■戻る■ 下へ
新ジャンル「常識的に考えて」
- 19 名前:VIPがお送りします。 []
投稿日:2007/07/11(水) 12:55:21.08 ID:KgUBnGFH0
放課後。
俺は靴を履き替えようと下駄箱を開けた。
そうしたら、見つけたんだ。
小さな、白い封筒を。
とても小さな、白い綺麗な封筒を。
- 20 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 12:56:32.49 ID:KgUBnGFH0
「…なんだこれ?」
恐らくは手紙だろう。
でも常識的に考えて今時、こんな古風な事する奴いるのか?
もしそんな奴が居るとしたら、それは多分ヒューマノイドインターフェースだろう。
とりあえず封筒を開けてみる。
- 21 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 12:58:56.42 ID:KgUBnGFH0
そこには丸い女の子らしい字で、
【 校舎裏で待っています 】
とだけ書かれてあった。
なんだろうこれは。
俺はいつ、どこで、何のフラグを立てちまったんだろう。
もしかしたら校舎裏には不良グループが居てフルボッコにされるんじゃないのか。
いやいや、そんな。
俺はどこにでもいるような地味メン。
そんな奴らに恨みを買うような覚えはないんだぜ?
- 22 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 12:59:36.44 ID:jdiJlgus0
どきどきw
- 23 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:00:48.52 ID:CyctiCmb0
書き手変わっててワロタw
>>1がどきどきしてるのかよw
- 24 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:01:36.27 ID:KgUBnGFH0
だかしかし。
ここで大いなる問題が立ちはだかる。
それは俺が童貞という事だ。
もし俺がイケメンの彼女持ちだとしたら、
こんな差出人も書いてないような不気味な手紙は常識的に考えてシカト一択だろう。
だがしかし。
何度でも言おう。
俺は童貞である。
そんな童貞がこんな手紙もらったら期待しちまうだろ?
こんな俺にだって、ちょっとぐらいイベントが起きたっていいだろ?
- 25 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:04:09.87 ID:KgUBnGFH0
常識的に考えて何か武器とか持っていった方がいいんだろうか。
でも、教室に戻ったってせいぜい彫刻刀ぐらいしかないんだぜ?
ええい、ままよ!
俺は覚悟を決めて校舎裏に向かう。
そうしてそこには、一人の女の子が居た。
- 26 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:05:37.07 ID:34CAwAgt0
長文イラネ ( ゚3゚)q
- 27 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:07:06.75 ID:KgUBnGFH0
その彼女に見覚えは無かった。
小柄な子で、俺よりも頭ひとつ小さい。
なかなかに可愛いかも知れない。
だがしかし!
気をつけろ、目に見える範囲にはこの子しか居ないが、
どこかに前原さんが潜んでいて後ろからバットが振り下ろされるか分からない!
気を抜くな!
「…手紙読んだよ」
俺は警戒心丸出しで彼女に話しかける。
- 29 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:09:44.85 ID:KgUBnGFH0
「来てくれたんですね」
彼女は小さく笑った。
花が咲いたように、そんな表現がしっくり来る笑顔だった。
「センパイ、あたしの事、知ってます?」
正直に言って全く知らない。
俺の事をセンパイと呼ぶという事はこの子は後輩という事になるが
そもそも部活もしていない俺は、下の学年の奴らに知り合いなど誰一人としていなかった。
- 30 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:13:36.96 ID:KgUBnGFH0
「…や、ごめん。知らない」
「…そう、ですよね。常識的に考えて」
そう言うと彼女は少し寂しそうに、また小さく笑った。
「じゃあ…なんで呼び出されたかって、分かります?」
彼女は寂しそうな笑顔を振り払い、イタズラっぽい笑顔を浮かべると俺をからかうように聞いてきた。
- 31 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:15:00.37 ID:gqssLsbX0
放課後 屋上
阿部「手紙読んだぞ。用件を聞かせて貰おうか」
男 「告白に決まってるでしょ、常識的に考えて。」
ウホッ
- 33 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:17:30.12 ID:KgUBnGFH0
「えっと…常識的に考えて…」
「常識的に考えて?」
「…罰ゲーム?」
俺がそう答えると彼女はまた小さく笑った。
どうやら小さく笑うのは彼女のクセなようだ。
「えへへっ、センパイの常識ってずいぶん歪んでるんですね」
いやいや、だって普通そう思うだろ。
下駄箱に呼び出しの手紙が入ってて、そこに行ったら女の子が待ってて、
あまつさえ、俺の事をセンパイって呼ぶんだぜ?
