■戻る■ 下へ
意地悪なメイド4.5
308 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/13(水) 00:38:19.97 ID:T0qHBNHAO
メイド長「……」

執事長「そこは溜息の一つでもつくとこじゃない? 可愛げ出そうよ」

メイド長「貴方に隙を見せれば色々と気を回されますので」

執事長「頼ってもらいたいのも野郎の性なんだよね」

メイド長「頼りにさせていただこうにも人の部屋に気配を消して侵入してくる輩には不安が残りますので」

執事長「なるほど。そんな輩がいたら僕が追い払おうじゃないか」

メイド長「自傷癖か何かをお持ちなようでしたら是非自室で。ここは私のワークスペースですので」

執事長「連れないね、本当。そんなに意地悪しないでいいじゃん」

メイド長「意地悪でも何でもなく真っ当な感覚で喋っているつもりですが」

執事長「分かった、悪かったよ。けどノックに気付かないから何かあったのかと思ったんだ。それは本当」

メイド長「失礼しました。こちらこそ気付かず」

執事長「無事もなくて一安心だけどね。……いや、そうでもないか。我らが姫君が不機嫌だったのが原因かな」

メイド長「貴方には隠しても無駄ですからね。その通りです。表面上は諦めたと何度も繰り返しながら未練を引きずられている」

執事長「要らない荷物を抱えてるねぇ。で、自分が肩代わりも一緒に担ぐ事も出来ず途方に暮れてる、と」

メイド長「何故お嬢様はあの方にそれほどまで……」

執事長「刻み込まれた運命の環か。螺旋に縛られた生き方から人は逃れ得ない。悲しいね」

メイド長「無関係とは思えませんが全てが終わった今、それでも影響があると?」

執事長「可能性の問題だよ。いや、違うか……発端がそうであるからこそ自分の意志だと信じたいのかもしれない」

メイド長「それが禁忌故に与えられる背徳感もまた美味である。真実の愛などありはしないのに」

執事長「君の愛を真実ではないのかい」

メイド長「私のものは畏怖であり敬服であり、依存です。我ながら情けない」

執事長「人間なんてそんなもんだし。僕だってこの気持ちはきっと同情や憐れみにまみれたものだから」

メイド長「……愛とは何と悲しいものでしょう」

執事長「それでも求めねばいけないのだね。人である限り。人の形に魂を内包する限り」


309 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/13(水) 00:42:59.77 ID:T0qHBNHAO
妹「いきなり厨二病なポエムとは飛ばしてんな」

命「そういう肩書きなんだろ。堅苦しい。窒息しそうだ」

委員長「命達には似合わない空気だものね。それより彼女が出張とはね」

妹「多分スレすら立てられない予感だけど」

命「今更すぎるしなぁ。更新をそんな出来る余裕もないだろ」

妹「つまりやんない?」

委員長「でもやる気はあるみたいな顔してたわよ」

命「無理としか思えねぇけどな」







はい。無理だと思いますww

ぶっちゃけスレタイすら思い付かないんで……

でも久々にあっちで何か書いてみたりはしたいけどね! 一日が48時間あれば……


310 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/13(水) 00:51:47.19 ID:T0qHBNHAO
メイド長「本来であればお嬢様にとって私がいかに想おうと無駄な事でしかないのでしょう。しかし、だからと放棄出来ますか」

