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「レベルアップしました。」
27 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:16:50.39 ID:i5MnesDN0
青年改め主人公「金がないな」

女魔法使い「そうね。」

主人公「モンスターから金が落ちるなんて嘘じゃないか」

女魔法使い「当たり前でしょ。そんなことが出来るのなんてゲームの中くらいよ。」

主人公「辛い職業だな。」

女魔法使い「大体ねお金集めっていうのは、ギルドに行ってクエストを達成して集めるものなのよ。」

主人公「やってるじゃないか。クエスト」

女魔法使い「まさか、こんなレベルになって、薬草集めなんてするとは思わなかったわ。」

主人公「何事にも基本は大事ってね。」


28 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:18:06.01 ID:i5MnesDN0
女魔法使い「本当は魔物と戦いたくないだけなんじゃないの?」

主人公「……う」

女魔法使い「うわ、図星かよ。」

主人公「べ、別に良いじゃないか。地道にレベルアップしていく方が良いに決まってる。」

女魔法使い「もうちょっと効率を考えなさいよ。それに私だって居るんだからそこら辺の魔物ならなんとかなるわ」

主人公「……。」

女魔法使い「まったく、それじゃあ泣きながら見送ってくれた妹さんに顔向けできないじゃない。」

主人公「わ、分かったよ。やるよ!やればいいんだろう!」

女魔法使い「とりあえず、あんたが受けた薬草集めのクエスト終わらせてからね。」


29 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:20:21.95 ID:i5MnesDN0
主人公「洞窟?」

女魔法使い「そう、洞窟。なんでも落し物をした人がいるらしくてね。」

主人公「なんで洞窟なんだ……。」

女魔法使い「嫌なの?」

主人公「暗い場所は嫌いなんだよ。」

女魔法使い「(こいつ本当に強くなるのか?)」

主人公「何か必要なアイテムはあるかな?」

女魔法使い「そうね。ならたいまつなんか持って行ったら良いんじゃない?」

主人公「たいまつ?君の魔法でなんとかならないのか?」

女魔法使い「そうね。はぐれなければ」

主人公「……。」


30 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:21:17.19 ID:i5MnesDN0
主人公「やっぱたいまつ持ってきて良かったかも。」

女魔法使い「暗いわね。」

主人公「いや、予想以上に君の魔法が使い物にならなかったんだろ。」

女魔法使い「う、うるさいわね。」

主人公「なんか声が聞こえないか?」

女魔法使い「魔物でもいるのかしら」

主人公「や、やめてくれよ……。」

女魔法使い「何ビビッてるのよ。クエスト内容には魔物が出たら倒してくれてってのもあるんだから。」

女「んっ……!」

主人公「女の人の声だ。」

女魔法使い「こんなところで何してるのかしら?」


31 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:22:03.44 ID:i5MnesDN0
主人公「誰か居るんですかー?」

女「きゃー!」

男「だ、誰だ!?」

女魔法使い「男の人も居るわね。」

主人公「あ、いたいた。こんなところで何してるんです?」

男「な、何してるって……ここはそういうところじゃないのか?」

女「ちょっと、誰も来ない良い場所があるって言ってたじゃない。」

女魔法使い「どういうこと?」

男「い、いや、ホテル代が無くって、それならここが良いって聞いたんだ。」

主人公・女魔法使い「ほ、ホテル代?……あ……。」


32 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:22:44.67 ID:i5MnesDN0
女魔法使い「ちょ、ちょっとそういう事をするなら、ちゃんとした場所行きなさいよ!」

男「う……」

女魔法使い「ここは魔物も出るの。危険だから早く帰りなさい?」

主人公「うん。そうしたほうが良いみたいだ。」

男・女「はい……。」

女魔法使い「まったく……。こんなところで落とし物だなんて変だと思ったら……。」

主人公「さっき報酬で貰った薬草、さっそく役にたちそうだよ。」

女魔法使い「え……?」


33 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:23:28.56 ID:i5MnesDN0
女魔法使い「ちょっと、何なのよこいつ!どこにいるか分からないじゃない!」

主人公「暗闇に隠れているのかな。」

女魔法使い「危ないわ!」

主人公「うわ!」

闇の魔物「シュー……。」

女魔法使い「余所見してないの!」

主人公「余所見ったってどこにいるか分からないじゃないか。」

女魔法使い「見るんじゃなくて、感じるのよ!とにかく今回は下がってなさい。」

主人公「……どうするつもりなんだ?」

女魔法使い「適当に魔法を打つ!」

主人公「めちゃくちゃだな」


34 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:24:21.16 ID:i5MnesDN0
女魔法使い「こういうときはめちゃくちゃ打つのも良いのよ!」

