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詰めジャンル「抜くや抜かざるや」
- 400 名前:VIPがお送りします。 [sage]
投稿日:2008/02/08(金) 10:17:10.25 ID:/qZqOaA00
炊き立てご飯に颯爽と刺さる伝説の剣。
なんという行儀の悪さと叱ってみても、一向に抜ける気配はない。
じゃあ自分も抜けますと線香が言い、わざわざご飯に刺さりにきた。
雄々しくひっくり返したちゃぶ台は、円卓の王を巻き込み隣りの部屋までとんでいった。
- 401 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:22:07.30 ID:/qZqOaA00
レストランのディスプレイ、スパゲッティに絡まっていたのは定番のフォークではなく伝説の剣。
害はないので無視していいかと思っていたら、料理に伝説の剣がついていないとクレーマー。
窓際の席に騎士と武士がいたので仲裁を頼もうと思ったけれど、あいにく正々堂々の決闘中。
正当なる決闘ならば邪魔をしては騎士道不覚悟。黙って店を後にした。
- 402 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:30:22.25 ID:/qZqOaA00
選ばれし者以外が汚すことを許さないというかの円卓の【危険な席】。
そこに伝説の剣が刺さっていてどうしようもないと円卓の王。運命ですらあの剣は抜けないというのか。
それはそうと今お前が座っている我が家のちゃぶ台の【危険な席】は、
座った者が果物の皮をむかねばならない定めの席だから、いっちょよろしく。
- 403 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:31:19.21 ID:/qZqOaA00
チップスターの筒に伝説の剣が刺さっていた。
中にはまだ半分以上残っているけど、剣を抜かないと取り出せない。
仕方がないので筒の底を切って取り出した。
その筒はいつも白刃むき出しのお前にあげるよ。鞘のかわりにちょうどいいじゃん。
- 404 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:33:37.66 ID:/qZqOaA00
死神が鎌を手に抜けもしない剣のまわりをうろうろふよふよしている。
伝説の剣というぐらいだから魂みたいなものの一つ二つは籠もっているというわけか。
鬱陶しいからはやく刈ってくれよと催促したけど
死神の鎌程度ではこの剣に当てると逆に刃こぼれしてしまうと愚痴られた。
- 405 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:37:17.09 ID:/qZqOaA00
ちり紙交換の声に慌てて外に出てみたけれど、すでに車は角の向こう。
かわりにどうぞといわんばかりに刺さっていたのは伝説の剣。
お前を抜いて古新聞がどう片付くのか、じっくり聞かせてもらおうか。
新聞紙で鎧を磨けばどうだろうと騎士が言うけど、それはガラス窓のお掃除だ。
- 406 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:42:14.38 ID:/qZqOaA00
逃げてばかりでは何も変わらない。勇気を持って剣を抜くんだと大統領が背中を叩く。
抜いてしまったことで人が何に巻き込まれようと、けして責任なんか取りそうもない顔をして。
定められた運命に従うのが嫌ならば、踏み台にして乗り越えてしまえと円卓の王。
高いところに登りたがる馬鹿は、猿と煙とあんたと、そこの騎士で十分だろう。
- 407 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:43:58.64 ID:/qZqOaA00
我らが英雄日本武尊、駿河の野で奸賊の罠にはまり炎にまかれて絶体絶命。
炎を薙ぐべく剣を手にしようとしたら、鞘に納まっていたのは伝説の剣。
この剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。
とりあえず放っておいたら、炎の中から一羽の白鳥が西の方へと飛び去っていった。
- 408 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:45:54.56 ID:/qZqOaA00
サルビアの蜜を吸い吸い歩いていたら、ついつい止まらなくなってしまい
他に人もいなかったことも手伝って、大統領と一緒に手当たりしだい抜き取っていた。
こういうときにちゃっかり紛れ込んでいるのが伝説の剣。蜜なんか出やしないくせに生意気な。
伝説の剣によく似た人に見つかったので、大統領をそちらにぶん投げ、一人でとんずら。
- 409 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:48:37.50 ID:/qZqOaA00
鉄骨の骨組みを支える無骨なボルト。その一本にかわって伝説の剣が刺さっていた。
こいつはいつ姿を消すかわからないので、その前にボルトと交換しておかないと事故になるかも。
でもこの剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。
嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?
