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猫「寒い」
1 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:30:30 ID:eiLbgLRM
男「いやいや、その前に猫→人間へのジョブチェンジについてご主人様たる俺に何か言うことはないのか。寝る前は確かに猫だったように思えるのだが」

猫「寝てる間にオマエが毛を剃ったのか。何をする」

男「剃ってねえ。人は猫みたいに全身にぼーぼー毛が生えないのです」

猫「くちゅっ。……寒い」

男「そりゃ裸だからね。素っ裸だからね。柔肌が眩しいね。おっぱいが素晴らしいね。貧乳が喜ばしいね!」

猫「んー。寒い」モソモソ

男「そして当然の顔で俺の布団の中へ。結果、柔肌が俺の、俺の体に触れてあああああ」

猫「うるさい」ペシペシ

男「ぶべらはべら」


2 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:32:11 ID:eiLbgLRM
男「いつまでも見ていたくはあったが、俺の精神衛生上よろしくないので、とりあえず手近にあった服を着せた」

猫「……服は嫌いだけど、これはオマエの匂いがするし、我慢してやる」

男「これは嬉しいことを。それはそうと、なんで人に」

猫「…………」ジーッ

男「無視しないで。こっちを見て。ていうかどこを見てる」

猫「…………」ジーッ

男「いや、だから何を壁をじーっと……え、猫時代にもやっていたアレか。アレなのか。ということは」

猫「今日も壁からおっさんが半分だけ顔出してるけど、あれはなんだ」

男「やっぱり心霊現象か。道理でやけに家賃が安いハズだ。霊感がなくて助かった」

猫「なんで悲しそうな顔してるんだ。……まあいいや。眠い」

男「そしてもう飽きてる。実に猫らしい。ああいや、らしいではなく、実際に猫か」


3 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:33:58 ID:eiLbgLRM
猫「今日はなんかいつもより寒い。これも全部寝てる間にオマエが私の毛を剃ったからだ。なんでそういうつまらんことをする」ジローッ

男「だから、違うっての。理由は知らんが、人間になっちゃったからだっての。ていうかそもそもお前は本当にうちの猫なのか?」

猫「ん、腹減った。ごはん。ごはんー」ウロウロ

男「また話を聞いてねえ。勝手に鍵を開けて上がり込んできた家出してきた少女の可能性も否めないが、まあいいや、うちの猫が奇跡進化を遂げて人になったってことにしよう」

猫「あ! カリカリがない! どゆことだ!」

男「あー。まだ用意してなかったっけ。ていうか人型になってるが、猫飯でいいのか?」

猫「早く出せ。めしを出せ。早くしろ」ペシペシ

男「叩くな。分かった、用意するよ」

猫「早くしろ」ペシペシ

男「人の尻を叩くな」


4 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:34:42 ID:eiLbgLRM
男「はい、ご飯」

猫「ん! もぐもぐ……ぶべあっ」

男「うわ、汚え」

猫「まずい! すげーまずい! どゆことだ!」

男「あー。味覚は人間準拠なのな」

猫「なのな!?」

男「いや、そこはどうでもいい。しょうがない、俺の飯を分けてやるから、それを食え」

猫「人飯は熱いから嫌だ」

男「安心と信頼の猫舌か。冷ましてから食えば大丈夫だろ」

猫「むー」


5 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:35:24 ID:eiLbgLRM
男「というわけで、手早く作った俺様のご飯だ。オレサマ オマエ マルカジリ!」

猫「熱そう。……早く冷ませ」ジローッ

男「まあ待て、俺が食うのが先だ」

猫「なんで魚がない」

男「そんな好きじゃないんですよ。あと、食卓に並べるとよくお前が奪って困るので、作らなくなったのも要因の一つだ」

猫「あれは小骨が刺さるが、うまい。もっと作れ」ペシペシ

男「人の頭を叩くない。まあ、追々な。今日は冷蔵庫にあるもので」

猫「むしゃむしゃ」

男「って、何を勝手に人の飯を食ってるか」

猫「熱いッ!」ペシペシ

男「知らん。勝手に食うからだ。ああ、俺の絶品玉子焼きが半分に」

猫「うぅー……むしゃむしゃ。熱いッ!」ペシペシ

男「あ、コイツ馬鹿だ」


6 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:35:59 ID:eiLbgLRM
男「俺の玉子焼きが猫の胃袋に収まってしまったので、もっかい作った」

