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二等兵「出頭命令…ですか?」
- 1 名前:(妄想が)爆発するぞー!! []
投稿日:2011/06/12(日) 21:33:39.97 ID:W9J60H1M0
大尉「“本日1500時に第7小隊の小隊長・副長両名は本部へ出頭せよ”という連絡が来た」
中尉「面倒なことじゃなけりゃ良いんだけどな〜」
二等兵「お二人が行くのはわかったんですけど…なぜ僕もなんですか?軍曹や兵長ではなく…」
大尉「ああ、それはだな…お前もこういう経験をしたほうがいいかと思ってな」
二等兵「経験?ですか?」キョトン
中尉「そ、役に立つかはわからないけど、本部がどんな所か?どんな奴がいるか?っていうのは
知っておいても損は無いだろうからな。あの2人は行ったことあるし」
- 4 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:35:53.65 ID:W9J60H1M0
大尉「まあ、緊張しなくても大丈夫だろう」
中尉「そうかね〜?案外悪い知らせかもよ?」
大尉「そんなこと無いだろう」
中尉「いや、わからんよ?」
大尉「心当たりでもあるのか?」
中尉「…お前がそれを言うのか」
大尉「?」
- 5 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:37:02.35 ID:RAoaRRY40
はやく戦闘しなさい
- 6 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:37:13.56 ID:W9J60H1M0
中尉「前、第8小隊との模擬戦の時にあっちの一等兵(♀)に、おもいっきりグーパンチして泣かしたろ、お前」
二等兵「あー…小銃でガードしてたけど、倒れたとこに拳銃(模擬弾)で追い打ちかけた、あの…」
中尉「あの後大変だったんだぞ…それ聞いた兵站局の准将(♀)が『差別だ!!』とか言って騒いでさ」
大尉「しょうがないだろう。咄嗟のことだったし、小銃が詰まって撃てなかったんだから」
大尉「それに、訓練で本気を出すのは当然だ。そこで全力を尽くせるかどうかが実戦の結果に繋がるんだから」キリッ
中尉「はいはいそうですね…」
- 7 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:38:04.21 ID:YaVJJj8m0
その二等兵ライアンって名前だろ?
- 8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:39:06.52 ID:W9J60H1M0
大尉「そういうお前だってあるじゃないか」
中尉「ん?」
大尉「ちょっと前に、潜水艦部隊の大佐の娘にちょっかい出したらしいじゃないか」
中尉「あー…うん…」
大尉「この前あのおっさんキレてたぞ?『あの野郎!!アッーしてこーしてやる!!』ってさ。そのうち殴られるんじゃないか?」
中尉「あの娘にはちょっと声掛けただけなんだけどな…
それにあの人いつも変な目で俺を見てる気がするんだよ…何か別の意図がありそうで怖いな…」
二等兵「確かになんかクネクネしてますよね。あの人」
- 11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:40:41.39 ID:W9J60H1M0
大尉「そういえば、軍曹も潜水艦部隊の少佐(♀)に、よく誘いを受けてるらしいけど、断わりっぱなしみたいで
その少佐が怒ってるって聞いたな」
二等兵「あのいつも青いツナギを着た人ですか?美人ですよね」
中尉「誘いって?一緒に呑もうとか?」
大尉「さあ?『やらないか』としか言ってこないみたいだからよくわからん」
中尉「…助けるべきか、助けないべきか、そこが問題だ」
- 12 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:41:57.81 ID:W9J60H1M0
大尉「あ、さっきの兵站局がどうとかってので思い出したけど、そこから苦情来てた」
中尉「苦情?」
大尉「そう。なにか要望があれば、ってことで意見箱ってのを置いてるらしいんだけど」
大尉「そこに、兵長が非常食のチョコバーについての改善要求(レポート用紙100枚)をブチ込んで
箱壊したって、」
中尉「“熱心な奴なんですよ”って言っとけばいいよ」
