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新しくもないジャンル「ドラゴン」
138 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:43:18.81 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「デハちょっくら神泉苑での雨乞いの修法に備えて潜んで来マース」

人  間「おまえは龍神じゃなく炎を吐くドラゴンだろうが。水浴びしたいだけだろ」


139 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:46:04.32 ID:AJtLpwfN0


ドラゴン「ニホーンの家紋、シンポゥなウツクシサありマース。でもドラゴンを紋にするには向いてまセーン」

人  間「もし皇室がおまえを御紋にしたらむしろ引く」


140 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:50:27.79 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「サァ、久御山町を滅ぼし、巨椋池を復活させるのデース。主にワタシが泳ぐために!」

人  間「深泥池でジュンサイにでも絡まってろ」


141 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:54:25.95 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「エエうっとうシイ! まとわりつくなカラスども! キシャアアアアアアア!」   ゴオオオオオ

人  間「あーあー。ドラゴンにまとわりつく烏天狗どもがどんどん黒こげになって落ちていく」


142 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:56:56.19 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「タァ〜マヤアァ〜!」   ヴォブゥ!  ヴォオオォーン!

人  間「花火大会に乱入してなにをするかと思えば……なかなか面白い火の玉吐くじゃん」


143 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 17:58:07.78 ID:1bT7xHdRO
さっきから出てくる東京タワーはあの鬱ゲーが元ネタ?


144 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 17:59:37.60 ID:uvJbWNyk0
>>143
ゴジラじゃないのか?


145 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:01:51.50 ID:AJtLpwfN0
東京タワーを目指さない怪獣は怪獣じゃありません!


146 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 18:03:39.63 ID:1bT7xHdRO
なるほど


147 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:03:40.96 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ヨウコソ、ワタシの巣へ。コレクションを見ていきマスカ?」

人  間「京アニの屋上じゃなくせめて国立博物館に作ってよ……なんか浅いぞおまえ……」


148 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:04:17.18 ID:fWPMce3HO
おぉなんか始まっとる

ナレーションみたいなんも良かったがこちらもいい



皇室が竜の家紋つったら
ガフトノーシュだよね


149 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:06:01.19 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ワタシの竜牙兵を羨まズとも、ニンゲンも垢で戦士を創れるとイウではないカ」

人  間「竜牙兵と力太郎なら圧倒的に力太郎の方が強いかな……」


150 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:09:33.17 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ノオォー! 京都には長いモノが大過ぎデース! ウネウネウネウネうっとうシーイ!」

人  間「王朝時代の名残の龍神たちにいちいち過敏反応しなくてよろしい」


151 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:12:58.04 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「フフフフ。タッタ一人で身を起こし天下をとったのはアナタと未来のワタシだけデスよ」

人  間「はいそこの邪悪なドラゴン、豊国廟で太閤さんにろくでもない野望ぶっちゃけない」


152 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:16:37.80 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「絶望した! 時代祭にワタシの参加する余地がなくて絶望した!」

人  間「ドラゴンとして参加したかったのかバイトとして紛れ込みたかったのかどっちだ」


153 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:19:27.92 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ウーフフフフフ」   のっしのっし

人  間「山鉾に混じってなんかさりげなく祇園祭に参加してる怪獣がいる……」


154 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:21:15.20 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ダメデース。葵祭の齋王代をさらおうと思いマシタが、その価値のアル乙女ではアリマセーン」

人  間「けっこう王道的なことしようとしてたんだ……それと失礼なことさらっと言うな」


155 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:24:56.25 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「イングランドから持ってきた財宝を預ケテあるのはモチロン京都銀行デース」

人  間「ながーいお付き合いですねわかります」


156 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:28:25.37 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「アア。ワタシも新撰組の戦士たちと共に幕末の青春を駆ケ抜けてみたかったデース」

人  間「どっちかといえば新撰組に退治される側じゃないですかね、ドラゴンは」


157 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:32:33.46 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「金閣の頂上にそびえ立つホウオウがドラゴンに代わったとき、京の都は我がモノとナル」

人  間「え? 逆じゃなくて? 京都ってそんなお手軽に支配できたんだ?」


158 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:34:52.60 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「着物で料金割引……サスガ京都、風流デース」

人  間「うっわあ着物似合わねえなあ。っつうかどこで買ったのドラゴン用の着物なんて?」


162 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:38:06.93 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「高尾、伏見稲荷、御所、鞍馬、二条城。ワタシの巣に相応しい場所が多すぎて多すぎて」