猫「舌がヒリヒリする。どうにかしろ」

男「ほら、水でも飲んで冷やせ」

猫「ん」ピチャピチャ

男「なるほど、コップに口をつけて飲むのではなく、水を舐めるのか。卑猥でいいな!」

猫「うるさい」


7 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:37:35 ID:eiLbgLRM
男「そういや気になったんですが、なんでそんなぶっきらぼうな口調なんですかね? もっと媚び媚びに『ご主人さま、大好きだにゃんっ♪』とか言ってくれませんか?」

猫「なんかあっこの箱から、そーゆー声はよく聞こえてくる」

男「しまった、ペットだから俺の性癖が筒抜けだ!」

猫「オマエがあれの前に座ってる時に、膝に乗るのは結構好きだ」

男「あー。なんかパソコンしてる時によく乗ってきますよね。あと本読んでる時とか、本の上にどっかりと座って満足気な顔してたり」

猫「常に私を見てろ。だが触るな」

男「なんて傲慢な。触ってやる。だが今触るとおにゃのこに襲いかかる変態という構図ができあがってしまい、客観的に見ると明らかに犯罪なんだけど、いいのかな?」

猫「知らん」

男「そりゃそうだ。まあ捕まったら捕まった時だ、触ってやれ」ナデナデ

猫「んー」

男「気持ちよさそうだ。話が違う」

猫「オマエに頭をなでられるのは結構好きだ」

男「成る程」ナデナデ

猫「んー」


8 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:39:37 ID:eiLbgLRM
男「楽しかった」

猫「もっとなでれ」クイクイ

男「また後でな」

猫「つまらん。まあいいや、寝よう」

男「よく寝るなあ。それより、飯を食ったらお前の服を買いに行きたいと思うのだが」

猫「知らん」

男「お前のことなのに。確かに今の男物のカッターシャツを着てるお色気抜群な感じは大変にいいので……あ! もうこれで一生過ごしてもらっても構わないのでは!?」

猫「zzz」

男「寝るな。ご主人様が素敵な提案をしてる最中に寝るな」

猫「眠い」

男「ええい、猫らしさが憎らしい。猫らしい憎らしい」


9 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:40:13 ID:eiLbgLRM
猫「んぐ。……んー」モソモソ

男「おや、どうして俺の膝に座りますか」

猫「乗りたい」

男「成る程」

猫「zzz」

男「そして動けなくなる罠」ナデナデ

猫「んー」ゴロゴロ


10 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 21:40:50 ID:eiLbgLRM
今日はここまで。


11 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/18(火) 21:53:51 ID:hy.NyNeA
かわいい

支援


12 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/18(火) 23:38:07 ID:8hxyCzKc
支援するから是非続けたまえ


13 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:39:56 ID:v9rkPo2s
猫「んー……ん。……くああああ」

男「やっと起きたか」ナデナデ

猫「んー。水」テコテコ

男「長時間膝に乗せてあげた飼い主に対する感謝がないのだが。そしてお前を乗せていたために動けず、飯を食う行為以外の行動ができなかったことについての謝罪がないのだが」

猫「ぴちゃぴちゃ」

男「でも水をペロペロしてる様子が大変にエロティックなのでまあいいや!」

猫「うるさい」

男「すいません」

猫「ぺろぺろ。……ふぅ、一仕事した」

男「水を飲んだだけです」


14 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:40:26 ID:v9rkPo2s
猫「よし、次だ。家の中をパトロールしないと」

男「手狭な家ですので、不要です」

猫「ドアを開けろ」

男「自分で開けられるだろ」

猫「あ。……開けられる! ふふん?」

男「別にすごくないです」

猫「…………」ムーッ

男「ああはいすごいすごい」ナデナデ

猫「ふふん」エッヘン

男「やだこの猫ウザ可愛い」キュン


15 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:42:07 ID:v9rkPo2s
猫「パトロール開始。廊下!」

