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妹「おい///……」
- 533 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage]
:2008/09/24(水) 02:17:45.85 ID:Xg7ROtoo
〜3日後・午後5時〜
兄「……………ん………」
娘「あ! 兄!!」
兄友「うおお!!! 兄ぃぃぃ!!!」
兄「あ…れ?………あ! ………妹!! 妹は!?」
ガシッ
娘「え?……あ、兄?」
兄「妹はどうしたって聞いてんだよ!!」
兄友「大丈夫だw 今隣りの病棟の病室で寝てるよ、ここは重病・重傷者専用の隔離病棟だから……妹ちゃんは普通のとこ♪」
兄「!……そ、そうか……よかった……よかっ……た」
スゥゥ
兄友「お、おい兄?……また寝ちゃったよ」
娘「………安心したんでしょ…妹ちゃんが無事だったから」
兄友「ったく……自分の方が重傷って事に気づいてねぇのかこいつはw」
娘「ふふっ…………ホントにね、私お医者さんに兄が目醒ましたって伝えてくる!」
兄友「わかった! 俺はまだここにいるから!!」
娘「うん♪」
ガララーバタンッ
娘「…………」
娘「……………ふ………ぅぅ………ヒック………」
- 534 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:20:19.23 ID:Xg7ROtoo
〜2時間後・午後7時〜
兄「…………ん? ……んんぅ……いってぇ!!」
女「兄さん!? ……ああ! よかった……」
妹友「兄さん!!」
「おお! 兄君……気づいたか! よかったよかった!」
兄「いってぇ……女ちゃんに妹友ちゃん……おじさん……俺」
「大変だったなぁ本当に……いやぁよかった…君が目を覚ました姿を見て始めて実感が湧いたよ……生きててくれてよかった」
兄「あ、あの……あいつは…あの男は…なんだったんですか?」
女「町で起こった強盗致傷事件の犯人だよ。
二人組だったんだけど……どうやらあの道のあたりではぐれたみたい。そのうちの一人なの」
「今はあの日から3日後だ。
あの後執事男さん達が犯人の二人組をそれぞれ捕まえた。
……どうやら暴力団の構成員だったみたいだ。
借金を返済しないと組からその……命の危険を感じるという切羽詰った状況だったらしい…
…どっちみち許せはしないけどね」
兄「暴力団……ああ……だからナイフ持ってたのか……」
女「それで……兄さんは……刺されちゃったの」
兄「だなw……めちゃくちゃ痛い」
「右腕と腹部を刺されててね……病院に着いた時はかなり出血がひどくて……少し…………危なかったんだ」
兄「マジですか……全然覚えてない」
- 535 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:22:03.45 ID:Xg7ROtoo
女「ホントに……病院に最初に行った時に…兄さんの事聞いて……死んじゃうんじゃないかって……ヒック」
妹友「あーはいはい、兄さん起きたんだからもう泣かない泣かない!w」
兄「妹友ちゃん」
妹友「よかったよ兄さん、ホントに……病院に運び込まれたって聞いた時
はもう心臓止まりそうだったんだからww……グズッ…えへへ♪」
兄「あははっ心配かけたみたいだな……いつっ」
「彼女も女ちゃんも……兄の事を聞いた後2日ほど泣きっぱなしだったからな………本当によかったよかった」
兄「!……そ、そういえば…妹は!? さ、さっき兄友から無事って聞かされた気がしたんですけど!!」
女「妹ちゃんも……右腕を……ちょっと切られちゃって」
妹友「………うん」
「妹ちゃんも兄君の右腕と似た様な箇所を刺されてしまっていてね……大変だったんだ」
兄「え!? た、大変だったって……な、何か後遺症とか!? ……どういう事ですか!?」
「いやその……何と言うか……泣いてしまってね」
兄「そ、そりゃ腕を刺されたんですよ!? 女の子だし当たり前……」
女「そうじゃなくてね……兄さんの事で……らしいの」
兄「へ?」
- 536 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:24:59.44 ID:Xg7ROtoo
妹友「『お兄ちゃん、お兄ちゃん……お兄ちゃんが…』ってばっかり言って……
自分の怪我もお構いなしに兄さんと一緒に手術室にについて行こうとしたのよw 妹ちゃん」
兄「な!?…………あいつ……」
妹友「…………ふふっ」
女「あははっ! とにかく妹ちゃんは大丈夫だよ」
兄「そうか……よかった…ホントによかった」
「おっと……そろそろ私は戻らなくては……それじゃあ兄君!
