■戻る■ 下へ

意地悪なメイド4
787 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:20:02.06 ID:n1jpEgob0

「謹んで、拝命いたします」

「……あなたであれば、或いは私より至妙に、彼の者達を説き付けるやもしれませんね」

浮かべる笑みは、信頼の証か。
こうして決まった流れに、もはや止める術などない。
そう思っていたが……。

「殿下、改めて反対させていただきます」

告げるのは指揮官たる少佐殿。

「何故でしょう?」

「確かに殿下を危険から遠ざけることはできるだろう。しかし、説得が成功しなければどうだ」

無論、俺達だってそのリスクはわかっているつもりだ。

「次善策となるのは強行突破だが、この状況下だ。包囲網の突破は難しくなるだろう」

「……」

「今最も避けるべきは戦力の分散だ。更に、我々の利点が弱くなることもある」

利点は将軍の搭乗機を露見させないことで、敵機の攻撃をためらわせる隠れ蓑。
それが説得に向かった機体と真実味を演出するために随伴する護衛機分、的を絞りやすくなると少佐は言う。

「加えて言うなら、殿下が偽者と発覚した際の敵の反応は予測不能だ。だが君達の忠義とやらを鑑みるに凄まじい怒りを買うだろうな」

なるほど。彼らの任務はあくまで殿下を無事に送り届けること。これ以上の流血を止められるのは最善だが、成功の確率という点では最大ではない。
理詰めで固められる部分は可能な限り固める。そのための全戦力を集中しての中央突破を少佐は提唱するのだ。

「数字の上で考えれば、確かにそうですね」

それに食いついたのは侍従長さんだ。だが、その言葉は殿下への庇護のように感情が見えるような言い方ではない。

「少佐の意見に異を唱えたわけではありません。むしろ、訓練兵を使うことで作戦の成功率を引き上げることが可能ではないかと考えます」

「ふむ。かまわん、続けろ、中尉」

「は。――まず、この訓練兵が決起部隊の説得に成功するならばそれで良し」

「その通り」

……侍従長さん。いいんちょのこと、訓練兵って呼んだな。
少佐に陰陽だとかそういった裏の部分を勘ぐられたくないからか。確かに、わからない話じゃない。

「説得に失敗した場合でも、この者に注意をひきつける事で、殿下をお乗せした機体の脱出を、より容易にすることができます」

――待て、それはつまり、

「その理由は、決起部隊の目的が我々の殲滅ではなく殿下だからです。逃げるものは追わないでしょう……その余裕もないはずです」

説得に失敗した場合、身代わりになるいいんちょは見捨てていくってことだろ。

「ふむ……」

「仮にこの者が決起軍に拘束されたとしても、替え玉であると気づく頃には、殿下の意思は基地に到着しております」

そんな選択肢が……天元山の人々を切り捨てたのと同じように、俺はできるのか?
殿下にトリアゾラムを打てなかった俺に、それが……。
オルタネイティブW完遂のために、目的を達成するために、それができるのか!?

「ひとつ訊くが。今のプランは殿下のお望みとはだいぶかけ離れているが、近衛軍としては構わないと?」

「この状況下で全隊無事に帰還できる可能性は、如何なる作戦においても大差ないものと考えます」

殿下のご提案はそれと同じこと。説得が成功しても、決起したものはいずれ処刑される。殿下も、それを踏まえたうえで先の決断をされたのだ。
軍事裁判での不名誉な死を遂げるより、殿下に直接手をかけてもらえるほうが、大尉達にとってはいいことなんだろう。
本人達に聞いたわけじゃないが、そういった想いを酌んで決断できる。それが、この世界の、日本人のあり方なのだ。
死ぬことが問題なんじゃない。そこに自分の意思があるかどうかなのだ。俺がいまだに到達できていない、信念や立脚点のあり方……。


788 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:20:39.22 ID:n1jpEgob0
「殿下……そこまで」

