した陣形ならいざしらず……」


76 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:29:28.03 ID:M0SkH1wEo
 ガリガリガリ……

大軍師「長く伸びた隊列は攻撃を受けた後、敗走するでしょうが……」

 地面に描いた簡易的な作戦図に、大軍師は会話を続けながら無数の矢印を書き足す。

大軍師「その際、こういった立地では、木々や敵を避け、四散する事になります」

青年兵「……っ」

大軍師「背後は塞がれており、魔王城への撤退は困難。そうなると?」

青年兵「他所への危険性が高くなる……っ」

大軍師「そういう事です魔王軍の進路から西側への被害は考えにくいですが」

 ガリリッ……ガリッ

大軍師「1番の懸念は、北関ですね」

青年兵「仮に、総攻撃へと踏み切ったとして、凌ぎきれますか?」

大軍師「予言がないのであくまで憶測ですが……五分五分ですかね」

青年兵「……」

大軍師「守戦を得意とする将軍殿が北関へ入ったという事なので、篭城すれば或いは……」

青年兵「あとはワーカーなどの援軍次第ですか」


77 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:30:27.10 ID:M0SkH1wEo
大軍師「いま入っている情報ですと、北方司令部からの援軍が北関へ向かっています」

青年兵「ええ」

大軍師「あとは駐屯しているワーカーと野良がどれ程か」

青年兵「……」

大軍師「あとは魔王軍の伏兵がうまく誘導してくれれば、叩けない事はないですね」

青年兵「今から各方面へ伝令を出している時間はありませんね」

大軍師「はい。そして正直、あまり時間を費やしている暇もありません」

青年兵「ここで仕掛けるか、もしくは明朝に賭けるか……」

大軍師「どちらにせよあとはもう、運ですね」

青年兵「運ですか。なるほど、ご助言ありがとうございます」

大軍師「大元帥殿の運が良ければ、明日にでも新たな援軍があるかもしれませんね」

青年兵「自分で言うのもなんですが、運は悪いです。疫病神と言っても過言ではないくらいにね」

大軍師「ふふふっ、成程。ではご自身で切り拓かれるしかありませんか」

青年兵「30分後に仕掛けます。手筈を整えて下さい」

大軍師「畏まりました」ヒラヒラ


78 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:30:58.15 ID:M0SkH1wEo


伝令「ご、ご報告致します!!」

大軍師「どうしました?」

伝令「先程、川中島にて現れた敵は……ま、魔王ベルゼブブとの事です!!」

青年兵「――っ!!」

大軍師「間違いは……ないのですか?」

伝令「確証はないそうですがっ、自らが名乗っていたのと、その力から本物ではないかとっ!!」

青年兵「魔王が単身……出てきたというのかっ!!」

伝令「魔王は既に退き……築城中の城は半壊! 騎士団長殿を含めた数十名が戦死と……」

青年兵「何だと……今、なんと言った……っ!?」

伝令「で、ですからっ! 騎士団長殿が……せ、戦死……」

青年兵「……くそっ!!」

大軍師「現状は?」

伝令「既に築城を再開し、遊軍護衛の下、援軍も加わりっ、建て直しておりまするっ!!」

大軍師「了解です。ご報告どうも」


79 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:31:38.83 ID:M0SkH1wEo
青年兵「騎士団長が……戦死……?」

