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猫「・・・ばーちゃん?」
- 93 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2011/09/18(日) 00:08:39.62 ID:iuDXAJ+q0
男「こ、こんにちは。」
猫「?」 ンナー
猫(『ばーちゃん』というのはあるじの事で間違いない。)
男「ああ、おはよう。・・・かな?」
猫「??」 キョロ
男(喋れないのか?でも、さっき『ばーちゃん』って・・・)
男(目のやり場に困る、とにかく何か着せねば)
男「とりあえず、服を着よう。ね?」
猫「ふく?」 ピコ
男「そう、服。これのことね。」
猫「ふく、ふく」 ぽふぽふ
猫(そしてこやつが纏っているのが『フク』か。要するに毛皮の代わりだな。)
- 95 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:09:36.32 ID:iuDXAJ+q0
男(なんとかTシャツは着てくれたが・・・女物の下着なんか無いぞ・・・)
男「ああ!えりを噛まないで!すそはなるべくめくりあげないで!」
男(誤算だ、ダブダブのTシャツの方が破壊力が高い)
猫(ちょっと催してきたな。幸いここは同族のにおいがしない。誰の縄張りでもない。) トテトテ
男「ん?どこ行くの? え?・・・えぇ!?」
猫「ふぅ・・・」 チョロロロロロ・・・
男「わー!!ちょっ!待てっ!だめっ!いろんな意味でダメ!」
猫「ん?」 フルフル
男(ばーちゃん・・・俺はこの先やっていけるのだろうか?)
- 97 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:10:47.85 ID:iuDXAJ+q0
・・・・・
男「しかし、一週間でここまで順応できるとはね。」
猫「お前が丁寧に教えてくれたからな。猫として生きた下積みもあっただろうがね。」
男「その言葉づかいはラジオの影響なの?」
猫「お前が仕事とやらに行っている間はいつも電源?が入っていたな。」 ぽふぽふ
男「まあ、物覚えが良かったから、いろんな言葉を聞かせるのが近道だと思ったからね。」
男「語尾に『にゃー』とか付けないの?」
猫「『ゴビ』とは何だ?」 ピコ
男「コトバの最後の部分だよ。」
猫「普通は付けるものなのか?らじおの中のニンゲン達は付けてなかったが」
男「あ、そうだね、普通は付けないね。うん、付けない・・・よ」
猫「何だその顔は・・・」
- 98 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:12:21.50 ID:iuDXAJ+q0
男「今日はお土産を買ってきました。」
猫「『オミヤゲ』とは何だ?」 ピコ
男「出かけていた人が待っていた人に渡す贈り物です。貰うと嬉しいものです。ハイ、『こくご教材セット』」
猫「あまり嬉しいと感じないのだが・・・そもそも何に使うものかわからない。」 ぽふぽふ
男「モノを貰ったら、まず何て言うんだっけ?」
猫「ん、『ありがとう』だ。で、それは何なのだ?」 ムスッ
男「会話はできるようになったけど、読み書きはまだでしょ?これからそれをやろうと」
猫「『ヨミカキ』とは何だ?」 ペタン
男「あー・・・そっからか。」
- 100 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:13:38.52 ID:iuDXAJ+q0
猫「つまり、声の音1つに対応する字?があって、『聞く』と『読む』・『言う』と『書く』が同じなのだな?」
男「聞いたことを要約して返しただけで、納得はしてもらえてないみたいですね。」
猫「納得はこれからしていくさ。まずは何をやるのだ?」
男「では、この『ひらがなカード』を読むので真似してください。」
男「あー、かー、さー、たー、にゃー・・・」
猫「アー、カー、サー、ター、ニャー・・・」 ピクッ
男「はー、まー、やー・・・」
猫「ちょっと待ってくれ。不鮮明な違和感を感じる。」
男(チクショー・・・)
- 102 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:15:48.30 ID:iuDXAJ+q0
男「だいたい覚えたみたいなので、次の段階に進みます。」
猫「次は何をするのだ?」
男「カードを『適当に』置いて並べるので、声に出して読んでください。」
猫「わかった。」
男「ハイ、これは?」
猫「おー、なー、に?」
男「・・・・・」
猫「どうした?間違っていたか?」
男「いや!だだだだ大丈夫!うん!あってる!次はコレね。」
