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新ジャンル「一服」
31 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:14:55.85 ID:QQdanqWX0
女「まーったこんなところで!」
男「俺の至福の一時なんだよwwwww」
女「いい加減先生にチクるぞwwwww」
男「おまwwwwwごめんなさいwwwww」
女「うむ!それでよし♪」


なんだこのDQN


35 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:25:38.77 ID:BFtcteLq0
>>31
ちと拝借

女「ま〜った、こんなところで……」
男「んぁ?……あっつ!!」
女「あはは!!授業サボりのばぁつ♪」
男「あち、あち!ふぅーふぅー!!……何が、『ばぁつ♪』だよ。お前だってサボってるし。ったく、あっち〜……」
女「まぁね〜。……さ!」
男「何よ?」
女「少し詰めて座んなさいよ」
男「スペースはあるだろ、いくらでも。こんなところに詰めなくても……」
女「詰めるの?詰めないの?」
男「………詰めます」


また、ブラックコーヒー……。
いつになったら、こいつは俺の好みを覚えるんだ?

女「1つ貸しね?」
男「……セコイ」
女「ひどっ!」

『酷い』と言いながらも、女の顔は笑ってた。
コーヒーの温かな湯気が、空にその香りとともに、いつもの場所に立ち上る。


39 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:30:55.47 ID:QQdanqWX0
>>35
ありがとう


42 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:39:28.51 ID:BFtcteLq0
>>39
俺が書きたかっただけだ。お礼はいらん。むしろ、ネタくれたことに礼を言う。ありがとう

男「ぷはぁ……、……コクッ」
女「……」
男「……何見てんだよ?」
女「……あのさ、タバコ吸いながらのコーヒーってまずくないの?」
男「あん?」
女「だって、別々の苦味としかも、気体と液体でしょ?こう、舌が変にならないの?」
男「……そんな、しょうもないこと」
女「しょうもないんだったら、答えなさいよ」
男「……お前が吸って、飲んでみたらいいじゃんよ」
女「嫌よ!私タバコ嫌いだもん」
男「………」
女「………」

男「さて、行くか。飯」
女「質問に答えてないんですけど」
男「どうでもいい」
女「ちょ、ちょっと待ちなさいよ〜!!」

子供が居るんだろうか。
今日も学校の中の小鳥がせっせ、せっせとえさを集めつつ、
せわしなく、だけど、ゆっくりと日常の中に鳴き声を響かせている。



46 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:51:47.84 ID:BFtcteLq0
今日はしとしとと雨が降ってる。
こういう雨は割と好きだ。
豪雨でも、曇りでもなく、延々と降る霧雨。

こんな中、1時間も居れば、俺の服の重量は0.5割増にはなるんだろう。

女「なにしてんの?こんなとこで」
男「……捨て猫の世話」
女「は?……って、うわぁ、可愛い!!まだ、子猫じゃん!」

……キンキン声がウルサイ。だから、連れてきたくなかったんだよ。

女「どうして、捨てられちゃったのかなぁ。こ〜んなに可愛いのに」
男「………」
女「親猫はどこ行ったのかなぁ?ね〜、猫ちゃん」
ニャぅン

霧雨と俺とダンボールの中の子猫。
そこに、新しく女が加わった。

……パーティとしては、不安すぎる。


50 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 05:56:34.14 ID:BFtcteLq0
男「あのな?」
女「……わかってる」
男「んぁ?」
女「友達に教えないようにでしょ?」
男「ぁ、ああ」
女「ホント、酷いよね。ダンボールに入ってて、親猫に捨てられたわけ無いもん」
男「……」
女「人間って、酷いよねぇ〜」
にゃ〜ん


俺は、子猫と女の風下にたって、
タバコの端っこに小さく火をともした。


54 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 06:07:50.15 ID:BFtcteLq0
女「マスター!!」
喫茶店のマスター「ん?どうした?」
女「ミルクちょうだい!!」
マ「ミルクだったら、その胸にあるじゃないか」
女「え?」
マ「二つのミルクが。……ちょっと小振りだけど」

