■戻る■ 下へ
意地悪なメイド4.5
120 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/23(水) 01:31:34.64 ID:mye1ut9AO
妹嬢「いくら私が理性を欠いたとしてもそのような事態には決してなりません。そうですよね?」

メイド長「……。はい、お嬢様」

妹嬢「今の間はなんですか」

メイド長「あまりに突飛なお話で現実味を感じませんでしたので内容を理解するまでに正直お時間をいただいただけです。他意はありません」

妹嬢「でしたらいいのですが。よもや同性であり、ましてや主従の関係にありながら仕えるべき主にそのような情欲を抱くはずなどありませんものね」

メイド長「……。勿論です、お嬢様」

妹嬢「ですから何故貴女は先程から無用に間を置いて返事をしますか」

メイド長「普段使用することのない思考回路が用いられるようでどうにも調子が出ないだけです。お気になさらず」

妹嬢「それは私が常用の思考とは違う、あからさまな変人と仰りたいので?」

メイド長「滅相もありません。よもやお嬢様にそのような考えで接するなど長年連れ添わせていただいた従者として有り得ない結論です」

妹嬢「今日は饒舌ですね」

メイド長「失礼しました」

妹嬢「いえ。なかなか貴女と話す機会がありませんから。内容はさておき、こうしてゆっくりと会話をするのも悪くないと思いまして」

メイド長「ありがとうございます」

妹嬢「妙な事を言いました。下がりなさい」

メイド長「はい、失礼します」

バタン




ガチャ……バタン

メイド長「お嬢様……申し訳ありません」

メイド長「私は従者失格なのかもしれません。この想い、どうして止められましょうか。ああ、私がお嬢様の心の隙間を埋めてさしあげられればどんなに幸せか」

あや「クールビューティーの恋。絵になるなぁ」

執事長「恋する乙女モードな長さんって可愛いよ、本当」

ガタッ

メイド長「あ、あなた達!」

あや「ども。契約更新と情報開示の時期なんで直接来ました」

執事長「なんか長さんの可愛い姿が見られる気がして口実がてら連れてきちゃった」

メイド長「っ、人の私室に!」

あや「あやや、なんか殺気立ってらっしゃるような?」

執事長「大丈夫大丈夫。自衛だけなら何とかなるから」

あや「自分だけ安全圏!? こ、ここは落ち着いて一度話し合いを!」

執事長「長さんが素直になれるようにこのお嬢マル秘アルバム集とか提出してみる? バレて折檻でもある意味おいしいし」

あや「火に油!?」

メイド長「天誅」

あや「にゃぁぁああああああ!?」


121 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 01:50:04.09 ID:a2MomvQAO
執事長「長さんやりすぎ。この子がタフだからっていぢめ良くないよ?」