猫「もー、うー、らー、めー、え?」
男(はうっ・・・)
猫「鼻を怪我したか?血が出ているようだが。」 キョトン
男「え?いや、これはその・・・」
猫「して、今の2つはどういう意味なのだ?」 ピコピコ
男「すみません。私が悪う御座いました。」
- 103 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:16:08.05 ID:c5ezAmo60
なんというダメ男wwwww
- 105 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:16:52.49 ID:iuDXAJ+q0
男「本日のおみやげは辞書です。国語辞典と漢字辞典。」
猫「『ジショ』?」
男「分らない言葉をググるための本です。」
猫「『ググル』?」
男「あ、そこは気にしないで下さい。言葉を調べるための本です。」
猫「説明が足りていないな。」
男「『じしょ』という字はもうわかりますよね。その字をこの本で探します。
そこに説明が載っているので、それを読みます。」
- 106 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:18:05.57 ID:iuDXAJ+q0
猫「私が知っている字よりもたくさんの線でできた字があるぞ。」
男「それが漢字ですね。そういう時はこっちの漢字辞典でその字を探します。」
猫「今度は別の分らないかんじ?が並んでいるが?」
男「子供用の辞書だから読み仮名はふってあるでしょ。俺のおさがりだし。
それでも分らなかったら今度はその字を探すんです。」
猫「なんだか堂々巡りだな。お前に聞いた方が速いのではないか?」
男「だから、俺がいないとき用です。居るときに訊ねられたことはその場で答えるよ。」
- 107 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:19:45.79 ID:iuDXAJ+q0
−−
男「ただいま。今日は静かだな。」
猫「おう、戻ってきたか『おかえり』」
男「ちゃんと挨拶ができるようになりましたね。お、まだ勉強してたのか。偉いな関心感心。」
猫「『チロヌップのきつね』はもう読み終えたぞ。今は『シュンマオものがたり』だ。」
男「ハイペースだな。そのうちラノベでも買ってこようか?」
猫「『らのべ』?」
男「あ、いや・・・えーと、字ばっかりで絵がほとんどない本だよ。うん。」
猫「この辞書のような感じか?」
男「そうですね。でも、まだ難しいからもっともーっと勉強してからにしましょう。」
猫「そういえばこの辞書、時々赤い印がつけてあるのだが、あれは何だ?」
男「俺、オワタ\(^o^)/」
- 108 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:21:29.14 ID:iuDXAJ+q0
−−
男「ただいま〜・・・と。」
男(Tシャツが脱ぎ捨ててある・・・ということは、今日はまだ猫のままか。)
猫「んなー・・・」 トコトコトコトコ・・・
男「ぬ!?」
猫「うに?」 ササッ
男「ちょっとそこに座りなさい。」
猫「にゃ、にゃーん」
男「この散乱したティッシュについて説明してもらおうか?」
猫「にゃおん?」 プイ
男「その姿でも、俺の言ってることは分かるよね?自分でそう自慢してたよね?」
猫「チッ」 ボフン
男「あー・・・とりあえずヒトになったら前は隠そうね。このシャツもう臭いし新しいの出すから」
- 109 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:22:59.63 ID:iuDXAJ+q0
男「つまり、湧き上がる狩猟本能を抑えきれなかった。と?」
猫「ヒラヒラと挑発されているような気がしてな・・・その割には無防備だったので・・・」
男「うん。」
猫「自分が狩られたことにさえ気づかぬほどの一瞬で華麗に仕留めてやったのだ!」 フンス
猫「捕えた獲物をたぐり寄せ、成果を確認しようと思った矢先、新手が現れたのだ!」 フーフー
猫「当方に迎撃の用意あり!すぐさま洗礼の一撃を見舞うと、更なる新手が!」 ムッハー
猫「次々と現れる刺客をちぎっては投げちぎっては投げ獅子奮迅の・・・」
男「ストーップ!」
男「で、改めてこの惨劇の広場を見てどう思いますか?」
猫「無益な殺生をしてしまった・・・」 ドヤァ
男「・・・・今夜はフリスクの刑な。」
猫「ゴメンナサイ以後気ヲツケマス」
- 111 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:24:33.29 ID:iuDXAJ+q0
