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黒い男「エクスキューズミー!!」◆
- 40 :1 ◆1pwI6k86kA []
:2009/01/26(月) 20:15:21.58 ID:lBPlTvaJ0
女「さあ、出発するぞ」
黒い男「オーケイ、レッツハンティング」
ザッザッザッザッザ・・・
女「・・・この銃は親父から貰った単発猟銃でな、撃つと散開せず一箇所を狙うように・・・」
黒い男「ウゥム、ジェミニはそういうものには詳しくないぞ」
女「ん、そうか、そうだったな」
ザッザッザッザ・・・
女「・・・私は結構早足で移動してるつもりなんだがな」
黒い男ん?「
女「・・・いや、都会の奴にしちゃあ随分すばしっこいなと・・・普通なら山道をこんなに早く走れないんだけどな」
黒い男「走るだけならジェミニは得意だ、ベリーイージー」
女「・・・まぁバカの取り柄っちゃあそんくらいか・・・でもそんな奴は嫌いじゃあない」
黒い男「・・・で、ジェミニは着いて来たはいいが・・・何をすればいい?」
女「素人にハントは無理だ、見てるだけでいいさ・・・私の狩りの腕をな」
黒い男「・・・フゥム、細い腕だな」
女「うっせ、まじまじと見るな」
黒い男「ワッツ?今見ろと・・・」
女「シッ!獲物がいたぞ!」
黒い男「・・・」
- 41 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 20:18:38.50 ID:lBPlTvaJ0
女「・・・」
黒い男「・・・そうやって構えるのか、フゥム・・・」
女「うるせぇ、喋るなら静かに喋れ」
黒い男「・・・」
女「・・・標的はハーモスの途中形態だな・・・まだまだ子供だが丁度良い、やるか・・・」
黒い男「オゥ、竜の子か・・・干し肉にすると美味いかもしれないな、アイムハングリー」
女「バーカ、気前良くバーベキューにしてやるよ・・・よし、今だ」
ドンッ・・・ッ・・・
黒い男「・・・ヒュー・・・なんてインパクトのある音だ」
女「・・・よし、仕留めた・・・」
黒い男「フゥム、森の民は随分とワイルドな生活をしているんだな・・・」
- 42 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 20:23:54.89 ID:lBPlTvaJ0
ザッザッザッ・・・
黒い男「・・・フゥム、丁度顎から命中してるな」
女「・・・射たはいいが、運ぶ途中で生きてましたじゃシャレにはならないわけだ」
黒い男「いや、もう死んでる」
女「?何でわかるんだよ」
黒い男「このビーストの気配が感じられない」
女「・・・素人の勘は信じられんね・・・猟師は念のために、こう・・・石で頭を殴っておくんだ」
黒い男「フゥム、なるほどハンターのならわしということかフムフム」
女「私の親父もマタギ・・・猟師だったからな、色々教わったんだ」
黒い男「だがストーンで殴ったら・・・オーバーキルに変わりは無い」
女「それでもやっておかないと、こっちが危ないだろ」
ゴツッ
黒い男「・・・ヒュー、最近のマドモアゼルはヒステリックだ」
女「ふん、ストロングと言って欲しいな」
- 43 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 20:26:56.60 ID:lBPlTvaJ0
ザッザッザッザッザッ・・・
女「ふぃー大猟、大猟」
黒い男「ホワイ・・・?一匹なのにか?」
女「これ一匹あれば充分さ、さあ帰って飯だ飯」
黒い男「ん、ジェミニも食べていいのか?」
女「おう、私の狩りを見てくれたお礼だよ」
黒い男「フゥム、マドモアゼルは気前が良いな」
女「・・・そうか?」
黒い男「イエスイエス」
女「・・・」
ドゴォ・・・ン・・・!
