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農夫「ん・・・?来客とは珍しいな」
284 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 13:55:20.68 ID:oh1IR2SV0
農夫「戻れ」

ドシャッ・・・
男「・・・う・・・ううう・・・」
農夫「おお、今度はもう起きているようだな」
男「いたた・・・あ、農夫さん・・・どうも」
農夫「うむ」

農夫「・・・で、夢はどうだった?何か掴めたか?」
男「・・・僕の友達に女ちゃんの話をしたんです」
農夫「ほう」
男「・・・見てて・・・恥ずかしくなりました」
農夫「はは、なるほど」

男「・・・あの、農夫さん」
農夫「ん?」
男「あの、僕その・・・続きがすごく気になる・・・というか・・・その」
農夫「なんだ、そんなに惜しい所で終わったのか」
男「・・・はい」

農夫「・・・そうか、だがしかし」
男「?」
農夫「砂が落ちる早さが早くなるだけだぞ」
男「・・・うーん・・・」
農夫「その落ちきるまでの不安定さを、じっくり楽しむのも良いだろう?」
男「・・・でも僕は、続きが気になるので・・・」
農夫「そうか」
農夫「・・・(ザックザック」
農夫「なら仕方ない、次の時にもっと詳しく、話を聞かせてくれよ」
男「・・・はい!」


285 :VIPがお送りします [] :2009/02/01(日) 13:57:36.24 ID:6AK5ICwZO
こ・・こ・・・この>>1は・・あぁ・・・なんということだ・・!


286 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:08:20.11 ID:oh1IR2SV0
ザク・・ザク・・ザク・・・

男「・・・うう・・・寒い寒い・・・」
男「・・・ここは・・・うーん・・視界が悪いからどうとも言えない・・・」

男「(夢の中の僕は、今の僕とどれくらい離れているのかな・・・1週間くらいかな?)」
男「(・・うん、そうだよね・・・じゃないと、こんな所には来れないはず・・・)」
男「(今の僕は記憶を失って・・・かなり経っている・・・ってことかな)」

男「(・・・早くここから帰って、女ちゃんと話したいな・・・今度は直に・・・今の僕が)」
男「(いやいや、それよりも僕が女ちゃんとどういう関係になっているのかを思い出すのが先だな・・・)」
男「(思い出す・・・というより、見てる・・・っていう感じだけど)」


“――どうか、お願いです・・・――”

ズキッ
男「くぅ・・・・痛・・・!」


“――はっ・・・はっ・・・!早く・・・!――”

“――うう・・・ごめん――”

“――・・・?何だろうね、今の・・・――”

“――そんな――”


ズキン


287 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:12:30.42 ID:oh1IR2SV0
男『じゃあ、またね!』
友『おう!また明日な!』

男『(・・・さてと)』
男『(・・・へへ、走ろうっと)』

タッタッタッタッタ・・・


女『・・・(カララ』
女『(・・・男お兄ちゃん・・・そろそろ来るかな)』
タッタッタッ・・・

男『はっ、はっ、はっ・・・おーい・・・』
女『!』
男『はぁっ、はぁ・・・ふー・・・疲れたぁ・・・』
女『・・・お兄ちゃん、お帰り』
男『う、うん・・・はぁ、はぁ・・・』

女『・・・また』
男『え?』
女『・・・会えて嬉しいよ』
男『・・・うん!』


289 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:18:20.71 ID:oh1IR2SV0
ガチャ
男『おじゃましまーす・・・大丈夫・・・だよね?』

女『・・・いらっしゃい』
男『う、うん』

男『・・・あれ?なんだか良い匂い・・・』
女『・・・これ』
男『あ、これ・・・紅茶?』
女『・・・飲む?』
男『うん、いただくよ!』

ズズズ・・・
男『・・・ほぅー』
女『・・・高い葉っぱ、お父さんのだけど・・・使っちゃった』
男『え』
女『いいの、お父さんのだし』
男『そ・・・そうなの・・・?』

女『・・・美味しい?本の通りに淹れてみたんだけど・・・』
男『うん、美味しいよ』
女『なら良かった・・・』

男『(・・・)』
男『(・・・やっぱり女ちゃん・・・どこか、魅力があるというか・・・)』
女『?』
男『(まるで、仏様のような・・・うん、そんな魅力があるっていうか・・・)』
女『あ、あまり見つめないでよ』
男『・・・あっ、ごめんね』


