■戻る■ 下へ
妹「こちらイーグル。状況は」 姉「S1。芳しくない」
- 1 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2013/03/13(水) 13:40:35.85 ID:lqj9RCSZ0
妹「なに? 何か問題が発生しているのか?」
姉「少々壁が分厚いようだ。我が弟の声が聞き取りづらい。
何か手はないか、イーグル」
妹「S1……分かった。とりあえず一度帰還しろ。繰り返す、一度帰還だ」
姉「ラジャー」
姉「無事帰還した」
妹「ご苦労だった。我が本拠地であるこの洗面所の在り処を悟られていないだろうな」
姉「もちろんだ。ぬかりない」
妹「よろしい。では作戦の内容を再度確認する。
我が兄である……あー、S1にとっては弟であるが、見るからに親しそうな女を連れて来た。現在は兄の部屋に立て籠もっている。
目標は兄と女……ターゲットの関係を探ることだ。しっかり頭に入っているな?」
姉「ああ」
- 2 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 13:46:22.69 ID:lqj9RCSZ0
妹「それで……だ。問題は、声が聞き取りづらいということだったな」
姉「ああ」
妹「何か策はあるか」
姉「……コップを使う、というのはどうだ」
妹「コップ……?」
姉「よく耳にするだろう。コップを壁にあてると、その向こう側の音が聞き取りやすくなると」
妹「なるほど……やってみる価値はある」
姉「指示を」
妹「現在時刻1405。コップを持ち、再び兄の部屋の隣である、我が部屋へと突入せよ」
姉「ラジャー」
妹「おっと、通信機は忘れるなよ」
姉「すまない。ではミッションを遂行する」
妹「健闘を祈る」
- 3 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 13:47:46.97 ID:5MLUveVK0
エルフェンリートみてちんちんおっき
- 4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 13:52:31.86 ID:lqj9RCSZ0
妹「ぴー、がが。S1、状況を報告せよ」
姉「ざー。目標の地へ向かっている。現在地は……階段だ。少々足がきついが問題はない。何分低姿勢なものでな」
妹「敵に悟られるとお終いだ。そのままの姿勢で突き進め」
姉「ラジャー」
姉「ぴー、が、ぴー。イーグル。目標地点へ到達した。これより状況を開始する」
妹「S1、了解した。くれぐれも慎重にな」
姉「ああ。早く終わらせて、イーグルのクリームシチューが食べたいよ」
妹「それだけの余裕があれば大丈夫だ。手短に、そして確実に事を済ませろ」
姉「ああ、承知している」
- 5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 13:54:40.65 ID:R6rpoYZe0
F-15 EAGLE
- 6 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 13:59:37.84 ID:lqj9RCSZ0
姉「……ふぅー」スッ
姉「……」ピトッ
男『……はは、だから……って……ろ?』
女『……も…………れな……よ?』
姉(くっ……これでもダメか……)
姉(いや、諦めるのはまだ早い……もう少し粘るべきか)
男『そう……ば、……な………せっ…く……す……」
女『…に……し…た……い……』
姉「!?!?」
姉(あ、あああああ、あぁ!? な、なななななっ)
姉(イ、イーグル!! イーグルと通信を!! いや、この情報は危険すぎる!! 外部に漏らすわけには……)
- 7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:04:18.18 ID:lqj9RCSZ0
姉「イーグル! とある情報を入手した! 急いでそちらに帰還したい! 許可を!」
妹「お、お姉っ……じゃなくて! S1!! 声が大きい! 落ち着け! 何があった!?」
姉「詳細はそちらに帰還後に説明する! とりあえず許可を!」
妹「わ、わかった! 帰還を許可する! しかし、慎重さを忘れるな。敵に悟られぬよう、物音を立てないことだ」
姉「ラ、ラジャー」
姉「イーグル!!」ガチャッ
妹「S1!! 帰還にぬかりはないだろうな!?」
