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兄妹小説「輝く日常」
124 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 00:44:44.54 ID:73p1nU2P0
それからというもの俺の仕事は本当にハードになった。
何せプロジェクトの最終工程でミス出来ない作業を
毎日ほぼ寝ない勢いでこなさなきゃならなくなったからな。
目黒とかも手伝ってはくれたんだが、この頃の俺は責任者が担当しなければどうしようもない仕事
を山ほど抱えていたわけで、雑用ぐらいしか手伝ってもらえなかった。
本当にいい同僚を持ったなぁと目黒には本当に感謝していたが、
俺の仕事が終わっても減らされているとはいえ、長谷川さんが担当するはずの仕事もしなければならなかった
俺は結局の所目黒の協力があってもはほぼ毎日朝帰りの毎日という状況がずっと続いた。
妹とも会えていなかった。

 3日連続家に帰らずに仕事をこなし、土曜日。
家で仮眠を取ろうと朝戻ってきた時に久しぶりに妹とあった。
 俺が部屋の前に立ってドアに鍵を差し込んだ時に、
ちょうど隣の部屋からミニスカートの姿の妹が現れた。



125 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 00:45:09.29 ID:73p1nU2P0
「―――ッ!兄貴!!」
「よぉ…久しぶりだな。今から学校か?」
「違うわよ。今日は土曜日でしょ。学校休みだよ。」
「あっ今日土曜日だっけ。」
ははっ、いつか会った時とはえらい違う雰囲気だっただろな…俺。
妹は珍しく心配そうな顔をして
「目の下、すごいクマが出来てる。兄貴、大丈夫なの?」
俺の目をまっすぐ見て言った。
「ははっなんとかなるんじゃね?もうすぐプロジェクトの準備も整うから……な」
「で、でもなんかホントに顔が青白いし、寝てないんじゃないの?」
「あ、ああ。3日ぐらい…」
「3日って!なんで寝ないのよこの馬鹿!!しぬよ?そんな事してると、過労死で!」
「まぁ…なんとかなんじゃね?俺は責任者だからな。大丈夫だb」
無理して笑顔を作るがすぐにバレて
「理由になってないわよ!兄貴のそんな馬鹿みたいに弱ってるの初めて見た!」
言いたいこと言ってくれるぜ。そう言おうとした。言ったつもりだった。



129 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/28(月) 00:59:28.54 ID:uOVwncSw0
ちくしょう見れば見る程妹欲しくなる


130 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:00:48.67 ID:73p1nU2P0
「……ぐう!?………お…あ……がっあああ!!」

ドンッ

「――!あ、兄貴!?ど、どうしたの!?
痛い痛い痛い痛い痛い!!!!

「し、しっかりしなさいよ!!兄貴!…ね、ねぇ!ちょ、ちょっと!!」

頭の中が割れるように痛い。

「兄貴!!どうしたの!!ねぇ…冗談はやめてよ!頭が痛いの!?
 ちょっと!しっかりしてよ!!―――――ッ!兄貴!」

妹が何か言っているのはなんとか分かったが
頭の激痛のせいでなにも理解できない。
俺は……倒れてそのまま、意識を失った。





131 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/28(月) 01:02:42.48 ID:yEmgD0ry0
これは平行世界と繋がったか!?


132 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:03:04.97 ID:73p1nU2P0
俺が再び目を覚ました時は病院の中だった。
「…ん、うーん?」
「―――――!!あ!兄貴!起きたのね!!はぁ……良かった。」
「あっ、ああ。おす。」
「おすじゃないわよ!!もう!心配したのよ!?」
まず目に飛び込んできたのは妹の安堵の表情だった。一応心配してくれてたらしいので少し嬉しく思った。
そう思った後現在の状況整理に移る。
えーっと、俺は確か、土曜日の朝に玄関で倒れて…それから…
――――――――ッ!!
「!!おい!あれから何日たった!」
ベッドからガバっと起き上がって妹に尋ねる。
「え?いきなり何言い出すの?」
「俺が倒れてから何日たったってきいてんだ!!」
「え、えっと…3週間とちょっとだけど」
―――――――――――――!!ッ
プロジェクトは…もう終わっていた。
「ど、どうしたのよ!?」
次の瞬間俺はもうベッドから無理やり起きようともがいていた。
それを押さえながら妹が叫ぶ。
「もう!なにやってんのよ!!あんた脳出血で倒れたのよ!?
 2回ぐらい手術して相当大変だったんだから!この私があれほど心配してあげてたってのに、
 も、もう動こうとするなんてどういう事!?この馬鹿あに・・」
「うるせぇ!!!」
「ひゃ!」


