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新ジャンル「妹幽霊」
253 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 12:54:00.71 ID:koOGY/yE0
兄「ところで妹よ」
妹『何?』
兄「お前、居なくなる前に、物を投げつけてきたな?」
妹『あ、あれは……無意識にというか……物投げるイメージしたら勝手に……』
兄「いや、責めている訳ではない。今も物は持てたりするのか?」
妹『どうかな……やっぱり無理みたい。あの時は感情が高ぶってたというか……』
兄「つまり、本当に物を持ちたい、動かしたいと、心の底から思わないと動かせないのか」
妹『そうなるのかな。悪霊とかが物動かすのも、同じ感じだろうし』
兄「まぁ動かしたいという動機が善か悪かの違いでしかない訳だ」
妹『上手くコントロール出来たら、お料理くらい出来るのになぁ』
兄「まぁ出来たとして、お前が美味い食事を作れるかどうかは別問題なわけで』
妹『もー、うるさいっ!』
兄「うわっ! お、お前な……至近距離から……危ないだろうが!」
妹『クッションなんだし良いじゃない。物を投げるのは完璧みたいだよ』
兄「今まで通り、こちらが有利という状況でもなくなった訳か……」


254 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 12:56:14.23 ID:0xeXw36TO
もしらばみたい


259 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 13:47:15.86 ID:koOGY/yE0
兄「あー……。暇だな、妹よ」
妹『やることいっぱいあると思うんだけど、お兄ちゃん』
兄「ならば問おう。それらは今やらねばならんことか?」
妹『布団はそろそろ干さないと日が暮れちゃうよ』
兄「布団など、太陽があればいつでも干せる」
妹『えーと、コーヒー淹れて来て』
兄「急を要する事ではないな」
妹『お墓掃除しない? 雑草が生えてきたし』
兄「雑草という名前の草はない。彼らも頑張って生きている」
妹『要するに、何もしたくないんでしょ』
兄「それは心外だ、妹。しょうがないな、コーヒーでも淹れて来てやるか」
妹『エスプレッソがいい!』
兄「直火式しかないというのに、お前という奴は……」


260 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 13:50:50.14 ID:d6yfc1EE0
妹幽霊っていうとコレがイメージされたんだが
http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%AA-1-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E3%83%A6%E3%82%BF%E3%82%AB/dp/4812464676/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1208062157&sr=8-1


266 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 14:30:21.32 ID:koOGY/yE0
妹『ねぇ〜、たまにはニュース以外の番組見ようよぅ』
兄「何を言うか。情報収集は大切だぞ」
妹『朝も見たんだし、夕方はいいじゃない』
兄「駄目だ。まぁ実力でチャンネル変えられるならかまわないぞ?」
妹『馬鹿にしてぇ! そうやってお兄ちゃんは、永遠に他人を見下すことしかしないんだぁ!』
兄「何っ! チャンネルが変わった?! リモコンに触れずにか!」
妹『やったぁ! へっへっへ、男に二言はないよね?』
兄「よくやった妹! これから楽になるな」
妹『へ?』

兄「おい妹。NHKに変えるのだ」
妹『リモコンで変えてよ……』
兄「口で言えば済むお前の方が楽だ」
妹『なんか騙された気がする、私……』


271 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 15:15:58.64 ID:6olCvYyY0
兄「そういや俺の守護霊ってどんなやつなんだ?」
妹『明治初期に肥だめに落ちて死んだ人だよ。 すごく臭いよ!』
兄「聞かなきゃよかった……」
妹『なんか私を新しい守護霊と勘違いしてずいぶん前にどっか言ったきりだよ?』
兄「えっ……、ということは週に1度鳥の糞が落ちてきたり何かと不幸になるのは・・・・・」
妹『まだ私が守護霊としての能力がないからじゃない?』
兄「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
妹『死なないだけマシでしょ?』


275 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 15:47:48.99 ID:zBNjOjSHO
姉の続きが読みたい


277 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 15:58:20.16 ID:koOGY/yE0
姉の人まだかな


