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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27
- 125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga]
投稿日:2011/03/27(日) 02:32:57.21 ID:jpxVP+umo
〜王宮前、朝〜
記者「陛下が崩御っ、そして跡継ぎの……落胤の噂は本当なのですかっ!?」
老人「陛下ぁ……っ。ついに、このような時が来てしまうとは……っ」
女性「落胤って噂は本当だったんだねぇ……」
男「どうなっちまってるんだよっ!?総司令は内通者だって言うし…陛下は……」
ザワザワザワ
東方参謀「いやはや、大混乱だな」
エリート「何もかもがいっぺんに起こって、これでは収拾が着きませんよ」
東方参謀「国軍の事は国軍に任せておけば良い。お前らがやるべき仕事は……」
エリート「分かっております。しかし、昨晩も結局……結論は出ず……」
東方参謀「自信を持て。右大臣がああなっては、お前がやらねば誰にも出来ぬ」
エリート「……ええ。泣き言は言ってられません」
タッタッタッタッタ
右秘書官「たっ、大変ですよ!!」
エリート「……?」
- 126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 02:50:37.52 ID:jpxVP+umo
…
左大臣「だからなァ、我らは落胤であらせられる、魔道士王女を正統なる後継者と支持するものである」
記者「陛下は……ご病気で亡くなられたのですよね!?内通者との関係は……」
左大臣「陛下は病死だ。しかし、内通者の調査もこれから本格化していくものである」
左秘書官「国軍のトップが氾濫分子なのです。国軍の人事も総入れ替えする必要があるかもしれません」
左大臣「ともかく、近日中に後継者を選定し、国民への発表もさせて貰う」
タッタッタッタッタ
左翼官「左大臣様っ!!」
左大臣「ん?何だァ?」
左翼官「……っ」
左大臣「すまんなァ、急用のようだァ。また後ほど…改めて説明させて貰う」
記者「左大臣様!最後にもう一つ……っ!左大臣様っ!」
テクテクテクテク
左大臣「全く。五月蝿くて敵わんなァ。それで、何用だァ?」
左翼官「……で、殿下と王女が……失踪致しました!!」
- 134 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:30:00.60 ID:jpxVP+umo
タッタッタッタッタ…バンッ!!
左大臣「どういう事だァ!!」
右翼一同の集う会議室に左大臣の怒声が鳴り響く。
右文官「こちらの台詞だ!!貴様等の所業であろうがっ!!」
左大臣「何だとぉ……!?」
エリート「右文官殿、お気を静めなされ」
左翼官「貴方達もご存知ないと仰られるのですか?」
エリート「私もつい先程、伺いました」
左大臣「どういう事だァ?ならばァ、あの二人が勝手に出ていったとでも言うのかァ?」
エリート「……」
右秘書官「本当にご存知ないと言うのであらば、そういう事になりますね」
左大臣「……クッ!」
左翼官「捜索は既に出しておられるのですか?」
エリート「ええ、国軍にも依頼済みです」
左大臣「……良いかァ?もし何かあってみろ!!責任は取って貰うぞ!!」
- 135 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:30:39.90 ID:jpxVP+umo
ダンダンダンッ…バタンッ
右文官「何が責任だ!こちらに押し付けるつもりかっ!」
右秘書官「今はそのような事を申している場合ではありません」
エリート「……」
右秘書官「エリート、本当に……知らないのだな?」
エリート「……ええ」
右秘書官「……そうなると、自主的に出て行ったという事か」
エリート「魔道士王女が画策するとは思いません。おそらくは……」
右文官「殿下か……」
一同は俯きながら頭を抱え、大きく溜息をつく。
右秘書官「ともかく、左翼が動き出す前にこちらが片を付けなくてはな」
エリート「その通りです。それに、お二方に万が一の事があらば……」
右秘書官「あるわけなかろう。殿下の事だ、考えがあっての行為であろう」
右文官「無論よ、好転せねば……本国は未曾有の危機に曝されるぞ」
エリート「……殿下、何を考えておられるのか……っ」
- 136 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:31:47.44 ID:jpxVP+umo
…
皇太子「ん?いや、何も考えておらんよ」
魔道士「……」
皇太子「たまにはこう、外に出るのも良いものではないか。ははっ」
魔道士「でもっ、こんな事したらエリートさん達に怒られてしまいますよっ」
皇太子「構わんさ。その時はその時、今はこの時間を有意義に楽しもうではないか」
