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市松人形「私……呪われてますから」
468 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 09:53:59.15 ID:GTJxri1i0
▼夕方/男宅

―― ガチャッ パタン。

男「ただいまー」

市「おかえりなさい」

男「いや〜、俺ももう卒業なんだって今日改めて実感したよ」

市「そうですか……」

男「市も本当に卒業式来てみるか? 鞄か何かに人形忍びこませれば、いけなくもないよな」

市「……」

男「お前のことだからきっと泣きじゃくるんだろうな〜」

市「……」

男「天井とかグルグル飛び回ったりとかして……って市、どうした?」

市「えっ?」

男「なんか、また思いつめてるみたいだけど」

市「……」


469 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 09:55:31.33 ID:nx5vLSxF0
「市」の一文字だとだんだんお市の方に見えてきてしまう


470 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 09:58:05.14 ID:GTJxri1i0
市「……男さん。残念ですけど私、男さんの卒業する姿は見れそうにありません」

男「何だよ。泣き顔みられるのが恥ずかしいのか?」

市「…………ごめんなさい、私――」スッ

男「!?」

市「私、どうやら消えちゃうみたいです。ほら、右手はもうほとんどありませんし」

男「…………」

市「今朝、男さんが出て行かれた後に気づいたんです。右手が少し透けてるのに」

市「そしたらどんどん透けてきちゃって」

市「たぶんこのままだと、もうすぐ全身も消えちゃうと思います。あはは……」

男「…………嘘だろ」


471 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:03:44.62 ID:GTJxri1i0
男「そんな……。だってお前、昨日まで普通だったろ……」

男「何で、何でだよ……」

市「きっとこの前、神様にお願いした見返りですかね」

男「この前のって何だよ!」

市「……あの工事中のビルで大けがされて、運ばれた時のことです」

男(あの時……?)

市「前に『気がついたら男さんの所にいた』って話しましたよね」

男「…………」

市「私、本当に祈るだけしか出来なくて、ずっと男さんのそばで泣いてました」

市「その時にですね、私、神様にお願いしたんです」

市「『男さんを助けてください。』」

市「『その代わり、私はどうなってもいいですから』、って」


472 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:04:49.60 ID:GTJxri1i0
男「まさかそんなことで……ってか何でだよ」

男「俺なんかの為に……何でそんな……」

市「男さんが助かって欲しくて必死でしたから」

男「けど、お前がいなくなったら元も子も無いだろ!」

市「……いえ、これでいいんですよ」

男「これでいいって、何でだよ!」

市「だって……」

市「私……呪われてますから」ニコッ


474 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:07:47.06 ID:jN0zM2RQ0
さるよけいちぺろ


475 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:08:55.11 ID:GTJxri1i0
市「私は不幸を振りまく呪いの人形です」

市「傍にいる人を、好きな人を傷つけて、悲しませて」

市「結局不幸にさせる疫病神なんです」

男「そんなことない! 俺はそんなこと思っちゃいない!」

男「現に、お前のおかげで俺はこうやって生きてられてるんだぞ!」

市「男さんは優しい人ですから、そう思ってくれるんです」クスッ

市「私は男さんにはもっと幸せになって欲しいんですよ」

市「これからきっと、男さんを幸せにしてくれる人ができるはずです」


477 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:13:34.60 ID:GTJxri1i0
男「ふざけんなよ……、お前がいなきゃ……幸せもクソもあるかよ!」

市「そう言ってもらえて私、本当に嬉しいです」

市「私、男さんと出会ってからずっと幸せでした」

男「やめろ……!」

市「呪われた人形の私には十分すぎるほど幸せでした」

男「やめろ!"でした"なんて言うな!」

男「これからもっと、幸せになればいいだろ!」

男「人を呪って生きられるなら、俺のことを好きなだけ呪えよ!」

男「だから、消えないでくれ……グスッ、お前まで、俺を一人にしないでくれよ!」

男「お願いだから……グスッ、頼むよ……!」

市「……ごめんんさい。でも私、消えちゃう今でも本当に幸せなんです」

市「この幸せは、全部男さんのおかげです」ニコッ

男「…………グスッ……」


478 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:16:17.97 ID:GTJxri1i0
市「…………でも、ひとつだけ」

男「?」グスッ

市「最後に1つだけお願い聞いてくれますか?」

男「…………」

男 ゴシゴシ

男「バカ、気なんて使うなよ。ほら、言ってみな?」ニコッ

市「最後にもう一度、髪を切って欲しいな」


479 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:17:23.01 ID:GTJxri1i0
―― バサッ。

