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意地悪なメイド4.5
795 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/08/17(水) 01:49:07.27 ID:Djvohg5AO
主「ぶぇっきし!」

あや「汚っ」

主「バカ野郎。俺のは聖水みたいなもんだぞ。いわば黄金水だ」

あや「よりアウトなんで」

主「っかし、治安いいんだか悪いんだか」

あや「どこのお国もこんなもんでしょ」

『う、ぅぅ……痛ぇ……』

主「そんなもんかね。ほら、お兄さん達。お金以外を取られる前にさくっと退散しときなよー」

『ひ、ひィ!?』ドタドタ

あや「あや、お金取ってたんだ」

主「服、こんなにされたし。弁償金額以上は取らないつもりだぞ。……多少迷惑料はもらうけど」ゴッソリ

あや「明らかに迷惑料のが多くないすか!?」

主「ち、違うぞ! これはだから……通院費だ、色々と!」

あや「ああ、頭の」

主「手遅れ発言されたらどうしよう……医者怖ぇぇ」

あや「哀れな。で、進捗はいかほどなんすか」

主「んー、やばめ?」

あや「質問に疑問系で答えられても」

主「心にゆとりって大事じゃん?」

あや「のりしろとかならありそうですよね」

主「器がデカいからな」

あや「単に頭にスペース空いてるだけじゃ」

主「失礼な。……失礼なっ」

あや「なんで二回言ったんすか。で、本当にヤバいんすか? 確かにわんころさんの噂は絶えませんけど」

主「やれるだけやってんだけどな。お前が言ったようにどこの国も同じようなもんでな。あいつらは組織ってもんに取り入るのがうまいんだよ」

あや「つまりピンポイントで標的をどうこうが難しくなってる、と。厄介な話ですね。『何でも屋』の名前が泣きますよ?」

主「『便利屋』ほど楽なお仕事でもないんでね」

あや「……」キッ

主「……」フフン

あや「まぁ、いいです。でも急いでくださいよ。任、解かれるんすよ、もうすぐ」

主「俺にやれってか? お前の立ち位置を。それこそ余計に火種になるっての」

あや「いっそ正直になればいいのに」

主「他人ごとだと思って」

あや「他人ごとですし」

主「嘘つけよ……っと、みーちゃんから連絡だわ」

あや「ミサキさんからっすか。何て?」

主「お料理が出来たそうな。おーおー、よっぽど自信作か写メまできたか。見る?」

あや「遠慮しますよ。のろけは余所でどうぞ」

主「……」

あや「そんな心底嫌そうな顔せんでも」


832 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/08/30(火) 02:04:00.03 ID:0qFzQH0AO
め「久々の登場に胸が躍りますね。物理的に」

あや「物理的に躍るほどなくてすみませんね」

め「ははは。はは……かわいそうに」

あや「哀れまないで?! 一番傷つくから!?」


【乳】


め「もはや悪意しか感じない一文字が燦然と頭上に輝いておりますね。南無南無」

あや「何故拝む必要が」

め「あや様がこれを機に自らの命をたたれた場合に備えまして」

あや「嫌な予行練習だな?!」

め「それにしても完璧な絶壁ですね。パー壁なない乳です」

あや「そうっすね」

め「もはや脂肪分が全くないのではと疑うレベル。吸引でもしたんすか」

あや「してませんよ。いいじゃないすか、元からのスペックなんすから。気にしてませんし」

め「そこが良くないのではないかと。もっと貪欲におぱーいをもぎ取っていくべきです」

あや「どこから」

め「……。まぁ、世の中余ってるとこには余ってますので」

あや「はい?」








メ「ぶぇっきし!! うぅ……風邪っすかね」

妹嬢「まずは人に向かって全力で唾やらくしゃみを飛ばしたことの謝罪からでしょうに」

メ「ああ、なら鯉のぼり相手だし謝らなくていい、と」

鯉「こ、このハムは……!!」

ハム「誰がボンレスじゃい! この土管め!!」

土管「ど、どか……?! 黙りなさいこの肉団子!」

肉団子「にくだ……!? ぐぬぬ……!」

男(何故口論だけは小学校なみなんだこの二人は……)


871 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/09/16(金) 01:11:57.35 ID:zpWCL57AO
男「あらすじのコーナー」

