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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その10
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:18:27.59 ID:7Qsuaeko
〜第十二部〜

幼女「お…父…!お父ーっ!!」

お父「……ぐふ…っ…!!」

テッテッテ…

幼女「お父…っ!何で…!?」

お父「…は…やく…逃げろ……っ…」

トロル「次はお前だ……!!」

幼女「!?」

ヒュオッ…バキイィィッ!!……ドサァ…

トロル「食すつもりが…これじゃ食えたもんじゃねぇや…グハハ!」



ガバッ!!

占い師「……!!」

ベッドから飛び起きる動作が、深夜の部屋に響き渡る…。

占い師「……イヤな…予言ね」


378 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:19:27.71 ID:7Qsuaeko
〜船上〜

魔道士「このまま一気に…北の港ですか?」

召喚士「ええ」

戦士「北の港はデカイし、軍備も整ってる」

盗賊「……」

召喚士「北はとにかく魔物が多いですからね…」

戦士「ああ。ヘタに変な町へ行くより、まず港へ行くのが上策ってもんだ」

盗賊「…成程」

魔道士「詳しいですね」

戦士「まぁ、俺らにとっちゃ故郷だし…なぁ?」

召喚士「うん…」

魔道士「そうですよね…」

盗賊「……」

戦士「俺の生まれ故郷はそれでも魔物が少ない地域だ」

召喚士「うん。その点は安心だね…」


379 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:21:43.14 ID:7Qsuaeko


召喚士「……」

魔道士「召喚士さん」

召喚士「あ、魔道士さん…」

魔道士「……どうしたんですか?」

召喚士「いや…、ちょっと故郷の事を思い出して…」

魔道士「あ……っ」

召喚士「いや、いいんです。もうほとんど記憶にないですから…」

魔道士「今も…故郷は……」

召喚士「どうなんでしょうね。俺も大きくなってから訪れた事はないです…」

魔道士「……」

召喚士「早く…争いがなくなればいいですね…」

魔道士「ええ…」

二人は穏やかに波打つ海を見つめる。

魔道士「あ…っ、そうだ……」


380 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:23:13.31 ID:7Qsuaeko
召喚士「……?」

ゴソゴソ…

魔道士「…あ、あの」

召喚士「…はい?」

魔道士「……こ…これ」

魔道士は小箱を召喚士に手渡す。

召喚士「…?」

魔道士「……」

召喚士「あ、開けてみても…?」

魔道士「どっ、どうぞ…っ!」

ゴソオソッ…カタッ

中には羽ばたく鳥を模した指輪が入っている。

召喚士「こ…これ…!?」

魔道士「……うぅ」

魔道士は照れ臭そうに指輪を取り、召喚士の中指にそっとはめる。


381 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:26:38.64 ID:7Qsuaeko
召喚士「あ…あの…。こ、これ…」

魔道士「カーニバルのフリーマーケットで……」

召喚士「……」

魔道士「い、いいなぁ…って思って…」

召喚士「…あ……」

魔道士「ちょ、ちょっと…コカトリスさんっぽくないですか…?」

召喚士「あ…、確かに…!」

魔道士「だから…良かったら付けて欲しいなって…」

魔道士は身体の前で手を組み、もじもじと俯く。

召喚士「あ、ありがとうございます…!」

魔道士「い、いえ…っ!」

召喚士「凄い…綺麗です」

召喚士は右手を頭上にかざし、指輪を見つめる。

魔道士「で、でも…二つも付けて邪魔でしたら……」

召喚士「そ、そんな事ないですっ!!」


382 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 17:28:35.16 ID:IziVIVUo
大胆だ


383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:28:42.19 ID:7Qsuaeko
魔道士「ほ、本当…ですか?」

召喚士「はい…!」

魔道士「……良かった…エヘヘ!」

召喚士「わざわざすいません…ありがとうございます!」

魔道士「いえっ、いつもお世話になってますからっ!エヘヘ!」

召喚士「すいません…!お礼はまた今度…」

魔道士「い、いえいえっ!いいですからっ!全然…っ!」

召喚士「いや!そういうわけには…!」

魔道士「気にしないで下さいっ!ほんとにっ!」

召喚士「でも…!」

魔道士「そ、それじゃ!また後で…!!」

タタタッ!!

