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意地悪なメイド4
383 名前:【ランボー怒りの主掘り】 [sage;saga] 投稿日:2010/11/17(水) 00:04:26.49 ID:lihw6QU0
め「ご主人、ヤりましたね」
主「まだヤってねぇよ」
め「おっと。字面で勘違いしてもらっては困ります。めいど、わかってますから」
主「何を理解したのか聞きたくねぇよ!」
め「安心してください、ご主人。このスレでそういった対象で見られるということは主役の匂いです」
主「俺女装とかしてねぇよ? 寧ろ匂いとしてはガッチリムッチリのほうだぞ?」
め「そのあたりはめいど、勉強不足ですので。ほら、あちらで立派な弓矢を構えた筋骨隆々の男性が」
主「主に股間をそんな比喩で表現されてもなぁ」
め「ご主人、こんな格言があります」
主「一応聞いてやろう」
め「あたって砕けて掘られろ、と」
主「お前全然勉強家じゃねーか」
め「では早速本番ですね。めいど、ここらで去りますのであとは若いお二人で」
主「ラジー賞確定な映像残してたまるか!!」


385 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 00:45:37.86 ID:09saSUAO
主「あー。めいどさんや、離してくれんかね」
め「お断りします。ご主人はきっと離せばこのままどこかへ行くつもりです」
主「割とご名答。って嘘、嘘だから。そんなにきつくすんなって!」
め「……」
主「そんな顔したってダメだ。言いたいことあるならはっきり言いなさい」
め「おかえりなさい」
主「……!」
め「おかえりなさいませ、ご主人。ご飯、ありますよ。お風呂も入るならすぐ沸かします。だから」
主「……」
め「だから、まだ行かないでください」







あ「いっつつ……無茶しすぎだっつの。本当に」
?『しかし彼女を守ってくださった事には感謝します』
あ「後で別料金請求しますからね? こちとら赤貧生活なんすから」
?『ええ、雇い主にはそうお伝えしてあります』
あ「ま、どうせ私には大して入ってこないのはわかってますが」
?『それで。本当に猟犬が?』
あ「はい、先の仕事で一緒でしたから見間違いはないかと。あちらも割と反応してましたし」
?『なるほど。では彼女の周りには……』
あ「はい。恐らく、ワンちゃん達が大集合中っす」
?『厄介、ですね。引き続き……』
あ「私には役不足ですよ」
?『役不足は物足りないという意味ですのでつまりは了承と取らせていただきますね。以後、再びよろしくお願いします』
あ「日本語の馬鹿! なんだそれ、使い方とか知らないし! いやぁー、まだどてっぱらに杭打たれたままなのに次の仕事なんてー!」
?『ああ、そちらの救助には誰かしらが向かう予定ですので。いずれ。では』
あ「救援予定だけすごいアバウト! って待って、ちょ、ちょっと待ってってばぁー?!」


386 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 00:52:53.69 ID:09saSUAO
主「わかった。今回は根負けした俺が悪い。まだ逃げねぇよ」
め「……信じます」

するり

主「んじゃ!」
め「そんなこともあろうかとご主人のベルトに縄を仕掛けさせていただきました」
主「うわ、信用ねぇ!」
め「二秒で逃げ出そうとした方の台詞ですか」
主「くそ! 正論だ!! ……と、まぁ何から話したもんか」
め「……」
主「色々言う事も言わなきゃいけない事も言わないでおく事もある。でもま、これは言うか」
め「めいどは、それが聞きたいと思います」
主「ん。……ただいま」
め「おかえりなさいませ」




主「で、まぁ。どうするかな」
め「めいど、聞きたい言葉は聞けました。簡単にで構いません」
主「そうか」
め「ご主人にとって心から不要でないと、まだ思っていられるとわかりましたので」
主「……。なんとなく、な。最近はああいうのとよく絡むんだわ」
め「耽美な世界ですか」
主「絡む違いだからな?! で、俺ってば人気者だからさ。ストーカーも多くて」
め「さすが本物。仲間が集まりますね」
主「君さ、本気で聞いてないよね」