大軍師「手痛いですね」

青年兵「……っ」

大軍師「ですが、騎士団長殿だからこそ全滅は免れたのも事実。悔やんでも仕方ありません」

青年兵「立ち止まっている暇は……ないですもんね……っ」ググッ

大軍師「如何なる死も辛いものです。しかし、今は思いに耽っている時間はありませぬ」

青年兵「分かっています、分かっていますよ。……伝令!!」

伝令「は、ははぁ!!」

青年兵「本陣にっ、東側からの魔物に注意し、出来るだけ追撃と伝えよ!」

伝令「かっ、かしこまりましたぁ!!」ダダッ

青年兵「……これで、四散した魔王軍の西側は押さえられるはずです」

大軍師「流石です」

青年兵「何が……ですか」

大軍師「精神力ですよ。すぐに行動を起こせる精神力。若くして大元帥になられただけの事はある」

青年兵「言ったでしょう? 疫病神なんですよ……僕は」


80 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:32:06.84 ID:M0SkH1wEo


 ドドッドドッドドッ……

国軍兵「もっと左っ、左だっての! 隊列を乱すなぁ!」

華国兵「……っ」

老将軍「強張るな。動きが固くなるぞ」

華国兵「は、はいっ!」

白馬騎士「相手は数十万ですからね。気持ちは分からなくもない」

剣士「ええ……。武者震いが止まりませんよ」

伝令「南方司令を先頭に、魔王軍を東へ1キロほど押し返しております!」

大軍師「剣士殿」

剣士「はい」

大軍師「……ヒソヒソ」

剣士「……っ」

大軍師「宜しくお願い致します」

剣士「……分かりました」


81 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:32:38.33 ID:M0SkH1wEo
 ザッザッザッ

青年兵「諸君、本隊はこれより魔王軍に対し、総攻撃を仕掛ける」

剣士「……」

青年兵「本陣が打撃を受け、後方支援は考えにくい状況だ」

白馬騎士「……」

青年兵「包囲する形となるが、数はこちらが不利であり、敵を多数、逃がす可能性がある」

老将軍「……」

青年兵「全てとは言いません。出来る限りを殲滅して下さい」

弓使い「難題ね……」

青年兵「もし大隊クラスで取り逃がせば、他の拠点に危険が生じます」

幼女「……っ」

青年兵「無理を申しているは百も承知。しかし、どうか諸君らの力を貸して頂きたい!」

老将軍「安心せい青年兵殿、ワシらは元よりそのつもりじゃわい!」

白馬騎士「みせてやりましょうぞ、人間の力を」

剣士「そうですよ。僕らは絶対に負けません。対等に戦える力があると思っていますから!」


82 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:33:05.52 ID:M0SkH1wEo
 ドドオオオオォォォォ

皇太子「何? 主力が動いた?」

エリート「随分と思いきったな」

伝令「本陣においてはっ、敗走ずる敵を追撃して頂きたいとの事でありますっ!!」

エリート「竜騎士隊、動けるか?」

青龍士官「フルメンバーであれば2時間程度。5、6名であれば交互に半日程度は」

エリート「兵器は?」

博士「200本程度はあるのら。あとは深夜になれば北関から輸送されてくるのら」

エリート「ワンチャンスだな……」

皇太子「大規模な殲滅は厳しい。的を絞るか、何かしらの必要があるな」

青龍士官「西側は無人となりますが、大丈夫でしょうか?」

エリート「本隊の判断だからな。こちらは従うだけだ」

皇太子「……よし、こちらも出るぞ。進路を東に取り、敗走する敵へ追い討ちをかける」

騎士団長「ははぁ!!」ザッ

皇太子「出陣だ、私に続け!」


83 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:33:32.87 ID:M0SkH1wEo
〜北の森、岩陰〜

天才「ったくよぉ、いつまで続くんだこの雨はよー」

戦士「予言で分かんねーのか?」

天才「何でもかんでも分かってたまるかボケ」

占い師「天候とか、自然が絡むものははっきり分からないのよ」

戦士「まぁそれもそうか。分かってりゃ天気予報なんざいらねーもんな」

魔道士「……でも、しばらくは止みそうにもないですよ」

盗賊「そうなのか?」

魔道士「ええ。空気がずっと、冷たいままですし……」

天才「月読か」

召喚士「具体的には分かりますか?」

魔道士「いえっ、そこまでは……」

戦士「どうする? いくら雨宿りとはいえ、あんまり休んでるのも気が引けるぜ」

盗賊「確かにそうだな」

天才「しゃーねぇ。ぼちぼち行くとすっか」


84 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:34:04.36 ID:M0SkH1wEo
召喚士「そうしましょうか」

