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今頃勇者ってのもないようです
174 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 13:23:42.28 ID:3xH28I4G0
〈ポルトガム入城……〉

魔法使い「……」

勇者「ど、どうなってんのコレ」

遊び人「いつものやかましいお祝いも無しだぜ」

老兵「まるで……」



魔法使い「廃墟だわ」



175 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 13:28:36.11 ID:3xH28I4G0

勇者「人っ子一人いない……」

遊び人「見ろよ、建物がぶっ壊されてるぜ」

老兵「何かから襲撃を受けたようだな」

魔法使い「……」

老兵「む――あれは」

× × ×

老兵「おい、こっちに来てくれ!」

遊び人「なんだなんだ?」

勇者「あ……馬が死んでる」

老兵「ロマリア軍のものだ」

魔法使い「あんたのトコの伝兵ってわけ」

老兵「だが兵はいない……」


勇者「ほんとに……どうなって……?」



201 : [] :2009/04/05(日) 14:09:43.40 ID:3xH28I4G0
これから1ってつけるからヨロ


205 : [] :2009/04/05(日) 14:17:30.72 ID:3xH28I4G0
〈夜……〉

遊び人「街のど真ん中で野営とはな……。あぁ焚き火あったけー」

魔法使い「……」

遊び人「……おい、何黙ってんだよきもちわりぃな」

魔法使い「え? なにがよ」

遊び人「……」

魔法使い「……?」

遊び人「いや、いいや。なんでもない」

魔法使い「なによ……」

遊び人「(張り合いがねぇぜ……)」


206 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 14:19:44.84 ID:uA/r95kY0
さて・・・どうなる


207 : [] :2009/04/05(日) 14:20:01.13 ID:3xH28I4G0
老兵「そうだ、もう一本打って来い!」

勇者「せぇい!」

老兵「そぅらまた大振りになっとるぞ! 剣先を押さえ、鋭くふるんだ!」

勇者「ぜい、ぜい……」

老兵「何を休んどるかぁ!?」

勇者「は、はぃぃぃ――!」

× × ×

遊び人「(なにやってんだか……)」


208 : [] :2009/04/05(日) 14:21:54.56 ID:3xH28I4G0

魔法使い「……」

遊び人「(あ、寝てる)」

遊び人「……」

遊び人「……はぁ」

魔法使い「エロい事しようとしたらぶっ殺すからね」

遊び人「な、し、し、して――してねぇよ!」

魔法使い「……むにゃむにゃ」

遊び人「マジかよ……今の寝言かよ」

勇者「はぁ、はぁ、やっと休めれる……」

老兵「まだまだだな。だが筋は良い」

勇者「さいですか……」



勇者「あ……魔法使い寝てる」



210 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 14:23:15.62 ID:uA/r95kY0
勇者が成長しつつあるな


212 : [] :2009/04/05(日) 14:28:55.01 ID:3xH28I4G0
遊び人「エロい事しようとしたらぶっ殺されるぞ」

勇者「は、な――してないし!」

遊び人「(やはりお前はココロの友だよ勇者……)」

老兵「ふむ……」

遊び人「おいおい、なんで魔法使いの顔見つめてんだじいさん。まさか爺さんまで性欲持て
余してんじゃないだろうな」

老兵「ふーむ……やはり一度見た事がある」


213 : [] :2009/04/05(日) 14:31:50.89 ID:3xH28I4G0

勇者「え?」

老兵「いつだったか……。ずいぶんと精悍な顔つきなったからわからなかった。もっと子供の
ような顔だったからな」

遊び人「マジか? 今でもだいぶ子供みたいな顔してっぜ」

勇者「老兵が知ってるって事は、魔法使いはロマリアに来てたって事かな」

老兵「ふーむ……なんにせよ、とりあえず言えることは」

遊び人「言えることは?」

老兵「まず、私の事は師匠と呼べ勇者」

勇者「……さいですか」

遊び人「じじいふざけてんなぁ」

勇者「こいつジジイって言ってますけどいいんですか!」


214 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 14:38:39.82 ID:przUm2cx0
やっぱ師匠って呼ばれるとやる気出るよね


215 : [] :2009/04/05(日) 14:38:41.26 ID:3xH28I4G0
老兵「ところで、お前達はなぜ旅をしているんだ?」

勇者「あぁそれは、その……」

遊び人「こいつが『勇者』のおこぼれをもらうためです」

勇者「そういう言い方すんなよ!」

老兵「……?」

× × ×

老兵「なるほどな……」

遊び人「情けない理由だろ、こいつ」

勇者「情けないとか言うな」

遊び人「どこが情けないってのか言ってみろよ」

老兵「まぁ、なんにせよ、旅立ちには各々にしかわからない理由があるはずだ。それにケチは
つけられん。勇者にせよ、魔法使いにせよ――」

魔法使い「……すぅ……すぅ……」

勇者「……」

遊び人「……。言っとくけど、俺には旅に出る理由なんてなかったんだからな」


216 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/05(日) 14:40:37.83 ID:ZSWFZi6m0
俺達の冒険はこれからだ


217 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 14:42:27.18 ID:przUm2cx0
>>216
>>1先生の次回作にご期待ください!!