「己が未熟、恥じ入るばかりです」

初めて、そこまでの意思の在り方に触れ、理解に近づいた少佐はどう思っているのだろう。
俺に近い立ち位置のはずの、この人は……。

「少佐は何か勘違いされておられるようですが、我々近衛が最たる護りを行うは殿下の望みではなく御身」

その判断基準において、少佐の作戦よりも殿下の身の安全が高いと彼女は思ったのだ。
そう、訓練兵である、いいんちょの策が。

「なるほど。これまでの注意の言動が感情に支配されたものではなかったという事は、私にとって良いニュースだ」

「では少佐、作戦を以下がなさいますか」

大人の会話ってやつか。
二人には笑顔はないが、そのやり取りには意地の悪い笑いが含まれているように感じる。
流れは決まったのだ。

「うむ――」

この世界は状況が変わってきている。それは間違いなく、俺の手によってもたらされたものだ。
責任を取るとか、そういうことじゃないけど、俺がこの状況に対して、何かを働きかけなきゃいけない。
そう強く思う。殿下が、委員長がそうしたように。それが、この状況を生み出した一端である俺の気持ち。
何かを言うならば今だ、そしてそれは俺自身が言葉にしなけりゃいけないんだ。
この作戦に俺は……委員長の提案を推すべきだと、現状の最良であると判断する。
ここで大尉達が投降すれば全てが終わる。これ以上、人間同士が無駄な血を流さないでいい可能性をはらんでいるのはこの可能性だけなんだ。
オルタネイティブX発動まで時間のない今、それを目指すことが俺の最善。
それが今、俺がなすべきことなんだ。
勿論、委員長が犠牲になってしまう事が引っかからないわけじゃない。
次に流れる血がいいんちょのものになるかもしれないんだ。本当なら、止めてやりたい。
でも、あいつが将軍の影としての生を受け、宿命を精一杯受け止め、本来なら外れてしまった役目を今、全うできる機会が来ている。
それは義務だからとか、在り方だからって決め付けだけじゃなく、本当に想っている相手のために自分だけが出来ること。それを否定なんかできない。
俺の常識や感覚だけで、違う世界の考え方で引き止めるのはあいつの全てを認めてやれないのと同じだ。
ここでいいんちょを行かせてやらなければ、それはもう死ぬことと同じなんだ。
だから、俺に出来ることを考えるならば必然的にどうすればいいんちょを護れるか。そこに至る。
仮に説得が失敗しても、正体がばれることはまずない。外見が似てるとかじゃなく、身体そのものは殿下なんだから。
本来、そんな不徳は許されないだろうが、有事の際を考えて、いいんちょは造られた。ならば、今が有事、使わぬ手はない。
そんなあらゆる常識から外れた作戦を相手が早々に看破できるわけがない。人間の中身を疑うことを、本物だって証明する手段がどこにあるっていうんだ。
それに、元の世界でも超然としたその態度がこういった高貴な生まれからくるものなのだと今更ながらに感じてくる。
こいつは偽者なんじゃなく、ただ将軍じゃないだけなんだ。
だったら……どちらも護らなきゃいけない!

「――少佐! 発言を許可してください!!」

一同が何事かと俺を見据える中、さすがの少佐もため息をもらす。

「全く……国連の訓練兵は次から次へと」

「男、控えていろ!!」

当然のようにメイド長さんからお叱りがくるがここで止まってなんかいられない。

「――はッ! ご許可を頂きありがとうございます!!」

「――なっ、貴様!?」

無理を通せば道理は引っ込む!

「私は先程の替え玉作戦に志願致します!!」

「「「――!!?」」」

誰もが予想しなかった訓練兵の志願。
当然、今回の作戦に抜擢されるのは近衛の人間だとばかり、周りは思っていただろうから仕方ない。
けど、今黙ってたら俺は流れをつかめなくなる。いいんちょを、護れなくなる!
お互いに生きて、大切なものを護るために……行くんだ。
人類が悲しい結末を迎えることのない未来のために、お前の力は絶対必要なんだ。


789 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:21:07.81 ID:n1jpEgob0
「男――いい加減に」

もはや怒気を越え、殺気すら感じる気がするメイド長さんの声。
だが、それに屈する前に、意外なところから助け舟が出る。

「待て、軍曹」

「少佐!?」

「あの訓練兵……多少気になっていたのでな。理由を言ってみろ」

まさか、指揮官自らが……いや、ありがたい。
利用できるものは利用させてもらう。

「は! まず如何に殿下が衛士技能を修得されているとはいえ、自ら戦術機で説得に向かわれるのは状況からいって不自然です!」

殿下自らが決起部隊を討つ必要がなくなった以上、武御雷はいらない。
それに、下手にいいんちょに任せても同じことをしかねない。

「待ちなさい、男、貴方まで……!」

思いも拠らなかったのだろう。ここに来て事態を飲み込めてきたのか、慌てて声を上げる委員長。
だが、それを止めたのは少佐殿。さすがにここでは素直に引き下がるが、あの様子じゃ殿下の変わりに決起部隊を誅するつもりだったみたいだ。
悪いが、それはさせられない。

「続けます。決起部隊に安心感を与える意味でも、これまで通り、私の機に替え玉を同乗させ、説得に向かうべきです」

「………」

だんまりしちゃいるが、視線でものすごい文句を言ってきてるのが分かる。
いいんちょは割と目で語るタイプなのである。
余談だったな。理由を述べないと。

「これまでの移動隊形から、私の機がマークされている可能性が高く、説得の際、真実味を付加できます」

更に、説得が失敗した場合のあらゆる可能性を考慮すれば殿下の護衛には正規兵をより多く配するべきであり、訓練兵を捨て駒にするのは理にかなっている。
俺の強化服が国連正規兵のものであることも、有利に働きかけてくる。ダメ押しにしておくなら、元より簡易ベルトなどが敷設されているので即時対応が可能な点もある。

「ふむ。理は確かにある。……その上で、訓練兵。他に言いたいことがあれば訊いておこう」

どうやら興味が引けたようだ。
俺が言いたいこと、言わなきゃならないこと。この戦場で感じたことを、伝えるんだ!