魔道士「私、てっきり考えがあっての事かとおもってましたよ……」
皇太子「ははっ、すまんすまん」
魔道士「それで、これからどうするんですか?」
皇太子「どうしようかな。実は何も考えていない」
魔道士「……」
皇太子「こらこら、そんな顔をするな」
魔道士「だってぇ……」
皇太子「兄妹親睦を深めるという事で、ぶらり旅にでもするか」
魔道士「……もーっ」
- 137 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:32:39.63 ID:jpxVP+umo
〜本国郊外、西の平野〜
ザザッ
女隊員「こっちは異常なしッス」
隊長「異常なしじゃ困るんだよ。くっそぉ、どこに行きやがった」
男隊員「そっちは?」
格闘家「……いえ、何も」
隊長「ったく、特遊揃ってこれとは……情けないにも程があるぞ」
男隊員「なーにを他人事みてぇに。あんたが隊長だろうがよっ」
隊長「分かってるっつの。さぁて、こうなったら……」
格闘家「……!?」
女隊員「どうしたッスか?」
格闘家「……来るっ!」
ザッザッザッザッザ
隊長「――っ!!」
男隊員「あ……れは……っ!!」
- 138 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:33:25.94 ID:jpxVP+umo
ザッザッザッザッザ
隊長「な……んで……っ」
カランッ…カラカラカラッ
女隊員「これって……司令の……」
天才「探してたのはコイツだろ?」
隊長「……」
天才「その仮面くれてやるよ。受け取りな」
格闘家「師匠……」
天才「残念ながら総司令は俺がぶっ殺した」
男隊員「な――っ!!」
天才「でもまぁ、その仮面さえありゃ証拠になんだろ」
隊長「……討伐までは言われてないぞ」
天才「あぁ?じゃあこれは何だよ」
ポイッ…パシッ
女隊員「ワーカーへの……依頼ですか?」
- 139 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:34:34.56 ID:jpxVP+umo
天才「中身100回黙読しやがれタコ」
カサッ
隊長「――っ!!」
天才「俺には確かに『裏切り者の総司令を殺せ』、そう届いたぜ?」
男隊員「バカな……」
天才「副司令様、直々によ」
隊長「こっちにゃそんな話、届いてねぇぞ!」
天才「独断なんじゃねーの?……ったく、しっかり管理しろよなぁ」
男隊員「つまりどういう事なんだ?青年兵経由じゃなく副司令が動いてんのか?」
天才「指揮系統が乱れてんだろ」
格闘家「それは……」
天才「有事の際に指揮系統が一元化しなきゃ、どうしようもねぇだろうが」
隊長「そりゃもっともだが、口出し出来る立場じゃないだろ」
天才「ハーッハッハ!そりゃそうだわな、たかがワーカー如き…こりゃ失礼」
格闘家「……」
- 140 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:35:32.79 ID:jpxVP+umo
…
天才「んじゃ、手柄はくれてやったからな。そんじゃな」
男隊員「あ、あのよ……っ」
天才「あん?」
男隊員「総司令は本当に……」
天才「まさか、俺が匿ってるとでも言いてーのか?」
男隊員「そうじゃ……ねぇけどよ……」
天才「なんなら……試してみっか?」
ゴゴゴゴゴゴ
女隊員「――っ!!」
男隊員「い…いやっ、やめておくわ……っ」
天才「あーそうそう」
振り向き様、天才は特殊遊撃の4人に、Vサインを示す。
天才「総司令はあと……2回蘇る」
隊長「……?」
- 141 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:37:33.43 ID:jpxVP+umo
…
ザッザッザ
女隊員「隊長、さっきのってどういう意味ッスか?」
隊長「……知らん」
天才と別れ国軍本部へと戻る特殊遊撃隊。足取り重く、口数も少ない。
仮面のみとなった総司令であった者。その重責が肩に圧し掛かる。
男隊員「あと2回。どういう意味だ?」
格闘家「……」
隊長「そのうち分かるさ。ともかく、今はこれを……」
カシャッ…
隊長「……青年兵へと届けよう」
女隊員「副司令じゃないんスか……?」
隊長「お前だって事態は分かってるんだろ?それに俺らの指揮官は青年兵だ」
男隊員「ヒャハハ!隊長の言う通りだぜ」
隊長「これで、好転すればいいがな……っ」
- 142 名前:NIPPERがお送りします(長崎県) [] 投稿日:2011/03/27(日) 23:37:49.70 ID:snma9JfHo
いくつマスク持ってんだよ
- 143 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:38:39.85 ID:jpxVP+umo
…
盗賊「…しっ」
ヒュバッ…シュンシュンッ…シュタッ
盗賊「……ふーっ」
スタスタスタ
召喚士「精が出ますね」
盗賊「……召喚士」
