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意地悪なメイド4
250 名前:【次第に寒くなってまいりました】 [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 01:32:26.60 ID:dGTYpAAO
メ「ですんで主様は夜なべして手袋編んでくれていいんですよ」
男「誰がお前の母さん役か」
メ「でもほら、なんかやりそうだし出来そうだし」
男「人間努力次第で無理じゃないだろうけど」
メ「具体的にはお母さんになれそう。種付けされて」
男「そんな主ってどうよ」
メ「見せ物小屋に放り込みたくなりますね」
男「浅い主従関係だな、おい。でも編み物なぁ。寒いのは確かだし女さんとかに頼んでみたらどうよ」
メ「や、なんつーかあの人の裁縫関係テクニックはハンパないのは分かるんすけど……やたらフリフリやらエロいやらで」
男「たかが手袋だろ」
メ「レース付きの長手袋みたいなんすよ、刺繍入りの」
男「ま、まぁ装飾品に近いわな」
メ「さらに付属でガータレスストッキングにコルセットやらまで……」
男「……最近寒いし着てみたらどうだ?」
メ「そんな見えないところで頑張っても」
男「いや俺も頑張るからさ、な!」
メ「今し方爽やかに変態ですよ、主様」


251 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/28(火) 08:59:21.06 ID:ODhXzMAO
>>250
頑張るってそういうことかよww


252 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/29(水) 00:45:55.59 ID:efYsu.AO
男「俺だって男だからな!」
女「でも時々女の子だよね」
男「断じて違うからね?」
メ「ではこうしましょう。私、女さんプロデュースの手袋セットを付けます」
男「もはやメインが手袋じゃないセットだな」
メ「代わりに主様も同じものを付けるってのでひとつ」
男「その心は」
メ「晒して社会的にまっさちゅ」
男「可愛く言ってもダメだからな」
女「え? ダメなの?」
男「ダメに決まって……なんで二セットあるかな!?」
メ「そりゃ」
女「ねぇ?」
男「俺か、俺がおかしいのか」


253 名前:【来るべき対話】 [sage] 投稿日:2010/09/29(水) 00:58:17.36 ID:efYsu.AO
父「よぉ。お前もこっちに来たか」
男「……まだだよ」
父「くく。まぁ情けない面しやがって。本当に俺の血引いてんだろうな」
男「髪の毛一本くらいなら引いてるかもな」
父「それだけ血を分けてもらいながらこうも出来損ないとは。おい、今からでも体貸せよ。有意義に使ってやる」
男「黙れ死人。やっぱりお前なんか今すぐ送り返してやる」
父「やれるもんならな。小僧が」
男「てめぇ……!」



メ「はい、ストップストップ。どうどう」
男「メイド……」
メ「今はそれどころじゃないでしょ」
男「く、でも」
メ「主様は頭冷やしててください。私が聞きますから」
男「……」
メ「全く。親御さんが絡むとすぐ子供に戻るんだから。で、です」
父「おう。話は終わったか」
メ「いえ、始まりですよ。聞きたい事があります」
父「いいぜ。お前があいつに……俺の女に体を明け渡すならな」
メ「構いません」
男「なっ!?」
父「ほぅ」
メ「うちの子を助けられるなら。構いません。……“冥の止め方”を教えてください」
男「ダメだ! そんな条件!」
父「止め方、ね。“喰った”か?」
メ「まだです。が、兆候は」
男「おい、メイド!」
メ「主様は黙ってて!」
男「ぐ……」
メ「お願いします。あの子には、普通の生き方をさせてやりたいんです」
父「くく、いいザマだな」
男「……」
父「まぁ対価は別のでいいさ。とりあえず詳しい話をしてみな」
男「……!」
メ「は、はい!」


254 名前:【宇宙人】 [sage] 投稿日:2010/09/29(水) 01:07:30.21 ID:efYsu.AO
め「宇宙に人が居ればそれは宇宙人なのでしょうか」
主「初っ端から哲学だな!」
め「つまり宇宙飛行士は宇宙人なのですね」
主「間違いではなく感じる一方で違うと思うのは先入観のせいか」
め「それに人類が干渉できる範囲の宇宙に地球外の人間はいないと想定できます」
主「そこらへんはロマンの問題だぜ」
め「仮にこちらから干渉出来ずともあちらから干渉出来ると仮定した場合、その事実は恐ろしい事を指し示すかと」
主「要は技術力で圧倒的な差がある以上、侵略されたらひとたまりもないってことだな」
め「かぐや姫なども宇宙人のモチーフとしては馴染みなくともそうである代名詞ですし」
主「月人ってやつだな」
め「ロマンですね」
主「だよな。でもさ」
め「はい」
主「そこまで期待してもらってて何だけど、まず当たらないからね? 宇宙旅行の懸賞とか」
め「ロマンを買いましょう。具体的には箱買いで」
主「いや! でも三食全て同じものは!?」
め「宇宙人と握手」
主「その前に俺と会話のキャッチボールをだな!」
め「既にNASAにも連絡を入れました。飛行士の訓練をしたいと」
主「会話のドッジボール!!」


