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意地悪なメイド
- 919 :パー速民がお送りします [sage]
:2008/03/07(金) 05:21:31.67 ID:LxR6dHQ0
?「すぅ……すぅ……」
メ「おん、なのひと? え、何ここ……」
ぴくっ
メ「おわ、う、動いた? ……あの〜、もしも〜し」
?「……くんくん」
メ「ちょっとお尋ねしたいことが……って何聞けばいいのやら。やっぱりその無駄についた胸のお肉についてとかですかね?」
がばっ
メ「ひ!?」
どさっ
メ「ちょ、ちょと待ってください! 軽いジョークですよ、ジョーク! 無駄じゃないってことで! うわーお見事な乳牛!」
?「うしさん? ……おいしそう」
メ「!? ま、ままま待ってください! 何で私みながらその台詞なんですか! 落ち着いて! さぁ深呼吸!!」
?「すぅ〜、はぁー……あれ?」
ずいっ
?「くんくん」
メ「!? ま、まって! 食べないでー! いやー、まだ死にたくないー! 来期のマクロスフロンティア見るまではああああ!!」
?「……んだ」
メ「へ?」
?「おとちゃんの匂いだ! あはは、おとちゃ〜ん!」
メ「ちょ、ま、抱きつかな……あ、あひゃひゃひゃ! く、くすぐった……ひいいい!!」
?「えへへー。おとちゃーん」
メ「にゃああああああああああ!!」
- 920 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:22:01.15 ID:LxR6dHQ0
メ「はぁ、はぁ……話は分かりました。が、私はおとちゃんなる人物ではありません」
姉「うん、おとちゃんの匂いはするけど、おとちゃんじゃないよね」
メ「そりゃそうです。お話を聞くに弟さんって事ですしね。こんな可愛い私が男の子のはずなんてない!」
姉「そうだねー、さっき触ったとき[ズキューン]ついてなかったもんね」
メ「ぶふっ!? なかなかに直球勝負ですね……」
姉「?」
メ「まぁいいや。とにかく、あなたがここに閉じ込められているのはよくわかりました」
姉「え? 違うよ?」
メ「は? いやだって、ここの部屋に2年近くいたってさっき……」
姉「そうだよ」
メ「で、私ここ入るとき、やたら厳重なロック……でもなかった気がしますが、扉には鍵がありましたし、閉じ込められてたのでは?」
姉「ううん。出なかっただけ。出ようと思えば出られたし」
メ「はぁ……まぁそうですよね。このご時勢に監禁なんて犯罪ですし」
姉「でも、約束守ってくれたんだ……おとちゃん」
メ「約束?」
姉「うん。いつか迎えにいくよって。だから待ってたの」
メ「ふむ。事情はわかりました。が、実は私今非常に困っていまして。出来れば力を貸してはいただけませんか?」
姉「何なに?」
メ「はい……私、見ての通りのメイドです。しかし、仕える主様を奪われてしまったのです」
姉「それは大変だねぇ」
メ「ええ、私の生活の全てといっても過言ではないような方でした。あの方がいないと私は生きていけません」
メ「なので、恐らく私よりもこの屋敷の地理に詳しそうなあなたに是非力を貸していただき、主様を取り戻したいのです」
姉「いいよ」
メ「あっさり!?」
姉「だってメイドさんは、私におとちゃんがかえってきてくれたこと、教えにきてくれたんだもんね」
メ「え? あー……はい、そうです」
姉「だったらいいよ。でもおとちゃんが帰ってるならいもちゃん、私に教えてくれてもいいのに……」
メ「ではこれよりしばしの間、よろしくお願いします」
姉「はぁい」
メ「では早速ここから出ないと……」
ガチャガチャ
メ「む? ロックされてる? ……あの、ここってどうやってあけるんですか?」
姉「そこは一度閉めると外からしか開けられないよ」
メ「ほう、なるほ……何ぃ!? 私閉じ込められてるーーーー!?」
- 921 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:22:28.77 ID:LxR6dHQ0
姉「あははー、籠の中の鳥さんだねー」
メ「何笑ってんすか! やっぱ閉じ込められてるじゃん! 嘘つきー! 出られるって言ったくせにぃぃ!」
姉「む、嘘なんてついてないよー」
メ「じゃあ開けてみてくださいよ! どうやってこの分厚そうな鋼鉄の扉を……」
ドンッッッ!!!!!
