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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その17
58 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/10(土) 04:01:55.91 ID:7vLzP3Eo
〜遺跡付近、岩場〜

影忍「成程。修行か…」

盗賊「……うん」

テクテクテク

盗賊「…そ、それで…兄様にと…思って」

影忍「残念だったな」

盗賊「……」

影忍「……着いたぞ。港まではここを真っ直ぐ……」

盗賊「あ、あの…っ!」

影忍「…?」

盗賊「…貴方は…これからどちらに?」」

影忍「聞いてどうする?」

盗賊「稽古をつけてくれとは言わない。言わないけど…」

影忍「……」

盗賊「…傍で…見て学びたい…っ」


60 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/10(土) 04:04:57.53 ID:7vLzP3Eo
影忍「……足手まといだ」

盗賊「……」

影忍「……」

盗賊「……っ」

影忍「何故、俺にこだわる?俺は人間ではないのだぞ?」

盗賊「…分かってる。分かってる…けど」

影忍「……」

盗賊「…やぱり、他人とは…思えない」

影忍「……」

盗賊「…だから、どうか!しばらくでいい…から」

影忍「……東方」

盗賊「……?」

影忍「俺はこれより東方へ向かう」

盗賊「…東方…っ」

影忍「……付いて来たくば勝手にするがいい。但し、面倒は見んぞ」


61 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/10(土) 04:09:07.62 ID:7vLzP3Eo
盗賊「……分かってる!」

影忍「邪魔なようであれば、その場で捨て置く。構わんな?」

盗賊「……はい」

影忍「……」

盗賊はただ無言で、じっと影忍を見つめる。

影忍「夜の船に潜り込み、東方を目指す。それまで仮眠でも取っておけ」

盗賊「……はいっ」

影忍「…行くぞ」

ザッザッザ…

盗賊(…兄様。私はこの人が兄様にしか見えない)

ザッザッザ

盗賊(だから、少しでも傍にいて…聞かなくちゃ!)

ザッザッザ

盗賊(真実を…。兄様の目指すものが何なのか…を!)

盗賊と影忍は港町を目指し、岩場を進んだ。


62 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/10(土) 04:13:40.41 ID:7vLzP3Eo
ここいらで失礼します!ご支援ありがとうございましたー!
それでは、おやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

盗賊「兄様!?」

バリバリッ

影忍「違う。見ろこの火傷を…」

バリバリッ

盗賊「…いや違う!ほら、やっぱり兄様…」

バリバリッ

影忍「バカめ。それも変装だ」

バリバリッ

盗賊「…なんの!やっぱりそれも変装!!」

バリバリッ

影忍「などと言いつつ、それも変装」

バリバリッ

盗賊「…まだ変装してる!!」

バリバリッ

影忍「それもまた変装…。はははっ」

盗賊「あぁ!?兄様がこんなに小さく…っ!?」

影忍「これぞ忍法、マトリョーシカの術!!」

盗賊「手のひらサイズの兄様…かわいい」

ガバッ!!

盗賊「……夢…か…!!」


78 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/10(土) 19:35:28.29 ID:iav8lV2o
喧嘩してあんま同一IDに迷惑かけんなよ


94 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:53:20.91 ID:ctGG7lko
〜マジシャンの別荘〜

魔道士「終わったーっ!」

魔道士は額の汗を拭い、息を大きく吐き出す。

魔道士「あ…。もうすっかり暗くなっちゃった…」

テクテクテク

魔道士「一旦、バーテンさんのお店に帰ろうかな」

ゴソゴソッ…

魔道士「ゴミはこっちにまとめて…と

テクテクテク

魔道士「……あ…っ」

テクテクテク…ピタッ

魔道士「…………」

テーブルの上へ置かれたマジシャンと子供の肖像画。魔道士はじっと見つめる。

魔道士「……うんっ!」

テクテクテク…カチャッ…パタン


95 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:54:04.55 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜

バーテン「……よっと」

カチャッ…

バーテン「ん…?お嬢の奴…もう帰ってたのか」

チリチリン…テクテクテク

バーテン「おーい…。あれ……?」

ドサッ…テクテクテク

バーテン「……誰だ!?」

バーテンは厨房で食糧を貪る人影に声をかける。

バーテン「……何だ。テメーか」

マジシャン「……おう」

バーテン「なーにが…おう、だ。このコソ泥ヤローが!」

マジシャン「悪りぃな…!全然メシ食ってねぇんだ」

バーテン「……随分、疲れてんなぁ」

マジシャン「……ちょっと、な」


97 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:55:01.63 ID:ctGG7lko


バーテン「んで、何だってんだよ」

バーテンはタバコをくゆらし、マジシャンに問い詰める。

マジシャン「……北で動きがあってな」

バーテン「!?……ほぅ」

マジシャン「国軍本部所属の伝令が内通者だった」

バーテン「!?」

マジシャン「そいつがようやく尻尾を出してな、追跡してたってわけよ」

バーテン「……」

マジシャン「ま、所詮下っ端。そこから何か分かるわけじゃねーんだが…」

バーテン「…どうすんだ?」

マジシャン「…しばらく泳がす」

バーテン「大丈夫なのか?」

マジシャン「知るか。俺は言われた事を全うするだけさ…」

バーテン「……そうか」


98 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:55:35.78 ID:ctGG7lko
マジシャン「少し日を空けて、動きを探る。必ず士官クラスと連絡を取るはずだ」

