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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その29
1 名前:NIPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2011/05/17(火) 18:04:03.52 ID:PxOEeJJGo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
ついに魔王アンラ・マンユを倒すべく、史上最大の作戦が発動される。

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
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◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
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◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その28)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/


3 名前:NIPPERがお送りします(東海) [sage] 投稿日:2011/05/17(火) 19:12:30.20 ID:c9xLJwdAO
>>1乙

名士さんなんて覚えてるような覚えてないような…
イメージとしてはトイプードルなんだがなぁ


5 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/05/17(火) 21:36:28.23 ID:vMv35UeFo
いちおつ

召喚士パーティそっくりさん騒動のときに話を聞きに行ったのが名士


13 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:02:25.98 ID:hxIeMsmVo
コオオォォォォ…

召喚士「……っ」

名士「ん? どうした、腰掛け給え」

天才「アンタが名士さんかい?」

名士「如何にも。そう言う貴公は何者かな?」

天才「おぉ、失礼。俺様は天才。まぁ国軍総司令みたいなもんだ」

名士「それはそれは、ご高名な方ではないか」

スクッ

名士「従者、場を変えよう。客人も腰掛け辛いようだしな」

従者「はい」

名士「中庭へ移ろうか。さ、皆も付いて来給え」

召喚士「……」

法師「あれが名士様です。私には見えませぬが、きっと優しいお顔をしているのでしょう」

召喚士「……ええ」

法師「さぁ、我らも参りましょう」


14 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:03:54.47 ID:hxIeMsmVo
サアアァァァァ

背後にそびえる小高い山から小さな滝。庭一面に広がる緑の中心に滝から続く

川が流れ、庭先で池を作り、そこへ魚や昆虫が水と花と戯れる。

マーマン「すっげ……っ」

オーク「綺麗です……」

名士「お気に召して頂けたかな?」

法師「なんと心地良い風か……っ」

名士「私もこの地が大好きでね。それで此処に住む事にしたのだ」

テクテクテク

名士「さぁ、此処なら話も弾むであろう」

中庭の中央に根を張る巨大な樹木。それを傘代わりに、脇にはテーブルと椅子が佇む。

ハヌマーン「……」

名士「遠慮するな。皆も座り給え」

ハヌマーン「……失礼致します」

名士「それで、今日はどういった用件なのかな?」


15 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:04:45.05 ID:hxIeMsmVo
天才「ご助言を伺おうと思ってね」

名士「助言。私が力になれれば良いが」

天才「存知てらっしゃるんだろ?」

名士「アンラ・マンユか」

天才「元眷属であるアンタなら、何か知ってるんじゃないかと思ってね」

名士「ふむ。しかし私もアンラ・マンユとは最早、全くと言って良い程、無関係でね」

天才「アンラちゃんの事はいいさ。それよりも気になるのは眷属だ」

名士「ほぉ、眷属か」

天才「つい先日だが、眷属は一通り葬った。驚くほどアッサリとな」

名士「それは大したものだな。賞賛に値するよ」

天才「そいつはどーも。そこで質問、どうも胡散臭いんだよなぁー」

名士「何がかな?」

天才「眷属様方だよ。本当にこんなアッサリ死ぬモンなのか?」

名士「それは難しい質問だな」

召喚士「……?」


16 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:05:28.41 ID:hxIeMsmVo
名士「例えば君はかなり強そうにお見受けする」

天才「ハーッハッハ! 分かってらっしゃる」

名士「そんな君でも、アッサリ死ぬ可能性はあるだろう?」

天才「……んーそりゃまぁな」

名士「今回は君らが強かった。そういう結果ではないのかな?」

天才「仰る通り。しかし、何か違うんだよなぁ」

名士「では1つ、助言になるか分からないが申しておこう」

召喚士「……」

名士「眷属という連中は、通常の魔族と違い、魔王直属に組する輩だ」

天才「ほぉ」

名士「つまり、眷属は直属のに当たる魔王の一部と言っても過言ではない」

天才「……やっぱりそういう事か」

召喚士「えぇと……」

名士「眷属の根源は魔王にあり」

天才「消滅させようと肉体が滅びようと、魔王の糧となるって事か」


17 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:06:35.25 ID:hxIeMsmVo
召喚士「それじゃ、倒しても意味はなかったって事ですか!?」