男「……じゃあ、始めるぞ」

市「…・…はい」

チョキチョキチョキ…


480 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:18:44.03 ID:GTJxri1i0
チャキチャキチャキチャキ…


市「そういえば、前に話してくれましたよね。呪いはマジナイとも読めるって」

市「『相手を強く思う気持ちが、呪いをマジナイに変えるんだ』。あの時の男さん、カッコよかったです」

男「…………」

市「私はただの人形になっちゃいますけど、大丈夫です」

市「男さんとの思い出も、この気持ちも、絶対に忘れませんよ」

男「…………」


チャキチャキチャキチャキ…


481 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:21:35.44 ID:GTJxri1i0
チョキチョキ、――チョキ。

男「……終わったよ」

市「やっぱり、いいですね。男さんに切ってもらうのは」

市「後ろ髪が少し内巻きになってて、今回のもすごいカワイイです」

男「…・…当たり前だろ、俺が切ってるんだ」

市「でもせっかく切ってもらったのに、だいぶ消えてきちゃいましたね、私……」

男「…………」


482 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:23:16.23 ID:GTJxri1i0
市「せっかくなら、もっと色々な髪型試してもよかったかもしれないですね」

市「あっ、でもモヒカンはダメですよ? それだけは絶対無しです!」

市「男さんの大学の話も、新しく出来るお友達の話も聞きたかったです」

市「もっと色々と、もっと男さんと一緒に」

市「もっと……ずっと……」

男「市、お前……」

市「えっ?」ポロ


484 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:24:43.21 ID:GTJxri1i0
市「……あれ、何でだろう」

市「せっかく、泣かないように……我慢してたのに」

市「…………ダメだ。もう、グスッ……もう止まらないよ」ポロ

市「本当は消えたくない、グスッ、男さんと一緒にいたい……グスッ」ポロポロ

市「男さんと一緒にいたいよ……ずっと一緒にいたいよぉ!」ボロボロ


485 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:26:22.25 ID:GTJxri1i0
男「市っ!」ガバッ

男「市、消えるな! 行くなよ!」

男「お前がいなきゃ……イヤだ!」

男「俺だって、お前と一緒にいたいんだよ!」

市「男さん……」


486 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:27:51.97 ID:GTJxri1i0
俺の回した腕の中は、他人からすれば空虚なものに見えるだろう。

市の身体はもうほとんどが消えてしまっている。


しかし市はここにいる。確かにここにいるんだ。

ぬくもりも感触も無くても、ここに市は生きているんだ。



男「……市」

市「男さん…・…」


俺たちは何も言葉にすることなく、お互いの背中に手をまわして、しばらくそうしていた。

互いに触れ合うように、

ぬくもりを感じ合うように、

お互いの気持ちを確かめ合うように。


488 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:28:49.17 ID:GTJxri1i0
市「私、男さんのこと絶対に忘れません」

男「当たり前だ! 忘れたら絶対に許さないからな!」

市「男さん……大好きです」

市「大好きです。ずっとずっと大好きです」

男「市……」

市「もしオマジナイが、私の願いが叶うなら」

市「私――」

市(――    )スゥーッ


493 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:32:32.56 ID:GTJxri1i0
男「市……? 市!?」


―― シーン…。


男「…………」

男「アイツ、最後はサヨナラの一言も無しに消えやがって」

男「アイツらしいって言えばらしいけどさ」

男「ははは……」

男「…………」

――――――――――

市『はじめまして。市松人形の市と申します』

市『先に申し上げますと、私、呪われてますから』ニコッ

――――――――――


男「…………」

男「…………市」ポロッ


494 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:35:08.72 ID:GTJxri1i0
――――――――――

市『いいなぁ〜。食べたいな〜』

市『おいしそうだなぁ。ハンバーグゥ〜』

――――――――――

市『う……うわぁ〜ん! 男さん酷いよ〜!」ボロボロ

市『私が呪われてるから遊んでくれないんだぁ!』ボロボロ

――――――――――


男「ったく。あのバカ野郎、…………グスッ、ふざけんなよ」ポロポロ

男「ふざけんな……」 ボロボロ


495 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:35:15.08 ID:bgfzRJDw0
ポロッがボロンに見えてしまう


497 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:40:20.93 ID:GTJxri1i0
――――――――――

