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女帝「反乱軍ですって!?」
- 59 名前:VIPがお送りします []
投稿日:2012/02/29(水) 23:06:52.06 ID:mV9SIlrw0
帝国城──
大勢の兵隊が押し寄せてきた。
10名からなる帝国兵たちは瞬く間に全員殺された。
そして、敵兵は女帝たちがいる部屋になだれ込んできた。
敵兵「死ねっ!」グサッ
大臣「ぐわあぁっ!」
敵兵「あとはお前らだけだ……」
執事「くそっ、町の人々はどうしたんだ!」
敵兵「全員殺したよ。町には火を放った……なにもかも燃えているさ。
すぐお前らもあの世に送ってやる!」
敵兵の槍が、執事の胸を貫いた。
執事「がふっ……! じょ、女帝様……申し、訳あり……」
女帝「し、執事ーっ! 執事ーっ!」
- 60 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:10:12.74 ID:mV9SIlrw0
「いやぁぁぁっ!」
帝国城 寝室──
バタンッ!
執事「どうしましたかっ!」
女帝「ゆ、夢……」ハァハァ
執事「ものすごい悲鳴でしたが、なにがあったんですか!?」
女帝「ううん……ちょっと変な夢を見ただけ……」
執事「そうですか……」
女帝「ねぇ……もう少しだけ、ここにいてくれる?」
執事「かしこまりました」
- 61 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:11:48.21 ID:mV9SIlrw0
執事「私には女帝様を守る力もなければ、逃がす力もありません。
三国首脳を説得することもできません」
執事「しかし……最後まであなたのおそばにいますから……。
なにもできない私ですが、それだけは必ず果たします」
女帝「ありがとう……」
執事「どういたしまして」
女帝「執事の顔を見て安心したら、眠くなってきちゃった……」ウト…
女帝「ふぁ……」ウトウト…
女帝「すぅ……」
執事(ふぅ、今度は悪夢を見ることはなさそうだな。
おそらく戦争の夢かなにかを見たんだろう……)
執事(どうにかして、不安をやわらげてあげたいものだが……)
- 62 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:16:42.88 ID:mV9SIlrw0
翌朝、女帝はいつも通り起きてきた。
女帝「昨日はありがとう。おかげでぐっすり眠れたわ」
執事「それはなによりです」
執事「三国とて戦争が起これば、自国も無事では済まないことは理解しているはずです。
大丈夫、戦争なんて起こりませんよ」
女帝「うん……。今は三国を信じるしかないよね」
執事「さ、今日はいかがいたしましょう?」
女帝「勉強でもしようかな」
執事「ではお食事が済み次第、図書室に向かいましょう」
女帝「うんっ!」
- 63 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:18:02.94 ID:mV9SIlrw0
しかし、それからの一ヶ月間──
女帝や執事の祈りも空しく、帝国に入ってくるニュースは不穏なものばかりだった。
『ナイト共和国、またも騎士団による挑発行為』
『サバンナ共和国、猛獣軍団を率いて国境にて威嚇行為』
『メイジ共和国、魔法兵らが大規模な魔法実験』
三国とも、帝国での大会議を発端とし、開戦しようとしているのは明らかだった。
そして、ついに誰もが恐れる大会議当日となってしまった。
- 64 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:20:25.81 ID:mV9SIlrw0
帝国城 会議室──
女帝「いよいよね……」
大臣「おそらく三国とも、ある程度の軍を率いて帝国領に入るでしょう。
会議には私と執事も同席いたします。
護衛として、兵士一名にもついてもらいます」
女帝「うん、分かった」
執事「……兵士、いざとなったら頼むぞ」チラッ
兵士「が、頑張りまーすっ!」ガタガタ
執事(悪いけど、全く頼りにならないな)
大臣(さて、いよいよか……。どうなるか……)
- 65 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:25:58.61 ID:mV9SIlrw0
ナイト共和国陣営──
ナイト共和国の元首は大統領である。
大統領「ふん、いつ来てもさびれた国だ。
名目上のこととはいえ、こんな国が栄光ある我が国の宗主国などと
プライドを大いに傷つけられてしまう」
騎士団長「まったくですな」
大統領「もっとも、今日でこの国も見納めだがな。会議が終われば戦争だ。
手始めに騎士団を率いて、この帝国の町を滅ぼせ。
騎士たちのいいウォーミングアップになるだろう」
騎士団長「はっ!」
- 66 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:27:01.86 ID:mV9SIlrw0