283 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 16:54:45.51 ID:koOGY/yE0
兄「いい天気だなぁ」
妹『せっかくの休日なのに、何にもやらないんだね、お兄ちゃん』
兄「『何もやらない』ことをやっている」
妹『なんか似たくさい台詞見たことがあるよ』
兄「お茶でも淹れるか。ほうじ茶でいいか?」
妹『いいよ〜。ありがと〜』

兄「よし、出来た。飲め」
妹『二人分……? 私の分は別に』
兄「二人で飲むから二つだ。何か変か?」
妹『……そうだね。へへっ、頂きま……え? これミルク入ってる?』
兄「ほうじ茶チャイだ。まぁ牛乳で煮込んだわけだ」
妹『また変なことしてるし……あ……』
兄「美味いだろ?」
妹『ま、まぁ飲めない味じゃないよね』
兄「そうか、普通の淹れ直すか?」
妹『これはこれでありだから、飲んであげる』


289 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 17:39:31.03 ID:koOGY/yE0
妹『そういえば私、死んでから本読んでない』
兄「お前も読んでたやつ、続きあるぞ。読むか?」
妹『読みたいけど、持てないしなぁ。と、言うわけで……』

兄「こうなるわけか。俺は一度読んだんだが……」
妹『いいじゃない。こうやって並んで一緒の本読むの久しぶりじゃない』
兄「久しぶりも何も、幼稚園以来だな」
妹『同じ絵本何度も読んでもらってたね、そういえば』
兄「……次、いいか?」
妹『まーだ。良かったら良いよって言うから』
兄「……」
妹『何? 私の顔に何か付いてる?』
兄「目と鼻と口、それと耳が付いてるな」
妹『あ、そう……。次、いいよ』
兄「はいはい」


292 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 18:03:09.94 ID:koOGY/yE0
兄「では出かけてくる。ふらふら出歩くなよ、また補導されるぞ」
妹『分かってますって。いってらっしゃい』

妹『外に出て買い物したり、友達と遊んだりできないんだなぁ、私』
妹『今更だけど、死ぬってこういう事なんだ……』
妹『でも、なんでお兄ちゃんとは普通に会話できるんだろう』
妹『お兄ちゃん、霊感強いわけじゃないしなー』
妹『たまにそういう相手もいるって、親戚の幽霊には言われたけど……』

兄「今帰ったぞ、妹」
妹『おかえりなさい……ってそれ何?!』
兄「聞きたいか? これはな、普通に戻してしまったお前のお墓を改造するために」
妹『やめてよ! せっかく戻したのに、なんでまたそんな……しかも何その大量の赤いペンキ!』
兄「ピンクはちょっと品が無いと思ってな、今度は赤にしてみようかと」
妹『もっと品がないでしょ! ……あれ? どうかした?』
兄「いや、大量に買い込んだせいか、少々疲れてな。前はこれくらいではなんとも無かったんだが」
妹『運動不足〜。太らない体質でも、ちゃんと動かないとダメだよ』
兄「む、そうだな。運動も兼ねて、早速墓の改造に取り掛かるか」
妹『だからダメだって!』


300 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 18:27:37.79 ID:koOGY/yE0
兄「確かに、最近運動不足かもしれないな」
兄「ただ、疲れとも違うんだよな……何だろうな」
妹『何ぶつぶつ言ってるの?』
兄「妹よ、兄は決めた』
妹『何? 何か知らないけど、がんばってね』
兄「兄は毎日走ることにした」
妹『ああ、早速運動するんだ』
兄「というわけで、お前も明日から5時起きだ」
妹『ええええ!? 私もぉ?』
兄「俺は走るから、お前は料理の練習をしておけ」
妹『私も巻き込んで、後に退けなくする作戦?』
兄「そうだ。一緒に暮らす以上、お前にも食事は作ってもらわないと困る」
妹『……そうだね。へへっ。よ〜し』
兄「なんだ? さっきまで不満タラタラだったのに」
妹『なんでもないっ!』


