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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37
175 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:11:39.39 ID:VdIT3ZoOo
 ゴッシャアアアアァァァァ!!

リッチ「……何ッ?」

東方司令「は……なせええぇぇ!!」ゴキッ

リッチ「しっかり押さえつけておきなサイッ、バカ共ッ!」

ゾンビ「ウウゥゥゥゥ」バッ

 ドシャッ!!

東方司令「……っ」

リッチ「たかが少女かと思いましたが、どこにそれ程の力があるのか不思議ですネェ〜」

東方司令「ぐぅっ!!」ドカッ

リッチ「華奢な体でッ、10倍以上のアンデッドをッ、延々とッ、相手にするなどッ!」

女剣士「お姉様っ!!」

リッチ「ましてや魔族化出来ない不可思議な存在ッ、不愉快ッ!」ゲシゲシゲシッ

 スゥッ……チラリ

リッチ「……フゥー。さて今度こそいただきマース!!」

東方司令「やめろおおぉぉぉぉ――」


176 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:12:10.73 ID:VdIT3ZoOo
 ガシュウウゥゥゥゥ!!

リッチ「クククッ……ンンーッ!?」

グール「グウウゥゥゥゥ……ル」

リッチ「ペッッペッ!! 何でグールになって――」

 ズザアアァァ

お姉様「……っ?」

――「おやおや、騒がしいと思って顔出してりゃあ……ブサイク揃いとは肩透かしだねぇ」

東方司令「っ!!」

リッチ「……何者デス?」

女剣士「あ……あ、姉上……っ!」

女侍「どこの誰かは知らないけれど、よく会うねぇ」

 ドガガガガッ!! ドドォ

イヌ「……大丈夫ね?」

東方司令「す、すまん……っ」

リッチ「何だッ、何だッ、貴様等はアアァァ!!」


177 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:13:02.30 ID:VdIT3ZoOo
 ザッ

サル「何だと言われると難しいんだよなぁ〜」

キジ「そうさー。俺達は何でもないさー」

女侍「アタイらはねぇ、正義の味方でもなけりゃあ勇者でも英雄でもない、ただの国賊さね」

リッチ「だったらどうして――」

女侍「決まってるじゃあないか。同じ人間だからだよ」

サル「魔物よりは国軍のがマシって事! んーふふふふっ」

リッチ「ゴッチャゴチャとォ、もういいデスッ。まとめて始末してやりましょう!」

イヌ「コイツら全部アンデッドね。これは勝ち目ないね」

キジ「前にもこんな事があったさー。あの時は疲労困ぱいだったさー」」

女侍「たった2人で何百のアンデッド相手にするとか、アンタらバカもいいとこだよっ」

東方司令「し……仕方ないだろうっ。ここで食い止めねば北関に被害が出る……けほっ」

女侍「それがバカだって言ってんだろぉ? 北関ってのはそんなにモロいのかい?」

東方司令「そんな事はない」

女侍「だったらいいじゃないか。北関の連中と一緒に迎撃すればさぁ!!」グイッ


178 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:14:18.20 ID:VdIT3ZoOo
女剣士「あっ!?」

女侍「ほーれっ、逃げるよ〜!」タタタッ

東方司令「!?」

イヌ「お嬢ちゃんも行くね」ダキッ

東方司令「こっ、こら!」

リッチ「ににっ、逃がすかァ−ッ!!」

キジ「逃げるさー」

サル「ほいプレゼント。あ〜ばよ〜! んーふふふふっ」

 ボンッ!! ボシュウウウウゥゥゥゥ!!

ゾンビ「ッ!?」キョロキョロ

リッチ「ええいっ、ただの煙幕デス! 早く追いなサイッ!」

グール「グウウゥゥゥゥル」ザザッ

リッチ「北関……。人間共の拠点デスか。これは良いッ! まとめて魔族化して……」

 フワァッ

リッチ「そのまま人間共の都を襲うとしましょうカァ!! ククククッ!!」


179 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:15:09.38 ID:VdIT3ZoOo
 ズザザザザッ

サル「来たぞおおぉぉ!!」

女侍「キジっ!」

キジ「あいあいさー!」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ

ゾンビ「ッ!!」

サル「よっしゃあぁ! 火で塞がれてっ、アンデッドは入ってこれねーぜ!」

 ザザザザッ

イヌ「回り込んできたね」

サル「何ぃ〜っ!?」

女侍「遊んでんじゃあないよっ!」スチャッ……ザシュウウゥゥゥゥ!!