メ「主様のぽんちおミルクたんくがはちきれそう!」

男「端的にアウトだよ!!」


【意外と仲良し】


キャイキャイ ワイワイ

男「っ……、あー、ダメだ。街を歩くだけでも目に毒だよ。なんで最近の子はこう、露出がピンポイントなんだ」

あや「おやま。どこの田舎ギャルかと思えば」

男「嫌な認識持たれたな、おい」

あや「毛、処理してるんすね」

男「非常〜に不本意ながら」

あや「帽子で顔隠してるから後ろ姿ですぐ気付かなかったっすよ。で、プライベートまでとうとう乙女に?」

男「な訳あるかい。……よく見たらなかなかいい服来てるね、うん」

あや「ひん剥かれる?!」

男「そこまで外道なもんかよ。そういう服、安く手に入る場所とか教えてほしいんだ。手持ちが少ないし」

あや「いいですけど、せっかくだしこのままの格好でもうしばらくぶらぶらしてみません?」

男「人の不幸を楽しみやがって」

あや「そりゃ蜜の味なんで。んでもまぁ、こちらもクライアントの事を鑑みるとこれ以上は後々しんどいし……協力しますよ」

男「君が打算的で良かった」

あや「にゃはは。大船に乗った気でいてくださいよ。んじゃ、おすすめの風俗店でいいんすよね」

男「沈め! そんな大船沈んでしまえ!?」

あや「純情すなぁ。いいじゃないですか。チェリーで初めては憧れのあの娘に! って人でもないでしょ」

男「……割とそのタイプなんですが」

あや「あー……。あー……」

男「前半が呆れで後半が納得のニュアンスなのな」

あや「分かりました分かりました。んじゃこうしましょう」

ぐいっ

男「っと?」

あや「安くしときますからそこのホテルで一発いっときましょ。部屋代は割り勘でいいんで」

男「だから?!」



その後通りすがっためいどによる強制拉致までこのやりとりの無限ループ。


872 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/09/16(金) 07:35:20.34 ID:7FfuwYeQo
なんか恐ろしいことになっていらっしゃる・・・


873 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/09/18(日) 01:57:29.50 ID:Hl1tkqVAO
あや「名前が出た途端にこの扱いだよ!」

め「あや様が絡むと生理的に受け付けないのでしょう。……割と致命的な部類ですね」

あや「泣くよ? さすがに泣くよ?」


【あやちゃんいじめは楽しい】


あや「何故か標的がこっちにシフトしたような」

め「あや様の被虐体質はもはや遺伝子レベルな何かですから。致し方ないことかと」

あや「そうやって大層な理由をつけたってダメですからね?」

め「さておき、先程の女装変態さんを放ってきた訳ですが大丈夫でしょうか。頭とか」

あや「ものすごい常人な発言をどうも。大丈夫大丈夫、さっきちらっと相方さんの姿を見かけたから」

め「相方ですか」

あや「そうそう。メイド服姿で街中歩いて。すごいよね、何だかんだで最後はしっぽりなんだよ」

め「すごいというよりも、まずは社会の常識を疑う光景ですね」

あや「……厳しく一般目線で切り捨てますね。しかもめいどさんから出る台詞というのがまた……」

め「世論を代表するめいどの意見に何か問題でも?」

あや「常識の顕現ならせめてこっちに対する扱いも改善するとか」

め「御安心ください。何一つおかしいところはありません」

あや「うん。うん……あのね、だったらこの首輪と紐を外してください」

め「何故でしょう」

あや「世間一般から見たら異様な光景でしかないからだよ!」

め「あや様。社会のルールとは社会に生きる人間に適用されるものです。極貧乳枠はまた別でして」

あや「そのカテゴライズは一部の身体的特徴を持つ人の人権を著しく損なってますよ!?」

め「極貧乳に人権はありません」

あや「言い切ったー?!」



※どなたにも等しく人権はあります。


887 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/09/29(木) 01:04:47.67 ID:0bZTwUxAO
め「ふむ。お久しぶりです」

あや「え、急に何?」

め「いえ、何故か突然言わなければいけない謎の強迫観念に迫られまして」

あや「えぇと……ご苦労様?」

め「お勤めですので」

あや「それよりめいどさん。もう秋ですよ、秋」

め「そうですね。それが何か」

あや「なのに何でこんな場所に呼び出したのかな、と」

ザザーン

め「あや様が人前で露出を極端に嫌がられますので、めいどなりの気遣いです」

あや「うん、うん。……泳がないよ?」

め「何と。では何の為にこんな時期に海など来たというのですか。頭がおかしいのではないですか」

あや「うん、うん。それ、完全に自分に言ってるのと同じだからね?」

め「あや様。まずは非を認めるのも立派な大人の役目ですよ」

あや「立派な大人は人に責任転嫁しません」

め「めいど、大人ではありませんので」

あや「何その逃げ口、じゃあ何だってのさ!?」

め「めいどです」

あや「うん……うん?」

め「では結論を得られたところで着替えといきましょうか」

あや「話を進めるの?! いやいやいや、枠外な解答につっこむべきか生着替えを強要されることにおののくべきか!?」

め「……いいから早くしてください」

あや「強引ぐマイウェイ!!」

め「さぁ、この見えない水着に」

あや「まずは着替えるという選択肢に抗うから! 絶対お断りだからっ」

め「そんなあや様に何の価値が」

あや「人間性の否定?!」


888 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/09/29(木) 01:14:54.25 ID:0bZTwUxAO
め「888。いわゆるキリ番というものでしょうか」

