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男の子「うう・・・殺し屋をやとってやる・・・!」
- 622 :1 ◆1pwI6k86kA []
:2008/12/21(日) 14:11:44.62 ID:sfYT2bvk0
その夜は冷たい風が吹いていた
街にはクラッカーのように賑やかな銃声と、一人の男の笑い声が木霊していた
時計台や家屋には多くの銃痕と、薬莢の殻が落ちていた
人々の多くは、恐怖に家から出なかった
少しの人々は好奇心でその光景を見ていた
時計台のすぐ近くには、誰かが流した涙でほんの小さな水溜りができていた
朝には水溜りは消えていて、ただそこに、一人の子供の命を救った英雄として神父が称えられていた
その神父が称えられるのと同じくして、街のどこかの小さな家族が、少し暖かくなった
今まで冷遇されていた誰かが、毎朝ほんの少しの者からではあるが、暖かい声で挨拶されるようになった
- 627 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:17:32.98 ID:sfYT2bvk0
男の子「・・・神様、大天使様」
男の子「僕には多くの友達ができるようになりました」
男の子「・・・街でも、ちょっとした有名人になりました」
男の子「・・・いや、前から有名人だったけど・・なんかこう、もっと・・有名人になれました」
男の子「・・・でも僕は弱い男です」
男の子「・・・僕が有名人になったり、友達ができたりしたのは・・・全部他人のおかげなんです」
男の子「僕は何もしていません」
男の子「・・・はぁ」
男の子「強くなりたいなぁ・・・」
女の子「男くーん、いるー?」
男の子「わ、う、うん、いるよ!」
女の子「遊びにいこ!街外れに綺麗なお花畑があるの!」
男の子「う・・・うん!行こう!すぐに行こう!」
バタン
神父「うむ・・・良い陽気だ」
- 633 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:22:43.61 ID:sfYT2bvk0
神様、大天使様
僕が過しやすくなったのと同時に、多くの人が哀しみに暮れました
女の子「ほら、ここだよ!お花畑!」
男の子「・・・ここは・・・坑道の近く・・・?」
女の子「すごいでしょ!ほら見て見て!」
僕の幸せの下には、多くの人の悲しみがあるんだなって、いつも思います
でも街の人は、そんなことを知らないのです
僕だけが知っていることです
男の子「・・・ん?この建物って・・・」
女の子「教会だよ、ずっと前のなんだって」
男の子「へぇー・・・」
僕は強くなっていいのでしょうか
僕は強くなれるのでしょうか
それは正しいことなのでしょうか?人の道理に背くことではないのでしょうか?
- 634 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:27:19.34 ID:sfYT2bvk0
男の子「・・・うわぁ、古くさい・・・」
女の子「は、入っちゃダメ・・じゃないかな・・・?」
男の子「へへっ、少しくらい大丈夫さ」
女の子「あ・・でも思ったより綺麗・・・」
男の子「所々、床が痛んでるけどね」
女の子「・・・うん」
男の子「・・・・お祈りしようか」
女の子「・・・うん」
男の子「・・・神様」
女の子「・・・大天使様」
僕は幸せです・・・ですが、いまいち強く生きていけません
やっぱり僕は・・・ダメなのかなぁ
男の子「・・・・はぁ」
女の子「・・・?大丈夫?」
男の子「・・・うん」
??「少年、悩みがあるなら吐き出してしまうといい、マイゴッドは全てを許すさ」
男の子「・・・うん」
- 635 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 14:28:08.66 ID:tkufmL0B0
きたか?
- 636 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 14:29:00.02 ID:5WyqY8KJO
ジェミニw
- 637 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 14:35:00.84 ID:iExkMZmu0
もうすぐ終わっちゃうのかなー
- 639 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:36:29.73 ID:sfYT2bvk0
男の子「・・・」
女の子「・・・」
黒い男「さあ悩みを打ち明けろ、マイゴッドは全てを許す、アーメンソーメンヒヤソーメン」
男の子「・・・」
黒い男「セーイ」
男の子「・・・・何でいるんだよ」
黒い男「ここはマインドハウス、心の故郷だ」
黒い男「月に一度はここに来て祈るようにしている、アーメン」
男の子「・・・・」
黒い男「元気だったか少年、ジェミニはいつでも元気100倍ア」
男の子「もう来るな!!」
黒い男「オゥ、アングリーアングリー」
男の子「・・・・わかるだろ、お前はもうこの街にいられる人間じゃないんだぞ・・・」
黒い男「うむ、さっき見たお尋ね者の張り紙の値段が凄い事になってた」
黒い男「だから1枚、ほら、記念に」
男の子「剥がすなよ」
黒い男「ソーリー」
- 641 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 14:39:37.62 ID:2FrXSxDN0
ジェミニって名前出たんだから黒い男→ジェミニに書き換えないのかな
- 642 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/21(日) 14:39:51.23 ID:DAV7Rnwp0
ジェミニがアンデルセン神父、姉がタマ姉で再生される
- 643 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:42:19.53 ID:sfYT2bvk0
女の子「・・・ねぇ?その人は誰・・・?もしかして・・・」
男の子「な、なんでもないよ・・ちょっとした知り合い」
女の子「そ、そう・・・」
男の子「ごめん・・・少し・・・」
女の子「うん、外で待ってるね」
バタン
黒い男「・・・前にもましてホットな仲じゃないか」
男の子「うっさい」
黒い男「ジェミニにガールフレンドはいないし、これからだってジェミニはガールフレンドを作るつもりはない」
