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詰めジャンル「抜くや抜かざるや」
157 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 16:38:06.84 ID:fxdPF+NP0

ドミノで挑戦世界一。

順調に牌が倒れていく途中、伝説の剣が刺さっているのに気がついた。

このままでは剣のところでドミノは止まり、記録挑戦は大失敗。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


158 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 16:48:02.88 ID:fxdPF+NP0

昔なつかし、古い匂いの個人商店にぶら下がる蝿とりリボン。

蝿と一緒に絡まっていたのはかの有名な伝説の剣。取れるのは世界にたった一人だけ。

でもべたべたしていていやだから、絡まったまま放っておこう。

ひぐらしはいったいどこで鳴いているのか。


159 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 16:58:52.24 ID:fxdPF+NP0

大決戦、とげ抜き地蔵対伝説の剣。

人の人生にとげのように突き刺さるこの剣をお地蔵さまはいかに抜くのかと思っていたら

なんと剣はお地蔵さまに突き刺さっていた。

さすがは大慈大悲のお地蔵さま。でもこの剣はまたそのうち、人の前に刺さるんだろうな。


160 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/07(木) 16:59:30.29 ID:T9Iw+vrBO
支援


161 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:07:33.33 ID:fxdPF+NP0

ロケットの燃料タンクに伝説の剣が刺さっていた。

このままでは飛び立てないと悲鳴をあげる職員たち。

でもちょっと待て、この剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。

栓のかわりにちょうどいいとは思わないか。


162 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:17:34.67 ID:fxdPF+NP0

伝説の剣にかまきりが刺さっていた。

いわゆるはやにえというやつだろう。

問題は百舌が刺したのか剣が刺さったのかだ。

剣は答えず。百舌は戻らず。


163 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:25:26.07 ID:fxdPF+NP0

台風がいつまでたっても動かないのは、刺さったままの伝説の剣に目がひっかかっているから。

ちょうど自分がいるところが台風の目なので知ったこっちゃないけれど。

大都会が台風に翻弄されるさまを安全圏からテレビで見るのはなんとも楽しいものではないか。

どうせほっときゃ水源と熱源を失い自然消滅するんだから。


164 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:33:48.81 ID:fxdPF+NP0

早春の野、つくしにまじってさりげなく伝説の剣が刺さっていた。

間違えて抜くとこいつが本当に思っているんだとしたら、人間さまもたいがいなめられたもんだ。

つくしと一緒に灰汁に漬けられたいのかと言ってやったら

雪のかわりにどこからともなく降ってきた桜の花びらが袖に触れた。


165 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:44:01.63 ID:fxdPF+NP0

勉強に疲れふとうしろを見ると伝説の剣。

何か切羽詰ったときに限って部屋の片づけをしたくなるのが人のさが。

片付けのついでに手に取ってもらおうとでも目論んだのか。

こうなったら意地でも勉強し続けてやる。


166 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 17:52:19.92 ID:fxdPF+NP0

サンタクロースの袋の中から切っ先を覗かせているのは紛れもなく伝説の剣。

まずはこいつを出さないことには次のプレゼントが出せやしない。

よい子は期待で、サンタは困惑で、トナカイは退屈でこっちを見ている。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


