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姉「地震怖いから一緒に寝ない・・?」
- 1 :VIPがお送りします [sage]
:2008/07/24(木) 02:22:15.07 ID:kXPzBysV0
お疲れ様です
- 4 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 02:23:21.38 ID:9QWH5jS00
姉「起きろ!おいド田舎で地震らしいぞ、こっちでも地震起こすぞ」
- 5 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 02:24:38.73 ID:r4d/U07U0
あっ・・・すご・・・んっ・・・震度7くらいで突き上げてぇ!!!
- 6 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 02:25:27.07 ID:g2HQsTK1O
腹筋させろや粕が!!
- 7 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 02:44:48.89 ID:/TkFq9zXO
今、僕の姉も震度7ですじゃーの
- 8 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:18:33.22 ID:Liga2eW90
――雑誌を見て
【今時代は】ほしいのはどっち?【妹全盛!】
街の声「やっぱり妹だってー」
街の声「小さいし、可愛いし、甘えてくるし」
街の声「やきもち焼いたりするとむた可愛い」
街の声「強気でもよし、受け気味でもよし、隙が無い」
あね「っていわれてるんだよ!? どうしよう?」
姉友「いいから、お弁当食べなさいよ」
- 9 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:19:25.04 ID:Liga2eW90
――弁当タイム
あね「一家に一人は欲しいねって言われてるらしいのよ」
姉友「へぇ。なんか不毛な流行ねー」
あね「そうかなぁ」
姉友「ときめく様な話でも無いでしょうに」
あね「そんなことないよー。家族仲がいいのはいいことだよっ」
姉友「そりゃあね」
あね「一緒に暮らしてるんだもん。仲良しが楽しいよ」
姉友「あんたら二人で上京してきたんだっけ」
あね「うん。弟と二人だよ」
姉友「だからって居もしない妹にライバル心燃やしても」
あね「ライバル心ってわけじゃ」
姉友「じゃコンプレックス感じても」
あね「……う」
姉友「あんた、萌え成分足りてないからね」
あね「なーっ!?」
姉友「女力欠乏症」
あね「……ぐぐぐ」
姉友「箸を握り締めるそのポーズがダメだわね」
- 10 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:20:21.94 ID:Liga2eW90
あね「そんなことないよ! 弟はちゃんと気を使ってくれるよ」
姉友「へぇ、どんな?」
あね「え、えーっと」
姉友「……」
あね「えーっと」
姉友「……」
あね「買い物に行ったとき重い袋持ってくれるよっ」
姉友「……」
あね「あと、食事終ったとき『ごちそうさま』って」
姉友「……」
あね「『風呂先入ってきていいぜ』とかもっ」
姉友「……」
あね「それからそれから」
姉友「あんたね。所帯臭い」
あね「なーっ」
姉友「あえていうと味噌汁臭い」
あね「!?」
姉友「ときめきとは程遠いわね」
あね「……ぐぐぐ」
姉友「妹というイメージある可憐さや儚さや守って
あげたいトコとか小悪魔チックなとことか
背伸びしちゃってて可愛い感じとかが無いわね。ぜんぜん」
あね「……うう」
姉友「でもま、それが普通だから。気にしちゃだめだよ」
あね「そ、そうかなぁ……」
姉友「家族なんてそんなもんでしょ」
- 11 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:21:49.05 ID:Liga2eW90
――晩御飯
男「もぐもぐ」
あね「もぐもぐ」
男「ごくん」
あね「もぐもぐ」
男「そこの醤油とって」
あね「もぐ。はい」
男「もぐもぐ」
あね「あのさ」
男「なに?」
あね「もしかしておとくんも、妹欲しい?」
男「なんで?」
あね「いや、男はみんな妹が欲しいんだ、って学校で」
男「んー」
あね「どう?」
男「いらないなー」
あね「なして、なして?」
