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新ジャンル「意識するほど鉄壁」
125 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 18:52:51.84 ID:vcGDDqQT0
女「男くんっ! おはようっ!」
男「おっ、おはよう。 いい天気だな。」
女「…男くん、どうしたの? 顔…赤いよ? 熱でもあるの?」
男「そっ、そんなことはないぞう。 俺はいたって、平気だ。」
女「そ、そう…。 その…ずっと、私の方見てるけど…。 な、なんか変かな?」
男「い、いや。 なんでも…ない。」
女「そう…。」
男「……。」
女「……。」

女(な、なんかこっちずっと見られてるとどきどきしてきちゃって…。 うぅ…意識しちゃダメなのに…っ!!)


男(……西洋鎧っ! プレートアーマー、チェインメイル、その下にはチュニック…っ! や、やっぱり西洋鎧が…。)


127 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 19:32:41.51 ID:vcGDDqQT0
女友「男君、ちょっといい?」
男「なんだよ。」
女友「ここのところ、落ち着かないって顔してるわよね。」
男「う…、うるさいな。」
女友「女の気持ちはもう知ってんだしさ。 あとは、あんたがちゃんと答え出さないと。」
男「わかってるよ、そのくらい。 ただ…。」
女友「ただ、なによ。」
男「あいつが鎧状態になってるって事はだな。 俺の事意識してるわけだろ?」
女友「そうね。」
男「それが、如実に目に見えてくるってのがさ…。 俺の方まで意識しちまって、その…なんというか…。」


男「あいつ見てると、俺の方までガチガチしてきちゃうんだよ…。」


130 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 20:19:56.60 ID:vcGDDqQT0
男(ったく…、女友の奴…。 人が真面目に話したのに、思い切り笑いやがって…。)
男(だけど…どうしたらいいんだろうかなぁ…。)
男(女の事が、好きか嫌いかって言われたら、そりゃ嫌いじゃないけど…好きって言うのがなぁ…。)

女「男くんっ! おーいっ!」
男「おお゛っ!?」
女「ぼーっとして、どうしたの?」
男「い、いや? どうもしてないけど? そっ、それより、なんか用か?」
女「えっ? えーっと…その…、男くんが帰るなら、一緒にその…どうかなーって…。」

女(言えた! 言えたよっ! 男くんと一緒に帰りたいって! だめだめ、返事ももらえてないのに、もう意識して来ちゃって…っ!!)


男(女が鎧状態って事は、純粋な好意で俺と一緒に帰りたいって、うああもう、俺まで意識してきちゃって…っ!!)


131 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 20:27:31.24 ID:vcGDDqQT0
男「……。」
女「……。」
男「……。」
女「……。」
男「……あのさ。」
女「……あのね。」
男「お、おう。 なんだ?」
女「な、なにっ?」
男「…お、女からどうぞ。」
女「男くんこそっ。 どうぞどうぞ。」
男「……。」
女「……。」
男「な、なんか喉乾いたから、そこの公園でじゅ、ジュースでも飲むかっ?」
女「え、う…うんっ。」


男(こ、こんな事言いたいんじゃないんだよ。 ああ、なんか言葉が全然出てこないっていうか…っくそう…。)


132 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 20:34:42.18 ID:vcGDDqQT0
男「女。 コーラでいいか?」
女「えっと…う、うんっ。」
男「じゃ、じゃあ。 あっ……。」
女「…どうしたの?」
男「ごめんっ! 今、鎧状態だから、ジュース飲めないって気づかなかったっ! ほんとごめんっ!」
女「き、気にしないでっ! その、家に帰ってから飲むからっ! 男くんがくれたんだもん、大事に飲むからっ!」
男「え…。」
女「あ…えっと、その…。 うん。」


男「…うん。」


134 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 20:46:49.65 ID:vcGDDqQT0
男(思えば、ずっとこいつはこうだったんだな…。)
男(教室にいる時も、遊園地行った時も、映画行ったりしてる時も、ずっとこういう気持ちでいたんだな…。)

女「男くん、どうしたの…? 空見上げて。」
男「え? い、いやっ。 その、星が綺麗だなってな…はは…。」
女「ああ…。 ほんとだねっ! 綺麗だなぁ…。」

男(女の鎧は、目に見えるだけで、本当は無いのと同じな位真っ直ぐなのに…。)


男(自分の気持ちがどうかわからない俺がダメだな…。 ダメだ…。)


