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新ジャンル「常連客」
480 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 07:13:08.27 ID:HmmpBySJ0
『準備中』

女「あ……今日はまだなんだ……」

ガラガラ
男「あれ? お客さん、いつものを食べに来たのかい?」
女「はい……」
男「そっか、まだ準備中なんだが……まあいい、外は寒いし中に入りなよ。」
女「え、でも……」
男「いいから入った。」

男「すぐに準備するからちょっと待っててくれ。」

女(準備中なのに……いいのかな。)

男「お待たせっと。」
女「あ……ありがとうございます。」
もぐもぐ

女(なんでだろう……いつもよりおいしく感じる……)


481 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 07:45:56.32 ID:HmmpBySJ0
ガラガラ
男「今日はいい天気になりそうだな。」

さっさっさっ

男「よし……こんなもんだろ。」

男「さ、準備準備……と。」


ガラガラ
女「こんにちは……」
男「いらっしゃい。今日は明るいうちにいらっしゃいませ。」
女「今日は……仕事もお休み、ですから。用事のついでに……と。」
男「なるほど……すぐに作っちまうからな。」

男「お待たせ。」
女「ど、どうも。」
もぐもぐ

女「あの……しばらくここに居ても、いいですか?」
男「ん? 何か用事があるんじゃないのかい?」
女「え? あ、あの。そ、外は寒いから……」

女(店員さんに会いたかった……なんて言えないよ。)


484 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 08:30:46.72 ID:HmmpBySJ0
「ちは〜、注文取りに来ました。」
「あらジロウちゃん。いらっしゃい、待ってたのよ。」
「え……? それって……」
「そう、ジロウちゃんのことが忘れられなくて……」
「お、奥さん!」
「ジロウちゃん!」

男「……」
女「……」

男「チャンネル……変えてもいいかな。」
女「は、はい……」

男(ちょっと気まずいな……二人きりだし。)

女(私も……いつか店員さんと……)


485 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 08:34:21.09 ID:HmmpBySJ0
そろそろ瞼が重くなってきたんだぜ。
誰かにあとを託したくなってきた。


486 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 09:04:28.15 ID:HmmpBySJ0
男「なんだかんだ言って……うちに来てくれるのはお客さんが多いね。」
女「え……?」
男「常連さんができたのは嬉しいよ。でももっと多くの人に食べてもらいたいとも思ってるんだ。」
女「はい……」
男「ちょっと宣伝してみようかなあ……」
女「あ、あの……」
男「宣伝費も結構かかるだろうし……やっぱりビラを配るのが定石かな?」

女(そうなったら……お客さんが増えたら、ここに来づらくなるかもしれない……)

男「でもなあ……店もそんなに広いわけじゃないし、外観も古いし……今のままでも十分か。」

女(よかった……しばらくは大丈夫そう……)


497 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/02(土) 11:16:19.72 ID:6NYcLKbS0
女「いつもの」
男「なんだっけ?」


498 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 11:20:10.58 ID:p8ygBa5vO
>>497
女「男くん」
男「かしこま……えぇぇぇぇぇ!?」

ほー


500 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 11:26:14.94 ID:8nBC0rJpO
>>498
表情想像したら薬と来た保守


501 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 11:54:39.33 ID:oNvM+s4Z0
男「はい、どうぞ」

女「ありがとう」

男「休日に来るなんて珍しいですね」

女「なんか家にいても落ち着かなくて。やることもないし」

男「他のお客さんも居ませんし、ゆっくりしていってくださいよ」

女「家よりここの方が落ち着くって、考えたら変ですよね」

男「嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。今日はコーヒーお代わりサービスでいいですよ」

女「本当ですか? やった!」

男「この時間あんまりお客さん来ないんで、私も保守に付き合いますよ」

というわけで保守


502 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 12:11:16.60 ID:oNvM+s4Z0
女「一緒に飲みませんか? カウンターでカップ拭いてるのも飽きたでしょう?」

