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父「メリークリスマス!」◆
- 1 :1 ◆1pwI6k86kA []
:2008/12/24(水) 00:39:23.51 ID:WU1rYmcz0
男『・・・?』
父『はは、お前はまだクリスマスを知らなかったか』
兄『僕知ってるよ!サンクロースさんがなんでも欲しいものくれる日でしょ?』
男『ほんと!?』
父『ああ、本当だとも・・・サンタさんはなんでも持って来てくれる』
男『僕はチョコの詰め合わせとトランプのセットがいい!』
兄『僕はおもちゃ屋さんの前にあるおっきなぬいぐるみがいい!』
父『ハハ・・二人ともそう急ぐな、クリスマスは2日後だぞ?』
男『えー・・・』
父『それに、サンタさんは良い子にしかプレゼントをあげないんだ』
男『えっ・・・じゃあ良い子にしてる・・・』
父『去年みたいにプティングをつまみぐいするんじゃないぞ?』
兄『う・・・わかってるよ・・』
父『・・・じゃあ父さんは仕事に行ってくるからな、良い子にして待ってるんだぞ』
男『うん!』
兄『待ってる!』
父『ああ、庭の鹿にエサをあげとくんだぞー』
- 2 :VIPがお送りします [] :2008/12/24(水) 00:41:27.98 ID:dbcKvHPT0
ほう、約束を守るつもりのようだ
- 3 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 00:48:40.49 ID:WU1rYmcz0
父『(ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪)』
母『ふふっ・・・間の抜けた口笛ね』
父『おお、帰ってたのか・・今から仕事に行くからな』
母『はいコレ』
父『・・・?』
母『わざわざ服屋さんに作ってもらったんだから、赤い服』
父『こ・・・これは・・・サンタの衣装かい?』
母『子供達を喜ばせるんでしょ?サンタさん』
父『・・・わざわざすまないなぁ・・・じゃあ明日、これを着させてもらうよ』
母『あら、寒いんだから今から着ていけばいいじゃない』
父『えぇー?でも山道では目立つしなぁ・・・』
母『そうなの?ハンターさんは大変ねぇ』
父『ははは・・・子供達は寄って来ても、獲物は逃げてしまうよ』
父『・・・じゃ、行ってくるぞ』
母『ええ、行ってらっしゃい・・・私もプディングを作らなきゃ』
父『今年はつまみぐいされないよう、生地は床下に置いて寝かせるといい』
母『フフッ、そうね』
- 4 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 00:53:10.44 ID:WU1rYmcz0
兄『・・・楽しみだなぁ・・・クリスマス・・・』
男『うん・・・』
兄『知ってるか?』
男『うん?』
兄『サンタさんは赤い服を着てな、ソリに乗ってぴゅーっと、空から駆け下りてくるんだ』
男『・・・』
兄『ソリの後ろに白い大きな袋があって、そこにプレゼントがいっぱい詰まってるんだって』
男『・・・ほぇー・・・サンタさん、すごいなぁ・・・』
兄『ああ、すごいよ・・・来るといいなぁ、サンタさん・・・』
男『来るといいね、サンタさん・・・』
兄『きっと来るさ。・・・じゃ、おやすみ』
男『おやすみ・・・』
- 5 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 00:56:13.88 ID:WU1rYmcz0
バタンッ!
母『二人とも、起きて!早く起きて!』
男『・・・うーん・・・』
兄『眠いよ・・・もう少し・・・』
母『いいから早く!起きなさい!』
男『なぁに・・・?こんな早くから・・・』
母『父さんが・・・・父さんが・・・!』
男『・・・?』
兄『お父さん・・・?』
- 6 :VIPがお送りします [] :2008/12/24(水) 00:58:26.15 ID:CtXQDWtzO
なんだなんだ
- 7 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:01:30.20 ID:WU1rYmcz0
男『・・・・』
『やっぱり昨夜の雪崩が原因なのか?』
『見つかったか!?かなり西側の遠くまで探したんだが・・・!』
『・・・こっちもダメだ、何も・・・』
母『うっ・・・ううっ・・・』
男『・・・母さん?』
母『・・・』
男『お父さんはどうしちゃったの・・・?』
母『・・・』
男『サンタさんは来るかなぁ?』
母『うっ・・・そんなの・・・そんなのって・・・!』
『この時期の夜猟がダメだったのかもしれないな・・・』
『いや、もしかしたら奴の口笛のせいかもしれん・・・』
『・・・どの道、こんなに時間が経ってはな・・・』
『・・・・気の毒だが・・・』
- 9 :VIPがお送りします [] :2008/12/24(水) 01:03:36.92 ID:CtXQDWtzO
口笛で雪崩…だと…?
