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市松人形「私……呪われてますから」
1 名前: ◆j9t2MtZrb2 [sage] 投稿日:2013/03/27(水) 14:56:42.73 ID:PYH1hmFC0
満開の桜が風に吹かれ舞い散る。

高校三年になった始業式の日に俺は、
家の前に落ちていた変な日本人形を拾った。

朱色の着物。腰まで伸びた長い黒髪、思いのほか、可愛らしい顔立ち。

まじまじと眺めていると突然、薄透明な少女が出てきて、
空中で三つ指をついて正座をした。

市「初めまして。私は市松人形の霊の"市"と申します」

市「唐突ですが、この度これから居候させて頂きます」

驚き、口を開けたままの自分に、少女の霊は続いてこう言った。

市「先に申し上げておきますと、私、呪われてますから」ニコッ

それから、俺と市の"呪われた"生活が始まった。


4 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 14:59:53.96 ID:PYH1hmFC0
▼某日/夕方/男宅

男「ただいま〜」ガチャッ

市「おかえりなさい。ご勉学お疲れ様です」

男「ハァ……」

市「どうしました?」

男「登下校の度、野良犬に追いかけられ野良猫には噛みつかれ……」

男「挙句の果てにはカラスにまで襲われて……」

男「ため息の一つも出るだろ」


5 名前: ◆j9t2MtZrb2 [sage] 投稿日:2013/03/27(水) 15:03:40.83 ID:PYH1hmFC0
市「すみません。私が呪われてるばかりに……」シクシク

男「そのことなんだけどさ」

市「はい?」

男「呪いの市松人形って、ただ人形の髪の毛が伸びるだけなんじゃないの?」

市「それはもう初めてお会いした時にお話ししたじゃないですか。もう忘れたんですか?」

男(そういえばそんな話してたっけな……)

………
……


6 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:07:07.02 ID:PYH1hmFC0
▼数ヶ月前/男宅

市「――ようするにですね、私の呪いが人形の持ち主に不運や不幸を呼び」

市「その度にこの人形の髪が伸びていくんです」

市「それが呪いの市松人形であり、私、"市"なのです!」

男「…………」

市「先ほどキミが私を拾ったことで、私の新しい所有者はキミに決まりました」

市「なのでつまり、キミは私に呪われてしまったのです!」

男「…………」

市「……おわかり頂けました?」

男「……あぁ。なんとなく」


7 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:10:28.47 ID:PYH1hmFC0
男「それはそれは恐ろしい話だ。あー恐い。バイトの支度しなくちゃ」

市「……こんなに力説したのに信じてませんね?」

男「だってなぁ……」

市「現にこうして霊が出てきてるんですよ!? 驚きませんか!?」

男「そりゃ驚いたけど、アンタ全然怖くないし霊っぽくないし」

市「ガーン!」


8 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:11:50.37 ID:KUOayhyW0
ふむ


9 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:13:51.89 ID:PYH1hmFC0
男「それで呪いだ何だとか言われても……う〜ん」

市「呪いですよ!? それこそ怖くないんですか!?」

男「どうせ大したことないんだろ?」

市「むぅ〜!」


10 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:14:08.75 ID:7q7gkDfd0
市松たんかわいい


11 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:17:16.86 ID:Zg/XZSQR0
高倉健スレかと思った。


12 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:17:37.26 ID:PYH1hmFC0
市「せっかく説明してあげたのに!」

男「お手間をおかけして悪うございました」

市「むむぅ〜! そんな風に呪いをナメてると痛い目見ますよ!?」

男「はいそうですか。話の続きは帰ったら聞――」

――ドゴォ。

男「足の小指ぶつけ○△%$+■*!!!!!」ジタバタ

市「ほら早速来ましたよ。あ〜痛そう。だから言ったじゃないですか」

男(こんなのが呪いなのかよ……#)




……
………


14 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:22:04.96 ID:PYH1hmFC0

……
………

市「どうですか? 思い出しました?」

男「あぁ、思い出した……。正直呪いをナメてたわ」

市「ほら! だから言ったじゃないですか!『呪いをナメると痛い目見ますよ』って!」

男「お前の言ったことに間違いはなかったよ」

市「ふふん。当たり前です」

男「つまり、お前を捨てれば呪いも消えて万事解決ってことだな」

市「ダ、ダメー!捨てないでー!」


16 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:25:47.88 ID:PYH1hmFC0
呪いの市松人形。そんな怪談話が実在するとは思わなかったが、
市が来て早数ヶ月、毎日の小さな不幸が訪れている。

足の小指をやたらとぶつける。
野良犬たちに追いかけられる。
ゴミが降ってくる。
車に泥を撥ねられる。
……etc.

