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妹「にいさん、背中洗いにきましたよー」
1 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:05:50.35 ID:IruJCVII0
たのむ


2 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:06:48.53 ID:E+7J+54K0
俺「ちょwwwwちょwwww」

妹「うはwwもちつけwwwwwスク水着てるからおkwww」

俺「新wwwwwwwwwwwwwスク水は旧だろJKwwwwww」


3 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:08:00.91 ID:KIYR+JYa0
あ?


4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:08:33.16 ID:XsTS992p0
今日のジン キサラギスレ


5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:17:12.41 ID:DVBxLPiK0
男「……。」

妹「あれ、無反応?てっきり『ちょ、そんな卑猥な下着で風呂入ってくんなぁ!』とか言われると思ったのに」

男「……。」

妹「ほらほら、照れなくても良いんだよ。存分にこのえっちぃ下着を堪能してくださいなー、にいさんの為に買ったんだから」

男「……。」

妹「…にいさん?」

男「……。」フラッ

妹「…え――」

ゴンッ!

妹「…にい、さん?」

男「……。」ダラダラ

妹「血…?え、あ…え…?」

男「……。」

妹「…………………に」


にいさんッ!!!


6 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:18:46.45 ID:Ry0qJqEn0
死んでる…


7 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:19:58.86 ID:bcySyhWni
え?


8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:21:06.50 ID:E+7J+54K0
なんと…


9 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:27:11.41 ID:Whsn3E9V0
兄「前を洗ってくれよ」クルッ

妹「」

兄「ほら、洗ってくれ」ギンッ

妹「え…いや、そんな」アセアセ

兄「いいから」ギンギンッ

妹「」


10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:34:14.47 ID:DVBxLPiK0
ピーポーピーポー

男「……。」

妹「にいさんッ!にいさんッ!にいさんッ!」

救急隊員1「落ち着いてください!大丈夫ですから!」

妹「にいさんッ!起きてよぉ!!にいさんってばぁ!」

救急隊員1「落ち着いてください!もうすぐ病院に着きますから、ね!」

救急隊員2「…お風呂でノボせて、倒れた拍子に頭を打ったということでよろしいですか?」

母「…はい、恐らくそうですけど…ああ、男は本当に大丈夫なんですか?!なんで目を覚まさないのよぉ!」

救急隊員2「大丈夫です、多少の出血はありますが呼吸、脈拍は安定しています。ですからどうか落ち着いてください」

妹「にいさんッ!にいさんッ!」ギュッ

救急隊員1「あ、患者は動かさないように――」

妹「離せぇっ!」ブンッ

救急隊員1「うわぁ!?」

妹「にいさんッ!にい…おぇっ…にいさ…ひっぐ…起きてぇ…」

救急隊員1「……。」


11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:41:17.84 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

母「……。」

妹「…にいさん」

母「妹、ほら私の手を握ってなさい」

妹「……。」ギュッ

母「大丈夫だから、ね」

妹「……。」


ガチャ


妹「…ッ!?」バッ

医者「えー、妹さんは落ち着きま――」

妹「にいさんはッ!?」

医者「…っと」

妹「大丈夫ですか!?目を覚ましましたかッ!?」

医者「……。」


12 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:49:48.02 ID:DVBxLPiK0
母「妹、座って」

妹「教えてください!にいさんは――」

母「こら!静かにしなさい、ここは病院なのよ」

妹「にいさ…あッ!」グイッ

母「ほら、座りなさい」

妹「……。」

医者「…えー、よろしいですか?」

母「すいません、ご迷惑を…」

医者「いえ、お気持ちは分かります。それで、男さんのこと容態ですが――」

妹「……。」ギュッ

医者「まず、命に別状はございません。頭部からの出血も、手当ては無事に終わりました」

母「……。」

医者「…しかし」

医者「意識は、未だに回復をしていません」


13 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2011/08/15(月) 02:54:26.15 ID:Ry0qJqEn0
スレタイからこの内容が予想できただろうか