男「うちは姉ちゃんいるし。いままで妹いなかったしさ。急に出てこられても、不自然じゃん?」
あね「そうかなぁー」
男「いーんだよ」
あね「そう?」
男「普通でいーんだよ」
あね「そか」
男「うん」
- 12 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:22:34.74 ID:Liga2eW90
――弟は風呂へ
男「ふぅぅーっ」
男「やっぱ風呂はいいなぁ」
カポーン
男「それにしても姉ちゃんのアレはなんだかなー」
男「……」
カポーン
男「まぁ、いいか」
男「姉ちゃんが大作戦状態なのはいつものことだ」
カポーン
男「熱いな、うむ。極楽極楽」
- 125 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 19:36:34.29 ID:Liga2eW90
――弁当タイム
あね「――というような結果でした♪」
姉友「……」
あね「でね、でね。おとくんのペンネがまた絶品で」
ぼすっ
あね「ぶった!?」
姉友「あんたなに上機嫌なのよ」
あね「だってー」
姉友「だってもだっこもあるかー。この私の必勝の策を。
これいじょうの策は鳳雛先生ですらなかなか
準備できないと云うのにっ」
あね「おでこ痛いよぅ」
ぼすっ
あね「ま、またっ!?」
姉友「反省の色が見えないっ」
あね「で、でも……」
姉友「なによ」
- 13 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:23:05.06 ID:Liga2eW90
――リビングにて
あね「とは言ってもなぁ。なんであたし人気無いのかなぁ」
あね「やっぱ、こう、ちんまり可愛いほうがいいのかな」
あね「……こ、こんな」
あね「こんな風に笑って」
あね「『お、お兄ちゃん、だぁい好きっ!』――こ、こうかっ?」
男(何やってるんだあの人は)
あね「こうかなっ? こうかっ!?」
男(鏡の前でクネクネしてるぞ)
あね「上目遣いかっ。この角度がいいのかっ!!??」
男(そうっとしておこう……)
あね「こうかーっ」
- 14 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:23:31.38 ID:Liga2eW90
――ダイニングキッチンで遭遇
あね「お、お兄ちゃん、だぁい好きっ!」
男「……」
あね「……くっ」
男「……」
あね「だ、だぁい好きっ!」
男「もう今日はいいから早く寝ろよ」
あね「なーっ!?」
男「後かたづけは俺がやるから」
あね「なっ、まっ待てー」
男「なんだよ」
あね「もう一個あるのだ、これだっ」(潤んだ上目遣い)
男「いいから寝ろよ」
あね「なーっ!? ま、待ってよ」
男「少しも待ちません」
あね「お姉ちゃんをないがしろにするのは許しませんよーっ」
男「本日の営業は終了しました」
あね「う、うわーんっ。今に見てなさーいっ」涙ッシュ
男「……何がしたかったんだ」
- 15 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 03:23:54.45 ID:Liga2eW90
――弁当タイム
あね「――というような訳なのよ」
姉友「あんた頭悪いよね」
あね「なーっ!」
姉友「どうしてそう弟に拘泥するのよ」
あね「だって……」
姉友「ブラコンかっちゅー話ですよ」
あね「ううう」
姉友「……まぁいいけどね。でも、あたしから見ると
無愛想でぼんやりした弟さんなんだけどなぁ」
あね「そんなこと無いよっ!」
姉友「そなの?」
あね「うん、おとくんは思いやりがあって優しいし、
すごく頼りになるんだよ。良い子だよっ」
姉友「真正ですよこいつ」(ぼそり)
あね「え?」
姉友「まぁあたしとしては面白ければそれはそれで」
あね「ううう。このままじゃ姉のイゲンは丸つぶれだよう」
姉友「威厳くらい漢字で喋ってから丸つぶれになりなさいよ」
あね「ううう」
姉友「仕方ないわね。知恵を貸すからしゃんとしなさい」
あね「ほんと!?」
姉友「ええ、そのコロッケで手を打つわ」
あね「友ちゃん!」(信頼の視線)
姉友(こんなにちょろくて良いんだろうか、こいつ)
- 16 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:29:02.69 ID:Liga2eW90
姉友「そもそもあんたは妹じゃないってことよ」
あね「ふむふむ」
姉友「妹じゃないアンタが妹プレイしてもそれは偽者っ」
あね「っ!?」
姉友「いわばフェイク、ダミー、パチモン!
