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兄「やってしまった・・・」
- 1 :VIPがお送りします []
:2009/04/16(木) 00:56:13.15 ID:ACwA5stV0
兄「やってしまった・・・・」
兄「やってしまったぞ・・・・・・」
兄「なんというミスだ・・・・」
兄「・・・・・・」
兄「どうしよう・・・」
- 2 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 00:57:01.97 ID:0ia4r9pO0
兄「弟としてしまうなんて.......」
- 3 :VIPがお送りします [安価下] :2009/04/16(木) 00:57:20.14 ID:62tokFC+O
凡「漢字をミスった」
- 5 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 00:57:34.62 ID:5H9ewkW60
兄「まさか妹が爆発するなんて・・・」
- 6 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 00:58:55.13 ID:ACwA5stV0
学校から帰って来た俺は
無くなっている事に気付いた
兄「まずいなぁ・・・・・・」
兄「どこにやったっけなぁ・・・・」
兄「覚えてねえなぁ・・・・」
兄「肌身離さず持ってたと思ったんだけどなぁ」
兄「うむむ・・・・・・」
- 7 :VIPがお送りします [安価下] :2009/04/16(木) 00:59:47.87 ID:62tokFC+O
チンコか……
- 8 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:01:34.55 ID:ACwA5stV0
兄「鞄の中も探したし・・・・」
兄「部屋の中も置きそうなところは一通り探したし・・・」
兄「とするともしかして・・・・」
兄「どこかで忘れるか落としたのか・・・・・?」
- 9 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:03:05.09 ID:ACwA5stV0
兄「もしそうだったら」
兄「どこで忘れるか落とすかしたんだろうか・・・・」
兄「まったく心当たりがねえ・・・・」
兄「・・・しょうがねえ」
兄「探しに行くか・・・・」
- 10 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:04:36.23 ID:ACwA5stV0
外
とりあえず俺は家を出た
そして
家から学校までの道を
歩いてさかのぼってみた
勿論足元を見ながら
兄「落ちてねえかな・・・」
- 11 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:06:10.46 ID:ACwA5stV0
兄「・・・・・・・」
兄「ああ・・・・」
結局見つかることもなく
気付けば学校の校門に着いていた
兄「着いちゃったよ・・・・」
兄「・・・せっかくだから」
兄「学校内も探すか・・・・」
- 12 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:08:13.56 ID:ACwA5stV0
学校内
教室
兄「・・・・・くそ」
兄「机の中にもロッカーにもねぇ・・・・」
兄「廊下にも落ちて無かったし・・・」
兄「・・・・・・」
兄「そういえば・・・・」
- 13 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 01:11:13.03 ID:papMCzPf0
たこふしの人だよね!文体でわかっちゃったよ☆
- 14 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 01:11:28.25 ID:ahFw3c9CO
カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのにまだまだ探す気ですか?
- 15 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:12:34.43 ID:ACwA5stV0
兄「今日美術の授業があったな・・・」
兄「もしかして」
兄「あの時使ってそのまま美術室に忘れちったのかも」
兄「行ってみるか」
俺は美術室に行く為に
職員室に行った
- 16 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:14:01.06 ID:nU3HOjAWO
つ夢
- 17 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:14:40.54 ID:ACwA5stV0
職員室
兄「失礼します」
兄「すいません先生」
先生「ん?どした兄?」
兄「美術室に忘れ物をしてしまったので」
兄「鍵を借りてもいいですか?」
先生「ああ、別に構わんが」
兄「ありがとうございます」
俺は美術室の鍵を借りた
- 18 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:15:53.73 ID:ACwA5stV0
兄「では取ってきます」
兄「後で元のところに返しておくんで気にしないで下さい」
先生「それはいいが」
先生「それよりお前・・・・・」
先生は顔をしかめた
先生「・・・・大丈夫なのか?」
兄「?」
兄「何のことです?」
- 19 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:18:26.77 ID:ACwA5stV0
先生「あの事だよ・・・・」
先生「お前あの時は大変だったろう・・・」
兄「・・・・・・」
兄「・・・すいませんさっさと取ってきちゃいますね」
兄はそう言うと
職員室を逃げるように出て行った
先生「兄・・・・・」
先生「無理もないか・・・・・」
- 20 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:23:53.00 ID:ACwA5stV0
余計なお世話だ
兄「・・・・・・・」
関係のねえことだ
兄「・・・・・・」
干渉するな
兄「・・・・・・」
兄「くそ、やけにイラつく」
俺は早足で美術室に向かった
- 21 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:26:33.20 ID:ACwA5stV0
美術室
男「えっと・・・・」
男「おお」
机の上にお目当ての物があった
男「やっぱり」
男「やっぱり使ってそのまま忘れてたんだな・・・・」
男「俺のカッター」
- 22 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:29:49.24 ID:ACwA5stV0
俺は
美術室で見つけた
大事な大事な忘れ物
この世に一つしかない物
誰にも作れない物
そして
色んな物が詰まった物
目に見えない
悲しい何かが詰まった物
- 24 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:32:53.73 ID:ACwA5stV0
兄「やっと見つけたよ・・・・・・」
兄「弟の形見を」
- 26 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:36:09.49 ID:ACwA5stV0
それは
雨の降る日の出来事だった
部活が雨で中止になった俺は
まっすぐ家に帰ることにした
傘を持っていなかったので
走って家に帰った
- 28 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:37:31.82 ID:ACwA5stV0
