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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36
551 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:52:46.64 ID:ueKyzRwDo


 本隊最後尾、王宮に仕えし近衛隊5000名と、国軍本部が誇る、

 青龍、及び白虎召喚隊が前方の兵らに発破をかけるかの如く、威圧を放っている。

白虎長「……」

青年兵「緊張されてますか?」

白虎長「そりゃもちろんしてるわよ……です」

青年兵「敬語でなくていいですよ。僕もむずがゆいですから」

白虎長「大元帥になって、心境はどう?」

青年兵「正直、そんなに代わったとは思いませんよ」

白虎長「そうよね。今はそんな事を思っている暇もないのかもね」

青年兵「ええ」

白虎長「ありがと」

青年兵「へっ?」

白虎長「声かけてくれて。私も胸を張って任務を全うするわ」

青年兵「期待しておりますよ、白虎先生」


552 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:53:21.27 ID:ueKyzRwDo
白虎嬢「従姉さんがそれ以上胸を張ったら、目のやり場に困ってしまいますよ〜?」ヒョコッ

白虎長「!?」

青年兵「そういう意味では……っ」

白虎嬢「冗談ですよ〜。青年兵さんは、どちらかというと小さい方の方が好――」

青年兵「わあーごほんごほんっ!!」

エリート「場を和ますのは良いが、気を抜きすぎるなよ」

白虎長「これは失礼致しました」

青年兵「恥ついでに右大臣様、ここをお願いしても宜しいでしょうか?」

エリート「……ああ、構わんが」

青年兵「ちょっと見てみたいと思いまして」

エリート「……?」

青年兵「出でよ、ワイバーン!」

シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「では、宜しくお願い致します!」

エリート「あっ、おい! ……行ってしまった。全く、困った奴だ」


553 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:54:14.77 ID:ueKyzRwDo
白虎長「でも、少し明るくなったと思いません? 彼」

エリート「どうかな。私にはむしろ、君の方がそう見えるが」

白虎長「そ、そうですか……っ。確かに、一族の件が片付いてからは、私も……」

エリート「どんな状況であれ、女性が悲しむ顔は見たくないものだ」

白虎長「すみません……」

エリート「い、いやっ。まぁ今はこの戦いにおいて最小限の被害で勝利する事に務めようではないか」

白虎長「ええ。白虎隊の力、精一杯役立てるつもりです」

白虎嬢「……ふふっ」

白虎長「……何よ?」

白虎嬢「頑張りましょう、従姉さん」

白虎長「え、ええ」

エリート「良いか、各隊と間を開きすぎるなよ。繋ぎ目が重要だぞ」

本国兵「御意にっ!」ドドッドドッ

エリート「白虎隊も前進出来るか?」

白虎長「了解っ!」


554 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:55:10.03 ID:ueKyzRwDo


バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……凄いな」

ワイバーン「これ程の大軍を率いる気持ちはどうだ?」

青年兵「率いてるって自覚はないよ。あくまで名ばかり」

ワイバーン「謙遜するな」

青年兵「本当さ。各部隊には世界中の有能な指揮官が集まってるんだ」

ワイバーン「……」

青年兵「こんな数、1人で率いる事が出来るわけないって」

ワイバーン「それもそうか……むっ?」

 バシュウウウウゥゥゥゥ

青年兵「やぁ、青龍先生」

青龍士官「やめろ。むずがゆくなる」

青年兵「……あっははははは!」

青龍士官「……? 何がおかしい」


555 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:56:12.96 ID:ueKyzRwDo
青年兵「いや、皆……思うところは同じなんだって思ってさ」

