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頭の固い新ジャンル「12月24日外伝」
- 73 名前:VIPがお送りします。 [sage]
投稿日:2007/12/24(月) 13:35:58.63 ID:L/YnCsYx0
女「あんたは年中野ざらしなのにサンタは一日働くだけかー。どうよ?」
地「サンタクロース――というか聖ニコラスもクリスマスしか働かないわけじゃないんですがね」
女「その割に見かけんなー」
地「航海・旅行の守護聖人ですよ、あの人は本来」
女「そういや【勝(将)軍地蔵】ってのもあったっけ。旅行や出征からの無事の帰還にご利益のある」
地「まあぶっちゃけ、そういうわけでそっち方面でサンタクロースの業界参入余地はないわけですが」
女「何から何までお前ら尽くしなのなー」
地「【水難地蔵】というのもありますね」
女「マジで仏教の融通利き具合は異常だな」
- 74 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 13:38:28.23 ID:L/YnCsYx0
地「――なうまくさんまんだぼだなんあにちゃやそわか」
?「――おんかかかびさんまえいそわか」
地「お誕生日おめでとうございます」
?「センキュ☆」
地「寄り道しちゃいましたね。では行きましょうか」
女「誰?」
地「十二天の一人、太陽神・日天さんですよ」
女「た、誕生日?」
地「クリスマスは異教徒の冬至祭を乗っ取った祭典。そして冬至祭は太陽の復活祭です」
女「あー。これから日が長くなってくから――」
地「これから勢いを恢復する太陽を元気付けようとどんちゃん騒ぎするのが冬至祭本来の――」
女「夢も希望もないなこの石頭は! クリスマスにカッポゥ容認・バカ騒ぎ容認ですか!」
地「元気がない太陽をどんちゃん騒ぎで何とかしようという思想は天の岩戸神話にもあるでしょう」
女「アレってそういう発想と関連してたんだ!?」
地「そうかもしれないしそうじゃないかもしれません」
救世主「――俺の誕生日って設定、忘れてる奴多すぎね?」
烏枢沙摩明王「異教の祭を取り込んだつもりが逆に取り込まれてたってか――
こんなやな日は一緒に便所にこもってやりすごそーぜ!」
救世主「いや――馬小屋にこもるからいい――」
烏枢沙摩明王「そうか。ならば無理強いはするまい」
- 75 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 13:42:13.57 ID:L/YnCsYx0
地「たまにサンタ狩りのスナイパーに狙撃されるんですがね」
女「洒落にならんっ」
地「まあほら、石ですから、私」
女「ならいいのか」
地「注文を装って配達人を襲うって事件もありますしね。サンタクロース委託が進む背景の一つです」
女「あーあー。道理で本物サンタってめったに見かけないわけだ」
地「私の知り合いの地蔵なんか狙撃されてちゃっかり【弾痕地蔵】として売り出してましたよ」
女「お前らって頭に何でもつけられるから便利だよなあ」
- 76 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 13:45:09.72 ID:L/YnCsYx0
犬「ウウウウゥ〜」
女「うっわー。ドーベルマンじゃん。どうすんのこの家?」
地「しかしこの犬自身はきちんと番犬の勤めを果たしている【いい子】ですよ」
女「えー? じゃあこいつにもプレゼントあげんの?」
地「人間界のみならず畜生界のいい子にもプレゼントはあげますよ。ほーら、お食べ」
犬「ヮフッ? ――――ムシャムシャムシャ」
女「――やってることは泥棒と一緒だね」
地「さ、今のうちに早く!」
女「ますます泥棒だー」
地「サンタクロースとご来迎となまはげは日本三大【侵入御免】。泥棒とは似て非なるものです」
女「初耳だねー」
地「あ、なるべく音を立てないように。家人が寝ているかもしれません」
女「どこまでも泥棒だー!」
- 77 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 13:55:27.24 ID:L/YnCsYx0
ぼおおぉぉぉぉぉ――――
女「ぃっ!?」
地「慌てないで。虎落笛です。夜風が電線を鳴らしたんですよ」
女「あれ不気味だよ。夜中にいきなり鳴る冷蔵庫なみに不気味だよ」
地「クリスマスキャロルだと思えばまた風流ですよ」
女「どこが」
地「風天もサンタクロースの袋に倣い、イブには風袋を気前よく開いているんでしょう」
女「寒いからやめろといっとけ」
- 78 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 13:56:40.00 ID:deYPXG5R0
,、-ー-、 ど
,r'"´ ̄`ヾ、 お う
リ ,,, ニ ,,,_ ヾト、 賽 だ
,ハ ^7 ,^ !.:.\ 銭
/.:.:.V,r''''''ゞyイ.:.:.:.:..ヽ だ
ノ.:!:.:.:.:`ゞ-<7.:〉.:.:.:i.:.:} よ
__ _,,,/.:.:/:.:.:.:.:.:| }-{/i.:/.:.:.:.:|.:/ う
|{百円}と_」.:/!.:.:.:.:.:.:.!  ̄ リ.:.:.:.:.:り ?
