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新ジャンル 「脳姦」
- 84 :VIPがお送りします []
:2008/11/08(土) 00:56:15.89 ID:9MvskMAg0
――僕は、今でも思い出す。くまと脳姦が戦ったあの日のことを。脳姦が僕を犯さなかったあの夜のことを。
あの夜が、僕達の運命を分かつ分水嶺だったことに。どうして僕は気が付かなかったのか。
運命は僕らを飲み込んだ。後はただ、目を硬く閉じて。終わりへと向かって、流されてゆくばかりだ。
日本史の先生 「……というわけで、邪馬台国がどこにあったのかは日本史の永遠の謎といわれています」
俺 「えっ?じゃあテストのときは邪馬台国がどこにあったって書けばいいんですか?」
日本史の先生 「そればっかりは先生にも分からん。でもテストには出す」
脳姦 「邪馬台国の場所がわかればいいのね!任せて!」
ハニワ 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!」
脳姦 「フゥ。我ガ名ワハニワ。邪馬台国カラ来タ」
俺 「ああ!脳姦がハニワに意識をのっとられてしまった!人間じゃないものを無理して犯すから!」
脳姦 「あ、別に今のは演技よ。そしてハニワもとても臭かった」
俺 「良かった!演技か!」
おおなんと真に迫る脳姦の演技!あと邪馬台国は八幡台にあるらしいぜ。創元推理文庫に書いてあったから間違いない。
- 87 :VIPがお送りします [sage] :2008/11/08(土) 01:02:22.82 ID:2/KUhH0j0
小wwwレwっうぁwっうぇやwwばwっうぃwwww
- 89 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:10:44.05 ID:9MvskMAg0
脳姦の祖父 「おお、脳姦よ。お前もとうとうわれら脳姦一族の呪われた宿命に」
脳姦 「長い話になるのね!任せて!」
脳姦の祖父 「ヌハァ!」
おお脳姦の祖父のなんという年の割りに機敏な動作!
脳姦の祖父 「若い若い……。さあ今度こそ私の話を聞け。われら脳姦一族の勃興は紀元前にさかのぼる…」
脳姦 「どうせ聞いても忘れる類の話をするのね!任せて!」
脳姦の祖父 「何度やっても同じことよ!フハァ!」
ああ!しかしその瞬間脳姦の祖父を襲う悲劇!背後に!背後に姉が!
脳姦の姉 「フン!フン!フン!」
脳姦の祖父 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!み、見事じゃ……オゥフ」
脳姦の姉 「うまくいった。そして……まあ!お祖父さまはなんと恐ろしい話を!」
脳姦 「教えてお姉さま!お祖父さまは一体どんな恐ろしい話を」
脳姦の姉 「……聞いて驚かないで、脳姦。なんとお祖父さまはあと二時間は話すつもりだったのよ!」
脳姦 「まあ恐ろしい!」
おおなんと恐ろしく長い老人の話!
- 90 :VIPがお送りします [sage] :2008/11/08(土) 01:13:27.18 ID:2/KUhH0j0
なんか唐沢弟っぽいぞ
- 91 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:13:29.75 ID:hzySEU32O
>なんとお祖父さまはあと二時間は話すつもりだったのよ!
そこかw
- 93 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:20:57.14 ID:vAZdM+J40
これはやばいww
- 95 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:23:16.33 ID:9MvskMAg0
脳姦の姉 「脳姦。もうすぐバレンタインデーだわね。チョコの作り方を教えてあげましょうか?」
脳姦 「面倒くさい教え方をするのね!任せて!」
脳姦の姉 「ヌハァ!」
ああ!これは紛れもなく脳姦の祖父が使った技!
脳姦の姉 「お祖父さまの記憶を奪った私にはこの程度のことは容易いのよ!お仕置きに溶かしたチョコを食らうがいい」
脳姦 「ギャア!イチモツにチョコが!熱い!」
おお想像するだけで股間が縮み上がる!これが本当のチョコバナナ!しかし!しかし!しかし!
