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召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」
90 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/06/24(日) 03:22:51 ID:cwrEjrkU


喚起士「……なるほど」

ネメア「恐らくお前が先程戦った者は私の追っ手だと思う」

喚起士「ジノの追われる身ですのでどちらのとは……」

ネメア「……そうなのか。迷惑をかけるな……」

喚起士「いえ、いいんです。ああいう者と戦い続ければ私、強くなれますから……」

ネメア「………」

喚起士「………」

召喚士「……おい……ネメア様」

ネメア「何だ……様?」

召喚士「お願いがあるんだけど……いいかな?」エヘッ

ネメア「………」

召喚士「頼むよぉぉ貞操の危機なんだよぉお!」


91 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/24(日) 03:49:25 ID:cwrEjrkU
ネメア「またくだらぬ事だろ……知るか」

召喚士「違うよ!……剣士に襲われそうになったら助けてくれ!」

ネメア「……知らん」

召喚士「あいつヤバいんだよ!ジノって奴でもウエルカムなんだ!」

ネメア「………」

召喚士「お願いだッ!」

ネメア「……わかった。ジノに手を出したら殺すと伝えておけ」

召喚士「自分で言えよ……」

ネメア「ならば助けん」

召喚士「了解しましたッ!」

喚起士「……ジノでもいいって」

ジノ「恐いよあいつ……あたし下半身ライオンなのに……」

喚起士「………」


92 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/24(日) 19:33:32 ID:cwrEjrkU


召喚士「これか先ガチムチアニキと一緒になんて耐えられないよぉお……」

ネメア「うるさいッ!こっちは真面目な話をしているんだ!静かにしろ!」

喚起士「……何処かへ向かわれている途中なのですか?」

召喚士「ええ、そうなんですよ。この下僕の恩人へお礼をですね。ふふふ」

ネメア「………」

喚起士「なるほど」

召喚士「何やら凄い召喚士の方みたいでしてね……まぁ私程!では無いでしょうが」

喚起士「……召喚」

召喚士、ネメア「……?」


93 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/24(日) 20:51:05 ID:cwrEjrkU
喚起士「……その召喚士の方でしょうか?……どのような方なのですか?」

ネメア「……詳しくは知らない。ただ……とんでもない召喚術の使い手であろうとくらいしかな」

喚起士「そうですか……」

ネメア「………」

喚起士「……もし、宜しかったらでいいんですが……私もご同行してもよろしいでしょうか?」

召喚士「ええ!?いいんですか!」

喚起士「はい……」

召喚士「……でも旦那さんやお子さんはいいんですか?」

ジノ「あああ!故郷で仲良くやってるから大丈夫だよ!」

喚起士「……ジノ?」


94 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/24(日) 23:53:34 ID:cwrEjrkU
ジノ「いいから!」コソコソ

喚起士「……?」

召喚士「そうなんですか……」

ジノ「そう!強い子達なの!」

ネメア「……女、理由はなんだ?」

喚起士「………」

ネメア「召喚と言う言葉に反応していたようだが……」

喚起士「……仇なんです」

ネメア「ふむ……」

喚起士「私の兄の……」

ネメア「……仇とは召喚術を使う者なのか?」

喚起士「はい……」

ネメア「ならその者を探せ……もしや従えている召喚獣しか手懸かりが無いのか?」

喚起士「そうです……」


95 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 07:53:16 ID:0auHAl6U
ネメア「なるほど……召喚士に私を見せろと言ったのも納得がいった」

喚起士「………」

ネメア「たが、私が探している召喚術を使う者とお前の仇が同じとは限らんぞ?」

喚起士「召喚に携わっている者全てに聞いて回る覚悟なので構いません」

ネメア「………」

喚起士「それに……貴方が認める程の召喚術の使い手なのですから何か知っているのかもしれませんし」

ネメア「……そうか」

喚起士「………」

ネメア「私は構わんが……一応決定権は召喚士にある」

召喚士「俺?……ああ、私かね?」

ネメア「………」

喚起士「いかがでしょうか?」たゆん

召喚士「もちろん喜んで!一緒に仇とやらを成敗いたしましょう!」


96 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 08:57:42 ID:0auHAl6U
喚起士「ありがとうございます……」

召喚士「いえ!喚起士さんみたいなお強い方と一緒ならこちらも心強いですよ!ははは!」

ネメア「……おい」

召喚士「……何?」

ネメア「あの獣の小娘

召喚士「あああ!下僕よッ!もう夜も深い!この辺でおいとましようではないか!」ガタッ!