執事長「メイドの鑑だね。こっちにも分けてほしいよ、その想い」

メイド長「……。すみません」

執事長「あー、通算何度目かの撃沈かね。いやはや、堅いわ」

メイド長「嬉しくはあります。ですが、今はお嬢様を見ていたいので」

執事長「都合のいい奴として必要な時だけでいいんだけど。って扱いが出来ないから長さんなんだけどさ」

メイド長「すみません」

執事長「いいよ。悪い、毎回押し付けて。うぅん、俺ってば意地悪しすぎか」

メイド長「いえ、お気持ちは嬉しく思います。これは本当ですので」

執事長「ありがと。大丈夫か?」

メイド長「安易には頷けませんが、そうですね。……少しだけ、ここに居ていただけますか」

執事長「了〜解。実は長さん、俺がこの後しばらく仕事詰まりっぱなしなの知っててお願いしたでしょ」

メイド長「はい。私のデスクワークの時間を持っていかれましたから。ささやかな報復です」

執事長「意地が悪いね、どうも。ま、分かってて残る俺が一番悪いんだけど」

メイド長「ありがとうございます」

執事長「いやいや。どう致しまして」


311 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/13(水) 01:03:47.55 ID:T0qHBNHAO
女「えぇと、あの。お久しぶりですっ」

友「あまり出番がない僕らのコーナーだそうだよ」

女「初回の今夜はお葉書紹介とリクエストされた事をやる、だって」

友「初回なのにハガキがある時点で何かおかしいと思うんだけど」

女「えと、なになに? PN.姉ちゃん大好きさんからのお葉書で、『姉ちゃんがメイド服着てるのが見たい』だそうです。姉ちゃんって誰なんだろ」

友「うぅん。何となく誰か分かる気がする……差出人が」

女「そうなのっ? エスパーだね!」

友「うん、違うけどね。とりあえずそういう訳で実は今回女さんの貴重なメイド姿なんだよね」

女「あ、あはは……似合わないよね」

友「かわいいと思うよ、すごく。ただ残念ながらこれ映像で配信出来ないんだよね。すごい企画倒れな気がするんだけど」

女「あ、お時間だ。ではまた次回に〜」

友「打ち切りの匂いしかしないけど」










女「ただいま〜。あれ? ラジオで何やってるの?」

女弟「ちょっとラジオにテレビ付けてただけだ。気にすんなよ、姉ちゃんのくせに」

女「はいはい、じゃあお姉ちゃんはご飯の支度手伝ってくるから。あんまり機械にイタズラしたら、めっ、だからね」

パタパタ

女弟「……。姉ちゃんの『めっ』か……よし、もっと改造するか」


312 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/04/13(水) 23:56:24.80 ID:WiZ1iYyw0
今夜は委員長編。

お酒入ってるので実はぐでんぐでん状態ですがご容赦をば。


313 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/04/13(水) 23:57:08.68 ID:WiZ1iYyw0
「正面からあれと対峙しなさい。その後は逃げればいいわ」

指示というより今できる自殺方法を紹介されただけのような言葉。
言うまでもなくあれとは肉塊となって襲ってきた獣のことだろう。

「大丈夫よ。無駄死にはしないわ。勿論、うまくいけば二人とも生きてここを出られる」

無駄死にはしないだけで失敗すれば命はないということか。
だとしてもそれ以外に方法がないと暗に告げられており、命にとって選択肢などない。
もとより、彼に出来るのは無様に逃げ惑うか、無謀と知りつつ正面から突破するしかない。
だとすれば取るべき選択肢は誰かの思惑の中でいい。生き残る可能性があるほうだ。
だから頷いた。



今更だがこの建物について簡単に説明するなら、大きな倉庫を想像してもらうのが手っ取り早い。
入り口から大きく開けた空間があり、左右に2階への階段がある。
左右からぐるりと中央にあいた空間を囲うように廊下があり、両側に部屋がある。
なので1階中央から見上げた天井は歪だがぽっかりと四角い空間があることになる。

その1階、中央の空間にそいつはいた。
散らかっているのは銃器と衣服。それ以外の赤色もところどころに見えるか。
けれどそんな中、一つの山がそこにあり、それはゆっくりとうごめいていた。

「よぉ」

粘着質な水音をさせながら声に反応した山がこちらを見る。
その顔と思わしき場所には獣ですらない何かがある。
少し前に出会った時には形状として生き物と判別できるレベルだったものがいまや完全に何か別種の存在としか認識できない。
それでも、そいつが生き物なのだと。そして食事の最中であったことが、口と思わしき場所から覗く腕のような何かではっきりとわかる。