メ「……え?」
ズシィィィイイイイン………
メ「あ、え……へ?」
姉「ね? 嘘じゃないでしょ。さ、れっつごー! おとちゃんは……くんくん……上だね」
メ(……わ、私、夢でも見てるんですか? そう、これは夢で、実は起きたらいつものようにパソコンの前で)
姉「何してるのー? おいてくよー!」
メ「は! い、今いきます!」
むぎゅ
メ「痛ひ……夢、じゃない」
メ「だったら……今は、行くっきゃない! 退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!」
- 922 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:34:41.47 ID:LxR6dHQ0
ズゥゥ………ン
男「ん? 地震?」
妹嬢「大丈夫ですよ。ここは地震の影響などこないように設計されています」
男「はいはい、脳内乙。それよりも妹さん?」
妹嬢「何です?」
男「いつまでこの体勢なのでしょうか?」
妹嬢「まだです。満足するまでが期間だと先ほどゲームの罰として決めたはずですが?」
男「あー、うん。いやまぁそうなんだけど……何か変な気分だぞ。妹に膝枕するとか」
妹嬢「……ドキドキします?」
男「いや、全く」
妹嬢「むぅ」
男「そういうんじゃなくて、何か兄妹ですることじゃないなぁっていうか……」
妹嬢「じゃあ何だったらしていいんですか?」
男「例えば……やっぱ恋人同士とかだろ」
妹嬢「だったら問題ないです。……ふふ」
男「何言ってんだお前。会話がかみ合ってないぞ。全く、しばらく会わない間に少しは成長してるかと思いきや」
妹嬢「し、仕方ないじゃないですか! 私だって胸が小さいのは気にしてるんです! 努力してるんです!」
男「誰がいつ胸の話をしたよ、ったく」
スッ
メイド長「お楽しみのところ申し訳ありません」
男「いや、俺は何も楽しくないんですが」
メイド長「お嬢様、緊急事態です」
男「あ、俺はスルーなんですね、そうですね」
妹嬢「何です?」
メイド長「……それは、その」
男「ん? 何すか?」
妹嬢「……兄さん、すみません。少々席を外します」
男「お、おう」
妹嬢「ここでゆっくりしておいてくださいね。では後ほど……」
バタン
男「いったか。……さて、メイド長さんも今はいない、と」
男「うし。いっちょやってみっか」
- 923 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 05:53:58.44 ID:LxR6dHQ0
妹嬢「何です? 何がありました。兄さんをわざわざおいてまで」
メイド長「……大お嬢様が、あの部屋から出られました。また、坊ちゃんのメイドもそれに乗じて脱走しました」
妹嬢「は? な、え?」
メイド長「もう一度言いましょうか?」
妹嬢「……いえ、結構。っく、ここ2年おとなしくしていたと思ったら……あれだけの施設をいとも容易く破るなんて」
メイド長「捕らえますか?」
妹嬢「当然です。屋敷にある私の直属の戦力は全て差し向けなさい。最悪時間稼ぎでかまわないわ」
妹嬢「どうせ姉さんも、あのメイドも兄さんを狙っているはず。だったら別の場所に移るまでです」
メイド長「ではヘリの手配を」
妹嬢「ええ。あなたも手配が済み次第、姉さんを止めに向かいなさい」
メイド長「承りました。では」
スタスタ……
妹嬢「……厄介なことになってしまいましたね。ですが」
妹嬢「誰にも私と兄さんの新生活を邪魔させるものですか!」
メ「ひぃ、ひぃ……この階段、どこまで続いてるんすか」
姉「んー、あと半分かな」
メ「は、半分!? も、もうダメです……インドアが主体に私にはきつすぎ……」
姉「あう、頑張ろうよぉ。じゃないと面倒なことになっちゃ……」
チュイン!