290 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:25:54.86 ID:oh1IR2SV0
男『・・・そうだ、女ちゃん』
女『?』
男『せっかくだから、・・あの、何がせっかくなのかはよくわからないけど・・・』

男『外に出て、歩きながら話さない?』
女『・・・外?』
男『う、うん』

女『・・・でも外に出たら私・・・それが両親に知られたら・・・』
男『・・・大丈夫だよ!』
女『?』
男『お父さんが大体、何時に帰ってくるか・・・わかる?』
女『・・・うん、大体・・・夕方あたり』
男『それなら大丈夫だよ、それまでの間に遊んで、夕方前に帰ってくれば・・・ね?』
女『・・・(コクッ』

男『・・・どうして家の中に閉じ込められているのかはわからないけど・・・』
男『外に出ても、きっと楽しい・・・と、思うよ』
女『・・・楽しいのかな』
男『うん』
女『・・・部屋の中で、本を読んでても・・・』
男『外も良いと思うよ?』

男『・・・僕はあまり体が強くないから、そんなに・・・近所の男の子みたいな遊び方はできないけど』
男『山で遊ぶのって、すっごく楽しいよ?』
女『・・・』

女『・・・いく』


291 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:33:16.55 ID:oh1IR2SV0
ガチャ

女『・・・久しぶり・・・』
男『(・・・)』

男『(僕はこの子と、あまり話してもないし・・・あまり会ってもない・・・)』
男『(それでもこの子と一緒に居たいっていうのは・・・なんでだろう)』
男『(・・・やっぱり、一目ぼれ・・・かな・・・)』

女『・・・すー』
女『・・・・・・・はー・・・』

女『・・良い空気・・・久しぶりに深呼吸した気がする・・・』
男『部屋の中の、暖かい空気とは違うよね』
女『・・・うん、冷たい』
男『・・・でも、ひんやりしてて喉が悪くなりそうだけど・・・』
女『なんか・・・』
男『良いんだよねー、この空気・・・すー・・』

男『・・・・はー・・・』
女『(・・・)』

女『すー・・・』
女『・・・・・・・・・・はーっ・・・』
男『・・・へへ』
女『・・・ふふ』


292 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:39:41.74 ID:oh1IR2SV0
男『じゃ、歩こう・・・か?』
女『・・・うん』

てくてくてく

男『(・・・わー、髪がふわふわしてる・・・)』
女『んー・・ちょっと寒い・・・』
男『(金髪なんて・・・ここじゃ珍しいなぁ・・・都会のほうだと沢山いるらしいけど・・・)』
女『・・・?どうしたの?』
男『へっ?』
女『・・・お兄ちゃん?』
男『ああ・・・ううん、なんでもないよ』

男『ただ、髪が綺麗だなって』
女『・・・本当に?』
男『うん、シルクみたい』
女『・・・そんなこと、誰からも言われた事ない・・・』
男『えっ?』

男『(こんなに・・・綺麗なのに?)』


293 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/01(日) 14:48:28.33 ID:31TYoeR40
金髪ふわふわか


294 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:48:39.80 ID:oh1IR2SV0
女『・・・私は』
女『この地方の人みたいに、茶系の髪じゃないから』
女『お父さんも金髪なんだけどね』
女『・・・お父さんも母さんも、それで馴染めないみたいなの』
男『・・・そうなんだ』
女『私も以前は近くの学校に通っていたんだけど』
女『・・・友達は優しかったけどね』

女『お父さんは、親同士で馴染めなかったみたいで』
女『それで、私はすぐにやめさせられちゃった』
男『・・・そんな』

男『・・・ちょっと、勝手だよ、それは・・・』
女『だよね』

女『・・・“お前がいると恥ずかしいから”』
女『だから、お父さんは、私を外に出さなくなって』
男『・・・』
女『まぁ、前からサイテーな人だったんだけどね』
男『そ、そうなんだ・・・』
女『私に何でも押し付けて、全て私のせい』

女『・・・お父さんは嫌い』


295 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 14:55:13.43 ID:oh1IR2SV0
男『・・・ずっと外にでちゃ行けないって・・・辛い?』
女『・・・ううん、別に』

