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アルビノ少女「どこからきたの?」
1 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 19:14:15 ID:WkcD/.T.
仔犬「わふっ!」ペロペロ

アルビノ「人懐っこいね。街の誰かの犬かな?」

仔犬「あんあんっ!」パタパタッ

アルビノ「でも、ここに来たらダメだよ。」

仔犬「きゃぅん?」

アルビノ「この森にはこわーい魔女がいてね、目が合うと石にされちゃうんだよ。」

仔犬「きゃうっ!」パタパタッ

アルビノ「まぁ、私のことなんだけどね。」


3 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 20:01:38 ID:WkcD/.T.
アルビノ「そんなこと言っても、犬のお前にはわかるわけないよね。」

仔犬「くぅん?」

アルビノ「紐がついてるし、お前迷子なの?」

仔犬「わふっ!」

アルビノ「あ、首輪にネームプレートがついてるね。」

仔犬「あんっ」

アルビノ「お前、仔犬って、言うんだ。」

仔犬「きゃんきゃんっ」

アルビノ「お前のご主人、探してあげようか?」

仔犬「わんっ!」

アルビノ「ちょっと、待っててね。」


4 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 20:24:32 ID:WkcD/.T.
アルビノ「お待たせ。」

仔犬「わふぅ?」パタパタ

アルビノ「なんで目隠ししてるかって?」

仔犬「あんあんっ!」

アルビノ「私と目を合わせた人は石になってしまうから、そうしないためだよ。」

仔犬「わぅ?」

アルビノ「もっとも、お前のご主人に会うつもりはないけどね。」

仔犬「あぅっ!」

アルビノ「じゃあ、いこうか。」

仔犬「わんわんっ!」クルクル

アルビノ「お前は元気だね。」


5 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 20:39:12 ID:WkcD/.T.
アルビノ「本で読んだことがあるけど、街では目の見えない人をサポートする犬がいるらしいけど………」

仔犬「あぅ?」

アルビノ「お前に期待できるわけもないか………」

仔犬「あんっ!」パタパタッ

アルビノ「仕方ないね、“千里眼”」

仔犬「きゃうん?」

アルビノ「これはね、遠くのものを見ることができる魔法なんだよ。………近くに人がいるね、お前を探しているのかな?」

仔犬「わんわんっ!」

アルビノ「うん、わかったよ、ついておいで。」

仔犬「きゃんっ!」


6 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 20:47:01 ID:WkcD/.T.
森の外れ
青年「おーい!仔犬ー、どこだーっ!?」

青年「………いないな。」

青年「たぶん、こっちの方に走っていったと思うんだけど………」

青年「まったく、あのチビ、こっちの制止も聞かずに走っていっちゃうんだもなぁ………」

青年「ここら辺はアンマリ人の気配がしないな………」

青年「まぁ、森のなかだから当たり前だけど、人が手を加えたっていう形跡もない。」

青年「もったいないよなぁ、こんなに綺麗なのに。」

青年「いや、手が加えられてないからこそ、綺麗なままなのか………」

青年「どっちでもいいや。おーい!仔犬ー!でてこーい!」


7 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 20:54:37 ID:WkcD/.T.
大きな木の近く
アルビノ「向こうのブツブツ言ってるのが、お前のご主人?」

仔犬「あんあんっ!」パタパタッ

アルビノ「そうみたいだね。じゃあ、お行き。」

仔犬「あぅ?」

アルビノ「私はなるべく人とは関わりたくないから。お前をここまで連れてきたのだって、森の奥まで探されたら困るからだよ。」

仔犬「わぅ………」

アルビノ「わかったなら、ご主人のところに行って。もう迷子になるんじゃないよ。」

仔犬「あんっ!」タッタッタッ

アルビノ「元気でねー。」


8 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 21:27:46 ID:WkcD/.T.
森の外れ
仔犬「あんっ!」パタパタッ

