■戻る■ 下へ
農夫と皇女と紅き瞳の七竜
689 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:18:39 ID:gQV2gQgQ

……………
………


…三年後


納屋の中で草刈り用の大鎌を研いでいると、がたん…といつもの建て付けの悪い音と共に扉が開いた。

天窓の明かりだけだった少し薄暗い室内に、外の眩しい光が差し込む。

その光を背景とするように姿を現したのは、美しき我が妻。

女「男さん、お客様がいらっしゃってます」

男「女…お前、また畑に行っていたのか。大人しくしてろと言っただろう…」

女「だって、退屈ですもの」

彼女は少し拗ねたような顔をして、自らの腹を手で撫でた。

それは俺がいつも『大人しくしていろ』と彼女を咎める、その理由が宿るところ。

まだ目に見えて判る程ではない、俗に安定期と呼ばれる時期には達していない。

だからつい、俺は口うるさくしてしまうのだ。


690 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:26:44 ID:gQV2gQgQ

新米兵「あのー、ここは…私は総司令殿のところへ案内しろと頼んだのだが…」

彼女の向こうから客人が顔を覗かせる。

まだ若い、入隊したての兵士なのだろう。

…知らないのも無理は無いな。

男「ああ…よくきた、疲れたろう。女、茶を淹れてくれ…家に入ろう」

女「はい、今日はお隣に貰ったジャスミン茶にしますね」

新米兵「いや、私は総司令殿をだな…」

男「…まあ、知らないのだからな。こんな格好をしている俺が悪いのだし…構わん」

彼は首を傾げ、暫く言葉の意味を考えたようだった。

やがて少しずつ理解がいったのか、その顔を青くしてゆく。

新米兵「ままま、まさか…貴方様が…」

男「ああ…連合軍総司令なんて柄じゃないんだが、一応そういう事になっている」

泣きそうな表情をしながら、慌てて敬礼の姿勢をとる兵士。

俺はその肩を叩いて「気にするな」と笑っておいた。


691 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:28:08 ID:gQV2gQgQ

あれから一年近くは元・月の国がどうなるかは定まらなかった。

結局、どの国からも不満が出ないよう共同統治という形をとる事となり、その大陸には連合軍が置かれる事となる。

それぞれの国力に応じ、基本的には保つ軍備の半分を出し合った、総合的に見れば世界最大にして最強の軍という事だ。

星、白夜、旭日、落日それぞれから四将軍という位置づけの大幹部を置き、属する国を持たないという理由でなし崩し的に俺が総司令に据えられてしまった。

とはいえ、連合軍には普段の仕事は無い。

未だ無いが、国際的な有事やどの国の領地でもない地域での争いにだけ干渉する事となる。

それ以外では、せいぜい公海や砂漠に現れる魔物を征伐する事があるくらいだ。

そして今回、この新米兵が俺を訪ねてきた理由はその後者にあたるものだった。


692 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:28:51 ID:gQV2gQgQ

男「…で、その砂漠に現れるサンドワームを連合軍で何とかしろと」

新米兵「はっ!そのように伝令を受けております!」

男「サンドワーム…しかも複数か、なるほど砂漠の民の手には負えんだろうな」

やはりヴリトラがいなくなると、そういう魔物が幅を利かせるようになるんだな。

男「やむを得んか…でも砂漠は気が乗らんなあ」

女「何をだらしない事を、困っている人がおられるのですから行ってあげなきゃダメです」

男「でも、二ヶ月以上かかるからな…」

女「そんなに早く産まれませんよ、心配しないで…子育ての先輩も近くにいるんですから」

だめだろ、あいつは。

だって腹に子供がいる時にグリフォン乗り回してたんだぞ。

…そうだ、砂漠までグリフォンを使えば期間を相当短縮できないだろうか。

男「よし、新米兵…白夜将軍のところへ行くぞ」

新米兵「はっ!すぐに馬を引いて参ります!」

男「馬鹿言え、なんで三軒隣に行くのに馬がいるんだ…」


693 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:29:53 ID:gQV2gQgQ

白夜将軍の住まう家には、子供達が群れていた。

子供「グリフォン乗せてー!」

子供「ちょっ!順番守れよー!」

子供「赤ちゃん見せてー」

幼馴染「はいはい…今日はお終い、グリフォン疲れちゃうもの。赤ちゃんオモチャにしないでねー」

不満を垂れる子供達を宥めながら、彼女はグリフォンの毛を梳かしていた。

すぐ隣に置かれたラタンのクーハンには、もうすぐ十ヶ月になる子供が指を咥えて眠っている。

男「おう、いい天気だな」

幼馴染「あらあら、総司令サマ…今日はどしたの?…兵士さんなんか連れて」

男「ん…仕事の話だ。白夜将軍サマはいるか?」

幼馴染「今、畑にカボチャ採りに行って貰ってるの。すぐ帰ると思うよ」


694 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:31:31 ID:gQV2gQgQ

彼女の言う通りじきに戻った白夜将軍…騎士長は、俺と新米兵を自宅に招いた。

そこでさっきの話を聞かせ、グリフォン使用の可否を問うが、彼は少しばかり顔を曇らせる。

騎士長「…そうだな、海を渡るところまでは良いのだが」

男「そこからは?」

騎士長「グリフォンは暑さに弱い、砂漠までは行かせられんな…」

…どうやら、あの厳しい徒歩による砂漠の行軍は避けられないらしい。

過去の経験を思い返し、なおさら憂鬱になってしまった。

騎士長「まあまあ…仕方がありますまい」

男「騎士長、それは砂漠を歩いてないから言えるんだ…」

まあいい、海を越えるためにグリフォンを使うなら、どうせそこから彼も砂漠を歩く事になるだろう。

北国、白夜育ちの優男…耐えられるかな?


