■戻る■ 下へ
悪魔「魔王さま! とうとうお目覚めになられたのですね!」
86 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 05:19:15.01 ID:JKvSaMmh0
――――鍛冶の街
魔物「と、そんなこんなで到着しました」

魔王「当然だが、鍛冶屋だらけだな」

魔物「ここはドワーフの街の鍛冶とは次元が違いますよ、なんていったって、ここには神がいますから」

魔王「……神?」

魔物「ええ、鍛冶の神です、とは言ってもまず会える事はないですけどね……
    さて、とりあえずは宿を取って、剣を直してもらえる鍛冶屋を探しますか」

魔王「おう!」


88 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 05:30:19.87 ID:JKvSaMmh0
――――鍛冶屋「鉄の心臓」
主人「無理だなこりゃ」

魔王「…………」

魔物「…………えっと、どういう事ですか?」

主人「こいつぁ、金属っていうより魔法の塊だ、たしかにベースは金属だが、魔法が幾重にも重なってやがる」

魔王「直してもらおうと思ったら?」

主人「こいつを作った奴に持っていくしかないんじゃねぇのか?」


――――宿屋「鉄の溜まり場」
魔物「魔王様、この剣、誰に作ってもらったか覚えてません?」

魔王「もちろん覚えてない!」

魔物「…………勇者と戦おうと思ったら、あの剣でないと厳しいですよね」

魔王「ああ……勇者と戦う気は毛頭ないが、あの剣は干し肉とか切り分けるのにかなり便利だったんだよな……」

魔物「とりあえず、明日また考えますか」



89 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 05:41:20.90 ID:JKvSaMmh0
――――酒場「鉄と溶ける日」
魔物「と、いうわけで情報収集のために酒場に来ました」

魔王「やっぱり情報を手に入れるための王道といえば酒場だよな」

魔物「と、いうわけで私はちょっとヤボ用があるので魔王様はここで情報を集めててください
    そう、用事があるのです、決して逃げるわけではありませんよ?」

魔王「へ? って早!」

魔王「…………嫌な予感がする」

蛇女「へぇ、どんな?」

魔王「何故か頭に鈍痛が走る予感がする」

蛇女「あら、よくわかってるじゃない
    ……あれほど剣は大事にしろっつったでしょうがこの糞ガキがぁああああ!」


90 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 05:47:40.18 ID:JKvSaMmh0
――――病院「火の咆哮」
魔王「うう……頭いたい……ハンマー怖い……」

魔物「魔王様、神様と知り合いだったんですね」

魔王「怖い……蛇怖い……」

魔物「神様、頭を血だらけかつ、全身火傷した魔王様を担ぎながら笑ってましたよ”勇者に殺されたと思ってたよ”って、嬉しそうに」

魔王「ふいご怖い……鉄怖い……」

魔物「後、神様に山で取ったかけらと折れた剣渡したら、もっと強くして直してくれるって言ってましたよ!」

魔王「火怖い……水怖い……交互につけないで……」


93 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:03:09.23 ID:JKvSaMmh0
魔王「……何故だろう、ここ一週間の記憶がないんだ」

魔物「魔王様、ここ一週間怖いとしか言ってませんでしたからね」

蛇女「二人ともー、元気ー?」

魔王「ヒィ!?」

魔物「あ、おかげさまで元気です、宿も取り計らってもらって本当に助かりました」

蛇女「それは良かった、これ、直しといたよ
    糞ガキ、さっさと受け取りな」

魔王「ヒィィィ!」

魔物「あの……魔王様記憶なくしてるんですよ、良かったら昔のこと教えてくれませんか?」

蛇女「…………こいつ、記憶なくしてるのかい? てっきり勇者を殺すために剣を直しに来たんだと思ったんだけど……」

魔物「やっぱり、魔王様って勇者を憎んでたんですか?」

蛇女「んー……昔は憎んではなかったよ? むしろ仲は良かったんじゃないのかねぇ」


95 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:12:11.76 ID:JKvSaMmh0
魔王「さぁ出発しよう、やれ出発しよう、とっとと出発しよう」