家
兄「やっべぇ・・・大分濡れたよ・・・」
制服も鞄もビショビショだった
兄「これじゃあ家にあがれねえな・・・・」
兄「おーい弟ー」
兄「もう帰ってるんだろー?タオル持ってきてくれー」
応答は無い
兄「・・・・・・」
兄「あいつどっか寄り道でもしてんのか」
- 29 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:39:19.02 ID:ACwA5stV0
兄「ったく・・・・・」
仕方なく床を濡らしながら浴室に向かった
兄「あーあ」
兄「後で床も拭かなきゃな」
俺は洗濯機にYシャツ靴下等をぶち込み
別の服に着替えた
兄「肝心な時にあいつはいねえな」
兄「ちくしょう」
- 31 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:42:39.32 ID:ACwA5stV0
鞄と床を拭き終えた俺は
拭いたタオルも洗濯機に入れ
自分の部屋に戻った
兄「にしてもよく降ってんなぁ」
俺は自分の部屋から窓の外を見た
ドシャ降りに近い
兄「弟は大丈夫かなぁ」
兄「あいつも傘持ってってねぇだろうし」
- 33 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 01:44:40.06 ID:FbwEgMS9O
またお前かよwwwww
- 34 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:45:40.84 ID:ACwA5stV0
ふと俺は横を向いた
兄「・・・・ん?」
俺は思った
兄「あれ・・・・」
兄「弟の部屋」
兄「電気ついてんじゃねーか」
- 35 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:49:06.86 ID:ACwA5stV0
兄「さては」
兄「あいつメンドクサイからシカトしやがったな」
兄「それとも」
兄「昼寝でもしてんのか」
ガチャ
ドアを開けた
- 36 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:51:29.53 ID:ACwA5stV0
俺は見た
とんでもないものを見た
恐ろしいものを見た
足がすくんだ
体が震えた
顔が青ざめた
そこには
血を流して倒れている弟の姿があった
- 37 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:54:12.92 ID:ACwA5stV0
弟はぐったりしていた
兄「・・・え」
兄「・・・おい」
兄「おい」
兄「弟、しっかりしろよ」
兄「おいおいおいおいおい」
兄「・・・・・おいい」
兄「おいいいいいいいいい」
- 39 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 01:57:14.65 ID:ACwA5stV0
その後弟は
部屋から救急車に運ばれ
病院に行った
俺も付き添った
救急隊員の話だと弟は重症らしく
俺は
病院に着くまでずっと
弟の手を強く握っていた
- 40 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:00:40.30 ID:ACwA5stV0
病院 手術室前
弟はそのまま手術室に運ばれた
俺は手術が終わるのを待った
俺が連絡した親も到着し
俺達はただただ成功を祈った
だが
- 42 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:03:53.17 ID:ACwA5stV0
兄「・・・・今なんて」
母父「・・・・どういう・・・・ことですか・・・・」
医者「残念ながら・・・・・」
医者「弟さんは・・・・・」
- 43 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:07:12.21 ID:ACwA5stV0
その日は最悪の日
雨がドシャ降りになった日
部活の中止になった日
ずぶぬれになった日
とんでもないものを見てしまった日
家族が1人 いなくなった日
- 44 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:10:26.51 ID:ACwA5stV0
俺は美術室を出て
鍵を閉めた
兄「・・・・・・」
兄「俺の目の先は・・・」
兄「あの時から行き止まりのままだ・・・・・」
兄「歩くには・・・・・」
兄「進むには・・・・・」
- 45 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:10:41.22 ID:C/n79ML30
「やってしまった・・・」のシリーズだな?
- 47 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:13:12.48 ID:ACwA5stV0
>>45毎度毎度すいませんほんと
霊安室
母「弟!!弟!!!!」
母「おとうとおおおおおお!!」
母は大声で泣き叫んだ
父「弟・・・・・」
父「うう・・・・・」
父も泣きながら呟いた
そして俺も
泣きながらその光景を眺めていた
- 48 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:16:18.37 ID:ACwA5stV0
死因は大量出血による失血と
急速に血液が失われたことによるショック
血液の補充を試みたが間に合わず
血が回らなくなり停止を起こした
そう医者は言っていた
医者「手術室着いた頃には既に危篤状態でした・・・」
医者「非常に残念です・・・・」
- 50 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:20:29.30 ID:ACwA5stV0
俺は殴りかかろうと思った
本当はお前が殺したんだろうと
そう医者に言ってやろうと思った
だが俺は
それが筋違いなことも知っていた
だから俺は
ただただ泣くだけだった
- 51 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:23:34.60 ID:ACwA5stV0
改めて弟の顔を見る
人間の顔は
ここまで変わってしまうものなのか
別人にすら見えてくる
いやむしろ
別人だったらどれだけ嬉しいのだろうか
兄「なぁ弟・・・・・」
兄「帰ってこいよ・・・・・俺たちの所に・・・・」
そうして俺達は
ひたすら泣いた
- 53 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:27:08.09 ID:ACwA5stV0
弟の死からしばらく経った日の朝
葬式等面倒全てを終えた俺達は
久々に家族でちゃんとしたご飯を食べた
父「いただきます」
兄「いただきます」
母「いただきます」
四人用のテーブル
一つ空いた空席
- 54 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:30:11.24 ID:ACwA5stV0
母「・・・・・・」
母「うっう・・・・うう・・・」
父「いい加減泣くのはやめなさい・・・・」
父「もう・・・」
母「分かってる・・・・」
母「けど・・・」
兄「そういう父さんこそ・・・・」
兄「・・・・・・」
兄「俺も・・・・・・」
- 55 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 02:32:26.67 ID:ACwA5stV0
父は
空いた空席を見た
父「・・・今度」
父「テーブルと椅子を買い換えようか・・・・」
兄「それがいいかもね・・・」
ピンポーン
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