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( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★9
- 773 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ [sage]
:2010/05/14(金) 21:30:06 発信元:59.135.38.142
流れぶったぎって悪いが俺も投下しますよー
まとめ
http://sogomatome.blog104.fc2.com/?mode=m&no=285
今回、いつもよりちょっと長めです。支援下されば感謝の極み。
それではどうぞ
- 774 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 1/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:34:58 発信元:59.135.38.141
ζ(゚ー゚*ζ「はぁ……」
(*゚∀゚)「どうなすったのですか、お姉様。溜め息などついてしまわれて」
ζ(゚ー゚*ζ「何でもありませんよ。ただ、少しばかり気持ちがふさいでいただけ」
(*゚∀゚)「そんなことを言いながら、頭の中は王様のことで一杯なんじゃありませんか?」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなことはありません」
(*゚∀゚)「あのような酷薄な人のことなど、忘れてしまえばいいのに。お姉様はまだ、未練がおありなのですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……王は、私を側に置けないのには理由があるとおっしゃいました。私は、その理由を話して下さらなかったことが、悲しくてならないのです」
(*゚∀゚)「……お姉様はやはり、王様のことを……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
(*゚∀゚)「お姉様が辛そうなお顔をなさっていると、わたしも悲しくなってしまいます」
(*゚∀゚)「だからどうか、元気を出して! 空元気も毎日続ければ、いつか本当の元気に取って変わりますから!」
ζ(゚ー゚*ζ「……お前の明るさは救いですね。おかげで、少し楽になりましたよ」
(*゚∀゚)「当然です! あのように酷い仕打ちをする王様のせいで、お姉様に翳りが生まれることを誰が望みましょう!」
ζ(^ー^*ζ「……」クスッ
- 776 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 2/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:40:10 発信元:59.135.38.149
(*゚∀゚)「ですから、もうそんなに落ち込まないで下さいまし。王様のことは一端忘れて、そろそろお昼にしましょう?」
ζ(゚ー゚*ζ「……そうですね。じゃあ、そうしましょうか……」
(´・ω・`)「シェエラザード、シェエラザードはおるか」
(*゚∀゚)「お父様?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、こちらに。どうかなさいましたか?」
(´・ω・`)「シェエラザードよ。王様がお呼びだ、すぐに謁見の間まで参れ」
ζ(゚ー゚*ζ「王様が、ですか?」
(´・ω・`)「そうだ。火急の用故、速やかにせよ」
(*゚∀゚)「それならわたしも……!」
(´・ω・`)「お前は駄目だ。シェエラザード一人で来いとのお達しだ」
(#゚∀゚)「無情な王様の元に、お姉様一人寄越すことなど出来ません!」
ζ(゚ー゚*ζ「ドゥウンヤザード、我が儘を言ってはなりません。ではお父様、少し身支度を整えます故、お時間を頂けますでしょうか?」
(´・ω・`)「うむ、なるたけ早くな」
(;゚∀゚)「お姉様……!」
- 779 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 3/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:44:31 発信元:59.135.38.142
―――
(´・ω・`)「王様、シェエラザードを呼んで参りました」
/ ,' 3 「うむ、入れ」
ζ(゚ー゚*ζ「失礼致します……」
(´・ω・`)「では、私は執務へと戻らせていただきます。何か用があれば、またお呼びください」
/ ,' 3 「……急に呼び出してすまぬな、シェエラザードよ。さぞや困惑しただろう」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ……ですが、何かしら抜き差しならない事態が起こったことは察してございます」
/ ,' 3 「む? それは何故だ?」
ζ(゚ー゚*ζ「お父様が、執務に赴く際のお顔をしておりましたので。我が家であのようなお顔を見たのは、ただ一度きりでございます」
/ ,' 3 「……それは、余が夜伽の相手を探していたあの時のことか」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい」