311 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 20:01:40.04 ID:koOGY/yE0
兄「はぁ、はぁ、はぁ」
妹『ちょっと疲れすぎじゃない……?』
兄「はぁ……はぁ……そっちはどうだ?」
妹『うん、普通に物を手に持つことが出来るようになったよ』
兄「はぁ……はぁ……そうか……早いな」
妹『まだかなり集中しないとダメだけどね。それよりお兄ちゃんの方……』
兄「ちょっと……休む……お前もちょっと寝とけ……」
妹『うん……』


316 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 20:28:49.68 ID:koOGY/yE0
兄「……おかしいな」
兄「こんなに疲れるくらい走った訳でもないんだが……」
兄「むしろ……帰ってきた後の方が……しんどい気もする」
妹『お兄ちゃん……大丈夫?』
兄「あぁ……お前……それ、どうしたんだ?』
妹『元気になってもらおうと思って、朝食作ったの』
兄「よく出来たな……そこに置いてくれ」
妹『ここ? はい』
兄「……? ん……なんか……楽に……」
妹『何? 食事作ってもらった位で大げさだって』
兄「いや、まぁ……いいや。早速頂くか」
妹『はい、召し上がれ』


319 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 20:50:57.29 ID:koOGY/yE0
まきますか? まきませんか?


321 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 20:54:46.62 ID:dcteDPpH0
wktkしてます


322 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:01:40.72 ID:zXc9MgbKO
さあ雲行きが怪しくなってまいりました


323 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:04:04.79 ID:aAypzi78O
ワクテカ


324 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:04:29.75 ID:pI0Rh3a+0
ラストに向かってきたな


326 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:08:04.48 ID:koOGY/yE0
兄「少々危険だが……試してみるか」

兄「妹よ! 兄は食後の紅茶が怖い!」
妹『び、びっくりしたぁ! もう元気になったの?』
兄「この兄を舐めてもらっては困る。それより紅茶だ」
妹『紅茶なんて淹れたことないよ』
兄「では教えてやろう。食事とお茶はセットだからな」
妹『さっきまで元気なかったのが嘘みたい……ほんとに嘘とか?』

兄「そう、あとは蓋をしてコージーをポットにかぶせて待つだけだ」
妹『コージー? やりすぎ?』
兄「何を言っているお前は。コージーはこれだ」
妹『このドーム状のやつ?』
兄「そうだ。それをかぶせることでポットの温度低下を避ける」
妹『へぇ〜』
兄「(色々やらせてみたが、なんともないな。やはり関係ないのか?)」


328 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:13:16.92 ID:2qrF8au10
>>326のIDがコージーな件


329 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:16:34.30 ID:koOGY/yE0
兄「さて、時間だ。カップは温めてあるな?」
妹『うん。2つとも温めたよ』
兄「ではポットから注ぐのだ」
妹『よ……む、ちょっと集中しないとすり抜けちゃいそう……』
兄「(ここで体調が悪くなれば……)』
妹『ふぅ……出来たよ。……お兄ちゃん?』
兄「(なんともない……ということは、ただの偶然だったのか?)」
妹『で・き・た・よ!』
兄「ぬおっ! そ、そうか。ご苦労であった」
妹『も〜、いきなり具合悪くなったり、ぼ〜っとしたり。今日はなんか変だよ』
兄「何?! 変って言った方が変なんだぞ!」
妹『いや、そういう事じゃなくてさ……まぁいいけど』


331 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:25:08.78 ID:koOGY/yE0
兄「(あれから数日色々やらせてみてるが、特に変化はないな)」
兄「(具合が悪くなることもないし……しかし、何か引っかかる)」

兄「妹よ。お前、俺以外に存在を悟られた事はあるか?」
妹『んー、外歩いてると、たまーに『あれ?』って顔される時はあるよ』
兄「ほぅ、気が付く人もいるのか」
妹『気が付いてるっていうか、何となく気になって、って感じ。姿は見えてないみたい』
兄「声はどうだ?」
妹『全然。お兄ちゃんも、耳から聞いてる訳じゃないかもしれないよ』
兄「ん? つまり電話は無理という事か。試してみるか」

