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父「メリークリスマス!」◆
232 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 18:12:22.97 ID:/cUHARLE0
男「(辞書・・・辞書はっと・・・)」
男「(・・・あった、これだ・・・)」

男「けほっ、ごほっ・・・うえ、随分埃被ってるなぁ」

男「(・・・サンタクロース・・・サンタクロース・・・探せばきっとあるはずだ)」
男「(調べた所でどうにかなるとは思えないが・・・どれどれ)」

男「(・・・・サン・・サンタ・・・・あれ、サンタ・・・ない・・・?)」
男「・・おかしいなぁ、まさか地方の都市伝説・・・ってわけじゃ」

男「クリスマスで調べよう・・・く、く・・・」

男「・・・あ、これはあったか」
男「・・・数暦以前にあったとされる宗教行事・・・あれ、これだけ・・?」
男「いや、まだある・・・別名、聖夜・・・」
男「・・・」

男「(うーん・・・謎だ・・・クリスマスかぁ・・)」


233 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 18:20:18.50 ID:/cUHARLE0
コンコン
母「男、男ー?」
男「ん・・なんだい母さん」
ガチャ

母「あら、調べ物?珍しいじゃない」
男「ちょっと気になることがあったから・・・」
母「ふぅん、そうなの」
男「・・・ああ、そうだ・・・母さんなら・・・」
母「?」
男「母さんはクリスマスについて知らない?」
母「え」
男「調べたんだけどはっきりしないんだ、父さんから聞いたりしてないかな」
母「・・・・」

母「そう・・・ね、クリスマス・・・」

母「・・・そろそろ父さんのお墓へいきましょう」
男「え?ああ、うん・・・そうだった、忘れてた」
母「それじゃあ早く支度しなさいね」
男「ああ」

バタン

男「・・・うーん、とにかく準備するか」


234 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 18:25:33.36 ID:/cUHARLE0
兄「・・・・ここが父さんの・・・」
母「・・・」
男「ああ、結局遺体が見つからなかったから・・・せめて墓石だけってことで」
兄「・・うーむ、何度か来た経験はあるんだが、すっかり忘れてしまった」
男「まだ子供だったんだ、仕方ないさ」
兄「確かにそうなんだけどな・・・」

兄「しかし、家族が眠る場所を忘れるっていうのは・・・な」
男「・・・・」
母「・・・・」
兄「・・・父さん、しばらく来れなくてごめんな・・・」
男「・・・」
幼女「お父さんってだあれ?」
母「・・・お父さんはね、幼女のパパなのよ」
幼女「ふぇー」
幼女「ムズカシクテ、ヨクワカラナイデス(パタパタ」

男「(・・・父さん)」
男「(父さんさぁ、知らないかな・・・クリスマスのこと)」
男「(俺さ、もう一度聞きたいんだけど・・・無理か)」

男「(父さんはもう居ないんだもんな)」


235 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 18:30:12.91 ID:/cUHARLE0
母「・・・それじゃあ戻りましょうか」
兄「うう・・・さぶーっ、早く家に戻ろう・・・外にいたら凍死してしまう」
幼女「幼女はげんきだよー」
幼女「メリーモ、ゲンキデスゥ(ペコ」
ざくざく・・・

男「(・・・父さんかぁ)」
男「(もう一度会いたいな、父さんに)」


ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪

ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪


236 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 18:42:00.40 ID:/cUHARLE0
兄「もぐもぐ・・・うーん、やっぱり母さんのプディングは美味しいなぁ」
母「フフッ、ありがとう」
幼女「おいしー!」

男「(・・・久々の、みんなで食べるプディング・・・)」
男「(やっぱり良いなぁ、家族って)」

兄「ほれほれ、お前も食べろ!」
男「ちょ、ちょっと兄貴やめてくれよ、こんなに食えないって」
兄「はっはっは!食わないと強くなれないぞ!」
母「フフ・・・変わらないわねぇ・・・」

幼女「もぐもぐ・・・ねー、父さんってだぁれ?どんな人?」
男「・・・」
母「あら、興味ある?」
兄「太ってて、大食いで・・・」
男「そりゃ兄貴だ」
兄「ほっとけ、似たんだよ」


237 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:03:44.39 ID:YH7r0IQhO
FAUCHON


239 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:14:28.95 ID:/cUHARLE0
母「そうねぇ・・・せっかくの命日だものね、幼女にも知ってもらおうかしら」
男「だねぇ、顔を合わせたことないとはいえ自分の父だしね」