青年「おー、チビ!どこいってたんだよ、このやろー。」グリグリ

仔犬「きゃんきゃんっ」ペロペロ

青年「ははっ!くすぐったいよ。」

仔犬「あぅん!」

青年「よし、お前も見つかったことだし、もう今日は散歩おしまいにするか。」

仔犬「あぅっ!」グイグイッ

青年「どうしたんだよ、服の裾引っ張って。」

仔犬「あぅあぅっ!」グイグイッ

青年「………着いてこいってことか?」

仔犬「わふっ!」


9 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 21:32:42 ID:WkcD/.T.
大きな木の近く
アルビノ「よかった。ちゃんと会えたみたいだ。」

アルビノ「私も帰ろうっと。」

アルビノ「今日はたしか、夜に白猫が来るはずだし……」

アルビノ「………薬の材料は採集しておいた方がいいかな。」

アルビノ「もう目隠しははずしても………っ!?」

アルビノ「あの人、こっちに来てる?」


10 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 21:49:42 ID:WkcD/.T.
ナンダヨヒッパルナヨ
アンアンッ!

アルビノ「どうしよう……」

コッチニナニカアルノカ?
キャン!
ウオー,オオキナキダナー

アルビノ「………隠れなきゃ!」バタバタ

ドテン

アルビノ「きゃっ!」

青年「うわっ!」

仔犬「あんっ!」


11 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 22:03:33 ID:WkcD/.T.
アルビノ「いたた………つまづいた。」

青年「あの………」

アルビノ「ひゃ、ひゃいっ!」

青年「大丈夫ですか?」

アルビノ「だ、大丈夫でふっ!ちょっと、つまづいただけですっ!」

アルビノ(お、落ち着け私っ!目は合わせることはないんだから、大丈夫。落ち着け落ち着け………)

仔犬「あんあんっ!」


12 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/03(火) 22:15:33 ID:WkcD/.T.
アルビノ「で、では、私はこれで………」

仔犬「わぅんっ!」ガバッ

アルビノ「きゃっ……」ドシャ

青年「あー、こらっ、チビ!ダメじゃないか急に飛び付いたりしたら。………すみません、大丈夫ですか、お怪我はしていませんか?」

アルビノ「は、はいっ!け、怪我なんかしてませんっ!」

青年「本当にそうですか?お顔がやや赤いようですが………それに、包帯で目を覆ったままですと、危ないですよ?」

アルビノ「き、気にしないでくださいっ!」


14 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 07:38:15 ID:eHVS4EEY
青年「気にするな、と言われましても………。こんな森の中でそのようなものをつけていましたら……」スッ

アルビノ「さ、さわらないでくださいっ!」パシッ

青年「っ………!」

アルビノ「………あ、ご、ごごごめんなさいっ!」

青年「いえ、大丈夫です。」

アルビノ「腫れたりしていませんか?骨とか折れていませんか?それからそれから………」アセアセ

青年「落ち着いてください。女の子に叩かれた程度で骨が折れるほど、柔ではありませんから。」

仔犬「わふっ!」


15 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 11:15:11 ID:eHVS4EEY
青年「その目隠し……」

アルビノ「は、はいっ!」

青年「外したくない理由でもあるんですか?」

アルビノ「えぇっと………わ、私、生まれたときから目が見えなくて………」

青年「それなら、目隠しする必要はない気がしますが……」

アルビノ「ひ、瞳が変だから……見てほしくないんです。」

青年「そういうものですか………」

アルビノ「は、はい、そういうものなんです。」


16 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 12:35:27 ID:eHVS4EEY
青年「それにしても、目が見えないのなら、どうしてこのような森の中へ?」

アルビノ「あ………えっと、その………こ、この森の奥に住んでるんです。」

青年「えぇっ、こんな不便なところにですか?」

アルビノ「………そう不便ではないですよ。」

青年「そうですか………とすると、どうしてここに?」

アルビノ「その子が………」

仔犬「わぅ?」

アルビノ「森に迷いこんでいたので、せめて入り口までは送っていってあげようかと。」

青年「………その目で?」

アルビノ「はい、森の中でしたら、匂いや質感でおおよその場所はわかりますから。」

アルビノ(本当は見えているんだけど。)


17 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 13:17:40 ID:eHVS4EEY
アルビノ「で、では、今度こそ私はこれで………」

青年「待ってください。」

アルビノ「まだ、なにか?」

青年「その……コイツ送ってくれたお礼に、今度は僕がアナタを送りましょうか?」

アルビノ「い、いいですっ、ひ、一人で帰れま……きゃうっ!」ドテッ!