ゾンビ「グ……ッオオォォォォ」

サル「遊んでねぇよっ!」

女侍「無視してさっさと走りなっ!」

女剣士「……っ」


180 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:16:21.74 ID:VdIT3ZoOo
 ザザザザザザッ タタッ

東方司令「見えたぞっ、北関だ!」

女侍「……」

イヌ「お頭、どうしたね?」

女侍「おかしいねぇ。追ってくる気配がない……」

キジ「どういう事さ?」

女侍「アイツ、飛べるんだから、こんなに遅いとは思えないんだけどねぇ」

サル「諦めたんじゃねぇの?」

女侍「そうかい? アタイにはとてもそうは見えなかったけどねぇ」

東方司令「……」

女侍「まるで、餌を見つけた飢えた獣みたいな目ぇしてたよ」

リッチ「ご名答ッ」ヒュッ

女剣士「後ろぉーっ!!」

女侍「――っ!?」

リッチ「あまりに遅いので、追い抜いて先に着いてしまいましたヨォーッ」


181 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:17:27.96 ID:VdIT3ZoOo
 ドズッ!!

女侍「っぐ!!」

キジ「お頭ぁ!!」ダッ

リッチ「おぉっと、動くなよォ!」

 ボゴボゴボゴオオォォッ ザザザザッ

女剣士「っ!!」

リッチ「あとから追ってくる連中も含めて、ざっと500。日の出までには十分、ですかネェ」

イヌ「か、囲まれたね……」

サル「冗談じゃねぇぞっ! こんな数っ、ましてやアンデッドなんざ相手に出来るかっての!」

リッチ「相手しなくても結構ですヨォー。ただし、この方はアタクシのお仲間になりますけれどネ」

 フワァッ

女侍「う……っぐ、離……せぇっ」ググッ

リッチ「あんまり暴れると、このまま地上に落としてしまいますヨォ? ククッ」

女侍「バケモノになるからいなら……っ、その方がマシ……だねぇ!」

リッチ「ククッ、せいぜい吠えていないさいナ。さぁ、諦めなサイッ――」


182 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:18:34.58 ID:VdIT3ZoOo
 ビュオッ!! ゴアアアアァァァァ!!

 ――空を切り裂く巨大な矢。操るはバリスタの男。

 ガゴンッ!! ドカカッ ドカカッ

 ――疾走する赤い馬。跨るは赤い甲冑の男。

 ズザザァッ!! ズッギャアアアアァァァァ!!

 ――舞い躍る2本の槍。携えるは黒い甲冑の男。

 ギリギリギリッ バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 ――獲物を求め飛び立つ矢。放つは隻眼の男。

 ドッドオオオオォォォォン!! ガッカアアアアァァァァ!!

 ――地上へ落ちる轟雷。撃ち放つは笑う優男。

 バシュウウゥゥゥゥ!! ドガガアアァァァァ!!

 ――標的を食らうグリフォン。司るは陽気な優男。

東方司令「あ……あぁ……っ」

リッチ「ゴ……ゴハッ、アアァァ……ッ」

 北関正門より6人の男がゆっくりと魔物らの前にその姿を現した。


183 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:19:22.71 ID:VdIT3ZoOo
 パッカパッカパッカパッカ