14 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:02:51.83 ID:7HMbJZN/0
湊期待したのに


15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:10:08.17 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」ビクッ

母「…それは」

医者「精密検査の結果、脳が重大なダメージを負っている等といった発見はありませんでした」

母「それでは、何故目を覚まさないのですか?」

医者「安心してください、すぐに意識は戻ると思います」

医者「意識を失うというのも一種の防衛反応ですから。つまり、事態は深刻ではなく――」

妹「にいさんは、大丈夫ということで良いんですか?」

医者「…っと」

母「妹、話をちゃんと聞いてから」

医者「…いえ、そうですね簡潔に言うと」

妹「……。」

医者「男さんを治療室から部屋に移しますので、目が覚めるまで側にいてあげてください」

母「は…はい」

医者「医師である手前、100%という言葉は使えないのですが…お兄さんはすぐに起きて笑顔を見せてくれると思いますよ、妹さん」

妹「……。」


16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:15:11.73 ID:UPQhClJH0
こんなのってないよ


17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:20:59.72 ID:DVBxLPiK0
母「はぁ…良かった」

妹「……。」

母「妹、聞いた?男は大丈夫だって。だからもう…妹?」

妹「……。」ヘナッ

母「あ、こら!?」

妹「…ひっぐ…よかった…よかったよぉ…うっく」

母「…あらら」

医者「……。」コホン

母「あ、ごめんなさい。重ね重ねご迷惑を…」

医者「いえいえ。それで、部屋に男さんを運ぶ際、お二人にお願いがあるのですが」

母「は、はい」

医者「安静に越したことはないので、落ち着いて側にいてあげてほしいのですが…大丈夫ですか?」

母「……。」チラッ

妹「えーん…よかったよぉ゛…」

母「…はい、気をつけさせます」


18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:24:18.93 ID:gP7NJuMp0
適当に何か書いてやるぜ!と思ってスレ開いたのに


わけがわからないよ


19 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:27:52.77 ID:DVBxLPiK0
ガチャ

看護師1「患者通ります、道を開けてください」

妹「あ、にいさ――」ダッ

母「待ちなさい」ガシッ

妹「ん゛ッ!?」

医者「…では、行きましょうか」

母「はい、お願いします」

妹「…けほっ」


病室

看護師1「1、2の…3ッ!」

ポフッ

看護師2「移し替え、完了です」

看護師3「妹さん、どうぞ近くに」

妹「は、はい…にいさん」


20 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:35:00.83 ID:DVBxLPiK0
男「……。」

妹「…にいさん」

母「安静に、よ」

妹「うん」

医者「…大丈夫みたいですね。なにかあればこのナースコールでお知らせください」

母「は、はい」

医者「それでは、私たちはこれで」

母「ありがとうございました」

医者「いえいえ、お大事にしてください」

看護師2「妹ちゃん」

妹「…え?あ、はい」

看護師2「これあげる、アメちゃん」

妹「あ…ありがとうございます」

看護師2「ふふ、じゃあまたね」


21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:41:33.01 ID:DVBxLPiK0
バタン

母「……。」

妹「……。」

母「……。」

妹「……。」

母「…馬鹿ね、お風呂でノボせて倒れるだなんて」

妹「……。」

母「お母さん、もう年なんだから…そんなことで慌てさせるんじゃないわよ、まったく」

妹「……。」

母「これでパパのところにあんたを行かせたりなんかしたら…向こうで私、なんて謝れば良いのよ」

妹「…お母さん、ん」

母「……。」

妹「ハンカチ」

母「ありがとう、妹」


22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:46:18.08 ID:DVBxLPiK0
男「……。」