妹『もしも〜し。聞こえる〜』
兄「……何も聞こえないな。音を発していた訳ではないのか、あいつ」
妹『やっぱり無理みたいだね』
兄「そうだな。よし、早速特訓だ! 電話も出来ないとは情けないぞ、妹!」
妹『えぇぇええ?! またそのノリなのぉ?』


333 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:32:40.78 ID:koOGY/yE0
妹『えーと、つまり私は、この部屋の中で、ずーっと電話で話しかけていろと?』
兄「そうだ。俺が電話越しにお前の声を聞けたら褒美をやろう」
妹『犬ですか私。まぁいいや。電話できれば便利だしね』

兄「(電話からあいつの声が聞こえて欲しいのか、欲しくないのか)」
兄「(微妙なところだな……。これも"新しい能力"になるからな……)」
兄「(聞こえてなんとも無ければ、それが一番いいな……)」

妹『(お兄ちゃん、最近色々やらせてくるなぁ。料理とか、お茶の淹れ方とか)』
妹『(本気で幽霊の私と暮らそうとしてるとか?)』
妹『(へへへ、よ〜し!)』
妹『お兄ちゃん、聞こえる?』


334 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 21:39:03.96 ID:koOGY/yE0
さて、どうしたものか
ちょっと考えてみます


339 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 22:04:32.84 ID:aJb8Xqa6O
なんとなく兄がどんな状態にあるのか分かった気がする


342 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:10:16.80 ID:koOGY/yE0
兄「さっきから何も聞こえないな。やはりいきなりは無理か」
妹『お兄ちゃん、聞こえる?』
兄「! おぉ、聞こえるぞ。いきなり成功とは……くっ……何っ!」
妹『お兄ちゃん? どうしたの? ねぇ!』

兄「……ここ、は?」
妹『お兄ちゃん! 良かった、目が覚めて……』
兄「病室……?」
妹『あの後、お兄ちゃんいきなり倒れちゃって……私、びっくりして……』
兄「お前が……救急車を呼んでくれたんだな?」
妹『うん……。お兄ちゃん以外の人にも、ちゃんと聞こえたみたい』
兄「よく、やったな……。さすが我が妹だ」
妹『あんまり喋らないで、ゆっくり休んで……あっ、看護婦さんが来たよ』


346 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:21:00.57 ID:koOGY/yE0
兄「……お医者さん、居なくなったぞ。隠れてないで出て来い」
妹『……うっ……えつ……ふぇ……』
兄「何を泣いているか、情けない」
妹『だって……えっ……お兄ちゃん……』
兄「まぁ流石の俺も、もって3カ月なんていきなり言われたからな、動揺は隠せないが」
妹『もしかして……私が色々力使っちゃったから……私が、お兄ちゃんを……!』
兄「この馬鹿っ!」
妹『ひっ!』
兄「なんて事を考えるお前は。……例えそうだとしても、俺は後悔もしないし、恨みもしない」
妹『で、でも……』
兄「そのおかげで、本来話すことすら出来ないはずの、死んだお前と暮らせたんだからな」
妹『お兄ちゃん……』
兄「ん……少し……休む……誰か来たら……起こしてくれよ……」
妹『お兄ちゃん……絶対、死なないでね! まだこっち来ちゃダメだからね!』


349 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:28:36.33 ID:koOGY/yE0
妹『お兄ちゃん! お兄ちゃん、まだ死なないで!』
兄『うるさいぞ……感情に任せて話したらお医者さんにも声聞こえてしまうぞ』
妹『お兄ちゃん?! え? でもお兄ちゃん意識不明で……』
兄『どうも、お前が、俺が言いたい事を感じ取ってるようだな。お前が話してるのと逆の理屈だ』
妹『ねぇ、死なないで! まだ頑張って!』
兄『……落ち着いて聞け。おそらく、俺はもうだめぽ』
妹『何冗談言ってるのよ! 全然笑えないよ……! そんな事言わないでよ!』
兄『つまらなかったか……ちょっとショックだ。まぁいい。それよりだ』
妹『何?』
兄『お前が死んでから、随分楽しく過ごせた。お前のおかげだ。ありがとう』
妹『過去形で言わないでよ……これからも楽しく暮らそうよ……』
兄『こうやって居るのもそろそろ限界だ……。最後に……家の俺の机の引き出し……』
妹『引き出し? 何かあるの?』
兄『後で……見てくれ……お前に伝えたい事が書いてある……じゃあの』
妹『お兄ちゃん……? お兄ちゃーん!』