姉「当然だ! しかし、とんでもないことを聞いてしまった……」
妹「な、……詳細を話せ。できるだけ、冷静に、だ」
姉「……ラ、ラジャー」
- 8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:07:13.83 ID:gL5S5Gnt0
はよ
- 9 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:09:27.91 ID:96vD3C8i0
俺の妹と姉ちゃんも裏でこんなことしてるのか
- 10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:09:44.97 ID:lqj9RCSZ0
姉「……作戦通り、私はコップを壁に当て、中の情報を盗み取ろうとした」
妹「うまくいったのか?」
姉「鮮明な訳ではない。かろうじて聞き取れるレベルくらいには状況が回復した。
今思えば、その行動自体が危険すぎたのかもしれない……」
妹「な、なんだ……」
姉「聞いてはいけないことを聞いてしまった。しかし、我が口からその単語を発すのは気が引ける。
イーグル、紙とペンを用意できないか」
妹「……ここは洗面所だ。そのようなものはここにはない」
姉「……リビングから」
妹「本作戦にそのような拠点は存在していない」
姉「……じゃあ耳打ちする」
妹「ああ」
姉「……」
姉「ごにょごにょ」
妹「……!?」
妹「……」カァァ
- 11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:10:57.44 ID:7JGFEZFZ0
<<ああ!妹がやられた!>>
- 12 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2013/03/13(水) 14:11:18.24 ID:Eu2YKonlP
デンジャークロース!
- 13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:16:03.97 ID:lqj9RCSZ0
妹「ゆ、ゆゆ!! ゆ!!」
姉「落ち着けイーグル!! 気持ちはわかる!」
妹「由々しき事態だ!! 無視できないレベルの障害が発生した!!」
姉「待て! 早まるな!! ここは一度冷静になって、もう一度慎重に作戦を練り直すべきだ!!」
妹「冷静に!? そのような段階はとうに超えている!! 事実、そのような、ひ、卑猥な単語が兄の口から発せられた時点で!
いつ事が起こってもおかしくはないのだぞ! もはや一刻の猶予もないのである!!」
姉「じゃ、じゃあどうすると言うんだ!?」
妹「決まっているだろう……」
姉「……ごくり」
妹「突入だ」
姉「!?」
- 14 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:23:14.85 ID:lqj9RCSZ0
姉「ま、待て!」
妹「ええい、待つ暇など無いと言っているだろう!!」
姉「違う、そうではない! 一つ、我々は見落としている!!」
妹「むっ……? なんだ。話せ、S1」
姉「あ、ああ……。いいか、イーグル。いくら単語が聞こえたとて、その音声は鮮明ではない、ということだ」
妹「何が言いたい」
姉「聞き間違い、という可能性は?」
妹「馬鹿な! 己すら信じられずに、どうミッションを遂行するというのだ!」
姉「い、いや、待て! 違う。確かに単語は聞こえた。しかし……思い返せば、断片的だったような気もするのだ」
妹「断片的……だと?」
姉「ああ。例えば、だ。『いや〜、節句って、素晴らしいよね』と弟が発したとしよう」
妹「なっ……まさか!!」
姉「気付いたか……? そのまさかだ」
妹「そんな馬鹿な……いやしかし……」
姉「確かめてみる価値があると、思わんかね?」
妹「……ごくり」
- 15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:24:18.92 ID:Eu2YKonlP
スタックアップ!
- 16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:25:55.66 ID:7JGFEZFZ0
そういえば姉妹なのにコールサインが違うけどこれは血が繋がってないと解釈していいんだな?な?