/ ,' 3 「そこまで分かっておるなら、余も隠し立てはすまい」
/ ,' 3 「シェエラザードよ。余は少々、政務に倦んでおる。少しばかり気晴らしに散歩をするゆえ、付き合わぬか」
ζ(゚ー゚*ζ「え? ……私に、それを断る理由はございませんが……」
/ ,' 3 「なれば、余の後へついてきてくれ。余がそちを呼び出した理由も、その道中で話そう」
- 781 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 4/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:48:19 発信元:59.135.38.141
/ ,' 3 「……」
ζ(゚ー゚*ζ「王様……一体どちらへ参られるのですか?」
/ ,' 3 「来れば分かる。そこはそちにも関係のある場所であるからな」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい」
/ ,' 3 「……すまぬな、シェエラザードよ」
ζ(゚ー゚*ζ「何をお謝りになるのですか。私は、王に謝罪されるようなことなどされておりませぬ」
/ ,' 3 「……では、そちは昨夜の余の言も、気にしておらぬというか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……王には王の理由があることはお察しできます。それが、常人の斟酌では計り知れぬことも」
/ ,' 3 「……そうか。余は自分で思う以上に、そちに感謝せねばならないのかも知れぬな」
ζ(゚ー゚*ζ「謝罪も感謝も要りませぬ。私は、王の庇護を受ける臣民の一人なのですから」
/ ,' 3 「しかし、余がそうであっても、この者らの感謝まで断る術は持つまい」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ……これは……」
/ ,' 3 「ここが、余がそちを連れて来たかった場所だ」
- 782 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 5/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:53:16 発信元:59.135.38.147
/ ,' 3 「これは、お前に促され作った、妃と娘らの墓碑だ。まだ建立途中ではあるが、そちには一目見せておいた方が良いかと思ってな」
ζ(゚ー゚*ζ「このような立派なものを……お妃様も娘も、きっと浮かばれるでしょう」
/ ,' 3 「果たして、そうであるかな。余には恨みを残して魔性となった妃と娘が、怨念新たに襲いかかってくるような気がしてならぬよ」
ζ(゚ー゚*ζ「どうして、そのようなことをお思いに?」
/ ,' 3 「さてな……この墓も作れば作ったで、自己を弁護するもののように思えてしまうからかの」
ζ(゚ー゚*ζ「そう思うこと自体が、王が皆のことを忘れておらぬ証拠ではありませんか。それだけで、お妃様も娘らも、きっと許して下さいます」
/ ,' 3 「……そうか。そちの言葉は、いつも力強いな」
ζ(゚ー゚*ζ「……王様。僭越ながら、一つだけ申して宜しいでしょうか」
/ ,' 3 「何だ、遠慮なく言うてみよ」
ζ(゚ー゚*ζ「では、恐れながら。王はどうやら、平時の王ではないように見えまする」
ζ(゚ー゚*ζ「いつもの王らしい覇気もなく、少しばかり項垂れ、弱気の気が見え隠れしているような」
/ ,' 3 「……」
ζ(゚ー゚*ζ「何か、心を悩ませることでもあったのでしょうか。もしそうであれば、どうか私がお力添えすることをお許し下さい」
- 784 :いやあ名無しって [] :2010/05/14(金) 21:56:44 発信元:222.149.135.78
デレの謙譲語と王の威厳が心地よい
- 786 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 6/24 [sage] :2010/05/14(金) 21:58:19 発信元:59.135.38.148
/ ,' 3 「……戦だ」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ……?」
/ ,' 3 「戦が、起こるやも知れぬのだ」
ζ(゚ー゚*ζ「それは……何故でございますか?」
/ ,' 3 「隣国の王より、この度通達があったのだ。余の統治する国を攻め、我が領地とせん、とな」
ζ(゚ー゚*ζ「……それで、王のお答えは?」
/ ,' 3 「無論、こちらには益のない戦だ。なんとか和平の道を歩もうと、再三使者を遣わした」
/ ,' 3 「しかし、相手は蛮族から成り上がった意気の荒い王でな。どれだけ譲歩しようと、知らぬ存ぜぬで突っぱねてきよる」
ζ(゚ー゚;ζ「そのようなことが……」
/ ,' 3 「余が頭を悩ませておったのはそこだ。こうして、墓前までお前を呼び出したのも、お前の言う気弱さがそうさせたのであろう」
ζ(゚ー゚*ζ「王様。私は王様に陳謝せねばなりません。そのような事情があったとは知らず、王の心を煩わせることばかりしてしまいました」
