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式子内親王「寒い〜。絶対布団から出ないからねっ」
- 38 :VIPがお送りします []
:2008/10/09(木) 20:51:51.94 ID:1u90rza50
神無月六日
昼にはあさりシチューライスを食べました。
あさりシチューはクラムチャウダーという名前らしいですが
私にはアサリの入ったシチューだとしか判りません。
今日始めて知ったのですが、このシチューという食べ物は
未来の倭国の発明ではなく異国からの入れ知恵なのだとか。
どこの誰だかわからないがなんて美味しいものを考えるのだろう。
父に頼んで太子の号を下賜すべきだと思います。
男が帰ってきたので早速からかって遊ぶことにします。
- 39 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 20:57:59.14 ID:1u90rza50
男「ただいまー」
式子内親王「おみやげ」
男「おかえりなさい、はないのかよ」
式子内親王「はいって。遠慮しないで」
男「しねーよ。俺の家だよ」
式子内親王「むぅむぅ」
男「相変わらず布団かよ」
式子内親王「これが落ち着くのよ。この確かな重みと暖かさが。
十二単に慣れたこの高貴な身体に安心感を与えるの」
男「ヴィジュアル的には着替えるのも不精な
引きこもりの腐女子にしか見えないぞ」
式子内親王「腐女子萌えね」
男「お前はなにを学習してるんだ」
式子内親王「ちがうの?」
男「まー。そういう性癖のバカも世界には存在するが」
式子内親王「またまたぁ。照れちゃってこのこの」
男「なんだかなぁ」
- 40 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:03:06.45 ID:1u90rza50
式子内親王「まあそれはそれとして」
男「なんだー?」
式子内親王「暇。遊びたい」
男「む。漫画は?」
式子内親王「もうハンターXハンター読みおわった」
男「そか」
式子内親王「キルアの新しい能力がすごくてね」
男「黙れ」
ぽかっ
式子内親王「くっ! わたし皇族なのよっ!?」
男「皇族だろうがなんだろうが読んでない漫画のねたはばらすな」
式子内親王「むぅむぅ」
男「ごめんなさいしろ」
式子内親王「すー。すーっ」
男「都合悪くなると布団に隠れて寝るのやめろっ」
式子内親王「口うるさい家主だわ」
男「ないしんのーっ」
式子内親王「判った。云わないわよ」
- 41 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:07:20.61 ID:1u90rza50
男「で?」
式子内親王「暇なのデス。なんかして楽しませて」
男「なにを?」
式子内親王「蹴鞠とか」
男「よりによって蹴鞠かよ」
式子内親王「蹴鞠出来ないの?」
男「ああ」
式子内親王「管弦は?」
男「楽器は口笛以外出来ない。そして口笛は下手だ」
式子内親王「うっわ、雅が一切無いわね」
男「ほうっておけよ」
式子内親王「趣味とかなにも無いわけ?」
男「Vipかな」
式子内親王「びぷ?」
男「詮索無用だ」
式子内親王「なにしてるのよ、普段」
男「改めて聞かれると困るな」
- 42 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:11:22.82 ID:1u90rza50
式子内親王「この部屋、貝合わせの道具も無いんだもんね」
男「そんなこといわれてもね」
式子内親王「むぅむぅ」
男「スマブラでもやりますか」
式子内親王「あれは男がホームラン攻撃しかしないからいや」
男「さいですか」
式子内親王「むぅむぅ」
男「仕方ないな。管弦は出来ないけど、なんかMP3でもかけてやるよ」
式子内親王「なにそれ」
男「音楽だよ」
〜♪
式子内親王「おお!」
男「これでいいか?」
式子内親王「うんっ。風情だよね。やっぱり笙だよねっ」
男「たぶんサックス」
式子内親王「鳴り物だよねっ」
男「それはバスドラ」
式子内親王「鼓と馬頭琴だよねっ」
男「スネアとギター」
式子内親王「ビートルズはいいねっ!」
男「知ってるんじゃねぇか!」
- 44 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:16:48.68 ID:1u90rza50
式子内親王「やっぱり暮れかけね。
こうして楽の音に身を浸しながら見る夕焼けは格別ね」
男「そうかー?」
式子内親王「この部屋、夕焼け綺麗だもの」
男「西日が当たるきっつい部屋なわけですが」
式子内親王「黒い鳥の帰るのが二羽三羽、
夕日にかかるって風情があってとても良いわー。
というのには同意するわ」
男「なんだそりゃ」
式子内親王「清少納言よ」
男「聞かなかったことにしよう」
式子内親王「清少納言知らないの!? 有名人なのに」
男「いやそうらしいデツネ。ないしんのーも有名人らしいでつよ」
式子内親王「?」
男「いいんだよ、気にしないで。もうここはこの時代なんだから」
式子内親王「よく判らないわ」
男「馬鹿だからな」
式子内親王「っ! わたしは皇族なのよっ!」
男「はいはい」
- 45 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:19:46.05 ID:E87mD0Sg0
一人で黙々と書き続けるお前に感動した
- 47 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:21:06.71 ID:1u90rza50
神無月九日
男はバイトなるものに毎日出かけます。
仕事だそうです。話を聞いても今ひとつ判りにくいのですが
民草の間にある食事処で給仕のような仕事をしているそうです。
膳の司のようなものらしい。
そういう仕事をしているから、
こんなに美味しいシチューが作れるのかと尋ねたら
すごく嫌そうな顔で教わったのだといいました。
なにがいけなかったのかな?
