■戻る■ 下へ
意地悪なメイド
- 649 :【リムジン】 [sage]
:2008/01/17(木) 16:01:28.45 ID:VBlbUMAO
メ「リムジンっすよリムジン。ひゃっほーぃ!」
男「恥ずかしいから暴れんな。ったく、こんな車のどこがいいんだか」
メ「ひゃっほほ……うぷ」
男「酔うの早ぇよ?!」
メ「……私、乗り物とは絶望的に相性が悪……うぷ」
男「頼むから吐くなよ?」
メ「ぜ、善処しまひゅ」
男「しかし……どこにつれてかれるんだろうな、俺達」
メ「……いきなりでしたもんね」
男「朝起きたら車ん中で窓から外は見えないときた。何だこの電波少年展開」
メ「某Pがいたら確定っすね……うぷ」
男「いいから黙って寝とけ。……さて、何が待ってるやら」
- 844 :【続・リムジン もとい 妹嬢編】 [sage] :2008/02/26(火) 02:54:30.25 ID:YjW9LtQ0
メ「ふむ。さっきから坂道ばっか、今山の中なんですかね……うぷ。どこ向かってんだろ……おえ」
男「……」
メ「何すか、ずっと黙ったまんまで。何か喋ってくださ……んぷ」
男「お前は黙ってろ。言葉以外のものが出るだろ」
メ「はい、そうですね。そうします……もう遅いですけど。うぅ!!!」
[ピー]
男「……こいつ。っかし、山ん中、ね。まさか……」
男「けど、こんな大掛かりなことが出来るのは……ったく、今更何なんだよ」
メ「……」 ピクピクッ
ガチャ
黒服「到着しました」
メ「うむ。くうしゅーない」
男「ゲロ袋片手に偉そうにしてもかっこつかないぞ」
メ「デリカシーないね、君」
男「何様だよ、てめぇは。ったく……と、やっぱりか」
メ「あれ? 主様はここがどこか知ってるんで?」
男「知ってるも何もここは……」
『お帰りなさい! にいさん!』
メ「にいさん? 新井さんの新しい呼び方?」
男「それだと全国の新井さんが妹か弟持ちになっちゃうな。って違う……おい、やっぱりお前か、馬鹿妹」
妹嬢「はい、私です。ああ、会いたかった!」
がばっ
- 845 :【続・妹嬢編】 [sage] :2008/02/26(火) 02:55:04.76 ID:YjW9LtQ0
メ「……!?」
妹嬢「にいさん……ああ、にいさんだ……」
男「こーら、離れろ」
ぐいっ
男「いつまでも子供気分でいるなじゃない。本当昔っからお前は甘えすぎだっつの」
妹嬢「ふふ、すみません。つい嬉しくて……あら? そちらのかたは?」
メ「……主様のメイドですよーだ。ふん!」
妹嬢「メイ、ド? これが?」
男「メイド。これが」
妹嬢「随分と不遜な口をきくメイドですね……まぁいいです。それより兄さん、中へ。積もる話もありますから」
男「ああ、俺も今回なんでこんなことをしたか聞かせてもらうつもりだしな」
メ「では早速お宅拝見といきますかぁ〜」
ざざっ
メ「ってぬぉあ!? な、何ですかこのメイドウォールもとい人の壁は!? って、ちょ、ひっぱらないで!」
妹嬢「あなた、にいさんの付き人なんでしょう。だったらその子達と一緒に裏口から入りなさい。メイドが表から入れると思って?」
メ「そ、そうなんですか!?」
男「あーえっと……そういやば、そうだったかも」
メ「う、裏切り者おおおおおおお! ってあああ、ひっぱらないでえええええええぇぇぇぇぇ………………」
バタン!
