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悪魔「俺を召喚したのはお前か?」女「そ、そうです・・・」
- 118 名前:深夜にお送りします []
投稿日:2012/02/24(金) 00:29:55 ID:ugddtRzQ
〜〜〜病院〜〜〜
悪魔「ハッ…」
悪魔(病院…ってことは時間移動は成功ってことか。)
悪魔(とりあえずあいつの病室に行ってみるか…)
〜〜〜女の病室〜〜〜
女「…」
悪「よう…久しぶりだな。…大分寄り道することにはなったが、やっとここまで来たぞ。」
悪「待ってろ。次ですべてが終わる。」
- 119 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:30:24 ID:ugddtRzQ
〜〜〜夜、病院の屋上〜〜〜
悪「準備完了っと。これで最後だ…出でよ!」バリバリ
女悪魔「私を呼び出したのはあなたかしら?ってなんだ悪魔じゃない?どうしたの?」
悪「決まってるだろ。悪魔を召喚をしたのならばやることは一つだ。お前と契約がしたい。」
女悪魔「悪魔による悪魔との召喚契約は禁忌として禁止されているはずだけど?」
悪「それなら大丈夫だ。魔王を脅迫してその権利を手に入れた。」
女悪魔「…あの口ぶりからかなりのことをしでかすとは思ってたけど、まさかそこまでやるとはね。」
- 120 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:30:54 ID:ugddtRzQ
悪「…ちょっと待て。なんでお前がそのことを知っている?」
女悪魔「あなたこそなにを言ってるの?わざわざ私の家まで来てそのことを言いに来たじゃない。」
悪「…俺は魔王に会った後、時間の悪魔と契約して5年前に時間移動したんだ。」
悪「だからここで召喚されるのは五年前のお前のはずだ。そしてそのお前があの時の会話のことを知っているはずがないんだ。」
女悪魔「…きっとこういうことじゃない?」
女悪魔「あなたは時間転移したとはいえこの時代から見ればどこまで行っても未来の存在。だから悪魔を召喚しようとすると元いた時代の悪魔が呼び出される。」
女悪魔「きっと時間の悪魔も知らなかったことでしょうね。今までに二度も悪魔の契約召喚をした例なんてあるはずがないもの。」
- 121 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:31:16 ID:ugddtRzQ
悪「ふむ、まあいい。そういうことなら話は早い。」
悪「さっきも言ったが俺と契約してくれ。女悪魔、いや今は命の悪魔って言った方がいいか。」
命の悪魔「…それもやっぱりあの彼女のためよね?」
悪「ああ」
命「あなた、私との契約の対価を知らない訳じゃないわよね?」
悪「ああ、契約者自身の命を救う場合は他者の、他者の命を救う場合には契約者の命だろ?」
命「…ねえ、契約の前に答えて。あなたがそこまでする理由はなに?いえ、聞き方がずるいわね。彼女にあなたがそこまでする価値はあるの?」
悪「今まで散々俺をけしかけてきたお前がなんで今更そんなことを問う?」
命「折角助けた命をくだらない意地や大した価値もない人間のために使って欲しくないのよ。それが気に入っている悪魔のなら尚更ね。」
悪「…」
- 122 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:31:50 ID:ugddtRzQ
命「正直に言うとね、私はあなたがここまでやるとは思ってなかった。流石に途中で挫折するだろうと思ってた。」
命「それはそうよね。だって超えないといけない問題の数とレベルがおかしいもの。」
命「ううん、それよりも人間嫌いのあなたが誰かのためにそこまで動くこと自体が最大の計算外だった。」
悪「だったらなぜそもそも俺をけしかけた?放っておけばよかっただろう?お前が俺を焚き付けるようなことをしなければ俺は動かなかった。」
命「それも理由は簡単よ。気に入ってる悪魔の情けない姿を見たくなかった。それだけよ。」
