■戻る■ 下へ
新ジャンル・濡れねずみ
379 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 22:51:54.37 ID:3oCNI1a10
 数学の授業中のこと。教師の声とノートに鉛筆を走らせる
音だけが教室に響く中で、ふと男は、女のほうに目をやった。
 珍しいこともあったものだ。もう午後だというのに、
女が濡れていないなどと。
 そういえば、昨日はひどいものだった。授業の退屈も手伝って、
ぼんやりと思い出す。たしか、体育の授業が終わった後に
冷水機で水を飲もうとしたら突然タンクが破裂して、ほどよく
冷えた水を全身に浴びたのだったか。
 ケガをしなかっただけ悪運はあったというものだが、あまりの
冷たさにぴーぴー泣いていたっけ。それを思い出し、喉の奥で
笑う。


383 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:02:22.48 ID:3oCNI1a10
>>379

 顔をにやけさせながら窓から校庭を眺めていると、隣の女の
方から、ポタッ、という音がした。
 この音も、もう聞き慣れたものだ。水滴が女の顔から教科書の
上に落ちる音。まったくこいつはいつもいつもびしょ濡れやがって、
少しは気をつけろってんだ――

男(……え?)

 今日はまだ、濡れていない。そのはずだったのに――
 女のほうを向く。と、確かに、その頬を水が流れ、顎を伝って
ポタ、とノートに落ちた。

男(いつの間に……?)

 たった今まで、そんなことはなかったのに。


384 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/09(木) 23:10:01.64 ID:lF+/M2al0
>>380
途中で何度か「気絶」を挟みながらやっときゃ何とかなるって本人は言ってた
まあでもやっぱりやらんほうがいいかもねw


385 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:17:45.74 ID:3oCNI1a10
>>383

 よく見ると、女の頬が妙に赤かった。どうやら息も荒いようだ。

男(汗……? まさか、な)

 一滴、また一滴。女の頬を流れる水滴は、減るどころか
むしろ増えていくように見えて――

男「どうか、したのか?」

 小声で尋ねる。

女「……ふえ? いいえぇ、べつになんでもないですよぉー……」

 かなり間伸びした声で、女。


386 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:23:33.35 ID:3oCNI1a10
>>385

男「なら、いいんだが」

 いつにも増してうすぼんやりした様子の女を横目で見ながら、
答える。
 断じて、『べつになんでもない』ようには見えない。その後も
それとなく女の様子を伺っていると。
 突然、女の頭がごとんっ、と机の上に落ちた。

男「おい!? ――あちっ!」

 机に突っ伏した女を起こそうとして伸ばした手を、あわてて
引っこめてしまう。

男「すげえ熱……! センセ、こいつ――」
先生「あ、ああ……保健室に連れて行ってやってくれ」


387 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:34:42.30 ID:3oCNI1a10
>>386

女「……うぅ……あれ?」
男「お。やっと起きやがった」
女「え……? ここ……保健室? なんで――」
男「気絶したコトもわかってねえのか……
  もう放課後だぜ」
女「え、う……なにコレ、あたまがぐらぐら……する」
男「カゼだカゼ! てめえ昨日あれだけ冷たい水を浴びて
  帰ったくせに、ちゃんとあったかくしなかったな?
  そんなんだから今こうやって――」
女「あうぅ……なに言ってるのかよくわかんない……
  あたま、いた、い」
男「〜〜〜〜っ! ああもう! しょーがねー女だなてめえは!」

 いつかはこうなるだろうと思っていたが……むしろ今まで
風邪を引かなかったことが、奇跡のようなものなのだろう。


388 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:42:09.73 ID:3oCNI1a10
そしてあまりの眠さに女を敬語にするのを忘れた。
風邪で頭が働いていないからということに
しておいてくれたのむ


389 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/09(木) 23:43:19.08 ID:vpQT8kbl0
(´・ω・`)知らんがな