男のことはよく判りません。
未来人というのは複雑怪奇です。
- 48 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:23:05.30 ID:yu+8Dhts0
架空の人物だが薫君とかでねーかなー
- 49 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/09(木) 21:23:32.56 ID:Ipetjs0GO
自分でオナニーしてるから他人の支援なんて関係ないんだろな素晴らしい
- 50 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:25:30.65 ID:1u90rza50
男「ただいまーっと」
式子内親王「おかえり」
男「おう」
式子内親王「それ、なに?」
男「梨だよ」
式子内親王「おおおーっ!」
男「食ったことあるのか?」
式子内親王「あったりまえよ! 梨っていえば
日本書紀のも登場する重要な果物なのよ」
男「へー」
式子内親王「はやく、はやくっ」
男「おー。切ってやるよ」
式子内親王「わくわくだね」
男「お前は子供かよ」
式子内親王「未来の梨だよ!? すごいかもよ! 例えばさ!」
男「なに?」
式子内親王「勝手に自分で皮がむけて割れて皿に乗るとか!」
男「……」
式子内親王「で『食ベテ良イヨー』って鳴くのっ!」
男「怖ぇぇぇー」
- 51 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:30:35.76 ID:1u90rza50
いや支援嬉しいよ。くじけそうになるときありがたいよー。
でもあれだ。
実在の人物萌えSSとか需要がないのは判ってるからさー。
好きなように書いてるからオナといえばオナなのだ。
レスが出来ないのは、お猿と投下の関係でだよ。
レスしちゃうと4分投下が出来ないのだ。
無言投下みたいで、ごめんな。
- 55 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:34:37.31 ID:R4x1VlxVO
>>51
どれくらい書きためてあるの?
メ欄でいいから教えて
- 56 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:35:03.19 ID:1u90rza50
式子内親王「しゃくしゃく♪」
男「もぐもぐ」
式子内親王「しゃくしゃく♪」
男「どうよ」
式子内親王「これは相当にすごいわね。瑞々しくて
甘いわ、びっくりよ!」
男「良かった」
式子内親王「ふっ。私もまだまだ甘いわね」
男「なにが」
式子内親王「さすが未来! かってに皮がむけるのも
捨てがたい魅力だけど、味を進化させたのねっ!
