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猫「吾が輩は猫である」
322 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 00:40:18.44 ID:Song16K/P
――翌日、屋敷、台所

男「ふぁ〜あ。嗚呼、男友さんお早いですね」
男友「あら、男ちゃん。お早う! 清々しい朝ね。
 まるで小鳥のさえずりが聞こえてくるようだわ」

ガタリ。

男友「あら、御嬢様。ご機嫌麗しう――男ちゃん、何をそんなに怯えて居るの?」
男「いえ。其の様な事は、ありませんよ……?」

女「あら。塵――いえ、男くん。怪我の具合は如何かしら?」
男「御陰様で絶不調です」
女「何か謂った?」
男「……いえ、何でもありません」

男友「あらぁ。随分と仲睦まじい御様子で♪」

男「断固として謂わせて頂きますが、決して其の様な――あ」
男友「なによぅ、男ちゃん。急に固まっちゃっ――え?」

女「?」

男「せっ、先生っ。何時日本に戻られたのですかっ!?」
女「……え」

女父「はろう、えぶりばでい。元気にしていたかな?」


324 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 00:56:26.79 ID:Song16K/P

男友「御久し振りね、先生! もう数カ月も英吉利にいらっしゃったの?」
女父「イエス、そうなのだが。少し暇が出来てね。
 大学に用が在った物だから、少しの間だけまた日本に戻ってきたのだよ」

男「先生……」
女父「之は男くん。
 君は此方に来たばかりだらう? もう此方の生活には慣れたかい」

男「ええ……皆さんに良くして頂いて居ますので……」
女父「そうか。それは頗るぐっどだね」

女「……」
女父「そして、女。元気だったかな? ん?」

男(女さん……)

女「お父様、御久し振りです。
 では、わたしは庭球の練習があるので、之でっ」

パタンッ。

女父「ははは。女も随分と忙しくしているようだね! 何よりだ!」
男「――少し私も失礼致しますっ」

パタンッ。

女父「んー。こいつぁ困ったねぇ」


325 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 01:06:37.17 ID:Song16K/P
――街中

男「――居た。女さんっ」
女「……」

男「女さん……」
女「やはり壱年近く会って居ないと、衝撃も大きいわね。それに急だったから……。
 でも大丈夫、大丈夫だから……」

男「――大丈夫です。直ぐに慣れます。
 それに先生だって悪いお人じゃあ無い。少々個性的なだけで」
女「そんなの解って居るわよッ!」
男「……っ」

女「……御免なさい、動揺してしまっていて。つい……」
男「ええ。大丈夫です。解って居ますから」

女「……御免なさい」
男「少し何処かに座りましょう。顔色が真っ青ですよ、女さん」


326 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:08:42.57 ID:o3P1uON90
これは半年先まで続きそうなストーリーでつね


327 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 01:15:55.69 ID:Song16K/P
――喫茶「ライオン」

からりんっ。

旦那「済まないね。まだ準備中――やぁ、誰かと思えば男くんじゃあ無いか」
男「マスター。開店前の時間に申し訳御座いませんが、
 今暫く休ませて頂くことは出来ませんでしょうか?」

旦那「ああ。構わないよ。それよりも女くんは大丈夫なのかい?
 随分と参ってしまって居るように見えるが」
女「御免なさい……大丈夫ですので」

旦那「解った、何か温かい飲み物を出そう。
おっと、店は散らかっているが勘弁してくれよ」

男「マスター、有難う御座います」

旦那「いいんだ。
 さて、男くんは珈琲で良いとして、女くんは何が良いかな。紅茶にしようか」
男「いえ、お気遣い無く」

旦那「気にしないでくれ。余計な御節介は僕の趣味の様な物だからね」


328 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:19:33.69 ID:5W1bQb2P0
ハイカラだなぁ...


