■戻る■ 下へ
ソードマン 「迷宮前でうろつく跳獣の子供拾ったんだけど……」
48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:04:35.95 ID:qTdtekf20
―翌日、メディックの宿舎、朝―

ソードマン 「わあああ!!!」

フォートレス 「!!(ガバッ)」

メディック 「…………?」

フォートレス 「何だ、どうした!?(バタバタバタ)」

 >ガチャッ

ソードマン 「!! きゃああああ!!!!」

フォートレス 「何だ!? 何があった!!」

ソードマン 「ちょ、今着替えちゅ…………」

フォートレス 「何かされたのか? やっぱりあの野郎……」

 >キラーン


49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:06:59.17 ID:qTdtekf20
跳獣 「フッ!!!」

 >ヒュンッ

 >ドッゴォォォッ!!!

フォートレス 「うぐるぉぁああぁあ!!」

ソードマン 「!! ジェットアッパー!!」

跳獣 「フッ! フッ!!」

 >ヒュンッ ヒュンッ
 
 >ドゴォ! フドゴォ!!

フォートレス 「どぼぉ! がほぉっ!!」

ソードマン 「……!!(ハッ) だ、駄目だよ! それ以上やったら死んじゃう!!」


50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:10:46.48 ID:qTdtekf20
―数分後―

フォートレス 「お前が……大きな声を出すから……」

ソードマン 「ご、ごめんね……この子が葉っぱを食べたから嬉しくなって……」

メディック 「ほら動くな。湿布を貼るから」

フォートレス 「痛たた……ほれ見ろ! 俺の言った通り、やっぱり猛獣だったじゃねぇか!!」

ソードマン 「そんなことないよ! 私が持ってると静かじゃない!」

跳獣 「ふぅ……ふぅ……」

フォートレス 「何か鼻息荒いぞこれ!!」

 >キラーン

跳獣 「フッ!」

 >ヒュンッ
 
 >ドゴォッ!
 
フォートレス 「何で!? ぶるぅぉぁあ!!」


51 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/13(金) 19:13:28.71 ID:BsPlqoiz0
コメディーでよくあるけど、人に危害を加えた時点で処分だよな


52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:14:35.68 ID:qTdtekf20
メディック 「ふむ……どうやらお前のことは敵として認識しているらしいな」

フォートレス 「な、何でだ!?」

メディック 「おそらくあの子の部屋のドアを開けた時に、びっくりさせてしまったんだろうな」

フォートレス 「勘弁してくれよ……この小ささでこのパンチの重さだぜ……」
       「死ぬぞ……」

跳獣 「ふぅ……」

フォートレス (ビクッ)

ソードマン 「あ、落ち着いた」

フォートレス 「しっかり持ってろ! おいお前、前に行け!」

メディック 「一応俺の方が年上の筈なんだがな……」


53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:18:31.77 ID:qTdtekf20
メディック 「うん、健康状態も問題ない。傷も治ってる」

ソードマン 「ありがとうございます!」

メディック 「ちゃんとお礼が言える子は俺は大好きだ」

跳獣 「…………」

ソードマン 「それで、先生。この子どうしましょう?」

メディック 「先生? 嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
      「……ギルド関係者と統治院に見つかるのはあまり良くないな」
      「人に対する警戒心はあまりないようだが……」

フォートレス 「嘘だ……俺は信じないぞ!」

メディック 「取り敢えず、迷宮の近くに俺の研究施設……というか小屋がある」
      「そこに移動した方がいいな」


54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:22:54.48 ID:qTdtekf20
メディック 「街門に移動して、俺の気球に乗ろう。その方が早い」

ソードマン 「はい!」

フォートレス 「はぁ……で、その小屋に行ってどうすんだよ?」

メディック 「本当ならもう少しデータをとりたいところだが……」
      「警備兵に見つかったらことだ。そこに連れて行って、野生に戻せるようならその訓練をする」

ソードマン 「…………」

跳獣 (すりすり)

メディック 「随分と君になついているな。だがそれは野生動物にとってはあまりいいことではないんだ」

ソードマン 「どうして?」

メディック 「人間の臭いが染み付いてしまう。迷宮のモンスターは人間の臭いを異様に嫌うからな」


55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:27:06.44 ID:qTdtekf20
ソードマン 「そんな……連れてきてはいけなかったんでしょうか?」

メディック 「本当はな。だが過ぎたことをいくら言っても仕方ない」
      「とにかく出るぞ。そいつをマントで隠して、俺についてこい……今度は走らなくてもいいからな」

ソードマン 「わかりました……」

フォートレス 「ほら、行くぞ」

メディック (かなりの事情持ちのようだな……)
      (適当なところで撒いて放り出してやりたいが、さてどうするか……)

