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妹「兄さん、早くして下さい!」
1 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 17:51:15.64 ID:ltTmoXjGO
覚えてる人いますかね?
多分椎香と言えば分かるかも

続きやります


2 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 17:52:41.02 ID:87Mj4BRhO
サイボーグのか


3 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 17:53:39.42 ID:ltTmoXjGO
兄「なんだなんだ、どうした妹?」

妹「兄さん、こ、これを…」

俺は、青ざめた顔の妹から、小さな封筒を渡された。

妹「宛名を見てください…」

兄「――こ、これは!」

『急用ニテ、至急帰郷スル次第。
二、三日中ニハ戻ル予定ニツキ、連絡待タレタシ。母』

兄「この見事なまでの時代錯誤な感じ…まさか…
あ、あの人類の生んだ悪夢が、帰ってくるっていうのか…!?」

妹「兄さん…」


4 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 17:59:45.17 ID:ltTmoXjGO
椎香「んしょ…ただいま、お兄様、お姉様」

その時、玄関の戸を開けて、ワンピースを着た女の子が現れた。

兄「椎香」

椎香「あれ? 二人とも深刻な顔して、何かあったのですか?」

妹「はい、ちょっと問題が…」

椎香「なんですの?
まさか、またシーカー絡みのことなんじゃ…」

兄「いや、そうじゃない。
椎香、今から俺がいうことをよーく聞いて欲しい…」

椎香「は、はい…」


5 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 18:16:22.01 ID:ltTmoXjGO
兄「実は…今度ある人が家に来ることになったんだが」

椎香「はぁ」

兄「その人っていうのが、その…俺たちの母親なんだ」

椎香「…え?
お兄様の、お母様ですか?」

兄「そうだ」

そこで椎香の表情が、ぱっと輝いた。

椎香「うわぁ、素敵ですっ!
私、お兄様のお母様に会ってみたい」

兄「そ、そうか」

椎香「ええ。で…それの何が問題なんですか?」

兄「それ何だが…家のお袋、言うなればかなりの変わり者なんだ」


6 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 18:16:39.08 ID:87Mj4BRhO
ショッピングモール壊した後の話か


7 : ◆j3vp2NYuuE [sage] :2008/08/15(金) 18:20:45.95 ID:ltTmoXjGO
椎香「はい?」

兄「まぁ、あのイカれた親父と結婚するような奇人なんだ。
それも、外人部隊の精鋭だったような人だ」

椎香「外人部隊?」

兄「まぁ傭兵と言ってもいいかな…
西に行ってはゲリラ組織を潰し、
東に行っては単独で闇組織を壊滅させる…
いわばランボーがスカートを履いたような人なんだ」


8 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 18:29:59.66 ID:ltTmoXjGO
椎香「はぁ…お兄様のお母様がとても破天荒なのは分かりましたけど…
それが何か問題なのですか?」

兄「いや…だって椎香、考えてみろ…
もし兄妹で二人暮らしをさせているはずなのに、そこに見ず知らずの女の子がいたら、どう思う?」

椎香「…」

椎香「分かりませんわ」

兄「ちょwwwいいか、つまり俺たちには最強の死亡フラグがおっ立ってるんだよ!
幼女を連れ込んだ刑の!」


9 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 18:39:14.42 ID:ltTmoXjGO
椎香「ではどうすればよいのでしょう…
お兄様、私、しばらく博士の所にいたほうが良いですか?」

兄「それは…」

妹「そうですね。
しばらくの間、身を潜めていたほうが良いかもしれません」

妹が言った。

妹「博士も、そういう事情なら少しの間であれば、預かってくれるでしょう」

兄「じゃあ明日、博士の所に行くか」

椎香「…はい」


10 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 18:50:22.83 ID:ltTmoXjGO
――翌日


兄「着いたぞ」

三人は、県境にある山の山中、そこに人知れず存在する研究所に来ていた。

妹「しかしレンタカーですか…
兄さん、前から思ってたんですが、せっかく免許を持ってるんですから、車ぐらい中古で買ったらどうですか?」

兄「いや、中古とはいえ何十万とするものだろう。
家にそんな余裕があるのか?」

妹「まぁ、そう言われてみれば…」

兄「だろ、さぁ行こうぜ」

妹「じゃあ椎香ちゃん、行きましょうか」

椎香「…」

妹「椎香ちゃん?」

椎香「…やです」

妹「え?」

椎香「私…行きたく、ないです?」

兄「な、なんだってー!?」


11 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 18:52:54.00 ID:ltTmoXjGO
あっやべ、ないです?の?いらんwwwww


12 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 18:54:26.90 ID:aIVuQ/oT0
>>11
いるから続けろ


13 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 18:54:57.85 ID:aIVuQ/oT0
ないです?