男「ドアは開けたら閉めろ。寒い」ブルブル

猫「異常なし。トイレ!」

男「なんか廊下の奥の方から声が聞こえる」

猫「臭い。次、風呂!」

男「はぷしゅ」

猫「あ、水がいっぱい。ぺろぺろ。異常なし」

男「ドアを閉めてえ」

猫「終わり。全部異常なし」スタスタ

男「あー寒かった」バタン

猫「はー頑張った。疲れた。おい男、ドア閉めてないでこっち座れ」


16 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:44:37 ID:v9rkPo2s
男「お前の後始末だよ。で、なんですか」

猫「膝に座りたい」

男「また今度な。それよりそろそろ買い物に出かけたいのだが」

猫「散歩か。私も行きたい。行く」

男「その格好で外に出られると色々と問題があるのでやめてください」

猫「こうか」ヌギヌギ

男「問題は山積みだ」

猫「服が襲ってきた!」フシャー

男「からまってるだけだ。落ち着け」


17 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:46:55 ID:v9rkPo2s
男「本音を言うとおっぱいを見ていたかったが、耐えられる自信がなかったので絡まってるのを解いてから、改めて服を着せた」

猫「寒かった」ブルブル

男「じゃ、出かけてくるので留守番を頼むな」ナデナデ

猫「散歩行きたかった」ムスー

男「服買ってからな」

猫「んー」


男「という訳で、店だ」

男「店はいい。物が売ってるからな。物がないと困るので、店はいい」

男「……いかん、頭のデキがばれてしまう。早く猫の服を買って帰ろう」


18 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:50:56 ID:v9rkPo2s
男「買う物を買ったので帰ってきたら」

猫「お、おかえり! 今ね、知らない人が来てて!」

男「倒れてる観葉植物、部屋中に散らばるティッシュ、ビリビリに破かれた雑誌」

猫「ほ、ホントに! 私もさっき起きたところだからびっくりして!」

男「……はぁ。あー。現行犯じゃないと叱っても意味ねーか。……いや、それは猫の時の話だし、今は人だから、大丈夫か?」

猫「う、うぅ……ホントだよ? 知らない人が、ぐわーって」

男「こらっ!」

猫「ひっ」ビクッ

男「悪さを、そして嘘をつくこの猫は悪い猫だ」

猫「……うぅ、ごめんなさい。ホントは私がやった」ションボリ

男「効いた。やったね人間!」

猫「もうやんない。たぶん」

男「分かればいい。大きな声を出してごめんな」ナデナデ

猫「んぅー」スリスリ


19 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:52:20 ID:v9rkPo2s
男「さて、怒るのは終わりだ。片付けるか」

猫「手伝う」

男「できるか?」

猫「やってみる」

男「おお。偉いぞ!」ナデナデ

猫「へへー。で、何する? 何する?」

男「じゃ、俺は観葉植物を片付けるから、猫はティッシュを一箇所に集めてくれ。あとでまとめて捨てるから」

猫「ん」コクコク


20 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:52:54 ID:v9rkPo2s
男「さて、土を片付けて……」

猫「…………」ウズウズ

男「えーと、ホウキとチリトリってどこに置いてたっけ」

猫「……とうっ!」ブワサッ

男「…………」

猫「これは! これは楽しい! ティッシュが! いっぱい! ティッシュが!」キラキラ

男「hey girl」

猫「しまった、見られた!」


21 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:53:57 ID:v9rkPo2s
猫「怒られた……」ショボーン

男「はぁ……一緒に掃除しような?」ナデナデ

猫「んぅー。ごめんなさい」

男「分かりゃいい。じゃあティッシュ……は、また乱舞しちまうな」

猫「楽しかった。またやりたい」

男「反省の色が見えないね」

猫「反省はしてるが、それはそれでまたやりたい」

男「成る程。我慢してください」

猫「努力はするが、期待するな」

男「やだこの猫男らしい」キュン


22 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:57:29 ID:v9rkPo2s
男「さて、ティッシュは一箇所に集めておこう。捨てるのも勿体無いし、雑巾代わりにするか」