女「ミルクください!」
マ「ふ、ふぁい、ふぁふぁいふぁ(は、はい、ただいま)」


男「………」

歯が一本かけたように見えたが、あのマスター、大丈夫なんだろうか?
……まぁ、俺には関係ない、か。


58 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 06:14:38.21 ID:BFtcteLq0
マ「それにしても珍しいね、ミルクなんて。いつもはミルクティーなのに」
女「今日はこれが飲みたかったの!」
マ「……で、あそこに立ってる男の子は誰だい?女さんのコレ?」
女「その聞き方、古いよマスター。タダの友達よ、と・も・だ・ち」
マ「へぇ〜……、ふぅ〜ん……」
女「な、何よ?」
マ(その心に自分ですら気づかぬ未成熟な思い。……青春だねぇ。あ〜、若いっていいなぁ♪)
マ「ま、ま。それは置いときましょう。で、そっちの君、注文は?」

男「え、……あ〜、ブレンドで」

マ「はぃ、ただいま〜」


64 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 06:33:32.27 ID:BFtcteLq0
女「ね?ね?ヒドイでしょ!?」
マ「あ〜、確かにね。小さな命に責任をもてない人が居るのは悲しい事だね」
男「………」

お店の中にコンロに入れる火の音とコーヒーを淹れる丸底ビーカーを二つ重ねたようなヤツが吹く蒸気の音が聞こえる。
……あれって、なんていったっけ?

マ「あ〜、あれ?あれって、『サイフォン』っていうんだよ」
男「ぁ、……そうなんですか」
マ「大気圧と状態変化を利用した大した発明品だと思うけど、これがもう既に紀元前3世紀には出来てたって言うから不思議だよね〜」
男「は、はぁ」
マ「まぁ、その頃にはまったく、コーヒー豆の育て方も焙煎の仕方もわかってなかったと思うから、水時計とかに利用されてただけらしいけど」
男「……」
女「マスター、空気読みなさいよ。男くんが引いてるじゃない」
マ「まぁまぁ、こういうときでないと僕が博識なところがわからないじゃないか。活躍できるときには活躍させたままにさせてよ〜。ただでさえ、女ちゃんにはマスターっぽくないって言われてるんだから」
女「男くん。マスターの話を聞くコツは9割を流す事よ」
マ「ははは、参ったなぁ」
男「……」
マ「それはそうと、男……くんだっけ?」
男「あ、はい」
マ「どうして、今日はここに来たんだい?」
男「……それは」
マ「あ〜、素直にコーヒーを飲みに来ただけなら、何も言わなくていいよ。うちは大歓迎だから」
男「………」
女「……マスター、また空気読めてないわよ」

女のコツの言ってることはわかってるんだけど、
それを習得するのには、もうちょっと時間が必要だなぁと
俺は、誰にも聞こえないようにため息をついた。


70 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 06:50:25.16 ID:BFtcteLq0
ズゥ〜……   コクッ……

2人のホットミルクを飲む音と、ブレンドコーヒーを飲む音がお店に響く。

マ「それでどうしたんだい?」
男「あ〜、それは」
女「さっきの猫の話の続きしていい?」
マ「ん?」
女「さっき話した子猫が校舎の隅で震えてるの。一応、スポーツ部からタオルとかちょっぱって、保護はしたけど、やっぱり、しっかりとした屋根があるところのほうがいいじゃない?」
マ「……その、『ちょっぱって』っていうところは、ツッコミどころかい?」
女「それで、マスターに預かって欲しいんだけど」
マ「……」
女「……」
男「……」


女「……で、どうなの?」
マ「あ〜、率直に言っていい?」
女「うん」
マ「無理」
女「ど、どうして!?」
マ「そんなの簡単な理由でしょ」
女「え?」
マ「うちはちゃんと営業許可証を貰ってる、衛生的に大丈夫なお店だよ?そこに猫を入れられたら、また、監査がはいって、営業許可を取り直さなきゃいけない」
女「そ、そのくらい!」
マ「うちの店、見てご覧よ。今、あなたたちしかいないでしょ?それも理由のひとつ」
女「……」
マ「うちは、固定客を狙ってるお店だからね。リピーターは多くても、新規客が少ない。それで、今の状態で営業してるのに、さらに、税金なり、許可取るお金なりは出せないよ」
女「そんな」
マ「……力になれなくてごめんね」


74 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 07:02:51.61 ID:BFtcteLq0
女「……ダメ?」
マ「無理」
女「ぁ〜、そっかぁ……マスターだけが頼りだったのに」
男「……」