天才「雨でぬかるんで足場は悪いし、視界も良くねぇ。一応は注意しとけよ」

戦士「言われんでも分かってるよ」スクッ

天才「テメーは俺様から離れんじゃねーぞ? お荷物なんだから大人しくしてろ」

占い師「はいはい」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

戦士「あとどんくらいなんだ?」

天才「さぁなー。地図から考えた測量じゃ、朝には着くんじゃねーの?」

魔道士「まだだいぶありますね……」

盗賊「雨だから、余計に遅くなるしな」

戦士「他の連中が戦ってると思うと、もどかしいぜ」

天才「いいんだよ。お前らにゃベルゼブブの後に、本チャンが待ってんだからよ」

占い師「……そうなのかもね」

天才「こっちとしちゃ温存してくれた方がよっぽどありがてーわ。ハーッハッハッハ!」

召喚士「……」


85 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:34:33.68 ID:M0SkH1wEo
〜川中島、東側〜

白馬騎士「かかれえぇ!! 突撃ーっ!!」

華国兵「おおおおぉぉぉぉ!!」

 ドガアアァァァァ!!

剣士「押し負けるなよっ! 数人で固まりながら、左右に展開して攻撃するんだ!」

弓使い「幼女っ、剣士達を援護するわよっ!」

幼女「はいっ!」

 ズッガアアァァァァ!!

旗本「推して参る!!」

剣士「あれは……っ!」

 ドドッドドッドドッ

剣士「ご苦労様です! 戦況は!?」

旗本「おぉ、お味方かっ! 先陣の妖どもはなんとか退けていますが、不死の輩が多く……」

剣士「……なるほど。分かりました、本隊で何とか出来るよう話しておきます!」

旗本「かたじけないっ!」


86 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 18:35:06.36 ID:M0SkH1wEo
 ドドッドドッドドッ……

南方司令「どけどけええぇぇ!! ギャラクティカマグナムジャスティスパアアァァァンチ!!」

 ギュバッ!! バッゴオオオオォォォォン!!

南方副司令「道が開けたぞぉ! 雪崩れ込めぇ!」

名代「天狗、雪女、狛犬っ、各々を援護せよっ!」

僧兵長「騎馬が突撃した直後を狙え! 転がっている妖を逃すなよ!」

槍侶「はああぁぁぁぁ……石破ああぁぁーっ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

くの一「影奥義……百花繚乱っ!」バシュシュシュッ!!

東方司令「背後には逃がすなよ! 北へ押し戻せ!」

帝「どうする? 妖もかなり散っているが……」

東方司令「ボクにお任せを。上様はこのまま、本隊と合流して下さい」

帝「良いのか?」

東方司令「アンデッドでなくば、ボク1人でも痛手は負わせられます」ガカッ

女剣士「お姉様、私もお供致します!」ドドッドドッ……

帝「……良し。我らはこのまま真っ直ぐ、本隊まで突き抜けるぞ!」


91 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/20(月) 20:11:27.31 ID:5et8IWvro
>>1乙!

>騎士団長「ははぁ!!」ザッ
キャアアアシャベッタアアアアアアアアアア


96 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:45:00.96 ID:kxJUQQ5Go


 ドドオオォォォォ

国軍兵「先鋒が東側の別働隊と接触した模様っ!」

青年兵「よし、ついに突破したか」

大軍師「これで連中がどう動くかですね」

 ドドッドドッドドッドドッ

剣士「大元帥、ご報告です!」

青年兵「どうしました!?」

剣士「前線はアンデッドが多数おり、膠着状態です」

青年兵「……出しますか」

大軍師「ええ。精鋭魔道兵、行きますよ」

西方魔道長「了解だよ。さぁ、見せてやろうじゃあないの」

魔道兵「おぉーっ!!」

剣士「精鋭魔道兵……ですか?」

大軍師「はい。まぁ見てて下さいませ。ふふふっ」ヒラヒラ


97 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:45:41.02 ID:kxJUQQ5Go


僧兵「おりゃおりゃおりゃおりゃああぁぁ!!」ズバババッ

グール「ムウウゥゥダアアァァァァ!!」ガスッ!!