主人公「本当にめちゃくちゃだな。弱点とか考えてるのか?」

女魔法使い「弱点?」

主人公「うん。闇だったら光に弱かったりしないのか?」

女魔法使い「そ、それがあったか!」

主人公「(この人魔法使いに向いてないだろう……。)」


35 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 13:25:25.50 ID:i5MnesDN0
闇の魔物「キュー……」

女魔法使い「なんか案外あっさり倒せちゃったわね。」

主人公「俺何にもしてないな。」

女魔法使い「パーティー組んでるから経験値はもらえるわよ。」

主人公「そうか……。」

女魔法使い「痛……!」

主人公「どうしたんだ?」

女魔法使い「いつのまにか、やられていたみたい……。たいした傷じゃないから平気だけど。」

主人公「ほら、薬草」

女魔法使い「ありがとう……。まぁ、魔法で直せるんだけどね。」

主人公「……。」

女魔法使い「ほ、ほら、マジックポイントの節約よ!」

主人公「なぁ、そういえば何か忘れてないか?」

女魔法使い「ああ!落し物!」

――主人公はレベルアップしました。


36 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:18:27.57 ID:i5MnesDN0
メイド「お疲れ様です。」

魔王「ああ、口ほどにも無い奴らだったな。ここまで来たから相手をしてやったというのに。」

メイド「今日は魔物達を休暇させていますから。」

魔王「休暇?残ってる奴は?」

メイド「居ません。」

魔王「何してんの?」

メイド「魔王様が命令したのではなかったのですか?」

魔王「あれ?そうだっけ。最近寝てない所為かな。もの忘れが酷いな。」

メイド「(さすがに黙って休暇させたのはまずかったかな……)」


37 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:19:37.19 ID:i5MnesDN0
メイド「魔王様。」

魔王「なんだ?」

メイド「実はしばらく魔物達は帰ってきません。」

魔王「どいうこと?」

メイド「魔物達は一週間ほどの休暇です。」

魔王「え、館に残ってるのは?」

メイド「私と魔王様だけです。」

魔王「え?勇者君たちどうするの?」

メイド「魔王様が全て片付けてください。」

魔王「え?」


38 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:20:49.56 ID:i5MnesDN0
メイド「それでですね、魔王様」

魔王「これ以上なにかあるのか?出来ればボクは聞きたくないよ。」

メイド「私にも明日は休暇をいただきたいのです。」

魔王「あーあーキコエナーイ」

メイド「ふざけてないで聞いてください。」

魔王「君まで居なくなったら、ボクは館を破壊するかもしれない。」

メイド「子どもみたいなことはよしてください。」

魔王「君が居なくなったら、ボクを止めるものがいないな。」

メイド「あ、それでしたら、大丈夫かと。」

魔王「なんでよ」

メイド「大魔王様が来ますから。」

魔王「え?」


39 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:22:37.82 ID:i5MnesDN0
魔王「父さんが?何の用で?あ、いや、聞きたくない。嫌な予感しかしない。」

メイド「私の休暇というのも大魔王様に呼ばれてのことです。」

魔王「まぁ、確かに元は父さんから君を紹介されたから、それは仕方ないけどさ……。」

メイド「ありがとうございます。今仕えているのは魔王様だけですが。」

魔王「うん、それは嬉しいんだけどさ……。」

メイド「大魔王様になにかご不満でも?」

魔王「そういうわけじゃないんだけどさ……。そろそろ子どもでも作れと煩いんだよ。」

メイド「作ったらどうです?」

魔王「そんな簡単に言うなよ。次の魔王になるかもしれないんだぞ?」

メイド「そしたら、魔王様が楽できるじゃないですか。」

魔王「そんな理由で子どもを作りたくなんかないよ、ボクは。」


40 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:24:30.58 ID:i5MnesDN0
魔王「この前なんか、淫魔大勢連れてきて、さぁ産め!とかほざきやがった。」

メイド「あまり大魔王様に対して変なこと言うと聞かれてしまいますよ?」

魔王「今この館にはボクらしかいないんだろう?」

メイド「そうですが。」

魔王「あの時は淫魔達を落ち着かせるのに大変だった。」

メイド「さぞかし淫魔達は魔王様の子どもを産みたかったことでしょう。」

魔王「君みたいな淫魔だったら良かったんだけどねー。あの娘達はサキュバスとしては優秀だったようだよ。」

メイド「……。」

魔王「まだボクは君と一緒に魔王をやってたいからね。」

メイド「……本気ですか?」

魔王「え?」

――魔王はちょっとレベルアップしました。


41 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:46:07.94 ID:i5MnesDN0
疲れた……。
そして腹が減った。


