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新ジャンル「常識的に考えて」
- 612 名前:VIPがお送りします。 []
投稿日:2007/07/12(木) 02:29:40.67 ID:HL5QyLz70
「セーンパイっ」
「んー? なんだー?」
今日も今日とてお見舞いタイム。
母君は仕事で来れないと言っていた。
「つか、おま、垂れてんぞ」
「わーっ! 布団、布団につくーっ!」
二人して病室でガリガリ君を食べる俺たち。
…看護師さんに見つかったら怒られるのかも知れない。
- 613 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:31:10.84 ID:HL5QyLz70
「んっ…ちゅる…ぺろっ…」
いやいやいやいや。
なんスかコイツ。
なんなんスかコイツ。
もっと普通に舐めれるだろ。
思わずその姿を凝視してしまった俺に彼女が気付く。
- 614 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:32:27.05 ID:HL5QyLz70
「んっ…ちゅっ…センパーイ?」
「…んー? なんだー?」
思わずさっと目を逸らしたが。
「…もしかして、えっちぃな事考えてませんでした?」
バレバレでした。
- 616 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:36:21.57 ID:HL5QyLz70
「いやいや、それは気のせいだよ、キミ」
「ホントですかーぁ? なーんかアニマルな目付きであたしの事見てませんでした?」
「俺はアニマルでもゼブラーマンだからな。紳士だ。安心しろ」
草食だし。
「…センパイとあたしって、今考えると結構長い付き合いになりますけど」
「うむ。そうだな」
「センパイってたまにワケ分かんない事言いますよね」
それが、俺の、みりき。
- 618 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:38:55.91 ID:HL5QyLz70
「つーか、オマエこそ何か言い出そうとしてなかった?」
ワザとらしく話をすり替える。
何よりも人の気持ちに敏感な彼女は、こんな風に話を振ると間違いなく乗ってきてくれるのが素敵だ。
ふふん、いつまでもあやつられてるばかりじゃないんだぜ?
- 621 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:44:29.87 ID:HL5QyLz70
「やー…夏だなー…と思って」
「…うむ。どこに出しても恥ずかしくない夏だな」
外の日差しはアスファルトを溶かすほどの勢いで。
「なんかこんな日に涼しい所に居ると、申し訳ない気持ちになってきません?」
「うむ。主に地球に申し訳ないな」
設定温度は28℃が目安です。
「むむ。センパイがエコロジストだとは知りませんでした。
もう長い付き合いになりましたけど、これは新発見です」
「…なんかそのセリフ、久しぶりに聞いたな」
「えへへー、センパイは単純そうに見えて複雑なのです」
そうやってアイスを食べながら満足気に微笑む彼女。
何気ない軽口。心地よい空間。
- 622 名前: ◆HOSHUzuVrk [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:46:59.15 ID:56j9SBxW0
泣きながら保守
- 625 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:48:43.50 ID:HL5QyLz70
「何だかさり気なく失礼レベルが上がってないかね、キミは」
「そうですか?
でもそれはあたしとセンパイの仲が深まったって事ですよ。
いいことじゃないですかっ」
にへらっと笑う彼女に、俺は相変わらず何も言えず。
- 629 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:54:21.92 ID:HL5QyLz70
「…センパイ?」
「んー、どしたー?」
「ふと疑問に思ったんですけど。蚊ってどうやって越冬してるんでしょうね?」
「あー…ボウフラ? とかなんとか聞いた事あるけどな」
「幼虫、でしたっけ? でも夏以外はずっと幼虫なんでしょうか」
「んー…。そう言われると確かに疑問だなー」
「むー…。疑問ですねー」
くだらない会話も加速しっぱなしで。
- 632 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:59:34.43 ID:HL5QyLz70
けれどそんなどこまでも続くと思っていた穏やかな時間は。
唐突に思わぬ人物の手によって。
「セーンパイっ」
「んー、どしたー?」
「あたしと、別れてくれませんかー?」
「………は?」
終わりを告げる。
- 636 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:01:23.21 ID:56j9SBxW0
ナンダッテー
ちょっと…涙が…止まらない…
- 637 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:01:27.44 ID:cL6fKE0s0
!!!!!!!!111111111
- 639 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:02:03.75 ID:Zk2hgaQ6O
………は?