- 34 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:18:47.58 ID:0F9qdedY0
文才は悪くない。 よって期待。
- 35 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:20:23.11 ID:KgUBnGFH0
「うーん、そうだなぁ。他には何か可能性って思いつきませんか? …それこそ、常識的に考えてっ」
またイタズラっぽく笑う彼女。
よく笑う子だな。それがとてもよく似合っている。
って他の可能性ってなんだ。
罰ゲームじゃないとするならなんだ。
「…まさか、やっぱりフルボッコ劇場?」
「…なんですか? それ」
なんでしょう。
- 36 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:22:15.11 ID:KgUBnGFH0
分かってる。分かってるんだ。
放課後、人気の無い校舎裏に呼び出されるなんていったらアレだろ?
ザ・告白イベント。
いくら童貞の俺だってそれぐらいは想像したし、妄想したさ。
でも、そんな事自分から言い出したらどうしようもない勘違い野郎だろう!?
それは、それだけは言い出せなかった。
- 38 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:26:12.99 ID:KgUBnGFH0
「んー…センパイ、分からないかな? 常識的に考えて、ひとつしか無いと思うんだけどなぁ」
そう言い、小首をかしげる彼女。
…さっきも思ったがこの子はやっぱり可愛い。
「…ごめん、分からないっす。サーセン」
だからこそ。
彼女が可愛ければ可愛いほど、俺は頭の中の想像を口にする事が出来なかった。
- 39 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:29:36.29 ID:KgUBnGFH0
「…センパイ?」
俺が答えると彼女が不意に近寄って来た。
「な、なんスか?」
なんで敬語になってんスか俺?
風に混じってなにやら甘い匂いがした。
それは恐らく、名前も知らないこの小柄な女の子の香り。
- 40 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:31:52.50 ID:KgUBnGFH0
「センパイって、思ったより鈍感なんですね?」
そうやって少し怒って見せる彼女。
だが、それは彼女の可愛さを引き立たせるだけでしか無かった。
「…はい、ごめんなさい」
何やら完璧に気圧されている。
情けないぞ、俺。
- 41 名前:サザソのトリヴィア [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:32:21.31 ID:m+dUYOwf0
サザンのトリビアをNGにしてる
- 42 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:33:32.81 ID:KgUBnGFH0
「…じゃあセンパイ。今度の休みってヒマですか?」
急に場の空気が変わった。
手綱を握るのはもっぱら彼女。
「は、はい。ヒマだと思います」
もう完璧敬語じゃねぇか俺。
「じゃあ今度の休み、あたしとデートしましょう」
- 43 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:35:28.78 ID:KgUBnGFH0
…なななななんですって?
今、俺の耳がおかしくなってなきゃとんでも無い発言が聞こえた気がするんですが。
「デデデデデデデ」
「…デデデ大王ですか? あたしもあのたらこくちびる、好きですよ?」
どうやら天然っぽいところもあるらしい。
って、そうじゃなくて!
「デート!? 今、デートっつったか!?」
- 44 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:38:00.95 ID:KgUBnGFH0
「はい、そうですっ。 …センパイはあたしとデートするの、ヤですか?」
そう言い、少し寂しそうに笑う彼女。
さきほどから彼女は全ての表情を笑顔交じりで表現する。
それはとても素敵な事に見えた。
「い、いやじゃないッスけど!」
無駄に声張ってるぞ、俺。
おちつつつつっつつtけっけけけえ
- 45 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:42:36.11 ID:KgUBnGFH0
「ホントですかっ? じゃあ今度の休み、楽しみにしてますねっ」
俺の言葉に彼女は小さく笑う。
それは小さな笑顔。
でも、そんな彼女の笑顔は今までで一番輝いていて。
俺は正直、この時点で惚れていたのかも知れない。
「いや、あの、でも、ホントに俺なんかとでいいんスか?」
- 46 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 13:46:21.23 ID:KgUBnGFH0
俺の言葉に彼女は驚いて。
「…センパイ、まだ気付いてないんですか?」
それからまたイタズラっこのように、小さく笑った。
「それじゃあ、今度の休みの日までの宿題にしましょっ」
季節はもう夏だけど。
「鈍感なセンパイでも分かるハズですよ? 常識的に考えてっ」
なんか、春が来そうです。
終わる
- 60 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 14:44:50.92 ID:76xNE67CO
この話呼んで顔がにやけた
まぁ、俺には関係ない話だがな……常識的に考えて………
- 61 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 14:49:51.55 ID:KgUBnGFH0
そうして約束の日が来た。
俺は前もって服を買いに行ったり、
生まれて初めてワックスというものを買ってみた。
準備は万端だ。
約束の時間は13時だったが、朝5時に起きた。
…常識的に考えて老化現象?