人  間「天ヶ瀬ダムの底にでも潜んでろ」


163 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:41:52.28 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「今気付いた。正体が視認されなケレバ、ワタシもれっきとシタU・F・O」   もしゃもしゃ

人  間「京料理しか食べないんじゃ……あ! まさかそのさらってきた牛、丹波牛?」


164 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:45:14.49 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「惜シイ。卵を産めるニンゲンがいれバ、我が伴侶とシテ共に京の都を治めたものヲ」

人  間「そんな人間とおまえと同じドラゴンと、どっちが捜せば日本にいるものなんだろうね」


165 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:48:50.16 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ハーハッハッハー! ビアガーデンはこのドラゴンが乗っとったァー!」   ばさささささー

人  間「こらッ! いくら屋上だからって上空から高島屋に乗り込んでんじゃない!」


166 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:51:52.03 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ハーイ。ドラゴンの威厳をシッカリ写真に収めてクダサイねー」

人  間「霊山観音となれなれしく肩組むな! 罰当たるぞ怪獣!」


167 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:54:42.85 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「フォール(笑)。コレが空也滝! ワタシの体格からすればまるでヨダレデース」

人  間「おまえが涼むにはちっちゃいだろうねそれと滝にいるのは龍神とお不動様でドラゴンじゃない」


168 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 18:57:14.28 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ヤレヤレ。京都市街の交通渋滞は厄介ですネエ。ワタシは飛べるから関係ありマセンが」

人  間「バイク便のかわりにドラゴン便って思いついたけど、逆にでかすぎて無理だなあ」


169 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:00:28.15 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ウワーハハハ。泣ケ喚ケ。ワタシがさらったオマエの子はモウ我が牙にかかるがサダーメ」

人  間「聖護院大根をめぐって農協と追いかけっこするドラゴン……平和だなあ」


170 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:04:29.24 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「フフフフフ。よかったナ羅城門がすでになくて。あればワタシが巣食って通行人を食ってイタ」

人  間「老婆に鱗剥がれて売られなくてよかったねえ」


171 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:07:20.28 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「魔王尊サナートクマラ……ワタシのモウ一つの名……」

人  間「おまえは650万年前に金星から鞍馬神社に来たのか、キングギドラか」


172 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:10:23.18 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「オーウ……醍醐なるカナ……」   ぐびぐび

人  間「空飛んで上醍醐に登った奴がうまそうに霊水飲むんじゃねえよ。飲むからどいて」


173 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:13:23.92 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「京は桜! 桜は京! ウヲオオオオオオオオウ!」  ばっさばっさ

人  間「駄目だー! 上空から見たいのはわかるが、桜の上だけは飛んじゃいかーん!」 ずるずる


174 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:16:11.28 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「オオーット。京の都を脅かすモノが根城とスルのは大江山と決まっていまーしタネ」

人  間「飛んで移動するにしてもけっこう遠いよ? ほとんど日本海側だし」


175 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:19:39.80 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ナルホド……コノドラゴンサイズの鳥居……ココがワタシを祀った神社なのデスね」

人  間「平安神宮で祀ってんのは桓武天皇だよ」


176 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:21:10.41 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ゴオオオオオオオオオ!」

人  間「久御山ジャンクションで猛威をふるうドラゴンって絵になるけど迷惑だからやめて」


177 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:23:12.92 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「一度ぐらいはシダレ桜をシダレの中カラジックリと見上げてみたいものデスヨ」

人  間「図体に似合わないことを言う怪獣だなあ」


178 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 19:24:46.30 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「何とイウ事だ……京の都を支配するつもりがワタシの方がスデに支配されていたとハ」

人  間「らきすた見ながらニッセンの通販カタログめくって月桂冠の酒に酔うドラゴン……」



人  間「うん、まあそれもありっちゃありなんじゃないかな……」

ドラゴン「ソウデースネ。京都ならソレもまたアリかもしれマセーン」


179 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 19:27:35.30 ID:AJtLpwfN0
そろそろID:u/DxTDFR0の来る時分かね


180 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 19:29:42.87 ID:uvJbWNyk0
>>179
落ちてると思って忘れてないといいが


181 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 19:30:39.72 ID:AJtLpwfN0
まあ試験勉強に集中するに超したことはないよ


182 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 19:49:58.48 ID:AJtLpwfN0
一応九時ぐらいまでは様子を見ておくか


183 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 19:59:23.29 ID:u/DxTDFR0
落ちてなかったwwwwwwみんなありがと!!医療系専門学校の試験は地獄だぜ!!!