- 410 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:53:53.41 ID:/qZqOaA00
人の来ない山奥の、日の当たる斜面に広がる白絨毯。
そのうち一本、何気に手折り、綿毛をふうっと吹こうとして気がついた。
綿毛の中の一本に紛れて伝説の剣が刺さっている。
あやうくほかの綿毛と一緒に吹き抜いてしまうところだった。
- 411 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 10:58:18.30 ID:eKAHoOzI0
ほしゅ
- 412 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 10:58:30.84 ID:/qZqOaA00
洗濯機の中に伝説の剣が突っ込まれていた。
このまま動かせば洗濯槽が剣でずたずたにされてしまうかも。
仕方がないので近所のコインランドリーを生まれて始めて使ってみた。
帰宅すると思ったとおり、剣は別の場所に刺さっていた。
- 413 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:00:31.64 ID:x/Y2hw5YO
1000まで行きそうで怖い
- 414 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:01:49.03 ID:/qZqOaA00
日本文化を堪能すべく、大統領は分厚い漢和辞典を開き、女偏の部で妄想旅行。
大いなる興奮に打ち震えながらページをめくる手が不意に止まる。
覗き込めば伝説の【剣】のページ。この剣で抜けるのは世界にたった一人だけ。
どうぞと辞書を差し出されたので、その角で何度も何度も、大統領を殴打した。
- 415 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 11:03:27.86 ID:2LHILLWeO
相変わらずすごいな…
その知力と体力に感動した
- 416 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:07:50.14 ID:/qZqOaA00
富士より高き最高峰、甲子園のピッチャーマウンドに伝説の剣が刺さっていた。
二十一世紀枠とかいうあの胡散臭いやつかと思っていたら、どうやら伝説枠で選ばれたらしい。
でも投げず、動かず、打たず、抜けず。対する宇和島東校ナインも困り顔。
どうせ高野連のお偉いさんは誰一人として責任なんかとらないだろうな。
- 417 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 11:08:38.09 ID:PaCoDh+D0
電車の窓から忍者が見える話思い出した
- 418 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:13:05.01 ID:/qZqOaA00
ダムに伝説の剣が満々と満たされていた。
水量調節しようにもこのダムから剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。
次に台風が直撃すれば決壊はほぼ間違いなしとのお墨付き。
嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?
- 419 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:16:30.92 ID:/qZqOaA00
特に意味はないけれど出くわすとなんだか嬉しいもの、五色素麺の色付き麺。
ついついそれだけ箸でつまんでしまうのは誰しも経験あることだろう。
そんな庶民のささやかな楽しみまでも利用してくる伝説の剣。
うっかりつまみあげてしまうところだった。
- 420 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:20:49.16 ID:/qZqOaA00
学校のトイレで一番恐ろしいのは花子さんでも紫ババアでもなく、
気がつけばそこにいる掃除のおばちゃん。
そのさりげなさと常態感を会得すべく、伝説の剣がつきまとっているらしいと風の噂で耳にした。
無人と思って歌っているといきなり湧いて出たが如く日向ぼっこしているじいさんの方が恐ろしいよ。
- 421 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:25:43.02 ID:/qZqOaA00
深夜の峠道を疾走する伝説の剣。
どれほどスピードを上げても抜きさることはできず、併走されたドライバーはみな発狂するらしい。
この剣、抜き去れるのは世界にたった一人だけ。
抜けはしないけど警察の一斉検挙には捕まったらしいと、その日の夜のニュースで知った。
- 422 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:28:32.10 ID:/qZqOaA00
刺さったままの伝説の剣、なにやら臭いを嗅ぐ野良犬がいる。
しっしっと追い払うと、妙に疲れた声でほっといてくれよと、人の顔をしたその犬は呟いた。
追い払いたいのはお前じゃなくて剣の方だと言ってやったら、
まあそう嫌うものでもないと、剣によく似た顔をした人が犬に首輪をつけながら苦笑した。
- 423 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:33:51.97 ID:/qZqOaA00
たまたま鏡の中の自分相手にじゃんけんで勝ってしまった。
鏡の中の自分は負けた腹いせに、ちょうど鏡に映っていた剣を抜こうとしている。
この場合どうなるんだろう。やっぱり自分が現実の剣も抜いたことにされるんだろうか。
ポリバケツを剣にかぶせ映らないようにしてやったら、鏡の中の自分がひどく悔しがっていた。
- 424 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:38:56.70 ID:/qZqOaA00
どうしても剣が抜けないとぼやく騎士にかわって、挑戦者、象。
無限の鼻を巻きつけて偉大な四肢で踏ん張って、エイャと引けば、刃に当たって鼻はすっぱり。
このときから象の鼻は無限の長さだったのが今のような短さに落ち着いたんだと。
そうじゃそうな。候えばくばく。
- 425 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:41:19.46 ID:/qZqOaA00
刺さったままの剣に赤いマフラーが巻きついていた。
どう見ても剣とは関係のないそのマフラー、
気になったので同じようにいつもマフラーをしている子のマフラーをまず取ってみたら首が落ちた。
マフラーで首を固定していたらしい。なるほど、今度はそういう手か。
- 426 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 11:42:57.85 ID:m/kiZdf20
こいつ・・・一人で36時間レスし続けてやがる!!!!!!
