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新ジャンル「生きてる日本人形」
- 186 名前:VIPがお送りします。 [sage]
投稿日:2008/03/10(月) 09:19:06.54 ID:oGgyhMvpP
こけし「……(キリッ)」
男「こけしは女の子ですが、せっかくの端午の節句。武装させてみました」
女「わたし女だけど、折り紙のかぶとってどうかと思う」
男「女騎士っていいよね」
女「騎士だったの? 武士じゃないの?」
ぱからっぱからっぱからっぱからっ んも――――ぉう!
男「馬も来たよー」
女「あかべこじゃねぇか! 首がゆらゆら揺れるもーもーさんのお人形じゃねーか!」
こけし 「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
赤べこ「……(ゆらゆら)」
のっしのっしのっし
女「乗ってっちゃったよこけし!」
男「出征しました」
女「ちょ、どこに!?」
男「あれも一個の騎士である以上、冒険と恋を求め旅に出るのは当然のこと」
女「恋? こけしの分際で恋?」
男「そのうち琵琶法師が物語にして語ってくれるさ」
女「そこは吟遊詩人じゃなくて琵琶法師なんだ!?」
- 187 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:26:17.49 ID:oGgyhMvpP
鯉のぼり「……(そよそよ)」
こけし「……(ぷらーん)」
女「おーい。こーけーしーぃ。鯉のぼりの下で首吊ってねーでおりてこーい」
男「同じ子供に縁のあるもの同士、風になびきたかったんだろ」
女「重量的に無理だってやる前からわからんのかあいつは!」
男「やめろ。奴もまた、この五月の風に踊らされただけの犠牲者にすぎないんだから」
こけし「……(ぷらーん)」
こけし「……」
こけし「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
- 188 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:31:07.48 ID:oGgyhMvpP
女「麺棒どこやったっけ。ここの引き出しだったかなあ」
がらっ
こけし「……」
女「……」
ぴしゃっ
- 189 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:34:53.45 ID:oGgyhMvpP
招き猫「……」
こけし 「……」
招き猫「……」
こけし 「……(グググググググググググググッ)」
女「あっ! こけしに手が生え――」
招き猫「……!」
こけし 「……! (スススススススススススススッ)」
男「あーあ。引っ込んじゃった。お前がよけいなとこで声出すから」
女「え。わたしのせい?」
男「もう今の宇宙じゃ、こけしが人前で腕を出すことはないだろうねー。あーあ」
女「いつのまにそんな壮大な話に!」
- 190 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:41:59.50 ID:oGgyhMvpP
こけし「……」
女 「流し雛になりたい?」
こけし「……」
女 「あれは穢れとかを人形に押し付けて捨ててるんだよ? 遊んでるんじゃなくて」
こけし「……」
女 「流し燈籠でもいいって?」
こけし「……」
女 「そういやお前ってろうそくみたいな形してるよなー」
こけし「……」
女 「火ぃつけてみていい?」
こけし「……」
女 「芯がないな……残念」
- 191 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:46:57.73 ID:oGgyhMvpP
こけし「……」
女「こけしの脚(?)、とんがらせたのはお前か?」
男「違うよ。ぜんぜん違うよ」
女「杭か? 杭の代わりに吸血鬼に打ち込めと? むしろお前に?」
男「死にますがな」
こけし「……」
こけし「……(ごろごろごろ)」
こけし「……(ぐさり)」
こけし「……」
こけし「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
男「庭に刺さったな。ああ、ガーデニング用の人形のつもりだったんだ」
女「もっとメルヘンチックなお人形さんにしようよ! 趣味の園芸だって真っ青だよ!」
- 192 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 09:50:28.61 ID:p978Y6yT0
やばいこけしが可愛くなってきた
- 193 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:52:03.17 ID:oGgyhMvpP
男「おーい。こけし、シルバニアファミリーの中に居着いてたんで拾っといたぞー」
こけし「……」
女「お前はもうこいつ拾ってくるなよ! そしてあんたも顔に似合わんところで遊ぶなよ!」
- 194 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 09:55:07.43 ID:oGgyhMvpP
鴬張りの廊下
「……(キィ――キィ――)」
こけし「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
鴬張りの廊下「……」
鴬張りの廊下「……(キィ――キィ――ぐるん――ぐるん――)」