387 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/17(水) 00:59:19.52 ID:09saSUAO
主「それでさ。あいつら相手には基本逃げ回るんだけど、セコくてさ」
め「ご主人よりもですか」
主「おう、俺よりだ。だからあいつらは俺より俺の周りから攻めるんだわ」
め「周り、ですか」
主「昔、まだガキの頃にそれで痛い目見ててな。お前を遠ざけたかったんだわ」
め「分かりやすい展開で何よりです」
主「だろ? だからお前は男くんのとこで俺の帰りを……」
め「ご主人」
主「なんだよ、最後まで」
め「どこからがかは知りませんが、嘘の話はいいですので。めいどに気遣いは不要かと」
主「……」
め「それよりも今日一日でいいのでめいどにめいどをさせてください」
主「……。はぁ、了解。けど多少は本当だからな。頼むから男くんとこに居てくれ」
め「今日一日のご主人の態度次第ですね」
主「なるほどなるほど。ってなんか微妙に主従逆転してね!?」
め「いえ、極めて正常です。ご主人が下なのは」
主「うおお、恒常的な事態にされてるだと!?」


390 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/18(木) 00:50:58.05 ID:FZ6zVMAO
め「ご主人、ご飯です。いつものようにむせび泣きながら食べてもいいんですよ? ほら」
主「ほら、じゃねぇよ。お前の中で俺はどうなってんだ」
め「めいどの中にご主人のスペースなんて」
主「聞いた俺が悪かったな、ちくしょう! はぐはぐ」
め「美味しいですか?」
主「おう、イケてるイケてる。おかわり頼むわ」
め「セルフサービスか自分でされるか、または自己調節かのいずれかが選択肢にありますが」
主「よそってあげるって選択肢はないのか」
め「甘やかさずの教育方針ですので」
主「躾るとこ違うくないか?」
め「文句だけは一人前ですね。どうぞ」
主「まさかの日本昔話盛り!? 食うけど!」
め「たんと召し上がれ」
主「おう!」
め「このあとお風呂は入られますか?」
主「んー、そうだな。たまにゃいいか」
め「御了解。煮込んできます」
主「普通に沸かしてきなさい」


391 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/18(木) 00:55:20.49 ID:FZ6zVMAO
主「はふ、さっぱりした」
め「ご主人、お風呂あがりの一杯です」
主「うん、なんだこの……なんだ!?」
め「うがいと歯磨きと喉の渇きを一度に満たすイソジンモンダミンセンブリ茶です。さぁ、ぐいっと」
主「三分の二が吐き出す液体なんだよな、それ」
め「……」
主「なんだよその期待に満ちた眼差し! 飲まないからな! 絶対飲まないからな!?」
め「ご主人の、ちょっといいとこ見てみたい」
主「いっきまーす!」

ごくっ

主「ゴパァ!?」
め「リバースエンドですね」


392 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/18(木) 01:02:57.67 ID:FZ6zVMAO
め「ご主人、そろそろいいお時間ですよ。はしゃいでないで寝ましょう」
主「……グロッキーなんだけど」
め「ではめいど、ベッドメイキングをしたく思いますのでお願いがあります」
主「……」
め「お部屋に入れてください。未だに見せていただいたことのない、寝室を」
主「どうしても、踏み込みたいのか?」
め「不要だとされないのならば。平行線であっても並ぶ事が赦されるならば」
主「……」
め「ご主人の線引きではめいどは外かもしれません。中に入ることが赦されないのかもしれません」
主「……」
め「けれど。それならば捨て置かれなかった今、その言い分だけではめいどは納得出来ません」
主「そう、だな。結局お前にこだわって助けちまったもんな」
め「どんな事がご主人にあろうと、めいどはご主人のめいどです。それだけは信じてください」
主「じゃあ、ベッドメイキング。頼むかな……ついてきな」
め「は、はい!」



カチャカチャ

め「相変わらず厳重な鍵ですね」
主「ま、違和感あるわな。こんなアパートの一室にゃ不相応だし」
め「それだけご主人が日常と隔離していた“ご主人の日常”がここにあったのですね」
主「そうだ。ようこそ、俺の場所へ」

ギィ……

め「……これ、は」


396 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/19(金) 01:40:17.32 ID:DxoIeIAO
め「ご主、人。これ……普通のお部屋過ぎませんか」
主「うん、普通」
め「あの、では一体何故今までめいどはこちらに入室許可がいただけなかったのですか」
主「こういうの見つかったらまずかったから」
め「まさかえちぃゲーム、と……か。あの、それはめいど、初めて見るのですが。本物、ですか」
主「さぁ、ただの玩具かもしれないぞ?」
め「本物、なんですね。その拳銃」
主「さて、な。その辺に転がってる紙束もあんまり見るなよ。危ないから」
め「ご主人……貴方は、一体」
主「ただの気分屋でめいどのご主人で、駄犬で掃除屋で。つまりは、普通じゃない人間さ」
め「……普通、ではない」
主「とりあえずお前が知らない面はあんまり話す気はないけどさ。簡単に言えば表向きの仕事じゃない」
め「……」
主「人には言えないような仕事柄さ。お前みたいな居候を遊ばせておける程度には稼げる、な」
め「ご主人……」


