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幼馴染「大丈夫だからね」男「何がだ」
1 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:36:39 ID:GaAW7czc
幼「私が男君を守るからね?」

男「何から?もしくは誰から?」

幼「…世間の荒波とか?」

男「ははは。是非守ってくれよ」

幼「…うん。大丈夫だからね」

幼「私が…守るから…」


2 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:37:20 ID:GaAW7czc
幼「ところで男君」

男「ん?何だ、幼」

幼「さっきの人、誰?」

男「ん?さっきの人?」

幼「帰る前に、教室で話してた人」

男「女さんの事か?」


3 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:37:58 ID:GaAW7czc
幼「…どういった関係?」

男「どういったって言われてもなぁ」

男「ちょっと前に、ウチのクラスに転校してきたんだよ」

幼「何であんな子と楽しそうにおしゃべりするの?」

男「ん?楽しそうだったか?」

幼「ニヤニヤして、何の話しをしていたの?」


4 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:38:32 ID:GaAW7czc
男「ニヤニヤなんてしてないよ」

幼「してたよ!」

男「幼、声大きいよ。皆見てるよ」

幼「別に見られてもいいもん!男君、あの子と何の話ししてたの?」

男「話すから、話すから落ち着けよ、幼」

幼「…声荒げてごめんね、男君」

男「いいけどさ」


5 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:39:20 ID:GaAW7czc
幼「で?何を話していたの?」

男「今度の中間テストの範囲の話しをちょっとしてただけだよ」

幼「テストの話しを笑いながらするの?」

男「俺、頭悪いから、赤点取らないようにしないとなーって」

男「そしたら女さんが『私も頭悪いから、お互い頑張ろうね』って」

男「で、ちょっと笑っただけだよ」


6 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:40:01 ID:GaAW7czc
幼「男君、赤点取った事無いよね?」

男「ん?あぁ、テスト前いつも幼が勉強見てくれるからな」

男「おかげさまで、一度も赤点はないです」

男「いつも幼に助けられてます」

幼「…いいよ、別に。私が好きでやってる事だし」


7 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:40:32 ID:GaAW7czc
男「でもさ、いつも色々してもらって感謝してるんだ」

幼「えへへ。そう言われると、照れちゃうよ」

男「本当に、いつもありがとうな、幼」

幼「えへへ…」

幼「…」


8 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:41:12 ID:GaAW7czc



女「男君、おはよう!」

男「おー、おはよう、女さん」

幼「!」

女「えっと…そっちは幼さん…だっけ?おはよう!」

幼「…おはようございます、女さん」


9 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:43:06 ID:GaAW7czc
女「二人、仲良さそうだねー。夫婦みたい」

女「付き合ってるの?」

男「そう言う訳じゃないよ」

女「じゃ、何で一緒に登校?」

男「俺と幼は幼馴染なんだ」

男「家も隣りだしな。幼が毎朝起こしに来てくれるんだ」


10 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:43:41 ID:GaAW7czc
女「へー。絵に書いたような幼馴染だねー」

男「まあね」

幼「…」

女「幼さん、どうしたの?顔色悪いよ?」

幼「な、何でもないよっ。大丈夫だから!」

幼「…」


11 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:44:20 ID:GaAW7czc



女「男君、お昼一緒にどうかな?」

男「あー、いいけど…」

幼「男君、お昼行こっ」

男「幼、今日は女さんも一緒で良いか?」

幼「えっ?」


12 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:45:00 ID:GaAW7czc
女「2人はいつも一緒に食べてるの?」

男「うん。幼が毎日お弁当作ってきてくれるからね」

男「幼、料理超上手なんだぜ?」

女「へー。私にも一口ちょうだい!」

男「ダメだな!この美味は俺だけの物だ!」

男「他人にはやれん!」

幼「…男君、とりあえずいつもの場所に行こうよ」

男「そうだな。腹減ったしな!」

幼「…」


13 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:45:53 ID:GaAW7czc



女「男君、放課後ちょこっとだけ、テスト範囲の事教えてくれない?」

男「んー。俺は良いけど、先生に直接聞いた方が良くないか?」

女「そうなんだけどさー。今日、職員会議が5時くらいまであるって」


14 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:46:26 ID:GaAW7czc
男「まぁ、数学以外なら、何とか教えられるよ」

女「じゃあ、HR終わったら、すぐ教えてね!」

男「はいはい」

女「お礼、ちゃんとするからさ」

男「ハハハ。いらんいらん」


15 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:47:16 ID:GaAW7czc


幼「男君、帰ろ…」




女「ふんふん…ここからここまでね。範囲広いね」

男「歴史の先生は問題範囲を凄く広く取るタイプだから…」


16 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:48:06 ID:GaAW7czc
男「でも、ポイントは絞りやすいよ」

女「どんな?」

男「有名な出来事に絞って、その出来事に関連する事を」

男「こっちの参考書から抜き出せばいいよ」

女「ふむふむ。有名な…出来事っとね」


17 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:48:51 ID:GaAW7czc
男「あと、問題が三択な事が多いよ」