バーテン「士官…?」

マジシャン「奴らも馬鹿じゃない。直に上層部の奴は出てこないさ」

バーテン「……」

マジシャン「人間も…魔物もな」

バーテン「そりゃあ…そうだわな」

マジシャン「さて、メシ…あんがとな」

バーテン「おっ、ちょっと待て」

マジシャン「…?お代はツケといてくれよ」

バーテン「そうじゃない。お前を探してる奴がいるんだ」

マジシャン「あん?」

バーテン「お嬢……」

カチャッ…チリチリン

魔道士「ただい……あーっ!!」

バーテン「……探し人のご到着だ」


99 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:56:04.49 ID:ctGG7lko


魔道士「良かったです!会えて…!」

マジシャン「ハッハッハ!こりゃ運命かな!」

バーテン「なーに調子のいい事言ってんだ」

マジシャン「事情は分かった」

魔道士「…お願い…出来ませんでしょうか?」

マジシャン「……お安い御用だ、任せなさいっ!ハッハ!」

魔道士「本当ですかっ!?ありがとうございます!えへへ!」

バーテン「良かったな…!」

魔道士「はいっ!!」

マジシャン「よーし!そんじゃあ今日は、パーッと前祝いだ!」

バーテン「何の前祝いだよ…」

魔道士「あっ、じゃあ私…ご飯作りますね!」

マジシャン「じゃあ大好物の、ビーフシチューお願いっ!」

魔道士「はーいっ!エヘヘッ!!」


100 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:56:33.92 ID:ctGG7lko
〜港町〜

ササッ…タタタッ

影忍「……あの船だ」

盗賊「……ん」

影忍「今宵、東方へ向け出発する。あれに潜り込む」

盗賊「……うん」

影忍「……行くぞ」

盗賊「……ん」

タタッ…シュバッ…

二人は東方へ行くの船の貨物室めがけ、一気に走り抜ける。

タタタッ…キョrキョロ…スタッ

影忍「出港までここでやり過ごす。気配を消せ」

盗賊は意識を集中し、気配を絶つ。

影忍「それでは駄目だ。もっとだ」

盗賊「……!?」


101 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:56:59.27 ID:ctGG7lko
影忍「もっと気配を消せ、と申したのだ。やってみろ」

盗賊「……っ」

影忍「……情けない。そんなものか」

盗賊「……」

影忍は手本とばかりに、己の気配を絶つ。

スゥ

盗賊「……っ!?」

影忍「ただ意識を集中するだけではない。深く…静かに集中するのだ」

盗賊「…深く…静かに」

スゥ

影忍「そうだ。心を無にし、己の存在自体を消すつもりで…」

盗賊「……」

影忍「……まぁ良しとしよう。そのまましばらく続けよ」

盗賊「…はい」

盗賊は目を瞑ったまま、気配を絶ち、身を潜める。


102 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:57:25.42 ID:ctGG7lko
〜南方、東の町〜

青龍先生「ここで一泊し、明日よりいよいよ修行じゃ」

青年兵「はい…!」

青龍先生「魔力もぼちぼち戻りつつあるじゃろ」

召喚士「…ええ、大丈夫です」

青龍先生「お主らはまだ若い。故に魔力お絶対量には限りがある」

召喚士「……」

青龍先生「絶対量を上げる事も大切じゃが、それをいかに抑えるか。それが重要じゃ」

青年兵「仰る通りだと思います」

青龍先生「まずはそれをうまくコントロール出来るようにするかの」

召喚士「よろしくお願いします…!」

青龍先生「ひょっひょ。それではゆっくり休むとするかの…」

青年兵「はいっ!」

召喚士「…いよいよ…明日から」

青龍先生「…楽ではないぞ?ひょっひょっひょ!」


103 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:57:52.31 ID:ctGG7lko
〜南東国、東の街〜