魔物「んー……できれば蛇女様にもっとお話しを聞きたかったんだけど、あれ以来会えなかったしなぁ……」

魔王「ダメだ! あいつは恐怖だ! 魔人だ! 全ての悪だ!」

魔物「……仕方がないですね、次の街へ行きますか」


――――馬車
魔王「ふぅ……さようなら鍛冶の街、そしてもう二度と来るか鍛冶の街」

魔物「どれだけ蛇女さんが嫌いなんですか、結構いい人だったじゃないですか」

魔王「お前はあいつの怖さを知らないからそんな事が言えるんだ
    よし、あいつの部分だけだが少し記憶を思い出したから教えてやろう……
    あいつの恐ろしさを……な」


96 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:13:55.15 ID:vePZUg7dO
勇なまスレじゃねえのかよ


97 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:14:58.48 ID:LLRw5zeMO
蛇女で神っていうとブレス3思い出すな


99 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:25:54.56 ID:JKvSaMmh0
――――魔王様の回想
魔王「鍛冶の神! 鍛冶の神はいるか!」

蛇女「鍛冶の神にいったい何用でしょうか?」

魔王「ええい! お前のように胸に無駄な脂肪を蓄えている奴に用はない! 俺は剣を作ってもらいに来たのだ!」

蛇女「剣ならいますぐやるよ、ただし鞘はお前の口だ」


――――魔王様の回想2
魔王「勇者よりも強い剣を手に入れたく、高名なあなた様にご協力願えないかと参りました」

蛇女「剣を作ろうにも、材料が足りん、取ってきたら作ってやってもいいぞ」

魔王「その材料とはどこで手に入るのですか?」

蛇女「なんでも強い魔力を持つものの体内には魔力の結晶ができるらしい
    それが欲しいのだが……お前、魔力強そうだなぁ」

――――回想3
魔王「ヒィィィ! ヒィィ!!」

蛇女「ははは、そんなに怯えるな、ただ作った剣を渡しに来ただけだ」

魔王「もう裂傷はイヤァアァアアア!!」

蛇女「おっと、手が滑った」

魔王「ギャァアアアアア」


100 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:30:22.27 ID:JKvSaMmh0
魔王「その後も剣がほころびたりするたびに”愛が足りねぇんだよぉ!”とハンマーで頭を叩かれていた……」

魔物「……なんというかよく生きてましたね」

魔王「ああ……できれば思い出したくなかったよ……
    もう奴のせいで俺の心と肉体はボロボロだ……」

魔物「それはちょうど良かったですね」

魔王「へ?」

魔物「次の街は温泉の街です」


104 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:43:20.15 ID:JKvSaMmh0
――――温泉の街
魔王「…………どこもかしこも湯気だらけだな」

魔物「はい、温泉の街ですから、……素晴らしい街です」

魔王「…………宿は!」

魔物「蛇女様に感謝です……取り計らってくれました」

魔王「あの蛇女が……悪い予感しかしないな」


――――宿屋「針のむしろ」
魔王「俺は野宿する」

魔物「どうしたんですか? 魔王様」

魔王「俺は店名で全てを悟ってしまったんだ!」

魔物「きっと大丈夫ですよ、部屋を見てみましょう」

魔王「……案外普通だな」

魔物「だから言ったじゃないですか、きっと蛇女様もやりすぎたと思ったんですよ」

魔王「そういうことか……それじゃ俺はちょっと寝るかな……ぎゃぁあああ?!」

魔物「どうしました?」

魔王「ふ、布団の中に大量の針が……」


105 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:49:43.16 ID:JKvSaMmh0
魔物「さて、温泉めぐりしますか」

魔王「ああ、そうだな、できれば外傷に効く温泉がいいなぁ」

魔物「さて……これを」

魔王「これは……温泉フリーパスだと!? 蛇女からもらったんじゃないだろうな!」

魔物「これはちゃんと買った奴ですよ」

魔王「それなら安心だ……さて、どの温泉から行くんだ?」

魔物「……今回は別行動ですよ、というか着いてきたら蛇女さんにあることないこと言いますよ?」

魔王「ヒィ!?」


106 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 06:55:20.66 ID:JKvSaMmh0
魔王「…………とりあえず、近いところから温泉めぐりしていくか」