133 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:08:10.78 ID:73p1nU2P0
妹の言うことは全部理解できて正直感謝していた。
しかし今はそれどころではない。一刻も早く今プロジェクトがどうなったのかを知りたい。
「な、何よ!?プロジェクトの事そんなに気になるの?」
「当たり前だ!!!」
「―――――!」
「あ、あたしは…………あたしはあんたの体の方が心配なのよ!!」
出口の方ばかり見てもがいて会話していた俺は目を妹に映す。

え?
現状を知りたくてしょうがない俺の焦りがその表情を見た瞬間一瞬にして消え去った。

妹は……泣いていた。

「あ、あんたみたいなどうしようもない馬鹿兄貴でも!
 一応家族!なんだから心配したのよ!?死んじゃうんじゃないかって思ったわ!何回も!
 お医者さんも手術するたびに万が一の為に覚悟しておいてくださいとか言うし!!
 毎日夜もろくに、ね、寝られなかったわ!
 これ以上まだ心配させる気なの!?付き合ってられないわ!!も、もう・・・ばかあ!!!」

頬に涙を伝わせながら必死に叫ぶ様に言った妹を見て
一瞬昔の仲の良かった頃に戻った気がした。
不思議と心も落ち着いてきた。


137 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:13:52.39 ID:73p1nU2P0
「………わるかった。ごめん」
「……………」
「そんなに心配してくれてるとは思わなかった。妹の気持もわかんない様じゃ兄貴失格だな。」
「……う…うう」
「悪かった。ほんとにごめん。
 でも仕事の事で俺が一応頑張ってたっぽいのは知ってるだろ?責任者だからな。
 そのプロジェクトがどうなったかは一刻も早く知りたいんだ。わかってくれ…」

「……………わよ。」
「え?」
「わ、分かったわよ!って言ったの!さっさと確認してきなさい!!
 電話でもすればいいじゃない会社の人に!廊下にでて左にまっすぐ行けば電話あるから!」
妹はもういつもの聞きなれた調子でしゃべっていた。
そう言っている妹は俺をここから動かしたくはないという気持ちと、
俺の言い分を理解したから行かせてあげたいという気持ちが交錯していたようだがどうやら後者が勝ってくれたようだ。

「ああ、ありがとう。」
そう言って何とかベッドから起き上がる。
しかし思うように歩けない。ずっと寝たきりだったから体がなまってんだな。
そう思っていたら信じられないことが起きた。

「……んしょ、ほら!行くわよ。ゆっくりでいいから」
妹が俺に肩を貸してくれたのだ。




138 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/28(月) 01:14:42.30 ID:yEmgD0ry0
どっかに妹落ちてねぇかな・・・


139 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/28(月) 01:16:49.81 ID:FnX5GhDj0
昨日妹拾ったけど交番に届けました


140 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:17:10.71 ID:73p1nU2P0
「あ、おい。重いだろ?いいよ。自分でなんとか歩けるし。」
そう遠慮がちに言うと
「いいから!!」
とものすごい形相で怒鳴られた。意地でも手伝う気らしい。

観念して素直に体を預ける。まぁほんの少しだが

「耐えられなかったら言うんだぞ?」
「……わかってるよ。」

廊下を無言で歩きながら妹の方を見る。
顔を真っ赤にして少しうつむいているがしっかりと歩いてくれている。
体重かけすぎたか?そう心配して
「ごめん、ちょっと重いよな俺、お前女だし。」
「………」
そう言うと少し首を振り、
「さ、さっさと行くわよ。あそこにあるでしょ。」
と言ってきた。
なんとか電話の前に来て妹にお礼を言って目黒に電話をかける。