あや「分かっていながら自ら踏んだよこの人!」

め「あや様、逆に考えてください。踏んでいただく方すら居ない事実をもみ消したと」

あや「逆というか悲観論だよ!」

め「せめて絵心でもあれば別だったでしょうに。あや様が」

あや「妙な責任転嫁を……」







あや「はぁ、はぁ」

め「むぅ。どうしても駄目ですか」

あや「どうしても嫌です」

め「こんな寒空の下、風にうたれ塩気に肌を傷めるめいどが懇願してもですか」

あや「全く同じ条件下でむしろさらに悪化させようと強要してくる相手にうなずけるか!!」

め「そこは価値観の相違でしょうか。カースト制度のような」

あや「価値観というか身分!?」

め「我々の間に横たわるヒエラルキーのバランスはもはや青虫とキャベツのごとく」

あや「互いに低いなぁ……」

め「キャベツの葉のようにめいどが外側から剥いていく。つまりそういう事かと」

あや「脱がす方向は変わらないのね」

め「さぁ、一息に。とは言いません、じわじわと参りましょう」

あや「よりたちが悪いわ!!」


909 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/05(水) 01:45:59.40 ID:slOE6BqAO
め「あや様、あや様」

あや「何でしょう」

め「あや様とめいどの間に子供が出来た場合、あやめという名前は如何でしょう」

あや「何その幸せ家族計画!! 身に覚えがないどころか諸々の事情含めて分かっているのに嫌な汗でたよ!!」


【どっちが身ごもるんだろう】


め「ちなみに当て字で字面はなるべくインパクトを持たせてみたいかと」

あや「どんどん話を進めたいんだろうけどあえて腰を折ると何でまた急にその発想が出たかな。五文字以内でお願いします」

め「ひまなので。という訳で漢字なのですが」

あや「きっかり説得力持った五文字を……!!」

め「殺めとかどうですかね」

あや「名前を記入する度に名字がかわいそうなことなるよ! というか怖い!!」

め「なるほど。オブラートに包めと」

あや「根本的に漢字のチョイスが間違ってるんですが」

め「……殺女?」

あや「だから前半が間違ってんだって! 後半むしろ良くなったのに前半のせいで台無しだよ!!」

め「ではあや様ならばどのような?」

あや「え? あ、えと……そうっすね。やっぱり可愛い名前とかがいいっすよね。我が子なんだし。何がいいかな〜♪」

め「あや様とめいどの間に子供は出来ませんがね」

あや「乗り気になったらこれだよ!!」


912 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/07(金) 02:10:57.65 ID:JrqQrOVAO
ミーンミンミンミン……

あや「はぁ、はぁ……あづぃ。街中なのに誰も歩きゃしない。調査にならんでしょ、これじゃあ」トボトボ

あや「しかしこうも気温が高いと従来以上の負荷がきやがる訳で端的に言って倒れそうな訳で。……誰と話してんだこれ」フラフラ

あや「あ、ダメだ。ヤバい、電池切れ……」フッ

ドサッ



ミーンミンミンミン……


【“あやめ”な絡み】


あや「ん……あれ、すずし……」モゾ

女「ふぁ、気がついた?」

あや「あ、えっと……?」

女「んと、道端で倒れてたから公園まで運んだの。ここ、ちょっとした林になってるから太陽は来ないし風通しもいいんだよ。気分は良くなった?」

あや「あ、はい。一通りの機能不全は解消されたみたいです」

女「だったら良かった」ホッ

あや「失礼っすけど、どちら様で」

女「あ、わ、そだった。ごめんね、初対面なのに、あの、いきなり馴れ馴れしいし、勝手に移動させるしで、あの……あぅ」

あや「あや、謝られる必要はないっすよ。ありがたい話ですし。っとと、改めましてありがとうございます」

女「う、うぅん、いいの。えへへ」

あや(……天使みたいな人だ)

