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( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★7
- 456 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage]
:2010/04/20(火) 02:16:51 発信元:59.135.38.141
深夜ですが10レスだけ投下させていただきます
前回変なとこでぶったぎってしまった上に、投下間隔がだいぶ空いてしまったので覚えている人がいるか不安ですが
これまで
http://sogomatome.blog104.fc2.com/?mode=m&no=246
- 457 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:19:13 発信元:59.135.38.144
/ ,' 3 「言いたいことはそれだけか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい。私の思うところは、全て申しました」
/ ,' 3 「ならば、もう貴様に用はない。せめて魂だけでもアッラーの身元へ行けることを祈るのだな」
ζ(゚ー゚*ζ「私は、アッラーの元へは参りませぬ。娘たち共々、死してあの天に輝く星となりましょう」
/ ,' 3 「貴様という娘は、言うに事欠きアッラーまでも否定するというか。この不届き者め!!」
ζ(゚ー゚*ζ「それは大きな間違いです。何故なら私も、私の語る娘のうちの一人なのですから」
/ ,' 3 「何? それはどういうことだ!!」
ζ(゚ー゚*ζ「死にゆく者の言葉に疑問を投げ掛けるなど愚かしいことです。さぁ、王様。どうかあまり痛まぬよう一思いに」
/ ,' 3 「くっ……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
- 458 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:20:56 発信元:59.135.38.147
―――カラン
/ ,' 3 「……もうよい。ゆけ、娘」
ζ(゚ー゚*ζ「王様……剣を……」
/ ,' 3 「どうした。部屋から疾く立ち去れと余は言っているのだ」
ζ(゚ー゚*ζ「では、私の申したことは、考えていただけるのでしょうか?」
/ ,' 3 「その話はするな。今はただ、そちの首が胴に繋がっていることだけを喜べばいいのだ」
ζ(^ー^*ζ「やはり王は寛大な方でございました。私は、嬉しゅうございます」
/ ,' 3 「いいからゆけ。余はそちの顔なぞもう見たくもないわ」
ζ(^ー^*ζ「王様、誠にありがとうございます。私は今宵の出来事を、生涯忘れることはないでしょう」
/ ,' 3 「同じことを何度言わすか。余は疲れた、早う立ち去らぬか、馬鹿者め」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。では……」
/ ,' 3 「……」
- 459 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:26:05 発信元:59.135.38.141
―――
ζ(゚ー゚*ζ「はぁ……」
(´・ω・`)「おぉ、娘よ。無事だったか!」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、なんとか……」
(´・ω・`)「大丈夫か? 何か、酷く憔悴しているようじゃが」
ζ(゚ー゚*ζ「何でもございません。ただ、今宵は少し、王とのお話に疲れただけでございます」
(´・ω・`)「お前が昨日、ただではすまぬようなことを言っておったゆえ、ひやひやしながら帰りを待っていたところだ」
ζ(゚ー゚*ζ「申し訳ありませぬ。ですが、恐らくはあと少しで、王様を説得ことと思います。それまでどうか、ご辛抱を…」
(´・ω・`)「もう良い、そのように無理をするな。今宵のように憔悴するお前を見るのは、私には耐えられん」
ζ(゚ー゚*ζ「無理などはしておりませぬ。それに、今のこの機会を逃せば、王は闇の淵に立ったまま行き場を無くすことにもなりかねませぬ」
(´・ω・`)「それならば良いが。すまぬなぁ、娘であるお前にこのような大事を押し付けて」
ζ(゚ー゚*ζ「私は平気です。王のため、国のため、そして他ならぬ私自身のためですもの」
(´・ω・`)「……そうか」
ζ(゚ー゚*ζ「それではお父様、おやすみなさいませ」
(´-ω-`)「うむ……」
- 460 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:29:02 発信元:59.135.38.149
翌朝…
ζ( ー *ζ「おはようございます、お父様……」
(;´・ω・`)「うむ、おはよう……うぉ!? お前、どうしたのじゃ、その顔は!!」
ζ( ー *ζ「みっともないところをお見せして、申し訳ございません。昨夜は何故か涙が止まらず、一晩中泣き明かしておりました」
(´・ω・`)「それは、王とのことが原因であるのか?」
ζ( ー *ζ「それは分かりませぬ。この命が今もあることが嬉しかったのか、王に兆しが見え始めたことが嬉しかったのか……」
