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猫「遊んでいただきたいのですが」
104 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 17:09:23.59 ID:m0n3zAD00
もう少し早く始めれそうだ
六時からで


105 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/19(土) 17:16:15.45 ID:U0ly/DY30
今追いついた
なんとなく猫の寿命とか気になっちゃう
みんな幸せになってほしいな・・・


109 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:09:09.54 ID:m0n3zAD00

幽霊「んー」

男「どうかしました?」

猫「また卑猥な事でも考えていたのでしょう、男さんから離れてください」

幽霊「や、ちょっと何か思い出しそうな気がして」

男「ほう」

幽霊「いや、死んだときのことは綺麗そのまま覚えてるんですけど親のこととか、友達とかも」

幽霊「なーんか、どうでもいい事忘れてるような気がしてならないんです」

猫「死ぬ前にえっちな本処分しなかったとかじゃないですか、どうせ」

幽霊「…あーっ!!! し、ししまった!!」

猫「…へっ」


110 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:11:34.45 ID:m0n3zAD00

幽霊「なんですか! その勝ち誇った笑みは!」

猫「ふふん、男さんには私がおりますので」

猫「有事の際には男さんのえっちな本も完璧に処分してみせます」

男「頼りになります」

幽霊「えー、私も男君の見てみたいな」

男「女さん、卑猥」

幽霊「? あっ、男さんの下半身が見たい訳じゃないです!! えっちな本の方です!!」

猫「変わりありません。この変態」

幽霊「うぅぅ」



111 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:13:22.57 ID:m0n3zAD00


幽霊「ま、思い出したら言いますよ」

男「よろしく、でもどうでもいい事みたいだし。無理に思い出さなくても」

幽霊「そですね」

男「なんかの拍子で出てくるといいねぇ」

幽霊「はいっ、じゃあ買い物がてら散歩に行ってきます」

猫「そのまま迷子になってくれても構いませんよ。探しに行きませんから」

バタン



112 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:13:57.81 ID:hXRCw5F4O
>>11
アレルギーは気合いで治る


113 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:14:52.97 ID:m0n3zAD00

男「さて、猫さん」

猫「はいっ、なんでしょう! ふたりっきりでしか言えない事ですか?」

男「えっちな本の在り処、この家のどこにあるか知ってるんだ」

猫「はい、ばっちりです!!」

男(そんな自身満々に言われても)

猫「私のコレクションも入れてますから、ふたりの秘密ですね」

男「どうりで昔から良くペット誌が紛れ込んでると思った」

猫「ふふ、自由に見て貰っても構いませんよ」

男(そういえば君の大好物は全部あの本に赤丸で囲ってあったなァ)



114 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:16:57.17 ID:OkDAXAcM0
幽霊が女さんで安心した


115 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:18:47.64 ID:m0n3zAD00


幽霊「んふふー、あなたーの家族はー、タンスを立てられずー」

幽霊「ちちはー、家にー、居場所無くー、やむなくパチンコー通い」

幽霊「ふー、今まで浮いていた分移動は楽だったのになァ」

幽霊「あ、公園。寄ってこうっと」

幽霊「晴れの日はいいですねーぽかぽかしてます」

幽霊「こんな日に死んだんだっけかな」

幽霊(…お父さんお母さんに会いにいったらびっくりして死んでしまうよね)

幽霊「でも会いたいなー」

幽霊(行こうかな、電車に乗って。見つかっても赤の他人って事でごまかせば)

幽霊「決めた、そうしましょう!!」




116 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:20:32.01 ID:m0n3zAD00

男「止めた方が良いよ、多分」

幽霊「え」

男「ただでさえ不規則な事態だからね。なにかあったら幽霊さんがどうなるか分からないし」

幽霊「そうですかね…でも会いたいなあ」

幽霊「ひょっとしたらまた幽霊に戻ってしまうかもしれないですもんね」

男「うん、折角また生きれたんだし。望み通りね」

幽霊(望み通りですか…)

