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冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
- 1 名前: ◆qqtckwRIh. [sage]
投稿日:2013/08/21(水) 11:14:52 ID:LsCcfpcw
【少年剣士シリーズ】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1370948694/l50
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371177620/l50
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371707458/l50
【幼剣士シリーズ】
幼剣士「待っていて下さい・・僕が・・必ず・・!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372216047/
幼剣士「僕には夢が出来ました」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1373284710/
青年剣士「運命ということ・・」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374051127/l50
【冒剣士シリーズ】
冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375843192/
- 2 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:15:24 ID:LsCcfpcw
――――――【遺跡調査から3週間後・ジパング行の船の中】
…ボォー……
孤高騎士「…お、出発か」
冒剣士「みたいですね〜。船で3日ほどなので、のんびりするといいですよ」
女メイジ「ドキドキしてきた…、考えたら東方なんて初めてだ…」
冒剣士「正確にいえば東方は独立国だからジパングの名称が正しいんだけどね」
- 3 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:16:01 ID:LsCcfpcw
女メイジ「なんでジパングっていうの?東方は東方だと思ってたけど…」
孤高騎士「北方の雪降町と猛雪山、南方のエルフの町及び太陽の祭壇、西方の星降町と魔力の塔…そういう感じのイメージなんだがな俺は?」
女メイジ「私もそれと一緒で、中央大陸の領土だと思ってたけど…」
冒剣士「あー…まあね。ジパングは世界に誇る技術の提供をしてるから、余計そういうイメージがついてるのかも」
女メイジ「冒剣士だって、出身国なのに"東方出身だ"っていってたし」
冒剣士「僕らも、そういう感じでずっと言われてたから…、それに慣れちゃってるってことなんだよね」
女メイジ「なるほどねー…」
- 4 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:16:38 ID:LsCcfpcw
孤高騎士「東方って具体的にどういう感じなんだ?この船が向かう先は?」
冒剣士「この船は、"トウト"という主要都市に着きます。港から少し離れてますが、歩けばすぐです」
孤高騎士「へえ…、町並みはどんな感じなんだ?」
女メイジ「あ、それ興味ある!」
冒剣士「どうって…ガス灯が今は港周辺から主要都市に点いているので、夜も魔力を消費せず明るいですよ」
孤高騎士「ガ…ガス灯…?」
冒剣士「それと魔動車なんかも金持ちの人なら持ってるんじゃないですか?」
女メイジ「ま…魔動車…?」
- 5 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:17:26 ID:LsCcfpcw
冒剣士「はい。え、えーと…2人ともその顔は…?」
孤高騎士「なんだそれ」
女メイジ 「何それ」
冒剣士「が、ガス灯っていうのは…ガス燃料を使用した明かりのことです」
孤高騎士「…?」
冒剣士「魔動車っていうのは、魔石を燃料に変換して走ってくれる車です。魔動船の技術が確立する前からありましたよ」
女メイジ「…?」
孤高騎士「何がなにやらさっぱりだ」
女メイジ「私もです。実際見ないとわかりませんね…多分…」
冒剣士「うーん、女メイジや僕らの冒険酒場だって東方の技術は使ってるんだよ?」
女メイジ「え?」
- 6 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:18:46 ID:LsCcfpcw
冒剣士「冷蔵庫とかスイッチ式の明かりは、全部東方の錬金術師が編み出した技法なんだよ」
女メイジ「あー…確かに…」
冒剣士「ガスやら何やら僕はさっぱりだけどね。とりあえず着けば分かると思う!」
女メイジ「そ、そうだね…?」
孤高騎士「料理とかも変わってるのが多いんだろ?」
冒剣士「うーん…僕はそう思いませんが。むしろ、美味しい料理が多いですよ…新鮮命!とかで」
