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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その9
911 :パー速民がお送りします [sage saga] :2010/01/18(月) 00:26:52.03 ID:d7MO6tEo
〜オマケ〜

ふと見ると、一匹の召喚獣が座っていた…

召喚士「ウホッ!いい召喚獣…」

バイコーン「……やらないか」

〜オマケ2〜

ザッ…

召喚士「……」

神官「……」

パチイィンンッ!!

召喚士「来おおおぉぉい!コカトリスウウゥゥ!」

ドバアァァンッ!!

召喚士「召喚士ファイトーッ!!」

神官「レディー、ゴー!!」

それでは、おやすみなさい!ノシ


914 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/18(月) 00:47:12.29 ID:Yf4PUEso
強さが
召喚士≧魔道士>盗賊戦士に見える
特に戦士、そろそろ戦力外通告が届きそう。

戦士にも何か必殺技的な物を・・・。


915 :パー速民がお送りします [] :2010/01/18(月) 01:03:26.66 ID:.uRJyQSO
前衛なんてそんなもんだろ


918 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/18(月) 01:18:11.32 ID:BxvDP12o
その強さは前衛が支えてくれるから発揮できるとおも


929 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 15:53:16.69 ID:8asHqqwo
同時刻、両崖からは森へ斉射が行われていた。

南方弓長「中央は無視してっ!手前の森へ撃てっ!」

魔道兵「どんどん撃て!魔道隊は余ってるぞ!」

シュンッ!!…シュシュシュンッ!!…シュンッ!!

無数の矢は次々と炎を照らし、森の中へ撃ち込まれる。

シュンッ!!…ドスドスドスッ!!

ラクシャーサ「くそぉ!次から次へと…!」

森の中でラクシャーサ達が慌てふためく。

ラクシャーサ「やはり側面は無理だ!中央へ固まるぞ!」

ラクシャーサは燃える森より離脱し、中央の道へ移動を始める。

対崖でも同様の展開に、必然として一同が中央へ密集する。

ラクシャーサ「そっちもか…!だいぶ減ったな…」

逆側からの仲間に対し、重い口調で言葉をかける。

ラクシャーサ「側面は駄目だ。このまま中央を抜けるぞ!」

ラクシャーサの群れは、密集し本陣への道を目指す。


930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 15:54:21.58 ID:8asHqqwo
南方弓長「撃ち方止めぇっ!!」

射手の手が止まり、瞬時に静寂の刻がその場に流れる。

南方弓長「……」

南方弓長は眼鏡を上げなおし、森の中を見据える。

弓兵「弓長っ!あれを…っ!!」

弓兵は森の遠く、端にそびえる羅刹の姿を指差す。

南方司令「司令!?」

弓兵「それに…召喚獣!!」

魔道兵「せ、戦況は…?」

南方弓長「ここからじゃ見えないわね…」

弓兵「おいっ、本陣へ伝令を!!」

指示により、一人の弓兵が手鏡にて、本陣へ伝令を送る。

南方弓兵「魔道隊と手の空いているものは崖下へ!」

魔道兵「ははっ!」

南方弓長「消火活動を開始せよ!これ以上森を焼くなっ」


931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 15:55:25.19 ID:8asHqqwo
〜東の森、本陣〜

伝令「右崖より伝令!司令と召喚士数名が後方にて交戦中!」

南方参謀「全く…!どこの世界に最前線で戦う司令がいるのよっ!」

南方副官「まぁ、いつもの事だろ…」

伝令「まもなくラクシャーサがこちらに接近との事!!」

戦士「来たか…!」

南方参謀「各員!配置について頂戴っ!!」

ザザッ!!…タッタッタ…ガチャッ…

南方副官「行くぞ!!」

戦士「おうっ!」

戦士は南方副官の後につき、森の手前に剣兵達と並ぶ。

その背後には南方魔道長率いる魔道隊が一列に配置する。

南方参謀「臨機応変に行くわよっ!!」

剣兵「着たぞーっ!!」

一人の声を合図に、各兵が一斉に身構える。


932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:01:43.84 ID:8asHqqwo
ラクシャーサ「本陣だ!!手前に兵がいるぞ!」