- 17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:27:34.02 ID:lqj9RCSZ0
妹「しかし、一体どうやって……」
姉「策は、もうある。しかし、その代償はあまりに大きい」
妹「……代償とは、なんだ?」
姉「通信機を一つ手放す事になるだろう」
妹「……やむを得ん。それほどの価値がある作戦であれば、の話だが」
姉「現在我々が欲しているものは、より確かな情報である。そのためにはどうするか?」
妹「勿体ぶらずに言え、S1」
姉「やはり鮮明な音声を追求することに帰結する」
妹「くどいぞ、S1。内容を言えと言っているんだ」
姉「我が弟の部屋に通信可能な状態の通信機を一台設置する」
妹「なっ……に!?」
- 18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:27:54.34 ID:Eu2YKonlP
>>16
司令部=イーグル
- 19 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:35:41.25 ID:lqj9RCSZ0
妹「しかし、それでは……」
姉「ああ、結果的にはイーグル。お前が言った突入作戦とそう大差はないだろう。だが」
妹「なるほど……強行的でありながら、極めて冷静な判断だ。まるで少し堅いお母さんの枕のようだな」
姉「その例えは不明瞭だがその通りだ。そこで、提案がある」
妹「なんだ?」
姉「突入のための口実が必要だ。思考の結果、最も効果的な口実はお茶菓子を出すこと、だろう。
つまり、リビングを拠点に追加する必要があるということだ」
妹「やむを得ん。危険は広がるが、ここで渋るほど硬い頭ではないのでな」
姉「優秀な上司を持つと仕事が楽だな」
妹「あはは、お互い様だよ」
姉「イーグル、指示を」
妹「現在時刻1430。S1、適当なお茶菓子を持ち、兄部屋へと突入せよ。その際、くれぐれも通信機を"落とさないように"な」
姉「……ラジャー」ニヤリ
- 20 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:40:12.02 ID:cvV3GgjZ0
なんだこの新しい発想……
- 21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:40:19.12 ID:lqj9RCSZ0
男「それでさ……」
女「あははっ」
コンコン
男「んっ……?」
姉「弟くーん、ちょっといいかしらー?」
男「ね、姉ちゃん? なに?」
姉「せっかくお客さんが来てくれたんだもの、何かお茶でもと思って持ってきたんだけど……開けてもいいかしら?」
男「えっ、あっと……い、いい?」
女「う、うん」
男「じゃ、いいよ……その、入ってきなよ」
姉「はーい」ガチャ
姉「あらっ……お邪魔だったかしら? ふふっ」
男「ばっ、やめろよ、そういうの」
女「……」カァ
- 22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:47:41.15 ID:lqj9RCSZ0
姉『あらっ……お邪魔だったかしら? ふふっ』
男『ばっ、やめろよ、そういうの』
妹「S1のポケットに忍ばせた通信機からの音声に何も問題はない。作戦は順調だ」
妹「しかし……」
姉『お姉さんも同席しちゃおっかな?』
男『は、はぁ!? からかうなよ、マジでやめてくれ』
姉『冗談よ、じょ・う・だ・んっ』
妹「この白々しさ……姉であるはずのS1が指令ではなく現場に赴く兵士である所以よ……」
姉『お名前は?』
女『あっ……その、女と申します……。お邪魔してます。すみません、碌な挨拶もしないままに……』
姉『いいのよ。でも弟くんがお部屋に女の子をあげるなんて初めてじゃない?』
女『えっ……そ、そうなの?』
男『もう頼むから黙っててくれ……お願いだから』
姉『もーうっ、照れちゃって、ふふふ』
妹「……」
- 23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:52:17.13 ID:lqj9RCSZ0
姉「あっ、早く置かないと折角淹れたお茶が冷めちゃうわね?」
男「ああ、もう早くしてくれ……」
女「ありがとうございます……いただきます」
姉「お構いなく。ゆっくりしていってね?」
女「あっ、は、はい、ありがとうございます」
姉「ふふっ、それじゃあね〜」フリフリ
男「ちゃんと扉閉めてくれよな」
姉「はーいはい」
ガチャバタン
男「はぁ……変な汗でた。なんかごめんな?」
女「う、ううん! 気にしないで?」
- 24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:56:10.74 ID:5nKj5JTX0
これはよろしい
- 25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:56:30.74 ID:lqj9RCSZ0
姉「イーグル、帰還した。状況は?」
妹「万全だ。よくやってくれた。今日が無事終わった暁には、楽しみにとっておいたプリンで祝杯だな」
姉「ああ、待ち遠しいよ。おっと、一つ指令を守れなかった」
妹「なんだ?」
姉「どうやら、落とすなと言われていた通信機を、"うっかり"落としてしまったようだ……」ニヤリ
妹「ふふっ……」
姉「ふふふっ……」
女『それにしても……』
妹&姉「!?」ピクッ
男『ん?』
- 26 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 14:57:13.87 ID:x5y68eZy0
みてるぞ 期待
- 27 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) [sage] 投稿日:2013/03/13(水) 14:58:28.44 ID:qOfMXPep0
wktk
- 28 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2013/03/13(水) 15:01:18.92 ID:KfBt/XTT0
機体!!
