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「おーい磯野、野球しようぜ!」
- 306 名前:VIPがお送りします。 [sage]
投稿日:2007/12/02(日) 13:16:27.33 ID:hJyMd52t0
高校野球は名簿に載ってない選手でも試合に出られるの?
- 307 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:17:11.01 ID:RXgd8Ii60
「ストライク!バッターアウト!!」
構えたミットに突き刺さる、正確無比なそのボール。
磯野カツオの球はあの頃からちっとも衰えていなかった。
これで2アウト。あと一人。中島はカツオの凄さを再認識していた。
しかしその一方であのマウンドに立っているのがカツオだということをまだ信じられずにいた。
打順はクリーンアップだ。それでも中島はまったく不安を抱かなかった。
- 308 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:17:18.57 ID:x1All8ze0
練習試合だしいいんじゃない
- 309 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:17:40.40 ID:EqhTkUqH0
金髪→スポーツマンが染髪はおかしい→地毛→ハーフ→メルルーサ・銀鱈
- 310 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:17:44.43 ID:VsrB3ZBUO
>>306
練習試合だもの
- 314 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:19:12.60 ID:WG2xBzTMO
>>306
※この物語はフィクションです
野球?しらんがな
- 317 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:20:37.37 ID:avrdjqvW0
カツオは高校生でもやっぱりあの髪型なのかな?
ある意味高校球児ぴったりだけど
- 318 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:21:11.13 ID:RXgd8Ii60
中島の表情が歪む。あ。
キーンと鋭い音がグラウンドに響く。
わずかに甘く入った初球を狙われた。
センター前にはじき返すクリーンヒット。
球威は申し分なかった。これが強豪飯田のクリーンアップ。
先ほど抱いた自信を下方修正する。
いくら磯野と言えども、甘い球は打たれる。
相手は本気で甲子園に行こうとしてるチームなんだ。
そして次は4番か…。
中島が不意にマウンドに目を向けると、カツオが微かに笑っているような気がした。
楽しんでいるのか?磯野…。
- 322 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:23:52.04 ID:RXgd8Ii60
ランナー1塁。
迎えた4番陣平は体つきからしてかなりのパワーヒッターだ。
ボール球から入ろう。
中島は慎重なリードを選択した。
外角にボール一個分外れた球を要求する。
まずは様子を見なくては。
セットポジションから投げられた球は中島の目の前で
鋭いスイングに弾き返された。
打球はレフト方向に大きく伸びていった。
- 323 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:25:15.20 ID:xFYCaYh20
ジンベイザメktkr
- 324 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:25:27.35 ID:b48zIGkrO
しかし練習試合とはいえ
どこの誰かも知らなかったカツオを強豪相手に投げさせるとは
監督テラアバウト
- 325 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:25:41.38 ID:FaflCA4sO
タラオ「おい!ババァ!勝手に部屋入ってくんなや!」
サザエ「まさかあの子があんなになるなんて…」
- 326 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:26:04.75 ID:avrdjqvW0
カツオ「・・・・あれ・・・寝てたのか・・・」
いつの間にか勉強の途中で寝ていたようだ。
カツオ「もうこんな時間だ・・・・今日が休日でよかった・・・それにしてもあの時の夢を見るなんて・・・はは・・」
窓から差し込んでくる太陽の光。空には雲ひとつない。
今日は絶好の野球日和だ。
そして懐かしさえ感じていたあの声が今日も磯野家の玄関から聴こえてくる。
「おーい!磯野!野球しようぜ!」
−END−
- 327 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:26:50.37 ID:xFYCaYh20
>>326
夢オチwwwww
- 328 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:27:06.65 ID:RXgd8Ii60
「ファール!」
打球はわずかにポールを左に切れていった。
危なかった。あのボール球をあそこまで飛ばすとは中島も思わなかった。
磯野の全力のストレートだぞ。このやろう。
カツオは相変わらず帽子を深くかぶり、中島からは口元くらいしかはっきり見えなかった。
- 329 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:28:45.91 ID:LYOouQ2r0
高校生に外角にボール一個分外れた球とかそんな細かいコントロール
できるわけないだろ
- 330 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:29:44.24 ID:avrdjqvW0
>>329
うっせぇな!井戸野は万能投手なんだよ!ばーか!