姉「……遅かったかぁ」
メ「何です今の音! 明らかに何か銃弾が壁に当たった音だった気がします!」
姉「気がするんじゃなくてそうだよー。多分麻酔銃だと思うけど」
メ「そーなのかー。ってそれでも銃は銃じゃないっすか! ひぃぃ!」
姉「今のは下からだねー。やっぱりあっちの方が追いつくのはやいかぁ」
姉「だけどメイドさん疲れたって言ってるし、ここは休憩……」
メ「しなくていいです! 走ります! だからいきましょう、上に!!!」
姉「いいの?」
メ「いいんです! だから早く……」
チュイン! チュンチュン!!
メ「ひいいいい!!!」
ドダダダダ
姉「あ、まだ全然元気だ。よーし、まけてらんないぞー」
姉「でもどうせ上には上で待ち構えてると思うけど……」
『ぎゃああああああああああ』
姉「あ、やっぱり」
- 924 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 06:05:36.93 ID:LxR6dHQ0
スルスル……
男「っしょっと。ふう、ちょっとしたダイハードだな。人間やってやれないことはない」
男「まぁシーツをまるまるダメにしちゃったけど……ごめんな、これ作った人」
男「これだけ丈夫なのを作れるなんて素晴らしい職人さんなんだろうなぁ。いやぁ惜しいモノをなくした」
男「……言ってる場合じゃないな。えっと、ここは中庭だから、地下は確かあっちのほうで……」
?「おい泥棒」
男「ひ!? ち、違います! 決してやましいことはしてな……あ」
母「よう、帰ってたか」
男「何だ、おふくろかよ。脅かすなって」
母「驚いたのはこっちだっての。あの子、本当にあんたを引っ張ってきたんだ」
男「驚くくらいなら止めてやってくれよ」
母「いや、驚きはするけど止める意味はないし、私にゃ」
男「でもどうせ親父はまた俺を追い出すぜ?」
母「そん時はそん時。ダーリンのやることには全面賛成だし、私」
男「じゃあ何でそうなるのがわかってるのに馬鹿妹のやることを見逃したんだよ」
母「あの子はあの子。私は私。いじょー」
男「っく、相変わらずの放任主義だな、おい」
母「いいじゃん。自分で生きてけるまでは育てたんだから後は好きにしてれば」
男「……。まぁいい。それよりさ、ここに来た俺のメイドについて何か……知らないよな」
母「うん、なーんにも。あ、でもさっきさ、廊下で変な話きいた」
男「変な話?」
母「姉の奴が出てきたとか、そこに脱走メイドがいるとか何とか」
男「それだあああああ!! って、姉さんも一緒なのか!?」
母「さぁ? 私はそう聞いただけだし」
男「……姉さん」
『絶対だよ! 迎えにきてよ!』
『えへへ……約束だからね』
男「……」
母「なーにしみったれた顔してんだか」
男「うっせ」
母「ま、私はぶらぶらしてくっから。そんじゃねー」
男「おう。あ、そだ」
母「ん?」
男「……まぁ、その、何だ。……ただいま」
母「おう、おかえり」
- 925 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/07(金) 06:06:50.03 ID:LxR6dHQ0
という訳で今日はここまで。
多分次回、次の次くらいで妹嬢編は終わる予定。
厨二病臭なってきてるのでここは早く終わらせたいwwww
ではおやすみなさい。
- 926 :パー速民がお送りします [] :2008/03/07(金) 07:50:01.73 ID:iQSXa2SO
>>925
朝早く起きてて良かった!!!
GJなんだぜ
>>918
そーなのかー
そういや最近PAD長の意味が分かったwwww
メイドのイメージはあれなんだなwwwwww
- 927 :パー速民がお送りします [] :2008/03/07(金) 07:51:05.01 ID:h62akQDO
>>925 GJ
てか姉強すぎだろWWWW
- 928 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 05:25:00.23 ID:AzJ7.Jc0
>>926
早起きは三文の徳! で、三文っていくら?