悪「我儘だな。」
命「ええ、でも女ってそういうものよ?」
命「私はあなたが彼女を救えなかったという自責の念や意地でああなっていると思ってた。」
命「だから、あなたをある程度頑張らせて、それに失敗しつつもそれであなたが義理を果たせたと感じて、元のあなたに戻ればそれでいいと思った。」
命「なのにまさか本当に彼女を救うところまでやってくるとはね…」
命「だからねえ、答えて。あなたをそこまで突き動かすものはなに?」
悪「…お前には関係ない。お前には辛いかもしれないが悪いが契約をしてもらうぞ。」
- 123 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:33:34 ID:ugddtRzQ
命「出来ないわよ」
悪「は?」
命「人間に悪魔との契約という一生に一度の好機が与えられているように、悪魔にも一生に一度の反抗が許されている。」
命「まず使われない権利だから忘れてたみたいね?それとも私があなたに敵対するとは思わなかった?」
悪「まさか…」
命「そうよ。悪魔には一生に一度だけ召喚した人間との契約を断る権利が与えられている。」
命「あなたは悪魔だから確実に有効かは分からないけど、多分問題はないはず。」
悪「頼む…後生だ。」
命「だったら私の納得させてみなさい!証明しなさい!あの彼女は私に愛した男を殺させるほどの価値があると!」ポロポロ
悪「…」
- 124 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/24(金) 00:34:49 ID:ugddtRzQ
本当にコロコロとIDが変わるな…
毎度おなじみ1です。
ここからは書き溜めがないのでまたペースが落ちます。
一体いつになったら終わるんだろう…
- 127 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:12:41 ID:HOkFR.YE
悪「俺は…俺はもう一度だけ人間を信じてみたい。」
悪「人間には価値があると、人間嫌いの俺がすべてを捨てて助けることで証明したい。」
悪「人間の醜さを嫌というほど見せつけられた俺だからこそ、その奥にある人間の素晴らしさを信じてみたい。」
悪「確かにあいつの心の底にあったのは神への復讐心だった。」
悪「だが、その隣にはちゃんと世界をよくしたい、自分と同じ境遇の人を少しでも減らしたい、自分の願いでみんなを幸せにしたいって思いがあった。」
悪「人間に絶望した俺には絶対に抱けない思いだ。だから俺はそれに賭けたい。応援したい。」
悪「だから俺はあいつを助けたい。」
命「…あなたらしくないわね。言ってること、支離滅裂で意味不明よ。なにを言いたいのかさっぱり分からないわ。」
命「でも、あなたが本気だってことだけは分かったわ。」
悪「だからさっきからそう言ってるだろう!」
- 128 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:13:56 ID:HOkFR.YE
そしてまた変わるID…もう慣れたわ。1です。
あと、ここからはしばらく書き溜めです。
- 129 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:14:56 ID:HOkFR.YE
命「でも私はまだ納得はしていない。」
悪「なんでだ?!」
命「だってあなたは賭け終った段階でもうこの世にいないじゃない!」
命「自分の命を賭けるだけ賭けておいて、捨てるだけ捨てておいてその結末を見届けずにいなくなるなんてあんまりよ…」
悪「それは…」
命「あなたが契約することで救われる者や残される者の気持ちをあなたは考えたことあるの?!」
命「そんなのどれだけ本当に彼女のためだったとしても自己満足以外の何物でもないわ!」
悪「だったらどうすればよかったんだ?!」
悪「これが俺に取れる最善の手段だったんだ!これなら最小限の犠牲で、俺の命一つであいつを救える!魔界への影響も少ない!」
