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侍「言葉が通じなくとも」
- 649 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]
投稿日:2011/09/14(水) 21:29:43.21 ID:XnbC1oUAO
…………
侍「……そうか、あの子とはぐれたか」
商人頭「面目ない……どう詫びていいか……」
商人隊に遅れること数分、侍が合流した
合流した時、一団には明るさが無く、侍はすぐに「生死の境界」特有のじっとりとして冷たい空気を感じた
聞けば、少女がはぐれたという
生命の循環から外れてしまった、この砂漠という地獄に独り
飢え、渇き、熱砂、外敵……孤独
―直に触れる死の感覚が、今も少女を蝕んでいるのだろうか?―
侍「…………」
目蓋を閉じて暗闇に問い掛けると、少女の花の様な笑顔が浮かんだ
- 650 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/14(水) 23:12:51.24 ID:XnbC1oUAO
商人頭「兄ちゃん、本当に申し訳ないと思っているが、この広い砂漠で迷子を捜すのは……無理だ」
若い商人「隊長!?」
年配の商人「これ!」グイッ
若い商人「……ッ」
侍「……」
砂漠での捜索が無謀という事は、侍も重々承知していた
一面に広がる砂の海は、目印もなく足跡も残らないという悪環境に加え、砂丘と砂塵により見晴らしも良くない
更に、砂漠の熱気が引き起こす陽炎が、様々な錯覚を引き起こす
―砂漠を往く者曰く、月を掬いあげるが如し―
頑健な商人「だけどよ、俺達ぁ兄さん達に二度も助けられてんだぜ!?」
小柄な商人「一日、一日だけでも捜してみましょうよ!」
「先に進もう……!」
絞り出したような声だった
商人頭「兄ちゃん……いいのか」
半分は自分を鼓舞する為に……
自分に言い聞かせるように、侍は
侍「死中に活在り。娘は、必ず月を掬いあげる……!」
と言った
- 651 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/15(木) 08:14:53.83 ID:7Cr23ttIO
乙!あんたは最高だ
- 652 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/15(木) 23:59:19.66 ID:L12tLEdAO
……
少女『よっ』
一段と高い砂丘に登り、頂上から砂漠を見渡す
仲間を捜すと同時に、高い位置にいる事で発見される可能性を高めようという魂胆だ
少女『わぁ……』
風を受け、砂漠が少しずつ形を変える
その姿は、さながら凪いだ水面の様で美しい
が、肝心の仲間が見当たらない
砂丘の頂上からはかなり遠方まで見渡せたが、砂漠は思いのほか凹凸が多く、陰になっている場所も少なくない
改めて確信した。砂の海で孤立した、と
少女『……っ』
あまりの現実に込み上げてきた、絶望の言葉を飲み込む
そして、努めて冷静に、少女は所持品を確認し始めた
- 653 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/16(金) 07:00:46.95 ID:FrJjTEIAO
少女『うーん……』
砂の上にぺったり腰を下ろした少女は、右に左にと首を傾げた
少女の目の前には、鞄の中身である小物が転がっている
釣竿用の木の枝を切り出す短剣や、いざとなったら食料になるかも知れない植物の種等、役立ちそうな物も多少出てきた
だが、方位磁針が出てこない
よくよく思い出すと、砂漠に入る際に大陸の地図と一緒に侍へ渡した気がしなくもない
少女『大丈夫……太陽は必ず東から昇るんだから』
無い物は仕方がない
次の手を打つべく、少女は荷物を鞄にしまい始め
少女『!? 冷たい……?』
微かに冷たいその存在に気付いた
- 654 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/17(土) 01:00:20.78 ID:su9alYjAO
少女は一切れの布を手に取った
月の綺麗な刺繍が施された純白の手拭い
それは、夜の世界でしか生きられないという少女からもらった宝物
手拭いは、水に濡らしたわけでもないのに、ひんやり冷たかった
少女『不思議…………でも、これで少し楽になった!』
少女は首筋に手拭いをあてがうと、再び荷物をしまい始めた
少女『……ありがとう』キュ
- 655 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage] 投稿日:2011/09/17(土) 01:03:14.17 ID:su9alYjAO
継続は力って本当ですね
頑張ります