――――塩温泉
魔王「…………ふぅ」

――――泡温泉
魔王「ぬぉぉおお!? 下から泡が吹き出てくる!」

――――魚温泉
魔王「小さい魚がオゥ! いっぱい! アウゥ! 癖になるぅ!」

――――血の池温泉
魔王「…………ただ赤いだけだなこれ」


108 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:00:25.31 ID:kVP3SuDXO
マジでテーマパークにあるよコレ

鯉の口でSHIKOルしてた人とかいるもん


109 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 07:01:40.24 ID:0ixyHDxm0
スレタイで魔王と踊れ!が浮かんだ


110 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 07:03:27.98 ID:MMEzA+ndO
怪我してるのに塩温泉で何ともないだと…
生理食塩水なのか?


111 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:06:16.18 ID:JKvSaMmh0
――――露店風呂
魔王「うむ、中々絶景だな……」

青年「よう、魔王、久しぶりだな」

魔王「……誰だ?」

青年「……覚えてないのか?」

魔王「あいにくと記憶喪失でな……」

青年「記憶喪失でも、温泉に入ってるくらいだから今の世界くらいある程度把握してるんだろう?
    なら、推測ででも俺を当てれないか?」

魔王「んー……男で俺を知ってる奴かぁ……俺が思い浮かぶのは勇者くらいだな」

勇者「正解」


112 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:07:09.57 ID:n7JofubSP
>>110
ふぅ…という台詞からしてソフトMなんだろう
蛇女はやり過ぎたんだな


114 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:10:36.76 ID:n7JofubSP
あっさり出て来たな勇者wwww


115 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:13:19.24 ID:JKvSaMmh0
魔王「……あー、倒しに来たの?」

勇者「いや、様子見だよ、魔王と魔物がうろついてるって噂を聞いてね」

魔王「あー……街中でも姿かくしてなかったし、思いっきり魔王魔王言ってたしな……」

勇者「それに、お前よりもどちらかといえば、魔物の方を様子見しにきたって感じだな」

魔王「……なんでまた?」

勇者「んー……蛹が蝶になる瞬間って見てみたいだろ? それと同じようなものだな」


116 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:19:32.94 ID:JKvSaMmh0
魔王「いまいちわからんことを言うな……
    とりあえず、魔物は思いっきりお前の事敵視してるから気をつけろよ」

勇者「大丈夫だよ、もう慣れてる」

魔王「…………まぁ、とりあえず俺は他の風呂も巡りたいから上がるぞ」

勇者「魔王」

魔王「なんだ?」

勇者「…………水の都には行ったか?」

魔王「……料理が糞不味かった」

勇者「それだけか?」

魔王「それだけ」

勇者「…………張り合いがないなぁ」


118 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:28:41.76 ID:JKvSaMmh0
――――宿屋「針のむしろ」
魔王「ただいまーっと」

魔物「おかえり、外傷に効く温泉はありました?」

魔王「むしろしみたり、体中をまさぐってくる魚がいる温泉がありました
    あーそれと…………」

魔物「?」


>>119
勇者の事を言うなら 1
勇者の事を言わないなら それ以外

そして軽く寝ます



119 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 07:30:28.00 ID:XyBEAV150
2


123 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:52:08.21 ID:6AZf2Lg60
   あーそれと…………
   飯が食いたくなったここの名物は?