僧兵「ごはぁっ!!」

足軽「怯むなっ、斬りかかれぇ!」

 バサッ バサッ バサァ……

ヴァンパイア「全く、何をてこずっているのです」

足軽「そ、空から妖が……ぐわああぁぁ!!」ザシュッ

ヴァンパイア「フッ、そこらのアンデッドと一緒にして欲しくはないですねぇ」

旗本「ええいっ、不死の妖め……何と面倒な事か!」

 ドドオオォォォォ

西方魔道士「Aチーム、火と雷……放てぇ!!」

魔道兵「いっけええぇぇ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

帝「な、何事だ!?」


98 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:46:14.25 ID:kxJUQQ5Go
西方魔道長「Bチーム! 水と風……放て!」

魔道士「はあぁーっ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

西方魔道士「Cチームはアタシと一緒に、土行いくよぉ!!」

魔道士「おおうっ!!」ドッゴオオォォォォン!!

大軍師「魔道兵3隊による合体5行です」

剣士「す、凄い……っ」

大軍師「均等にする魔力の加減が難しいので、精鋭中の精鋭」

青年兵「だからこそ簡単に失う事は出来ない。切り札です」

剣士「な、なるほど……。しかしこれならば、いける!」

弓使い「剣士、私達も戦線に戻りましょ!」

剣士「ああ、行こう!」ドドッドドッ

青年兵「大軍師さん、あとhの指揮はお任せします」

大軍師「承知致しました。お気を付けて」

青年兵「……出でよ、ワイバーン!」


99 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:47:29.41 ID:kxJUQQ5Go
 シュイイィィィィン……バッシュウウゥゥゥゥ

大軍師「うちの指揮官達は出たがりで困り者ですねぇ……ふふふっ」

 バッシュウウゥゥゥゥ

ワイバーン「青年兵、こう言っては悪いが、魔力が僅かだな」

青年兵「連戦続きだからね」

ワイバーン「持つのか?」

青年兵「分からないよ、やってみないと」

ワイバーン「……」

青年兵「まぁ正直、ここで無理するのが今の仕事だからね」

ワイバーン「苦労するのが本当に好きだな」

青年兵「そんな事はないけど、やらなきゃいけない刻だしね」

ワイバーン「……フン。そうこう言っているうちに正面から来たぞ」

青年兵「ガーゴイルと……大型の……ドラゴンじゃないな」

ワイバーン「あの大きさはズーか。どうする? 援護を待つか?」

青年兵「まさか。ドラゴンでなければ問題ないよ。このまま行こう!」バシュッ


100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:48:11.50 ID:kxJUQQ5Go


 ドドッドドッドドッ

剣士「おおぉぉーっ!!」ザシュウウゥゥ!!

弓使い「ちょっと剣士っ、深入りしすぎじゃない!?」

剣士「2人はここまででいいからっ、馬首を返してくれ!」

弓使い「そうはいかないわよっ!」

幼女「うんうんっ」

剣士「とにかく、自分の身だけ守ってくれ! こっちは気にする必要ないから!」

弓使い「……了解っ」ドドッドドッ

ワーウルフ「正面からくんぞぉー!!」

トロル「おら、新入りども! ちゃっちゃと働け!」

ワーウルフ「だいたいテメーら、本当にやる気あんだろうな? おいサル! 聞いてんのか!」

ラクシャーサ「へいへい。聞いてますよー」

トロル「何だその態度はよぉ! さっさと盾になれって言ってんだよ!」

ラクシャーサ「俺らはただラーヴァナ様の仇を討ちたいだけなんすよー」


101 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:48:57.66 ID:kxJUQQ5Go
ワーウルフ「だからそのチャンスをやるって――」ヒュオッ……ブシュッ

ラクシャーサ「……てめぇらに指図される覚えはねぇんだよタコ」

トロル「テメェッ、何してやが――」ザンッ!!

