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幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」
426 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 12:55:19 ID:Zq.X94s6
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【次の日の朝】


・・・・パンパン

僧侶戦士「ほらー、朝だぞー」


幼剣士「・・・んにゅ・・・・、おはようございます・・・」ボサボサ

童子騎士「・・・おはよ・・」ネムイ



武道家「戦士たるもの朝にも強くないとダメだぞ」

幼剣士「・・・ふぁい・・」


427 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 12:59:37 ID:Zq.X94s6
 
僧侶戦士「んじゃ、少佐殿に挨拶に行くぞ」

幼剣士「・・・ふぁーい・・」
 
武道家「童子騎士も世話になるんだから、一緒に頭下げるぞ」

童子騎士「もちろんです」


僧侶戦士「じゃあ行こうか・・・ほらしっかり立って」


幼剣士「・・・」ムニュムニュ


428 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 13:00:45 ID:Zq.X94s6
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


・・・・コンコン
・・・ガチャッ


僧侶戦士「失礼します。昨晩はありがとうございました」ペコッ


少佐「おぉ・・もう起きたのか。疲れはとれたかね?」


僧侶戦士「おかげさまで・・・本当に感謝します」

武道家「ありがとうございました」

幼剣士「ありがとう!」


429 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 13:02:41 ID:Zq.X94s6
 
僧侶戦士「ですが、あと数日だけ身内の子を預かっていただくので・・何かこちらからもお礼を・・・」

少佐「ふむ・・・気にしなくていいのだが・・・」

僧侶戦士「しかし・・・」


少佐「お互い軍仲間だろう?困った時はお互い様だ・・・気にするんじゃない」

僧侶戦士「・・・感謝致します」



吟遊詩人(あ・・幼剣士くんたち・・・。今日どっか行くみたいの言ってたけど・・・なんの話してるんだろ)コッソリ


430 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 13:03:41 ID:Zq.X94s6
 
少佐「本当に行くのかね?」

僧侶戦士「はい、決めたことですので・・・」

少佐「・・・そうか。止めても無駄だな・・・武運を祈るぞ」

武道家「この時期に塔に登るなんて・・・よっぽどですよね」ハハ・・


吟遊詩人(!)


少佐「全くだ・・・」


・・・ガチャッ!!!

吟遊詩人「い、今・・・塔に調査に行くって・・・!」ドタドタ


431 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/04(木) 13:05:36 ID:Zq.X94s6
 
少佐「ぎ、吟遊詩人・・・今の話を・・・」

幼剣士「吟遊詩人くん・・・?」

武道家「・・・ん?」

童子騎士「・・・あれ、お前は・・」



吟遊詩人「ぼ、僕も連れてって下さいませんか!?」



幼剣士「・・・え?」


432 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/04(木) 13:06:27 ID:Zq.X94s6
一旦終了です。有難うございました。


433 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/07/04(木) 13:48:32 ID:RUtICbMQ
乙。
続きが気になる!楽しみに待ってます。


434 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/07/04(木) 14:14:26 ID:dGNV9sOA
いつもヒキがうまいよな
乙です


437 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/07/05(金) 11:13:16 ID:8ZvF4I2Q
皆さん有難うございます。
モチベがとても上がります!