天才「いや、それは違う」

名士「魔王の持つ力の一部を貸し与えて、眷属を為しているのさ」

法師「つまり、眷属が滅せばそれは魔王の元へ帰る……と」

天才「眷属がそれぞれ武具みてーなモンだろ」

召喚士「……なるほど」

名士「しかし君らは聖なる光で葬ったのだろう?」

天才「聖なる……あぁ、五行ね。そうそう」

名士「それならば例え帰る力であろうと、衰えているだろうね」

召喚士「でもそうなると、眷属を倒さずに魔王を倒したほうが良かったという事ですか?」

天才「そりゃ合理的な意見だが、今までの経験からして出来ると思うか?」

召喚士「……不可能に近いですね」

天才「そ−いう事」

名士「眷属の役目は魔王の護衛。それは例え、その身が朽ちようともね」

召喚士「……ですね」


18 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:07:28.99 ID:hxIeMsmVo
天才「つー事はだ」

ハヌマーン「……?」

天才「つまり名士さん、アンタも魔王の一部ってわけだよな?」

召喚士「確かに、そういう事になりますね……!」

名士「そうだね」

天才「アンラ・マンユを倒せば、アンタも死んじまうって事か?」

オーク「……ッ!!」

名士「あぁ、死ぬね。だが、厳密に言うと少し違うかな」

法師「……?」

名士「魔王は己の一部を使用し、眷属を生み出す事が出来る。でも、戻す事は出来ない」

召喚士「……」

名士「だから私は死ぬが、魔王亡き後は遅延が生じるだろうね」

天才「タイムラグがあるって事か」

名士「それが数日なのか、数年なのかは分からないけれどね」

法師「しかし、何れは滅してしまうと……?」


19 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:08:00.59 ID:hxIeMsmVo
名士「そういう事になるだろう。だからと言って、別に悔やむ事もない」

法師「……っ」

名士「私は長く生きた。もう十分過ぎる程にね」

召喚士「名士さん……っ」

名士「元はと言えば、魔王アンラ・マンユが嫌になり逃げた身だ」

ハヌマーン「……」

名士「その魔王を打ち倒してくれるとは、願ってもない事ではないか」

マーマン「……」

名士「ただ、この景色を見られなくなる事は、少し寂しいものだがな」

スクッ

名士「眷属については以上だ。そこで一つ忠告をしておくよ」

天才「……ああ」

名士「先も述べたように、魔王の力は上がる。早めに倒す事をお勧めするよ」

天才「……元よりそのつもりだ。安心しな!」

名士「そうかそうか。ならば良い」


20 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:09:08.22 ID:hxIeMsmVo


召喚士「あ、あの……っ」

名士「ん?」

召喚士「名士さんは……どうして人間のお姿を?」

名士「人間になりたかったからかな」

召喚士「……」

名士「元は私もそれはおぞましい姿だったよ」

召喚士「……っ」

名士「ところが徐々に身体は萎み、気が付けば外見も人間のようになっていた」

召喚士「そうなんですか……」

名士「徳を積めば、魔族も人になれるのかもね」

法師「そうかもしれません」

名士「他にもいると思うぞ、そういう魔物は」

召喚士「!?」

名士「きっと私と同じさ。人間になる事を夢見ておるのだろうな」


21 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:10:19.07 ID:hxIeMsmVo
〜北の村〜

眼鏡「……」

テクテクテク

ワーカー「おっ、アンタら無事だったのか!!」

魔法剣士「ああ」

眼鏡「北への牽制はもう大丈夫。各自、村の警備と巡回に入ってくれ」

ワーカー「了解! おい、俺らは西方面へ行くぞ」

男「なら俺らは東側の村を巡回する」

タッタッタッタッタ

ヒゲの男「ご苦労だったな。ひとまず休んでくれ」

眼鏡「ありがとう」

ザッザッザ

副官「ご苦労様です。報告書の提出をお願い致します」

魔法剣士「ああ。眼鏡は先に休んでてくれ」

眼鏡「ありがとう」


22 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:11:15.11 ID:hxIeMsmVo
〜北方司令部〜

