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市松人形「私……呪われてますから」
375 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:14:15.14 ID:t1cqsg2W0
▼大学受験・合格発表日/男宅

市「ついに……ついにこの日が来ましたよ! 男さん!」

男「そうだな」

市「運命の日ですよ! 宿命の時ですよ! 男さん!」

男「わかってるって」

市「む〜。ずいぶんと冷静ですね。緊張しないんですか?」

男「もう結果出てるんだし、ジタバタしても仕方ないだろ」

男「ならドシっと構えて臨もうじゃないか」


377 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:17:26.65 ID:t1cqsg2W0
市「……男さん……あのぉ」

男「ん、どうした?」

市「シャツのボタンを掛け違えてますよ。あと、ズボンの前と後ろが逆です」

男「何……だと……!?」

市「カッコいいこと言ってましたけど、やっぱり緊張してるんですね」

男「う、うるさい! 悪いか!///」ゴソゴソ


378 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:19:37.85 ID:t1cqsg2W0
男「よし……行くか」

市「あっ。待ってください。髪の毛にゴミが付いてます」

男「え? どこ?」

市「左の上の方です」

男「ん……、あっ、本当だ」

市「私が取ってあげられたらいいのに……」

男「そしたら、ついでに"行ってらっしゃいのチュー"も頼もうかな」

市「なっ…! セ、セクハラで訴えますよ!」

男「あはははっ。冗談だよ」

市(でももし男さんに触れられたなら……///)


379 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:21:35.42 ID:t1cqsg2W0
男「じゃ、行ってくる」

市「いってらっしゃーい。変な人についてっちゃダメですからねー」

男「だからガキ扱いすんなっての!」


380 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:25:11.08 ID:t1cqsg2W0
▼大学・合格発表会場

男「校門過ぎてA校舎側の……あそこか」


ワイワイ ガヤガヤ

ワーイウカッター ヤベーオチター 


男「俺はE-111番……」

男(E-111番……E-111番……E-111番……)

男「……………………嘘だろ」


382 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:28:42.91 ID:t1cqsg2W0
E-099

E-100

E-103

E-106

E-107

E-109

E-110

E-111

E-115

E-118


男「マジで受かった……」

男「よっしゃぁぁ!」

周りの人達 ビクゥッ!

男「あっ……ど、ども。スミマセン……」ペコリ


383 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:30:55.13 ID:t1cqsg2W0
▼男宅/男の部屋

市(男さん、まだでしょうか)

市(もしかして合格者に男さんの番号が無くて……)

市(ショックのあまり電車に飛び込んでるとか!?)クワッ

市(い、いやそんなことないです! 必ず受かってます!)ブンブン

市(だって男さん、あんなに頑張ってたんですから!)

―― ガタッ

市(あれ、今なんか窓の方から――)

中年男「よっこらせ、っと」

市「!?」

中年男「気をつけろ、窓の戸締りご用心。ってね」

中年男「まっ、戸締りしてもらってない方が仕事が捗るし、こちとら助かるんだがな」

中年男「さぁて。それでは早速、物色させて頂きますか」ニヤリ

市(この人、まさか……泥棒!?)


384 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:32:57.31 ID:t1cqsg2W0
▼帰り道/男宅付近

男(早く帰って市に知らせてやらないと)

男(あいつ、どんな顔するかな。嬉し泣きするかもな)

男(帰るのが楽しみだ)

男 キョロキョロ

男(そういえば最近、野良犬に絡まれなくなったな)

男(ってか不運らしい不運も起きてない……)

男(……それに越したことは無いけど)


385 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2013/03/28(木) 06:34:09.34 ID:SYI8PDgt0
市盗まれるのか


386 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:34:39.61 ID:s0WUYA1C0
なんかすごく死臭を感じるぞ


387 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:35:58.18 ID:t1cqsg2W0
▼男宅/男の部屋

中年男「チッ。ろくなもん無ぇな、この家」

市「コラ! 男さんの部屋を散らかさないでください!」

中年男「ダメだ。こりゃ骨折り損のくたびれ儲けかもな」

市「どうでもいいですから! さっさと出て行きなさい!」

中年「しかし手ぶらで帰るのは俺のプライドが許さないしなぁ」

市「うぅ……。こんなに叫んでるのに聞こえないなんて、口惜しい……!」


388 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:38:39.31 ID:t1cqsg2W0
中年男「仕方ない」ガシッ

市「!?」

中年男「この古そうな日本人形でも頂いてくか」

市「ダッ、ダメ! 触らないでください!」

中年男「しっかし、不気味な人形だなコレ。呪われてんじゃねぇの?」

市「そうです! 呪われてるんです!」

市「だから離してください! 早く帰ってください!」

中年男「でも、こんなのもらっても金にならんよなぁ……」


389 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:40:37.14 ID:t1cqsg2W0
▼男宅/玄関

――ガチャッ バタン

男「ただいまー」

市「――!――――!」

男(市が何か叫んでる……どうしたんだ……?)


