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意地悪なメイド4.5
- 189 名前:NIPPERがお送りします [sage]
投稿日:2011/03/15(火) 00:57:50.16 ID:wcKSuzCAO
男「なぁメイドよ」
メ「珍しく主様からフリが入りましたね。何すか、まさか告白イベント? 満を持した割にはまだまだ好感度が足りないどすえ」
男「全体的に面倒くさいからつっこまないぞ」
メ「昔の主様なら三文字で簡潔に笑いを取りながら話題を進める程度のツッコミ力があったのに。嗚呼、あの頃の主様はどこへ!」
男「全盛期の俺、万能過ぎるだろ。いやそうじゃなくて。スカートの話だ」
メ「履くんですか? さすが女装癖持ち」
男「勿論違うからな?」
メ「でも先日も有事に備えて腸洗浄したじゃないっすか」
男「さもしたように嘘をつくのはやめるんだ。お前、話を進める気がないだろ」
メ「主様のペースに乗るなんて考えられないっすからね。馬になるなら乗ってもいいですが」
男「なんだろう。主と呼ばれてるんじゃなくてただのあだ名なんだって分かってきた。今更すぎるけど」
メ「そんなどうでもいい感想は後にして早く話を進めてくださいよ」
男「殺意で人に危害を加えられたらお前今頃とんでもない事なってるからな。で、スカートだよ、スカート。長ぇよ」
メ「そりゃロングっすから」
男「冬場だからってそれはどうなんだ。何の為のランジェリーなんだ!」
メ「必死の形相なとこ申し訳ないんですが、お脳は健康ですか? 主様にしてはストレートに壊れてません?」
男「毎日毎日、お前の脚を楽しみに洗濯やら衣類の準備してんのにお前ときたら……一番の意地悪だからな!?」
メ「いやでも寒いし」
男「引きこもってんだろ!! 分かったよ、床暖房するから毎日ミニかホットパンツか下着姿で過ごせよ、いいな!」
メ「何この人こわい」
メ「という夢をですね」
男「お前が俺に対してどういうイメージで接してるかだけはよく分かった」
メ「では床暖房完備してくれるんですね?」
男「しねぇよ!」
メ「じゃあミニとか履かないっすよ! いいんすか?!」
男「長いのは長いのでまくって見えた時にすげぇ興奮するから大丈夫だぞ」
メ「何だろう。夢よりある意味ナチュラルにこの人がこわい」
- 192 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/16(水) 01:17:49.07 ID:PgVkAQVAO
女「珍しい組み合わせになっちゃったね」
友「だね。今日は仕事は?」
女「こっちで妹嬢さんところのでお仕事があるの。まだ時間はあるけどね。そっちは?」
友「外回り中。この時期は頑張り時だから」
女「頑張り時なのにゆっくりしてていいの?」
友「今日は頑張り時間は終わり。あとはのんびり時間で」
ペラ
女「わ。それが契約の紙? すごいね」
友「前から狙ってたお客様だから。今日で一気に口説き落としてきたよ」
女「ジゴロさんな台詞だね」
友「相手はおじさんだけど」
女「おじさんを誘惑?」
友「違う違う。もぅ、うちの連れみたいな事言わないでよ」
女「あはは。奥さんは元気?」
友「元気というか不健康ではあるけどいつも通りかな。相変わらずっていうか」
女「あはは……」
友「そっちは?」
女「えへへ。それなりに頑張ってみてるかな」
友「そかそか。昔を思えば素晴らしい事だね」
女「あぅ。昔の話はなしだよぉ」
友「ごめんごめん。そういえば男達は元気してる?」
女「うん。相変わらずだった」
友「相変わらずかぁ。中学生みたいな夫婦生活なんだろうね」
女「だねぇ」
- 193 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/16(水) 01:28:09.47 ID:PgVkAQVAO
女「そういえばこの前なんかね」
友「うんうん」
メ『セクハラされました。家裁に連絡しますから助けてください』
女『え? え? どうしたの? 何されたの? 相手がどんな奴かわかる? 男くんには話した?』
メ『その主様が犯人です!』
女『へ……ぅ?』
メ『奴めは二人でDVD見てた時、ちょっとラブでロマンスなシーンになった時に、いきなり……!!』