男「………」
マ「……何か、言いたそうな顔してるね」
男「え?」
マ「君からは何も無いのかな?さっきは全部、女ちゃんに言われたわけだけど」
男「ぁ……」
マ「まだ、君の話を聞いてないからね」
男「……」
マ「女ちゃんの話を聞く限り、女ちゃんがその子猫を発見するまでは男くん一人でその子たちを守っていたわけだろ?」
男「……」
マ「その子たちが、やっと活路を見出せるかもしれないのに、君がそんなに早く諦めちゃっていいのかな」
男「……」
マ「……ほら、そこで項垂れちゃってる女ちゃんのためにも、男見せなきゃ」
男「……」


女「……ぅ〜、……ぅ〜ん」


男「あの、ちょっと頼みたい事があるんですけど」


80 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 07:19:10.16 ID:BFtcteLq0
マ「なんだい?」
男「さっき、言ってましたよね?うちの店は、固定客を狙ってるお店で、新規客が少ないって」
マ「ああ、そうだよ。この落ち着いたふいんき(なry)。いつ、お客さんが見えても、変わらない味、変わらない匂い、おなじみの顔を」
男「ということは、マスター。この店に来るお客さん、全員が全員、マスターに親しいはずですよね?」
マ「そりゃぁ、それが売りだもん。その方針は変えられないよ」

男「それなら、一人くらいは子猫をかってくれるお宅のお客さんぐらい、わかりますよね?」

女「え?」

マ「………」
男「……」
女「……」
マ「……やっぱり、それ聞かれちゃったかぁ」
女「ど、どういうこと?マスター、そういう人知ってるの」
マ「当たり前だよ。それくらい把握してないと、この商売は成り立たないもの」
女「んじゃ、どうしてさっき教えてくれなかったのよ!!」
マ「普段のお返し」
女「にゃ、にゃにお〜!」
マ「……実際、男くんと話してみたかったってのもあるしね。そうでもしなけりゃ、僕と女ちゃんが喋るだけ喋って、男くん帰したことになってたよ?」
女「あ」
男「俺は別に構わないでs」
マ「今回は、女ちゃんが空気読んでなかったみたいだね」
女「あぅ……」
マ「それに、ちゃんと男くんが子猫の事を思ってくれてるってわかったし、そういうことなら、……是非とも引き受けましょう」


男「あ、ありがとうございます」

こうして、子猫の家が決まったのだった。


83 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 07:46:55.64 ID:BFtcteLq0
別の日。

女「えへへ〜、子猫ちゃ〜ん。新しいおうち決まってよかったねぇ」
ニャーン

まぁ、マスターが引き受けてくれてから、すぐに飼い主が見つかるわけもなく、数日間はここで預かる事になった。
食べ物に関しては、マスターの全面バックアップの下、ダンボールは新しくなり、タオルが毛布に変わり、
その数日間はその子猫にとって、スイートルーム並みの居心地の良さだったんじゃないかと思う。
ちなみに、温めた牛乳だけでは子猫がお腹を壊す事もあるなんて、初めて知った。
猫肌に温めたミルクに水をたして、薄めさせ、それに柔らかく潰したお粥を入れて、ミルク粥を作って、
それを子猫に与えるのがいいなんて、初めて知った。
改めて、何者なんだろう、あのマスター・・・。

女「ん〜、お腹いっぱいになったかな?」
ニャーン
女「よ〜しよしぃ」

女は相変わらず、猫をそれこそ、ねこっかわいがりしてる。
目に入れても、痛くないわが子のようだ。

……なんとなく、将来良い母親になる、んじゃないかなぁ?と思ったり思わなかったり。

女「男くん?」
男「ん?」
女「……あ、いや、なんでもない」
男「ん」

女は、マスターが探してきた新しい飼い主が現れても、そのお宅を訪問するらしい。
どれほど、可愛いんだか、呆れるやら感心するやら。


84 名前:子猫編 [] 投稿日:2007/11/03(土) 07:50:49.58 ID:BFtcteLq0
今日は、あの日のように雨ではなく、カッチリとサッパリと晴れて、
お日様が高くのぼってる。