メイド長「仕向けたのはそちらでしょうに。それで? わざわざここまで来るからにはさぞ重要な話なのでしょうね」

あ「痛た……あーと、そりゃもう。それなりに。そこそこには」

執事長「恐ろしく歯切れが悪いな。俺も重要だって聞いたから連れてきた部分あるんだけど」

メイド長「何でしたらもう少し意地悪してあげますよ。重要な話がしたくなるように」

あ「ひゅい!? 外されたり詰められたりするのは嫌ー!!」

執事長「だったら実りある話をしようじゃないか」

あ「うぅ、アウェイだ。えっとですね、基本的にお探しの方々は拠点跡まで辿るのが限界でした」

メイド長「探偵の名が廃りますね」

あ「無茶言わないでください、相手は超一流ですよ。三下なりに頑張って食らいついただけでも誉めてもらわないと。あとうちは探偵じゃなくて万屋です」

執事長「で、まさかその万屋がそんな報告だけで終わらせる為に来た訳じゃないよな」

あ「うす。一応今までの活動パターンと行動範囲。それとお姫様の動向を探るギリギリのラインから考えて現在の潜伏箇所はある程度絞りました」

メイド長「なるほど。それで? 肝心の“あちら”の情報はどうなっていますか?」

あ「構成員の全てとまではいきませんが信用度の高い情報はいくつか。断片的ですが、既にファイルはこちらに」

執事長「ありがとう、後で確認させてもらうよ。それで、本題の方だけど」

あ「そちらは引き続き調査中です。ただ妹子様に近付こうとかそういう動きは今のところなしです」

メイド長「そちらに関しては念入りに頼みますよ。あの事件があってから世間……裏側ではありますが妹子様の有用性は広まりつつありますから」

執事長「全く。嫌な話だね、本当」

あ「了解っす。全力であたらしてもらいますよ。組織力はないなりに精鋭は居ますんで」

メイド長「頼りにしますよ」

執事長「んじゃ真面目な話はこれくらいにして……長さんがどんな風にめちゃくちゃにされるのが燃えるか談義に入ろうか」

あ「お相手は勿論お嬢様ですね。ちなみにリバありで?」

執事長「もちのろんよ!」

メイド長「……あなた達、すぐにここから立ち去らないと怪我をすることになりますよ」

あ「刃物とメイドさんってどうしてこう、合うんでしょうね」

執事長「刃先突きつけられながら言う台詞じゃないなぁ」


122 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 01:57:00.18 ID:a2MomvQAO
執事長「でも長さんってば意地悪になったよな」

メイド長「何の話ですか」

執事長「長さんがちっこい頃はしー兄ちゃんしー兄ちゃんと可愛く懐いてくれたのに」

メイド長「あ、あなたが真面目にしていないからでしょう! 能力も地位もありながら毎度そんな……!」

執事長「ははは、適度に力抜かないと潰れちゃうからね。ほら、俺繊細だし」

メイド長「どの口が。ああもう、くつろがないでください」

執事長「いいじゃん、いいじゃん。俺と長さんの仲じゃない」

メイド長「……そうですか。では充分にもてなして差し上げましょう」

執事長「えぇと。その手に持ってる中身が沸騰して湯気出してる薬缶は何かな? というか相変わらずいつの間に」

メイド長「ご堪能ください。どうぞ」

執事長「急に放られても困るよね! という訳でパス」

あ「え? 何、ここまで蚊帳の外だったのに急にスポットライトが……」

ジュー

あ「あぢゃぁぁああああ!?」

執事長「うわ、可哀想に。長さんはいぢめっ子だなぁ」

メイド長「……本当に、どの口がそれを言いますか」


123 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 22:07:40.19 ID:CHLuQInXo
お嬢様の生きた証を残す為とか、相続争いをなくす為とか
唆されたメイド長が妹嬢を逆レイプして真のヒロイン爆誕


124 名前:NIPPERがお送りします [sage] 投稿日:2011/02/25(金) 09:18:10.02 ID:djJfiDbAO
執事長「爆誕て。勢いありすぎるでしょ」

メイド長「問題はそれ以前にだと思いますが」

執事長「ああ、長さんって純愛派だもんね。ちゃんと和姦じゃないと」

メイド長「そうではなくて」

執事長「え? じゃあやっぱり無理矢理?」

メイド長「まずはその話題から離れてください」

あ「話が終わっちゃいません?」

メイド長「その話題しかないと仰りたいのですか」

あ「目が怖い!」

執事長「でも長さんを唆すとか並大抵じゃないよね」

メイド長「お嬢様の幸せを考えれば自ずと自制は効きますので」

あ「でも自分の気持ちに素直になれなくないすか?」

メイド長「あの方に全てを捧げようと決めたあの日から、私の益とは全てお嬢様の為にあります」

執事長「愛してんねぇ。妬けるよ」

メイド長「そういった俗世に浸った考えとは違います」

あ「難しい話っす」

執事長「俺は長さんにも幸せになってほしいけどね」

メイド長「でしたらもっと真面目にしてください。それだけで日々の私の精神的負担が軽減されます」

執事長「難しい任務だ。どうしよ?」

あ「いや、振られても困りますから」

執事長「それでも芸人か」

あ「万屋だってば!」



次へ 上へ 戻る