妹「……。」

母「……。」

妹「…お母さん」

母「なに?」

妹「にいさんの手、握ってていい?」

母「…ん」

妹「安静、分かってるよ」

母「…良いよ」

妹「ん!」

ギュッ

妹「…にいさん」

母「……。」

妹「わたし、ずっと一緒にいてあげるからね」


23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 03:56:01.98 ID:DVBxLPiK0
母「…じゃあ、私は一回家に帰るわね」

妹「え?」

母「鍵もかけてないし、色々と放ったらかしにして出てきたから」

妹「あ、うん…分かった」

母「ふふ、男はあんたに任せたから、隣にいてあげて。すぐ戻って来るから」

妹「うん、それは任せて」

母「頼もしいわ…それじゃあ」

ガチャ

母「あ、妹の着替え、ちゃんと持ってくるからね」

妹「……。」

母「下着、濡れたままでしょ、だから」

妹「……。」

母「ふふ、待っててね」

バタン

妹「……。」


24 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/15(月) 03:57:09.40 ID:U1lBmoWp0
まさか面白いと思って書いてないよね?スベってるけど


25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:02:29.76 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

男「……。」

妹「…にいさん、ごめんね」

妹「すぐに気付いてあげられなくて」

男「……。」

妹「わたしがにいさんの様子に気付いてたら、こんな大事にはなってなかったよね」

妹「…わたしが、悪いんだよね、ごめん」

男「……。」

妹「…だからね」

妹「おわび、なんだってするからね」

妹「にいさんの為に、なんだってしてあげるから」

妹「だからさ、にいさん」

妹「…起きてー」

男「……。」

妹「……。」


26 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:16:09.21 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

妹「…にいさんの手、冷たいねー」

妹「えへへ、実は手を繋いだの、小学校以来だったりして」

妹「にいさん、最近は全然構ってくれなくなったもんね」

妹「ふふふ、だからにいさんが寝てる間に勝手に握っちゃいましたー」

妹「……。」

妹「…ごめんね、だからいつもみたいに怒って良いんだよ?」

妹「『なにしてんだよ』って、ね。ほら、良いの?」

妹「こうやっておっぱいとか押し付けちゃったりして」ギュー

妹「……。」

妹「にいさん、怒らないのー?ねえってばぁ」

妹「……。」

妹「…にいさーん」

男「……。」

ピクッ


27 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:24:00.76 ID:DVBxLPiK0
妹「…ッ!?」

妹「にいさんッ!」

男「……。」

妹「にいさん、聞こえるッ!?大丈夫ッ!?」

男「…ん」

妹「え、あ…電話、お母さ…じゃなな、なくて…ナースコール!」

男「……。」ムクッ

妹「あ、にいさん、起き上がっちゃダメだよ!」

男「…痛っ」

妹「にいさん、ほら。寝てて、安静だよ、安静」

男「…ん…あー」

妹「大丈夫だから、わたしがいるから、ね?」

男「……。」

妹「…ん?」


28 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:28:26.04 ID:DVBxLPiK0
男「…んー」

妹「どうかしたの?頭が痛む?」

男「……。」

妹「横になって良いよ、ほらにいさん」

男「…にいさん?」

妹「…ん?」

男「……。」

男「…あー、ごめんなさい」

妹「え、あ、うん。なに?にいさん」







男「あなたは、誰ですか?」


29 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:33:28.33 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

妹「…え?」

男「…ここは、どこですか?」

妹「…え」

妹「…あ…え?」

男「すいません…えっと…」

男「…なんだか、よく分かってないみたいで」

妹「……。」

妹「…にい、さん?」

男「いろいろ教えていただけると、嬉しいのですが」

妹「……。」

男「…あのー、もしもし?」

妹「……。」

男「大丈夫…ですか?」


30 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:37:32.97 ID:SBJq4jVU0
つづけたまえ


31 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:40:20.42 ID:N155p8pt0
C


32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:42:09.83 ID:DVBxLPiK0
ガチャ