男「音を出すだけではこけしに勝てぬと悟ったか」
女「止めろよ! 廊下、回ってるじゃん!」
男「おーおー。上を歩いてる連中が落ちてく落ちてく」
- 195 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:00:52.60 ID:oGgyhMvpP
女「雨、やまないね」
男「こういうときこそ照る照る坊主の出番ですよ」
照る照る坊主「……」
女「また原始的なもんを」
男「で、やみそうですかな?」
照る照る坊主「……」
照る照る坊主「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
女「ちょっと待てーい! 中になんか――」
男「中のこけしなどいない!」
女「こけしか!」
男「よせ! 照る照る坊主の衣をめくるのはマナー違反だ! レディーのすることではない!」
- 196 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:08:56.98 ID:oGgyhMvpP
こけし「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」
座敷わらし「……(ビクッ――ビクッ――)」
女「座敷わらしが生きてるこけしに怯えてる!」
男「同じ古きよき日本のお子ちゃま同士、部屋のすみっこで仲良くしてろよー」
こけし「……」
座敷わらし「……?」
こけし「……(ニタァ)」
座敷わらし「……っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11111」
女「はいはい。こけし怖いこけし怖い。よしよし、いい子だから泣かないの」
男「はいはい。好きな子だからっておちょくっちゃ駄目だよー。怖いおねーさんが怒るからね」
女「こけしを抱っこして撫でるな! 捨てて来いっ」
- 197 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:11:15.77 ID:DDZW8oQiO
新ジャンル「生きてる和風無生物シュール」
- 198 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:13:16.03 ID:oGgyhMvpP
女「あのうっとうしいこけしを処分しようと人形供養に来たわけだが」
地蔵「……(ゴオオオオオオオオオオオオオオ)」
女「なんでこけしの代わりにお地蔵さまが盛大に燃え上がってんの?」
男「身代わり地蔵だからじゃないのかなー。しかも石だから何度でも身代われるし」
女「仏像は動いてもありがたいのに普通の人形が動くと呪いだ祟りだってのは確かにアレだけど」
こけし「……」
こけし「……(つつつつーっ)」
男「こけしが泣いている! お地蔵さまの徳に感じ入ったか!」
聖母像「……」
聖母像「……(キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ)」」
女「マリアさまが首回してる! こけしに十八番とられて怒ったか!」
- 199 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:55:05.90 ID:oGgyhMvpP
こけし「……」
女 「なんだその足元に落ちてる着物は」
こけし「……」
女 「そうか……その体形じゃ着ても着てもずり落ちるか……しかもお前、表面よく滑るもんな」
こけし「……」
女 「それにしても着飾ってみたいとは、お前もやっぱり女の子だったかー」
こけし「……」
女 「とりあえずその着物、誰のよ? さっさと返してこいよ」
- 200 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 10:59:36.63 ID:oGgyhMvpP
女「……」
女「あれ、こけしどこ? またどっか遊びにいったの?」
男「『オズの魔法使い』の挿絵の中にいたけど、連れ戻して来ようか?」
女「いるんならいいんだ。ほっとけ」
男「こけしもこけしなりに、もっとぱっちりしたおめめがほしいんだろうねー。女の子だし」
女「こけしがほしがるとしたら腕とか脚とかだろ、普通」
- 201 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:03:09.45 ID:cgQyz735O
人「男さぁーん、起きてくださいぃ」
男「……今日はまた一段ともっさりしてるなぁ」
人「雨が降ってるので…」
男「あぁ、水分で髪が…」
人「うぅ…櫛で梳かしてくださいぃぃ」
男「泣くなよ…地味に怖い」
ぴろれーん
男「写真で見ると可愛いのになあ」
人「うぅ…酷い」
- 202 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:04:23.77 ID:p978Y6yT0
日本人形「ねえ男、私の着物知らない?」
男 「いや、知らないけど…」
人 「外に干しておいたんだけど…どこいったのかしら?」
男 「さぁね」
人 「・・・・・・・・探してきて」
男 「何で俺g
人 「いいから!」
男 「落ち着きなよ。着物ならまた買ってやるから、ね」
人 「・・・・・・・・・・うん」
- 203 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 11:04:26.92 ID:oGgyhMvpP
こけし「……(キュラキュラキュラキュラキュラ)」