男の子「・・・」
黒い男「アサシンである宿命というやつだ、おおロンリーロンリー」
男の子「・・・」
黒い男「なんだ少年、悩みがあるなら・・・」
男の子「なんで」
黒い男「・・・ん?」
男の子「お前は強いんだよ」
黒い男「・・・フゥム、難しいな」
- 650 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:49:08.58 ID:sfYT2bvk0
黒い男「昼は暑いな、脱ごう」
暗殺者「・・・フゥム、何故ジェミニが強いのか・・・か」
男の子「・・・」
暗殺者「そうだな、それを話すにはまず何故ジェミニがピーナツバターが嫌いかを説明しなくては・・」
男の子「いやそういう話はいいよ」
暗殺者「?そうか?」
男の子「・・・僕は弱いままだ」
暗殺者「・・・」
男の子「色んな友達ができた・・・でも僕はまだ、一人じゃ何もできない」
暗殺者「・・・フゥム」
男の子「・・・お前はすごいよ、一人でなんだってできる」
暗殺者「何を言う、ジェミニにだってできないことは沢山ある」
男の子「違うよ、そういうことじゃない」
男の子「・・・正直、憧れるよ」
- 651 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 14:50:20.83 ID:2FrXSxDN0
俺はこういう文章書けることに憧れるww
- 652 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 14:56:26.87 ID:sfYT2bvk0
暗殺者「・・・少年、ジェミニからも言わせてもらうがそれは違うぞ」
男の子「え?」
暗殺者「・・・ジェミニはこう見えて、とても目立ちたがりだ」
男の子「うん、知ってる」
暗殺者「あれ?」
男の子「・・・ん?」
暗殺者「・・・ソーリー、たった今話す種がなくなってしまった」
男の子「・・・」
暗殺者「・・・まあ・・・なんだ」
暗殺者「・・・ジェミニだって一人では何も出来ない」
暗殺者「キルの仕事もクライアントが多少のケアをしてくれなければ難しい」
男の子「・・・」
暗殺者「ジェミニは不死身だし最強だが、できないことは沢山ある」
男の子「・・・」
暗殺者「・・・頭の悪いジェミニが思うに、人はそれぞれ必要とするものが違うんだろう」
男の子「僕が・・・弱いように?」
暗殺者「ジェミニが世間では生きていけないように」
男の子「・・・」
暗殺者「フゥム、難しいな」
- 654 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:01:30.76 ID:JVcnxbvrO
すてきですね
- 659 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 15:06:16.20 ID:sfYT2bvk0
暗殺者「・・・ほら少年、ドアの向こうのガールフレンドが待っているぞ」
男の子「・・・うん」
暗殺者「少年はまだ若い、ヤングだ」
男の子「・・・うん」
暗殺者「・・・ヤング故に、まだ答えは出せないのだろう」
男の子「・・・」
暗殺者「だから少年はこれだけ覚えていればいい」
男の子「?」
暗殺者「ボーイズビーデリシャス」
男の子「・・・?」
暗殺者「フッ・・・さらばだ、少年」
男の子「・・・?・・・うん・・」
ガチャ
ドアの向こうには綺麗な花畑と、笑顔の彼女がいました
少しだけ傾いた太陽が、僕と彼女を照らします
結局、僕には生きるということがよくわかりません
強さというものもよくわかりません
ですが神様、大天使様、僕は、・・・
とにかく、頑張って生きていきたいと思います
目の前にある幸せを守るために、強く生きていきたいと思います
おわり
- 660 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 15:06:41.97 ID:sfYT2bvk0
残念釣りでした
- 661 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/21(日) 15:07:14.43 ID:zAe8DmAs0
>>660
釣りもクソもねーよw
乙!
- 664 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:08:14.20 ID:2FrXSxDN0
>>660
楽しめたww
乙!
- 665 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:08:34.11 ID:iExkMZmu0
お疲れ様でした><
- 666 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:08:52.72 ID:NUmQewr40
>>660
お疲れさん
- 667 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:09:01.42 ID:yjHvpvQ+O
おお…おお…ブラボー…
めっちゃ面白かった
また何か書いてよ
- 668 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:09:02.21 ID:kAlaDe+d0
おもしろかった!
>>1乙!
- 669 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:09:20.76 ID:4I1bdWX60
なんだかんだで最後まで読ませてもらった
乙!
- 670 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2008/12/21(日) 15:09:50.16 ID:sfYT2bvk0
物を書くには100年早かったな・・・やっぱむずかしい
正直すまんかった
- 672 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:09:57.18 ID:qC4Cvo5v0
ボーイズビーデリシャス吹いたw
>>1乙!
- 674 :VIPがお送りします [] :2008/12/21(日) 15:10:06.17 ID:wAgyAp9qO
釣wwwりwwwとwwwかwwwwww
乙!!
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