/ ,' 3 「頭を上げよ。余はそちに感謝こそすれ、恨むようなことは一切あり得ないのだからな」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
- 787 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 7/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:04:37 発信元:59.135.38.145
/ ,' 3 「さて、どうしたものかな。こうしている間にも、刻限は一刻と迫ってきておる。妃達も、アッラーの元で不甲斐なき余のことを笑っていよう」
ζ(゚ー゚*ζ「……このことは、お父様はご存知なのですか?」
/ ,' 3 「当然だ。大臣以下、皆が死力を振り絞って、和平交渉に当たっておる」
/ ,' 3 「それだけに、事情を知るものの行き詰まりも果てしないのだ。何せ、相手は戦うより他に道無しと思っているような輩なのだからな」
ζ(゚ー゚*ζ「佐用でございますか……」
/ ,' 3 「……余はもしかしたら、そちなら何か良い知恵が浮かぶのではないかと、期待しておったのかもな」
ζ(゚ー゚*ζ「え……?」
/ ,' 3 「これは一国の王にあるまじき考えだな。余もまだまだ甘ったれだ」
ζ(゚ー゚*ζ「窮地に追いやられた時、人が人を頼りたくなるのは至極自然なことです。ですが、それが私というのは、いささか買いかぶり過ぎではありませんでしょうか」
/ ,' 3 「それもそうかも知れぬな……すまぬ、今の余の言葉は忘れてくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「……ですが、私にもただ一つだけ、出来ることがございます」
/ ,' 3 「出来ること、とな?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。それは、隣国の王にも、夢の娘の話をして差し上げることです」
/ ,' 3 「……なんだと?」
- 790 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 8/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:09:56 発信元:59.135.38.147
/ ,' 3 「お前、まさかそれで相手が引き下がるとでも思っているのか? だとすれば余は、呆れて物も言えん」
ζ(゚ー゚*ζ「ですが、私に出来ることはただそれだけにございます。それに、私はすでに
王が娘らの話を聞き、様変わりするところを見ておりまする」
/ ,' 3 「それとこれとは話が別だ。相手は万民の雄と呼ばれるほどの猛者だぞ。そのような子供騙しが通じるはずがない」
ζ(゚ー゚*ζ「私の話が子供騙しなれば、それを聞いてお心を変えた王も、子供であると言っているようなものです」
/ ,' 3 「それはそうかも知れぬが……政治と私事をいっしょくたにしては、混乱極むるばかりであろう。違うか?」
ζ(゚ー゚*ζ「王様。私は何も、勝算なくただ娘の話をしにいく訳ではありませぬ。
横暴なる王を相手取るなら、それに相応しいお話をさせていただくだけのこと」
/ ,' 3 「ああ言えばこう言うとは、まさにお前のための言葉だな……何やら悩んでいたのが馬鹿らしく思えてくるわ」
ζ(゚ー゚*ζ「それに、もしもの場合には、最後の策も思いついてございます」
/ ,' 3 「何?」
ζ(゚ー゚*ζ「ですから、どうか一度隣国の王と、話し合いの場を用意してはいただけませぬか?」
/ ,' 3 「ぬぅ……まさかこのような話になるとは思いもよらなんだ……」
- 791 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 9/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:15:11 発信元:59.135.38.141
/ ,' 3 「……よし、分かった。お前がそこまで言うなら、和平会見の場、隣国へ提案してみようではないか」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。是非ともそうして下さいまし」
/ ,' 3 「しかし、あくまで余は使者を遣わすだけだ。それに相手の王が乗ってくるとは限らないのだぞ?」
ζ(゚ー゚*ζ「私が思いますに、そこまでの蛮勇を奮う王なら、戦なぞしなくとも、王とお顔を
合わせただけで、その首を取ろうと思うのではありませんか?」
/ ,' 3 「それは……確かに、その可能性は否めないな」
ζ(゚ー゚*ζ「なれば、和平会見という名の絶好の機を、逃すはずはありませぬ。
王が亡くなれば、それだけで我が国は落ちたも同然なのですから」
/ ,' 3 「それは、余の命が狙われる危険と背中合わせということか」
ζ(゚ー゚*ζ「ならばこちらも、相手国の王を取る覚悟をしてゆけば良いだけのこと。事前に護衛の兵を十名ずつ
つけることを会見の条件に加えておけば、磐石とは言わぬまでも差し支えはないかと思います」
/ ,' 3 「ふむ……なるほど。しかし、この提案をあの大臣がなんと言おうか……」
ζ(゚ー゚*ζ「お父様には、出立する日まで秘匿なさってはいかがでしょうか。今は戦を避ける道こそ、最善にございます」
