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アラクネ「あら、怖くないのかしら」
1 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:01:38.58 ID:YxiaIGCD0
喪男「食べるんですか・・・食べるならとっととお願いします」

アラクネ「・・・まぁお望みどおりにしてあげるわよ」

喪男「そうだ、それでいいんですよ、僕なんて生きていても地球に悪いですし」

喪男「そうですよ、無駄に生きてるし吐いている息は二酸化炭素で地球に悪いし」

喪男「そうですよね、僕なんて貴方に食べられた方が世間に+なんだ、そうに違いない」

アラクネ「ちょ、ちょっと、貴方、聞いてるの?」

喪男「・・・・・・あぁすみません、さぁどうぞお食べください」

アラクネ「貴方の陰鬱な発言で食欲失せちゃったわよ」

アラクネ「っていうか貴方みたいな人食べたら体に悪そうだわ」

喪男「はは、食物連鎖にすら僕は見捨てられるのか、まぁ仕方ないですよね」

喪男「まぁどうせ僕は生きていても案山子みたいなモノだしどうせブツブツ......」

アラクネ「・・・」


2 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:02:04.90 ID:MNzE4LMG0
もう歩けにー


3 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:04:43.41 ID:I4FN2FK/O
アグネスにみえた


4 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:07:04.85 ID:w4ywyXmr0
俺もアグネスにみえた


5 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:07:46.17 ID:YxiaIGCD0
アラクネ「はぁ、貴方みたいな人間初めて見たわよ」

アラクネ「普段なら『うわああ!』とか言って怯えだすのに」

喪男「まぁ、見慣れてますから」

アラクネ「見慣れてる?って、どういう事?」

喪男「まぁ、小さい時から僕は世間に順応できなかったし」

喪男「一人で夜の山とかで自分と向き合ってたりしてたら、人間じゃない者と関わるようになって」

喪男「まぁ、結局世間の時と同じようにみんな『喰う気失せた』とか『近寄らないでよ』とか」

喪男「はは、人でない者にすらヒカれる僕って一体・・・そうさ、自殺したくても怖くて死ねないのさブツブツ......」

アラクネ「・・・・・・と、とり合えず貴方を私の糸で巻いていたら鬱がうつりそうだから解いてあげるわよ・・・」

シュルルル...

喪男「はは、今日も夕日が綺麗だなぁ・・・・・・帰ってもする事何もないしな」

喪男「学校行ったって授業だけだし、DQNに絡まれるし」

喪男「ブツブツ.....」

アラクネ「・・・・・・あのさ」


6 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:12:25.46 ID:YxiaIGCD0
喪男「なんですか、食べる気になりましたか」

アラクネ「貴方いくつ?」

喪男「・・・16ですけど」

アラクネ「人間で16って、まだ青春まっさかりで食べ頃じゃないの」

アラクネ「・・・それを、1000年生きた仙人見たいな雰囲気で尚且つ陰鬱って無いわよ」

喪男「・・・・・・はは、蜘蛛女にまで存在を否定されてしまったよ」

喪男「あぁなんて惨めなんだ、あぁ。僕って人間なのかな、なのかな......」

アラクネ「あぁ〜!もう鬱陶しいわね!貴方それでも男!?」

喪男「生物学上と、見た目からして蜘蛛女さんは女の人みたいですけど」

アラクネ「そんなのどうでもいいのよ!男がそんなんでいいのかって言ってるの!!」

アラクネ「貴方本当に無いわ!もっとシャキッとしなさいよ!!!」

喪男「・・・・・・そんな事言われても仕方ないじゃないですか」

喪男「あ、食べる気無いなら用事はないですよね、失礼しますね」



アラクネ「・・・・・・な、なんなのよ、あれ・・・」


7 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:17:48.13 ID:YxiaIGCD0
次の日、学校

ガラガラッ

喪男(・・・・・・視線が痛いなぁ、まぁいつもだけどさぁ・・・)

女子群「ヒソヒソ......」

「ねぇ、アレッて何時までこのクラスに居るの?気持ち悪いんだけどぉ〜」
「っていうか、あの雰囲気は無いわよね、マジ勘弁」
「あー、ここからでもジメジメとした感覚が・・・」

喪男(・・・・・・死にたいなぁ、死ね無いけどさ)