- 331 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:29:48.51 ID:RXgd8Ii60
決め球にとっておきたかったが二球目でスライダーのサインを出す。
あの打球を見せられては、下手な球を投げさせるわけにもいかない。
カツオは戸惑ったようにも見えたがゆっくりと頷いた。
第二球。外角低めに構えた中島のミットめがけて、カツオはおもいきり腕を振る。
チッ。僅かにバットにかすった球はミットに収まる。
初見でこのスライダーにまで触れてくるのか。
- 332 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:30:43.95 ID:ehKUjZK6O
急にメジャーがみたくなった
- 333 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:32:06.20 ID:xFYCaYh20
>>329
>>314
- 334 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:32:27.77 ID:EqhTkUqH0
四番打者がホームラン打ったあと吐くんじゃないかと心配になってきた。
- 335 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:32:42.99 ID:avrdjqvW0
井戸野「カツオくーん!」
- 336 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:33:45.98 ID:RXgd8Ii60
カウント2−0となったので、
つり球として高めのストレートを二球続けてみる。
が、バッターはまったく手を出さない。
うすうす感じていたことだった。このバッターなら余裕を持って見逃すのでは、と。
だがこのピンチも中島はまるで気にならなかった。
- 337 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:34:52.42 ID:RXgd8Ii60
カツオの球を受け始めてから、
中島は少しずつ権造との約束がどうでもいいものに思えてきていた。
今はただ、この一瞬に全てを注ぎ込めばいい。
無意識に笑みがこぼれていた。
- 338 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:38:33.27 ID:RXgd8Ii60
妙にすっきりとした気分だった。
腹をくくった中島はスライダーのサインを出す。
カツオは首を振った。
じゃあストレートか?
そのサインにも首を振る。
まさか、カーブか?
昔からカーブはほとんど試合で使わなかったじゃないか。
しかし、首を振るカツオ。
サインが決まらないままカツオは投球動作に移る。
おいおい磯野、ちょっと待―――
- 340 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:39:54.92 ID:5heDgCdzO
>>329
実際には結構キャッチャーが要求してくる
- 341 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:40:48.60 ID:RXgd8Ii60
―― 一年前 ――
桜は散り始め、空き地にはピンク色の花弁が踊るように舞っていた。
ホームベースの手前で、カツオの投げたボールがワンバウンドする。
「磯野はそんなに指が長くないから、やっぱりちょっときついんじゃないかな」
「高校生になる頃にはもう少し手も大きくなってるって。
それを見越して今から練習しとくんだよ。ほら構えた構えた――」
- 342 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:41:29.49 ID:SwWjlxj6O
確かに手小さいな
- 343 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:43:46.66 ID:RXgd8Ii60
――――ストンと急激に落ちた球を辛うじて中島はキャッチした。
バットはおぞましい音をたてながらも、空を切っていた。
「ストライク!バッターアウト!!ゲームセット!」
- 344 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:44:21.28 ID:b48zIGkrO
やった!
- 345 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:44:51.97 ID:DRhxcRQB0
勝った!第三部完!
- 346 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:45:11.67 ID:GEG/9KIXO
キター
- 347 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:45:22.58 ID:eexcDgAx0
権造涙目wwwww
- 348 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:45:48.71 ID:RXgd8Ii60
試合開始から今まで、
桜の木の下に一人の老人が座っていることに誰一人として気がつかなかった。
- 350 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:46:46.71 ID:7S7b1gLP0
権造・・・・。
お前の目には何が映ったんだ・・・。
- 352 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:47:04.72 ID:b48zIGkrO
>>348
権造良い意味で涙目wwww
- 353 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:47:45.37 ID:uy8fMpaBO
きたー
陣平なんて魚いたっけ?
- 354 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:48:03.33 ID:RXgd8Ii60
老人はフンと鼻を鳴らす。
「ワシには一回もあんな顔見せたことなかったのにな」
立ち上がり、今年はもう散ってしまった桜の木に寄りかかる。
- 355 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:48:38.43 ID:wprAmCJf0
本当は権造じゃないんだよ
- 356 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:49:05.13 ID:kcGINinY0
じいちゃん・・・つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
- 358 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:49:17.15 ID:UpBqiyeRO
>>353
ジンベエザメ
- 360 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:50:08.41 ID:RXgd8Ii60
グラウンドに目を向けると、飛び跳ねる孫の姿が見えた。
「フン。好きにしろ…博」
不機嫌そうに呟いた老人だったが、その顔はなぜか満足げに笑っていた。
- 361 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:51:44.56 ID:Ib9QjjiJO
勉造さんマダー?
