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意地悪なメイド2
810 :【意地悪なメイド オルタネイティヴ】 [sage] :2008/07/08(火) 03:32:56.53 ID:nszl/XQ0
第十一話 「過去からの警鐘」

あれから一週間近い時間が流れた。訓練そのものは順調だ。
そして最初はどうしても空きかけていた溝が埋まり始まている。
そう、まったくをもって順調そのもののはずだ。
なのに……俺の中には焦りが生まれ始めていた。

理由は分からない。分かるはずがない。
何故なら俺は今の状況がいいと感じているはずなのに。
頭痛も今までのような鋭い痛みじゃない。鈍痛が続いていた。
それはまるでじわりじわりと心を冒す病にも似て……


「大丈夫? 男くん」
「あ、ああ。ありがと、女さん。別にどうってこと……」
「その割には最近食欲がないみたいだけどな。何だ? 体調管理もできねぇのかよ」
「あら、よく見てるのね、妹は」
「な!? ち、ちげぇよ!!」
「でもその意見は同感ね。何かあったら言いなさい。チームとして、黙られてもプラスにはならないわ」
「ああ。それもそうだな。あー、まぁ何つーか、とりあえず大丈夫だ」

理由が原因不明の頭痛だなんて言えるはずもないし、言うつもりもない。
どうせほうっておけばなんとでもなる。俺はそう思っていた。


訓練は順調と言っていたが、実際俺へのわだかまりが解けたおかげでみんな積極的に質問をくれるようになった。
また、俺の教えもすんなり受け入れてもらえる。
正直、このことでみんなの技術の底上げになっていたのは確かだ。
だが燻る焦燥の火は消えない。
何故なら、最近は夢を見るようになった。悪夢といっても差し支えのないもの。


811 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/08(火) 03:33:42.54 ID:nszl/XQ0
悲痛な面持ちのバカ妹。あいつは笑いながら泣いて、俺に縋る。
理由は簡単。俺たち人類が負けたのだと彼女は言う。救えなかったのだと叫ぶ。
俺はただそれを受け入れるしかなかった。たった10万の人間を逃して、10億の人間による負け戦に挑んだ。
そして、俺は……いや、俺たちは、結局……。


夢は続く。誰か大切な人を見送ることを決めた。
だが生き延びなきゃいけないやつが、もう一人いて……。
暗い部屋、青白い光、小さな身体、揺れる瞳。
俺はイドを連れ出そうとして、

――ここから離れたら、私がいなくなります

瞬間フラッシュバックする光景。彼女の言葉。

――わからなくなるのが怖い
――守らないと、なくしてしまう

イドは、何かに怯えていた。
言葉の意味も分からず、しかし流れ込んでくる言葉たち。

――主様にはわからない!





「……!?」

飛び起きる。汗でぬれたシャツが気持ち悪い。
誰かの名前を叫んだような、そんな気になる。
でも、実際にはただ張り裂けんばかりに鼓動を繰り返す心臓を押さえるだけ。

「くそ、何なんだよ!」

ガン! と壁を殴りつける。
痛みとやるせなさでため息が出た。と、そこで初めてベッドのすぐ脇に気配を感じる。


812 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/08(火) 03:34:16.76 ID:nszl/XQ0

「……?」

見れば驚いた顔で硬直しているイドの姿がある。
手にはマジックを持っている。……まさかとは思うが。

「お前、俺の寝顔に何か書いたか?」

ぷるぷる。

「じゃあ書こうとしてたとか?」

……ぷるぷる。

「こんにゃろ、人様の寝込みを襲うとはいい度胸だ!」

逃げようとするイドを捕まえて抱き寄せる。
相変わらず腕の中にすっぽり納まるサイズだ。

「さて、毎度ながらおしおきだ。覚悟しろよ」

ぷるぷるぷるぷる!

「……反省してるか?」

こくこく!

「本当か?」

こくこくこく!