351 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:30:04.78 ID:pI0Rh3a+0
かなしいのう


352 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:32:50.19 ID:aJb8Xqa6O
兄貴がんばれよ…
だめぽとかいってんなよ……


353 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:35:24.64 ID:koOGY/yE0
兄『この手紙を読んでいるという事は、俺は死んだらしいな。
  実はお前に黙ってある実験をしていた。どうも、お前が力を使えるようになる度に、
  俺の体調が悪くなる気がした。それを確かめる為だ。
  紅茶を淹れさせたり、電話で会話しようとしたり。これは電話の実験の前に書いている』

妹『お兄ちゃん……あの時、もうこのこと知ってて……』

兄『これを読んでいるという事は、お前の"力"と俺の体調には関係があったという事になる』

妹『やっぱり……! 私、お兄ちゃんの命を……!』

兄『だが待て! 単純に即死に繋がるとは限らない。体調が悪くなることで、元々煩っていた病気が
  悪化した、という可能性もある。俺らの家系は癌家系だしな。それにだ。俺はこの事について、
  一切後悔もしていない。もちろんお前を恨んでもいない。もし死にたくなかったら、こんな実験、
  すると思うか?』


354 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 22:36:26.50 ID:iIG5vuXo0
妹より兄の方が先に逝くのか
コージィ最後までしっかり見届けるからな


356 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:43:46.41 ID:koOGY/yE0
兄『それに、もしお前が死んだ後、お前が俺の前に現れなかったとしたら?
  俺の死因が原因不明以外、そうだな、癌とかであれば、死んだショックで
  ますます悪化していただろうな』

妹『確かに癌だったけど……。今まで生活してたのが不思議なくらいだって言ってたけど……でも!』

兄『結局、どっちが原因かなんて分からないだろうな。お前に会えない精神的苦痛と、
  お前が力を使うことによる肉体的疲労、どっちが原因かなんて、分からないさ。
  でも、お前と過ごした、お前が死んでから今までの時間、今まで生きてきた中で、
  一番楽しかったぞ。ありがとうな』

妹『何よありがとうって……私、どう反応すればいいのよ……』

兄『最後に、兄からのお願いだ』

妹『何? 何でもやるよ……』

兄『おれのPCのHDDを、破壊してくれ。あれは……あれはマズイものだ……』

妹『もぅ……最後の最後まで……私、笑えばいいのか、泣けばいいのか……』


359 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:49:12.17 ID:koOGY/yE0
妹『お兄ちゃん、やっと家の片付け、終わったよ……』

妹『HDDも破壊したからね。中見たけど……お兄ちゃん、アレはないわ……ダメダメあれは』

妹『お兄ちゃん、親戚宛にも遺書みたいなの書いてたんだね。その通りにしたよ』

妹『だから、今この家な〜んにもないよ。広いよね、この家……』

妹『私1人じゃ……広すぎるよ……』

妹『いつまでもこの家で、お兄ちゃんの事思い出していたいけど……それじゃ駄目だよね』

妹『新しい人が住むことになったの。感じ良さそうな人だったよ』

妹『だからね、私も、お兄ちゃんに甘えてないで、そろそろ逝かないとね』

妹『死んだのに、いつまでも地上にいるの、変だもんね……』

妹『じゃあね。私も、楽しかったよ……ばいばい、お兄ちゃん』


361 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 22:55:07.45 ID:koOGY/yE0
妹「ここが、天国? 何も書いてないけど……あれ、幽霊いっぱい並んでる」
兄「こら、遅いぞ! 何をやっていた妹!」
妹「お兄ちゃん?! 何でここにいるの?! だって死んだはずじゃ……」
兄「死んだから天国に居るんだろうが。お前見たく、いつまでもふらふら地上に居ると思ったか?」
妹「え? え? あ、そ、そうか。天国来れたからか……」
兄「ほほぅ。お前、この兄が地獄に落ちるとでも思っていたんだな?」
妹「ち、違うって! ちょっと混乱して……痛痛痛っ! 頭! 頭痛いからやめて!」
兄「ちょっとそのお花畑な頭を醒まさせる必要があるな」
妹「そ、そうか。私も死んでたんだよね……だから、お兄ちゃんも死んで、こうやって会えたんだ」
兄「……まさかとは思ったが、忘れていたとはな。だから死ぬ時あんなに騒いでいたのか」