- 63 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 14:50:42.79 ID:GYIiELJ10
終わったんじゃねーのかよ
- 64 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 14:51:44.42 ID:0F9qdedY0
よし、続きか。
- 65 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 14:53:39.26 ID:KgUBnGFH0
だがここで思わぬ事態が発生する。
格好というのモノをどうやって付けたらいいのか分からない。
適当に整髪料を付けたら適当に格好良くなると思っていたが、大間違いだったようだ。
いつも髪を下ろしてるから、ザッと上げて爽やかさを演出してみようと思ったら突然ポルナレフになった。
ありえねーと思った。
- 68 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:00:35.72 ID:KgUBnGFH0
結局風呂に入ってから出かける事にする。
だが、風呂に時間を取られたせいか、待ち合わせに遅刻してしまった。
「センパイ、4分遅刻ですね?」
俺が場所に着くと彼女はすでに待っていた。
待ち合わせで女の子を待たせるなど紳士としてあるまじき行為だ。
「ごめん! 結構早く起きたんだけどさ、急にシルバーチャリオッツが発動して」
「…? なんですか? それ?」
「あ…いや、なんでも無いんだごめん」
ばかばか、俺のばか。
ここは掲示板じゃないんだぞ。
- 69 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:03:07.55 ID:KgUBnGFH0
「センパイってたまに不思議な事いうんですね。常識的に考えて新発見かも知れません」
彼女は俺の意味不明な発言を肯定的に受け取ってくれたようだった。
ちょっと自慢気に微笑む姿が可愛い。
しかし。
奇跡だ。
この俺が女の子(可愛い)とデートする日が来るだなんて。
これが青天の霹靂って奴なのか。
ダイスケ的にもオールオッケーなのか。
- 70 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:05:12.37 ID:KgUBnGFH0
彼女は明るい黄色のワンピースを着ていた。
スソがフワッと広がっていて涼しげだ。
「あー…ごめん。なんか俺、凄い普通の格好で。もっと格好つけてくれば良かったかな」
結局買った服も着て来なかった。
鏡の前で着てみたら、あまりにも似合わなかったからだ。
服屋で見た時は、あのピチピチしたTシャツがカッコイイと思ったんだけど。
- 71 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:10:22.62 ID:KgUBnGFH0
「普通でいいですよ、普通で。常識的に考えてフツーのセンパイの方がいいと思いますから」
そう言ってはにかんでくれる彼女。
可愛いが、性格もいいらしい。
基本的に可愛い子は性格ブスだと思っていた俺は、浅はかだったのか。
初恋のアヤちゃんは凄い可愛かったけど、凄い性格悪かったのに。
授業中とか消しゴムのカスやシャーペンの芯がビシビシ飛んで来てたのに。
それだけなら俺に気があると誤解も出来たが、辞書が飛んできたあの日に俺の初恋は終わった。
俺が女の子に恋愛感情を持たないようにしてきたのは、それが原因なのかも知れない。
ちょっとしたトラウマって奴?
