■戻る■ 下へ

意地悪なメイド ver2.5
757 :パー速民がお送りします [sage;saga] :2010/06/16(水) 00:33:05.25 ID:IzASBRg0
200X年。10月某日。
その日、男にとって世界は変った。

何の前触れもなく飛ばされた『平行世界』。
そこは自分の居た世界に限りなく近く、そして絶望的なまでに遠い場所だった。

数十年に渡る地球外起源種「BETA」。その存在との戦いがこの世界における現実。
日々人類は追い詰められ、世界は終焉を迎えようとしている。

そんな中、成行きで国連軍に入隊した男は、その運命に翻弄されながら対BETAの切り札ともいえる人類救済計画「オルタネイティヴIV」に関る国連軍衛士として仲間と共に戦い続けた。
見知った顔、見知った場所。学園と呼ばれる場所は最前線を支える基地であり。
そこに集う学友達は一人一人が戦士だった。
過酷な運命の中、戦う力を手にし、運命に立ち向かう……そんなありふれた英雄譚にはならなかった。
その年の12月24日、人類は戦うことを諦め、地球放棄・人類脱出計画「オルタネイティヴV」を発動してしまう。

そう、人類は闘争ではなく逃走を選んだ。事実上の敗北である。
三年。それでも地球に残り最後まで戦い続けた彼。
男がこの世界を訪れてから培ってきた努力の全ては、結局は無に帰すことになる。
……はずだった。


三年。その月日が過ぎ、確かに死んだはずの自分。だが目覚めればいつもの部屋。
『元の世界』に戻れたと浮かれていた男だったが、家の外には3年前に見た光景が広がっていた。
カレンダーはあの日と同じ200X年10月某日。男はタイムスリップしただけだったことに落胆していた。
だが、彼が経験した世界では遂に完成しなかった鍵があることを覚えていた。
そう。未来を知っている唯一の人間として人類側の切り札となる「オルタネイティヴIV」を完遂させ人類を勝利へと導くべく、国連軍基地の門戸を叩く事を決意した。
再び元部隊に編入した男は、3年間の従軍経験と未来の記憶、人並みならぬ覚悟だけでたった一人、戦いに臨む。

残された時間はあと2ヶ月。果たして男は未来を変える事ができるのか。そして人類はBETAに勝利することができるのか―――。


『いじメイ オルタネイティブ』


近日再開!



―――それは、あいとゆうきのおとぎばなし


776 名前:【alternative 前回までのあらすじ】 [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:15:23.78 ID:odWb3V20
それは、終わりの始まり。

いいや。違う。砂漠の中の一粒の希望を探す。
そんな、人類の――いや、一人の男の戦い。


あいとゆうきのおとぎばなし。その始まりである。


その日、平行世界へと飛ばされた俺は荒廃した世界を目の当たりにする。
全てはBETAと呼ばれる人類に敵対的な地球外起源種が現れたことにより歪んでしまった。
俺の知る歴史はそこになく、人類はひたすらBETAと戦いを続けている。
そんな世界に降り立った俺は、ただただ自分の知る場所へと移動し気づけば学校まできていた。
しかしそこにあったのは前線基地と呼ばれるもの。不審な存在として扱われた俺は連行されてしまう。

そこで出会ったのが俺の妹。だがその立場は俺が知るものではない。
長官。そう呼ばれた彼女は俺の見知った存在とはかけ離れていた。
勿論、優秀なところはそのまま。ただ俺との関係が赤の他人になっていた。それだけだ。

記憶がない。そう判断された俺に対して彼女は言う。自分を利用する、と。
何もわからない俺はただそれに従うしかなかった。


777 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:15:51.42 ID:odWb3V20
こうして始まった戦争? のための訓練。
そこで明らかになるこの世界の情勢。その事実に打ちのめされながら、俺は見知った顔に出会う。

委員長。
女さん。
友。
いいんちょの妹ちゃん。
そして、教官であるメイド長だ。

こんなに見知った顔ばかりなのに、彼女達は他人のようだった。
いや、実際この世界においてのつながりはない。だから他人なのだ。

そんな事実に暗鬱となる。だが自体はそれだけにとどまらない。


いざ始まった訓練。その中で俺はどういうわけかとんでもない成績をたたき出す。
全てにおいてトップクラスなのだ。
頻繁に頭痛にさいなまれる、という欠点を除けば俺はとんでもない生徒なのだろう。

だが、俺にとってそれは過ぎた産物。
結局は他人の世界。知らない世界の出来事と目をそらす俺。
そんな空気を感じ取ってか、やがてチームのみんなと衝突してしまう。


しかしぶつかり合う中で、徐々に芽生えるこの世界に対する熱い思い。
そして浮かび上がる過去の情景。
そうして俺はこの世界に対して本気になっていき、チームのみんなとの絆を育んでいく。


