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わっ、私のお墓の前で泣かないでよねッ!
- 1 名前:VIPがお送りします。 []
投稿日:2007/08/03(金) 19:13:23.65 ID:a7Rnn6X20
女「なっ、何でそんな湿っぽい顔してるのよ!普段の能天気なバカ面はどうしたのよ。
私のお墓の前で勝手にメソメソしないでよッ!
わ、・・・こ、こら!何本気で泣いてるのよ!
ここに私は居ないんだからね!もう私はここには居ない・・・のに・・・・、
泣かないで・・・ってばぁ・・・・、・・・ばか。」
- 5 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:15:23.36 ID:vnvUBXV+0
>>1
千の風乙
- 6 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:20:21.71 ID:a7Rnn6X20
男「女さん、もう納骨から三日間経つけどさ、まだ女さんが僕の側に居るような気がするんだよ。
実は、ここんとこあまり眠れてなくて・・・。あっ、だけど、昨日は4時間くらい寝れたよ?
今日も真っ先にここへ来たし、・・・睡眠不足とかは別にどうでもいいんだ。
・・・僕、あまり寂しいとは思って無いんだよ。
だって、今だって毎日、女さんとお話出来てるんだから・・・」
女(一人でお墓に向かってブツブツ喋らないでよ。怪しまれるじゃない・・・。)
- 7 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:22:35.33 ID:BJtmcHK/0
I am a thousand winds that blow
- 8 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:26:23.69 ID:a7Rnn6X20
男「おはよう!女さん。今日もいい天気だね。」
女(うわ、もう一週間もお墓へ通い詰め、皆勤賞・・・)
男「今日は駅前で出てたたこ焼きがとても美味しそうだったから、買ってきたよ。
はい、女さんの分。熱いから気をつけてね。・・・じゃあ、お先に。
・・・・・ッ!あちちちッ!ッちちちちちくぁwせfrftgyふじk」
女(お供え物なら素直にお供えしてよね・・・)
- 10 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:33:34.89 ID:a7Rnn6X20
女(今日はどしゃ降りの大雨・・・。さすがに今日ばかりは男も来な)
男「女さ・・・ん、オハヨウ。」
女(・・・ゲェッ!)
男「今日はちょっと雨が強いね。大丈夫?濡れてないかな?」
女(いやいやいや、お墓は普通に濡れてるし、というか先に自分の心配をs)
男「ほら、今日は今川焼きが美味しそうだったから、・・・冷めてないと思うけど。」
女(今にも傘が捲れそうだし。・・・とっとと帰りなさ)
男「じゃあ、お先に頂きます。・・・あーもう、レインコートの裾が邪魔で・・・」
女(一度居座ると夜更けまでここに居るのよね・・・)
- 11 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:39:27.21 ID:a7Rnn6X20
女(あち〜〜〜〜〜ッ。人魂が暑いって言ってるんだから、今日は本当にクソ暑いわけで・・・)
男「おはよう、女さん」
女(あ、来た)
男「暑いね・・・。今日はアイスクリームを買ってきたよ。たしか女さんはブドウ味が好きだったよね。
はい、ここに置いとくね。じゃあ、僕はお先n・・・
・・・うわあちちちちちちちちくぁlsd;fくえrjf」
女(ばか、墓石に触っちゃって勝手に火傷してる・・・)
男「ちちちちっ、ちっ。ゆ、油断大敵だったね」
女(男・・・)
男「じゃあ、お先にね。ぁむっ・・・」
女(この時間は学校のはずなのに・・・)
- 12 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:47:25.80 ID:a7Rnn6X20
女(・・・、今日は男、遅いな)
長身女(あら、今日は彼、遅いじゃない)
女(うわぁぁぁぁぁっ!・・・ななっ、何ですか急に!)
長身女(嫌だ、ちょっと大袈裟に驚きすぎだってばー。ここの墓地ではよく私のこと見かけるでしょ?)
