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召喚士「行けっ!コカトリス!!」
- 236 :パー速民がお送りします [sage]
:2009/11/05(木) 11:45:35.68 ID:Qk7Epu.o
〜森〜
召喚士「うーん…」
盗賊「……」
召喚士「ダメだなぁ」
盗賊「……」
召喚士「あ、すいません!行きましょうか」
盗賊「…いいのか?」
召喚士「はい。街に戻りましょう」
盗賊「…うむ」
二人は教会を後にし、再び森の中を歩き始める。
来た時とは違い、日の光が木々の隙間から微かに道を照らす。
下り道な事もあり、昨日よりペースも速い。故に油断があったのかもしれない。
盗賊「!!…気配!」
召喚士「くっ!魔物か…!?」
盗賊「…囲まれてる!」
- 238 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 11:56:24.52 ID:Qk7Epu.o
召喚士「まだ…距離があるな…」
盗賊「…ああ…遠すぎる」
召喚士「…つまり」
盗賊「…魔物…ではない」
召喚士「空には?」
盗賊「…気配…なし」
召喚士「野犬かオオカミの類か…」
盗賊「…だな」
盗賊は腰に結んだ短剣を召喚士に投げ渡す。
召喚士は受け取り、鞘を抜いた。
盗賊は両太腿のストッカーに備えられているナイフを抜くと、
刃を後ろに握り締め、二本のナイフをその身に構えた。
盗賊「…無理せず…振り切る」
召喚士「最善です!どっちに!?」
盗賊「……左だっ」
- 239 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 12:05:14.61 ID:gKoj3kAO
フラグなのか…?
- 241 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 12:06:44.67 ID:R3OfJQDO
VIPのほう埋まったな
- 243 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 12:07:57.62 ID:Qk7Epu.o
盗賊の声と同時に二人は左へ走る。
それに気づいた回りの気配も二人を追う。
盗賊「…いるぞっ!」
走る二人の正面から草をかき分ける音が聞こえる。
そのうちの一箇所から気配の一つが飛び出す。
茶色い四本足の獣…野犬と呼ばれる類のものだ。
召喚士「!!っ」
盗賊「止まるな!抜けるぞ!」
召喚士「は、はい!」
盗賊の声に一瞬躊躇した召喚士の足が再び前に出る。
盗賊「…野犬は…任せろ」
飛び掛る野犬を横に交わし召喚士は通り去る。
向きを変え召喚士を追う態勢に入った野犬だが、
一瞬の隙に野犬を盗賊のナイフが襲い掛かった。
盗賊「……次」
- 246 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 12:24:39.35 ID:5mIzwh2o
ああ、あいつらは遠くで吠えてるなぁって思って油断してると
すぐに目の前にきやがるからな…
…お陰でわんわんお恐怖症だぜ。
- 247 :ゆかり貰います [sage] :2009/11/05(木) 12:25:27.03 ID:Qk7Epu.o
召喚士も決して剣が使えない…というわけではない。
しかし召喚士が剣で相手をするよりも、
その場を離れ盗賊が相手をした方がはるかに早いのである。
召喚士「盗賊さん!援護はっ!?」
盗賊「無用!」
召喚士「右ですっ!」
盗賊「うむ!」
盗賊の右側より二匹の野犬が飛びつく。
盗賊は後転で交わし、一匹にナイフを投げつける。
ナイフにより悶える野犬は地に倒れこむ。
身構えるもう一匹の喉元を盗賊がすばやく抜けると、
野犬の喉元からは赤い血が滴り、息をしなくなった。
地に伏す野犬にトドメを刺すと、投げたナイフを抜き取り立ち上がった。
盗賊「…ふーっ」
- 248 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 12:30:36.49 ID:Qk7Epu.o
召喚士「相変わらず…凄い」
盗賊「…無事か!?」
召喚士「ええ!盗賊さんは?」
盗賊「…問題ない」
召喚士「今のうちに!!」
盗賊「…うむ」
道が開けた左側へ二人は駆け抜けて行く。
野犬は何匹か後を追ったが、仲間の一瞬の惨劇を目の当たりにし、
恐怖を覚えたのか深追いする事はなかった…。
召喚士「だいぶ…道から外れてしまいましたね」
盗賊「…うむ」
召喚士「…こっち…かな」
盗賊「……」
召喚士「太陽の位置が…見えれば…んっ?」
盗賊「…?」
- 249 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 12:32:52.90 ID:Qk7Epu.o
ちょっとご飯食べてきます…
1000いきましたね!皆様本当にありがとうございます!