メイジ共和国陣営──
メイジ共和国の元首は首相である。
首相「ふふふ……帝国解体をきっかけに誕生した三国が、
ついに雌雄を決する時が来たのですね」
首相「これまで戦争は起きそうで起きませんでしたが、今日はちがいます」
魔法兵長「はい、魔法兵団の力を思い知らせてやりましょう」
首相「会議が終わったら、まずはこの帝国の町を焼き払いなさい。
開戦の狼煙代わりになるでしょう」
魔法兵長「おおせのままに」
- 67 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:28:07.95 ID:mV9SIlrw0
サバンナ共和国陣営──
サバンナ共和国の元首は軍団長である。
軍団長「猛獣どもは?」
部下「みんな腹を空かせてますよ。調教部隊の準備も完了しています」
軍団長「よし、戦争が始まったらこの帝国の人間をたらふく食わせてやれ。
こんなちっぽけな国、もう用はないからな!」
部下「お任せを!」
- 70 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:33:36.09 ID:mV9SIlrw0
帝国城 会議室──
最初に到着したのは、ナイト共和国の大統領と騎士団長だった。
大統領「おやおや、帝国の方々はもう席についておられましたか。
待たせてしまったかな?」
大臣「いえいえ。さ、どうぞお席に」
大統領と騎士団長が女帝に近づいていく。
大統領「ハッハッハ。ずいぶんと、顔が強張っておりますな。
まぁお嬢さんはそこで座っていればいいのですから、楽なものでしょうな」
女帝「い、いえそんなことは……」
大統領「まだ若いのに一国の君主とは大したものです。
年齢に合わせ、椅子ももっと小さい方がよろしいのではないかな?」
騎士団長「ふっ……今日はジョークが冴えてますな、大統領」
女帝「………!」
大統領たちの態度に、宗主国の君主への敬意は微塵もなかった。
執事(このヤロウ……!)
- 71 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:36:26.25 ID:mV9SIlrw0
執事は憤っていた。
彼はたしかに女帝を心の中でよく小馬鹿にする。
が、同時に尊敬してもいる。
未熟ながらも毎日君主として務めを果たしている女帝を軽々しく扱われたことを、
どうしても許すことができなかった。
執事「ぶっ、無礼ではありませんか!」
女帝「!」
大統領「!?」
騎士団長「!?」
大臣「!」
兵士「!」
執事「我が帝国は貴国の宗主国であり、女帝様はあなた方の統治者なのです。
その方に対し、そのような軽口を叩かれるとは
あまりにも無礼ではありませんか!」
女帝(し、執事……)
執事(やってしまったぁ〜〜〜〜〜!)
- 72 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:39:39.51 ID:mV9SIlrw0
大統領「………」
大統領「これはこれは、申し訳なかった。無礼があったことをお詫びいたします」
(ふん、生意気なことを……)
大統領「おい、騎士団長」パチン
騎士団長「はっ」
執事のもとに、騎士団長が近づいてきた。
バキッ!
執事「がふっ!」ドサッ
騎士団長「失敬、手が滑りました」ツカツカ
執事は騎士団長から裏拳をプレゼントされた。
- 73 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:42:03.02 ID:mV9SIlrw0
女帝「ちょ、ちょっとあなた──!」
執事「い、いいんです、女帝様……。
一国の首脳がたかが執事に指摘されて謝罪したんです。
女帝様がこれ以上なにかいえば、敗者に鞭打つことになりますから」
女帝「………」
女帝(ありがとう、執事……)
大統領(なにが敗者だ。この帝国は、騎士団によって今日で滅びるんだよ)
執事(これが精一杯だ……。我ながら情けない……)
しかし、大臣と兵士は執事に向けてさりげなく親指を立てていた。
執事もハンカチで鼻血を拭きながら、彼らに親指を立てた。
- 74 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:43:11.13 ID:mV9SIlrw0
まもなく、他の二国のトップも到着した。
彼らもやはり、女帝に対して敬意を払うことはなかった。
帝国陣営──
女帝「………」
大臣「では、三国ともに揃いましたので、大会議を開始いたします」
ナイト共和国陣営──
大統領(いよいよ戦争の始まりか……)
騎士団長(今日から我が騎士団の栄光の日々が始まる……!)
メイジ共和国陣営──
首相(この大会議も今日が最後となりますねぇ……)
魔法兵長(魔法こそ最強の武力だと世に知らしめてやる)
サバンナ共和国陣営──
軍団長(ふんっ、どいつもこいつも我らの餌に過ぎん!)
