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新ジャンル「仲間に魔王」
- 243 名前:VIPがお送りします。あと824,771秒 []
投稿日:2008/02/01(金) 16:57:31.94 ID:4TsggyB0O
魔王「あたし魔王! マオたんって呼んでね!?」
兵卒「あ、はい。わかりましたマオたん。」
魔「あたしね、遊んでたらバーヤとはぐれちゃったの。」
兵「バー…婆やですか。それなら一緒に探しますよ。」
魔「うぅん、バーヤは頭がすごく良いから、あと2年もしたら見つけてくれるわ。」
兵「そ、そうですか…。」
魔「けどね、もう50年もゴハン食べてないから、とってもお腹が減ってるんだぁ。」
兵「人間の食い物でよかったら、どうぞ。」
魔「ありがとう。でも、あたしは“人間しか食べられない”の。」
兵「…はぁ。」
魔「おねがい。ちゃんと美味しくぜんぶ食べるから、アナタを食べさせて?」
兵「……はははは、戦争を逃げ出してきた仕様も無い命でよければ、どうぞ。」
魔「──ありがとうっ…!」
兵「いえいえ。……コレで、やっと苦しい自責から脱け出せる…。」
魔「いただきますっ。」
- 245 名前:VIPがお送りします。あと823,978秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 17:10:22.04 ID:4TsggyB0O
魔王「あたし魔王! マオたんって呼んでね!?」
娼婦「……ンだよ、見世物じゃねーぞこら。」
魔「どうしてアナタ、こんなゴミ捨て場にいるの?」
娼「うるせぇなぁ……客と喧嘩したんだよ。」
魔「客…?」
娼「チッ……男だよ男! あたしゃ金で男に体売って食いぶち稼いでたんだ! ……今日の野郎、ヤることヤって支払い渋りやがって…ちょいと掴みかかったら殴りやがった。」
魔「お金で…売るの?」
娼「だからそう言ってんだろうが!! ガキはささっさと帰んなうっとうしい!」
魔「……お金あげたら、アナタのこと食べてもいいの?」
娼「あ? 食べ……っとそうかい、魔王とか何とか言ってたね。」
魔「うん! あたし魔王のマオたん!」
娼「……良いよ、売ってやる。その代わり条件が有るし、あたしは相当値が張るからね。」
- 247 名前:VIPがお送りします。あと823,131秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 17:25:11.13 ID:4TsggyB0O
>>245の続き。
魔王「条件ってなーに?」
娼婦「あたしを食う前に……食って欲しい奴等が居るんだ。」
魔「あぅ……ごめんなさい、それは出来ないかも…。」
娼「ああ? 何でだい。」
魔「バーヤ…あたしの世話係にね、“自分で人間を探して食べる時は、相手の了承を貰いなさい”って言われてるの。」
娼「なんだいそりゃ? 魔王らしからぬ教育だねぇ。」
魔「むやみに人間との争いを起こしちゃダメだって、言われたの。」
娼「……じゃあ食わなくても良いから、代わりに潰してくれよ。」
魔「つぶす?」
娼「あーっと…男の股に生えてる……そのぉ…」
魔「あ、性殖器のことだねー。あたしには無いからよくわからないけどぉ…。」
娼「そそ、ソレを、今から言う男全員潰してきてちょうだい。」
魔「いいけど……大丈夫…?」
娼「別にそれくらいじゃ死にゃあしないよ。」
魔「そっちじゃなくて…アナタの方が。」
娼「……そうさねぇ、なるべく早く帰って来てくれたら、活きの良い内に食べれるかもね。」
- 248 名前:VIPがお送りします。あと822,190秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 17:40:35.07 ID:4TsggyB0O
>>247の続き。
魔王「…ねぇねぇ、大丈夫?」
娼婦「……ん…ぁ…?」
魔「言われた通り37人、全員潰してきたよ。」
娼「…ああ……ありがと……。」
魔「ねぇ、訊いてもいーい?」
娼「……なんだぃ…。」
魔「あたしがアナタを食べたら、上げたお金はどうしたらいいの?」
娼「…そうだねぇ、それも頼もうかと思ってたんだけどね…。」
魔「なになに?」
娼「……ココ、この紙に書かれてる場所に、置いといてくれるかい…?」
魔「んっと…近い?」
娼「この街の外れさ……頼んだよ。」
魔「う、うん。お金は……コレで良い?」
娼「…金持ちだねぇあんた……さっすが……まお……。」
魔「バーヤがいつも沢山持たせてくれるの。もしもの時にって。……ねぇ? 大丈夫?」