市『私の呪いのせいで、本当に不幸にしてるんだなって思って…』

市『私なんか、男さんの傍にいない方が良いんじゃないかと思っちゃって……』

市『それで、いつか本当に捨てられちゃうんじゃないかって、やっぱり思っちゃって……』

――――――――――

市『うええぇぇ〜〜ん!だって男さん優しいんだもん!』

市『私ずっと不安だったんですよ! ホントに不安だったんです!』

――――――――――

市『わっ私は!そのっ、私も、おおお男さんのこと……、その……』

市『………………………好きですよ/////』

市『男さーん! 私も大好きですよー! 早くおウチに帰りましょー!』

――――――――――


499 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:45:17.04 ID:GTJxri1i0
――――――――――

市『私、どうやら消えちゃうみたいです』

市『だって私……呪われてますから』ニコッ

――――――――――

市『最後に1つだけお願い聞いてくれますか?』

市『最後にもう一度、髪を切って欲しいな』

――――――――――

市『本当は消えたくない、グスッ、男さんと一緒にいたい……グスッ』ボロボロ

市『男さんと一緒にいたいよ……ずっと一緒にいたいよぉ!』ボロボロ

――――――――――

市『私、男さんのこと絶対に忘れません』

市『男さん……大好きです。ずっとずっと大好きです』

――――――――――

男「市……、市……!」ボロボロ

男「うあああぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!」


501 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:46:12.67 ID:GTJxri1i0
男の声が空しく響く。

強く握ったこぶしを何度も床に叩きつけ、

もう戻らない者の名前を幾度となく呼び続けた。


どこからともなく風が吹いた。

涙で濡れた男の頬を撫でて行くように、

とても優しい風が1つだけ吹いて消えていった。


502 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:47:56.01 ID:GTJxri1i0
▼春/大学/昼休み

男友「あの教授の講義はつまらん! 実につまらん!」

男「生徒なんかお構いなしで勝手に授業進めてくしな」

男友「あーマジ腹減った! 男! 早く学食行こうぜ、学食!」

男「わかったわかった」

男友「今日は何たべよっかな〜」


504 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:48:57.06 ID:GTJxri1i0
▼学生食堂

男友「いや〜、今日もまたすっげぇ混んでるのな」

男「ここはウマくて安いからな。男友は何にした?」

男友「俺はハンバーグ定食だ!」

男「…………」

男友「あふれ出す肉汁、柔らかい肉の食感と旨み……」

男友「ハンバーグってホント最高の料理だよな」

男友「俺が死んだら、お仏壇にはハンバーグをお供えしてもらおう!」

男「……」

男(ハンバーグ、か………)


506 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:50:26.81 ID:GTJxri1i0
男友「男、どうした。そんな遠い眼して」

男「……いや、悪い。普通にボーッとしてた」

男友「まさか俺のハンバーグに目が眩んだのか!? やらんぞ!」

男「そんなんじゃないって。さぁ、早く食べようぜ」

男友「よーし、いっただきまーす!」


507 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:51:47.37 ID:GTJxri1i0
▼夕方/男宅/男の部屋

――ガチャッ パタン。

男「…………」

男「……ただいま、市」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
市松人形「     」


508 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:52:59.29 ID:GTJxri1i0
男「――で、今日の昼飯なんだけどさ」

人形「     」

男「ほら、前も話した男友って奴。大学でできた友達」

人形「     」

男「あいつがハンバーグ定食を食べてたんだけど、これがまたでっかいハンバーグなんだ」

人形「     」

男「お前が見てたらきっとヨダレ垂らして欲しがってたんだろうな」

人形「     」

男「で、午後の授業はって言うとな――」


509 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:53:51.47 ID:GTJxri1i0
男「――ってな感じで、大学の勉強も順調だよ」

人形「     」

男「…………ちょっと窓開けるか」

―カチャッ ガラガラガラッ

男「桜、もう全部散っちゃったな……」

人形「     」


510 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:55:47.56 ID:GTJxri1i0
男「あのな、市」

男「前に何度も言ったけど俺、本当に、お前にすごい感謝してるんだ」

男「俺、ガキの頃からすごいヒネくれてて」

男「誰と話すこともなくてずっと一人でいてさ」

男「それをすべて転校のせいにして……」

男「ずっと、ずっと毎日が退屈だったんだ」

男「……でもお前が来てからは毎日が楽しかったよ」

男「気がつけば友達もまた出来るようになってた」

男「それもきっとお前のおかげだな」

男「お前がいつも俺のことを笑顔にしてくれたから」

男「俺のヒネくれた性格も、少しは丸くなったんだと思う」


511 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:56:49.70 ID:GTJxri1i0
男「もしお前が皆に見えたら、女や女友とか、委員長たちとも友達になれたかな」