- 13 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:43:10.69 ID:W9J60H1M0
二等兵「こうして考えてみると、なんかすごい部隊ですよね♪」ニコッ
大尉 ジー
中尉 ジー
二等兵「?」
中尉「なに他人事みたいに言ってるんだ」
二等兵「え」
中尉「お前、基礎訓練の手榴弾の取り扱いについての時、抜くなって言ったのにピン抜いたろ」
二等兵「あー…」
大尉「あの時は本当、肝が冷えた」
中尉「レバーを保持してたからよかったものを…」
二等兵「ごめんなさい」
- 14 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:44:16.89 ID:W9J60H1M0
中尉「で、結局悪い知らせが来る要素満載ってわけか」
二等兵「わ、悪い知らせって何ですか…?」
中尉「どっかに左遷…とか?」
二等兵「え!?それはちょっと…」
大尉「異動、嫌なのか?二等兵は」
二等兵「え!?あ、あのー…えーと…まあ、いろいろと…」
二等兵「そ、そういう大尉は異動になっても良いんですか?」
大尉「まあ、そうだな。どこに行かされたとしても、軍にいられればそれでいいさ」
二等兵「そうなんですか…」
中尉「…そろそろ時間だ。無駄話はやめてさっさと行かないか?」
大尉「そうか、わかった」
二等兵「はい!」
- 15 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:45:11.09 ID:W9J60H1M0
〜基地内、兵站局にて〜
軍曹「ほら、兵長!書かないと終わらないぞがんばれ!」
兵長 グデーン
軍曹(この顔は…「めんどくさい」って顔だな…」
軍曹「しょうがないだろ?兵站局の備品壊しちゃったんだから。」
軍曹「私も一緒に始末書の内容考えるから、な?」
兵長「…」チラ
軍曹(ん?あれは…大尉達か。どこへ行くんだろう…?)
兵長 ブンブン
軍曹「…ペンをソユーズに見立てて遊べる想像力があるなら、それをこっちに使おうよ…」
- 16 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:46:35.43 ID:W9J60H1M0
〜本部にて〜
大尉「第7小隊、大尉以下2名出頭いたしました!」ビシッ
兵站中佐「いらっしゃい大尉。大佐は急な用事があって今はいない。作戦室へ行って待っていてくれ」
大尉「了解しました!」ビシッ
スタスタ
大尉「今のは本部の兵站担当の中佐。娘さんが思春期でいろいろ困ってるらしい」
二等兵「はい!」
中尉「もっと軍務に関係のあることを教えてやれよ…」
- 17 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:47:38.04 ID:6gg754VT0
大尉で小隊長はないだろ
階級的に中隊長レベルだぞ
- 18 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:47:52.10 ID:W9J60H1M0
〜作戦室〜
二等兵「ここが作戦室…」
大尉「そうだ。連隊長や幕僚たちが、作戦計画の立案や指揮を執ったり、
実動部隊への任務の説明を行ったりする場所だ」
中尉「緊張してんのか?」
二等兵「はい、少し…この場所の雰囲気ってのもありますけど、
これからどんなことを言われるのかと思うと…」
中尉「まあ、悪い話ではなさそうだけどな」
二等兵「えっ、どういうことですか?」
中尉「お叱りを受けることになるなら、連隊長の部屋とかに呼ばれると思う」
中尉「だけど、この部屋に呼ばれたってことは、なんか面倒な任務の話とかだと思うぞ?」
ガチャ
- 20 名前:Cat Shit Oneをイメージしていただければ… [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:49:54.09 ID:W9J60H1M0
大尉「“Ten-hut!!”『気を付け!!』」
大尉 ビシッ
中尉 ビシッ
二等兵 ビ、ビシッ
大佐「休め。すまないな遅れて」
大尉「いえ」
大佐「3人とも掛けてくれ」
スッ
大佐「さて、君たちに来てもらったのはある重要な任務のためだ」
大佐「この任務は極秘で、知っているのはここにいる私たちだけだ。これより説明を行う」
二等兵 ゴクッ
大佐「だがその前に…」