397 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/19(金) 01:48:59.28 ID:DxoIeIAO
主「そんな金で動く程度の人間が、お前の大好きなご主人様って訳だ」
め「だ、大好きなどとは一言も」
主「今更だろ。別に隠さなくていい。俺だって悪い気はしない」
め「む、ぅ」
主「けどな。それは面倒見がいいんじゃなくて余裕があっただけ。バカやってたのは暇つぶし」
め「……」
主「つまり俺からお前には面白い同居人ってな認識しかない」
め「……」
主「はず、だったんだけどな」
め「え?」
主「少なくともわざわざお前の動向とか探って、危ないから助けに戻る程度には愛着が湧いててな」
め「では、めいどとまた」
主「それは無理だ」
め「何故ですか」
主「……。ちょっとな。今しばらくはお前を近くに置いておきたくない」
め「それは拒絶ですか? 遠慮ですか?」
主「大事だから、だ。少しだけ時間をくれ。俺の周りが落ち着くまで」
め「信じて、よろしいのでしょうか」
主「お前に任せるさ。俺はお前に信用されるとは信じてみるがね」
め「……。男様のところが安全なのですね」
主「ああ、あいつの周りなら何が来てもだいたい安心だ」
め「ご主人が襲っても、ですか」
主「そんな手間とリスクばかり高い場所、誰が行くもんかよ」
め「ではお迎えにこれないではないですか」
主「ちゃんと客としていく。だからまぁ……ちょっと待ってろ」
め「……約束、ですから」
主「おう。指切りげんまん、と」
め「信じ、ますから」


398 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/20(土) 02:29:55.15 ID:CBmme.AO
め「居候しにきました」
メ「帰れ」
男「一言目から歓迎する気一切なしだな! ああ、これのことは気にしないでいいから。言わば不必要に喋るインコみたいたもんだから」
メ「主様のは不必要な○ンコですしね」
男「必要あるだろうが! 無くしてたまるか!」
メ「おおひわいひわい」
男「きっかけはお前に決まってんだろ」
メ「惚れてまいましたか」
男「そういうきっかけじゃなくて」
メ「じゃああの夏の日のアバンチュールは嘘だったのね!」
男「今年も夏中部屋に引きこもってたやつにアバンチュールなど来るはずもなくてだね」
メ「頑張って水着モノのエロゲしましたよ?」
男「気分だけでもか」
メ「実は今年も密かに水着を購入してまして」
男「別に部屋着でもいいぞ」
メ「さらっとセクハラですがスルーします。水着は男子ちゃんのなんで」
男「普通に海パンでいいから!?」
メ「不必要な○ンコはこちらで引き取りますので。主に妹嬢さんとかが」
男「だから必要だっての!」
め「あの」
二人「「あァん!?」」
め「失礼しました。どうぞ続きを」
男「……と、言われてもだな」
メ「こう、勢いないと喋れない二人なので」
め「よくわかりませんがお邪魔をしてしまいましたね。すみません」
男「いや、全然気にしてないから。ささ、入って入って」
メ「挿入って挿入って、ですか」
男「多分確実に間違いなく字面が違う気がする!」
め「曖昧なのか確定的なのかわからない日本語ですね」
メ「だいたいそんなもんです。ほら、部屋案内しますから荷物を持って」
め「では、お邪魔します」
二人「「おう、頭おかしいのもいるけど概ねいらっしゃい」」
男「お前が頭おかしいのは分かるけど俺は違うからな!?」
メ「マホカンタ」
男「まさかの跳ね返り!? ぎゃぁあああ?!」
め(……。騒がしくも暖かい。何故なのでしょうかね)