- 29 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:02:41.91 ID:lqj9RCSZ0
女『良いお姉さんだね。すっごく優しそうで、あったかいって言うか……』
男『そうか……? さっきのなんて、俺からしたら迷惑なだけだったんだけど』
姉「……」
妹「落ち込むな、S1。失った分の見返りはある。必ずだ」
女『そ、そうなのかな? 私、兄弟とかいないから、羨ましく思えちゃう』
男『ん〜……うちは姉も妹もいるからなぁ……逆に一人っ子が羨ましいって感じ』
姉「……」
妹「……」
妹「……いや、落ち込むな……見返りはある……きっとある……」
女『でも、一人っ子は時々寂しいよ?』
男『まあ確かに……そういう意味では兄弟いた方がいいかもなぁ。姉なんかも、別に悪い姉じゃないし。
たまに迷惑だけど飽きないっていうか、賑やかいのは賑やかいからな』
姉「……ふふっ」
妹「妹は!? 兄ちゃん妹は!?』
- 30 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:10:46.17 ID:5nKj5JTX0
よきかなよきかな
- 31 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:12:49.86 ID:jcP7S9cg0
うんうんいいよいいよー
- 32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:14:18.68 ID:lqj9RCSZ0
20分後
男『あー、分かるかも。あの軍手誰のなんだろうな』
女『だよねー』
妹「……一向に妹の話題が出ないよ?」
姉「落ち込むなイーグル。そういう時もある」
妹「S1、その勝ち誇ったような不快な顔はやめろ。貴様には再び上下関係の厳しさというものを叩き込まねばならんようだな」
姉「ふっ、私がこの部隊から身を引けば、どうなるかわかっていないようだな」
妹「一丁前に脅しか、S1。だがそれはお互い様だろう」
姉「そもそも目標を見失っているぞ、イーグル。本作戦の最終到達地点は弟とターゲットの関係性を探ることであったはずだ。
少し前の優秀な上司はどこへ行った? 休暇でバカンスでも満喫しているのか?」
妹「口がすぎるぞS1。いつ私が目標を見失った。舐めて貰っては困る」
姉「ふっ……安心したよ。ところで、そこまで言うのであれば次の作戦も考えてあるんだろうな?」
妹「無論。私を誰だと思っている。私はプリンでいうところのキャラメルだ」
姉「相変わらず例えは不明瞭だがイーグル。作戦を聞きたい」
妹「ああ」
- 33 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:18:02.19 ID:ef/oq1l60
はよ
- 34 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:24:12.39 ID:lqj9RCSZ0
妹「ちなみにプリンでいうところのキャラメルとは、甘さの中に決して苦味も忘れない。
つまり隙のない人間であるということだ」
姉「イーグル、余計な情報は不必要だ。作戦を頼む」
妹「そう急かすなS1。それに、お前は今回、何もしなくても良い。この本拠地でおまんま片手にぐーすか寛いでいれば
それで終わりさ。午後の陽気に揺られて目を開ければ、全てはオーバー。万々歳だ」
姉「なにっ!? どういうことだ」
妹「今回は私が出る」
姉「なっ、貴様! 作戦に私欲を持ち込むとは! なんたる愚行!!」
妹「私欲? 何をほざく」
姉「お前も話題に出して欲しいだけでないのか!? 少なくとも我が眼にはそうとしか映らんぞイーグル」
妹「……愚かだな、S1」
姉「部下の信用を失えば何もかも終わりだぞ。貴様も地に落ちたな」
妹「まあ見ておけ」
- 35 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:24:34.18 ID:lk3a7SFq0
C
- 36 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:33:59.68 ID:lqj9RCSZ0
姉「待て、内容を話せ! さもなくば、貴様……!」
妹「これは私にしかできない作戦なのだよ、S1」
姉「いいから話せ! 全てはそれからだイーグル!」