アンサー。現代の貨幣価値に一文が35円程度。つまり100円前後ですね。
ということはジュース一本分にも満たないわけで。
……俺ジュースに負けてる!!
ちなみにPAD長……
サクッ
紅魔館のメイド長のデザインは大好きですが、うちの人はあれより水月の雪さんぽいかも。
まぁそんなのよりも自分の中のメイドさんを信じるんだ! みたいな。
>>927
強いよねー。怖い怖いです。
でもこんなおねえちゃんなら食べられてしまいたい!
性的な意味と食的な意味を兼ねて。
ところでもうお分かりでしょうが俺の趣味は多岐に渡っておりまして。
誰かここまで読んでる中で「俺の趣味と被ってる」みたいなのあったら教えて!
何故か俺の趣味って人と被らないのでマイナーなのかと苦悩中。同志が欲しい今日この頃。
まぁさておきこんばんもちびちび書いていきますぜ。
- 929 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 06:09:45.71 ID:AzJ7.Jc0
……今までメルブラしてました!
(;^ω^)……
(;^ω^ )……
( ^ω^ )い、今からちゃんと書くお!!
- 930 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 06:21:42.96 ID:AzJ7.Jc0
メ「ひいいいいいいいいいい!!!」
チュン! チュイン!!
姉「うわー、すごい包囲網だねぇ」
メ「あ、やっときた! 何やってたんすか! もう、こっちこんな状況で涙目もいいとこですよ!」
姉「えっと、下の人がしばらくあがってこれないように邪魔してたの。ごめんね」
メ「全く。しっかりしてくださいよ、あなたがいないと私どこへ向かっていいかわかんないんですから!」
姉「うん、ごめん」
メイドD「……嘘、何これ」
メイドE「見たまんまね。……どういう怪物なのよ、私達が狙ってたのは」
パラ……
メイドD「完全に瓦礫で塞がってるじゃない」
メイドE「それも単純に力だけで壁と天壌を砕いてる、と」
メイドD「人間のなせる業じゃないわ」
メイドE「だから、でしょ」
メイドD「?」
メイドE「怪物退治だから、実弾が許可されてんでしょ」
メイドD「そう、ね。……あのメイドも気の毒に。じっとしてれば命の危険まではなかったのに」
パラタタタタ!!
ガガガッ!!!
メ「ひいいい! ほ、本当に麻酔銃なんですよね? ね!?」
姉「うーん。そうだといいなぁ」
メ「私もそのほうがいいです! でも麻酔銃ってこんなに連射ききましたっけ?!」
姉「……えと、専門家に聞いてください」
メ「この状況でどうやって!? っていうか私が常時ツッコミいれてるとか既にそれ自体が異常なわけで!」
姉「そうなの?」
メ「そうなんです! って、本当にどうしよう……このままじゃジリ貧です」
姉「んー……よし、何とかしてみる」
メ「おお! 何か策が!」
姉「任せといて!」
メ「ああ……今までいろいろ言ってきましたが、何だか急に頼もしく思えてきました。ではよろしくおね……」
姉「とっかんー!」
バッ!
メ「無策じゃないっすかああああああああああああ!!!!」
- 931 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 06:49:02.17 ID:AzJ7.Jc0
男「はぁ、はぁ……っと!」
サッ……
メイド長「……」
男(げ、よりによってメイド長さんか。うまく切り抜けられればいいけど……)
スタスタ。
メイド長「……」
男「……」
メイド長「……」
スタスタ。
男(よし、そのままいってくれ……)
ピタッ
男(!?)
メイド長「……坊ちゃん。おとなしく部屋に戻っていてください」
男(バレてる、よな)
メイド長「でなければ、実力行使をもってお部屋に帰っていただくことになります」
男(く、どうする。逃げ切れ……はしないよな、絶対。けど……諦めたらそこで試合は終わりって安西先生も言ってた!)