不幸と呼ぶにはとてつもなく小さくてくだらないが、
そんなことがほぼ毎日起きている。

本当に、何でこんなの拾っちゃったんだか……。


17 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:30:15.64 ID:PYH1hmFC0
▼某日/昼/街中

「おかーさん! あそこにモモタローさんがいるー!」

「えー? どこー?」


男「うおおぉぉーー!ついてくんなー!」ダダダッ

犬「ワンワン!」タッタッタ

猫「ニャア〜!」タッタッタ

カラス「カァーカァー!」バサバサ


「皆でこれからオニガシマ行くんだねー! すごいねー!」

「そうねー。お兄さんも大変ねー」


18 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:34:05.41 ID:PYH1hmFC0
▼某日/夕方/男宅/玄関

男「ただいま……」

市「おかえりなさーい。今日も一段とご不幸があったみたいですね」

男「わかるのか?」

市「はい! 男さんから不幸パワーがひしひしと伝わってきます!」

男「そんなのどこで受信してんだよ……」


19 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:38:29.45 ID:PYH1hmFC0
市「なんとなくわかるんです!」

男「そうですか……」

市「 でもほら、今朝より髪も伸びてますし、そもそも、私といるから不幸に遭うのは間違いないはずです! いよ、我ながら名推理!」

男「……お前それ、どういうことか、わかって言ってるのか?#」

市「?」

男「俺がこんな目にあってるのは誰のせいだっけ? ん?#」

市「……ハッ!? し、知らないですー! 呪いのせいですー! 捨てないでくださーい!」ピュー

男(この野郎……#)


21 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:43:26.53 ID:PYH1hmFC0
▼某日/夜/男宅

男「待て! この呪い人形野郎!」ダダダッ

市「わわ、私のせいじゃないですよー!」ピュー

男「うるさい! せっかく作った飯が食えなくなったろうが!」

市「知りません! 私のせいじゃありません! 呪いが悪いんですー!」


22 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:47:24.10 ID:PYH1hmFC0
男「追いつめたぞ」ハァ ハァ

市「はわわっ」アセアセ

男「ほら捕まえた――って、あれ?」スカッ

市「あっ、そうだ。私、霊だから捕まらないんだ」

男「ぐぬぬ……」

市「やーいやーい。呪いを甘く見た男さんが悪いんですー」


23 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:50:32.24 ID:JeEnCncu0
そういえばこの市松人形、カタカナ語がわかるのな


24 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:50:42.16 ID:PYH1hmFC0
男「……仕方ない。あきらめよう」

市「ふふん。参りましたか?」

男「そのかわりコイツの服を脱がし、辱めることで鬱憤を晴らす!」

人形 ヌギヌギ

市「ちょっ、服脱がさないで! ダメー!///」スルスル


25 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 15:54:52.48 ID:PYH1hmFC0
市「もう!」プンプン

男「悪い。まさかお前まで服が脱げるとは……」

市「男さんの変態! 痴漢! セクハラ大魔神!」

男「悪かったって。ほら、この通り!」ペコペコ

市「いーっだ! ふん!」プイッ


26 名前: ◆j9t2MtZrb2 [IDは違いますが、同じ1です。] 投稿日:2013/03/27(水) 15:56:59.35 ID:XB8nAD1m0
▼某日/夜/男宅

男「なぁ市。お前って一体何なんだ?」

市「どうしたんですか急に?」

市「まさか……不幸な事が起き過ぎて脳に支障が……」アセアセ

男「違う違う。俺はまともだ」

市「よかった」ホッ


27 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:01:36.13 ID:XB8nAD1m0
男「持ち主に呪いが、ってのは初耳だったけど」

男「呪いの市松人形が本当にあったってのは身をもって理解したよ」

市「最初から言ってるじゃないですか。私は呪いの市松人形ですって」

男「その呪いの市松人形ってのは、この人形のことだろ?」

男「なら、お前自体は何なんだ? 人形の呪いが具現化した霊? まさか人形に宿る神様とか?」

市「…………」


28 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:03:46.48 ID:XB8nAD1m0
市「……ついにそれを明かす時がきましたか」

