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兄妹小説「輝く日常」
1 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:24:58.40 ID:CsKBVhpN0
テスト


2 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:26:25.53 ID:CsKBVhpN0
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/ane_anataga_itakara.html
これの作者です。またやってしまいましたOTZ
前回の2倍の量があるので死ぬ程苦労しました。まぁやってみます。
では始めます


3 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:27:37.73 ID:WQAHYGrj0
いつもスレ保守しきれなくてごめんよ
支援


4 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:28:33.34 ID:CsKBVhpN0
ピピピピピピ・・・・
毎日午前7時きっかり。
毎日決まった時間に俺を起こすというお仕事を遂行してくれている相棒。
そいつにチョップを叩きこみ目を覚ます。
「はええな。もう朝かよ・・」
一人暮らしになって早2年。
独り言を言ってもたいして気にならなくなってきた。
酒のせいでガンガンと痛む頭を枕から上げて体全体を起こす。
近くに置いてあるテレビのリモコンをとり、つける。朝のニュースをやっている。
メディアコーナー(というのかな?)になり、日本のフィギュアスケートが世界で大活躍しているという記事を
綺麗な女性アナウンサーが時々かみながらしゃべっている。
それをを横目で見ながら顔を洗い、服を着る。朝食は食べない。節約のためだ、お金ないしな・・・
ネクタイをしめてスーツ姿がなんとか人様に見られても大丈夫な状態になり、時計を見ると7時20分。
「やべ・・バス出ちまう。」
あわてて忘れ物がないかを確認して玄関のドアを開ける。


5 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:29:40.16 ID:CsKBVhpN0
「いたっ!」
開いたドアが急にしゃべった。・・・じゃなくてドアの向こうに人がいた。
「はぁ〜なんでこうタイミングの悪い時にここ通るかなお前は」
ドアに鍵をかけながら横を見るとそこに鼻を手で押さえている細身の女の子が尻もちをついてこちらを涙目で睨んでいた。
「う、うるさいわね!!誰があんたのタイミングなんかに合わして横切るのよ!馬鹿兄貴!」
大きな瞳を怒りで細めさせて喚く。
「・・どうでもいいがパンツ見えてるぞ」
「――――――ッ!」
一気に顔が真っ赤になる。ちょっと可愛い。
「あーあ・・うわっバスがくる!じゃな!!」
そう言って俺はすぐにまわれ右をし、後ろを見ずにそのまま駈け出した。



7 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:31:14.16 ID:CsKBVhpN0
「もう!馬鹿兄貴!!ばか!」
何かしゃべっていたのは分かったがもう俺の耳には入ってきていなかった。
なんとかギリギリでバス停から出発寸前のバスに乗り込む。
ぎゅうぎゅうとまではいかないがそれなりに混んでいるバスの中で吊革につかまりながら思う。
「はぁ〜、間に合った。…そういやあいつと会ったの1週間ぶりだな。」
バスは俺の勤め先へけっこう揺れながらゆっくりと近づいていく。
揺れながら俺は久しぶりに過去の記憶の扉をノックしていた…………


8 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:32:56.12 ID:CsKBVhpN0
俺は20歳、高校を卒業したら町でも結構名前の通るY商事に奇跡の就職、今年で2年目だ。
まだまだ安月給だが独り暮らしなのでそれほど困ってはない。
なんとかやってるって感じだ。

こんな俺だが家族がいる。昔は4人家族だった。
親父、母さん、俺、そして妹だ。ただし結構家庭の事情は複雑だった。
俺は親父が見知らぬ女との間に作った息子だ。
父親と息子の二人で4年間暮らした、と言っても俺はほとんど覚えていないがいろいろと苦労したようだ。

 そして俺が4歳の時、親父は親父の同僚の紹介で母さんと再婚した。
 母さんは子持ちでそれが当時1歳だった妹だった。


9 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:35:00.97 ID:CsKBVhpN0
 俺たちは4人で楽しく過ごした。
 親父も優しかったしお袋も俺の事をとってもよくしてくれた。
 俺は妹を自分の宝物の様に大事にした。妹もよくなついてくれた。

