■戻る■ 下へ
堕悪魔「追放されてしまいました」 其の3
1 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 20:25:32.05 ID:Cv3ANgQ0
元スレ
堕悪魔「追放されてしまいました」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1219493601/

堕悪魔「追放されてしまいました」 其の2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1219752677/


2 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:04:38.14 ID:Cv3ANgQ0
お待たせしました。少しだけ投下します。


3 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:07:40.06 ID:Cv3ANgQ0
ー放課後 1−Cー


男「さて。友から聞いた話によると、ここが堕天使のいる教室らしい。」

堕悪魔「堕天使さんは一年生なんですね。」

男「うん。それに陸上部らしい。周りから期待されてるってよ。」

堕悪魔「わぁ、凄いです!」

男「早速呼ぼうか。部活に行っちゃっていないなんて事は・・・あ、よかった。まだいたよ。」

堕悪魔「他に人もいないみたいですし、直接呼んじゃいましょう。」

男「そうだね。」


ガラガラガラ・・・


男「おぉい、堕天使?」

堕天使「!?」

男「よかった、無事で何よりだ。どうしたんだ、暗い顔して。堕天使らしくないな。」

堕天使「あの・・・こんにちは。」ぺこ

男「?」

堕悪魔「?」

堕天使「えっと、私に何かご用でしょうか?」

男「おいおい、まるで赤の他人と話すような感じだな。」

堕天使「・・・どこかでお会いしましたか?」

男「・・・は?」

堕悪魔「・・・え?」


4 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:09:06.31 ID:Cv3ANgQ0
堕天使「そちらの方は知ってます。堕悪魔先輩ですよね?」

堕悪魔「は、はい。そうです、けど・・・。」

堕天使「あなたの話はよく耳にします。噂に違わない、いえ、噂以上にお綺麗ですね。」

堕悪魔「あ、ありがとうございます。」

堕天使「それで、私に何か。この後すぐに部活に行きますので手短にお願いします。」

男「な、なぁ堕天使。本当にらしくないぞ?いつも『私』じゃなくて『自分』って呼んでるじゃないか。言葉遣いもやけに丁寧だし。」

堕天使「それは、年上や初対面の方に敬語を使うのは当然です。常識ですよ。」

男「なっ!?」

堕天使「・・・?私、何かおかしな事言いましたか?それより、なぜ私が自分自身をそう呼ぶ事を知っているのですか?」

男「・・・なぁ、堕天使。俺が誰だかわかるか?」

堕天使「・・・いえ、知りません。」

男「!?」

堕悪魔「!?」

堕天使「お二方とは、こうやってお会いするのも、お話しするのも初めてですよ?」

男「本当に、本当にわからないのか?」

堕天使「わからないですよ。」きっ・・・

男「うっ・・・。」

男(堕天使って、そんな眼が出来るのか。何でこんなに敵意丸出しなんだ?堕天使のこんな眼、初めて見る。)


5 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:16:43.88 ID:Cv3ANgQ0
男「俺だよ。男だよ。ここに来る前にみんなで一緒に暮らしてただろ?それで堕天使の自身の呼び方も知ってたりするんだけど。」

堕天使「男先輩、ですか。あなたは何を言ってるんですか?私は両親と三人暮らしですよ?」

男「初めて会った時だって、俺が働いている店で堕天使が食い逃げしてた時じゃないか!」

堕天使「はぁ!?ちょっと、いきなり何を言ってるんですか!勝手に私を犯罪者にしないで下さい!」

男「わ、悪かった。変な事言ったのは謝る!でも以前から俺たちは面識はあるんだよ!」

堕天使「だから、知らないですってば!」

男「・・・っ。」

堕天使「・・・すいません、怒鳴ったりして。さっきからちょっと気が立っていまして。・・・私、もう行きますので。失礼します!」たったった・・・

男「あっ!待ってくれ!堕天使!」


がしっ!