399 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/22(月) 01:12:59.27 ID:RClneAAO
め「おはようございます、男様」
男「……え?」
め「何か?」
男「いや、ああ。おはよう」
め「お食事はパンとご飯、どちらがご所望でしょう」
男「え、あ……ご飯のつもりで昨日の残りをオカズにしようかなと」
め「なるほど、かしこまりました。すぐにご用意を」
男「は、はい」
め「では今のうちに顔を洗ってこられてはどうでしょう。随分と呆けた顔をしていると判断できますが」
男「そりゃ……だって」
め「……? めいどが何か?」
男「なんで早起きして飯やら何やらしてくれるのかなって」
め「メイドだからかと」
男「ああそっか、メイドさんだったよね。……あれ、じゃあうちのは何なんだ」
め「メイド様なら先程、ホットミルクとアンドーナツを食され就寝なさいましたが。徹夜の作業明けだそうで」
男「作業ってかゲームだろうな。……あのね、めいどさん」
め「何でしょう」
男「明日からは気を遣わなくていいからね? ゆっくりしててくれりゃいいから。お客様なんだし」
め「居候の身です。それに気遣いをさせていただいているつもりはありませんが」
男「む、ぅ。なぁんか落ち着かないっていうかなんていうか」
め「確かにそわそわされているかと」
男「というか昨日から思ってたけど様付けじゃなくていいからね?」
め「ふむ……客人の扱いにしてはなかなかに自らに不利な注文の多い」
男「く、確かに。何故俺はわざわざ損な方向へ!」


400 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/22(月) 01:22:59.92 ID:RClneAAO
男「もぐもぐ」
め「お口に合いますか」
男「うん、普通においしい」
め「それは重畳。レシピはインターネットからのものですが試して良かった」
男「味見くらいはしたよね?」
め「まさか」
男「……。まぁ結果オーライで」
め「ご主人ならばここで大騒ぎですが男様は冷静ですね」
男「こんなんで騒いでたら身が保たない生活だからな」
メ「私のおかげですね。感謝は現金で表してください」
男「ぬぉ?! いつの間に!」
メ「ふ。乳ステルスは伊達じゃない!」
男「たゆんたゆんで一切隠す気ないがな」
め「おはようございます、メイド様。お眠りになられたのでは?」
メ「この野獣がめいどさんという若い子羊を食わないように監視にと」
男「信用なさすぎだろ俺」
メ「ある意味確信を持ってはきましたよ。フラグとか立てるだろうという」
男「ねぇよバカ野郎」
メ「とか言いながら主様はすぐ異性とフラグ乱立ですし。この節操なし!」
男「朝から罵倒くらうとか何なんだこれ……」
め「メイド様。お食事は」
メ「あ、いいっすよ。さっきもらったアンドーナツでお腹がたゆんたゆんなんで」
男「胸がいっぱいだな」
メ「セクハラで訴えますよ」
男「言いながら強調すんな! くそ、目が離せねぇ!」
メ「バカな主様。所詮貴様も胸の重量に縛られた愚かな存在なのだ!」
男「く……こんな脂肪の塊にぃ!」
め「お時間、大丈夫ですか」
男「はぅあ!? こんなトラップに引っかかってる場合では! ごちそうさま!」
め「お粗末様でした」
メ「今日もキリキリ学んできやがってくださいね」
男「おう、いってきます!」
二人「「いってらっしゃいませ」」


401 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/22(月) 01:35:47.25 ID:tOXB5.wo
ああ、意地悪をしちゃうのは好きな人限定なんだな


402 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/22(月) 01:38:32.05 ID:RClneAAO
め「おかえりなさいませ、男様」
男「……」
め「何故涙を流しながら拳を握っておいでで?」
男「や、本物のメイドさんが俺を迎えてくれる日がくるなんて思ってなかったからさ」
メ「うおおぉぉい! 今なんか聞き捨てならない台詞が!」
男「ああ、居たのか」
メ「淡泊! なんで同じメイド属性ながらこの扱い! 見て、見てよこの姿を!」
男「コスプレ?」
メ「歯ぁ食いしばれやぁぁああ!」