ネメア「………」

喚起士「………」

召喚士「では、失礼しますよ喚起士さん!また明日!」

喚起士「は、はぁ……おやすみなさい……」

召喚士「剣士行くぞ!」

剣士「おう!」


97 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 11:24:09 ID:0auHAl6U


召喚士「余計な事言うんじゃないよ!」

ネメア「……お前はその為に召喚士になったのではないのか?」

召喚士「そうだけどさ……あの甘い魔力に当てられてどうにも……」

ネメア「……最低だと思うが?」

召喚士「わかってるよ……」

剣士「何の相談だ?」

召喚士「何でも無い」

剣士「仲間外れにするなよ……襲っちゃうぞ?」

召喚士「冗談でもそう言う事は言うな!わかったなッ!」

剣士「はいよ……」

召喚士「………」


98 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 12:49:01 ID:0auHAl6U


召喚士「うん……何となくわかっていたんだ……」

剣士「良かったな、飛び込みで宿とれて」

召喚士「同じ部屋なのは百歩譲って許そう……だがベットが一つしか無いってのはどういう事だよ……」

剣士「まぁ仕方無い仕方無い。我慢して寝ればいいだろうよ」

召喚士「お前……下で寝ろよ……」

剣士「いいけど?だけどな、いつの間にかベットに入ってても文句言うなよ?」

召喚士「なら俺が下で寝る……」

剣士「そうか?俺、寝相悪いからベットから落ちたらごめんな!」

召喚士 (ね、眠れる場所が無い……)


99 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 15:07:48 ID:0auHAl6U
剣士「なぁ召喚士、あんたどこに行こうとしてるんだ?」

召喚士「……襲わないなら教える」

剣士「嫌がってるもん襲わねえよ!」

召喚士「………」バサッ

剣士「……?」

召喚士「ここだ」

剣士「また遠い所行こうとしてるんだな」

召喚士「だろ?本当は行きたくないんだけどな……」

ネメア「……今更行かぬなど言うなよ?」

召喚士「………」

剣士「ここだと……北へ回って行くな……」

召喚士「それ以上は言わないでくれ……」


100 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 16:26:19 ID:0auHAl6U
剣士「何でよ?」

召喚士「お前の性体験なんて聞きたく無いんだよ!」

剣士「別に話くらい……」

召喚士「普通の話ならな!だがお前の性の相手は特殊過ぎなの!」

剣士「そうか?老若男女魔物だけだから普通だろ」

召喚士「……どこが普通だ」

剣士「みんなやってんじゃん」

召喚士「悪いが……お前だけだ……」

剣士「そんな事無い。偉い奴なんかは人間みたいな魔物捕まえて好き勝手やってるぜ」

召喚士「………」

剣士「俺何か可愛いもんだぞ?そいつら何か切断解体当たり前よくわからん道具の実験台にしたりな」

召喚士「……お願いだからそれ以上は言わないでくれ」

剣士「………」

ネメア「………」


101 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:50:34 ID:0auHAl6U


召喚士「………」

剣士「ぐごごごごぉぉ……」

召喚士「うるせえよッ!」

ネメア「召喚士よ……こいつ意外と相当な修羅場を潜っているのかもしれんな」

召喚士「何?いきなり……」

ネメア「……先程の話、普通の生活をしていて見たり聞いたりすると思うか?」

召喚士「思わない……」

ネメア「ふむ……」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「俺もさ……剣士が言ってた人間と同じ事しようとしてたし……色々言えないよね」


102 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:58:52 ID:0auHAl6U
ネメア「……切断や解体とかか」