124 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 07:54:29.74 ID:RZSkS59sO
温泉といったらあれしかない


125 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 08:09:20.99 ID:h7mDTrplO
酒蒸しか


127 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 08:30:07.04 ID:cH0zlza30
温泉・・・蒸気・・・シュウマイ
エビシュウマイが食いたいな


144 :VIPがお送りします [] :2009/04/09(木) 12:47:18.86 ID:kVP3SuDXO
わかったぞ勇者は姫と駆け落ちして魔王に罪を着せた
犯罪者予備軍なんだ


151 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:01:35.68 ID:JKvSaMmh0
魔王「……やっぱいいや」

魔物「気になりますね……それよりも、明日ですが」

魔王「出発するのか?」

魔物「いえ、近くの山に登ろうかと思っていますが、魔王様も来ますか?」

魔王「……俺が山登り程度でへばるとでも思っているのか?
    前は鎧をつけていたからあのざまだったが、鎧を外せば山などいくらでも登れる」

魔物「それはよかったです」


153 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:10:54.27 ID:JKvSaMmh0
――――灼熱山
魔王「暑い、熱い、のど乾いた、もうダメ、死ぬ」

魔物「へばってるじゃないですか!?」

魔王「こんなに暑い山とは聞いていないぞ! そこら辺にマグマが流れてるとか予想できるか!」

魔物「ここら辺は温泉が多いって事から火山地帯という事も予想してください」

魔王「おまけに、お前自分だけ涼しそうな格好をしよって……」

魔物「流石に魔王様の着替えとか準備してませんでしたからね、しかしこの格好でも汗だくですよ……」

魔王「…………魔王アイ!」

魔物「……とうとう気がお触れになりましたか」

魔王「ふっ、魔王アイの恐ろしさに気づかないならばそれでよし……ブラは青か」


154 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:13:29.65 ID:h7mDTrplO
ブラ…幼女の線は消えたな。
しかしまだだ、まだ萌えられる…主に魔王に。


155 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:18:21.26 ID:JKvSaMmh0
――――山頂
ドラゴン「何用だ?」

魔物「お知恵を借りたくやってまいりました、我々に勇者を殺す術はありますか?」

ドラゴン「……30世代前にも言ったが、何も思いつかんよ」

魔物「……今はこちらには魔王がおります、それでも、ですか?」

ドラゴン「ほう? 魔王がようやく目覚めたのか、今はどこに?」

魔物「途中で崖から蹴り飛ばしたものでわかりません」


158 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:29:45.84 ID:JKvSaMmh0
――――蜥蜴村
魔王「うーん……暑いよ痛いよ……ひぃ! 真っ赤な剣をこっちに向けないで!」

蜥蜴男「ん? 目が覚めたかい」

魔王「……ここは?」

蜥蜴男「蜥蜴村さ、あんたは崖の下で青い青いとうめいてたから拾ってきた
     おおかた、ドラゴン様に会いに来たところで足を滑らせたってところだろ?」

魔王「ドラゴン?」

蜥蜴男「ここの山頂におわす、我々の主さ、たまーに知恵を借りにくる奴が来る」

魔王「……今誰か会ってるか?」

蜥蜴男「とびっきり珍しいのが一人、もう魔物なんてどこにもいないと思ってたよ」

魔王「ふむ……そいつが話し終わるまでここでゆっくりしていてもいいか?」

蜥蜴男「元々暇だから拾ってきたようなもんだ、歓迎するよ」


159 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:40:30.83 ID:JKvSaMmh0
魔王「そこで俺は言ってやったんだよ”俺がこの樹をぶち壊してもいいのかい?”ってな」

蜥蜴男「ふんふん」

魔王「そしたら”ええ、壊せるものならw”とか言ってきやがったから全力の20%で殴ったんだよ
    そしたらかの万年樹もぐわんぐわんと揺れて、あの時の魔物の顔っていったらなかったぜ、HAHAHAHAHA」

蜥蜴男「あの万年樹がか! はー! あんた強いねぇ」

魔物「…………魔王様、今でも”手首痛い、あの時誰かがちゃんと止めてくれなかったから……”とか言ってませんでしたっけ」

魔王「ひゃぁ!? い、いたのか、ドラゴンとはどうだった?」

魔物「収穫は殆どありませんでしたねぇ、強いて言えば、旅行の予定を練り直さないといけないってのがわかったくらいです」

魔王「……流石ドラゴン、各地の名産物や旅行の仕方も知っているのか」

魔物「予定を繰り上げして、次の街は港街です」


160 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/09(木) 14:51:20.85 ID:pPFqt7D+O
HAHAHAこやつめ



次へ 戻る 上へ