女『まさか無理矢理?』
メ『はい……勝手に了承もなく太ももを撫でられました』
女『え? あ、え? 撫で……え?』
メ『さわさわって。こう、なんか、ね?』
女『それがすごく嫌だったって話かな?』
メ『や、別に主様以外の奴ならぶち○すまでですが主様ですし。それ自体嫌というワケでもなく流れが、こう』
女『なんとなくえっちになりそうな感じだったんだね』
メ『なっ、痴女発言!? 女さんてばいつの間にそんな属性を!』
女『え、えぇ……まぁそれは否定したいけど今は置いておくよ? とりあえず結論として男くんとそういうのが嫌って事でいいのかな』
メ『ん、あー……嫌って事でもなく単純に気恥ずかしかったり普段大口叩いてるから色々要求されたらどうしたらいいようとか』
女『……』
メ『あと、下手とか思われないかなぁとか、今日まだお風呂入ってなかったなぁとか、下着はちゃんと可愛い奴だったかなぁとか』
女『えっと。切るね?』
メ『なっ?! この裏切り者ぉ!』
女「そのあと延々とノロケ話を……」
友「ど、同情するよ」
- 194 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/16(水) 01:41:51.67 ID:PgVkAQVAO
委員長「こんな話は知ってるかしら」
命「なんだ。急に」
委員長「この建物の持ち主さんね、エレベーターに乗れないの」
命「ふぅん。閉所恐怖症か何かか」
委員長「似たようなものね。曰わくある経験をしたからだそうなの」
命「閉じ込められた、とかか」
委員長「違うわね。そう……それは今みたいな夜中」
彼はいつも通りに仕事を終え、この14階建てのマンションの最上階へ向かうエレベーターに一人で乗った。
最上階に作った自分用の部屋に向かう為だ。決して絶景とまではいかなくとも夜景を眺めながらの一杯は彼の一日のご褒美。
今夜の肴のレシピを考えながら、彼はエレベーターに乗り込むと最上階のスイッチを押した。
と、動き出して少し経った時、8階のボタンのスイッチが点いた。
委員長「彼は『ああ、誰か乗ってくるんだなぁ』と彼はぼんやり考えていたんだけど、急に慌てて2階、3階とスイッチを押したの」
命「……んん?」
幸いにして動き出してすぐだったことから彼は3階にてエレベーターから降りられた。
ドアをこじ開けるように外へ飛び出すと転げ落ちるように近くのコンビニへ移動する。
結局その晩はコンビニで立ち読みなどをして朝まで過ごした。
委員長「それから彼はエレベーターに乗れなくなった、という事なの」
命「ああ? なんだそりゃ。なんかおかしいか?」
委員長「ゆっくり考えてみるといいわ。どうせ今から向かうんだから」
命「よくわからんがロクな事がないのだけは分かった」
委員長「ふふ……そうね」
命「む、ぅ。しかし一体マジで何なんだろう。……何も変なとこは……」
- 195 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/17(木) 01:51:31.44 ID:Lg/jprRAO
メ「で、答え合わせは?」
男「みんな分かってるだろうからいらないかなぁと」
メ「まぁ特にひねった内容でもないですしね」
男「そんな楽屋会話」
メ「ところで主様」
男「なんじゃい」
メ「主様は太ももっちゅうか脚がええの? 下着が好きなの?」
男「どちらと答えたとこで俺は何か大事なものを失う気がするんだが」
メ「今更でしょ」
男「素直に頷けねぇな、おい。いやでもあれだよ? どっちもというか合わさらないと最高潮までいかない」
メ「つまり?」
男「生足もいいし生下着もいい。けど可愛いかったり綺麗な刺繍のランジェリーとかストッキングをつけた女性の脚ってヤバくね?」
メ「はい、変態発言いただきましたー」
男「聞いといて!?」
- 196 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/18(金) 01:26:59.77 ID:iaa1VolAO
メ「大変ですぞ、主様!」
男「八割方大変じゃないのは知ってるけど、どうした?」
メ「NHKの集金が!」
男「ああ、了解。今すぐ用意するから玄関で待ってもらってて」