妹「はぁ……オーライ。いいかS1。セクターは既に移行しているのだよ。
兄、ターゲットに隠れてこそこそと情報を集めるのはもう終いだ。
一度突入を完了させた以上、両名の警戒レベルは低下しているはず。
そこで、だ。我々が密に関わることにより、ターゲットの内情を探ることが効果的となってくるわけだ」
姉「具体的には何をするつもりだ」
妹「先程、甘さの中に苦味も持っていると言ったな」
姉「何が言いたい」
妹「それは苦味の中に甘さがあると同義。つまり妹という立場を利用し、兄への接触をはかる」
姉「なっ……! しかし!」
妹「そこに私欲はない。目的はあくまで、兄との接触時のターゲットの反応を確認することにある。
それにより、ターゲットの内情を知ることができるだろう。すなわち、"兄への想い"だよS1」
姉「イーグル……!」
- 37 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:36:26.53 ID:lk3a7SFq0
C
- 38 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:38:12.98 ID:lqj9RCSZ0
姉「私は何をすればいい」
妹「好きにしろ、S1。通信機に耳を傾けるもよし、休息するもよし。本拠地内であればその行動に制限をつけられることはない」
姉「……ラジャー。一応、納得してやろう。正当な理由の上で成り立つ作戦であったからな」
妹「言ったろう。私を舐めて貰っては困ると」
妹「それでは、現在時刻1510。ミッションを遂行する」
姉「健闘を祈る」
妹「ああ」
- 39 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:42:16.83 ID:D60gkwJQ0
しえん
- 40 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:42:44.85 ID:lqj9RCSZ0
男「だから内側が黄色い軍手と、緑の軍手とかもあってさぁ」
女「へー、中々の軍手マニアだね。感心しちゃったかも」
男「あはは」
コンコン
男「んっ?」
妹「兄ちゃーん。入るぞー」
ガチャ
男「って、お、おい! 確認ぐらいとれよバカ!」
妹「知るかーそんなん。なんだ? 見られちゃまずいことでもやってたのかー?」ニシシ
男「あ、あほか! 用件はなんなんだよ」
妹「おー。漫画貸してくれー。あのサッカーのやつ」
男「また読むのかあれ!? 何度目だよ」
妹「関係ねーだろ。読みたいから読むだけだ」
男「はぁ……持ってけよ勝手に」
妹「やったー」
- 41 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:46:12.79 ID:DagvaXVR0
面白い
- 42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:47:35.38 ID:lqj9RCSZ0
妹「んーっと……」ゴソゴソ
女「ちょ……い、妹ちゃん、下着が……」
男「あー、いいんだよあいつは。そんなの日常茶飯事だから」
女「え……そっ、そうなんだ……」
男「なんかタンクトップとかミニスカートとか好んで着るんだよ。
性格は男っぽいくせに髪は肩より短くしないし、スカートとか履くしよくわからん」
女「あんまり気にしない性格なんだね」
男「誰に似たんだか……」
妹「あ、そーそー。兄ちゃん、頼みがあんだけど」
男「ん? なんだよ」
妹「このサッカーの漫画くれ。全巻」
男「はぁ!?」
- 43 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:50:02.77 ID:lk3a7SFq0
C
- 44 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:53:03.08 ID:lqj9RCSZ0
男「なんでだよ!」
妹「だっていちいち取りにくるのめんどくセーんだもん。兄ちゃんより私の方が読んでんだからいいじゃん。
なんというか、作品に対する愛が違うよね」
男「何言ってんだこいつ……」
妹「じゃ、そういうことだから」
男「待て待て待て待て。俺も気に入ってんだよその漫画。誰がやるかっ」
妹「えー……いいじゃーん」ダキッ