695 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:32:15 ID:gQV2gQgQ

二日後、俺達は騎士長のグリフォンに揺られて都へと飛ぶ。

かつては月の王都と呼ばれていた、この大陸の中央に位置する連合軍本部が置かれた都市だ。

結局、女と幼馴染もここまでは見送りに来ると言い、グリフォンの籠に乗り込んだ。

僅か数時間とはいえ、悪阻と揺れの両方に苛まれた女は相当に顔を青くしていたけれど。

軍本部の演習場にグリフォンを着陸させると、そこには既に星の将軍が待ち構えていた。

男「ちょっと久しぶりだな、星の将軍殿…」

時魔女「ちょっとじゃないっ!週に一回は来なさいよね!」

幼馴染「久しぶりー、可愛い妹よー!」

時魔女「お姉さまー!赤ちゃん、大っきくなったねー!」

相変わらず、仲の良い事だ。

この三年間で、見かけは随分大人の女性に近付いたが、中身は変わっていない。

もう少し将軍としての威厳が…いや、それは総司令たる俺にも無いなから言うまい。


696 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:33:08 ID:gQV2gQgQ

義足少将「お久しゅうございますな、総司令殿」

また久しい顔が見えた。

「おお…元気そうだな」

互いに歩み寄る道の表面は石畳になっている。

そのため、義足の彼が歩く度に金属音が鳴るのは仕方ない。

まだ少し、彼の足を斬り落とした感触を思い返し、辛くなってしまうけれど。

男「副隊長…じゃなかった少将、義足の調子はどうだ?」

義足少将「…先日、試験的に仕込刀を盛り込まれ申した…」

しゃきん…という音と共に、いつ使う機会があるんだという感が否めない刃が飛び出す。

男「お、おう…」

義足少将「次は車輪を格納してみるつもりらしく…現在、夜は暗さを感知して無意味に光りまする…」

がっくりと肩を落とす少将。

ただ、不幸せそうには思えない。

男「なんか、大変だな。ま…好きで貰った嫁さんだろ、付き合ってやれよ…」


697 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:38:29 ID:gQV2gQgQ

男「大魔導士殿、幼師匠殿…暫く軍を頼む。…悪く思わないで欲しい」

さすがに総司令と四将軍の全てが留守にするわけにはいかない。

今回の遠征には俺と騎士長、時魔女だけが向かう事となっている。

大魔導士「何を言っておられるのだ、小童司令官殿。別に砂漠になど行きたくもない」

幼師匠「そうじゃて、こんな老いぼれが砂漠など…行くというより迎えが来てしまうわ」

本来なら年の功を考慮し、この二人のどちらかに総司令の椅子に座って貰ってもよかったはずだ。

しかしどうも二人共、後ろで目を光らせている方が性に合うらしい。

…と言っても、普段は特に口出しもせず、二人でチェスや将棋に打ち込んでいるのだが。

前に訪れた時はどこか異国の遊戯だという象牙のピースを入れ替えて役を作るゲームに誘われ、ひどく巻き上げられた。

こちとらルールすら解らず、ひたすら『ちーといつ』とやらを揃えるしか無いのだから、勝てる訳が無い。


698 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:40:14 ID:gQV2gQgQ

………


その夜はかつての月の王城を宿とし、ささやかにも宴が催された。

相変わらず交替で俺に酒で挑んでくる奴らがいたが、今の俺は深酒はしない事にしている。

一応この軍の総司令として、酒に飲まれておかしな命令を出すわけにはいかない。

それと、夜中に身重の妻に何かあった時に動けなくてはならないから。

…まあ、たまには羽目を外す事も無くはないが。

既に砂漠へ派兵する部隊は整っているらしく、明日には出発する事となる。

宴の後、俺と女は早い時間から、あてがわれた部屋へ入った。

男「…懐かしいな」

ベッドに座り、冷たい石壁にもたれると酒に火照る背中が心地良い。

ここは、女と初めて出会った部屋。

そして二人が形式上の夫婦となったところ。

女「…あの時も、あなたがそうしてベッドに座ってて」

男「お前が、そうやって…ドアから現れたんだよな。…覚悟決めた顔してさ」


699 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:41:11 ID:gQV2gQgQ

女「ちょっと…照れ臭いです」

男「何を今さら…よせよ、俺まで照れる」

女が歩み、俺の隣に腰を降ろした。