青年「なれている場所とはいえ、やっぱり危ないですよ。」

アルビノ「ほ、本当に大丈夫ですから………」サスサス

青年「いえ、このまま何度もアナタがコケるのを、見過ごすのも嫌ですので、送りましょう。手を借りますね。」

アルビノ「あ、ありがとうございます。」


18 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 13:31:30 ID:eHVS4EEY
小川に沿った小道
アルビノ(どうしようどうしようどうしよう)

アルビノ(目が見えない振りをしたのが裏目に出た………)

アルビノ(なんか、手とか繋がれてるし………)

青年「あの……」

アルビノ「ひゃ、ひゃいっ!」

青年「道は間違ってないですか?」

アルビノ「ま、間違ってないと思います………このまま、まっすぐいけば、着くはずです」

アルビノ(………こうしてヒトと過ごすのっていつ以来だったかな)

アルビノ(暖かいなぁ………)


19 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 15:00:55 ID:eHVS4EEY
森の奥
青年「開けた場所に一軒、家があったのですが、ここで間違いないでしょうか?」

仔犬「あんあんっ!」パタパタッ

アルビノ「はい、間違いないです。送っていただき、ありがとうございました。」

青年「一人で大丈夫ですか?」

アルビノ「はい………」

アルビノ(この人がいなければ、目隠しをとることができるから、普段通りに過ごすことができる。)

アルビノ(だけど、お礼もしないままっていうのはよくないよね……)

アルビノ「あ、あのっ!」

青年「はい、なんでしょうか?」

アルビノ「せっかくここまで来たのですから、よ、よろしければお茶でも飲んでいきませんか?」


20 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 15:43:40 ID:eHVS4EEY
リビング
アルビノ「ど、どうぞ」カチャ

青年「ありがとうございます。………面白い香りですね。」

アルビノ「近くで採れるハーブをお茶にしたんです。」

青年「そうなんですか。………それにしても、アナタはスゴい人ですね。」

アルビノ「………何がですか?」

青年「目が見えないというのに、お茶を入れることもできるし、森の中を歩くこともできる。」

アルビノ「………な、慣れてますから。」

アルビノ(“千里眼”の応用で、周りは見えてるんだけど、教えるわけにはいかないよね。)


21 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 16:00:47 ID:eHVS4EEY
青年「お一人で、ここに住んでるんですか?」

アルビノ「はい、基本的には一人です。」

青年「それは大変でしょう。こんな人のいない場所よりも、街に住んだほうが生活しやすいんじゃないですか?」

アルビノ「街は、ちょっと………。私、ヒトとは少し違うから。」

青年「………その髪のことですか?」

アルビノ「はい。真っ白で気持ち悪いでしょ?」

青年「そうですかね?雪みたいで、綺麗だと僕は思いますよ。」

アルビノ「………アナタは優しいんですね。」

アルビノ(この人はいい人だ。普通、ヒトは自分と違うものを気味悪がる。)


22 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 17:10:50 ID:eHVS4EEY
アルビノ「それに、いつも一人と言うわけではないですから。」

青年「そうなんですか?」

アルビノ「一週間に一回、優秀なハウスキーパーが来るんです。」

青年「………寂しくはないんですか?」

アルビノ「それも、慣れてますから。前は一年おきくらいにしか来なかったんですから。」

青年「そう、ですか………」


23 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 18:32:50 ID:CfUgSrXI
モン娘(?)とか俺特すぎる。