- 250 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 12:34:36.97 ID:sysu3fA0
商人のお嬢様だから収集品の価値知ってたり風呂好きだったりするのか
ただのお嬢様じゃつりあげたりしないもんなww
しえん
- 253 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:21:37.04 ID:Qk7Epu.o
召喚士「…何だ?…あれ」
召喚士が見上げる先に、無数の木の枝がある。
その中に、木から真っ直ぐ伸びた黒い物体。
二人はその物体のあるであろう所まで歩き始める。
召喚士「これで…」
盗賊「……」
苔や蔓が巻きついたそれは、一見すればただの木のように見える。
だが、見上げればそれは確かに木ではないと一目で判断出来る。
召喚士「柱?…のような感じですね」
盗賊「…調べて…みるか」
そう言うと、盗賊はナイフで柱から蔓を刈り取っていく。
その中から黒ずんだ鉱石のような輝きを持つ柱が顔を出す。
召喚士「……こ、これって…そんな」
盗賊「……」
召喚士「間違いない!…結界石だ!!」
- 254 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 13:25:37.76 ID:JI4lI.QP
新展開
- 255 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:27:25.30 ID:Qk7Epu.o
盗賊「…結界石?」
召喚士「はい!間違いありません!」
盗賊「…!」
召喚士「でかい!…石どころか柱だ」
盗賊「…凄い」
召喚士「どう考えても…人工物ですね」
盗賊「……」
召喚士「…一体何のため?」
盗賊「…結界を?」
召喚士「まぁ…そういう事になりますが…」
盗賊は再び、結界柱より蔓を刈り取り始める。
召喚士(この規模…この一帯に結界を張っている?)
召喚士(おそらくは…森全体…か)
盗賊「…何も…ないな」
召喚士「……」
- 257 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:44:32.99 ID:Qk7Epu.o
召喚士「とにかくこれだけの結界があれば魔物の心配はないですね」
盗賊「…うむ」
召喚士「気にはなりますが…先を進みましょうか」
盗賊「…同意」
しばらく先を進むと、見覚えのある道が目に入った。
召喚士「あっ!道に戻った!これで戻れますね」
盗賊「…うむ!」
召喚士「さぁ、街へ戻りましょう!」
盗賊「…だな」
- 258 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:47:08.34 ID:Qk7Epu.o
〜街〜
盗賊「……着いた」
召喚士「お疲れ様でした。」
盗賊「オツカレサマデシタ」
召喚士「なんか色々ありましたね…はは」
盗賊「…だな」
召喚士「すいません…」
盗賊「…?」
召喚士「いや…もっと楽しめたら良かったんですが…」
盗賊「…いや」
召喚士「…す、すいません」
盗賊「…わっ…私は好きだ」
召喚士「えっ?」
盗賊「…こ、こういうの…好き…だぞ」
召喚士「あ…ははっ、ありがとうございます」
- 259 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:53:44.75 ID:Qk7Epu.o
召喚士「では、港へ戻りましょうか」
盗賊「…うむ」
召喚士(なんか…ほんとに色々あったなぁ…)
盗賊「……」
召喚士(青年兵くん、大丈夫かな…頑張れよ〜!)
二人は戦士達の待つ港へ向かうべく、街を後にする…。
〜港〜
魔道士「あっ!!来た来た!こっちですー!」
召喚士「お久し振りです!」
盗賊「オヒサシブリデス」
戦士「大丈夫だったか!?」
召喚士「あぁ、こっちは大丈夫。そっちは?」
魔道士「大丈夫でしたよー!」
戦士「とりあえずお互い報告だな!」
盗賊「…同意」
- 260 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:58:42.76 ID:Qk7Epu.o
〜食事処〜
召喚士「結論から言うと、こちらはダメでした…」
魔道士「うちらも特になかったです…」
召喚士「そうでしたか…やはりもういないのでしょう」
戦士「そうだな。まぁとらえず情報をまとめようぜ」
盗賊「……」
戦士「まずウチらだが、おっさんは宿のバーにいたようだ」
召喚士「そうか…それはいつ頃?」
戦士「船が着いた当日の夜から夜中にかけてだ」
召喚士「夜中?夜中に旅立ったのか?」
魔道士「そうみたいですね」