「キュイキュイ!!」ドラゴンが怒っている。まぁはっきり言って予想はできていた。
長時間ひとりで留守番をしなくてはいけないのだ。今までのドラゴンの行動から考えて我慢できる訳がない。
とりあえず今日のところは嘘をついてごまかそうと思っていたがどうやらドラゴンは学校がどういう所かある程度理解しているらしい。
すぐ帰ってくると言っても「キュイ!!」と鳴きながら俺の制服を噛んで離さない。意地でもついてくる気のようだ。
だがここは我慢をしてもらわなくてはならない。学校にドラゴンが来れば騒動にならない訳がない。
それにもし今回許してしまったら明日から毎日連れていかなければならない。ここは心を鬼にせねば!!!
「ドラゴン!!我がまま言うな!!これ以上わがままいうなら出て行ってもらうぞ!!」
「!!…(コクっ)」ドラゴンが制服を離す。どうやら納得してくれたようだ。心苦しいが仕方がない。
これもドラゴンのためなのだ。「今日は学校初日だし午前中で終わりだから。寄り道せず帰ってくる。我慢してくれよ。な。」
「キュイ…」ほんとにがっかりしている。「じゃあいってきます。」俺は後ろ髪をひかれまくりながら家を出た。


185 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:21:09.33 ID:u/DxTDFR0
俺は学校につくとまず校長室に行き挨拶をして、始業式が終わるまで応接室で待機することになった。
親父の仕事のせいで転校は何度も経験しているが慣れない。この緊張感は他では味わえない。自分という存在を受け入れてもらえるのか。
不安と期待。心臓の鼓動が自分でも分かる。それに今回は日本だ。俺には帰国子女という要りもしない称号が与えられる。
それに俺の容姿はどう見ても純粋な日本人には見えない。理由は簡単。俺はハーフだから。日本人とおそらく白色人種のハーフだ俺は。
なぜしっかりどこの国とのハーフか分からないのかも簡単な理由。母は俺が幼い時に死んだ。うっすらと記憶にある母はブロンドの髪で暖かい笑顔を俺に向けている。
親父に何度か聞いてはみたもののいつもはぐらかされた。何度も聞いている内に幼いながらもこれはあまり聞いてはいけないことだと理解した。だから俺は自分がどこで生まれたのかも知らない。
すこし茶色ががった髪。青い瞳。少し高い鼻。どうみても日本人には見えない。それに俺にはひとつコンプレックスがあった。
それは耳が人より長いのだ。尋常じゃない位というわけではないが明らかに大きい。それに先がすこし尖っているのだ。なので俺は髪を伸ばしどうにか耳を隠しているが油断するとすぐはみ出てきてしまう。
いろんな思いが胸にうずまきながらも少しずつ時間は過ぎていく。


186 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:26:16.47 ID:uvJbWNyk0
>>185
なん・・だと・・・・


187 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 20:28:32.07 ID:jYSNvhhuO
見田竜介ですねわかります

>>164
(´・д・`)っ「新ジャンル産卵処女」


188 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:31:13.58 ID:AJtLpwfN0
>>185
なん……だと……
>>187
フフフフフ……


189 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 20:31:28.41 ID:LNVpbDrK0
ドラッグオンドラグーンのアンヘル様みたいなのを期待して入ってきたので保守


190 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 20:32:43.53 ID:65U4NC6x0
エルf…いや何でもない