男「なんだあれは」
女「キャタピラのついたこけし」
男「それはいいんだよ! こけしにキャタピラついてようが触手生えてようが!」
女「確かに自衛隊の公開演習にちゃっかり紛れ込んでるのはどうかと思うな」
男「あんな長い胴体立てて動いてたら、敵弾のいい的だろうが! バカかあのこけしは!」
女「あんたも思う存分バカだよねー」
- 204 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:05:36.41 ID:x8DpZ72o0
ID:oGgyhMvpPおまえの頭の中ちょっと見てみたいわ
- 205 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:06:38.62 ID:x8DpZ72o0
>>203
あとIDがMVP
- 206 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 11:10:30.43 ID:oGgyhMvpP
こけし「……(ピコピコ)」
女「そ、その妙に細っこいあんよはどうした? しかも何で一本だけ」
元・三本脚のリカちゃん人形
「ううう。脚一本とられた。また遊びに来ないと返してやらないって……」
こけし「……(ピコピコ)」
女「……」
女「お前、友達作るの下手だな」
こけし「……」
女「それと一本だけじゃむしろ歩きにくくね?」
- 207 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:22:37.49 ID:akmGMog7O
ID:oGgyhMvpPは人外
- 208 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:33:22.22 ID:cgQyz735O
男「雨の日は外に出る気がしないな。DVDでも見よう」
人「…でいぶい……でい…?」
男「映画だよ」
人「えいがですか!?お家でえいがが見れるんですか!?」
男「お前の生きていた時代はいつなのか気になってきたぞ…」
人「それで、どんなのが見れるんですか!?私、生前えいがを見たことないんですよぅ!」
男「…お前と話してるとチャッキーに会いたくなるな」
- 209 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 11:43:22.10 ID:cgQyz735O
人「ちゃいるど・ぷれい?」
男「洋画は字幕派なんだが、お前のこともあるし日本語訳にしてやろう」
人「楽しみですー」
30分後
人「ひ、ひやぁぁぁぁ!?人形が!人形が動いてるぅぅ!」
男「お前も動く人形だろ」
一時間後
男「…静かだな。おい……気絶してんのか?」
その日の夜
人「あの…一緒の布団に入れてください……怖くてぇ」
男「まて、呪い人形」
- 211 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 12:43:06.46 ID:cgQyz735O
人「あの、もう少し優しい映画はないですか?」
男「チャイルド・プレイはもういいのか?シリーズはまだまだあるんだが」
人「い、いえ…呪い人形のお話はもう、いいです……」
男「お前が言うか…じゃあ、定番だがローマの休日でも……」
人「…………」
男「……?」
人「あんな素敵な恋がしたいなぁ」
男「…チャッキー連れてこようか?」
人「いやぁあぁぁぁぁぁ!!!!」
- 212 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 12:57:28.90 ID:cgQyz735O
男「今日は友達が来るんだ」
人「はい、身だしなみはばっちりです!突然の出会いでもいけます!」
男「動くな!話すな!泣くなぁぁぁ!!」
友「お邪魔すんぜー」
男「おーう」
友「……寒気がする」
男「な、なんのことだ?」
友「具体的に言うと、昔に病死して遊び足りなくて、大好きな人形に取り憑いた黒髪の着物が似合う美少女の霊が見える!」
男「具体的すぎるだろ!?」
友「あーもー可愛いなあ!俺にくれ!」
男「お前、今霊とか言ったじゃねぇか」
友「ロリコンの俺には生きてるか死んでるかなんて、些細なことさ…」
男「キモいから帰れ」
- 214 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 13:22:08.06 ID:cgQyz735O
男「おい、人形」
人「はい?」
男「お前、ちょっと脱げ」
人「ぇ…そ、そんなの嫌です!男さんのことは…その、どっちかと言われれば嫌いじゃないですけど…」
男「めんどくさい、脱がすぞ!」
人「い、いやぁあぁぁぁぁぁ!」
男「脱がしたのはいいけど、適当に洗って大丈夫なのか?人形のでも着物だし」
人「恥ずかしくて死んじゃいそうです…」
男「さて、次はお前だな」
人「え!?い、いや…こないでぇ!ひやぁぁぁぁ!」
男「頭は弱酸性シャンプーで大丈夫かな?」
人「うぅ…汚されたぁ…」
男「洗ってんだよ。カビ臭いんだから」
- 217 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 14:43:51.36 ID:AzPSC0qgO
須藤真澄の作品でなんかあったな
- 219 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 14:46:10.74 ID:8Ra01qcoO
弥生さん?