召喚士「そうですか…何でわざわざ」
盗賊「…他に」
戦士「う〜ん…他はねぇなー」
召喚士「あ、お・・・終わりか」
- 261 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 13:58:49.06 ID:5dXMOoAO
ナイスバディのタンブリングお姉さんとか最高すぐる
- 264 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 15:12:18.38 ID:Qk7Epu.o
ちょっと仕事してきました。皆様を待たせて仕事なんてすいません
支援ありがとうございます。頑張ります!!続き↓
- 265 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 15:13:49.46 ID:Qk7Epu.o
魔道士「あ、あと軍隊さんの行軍を見ましたよ!」
召喚士「!?」
戦士「あ、そういやそうだな」
盗賊「…それ」
召喚士「召喚隊の…」
戦士「召喚隊?」
召喚士「ええ…国軍の召喚隊が…ミノタウロス討伐へ…」
魔道士「あっ…」
戦士「やっぱりそうか…」
召喚士「ええ。俺らと同じぐらいの兵も結構…」
戦士「まさか召喚隊だったとはなぁ〜」
魔道士「召喚士さんのために何か聞ければ良かったですねぇ」
召喚士「あ、ちょっと俺らの報告もいいかな?」
戦士「あ、すまんすまん!頼む」
召喚士「実は…その隊は先の街から出発したんだ」
魔道士「そうだったんですね!」
盗賊「…うむ」
- 267 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 15:24:55.40 ID:Sbak/2AO
>>264
こういうのって私生活あってのもんだからな
気長に待ってるから、無理しないで欲しいぜ
- 269 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 15:32:06.22 ID:Qk7Epu.o
召喚士「はい。そこで実は一人の召喚兵と話す機会がありまして」
戦士「やったじゃねーか!!」
召喚士「あ、いや…とりあえず青龍の精霊サラマンダーを見せて貰ったよ」
魔道士「やりましたね!!それで…召喚は?」
召喚士「まだ…」
戦士「そっか…でもさ、見れただけ良かったな!」
召喚士「うん。偶然だったが本当に良かったよ」
盗賊「…うむ」
魔道士「あとは何かありましたか?」
召喚士「そうですね…この先にある森の中に…」
召喚士は不思議な森とその中にそびえ立つ結界柱の話、
そして森の中にひっそりと佇む教会の事を二人に伝える。
魔道士「へぇー。何だか…」
戦士「…いかがわしい場所だな」
召喚士「……ああ」
- 271 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 15:46:21.77 ID:Qk7Epu.o
戦士「教会には何か?」
召喚士「いや…誰もいなかったし…墓地があったぐらいですかね」
盗賊「…花が…あった」
召喚士「ええ…誰かが手入れをしている形跡はありました」
魔道士「神父さんですかね?」
召喚士「どうでしょう…でもそのお墓だけでしたしね」
盗賊「…うむ」
戦士「街の関係者かもしれないな」
召喚士「うん…文字は古くて読めなかったけど…」
戦士「そうか…あとは何かあったか?」
召喚士「えぇと…」
召喚士は横にいる盗賊の顔を見る。
盗賊「…?」
召喚士(盗賊さんの…い、いやっ!関係ないだろそんな事!!)
盗賊「…商会か?」
召喚士「え!?あ、そう!そうだ!街に商会がありまして」
戦士「商会?」
召喚士「うん。大商人の商会らしいんだ」
魔道士「へぇー…」
召喚士「そこの一人娘が失踪しているとか…」
戦士「ほぅ。これまた…」
- 274 :SSスレって何だろう…キニナル [sage] :2009/11/05(木) 15:59:48.23 ID:Qk7Epu.o
召喚士「もし見つけ出したりすれば…」
戦士「莫大な賞金が期待出来たりしてな!ハハハッ!」
盗賊「…賞金」
戦士「あっ!待てよ!?」
召喚士「ん?」
戦士「なぁ魔道士!今日の朝っ!」
魔道士「市場…ですか?」
戦士「あぁ!なんかお前の事みて商会のお嬢さんとかなんとか…」
魔道士「あー…言ってましたねぇ」
召喚士「市場で何かあったのかい?」
戦士「いやな、そこの漁師が魔道士の事見てさ、お嬢さんに似てるとかって」
魔道士「しかも私よりお嬢さんの方がかわいいとか言うんですよー?」
召喚士「はは…s、それはヒドイですね」
魔道士「ホントですよみんなして、まったく!」
戦士「悪かったって!!」