医者「どうしましたか?男さんが目を覚まし――」

バタッ

医者「…妹さんっ!?」

看護師2「きゃあっ!?」

男「…うわぁ!?」

医者「大丈夫ですか!しっかりしてください!」

看護師1「え、何が…」

看護師3「妹さんが倒れ…男さん!」

男「なに、これ…怖…痛ぅっ」

看護師3「動いちゃ駄目ですよ!落ち着いてください」

医者「妹さん!…すぐにベッドへ」

看護師1「はい!」

男「…なにが…分かん…ない」

医者「急いでください、早く!」


33 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:43:14.36 ID:3Ehdso900
妹(79歳)

男(37歳)

妹参考画像
http://img4.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/39/07/uragasumi_ren3131/folder/891042/img_891042_26084346_0?1310137673


34 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:44:30.23 ID:DVBxLPiK0





   この日、にいさんは、記憶喪失になった


35 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:50:22.85 ID:DVBxLPiK0
……………………

…………

……


妹『にーいさんッ』ギュッ

男『おわっ!?』

妹『えへへ、だーれだ?』

男『離れろ、こら』

妹『にいさん、問題だよ、問題』

男『問題もなにもお前しかいねえだろ』

妹『お前って誰のことー?』

男『馬鹿な妹』

妹『馬鹿言うなー』

男『いいから離れろ、おい』グイッ

妹『えへへ…って痛いー!?』

ピピピピピピピピピピピピ…


36 名前:>>30>>31 ありがと [] 投稿日:2011/08/15(月) 04:58:10.35 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

ピピピピピピピピピピピピ

妹「……。」

ピピピピピピピピ カチッ

妹「……。」

妹「…にいさん」

妹「……。」

妹「……。」

妹「…んしょ」

キイッ

妹「…んー」

妹「ふふ、酷い顔」

妹「……。」

妹「…よし、学校、行こう」


37 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:00:14.92 ID:wfRNzb980
はやくしろ


38 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:06:17.77 ID:DVBxLPiK0
妹「……。」

妹友「…んー」

妹「……。」

妹友「…えっと、えっとぉ」

妹「……。」

妹友「ちょえぃッ!」ゲシッ

妹「いたいッ!?」

妹友「え、あ、ごめん…」

妹「な、なに?」

妹友「な、なんかいたたまれなくて…」

妹「…はい?」

妹友「元気づけに一発、闘魂を注入してみました」

妹「……。」

妹友「げ、げんきですかぁ、なんて」アゴ

妹「…似てない」


39 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:12:20.67 ID:DVBxLPiK0
妹友「あ、あれ?…えへへ、似てないよね」

妹「…妹友」

妹友「うん?」

妹「ありがと」

妹友「…うん」

妹「でもわたし、大丈夫だから」

妹友「……。」

妹「ほら、元気なさそうに見えたのは昨日夜更かししちゃったからだし。ついつい漫画読んじゃって」

妹友「……。」

妹「いやー、駄目だねー、授業中寝ないようにしないと」

妹友「…妹、今日もお見舞い行くよね?」

妹「……。」

妹友「私も一緒に行って、良い?」

妹「……。」

妹「…ん」


40 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/15(月) 05:24:13.84 ID:0micwy7IO
しえん


41 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:25:11.55 ID:DVBxLPiK0
ガチャ

妹「失礼します」

妹友「し、失礼します」

母「あ、来たわね」

男友「おーっす」

女「男友、声大きい」

男友「す、すまん…」

妹友「あ、先輩たちも来てたんですね」

女「うん。妹友、久し振りだね」

妹友「そうですねー」

妹「こんにちは」

男友「おう、毎日偉いなー、妹ちゃんは」

妹「…いえ、普通です」

男友「はは、当たり前ってか。だってよー、男」

男「……。」


42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:35:11.75 ID:DVBxLPiK0
女「……。」グイッ