- 10 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:07:21.74 ID:WU1rYmcz0
男「・・・・サンタクロース」
友「え?」
男「うん?あ、聞えてたか?」
友「ああ、何だよその、サンクロース、ってのはさ」
男「サンタクロースだよ」
友「変わんねえって」
男「・・・冬のある日になるとな、なんかこう、でっかい袋をもって家に来る老人らしい」
友「なんだそりゃ、怪盗か」
男「違う違う、プレゼントを持ってきてくれるんだよ」
友「へぇー、そりゃあ良い・・・俺に女房をくれるとありがたいな」
男「ハハ、そいつは難しいな・・・そっちの木が良いんじゃないか?」
友「これか・・・よし、じゃあ切るか」
友「・・・その、サンクタロースってのはアレか?おとぎ話にでもあったのか?」
男「いーや違う・・・それとサンタクロースだ」
友「じゃあなんだ」
男「昔、父さんから訊いた話なんだ」
友「・・・へぇ」
男「・・・サンタは、来なかったよ」
- 11 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:11:42.71 ID:WU1rYmcz0
母「おかえりなさい、二人とも」
男「ただいま、母さん」
友「どうも・・・いやー相変わらずお美しい母さんだ」
男「コラ」
友「だって本当じゃないか」
母「ふふっ、ありがとう」
母「二人とも大丈夫?怪我しなかった?」
男「ただのキコリだよ、怪我なんてしないさ」
友「もうこの村でも閑職だしな」
母「何言ってるよ、ありがたい職じゃない」
男「そうかなぁ・・・毎日地味なもんだよ」
母「ふふっ、いいのよ、私は貴方達が無事に帰ってきてくれれば」
母「・・・さ、あなたも家に上がって、紅茶を淹れたのよ」
友「あ、はい・・・ありがとうございます」
男「何かしこまってるんだよ」
友「るせっ」
- 12 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:15:30.46 ID:WU1rYmcz0
男「あー寒い、手が凍る・・・」
友「手袋が2枚は無いとこの時期はな・・・」
男「一年中、雪なんて積もらなくていいのになぁ」
友「仕方ねえさ、この村は遠い雪国」
男「俺も兄貴みたいに南の方に移りたいよ・・・」
母「紅茶、入ったわよ」
男「おおー」
友「いただきまーす・・・いやぁ、家もピカピカで、さすがお母さんです」
母「ふふ、ありがと」
男「コラ」
友「事実じゃんよー」
- 13 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:20:56.76 ID:WU1rYmcz0
友「ズズ・・・うまーい」
男「・・・美味しい」
母「ストロベリーよ」
男「うえ、急に不味くなってきた」
母「ちゃんと飲みなさい」
男「・・・うん、わかってるけど・・・」
母「・・・ああ、そうそう」
男「?」
母「明後日は父さんの命日・・・は覚えてるわよね?」
男「うん、もちろん」
友「(へー・・・そうなのか)」
母「明日には兄も帰ってくるそうよ」
男「!」
友「ははぁ、そうなんですか」
友「こいつの兄さんかぁ・・・やっぱり似ててどこかこう、ポーっとしてたり?」
母「ふふっ、むしろ真逆かも」
男「・・・兄貴とは似てないよ、俺は」
- 14 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:25:55.66 ID:WU1rYmcz0
パタタタタ・・・
幼女「おにーちゃん!おかえりなさーい!」
男「おー、大人しくしてたか?」
幼女「うん!部屋でお絵描きしてたよ!」
友「(いいなぁ・・・可愛いなぁ・・・)」
男「・・・でも、兄貴は大丈夫なのかな?仕事あるんじゃなかったっけ」
幼女「あにきー?だあれ?」
母「休暇を取るそうよ、だからしばらくは家に泊まるみたい」
男「おいおい・・・部屋はどうするんだよ」
母「いいじゃない、昔みたいに一緒に寝れば」
男「無茶だよ、こんな歳にもなって兄貴となんて」
友「(・・・俺は居て良い雰囲気なのかな?)」
- 15 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:30:20.17 ID:WU1rYmcz0
友「じゃあ、そろそろ帰るから」
男「そうか、わかった・・・またな」
母「いつでも来ていいからね」
友「ええ!ありがとうございます!またいつでも!」
男「コラ」
友「お言葉に甘えただけじゃんかよー」
幼女「・・・さむーい」
男「ああ、スマンスマン・・・見送りでドアを開けてた」
バタン
男「・・ふぅ、やっぱり外と中とじゃ温度が全然違うなぁ」
母「ええ、もう寒い季節だもの」
男「今年もプディング作るの?」
母「もちろんよ、今年は兄もいるから大きいのを作るわ」
幼女「おっきいのやったー」