167 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:02:01.60 ID:fxdPF+NP0

奈良の秋、一頭また一頭と捕まって鹿は角を切られていく。

そのうち一頭の角はなんとも見事な伝説の剣。切り落とせるのは世界にたった一人だけ。

放っておけば発情期の鹿がこの角でどう暴れるかわかったものではないけれど、

この角切りもそのうちどこかの馬鹿が動物虐待だと絡んでくるだろうから、関わりあうのはまっぴら御免。


168 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:10:13.85 ID:fxdPF+NP0

集団で立つ彼岸花に対抗してか、伝説の剣が無数、田の脇に刺さっていた。

敵はただでさえ秋の名花、しかもそれが集団とくれば

伝説の剣といえど一本では勝ち目がないと判断したか。っていうか本物どれだよ。

でも彼岸花を気取るのなら、花が終われば地上からきれいさっぱり消えてほしい。


169 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:16:13.97 ID:fxdPF+NP0

実家に戻ると自分の部屋が伝説の剣に占拠されていた。

この剣を抜けるのは世界にたった一人だけなので誰も手出しできず、このままになっているらしい。

ある意味物置にされるより腹が立つ。

でも抜いたところでどうせこの部屋は物置にされるだけなので放っておこう。


170 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:24:03.22 ID:fxdPF+NP0

駅のホームに立っていると女性専用車両に伝説の剣が刺さっているのが目に付いた。

剣に性別があるのかどうかわからないけど、もし男だとしたら放っておいたらまずいだろう。

と思ったところで待っていた快速電車が滑り込む。

さらば伝説の剣。あいにくとそっちの電車に用はない。


171 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:29:34.55 ID:fxdPF+NP0

エスカレーターに伝説の剣が刺さっていた。

端までいったらどうする気だろうと思っていたら案の定ひっかかって緊急停止。

でもまあこういうところでは運動のためこまめに階段を利用している身には関係のないことだ。

スポーツは体を痛め心を歪ませる。健康のためならばこの程度がちょうどいい。


172 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:35:39.25 ID:fxdPF+NP0

エレベーターに伝説の剣が刺さっていた。

よくある話で選ばれし者以外にとっては相当の重量になるらしく、

中はがらがらなのに定員オーバーで扉が閉まらない。

階段派にはどうでもいい話だけれど。


173 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:41:37.75 ID:fxdPF+NP0

マウスのホイールに伝説の剣が刺さっていた。

こいつはなんでこうも絶妙の位置に刺さるのだろう。

いつもホイールで画面を上下させていたので、スクロールバーを動かすのがめんどくさくてしょうがない。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


174 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:46:49.54 ID:fxdPF+NP0

鎌が伝説の剣にすりかわっているせいで仕事ができないと鎌鼬たちが泣いていた。

じゃあなにか、この剣を唯一使いこなせる者がかわりにやれと言いたいわけか。

こっちは寒さで乾いた唇がぱっくり割れてそれどころじゃないというのに。

というか鎌鼬の正体ってそれじゃなかったっけと言ってやったら、高笑いし剣を残して姿を消した。


175 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/07(木) 18:47:01.78 ID:RKQwEpa20
ちょwwwwまだやってたwwww誰かレスしてやれよwwww


176 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:54:11.63 ID:fxdPF+NP0

ホットプレートの上に伝説の剣が刺さっている世界で

鰹はお好み焼きの上で命の輝きを取り戻したというのに、

この剣のまるで冷たい金属のようにすましたさまはどうだろう。

フライ返しもソースも脂も、甦った鰹までもが剣を責めるが、あくまで我を張り続ける気らしい。


177 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 18:54:56.48 ID:IXAt0YoU0
無駄にクオリティ高いな・・・


178 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:00:00.08 ID:fxdPF+NP0

平積みの本は下から二番目を買うのが我が流儀。

例によって下から二番目の本を掴んだと思ったらそいつは神代よりその名とどろく伝説の剣だった。

引き抜きかけて慌てて戻し、隣りの山から一冊抜いてレジに持っていった。

下から二番目といってもあくまで目安、固執しているわけでもないんだから。


179 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:06:11.85 ID:fxdPF+NP0

布団の下に伝説の剣が横たわっていた。

うちにベッドはないので畳の上に直敷きなのだと、剣を正座させて説明すること小一時間。

エロ本たちは冬の雨そぼ降る中を駆け足で帰っていったが、剣は頑としてこの場を動こうとしない。

直敷き布団の下にいていいのは自分だけだと、干からびた百足の死体が伝説の剣を見て嘲った。


180 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:11:59.13 ID:fxdPF+NP0

隣の席に刺さったまま、伝説の剣の筆はまったく進んでいない。

どうやらこのまま試験を終えて零点をとるつもりらしい。

となれば一点でもとってしまえば必然的に剣の点を抜いてしまう。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


181 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:18:35.37 ID:fxdPF+NP0

好きになってしまったのは伝説の剣と同じ人。

出し抜かなければこの恋、伝説の剣に取られてしまう。

そう。この剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


182 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/07(木) 19:23:58.86 ID:ylKO/T0nO
凄まじい殺気を感じる


183 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:24:17.17 ID:fxdPF+NP0

サンドイッチに伝説の剣が挟まっていた。剣を抜くのはもちろんご法度。

じゃあパンをはがせば結果は同じだけど、抜いたことにはならないのか。

前例がないだけにうかつなこともできず、

迷っている間にパンは朽ち、我が身は滅び、時代は巡り、されど剣の輝きだけはそのままだった。


184 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:29:57.26 ID:fxdPF+NP0

扇風機の羽の間に伝説の剣が刺さっていた。

クーラーをつけるほどには暑くない、でも扇風機なしでやり過ごすには涼が足りない。

こんなときに限って蝉はうるさく蚊は元気。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


185 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:36:14.28 ID:fxdPF+NP0

目覚めた頭上に揺れる伝説の剣。

電気のひもにかわってぶら下がっている。

この電気は壁にスイッチなどついていないので、直接引っ張ってつけるしかない。

でもどっちにしてもひっぱったらこいつは抜けてしまうので、夜が白むまで待つしかなかった。


186 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:37:26.98 ID:SDrn4GC10
俺に足りないものは根気とみたり