363 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:03:00.38 ID:koOGY/yE0
妹「だって、本当はもっと生きられたのに、私……」
兄「まだ言うか馬鹿が! まぁいい。ちょっと説明する」
妹「痛〜い……頭叩かなくてもいいじゃない……」
兄「お前の力で、俺に肉体的疲労が蓄積されていたのは事実だ。
  だが、お前が死んだ時、俺は既に癌が全身転移した状態だったらしい。
  もしお前が力を使わず、今みたいに真っ直ぐこちらに来ていたとすれば、
  お前を失った精神的ショックで、病状がさらに進行していただろうな」
妹「でも、私が物もったりとかしなきゃ、もっと生きられたのに……」
兄「あれは、俺がお前にやらせた事だ。それにどっちにしても、長くはなかっただろうな」


364 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:03:49.39 ID:pI0Rh3a+0
会えてよかったな


365 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:07:06.84 ID:koOGY/yE0
兄「だから気にするな。お前のせいじゃない。住めば都と言うだろう。地上がこっちになっただけだ」
妹「私……お兄ちゃんが死んだ事を悲しんだら良いのか、会えた事を喜んだらいいのか……どっちか分からないよ……」
兄「だからお前は馬鹿だと言うんだ」
妹「え?」
兄「悲しんだら良いか喜んだらいいか、だと? 簡単だろ。喜べば良い。喜ぶ方が楽しいだろう」
妹「……ぷっ……あははは!」
兄「何を大笑いしている! さっきまで泣いていたくせに」
妹「やっぱり……お兄ちゃんは、死んでもお兄ちゃんなんだぁ、って思って」
兄「今非常にカチンと来たね。こい、ちょっとお仕置きが足りないようだ」
妹「あ、ちょっと、やめてよ……痛いってば! そんなに引っ張らないでって!」
兄「まったく……手のかかる妹だ」
妹「これからも、よろしくね」
兄「ふん、やれやれだな」


366 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:08:52.92 ID:aJb8Xqa6O
よかった…
よかった…


367 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:12:39.00 ID:koOGY/yE0
妹「ちょっとまって、これ、ハッピーエンドなの? バッドエンドなの?」
兄「さぁな。生きている事に意味を見出す人にとってはバッドエンドかもしれないな」
妹「そうじゃない人にとってはハッピーエンドと?」
兄「ハッピーエンドかどうかは分からないがな。まぁ俺が死んだらこうにしかならないだろう」
妹「そうなんだけどさ。あんまりギリギリな発言は控えたほうが……」
兄「そうだな。もっとも、俺は死なずに、お前が消えて終わる、という可能性もあった」
妹「そうだね……。もしそっちならお兄ちゃんは今も……」
兄「また殴られたいか? 同じ事を何度も言わせるなよ?」
妹「なんでもない。紅茶出来たよ。あっちで一緒に飲もう?」
兄「そうだな。少しは上達したんだろうな?」
妹「飲んでびっくりしないでよぉ?」
兄「ほほぅ。随分自信満々だな。お手並み拝見といこう」


368 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:15:11.13 ID:koOGY/yE0
自分の分は終わりです
良かったんだろうかこれでw
最初は幽霊モノでギャグに走ろうって思って書いてたはずなのにw

そして他の書き手のは……?


374 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/13(日) 23:23:22.02 ID:koOGY/yE0
>>319でどういう終わり方にしようか聞いたつもりなのは秘密だ
>>321を肯定と受け取ったのも秘密だ



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