■戻る■ 下へ 次へ
幼馴染「ちょっと聞きたい」 幼馴染の弟「何?」
1 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:08:48 ID:eZZE1oUM
幼「あんた、バレンタインにチョコ貰った事ある?」

弟「何言い出すんだ、バカか?」

幼「姉に向かってバカとは何か!」

弟「弟に向かって、バレンタインの話しとかしてんじゃねぇ!」


2 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:10:36 ID:eZZE1oUM
幼「んー、じゃあ質問変えるわ」

弟「何だよ」

幼「全然好きでも何でもない女の子からさ」

弟「はぁ」

幼「急にチョコ貰っちゃったとしてさ」

弟「…」

幼「どんなチョコだったらその娘の事好きになる?」


3 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:10:56 ID:eZZE1oUM
弟「も一回言うぞ?バカか?」

幼「バカとは何か!」

幼「良いから答えなさいよ!」

弟「何で俺がそんな事に答えなきゃなんねーんだよ!」

弟「大体、なんで俺に聞くんだよ!」

幼「思いついた時に、一番身近に居た異性がアンタだったから」

幼「お兄ちゃんまだ帰って来てないし」


4 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:11:31 ID:eZZE1oUM
弟「バッカじゃねーの、マジで」

幼「…それ以上バカって言ったら」

幼「机の引き出しの奥にある本をお母さんに渡す」

弟「脅迫かよ!マジでバッ…」

幼「お母さーん、弟が部屋の模様替えしたいってー」

幼「って、大声で叫んでも良いの?」

弟「ぐっ…」


5 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:12:03 ID:eZZE1oUM
幼「ウチのお母さんは模様替え大好きだからねー」

幼「この部屋なら、真っ先にベッドと机を動かすだろうねー」

幼「隠す暇なんて無いだろうねー?」

弟「…」

幼「さぁ、叫ばれたくなければ、答えなさい!」

幼「どんなチョコだとハートを掴まれちゃうの?」


6 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:12:50 ID:eZZE1oUM
弟「…ぶっちゃけ、チョコはどうでも良くって」

弟「好きな人から貰えたら、チロル一個でも充分嬉しいよ」

弟「…まぁチロル一個じゃ、義理確定だから」

弟「その後、超落ち込むだろうけど」

幼「それじゃ駄目なんだよー」

弟「何でだよ、ちゃんと答えただろ?」

幼「もうちょっと考えてよー」


7 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:13:11 ID:eZZE1oUM
弟「あー?知らねーよー」

弟「ちゃんと答えただろ?もう出てけよー」

幼「ね、やっぱり手作りが良い?」

幼「それとも手作りだと重いかな?」

弟「まぁ、好きでも無い人から手作りチョコ貰ったら」

弟「ちょっと重いかな」


8 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:13:32 ID:eZZE1oUM
弟「んー、でもそれが切っ掛けで、好きになるかもしれねーな」

幼「やっぱ男子はそんな感じなの?」

弟「女子だってそうだろ?」

幼「え?」

弟「別に気にしてない人でも、告られたら意識はするだろ?」

幼「んー。私は別に…何とも思わないままだったなぁ」

弟「え?姉ちゃん告られた事あんの?」


9 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:13:59 ID:eZZE1oUM
幼「え?あ、うん。高校入ってから三回くらい」

弟「マジかよ」

幼「む?どう言う意味よ」

弟「自分の胸に聞いてみろよ」

幼「なっ!アンタ、弟のくせに私の事、そんな目で!」

幼「だ、駄目からね!」
サッ


10 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:14:19 ID:eZZE1oUM
弟「またまた言わせて頂きますけど」

弟「バッカじゃねえの?」

弟「胸を隠すな!実の姉だぞ!欲情なんか絶対しねーよ!」

弟「マジでバッカじゃねぇの?」

幼「バカバカうるさい!」


11 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:14:39 ID:eZZE1oUM
弟「姉ちゃんがバカな事言うからだろ!」

弟「もう良いだろ、マジ出てけよ!」

幼「そう言う訳にはいかないんだよ」

弟「どう言う訳なんだよ」

幼「ほら、明後日バレンタインじゃんか」

弟「まぁ、そうだな」


12 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:14:59 ID:eZZE1oUM
幼「年頃の乙女としては、気になる訳よ」

弟「去年まで別に何もしてなかったじゃん」

幼「去年まではね!」

幼「でも今年はちょっと違うの!」

幼「そんな訳で、身近な異性のアンタに聞いてるのよ」


13 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:15:17 ID:eZZE1oUM
弟「あー…もう、男さんに聞けよ」

幼「おお、男は関係ないでしょ!」

幼「な、ななんでそこで、男の名前が出て来るのよ!」

弟(バレバレだっつーの)

