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意地悪なメイド2
450 :主様の主様がいらっしゃらないので [sage] :2008/05/31(土) 02:18:32.24 ID:BvPPiEAO
ちょっと書いたの載せるんだぜ
スレ汚しになるかも知れないから気に入らなければスルーお願いします


男「最近スレが停滞気味だなぁ」
冥「あなたが新しくお書きになればよろしいかと」
男「そんな文才あるか!!」

男「……というか」
男「お前、誰?」


451 :パー速民がお送りします [sage] :2008/05/31(土) 02:18:52.39 ID:BvPPiEAO
冥「メイドで御座いますが」
男「服で分かるよそんなもん。どっから入ってきた!?」
冥「玄関から」
男「あれ?鍵は閉めt」
冥「こじ開けました」
男「ピッキング!?」


452 :パー速民がお送りします [sage] :2008/05/31(土) 03:05:07.19 ID:4310of.o
新しい作者ktkr
なんというむちゃくちゃなメイドだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


453 :パー速民がお送りします [sage] :2008/05/31(土) 10:43:36.88 ID:BvPPiEAO
男「とりあえず出て行きなさい」
冥「お腹が減りました」
男「人の話を聞け」
冥「何かありそうですね」ごそごそ
男「…人の話を……」
冥「戴きます」ずずー
男「勝手に喰い漁るなぁぁぁぁ!!」


454 :パー速民がお送りします [sage] :2008/05/31(土) 10:43:59.70 ID:BvPPiEAO
男「さっさと出ていけ」
冥「何故でしょう」
男「理由もわからんのか」
冥「眠いです」
男「話を聞けと…」
冥(zzz)
男「………俺の布団……」


455 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/01(日) 03:50:06.22 ID:i.7p5kAO
おお! 書き手さんが来てる!
なんとありがたいことか……


今日さえ!
今日さえ乗り切れば一応一段落です。
なんで今夜こそ書けたら主様……ではなくいいんちょシスターズ書きますんで!
でも新しい書き手さんにも期待age! sageてるけど!


456 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/01(日) 13:20:40.68 ID:e814k5Eo
うちにもメイド押しかけてこねぇかな


457 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:41:34.32 ID:F7v0WL.0
私達の朝は早い。同世代の人間と比べるとそう思う。
勿論、だから何という訳ではない。ただそう思った。それだけ。

妹「おはよー」
委員長「うん、おはよう。はい、お弁当」
妹「いつもありがとうね。お姉ちゃんのお弁当美味しいから大好きっ」
委員長「たいした物じゃないっていつも言ってるでしょ?」
妹「それでも美味しいからいいの! えへへ。いいお嫁さんになれるね」
委員長「……そうかしら」
妹「そうだよ」
ママんちょ「ふぁ、おはよぉ」
委員長「うん、おはよ、母さん」
妹「……おはよ」
ママんちょ「わ、今日も朝ごはん作ってくれたの? ありがとぉ〜」
委員長「いいよ、別に。じゃあ私は委員会の仕事あるから」
ママんちょ「え〜、もういっちゃうの?」
委員長「うん、ごめんね。洗物、帰ったらやるから食器はそのままでいいよ」
ママんちょ「本当? やったぁ、ありがと〜」
妹「……ふん」
委員長「妹は遅刻しないように」
妹「うん。……気をつけてね」
委員長「わかってる。じゃあ、いってきます」
ママんちょ「いってらっしゃ〜い」
妹「いってらっしゃい」

バタン……

ママんちょ「はふ、よかった。おねえちゃんがいないから洗物は私がやらなきゃいけないかと思ったよぉ」
妹「……それぐらいやりなよ」
ママんちょ「ん?」
妹「何でもない。……いってくる」
ママんちょ「え? でもご飯……」
妹「いってきます」
ママんちょ「あ」

バタン!

