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従妹「にぃにぃ久しぶりっ!」
531 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 07:57:36.09 ID:KapuKFan0
すまん、みんな、保守してくれてありがとう
今からまったり書くね!


535 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:13:35.41 ID:KapuKFan0
従妹「きゃあああああっ!?」

男「うおっ……」

従妹「にぃにぃ、怖いっ……もうやだよぉっ……」

男「だから、やめようってあれだけ言ったのに」

従妹「……うぅ……もう出たい……」

男「はぁ……もう少しだと思うから頑張れ」

従妹「にぃにぃ……」

ぎゅっ……。

男「お前、さっきから近すぎだって……」

従妹「やだっ、絶対離れないもんっ」


536 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:15:16.53 ID:KapuKFan0
男「これじゃあ、抱き合って歩いてるみたいなもんだぞ……」

従妹「そんなの知らない……私、もう目瞑ってるから後はお願いね……?」

ぽよんっ……。

男「くっ……」

従妹「……にぃにぃ?」

男「わ、分かったっ、俺に任しとけっ!」

男(暗闇の中でこんな状態だったら……くっ、理性がヤバいぞっ!)

男「よ、よしっ! かっ飛ばすぞっ!」

従妹「えっ!? にぃにぃ早いよっ!?」

男(急げっ、一刻も早くこの場から離れないとっ!)


537 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:15:30.47 ID:bHtJjjJZO
よし
1限さぼってよかった


538 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:19:18.99 ID:KapuKFan0
男「…………」

従妹「…………」

男「……あー……つかれた……」

従妹「……もう二度と入らない……」

男「それがいい……お前のためにも、お前と一緒に入る人のためにも……」

従妹「どういう意味なの……それ……」

男「深い意味はない……。で、次どうする?」

従妹「……なんか、落ち着ける場所がいいよね……」

男「んー……そろそろ日も落ちる頃だからなあ……」

従妹「あっ……あれ」

男「どうした?」

従妹「ほら、観覧車っ」


539 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:26:41.45 ID:KapuKFan0
従妹「うわぁ……どんどん上がってくねっ」

男「久しぶりだな、観覧車なんて」

従妹「にぃにぃとも昔、一緒に乗ったよね」

男「どうだろ……そうだったっけ?」

従妹「覚えてないのー? 高いのが怖くて泣いてた私をずっと励ましてくれたじゃん」

男「あー何となく……微かに記憶が……」

従妹「手をずっと握ってくれて、私、とっても心強かったんだから」

男「鼻水垂らしてたな、確か」

従妹「もうっ、何でそんないらない部分だけ覚えてるのっ」

男「はは、ごめんごめん」

従妹「でも、もうあの頃からずっと時間が経ってるんだね」

男「…………」

従妹「お互い、大きくなって……住んでる環境も変わって……」

男「……そう、だな」


540 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:26:51.26 ID:FGo5OhZOO
わっふる


541 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:32:21.61 ID:KapuKFan0
従妹「昔みたいに、頻繁に会えるみたいな状況も無くなって……」

男「…………」

従妹「にぃにぃは私と会えなかった間、どうしてた?」

男「普通に高校に通ったり、受験したり……そんなもんだ」

従妹「うん、私もそんな感じ」

従妹「でもね……その間、ずっと会いたかった」

男「…………」

従妹「にぃにぃに、ずっーと会いたかったんだ……」

男「……ああ」

従妹「おばあちゃんのところに帰省するときには、いつもワクワクして……」

従妹「だけど、向こう着いたら、やっぱりにぃにぃはいなくて……」

男「……ご、ごめん……」

従妹「会いたかった……寂しかった……」

男「…………」


544 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:37:30.02 ID:KapuKFan0
従妹「だからね、私……決めたの」