187 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:40:26.51 ID:fxdPF+NP0

庭に植えた二十日大根、そろそろ間引こうかと思ったら芽にまじって伝説の剣が刺さっていた。

ついうっかり間引くだろうとでも思われたのか。

剣ではなく剣の周囲の芽を間引けばすむ話だろうに、緻密なようでこいつはどこか抜けているなと

抜いた芽を薬味に冷奴をかじりながら考えた。


188 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:44:36.13 ID:fxdPF+NP0

風呂の湯をかえようと思ったら、栓のかわりに伝説の剣が刺さっていた。

どこぞの秘伝のたれじゃあるまいし、ずっと同じ湯を使い続けるなんて冗談じゃない。

シャワーだけで済ませようにも今は真冬。湯につかり芯から温まらなくて何が日本人か。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


189 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/07(木) 19:46:03.19 ID:Je8wqxck0
>>1に男を見た。
いやいや、漢の方だな。


190 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:46:58.14 ID:fxdPF+NP0

刺さったままの伝説の剣をかまきりが威嚇していた。

伝説の剣はただ黙って刺さったまま、かまきりに威嚇されるがまま。

この剣を抜き放ち神をも威嚇できるのは世界にたった一人だけ。

かまきりと一緒になって威嚇してやると、通りすがりの王が馬車を降りかまきりの勇気に敬意を表した。


191 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:53:45.73 ID:fxdPF+NP0

ダイソン、吸引力が衰えないただ一つの掃除機。

吸引口に詰まっているのはその聖なる名が天下にとどろく伝説の剣。

抜くのはいやなので吸い込んでやろうとしたけれど、剣はびくともしなかった。

そういえば吸引力は衰えないだけであって、最強だとはいってなかったような気も。


192 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 19:58:39.53 ID:fxdPF+NP0