219 : [] :2009/04/05(日) 14:45:08.37 ID:3xH28I4G0
遊び人「俺はな、家でずっとゲームしてたかったんだよ。旅に出るとかどうとか、魔王が
何だとか、どうでもよかったの」

勇者「……」

老兵「そうかね?」

遊び人「あぁそうさ。16になったら村を出るとか、そんなの俺だったら鼻からお断りするね。
こいつはバカだから、行く気満々な顔して、いざとなったら引きこもったけど」

勇者「バカって言うなよ!」

遊び人「バカはバカだろ」

勇者「九九の段言ってみろよ!」

遊び人「あぁ? 9×1が9 9×2 18 9×3が……9×3が……」

勇者「ほら言えない! そら言えない! 全然言えてない! ばーかばーか!」

遊び人「てめマジ殺す!」


老兵「私は旅をしたことがない」



222 : [] :2009/04/05(日) 14:54:09.64 ID:3xH28I4G0
遊び人「あぁ?」

老兵「だから君達がうらやましい。若い頃、私はずっと旅をしたかった」

勇者「……」

老兵「だが家柄がな。没落貴族である私には、ロマリア護国が絶対の責務だった。それ以外に、
道はなかった」

遊び人「それもバカみたいな話だぜ」

老兵「まったくだ。だが、それしか道は見えなかった。――そして老いぼれ、今私の剣は錆びようとし
ている」

遊び人「……」


老兵「情けない旅立ち結構。旅に出たのなら、それでいい。長い旅の中で、自分が納得できる
答えを見つけなさい」


勇者「師匠……」

遊び人「……」

勇者「なんか……師匠っぽい……」

老兵「……」

遊び人「……こいつ、バカだから空気よめないから」


223 : [] :2009/04/05(日) 14:55:22.35 ID:3xH28I4G0



魔法使い「…………」




225 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 14:56:27.10 ID:G3qyEU/+O
>>223
盗み聞きかよwww


226 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/05(日) 14:57:50.04 ID:ZSWFZi6m0
老兵は何歳くらいかねぇ、奇麗なオネーさんの親父さんなら60くらいか


227 : [] :2009/04/05(日) 15:02:09.01 ID:3xH28I4G0
〈翌日……〉

遊び人「さぁて、行きますかぁ」

老兵「次はどこに向かうか」

勇者「ていうか、師匠はまだ帰らなくていいの?」

老兵「国に報告するのならもう少し証拠が欲しい。せめて誰に襲撃されたのかわからなけれ
ば、あの石頭の大臣は動かせんだろう」

魔法使い「お次は……アッサラームね」

勇者「よし! 出発するぞ、おー!」

魔法使い「あんた何よその棒っきれ」

勇者「鍛錬用の剣!」


魔法使い「(……なんかホントにちびっ子に見えてくるわ)」



228 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:07:00.65 ID:przUm2cx0
勇者16なのに九九言えないうえちびっ子に見えるって…


229 : [] :2009/04/05(日) 15:13:04.74 ID:3xH28I4G0
〈アッサラーム近郊へ……〉

勇者「でや!」

 ドルイド に 70のダメージ!
 ドルイド は たおれた!

 ゆうしゃ は レベルがあがった! ちから が8あがった! すばやさ が……

老兵「よぉしよくやった! だがまだまだ!」

勇者「は、はい!」

× × ×

魔法使い「なぁんか使えるようになってきたじゃない」

遊び人「そうか? 一晩しかたってないんだぜ?」


230 : [] :2009/04/05(日) 15:14:17.03 ID:3xH28I4G0


魔法使い「……全然ちがうわよ。あんたゲームばっかやってるから目が悪くなるのよ」

遊び人「視力1.5あんだけど」

魔法使い「あたしは2.5よ」

遊び人「うそだぁ」

魔法使い「ホントよ。――ちょっとあんた達! もうアッサラームにつくわよ」

遊び人「は? どこにアッサラームがあるんだよ」

魔法使い「あそこにあるじゃない。――ほらほら! さっさと前に出てよ! 後衛につけないでしょ!」



遊び人「(ん? あの砂粒みたいなのか……!? まじかよ、見えねぇ!?)」




231 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:15:35.83 ID:uA/r95kY0
勇者www


232 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:18:00.55 ID:cQd9UR/U0
パラメータの上がり方もはんぱねえwwww


233 : [] :2009/04/05(日) 15:20:28.95 ID:3xH28I4G0
〈アッサラームへ……〉



老兵「……ここも、か」



勇者「誰もいない……」

遊び人「だんだん人恋しくなってきたぜ」

魔法使い「……廃墟ね」

老兵「旅人であふれ返って、夜まで大騒ぎを続ける村だったのだが」

遊び人「じいさん、十年前の話してんじゃないだろうな。廃墟しかねぇぞ」

勇者「おーい皆ぁ! こっち来て!」


235 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:21:22.89 ID:przUm2cx0
>>232
きっと教え方が良かったんだな