悪「俺にこれ以上どうしろと言いたいんだお前は?!」
- 130 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:15:21 ID:HOkFR.YE
バチン
命「もっと他人を頼りなさいって言ってるのよ!」ポロポロ
悪「…」
命「あなたはいつもそう!…なんでも分かるくせに周りの気持ちには気付かずに自分のことを最後にして他人を助ける!」ポロポロ
命「私は確かにあなたに考えなさいと、頑張りなさいと言ったわ!でも、一人で全部やりなさいとは一言も言ってない!」ポロポロ
命「なんで一言私に相談してくれなかったの?!私はあなたの頼みだったら契約なんてなくても力を使ったのに…」ポロポロ
悪「…人間界に対して契約外のことで悪魔の力を行使すればペナルティが発生する。ちょっとした呪いとかならともかく悪魔の能力となれば…」
命「そんなこと知ってるわよ!それでも言ってるの!」
悪「…」
- 131 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:15:41 ID:HOkFR.YE
命「それにそれだけじゃない。私が納得していない理由はもう一つある。」
悪「…なんだ?」
命「あなたは人間の醜悪さを忘れている。それはあなたが言っているほど、善性に目を向ければ霞むほど甘いものじゃない。」
悪「かもしれない…。少し長い間魔界にいたからな。俺はそれでも…」
命「違う、そうじゃない。」
悪「?」
命「あなたは忘れているけど、あなたは前に一度同じことをしたことがあるの。そして、その結果は凄惨たるものだった。」
悪「なんのことを言っている?」
命「今から私は封印したあなたの記憶引き出す。」
命「それを思い出してから、もう一回考えてみなさい!」ヴォン
悪「ぐああ!!!」バタリ
- 132 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:16:30 ID:HOkFR.YE
〜〜〜回想〜〜〜
少年「ご依頼の作戦計画書です。」
大将「おお、ご苦労であった。これでまた次もいい戦果が挙げられそうだ。」
少「それはなによりです。」
大「うむ、では儂は失礼させてもらうよ。」
少「はい、では。」
ガチャ
父「どうだった?大将はお喜びされていたか?」
少「はい。」
父「よくやった。お前は我が家の誇りだ。これからもこの調子で頼むぞ。」
少「分かりました。」
少「父さん…少し疲れたので庭で休んできます。」
父「おお、分かったぞ。だが、ほどほどになお前には軍から新兵器の設計依頼も来ているんだからな。」
少「はい」
- 133 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:17:09 ID:HOkFR.YE
〜〜〜庭〜〜〜
少「ふう…」
少(我が家の誇りね…。父さん、労いのつもりなんだろうけど国に恩を売って会社を大きくすることしか考えてないのが見え見えだよ。)
少(しかし、さっきの大将の目はつらかったなあ。『軍のエリートである儂がなぜわざわざこんなガキのところまで…』とか考えてたんだろうなあ。)
少(それにしても疲れた。こうして一人で庭のベンチに寝転がっているときが一番休まる。)
少(ん…なんだあれ?鳥?にしてはやけに大きいな。)
〜〜〜上空〜〜〜
命「ふい〜疲れた〜。といっても契約して願いを叶えただけだけど。」パタパタ
命「契約はつらいけど、こうして終わった後人間界を散策できるのはちょっとした救いよね。今の魔界はなんにもないし。」パタパタ
命「あら?誰か私のことを見てる?そんな訳ないわよね?ちゃんと人間には見えないように…忘れてた。」パタパタ
命「…」ピュー
- 134 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:18:05 ID:HOkFR.YE
〜〜〜庭〜〜〜
少(あれ、シルエットからすると多分人間だよね?でも、パラシュートも何もつけてないみたいだし…ってこっち来た?!)