329 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:23:02.65 ID:TASMmtITO
マスターが良い男過ぎる


330 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:24:02.59 ID:o3P1uON90
喫茶店のマスターって気の利いた人多いよな


331 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:32:54.98 ID:Gcx7pX5mO
猫さんの出番が随分減った気がする支援


334 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 01:45:38.16 ID:ELInSeEVO
>>326
半年かかってもスレ落とさない

猫支援


336 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:19:58.13 ID:Song16K/P
ごめん、うとうとしてた。
明日は朝から日付が変わるまで家に帰れないから、
本当は今日中に終わらせたい所なんだけど。


337 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:22:02.39 ID:Song16K/P
――街中、街路樹の下のベンチ

男「……」
猫「随分と困っている様だな」
男「猫さん……」

猫「して? 娘は今は?」
男「まだライオンにいらっしゃいます。
 初めよりは大分落ち着いて居られる様に見えますが」

猫「なぁ男よ」
男「……はい」

猫「吾輩は、満更お主の謂った事も間違いではなかったと思うぞ?」
男「……そうでしょうか」

猫「“頭では両親を赦したいと考えている”。そう謂ったな。
 其れは頭以外の部分――まぁ其れを心と呼ぶとしよう。
 其処では受け入れる準備が整って居なかったと謂う事だらうさ」
男「私は、どうすれば良いのでしょうか」

猫「謂っておくが、満月は明日だぞ」
男「まぁ、姿灯とやらは最後の切り札でしょう。
 その前に為さなければならない事が、有る筈です」

猫「っくく。随分と男らしい顔をするように為ったでは無いか」
男「そうだとするならだ、其れは恐らく猫さん――貴方の御陰ですよ」


341 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:32:53.50 ID:Song16K/P
猫「吾輩は聖人では無い。
 吾輩は吾輩の利益になる故、お主に手を貸して居るに過ぎん。
 つまり。何かが変わったとするのならば、
 男、それはお主自身の力だと謂う事だらうさ」

男「猫さん……」
猫「さぁ、娘の処に戻ってやれ。今少しの時間はお主の支えが必要だらうさ」

男「其の前に、教えて頂けませんか?」
猫「ほう。中々如何して食い下がるでは無いか」

男「猫さんが御自身に立てた契り――。一体其れは何なのですか?」
猫「――そうだな。上手く行けばお主の願いが叶うのも、
 もう今日明日中と謂うところであろう。
 お主にならば、或いは話しても良いやも知れぬが……」

男「……猫さん」

猫「そうだな。解った」


344 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:37:57.21 ID:Song16K/P
猫「人捜しをしている――何時ぞやそんな事を話したな」
男「えぇ、確かに其の様な話しをしました」

猫「吾輩は……吾輩の主人――旦那様を捜しているのだ。
 そうだな、もう何年も。何拾年も……」

男「猫さんの……御主人を……?」

猫「嗚呼。思えばもう、
 吾輩はあの温もりをも久しく忘れてしまっていたな……」
*

猫「……もう良いだらう。娘の処へ行ってやれ」
男「然し、猫さん……。そんなっ。其れではっ――」

猫「男っ! 今、お主が真に案ずるべき相手は誰そっ!」
男「……っ」

猫「行け。娘の為にっ。
 ――そして其れは、この吾輩の願いでも有ると謂う事を、どうか。
 どうか……解ってくれ……」


345 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:44:18.42 ID:Song16K/P
――喫茶「ライオン」

からりんっ。

男「……女さん」
女「もう大丈夫、大分落ち着いたわ」
男「其れは良かったです」

女「でも、少しだけ。少しだけで良いから、手を繋いで貰っても良いかしら……?」
男「――勿論」

きゅっ。

女「くすっ。存外男らしい手をしているのね」
男「女さんの指は思っていた通り、少し力を入れてしまえば、
 折れて仕舞いそうです」
女「なによそれ」

男「儚げで美しい、そう謂ったのですよ」


346 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 02:54:12.74 ID:Song16K/P
女「ねぇ、男くん」
男「はい」

女「――わたしね、考えて居たのだけれど」
男「何をですか?」

女「もうどれ位お父様と目を合わせて居なかったろう、と。
 思えば、逃げて居たのは、何時も私の方だったのかも知れない」
男「……」

女「だから、一度全てを話してみようと思うわ。
 在りの侭の……わたしの本音で」
男「大丈夫ですか……?」

女「其れは、少しは怖いわ。
 わたしの言葉は、或いはもうこの家を粉々に打ち砕いてしまうやも知れない。
 けれど――」

男「……?」

女「――そうね、この先を謂うのは全てが終わってからにしましょう」くすりっ


348 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 03:10:37.67 ID:Song16K/P
ごめん。眠くてちょっと碌な文を書けないので、
この辺りで撤退します。つくづく遅筆で申し訳無い。

