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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その35
245 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:33:04.15 ID:96ZSS+TYo
〜西の平野〜

召喚士「さて、行きましょうか」

魔道士「はいっ!」

サル「朝になって弱体化してくれてりゃいいけどなぁ」

名代「過剰な期待はせぬ方が宜しいですよ」

帝「頼むぞ、皆の者」

女侍「上様の為ならば」

キジ「なんかお頭、おかしいさー」

イヌ「自分の故郷の偉い人だからね」

召喚士「東方司令さん、準備はいいですか?」

東方司令「いつでも」

名代「それでは一気に、屋敷まで向かいましょう」

魔道士「今回は屋敷まで一気にですか?」

名代「前回、馬を使った事が分かっているでしょうから、馬を潰されては危険です」

召喚士「馬はここへ置いて行くわけですね」

名代「左様。今日は数も多いですし、徒歩にて進みたいと思います」ザッ


246 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:33:37.69 ID:96ZSS+TYo
 スタスタスタ

名代「――っ!?」

神野「おはようさん」

帝「な……っ!!」

神野「どうせ結界に逃げるんや。直ぐ外で待ってた方が利口やろ?」チャキッ

名代「しまっ――――」

神野「まずは一人〜」ビュオッ

コカトリス「させるか馬鹿めがっ!!」

神野「何ぃーッ!?」

 バシュウウゥゥゥゥ!! ゴゴオオォォォォ!!

召喚士「悪いけど、ずっと監視はしてたから」

神野「石化……ッ、くそっ! 左手が動かん……」

名代「助かりましたっ!」

召喚士「今日こそお前を……倒す」

神野「楽しませてくれるやんかぁ……!」

 ブチブチブチィ!! ドサッ


247 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:34:36.07 ID:96ZSS+TYo
サル「み、自ら左手をもぎ取りやがったぜ……っ」

神野「思念体なんや。直ぐに再生くらい出来るわボケ」

召喚士(石化は……するのかっ。それならば……)

 ザッ ジャリッ

神野「今日は数も増えてるみたいやな。感心感心」

女侍「この前は世話になったね」

神野「この前? よう分からんが世話してやったんなら、感謝せぇや」

女侍「なめるんじゃあないよっ! その身体……見るのも苦痛だ、姿を現しな!」ダンッ

神野「威勢がええやんか。いいねぇ〜もっとや、もっとかかってこんかいっ!」

東方司令「望み通り……相手してやる!」タンッ

イヌ「キジっ、こっちも援護ね!」

キジ「了解さー!」

 キュイイィィィィ……ドドオオォォォォン!!

名代「上様、お気を付け下されよ」

帝「ああ、分かっておる」

神野「ハハッ、その程度かいな! 遠慮は要らんでぇ!」


248 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:35:26.93 ID:96ZSS+TYo
 ザザーン

漁師「な、なんちゅう船だよ……っ!」

老人「長生きはするもんじゃのぅ。こんなとんでもない船に乗る事が出来るとは……」

東方参謀「それでどうなのだ? このまま進めば良いのか?」

老人「しばらくは問題ないですじゃ」

漁師「ただこの先に、海流があるから、注意するのはそこですわ」

青年兵「海流ですか」

老人「西側と東側から潮が流れとるでな。それが丁度、ぶつかり合うんっじゃよ」

漁師「そいつが厄介で、漁師はそこから先へ進めないんでさぁ」

隊長「何かあるのか?」

老人「東西からぶつかった海流はそのまま北へと流れ込みまずでなぁ」

漁師「きっと最北には、無数の魚がいるんじゃねぇかって、昔から言われとるんです」

戦士「じゃあ、魔王を倒して平和になったら、漁も楽になるな!」

南方参謀「船の技術だって、本国から東方へドンドン行き渡ってるしねっ」

老人「もしそうならば、楽しみで仕方ないわい」

漁師「だわなぁ。そうすりゃたーんと魚獲って、いい暮らしが出来るかもなぁ!」


249 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:36:28.28 ID:96ZSS+TYo
〜海流〜

 ドドドドドドオオォォ

女隊員「うわ……っ!!」

 ガシッ

槍侶「大丈夫……だだっ、だいだい……だだだ」

女隊員「ありがとーッス!」

西方参謀「甲板にいる連中は船内へ入れ! 波に攫われんぞぉ!」

 ザッパアアァァァァン

戦士「すっげぇなこりゃ……っ」

土忍「これが噂の海流か」

火忍「おい、テメーら何とかしてこいよ」

水忍「お前に言われんでも、そのつもりだ」

風忍「水、私はあくまで補佐のみだからな」

 スタスタスタ

漁師「あ、あんたら……危ないぞぉ!」

盗賊「大丈夫。任せておいてくれ」


250 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:37:00.27 ID:96ZSS+TYo
漁師「……?」

 ザッ

風忍「風遁……奥義っ!」
水忍「水遁……奥義!」

風忍「疾風――――」
水忍「――――怒濤っ!!」

 ゴアッ!! ドッドオオオオォォォォン!!

