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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その19
162 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:20:48.68 ID:.PdYZZko
〜南方司令部〜

南方副司令「…よく戻った!ご苦労さん」

戦士「そっちこそ大変だったみたいで…」

南方副司令「まぁな。だが、西方の援軍で事なきを得たよ」

魔道士「西方の皆さんが…っ」

南方副司令「しっかし…もの凄い相手だったらしいな…?」

盗賊「…ああ」

戦士「山のようなデカさだった…。あんなんもう懲り懲りだよ」

召喚士「ははっ、本当だね…!」

南方副司令「ま、何にせよ今日はゆっくり休んでくれ」

召喚士「そうさせて頂きます」

南方副司令「明日には司令らも戻るだろうし…そしたらパーっと…」

戦士「おっ、いいねぇ!!」

南方副司令「それじゃ、何かあったら司令部まで頼む!」

魔道士「…はいっ!」


163 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:22:23.38 ID:.PdYZZko
〜南の街〜

召喚士「……宿はここでいいかな?」

カチャッ

魔道士「こんにちはー」

フロント「いらっしゃいませ。四名様ですか?」

召喚士「はい。二部屋お願い致します」

フロント「…かしこまりました。どうぞ」

戦士「あー…、やっとゆっくり休めるわぁ…」

盗賊「…本当だな」

テクテクテク

戦士「んじゃ、18時に下のレストランで!」

魔道士「はいっ!!」

盗賊「…うん」

召喚士「では…また後で」

嬉々とする魔道士が眠たげな盗賊の手を引き、召喚士と戦士はそれを笑顔で見送った。


164 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:23:02.14 ID:.PdYZZko


盗賊「……ふいぃ〜」

バタッ…ボフッ

魔道士「疲れましたね〜」

盗賊「……疲れた…眠い」

魔道士「…寝てないんですか?」

盗賊「…東方出てから…一睡も」

魔道士「な、何日起きてたんですか…!?」

盗賊「……分かんない」

魔道士「…先、お風呂入りましょっ!」

盗賊「…うん」

トテトテトテ…カチャッ…パタン

魔道士「…はぁ〜!!やっとだぁ!!」

盗賊「……ふわぁ〜」

魔道士「えっと……」


165 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:23:55.26 ID:.PdYZZko
ジャーッ…パシャパシャパシャッ

魔道士「……気持ちいぃ〜!!」

盗賊「…あぁ〜」

ザパァ

魔道士「……盗賊さん、また怪我増えちゃいましたね…っ」

盗賊「……うん…むにゃむにゃ」

魔道士「痛いですか?」

盗賊「……大丈…夫〜」

魔道士「ほんと…?」

ツンツン…ムニッ

盗賊「……平…気ぃ」

魔道士「えいっ!」

ムニュムニュッ

盗賊「……すぴー」

魔道士「盗賊さんっ、のぼせちゃいますよぉ?」


166 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:25:59.83 ID:.PdYZZko


戦士「あぁ〜!!疲…っれたあぁ!!」

召喚士「お疲れ様」

戦士「召喚士も!」

召喚士「俺は何もやってないって…!」

戦士「んな事ないだろ。全員の力がなきゃ勝てなかったんだから」

召喚士「そう…思いたいけどね」

戦士「……強さってのは、色々な形があるもんさ」

召喚士「……うん」

戦士「……」

召喚士「…どしたの?」

戦士「…ん、ああ…何でもねぇ」

召喚士「……そっか」

腰掛けたベッドから起き上がり、テーブルの水を飲む召喚士。

入れ替わりにベッドに寝そべる戦士は、右手を天井へ伸ばしじっと見つめる。


167 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:26:45.46 ID:.PdYZZko
〜レストラン〜

魔道士「…あ、いたいた!お待たせしました〜」

召喚士「いえいえ。じゃあ行きましょうか」

ドンッ…ドンッ!!…ドドンッ!!

魔道士「ほえぇ、豪華〜!」

盗賊「……た、食べていい?」

戦士「先に乾杯だろ!」

召喚士「それじゃ今回もお疲れ様でした!!」

魔道士「カンパーイ!!」

チーンッ!!