猫「出しても出しても、あの箱から無限に出てきた。魔法の箱に違いない」

男「そういう作りなだけです」

猫「魔法は存在する……!」キラキラ

男「しまった、何か勘違いさせた。でも、猫魔法少女とか夢がひろがりんぐだから、黙っておこう」

猫「魔法でいつまでも寝ていてえ」

男「魔法関係ねえ。そしていつもいつまでも寝てる」

猫「常に眠い」

男「猫め」

猫「にゃー」

男「あっ! 可愛い!」ナデナデナデ

猫「やめれ」


23 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 20:58:06 ID:v9rkPo2s
今日はここまで。


24 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/19(水) 21:09:58 ID:vAUtpqMg
kyawaii


25 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/19(水) 21:20:34 ID:cA1Wykxc
これは素晴らしい


26 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/19(水) 21:40:20 ID:yj8oWLbo
可愛いな支援


27 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 19:48:25 ID:FRWQuyGg
男「次、観葉植物」

猫「あぎあぎ」シャムシャム

男「葉を食うな」

猫「……む? まずい! これもまずい! でも前からこのはっぱはおいしくなかった」

男「まー、毛を吐くために食ってたみたいだからなあ。ていうか食うな。これとは別に猫草を植えてるだろ。そっち食え」

猫「こっちのはっぱの方が燃える」

男「……いかん、ちっとも共感できない」

猫「でも、今はなんかオマエが毛を剃っちゃったので、吐く必要がない。オマエのせいで」ジローッ

男「だから違うっての。いつになったら理解してくれるんだ」

猫「……そいや、なんか私の頭に大量に毛がある。身体の毛を剃って頭に植えたのか? なんでそゆことする」ジローッ

男「違う。ただの頭髪だ。人間は頭から毛が生えるんだ」

猫「そいや、オマエにも生えてるな」グイグイ

男「痛い。引っ張るな」


28 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 19:55:32 ID:FRWQuyGg
男「ほら、いいから掃除するぞ」

猫「後で。今なんだかだるい」ゴロン

男「流石は猫、Dえもんと同じカテゴリなのは伊達ではないな」

猫「……ん? 袋! これは入りたい!」フリフリ

男「そして俺が持って帰ってきた買い物袋を見つけて、四つん這いになり尻をふりふりしてる。一見すると俺を誘っているように見えるので注意が必要だ。あと、パンツはいてないのでほら、色々と」

猫「……とうっ!」ズザー

男「おおっ」

猫「ふがー! なんか入れない!」ジタバタ

男「そりゃ猫時代より体が大きくなってるからなあ」

猫「なのな!?」

男「言ってねえ」

猫「むー。入りたかった。まあいいや、入れないし、掃除で遊ぼう」

男「遊びじゃないが、手伝ってくれるのはありがたい話だ。ありがとな」ナデナデ

猫「んー」ゴロゴロ


29 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 19:59:12 ID:FRWQuyGg
男「じゃ、チリトリとホウキ持ってくるから、ちょっと待ってろ」

猫「留守番か。任せろ、得意だ」

男「そこまで待たなくていいです」


男「物置にしてる所から掃除道具を持って戻ってきたら」

猫「くっ、このっ、ぬーっ!」

男「買い物袋の上で香箱座りしようと悪戦苦闘してる猫の姿が」

猫「あっ! 男! なんか難しくなってるんだけど! どゆこと!」

男「そりゃ猫の時ほど関節が柔らかくないだろうからなあ。諦めろ」

猫「小さくまとまりたいー……」

男「どんな願望だ。ほら、それよりホウキで掃いちゃうから、チリトリ持っててくれ」

猫「ん? ……ここ! ここに座りたい!」

男「まだ自分の体が猫サイズと勘違いしてるな。まあ仕方ないか。でも今のお前の体じゃチリトリに収まらないから諦めろ」

猫「また! また諦めろって! もー!」プンスカ

男「ほらほら、怒るな」ナデナデ

猫「もー」ゴロゴロ


30 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:04:53 ID:FRWQuyGg
男「じゃあ、はい。チリトリ持って」