ママんちょ「いっちゃった。……ま、いっか。いただきます」





三人だけの生活。それが私達の現状のライフスタイル。
お姉ちゃんがいて、私がいて、あいつがいる。
正直、私たち姉妹、二人だけでいいけど……。お姉ちゃんはそうは言わない。
だから、仕方ない。そして、私達が稼がなきゃいけないのも、仕方ない。
お姉ちゃんがそう言うから、仕方ない。……全部、仕方ない。

そんな訳ないのに。


458 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:42:13.82 ID:F7v0WL.0
お姉ちゃんは高校生。私は一応来年から中学生。
こんな年齢の二人が働くというのだから、普通の仕事じゃない。
労働基準法とか、そういう小難しいことの埒外にあるモノ。
それが私達にとって最も効率よく稼げる仕事。
紹介してくれる筋があいつの家元っていうのが気に食わないけど仕方ない。
そう、仕方ないんだ。生きていくってそういうことだから。

……そんな訳、ないけど。



夜。月が翳りあたりに塗りつぶしたような闇が広がる。
それでも薄く漏れる月明かりに照らされるのは崩れた洋館。
都心部より少し離れた位置にある、行楽地ともいえなくはない場所。
恐らく別荘としてでも作られたんだろう。その地の主に断りもなく。
だから、こうなった。

一言で言えば、ここは『出る』。紛れもない本物。
笑えない。笑うつもりもないけど。
で、こんな時間にここにいるってことはつまり……それを確認しにきてるわけだ。

妹「不気味、だね」
委員長「ええ。……帰りたくなった?」
妹「まさか。といいたいところだけど、本当はちょっと。とか言ってみたり」
委員長「無理しないでいいわよ。私一人でいってくるから」
妹「ちょ、ま、待って。冗談だよ! 全然大丈夫だから!」
委員長「……そう。本当に無理しなくていいわよ。あなたは大事な私の妹なんだから」
妹「お姉ちゃん……」

そっくりそのまま言葉を返したい。けど、お姉ちゃんはそういっても喜んでくれないだろう。
いつもそう。お姉ちゃんは私のことは大事にするくせに、自分のことはないがしろ。
……それがありがたくて、申し訳なくて。ったく、こっちはお姉ちゃんより数倍は世間を知ってるんだぞ。
だから気を遣うなっての! ……なんて、言えないわけで。お姉ちゃんがそれで悲しむ気がするから。
全く。難儀なお姉ちゃんなんだから。……大好き。

委員長「今回もいつも通りだから」
妹「うん」

私達のお仕事はいわば下見。本家のくそ怪しい連中のために地ならしと本物かどうか確かめてくるってもの。
せめて前者だけなら昼間のうちに終わらせられるんだけど、後者の仕事があるから割と危ない仕事だったりする。
正直、命はってる割にはたいした内容じゃない、地味なものだ。けど大事な作業なんだって。
これでおまんま食べてるんだから、あんまり文句も言えないし。本当、仕方ないよね。

……そう、仕方ない。


459 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:42:53.38 ID:F7v0WL.0
ぎしり、ぎしりと音を立てつつ私達は洋館にあがりこむ。
人気がなくなってしばらく立てば、こうして建物は“しぬ”。
建物というのは、人がいて、暮らしがあって、営みが行なわれるから、生きていける。
だからそれが一切行なわれず、ただただ時間だけが立てばしんでしまう。
まるで濁った水槽。中身と外身が裏返った形。濁ればしぬ。機能としてしぬ。生きてないから、しぬ。
でも、それが気持ちいい生き物だっている。……ああ、ここの場合は生き物じゃないけどね。
濁った緑色の水槽にはプランクトンとか、微生物とかが溢れかえる。そこがすみやすいから。
ソレと一緒。ここは終わった建物。だから心地よいと思う奴らがいるんだ。
それを“払う”のが本家の人達のお役目。私達はその露払いをするだけ。
何故私達がしないのかといえば、単純に出来ないからだ。
もっと厳密に言えば、あいつが……母親が私達をそう、産めなかったから。
一族からも期待されて、里でも一、二を争う術者の子種をもらって、出来損ないしか産めなかった。
だから彼女は放り出された。花よ蝶よと育てられた彼女が、だ。
苦しかった。でも生きるためにはがむしゃらに、動くしかなかった。
私達姉妹二人。子供だからと甘えは許されなかった。
姉はただ真っ直ぐに、ひたむきに。私はどこまでも暗く、ひねくれて。
無垢な母親という残酷な生き物のの元、私達は生きた。
いや、生きている。生きていく。これからも。その為にも、こうしてこんな薄気味悪い場所を徘徊してるんだ。
しんだ場所で。生きたものが。しんだものを探して。