女(でっ、でも、まさか話しかけられるなんて・・・)
長身女(お互いでは話せないと思ってた?同じ穴のムジナよ。
他にも何人か見かけてるでしょ?昇天しないで残ってる人、けっこう居るのよね)
女(あ・・・)
長身女(いいなー。死んだ後も想ってくれてる人が居るなんて。
なかなか一途じゃないの、彼。ちょっと羨ましいよ)
女(そっ、そんな!むしろ毎日お墓の前に居座られて、こっちはいい迷惑ですよッ!
あいつ、学校の時間もいつもあそこに居て・・・)
長身女(何で、昇天する人としない人が居るのか、分かる?)
女(・・・・・)
長身女(・・・あたしもね、まだ未練があるみたいなんだ。現世【ここ】に。)
- 14 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:50:44.47 ID:N6QcCmKQO
目から汁が
- 15 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 19:55:02.07 ID:a7Rnn6X20
男「今日は遅れちゃってごめんね。心配しちゃったよね?
うん、ちょっとね、家から出るときに戸惑っちゃって・・・。
あっ!今日はさ、変わった奴を買ってきた。えーとね、沖縄フェアをやっててさ、
・・・・・・さー、・・・さーた、さぁたあんだ、ぎぃ?・・・かな。
はい、袋の残りは女さんの分。僕はこれだけでいいや。あとは女さんにあげるね。
・・・あ、美味しいね、これ!」
女(ただの・・・)
男「あー、美味しいけど、なんか、あんまり特別な味でもない気がする、ね。へへ。」
女(ただの・・・、クラスメイト、だったんだけどな・・・)
- 16 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:04:32.30 ID:a7Rnn6X20
男「今日も暑っついねー。」
女(ん・・・)
男「もう立ってられないや。・・・日陰なら墓石で火傷はしない、っと。・・・どっこいしょ。」
女(お、お墓に背中付けるなよ・・・)
男「・・・母さんがさ、おかしな事言うんだよ」
女(ひ、人の話を聞けよ!)
男「お墓に行ったところでもう仕方が無いよって。もう女さんはこの世に居ないんだよって。
・・・女さんは今もここに居るのにね。ヘンなこと言う母さんですよ・・・」
女(人の話・・・、聞けってば・・・・)
- 17 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:05:41.28 ID:uSBG+Fcf0
人魂さんに萌え
- 18 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:15:10.97 ID:a7Rnn6X20
□駅前にて
男「えーっと、女さんとこへは210円、っと」
眼鏡「あっ!あのぉ・・・、・・・男、くん・・・!」
男「・・・!あ、眼鏡さん。どうしたの?こんな所で。奇遇だね。告別式以来かな?」
眼鏡「いや、アノ・・・/////。男くん、ここんとこ学校来ないし・・・、みんな、心配してる、です、よ?」
男「あ、気にしてくれてたの?大丈夫だよ。僕全然元気だし。そのうち学校へも顔出すよ」
眼鏡「ぁ・・・、だったら・・・、えっと、いいのです、けど・・・」
男「うん、じゃあ、僕、電車の時間もそろそろだから。
眼鏡さんはどっち行き?」
眼鏡「ぇ、あ、その、・・・・いいんです!」タタタタタタタタタタタ
男「あれ?電車乗らないの、か。なんだったんだろ・・・」
- 20 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:25:40.54 ID:a7Rnn6X20
男「それじゃ、そろそろ晩御飯に帰らなきゃ。・・・もうこんな時間なんだね。
じゃあね。また明日も来るからね。今日もありがとー」
スタスタスタスタ・・・
女(行っちゃった・・・。さて、私もそろそろ)
長身女(もう一ヶ月くらい経つじゃない?)
女(う、うわわわわぁっ!長身さん!おっ、驚かせないでクダサイよ・・・。)
長身女(ふふっ、悪い悪い。しっかし彼、本当に毎日通ってくるわね〜。
こーんな時代に、今時あんな子が居るなんてねー。)
女(わぁったしは本気で心配してるンですよ!あいつ、学校行ってないし
お墓の前で延々と独り言だし。はたから見れば変人じゃん!