脳姦の姉 「……こ、これは!」
チョコ 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!」
脳姦 「フゥ……分かったわ。チョコの全てが分かった。これでチョコを作るなど私には容易いことよ」
脳姦の姉 「馬鹿な!人間だけでなくチョコの記憶まで……脳姦!あなたは一体!」
脳姦 「隙あり」
脳姦の姉 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!」
脳姦 「ひとりぼっちになっちゃった」
- 96 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:25:26.13 ID:V+lDDc1wO
チョコバナナwwwww
- 97 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:36:00.73 ID:iocNz/jI0
もう一つの脳姦一族って俺なのか・・・?
しかし俺の出番少ねえな
- 99 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:37:03.58 ID:hiTETxw+O
>>97早くやれ
- 100 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:40:26.44 ID:9MvskMAg0
数学の先生 「よし。じゃあテストを返すぞ……脳姦、これはちょっと、ひどい点数だな」
脳姦 「いっけない!なんか脳姦一族がどうたらこうたらと全く内容を考えてない宿命の話をしてたら学業がおろそかになっちゃったわ!」
国語の先生 「こんな成績じゃあどこの大学にも入れやしないぞ!それでもいいのか!」
脳姦 「……はう」
俺 「まあ、なんだ、脳姦。元気出せよ!」
脳姦 「……くすん。こんなに成績が悪くって、私将来どうしたらいいんだろう……」
俺 「……ゴ、ゴホン!まあ、なんだ!そのときは、ホラ、幼稚園のときの約束を、俺が守ってやるよ!」
脳姦 「約束?」
俺 「……あれだよ。その、あの、なんていうか、ほら、俺の、お、お、お、お嫁さんにしてやるって約束……」
脳姦 「お、お、お!覚えてないわよそんな約束!馬鹿!ボケ!カス!ハゲチャビン!宇宙海賊ゴージャス!」
おおなんという脳姦の顔の赤さ!怒りの余り俺の頬に一つ二つビンタを張るとたちまち遠くへと駆け出してゆくではないか!
俺 「……覚えてないなら、記憶でも何でも奪えばいいんだよ。チクショウ」
- 101 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:41:55.70 ID:f/YQSVnR0
才能溢れる>>1が居ると聞いて
- 102 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:44:21.27 ID:XYlJJh/J0
オラに才能を分けてくれ!全部!
- 103 :VIPがお送りします [sage] :2008/11/08(土) 01:48:12.83 ID:oWKQ7sYP0
>>102
>>1を脳姦すればイインダヨ!
- 105 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:50:52.65 ID:OlZB9gyK0
脳姦しまくってたら、かなり知識(学力)はあるんジャマイカ?
それとも得られる知識は、限定的とか一時的とかなんだろうか。
と無粋なことを考えてみるテスト
- 106 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 01:52:35.90 ID:9MvskMAg0
脳姦 「うわああん!お姉ちゃん!まだ廃人にしてないほうの、遠くへお嫁に行ってるけど今ちょうど帰省しているお姉ちゃん!」
まだ廃人にしていないほうの姉 「どうしたの、脳姦?男の子に本当は覚えているけど覚えてないふりでごまかしてきた幼稚園の頃の結婚の約束でも持ち出されたの?」
脳姦 「……うん」
まだ廃人にしていないほうの姉 「そして熊がとても臭かったのね。かわいそうな脳姦」
脳姦 「とてもともて臭かったの……ねえおねえちゃん、人を好きになるって、どういうこと?結婚してもいいくらい好きになるのって、どんな気持ちなの?」
まだ廃人にしていないほうの姉 「そうねえ、それはね……あ、ちょっと待って、話し終わるまでは廃人にしないでね」
脳姦 「話は長くない?そして話し終わったら廃人にしてもいい?」
まだ廃人にしていないほうの姉 「もう、甘えん坊さん。あのね、好きになるって言うのはね。その人のことをもっと知りたいっていう気持ちなの」
脳姦 「よく、知る?」
まだ廃人にしていないほうの姉 「そうよ。抱き合うのも、結婚して一緒に暮らすのも、その人のことをよく知りたいから」