召喚士「嫌々ッ!そんな事しない!出来ないし!」

ネメア「………」

召喚士「こちらから好き勝手に召喚してな……あれこれやろうとしてたし」

ネメア「あれこれ?」

召喚士「イチャイチャしたり話したり……たまにエッチな事したり」

ネメア「………」

召喚士「だからさ言え無いなって」

ネメア「そうか」

召喚士「うん……」

剣士「ぐごごごごッ!」

召喚士「……うるさいッ!」


103 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/26(火) 17:04:19 ID:EwZn8gzk
ーー

喚起士、剣士「………」

召喚士「待ってくれぇ……歩くの早いよ……」

剣士「……まだ街出たばっかりじゃねえか」

召喚士「そ、そんな事言われても!」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「……大丈夫ですか?お体の調子が悪いなら……」

召喚士「いええ!大丈夫ですよ!もうピンピンッ!」

喚起士「そうですか?」

召喚士「いやぁ……ははは……」

ネメア「………」


104 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/26(火) 17:16:27 ID:EwZn8gzk


召喚士「はぁはぁ……」

剣士「だらしねえなぁ……まだちょっと歩いただけだろ!」

召喚士「俺は剣士と違って虚弱体質なの!」

剣士「は?……あんなに強いのにか?」

召喚士「……それはあれだよ」

剣士「なんだ……?」

召喚士「………」

剣士「………」

召喚士「ほら……一瞬に全てを賭けるから他の事は駄目なんだッ!」

剣士「なるほど……それであの時は皆一撃だったのか……」

召喚士「そうそう!」

剣士「すげえな……」

ネメア (またそんな嘘を平然と……)


105 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 02:45:34 ID:aXw6lFdM


剣士「北の村まで後一日ってとこか」

喚起士「そうですね」

召喚士 (後一日こんなに歩かないといけないのか……)

剣士「ん……召喚士よ、そろそろ暗くなるしここら辺で野宿か?」

召喚士「へ?野宿?」

剣士「……その方がいいだろ?」

召喚士「………」

喚起士「私の事ならお気になさらず」

召喚士「はい……剣士任した……」

剣士「おう……?」

召喚士 (野宿なんてしたことねぇ……)

ネメア「………」


106 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 05:47:23 ID:aXw6lFdM
剣士「じゃあ二時間交代で見張りでいいよな?」

召喚士「お、おう!」

喚起士「はい、私から見張りしておきますので」

剣士「そうか、姉ちゃん頼んだ」

喚起士「……その言い方は止めてください。私には喚起士と名前があるんです」

剣士「いいじゃねえか……」

喚起士「よくありません」

召喚士「ま、まぁ二人とも!」

喚起士「………」

剣士「……ちょっくら薪でも集めてくるわ」

たたた……


107 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 13:43:25 ID:aXw6lFdM
召喚士「………」

喚起士「すいません……」

召喚士「いいですよ喚起士さん!剣士がちゃんと名前を言わないのが悪いんですから!」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「あの……どうしてあの方と一緒に旅をしているのですか?」

召喚士「成り行き上仕方無くです……」

喚起士「……旅の目的などは知っているのですか?」

召喚士「いえ……でも強くなれるって言ってたのでそれが理由だと思います」

喚起士「そうですか……」

召喚士「変わった奴ですけど悪い奴では……」

喚起士「………」


108 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 15:58:19 ID:aXw6lFdM


召喚士「……見張りって喚起士さんだけに任せていいのかな?」

剣士「構わんだろ。やってもらわにゃ困るし。それに慣れてるみたいだしな」

召喚士「そっか……。剣士さ、何で旅をしてるの?」

剣士「なんだい突然」

召喚士「ちょっと気になってさ……言いたくないならいいけど」

剣士「ん……何でかって言われたら強くなりたいからだろうな」

召喚士「………」

剣士「強くなれば色々自分の物にしたり出来るだろ?」

召喚士「だろ?って言われても困るけど……」

剣士「……あんた程強けりゃそんな事考えないでいいのか」

召喚士「………」


109 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 22:50:39 ID:aXw6lFdM
剣士「俺も早くそこまで強くなりてえな……うらやましいぜ」