孤高騎士「しん…せん?」
- 7 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:19:23 ID:LsCcfpcw
冒剣士「僕たちは、基本的に新鮮なものを多く食べるんですよ。たとえば、刺身とか…卵でも…」
女メイジ「えっ」
孤高騎士「刺身…?」
冒剣士「はい。魚を捌いて、それを生のまま食べます。鶏卵なんかも生のまま…」
女メイジ「あ…ありえなーーーいっ!!」
孤高騎士「そ…それはさすがにスリリングじゃないか…?」
冒剣士「えっ…、そ、そうです…?」
- 8 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:20:08 ID:LsCcfpcw
女メイジ「お肉とかなら分かるけど、さすがに魚とか鶏卵って…おなか壊すでしょ…」
冒剣士「えー!?あ…そういえば、西の漁港に行ったときも、刺身とか見なかったな…」
女メイジ「でしょ!?やっぱりありえないって…」
冒剣士「食べればハマるって!絶対!」
孤高騎士「そ、そうなのか…?」
女メイジ「食べたくないよう…、そんな料理ばっかとか…」
冒剣士「食わず嫌いほどダメなものはないでしょ!」
女メイジ「うー…」
孤高騎士「ま、そりゃそうか。本当にうまいかもしれねーしな、楽しみにはなってきた!」ハッハッハ
- 9 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:20:55 ID:LsCcfpcw
女メイジ「孤高さん、やっぱ怖いもの知らずだ…」
孤高騎士「何事も挑戦よ!」
女メイジ「私もそのくらい…勇気を持たなくちゃ…」ハァ
冒剣士「祖国の料理とか調理法を勇気を持って…っていうのも複雑な気分ですが…」タハハ…
女メイジ「あ、ご…ごめんね!そういう意味じゃないんだけど…」
冒剣士「あはは…いいよいいよ。そんな女メイジたちには…"納豆"なんかも食べてもらうから」
女メイジ「な…」
孤高騎士「納豆…?」
- 10 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:21:45 ID:LsCcfpcw
冒剣士「簡単にいえば豆を発酵させたものです。美味しいですよ」
孤高騎士「豆を発酵って…」
女メイジ「ふ〜ん、聞くだけでは一番マシそうね。楽しみにしてる!」
冒剣士「…うん」ニタッ…
孤高騎士「っと、ここからはしゃいでたら体力もたねーしな。休みながらのんびり行こうぜ」
冒剣士「そうですね。ちょっとした長旅ですしね」
女メイジ「部屋でトランプでもしながら、東方の話をもっと聞かせてよ!」
冒剣士「うん、いいよ」ニコッ
- 11 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/21(水) 11:22:21 ID:LsCcfpcw
That's where the story begins!
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【冒剣士「僕は最高の冒険者になる」】
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- 13 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/21(水) 11:23:31 ID:LsCcfpcw
本日はここまでです。
第三シリーズの第二幕が始まりました。よろしくお願いします。
- 17 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/08/21(水) 19:44:45 ID:8VweCY1g
いつも期待するたびに話が飛んでたから
いよいよ冒険らしくなってきてようやくwktk
- 18 名前: ◆qqtckwRIh. [sage] 投稿日:2013/08/22(木) 09:44:22 ID:6DjUmAIs
皆様ありがとうございます(A´ω`)
>>17
第一幕は話の準備スタートだったので、自分も飛ばし感がありすぎました。
今回は冒険パートが主力で進んでいくのでどうぞ、お付き合いください
- 19 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:44:53 ID:6DjUmAIs
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- 20 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:45:32 ID:6DjUmAIs
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――――【3日後の夕方・トウトの港】
…ボォォ……
アナウンス「中央大陸、ジパングのトウト線の船が着港致します」
…ザバァ……ボォォ………
孤高騎士「おおお、ここが東方かああ!」