DQN「おい」

喪男「な、何か用かな・・・」

DQN「ん」

喪男「・・・・・・え」

DQN「え?じゃねぇよ!!金だよ金!!昨日金無いとか言ってただろぉ!?」

DQN「俺ら、昨日お前のせいで昼飯無かったんだぜ?勘弁してくれよ」

DQN2「でも俺ら優しいじゃん?だからさぁ、今日有り金全額払ってくれたら昨日のはチャラにしてやるよ」

喪男「ぼ、僕お金無いんだけど・・・・・・な・・・」


8 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:23:39.61 ID:YxiaIGCD0
DQN「あぁ!?んだとぉテメェ!!!」

DQN2「ざけんじゃねぇぞ!!テメェのせいで昨日は死ぬかと思ったんだぜ!?」

ガシッ

喪男「や、やめて・・・・・・よ・・・」

DQN「チッ、一々ムカツクなぁ!?何キョドッてんだ!?キメェんだよ!!!」

DQN2「ま、しかたねぇ、今日は勘弁してやるが明日5万用意しな」

喪男「え、ム、無理・・・だよ・・・・・・」

DQN「おっ、お前今日優しくね?」

DQN2「俺はこう見えて心が広いからな、待ってやる事くらいできるさ」

DQN「おら、コイツの優しさに免じて今日も待ってやるよ」

DQN2「その代わり5万用意しろよな、用意出来なかったら青タンどころじゃねぇ位にシバいてやるからよ」

アハハハハ!!

担任「・・・?ほら席につけー!!」

喪男(・・・・・・)

担任「んじゃ出席取るぞー」


9 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:28:31.53 ID:YxiaIGCD0
喪男「あれ・・・・・・僕の教科書・・・」

喪男(あ・・・なんでゴミ箱なんかに・・・・・・あぁ、またあいつらか)

担任「ん?おい!大切な国の税金を無駄にしてる奴は何処のどいつだぁ〜?」

男子生徒「せんせぇー!さっき喪男君が捨ててるの俺見ましたぁー!」

喪男「え、僕やってな・・・・・・いえ、すみません、僕やりました」

担任「まぁーた喪男か、お前は成績は学年トップなのにどうしてこうなんだ・・・」

喪男「す、すみませn」

担任「ちょっと放課後相談室に来なさい」

クスクスクス......

喪男「・・・・・・眠いな、今日は早めに寝付こうかな」

喪男「あ、五万円用意しなきゃいけないんだっけ」

喪男「ま、無視しようかな、でも無視したらまたボコボコにされるよな」

喪男「ブツブツ......」

「いやぁ〜、また始まったよ?」
「チョー、キモいんですけどー(笑)」
「あいつwwwキメェwww」


10 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:31:48.87 ID:EbcD7Qj10


11 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:34:33.41 ID:YxiaIGCD0
放課後

喪男「おっかしいなぁ、普段ならあいつらこういう所に弁当箱隠す筈なんだけど」


「おい!!お前1年の喪男かぁ!?」

喪男「あ、あれ、先輩・・・・・・なんで」

3年「俺の席がテメェの糞見たいな弁当で汚れてんだよぉ!!」

3年「ちょっと面貸せよオラァ!!」

グイッ!!

喪男(・・・・・・またか、多分DQNの連中だな)


DQN「せんぱーい、またこいつにやられたんすかー」

3年「あぁらしいな、こいつマジこりねぇの、いい加減センコーに突き出してやろうかな(笑)」

DQN2「それじゃぁ可哀想だからリンチで許してやってくださいよ」

3年「相変わらずお前は優しいよな、しかたねぇリンチの刑な」



DQN達「ヘヘ、ちゃんと五万用意しろよ、さもないとこうなるからな」


13 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:40:08.71 ID:YxiaIGCD0
喪男「もうとっくにボコボコじゃないか」

喪男「イテテ、随分痣が出来たな」

喪男「あ・・・時間・・・先生に呼ばれてる時間オーバーしちゃってるな」


担任「・・・・・・まったくお前という奴は」

喪男「すいません、階段で転んじゃって」

喪男「その後立ち上がったら足挫いちゃって窓の角にぶつかっちゃって」

担任「どうやったらそうなるんだ・・・まぁ時間に遅れたのは許そう」

担任「だがな、教科書を丸めて捨てたり、先生達の職場まで荒らすのはどうかと思うんだ」

担任「お前は成績がとても良い、だから俺もお前に一目置いている」

担任「だからと言って中学生や小学生のような浅はかな行動はどうかと思う」

担任「いいかげんに止めなさい、気の長い俺も余り続くと親御さんを呼ばないといけなくなる」

喪男「そうですね・・・すいません、迷惑をかけました」

担任「自覚しているならもう止めなさい」

担任「先生も面倒な事は嫌なんだ、頭の鋭いお前なら解るだろう?」

喪男「そうですね、本当に申し訳ありません、もう止めます」


14 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:40:19.32 ID:N2pOVwMUO
うねうね成敗