男「ちょ、な、なにしてんだおまっ!!」
妹「くれよー、なーなー」スリスリ
男「や、やめろバカ! おいコラ!!」
妹「ちぇ〜、ケチ」
男「くっ……」
女「……」
- 45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 15:59:19.14 ID:lqj9RCSZ0
妹「……さて。帰還したぞ」
姉「ご苦労だったイーグル。一部始終は通信機をとおして聞かせて貰った」
妹「構わん」
姉「報告を頼む」
妹「ああ。私は作戦通り兄への接触を行った。そのさい頬を擦り付けながらターゲットの顔色を伺ったが、
ターゲットは終始俯いているようで、特別な反応は見せなかった」
姉「つまり……?」
妹「残念ながら、断定は難しい。中々に手強い相手だ。しかし……」
姉「なんだ?」
妹「両名は通信機の存在を知らない。つまり、私が立ち去った後の両名の会話の内容も作戦に含まれている。
その内容をよく吟味し、結論を出す。そこでようやくミッションコンプリートだ」
姉「ラジャー」
男『……ご、ごめんな』
妹&姉「!?」ピクッ
- 46 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 16:03:57.65 ID:lqj9RCSZ0
女『え、えっと……い、いつもあんな感じなの?』
男『いや……あんなに密着してくるのは初めてだったから……正直俺の中でも衝撃がすごい』
女『そ、そうなんだ……』
妹「……」
姉「思い出して頬を染めるな、イーグル。作戦遂行中だぞ」
妹「わ、分かっている……」
男『えっと……その、引いた、よな?』
女『えっ……?」
男『いや、なんかずっと、その……俯いてたから……』
女『そ、それはっ……なんか、恥ずかしくて見れなかったっていうか……えと』
男『そ、そっか……』
女『うん……』
- 47 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 16:06:03.49 ID:lk3a7SFq0
C
- 48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 16:08:03.65 ID:lqj9RCSZ0
女『……でも、なんか、その……嬉しそうだったね』
男『えっ!? だ、誰が……?』
女『その……男くん』
妹「!?」
姉「この女……節穴か!」
妹「いや、中々の観察眼だ……我が隊に引き入れたいほどだな」
姉「黙れ貴様!」
妹「女のジェラシーは見にくいぞS1。それに、現在は作戦遂行中だと言ったのは貴様だろう」
姉「くっ……!」
男『い、いやいやいや! えっ? 俺そんな顔してた……?』
女『少なくとも、嫌そうでは無かったよ……? あんまり、凝視はできてないけど』
- 57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 17:19:54.91 ID:96vD3C8i0
応答せよ、応答せよ>>1
- 58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 17:23:40.96 ID:y5mcuj3/0
何故か分からんがアイドル防衛隊ハミングバードを思い出した
- 62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 17:54:19.93 ID:zmhPpgWZ0
妹「S1。苦しゅうない」
こう見えた
- 63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 18:00:12.09 ID:x5y68eZy0
いまさらだけどキャラメルじゃなくてカラメルだよね
- 64 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2013/03/13(水) 18:07:23.53 ID:cbaiRXLU0
はよ戦火
- 65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 18:21:57.50 ID:gArky2zG0
はよ
- 66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/13(水) 18:29:09.20 ID:yqucpuHb0
は
戻る 上へ