冒剣士「へへ、そんなに離れていなかったけど…なんか凄い懐かしい気分だ」
女メイジ「ここが港…?凄い人…」
- 21 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:46:07 ID:6DjUmAIs
…ザワザワ…
女メイジ「何あれ?あの明かりの点いてる塔」
冒剣士「あれは灯台だよ。嵐のときとか、夜に目印にするために明かりを常に放ってるんだ」
孤高騎士「ほほー…あの道に並んでるのは魔力灯じゃなくてガス灯ってやつなのか?」
冒剣士「そうですね。魔力を使わないで、ガス燃料を使って明かりを出してます」
孤高騎士「淡くていい光だな。嫌いじゃないぜ」
…ザワザワ……
孤高騎士「そして…人多すぎるだろ!ここまだトウトの中心じゃないんだろ?」
冒剣士「そうですねー…、トウトはもっと多いですよ。世界で最大の人口密度を誇ってるとか」
- 22 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:46:39 ID:6DjUmAIs
女メイジ「なんか…人に酔いそうな言葉ね…」
冒剣士「あはは、確かにそうかもね」
孤高騎士「しっかし立派だな。中央国に近い建物と、独自な不思議な建物が入り乱れてるのに、景観が美しい」
冒剣士「建築技術も高いですからね!」
女メイジ「ね、ねね!あれ何!?」
冒剣士「あ〜…あれは立ち飲み屋。あっちは食べ歩きの商店街だよ」
女メイジ「何それ!?」
- 23 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:47:15 ID:6DjUmAIs
冒剣士「ここにいる人はほとんど働いてる人で、帰るのが遅い人も多いから、歩いて食べられる料理を提供してるんだよ」
女メイジ「へえ〜!」
冒剣士「何か食べてみる?」
女メイジ「う…そ、それは…」
冒剣士「さすがに、まだ刺身とかはないから安心して…。コロッケとか、おにぎりだから…」
女メイジ「そ、そうよね…」
孤高騎士「何事も挑戦だっちゅーてるだろうが!刺身でもなんでもこい!」
冒剣士「ないですって…」
- 24 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:48:05 ID:6DjUmAIs
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コロッケ店主「へいらっしゃい!ホクホクのコロッケはいかが!」
冒剣士「あ、それじゃ3つください」
コロッケ店主「3つで600ゴールドになります!」
冒剣士「あ、はい。それとソースも軽くかけてください、このまま食べていくので」
コロッケ店主「はいはい!…と、600ゴールド確かに。毎度ありー!」
冒剣士「はーい」
…カサカサ
- 25 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:48:48 ID:6DjUmAIs
…スッ
冒剣士「はい…どうぞ。他の国にはあまりないから、ちょっとした珍味かもしれないよ」
女メイジ「コロッケ…?」
孤高騎士「なんか、クロケットに似てるな?」
冒剣士「元はそれが原型ですね。中身はポテト…ジャガイモなので、ホクホクしておいしいですよ」
女メイジ「う…勇気一発!」
…サクッ
- 26 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:49:19 ID:6DjUmAIs
冒剣士「…どう?」
女メイジ「…〜〜っ!!」
冒剣士「?」
女メイジ「あっつうううい!舌が火傷する〜!」
冒剣士「はは、そりゃね。ゆっくり少しずつ食べないと、火傷しちゃうよ」
女メイジ「そういうことは早く言ってよ!も〜!」
孤高騎士「あぶね〜…丸かじりでいくところだった…」
冒剣士「ってなわけで、気をとりなおしてゆっくり食べてみてください」
- 27 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:49:52 ID:6DjUmAIs
女メイジ「…」ソー…
孤高騎士「…」ソー…
…サクッ……
サクサク…モグモグ……トロッ…
冒剣士「ど…どう?」
孤高騎士「こ…こりゃあ…」モグモグ
女メイジ「…」サクサク
孤高騎士「旨い…」
女メイジ「美味しい…」
- 28 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:51:04 ID:6DjUmAIs
冒剣士「でしょー!?」
女メイジ「この黒いの?と、衣がすごい合ってて、サクサクしてて…中のジャガイモも…トロける…」
孤高騎士「ビールと一緒に食べたらスゲー合いそうだな…」
冒剣士「と、ついでにこれも買っておきました。はい、おにぎりです」
…スッ
冒剣士「中身は鮭と梅干しです。こっちが鮭で…梅干がこっち。どうぞ」
女メイジ「…私たちが食べてる米より、なんか丸みを帯びてる気がする?」
孤高騎士「それだけじゃなくて、米が立ってないか?それと、俺らの知ってるのよりスゲー白銀っぽいよな」
