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少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
- 73 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2010/11/21(日) 13:07:00.71 ID:v7LwU1XzO
ガチャリ、……
……ゴゴゴゴ……ン……
少女「うわぁ……」
侍女「ここは魔王様の蒐集した魔導書、魔術書、またそれらの関連書籍の書庫です。
人間、妖精、魔族、竜族、その他魔力と文字を有したあらゆる種族の書籍が保管されています」
少女「ここで、魔導の勉強を……?」
侍女「左様にございます。
講師はわたくしめが僭越ながら勤めさせていただきますので、よろしくお願い致します」ペコリ
少女「よ、よろしくお願いします」ペコリ
- 75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 13:23:36.69 ID:v7LwU1XzO
魔王「これをこう描いて、こっちまで線引いてー。
すーずをつーけたーら魔導式ー」キュキュキュー
ボォォオ……
魔王「よーし。後は魔法陣の上書きをして、と」
ドゴゴゴォォォン!!
魔王「うわおっ、なんだなんだ?
何やってんだあいつら。筆先が狂っちゃったよもー」
- 79 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 13:38:22.07 ID:v7LwU1XzO
魔王「どうしたー? 随分賑やかだな……って何この穴」
少女「あのあの、す、すみません! わたしが変なことしたから……」
魔王「大概変なことしてもこうはならないと思うんだけどなぁ。
ところであいつは?」
侍女「ただ今戻りました」
魔王「おー、お帰り。
どしたのさ、これ」
侍女「わたくしの判断ミスです。
魔導の才覚、杖の性能、ドレスの魔力補正……全て甘く見ていました」ゴトッ
魔王「その燭台は?」
侍女「これに、ごく初歩的な防御呪文を施す訓練をしていたのですが……」
魔王「ほうほう」
少女「私が間違ってその燭台を机から落としてしまって……」
魔王「ほう?」
侍女「そのまま魔力を込められた燭台が床を突き破って下へ下へ……」
魔王「なんと」
侍女「地下の魔力泉空洞まで落ちて行きました」
魔王「あんなとこまで?
ほとんど城の最深層じゃないか」
侍女「おそらく、燭台が全ての衝撃を反転したのではないかと……」
魔王「はっはっは、そりゃいきなり最終奥義だな」
- 81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 13:46:33.35 ID:YtpCBgui0
魔王超気さく
- 82 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 13:50:53.49 ID:v7LwU1XzO
魔王「ちょっともう一回やってみてくれるかい?」
少女「え、あ、はい」
侍女「杖を構えて、燭台を想像して」
少女「えと……魔力に守られた燭台……守られた燭台……」パチッ……パキキッ……
魔王「あれ? 別にそんなに魔力込めないのな」
侍女「ですので、わたくしもこのようなことになるとは露ほども……」
少女「……一応、出来たとは思うんですけど……」
魔王「お、どれどれ」
侍女「魔王様、お気を付けて」
魔王「わかってるって。
んー?」ツンツン
バチンッ!!
魔王「いってぇー。すげーなこれ。
ちょっと下がっててくれ」
侍女「わかりました。
さぁ、わたくしの後ろへ」
少女「は、はい」
魔王「むむむ」……ォンォンォンオンオンォオンォオンォオンォオン
- 84 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 14:04:41.47 ID:YtpCBgui0
いってぇー・・・くねぇ
いや全然痛くねえよ?
こんなバリア張ってあったっけ?
いや全然痛くねえけどね?
- 85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 14:11:22.41 ID:v7LwU1XzO
魔王「ふー……
……どりゃあッ!」
バギィィィンッ!!
魔王「っと。どうなったかしらん?」
侍女「……ここに、僅かな傷が」
魔王「マジかよ。割と真面目にやったんだけどなー。
燭台に負ける魔王ってだせー」
侍女「しかし……なぜ僅かな魔力でここまで?」
魔王「うーむ。
多分、これはその超魔女っ子プリンセスちゃんの魔力じゃなくて、
燭台そのものの魔力だな。
燭台が衝撃を受けた瞬間だけ、銀が魔力変換されて衝撃を跳ね返してる」
侍女「燭台そのもの……ですか?」
魔王「銀なんかになると、魔力だけで作るのにはぶっとんだ量が要るだろう?