青龍士官「そうか。大元帥を付けるべきだったな。これは失礼致しました」

青年兵「だから勘弁してよ……」

青龍士官「仕返しだ」

青年兵「大元帥になって、1つだけ分かった事がある」

青龍士官「国軍の裏事情か?」

青年兵「ははっ、違うよ。結局、何事も頂点を極めてしまっては駄目なんだなって」

青龍士官「亢竜悔いありとでも言いたいのか?」

青年兵「頂点は夢で希望で、手が届いてはいけないものなんだ」

青龍士官「その過程が力となり、自分を支える……か」

青年兵「そういう事。役職や名称なんて、所詮はただの言葉なんだ」

青龍先生「……言葉、か」

青年兵「立場なんて関係ない。自分が自分らしく生きて、何をしたかでその人の全てが決まる」

青龍先生「……成程な。しかしお前も、変わったな」

青年兵「遠回りしたけど、ようやく行き着いた……かな。あははっ――」


556 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:58:09.10 ID:ueKyzRwDo
 ドドオオォォォォ

青年兵「あれは、東方の軍と陛下や召喚士さん達か」

青龍士官「先程、西側も展開を始めた。これで全てが動いたな」

青年兵「ああ。竜騎士隊は地獄の壁の防衛、頼んだよ」

青龍士官「分かっている。ドラゴンが来ればすぐに動くさ、だが今は……」

青年兵「全く。本番前に枯渇するなよ?」

青龍士官「誰にものを言っている。そっちこそ息切れするなよ、大元帥殿」

青年兵「だからー」

 バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「竜騎士隊っ、まずは前衛と合流し、魔王軍へ恐怖を植えつけてやれ!」

竜騎士兵「おおうっ!!」

青龍士官「空の王者は誰なのか、思い知らせてやるぞ! 続けぇ!」

 バシュウウゥゥゥゥ……

ワイバーン「頼もしい同胞だな」

青年兵「うん。彼らが居る限り、制空権はこちらのものさ」


557 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 17:58:51.84 ID:ueKyzRwDo
ワイバーン「……ところで、先程から気になっておるのだが」

青年兵「……?」

ワイバーン「お前の背後に居る奴は何者だ?」

青年兵「ああ、この子は……」

座敷童子「座敷童子と申すのじゃっ! よろしくなのだっ!」

青年兵「召喚士さんの式神……召喚獣みたいなもの」

ワイバーン「人でないのは分かるが、不思議な気配だな」

青年兵「東方独自の妖さ」

座敷童子「そうじゃっ!」

ワイバーン「東方……ああ、麒麟界の者か。納得した」

青年兵「知ってるの?」

ワイバーン「そんな事より、その者は役に立つのか?」

青年兵「うん。いざという時には、きっと頼りになるよ」

座敷童子「そうだぞっ!」

ワイバーン「そ、そうか……」


558 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 18:00:09.22 ID:ueKyzRwDo


 ドドッドドッドドッ

 先頭を駆る青毛の馬上で、あぐらをかき腕を組んで大あくびするツヴァイハンダーを背負った男。

 そのすぐ後ろを召喚士や戦士、帝らの駆る馬が追走する。

 一同は北関より一路、2万の兵が駐屯する海峡へと向かっていた。

戦士「ところでよ、怪我は治ったのか?」

天才「怪我? ああ、イブちゃんの時のか。もう万全よ。ハーッハッハッハ!」

皇太子「君も来たのか」

占い師「少しでも、役に立てるかもしれませんから」

名代「敵はまだ動かないようですね」

召喚士「ええ。はたしてどう出るつもりなんでしょう……」

帝「どうあろうと、叩くだけの事よ」

盗賊「……ええ」

魔道士「まずは、魔王ベルゼブブの下まで辿り着かないとですね」

召喚士「はい。頑張りましょう!」


559 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 18:00:48.12 ID:ueKyzRwDo
〜魔王城〜

ベルゼブブ「人間共が動いたか?」

アスタロス「……如何にも」

ベルゼブブ「我が下僕は全て、集結しておるか?」

アスタロス「全……60万の数が此処に」

ベルゼブブ「思ったよりも少ないな。随分と蹴散らされたものだ」

アスタロス「……」

ベルゼブブ「……さて」パタン

アスタロス「我が主」

ベルゼブブ「出はせぬ。下僕らの士気を上げてやるだけさ」

 フワァッ……

ベルゼブブ「…………」

オーガ「お、おい……あれをミロッ! ベルゼブブ様だゾッ!」

ワーウルフ「お、おおぉぉ……っ!!」

 集う膨大な数の魔物。それを上空から眺め、見下ろし、ベルゼブブはうっすらと笑みを浮かべた。


560 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 18:01:29.93 ID:ueKyzRwDo
ベルゼブブ「余の下僕らよ。よくぞ集まった」

ガーゴイル「ベルゼブブ……様ァ!!」

ベルゼブブ「さぁ、宴の始まりだ。余の為に地を、空を、川を、赤に染めろ」

 ドドオオオォォォォ!!