猫「こうか?」ギュッ

男「そう。で、そのまま押さえてて」

猫「えやー!」

男「そんな力いっぱい押さえなくてもいいが……まあいいや。じゃあそのままな」サッサ

猫「おお、土が、土が」

男「ふぅ、こんなもんか。細かい砂は後で掃除機で吸い込むか」

猫「それはオマエ用の砂か?」

男「砂……ああ、猫砂のことか。違うぞ。あ、そうだ。トイレのことも教えないとなあ」

猫「おしっこはちゃんと教えられたところでしてるぞ?」エッヘン

男「いや、ほら、もう猫じゃないし。今の人間の姿で今まで通り用をたされると色々と問題がありまして」

猫「んぅ?」

男「まあ百聞は一見に如かず、か。ちょっとこっち来い」

猫「ん」トテトテ


31 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:06:18 ID:FRWQuyGg
男「これが人間のトイレだ」

猫「あー。なんかよくオマエが入ってるな。それで、何して遊ぶの?」

男「遊びじゃねえ。これの使い方を教える」

猫「いい」

男「いいじゃねえ。まずフタを開ける」

猫「んー」パカ

男「そしたら、そこに座る」

猫「こか。……なんか温かい!」キラキラ

男「尻温め機能搭載型のトイレだ」

猫「これはいい。一生ここにいたい」ヌクヌク

男「俺の膀胱が破裂しちゃうのでやめてください」

猫「ぬー」

男「ここに座り、おしっこやおっきい方をする」

猫「おっきい方って、うんこ?」

男「……や、まあそうなんだけど、あえて言葉を濁したのに。まあ猫相手にそういう気遣いは不要か」


32 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:08:36 ID:FRWQuyGg
猫「んぅ? それで、砂はどこにある」

男「砂はない」

猫「じゃあどやって砂をかける! 毎回外に出て砂を取りに行くのか! 大変!」

男「砂はかけない」

猫「男は私に死ねと言うのかー」ウルウル

男「そんなんで泣くな。このレバーをひねると水が流れておしっこを流してくれるから、砂はいらないんだよ」ジャー

猫「ひゃあ!」ダキッ

男「別に抱きつかなくてもいいと思うのだが」

猫「びっくりした! お尻の下からじゃーって! 音が! びっくりした!」

男「流せば音もするよ。でも初めてだと驚くか。ごめんな」ナデナデ

猫「びっくりしたー」ゴロゴロ


33 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:14:29 ID:FRWQuyGg
男「まあ大体こんな感じだ。分かったか?」

猫「砂がないのがひじょうに不満だ」

男「それは、まあ、追々慣れてくださいよ」

猫「うぅー。……おしっこの時だけでも、砂でしちゃだめ?」

男「…………。アリだな! アリだけど、アリだけど……うう〜ん、まあいっか。ただ、その際は俺の方を向いてしてください。スジを見ていたいのです」

猫「なんか邪気を感じる!」フカーッ

男「いかん、ヨコシマな下心が俺を支配している。邪気よ去れー邪気去れー」ナムナム

猫「去った」スリスリ

男「よかった。というわけで、おしっこもこのトイレでしてください」

猫「もどれー、邪気もどれー!」ナムナム


34 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:18:33 ID:FRWQuyGg
猫「もどんなかった」グスン

男「まあ最初は気持ち悪いと思うが、徐々に慣れてください。どうしても無理なら、しばらくは猫用のトイレも用意しとくから」

猫「砂をかけていいの!?」

男「猫用の方でならな」

猫「やった! やったぁ!」ピョンコピョンコ

男「やや、可愛い」ナデナデナデ

猫「やめれ」ネコパンチ

男「過剰になでると嫌がりますね」ハナヂ

猫「それなりになでろ」

男「こんな感じか?」ナデナデ

猫「そんな感じ」ゴロゴロ


35 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 20:19:59 ID:FRWQuyGg
今日はここまで。


36 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/20(木) 20:23:38 ID:8QLjKOTI
素晴らしいSSに出会った


37 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/20(木) 20:28:31 ID:CqUITIYw
文体的に幽霊の人のもよう

期待期待


38 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/12/20(木) 22:00:32 ID:Y3Wcc/Og
可愛い支援


39 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/12/21(金) 00:56:04 ID:MsOh6kTU
トイレ教えたのはいいが拭くのはどうするんだ



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