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意地悪なメイド4
196 名前:GEPPERがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/09/13(月) 23:32:48.41 ID:65gasow0
男「勝負は見た目で痩せてる方がってことになりました」
メ「が、主様に気のある子らが相手だと色々と私が不利ですんで」
男「妹ちゃんとかに審査お願いするか」
メ「それは私が不利なんでダメです」
男「そうか? 正直な意見をくれると思うけど」
メ「いや、中身がね。こう、色々と変る可能性があるんで」
男「メタ視点だな、おい。まぁこ完全に楽屋ネタ系だからいいんだけど」
メ「というわけでうってつけの人物を用意しました」


あや「どもー! 外伝とか言って全然かかれないかわいそうな子でーす!」


男「誰?」
メ「一般参加の方ですね。オリジナルに含まれるのでしょうか」
あ「……いや、そりゃ自分でかわいそう言ったけどさ。どうなの、この扱い。一応ゲストっぽい感じでしょ?」
メ「え? 一般の方ですからゲストとかないと思ってたんですが」
男「ま、どっちにせよ面識ないなら正直な意見がくるな。よしよし」
あ「あの、実はちゃんと今後面識とか出来ていくはずなんですよ? むしろなんだかんだで絡む予定なんですよ? 聞いてますね? ねぇ、あの聞いてますか?」


男「というわけで連続深夜シリーズダイエット編」
メ「どーぞー」
あ「え!? あれ、これで出番終わり?! 審査のときまで!!? ちょ、ま……!!」


374 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/11/14(日) 23:27:24.46 ID:JqTrjOI0
ザーザー……

バタン

男「ただいま、っと」
メ「おかえりんこりん。結婚してしまうとは」
男「ゆうこりんな。結構可愛くて好きだったんだけどな」
メ「キャラ作り間違えてるあたりがですか」
男「言うなよ」
メ「私も頑張って電波系に!」
男「これ以上俺に対する負担を増やさないでくれ。精神的にも肉体的にも」
メ「で、玄関先に突っ立ってないで早く入ったらどうです」
男「誰のせいでこんな立ち話してると思ってやがる。っと、わぷ」
メ「ずぶぬれで入られても困りますんで。しっかり拭いてくださいよ」
男「了解。さんきゅ」
メ「感謝料一億万円。ってそういや傘持ってってませんでした?」
男「あげた。めいどさんが居たからさ」
メ「さいで。あれからしばらくですがどうです?」
男「相変わらず毎日探して歩いてるよ。見ててこっちが辛い」
メ「なんとか足取りなんか追えるといいんでしょうが……」
男「メイド長さんも個人的な事なだけにあまり動いてもらえないし。待つしかないのか」
メ「朗報を待ちましょう。一応、メイド長さんも知り合いをあたってくださったそうなので」
男「そうだな。それじゃ、今夜は何作るかね」
メ「食べるラー油のみとか」
男「ぢにでもなりたいのか、お前は」



ざーざー……

め「……。ふぅ」
め「こちらにも居られませんか。どこへ行ってしまわれたのか」
め「それにしても助かりましたね。この傘。人類はこれほどの英知を生み出していたとは」
め「この際、探し人を見つける装置でも作ってしまえばいいと思うのですが。全く、出来るようで出来ない人たちばかりですね」

ざーざー……

め「……。独り言が増えてきていますね。危ない人です。気をつけましょう」
め「おや。あんなところに路地が。まだ見ていませんでしたね、いってみましょうか」



?「……あの子がそう、かな」


375 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 23:33:21.99 ID:RvS9moAO
め(ただでさえ雨で暗いですが、裏路地となると少し前すらほとんど見えませんね)
め(こんなところにご主人がいるはず……いえ、可能性は全て当たりましょう)

ガサッ

め「……?」
猫「にゃーん」
め「猫、ですか。……おや」
め(血、ですか? こんなに赤く。怪我でもしているのでしょうか)

バッ! ……タタタ

め(逃げ足の早い。怪我ではないのでしょうか。だとするとあれは……)