ソードマン 「あの、先生」

メディック 「ん? 何だ?」

ソードマン 「少ないですけど、これ、お金……」

フォートレス 「あ、俺の金……」

メディック 「………………」
      「まぁ後で受け取るよ。とにかく今は、外に出よう」


56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:41:21.21 ID:qTdtekf20
―タルシス街門、朝―

 >ガヤガヤガヤ……

メディック 「ン……? 随分と騒がしいな……」

フォートレス 「人が集まってるぜ」

ソードマン 「こら……あんまり動かないで……」

跳獣 「…………ふもー…………」

メディック 「……! あれは……」

 血の裂断者 「…………」

メディック 「迷宮の奥の方のモンスターだ……誰か倒したのか……」

フォートレス 「へぇ、でけぇ熊だな」

メディック 「触るな! まだ生きてる」

フォートレス (ビクッ……)


57 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/07/13(金) 19:46:58.52 ID:iCLicwr50
あのヒヒ王倒せんのか…?


58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:47:38.59 ID:qTdtekf20
メディック 「統治院の警備兵達が生け捕りにしたのか……でも麻酔が甘いぞ……」

×××× 「あれー、何してんのこんなとこで」

メディック 「!」

ダンサー 「あ、今すごく嫌な顔したでしょー。あたしそういうの敏感だからすぐ分かるなー」

メディック 「何の用だ……?」

フォートレス 「あ……! あの人……!」

ソードマン 「知ってるの?」

フォートレス 「ギルドの冒険者の中でもトップクラスの腕のダンサーだ」

ダンサー 「何か獣臭いと思ったら……こんなのが転がってるとはね……」
     「見苦しいの……よ!!(ドゴッ)」

メディック 「あ、馬鹿……!!」


59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:51:05.03 ID:qTdtekf20
血の裂断者 「ゴォォォォ……オオオオオオ!!!!」

 >ガチャガチャ……ッ
 
 >バツンッ! バツンッ!!

メディック 「何してるんだ! こいつの麻酔はまだ完璧じゃなかったのに!!」

ダンサー 「あら……ちょっとやばいことしちゃった……?」

ソードマン 「ど……どどどどうしよう……起きてきたよ!!!」

フォートレス 「と、とにかくお前は俺の後ろに回れ!!」

メディック 「……はぁ」
      「仕方ない。おい小僧、俺の隣に来い! お嬢ちゃんは後ろだ、ダンサー、前に出ろ!」

ダンサー 「えぇ……あたしもやるの?」

メディック 「当然だろ! お前が起こしたんだぞ!!」


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:52:25.56 ID:yI48GmpG0
攻撃の要のソードマンを後ろにして後ろで援護するメディが前か


61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:54:22.02 ID:qTdtekf20
フォートレス 「俺に指図するな!」

メディック 「死にたくなければ言うとおりにしろ! お前らみたいなガキが相手にできるレベルじゃない!」

ソードマン 「ああ……あ……(ブルブル)」

フォートレス 「……チィ!」

メディック 「ダンサー、警備兵が来るまでに仕留めるぞ、出来れば生け捕りがいい」

ダンサー 「まぁ死人が出る前に何とかしましょ」

メディック 「うおおお!!!(ドガッ!!)」

ダンサー 「はぁ!(ザシュ!)」

血の裂断者 「グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 >ブンッ! ブンッ!!!


62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 19:57:35.46 ID:qTdtekf20
 >ザシュッ!!!!

メディック 「ぐぅ……!!」

ダンサー 「ちょっとメディック! なまってるんじゃない!?」

メディック 「ずっと援護だったからな……やはりこの構成では決定力に欠ける……」

血の裂断者 「ゴォォォォォォォ!!!!!(ズンズンズン)」

フォートレス 「俺が受け止める! お前は下がれ!」

 >ドガァァ!!!

フォートレス 「く……っ!!」

メディック 「少しはやるじゃないか、小僧!(ドガッ!!!)」

血の裂断者 「グゥォォォオオオ!!!!!」


63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:00:21.29 ID:qTdtekf20
フォートレス 「くそっ……オンボロ防具だからもうガタガタだ……!!」

メディック 「何してる! 前を見ろ!!」

フォートレス 「!!!」

 >ザシュ!!

フォートレス 「があああ!!!!」

 >ドサリ

ソードマン 「嫌あああああああ!!!!」

メディック 「取り乱すな! まだ何とかなる!! ……ぐっ……」

ダンサー 「大きな声を出さないで! 熊がそっちに……」

 >ズンッ! ズンッ! ズンッ!!


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:04:08.92 ID:qTdtekf20
フォートレス (お前、こんなところで何してんだ?)
       (俺と一緒に『世界樹の迷宮』に行かないか?)
       (ここに閉じ込められてるより、外に出た方が絶対楽しいぜ)
       (手を伸ばせ、一緒に行くんだ!)