- 362 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:52:01.93 ID:RXgd8Ii60
飛び跳ねて喜んでいた中島は、なぜか急に桜並木に目を奪われた。
誰もいない。なんであそこが気になったんだろう。
わからない。
それよりも、なにか忘れているような気がした。
- 363 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:52:45.24 ID:DhxlNPRmO
権造なんて原作アニメに出てきたっけ?
- 366 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:54:38.72 ID:8dsYeJdVO
追いついた
花沢さんが可愛ければ名作になるのに…カバじゃな…
- 368 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:55:46.07 ID:RXgd8Ii60
「…磯野!」
そうだ。磯野はどこにいるんだ?さっきまでここで試合をしていたっていうのに。
中島はグラウンドを隅から隅まで探した。しかしカツオは見つからない。
ほかの部員に聞いても、試合終了とともにフラリと消えてしまったというのだ。
水臭いな。
まったく礼ぐらい言わせてくれてもいいだろ、磯野。
「磯野…ありがとう」
誰もいなくなったマウンドに向かってそんな言葉を投げかけた。
- 369 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:56:52.81 ID:IR7J2PRP0
>>348
ここで建造に焦点当てるのは違和感あるんだが続きwktk
- 371 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 13:58:21.26 ID:ehKUjZK6O
カツオかっこいいwwww
- 372 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13:59:00.98 ID:RXgd8Ii60
午後7時、外はすでに暗くなっていた。
疲れ果てたカツオは部屋で机に突っ伏している。
家族はカツオに何も聞いてこない。それがありがたかった。
できるだけのことはやったはずだ。後悔はしていない。
激しい睡魔がカツオを襲う。
- 373 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:00:40.87 ID:ofO5/srv0
カッツォオオオオオオオオオオオオオオ
- 374 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:01:12.74 ID:RXgd8Ii60
不意に玄関のチャイムが鳴った。
「ちょっと手が離せないからカツオお願い〜」
サザエの大声がキッチンから部屋まで届く。
「はいはい」
やれやれといった様子で疲れた体を玄関に運ぶ。
ドアを開けた。
「おーい磯野、野球…しようぜ!」
震えた声で答えた。
「…バーカ、もう真っ暗だよ…」
完
- 375 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:03:15.92 ID:IR7J2PRP0
>>374
乙
すばらしいアレンジだった
- 377 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:04:02.31 ID:b48zIGkrO
>>1乙
中島の一言で終ると思ってたがカツオのツッコミで和んだ
- 379 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:04:18.70 ID:EqhTkUqH0
>>374
乙。久しぶりにサザエさんが見たくなったよ。
- 380 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:04:32.05 ID:DRhxcRQB0
乙!
良い終わり方だたよ
- 393 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:09:53.57 ID:5heDgCdzO
>>1先生乙
素晴らしい作品だった
今までサザエパロディが悲惨な話しか無いことにイライラしていた
だからこんなに素敵な話を読むことができて嬉しかった
どうもありがとう
- 394 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:10:06.14 ID:RXgd8Ii60
ここまで読んでいただいた皆さんお疲れ様でした
ありがとうございます
この話を書こうと思ったきっかけは
「カツオは120km/hの速球を投げる本格派らしい」
という吹いたスレタイスレのなかにあったものを見たことでした。
- 395 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:11:25.67 ID:mMmeHnhF0
>>1乙
サザエテイストで描くか
そんなもの無視か
描かないか
- 396 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:11:45.44 ID:b48zIGkrO
マスオは高校時代、豪速球でならしてた(自称)
これ豆知識な
- 397 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:15:21.92 ID:HQJ+m+VqO
中島は田代
- 399 名前:1 ◆8jF6DdCTlE [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:16:54.66 ID:RXgd8Ii60
>>395
絵のこと?
描けるんだったらサザエテイストでお願い
- 400 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:17:03.75 ID:WG2xBzTMO
>>1乙
何だろう、胸に込み上げるこのノスタルジア
- 401 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/02(日) 14:19:01.59 ID:1rpxOIhS0
>>395
あだち充で
- 402 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:19:19.40 ID:dCbeRjIl0
いまさらだが珍妙な髪型の女性がじわじわくるwww
- 406 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/12/02(日) 14:25:20.28 ID:SwWjlxj6O
超和んだ
ちょっと幼なじみ野球に誘ってくる
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