俺には、似合わない天気なんだと思うが、
それでも、このチビたちを送り出せる門出としては、これ以上にないってくらいの天気だ。


男「っと、そろそろ、授業だ」
女「よーしよし、また来るからね〜。……えっと、次の教科、誰だっけ?」
男「あ〜……、確か、あの文系の嫌味なヤツ」
女「うわ、やる気無くすぅ……」
男「……」
女「………」


こういうときに、『サボっちゃおうか?』と軽々しく言ってはならない。
言ってしまった方に、鉄拳制裁が降るのが俺たちのお約束だ。

女「……出ますか」
男「……ああ」


この青空では、どこでサボるか、探すテンションじゃなくなってしまう。
そんな太陽を恨みながら、俺たちは教室に戻った。


にゃーん

          
子猫編  ━完結━


86 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 07:56:12.64 ID:BFtcteLq0
さて、>>1には無断で新しいキャラを出してしまったから、どう自重しながら物語を作ろうかと思ってたら、

意外と、文師文師で微妙に設定違うのに気づいた


89 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 08:11:15.53 ID:BFtcteLq0
男「ホットコーヒー」

コンビニの店員「そちらで、よろしいですか?他にご注文は」
男「いいです」
店「147円になりま〜す。……はい、こちら200円のお預かりで、53円のお釣りとなります。少々おまちくださ〜い」

男「……ふぅ」

今週もお疲れ様でした。
レポだの、ゼミだの正直疲れる。
それで、ときどき、コンビニのファーストフードのホットコーヒーに手が伸びたりする。
……近頃、コンビニでも全面禁煙を前面に押し出す店が増えてきた。
はぁ、全国の蛍族(俺含む)になんとなく、黙祷をささげたくなってしまう。

んじゃ、コンビニのコーヒーやめりゃ良いって?
安くて、それなりに美味いから、止めたくても止められるもんじゃねぇっつの。

店「おまたせしました〜」

……ってか、俺は紅茶派だったんだが。


完全にうつったなぁ……と思いつつ、帰り道を辿ることにした。


92 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 08:32:04.78 ID:BFtcteLq0
男「ふ、……あぁ〜」

そりゃ、1週間の疲れだもの。伸びたら、あくびぐらい出ますわな。
……今日は早めに寝るか。

?「おっきな口だね」
男「……いつから?」
女「『ふぁ』から」
男「そうか。んじゃな」
女「ちょい待てちょい待て」
男「俺は疲れた。帰る」
女「だから、待ってってば」
男「俺の布団が呼んでいる」
女「男よ、眠れと轟き叫ぶ。……いや、叫ばないからさぁ!ちょっと、ちょっとだけぇ!!」

なんか、性質の悪いオネーサンのいる店の客引きみたいだった。

男「……」
女「お、とまった。そうそう、おとなしくこっちへ……って、フェイントォォォォおお!?」

このパターン的には、俺が疲れるイベントが待ってるに違いないのだ。
俺はそんな、黄金パターンなんぞ要らない。このパターンを脱却してこそ、真の主人公になれるのでは!?
とかは、思わないが家で布団が待っている。そう、あったかいお布団が。

女「ちょっと、待てって。待ちなさいって。お願いだから。……止まりなさいってば!!」

下腹部に鋭い痛みが走った!!SE的には高い金属音でキーン!!

あ……、やばいわ……。
こん、な、……パターン、も、……存在、し、た、……よな…。


94 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 08:46:42.88 ID:BFtcteLq0
女「と、言うわけで!男さんを助っ人として、今日は喫茶店を運営したいと思います」
男「………」
女「ほら、微妙に内股になってないで、ちゃんと立つ!」
男「お前のせいだ!」
女「それはそれ、これはこれ」
男「くっ……!日本の代表的な言い逃れ慣用句を持ち出しおってからに!」
女「ほらほら、ちゃんと仕事聞かないとダメだよ?」
男「………先生、しつも〜ん」
女「なんですか?」
男「どうして、俺が手伝わなくちゃならんのですか?」
女「男が暇そうにしてたから」
男「……帰る」
女「だから、ちょい待ってってば!!お母さんが同窓会でいないの!お願いだから手伝ってよ〜」

男「なんだ、始めから、そう言えばいいんだよ」
女「んじゃ……手伝ってくr」
男「帰る」
女「待てィ!!」
男「わ、わかった!帰るのは止めるから、その足を振り上げるのを止めてくれぃ」