すると、逆にその銀を直接魔力に変換出来たら……」
侍女「凄まじい魔力量になる、と」
魔王「その変換式自体はちょっとした魔力で書けるから、こうなったわけだわな」
侍女「……才覚、ですか」
魔王「才覚ですな。
この子が勇者じゃなくてよかったよホント」
- 86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 14:15:50.39 ID:v7LwU1XzO
少女「あ、あの……」
魔王「あぁ、気にしないでその調子でやっててくれたらいいよ。
私は作業に戻るから。あとよろしく」
侍女「かしこまりました」
魔王「がんばってねー」
少女「が、がんばりますっ」
……ズズゥゥゥウウン……
ドグォォオオオン……
魔王「どんどん勇者がハードモードになっていくな。ひひひ」キュキュキュー
- 87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 14:16:25.57 ID:U9NbmfhgP
なんつー質量と魔力の等価性
- 88 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 14:39:18.38 ID:v7LwU1XzO
夕方まで出掛ける
- 93 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 16:35:29.81 ID:v7LwU1XzO
侍女「夕食の準備が出来ました」
魔王「おう。今行くわ。
なかなか派手にやってたみたいじゃないか」
侍女「魔力運用の最適化と言いますか……常に最も高い効率と方法に拠って魔力を使うので、
本人の意思にも反して非常に強力な魔導になるのだと」
魔王「しかも、あの子自身にも相当な量の潜在魔力があるしな。
まぁとりあえず飯にしよう。腹が減ってはなんとやらだ」
侍女「はい。
……ところで、勇者の行方なのですが」
魔王「うむ」
侍女「例の魔女の所に居るようです」
- 94 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 16:40:28.88 ID:v7LwU1XzO
魔王「うげ。マジかよ。
あいつなんでかんでも魔族より魔改造するからなぁ」
侍女「その分、時間は掛かるかと思われますが」
魔王「だな。
連中が来る前に、準備はさっさとやっちまうか」
侍女「しかるべく」
魔王「しっかし、あいつの悪ふざけで何回死にかけたかわからんぜ。
一番ろくでもないことに迷わず最大注力するから余計ろくでもない」
侍女「……」
魔王「やだなー、魔改造勇者。
あーやだやだ」
- 98 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 16:48:08.33 ID:v7LwU1XzO
ガチャリ、
魔王「やっほー」
侍女「お待たせ致しました」ペコリ
少女「いえ、そんな……」
魔王「まぁとりあえず食おうぜ。
連日訓練訓練で疲れたろう」
少女「えっと、多分この杖とドレスのおかげで、わたしはそんなに……」
魔王「そうなの?」
侍女「一気に大量の魔力を使うような術式はまだ使っていませんし、
杖とドレスによる自動治癒も相乗的に働いているかと」
魔王「見事なチートだなぁ。まぁそれなら安心だ。
食べよう食べよう」
少女「は、はい」
- 100 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 16:56:14.70 ID:v7LwU1XzO
ゴゴゴゴ……
勇者「ぐッ……う……がッ……」ミシミシミシミシミシ
魔女「歯ぁ食いしばれっつってんだろ。
オラ、そんなんで魔王に勝てると思ってんのか」
勇者「ぬぅうヴぅヴウ……ッ!」ミシミシミシミシミシ…ブチッ…ブツッ…
魔女「魔王の魔力はこんななまっちょろいもんじゃねぇーんだよ。
気合い入れろ気合い。両手両足ぐらいなんだ。
どーせ勝てないなら捨てちまえそんなもん」ガチャン
勇者「ヴッ……ふヴッ……ふヴぅううヴ……
ヴぅッ……うぅヴふッ……!!」ギリギリギリギリギリギリギリギリ
魔女「泣いてんじゃねぇーつーの。
人間やめろよさっさと。
でなきゃ辛いぞー」ガチャン
ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ミシミシミシミシミシ……ミシミシミシミシミシ
ギィイイイイイイイイイイ…ブチッグチャッ