男「えっ?」

従妹「大きくなって環境が変わって、こんな風に疎遠になるくらいだったら」

従妹「私がその環境を変えてやろうって……私自身で何とかしようって」

男「…………」

従妹「だから、私はにぃにぃと同じ大学に行く」

男「……従妹」

従妹「たった一年だけかもしれないけど……でも、それでも私にとっては大切なの……」

男「…………」

男「……そんなに」

従妹「……ん?」

男「そんなに、俺のことを中心に考えなくても……」

男「歳をとって……それで疎遠になっていくって、普通の形なんじゃないか?」


545 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:45:28.63 ID:KapuKFan0
男「血が繋がった兄妹とかなら、その縁は一生離れられないけど」

男「俺達は、従兄妹なんだ。小さい頃は一緒に遊ぶけど……時間が経てば、それも変わってく」

従妹「…………」

男「でも、こうやってたまに会って……昔話に花を咲かせたり、近況を話し合ったり」

男「……それで、いいだろ。それが……普通だろ?」

従妹「……ふつう……なんだろうね」

男「だからさ、お前が俺と同じ大学に来るって言うのは嬉しい……でも」

男「それが、俺と会えるからっていう、つまんない理由なら……正直、賛成は出来ない」

従妹「……にぃにぃ」

男「自分の進路のことをしっかり考えるべきだ。それこそ、自分自身のためにな」

男「厳しいこと言うかもしれないけど、それがお前のためだと思うぞ」

従妹「…………」

男「……ごめんな……ちょっと暗い話しちまった」

従妹「……いいの……私のことを思って言ってくれたんだし……」

男「…………」


546 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/05(火) 09:47:46.39 ID:gPiAj9UIO
あーあフラグを


547 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/05(火) 09:53:07.67 ID:N6p/hQC70
お嫁さんになれば解決じゃね?


548 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:55:26.49 ID:MzsEvyI+O
ヘタレすなぁ


550 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 09:57:00.34 ID:KapuKFan0
とことことこ……。

男「…………」

従妹「…………」

男(……あんなこと言っちまったせいで……気まずい……)

男(がらにも無く……真面目なこと言っちまったからな……)

男「……なあ、従妹」

従妹「……ん?」

男「さっきはああ言ったけど、まあ、深く考えなくていいぞ」

従妹「え……でも」

男「俺の気持ちはそうだけど……実際、決めるのは本人なんだから」

従妹「うん……」

男「すぐに受験ってわけでもないんだから、ゆっくりと考えればいい」

従妹「そう、だよね……」

男「お前がどう決めても、最終的には俺は応援するから」

従妹「にぃにぃ……」


551 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:03:09.16 ID:KapuKFan0
男「せっかく久しぶりに会えたんだ、今は楽しく明るくいこうぜっ」

従妹「ははっ、にぃにぃがそんなこと言うなんて」

男「なんだー? 俺がお前と会って楽しくないとでも思ってんのか?」

従妹「……だって、にぃにぃ、今日もそうだけど乗り気じゃなかったじゃん」

男「そ、それはさ……」

従妹「久しぶりに会ったときも……何か、あんまり相手したくないみたいな」

男「いやいや……それは照れみたいなのが影響してだなっ」

男(あまりにもお前が美人になってるから……正直、どうしていいのか分かんないんだよ……)

従妹「でも、そうやって言ってくれるなら助かったよ」

男「そ、そうか?」

従妹「うん、まだ、にぃにぃも私のこと好きなんだって分かったし」

男「ま、まあ、そういうことだ」

従妹「よしっ、元気取り戻したっ。仲良くいこっ」

ぎゅっ……。

男「えっ、手……握るの……?」


552 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:05:31.24 ID:An7jWOcKQ
>>547
母親の兄弟姉妹なら4親等離れてて大丈夫だが、
親の私生児なら駄目だ。

母親の態度が肝だな……


553 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:06:31.12 ID:hw4Pl7v50
お前のせいで2限さぼることにした


556 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:09:39.72 ID:KapuKFan0
従妹「むっ、にぃにぃ……」

男「わ、分かったよ……今さっき否定したところだしな……」

従妹「そうだよっ、二人仲良くっ」

男「お、おうっ」

男(しかし、この歳になって、手を繋ぐ従兄妹って変だよな……)