390 :VIPがお送りします [] :2008/10/09(木) 23:51:19.04 ID:dAPLvlpQ0
>>388

女「……うぅ……あれ?」
男「お。やっと起きやがった」
女「え……? ここ……保健室? なんで――」
男「気絶したコトもわかってねえのか……
  もう放課後だぜ」
女「え、う……なんですかコレ、あたまがぐらぐら……します」
男「カゼだカゼ! てめえ昨日あれだけ冷たい水を浴びて
  帰ったくせに、ちゃんとあったかくしなかったな?
  そんなんだから今こうやって――」
女「あうぅ……なに言ってるのかよくわかりま…せん……
  あたま、いた、い」
男「〜〜〜〜っ! ああもう! しょーがねー女だなてめえは!」

 いつかはこうなるだろうと思っていたが……むしろ今まで
風邪を引かなかったことが、奇跡のようなものなのだろう。



こんなかんじですかわかりませんさーせん



392 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:03:05.31 ID:lf7zIy5h0
>>388

男「ったく……! 今日はもうしかたねえから、次からは
  ちゃんと気をつけろよ?
  で、もうすぐ下校時刻だから帰らねえと」
女「ん……」
男「歩けるか?」
女「うぅー……」
男「無理か……親御さんに迎えに来てもらうか……?」
女「それは……ちょっと。うちの親……友働き、ですから」
男「家にいねえのか。となると……」

 保健室の先生にこれからのことを相談しようとすると、

女「あ、あのあの」

女が声をかけてきた。


393 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:04:03.61 ID:lf7zIy5h0
>>390
そんなかんじですありがとうございますさーせん


394 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:16:56.13 ID:lf7zIy5h0
>>392

女「あの、その」

 出た。やっかいごとの兆候。男は少し身構えると、

男「どうかしたのか?」
女「え、と……男くんが、送ってくれませんか……?」
男「……っ」

 多少覚悟はしていたが。
 実際にそう言われると、困ってしまう。

男「そうは言ってもな。正直ちゃんと送り届けるまで
  責任持てねえよ」
女「おねがい、します……家も同じ方向ですし……
  その、心強いです、から」


395 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:23:33.93 ID:RmKpyW+TO
がんばれ!がんばれ!


396 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:38:16.29 ID:lf7zIy5h0
>>394

 潤んだ瞳は、単に熱に浮かされているせいでそうなっている
だけだ。そうとわかっていても、その瞳に抗うことができなか
った。保健教師に事情を説明し、気をつけて帰るようにね、と
いう言葉を背中に受けて、ふたりは保健室を出た。

 ふたり並んで、家への道を歩く。女の足取りはおぼつかない。
ふらりふらりと左右に揺れる身体を、なんとか前へと進めていく。

男「おいホントに大丈夫か? 何ならタクシーつかまえても――」
女「だいじょうぶ、です。お金の無駄です」
男「無駄じゃねえ。おまえの身体の問題だろ」
女「それに……つまんない、じゃないですか」
男「……はあ?」

 つまるとかつまらんとかそういう話をしていたわけではない
ような気もするが、大丈夫だと言うなら大丈夫なのだろう。
今はそう思っておくことにする。


397 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:46:12.55 ID:lf7zIy5h0
>>396

 ともかく、まっすぐ歩けないのは非常にまずい。
なんといっても、こいつは人魚とまで呼ばれた女だ。
いつふらふらと川に飛び込むかわかったものでは――

男「うおおあ!? だから危ねえって!」

 いつぞやの用水路に向かって傾いていく彼女の手を、
あわててつかむ。そしてそのまま、しっかりと握りしめた。
 女も、その手を握り返してくる。
 よしそれでいいんだと満足するが、これがいわゆる「手を
つないでいる」状態だと気づくのに、数分かかった。


398 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 00:54:15.63 ID:lf7zIy5h0
>>397

 なぜか気恥ずかしくて、女の顔が見られない。
 握りしめた女の手がとても熱い。車が近づいていないか
確認するふりをして女の顔を盗み見ると、どういうわけだか
妙に楽しそうだった。

男(えらく余裕ありげじゃねえか……ひとりで帰れるんじゃ
  ねえのか?)