明日の帰りは日付変更あたりになってしまいそうなのだけれど、
残っていたら明日には終えられる予定です。

では、御休みなさい……。


350 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 03:14:09.87 ID:o3P1uON90
お疲れ様です待ってますね


355 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 05:06:02.77 ID:DdC60Ud30
最近よく目にするもんで如何なものかと思いきや
なかなかどうして面白いすれっどですな
わたくし思わず猫さんをもふもふしたくなってまいりました


370 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 12:16:03.83 ID:o3P1uON90
もしかしてあと12時間ほす?


371 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 12:21:13.57 ID:vO4OcGb10
何時間でも保守しませう


385 名前:暇潰しにお題 [] 投稿日:2010/06/26(土) 15:32:02.53 ID:6060Zg7HO
>>395
猫さんが何か言ってるようです。


390 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 16:32:37.79 ID:kekFtgX00
こんなことを書くのはなんだが、当時の喫茶店にはまだ冷房が無い
さぞあつかったろうにとおもう

ついでに当時のコーヒーはどちらかといえば砂糖とミルクをがばがば入れた甘めの物が多かったとか


395 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 17:58:06.49 ID:QTAhF1Ul0
>>385
吾が輩は猫である


404 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 20:21:07.86 ID:unDkdRm+0
最初は「わがねこ」と「こころ」を混ぜた感じだと思ってた

保守するもふもふ


415 名前:お題 [] 投稿日:2010/06/26(土) 22:10:53.23 ID:6060Zg7HO
>>425
猫「男よ男友が何か謂ってたようだが」

男「はあ、何と謂ってたんでせうか」

猫「それはな」


425 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 23:47:42.95 ID:doqqQoor0
ほす


426 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 23:48:28.72 ID:MaFlUNX7O
>1はどこぞのお嬢様とハフンハフン(;´д`)

保守


427 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 23:49:25.14 ID:Song16K/P
こんばんわ。帰宅しました。
今から夜ご飯+お風呂+書き貯め少々してきて良いかな。

長い間保守ホントにありがとう。
頑張ってスピード上げるよ。

べっ、別に本気出せば5分に1レスくらいの速度で書けるんだからねっ。


429 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 23:50:41.89 ID:bfWrcs020
ママレモンは気のせいだ


430 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/26(土) 23:51:37.42 ID:1kSfuVlEO
>>427お帰りー
あんまり早く書き込むとさるさんくらうから今までと同じくらいのスピードのがいんでない?


440 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 00:52:49.56 ID:V0dQfDOgP
――屋敷、居間

男友「――先生? 先生なら大学に用があると謂って、出掛けて仕舞われたわよ?
 帰りは夕刻になると謂って居たわ」

男「なっ」
女「……全く。相変わらず飄々と肩透かしの上手い事ね」

男「仕方が在りませんね。夕刻に先生が戻られてから、ですね」
女「まぁ。わたしとしても、気持ちの整理が出来て良いのだけれど。
 然し、何処と無く勢いを削がれたわね」

男友「……」

男「夕刻まで為す事が無くなってしまいましたね。
 男友さん、大学に講義でも受けに行きましょうか」
女「あら。随分と真面目なのね」

男「大学に入ってまだ日が浅いです故。
 サボタージュの癖は余り着けたくないのですよ。
 男友さん、大学に行きませんか?」
男友「あぁ、そう謂えば未だ謂って居なかったわね。
 アタシね。大学を辞める事にしたのよ」

男「……え?」


443 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:02:04.37 ID:V0dQfDOgP
男友「もっと他に出来る事が有るのでは無いかと思ってねぇ。
 ああ、まだ暫くは東京に居るけれどね」