冒剣士「米は主食ですから、力を入れて農業をしているんですよ」
- 29 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:51:36 ID:6DjUmAIs
パクッ…モグモグ
女メイジ「…!」
孤高騎士「う…うめえ…、なんだこれ…」
女メイジ「米自体にもうっすら味がついてる?なんていうか…甘い…」
冒剣士「それがジパング自慢の国産米です。おいしいでしょ?」
女メイジ「鮭も美味しい〜!塩で締めてるの?ご飯に合う!」
孤高騎士「こっちの梅干は酸味が丁度いいクセに、梅自体に甘みもあって味わい深い…」
冒剣士「こういうものがある国の自慢の、生魚の刺身が"美味しくないもの"だと思います?」
- 30 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:52:17 ID:6DjUmAIs
女メイジ「い…言われてみれば…」
孤高騎士「確かに偏見だったかもな…、そのサシミとやら楽しみにしていいのか?」ハハ
冒剣士「高級なものは難しいですが、美味しいものは用意しますよ」
孤高騎士「楽しみにしてるぜ」ポンポン
冒剣士「よし、それじゃあ…もうすぐ夜になりますし…その前に家に案内しますよ」
孤高騎士「近いんだっけか?…それと、急に押しかけて大丈夫か?」
冒剣士「大丈夫ですよ。割と近いので…あと、大丈夫だと思います」
女メイジ(冒剣士の家か〜…どんな感じなんだろ…)ワクワク
- 31 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:52:48 ID:6DjUmAIs
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【20分後】
冒剣士「見えた…あそこですよ!」
孤高騎士「ほー…って、ここから入り口か!?」
冒剣士「トウトの中心から離れてる場所は、土地代も安いのでこんな感じですよ」アハハ
女メイジ「庭があるー!」
冒剣士「土地の割りに家が小さいのは、この辺の地区では当たり前です」ハハ
- 32 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:53:25 ID:6DjUmAIs
…トコトコ
冒剣士「さてさて…いらっしゃいませ!」
孤高騎士「家には親いるのか?」
冒剣士「お父さんは子供のころに亡くなってますけど…お母さんがいますよ」
女メイジ「…そうなんだ」
冒剣士「それでは…」
…ガチャッ……
冒剣士「母さん!ただいまー!」
- 33 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:53:55 ID:6DjUmAIs
…ドタドタ
冒剣士「…」
冒母「…あら!聞きなれた声がしたと思ったら…冒剣士…、どうしたの!?」
冒剣士「あはは…ちょっとだけ帰省…。あと、仲間が出来たんだ…紹介するよ!」
孤高騎士「あ…初めまして」
女メイジ「ど、どうも!」ペコッ
冒母「あらあら…、素敵なお仲間さんたちですね…!」ニコッ
- 34 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:54:29 ID:6DjUmAIs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…ボスッ
冒剣士「…っていうわけなんだよ」
冒母「ちょっとの間、泊めて…ねえ」
孤高騎士「あ、いや…無理にはいいんですよ。俺らは冒険者ですし、冒険酒場もありますし…」
冒母「部屋、狭いけど大丈夫かしら…?」
冒剣士「孤高さんたち…いい?」
孤高騎士「いや狭いとかは別にいいが…」
冒剣士「…決まりっ♪」
- 35 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:55:12 ID:6DjUmAIs
女メイジ「…」キョロキョロ
冒剣士「…どうしたの?」
女メイジ「なんか、不思議な造りだなーって。あっちの部屋の黄色い床は何?」
冒剣士「あれは畳だよ」
女メイジ「畳…?」
冒剣士「あっちの部屋で寝ることになるから、荷物置くついでに案内するよ」
女メイジ「うん、わかった!」
…トコトコトコ……
- 36 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:55:50 ID:6DjUmAIs
冒母「はあー…少しだけ離れていただけなのに、凄い大人になった感じがするねぇ…」
孤高騎士「会った最初のころは、文句言ったりもしてたみたいですがね、子供の成長って早いもんなんですね」
冒母「迷惑とかはかけていませんか…?」
孤高騎士「とんでもない。むしろ、助けられることも多いくらいですよ」
冒母「そうですか…」
孤高騎士(気の弱そうな母親だな…、死と隣り合わせの戦いばっかだって聞いたら、気失うかもしれん…)
冒母「お父さんが幼い頃に亡くなってから、大事に育ててきた一人息子なんです。どうぞ…よろしくお願いします」
孤高騎士「…はい、もちろんですよ」ニコッ