男「邪魔したら悪いと思って。実は手持ち無沙汰だったんです」

女「邪魔だって思うなら来ませんよ」

男「じゃ、失礼して」

女「モカ・マタリですか」

男「香りで当てられるとは思わなかったな」

女「何年通ってると思ってるんですか? 後で一口下さいね」

男「一口と言わず一杯淹れますよ」

女「そうじゃないんだけどなぁ」

男「?」


507 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 12:30:51.61 ID:oNvM+s4Z0
女「お客さん、来ませんね」

男「そうですねぇ。元々あんまり来ませんけど、今日は寒いからますます来ませんね」

女「いっそ今日は閉めちゃうとか」

男「……やめときましょう。せっかく寒い中来てくれるお客さんもいるかもしれないですから」

女「真面目だなぁ。そういうところが良いんだけど」

男「え? 何か言いました?」

女「いーえ、何も?」

男「定休日に来てください。そうだ、土曜日は定休日にしましょうか」

女「本当ですか?」

男「嘘は付きませんよ。定休日でも女さんが来るならいつも通りお待ちしてます」


509 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:12:47.18 ID:oNvM+s4Z0
男「……どうですか?」

女「う〜ん……ここのコーヒーと合わせるならもうちょっと味は軽めが良いと思います」

男「ちょっと濃すぎましたか」

女「普通のお店だったらこれで良いと思いますよ。でも喫茶店の軽食メニューですからね」

男「そうですか。お客さんに出す前に女さんに味見てもらってよかったですよ」

女「あ、ひどい。私お客さんじゃないんだ」

男「そ、そういう訳じゃないですって」


510 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:13:12.14 ID:oNvM+s4Z0
常連の特権:新メニューをお披露目前に味わえる


511 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:27:17.33 ID:oNvM+s4Z0
女「あ、今度は良いですね。コーヒーとも相性ばっちりですよ」

男「よかった」

女「今度からこっちもたまに頼もうかな」

男「女さんのお墨付きですから、こっちも自身をもって出せますよ」

女「でも他の人には出して欲しくないかなぁ」

男「え?」

女「嘘ですよ。きっと人気でますよ」


512 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:29:08.36 ID:vkE4DpCiO
裏メニュー:黄金チャーハン


513 名前:442 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:40:47.14 ID:eDAzTQ8jO
女、あるオフの日

女「久しぶりの休暇だし、たまにはお昼頃に行ってみようかな」

女「って、あれ……開いてない。どうしたんだろ、いつもなら朝からなのに」
試しにドアを押してみるものの、やはり鍵がかかっており中に入ることはできない。
女「お休み……なのかなぁ、残念」

がくりと肩を落とし喫茶店から立ち去ろうとすると、突如先程まで閉まっていた扉が勢いよく開いた。
男「女さん、いらっしゃいませ。すみませんそろそろ開けようと思っていたんですが……」
女「マ、マスター……」

長くなりそうなので分割。
ネットが朝から繋がらなくなったんで携帯からなんだ……。
誰も読んでいないとは思うが、保守代わりに投下しとく。


514 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 13:48:27.88 ID:049J5D2dO
うおぉぉおぉ絵にしたいシチュが山程あるのに…!!
スレ寿命72時間制限がツラい…ッ!
んでまた落書き支援ですよ
>>312・316 http://imepita.jp/20080202/489540


517 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:17:00.05 ID:eDAzTQ8jO
男「ちょうど今日は女さんに試食してもらいたい商品を作っていたんですよ」
女「……」
男「あれ。どうしたんですか」
女「いや、あの……お聞きたいことが一度に沢山出てきたので」
男「はい、なんでしょう」
女「まず一つ目なんですが、ここのケーキってマスターの手作りだったんですか?」
男「ええ。男がケーキ作りだなんておかしいとは思われるかもしれませんが、趣味でして」
女「いや変じゃないですよ!とっても美味しいですし」
男「ありがとうございます。そう言ってくれるのは女さんくらいですよ」
女「……っ!そ、それで次の質問なんですがっ、その……どうして私の名前を?」
男「ああっ、すいません!初めて来られた時にお友達が呼ばれていたのを覚えていまして」
女「そうなんですか」
男「客商売の困った癖とでもいうんでしょうか。いや、失礼しました」
女「いえとんでもない!むしろ嬉しいです……」