42 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 14:58:18.54 ID:URTX5EhP0
なかなか面白い


43 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 15:09:49.87 ID:i5MnesDN0
>>42
まじで?正直嬉しいです。
しかし、読んでる人居たのか……。
もうちょっと頑張ってみる。


44 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 15:14:12.13 ID:fjdiHyOu0
しえん


45 :VIPがお送りします [] :2009/08/22(土) 15:52:31.34 ID:sh51ZWPn0
読んでますよ支援


46 :VIPがお送りします [] :2009/08/22(土) 16:13:45.79 ID:D5Hj1YCz0
なんだ構ってちゃんか
せいぜい途中で投げ出すor一応最後まで書くけどオチとか全部gdgd
にはならないでくれよ、わかったな


47 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:19:47.19 ID:i5MnesDN0
主人公   「そういえばさ」

女魔法使い 「なによ」

主人公   「僕たちの目的ってなんなの?」

女魔法使い 「そんなの決まってるじゃない。何よ今更。」

主人公   「そうだったの?ただなんとなく冒険してるだけかと思った。」

女魔法使い 「あんたねー。勇者になりたいんじゃないの?」 

主人公   「は?いやいや、何言ってんの?僕が勇者?ありえないよ。」

女魔法使い 「冒険に出たんなら魔王ぐらい倒してやる!って気で居なさいよ。」

主人公   「魔王?無理無理。君はちょっと小説を読みすぎなんじゃないか?」

女魔法使い 「じゃああんたは何の目的で冒険してるのよ。」 

主人公   「うーん。村を襲ったあの魔物くらいは倒せたら良いなあ……。」

女魔法使い 「やっぱ、そうよねー……。」 

二人が魔王を倒せるレベルにはまだまだ遠い。


48 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:20:33.12 ID:i5MnesDN0
女魔法使い 「パーティー?」

主人公   「うん。普通はもう少し人数居るもんなんだろ?」

女魔法使い 「それはそうだけど、まだまだ早いわ。」

主人公   「どうして?」

女魔法使い 「あんたのレベルがまだまだ低すぎるからよ。このまま人を増やしても経験値が少なくなるだけだわ」

主人公   「やっぱりそうだよなー……。」

女魔法使い 「まぁ、あんたが強くなるまで私が居るから大丈夫よ。」

主人公   「うん……。」

女魔法使い 「ま、今日のクエストは達成できたし、結構お金も集まってきたから明日は休みましょう。」

主人公   「休み?なんでまた?」

女魔法使い 「今はパーティーよりも休息が大事ってことよ。」


49 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:21:16.69 ID:i5MnesDN0
女魔法使い 「おはよう。」

主人公   「あ、起きたんだ。おはよう。」

女魔法使い 「あれ?どこか出かけるの?」

主人公   「今日はクエストには行かないんだろう?」

女魔法使い 「そ、そうだけど……。」

主人公   「ちょっと、一人で買い物にでも行って来るよ。」

女魔法使い 「え?それなら私も行く。」

主人公   「ええ!?い、いや僕は一人で行って来るよ。」

女魔法使い 「なんでよ?」

主人公   「ほ、ほら、たまには一人で見たいものもあるだろ?そ、それじゃあ行ってくるからっ!」

女魔法使い 「何よ……。たまには普通に一緒に居てくれても良いじゃない。」


50 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:22:37.17 ID:i5MnesDN0
主人公   「ふう……。ちょっと怪しまれたかな。」

主人公   「うーん。一人で行くんだったら、何処が良いかな。」

       「ひとりでどこに行くんだ?」 

主人公   「え――」


51 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:23:35.79 ID:i5MnesDN0
女魔法使い 「あーあ。一人じゃ暇だわ。最近ずっとあいつと居たからなぁ。クエストでも行こうかしら。」

女シーフ  「あの、すみません。」 

女魔法使い 「え?あ、はい。」

女シーフ  「今日はお連れさん居ないんですか?」

女魔法使い 「あー、あいつなら今日はどっか行っちゃったわ。それにしても、何で私達のこと?」

女シーフ  「そうなんですか。いや、いつも楽しそうに話してらっしゃるの見ていて」

女魔法使い 「ええ!?楽しそうになんてしてないわよ。貴方は一人でやっているの?」

女シーフ  「たまに他のパーティーに入れてもらうこともあるんですけどね。基本はいつも一人なんです。」

女魔法使い 「見たところ結構レベルが高そうだけど。」

女シーフ  「そんな事ないですよ。女魔法使いさんの方が高いと思います。」

女魔法使い 「(なんだか人の良さそうな人ね。騙されたりしないのかしら?)」


52 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:25:11.66 ID:i5MnesDN0
女シーフ  「やっぱり、彼氏さんなんですか?あ、それとも結婚してるとか!」

