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男「ククク・・・幸せな奴らだ・・・」◆
39 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 16:37:51.93 ID:jx2kDLinO
―路地裏

バキッ

龍『・・・』
「おらよっ!」メキッ
龍『ッ・・・』
「はっ・・・はっ・・・クソ、しぶとい野郎だ・・・いい加減に・・・」

バキッ
「倒れろ!」

龍『・・・クク・・・クククク・・・』
「な・・・なんだ笑うな気持ち悪い」
龍『先程から殴らせておけば・・・軟弱な蹴りや拳ばかり・・・』
「(全部モロに食らってたじゃねーか)」

龍『・・・フッ、話にならん・・・貴様にはもう興味無い』
「・・・ぁ?」
龍『貴様のようなただのゴロツキ・・・ただの雑魚には、興味が無いと言っているんだよ』
「・・・テメェ」

バキッ バキッ メキッ

龍『! ! ・・・ぐ・・・』
ガシャッ


42 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 16:56:42.42 ID:jx2kDLinO
龍『・・・』

「はぁ、はぁ、・・・やっと倒れたか・・・」
「てこずらせやがって・・・ペッ」

「・・・ふん、汗かいてまた服が汚れちまった・・・」
「・・・まぁ最初から汚れてなんかないんだけどな・・・ハハハ」

ザクッ

「ハハ・・ハ・・・・ザク・・?」
ポタポタ

「・・・ぐ・・・何か・・・腹に刺さって・・・?」
女「ウロコよ」
「う・・・ろ・・・?」
ドサッ

女「リザードのウロコはナイフより切れるのよ」
「血・・・頼む・・・止め・・・助け・・・!」
女「うちのお偉いさんに手を出したのが悪かったわね」
「・・・」
女「・・・さて」


43 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:12:40.73 ID:zHpv/AKv0
ぷぉしゅ


44 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:13:52.29 ID:jx2kDLinO
龍『・・・グ・・・』
女「・・・情けない男」

女「ただのチンピラに、こんなボコボコに殴られて・・・全く」
女「・・・末端の盗賊でも、こんなに弱くないわよ」
龍『グ・・・ぁあ・・・!腕が・・・!』
女「腕はまだ良いわよ、身体の打ち身の方が酷いわ」
龍『・・・』

女「(・・・はぁ)」
女「(・・・・運ぶか・・・)」


45 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:21:25.40 ID:KArGCe0QO
連作なのか?まとめだれかくだしあ


46 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:21:50.55 ID:zHpv/AKv0
凄まじい中二病なのか……


47 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/27(金) 17:22:49.69 ID:RPVVLU/h0
ナオヤさん何してるの


48 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/27(金) 17:27:22.53 ID:Nhq9ikWV0
あ、「俺がこれもこれもこれも書いてるんだぜー」って言う為にわざとスレタイに印つけてる奴だww


49 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:30:24.95 ID:jx2kDLinO
ザッザッザッザッ・・・

女「・・・機体は重いくせに・・・何故こんな・・・」
龍『・・・』
女「・・・機械とはいえ、女の背中で気絶するなんて・・・」
龍『・・・』
女「・・・女々しい」

ザッザッザッザッ・・・

女「(・・・こっちは忙しいのに)」


50 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:32:43.07 ID:jx2kDLinO
>>45 連作ではない

>>48 人聞きの悪い代弁ありがとう

紅茶飲む


51 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/27(金) 17:39:18.35 ID:Nhq9ikWV0
あ、むかしの野菜やお菓子の人みたいに自分を何何の人って認識させたいって感じで
一一紅茶飲むとか書く奴だw


52 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:46:10.11 ID:vzyrM8B/0
自己主張は良いからさっさと書けよおい


53 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:46:16.70 ID:jx2kDLinO
>>51 それは深読みしすぎだろう
いや、貶めたいだけか

紅茶は良い ただ黍砂糖では飲めない


54 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:48:06.30 ID:N5GHhJUm0
>>1が段々と調子に乗ってきてるのは客観的に見て事実。


55 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 17:54:22.42 ID:eDxkwO67O
いちいちレスしないで書けばいいと思うよ