うかつにもその方向性は想像しなかったわっ」
男「しろよ」
式子内親王「しゃく♪ 美味しいわね〜」
男「だなぁ。美味いな」
式子内親王「いつもこんなの食べてるの?」
- 57 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:36:56.12 ID:0NeM0wZp0
>>1の書きつくる物語はいとをかし
- 58 :VIPがお送りします [先行6差で逃げ書き中] :2008/10/09(木) 21:40:50.75 ID:1u90rza50
男「いやぁ、こんなのはめったに食べないな」
式子内親王「あら。もしかしてすごく高価なの?」
男「そういうわけじゃないんだけど」
式子内親王「?」
男「男の一人暮らしだと、
どうしても果物とかは中々食べないな」
式子内親王「ふぅん」
男「経済的な貧しさというより、
精神的な貧しさに起因するような気がするな」
式子内親王「雅が足りてないのね」
男「そうなるな」
式子内親王「私がきたから雅やか濃度が上がって
梨が発生して食べられるようになったわけねっ」
男「まぁ、そうとも云えなくは……ないのか?」
式子内親王「感謝することねっ!」
男「へいへい」
式子内親王「美味しいわぁ。梨大好き!」
- 59 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:44:56.64 ID:1u90rza50
神無月十一日
男に臨時収入があったらしいです。
よく判らないがFXで売り抜け大成功などといっていました。
余りにも喜んでいたので、おめでとうね、と云ったら
びっくりした顔をしていました。
礼もいえないと思われていたらしい。屈辱です。
臨時収入でえび入りのシチューライスを作ってもらいました。
びっくりした。
美味しいを越えている。
冬の夜空にひらめく稲妻のように、
一瞬のきらめきの後、遅れるようにして感動が広がる。
なんて素晴らしいご馳走だろう。
えび入りのシチューライス。私の人生に刻まれた。
- 61 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:49:47.72 ID:1u90rza50
男「どうした」
式子内親王「感動してるの。美味しぃ〜」
男「そんなに好きか」
式子内親王「うん、うんっ!」
男「いっぱい食え」
式子内親王「いいのかな、こんなに美味しくて」
男「たいしたものじゃない」
式子内親王「そんなこと無いよ?
えびとたまねぎは甘くて美味しいよ?」
男「そりゃ良かった」
式子内親王「うはーん。ご馳走様でしたっ!」
男「お粗末さまでした」
式子内親王「うわぁ、美味しかったよ。私は満足だよっ」
男「そうか」
式子内親王「だいたい清盛とおなじくらいヘブン状態だよっ」
男「Vip用語覚えるのだけはどうにかならんかな」
式子内親王「言葉は文化だもの。覚えちゃうものだよ」
- 62 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:54:57.87 ID:1u90rza50
男「もう十日か」
式子内親王「うん?」
男「ちったぁ肉ついたか」
式子内親王「まぁね。多少は。……なによ。
美味しいものにはちゃんと感謝してるんだからねっ」
男「よし、週末出かけるぞ」
式子内親王「えーっ。いやだ。パス」
男「なんでだよ」
式子内親王「高貴な人間は陽の光に当たらないのよ。
どうしてもというのなら牛車用意してくれる?」
男「この時代のどこに牛車あるんだよっ」
式子内親王「ぇー」
男「えー、じゃねぇよひきこもり」
式子内親王「だって私ニートだもん」
男「胸はるなよ」
式子内親王「別に外出たくないよ。おうちでVipしてるよ」
男「ほんと腐れだな」
式子内親王「む。それでいいのっ」
男「せっかく未来に来たんだしよ」
式子内親王「だって」
男「だって?」
式子内親王「……」
- 63 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 21:59:43.41 ID:1u90rza50
式子内親王「それにさ。ほら、十二単も、
最初の夜でビリビリになっちゃったしっ!」
男「ぐちゃぐちゃだわな」
式子内親王「着て行くものも無いしさ。
焚き染める伽羅も無いしさ。扇さえ持ってないしさっ」
式子内親王「えーっと寒いしさ!
お布団に包まっていたほうが良いと思うよ。
そうだ! そうしよー! やっぱ休みは家でVipでしょ!」
男「ふーん」
式子内親王「あっ。なんか馬鹿にしてない?
馬鹿にしてるね。その視線。むぅ。庶民の癖にっ!!
私は皇族なんだからねっ!!」
男「皇族ならびびんなよ」
式子内親王「怯えてなんかないわよっ」
男「服スレ読んでるとか?」
式子内親王「あそこ読むとマジで外に出て行けなくなるのよ」
男「あー」
式子内親王「生まれてきてごめんなさいな気分」
男「あー」
- 64 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:00:54.37 ID:U+1t8o+gO
シリアス展開きたこれ
- 65 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:04:23.35 ID:1u90rza50
男「近場回るだけなら、俺の服でも大丈夫だろう」
式子内親王「だって男の服でしょ」
男「そうだよ」
式子内親王「わたし女なんだよ」
男「未来世界では、区別は緩めなんだよ」
式子内親王「男装?」
男「んー。まぁ、そう、なのかな」
式子内親王「男装か……。それって白拍子?