男「あ、メイド!」
妹嬢「さ、いきましょ。にいさん」
男「お、おう。……大丈夫か、あいつ」
- 896 :【続々・妹嬢編】 [sage] :2008/03/04(火) 02:02:26.32 ID:Ngu3JIAO
男(……落ち着かない)
妹嬢「兄さんはお茶はこちらの種類がお好きでしたよね? すぐ淹れさせます」
男「あ、いや気遣いはいいから」
男(というか昔からこいつが勧めてきたのをただ飲んでただけだし……)
妹嬢「気遣いだなんてそんな……兄さんが相手なら当然です」
男「そんなもんかねぇ」
妹嬢「はい。ほら、早く用意してくださいな」
メイド長「ただいま」
男「あ、メイド長さん、お久しぶりです」
メイド長「……」
ぺこり
男(うっ……なんか昔より反応が冷たいような)
スッ……
メイド長「……どうぞ」
男「あ、はい、いただきます。……ぬ、なんかよくわからんけどうまい」
妹嬢「当然です。先方から無理を言って回していただいたグレードの……」
男「あ〜、お前の妄想蘊蓄はいいから」
妹嬢「そうですね。葉の話など今はどうでもいいんです」
……カチャ。
妹嬢「兄さん……」
男「おう」
妹嬢「兄さん」
男「おう」
妹嬢「ああ、にいさ……」
男「ってそんなに呼ばなくてもわかっとるわ! さっさと用件を言え!」
妹嬢「……用件?」
男「何不思議そうな顔してんだよ。何かあるからわざわざ俺を呼び戻したんだろ?」
妹嬢「……いいえ」
男「へ?」
妹嬢「用件なんてありません。兄さんは家に帰ってきた。ただそれだけの事じゃないですか」
男「はぁ? お前何言って……」
妹嬢「兄さんには今日からまたここで暮らしていただきます」
男「な、何ぃ?!」
- 897 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 02:22:16.47 ID:Ngu3JIAO
男「ちょ、ちょっと待て! なんでいきなりそうなる!」
妹嬢「理由を問いたいのは私の方です! 何故……何故家を出てしまったんですか」
男「そりゃ、その……」
妹嬢「理由がないならいいじゃないですか!」
男「が、学校はどうすんだよ!」
妹嬢「ここからでも通えます。不便な思いはさせません」
男「ぐ……で、でも、親父とか母さんは……」
妹嬢「お母様は……相変わらずのあれです」
男「ぅ……」
妹嬢「お父様については私が説き伏せます」
男「いや、それは多分……」
妹嬢「無理などとは仰らないですよね? そうだと言うならば理由を述べてください」
男「それ、は……」
『私もだよ……だから全部あげる』
『その代わりに……』
男「そ……れ、は」
妹嬢「言えないのならば構いませんね?」
男「……待て、待ってくれ! いきなりすぎる!」
妹嬢「いいえ、待ちません。理由がないのならば……」
男「だから!」
「きゃぁぁあああ!」
二人「「!?」」
- 898 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 02:35:32.87 ID:Ngu3JIAO
メ「動くな! 動いたらこいつがどうなるか!」
メイドA「いやぁ〜!」
メイドB「やめなさい! そんな非道な!」
メ「えぇい、だったらさっさと主様のところへ案内するんだな!」
メイドC「そ、それは……」
メ「だったらこいつの臓物(なかみ)をぶちまけるだけよ!」
メイドA「いやぁぁぁあああ!」
バタン!
メイド長「何事ですか」
メイドB「ああ、メイド長! それが、あの女が坊ちゃんのところへ案内しろと……」
メイド長「そんな主張、捨て置きさっさと拘束なさい。何を素人相手に手間取っているのです」
メイドC「それが……」
バタン!
男「一体何が! ってメイド、何やって……」
メ「あ、主様! 早くここから脱出しましょう、ここは悪魔の館です! 私がこいつを盾にしている間に早くこちらへ!」
男「い、いや、遠慮するわ」
メ「ホワイ?! この状況で何を言ってるんですか! さぁ!」
男「だってお前……ゲロ袋片手にしてる奴の近くは……」
メ「何を悠長なことを!」
ザッ……
メ「そこ! 動かない! 動いたらこいつをここの高そうな食器やらにぶちまけますよ!」
メイドA「ひぃぃ……!! やめてぇ!」
男「……なんちゅう斬新なテロリズム」
- 899 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 02:48:32.38 ID:Ngu3JIAO
男「まぁでも脱出するのは同意してやる。だから絶対ぶちまけるなよ? な?」
メ「それは私にやれという振りですか?」
男「そんな若手芸人ですらやらないような身の削り方してたまるか! いいからほら、出るぞ」
メ「サー、イエスサー!」
妹嬢「待ちなさい!」
メ「あ、さっきの……」
妹嬢「そんなこと、絶対に許しません。何があったってさせるもんですか」
男「おい。お前、いい加減に……」
