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新ジャンル「常連客」
160 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:33:39.74 ID:7FE57TvV0
ガラガラ

女「はあ〜〜」
窓の外ではさめざめと雨が降っている

男「おっどうしたんだい,今日は珍しく疲れてるね」
女「うん,いろいろあって」
男「・・・そうかい。OLも大変だね」
女「とりあえず,いつもの」
男「あいよ」


161 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:35:45.17 ID:7FE57TvV0

   ・
   ・
   ・
男「お客さん,そろそろ起きないと電車なくなってしまいますぜ」
女「・・うーー。眠い,帰りたくない」

女の目が赤く腫れていたのは机につっぷして寝ていたせいだけではなさそうだったが
男は口に出さないでおいた。
女「他のお客さんはぁぁ?」
男「とっくに帰っちまったよ」
男「まぁこんな田舎の店じゃあもともとお客さんたくさんは来ないからね」



162 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:40:40.60 ID:7FE57TvV0

女「ねぇ・・あのね」
男「なんですかい?」
女「いやっ,やっぱ何でもない何でもない」
女は手をふってごまかした
女「じゃあそろそろ,帰るね」
男「あいよ。また寄って下さいね」

ガラガラ 
 
女は戸を開けると手を振りながら帰っていった。

男は見送りの時に「また明日お仕事頑張ってくださいね」
としか言えなかった自分のつまらなさに少し気が沈んだ。
男「辛くなったらいつでもこの店にきたらいい・・」
独り言をつぶやくと男は店の中に入り,ピシャリと戸を閉めた。

いつの間にか雨は牡丹雪に変わっていた。
                                         終わり


163 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:42:19.29 ID:7FE57TvV0
連投スマソ。
暇だったからやってみた。



俺きんもー☆ww


165 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 20:49:16.88 ID:/mL6KovE0
>>163
私はいいと思うんだぜ。
その才能に嫉妬。


168 名前: [] 投稿日:2008/01/31(木) 21:24:46.19 ID:6V/T+mbZ0
ガラガラ

男「いらっしゃい」
女「いつもの」
男「あ、すみません、今日は切らしてて
  別の注文してもらえますか?」
女「あら、そうなの・・・
  じゃあ、あなたをお持ち帰りで」
男「え・・・あの・・・」
女「やっぱりここで頂いていくわ
  それじゃあいただきまーす」
男「くぁwせdrftgyふじこlp;」



女「・・・ハッ!?
  なんだ・・・夢か・・・」


169 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 21:27:15.33 ID:7FE57TvV0
160だが新作できたぜ。


170 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 21:29:37.96 ID:7FE57TvV0
夜のネオンが輝く大都会の路地裏の地下に小さな小さなライブハウスがあった。
アンプの重低音と金切り声を上げたようなギターの高音とが混ざり合い
男くささと70年代風ロックの雰囲気が漂っている。

そんな場所に毎日1人の女が仕事帰りにスーツのまま訪れていた。
女「・・・・・・・・・・・」
今日こそは話しかけてみようと60を過ぎたマスターが声をかけた
男「お嬢さん,毎日毎日来てくれてありがとうよ」
男「毎日じーっとステージだけを見つめているが,何を見ているんだい?」
女「・・・・・・・・・・・」

女はいつも何も喋らなかったが,
今日だけは様子が違った。



173 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 21:32:20.14 ID:7FE57TvV0

女「ここ・・・」
男「何だい?」
女「ここ,昔好きだった人と初めて会った場所なんです。」
男「そうか,その人も音楽好きだったのかい?」
女「覚えてませんか?いつもここで歌ってました」
女「曲が終わる度にお客さんに向かってバカヤロー!って叫んでたんですけど」
男「・・・・うーん,思い出せんのう。バンドマンは今までもたくさんいたからのう」

女「まぁ・・そうですよね,一年半も前の事ですから」
男「しかし,何故今もここに通い続けてるんだい?」
女「それが・・」
女「それからその人と話す事があって,「もしこの曲が出来上がったら
  一番にアンタに聞かせてやる」って話したまま・・・それからここでは一度も見なくなって」
女「またここに来れば会えるかなって。」


174 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 21:35:53.78 ID:7FE57TvV0