137 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 21:05:07.73 ID:vcGDDqQT0
男「あ、あのさ、女。 話したい事がある。」
女「う…うんっ。」
男「去年から、同じクラスでずっと一緒にやってきて、仲良くてさ。」
女「うん…。」
男「その間、鎧状態だった事が多かったよな。」
女「う、うん…。」
男「最近さ…、女がどうしたら鎧状態になるのか、ようやく気づいたんだ。」
女「うん…え? ええええええっ!? き、気づいたのっ!?」
男「ああ、気づいた。」
女「やっ、やだっ! 恥ずかしいよぅ…っ!」
男「ま、まぁ、落ち着けって。 それで、その…。 俺も心を決めたというか、だな。」
女「は、はいっ!」
男「ずっと女は、全身で好きだって気持ちを表してくれてたけど、俺からも言わせてくれ。」


男「俺も、お前の事が、好きなんだ。」


138 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 21:09:24.76 ID:vcGDDqQT0
男「そんな、泣くなよ…。 もうお前の家に着くぞ。」
女「うぅ…ぐずっ…。 ひくっ…。 だって…。 嬉しかったんだもん…っ…。」
男「ほら、家見えてきたからさ。 あれ…家の前に誰か立って…。」


男(鬼面……っ!?)


139 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/02(金) 21:15:39.20 ID:+GBSNCuSO
>>138
男オワタwwwwwww


140 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 21:23:58.80 ID:vcGDDqQT0
男「というわけで、その、なんだ。 俺たち付き合いはじめました。」
女「えへへ…。」
男友「二人して話があるとかいうから、もしやとか思ったけど!」
女友「ようやく決めたのね。 まったく、見ていて歯痒いったらなかったわー。」
女「ま、まぁまぁ、女友ちゃん。」
男友「あー、それでも、鎧化はしたままなんだ?」
女「それはその…体質的なものみたいだから…。」
男「まぁ、そこら辺も引っくるめて、ゆっくり付き合っていこうと思ってな。」
女友「言ってくれるじゃない。 見せつけちゃってー。」
男友「ってことは、もう問題なしだな。」
男「いや、それがひとつだけあるんだ…。」
女友「なによそれ。」
男「女の親父さんがな…?」


男友&女友「「あぁ……。」」


141 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 21:41:13.83 ID:vcGDDqQT0
女「ただいまー。」
女母「お帰りなさい。 お風呂湧いてるから、ご飯食べる前に入っちゃいなさい。」
女「はーいっ。」
女母「あ、それと。」
女「なにー?」
女母「男君の事ばっかり考えてるのもいいけど、お風呂に入る時は、意識しないようにしなさいよね。 でないと、湯船壊れちゃうから。」
女「わかってまーすっ。」
女母「本当にわかってるのかしら…まったく…。 ほら、お父さんもいつまでもメソメソしてないのっ。」
女父「泣いてなんかおらん。 儂はただ、あの虫をどうやって始末するか考えているだけだっ!」


女母(先が思いやられるわね…。)


142 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 21:54:00.42 ID:vcGDDqQT0
男「さっきの映画面白かったな。」
女「そうだねっ。 ふぁ…んぅ…。 笑いすぎて、ちょっと疲れちゃった…。」
男「寝てていいぞ。 降りる駅に着いたら、起こしてやるから。」
女「そうさせてもらうねぇ…。」
男(鎧が無くなった…。 寝てる時は、やっぱり解けるのか…。 こうして寝顔見てると可愛いもんだな…。)

男(混んできたな…。 まぁ、鎧状態じゃないから、大丈夫だ…痛っ、足踏まれた。 一体どんな奴が…。)


男(鬼面……っ!?)


144 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 22:05:44.93 ID:vcGDDqQT0
女友「第一回 女鎧体質改善計画ぅー。」
女「わぁ〜。」
女友「えー、今回は、女の鎧体質を改善し、男君とのより良い交際を行うことを目的としてですね。」
女「それでっ! 具体的には、どうするのっ?」
女友「ふふふ。 体質改善といえば、コレしかないでしょ!」
女「なにそれ? その白い錠剤…薬? やだやだ、そっ、そんな怪しいのなんて飲めないよっ!」
女友「大人しくしなさいっ! 大丈夫! 漢方と同じ、生薬由来の成分ですからっ!」
女「んんっ…うぅ…、飲んじゃった…。」
女友「どう? 効いてきた? 男君の事、考えてみて、どう?」
女「んぅ〜〜〜。 あれ? うまくいってる…のかな?」
女友「やったじゃない! これでもう、鎧の事なんか気にしないで、男君に抱きついたりできるわね!」
女「そっ、それはちょっとまだぁ…。」