- 37 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:56:22 ID:6DjUmAIs
……トコトコ
冒剣士「それで、母さん」
冒母「なあに?」
冒剣士「今夜の晩御飯、豪華なもので用意してほしいんだけど…」
冒母「もちろん、腕によりをかけて作るわよ」
冒剣士「それで…えーと…」ゴソゴソ
冒母「?」
…ドサッ
冒剣士「これ、僕が稼いでるお金なんだけど、これで買って欲しい…なんて…」
冒母「…!」
- 38 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:57:14 ID:6DjUmAIs
孤高騎士「…」フッ
女メイジ「…冒剣士」
冒剣士「やっと、こうやって母さんにも親孝行できる…みたいな…恥ずかしいけど!」
冒母「…冒剣士……」
冒剣士「だから…受け取ってよ、母さん!」
孤高騎士「息子の気持ち、素直に受け取るのも大事ですよ」
冒母「そうです…ね。ありがとね、冒剣士」ナデナデ
冒剣士「か、母さん…!」
- 39 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:57:48 ID:6DjUmAIs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…カチャカチャッ……
冒母「それじゃ…皆さん席についたわね…」
女メイジ「はいっ!」
孤高騎士「美味しそうですね」
冒剣士「うわー…母さんの料理久しぶりだよ…」ウキウキ
- 40 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:58:53 ID:6DjUmAIs
冒母「それじゃ…」
冒剣士「いただきまーっす!」
女メイジ「いただきます」
孤高騎士「ご馳走になります」
…カチャカチャ…
女メイジ「これは何?スープ?」
冒剣士「味噌汁だよ。美味しいから飲んでみて」
女メイジ「…」ズズッ…
- 41 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 09:59:25 ID:6DjUmAIs
冒剣士「…」
女メイジ「わっ…美味しい〜…」
孤高騎士「えーと…どれが"サシミ"だ?」
冒剣士「これですね。醤油につけて食べてください…そう、その手前にある黒いのです」
冒母「ジパング住みなら慣れてるけど、他の国の方はどうかしらねえ…」
孤高騎士「…」モグッ…
女メイジ「ど、どうですか…?」
孤高騎士「うっ…!」ガタッ
- 42 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 10:00:53 ID:6DjUmAIs
冒剣士「えっ!?」
女メイジ「ど、どうしたんですか!?」
孤高騎士「うまい!」
冒剣士「…で、ですよねー!?」
女メイジ「本当ですかー!?」
冒母「…」クスッ
孤高騎士「ちょっと生臭さが残るが、口の中でトロっとして…なんだこりゃ!イケるぞ!」
- 43 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 10:01:47 ID:6DjUmAIs
冒母「お酒、少しだけどありますから…飲みますか?」
孤高騎士「ぜ…是非!こりゃあいいツマミだぜ…」
女メイジ「じゃ…じゃあ私だって挑戦する…」
…スッ……パクッ・・・
冒剣士「…」ドキドキ
女メイジ「あ…おいし…」
冒剣士「だからいったでしょー!美味しいんだってば!」
- 44 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 10:02:19 ID:6DjUmAIs
…パタパタ
冒母「はい、こちらがお酒です…」コトッ
孤高騎士「…あ、いやこりゃありがとうございます!」
冒母「…」ジー
孤高騎士「…?」チラッ
冒剣士「えーと…そっちのが…」
女メイジ「これ…?あ、本当美味しい…」
冒剣士「…そうやって食べるんじゃないって!」
女メイジ「え?そうなの?」
- 45 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 10:02:55 ID:6DjUmAIs
…ギャーギャー!!
孤高騎士「…久しぶりですか?こういう食卓は」グビッ
冒母「ええ…ごめんなさい。ちょっと懐かしくて…」
孤高騎士「…」
冒母「あの人が座っていた席でお酒を飲む人がいて…、息子がはしゃいでる。何年も見なかった光景だったから…」
孤高騎士「家族、いいもんですよね」
冒母「本当に…」
- 46 名前: ◆qqtckwRIh. [] 投稿日:2013/08/22(木) 10:03:27 ID:6DjUmAIs
冒剣士「母さん!女メイジにあれだしてよ!納豆!」
女メイジ「いいわよ…何でもきなさい!」
冒母「ふふ…はいはい。まっててね…」
孤高騎士(俺も……気持ち…凄い分かりますよ)
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