778 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:16:20.31 ID:odWb3V20
同時にイドと呼ばれる不思議な少女とも知り合っていくことになる。
どこか憎めない悪戯をしかけてくる、口数の少ないかわいらしい少女。
そして何故か頭を離れない言葉……。


ゆっくりと侵食していく頭の痛みに、俺は過去からのメッセージを受け取る。
我が妹もうすうすとそれを察し、やがて一つの結論に至る。

俺は平行世界にただ飛んだのではない。時間も移動している。

この世界にきたのは初めてではない。俺はこの世界の終わり方を知っている。
それを止められるかもしれない可能性。それが俺の中に眠っている。
その記憶を目覚めさせた俺は今以上に訓練に励むようになり、チームもそんな俺についてきてくれた。



そうして迎えた運命の日。
そんな俺の状況を信じるか信じないか。またこの先における未来を切り開く可能性が試せるかどうか。
それを占うことになる『総合戦闘技術試験』。これに最速で合格すれば妹から、つまりは基地からの全面的な支援を期待できる。
そうすれば人類を救う手立てが導き出せるかもしれない。
そんな希望を胸に挑んだ結果、数々の困難、試練を乗り越え俺達は最速クリアの記録を樹立。
一気に次の段階へと進んでいった。


779 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:17:25.05 ID:odWb3V20
こうして、俺達は衛士過程と呼ばれる戦術歩行戦闘機、いわゆるロボットの操縦がカリキュラムに組まれることになる。
そう、BETAと呼ばれる存在はとんでもない対空性能と、巨大さを有する存在がいる。
だから俺達はこの戦術機を完全にマスターしなければならない。
何より俺は前回の記憶でもこの過程が一番得意だった。
だから俺が何か力になれるとしたらこの部分が大きいとふんでいた。

実際、俺の訓練データを開示していくことでチームは大幅な技能習得時間短縮が可能になる。
その事実に胸を躍らせるさなか、イドとの関係に新たな謎が浮き上がる。



「なんで、イドが“あいつ”の……」


見知った顔を見かける中、いまだに見ない“あいつ”の姿。
そしていまだに進む気配のない人類の切り札“オルタネイティブW”。
様々な問題と見えない明日。

それでも俺は……俺達は進むしかない。
人類の勝利を信じて。


780 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:18:05.36 ID:odWb3V20
人物紹介

○男
国連太平洋方面第11軍極東基地衛士訓練学校・衛士訓練部隊所属の訓練兵。
もともとはただ(とも言い切れない身分)の学生だったが、ある日目覚めると、そこは全く異なる世界だった。

BETAと呼ばれる敵と人類が数十年に渡って戦いを続けている世界……。
どうしてその世界に自分がいるのかもわからないまま、元の世界に帰る方法が見つかるその日まで生き残るため、妹嬢の計らいで訓練兵となった。
当初は、体力の低さや考え方の甘さのせいで仲間のお荷物でしかなかったが、戦術機と呼ばれる兵器の操縦で類い希な才能を発揮する。
元の世界のチャロンやVSシリーズのような機動を知識の糧にしている。
以来、兵士としても人間としても成長していった。

だがそれだけの力を有しながらも彼、そして人類は敗北し今一度この地へと戻ることになる。

基本的に何でもそつなくこなす上、それが強化されてるので意外と手が付けられない状態。
但し精神面が元きた世界より弱くなってしまった感は否めない。


○委員長
男の所属する部隊の実質的なリーダー役。ここでは学級委員長的な立場からの委員長。
どのような戦術も一定の水準以上でこなし、非常に冷静沈着。
但し周りの個性が強いせいかこの世界においても没個性気味。
外伝というか楽屋話でのはっちゃけっぷりはどうした! ……多分出ません。
ただそんな彼女の家系の問題で、今後少々きな臭い部分が出てくることになり……。

チームの空気を読み、仲を取り持つなくてはならない存在。
それを感じさせないほどのさりげなさが彼女が委員長と呼ばれる所以かもしれない。

○妹
委員長の妹にあたる存在。チームの中では一番のやさぐれ属性。だったはずが一番の直情家に。
気に食わないことはハッキリと言うし思ったことは隠さない。
当初、甘い心持の男のことを嫌っていたが、実力は疑っていない。
だからこそ悔しく思い、一時期は大きくぶつかりあったが今では冗談を言い合う一番の仲。
からかい、からかわれつつ、二人の間柄は悪友に近いものがある。

部隊の中では小手先が器用でナイフ戦やサブマシンガンを利用した小回りのきいた戦いが得意。
姉である委員長には身内である以上の何かしらの崇敬ぶりが時折見られるが……。