- 102 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 16:59:11.90 ID:v7LwU1XzO
勇者「……」
魔女「おっつー。
次はこの鍋に浸かっとけ。
良いって言うまで出んなよ。
まぁどうせその身体じゃ無理だろうが」
勇者「……」
グツグツグツグツ…ボコォ…ボココォ……
魔女「早くしろよ」
勇者「……」ズッ…ズッ…ズッ…ズッ……
……ボチャン
ジュウゥゥウウゥウ……
魔女「そろそろ晩飯にすっかな」
- 103 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 17:05:55.93 ID:lVE0E1uU0
今晩は勇者汁
- 104 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 17:06:35.55 ID:v7LwU1XzO
ザパァア
魔女「おーおー、良い感じに茹で上がってんな。
後はこのイカす箱に入ってしばらく待ってろ。
名付けて『天使の棺』だ。ぐっすり寝れそうだろ?」
勇者「 」
魔女「多分悪夢見っぱなしになると思うが、魔王の魔術汚染に耐えるためだ。
諦めてうなされてろよ」
勇者「 」…グ…ャ…ッ
魔女「じゃねーおやすみー」
……バタン……
- 106 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/21(日) 17:09:16.95 ID:dd3bjUQV0
魔女が魔王よりもはるかにやばい性格な件
- 108 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 17:22:05.66 ID:lZX7wkKL0
/:.`'':.、 ,.- 、_
、 ヽ 7:.彡ー/ ヾ ‐ ミ: 、__
__ /´ i ', \:.:,:=`:.:7
∠/ ,..{ i、 ヽ:.:.:.:/ まおーさまー
/´l. / ルヽ ,ハハ ',:.:ミ、
/ _,.才ィ/ > l/ < Vヽ ,! l/ Y
r‐、´ ̄ / ⊂⊃ ,. ---,.、 ⊂⊃ハ. l '、 ,.-t
', \ l,.ハ {. | ''} ハ レ'l\.,,__ >゙ ノ
\ `'' 、 Vゝ.,_ ゝ __ ノ ,/ ,.ィ / ,>''´ ,.ィ゙
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/三三三三三ニツ_;;::;;_L::;;_;;:: ゝ‐:::‐ヾニミ三三三三ミ/
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- 110 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 17:25:39.57 ID:v7LwU1XzO
晩飯食いながら話考えて来る
- 115 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 18:18:19.65 ID:q0cUExN6O
例の柑橘系のひとかとおもった
おもしろい
- 121 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:24:10.54 ID:v7LwU1XzO
魔女「で、216時間寝かせた天使の棺ごと鎧に装填する、と」
ガチャン……
魔女「魔導力学と錬金工学と生体工学、それからスパイスに燃え盛る憎悪を一人前。
これでとりあえず試作機完成だ。僕ってばやっぱり天才?」
勇者『……ァ……ガ……ガガ……』ギギギギ…
魔女「お? 神経接続が悪いみてぇーだな。ん? このへんか?
どっこらしょいッ」ガキンッ
勇者『うぉああああアアああああァアああああああッ!!
はぁッ、はぁッ、はぁッ……』ギギッ
魔女「おはよう、新生・魔装勇者。
最強に格好良くて最悪に醜いな。
つまりアレだ。最高だ」
勇者『これは……』ギッギッ
魔女「魔導装甲に直接人間を接続して駆動させるってやつよ。
どっかの国の魔導師がほったらかしにしてた研究資料を拝借して来て、
僕なりに改良した100万馬力のすげー代物だ。ありがたく思えよな」
勇者『……あぁ』
- 122 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/21(日) 19:25:48.35 ID:M11SSwOA0
魔女さん僕っ娘か!!
一発で好きになった!!