……今日はもう来れない……また明日な」
兄「あっはい。おばさんによろしく言ってください。大丈夫ですって」
「ああw」
兄「あ、あと娘と兄友はどこですか?」
「彼らは今妹ちゃんの病室だよ…ではまた!」
バタンッ
兄「はぁ……しかしいつ治るんだ? これ」
女「全治2ヶ月だってw」
兄「げっ!……が、学校……」
妹友「ふふっ……まぁなんとかなるでしょ♪ 校長先生とかに頼めば……兄さんのファンだし」
兄「あー……なんとかなる気がしてきたw」
妹「でしょっ♪」
女「ふふっ♪」
兄「……妹の怪我はどれぐらいで治るって?」
娘「彼女は全治2週間ぐらいだって♪」
兄友「よっ!」
妹友「兄友! 妹ちゃんは?」
- 537 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:27:14.63 ID:Xg7ROtoo
兄友「大丈夫だ! さっきまで起きてて兄が起きたってお前からの連絡を聞いた途端……安心したんだか寝ちゃったよw」
兄「そ、そっかw……え、えっとさっきはどうもな……ってなんで俺さっき……あれ?」
兄友「記憶が曖昧なんだろw……ったく兄妹そろって安心してまた寝るとかw」
兄「え?」
娘「あんだけ『妹は!?』って私を鷲づかみにしておいて
妹ちゃんの無事を伝えた途端寝ちゃったじゃないあんたww
もう鷲づかみにされた私はどうすればって感じだったよw」
兄「そ、そうだった様な……ごめん娘」
娘「あははっ! うそ! 怒ってないよw 優しいお兄ちゃん♪」
兄「あ……えーと///」
兄友「お! そうだった……ずっと通話中だったww……兄!」
兄「?」
兄友「ほらっ! 出ろ……」
兄「?……はい、もしもし兄ですが」
ユミ『兄先輩ですか!?????』
兄「うわっ!……ユ、ユミちゃん!?」
娘「さっきあんたが起きたって連絡したらそのまま話させてくれってw」
- 538 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:29:34.54 ID:Xg7ROtoo
ユミ『ニュース聞きました……ホントに…ホントによかったです……兄先輩……う……うわぁぁぁん』
兄「あ、ああ……ごめんなユミちゃん……心配かけて………もう大丈夫だよ、ちょっと帰るのが遅れるけどw」
ユミ『うぅ……しっかり治して来てください……約束ですよ?』
兄「もちろん!……いて」
ユミ『大丈夫ですか!??』
兄「うわっ……ユミちゃん声大きいw」
ユミ『す、すいません私……動揺してて…』
兄「大丈夫! そのうち帰るから……な?」
ユミ『…………』
兄「な? ユミちゃん、大丈夫だよ、ホントに心配かけてごめん」
ユミ『よかったです……待ってますからね、兄先輩』
兄「おう! また学校でな! 弓道部よるよw」
ユミ『はい!……えへへっ』
ピッ
兄「ん」
兄友「おう……それにしても……」
娘「あきれた……兄ってユミちゃんまでも……」
兄「はぁ!? どういう意味だよ」
女「ホント……罪な男だよねw兄さんはww」
妹友「ほんとほんと♪」
兄「なんだよ皆してww」
娘「まぁいいわ! えっと……皆! 私こいつと話す事があるから……先に旅館に帰っててくれない?」
兄「?」
- 539 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:30:05.76 ID:Xg7ROtoo
兄友「……了解! んじゃ! 兄……ホントによかった…また明日くるわ!」
兄「お、おう……」
女「兄さんまたね!」
兄「あ、ああまた明日!」
妹友「じゃねー♪兄さん!」
兄「おう! 妹友ちゃんも明日来てくれよ!!」
バタンッ
娘「………………」
兄「それで? 話って………!!???」
- 540 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:30:56.83 ID:Xg7ROtoo
ポロポロ
娘「兄……兄ぃ……………グスッ」
兄「む、娘! ……わぁ///」
ギュッ
娘「兄……よかった……心配したんだから……ヒック」
兄「い、痛いって///……」
娘「…あはは……グス……ごめん」
パッ
兄「ったく………」
娘「……………」
兄「ありがとな……娘」
娘「私が……私がふた手に別れようとか言わないで……一緒に行ってれば………こんな事には」
兄「!?」
娘「だから……グズッ……半分は私のせきに……」
兄「違う! そういう風に考えるな!!」
ビクッ