 でも幸せな時間は長くは続かなかった。ってまぁドラマみたいな言い方だがその通りで
 俺が14歳、妹が11歳の時に親父と母さんは離婚した。
 俺は母さんと、親父は妹と暮らし始めた。 
 その際、親父、母さん、俺の3人で一家最後の家族会議が行われた。
 妹は母さんが連れてきたときまだ1歳だったから俺と血が繋がってないのを知らない。
 それを今から伝えるか伝えないかどうするかについての話し合いだ。すぐに俺が言った。


10 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:35:59.63 ID:CsKBVhpN0
「このまま知らせないほうがいいよ。」
俺は親父似、妹は母親似だ。家族として世間から怪しまれないし、妹も疑問には感じないだろう。
そして何よりも妹に他人として接してこられる事への恐れ。
そんな事を当時明確に思っていいたわけではないだろうな……でも俺はそうはっきりと親父と母さんの目をはっきり見て言った。
2人とも別に知らせなくてもちゃんと生活していけるし、という事で俺の意見に同意した。

なので今も妹は俺と血がつながっていない事を知らない


11 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:37:04.23 ID:CsKBVhpN0

俺たちは別れて生活を始めた。
親父は俺が高校を卒業するまでの4年間は生活費を出してくれるという事だったが、
その約束は3年後、俺が17、妹が14の時に破られた。

親父がリストラされたわけだ。まぁっつっても別の会社へ行って平社員に逆戻りしたって事だけどな。
当時部長までいってた親父には相当キツかったらしい。

それから親父は変わった。暴力的になった。それも俺に対してだけ


12 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:39:13.53 ID:CsKBVhpN0
近くに住んでたから親父は酒が入ると俺と母さんが住んでいるアパートまできて
「おまえがいるから俺はリストラさせられたんだよ!クソガキ!!」
と言って俺を殴った。何回もだ。
 今までされたことの無い暴力の嵐に最初戸惑うことしかできなかった俺も、次第に親父を憎む様になった。
やっていい限度を超えているのは分かっていた。
親子でもこれはやりすぎだろ?俺が何をした?出所のわからない苛立ちが俺を支配していった。
生憎親父は昔空手をしていたとかで
一般人どころか当時まだ高校生の俺には力で反抗することは無理だった。
「せめて母さんに暴力をふるうのは避けさせなきゃな」
という思いもあって、結局俺は親父にされるがままにされていた。


13 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:42:20.62 ID:CsKBVhpN0
 そんな日々が続いて1年後。
 俺がY商事に内定が決まった1週間後に、母さんが交通事故で死んだ。
 外見の怪我はかすり傷程度だったが頭の打ちどころ悪くてそのまま――――――
 一生懸命俺の為に仕事をしてくれていた母さん。
 最初病院から電話があったときは信じられなかった。
 でも病院で白い布をかけた母さんの姿を見たとたん、俺の中の何かが決壊し、
 人目も憚らず俺は病院で大声で泣いた。
 葬式に・・・親父は来なかった。
 そこで俺ははっきりと憎しみを親父に対して湧いた。
 なんで来ないんだよ!!仮にも家族だったじゃねえかよ!!
 そう思った。


15 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:45:33.44 ID:CsKBVhpN0
親父は来なかったけど妹はきた。
俺が喪主で忙しかったから受付を買って出てくれた。
俺と同様に涙を終始流していたが、葬式が終わって俺がお礼を言うと、

「うるさい!今日はお母さんのお葬式に来たの!あんたと話しに来たんじゃないのよ!馬鹿兄貴!!」

開口一番そう言った。
受付を頼んだ時は無言で頷いただけだったからその言葉に俺は固まった。

「え?・・・・・・」
「え?じゃないわよ!馬鹿兄貴!お父さんに普段暴力振るってるらしいじゃない!!」
「な、なに言って?」
「聞いてたわよ!お父さんから!!お母さんに生活費を渡しに行った時、
 いっつもあんたに殴られてたって!なんでそんなにお父さんに辛くあたってるのよ!」