タッタッタ

ラクシャーサ「構わねぇ!そのまま蹴散らす!!」

ラクシャーサの群れは速度を緩めず、本陣へ突っ込む。

戦士「…!?思ったより数が少ねぇ…」

南方副官「本隊はまだ合流してねぇのか…!」

南方参謀「それなら…罠はまだ使わないわよ!」

戦士「この程度の数なら…!!」

戦士は剣兵の一歩前に立ち、雷切を構える。

その真横に、南方副官がハンマーを担ぎ森を見据える。

南方参謀「魔道長!魔道隊半数を一旦引き上げてっ!」

南方魔道長「了解」

剣兵「来ますっ!!」

ザザザザザッ!!…ジャリッ

ラクシャーサ「死ねぇっ!!」


933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:02:45.12 ID:8asHqqwo
ラクシャーサが森を抜け、前衛に飛びかかる。

南方副官「今だっ!!」

ザザッ!!

突如前衛の兵達が左右に分かれ、道を空ける。

ラクシャーサ「なん……!?」

南方魔道長「撃て」

魔道兵「おおっ!!」

ドドンッ!!……ギキキイィィンッ!!

魔道隊の放つ氷の矢が、一斉に真っ直ぐラクシャーサへと向かう。

ラクシャーサ「ぐあ…っ!!」

南方魔道長「くらえ」

南方魔道長は両手を前に構え、巨大な氷塊を前方に飛ばす。

ラクシャーサ「が…は……っ!!」

南方副官「一匹たりとも逃がすな!突撃ぃ!!」

ラクシャーサは混乱に陥り、徐々にその数を減らしていく。


934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:03:48.03 ID:8asHqqwo
魔道兵「剣兵達を援護しろ!付加だ!付加!!」

氷の魔法を撃ち終えた魔道隊が雷を剣兵の刀身めがけ放つ。

戦士「うっりゃあぁっ!!」

ドンッ!!…ザシュウゥッ…ガカアァァッ!!

南方副官「魔法剣士だったのか!?」

戦士「ちょっと違げぇが…似たようなもん…だっ!」

ザシュッ!!…ガカアァッ!!

ラクシャーサの悉くは、凍りつきそして耐電した剣の前に力尽きていった…。

南方魔道長「よし、いいだろう」

南方参謀「さぁ…次は本隊が来るわよ!すぐに準備してっ!」

戦士「いっちょあがり…!」

南方副官「弓隊にも動きはねぇ。本隊はまだ、…か」

南方参謀「魔道隊は魔力回復に専念してっ!」

戦士「さすが国軍…こんな時でも気の緩みが見えねぇ…!」

戦士は辺りを見回し、国軍の動きに目を奪われていた。


935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:04:52.15 ID:8asHqqwo
南方司令「……ふんっ!!」

ガバッ!!

南方司令は飛び起き、軍服の埃を手で掃う。

召喚士「大丈夫ですか…!?」

南方司令「はっはっは!この程度…う…っ!?」

召喚士「!!」

南方司令「くそっ、腹が……減った…っ!」

朱雀嬢「……」

南方司令「さーて…。退却だ!」

南方司令は玄武娘を脇に抱える。

玄武娘「ひゃあぁっ!?」

召喚士「いいんですか…!?」

南方司令「デケェのはともかく…本隊が一向に来やしねぇ…」

召喚士「!?…た、確かに…。まさか…っ!」

南方司令「ああ…。迂回して、直で本陣叩く気だろうな」


936 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:06:49.19 ID:8asHqqwo
召喚士「……くそっ」