メ「何をのんきな! 相手は日本破壊結社ですよ!」
男「えらい組織に変貌させられてるな」
メ「そんな奴らにお金を渡すなんて……主様の手を汚させない為に私がその役目を!」
男「お前、がめるじゃん」
メ「……。ま、まさかそんなぁ」
男「逆に嘘ついてますな演技うまいな、おい。いいから待ってもらってきてくれ」
メ「大丈夫です、主様。うちにはテレビないって追い払いましたから」
男「何やってんだおいー!? 毎回謝りに行く手間をかけさせやがって! 今回こそサラッと終わらせる予定だったのに!」
メ「ブラックリスト入りしそうっすね。よ、滞納者」
男「ちゃんと払ってるに決まってんだろうが?!」
メ「果たしてそうかな」
男「そうだよ!」
- 197 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/18(金) 10:47:48.61 ID:DFamkR5R0
流石男NHKにちゃんと払うとは…
アナログ放送終わって集金に来たら地デジ非対応のテレビしかないから追い返そう
- 198 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 00:55:18.22 ID:zCd3ADWAO
男「え……払うのが普通じゃないの?」
メ「主様ぐらいの偽善者かつ騙され体質でないと払いませんね。ええ、間違いなく」
女「そこまででもないと思うけど……うちも払うし」
メ「はい、二羽目の鴨いただきましたー」
女「あぅ」
男「そんなバカ高いワケでもないんだし職員の人が困るだろ? 払ってあげないと」
メ「しゃらっぷ! どうせ見てない番組の為にお金を払うなんざ、なんせんすです!」
男「いや、ニュース見てるし」
女「私も、かな」
メ「……まぁ私もアニメ見ますが」
別に局の回し者じゃないですが払える人は払っておく方がいいかもですね!
久しぶりに顔出して一発目が宣伝くさいという不思議仕様の中の人でした。
- 199 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 01:05:32.96 ID:zCd3ADWAO
命「このマンションか」
委員長「ええ。時間もいい具合ね。早速件のエレベーターに乗るわよ」
命「あいよ」
委員長「操作は任せるわ」
命「確か乗り込んで最上階の14階をのボタン押す、と。……だよな?」
委員長「ええ。後は通常通りよ」
命「ふぅん。お、動いたな」
委員長「……」
命「で、確かランプが点灯すんだろ? 8階の。誰か乗り込んでくるって事だよな。何が変なんだよ」
委員長「少し違うわね」
命「あ? 違うって何がだよ」
委員長「私は8階のランプとは言ってないわ。8階の“ボタン”のランプが点いた、と聞いてきたのよ」
命「……!! お、おい、それって」
委員長「そういうこと。中に誰か居ないのを確認して乗り込んだはずの室内に誰か居た事になるの」
命「嘘だろ……」
委員長「嘘かどうか調べるのが仕事よ。機器の不具合を疑ったけれどメーカーの回答は白。昼間に調べたけれど再現性はなしだったわ」
命「でも今は点いてないぞ」
委員長「そうね。だから今夜は何度かこれを繰り返すわ。数回試してダメならあなた一人で試行してもらうから」
命「じょ、冗談じゃねぇぞ!」
委員長「勿論本気よ。賃金も出すわ。それとも怖い?」
命「……っ。ああ、やるよ! やりゃあいいんだろ!」
委員長「ええ、よろしくね。ちょっとした肝試しだと思って楽しみなさいな」
命「楽しめるかよ、くそ……」
- 200 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 01:10:29.38 ID:zCd3ADWAO
メ「200!」
男「ペースはあれだけどとりあえずきたな」
メ「息切れ感がハンパないですけどね」
男「ま、まだまだ走れるぞ!」
メ「コースはあるけど体力が」
男「地味にうまい例えしやがって」
メ「とりあえずゴールするまでは歩いていいから頑張ってくださいよ」
男「なんで上から目線かわからんけど頷くしかねぇよこれ」
お題とかも募集してますんでいじメイスレを引き続きよろしくお願いします。
あと意地悪なメイドってジャンルで書ける人は是非書いてみてください!