男友「痛…なにす…」

女「余計なこと言わないの」ボソッ

男友「……。」

母「男、妹と妹友さんが来たよ」

男「……。」

男「…ん、よく…来たね」

妹「……。」

妹友「はい、えっと…これ、お見舞いの本です」

母「本?」

妹友「あ、はい…お暇な時があったら退屈しのぎにと思ったんです…けど」

男「…あ、ありがとうございます」

妹友「いえいえ…その、男先輩は本を読むのが好きって妹に聞いたので」

男「……。」

妹「……。」


43 名前:>>40 ありがとう [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:46:47.57 ID:DVBxLPiK0
妹友「…あ、あれ、えっと?」

母「はは、そういえばちっちゃい頃から本ばっか読んでたね」

男「…そうなん、ですか」

妹友「…あッ!?」

男「……。」

妹友「ご、ごめんなさい!私、その…」

母「ううん、話してるうちに思い出すこともあるかもしれないからね」

妹友「…す、すいません」

男「…ごめんなさい」

妹友「あ…う…先輩は謝らないでください」

男友「……。」

女「……。」

妹「……。」

母「あらあら」


44 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:50:40.18 ID:HztaxCHO0
一応支援


45 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 05:58:21.88 ID:GDDzMKCR0
母「ほら、そんなに固くならないで、普通に話してちょうだいな。ね、男?」

男「あ…はい、勿論です」

妹友「……。」

妹「……。」

男友「はは、そうだよなー」

女「……。」クイッ

男友「…ん?」

女「えっと、そろそろ私たちはおいとましますね」

母「あら、もう?」

女「長居すると男君が疲れちゃいますし…ほら、男友」

男友「お、おう。じゃあまたな、男」

男「は、はい」

母「桃、ありがとうね」

女「いえいえ、お構いなく。では失礼しました」

ガチャ


46 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/08/15(月) 06:11:32.26 ID:mspxj9Lu0
シエンタ


47 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:12:20.80 ID:ZT/1CSBTO
はやくしろ


48 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:14:45.13 ID:GDDzMKCR0
母「ふふ、嬉しいわねー。こうやって友達がお見舞いに来てくれるの」

男「……。」

妹友「…で、では、私もこれで」

母「あら、今来たばっかりじゃない」

妹友「あ、あの、本を渡したかっただけなので」

母「折角来たんだから、少しくらいお話していきなさいな」

妹「お母さん、わたし入口まで送って来るね」

母「え…ん、分かったわ。気をつけて行ってらっしゃい」

妹「ん、行こう、妹友」

妹友「先輩、また来ますね」

男「うん…本、ありがとうございます」

妹友「はい…では、お邪魔しました」

母「またね、妹友さん」

妹友「……。」ペコッ


49 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:21:27.17 ID:GDDzMKCR0
妹「……。」

妹友「…ありがと、妹」

妹「ううん」

妹友「ごめんね、余計なこと…言っちゃった」

妹「こっちこそ、ごめん。折角来てくれたのに」

妹友「前から、来たかったから。やっと面会謝絶が解けたんだもんね」

妹「…ん」

妹友「……。」

妹「…妹友」

妹友「…男先輩、私に敬語だった」

妹「……。」

妹友「本当に…覚えてないんだね」

妹「……。」


50 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:33:35.56 ID:GDDzMKCR0
母『逆向性健忘?』

医者『はい、受傷した時から昔の記憶がなくなる症状のことで、一般的に言う「記憶喪失」のことです』

妹『……。』

医者『それも一部分ではなく、ご家族のことでさえも忘れてしまう…全生活史健忘と呼ばれるものではないかと』

母『……。』

妹『……。』

医者『専門ではないので、詳しいことは言えないのですが…』

母『…それは』

医者『…はい』

母『それは…治るんですよね?』

妹『……。』ピクッ

医者『……。』

母『治り…ますよね?』

医者『……。』

妹『……。』ブルブル


51 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:36:15.68 ID:YU5JN+ix0
よく頑張るなしえん