「だったら何でまたやろうとしたんだよ」

そう、彼女はここ数日、何故か俺の寝起きを狙っていたずらを仕掛けてくる。
笑って済ませられるものが大半だが、熱湯をかけられたときだけは本当に死ぬかと思った。
沈黙を返す彼女の頭をぽかり、と優しくたたく。

「まぁいいや、おかげで緊張感のある朝を迎えられる。さて、イド。おはよ」
「……おはようございます。……痛いです」
「おしおきだからな。痛くなかったら意味がない」
「……」
「とりあえず俺は早朝トレーニングに出るから。またな」
「はい」

腕の中から開放してやると、ぺこりと一礼し部屋を去っていく。
何だかんだで日課になっているこれに、どこかデジャヴを感じる。
最近はとにかく既視感が強くなっている。これも頭痛の増進に拍車をかけている。
自分の身体に起こっている異変。それが何であるか分からないまま、俺は早朝のグラウンドへ向かった。


813 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/08(火) 03:35:00.52 ID:nszl/XQ0

「さて、今日あなたを呼んだのは他でもありません」

夕刻が過ぎた頃、俺は副司令室へ呼び出されていた。
ただし肩書きは長官。基地の最高指令ではないのに長官。
今更になってその違和感を感じられるほど余裕が出てきたわけだが突っ込むと薮蛇な気がするおでやめておく。
そして毎度なら簡潔に訓練の報告などをするだけだったが、今日は昼から呼び出されあらゆる検査がなされていた。

「あなたの身体データを前々から取らせていただいていました」
「そうだったのか」
「はい。前より少しずつでしたが、今回はある程度データがそろいましたのでその確認作業を行っていました」
「確認、っつーとあれか、前相談してた頭痛の悩みを解決できそうなのか?」
「ええ。それも今回のお話に関係してきます。そして……あなたという人物が本当にこの世界の住人ではないこと」
「……信じてなかったのかよ」
「そして、私たちの未来を切り拓く、人類を救う鍵のひとつになりえると、確信しました」
「え……」

ドクン、と心臓が強く震える。


814 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/08(火) 03:35:59.21 ID:nszl/XQ0
「あなたの脳を中心に身体のデータを取った結果、面白いことがわかりました」

ぺらり、と専門的な文字が並ぶ書類を渡される。
自分の名前がかろうじてわかる以外はドイツ語で書かれている。
おそらくカルテのようなものなのだろう。それにしちゃやたらと専門的な内容だが。

「そこに書いてあるとおり、あなたの申告した年齢と実際の肉体、脳の年齢が違います」
「そう、なのか?」

正直、データとやらを見せられても何もわからない。

「そうです。あなたは自分が思っているより三年は年齢を重ねている状態です」
「三年……?」

ザザ、とノイズが走る。何かが俺の奥底に触れる。

「そしてあなたは平行世界の住人だと言った。ですが私はそれ以上の存在だと思えます」
「どういう、ことだよ」
「……これは仮説ですが、あなたはもしかすると、時間移動すらも行っているかもしれません」

時間移動、それはすなわち、

「我々にとっての未来から、あなたは来た事になる。そう考えられるのです」
「は、はは……冗談だろ? おい、何言って……」
「言ったはずです、あくまで仮説だと」

ですが、と彼女は続ける。

「その可能性にいたれるほどのデータはあるという事実、それは認めてください」
「……仮にそうだとして、それが人類を救う鍵になるのか?」
「はい。何故ならば、未来における技術が我々の……いえ、私の現状の問題を解決できるかもしれないからです」
「現状の問題?」
「それについては今は詳しく話すことは出来ませんが、これをご覧ください」

大型ディスプレイに表示される何やら難解な公式。
いや、公式と呼ぶことすらおこがましいほどに羅列された単語や式。
それを見つめている内に、再びノイズが走る。

「……っ!」
「反応あり。いいですよ、がんばってください。そして我々にヒントを」
「確か、それは……」

めまぐるしく変わる場面たち。その中でそれに見合うものがあったかもしれない。
そんな感覚が俺の中に確かに芽生えている。
あれでもない、これでもない。アルバムをめくるように場面が切り替わっていく。

「さぁ、思い出してください!」
「ぐ、ぁぁ……!!」

あと少しで手が届く。
そんな感覚がした次の瞬間、俺の意識のブレーカーが落ちた。


816 :【未来予知】 [sage] :2008/07/08(火) 03:43:28.07 ID:nszl/XQ0
委員長「最近思うの。未来が見える気がするって
妹「さ、最近お姉ちゃんがどんどんおかしな方向に!?」
委員長「たとえば見て、ここに私は男と挨拶をするって書いたの」
妹「日記だよね、いわゆる」
委員長「そうしたら本当に挨拶ができたわ。すばらしい未来予知よね」
妹「どうがんばってもおねえちゃんの行動力の勝利だと思うけど」
委員長「そしてこの調子で順調に予知し続ければ、来月には私、お母さんになれるの」
妹「恐ろしいほど飛躍してるよ!?」
委員長「でも、怖いわ。未来が決まってるなんて……何だか、味気ない気もするし」
妹「私はお姉ちゃんが怖いよ」


