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意地悪なメイド2
- 496 :パー速民がお送りします [sage]
:2008/06/10(火) 02:00:46.59 ID:oiwXEMAO
カタカタ……
メ「……こ、ここ……これだぁぁぁあああああ!!」
男「バンド? なんだよ、いきなり」
メ「ロックやりましょう、ロック!」
男「なんでいきなり……」
メ「キラ☆キラってエロゲやっててとある事がやりたいと思いまして!」
男「まぁたそんな理由で」
メ「いいじゃないですか! ギターできるでしょ、主様!」
男「まぁ、うん」
メ「じゃあギター担当で。後は……ふむ」
男「おいおい、だから勝手に話を……」
plll...
メ「私です。……実はバンドやろうと思いまして。……ええ、勿論ただとは言いません」
男「おい、誰に電話してんだよ」
メ「実は……ごにょごにょ。で、メンバーは今は私と主様です。ふふ、さすが良い返事をされますね。楽器は何が出来ますか」
男「こいつ……」
メ「ではベースをお願いします。まぁ大丈夫でしょう、多分。お遊びみたいなものですから。……はい、ではまた」
男「誰もまだやるなんて言ってないぞ!」
メ「後は……委員長さんでも誘いますか。餌は……あのポエムを引き合いに出せば何とかなるでしょう」
男「だから話を……!」
メ「主様! 頑張りましょうね!」
男「話を聞けぇぇぇえええ!!!」
- 497 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 02:18:01.43 ID:oiwXEMAO
ガヤガヤ……
委員長「聞いたわよ。バンド、やるんですってね」
男「やらねぇって」
委員長「あら。メイドさんからはあなたが発案って聞いたわよ」
男「んな訳あるか!」
委員長「でももう申請したわよ、学園祭のオーディションに」
男「なっ?! ……って、学園祭か。なら無駄だぜ?」
委員長「無駄?」
男「知ってるだろ? 俺は友と二人で出るんだ。あれは確か同じ人間が2つ以上の出し物を掛け持ち出来ないはずだ」
委員長「……」
男「だから組んだところで無駄……」
委員長「……なるほど。それであなたの名前だけあんな風に。それなら確かに……」
男「お、おい。何をぶつぶつ独り言……」
委員長「最初の合同練習、楽しみにしてるわよ? 男子(オトコ)ちゃん」
男「……は? お、お前何言って……」
メ「という訳で第1回、合同練習です!」
女「わ〜♪」
委員長「ふぅ」
男「なんで結局俺は来てしまうんだ……」
メ「さて、皆様も知っての通り今回集まったのは他でもありません! バンドのためです!」
女「えへへ」
男「楽しそうだね。こんな訳わかんない奴の発案なのに」
女「うん! すごく楽しみ!」
男「へぇ……女さんって音楽好きなんだ」
女「ん〜、音楽が好きっていうよりは私は……」
メ「そこ! 喋らない! とにかく、あと決まってないドラムとボーカルを決めましょう。最悪主様か女さんのコンバートも考えます」
女「確か私はベース? だっけ」
委員長「私はカスタネットかタンバリンぐらいしか無理よ?」
メ「だったら委員長さんはドラムですね。……は?! じゃあ私ボーカル!?」
男「みたいだな。……やめるなら今だぞ?」
メ「いや! あえて行くは茨の道! 楽器やらなくていい分楽そうだし私ボーカルやります!」
男「よしゃいいのに」
メ「それもこれも、このガールズバンドの為!! 楽器も決まったことですし、皆さん頑張りましょう!」
女「お〜!」
委員長「仕方ないわね」
男「おい、だから勝手に俺を巻き込……ガールズバンド?」
- 498 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 02:21:22.12 ID:8f5nPkUo
男子wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 499 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 02:31:09.97 ID:oiwXEMAO
女「あれ? 知らないの? ガールズバンドっていうのは……」
男「女の子だけのバンドだろ? だったら俺がいる意味ないだろ」
メ「意味はありますよ。うちの主力ギタリストにして花形です!」
男「だからガールズバンドじゃないだろ、それじゃ」
メ「……まだ気付きませんか?」