女「私バカですよね・・・半年もこうやって何もしないまま
   連絡先も知らない人を待ってるなんて」
男「いや,おまえさんはいい子だよ。そういう子にはいつかはいい事があるもんだよ」
男「もしかしたらこれからその人に会えないかもしれないが,わしはお嬢さんの事が
  気に入ったよ」
男「これからこの店に来てくれた時はタダでいいよ」
女「いえ,それは何か悪いです」
男「遠慮はせんでもええ。あんまりきれいな店じゃないがこれからもよろしく頼むよ」
女「あ,ありがとうございます。」
      ・
      ・
      ・
そして2年後
その店のポスターの横には新婚のカップルの写真が飾られていた。
路地裏ではバカヤローという大声がライブハウスから響いている。
                                           終わり


175 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 21:36:59.91 ID:7FE57TvV0
連投スマソ。


176 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 21:41:03.63 ID:OURtgExG0
ついつい足を運んじゃうんですよ


177 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 21:41:29.17 ID:/mL6KovE0
いいんだぜ。
ハッピーエンドは自分じゃ書けないから
書き手さんがんば〜


178 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 21:44:41.22 ID:7FE57TvV0
書き手さんがんば〜。
俺はもう限界w


182 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 22:04:44.65 ID:NEKXt+gzO
何で入院中にこんな良スレがorz
ノートPCを写メってるんで見辛くてスマン
http://imepita.jp/20080131/790720


184 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 22:10:52.71 ID:7FE57TvV0
これは182の絵?
ウマス!!


185 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 22:13:24.11 ID:/mL6KovE0
>>182
これはイイ!
居酒屋行きたくなってきた。


187 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 22:33:21.95 ID:5hYPJTGtO
ガラガラガラ
男「いらっしゃ…なんだ女か」
女「ちょっと〜常連にその言い方はないんじゃない?」
男「ごめんごめん。で、何にする?」
女「いつものちょうだい」
男「毎晩酒ばかり飲んで、身体は大丈夫なのか?」
女「ちょっとぐらい大丈…ゴホッゴホッ!!」
男「……今日は酒はだめだな」
女「…これぐらい大丈夫よ」
男「いいから今日は帰れって。いつだって来れるんだから」
女「……うん」
男「よし、じゃあ送ってやるから外に出てろ」

女「………ニヤリ」


192 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 23:31:20.17 ID:/mL6KovE0
保守だけだと寂しいな……どれ。

「さて……どれにするかな。」

ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「いつものお願いね。」
男「あいよ。」

「……すみません。俺もいつもので。」
男「え? いつもの、かい?」
「あ……うん、しょうが焼き定食を。」
男「あいよ。」

男「はい、お待ちどうさん。」
女「ありがとさん。」

(俺も結構来てるはずなんだが……ちょっとあそこの女の子が羨ましいな。)


196 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 23:43:52.93 ID:7FE57TvV0
俺,また作ってしまった。
次は女と男が逆ばーじょん。


197 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 23:47:04.67 ID:7FE57TvV0
また長いから覚悟してくれ。

ーー−ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カランカラーンとドアに付いている小さな鐘を鳴らしながら
男が店にやって来た

女「いらっしゃいませ〜」
男「こんばんは,今日もいつものお願いね」
女「はいはい〜ちょっと待ってて下さいね」

男「それにしても今日は寒いね」
女「ホント寒いですね。テレビなんかでは地球温暖化って言ってるのに
  この地方はちっとも暖かくないですよね。」
男「はは。ほんとそうだよね」
男「でも偉いよ。(女)ちゃんはいつも朝早くから夜遅くまで1人で
  お店きりもりしてるんだから。」
女「そんなことないですって,会社勤めの人なんかに比べたら私なんてほんと
  世間知らずの女ですから」
女「それに母が残してくれたこのお店ほっとくわけにもいかないですしね」



198 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 23:47:42.22 ID:7FE57TvV0