召喚士「あっ!!」

魔道士は勢い良く走り、甲板を後にする。

召喚士「……魔道士さん」


384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:30:19.14 ID:7Qsuaeko
〜反対側の甲板〜

テクテクテク…

盗賊「……」

戦士「おう、どした?」

盗賊「……いや」

戦士「あれ…?二人は?」

盗賊「…多分…あっち」

戦士「……そっか」

戦士は手にした酒瓶を一口含み、足元に置く。

盗賊「……あ、あの」

戦士「んー?」

盗賊「…あ、あの」

戦士「ん?」

盗賊「…あ、ああ」

戦士「な、何だよ…?」


385 :パー速民がお送りします [] :2010/01/24(日) 17:30:29.89 ID:aws4/46o
うわああああああ見てられないなんかこっちが恥ずかしいいいいいいい


386 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:33:22.78 ID:7Qsuaeko
盗賊「……ん」

盗賊は顔を背け、戦士に紙包みを突き出す。

戦士「…?」

ガサガサガサッ…

戦士「…リストバンド…?」

盗賊「……」

戦士「しかも…猫の刺繍…」

盗賊「……」

戦士「どうしたんだ?コレ?」

盗賊「……かっ、買った」

戦士「ふーん……」

盗賊「…あ…あ、あげるっ!」

戦士「……俺…に?」

盗賊「……イ、イヤ…か?」

戦士「……」


387 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:34:48.16 ID:7Qsuaeko
盗賊「…イヤ…なら……」

スッ…ゴソゴソッ

戦士「ん…。いいカンジだ!」

盗賊「……!」

戦士「ちょっとカワイらしすぎるけどな…ははは!」

盗賊「……うぅ」

戦士「サンキューな!」

戦士は盗賊の頭をポンと撫でる。

盗賊「ひゃわ…っ!……べべ…別に!」

戦士「ところで何で猫なんだ…?」

盗賊「!!……い、いやあの…カ、カワイかった…から」

盗賊は身体の後ろに手を組み、もじもじと俯く。

戦士「そっか…。お前も何だかんだで…」

盗賊「…?」

戦士「いーや…何でもねぇ!」


388 :パー速民がお送りします [] :2010/01/24(日) 17:35:07.16 ID:VY0mywMo
///


389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:39:30.32 ID:7Qsuaeko
盗賊「……ん」

戦士「おぉ…!なんかすげぇ力が出せそうだわ!ははは!」

盗賊「そっ、そうか…!?」

戦士「ああ!はははっ!!」

盗賊「……ふふっ…ふふふ!」

〜客室前〜

テクテクテクテクテク

召喚士「……あ、戦士」

戦士「おう、召喚士…」

ガチャッ!!…バタンッ!!

二人は部屋に入り、椅子に座る。

召喚士(やばいやばいやばい!プレゼントを貰ってしまった…!)

戦士(くっそー!俺も何か買っておくべきだった…!!)

召喚士(俺は何て気が利かないんだっ!バカバカッ!俺のバカッ!)

戦士(し、しかし…こういう時は何をお礼に返せばいいんだ…!?)


390 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 17:40:34.57 ID:7s/yV2DO
魔道士ちゃんが照れるのを見てカワイイなと思ったけれど
盗賊ちゃんの照れ方はもっと可愛かった


391 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 17:41:51.65 ID:7s/yV2DO
そして野郎二人も可愛かったwwwwww


392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:42:52.60 ID:7Qsuaeko
ガタンッ!!…バッ!!