- 72 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:11:30.57 ID:Wal0L5D80
終わったんじゃなかったのか
しかし今書いてるのなら、結構な書き手だな
- 73 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:13:15.23 ID:KgUBnGFH0
「それじゃーセンパイ、どこ行きましょっか?」
…困った。
女の子が喜びそうなデートコース。
そんなもの俺が知るワケが無い。
「あー…えっと、どこか、行きたい所、ある?」
自分では気付いていなかったが、どうやら緊張しまくっていたらしい。
うまく言葉が喉から出て来ない。
- 74 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:13:20.64 ID:LrnyUfwNO
F5F5F5
- 75 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:15:31.16 ID:vBguI+1HO
ガンツのタエちゃんを彷彿させた
- 77 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:18:17.07 ID:KgUBnGFH0
「んー。あたしは特に。センパイは?」
「あー…その。えっと、ですね。俺も特に無いと、いいますか」
っつか、なんでまた敬語になってんだ俺。
この子が親しげに振舞ってくれればくれるほど、何か無駄に緊張してきちまうぞ。
- 78 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:19:11.24 ID:KgUBnGFH0
「…ねぇ、センパイ。もしかして今、緊張してます?」
俺の挙動不審っぷりに流石に彼女も気付いたらしい。
イタズラっぽく微笑む彼女。
小柄な彼女は俺を見るだけで、首を軽く上げなければならないらしい。
その上目遣いには中々の破壊力があった。
「ききききんちょうとか、ととととしでんせつっすよ」
…だからこそ。
破壊力があったからこそ、俺故障。
- 79 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:22:50.50 ID:Ih5fHAQw0
萌え尽きたぜ
- 80 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:23:04.95 ID:KgUBnGFH0
「都市伝説っすか? あたしには充分緊張してるように見えますよ?」
彼女はからかうように、小さく笑う。
なんというか、その笑顔は卑怯だと思う。
「…でも、そっかー。センパイは緊張してないんだ? なんだか、不公平だな」
そう言って少し唇と尖らす。
…前から思ってたが、この子には小動物的な可愛さがあるんだな。
「ふふふふ不公平ってなにかね」
…なんというか。まともに言葉も出ないほどの俺のチキンっぷりに涙が出そうだった。
- 81 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:28:21.25 ID:KgUBnGFH0
「あたしは結構緊張してるのに、センパイが緊張してないのはズルイです」
…緊張? この子が?
「そそっそそう、なの? 全然そうは見えないけどどどど?」
彼女はとても自然体で。
俺はとてもアストロンで。
「あ、やっぱりそう見えてましたか?
あたし、昔から表情読めない子だねってよく言われるんです。
いっつも笑ってばっかりで、バカみたいだーって」
それは彼女のワンピースと同じように、涼やかな表情で。
- 82 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:31:30.62 ID:KgUBnGFH0
…なんだかその笑顔を見ていたら、緊張している俺が滑稽に思えて来てしまった。
俺がこんなにも緊張している理由はただひとつ。
あの宿題だ。
なぜ俺がデートに誘われたのか未だにその答えは出ていない。
けれど、彼女が俺を落ち着かせようとしてくれているのは分かった。
そう。彼女は本当にいいコなんだろう。
こんなつまらない事で気を遣わせちゃいけない。
変に意識するな。
彼女も普段の俺でいいって言ってくれたじゃないか。
男友達に接するように、普段の俺でいよう。
- 83 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:36:40.53 ID:KgUBnGFH0
「そう? その笑顔見てると、こっちまで楽しい気分になってくるけどな」
…おい、ちょっと待て。
普段の俺でいいとは思ったがリラックスしすぎだろ。
なんて恥ずかしい事を口走ってんだ!?
「…ッ…!?」
俺の言葉を受けて、彼女はずっと俺を見上げてくれていたのに、急に俯いてしまった。
小柄な彼女が下を向くと、俺からは彼女の頭しか見えない。
どうでもいいが、綺麗なつむじだ。
- 84 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:40:36.29 ID:KgUBnGFH0
「むー…」
俯いたままの彼女が何やら唸っている。
…やっぱり怒らせてしまっただろうか。
「あ、ゴメン。…なんか、怒らせちゃったかな」
「…怒ってはないです」
彼女にしては低い声。
「……ただ、ウカツにもストレートに照れてしまっただけです」
- 86 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:43:08.52 ID:KgUBnGFH0
…俺はその言葉を聞いて、彼女の表情を見たくなってしまった。
彼女もそうだが、俺にもイタズラ心ワクワクしてる所があるのかも知れない。
彼女に気付かれないように、気持ちしゃがみこむ。
「…ッ!? ダメです、見ないでくださいっ!」
しかし察しの良い彼女はそう言って後ろを向いてしまう。
「…あ、なんかどんな顔してるのかなー、とか…」
なんか俺、セクハラオヤジくさくね?
- 87 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:45:11.38 ID:VfKzdblz0
wktkしてるけど常考関係なくね?
常識的に考えて・・・
- 88 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/11(水) 15:46:08.77 ID:KgUBnGFH0
「うー…たぶん、赤くなってます。見られたくないです」
初めて聞いた彼女の上ずった声。
気持ち舌足らずな所がYES、雛見沢。
「もう…センパイは常識的に考えて恥ずかしい事をサラっと言うんですね。…これも新発見です」
結局彼女は当分、その顔を上げてはくれなかった。
上へ 戻る