男「兄貴は大食いだからなぁ」
母「ふふっ、父さんに似たのかも」
男「(・・・・)」
男「(・・・父さん・・・か)」
- 16 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:34:58.35 ID:WU1rYmcz0
男「(そういえばこの時期だっけ、父さんが死んだの)」
男「(たしか・・・サンタクロースの話も・・・)」
男「ねえ母さん」
母「ん?」
男「サンタクロースって、いつ来るんだっけ」
母「・・・・」
幼女「さん太?だれそれー」
母「・・・・クリスマスの日に来るのよ、もうすぐね・・・」
幼女「ふぇ?苦しいの?」
男「そっか・・・なんだか懐かしいや」
母「・・・そうね」
男「ハハ、もう自分で何をねだったのかも忘れたや」
幼女「ねぇねぇお兄ちゃん、さん太ってなぁに?」
男「そうか、幼女はまだ訊いたことがなかったか」
男「いいかい?サンタっていうのはな・・・」
- 17 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:36:47.57 ID:WU1rYmcz0
ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪
ザッザッ、ザッザッ
ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪
ザッザッ、ザッザッ・・・
- 18 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:40:59.62 ID:WU1rYmcz0
幼女「ふにゃふにゃ・・・すぅすぅ・・・」
母「やっと寝た・・・あなたも早く寝なさいよ」
男「うん、わかってるよ」
母「おやすみ」
バタン
男「(・・・うう、寒い寒い・・・やっぱり夜は冷え込むなぁ・・・)」
男「(あったかい・・いいな、毛布・・・やっぱりいいなぁ、毛布・・・)」
男「(・・・窓も真っ白だ、凄いふぶいてる・・・)」
男「(・・・ん?)」
男「(窓の外に・・・・何か・・・)」
男「(よく見えないけど・・・何か・・・遠くに赤い影が・・・?)」
ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪
ヒューヒューヒュー♪ヒューヒューヒュー♪
- 19 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:43:53.24 ID:WU1rYmcz0
チュンチュン・・・
男「(・・・うぅーん・・・眠い・・・)」
男「(もう朝かぁ・・・眠いなぁ・・・だめだ、もう少し寝ていたい・・・)」
??「早く起きろ、朝食はできてるぞ」
男「(・・・・・?)」
男「(・・・誰の声・・・?)」
兄「相変わらずねぼすけだな、お前は」
男「・・・・・」
男「・・・え?」
兄「久しぶりだな、もう何年ぶりだか」
男「兄・・・貴・・・?」
- 20 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:48:08.31 ID:WU1rYmcz0
男「うっそ、兄貴?」
兄「そうだよ、お前の兄貴だよ」
男「うっそまじ、え?スーツ?うっそだぁー」
兄「オイオイ聞いてないはず無いだろう、貿易会社だぞ?正装は当然だ」
男「うっそだぁ、だって、え?兄貴だよ?」
兄「・・・お前は俺をバカにしてるのか」
男「いや、冗談冗談・・・」
母「おはよう、男」
男「おはよー・・・」
兄「母さん、こいつは相変わらずねぼすけなんだな」
母「・・ふふっ、直らなくて」
男「悪かったなぁ、俺の仕事は急がないんだよ」
兄「ははは、そうかそうか」
兄「しかし、なんだ」
男「ん?」
兄「かわらないな、お前は」
男「・・・兄貴だって」
男「そういえば少し太った?」
兄「ほっとけ」
- 21 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:48:44.67 ID:WU1rYmcz0
なにこの退屈なSSスレ
- 22 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 01:57:46.39 ID:WU1rYmcz0
兄「そうか、父さんが死んでもうそんなに経つか・・・」
男「・・・ね、早いもんだよ」
母「・・・・そうね」
幼女「おはおー・・・」
母「あらおはよう、早くテーブルにつきなさい」
幼女「・・・・?」
兄「あれ、この子もしかして」
男「もしかしなくても、俺らの妹さ」
幼女「おじさんだぁれ?」
兄「おじ・・・」
男「仕方ない」
母「ふふ、まだこの子が2歳くらいの頃だものね」
男「そうかー・・・兄貴は自立するのが早かったからなぁ」
兄「でもおじ・・・おじさんって・・・」
幼女「おじさんあそんでー!」
兄「・・・おう!」