召喚士「戦士!!」
戦士「召喚士!!」

召喚士「…あ、さ…先に…どうぞ!」

戦士「い、いやっ…お前こそ…!!」

召喚士「……」

戦士「………」

召喚士「あ、あのさっ!」
戦士「あ…あのよ!!」

召喚士「……」

戦士「……あ」

召喚士「戦士から…どうぞ」

戦士「ああ…。す、すまん…実はな……」



召喚士「…そ、そうなんだ」

戦士「お、おう……」

召喚士「あのさ…じ、実は…俺も……」

召喚士は戦士に指輪を見せる。


393 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 17:47:24.77 ID:7Qsuaeko
戦士「!?」

召喚士「俺ら……本当にダメだな…」

戦士「男として…情けない…」

召喚士「戦士!!」

戦士「な、何だ!?」

召喚士「北の港に着いたら…行こう!」

戦士「…?あ…っ!そ、そうだなっ!!」

召喚士「か、金は…あるかな…?」

ゴソゴソッ…

戦士「ちょっと…乏しいな…」

召喚士「…し、仕方ないな」

召喚士は荷袋から小袋を取りだし、中身を見る。

召喚士「……師匠すいません。遺産を手放す事…お許しを…」

戦士「ジーサン…。雷切だって…本望だよな…」

船は間もなく北の港へと辿り着いた。


394 :パー速民がお送りします [] :2010/01/24(日) 17:50:17.32 ID:aws4/46o
戦士まさか…


396 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 17:55:01.59 ID:2.R6rnso
師匠の遺産って…
まさか紋章?


397 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 17:59:05.38 ID:/eqrNGAo
二人ともバイトしろwwwwww


398 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 18:07:58.20 ID:7Qsuaeko
〜北の港〜

魔道士「着きました〜!賑やかですねぇ!!」

戦士「北の主要拠点だからな…!何でもあるぞ」

盗賊「……へぇ」

召喚士「相変わらず、平穏な空気とは言えないけどね…」

港には軍船が多数停泊し、軍服を着た者とワーカーで溢れかえっている。

戦士「この先にある北の街も、なかなか物騒だぜ?」

魔道士「そうなんですか…?」

召喚士「ええ」

盗賊「……」

戦士「さーて、ますは宿の確保だ…!」

魔道士「はいっ!行ってきます!!」

召喚士「物価が高いから、気を付けて下さいね!」

魔道士「分かりましたっ!盗賊さん、行きましょう!」

盗賊「…うん」


399 :パー速民がお送りします [] :2010/01/24(日) 18:12:10.36 ID:1yjIz360
もう貯金も残り少ないのかな?


400 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 19:39:32.13 ID:8zfUfYDO
ですの〜
がいっぱい食べたから金ないの?


401 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/24(日) 19:51:16.36 ID:7s/yV2DO
北関の防衛戦以降仕事してないもんね


403 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/24(日) 20:10:05.33 ID:7Qsuaeko
生活費はあるけど、各々のお小遣いは節制してるので微々たるもの…
でも男としていいところ見せたい…!そんな感じでしょうか
なんかペース悪くてすいません…。家事が終わりませんでして…


404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/24(日) 20:12:34.33 ID:7Qsuaeko
待ち合わせ場所を確認し、二人は走り去っていく。

召喚士「さて…と」

戦士「……ああ」

〜北の港、ショッピングモール〜

戦士「ここは相変わらず凄げぇ人なだ…」

召喚士「久々に来たけど変わってないね」

戦士「よく来たのか?」

召喚士「師匠に買い出し頼まれてね…」

戦士「そっかぁ…」

召喚士「困った時はここに来れば、何でも揃うからね」

戦士「ああ。裏のモンまで何でもござれだ…」

召喚士「さて…どうしようか?」

戦士「まぁ…アレっきゃねーだろな…」

召喚士「うーん…。気が引けるけど…」

戦士「行くだけ行こうじゃねぇか」



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