それはつまりエノレメスとかプラ夕のバッグと一緒!」
あね「??」
姉友「――チュロQとかガンガルみたいなものよ」
あね「そうか!! そうだよねっ」
姉友「……」
あね「やっぱり友ちゃんは賢いなぁ」
姉友(この娘はほんとうに侮れないわね)
あね「で、どうしたらいいかなぁ」
姉友「そうね……姉本来の魅力。これに尽きるわね。
優しさ、包容力、慈しみ。これよっ」
- 17 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:30:29.11 ID:Liga2eW90
あね「難しいかも」
姉友「そうね……。抽象的な作戦じゃ効果が望めないわね」
あね「どうしよう……」
姉友「――耳掃除、これね」
あね「耳掃除なの?」
姉友「膝枕での耳掃除には
男性諸氏の満たされぬ欲求が詰まっているのよっ。
柔らかい太ももの上で癒されながらのコミュニケーションは
きゃんきゃんうるさく吠え立てるだけの妹には決して出来ない
慈しみのいわば姉ワールドっ!」
あね「そ、そうなんだっ!」
姉友「がんばってきなさいね」
あね「やってみる!」
- 18 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:30:52.45 ID:Liga2eW90
――食後
男「姉ちゃん、ソファーで何ごそごそやってんだ?」
あね「あ、おとくん。ちょっとここに来なさい」
男「なんだよ。姉ちゃんも麦茶飲むのか?」
あね「そうじゃなくて、こっちこっち」(ぽむぽむ)
男「隣に行けばいいのか?」
あね「今日はおねえちゃんがおとくんの耳掃除をしてあげます」
男「いやいいよ」
あね「即答っ!?」
男「遠慮するよ」
あね「重ねてっ!?」
男「だって姉ちゃんの耳掃除ってなんか怖いし」
あね「そんなことないよっ! 耳掃除得意だよ!」
男「……聞いたことねぇ」
あね「ほんとだよっ」
男「へー」
あね「おとくんは弟なんだから、
いい子に耳掃除させなさーいっ!」
- 19 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:31:32.61 ID:Liga2eW90
あね「じゃ、じっとしててね」
男「へいへい」
あね「なんかやりにくいなぁ。もっとちゃんとこっち」
男(……近すぎ、近すぎだってのっ)
あね「これかな、これかな」
男(ふともも、柔らけーし……)
あね「おとくんっ」
男「!?」
あね「逃げようとしてる」
男「そんなこと無いぞ」
あね「じゃ、もっとこっち」
ふにぃ
男(なんでこうなるっ!?)
あね「そうそう、良い子だから、そのままだよ」
- 20 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 03:32:07.21 ID:Liga2eW90
男「……」
あね「ちょっとだけ、角度変えるね」
男「ん、ああ」
ふにぃ
男(!?)
あね「ん。良い子」
男「ぐ。なんか納得いかん」
あね「なにか云った?」
男「云ってません」
あね「そうそう、じっとしててね……」
ザクリ!
男「ギャー!!!」
- 21 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:39:35.67 ID:Liga2eW90
男「いてててて」
あね「ご、ごめんね、ごめんね」
男「貫通して反対から出るかと思ったぞ」
あね「手元が滑っちゃった。てへ」
男「『てへ』じゃねーっ!」
あね「すいませんでした」
男「陳謝する?」
あね「心からお詫びします」
男「どんなふうに?」
あね「明日の晩御飯は鰤の照り焼きにいたします」
男「許す」
あね「わーい、おとくん優しい〜」抱きっ
男(っ!?)
あね「??」
男「いや、離れてくださいね」
あね「う、うん?」
- 22 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:40:32.63 ID:Liga2eW90
男「大体なんで耳掃除なんだよ」
あね「えーっと……」
男「得意じゃないし」
あね「ちゃんと勉強したんだけどなぁ」
男「どうやって?」
あね「自分の耳で」
男「……」
あね「……」
男「もうちょっとどうにかならないのかなぁ」
あね「そんなこと云われても」
男「……うーん」
あね「あ、じゃぁね!」
男「なに?」
あね「おとくんやってみてよ」
男「なにを?」
あね「耳掃除。はい、ここに座って座って」
男「え、あ」
あね「わーい。ひっざまっくっらーっ」
男「えーっと」