母「・・・父さんはね、猟師さんだったのよ」
幼女「りょーし?」
母「そう、猟師・・・雪山を早足で駆けてね、動物を捕まえるお仕事」
幼女「やってみたーい!」
母「フフッ、さあできるかしら?」
男「幼女の元気があれば大丈夫かもな」
兄「一度ついていったことがあるけど、ありゃあ参るなー脚が」
男「兄貴はすぐへたり込んだもんね」
兄「バカ言うな、お前の方が先にリタイアしてただろう」
男「あ、あれ?そうだったっけ・・?」
兄「俺がお前よりもスタミナがないはずないだろう」
男「・・・そ、そうだなぁ・・・」

母「フフッ・・・」
母「・・・それでね、父さんはとってもお酒飲みでね・・・」
幼女「ふぅーん・・・」

幼女「お父さんの写真、見たいなぁ」
母「え?父さんの?」
男「あったっけ?」
兄「無いのか?」
母「う・・・うーん・・・探してみるわね」ガサガサ
男「・・・どこかにあったような・・・でもかなり昔のしか無いぞ、きっと」


240 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:19:33.18 ID:/cUHARLE0
ガサゴソ
母「うーん・・・無いわねぇ・・・」
兄「昔はよく写真撮ってたじゃないか?」
男「でもそれ、いつも父さんが撮ってたし」
兄「あ、そうか」
母「・・・うちには無いわねぇ・・・猟会の会員さんの家に行けばあるかもしれないけど・・」
幼女「むぅー」
母「ごめんねぇ、ちょっと見つからないの」
男「・・・うーん、たまには父さんの顔も見たいんだけどなぁ」
母「そうねぇ・・・」
男「父さんの写真なんて2、3年前から見てないよ、多分」
幼女「そんなぁー」
幼女「ゲンキダシテ、ヨウジョチャン」


241 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:27:51.28 ID:/cUHARLE0
男「ふー、腹いっぱいだぁ」
兄「あーもう食えねー」ボスッ

男「だから、ベッドに飛び込むなよ・・・壊れるからやめろって言ってるだろ」
兄「大丈夫だって、そう簡単に壊れるもんか」
男「いやー兄貴ならやりかねない」

兄「・・・いやーそれにしても食った食った」
男「兄貴は一人で半分くらい食ったな」
兄「そんなもんか?」
男「いや、もっと食べてるかもしれない」
兄「ははは、褒めるなよ」
男「別に褒めてないって」

兄「・・・うう、ちょっとトイレにいってくるわ」
男「ああ、行ってらっしゃい」
兄「おうよー」


242 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:33:40.04 ID:/cUHARLE0
男「・・・・ふぅ、俺も食べ過ぎたかな」

男「(・・・わー、今日も雪が降ってんなぁ)」

男「(・・・雪は暗い夜でも白い・・・やっぱり白いものって目立つんだな)」
男「(ってことはもしかして、雪の無い所だと暗いのかな?白いものが無いから・・・)」

男「(・・・そんなことないか)」
男「(雪の無い所には外灯があるって話だもんな、ここよりも断然明るいか・・・)」
男「(・・・・)」

ザク・・・ザク・・・

男「(・・・?)」

ザク・・・ザク・・・

男「(外から・・・足音?こんな雪が降ってるのに?)」

ザク・・・ザクッ

男「(・・・止まった?)」


??『・・・・・ケタケタ・・・』

男「!!!」


243 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:38:43.24 ID:/cUHARLE0
??『・・・・ケタケタ』
男「ど・・・・くろ・・・!」

男「(夢!?くっきりしすぎだ!違う、あれは本物・・・!)」
男「(窓から覗いて・・・俺を笑った・・・骸骨だ!)」

??『ケケケ・・・・』
サッ

男「! 逃げ・・・くそ、逃がすか!」
ガララッ

男「!足跡はある・・・あいつめ、窓から出てでも追いかけてやる・・・!」
男「きっと誰かの悪戯・・・や、そんなことはどうでもいい」

男「(あいつは一体何なんだ!?)」
タッタッタッタッタッ・・・


ガチャ
兄「よーっす、男・・・」
兄「・・・あれ?いない・・・?」


244 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:44:50.63 ID:YH7r0IQhO
紅茶を淹れる しばしまたれよ


245 :VIPがお送りします [] :2008/12/25(木) 19:46:06.41 ID:GKnVe7HsO
鬱展開にはならないよな…?