192 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:38:53.65 ID:u/DxTDFR0
「おーい。転校生。入るぞ〜。」若い男の声がドアの外から聞こえる。ガラッという音とともに声の主が姿を現した。
「おぉ!!マジでハーフだ!!へぇ〜…。おれがお前の担任だ。よろしく。というか日本語わかるか??」パッと見高校教師には見えない男はそういった。
こんな人が先生か。目の前の男は顔は整っているが、髪はボサボサ。ネクタイもユルユル。足はスリッパを履いている。教師という言葉の対極にありそうな人だ。
しかし人を外見で判断してはならない。「日本語大丈夫ですよ。こちらこそよろしくお願いします。」生徒して失礼の無い様礼儀正しく対応する。
「…お前今こんな奴が学校の先生かよ!?って思っただろ?」「へ??」ズバリ言い当てられて間抜けな声が出てしまった。「い、いや…そんなことは」取り繕おうとしたが無駄だった。
声が明らかに動揺している。「正直に言え。」先生がこちらを見ながら言ってくる。「はい。すいません…。こんな小汚い輩が教師のなのかとつい思ってしまいました。」なので包み隠さず本音を言った。
「お前なぁ!!もう少しオブラートに包んだ物の言い方はできねぇのかよ!!正直にいいすぎだろ!!」「あなたが正直に言えって言ったじゃないですか!!」
教室に行く前から早速ひと騒動。騒がしい学校みたいで少し…いやかなり安心した。先生なりに俺の緊張をほぐそうとしてくれたのかもしれない。
「この糞がきが!!おら!!早く教室いくぞ!!」…どうやら考えすぎのようだ。この人は見た目どおりの人間だ。


193 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:39:27.56 ID:uvJbWNyk0
>>190
俺はむしろどrゴフッ!
だ、誰だお前うわぁやめろぉおおおおおお!!


194 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 20:42:11.48 ID:7IqD4+ji0
擬人化したら意味無いだろ


195 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 21:01:38.39 ID:u/DxTDFR0
教室の前に着く。教室のプレートには「普通科 2年B組」という文字。教室はとてもざわついている。どうやらこのクラスに転校生が来ることは周知の事実のようだ。
俺の緊張が最高潮に達する。「緊張してんじゃねぇよ。転校生。」「しない訳ないでしょう。転校生なんだから。」「入るぞ。覚悟できてるか?」「望むところです。」
ガラガラっ!!勢いよくドアが開けられる。教室のざわつきがにわかに静かになるがおれの姿をみると生徒はまたざわつき始めた。「おいっ!!静かにしろ!!」
先生が注意してもどうやら無駄のようだ。ざわつきが収まる気配は一向に無い。「まぁもう皆知っていると思うが転校生だ。転校生。自己紹介しろ。」なんとも投げやりな感じで俺の自己紹介になる。
「今日からこのクラスに入る男です。日本には昔少し住んでいましたがここに来る前は親の手伝いで色んな国に住んでいました。」今までの転校の経験から俺は可も無く不可も無い挨拶をしていく。
変に目立とうしてはいけない。「まだこの学校の勝手がわからないのでよかったら教えてください。」目立とうしても目をつけられるだけだ。最初の挨拶はこのくらいでちょうどいいのだ。
だが俺の計算はある一人の男によって脆くも崩れ去る。「しつもーん!!男くんには彼女とかいるんですか〜!!」なっ…!!質問タイムがあるかもと予想はしていたがいきなりそんなハイレベルな質問だと!?
「えっ…えと…」一度崩れた計算はもう組みなおすことはできない。俺は答えることができず黙ってしまった。
そこからはもう地獄だった。騒ぎ出した生徒たちは次々に質問を始め生徒の暴走を止める役割の先生まで一緒になって質問し始める始末。結局1時限全て俺への質問タイムで終わってしまったのだった。


198 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 21:22:35.25 ID:u/DxTDFR0
疲れた…。60分間ハイテンションの高校生達に質問攻めにされたのだ。その疲れたるや尋常なものではない。それは休み時間になっても終わることはなかった。教室の外にもたくさんの人が集まってきている。
日本では転校生というものがそんなに珍しいのか?それとも俺がハーフだからだろうか?いつまでたっても質問は尽きない。少々うんざりしていた時「いや〜!!転校生くん!!大変そうだな!!」
俺の計算を崩した張本人が話しかけてきた。やけにハイテンションな野郎だ。「誰のせいだと思ってんだよ!?誰の!?」少し声が大きくなってしまった。しまったと思ったがなんら気にすること無くそいつは話を続けた。
「俺のせいか?それならすまん事をしたな。まぁこれも何かの縁だ!俺のことは遠慮なく友と呼んでくれ!男よ!「誰が友だ!?それにいきなり呼び捨てかよ!?」全くなんて奴なんだ?礼儀知らずにもほどがある。
だが気がつけば俺はこのクラスに溶け込めていた。おれとこいつのやりあいを見て皆笑っている。どうやら大丈夫みたいだ。俺はこのクラスにしっかり順応できた。もしかしたら…こう思いたくないがこいつのおかげなのかもしれない。



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