ないです・・・

どっちもありじゃね


14 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 19:04:46.13 ID:ltTmoXjGO
兄「な…どうしてだよ!?」

椎香「私、お兄様と…少しの間でも…離れたくないですわっ」

妹「な…貴方…」

椎香「お兄様…」

椎香はうるんだ瞳で俺を見た。

兄「…っ」



15 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 19:20:17.50 ID:ltTmoXjGO
兄「…とにかく、まずは博士に相談してみよう。その上で決めよう」

椎香「はい…」

椎香の声は、明らかに沈んでいた。

妹「では行きましょう兄さん、椎香ちゃん」

兄「ああ」


妹は入り口のロックを外し、俺たちは研究所の中に入った。

妹「博士ーっ、いませんか、博士ー」

妹「…うーん、いないようですね」

兄「いない?」

妹「よく分かりません。とにかく、中を探してみましょう」


16 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 19:39:40.81 ID:ltTmoXjGO
薄暗い研究所内は不気味で、俺たち三人は固まって進んでいった。

しらみ潰しに研究棟を調べ、博士の後ろ姿を探すが、一向に姿を現す気配はない。

妹「おかしいですね…そういえば昨夜電話を掛けた時も出ませんでしたし」

兄「どこか、学会とかに出かける予定は――」

妹「そのような話は聞いていませんが…」

椎香「博士…」

そして、ついに最奥の研究室にまで辿り着いてしまった。

兄「開けるぞ…」

ゆっくりと扉を開ける。
体育館ほどの研究室の中には、青っぽい照明が満ちている。
しかし、それだけだ。

妹「博士…一体どこへいったんでしょうか」

椎香「あの」

兄「どうした?」

椎香「これは…なんでしょうか?」


18 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 20:13:47.07 ID:ltTmoXjGO
椎香は事務机の上に置かれていた紙切れを指差していた。

兄「どれどれ…」

見れば、紙切れには掠れた文字で走り書きが残されていた。

『カナダ』

妹「…これだけですか」

椎香「筆跡は博士のもので間違いないです」

兄「カナダか。どういうことだ?」

妹「単純に考えて、カナダに行ってきますって意味では?」

兄「あの人、飄々としてるからなぁ」

妹「でもそれにしたって連絡ぐらい寄越しそうなものですけど」


兄&妹「う〜ん…」


19 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 20:21:27.47 ID:ltTmoXjGO
兄「まぁこれについては後で考えることとして、問題は椎香をどうするかってことだよな」

妹「やはり、正直に話したほうが良いかもしれませんね」

兄「誤解が解けるかどうか微妙だけどな」

椎香「それじゃあ――」

兄「ああ、博士がいない以上、家にいるしかないだろ」

椎香「やったぁ!
お兄様、私、嬉しいですわ!」

満面の笑みで跳びはね、喜びを体現する椎香。

兄(さてと…墓でも買っておくか)


20 :VIPがお送りします [sage] :2008/08/15(金) 20:27:16.87 ID:jzAxboQs0 BE:912059993-2BP(0)
>>1お前はまたこんなスレたてやがって・・・・・




いいぞ、もっとやれ


21 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 20:37:27.31 ID:ltTmoXjGO
――同日未明


飛行機から空港に降り立つ、二人の人影。

母「やっとついたな」

メイド「はい」

母「日本は久しぶりだ。実に何年ぶりか」

メイド「はい」

母「…行くか。アタシの子供たちが今か今かと待ってるからな」

メイド「はい」

母「アンタさっきからはいばっかりだねぇ」

メイド「すみません」

母「いや、別に怒ってるわけじゃないんだけどさ」

メイド「はい」

母「駄目だこりゃ」


23 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 20:44:13.73 ID:ltTmoXjGO
――翌日