438 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:13:48 ID:8ZvF4I2Q
 
少佐「・・・」ハァ

武道家「いきなりなんだぁ・・・?」

幼剣士「・・・」


吟遊詩人「お願いします!足手まといにはなりません・・・だからっ!」


僧侶戦士「ちょっと待て。整理がつかない。一個一個分かるように説明してくれ」


吟遊詩人「あ・・・あの・・その・・・」


439 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:14:30 ID:8ZvF4I2Q
 
少佐「・・・その子の親父が、先発調査隊の1人なんだ」

幼剣士「え!?」

少佐「そして・・・、ワシの孫でもある。こんな状況だからな・・・ここで保護をしているんだ」


僧侶戦士「じゃあ・・・もしかして、先発隊のその人は・・・」

少佐「左様。ワシの息子・・・だ」


吟遊詩人「・・・」


武道家「・・・」

幼剣士「・・・」

童子騎士「・・・」


440 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:15:14 ID:8ZvF4I2Q
 
少佐「実は、もう1つお願いしたい事があったんだ・・。その子の親父で、ワシの息子の"伶人"を探してもらいたい・・」

僧侶戦士「・・・」

少佐「あいつはワシがやった銀色のペンダントをしているはず。見たらわかる・・・はずだ」

僧侶戦士「銀色のペンダントですね・・・了解しました」



吟遊詩人「僕も・・・お願いします・・・連れてって下さい!」

少佐「ダメだ!」

吟遊詩人「ダメでも・・・行きたい!!」

少佐「分かってくれ・・・ワシにはもう・・もしかしたら・・家族はお前しかいないかもしれないんだ・・・」

吟遊詩人「お父さんは・・きっと生きてる・・・だから・・・」


441 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:16:03 ID:8ZvF4I2Q
 
武道家「・・・」

僧侶戦士「・・・」


吟遊詩人「僕だって戦える!」

少佐「・・・危険なんだ!女が行く場所ではない!」

吟遊詩人「・・・」ギリッ


幼剣士「そ、それは・・・!」

・・・・スッ


武道家「幼剣士、やめとけ・・・・少佐殿、ちょっといいですか?」

幼剣士「・・・武道家さん」


442 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:17:09 ID:8ZvF4I2Q
 
僧侶戦士「お前・・・また余計なことを・・・」

武道家「いいからいいから」ニヤッ

少佐「なんだ?言ってみろ」


武道家「あのー、俺頭悪いんで良く分からないんですけど・・・、女が・・とか、男が・・とかは戦いの場では関係ないと思います」

少佐「・・・何だと?」 

武道家「出すぎかもしれませんが、自分の周りは強い女がたくさんいますし・・・」

少佐「それはお前の環境が、だろう?吟遊詩人はそういう人間ではないのだ」


武道家「・・・吟遊詩人が、中央国の武道大会で優勝したの知ってますよね?」

少佐「・・・」

武道家「それで、戦える証は充分だと思うんです」

少佐「そういう問題ではな・・」


443 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:17:42 ID:8ZvF4I2Q
 
武道家「いや何も、今一緒に行こうって言ってるわけじゃなくて。女だから・・とかの差別は・・苦しい人には苦しいモンだと思います」


僧侶戦士「・・・」ッフ


武道家「ましてや、戦うという意思を持った人間や、家族を失いかけてる前で"お前は見ていろ"は酷すぎませんか?」

少佐「・・・」

武道家「俺も昨日、傷つけた言い方しちゃいましたので・・・。そこだけは言っときたかったんです」ペコッ

少佐「・・・ふん」



武道家「以上です。・・・出過ぎたマネして本当すいませんでした。罰なら受けます」

僧侶戦士「仲間の罰は連帯責任、自分も受けます」

武道家「・・・お前」


444 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:18:12 ID:8ZvF4I2Q
 
幼剣士「ぼ、僕も!」

童子騎士「俺も!」


吟遊詩人「みんな・・・・」


少佐「・・・そこまで言われて、断ったらワシの器の小ささがバレてしまうじゃないか・・・仕方ない・・・」

吟遊詩人「え・・・じゃあ!?」

少佐「武道家、僧侶戦士だったな・・・危険だと思ったらすぐに引き返せ。それが条件だ、いいか?」

吟遊詩人「お爺ちゃん・・・!」ダキッ

少佐「むおっ・・・わかったわかった・・・」


武道家「へへ」チラッ

僧侶戦士「・・・・やるじゃん」


445 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:18:45 ID:8ZvF4I2Q
 
少佐「・・・頼んだぞ」

童子騎士「皆・・・気をつけて・・・」


僧侶戦士「任せてください!」ビシッ

武道家「行って参ります!」ビシッ

幼剣士「行ってきます!」ビシッ

吟遊詩人「いってきます!」ビシッ


446 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:19:16 ID:8ZvF4I2Q
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・


447 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:19:51 ID:8ZvF4I2Q
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【星降町付近の道中】 