男「もし俺たちみたいに歩けたなら、またあの公園に連れて行ってやりたかったし」

男「ハンバーグも実際に食べさせてやりたかったな」

人形「     」

男「……なーんてな。あはははは……」

男「…………」


512 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:57:57.66 ID:GTJxri1i0
男「…………」

男「……グスッ……グスッ」


もう、込み上げてくる衝動を抑えられなかった。

堰を切ったようにあふれ出した涙は、ぬぐってもぬぐっても止まらず、

俺は、市松人形を抱きしめて叫んだ。



男「もっと髪を切ってやりたかった!」

男「もっとどこかに連れて行ってやりたかった!」

男「お前に触れたかった!」

男「お前を抱きしめたかった!」

男「お前ともっと……もっと、もっと!」

男「もっと一緒に……ずっと傍に、いて欲しかったのに……」


513 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 10:59:04.04 ID:GTJxri1i0
男「神様……」

男「神様……お願いします」

男「どうかもう一度、市に会わせてください……」

男「市と、ずっと一緒に、いたいんだ……」

男「市に……会いたいよ……」

男「市……、市!」ギュッ


514 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:01:00.10 ID:GTJxri1i0
男の涙が零れ落ち、人形の頬に落ちた。

すると、それに呼応するかのように人形が輝き出す。

白金色の光は人形と男を包み込みながら大きくなっていく。



目が眩むほどの強烈な輝きの中、男が恐る恐る目を開けると、

男の手にしっかりと抱いていたはずの市の人形は――、




――跡形もなく消え去ってしまっていた……。
 
 
 


516 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:01:59.89 ID:GTJxri1i0
そして――、









?「ふぇっきし!」










市「……あれ? 男さん?」

男「えっ?」


代わりに、目の前に人形と同じ着物を着た市が座っていた。


518 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:03:03.82 ID:GTJxri1i0
市「あっ、あれ、私……」

男「市……、お前!」ガシッ

市「おっ、男さん! 痛いですよ! ……あれ?」

男「えっ、痛い……?」

市「あれれ?」ノシ ブンブン

男「お前、体……」

市「……なんということでしょう!」

市「男さん! 大変です! 私、浮けなくなっちゃいました!」アセアセ


519 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:04:14.87 ID:GTJxri1i0
男「……ぷっ。あはは、あはははは!」

市「な、何で笑うんですか!?」

男「だってお前、それどころの問題じゃないだろ!」ケラケラ

市「わ、私には大問題なんですよ! もう!」

男「市!」ガバッ

市「きゃあ!///」

男「会いたかった」ギュッ

市「……男さん」ギュッ


520 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:04:28.74 ID:ebpJX1tnO
っしゃ!


521 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:06:08.24 ID:GTJxri1i0
男「なぁ、市」

市「なんでしょうか?」

男「ちょっと大きな声出すけど、我慢してくれよ?」

市「はい?」

男 スゥ…

男「俺、市が好きだ! 大好きだ!」

市「!?///」

男「神様お願いします!」

男「これからもずっと市と一緒にいさせてください!」

男「もう二度と、俺の傍から市を離さないでください!」

市「//////」

男「……神様、聞いてくれたかな?///」

市「……はい! きっと聞いてくれてますよ!///」


522 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:06:51.35 ID:GTJxri1i0
▼夜/男宅

男「……あの〜、市さん?」

市「〜♪」スリスリ

男「その……いつまでくっついていらっしゃるんでしょうか……?」

市「もちろんずっとですよ〜♪」


524 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2013/03/28(木) 11:07:41.32 ID:F0WMpWCM0
ニヤニヤが止まらない


525 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:08:48.55 ID:GTJxri1i0
市「男さんが傍にいて欲しいって言ってたじゃないですか」スリスリ

男「うっ/// それにしても、少しくっつき過ぎじゃないか?///」

市「そんなことないです。少なくとも今日一日はずっとこうしてますからね〜」

男「いやでもまだ夜ご飯作ってないし、お風呂とかもあるし……」

市「そんなこと言ってもダメです。私は絶ーっ対に離れませんよ!」

男「あははは……」

市「無理やり離そうとしたってダメなんですからね」

市「『ずっと一緒』、これが私の新しい呪いですから」ニコッ


〜 fin 〜


526 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 11:10:48.95 ID:ebpJX1tnO


壁殴り代行まだかよおせーよ



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