52 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:39:20.14 ID:GDDzMKCR0
妹友「――うと、妹!」

妹「…あ、ごめん。なんだった、かな?」

妹友「…ううん、なんでもない。お迎え、ここまでで良いよ」

妹「ん、分かった」

妹友「ありがと、また明日ね」

妹「うん、ばいばい」

妹友「ばいばーい」

妹「……。」

妹「……。」

妹「……。」


母『それは…治るんですよね?』


妹「……。」

妹「…部屋、戻ろう」


53 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 06:53:36.34 ID:GDDzMKCR0
ガチャ

妹「…あれ」

男「……。」

妹「その…お母さんは、どこに?」

男「花瓶の水を換えに…行きましたよ」

妹「…そ、そっかぁ」

男「……。」

妹「……。」

男「…あの、椅子」

妹「え?あ、はい、座ります」

男「……。」

妹「……。」

男「……。」

妹「……。」

妹「…その、にいさん」


54 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:02:12.13 ID:GDDzMKCR0
男「…はい」

妹「ごめんなさい」

男「…はい?」

妹「妹友を、連れて来ちゃって」

男「……。」

男「なんで…ですか?」

妹「…苦痛」

男「え?」

妹「苦痛、でしょ?」

男「……。」

妹「だって、知らない人だから」

男「……。」

妹「妹友だけじゃなくて、女先輩も、男友先輩も…それに、お母さんに」

妹「…わたし」

妹「みんなと話すの、苦痛…だよね」


55 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:09:16.86 ID:mspxj9Lu0
シエンタ2


56 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:22:33.91 ID:GDDzMKCR0
男「…いえ、そんなことは――」

妹「苦しい、よね?」

男「……。」

妹「苦しくて、怖くて、不快で、寂しい」

妹「分かるんだ、わたし…夢に、見るから」

男「…夢?」

妹「……。」

妹「…気付いたら、いつも磔になってるの。そして、その周りでみんながわたしを、笑うの」

妹「わたしの知らない、人達。その中でわたしは、一歩も動けない。目を閉じることすら出来なくて、みんなの笑い声を聞くことしか出来なくて」

妹「わたしの知らない人達が、わたしが知らないわたしを知っていて、それを笑うの。ずっと、ずっと、笑って――」

男「……。」

妹「…そして、起きるとほっとする。ああ、夢だったんだなって」

男「……。」

妹「でも、にいさんは…違うでしょう?それが夢じゃ…ない」

男「……。」


57 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:32:36.21 ID:GDDzMKCR0
妹「…あ、あれ。わたし、なんでこんなこと言って」

男「……。」

妹「ご、ごめんなさい!なんて酷いこと言っ…違っ、こんなこと言いたいんじゃなくて…」

男「……。」

妹「わたし、にいさんのことを…その…ただ――」

男「…ありがとう」

妹「…え?」

男「僕のことを気遣ってくれていること、すごくよく…分かりますから」

妹「……。」

男「だからその…謝らないでください」

妹「にいさん…」

男「……。」

妹「ご、ごめんなさ…違う、これは…うー…」ポロッ

男「…う、泣かないでください」


58 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:42:48.42 ID:4E6+Tz5H0
支援


59 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:42:58.35 ID:GDDzMKCR0
男「……。」

妹「…ぐすっ」

男「…えっと」

妹「ん…大丈夫、落ち着いた」

男「良かったです」

妹「……。」

男「……。」

妹「…にいさん、あの」

男「…謝らないでくださいよ」

妹「あ、ううん…うん」

男「…なんですか?」

妹「…ありがとう」

男「……。」

男「…はい」


60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 07:52:06.24 ID:GDDzMKCR0
妹「えへへ、良かった」