861 :【意地悪なメイド オルタネイティヴ】 [sage] :2008/07/14(月) 05:06:53.09 ID:2vBWCpI0
第十二話 「鏡越/救い」

初めて倒れた時のように、俺の意識はどこかわからない場所をたゆたう。
ゆらゆらと、ぐらぐらと。床のない場所を歩き、どこまでも息苦しい空間を泳ぐ。
そんな体を意識しない場所で、俺は知覚だけを四方八方に伸ばしていく。
だがそれはどこまでも広がり、調べていくつもりが実際は周りと同化していくだけのような気持ち悪さ。
どこまでも無限を意識しながら俺は俺が希薄になっていくのを感じる。
やがて全てと溶け合い、ぐちゃぐちゃになった俺が最初に見たものは……


「よう」
「……よう」

十数年以上付き合ってきた、俺という人物だった。


「気分はどうだ?」
「どうだも何も……わかんねぇよ」
「だよな。ちなみに俺は最悪だ」
「聞いてないっつの」
「そう言うなよ。……なぁ、何なんだ、この世界は」

思ったままを口にしてみる。
こいつなら答えてくれる気がして。

「さぁ、知らん」

だが返ってきたのはそんなそっけない返事。
そしてそれが意地悪で俺に教えないだけではないという確信。
自分だからわかってしまう。こいつは本当に知らない。

「だが、一つはっきりしてるのは、俺はこの世界を救いたい」
「……」
「だから、お前はやるべきことをやれ」

それがわかれば苦労はしない。
今はただ流されるままになっている俺からすればそうとしか言えない。


「じゃあさしあたっては次に控える総合戦闘技術試験の最短クリア記録の樹立を目指せ」

表情に出ていたのか、目的を簡潔に述べる。

「総合……何だって?」
「総合戦闘技術試験だ」
「それは、何だ?」
「あー、まぁ簡単にいえば俺らの班でサバイバルをがんばろー、みたいな感じだ」
「なるほど」

よくはわからないが重要なことはわかった。
自分が説明下手なことを反省しつつ、納得したつもりになっておく。


862 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/14(月) 05:07:39.55 ID:2vBWCpI0

「んで、後何か大事なことがあるはずなんだが……」
「おいおい、しっかりしろよ」
「うるせぇ、お前だって物覚えがいいほうじゃないだろ」
「いや、いいはずだ」
「それもそうか。……思い出した。いいか、今からいう地名に国連軍の防衛線を伸ばすように打診してもらえ」
「えっ、と?」
「あー、わかんねぇか」
「おう」
「はっきり言うなよ。えっとだな、とにかくバカ妹に言って○○へ防衛線の伸ばせって言え」
「それだけでいいのか?」
「とりあえずはな。それと、理由を問われるだろうがそこは粘れ。未来の知識があるとかでな」
「……それ自体は構わないが何があるんだ?」
「BETAが来る」
「!!」
「対応が遅れた国連軍は防衛線の突破を許す。そして進軍する奴らの目的はこの基地だ」
「そ、そんな!? じゃあ、急いで防衛線を張りなおさせて……!」
「待て待て、あわてるな。……実はそれ自体は問題ないんだよ。なぜならその後の軍の展開で奴らの進軍は止まるからな」
「ふぅ、何だよ、じゃあ別にわざわざ無理しなくても……」
「だがバカ妹に今後発言していくにあたって、お前が未来の知識を有していると思わせるのは大事なファクターだ」
「なるほど」
「更にいえば、そうすることで犠牲者はきっと減る。だから頼む、何とかしてくれ」

建前も本音も本物。
だったら、答えは一つだ。

「任せとけ、俺」
「任せたぞ、俺」

そしてゆっくりと意識は浮上していく。


863 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/14(月) 05:08:07.89 ID:2vBWCpI0

「……おはようございます」
「おはよう。で、一応聞くけど、何も書いてないか?」
「……。はい」
「よし、こっちこい」

ぷるぷるぷる。

「いや、安心しろ。たたかないから」
「……」

とことこ。

「絶対書いてるだろ!!」

ぴしっ!