518 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:17:05.51 ID:ViUc2vX50
>>401続き・・・2週間後・・・
下っ端「マグロ食いたきゃいつでもきやがれ〜♪っと・・・・あら?」
下っ端「女さんこんばんは!えらく早いっスねwまだ開店前っスよww」
女「あ・・・!こんばんは・・・今日は休みだったから・・・」
下っ端「お!そのリボン付きな紙袋はもしかして・・・」
女「えっと・・・そうなんだけど・・・こんなの喜んでもらえない・・・ヨウナ・・・」
下っ端(・・・・・・)

下っ端「そんな事言ってていいんスか?」
女「え・・・?」
下っ端「今日は店長誰かから誘いあったみたいで、開店準備は俺任されてるんスから」
女「えぇ!?」
下っ端「誰かは詳しく聞いてないッスけど・・・女性だったら・・・?」

女「そ・・・そんな・・・」
下っ端「一応場所は聞いてるっス!今ならまだ間に合うかも・・・」
女「でも・・・その人と、相思相愛だったら・・・店主さんに悪い・・・」
下っ端「何言ってんスか!!」
女「!?」
下っ端「今まで思い続けてたのに、横から取られて悔しくないんスか!?」
女「そ・・・ソレは・・・」
下っ端「まだ待ち合わせまで時間は有るっス!先に会って渡しちまえばいいんスよ!」

女「・・・待ち合わせ場所・・・どこ?」
下っ端「新ジャンル公園のデカイ噴水の前!
    店長は30分は先に行く人だから今なら二人が会う前に先に会えるっスよ!」
女「わかった・・・ありがと!」

下っ端(やれやれ・・・)


519 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:22:28.91 ID:ViUc2vX50
店主「う〜ぃ、今戻った。開店準備出来てるか?」
下っ端「あ、おかえり〜っス・・・って生樽直持ちじゃないっスか!配送は!?」
店主「いや、昨日酒屋に配送の注文忘れちまってな」
下っ端「あの距離生樽持って来たんスか!?バカじゃないスか!?」
店主「バカの力ってすげぇんだぞ 試してみるか?」
下っ端「あ、いや、ゴメンなさい、だから止めて・・・」

下っ端「まったく・・・開店任せた、酒屋いってくるって言ったから何事かと思ったっスよ」
店主「スマンスマン、次は気をつけるよ」
下っ端「あ、そういえば・・・」
店主「うん?」

下っ端「さっき女さん来てましたよ」
店主「ほぉ、随分早いな・・・で、開店前だからって帰ったのか?」
下っ端「いや、何か店長に渡したい物が有るとか何とかで・・・」
店主「ほぉ・・・で、後で持って来るって?」
下っ端「いや、新ジャンル公園のデカイ噴水の前で待ってるって言ってたっス」

店主「なんでだ?持ってくればいいのに」
下っ端「(呆れるぐらい鈍感だな・・・)どうせ今日は暇だろうし、行ってあげたらいいじゃないスか」
店主「それもそうだな」
下っ端「ちょっとの間ぐらい俺だけで何とかしますよ」
店主「悪いな、じゃあちょっと任せるわ」