男「そんなに意味深なことなのかよ」

市「私は何なのか。何故人形の霊としているのか。それはですね……」

男「それは……」

市「実は……」

男「実は……(ゴクリ)」

市「私にもさっぱりわかんないんです。テヘッ☆」ペロッ


29 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:06:21.89 ID:XB8nAD1m0
男「…………」

市「……テ、テヘッ☆」ペロッ

男「…………」ジトー

市「い、いやですよぉ! そんな見つめないでください! 照れちゃいますから!」アセアセ

男「…………」スタスタ

市「ウソです! 黙って行かないでください! せめて何か言ってください!」アセアセ


30 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:09:41.54 ID:XB8nAD1m0
男「で、本当はどうなんだ?#」

市「それが私にもわからないんです」

男「わからないって、自分のことだろ?」

市「そうなんですけど、本当に何にもわからないんですよ」

男「じゃあ、いつから人形の霊なんかやってるんだ?」

市「古くは奈良時代から霊やってます」

男「長っ!! ホントかよ!?」

市「ウソです。テヘッ☆」ペロッ

男「……さて、捨ててくるか#」

市「ごめんなさい! 正直に言います! だから捨てないで!」


31 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:12:21.77 ID:XB8nAD1m0
男「で、いつごろからなんだ?##」

市「すみません。それも本当に覚えてないんです」

市「というより、男さんと会う前のことは覚えてないんですよね」

男「本当に何も覚えてないのか?」

市「はい。全く……」


32 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:16:32.78 ID:XB8nAD1m0
市「もしかしたら前にも誰かに拾われてたのかもしれないですけど」

市「男さんに拾われる前のことは、本当に何も覚えてません」

男「…………」

市「わかってるのは呪いの事だけで、いつから人形の霊になったとか」

市「そもそもこの人形のことすらも、わからないんです」


33 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:20:06.03 ID:XB8nAD1m0
市「得体が知れなくて気持ち悪いですよね。すみません、あははは……」ポリポリ

男「別にそんなこと思ってねぇよ」

市「え?」

男「そんなに気にすんなよ。少し気になって聞いてみただけだから」

市「そうですか……」

男「ま〜、その、そりゃお前のその呪いは本当に面倒で大変だけどな」

市「うぅ……」

男「……でも、お前がいるおかげで楽しいから」ボソッ

市「えっ?///」


34 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:21:57.09 ID:XB8nAD1m0
市「お、男さん、今何て言いました?///」

男「……///」

市「すみません、よく聞こえなくて。もう一回だけ――」

男「あぁーもう! うっさい!///」

男「やっぱお前なんかなんかさっさと捨ててやる!///」

市「お、男さんのイジワル! 鬼! 悪魔将軍! 呪ってやるー!」


35 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:24:52.19 ID:XB8nAD1m0
男「呪ってやるって言われても、もう既に呪われてるんだけどな」

市「テヘッ☆」ペロッ

男「やっぱり燃やして供養してやる」

市「や、やめてー!」


36 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:26:56.70 ID:XB8nAD1m0
市も自分のことをよくわかってないらしい。
でも、呪いの話は本当だった。

俺が不運に遭うその度に人形の髪が伸びていく。
そして、市の髪の毛も日々伸びていく様を見ていると、

なんだか、市が生きている人間そのものにも見えた。


37 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:28:19.63 ID:JeEnCncu0
こういう雰囲気好きw


38 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:29:59.13 ID:PYH1hmFC0
▼某日/男宅/男の部屋

男「お前、だいぶ髪伸びたな」

市「そうですね。もう足元まで伸びてきてます」

市「手間もかからないので気にしてなかったですけど、改めて見るとさすがに長いですよね」

男「俺がこれだけ不幸な目にあってきたのかと実感はできるけどな」

市「す、すみません……」

男「冗談だよ」


39 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:35:01.22 ID:PYH1hmFC0
男「よかったら髪、切ってやろうか?」

市「え!?」

男「お前も人形も、そのままにしとくのはさすがに気が引けるからな」

市「でもその……、そんなこと出来るんですか?」

男「たまにだけど、節約で自分の髪も自分で切ってるし」

男「短くして切りそろえるくらいならできる……んじゃないかな。……たぶん」

市「やってもらっても……良いんですか?」

男「上手くできる保証は無いけど、それでもいいか?」

市「もちろんです! わぁーい! お願いします!」


40 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:39:45.96 ID:PYH1hmFC0
男「とは言ってみたものの、どうすればいいんだか」

市「そう言えばそうですよ。私には触れられませんし……」

男「ん〜……」

人形「   」

男(そういえばこの前、人形の服を脱がしたら市も脱げたことあったよな)