236 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:21:49.33 ID:VCBeG2jK0
みんなどうしたってんだよ!!!!1


237 : [] :2009/04/05(日) 15:26:38.35 ID:3xH28I4G0

魔法使い「あんた勝手に人の家上がりこんで……」

遊び人「お、テーブルに飯があるぜ?」


勇者「すっかり冷えてるけど、まだ埃もかぶってないし、食べれた」


魔法使い「食べ……食べたのあんた!? これを!?」

勇者「おいしいシチューでした」

魔法使い「バカ! 吐きなさい!」



勇者「ちょ、な、なん――ぐえあsdfghjkl;」




238 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:27:05.10 ID:zCjkeN2T0
moonだっけ?の勇者を思い出した


239 : [] :2009/04/05(日) 15:30:15.20 ID:3xH28I4G0


老兵「……ふむ」

遊び人「あ! じじいまで食ってる!」

老兵「大丈夫だ。昨晩かそこらに作られた物だろう」

魔法使い「え? 昨晩?」



勇者「う、う、ノド犯された……」

遊び人「酷い。どMじゃなかったら死んでたな」

勇者「どMじゃないし……う、う、うぇ」



242 : [] :2009/04/05(日) 15:39:02.51 ID:3xH28I4G0

遊び人「どっかに電源ねぇかなぁ……充電したいんだけど」

魔法使い「あんた何してんのよ」

遊び人「あ、あった」

勇者「(あったんだ……)」

遊び人「充電してるから一時間くらい待ってて」

魔法使い「はぁ? 何言ってんのよあんたは」

老兵「いや、いい考えだ。物資を色々と補給したほうがいい」

勇者「なんか火事場どろぼうみたいだね」

魔法使い「みたいっていうかそれよ」

勇者「え? そうなの!?」



遊び人「あ、このプラグ冷蔵庫のか。抜いていいかな……抜いちまえ。ぶちっとな」

遊び人「充電、オーン」 カチ


遊び人「(こんな事してもかあちゃんに怒られない……俺は今自由だ)」 しみじみ


245 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:49:22.20 ID:hkhNpfLU0
電化製品に突っ込む奴はいないのかw

モンスターの出現位置とかおかしいけど面白い


246 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 15:53:03.59 ID:przUm2cx0
>>245
馬鹿め
すでに遊び人はPSPとかDSで戦ってんだからそんなのスルーさ!


247 : [] :2009/04/05(日) 16:00:24.01 ID:3xH28I4G0

勇者「じゃぁ僕こっち回ります」

老兵「たのんだぞ」

× × ×


勇者「とりあえず……この家に入ってみるか」


× × × 

勇者「なんだろこの部屋……せまいなぁ」

勇者「ん? 何だコレ。壁に落書きが……」



勇者「『性欲に負けました。ぱふぱふ。ゆうしゃ』」



勇者「……らく、がき……?」

勇者「(ダイイングメッセージみたいなおどろおどろしい字で書いてある……)」



248 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 16:00:53.96 ID:1bjZZn0+O
充電オーンてw
ゲームセンターCXかよw


249 : [] :2009/04/05(日) 16:08:27.63 ID:3xH28I4G0
資料探してたらちょっとおくれたぜ スマソ

× × ×

勇者「うーんこの部屋にはなにもないのか……」

勇者「ん?」

勇者「棚の後ろになんかあるな……」

勇者「よ、よ……」

勇者「く、手が届かない」

 E・ひのきのぼう

勇者「……」

勇者「孫の手みたいに使えば――」

勇者「(――いや、やめよう。もっと強くなるためにはこれをしちゃいけない気がする)」

勇者「よ、よ、よぉぉぉ……!」



勇者「あ、届きそう……届きそ……と、どいた!」




251 :VIPがお送りします [] :2009/04/05(日) 16:10:37.93 ID:EGa1L/0eO
これは多少金出しても読みたいレベル
誰か漫画化してくれ


253 : [] :2009/04/05(日) 16:17:10.35 ID:3xH28I4G0
勇者「はぁ、よかった。とれたとれた。何だコレ、指輪?」


 めがみのゆびわ を てにいれた!


勇者「なんかすごく高そうな気がするな!」

勇者「……はっでもこれを魔法使いに見せたら」

× × ×

魔法使い「ちょっとなによそれ。うわ、すっごーい! きれー!」

魔法使い「あんたにはもったいないわよ」

魔法使い「いいから貸しなさいよ。さっさと貸しなさいって!」

魔法使い「うわぁ似合ーう! 私似合ーう! 魅力30パーセントアップ!」

魔法使い「え? もうつけちゃったし、とーれなーい^^」


254 : [] :2009/04/05(日) 16:18:31.86 ID:3xH28I4G0

× × ×

勇者「結果は目に見えている……」

勇者「しまっておこう……。魔法使いの目の届かない場所に」 ごそごそ



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