男「さて、俺もいつまで幽霊やってられるか分からないし、空へ遊びに行ってきます」フワ

幽霊「あ、行っちゃった」




117 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:21:28.43 ID:m0n3zAD00


幽霊「…ネコちゃん的にはどう思われるでしょうか」

猫「勝手にしたら? って感じです。目やに取ってるときに話しかけないでください」

幽霊「男さんは行かないほうが良いって言ったんですけど」

猫「男さんの言う事に間違いは無いです」

幽霊「ですよねぇ…なんか仙人の匂いがしますもん」

猫「それくらい高貴な方なんです。本来あなたの事なんて露も気にせず路線の石と同様に扱う所でしょう」

幽霊「ですよねえ…」

猫「……まあ、私的には」


118 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:23:22.59 ID:m0n3zAD00

幽霊「え?」

猫「まあその、私的にはですけど。親に会いたいって言うのは分かります」

幽霊「恋しくなりますよねえ…」

猫「私は男さんさえ居れば十分ですから、別にですけど」

猫「さっさと親の顔でも、遠くから一目拝んで成仏してくださいって感じです」

幽霊「…私、今気付いちゃいました」

猫「何ですか。毛をなめしてるんですから気を散らせないでください」

幽霊「猫さんってツンデレって奴ですね!」

猫「」ネコパンチ

幽霊「すみませんでした…」

猫「次それ言ったら、二度と足の関節が曲がらない物になると思ってください」

幽霊「はいっ! 猫さんありがとうございます!!」

猫「まったく…」



119 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:25:42.65 ID:m0n3zAD00
ガタンゴトン…


幽霊(男さんに内緒で来ちゃいました)

猫「なんで私まで付いて行かなくちゃならないのか」

幽霊「ホントはお見送りだけで満足だったんですけど、車内あまり人いなかったから、ついです」

猫「ま、男さんは昼過ぎまで帰ってこないって言ってましたし。たまには一人でいたいでしょうし」

幽霊「男さんにべっとりしないんですね」

猫「一人の時間も大切なんです。あーあ、今日のぷらいばしーの時間が無くなった」

幽霊「近くに美味しい店屋物屋さんあるのでそこでご飯にしましょう」

猫「えび?」

幽霊「かに天も付けちゃいます」

猫「…ま、まあ。たまには遠出も悪くありません」ゴクリ…


120 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:26:44.48 ID:m0n3zAD00

幽霊「この駅前のやつれっぷり、懐かしいなァ」

猫「いいから早く行きましょう、さっさと行きましょう」

幽霊「焦らない焦らない、あっ、ツタヤ出来てるー」

猫「この人は」




121 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:27:25.14 ID:m0n3zAD00

猫「…かつお…中毒…」ガジガジ

幽霊「猫さんはカツオのタタキ好きですか」

猫「懐かしい味がします」

幽霊「通りに魚屋さん見つけて良かったです、そろそろ着きますよ」

幽霊「…わあ」



122 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:27:51.71 ID:OkDAXAcM0
やっぱり猫とほのぼのがいいな


123 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:28:38.97 ID:m0n3zAD00
――

猫「いつまで家を眺めてるんですか、不審者以外の何でもないと言うかですね」

幽霊「……」ボー

猫「前科が付いたら私の威厳にも関わります」

幽霊「……」ボー

猫「…えい」弱ネコキック

幽霊「あっ、気を少し失っていました」

猫「そんなに気になるなら中に入れば良いでしょう、めんどくさい」

幽霊「え、でも見に来ただけ」

猫「お腹空きました、はい行きますよ」グイグイ

幽霊「えっ!! ちょ、ちょっと猫さん!」


124 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:29:41.08 ID:m0n3zAD00

シュタッ

猫「家の中を覗いてみましたが、誰も居ないようです」

幽霊「お父さんもお母さんも、家族皆働いてるんです。ウチ」

猫「そんな中あなた一人が幽霊ニートって訳ですか」

幽霊「面目ねーです…うう」

猫「だから、あなたも、この家の家族の一員なんですから」

猫「家に上がったところで、怒られませんよ」


幽霊「猫さん、咥えてるのって」

猫「二階の窓あけっぱでした。多分、これは鍵じゃないかと」

幽霊「ちょっと、考えさせてください…」



125 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:31:56.78 ID:m0n3zAD00

がちゃ

猫「あっ、開いた。私の肉球は高性能ですね」

猫「お邪魔します」

幽霊「もももも、もう!! 猫さんダメですってば」

猫「折角、生き返れたんですから」

幽霊「……」

猫「きっと、それくらいしなければ成仏出来ないでしょう、あなた」

幽霊「…ねこさぁぁぁぁぁん!!」

猫「たっ、ただ、男さんとのらぶらぶな生活を邪魔されたくないだけです!! 抱きつかないでくださいっ!!」



126 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:32:47.77 ID:m0n3zAD00
幽霊「で、では」

幽霊「おじゃましまーす…」

猫「ただいまー」

幽霊「それ私の台詞ですっ、ただいまっ!! 幽霊ちゃんが帰ってきましたよ!!」

猫「最初からいえばよろしい」

幽霊「わー、自分の部屋に遺影があるって不思議な間隔ですね」

猫「自分の遺影を手に持っている幽霊を見るのは摩訶不思議です」



131 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 18:44:19.52 ID:WKqC+sqP0
なぜ幽霊が出てきたのか分からない
猫に期待してたのに……


133 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:05:13.53 ID:U0ly/DY30
これはシリアス展開の予感・・・!