あね「じゃぁれっつごー!」
- 23 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 03:41:34.71 ID:Liga2eW90
かりかり
あね「はぁぅん」
男「……」
あね「おとくん、じょうず、だよねぇ」
男「……そか」
あね「お姉ちゃん、あたま、とけそう……」
男(なんて声だしやがりますかこのアホ姉はっ)
あね「はぁぅぅ」
男「えーっと」
あね「なに?」
男「そのう。声を」
かりっ
あね「ひゃぅっ」
男「!?」
あね「奥がぞくぞくして気持ちいいよー」
男「黙れ駄姉」
あね「えーっ!?」
男「耳掃除中止」
あね「ええーーーっ!!??」
- 24 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 03:57:06.98 ID:iraN1zp90
よろしい。つづけたまへ
- 25 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 04:00:28.70 ID:Liga2eW90
おわろうと思った矢先に許可か
- 26 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:01:05.33 ID:Liga2eW90
――弁当タイム
あね「――というような訳なのよ」
姉友「ほんとに駄目姉ね」
あね「なーっ!」
姉友「つまり、食後に弟を拉致、耳掃除を敢行するも
苦痛を与えてしまい作戦を断念。
その後、弟から手本を示されてその気持ちよさに
めろめろになって、だらしない姿を見られたために
放棄されたと」
あね「それは表現がひどいよう」
姉友「ちがうの?」
あね「違いません」
- 27 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:01:33.70 ID:Liga2eW90
姉友「姉の包容力がまったくもって無いわね。
駅前で配られているサラ金のティッシュよりも
うすっぺらい扱いよ」
あね「ううう、そんなに云わなくても」
姉友「で、その後は?」
あね「その後?」
姉友「夜のその後とか、今朝の弟さんとか」
あね「別にいつもどおりだよ」
姉友「……」
あね「普通に挨拶したり、朝ごはん食べて、いってきまーすって」
姉友「ふむ」
あね「?」
- 28 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:02:09.42 ID:Liga2eW90
姉友「見えたわ」
あね「え? え?」
姉友「キーワードは『日常』よ」
あね「日常?」
姉友「昨今の加熱する異常なまでの妹ブームは
もはやファンタジーといっても良いほどの非日常を
生み出し続けているのよ。
そこに対するアンチテーゼとしての姉存在は
日常の中での柔らかい、しかし確固とした萌えを
構築しなければならない。これはそのための示唆なのよ」
あね「難しいよぅ」
姉友「つまり日常にこそあなたの優位性があるのよ」
あね「ほんと!?」
姉友「ええ、たとえば夕ご飯の買出しとかにね」
あね「友ちゃん!」(信頼の視線)
姉友(こんなにちょろくて良いんだろうか、この娘)
姉友「具体的にはこんな感じよ……」
あね「ふむふむ」
- 29 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:03:21.12 ID:Liga2eW90
――生鮮食品売り場
あね「ごめんね、荷物持ちさせて」
男「いや、いいよ。授業終ってたし」
あね「彼女とのデート邪魔しちゃったかな」
男「居ないの知ってるでしょ」
あね(にこにこ)
男「?」
あね「ぶりてり〜♪ ぶりてり〜♪」
男「ご機嫌だね」
あね「おとくんとお買い物だもん」
男「夕食の買出しでしょ」
あね「それでもだよ」
男「家事の手伝いくらいいつでもやるよ。二人なんだし」
あね「おとくん優しい〜」ぎゅっ
男「!」
あね「?」
男「……離れて。持ちにくい」
あね「あ!」
男「何だよ」
あね「ブリテリとブリティッシュ作戦と似てるよねっ!」
男「似てないよ」
あね「そうかなぁ」
男「ヲタ知識は良いから離れてよ」
あね「むぅ」
- 30 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 04:03:54.07 ID:Liga2eW90
ガサゴソ
男「――? 何見てるの」
あね「えっとね、メモ」
男(買出しの覚書かな?)