隊長「分かったか?もう一度言うぞ。日の出前にここを発つ」

戦士「了解!!」

男隊員「えぇー?もっとゆっくり寝てぇよ…」

隊長「テメェらは勝手に付いて来たんだろうが!文句言うなら来んじゃねぇ!」

女隊員「それを言われたら…返す言葉もないッス……」

戦士「どんな…修行するんです?」

隊長「それはやってみてのお楽しみだ」

戦士「……」

女隊員「隊長の特訓はキツイッスよぉ〜?」

隊長「うるせぇ!!つべこべ言うな!」

男隊員「ま、頑張れよ?ヒャハハ!」

隊長「来るからには…テメェらも鍛え直しだ!」

男隊員「マジかよ!?……うへぇ…」

女隊員「こうなったら…望むところッス!」


104 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:58:18.26 ID:ctGG7lko
〜バーテンの店〜

魔道士「ありがとうございましたー!」

男「…まま、また明日くるから…っ!」

魔道士「お待ちしてますー!エヘヘ!」

バーテン「ほれ、お前らもだよ。店仕舞いだ」

ワーカー「ちぇ…。最近早くねーか?」

酒飲み「まあいいや。んじゃ魔道士ちゃん。また明日なー!」

魔道士「おやすみなさーい!!」

マジシャン「……すんげぇ繁盛振り」

バーテン「…な。10日は何もしなくていいくらいだよ」

魔道士「ふーっ…」

バーテン「お疲れさん」

魔道士「いえいえっ!」

マジシャン「ビーシチュー美味かったぜ!今回ちょっと味変えたな?」

魔道士「あっ、分かります?そうなんですよ!」


105 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:59:29.80 ID:ctGG7lko
マジシャン「ハッハ!お見通しお見通し!……あれ?」

マジシャンは椅子に置かれた肖像画を手に取る。

マジシャン「!?」

バーテン「あん?……こ、これ…っ!」

魔道士「あっ、マジシャンさんの別荘にあったので…つい……」

マジシャン「……」

魔道士「この赤ん坊、マジシャンさんのお子さんですか…?」

バーテン「…ああ」

マジシャン「お前は黙ってろ」

バーテン「……」

マジシャン「……古い話さ」

魔道士「今は…一緒に暮らしてないんですか?」

マジシャン「…ああ」

バーテン「甲斐性の無さに呆れて、逃げられちまったんだよ」

マジシャン「黙ってろって言ってんだろ!」


106 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 01:59:58.61 ID:ctGG7lko
バーテン「おーこわこわ…」

バーテンはこそこそとカウンターへと逃げ、酒を注ぐ。

魔道士「そうなんですかぁ……」

マジシャン「俺も若かったからなぁ…。色々とあるんだよ…ハッハ」

魔道士「……元気だと…いいですね」

マジシャン「まぁ、元気でやってるみたいよ」

バーテン「知ってんのか?」

マジシャン「ワーカーとして働いてるんだとさ」

バーテン「…ふぅん。血は争えないねぇ…」

マジシャン「俺は反対だがな」

魔道士「そうなんですか?」

マジシャン「危険が伴うからな。もし何かあったら……」

バーテン「元カミさん、一人になっちまうもんなぁ…」

マジシャン「あのなぁ……」

バーテン「元、と言えど…やっぱり心配なもんは心配だよな?はははっ」


107 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 02:00:33.18 ID:ctGG7lko
マジシャン「いい加減に…・・」

魔道士「ワーカーかぁ…。今、おいくつなんですか?」

マジシャン「あー…28かな?」

魔道士「28…?という事はマジシャンさんが……」

バーテン「21ん時の子供だ」

魔道士「!?」

バーテン「んで23の時に逃げられた…と」

ガタッ

マジシャン「……」

バーテン「事実だろうが」

マジシャン「……くっ!」

魔道士「全然…知らなかった…!」

マジシャン「そんなわけでもう垢の他人同然。向こうも分からんだろ」

魔道士「……そっかぁ。せっかくの家族なのに……」

無言のマジシャンは、曇り顔の魔道士をじっと見つめる。


108 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 02:01:13.61 ID:ctGG7lko
マジシャン「そこの家族にだって、悩みはあるだろ…?」

魔道士「…!!」

マジシャン「だから、いーの!」

魔道士「……はい」

マジシャン「さ、明日からは忙しくなるぞ?風呂入って早く寝なさい。ハッハ!」

魔道士「…そうします!」

テクテクテクテク

マジシャン「……あんだよ?」

バーテン「何だかんだ言って、ちゃっかりチェックしてんのな」

マジシャン「…風の噂だよ!う・わ・さ!」

バーテン「噂でワーカーってか?はっはっは。便利なモンだ」

マジシャン「……けっ!」

バーテン「おめぇも休んだらどうだ?疲れてんだろ?」

マジシャン「……」

無言のマジシャンは奥のソファーに寝そべり、腕を組んで天井を見上げた。


110 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 02:08:55.92 ID:ctGG7lko
こんばんは!バタバタしてて遅くなり、申し訳ありません!