女友(思った通り…。 うまくいきそうだわ。)


145 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 22:17:25.19 ID:vcGDDqQT0
男「おーす、おはようー……女!?」
女「おはようっ! 男くんっ!」
男「お、おう…。 その、今日は…鎧じゃないんだな。」
女「うんっ! あのねあのねっ! 女友ちゃんがくれた薬飲んだら、平気なのっ!」
男「女友が?」
女「そうなのっ! だからもう、平気なんだよっ!」
男「そうか! 良かったなっ!」
女「うんっ!」


男(女友…、いったい何を…。)


147 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 22:28:12.67 ID:vcGDDqQT0
男「なぁ、女友。 いったい、女に何を飲ませたんだ?」
女友「心配いらないわよ。 全然問題ないから、安心して。」
男「だけど、薬とか言ってたぞ? なんていう薬なんだ?」
女友「メホホ・ブルササンG。」
男「マジか!?」
女友「嘘よ。 ただの、ビタミン剤。」
男「え? じゃあ、それって、つまり…。」
女友「偽薬よ。 プラシーボ効果って奴。 ほら、女の鎧体質って、男を意識する事で始まるでしょ?」
男「あ、ああ。」
女友「意識が強いと、鎧の形状が変化したりもするわよね?」
男「そうだな。」
女友「要はね、心持ち次第なのよ。 心次第で、押さえ込む事ができるんじゃないかなと思ったわけ。 すんなりうまくいって良かったわ。」
男そうか、それなら安心した。」


女友「だけど、ひとつだけ気になることがあるのよ。 それはね―――。」


149 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 22:42:45.30 ID:vcGDDqQT0
男「来週の期末テスト、どうするかなー。」
女「あ、うん。 頑張って、終わらせちゃおうね…。」
男「そうだな。 どうした…? なんか、もじもじして…。」
女「え? えっとね…その、手、繋ぎたいなぁ…って。」
男「ああ、いいぞ。」
女「…えへへ。 男くんの手って、直に触ると暖かいんだね…。」
男「お前の手の方が、暖かいぞ。」
女「そうかな。 でも…こうして、手を繋いで、暖かいってわかるの…嬉しいなっ!」


男「そうだな…。 本当に、そうだな…。」


152 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 23:14:19.98 ID:vcGDDqQT0
男友「おーい、男ーっ! サッカー混ざれよー!」
男「あー、後で行く。」
男友「おっけー。」
女「男くん、いいの?」
男「まぁ、今はこうしてお前と話してるし。」
女「そ、そっかぁ…。 えへへ…。」
男「ところで、今度の休みなんだけど…。」

男友「男、ボールっ! 危なーいっ!!!」
女「え!?」
男「うおおおっ!? あ、危なかった…。 気を付けろよっ!」
男友「悪ぃ悪ぃ。」
女「だだ、大丈夫っ?」
男「いや、なんとか。 それより、女は怪我無かったか?」
女「私はそんなの平気だよっ! だって鎧……あっ。」
男「ここの所、鎧でいること多かったからな。 もう鎧が無いこと忘れたら、ダメだからな。」


女「う、うんっ! そうだよねっ。 もう、私、鎧が無いのが当たり前なんだよねっ!」


155 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 23:30:42.08 ID:vcGDDqQT0
男「もしもし? 女? 今、大丈夫か?」
女「あ、おと……ちょっと待って、お父さんがいるから…うん。 部屋に行くから、ちょっと待ってっ!」
男「お、おう。」
女「お待たせっ。 どうしたの? こんな時間に電話して。」
男「あー、うん。 今度の日曜に、男友がみんなで山登り行こうぜって、言ってさ。 それで、どうかなと思って。」
女「わかったっ。 今度の日曜だねっ! 楽しみだよっ!」
男「俺も楽しみだ。 それじゃぁ、今度の日曜な!」


女父(今度の日曜のゴルフは…断る必要があるな…。)


156 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 23:41:24.43 ID:vcGDDqQT0
男友「おーし、ここらで休憩にするか。」
男「低山とはいえ、結構きついな。」
女友「ほんと、足が疲れちゃった…。 でも、山の空気って、良いもんね。」
女「あれ? なんか、水の音が聞こえない?」
男「ほんとだ。 川かなんかあるのか?」
男友「んじゃ、そっち行ってみるか。」
女「じゃあ、行こうっ! ほら、男くん早くっ!」
男「ちょっ、引っ張るなって。 転ぶ転ぶっ!」