弟「あー、はいはい」

弟「でもまぁ、手作りで良いんじゃねーの?」


14 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:15:41 ID:eZZE1oUM
幼「で、どこまでが手作りだと思う?」

弟「は?」

幼「カカオ豆からカカオマスを精製する所からが100だとして」

幼「どの辺りまでが手作りチョコだと思う?」

弟「それマジで言ってるの?」

幼「え?何で?」

弟「普通、手作りチョコってさぁ」

弟「市販のチョコを溶かして、型に流して固めるもんじゃね?」


15 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:16:04 ID:eZZE1oUM
幼「それのどこが手作りなの?」

弟「いや、だから…板チョコをハートの型とかに…」

幼「それ、元はただの板チョコでしょ?」

弟「それはそうだけど…それが普通で…」

幼「溶かして固めるだけって、全然手作りじゃないじゃん?」

弟「あぁもう!じゃあ、やってみろよ!」

弟「カカオ豆からチョコレート作ってみろよ!」


16 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:16:26 ID:eZZE1oUM
幼「いやいや、もっと突き詰めて行けば…」

幼「カカオを栽培する所からが、手作りチョコかな?」

弟「…あの、ちょっともうマジ出て行ってくれ」
グイッグイッ

幼「なんでよ!ちょっと!」

弟「俺の手には負えん!他あたれ!」
バタン

幼「…」


17 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:16:53 ID:eZZE1oUM


幼「そんな訳でね」

幼の兄「そんな訳って言われてもね」

幼「弟ったら酷いでしょ?」

幼「乙女の真剣な悩みをさぁ」

兄「…まぁ、確かに弟の手には負えない話しだね」

幼「お兄ちゃんはさぁ」


18 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:17:11 ID:eZZE1oUM
兄「ん?」

幼「最近はチョコ貰ったりしてる?」

幼「昔はほら、沢山持って帰って来てたじゃん」

幼「何年前からか、全然持って帰って来なくなったじゃん?」

幼「年取って、モテなくなった?」

兄「いやぁ…ははは」

兄「まぁ昔程じゃ無いけど、毎年貰ってるよ」


19 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:17:31 ID:eZZE1oUM
幼「え?そうなの?」

兄「ちょっとね、ある人に怒られちゃって」

幼「なんで?」

兄「たとえ義理チョコ一個でも」

兄「渡す人の想いがこもってるんだから」

兄「他の人にわけたりするなー!ってね」

兄「だから、学校で貰ったチョコ、全部学校で食べてるんだ」

幼「そうだったんだ…」


20 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:17:58 ID:eZZE1oUM
幼「て言うか、誰に言われたの?」

兄「ま、それは内緒って事で」

幼「お兄ちゃんの好きな人?」

兄「内緒!」

兄「今は俺の話しじゃないだろ?」

兄「幼がおとk…誰かにあげるチョコの話しだろ?」

幼「あ、うん」


21 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:18:18 ID:eZZE1oUM
兄「さっき言ってたココア豆から手作りってのはなぁ」

兄「ちょっと無理だろう」

幼「でも、溶かしたチョコを固めるだけなんて!」

兄「ならいっそ、店で売ってる既製品はどう?」

幼「でも…それじゃ気持ちが…」

兄「んー、それじゃ手紙を添えるとか?」

幼「手紙…ラブレター?」


22 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:18:46 ID:eZZE1oUM
兄「まぁ、そんなに堅い物じゃなくても良いんじゃないかな」

兄「メッセージカードに一言書いて、渡すとか」

幼「気持ち、伝わるかなぁ…」

幼「あ、既製品なら予算は2万円くらい?」

兄「!?」

幼「貯めてあった小遣い、今こそ使う時!」

兄「ちょ、ちょっと待った!」


23 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:19:04 ID:eZZE1oUM
幼「え?何?」

兄「チョコに何万円もかけるよりはさ」

兄「千円くらいのチョコとプレゼントを渡せば?」

幼「プレゼント…」

兄「やっぱりこう言うのは気持ちだからさ」

兄「金額が高ければ良いって物でも無いと思うよ」

幼「そうかなー」


24 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:19:41 ID:eZZE1oUM
兄「絶対にそうだよ」

兄「弟が言った通り、好きな人から貰った物なら」

兄「チロルチョコ一個でも嬉しい物だよ」

幼「でもさすがにそれはね?」

兄「うん。だから千円くらいのチョコで良いと思うよ」

兄「そのチョコに、気持ちのこもったプレゼントを添えて渡せば…」

幼「…」

兄「納得してない顔だね」


25 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:20:15 ID:eZZE1oUM
幼「うーん…何かちょっと、しっくり来ないって言うか…」