娼「………。」
魔「……いただきます。」
- 249 名前:VIPがお送りします。あと820,838秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 18:04:55.19 ID:4TsggyB0O
魔王「あたし魔王! マオたんって呼んでね!?」
王様「ま、魔王…!? ど、どうして魔王が私の寝室に…!!?」
魔「迷っちゃった。」
王「は? 迷…迷った?」
魔「遊んでたら迷っちゃって、気が付いたらココに居たのっ!」
王「は、はぁ…。(…この国は魔族と親睦が有った筈だから、何処ぞで遊んでいても不思議ではないか…?)」
魔「アナタは王様? あたしと同じ?」
王「お、同じだなんて…! 私たちは貴女様に生かされているようなもの、滅相も御座いません!!」
魔「むー、なんか卑屈ー。もっと“ふらんく”にしよーよー。」
王「(出来るわけないだろ…)は、ははは…。」
魔「……豪華な部屋だねー。」
王「そ、そうですか?」
魔「戦争したり、体を売ったりしてる人が居るのに、不思議なくらいお金持ちー。」
王「は、ははは。コレくらいでないと、王の威厳が保てませんので。」
魔「王の…威厳…?」
- 253 名前:VIPがお送りします。あと818,871秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 18:32:42.31 ID:4TsggyB0O
>>249の続き。
魔王「……『王様』はね、上に立つものじゃないんだよ。」
王様「は?」
魔「『王様』って器のうえに民が、兵が。そのうえに村が、街が。…それをまとめて、『国』って呼ぶんだよ。」
王「……ぷっ、ぷはははははは!!」
魔「?」
王「なにを言ってるんだオマエは! 人が集まり民となり街を作り、生まれた階級の最上でソレに支えられ権力を振るうのが『王』という存在だろう!?」
魔「……それは、違うよ。」
王「違うものか! 支配する者、される者、それが『王』と民の差! それこそが『国』というカタチ!!」
魔「『王様』は全てを支えて、守って、民の為に存在しないといけないよ。」
王「チッ、これ以上なにを話しても無駄だ。…衛兵! 衛兵!!」
魔「来ないよ、誰も。」
王「あぁっ!?」
魔「あたしは、城中の人にお願いされて、“了承”を貰ってココにいるんだもん。」
王「…な、何を言って…」
魔「お姫さまは良い子だね。…『国』の為に、アナタが邪魔なんだって。」
王「ちょ、ちょっと待…近寄るな──」
魔「いただきます。」
- 254 名前:VIPがお送りします。あと818,871秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 18:38:01.38 ID:lLwOzc0D0
なんというカリスマ性
間違いなく将来は立派な魔王様
- 255 名前:VIPがお送りします。あと817,784秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 18:56:05.16 ID:4TsggyB0O
魔王「最近よく食べられるなぁ……お腹がよろこんでるよ。」
戦士「…おい。」
魔「ぅん?」
戦「お前か。最近この辺りで魔王だ魔王だと名乗ってるガキは。」
魔「アナタだぁれ?」
戦「…昔、魔王の率いた軍勢に街を潰された、哀れな人間の生き残りだよ。」
魔「軍勢……あぁ、兄さまのことを言ってるのね?」
戦「あん? 兄?」
魔「あたしと兄さまは二人とも魔王を名乗ってるのっ。あたしが魔王のマオたんで、兄さまが魔王のオーくんっ!」
戦「……要するに、俺の仇はお前じゃねぇと?」
魔「ううん。あたしは確かに魔王だし、兄さまがやったことならあたしにも罪があると思う。」
戦「……そうか、なら遠慮はしねぇぞ。」
魔「遠慮? …なんの?」
戦「お前を殺すんだよ。」
魔「──ごめんね。」
戦「……得物が…折れた…?」
魔「バーヤがお守りをくれたの。怪我をしないようにって。」
戦「チクショウ、まだ終わりじゃ……ぁ…?」
魔「バーヤのお守りには呪いがかかってるの。…傷つける人が死んじゃうようにって。」
戦「ガハッ、ゲハッ…ォエッ……!!」
魔「呪いで死んじゃった人間は、食べてもいいんだって。」
戦「………。」
魔「いただき、ます。」
- 257 名前:VIPがお送りします。あと814,796秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 19:46:53.21 ID:VJmDQZPiO
………仲間?