兄「――ハッ!」ガバッ

妹「兄さん?
どうかしましたか?」

兄「いや、ちょっと悪夢を…
お袋に拷問にかけられる悪夢をな」

妹「それまた災難でしたね」

兄「本場仕込みだからな、お袋のは」

妹「今日か明日でしたか? 来るのは」

兄「いや、どうせ今日には来るさ。分かるんだよ、勘で」

ピンポーン

その時、玄関のインターホンが鳴らされた。



兄「まさか」


26 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 20:52:18.52 ID:ltTmoXjGO
?「――すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」

妹「あれ、宅配便じゃないんですか?」

兄「お袋のことだ、宅配便を装って侵入ろうとしているに違いない」

妹「字がおかしいですよ兄さん」

兄「気をつけろ、相手はプロだ。騙されてはいかん。
考えてもみろ、こんなに朝早くに宅配便がくるか? 常識的に考えて」

妹「まぁ、それはそうですけど」

兄「分かったらいいか、無視を決め込むぞ」

妹「はぁ、分かりました」

しかしその時だった。

椎香「はぁい、どなたでしょうか?」

兄&妹(な、何ィーッ!?)


28 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:02:18.65 ID:ltTmoXjGO
ざわ…ざわ…

兄「椎香のやつ…起きていたのか」ボソボソ

妹「駄目だこいつは…早く何とかしないと…」ボソボソ

椎香はそんな俺たちの意にあっさり反し、ドアノブを躊躇なく捻った。

兄(らめぇぇぇ!!)

宅配業者「あ、朝早くにすみません。兄さんのお宅はこちらでしょうか?」

椎香「あ、はい」

宅配業者「お届け物です」

椎香「はい、そこに置いておいて下さい」

宅配業者「はい分かりました。ではサインをお願い致します」

椎香「はい。…んしょ」

きゅっきゅきゅきゅっ

宅配業者「ありがとうございました。
では早朝にご迷惑おかけしました〜」

バタン

兄「…」


29 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 21:10:39.23 ID:nRkbhWzN0
よし、おいついたw
しかし、前スレで1000とって椎香は俺の隣で寝てたはずなのに戻ってたのかw


30 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:11:06.72 ID:ltTmoXjGO
妹「母さんじゃなくてよかったですね」

兄「あいつ、知らない間になんか所帯じみてないか?」

妹「子は知らぬ間に成長するものですよ、兄さん」

椎香「あれ? お兄様もお姉様も起きてらっしゃったんですか?
なんだ、てっきり寝てらしたと思ってました。
えへへ、今私、一人で宅配の方の相手をしたんですよ?」

椎香は誇らしげに胸を反らせた。
兄「見てたよ。えらく成長したな椎香」

椎香「それほどでもないですわ、兄さん」

兄「そろそろメシにしようか。腹が減ったし」

椎香「はい、お兄様」


32 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:24:15.14 ID:ltTmoXjGO
その頃母は、兄宅を目指して街中を移動中だった。
傍らに、メイド服を着た少女を率いて。

母「…それにしても相変わらず、この国は平和ボケしてるな」

メイド「…」

母「今ここで仮に武装集団が突然テロでもおっぱじめやがったら、ヤバいことパニックになるぜこいつは」

メイド「それは…どこの国でも、同じです、ご主人様…」

母「心構えの差だよ。突発的な生命の危機に対して、如何に冷静でいられるか…それが重要だ」

メイド「ご主人様…」

母「ふっ…なんだ、メイドよ」

メイド「ホー●ックによっても良いですか?」

母(ああアタシの話無視ですかそうですか)


33 :VIPがお送りします [sage] :2008/08/15(金) 21:24:52.74 ID:JEXh2Zny0
兄さんとお兄様が混じってる


34 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 21:29:32.20 ID:y9hUUYJE0
これは俺の羞恥小説の続きか


35 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:30:44.47 ID:ltTmoXjGO
母「てかアンタ、外国の出なのに良く知ってるね、ホー●ック」

メイド「昨日のうちに…調べたので」

母「あれを買う気かい?」

メイド「…」

母「改造ならアタシに任せとけ。
だから、好きなのを選んでいいよ」

メイド「…」コクリ

そしてメイドは、ホー●ックへと入っていった。

母(なんか…違和感があるな。
ホー●ックとメイド服)


36 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:36:07.59 ID:ltTmoXjGO
兄「ご馳走様でした」