男「(女)ちゃんはお店が休みの日には何してるの?」
女「そうですね,家の事片付けたりちょっとしたもの買いに行ったりするくらいですよ」
男「そうなんだ。どこか遊びに行ったりすればいいのに」
女「いや,私小さい頃からこのお店手伝ってたりしてたので,遊び方っていうのかな,
  あんまり分からないんですよね。お金もやりくりで精一杯ですし。」
女「あんまりお化粧する事もないですし,今どきこんな女の人って珍しいですよね」
男「でも俺(女)ちゃんのポニーテールすごく好きだけど」

女「あはは。男の人からそんな事言われたの初めてですよ」
女「(男)さん趣味悪いんじゃないんですかあ?w」
男「でも,本当に似合ってるよ。」
女「からかわないで下さいよ〜」
女「それよりお酒のコップ空いてますよ」
男「んじゃもう一杯もらおうか」


199 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 23:51:15.06 ID:7FE57TvV0

男「よし,そろそろ帰らないと。明日も早いから」
女「はい,今日もありがとうございました。またいつでも来てくださいね」
男「うん,また来るよ」
男「あ,それと・・・」
男「(女)ちゃんて花好きだったよね?暖かくなったら一緒に花でも見にドライブ行かない?」
女「え!?でも・・お店あるし・・・・」
男「休みの日でいいからさ」
女「あ,はい。でも私なんかでいいんですか?」
男「もちろん。いいかな?」
女「はい,喜んで。」


200 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/01/31(木) 23:51:56.00 ID:7FE57TvV0


男「あ。それと・・コレあげるよ」
そう言って男はポケットから一輪の花を取り出した。
男「いや,さっき来る途中で道端で見つけたからあげようと思って」
女「あ,ありがとうございます。」

男「じゃあね,また来ます。」
女「ありがとうございました〜」

男が帰った後女は花を見つめながら不思議に思った
「これカトレアだよね。」
もちろんその辺に咲いている花ではなかった。


花言葉は「あなたは美しい」              
                                      終わり


203 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 23:55:59.14 ID:/mL6KovE0
お前さんという奴は……
綺麗に締める技術を私にも分けてほしいんだぜ。


204 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/01/31(木) 23:57:48.03 ID:Cmm/ZM0AO
>>203
お前さんはお前さんで良いとおもうんだぜ


205 名前:200 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:08:22.70 ID:MuiI9a9/0
>>203
俺もお前さんの作品好きだぜ。


206 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:18:49.66 ID:4qtj+wvL0
そんなことよりお前ら……
書き手は作品を考える、読み手はwktkしながら待つ作業に移るんだ。




いろいろ様子を見ながら投下させてもらうぜ。
ただ展開が変わらんのは勘弁な。


208 名前:VIPがお送りします。あと884,280秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:29:11.00 ID:21f1+enLO
男「いらっ・・・」
女「ひぐっ・・・えっぐ・・・の、のれん・・・」
男「お、おう・・・のれん新しくしたんだが・・・そんなに気に入らなかったか?」
女「ひっく・・・お店変わっちゃったかと思ったよぉ」
男「おいおい・・・」


209 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:41:28.48 ID:4qtj+wvL0
男「さて、と。今日も一日頑張りますかねっと。」

ガラガラ
男「う……ん、いい天気だ。」
女「あ、店員さんおはよ。」
男「やあ、おはよう。今から仕事かい?」
女「うん。あ……それでなんだけど。」
男「ん? なんだい?」
女「夜遅くになるかもしれないけど、食べに来てもいいかな?」
男「なあんだそんなことか。いいよ、お客さんが来るまで店開けておくからさ。」
女「ありがと。」
男「なあに、常連さんの頼みとあっちゃ断れないからね。じゃ、気をつけてな。」
女「うん、じゃあまたあとで。」


211 名前:VIPがお送りします。あと883,196秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:42:29.91 ID:iUxK02A1O
ガララララ―
男「…いらっしゃい」
女「んー…これ下さい」
男「………」コクリ

男「……お待ち」コトリ
女「ん、ありがと」

男「………」
女「………」

女「……無口ね」
男「……性分でして」


女「お勘定お願い」
男「……1200円になります」
女「ん」
男「……毎度」

これが、私が常連になる店の、初来店だった


会話が無くても居心地がいい空気ってのを書きたかったんだ……


212 名前:VIPがお送りします。あと883,196秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 00:43:44.65 ID:L94rrkPfO
女「…あ」
女「日付が変わっちゃったね。もう2月かあ…」
男「…これ、どうぞ」
女「え、私、こんなの頼んで…」
男「…お客さんがこの店に来て、ちょうど1年ですよ」
女「うそ……本当に?いいの?」
男「ええ。これからも、お引き立て下さい」
女「…あはっ、うれしいなあ」