390 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:45:54.48 ID:EWs7I0tj0
まにあうか!?


391 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:47:26.78 ID:GTJxri1i0
▼男宅/男の部屋

男「市、どうした、――!?」

市「男さん!」

中年男「!?」

男「……ア、アンタ誰?」

中年男「なはは……」

市「この人泥棒なんです! 私を盗んでるんです!」

男「なっ、泥棒!?」

中年男「!? これにて失礼!」ダダダッ

市「お、男さん! 助けてー!」ピュー

男「市!」


392 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:50:53.83 ID:bgfzRJDw0
嫌な予感しかしない


393 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:51:20.89 ID:GTJxri1i0
▼男宅付近

中年男「ハァッ! ハァッ!」タッタッタ

男「おい、待て!」タッタッタ

中年男「待てと言われて、待つ馬鹿が、いるかってんだ……」ゼェゼェ

市「男さん! こっちです! こっちにいますよ!」

男「そっちか!」

中年男「くそぉっ!」ダッ

男「待ちやがれ!」ダッ


394 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:55:44.98 ID:GTJxri1i0
中年男 タッタッタ

女「きゃあっ!」

中年男「危ねぇな!気をつけやがれ!」バッ

中年男 タッタッタ

女「も……もう!危ないのはどっちよ!」


395 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 06:59:39.37 ID:GTJxri1i0
男 タッタッタ

女「きゃあっ!」

男「うぉっ! ゴメンなさい!」

女「もう!今度は何、――男くん!?」

男「お、女か!」

女「さっきの人といい、どうしたの?」

男「女、丁度よかった。頼みがある!」

女「だから、どうしたの!?」

男「警察呼んでくれ! 俺の家、泥棒に入られたんだ!」

女「えっ!?」

男「今、変な男とすれ違ったろ? そいつが泥棒なんだよ!」


396 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:05:02.62 ID:GTJxri1i0
男「逃がさないように俺が追いかけてるから、代わりに警察呼んでおいてくれ!」

女「急にそんなこと言われても!」アタフタ

男「俺の大事なものを盗まれたんだ! 絶対逃がす訳にいかないんだよ!」

女「わ、わかった! 110番しておく!」

男「すまない、頼んだ!」ダッ

女「男くん! 気をつけてね!」


397 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:08:15.83 ID:GTJxri1i0
▼工事中のビルの中

中年男「くそっ! しつけぇ野朗だ!」

中年男「……しばらくこのビルに身を隠すか」

中年男 ダッ


男「ハァ……ハァ……」

男(くそっ。見失った……)

男(でもさっきまでそこにいたんだ)

男「市! どこだ!」

市「男さん! こっちです! この中にいます!」

男「このビルの中か……」

男「(スゥ…) おい、もう逃げれないぞ! あきらめろ!」

―― シーン。

男「…………」

男 スタスタ


398 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:12:58.77 ID:GTJxri1i0
▼工事中のビル/2階

中年男「ハァ……ハァ……」

中年男(くそっ! アイツ、何で俺の居場所がすぐにわかりやがる!)

中年男(まさか……メンタリストか!?)

中年男(……そんな訳ないだろ、アホか)

中年男(もしかしてこの人形に何か仕掛けがあるのか……?)

中年男(…………)


399 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:14:07.63 ID:46Y+cRG/0
レスほとんどないのになんで続けんの
正直ツマンネ


400 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:17:20.35 ID:GTJxri1i0
男「市! いるか!?」

市「男さん、こっちですよ! 早くー!」

男「そっちか! もうすぐだ! 待ってろ!」ダッ

男 タッタッタ


401 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:17:28.13 ID:MdOcArzo0
まあ確かにこの時間だからなぁ・・・


402 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:17:31.70 ID:rkAQFToR0
レスがないのは邪魔にならないようにだろ
つまんないなら見んなよ


404 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:27:40.24 ID:GTJxri1i0
男「市! ここか!?」

人形「    」

男「人形がここにある、ってことは市も……!」

市「男さん!」

男「市!?」

市「男……さん……」ジワッ

男「良かった。どうにか無事だったみたいだな」

市「う……うわぁ〜ん! 怖かったよぉ!」

男「ゴメンな。もう大丈夫だから」


405 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:31:00.34 ID:GTJxri1i0
男「そういや泥棒野朗はどこ行った?」

市「そういえば、さっきから見てませんが……」

男「人形だけ置いて逃げたか」

市「みたい……ですね」

男「まったく。捕まえて警察に突き出してやろうと思ったのに……」


407 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:35:47.64 ID:GTJxri1i0
中年男「……」スッ

市「男さん! 後ろ!」

男「えっ?」

―― ガンッ!