399 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:00:45.90 ID:lf7zIy5h0
>>399

 と思っていたのも束の間のこと、

女「……ふ、う」

突然、女が電池でも切れたかのようにその場にすとん、と
座り込んだ。

男「お、おい!?」
女「……へ? あれ?」

 きょとんとした顔で、再び立ち上がろうとする。

男(また、意識飛んだのか? しかも本人気づいて
  ねえって――ヤバいんじゃねえのか)
男「待て、立つな」

 立とうとする女を押しとどめる。


400 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:09:29.16 ID:lf7zIy5h0
>>399

男「タクシーをつかまえてくる。ちょっと待ってろ」
女「ええ!?」
男「不満そうだなてめえは。立ってるのもつらいくせに」
女「大通りまで、行くんですか?」
男「でないとタクシーなんていねえだろ」
女「……うぅー。ひとりにしないでくださいー……」
男「無茶言うな。ちょっとだけだ、待ってろ」
女「無理ですぅー。ほっとかれたらこのまま野垂れ死に
  ますぅー。カラスにつつかれて死んじゃいますぅー。
  化けて出ますよ」
男「……ああもう! めんどくせえなてめえは!
  他にどうしろってんだ!」

 思わずわめく。それを聞いた女がしばらくむー、と
考え込んでから言ったその一言に、男は耳を疑った。

女「……おぶってってください」


401 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:12:59.43 ID:lf7zIy5h0
>>400

男「……本気かてめえ」
女「……3割くらい?」
男「残りの7割は?」
女「野垂れ死ぬ確率です」
男「このアマっ……」


402 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 01:19:01.32 ID:6MPX08ir0
>>394
ずれるかもしれないけど、モニターに向かって甲を上にして右手を差し出しつつ開くと
ほんの少しいい事あるかもしれない

http://vipmomizi.jog.buttobi.net/cgi-bin/vestri/src/vestri59043.jpg


403 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 01:20:38.26 ID:BtsBDtE00
(;´Д`)ハァハァ


404 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 01:25:10.99 ID:lf7zIy5h0
>>402
みてるひといないみたいだからそろそろねようかとおもってたのにー

ハァハァ


405 :1 ◆3NdPL.cAVU [sage] :2008/10/10(金) 01:26:06.87 ID:lf7zIy5h0
そういやIDかわったんだった


407 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:34:37.20 ID:lf7zIy5h0
 で、結局女をおぶって歩くことになった男。
 背中に女、右手に自分の鞄、左手に女の鞄と、
かなり無理のある体勢だが、不思議とつらくは
なかった。

男「……ったく、てめえがこんなワガママ娘だった
  とはな」
女「……いーじゃ、ないですか。こういう時くらい……
  甘やかして、くれても」
男「てめえなあ……」

 ぽつりぽつりと言葉を交わす、そのうちに。

男「――――じゃねえのか?」
女「…………」
男「ん? おい女?
  寝ちまったのか……」


409 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:52:51.33 ID:lf7zIy5h0
>>407

 女の吐く熱い呼気が、規則的に首筋をくすぐっていく。
どうやら、本当に寝てしまったらしい。
 寝る子は重い。そうは言うものの。

男(なんだコイツ……軽いな。ちゃんと食ってんのか?)

 夕闇に包まれた道をゆっくりと歩きながら、
胸のうちだけでぼやいた。

男(まあ、こいつも『女』だしなあ……これでも)

 おそらくは40キロそこそこしかないであろうことを
考えれば、これくらいはさして苦にもならない。


410 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:53:42.47 ID:lf7zIy5h0
>>409

 こいつも『女』だしなあ……これでも。
 そう思った瞬間。
 男は、女が少女であるということをはっきりと
認識してしまう。

男「…………っ!」

 そうなると、たった今までとくに気にもならなかった
女の息を、痛いほどに意識してしまった。
 熱のせいで、女の全身が汗で濡れている。そのにおいが、
ふわりと男の鼻に届く。決して不快ではない、男性のもの
とは明らかに違う、そう、言葉では表現できない、甘やかな
香り。
 そして、背中に当たるやわらかな感触。

男(……なんだこれ……頭が、くらくら、する)

 そのすべてが、男の冷静な部分を少しずつ奪い去っていく。
身体が熱くなってゆく。

男(風邪……うつされちまったかな)

 きっとそうだ。ああそうだ。そうに違いない……


411 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 01:56:27.25 ID:3dO40dUvO
はてさて朝まで持つだろうか?