 その男、赤い甲冑に身を包み、かつて赤備えの異名で恐れられていた。

騎士長「赤備えの何相応しい良い馬だ。……いざ、参る!!」

赤兎「ブフウウゥゥゥゥ……ッ」

 その男、2本の槍を巧みに操り、かつて一番槍の異名で恐れられていた。

戦士父「行くか」ジャキジャキッ

 その男、弓の名手と馳せ、かつて国軍きっての弓取りとして恐れられていた。

左翼長「悪いがマトモに照準合わん。体感でいくから精密射撃は期待すんなよ」

 その男、バリスタとボウガンを得手とし、かつて特殊遊撃強襲隊隊長として恐れられていた。

バーテン「初代特遊勢ぞろいか……。ったく、同窓会じゃねぇんだぞ?」シュボッ

 その男、若くして魔法を極め、かつて再来の魔道士として恐れられていた。

マジシャン「このメンバーでまた戦う事になるなんて、涙が出ちゃうねぇ……ハッハ!」

 その男、戦友コカトリスと戦場を駆け巡り、かつて再来の朱雀先生を恐れられていた。

師匠「ガハハッ! 全員揃ってオダブツしねーように頑張るかねぇ」

 30年の時を経て、今再び、時間は動き出した。


184 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:20:41.94 ID:VdIT3ZoOo
リッチ「こ、これは……ッ、結界石……ッ」ズググッ

 胸部をバリスタの矢で貫かれたリッチは、思わず触手を緩め、捕らえていた女侍を離す。

女侍「……っ」

 ヒュウウゥゥゥ……ガッシイィ!!

マジシャン「大丈夫かい?」

女侍「助かったよ、ありがと――」

 ムニッ モミモミッ

マジシャン「こりゃあ神クラスだな! 役得だわ、ハッハ!」

師匠「おら、エロ魔道士! サボってんじゃねぇぞ!」バシュッ

マジシャン「ハッハ! 怒られちゃったんでマジメにやりましょうかねぇ」スタッ

騎士長「はああぁぁーっ!!」

戦士父「くらえぇっ!!」

 ブンッ!! ドゴッシャアアアアァァァ!!

ゾンビ「ゲブウゥ……ッ!」

左翼長「やれやれ。みんな若返ちまって……明日どうなってもしらねーぞ」


185 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:21:32.16 ID:VdIT3ZoOo
バーテン「明日?」

左翼長「筋肉痛だよ」

バーテン「アホか。筋肉痛はなぁ……明後日だ」

 ジャキッ

左翼長「……ぶはっ! それもそうだわな。明日くるなら若い証拠だわ」ギリリッ

バーテン「片目で狙えるか?」

左翼長「さっきも言ったが体感だ。確実性は期待すんな」

バーテン「バリスタの風見鶏でうまく調整してくれ。北北西、風速2メートルだ」

左翼長「やるだけやりますよ、隊長殿っ!」

バーテン「……やめろ」

左翼長「発射ぁ!!」

 バシュシュッ!! ドッシュウウウウゥゥゥゥ!!

グール「グウウゥゥゥゥッ!!」ザスッ!!

ゴブリンゾンビ「ウギャッ!!」

バーテン「結界石の矢だ。刺されば再生も出来まい。日の出までもがいてるんだな」


186 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:22:14.79 ID:VdIT3ZoOo
 ドカカッ!! ズッガアアァァァァ!!

騎士長「おおぉぉぉぉっ!!」ドガ゙ァ!!

戦士父「怪我して腕が上がらんと聞いたが?」

騎士長「上がらんぞ。ほれ、突くのがやっとだ」グッグッ

戦士父「それにしては元気はないか」

騎士長「この馬が良い。今までで1番の騎馬だなこりゃ」

赤兎「……ブルルッ」

騎士長「つーかお前こそ怪我してたんじゃねーのかよ?」

戦士父「もう治った」ゴシャッ!!

騎士長「治ったって……相変わらずバケモンだな。あっははは!」ドカッ!!

戦士父「しかし斬っても突いてもキリがないなこれは」

騎士長「五行で消滅させるか日の出待ちだからな。ま、アイツに任せようぜ」

戦士父「だな。こっちは魔物の動きを封じれば良いか」

騎士長「そううい事! さぁ、もうひとふん張りやってやりましょうや! 一番槍!」

戦士父「……そうだな、赤備え!」


187 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:22:59.69 ID:VdIT3ZoOo
 ドドオオォォォォン!! ズガアアァァァァッ!!