北方兵「戻ってきたぞー!!」

ゴウッ…ドシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「……ん?」

チカチカチカッ

青龍士官「海峡からの船か」

夜明けの空を翔るファフニール。下を流れる川では、海峡からの船が

ようやく北方司令部へと到着したところであった。

ゴウンゴウンゴウン

北方兵「よーし、いいぞー!!」

カツカツカツ

参謀「ご苦労様です」

将軍「うむ。こちらの状況は?」

参謀「ちょうど今、会議室で報告をしているとkろですよ」

将軍「そうか。では、私も参加させて頂くとしようか」


23 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:13:24.87 ID:hxIeMsmVo
〜会議室〜

カツカツカツ

騎士長「おっ、来たか!」

将軍「海峡軍、ただいま船で到着したぞ」

東方参謀「陸路の部隊も北関へ入った頃であろう」

左翼長「ご苦労」

将軍「それで、こちらの状況は?」

左翼長「昨日、ドラゴンの襲来があって交戦した」

東方司令「ほぉ、大丈夫だったのか?」

騎士長「ああ。新戦力として導入した部隊が、そりゃもう大活躍――」

カツカツカツ

騎士長「噂をすれば主役のお出ましだ」

青龍士官「巡回終了致しました。魔王軍の動きはありません」

左翼長「ご苦労さん」

将軍「青龍召喚隊か。確か噂では……」


24 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:14:20.19 ID:hxIeMsmVo
騎士長「竜騎士部隊。召喚獣の背に自らも武器を携え乗り込む。騎馬隊の空中版だな」

参謀「昨日の戦果ではドラゴンを13匹撃破」

ザワッ

東方司令「それは大したものだな」

東方参謀「うむ。かなりの戦果ではないか」

参謀「被害は部隊の兵が2名死亡」

将軍「やはり犠牲は出てしまうか」

左翼長「自らも前線に出るからな。今までよりも致死率は高い」

参謀「貴重な召喚兵です。あまり失いたくはないところですが……」

左翼長「今回は最終テストだ。次は本番にしか使わん」

青龍士官「……」

左翼長「何もお前らの力を信用してないわけじゃない。信用しているからこそだ」

青龍士官「はっ。ありがとうございます」

左翼長「兵も揃った事だ、いよいよ北進する。1時間後に軍議を行うぞ」

将軍「了解した」


25 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:15:27.04 ID:hxIeMsmVo
……――

青龍士官『おおぉぉぉぉ!!』

ガオンッ!!…ズガガガガガッ

ドラゴン『グギャアアァァーッ!!』

青龍士官『動きをとめるなぁ、狙い撃ちされるぞ!』

青龍兵『了解っ!!』

老兵『はぁ、はぁ……っ』

青龍兵『じいさん! 後方へ下がれ!!』

老兵『バッカもん、若い連中に負けてられるかいっ』

ドラゴン『グオオォォ!!』

青龍士官『回避しろおぉ!!』

ズガンッ!!…ズシャアアァァ…

青龍兵『じいさんっ!!』

青龍士官『……敵が来るぞ。一旦、後方に移れ』

青龍兵『しかし――』


26 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:16:56.72 ID:hxIeMsmVo
青龍士官『墜落した……。最早、助けられん……っ』

青龍兵『く……っそぉ!』

青龍士官『残念だが……。しかし、無駄死にではないぞ!』

グイッ

青龍士官『老兵の弔いだ!! 全員……俺に続けええぇぇ!!』

青龍兵『おぉーっ!!』

ゴウッ…ドシュウウゥゥゥゥ!!

青龍士官『うおおぉぉぉぉ!!』

ガカアアァァッ!!

――……

グッ…

青龍士官「……っ」

ググッ…ドカッ!!