あの時の俺は、不安げな女を少しでも安心させようと精一杯余裕の表情をつくっていた。

でもその内心は酷く緊張して、浴びるほど酒を飲んでいたのに喉がからからだったように思う。

女「あの日、私を受け入れてくれて…ありがとう」

男「何を礼など言う必要がある…こんな田舎農夫の妻になるつもりなんか、無かっただろうに」

女「それは否定できません。…あの時は…ですけど」

柔らかく口づけを交わす。

その後、今も彼女は俺の胸に顔を埋める。

もちろん、もうその表情を隠すため…という意図は薄い。

ただ、それを互いに気に入っているだけだ。


700 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:41:52 ID:gQV2gQgQ

紅き瞳の欠片の力で命を繋ぐ事ができた、彼女。

最初は巫女と同じ、不老の命を授かったのかとも考えた。

しかしどうやらこの三年間を見るに、普通に歳を重ねているようではある。

ついこの間も幼馴染と一緒に井戸端で、二十代も半ばになると肌の張りが気になる…なんて言っていたから、多分そうなんだろう。

肌がどうこうというのは、俺にはピンとこないけど。

いつまでも若い妻というのも魅力的ではあるが、やはり共に歳を重ね老いていきたいものだ。

男「女…あの日、この部屋へ…俺のところへ来てくれて、ありがとうな」

女「仕方なかったんです」

男「そりゃ酷いな」

女「…そういう、運命でしたから」

あの日と同じ部屋、同じベッドで眠る。

あの日とは大きく違う感情と、距離をもって。

同じなのは、手を出せない…欲求不満を感じる事だな。


701 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:43:04 ID:gQV2gQgQ

…翌朝

既に門の前に兵達が整列している。

少し準備に時間を食った、いい加減に出ないと今日の内に中継拠点まで辿り着けない。

男「…女、行ってくる」

女「はい、気をつけて下さい」

俺は彼女の腹に手を当てて、心の中でもう一度『行ってくるぞ』と声をかけた。

ほんの軽いキスを交わすけど、今は胸を貸す事はしない…それはさすがに照れ臭い。

騎士長「では、留守を頼む」

幼馴染「うん…行ってらっしゃい。ほら、こっちも…してよ」

彼もまた優しいキスを落とす…ただ、それは妻にではなく。

騎士長「よちよち、行ってきまちゅからねー」

幼馴染「てーい!」

将軍ともあろう者が妻に頭を小突かれる姿を見せるのもどうか。

時魔女「でも、今のは騎士長が悪いね」

男「…そうだな」


702 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:44:12 ID:gQV2gQgQ

さあ…行き先が砂漠だというのは気が重いが、もう文句は言うまい。

号令を今かと待つのは、槍兵十名、盾兵十名、弓兵二十名、魔法隊十五名と、海を越えるためのグリフォン十二騎。

幸い、暫く雨は降らなさそうだ。

食料も、野営設備も、当面の充分量を積んだ。

…せっかく妻から解放されるのだから、酒もちゃんと積ませておいた。

魔物を討ち、全ての兵を無事に連れ帰る…それが今回の目標だ。

それ以外の戦果は望まない。

命を賭すつもりはあるけれど、無理はしないでいこう。

七竜を相手にするわけでもあるまいし、そこまで難しい話ではない。

兵達にも、俺にも、生きて戻らなければならない場所がある。


義足少将「…総員、整列!」


ざんっ…と、足を鳴らして兵が姿勢を正した。


fin.


703 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:46:34 ID:gQV2gQgQ
おしまいです
長いことかかりました

いつぞや酒場で相談した時、クエレブレ、ヴリトラといったキーワードをくれた方に感謝


704 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 21:47:19 ID:6aYGfGt6
乙てーい!!

後味すっきりで良かった


705 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/12/10(火) 21:48:35 ID:UVdetiN.
乙てーい


706 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 21:56:07 ID:ezgYyXcA
面白かった乙

連合軍って>>585みたいなのかな?