255 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/09/29(水) 21:56:34.76 ID:6ON95lEo
妹「何故ですか兄さん」
男「いきなり何だ? メイド毒が頭に廻ったか?」
妹「私に言ってくだされば、秘密裏に開発した二人乗りシャトルでランデ

ここまで考えて違う組だと気付いた


256 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 00:38:59.78 ID:sKyMnUAO
メ「毒て」
妹嬢「毒ですよ、あなたなんて」
メ「ああ、目に毒ってことすか。いやぁスタイルよくてすみません」
妹嬢「わ、私だってスマートだと自負しますが?」
メ「スマートと貧相な体つきは大いに違うんですよ」
妹嬢「貧相じゃありません!」
メ「ロリ体型?」
妹嬢「成人女性です!」
メ「毛も生えそろわないような体なのに」
妹嬢「仕方ないじゃないですか!」
メ「え?」
妹嬢「え?」
メ「いや、あの……マジで生えてないんすか?」
妹嬢「あ、えと……は、生えてます! 生えてますから!」
メ「いちもつが?」
妹嬢「違います!?」


257 名前:【意地悪なメイ党 代表選挙】 [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 00:48:02.88 ID:sKyMnUAO
メ「てな訳でこのスレにおける意地悪なメイド代表を決めたいと思います。私ですね。はい終了ー」
め「お疲れ様でした」
委員長「自己完結しないでくれる?」
女「そ、そうだよっ。私たちだってヒロイン候補だし」
メ「甘いですね。メイドであり意地悪を行い、尚且つ人気。これらの要素を兼ね備えた時点でスレタイ的に代表は私になるのです! ふはは」
妹嬢「でも最近意地悪されてませんが」
メ「ギクッ」
姉「人気だって最近コメント見てるといもちゃんの方がよく話題にあがるし」
メ「ギクギクッ」
委員長「そういう意味ではこの子の方が代表じゃないかしら」
め「ほぅ。めいどがですか」
女「なんで他人ごとみたいな反応かな……」
め「いえ。めいど、てっきり旧メンバーの皆様にあいてされず、ぼっちの気分を味わえるとばかり」
メ「大丈夫、心配されずともハブりますから」
妹嬢「ハブりません。実際私も現在のスレッド方針を忠実に守っているのは彼女だと思いますし」
姉「代表さんだね!」
め「知らぬ間に下克上を達成してしまいました。わぁお」
メ「あ、あれ?! 私がハブ!?」


258 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 00:52:50.20 ID:sKyMnUAO
妹嬢「はぁ……」
姉「どしたの、いもちゃん」
妹嬢「いえ、私なりに魅力のアピールをしてきたつもりなのですが何故か最終的に色物扱いになってしまうので悩んでいまして」
姉「ふぅん。いもちゃんはかわいいけどなぁ」
妹嬢「いいんですよ、フォローなんて。私も姉さんみたいになりたかったです」
姉(ブラコンで妹でお嬢様で完璧超人なのに親しみやすくて可愛い。それでもまだ足りないなんて欲張りさん)
妹嬢「……? どうかされました? ずっとこちらを見られていますが」
姉「いもちゃんは欲しがりさんだなぁって」
妹嬢「ほ、欲しがり?」







実際スペックは高いと思うんです。
でも何故かヒロインよりも当て馬が似合う。不思議な方です。


259 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/02(土) 15:54:11.58 ID:op4YXkEP
しかも性器も両方ついてるし、マジ完璧だな


260 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/02(土) 20:05:49.73 ID:PZSlP.AO
妹嬢「フハハハ…怖かろう!!」
スレ住人「ああ!?」
妹嬢「しかも性器を二つ持っている!」
スレ住人「このままじゃ…」
妹嬢「しかもこの歳で国を操る私をイロモノと同じように扱うとは!
つくづくいじメイスレというものは、御し難いな!」
スレ住人「そうさせたのは、正ヒロインになれないあなたでしょう!」


261 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/02(土) 23:06:29.36 ID:xzOS2QQ0
そういや妹子には遺伝してないのかな