ソードマン 「嫌! 死なないで! 死んじゃやだよ……! お願い死なないで!!」

フォートレス 「…………」

血の裂断者 「ゴオオオオオオオ!!!!!!」

 >ピカァッ!!!

メディック 「……!!」

ダンサー 「あの光は……」

 >ヒュッ
 
 >ドッゴォォォォォォォッ!!!!!

ダンサー 「光で前が……人……!?」


65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:07:04.32 ID:qTdtekf20
 >ヒュンッ ヒュンッ
 
 >ドゴォッ!! ドッゴォォォォッ!!!

血の裂断者 「グガアアア!! ゴオオオオ!!!!?」

 >ドッゴォォォォォッ!!!
 
 >ズゥゥゥンッ!!!

メディック 「クソ……さっきの光で前がよく見えない……!!」
      「でもあの……人に見えるもの……」
      「あれが、俺の研究の対象だとしたら……現存する唯一のサンプルになる……!!」
      
×××× 「………………」

 >フッ

ソードマン 「………………」
      「え……今、人が…………」


66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:10:04.82 ID:qTdtekf20
跳獣 「クーン…………」

ソードマン 「あなた……もしかして、あなたがやったの……?」

跳獣 「………………ふぅ」

 >バタバタバタバタ

警備兵 「大丈夫ですか!? すぐ避難してください!!」

ダンサー 「やば……ギルドに知られたらコトだわー……あんた達、行くわよ!!」

メディック 「待て、置いていくな……(グイッ)」

フォートレス 「…………」

ソードマン 「(バサッ)……待ってください!!」

跳獣 (もぞもぞ)


67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:12:39.58 ID:qTdtekf20
―メディックの気球、昼―

フォートレス 「死ぬかと思ったわ……」

ソードマン 「心配させて……馬鹿っ!」

フォートレス 「そ、そんなに怒らなくてもいいだろ……あれは悪いのは俺じゃなくて……」

ダンサー 「俺じゃなくて……何かしら?」

フォートレス 「いや……何でもないです!」

ダンサー (にこにこ)

ソードマン 「………………」

メディック 「まぁ、俺も小僧の傷も深くなくて良かった。無事に抜け出せたし、小屋までひとっ飛びだ」

ダンサー 「何故かあたしも付き合うことになっちゃったけどね」


68 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:15:18.02 ID:qTdtekf20
メディック 「騒ぎの張本人なんだから仕方ないだろう……」

ダンサー 「何も覚えてませんー」

メディック 「…………」

ダンサー 「それにしても……その獣、ちょっと興味深いわね……」

メディック 「残念だったな。あれは俺のサンプルだ」

ダンサー 「何よケチ。少しくらい触らせてくれたって構わないじゃない」

ソードマン 「何だか……人が立ってた気がします。でもいつの間にか消えちゃって……」

跳獣 「…………」

メディック 「………………」

ソードマン 「でも……無事で良かった。本当に……」

フォートレス 「悪かったよ……」


69 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:15:43.32 ID:WYvqA2Dh0
ロックマン8かと


70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:17:44.82 ID:KGjM5n2U0
女がウザいな


71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:18:22.76 ID:qTdtekf20
メディック 「迷宮にはもっと危険なモンスターもいる。挑むんなら、相応の覚悟が必要だ」

ソードマン 「…………」

フォートレス 「おい、お前は……」

ソードマン 「私、強くなりたい……」
      「さっき熊に襲われた時、私何も出来なかった。だから……」
      「もっと強くなって、みんなの役に立ちたい!」

ダンサー 「いいわねぇ。そういう素直なの、あたし好きよ」

メディック 「ねじ曲がったお前が言うなよ」

ダンサー 「何よ」

メディック 「まぁ……不思議な縁だが、しばらく一緒にいることになりそうだ」
      「よろしく頼むよ」

フォートレス 「……フン」

ソードマン 「…………はい!」

跳獣 「……ふぅ」


72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:21:11.04 ID:qTdtekf20
第一部、完。


明日も仕事なのでそろそろ寝ます。

お付き合いくださってありがとうございました。


73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:23:31.83 ID:yI48GmpG0
むしろこれからだろうが…


74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:25:07.14 ID:qTdtekf20
>>73
ごめんなさい、早朝3:30からの勤務なので、そろそろ寝ないと間にあわないんです……。


75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:27:54.69 ID:yI48GmpG0
どんな仕事なんだ…
まぁ そのうち続き書いてくれるなら別にいいや


76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:28:10.66 ID:dr5YomMk0
あのね展開はまだか


77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/07/13(金) 20:34:33.03 ID:qTdtekf20
>>75
重ねて申し訳ありません、魚河岸で働いてるもので……。
朝が早くて夜も遅いんです……。

このスレが落ちたら、続きスレを立ててもいいのでしょうか?
残っていましたらそのまま続けさせて頂きますが……。



次へ 戻る 上へ