女「でも、何でお刺身盛り?」
男「すみません…。ウチには甘い物が何も無くて」
女「……変なの」
女「でも、ありがとう。すごく、嬉しいです」
男「これからも来て頂けるなら、この位は当然ですよ」

女「…この1年で、変わったかな、私」
男「ええ。笑顔が、とても素敵になりましたよ」
女「…もうっ。上手いんだから」
男「あはは」

女「変わったのかな……私達の距離も」


217 名前:VIPがお送りします。あと880,656秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 01:23:15.98 ID:4qtj+wvL0
ガラガラ
女「うう、寒い寒い……」
男「いらっしゃい。今日は寒いねえ。」
女「本当、こんな日はやっぱりあれを食べるに限るわ。」
男「……あいよ、いつものね。」

男「おまたせ。」
女「ありがと。いただきます。」
もぐもぐ

男「お客さん、一言言ってもいいかな?」
女「ん? 何?」
男「さっきは寒い日はこれ、と言ってたけど、関係なく頼んでるよね?」
女「店員さん、それは言わない約束だよ。」
男「え、約束? あ〜、これは失礼。なにを食べようとお客さんの勝手だったね。」
女(店員さんが作ったものならなんでも……いや、それだと接点がなくなっちゃうし。)


218 名前:VIPがお送りします。あと880,184秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 01:30:37.86 ID:lMzsqEiJO
>>211
俺の脳内では問題無く補完されたw
>>208
http://imepita.jp/20080201/049230
こうですか><

そろそろ寝るよ
スレ残ってるといいなぁ


221 名前:VIPがお送りします。あと879,745秒 [sage] 投稿日:2008/02/01(金) 01:42:06.54 ID:MuiI9a9/0
また新作作ってみた。
今回は短いぜ〜


222 名前:VIPがお送りします。あと879,524秒 [sage] 投稿日:2008/02/01(金) 01:43:39.28 ID:MuiI9a9/0
ガラガラ
男「いらっしゃい」
女「こんばんは,あ〜寒かった」
男「最近は冷え込みも厳しくなってきましたからね」
女「ほんとよね〜。で今日は何がオススメ?」
男「・・・・・・・・」
男「そうですね,ちょっと時間がかかりますけど後で持ってきてもいいですか?」
女「なになに?新しい創作料理でも作っちゃったとか?」
男「そんなとこですかね」
女「じゃあとりあえずいつもの下さいな」

男「はいはい〜いつものね」
女「やっぱりここは落ち着くわね」
男「いつも贔屓にしてもらってありがたい限りです」


223 名前:VIPがお送りします。あと879,745秒 [sage] 投稿日:2008/02/01(金) 01:44:04.49 ID:MuiI9a9/0
      ・
      ・
      ・
男「すいませんね,お待たせしました。今日のオススメです」
女「あれ?このお店ワインなんてあったかしら?」
男「今日は特別です。あとこれもどうぞ」
女「え?ケーキ?」
男「お誕生日おめでとうございます」
女「あっそっかあ,今日私の誕生日だったんだ。いつからだろう
  誕生日にケーキを食べなくなったのは」
女「この歳になると毎日仕事ばっかりで自分の誕生日なんて忘れてた。
  昔は誕生日が来るの待ち遠しかったのにな」
男「今日はお代サービスしますよ」
女「やったー!」
男「恋人には祝ってもらわないんですか?」
女「よっ余計なお世話ですっw」
                                 終わり


224 名前:VIPがお送りします。あと879,388秒 [sage] 投稿日:2008/02/01(金) 01:44:46.16 ID:MuiI9a9/0
俺も誰かの優しい保守を願って眠りますw
おやすも


225 名前:VIPがお送りします。あと879,080秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 01:51:03.21 ID:L94rrkPfO
女「……ねえ」
男「はい」
女「……帰りたくないって言ったら、どうします?」
男「…どうしましょうか」
女「……」
男「……」