兄「それなら、母さんに聞いてみれば?」

幼「え?」

兄「昔聞いたんだけど」

兄「母さんは、バレンタインデーに告白して」

兄「父さんと付き合い始めたらしいよ?」

幼「え!?そうなんだ?知らなかった!」


26 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:20:38 ID:eZZE1oUM
兄「母さんがその時、どんなチョコをあげたのか聞いてみれば?」

幼「うん、そうする!ありがと、お兄ちゃん!」
バタバタバタ

兄「どういたしまして」



兄「…まぁ、お隣さんの彼にあげるんなら」

兄「それこそ、何でも良いと思うんだけどね」


27 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:21:02 ID:eZZE1oUM


幼の母「で、どうすれば良いのかを聞きに来た…と」

幼「お母さん、お父さんに何をあげたの?只のチョコ?」

母「うーん…恥ずかしいからあまり言いたくないんだけど」

幼「お願い、お母さんっ!」

幼「私の人生が賭かってるの!」

母「人生ねぇ…」

幼「駄目?」


28 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:21:32 ID:eZZE1oUM
母「まぁ、良いでしょう」

母「でも、絶対誰にも言わないでね?」

幼「約束する!」

母「私とお父さんはね、幼馴染だったの」

幼「へ、へぇー。そうなんだ?」

幼「あれ?でも、お父さんの実家とお母さんの実家って…」

母「そうね。東京と名古屋だから、結構離れてるわよね」


29 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:22:11 ID:eZZE1oUM
母「でも、小さい頃はお父さんの実家も東京にあってね」

母「家が隣りで、すっごく仲が良かったのよ」

幼「…」

母「中学2年の時、お父さん達一家が引っ越す事になってね」

母「お母さん、頑張ったのよ」

幼「それがバレンタインデー?」

母「そう」


30 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:22:36 ID:eZZE1oUM
母「お母さん、願いをこめて、ある贈り物を贈ったの」

母「お父さんは慌てふためいていたけども」

母「おかげで、ちゃんとお付き合いする事になったのよ」

母「お父さんは高校まで名古屋で」

母「大学はこっちの大学に来てくれたの」

幼「へぇー。じゃ、遠距離恋愛だったんだ?」

母「そうよー。毎日電話かけまくって」

母「親に怒られ続けたのも、今では良い思い出よ」


31 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:23:02 ID:eZZE1oUM
幼「で、お母さん!お父さんに何をあげたの?」

母「絶対誰にも言わないでね?」

幼「絶対言わない!約束する!」

母「お父さんって鈍感でしょ?」

幼「それは…多分」

母「それまでにも色々頑張ったんだけど」

母「中々気持ちが伝わらなくてね」


32 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:23:38 ID:eZZE1oUM
幼「うんうん」

母「お父さん達は3月一杯で引っ越すって聞かされて焦っちゃったのね」

母「お母さん、バレンタインデーの夜中にね」

母「自分の身体にリボンを巻いて、お父さんのベッドに忍び込んだの」

幼「!?」

母「我ながらとんでもない事しちゃったわよ」

幼「お、お母さん、それで…どうなったの?」


33 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:23:59 ID:eZZE1oUM
母「…本当に、聞きたい?」ニヤリ

幼「あ、あぁ…言わなくて良い。大体解ったから」

母「あらそう?一晩中だって語れるけど?」

幼「い、良いから」

母「それはそれとして、幼ちゃん」

幼「何?」

母「誰かにチョコあげるのよね?」


34 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:24:36 ID:eZZE1oUM
幼「ま、まぁ、あげてみようかなーと思ったり思わなかったりー」

母「おとk…その誰かにあげる物はチョコ?」

母「それとも何か…プレゼント?」

幼「それを考えているんだけど…」

幼「さすがにお母さんの真似はちょっとアレかなー」

幼「でも手作りチョコって言っても」

幼「普通は溶かして固めるだけなのは嫌だし」

幼「プレゼントは…何が欲しいのか解らないし…」


35 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:25:06 ID:eZZE1oUM
母「そうねぇ…」

母「それなら、手作りのチョコケーキはどう?」

幼「ケーキ?」

母「それなら、溶かして固めるだけのチョコとは違うでしょ?」

母「しっかり想いをこめたお菓子。どう?」

幼「ケーキ、良いかも!うん!」

母「作り方教えて上げるから」

幼「ありがとうお母さん!」


36 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:25:36 ID:eZZE1oUM



男(何だろう…俺のベッドが異様に膨らんでる)

男(具体的には人一人分くらい)

男(誰だか見当は付いてるんだけど…)

男(これは…どう接するのが正解なんだ?)