命「ねえ、あなた、私のこと見てたわよね?」スタッ
少「は、はい…」
命「あの、実はね、私は悪魔なの。いつもは人間には見えないようにしてるんだけど、今日はうっかり忘れちゃっててね。」
少「は、はあ…」
命「人間に知られると色々と不都合だから悪いけどあなたの記憶を消させてもらうわね。」
少「…どうぞ」
命「…と思ったけど、止めるわ。」
少「え、なんで?」
命「だってあなた今にも死にそうな顔してるんだもの。特に目、ひどいわよ?なんの光も宿ってない。」
少「…」
- 135 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:18:44 ID:HOkFR.YE
命「そんな子からいきなり記憶を奪うほど私は外道じゃない。ほら、こうして会ったのもなにかの縁だと思って悩み事とかあるのなら私に話してみなさい。」
少「…なんで、僕に構うんです?そんな面倒なことせずにさっさと記憶を消していけばいいじゃないですか?」
命「私はね、命の悪魔なの。人間と契約して誰かの命を代償に別の誰かの命を助ける、そんなお仕事をしているの。だから命の大切さは誰よりも知ってるつもり。」
命「そんな私の前に今にも死にそうな顔してる人がいたらそりゃ話しかけるわよ。」
命「…ってこんな話をいきなりしても信じられないか。」
少「…いえ、信じます。お姉さんを見てもなにも分かりませんから。」
命「どういうこと?」
少「僕は見て少し考えただけでなんでも分かってしまうんです。本当になんでも。」
少「でも、お姉さんは見てもなにも分からない。多分、人知とかを超えた存在ってことなんでしょうね。」
命「…なるほどね」
命「察するにあなたがつらそうにしてるのもその力が原因ってところかしら?」
少「そうです。他人の考えてることが全部筒抜けみたいなものですからね。本当につらいですよ?」
命「…そう。」
- 136 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:19:27 ID:HOkFR.YE
命「…ねえ、あなた、私と契約しない?」
命「私は今誰とも契約していないから長くは人間界にいられない。でも、あなたと契約すればそれを遂行するまではあなたと一緒にいられる。」
命「見てもなにもわからない私となら一緒にいても平気でしょ?私があなたの相談相手になってあげる。」
少「でも、僕別に助けたい命とかないですよ?」
命「別にいいわよ。悪魔との契約はすぐに遂行する必要はないの。いつか助けたい命ができた時にでも遂行すればいいわよ。最後までできなければ契約を破棄すればいいしね。」
少「でも、それってお姉さんに迷惑なんじゃ…?」
命「ううん、全然。人間界は好きだし。今にも死にそうな人間を見捨てることの方がよっぽどストレスだわ。」
命「だから、ほら子供は余計なこと考えずに大人の好意に甘えておきなさい。」
少「…分かりました。じゃあ、お願いします。」
命「じゃあ、契約成立ね。」
少「はい」
- 137 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:19:53 ID:HOkFR.YE
命「じゃあ、契約成立の証として傅いて私の手の甲にキスしなさい。」
少「え…//////」
命「それが私との契約の方法なの。子供にはまだ早いかもしれないけど頑張りなさい。」
少「///////」チュ…ピカー
命「はい、これで契約成立よ。」
少「は、はい。えと、これからよろしくお願いします、お姉さん。」
命「こちらこそよろしくね。でも、そのお姉さんは止めてもらえるかしら?その、恥ずかしいから…」
少「すみません。じゃあ、なんて呼べばいいですか?」
命「うーん、そうね…女悪魔でいいわ。」
- 138 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:20:31 ID:HOkFR.YE
〜〜〜数週間後〜〜〜
少「どうぞ、ご依頼の新兵器の設計図です。」
大「おお!待っておったぞ!これで大分戦争を有利に進められるはずだ!感謝する!」
少「いえ、恐縮です。」
大「それでは儂は失礼させてもらう。すぐにこれを軍本部に届けなくてはならないのでな。」
少「分かりました。では。」
大「うむ。」
ガチャ
- 139 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:20:56 ID:HOkFR.YE