妹嬢「メイド長」
メイド長「はい」
妹嬢「兄さんは私の部屋へ、不届き者は地下へ。いいですね?」
メイド長「……かしこまりました」
メ「へん! 何かよくわかんないけどそっちが動こうもんならこの……」
カツン……
メ「……あれ? 袋がない?」
メイド長「これですか?」
メ「な?! いつの間に!」
メイド長「……おやすみなさい」
メ「へ?」
ドスっ
メ「ぶっ!?」
ずるり……ドサッ
男「メイド?! ちょ、何す……」
トスっ
男「ぁぐ……」
ドサリ……
- 900 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 02:53:22.46 ID:Ngu3JIAO
メイド長「終わりました。あなた達」
メイド's「「「は、はい!」」」
メイド長「先程お嬢様が仰ったように運びなさい。坊ちゃんは丁寧に」
メイドC「こいつは……?」
メイド長「……あの部屋の近くに使ってない部屋があるでしょう。放り込んでおきなさい」
メイドA「よろしいので?」
メイド長「……まぁ大丈夫でしょう。では各自準備を」
メイド's「「「イエスマム!」」」
ざっざっ……
メイド長「これでよろしかったですか?」
妹嬢「ええ。さすがね」
メイド長「いえ……」
妹嬢「では私は雑務を終えてから向かいますのでくれぐれも兄さんに粗相のないよう」
メイド長「かしこまりました……」
バタン
妹嬢「ふふ。今は兄さんも混乱しているだけ……」
妹嬢「すぐに前のような生活に戻れるはず! ああ、楽しみですっ」
- 901 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 03:01:59.84 ID:Ngu3JIAO
男「う、うぅん……は! メイド、メイド!」
メイド長「お呼びですか?」
男「あ、メイド長さん! うちのバカがどこにいるか知りませんか!?」
メイド長「存じておりません」
男「でもバカ妹が地下って言ってたし……地下なんだな!」
メイド長「……」
男「ああもう! だったらとりあえず通してください!」
メイド長「お断りします」
男「うん、ありが……って何でよ?!」
メイド長「お嬢様の言い付けですので。ここでお待ちください」
男「だったらあいつの兄貴の俺が命令する! どいてくれ」
メイド長「お断りします」
男「よし、ありが……ってだからなんでよ?!」
メイド長「私の仕える相手はお嬢様だけですから」
男「く、ぅ〜……この石頭! だったら実力で通るまで! うおおおお!」
メイド長「……」
ガチャ
妹嬢「今戻りました。兄さんは?」
メイド長「大人しくされていましたよ」
男「……」
ピクピク……
- 902 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 03:02:10.99 ID:9iepu42o
妹嬢、貴様もヤンデレかぁぁぁぁぁぁ!!!
- 903 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 03:26:58.83 ID:Ngu3JIAO
ぴちょん……
メ「ん……」
ぴちょん……
メ「むにゃむにゃ……紫もやしだなんてとんでもない」
ぴちょん!!
メ「……は! な、なんかやたら水滴が強いような」
メ「って、こんなことしてる場合じゃ! えっとここは……」
メ「なんか地下って言ってたような……ふむ、確かに暗い。それにやたら寒いし」
メ「出口は……まあ当然鍵がかかってると。内側から開かないとはまた手の込んだ……」
メ「閂、ですかね。それとも錠前? どちらにせよここは絶望的かな」
メ「なら通気孔は……ってさすがに留め具がしっかりしてる」
メ「道具なしじゃ絶望的ですね。こういう時ヘアピンとかしない自分が恨めしい。とはいえ……」
メ「してたらしてたで没収されてたでしょうし。でも……んしょ」
ふぁさ……
メ「……ここにきて主様の趣味のガーターが役立つとは……留め金を、と」
ぷちっ
メ「さて……ここからが持久戦、と」
カチャカチャ……
- 904 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/04(火) 03:38:36.07 ID:Ngu3JIAO
ガチャン
メ「よし。ではリアルスニーキングミッションスタート」
メ「うは、みなぎってきた!」
むぎゅ
メ「ぬ……? なんか胸がつかえて……ぐ、ぬぬ!」
メ「なんか世界中の貧乳の人々から一身に恨みを受けてる感じ!」
メ「……って言ってる場合じゃないか。まぁ進めないわけじゃないし、頑張りますか」
ずる、ずる……
メ「……ふぅ、ふぅ。さすがに、つらい……」
メ「ん? 光? ……さて、どこの部屋かな。とりあえず降りますか」
どさっ
メ「ふぎゃ?! いたたた。……廊下、かな。うん」
メ「周りは……よし、気配はなし」
メ「さて、早速主様を探しに……」
ゾクッ!