「大きくても2mもないって言ってたよな」

ここまでくると笑うしかない、とばかりに苦笑を見せる命。その眼前に盛り上がった山はゆっくりと膨らむ。
いや、それはきっと立ち上がったということなのだろう。けれどもはや膨らんだとしか思えぬような大きさと様相でそれは彼を見下してくる。

「なぁ、とりあえずよ。一つだけ教えてくれないか」

ともすれば震えそうな体を抑え、まっすぐに見つめる。
そこにどうしても聞かなければいけないことがあったのだから。

「あいつは……あの娘はどうした」

護ると決めた存在が、今彼の隣にいない。
自身を縛る罪であり、生きるための導。失われ、守れなかった何かの代替品。
恐らくこの参上を引き起こした原因であろうことはわかっている。
だから、きっとそうなのだろう。
心の乾いた部分で理解しながらも、それでも命は問いかける。

「あいつはちゃんと棲家か、森のどこかに帰れたんだよな。そうなんだろ?」

人語を解するとも、発するとも思えない。
けれど、それでも言葉をかける。覚悟を決める答えがほしくて。


314 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/04/13(水) 23:57:40.41 ID:WiZ1iYyw0
ずるり、と振り返った肉の山から何かが生え出る。
それは禿山に寂しく立つ一本の樹枝のようで、

「……」

血肉を纏った少女の姿に見えた。



猛烈な吐き気と、抑えきれない情動。怒りや悲しみ、その他の感情が胸の中で暴れ狂う。
わかっていたと言い聞かせる内なる自分も、きっと言葉に出た微かな希望にすがっていたのだろう。
本心は隠せぬまま、震えとなり、言葉も出ず。立ちすくむ。

けれど、

「そっか。お前はそこを選んだんだな。……お前の望みで、そうしてるんだ。なら、いいんだよな」

それでも生きようとする。
導を失い、築いたものが一瞬で瓦解したその瞬間も、彼は生きることをやめなかった。
彼は、それほどに強くもなければ、潔くもなかった。

(あれだけ護るとか、生きる目的だなんて思いながら、今は逃げ延びることだけを考えてる、か。……情けねぇ。……けど)

あの洞窟の生活で見た仮初の日常が崩れ往く時も。
いきたいと、助けを請うての世話役を裏切った時も。
その償いとして獣の娘を生かそうと決めた時も。
天敵と呼べる存在にまでなった女に命を賭けて対峙した時も。

結局は、彼は生きることを選び、一度たりとも死を受け入れたことなどなかった。

表面上、どれほど取り繕おうとも、どれほど偽善に酔っていても。
その演技(いきかた)は、それだけの事を成していただけ。

きっとどの瞬間も、命が消えるなど思いもしなかった。
必ず助かるとどこかで信じていた。

だから今だって、そうなのだ。

「悪い。……ずっと一緒とか言ったかもしれないけどさ。それ、嘘だ」

悲しいとか、つらいとか、悔しいとか。そういった感情は全て胸のそこに沈め、彼は一歩を踏み出す。
静かに、けれど確実。
その一歩は後ろへと後ずさるために踏み出され、距離を作る。

「ギ……グ、……」

その動きに今まで静止を続けていた肉塊が始めて反応を見せる。
ずるずるとあたりの肉片を体中から伸びた枝のような細い手のようなものを使い引き寄せつつ、更に巨体になっていく。
ごりごりと何かを押しつぶすような音をさせながら、その塊はゆっくりと高さを増していく。
そしてその頂にて小さく鳴いた少女の形をした何かが、視界に命を捉える。

