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「ん?非通知?」
70 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:09:06.24 ID:UQgZ4hLX0
ピンポーン

「!!」

「あ、来たかな?はーい今開けます」

ガチャ

「カナかしらー!!」

「わ!久しぶりだね、カナ」

「久しぶりかしら!水銀燈のマスター!」

「あれ?カナだけ?」

「カナのマスターはお仕事で来られないかしら!」

「あら、もしかしてこの間もまずかった?」

「出会ったときまさに仕事中だったらしいかしらー」

「それは、何と言うか、先に行ってよ」

「今頃必死に遅れを取り戻してるかしらー」

「翠星石は一緒じゃないの?」

「一緒かしら!」


71 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:17:29.23 ID:UQgZ4hLX0
「あ、初めまして、水銀燈のマスターなんだ、宜しくね」

「よ、宜しくです」

「あれ、翠星石のマスターは?」

「翠星石は黙って来たです」

「どうして?」

「蒼星石に付いてもらってるです」

「!!どういうこと!?」

「今日は水銀燈にその話をしに来たです」

「…ん、分かった、取り敢えず二人とも入って」


72 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:23:59.61 ID:UQgZ4hLX0
「はい紅茶」

「ありがとうかしら」

「ありがとうです」

「頂くわぁ…それで、どういうことなの翠星石?」

「具体的なことは何も分からないです」

「ただ、目覚めたときに一緒に蒼星石の鞄が置いてあったです」

「開けてみると一枚の手紙と一緒に私の知ってる蒼星石がいたです」

「でも、螺子を巻いてみても心は私の知らない蒼星石だったです」

「何も話せずに、満足に歩く事も難しいです」

「手紙にはただ一言、この子を頼む、と書いてあったです」


73 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:32:12.81 ID:UQgZ4hLX0
「本当に居なくなってしまったなら水銀燈の事、許せなかったです」

「でも、蒼星石は私の事が分かるです」

「話しかければ嬉しそうに笑ってくれるです」

「力はなくても、確かに私の知ってる蒼星石意識があるです」

「そんなときに金糸雀から水銀燈とそのマスターの話を聞いたです」

「翠星石には分からなくても、水銀燈や水銀燈を変えたマスターなら分かるかもしれない」

「だから、今日ここまで来たです」

「カナもビックリしたけど、蒼星石はカナの事も分かるかしら!」

「なるほどねー」

「何か分かったのぉ?」

「うーん、まったく根拠はないんだけどね」


74 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:38:26.14 ID:UQgZ4hLX0
「その手紙、ローゼンじゃないの?」

「!」

「どういうことかしら!?」

「もし今の水銀燈の様に、お互いに関る事でアリスを目指すことが正しいなら蒼星石はまだ必要でしょ」

「だからお父様がなおしたって言うのぉ?」

「じゃあ何で蒼星石は以前の蒼星石じゃないですか!!」

「いや、以前の蒼星石何だと思うよ?」

「どういうことかしら?」

「三人とも、自分が生まれたときの事覚えてる?」


76 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:47:19.16 ID:UQgZ4hLX0
「ハッキリとは覚えてないわぁ」

「カナもかしら」

「翠星石も覚えてないです」

「蒼星石は今まさにそういう状態なんじゃない?」

「それは、生まれたての赤ちゃんってことかしら?」

「そんな感じ、まあなおしたのがローゼンなのか他の誰かなのかは分からないけどね」

「他の人間になんかじゃ無理よぉ」

「薔薇水晶だっていたし、もう一人可能性のある人間もいたでしょう?」

「チビ人間…」

「きっと、予定よりずっと早く目覚めてしまったからまだ不安定なんだよ」

「それなら、手紙にも翠星石とセットだったのにも納得がいくかしら!」

「じゃあ!じゃあ時間が経てば蒼星石はもとに戻るですか!?」

「それは分からない」


77 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 20:48:49.68 ID:UQgZ4hLX0
ちょっとご飯食べてくる
あれだったら落としてくれても構わないので
でわ


83 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:09:13.59 ID:xewd5BTN0
このマスターが男なのか女なのかまだ読み取れない


84 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/07(水) 21:10:26.21 ID:zyZXGjnR0
そういやハッキリと書いてないね