もう、将来普通に生きてけるのかとか、そんなことを毎日・・・)
長身女(あなたたち、・・・こっちへ移る前までは付き合ってたの?)
女(!!!つぅっ、付き合ってなんかないです!本当です!ホンットにただの顔見知りで・・・)
長身女(そう、応えてあげられなかったんだ、生きてる内は。)
女(・・・・・!)
長身女(応えてあげられないまま、こっちへ来ちゃったんだ。・・・寂しいね、男くん)
女(・・・・・・)
- 21 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:35:16.44 ID:a7Rnn6X20
女(来ないな、今日は・・・)
女(どうしたのかな・・・)
女(あー、太陽が真上だなー・・・)
女(今さら、暑いとか何とか、どーしょーも無いけど)
女(・・・)
女(ん・・・)
女(来ないなー)
女(家から出して貰えないのかな・・・)
女(それとも、事故か何か・・・)
女(・・・)
女(ッ・・・)
女(いや・・・だ・・・。本当に、来ない、じゃない・・・)
女(電車、止まってる、の、かなぁ・・・)
- 24 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:41:18.55 ID:XgifjBlO0
ハッピーエンドを期待してます
- 26 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:45:22.92 ID:a7Rnn6X20
男「ごーっめん!女さん、昨日は本当にごめんね。
僕は来たかったんだよ?来たかったんだけど、・・・ゴメン!心配させちゃったよね?
お詫びじゃないけど、ほら、・・・コスモス!駅前の花屋で買ってきたんだ。
ここに活けとくね。うん。昨日はごめん、本当・・・。
でも、また今日から来るからね。寂しくさせないからね。ごめん・・・」
女(・・・)
男「昨日さ、親に無理矢理・・・、いや、僕は抵抗したよ?精一杯逃げようとはしたけど、
でも無理矢理・・・、うん。そのままさ、何とかクリニックって、ところ。
なんか、精神科みたいなとこへ連れてかれたんだ。」
女(・・・!)
- 27 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 20:52:00.99 ID:a7Rnn6X20
男「あっ、でも僕、変って言われたわけじゃないよ?それにね、先生もとても優しかったんだ。
すごくいい人だったよ、先生。で、その先生にね、いくつか質問されたんだ、色々・・・」
女(・・・ばか、ばか、ばかばか・・・)
男「それだけだよ?うん、それだけ。別に僕が病気だとか言われたわけじゃなかった。
ただ、今日は休みなさいって。一日くらい休んでも女さんを裏切ることにはならないよ、って。
その時、僕はやけに冷静でさ。『はい』って言っちゃったんだ。
あとはそのまま家で、ずっと寝てた。・・・本当にゴメン!寝ちゃったんだよ。ぐっすりと!
・・・あの時からずーっと、ろくに寝れてなかったのに、さ・・・」
女(男の顔色・・・、普段より良い気がする・・・)
- 31 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:02:30.69 ID:a7Rnn6X20
男「もう、あと少しで夏休みですよ!女さん、夏休みはどっか行く予定、あるの?」
女(・・・って、どこへも行けるか!)