 ̄ ̄  ̄ |.:.:.:.:.:./_ :__ヽ.:.:.:.:\
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/.:.:.:.:.:.:.「^Y.:.:.:.:.:.:|´
{.:.:.:.:.:.:.:.| ,!.:.:.:.:.:.:|
\.:.:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.:|
\.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:!
> 'ゝ─‐イ、
`ー' ``''ー‐'
- 79 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:01:59.66 ID:pzcJHxMSO
>>78
暗くて足元が見えないわ
- 80 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:04:20.73 ID:L/YnCsYx0
孔雀明王「クーリースーマ――――ス――――!」 ばっ!
孔雀「イールーミーネ――――ショ――――ン!」 ばばばっ!
女「うおっまぶし!」
地「さすが明王の紅一点。あらゆる煩悩を喰らい清める仏国土の華」
孔雀明王「そぉーれ! クリスマスフラワー! クリスマスフルーツ!」 ばっ!
孔雀「ラィタップクライマーックス!」 カッ!
女「持ってる果物と花ばら撒くな! けばけばしい羽根広げるな!」
地「まあまあ。もうすぐ天上から迦陵頻伽たちが舞い降りてクリスマスソングの合唱が始まりますよ」
女「やめろー! 街をこれ以上敦煌壁画の世界にすんじゃねー!」
地「いいえ、クリスマスです」
- 81 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:07:41.41 ID:deYPXG5R0
>>79
/ \
.  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ,、-ー-、 電
| r'"´ ̄`ヾ、 気
| リ ,,, ニ ,,,_ ヾト、 つ
| ,ハ ^7 ,^ !.:.\ い け
| /.:.:.V,r''''''ゞyイ.:.:.:.:..ヽ い り
| ノ.:!:.:.:.:`ゞ-<7.:〉.:.:.:i.:.:} だ ゃ
|_,,,/.:.:/:.:.:.:.:.:| }-{/i.:/.:.:.:.:|.:/. ろ
と_」.:/!.:.:.:.:.:.:.!  ̄ リ.:.:.:.:.:り ・
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ヾ;;;;;;;;:::...;;;;〈 `ー' ``''ー‐'
‘ー.く`ヽイュ、
::::::::::::::::::::: ソ´・ ̄ス_ お 暗
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- 82 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:09:52.58 ID:L/YnCsYx0
女「おやお地蔵さん。彼氏にあげる手作りマフュリャーが間に合わなくて半べその女の子がいますよ」
地「それはいけない。私の神通力であっという間に編みあがれ愛のマフラー!」
女「おお。さすがはお地蔵さん、あっという間に編みあがって女の子も嬉しそう」
地「もらっちゃいました、マフラー」
女「うん、前掛けとか毛糸の帽子とか、あんたに奉納する定番アイテムだしね。さすが地蔵魔力」
地「神通力が効き過ぎましたか――」
女「さっさと返しにいこっか?」
- 83 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:11:05.93 ID:L/YnCsYx0
弘法大師「またか!」
菅原道真「む。毛唐にとっては我が国など愚者が金を落とす場所ぐらいにしか思うておらんのであろう」
地蔵菩薩「きちんと割り振ってもらいたいものですね。もう12軒目ですよ」
弘法大師「それはそうとどれを選ぶ? 虚空蔵求聞持法はマジお勧めの超記憶術」
菅原道真「生天神が目の前におるというに、何を迷うことやあらん」
地蔵菩薩「すべての悩み迷うものを救う願を立てた私の功徳は勉学のみにとどまりませんよ?」