南方司令「いいじゃないの。ここまで計画通り来てんだろう?」

召喚士「しかし、もう少し数を……」

南方司令「半数は削っただろ。充分充分!!」

召喚士「……」

南方司令「それより全員、魔力回復しとけよ?」

朱雀嬢「もちろんですわ」

玄武娘「はいですの」

南方司令「おう、背負ってやれ!」

召喚士「!?」

南方司令は召喚士に、朱雀嬢を背負うよう促す。

南方司令「お子ちゃま方はちょっとでも休ませてやれ!」

朱雀嬢「お、お子ちゃま…っ!?ほんと失礼ですわね…!」

南方司令「はっはっは!頼んだぞっ、青龍先生!」

召喚士「いや……、朱雀先生…です」


937 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:07:41.54 ID:8asHqqwo
〜左の崖上〜

タンッ!!…スタッ…

弓兵「無事か!?」

盗賊「…ん」

ハヌマーン「急ぎ伝令を…!」

弓兵「あのデカイ化物は何なんだ…!?」

ハヌマーン「ラクシャーサのボス…といったところだ」

弓兵「司令が押され気味とはな…」

盗賊「…!?」

ハヌマーン「!!」

弓兵「伝令急げ!…ん?どうした!?」

盗賊「…気配が…複数!」

ハヌマーン「まさか…直接こちらに…!?」

盗賊「…行くぞ!」

盗賊とハヌマーンは上を見上げ、更に崖を飛び上って行く。


938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:08:53.73 ID:8asHqqwo
〜東の森、本陣〜

両崖からの手鏡による伝令が忙しく光る。

伝令「敵の大将は一時離脱!本隊は依然不明です!」

剣兵「別働隊の気配はなし!…なに?司令負傷…!?」

南方参謀「…情報が錯乱してるわね…。もっと落ち着いて…」

南方副官「妙だな…」

戦士「…?」

南方参謀「そうね。半数撃破して、残りの半数は…?」

南方副官「まさか迂回して…、正面は囮か!?」

南方参謀「…有り得るわね」

南方魔道長「だが、ここもヘタに割けんぞ?」

戦士「……俺が動く」

南方参謀「助かるわ!右崖…南方弓長の援護を!」

南方魔道長「俺も行こう」

戦士「おっし…!行ってくるぜ!!」


939 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 16:10:01.49 ID:8asHqqwo
〜左の崖上〜

シュバッ!!…タンッ…タタッ!!

ハヌマーン「!?」

盗賊とハヌマーンは崖の頂上に到達する。

その目先には、多数のラクシャーサが迫っている。

盗賊「…これは…!?」

ハヌマーン「ヤツらの本隊だ…!しまった、迂回して…」

盗賊「くっ!」

盗賊が蜘蛛切を腰に結んだ鞘より抜き、右手に構える。

ハヌマーン「100以上いるな…これは…」

ハヌマーンは両手で棒を振り回し、身体の前に構える。

ババッ!!

ハヌマーン「気付かれた…、やるしかない!」

盗賊「…うん」

盗賊とハヌマーンは地を蹴り、ラクシャーサめがけ走り出す。


944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 17:28:06.72 ID:8asHqqwo
ラクシャーサ「おっ…?人間がいるぞ!?」

ラクシャーサの軍勢は武器を手に構える。

ラクシャーサ「人間だけじゃない…!?ハヌマーンだ!」

盗賊「はぁ…っ!」

盗賊が高く跳躍し、ラクシャーサの集団に蜘蛛切を突き降ろす。

ラクシャーサ」「上だっ!斬り落とせ……」

言葉を発し終える前に、ラクシャーサは横へ吹き飛ぶ。

ハヌマーン「阿呆が…!」

ハヌマーンの長く伸びた棒が再び水平に振り回される。

ブンッ!!……ドゴォッ!!…バキャアァッ!!

ラクシャーサ「う…っが…ぁ!!」

ラクシャーサ達が吹き飛ばされ、密集が次第に拓け始める。

盗賊「やぁっ!!」

ドスッ!!