- 656 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/17(土) 11:29:40.19 ID:sNaVnEuSO
頑張れ
見てるから
- 657 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/23(金) 20:47:03.34 ID:3l9hbQlAO
パチ…パチ……
頑健な商人「ううっ、さむ……」
小柄な商人「夜になると太陽が恋しくなりますね」
商人隊一行は夕暮れ前に火を焚くと、野宿の準備を始めた
日の入りに従って気温が著しく低下する砂漠では、体力の消耗を抑える為に早めに進行を切り上げる
商人頭「さ、一人一つだ。酒も一口ずつだぞ」
干し肉と乾飯を一つずつ受け取り、焚き火を囲む商人達
侍「……」
その輪に加わらず、侍は一人離れて遠く地平を見つめていた
- 658 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/23(金) 21:21:51.86 ID:3l9hbQlAO
侍「冷えるな……」
外套を羽織り直し、侍が呟く
―あの子は、夜風に身を震わせているのだろうか―
侍「……」
―すぐにでも迎えに行きたい
暖をとらせてやりたい
獣に怯えなくていいよう守ってやりたい
少女の傍にいたい―
侍「……」グッ
駆け出しそうになる衝動を胸の中に押し込め、強く、強く拳を握りしめた
- 659 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/23(金) 21:35:50.46 ID:3l9hbQlAO
侍「……」
「いつまでそうしてるんだい?」
侍「……隊長殿」
夜営を始めて半刻、見かねた商人頭が侍に声を掛けた
商人頭「ほれ、兄ちゃんの分だ。他の連中に食われる前に食べな」
侍「忝ない」ペコ
頭を下げ、侍は干し肉と乾飯、一杯の水を受け取る
商人頭「……で、いつ口にするんだい?」
侍「……あ」
商人頭「やれやれ……」
- 660 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/23(金) 22:23:57.97 ID:3l9hbQlAO
商人頭「見捨てた俺が言えた事じゃねえが……そんなに愛娘の事が心配なら、あんとき捜せばよかったじゃねぇか」
侍「……すまぬ。迷惑をかけた」
商人頭「いや……言い方が悪かったな。兄ちゃんも嬢ちゃんも仲間だからな、俺等も心苦しいんだ」
そう言って頭を掻くと、商人頭は侍の目を見ると
商人頭「どうして見捨てたりしたんだ」
ずっと疑問に思っていた事を口にした
- 664 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/24(土) 23:31:18.31 ID:aU2O4k4AO
>>660訂正
そう言って頭を掻くと、商人頭は侍の目をまっすぐ見て
に脳内補完お願いします
我ながら酷い日本語
- 665 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/25(日) 19:34:34.92 ID:WP3VavRIO
相変わらず耽美な名文だ
投下嬉しい限り
この作品といい、一年以上続くファンタジーといい、SSには才能ある作者がおるな
- 666 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/26(月) 19:34:53.47 ID:mVvdEd0AO
商人頭「兄ちゃんは、見捨てたつもりはないんだろうが、子供一人が砂漠から生還するなんて、それこそ『月を掬う』ような話だ」
侍「………………」
理由付けはいくらでもできる
言い訳も弁解も、本心を語る事も
……だが、侍は語らない
開きかけた口を閉じ、浮かび上がった言葉を心底に沈める
商人頭「……あまり思い詰めるなよ」ザッ
侍「……ありがとう」
焚き火に戻る商人頭に背を向けたまま、侍は乾飯を食んだ
- 667 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/26(月) 19:58:08.69 ID:mVvdEd0AO
……
少女「堅いけど……だんだん……甘くなってきた」モグモグ
駱駝に寄りかかり、少女は乾飯を噛み続けていた
太陽の位置によって大まかな方角はわかるのだが、真昼と日没後は身動きがとれない
自分と駱駝、両者の体力を無駄にしない為にも、少女は早々に野宿を決めた
少女「お兄さん……今頃どうしてるかな」
私の事を捜しているのだろうか……
そう思うと、生き延びる事に必死で忘れかけていた寂しさが急に蘇ってきた
少女「……」
目を瞑ると侍の姿が浮かぶ
少女「……ん、大丈夫」
胸に息づく熱いものを感じる
それだけで、『寂しさ』ともうまくやっていける気がした