男「は? 何の話……」
カチャリ
男「お、おい。なんでドアの鍵を閉めて……」
女「お〜と〜こ〜くん♪」
びくっ
男「?! な、何かな?」
女「確かに厳密にはガールズバンドじゃないかもだけど、もし男くんが男の子だってバレなきゃ……」
男「!! ちょ、ちょっと待て! ていうかなんだその本格的なメイク道具!」メ「大丈夫です。主様の肌って女性から嫉妬されるくらい化粧のノリがいいですから」
委員長「……男として微妙な長所ね」
男「長所じゃねぇ! って本当に待って! た、タイム、タイム!!」
女「優しくするから安心して任せて。ちゃんと服も用意してあるから……さ、レッツメイクアップ♪」
男「いやぁぁぁああああああああ!!!」
女「完成♪」
男「ぅぅ……」
メ「こ、これは」
委員長「……コメントしづらいわね」
男「わかってるよ! どうせ気持ち悪いんだろ! さっさと笑えよ!」
メ「とんでもないです。……可愛いですよ、男子ちゃん」
女「だよね♪ 下手したらこのウィッグもいらないかも」
委員長「ここまでくると羨ましくすらあるわね」
男「ち、ちくしょぉぉぉおおお!!!」
- 500 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 02:43:11.05 ID:.SYLS.AO
投下はじまってるwwwwww
わっふるわっふる
- 501 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 02:49:52.52 ID:oiwXEMAO
ガラガラ……ピシャ!
男「……屈辱だ」
委員長「時々勘がするどい子は訝しんでたけれど概ね気付かれなかったわね」
女「寧ろ時々くる視線が明らかに異性を対象にしたのだったもんね!」
メ「ふふ。校内一周して誰にもバレなければ参加してもらうという賭けはどうやら我々の勝ちだったようですね」
男「お前は直接見にきてなかったからわからなかったろうけど結構ギリギリだったぞ! だからやっぱり……」
メ「言い訳ですか? 見苦しい。今この段階で断るならば主様の下着姿の隠し撮り写真、ばらまきますよ?」
男「なっ?!」
メ「また、バンドに参加したはいいけどやる気出さないままでは困りますから学園祭ステージアンケートで三位以内に入れなくても同様です」
男「ステージへの本戦出場は前提なのかよ?!」
メ「志はあくまで高く!」
男「俺の場合リスクだけだろ!」
メ「まぁまぁ……リターンは平穏な学園生活ですから」
男「今まさにそれを奪おうとする貴様が言う台詞かぁぁー!!」
女「ねぇ、一緒に頑張ろうよ……衣装も一生懸命つくるから」
委員長「私もドラムとかは全くわからないけれど……委員会と平行してやれるだけやるわ」
男「ぅ……」
メ「お二人にここまで言わせて逃げますか? さぁ。さぁさぁさぁ!」
男「……」
三人「「「……」」」
男「……。わかったよ。やるよ」
女「やった〜♪」
委員長「ふぅ」
メ「ふふん! 決まりですね。では改めてよろしくお願いしますね、男子ちゃん?」
男「うぅ……うがぁぁぁあああああ!!!」
- 502 :パー速民がお送りします [] :2008/06/10(火) 07:19:03.93 ID:nkLneQAO
ヤバい興奮してきた
- 503 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 09:15:50.43 ID:oiwXEMAO
男「ふぅ……」
女「なんで着替えちゃうの〜? もったいないよぉ」
男「勘弁してくれ。ああ言ったからには協力はするけど、練習中くらいは普通でいたい」
女「ぶぅ」
男「はぁ……それより、みんな楽器はどれくらい出来るの?」
メ「世界レベルの歌唱力にご期待ください」
男「お前には何ら期待してないから安心しろ」
メ「なんと」
男「それより女さんといいんちょはどうなんだ?」
委員長「カスタネットかタンバリンしか無理ね」
女「私はピアノやってるけど……弦楽器は初めて」
男「なるほど。かなり厳しいな」
委員長「そういうあなたはどうなの?」
男「んあ、まぁ……それなりには練習してるから大丈夫だと思う」
メ「主様は完璧超人だから大丈夫ですよ。ネプチューンマンです」
男「一人クロスボンバーでも決めてやろうか。ってもなぁ……オーディションまで後1ヶ月半だぞ」
女「ん〜。ちょっと短いよね」
男「形にはなるかもだけどバンドとして演奏しきるのは……」
メ「やらずに及び腰でどうするんですか! 死ぬ気でやれば人間やってやれないことはないです!」