青龍士官「……もっとだ、もっと強くならなければ……っ」

壁に打ち付けた拳から流れる血が、青龍士官の足元にぽとりぽとりと落ちた。


27 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:18:45.20 ID:hxIeMsmVo
〜名士の家〜

名士「さて、用件はそれだけかな?」

天才「ああ。サンキュ」

召喚士「ありがとうございました!」

天才「さーてと、そんじゃ北の村へ行きますかねぇ」

名士「ほぅ、北へ参るのかね?」

天才「ああ」

名士「折角だ、送らせて頂こうではないか」

法師「いえいえ、そこまでは……」

名士「遠慮するな。さぁ来給え」

召喚士「あ、あの……っ」

名士「こういうのはあれだろう? 友人、と言うのだろう」

天才「友人か……。悪くねぇな、ハーッハッハッハ!!」

名士「従者、すぐに馬の準備を」

従者「はい」


28 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:20:09.73 ID:hxIeMsmVo
パッカパッカパッカ

名士「……」

従者「ご主人様の楽しそうなお顔、久方振りに見ました」

名士「そうかい? 人間の友人だなんて初めてでね、そりゃあもう嬉しくて」

クルッ

名士「乗り心地は問題ないかな?」

召喚士「え、えぇ……っ」

マーマン「そりゃあもう……最高の眺めで……はははっ」

天才「この馬車、どうやって飛んでんだ?」

名士「それは友人と言えど教えられないな」

天才「便利なモンだなおい」

召喚士「ですね……」

従者「間もなく北の村へ到着致します」

天才「早……」

召喚士「は、ははは……っ」


29 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:21:28.08 ID:hxIeMsmVo
〜アマゾネスの村〜

盗賊「……ふーっ」

ヒュバッ…シュシュシュンッ…バババッ!!

盗賊「……」

スタッ

アマゾネス「いい動きだ」

盗賊「……おはよう……ございます」

アマゾネス「おはよう。お前は剣士なのか?」

盗賊「……まぁ、一応」

アマゾネス「そうか。小柄な身で大したものだな」

盗賊「……」

アマゾネス「さて、朝食にしよう。皆を呼んで参れ」

盗賊「……ああ」

ザッザッザッザッザ

盗賊「……」


30 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:22:40.76 ID:hxIeMsmVo


玄武娘「いただきますのー!」

盗賊「……いただきます」

ガツガツガツッ

朱雀嬢「朝からよくもまぁそんなに……」

魔道士「全くです……」

白虎長「うぇーっ、頭痛い……」

白虎嬢「従姉さん、飲み過ぎですよ」

アマゾネス「面白い連中だ」

魔道士「へっ!?」

アマゾネス「いや、何でもない。そういえばあいつはどこに行ったのだ?」

朱雀嬢「あいつ……? あれ、そういえば……」

魔道士「朝起きたら既にいませんでしたけれど……」

アマゾネス「ふぅん。また散歩にでも行っているのか? 自由気ままな奴だな」

盗賊「……」


31 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:24:10.78 ID:hxIeMsmVo
スクッ

盗賊「……見てくる」

アマゾネス「それならば、村の者を出すが?」

盗賊「……いや……いい」

テクテクテク…タタッ

魔道士「盗賊さんが食事の最中に抜けるなんて……珍しい」

玄武娘「残した分、食べていいですの?」

朱雀嬢「おばかっ! でも……残す方が失礼だし許可しますわ」

玄武娘「やったですのーっ!」

タッタッタッタッタ

盗賊「……近いな」

スタッ…ザザザッ

盗賊「……何してる?」

青年子「うわぁ!!」

盗賊「!?」


32 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:25:58.89 ID:hxIeMsmVo
青年子「と、盗賊さんでしたか……っ」

盗賊「……こんな所で……何してるんだ?」

青年子「い、いや……そのぉ」

盗賊「……?」

青年子(一緒に居られるわけないじゃないか……っ」

盗賊「……大丈夫か?」

ボイーン

青年子「うわぁ!!」

盗賊「!?」

青年子「よ、よくここが分かりましたね……っ」

盗賊「……あぁ、気配がな」

青年子「あ、あぁー」

盗賊「女子の中に1つだけ、男のものが混じっているから分かりやすい」

青年子「……そうですか」

盗賊「……さぁ、みんなが待ってるぞ」


33 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:27:25.38 ID:hxIeMsmVo
〜西方、南の砂漠〜