受験生「えええええええええーとぉおおおおおおおおおお」
サンタクロース「おーい。だからサンタ本人いるんですがー」
弘法大師「あぁーん? あんた真言密教の呪法の恐ろしさ知らんなー?」
菅原道真「ゼウスも思わず恐怖で引きこもる我が怒りの雷を喰らいたいのかそうかならば死ぬか」
地蔵菩薩「モノを与えるだけでは真の救いにはならないのです。あなたは何もわかっていない」
サンタクロース「…………」
サンタクロース「うっ――ひっく――ぶぇっ――だから嫌だったんだ、こんな東の果て――帰りたい――」
烏枢沙摩明王「そうか。いろいろあるよな。思いっきりここで泣いたらええ。俺がついてるさ」 ぽんぽん
女「あんたら便所でなにやっとん――?」
- 84 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:14:35.49 ID:L/YnCsYx0
かわいいかわいい雪兎ちゃぁん――こっちへおいでぇ
女「誰ッ!? ――っつかどこここッ!? おい地蔵! どこ行った!」
ほぅらぁ。どこを見てるのぉ? こっちよぉ。こっちぃ。うふふふふぅ〜
女「なんだよこの雪っ。シベリアかここは!」
さ〜ぁ。手を伸ばしてぇ。わたしはここよぉ〜
女「うるせぇ! いま行くから黙ってろ!」
あらあらぁ〜。怖い怖ぁ〜い。うふふふふふふぅ〜
地「喝ッ!」 しゃんっ!
- 85 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:15:42.26 ID:L/YnCsYx0
?「あらぁ。お地蔵さま、いたのぉ?」
女「えっ!?」
地「危ない危ない。ちょっと目を離した隙に」
女「雪は――? あれ? 何も降ってない――?」
?「ざんねぇん。せっかくかわいいかわいい雪兎を見つけたと思ったのにぃ〜」
地「いい加減になさい雪女郎!」
女「雪女郎って――え? 雪女!?」
地「外国から来たサンタクロースを異郷で凍え死にさせるんで問題になってるんですよ」
女「どうなってんだよこの業界は!」
雪「お地蔵さまがいるんじゃしょうがないわねぇ。またねぇ、雪兎ちゃぁん。うふふ。あははははぁ〜」
びょぉうっ――――!
女「うおっつめた!」
地「サンタ狩りだけじゃなくああいうのも出るから、まったく困ったものです」
- 86 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:20:55.87 ID:L/YnCsYx0
女「雪女いるんならあいつにサンタさせりゃホワイトクリスマスにもなっていい感じじゃん」
地「翌朝、プレゼントのそばでルーベンスの絵の下のネロ君みたいになってる子供が続出しますが」
女「殺しちゃダメだー!」
地「人を凍死させるのがあの人の【命】そのものみたいなものですしねえ」
女「意外とやばくね、この業界?」
- 87 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:26:08.27 ID:L/YnCsYx0
地「ささ。どうぞ」
客「お――お地蔵さま!?」
地「いえいえ。今宵の私はサンタクロース。合掌は無用ですよ。メリークリスマース!」
女「何でだよ! 夜景の見える大人のふいんきなバーで何でお地蔵さんがシャンパン注いでんだよ!」
地「これもサンタクロースとしてのサービスの一環ですよ、クリスマスイブの天使さん」
女「わたしゃ未成年じゃー! お子ちゃまに酌さすんじゃねー!」
地「酌だなんて日本酒みたいなことを。ムードというものが――」
女「おいおっさん。そのシャンパンのビン貸せ。ちょっと殴りたいもんができた」
- 88 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:30:14.07 ID:L/YnCsYx0
,..-‐ ´ ̄ ''ー-.__
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::>⌒ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::!:/ 弋__ノ
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
ゝ________ノ
! ∠.._;'____\ |
,!イ く二>,.、 <二>`\.、ヽ.