男「僕は特に予定無いなー。女さんと話せてれば別にいいや」
女(・・・・・。)
男「あっ!・・・こないだのコスモス、枯れてきちゃったね。明日また買ってくるよ」
女(男・・・)
男「暑いね。少々水汲んでくるよ!女さんも暑いでしょ?じゃ、ちょっと行ってくるね」
トコトコトコトコ
女(いつまで・・・、こうしてくれるのかな・・・・・)
- 32 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:02:46.40 ID:Tg4tpaEPO
今年はちゃんと墓参りに行かなくちゃな…
- 34 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:06:21.88 ID:vfHrqb100
もし墓がそんな感じだったら俺のうちの墓は爺さん婆さんがいっぱいで逆に鬱陶しいな。
爺A「お前の孫は頭悪そうじゃのう」
爺B「てめーのひ孫じゃボケ」
とか言ってるんだろうか。
- 35 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:11:08.01 ID:pzDePUe60
>>34
吹いた
- 36 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:11:54.36 ID:a7Rnn6X20
男「女さん、・・・ちょっと、その、あらかじめ謝らなきゃいけないこと、が・・・」
女(って、下向くな、下!萎れて見えるよ・・・)
男「明日ね、またクリニックへ行く事になったんだ。様子をチェックするんだって。
あの先生も、ぜひ見たいって。・・・ほっ、ほら!ずーっとここんとこ親にワガママ言いっぱなしだし、
その人も只のオジサンみたいな先生なんだけど、わざわざまた僕の事見たいって仰ってるって言うし、
こっ、断れないだろ?だから・・・明日だけ。ごめん。あさっては絶対に来るね」
女(クリニック、か・・・)
女(私のせい、なのかな・・・)
- 40 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:22:01.69 ID:a7Rnn6X20
ジーーーージーーーージーーーー
女(・・・・・・、ふああああぁっ・・・)
女(夏だな・・・)
ジーーーージーーーージーーーー
女(今頃、男はクリニックか・・・)
女(暇だな・・・)
ジーーーージーーーージーーーー
ジーーーージーーーージーーーー
女(・・・・、ッああっ、もう・・・)
女(わすれろ!アイツのことは一度忘れろ!)
女(・・・ったく・・・)
ジーーーージーーーージーーーー
ジーーーージーーーージーーーー
女(今日だけだって分かってても、心細い・・・んだなぁ、案外・・・)
- 41 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:23:28.41 ID:uyAQmUD8O
いいね
なんか泣きそうになる
- 43 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:33:33.33 ID:a7Rnn6X20
長身女(あら、今日は彼、来て無いじゃない)
女(あ、長身さん。アイツはちょっと用事があるらしい、です)
長身女(あらかじめ断ってったんだ、ふふっ、くそ律儀だなー)
女(馬鹿にしてます?)
長身女(・・・へー、怒るんだ?ちゃんと)
女(とっ・・・、当然、です・・・)
長身女(・・・そっか)
女(・・・何ですか?)
長身女(私の、はね。いつも仕事仕事、仕事ばっかりで、私のことは二の次だった。
納骨以来、一度もお墓参りなんて来てないのよ?
私が居なくなった今だって、きっと仕事に夢中なのね。・・・ほんっと、駄目だよね。
何で彼は私を愛したのか、・・・なん、っで、私はアイツを好きだったのか・・・
今でもなんだか、・・・分からないままになっちゃった。
ここで待ってるのも、もう意味無いって分かってるけど、でも・・・
もしかしたら、もう一度だけ・・・って、つい、いつも考えちゃうのよね)
女(・・・・)
長身女(今の女ちゃんが幸せかどうかは分からないけど、でも私は、ちょっと、いいな、って思うよ、あなたのこと)
- 45 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:36:52.42 ID:Z4AwNght0
失ってからじゃないと気づけないなんて…
- 46 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:41:23.46 ID:uyAQmUD8O
医者「あと3ヶ月の命です」
- 47 名前:次までは少し間隔が空くかもしれません・・・ [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:43:02.71 ID:a7Rnn6X20
男(昨日は色んなこと言われたな・・・、先生に)
男(訳わかんないことも沢山喋ってた・・・)
男(でも別にっ、行くなって言われたわけじゃないし・・・)
男(それにむしろ、行くべきだって仰ってたし・・・)
男(だからいいんだ、今日も女さんに会いに行っていいんだ・・・)
男(うん、大丈夫、大丈夫・・・)
男(・・・・・えっと、210円、っと)
眼鏡「男さんっ!」
男「う、わぁぁぁっ!」
眼鏡「あッ・・・、驚かせてしまいましたか?ごっ、ごめんなさい・・・」
男「あ、眼鏡さん・・・、ど、どうした、の?」
眼鏡「こっ、これぇっ!」ビシッ!