141 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:20:46.77 ID:dBUZTyLmO
医学部の俺から言わせてもらえば、脳内出血で二週間意識なしの直後に後遺症も無い、すぐに動ける・喋れるって事がスゴスwwwww


142 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:23:09.01 ID:73p1nU2P0
>>141
^^;
スマソwww
確かにwwwでも兄貴動けなくなったら話止まるんでwすいません。


143 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:31:32.36 ID:73p1nU2P0
「・・・はい、もしもし」
「ああ目黒か?俺だ。」
「!!おお!目を覚ましたのか!!」
目黒のテンションが異常に上がったのが声から分かった。
「ああ、ついさっき意識が戻った。」
「き、記憶喪失とかにはなってないか!?俺の事覚えてるか?」
「そういう事にはなってないな。はは、現にこうしてお前に電話してるだろ?」
久し振りに笑った気がする。でも目黒は真剣に話し続ける。
「いや!お前は寝てたから知らないだろうが医者はそういう可能性も言ってたんだぜ!?
 後左半身にマヒが残るかもしれないとかも言ってた!手術も2回したしな。」
そういえば脳出血だったな。そういう事にも当然なってもおかしくなかったわけだけど
…とりあえず今は全部動くな。
手足を動かしてみながら話し続ける。
「ああ、さっき妹から聞いたよ。」
「妹さんいたのか」
「ああ、いまも隣にいる。俺の事心配してくれてたらしい」
そう言って妹の方を見ると目があった。
その瞬間すぐに下の方を向いてしまった。顔が赤い。なんだ?
「そりゃそうだろうな。お前!大変だったんだぞ?俺達がお前の事聞いて病院についた時の
 妹さんの様子見せてやりたかったぜ。妹さん一人でずっと泣き叫んでたんだから。
「兄貴を助けて下さい!お願いします。たった一人の兄貴なんです!」って医者につっかかってな。」
「嘘だろ?」
「ホントさ!俺達がなだめるの大変だったんだから。手術中もずっと手あわせてお前の無事を祈ってたよ。」
正直考えてもいなかった。
当然妹には嫌われてるって思ってたが、話を聞く限りには相当心配してくれたらしい。
嬉しかったが、なんか妹にこの話を聞くと居心地が悪くなりそうなので言わないでおこう。

そう思って俺は目黒と話し続ける。



144 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/28(月) 01:35:52.30 ID:uOVwncSw0
今回の人生は失敗だった
来世の俺に妹がいることを信じて
首吊りの挨拶とさせていただきます


145 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 01:40:59.73 ID:73p1nU2P0
「それよりもだ。」
俺は本題に入る…聞かなくちゃな。
「プロジェクト……終わったな。」
「…あ、ああ。」
電話越しに目黒がうろたえている。
「…どうなったんだ?」

聞くのが恐ろしいが単刀直入に聞いた。


帰ってきた答えに俺の周りの時間はすべて一時停止した。


「あ、ああ…俺たちもお前の分まで必死に頑張ったんだがな。
 準備があと一歩のところで間に合わなかったんだ。」





「プロジェクトは…失敗したよ。」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一応これで半分ギリギリ行くかいかないかぐらいまで来ました。^^;
区切りのいいのでこれで今日は終わってもいいですか?

一応落ちたら嫌なので携帯から保守したいですがもし落ちた時の為にここまで
のtxtをここにうpしときたいと思います。
うpの仕方知らないから今から探さなきゃだけど(:_;)
うp出来たらURL貼ります。


151 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 02:09:32.90 ID:73p1nU2P0
ttp://www.uploda.org/uporg1391191.txt.html
ここに今までのうpしました。
それでは寝ます。わざわざ見て下さった方がた、乙でした。(>_<)
明日の夜までこれがあったらまたこれに書きますが落ちていたら
同じ題名の立てるのでそこで再開する予定です。


154 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/28(月) 02:23:02.32 ID:73p1nU2P0
あっ、携帯から保守つするつもりですが、
明日は部活があるんで夜いつ来れるかまだ分かりません。(:_;)
まだ落ちずに残ってたら携帯からですが何時頃これるか書きます。
まぁ落ちてたらスレが経った時に始まるということで。
あとその時立てるスレの名前は
「兄妹SS〜」ってしますわ^^;すいません長々と、寝ます。



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