女「ん、そろそろぬくまっちゃったかな。冷やしてくるね」

あや「ほぇ? あ、ハンカチをあててくれてたんすか……」

女「ひんやりしてた方が気持ちいいかな、って。待っててね、今もう一度濡らしてくるから」

あや「あいや、でも」

女「いいからいいから。困った時はお互いさまだよ? もうしばらく休んでてね」

なでなで

あや(あ……ヤバい。なんかこう……)

女「それじゃあ、よいしょ。ちょっとだけごめんね」トタタタ

あや「い、いえ」

あや(自然すぎて気付かなかったけど膝枕してもらってたんだ。あぅあ、今更ながら恥ずかしくて憤死しそう)

あや「……。仕事、戻らないと。黙って行ったら悪いかな。でも……うぅ」

あや(何を迷う必要があるんすか! ああいういい人を巻き込まないのも大事な役目! 嫌われたって構わないから今は行く! よし!!)






女「お待たせ〜」

あや「全然待ってないっすよ」

あや(意志弱っ!! 結局待っちゃったよちくしょー!!)


913 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/07(金) 02:30:01.96 ID:JrqQrOVAO
女「そっか。あやさんって言うんだ」

あや「さん付けなんて大層なもんじゃないっすよ。呼び捨てちゃってください」

女「はわわ、そんなの申し訳ないよ。えと、だったらあやちゃんでいい?」

あや「はい!」

あや(ああ。なんだろう。ドグサレどもの相手に慣れたせいかこの時間があまりに貴重に思えて仕方ない!)


【基本的自分もカウントされてます】


女「涼しくな〜れ」パタパタ

あや「はぅ……」

あや(こんな台詞、他のが吐いたら即私刑なペナルティなんだろうなぁ)

女「ところであやちゃん」

あや「ふぁい?」(蕩)

女「あやちゃんはちゃんとお肌の手入れとかしてないでしょ」ズイッ

あや「は、はい?」

女「だからお肌のお手入れだよ」

あや「いや、えっと……そうっすね。必要ないことなんで」

女「だめだよっ」ズズイッ

あや「はひ?!」

女「ほら、肌がひび割れしちゃってるし、くまだって出来てるよ?」

あや「で、でもそんな時間があれば他にやるべきこととかあるんで……」

女「女の子は自分をキレイにするのが権利以上に義務なんです! 最優先課題です! 必須事項なんです!」

あや「え、えぇ」

女「とりわけあやちゃんは可愛いんだからそれを保とうとしないのはもったいないよ」

あや(可愛い? 誰が?)

女「んー。UVケアとかしてないんだろうなぁ。だめだよぅ。数年後に泣きをみちゃうんだからね」

あや「は、はぁ」

女「よし! ここは私が一肌脱いじゃうからね。えぇと、確かここに」ゴソゴソ

カキカキカキーン! てってれてっててーっててー!

女「私特製天然美肌化粧水ー!」

あや(なんかすごいのきたー?!)

女「これ一本で美肌効果がメラニンの生成を抑えて万人にパッチテスト済みの浸透力がDNAレベルで美白効果な昼も夜もこれ一本な保水効果なんだよー」シミコム シミコムー

あや(あ……でも気持ちいい……なんだろ、こんな感じ久しく忘れてた)

女「くす。やっぱりあやちゃん可愛い」

あや「ほぇ?」

女「ううん。なんでもないよ〜」ペタペタ


915 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/11(火) 02:07:44.31 ID:lSeqsyKAO
あや「ありがとうございました。もう大丈夫です」

女「ほんと? つらくない?」

あや「ういっす! バッチリっす」

女「そっか。……これからどうするの?」

あや「一応仕事に戻るつもりですかね」

女「そなんだ……」

あや「ただ、この気温と天気なせいで人通りもない少なくて仕事にならないんすよね。なので今日はもう引き上げようかと」

女「あ、じゃあね、一緒に買い物、付き合ってくれない、かな?」

あや「買い物っすか? 構いませんけど」

女「やた。ありがと。じゃ、早速いこ」

あや「ういっす」


【デート】


あや(って普通に付いてきたけどダメじゃん! 早く別れるつもりが何をとちくるってんだ!?)

女「〜♪」

あや(あまりに毒気がなくてあっさり頷いちゃったよ。でも案外刺客だったりしそうだし、ちゃんと警戒くらいは……)

女「……」ニコッ

あや「……」ニヘラ

あや(って、あっさり靡いちゃうよこれ!? ぐぬぬ、女さんが刺客だとしたら恐ろしい人だよ、マジで)

女「これなんかどうかな〜。うん、これとこれかな。あやちゃん、はい」

あや「うい?」

フリフリ〜

あや「な、なんスか。このフリフリした服は」

女「あやちゃんのだよ」

あや「へぅ?! え、いやなんで!?」

あや(というかいつの間にか服屋に!)

