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新ジャンル「常識的に考えて」
- 463 名前:VIPがお送りします。 []
投稿日:2007/07/11(水) 23:58:51.76 ID:KgUBnGFH0
世界が、色を取り戻す。
同時に頭が軽く揺らめいた。
…あぁ、そうか。
今まで気付いてなかったが、俺は極度に緊張していたんだな。
…こんな時まで、大したチキンだ。
「…良かった、です。」
搾り出せた声はたったそれだけで。
自らの語彙力の無さに軽く鬱る。
- 476 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:05:22.53 ID:HL5QyLz70
「ごめんなさい、心配させてしまったわね」
「いえ、いいんです。彼女が無事なら」
俺がそう答えると、その人は俺の近くに腰を降ろす。
「…少し、お話、してもいいかしら」
こうして少し喋ってみるだけで品の良さが伝わってくる人だ。
…アイツ、意外とお嬢様だったのかも知れない。
「あ…、はい」
「ありがとう。 …ふふっ、でも、あの子に怒られてしまうかも知れないわね?」
…それがどういう意味なのか深く考えないようにした。
- 478 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:07:13.59 ID:hlJ7EZbMO
この後、衝撃の事実が語られる!
- 484 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:10:20.77 ID:mUCGXAfJO
ゆきねぇ……じゃない、女、助かったんだよな?
もう心配させないでmjd
- 488 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:12:03.41 ID:HL5QyLz70
「どこから…話したらいいのかしらね?
あなたに会う事があったら、たくさん話したい事があったものだから」
穏やかに笑う女性は、なんだか俺の事を優しい視線で見てくれているようだった。
それから色んな話を聞いた。
生まれつき身体が弱かった事。
それなのに、身体に対する不満や愚痴を母親にさえ、一言も言わない子だったという事。
でも、やっぱりどこか引っ込み事案な子に育ってしまい、あまり友人と呼べる人は居なかったという事。
けれど、俺と知り合ってから明るくなったという事。
俺との話を嬉しそうにしていたという事。
…胸が、熱い。
- 489 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:13:06.44 ID:g9IQ2i5A0
三ヵ月後、そこには元気に走り回る女の姿が!
- 490 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:14:15.81 ID:hlJ7EZbMO
>生まれつき体が弱かった
良くない。良くないよこのフラグ!
- 492 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:14:36.00 ID:OrR87JTH0
女には幸せになってもらいたいと思った
- 502 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:18:43.22 ID:HL5QyLz70
「…あなたに会う事があったら、お礼を伝えたくって。
あの子があんな風に素直に笑えるようになったのは、あなたのおかげだと思いますから」
「…そんな。俺は、何も」
俺は何も気付いてさえ居なかった。
何も出来やしなかったんだ。
「いえ…、あの子の周りには昔からあの子を心配するような人間しか居なかったんです。
だから、あなたが普通に接してくれた事が…、何よりあの子の喜びだったのではないかと。
私はそんな風に考えています。 …もしかしたら、違うのかもしれませんけれど」
そう言って女性は品良く笑った。
…アイツも、大人になったらこんな風に笑うんだろうか。
- 503 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:20:52.15 ID:NpqKISbuO
そろそろ二人の出会いが気になってきた
- 504 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:22:31.66 ID:hlJ7EZbMO
>>503
うん、女側のがね。
- 505 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:22:37.25 ID:HL5QyLz70
「…あの、ひとつ、お伺いしてもよろしいですか?」
俺には、気になっていた事があった。
…母上殿の話を聞いている間、ずっと気になっていた事が。
「…はい、なんでしょうか」
彼女も俺の雰囲気を感じ取ったのか、真摯な声で返してくれる。
「…娘さんの病気、なんなんですか?」
- 506 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:23:39.38 ID:63ae4Yi7O
この流れは…
- 510 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:28:31.17 ID:mUCGXAfJO
ベタなものだと白血病か?内臓の癌もなくはないが……
適合するならいくらでも俺の体使ってくれ!!
何がなんでも女はイ`
- 512 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:30:55.90 ID:HL5QyLz70
俺の質問を受けて、母上殿はふっと力無く寂しそうに笑った。
「それは…申し訳ありません。私の口から申し上げる事は出来ません」
だけどその声は、絶対的な意思を持っていて。
「…何故、ですか?」
「…それは私が言うべき事では無く、あの子自身があなたに伝えるべき事だと思いますから。
だから、ごめんなさい。」
- 516 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:35:13.27 ID:NpqKISbuO
これって…まさか…?