委員長「……妹。そっちは?」
妹「ん、問題なしだよっ。そっちは?」
委員長「特に問題はないわ」
妹「っかしぃなぁ……。ま、居ないなら居ないで助かるんだけど。報酬は減っても貰えないわけじゃないし」
委員長「そうね。けれどまだ楽観するのは早いわ」
妹「あはは、大丈夫だよ。ちゃんと気は引き締めてるからっ」
委員長「……なら、いいけれど」

大丈夫。どんなに仕方なくったって。かまわない。
お姉ちゃんがいるんだもん。この人が居れば、私は頑張れる。頑張るよ。




二階。あがった瞬間に分かる。
鼻をつく、燻製のような臭い。淀んだ空気。
たった数mの距離を上へと移動しただけで、これだ。
まさに異界。境界を越えたのだと、実感する。肌を刺す冷気が痛い。
視線を感じる。息遣いを感じる。気配を感じる。
だけど何もない。それが兆候。気持ち悪いくらいの、確信。

妹「おねえ、ちゃん」
委員長「……早く終わらせましょう」


460 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:43:26.31 ID:F7v0WL.0
お姉ちゃんは鞄から数枚の御札を出す。私達自身は何も特別なことなんてできない。
けれど道具を使うくらいは出来る。漫画みたいに、何かを出したり、飛ばしたりなんて無理。
でも、それでも何をどう使えば、どういう事が起こるか。それは知ってる。
里にいて、覚えたのは、使えたのはそれだけ。関係者でなくてもできるようなそれが、私達の唯一の役立てること。
ぺたぺたと所定の位置に御札を貼り付けていく。それに合わせ私は祝詞をあげる。
効果が現れたかどうかの実感なんてないけれど、それでもこれをしなきゃいけない。仕事だから。

妹「……と。こんなところかな」
委員長「上出来ね。さぁ、引き上げましょ……」

ばきっ! と。柱に亀裂が入る。一瞬で硬直する私達の身体。

ああ、やっぱり。

身体こそ驚きがあったものの、精神はどこまでも落ち着き、そう感じていた。
この仕事に携わってから何もなかったことなんて一度たりともない。


ぞわりぞわりと、はいでるように。
コールタールのような粘度をもって、影が形になっていく。
腐臭は一気に広がり、もはや空気は吸うことも触れることも毒としか思えないほどに禍々しく。
そいつは現れた。

委員長「……妹!」
妹「うん!!」

そこには“い”るんだから、そいつらに対して不利なことをしてる私達を妨害しないはずがない。
これまでも、何度も、何度も。それでも生きてきた。これからも生きていく。


委員長「寄身代行術放・急急如律令!」


そのための、技術……。陰陽道の端くれ。かじった程度の知識。
それを総動員して、私達は“逃げる”。
低級の、と言えばいいのだろうか? とりあえず脅威に値したいならさくっと払ってしまえばいい。
けれど本格的に払うのは本家の仕事。だから私達はかなわないと思えば逃げていい。
そう決められているから。ここは逃げる。どう考えたって相手をしていいのじゃないから。


お姉ちゃんの放った御札が人の形を模して、気配を爆増させる。
目を瞑れば部屋の中には人がすし詰めになったかのような状態だろう。
だから、あれはきっと混乱するはず。その間に一気に外へ出てしまえば……。
それが私達の常套手段。……だからこれで終わりだと油断してた。


461 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:43:50.79 ID:F7v0WL.0
妹「きゃっ!?」

ずぼ、と。間抜けな擬音が似合いそうな状態で、私は落ちた。
それはもう見事なまでに。床が腐ってるところで全力で踏み出したのがまずかった。
落下しながら、お姉ちゃんの顔を見る。驚きと同時に決意した顔。
ああ、わかってるけど。嬉しいな……絶対見捨てないって、顔に書いてあった。
逃げたほうがいいのに。危ないのに。……仕方ないか。お姉ちゃんだもん。

……仕方ないね。




振り返った瞬間、妹が落ちていく姿が見える。
そこへ手を伸ばしても間に合わないのが分かる。
すぐに思考を切り替え、洋館の間取りを頭に思い描く。
確かすぐ下は寝室になっていたはず。私は階段を落ちるように降りる。
勿論、妹の身を案じてということもあるが、それ以上に後ろに迫った気配は濃密だ。
のんびり迎えにいっていれば、二度と目覚められないかもしれない。
そんなことはごめんだ。
振り向きもせず、ただひたすらに御札をばらまく。