戦士「……っぷはあぁ!!うめえぇ!!」

盗賊「……モグモグモグ」

召喚士「空腹だったから…何食べても美味しいや!」

魔道士「はいっ!でも普通に美味しいですよ〜!」

戦士「まともなメシなんて何日振りだろうなぁ…」


168 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:27:33.74 ID:.PdYZZko


戦士「しっかし…天才の正体がマスク・ド・ジーニアスだったとはなぁ…」

召喚士「……それって逆じゃないの?」

魔道士「道理で強いわけですよっ!!」

盗賊「…それも…逆なんじゃ」

魔道士「あっ!!」

盗賊「…ど、どした!?」

魔道士「聞くの忘れてた…」

召喚士「…?」

魔道士「だって、格闘家さんと師弟コンビを結んだって事は…タッグの可能性が…」

戦士「……呑気なこって」

盗賊「…あっ!!」

戦士「…何だ。お前も興味沸いたのか?」

盗賊「…いや、マジシャンの事」

召喚士「そういえば北に向かったんですよね…?」


169 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:28:13.33 ID:.PdYZZko
盗賊「……うん。ネクロマンサーを追ってな」

戦士「ネクロマンサー…か」

魔道士「戦士さん…」

戦士「騎都尉の事なら大丈夫だ。気にすんな」

召喚士「東方でも会ったんでしたよね?」

盗賊「…ああ。何か企んでいる様子であった」

召喚士「……」

戦士「東方に南東国に…次は北、か」

魔道士「ちょっと…気になりますね」

盗賊「……何事もなければ…良いが」

召喚士「……行ってみますか」

戦士「北方へか?」

召喚士「だって…放っておけないよね…?」

魔道士「…ええ」

盗賊「…ネクロマンサーが絡んでいるならば…尚の事」


170 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:29:10.80 ID:.PdYZZko
戦士「……んじゃ、明日の朝一で北へ向かおう」

召喚士「いきなりで大丈夫…?」

戦士「善は急げ、だろ?」

魔道士「私は大丈夫ですけどぉ…」

召喚士「俺も大丈夫ですよ。一日あれば魔力もだいぶ戻りますから」

盗賊「…では、明日の朝一で」

戦士「行くとしようか!」

魔道士「はいっ!!」

召喚士「……ネクロマンサー」

戦士「アイツだけは…俺らの手でケリを付けたいな」

召喚士「うん…。因縁も多々あるしね…」

盗賊「…ああ」

戦士「とりあえず、食事済ましちまおうぜ…!」

召喚士「あ、そうだね。食事の時ぐらい楽しまなくちゃね」

魔道士「そうですよぉ〜。えへへ!!」


171 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:30:02.13 ID:.PdYZZko
〜国軍本部〜

カツカツカツ

青年兵「……?」

エリート「それでっ、司令は大丈夫なのか!?」

青年兵「エリート様…!?」

エリート「…おぉ!青年兵!!」

青年兵「ただいま戻りました」

エリート「修行だけではなく、大変だったようだな…」

青年兵「…ええ。あの、かなり慌しいようですが…」

エリート「私も今着いたところなのだが…」

青年兵「……」

〜作戦会議室〜

副司令官「だからっ、大軍師が北におるのだろう!?司令部へ急がせろ!」

国軍兵「騎士団長様の大隊、北関まで進軍完了との事!」

伝令「白虎長様率いる召喚隊は、船で北の港へ進発されました!」


172 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:30:44.59 ID:.PdYZZko
ガチャッ

副司令官「おぉ戻ったか!」

隊長「…はっ。特殊遊撃三名、ただいま戻りました」

副司令官「…見ての通りだ。…全く」

隊長「…司令は?」

副司令官「大事無いそうだ。司令室におる」

隊長「…かしこまりました」

テクテクテク

副司令官「ああ、そうだ」

男隊員「……?」

副司令官「司令官へ会うならついでにこの書類を頼む」

隊長「…これは?」

副司令官「特遊の補充要員だ」

隊長「!?」

副司令官「もう吹っ切れたのだろう?また…働いてもらうぞ」


173 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:31:21.76 ID:.PdYZZko


エリート「失礼します」

副司令官「おう。本国兵をこちらに回せるかな?」

エリート「問題ありません」

副司令官「南の次は北…。ここも強襲される恐れがあるからな…」

エリート「…そうですね」

青年兵「あの、こちら…南での報告書になります」

副司令官「…ご苦労。後で目を通す」

青年兵「…はっ!」

エリート「それでは、失礼致します」

ザッ…カツカツカツ

〜司令室〜

隊長「司令は?」

秘書官「中におられますよ」

隊長「…おう」


174 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:31:56.87 ID:.PdYZZko
コンコン…カチャッ

隊長「失礼致します」

司令官「……ん」

隊長「……お怪我は…?」

司令官「…ああ、私は無事だよ。私はね」

女隊員「……?」

司令官「…護衛と馬車は全滅」

隊長「……」

司令官「……ん?何か?」

隊長「…何故、南へ…?」

司令官「…何か…君に関係あるのかな?」

隊長「…し、失礼を致しました!あ…こちらを副司令官から…」

パサッ

司令官「…ああ、話しは聞いているよ。呼んできて」

秘書官「畏まりました」


175 名前:GEPPERがお送りします [] 投稿日:2010/08/27(金) 17:32:28.74 ID:OIqkLEco
さてさて…次の章も最初から大変そうだな
そして次はどんなキャラが出るのか…


176 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:32:51.28 ID:.PdYZZko
司令官「…南では苦労したようだね」