女『私は、本を読むのが好きだから』
男『・・・そうなんだ』
女『・・でもね』

女『窓の向こうから聞えるお兄ちゃんの話し声を聞いているとね』
女『・・・時々、人と話したくなっちゃうの』

男『・・・』
女『・・・だけど外に出れないし』
男『・・・うん』
女『眺めているしかなかったの』
男『・・・』
女『いつもいつも、眺めていたんだけど』

女『・・・お兄ちゃんが、私のほうを向いて・・・』
女『・・・ちょっと、びっくりしちゃった』
男『あはは・・・ご、ごめんね・・・』
女『ううん』

女『お兄ちゃんが見つけてくれたおかげで、お兄ちゃんと話せたから』
女『・・・ありがとう』
男『(・・・うう、面と向かって言わないで・・・恥ずかしい・・・)』


296 :VIPがお送りします [] :2009/02/01(日) 14:56:31.87 ID:aCHW0pikO

え? 金髪ドリルだって?


297 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:02:02.67 ID:oh1IR2SV0
男『・・・ほら、ここが小川だよ』

サラサラ・・・

女『・・・綺麗』
男『でしょ?この小川の上流には人が居ないから、ここは特に綺麗なんだよ』
女『・・飲んでも大丈夫かな?』
男『うん、もちろん』

女『・・・っと、っと・・・』
男『大丈夫?転ばないようにね』
女『うん』

女『・・・(スッ』
女『冷たい・・・』
男『寒い季節だからねー』
女『・・・(ゴク』

女『・・・はわー・・・冷たい』
男『あはは、どう?美味しいでしょ?』
女『・・うん!』


298 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:06:37.70 ID:oh1IR2SV0
男『・・・(ゴクゴク』
男『〜・・・!』
女『・・・お兄ちゃん、どうしたの?』
男『・・・歯が・・・しみる・・・』
女『・・・ふふ』

男『うーん・・・涼しー・・・』
女『うん』
男『・・・あの・・・女ちゃんって』
女『?』
男『こういう・・・外で、こういうことするのって・・・嫌いかな?』
女『・・・?』

女『ううん?そんなことないよ?』
男『本当?つまらなくない?』
女『何で?全然、そんなことないよ・・・?』
男『・・・そう・・・なら、良かったぁ』
女『・・・』

女『お兄ちゃん』
男『?』
女『手、つないで?』
男『えっ』
女『・・・駄目かな?』
男『・・・も、もちろん、いいよ!』
女『・・・えへへ、やった』
ギュ


299 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:12:17.80 ID:oh1IR2SV0
男『(・・・うわー、初めて女の子と・・・こんな風にして手をつないだかも)』
女『(お兄ちゃん照れてる・・・女の子みたい・・・可愛い)』

男『・・・あ、そうだ』
女『?』
男『食べ物、持ってきたんだ・・・お昼ご飯にって』
女『・・・お昼すぎてるけど・・・・』
男『う・・・いいの!まだお昼だから!』
女『変なの』

男『・・・じゃあ、ここらへんに座ろうか』
女『うん、お兄ちゃんの隣、いい?』
男『もちろん、いいよ』
ガサゴソ

男『じゃーん』
女『・・・なにそれ』
男『これね、ヨモギ団子っていうんだよ』
女『よ・・・ヨモ・・・?』
男『ヨモギ団子、美味しいよ?一緒に食べよう!』
女『う・・・うん』

女『・・・緑色だけど・・・大丈夫なの?』
男『うん、そういうお菓子なんだよ』
女『・・・じゃあ』
女『半分・・・もらうね』
男『うん』

女『・・・(パク』
女『・・・・』


300 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:23:34.99 ID:oh1IR2SV0
女『・・・』
男『・・・どう?』
女『・・・』

女『う・・・うーん・・・あまり・・・』
男『・・・』
女『美味しく・・ない・・・』
男『う・・・ごめん・・・うう・・』
女『(!)』

女『な、泣かなくてもいいでしょ・・・』
男『・・・ごめん・・・やっぱり饅頭の方がよかったね・・うう』
女『マンジュウって言われても・・・』
男『・・・ぐすっ』

男『・・・ちょっと今から、おにぎり作ってくるね・・・』
女『え?え、いや・・・いいよ、大丈夫だからっ・・』
男『でも・・・お腹空いちゃうでしょ?』
女『大丈夫、大丈夫・・・お腹空いてないし』