なんか中の人が書くと違うジャンルにしかならないのでww
- 201 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 01:19:44.67 ID:lJxbGQHAO
>>200
主様の主様乙ー
では早速お題をば
【ぽぽぽぽーん】
【募金】
【新学期】
【後輩】
【花見】
花見はちょっと早いやも知れんねww
また書けたら書いてみようかな
「意地悪」ってめちゃくちゃ難しいけどなww
- 202 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/03/22(火) 23:14:17.54 ID:ba81OTiFo
最近NHKの偏向捏造報道が酷くなってきたから
払う価値無いと思ったけど地震報道でちょっと見直した
でもNHKは滅べ
- 203 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [] 投稿日:2011/03/23(水) 01:09:21.75 ID:ZBTYJvLt0
男「1行目と2行目と3行目でめまぐるしく評価が変わってるんだが」
メ「これが有名な3段オチってやつですね!」
男「お前わかってて間違ってるだろう」
久々のお題に張り切る中の人です。
が、その張り切りがなぜか中篇、委員長・命ペアの続きを書くほうへ!
……なんでだろ、本当。
いやまぁ、さておき。早め早めの先取りお題は歓迎ですのよ!
そして201さんのいじメイに期待しつつ今夜の分をば!
- 204 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/03/23(水) 01:09:58.68 ID:ZBTYJvLt0
「無事、だったのか」
呟きは自身への問いかけ。
一瞬の出来事を終え、気がつけば森の中。
見知らぬ顔に囲まれながらも敵意がないことを感じ取り、一息つく。
みぃ、と子猫のようなむずがるような声は腕の中から。
「お前もここまでよくおとなしくしてくれてたな。偉いぞ」
改めて獣の芳香漂う彼女を抱き寄せ、生きることを実感する。
守れた。彼女だけは。それが今の彼の誇りであり、矜持。
「っと、おい。どうした」
そんな彼の生きるべき目的である獣の娘は何故か彼の腕を振りほどこうと力をこめる。
基礎の部分で能力が違うため、あっさりと腕を振りほどかれると彼女は先ほどの場所まで駆ける。
そう、あの地獄の入り口へと。
「――――ォォォ……ン」
か細く。虚空へと吸い込まれるように鳴いた声はまるで泣き声で。
「……一体何だってんだよ」
「巣への未練かしらね。獣らしく」
後ろからかけられる涼しげな声。
あれだけの地獄を潜り抜けてこの振る舞い。いや、彼女にとってこんなもの地獄でもないのだろう。
いつも通りの凛とした立ち振る舞いを頭で思い描きながら振り返り彼女の名前を呼ぶ。
「その言い方はやめろよ。それより助かったよ、委員……」
けれどその名前を最後まで呼ぶのはかなわない。
「無理をされないでください。深手です」
「仕事には忠実なのね。あの家からすれば私なんて早く消えてほしいでしょうに」
「そのような言い方はおやめください。さぁ、こちらへ」
「結構よ。私に触れていいのは私だけなんだから」
そんな言い合いをただただ絶句して見ているしかない。
命の前に立つ彼女の腹部より下は赤黒く染まり、じっとりと濡れている。
「何? そんなに見つめて。ああ、貴方は私の一部みたいなものだから触れていいのよ。でも今は我慢してちょうだいね」
「あ、当たり前だろ! お前、なんだよその傷!!」
やっとのことで搾り出した言葉。
けれどそんなもの彼女が気にするはずもない。
- 205 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/03/23(水) 01:11:16.56 ID:ZBTYJvLt0
「かすり傷よ」
「そんな訳あるかよ!! おい、見せてみろ!!」
「あ……っ。乱暴ね」
弱々しく抵抗する彼女の手を撥ね退け、服をまくればそこには傷はない。
「ほら、言ったでしょ。大丈夫よ」
「……背中か」
すばやく回り込み、そちらに移れば、
「……っっ」
言葉さえ出ない。何度も見たはずのその柔肌は朱く抉れている。
もはや常人ならば立っていることすら不思議なほどの出血を伴うその傷にもはや出来ることはひとつだ。
「あんたら、こいつを助けてくれるんだよな」
「そのつもりだ」