脳姦 「私……私、あいつのことを、もっと知りたい」
まだ廃人にしていないほうの姉 「それが好きって言う気持ち。じゃあ話が終わったから廃人にしていいわよ」
脳姦 「やったあ!」
まだ廃人にしていないほうの姉 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!」
- 107 :VIPがお送りします [sage] :2008/11/08(土) 01:52:51.32 ID:vjDyU0NxO
ふざけんなこちとらたった今舞城王太郎読んできたばっかなんだぞイメージがめっちゃ被ったじゃねーかもっとやれ
- 108 :VIPがお送りします [sage] :2008/11/08(土) 01:55:14.07 ID:V5kJK9iTO
>>100
宇宙海賊ゴージャスwwwwwwwww
- 109 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:05:32.84 ID:9MvskMAg0
いつも蟷螂を想像するのだ。
抗えない本能に突き動かされ。逆らえない宿命に縛り付けられ。
誰よりも愛する異性だからこそ、喰らわずには、いられない。
脳姦 「先生!席替えをしてください!」
以前廃人になったのとは違う先生 「どうした脳姦」
脳姦 「この男のそばにいたくないんです!なんかこう臭いから!」
俺 「え?俺?臭いか?臭いかなあ……」
脳姦 「しゃべるな!」
先生 「確かにそいつはちょっと臭い。先生もガマンしてた。でも席替えは面倒だから……そうだ!マスクでもすればいいんじゃないか?」
脳姦 「……マスク。そうだ!マスクで顔を隠せばあいつの顔を見たり臭いをかいだりしなくて済むかも……ああっでもフン!フン!フン!」
マスク 「オゥフ!オゥフ!オゥフ!」
脳姦 「ああもう!こんなことしたらマスクの記憶を奪うことで結果的にマスクの表面に触れた臭いの粒子すなわちあいつの臭いが結局私の脳に入ってきちゃうじゃない!もうやだ!」
俺 「脳姦。ごめんよ。もう風呂に入るとき湯船に異物を浮かべるのは止めるよ」
脳姦 「早退します」
- 110 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:07:51.88 ID:V+lDDc1wO
今までに無い長さの名前
- 111 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:09:58.68 ID:Y4hMnVPkO
さーて、カオスって参りました
- 112 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:18:39.37 ID:9MvskMAg0
蟷螂の斧。運命に抗うには。余りにも頼りない斧。儚い刃。
だが、ここに一人の少女が存在する。
運命を。宿命を。本能を。
およそ覆しえない全てを覆すイチモツを股間に持つ、一人の蟷螂(しょうじょ)が存在する。
脳姦 「もう馬鹿!馬鹿!馬鹿!どうしてあいつは私に記憶を奪わせたくなるようなことばっかりいうのよ!いったい湯船にどんな異物を浮かべているのよ!知りたい!知りたい!」
誰もいない。だだっぴろいばかりの家で。少女は叫ぶ。
脳姦 「あいつのことが知りたい!全部全部知りたいよう!好きな人のことが知りたいよう!でも!でも!でも!」
鴆鳥はその一生でただ一度だけ。高らかに啼くのだという。狩りに備えてでもなく。交尾に及んででもなく。己が卵の殻を破るその瞬間に。雲を割るかの如く気高い声で啼くのだという。
脳姦 「あいつの全てが知りたいけど!あいつを犯したくないよう!あいつが廃人になっちゃうのは嫌だよう!」
少女は目を閉じる。
脳姦 「……あいつを廃人にせずに、あいつの全てを知りたいよう」
少女は目を開く。
脳姦 「そのためなら、なんだって、できる」
恋する少女は、何だって出来る。
- 113 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:21:04.49 ID:3Ci3UUDr0
盛り上がってまいりました
- 114 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:31:08.57 ID:9MvskMAg0
真っ白なジグソーパズルの、何百とあるピースの内、一つだけを失くしてしまった。そう想像して欲しい。
組みあがったパズルは、盤面を埋め尽くす白と、ただ一ピース分の黒で描かれるはずだ。
少女は考えた。それはひょっとして、真っ黒なジグソーパズルのただ一ピースを、白い台座の上に置くことと同じなのではないか、と。
先生 「オゥフオゥフ」
クラスメイト 「オゥフオゥフ」
教室 「オゥフオゥフ」
俺 「い、一体何が起こったんだ!皆廃人になっちまった!」
立ちすくむ間も有らばこそだ。僕がぼうっっとつっ立っていた地面もオゥフオゥフと叫びだし、吸う息吐く息もオゥフオゥフ。