134 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:07:39.60 ID:3w5/UAmlP
幽霊さんはそろそろクライマックスなのかな


135 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:09:39.58 ID:m0n3zAD00


幽霊「私も望むべくして死んだ訳じゃないですからね」

幽霊「ほんとに、私死んだんだなぁ」

猫「ええ、だから早く男さんの生気を返して逝ってください」

幽霊「ふふ…あれ?」

猫「手に持っているのは、思い入れのある指環で?」

幽霊「結婚指輪ですね、お母さんのかな? ほら、お父さんの名前が彫って…」








幽霊「え」



>>122 >>131
すまんそれだけじゃオチが見つからなかった
あとさるくらったからゆっくり投下する


136 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:19:45.10 ID:m0n3zAD00
男「あ、猫さんと幽霊さんただいま。散歩でもしてきたの?」

幽霊「あ、ただいまです…」

猫「……」トコトコ

男「あれ? 猫さん?」

猫「……」プィッ 

猫「今日は、もう寝ます」ゴソゴソ

男(機嫌悪いなあ、でもそこ俺のベットなんだけど)


幽霊「……」

男「……えと」

幽霊「結婚」

男「」

幽霊「その、男さんと私って結婚してたんですか」

幽霊「指輪に…男さんの名前が彫られてました」


138 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:30:49.14 ID:m0n3zAD00

男「……行ってきたんだ」

幽霊「あの…どういうことですか?」

男「だから、猫さん機嫌悪いんだ」

幽霊「あの…」

男「……猫さん寝るのに邪魔だろうし。外で話そうか」



男「猫さんはね、実は幽霊さんが最初に見つけたんだ。子猫のときに」

幽霊「…えっと」

男「病院でね、ベットの上に動き回る大きな毛虫がいると思ったら小さい猫さんだった」

男「この子はぼーるが好きなんです、って会話した後、数日して急変。そのまま」

幽霊「…私、てっきり事故か何かで死んだんだと思ってました」

男「きっと記憶がごっちゃになってるんだよね。交通事故で精密検査を受けた時に見つかった別の病気だから」

幽霊「…」


139 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:35:23.01 ID:m0n3zAD00


男「だから、幽霊さんが死んだ時は、半袖じゃなくて寝巻きだった姿だったし。最期は頬も尖って顔も白かった」

男「幽霊さんは、あの人が一番元気だったときの幽霊なんだ」

幽霊「えと、それで男君。あの指輪は?」

男「亡くなってから供えた物かな。実は原付で幽霊さんを轢いたのは俺でさ、そこで初めて出会って、半年の付き合いだった、結婚してるわけじゃないから、安心していいよ」

幽霊「…どうしよう…まったく覚えてない…」

男「事故が印象的すぎて、それ以降の記憶が全部無いのかな」

幽霊「ごめんなさい…」

男「謝らなくても良いよ。誰かが願いを叶えてくれただけだし」

幽霊「私は生き返りたいって死ぬ間際に言って、だから今こうして」

男「違う、俺がそうなればいい、って」

幽霊「…え?」


140 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:38:46.60 ID:m0n3zAD00
男「俺の命なんてどうでもいいから、幽霊さんにまだ生きてて欲しい。って」

幽霊「じゃあ、これって」

男「俺が望んだんだよ」

幽霊「そんなっ…! 私は別に…!」

男「猫さんのことお願いしますね、ってあのメモが無かったら俺は死んでたよ」

男「それくらいの命なんだ」

幽霊「で、でも…」


男「好きになったんだ。幽霊さんの事が、半年間だったけど、確かに」


142 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/19(土) 19:42:29.35 ID:U0ly/DY30
物語が始まる前から幽霊さんルートだったとは・・・


143 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 19:44:29.36 ID:O+pgzoPT0
幽霊ルートはスレ立て前から計画してたのか気になる


146 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 20:18:11.27 ID:m0n3zAD00


(大学を卒業したら、籍でも入れましょう。二人と一匹の小さな家を建てて慎ましく生きましょう)

男「だから、この町で幽霊姿でもあなたを見つけた時は、嬉しかった」

(それまで、この部屋で過ごしましょう。狭いほうが、きっと落ち着きます)

幽霊「…あ…ああ…」

(楽しい散歩が出来るような町で、二人と一匹、静かに過ごしましょう)

幽霊(確かに、そうでした…)



147 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/02/19(土) 20:20:04.50 ID:m0n3zAD00



幽霊「あの、猫さんはこの事を知ってるんですか?」

男「まだ小さかったから覚えてないと思う。やっぱり身体は覚えてるね」

男「ボールが好き、家を建てたい、狭い所が好き」

幽霊「私…そっくりなんですね。猫さんは」

男「あなたが里親だからね、それは似たなぁ」





男「じゃあ、もう行くかな?」



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