ゴシャ

男「はぶ!?」






男「まさか玄関先で張り手もらう日がくるとは」
メ「報いですよ、報い」
め「事情はわかりませんがめいどが契機のようですので謝罪を」
メ「いいんすよ、そんなの。このバカ主様にはちょうどいい気付け薬です」
男「ちょうどよくてドアから吹っ飛んでたまるか。姉さんパワーがあるんだから加減してくれ」
メ「本気出すのは控えましたからそこは誉めポイントですよ」
男「殴られなきゃもっとポイント高いんだが」
メ「ですがそもそも主様が悪いんすよ! 私というものがありながらあんなにデレデレと!」
男「だってお前、ちゃんと様付けで呼ばれて頭まで下げてくれるんだぜ? メイドさんが」
メ「いやいやいやいや! 付けてますやん! 私も主様呼んでますやん!」
男「なんで急に関西弁なんだ。あとお前の場合の様はあだ名の一部にしか聞こえんし」
メ「まぁ確かに主様、ってひとつの名称みたいなもんですが」
男「ちゃんと名前に様付けしてくれるんなら俺もちゃんとさっきのに謝罪しよう」
メ「な、名前に!?」
め「何か不都合が?」
メ「いや、えぇと……恥ずかしいというか、うぅ」
男(微妙に期待してんだよなぁ。普段から絶対名前呼んでくれないし)
め「男様と呼ぶのが恥ずかしいことなのでしょうか?」
メ「うぅぅ〜〜……」
男「さぁ思い切って!」
メ「うがぁぁぁああ!」

バキィ

男「のふぉ!?」
め「おお、再び扉から飛んでゆかれました」
メ「言えるかちくしょぉぉおおお!」


403 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/22(月) 01:54:08.93 ID:RClneAAO
メ「ハハハ、好きな相手にゃ優しくしますよ、私ならね!」
男「優しくしていいぞ」
メ「何言ってんだこの人。頭大丈夫ですか?」
男「く、わかってた。わかってたけど!」
メ「それに私が意地悪なのは性根ですから。誰だからとかないですから!」
め「その割には他の方にはほとんど意地悪されませんが」
メ「たまたまっすよ! たまたま。……なんか卑猥!」
男「お前も割と頭大丈夫か」
メ「大丈夫だ、問題ない」
男「言いたいだけだったな」
メ「ですね」
め(息がぴったりなのですが言ってはいけない気がしますね)


409 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/24(水) 01:48:41.36 ID:kuq3xIAO
メ「めいどさんや」
め「はい、メイド様」
メ「なんか名前ひとつ呼ばれるだけでケツ穴がむずがゆく。おっと淑女の発言ではありませんでしたね、ヲホホ」
め「それで御用向きは」
メ「あくまでスルーかよ!」
め「何故ヘッドドレスを叩きつけますか。そしてまた着けますか」
メ「世の中にゃ理由なんざねぇことが山ほどあんだよぉ! ちきしょぉおお!」
め「あの、めいど。暇ではありませんので御用がないなら行きますが」
メ「何この敗北感。くそ、居候のくせに生意気な! ほれ、手紙っすよ」
め「何かお気に障るような事をしてしまいましたでしょうか」
メ「気にせず。なんか私が悪い気しかしないんで。一方的に」
め「……では気にしないでいさせていただきます。手紙でしたね、ありがとうございます」
メ「もはや罪悪感すら生まれてできやがったぜ」
め「しかしめいどに手紙ですか。こちらに居候させていただかせてもらう事を知っているような方は……ぁ」
メ「おーおー、食い入るように読み出して。乙女よのぅ」
め「……ご主人」
メ(なんだ。無表情なりに笑えるんすね)
め「無駄な情報ばかりで困りますね、全く」
メ「嬉しいくせに」


410 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/25(木) 01:14:58.12 ID:q0uLcUAO
め「今更なのですが」
男「ん?」
め「お二人は夫婦なのでしょうか」
メ「それは冗談で言ってますか? 喧嘩うってますね?」
め「純粋な好奇心かと」
男「一応夫婦ではないかな」
め「一応とは?」
メ「この人が私のペットですのでいわゆる主従関係ですね」
男「なんだろ。確かに主従ではあるけどなんか俺の思ってたのとは違うぞ」
メ「人生とは、えてしてそういうものです」
め「ではこちらの方はお二人のお子様ではないのでしょうか?」
妹子「ぱぱー。えへー」
男「……その、まぁ。そのあたりは非常に難しい問題でね?」
メ「不貞の証です」
め「なんと。男様は真面目に見えてなかなかに大胆なお方ですね」
男「ぅ……」
メ「否定しなかっただけまだ許してやれますね。ここで違うなんざ言ってたら本気でぶん殴ってましたよ」
妹子「むー。ぱぱをいじめたらダメなんだよ!」
メ「はいはい。パパは悪いパパでしゅけどあなたにとっては大事なパパでしゅからねー。全く、私も何をむきになってんだか」
め「何やら複雑な家庭事情がおありですね」
男「悪いな。この話は基本禁止で。妹子の事は普通にうちの子として扱ってくれりゃいいから」
め「承りました。では妹子様、こちらで遊びましょうか」
妹子「……や! ぱぱと遊ぶ!」
男「パパもすぐ行くから。そっちのお姉さんと遊んでなさい」
妹子「ぅー。絶対だからね!」
め「では参りましょう」