/'´レ--‐'ノ. `ー---- 、 |\ ヽ、
\ `l (!" Jfヽ! `''-;ゝ 喪「外に出なければ
`‐、jヽ ヾニニ> ゙イ" }_,,. ‐''´ どうということはない」
`´\ ー / ,ィ_}
. |_ `ー ''´ _」'
_,.| ~||「  ̄ 人|、._
,r==;"´ ヽ ミ|||彡 / ` ー`==、-、
地「そんなあなたにもメリークリスマス!」
女「めり〜」
喪「サンタさんが嫁を連れてやってきた――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!」
女「太陽復活の贄にしたろかキモオタ」
地「一夜を共にしたのが実は観音さんか誰かだったってお話はありますね」
女「いいのかおまえっ!?」
喪「…………」 じろじろ
喪「違う! お前らは俺の嫁じゃない!」
女「ありがとう。わたしも嬉しいわ。でもなんかむかつくから殴らせろ」
地「錫杖返してくださいよ」
- 89 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:36:13.61 ID:L/YnCsYx0
地「メリークリスマース」
女「ぶぇほっ! げほっ!」
婆「あんれまぁ。お地蔵さまがかまどから来なすったよ」
女「わたしゃ無視かババァ」
地「お孫さんにプレゼントです」
婆「おお、ありがたやありがたや」
地「それではよいお年を――」
女「なんでかまどからなんだよ! 空間がどうねじれてんのかってことより、なんでかまど!?」
地「新年を前によきもの来たれと煙突を、日本ではかまどを清めるのは普通の風習ですよ」
女「サンタが煙突から来るのって近代の創作文学だろーが」
地「民俗学的伝統にも合致してるんだからいいじゃないですか」
女「でもやっぱかまどから出入りってのは無理があるぞ!」
地「いいじゃないですか。いまじゃもうめったにあるもんじゃなし、たまにはこういうのも」
女「次からはお前一人でやってくれ」
地「ああ、かまどのあるお宅はあそこだけです」
女「許さん――――――」
- 90 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:44:30.37 ID:L/YnCsYx0
女「なー。せっかくだしなんか飾りたいからクリスマスっぽくて場所とらねーもん出してよ」
地「そうですね、いろいろ手伝ってもらっているお礼に――」
女「これ、法輪だよね?」
地「いいえ、クリスマスリースです」
女「法輪だよね?」
地「役目は似たようなものです」
女「つまるところ、法輪だよな?」
地「目指す頂が同じなら登山ルートは問題ではないというのが仏教の基本です」
女「こっち向いて話せや石っころっ」
- 91 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:47:39.45 ID:L/YnCsYx0
地「トナカイの維持管理ってけっこうお金かかるんですよ」
女「またこいつは夢も希望もない話を――」
地「しかも繁忙期は年に一日。業務委託したほうが安上がりなわけです」
女「いたいけなお子ちゃまどもにはそういう話すんなよ」
地「わかってますよ」
- 92 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:52:35.21 ID:L/YnCsYx0
男「【寝正月】があるんならさー。【イブ寝】があってもいいと思うんだー」
女「あー。それはあるわー」
地「【ふて寝】みたいですね」
男「正月とこたつは相性いいのに、クリスマスとこたつじゃなんだか惨めなイメージなのは何でだぜ?」
地「暖炉の前だとさまになるんですがね」
女「家でぬくぬくのたのたしてるってんじゃ一緒じゃん」
男「そこよそこ! サンタはしょせん外人さんだから期待しねーけど、お地蔵さんならわかるでしょ?」
地「微妙なニュアンスが、ね」
女「そそ。そのびっみょ〜なとこよ」
地「そういうことはこたつの達人、こたつ猫が知っています」
女「こたつ猫は何でも知ってるっていうしなー」
地「こたつから出ればただの猫なんですがね」
男「うち猫いねー! プレゼント、猫くれよ猫ー」
地「申し訳ありませんが生き物の贈答は仏の道に反することなので」
女「むしろ逃がす方が功徳だもんなー。【放生】ってやつ?」
地「クリスマス大放生会もいいですねえ」
男「保健所が困るからやめとけって」
- 93 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:53:54.75 ID:L/YnCsYx0
少年「〜♪」
女「おーおー。クリスマスカード片手に浮かれるおのこが約一名。デートの呼び出しですかにゃー?」
地「いけませんね。あのカードから妖気を感じます」
女「はいぃ?」
少女「おまった〜」
少年「あ!」
少女「ほんとに来てくれたんだぁ〜。うふふぅ〜」
少年「メールでよかったのに」
少女「いいじゃんクリスマスなんだしぃ〜。気取ってみたってぇ〜」
地「喝ッ!」 しゃんっ!