○女
連帯と協調性を重んじる、唯一女の子らしい女の子。性格的な意味で。
一見気弱で頼りないが、あがり性や人見知りを努力によって克服したという頑張り屋でもある。
狙撃特性に秀で、その実力は極東でトップクラス。本人曰く裁縫の延長とか。んな訳あるか。
何でもない一般家庭の出であるように見えて、その実……。
女装男の娘大好き。でもここではそんな趣味をひけらかすわけにもいかず。

現状、チームのメンバーに振り回されまくるのみな彼女。
どうにも頑張っていただきたい。頑張りすぎると男子ちゃんが泣くことになりますが。


781 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:19:28.83 ID:odWb3V20
○友
生存技能特性に優れた、訓練小隊のムードメーカー。
原作である作品では女体化されてる親友がいるもののこっちは雄そのもの。
人なつこく誰とでも当たり障りなく接することのできる人物。
但し押しに弱いので基本的に流されまくる。
身体を動かすの大好き。スポーツ万歳。
時々昼食後に基地内でサッカーに興じる姿も目撃される。
男のよき理解者でもある。性別的な意味で。

○イド
局用基地地下19階にある部屋で、いつも脳髄の入ったシリンダーと共に過ごしている。
歩く機密と言っても過言ではない立場にいるらしい。
毎朝、男の部屋に起こしに来るが、何故かしら悪戯をしかけてくる。
徐々そのネタも笑えないレベルに進化しつつあり男を戦々恐々とさせている。
脳髄の入ったシリンダーに対して、異常なまでの執着心を持っている。
とにかく謎が多く行動も読めないながら、重要なキーを握っていることは間違いない。

そして過去の記憶で叫ばれた一言。
彼女が何故男を主と呼んだのか。そしてその名前から連想される人物は……。


○メイド長
国連太平洋方面第11軍・極東基地衛士訓練学校・衛士訓練部隊の教導官で、階級は軍曹。
元々は帝国陸軍大尉で、衛士訓練学校創設にあたり、妹嬢に招かれて帝国軍より赴任した。
国連軍に出向する際、教官職である軍曹に便宜上降格していた。
前回の記憶ではオルタネイティヴW解体後、帝国軍に復帰し、その後少佐に昇進している。
教導官としての任務に自らの夢や過去を重ね合わせ、誇りをもって臨んでいる。
教え子達には厳しく指導にあたるが、それはこれまで数多くの訓練兵を衛士として育て上げ多くの教え子を失ってきた彼女なりの教育であり、時には気を配り見守る一面も見せる。
勿論そうでなくても地で厳しくクールな性格からか鬼軍曹と陰口を飛ばされることも。
妹嬢とは古い付き合いで、その聡明さに心酔し忠誠に近い心持で接している。

○妹嬢
国連太平洋方面第11軍・極東基地司令官。但し基地司令とは別系統の肩書きにあたる。
対BETAにおける人類勝利の鍵、「オルタネイティヴW」の最高責任者にしてあらゆる分野における天才。
本計画の要所として建設された極東基地においては、かなりの権限を有しているとも言われる。
自らの推論と様々な出来事から突然現れた男に様々な便宜を図る。
彼を部隊へ編入させ、セキュリティの高いIDを与えたばかりでなく、この世界での武の戸籍情報まで改ざんした。
だがそれが単に持論の立証のためなのか、それ以外の目的があるのかはよくわからない。
天才の頭脳は、常に目的達成のための布石を打っている。
その緻密さゆえに、それらがどこでどのような形で表面化するのか、凡人にはその時にならなければわからないのだ。
しかし「天才」であるからと言って「全知全能」という訳ではない事を忘れてはならない。
あくまでも彼女は天才的頭脳を持って自らの道を往き、さらにはそのよく回る頭は謀略にすら役立てられている。
ただ時折見せる苦悩の表情が彼女が超人ではなく一人の悩める人間である事を示している。

○メイド
いまだ、その姿は誰も見ていない。……のか?


782 名前:パー速民がお送りします [sage;saga] 投稿日:2010/06/23(水) 01:21:56.46 ID:odWb3V20
はい、というわけで続きを書いていくにあたって現状の整理という感じで一度書かせていただきました。
でも正直7xさんのところでまとめていただいているのでいらなかったような気がしないでも……と思ったそこのあなた!




俺もそう思います。
まぁとにもかくにも続きは書いていきますが、今までみたく深くしっかりかいていくだけにせずにいきます。
大事な場面をチャプター再生っぽくやってく感じに。間は少し軽く埋めつつでw

というわけで今後もよろしくお願いします。
あと今回の人物紹介のとことかあるところを参考にしてますのであんまり探さないようにw



次へ 上へ 戻る