少「ふう…」
女「あなたはいつも人と会った後は疲れ切ってるわね?」
少「仕方がないよ。やっぱり人の本音が透けて見えるからね。」
女「ちなみにあのおやじはなんて考えていたの?」
少「『まったく次から次へと画期的な案や匹を出しおって。頼りになるのは確かだが、気持ち悪い』だと思う。」
女「分かったわ。あのおやじ殺してくる。」ゴゴゴゴゴゴ
少「い、いいよ!ある意味当然の反応だし。」
女「…そう。」
- 140 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:21:14 ID:HOkFR.YE
女「そういえばあなた、なんでこんなつらいこと続けてるの?そんなに嫌なら家出でもしてどこかで一人で暮らしていけばいいじゃない?」
女「昔なら無理だったかもしれないけど、今なら私がいるわよ?」
女「あなたの両親に義理立てしてるというならもう十分したと思うけど?」
少「違うよ。」
女「じゃあ、なんで?」
少「僕が軍に協力しなければそれだけ戦争が長引く。そうすればより多くの人が死んでしまう。」
少「他のこともそう。僕が薬を開発しなければ、それだけ病で死ぬ人が増える。僕が安全な機械を発明しなければ、それだけ昔の危険な機械で怪我をする人が増える。」
少「でも、たとえそれらを考えれたとしても世に出すには他の人の力がいる。」
少「だから僕はこうして頑張るんだ。それがこんな力を持って生まれてしまった僕の使命だと思うから。」
女「…」ウルウル
少「それに今は女悪魔がいるからね。前ほどはつらくないよ。」
女「…うん」
少「だから泣くのを止めていつもみたいに面白い話をしてよ。」
女「…分かったわ。任せなさい。」
- 141 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:21:34 ID:HOkFR.YE
〜〜〜数年後〜〜〜
少年改め青年「やっと戦争が終わったか…」
女「そうね。あなたが協力したからあの規模の戦争がこの短さで終わったのよ。誇っていいわ。」
青「いや、それでもかなりの被害が出ていることには変わりはない。これからは復興の方に協力することになるだろうな。」
女「そうね。でもいいじゃない、そっちの方がお人よしのあなたには向いているわ。」
青「だな。」
女「それにしても最近のあなたはいい顔をしてるわね。」
青「そうか?」
女「ええ、昔のあなたとは大違い。」
青「まあ、今は女悪魔がいるからな。普通に話すことができる存在がこんなに尊いとは思わなかった。」
女「フフッ」
青「それに頑張れば女悪魔に褒めてもらえるからな。他の人間の薄っぺらいお世辞とは違う本物のな。」
女「じゃあ、もっと頑張らないとね?」
青「そうだな。今日は確か大統領が来るはずだ。挨拶がてら復興案について話に行ってくるよ。」
女「いってらっしゃい」
- 142 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:22:02 ID:HOkFR.YE
〜〜〜そのころの応接間〜〜〜
父「どういうことですか?!」
大統領「先程から何度も説明している通りだ。」
大「あなたのの息子が開発した兵器や戦術は確かに戦争の早期決着に貢献した。だが、そのあまりの効果故今では世界中から非人道的であったとの非難を受けている。」
大「そのような者や家族を表彰するわけにはいかん。悪いが諦めてくれ。」
父「そ、そんな…」
大「あなたたちに責任を負わせないだけ感謝して頂きたい。それではもう失礼させて頂くよ。ここにいることさえ私にとっては危険なのだからね。」
父「…」ガク…
- 143 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:22:21 ID:HOkFR.YE
〜〜〜応接間〜〜〜
青「失礼します。」
父「…」
青「あれ?お父様、大統領はどちらですか?たしか今日いらっしゃる予定では?」
父「…帰られたよ。」
青「え?意外とお早いお帰りですね。やっぱり忙しいんで…」
父「お前のせいだ!」
青「!」
父「お前の考えた兵器や戦術は効果がありすぎて非難されているそうだ!」
父「そのせいで大統領からは今後の協力はおろか表彰さえ断られてしまった!」
父「この戦争を機に会社を成長させる私の計画がこれでパアだ!どうしてくれる?!」
青「お父様、僕は…」