叛徒に襲われた剣豪将軍足利義輝の周囲には伝説の剣にまじって幾本もの刀が刺さっていた。

折れては抜き曲がっては抜き必死の応戦を続けていたが、とうとう残すは伝説の剣のみ。

抜いてやったところで将軍の敵は三好・松永という人間ではなく下克上という時代の流れ。

木枯しと逆の向きに団扇を扇いで何になろうか。願わくば次に生まれるのが太平の世であらんことを。


193 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:02:21.16 ID:fxdPF+NP0

カーテンの下から伝説の剣の柄が覗いていた。この部屋を窺っているらしい。

この場合、カーテンを開けたらこいつを抜いたことと同義にされてしまうんだろうか。

タンスの中の間男も、屋根裏の散歩者も、押入れの未来ロボも、床下の忍者も皆知らなかった。

役に立たない連中だと罵ると、そう責めるものでもないと便所の方から声が聞こえた。


194 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:06:23.83 ID:fxdPF+NP0

伝説の剣が刺さっていた。

その伝説の剣に何か刺さっている。

これならば抜いても大丈夫な気もしたが、待て待て、この剣はこれでけっこう狡猾。

よくよく選ばれし眼で見てみれば、そちらの方が本物の伝説の剣だった。


195 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:11:24.60 ID:fxdPF+NP0

杖が伝説の剣にすりかわっていてチェックアウトできないと百足が女将に文句をつけている。

そんなに足があるんなら杖がなくても転ばないだろうと言うと、天井で足を踏み外すと怒られた。

百足二大奥義の一つ、天井ダイブはそのせいだったのか。

一方その頃、百足の連れの人参は朝湯が過ぎて全身真っ赤にゆだっていた。


196 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:15:28.03 ID:fxdPF+NP0

鼻水が止まらずゴミ箱はあっという間にちり紙でいっぱいに。

ティッシュをねじって鼻に詰めても結局鼻が重くなる。

この時を待っていたといわんばかりに、ティッシュ箱からさりげなく柄を見せる伝説の剣。

思わず反射的に抜いてしまうところだった。


197 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:21:23.40 ID:fxdPF+NP0

雪原に雪女郎が立っていた。少しこの子を抱いていてと赤子を差し出す。

下手に受け取れば子泣き爺同様ろくなことにならないのがこの手の話のお約束。

かといって無視したらしたで怒るしどうしたもんかとよくよく見れば、赤子は伝説の剣だった。

雪女郎もグルの罠なのか、自分では手放せなくて当人も迷惑なのか、さてどっちだろう。


198 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:24:26.63 ID:fxdPF+NP0

壇上に伝説の剣が刺さっていた。

その脇で話す大統領といったらもう、主賓のはずがまるで剣の通訳みたい。

講演が終わったあと、なぜ抜いてくれなかったんだと大統領は文句たらたら。

主催者にもらった通訳の仕事代でぱーっとやけ食い、今はうちのこたつで高いびき。


199 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:27:34.64 ID:fxdPF+NP0

1クールの前に伝説の剣が刺さっていた。

そのうしろには十二支たちのむなしい行列。

この剣を抜かないことには次の年が始まらない。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


200 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:30:58.83 ID:fxdPF+NP0

伝説の剣にもふもふの尻尾が生えていた。このもふもふを愛でたければ抜けということか。

しかしもふもふを愛でるならば尻尾のみで十分。

その先に不要のオプションをつけたがる馬鹿どもはみな死ねばよいのではないか。

とりあえず探すとするか、敵に捕まると尻尾を落として逃げるという幻のお稲荷さんを。


201 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:34:12.98 ID:fxdPF+NP0

伝説の剣に猫耳が生えていた。この耳を愛でたければ抜いてお持ち帰りしろということか。

一方、剣にもぐりこみ損ねた鼓膜、耳小骨、中耳腔、三半規管、蝸牛、前庭神経、蝸牛神経は

獣耳っ子たちの頭部に頭蓋を押し割り脳を圧迫しめり込むことができなかった幾万の仲間たちと

この地上を呪怨の歌声で染め上げていた。


202 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:35:45.51 ID:fxdPF+NP0

伝説の剣、抜けるのは世界にたった一人だけ。

ならその選ばれし立場を証券化して市場に流通させることはできまいか。

いまこの時代に刺さっているのなら、そのぐらいは聞き分けろと剣に言い聞かせること小一時間。

結局この頑固者は柄を縦には振らなかった。いいアイデアだと思ったんだが。


203 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:39:31.11 ID:fxdPF+NP0

うっかりシーツにカレーをこぼしてしまい、伝説の剣が染み付いてしまった。

この染みを抜けるのは世界にたった一人だけ。

放っておけばこの染みはどんどん抜けにくくなっていく。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


204 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:44:14.59 ID:fxdPF+NP0

刺さったままの伝説の剣をよじ登るてんとう虫の大冒険。

このままでは柄の先まで登りきり、手の届かないところに飛び立っていってしまう。

剣を抜き上下さかさにする以外、防ぐ手立ては何もない。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


205 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:49:26.35 ID:fxdPF+NP0

文旦の分厚い皮は人にむかせ、自分はひたすらかじるもの。

大統領に皮をむかせ、自分はほぼ無意識に文旦をつまんでは口に放り込んでいたら

あやうく伝説の剣を引き抜いてしまうところだった。

皮の汁を飛ばしてやると、柄に埋め込まれた宝石が少し、酸性を示す輝きを見せた。


206 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:52:33.80 ID:fxdPF+NP0

おせちで最後まで残る定番といえば黒豆、田作り、紅白なますに伝説の剣。

小皿に移され冷蔵庫に放り込まれるが定めなれど伝説の剣だけはお重に突き刺さったまま動かない。

松の内の終焉は刻一刻と迫り来る。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


207 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/07(木) 20:55:09.17 ID:ylKO/T0nO
す、すごい…保守


208 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 20:58:47.05 ID:fxdPF+NP0

取り替え式のドライバー、使いたいのはプラスドライバーなのに、ヘッドに刺さっているのは伝説の剣。

使いたいのがマイナスならば切っ先をうまく引っ掛ければ代用できないこともないけれど、

プラスではどうにも使いようがない。

嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?


209 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/07(木) 21:04:32.57 ID:fxdPF+NP0

門松にかわって刺さる伝説の剣。

このままでは歳の神は何を目印にやってくればいいのか。

でもそんなことは、たかがカレンダー上の数字に一喜一憂するバカが悩めばいいことだ。

しかたがないと自分から歳の神を訪ねて行った元日だが、結局その日のうちには戻ってこなかった。



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