- 517 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 00:35:37.76 ID:JpUNSxIXO
「助けて下さい!!」
- 518 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:35:43.71 ID:HL5QyLz70
そう言って女性は頭を下げた。
俺みたいな年端もいかない小僧に、きっちりと腰を折って。
「あ、頭を上げてください!」
俺は慌てて母上殿の肩を支える。
「…ごめんなさいね。
…でも…厚かましいようだけれど。
ひとつだけ、お願いしてもいいかしら?」
「…はい」
「もし…あの子があなたに直接話す時が来たら…その時は応援して下さる?」
…間近で見た母上君の目にはかすかに光る物があった。
「…えぇ、必ず」
それは、誓い。
俺の誇りと全てをかけて。
絶対に守るべきもの。
- 519 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 00:36:38.79 ID:VRreSdV60
「常識的に考えて」だと
ならば常識を捨てよう
ならば常識を越えよう
ならば常識を変えよう
祈れ!願え!想え!
HAPPY END
- 523 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:39:13.37 ID:HL5QyLz70
母上と別れた後、アイツの病室の前。
ゆっくり話して来てねと言われてしまった。
大きく深呼吸をする。
消毒臭い病院の空気を肺一杯に吸い込む。
…よし。
普段通りの俺だ。
…徹するんだ。いいな?
そうして俺は病室の扉を開けた。
- 524 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:40:39.21 ID:NpqKISbuO
母親の呼び方がちょいちょい変わるところにもこだわりを感じるね
- 525 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:40:49.64 ID:NWhnpgkP0
流行性感冒だろ・・・常識的に考えて
- 527 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:42:03.54 ID:Iv7kNFmgO
半月を思い出した
- 528 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:42:58.74 ID:HL5QyLz70
「あっ。センパイっ! お疲れ様ですっ、元気してますか?」
……妙に気合を入れたクセに、その一言だけで抜かれてしまった。
…やっぱり頭が上がらないな。
「いやいやいやいや。それ、俺が言うセリフじゃね?」
「…えへへっ、やっぱり、そう思います?」
病院のベットの白いシーツに包まれて。
でもその笑顔はいつもと全く変わらなかった。
- 531 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:45:01.61 ID:hlJ7EZbMO
白はだめ、白は…
フラグが立っちゃうよ…
- 532 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:48:56.81 ID:PmqF1ellO
>>531
大丈夫。白は確か「生命」の象徴。太陽の色だ。常識的に考えて。
- 533 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:50:20.34 ID:HL5QyLz70
けれど、母上の話を聞いて。
その笑顔の本当の意味が分かりかけていた。
…全く。オマエは本当。…すげーよ。
「突然ぶっ倒れるからよ、ガチでビビったんだぜ?」
「救急車、呼んでくれたのセンパイですよね? 楽しかったですか?」
いやいや、どんだけだよ。
「どっかのお嬢様が苦しそうにしてるもんだから、何一つ分かんなかった」
「ふむー。それは残念でしたね。ところでお嬢様ってあたしの事ですか?」
どう考えてもオマエ以外に居ないと思うぞ。常識的に考えて。
「…バカ」
- 534 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:55:30.29 ID:HL5QyLz70
あまりの普段通りのコイツに、俺はかけるべき言葉を失っていた。
その代わりに、その頭を軽く小突く。
「うぁ、センパイ、痛いですよぅ」
「オマエ、俺がどんだけ心配したと思ってんだ? これぐらい仕返しさせろ」
「…えへへっ、ごめん、なさい」
その俺の手をそっと握ると、彼女は俺の手を自らの頬に擦り付けた。
まるで猫が甘えるように。
その柔らかさに。
…それが失われるかも知れなかったという事に。
今更ながらに恐怖する。
- 535 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:55:38.32 ID:7O+p1RfQ0
こんなの読んでたらねれないだろ。常識的に考えて。
- 536 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 00:56:49.43 ID:mUCGXAfJO
>>532
だが「初期化」っていう意味合いもあるんだ
死と誕生………いや、女は俺が死なせないがな
- 537 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:00:25.01 ID:HL5QyLz70
「…でも、センパイ? 実は今、あたし怒ってるんです」
彼女はそう言うと唇を尖らせて不満をアピールする。
「…怒ってるって何をだよ?」
…何か怒らせるような事、あったか?
…というか今、気付いたが、俺たち今まで一度もケンカしてないな。
「…センパイ、見たでしょ」
彼女がジト目で俺を睨む。
…見たって何をだ? マジで思いつかん。
「いや、何の話だ?」
- 539 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:01:54.37 ID:HKVH5tq20
こんな他愛の無い会話を
悲しい思い出にするようなエンディングは止めてくれー!