女『・・・お兄ちゃんが近くにいてくれたほうが、楽しいから』
男『!』ボッ
女『(あ、顔が真っ赤に・・・)』
男『・・・』
女『・・・だから、もう少し・・・一緒に歩こう?』
男『う・・うん!』

女『(・・・お兄ちゃんっていうより・・・泣き虫なお姉ちゃんみたい)』


301 :VIPがお送りします [] :2009/02/01(日) 15:28:28.51 ID:9iKw6vzJO
団子食べたくなってきた支援


302 :VIPがお送りします [] :2009/02/01(日) 15:34:24.78 ID:aCHW0pikO

ご飯こねて丸める
 ↓
串に刺して焼く
 ↓
団子(?)


303 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:39:50.22 ID:oh1IR2SV0
農夫「(ザックザック」
農夫「・・・ん、そろそろ頃合いか?」

農夫「戻れ」

ドシャァッ・・・
男「!」ガバッ
農夫「おお、なんだ、慣れてきたようだな」
男「今すぐ夢を見てきます!」
農夫「おい」
男「すみません!気になるんです!」ザッザッザッ・・・
農夫「おーい」

農夫「・・・行ってしまった」
農夫「・・・急いでも、夢の終わりが早くなるだけだというのに・・・(ザックザック」
農夫「ま、それが恋する者、か」

農夫「・・・しかし、あの男・・・何故ここへ来たのだろうか」
農夫「・・・・」

農夫「いや・・・別に珍しいことではないか」
農夫「だがしかしそれだけに・・・残念でもあるな(ザックザック」

農夫「・・・ふう、そろそろ収穫の準備か」
農夫「稲穂を刈り、葉は大地に捨て、実は新たな芽となり再び根付く・・・」


304 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:48:37.22 ID:oh1IR2SV0
ザッザッザッザッザッ・・・

男「はっ、はっ、はっ・・・!」

男「(あんな終わり方されたら・・・もう、続きが気になるじゃないか!)」
男「(・・・まだかな、まだ頭痛は・・・!)」
ズキッ

“――母さん、どうすればいいかな・・・――”

ズキッ

“――私は・・・いいの――”

ズキッ

男「(くぅ・・・また声が・・・!)」
男「(この声って・・・残りの記憶の・・・なの・・・かな・・・)」


“――あの子が・・・大変だ・・・――”


男「え・・・?」

ズキン


306 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:54:58.24 ID:oh1IR2SV0
女『ふぁー、疲れたー・・・』
男『うーん・・・結構歩いたね・・・』
女『・・・うん、沢山お話した・・・』
男『・・・もうすぐ、陽が沈むね』
女『・・・・うん』

男『また一緒に、外に出かけない?』
女『えっ・・・?』
男『今度はさ・・・もっと、良い場所があるから・・・』
女『・・・』
男『あ、饅頭とおにぎりも持って行かなくちゃ・・・ううん、いっそ弁当を作って・・・』

男『・・・嫌、かな・・・』
女『・・・ううん』

女『・・嬉しい!』
男『本当?』
女『うん・・・こんなに遊んだの、久しぶり・・・』
男『・・・じゃあ、また明日・・・遊ぼっか?』
女『うん・・・うん!』


307 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 15:59:04.17 ID:oh1IR2SV0
女『・・・それじゃあ・・・またね!』
男『うん、また明日・・・迎えに来るよ!』
女『・・・絶対にだよ?』
男『もちろん!』
女『・・・えへへ』

男『・・・それじゃあ、明日・・また明日ね!』
女『うん・・!うん!』

タッタッタッタッタッタ・・・

女『(・・・行っちゃった)』
女『(・・えへへ、お兄ちゃん・・・かぁ)』


ガチャ
女『(・・・また明日も会える・・・明日も)』

『おい』
女『・・・え?』

『・・・どこほっつき歩いてたんだぁ・・?』
女『・・・ぁ・・・』


309 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 16:05:37.01 ID:oh1IR2SV0
ガチャ

男『ただいまー!』
父『おお、男・・・今日は随分と遅かったなぁ』
男『へへ・・・うん、ごめんごめん、遊んでたからさ』
父『・・・ほぉーう』

父『これまた、随分と嬉しそうだな』
男『えっ!』
父『なんだ、その女の子と遊んでたのか?』
男『え?え?・・・父さんにその話・・・えぇっ?』
父『・・・いや、昨日酔った勢いで話してくれたじゃないか』
男『〜・・・!』

ダダダダダ バタン!