247 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:49:46.52 ID:YH7r0IQhO
どうだろう
ただ、クリスマスはめでたい


249 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 19:55:14.16 ID:YH7r0IQhO
今日はゆっくりやらせてもらうよ
完結しても1000まで(残れば)残すから大丈夫

茶って良いよね・・・こたつに入りながらだとなお良い

パソコンを母上に取られて書けないでござる


255 :VIPがお送りします [] :2008/12/25(木) 20:28:48.42 ID:Qyacoux7O
一時間前から読み始めてやっと追いついた。
何時くらいに書き終わる予定なんだろ?
ここまで読んでオチ読めなかったら最悪


256 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 20:35:56.77 ID:YH7r0IQhO
ノープロブレム
どんなにくそったれな結末になろうと、書き始めたものはちゃんと書き上げるよ

書き終わるのは今日か、遅くても明日だなぁ


261 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:04:03.91 ID:/cUHARLE0

??『ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪』
ザッザッザッザッザッザッザ・・・

男「!この口笛の音・・・!」
男「そうかお前か・・・お前が吹いていたのか!」

ザッザッザッザ・・・

男「(・・・・くそ、なんて早さだ・・・姿が雪で霞んで見えない!)」

ザッザッザッザッザ・・・


??『ハーッハハハー・・・メリー・・・クリスマース・・・』

男「(くっ・・・人気の無い雑木林の中に入ってきたか・・・足跡が見えなくってきた)」
男「(けど奴は・・・まるで俺を誘っているように、声を・・・)」

男「(うおっと、危ない!木にぶつかるところだった!)」

??『ハーッハッハッハー・・・』

男「・・・ッ」
男「待てこの・・・!」

男「ちくしょう、どこまででも追ってやるぞ・・・!」


262 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:09:17.74 ID:/cUHARLE0
ザッザッザッザ、
??『・・・!!』(カタタッ

男「(? 足音が止まった・・・!)」


??『・・・・ケタ・・・』

ザッザッザッザ・・・ザク

男「はぁっ・・・ふぅっ・・・崖、か・・・」
男「・・・・はぁ、は・・・やっと追いついたぞゴースト・・・」
??『・・・・ケタ』

男「(・・・なんだこいつ・・・赤い大きな服・・・赤い帽子・・・)」
男「(あれ?なんだっけこの姿・・・何かで見たり聞いたりしたような・・・)」

男「・・・とにかく、もう逃がさないぜ」
??『・・・ケタケタ』
男「ッ・・・笑うな」
??『・・・・・ケタケタケタ』
男「笑うなって言ってるだろ!」

??『・・・・』

??『・・・せっかクのクリスマス・・・笑っテ何が悪いンだ?』
男「!!」


263 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:15:20.02 ID:/cUHARLE0
男「お・・お前・・・しゃべ・・・」
??『・・・今日ハ吹雪か・・・ケタケタ』

ザクッ・・・ザクッ・・・

男「(! ち、近づいてくる・・・!)」
男「(ああ、やっぱり骸骨だ・・・赤い服、赤い帽子・・・その間に、間違いなくある・・骸骨だ!)」

??『ケタケタ・・・怯えるナよ・・・さァ、笑おう』
ザク・・・ザク・・・

男「く・・・来るな!何をするつもりだ!」
??『・・・?ケタケタ・・・追っテおきなガら近づくナといウのか?ケタケタタタ・・・』

男「くっ・・・う・・・うわあ・・・!」
ザッザッザッザ・・・

??『ケタケタケタ・・・・逃げないでおクれよ・・・』
??『・・・ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪』

??『ケタケタケタ・・・・』
ザク・・・ザク・・ザク・・・

男「(く・・・だめだ!追ってみたはいいもののやっぱり怖い・・・!)」

??『ジン、グル、ベル♪ジン、グル、ベル♪ケタケタ・・・』


265 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:21:21.23 ID:/cUHARLE0
男「・・・や、やめろ!」
??『・・・!(ピタ』

男「・・・これ以上近づけば・・・これでお前を砕いてやるぞ・・っ!」
??『ケタケタ・・・棍棒・・そんな物騒ナものを振り回スなよ・・』
男「黙れ!近づくな!」

??『・・・自分勝手な子供だナ・・・ケタケタ』

??『俺はサンタクロース・・・せっカくプレゼントをやったとイうのに・・・』
??『ケタケタ・・・そんなンじゃ、お前へあげたプレゼントも返してもラうしかないな・・・?』
男「・・・!?」