部下(猛獣ども、もうすぐ大暴れさせてやるぞ)
- 75 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:46:04.80 ID:rlEw4NvE0
背水の陣
- 76 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:46:40.95 ID:mV9SIlrw0
大統領「──さて」
大統領「さっそくだが、他の二国に申し上げたい」
大統領「我が国が誇る騎士団は世界でもっとも誇り高く、勇猛果敢である。
貴国らの軍隊など、まったく問題にならん」
大統領「貴国らを平定しようと思えば、いつでも平定できる」
大統領「ただし……我が国に主要都市のいくつかを差し出し、
なおかつ毎年貢ぎ物を捧げる……というのであれば、
今後も変わらぬ付き合いをしてもよい、と考えている」
執事(なんつう始まり方だよ……)
軍団長「ハッハッハ、大した自信だな。ナイト共和国」
軍団長「だが、我らの国でも同じことがいえるのか?」
大統領「なんだと?」
軍団長「キサマらの騎士団など、我らの国に組み入れたとしても、
とても危なっかしくて戦場には出せん。
なぜなら、猛獣軍団の方が騎士団より圧倒的に優れているからな」
大統領「ほう……?」ピクッ
- 77 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:49:45.09 ID:mV9SIlrw0
軍団長「完璧な訓練を施された猛獣の俊敏さ、勇猛さは騎士の比じゃない。
もし戦ったなら、騎士のノロマな剣や槍など軽々とかわし、
鍛えた牙と顎で、鎧ごと騎士を噛み砕くだろうよ」
大統領「これは面白い冗談だ。我が騎士団が、ケダモノにやられるなどと……」
軍団長「ケダモノだと……?
どうやら、アンタは訓練された猛獣の知性を知らんようだな。
無知とは哀れなものだ。いや、ある意味幸せなのかもしれん」
大統領「ふん、そんなもの知りたくもない」
軍団長「メイジ共和国の魔法兵団とて同じことだ。
のんびり呪文を唱えている間に、魔法兵は喉笛を噛みちぎられてるさ」
首相「ふふふ……これは聞き捨てなりませんね。
魔法は術者次第では村や町を丸ごと消し飛ばすことも可能です」
首相「鈍重な騎士団や知恵のない獣など、まとめて葬り去れるでしょうね」
- 78 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:51:25.82 ID:mV9SIlrw0
大統領「ご大層な話だが、魔法兵など敵ではない。
基本的な接近戦ができぬ連中など、我が騎士団の神速の突撃によって
瞬く間に打ち砕いてしまえる」
首相「神速の突撃……? ずいぶん笑わせてくれますねぇ。
近づく前に魔法兵に焼き尽くされる滑稽な騎士の姿が目に浮かびますよ」
軍団長「どちらにせよ、接近戦に自信はないというわけだ。
ノロマな騎士団では無理だろうが、猛獣軍団の前ではただの餌だな」
首相「ふふふ、ケダモノなど魔法に怯えてすぐ逃げてしまうでしょうね」
大統領「我が騎士団の突撃の前には、ケダモノの爪や牙など通用せん」
軍団長「ふん。キサマらの国の軍隊など、敵を餌とし進軍する猛獣軍団になすすべなく
食われていくだろうよ」
- 80 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:55:34.21 ID:mV9SIlrw0
大会議は会議などという生易しいものではなくなっていた。
三国首脳が口角泡を飛ばし、軍事力を誇示し合い、
各々の国が抱える問題点に難癖をつけ合う。
子供の口喧嘩にも似た、強国同士の意地の張り合い。
まもなく始まる戦争の前哨戦として、三国とも他の二国を口でやり込めたいのだ。
いやむしろ、この口論もまた戦争と呼べるのかもしれない。
いうまでもなく、帝国の人間は蚊帳の外である。
口を挟む余地など全くなかった。
- 81 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/02/29(水) 23:59:19.65 ID:mV9SIlrw0
会議開始から一時間後──
大統領「やはり、貴国らとは分かり合えぬ運命にあるようだ。
戦争しかあるまい。我が国の騎士団の恐ろしさを知らしめてくれよう」
首相「ふふふ、やれるものならどうぞおやりになって下さい。
二国とも魔法兵団によって蹂躙される定めなのですから」
軍団長「勝利するのは我がサバンナ共和国だがな。
ナイト共和国とメイジ共和国、ちょうどいい餌場になるだろう」
大統領(騎士団長に命じて、まずはこの帝国を滅ぼすとするか)
首相(予定通り帝国の町を焼き払い、魔法の恐ろしさを見せてあげるとしましょう)
軍団長(帝国の人間どもを、猛獣たちの前菜にしてやる)
会議は終わった。
三国首脳が、それぞれ命令を下そうとする。
その時だった。
女帝「──待ってっ!」
- 83 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:03:39.90 ID:CbdDmlFb0
ええい、反乱軍のテーマはまだか!