男「……確かに俺は社会的に[ピーーー]る可能性大だが」
メ「ですから主様の……いえ、男子ちゃんを晴れ舞台に上げるため、皆さん頑張りましょう!!!」
女「うん!!」
委員長「……悪くないわね」
男「なんでお前らそんな動機で頑張れるんだよ?!」
- 504 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 09:40:50.74 ID:oiwXEMAO
男「あれから一週間な訳だが……」
女「ご、ごめん」
委員長「だって家にドラムなんてないんだから仕方ないでしょ」
男「もはや形になることすら怪しくなってきたな」
メ「だからって諦めないでください」
男「別に諦めちゃいないが……何かしら手を考えないとまずいぞ」
委員長「何かしらって?」
男「それが思い付かないから悩んでるんだよ」
女「ごめんね」
男「いや、二人とも努力はしてると思うから謝る必要はないさ。どう考えても時間が無さ過ぎるだけ」
メ「何故こんなことになってしまったんだ……」
男「どう考えてもお前の発案が突発的すぎるのが原因だ」
メ「まぁた私のせいっすか」
男「お前のせいだよ! はぁ、せめて一日練習できる環境とそれなりの講師が付いてくれりゃ……」
女「音楽室の楽器は長く借りられないもんね」
委員長「私達は独学だし」
男「ん〜……」
メ「あ、そだ」
男「ん?」
メ「何とかなりますよ、練習場所と楽器、更に講師も」
男「何かあてでもあるのか?」
メ「はい。というか今まで何で忘れてたんだろ。とりあえず明日の放課後から早速いけるよう調整します」
男「……なんだろう。ものすごく嫌な予感がする」
メ「主様〜、都合つきましたよ。お、今日はチャーハンですね」
男「おう。って、マジかよ。都合ついたのか」
メ「はい。ただそれには条件がありまして」
男「条件?」
メ「練習中はずっと女装しててください」
男「はぁ? なんでそんな……」
メ「よろしくお願いしますね。では私は歌の練習がありますので」
男「ちょ、ま……」
バタン
男「……嘘だろ?」
男「そんな条件だすようなバカ、この世のどこに……」
- 505 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 09:51:04.23 ID:8f5nPkUo
ふたなり仲間が増えて嬉しいんですね、分かります
- 506 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 12:50:06.93 ID:oiwXEMAO
妹嬢「みなさん、ようこそ」
男「……そういやとんでもないバカがいたな」
メ「今日はよろしくお願いします」
女「お願いします!」
委員長「よろしく」
男「……よろしく」
妹嬢「ふふ、皆さんの頑張りに期待しています。特に……」
男「ぅ」
妹嬢「“初めてまして”、男子さん。あなたとは仲良くさせていただきたいですね」
男「……おことわりだ」
妹嬢「くすくす。……今日の下着は黒だそうで」
男「な?! め、メイドてめぇ!」
メ「〜♪」
妹嬢「仲良くしましょう? 同じ女同士ですから」
男「……くそぉ」
女「ふぁ〜、すごいね」
男「どうやってこんなすごいスタジオ用意したんだか。楽器もかなり上等なのばっかだし」
メ「これ、本番にお借りしても?」
妹嬢「勿論、結構ですよ」
委員長「私は楽器の購入が出来るほど金銭的に潤沢さはないから助かるわ」
男「……なぁ、見返りはなんだ?」
妹嬢「ふふ、あなたにはそんなもの求めませんから」
男「ならいいけど」
妹嬢「では、講師も数人用意していますので心ゆくまで研磨なさってください」
バタン
男「……ふぅ。ま、考えても仕方ない。やるか」
メ「はいっ」
男「やるからにゃ、一番目指すぞ!」
女「おー!」
委員長「ええ」
- 507 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 13:02:33.39 ID:oiwXEMAO
1ヶ月後……
男「うし!」
女「やったね、初めて全曲やり通せたね!」
委員長「ええ。なかなか様になってきたわね」
メ「さすが私。リーダー的歌唱力で牽引しまくりでした」
男「どこからそんな自信が出てくるんだよ。まぁいいや……友、どうだった?」
友「うん、ちょっとびっくりしたかな。まだ組んで1ヶ月ちょっとなんだよね?」
委員長「そうね」
友「それにしちゃ充分だよ」
男「いいんちょも女さんも頑張り屋だからな。ぐんぐん伸びてる」