召喚士「……そんな事無いけど……そこまでしてまで何が欲しいの?」

剣士「………」

召喚士「………」

剣士「さぁ……何かな」

召喚士「何だよそれ……」

剣士「欲しい物が欲しいだけかもってな……」

召喚士「意味がわからないよ」

剣士「俺にもよくわからね。まぁ寝るぜおやすみ」

召喚士「………」


110 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/27(水) 22:58:25 ID:aXw6lFdM


召喚士「………」

ネメア「周りには特に変わった気配は無いな」

召喚士「夜の森の近くってこんなに不気味なんだな……」

ネメア「そうか?」

召喚士「……こんな事するの初めてだからそう思うのかもしれないけど」

ネメア「………」

召喚士「喚起士さん……仇を探してるって言ってたけど……こういう生活して長いのかな?」

ネメア「……あの様子なら長いであろうな」

召喚士「そうだよね……何か慣れてるみたいだし」

ネメア「………」

召喚士「………」


111 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 01:14:22 ID:BughccyI


喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士 (な、ななにか話た方がいいのか!)

喚起士「召喚士さん……起きてますか?」

召喚士「はははい!?」

喚起士「……ごめんなさい……寝てましたよね」

召喚士「いえぇ!全然寝てないですはい!」

喚起士「……?……少しお聞きしてもよろしいでしょうか?」

召喚士「何をですか?」

喚起士「召喚に携わって……どれくらい何ですか?」

召喚士「……五年くらいですかね!ははは!」


112 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 02:07:45 ID:BughccyI
喚起士「凄いですね……五年でネメア程の召喚獣を従えてしまうなんて……」

召喚士「そんな大した事は……喚起士さんはどれ程?」

喚起士「私は……物心付いた時には既にですね……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「じゃあ……自分がなりたかったとか無くてですか……」

喚起士「そうですね……幼い頃から召喚に携わって生きてきましたから」

召喚士「こんな事聞くのは失礼かもしれないですけど……嫌になったりしなかったんですか?」

喚起士「……多々ありましたよ」

召喚士「………」

喚起士「でも今は……」ググッ

召喚士「………」


114 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 02:34:48 ID:BughccyI
ーー

剣士「ングー……さて!行くか!」

喚起士「……はい」

召喚士 (眠い……全然寝れなかった……)

剣士「何事も無く村に着いたらいいな」

喚起士「そうですね……」

剣士「何だよ……そんなに俺が気に食わないか?」

喚起士「………」

剣士「……別に構わんけど」

ジノ (なぁんか不協和音だよね……)

召喚士「ねぇ剣士……何事もって例えば何があるの……?」

剣士「ああ?わかるだろうに……」


115 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 02:45:22 ID:BughccyI
召喚士「……今までトラブルっぽい物に巻き込まれた事が無いのでな!」

剣士「そういう事か。本当凄いなあんた……」

召喚士「いや、いいから教えてよ」

剣士「ん……追い剥ぎとか山賊とかかな。たまに魔物なんかもだな」

召喚士「………」

剣士「後は国同士のめんどくせえゴタゴタに巻き込まれたり、奴隷商の人間狩りに出会したりか」

召喚士「……人間狩りって」

剣士「召喚士程強けりゃ関係無いだろ」

召喚士「そそそそうだね……」

剣士「そっちの姉ちゃん何かあぶねえんじゃないか?」

喚起士「……ご心配無く。これでもその類いの物は退けてまいりましたので」

剣士「あっそうかい」


116 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/28(木) 02:55:15 ID:BughccyI


剣士「………」

喚起士「………」

召喚士 (凄い空気が重い……)

剣士「………」

召喚士「け、剣士さ!北の村って何か名物みたいのあるの!」

剣士「……さぁ?」

召喚士「さぁって……行った事あるんじゃないの?」

剣士「あるにはあるが……婆さんとこに入り浸ってたからなぁ……」

召喚士「………」

剣士「凄いだぜその婆さんッ!」

召喚士「言わなくていいよ……」

剣士「そうかい?」

ジノ「喚起士、どうかしたの?」

喚起士「あれ……」



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