85 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:16:47.47 ID:2AwPEPiXO
おれはボクっ子再生で行ってる


86 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/07(水) 21:21:22.74 ID:5dqqeh8y0
女の子であってほしい


90 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:34:20.48 ID:UQgZ4hLX0
「違う人格が出来るかもしれないし、そもそも元に戻るのかも分からない」

「もともと根拠のない話だしねぇ」

「!…やっぱり、水銀燈のせいです!蒼星石を返せです!!」

「勿論そのつもりよぉ」

「!?」

「水銀燈?どういうことかしら?」

「翠星石、私達が戦ったところで蒼星石はかえってこないわぁ」

「それでも!敵を取るです!」

「そんな無駄死には御免よぉ、私達にはまだ出来る事があるもの」

「今更何をするですか!!」

「蒼星石を育てるのよぉ」


91 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:40:30.98 ID:UQgZ4hLX0
「まぁ、当然そうなるだろうね」

「でも水銀燈のマスター、育てるって言っても何をするのかしら?」

「何もしないよ」

「ど、どういうことです!?」

「心を育てるのはやっぱり時間だけだよ、だからみんなで蒼星石と一緒にいるんだ」

「それじゃ、結局何もかわってねーです」

「そんなことないわぁ」


94 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:46:07.35 ID:UQgZ4hLX0
「何がかわったのかしら、水銀燈?」

「私達が話を聞いたし、具体的な方針が決まったわぁ」

「じゃあなおしましょうって言ってぽっとなおるもんでもないしね」

「で、でも!でもそれだと、翠星石は何もしてやれねーです」

「それは違うわぁ、翠星石」

「な、何がですか!」

「アナタ、何のためにアリスになるのぉ?」

「?そ、それはお父様のために…」

「それだけぇ?」

「他に何があるですか!」

「自分がなりたいからよ」


95 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 21:53:39.77 ID:UQgZ4hLX0
「自分がなりたいから、ですか?」

「そう、だからアナタは一度それを諦める道も選んだはずよぉ」

「それは…」

「別に責めてるんじゃないわぁ、ただ蒼星石の事とそれとは同じ事なの」

「何が同じだって言うんです?」

「今まではローザミスティカを集める事しかアリスになる方法はなかったわぁ」

「今は違うですか?」

「金糸雀から聞いたのでしょう?」

「聞いた、です、けど」


97 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:01:56.78 ID:UQgZ4hLX0
「傍に居るだけで力になれる、傍に居るというのはそれだけで大きな可能性なのよぉ」

「水銀燈…」

「私にも蒼星石は必要になったわぁ、だから彼女をなおしましょう」

「みんなで頑張るかしら!」

「で、でも本当にそれで元に戻るかは分からないです」

「それは何をしても一緒よぉ、翠星石、不安なら姉の後にしっかり付いてきなさい」

「カナ達お姉さんがきっと導いてあげるかしら!」


98 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:03:13.91 ID:APZ1jKhd0
吸い込まれた。支援


99 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:08:20.61 ID:tYwPpStL0
http://www2.vipper.org/vip1058092.jpg


100 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:09:04.68 ID:2AwPEPiXO
たしかに原作が不安になるクォリティ


101 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:13:09.02 ID:tYwPpStL0
>>60
http://www.vipper.org/vip1058099.jpg


102 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:14:13.31 ID:UQgZ4hLX0
「いやいや立派になったねぇ、ジャンクにしてあげるわぁとかって高笑いしてたのに」

「翠星石、とびっきり美味しいスコーンを焼いて頂戴、紅茶はこちらで用意するわぁ」

「ん?水銀燈が入れるの?」

「おばかさぁん、当然アナタでしょう?」

「カナは蒼星石にあった本を用意するかしらー!!」

「う、うぐっ、それで蒼星石はなおるですか?ポロポロ」

「まだ言ってるの、おばかさぁん?」

「カナ達でなおすのかしら!」

「はい、これで涙拭くといいよ、翠星石」


104 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:26:10.53 ID:UQgZ4hLX0
「ありがとうです、人間」