友「男は相変わらず安定してるしね」
男「やれるだけやってるからな」
友「それに何よりメイドさんの歌唱力が本当にすごいよ」
男「ぅ……」
メ「ふふん」
男「そ、そうかなぁ」
友「気付いてるんでしょ? 彼女今までどこかで歌ったりしてたんじゃない?」
メ「いえ全く」
友「だったらもう天性のモノだろうね。すごいや」
男「うがぁ! なんか納得いかねぇ!」
友「とりあえずオーディションは何とかなるんじゃないかな?」
女「本当!?」
友「このままちゃんと練習を積み重ねて、コツコツ頑張ればね」
委員長「まぁ、これから私は忙しいけれど……自主練習はするわ」
女「わ、私も!」
男「なんでみんなそんなにやる気なんだよ……」
友「多分、やってるうちに愛着や連帯感が生まれたんだよ。目的は何であれ今は楽しいって感じてるんだよ。……違う?」
男「……知らん」
友「全く、素直じゃないんだから。ほら、それより約束通りボクとも練習だよ」
男「おう」
ゴソゴソ
友「何やってるの?」
男「何って着替えを……」
友「そのままでいいじゃん」
男「……お前も面白がってやがるのか、どちくしょう」
友「目の保養だよ」
男「なってたまるか?!」
女「なってるよぉ。ねぇ?」
委員長「そうね」
男「……くぅ」
メ「ドンマイ!」
男「てめぇにだきゃ言われたくねぇ!!」
- 508 :パー速民がお送りします [] :2008/06/10(火) 19:20:52.80 ID:nkLneQAO
どうしてもメイド服着てるイメージしかできない・・・
- 509 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/10(火) 22:23:22.37 ID:oiwXEMAO
メ「私ずっとメイド服ですが」
男「だからって練習の時まで……」
メ「女装してる人に言われたくないです」
男「ぬがっ!」
女「でも徹底してるよね。学校の中までメイド服なんて」
委員長「そのおかげであなたを隠すのに大変なのよ」
メ「いやぁ、それほどでも」
男「誉めてねぇよ」
女「ちなみに本番の衣装はメイド服のアレンジを予定してるからね♪」
男「……俺も着るの?」
女「勿論っ」
- 510 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/11(水) 07:35:37.46 ID:D12KfcAO
男「珍しいな。女さんから招集かけるなんて」
女「うん、まぁね」
メ「私のネトゲタイムを邪魔したからにはそれなりの理由だと勝手に判断させていただきますよ」
委員長「なんで偉そうなのよ。……で、要件は何かしら?」
女「う、うん。来週のオーディション用に完成したの、衣装が」
メ「おお。やりましたか」
女「うんっ。えっと、全体としてはメイド服のアレンジなんだけど……はい、メイドさん」
メ「ありがとうございます。ふむ、なんかやたら露出度が高いような」
女「メイドさん、スタイルいいから。ミニとノースリーブでカットも大胆にしてみたよ」
男「腋とか横乳、下着もギリギリ見えるか見えないか」
メ「言い方がおっさんくさいですよ。まぁそれくらいサービスします」
女「でもエプロンだけは長めだよ。ホワイトブリムはみんな共通のね。次は委員長さん」
委員長「……ヴィクトリアンタイプね」
女「少し野暮ったいくらいにしてみたよ。でもスカートに大きなスリットと袖の安全ピンがいい感じかなって」
委員長「悪くないわね。そういうあなたのは?」
女「迷ったけど、普通のフレンチタイプにフリルエプロンっていうスタイルかな。スカートはミニで、長手袋だよ」
メ「なるほど、エロ可愛さで勝負ですね」
女「えへへ……でね? って、男子ちゃんどこいくの!」
びくっ
男「あ、いや……と、トイレに」
メ「さっきから数回いってますでしょ。頻尿ですか」
男「違うわっ!」
委員長「じゃあ逃げるの? まさかそんなことないわよね。男子ちゃん?」
男「ぬぐぐ……」
- 511 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/11(水) 07:53:56.99 ID:D12KfcAO
女「じゃじゃ〜ん♪」
メ「なんと」
委員長「へぇ……」
男「な、なんだこのふりふりは!」
女「えへへ〜。いくら男子ちゃんが可愛くても体のライン出すのはよくないからね!」
メ「露出が少なくなるなら逆に増やしちゃえばいいじゃない! な訳ですね」
委員長「ゴシックアンドロリータ……悪くないわ」