- 541 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:02:17.34 ID:ZwN5X4hG0
ちょっとDB探しに行ってくる。
- 542 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:03:05.00 ID:HL5QyLz70
「うー…だからー…その…あたしの…」
「オマエの?」
彼女は恥ずかしそうに布団を被り、その目だけでこっちを睨む。
…気持ち赤くなってないか?
「…だから…あたしの…裸」
いやいやいやいやいやいや。
「それは正当防衛だろ!」
- 543 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:03:50.78 ID:BJnr2zhR0
正当…防衛?
ふか…こうりょく?
- 545 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:04:40.13 ID:hlJ7EZbMO
男、落ち着け!
不可抗力だろ、そこは!
- 546 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:05:16.29 ID:OrR87JTH0
男テンパル
- 547 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:05:43.53 ID:HL5QyLz70
「あー! 正当防衛ってなんですかー!」
「いやだってだな、あの場合、仕方なくね!?」
「仕方ないんですかっ!? センパイはあたしの裸を仕方なく見たんですかっ!?」
「仕方なくないけどっ! 見たかったけど仕方なかっただろっ!?」
…何言ってんスか。俺ら。
深夜の病院は静かにしようぜ、マジ。
- 548 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:08:39.02 ID:HcBeArIJ0
「見たかったけど!(こんな風には)見たくなかった!!」
- 549 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:11:00.17 ID:HL5QyLz70
「…ふむ? 今、見たかったと口走りましたね?」
あ。
「…ふむふむ? センパイはあたしの裸が見たかったと。そう仰いましたね?」
「…オマエってたまに誘導尋問みたいな会話を平然とこなすよな」
「やだなー。あたしがそんな事するワケないじゃないですか。常識的に考えてっ」
なんつーか、何回かハメられてる気がするけどな、俺は。
- 551 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:16:32.32 ID:HL5QyLz70
「…それで…その…どう、でしたか?」
「…どうでしたかって何がだ」
気が付けば俺たちの息は軽く上がっていた。
お互い、いい年なんだし落ち着きましょうよ。
というか、オマエに至ってはモロ病み下がり中じゃん。
「…だからー…その…二回も三回も言わせないで下さいってば」
「…あー…オマエの、裸について?」
こくん。
返事の代わりの、小さなうなずき。
- 554 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:23:42.01 ID:HL5QyLz70
…困った。
そんな事について感想を求められるとは思っていなかった。
というか、ぶっちゃけテンパリMAXあずMAXだったので、そんなに詳しく覚えていない。
ただ、その細さと白さだけが印象に残っていた。
「…正直に言うと、テンパっててあんまり覚えてないです。…サーセン」
「…うぐっ…センパイ…ひどいですっ。乙女の純情を踏みにじるだなんてっ」
それは明らかに嘘泣きだったが、慌てざるを得ないだろう。常識的に考えて。
「あー、でも、だな、その、なんつーか、…他の人には見せたくないとは正直、思ってた」
「…ふぇ?」
俺の発言が意外だったのか。
彼女が泣き真似も忘れて素の声をあげる。
- 555 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:23:42.34 ID:hlJ7EZbMO
女の為に保守
- 556 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:25:35.68 ID:V8FC6obz0
二人の為に保守。
- 559 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:27:03.75 ID:HL5QyLz70
「…や、オマエ、裸で倒れちまったし。でも救急隊員が来るだろ?
だから、見られないように布団でぐるぐる巻いた」
…俺、なんか間抜けな事言ってね?
「…ふむ? センパイはあたしの裸を誰にも見せたくなかったと?」
「…そう言ってるじゃないっすか」
「というコトはー…」
「…という事は?」
- 561 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:28:25.41 ID:wKYD+vMy0
学校なんて知らん・・・
全力で保守
- 563 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:30:52.51 ID:A+Gu5mKo0
愛の為に保守
期末テストなんて知らん
- 564 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:31:03.98 ID:HL5QyLz70
「…えへへー、センパイはあたしの裸を自分だけのものにしたかったと。そーゆー意味ですかな?」
そうやって、にへらっと笑うコイツは。
やっぱりイタズラ心ワクワクしているようだった。
「…なぁ、それ、答えなきゃダメな訳?」
「はいっ。答えなきゃダメですっ」
その笑顔は心から楽しそうで。
母上君の言葉を思い出させた。
- 565 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:31:48.27 ID:V8FC6obz0
スレを見てる皆のために保守。
- 567 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:34:53.92 ID:mUCGXAfJO
今は遠く離れてしまった、俺の大好きなゆき姉ぇの為にではなく俺自身の為に保守
するわけなくて、女母の為に保守だろ……常識的に考えて
- 568 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:36:59.12 ID:HL5QyLz70
「…はい。そうです。オマエの裸を俺だけのものしたかったです」
俺、ガチであやつられてね?
