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女王「勇者、死んでしまうとは何事です」
153 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 16:57:35.27 ID:5W/rZBtS0
勇者の追放は、追放という形ではなく、彼がそれを望んだという形で収まった。

勇者の旅は、多くの人々を驚かせた。

英雄である彼が居なくなることを悲しむ人も多かったものの、

結局勇者は旅立った。

そして、彼が言った通りに、城には私目当てに手紙が来るようになった。

一ヶ月に一通ずつ、ある時は一週間に一通、二ヶ月に一通。

内容は外の国の人々との出来事。彼らが生きる姿。

外の国でも幸せに過ごす民も、苦しんでいる民も居た。

私は彼の手紙を見ることで、彼の足跡を追った。

いつも嬉しいことばかりではなかった。ある時、とても非情な出来事に付いて聞いた時、

私はそんなことが私の国で起きないように精一杯頑張った。

でお、大体の場合、彼は約束通りに私に笑顔を与えてくれた。

そして、私は彼の手紙を見ながら長い時間を過ごした。

そうやって……私が王位を姫に与えた頃、彼の手紙は途切れた。


154 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 16:58:52.15 ID:H05TIAzr0
攫いに来いっ


155 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:00:02.95 ID:YIgW8AD40
勇者『○○国の姫様かわいい!』
勇者『××国の姫様胸おっきい!』
勇者『△△国の姫様凛々しい!』

姫「・・・」
女王「・・・」

勇者『全員から求婚された』

姫「!!!」ガタッ!
女王「!?」ビクッ

勇者『でも一番は女王!』

姫「」
女王「///」


156 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:03:02.58 ID:5W/rZBtS0
ある村

子供A「お婆さん、お菓子くーださい」

子供B「私も、私も

元女王「はい、はい、皆沢山あるから喧嘩しないでね」

>>こらーー!!

子供A「げっ、お母さん」

子供B「逃げよう!」

母「こらー!あんたたち、またお婆さんに迷惑かけて!」

元女王「いいんですよ」

母「申し訳ありません、女王さま。子供たちが…」

元女王「良いですって。それにもう女王ではありませんから」

元女王「隠居してもう数年…」

元女王「私なんかと違って、今の女王は良くやってくれているようです」

母「全て元女王さまのおかげです」


157 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:04:18.61 ID:5W/rZBtS0
元女王「私は何もしていませんよ」

元女王「この平和を持ってきてくれた人は…もうこの国には居ませんから」

母「……」

元女王「と、私は少し失礼します」

母「あ、はい!」

元女王「……」


158 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:06:42.49 ID:5W/rZBtS0
元女王「………」

元女王「勇者の、最後の手紙」

元女王「もう数年が経ちましたね」

『女王さまへ

ボクは今女王さまの国からずっと多い北の国に居ます。

ここでは、最近ある魔王が現れて人々を殺戮しているそうです

討伐隊が結成されましたが、悉く魔王にやられ、国はもう滅ぼされる寸前です

ボクはこの国を助けるためにこの国の魔王に挑もうと思います。

もしかすると、これが最後の手紙になるかもしれません。

どうか、ボクの命運を祈ってください

勇者より』

元女王「…勇者……」


160 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:08:45.94 ID:5W/rZBtS0
元女王「あなたは今どこに居るのでしょうか」

元女王「魔王に負けて死んでしまったのですか?」

元女王「結局、それからどれだけ待ってもあなたの手紙は来なかった」

元女王「それと同時に、私は姫に王位を譲った」

元女王「……勇者」

元女王「もし未だにあなたが生きているとすれば……」

元女王「私はあの時と違う答えを出せるのでしょうか」


161 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:10:50.10 ID:5W/rZBtS0


コンコン

元女王「?こんな時間に誰でしょう」

がちゃ

元女王「はい?」

??「すみません、突然ですが、ここで泊めて頂けないでしょうか」

??「宿屋も残った部屋がなくて、ある人がここに来たら部屋を分けてくれるだろうと言ってくれたので」

元女王「そうですか。どうぞお入りください」

男「ありがとうございます」


162 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:13:54.31 ID:5W/rZBtS0
男「この国の人達は皆親切ですね」