男「悪いだろ?! 着てるやつ、こんなだぞ!?」
メ「……似合ってますよね?」
委員長「似合ってるわよ?」
女「だって♪」
男「ぬがぁ!」
女「この色でドレスに仕上げるの苦労したんだよ?」
男「いらん苦労を……でもま、お疲れ様」
女「あ、ありがとっ。……ふにゃ〜、最近は毎晩夜なべでふらふらだよぉ」
メ「ところで制作費はどうなってますか? 良ければ私が負担しますので」
男「そうだな。これだけのもの、安くなかったろ」
女「う、うぅん! 全然気にしないで! 私、前にバイトで貯めたお金あるし!」
メ「ですがせめて制作費がいくらだったかくらいは教えてください」
女「ぅ……○万円」
男「ぶっ!? そ、そんなにしたのか!!」
女「で、でもこれくらい大したこと……」
委員長「五倍ね」
男「へ?」
委員長「材質や小物類の質で分かるわ。さっき言った値段の五倍近くかかってるわよ」
男「……本当?」
女「あぅ。……五倍は言い過ぎだけど……四倍は超えてたり超えてなかったり」
メ「後々、全てうまくいきましたら払わせていただきます。それくらいの余裕は出来ますので」
女「でも……」
メ「いいから。仲間じゃないですか」
女「……!」
委員長「そうね。遠慮されると困るわ」
男「どうやって余裕が出来るかは甚だ疑問だが……女さんに負担を全部かけたくない。みんなのことだからな」
女「みんな……」
男「だから、受け取ると言ってくれ」
女「……うん!」
メ「では話もまとまったところで実際に着たまま練習してみましょう」
女「おー!」
委員長「ええ」
男「うっしゃ!」
男(しかし本当にどうやって余裕なんか出来るんだろ。……ま、最悪俺が負担するか)
- 512 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/11(水) 12:21:55.47 ID:D12KfcAO
男「……さて、本番だな」
メ「私武者震いしてきました」
委員長「緊張してるだけでしょ?」
メ「ふっ、私が緊張なんてありえませんじょ?」
男「噛んでる噛んでる」
女「はぅぅ……」
男「大丈夫?」
女「う、うん。ちょっと緊張してるだけ……」
男「大丈夫。今日までの練習を信じよう。それに」
女「?」
男「女さんの衣装着てる自分、鏡で見てきたけど……まぁ、可愛いかな、って」
女「……ぁ、うん! 当然だよ!」
男「うし、その意気だ」
メ「自分で自分が可愛いとか……」
男「う、うるせぇ! 俺じゃなくて衣装がだよ!」
委員長「向こうはそう思ってないみたいだけどね。ほら、そろそろ出番よ」
メ「では、一つ派手にいきますか!」
- 513 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/11(水) 13:13:54.15 ID:D12KfcAO
審査員「ええと、女さんと委員長さんは我が校の生徒だとされていますが……」
メ「友人です。あと彼女も」
男(こくこく)
審査員「はぁ。まぁ部外者の参加は特別禁止されてはいませんが」
委員長「何か問題でも?」
審査員「やはり我が校の学園祭ですので優先させたいのは生徒だけのグループになります。つまり……」
女「審査は厳しくなるんですか?」
審査員「はい。ですがあの委員長さんが参加されているバンドですからね。期待しています」
委員長「裏切らないようにさせてもらうわ」
メ「では、聴いてください。曲は……」
五人「「「「「お疲れ様ー!」」」」」
チンッ
メ「いやぁ、やるだけやりました!」
男「後は天命を待つのみだ」
女「うぅ、不安だよぉ」
委員長「今から色々考えたところで後の祭よ。それより目の前の食事を楽しみましょう」
男「正論だな。ま、どんどん食べ……」
メ「はぐ、ふぐ! あむ!」
男「……まぁ今日はいいか」
友「でも本当にお疲れ様」
男「おう」
友「あの後の僕達の審査の時の雰囲気を見てると大丈夫そうたね」
男「まぁ確かに場をあっためた感はあったよな」
女「ほ、本当?!」
男「嘘ついてどうするよ」
女「そうだけど……」
男「ま、気楽に待とうや」
メ「ですね〜」
バタン
男「お、戻ったか。何の連絡だったんだ?」
委員長「……なかったそうよ」
メ「へ?」
委員長「私達の名前。合格者の一覧に」
四人「「「「?!」」」」
- 515 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/12(木) 00:55:47.19 ID:ojCohbso
芸能界デビューマダー?