37 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:25:56 ID:eZZE1oUM


10分経過
男(中の人が出てくる気配は無い…)

男(俺が部屋に入った事には気付いてるはずだから…)

男(やっぱ、俺のリアクション待ちって事か…)

男(布団めくってみるか)

男(中で寝てる可能性もあるもんな)
スタスタ


38 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:26:24 ID:eZZE1oUM
バサッ
男「これは…俺の服?」

バタンッ!
幼「引っかかったわね!私はここよ!」

男「俺の部屋で何を…っておい!お前その格好…」

幼「男、ハッピーバレンタイン!」
バッ

男「ま、待て!一歩もそこを動くな!」


39 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:26:45 ID:eZZE1oUM
幼「へ?なんで?」

男「その…身体をグルグル巻きにしているリボンが…」

男「都合よく大事な所をちゃんと隠してると思うなよ?」

幼「へっ?」

男「い、色々見えちゃってるぞっ!」

幼「えっ!?あっ!やっ!」

男「いいから早く服を着ろ!」


40 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:27:15 ID:eZZE1oUM


幼「すみませんでした…」

男「いや、俺は良いんだけど…その…」

幼「まさかあんなに見えちゃうとは思わなかったよ…」

男「…」

幼「お粗末な物をお見せしてしまって…スミマセン」

男「いやぁ…粗末じゃなかったけど」


41 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:27:42 ID:eZZE1oUM
幼「そ、それでね。今日はちょっと用事があって…」

男「あぁ、バレンタインって言ってたもんな」

幼「そう。バレンタインだから贈り物を持って来たんだよ」

男「それで自分にリボン巻いて、私がプレゼントーって」

男「押入れの中に隠れてたの?」

幼「…そうです」

男「あぁ、あの…気持ちはすげー嬉しいよ」

幼「…」


42 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:28:16 ID:eZZE1oUM
男「でもまぁ、こう言うのはもう無しな?」

幼「嫌だった?」

男「嫌じゃあ…無かったけど…その…な?」

幼「な?って言われても、何?」

男「あー…ちょっと質問なんだけどさ」

幼「ん、何?」

男「あのまま俺に飛びついてたら、その後どうなったか…」

男「解ってるか?」


43 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:28:37 ID:eZZE1oUM
幼「そりゃあ、解ってるよ。子供じゃないんだから」

男「そう、もう子供じゃないんだぜ?」

幼「…」

男「だからちゃんと確認しておきたいんだけど」

幼「な、何をかな?」

男「俺、幼の事が好きな訳なんだけど」

幼「!?」


44 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:29:13 ID:eZZE1oUM
男「幼もそう思ってくれてるって事で…良いのか?」

幼「う、うん…て言うか今日はそれを伝えに来たんだよ!」

幼「私、男の事が大好きだから!」

男「お、おう、ありがとう。俺も幼の事大好きだ」

幼「嬉しいよ、男」
ギュッ
ドサッ
男「お、おい…」


45 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:29:43 ID:eZZE1oUM
幼「重い?」

男「重くはないけど…」

幼「子供じゃないから、もちろん覚悟して来たよ?」

男「…」

幼「キス、して?」

男「…」


ちゅっ


46 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:30:11 ID:eZZE1oUM


男「あのさ」

幼「何?」

男「その…自分をプレゼントするって、幼のアイディア?」

幼「なんで?」

男「何か、幼らしくないなーと思って」

幼「えへへー。バレたかー」


47 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:30:44 ID:eZZE1oUM
幼「ここだけの話しなんだけど、私のお母さんがね」

男「おばさんが?」

幼「中2の時、お父さんにそうしたんだって」

男「へぇ?おばさん、勇気あるなー」

幼「だよねー」

幼「それで上手く行ったって言ってたから…」

男「まぁでも、幼らしくないと思うよ」


48 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:31:32 ID:eZZE1oUM
幼「じゃあどんなのが私らしい?」

男「うーん…カカオ豆からチョコ作る!って言いそう」

幼「またまたバレちゃった」

幼「溶かして固めただけのチョコなんてさぁ」

幼「手作りチョコって言わないよね?」

男「まぁ、世間では手作りって言うんだよ」


49 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:31:55 ID:eZZE1oUM
男「そんなに凝らなくてもさ」

男「相手を想って、ひと手間かけるって言う事が大切なんじゃね?」

幼「そっか…あ!忘れてた!」

男「ん?」

幼「チョコケーキを作ったんだったよ」

幼「ひと手間、男の事を想って作ったんだよ」

男「お、おぉ、デカいな」

幼「開けてみて!自信作だから!」


50 名前: ◆L0dG93FE2w [sage] 投稿日:2013/02/14(木) 00:32:30 ID:eZZE1oUM
パカッ
男「…」

幼「順番逆になっちゃったけど」

幼「これが私の気持ち」

幼「ちゃんと伝わったかな?」

男「まぁケーキの上に思いっきり『本命』って書いてあるし」

幼「直球勝負!」

男「色々順番が逆だけど…まぁいいや」

男「ありがとう、幼」



次へ 戻る 上へ