ザーザー……

め「あの猫はこちらから来ていましたかね。行ってみましょうか」




?「あれま。ずんずん行くね。その先にはあんまり行ってほしくないんだけどなぁ……仕方ない、か」


376 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 23:42:15.46 ID:RvS9moAO
ザーザー……


め「……」
め(なんですか、これは)



ザーザー……



め(何故、“人が血まみれで倒れている”んですか)
め(辺り一面、こんなに赤く。先程の猫はここを通った?)
め(いえ、しかしそれならばあれほどまでに赤くはならない。せいぜい足が汚れる程度)
め(だとするならばあれは返り血? ……近くを通った時に、この方が倒れて)
め(そしてあの赤色はまだ綺麗なそれ。つまりまだこの方は倒れてすぐ。助けて差し上げることが)
め「もし、どなたか存じませんが大丈夫ですか。もし」

ゆさゆさ

?「っ……、バカ!!」

ドンっ

め「え?」

ドサッ……チュン!

?「くっ、やっぱり近い。ほら、立って! 走りますよ!」
め「え、あの」
?「いいから走る!!」
め「は、はい」

ダダッ






ザーザー……


「……ちっ。仕留め損ねたか。面倒なことになるな。はぁ」


377 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 23:52:45.66 ID:RvS9moAO
バタン

?「ハァ、ハァ。とりあえずここで様子を窺いましょうか。出口も多いですし」
め「あの、いくら空きテナントとはいえ無駄利用は」
?「命が残ればいずれ払えばいいんすよ。それよりあんな場所で呑気になにやってんすか!」
め「呑気、でしょうか。めいど、彼がまだ倒れて間もないと思い、助けられないかと」
?「それはつまりそうした犯人がまだ近くにいるかもしれないって事でしょうが! それをあんなに声出してあまつさえ死体に触るなんて」
め「亡くなられていたのですか」
?「見てわかるでしょ。あれだけやられて、血も流して生きてたら超人っすよ」
め「そうなのですか。初めてそういった現場に立ち会いましたので」
?「……ま、普通はそうですかね。というか騒がず冷静だった分、すごいですよ」
め「誉められると悪い気はしませんね。ところであなたは?」
?「あ、自分っすか。自分はあや。あやって言います。ま、しがない探偵くずれの何でも屋ですよ」
め「あや様、ですか」
あ「むむ。なんかその呼び方は色々こそばゆいというか癪に障るというか恥ずかしいというか屈辱というか」
め「改めた方が?」
あ「いや、大丈夫っす。ごく個人的な事なんで」
め「ではあや様。何故いきなり私に抱きつき、走らせたのでしょうか。めいど、魅力的過ぎたのですかね」
あ「割と危機感ないよね? いや、あの時撃たれてましたんで、めいどさん」
め「……」
あ「おお、驚いてる驚いてる。気づいてなかったんだ」
め「はい、全く」
あ「ま、雨でしたしね。こっちもタイミングは勘みたいなもんでしたがうまく逃げられて良かった」
め「では次の質問ですが、何故あや様は私を助けてくださったのですか? 偶然通りかかるような場所でもタイミングでもなかったですが」
あ「一言で言うならお仕事ですよ」
め「仕事、ですか」