堕天使「痛っ!放してください!」

男「もう少しだけ!もう少しだけ、話を・・・!」

堕天使「・・・?」

男「堕天使?」

堕天使「え?何、これ?」

男「おい、堕天使。どうした?」

堕天使(頭の中、え?流れてくる?違う、思い出してるの?これ、私の、記憶?)ぐらり・・・


6 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:18:21.70 ID:Cv3ANgQ0
(男『とりあえずお前がバカなのは分かった』)

(堕天使『バ、バカじゃないっスよ!』)

(男『【悪しき】←コレなんて読む?』)

(堕天使『わる・・・しきっスか?』)

(男『・・・』)

(堕天使「あ、あくしきっス!』)

(男「はぁ・・・』)


堕天使(あれ?え?男先輩と、私?)


(男『堕天使』)

(堕天使『うわぁ!?びっくりした!』)

(男『どうしたんだ?ぼーっとして』)

(堕天使『え〜っと、ちょっと考え事を・・・それより///』)

(男『ん?』)

(堕天使『顔、近いッス/////』ドキドキ)

(男『え?あ///ごめん///』)

(堕天使『いえ。気にしてないッスよ・・・大丈夫ッス////』)

(男『そ、そうか・・・と、とりあえず飼い主の家に行ってみようか。この紙に書いてある住所がそうらしいから』)

(堕天使『は、はい!行きましょう!』)


堕天使(あ、これ、子犬の時の・・・。あれ?私、子犬なんて、飼った事ない。あれ?)




(???『使えないな。お前なんか、もういらない』)




7 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:21:34.51 ID:Cv3ANgQ0
堕天使「・・・!?」ぞくっ!

男「堕天使、大丈夫か?顔色悪いけど、具合でも悪いのか?」

堕天使「!?!?!?きゃあ!!!!!!」


ばしんっ!


男「おっと!」

堕天使「はぁ・・・はぁ・・・。」

男「大丈夫か?保健室いくか?」

堕天使「え?・・・あ、あ、大丈夫です。なんとも、ありません。すいません、叩いてしまって。」

男「いや、いいよ。こっちこそ乱暴にしちゃってごめんね。」

堕天使「いえ・・・それではこれで。」

男「待って!」

堕天使「しつこいです。もう良いでしょう?何故そんなに必死になるんですか?」

男「これで最後。最後だから。」

堕天使「・・・何でしょう?」

男「確認するけど、俺たちと会ったのはこれが初めてなんだな?」

堕天使「そうですが?」

男(一か八か。)

男「じゃあ、俺と堕天使が・・・あの時した事を憶えてないのか?」

堕天使「した事?私と男先輩が何をしたんですか?」

男「それは、その・・・耳借りるぞ。」

堕天使「?」

男「俺と堕天使は・・・一夜を共にしたじゃないか。」ヒソヒソ

堕天使「なっ!?///」カアァァァァァァ・・・

男「・・・。」

堕天使「・・・。」


8 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:23:14.22 ID:Cv3ANgQ0
男「お、思い出したか?」


ばっしーん!!!


男「がっ・・・!っいて〜・・・。」

堕天使「最っ低っ・・・。」


たったったった・・・


堕悪魔「ああ、堕天使さん!?」

男「くおぉ、効いたっ・・・。」

堕悪魔「大丈夫ですか!?あ、口から血が・・・。」

男「やっぱり、ダメだったか。」

男「・・・言うんじゃなかった。馬鹿だな、やっちまった。」


9 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 23:24:13.28 ID:Cv3ANgQ0
今日はここまでです。いつも投下が遅くて申し訳ありません。それでは失礼します。


18 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 04:59:06.42 ID:Jahi83M0
ー翌日 2−Aー