「あぅ……うそつきです」
「嘘じゃねぇだろ。たたいてない。でこぴんはノーカンだ」
「……ひどいです」
「自業自得だ。これに懲りたら悪戯は一切……」


ザザ――

「……まぁ、ほどほどにな」
「……はい」
「では、お楽しみ中申し訳ないのですけれど、お話、よろしいですか?」
「のわ!?」
「何を驚いているんですか、医務室に移したわけでもないんですから、ここが私の部屋だと予想はついていたでしょうに」

いや、ごめん。そんなの考える前にイドと戯れてた。
などと声に出せるはずもなく、こんな子供みたいなやりとりを見られた恥ずかしさを隠すために沈黙の抵抗を行う。

「それで、この資料に見覚え、ありますよね?」

そして再び画面に映される資料。
だが、二度目のそれは何ら興味のわかない代物だった。

「悪いが、わからない」
「そう、ですか」

少々、とはいえバカ妹には珍しく表情に出るほどに落胆した様子だった。
こいつにしてみれば最上級のがっかりだったに違いない。

「すまん、力になれなくて」
「いえ、元々そんな都合のよい展開など期待してはいけないということです。勉強になりました」
「……すまん」

どこから来るのかわからない罪悪感に苛まれながら、ふと何か大事なことがあったことを思い出す。
それがポロリと口からもれ、しっかりと妹が拾う。


864 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/14(月) 05:08:46.22 ID:2vBWCpI0

「○○がどうかしましたか?」
「え? あ、いや……」

そうだ。確かどこかの誰かに頼まれたんだ。
そこに何か重要なことが……そうだ、確か、

「……えっと、そこって防衛線は干渉してるのか? 国連は」
「いえ、特にそういった情報はありませんが」
「じゃあ、向こうさんに打診してくれ。そこまで防衛線を伸ばすように」
「何故?」
「それは、その……」

夢で誰かにお告げをもらったんです。
概ね正解だが人としては不正解だろう。
どう答えればいいのか。こいつの性格を考慮に入れて……よし。

「そこに、BETAがくるんだ」
「……根拠は?」
「俺が未来人だからだ」


……。一瞬場が凍った。
だがここで引いていては話が進まない。

「まず先に言うが俺に未来がどうとかいったのはまずお前だからな?」
「ええ。そうですね。そしてあなたはそれを認める、と」
「……部分的には」

何となく政治家たちの質疑応答のような感じだな、と思う。
こいつとは家族という関係上、割と腹を割った話し合いをしてたせいで、こういった雰囲気は正直苦手だ。

「それで重要なことは思い出せず、そんな与太話だけを思い出した、と」
「そうだよ。何か文句あるのかよ」
「ええ、ありすぎて溜息しか出ません」
「ぐ……」

こいつの厭味はいちいち相手の神経を逆なでするな。
とはいえ、ここで引くわけにはいかない。
少しずつ記憶がとり戻ってきているかもしれないと告げ、まずは足がかりをつくる。
そこから休日に事件が起こるということからおぼろげながら襲撃日を割り出す。
そして、犠牲者を減らすために何としても動かしてもらえるよう頼み込む。だが勿論……


865 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/14(月) 05:09:10.43 ID:2vBWCpI0

「お断りします」
「何でだよ!」
「話を聞けば、別にこの基地には被害が届かないのでしょう?」
「そうですけど!」
「だったらいいじゃないですか。国連の方々が少々痛手を被るだけで済むんです」
「けど、未来がわかってるんだ! 救える命があるなら救ったほうがいいだろ!」
「いえ。それは困ります。あなたのいた未来ではそうすることで、この基地が救われたのかもしれません」
「そうかも、しんないけどよ……」
「寧ろここであなたの言うことをきいて、もし未来が変わってしまい、ここまで被害が及ばないとは限らないじゃないですか」
「……」
「ですから今回は見逃しましょう。ですがそれが起こればあなたがこの時間軸にいなかったこと自体は証明されます」
「一石二鳥というやつです。もう一度言いますよ? ここに被害を出すわけにはいきません。あきらめましょう」


ぴしゃり、と言い放つ。
正しいことをいってるのはわかる。わかるけど……!

「だが、それでも俺は助けられるやつがいるなら助けたい!」
「無理ですね。では逆に私からお願いしますが今すぐ世界の各地で戦っている同胞達を救ってくださいな」
「そんなの……」
「だから無理でしょう? あなたが守りたい世界というものはその程度なのですか?」
「それとこれとは!」
「変わりませんよ。今日勝てなくても明日勝つためにここは在るのです」
「その“明日”の為に今はあきらめてくださいといっているのです。それともあなたは結局……

――見える範囲でしか救わないつもりですか?