男「お前・・・もしかして・・・」
??『ケタケタ・・・そうダよ、サンタクロースだヨ・・・ケタケタ』

男「(う・・・・・)」
男「(嘘だ!?こんな・・・こんなおぞましい姿のをしたゴーストが・・・!)」

??『ケタケタ・・・ほラ、こっちへ来イ・・・お前の望むプレゼントを・・・』

男「く、来るなと言ってるだろ!近寄るな!俺は本当に殴るぞ!?」


267 :VIPがお送りします [] :2008/12/25(木) 21:27:44.62 ID:Qyacoux7O
一つ矛盾を発見したが、続きが読みたいので黙っておこう。


268 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:31:31.01 ID:/cUHARLE0
??『・・・・・ケタ』
??『・・・はァ・・・そウか・・』
男「はっ・・!はっ・・・!」

??『・・・はー・・・プレゼント・・受け取っテもらえナいのか・・』
男「お、お前のプレゼントなんてほしくない!こんなの、ただの呪いだ!」
??『・・・酷いナ・・ケタ』

??『悪イ子だ』
ゴゴゴゴ・・・ゴゴ・・ゴゴゴ

男「・・・?地鳴り・・・」
??『さア、悪い子供へノ最後のプレゼントだ』

??『パウダーシュガーとお前の詰メ合わせ・・・・ケタケタケタ』
男「・・・!!や、やばい・・・!」

ザッザッザッザッザッザッザ!

??『ハーハハハハハ・・・逃げテも無駄だ・・!雪の粉砂糖を好きナだけ頬張るとイい・・・雪崩の中で、好キなだケ!』
ゴゴゴゴゴゴ・・・ゴゴゴ・・!

男「雪崩・・・!?くっそおお・・・!」

ザッザッザッザッザッザッザッザッ!

??『ハーハハハハ・・・メリー・・・クリスマス!』


269 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:32:01.49 ID:/cUHARLE0
矛盾が気になって書けないでござる


271 :VIPがお送りします [] :2008/12/25(木) 21:35:05.88 ID:CshCLrlF0
きにしない・・・・きにする・・・・きにしない・・・きにする・・・きにしない・・・・きにす


272 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:40:40.39 ID:/cUHARLE0
あー
幼女が遠くに赤い影を見つけて「猟師さんかなぁ」
それでその後に会話で「りょーしさん?」って訊いたところか?
ミステイク


273 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:43:39.96 ID:/cUHARLE0

「おい、いたぞ!あそこだ!」
「・・・大丈夫だ、まだ息はあるぞ!」
「そうか!よし、早く彼を暖めるんだ!」
「やった・・・生きてた・・・早く運べ!運ベ!」


??『・・・・』
??『・・・ヒューヒューヒュー♪・・・ヒューヒューヒュー♪』


274 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:50:01.07 ID:/cUHARLE0
男「・・・・う・・・・」
兄「・・・気が付いたか?」
男「・・う・・・く・・痛っ・・」
兄「おいおいまだ起き上がるな、脚が折れてるんだからよ」
男「つつつ・・・何が・・・そうだ、雪山で・・・」

母「男っ!?男、大丈夫!?」
幼女「おにーちゃん!」
男「・・・・ここは・・・・?」

兄「昨夜、山で小さな雪崩が起きたんだ」
男「雪崩・・・?」
兄「家から結構離れてたんだがな・・・お前がその雪崩に巻き込まれて・・・少し下のところで見つかったんだ」
兄「もう少し発見が遅ければお前はカチコチに凍っていた所だったんだぞ?」
男「・・・雪崩・・・雪崩・・!」

母「ううっ・・・よかった・・・男にまで逝かれてしまったら私は・・・ううっ
・!」
男「(・・・)」

男「(・・・あの・・・骸骨だ)」
男「(あいつが雪崩を起こして、俺を・・・)」


275 :VIPがお送りします [] :2008/12/25(木) 21:53:03.50 ID:i1rJYQffO
はやく骸骨の詳細しりたい


276 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 21:56:42.51 ID:/cUHARLE0
男「あいたたた・・・・これじゃしばらくは仕事できないな・・・」
兄「仕事なんてしてる場合かよ、死ぬとこだったんだぞ」
男「つつ・・・ちくしょー・・・」

ガチャ
老人「おお、気付いたか?」
男「あ・・・お医者さん・・・こんにちは」
老人「ほっほ、挨拶する元気があるなら大丈夫だな」
男「ははは・・・」

男「・・・という事は、村か・・・みんなが運んでくれたんだな」
兄「ああ、父さんの二の舞にならないようにって、村人総出で探してたんだぞ」
男「そ、そうか・・・なんだか悪いな」
兄「父さんの命日の次の日に死ぬなんてシャレにならねえよ」
男「・・・そうだな」