南方参謀「きゃあっ!!」

老人「お、おぉ……っ、これは大竜巻……っ」

風忍「海流が渦巻き荒れるならば……」
水忍「その逆を渦巻く竜巻を作り上げ、力を弱めるのみよっ!」

 ゴオオオオォォォォ

僧兵長「おぉっ! 荒れた海流が大人しくなり始めたぞっ!」

風忍「……ふーっ。どうやらうまくいったようだな」
水忍「さぁ、今のうちに突き進んでくれ」

東方参謀「よぅし、海路の案内は任せるぞ! このまま前進だ!」

漁師「お任せ下さい! 俺らにとっちゃあ庭みてぇなもんでさぁ!」

老人「海に生まれ海に育ち、海と共に歩んだ人生……理解はしてるつもりじゃっ!」


251 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:37:57.45 ID:96ZSS+TYo
〜剣聖の屋敷〜

 ザッ

くの一「……ここが、そうなの?」

女剣士「ああ。私の家……だった場所だ」

くの一「……」

女剣士「君の故郷と同じさ。もう滅んだ場所さ」

くの一「そう……」

女剣士「中に入ろう」

 スタスタスタスタ

女剣士「中は比較的、荒れてはいないみたいだな」

くの一「ここに何か、あるの?」

女剣士「……あればいいけど」

 スタスタスタ……ザッ

女剣士「ここが道場だったとこ。懐かしいな」

くの一「……」


252 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:38:43.15 ID:96ZSS+TYo
……――

女剣士『やぁーっ!!』バシッバシッ

女侍『そんなんじゃ私には勝てないよっ!』

女剣士『……くぅっ』

女侍『ほらほらっ、もう終わりかい?』バシィッ!!

女剣士『……参りました……っ』

女侍『ふふっ。でも、強くなったね』

女剣士『姉上もますますお強くなられた……。こんな事では父上になど到底勝てぬ』

女侍『私ですら父上には勝てないんだ。まだまだだって事』スッ

女剣士『……精進します』

女侍『さ、休憩にしようか』

 テクテクテク

剣聖『頑張っているな、二人共』

女剣士『父上……』

剣聖『お前等はまだ若い。焦る事はないよ……はっはっは!』


253 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:39:19.22 ID:96ZSS+TYo


女剣士『父上が……罪人……!?』

女侍『そんな馬鹿な話があるものかっ!』ダンッ!!

老人『しかし都では、既に剣聖様の罪が決定し……打ち首と……っ』

門弟『何てこった……っ。これでは剣聖家はお終いだ』

女侍『ど、どこへ行くのだお前ら……っ!』

門弟『巻き添えは御免です。世話になりました』

女剣士『待っ――』

 スタスタスタスタ

老人『お二人も……此処を立ち去り下され』

女侍『何を馬鹿な事を……』

老人『強盗殺人は剣聖様のみならず、一族死罪の恐れ有り……』

女剣士『――っ!!』

老人『どこか……そうじゃ、手の届かぬ本国などに身を潜めて下さいませ!』

女侍『馬鹿な……そんな……馬鹿なっ!!』


254 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:40:07.05 ID:96ZSS+TYo


女剣士『……姉上』

女侍「私は信じぬ。父上が……そんな真似をするなんて』

女剣士『私だって……』

女侍『必ずこの手で……父上の無罪を、父上の無念を晴らしてみせる』

女剣士『姉上……っ。私もです、共に父上の無念を――』

女侍『いや、私一人でいい。お前は剣の道を捨てて、女として生きるんだ』

女剣士『何を……』

女侍『それがお前にとっての幸せ。さぁ、ここでお別れだ』

女剣士『姉上っ!? 嫌ですっ!! 私は姉上と……』

女侍『……すまぬっ』

 バシィ!!