15 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:41:48.47 ID:EdffxJ4p0
アグネスに(ry


17 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:44:30.66 ID:rg/+M6nJO
アラクネたんの綿飴たべたい


18 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:45:12.20 ID:/SEUlNqDO
アラクネ関係ねぇ


19 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:46:30.62 ID:YxiaIGCD0
帰宅途中

喪男「と言っても帰るわけにはいかないんだけどな」

喪男「五万か・・・・・・なんかもういいや、ボコボコにされよう」

喪男「痛いのは嫌だけど、周りに迷惑掛ける訳にはいかないよな」

女「あれ、どうしたの?そんなにボロボロで?」

喪男「あぁ、女ちゃんか」

女「まぁーた喧嘩でもしたの?」

喪男「ごめんね、周りが殺到としてるから」

女「ほんと、中学入ってから私と会う時殆どボロボロだよね」

女「君、見掛けに寄らず結構気が立ってるんだね、ははっ」

喪男「はは、ごめんね」

女「いつも思うんだけど君、『ごめんね』ばっかりだよね」

女「小学生の時もそうだったじゃない」

喪男「懐かしいね、最近他の事で頭が一杯だったよ」

女「あ、もしかして進路?気が早いなぁ〜」


20 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 19:47:32.10 ID:nffYF6BH0
ブレイブルーなの?
タピオカみたいな名前の猫いるやつだよね


21 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:51:40.46 ID:YxiaIGCD0
喪男「ははは、女ちゃんは将来何になりたいの?」

女「そうだね、私は福祉関係かな」

喪男「偉いね、おっと僕は用事あるからここで」

女「あんまり遅くならないようにしてよね、不良行動もほどほどにね」

喪男「はは、ごめんね」

喪男「そうだな、どうせ母さん帰ってくるの遅いし山にでも行こうかな」



喪男「やっぱり静かだし涼しいし良い所だよなぁ」

喪男「卒業したら何処か遠くの田舎に住みたいな」

喪男「出来るだけ人が居ない場所がいいな、昼間はのんびり釣りでもしたいな」

喪男「夜は星空を見上げながら一日を終える、最高じゃないか」

アラクネ「また貴方なの、他の人間かと思ったじゃない」

喪男「あれ、すいません、邪魔でしたか」

アラクネ「ちょっと待ちなさいよ」

アラクネ「貴方、アレだけズタボロにされて良く平気で居られるわねぇ」


23 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 19:55:59.73 ID:YxiaIGCD0
喪男「みんなに迷惑掛ける訳にはいかないし」

喪男「母さんにも迷惑かけられないし、周りの人にもそうだし」

喪男「僕はこれでも人一倍打たれ強いんだ、はは、僕にも自慢できる物があったじゃないか」

喪男「それよりも見てたんですか?良くばれませんね」

アラクネ「私の体ならバレる事なんてまず無いわよ」

アラクネ「っていうか、貴方頭良いらしいじゃない」

喪男「勉強なんて往復していれば覚えられる物なんですよ」

喪男「みんなやり方を理解出来てないだけですよ、後、教える人も根気良く教えれば誰だって出来るようになりますよ」

喪男「それに、今の僕にはあっても無くても関係ありませんし」

アラクネ「人間ってつくづく変な生き物ね、理解出来ないわ」

喪男「ははは、それよりも食べる気無いのにどうして僕なんかに・・・」

アラクネ「暇なのよ、暇潰しよ」

喪男「僕なんかを相手にしていると不幸になりますよ」

アラクネ「それは貴方の思い込みよ」

喪男「だといいんですけどね」


24 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:01:13.63 ID:YxiaIGCD0
アラクネ「貴方、本当に目に光が無いのね、まるで負の塊よ」