56 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:56:12.16 ID:jx2kDLinO
紅茶と飯の時は別よ
ゆっくり書く


57 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 17:58:34.83 ID:covikl6L0
調子に乗っていると言うが、先週からA+インフルエンザで第二の冬休みが発生しているんだ
そのせいで全くの絶不調だよ

さて書こうか


58 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:02:52.59 ID:covikl6L0
龍『・・・』

女「・・・寝てるわね」
ガチャン

女「・・・はーっ」
大男『おう、どうした』
女「あら、貴方も本部に戻っていたの」
大男『うーむ、暇だったからな』
女「・・・そう」
大男『?』

カツカツカツ・・・ズシンズシン・・・

女「もう限界、あの男の面倒は見切れないわ」
大男『あの男って、リュウさんか?』
女「さん付けする価値も無い。あんなの末端以下よ、何の役にも立たないもの」
大男『おいおい・・・リュウさんは俺らの大先輩なんだぞ』
女「死んだ皇帝よりも生きる尖兵よ」
大男『・・・全く、辛口だなぁ』


59 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:08:21.10 ID:covikl6L0
大男『・・・まー確かにリュウさんは何考えてるのかよくわからないし・・・』
大男『功績や実績も全くと言っていいほど無いけれどさ』
女「それが最大の問題なんじゃない、盗賊たるもの盗みの一つできずにどうするの」
大男『いや・・・でもさ』
女「何よ」

大男『リュウさんってどこか・・・雰囲気あるだろ?』
女「・・・それだけ?」
大男『いやいや・・・リュウさんが敵を睨みつける時のあの赤い眼光のランプ・・・あれはもう・・・』
女「睨みつけてもすぐにやり返されるでしょ、アイツは」
大男『・・・うーん・・・まぁ確かにそうだけど・・・』

女「私、嫌いよ、アイツ」
大男『うーむ・・・そうかなぁ・・・』
女「かっこつけてるくせに何もできない・・・偽善者のようで腹立たしいわ」
大男『相当嫌ってるんだなぁ』
女「・・・当然よ、アンタも一度あいつの世話係になってみればわかるわ」

女「(この盗賊団にはあんな奴、絶対に必要ないのに・・・)」
女「(・・・苛立つわ)」


60 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 18:08:31.18 ID:N5GHhJUm0
「調子に乗る」
おだてられ、得意になって物事をする。いい気になって軽率な行動をする。
「好調」
物事の調子・ぐあいなどがよいこと。物事が思いどおりにうまくいくこと。また、そのさま。

好調<=>不調
調子に乗る<≠>不調


61 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 18:13:53.95 ID:ZMIM6S37O
まーそんなカリカリすんなや


62 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:14:13.17 ID:covikl6L0
スッ
龍『グ・・・ゥゥ・・・』
龍『・・・』
龍『・・・・そうか・・・眠っていたのか・・・』

龍『運んだのは・・・リザか?』

龍『・・・姿が見えないが・・・まぁいい』

ガチャ
龍『さて、外へ・・・』
女「ちょっと」
龍『!』
女「今度は勝手にどこへ行くのよ」
龍『・・・仕事にな』
女「私の仕事を増やしに、と言うコトかしら?」
龍『そうではない』

龍『・・・オレの真の力を試しに・・・』
女「そういうのはもういいから」
龍『・・・』
女「貴方に力が無いのは知ってるわ」
龍『・・・クク・・・面白い事を言う・・・俺には』
女「わかったから」
龍『・・・』
女「これ以上勝手な徘徊をされても、私は後処理が大変なのよ」

女「もう二度と勝手なマネはしないで」


63 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:20:34.88 ID:covikl6L0
盗賊『リザ様ー!』
女「何かしら」
盗賊『水の街道で商人を襲ったところ水晶の原石が積んであったようで・・・』
女「あら、お手柄じゃない・・・すぐに流しちゃいなさい」
盗賊『はっ』