女父「ぐむぅ…。 手など繋ぎおって…虫め…。」


157 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 23:46:58.17 ID:vcGDDqQT0
男「おーっ、凄いな。」
男友「うっひょーっ! 水冷てぇーっ!」
女友「こら! あんまり、はしゃぐな! 水引っかかるでしょ!」
女「ね、あっちの方に洞窟みたいなの見えるよっ! 行ってみようよっ!」
男「おー、ほんとだ。 ちょっと、散策してくる。」
男友「洞窟!? ちょっと待て、俺も行くっ!」
女友「いいからっ! あんたは、ここでじっとしてなさい。 それとも、野暮男って、明日から言われたいの?」
男友「へーい。 まったく…世話焼きすぎるんだよ、こいつは…。」


女父「あ、もしもし? 今北産業さん? いや、今日は休みでして…ええ…。 あ、はい…商談の件はまた…。」


158 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 23:55:49.56 ID:vcGDDqQT0
女「わぁ〜。 涼しくて気持ちいいねーっ。」
男「あ、そこら辺水流れてるから、気を付けろよ。」
女「うんっ。 結構奥まで続いてるんだねぇ…。」
男「携帯のライトだけじゃ、心許ないな。」
女「ね、ねぇ、男くんっ!」
男「どうした?」
女「あ、あのね…。 腕、組んでもいい?」
男「なんだ、急に。」
女「えへへ。 二人の時は、もう少しくっついていたいなって…。」
男「お、おう…。」


女「私ね、鎧が無くなって…、本当に良かったと思ってるんだ。 前にも言ったかも知れないけど、良かったなーって…。」


159 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:00:28.86 ID:QIe3EwGD0
男友「おっそいなー…。」
女友「まぁ、いいじゃないの。 ゆっくりしてなさいよ。」
男友「へいへい。 しっかし、お前もうまくやったよなぁ。」
女友「なにが?」
男友「女ちゃんの体質の件。 うまいこと解決したろ。」


女友「ああ、その事。 そうね、うまく行ってるわよね。 今は…。」


161 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:12:12.29 ID:QIe3EwGD0
女「ね、男くん…。 ひとつだけ、聞いてもいい…?」
男「なんだ?」
女「私、ずっと聞きたいと思ってたんだけどね…。 あのね…、もし、私がずっと、鎧のままでも、好きでいてくれた?」
男「んー……。」
女「鎧のまま、手を繋いだり、腕を組んだりしても、嬉しくないでしょ? 嫌いになっちゃうかなって、怖くて聞けなかった…。」
男「あのさ、女。」
女「う、うん。」
男「今まで、一緒に出かけたりしてさ。 鎧のままのお前と出歩いて、一緒に居るの恥ずかしがったりとかしてないと思うんだ。」
女「…うん。」
男「そういうことでさ。 慣れたって言ったら怒られるかもしれないけど。 そういう所も引っくるめてなんというか…その、好きなわけで。」
女「うん…。 うん…っ…! 勇気だして…聞いて良かった…。 ぐずっ…良かったよ…っ。」
男「泣くな泣くな。 ……ん?」


男「……なんか、聞こえないか?」


163 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:23:39.20 ID:QIe3EwGD0
男友「今はって、どういう事だよ。」
女友「それはね…。 ……ちょっと待って、揺れてる?」
男友「おおおおっ! 地震っ!? け、結構大きいぞっ!」
女友「だだ、大丈夫っ!?」
男友「お前こそ、落ち着けっ! 落ち着いて素数を数えるんだっ!」
女友「そんなことやってる場合じゃないでしょっ! あ、収まった…。」
男友「ふぅ…。 それより、男と女ちゃんは!?」


女友「そうよ! 男君と、女よ! 見に行かなきゃっ!」


164 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:36:17.30 ID:QIe3EwGD0
男「痛たたた…。 女、大丈夫か?」
女「う、うん。 男くんが、庇ってくれたから、平気だよっ! 男くんは…大丈夫?」
男「大丈夫…と、言いたいとこだけど、足ひねっちまって…。 しかし、まさか落盤するとは…。」
女「うぅ…。 運良く鍾乳石に引っかかってくれたからいいけど…。 このままじゃ、出れないよね…。」
男「まいったな…。 男友達が助けを呼んできてくれればいいんだけどな…。」
女「きっと、大丈夫だよ…。 ごめんね、男くん…。」
男「どうした?」
女「私が、鎧化できれば、私が守れれば、男くんが怪我する事は無かったよね…。」
男「気にするな。 それより、この状況をなんとかしないとな。」
女「うん…。 そうだ。 鎧化して、大きくなれれば…ここから出られないかな?」
男「え…?」