女魔法使い 「ぶっ!ちょ、ちょっと、そんな事あるわけ無いでしょ?」

女シーフ  「あれ、ごめんなさい。私てっきりそうなのかと。でも、パーティーって楽しそうですよね。」

女魔法使い 「うーん、退屈はしないかもね。貴方はパーティー組まないの?」

女シーフ  「中々、いい人が見つからなくて。募集中なんですけどね。」

女魔法使い 「私もあいつと組むまではずっと一人でやってたから分かるわ。」

女シーフ  「一人でやってると、たくましくはなるけど、やっぱり器用貧乏になっちゃうんですよねー。」

女魔法使い 「あー、分かるわー。私もいつのまにか自分で回復できるようになっちゃってたわ。」

女シーフ  「私シーフなのに、結構防御力が高くなっちゃったりして……。最近じゃパーティ入っても私を守ってくれる人居ないんですよねー。」


53 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:26:27.98 ID:i5MnesDN0
女魔法使い 「(パーティーか……。こういう人となら組んでも良いのかなー)」

女シーフ  「あ、のど渇きませんか?私奢りますよ。」

女魔法使い 「(結構気配りも出来るし、何よりシーフってのは居ると助かるのよね。)」

女シーフ  「今日は暑いので、冷たいものにしましたが良かったですか?」

女魔法使い 「あ、ありがとう!(人も良さそうだし、結構可愛いし……。)」

女シーフ  「どこかに良い人って居ないもんですかね。」

女魔法使い 「あなたなら可愛いし、すぐ入れてもらえるんじゃない?(可愛い……か……。いや――)」

女シーフ  「ええ?そんな事ないんですよ。」

女魔法使い 「い、いや、やっぱダメよ!エロゲ的展開なんていらないわ!」

女シーフ  「え?」

女魔法使い 「あ……。」


54 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:27:49.56 ID:i5MnesDN0
主人公   「痛てて……。」

女魔法使い 「ちょっと!こんな時間まで何やってたのよ!」

主人公   「あはは……。ちょっとね。」

女魔法使い 「ってボロボロじゃない!何やってたのよ。」

主人公   「いやさ……ちょっと一人で狩りに行って来てたんだ。」

女魔法使い 「なんで?なんで、一人で行くのよ。私も連れて行けばいいじゃない。」

主人公   「ごめん。足引っ張るの嫌だったからさ……。」

女魔法使い 「……。」

主人公   「ごめん。今日はちょっと疲れたから先に寝るよ。明日には大丈夫だからさ。」

女魔法使い 「……。」


56 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 16:36:03.83 ID:i5MnesDN0
>>44>>45
ありがとう。やっぱ励みになるもんですね。

>>46
そうなるのかな?多分そうなのかも。
了解した。gdgd……ならないように頑張るわ。
こんな風に人に見せるのなんて初めてだから、結構ドキドキなんだぜ。


遅くなった割にはあんまり書けなかったかな。ペースはかなり落ちてきたわ。
途中で、豆腐屋に行って来たとかいうこともあったが。

突発的にはじめて見たけど、とてつもなく長くなりそうなんだが……。
しかしはら減った。


58 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:44:56.70 ID:i5MnesDN0
大魔王   「来ちゃいました!」

魔王    「……。」

メイド   「……。」

大魔王   「何?何なの?折角お父様が来て上げたんだ。もっと喜ぼうよ!」

魔王    「来るのは明日ではなかったのか?」

メイド   「い、いえ、私も聞いておりませんでした。」

大魔王   「ちょっと、早く来たくなってね。内緒で一日早く来ちゃったッ!」

魔王    「……摘み出してくれないか?」

メイド   「む、無理です。」

大魔王   「相変わらずだね。我が息子とは思えないよ。」

魔王    「つまらない冗談はよしてください。」


59 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:45:50.98 ID:i5MnesDN0
魔王    「それで?今回は何のようなんです?」

大魔王   「自分の息子の顔を見るくらい良いじゃないか。」

魔王    「貴方はそうやって、いつもからかいに来てるだけじゃないですか。」

メイド   「……。」

大魔王   「あ、メイドは部屋に戻ってて良いよ。」

メイド   「あ、はい、それでは……。」

魔王    「いや、居てくれ。そうでないと、気が滅入りそうだ。」

大魔王   「本当に、相変わらずだね。君の嫁になるもの紹介しようと思ってたから、ま、丁度いいか。」

魔王    「またそれですか……。」


60 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:46:31.52 ID:i5MnesDN0
魔王    「前にもお断りしたじゃないですか。ボクは子どもはまだ産みませんよ。」