- 259 名前:VIPがお送りします。あと812,746秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 20:15:52.93 ID:Gv1QRi8IO
>>257
パーティに魔王ではなく仲間に魔王だから、間違ってないと言えば間違ってない
- 264 名前:VIPがお送りします。あと808,329秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 21:28:37.38 ID:4TsggyB0O
僧侶「ちょいと待ちなボーイ。」
魔王「な…! あたしを♂と見間違えたのは誰よぉっ!」
僧「ん? …おっと、これは失礼したぜガール。」
魔「……アナタだれ?」
僧「訊ねる時は自分から、が常識だろ。」
魔「あ、そうだね。…あたし魔王のマオたん、迷子中ですっ!」
僧「俺は僧侶のモンク、オンリーな旅の真っ最中だ。」
魔「……モンくん?」
僧「そう呼びたけりゃ、好きに呼びな。」
魔「モンくん、あたしになにかよう?」
僧「ん…そうだな、少し話がある。聞いてくれるか?」
魔「うんうん。」
僧「お前さん…」
魔「マオたんっ!」
僧「……マオたんの、アニキについてなんだが。」
魔「オーくんの?」
僧「そのオーくんとやら、ここ半世紀ばかり様子がおかしくてな。」
魔「オーくんはいっつも変だよぉ。」
僧「…それまで割りと穏健だったはずの魔王が、沈黙を破って急に人間を襲うようになった。」
- 265 名前:VIPがお送りします。あと807,396秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 21:43:38.51 ID:4TsggyB0O
>>264の続き。
魔王「……うそ。」
僧侶「本当だ。…50年の間に潰された村は12、街は8つ、国は3つ。」
魔「う、うそだぁ……オーくんは血が嫌いで、争ったりなんか絶対…」
僧「魔族の軍勢を率いたのは間違いなく魔王だ。頭に二つの角が生えてる少年……お前さんのアニキだろう。」
魔「た、確かにオーくんにはクネっとした角が二本あるけど……けど……。」
僧「……人間とて、ただ捕食されるだけの生き物じゃない。つい1年程前に、有志の魔王討伐の御触れが大陸中に渡った。」
魔「魔王……とー…ばつ?」
僧「わかりやすく言えば、魔王を倒す勇者を募集しているんだよ。大陸一の強国の王様が。」
魔「そんな…。」
僧「……俺がお前さ」
魔「マオたん。」
僧「…の事を探してたのは、一度この話しをしてみたかったからだ。」
魔「話し…?」
僧「魔王に妹がいることを知っている人間は少ない。少ないが、確実に居るんだ。」
魔「あぅ…?」
僧「……いまの状勢、お前さんの命も危ないんだ。」
- 266 名前:VIPがお送りします。あと806,878秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 21:56:37.33 ID:4TsggyB0O
>>265の続き。
魔王「そうなの?」
僧侶「当たり前だ。…ついでに、お前さんはアチコチを“魔王だ”と名乗りながらふらついているだろう。こう言う世の中になると、嘘か真かも確かめずに襲いかかってくる奴もいるぞ。」
魔「…兄さま、殺されちゃうんだ…。」
僧「……ロンリーな旅の理由はもう一つ有る。」
魔「?」
僧「お前さんを、死なせたくなくなった。」
魔「う…うにゅ?」
僧「よくはわからないが、お前さんは“人間寄り”だ。そんなお前さんを、今の『魔王』に逢わせたらどうなるか、興味がデテキタ。」
魔「興味……あたし犯される?」
僧「襲わん襲わん。……つまり、守りたくなったんだよ、お前さんを。」
魔「…?」
僧「迷子って言ってたな。なら俺が家まで無事に連れて帰ってやる。そんでもって、オーくんとやらに逢って話しがしたい。」
- 268 名前:VIPがお送りします。あと805,775秒 [] 投稿日:2008/02/01(金) 22:11:03.93 ID:4TsggyB0O
>>266の続き。
魔王「一緒に…迷子になるの?」
僧侶「……まぁ、そんなとこだ。」
魔「あたし、襲われちゃうかも知れないんでしょ? モンくんも危なくなるよ?」
僧「別に……正直惜しむほどの命でもないからな。」
魔「…ほんとに……ほんとにいいの…?」
僧「ん? あ、ああ──」
ギュウッ
僧「…!? ななな、なんだいきなり!!」
ギュー、ギュー
魔「……寂しかったの。50年間ずっと迷子で、お腹も空いてて、一緒に寝てくれる人もいなくて…。」
僧「………。」
魔「ごめんね…魔族なんかにくっつかれても気持悪いと思うんだけど……少しだけギュッてさせて…。」
僧「…誰が気味悪がるかよ、こんな子供……。」
ギュウゥゥ…
僧「お前さんの好きなだけそうしてな…」
魔「マオたんっ。」
僧「……?」
魔「一緒に居てくれるなら、ちゃんとマオたんって呼んでね!」
僧「おま…それは……」
魔「ねっ!?」
僧「……わーったよ、マオたん。」
- 276 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 23:17:50.14 ID:Fn59b48z0
なんか壮大になってきたな