- 517 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/14(土) 23:59:10.91 ID:fFsQtgAO
男「ないって……どういうこどだよ!」
委員長「さぁ? そのままの意味じゃない?」
女「そんな……」
メ「所詮外部バンドへの対応などこんなところなんでしょう」
女「で、でもちゃんと演奏したのに!」
男「くそ……納得いかねぇ!」
ガタン!
友「どこ行くの!?」
男「自分の目で見なきゃ納得いかねぇってことだよ!」
メ「確かに。委員長さん、あなたが見てきた訳ではないんですよね?」
委員長「ええ。友人からそう連絡あっただけよ」
メ「……ならば私も行きましょう。私、諦め悪いので有名ですから」
委員長「仕方ないわね」
女「わ、私も!」
男「よっしゃ! いくぞ!」
男「いざ見るとなると緊張するな」
女「あぅぅ」
メ「ほら、怖じ気づいてる場合じゃないですよ」
委員長「行くわよ」
男「……た、頼もしいな」
女「うん」
男「……くそ」
女「そん、な」
メ「ない、ですね」
男「あれだけやったってのに! ……外部じゃなきゃいいなら、今すぐ俺が女装だったって言いにいってくる!」
女「だ、だめだよぉ!」
メ「そうです。私がいる限り外部ですし、それに二重登録で結局アウトです」
男「ぅ……くそ! だからって諦められるかよ! みんなあれだけ頑張ったのに!」
女「男くん……」
メ「主様……そんなに女装が」
男「違うからな?!」
委員長「……ねぇ、男」
男「だから女装は好きでやってるんじゃ……!」
委員長「この表、おかしいわよ」
男「へ?」
- 518 :パー速民がお送りします [sage] :2008/06/15(日) 00:16:33.89 ID:FKV8h2AO
男「おかしいって……」
委員長「確か参加できるグループは18組。でも何故かここには17組しか書かれていないわ」
女「あ、本当だ……」
メ「というか隅になんか書いてますよ?」
男「何だと? ……なっ!?」
女「こ、これって!」
三人「「「すみませんでした!」」」
男(ぺこり)
審査員「気をつけてくださいね? 本来なら、ほかのグループに譲るところです」
メ「いやぁ、この娘がおっちょこちょいで」
男「?!」
メ「まさか申請用紙にバンド名を書き忘れるなんて。いやぁ申し訳ない」
男(あれを自信満々に書いて俺に出させたのはてめぇだろうがぁぁぁあああ!?)
審査員「まぁ、その点を差し引いても素晴らしい演奏でしたからね。当日は頑張っていただきますよ」
女「は、はい!」
審査員「では」
三人「「「ありがとうございました!」」」
男(ぺこり)
男「いやぁ……何とかなったな!」
メ「本当一時はどうなることかと」
男「て、てめぇが言うか!?」
女「まぁまぁ。これからも協力しあってくんだから、仲良くしよ?」
メ「その通り!」
男「ぐ、ぬぬ……」
委員長「とにかく明日からもちゃんと練習ね」
女「えへへ、頑張ろうね!」
メ「目指せ田舎勇者!」
男「うし! こうなったらいけるとこまでいくぜ!」
委員長「まぁ、あなたはこれからも練習の度に女装だけど」
男「ぐほ?! 出鼻をくじくなよ!?」
女「あはははは!」
委員長「ふふ」
メ「ぷーくすくす」
男「お、お前らぁ!?」
そんなこんなで本番も大変なんだけど……
それはまた別の話♪
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