猫「ところで、なぜ服を着なければならないのだ?」
男「ニンゲンだからです。」
猫「それはこの間聞いた。そして、私なりに肌を保護するためだと結論づけたわけだが。」
男「その結論で間違っていないと思います。」
猫「しかし、この住処、部屋と言ったか?この中にいれば危険はないのでは?」
男「俺が襲ってしまう可能性があります。少しは危機感と言うものを持ちなさい。」
猫「ひょっとして我慢しているのか?たまに感じる品定めのような視線はそのためか?」
男「バレてたのか。情けないやら恥ずかしいやら・・・」
猫「しかしお前には爪も牙も無いのだから、服など着ずとも傷を負う事はないと思うが?」
男「え?」
猫「え?」
- 112 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:26:04.65 ID:iuDXAJ+q0
・・・・・
男「ただいま。今日もお土産があります。」
猫「ふむ。いったい何をいただけるのかな?」 ぽふぽふ
男「下着です。」
猫「したぎ?」 キョトン
男「服の下に着るものです。」
猫「下に着るから下着。か、わかりやすいな。えーと、『ありがとう』だな。」
猫「フム。形はずいぶん違うがこっちはお前も着ているものだな。なるほど下着というのか。」
男「そっちがパンツ。で、こっちは胸につけるほうの下着、ブラです。」
猫「お前もこれをつけているのか?」
男「俺には必要のないものです。男女の体の違いで、男は胸を保護する必要がありません。」
猫「これをつけていれば乳首が擦れて痛くなるのが防げる。という解釈でいいのか?」
男「そ、そうですね。いいと思います。」
猫「なぜ前屈みになるのだ?」
- 113 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 00:27:48.71 ID:omFaOkH90
この猫は人間に変化してるときは何歳くらいですか?
- 115 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:27:51.14 ID:iuDXAJ+q0
男「じゃ、後ろ向いとくから、それ着てその上にシャツも着てください。」
猫「なぜ後ろを向く?ぱんつ?の方はともかく、ぶら?の方は構造が複雑だから教えてくれ。」
男「コンビニ受け取りの時でさえ死ぬほど恥ずかしかったのに、勘弁してください。自分で何とかしなさい。」
猫「何の事だ?まあいい。出来たぞ。これでいいのか?」
男「あう・・・ちゃんと収まってないじゃないですか。」
猫「じゃあちゃんと収めてくれ。私にはどこがおかしいのかわからん。」
男「1回だけだぞ。ちゃんと覚えて次からは自分で出来るようにしてください。」 グッ
猫「・・・んふ」 ピクン
男「だああ、変な声出さないの!ハイ出来ました。あとは上からTシャツを・・・」
- 118 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:30:03.19 ID:x29dR72G0
涙はすっかり乾いてしまったが
面白いから良し
(*・ω・)ノシエン
- 119 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:31:54.71 ID:iuDXAJ+q0
猫「率直な意見を聞かせてくれ。私がこの姿でいるのは不愉快か?」 じー
男「・・・・え?」
猫「今までも私がこの姿でいるときは、触ろうとしないどころか、名前で呼ぶことも無かった。」
男「あ・・・」
猫「会話も口調が冷たい。」
男「ごめん。」
猫「謝ってほしいとは言っていない。質問に答えて欲しいのだ。猫でいた方がいいのか?」
男「不愉快だなんて思って無いよ。でも・・・納得できる説明はたぶん出来ない。だから、ごめん。」
>>113 猫又化した時点の年齢。
ただ、人によって10年だったり20年だったり伝聞が違うようなので
特に決めてはいない。
- 121 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:33:17.79 ID:iuDXAJ+q0
猫「私は説明を聞いて理解できるほど賢くない。お前はそう思っているという事か?」
男「そんなんじゃないよ。むしろ俺の方が上手く説明できるほど賢くないんだと思う。」
猫「それだと私がお前を買被り過ぎていた。という事になるが。」 ペチペチ
男「それでいいよ。難しいんだ人間は。」
猫「何だそれは?疎外感を感じる。」 ムスー
男「えと・・・ナ、ナツメの方こそどうなの?」
猫「!」 ピコ