でもやっぱり侍女かわいいよ侍女
- 123 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/21(日) 19:28:07.55 ID:W3CCDkBH0
僕の侍女さんがこんなにも可愛いすぎてやばい
- 124 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:29:50.75 ID:v7LwU1XzO
魔女「で、早速だが起動実験だ。適当に飛ばすから適当に行ってこい。
その間に他のパーティーも一式揃えといてやんよ」ガチャン
勇者『うぉッ―――――』バシュゥッ
魔女「論理上、僕以外の魔導師になら400年先のやつまで楽勝出来ることになってっから。
実証よろしく」ヒラヒラ
……ガチャン、
魔女「もうちょい待ってろよー魔王。
すぐぶち殺しに行くからなー」
- 125 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:34:56.80 ID:uMrgarQTO
魔女と魔王は、目玉焼きにかけるもので殺し合いができるような仲良しさんなんだなきっと
- 126 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:40:07.00 ID:v7LwU1XzO
魔王「……なんか寒気がしたが、気にしないことにしよう」
侍女「風邪などお召しになられては大変でございます。
どうか無理はなさらぬように御自愛くださいませ」
魔王「魔王も風邪引くのかねぇ。
まぁともかく、こっちの準備は完了だな。
後はあの超魔女っ子プリンセス次第だが……」
侍女「そろそろ、実戦訓練に移っても良いころかと」
魔王「だよな。
まぁあのぶっ飛びキチガイ魔女レベルの魔導師でもなけりゃ、
傷一つ付かないとは思うが」
侍女「とは言え、いずれ決戦の時が来ます。
万全を期すべきかと存じ上げます」
魔王「うむ。
とりあえずお前に任せるわ」
侍女「かしこまりました。しかるべく」ペコリ
- 127 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/21(日) 19:40:37.51 ID:M11SSwOA0
>>125
魔女「おい僕はソースかけたいって言ってるんだよ!なに醤油かけてるんだ!!」
魔王「いやいや普通醤油だから。なにソースとか。味濃くてありえんだろ。」
魔女「醤油とか普通かけないから!普通の人間はソースだから!」
魔王「だって人間じゃないし。そもそも家の城にいるやつみんな醤油派だよ?ソースとか無いって」
魔女「ケンカ売ってるのか?お前を目玉焼きにして食うぞ!?」
魔王「ぷるぷる。僕は悪い魔王じゃないよ」
魔女「オーケー今のは宣戦布告と見た!!」
と言うことですね分かりました
- 128 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:57:00.43 ID:uMrgarQTO
>>127個人的には
魔王「魔女、醤油を取ってくれないか」
魔女「……やだね」
魔王「はいはい自分で取りますよ…っと」
魔女「……ふんっ」ビュンッ
醤油「む、無念……」ガクッ
魔王「ほほーぅ……どうやら命が惜しくないと見える」
的なイメージ
- 129 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:58:08.02 ID:8gub8GKn0
すごくどうでもいい
- 130 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 19:59:39.16 ID:v7LwU1XzO
侍女「……なので、この魔導式を習得すれば、以降は実戦訓練に移行することと相成りました
少女「実戦……」
侍女「魔力によってあらゆるものを征服する実際的な訓練とでも申しましょうか」
少女「……」
侍女「有り体に言えば――――
――――刃向かうもの、楯突くものを全て木っ端微塵にする訓練でございます」
少女「!」ビクッ
侍女「ええ、存じ上げております。
あなた様ならば、そのような無益な殺生をされなくても、
相手を沈黙させる手段はいくらでも御用意できましょう。
……しかし、それでは駄目なのです。それではまだ足りません」
少女「足りない……?」
侍女「あなた様が、母君を蘇生させるために心に灯した『誓い』です」
少女「誓い……」
侍女「『生きる』と言うことは何者かを『殺す』と言うことでございます。
魔導はまさにこのような排他律に則って作用するものだと、
あなた様は既にお気付きになっておられるはず」
少女「……」
侍女「魔王様の命に従い、あなた様の燃え盛る誓いの炎を、確かめさせていただきます」
少女「……はい」
- 131 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 20:11:41.60 ID:v7LwU1XzO
魔王「いい感じに茨も育って来たな。
いかにも魔王の城って感じだ」
ミキ……メキメキ……
魔王「しっかし、因果なもんだなぁ。
母親を奪われた娘、か。
昔を思い出すぜ。
……あいつら上手くやってるかな?」
- 132 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 20:38:47.38 ID:v7LwU1XzO
――――ガシャン
魔女「お、帰って来たな」
勇者『……』
魔女「どうだったよ、試運転の方は? ん?