従妹「ふふっ……にぃにぃ、顔真っ赤」

男「うるせっ、夕陽のせいなんだから勘違いすんなよっ」

従妹「うん、そういうことにしとくから」

男「くっ……いいようにあしらわれた……」

従妹「いいのいいの、さっきの仕返しだもんっ」

男「なんだよ……仕返しって……」

男(まあ……暗い空気が変わっただけでも良しとするか)

?「……あれ」

男「ん?」


557 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:15:35.54 ID:KapuKFan0
女友「もしかして……従妹?」

従妹「……えっ、うそ……」

男「なに? 知り合い?」

従妹「う、うん……学校の友達……」

女友「なんで従妹がこんなとこにいんの?」

従妹「それは私の台詞だよっ。今、親戚の家に来てるの」

女友「私も実家がこっちだから……」

従妹「えっ……そうだっけ?」

女友「従妹には話したことないっていうか……そんなこと普通話さないというか」

従妹「まあ……そうだね」

女友「……で、お隣さんは彼氏か何か?」

従妹「ええと……」

男「──違います」

女友「うわっ……即答……」

男「こいつの従兄だ。よろしくな」


558 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:17:01.38 ID:gPiAj9UIO
オワタ


560 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/05(火) 10:19:34.81 ID:N6p/hQC70
このやり取りを大学の先輩が聞いてるんですね


561 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:21:38.37 ID:KapuKFan0
女友「はぁー従兄ねぇ……しかし、手握ってるけど」

男「そ、それは……ちょっとしたふざけたスキンシップというか……」

女友「ちなみに従兄妹同士なら結婚出来るって知ってます?」

男「ちょ、ちょっと待って」

女友「ははっ、そんなに焦らなくていいのに。逆に疑われちゃいますよ?」

男「…………」

従妹「もう女友っ、にぃにぃを困らせないで」


562 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:22:48.63 ID:KapuKFan0
女友「にぃにぃ?」

男「……そこも深く追求しないでくれるかな……」

女友「あーはい。今ので何となく理解できました」

男「察してくれると、ありがたい……」

女友「なんとなくお兄さんとは、分かり合える気がしますね」

従妹「えっ、何……二人の間で何が?」

女友「いいの従妹は。今の調子でガンガンいきなさい」

男「ちょっ……君」

女友「お兄さんとは分かり合えますが……私、面白いことも好きなんですっ」


563 名前:VIPがお送りします [sage] 投稿日:2010/10/05(火) 10:22:58.20 ID:ZV6jmw7aO
先輩は引きこもってアニメ見てるよ


564 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:24:20.28 ID:vdDTn9w30
これから先輩の部屋にティッシュの差し入れさ
何のアニメかって?
言わせんな恥ずかしい


565 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:44:06.61 ID:KapuKFan0
男「えっと、何飲む?」

従妹「私、オレンジジュース」

女友「アイスコーヒーでお願いします」

男「了解……オレンジジュースとアイスコーヒー二つで」

店員「かしこまりました」

女友「すみませんね、奢ってもらっちゃって」

男「いやまだ言ってない……まあ、そのつもりだったけどさ」

女友「ははっ、ちょっとした冗句ですよ」

男「君、バリバリ計算高いだろ……」

従妹「……むぅっ」

男「あ、どうした?」

女友「さっきから、お兄さんと私の会話に入れてなくてむくれてるんですよ」

従妹「そんなことないもんっ」

女友「あっ、『もん』が出た」

従妹「そ、そんなことないですっ!」


568 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:49:18.57 ID:KapuKFan0
男「はははっ」

女友「……あれ、何か今おかしいこと言いました?」

男「いや、従妹がどうやって学校生活送ってるか、今ので分かった気がする」

女友「そういうことですか」

従妹「……なんか、言葉に悪意を感じるなぁ」

男「女友さんは、従妹と結構仲良いんだ」

女友「入学式の時に偶然隣の席になりまして……それからこんな感じです」

従妹「いい、にぃにぃ。この子、結構黒いから騙されちゃ駄目だよ」

女友「ちょっと、従妹、何余計なこと言ってんの」

男「まあ、何となく分かってるけどね」

女友「お兄さんまでそんなこと言って……」

男「じゃあ、なんか従妹の面白い話とか知ってるんだ?」

従妹「にぃにぃっ!」

女友「それは勿論、数多くをご用意してますよ」


570 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 10:56:33.73 ID:KapuKFan0
女友「私が一番驚いたのはですね、入学初日のことでした」