「なら俺から頼む。こいつの一部だって言葉、聞いただろ。だから今すぐ、治療してくれ」
「命、勝手は許さな……ん、くっ」
「ほら見たことかよ。俺らを庇ったんだろ、最後に。だったらこれくらいさせてくれよ……」
ふらりと倒れこむその体を抱きとめ、搾り出すような声で懇願する。
そんな彼の態度に不思議そうに微笑み、彼女は息を吐きつつ答える。
「貴方、私が憎いはずじゃなかったの? おかしな子ね」
「ああ、ムカつくよ。何でもかんでも勝手にしやがって。俺のことなんて眼中になくて」
「そうね。気にしたことなんてなかったもの」
「そのくせ、微妙に気をかけやがって。俺のことを利用するだけなのか、そうじゃないかはっきりしねぇ」
「……ええ」
「訳わかんねぇんだよ、あんた。だから、その理由とか、全部知るまで俺は……」
「くす。そこから先は止めておきなさい。わかったわ、言う通りにしてあげる」
命の肩を借りる形で、委員長は今一度その足で立つ。
「治療できる施設だと、最寄のポイントは?」
「ここからすぐです。こちらへ」
「……ええ、少しお世話になるわ」
そうして彼女は数人の男たちに囲まれ移動を開始する。
それをただ見届けることなど当然許されない命と獣の少女。
委員長とは違う意味合いでの囲まれ方で彼らは進むことになる。
命もそれに従う形で歩き出すが、一人虚空を見つめたまま動かぬ少女。
「おい、行くぞ。あの場所にはもう帰れないんだ。俺のせいだと恨んでくれていい。だから今は……」
意味など通じないとわかっていても、そう釈明しながら彼女の手をとるしかない。
しかし巌のようにその場に固まった彼女が動く気配がない。
「……おいって」
少し強引に肩をつかみ、こちらを振り向かせる。
そこにあったのは、
「お前、泣いて……?」
呆然としながらも涙々と雫を落とす少女の姿だった。
- 206 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/03/23(水) 01:12:21.41 ID:ZBTYJvLt0
結局、数分かけてなんとか動きだした彼女を連れてついた場所は少し大きめの倉庫のような場所。
木々に紛れる形でひっそりと建つその場所は意外なほどに清潔で生活に不自由しないような印象がある。
その予想通りともいえるように食事だけでなく簡単な湯浴みの施設やベッドまで備え付けられている。
治療のためにベッド部屋がまるまる占領されている状態で、命が出来ることは少しでも疲れを癒すこと。
そう判断し、備え付けられたシャワー施設を借りれるか確認を取ったところ、委員長から話が通っておりすぐに許可が下りる。
獣の少女を連れ、さっさとシャワー室へと移動し、ここしばらく溜まった汚れを落とす。
「……」
小さなシャワー室で二人きり。相手は半分が獣だとは言え、年頃の少女と変わらぬ肢体。
本来の彼ならば何らかの悪戯心なり、情欲を催す場面だった。
しかし、抜け殻のような少女の様子や、この子を護ろうという気持ちからそんな気分になれず結局はただただその身体を清めるしかない。
半時間ほどかけ、久しぶりにさっぱりとした気分になったはずが、どうにも気持ちは晴れないまま。
少女の様子と、委員長の容態。どちらも彼の心を悩ます種となる。
それでも今すべきことである体力の回復を思い、一室を借り受け少女を抱き寄せながら瞳を閉じる。
どうかこの次に目覚める時は、すべてが終わっていることを祈って。
- 207 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/03/23(水) 01:34:09.75 ID:7soK7eGAO
書き終わってから久々にsage忘れてた事実に気付く。やだ! こんな稚拙な文章上げるとか正気の沙汰じゃない!
今すぐ少し前に戻りたい! 寧ろ小学生くらいまで戻りたい……
あと関係ないけどデレデレヒロインっていいですよね。
メ「まぁうちには何ら関係ない話ですが」
男「そこはリクエストに答えてだな」
メ「脳内でやれと」
男「身も蓋もないな! ……でもせっかくだから勝手に妄想してやる」
メ「了解しました。微力ながら協力をば。隣で暴言の数々を囁いて邪魔させていただきマンモス」
男「そこまで嫌なのか、メインヒロイン」
メ「主様には負けますよ」
男「ヒロインじゃねぇから?!」
でも親子二代で割とヒロイン属性。不思議なもんです。
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