盗賊『リザ様、馬車道で小隊が騎士団に壊滅状態にされ・・・』
女「役立たずね、放っておいていいわ」

盗賊『リザ様、倉庫の盗品の数が合わないのですが・・・』
女「誰かが転がしたわね・・・見つけ次第そいつを締め上げなさい」
盗賊『はっ・・・もし居なかった場合は・・・・?』
女「お前を絞め殺す」
盗賊『は・・・はっ!』

龍『・・・』
女「・・・」
龍『・・・クク・・・組織の幹部はどこも大変だな・・・』
女「貴方は司令塔でしょう、働きなさい」
龍『オレは雑務が苦手でね』
女「・・・何から何まで役に立たないのね、アンタ・・・」


64 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:27:16.59 ID:covikl6L0
女「盗賊ともあろう者が、路上のスリさえもできないなんてね・・・」
龍『フン・・・スリか、芸の無い盗み方だ・・・』
女「・・・じゃあ貴方はどんな盗みができるのよ?」
龍『・・・』
女「路上強盗?追い剥ぎ?空き巣?」

龍『フッ・・・オレの盗みなど、お前には理解できまい』
女「何もできないんでしょ?」
龍『食いつくね』
女「何かを盗る所を見たことがないもの」
龍『人目に付かない場所でやってるだけさ』
女「どうだか」

タッタッタッタッタッ・・・

盗賊『リザ様!』
女「今度は何よ」

盗賊『・・・南の支部に・・・傭兵の部隊が・・・!』
女「あら大変ね」
盗賊『どうしましょう!?』
女「私も行くわ、返り討ちにしましょう」

龍『・・・』
女「貴方は留守番よ、いいわね?」
タッタッタッタッ・・・

龍『・・・』
龍『・・・さて、出かけるか・・・』


65 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:35:18.61 ID:covikl6L0
ザッザッザッザッ・・・

龍『全く、最近の幹部共は頭が固くて困る・・・』
龍『昔はもっと多くの強者がいたものだがな・・・』
龍『・・・クク・・・昔の話か・・・』

龍『・・・さて、街に出て市場を回るとしようか・・・ククク・・・』
龍『人が多い場所は良い・・・実にな・・・ククク・・・』


盗賊『あのーちょっとお待ち下さい』
龍『・・・何だ?』
盗賊『リュウ・・・さん、ですよね?』
龍『そうだ、二つ名は“漆黒の』
盗賊『あーそれでしたら、リザ様から託がありまして』

盗賊『外出をするようなら行き先を聞くように、との事で』
龍『・・・あの女め・・・保護者気取りか・・・』
盗賊『・・・あの、どちらへ?』

龍『“オレより強い奴のいる所”だ』
盗賊『はい、オレ・・・はい?』
龍『・・・フッ、さらばだ』
盗賊『ああ、ちょっと!』

盗賊『・・・リュウさんより強い人って・・・割とどこにでもいるような・・・』


66 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:42:32.39 ID:covikl6L0
龍『・・・』

ザッザッザッザッ・・・

傭兵「!!」
傭兵「(あの男・・・確か密林にいた、盗賊の奴じゃないか・・・!?)」
傭兵「(黒い鱗の鎧・・・間違いない、あいつだ!)」

傭兵「(今ここに相方はいないが・・・どうする?ここで・・・いや、ここは街だ・・・暴れては被害が・・・)」
傭兵「(・・・尾行するしかない)」

傭兵「(そして、奴がこの街で何をしているのかもついでに見ておこう・・・)」


龍『・・・』

傭兵「(・・・市場の品物を見てる・・・?)」
傭兵「(・・・!まさか、あれを盗むつもりじゃ・・・!)」

龍『クク・・・おい、これを一つだ』
「あいよー、一個で38YENねー」

傭兵「・・・いやそうだな・・・あんな大物が、こんな小さな市場で盗むはずがない・・・」
傭兵「奴はきっと、大きな仕事で利益を得ているに違いない・・・」


67 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 18:43:29.06 ID:kbPDUzzM0
よく分からんけど続きさっさと書け


68 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 18:45:48.03 ID:kbPDUzzM0
まさか・・・6分間隔でサル回避・・・だというのか・・・?