- 668 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/09/26(月) 22:00:28.47 ID:mVvdEd0AO
―何故、旅人は熱砂を避けて夜に旅をしないのか
そう疑問に思う人もいるだろう
確かに夜に旅をすれば、太陽に肌を焼かれる事も、渇いた身体で砂漠を歩く事もなく、快適に旅ができるかも知れない
それなのに、何故夜に旅をしないのか―
少女は砂丘の頂上から砂漠を見渡していた
宵闇に光が浮かんでいれば、侍達が熾した灯りの可能性が高い
小さな希望を胸に、少女は砂丘を登り、
少女「! あれは…………旅人」
砂漠を行く人の列を見つける
―その答えは、夜渡の旅人が知っている―
- 669 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage] 投稿日:2011/09/27(火) 02:54:01.08 ID:K5ct53nAO
少女のカッコが『』になってなかった……
ごめんなさい
- 670 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/27(火) 08:13:37.94 ID:/ftisJ6IO
いつも素敵
- 673 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga sage] 投稿日:2011/10/04(火) 22:11:34.63 ID:YzuwjliAO
少女『徒歩で移動してるって事は、集落でもあるのかな』
遠くの砂丘を渡って行く人影は、駱駝に跨がっている様子はない
砂漠を旅する為の荷物を背負いこんでいる様子もない事から、少女は彼等が短距離の移動を目的としていると判断した
少女『もしくは砂漠を知り尽くしてて、水場を渡り歩いてるって事も……』
何にせよ、死と隣り合わせの砂漠で生存者を見つけた事は大きい
少女は人影を追いかけるべく、寝ている駱駝を起こしに戻った
- 674 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga sage] 投稿日:2011/10/04(火) 22:41:09.69 ID:YzuwjliAO
ドタドタドタ……
駱駝に跨がり、夜の砂漠を走る
少女には一つ気掛かりな事があった
夜に旅する一団が、自分に友好的かどうかという点である
もしかすると、商人隊を襲っていたような盗賊かも知れないし、異国人に嫌悪感を持つ民族という可能性もある
或いは……
少女『……っ』ブンブン
後ろ向きな想像を振り払うように、少女は顔を横に振ると、少しだけ駱駝を急がせた
- 675 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga sage] 投稿日:2011/10/04(火) 23:05:11.73 ID:YzuwjliAO
ドタドタ
ドタドタドタ…
妖しく輝く砂の海を、少女と駱駝は走り続ける
外套の隙間から入り込む冷たい風が、少女の体温を奪ったが、日中の酷暑に比べればまだ快適である
駱駝も夜の方が過ごしやすいのか、足取りも心なしか軽く見えた
少女『これなら夜の方が旅しやすいんじゃ』
バサ……ァ――――
少女『え―』
夜を染めたような、漆黒の羽根が舞い降りる
大きな……砂嵐を予感させる大きな羽音が聞こえ、
――――ガチャガチャガチャガチャガチャガチャッッッ
少女『ッッ!?』ビクウッ
奪冠鷲『ガチャガチャガチャガチャッッ!!』バサアッ
夜の住人が姿を表した
- 676 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/10/04(火) 23:21:24.62 ID:YzuwjliAO
奪冠鷲『ガチャガチャガチャガチャガチャガチャッッ!!』バサッバサッ
少女『――ッ』ギュウッ
金属のぶつかり合うような、けたたましい鳴き声を上げながら、鷲の群が夜空を覆い尽くす
少女よりも数倍大きい鷲達は腐臭を漂わせ、牛や馬と思しき物から人骨まで、各々様々な髑髏を被っている
無冠の鷲達は、例外なく脳を露出していた
駱駝『ングェ――――!!』ドタッドタッ
少女『!? ちょ、ちょっと!!』グラグラッ
- 677 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/10/04(火) 23:42:33.98 ID:YzuwjliAO
奪冠鷲の鳴き声に驚いた駱駝が、身を捩らせ暴れ始める
なんとか騎乗している程度の腕しかない少女が駱駝を鎮めれるわけもなく、少女は振り落とされないよう、必死にしがみつくしかなかった
奪冠鷲『ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャッッ!!』
――ガチャガチャガチャガチャッッ