- 427 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:48:27.90 ID:/qZqOaA00
近所の堀に伝説の剣が刺さっていた。
いつものように無視して帰ろうとしたら、恐ろしい顔のお女中が持ってけぇと追いかけてきた。
何とか振り切って家に戻り、大統領にその話をしたら、こういう顔かとあのお女中の顔に早変わり。
気がつけばちゃぶ台に伝説の剣が刺さっていて、持ってけぇとお女中ににらまれた。
- 428 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 11:51:48.90 ID:FZeFOEQkO
おもしれぇな
- 429 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 11:59:20.02 ID:L4QCNOco0
>>1
アンタすげーよ
- 430 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 11:59:39.98 ID:/qZqOaA00
伝説の剣から毛が生えていた。切っても切っても毛は伸びてくる。
どうやら剣を抜くまで嫌がらせに伸び続ける気だと見当がついたので、
こいつがモデルにしたと思しき呪いの人形から伸び続ける髪の毛をむしりとって
翠星石に改造し、スレを立てたら、コピペブログ二つに載った。
- 431 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/08(金) 12:00:19.29 ID:GNFg+IAVO
感動した
支援
- 433 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:03:06.96 ID:/qZqOaA00
生れ落ちるやただ一つだけ必ず当たる予言を残し、そのまま息絶えるという人面牛身の妖怪、件。
その件がこともあろうに、伝説の剣が今日中に抜かれるだろうと言い残して死んでしまった。
とりあえず抜かずに放っておいたら、いつまでたっても今日が終わってくれやしない。
嗚呼、この剣、抜くや抜かざるや?
- 434 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:08:06.65 ID:/qZqOaA00
レコンキスタもいよいよ大詰め。
アルハンブラ宮も陥落し、残すは伝説の剣一本のみ。
しかしいかなるキリスト者でも、この剣だけは引き抜けない。
教会の面子にかけても異教徒にだけは頼まないだろうから、安心して高みの見物としゃれ込もうか。
- 435 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:15:08.59 ID:/qZqOaA00
ホウセンカ、ホウセンカ。つつけば逃げる。
オジギソウ、オジギソウ。つつけば逃げる。
伝説の剣、伝説の剣。仕方がないのでこっちが逃げよう。
木立ダリア、木立ダリア。逃げずにここまで降りて来い。
- 436 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:22:06.38 ID:/qZqOaA00
路上で何やら演奏している連中がやかましいったらありゃしない。
道路占有許可を取っているのか訊いてみたら本人ではなくまわりの連中がキレだした。
こういう社会のゴミには困ったものだと、路肩に刺さる伝説の剣に振ったところ、
このクソ野郎、柄の宝石に道路占有許可証を埋め込んでいやがった。
- 437 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:29:07.63 ID:/qZqOaA00
三叉路で道に迷った。
道祖神に腰を下ろした魔術女神のヘカテが所在無げに伝説の剣を蹴突いている。
剣を抜くのは嫌なのでかわりにヘカテを蹴倒して、倒れた方に進んでいったら行き止まり。
戻りがてら助走をつけてもう一度蹴倒してやったら、今度はきちんと人里に出られた。
- 438 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:32:07.71 ID:/qZqOaA00
カシマさんの話をすればほどなく押しかけられて名前を問われ、答えられねば呪われるとか。
大工の鬼六の話といい、真の名をずばり当てればこの手の連中は退散するのがお約束。
この伝説の剣も真の名を当ててやったら二度とつきまとわれずにすむだろうか。
でもこの剣の名前欄には名前どころか、住所も電話番号も書かれていない。
- 439 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:37:22.46 ID:/qZqOaA00
どれほど修行を積めば伝説の剣に認められるんだろうと、人の部屋で騎士がぼやく。
そんなこと言ったって人間、だいたいは持ち前のスペックで何とかやり過ごすのが精一杯。