(;´-ω-`)「私としたことが、配慮が足りなかったな。娘であるお前がそこまで思い詰めて
いたとも知らず、王が大人しくしていることをただ喜んでおった」
ζ( ー *ζ「お父様がお悩みになることはございません。けれど、このような顔を王様の前に晒しては、それこそお父様の恥となりましょう」
ζ( ー *ζ「お手数ですが、今宵の語らいには行けないと、王にこと使っていただけないでしょうか」
(´・ω・`)「そのくらいでお前の気が休まるのなら、いくらでもこと使ってやろう」
ζ( ー *ζ「ありがとうございます。それともう一つ……」
(´・ω・`)「なんだ?」
- 461 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:31:09 発信元:59.135.38.142
―――
/ ,' 3 「……」
(´・ω・`)「王様、失礼致します」
/ ,' 3 「誰じゃ」
(´・ω・`)「大臣でございます。少々お耳に入れたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」
/ ,' 3 「勝手にせい」
(´・ω・`)「はっ、では……」
/ ,' 3 「何じゃ。些末事ならば貴様一人で対処せよと言っておったはずだが?」
(´・ω・`)「はい、それはもう。ですが私の用事は、我が娘のことでありまして」
/ ,' 3 「何?」
(´・ω・`)「実は、娘めが昨夜少々顔を腫らしまして。王の御前にみっともなき
顔を晒すことを恥じ、今宵の語らいはお休みさせてほしいと……」
/ ,' 3 「知ったことか。余もあやつの顔なぞ見たくないと思うていたところじゃ」
(;´・ω・`)「それはそれは……」
- 463 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:35:16 発信元:59.135.38.148
/ ,' 3 「貴様にも言うておくが、貴様の娘は不遜が過ぎるぞ」
/ ,' 3 「余へ向けて行いを省みよと言うのみならず、果ては唯一絶対なるアッラーまでも否定する始末」
(;´・ω・`)「そのようなことが……誠、申し訳ございません。それも全ては、私の教育の至らなさにございます」
/ ,' 3 「神への冒涜なぞ、本来ならば極刑をも免れえぬところだが、何故か昨夜は剣を降り下ろすことが出来なんだ」
(;´・ω・`)「はぁ…作用でございましたか…」
/ ,' 3 「娘へ言うておけ。昨夜のような気紛れ、今後も起こすと思うなとな」
(´・ω・`)「はい、きつく申しつけておきまする」
/ ,' 3 「分かったならば、もう貴様に用はない。帰れ」
(´・ω・`)「はい、ですがもう一つ娘より言伝てが……」
/ ,' 3 「何じゃ」
(´・ω・`)「本来なら娘が王へ語るはずだった物語を、今日は私から語ってほしいと頼まれまして」
/ ,' 3 「なんだと?」
(´・ω・`)「それが済みましたら、私もすぐさま退散致しますゆえ」
/ ,' 3 「親子共々、奇特なことよ。そんなに自らの命を粗末に扱いたいのか?」
(;´・ω・`)(私もそう思います…)
- 464 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:39:06 発信元:59.135.38.141
/ ,' 3 「そちが何のつもりかは知らぬが、娘と同じようにつまらぬ話をすれば命はないぞ」
(´・ω・`)「は、はい。それでは失礼して……」
(´・ω・`)「私が娘から聞きましたのは、王が気にしておりました剣の娘の話であるとか」
/ ,' 3 「なんだと? それを早く言わぬか。余もその話の続きが気になっておったのだ」
(;´・ω・`)「は、はぁ……しかしながら娘が言うには、王へ語った話の娘と、私へ語った話の娘は違うそうなのです」
/ ,' 3 「何を申す。あのような奇っ怪な娘が、そうそう居てたまるものか」
(´・ω・`)「それがそうでもないようなのです」
(´・ω・`)「娘の夢に見たる国では、剣のような尖った言葉を持った娘は
ごまんといるそうな。これはその内の一人とお思いくださいと、娘から」
/ ,' 3 「つまりは、似た性格の別人ということではないか。つまらん」
(;´・ω・`)「い、いやいや王様、どうかそうお気を悪くせず。お気に召すかどうかは
分かりませぬが、決してつまらないなどということはありませぬゆえ」
/ ,' 3 「保身に必死か。そのように焦らずとも、貴様が語り終わるまでは殺したりはせぬわ」
(;´・ω・`)「は、はい……(語り終えた後の命は保証しないと言われた気がする)」
- 465 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:41:26 発信元:59.135.38.149
【ツンデレに真実薬】
(´・ω・`)「では、失礼して……」
/ ,' 3 「うむ」
(´・ω・`)「そもそも剣の娘というのは、惚れた男児の前で素直になれず、厳しい言葉や態度を取ってしまう娘のことを言うとか」
/ ,' 3 「そのくらいは知っておる」
(´・ω・`)「では、そのような娘がもしも真実しか喋れなくなったらどうなるでしょうか」
/ ,' 3 「むぅ……それは、むしろ万々歳なのではないか? 己が好意を偽りなく伝えられるのなら、無用な苦しみも減ろうが」