- 94 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:55:10.26 ID:L/YnCsYx0
少年「ひッ!?」
少女「あらあらぁ〜。どこまでも人の邪魔をするのねぇお地蔵さまぁ〜」
地「その人は君の幼馴染の子じゃない。君をさらって殺そうとしている雪女郎です」
女「ちょっ、また雪女かよ!」
雪「うまくいくとこだったのにぃ〜。クリスマスは書き入れ時なのにねぇ〜。クスクス」
びょぉうっ――――!
女「さむっ! いちいち吹雪に紛れて消えんな!」
地「お祭り騒ぎが大きければ大きいほど、その裏の闇もまた深し。用心用心――」
女「怖えぇ――クリスマス怖えぇ――」
少年「…………」 ぽかん
地「さあ。これは私からのクリスマスプレゼントです。これをもって本当の彼女のところへお行きなさい」
少年「え? あ?」
女「あー。これ、お地蔵さんっぽいけど一応サンタクロースだから。詳しくは訊くな。説明したくもない」
- 95 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 14:57:21.23 ID:L/YnCsYx0
男「幼馴染の作ってくれたお弁当食いてー!」
地「なんと難しい要求」
女「身代わり地蔵ってことで幼馴染に化身して作ればー?」
男「目の前で相談しないでくれるかなー? ばればれだよー?」
烏枢沙摩明王「ああ――便所は俺が一室押さえておこう――あとは地蔵しだいだ――」
女「おまえどっから湧いてくんだよ毎回毎回!?」
男「っつか俺、なんで便所メシしなきゃならんの?」
- 96 名前:VIPがお送りします。 [sage] 投稿日:2007/12/24(月) 15:00:55.69 ID:L/YnCsYx0
少女「私がほしいのは彼からの告白――お地蔵さん、何とかしてくれるの?」
女「これはサンタでも難しいぞ。さあどうする地蔵?」
地「ふふふ。【縁結び地蔵】を忘れてもらっては困りますよ。まあ私におまかせあれ」
女「冷静に考えたらお前って、完全にサンタのご利益食っちゃってるよねー」
地「別に競い合う気はないんですがね」
烏枢沙摩明王「ああ――便所で待っている――もし失敗したときは遠慮なく泣きに来い――」
女「待てやコラ。なぜに失敗前提? しかも女子トイレで待ち受ける気かてめえ?」
烏枢沙摩明王「便所こそはすべての苦しみから隔離された【不浄の聖域】だからさ」
女「…………」
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| ∩ ジャーッ ゴボゴボ・・・
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ヽ二二 ヽ -―- | | .//|\ノ(◎)
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\\::::::::::::::::: \ .\ 「うおおおおおおお!? やめろ! やめろおおおお!」
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ヽ-二二-―'
女「さすが便所の守護神、詰まりもせずにきれいに流れてくわ〜」
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