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農夫「ん・・・?来客とは珍しいな」◆
1 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/23(金) 00:25:32.50 ID:Eb+90x2g0
男「え・・・?え?」
農夫「(ザックザック」
男「え?ここはどこ・・・?」
農夫「(ザックザック」

男「あ、あのー・・・すいません、お伺いしても・・・?」
農夫「うむ、構わないが(ザックザック」

男「・・・ここは一体・・・どこなのです?」
農夫「(ザックザック)・・・見てわからないか」
男「わ、わかるわけないですよ・・・こんな、砂鉄でできた砂漠のような所なんて・・・」
農夫「・・・そうか(ザックザック」

男「うう・・・吹雪いてる・・・しかも冷たい砂鉄・・・視界も悪い・・・」
男「ここは一体どこなんだ?僕は何故ここに・・・」
農夫「(ザックザック)・・・」

男「(・・・この人はさっきから、砂漠を耕してばっかりだし・・・)」


6 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:32:19.76 ID:xRTyRe5v0
農夫「(ザックザック)」
男「・・・」
農夫「(ザックザック)・・・見てるだけか?」
男「へ?」
農夫「ほら、鍬だ」
男「え?は、はい・・・重っ・・!なんだこれ・・・」
農夫「そっちの一面を耕してくれるか?」
男「いや、あの・・・どうして僕が・・・嫌ですよ、農作なんて・・・」

農夫「俺の農地を踏み固めておいてそれはないだろう」
男「あ・・・」
農夫「しっかりと耕しておけ」
男「は、はい・・・・」

男「(何なんだこの人は・・・ていうか、この黒い土で何が育つんだよ・・・)」


8 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:35:25.80 ID:BshbqRrGO
……!!

この土は……


9 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:36:25.19 ID:xRTyRe5v0
男「うん・・・・っしょ!」ガツン!

男「・・・硬・・・ったぁ・・・」

農夫「はは、手が痺れるか」
男「鍬の衝撃がモロに伝わってきますよ・・・」
農夫「砂鉄の土だしな、仕方あるまい」
男「・・・」

男「・・・えいやっ!」ガツッ!
男「あー、だめだ!やっぱり痛い!」
農夫「軟弱な奴だな、ほら貸してみろ」
男「・・・軟弱ですみませんね」

農夫「・・・(ザックザック」
男「・・・おお〜・・・」
農夫「しかしお前、田畑を耕すこともできないのに今までどうやって生きてきたんだ?」
男「大きなお世話ですね・・・」


10 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/23(金) 00:37:19.67 ID:PZu7Gx6yO
黒土は養分たっぷりあるんじゃなかったっけか


11 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:38:33.11 ID:UUPqMdGRO
◆があるということは…!


砂糖ラーメン!


12 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:39:57.61 ID:xRTyRe5v0
男「・・・」

サラッ・・・

男「(やっぱり黒い・・・ジャリジャリしてるし・・・これって本当に砂鉄なのかな?)」

農夫「ここの土は病んでいてな」
男「!」
農夫「(ザックザック)・・・こうして耕していないと、すぐ固まってダメになってしまうんだ」
男「病んでいる・・・?」
農夫「ああ(ザックザック」

農夫「俺はここで、この土を耕し続けている」


13 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:40:20.94 ID:lBejtrqi0
蹉跌の土って、ほとんど地面は鉄なのか?
というか、これはあの人なの?wwww


14 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:41:32.63 ID:BshbqRrGO
やっぱりな……

これは


15 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:44:35.09 ID:mBdTN/j7O
まさかこいつは・・・


16 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:47:10.22 ID:OKqa1t+rO
農夫「・・・(ザックザック」

男「(見渡す限り黒い砂漠・・・)」
男「(・・・というか、黒い吹雪でそんなに遠くまでは見えない・・・)」
男「(・・・砂漠地方にこんな所あったっけ・・?いや、無いでしょ・・・)」

男「・・・」
男「僕は・・・どうしてここに・・・?」

男「僕は・・・ええと・・・ここに来る前は何をしていたんだっけ」

農夫「お前、自分が何故ここにいるのかもわからないのか?」
男「・・・はい、おはずかしながら」
農夫「ははは、記憶喪失みたいだな」
男「いや、そんなことはないですよ・・・ちゃんと自分の事もわかりますし」
農夫「はは、なら良かったな?」

農夫「しかしお前のような奴は珍しくない」
男「?」


17 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:49:06.82 ID:A9q4tD3WO
wktkwktk


18 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:49:36.76 ID:BshbqRrGO
この土地は

かせきかせきそうたんそ

が豊富なんじゃないか?