女剣士『あ……ねう……え……?』

 ヨロッ……ドサッ

女侍『……さらばだ、女剣士』


255 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:40:59.49 ID:96ZSS+TYo
――……

くの一「どうしました?」

女剣士「……いや、ちょっと昔の事を思い出してな」

くの一「そうですか……」

女剣士「この掛け軸だ。この裏に……」ペラッ

くの一「隠し部屋……ですか?」

女剣士「いや、からくりがある」

 カチッ……ゴゴゴゴゴゴ……

女剣士「この取っ手を引くと、次なる仕掛けが姿を見せる」

くの一「……?」

女剣士「こっちだ」

 スタスタスタスタ

くの一「……庭、ですか?」

女剣士「このししおどしの水が、先程のからくりで引く様になっている」

くの一「何か……あります」


256 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:49:02.14 ID:96ZSS+TYo
女剣士「ししおどしの中にある仕掛けを引くと」

 グイッ……ガゴンッ!!

くの一「音がしました」

女剣士「裏手にある蔵が開錠したのだ。行こう」

 スタスタスタ……

くの一「あっ、蔵ってあれですか?」

女剣士「そうだ」

くの一「あれ? でも……開錠していないですよ?」ガチャガチャッ

女剣士「お前、鍵は開けられるか?」

くの一「……いえ」

女剣士「……忍や賊まがいの事をやっていたのではないのか?」

くの一「……すみません」

女剣士「まぁいい。離れていろ」スッ

くの一「……?」

女剣士「はああぁぁーっ!!」


257 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:51:57.99 ID:96ZSS+TYo
 ガシュッ!! キイイィィィィン!!

くの一「刀が……っ!!」

女剣士「ちっ、ナマクラめ。まぁいい……どうせすぐに手に入る」

くの一「へっ?」

 パキンッ……ゴトッ

女剣士「錠は壊せたようだ。中に入ろう」

 ギイイィィッ

女剣士「黴臭いな……っ」

くの一「でもいい事じゃないですか? 誰も入っていない証拠」

女剣士「だな」

 スタスタスタ

くの一「あっ! 床が開いている……!?」

女剣士「先程の開錠とはこれの事だ。真の蔵はこの下にある」

くの一「随分と手が込んでますね」

女剣士「それだけ貴重なものだからな」


258 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 17:52:47.60 ID:96ZSS+TYo
くの一「……?」

 スタッ テクテクテクテク……

くの一「……えほっ。埃っぽいですね……っ」

女剣士「父上が閉ざして以来、誰も立ち入る事がなかったのであろうな」

 テクテクテク……ザッ

女剣士「……あった」

くの一「これは……刀?」

女剣士「ああそうだ。ただの刀ではない」

くの一「……」

女剣士「剣聖家に伝わる、天下五剣の一つ……三日月宗近」

くの一「――っ!!」

女剣士「父上、不肖ながら女剣士……拝借致します」

 カチャッ

くの一「これを……手に入れる為に来たんですね」

女剣士「今となっては父上の形見だしな。それにこの先、戦う敵は強い奴らばかりだろう」


259 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage saga] 投稿日:2011/12/27(火) 18:00:57.06 ID:96ZSS+TYo
ひとまずこれにて。また後でちょっとだけ投下出来るかも…
今日もご支援ありがとでしたー!それでは!ノシ

〜オマケ〜

 カタカタカタッ

名代「フヒッ、今日もvipで糞スレ立てるで御座るよ……フヒヒ」

 カタカタカタ

名代「えぇと……『神野悪五郎って雑魚だろwwww』、っと」

 カタカタカタ

名代「フヒヒッ、しかしどいつもこいつも詰まらぬスレばかりで御座……むっ!?」

 『上様の破廉恥画像撮ったったwwww』

名代「……殺す!!」

 カタカタカタ

名代「えぇと……『通報しますた。貴様は殺す』、っと」

 『何、顔真っ赤にしてんだよwwww お前、名代じゃね?wwww』

名代「…………」カチンッ

 カタカタカタッ

名代「スレストしてやる……ブツブツ」


267 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/27(火) 21:30:00.35 ID:zWsFxzlNo
名代のイメージが意図も簡単に崩れたわwwwwww


271 名前:SS速報でコミケ本が出るよ [sage] 投稿日:2011/12/28(水) 16:27:15.31 ID:geEM6SSoo
>>1乙
たった1レスで名代さんのキャラブレイクが華麗に決まったな



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