ベルゼブブ「人間共を血祭りにあげ、食らえ。山を築け。磔ろ。蹂躙せよ」

 ドドオオオオォォォォ!!

 ベルゼブブの声が発せられるたびに、地鳴りのような雄叫びがあがる。

ベルゼブブ「さぁ行け。各所に臭う人間を嗅ぎ取り、1匹残らず刈り取るのだ」

 待ちきれぬとばかりに、我先にと魔物らが城を飛び出し、各地に散る。

 闇夜に光る赤い眼光が不気味に光り、その光景たるやこの世のものではなかった。

ベルゼブブ「……ネクロマンサー」

ネクロマンサー「ククッ、何でしょう?」

ベルゼブブ「貴様には六道門・人を任せたぞ」

ネクロマンサー「勿論そのつもりです。あそこを破られれば、私のラボまで目と鼻の先ですからねぇ」

ベルゼブブ「期待しておるぞ」


561 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/03(金) 18:03:34.96 ID:ueKyzRwDo
ネクロマンサー「ありがとうございます……クククッ」フッ

アスタロス「我が主……」

ベルゼブブ「言いたい事は分かる。だが、奴のみで戦わせれば問題はなかろう?」

アスタロス「……如何にも」

ベルゼブブ「他の六道門は?」

アスタロス「全て……万全」

ベルゼブブ「オルトロスにオルクス、アスモデウスにウォッチマンか」

アスタロス「如何にも」

ベルゼブブ「残念だな。余の下まで辿り着ける人間がおるのかどうか」フワッ

アスタロス「……」

ベルゼブブ「さて、待つとするか」

アスタロス「御意に」

ベルゼブブ「あまり遅いようであらば、余が自ら遊んでやるとしようか。フフッ」

 コオオオオォォォォ……

 冷たい風が魔王城を包み込み、重い空気と邪悪な炎が灯り始めた。


566 名前:NIPPERがお送りします(東京都) [sage] 投稿日:2012/02/03(金) 20:00:00.68 ID:EKTTgsSY0
>>1 おつ
アスモデウスは色欲の悪魔か…期待


576 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:34:53.00 ID:gF5jPSPdo


青年兵「……んっ!?」

 ドドドドオオォォォォ

ワイバーン「ついに来たか」

青年兵「うん、動いたね」

青龍士官「青年兵っ!!」

青年兵「見えるかい? 魔王軍の数……」

青龍士官「ああ。闇に蠢くあの赤い光が、全て魔物であろう? 恐ろしい程の数だな」

青年兵「地上の連中は目の当たりにしなくて、良かったかもしれないね」

青龍士官「……確かにな。先が見えぬ」

青年兵「交戦場所は三途の川を隔てて、いや……川中島になるだろう」

青龍士官「竜騎士隊を援護に回らせる。お前は……」

青年兵「分かってる。支持して部隊を展開させる!」

青龍士官「頼んだぞ。こちらもやれる限りの事はするつもりだ!」

青年兵「頼んだよ!」


577 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:35:50.38 ID:gF5jPSPdo
 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……さて」

 時刻も深夜にさしかかろうかという頃、川中島にて両軍がついに激突する。

 騎士団長率いる先鋒5万に対し、魔王軍の先鋒は後の報告書によれば、その数20万。

 暗闇の中、詳細も分からぬままで彼らは4倍にも上る魔物と闘っていた。

 ドドッドドッドドッ

伝令「第18小隊、壊滅っ!」

騎士団長「ええいっ、踏ん張れぬのか! 結界石はどうした!? 盾として前面に押し出せ!」

伝令「ご報告! 第31小隊、及び第40小隊、魔王軍に取り囲まれ潰走っ!」

騎士団「敵の数は掴めぬのか!」

騎士団長「うぅむ……」

 バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「戦況は!?」

騎士団長「芳しくないな。突出しているわけでもないのに、もう後退を強いられる勢いだ」

青龍士官「仕方ない。少しかき回してみるか」


578 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:36:36.18 ID:gF5jPSPdo
騎士団長「頼むっ!」