メ「な、何? なんか今この部屋から異様な雰囲気が……」
メ「って何この部屋……やたら厳重そうな作りの扉にパスワード付きとか……」
メ「……てりゃ」
ピピッ
メ「?! あ、開いた? ……適当に主様の誕生日入れて当たりとは」
メ「開けるつもりなかったのにスイッチとか見ちゃうとついやってしまう衝動で!」
メ「まぁせっかく開いたんだし。なんか怖いけどちょっとだけ見てみよ。ちょっとだけ……」
プシュー……
メ「え……これ、は?」
- 912 :【続々々・妹嬢編】 [sage] :2008/03/05(水) 05:59:30.85 ID:3co6B6A0
男「……ゆっくり、いくからな」
妹嬢「はい、いつでも……」
男「……っ、く」
妹嬢「ああああ、に、兄さん!」
男「大丈夫、大丈夫だから」
妹嬢「ぁ、兄さん……うまいです、あ、すごい……」
男「もうちょい、我慢してくれな」
妹嬢「はい……私、兄さんに全てお任せしますから」
男「じゃ、後は一気に……いくぞ……!」
妹嬢「〜〜……っっ!」
メイド長(何て卑猥に聞こえるジェンガなんでしょうか)
男「っしゃああ! 次お前の番なー!」
妹嬢「はふぅ、相手の番でも疲れますね、これ」
男「まぁな。あと息止めててくれてありがとよ」
妹嬢「いえ、それ自体は本気を出せば全くしなくてもしばらく保ちますし」
男「はいはい、脳内設定はおいといて次やれよー」
妹「はい、わかりました」
男(……っかし、何をするかと思えばさっきからゲームばっか)
男(別に悪意がないのは分かってるけど……やっぱ、いつもの家のが落ち着くしな)
男(何とか脱出して帰らないと……)
妹嬢「はい! 兄さんの番ですよ!」
男「あ、おう……って何ぃ!? 何でこの状態でも立ってんだよ! ありえねぇだろ!」
妹嬢「そうですか? 力学的に計算すれば後数手はもちますが」
男「……お前が力学とか言うと違和感しかないわ」
妹嬢「そうですか? 博士号も取得しているのですが……」
男「んなのどうでもいいっての! くっそー! 絶対かってやる!」
妹嬢「ふふ」
男「俺が勝ったら何でも言うこときく、って約束忘れんなよ!」
妹嬢「兄さんこそ」
男「ったりめぇだ! 絶対勝つったら勝つ!」
男(……だからお前も負けんなよ、メイド!)
- 919 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:21:31.67 ID:LxR6dHQ0
?「すぅ……すぅ……」
メ「おん、なのひと? え、何ここ……」
ぴくっ
メ「おわ、う、動いた? ……あの〜、もしも〜し」
?「……くんくん」
メ「ちょっとお尋ねしたいことが……って何聞けばいいのやら。やっぱりその無駄についた胸のお肉についてとかですかね?」
がばっ
メ「ひ!?」
どさっ
メ「ちょ、ちょと待ってください! 軽いジョークですよ、ジョーク! 無駄じゃないってことで! うわーお見事な乳牛!」
?「うしさん? ……おいしそう」
メ「!? ま、ままま待ってください! 何で私みながらその台詞なんですか! 落ち着いて! さぁ深呼吸!!」
?「すぅ〜、はぁー……あれ?」
ずいっ
?「くんくん」
メ「!? ま、まって! 食べないでー! いやー、まだ死にたくないー! 来期のマクロスフロンティア見るまではああああ!!」
?「……んだ」
メ「へ?」
?「おとちゃんの匂いだ! あはは、おとちゃ〜ん!」
メ「ちょ、ま、抱きつかな……あ、あひゃひゃひゃ! く、くすぐった……ひいいい!!」
?「えへへー。おとちゃーん」
メ「にゃああああああああああ!!」
- 920 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:22:01.15 ID:LxR6dHQ0
メ「はぁ、はぁ……話は分かりました。が、私はおとちゃんなる人物ではありません」
姉「うん、おとちゃんの匂いはするけど、おとちゃんじゃないよね」
メ「そりゃそうです。お話を聞くに弟さんって事ですしね。こんな可愛い私が男の子のはずなんてない!」
姉「そうだねー、さっき触ったとき[ズキューン]ついてなかったもんね」
メ「ぶふっ!? なかなかに直球勝負ですね……」
姉「?」
メ「まぁいいや。とにかく、あなたがここに閉じ込められているのはよくわかりました」
姉「え? 違うよ?」
メ「は? いやだって、ここの部屋に2年近くいたってさっき……」
姉「そうだよ」