男「……。」

妹「…にいさん?」

男「……。」

男「苦痛じゃ、ないですよ」

妹「え?」

男「みんなと話すこと、苦痛じゃないです」

妹「……。」

男「はじめは、苦しかったです。死にたくなりました。なにも分からない、なにも知らない。頭が、真っ白になりました」

妹「……。」

男「でも今はもう、違います。みんなが優しくて、僕のことで本当に気を遣っていることが分かるから」

男「だから僕は…なにも思い出せないことが悔しいんです」

妹「……。」

男「みんなのことを知らないことが、悲しい。だって、必ず…みんなは僕の、大切な人たちだから」

妹「にいさん…」


61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:01:23.11 ID:GDDzMKCR0
男「だから…教えてください」

妹「……。」

男「もっと話してください、みんなのことを」

男「もっと聞かせてください、僕のことを」

男「僕は、みんなのことを…思い出したい!だから!」

妹「……。」

男「…あ、みんなが良かったら、ですけど」

妹「……。」

男「あー…大きな声を出して恥ずかしい…」

妹「…さん」

男「え?」

妹「にいさぁんッ!」バッ

男「うわっ!?」

妹「よかったぁ…にいさんと喋れなくなるかもって…心配…した、からぁ」ギュゥ

男「…えっと、どうすれば」


62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:12:01.46 ID:GDDzMKCR0
男「クラスメート」

妹「そう、女先輩と男友先輩はにいさんと同じクラスの友達」

男「…はい」

妹「で、今日わたしと一緒に来たのは妹友で、わたしのクラスメート」

男「本をくれた子ですね」

妹「そう、妹友も本が大好きだから」

男「…はい」

妹「今度お見舞いに来たら話してあげてね、今日話せなくて残念そうにしてたから」

男「ごめんなさい…」

妹「…謝られても」

男「…う」

妹「で、お母さんはお母さんね…って、そういえば帰ってくるの遅いね」

男「そうですね」

妹「…で、話すことはこれくらいかなぁ」

男「……。」


63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:18:44.76 ID:GDDzMKCR0
妹「…なに?どうかしたの?」

男「まだ…もう一人」

妹「え?」

男「…あなたのことを、教えてください」

妹「え…えっ…」

男「……。」

妹「わ、わわわたしって、わたしはその…」

妹「にに、にいさんの、い、妹だよ?」

男「……。」

妹「え、えと…これで良いよね?わ、分かったよね?」

男「…分かりましたけど…分かりません」

妹「へ?」

男「『妹』って…なんですか?」


64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:28:34.07 ID:GDDzMKCR0
妹「……。」

男「……。」

妹「…妹」

男「はい、妹」

妹「……。」

妹「…妹は…妹は」

男「……。」

妹「ふぅ…」

男「…?」

妹「にいさんの為だったらなんでも出来ちゃう、可愛い女の子だよんッ!」

男「……。」

妹「……。」

妹「…わ、分かった?」

男「たぶん…分かってないです」

妹「……。」


65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:34:43.16 ID:WbZoAm5i0
いもちゅ


66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 08:38:59.16 ID:GDDzMKCR0
妹「…い、妹のことは自分で調べて!」

男「どうやってですか?」

妹「し、知らないッ」

男「え…」

妹「じ、じゃあわたし、お母さん呼んで来るから」ダッ

男「ま、待ってくださいよ…」

妹「……。」ピタッ

男「…どうかしましたか?」

妹「一つだけ教えてあげる、兄は妹に敬語なんかで話さない」

男「え、でもそれは…」

妹「というか、友達にも後輩にも親にも敬語なんかで話さない」

男「……。」

妹「分かったら、返事」

男「…分かりま――」

妹「違う」


70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 10:25:27.16 ID:Fu0M3qOL0
ほのぼのかと思いきや超展開だったんだぜ
支援


71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 10:38:08.86 ID:yfPM7ReRO
支援


72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/08/15(月) 10:51:59.60 ID:Fqj4AdqG0
しえ



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