・・・ザッ・・・ザッ・・・


吟遊詩人「あの・・ありがとうございました」ペコッ

武道家「いいよ気にスンナ。昨日の詫びの代わりだ」

吟遊詩人「・・・」


僧侶戦士「つか、童子騎士のやつ何言ってるか分かってなかったみたいだったぞ」

幼剣士「あぁ・・・吟遊詩人さんが、女の子だったって知らないんだ・・・」


448 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:20:31 ID:8ZvF4I2Q
 
吟遊詩人「それはそれでちょっとショックなんだけどな・・・」ハァ

幼剣士「まあ僕らが、吟遊詩人さんは可愛くてキレイな女の子って知ってるから大丈夫!」ヘヘ


吟遊詩人「なっ・・・」カァッ


幼剣士「どうしたの?」チラッ

吟遊詩人「な、なんでもない!」プイッ


僧侶戦士「・・間違いなく青年剣士の弟だわ」

武道家「全くだ」


449 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:21:08 ID:8ZvF4I2Q
 
僧侶戦士「お・・・、あそこに見えるのが星降町だぞ」

武道家「おーおー久々だ」


幼剣士「で・・・あそこの山沿いに建っているのが・・・」

吟遊詩人「"塔"・・・・!!!」


武道家「気をつけろよ。もうこの辺からは何が出ても不思議じゃない・・・ハァッ!!!」ブォッ


・・・・グシャッ!!

グール『』ピクピク


武道家「こんな風にな?」


450 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:21:40 ID:8ZvF4I2Q
 
幼剣士「わ・・・ゾンビ・・・?」ビクッ

僧侶戦士「この辺の地中は紛争や、今回の騒動の死体が埋まってるんだろう。それを喰ってるんだ」

吟遊詩人「・・・」ゴクッ


武道家「お前らもこうなりたくなかったら、充分気をつけることだ」


吟遊詩人「も、もちろんです!」

幼剣士「当たり前だよ!返り討ちにしてやる!」


僧侶戦士「・・・ははは・・、お!あそこが町の入り口だ!」


451 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:22:29 ID:8ZvF4I2Q
 
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
――【星降町】 


武道家「・・・ひでぇ・・・・・・」


若い男「・・・」

軍人「・・・」

若い女「・・・」

老いた爺「・・・」


僧侶戦士「血だらけ・・・死体だらけじゃねーか・・・大丈夫か2人とも?」


452 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:23:17 ID:8ZvF4I2Q
 
幼剣士「・・・あの時・・みたい・・・だ」

吟遊詩人「大丈夫です・・・」


武道家「合掌・・・。本当に世界一の星の町だったのか・・・疑いたくなるな」

僧侶戦士「人が足りなすぎる上に、冒険の扉が使えないから回収もできないんだ・・・」

武道家「そして放置された死体は・・・、グールに喰われ・・・感染するわけか・・」


・・・・モゾモゾ・・

軍人(グール)『・・・ウゥ』ムクッ

若い女(グール)『・・・グッ・・』ムクッ

爺(グール)『・・・』ガバッ

若い男(グール)『・・・・ガ・・』スッ


453 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:23:57 ID:8ZvF4I2Q
 
武道家「すんませんが、まだ死にたくないので・・・成仏してよ!掌底波ァ!」ブワッ!!!


・・・・グシャグシャグシャア!!!

武道家「ひぃぃこの感触は嫌だぁぁ」



吟遊詩人「うっ・・・」

幼剣士「だめだ・・・僕、見てられないよ・・・」



僧侶戦士「しっかりしろって言われたばっかだろ!喰われてーのか!?」チャキッ


454 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:24:30 ID:8ZvF4I2Q
 
幼剣士「・・・くそっ・・」

吟遊詩人「・・・うぅ・・」


武道家「そういう覚悟で来たんじゃねーのか!相手は人だが・・人じゃねえ!そんな生半可な覚悟なら、家に帰すぞ!」

・・・ブシャァッ!!
・・・・・・・グシャァ!!!!


僧侶戦士(酷だが・・・、武道家は正論だ・・・。あいつらのトラウマにならなきゃいいが・・・帰すべきか・・・?)

 
 
幼剣士「う、うわぁぁっ!」チャキッ

吟遊詩人「・・・・ああああっ!」スッ


455 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:25:29 ID:8ZvF4I2Q
 
幼剣士「小斬っ!!」ブォッ!

吟遊詩人「・・・・火波動ぅっ!!!」ギュィィィン!!!


・・・ブシャッ!!!・・・ドゴォォォォン!!!


町人(グール)『・・・グ・・・』

・・・ドサッ


幼剣士「ごめんなさい・・・」

吟遊詩人「・・・ごめん」


456 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/07/05(金) 11:26:21 ID:8ZvF4I2Q
 
武道家「はっは!上等・・・!このまま一度・・・集会場まで突っ切るぞ!」

僧侶戦士「しっかり着いてこいよ・・お前ら!」

幼剣士「・・・うん!」

吟遊詩人「・・・行きます!」



・・・・・・・タタタタッ!!
・・・ブシャッ・・・

ドサッ・・・ドゴォォン!!・・・グシャッ・・・


・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



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