「決起した者達の、国民や殿下への思いは恐らく本物でしょう。戦いが本位でないというのも理解できます」

そうだ。そこには俺も共感できる。でも、彼等はやり方を間違えたんだ。そこだけは絶対、認めちゃいけない。流れた血は戻らないんだ。
でも、多くの日本人がその行為自体を拒絶したとしても志には共感してしまう。国連軍の衛士である俺でも、その前に日本人である以上、分かるんだ。
そういう意味では既に彼等の目論見の半分は達成されているのかもしれないだろう。今、この場だけがうまくいったってダメなんだ。
殿下の脱出がうまくいったとして、武力鎮圧すればいずれ同じことが繰り返される。
ただでさえ良く思われていない米軍の力がそこに加わることで、彼等の志は人々の心の中により深く刻み込まれてしまう。

「先程、少佐はBETAとの戦いのさなかに人間同心の争いを招いた日本を愚かだと仰いました。でも、日本は最前線なんです」

そう、BETAとの戦いの最前線として国民は常に不安におびえ、身も心も追い詰められている。
暴走一歩手前のこの国を、心を支えているのが殿下の存在なんだ。
その殿下が義憤に駆られ起った者達から逃げ回り、あげく米国と協力して不名誉な死に追いやったとなればその先は血みどろだ。
近い将来、志を継ぐものが現れ、今回以上に周到な準備を以てことを起こすだろう。そうなれば当然また米軍が動く。
結果として、今まで以上の災厄が降りかかることになるんだ。だからどうしても今回のことで将軍への信用を失墜させちゃいけない。
極東絶対防衛線が崩壊して、人類の滅亡が始まってしまうかもしれない。いや、すでに始まっている!
日本という防波堤がなくなれば、いまだ無傷である米国本土までは海しかない。
そうなれば……もっと、もっと多くの地が流れる!
そして、地球を見捨てて別の星に逃げるんだ! 無事にたどり着けるかわからない、そんな旅路に……!!


790 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:22:03.69 ID:n1jpEgob0
「俺は、俺は絶対そんなことさせない! させたくないんです!!」

「……」

「説得に成功すればここで全てが終わりますっ! お願いです、いかせてください!!」

もはやどこからが俺の言葉で、気持ちだったか。
少なくとも、言っちゃいけない言葉以外は全て出てしまったように思う。

「――よせ男っ! 何を取り乱している!」

だからか。メイド長さんの叱責で我に返れば、少佐の目の前まで詰め寄っていた。
慌てて距離をとり、謝罪する。ダメだ俺、何を感情的になって……。

「お願いします、少佐……私の機だけであれば、万が一の場合の犠牲も最小限ですみます」

だから、頼む。俺を、俺をいかせてくれ!!

「お願い、します……」

「言いたいことは終わりか?」

「……は」

そうして、頭の上からかけられる声は落ち着いたものだ。
ダメ、か。途中から理由じゃなくて気持ちばかりが先走っちまった。
これじゃあ、当然……。

「訓練兵、一つ聞くが。確か貴様は、私の命令を実行するのをためらったな?」

「そ、それは……は、い。申し訳ありませんでした!!」

「貴様が指揮官だったとして、このような重要な任務を、命令の実行をためらうような兵士に任せるか?」

トリアゾラムの件か。くそ、ここにきてそれが響いてきやがるなんて!