女「・・・」
黒い男「・・・今、家のほうから音がしたぞ」
女「・・・はぁー、またか・・・」
- 45 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 20:28:52.40 ID:lBPlTvaJ0
黒い男「・・・」
女「・・・」
黒い男「・・・フゥム、ショック・・・せっかく屋根を修理したんだが・・・」
女「・・・仕方ねーよ」
黒い男「一体誰の仕業だ?ジェミニが2時間かけて修理したというのに・・・また屋根を壊すとは」
女「・・・」
黒い男「全く、ジェミニはベリーアングリーだ」
女「・・・」
女「(・・・やっぱり、まだ怒ってるのかな・・・)」
- 60 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 21:19:58.59 ID:abeTP3/SO
女「・・・さて、と」
女「今日の獲物は小振りだからな・・・どうやって捌こうか・・・」
女「・・・まず退化する前のまだ発達している腕の肉を取って・・・次にこれから発達する脚の筋肉を・・・」
女「・・・いや、やっぱり顎と腹の肉を捌こうか・・・?んー・・・」
コンコンコン、コンコンコン
女「ん?何の音・・・」
女「・・・ああ、あいつがまた直してるのか・・・今時律義な奴だな」
女「・・・何度直した所で無駄だと思うけどな・・・もう」
女「引越しか・・・真剣に小屋を移す事も考えないとな・・・」
女「・・・面倒だな」
- 61 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 21:29:49.78 ID:abeTP3/SO
女「んしょ、んしょ」
黒い男「〜♪・・・む、マドモアゼル、それは何だ?何を運んでいるんだ?」
女「おう、やっぱり修理してたか・・・ありがたいな」
黒い男「ユアウェルカム、食事の恩返しだ」
女「そんな恩貰う程の大層な食事は作ってねーよ」
ゴトン
女「よっこいせっと」
黒い男「かなり重そうな臼だな、ヘビーな音だ」
女「いいや、これは臼じゃなくてリンっていう物だ」
黒い男「リン?」
女「これで肉や魚を焼くと、またうめーんだよ」
黒い男「・・・フムフム・・・不思議な臼だな」
女「肉は捌いたから後は焼くだけだ、降りて一緒に手伝えや」
黒い男「オーケー、オーライ」
- 63 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 21:46:32.05 ID:abeTP3/SO
女「中の炭を燃してな、こう、整えて・・・」
黒い男「フムフム・・・オォウ、これはすごい、良く燃えている」
女「慣れなきゃ扱うのは難しいけどな、これで焼いた肉は格別だぞ」
黒い男「マドモアゼルの美味い料理が更にグレードアップするのか・・・」
女「・・・褒めても肉しかやんねーからな」
黒い男「センキュー」
パチッ・・・パチパチッ・・・・
女「・・・あー、暖まるな、冬間のリンは・・・」
黒い男「うむ、ホットだ」
- 64 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 21:54:30.62 ID:abeTP3/SO
女「・・・どうだ?」
黒い男「・・・フゥム」
黒い男「・・・」モグモグ
黒い男「ベリーマッチだ」
女「本当か?」
黒い男「ああ、オイルっぽくなくしかし淡白な味でもない・・・」
女「そうかそうか、それなら良かった」
黒い男「・・・」モグモグ
女「・・・」
黒い男「・・・」モグモグ
女「・・・」
黒い男「・・マドモアゼル、そんなにまじまじと見られては恥ずかしいぞ」
女「ん?あ、ああすまない」
女「仮面を付けながらどうやって食ってるのか気になってさ、悪い」
- 68 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/26(月) 22:04:11.52 ID:abeTP3/SO
黒い男「はー、いや食べた食べた、うむ、ジェミニはとても満足だ」
女「中々美味かっただろ?これが山の料理ってやつだ」
黒い男「フゥム・・・珍しいスパイスの味だったな、これがマウンテン・・・」
女「スパイス、さっぱりした味だったろ?鼻孔を通るような・・・そこがまた良いんだ」
黒い男「・・・フゥム」
女「ははは、お前には良さがわからないか」
女「・・・さて、じゃあ私はリンを片付けてくるから」
黒い男「む、よし・・・ならばジェミニは修理の続きをやっていよう」
女「・・・あー・・・屋根はもう良いよ、直さなくても」
黒い男「いや、しかしあれでは・・・」
女「いやいや、だから本当にいいんだっての」
黒い男「・・・だがしかしだな」
女「良いから」
黒い男「・・・フゥム、そうか・・・マドモアゼルがそう言うなら・・・」