- 21 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:51:08.24 ID:W9J60H1M0
大佐「なぜ、二等兵がここにいる?」ギロッ
二等兵「!!」
大佐「私が呼んだのは大尉と中尉だけだったはずだが?」
二等兵「え、え〜と…あのー…」
大尉「私が一緒に来るように言いました。こういう経験も必要だと思いましたので」
大佐「そうか…それは残念だ…」
二等兵「!!??」
- 22 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:52:15.33 ID:W9J60H1M0
大佐「お茶菓子を買ってきたんだが、3つしかなくてな…」ショボーン
二等兵「…え?」
大尉「いつもの羊羹ですか?」
大佐「いや、今日は少し離れた洋菓子店に行ってきた。それで遅れてしまった」
大佐「ショートケーキとチョコレートケーキとシュークリームがある。好きなのを選ぶといい」
二等兵「ど、どういうことなんですか?中尉」ヒソヒソ
中尉「どういうことって…ただの甘いもの好きだよ。大佐は」
大尉「俺は良いです。3人で食べてください」
大佐「いや、そういうわけにはいかない。私は自前の羊羹を食べるから3人で食べなさい」
- 23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:53:17.43 ID:W9J60H1M0
大尉「そうですか。どれにする?」
二等兵「え、えーと…」
中尉「じゃあ、俺はシュークリームを貰う」
二等兵「僕はチョコレートケーキでお願いします…」
大尉「俺はショートケーキ…」
大尉・中尉・二等兵「いただきます」
二等兵 モグモグ
二等兵「ん?」
- 24 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:54:11.56 ID:o8kxw1MF0
良いと思う
- 25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:54:12.54 ID:W9J60H1M0
大佐 (´・ω・`)ショボーン
二等兵(!!…ど、どうしよう)
中尉「まったく…」ボソ
中尉「申し訳ありません大佐。自分は甘いものは少し苦手で…」
中尉「大佐の羊羹をいただけませんか?それならそんなに甘くないので。ケーキは大佐が食べてください」
大佐「そうか、それなら仕方ないな…………♪」
二等兵(あれ?中尉って甘いもの嫌いじゃなかったはずだけど…?)
大尉(うまいことやるなーこいつ)モグモグ
- 26 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:55:29.73 ID:W9J60H1M0
大佐「では、話を戻そう」
大佐「君たちにやってもらいたい任務は、連隊内で発生している物資の横流しについての調査だ」
二等兵「横流し…」
大佐「そうだ。発生時期は2か月前から、主に被服・携帯糧食が流されている。」
二等兵「あの…質問よろしいでしょうか?」ビクビク
大佐「ああ、構わない」ニコ
二等兵 ホッ
二等兵「そういう調査って憲兵が行うことなのでは?」
中尉「たしかに、なぜ俺たちに?」
大佐「もっともな意見だ。…実はすでに憲兵隊による調査は実施済みだ」
二等兵「!?」
中尉「へえ」
大尉「…」
- 27 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:56:56.18 ID:W9J60H1M0
大佐「3日前に、兵站局と本部に憲兵隊が入り、
すべての軍務を停止させての調査が行われた」
大佐「しかし、成果は上がらず、手がかりになりそうなものもまったくなかった」
大佐「しかも、調査が行われた日だけ犯行の痕跡がなかった」
中尉「それは、つまり容疑者は事前に調査を知っていたか、
調査が入ると知って急いで証拠を消したかのどちらかが考えられる?」
大佐「そうだ。物資をどうにかできるのは本部と兵站局ぐらいなものだ」
大佐「そのいずれかに容疑者がいる可能性が高い」
中尉「…物の動きでは追えないんですか?」
大佐「それについても調査したが不明。いつの間にか無くなっているといった状態だ」
- 28 名前: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:57:32.27 ID:6cMBWXIp0
え?早く
- 29 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:57:45.21 ID:+nUhSju+0