男(人形の髪が伸びれば市も伸びる……もしかして……)


41 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:44:16.22 ID:PYH1hmFC0
男「まさか……いやでも……」

市「どうしました?」

男「……やってみるか。えい」ジョキッ

市「なっ! 男さん!?」

男「お〜。やっぱりね。人形の髪を切れば、お前にも影響するみたいだ」

市「え!? あっ、ホントだ!」

男「なるほど。謎現象だが理屈はわかった」

男「じゃ、始めますか」


42 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:48:20.03 ID:CTk1YiQN0
人形に電マをセットして一日出かけたらどうなるんでしょう


43 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:49:29.10 ID:PYH1hmFC0
男「お客様。今日はどんな髪形にしますか?」

市「どどどどどんなのでもくぁwせdrftgyふじこlp;@」アセアセ

男「なに緊張してんだよ」

市「だだだって、こんなの初めてなんですから」アセアセ

男「どのくらいまで切ってほしいとか、何か要望はある?」

市「ありません! お任せします!」


44 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:53:33.98 ID:PYH1hmFC0
男「任せられてもなぁ。……よし決めた!」

市「モヒカンとか変な髪形にしないでくださいよ?」

男「……チッ」

市「今、舌打ちしましたね!? やろうとしてましたね!?」

男「してないしてない。大丈夫。任せとけって」

市(不安だなぁ……)

男「じゃあ始めるぞ?」

市「は、はい!」

チョキチョキチョキ……


45 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 16:57:49.75 ID:PYH1hmFC0
チョキチョキチョキ、チョキ

男「よし出来た。こんなもんだろ」

市「終わりました?」

男「終わった――って、なに目ぇ瞑ってんだよ」

市「だって、絶対モヒカンにされてますよ……」

男「バカ。してないから。早く鏡見てみろって」

市「うぅ〜……」チラッ

市「――――っ!?」


46 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 17:02:50.98 ID:PYH1hmFC0
市「ふわぁ……」サワサワ

男「肩ぐらいで切りそろえようと頑張ったんだけど、やっぱりあんまりウマくいかなかったよ。下手糞でゴメンな」

市「そんなことないです! スゴイです! 素敵な髪形じゃないですか!」

男「そっか。良かった」

市「はわわぁ〜……私すごく嬉しいです。ありがとうございます」ニコッ

男「(ドキッ///) ま、まぁ喜んでもらえて俺も嬉しいよ///」アセアセ

市「〜♪」ニコニコ

男(……今度、ヘアカタログでも買ってみるか)


48 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 17:07:35.38 ID:PYH1hmFC0
市「〜♪」ニコニコ

男「なぁ。いつまで鏡の前にいるんだ?」

市「え? だってカワイくなってスゴイ嬉しいんですもん」ニコニコ

男「喜んでくれるのはありがたいんだけど……」

市「あっ。まさか男さん、照れてるんですか?」

男「はぁ!?/// そんな訳ねぇだろ!///」

市「あはははっ。照れてる照れてるー! 男さんカワイ〜!」

男「――っのヤロっ! もういい! 夕飯作ってくる!///」ダッ

―タッタッタ

市「……男さん、本当にありがとうございます」


49 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 17:10:51.15 ID:XB8nAD1m0
▼夜/男宅

男「今日の夕飯はハンバーグです」

市「はぁ〜、いいなぁ〜」ウロウロ

男「では、いただきます」

市「おいしそうだなぁ〜。ハンバーグゥ〜」 ウロウロ


50 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 17:14:36.93 ID:XB8nAD1m0
男「……」 モグモグ モグモグ

市「そういえば、最近お供えもらってないなぁ〜」ウロウロ

市「いいなぁ〜。食べたいな〜」ウロウロ

市「誰かお供えしてくれないかな〜」チラッ ウロウロ

男「(ハァ……) わかったわかった。後でお供えしとくからウロウロすんな」

市「わぁーい! やったー! バンザーイ!」


51 名前: ◆j9t2MtZrb2 [] 投稿日:2013/03/27(水) 17:19:56.27 ID:XB8nAD1m0
男「ほら、お前の分だ」

市「わぁい! ありがとうございます!」





市「まぁ、お供えしてもらった所で食べれるワケじゃないんですけどね」

男「知ってるわ! だからやりたくなかったんだよ!」

市「なんせ私、呪われてますから……」シクシク

男「ごまかすな! 違うから!」



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