69 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 18:47:09.27 ID:jx2kDLinO
飯食う

6分は書いてる時間だ


70 :VIPがお送りします [] :2009/02/27(金) 18:59:48.82 ID:A30duTdxO
ワクワク


72 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:18:43.29 ID:covikl6L0
龍『・・・!』

傭兵「・・・」
龍『・・・ククク、気付いているぞ』
傭兵「(なっ・・・!んだって!?ばれたか!?)」

龍『姿を現せ・・・オレには“視える”んだ・・・』
傭兵「(・・・くそ・・・やはり、この男には生半可な尾行では・・・無駄か・・・!)」

ザッ
傭兵「・・・」
龍『!・・・!?』
傭兵「・・・ん?」
龍『・・・ふ、フン・・・やっと姿を見せたか・・・先ほどからコソコソ嗅ぎ回っていると思えば・・・』
傭兵「(一瞬うろたえたような・・・気のせいか)」

ガヤガヤ・・・ザワザワ・・・

龍『・・・クク・・・安心しろ・・・オレもここで暴れるつもりはない・・・』
傭兵「そ・・・そうか」
龍『ククク・・・ここでは少々、邪魔が入るからな・・・クク・・・ククク』
傭兵「(笑ってやがる・・・こいつ、余裕なのか・・・!?)」

少女「あっ、あの時の黒い人!」
龍『!』
傭兵「え?」


73 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:25:02.30 ID:covikl6L0
龍『・・・ほう・・・“猫又”を追っていた者か』
少女「その節は本当にありがとうございましたー」ペコッ

傭兵「・・・?・・・?」
少女「?えっと・・・この方は?」
龍『・・・ククク・・・さあな』
少女「そうなんですか・・・」

少女「あれから猫には首輪もつけましたし、窓も不用意には開けないようにしているんですよ」
龍『クク・・・それは良い・・・!』
傭兵「・・・」

傭兵「(・・・おかしいな・・・こいつ)」
傭兵「(本当に・・・こいつは本当に、盗賊なのか・・・?)」

少女「あのー・・・よかったらまた家に来ませんか?美味しいケーキを作れるようになったんです」
龍『・・・ケーキ・・・か・・・あまり好きではないが・・・』
少女「きっと美味しいですよ!一度でいいので、食べてみてください!」
ぐいぐい

龍『グ・・・く・・・そ、うか・・・そこまでいうなら・・・』ズルズル

傭兵「・・・」
傭兵「(バカらしい、さっさと仕事を請けに行こう)」


76 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:32:26.26 ID:covikl6L0

龍『・・・ほう、なかなか美味い・・・クク、これはいい・・・』
少女「本当ですか?ありがとうございます!」
龍『アールグレイは幸せを呼ぶという・・・即ち、これはオレの呪いを一時的に・・・』

少女「・・・あの、」
龍『ん、何だ?』
少女「・・・前は聞きそびれちゃって・・・貴方のお名前を聞いてもいいですか?」
龍『・・・オレの名か』

龍『オレは“リュウ”だ、リュウと呼ばれている』
少女「竜・・・?あの、空を飛んでいる?」
龍『・・・ククク』
少女「・・・?」

龍『教えてやろう・・・リュウには二種類ある』
少女「二種類・・・」

龍『一つは竜、巨大な翼を広げ、大空を舞い山を越え地を踏み砕く・・・』
少女「こ、こわい・・・」
龍『クク・・・そうだ、竜は恐ろしい・・・大きな口からは水では決して消えない炎を吐き、血は熱湯のように熱く、爪は鉄よりも硬い』
少女「・・・」
龍『ドラゴン・・・ワイバーンなどと呼ばれる生き物がその竜だ』
少女「・・・す、すこし怖いです」

龍『クク・・・だが、もうひとつの龍はもっと怖い』
少女「?」


77 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:40:26.45 ID:covikl6L0
龍『“龍”は、普段は雷の轟く暗雲の中に身を隠しているため姿が見えない』
少女「・・・」
龍『だが一度その姿を現せば、天は激鳴に穿たれ、地はたちまちに崩れる』