- 276 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:18:10.74 ID:Qk7Epu.o
召喚士「じゃあ魔道士さんソックリのお嬢さんを見かけたら…」
戦士「至急保護だな」
盗賊「…同意!」
魔道士「でも・・・1年近く経ってるんですよね?」
召喚士「ええ…みたいです」
戦士「最悪の事態も…あり得るか」
盗賊「……」
召喚士「最後に本題ですね」
魔道士「本題ですか?」
召喚士「酒場のマスターがマジシャンさんを知っておりました」
戦士「へーっ…てかまた酒場かよ」
魔道士「飲んでばっかりですね!」
召喚士「ちょくちょく来ているようですが今回は…」
戦士「ダメか。しょうがねぇな」
召喚士「ツケがだいぶ溜まっているようでした…」
盗賊「…うむ」
- 277 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:23:20.13 ID:Qk7Epu.o
戦士「とんだダメ人間だな」
魔道士「でも…腕前は確かなんですよねー」
召喚士「そこのマスターが言うには、以前はパーティーを組まれてたようです」
戦士「酒飲みでクビにでもなったんじゃねぇのか?」
魔道士「あ、あり得ますねー!」
戦士「うーん…俺も気をつけないとな…」
召喚士「はははっ。とりあえずはこんな感じかな」
盗賊「…あとは」
戦士「うーん…そういや客船リストにも居なかったぜ」
召喚士「そうかぁ、こうなってくると…」
魔道士「もういないのは間違いなさそうですねー」
戦士「だな」
盗賊「…だな」
魔道士「一応ヒントになりそうなのはー…」
召喚士「この港の宿にある…バーぐらいですか…」
- 278 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:29:00.48 ID:Qk7Epu.o
〜宿屋のバー〜
バーテン「…いらっしゃい」
魔道士「こんばんは!」
バーテン「未成年はお断りだよ」
召喚士「あ、すいません!ちょっと尋ねたい事がありまして」
バーテン「…?」
戦士「この顔に見覚えないかい?」
バーテン「……これは」
召喚士「!?」
バーテン「上手い似顔絵だな。アンタ達が描いたのか?」
戦士「あぁ!この盗賊が描いたもんだ。ウマイだろ?」
盗賊「…ちょ…///」
バーテン「……知ってるよ。マジシャンだろ?」
召喚士「お知り合いですか!?」
バーテン「古い付き合いでね…まぁ座んな」
召喚士「はい」
バーテン「何飲む?…もちろん代金は頂戴するが」
戦士「何だよ!サービスじゃないのかよ」
バーテン「話聞かせてやるんだ。それにバーは酒売るのが商売だ」
召喚士「そ、そうですね!じゃあ…俺はコレを」
バーテン「お嬢ちゃんは…オレンジジュースだな…」
- 279 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:38:58.95 ID:Qk7Epu.o
バーテン「そっちの画伯なお姉さんは?」
盗賊「う…み、水で…いい!」
バーテン「水?…それじゃ金は取れんわな。一本取られたぜ」
バーテンは4人に飲み物を差し出し、タバコに火を付ける。
バーテン「結論から言うと…お前らが期待してる情報はねぇ…」
召喚士「…そうですか」
戦士「何だよっ!勿体ぶりやがって」
召喚士「まぁまぁ、マジシャンさんについて聞かせて貰えますか?」
バーテン「ん?話すほどの事はねーぞ?」
魔道士「何でもいいです。お願いします!」
バーテン「んー…アル中で女癖悪くて…軽いヤローだな」
戦士「その辺は…何となく分かる」
盗賊「……」
召喚士「昔の事、なんかは?」
バーテン「あー、昔ねぇ…んーあぁ見えても結構な魔道士でねぇ」
魔道士「はい」
バーテン「昔は4人でよく来てたっけかな。俺も港外れに小さなバーを始めたばかりでね…」
盗賊「……」
バーテン「旅の途中によく立ち寄ってくれたもんさ…」
召喚士「…なるほど」
- 280 :パー速民がお送りします [] :2009/11/05(木) 16:44:13.38 ID:Sbak/2AO
盗賊タソは飲めないのかも
- 281 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:48:55.87 ID:Qk7Epu.o
魔道士「他の3人の方は?」
バーテン「さぁ…もう何年も見てねぇな。」
戦士「…そうか」
盗賊「……」
召喚士「…ところでそのパーティーってどんなメンバーでしたか?」
バーテン「ん?あぁ…酔っ払いの腐れ魔道士に酔っ払いの腐れ召喚士…」
召喚士「召喚士…!!」
バーテン「紅一点のプリーストにそんなまとめ役の剣士ってとこか…」
戦士「珍しいパーティーだな」