大魔王   「じいじに早く孫の顔を見せてくれよー」

魔王    「誰がじいじかっ!それとも何か問題でもあるんですか?」

大魔王   「問題?問題なんてないさ。最近は調子良いみたいだしね。」

魔王    「じゃあ、なんで子どもなんですか?そんなに焦ることもないでしょう。」

大魔王   「……そうだな。」

魔王    「……。」

メイド   「……。」

大魔王   「正直に言えば、君にはもう少し魔王の椅子に座って貰いたいからね。」


61 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:47:22.78 ID:i5MnesDN0
魔王    「……どういう事です?」

大魔王   「ははっ!簡単なことだ。君は俺に恨みを持っているからな。子どもでも出来れば、変な気は起こさんだろう。」

メイド   「……。」

魔王    「大陸を一つ消滅させたのを忘れたのか……?」 

大魔王   「あっはっはっは……。あの時は実に愉快だったね。俺もあの時はさすが死ぬかと思ったさ。」

魔王    「もう一度、やりたいのか?」

大魔王   「悪くない。だが、そこにいるメイド……いや、君が守ってきたモノ全てを巻き込むのか?」

メイド   「……。」


62 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:48:31.06 ID:i5MnesDN0
魔王    「はぁ……。負けましたよ。うちの魔物達が全て居なくなっていたのは貴方の差し金でしたか。」

大魔王   「まぁね。魔物だけだったらどうでもいいんだけど。ま、もしものことを考えてね。」

魔王    「酷いな。君も全部知っていたのか?」

メイド   「い、いえ、私は……。」

大魔王   「俺が命令しただけさ。それを彼女は忠実に守ってくれただけだよ。」

魔王    「そうですか。それで、本来の目的は達成できたのですか?」

大魔王   「そうだねえ。君の面白い顔を見れたという点では達成かなッ!」

魔王    「クッ!早く帰れ!」


63 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:49:32.39 ID:i5MnesDN0
大魔王   「それにしても、俺があげたメイド、気に入ってくれてるようで何よりだよ。」

魔王    「彼女はボクの部下、いえ、パートナーみたいなもんです。」

大魔王   「そこまで大事にしてくれていたのか。」

魔王    「彼女は優秀ですからね。ボクもかなり助けられています。」

大魔王   「俺としては彼女と結ばれてくれれば万々歳な訳だが。」

魔王    「……。」

メイド   「……。」

大魔王   「あはは……。二人して怖いなあ。じゃ、じゃあ俺は早めに帰るよ。あんまり遅くなると母ちゃん怖いからな。」


64 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:50:21.04 ID:i5MnesDN0
魔王    「はあ……。まったく余計なことを……。」

メイド   「すみません。」

魔王    「ん?何がだ?」

メイド   「いえ、色々と……。」

魔王    「魔物達のことか?それならいいさ。」

メイド   「……。」

魔王    「もし、さっきみたいに父さんと揉めるような事があったら、魔物達はきっとどっちに付くか割れるからね。」
魔王    「魔物達が暴走し始めたら大変だ。あの人はそれも考えていたんだろう。あの人がそういう人だっていうことはボクも知ってるよ。」

メイド   「……。」

魔王    「それとも、まだ何かあるのかい?」


65 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 17:51:13.91 ID:i5MnesDN0
魔王    「元から君がボクへのお目付け役だっていうことは知ってるさ。」

メイド   「え?」

魔王    「たまに連絡を入れてるのも知ってた。」

メイド   「それは……!」

魔王    「そんな事はもう気にしていないよ。君は今、誰の部下だったかな?」

メイド   「魔王様です。」

魔王    「そういうことだ。それじゃあ、残ってる仕事を終わらせてしまおうか。」

メイド   「はい!」

魔王    「そしたら明日は何が何でも休暇だ!」


66 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 18:07:18.17 ID:i5MnesDN0
とりあえず疲れました。

6時間以上もPCの前にかじりついてたから腰が痛い。
まぁ、凄い中途半端なんだが夕飯なんだ。
今日は姉夫婦が来ているから、酒のまされるんだろうな。

まぁ、とりあえず終わったらまた来ます。


67 :VIPがお送りします [sage] :2009/08/22(土) 18:12:09.37 ID:Cnyt0auFP
おk、待ってるよ



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