- 84 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:05:50.71 ID:TisiIFe/0
執事(女帝様……!?)
女帝「わ、私はこれでもあなたたち三国を束ねる帝国の皇帝です……。
会議の最後に、私の話を聞いてもらいたいの」
大統領「ほう」
首相「面白い、うかがいましょうか」
軍団長「ふむ」
女帝「……ありがとう」
女帝は席から立ち上がった。
- 85 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:07:16.25 ID:PFhveSG/O
ぶっちゃけマジでやりあったらメイジの一人勝ちだと思う
- 86 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:09:16.48 ID:TisiIFe/0
女帝「わ、私は……あなたたちに戦争をして欲しくない……」
女帝「この帝国が巻き込まれたくないということも、もちろんあるけど、
私はあなたたちにも傷ついて欲しくないの……」
女帝「あなたたち三国が戦争をすれば、どこが勝つにせよ、
大勢の人が死ぬに決まっている……!」
女帝「私は帝国皇帝として、それを見過ごすわけにはいかない!」
女帝「だから……だからっ……!」
女帝「戦争をしないで、欲しいの……!」
息を切らしつつ、女帝は席についた。
執事は女帝が紡いだ言葉の数々に、感動を覚えていた。
執事(勇気を振り絞られましたね、女帝様……)
執事(殺気立つ強国の指導者たちに臆することなく、自分の意見を述べる。
並の人間ではできることではありません。少なくとも私は無理です)
執事(お約束した通り、私は最後まであなたのおそばにおりますよ)
- 87 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:12:22.47 ID:TisiIFe/0
大統領「たしかに、女帝様のおっしゃる通りだ」
首相「ふふふ、たしかに戦争はよくありませんねぇ」
軍団長「うむ、戦争が始まれば大勢が死ぬことになる」
すぐさま三国首脳は、そばに立つ各々の軍の最高司令官に命じる。
大統領「騎士団長、騎士団をすみやかに帝国から撤退させよ!
むろん、二国に対する挑発行為は、今後厳禁とする!」
騎士団長「はっ!」
首相「魔法兵長、兵団も同じく撤退させなさい。
我が兵団は、今後国内の治安維持を第一に動くのです」
魔法兵長「おおせのままに」
軍団長「猛獣軍団と調教部隊に帰国命令を出せ!
国に戻り次第、ヤツらに存分には肉を与えてやれよ」
部下「お任せを!」
- 88 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:15:24.52 ID:TisiIFe/0
日頃から厳しい訓練をしているだけあって、三国の行動は迅速だった。
三国の軍隊ともに、あっという間に帝国から撤退した。
また、各国首脳と司令官も女帝に挨拶すると、それぞれの国に帰っていった。
ここ数ヶ月で極限まで達した緊張は、わずか半日であっけなく雲散霧消してしまった。
女帝「みんな、帰っちゃったわね」
執事「えぇ……」
執事(これで、本当に戦争は回避されたのか……?)
執事(いや、和解したと見せかけて奇襲をかける、なんて常套手段だ。
危機が完全に去ったわけではない……)
執事「終わりましたね、女帝様。本当にお疲れ様でした」
女帝「うん……でも、本当に大丈夫かな?」
執事「まだ、なんともいえませんが……」
執事「彼らもやはりここで戦争を始めることはリスクが大きいと、
判断したのではないでしょうか」
- 89 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:16:06.08 ID:ycyaRFBh0
これは覇王色の覇気!?
- 90 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2012/03/01(木) 00:18:46.06 ID:TisiIFe/0
執事はいつどこの国が戦争を始めるか、内心ビクビクしていたが、
何も起こることはなく日は沈み、夜になった。
女帝「おやすみ、執事」
執事「今日は特にお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
女帝「うん、ありがとう」
執事「では、失礼いたします」
執事(今日は本当に長かった……)
執事(しかし、いったいなぜ戦争は回避されたんだろうか?)
執事(あの会議での彼らの殺気が演技だったとはとても思えない……)
執事(いったい三国にはどんな戦略があって、会議を戦争のきっかけにしなかったのか。
気になるが……まさか本人たちに聞けるはずもない)
執事(考えて結論が出るものでもないだろうし……)
執事(私も寝るとするか)
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