こう、下腹部がヒュッ↑となる行為は止めて欲しい。俺の未来の子供のためにも。

男「というか、女の子がそうそう、ポンポン蹴るもんじゃありません!!」
女「……」

蹴った感触を思い出したのか、女はちょっと赤くなった。
……恥ずかしいなら、蹴らなきゃ良いのに。


97 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 09:05:04.39 ID:BFtcteLq0
男「っつか、そうそう喫茶店て、素人が手伝えるもんなのか?」
女「だいじょぶ、だいじょぶ。いつもどおりなら、今日は後4人のお客さんが来て終わりだから」
男「……このお店、大丈夫なのか?」
女「いやぁ……、何故か、傾くどころか、地盤が揺れる事すらないのがうちのお店の七不思議のひとつだったり」
男「お母さんは偉大という言葉を思い出した」
女「……私も」


男「まぁ、それだけ把握できてれば、どんなサービスが喜ばれるかぐらいわかるだろ?」
女「お母さんには、一応メモ貰った。20分後に1人と、一時間後に2人。閉店間際に1人みたいね」
男「……なんという、スケジュール管理の良さ」
女「料理の下ごしらえはしてあるから、男は最初のお客さん出迎えてね。で、料理出来たら厨房入って、皿洗いお願い」
男「んじゃ、それまで、接客用語教えてくれよ」
女「よし、私を先生と呼んで良いぞ!」
男「……」
女「う……、……ちゃんとついてきてください。マジでお願いします」
男「……はぁ〜。……んじゃ、やりますか」
女「おぅ!」


100 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 09:19:36.55 ID:BFtcteLq0
女「男くんに質問です」
男「うぃ?」
女「接遇七大用語ってわかりますか?」
男「………フォアグラとキャビアとトリュフ?」
女「……え〜、接客七大用語とは、お客様に良い印象を与え、お客様だけでなく、スタッフ同士や、友人、そして、家族でも、人間関係をスムーズにする素敵な言葉なんです!」
男「お〜、なんか、接客業をやってるだけはあるわ。なんか、女がまぶしく見えるぜ。で、具体的には?」
女「いらっしゃいませ。はいっ!かしこまりました。少々お待ち下さい。お待たせいたしました。恐れ入りますが。申し訳ございません。有難うございました。の七つ」
男「あ〜、大抵は使ってるわな」
女「これだけは最低限覚えれば、あとは多少、素が出てもフォローできるから、ちゃんと覚えてね?」
男「……あと、10分で?」
女「そ。頑張って!ファイト♪」
男「……」
女「あ、あと、一番大切なのは笑顔よ笑顔!いつもの仏頂面はNGだからねぇ!!」

男「うぅ、……やっぱ、帰りたい」


102 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 09:30:32.40 ID:BFtcteLq0
女「もう、時間ないわよ!もう、一服してる時間は無いからね!」
男「う、うぃ!」
女「……ぷっ!」
男「わ、笑うな。これでもなんとか」
女「大丈夫。」
男「え?」
女「なんとか、するって思わなくて大丈夫。いつもの態度をちょっと丁寧にすれば良いだけなんだから」
男「お、おぅ」
女「あと、返事は『はい!』ね?」
男「は、はい」
女「んじゃ、そろそろお客様来るからね!」
男「はい!」
女「……襟曲がってるよ?」
男「え?マジで?」
女「うっそ♪」
男「う……」
女「はい、そういうときこそ笑顔でしょ!」
男「は、はい!」
女「んじゃいきますか!」
男「はい!」

カランコロン

女・男「いらっしゃいませ!!」


104 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 09:44:24.83 ID:BFtcteLq0
男「……はぁ〜、疲れた」
女「あはは、お疲れ様。表にある掛札、返してきてくれる?」
男「了解」
女「……あははぁ、なんとか終わったね」
男「最後のお客が3人も連れてくるなんて、思ってもみなかったしな」
女「いや、材料がちょうどすっからかんになるのは、お母さんすごいと思う」
男「偶然かも知んないけどな」
女「その冷や冷や感で、厨房で手に汗握っちゃったわよ」
男「俺もなんか、無性に疲れた。特に精神的に」
女「お客さんの前であたふたする男は初々しくて良かったよ?www」
男「あれで、精一杯だっつの。もう、なんてお客さんに声かけたか覚えてない・・・」
女「あはは!今日は、お疲れ様でした」
男「お互いに」