378 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/15(月) 00:02:28.94 ID:i.jNxYAO
あ「とある方から頼まれましてね。ないとは思うけど何かあれば守ってほしい、って」
め「それは……それは、ご主人でしょうか」
あ「ご主人? えぇと、明かせる範囲で言うと女性ですよ。依頼者は」
め「……。そう、ですか」
あ「なんかすいません、期待に沿えなかったみたいで」
め「いえ。ところでこれからどうされるのですか」
あ「しばらくやり過ごします。頃合いを見計らって大通りまで逃げましょう。そこからの逃走経路は別途計算します」
め「やり過ごす。ということはまだ」
あ「ま、警戒してあたりを探してるでしょ。虱潰しになりますからかなり時間をかけると思いますんで、だいたいの頃合いはこっちで判断します」
め「そのあたりはめいど、判断つきかねますのでお任せします。……おや?」
あ「どうかされました?」
め「あや様。血が……」
あ「え? あ、ああ。撃たれてますね」
め「平気、なのですか?」
あ「……あ。……」
め「……」
あ「い、いたたたた! 痛い痛い! すっごく痛いなー!」
め「気のせいでしょうか。めいど、かなり胡散臭く感じます」
あ「や、マジですって多分! すげぇヤバい! ヤバいよヤバいよ!」
め「先程まで普通にされていたはずですが」
あ「ほら、傷口見るまでセーフ! みたいなね!」
め「まぁ、いいですが。ならば治療の為に早く動いた方が」
あ「う……そ、そうっすね。ではお言葉に甘えてもう少ししたら動きましょう」
め「すぐでなくて大丈夫ですか?」
あ「はい、すぐは多分まず……っ!?」

ガバッ

め「む、なんですか急に。めいど、やはり魅力的過ぎ……」
あ「が、っぐ!」
め「あや様? ……!?」

ぬるり……


379 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/15(月) 00:17:12.02 ID:i.jNxYAO
め「え……あ、え?」
あ「じっと、しててください」
め「し、しかし!」
め(音はなかった。でもまさか……あや様、撃たれて!)
あ「いいから。聞いてください。いいですか、私もお供したいですがどうやら相手は私の想像以上に優秀です」
め「あや様、しゃべらないで、傷が!」
あ「いいから聞いてください!」
め「……っ」
あ「今から合図をしますから一直線に後ろへ走ってください。その後、出た先を右へまっすぐひたすら全速力で走ってください」
め「……」
あ「大通りに出ますのでそのままどなたか信頼のおける方のお家へ向かってください。いいですね」
め「わ、私は……」
あ「お願い、します」
め「わかり……ました」
あ「では、いきます。3、2、1……Go!」
め「っ!!」

ダダッ

あ「どうか逃げ切って。……あ、ぐ。さすがにダメージもらいすぎましたかね」

コツ、コツ

?「……」
あ「おや、まさかあなたが相手だったとは……どおりで対応が早いはず」
?「こっちも驚いてんよ。まさかこの銃弾が貫通しないとは。どんな堅さしてんだよ」
あ「ふふ、胸が絶壁なんで」
?「言ってろ。じゃあな、寝てろ」
あ「ではお言葉に甘えて。引き金、引いちゃってくだ……」

ドス!

?「お前相手に銃弾なんか使ってられるか。そのまま床に磔いてろ」
あ「……」
?「ったく、面倒かけさせる。さて、どこの誰か知らねぇが逃げ切らせねぇぞ、と」


385 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 00:45:37.86 ID:09saSUAO
主「あー。めいどさんや、離してくれんかね」
め「お断りします。ご主人はきっと離せばこのままどこかへ行くつもりです」
主「割とご名答。って嘘、嘘だから。そんなにきつくすんなって!」
め「……」
主「そんな顔したってダメだ。言いたいことあるならはっきり言いなさい」
め「おかえりなさい」
主「……!」
め「おかえりなさいませ、ご主人。ご飯、ありますよ。お風呂も入るならすぐ沸かします。だから」
主「……」
め「だから、まだ行かないでください」







あ「いっつつ……無茶しすぎだっつの。本当に」
?『しかし彼女を守ってくださった事には感謝します』
あ「後で別料金請求しますからね? こちとら赤貧生活なんすから」
?『ええ、雇い主にはそうお伝えしてあります』
あ「ま、どうせ私には大して入ってこないのはわかってますが」
?『それで。本当に猟犬が?』
あ「はい、先の仕事で一緒でしたから見間違いはないかと。あちらも割と反応してましたし」
?『なるほど。では彼女の周りには……』
あ「はい。恐らく、ワンちゃん達が大集合中っす」
?『厄介、ですね。引き続き……』
あ「私には役不足ですよ」
?『役不足は物足りないという意味ですのでつまりは了承と取らせていただきますね。以後、再びよろしくお願いします』
あ「日本語の馬鹿! なんだそれ、使い方とか知らないし! いやぁー、まだどてっぱらに杭打たれたままなのに次の仕事なんてー!」
?『ああ、そちらの救助には誰かしらが向かう予定ですので。いずれ。では』
あ「救援予定だけすごいアバウト! って待って、ちょ、ちょっと待ってってばぁー?!」