戦士「あっつぅ……」

王子「夏になればもっと暑くなるよ」

戦士「マジかよ……。ぜってぇ西方にゃ住めねぇ」

隊長「……ん、人がいるな」

王子「ウチのれんちゅうですね。おーい!」

パッカパッカパッカ

西方兵「お待ちしておりました」

隊長「世話になります。それで、魔物というのは……」

西方兵「この先の……砂丘向こう側です」

戦士父「……方角としては確かに合致するな」

男隊員「ええ。こりゃもう確定っしょ」

女隊員「サルワッスか?」

隊長「だからそれを見に来たんだろ」

女隊員「そりゃあそうッスけど」


34 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:28:58.71 ID:hxIeMsmVo
戦士「……おぉ、すげー長い槍だな」

ザッ

パイク長「こいつはパイクといってな、対騎馬用なんかの槍じゃよ」

戦士「ほぉ」

戦士父「パイクか。最近では見かけないな」

パイク長「戦も変わった。昔のように武器を交える事も減ったからのぉ」

戦士「槍っつっても色々あるんだよなぁ」

戦士父「ああ。投擲用手持ちの武器……長さも大小さまざまだ」

王子「このじーさんはパイクの使い手なんだ。今じゃ西国にだってほとんどいないよ」

パイク長「ワシはこの槍でずっと戦ってきたのじゃ! 今更手離せるかい」

王子「ガンコジジイ」

パイク長「王子と言えど、その言い草は許せませんぞ」

王子「ジョーダンだよ……。もうっ」

戦士父「……パイク長殿、ちょっとその槍を……見せては貰えないか?」

パイク長「……?」


35 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:30:39.22 ID:hxIeMsmVo
ザッザッザ…パシッ

戦士父「……やはりそうか」

戦士「お、おい……っ、まさか……」

戦士父「見ろ、刻印がある。これは紛れもないゾディアックだ」

戦士「――っ!!」

隊長「何ぃ!?」

パイク長「一体、何を言っておるのじゃ?」

戦士父「そうか、西方の1本とはこれの事か」

王子「ゾディ……なんとかっての、確か……」

戦士父「パイク長殿、実は――」

西方兵「見えてきましたっ! あれです!!」

パッカパッカパッカ…ドドォ

戦士「……っ」

戦士父「間違いないな」

隊長「ええ……。サルワですね」


36 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:32:18.73 ID:hxIeMsmVo
〜アマゾネスの村〜

玄武娘「あっ、戻ってきたですのー」

テクテクテク

盗賊「……ただいま」

魔道士「青年兵……子さんっ、どこへ行ってたんですか?」

青年子「ほ、ほほ……っ。ちょっと朝の散歩に」

アマゾネス「散歩好きなのだな」

青年子「え、ええ……っ。ほほほっ」

盗賊「……あれ?」

白虎長「どうしたの?」

盗賊「……朝食」

朱雀嬢「あ……っ」

玄武娘「この中ですのー」

ポンポンッ

盗賊「……う、うぅ」


37 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:33:08.92 ID:hxIeMsmVo


青年子「えーと、それじゃ……そろそろ失礼しましょうか」

白虎嬢「もう帰ってしまうんですかぁ〜?」

青年子「え、ええ。まだ任務中ですし」

白虎長「それもそうね。私なんて合流すらしてないわ」

魔道士「それじゃあ失礼して――」

アマゾネス「待て」

朱雀嬢「……?」

アマゾネス「ワルキューレ、伝授してやっても良いぞ」

魔道士「ほっ、本当ですかぁ!?」

アマゾネス「ああ。但し条件がある」

玄武娘「へっ?」

アマゾネス「私達と召喚獣で戦い、勝ったら伝授しよう」

青年子「えぇ!?」

アマゾネス「まさか、断ったりはせんよな?」


38 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/05/18(水) 18:35:52.19 ID:hxIeMsmVo
白虎長「あのーっ、後日って事じゃ駄目かしら?」

アマゾネス「駄目だ」

白虎長「何でよ、いいじゃない!」

アマゾネス「駄目だ」

白虎長「それじゃ放っておいて帰りま――」

ヒュンッ

ワルキューレ「……」

白虎長「……っ」

アマゾネス「ワルキューレの一人『ブリュンヒルデ』。彼女は強いぞ?」

ワルキューレ「ふふっ、残念だけど……帰さないわ」

盗賊「……なるほどな」

魔道士「……?」

盗賊「……力を試したいというわけか。道理で急に……親切になったと思えば」

アマゾネス「頭の良い奴は好きだぞ。ふふっ」

盗賊「……」



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