/ ,' 3 「……余は、臣下をも欺かねばならぬのか。そこまでそちを信用して、よいのだな?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。失敗の許されぬ茨の道ではございますが、必ずや皆の力で、此度の和平、成就せしめてみせましょう」
- 794 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 10/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:20:22 発信元:59.135.38.142
・・・
(´-ω-`)「……なるほど。娘がこの件に関与していることを、私に話して下さらなかった理由は分かりました」
ζ(゚ー゚*ζ「申し訳ございません、お父様」
/ ,' 3 「許せ、大臣。そちを謀るつもりはなかったのだ」
(´・ω・`)「いや、いいのです。私が口出ししては、王の決心も鈍りましょう。しかしやはり、娘をこのような席に同席させるのは、不安にございます」
/ ,' 3 「さもあろう。余とて、シェエラザード本人のたっての望みでなければ、到底受け入れられなんだ」
(´・ω・`)「しかし、あの野蛮なる王が、すんなりと交渉の場に出てきたのは意外でございましたな」
/ ,' 3 「そこは余も不思議に思うていたところよ。あるいはシェエラザードの言うように、此度の会見で余を討ち取るつもりなのか……」
ζ(゚ー゚*ζ「話す前から敵の姿を夢想することは、敵の大きさを計り損なう元になりまする」
/ ,' 3 「敵……か、そうだな。これは和平交渉という名の戦であることを、忘れておったわ」
(´・ω・`)「『三日後の満月の夜、互いの国の中間地点に位置するオアシスを会見の場とする』……、か」
/ ,' 3 「そろそろ出ねば、事前に兵を隠されかねんな」
ζ(゚ー゚*ζ「臆することは何もございません。さぁ、我らが敵を挫くため、見目猛々しく参りましょう」
/ ,' 3 「ふっ……どうやらシェエラザードのみが、この大事を前に平常心で臨んでおるようだな」
(´・ω・`)「そのようで……」
- 796 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 11/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:26:42 発信元:59.135.38.150
―――
(´・ω・`)「……着きましたな」
ζ(゚ー゚*ζ「あれなるが、隣国の王……」
( <●><●>)( ФωФ)
(´・ω・`)「側にいるのは、近衛兵でございますかな?」
/ ,' 3 「さてな。それも行ってみれば分かるであろう」
/ ,' 3 「失礼つかまつる! 隣国の王とは、そなたであるか!」
( ФωФ)「いかにも! わしがマガタ国が国王、シュッドーダナである!」
/ ,' 3 「そこもとが王であるか! 余はシャハリヤール、そちが宣戦布告したイスマール国の王である!」
(´・ω・`)「私めはシャハリヤール王の元で執務大臣を務めます、アルマハードにございます」
( <●><●>)「某はシュッドーダナ王の側近、サッバーダにござる。以降、お見知りおきを」
ζ(゚ー゚*ζ(……近くで見れば見るほど、およそ同じ人とは思えぬほど精強な兵たちばかり……)
ζ(゚ー゚*ζ(さすがは蛮族の民、鍛え方がまるで違う……戦になれば、勝つのはとても難しそうですね)
- 797 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 12/24 [sage] :2010/05/14(金) 22:32:33 発信元:59.135.38.144
/ ,' 3 「シュッドーダナ王よ。今宵この会見の場を設けられたこと、有り難く思う」
( ФωФ)「今さら語らうことなど、何一つないわ。それとも万策尽きて、降伏か命乞いでもしにきたか、シャハリヤールよ」
/ ,' 3 「まさか。余が提言するのは、あくまでも戦を避ける一本道のみ。降伏も命乞いもしたりはせん」
( ФωФ)「かような軟弱では、貴様の王としての器も知れよう。それでは臣下にも笑われるぞ」
/ ,' 3 「そなたが舌鋒逞しいのは重々承知しておる。だが、まずは話の前に腰を落ち着けぬか?」
( ФωФ)「わしは、座って話をするほどの意義を、この会見には見出だしておらん!」
/ ,' 3 「そう言うてくれるな。そなたに話はなくとも、こちらには伝えなければいけないことが山ほどあるのだ」
( ФωФ)「ふんっ……ところで、シャハリヤールよ」
/ ,' 3 「何だ?」
( ФωФ)「一人、この場に似つかわしくない者がいるようだが?」
/ ,' 3 「あぁ、この娘か。この娘はそこな大臣の娘でな、舌戦においては余をも凌駕するものを持つ故、連れて参った」
ζ(゚ー゚*ζ「お初にお目にかかります。私は、大臣が娘のシェエラザードと申す者です」
( ФωФ)「窮状極まれば、人は藁にもすがりたくなるとは、本当のことであったか。ふははははっ」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
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