母「ふふ、まんざらでもないじゃない」
男「俺はまだ二十歳だけどなぁ・・・」
- 24 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 02:01:50.17 ID:WU1rYmcz0
男「・・・あ、そうだ兄貴」
兄「ん?何だ?」
男「サンタクロース・・って、覚えてる?」
兄「サンタ・・・サンタ・・・?」
男「・・・兄貴は覚えてないか」
兄「いや覚えてる、ちょっと待て、なんだっけ・・・」
男「言っていい?」
兄「待て待て!えっと、確か・・・そうだ、プレゼント!」
男「おおー、覚えてた」
母「・・・」
兄「いやぁ、なっつかしーなぁおい・・・なんだっけ、確か・・・父さんだっけ」
男「ああ、父さんが話してくれたんだ」
男「・・って、兄貴は俺よりも先に話聞いてたんじゃなかったっけ?」
兄「あれ?そうだったか?」
男「覚えてろよなぁ」
兄「ううむ・・・村のにいたときの記憶が薄くてな・・・」
男「腹は厚いのに」
兄「ほっとけ」
- 25 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/24(水) 02:06:23.50 ID:cyRFQwzy0
親父はいいから幼女だ、幼女を・・
- 26 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 02:06:39.34 ID:WU1rYmcz0
兄「・・・で、何だよ」
男「ん?」
兄「そのサンタの話さ」
男「ああ・・・」
母「はい、ヤマムギのパンよ」
兄「おおーっ、これまたなっつかしい・・・」
母「ふふ、毎朝これは変わってないわよ」
兄「この味!いやぁー懐かしい!」
男「食べるねぇ」
兄「そりゃ、もちろん」
兄「・・・で?」
男「ん、ああ・・サンタね」
男「・・・もうすぐサンタさんが来るだろう?」
兄「来るって・・・お前な・・・その話は」
男「(しーっ)」
兄「(?)」
幼女「パンぱさぱさー」
母「ちゃんと食べなさい」
男「(・・・幼女にさ、プレゼントをあげようと思うんだけど)」
兄「(・・・ほぉ、なるほどな)」
- 27 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 02:12:07.69 ID:WU1rYmcz0
男「・・・・こほん」
兄「・・・うぉっほん」
幼女「?」
母「?」
男「・・・そうだなぁ、幼女はサンタさんから何をもらいたい?」
幼女「わたし?」
男「ああ、そうだ」
兄「(・・・俺らも昔はこの話を信じてたんだなぁ)」
幼女「うーん・・・私、お人形!」
男「人形?」
幼女「おもちゃ屋さんで見た、巻き毛のお人形さんがほしい!」
兄「(・・・巻き毛の人形?)」
男「(ああ・・・そういえばガラス越しに見つめてたな・・・)」
兄「(知ってるのか)」
男「(バカにならない値段だったってことは覚えてる)」
男「・・・他には何か無いか?」
幼女「えーお人形さんがいい」
男「(・・・うーん、こいつは手ごわいぞ)」
兄「(なぁに、少しくらいなら俺が出してやるさ)」
男「(本当にか?)」
兄「(俺は貿易商だぞ?それに可愛い妹のためだ)」
男「(値札を見て逃げるなよ?)」
兄「(・・・いや、やっぱり下見をさせてくれ)」
- 28 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/24(水) 02:13:02.70 ID:s20bX5+jO
下げ進行なの?そうだったらゴメン。
こんなほんわかなスレは俺的には好きだ。
- 29 :VIPがお送りします [] :2008/12/24(水) 02:15:07.57 ID:CRDEszKkO
1のおかげでいいクリスマスになりそうだ
- 30 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/24(水) 02:16:21.20 ID:WU1rYmcz0
兄「ごちそうさま母さん、美味しかった」
母「ふふ、ありがと」
男「やっぱり兄貴は大食いだなぁ」
兄「いやね、寒いと腹が減るんだよ」
男「やっぱり南はもっと暖かいんだ?」
兄「ここと比べたらそりゃ全然・・・ここはあり得ないよ」
母「雪は降らないの?」
兄「降るところもあるし、降らないところも」
男「そうか・・・一度行ってみたいなぁ、降ってない所」
兄「はは、まだ鹿がいるだろ?そいつに乗っていけばいいじゃないか」
男「鹿なんて・・・とっくに死んだよ」
兄「あれ?子供は生まれなかったのか?」
男「両方オスだったじゃん」
兄「ありゃりゃ、そうだったのか・・・」
男「鹿か、乗っていけるもんならまた鹿を飼いたいな」
兄「俺は食ってみたいけどな」
男「コラ」
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