男「・・・。」

堕悪魔「・・・。」

友「・・・。」

堕悪魔「あ、あの〜。」

男「何?」

堕悪魔「その、昨日堕天使さんに叩かれたほっぺたは・・・大丈夫、ですか。」

男「ん?うん、大丈夫だよ。」

堕悪魔「そうですか・・・。」

男「うん。」

堕悪魔「・・・。」

男「・・・。」

友「ねぇ、堕悪魔ちゃん。」

堕悪魔「はい、何ですか?」

友「男の奴、さっきからどうしたの?難しい顔しちゃってさ。」

堕悪魔「えっと、ちょっと色々ありまして・・・」

友「堕天使ちゃん絡みで?」

堕悪魔「そう、なんですよ・・・。」

友「男と堕天使ちゃんがね〜。一体何があったのさ。」

堕悪魔「その・・・あんまり詳しくは・・・。」チラ

男「・・・別に、言っても良いよ。」

堕悪魔「あ・・・わかりました。」

友「・・・。」


19 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 05:01:23.94 ID:Jahi83M0
堕悪魔は、昨日の堕天使のいる教室での出来事を説明した。


堕悪魔「その後、私と男さんは帰宅したのですが、校門を出る時も男さんはずっと下を向いていて、一言も喋りませんでした。」

堕悪魔「今も昨日ほど落ち込んでるようではありませんけど、朝からずっと何かを考え込んでいるようで・・・。」

友「ふむ。なるほど。現状はわかったよ。」

男「・・・。」

友「さて、お二人さんに色々質問がある。」

男「何だ?」

堕悪魔「何でしょうか?」

友「まぁあれだ。俺はあまり頭が良くないので変な形で質問してしまうかもしれないが、そこは大目に見てくれよ。」

友「まず、お二人さんと堕天使ちゃんの関係は?」

男「・・・それは。」

男『堕悪魔、これは他人に言っていいものかな?』ヒソヒソ

堕悪魔『友さんにだけという条件付きならば、別に構わないと思いますよ?』ヒソヒソ

男『・・・う〜ん。物は試しだ。友相手に試してみよう。』

友「言えないような事なのか?」

男「いや、そう言う訳じゃないよ。」

友「それじゃあ・・・。」

男「・・・なら、俺たちがこれから言う事を信じてくれるか?」

友「・・・まずは話を聞こうか。」

男「わかった・・・実は俺たち、別の世界から来たかもしれないんだ。」

友「・・・は?」

男「その世界で俺は堕悪魔と堕天使、そしてもう二人と共に暮らしている。」

友「な、なんだって?」

男「どんな関係かと言われたら、家族って言うのが一番しっくり来るのかな。」

友「・・・な、なるほど?じゃあ男は堕天使ちゃんとこれからどうしたいの?」


20 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 05:09:38.68 ID:Jahi83M0
男「堕天使とだけではないけど、みんなと合流して元の世界に帰ろうと思ってる。」

堕悪魔「まだこの世界が別世界だと決まったわけではありません。同じ世界の中で隔離された空間に私達が押し込められているのかもしれません。ですが、確実に言えるのはここは私達が元いた場所ではないのです。」

男「俺たちも今はまだ状況を整理しきれてないけど、とりあえず目標の一つとしてみんなと合流する事から始めようと思って・・・。」

堕悪魔「男さんが堕天使さんを見つけたと言っていたので、私達二人で会いに行ったのですが・・・。」

友「追い返されたと。」

堕悪魔「はい・・・。」

男「堕天使に会った瞬間から、ちょっとした違和感はあったんだ。そして話してみて、一つわかった。」

男「堕天使は、俺たちの事を憶えていない。」

友「・・・。」

男「まだ別の違和感はあったけど、少なくともここに飛ばされる以前の記憶はない。」

堕悪魔「それか、記憶を封じられてるか。」

男「封じられてる?」

堕悪魔「はい。たぶんですけど。ほんのわずかな時間ですが、堕天使さんの男さんを見る目が変わった瞬間がありました。その時に堕天使さんの記憶が戻っているかもしれません。」