支援


24 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 18:34:38 ID:eHVS4EEY
青年「お茶、ごちそうさまでした。おいしかったです。」

アルビノ「お粗末様でした。」

青年「カップは流し台まで運びましょうか?」

アルビノ「いえ、おかまいなく。………引き留めておいて、なんですが、はやく帰った方がよろしいですよ。この森、夜になると危ないですからね。」

青年「夜の森はどこでも危ないでしょう。」

アルビノ「それもそうですね。」

青年「では、暗くなる前に僕はこれで。」

アルビノ「はい、気を付けてくださいね。」


25 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 18:47:47 ID:eHVS4EEY
玄関
青年「あの……」

アルビノ「どうかなされましたか?」

青年「もし、迷惑じゃなかったら、ここに遊びに来てもいいですか?」

アルビノ「え?」

青年「いくらハウスキーパーさんが来るとはいえ、こんな森奥に一人きりというのは寂しいでしょう?」

アルビノ「……………」

青年「僕なんかでよければ、話し相手になれたらなーって………」

アルビノ「……………」

青年「なんて、押し付けがましかったですね。ごめんなさい。」


26 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 18:49:48 ID:eHVS4EEY
>>23
モン娘じゃないヨー。
ちゃんと意味ググってないと、後がこわいネー。

まぁ、設定としては魔女だけどさ………


27 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 19:53:32 ID:eHVS4EEY
アルビノ「そ、そんなことないです………」

青年「え?」

アルビノ「わ、私、こんな眼だし、街に出ることなんてないから、お話しする相手とかいないんです。」

青年「…………」

アルビノ「だから、迷惑なんかじゃないです………」

青年「つまり、またここに来てもいいと?」

アルビノ「はい……お暇があればまた………」

仔犬「あんあんっ!」

アルビノ「………この子も一緒に。」

青年「わかりました。また今度、コイツと遊びに来ます。」

仔犬「あんっ!」


28 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 21:39:01 ID:JVQ6wFyA
夕方
リビング
アルビノ「今日は楽しかったな………」

アルビノ「あの人はいい人だった。」

アルビノ「また、遊びに来るって言ってくれたし……」

アルビノ「お部屋のお掃除とかしなくちゃ。」

白猫「どうせ、途中で飽きて、ニャーに投げ出すのが見えてますニャ。」

アルビノ「し、白猫っ!?」

白猫「どうも、ですニャ、お嬢。」

アルビノ「い、いつ来たの?」

白猫「お茶してる辺りくらいからですニャ。」

アルビノ「気づかなかった………」

白猫「ニャーは猫ですからニャ、気配を消すにゃんてオチャノコサイサイですニャ。」


29 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 21:47:47 ID:JVQ6wFyA
アルビノ「私相手に気配は消さなくていいでしょうに………」

白猫「お嬢以外にもいたから、気配を消すのは当然ですニャ。」

アルビノ「アナタは普通の猫のふりしてたらいいでしょ。」

白猫「優秀にゃハウスキーパーですから、そのようにゃ真似はできませんニャ。」

アルビノ「聞いてたのね………」

白猫「まぁ、それがにゃくとも出てはいきませんニャ。生来、犬っころとは、気が合いませんニャ。」

アルビノ「あの仔犬はかわいかったじゃない。………と、なんか、飲み物だしてあげるね。ミルクでいい?先週アナタが持ってきてくれたヤツだけど。」

白猫「古くなってるのをニャーで、処分しないでほしいですニャ………」


30 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 22:05:21 ID:JVQ6wFyA
白猫「それにしても、お嬢にしては珍しいですニャ。」