男「ぐあっ!」ドサッ

市「男さん!」

中年男「やっぱり人形に何か仕込みがあったんだな」

男「ぐっ……うぅ……」

中年男「何か変だと思ったんだよ。ことごとく逃げ道がバレてたし」

市「男さん! 男さん!」

男「うぅ……」


408 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:40:45.14 ID:GTJxri1i0
中年男「後頭部にもろ一発入れたのに、意識があるのは大したもんだ」

男「うぁ……ぐぅぅ……」ジリジリ

中年男「無理して立とうしても無駄だよ。頭が揺れて体が全然言うこと聞かないだろ?」

男「この……やろう……!」

市「男さん! 大丈夫ですか! 男さん!」

中年男「こんな人形の為にここまで追いかけてくるなんて……。もしかしたら、こいつは相当な値打ちモンなのかもしれねぇな」

男「……く……そ」

中年男「ちゃっちゃと帰って商売すっか。今晩は贅沢できるかもしれないぞ〜」

男「ふ……ざけん……な!」


409 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:44:10.62 ID:GTJxri1i0
男「待ち……やがれ!」ガバッ

中年男「……おぉ。まさか立ち上がるとは」

男「返せよ……そいつを……!」フラッ

中年男「すごい根性だな、アンタ。でも足元フラついちゃってるぜ?」


411 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:50:42.50 ID:GTJxri1i0
男(くそ……マジで立つのがやっとだ……)

男(だけど、市を持ってかせてたまるか……!)

中年男「無理しないで寝てろって、な?」

男「うるせぇよ……そいつは俺のなんだ……返せよ……!」

中年男「彼はそう言うが、どうなんだね人形ちゃん」

中年男(裏声)「確かに今まではお兄さんのだったけど。今はもう、私の持ち主はオジサンだよー」

男「!?」

中年男「だってさ。残念だったねー」

市「ふざけないでください! 私はそんなこと言いません!」

男(人形の…………持ち主…………)


413 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:55:37.59 ID:GTJxri1i0
中年男「もうあきらめろよ、な?」

男「……わかった」

市「男さん!?」

男「捕まえようにも、見ての通り俺はフラフラ。どうせ何もできやしない」

男「アンタにその人形……くれてやるよ」

市「そんな……」

中年男「ずいぶん急に気前がよくなったな。さっきの威勢はどうした」

男「今の俺じゃ……どう考えても、捕まえんのはもう無理だ」

男「なら潔く認めてやる。そいつは今、アンタのもんだ」

市「嘘……嘘だよね……男さん!?」


414 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 07:59:41.46 ID:GTJxri1i0
中年男「いや〜、素晴らしい決断だ。キミほどの男は見たことないね!」

市「男さん!」

男「……でも、タダじゃやれねぇな」

中年男「ん?なんだ、結局金か? 分け前が欲しいのか?」

男「違ぇよ。俺がお前に分けてやるんだよ」

男「……呪いをな」


415 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:02:45.93 ID:GTJxri1i0
中年男「はぁ? 呪いだ?」

男「市……呪え!」

市「はい!?」

男「市! 今すぐ思いっきり呪うんだ!」

市「えっ!?」

男「このアホに、"お前の持ち主"がどんな目に合うか教えてやれ」

市「!?」


417 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:05:05.99 ID:GTJxri1i0
市「でも呪うって言ったって、どうすれば!」アセアセ

男「忘れたのか。呪いとマジナイは同じだって」

市「呪いやマジナイは……相手への祈りと願い!」

男「……そう。このビルを壊すくらい本気で祈って呪うんだよ」

男「お前の呪いの力を……見せつけてやれ!」

市「!? わかりました!」

男「それと教えてやれ……。お前の持ち主になれるは俺だけだってこともな」

市「はい!」


419 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:09:40.68 ID:XLyIdyRj0
面白す


420 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:11:06.73 ID:GTJxri1i0
市「……」ギュッ