委員長「寄身代行術放・急急如律令!」

急ぎて律令の如く成せ。全くを持ってその通りだ。
のんびりしている暇なんて、これっぽっちもない。
派手に埃を撒き散らす部屋に飛び込み、すぐに扉を閉める。
幸い、寝室だ。鍵がかけられた。
錠前をひねった瞬間にドンッ! と打ち据えられる扉。
まさか質量まで持ってるなんて。
本当に余裕がない。急がないと……。

委員長「大丈夫?」
妹「う、ん……何とか」

嘘だろう。強がってる。足をかばってるのがよくわかる。
恐らく落下の衝撃でひねったのだろう。ならばここから走って突破というわけにはいかない。
どこか他に出口は……。

妹「あいつ、もう外にいるんだ」
委員長「ええ。早く出ないと……窓から出るわよ」
妹「うん、了解」

ガチャガチャと音を立てて私達は窓を開けようとする。
だけど、何かの……いや、何かははっきりしてる。
あれの意志が邪魔をするかのように開けられない。


462 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:44:14.92 ID:F7v0WL.0
妹「お姉ちゃん、どいてて!」

ガン! と妹が備え付けてあった椅子で窓を打ち据える。
が、本来ならば簡単に砕けてしまうはずのガラスは鉄のように硬く、依然として形を保つ。

妹「そ、そんな……」

絶望に打ちひしがれる妹。
今までもこういう事態がなかったわけではないが、だからといって助かれる保障は一切ない。
それでも……諦めたりはしない。諦められない。

委員長「どいて」
妹「あ……」

ガン! と窓を叩く。なるほど、ここまで硬いなんて。
だけど……

ガン! ガン!

妹「や、やめてお姉ちゃん! 手がおかしくなっちゃうよ!」
委員長「……」


ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!
ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!

妹「お姉ちゃん!!!!」





何だかんだで私達姉妹もいくつかおかしなところがある。
例えば私とおねえちゃんは互いの合意さえあれば身体と意思の交換ができる。
これは私達姉妹の間でのみ行なえるものだ。一つの神秘だけれど、用途は限られる。
だけど、お姉ちゃんは私よりもずっと恐ろしい力があった。
それは、何かを成せるとかそういったものじゃないけれど、とても用途は広く、強い。


ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!
ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!


ただひたすらに拳を打ち付けるお姉ちゃん。
その手は既に変色し、傷が出来、抉れ、大量の血が出ている。
それでもやめない。やめようとしない。


463 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:44:36.11 ID:F7v0WL.0
人間は必ず自分にブレーキをかけて生きている。
それをお姉ちゃんは時々どこかに忘れてきてしまう。
だからお姉ちゃんは自分の力が及ぶ範囲ならば必ず物事を達成できる。
こうして聞くと、プラスの要素に感じるが、実際はそうじゃない。
ブレーキは身体を守る防衛機能だ。これがなければ人は簡単に死ぬだろう。
熱いと思うから、熱湯から手を引ける。冷たいと思うから、氷を握り続けない。
痛いと思うから、傷を広げない。
これは生きていくうえで、命を脅かさない、大事な大事な機能。
だけどお姉ちゃんはそれを……なくしてしまっている。
だから、

ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!
ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!

窓ガラスを真っ赤にそめながらも、それでもお姉ちゃんは手をとめない。
お姉ちゃんはああして、何かに集中してしまうと、誰の声も届かないし、止まらない。
怖いほどに、痛いほどに。私は何の傷もない自分の手をぎゅっと握り、それでも目をそらせずにいる。
そらしてしまえば、まるでお姉ちゃんの傷から逃げるようだから。




ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガン! ガ……!