椎香「ごちそーさまでした」

妹「お粗末様でした」

兄「いや、やっぱり妹は料理が上手いな」

妹「それほどでもありませんよ」

兄「やっぱあの味噌汁? いやー、昆布のダシが効いてて実に良かっ――」

妹「今朝のはニボシです」

兄「…」

妹「兄さん…味オンチなんですね」

兄「何言ってるんだ、わざとに決まってるだろ」

妹「わざと間違えるメリットがない気がしますが」

兄「やかましい」


37 :VIPがお送りします [sage] :2008/08/15(金) 21:37:08.43 ID:fZVgyROC0
まっていたぞ!わっはtっつtっつtっつ


38 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 21:41:49.74 ID:bxWATIRo0
まさか また>>1の話が読めるとは


39 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:42:56.20 ID:ltTmoXjGO
兄「それよりも、問題は母だろうに」

妹「今日来るんですよね、兄さんの勘では」

兄「ああ。いつくるか分からん。場所も、玄関ならいいが窓か天井か、あるいは床から…」

妹「あの…一応ここマンションですよ?」

兄「お袋にそんなことは関係ない」

妹「私、母さんの記憶があまりないのでよく分からないんですけど…そんなに傍若無人な人でしたか? 母さんは」

兄「良かったなお前、お袋の記憶がないなんて。
その方が幸せだ」

妹「…」


41 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 21:58:48.77 ID:ltTmoXjGO
ピンポーン



兄「…」

妹「…兄さんもしかして、また外したら恥ずかしいとかお考えですか?」

兄「何故分かった」

妹「どれどれ、では私が出ましょう。
兄さんはその間、椎香ちゃんと居間で待機していて下さい」

兄「いや、ここは俺が出るべきだ」

妹「駄目です。兄さんでは冷静な対処が期待出来ないので。
それとも、冷静に対処する自信がありますか?」

兄「…分かった」

妹「また無関係の人に母だ母だと妙に騒がれても迷惑ですしね。
ではよろしくお願いします」

妹は冷淡にそう告げ、玄関に歩いていった。

妹「――どなたでしょうか?」

?「宅配便です」


43 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 22:13:19.49 ID:ltTmoXjGO
兄(来た! こんな短い間に、二度も宅配便が来るはずがねぇ…
母ざまぁwww)

妹「…待ってください、今開けます」

兄「さぁ椎香、こっちにおいで」

椎香「お兄様、宅配便なら私が出ます!
私、ちゃんと出来るんだもの」

兄「そうだとしても、今は我慢してくれ」

椎香「やっ、椎香が出るの、宅配便は、椎香が…」

椎香が兄の制止を振り切って宅配業者を装った母の所へ行こうとするので、引き止めるのが精一杯だ。
そして、

椎香「きゃっ」

兄「うわっ」

俺と椎香は転んで縺れ、俺は椎香の上に半ば覆い被さるような体勢となった。
傍目に見れば、椎香が襲われているように見える、まずいポジションである。

妹「失礼ながら…貴方、もしかして母さんではありませんか?」

?「はっは〜ん、流石は我が娘、ばれちゃあしょうがない。
そうさ、久しぶりだね、妹」


44 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 22:14:38.34 ID:ltTmoXjGO
顔の巧妙な覆面をルパンのごとく剥ぎ取った下から、不敵な笑みを浮かべた母が姿を現した。

妹「ええ…久しぶりですね、母さん」

母「あいつもいるんだろ? だったら話が早い。さっそく、帰国の事情を説明して――」

妹「あっ、今はまだ――」

ガラッ

母「…」

兄「…」

椎香「…」

妹(最悪ですね…これは)


45 : ◆j3vp2NYuuE [] :2008/08/15(金) 22:16:14.97 ID:ltTmoXjGO
と、ちょっと用事が出来た
いってくるわ


47 :VIPがお送りします [sage] :2008/08/15(金) 22:33:49.42 ID:jzAxboQs0 BE:1655220577-2BP(0)
>>1

いってら、保守しといてやる


48 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 22:48:49.43 ID:NoGJnAoe0
おお>>1待ってたぜ!
これは親父編てことで?


57 :VIPがお送りします [] :2008/08/15(金) 23:39:36.09 ID:NoGJnAoe0



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