414 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/26(金) 00:54:53.88 ID:IBQFicAO
男「とは言えほっぽりだす訳にもいかないだろ」
メ「ま、私が迷惑しない内ぐらいは多目に見ますよ」
メイド長「こちらからも出来る限りのことは」
男「あ、じゃあ一つ頼みが。前にあの子には学校に行かせるって話があったんでさ、ちょっと探してたんだよ」
メ「結局断ったんじゃ?」
男「断っちゃいなかったさ。その理由を聞かされて押し付けられて。なかば決裂みたいな形で引き取っただけだし」
メ「つまり学校へ行ってもらうつもりはあったと」
男「そういうこと。色々学ぶのは悪いことじゃない。今のところは料理学校にでもとは思ってるけど」
メイド長「そこで通う間の警護をといったところでしょうか」
男「話が早くて助かる。なんかきな臭いらしいのは本人から聞いた話からも分かるから」
メイド長「彼女自身が標的となる可能性も今では充分にありますしね」
メ「うちに直接来ないのは……」
メイド長「曲がりなりにもあの方の縁者です。下手な手出しは相応の覚悟をおっていただきます」
男「だからこそ離れる間はって事で……無理かな?」
メイド長「問題ありませんよ。元より依頼自体は外部ですが出してありますので。あまり頼りになりませんが」
メ「いきなり不安にさせてきましたね。私にとっちゃさっさと居候が消えてくれるなら願ったりかなったりですが」
男「お前な」
メ「けど。……ご飯は割と美味しいですし、勝手に居なくなられても目覚め悪いですから。よろしく頼みますよ」
メイド長「言われずとも」
男「……素直じゃねぇな」
メ「ふふ。その方が魅力的ってことで」






あ「ぶぇっきし! ……ずず。あー、なんかまた嫌な仕事が回ってくる予感。もとい悪寒」


415 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/26(金) 01:01:02.04 ID:IBQFicAO
め「これが料理学校。なかなか立派な設備ですね」
あ「全くですよね。高い料金払ってるだけある、と」
め「あや様もこちらに通われていたのですね。心強いかと」
あ「ははは。まぁ放り込まれただけですが」
め「今日からもよろしくお願いします」
あ「はいはいこちらこそ。……料理かぁ」





め「ふむ。このような調理法があったとは」
あ「飲み込み早いっすねー」
め「かくいうあや様もかなりの腕前かと」
あ「ああ、自分見た目だけなんで。味とか全然っすから」
め「確かにやたらと薄い時や濃い時が」
あ「へへ、自分、不器用ですから」
め「そうですか」
あ「あれー! 割と渾身のモノマネなのにー!」
講師「そこ、うるさいですよ」
め「すみません、よく言い聞かせますので」
あ「な、なんすかこの理不尽に湧き上がる怒りの波動は……」


425 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/29(月) 01:28:55.79 ID:90SJosAO
あ「帰り道まで本読んで。勉強熱心すねー」
め「何かの知識を得ることはプラスですので」
あ「いい心がけっす。でも前見て歩かないと危ないんで」
め「大丈夫です。あや様のリードがあれば問題ないかと」
あ「裾、思いっきり掴まれる側としてはなんとも頷きにくいような」
め「信頼のあや様ブランドです」
あ「どうも。っと」
め「……? どうかなされましたか」
あ「あ、いや。んー、めいどさん。そこの喫茶店でタルト買ってきてもらっていいですか? ご馳走しますんで」
め「構いませんが。急ですね」
あ「思い立ったらって事で。ではお願いします」
め「承りました。それでは行って参ります」
あ「いってらっしゃーい」