喪男「よく言われますね、『暗すぎる』とか『厨ニ病乙』とか」

喪男「あぁ、後者はインターネット上でのスラングらしいですよ、って言っても貴方には解りませんか」

アラクネ「口調まで暗すぎよ、貴方」

喪男「すみません、そういう性分なんです」

アラクネ「笑ってるのにそうは思えないわね・・・・・・」

アラクネ「貴方、どうしてそうまで成るのかしら」

喪男「僕の過去話なんて聞いてもつまらないですよ」

アラクネ「あら意外、よく人間はプライバシーを強く守りたがる者だって思ってたけど」

喪男「よく人を理解してますね」

アラクネ「まぁこのやりとりも異常なんでしょうけど・・・っていうか」

アラクネ「獲物を理解できなければ生き延びる事なんて出来ないわ」

喪男「はは、僕も貴方みたいに生まれたかった」

アタクネ「え?」

喪男「僕は、こういう怪奇をなんでか呼び込んじゃう体質でして」


25 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:03:30.22 ID:w4CKv8Wj0
アラクネの特殊能力って何だっけ
レベル5の3/3
土魔スペルだった事はかろうじて覚えてるんだけど


26 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:05:48.38 ID:YxiaIGCD0
喪男「小さいときから『変人だ』とか『不幸がうつる』とか」

喪男「まぁ実際そうでしたね、僕と仲の良かった子、小学4年生の時でしたね」

喪男「鬼みたいなデカブツに山で襲われちゃいまして」

喪男「その子はガツガツ喰われちゃったんですけど、僕は何故か喰われなくて」

喪男「『お前は見ているだけで不愉快だ』だ、そうです」

喪男「あの後、僕は散々責め立てられました、僕は『鬼にやられた』と言ってもみんな信じなくて」

喪男「まぁ当然ですけど、一時期精神病院に突っ込まれたりしたりしたんですけど、異常はなくて」

喪男「母さんは『そんな筈無い』とか言って、もっと僕が世間体に合わせていればよかったのかな」

喪男「そうそう、食べられちゃった子ですけど、結局足取りも証拠もつかめないので」

喪男「事故死したという形にされました、まぁ僕が小さかったのも理に適ったのでしょうね」

喪男「今では町でも有名の不思議君扱いですよ、ははは」

アラクネ「・・・・・・」


27 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:05:48.94 ID:3CaVtOUE0
>>25は知らんが
ワーム出したりするし、zinだとHPやばいから手出したくない相手だな


28 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:07:39.35 ID:fQ02id340
なんでこんなに話重いねん


30 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:11:59.86 ID:YxiaIGCD0
喪男「まぁそれでも僕を受けいれてくれる変な場所がありました」

喪男「なんかの教会ですね、今はもう無いんですけど」

喪男「小さいとき良く神父様の所で過ごしてました」

喪男「神父様は、僕を大切にしてくれました、お父さんみたいでしたね」

喪男「でも結局は僕の不思議体質に目をつけたのか宗教利用されてました」

喪男「まぁ他にも色々あるんですが、話すと長くなるので、まぁ結構不幸な16年間でしたって事ですよ」

アラクネ「そ、そうなの・・・・・・ね」

喪男「すいません、どうやら随分と暗い気分にしてしまいました」

喪男「あ、一応言っておきますけど僕は周りのみんなを憎んだり怨んではいません」

アラクネ「え?」

喪男「たまたま僕がこんな体質になっただけで、それに何年もそんな環境で過ごせば慣れますから」

喪男「あ、でも未だに肉体面での傷とかは痛いですね、まぁそれだけなんですけどね」

喪男「僕にも普通に幼馴染とか旧友とか居ますし、ただ回りからは特異だと思われているだけで」

喪男「嫌とも思いますし死にたいとも思いますけど結局後に思ってみると何時もの事だ、で済ませれるので」

アラクネ「貴方、本当に人間?」


31 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:13:04.92 ID:w4CKv8Wj0
これにはさすがのアラクネの苦笑い


32 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:16:53.03 ID:YxiaIGCD0
喪男「はは、この前は狐の人にも言われました」