あね「おとくん、明日の朝ごはんは美味しいもの作ってあげるよ」
男「ほほう」
あね「ラタトゥユだよ」
男「ラタトゥユですか」
あね「うんっ! 美味しいよ!」
男「食べたことあるの?」
あね「ううん、ないよ?」
男「……」
あね「ラタトゥユ〜♪」
男「つかぬ事をお伺いしますが
なんでまた食べたことが無いのに美味しいと
判るわけですか一体」
あね「だって台本に」
男「台本?」
あね「いや、あの……レシピにね?」
男「……?」
あね「ズッキーニいれるんだよ。
お姉ちゃんはズッキーニ料理するの初めてだよ」
男「くっ。いいから、俺が作るからっ!」
- 31 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:04:57.95 ID:Liga2eW90
――朝ごはん
男「こんなもの、か? いい時間だな」
ごそごそ
男「姉ちゃん、姉ちゃん。朝だぞ」
あね「……すぅー。……すぅー」
男「姉ちゃん。朝ごはん作ったぞ」
あね「……んー。おいしいー?」
男「美味しいぞ」
あね「おとくんはえらいぞーう」
男「……」
あね「……すぅー。……すぅー」
男「寝るなよっ」
あね「うがっ!」
男「変な声出すな」
あね「だって、おとくんが鼻つまんだっ!」
男「起きないからだ」
あね「姉虐待だーっ」
男「顔洗ってきて」
あね「うーっ。可愛くない」
男「はいどうぞ」
あね「いただきまーっす」
男「りんごジュースな」
- 32 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:06:55.41 ID:Liga2eW90
あね「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」
あね「この煮込み美味しいねー」
男「ラタトゥユ」
あね「あ、そうだった。ラタトゥユだ」
男「……ふぅ」
あね「トマト味なんだね、しんなりしてて美味しい」
男「まだあるから、弁当に入れてやるよ」
あね「ありがとうっ」
男「いつも姉ちゃんが作ってるんだ、気にするな」
あね「でも、やっぱおとくんは上手だね」
男「修行の身だからな」
あね「学校はどう?」
男「ぼちぼち」
あね「女の子花盛り?」
男「たいしていないよ。それに男のほうが真面目」
あね「そうなんだー」
男「そっちはどうなのさ?」
あね「んっとね学食が美味しいよー。安いし。
でもね、お弁当のほうが好きだなぁ。
あと、近所に美味しいパン屋さんが出来たよ」
男「大学ってそういう場所なのかなぁ」
- 33 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:07:29.02 ID:Liga2eW90
――弁当タイム
あね「――というような結果でしたー」
姉友「何浮かれてるのよ」
あね「だってこのラタトゥユ美味しいよ?」
姉友「よこしなさい」ガシッ
もぐもぐもぐもぐもぐごっくんっ!!
あね「あたしのラタトゥユがーっ!?」
姉友「確かに美味しかったわ。ご馳走様」
あね「あ、あたしのお昼が……」
姉友「あんたね。姉が弟に食事作ってもらって
大喜びしてるんじゃないわよ」
- 34 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 04:07:50.69 ID:Liga2eW90
あね「でも……」
姉友「でもじゃないっ。
あたしの高度に洗練された作戦によって日常の基盤である
食事風景の中にラタトゥユという季節感と
女性らしい気配りのあるメニューを加えて
家庭的な癒しで男を餌付けするという構想はどうなったのよ」
あね「だっておとくんのほうが料理上手なんだもん」
姉友「なんだもん、じゃないでしょうが」
あね「うー」
姉友(しかし、ここまで美味いとは。
私の計略に穴があった事も認めなければならないようね)
姉友「まぁ、いいわ」
あね「うん……」
姉友「次の計略はね」
あね「うんっ」
姉友「ずばり、暁の奇襲作戦よ」(ばばーん)
- 35 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:27:43.05 ID:iraN1zp90
ラタトゥユって初めて聞いた
- 36 :VIPがお送りします [] :2008/07/24(木) 04:31:01.73 ID:Liga2eW90
地中海風の煮物だ。
炒め物の亜種かな、野菜から出る水分を使う。
うまいぞ。
- 37 :1 [sage] :2008/07/24(木) 04:31:36.67 ID:Liga2eW90
あね「暁の奇襲作戦?」
姉友「ふふん」
あね「それって何?」
姉友「つまり、あれよ。朝の目覚ましをしてあげるわけよ」
あね「んー。私のほうが早く起きたらそうしてるけど?」
姉友「そこに軽いハプニングを盛り込むのね」
あね「友ちゃん、目が怖いんですけど」
姉友「窓から斜めに差し込む朝日っ、
部屋を白く照らし出す爽やかな朝の空気の中に
自分をゆすり起こす半裸の姉っ!!
優しい言葉とともに揺れる魅惑の二つのふくらみっ」
あね「と、友ちゃん、は、は、は、半裸って!?」
姉友「なんか適当になさいよ。下着の上にYシャツとか」
あね「Yシャツないよ……」
姉友「弟の着込みなさいよ。そっちのほうがいいから」
あね「でも、そんなのえっちくさい事したことないよ」
姉友「ったりまえでしょうが。今までの常識を打ち破ってこそ
奇襲作戦は奇襲足りえるのよっ」
- 38 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/24(木) 04:32:35.54 ID:Liga2eW90
あね「友ちゃん、目が怖い」
姉友「とにかく、あんたスタイルだけはいいんだから、
ちょっぴりセクシーな格好で
モーニングコールしてあげればいいのよ」
あね「う、うん」
姉友「あくまで表情はにこやかに爽やかに、優しくが基本だからね」
あね「判ったよう」
姉友「健闘を期待するっ」
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