その中央に盗賊が降り立ち、しゃがんだままラクシャーサをひと睨みする。


946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 17:34:22.19 ID:8asHqqwo
ジャラッ……ビュオッ!!

間髪入れず、盗賊は左手で鎖を手に取り、

その場で独楽のようにクルリと回る。

ラクシャーサ「くそっ……ぐはっ!!」

バシッ!!バキィッ!!…バシッ!!…スタッ

盗賊「ふー…っ!」

ラクシャーサ「囲めっ!!」

ラクシャーサは中央の盗賊めがけ一斉に襲い掛かる。

ハヌマーン「ふん!」

ハヌマーンは棒高跳びのように長棒を軸に跳躍する。

そのまま降下し、ラクシャーサへ向け、宙より棒を振り下ろす。

ハヌマーン「いやあっ!!」

ビュオッ!!……ドゴオォォンッ!!

タイミングを合わせ盗賊は飛び、包囲を抜ける。

ハヌマーンの棒が鬼の群れに直撃し、数匹が宙に舞う。


948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 18:04:12.69 ID:8asHqqwo
ハヌマーン「……」

ストッ…

水平に伸びたハヌマーンの棒上に、盗賊が着地する。

盗賊「…次」

ラクシャーサ「ヤメやがってぇ!!」

ラクシャーサの群れは逆上し、二人へ向け突撃する。

ハヌマーンはそのまま棒を振り回し、迫る敵をなぎ倒す。

盗賊「やぁっ!」

ハヌマーン「とりゃあっ!」

盗賊は水平に振り回される棒の上をハヌマーンの元へ走り、

飛びかかるラクシャーサを棒の上で器用に斬り落としていく。

ハヌマーン「振り上げるぞっ!」

盗賊「うむ!」

ハヌマーンは棒を振り上げ、盗賊は宙で何度か回り着地する。

両者は背中を合わせ、包囲する鬼達を互いに確認する。


949 :パー速民がお送りします [sage] :2010/01/18(月) 18:07:05.97 ID:SnbjEm2o
とりあえず一回落ち着いて文字を打つんだ


957 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:19:02.19 ID:d7MO6tEo
ハヌマーン「やるな…!」

盗賊「…そっちもな」

タンッ!!

一言だけ交わすと、盗賊は目の前に走り出す。

同調するようにハヌマーンも棒を短く戻し地面を蹴る。

ラクシャーサ「たった…2匹なのにっ!」

ジャララッ…ブンッ!!

盗賊は鎖を目の前に飛ばし、突破口を切り開く。

盗賊「はあっ!!」

ザシュッ!!…ドスッ!!

眼前に迫るラクシャーサが剣を振るうが、盗賊は滑り込むように

地面をすり抜け、群れの足元を斬り、猛攻をかわす。

ハヌマーン「ふん!!」

ハヌマーンは左手を突き出し、突風を巻き起こす。

ラクシャーサ「おっのれ…!裏切り者が…っ!」


958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:20:41.21 ID:d7MO6tEo
突風は次第に竜巻を化し、正面のラクシャーサを飲み込む。

ラクシャーサ「左右にかわせ!」

シュバッ!!タンッ…タッ…バキィッ!!

ハヌマーンは背を見せ突風を避けるラクシャーサを

縫うように飛び、その場に叩き伏せていく。

ハヌマーン「トドメには至らぬか。キリがないな…」

盗賊「……ふーっ」

ハヌマーン(…疲労…?)

ババッ!!

ハヌマーン「しまった!?」

一瞬の隙を突き、ラクシャーサが一斉に斬りかかる。

盗賊「…!?」

ラクシャーサ「どこ見てやがるっ!!」

盗賊「ちぃ…っ!」

盗賊は後転し、崖の端を駆け抜ける。


959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:22:25.04 ID:d7MO6tEo
ガキィッ!!

ハヌマーン「…ぬぅ…っ!」

ハヌマーンは手に持つ棒で、ラクシャーサ達の剣を受け止める。

ハヌマーン(食い止めるので精一杯か…っ!)