男「え?この小包、・・・何?」
眼鏡「ここここっこれれは、お、お、おおお女ちゃんにとととと届けて欲しいんでででですっ・・・」
男「・・・あ、これ、女ちゃんへ?」
眼鏡「おおおおおおおお願いしますぅっ!」
男「・・・うん、それくらいなら、分かっt」ガサッ、パシッタタタタタタタタッ
男「って、行っちゃった・・・」
- 48 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:43:56.14 ID:Z4AwNght0
思わぬライバル?の登場
- 51 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:52:45.45 ID:uyAQmUD8O
死んだ女なのにライバルかよwwwwwどんだけーwwwww
- 52 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:54:33.67 ID:a7Rnn6X20
男「おはよ、女さんっ。昨日はごめんね。おととい忘れてたコスモス、買ってきたよ」ガサッ
女(くそ律儀、ね・・・)
男「あと、・・・これ、眼鏡さんから。今日駅で会ったんだよ」
女(・・・え、眼鏡ちゃんが?)
男「女さんに渡してって。・・・女さんと眼鏡さん、けっこう仲良かったしね。
中身はまだ見て無いけど・・・あっ、開けて見よっか。うん、ちょっと待ってて」
ビリビリビリ
男「おー、なんか美味しそうな饅頭だ。・・・カードが入ってるよ、
『二人で食べて下さい』だってさ。じゃあ、お言葉に甘えまして・・・」
女(眼鏡ちゃん、・・・どして?)
- 53 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 21:55:14.05 ID:Z4AwNght0
ライバルじゃなかった…疑ってごめん眼鏡
- 58 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:02:08.11 ID:di641k2t0
どういうことだ眼鏡
同じ眼鏡の俺にだけ教えてくれ
- 59 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:03:57.95 ID:HJbVCCG40
>>58
ようするにな・・・多分メガネは墓参りに行きづらかったんだよ何らかの理由で
そこで男君が墓参りに行っていることを知って、渡したんだよ多分・・・
- 60 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:04:18.31 ID:uyAQmUD8O
(◎-◎;)ゴクリ
- 61 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:04:19.74 ID:a7Rnn6X20
男「そうそう、クリニックの先生にさ、なんか言われたよ。いろいろ」
女(・・・・)
男「でもね。お墓へ行くなとは一度も言わなかったの。むしろ無理矢理止めちゃいけませんって、母さんに言ってた」
女(ふーん・・・)
男「なんかね、今は男くんにとっての整理期間というか、空白を埋めるための時期なんだ、って。
一種の退行現象が起きても、今を乗り越えるために必要なステップだから、そっとしてあげて下さい、って」
女(あ・・・)
男「何かよく分からないけど、でも、お墓へ来ていいって分かったからホッとしたですよ」
女(乗り越え・・・ちゃう、んだ。私のこと・・・)
- 66 名前:なんかみんな、御免なさい・・・。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:11:52.88 ID:a7Rnn6X20
女(今日もクリニックだから来ないのか、男・・・。夏休み入ってから回数多くなったよな・・・)
眼鏡「男、くん・・・?」
女(・・・眼鏡ちゃん!何でここに・・・ってか男を捜してるの?)
眼鏡「居ないのかな・・・、ん・・・」
女(しゃがみこんじゃったし・・・)
眼鏡「・・・・・・」
女(け、けっこう、可愛いんだな。この私服の眼鏡ちゃん・・・)
眼鏡「・・・女ちゃん、そっちはどうですか?」
女(ぁ、私に、だ)
眼鏡「・・・毎日、男くんが来てくれてるんだよね?じゃあ、寂しくはないよね。
女ちゃん、幸せものだよ。
こんなのきっと、女ちゃんだけだよ。
・・・いいな、ずうっと男くんに、そうやって、恋をされてるって」
女(眼鏡ちゃん・・・)
- 75 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:18:37.46 ID:di641k2t0
そろそろ女のツンデレぶりが発揮されて…
女(男!いい加減死んじゃった私なんか忘れてよ!毎日こられるこっちは迷惑なの!