412 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 02:01:53.16 ID:lf7zIy5h0
なんだこの文章。読み返すと超いてえ。
このまま続けても黒歴史化しそうだから、
ちょっと頭冷やしてくる。


413 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 02:04:05.87 ID:JFcWi662O
なんだと


414 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 02:09:19.21 ID:QgjcJ6N00
気にしなくても中盤以降、完全にそういう路線に行っちゃってるから
いまさら心配しても手遅れだよ


415 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 02:36:30.46 ID:0FMxlfEaO
やっぱり朝まではもたなかったなw
保守


416 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 03:06:11.81 ID:/fOVmniD0
>>1もかなり無理してたみたいだしな
だが中途半端すぐる続けろ支援


418 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 03:40:41.81 ID:QgjcJ6N00
>>22
一番このスレに近いのは新ジャンル「水浴び」だな


420 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 03:50:26.11 ID:p9sjMjGt0
新ジャンル「水難の相」


421 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 04:02:04.96 ID:/fOVmniD0
>>418
好きこのんで濡れるかそうでないかが決定的に違うような気が

>>420
ぐぐっても見つからなかったkwsk


422 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 04:16:10.70 ID:QgjcJ6N00
だから「近いのは」だよ


428 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 05:49:21.82 ID:IwMnUEP/O
しかし男は女の家知ってるのか?

家知らない→仕方ない俺の家
に少し期待


440 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 13:00:39.52 ID:2fNi5ANVO
ついに新ジャンルはここだけか…


441 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 13:31:59.92 ID:o7EQxSqSO
いまいちこの新ジャンルが良く分からない


442 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 13:53:21.45 ID:j/KUdjHY0
地の文あるからギャルゲじゃね
いずれエロゲ化すると信じてる


448 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 16:44:47.81 ID:qDiS4HPq0
保守

ついでに漏れは>>379以降より
それ以前の路線のほうが好きだ


452 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 17:31:04.14 ID:/fOVmniD0
良スレなんだが、ここ見て新ジャンル「春風」の1が
やる気を喪失したらしい
ここの1の功罪はでかいな

保守


455 :VIPがお送りします [sage] :2008/10/10(金) 18:03:35.40 ID:dIwcjGrF0
>>452
なんのこっちゃ


456 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:17:20.82 ID:RmKpyW+TO
>>452
なんでそうなるんだ???

もともとやる気なかっただけじゃねぇのそれ?


457 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:24:58.62 ID:lf7zIy5h0
今北産業


458 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:31:06.83 ID:lf7zIy5h0
>>457

>>1寝落ち
保守
このスレ不評
そもそも産業するほど人いない
>>1が来た


460 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:39:44.06 ID:0FMxlfEaO
貴様はwまたww
しかも産業じゃねえw


461 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:40:07.38 ID:lf7zIy5h0
おおむね把握した。

保守してくれたみんな、毎度毎度ありがとう。
最初はここまで伸びるとは思ってなかったけど、
何がどうなるかわからんのがvipだな。
三日ルールで落ちるまであと7時間くらいしかないけど、
それまでつきあってくれたら幸い。


463 :VIPがお送りします [] :2008/10/10(金) 18:45:59.58 ID:lf7zIy5h0
>>428
...orz
これで別の展開を考えねばならなくなった…

>>441
すまんよ
なんかいっつも濡れてる女の子がいるなあっていう
それだけのジャンルなんだ
濡れるまで、また濡れてからのエピソードを
ぐだぐだと書き並べる、それだけの。

>>448
わかってた。わかってたんだよ
あんまり不評なら続き書かずに次に進む

>>452
35 :VIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:17:24.58 ID:rRfeGH3YO
「濡れ鼠と比較したら泣きたくなりました―とりあえず第一部完にします。とりあえず60歳まで書こうと思ったけど無理だった―」

これのことか?そいつは過大評価ってもんなんだぜ

>>459-460
正直すまんかった。むしゃくしゃしてやった。
今は反省している



次へ 戻る 上へ