女「私、やってみる…っ!」


167 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:44:40.16 ID:QIe3EwGD0
男『そうか、それなら安心した。』
女友『だけど、ひとつだけ気になることがあるのよ。 それはね…。』
男『それは…?』
女友『意思の力で、無理矢理押さえ込んでいた鎧体質が、必要となった時の事。』
男『それは…。 そういう必要とする事が無いように、俺が頑張るだけだろ。』
女友『仮定の話よ。 もし、必要となったら…。』


女友『推論だけどね。 今まで溜め込んでいた鎧体質が一気に放出されて―――。』


168 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 00:52:31.27 ID:QIe3EwGD0
男「お、おいっ! 女っ!」
女「大丈夫だよ、男くんっ!」
男「だって、お前…っ。」
女「心配しないで。 大丈夫だよ。 きっと大丈夫。」
男「……っ。」
女「男くんが、私の事、全部好きって言ってくれたから。 男くん、ここから、一緒に出よう。」


女(今まで、ずっと嫌だって思ってたこの体質が、今は必要だよっ! 鎧でも良いって言ってくれた、男くんを守る為にもっ!)


169 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:01:49.45 ID:QIe3EwGD0
男友「おーいっ! 大丈夫かっ!」
女友「入り口が崩落して、入れないわね…。 救助呼ばなきゃ…。」
女父「女ぁぁぁぁぁぁっ!! 無事かぁあぁぁぁぁぁぁっ!!」
男友「お、おじさんっ!? なんでいるんですか!」
女父「女ぁぁぁぁぁぁっ! うおおおおおおっ!!」
男友「おじさんっ! 落ち着いてくださ……え、ちょっ…揺れ…崩れっ!?」
女友「二人ともっ、崩れるから、そこから離れてっ!」


女友「女が…、あの子が来るわっ!!」


170 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:13:49.14 ID:QIe3EwGD0
女「おーい、みんなーっ!」
男友「で、でっけぇ…。」
女友「大きな鎧になって出てくるのは予想してたけど…。 まさか、洞窟を突き破って出てくる程とは…。」
男「げほっ…。 お、女っ。 頼むから、ゆっくり、ゆっくり頼むっ。」
女「ごめんごめん。 ふぅ、やっと出れたよっ!」
男友「男ー。 無事かー!」
男「おーう。 なんとかなーっ!」
女友「はぁ…。」
男友「なんだよ、溜息ついて。」
女友「いやね、心配して損したなぁーって思って。」
男友「確かに。 心配するだけ、無駄だな。」


女友&男友「「あの二人なら、何があっても大丈夫だ。」」


171 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:24:06.70 ID:QIe3EwGD0
男「結局、また鎧体質が元に戻っちゃったな。」
女「でも、ある程度、コントロールするコツは掴んだから、その内、なんとかなるんじゃないかな?」
男「まぁ、なんとかなるかぁ。」
女「そうだよっ! 大丈夫大丈夫!」
男「女のお父さんも、なんとかなるといいんだけど…。」
女「だだ、大丈夫大丈夫っ!!」
男「そうかな?」
女「そうだよっ! 今回の件で、お父さんも少し大人しくなったし、諦めなければ、きっと大丈夫だよっ!」
男「やれやれ…。」


男(俺の戦いはこれからか…。)



172 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:25:36.38 ID:QIe3EwGD0
書きたかった分はこれにて以上です。
保守してくれた方々、ありがとうございました。
後は、どうぞお好きになさってください。


173 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/03(土) 01:28:37.09 ID:f8viYej70
打ち切りみたいな終わり方www


174 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:43:45.56 ID:xbQjnuPxO
俺の中では大矢舞


175 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:44:30.93 ID:xbQjnuPxO
>>1
楽しまさせてもらいました


176 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:46:48.66 ID:O4EGwJik0
超乙
面白かったぜ


177 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/03(土) 02:16:58.23 ID:Okt3qchC0
まだあったw
>>1


178 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/03(土) 03:01:47.16 ID:OTg3S4ZLO


他に誰も書かないのな


179 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/05/03(土) 03:51:35.60 ID:0b+52qn7O
やっと読む時間ができた…
癒されました、乙



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