19 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:50:02.25 ID:aEObxk5MO
きになる


20 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 00:50:11.54 ID:zZ9DTRBP0
ええ土!


21 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/23(金) 00:50:22.85 ID:QcAf/2UvO


22 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:53:43.29 ID:OKqa1t+rO
農夫「・・・(ザックザック」

男「・・・あの」
農夫「ん?何だ、また手伝うか?(ザックザック」
男「いえ、手伝うのはもういいんですけど・・・」
農夫「はは、軟弱だな・・・若い内に苦労をしておかなかったからそんなに細身なんだよ(ザックザック」
男「だから大きなお世話ですって・・・あなただって細いじゃないですか」
農夫「オレには力はあるからな、見掛けだけさ」
男「・・・」

男「・・・あの、この土を耕していると・・・何か良い事があるんですか?」
農夫「・・・良い事?」

農夫「・・・・」

農夫「さあな」
男「さあなって・・・」
農夫「考えた事もなかったな、今までそんなことは」
男「・・・やる必要あるんですか?」
農夫「農作は生きる者のために必要だからするんだろう?違うか?」
男「・・・確かに農耕は大事だし・・・違わないですけど・・・」


23 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 00:59:15.35 ID:OKqa1t+rO
男「でも、こんな・・・文字通り不毛な土地じゃないですか」
農夫「・・・(ザックザック」

農夫「・・・不毛か、そうだな・・・確かに不毛だ」
男「耕したここに何の種を撒くつもりなんです?」
農夫「種・・・?」
男「?」
農夫「オレは種を撒かないが」
男「え、ちょっ・・・」

農夫「・・・(ザックザック」

農夫「・・・この土には新たな種など不要だ」
男「え?何故・・・」
農夫「土は常に肥え続け、その中で新たな芽が生まれるからだ」
男「芽が?野菜か何かですか?」
農夫「野菜か・・・はは、稲とでも言っておこうか」
男「(・・・わからないなぁ・・・)」


24 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:03:48.59 ID:OKqa1t+rO
農夫「・・・(ザックザック」

農夫「ああ、そうだ」
男「?」
農夫「お前の宗派はどこだ?参考までに聞いておきたいんだが」
男「宗派・・・ああ、空見宗ですけど・・・」

男「よくわかりましたね、僕が宗派を持ってるって」
農夫「なに、珍しい事ではないからな」
男「(僕が来た時には来客が珍しいとか言ってたのに・・・)」

農夫「・・・(ザックザック」
男「・・・」
農夫「・・・見てるだけでは暇だろう?」
男「いえ、だから手伝いはしませんって・・・」


25 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/23(金) 01:03:48.73 ID:DhcNQmNy0
過去の文明が土に還った鉄の土地?


26 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:08:34.17 ID:OKqa1t+rO
男「・・・麦藁帽子、深く被りすぎじゃないですか?」
農夫「ん?ああ、これか・・・これはいいんだ、これでいい」
男「それじゃ顔が見えないですよ」
農夫「砂鉄の吹雪が目に入るよりは幾らかマシさ」
男「・・・まぁそうですけど」

農夫「・・・(ザックザック)」

農夫「・・・ふう」
男「・・・耕し終わったんですか?」
農夫「ああ、ひとまずの所はな」
男「まだやるんですか・・・」
農夫「休んでなどいられないのさ」

農夫「・・・そうだ、おい、もうちょっと近くに寄れ」
男「?」
農夫「面白いものが見れるぞ」


27 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:13:10.23 ID:OKqa1t+rO
ポコッ