262 名前:GEPPERがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:15:07.33 ID:FCK4FJw0
妹嬢「ええ、はい、勿論付いてませんが? 付いてませんが!?」
メ「大事なことなので二回仰りましたか。そしてラフレシア似合いそうだなぁ、妹様」
妹嬢「何故あんな面妖な華を当てはめますか」
メ「華は華でも鉄の華ですが」
妹嬢「……?」
メ「わからんで大丈夫です。言えることはただ妹様はやっぱり素敵ですね(笑)ってことなんで」
妹嬢「恐ろしいまでに悪意が伝わりますね、あなたの言葉は」
メ「でへへ」
妹嬢「ではお礼にどのような死に方をお望みで?」
メ「あれ?! とうとう実力行使に!?」





妹子「もちろん付いてないっての」
皇「どちらでも、愛していく自信はあるよ」
妹子「はいはい、どうも。っていうか知ってんだからあんたも反論なさいよね」
皇「うぅん。いや、それはそれで恥ずかしいものがあるかな」
妹子「はい?」
皇「だってそれはつまり、君の生まれたままの姿を知っていると公言するようなものだし」
妹子「ば!? ちょ、何言い出すのよ! 違っ、わないような、でも、だから!?」
皇「あはは」
妹子「あははじゃないわよ!?」


263 名前:【フリーダムなライブ】 [sage;saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:21:43.15 ID:FCK4FJw0
男「なんだって?」
メ「卒業ライブですよ、卒業ライブ」
女「何でも、今年初めての試みなんだって。ぱーっと盛り上げよう、って!」
委員長「要は騒ぎたい人間の口実よ。基本的には学園祭のライブに出た人間にお声が掛かってるわ」
男「……で? 勿論断ったよな?」
メ「え?」
女「なんで断るの?」
男「そりゃお前、俺の……もとい、男子としての正体が知れ渡った今、出ていけるわけないだろ」
委員長「いいんじゃない? 別に。それが目当ての人もいるみたいだし」
男「んな馬鹿な!? あ、でもあれだよな? 俺とわかってて声が掛かってる以上、この格好で出て……」
メ「当日の格好で、と強く念押しされましたが」
女「もしくは新衣装だって。女の子の」
男「……冗談だよな?」
委員長「大丈夫じゃないかしら。時間の都合で全部のバンドが合同で一斉にやるみたいだもの。目立たないわよ」
男「本当だろうな」
女「そこは本当だよ。みんなで一斉にやるから広い場所借り切って、合同で2、3曲だけって言われたもん」
メ「しかもうちの練習していた曲にあわせていただけるそうですし、苦労も少ないかと」
男「む、ぅ」
委員長「寧ろここまでしてもらってやっぱり出ません、は格好がつかないんじゃないかしら」
男「け、けど……やっぱ女装してなんてのは、なぁ」
女「……だめ?」
男「う、ぅ」
委員長「最後の思い出じゃない。協力しなさいよ」
男「あー、ぅー」
メ「男らしくないっすよ。男らしくしちゃダメですが」
男「お前はお願いしてんのか煽ってんのかどっちだ」
メ「で? 答えは?」
男「……そりゃ、その」


264 名前:【フリーダムすぎるライブ】 [sage;saga] 投稿日:2010/10/03(日) 23:27:56.90 ID:FCK4FJw0
で、当日。


男「……結局きてしまった」
メ「二つの意味できちゃいましたね」
男「誰がうまいこと言えと。ああもう、ちくしょう」
女「あはは、やっぱり舞台ってなると緊張しちゃうね」
委員長「諦めなさい。ここまできたんだもの、後はやるだけよ」
男「だ、な。よっし! 腹くくった!」
メ「それでは開演まであと少し、気合入れていきますよ」
男「おう! ……ってあれ? 他のメンバーは?」
女「ん、えっと」
委員長「もうスタンバイしているのかもしれないわよ? 私達はここから登場するようにとしか言われてないわ」
男「そうなのか。ま、いいや、んじゃあこの学び舎最後のライブ、派手にいこうぜ!」
三人「「「おー!」」」






男(……で、だ)


メ「みなさーん。我々の最後のライブに集まっていただきありがとうございまーす!」
女「えと、他のバンドさんは“何故か急遽辞退しちゃって”私たちだけだけど」
委員長「ま、楽しんでいくといいわ」
メ「それでは、『スーパーOTOKOちゃんライブ』はっじっまっるよー!」



ワアアアアアアアアア!!



男(完全に嵌められた……けど、まぁ)


観客「「「L・O・V・E! OTOKOちゃーん!!!」」」


男(ああもう、やけくそだ! やったらぁ!!)