105 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 09:56:46.84 ID:BFtcteLq0
グゥ〜……

女「あ、あはは……。男もお腹すかない?」
男「そういや、……腹減ってるな」
女「厨房にはもう食材無いから、家の方に行こう!」
男「あ?ああ、店のほうじゃなくてか」
女「うん。んじゃ、ちょっとそこの階段上がると、居間に出るから、そこでくつろいで待ってて。靴はそこで脱いでね?」
男「ん〜、わかったぁ」


107 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 10:06:30.28 ID:BFtcteLq0
男「うぅ〜、1週間の疲れに慣れぬバイト。う〜、もうダメだ〜……」

俺は、居間につくと一番柔らかそうなソファに頭から突っ込んだ。

男「……柔らかい」

何処までも沈みこんでいきそうなくらい柔らかいソファは、俺をゆっくり眠りにいざなう。

男「……でも、女が夕飯作ってくれてる、し」

もう、食欲も睡眠よくも相まって、自分が良くわからなくなってきた。
お腹は空いてるけど、良い感じの疲労感でもうこの体勢から動きたくない。

男「ねむ、いし、……はら、へったなぁ」

なんか、境界線が見えてきた。ああ……、そこから落ちれば、意識が飛んじまう。
でも、気持ちよさそう……だ、なぁ。

男「かゆ……うま……」




108 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 10:14:20.32 ID:BFtcteLq0
女「男!パスタでき……たよ、って」

男「zzz」

女「……寝てるし」

女「なんだよ、人がせっかく男のために作ってきたってのに」
女「私の飯が食えないのか〜……」

男「zzz」

女「……しゃあねぇなぁ。気持ちよさそうな顔して寝てさ」
女「……えと、……あ、毛布毛布」

男「zzz」

女「…んじゃ、明日また、作ってやるから。今度は食べろよ?」

男「ありがと」

女「ん?」

男「zzz」

女「……寝言か。……こっちこそありがとな?」
女「おやすみ。男」

パチン


110 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 10:25:10.58 ID:BFtcteLq0
男「ホットコーヒー」

コンビニの店員「そちらで、よろしいですか?他にご注文は」
男「いいです」
店「147円になりま〜す。……はい、こちら500円のお預かりで、353円のお釣りとなります。少々おまちくださ〜い」

男「……ふぅ」

今週もお疲れ様でした。
……特に先週慣れない運動をしたせいで余計に疲れた。
結局あの後、起きたのは朝でもう既に、女の家には女の姿は無かった。
小母さんが、俺を起こしてきたときにはたいそう驚いたもんだが。
そのあと、小母さんが用意してくれたボンゴレを食べて、家に帰った。

小母さんに気持ちばかり(それでも少しと表現するには多い)バイト代を貰い、女の家を後にした。
それにしても、女のやつどこ言ったんだか。小母さんと話す話題といえば、女のことばっかだから、どうにもいづらかった。

店「おまたせしました〜」

さってと、今日は真っ直ぐ帰るか。


112 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/11/03(土) 10:35:29.62 ID:BFtcteLq0
男「ふ、……あぁ〜」

?「おっきな口だね」
男「……いつから?」
女「『ふぁ』から」
男「そうか。んじゃな」
女「ちょい待てちょい待て」
男「俺は疲れた。帰る」
女「だから、待ってってば」
男「俺の布団が呼んでいる」
女「しかし、誰も来なかった」
男「……」
女「……」

女「また、お願いしたいんだけど」
男「今度は?」
女「先週と同じ内容。お母さんが言うには、6人だって」
男「……夕飯は」
女「もち、用意するよ。」
男「今度は女も一緒だろ?」
女「結構一緒だと思うけど」

男「しょうがないな」
女「あは!さっすが!」

俺は女の店へと足を向ける。
今度は、睡眠欲よりも、食欲が活用に努力しようか。
まぁ、その前に、自分が浮かべる愛想笑いの仕方を思い出しながら、
今回は前よりも、上手く出来ることを革新しながら、木漏れ日の差す、駅前の通りをくぐった。



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