- 640 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:02:35.66 ID:HL5QyLz70
俺が思わず彼女の方を振り向いてしまった時。
彼女はやっぱり笑顔だった。
「…今、なんて言った?」
「…えへへー、あんまり、何回も言わせないで下さいよぅ」
…けれどその笑顔は。
今までに何百回と見たその笑顔は。
初めて見た気がした。
- 641 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:04:39.78 ID:56j9SBxW0
なんでだろう…俺・・・涙が止まらない…
- 642 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:05:11.62 ID:OrR87JTH0
………
- 644 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:08:00.31 ID:HL5QyLz70
「…何かの、冗談、か?」
「んーん。冗談じゃ、ないんですよね、これが。弱っちゃいましたねー」
そう言い、相変わらず、にへらっと笑う彼女。
けれどそれは彼女の笑顔じゃない。
…俺の好きな、彼女の笑顔じゃない。
どこかから借りてきた安い作り物みたいだ。
「…そりゃあ弱っちゃったな」
「…はい。そーです、ね。」
- 646 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 03:08:31.69 ID:KU70StHT0
なんだよ
なんか画面がゆがんでみえるお
- 647 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:08:32.41 ID:56j9SBxW0
俺これ一生保存しとくわ。
- 648 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:08:45.22 ID:GoUvN3B5O
え、ちょっ……
彼女と重ねてしまう…
- 650 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:10:23.68 ID:HL5QyLz70
「………」
「………」
ベッドの背もたれを起こして座る彼女。
その側の椅子に腰掛けた俺。
二人して、何も言わずに外を見ていた。
…夏の日差しが、燦々と降り注いでいた。
- 652 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:14:10.15 ID:56j9SBxW0
涙が…止まらん…
- 653 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:14:32.47 ID:HL5QyLz70
「…被告人」
「…ふぇ? …それ、あたしですか?」
彼女は俺の言葉に辺りをキョロキョロ伺う素振りを見せると、
自分を指さして俺にそう聞いた。
「被告人は私語を慎むように」
「…うぅ…センパイが恐いですー」
「被告人は私語をつつしむ以下略」
「…はい、さいばんちょー」
- 655 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:17:16.21 ID:HL5QyLz70
…口では軽口を叩いていたが。
俺の頭の中はフル回転だった。
…どういうつもりだ?
なんで、コイツはこんな事を言い出したんだ?
…なんで。
…なんで。
その疑問ばかりが頭を渦巻いていた。
「…被告人はその彼氏と別れたいと、そう言うのですね?」
「…はい。」
彼女はおどけた風に、けれどしっかりとした声で俺の質問に答える。
- 661 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:21:33.56 ID:HL5QyLz70
「…その理由は、何故ですか?」
「…えへへ…やっぱり、話さなきゃ、ダメ、ですか?」
彼女が困ったようにはにかむ。
俺は彼女の笑顔の中でも、その笑顔が一番好きで。
だからいつも無駄にイジワルもしてみたりしてたんだけど。
だからいつもその顔をされると何でもかんでも許してしまっていたんだけど。
…でも、ごめんな。
今は。今だけは、出来ないよ。
「…本法廷は、事実確認の場です。被告人はハッキリと答弁して下さい」
「…むー。センパイ、スパルタですね。これも新発見かもです」
- 668 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:28:33.29 ID:HL5QyLz70
「もう一度聞きます。…その理由は、何故、ですか?」
「…えへへ。…それは、ですねー…」
「…それは?」
「…あたしが…、彼氏さんの事を…好きで…好きで。
…本当に、本当にバカみたいに…どうしようも、無いほど、好きで。
その人の…事を、考えるだけで、毎日が…幸せに生きていけるほどに。
それぐらい、…それぐらい好きに、なっちゃったから…、です」
…なにを。
…なにを言ってんだ、コイツ。
……なんでこんなに。
…胸が、締め付けられるんだ。
- 671 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 03:32:23.55 ID:7kYND4w+O
あー元彼女にもそれ言われた。
別れたあと速攻次の男できたらしいけど
あれ?目から汗がでてる・・・
- 672 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:32:30.34 ID:HL5QyLz70
「…それだけでは理由になりません。好きなら一緒に居れば良いのではないですか?」
「…えへへ…。でも、ダメ、なんですよ。」
「…ダメ、とは?」
「……なん…だか、あんまり時間、無いみたい、なんです。」
…あぁ。そうか。
なんでこんなに胸が痛むのかと思っていたけど。
…彼女の声が。震えて、いたからか。
- 673 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:33:27.85 ID:56j9SBxW0
俺の震えも止まらん…涙も止まらん…
- 674 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 03:34:26.08 ID:KU70StHT0
追いついた
なんだよ…幸せになってくれよ
- 675 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:34:50.65 ID:ZwN5X4hG0
僕に出来るのは、祈ることと保守ぐらい。
- 678 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:38:13.50 ID:HL5QyLz70
…時間が、無い。
……そういう意味、なんだろう。
でも、だったら。だったら、尚更。
「…ならば、その彼氏に話して、力になってもらえばよろしいのでは無いですか?」
「…ダメ、ですよぅ。だって…あたしには、センパイしか居ない、から。
だから、…センパイに頼っちゃったら、きっとセンパイをいっぱい、いっぱい傷付けちゃいます。」
…何言ってんだよ、今更。
そんな事、どうだっていい。
- 686 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:46:53.95 ID:HL5QyLz70
「…その彼氏は、きっとあなたに頼って欲しいと願っていると思いますよ?」
「…はい、あたしも、そう…、だと思います。
センパイは…、イジワルで…、チキンで…たまに…ワケの分かんない事言いだす、けど…
でも、すごく…、すごく優しいひと、だから」
「…ならば、尚更」
「でもダメなんですっ!