「ア、ぁ……」

回収を終えたのか、手持ち不沙汰になった腕の数々がいっせいに向きを揃える。
無論、その先に在るものは未だ生きた人間の体。

「ばいばい」

その間もじりじりと後退を続けていた命は、その一言と共に初めて背中を見せて走り出す。
追うように動き出した肉塊の山は、数本の腕を百足の足を思わせるように動かしながらその背中を目指す。
その中心に少女の無垢な顔を貼り付けたまま。


315 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/04/13(水) 23:58:29.45 ID:WiZ1iYyw0
直線では一瞬で距離を詰められる。
外に出たところでその差も広がらない。
そう感じさせる後ろから風圧や音の具合で、彼は建物の入り口付近の階段を駆け上がる。
何より、彼女はそう指示した。

『まず走れるだけ走って二階へ。右からよ。そうしたら後はなるべくよく見て走りなさい』

その言葉に従い、息を切らさず上りきった先。
細い通路をひたすらに突っ切る。
途中、何かきらりと光る線を見て、そちらを避けて通る。
振り返る余裕もなく、気のせいかと思った次の瞬間、

「ギ、ガ……オォォ……!!」

獣の咆哮が背後より轟く。
一瞬の意識をそちらに向ければ大きく裂かれた肉の断面が見える。

「糸……?」

その中心、裂け目のもとに血塗れた糸のようなものが見える。

「なるほど。えげつねぇ」

目の前に迫る次の糸をわずかに避けつつ、彼は突き進む。
第一の曲がり角が見えた。




建物全体を揺るがす咆哮が響く中、一人の女は満足そうに笑みを作る。

「いいわよ、命。私のために生きなさい。貴方は私のものなんだから」

手の中に硬質の何かを遊ばせながら、彼女は暗闇で一人笑う。




第二の角を曲がり、二階における最後の直線が見える。
背後では縦、横、斜めと様々な角度に切り裂かれた肉塊がそれでもこちらを追う。
もともと肥大した体はこの廊下を埋め尽くすようにして走っている。
ならば避けられる要素などなく、必然的にその身を削っての行進となる。
確かに有効打に見える。けれど。

(本当にこんな程度でとまるのかよ)

勢い事態は度々削がれながらも決して弱っているようには見えない。
それどころか痛みに怒りを燃やし、その速度は上がっているようにしか見えない。
捕まれば容赦なくあの肉塊の一部として食われ、砕き、貪られるであろう様を一瞬思い浮かべ、すぐに否定する。

(生きる。絶対に、生きてやる)

その為の手段として、彼は走る。

『最後の角を曲がって、まだ生きていたならそのまま左手にあるダストシュートを使いなさい。それがあなたのゴール』

その言葉を今は信じ、目前に迫ったゴールを目指して。


316 名前:NIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga] 投稿日:2011/04/13(水) 23:59:56.65 ID:WiZ1iYyw0
「あった!」

ここまで全力疾走を続けてきてなお、言葉が出る。
無機質な取っ手は、建物の外に付けられたもの。他が一様に中央側についている中で唯一のもの。
これがダストシュートだと瞬間的に決め、彼はその取っ手を引く。
開いた口はお世辞にも余裕があるとは思えなかったが、かまわない。
鼻をつく臭いに耐え、彼はその口へと身を躍らせる。

が、その勢いはすぐにとまる。

「……あ?」

壁が。いや、詰まった生ごみが出口を高い場所まで塞いでおり、その体は外へ放り出されることを許さない。

「おいおいおいおい、ふざけんなよ。おい!!」

ガンガンと鳴り響く頭上の音は、やがて止み、光がさす。
狭い口から進入するのは最低限の機能を備えた獣の姿。
少女を象りながら、その全身から鋭い牙を生やした口が覗く。
もはや少女と区別のつくのはその無垢な顔と体のラインくらいなものだ。
行き場のないこの場所に侵入するのはその肩までだが、死を与えるには十分なもの。