男装の美少女? うわ、なんか良いかも。タブーにふれる
ゾクゾク感かもしれない。新しい地平に目覚めそうっ」
男「こいつ脳を開いたほうが良い気がするんだよな」
式子内親王「うーん」
男「行く気になったか?」
式子内親王「……うん」
男「そか。週末な。臨時収入はいったしな」
式子内親王「仕方ないから、皇族のわたしが
庶民の生活というものをこの眼で確かめてあげる。
貴方はその随行としてついてくる事を許可するんだからねっ」
男「俺がついていくのか?」
式子内親王「うん」
男「どうにかならんのかなぁ、こいつの言動」
- 66 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:07:20.83 ID:1u90rza50
神無月十二日
今日は男と遊んだ。オセロというゲームをやった。
楽しい。
最初に4回半ほど負けたが、そのあと学習しましたよ。
16回連続で男を負かしたところで泣いて謝ってきたので
謝罪を受け入れてあげた。
ふふん。皇族には度量も必要なのだね。
そのあと、男の作ったシチューライスを食べた。
今日はかりふらわという野菜が入っているのだという。
ほろほろとくずれてなんとも不思議な味わいだ。
大変美味かったので美味いと伝えると
そりゃ良かったな、といわれた。うむ、良い事だ。
- 67 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:08:09.71 ID:1u90rza50
と、いうところですまん。来客だ〜
二時間くらいで戻ると思われるー。
残ってたら夜を徹して続きを行くぜよ。
- 69 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:10:34.22 ID:nzfFq6Sq0
スレタイで幽玄吹いたwwwwwwww
- 70 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:10:47.35 ID:ML7G5vKuO
デリヘルが来たのか
- 71 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:11:07.62 ID:vJ3KEvrC0
まだ前スレの分投下し終わって無いのか
- 72 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:11:25.83 ID:0NeM0wZp0
いとあらまほしきスレかな
- 73 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/09(木) 22:17:17.66 ID:a6/zhazr0
いとおかしという訳で支援
- 80 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:10:17.18 ID:0NeM0wZp0
男もすなる保守といふものを、女もしてみむとて、するなり
- 81 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:17:00.35 ID:yu+8Dhts0
前すれの内容の張られんことを欲す
- 87 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:53:21.05 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「おなかがいっぱいになった!」
男「おう」
式子内親王「いっぱい!」
男「おう」
式子内親王「他に何かいうことはないのっ?」
男「お前の腹だろうが」
式子内親王「むぅ」もそもそ
男「いい加減布団かぶるのやめたら?」
式子内親王「やだ」
男「さいですか」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「暇ねー」
男「そうなん? 携帯小説とかは?」
式子内親王「おなかいっぱいでそういう気分じゃない」
男「そっか」
式子内親王「貴方、ちょっと座りなさい」
- 89 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:54:48.13 ID:1IBD/bxU0
ただいまー。いやいやいや。
眠いけど残ってるから!
がんばってみるぞー。
- 90 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:03:42.18 ID:1IBD/bxU0
男「へいへい、なんですか」
式子内親王「頭をこっちに。髪の毛を梳きます」
男「なんで?」
式子内親王「梳きたいから」
男「……」
式子内親王「文句ある?」
男「えー」
式子内親王「わたし皇族なのよっ!」
男「へいへい」
式子内親王「む。頭の位置が低いわよっ」
男「そうか? こうか?」
式子内親王「今度は高すぎよっ」
男「ぐぐ、なんかすげぇ不自然な姿勢だな。
なんか腰の角度が……っパなくキツイんすけど」
式子内親王「惰弱な意見ね。普段の修練のほどが知れるわ」
男「屈辱ポーズの練習なんかしてねぇよ」
式子内親王「むー。だらしないわね。ここに来なさいっ」
ぎゅむっ
男「……」
- 91 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:05:29.76 ID:8fwD1fzl0
かわゆいのうwwwかわゆいのうww
- 92 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:08:42.75 ID:1IBD/bxU0
しゅるん、しゅるん♪
式子内親王「ふんふん♪」
男「……」
式子内親王「おお。しゅるん♪」
男「えっと。なんだ。楽しそうな」
式子内親王「黙りなさい平民。あなた、これはかなり
光栄なことなのよ。感謝のあまり失禁しないように
気をつけたほうが良いくらいよっ」
男「そうかなぁ」
しゅるん、しゅるん♪
式子内親王「髪を梳くなんて楽しいわ」
男「そうなんか」
式子内親王「指の間をするすると抜けていくの。
ひんやりして小川の小魚のよう」
男「そんなたいした髪じゃない」
式子内親王「歌人ってのは主観的な心理領域の住人なのよ」
- 93 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:13:00.06 ID:1IBD/bxU0
男「なんか、くすぐってー」
式子内親王「我慢なさい」
しゅるん、しゅるん♪
式子内親王「ふんふん♪」
男「むー」
式子内親王「ん。出来た」
男「変な髪形になったりして無いだろうな?」
式子内親王「失礼ね。梳いただけよ」
男「そっか。何の意味があるんだ?」
式子内親王「意味?」
- 94 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:17:04.75 ID:1IBD/bxU0
男「髪型変えるんじゃなければなんだ?