707 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 22:01:14 ID:M7skJG1.
>>706
おぞましいのを想像させんなてーい


自分のスレほっぽって入り浸ってたわ


708 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 22:06:01 ID:GUE8I49s
幼馴染み「てーい」!
乙でした!


709 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 23:06:49 ID:QDzw78eM
無事完結乙でした( ´∀`)

そして最後に幼なじみがやってくれたなwww
( ´∀`)ノ≡てーい


710 名前: ◆M7hSLIKnTI [] 投稿日:2013/12/10(火) 23:22:29 ID:gQV2gQgQ
皆様あざす
なんか今のIDちょっと珍しくね?

>>706 勘弁してくれ

>>707 ようこそごゆっくり

それでは、またてーいしましょう


711 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 23:25:04 ID:LT7y4snQ
酒場で竜の種類で相談に来たのが昨日のようだ…乙乙!


712 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 23:35:39 ID:/SvydpYQ
>>710
IDポーカー?やるとしたらツートリオ?ダブルスリーカード?

強そうだな…これがてーい職人の為せる技か


713 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/10(火) 23:46:19 ID:KcTbyoCg
乙てーい


714 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/11(水) 00:02:33 ID:34fr0VwQ
良かった
次は勝てる幼馴染を書いてください
てーいも好きです


715 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/11(水) 10:04:34 ID:bmShlP4w
乙乙
良いテンポで楽しかったよー


716 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/11(水) 13:03:54 ID:UYqU.1OQ
したらばの仕様変更で乗り遅れた…
乙でした!次のてーいにも期待してるよ


717 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/16(月) 00:39:22 ID:gOuHmeQg
完結乙
酒場から遥々追ってきた甲斐は確かにあった


718 名前: ◆M7hSLIKnTI [sage] 投稿日:2013/12/16(月) 18:20:51 ID:8sTrJ3O2
労いのレス、本当ありがたい

ただ、このSS終わってから若干抜け殻っぽくなってる
この話は苦労したけど、やっぱ書いてて楽しかったんだな…


719 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/12/16(月) 18:44:19 ID:Fzrt0Iis
てーい


720 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2013/12/16(月) 21:39:19 ID:yngg3zAg
てーい


721 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/16(月) 21:54:07 ID:u.ec0jSk
とーう!


722 名前: ◆M7hSLIKnTI [sage] 投稿日:2013/12/16(月) 22:02:47 ID:rz2y9LYA
あ、はい
抜け殻なんて大袈裟なもんじゃなく、ただの賢者タイムです
てーい頑張ります


723 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/17(火) 00:18:09 ID:QbHIFjdI

なんだか急にバハラグやりたくなったよ


724 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2013/12/21(土) 21:41:57 ID:xaDKIGxU
乙です



戻る 上へ