青龍士官「了解! 竜騎士隊っ、左右上空から魔王軍へ仕掛けるぞ! 一撃離脱だ!」

 両軍の激突からおよそ20分後。援護へと駆けつけた竜騎士隊の第1波が始まる。

 上空からの急襲、そして火炎放射により、魔王軍にしばし混乱と隊列の乱れが生じる。

 時を同じくして、青年兵は各部隊へと陣形の変更を伝達。

 両翼の部隊が魔王軍と接触直前で大きく左右へと展開し、魔王軍もそれにつられ展開、

 中央がぽっかりと空く戦場の様相をみせる。青年兵は間髪いれず、そこへ次の展開を投入。

白馬騎士「中央が空いたぞ! 突撃ぃーっ!」

老将軍「総当りじゃ! かかれぇ!」

 ドドオオオオォォォォ!!

大軍師「うまいですね。あたっては引き、そしてまたあたる。まるでキツツキのような戦法」

白馬騎士「つついて敵を誘き入れる。かつては、十字路でよく使った手ですから」

 南東国の兵らを中心に、主力隊は突撃しては退き、またそれを繰り返す戦法に出る。

 魔王軍はたまらず退く兵らを追うが、案の定、それは罠であった。

青年兵「さぁ、うまく敵を引き込みましたよ」


579 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:37:45.57 ID:gF5jPSPdo
 ここで左右に展開していた両翼が、急遽反転。矛先を中央へと向け始めた。

 ザッシュウウゥゥゥゥ!!

ゴブリン「グギャアアァァ!!」

西方司令「ぶっ殺せぇ!! いや、このまま包囲しろ!! いや、殲滅するのです……ふっくくく!」

西方副司令「何がなんだか……分からないいぃぃ!」ザシュウウゥゥ

西方参謀「とにかく押し込めっ! そうすりゃ挟撃になる!」

西方魔道士「やれやれだねぇ……」ドッゴオオォォォォン!!

 ドッゴオオォォォォン!!

南方司令「今宵のジャスティスは……血に飢えておるぞ」

南方副司令「何を言っているのかサッパリ分からない」ザシュウウゥゥ

南方参謀「とにかく押し込むのよっ! そうすれば左翼と中東とで挟撃になるわよっ!」

南方魔道士「……やれやれだぜ」ドッゴオオォォォォン!!

 かれこれ2時間あたりの総力戦で、戦局は均衡。強いて言えば川中島を制圧している

 討伐軍のやや優勢といったところであった。しかしここにきて局面が変わり始める。

 均衡を打破しようと、討伐軍が最も気にかけていた展開を魔王軍が実行に移したのだ。


580 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:38:58.09 ID:gF5jPSPdo
 ゴゴゴゴゴゴ……

青年兵「……?」

竜騎士兵「上空っ、何かがきます!」

青龍士官「向こうも動いたか」

青年兵「……ドラゴン!」

 無数の巨体が翼を羽ばたかせ迫る。更にはその周囲に小さな群れ。

青龍士官「ドラゴンだけではないな。ヴァンパイアも一緒か」

青年兵「竜騎士隊、空は任せるぞ!」

竜騎士兵「お任せあれっ!」

青龍士官「まずはドラゴンだ。ヴァンパイアは不死。地上の部隊に委ねよ」

 バッシュウウゥゥゥゥ!!

青年兵「ワイバーン、中央の主力隊の所まで全力で!」

ワイバーン「おう」

 青年兵が最前線を引き返すと同時に、上空では小さな火花が散り始める。

 空中戦。まさに両軍にとって、初戦を優位に進める為の重要な意味を持つ。


581 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:40:17.32 ID:gF5jPSPdo
 ドッゴオオオオォォォォン!!