男隊員「…えぇ、まぁ」

司令官「お陰でだいぶ動きやすくなったよ」

隊長「…ありがとうございます!しかしながら…」

司令官「……」

隊長「我らは助力にすぎず、南方の各兵とワーカー等の活躍によるものであります」

司令官「…ん。それも分かってるよ」

カチャッ

秘書官「お連れ致しました」

司令官「…ん。ご苦労」

隊長「各員敬礼っ、新たな仲間を出迎えろっ!」

ザザッ…テクテクテク…

男隊員「……えっ!?」

女隊員「…え…えぇ〜っ!?」

格闘家「……失礼します」


177 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:33:21.31 ID:.PdYZZko
隊長「お前が…補充要員…!?」

格闘家「…みたいです」

司令官「……顔見知り?」

隊長「え、えぇ…。まぁ…」

女隊員「そ、そうだったんスか…!」

格闘家「…自分も皆さんが特殊遊撃とは知りませんでした」

男隊員「知らねー仲じゃねぇし、やり易いわな!ヒャハハ!」

隊長「そうかぁ…」

格闘家「…宜しく…お願いします」

格闘家はぺこりと頭を下げる。それに続き三人も敬礼にて返答した。

女隊員「改めて…宜しくッス!!」

隊長「格闘家か…。よろしくな!」

男隊員「女じゃねーのが残念だが…強いに越したことぁねーわな!」

司令官「…。。、それじゃ頼むよ」

一同「…ははっ!!」


178 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:34:33.64 ID:.PdYZZko
隊長「では、失礼致します」

司令官「……ん」

ザッ…クルッ…カツカツカツカツ…

秘書官「…司令っ!!」

司令官「……?」

カツカツカツ

左大臣「…やァ、貴殿が襲撃にあったと聞いてなァ」

司令官「…これはどうも」

左大臣「見たところ大事ないようで何よりよ」

司令官「…どうも」

左大臣「なにをしとるのか知らんがァ、あまり無茶はするなよ…?」

司令官「…胆に命じておきましょう」

左大臣「分を弁えないとなァ。所詮は…妹の力でここまで成り上がっただけの事」

司令官「……」

左大臣「…その妹も死に、もはやお前は何の繋がりもない男なのだからなァ」


179 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:35:22.61 ID:.PdYZZko
ガタンッ

左大臣「何だァ?この私に手を下すかァ?ん?」

司令官「……やめろ。そんな気分じゃない」

左大臣「…ふん、まァいい。自分で申したのだァ。胆に命じておけよ?」

司令官「……」

カツカツカツ

副令官「…左大臣様!?」

左大臣「おぉ、ちょうど良かったァ。東方の人事なんだがなァ…」

テクテクテク…

秘書官「…大丈夫ですか?お顔が優れませんが」

司令官「…仮面をしてても顔色が分かるのかい?」

秘書官「あ、口元…とか…」

司令官「…下がっていいよ。一人にさせてくれ」

秘書官「……っ、畏まりました」

司令官「……」


180 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:35:59.79 ID:.PdYZZko


青年兵「青龍先生の容体は!?」

衛生兵「ああ、問題ない。今はぐっすり眠っているよ」

青年兵「……そうですか…っ」

コツコツコツ…

占い師「責任…感じる事はないわよ?」

青年兵「……しかし、僕にもっと魔力があれば」

占い師「気負いすぎよ。貴方はそれ程の男なの?地位なの?」

青年兵「……っ」

占い師「いいのよ。自分に出来る範囲で、出来る事をしなさい」

青年兵「…はい」

占い師「貴方も休んだ方が良いわね…。だいぶ疲労が見えるわよ?」

青年兵「…はい。失礼…致します」

テクテクテク

占い師「……」


181 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:37:09.69 ID:.PdYZZko
クルッ

占い師「…若者は行き急いで大変だわ…っ」

――「……ハッハ!」

占い師「!?」

クルッ…バッ!!

占い師「……?」

コツコツ…コツ…

占い師「…や、やだ…っ、あんな奴の幻聴だなんて…っ」

コツコツコツ…ピタッ

占い師「……何も感じないもの。大丈夫…よね。マジシャン…」

召喚士、戦士、魔道士、盗賊。各々の修行を目的とした一ヶ月は、

最後に牛魔王との戦いという、大きな結末を以って終了した。

そして…この戦いを境に、各地の動きは大きく早まる結果となる。

だが今は、誰しもが目の前の困難を乗り越える事に精一杯であった。

〜第二十一部、完〜


182 名前:GEPPERがお送りします [sage saga] 投稿日:2010/08/27(金) 17:46:10.82 ID:.PdYZZko
火焔山編終了っす!このまま二十二部突入します!
まとめありがとうございます!相変わらず早い!感謝感謝〜!
あぷろだも追加ありがとうございます!集合絵嬉しいです!



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