女「三択ってクイズみたいね」

男「そ、歴史の先生はクイズみたいな感じで問題作るんだ」

男「だからぶっちゃけ、運次第では勉強してなくても百点取れるよ」

女「あはは。またまたー、そんな訳ないじゃん」

男「オレはそれに近い事をやりとげた奴を知っている」

女「え?」


18 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:49:52 ID:GaAW7czc
男「B組に友ってやつがいるんだが」

男「あいつが、前回のテスト、歴史97点だったんだ」

女「頭良いんだね!」

男「あいつは頭悪い。他の今日はは赤点もあったくらいだ」

女「え?じゃあ本当に運だけでそんな点数取ったの?」

男「本人いわく『ストライカーシグマVのおかげだ!』って言ってたけどな」

女「ストライカー?何?」


19 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:50:54 ID:GaAW7czc
男「鉛筆なんだけど、後ろの方に数字が彫ってあってな」

男「それを転がして、答え書いたんだってさ」

男「その鉛筆の名前が『ストライカーシグマV』だって」

男「いかにも小学生が考えそうな事だろ?」

女「ふふ。楽しそうな人だね」

男「オレの親友なんだ。今度紹介するよ」

男「バカだけど、良い奴だよ」


20 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:51:31 ID:GaAW7czc
女「あ、話が横道にそれちゃったね」

女「これで一応、数学以外の教科は範囲わかったよ」

女「どうもありがとう、男君」

男「気にするなよ。教えててオレ自身の復習にもなったし」

女「お礼、しなきゃね」

男「さっきも言ったけど、いらないよ別に」

女「それっ」
ギュッ


21 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:52:13 ID:GaAW7czc
男「なっ?」

女「こんな美人に抱きつかれて、うれしいでしょ?」

男「あー。いやごめん。ちょっと…これは困る」

女「…嬉しくないの?」

男「いや、ちょっと…」

女「…朝の幼って子の事?」

男「あ!しまった!幼!」

男「女さん、俺もう行くね!また明日!」
バタバタ

女「…負けないんだから」


22 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:53:04 ID:GaAW7czc



男「教室には居なかったな…」

男「取り敢えず下駄箱確認してみるか」

男「…靴がないって事は先に帰っちゃったのか」

男「はぁ、仕方ない。一人で帰るか」


23 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:53:40 ID:GaAW7czc
男「今日は呼びに来なかったなー、幼のやつ」

男「まぁ、そんな日もあるか…」

男「…いや、今までそんな事なかったから、何か変な感覚だなー」

幼「…」

男「おわっ!幼!居たのか!」

幼「…居たよ。ずっと、ここに」


24 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:54:37 ID:GaAW7czc
男「居残りさせられてたのか?」

幼「…男君を待ってたんだよ」

男「えっ!悪い悪い。ホントごめん!」

幼「…教室で、女さんと話してたね」

男「やっぱり呼びに来てくれてたんだな」

男「ごめんな。呼びに来てくれたのに、気づかなかくて」

幼「そんな事はどうでもいいよっ」


25 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:55:17 ID:GaAW7czc
幼「あの人と何話してたの?」

男「あぁ、テスト範囲を聞かれてな」

幼「何で男君に聞くの?先生に聞けばいいじゃない!」

男「あぁ、何か職員会議らしくてさ」

幼「…職員会議は昨日だよ」

男「え?そうなんか?」


26 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:56:57 ID:GaAW7czc
幼「さっき職員室に聞きに行った」

男「マジ?女さん、勘違いしてたんだなー」

男「ま、俺も復習になったから、良かったけど」

幼「…」

男「ホント、待たせて悪かったな、幼」

幼「いいよ、そんなの」

男「さ、帰ろうぜ」

幼「…うん」


27 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:57:37 ID:GaAW7czc



女「…で?」

幼「…」

女「アナタが手紙で呼び出したんでしょう?」

女「黙ってても何もならないんだけど?」


28 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:58:54 ID:GaAW7czc
幼「…これ以上、男君に近付かないで!」

女「やっぱりね。そんな事だろうと思った」

女「でもそれは聞けないね!」

幼「っ!」

女「私だって、男君の事を好きになったんだから!」

女「私の行動をとやかく言う権利は、アナタには無いはずよ!」


29 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 17:59:50 ID:GaAW7czc
女「それとも、2人は正式にお付き合いしてるの?」

幼「それは…」

女「違うんでしょう?」

女「どうせアナタが一方的に付き纏ってるだけなんでしょう?」

幼「違う!私達は…」

女「ずっと一緒に居たから、勘違いしてるだけなんじゃないの?」


30 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/06/23(土) 18:00:44 ID:GaAW7czc
幼「わ、私は…」

女「とにかく、私は男君の事が好きよ」

女「直接彼に振られるまで、絶対諦めないから!」
バタバタ

幼「…もう、行動するしか、ない…」

幼「フフフ。待っててね、男君」

幼「私が守るから…」



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