召喚士「おはようございます。邪魔してしまいましたか」
盗賊「…いや、気にするな。お前こそ早いな」
召喚士「ちょっと外の様子を見に……」
テクテクテク
戦士「うーす。早いなお前ら」
召喚士「おはよう」
戦士「こんな中庭でまで朝稽古かよ。気合い入ってんなぁ……」
盗賊「……今日からは……3人だからな」
- 144 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:39:57.06 ID:jpxVP+umo
戦士「あのなぁ、別に魔道士は――」
召喚士「きっと帰ってくるよ。それまでは3人で頑張ろう」
盗賊「……ああ」
戦士「……」
テクテクテクテク
フロント「召喚士様、で宜しかったでしょうか?」
召喚士「あ、はい。何でしょうか?」
フロント「ロビーのお客様がお見えです」
戦士「客?」
フロント「国軍の方でしたが……」
召喚士「……分かりました。ありがとうございます」
フロント「それでは、失礼致します」
戦士「国軍って……誰だ?」
盗賊「…とにかく、行ってみよう」
召喚士「……ええ」
- 145 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:42:08.40 ID:jpxVP+umo
テクテクテクテク
盗賊「!?」
召喚士「青年兵くん……!?」
青年兵「おはようございます。連日申し訳ありません」
召喚士「いやいや、それより一体……」
青年兵「……魔道士さん、いや……魔道士王女は、来られておりませんよね?」
召喚士「え…?う、うん。魔道士さんに何か……?」
キョロキョロ
青年兵「……こちらへ」
召喚士「……?」
テクテクテクテク
戦士「何なんだってんだ?こんな人気のない所で……」
青年兵「今朝。殿下と王女が……失踪なされたそうです」
盗賊「――っ!!」
戦士「何ぃ!?」
- 146 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:44:37.58 ID:jpxVP+umo
召喚士「……い、一体なぜ……っ」
青年兵「両翼ともに存じ上げないそうです。おそらくはご自身にて……」
戦士「まさか、二人揃って逃げたってのか?」
青年兵「可能性は……否定出来ません」
盗賊「…しかし、一体どこへ行くというのだ?」
青年兵「書置きも手がかりも全くなく……正直、検討もつきません」
召喚士「魔道士さん……」
戦士「それで、俺らにどうしろってんだ?」
青年兵「いえ、もしやこちらに来られているのかと……すみません」
召喚士「いや、気にしないで。でも俺らは本当に何も知らないんだ」
青年兵「……ありがとうございます」
盗賊「…何か…手伝うか?」
青年兵「いえ、事を公には出来ませんので、国軍親衛隊が極秘に動いております」
戦士「……」
青年兵「どうか、この事は今しばらく内密に願います」
- 147 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:46:28.98 ID:jpxVP+umo
召喚士「……うん。もし何かあったら、すぐに報告するよ」
青年兵「感謝致します」
戦士「しっかし……何が何だかもう訳が分からんぜ」
青年兵「すみません。正直、僕らも混乱しております」
召喚士「総司令は見つかったの?」
青年兵「……いえ、それがまだでして」
盗賊「……そうか」
青年兵「司令の事です。考えがあっての行動だと踏んではおりますが……」
召喚士「魔道士さんや殿下もきっとそうだよ」
戦士「ああ。即位問題だかの時間稼ぎとかじゃねーの?」
青年兵「そうですね。だと良いのですが……」
盗賊「…信じよう…魔道士達を」
青年兵「そうですよね、そう致しましょう。それでは、失礼致します」
召喚士「うん。青年兵くんも大変だろうけど、気をつけてね」
青年兵「ありがとうございます。召喚士さん達もどうか気を付けて」
- 148 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/03/27(日) 23:48:46.19 ID:jpxVP+umo
スッ…テクテクテクテク
戦士「……そうかぁ。魔道士と殿下がねぇ」
盗賊「……どう見る?」
召喚士「正直、検討もつかないですよ」
戦士「やっぱり即位云々の話だよな?」
召喚士「だと思うけど、目的はともかく……行く場所なんて……」
戦士「そうだよな。王族なんぞ、外出すりゃすぐに目立っちまうぞ?」
盗賊「……ああ」
戦士「あとは、馴染みの奴に何とかすがるしかないよなぁ」
盗賊「…馴染み。可能性は?」
召喚士「……バーテンさん、剣士さん、南東国、東方……ぐらいですかね」
戦士「……どこも怪しい」
盗賊「…ああ。しかし可能性としては国外の方が安全と考えるだろうな」
召喚士「そう思います。そして深い縁があるとすれば……」
盗賊「……東方か」
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