wktk
- 278 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 23:20:21.37 ID:4TsggyB0O
魔王「そう言えば……。」
僧侶「なんだ?」
魔「さっきの話しだと、モンくんあたしが女の子だって知ってたよね?」
僧「当たり前…っていうか見てわかるだろ、普通。ツインテールでスカート穿いてる男なぞ会ったことない。」
魔「ならなんで最初に声かけるとき、あたしのことボーイって呼んだのさー!」
僧「強いて言うなら…アレだな、反応が観たかった。」
魔「むっきー! モンくんの身勝手な遊び心で、あたしのグラスハートは傷ついたんだよー!!」
僧「HAHAHAHA−HA、そう怒るな怒るな。」
魔「もうあたしキズモノだよ、お嫁にいけないよ! ちゃんと責任とってよー!!」
僧「……そうだな、この旅が終わったら結婚でもしてみるか。」
魔「……ふぇっ!!?」
僧「なーんてな、冗談冗談…ておいマオ? どうした、大丈夫か?」
魔「あわわわわわわ…。」
プシュウゥゥ…
僧「うぉっ!? 湯気でてきやがった! 大丈夫かマオ! …マオ、マオ、マオ──ッ!!」
- 280 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 23:24:46.86 ID:Fn59b48z0
僧侶のくせにwwww
- 283 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 23:34:51.48 ID:4TsggyB0O
僧侶「今日はここにするか。」
魔王「……や、ど、や…?」
僧「寝る場所だよ。『女の子』に野宿させる訳にはいかないだろ。」
魔「あたしはいっつも、軒下とか屋根の上とか、公園とかで寝てたよ?」
僧「………。」
魔「………。」
僧「……マヂで?」
魔「マヂで。」
僧「そんなんでよく50年も生きてこれたな。……ん? 50年…?」
魔「すごく寒い日もあったけど、けっこう平気だったよ? バーヤのお守りも有ったから。」
僧「バーヤ?」
魔「うん、あたしの世話係なのっ。一緒に遊びに来てたんだけど、はぐれて迷子になっちゃった。」
僧「50年間もか?」
魔「うん! 50年と3ヶ月!」
僧「………。」
…ギュウゥゥゥゥ
魔「ほぇっ!? な、なになにモンくん、なんで急にギュってしてくれるの!?」
僧「……なんでもねぇ、ただ何となくこうしたかったんだ…。」
魔「うにゅ……えへへっ、あったかい。」
- 287 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/01(金) 23:49:05.00 ID:4TsggyB0O
>>283の続き。
女将「ごゆっくりー。」
魔王「うわー、すごいすごい! 人間ってこう言うベッドに寝るんだー!」
僧侶「違う違う。それは布団だ。床に直接敷いて寝るんだよ。」
魔「いいえ、ケフィアです。」
僧「……なにがだ。」
魔「なんとなく言ってみたかったの。」
僧「なんだそりゃ。…兎に角、折角だから風呂にでも入ろうぜ。ここは部屋別に設置されてるみたいだから、気兼ねなくゆっくりできるぜ?」
魔「え…ええぇっ!? い、一緒に入るの!!?」
僧「アホウ。」
ポカッ
魔「痛っ!」
僧「わからなかったら教えてやるから、先に入りなプリンセス。」
魔「むむむ、わかった!」
僧「……アレで本当に歳上か…?」
- 291 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/02(土) 00:34:03.85 ID:ZQVdrHAw0
僧侶のくせになまいきだ
- 297 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 03:01:47.28 ID:Fj5rnOARO
保守がてら
http://imepita.jp/20080202/107340
漫画の達人買ってこようかな…
- 303 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 04:37:54.96 ID:aryx3ae0O
>>287の続き。
僧侶「………。」
魔王『…も、モンく〜ん。』
僧「応、どうした。」
魔『シャンプーが眼に入って痛いよおぉ…。』
僧「子供かい。……ったく、仕様が無ぇな。」
ガラッ
魔「きゃわっ!? え、え? モンくん? そこに居るの!?」
僧「居る居る、だから体こっち向けるな。」
魔「あ…ご、ごめん…。」
僧「取り敢えず流すからな? 眼と口ちゃんと閉じてろよ。」
チャプ…ザバー
魔「───。」
僧「…もう一回。」
チャプ…ザババー
魔「……ぷはぁっ!」
僧「まったく、どうみてもシャンプー使いすぎだろ。」
魔「つ、つかえばつかうだけ綺麗になるんじゃ…」
僧「限度が有るって。……にしても、やたら綺麗な髪してるな、マオ。」
魔「そ、そう?」
僧「ああ。結ってたクセもないし……本当に綺麗なモンだ。」
魔「…なんか髪ばっかり褒められてるとコレはコレで寂しいね。」
僧「わがままな奴だな。じゃあ……『マオが可愛すぎて、食べてしまいたいな』…って言えばいいのか?」
魔「にゅ〜…。」
ブハッ!