盗賊「こっちだ!!」

盗賊は鎖を頭上で振り回した後、素早く右方へ投げ飛ばす。

鎖は弧を描き、鬼達を払いのけ、わずかながら空白の土地を作り出す。

ハヌマーン「助かるっ!」

ハヌマーンは左手を地面にかざし、風邪を巻き起こす。

突風により自身を含めた周囲の者が上空に吹き飛ばされる。

ラクシャーサ「逃がすな!まとめて殺せっ!!」

ババッ!!

無数のラクシャーサが空中に飛び、ハヌマーンの後を追う。

盗賊「…しつ…っこい!!」

盗賊は太ももより数本のクナイをハヌマーンの背後に迫る敵へ放つ。


960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:24:19.11 ID:d7MO6tEo
シュバッ!!…シャシャッ!!

ラクシャーサ「こんなものっ!!」

ラクシャーサは剣を回転させ、クナイを弾き飛ばす。

ハヌマーン「はあぁ!!」

ラクシャーサ「!?」

ハヌマーンは身体を捻り、上空の敵を棒で振り落とす。

シュバッ!!……スタッ

盗賊「無事かっ!?」

ハヌマーン「ああ!来るぞ!!」

棒に打たれた鬼達が着地と同時に再び跳躍し、一斉に剣を振り下ろす。

ハヌマーン「飛べっ!」

盗賊「…っ!」

タンッ!!……ヒュオッ…ガキガキドコォッ!!…ゴゴゴゴゴゴ…ビキィッ!!

複数のラクシャーサが剣を叩きつけた地面が、悲鳴を上げるようにヒビ割れる。

ヒビは一挙に広まり、崖の端をものの見事に叩き崩した。


961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:26:01.11 ID:d7MO6tEo
バキャアァッ!!…ドズウゥンッ!!…ズズウゥゥンッ!!…ゴゴゴゴゴ…

盗賊「しまった!?」

ハヌマーン「地面が…!!」

ボゴオオォォンッ!!

轟音と共に盗賊とハヌマーンの足元が崩れさる。

ヒュンッ!!…タタッ…タンッ!!

ハヌマーン「このまま中腹に降りるぞっ!」

盗賊「うむっ!」

盗賊は崩れゆく岩を器用に飛び交い、宙を歩くかの如く移動する。

ハヌマーンも慣れた足取りで崩れた崖の破片に足場を捜し、飛び移る。

ラクシャーサ「うわあぁっ!!」

多数のラクシャーサも後を追うが、落盤と慣れぬ足場に次々と落下していく。

ラクシャーサ「構うな!上から飛び降りろ!!」

バババッ!!

ラクシャーサは、崖の頂上から直接飛び降り、中腹へと先回りを試みる。


962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga] :2010/01/18(月) 23:29:31.89 ID:d7MO6tEo
魔道兵「おいっ!!上を見ろっ!!」

弓兵「落石!?いや…っ!!敵襲ーっ!!」

弓兵が一斉に弓を構え、上空へ向けて矢を放つ。

ラクシャーサ「小賢しいっわ!!」

キィンキィンッ!!……ギキイィンッ!!

ラクシャーサは剣で矢を次々と払いのける。

ハヌマーン「はぁーっ!!」

ハヌマーンは突風を放ち、飲み込まれたラクシャーサが岩壁に打ちつけられる。

弓兵「休むな!!射て射てぇ!!」

ヒュオンッ!!…ババババッ!!…ドウンッ!!

魔道兵「着地させるなよぉ…っ!空中で迎撃しろーっ!」

弓兵と魔道兵の合体攻撃に、ラクシャーサが宙で燃え上がり、地上へと落ちていく。

ハヌマーン「着地と同時に退こう…っ!」

盗賊「…私も言おうと思ったところだ」

一人と一匹の奇妙なコンビは、一瞬笑ったような表情を見せ、弓兵達のいる中腹へと着地した。



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