あおまほうとか持ってないっすよ、マジ。
「おー、センパイ、大胆発言ですね?」
言わせたのオマエじゃん。
…まぁ、でも本音だけれど。
「…それじゃ、あたしも大胆発言しちゃいましょうか」
「はい、しちゃってください?」
「…あたしも、センパイ以外には見られたくないです。
だから…今度また、ゆっくり見せてあげます…ね?」
…この部屋、ティッシュってないのかな。
- 569 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:37:01.61 ID:Zk2hgaQ6O
保守〜ガンガレ女
- 571 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:39:13.78 ID:HL5QyLz70
「あ、なんなら今ちょっとズルして見ちゃいます? ちらっ、ちらちらっ?」
そう言い、布団から起き上がると襟元をチラチラとめくりだす。
「おおおお女のコは、エレンガントにっ!」
どーでもいいけど、俺も話が古いな。
- 575 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:45:09.54 ID:HL5QyLz70
「ほら、しっかり布団入って休め、な?」
俺を妙に挑発する彼女を布団に戻すと、俺はそっと頭をなでる。
「…あ…、なんかそれ…好きかもです」
「…それって?」
「頭…撫でるの。センパイに可愛がってもらえてるって気がします」
彼女は穏やかに。囁くように呟く。
「…ん。」
俺はなんだか、その囁きに声で返すのは失礼な気がして。
彼女が眠りに着くまでずっとそうしていた。
- 576 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:46:17.56 ID:A+Gu5mKo0
女に悶えつつ保守
- 577 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 01:46:55.89 ID:HL5QyLz70
全然頭回ってねーわwwwww
すまんwwwww
- 593 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:04:41.57 ID:HL5QyLz70
それからの俺は学校が終わると病院に直行する生活になった。
病院で話すのはいつもどうでもいい他愛の無い話で。
それでも俺は彼女に会いたかったし、彼女も俺が行くと喜んでくれた。
俺たちの事をひやかしていた友人達は彼女の事を心配してくれ、
見舞いに行こうかと提案してくれたのだが、その旨を彼女に伝えると、
「あー…あんまり大勢の人にはちょっと、見られたくないかもです」
とやんわりと拒否されてしまったので、気持ちだけ頂いておく事にした。
- 594 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:07:08.23 ID:56j9SBxW0
ドキドキする
- 595 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 02:10:09.13 ID:tpD0Rim1O
今北
スレタイからだんだん逸れてる気もしないでもないが神なので無問題GJ!!!
- 596 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:10:49.50 ID:HL5QyLz70
彼女の母君とはあれからというもの、随分仲が良くなってしまった。
最初は病室で出くわすとちょっと気まずかったりしたものだが
今では俺とアイツと母君と三人で話したり、母君が気を遣って二人にしてくれたり。
ある日「センパイとお母さんはちょっと仲良すぎですっ」とアイツに怒られてしまった時は、母上と俺と二人して大笑いした。
母君は俺とアイツが話していると、いつも目を細めて俺たちを嬉しそうに眺めていて。
その視線には慈愛という言葉がそのまま込められているように思えた。
- 598 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:13:30.38 ID:KvM54MVB0
>母君は俺とアイツが話していると、いつも目を細めて俺たちを嬉しそうに眺めていて。
女 不治の病フラグ?
- 601 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:21:43.02 ID:HL5QyLz70
色んな、色んな話をしたんだ。
彼女の父親がずいぶん前に逝去なさった事。
俺とアイツの出会いの話。
ぶっちゃけ、あの日の事。
けれど病気の話だけは、アイツにも母上にも聞けなかった。
何故なら俺は、それを知るべきではないという気にさえなっていたからだ。
入院している姿を見て感じた事だが、彼女は心配される事を極端に嫌う。
それは昔から心配される事に慣れた人だからこそ。
…だからこそ、培った笑顔。
その彼女が俺に話そうとしない。
それは彼女の聖域のように思えて。
だからこそ俺が自分から土足で踏み込んではいけない。
いつか彼女が話してくれるまで、待っていよう。
そんな風に考えるようになっていた。
- 603 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:25:40.13 ID:HL5QyLz70
そんな穏やかな日々。
それはずっと続くとさえ思えた。
…いや、信じて、いたかったんだ。
けれどタイムリミットは。
静々と。
その鎌を砥いでいた。
- 604 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:26:20.53 ID:56j9SBxW0
ぁぁぁ…
- 609 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:28:01.52 ID:OrR87JTH0
あぁ…遂に……
- 610 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/07/12(木) 02:28:06.33 ID:wopFNmDGO
すごく・・・心にきます
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