メ「……」
男「……ありがとう」
メ「謝らなかったんで拗ねる程度で我慢します」
男「ん」

ぎゅっ

メ「そんな安上がりな方法じゃ誤魔化されないっすからね。ったく……」
男「……」


411 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/25(木) 01:27:48.99 ID:q0uLcUAO
メイド長「けほん」
二人「「のわっ」」
メイド長「お二人の大事なお時間を邪魔することは忍びないですが……あまり時間もありませんので」
男「お、おう。こっちこそほったらかしでごめん」
メ「割とアウトオブ眼中でした」
男「さらっと失礼だな」
メイド長「気にしませんので。さて、何から報告いたしますか」
男「とりあえずは……」
メイド長「あの方に関しては順調と言えますね。今後の動向もありますが概ね問題ないかと」
男「そっ、か……良かった」
メ「……」
メイド長「ではそれに関連しまして。現状問題となるしがらみを妹子様からは遠ざけました」
男「助かる。かなり無理してもらったみたいだな」
メイド長「言い付けでしたので。ただ将来的にいくつか布石を打たれた形にはなっております。そこをどう凌ぐかも考えつつ」
メ「要は目の前の問題だけ片付けたって事でしょ。あの子が大きくなった時、不便な思いだけはさせないようにしないと」
メイド長「……全力を尽くします」
男「頼む。もう俺達には頼れる相手が少ないからさ」
メイド長「承知しております」
メ「んじゃ次の話で。こっちの目の前の問題はどうなりそうなんすか」
男「めいどさん、か」
メイド長「相変わらず飼い主側が慎重でして。尻尾を掴ませませんね。こちらの組織規模が小さいこともありますがあちらもやり手です」
メ「ふむ。んじゃこっちの子は?」
メイド長「もっと不明ですね。全くと言ってよいほど情報が入りません」
男「なんか厄介な匂いだな」
メ「主様が絡むとだいたいこうなるから困る」
メイド長「確かに」
男「お、おれのせいじゃないだろ!」


414 名前:三日目東R59Aがお送りします [sage] 投稿日:2010/11/26(金) 00:54:53.88 ID:IBQFicAO
男「とは言えほっぽりだす訳にもいかないだろ」
メ「ま、私が迷惑しない内ぐらいは多目に見ますよ」
メイド長「こちらからも出来る限りのことは」
男「あ、じゃあ一つ頼みが。前にあの子には学校に行かせるって話があったんでさ、ちょっと探してたんだよ」
メ「結局断ったんじゃ?」
男「断っちゃいなかったさ。その理由を聞かされて押し付けられて。なかば決裂みたいな形で引き取っただけだし」
メ「つまり学校へ行ってもらうつもりはあったと」
男「そういうこと。色々学ぶのは悪いことじゃない。今のところは料理学校にでもとは思ってるけど」
メイド長「そこで通う間の警護をといったところでしょうか」
男「話が早くて助かる。なんかきな臭いらしいのは本人から聞いた話からも分かるから」
メイド長「彼女自身が標的となる可能性も今では充分にありますしね」
メ「うちに直接来ないのは……」
メイド長「曲がりなりにもあの方の縁者です。下手な手出しは相応の覚悟をおっていただきます」
男「だからこそ離れる間はって事で……無理かな?」
メイド長「問題ありませんよ。元より依頼自体は外部ですが出してありますので。あまり頼りになりませんが」
メ「いきなり不安にさせてきましたね。私にとっちゃさっさと居候が消えてくれるなら願ったりかなったりですが」
男「お前な」
メ「けど。……ご飯は割と美味しいですし、勝手に居なくなられても目覚め悪いですから。よろしく頼みますよ」
メイド長「言われずとも」
男「……素直じゃねぇな」
メ「ふふ。その方が魅力的ってことで」






あ「ぶぇっきし! ……ずず。あー、なんかまた嫌な仕事が回ってくる予感。もとい悪寒」



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