あ「さて、そこの人。あの方に用事なら先に自分の相手してもらってからでいいですかね? お話はそこの路地で聞きますんで」


426 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/29(月) 01:34:26.52 ID:90SJosAO
め「あや様、どちらに行かれていたんですか」
あ「や、すいません。ちょっと御手洗いに」
め「めいど、探しに行こうかと迷ってしまいました。これからは気をつけてください」
あ「なはは、了解了解」
め「……? あや様、腕、どうかされました?」
あ「え? なんでもないっすけど。何か気になります?」
め「……。気のせいかかばった動きをされるので」
あ「気のせいっすよ。それよりタルトください、タルト」
め「はい。人気なのかかなり時間をかけました素晴らしい品です。どうぞ」
あ「いただきます。あ、お金は後ほど」
め「よろしくお願いします」
あ「ん、おいひ」
め「良かった、と判断します」






あ(なんも味わかんないけど。とは言えないか)
あ(あ痛たたた……腕折れてるのに動かすとさすがに痛い。サクッと直ればいいけど)




め「あや様」
あ「はい?」
め「ありがとうございます」
あ「ははは、隠れた名店を紹介するのは町の先輩の仕事っすから」
め「……。はい」


436 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 02:25:41.15 ID:joQMCoAO
あ「嫉妬?」
め「はい。嫉妬です」
あ「はぁ。で、嫉妬がどうしたってんです?」
め「居候先の家主の従者の方が仰いまして」



メ『今頃そっちのご主人は何やってんでしょうね。あ、案外女の子侍らせてたり!?』
男『やめとけ、そういうのは』
メ『そうですね。主様じゃあるまいし』
男『どういう意味……とは聞かないからな。聞かないからな!』
メ『このジゴロ野郎! 女の子に挿されて逝っちゃえばいいのに。女の子の敵め!』
男『ボロカスな言われようだな……妬いてくれてんだと信じよう』
メ『根性焼きをご所望ですか。お任せください』
男『待て待て待て待て!? サラッとライターとタバコを用意すんな! ちょ、ま、家に根性焼きは小火騒ぎになるからやめてー?!』





め「という事がありまして」
あ「キーワードにたどり着くまで長かったな」
め「話し下手ですみません」
あ「いや、ある意味うまいような気もしますが」
め「そしてメイド様は仰りまして」


メ『結局、女はいつも妬かされる側なんすね……はぁ』



め「しかしめいど、嫉妬という感情を知りませんので答えられなかったのです」
あ「なるほどねぇ」


437 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 02:35:57.10 ID:joQMCoAO
あ「んー、ならこうしましょう。例えばめいどさんのご主人が歩いています」
め「どこでしょうか」
あ「いや、だから例え話なんで。そんな見回しても見つかりませんって!」
め「あや様。誤解を招くような真似は止めた方が寿命を伸ばせますよ、とご忠告します」
あ「あんたも大概話聞かないな……とにかく、そんなご主人が隣に綺麗な女性を連れてるとします」
め「犯罪臭が立ち込めてきましたね」
あ「ご主人何者なのさ。で、それを見てどう思いました?」
め「……」
あ「もやもやしません? 胸のあたり」
め「これが、嫉妬」
あ「ええ、それがきっと」
め「……あや様」
あ「なんでしょ」
め「何故あや様はめいどがそのような光景を見た、と知っている口振りなのでしょうか」
あ「たまたまっすよ。言葉のあやです」
め「あや様」
あ「なんでしょ」
め「嘘はお下手ですね」
あ「……。かもしんないっすねぇ」
め「あや様」
あ「三度なんでしょ」
め「それでもめいどはあや様を信じますので」
あ「あはは、ダメっすよー。自分詐欺師っすから信用しちゃ」
め「あや様になら構いませんが」
あ「……」
め「なんですか? めいどの顔に何か?」
あ「いや、自分ってばいつの間にこんな好感度上げてたのかなぁと。まさかのあやルートとか!」
め「もしもし。お脳は健康ですか」
あ「これが出世街道!? やった! いざ行かん、ヒロインの道! みたいなっ」
め「よく分かりませんがあや様」
あ「はい?」
め「あや様がヒロインはないかと」
あ「即否定?!」