866 :パー速民がお送りします [sage] :2008/07/14(月) 05:09:22.40 ID:2vBWCpI0

「ち、がう」
「違いません。ですから、それでも私に対して動けというならば、理由をおっしゃってください」
「そんなの……そんなの、気分が悪いからにきまってんだろ! 胸糞わりぃんだよ!」
「気分、ですか」
「そうだよ! 幼稚だと笑えばいいだろ! でも嫌なもんは嫌なんだよ! 救えたかもしれないって思って、諦めるとか!」

それは俺が見たことないはずの風景。
どこかへと旅立っていく船団を見送る俺達。
からっぽの基地。とりこ残されたのは絶望だけ。
だからってなにもせずしにたくなかった。だから鍛えた。戦った。
それでも敗れたから。負けたくなかったから。救いたかったから。
みんなが笑える世界が欲しかったから。

だから認めない。誰かの犠牲とか、重要じゃないからしんでいいとか。
絶対、認めない。

「だから頼む! 動かしてくれ、軍を! そして名前も顔もしらないそいつらを助けてやってくれよ!」

頭を床にこすりつけるように頭をさげる。
妹相手だからだとか、恥ずかしいとか、そんなものは一切ない。
ただただ純粋な願い。それに馬鹿妹は……


877 :【いじメイオルタチャプター01製作終了記念祝賀会】 [sage] :2008/07/15(火) 04:36:10.13 ID:Isp8Dh20
メ「というわけでお疲れ様でしたー!」
一同「お疲れ様でしたー!」
男「って、ちょっと待て。何だ、チャプター1ってのは」
メ「中の人いわく、1話からプロローグまでのところでチャプター1らしいです」
男「ふぅん……ってそうじゃなくて! 全部終わってからってお題じゃないのか?」
妹嬢「それについては私から説明させていただきます」
メ「出た、ニートふたなりお嬢様プラス妹属性!」
妹嬢「もういちいちつっこむ気にすらなりません……」
メ「ふたなりだけに?」
妹嬢「……。こほん。これ以降、中の人的に区切りの段階に入るたびにこのお題を使わせていただこうと思っているそうです」
メ「いわゆるひぐらしのお疲れ様会みたいな!」
男「ひぐらし自体は知らんが、まぁいってる意味は何となくわかる」
メ「というわけで本編というか外伝なのに本編とはこれいかに、と思いつつあっちで出てない私が司会進行したいと思います」
男「よろしく」
メ「では第一回のゲストは新キャラのイドちゃんです!」
イ「……」
男「よ。撮影中は演技とはいえたたいたりしてごめんな?」
イ「……いえ」
メ「それに主様に抱かれまくりですもんね。不満爆発でしょうに」
男「その言い方だと非常に危ないからやめてくれ」
メ「大丈夫ですよ、イドちゃんは設定的にちゃんと成人誌に掲載できる年齢ですから」
男「余計ダメな感じだっつぅの。って、イドが全然しゃべれてねぇだろ! お前はもうちょい自重しろ!」
メ「だが断る!」
男「がっ! ……お前というやつは……」
メ「それにイドちゃんは主様が苦手だから無口なのかもしれないじゃないっすか」
男「む。……そうなのか?」

ぷるぷるぷる。

男「ほら見ろ、そんなことないってさ」
メ「ふん! 裏でお金でも握らせてるんでしょ。全く、こんな純粋な子に大人の暗い部分を見せるなん……」

ぴと

メ「……」
男「ん? どした、イド。急に抱きついてきて」
イ「……」
メ「ふ、ふふふ。小さいからとあなどっていましたがさすがは成人誌OKレベル。やってくれるじゃないですか」
男「お、おい。どうしたよ、急に。っていいんちょ達まで何か殺気立ってる!? 落ち着けみんな! ちょ、お、うわああああああああああ!?」


友「祝賀会なのに、変なの」
?「だなぁ。全く、何やってんだか」
友「モテる男はつらいってことじゃないのかな」
?「んだな。さって、俺は次々回くらいのチャプターで登場すっかもだから、そん時はよろしくな」
友「うん。じゃ、またね」
?「おうよ」



男「た、助けてくれえええええええええええええええ!!」



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