僧「鼻血!?」
- 305 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/02/02(土) 04:51:21.74 ID:cVnd0ADt0
僧侶男と見るとどうもドラクエ3の公式絵のオッサンを思い出してしまうから困る
- 306 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 04:53:20.86 ID:aryx3ae0O
>>303の続き。
僧侶「仮にも魔王がのぼせて鼻血噴くなよな…。」
魔王「うぅ〜…は、鼻血はお風呂のせいだけじゃないもんっ!」
僧「? 他に理由があったのか?」
魔「……な、なんでもないっ!!」
僧「??」
…コンッコンッ
女将「御食事を御持ち致しました。」
魔「………。」
僧「いただきま……どうした?」
魔「あ…あたし、“人間以外は”食べちゃダメって言われてて…。」
僧「…なんでだ。魔族の中にも人間と同じ物を食ってる奴は大勢いるだろうに。」
魔「よくわからないけど…バーヤが、“魔王様は純潔な魔王でなくちゃいけないから”って……。」
僧「………。」
魔「け、けど最近食べたばっかりだから暫く……10年くらいは、何も食べなくても平気だよっ?」
- 307 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 04:56:12.94 ID:VEPr/spZ0
最終的には人間断って餓死しちゃうんだな
- 308 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:05:02.90 ID:rhg7nmnZO
幽白の雷禅みたいだな
- 309 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:07:24.85 ID:aryx3ae0O
>>306の続き。
僧侶「最近って言うのはどういう意味だ。」
魔王「あっと…あたしね、迷子になってる間に色んな人と逢ったの。それで、『食べてもいいですか?』って訊いて、『いいよ』って言われた人だけ食べさせて貰ったんだ。」
僧「(了承する人間が居るのか…?)人を襲ったりはしなかったのか?」
魔「バーヤから、“むやみに人間を傷つけるな”って言われてるから。」
僧「……そのバーヤとやらは、聞くに平和寄りな考えみたいだな。」
魔「うんっ。バーヤは優しいよ、今は2300歳くらいだとおもうけど、とっても美人で頭が良いの!」
僧「……美人でバーヤなのか。」
魔「バーヤがそう呼べって。」
僧「……と、兎に角、何も食べなくて平気なのか?」
魔「うんっ。この料理たち、美味しそうに感じないから。」
僧「…じゃあ一人分丸々残すのも不自然だから、俺が二人分食う……か。」
魔「どうぞ、食べて食べてっ。」
- 310 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:10:28.94 ID:VEPr/spZ0
バーヤはキリストが生まれる前から生きてるのか
魔族の世界は高齢化が凄いな
- 311 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:24:02.14 ID:aryx3ae0O
>>309の続き。
僧侶「………。」
モグモグモグ
魔王「…うふふ、美味しい?」
僧「ん? …まぁ、普通だよ。」
魔「そう…よかった!」
僧「?」
…人間って不思議。自分より弱い獣を捕まえて、調理して。
あまつさえ野菜なんていう植物を貪って。
「生きる」なら、自分より数分強い生き物を取り込んだ方がいい。
自分より弱いモノを食べたら、自分が弱くなってしまう。
肉だって生がいいに決まってるのに、なんで熱なんか通すんだろう。
……ああ、目の前で食事をする貴方が素敵。
ソレが貴方より強いモノで、生肉なようだったらもっと素敵。
ああ、アタシに優しくしてくれた貴方が素敵。
アタシより強い心を持っている貴方はなんて──
──なんて美味しそうなのかしら。
魔「……!!」
僧「…どうした? やっぱり気分悪いか?」
魔「う、うぅん……なんでも…ないよ…。」
僧「?」
魔「(モンくんを食べたりなんて……絶対にしないんだから…!)」
- 312 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:29:02.53 ID:fZRNXTsS0
狂気が・・・
- 313 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/02/02(土) 05:32:21.65 ID:VEPr/spZ0
モンクだから武道家とは違うのか
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