 どういうことだ?生活費なんてもうずいぶん前に止まったままだし、
 殴られてるのは俺の方だ―――――ー


そこまで考えて俺は悟った。
ああ、親父は全部逆に伝えてるんだ。妹が俺の事嫌う様に俺の悪口をずっと言ってたんだな。
ってな。


17 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:47:39.91 ID:CsKBVhpN0
しばらくしゃべれなかった俺に対して
妹は今まで貯めてきた気持ちをぶつけるかの様にしゃべり続けた。

「私はあんたとお母さんと別れてからお父さんにとってもよくしてもらってた!
 お父さんは私に家事を任せて一生懸命働いてくれてるし、私も一生懸命家事をこなしてる。
 ちょっと貧乏だけどそれでも普通の生活は出来てる。……それを何!?
 あんたはお金を稼いでくれる優しいお父さんが家に来たら殴ってるんでしょ?
 何様のつもりよ!!お母さんにも何か暴力してたんじゃないでしょうね!!」


19 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:48:25.63 ID:CsKBVhpN0
ID:WQAHYGrj0
さん。ありがとう(>_<)今あなたしかいないみたいだけどなんとか頑張ります。


20 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:49:07.58 ID:Uz4Ufk5E0
俺も見てるぜ

さるさんに気をつけろよw


21 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:50:00.36 ID:CsKBVhpN0
「そんな事してた訳ないだろ!」俺も語気が荒くなる。
「いーえ!わかんないわ!!お母さんは頭の打ちどころが悪くて死んじゃったってお医者さんが言ってたけど……
 お父さんは違うと言ってた。あんたがやったんだってね!」
「な!!」
「だってそうでしょ!?普段お父さんに暴力をふるう兄貴が母さんに振るわない保障なんてなかったもの!
 その、暴力がつのって―――って考えが浮かぶるのは当り前よ!!」
「ちょっと待てよ!!」
俺は気づいたらものすごい形相でしゃべっていた。
今まで妹にこんな顔を見せた事なんてなかった。


22 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:51:02.03 ID:CsKBVhpN0
>>20
おお!下らんssですがどうぞよろしくです^^;
飽きたら全然出て行ってかまいませんので…


24 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:52:40.22 ID:Uz4Ufk5E0
レス増やすとさるさんくらいやすいからそのまま投下だけしたほうが安全


25 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:53:00.56 ID:CsKBVhpN0
「ッ!」
一瞬ひるんだ妹に向ってしゃべる。
「母さんにそんなことしてたわけないだろ。」
トーンは戻して続ける。
「俺がどんだけ母さん大事にしてたかしらねえだろ……あんなに優しかった母さんだ、仲良く暮らしてたよ。」
「じゃ、じゃあなんでお父さんには暴力振るうのよ!!」
目を真っ赤に腫らして妹が叫ぶ。
「お父さんだってとっても優しいじゃない!」
違うんだ………もう昔の親父じゃないんだ俺にとっては。
ここで下手に親父の嘘をバラすと今度は親父が妹に手をだすかも知れない。
今んとこ俺だけですんでるみたいだし。
妹の傷のない白く奇麗な足を見ながら思う。
そして俺は決めた。
「あいつは別だよ。」
隠そう―――


26 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:56:54.03 ID:CsKBVhpN0
「ほら!!やっぱりそうだったんだ!!お父さん殴ったりして!
 そんな事していいと思ってんの!?この馬鹿兄貴!」
「ちょっとは何か別の事があるんじゃないかって思ってたけどやっぱりその通りだった!
 ひどいよ……兄貴、なんでそうなっちゃったの?」
妹の目が昔の仲が良かった俺への目に一瞬変わる。
このまま何も言わないのは俺の親父への完全敗北を意味するしな。
 妹にそう思われ続けて生活するのも嫌だ。
 俺は一応最低限妹に感づかれない様に言った。
「いろいろあるんだよ!俺と親父にも!!」
「いろいろって何よ!?」
「とにかくいろいろだ!とにかくこの事を親父に聞いてみろ!お前も殴るぞ?」
ちょっと語気を荒げて言った。