父「まったく、昔から気持ちが悪いガキだったが頭はよかったから今日まで育ててみたものの…その結果がこれか。」
父「ああ、お前のような奴に期待した私が馬鹿だった。もういい、貴様にはなんの価値もない!どこへなりとも消えろ!」
青「…」フラフラ
- 144 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:22:56 ID:HOkFR.YE
〜〜〜物置〜〜〜
青「ははは…」
青(俺はやっぱりそういう存在だったということか…)
青(いや、それはいい。分かっていたことだ。俺は人間から見れば訳の分からない気持ちの悪いものだってことは。)
青(しかし、そうか、俺が今までやってきたことは無意味だったということか。)
青(ああやって世界のためにって頑張っていけばいつかは認めてもらえるんじゃないかって期待していたが駄目だったか。)
青(俺が世界のためとか言ってやってきたことはすべて無価値な自己満足だったということか。)
青(いや、無価値どころか非人道的ときたか。ああ、そうか、人間じゃないってことか。)
青(もう無理だ。俺にはもう人間と一緒に生きていける自信がない。人間でいようとしていられる自信がない。)
青(女悪魔、悪いな。せっかく助けてもらった命だけど無駄になりそうだ。)ガシッ
青「…本当にすまない」カチ
バン!!!!!!!
- 145 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:23:20 ID:HOkFR.YE
〜〜〜青年の部屋〜〜〜
女「なに?!今の音!?拳銃!?」
女(物置の方からだったわね。…嫌な予感がする!)
〜〜〜物置〜〜〜
女「!」ダッ
青「…」グッタリ
女「あなた、なにをしたの!?」
青「…俺と…俺のしてきたことは…人間にとっては無価値の…気持ち悪いものらしい…だから…」
女「もういい!喋らないで!」
青「そうか…悪かったな、こんなことに…ガフッ」
女「青年!!!」
女「…そうだ!契約よ!私とした契約を今果たすわ!」
女「生きたいと願いなさい!そうすれば契約が遂行される!多分、あなたの父親あたりが犠牲になるけど、あなたは助かる!」
青「いや…いい」
- 146 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:23:57 ID:HOkFR.YE
女「なんで?!」
青「俺は…誰かを犠牲にしてまで…生きたいと思わない。」
女「馬鹿!そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!それにあんな父親なら別にいいじゃない!」
青「それに…」
女「それに?」
青「俺にはもう…人間と生きていく自信がない。人間として生きていける…自信がない。」
青「もう…死なせてくれ」
女「だったら!悪魔として生きていけばいい!」
青「?!」
女「私は今から残っているあなたの人間としての命を対価にあなたに悪魔としての命を吹き込む!これならいいわね!?いえ、断ってもするわ!」
青ああ…分かった。頼む。」
女「じゃあ、やるわよ!はあ!!!!」ピカー
- 148 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:26:41 ID:HOkFR.YE
〜〜〜魔界〜〜〜
悪魔「…」
女(…なにがあったのかは記憶を読ませてもらったわ。)
女(あれはあまりにも悲惨なものだった。だから、あなたのために封印させて貰ったわ。)
女(私と出会ってから数年間の記憶を…)
- 149 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/02/25(土) 01:27:00 ID:HOkFR.YE
悪「ん…」
女「目が覚めた?」
悪「ここは…どこだ?」
女「魔界よ。」
悪「…魔界?俺はなんでこんなところに?」
女「あなたはしっかりと覚えてないかもしれないけど、あなたは人間から悪魔になったの。きっと人間を嫌いになりすぎたせいね。」
悪「ああ、なんか断片的に覚えてるな。ところでお前は?」
女「私は女悪魔。魔王の命であなたの世話係になったの。」
女(嘘だけど…)
女「まあ、そんなだからよろしくね。」
悪「あ、ああ」
〜〜〜回想終わり〜〜〜
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