メイド長「三つ数える間に素直に帰っていただけるならば、見逃します。そうでないならば……」
男「ごくっ……」
メイド長「一つ。二つ。……みっ……」
男(南無山!)
- 932 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 06:49:28.38 ID:AzJ7.Jc0
ドオオオオオオオオオオオン!!!!
男・メイド長「!?」
姉「いいいいいいいいいやっほおおおおおおおおおおお!!!」
メ「いいいいいいいいやああああああああああああああ!!!」
メイド長「壁を抜いてきた!?」
姉「おとちゃんめーっけ!」
メ「あ、ああああああああるじさまあああああああああ!!!」
ズンッ!
姉「えへへ……おかえり。おとちゃん!」
男「お、おう。ただいま、姉さん」
姉「えへへぇ、おとちゃんだ。本物のおとちゃんだぁ〜」
メ「は、ははは……わ、私生きてる、あの銃弾の雨の中を……はは、ははは」
男「メイドも無事だった……みたいなのか?」
メ「ふふ、生きてるという意味では。ですがしばらくガンアクションゲーはやらないと決めました。ええ、本当に」
男「なら良かった。すぐにでもここを出るぞ。やっぱ俺の居場所はここじゃない」
メ「……らじゃ! では姉さん、申し訳ないですが我々はここで失礼をしま……」
姉「……何で?」
男「……」
姉「何で? 帰ってきてくれたんでしょ? 迎えにきてくれたんでしょ?」
メ「む? 姉さん?」
姉「うそ、うそうそ! 何で出ていっちゃうの!? また私をおいてっちゃうの!?」
男「ごめん、姉さん」
姉「……やだ」
メ「あ、おとちゃんって、主様のことだったん……」
姉「やだあああああああああああ!!!!!!!!!!!」
バッ!!!
ガキィン!!!!
男・メ「!?」
- 933 :パー速民がお送りします [sage] :2008/03/08(土) 06:49:51.76 ID:AzJ7.Jc0
ギギギ……
姉「何で……邪魔するの!」
メイド長「っ、何て、力……。く、事情が変わりました。そこのメイド」
メ「え、あ、はい」
メイド長「私がしばらく時間を稼ぎます。その間に坊ちゃんを連れてこの廊下の先にある階段を登っていきなさい」
メイド長「そこから先は坊ちゃんに任せて屋上へ向かいなさい。そこにヘリを待たせてあります」
メ「わ、わかり……」
男「待て!」
メ「え?」
男「罠、って言ったら変だけど……もしかしたらまた妙なところへ連れてかれるかもしんないぞ」
メ「あ……」
メイド長「疑われるのも無理はありません。しかし、残念ながらそこまで仕込む時間はありませんでした」
メイド長「操縦者には乗り込んだ人間の言うことを聞くように指示してあります。今行けば、無事に帰れますよ」
男「……」
メイド長「まぁ、ここで迷ってぐずぐずしていれば、ずっと出られないかもしれませんよ?」
男「なら、一つだけ教えてくれ。何で俺にその情報を教えた」
メイド長「……あなたにお嬢様の近くに居てほしくない。ただそれだけです」
男「……。わかった。いくぞ、メイド」
メ「は、はい」
メイド長「急ぎなさい。お嬢様が気付けばそちらへ向かいます。そうなれば恐らくあなたが言う妙な所へ連れていかれるでしょう」
メ「ら、らじゃ! さあ、主様!」
男「おう」
姉「おとちゃん! おとちゃん!!!」
ピクッ
男「……」
姉「やだ、お願い! もう一人にしないで! 私今度はちゃんとするから! ね? お願い! おとちゃん!!!!」
メ「あ、主様」
男「……。メイド、いくぞ」
メ「あ……はい」
姉「……うそ、うそうそうそうそ! 何で! 何でよ!! やだよ! いかないで、おとちゃあああああああん!!!」
ギンッ!!
メイド長「っ! いかせません!!」
姉「邪魔、しないでえええええええええええええええ!!!!!」
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