こんなとこ来ないで早く現実みなさいよばかぁ!)
なんてセリフ…
wktk
- 76 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:18:40.85 ID:a7Rnn6X20
女(日が暮れたな・・・)
眼鏡「・・・・・・」
女(眼鏡ちゃん、ずっと動かないし・・・)
眼鏡「・・・・」クンッ
女(あ、立ち上がった)
タタタタタタタタッ
女(見えなくなっちゃった。
・・・・また、男に会いに来るのかな・・・)
カーーナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ・・・・・
女(・・・私、は・・・)
カーーナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ・・・・・
女(どうしたい、ん、だろ・・・)
- 79 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:22:34.37 ID:CU6YpNu7O
なんというツンデ霊
- 83 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:25:58.55 ID:PSgx2+jx0
わっ、私のお墓の前で泣かないでよねッ!
わ、私はソコにいないんだからッ! 眠ってなんかいないんだからねッ!
千の風に… 千の風になって!
あの大きな空を
吹きわたっているの…
- 84 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:26:42.62 ID:a7Rnn6X20
ジーーーージーーーージーーーー
男「そういえばさ、憶えてる?女さん。女さんが転校して来てすぐの時の、遠足」
女(あー、そんなこともあったな・・・)
男「あまり周りと馴染めなくて、女さんが最後尾で先生とふたりで歩いてて。
で、僕は最初頑張りすぎちゃってダウンしてさ。休憩所で最後尾に合流したんだよね」
女(・・・・そうだ)
男「僕も女さんも黙々と歩いてたらさ、女さんがずっこけちゃって、膝小僧を擦りむいて。
僕はその時保健係だったから、救急箱を列の中段にいる先生んとこまで走って取りに行って、
そしたらさぁ、・・・僕も馬鹿だよ、女ちゃんの目の前で、・・・慌ててたんだよね、
あと一歩のところで足元を木の根っこに掬われて、ズッこけちゃって。けが人が二人!」
女(あの時・・・)
男「そしたらさ、初めて女さんが笑ったんだよね。今でも思い出せるよ、僕。あの時の女さん。
先生と、僕と、女さんで列抜けて、水飲み場で傷口を洗って、そうそう!その周りが花畑で・・・」
女(あの時のこと・・・)
男「それから、少し話せるようになったんだよね。女さん。
なんか明るくなったし、クラスの人とも混じれるようになって・・・」
女(あの時のことを、まだ私、男にお礼を言えてないな・・・)
- 86 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:29:47.42 ID:hxWennjfO
やっと追い付いた
男・・・死ぬなよ
- 90 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:34:45.41 ID:a7Rnn6X20
女(私はどうしたいのかな・・・)
女(男、一向に私の元を離れないし・・・)
女(私は男に、どうしてほしいんだろう?もしかしたら、一生このままd)
女(って、ばかばかばか!そんなのダメだ。男の人生だって、メチャメチャにする権利も私には・・・)
女(じゃあいつかは離れるのかな?私が突き放さないといけないのかな・・・)
女(って、ここからじゃそんな事、出来やしないし・・・)
女(そんな事しなくても、男は自然に離れるよね、私から)
女(男のクリニックの先生もそう言ってたし、いつかは忘れてくれるよね、私のこと)
女(ま、忘れてもらったって別に、いいけど)
女(男ぐらいになら、忘れてもらったって・・・)
女(・・・・)
女(・・・・・・グスッ)
女(嫌だよ、私、ひとりぼっちになっちゃうの?孤独に、なっちゃうの?
そのまま永遠に、誰とも会えない、誰も気にかけてくれない、・・・やがては消えていってしまうの?
死ぬって、そういうことなの?・・・寂しいよ・・・、怖いよ・・・)
長身女(・・・・・・・)
- 93 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/08/03(金) 22:36:58.51 ID:Z4AwNght0
忘れられたいと願うけども想われることが存在を許される唯一の条件
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