マジシャン「てめぇら! 俺にばっか五行使わせんじゃねぇ!」

師匠「お前しか使えるのいねーだろアホ!」

マジシャン「だからそれが問題だって言ってんだよ!!」ドウンッ!!

 ズザアアァァ

マジシャン「……あん?」

女剣士「あ……っ」

マジシャン「げっ」

女剣士「エロ魔道士」

マジシャン「お前まで言うな!」

師匠「おーう、お前らも戦えるなら援護しろ。無理なら早く北関に逃げろ!」

イヌ「逃げる? バカにしてるね?」

キジ「全然余裕で、戦うさー!」

サル「俺は逃げるぜぇ〜。んーふふふふっ」

 ドッサアアァァッ!!


188 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/23(木) 18:23:39.01 ID:VdIT3ZoOo
リッチ「……ク……ソォ」

サル「――っ!?」

リッチ「おのれ……おのれぇ……ッ!!」

サル「よ、寄るんじゃねぇ!!」ブンブンッ

 ザシュウウゥゥゥゥッ!!

リッチ「ガ……カッ……」

東方司令「さっきはよくもいたぶってくれたな」チャキッ

リッチ「――ッ!!」

東方司令「流石のボクも、頭に来たぞ」

左翼長「いつも沸点低いじゃねぇかよ」

騎士長「ははっ! 言えてる」

東方司令「うるさい加齢臭共が!」

左翼長「はぁ!? ババアのくせによくもまぁ……」

東方司令「ううぅぅるさいいぃぃぃぃ!!」ドッガアアァァァァ!!

リッチ「ゴヘエエェェッ!!」


193 名前:NIPPERがお送りします(千葉県) [sage] 投稿日:2012/02/23(木) 19:16:45.25 ID:AoG1flPlo
>>1乙

おっさんズかっけえ・・・


196 名前:NIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage] 投稿日:2012/02/23(木) 21:00:36.94 ID:xcfMGs71o
>>182-183が胸熱すぎる
おっさんズかっこよすぎだろ


197 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/23(木) 21:03:44.48 ID:x0dIR+vSO
おつ

おっさん達が一々かっこよすぎて困る。
てか赤兎さん生きてたんだなwwwwww


202 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/23(木) 23:41:33.29 ID:ExcIdV2DO
>>1乙!
おっさんたち格好良すぎだろ!!


209 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/24(金) 17:35:05.26 ID:Vyq11Hufo
 ズッシャアアァァァァ

リッチ「……クウッ!!」ババッ

東方司令「魔剣では相性が悪いな……っ」

マジシャン「どけどけぇ!!」

 ガオンッ!! ドッドオオオオォォォォン!!

リッチ「チイイィィーッ!!」ヒュバッ

マジシャン「ほれ見ろっ! モタモタしてっから避けられたじゃねぇか!」

東方司令「知るかっ!」

騎士長「いいから退がって、換装してこい!」

東方司令「……?」

左翼長「何のために、北関に工房があると思ってんだ!」

東方司令「あ……」

戦士父「一通りの武器は揃っていたぞ」

騎士長「各々の分がなっ! 見ろこの鎧、見た目は当時のままだが中身は別モノだ!」

バーテン「たった数十年でよくもまぁ、ここまで開発したもんだ」


210 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/24(金) 17:35:39.83 ID:Vyq11Hufo
東方司令「……じゃあ、頼む」

マジシャン「おーう、行ってこい!」

女侍「さーて、それじゃあもう1回戦ヤろうかねぇ」スッ

女剣士「……はい」

 ズザァ

マジシャン「おっ、片腕か? 無理すんなよ?」

キジ「片腕だろうが、魔法くらいはなんくるないさー」

マジシャン「……ハッハ! 同感だ!」バサッ

キジ「!? 何だ、あんたもおんなじさー?」

師匠「おらぁ、行くぞ!!」バシュウウゥゥ

イヌ「近づかなければ、大した攻撃はないね!」ドガガガガッ!!

バーテン「ほぉ、土行か」

左翼長「日の出までは?」

バーテン「……4時間30分てとこか」

左翼長「使えるな。とりあえず攻撃あるのみだっ!」



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