「……いいえ、任せません」

「では、それが分かっていながら、何故志願した?」

ここまできた以上、取り繕ったって仕方ない。
正直にいこう。

「は。先程までの私は……情けないことですが、自分が直接手をくだすということにおびえていました」

『自分が関与することで人が助かるのは良しで、ひとりでも死人が出ることは許さない、などと仰るのではありませんよね』

いつだったか、妹からそういわれたことがあったっけ。
あいつの言う通りだ。ネガティブな結果が出ることに直接関与するのが怖かったんだ。

「殿下ご自身にも、少佐の命令に従えと仰せつかったにもかかわらず、です」

「殿下が?」

初耳だったのか、少佐の声に驚きが混じる。

「………」

それに対して、殿下が何かを仰るわけではない。
けれど、少佐からすればそれを信じるに値するだけ、殿下の強さは伝わっているんだろう。

「そのあと、大気中に色々と考えました。私はこの国が長くないせいもあって、今回の騒乱をどこか引いた目で見ていました」

国、としてよりも『世界』が違う。違う世界の日本人だから、だ。

「正直に言えば自分の『目標』達成の邪魔をするな、という考えでもありました。少佐の仰るようにこの大事な時期に人間同士下らない、と蔑みました」

それは俺が体験してきた人類の敗北を思ってのこと。

「ですがこの作戦の間に、色々な立場の人たちの考えや意見に触れて、どうすればいいか、わからなくなりました」

国連、米国。米軍に近衛軍。俺達小隊とその関係者達。友女大尉、少佐殿、侍従長中尉、そして殿下。

「全ての言い分は理解できる。けれど、それを自分の中でどう処理すればいいかわからない。私自身の『信念』や『立脚点』が明確ではなかったのです」

「………」

「自分の『目標』やそれを達成しなければという『使命感』や焦りばかりが先走り、肝心の土台がスカスカだったんです」

だけど。


791 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:23:11.14 ID:n1jpEgob0
「ですが、ここに来てハッキリと分かったことがあります」

たった今、それを殿下と委員長から教えられたんだ。

「『信念』や『立脚点』とは違いますが……自分が日本人だということです」

『元の世界』と『この世界』……そして悲しい結末を迎えてしまった『前のこの世界』の。

「自分が日本人であることを自己認識できれば後はそれを軸に『目標』を達成する方法を考えて物事を決断すればいい」

3つの世界の日本人として、俺にしかできないことをやり遂げる。

「そしてその決断に従い、自ら状況に関与することを厭わないで、出た結果に責任を持つ」

全てをすくっていけないのなら、こぼれおちるものに対して、こぼすなりの筋を通す。
ただ切り捨てていくようなオルタネイティブXと同じになってはいけない。それが、

「今の俺にとっての答えです。……そこまでしか分かっていませんが、その上で志願しました――以上です」


792 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/08/16(火) 01:24:32.33 ID:n1jpEgob0

一瞬の静寂。そして、少佐から質問がくる、

「ひとつ訊くが、貴様の『目標』とは何だ?」

「人類の勝利です」

はじめから何一つ揺らがない。変わることのない、唯一のもの。

「………」

そんなありきたりな言葉は現場の最高責任者には絵空事にしか聞こえないかもしれない。
けれど俺にとってはそれは全てを賭けるに値することのひとつなんだ。

「まさかとは思うが……贖罪のための志願ではないだろうな」

贖罪? もしかして命令違反のことか?

「いえ。自分が為すべき事を行うためです」

殿下の脱出の成功率、事件の解決の可能性、殿下の決起部隊への想い、そして委員長の願い。
これだけ多くのものを叶えられる可能性を秘めた選択肢だから、選んだんだ。
だから――頼む、少佐!!

「……実戦が訓練兵を鍛え上げた……ということなのか」

……えっ?

「貴様の考えはよくわかった。だが吹雪≪TYPE97≫が単機で向かうというのはいかにも不自然だな」

……それ、って。

「近衛の直援は真実味の上でも必要であろうな……でありましょう、少佐」

侍従長さん!! そうか。この人は最初から、いいんちょと一緒に行くつもりだったんだ。
そうだよな……今までだって目にかけてたんだ、ひとりでいかせるわけないよな。

「貴様達のプランを採用する。替え玉は男機に搭乗、直援は侍従長機とする」

「「「了解!」」」

俺といいんちょ、そして侍従長さんの声が重なる。

「殿下、御裁可いただけますか」

「はい」

こうして全て決まった。決まれば後は早い。少佐による指揮のもと、着々と準備は進む。
最後のミーティングのあと、メイド長さんと目が合う。かなりのご立腹だ。そりゃそうか。部下があんな暴走すりゃ、上官形無しだもんな。

「男」

「あ、メイ……教官殿。その、すみません、俺」

「――ふぅ。今は作戦を成功させることだけを考えろ」

「了解!」

「帰ったらきっちりと指導してやる。泣いたり笑ったりできないくらいにな。覚悟しておけ」

「――はい!」

彼女なりの激励を受け取り、俺は進む。ふと、視線を感じて振り返れば、侍従長さんが居る。

「あの、何か?」

「――殿下はお話になられたのか?」

「え、っと?」

二人の関係のことか?

「いや、いい。委員長様を頼む」

「はい!」

そんなやり取りを終え、それぞれの配置へと俺達は動き出す。
これ以上の血を流させないために。ここで終わらせるために――。


―― to be continued...



次へ 上へ 戻る