27 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:58:09.08 ID:W4rIEj9l0
終わったら
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/ane_anataga_itakara.html
みたいな感じでまとめてくれたらうれしいな


28 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 20:59:57.96 ID:4P6RGqVa0
じゃあ俺も見てることにするよ!
見てるけど


29 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:00:30.82 ID:CsKBVhpN0
「……………」
妹は混乱している様だった。
まぁ妹を殴る俺なんて想像もできなかったんだろう。
当然俺も本気で殴るつもりなかった。小さい頃から大切にしてきた大事な妹だ。
こういう事を言うときはたいてい冗談まじりが常だった。

でもこの時は妹を本気で怯えさせる感じで言った。

「と、とにかく!これ以上お父さんを殴らないで!!」
「…分かった。」
「あ、あと!……わ、私とももうあんまりしゃべんないで!!」
「――――ッ!?」
「い、嫌だもん!こんな馬鹿兄貴とか!最低限の事は話すけどお父さんとの事を話してくれない限り私は兄貴を嫌うから!!」
「…………」
今度は俺が混乱する番だった。親父の事を言うわけにはいかない、
という事はつまり妹とはもう普段(と言ってもたまに連絡を取るぐらいだったが)のようには話せないって事だ。
やっとそれが分かった時にはすでに妹が
「もう!馬鹿!!最悪!!!」
と言い放って走り去っていた。


30 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:02:25.25 ID:LbLFBopl0
小説好きから出張


31 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:03:04.40 ID:CsKBVhpN0
それから数日後、俺はY商事の上司の人から今のマンションを勧められた。
マンションの目の前にバス停があり、そこから出るバスはY商事前で必ず停まるからだ。
母さんと二人暮らしをしていたアパートより家賃も安かったのが決め手となった。
もう親父からの援助もないし母さんは死んでしまった。

自分の稼ぐお金でしか生活できねえんだ。

そういう実感はこの頃湧いてきたな。
でも後というかすぐに後悔した。
俺のマンションの部屋の隣に親父と妹が暮らしていたからだ。
母さんが死んで上司の厚意に甘えてよく考えずに契約したので周りが見えてなかった。


32 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:05:42.02 ID:CsKBVhpN0
 引っ越しの日、俺は部屋を勧めてくれた上司と一緒に荷物を運んでいた。
 その時不意に隣の部屋のドアが開いた。中から親父がパジャマ姿で出てきた。
 財布を持っている事からたばこでも買いに出かけるつもりだったのだろうな。
 俺と上司の姿を見るや否や飛びかかってきた。

 上司に…

「おい!!長谷川!!どういうつもりだテメー」
「ああ・・・君か・・」
「なんでこんな所にいやがる!!」
「我が社の新入社員君が私の勧めた部屋に越してくるというので手伝ってあげてたんだよw悪いかい?」
「こいつが・・・新入社員・・だと?」
親父が俺をギロッと睨みつける。
「そうさ。彼は高卒ながら中々優秀でね。
 まぁ大変だろうが仲良く頑張っていく事にしたんだw」
「てめぇ・・・」
「親父!失礼だろ長谷川さんに!!」
そう言ったとたん親父に殴られた。


33 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:07:22.50 ID:WQAHYGrj0
もんちっち


34 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:10:22.03 ID:CsKBVhpN0
「グォ!……」
「うるせえよ!俺はこいつのせいで会社クビになった様なもんなんだよ!」
「え?」
思わず長谷川さんの方を見る。
「あれ?知らなかったのかい?彼はY商事に勤めていたんだよ。
それで私の企画で彼は先方の企業の社長さんの機嫌を損ねてしまってね。
 企画が台無しになったんだ。我が社は結構な額彼の所為で損をしたんだよ。」
事実を知っておいた方がいいだろ、という感じで俺に淡々と話してくれた。
「そ、そうだったんですか。」
「あれはお前が俺に無理やり沢山のノルマを与えたからだろうが!!」
親父はすでに激昂していた。
「いや普段の君の仕事ぶりならば簡単な量だったはずだ。」
冷静に答える長谷川さん。
俺はなんか妙に居心地が悪くなって親父に言った。
「とにかく!もう俺ここで契約しちゃったから文句いうな!長谷川さんのご厚意を無駄にしたくない!!
 長谷川さん。さっさとすませちゃいましょう。」
「そうだね。私もこの後会議があるし……」
「親父はどっか行ってろ!」
そういうと俺と長谷川さんは親父を無視して作業にとりかかった。