- 220 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 14:46:21.73 ID:ulGC9nsX0
ローゼンスレと聞いて
- 221 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 15:05:38.64 ID:Y6Sl7z4vO
妖幻の血を思い出した
続き出ないかなー
- 223 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/03/10(月) 15:52:53.48 ID:K8sTxtEe0
黒いラブレター思い出した
- 225 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 16:22:11.23 ID:vZ2aKL3B0
男「なぁ」
人「何?」
男「お前ってなんか取り柄あんの? しゃべるからくり人形なんて
面白そうだったから蔵から引きずり出してみたけど」
人「失礼ね。私が作られたのはもう200年も前よ。そんなの私に求めないでくれる?」
男「はいはい……」
人「私を作ってくれた方はね、それはそれは人形作りに命をかけてた人だったのよ。
余計な機能なんていらないって、人形が人形らしくなるように私を作ったのよ」
男「……ただ単に面倒だっただけじゃね? お前のからくり作るので
精一杯だったとか」
人「……………」
ポポポポポポポポポポ
人「『緋色の手』!!」
男「ギャース!!」
人「私を作ってくれた方は藤田先生の大ファンだったのよ」
男「生まれてねーだろその頃……」
人「とにかく、私をバカにしないで」
男「はいはい……ああ、黒こげだよ……」
- 227 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 16:48:26.93 ID:vZ2aKL3B0
人「やったぁやったぁ、やっと男の人に抱きしめてもらっちゃったぁ」
男「ちょっと掃除するだけだよ……」
- 228 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 16:49:14.27 ID:wRCopPn10
男「何を…やっている…!?」
人「分解じゃ。たまには部分ごとにわけて関節を点検して
やらんと、調子が悪くなるんじゃよ、この体」
男「日本人形というかサイボーグが言いそうなセリフ…!」
人「点検こそ面倒じゃが、霊力を使えば分離・合体そのものは
簡単なんじゃがな…ちと見せてやるから、刮目しろ」
ガシャッ ガシャッ ガシャッ シャキーン
男「ロボだこれ! 日本人形の皮をかぶったロボだこれ!」
人「さっきから『さいぼおぐ』だの『ろぼ』だのと、何を言っておるのじゃ」
- 229 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 16:51:54.12 ID:hz0CLklCO
男「うっわあぁあああ!!!人形の髪が伸びてるうぅう」
人「――煩いっ」
ばしん!
男「いでっ」
人「男がぎゃあぎゃあ抜かすでないわ!」
男「ぎゃああああ人形がしゃべ(ry
人「煩いっ」
男「ぎゃんっ」
人「我は250年行きこのうつしよを見てきた由緒正しき人形ぞ?魂も入れば喋りも動きもするわ」
男「(゚Д゚)」
男「そういう……ものスか」
人「当たり前じゃ。なんだ、額が無いのう」
- 230 名前:☆ゅのついでに [] 投稿日:2008/03/10(月) 17:17:56.35 ID:hn6q+N9w0
人形 (…いいなぁ、この人形たち。 私もこんな姿だったら……)
男 (お? 人形がPC見てる。 何に興味を示してるのやら…)
男 (どれどれ……って、オ○エント工業のHPだと?! )
男 「まて人形! その趣味はダメだ!
端から見る分にはむしろウェルカムだが、百合なんてお父さん許しませんよ! 」
人形 「違うわよ! こんな姿だったら、もっと男と触れあえるのに…って?
きゃあああぁぁぁぁーーーー! いやぁぁぁああああーーーー!