女「・・・ああ、もう屋根は良いからな」
女「(・・・仕方ないんだ、あれは)」
- 86 :VIPがお送りします [] :2009/01/26(月) 23:15:04.69 ID:wZ/m7nIsO
調味料スレですね
ラーメンに砂糖はガチ
- 120 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 04:16:02.00 ID:GQU3DyJwO
みんなありがとう
まだ眠いが少し書く
- 121 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 04:28:19.33 ID:GQU3DyJwO
女「(あ)」
女「(そうだ・・・水を汲み忘れてた・・・そろそろ山小屋のが無くなるな)」
女「(・・・汲んでくるか)」
ガチャ
女「おーい・・・ってあれ」
女「・・・?あいつがいない・・・?」
女「おかしいな、部屋で待ってろと言っておいたのに」
女「・・・帰ったのかな」
女「・・・」
女「・・・まぁ、良いんじゃねえの」
女「別にあいつがいるからどうって訳でも・・・」
女「・・・」
女「・・・ぅ・・・」
ガチャ
黒い男「ただいまーボンジュ〜ル」
女「!」ゴシゴシ
黒い男「いやー良い景色だったからひとっ走りランニングに・・・ホワイ、何故今更顔を洗っているんだ?」
女「・・・なんでもねぇよ」
女「(・・・)」
- 122 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 04:39:06.24 ID:GQU3DyJwO
黒い男「ワッツ、水汲み・・・?」
女「この小屋には水道なんて便利なものは付いてないからな、遠くへ汲みに行ってタンクに入れて補充するんだ」
黒い男「フゥム、なるほど・・・しかし雨水を溜めた方が効率は良さそうだが」
女「雨水は雨水で別に溜めてるさ・・・そうだ、ちょっと外に出ようか」
黒い男「?」
ガチャ
女「えっとな、・・・これだ、この四角い金属の箱が雨水専用の貯蔵タンクだ」
黒い男「フムフム、かなりのボリュームだな、これだけあれば生活には困らないだろう」
女「・・・いや、そうでもないんだなこれが・・・実際このタンクの水が無くなるのは早い」
黒い男「?」
女「風呂だけで半分消えるからな」
黒い男「・・・フゥム」
- 124 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 04:50:33.87 ID:GQU3DyJwO
ザッザッザッザッ・・・
黒い男「ジェミニは暇を持て余していたからな、水汲みくらい5ターンほどやってもいいぞ」
女「いや、1往復でいいから」
黒い男「・・・しかしマドモアゼル」
女「ん?」
黒い男「何故レインウォーターともう一つに分けているんだ?わざわざ汲まなくとも雨水だけで何とかなるとジェミニは思うんだが」
女「ああ・・・汲みにいく水は食事とか飲み物とかに使う水だよ」
黒い男「?」
女「下手に雨水を飲んだら腹を壊すかもしれないからな、分けてるんだ」
黒い男「(・・・腹を壊す?・・・フゥム、ジェミニにはわからないな・・・)」
女「雨水を蒸留しても大丈夫なんだが、それだと茶が不味くなって困るからな」
- 139 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 09:25:50.56 ID:GQU3DyJwO
女「・・・はー、やっと着いた」
黒い男「・・・ヒュー、なんて綺麗な場所なんだ、イッツビューティフル」
女「この小川には時々コダマチョウが水を飲みに来るんだ、あまり驚かせないように静かに汲んでくれよ」
男「コダマチョー?」
女「鳥だよ」
男「オゥ、バードか」
サラサラ・・・
とぷん
黒い男「・・・」
女「・・・」
黒い男「浅いな、水が入りにくいぞ」
女「つべこべ言うな、仕方ないだろ、水があるといえばここしかないんだから」
- 141 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 09:42:32.84 ID:GQU3DyJwO
黒い男「よし、これでオーケーだな?」
女「・・・んーまぁそんなもんだろう、じゃあ帰るか」
黒い男「うむ」
ザッザッザッザッ・・・
女「・・・水、重いだろ?重かったら私が持つぞ」
黒い男「全然ライトだ」
女「ん、なら良い」
女「(・・・)」
女「(・・・何か・・・何か話そう)」
女「なあ、聞きたい事があるんだけど」
黒い男「ん?」
女「・・・いつまで小屋にいる?」
黒い男「・・・」
黒い男「フゥム・・・いや、迷惑ならすぐにでも出て行くつもりだが・・・」
女「あ、そういう事じゃなくて」