(´・ω・`)「いやはやそれが、素直になったところで頑なな生来の性格は変わらず、ますます照れるばかりなのでございます」
/ ,' 3 「何? それでは正直になったところで何も変わらぬではないか」
(´・ω・`)「しかし、相手の男児にはちゃんと好意は伝わっております。その者も、それを分かって娘に接しているのですよ」
/ ,' 3 「むぅ……なんと言うべきか、懐の深い男よの」
(´・ω・`)「それに、相手に思いが伝わるを照れるなぞ、実に初々しく可愛らしいではありませぬか」
/ ,' 3 「そうか? 余にはそのような娘、もどかしくて全身がかゆくなるわ」
(´-ω-`)「それは王が王族だからでございましょう。平民の恋慕は、王とは違い常に相手ありきでございますからなぁ」
- 466 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 02:44:23 発信元:59.135.38.150
/ ,' 3 「しかし、嘘がつけぬというのはある種便利ではあるな」
(´・ω・`)「と、言いますと?」
/ ,' 3 「決まっておろう。嘘さえつかねば、人は人を裏切ることも、謀ることもなかろうからな」
(´・ω・`)「あの……それはもしや、お妃様のことを言っておられるのでしょうか?」
/ ,' 3 「だからどうした。よもや貴様まで、余に説教しようなどとは思っていまいな?」
(;´・ω・`)「そ、そのようなつもりは……」
/ ,' 3 「確かに、貴様の話は興味深かった。だが、今の話は余へも素直になれと言っておるようで鼻につくわ」
(;´・ω・`)「も、申し訳ありません」
/ ,' 3 「謝る暇があるなら早う部屋から出ていってはどうだ。貴様の首が胴から離れぬうちにな」
(;´・ω・`)「で、では、長々と失礼をばいたしました」
/ ,' 3 「……ふん。おどおどしい狸めが、娘に入れ知恵されおったか」
- 467 :いやあ名無しって [sage] :2010/04/20(火) 02:57:50 発信元:222.5.63.136
さるったか?支援
- 468 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 03:00:13 発信元:59.135.38.150
―――
(;´-ω-`)「はぁ……ただいま帰ったぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさいませ。その様子からすると、王に私の言った話をして下さったようですね」
(;´・ω・`)「全く、生きた心地がしなかったぞ。お前が大丈夫というから平時と変わらぬよう
話したが、それでもいつ何時、王の逆鱗に触れるかとビクビクし通しであったわ」
ζ(゚ー゚*ζ「王は私の話へ好奇心を抱いているようでしたので、それを話すとなれば過ちを犯すはずがありませんわ」
(;´・ω・`)「お前、毎日毎日あの緊張感に包まれて、本当に平気なのであろうな?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。むしろ私は、王へお話しさせていただくあの時間が、楽しみで仕方ないのです」
(´・ω・`)「むぅ……我が娘ながら、変わった感性の持ち主よ」
ζ(゚ー゚*ζ「明日の夜は、私がきちんと出向きますゆえ、ご心配なく」
(´・ω・`)「うむ、娘よ。頼んだぞ」
- 469 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage] :2010/04/20(火) 03:02:03 発信元:59.135.38.150
さるくらってました。これで今回の投下は終わりです
もっとコンスタントに投下出来るようになりたいな…
・参考新ジャンル
新ジャンル「ツンデレに真実薬」http://gxc.google.com/gwt/x?client=ms-kddi_blended-jp&wsc=tc&wsi=9cb56b72141e67be&u=http%3A%2F%2Fnanabatu.web.fc2.com/new_genre/tun_dere_truth.html&ei=epfMS6HZI5zAsAK-jdizCQ
- 470 :いやあ名無しって [sage] :2010/04/20(火) 03:08:26 発信元:222.5.63.135
乙乙。次回も楽しみにしてる。
- 471 :いやあ名無しって [sage] :2010/04/20(火) 04:14:59 発信元:61.198.137.28
乙でした♪
>>463の
(;´・ω・`)「はぁ…作用でございましたか…」
は誤変換かな?
お話は面白いし、語り口も好みだから、こーゆー凡ミスで覚めさせてしまうのは勿体無いよ。
因みに正しくは「はぁ…左様でございましたか…」
- 472 :いやあ名無しって [sage] :2010/04/20(火) 07:16:26 発信元:210.153.86.133
>>469
乙ー
- 473 :いやあ名無しって [sage] :2010/04/20(火) 07:32:35 発信元:59.135.38.142
支援と乙感謝
>>471
うわぁ本当だ…これからは誤字に気をつけます
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