龍『その姿は巨大で、一見蛇のようだが尾から頭までは地の果てよりも長く、天を埋め尽くすほどのものだ』
少女「な・・・長いですね・・・」
龍『一度荒れ狂えば海は割れて山が粉微塵に砕かれる・・・』
少女「龍の方が怖い・・・」
龍『ククク・・・・そうだろう?』

龍『・・・オレの龍は、そっちの方の龍だ』
少女「・・・え?」
龍『普段は静かに・・・雨雲の中に姿を隠しているが・・・』

龍『オレが暴れた時・・・それは、この世の終わりだと思ったほうが良い・・・ククク』
少女「・・・」

少女「・・・あははっ」
龍『・・・何がおかしい』

少女「いえいえ・・・だって、リュウさんはそんな人じゃないですよ」
龍『・・・オレは』
少女「すごく優しい、良い人ですよ・・・そんな、悪い事するはずが無いじゃないですか」
龍『・・・』
少女「ねっ?」
龍『ククク・・・それはどうかな・・・?』
少女「またまたー」


78 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:46:20.73 ID:covikl6L0
龍『・・・さて、オレはもう帰らせてもらうぞ』
少女「えっ、もうですか?」
龍『やらなければならない事があるんでね・・・ククク』
少女「・・・そうですか」

ガチャ
少女「あのっ」
龍『・・・なんだ』
少女「また、いつでもお茶を出しますので」
龍『・・・フッ、時間があればな・・・』
少女「はい!」

バタン

少女「・・・リュウさんかぁ」
少女「変わった雰囲気だけど・・・絶対に悪い人じゃないよね」

少女「うん・・・大丈夫・・・悪い人じゃない・・・悪い人じゃ」
少女「この世で一番の悪い人は、盗賊・・・」
少女「・・・はぁ」
少女「猫の食事作ってあげなきゃ」


80 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 19:51:42.11 ID:covikl6L0
ザッザッザッザッザッ・・・

龍『(・・・)』
龍『(悪い人じゃない・・・・か)』
龍『(・・・ククク)』

龍『(オレは裏の世界に生きるモノだ・・・)』
龍『(オレに表は似合わない・・・そう)』
龍『(この世界で、生きていく・・・)』


女「何、黄昏てるのよ」
龍『!』
女「だから・・・ほっつき歩かないでと言ってるでしょう!?」
龍『ククク・・・すまないな』
女「何もしないだけならまだしも・・・足を引っ張られちゃ堪ったもんじゃないわ」
龍『・・・フッ』
女「何笑ってんのよ」
龍『クク・・・いや、何も』
女「・・・」

女「・・・貴方」
龍『・・・何だ』
女「いつも外で、何をしてるの?」
龍『・・・クク、そうだな・・・“観察”とでも言っておこうか・・・』
女「暇なの?」
龍『ククク・・・』
女「暇なのね・・・」


81 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/27(金) 20:01:02.77 ID:covikl6L0
盗賊A『なあ、このアジトの奥に居る、“リュウ”さんって何者なんだ?』
盗賊B『え?リュウさん?』
盗賊A『よくすれ違うんだけどさ、いつもクククって笑ってるんだよね』
盗賊B『ああ・・・さあ、なんなんだろうな』

盗賊A『あの人はここではどんな役職なんだ?上の方たちは手を焼いてるみたいだけど』
盗賊B『さー・・・かなり上位の立場ってことはわかるんだけどな』
盗賊A『スリとか上手いのかな?』
盗賊B『・・・そういう話を全く聞かないからなぁ』
盗賊A『脅しが上手いとかさぁ、やっぱり何かあるんじゃないの?盗賊だし』

盗賊B『・・・噂によると』
盗賊A『うんうん』
盗賊B『・・・何もしてないらしい』
盗賊A『え?』
盗賊B『本当だよ、何も、盗みも何もやらないんだってさ』
盗賊A『・・・なんだー、それ』
盗賊B『さあ、ただ雰囲気はあるしさ・・・何かしらあるんじゃねーの?特技とか』
盗賊A『特技』
盗賊B『・・・多分だけどさ』



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