\ / .::::::::::::::::::::::::;;:;;::,ッ、:::::: ) く ホ す
\ l ,ッィrj,rf'"'"'" lミ::::::: く れ モ ま
Y ,!ミ::::::: ヽ な 以 な
`ヽ、 | くミ:::::::: ノ い 外 い
|、__ ャー--_ニゞ `i::::,rく か は
``''ー- ゝ、'l  ゙̄´彑,ヾ }::;! ,ヘ.) ! 帰
゙ソ """"´` 〉 L_ っ
/ i , /| て r
≡=- 〈´ ,,.._ i 't-'゙ | ,へ ,r┘
,、yx=''" `ー{゙ _, -、 ; l レ' ヽr、⌒ヽ'
゙、`--─゙ /! `、
_,,、- ゙、 ー'' / ; `、
-''"_,,、-''" ゙、 /;;' ,' / 、\
-''" / `ー─''ぐ;;;;' ,' ノ
// / ヾ_、=ニ゙
- 30 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:58:24.62 ID:W9J60H1M0
大佐「それと、君たちに調査してもらいたい理由だが、相手は用心深い。憲兵隊にまた動きがあると、
今度は完全に姿を消すことも考えられる」
大佐「だが、いろいろと騒ぎを起こしている君達なら警戒されないだろう」
中尉「ああ…だからか」チッ
大佐「タダでとは言わない。容疑者の特定・確保が成功すれば
昇進などについても考慮しよう」
大佐「特に中尉は昇進が滞っているのだし、悪い話ではないだろう?」
中尉 ムカッ
大尉「…全員で話し合わせてもらえませんか?」
大佐「その『全員』がここにいる3人という意味なら許可しよう」
大尉「わかりました。少し時間をください」
- 31 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 21:59:15.85 ID:W9J60H1M0
大尉「さて、どうするか…」
中尉「俺は反対。腹は立ったがそれ以上に仲間を売るようなことはしたくない」
中尉「それに、軍に俺の何もかもをくれてやったわけじゃない」
大尉「二等兵は?」
二等兵「え!?僕も意見を言っていいんですか?」
大尉「早くしろ。大佐が待ってる」
二等兵「は、はい!」
二等兵「僕は…やっぱり犯罪は良くないんじゃないかと思います」
大尉「そうか。それじゃ最後は俺だな」
大尉「俺は…」
- 32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 22:00:13.24 ID:W9J60H1M0
大尉「俺は軍人であることに誇りを持っているし、この国の為に戦うと誓った」
大尉「だがそれ以上に…最期の時、それまでのことを思い出して己の行いを悔いるようなことはしたくない」
大尉「それは俺自身に誓ったことなんだ。見過ごすことはそれに反するような気がする」
中尉「…わかった。やろう」
大尉「すまない」
中尉「いつものことだろ」
- 33 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 22:01:00.96 ID:W9J60H1M0
大尉「大佐、やらせてください」
大佐「わかった。では、詳しいことは次の機会に説明する。今日のところは解散だ」
大尉「了解しました」
大尉・中尉・二等兵 ビシッ
スタスタ
- 34 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2011/06/12(日) 22:01:57.69 ID:W9J60H1M0
中尉「結局、だいたい予想は当たってたわけか」
二等兵「?」
中尉「“問題のある部隊”に“面倒な任務”をってこと」
大尉「まあ、そうだな」
兵站中佐「お、君達。話は終わったのかな?」
大尉「ええ、まあ…」
兵站中佐「そうか…それと、話を聞いたよ大尉。君は良い部下を持ったねぇ〜」
大尉「?」
兵站中佐「私の娘もああなってくれれば…ん?」
ツカツカ
作戦担当中佐「中佐!また書類におかしな部分がある!!どうなってるんだ!?」
兵站担当中佐「へ?あー…すいませんねぇ〜」
大尉「あの強面の人は作戦担当の中佐だ。あんなんだが、飼い猫にはデレデレ…だそうだ」
二等兵「はい!」
中尉「おい」
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