「……死ねるかよ。死んで、たまるかよ」

呟きは胸の中の凶器を彼の手に携えさせる。
決して引くつもりのなかった引き金を、彼はその人形に向けて、



引いた。

――カチリ

今度こそ、言葉が出ない。
そんなはずはと、再び引いた引き金は空しく音を鳴らすだけ。
弾が、ない。
そんなはずは、と思い返せば自分のこれから弾をぬく機会などいくらでもあったろう。
あの女か、その周りの人間かはわからない。
ただ言えることは、今彼に出来る抵抗策が全て費えたということ。

「は、はは……屑は屑置き場で、か。洒落になってねぇよ」

もはや鼻先数センチまで迫った死の恐怖。
その存在に、けれど最後まで目を閉じず、相対した命は、

「―――ァァァアアアア!!」

劈くような悲鳴をあげる目の前の少女を見ることになる。
ぐじゅり、と少女の頭が彼の胸へと落ちる。
その鋭利な断面はまるで刃物で落としたよう。

と、次の瞬間背後でガゴンと何かが音を立て、気配がなくなる。
つっかえとなっていたゴミが一気に下へと落ちたのだ。
そのまま吐き出されるように彼と少女の頭部だけがその場所から出て行く。


そして、残った獣と共に、建物が炎上した。


317 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/14(木) 00:11:51.65 ID:uDk9YSkAO
冥「すごい事やってるね〜」

妹子「あれはあれで充実してるみたいね。顔はそこそこなだけに芯が兄くんみたいにしてればいい男なんだけど」

冥「命はしっかり者だよ」

妹子「ダメダメ。あいつ生き方がもやしだもん。冥はああなっちゃダメだからね?」

冥「うぅん。命はそんなにふにゃふにゃかなぁ」

妹子「ふにゃふにゃもふにゃふにゃ。余った皮みたいなもんよ。昔は可愛かったけど今は可愛げを武器にしちゃうくらい嫌な子だし」

冥「一生懸命だけどな」

妹子「生き方に免罪符求めてるような中途半端な奴には賭ける命も生涯もないわよ。にしても冥は命を庇うわね」

冥「妹子お姉ちゃんほどじゃないよ」

妹子「私のどこが命を庇ってるっていうのよ」

冥「えへへ。話を聞いて一番に動いてくれたもん」

妹子「そ、それは兄くんやあいつが勝手にやっただけで私は別に……」

冥「じゃあそういう事にしとくね」

妹子「あんたなかなかいい生活してるわよね、昔から」

冥「にひひ。ありがと〜」

妹子「ったく。兄くんの子とは思えないわね、どっちも」


318 名前:NIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage] 投稿日:2011/04/15(金) 00:48:35.49 ID:s0kZmPMAO
妹子「と、いう訳であの女が出禁食らってる間に私が兄くんをゲットの時間よね!」

皇「それを仮にも旦那の前で宣言するのは良くないような気がするね」

妹子「気のせいよ、そんな倫理観! でなきゃ私の恋は実らないんだからっ」

皇「倫理も論理も放ったらかしは孤独と不幸を生む糧になりかねないね」

妹子「ならあんたが私を守りなさいよね!」

皇「護るからこそ止めたいのだけれど。個人の感情としても」

妹子「私情を持ち込んでこそよ。でも止まりなんかしないけどね!」

皇「困った人だ」

妹子「愛想が尽きた?」

皇「まさか。だからこそ、させないようにしますけれどね。互い不幸にはさせたくありませんから」

妹子「一時的には幸福感を持てる自信があるわよ、私は」

皇「その先に貴女が本当に望んだ結末はありませんよ」

妹子「じゃああんたとなら私は幸せになれるかしら」

皇「なれますよ。僕が、絶対に、幸せにしますから」

妹子「……。何真顔で恥ずかしいこと言ってんのよ……バカ」

皇「僕は恥ずかしくありませんよ」

妹子「うっさいっ! うぅ……買い物いくから付き合って!」

皇「はい。どこへなりと」



次へ 戻る 上へ