そんな事…したら…、センパイが…
あたしは…、あたしはもう…、終わっちゃう…のに。
なのにっ!!」
震えた声はいつのまにか涙声に変わっていた。
…俺は、今まで、彼女の涙ひとつ見た事が無かった事を、思い知らされた。
- 689 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:47:49.69 ID:GoUvN3B5O
眠れNEEEEEEEE!!!!!!!!!!
ってか作者、もうできあがってんなら規制にひっかかんない程度に連投してくれ、頼むから
- 694 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 03:56:49.56 ID:HL5QyLz70
「…あまり、勝手な事を言わないでくれると、ありがたいのですが」
「…はい。…分かって、ます…。
あたしのワガママだって、事は…。
でも…、弱っていくあたしを、センパイに…見られたく、ないんです。
きっと、心も、身体も…センパイが居ないと生きていけなく…、なっちゃう…から。
でも…、それ…なのに…、それなのに、あたしはっ…居なく…なっちゃう、から…!
…そんなの…そんなの…出来っこ…ない、です…っ…!」
…視界が不意に、滲む。
…目が、焼けたように痛んだ。
- 698 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:01:59.41 ID:T3VV73Fa0
追いついた泣けてきた
- 702 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:05:08.64 ID:T3VV73Fa0
それにしてもこれ、即席で考えているのか?
見上げたもんだ、これは敵わない気がする。
- 704 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:06:47.62 ID:HL5QyLz70
「…それはもう…、どうしようも無い、事、なのですか?」
「…はい。…ごめん…ごめん…なさいっ。
ずっと、ずっと言おうって…思ってたのに…っ…。
言い出せなく、って…センパイが…センパイが優しかった…からっ。
優しくしてくれた…から…言えなく…てっ…。」
「…俺は。俺はオマエの側に居たいよ。
どうなったって…かまやしない。それでもオマエの側に居たい。
それだけじゃ、ダメなのか?」
- 705 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:06:50.12 ID:GyC5g7Qy0
でも、あまり常考関係ないな
- 707 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:08:02.72 ID:HL5QyLz70
>>689
出来上がってるならとっくに終わらせてるんだぜ
すまん
- 709 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:08:50.42 ID:56j9SBxW0
なんて才能だ…
- 710 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:09:46.42 ID:GoUvN3B5O
>>707
即席か!!!!!!たいしたもんだ
ままん、空が明るくなってきたよ
- 722 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:19:15.44 ID:HL5QyLz70
「ダメですっ!」
彼女の小さな叫び声。
病室に小さくこだまする。
「…ダメ…です。それは、それだけは絶対…、ぜったいダメ…、ですっ」
「…なんで、だよ」
彼女が空を、見上げた。
窓枠に切り取られた四角い世界。
けれどその世界はどこまでも広がっていて。
何故だかそれが羨ましかった。
「あたしは…あたしは、今まで…、
色んな人に迷惑をかけて、生きて来た、から。
だから…、なるべく、迷惑かけないようにって…、困らせないようにって…、そうして…、来た、から。
それなのに、なのに、最後に、最後の…最後に、
一番、大好きな…人を、いっぱいいいっぱい困らせるなんて…、絶対に…絶対に、ダメ、です。」
涙交じりだったけれど。それは絶対的な強さを持った、強い、強い声だった。
- 724 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:20:49.96 ID:HL5QyLz70
それは彼女の生き方。
それは悲しい処世術。
それは彼女の誇り。
…そんな彼女だから、俺も好きになった。
…そして、今、この時も。どんどんと彼女の事を好きになっていく自分が分かる。
…けれど。だからこそ。
………その誇りを汚す訳には、いかないんだ。
- 725 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:21:24.49 ID:ZwN5X4hG0
そんな悲しいこと言うなよ、保守。
- 726 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:22:20.17 ID:iMt2uOs2O
鬱になってきた
- 728 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:23:40.40 ID:GoUvN3B5O
そこで別れたら死ぬまで後悔するぞ
- 730 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:24:29.01 ID:s3ET8VwnO
ここで奇跡のミラクルだろ…常識的に考えて…。
- 731 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:24:52.90 ID:HL5QyLz70
「…そっか」
「…はい、ごめん…、なさいっ…」
「…すまん。無理に聞いちまった」
「…んーん。センパイは…いつだって…優しかった…ですっ」
「…たぶんだけどさ。…オマエより優しい人には…当分、会えねーよ」
「…そんな事、無いです…ってば。 センパ…イ? 何を期待…して、そんな事、言ってるんですか?」
二人して、空ばかり見ていた。
下を向いたら、もう二度と、上を向けないような気がしていたから。
- 732 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:26:04.08 ID:T3VV73Fa0
鶴、折りたくなってきた。
- 733 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:27:21.69 ID:GoUvN3B5O
>>732
全力で手伝うよ
- 735 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:31:08.99 ID:HL5QyLz70
「…手、握ってくれると、嬉しい、です」
彼女がポソリと呟いた。
本当は抱きしめたかったけれど。
それを彼女は恐らく望んでいない。
今までずっとチキンだっただろ?