女「失敗しちゃったの。仕事で」
女「上司からはこっぴどく叱られるし、部下からは変な目で見られるし」
女「もう…最悪……」

女「……あはは。愚痴っちゃったね、何か。ごめんなさい」
男「…どうぞ、お茶のお代わりです」
男「…自分は、社会に出て働いた事が無いので、何とも言えません。どうすれば元気が出るのかも、分かりません」
男「ただ、料理人は自分の料理に満足出来ない時、黙って考えて、黙って同じ料理を作り続けます」
男「そして、再びお客に出す時に、自分の中で最高の料理を出すんです」
女「……御主人」
男「…次のチャンスまで、しっかり悩んで、しっかり鍛えて、充電をしましょう」
女「……はいっ」

男「落ち着くまで、好きなだけ居て下さい。お茶もまだまだありますので」

女「……ありがとう」
女「…本当に、ありがとう」


226 名前:VIPがお送りします。あと877,913秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 02:14:07.09 ID:4qtj+wvL0
ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「!! マスクなんかしてどうしたの?」
男「ああ、ちょっと風邪をひいてしまったみたいで。」
女「大丈夫? ちょっとふらふらしてるけど。」
男「大丈夫大丈夫……頑丈だけがとりえ、だ……」
ばたん

女「ちょっと! しっかり!」





男「……ん? お客さん?」
女「やっと起きた。」
男「迷惑かけちまったようだな、すまない。」
女「何を言ってるの。倒れたんだよ、店員さん。」
男「格好悪いな、はは。」
女「とにかくしばらくはお店休みにして安静にしてなさい。」
男「でも、お客さんは……」
女「私はいいの、自分の体を心配してなさい。今、おかゆ作ってきてあげるから。」
男「……」

がしゃん
ぱりん
女「あー! 焦げた!」

男「……大丈夫かなあ。」


233 名前:VIPがお送りします。あと874,573秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 03:04:00.53 ID:eiszG8OH0
ガラガラ

男「いらっしゃい」
女「う〜、いつもの〜」
男「はい」
スッ
女「あれ?これ頼んでないけど?」
男「いつもどうり、あなたの体を考えたものですよ。」


234 名前:VIPがお送りします。あと874,394秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 03:09:36.19 ID:4qtj+wvL0
男「ところで、お客さんは自炊しないのかい?」
女「してたらここにいないでしょ。」
男「あ、そうか……でも覚えておいて損はないと思うんだけどなあ。
  俺でよければ作り方を教えるけど?」
女「え!?(それはもう来るなってこと? いやいや、親切心で言ってくれてるんだろうなあ。)」
男「差し出がましいこと、だったかな。」
女「そんなことない! 教えてもらおうかな。」

男「本当は自炊してるんじゃない? 結構上手にできてると思うよ。」
女「それは店員さんの教え方が上手なんだよ。」
男「いやいや……俺が見習いだった頃はこうもうまくはできなかったよ。
  味もうまいし……お客さん、いい奥さんになりそうだ。」
女「!!!!!」
男「お世辞で言ってるわけじゃないよ? 本当にうまくできてる。」
女(いい奥さん……店員さんに褒められた……)


236 名前:VIPがお送りします。あと873,217秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 03:30:26.71 ID:4qtj+wvL0
女「ごちそうさま。」
男「あいよ、おそまつさま。」

女「んじゃあ、また来るね。」
男「おう、待ってるよ。」

ガラガラ
女「雪だ……どおりで寒いと思ったら……」
男「本当だ。これは積もるかな?」
女「どうだろう、そんなに多くは降っていないみたい。」
男「ふむ……ちょっと待ってな。」

男「お待たせ。」
女「……それは?」
男「ああ、こいつは秘蔵の日本酒だ。どうだい、雪を見ながら熱燗でも。」
女「でもお店はいいの?」
男「ははは。そこまで野暮じゃないよ。せっかくの雪、見逃すわけにはいかないだろ?
  それに、誰かと飲むのが好きなんだよ。」
女「!! そっか、じゃあ楽しみに待ってる。」
男「ああ。すぐに熱燗と肴を用意するよ。食べた後だから軽めのを、ね。」



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