喪男「でもそうですね、僕は人間ですよ、食べてみますか?」

アラクネ「え、遠慮しておくわ・・・」

喪男「はは、・・・・・・あれ、もうこんな時間か」

喪男「と言っても家に帰っても誰も居ませんけどね、あの・・・」

アラクネ「な、何?」

喪男「出来ればもう少し此処に居てもいいでしょうか、気分を害するようならば帰りますが」

アラクネ「べ、別にここは私の土地でもないし、い、いいんじゃない?」

喪男「すいません、優しいんですね、蜘蛛女さんは」

アラクネ「アラクネよ」

喪男「え?」

アラクネ「私の名前、そこら辺の魔物と一緒にしないで頂戴」

アラクネ「これでもかなりの年を生きてるのよ」

喪男「すみません、僕の名前は喪男って言います、先に名乗らなかった事を謝罪します」

アラクネ「貴方どうしてそんなにも説明口調なのよ・・・・・・」


33 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:22:02.32 ID:YxiaIGCD0
喪男「すみません、自分の歩んできた人生上、説明口調が一番過ごしやすかったんです」

喪男「逆に、高校生になってからはそれがネタにされてしまいましたけどね」

喪男「気持ち悪いのでしょうね、まぁそれくらい解りきっていましたが」

喪男「何分僕の場合は、人と接すると心臓が爆発してしまいそうな程緊張してしまうんです」

喪男「だから、せめて相手にわかりやすく自分の気持ちを伝えられるようにしなければ・・・と」

喪男「まぁ現代の生活に置いては随分と特殊な喋り方らしいですけれども」

アラクネ「・・・・・・貴方」

喪男「なんですか」

アラクネ「何も感じないの?」

喪男「感じますよ、人間ですから」

喪男「だけど自分の感情を爆発させる訳にも行きません」

喪男「社会に迷惑をかけますし、母さんにも迷惑をかけます」

喪男「母さんは僕を生んでくれた人です、感謝しないのはおかしいでしょう」

喪男「人生で一番の恩人は生みの親・・・と僕は思っています」

アラクネ「・・・そ、そうなの、随分と大人びているのね」


34 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:27:08.46 ID:YxiaIGCD0
喪男「生きていれば今が辛くとも何時かは自分が幸せだと思う瞬間はあるでしょう」

喪男「今は体はボロボロになるし、いつも死にたいと思うような事ばかりですけど」

喪男「僕は高校を卒業したら就職して田舎で暮らしたいと思ってるんです」

アラクネ「・・・そ、そう」

喪男「きっと素晴しい日々が待ってると思うんです」

喪男「僕、生き物が好きで、魚とかカブトムシとか好きなんです」

喪男「そんな生き物に囲まれて生活できるなんて夢のようだと思いませんか?」

アラクネ「貴方の欲は随分地味なのね、私が若い頃には世界が欲しいとか言ってた奴が居たわよ」

喪男「今でもお若いと思いますが」

アラクネ「あ、あらお世辞が上手ね」

喪男「いえ、これは相手を担ごうとしているのではなく、僕の正直な気持ちです」

喪男「例えるなら、天の川を見たときの感動と同じくらいに貴方はお綺麗だと思います」

アラクネ「随分解りづらいわね、ふふ」

喪男「ありがとうございます、笑ってくれるんですね」

アラクネ「え?」


35 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/17(木) 20:28:25.16 ID:w4CKv8Wj0
ラミア、アルラウネ、アラクネ…次はローレライとかか?


36 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:34:04.35 ID:1pVdtNNUO
話は鬱だが、内容はいいと思うよ

テンポがいい


37 :VIPがお送りします [] :2009/09/17(木) 20:35:39.45 ID:YxiaIGCD0
喪男「いえ、僕と話しているとみんな気分悪そうにするんです」

喪男「話していても笑ってくれるのは今はもう幼馴染くらいですね」

喪男「まぁ昔からこんな口調なので、慣れているのもあるかもしれません」

喪男「僕の人生で二人目に笑ってくれた人です、ありがとうございます、アラクネさん」

アラクネ「か、感謝されるなんて意味が解らないわ・・・・・・」

喪男「申し訳ありません」

アラクネ「謝らなくても良い所よ、今のは私が悪かった」

アラクネ「あら、・・・なんでエサ如きに謝ってるのかしら」

?「ホントよ、さっきから鬱々しい話ばっかりして」

喪男「・・・・・・あれ」

アラクネ「あら居たの、精霊さん」

水の精霊「貴方達のおかしな風景を見て楽しんでたけど」

水の精霊「もうね、そこの人間に興味沸きまくりよ」

アラクネ「貴方も物好きね」

水の精霊「食べない貴方もね」



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