俺 「て、テレビを!」
アナウンサー 「オゥフ!オゥフオゥフ!どうぞCMの後もオゥフchをお楽しみオゥフ!」
テレビカメラが世界の国々を映し出す。
アメリカ人 「ハロオゥフ!」
ドイツ人 「プロージットゥフ!」
田茂神長官 「あの戦争は侵略戦争ではなかったオゥフ!」
- 115 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:33:46.76 ID:KlCtAW/u0
>>114
>真っ白なジグソーパズルの、何百とあるピースの内、一つだけを失くしてしまった。そう想像して欲しい。
>組みあがったパズルは、盤面を埋め尽くす白と、ただ一ピース分の黒で描かれるはずだ。
>少女は考えた。それはひょっとして、真っ黒なジグソーパズルのただ一ピースを、白い台座の上に置くことと同じなのではないか、と。
なんという逆転の発想wwww
- 116 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:34:00.03 ID:nQ2p/bul0
タモさんww
- 117 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:45:16.03 ID:AJ/QqaMm0
そろそろ終わりか
- 118 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:48:16.53 ID:9MvskMAg0
そして、気が付くと彼女は僕の目の前にいた。あと田茂神さんは長官じゃなくって空幕長だった。
脳姦 「もうちょっと、もうちょっとだけ待っててね」
俺 「脳姦!何やってんだ!どうして皆を廃人に!」
脳姦 「私ね。あの約束覚えてるよ。幼稚園のときのあの約束」
脳姦は笑っていた。脳姦は泣いていた。
脳姦 「私ね。あなたのことが好き。だからあなたのことが知りたいの。あなたの脳髄を犯して、あなたを全部理解りたい」
脳姦が言葉を紡ぐその間にも、目の周り全てが廃人になっていく。ポケットの中に入れておいたクトゥルフ神話もすでにクトオゥフ神話だ。
脳姦 「でも、それじゃ結婚できないもんね。だから、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ待っててね」
バーバリーのスカートが風に舞い上がる。チェックの模様が廃人に映える。脳姦のイチモツは、ただまっすぐに台地を目指していた。
俺 「脳姦!」
脳姦 「フン!」
地球 「オゥフ!」
世界が、白く染まった。
- 119 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:51:19.03 ID:3Ci3UUDr0
いつのまにこんな壮大なストーリーに
- 120 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 02:56:41.39 ID:f3HXMi+cO
地球規模の惨事にw
- 121 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:05:43.16 ID:9MvskMAg0
少女の望みは、恐ろしいほどに容易く叶った。恋する少女は常に無敵だ。
地球は廃人となり、その回転を止めた。
少女は地球を知った。
停止した軌道の上で、廃人だけがうごめく惑星をどのような運命が待っているのかを。知った。
脳姦 「……ひょっとして、わたし、やっちゃった?」
俺 「やりすぎだよ!馬鹿!明らかに地球止まってんじゃんこれ!早川書房の回し者かお前は!」
地球 「オゥフオゥフ」
脳姦 「だって!だってあなたのことが知りたかったんだもん!好きなんだから!好きだけど奪いたくなかったから!だから私頑張ったのに……」
俺 「……それで、俺のことは分かったのか」
脳姦 「おかげさまで!あなたの身長は172cmで体重は64kg。生まれてから1654892回呼吸をして瞬きは2393009回で……わぷっ?」
体が勝手に動いた。聞いていられなかった。脳姦が泣きながら謳い上げる世界の全てと引き換えにした僕についての全ては、はただの泣き声にしか聞こえなかった。
脳姦 「ちょっと!な、なにしてんよ!放しなさいよ!セクハラもいいところで……むぐぅ……!」
僕は脳姦を、ただただ抱きしめた。かつてはクラスメイトだった廃人達が僕達を囲み、ものめずらしそうにオゥフオゥフと繰り返していた。
- 122 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:06:46.59 ID:P/RHHXcfO
>>118
>クトオゥフル神話
吹いたwwwwwwwwwwwwww
- 124 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:14:56.43 ID:36+EHxUZ0
記念に書…オゥフオゥフ!