整えたのか? 洗髪的な発想か?」
式子内親王「意味なんて無いわよ?」
男「そうなのか」
式子内親王「ただの遊びよ」
男「まぁ、いいけど」
式子内親王「?」
男「くすぐったかったけど、気持ちよかった。
髪の毛触られるのって悪くないなー」
式子内親王「うっ」
男「なんかお前が来て始めて癒された気がする」
式子内親王「わたし皇族なのよっ!
庶民としてもっと敬いの気持ちを持ちなさいっ」
- 95 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:22:02.31 ID:1IBD/bxU0
神無月十二日
男の髪を梳いてしまった。
楽しかった。
困ったことにちょっと気持ちよかった。
- 96 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:26:03.82 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「……むーっ、Webも目が疲れたわね
おとこー、おとこー。麦茶のみたーい」
しーん
式子内親王「そだった。男は出仕……じゃなくて
バイトいってるんだった。自分で入れなきゃね」
いそいそ
式子内親王「んきゅっ。んきゅっ」
式子内親王「それにしても……。850年だもんねー。
そりゃ倭国も様がわりだわっ。全然さっぱり判らないし。
歴史とかもあり過ぎでよく判らない。
異国に負けるのはともかく西域じゃなくてそのもっと
向うと戦争するとはね〜」
- 97 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:30:12.69 ID:1IBD/bxU0
くりっく、くりっく。
式子内親王「なんか色々変わっちゃってまぁ。
変わってないのは月と四季と山々くらいのものね。
――なんだ。じゃ問題ないじゃないね」
式子内親王「……」
式子内親王「いやいやぁ。乙女の身だしなみも基準も
大変更でつよ。もう偉いことでつよ」
式子内親王「だいたいねっ」
どんっ!
式子内親王「戦争に負けたからミニスカートが
流行るってのはどういう了見ですかね」
式子内親王「あんなはしたない衣装が流行って……。
っていうか、衣装じゃないよねっ。
むしろ衣装の欠如だよねっ!!」
式子内親王「む、わたしいま良いこといった? いった?」
- 98 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:34:15.64 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「とにかく、あんなのが流行るとは
我が神国日本も大没落ですよ!
別雷命のサンダガですよ。皇族として看過できない
重大な事態ですよっ。それになんですかっ。
おっぱいまで半分だしちゃってまぁ! 護国の危機ですよっ」
しーん
式子内親王「……」
式子内親王「やっぱ時代時代の服装ってのはあるわけだし
時代時代の美醜の感覚ってのもね……」
式子内親王「えーい! そういうとこまで負けてどうするのよっ
えいっえいっ。このえっちっちフォルダめっ!」
くりっく、くりっく。
式子内親王「こっちは国産4祈祷エンジンなのよっ。
祈りの力よ神風よっ。無駄な肉がないっ。
空力特性に優れたシンメトリカルデザインなのよっ。
高速巡航時の安定性に優れた貧乳よっ。
だいたい貧しいって文字がいけないわ。
清貧よ。いやむしろ積極的な入寂思想よっ。
エコロジーっ! それは地球に優しくわたしに優しくないッ。
ふーっ。ふーっ」
式子内親王「うわぁ。でかけたくないー。ひきこもってたいーっ」
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