どれほどの時が、血が流れたころか……。
あれほどに砕ける気配のないガラスが、音を立て、

カシャン。

あっけなく、割れた。

委員長「さぁ、出るわよ」
妹「う、うん」

きっと、これは単純に、お姉ちゃんの意志が“あいつ”に勝ったんだろう。
出すまいとするあいつに、お姉ちゃんはただ出せと訴え続けた。それだけ。
それだけで、お姉ちゃんはあいつの心を折ったんだ。


464 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:45:03.85 ID:F7v0WL.0
妹「お姉ちゃん、傷……」
委員長「大丈夫よ。それより、気配は?」
妹「ん。私は感じない」
委員長「私もよ。……もう、大丈夫みたいね」

あれからしばらく走って、人里近いところまでたどり着く。
やっと一息つけた。知らずかいていた汗を拭う。気持ち悪い、早く帰ってシャワーにしたい。

委員長「私は今から連絡をつけて足を回してもらうわ。仕事の報告もしたいし」
妹「うん、了解だよ。私はちょっとジュースとか売ってないか見てくるね」

それから数分もしない内に、黒塗りの高級車が来る。
待遇だけは立派なんだけど、これで天引きされてたりしないか毎回ヒヤヒヤする。

妹「お疲れ様、お姉ちゃん」
委員長「家に帰るまでが仕事よ」
妹「あはは、もう、お姉ちゃんったら。遠足じゃないんだから」

私は笑いながら何気なく洋館の方を見る。
あいつはまだあそこに……。

妹「…・・・?!」

血管の中に冷水をぶち込まれたような感覚。
体温が急激に下がる。
窓の外、ガラス一枚向こうに張り付いた血塗れの顔。
恨めしそうな視線が私達に向けられている。

妹「……、ぁ……」
委員長「気を抜いちゃ、ダメよ」
妹「……う、ん」

本当、遠足じゃないんだから。
帰るまで、気を全く抜けない。
こくこくと頷き、私はお姉ちゃんの手を握るのだった。


465 :【中篇・委員長姉妹の日常】 [sage] :2008/06/02(月) 01:45:21.16 ID:F7v0WL.0
本家に寄り、一度しっかりと落としてもらい、私達は帰宅する。
家に帰るころには朝に近い時間になっていた。

妹「今から寝てもほとんど寝れないね」
委員長「でも、寝ないで登校するわけにもいかないわ」
妹「ん、そだよね」

お姉ちゃんの手に巻かれた包帯が痛々しい。
そして、自分の娘がこんなになっているのに起きてさえこない、“あいつ”が恨めしい。
やっぱり、私達は二人だけの姉妹なんだと思う。
あれはおまけ。少し速い親孝行の、介護。そう思うしかない。仕方ない。仕方ないんだ。

妹「……ねぇ、お姉ちゃん」
委員長「?」

だから、助け合っていかなくちゃいけない。
お姉ちゃんが私を守るように、私がお姉ちゃんを守る。

妹「今晩はさ、身体変えて寝てくれない?」
委員長「かまわないけれど……」








ベッドにもぐりこめばすぐに眠気はやってくる。
それだけこの身体は疲れているんだ。でも、そう簡単には寝付けない。
ずきずきと痛む手。こんな状態で人間は眠れないと思う。
だからお姉ちゃんにはせめて、まだマシな私の身体で寝てもらいたかった。
拳をなで、痛みすら心地よく感じながら、私は次の日の朝日を待つのだった。
たった二人しかいない姉妹。大切にしたい、お姉ちゃん。大好き……。





こうして生きてきた。
これが私達の普通。
少しだけ人とは違う。そんな、普通。


466 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/02(月) 01:48:18.58 ID:F7v0WL.0
メ「……え、っと」
委員長「何?」
メ「いや、質問を質問で返すようで申し訳ないんですが……何これ」
委員長「私達の日常」
メ「や、えっと……にち、じょう?」
委員長「恒常的な生活の様子」
メ「こんなこと普段からしてるんですか?」
委員長「ええ」
メ「……」
委員長「……話はおしまい?」
メ「は、はい」
委員長「そ。じゃあ……」

スタスタ

メ「……。も、もはや委員長という記号である必要性が!?」
男「どうした」
メ「主様。すごいですね」
男「あ?」
メ「やっぱり主様の周りには普通の人間っていないみたいです」
男「……あー」
メ「ちょ、何故私を見ながら納得したみたいな声だしてるんですか!?」


467 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/02(月) 06:12:03.89 ID:o5pKPWAo
いきなり別方向にブッ飛んでて間違えて別のスレ開いたかと思ったww
乙です



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