- 125 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:16:51.01 ID:8EmiqTra0
これは酷いwwwwwwwwオゥフオゥフwwwwwwwwwwwww
- 126 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:20:22.92 ID:9MvskMAg0
僕は何も言わなかった。脳姦は不思議そうな顔をしていた。
脳姦 「あなたのこれまでの人生の平均体温は、36.6239℃。あなたの今日までの心拍数の合計は84907284回……分かってる、分かってるはずなのに……」
僕は何も言わなかった。僕は彼女がたどり着く答えを知っていた。
詰まるところ。彼女は初めから間違っていたのだ。
脳姦 「でも、なんか違うよう!この温かいのはなんかそういうのと違うよう!わかんないよう!うわあああああん!うああああああん!」
廃人だけの、廃れた星に、少女の泣き声が響いた。
俺 「馬鹿だなあ」
目の前に広がる。荒んだ大地。濁った空。ひたすらに歩き回るだけの廃人達。
耳に響くのはオゥフオゥフの大合唱。
やっちまった。盛大にやっちまった。ぶっちゃけ取り返しが付くとは思えない。
まあ、でも。とりあえず僕は無事で。
脳姦 「うわんうわんうわあああん!ずびいいいいい!」
今まさに僕のシャツを壮絶に涙と鼻水で汚してくれてる女の子がいて。
その子が僕のことを好きだという。
だったらまあ。地球の一つや二つは止まっても問題ないんじゃあなかろうか。
- 127 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:22:44.99 ID:AJ/QqaMm0
問題大有りだwwwww
- 128 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:35:27.92 ID:9MvskMAg0
俺 「じゃあ行こうか」
脳姦 「……どこに?みんなもう廃人だよ?」
俺 「デート」
脳姦 「はぁ?」
俺 「俺のことが好きなんだろう?もっと俺のことが知りたいんだろう?だったら奥さん、デートですよデートデート。イッツワラビューリホゥホリディ」
脳姦の手を引き、僕は歩き出す。
廃人になってしまったこの惑星が、どれくらい持つかは分からないが、まあ町に出て遊ぶくらいの時間は残してくれるだろう。
俺 「えっと、バス停は多分市役所前が一番近いのかな」
脳姦 「だ、だからもうバスも電車も全部廃人なんだってば!」
俺 「そっか」
脳姦 「だから、だから……」
歩いていこう。廃人の海の中を。手をつないで。子供みたいに。あの頃みたいに。笑いながら。歌いながら。
- 129 :VIPがお送りします [] :2008/11/08(土) 03:36:44.98 ID:9MvskMAg0
僕達が歌えば、廃人達も歌う。楽しそうに。出鱈目なリズムで。ただオゥフオゥフと。
いつしか僕達も。廃人達と同じ言葉で歌っている。
俺 「オゥフオゥフオゥフ」
脳姦 「オゥフオゥフオゥフ」
廃人達 「オゥフオゥフオゥフ」
地球 「オゥフオゥフオゥフ」
君が笑えば。廃人も笑う。君が笑えば。地球も笑う。
これが全てだ。僕が語り得る物語の全てだ。脳を犯す女と。間の抜けた僕のふたり芝居。
停止して、二度とは動かない。ゆっくりと冷えていくだけのこの惑星で。
僕達は、人類最後の恋を始めた。
おわり
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