母「でも・・・本当に、良かった・・・良かった・・・」
男「か、母さん泣くなよ」
母「だって・・・!」
男「心配かけてごめん、みんなごめん・・・」
母「うう・・・良かった・・・生きててよかった・・・!」

男「(・・・)」
男「(・・・骸骨の話・・・)」
男「(言うべきか・・・言わざるべきか・・・)」


277 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 22:01:00.43 ID:/cUHARLE0
老人「まぁ折れてるとはいえ、少し大きなヒビが入っただけだからな」
男「はぁ・・・そうなんですか」
老人「湿布を貼って、木を当てて固定しておこう・・・湿布は一週間分渡しておくぞ」
男「ありがとうございます」
老人「いやいや、軽症でなによりだ・・・次からは夜に出歩かないようにな」
男「はい、ありがとうございます」

男「・・・あ、先生」
老人「うん?何かな」
男「湿布、いいんですか?先生も使うんでしょう?」
老人「いや、それがな」

老人「昨日な、朝起きたら大量に届いてたんだ」
男「・・・・」
老人「誰かはしらんが、ありがたい事だ・・・はっはっは」
男「・・・・」


278 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 22:06:59.06 ID:/cUHARLE0
バタン
男「はっ・・・はぁ・・・!」

兄「こら男、どこへ行くんだ!」
男「兄貴・・・」
兄「脚を怪我したばかりだろう?まだ仕事は無理だ!」
男「兄貴・・・あの人形・・・フライパン・・・大きなぬいぐるみにトランプセット・・・」
兄「あ、ああ・・あの気味の悪いプレゼントか・・・」

男「先生の湿布・・・」
兄「・・・おい」
男「・・・いい加減兄貴も、何かに気付いてるだろ?」
兄「・・・・そんな馬鹿なことはあるはずない」
男「俺は」
兄「・・・」

男「・・・昨晩、また骸骨を見たんだ」
兄「骸骨・・・」
男「追いかけて、話もした」
兄「ゴ・・・ゴーストとか?おいおいマジかよ・・・」
男「・・・それで・・・俺は雪崩で・・・」
兄「おいおいやめてくれよ、ただでさえ寒いんだぞ・・・」
男「信じてくれよ」
兄「・・・」
男「本当に・・・サンタクロースが・・・」


279 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 22:13:07.20 ID:/cUHARLE0
兄「・・・サンタクロース・・・そんな・・・」
男「兄貴・・信じられないかもしれないが聞いてくれ」

男「あいつは・・・骸骨は、赤い服を着てたんだ」
男「赤い帽子と・・・口笛を吹いて・・・笑って・・・メリークリスマスって・・・」
兄「・・・」
男「窓にいたんだよ、俺はそれを追いかけて、追い詰めたんだ・・・」

男「そうしたら、今度は骸骨がこっちにきて・・・気味悪い笑い声をあげて近寄って・・・」

男「怖かった・・・近づくなって、そうしたら・・・奴は・・・」
兄「もういい」
男「また狂ったように笑って・・俺を・・・!」
兄「男」

男「・・・」
兄「わかった、わかったから」
男「・・・確かに・・・信じてもらえないかもしれないが俺は確かに・・・」
兄「お前は真面目で、素直だからな」
男「・・・」
兄「俺と違って、お前は嘘なんかついたことなかったからな」
男「・・・兄貴」
兄「信じないはずがないだろう?」
男「・・・」
兄「・・・うー寒い・・とにかく家に入ろう、寒い寒い・・・」


280 :◆1pwI6k86kA [] :2008/12/25(木) 22:18:10.39 ID:/cUHARLE0
兄「・・・・本当にそんなことがあったのか・・・」
男「うん」
兄「・・・骸骨のサンタか・・・俺らが想像してたサンタとは・・・随分違うよなぁ」
男「うん・・・」
兄「そうだったなぁ、そういやサンタは赤い服・・・だったなぁ」
男「俺も忘れかけてたけど、思い出したよ」
兄「白い袋は持ってたのか?」
男「・・・・・いや」
兄「・・・まぁ、自分から名乗ったんならサンタなんだろうな」
男「・・・ああ、多分・・・」

ガチャ
母「男・・・脚は大丈夫なの?」
男「母さん」
兄「激しく動かさなければ室内での生活に支障はないだろう」
母「・・・そう、よかった・・・」
男「・・・・」

兄「(・・・おい)」
男「(・・・ん?)」
兄「(母さんには言わないでいいのか?)」
男「(・・・母さん失神しちゃうよ)」
兄「(・・だなぁ)」



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