- 123 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:34:33.15 ID:iuDXAJ+q0
男「その、今考えると、無理やり連れて来たようなもんだし・・・迷惑じゃない?」
猫「初めのうちは驚いたが。今は満足しているぞ。」 ぽふぽふ
男「でも、ばーちゃんトコでは全然なついてくれなかったじゃん。」
猫「知っているだろう?猫というのは気まぐれな生き物なのだよ。」 ニコッ
男「あ、尻尾は中に入れなくていいんだよ。そのためにローライズのを選んだんだから。」
猫「じゃあ、やってみてくれ。私にはわからん。」 ニヤリ
男「おま・・・しょーがないなー」
猫「これからも頼むぞ。新しいあるじ。」
- 125 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:35:45.69 ID:iuDXAJ+q0
男「さて、今日はどんなクライシスが待ち受けているのか。・・・ただいま。」
猫「なおーん」 トコトコ・・・
男「一体今日は何を仕留めたん・・・なっ軍曹!?おいやめろ!」 バッ
猫「シャー!」 バリッ
男「いてっ!」
猫「はぐ・・・ガツガツ」 ボフン
男「ああ・・・軍曹が・・・ようやく我が家にも着任してくだすったのに・・・」
猫「他人の獲物を横取りしようとはあまり感心せぬな。ああ、心配するな服は今着る。」 シュル
男「称えられし歴戦の勇士が・・・幾多の輝かしい戦歴が・・・」
- 126 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:37:02.31 ID:c5ezAmo60
メディック! メディーーーック!!!!!!
- 127 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:37:09.74 ID:iuDXAJ+q0
猫「ちゃんと着たぞ。で、説明を求めたいのだが、いいか?」 じー
男「軍曹は我が屋の迎撃部隊の要だったんだ。」
猫「『グンソウ』とは何だ?」
男「お前がたった今食べたものだ。」
猫「迎撃部隊と言ったが、何か攻めてくるのか?」
男「声に出すのもおぞましい、異形の侵略者達だ。」
猫「いまいち要領を得ないな。一応私にも理由はあるのだぞ。」
- 128 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:38:29.47 ID:iuDXAJ+q0
男「また狩猟本能か?」
猫「まあ、それもあるが、自分自身を維持するために補給が必要なのだ。」
男「補給?エサ・・・じゃなくて、食事が足りてないのか?」
猫「んー上手く言えんが・・・私は猫の姿になったり、人の姿になったりしているな?
他にも消えたり、夢に入り込んだり、人を惑わしたり、7代祟ったりできるが・・・」
男「考えてみると恐ろしい存在だな。」
猫「茶々を入れるでない。それらには代償が必要なのだ。
生き物の精気・・・んー、つまり生命力を奪って蓄えておいてそれを使う。」
- 129 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:39:36.11 ID:iuDXAJ+q0
男「それが無くなるとどうなる?」
猫「尽きたことがないから分からない。おそらく私は消えてしまうだろう。」
男「死ぬ・・・ってことか?」
猫「似たようなものだが、体ごと消失してしまうのではないかな。まあ、わからん」
男「いつも食べさせてるものには、精気が含まれてない?」
猫「僅かには入っているようだが、やはり生き物を捕食する方がいい。段違いだ。」
- 130 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:39:43.35 ID:icKnNMv20
なんだ結局パンツは不要じゃないか
投げ捨てた
支援
- 132 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/09/18(日) 00:40:42.10 ID:iuDXAJ+q0
男「新鮮な方がいいってことなのか?」
猫「傾向としてはそう。あと、カリカリのやつよりはカンヅメの方がいいな。」
男「缶詰が食べたいだけなんじゃ・・・・」
猫「それは否定しない。だが、精が付くものは命のにおいが濃いんだ。」
男「今は足りてる?」
猫「一人くらいなら7代祟れるほどにはあるな。」
男「基準が参考にならんわ。」
猫「少なくとも2〜3日で尽きることはないよ。無茶をしなければ。」 ニコッ
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