メ「で、私ここ入るとき、やたら厳重なロック……でもなかった気がしますが、扉には鍵がありましたし、閉じ込められてたのでは?」
姉「ううん。出なかっただけ。出ようと思えば出られたし」
メ「はぁ……まぁそうですよね。このご時勢に監禁なんて犯罪ですし」
姉「でも、約束守ってくれたんだ……おとちゃん」
メ「約束?」
姉「うん。いつか迎えにいくよって。だから待ってたの」
メ「ふむ。事情はわかりました。が、実は私今非常に困っていまして。出来れば力を貸してはいただけませんか?」
姉「何なに?」
メ「はい……私、見ての通りのメイドです。しかし、仕える主様を奪われてしまったのです」
姉「それは大変だねぇ」
メ「ええ、私の生活の全てといっても過言ではないような方でした。あの方がいないと私は生きていけません」
メ「なので、恐らく私よりもこの屋敷の地理に詳しそうなあなたに是非力を貸していただき、主様を取り戻したいのです」
姉「いいよ」
メ「あっさり!?」
姉「だってメイドさんは、私におとちゃんがかえってきてくれたこと、教えにきてくれたんだもんね」
メ「え? あー……はい、そうです」
姉「だったらいいよ。でもおとちゃんが帰ってるならいもちゃん、私に教えてくれてもいいのに……」
メ「ではこれよりしばしの間、よろしくお願いします」
姉「はぁい」
メ「では早速ここから出ないと……」
ガチャガチャ
メ「む? ロックされてる? ……あの、ここってどうやってあけるんですか?」
姉「そこは一度閉めると外からしか開けられないよ」
メ「ほう、なるほ……何ぃ!? 私閉じ込められてるーーーー!?」
- 921 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:22:28.77 ID:LxR6dHQ0
姉「あははー、籠の中の鳥さんだねー」
メ「何笑ってんすか! やっぱ閉じ込められてるじゃん! 嘘つきー! 出られるって言ったくせにぃぃ!」
姉「む、嘘なんてついてないよー」
メ「じゃあ開けてみてくださいよ! どうやってこの分厚そうな鋼鉄の扉を……」
ドンッッッ!!!!!
メ「……え?」
ズシィィィイイイイン………
メ「あ、え……へ?」
姉「ね? 嘘じゃないでしょ。さ、れっつごー! おとちゃんは……くんくん……上だね」
メ(……わ、私、夢でも見てるんですか? そう、これは夢で、実は起きたらいつものようにパソコンの前で)
姉「何してるのー? おいてくよー!」
メ「は! い、今いきます!」
むぎゅ
メ「痛ひ……夢、じゃない」
メ「だったら……今は、行くっきゃない! 退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!」
- 922 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:34:41.47 ID:LxR6dHQ0
ズゥゥ………ン
男「ん? 地震?」
妹嬢「大丈夫ですよ。ここは地震の影響などこないように設計されています」
男「はいはい、脳内乙。それよりも妹さん?」
妹嬢「何です?」
男「いつまでこの体勢なのでしょうか?」
妹嬢「まだです。満足するまでが期間だと先ほどゲームの罰として決めたはずですが?」
男「あー、うん。いやまぁそうなんだけど……何か変な気分だぞ。妹に膝枕するとか」
妹嬢「……ドキドキします?」
男「いや、全く」
妹嬢「むぅ」
男「そういうんじゃなくて、何か兄妹ですることじゃないなぁっていうか……」
妹嬢「じゃあ何だったらしていいんですか?」
男「例えば……やっぱ恋人同士とかだろ」
妹嬢「だったら問題ないです。……ふふ」
男「何言ってんだお前。会話がかみ合ってないぞ。全く、しばらく会わない間に少しは成長してるかと思いきや」
妹嬢「し、仕方ないじゃないですか! 私だって胸が小さいのは気にしてるんです! 努力してるんです!」
男「誰がいつ胸の話をしたよ、ったく」
スッ
メイド長「お楽しみのところ申し訳ありません」
男「いや、俺は何も楽しくないんですが」
メイド長「お嬢様、緊急事態です」
男「あ、俺はスルーなんですね、そうですね」
妹嬢「何です?」
メイド長「……それは、その」
男「ん? 何すか?」
妹嬢「……兄さん、すみません。少々席を外します」
男「お、おう」
妹嬢「ここでゆっくりしておいてくださいね。では後ほど……」
バタン
男「いったか。……さて、メイド長さんも今はいない、と」
男「うし。いっちょやってみっか」
次へ 戻る 上へ