親父はしばらく俺と長谷川さんを交互に睨みつけていたがそのうち
「――――ッケ!バーロー。」
と舌打ちをかましてどっか行った。


35 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:10:49.43 ID:4P6RGqVa0
前も見た内容だが
あのスレ途中で落ちたとかですか?
それともまとめに載ってないだけとか?


36 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:15:22.48 ID:CsKBVhpN0
その日の夜、インターホンが鳴った。
まだ同僚の誰にもここの住所を教えていないので鳴るわけないと油断していた俺は相当びっくりした。
ドアを開けると妹が立っていた。

「……なんだよ。」
とりあえず要件を聞く。
「なんだよ…じゃないわよ!馬鹿!!なんでここにしたの!!!」
当時は全然思わなかったが面白いぐらい顔が真っ赤だったと思う。大声で妹は叫んだ。
「ここに私達がいるって知っててきたの!?どうなの?」
「いや、上司の長谷川さんって人に紹介してもらった。」
「ッ!…は、長谷川ってあの」
妹の顔がみるみる青ざめていく。
俺はそんな妹の急激な表情の変化に戸惑いつつも答えた。
「俺の直属の上司になった人だ。なんだ、お前知ってんの?」
「……お父さんがよく話してる。」
あーなるほど、親父は長谷川さんの事を憎んでるっぽかったしな、
当然長谷川さんの事を妹に話す時も――――
「ホントにひどい人だって!!」
「はぁ…やっぱな。」
「何がよ!?」妹は再び顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「とにかくあの人はヤバいらしいの!おに…あ、兄貴も気をつけた方がいいって絶対!!」

そりゃあの親父から長谷川さんの事を聞けばこいつがこうなるのは分かりきってたな。
はやく誤解とかなきゃなぁ、なんて言えばいいのやら…
そんな事を考えていて妹の発言を聞いてなかった俺は
「ちょっと……聞いてる?」
という妹のドスの聞いた声で我に帰った。


37 名前:VIPがお送りします。 [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:15:24.24 ID:WQAHYGrj0
さる?


38 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:16:10.14 ID:CsKBVhpN0
>>35
前者ですOTZ


というかさる規制ってなんぞ?ww


39 名前:1 ◆nvHRXDRbXY [] 投稿日:2008/04/27(日) 21:18:27.80 ID:CsKBVhpN0
「うお!ああ聞いてるよ。長谷川さんの事なら心配ない。なんか親父が逆恨みしてるだけっぽいから。お前は気にすんな。」
「でも!……」
「うるさい。もうこれでこの話は終了。長谷川さんの悪口は言うな。これ以上俺の前で彼の悪口を言うと怒るぞ!」
ちょっと強めに言うと黙った。……が、まだ何か言いたそうに唇を噛んでいる。
「とにかくもう帰れ。一応これからお隣さんだからな!我慢しろ!!
 最初ちょっとゴミの出し方とか聞くかもしれないけどそれ以外はお互いしゃべらないって事にするから。
 お前もそういう事言いに来たんだろ?分かってるよ。んじゃおやすみ!」
そう言って扉を閉めようとした。そこで妹がしゃべる。
「あ、ちょっと!」
「なんだよ?」
「い、いや……な、何でもないわよ!馬鹿兄貴!!さっさと引っ越しちゃえ!!!」
「契約したばっかだから無理に決まってんだろ。それにここ会社からちけぇし…とにかくじゃあな」
そう言って扉をしめた。
妹はそのあと少しの間扉の前につっ立っていた様だが隣の我が家に帰って行ったみたいだった。

「……ばか」



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