今までずっと彼女に頼ってばっかだったろ?
…だったら最後ぐらい。最後ぐらい、男、見せようぜ。
「…ん。」
小さな、白いその手を。
とても小さな、白い綺麗なその手を。
握り締める。
- 736 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:31:15.65 ID:eJKKHFXwO
今北。
ハッピーエンドじゃないのか?常識的に考えて・・・・・・
- 738 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 04:34:56.62 ID:VRreSdV60
ヽ1〆
- 741 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:36:04.52 ID:HL5QyLz70
「…なんかさ。オマエの手、握ってるとさ」
「…はい、なんですか?」
「校舎裏の事、思い出すよ」
「…えへへ、あれは今思い出しても恥ずかしいですね」
「…オマエさ。恥ずかしがり屋な事とか、人見知りな事とか、あん時、全然見せなかったよな」
「それはもー、勇気、フルチャージでしたからっ」
- 742 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:39:43.23 ID:HL5QyLz70
「…それから初めてのデートに行って」
「…センパイの答えは三角でしたね?」
「…ぶっちゃけ、あん時さ、俺から言わせようとしてなかった?」
「…あたしが、そんな事するワケないじゃないですか、やだなーもう」
「…本当に?」
「…ホントは、言ってくれたらすごい嬉しいなーとは、思ってました」
- 743 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:40:54.94 ID:ZwN5X4hG0
涙なしには不可能な保守
- 744 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:42:00.79 ID:HL5QyLz70
「…プラネタリウムの時もそーだったし…オマエって結構策士?」
「…えへへー。どうでしょうかね?」
「………」
「………」
「…あの、さ」
「……はい、…なん…ですか?」
- 752 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:48:21.20 ID:HL5QyLz70
「…俺、オマエの事、ずっと好きかも知れない。それこそ一生」
「…っ…!
えへっ…えへへっ…やだなぁ…センパイ。
…そういうことは…滅多に言っちゃダメ、なんですよ? …常識的に、考え…て」
「…オマエは?」
「…ヤ…だな。言いたく。言いたく、無いのに。なんで言わせようと、するんです…、か?」
「…やっぱさ。最後ぐらい、言って欲しいじゃんか」
「…もー…センパイは…やっぱり、イジワル…ですねっ?
…じゃあ…一度、一回だけ、ですから…ね?」
「…あぁ」
「…一回だけ、だから…。
だから、ごめん…なさい。許して欲しい…です。
あたしもッ…あたしも、センパイが…、一生…一生、好き…です…よ…っ…?」
- 754 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:51:38.02 ID:56j9SBxW0
これなら徹夜して読んでも無問題…視界が水の中…
- 755 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:51:48.49 ID:HL5QyLz70
「…あのさ」
「…はい、なん…ですか…?」
「…俺ら、最高に幸せなカップルだったよな」
「……はいっ…!」
そうして。
俺たちはきっぱりと。
別れたんだ。
- 756 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:52:17.53 ID:cL6fKE0s0
なにいいいいいいいいいいいいいいい!!!
- 757 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:53:01.54 ID:OrR87JTH0
別……れた………?
- 758 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:53:17.57 ID:fLEQPHYd0
・゚・(つД`)・゚・
- 759 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:53:50.34 ID:ZwN5X4hG0
嘘だろ…おい
- 760 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:53:53.99 ID:T3VV73Fa0
別れたか……
- 761 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 04:55:46.55 ID:CJmT+nRdO
何このやるせなさ
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