市(私の中の呪いの力、どうかその力を貸してください……)

市(今、この場を壊すような巨大な力を……)

中年男「何言ってんだお前、頭イカれちまったか? 思いっきりブッ叩き過ぎたかな……」

男「……おい。おっさん」

中年男「あ?」

男「今からアンタを……地獄に連れてってやるよ」ニヤッ

中年男「あぁ?」


421 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:13:15.51 ID:s0WUYA1C0
シンプルに所有権移って驚いて逃げるくらいでよかったきもする


422 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:15:08.03 ID:MdOcArzo0
呪いという単語にビビッて手放す
呪いなど信じないと虚勢を張るが、所有権が移り呪いが中年に発動、結果手放す

うん、どっちにしても市は帰ってくる


423 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:16:22.95 ID:GTJxri1i0
中年男「お前、実はクスリでも決めてんのか? さっきから訳わかんねぇことばっか言って――」


―― ゴゴゴ…


男「!?」

中年男「なんだ……地震か!?」


―― ゴゴゴゴッ

―― ゴゴゴゴゴゴゴッ


中年男「地震……じゃない! ビル自体が震えてやがる!」


425 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:24:06.87 ID:GTJxri1i0
――ゴゴゴゴゴゴゴッ!

――ピキピキッ、ガラガラガラッ!


中年男「ビ、ビルの床が、崩れ始めやがった! 何だよこれぇ!」

男「言っただろ……地獄に連れてってやるってよ!」

中年「お、お前! いったい何したんだよ!?」

男「俺がしたんじゃない。これが……市の呪いだ」


――ガラガラガラガラガラガラガラッ!


中年男「ひぃ! 床が崩れて落ち――うわあぁぁ!」ガラガラ

男「うおおぉぉ!」ガラガラ

市「!?、男さぁん!」


――ガラガラガラガラッ! ズゥゥン!


市「男さん! 男さぁん!」


426 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:26:43.81 ID:GTJxri1i0
▼崩れかけたビル/1階

市「男さん、大丈夫ですか! 男さん!」


―― シーン。


市「男さん! 男さん!」


―― ガラッ ガラガラッ


男「いてて……」

市「男さん!? 無事ですか!?」

男「あぁ、……大丈夫だ」


427 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:31:26.47 ID:GTJxri1i0
男「とんでもないな……お前の力は。マジで、建物が壊れるなんてな……」

市「あの泥棒の人はどこですか!?」

男「泥棒野郎は、アッチで瓦礫にはさまれてるよ……」


中年男「……」


市「動いてませんけど……もしかして……」

男「いや、ただ気絶してるだけで、大したケガもなさそうだ……。まったく、悪運の強いヤツだよ」


428 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:32:54.39 ID:GTJxri1i0
男「これで、あとは人形を探す、だけだな」

市「私がここにいますから、たぶんそこらへんに落ちてるかと――って男さん!? 」

男「ん? ……あぁ、コレか。気にすんな、お前の呪いの、せいじゃないよ……」

男「つくづく俺って、運がないの、な」

男「まさか、コンクリの鉄筋が、腹にぶっ刺さる、なん……て……」ドサッ

市「男さん! 男さん!?」


429 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:36:07.96 ID:GTJxri1i0
男「…………」

市「いつもの冗談、ですよね……。だってさっきまで男さん……」

男「…………」

市「だ……誰か、……誰か! 男さんが! 男さんを助けてください!」

市「男さん! しっかりしてください! 男さん!」


431 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:38:12.33 ID:GTJxri1i0
男(頭も腹も痛ぇ……つーか全身が痛ぇ……)

男(痛みで意識が飛びそうだ……体に力も入らねぇし……)


――オマワリサン、コッチデス! ヒトガタオレテマス!

――コイツハマズイ!パトカ-デビョウインニハコボウ!


市「―――! ――――!」

男(市、何か言ってるけど、聞こえねぇや……)

男(市の人形、壊れてねぇかな……大丈夫かな……)


432 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:40:48.89 ID:GTJxri1i0
――オトコクン! ダイジョウブ!? オトコクン!

――キミ、コノコヲハコブノヲテツダッテ!

――ハイ! オトコクン、スグビョウインニツクカラガンバッテネ!



男(そうだ……市に……大学のこと……教えてない……)

男(あのな市、俺――――――)

男「…………」



―― ブロロロロ! ウーウー!



市「男さん……ヤダよ……」

市「男さぁぁぁん!!!!」


433 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/28(木) 08:41:10.33 ID:bgfzRJDw0
おい



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