見ちゃダメえええぇぇぇえぇえええーーー! 」
ブン!! (キーボード)
グワシャッッッ!!!
男 「ぐぅぅ・・・・・ いい・・・ス・・イン・・・・グ・・・だ・・・・(ガクッ) ξ 」
人形 「(アウアウ…) 見られた! 聞かれた! 知られた! どうしよう…… (エグエグ…) 」
- 232 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 17:22:41.17 ID:wRCopPn10
人「男、何をやっておるのじゃ?」
男「うわあああ!?」
人「?」
男「な、な、なまま…なま…あわわわ…!」
人「生?」
男「生首がっ! 人形様の生首が浮いてるぅぅあああ!!」
人「無学な男に説明してやろう。霊力を使って全身を浮かすより、
首だけを空中浮遊させた方が疲れないであろう? 『省えね』
というやつじゃ。私は極めて合理的に判断して、この格好で
飛んでいるわけ。空はいいぞう、空は。重力から解放される」
男「心理的かつ視覚的に駄目! もう駄目! 見てられない!
そもそも非合理の塊である人形様が、『合理的』とか言わないで
くださいよっ!」
人「理屈っぽい奴じゃのう…世の中には必ずしも理(ことわり)では
割り切れない、理不尽なこともあるんじゃよ?」
男「自分で合理的うんぬんって言ってたくせに…!」
- 233 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 17:33:26.21 ID:hn6q+N9w0
(>>230 の続き)
人形 (どうしよどうしよ(ワタワタ…) 記憶操作ってどうやるのだったかしら?)
(いっそひと思いに息の根を… あ)
男 「…ぅ…ぅ……ぅう… いたたた・・・」
人形 「さ、さっきのは何でもないです。 男は多分幻覚を見て空耳を聞いt 」
男 「痛い…って、なんで俺は床に寝てるんだ?」
人形 「えとえと…… 部屋に入ってきていきなり転んで、机に角に頭をぶつけて… 」
男 「そか、気絶してたか。 驚かせてすまんかったな 」
人形 (記憶障害? もしかして助かった?)
「・・・よ、よかったあああぁぁぁ・・・・」
男 「お? 心配してくれたのか、ありがと」 (頭ワシワシ)
男 「ところで、さっきは何か取り繕おうとしていなかったか?」
人形 「(アウアウ ///) ・・え? さっき? き、気のせいですよ。 気・の・せ・い♪ 」
男 「そか」 (引き続き頭ワシワシ)
人形 「(アウアウ ///)」
- 234 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/03/10(月) 17:54:40.11 ID:wRCopPn10
人「ない…ない…ない…」
男「意味深な言葉を繰り返しながら首だけで飛ぶのはやめて
くださいよ。その姿を見るたびに夜眠れなくなる」
人「毎晩のように『ぱそこん』や『てれび』の前に座っているくせに、
眠れないとは、よく言うのぉ」
男「はいはい。…で、何がないんですか?」
人「体」
男「からだぁ!?」
人「なくしちゃった」
男「体ほど大事なものならなくさないはずだけど…」
人「大事なものでも、いつかは消えゆく。それが諸行無常」
男「また屁理屈ですか。一緒に探してあげますから、もう
なくすんじゃありませんよ?」
人「上から目線が気に食わない」
男「じゃあ探してあげない」
人「なっ!? も、もう『上から目線が気に食わない』なんて
言わない! 言わないから…頭を下げるから、お願い!」
男「頭だけの人形様が、頭を下げてる…」
〜 数分後 〜
男「何だ、ちゃぶ台の下に転がってたのか…大事な体を、こんな所に
置くなんて。…お〜い人形様ぁ、見つかりましたよ体ぁ」
人「あっ!? しばし待て! 今行くからぁ!!」
男「それにしても首のない人形とは面妖な…(手にとってまじまじと見る)」
人「あふぅ!? お、乙女の体を触るなぁ! 穴が空くほど見つめるなぁ!!」
男「別に見つめたって減るもんじゃないし…(つんつん突っつく)」
人「ひぁん…らめぇ…そ、そこはぁ…」
男「あれ? 生首と体ってつながってたの?」
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