ちゃんと『動いてるものを見ると、憎悪がメラメラ湧いて止まらなくなった』か?」
勇者『……なぜ、俺をあんな所に飛ばした?』
魔女「あんな所?
それはつまり、『戦争もなく、魔族もいない、
豊かで穏やかな平和そのものの王国の首都』ってことか?」
勇者『……』
魔女「そりゃお前、決まってんだろ。
そっちのが面白いからだっつーの。
あの国じゃお前、魔王として語り次がれるぜ。
はははははははははッ」
勇者『……魔王……』
魔女「こいつはいよいよ傑作だなー発明品的な意味でよぉ。
平和ボケした国一個ぐらいなら、問題無く皆殺しの血祭りに出来る、と。
そんじゃこの調子で、次行ってみよう!」ガチャン
勇者『魔王……魔王……』ブツブツ……
――――バシュッ
- 134 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 20:53:58.84 ID:v7LwU1XzO
ザワザワ……
少女「ここは……?」
侍女「ある辺境の貧しい小さな国でございます。
もうすぐここは、あの赤い軍隊によって滅ぼされるでしょう」
少女「どうして……」
侍女「理由はいくらでもありますし、理由など必要ありません。
彼らは、彼らの国の赤い紋様を持たないものを全て敵だと判断し、憎悪しています」
少女「……」
侍女「じっとしていれば、あなた様も何人もの兵に犯され、殺されてしまうでしょう。
ここにいる国民たちも同じです。
……これ以上、わたくしから申し上げることはありません」
少女「……わかり……ました」バキッ……バリリッ……
侍女「御武運を」ペコリ
- 135 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:00:01.08 ID:v7LwU1XzO
――――ヴゥン
魔王「おっと、お帰りー」
侍女「ただ今戻りました」
少女「……」
魔王「……まぁ、無事で何よりだわな。
とりあえず飯にしよう」
侍女「今すぐ」
少女「わたしは……疲れたので……眠ります」
魔王「そうか。
じゃあ、飯は部屋まで付き添った後で」
侍女「かしこまりました。
さぁ、こちらへ」
少女「……」フラフラ……
魔王「うーむ。
ああなるのは、やはり人間と魔族の違いか」
- 136 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:10:30.49 ID:v7LwU1XzO
侍女「それでは、おやすみなさいませ」
少女「……」
侍女「……」
少女「……」
侍女「……きっと、魔王様があなたに魔導の力を託されたのは、
いずれあなたが母君と再開した時に、あなた様の手で、
守りたいものを守れるためだと……わたくしは考えております」
少女「……」
侍女「……失礼いたします」
……バタン
少女「……ママ……」
- 137 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:18:12.19 ID:v7LwU1XzO
魔女「よぉーしよしよし、連続試運転も問題無さそうだな。
メンテナンスで問題無けりゃ、もう何機か量産ラインに乗せて見るか。
棺の中身はもう確保してあるし」
勇者『……』
魔女「すっかり無口になったなぁ、オイ。
まぁ別にいいけど。
魔王城攻略まで秒読み開始だ」
勇者『……魔王……』ギギッ…
- 138 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:27:57.00 ID:D5N/h1oI0
少女の身振りで分かった。
あんた、エルフ書いてた人だろ?
- 139 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:37:19.09 ID:wWxeB9c+O
特定厨死滅しろ
ガチャ
- 141 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/11/21(日) 21:40:15.38 ID:qyf4pFlfO
話しが良ければなんでもいい
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