ガチャガチャガチャガチャッッ――
奪冠鷲の鳴き声が夜の砂漠に降り注ぐ
駱駝『グェーッ! グェーッ!』ドタッドタッ
少女『……くッ! 逃げ……逃げなきゃ……!!』グッ
- 688 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/10/31(月) 22:50:01.29 ID:gP39DFNAO
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
逃げなければ
駱駝『グェッ!? グェー!!』
逃げなければ
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
生き残る為にも
少女『くっ!? おねがいッだから! 走っ』
旅を続ける為にも
―――バサァ……―――
ここじゃ死ねない
- 689 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/10/31(月) 23:14:02.95 ID:gP39DFNAO
羽ばたきとも、翼の崩壊ともつかない不気味な音
背後、すぐ後ろ、そう……首筋あたりから、その音は聞こえた
振り返れば、死
明確に、背後から迫る影に
……フワッ
バサッ
奪冠鷲『ガギャ! ギャギャギャギャ!!』バタバタ
少女は外套を被せた
- 690 名前:NIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/10/31(月) 23:43:11.56 ID:gP39DFNAO
死の予感
背中を貫かれる画が浮かんだ瞬間、少女は駱駝にしがみつく事をやめ、落馬していた
そして、自身が天を仰いで落下する最中、外套を中空に置き去りにしたのである
何故そんな事をしたのかはわからない
強いて言うなら、あれが「ひらめき」というものなんだろう
奪冠鷲『ギャギャギャギャ!! ギャギャギャギャギャギャ!!』バタバタ
外套が絡まり、もがき悲鳴を上げる奪冠鷲
もがけどもがけど、外套は外れず、いたずらに朽ちた身体が崩れるばかり
一羽の上げた苦痛の声は、瞬く間に伝染し、奪冠鷲の群は混乱に陥った
- 694 名前:NIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/11/08(火) 00:45:09.04 ID:2A8kNvyAO
――ひんやりとした感触
背中に、指先に感じる、
砂ではない……しっかりとした地面
それと
この、心安らぐ匂いは――
- 696 名前:NIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/11/08(火) 00:58:35.77 ID:2A8kNvyAO
……レル
少女『んん……っ?』
目元を滑る生温かい感触に、意識が浮上する
目を開けると、駱駝が顔を覗き込んでいた
少女『……あれ、私……いつ寝…………っ!』
文字通り、少女は飛び起きると、周囲を警戒した
一面には、多くの鳥の羽と肉片が広がっていた
予期せぬ反撃で混乱に陥った奪冠鷲の群は、少女に手を出さず、夜空に逃げたのだろう
けたたましい鳴き声は、もう聞こえない
少女『…………助かった、のね』
駱駝『ングェ』
間もなく、夜が明ける
少女は、ボロボロの外套を拾うと、一口水を飲んだ
- 698 名前:NIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/11/11(金) 01:27:02.96 ID:BBZjF5wAO
若い商人「ん……」モゾ
年配の商人「起きたか」
若い商人「はい……おはようございます」
商人頭「さっさと支度しろよ。早く砂漠を抜けるに越したことはないんだ」
砂漠の夜が明けた
太陽が登ったにより、夜の間に失った熱が、再び空気に宿る
砂漠の唯一の生命「旅人」達は、日の出と共に活動を始める
――生きる事が動く事ならば、目覚めとは熱を持つ事である――
侍「……」
「兄ちゃーん! 出発するぞー!」
侍「…………」
ザッ
- 700 名前:NIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [saga] 投稿日:2011/11/12(土) 01:37:46.98 ID:seaDWpEAO
侍「待たせてすまぬ」ザッザッ
商人頭「いいって。ほら、ちゃっちゃと乗りな」
若い商人「あ、これ朝食です。走りながら食べて下さい」
侍「忝ない」ペコ
商人頭「……なぁ、殆ど寝てないみたいだけども、大丈夫か?」
侍「寝ずの番には慣れている」
商人頭「……そうか」
侍「……」
侍「だが……」
商人頭「ん?」
侍「信じて待つというのは辛いものだな……これほどまでに苦しいとは。」
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