竜騎士兵「デカけりゃいいってモンじゃねぇぞ!!」

青龍士官「戦法は分かってるな? 懐に飛び込めば小回りの効くこちらが有利だ」

竜騎士兵「隊長のバハムートで何百回とシミュレートしたんだ。ぬかりはないですよ!」

ドラゴン「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」

青龍士官「甘いっ!!」ヒュバッ!!

竜騎士兵「下からドテっ腹めがけて攻撃してやれぇ!!」

 ズッガオオォォォォン!!

ドラゴン「――――ッ!!」

 ヒュルルルル……ドッズウウウウゥゥゥゥン!!

竜騎士兵「他愛ないな! この調子で殲滅してやる!」

青龍士官「焦るなよ、奴らの狙いはどうせここではない」

 その言葉通り、ドラゴンとヴァンパイアは前線に留まる事はなく、飛行を続ける。

 多少の損害などものともせず、魔王軍の狙いは更に南の地点。

 交戦しつつ追走する形となった竜騎士隊は、主力部隊の上空にまでさしかかった。


582 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:41:09.93 ID:gF5jPSPdo
青年兵「来ました!」

老将軍「ど−れ……狙うはあの小さな的じゃな?」ジャキッ

弓兵「結界石の鏃……無駄には出来ないな……っ」

老将軍「お主らは弓の名手じゃ。焦らずやれば容易いものよ」

弓兵「名高き弓将軍様に言って頂けると……自信が湧きますよ」ジャキッ

大軍師「さぁ、通過しますよ!」

老将軍「…………放てぇ!!」

 バシュシュシュシュシュシュッ!!

ヴァンパイア「弓? こんなも――」ザクゥッ!!

弓兵「命中っ! 次ぃーっ!」バシュッ!!

ヴァンパイア「な、何だ……!? 力が……回復が効か……」

 グラァ……ドシャアアァァ!!

青年兵「落下した魔物にトドメを!」

国軍兵「突撃ぃーっ!!」

華国兵「うおおぉぉー!!」ドシュッ!!


583 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2012/02/04(土) 02:42:15.53 ID:gF5jPSPdo
大軍師「やはり敵もやりますね。予定よりも遥かに少ない撃破数ですな」

青年兵「あとは竜騎士隊と壁の皆がやってくれる事でしょう」

大軍師「そうですね。ここで引き返しては、元も子もありませんからねぇ……ふっふ」

青年兵「あてゃ魔王軍の有翼部隊がどれだけいるのかですね」

大軍師「ええ。第2波、第3波とこられては、流石にキリがありません」

青年兵「……」

大軍師「ま、あったとしてもしばらく手は出してこないでしょう」

白馬騎士「そうなのですか?」

大軍師「ええ、そういうものです」

青年兵「各員、地上の戦線を押し上げるぞ。魔道兵と白虎隊に伝達を」

伝令「ははっ!」ドドッドドッ……

大軍師「このタイミングでうまく、押し込めればしめたものですが」

青年兵「駄目でもまだ初日。せめて五分の状態を維持しましょう」

白馬騎士「ようし、他部隊の手筈が整うまで、もう一度突撃を敢行する!」

華国兵「承知致しました!」


595 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/04(土) 13:07:35.20 ID:Wzwr7RG1o
>>1乙

あの一匹で絶望だったドラゴンも雑魚扱いか
竜騎士隊も強くなったなあ

てか、早速激突して部隊が1つ潰れたのはビックリだな


598 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2012/02/04(土) 22:53:17.03 ID:0xZtYjFIO
五年目だし魔物が弱体化してるのもあるんだろ。
六道門超えてもアスタロスが残ってるとかベルゼブブさん流石だな。眷属6体+ネクロかよ…


599 名前:NIPPERがお送りします(長屋) [sage] 投稿日:2012/02/04(土) 23:31:21.83 ID:KZrR4kzLo
>>598
いや、アスタロスとネクロ合わせて六体じゃない?



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