従妹「うわぁ……ちょっとやめてよぉー……」

男「ふむふむ」

女友「入学式もちょっと変な気がしてたんです。でも、それがなんのか分からなくて」

女友「その後、各生徒は自分の教室に移動したわけなんですが、その時も私は従妹と喋っていて」

女友「教室に入った時……あっ、これは、と」

男「ほう」

女友「その時、なんの違和感か理解したんですね。それが、男どもの飢えた視線だって」

男「は、はは……」

従妹「絶対、違うもん……」

女友「幸運なのか悪運なのか分かりませんが、私達は席も隣同士で」

女友「そこからもやっぱり、粘着質な気持ち悪い視線がつづく一方でした……」

女友「それで、女の直感で分かったんですよ……これは、この後、何かあると」


573 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 11:07:08.32 ID:KapuKFan0
女友「事が起きたのは、担任が挨拶を終えた後のことでした」

女友「生徒たちも初めの緊張からやっと解放され、一人また一人と続々と帰っていく中」

女友「顔をひきつらせながら、一人の男子が私達の元へ」

男「あーはい……」

女友「私も顔には自信が無いわけではありませんが、この隣の子には勝てる気が全くありませんでした」

女友「女の私から見ても、嫉妬を通り越して……最早『すげぇな』の一言で片付けられる始末」

女友「勿論、男子の視線は私など眼中になく、しっかりと従妹を見据えていました」

女友「で、呼び出しですよね、そこは古典的です」

女友「従妹に無理矢理連れられた私、そして従妹」

女友「裏庭では、男子の一世一代の告白が今にも始まりそうな時」

男「え……始まらないの?」

女友「どこに隠れてたんだ……と呆れるほど、木々の端からそれぞれ男が三人現れました」

男「……はぁ……それはまた」

女友「奇怪な光景でした……。男四人が奥で話し合った後、従妹に向かって一列に並んだんです」

男「絶対、奥でジャンケンしてたよね」


576 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 11:13:39.85 ID:KapuKFan0
女友「そして……」

女友「──悪魔の四人切りっ」

男「……はぁ……」

従妹「……うぅ……だって……」

女友「四人が連続でふられる光景なんて、私初めて見ました」

女友「二人とかなら分かりますが、四人ですよっ?」

男「……俺も今まで見たことねぇな」

従妹「……そ、そんなぁ……」

女友「まぁ、それが初めて従妹と会った日のことで……」

男「いや、本当に凄いね……」

従妹「にぃにぃ……」

女友「ちなみに、授業が始まった後の一週間、のべ十三人が切られましたけど」

男「…………」

従妹「もうっ! にぃにぃが言葉失ってるよっ!」


578 名前:VIPがお送りします [] 投稿日:2010/10/05(火) 11:26:37.14 ID:KapuKFan0

女友「それで、渋谷のスカウトマンに従妹が言ったんですよ」

女友「『私、エッチなビデオに出るつもりはありませんからっ!』」

男「ははははっ」

従妹「……うぅ……」

女友「初めからきちんとした雑誌の人だって、名刺見せて貰って分かってるのに」

女友「アダルトビデオって……くくっ、スカウトマン、口開けて呆然としてましたよっ」

男「ははっ、し、しかし、話が尽きないな……」

女友「そうですね……話し出すと幾らでもありますから」

従妹「もうーそういうのいいから、にぃにぃも満足したでしょ?」

男「いや、うん、もうたっぷり聞いた」

従妹「女友も喋り過ぎだよ……私のイメージ崩れて来てるじゃん……」

男「それはないって、お前、やっぱり可愛いもんな」

従妹「……えっ……あ、あ、ありがと……」

女友「ふふっ、お兄さんには従妹はメロメロですね」

従妹「もうっ、そんなことないもんっ!」



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