479 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/12/16(木) 00:31:59.98 ID:7YdsEwAO
め「ビッチとはなんでしょうか」
あ「……。はい?」
め「ビッチ、とは一体どういった意味合いの言語なのでしょう」
あ「なんかこう、最近自分を困らせにきてません?」
め「困るようなお言葉なのでしょうか」
あ「困るようなお言葉なのでしょうね」
め「あや様に聞けばわかると周りの方から教わりまして」
あ「その周りの方には後からお礼に参らせていただくとして。なんでまたその言葉を?」
め「以前、『カマトトぶってんじゃねぇよ。このビッチが』というご指摘をいただきまして」
あ「指摘ってそんな刺激的だったかなぁ」
め「カマトトの意味合いは周りから教わりまして。めいど、一つ賢くなりました」
あ「それ世間一般の賢さに反映されない知識だから気をつけてくださいね」
め「後はビッチを理解すれば今回の指摘に対する返答が可能になる、という次第です」
あ「真面目っすね。なんとなくわかるでしょうに。意味合いは分からないにしても悪意とかは」
め「はい。めいどの感情受信センサが確実に負の方向へ動いていましたから」
あ「だったら深く意味を知らないのも一つの防衛手段ですよ」
め「ですが」
あ「世の中は全部知らなきゃいけない事で出来てません。知らないままでいるべきこともあるんです」
め「……」
あ「心当たりがあるならわかってください」
め「はい」
あ「まぁビッチってのは非処女で誰とでも寝るような尻軽女って意味合いが世間一般での認知ですが」
め「……」
あ「何驚いた顔してんすか」
め「いえ、あの。不意打ちはこちらの仕事とばかり思っていましたので」
あ「恥ずかしいこと聞かれた仕返しですよ。全く、どう考えても純情乙女な自分を捕まえてよくこんな質問を」
め「スラスラ答えの出せる乙女はどうかと思いますが」


532 名前:GEPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/01/08(土) 02:09:04.64 ID:0jHZIIAO
あ「二人きりで喫茶店。デートみたいでドキドキっすね」
め「マスター。いつもの品をお願いします。彼女にも」
あ「どもども。しかし綺麗にデートな部分をスルーされたわけで」
め「あや様は女性同士がお好みですか」
あ「どっちもそこそこには。で、なんか常連さんみたいな感じですね。さすが紹介してもらうってだけありますね」
め「こちらの店には濃縮激甘クリームてんこ盛りミラクルあまあまプリンミックスパフェなるものがありまして」
あ「いかにも胸焼けしそうなネーミングっすね」
め「具体的にはもはや生クリームやアイス、プリンをバケツに放り込んで綺麗にシェイクした逸品でして」
あ「ケーキバイキングいった日の胃の中みたいな」
め「そちらが今回ジャンボサイズになることに」
あ「……食材に対するレ○プじゃないすか」
め「半時間以内に一人で食べきるとなんと景品が出るとか」
あ「店側も食わす気ないのがありありと感じられますね」
め「ちなみに景品はバケツプリンをその場でいただける権利だったらしいです」
あ「完全に壊しにきてますね。……で、それが何か?」
め「今頼んだ品です」
あ「何ですとー?! いやだって今、いつものとか頼んでましたよね? いつもそんなゲテモノを!?」
め「慣れればなかなかにコストパフォーマンスに優れた品かと。食べきればタダですし」
あ「んなバカな……食べきれない場合は?」
め「三万円になります」
あ「あの、もしかして私ハメられました?」
め「あや様。人間やれば出来ますよ」
あ「そんな本気の出し方で人間の限界みたくない!?」



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