――「……全く、もう少し我慢出来ぬのか」

ラクシャーサ「すんません。コイツらムカつくもんで」

――「まぁそろそろ、潮時であろうな。……伸びろ、如意棒!!」

 ズオォッ!! ギュウウゥゥゥゥン

オーガ「バッカヤロー! こんな狭い所で振り回す奴があるギャアアァァ――」バキィ!!

ラクシャーサ「さーて、暴れまわりましょうや。ハヌマーン様!」

ハヌマーン「行くぞ。このまま北へ走り抜ける!」ザザッ

コボルト「なんだぁ? あっちがやけに騒がしいな」

スケルトン「ニンゲンはいねーぞ?」

コボルト「おい豚。お前ちょっと見てこいや」

――「……オラ、豚じゃねぇです」

スケルトン「ゴチャゴチャうるせぇ――」ゴシャッ!!


102 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:49:59.08 ID:kxJUQQ5Go
コボルト「なっ――――」バキッ!! ドゴォ!!

オーク「……ふーっ」

ゴブリン「オーク、ハヌマーン様が動いたぎゃー」

オーク「うん、分かってる。オラ達も合流しよう!」

 ゴッゴオオォォォォ

白馬騎士「敵の中段が何やら、騒がしいな」

 ドドッドドッドドッ

剣士「白馬騎士様、おそらくこの騒ぎ……埋伏しているハヌマーン軍です!」

白馬騎士「何っ!?」

剣士「先程、大軍師様から聞きました!僕が連絡を取ってきます!」

白馬騎士「うむ、頼む! くれぐれも気を付けてな!」

弓使い「はいっ!」ドドッドドッドドッ

白馬騎士「……しかし区別がつかぬ。同士討ちせぬよう、少し後退しようか」

老将軍「それが良かろう。者共っ、すこし退がるぞい!」

白馬騎士「しかし既に魔王軍内へ紛れ込ませているとは……大軍師殿、恐るべしだな」


103 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/20(月) 23:54:09.76 ID:NRdT26yIO
出てこねえと思ったらハヌマーン様そんなところにいたのか
かっこよすぎる


104 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2012/02/20(月) 23:54:59.25 ID:kxJUQQ5Go
〜オマケ〜

>>91
三男『ぎゃああぁぁ!! きききききききき騎士団長ががが生き返ったああぁ!?!?』

皇太子『なーんだ、死んだのかと思っていたぞ騎士団長』

騎士団長『フッ、ベルゼブブよ、貴様が吹き飛ばしたのは私のマスクだけだ』

エリート『お前は亀か』

青年兵『とにかく良かった。めでたしめでたし!』

三男『あははははは!!』



三男「あは……あははははは……っ」

衛生兵「三男様は錯乱状態でしてうんぬんかんぬん」

皇太子「……そうか。安静にうんぬんかんぬん」

……と、いう事でどうだろうか?

エリート「ふざけるなよ貴様……っ!」

……ごめんなさいでした。騎士団長ではなく、騎士団です。おやすみなさい……


107 名前:NIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage] 投稿日:2012/02/21(火) 01:56:56.22 ID:XiV6ObnAO
>>1おつ

>>1の誤字で遊ぶのもこれの醍醐味だしな


111 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/21(火) 18:03:25.68 ID:SX8VsSJIO
エリート様ぁぁぁ
エリートは、ツッコミのエリートでしたかあwwwwwwww



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