「ん、良かったね、翠星石」

「はいですぅ!」

「早速明日のお昼に蒼星石の所まで行くかしら!」

「そうねぇ、張り切りすぎてスコーン山程作っちゃだめよぉ、翠星石?」

「ちゃ、ちゃんと考えてるです!」

「そろそろいい時間だね、みんな大丈夫?」

「あら?カナはそろそろ帰らないとマスターが泣いちゃうかしら!?」

「じゃあ翠星石もそろそろ帰るです」

「そっか、じゃあ気をつけて、送らなくて平気?」

「鏡を使って帰るから平気です」

「ん、じゃあまた明日ね」

「また明日かしら!」

「です!」


105 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:32:02.95 ID:UQgZ4hLX0
「さて、水銀燈」

「何かしらぁ?」

「水銀燈は紅茶の入れ方覚えないとね」

「どうしてぇ?アナタが入れればいいじゃない」

「蒼星石が元に戻るまで長い時間がかかる、それまで生きていられなさそうだからね」

「……」

「人の身に生まれた宿命だよ、だからいずれは水銀燈が紅茶を入れてあげなくちゃ」

「……そう、ねぇ」

「んん〜?どうしたのかなー?悲しくなっちゃったのかなー?」

「ええ、悲しいわぁ」

「な!…おぉ〜、水銀燈がどんどん可愛くなっていく」

「クスクス、顔赤いわよぉ」

「う、うるさいな!」


106 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:38:17.83 ID:UQgZ4hLX0
「そうねぇ、マスター、早速教えて頂戴」

「ん?どしたの?まだまだ時間はあるしそんなすぐ覚えなくてもいいんだよ?」

「いいえ、アナタが私のマスターだっていう証が欲しいもの」

「……随分と、気に入られたみたいだね」

「ええ、アナタのお陰でアリスに近付けたんだもの、感謝してるわぁ」

「そっか、よし、じゃあ早速やってみようか」


108 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:48:09.54 ID:UQgZ4hLX0
―――――――ー―――――――――――――――――――

「蒼星石ー、水銀燈ースコーンが焼けたですぅ!」

「おや、ありがとう翠星石」

「相変わらずトロいわねぇ」

「焼き時間は翠星石じゃ変えられねーです!それより紅茶は入ったんですか!?」

「とっくにはいてるわよぉ、全く、誰かさんがトロいと冷めちゃうわぁ」

「まあまあ二人とも、しかし水銀燈の入れる紅茶は美味しいね、どこで覚えたんだい?」

「ああ、それはねぇ……」

(マスター、アナタも私と混ざり合って大切な私の一部になったわぁ
アナタと混ざり合う事で大切な姉妹達とアリスの両方手放さないでいられる
マスター、私必ずアリスになって見せるわぁ
そうしたら、今度はお父様もみんなも一緒にお茶をしましょう、ねぇ、マスター)


END


109 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/07(水) 22:50:15.19 ID:k4MnRNfo0


110 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/07(水) 22:51:18.76 ID:lKEf6WAT0
泣けるじゃないの


111 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:51:58.71 ID:W6JWsOja0
いい話だわぁ


112 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:53:02.48 ID:2AwPEPiXO

欲を言えば続きが見たいくらいだ
そんくらい良かった


113 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 22:56:16.45 ID:UQgZ4hLX0
と、いう訳でおしまいです
本当は水銀燈と二人で待ったりと過ごすシュールな話の予定だったのに
金糸雀と翠星石の名前を出したためになんか話が変な方向へ…
キャラが立ってると勝手に動いてくれて楽だけど気を抜くとこんな事になるんだね
後はみんなで和気藹々とお茶をして蒼星石がなおってくだけなので全部省略しますた

いや、そもそもスレ立てたのすら初めてだったからなんか、疲れた
あ、画像は美味しかったです
原作持ってないからいろんな誤差とかあってもスルーの方向で


114 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 23:02:56.34 ID:YFh4i9ryO
終わってた
乙津


115 :真紅や雛苺の嘆きが聞こえるぜ [] :2009/01/07(水) 23:07:21.29 ID:YdP9YFP50
なんかすばらしかったよ
ありがとう



116 :VIPがお送りします [] :2009/01/07(水) 23:07:42.70 ID:VldAUYFG0
真紅様の可愛さは宇宙の神秘



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