努力の手間をかけさせることで利をあげる者たちの魔の手がこの騎士には見えないのか。
さて今日は伝説の剣、どこにどう現れるだろう。どうやり過ごそう。
- 440 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:49:33.36 ID:/qZqOaA00
伝説の剣はついにベルマークつきになっていた。しかもやたらと点数が高い。
円卓の王は慌てて自分の剣を確認し、自剣の方が点が高いことにご満悦。
でもよく見たら伝説の剣にはおまけシールもついていた。しかもプリズム。
すっかりやさぐれてしまった円卓の王。レアカードをゲットすべく大人買いしに飛び出していった。
- 441 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:53:45.92 ID:/qZqOaA00
伝説の剣。そのかたわらでひっくり返った亀、動かなくなった蛙。
如雨露を持って戻ってきたけど、どうやっても剣にも水がかかってしまう。
なんだか嫌な予感がする。水をかけたら亀と蛙と、剣までもが抜けて池を目指しそうで。
仕方がないので甘やかしすぎとは思ったけれど、亀と蛙を直接池に逃がしてやった。
- 442 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 12:59:13.87 ID:/qZqOaA00
フェンスにもう根のない蔓草が絡みついたまま枯れていた。
青いうちはなかなか蔓がしぶとくて手が出せなかったが、そろそろ気持ちよく引きちぎれる頃。
上部に手をかけ一気に引きちぎろうとして、それが伝説の剣だと気がついた。
ああ、なんともストレスが溜まるこの寸止め感。騎士でも殴って紛らすか。
- 443 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:06:40.29 ID:/qZqOaA00
夕涼みの縁台の中ほどに伝説の剣が深々と刺さっていた。
隣りには水桶に浮くスイカを小気味よく叩くつつ姫の姿。
剣が邪魔で将棋もさせず、刺さったままなのでスイカも切れない。
二人して暑い暑いとぼやくだけで無為の時間を過ごすうち、川の向こうで花火があがった。
- 444 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:14:24.85 ID:/qZqOaA00
競売物件に伝説の剣が刺さっていた。この剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。
これはふだん迷惑をかけている剣からの罪滅ぼし、抜いてあげたら落札者がお礼をくれますよと、
眼からかぼちゃのつるを生やした猫がほくそえむ。
抜きたくないから困っているのに、抜かせることが罪滅ぼしとはこれ如何に。
- 445 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:16:48.41 ID:/qZqOaA00
この剣を抜けたら告白する、と声高に宣言しつつ挑む少女。
あまりに熱く叫ぶものだから、お相手らしい少年には当然声が聞こえていて、
さめた表情で少女の悪戦苦闘を写メに収める。
少女が結局チャレンジを諦めた頃、少年はとうの昔に帰宅していた。
- 446 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:18:39.01 ID:/qZqOaA00
どこかで見たような芸人達が伝説の剣を取り囲み、抜くなよ抜くなよと言い合っている。
言われなくてもこんな押しかけ伝説、係わり合いになる気は毛頭ないから。
芸人達はいつまでたっても抜くなよ抜くなよといい続けている。聞き流しながら分かってしまった。
ついに永久機関は完成したのだ、と。
- 447 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:22:10.20 ID:/qZqOaA00
刈り入れも終わりすっかり見晴らしのよくなった秋晴れの嵯峨野に、彼岸花とコスモスと伝説の剣。
いつもは剣だけなのに今日は根元(?)から青々とした葉が天に追いつこうと伸びている。
どうやって生えているのか気にはなったが、ここはあえてぐっと我慢の子。
対抗して葉を伸ばそうとする彼岸花と葉を奪われまいとするコスモスの死闘はなかなか見ものだった。
- 448 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/08(金) 13:26:18.48 ID:/qZqOaA00
約束のタイムカプセル。約束の時、約束の場所に思ったとおりあの人は来なかった。
タイミングよくというか悪くというか、かわりに埋まっていたのは伝説の剣。
この剣を抜けるのは世界にたった一人だけ。
次に来た時は抜く気になっているだろうか。そもそも来る気になるだろうか。
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