なんだか荒れる原因を作ってしまい、重ね重ねお詫び致します…
一応、18禁の描写などがある為、貼るのを控えておりましたが、
最初から貼っておけば良かったんですよね。ほんとすみません…

不快な思いをする場合もありますので、閲覧には充分ご注意を…!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257262778/
同一IDが書いてます!18禁です!ご注意を!!

雑談とか予想とか、声のキャスティングとか。そういうものにもご活用下さい!


112 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/11(日) 02:12:32.86 ID:LuoDHqko
>>1優しいな

教えて君「教えろよ!!」

古参「調べろボケ!!」

>>1「わたしの為に争うのはやめて〜!!!」


113 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 03:17:52.51 ID:ctGG7lko
続きは日中に致しますね!それではおやすみなさい!ノシ
ななばつ様、設定項目ぼ追加、ありがとうございます!非常に役立ちます!

〜オマケ〜

ゴブリン「えぇい!殺せ殺せー!」

ザザッ

マーマン「静まれ静まれぃ!!」

ハヌマーン「この紋所が目に入らぬか…!!」

ゴブリン「げぇっ!!」

ハヌマーン「此方におわす方をどなたと心得る!」

法師「……えーと」

ハヌマーン「南東国、先の副将軍…次男様にあらせられるぞ!」

ゴブリン「最近…魔物の世直しをしているというウワサの…っ!」

マーマン「頭が高い!控えおろぉー!!」

ゴブリン「ははーっ!!」

法師「……あのー」

オーク「……もぐもぐ。これ美味いなぁ」


117 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/11(日) 07:08:55.87 ID:Kqfvkb20
>>1乙です。

オークはうっかり的なポジションですね。


123 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:13:39.57 ID:ctGG7lko
霧がかった朝もやの、その向こう側。緑の木々に覆われた陸地が見え始める。

〜東方、南の島〜

影忍「……よし、降りるぞ」

盗賊「……」

スタスタスタ

盗賊「…あの?」

影忍「早くしろ。港へ到着しています」

影忍は甲板の手すりより下を指差す。

盗賊「……海へ?」

影忍「何だ?何も準備していなかったのか…?」

スタスタスタ…ゴソゴソッ

影忍「これを使え」

盗賊「……?」

影忍「蝋を塗り込んだ防水の袋だ。必要な物を仕舞っておけ」

盗賊「……あ、ありがとう」


124 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:14:30.01 ID:ctGG7lko


盗賊「……っ」

タンッ………バシャッ!!

影忍「このまま裏手の浜辺まで泳ぐっ!」

盗賊「…承知っ!」

ザバッ…バシャバシャッ…

盗賊(…そっか。…こういう準備もしておけないといけないよなぁ)

ザバッ…ザ゙バッ…

盗賊(本物の忍は…やっぱり全然違う。私なんて……)

ザバァッ……ピチャ…ピチャッ

盗賊「……ふー」

影忍「これに着換えろ」

盗賊「……着物?」

影忍「髪を整えて化粧もだ。急げ」

盗賊「……へ…っ?」


125 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:15:26.22 ID:ctGG7lko


テクテクテク

盗賊「…あ、あの…っ。これで…いいかな?」

影忍「……」

スタスタスタ…ガシッ

影忍「俺とお前は今から夫婦だ」

盗賊「えっ!?」

影忍は無言で盗賊の頬を撫でる。

盗賊「あ…あのっ、ちょ……っ!?」

影忍「それにしても酷い化粧だ。した事ないのか?」

盗賊「…あ、あまり」

影忍「道具を貸せ。それでは素顔が丸わかりではないか」

盗賊「あ…っ」

影忍「仮にもお前は藤蔵の姫なのだ。素性を晒してどうする?」

盗賊「……」


126 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/07/11(日) 17:16:38.03 ID:ctGG7lko


影忍「…ま、こんなものでいいか」

影忍は化粧道具と鏡を盗賊へ手渡す。

盗賊「!?……すご…っ」

影忍は気にも留めず、今度は自分の顔に肉付けや化粧を施し、変装を始める。

盗賊「……」

影忍「先程も申したが、設定上は夫婦だ。忘れるなよ?」

盗賊「…夫婦?あ…っ、はい」

影忍「南の島からは、渡し賃を払い、そこらの小舟に乗せて行って貰う」

盗賊「…はい」

影忍「その後はひとまず都まで一気に進み……その後は、北だ」

盗賊「……北?」

影忍「なんなら、途中で藤蔵へ帰っても良いぞ?」

盗賊「……まさか」

影忍「……よし、待たせたな。行くぞ」


127 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/07/11(日) 17:17:02.17 ID:LuoDHqko
盗賊「ロリ…浴衣?」

影忍「…////」ぽっ



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