女「似合うかなと思って。試着してみて」

あや「い、いいっすよ。お金もないし。ほら、それより女さんの買い物しないと」

女「お金なら私が出すからいいよ。これは私が欲しいものだし」

あや「だったら何で試着を勧めて……」

女「だって私がそれを着たあやちゃんを見たいんだもん。ね、お願い?」

あや「や、しかし、こう肩とか腕とか太ももとか出ちゃうし、フリフリしすぎて自分にはあんまりイメージ違うというか」

女「……だめ?」ウルウル

あや「え、と。あの……わかりました。試着だけっすからね」

女「やた♪」

あや(……騙されてないかな、これ)


916 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/11(火) 02:17:39.50 ID:lSeqsyKAO
あや「うぅ……」

女「すっごい可愛いよ! うん、可愛い!」

あや(あああ、肩とか股下がスースーするぅ!!)


【ノースリーブにミニスカニーソってなんであんなにエロ可愛いんでしょうか】


女「あとはリボンとネクタイと〜」

あや「あ、あれ?! 元の服はどこに!?」

女「大丈夫だよ、もう支払いは済ませてあるからそのまま出ても」

あや「いや、そっちではなくて!」

女「前のは私が預かってあるから大丈夫。良かったらクリーニングとか出しておくよ?」

あや「全力でお断りします!! あの。お願いなので前のに着替えさせていただけませんか?」

女「んー。じゃあ、買い物の間だけ、付き合って。そしたら着替えてもいいから」

あや「ぐっ、何が何でも今すぐはダメなんスね」

女「うん。お願いします」

あや「……。はぁ、わかりました。買い物の間だけっすからね」

女「えへへ。ありがとう」

ぎゅっ

あや「ふぉ?!」

女「よし、じゃあ可愛くなったところでまずはご飯を食べにいこー」

あや(う、腕を組まれた!)

女「〜♪」

あや(全く……意外と強引というかやっぱり変な人だったというか)

あや(けど、まぁ)



917 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/10/11(火) 02:37:34.38 ID:lSeqsyKAO
女「今日は楽しかったよ〜。振り回しちゃってごめんね」

あや「い、いえいえ」

あや(まさか結局あれから四時間も拘束されるとは思わなかったけどね!!)


【女さんセンサー】


女「ふふ。でもほんとに楽しかったよ」

あや「喜んでもらえたなら何よりっす」

女「うん。でも不思議だな……」

あや「何がでしょ」

女「あのね。実は私ってすごい人見知りで初対面の人とは全然うまく話せないの」

あや「……」ジー

女「ほ、ほんとだよ? でも時々、暴走しちゃうことがあって」

あや「暴走?」

女「うん。えと……何ていうのかな。あやちゃんみたいな可愛い子を相手すると、こう、気持ちが溢れちゃって、周りが見えなくなるの」

あや「可愛い人なら街中探せばいっぱいいるじゃないっすか。まさかそのたびに暴走を?!」

女「あはは、そこまではないよ。それに私の可愛いっていうのは女の子もそうだけど……あれ? あ、もしかして、だから……」ブツブツ

あや「どうかしました?」

女「……あやちゃん」

あや「はい」

女「あやちゃんって……あの、その」

あや「?」

女(そ、そうだよね。さすがにメイクとかでごまかした感じじゃないし、体格や骨格もそうだし……)

女「ううん、なんでもない。ごめんね」

あや「はあ」

女「それじゃあ今日はこの辺で失礼するね。良かったらまた機会があれば一緒に遊ぼう。これ、私の連絡先だから」

あや「ありがとうございます。って、このブランド名……もしかしてすごい有名な方でした?」

女「すごいのは私じゃなくて師匠だよ。全然有名なんかじゃないんだから」

あや(いや、その師匠が弟子とらないので有名なんすけど。でも考えようによっては行幸でしたね。まさかこんな形でコネが……いや、やめよう。この人とはそういう繋がりじゃない)

あや「了解。では一個人として、またの機会によろしくお願いします」

女「うん。それじゃまたね〜」パタパタ

あや「はい。また……」








め「で、そんな格好をされていると。ぷっ」

あや「仕方ないでしょ! まさか本当にクリーニングに出してるなんて知らなかったんすから!!」

め「いやいや。超お似合いです。ぷーくす」

あや「ちくしょー! やっぱこの扱いか! このポジションかー!!」



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