元女王「おや、違う国から来たかしら」

男「元はここ生まれですが、幼い時に他の国に行ってまして……」

元女王「ここも色んなことがありましたからね」

元女王「でも、今は過去なんて皆忘れて、幸せに生きています」

元女王「そして、その幸せを人に分けてあげることも、またこの国の人達のいいところなのですよ」

男「…女王さまみたいにですね」

元女王「そうですね、女王さまのように……」

元女王「?」

男「ボクの顔を、お忘れですか、女王さま」

元女王「……勇者?」


165 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:16:07.50 ID:5W/rZBtS0
勇者「…女王さま」

女王(元を省きます)「勇者……本当に…あなたなのですか?」

女王「帰ってきたのですか?」

勇者「はい、恥も知らず、帰って来ました」

女王「……立派になりましたね。とても、全然気付きませんでした」

勇者「女王さまも、相変わらず綺麗です」

女王「私なんて…もうお婆さん呼ばわりされてる身ですよ」

勇者「それでも、ボクの目には、女王さまは相変わらず綺麗なままです」


167 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:18:19.97 ID:5W/rZBtS0
女王「……」

勇者「……女王さま」

女王「私を見にきてくれた?…と聞いたら自意識過剰なのでしょうか」

勇者「…いいえ、その通りです」

勇者「女王さまに会いに、ここまで来ました」

女王「……勇者」


168 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:20:17.38 ID:5W/rZBtS0
女王「先に話してくれても良かったのに……」

勇者「びっくりさせたくて…黙っていました」

女王「何年も?」

勇者「……ケホッ」

女王「…勇者?」

勇者「……ケホッ!ケホッ!!」ベチャッ

女王「…!勇者?大丈夫ですか?」


169 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:21:30.33 ID:5W/rZBtS0
女王「どこか悪いのですか?」

勇者「うっ……ぅぅ……」

女王「とりあえず横になって呼吸を整えてください」

女王「上着脱がしますよ」

勇者「ダメ……です」

女王「…!!」

女王「これって…なんですか、これは…」


170 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:24:58.54 ID:v8I4aG610
おっぱいののろいだ


172 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:28:05.22 ID:YIgW8AD40
女王以外に目移りしないように自分に呪いをかけたのか・・・


176 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:34:30.21 ID:j1woeFFRi
女王「なぜブラジャーを着けているのですか• • •」


178 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 17:36:43.14 ID:wx1tr0x70
女王「乳首が立ってるじゃないですか…ふふ…」


180 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:38:52.88 ID:H05TIAzr0
留守番支援


181 名前:サルってlv0にされた [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:38:54.49 ID:5W/rZBtS0
女王「全身になにかの紋様ガ……」

勇者「…魔王の……のろいです」

女王「え?」

勇者「最後の…手紙に書いた魔王と戦った時…最後の一撃の前に魔王ののろいにかかってしまいました」

勇者「長い時間じりじりと痛みながら死んでいくように…と」


182 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 17:39:46.51 ID:mapglinYP
おい出かけなくて大丈夫なのか?


183 名前:もうちょっとで終わるのにサルったよ。約束時間遅らせたよ [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:41:10.87 ID:5W/rZBtS0

女王「そんな…!!浄化する方法は…」

勇者「…ありませんでした」

勇者「このまま、死ぬしかありませんでした」

女王「……!!」

勇者「でも、どうせ死ぬなら…せめて…」

勇者「愛する人を見ながら死にたいと思いました」


184 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:43:11.43 ID:5W/rZBtS0
女王「勇者…」

勇者「女王さま、ボク、今でも貴女のことが好きです」

勇者「もうとっくに死んでもおかしくない体だったんです」

勇者「辛くて、何度も自殺したくても」

勇者「あなたに会いたいという一念で、ここまで我慢してきました」

勇者「……ごめんなさい」


185 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:43:20.77 ID:N2WaVnYT0
今日は公園で遊びました。
ブランコに乗りました。
とても楽しかった。


186 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:45:20.46 ID:5W/rZBtS0
女王「なんで勇者が謝るの」

女王「全部、私が悪かったのに」

勇者「……ケホッ!ケホッ!」

女王「勇者!」

勇者「…もう良いです。最後に女王さまの顔が見たかったんです」

勇者「泣かせて…すみません」

女王「……」ジワッ


187 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:47:28.86 ID:5W/rZBtS0
勇者「…まだ一つだけ」