男「吹っ切れた様な表情ですね」
女「さぁ。自暴自棄に為って居るのでは無いかしら」

男友「でも大学には少し用があるから、男ちゃんが行くと謂うならば
 一緒に行きましょう」
男「はぁ。女さんは如何しますか?」

女「そうね。わたしは今日は家に居ようかしら。
 もうすっかり日も高く為ってしまった事だし、
 今から女学校に行くのも、何だか億劫だわ」

男「そうですか。では夕刻にライオンで待ち合わせをしませんか」
女「あちらのマスターに御迷惑では無いかしら」

男友「いいのよぅ。マスターはそんな器量の小さい男じゃあ無いわ」
男「木賃と料金をお支払いすれば良いでしょう。
 それにそう長居をする訳でも有りませんし」

女「解ったわ。では夕刻にライオンで」


444 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:06:12.10 ID:V0dQfDOgP
――街中、大学への路

男友「今日も暑いわねぇ」
男「ええ。もう初夏ですからね」

男友「津軽はこんなに暑くなかったわよぅ」
男「男友さんは、何時かは故郷に帰られるのですか?」

男友「アタシ? ん〜。どうかしらねぇ。
 先の事は何も考えて居ないけれど、どうやらアタシにも
見付けないといけない物が在るって、漸く解ったから。

 ……だから、帰るとすれば其れが終わってからかしらね。
 空っぽの両腕で帰るなんて、そんなの見っとも無いじゃあ無い」

男「見付けないといけない物……とは?」

男友「そうねぇ。――誤魔化してはいけない気持ち、とでも謂うのかしら。
 はっきりとさせないと気が済まない様な。
 逃げてばかりのアタシだったけれど、此処だけは逃げちゃあいけない。
 
 ――之だけは決して譲れない。
 そんな気持ちにさせてくれる物……かしらね」


445 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:15:22.66 ID:V0dQfDOgP
男「決して、譲れない物……」
男友「厭ぁねぇ。何だかとても恥ずかしい事を謂った様な気分だわ」

男友「それで?」
男「はあ? 何がですか?」

男友「男ちゃんにも在るんでしょう? 
 大切な、守らなければいけない物が。見付かったのでしょう?」
男「男友さん……」

男友「貴方は良く気も利くし、見えて居る物も広い。
 何より、優しい人だから。だから屹度、大丈夫。
 アタシが保障する。太鼓判を押すわ」
男「……大丈夫でしょうか」

男友「アタシは今一つ事情が掴めないけれど、
 ずっとあの家にいたんだもの、大体の事は解るわ。貴方なら大丈夫。
 だって、あんなに愉しそうな御嬢様は、始めてみるもの」

男「……」

男友「――大丈夫だよ、お前が一緒なら。だから、頑張れ」
男「……はい」


448 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:18:13.19 ID:synM9U9p0
kakkeeeeeeeeeeee


450 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:26:06.98 ID:V0dQfDOgP
――夕刻、大学、庭

男(さて、ライオンに向かわなければ)

男(……そう謂えば猫さんは如何して居るのでしょうか。
 今朝、あの長椅子でお話をしてから姿を見て居ませんが)

――吾輩は……吾輩の主人――旦那様を捜しているのだ。
 そうだな、もう何年も。何拾年も……。

男(……)

――この街に居るのなら、居場所も解る筈なのだが。
 或いはっ……。或いは、既に御存命では無いのやも知れぬが。

男(猫さん……)

ザッ。

女父「やぁやぁ、之は奇遇だ。男くんじゃあ無いか。
 感心だねぇ、確りと勉学に励んでいるのか。
 加えて謂うとすれば、そんなに眉間に皺を寄せて如何したんだい」

男「……先生」


451 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/06/27(日) 01:27:02.98 ID:9luZQDUJO
やっぱり男友イケメンだ


453 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 01:35:02.76 ID:V0dQfDOgP
女父「然しまぁ。驚いたねぇ」
男「何がですか?」

女父「好き合って居るのだらう? 女と」
男「なっ!?」

女父「謂って置くが。残念乍、君は言い逃れは出来ない。
 何故なら自分は昔から其の手の事に関する勘は外した事が無いからな」
男「少なくとも、女さんの方は私をそうは想って居らっしゃら無いですよ」

女父「おや。之は困ったな。君は随分と自分に自信が無い様だ」
男(あれだけ暴言を吐かれれば其の様な勘違いも出来ますまいて)

女父「……思えば、自分は女に
 父親らしい事を何一つして遣る事は出来無かったな」
男「先生……?」
女父「……さて、家に帰ろうか」

男「……先生」
女父「何だね? 男くん」

男「少々――喫茶に寄って行きませんか?」



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