アルビノ「なにがー?………あ、マッチきれてる。」

白猫「ニンゲンを家に招き入れるにゃんて、普通じゃ考えられにゃいことですニャ。」

アルビノ「勝手についてこられたんだよ。………仕方ない“粉火炎”」ボォォ

白猫「にゃーにが、“勝手についてこられた”ですかニャ。仲良くお手々つにゃいで歩いてたくせに………」

アルビノ「し、仕方ないじゃない。“千里眼”で見てると、俯瞰図でしか見れないから足元が見えにくいんだし」コポコポ

白猫「へーへー、そうですかニャ。」

アルビノ「なに、その態度。新しい薬の実験台にでもなる?」コトコト

白猫「勘弁ですニャ。お嬢の作った薬はどれもこれも、効きがよすぎるからニャ。」

アルビノ「ハイハイ。………よし、できた。」

白猫「にゃにを作っていたんですかニャ?」

アルビノ「白猫用のホットミルク。」

白猫「ニャーは猫舌にゃんですけど………」


31 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/04(水) 22:27:56 ID:JVQ6wFyA
アルビノ「なにか、ここ一週間で、変わったことあった?」コト

白猫「んー、特ににゃいですニャ。」フーッフーッ

アルビノ「薬の評判は?」

白猫「上々でしたニャ。ただ、新しい薬……不眠薬でしたかニャ?あれは不評でしたニャ。」フーッフーッ

アルビノ「なんで?」

白猫「服用者いわく、三日は眠れにゃかったそうですニャ。そして、反動で丸一日眠ってしまったと………」フーッフーッ

アルビノ「そういう効果の薬なんだけどな………」

白猫「使用する側としては、1日くらい眠気が吹き飛ぶレベルを求めていたみたいですニャ。後は副作用を軽微なものにしてほしい、と。」フーッフーッ

アルビノ「効能を弱めれば副作用も弱まるだろうから、次からはそうする。………さっきから何してるの?」

白猫「ミルクを冷ましてるんですニャ。」ズズズッ

白猫「あちっ!」


32 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/05(木) 04:32:27 ID:Otc2TbJY
かーわーいーいー


33 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 07:08:28 ID:ltqEWgHE
白猫「この際ですからいっそ、名前を変えるのはどうですかニャ。」

アルビノ「不眠薬の?」

白猫「そーですニャ。眠らずの薬ではなく、覚醒させる薬として、覚醒薬とかどうですニャ?」

アルビノ「却下。その名前はなんか危うい気がする………」

白猫「常用者はボロボロの廃人になっていそうですニャ。」

アルビノ「ダメ、ゼッタイ。」

白猫「言ってみただけですニャ。」


35 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 07:58:01 ID:ltqEWgHE
アルビノ「で、注文の方は?」

白猫「まず、商工会の方が傷薬と万能毒消しを小瓶詰めで、30ずつ。」

アルビノ「今回は少ないね。」

白猫「ここのところ平和ですからニャ。次に魔女会の方から精神統一薬を、樽2つほど。」

アルビノ「うげ、こっちは多いの………」

白猫「新人育成の時期ですからニャ。仕方にゃいですニャ。後は個人の依頼ですニャ。魔女長の婆さんが腰痛の薬、海の町に住んでるジジィが精力剤、 他はいつも通りですニャ。」

アルビノ「お婆ちゃん、また、腰が悪くなったんだ………」

白猫「よる年波には勝てにゃいと言ってましたニャ。」

アルビノ「お爺さんは………うん。」

白猫「よる年波には勝てにゃいとのたまってやがりましたニャ。」

アルビノ「水でいいか。」

白猫「プラシーボ効果が起きないかが不安ですニャ………」


37 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 12:47:02 ID:ltqEWgHE
アルビノ「頼んだものは?」

白猫「すでに氷箱に入れておりますニャ。卵はやや古いのでお早めに、とのことですニャ。」

アルビノ「うん、わかった。………本は?」

白猫「お嬢の趣味に合いそうにゃのが、にゃかったから、今回は抜きですニャ。」

アルビノ「えー………」

白猫「文句があるなら、自分で街に出て買ってくればいいじゃにゃいですか。」

アルビノ「わかってて言ってるでしょ。」


38 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 18:39:46 ID:ltqEWgHE
白猫「まぁ、お嬢が街に行く気がにゃいのは知っていますけどニャ。ただ、今日の昼のことで気が変わったりしにゃいかにゃーと。」