兄「……ご、ごめん……いてて」
娘「兄……」
- 541 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:33:25.58 ID:Xg7ROtoo
兄「あれだぞ?……上手く言えないけど……誰にも未来の事は……わかんないだろ?……
だからその事について責任を感じるのは違うっていうか……
とにかく……娘には責任のかけらも無いんだからさ……そういう風に思うなよ」
娘「…………ふふっ」
兄「な、なんだよ! ほんとだぞ!?」
娘「兄………兄のそういう優しい所……好きだよ」
兄「!///……あ、えっと……え?」
娘「うん、好きなの。兄の事が……友達としてじゃない方の意味で」
兄「あ、あの……えっと俺・……その……」
娘「困らせちゃった?w」
兄「そ、そりゃお前……その…そんなの突然///」
娘「兄が怪我したって聞いた時ね……心にぽっかり穴が空いちゃったみたいだった……
体の中の血液が……全部氷水になっちゃったみたいにひんやりと感じた……ほんとだよ?」
兄「娘………」
娘「それでその時はっきり自覚したんだ……今までどこかで自分の気持ちは友達としての
ものの延長線上のものだって事にしてたけど……それは違うって」
兄「………」
娘「兄……あなたがいなくなる事を想像するだけで……とんでもなく怖くなった………ホントに…怖かった」
兄「…………そ、その……ごめん」
娘「ううん……でもね」
兄「?」
- 542 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:34:25.81 ID:Xg7ROtoo
娘「兄には私と同じ位の気持ちがないって事は知ってるんだ……私……」
兄「そ、そんな事は!」
娘「ううん……昔…兄が屋久島に来てくれてた時は……兄は私を好きでいてくれてた事は……知ってたんだ」
兄「!!?」
娘「気付かないふりしてたけどね♪……あんなに幼い時に遠距離恋愛とか
……ムリだって思ってたから……ふふっ大人でしょ♪」
兄「な、なんだそりゃ///」
娘「でも……今は公開してるかな……妹ちゃんが現れちゃったしねw」
兄「…………」
娘「………ねぇ兄?」
兄「…………なんだ」
娘「妹ちゃんの事………好き?」
兄「!……………///」
娘「……ふふっ、そっか……自覚したんだね」
兄「/////」
娘「………兄……」
兄「な、なんだ///」
娘「………今から私をふって」
兄「え?」
娘「私が今から兄に告白するから……ふって」
- 543 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:37:53.68 ID:Xg7ROtoo
兄「はぁ!?……ど、どういう……!!」
娘「正直私が妹ちゃんに直接敗北宣言しようって思ってたんだけど……
なんかそれもどうかと思っちゃって……仮にも自分の気持ちの問題だし」
兄「な、何言って……」
スゥゥ--ハァァ--
娘「………兄君……………あなたが好きです」
兄「!!///」
娘「…………好きです、気持ちを伝えたくなったので伝えます。好きです」
兄「…………ご……めん」
娘「…………………」
兄「…………………」
娘「ねぇ! 私ふられちゃったぁ♪」
兄「!」
娘「どうよ? ん?♪ こんな美人のお姐さんをふっちゃった感想は?」
兄「そ、そんな事言われたって」
娘「ふふっ! 困らせたかっただけー♪」
兄「!……お、お前なぁ///」
娘「うん! ……スッキリした!!」
兄「娘……」
娘「帰るね!………あっそういえば兄のご両親も来てるよ?」
兄「!?今知ったぞそれw」
娘「今言ったんだもーんw………妹ちゃんの病室にいるけど明日はこっちに来るってさ!」
兄「分かった」
娘「じゃ! 私はこれにて帰らせてもらいまっす♪」
- 544 :999 ◆zbZ9V999Yk [sage] :2008/09/24(水) 02:39:44.50 ID:Xg7ROtoo
兄「わ、わかった……じゃな」
娘「うん!また明日!!」
兄「ああ…また明日」
ギィ――
娘「……兄?」
兄「な、なんだ?」
娘「…………私の好きな人になってくれて……ありがと」
バタンッ
兄「…………………」
娘「……………」
ポロポロ
娘「…………ふっ……ふむ……ぅ……グズッ」
娘「か、かっこ……つけすぎちゃった……かなw」
娘「………帰ろ♪」
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