農夫「・・・」
男「・・・何か、土から出ましたね」
農夫「ああ、これが芽だ」
男「・・・タケノコ・・・に似てますね」
農夫「タケノコか、そうだな・・・確かにそう喩えるのも悪くはないな」

男「・・・これですか?面白いものって」
農夫「うん?そうだが」
男「・・・・かなり・・・微妙なんですけど・・・」
農夫「何だと・・・ううむ・・・」

農夫「オレはこの瞬間を楽しみに生きているんだけどな・・・」
男「・・・これ見て楽しめるんですか・・・」


28 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:18:38.49 ID:OKqa1t+rO
農夫「さて、ひとまずは作業中断・・・休憩だ」

男「・・・」
農夫「・・・」

男「あの・・・」
農夫「今度はなんだ?」
男「この近くに、休める小屋のようなものはありますか?」
農夫「小屋?」
男「はい、山小屋のような形でも全然良いんで・・・」
農夫「そんなものは無い」
男「ぇ?」

農夫「疲れたなら座って休めばいいだろう」
男「す・・・座れと言われても・・・こんな吹雪の中では休みようがないですよ」
農夫「体が少し冷えるだけだろう?大した事はない」
男「大した事ないって・・・」

男「(・・・本当だ・・・見回しても農家のひとつもない・・・)」


30 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:25:01.71 ID:OKqa1t+rO
男「どうしよう・・・うわー、せめてどう家に帰ればいいのかを・・・」
農夫「おい・・・オレはお前の保護者ではないぞ」
男「あ、いやそうなんですけど・・・」

農夫「帰る場所か・・・帰る場所・・・ふむ、深いな・・・」
男「?」
農夫「いや何でもない、こっちの話だ」

農夫「・・・どう帰ればいいかはオレに任せてくれ、人を案内することもオレの仕事の内だ」
男「本当ですか?ありがとうございます!すごく助かります!」
農夫「なに、気にするな・・・必然に当然の事をしているまでだ」

男「(変わった人だけど・・・悪い人ではなさそうだ)」


31 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:31:15.08 ID:OKqa1t+rO
農夫「さて、仕事再開といこうか・・・(ザックザック」

男「(・・・また耕し始めた・・・)」
男「(しかしよくあんなに硬い土を軽々掘り起こせられるよなぁ・・・)」

農夫「・・・(ザックザック」

農夫「・・・お前、結婚はしているのか?」
男「結婚ですか?いえ、そんな話は全く・・・疎遠と言いますかね」
農夫「力を付けてこなかったから、女に見向きもされなかったんだな、ははは」
男「笑わないでくださいよ、失礼な・・・」
農夫「いやいや、なら良かった」
男「何がですか、よくないですよ」


32 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 01:32:35.35 ID:jfttafJX0
ジェミニの人発見!
支援


33 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:38:15.12 ID:OKqa1t+rO
男「あなたは女性にもてたりはしないんですか?」
農夫「・・・(ザックザック」

農夫「・・・ん?オレがか?」
男「細身だけど力があるって、かなり良い事だと思うんですけど」
農夫「はは、おだてても何も変わらないさ」
男「あははは・・・お酒の一杯でも欲しかったんですけどねぇ」
農夫「酒?酒が好きなのか?」
男「ええ、そりゃ好きですよー・・・これだけは譲れませんねぇ」
農夫「・・・そうか」


34 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:39:31.98 ID:OKqa1t+rO
打ってて数回意識飛んだ
もうだめだ、眠い


35 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 01:40:51.54 ID:BshbqRrGO
そんなときは
砂糖を頬張ればきっと


36 :◆1pwI6k86kA [] :2009/01/23(金) 01:42:41.35 ID:OKqa1t+rO
紅茶の力もここまで…

朝まで保守る


37 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 01:43:29.02 ID:c3xWdzxz0
寝たいなら寝たいって言えよハッキリしねーな


38 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/23(金) 01:43:56.41 ID:nQLM086/0
パー速に避難所作ってから寝るんだ


41 :VIPがお送りします [] :2009/01/23(金) 03:02:10.47 ID:BshbqRrGO

――黒い砂鉄に見えたもの

    それは黒糖の硬度な結晶だった――



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