勇者「…最後に一度だけで…思い残したことがありました」

女王「……」

勇者「女王さま…最後のお願いです」

女王「…言わなくて良いわ」

女王「わかってるから」


188 名前:lv0めっちゃ書きづらい!! [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:49:29.99 ID:5W/rZBtS0
女王「…ちゅっ……んっ」

勇者「んっ…」

私は最初で最後に、勇者と唇を合わせた。

キスが終わった時、勇者はもう息をしていなかった。

私に会いたいという願いが、彼の限界を越えた体をここまで連れてきたのだった。


189 名前:lv0めっちゃ書きづらい!! [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:51:47.14 ID:5W/rZBtS0
彼の葬礼が国で開かれ、姫と私を始めた彼を知っている全ての人々が彼の死を悲しんだ。

でも、その中で誰よりも彼の死を悲しんだのは、私自身。

私を助けてくれた勇者。

でも私には、彼を救う力がなかった。


190 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 17:51:47.69 ID:/yvicpKt0
ざおりく


191 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:53:48.22 ID:5W/rZBtS0
いや、本当にそうだったのだろうか。

私は彼の望みに答えることができなかったのだろうか。

単に私の臆病さが、彼をこのように死なせたのだとしたら…

私は、結局無能な王だったのではないだろうか。

今もう一度私にチャンスが与えられるのであれば…


194 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:55:53.15 ID:5W/rZBtS0

私は…どうしていただろうか。

女王「勇者……死んでしまうとは……なにごとです」



終わり


195 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:56:39.02 ID:9VFOJlDD0
死んでも教会に運ばれて・・・


196 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 17:56:43.81 ID:FAwyJt7r0
女王「勇者……死んでしまうとは……なにごとです」


なんだ生き返ったのか
そうなんだな
よかった


199 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:58:26.25 ID:/NxOKseI0
幸せになったんやな


200 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 17:58:35.80 ID:obqhmaU+0
呪いなら教会でとけば・・・と思ったけど流石に魔王の呪いは無理か
面白かった!



206 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:03:59.22 ID:LwwVttmV0

いい話が読めた


207 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:07:25.47 ID:bn6VjdaP0
王位が姫にわたったなら復活する場所ってどうなんだろう
まあ 良いスレだったからどうでもいいや


208 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 18:09:08.19 ID:mzKfivOR0
切ないっすねーなんだか


210 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:10:48.09 ID:UuKcGM1H0
BBいやなんでもないです女王様はお綺麗です


211 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:12:26.76 ID:Id/z/x800
泣いた


212 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:13:11.96 ID:g/vrdD/1i
クロノクルセイドとか劇場版00


217 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:28:32.55 ID:RNOxDcLji
久々に良SSを見た

この>>1の他作とか知ってる人がいたら
オナシャス!


219 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:42:26.77 ID:qjeJw0qNi
乙!
バッドエンドだけど読まずにはいられなかった!


220 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:43:42.26 ID:PYuqFItri
しんみりした


221 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:47:17.38 ID:re5r08bz0
おねショタ期待したがだめだったか
しんみりした終わり方で良かった


226 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 19:05:29.94 ID:1hw45jPx0
かなり良作だな


227 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 19:07:51.21 ID:pGD6Fb6w0
でもお婆ちゃんと中年のキス


228 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 19:08:48.60 ID:DObzAdSj0
でも実際誤字誤変換の多さは反省すべき

口調や表現に一貫性が無かった事、時間が無く焦ったという言い訳をしてしまったのもマイナス
時間が無いなら書き溜めてから一気に投下するか、或いは保守を頼むかすればそれで済む話だ

お前等が「良いじゃん、叩くなよ」で済ます度に>>1はステップアップの機会を失うんだぞ


231 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 19:22:12.87 ID:BSMqbjcpi
>>228
え…何こいつキモイ


234 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 19:37:00.63 ID:ailxQTtq0
>>228
きもすぎわろた


235 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 19:37:09.28 ID:oRHwK8fA0
>>228
またコピペの誕生か


237 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2012/04/16(月) 19:45:45.99 ID:mapglinYP
終わったスレで何やってんだお前等は


242 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 20:13:26.23 ID:DObzAdSj0
>>237
× お前等
○ 単発串自演


243 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 20:23:11.35 ID:AMx2Q4ZW0
お前の言ってる事は別にわからなくもないが
全部自演だと思ってんのはステップアップの機会を失ってるな



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