父『・・・娘だったら可愛かったんだが・・・まぁいっか、可愛くても』
父『顔も母さんに似てきたなぁー・・・』


310 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 16:13:28.21 ID:oh1IR2SV0
バタン

男『(・・・うう・・・恥ずかしい・・・お酒飲まなきゃ良かったなぁ・・)』
男『(・・・)』

男『・・・明日、かぁ・・・明日も、また・・・』
男『えっと、おにぎりと・・・饅頭と・・・後は、ああ弁当か』
男『・・・よっし、明日の朝に全部作らなきゃ・・・』

男『へへ、明日は何しようかな・・・どこに行こう・・・』
男『暴れ木を見せてあげようかな・・・いや、あそこは遠いし危ないから駄目か・・・』
男『・・・うーん・・・あ、ちょっと上った場所に高山植物の花畑があったっけ・・・・』
男『・・うん、よし、そこにしよう!』

男『でも夕方までに間に合うようにしなきゃ・・・結構難しいなぁ』

男『・・・明日が楽しみだ・・へへ』


311 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 16:21:59.06 ID:oh1IR2SV0
農夫「・・・(ザックザック」
農夫「・・・問題は、奴がオレと話をしてくれない、ということだ」
農夫「・・ま、退屈しのぎのようなものなのだが・・・ここまで奴を見てきたのだからな」
農夫「最後まで付き合ってやる というのが礼儀か」

農夫「・・・戻れ」

ドシャァッ・・・
男「・・・ぐーぐー・・」
農夫「・・・起きて、またすぐに駆け出すということがあれば・・・その時こそオレは鍬を振るってもいいんだろうな」
男「ぐーぐー・・・」
農夫「・・おい、起きろ」
男「ん・・・んぅー・・・」
農夫「熟睡か、良いご身分だな」

農夫「だがオレは、お前のために何日にも分けて楽しみを見ているんだ」
農夫「どんなにまどろみが気持ち良かろうと、今回ばかりはオレの都合で起きてもらうぞ」
ゲシゲシ

男「いたっ、いたい・・・ん・・・?」
農夫「やっと起きたか」
男「農夫さん・・・ああ、おはようございます」


312 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 16:26:57.48 ID:oh1IR2SV0
男「いや、丁度睡眠に入ったところですよ」
農夫「・・・そうか(ザックザック」
男「明日もまた女ちゃんと、出かけてくる予定です」
農夫「ほう、出かけたのか」
男「あ」
農夫「オレは全く、そんなことは聞かされなかったが」
男「す・・・すいません」
農夫「・・・まあいい」

農夫「で、どうだった?(ザックザック」
男「うーん・・・すごく楽しかったです」
農夫「そうかそうか、それは良かった(ザックザック」
男「ただ」
農夫「ん?」
男「・・・ちょっと、恥ずかしくなりました・・・」
農夫「・・・うむ、それだけはなんとなく・・・わかるぞ」


313 :VIPがお送りします [] :2009/02/01(日) 16:28:21.55 ID:6AK5ICwZO
暴れ木に、花畑・・だと・・?


324 :◆1pwI6k86kA [] :2009/02/01(日) 16:56:17.42 ID:oh1IR2SV0
男「・・・それでですね、色々と回ってみたんですよ」
農夫「ほうほう(ザックザック」
男「だけど次からは、もっと良い場所に案内したいなーって」
農夫「・・・(ザックザック」

農夫「しかし、記憶はもう既に決まっている事だからな?」
男「あはは・・・それはわかってますよ、僕はただ過去をなぞってるだけだって」

男「でも、不思議と・・・見てる僕と、記憶の世界の僕は・・・行動が重なるんですよねぇ」
農夫「・・・ふむ」
男「だから僕からしてみれば、本を読んでいるような気楽さはあまり・・・」
農夫「なるほどな」

農夫「・・・ところで」
男「はい?」
農夫「何か、記憶の世界で異変は起こらなかったか?」
男「異変・・・ですか・・・異変?」
農夫「無いならば別にいいのだが」
男「・・・うーん、特にないですね・・・」
農夫「そうか(ザックザック」

農夫「(・・・しかし、そろそろ異変らしき事があっても良いとは思うのだが)」



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