アルビノ「変わるわけないよ。うっかりで誰か石にしちゃったりしたら、私、退治されちゃうよ。」

白猫「婆さんが頑張ったお陰で、魔女にもようやく人権みたいなものができたんですけどニャ。」

アルビノ「あくまでヒトに危害を加えない限り、でしょ。私にそのつもりがなくても、この眼はお構い無しだからね。」

白猫「つくづく、不便ですニャ。」

アルビノ「呪いだからね、仕方ないよ。」

白猫「そう、割りきれるお嬢はスゴいですニャ。」

アルビノ「何年、私がこの眼と付き合ってると思うの?」

白猫「何年ににゃるんですかニャ?」

アルビノ「さぁ?忘れちゃった。」


39 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 18:46:32 ID:ltqEWgHE
アルビノ「今日、ご飯食べていくでしょ?」

白猫「いただきますニャ。」

アルビノ「なにか食べたいものはある?」

白猫「お嬢に料理のリクエストをして、希望通りにニャったことがにゃいので、にゃんでもいいですニャ。」

アルビノ「じゃあ、玉葱フルコースとかどう?」

白猫「………魚が食べたいですニャ。」

アルビノ「魚ね、おっけー。」ルンルン

白猫「はぁ………」


40 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 19:06:33 ID:ltqEWgHE
一時間後
アルビノ「できたよー。」

白猫「魚が食べたいといったはずにゃのに、にゃんでオムレツににゃってるんですかニャ………」

アルビノ「なんか、卵が私に食べて、っていってる気がした。」

白猫「そうですかニャ………」

アルビノ「じゃあ、手を合わせて」パチン

白猫「ニャ」プニン

アルビノ・白猫「「いただきます」」


41 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 20:13:22 ID:ltqEWgHE
アルビノ「白猫ってさ。」モグモグ

白猫「にゃんですか?」クンクン

アルビノ「ニンゲン嫌い?」モグモグ

白猫「嫌いですニャ。」

アルビノ「ふーん、そっかー………」カチャカチャ

白猫「お嬢はどうなんですかニャ?」

アルビノ「私?んー……わからない。だけど、嫌いじゃないと思う。お昼にあった人みたいに優しいヒトもいるし。」

白猫「それはごく一部のニンゲンですニャ。それに、お嬢は魔女であることを、あのニンゲンには隠していたでしょ?」

アルビノ「そうだった………次会うときに、教えてもいいかな?」

白猫「ニャー以外の話し相手を欲しくにゃいにゃら、教えてもいいんじゃにゃいですかニャ?」

アルビノ「冗談だよ。それくらいはわかってる。」


43 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 21:38:24 ID:ltqEWgHE
アルビノ「………だけど、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ期待してるんだ。」

白猫「にゃにをですか?」

アルビノ「本当のことを話しても、あの人なら変わらずに接してくれないんじゃないかなぁ、って。」

白猫「………夢を見るのも、大概にしてくださいニャ。」

アルビノ「想像するくらいいいじゃない。」


44 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/05(木) 22:04:34 ID:ltqEWgHE
アルビノ「ところで、白猫。さっきから全然食べてないみたいだけど、どうしたの?」

白猫「お嬢の手料理って言うのがにゃー……」

アルビノ「なに?私の料理になにか、文句でもあるの?」

白猫「お嬢は味覚に味を合わせるんじゃにゃくて、味に味覚を合わせますからニャ………」

アルビノ「美味しければいいじゃない。それに、味覚を誤魔化す薬の研究にもなるし。」

白猫「そんにゃ研究をするくらいにゃら、料理の研究をするようにしてくださいニャ………」


45 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/06(金) 00:19:48 ID:RCmWTQQE
書きだめでも切れたか?乙


46 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/06(金) 01:03:52 ID:Zb0zKYbM
ドクペが切れたんじゃないのか



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