バーテン「そうか?昔はこれがだいたい基本だったもんだぜ」
魔道士「そうなんだ…」
バーテン「今じゃ召喚士なんてほとんど見なくなっちまったけどな…」
召喚士「…あのっ!その召喚士っていう人は…」
バーテン「…?」
召喚士「師匠…って名じゃありませんか?」
バーテン「おー…そうだよ。師匠だよ」
召喚士「…やっぱりか」
魔道士「…繋がりましたね」
盗賊「…うむ」
戦士「予想通りってとこか!」
- 282 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:53:10.76 ID:Qk7Epu.o
バーテン「アイツもえらい酒飲みでなぁ…ここ数年は見てねぇな」
魔道士「やっぱり師匠さんは…」
戦士「おっさんの事を知ってる…」
召喚士「…ええ…師匠に…会いましょう!」
盗賊「…うむ」
バーテン「俺が話せるのはこんなもんだな…」
魔道士「ありがとうございます!」
盗賊「…アリガトウゴザイマス」
戦士「あ、召喚士!俺らはちょっと飲んでくか?」
召喚士「あぁ、そうだな」
魔道士「じゃあ…私達は先に戻ってますね!」
戦士「おう!」
盗賊「…オヤスミナサイ」
- 283 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 16:58:48.12 ID:Qk7Epu.o
戦士「今回は…悪かったな」
召喚士「ん?」
戦士「手掛かり探しの事」
召喚士「あぁ、こっちこそ何の情報もなくて…」
戦士「いやっ…じゃなくてだな!」
召喚士「?」
戦士「手掛かり探しってのも本音だろうけど…」
召喚士「……」
戦士「皆のリフレッシュのために3日もブラついたんだろ?」
召喚士「…いや」
戦士「すまねぇな…本当は年長の俺が切り出すべきなんだが…」
召喚士「はは…本当に違うって…」
戦士「俺はともかく…魔道士は結構…滅入ってた感じがあったからな」
召喚士「…盗賊さんもね」
戦士「…召喚士は…大丈夫か?」
召喚士「……あぁ。大丈夫だよ」
- 285 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 17:07:08.83 ID:Qk7Epu.o
戦士「海峡途中の街でよ…」
召喚士「…うん」
戦士「ワークショップで…見たんだろ?」
召喚士「…ははっ…戦士は何でもお見通しだな」
戦士「…やはりダメだったか…短髪さんは」
召喚士「この前の軍の発表では生死不明の扱いだけど…」
戦士「……」
召喚士「成果リストからは…名前が消えてたよ」
戦士「そっ…か」
召喚士「…無事だと…いいな」
戦士「そうだな…あ、そうだ召喚士」
召喚士「なんだい?」
戦士「お前さ、パーティーリーダーやってくれよ」
召喚士「え?俺が!?無理だよ」
戦士「いや!俺は適任だと思う!あの二人も賛成してくれる!」
召喚士「……」
戦士「やっぱりさ、リーダーがいないとワークショップなんかでも手間だし…」
召喚士「なぁ、戦士…」
戦士「んっ?」
召喚士「このパーティーってさ、凄い暖かいんだよね」
戦士「あ、あぁ!そう思うぜ!」
召喚士「だからさ、リーダーなんて決めないで皆で頑張りたいんだ」
戦士「…召喚士」
召喚士「ワガママ言ってすまないね。ははっ」
戦士「そう…だよな。俺こそ変な事言っちまった!すまん!」
- 287 :パー速民がお送りします [sage] :2009/11/05(木) 17:14:11.79 ID:Qk7Epu.o
召喚士「はぁー…」
戦士「ど、どうした!?」
召喚士「……いや」
戦士「何だよ?悩みか?話してくれよ」
召喚士「…怖い」
戦士「怖い?」
召喚士「……師匠に会うのが…とても怖い」
戦士「ぶっ!!あ、いや…すまねぇ!」
召喚士「いざとなったら…助けてくれるかい?」
戦士「お、おうっ!任しとけ!」
召喚士「はははっ、ありがとう!それじゃ部屋に戻ろうか」
戦士「そうだな!おっちゃん!お勘定」
バーテン「…代金はいいや…いらねぇ」
召喚士「えっ?いや、そういうわけには…」
バーテン「俺のオゴリじゃねーぞ?マジシャンにツケとくわ・・・」
戦士「ぶっははは!そりゃいいや!」
召喚士「はははっ!すいません!!」
バーテン「おう…じゃあな…・頑張れよ」
二人が出て行く姿を確認するとバーテンは再びタバコに火を付ける。
天井をぼーっと見上げ、ポツリと呟いた。
バーテン「マジシャン…おめーの目は腐っちゃいなかったなぁ…」
タバコの煙を天井目掛けて吐き出す。
バーテン「とびきりの4人は大木に育ちそうだわな…」
窓から見える海には、月の光がきらきらと輝いていた。
〜第三部、完〜
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