女「・・・お前はお前の意志で、どれくらい居るのか・・・っていう」
黒い男「ジェミニの意志?」
女「ああ」
黒い男「・・・フゥム、そうだな」
黒い男「恩を返すまでだな」
- 143 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 10:10:32.72 ID:GQU3DyJwO
女「・・・恩?」
黒い男「イエス、恩」
女「・・・恩っつってもな・・・」
ザッザッザッザッ・・・
女「・・・飯しか出してないぞ」
黒い男「食べ物の怨みは恐ろしい、だが逆に言うと食べ物の感謝はとても大きい」
女「・・・そうかね、大したものは出してないんだが」
黒い男「何を言う、ベリーマッチだったぞ」
女「・・・そうか」
ガチャ
女「ふー、ただいま」
黒い男「おかえり」
女「いやお前、同着だろ」
ドスン
女「水はそこに置いといていいからな」
黒い男「オーライ、マドモアゼル・・・あー肩凝った、ウゥム・・・」
女「山道を歩きながらの水汲みはさすがに堪えたか?」
黒い男「ノン、あまり体を使わなかったから逆に疲れてしまった」
女「・・・」
黒い男「フゥム・・・もう夕暮れか・・・」
女「夕食、作ってやるよ」
黒い男「む、しかし」
女「いいから」
- 145 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 10:16:50.45 ID:GQU3DyJwO
女「(・・・さて・・・何を作ってやろうか・・・)」
女「(・・・)」
女「(今の私の姿を親父が見てたら、何て言うんだろうな・・・)」
女「(まず憤慨は間違い無しだな・・・“誰だその男は!”って・・・)」
女「(いや、それよりあいつをちゃんと人として見てくれるかどうかだな・・・悪党と間違えて銃をぶっ放しかねない)」
女「よし、今日は山菜飯を作るか」
ドゴォン!
女「・・・」
女「(・・・気にするな、早く料理を作らなきゃ・・・)」
女「(もう良いんだ、私は気にしない・・・)」
- 147 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 10:21:31.11 ID:GQU3DyJwO
ドゴォン!
黒い男「!」
ガチャ
黒い男「(フーアーユー!誰の仕業だ!?)」
・・・
黒い男「・・・居ないだと・・・?ゴーストか?」
黒い男「・・・いや・・・何も居ないな・・・あるのは」
黒い男「・・・小屋の脇に立つ大木だけか」
黒い男「(・・・)」
黒い男「オゥ、グッドアイディア、このビッグツリーを切り倒せば・・・」
バタン
女「バカな事言ってねーで早く中に入れ」
黒い男「・・・うむ」
- 148 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 10:27:59.31 ID:GQU3DyJwO
女「残さず食えよ」
黒い男「オーライ」
・・・
黒い男「・・・マドモアゼル、キューアンドエー」
女「何だよ」
黒い男「昨日から家を殴っているのは、あのビッグツリーなのか?」
女「・・・」
女「だったらどうするんだよ」
黒い男「切る」
女「いや待て、どうしてそうなるんだ」
黒い男「む?殴っているのはあのビッグツリーではないのか?違うのか?」
女「そうだけどよ・・・ああもう、話がゴチャゴチャになるなー・・・」
女「・・・はぁ」
黒い男「・・・」
女「・・・あの木の下にはな、実は・・・」
黒い男「オゥ、このスープもベリーマッチだ」
女「聞けよ」
- 150 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 10:33:59.25 ID:GQU3DyJwO
女「・・・寝る」
黒い男「ワッツ?マドモアゼル、話の続きはどうなった?」
女「やっぱりお前には関係ない事だから、言わない」
黒い男「・・・」
カチャカチャ
女「・・・朝起きたら食器まとめて洗うから・・・水洗場に置いといて」
黒い男「・・・オーケー、オーライ」
女「・・・おやすみ」
黒い男「・・・」
黒い男「(・・・ビッグツリーか・・・あれさえ無くなれば・・・)」
黒い男「(屋根の修理ができる!)」
- 156 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/01/27(火) 11:07:20.30 ID:GQU3DyJwO
具無し海苔巻き作る→ワサビ醤油につけて食う→新世界
- 157 :VIPがお送りします [sage] :2009/01/27(火) 11:11:55.95 ID:SPKYRuJ5O
ワサビ醤油マジ万能
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