男「そうだったのか。気付かなかったな。」

堕悪魔「男さんの言っていた別の違和感とはそれの事じゃないでしょうか。」

男「そうかもしれない。と言う事は記憶を取り戻す方法があるのかもしれないな。」

堕悪魔「そうですね・・・。」

友「・・・むぅ。じゃあみんなが揃ったら、帰っちゃうのか。」

男「ああ、元いた場所に帰りたい。みんなが揃うだけじゃなくて、帰る方法も探さなければならないけどな。」

友「そうか・・・。お前とお別れになるのか。」

男「他に何かあるか?」

友「いや、もう聞かない。」

男「・・・ああ、そうだよな。こんな非常識な話、普通は信じられないよな。」

友「いいや、俺は信じる。」

男「え?」


21 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 05:13:31.51 ID:Jahi83M0
友「俺が聞かないって言ったのは、あんまり話をすると、俺の足りない頭がパンクしそうになっちゃうからだ。」

友「それに、男が頬にでっかいもみじ作って、そのもみじを貼り付けた張本人のために真剣に考えて、朝からずっと悩んでいる姿を見れば、信じざるを得ないよ。それに男の人柄もよく知ってるし。」

友「自分の友達と別れるために手を貸すのは複雑な気持ちになるけど、困ってる友達に手を差し伸べないわけにはいかないからな。」

男「友、それって・・・。」

友「俺で良ければ、力になる。」

友「迷惑かい?」

男「そんな事はない。・・・いいのか?」

友「俺は別に構わないよ。俺の方こそ今まで男に迷惑ばかりかけてきたからな。これはそのお詫びだと思ってくれ。」

男「・・・ありがとう。」

友「知りたい事があったらその時その時で聞いてくよ。」

友「まぁ正直半信半疑だけどな。」

男「うぉい!?信じてくれるんじゃなかったのかよ!」

友「半分は信じてるよ。」

男「・・・まぁいいや。手伝ってくれるのはありがたいよ。よろしくな。」

友「おう、女生徒の情報収集なら俺の得意分野だからな!それだけなら頼りにしてくれてもいいぜ!」

男「変なところで脳の容量使いまくってるから肝心なところは悪いんだな。」

友「あ〜!お前には言われたくないね!お前だって成績は俺とどっこいどっこいのクセに!」

男(俺ってこの世界だとどんな立場なんだろう。本気で気になってきた。)


22 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 05:15:05.33 ID:Jahi83M0
男「そういえば堕悪魔、堕天使の記憶が戻った瞬間に何か特別な事があったりしなかったか?もしかしたらそれが元に戻すヒントになるかもしれない。」

堕悪魔「・・・・・・た。」

男「うん?よく聞こえなかった。」

堕悪魔「・・・すいません。わかりませんでした。」

男「そっか・・・。しかたないね。とりあえず友から今の堕天使の事を聞こうか。」

堕悪魔「はい・・・。」

堕悪魔(特別な事は何もなかったですよ。ただ男さんが堕天使さんの手を握っただけでしたから。)

堕悪魔(その時だけ、堕天使さんが元に戻っているようでしたよ。)

堕悪魔(何かが、起こりそうだな。また、嫉妬しちゃうのかな。今もしてるしな。王子様とお姫様の物語りみたいとか思ったりして。だけどお姫様は私じゃなくて・・・)

友「ねぇ堕悪魔ちゃん。」

堕悪魔「わぁっ!は、はい何でしょうか!?」

友「そんなに驚かなくても・・・。その腕時計可愛いね。ドコで買ったの?」

堕悪魔「これですか?これは」




堕悪魔「デートの時に、男さんから貰った物なんです。」


23 名前: ◆a1qZ/db3FM [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 05:19:21.30 ID:Jahi83M0
今回はここまでです。
もう色々本当にごめんなさい。遅れてごめんなさい。gdgdでごめんなさい。
それではまた。



次へ 戻る 上へ