観客「「「ウォオオオ! 投げキッスキターーー!!」」」


男「お前ら! とことん楽しませてやっから、覚悟しやがれよぉ!! いくぞおおお!!」


観客「「「うおおおおおおおおおお!!」」」


265 名前:GEPPERがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/10/04(月) 01:07:56.13 ID:j71W9bA0
一人殺せば殺人者。三人殺せば殺人鬼。百人殺せば英雄で。
全ての人を葬れば、それは神となるのだろう。
だとすれば。この森一つを星とした彼女はまさに神だった。

彼女の後ろに追従する日々は淡々と続く。
その道中、同じように淡々と死体の山が出来ていく。

ある者は追われ、追い詰められ、しとめられた。
ある者は自ら戦い、打ちのめされ、しとめられた。
ある者は徒党を組み、あしらわれ、しとめられた。

全てに共通したのは、彼らの末路が死であるということ。
無慈悲な死神の鎌は彼らの命をいとも簡単に摘み取っていく。
委員長は機械的にそれを行う。最低限の労力と消費のみで。
そんな破壊的な行動も、しかし彼女からすれば、

「無駄な事をさせるわね。こんな事は私の仕事ではないでしょうに。早く出てこないかしらね」

あくまで簡単にこなせる日々の雑事と変らぬと吐き捨てる。
これだけの命を奪いながら。たとえそれが人の形であって、人でなくても。
それだけのことをしながら。彼女はそれを無駄だというのだ。
けれど、何を思ったところで、俺は無力だ。

「いいじゃない。貴方は何もしてないんだから」

全くをもってその通りだ。この手には、彼女を止められるかもしれない力(じゅう)があるというのに。
結局、彼女が動きそれを追うだけ。それどころか時折、その手助けとなるような事すらしている。
だから、俺も……同罪なのだろう。


だが、そうだとして。俺は生き残るためにはそうする。
それだけのことだと。そう言い聞かせて。


266 名前:GEPPERがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/10/04(月) 01:09:23.83 ID:j71W9bA0
そんな日々の変化は、俺が彼女より先にとある影を見つけたことから始まる。


その日も、彼女は標的を見つけ駆け出す。
足取りは相変わらずの軽さで彼女は跳ぶように駆けていく。
俺もその後姿を追おうと駆け出し、

「……っ!?」

背中に、既視感のある視線を感じて立ち止まる。
それはちりちりと焦がすような視線。今まで出会った奴らとは違う感覚。

「お前、なのか?」

うっそうとした森の中に吸い込まれた俺の言葉。
数秒の沈黙が俺の勘違いを肯定しているようで、生きるために再び駆け出そうとした俺をそれが制する。

ガサッ

そこから顔を出したのは見慣れたフードと獣耳。

「……やっぱり、お前なんだな」

そう、そこに居たのは短くも俺が共にした平和な非日常の象徴だった。



「お前、無事だったんだな」

近づくことなく、俺はその場から声をかける。
結局彼女と別れるまで、信頼を得ることはできなかった俺だ。
感情のまま、彼女の元へ近寄ればきっと逃げられてしまう。
そんな気持ちからの行動だった。

「とにかく、良かった。その、色々言わなきゃいけないことがあるんだ。その……」

俺は何を言うつもりだろう。
あのことは俺が原因で引き起こしました、ごめんなさい。
そんなこと、言えるはずもない。
許しを乞うような、そんな言葉。俺が発していいはずがない。
爺を犠牲にしてまで生き残った俺が、許しなんて。


267 名前:GEPPERがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/10/04(月) 01:10:03.59 ID:j71W9bA0
言いよどむ俺に、彼女のほうから動きを見せる。
それは予想外のもので、

「……っ!?」

彼女のその柔らかい身体が俺の腕の中に飛び込んでくる。
あまりに唐突な出来事に反応が出来ずにいる。
普段なら女の扱いなど手馴れたものだとばかりに勝手に身体が動くのに。
そこにいるのが、ただの少女に思えない。
あの日々にあった温もりの残滓がそこにあるのだ。
だから気づくのが遅れる。

「お、まえ」

震えてるのか?
そう問うことすら、出来ず。俺は、強く抱き返すことしかできない。
今までの人生ではなかった、異性に対してではない、大切なものへの抱擁。
その震えを取ってやりたいと、強く願い腕に力を込める。

そうして、短くない時が流れる中。
心のどこかで何かが固まる。

こいつだけは、俺が護ってやろう、と。
今度は傍観者でもただの要因でもなく、一人の舞台上の演者として。



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