下っ端「45分ぐらいゆっくりしてきていいっスよ〜www」
店主「何言ってやがんだ馬鹿野郎!!」


520 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:25:11.94 ID:ViUc2vX50
女(はぁ・・・まだダレも来ない・・・もしかして・・・遅かったのかな・・・)
店主「お、いたいた」
女「・・・!?」
店主「こんばんは、女さん ちょっと待たせちまったかな?」
女「え・・・?あの・・・その・・・?え・・・?」
店主「いやぁ、開店前に来てもらったのに留守にしてて悪かった ちょっと酒屋の方に行っててな」
女「え?ダレかと待ち合わせだった・・・んじゃ・・・?」
店主「うん?何の事だ?」

女(あ・・・!下っ端君にやられた・・・!!///)
店主「それよりも、何か俺に渡したい物があるとか何とか・・・?」
女「(逃げ場無し・・・)あ、あの・・・コレ・・・////」
店主「え・・・?どうしたんだコレ・・・?」
女「今日は誕生日だって聞いたからさ・・・それに、いつも美味しいもの食べさせてもらってるし///」
店主「あ!そういえばそうか!自分の誕生日なんてすっかり忘れてたよ」

女「フフッ、店主さんらしいわ」
店主「開けさせてもらっていいかい?」
女「うん・・・喜んでもらえるか・・・解んないけど・・・///」
店主「おお・・・マフラーか もしかして・・・手編み?」
女「へ、下手っぴだけどさ///」
店主「暖かいよ・・・最近買出しとかが寒くてな・・・ありがと///」
女「い、いや・・・そんな・・・///」

店主「そうだ、今から店来ないか?」
女「え?」
店主「前言ってた新メニューが完成したからさ、一番に食ってもらおうと思ってな」
女「い・・・いいの?」
店主「ああ!ってか、断っても引きずって行くぜw」
女「フフッ・・・じゃあお言葉に甘えようかな///」


521 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:25:56.78 ID:ViUc2vX50
そして店前・・・

店主「あら?電気消えてるし、鍵も閉まってら」
女「店主さん・・・コレ・・・」
店主「ん?張り紙・・・?」

ゆっくりしてきてもいいっつっても店長の事だからスグ戻ってくるんでしょう
だから今日は強制臨時休業にします
俺はこないだの代休っつー事でどうかよろしく!!
どうぞお二人でごゆっくり〜
             かっこよすぎる下っ端様より

店主「あの馬鹿野郎・・・!いらん気きかせやがって・・・///」
女(下っ端君・・・ありがと・・・)
店主「ま、こーなったからにゃしょうがない
   今日は女さんの貸切って事で二人で飲み明かすか!」
女「いいの・・・?」
店主「あぁ、誕生日だし多少の贅沢はいいだろうよ
   それに、一番気の休まる人と飲みたいしな・・・///」
女「う、うん・・・ありがと・・・///」





とりあえずコレにて閉幕、連投&駄文失礼!!


522 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:35:38.37 ID:eDAzTQ8jO
女「えっと最後の質問なんですが」
男「はい、なんでしょう」
女「……その、いつもはこの時間にお店を開けているんですか?」
男「あまり細かくは決めていませんが、そうですね。だいたいこれくらいです」
女「だったらなんで私が来る時はあんなに早く……」
男「……以前も今日みたいな事が一度ありましたよね」
女「え、ええ。あまりにも早い時間だったから半ば諦めて来てみたけど、やっぱり閉まってて」
男「実はあの時、私も店にいまして。色々と仕込みをしていたんですよ。気付くのが遅くて呼び止められませんでしたが」
女「えっ」
男「がっかりとした女さんを見るのがしのびなくて、それ以来、朝少しだけ開けているんですよ」
女「ごめんなさいっ!そんな迷惑をかけているなんて私、気が付かなかった」
男「いえ、いいんですよ。私が勝手にやっている事ですから。いや、それにしても今日は間に合ってよかった」

女(またそんな風に笑って、卑怯だよマスター。そんなんだと私、ますます……)

一旦区切り。


523 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 14:41:37.86 ID:Lk4INS5pO
もうね。四方八方甘すぎてね。

マスター。コーヒー一杯



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