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女「おや、良さげな仕事がありますねぇ」
106 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:16:59.33 ID:CQOAiZsm0
剣士「はっ!」

トスン
ポロ

剣士「・・・よし、なんとか斬れるな・・・」
百角獣「!・・・グォオオオォオ!」
剣士「!やば・・・」

ヒュンヒュンヒュンッ

ドカカッ
百角獣「!グゥゥゥゥ・・・!」

剣士「(矢が・・・よし、こうやって注意をそらしつつ攻撃していけばなんとか・・・!)」
剣士「(とにかく角を破壊していかないと・・・矢も魔術もこいつの内部にまで届かない・・・!)」

弓「(俺らにできることは援護からの不意打ち・・・だがこれを絶え間なく行わなければ、敵正面にいる剣士が猛攻を受ける)」
魔術師「(それだけはなんとか阻止しなきゃいけない・・・!だから、こっちからの攻撃を緩めれば・・・)」
弓「(剣士は瞬殺され・・・)」
魔術師「(そうなれば、私たちの命も時間の問題・・・!)」

弓「剣士が引き止めていてくれる間が俺らの援護時間でもある、集中だ・・・!」
魔術師「はい・・・!“キュアー”!」

パキパキ


107 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:22:48.69 ID:CQOAiZsm0
剣士「くそっ・・・いい加減顔を出せ・・・!」

スパッ、スパッ

百角獣「グォオオオオ!」ブンッ
剣士「! あぶなっ・・・!」

ヒュヒュヒュッ トトトッ
百角獣「グ・・・!ォオオオ・・・!」

剣士「(よし、一本だけ中に刺さった!)」

ドドド・・・パキパキ・・・ッ・・・

剣士「(足元からくる氷の魔術で奴の動きも緩くなっている・・・角を集中して破壊するなら今!)」
剣士「(角さえ消してしまえば、相手の突進の怖さも半減する・・・同時にこちらの攻撃を内部に当てる機会も増える)」
剣士「(討伐を成功させるためには・・・俺が不可欠だ!)」

ブンッ

ガツンッ!

剣士「!」
百角獣「グルルル・・・」
剣士「こいつ、頭の角だけやけに硬・・・」
百角獣「ォオオオォオオオオ!!」

ドスッ
剣士「ぐあ」


108 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:27:00.84 ID:CQOAiZsm0
弓「! やべえ・・・!」
魔術師「や・・・!剣士さんが・・・!」
弓「くそ、あいつがやられたらこっちにまで押し掛けてくるぞ・・・!攻撃だ!」
魔術師「わかってます・・・!」


百角獣「ォオオオオオ・・・!」

剣士「(く・・・転ばされた・・・地面がぬかるんでる・・・立てない・・・!)」
剣士「(やばい・・・やばいぞこれは・・・相手は何トンもある巨体・・・踏まれたら即・・・)」

百角獣「・・・グルルルルゥ・・・!」

ヌウッ・・・

剣士「(前脚を持ちあげた・・・やばい・・・やばいやばいぞ・・・)」
剣士「(遠距離攻撃でなんとか・・・!なんとか奴の動きを・・・!)」

ヒュヒュヒュンッ ドカカカカッ

パキパキ・・・

剣士「(援護攻撃に怯んでいない・・・くそ・・・!)」

百角獣「・・・(ニヤリ」

ドスンッ


109 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:32:23.92 ID:CQOAiZsm0
女「あい、どーも」
剣士「・・・!?お前・・・」

弓「・・・!」
魔術師「(女さん・・・!?)」


百角獣「ォオオオ・・・グオオオオオ・・・!?」
剣士「一体何が」
女「ややや、背中の骨が薄くなってたもんで、そこにナイフ投げて刺しといたんですよ」
剣士「・・・!ありがとう・・・!す、すまない・・・!」
女「そんなことより早く離れないと、踏まれますぜ」
剣士「・・・!」

ザザザッ

剣士「(なんとか・・・九死に一生だ、女に感謝しないと)」
百角獣「ォオオ・・・!ガァアア・・・!」

女「うわ、血が出てる・・・痛そう」
剣士「君がやったことだろう、いや、でかした・・・(ボソ」
女「ははは、どうも・・・不意打ちっすけどね」
剣士「それでも上出来さ」

女「・・・けどね、旦那」
剣士「何だ?相手が怯んでいる・・・今がチャンス・・・」
女「いや、ナイフもう相手に刺しちゃったんで」
剣士「・・・」

百角獣「グォオオオオオオ!」


110 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:36:03.73 ID:CQOAiZsm0
剣士「大丈夫・・・あとは俺に任せろ!援護感謝する・・・!」

女「わお、かっこいい」
剣士「離れてくれ!」

ブンブンッ、トスッ、トスッ


弓「(なんであいつが・・・クソ・・・俺だって)」ドヒュンッ

魔術師「(やった・・・やっぱり女さんすごい人かも!)」
魔術師「・・・こっちも頑張らなきゃ・・・“アイス”!」ボボボッ


女「(すごい光景・・・本気の狩猟・・・!)」
女「(・・・記念に撮っておきましょ・・・一枚だけ)」

女「・・・はい、笑ってー・・・(ボソッ」

カシャ

弓「(!・・・あいつ・・・写真なんか撮ってやがる・・・!)」


111 :VIPがお送りします [] :2009/09/26(土) 20:36:54.47 ID:Sx5rdL3A0
女うぜぇw


112 :VIPがお送りします [] :2009/09/26(土) 20:38:06.87 ID:WKlxLydw0
これはKYwwwwww


114 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:40:33.32 ID:CQOAiZsm0
百角獣「・・・」

女「・・・ナムナム」
剣士「はぁ、あぁ・・・なんとか・・・倒せたな」

魔術師「・・・わぁ・・・すごい血・・・嫌な臭いがする」
弓「結局、失血死させるまで暴れられたな・・・しぶとい魔獣だった」
剣士「・・・はっ・・はぁ・・・まあいいさ、みんな生きていたんだから・・・それならいいさ・・・(ボソ」
弓「(だからそういうセリフはもっと大きい声で言うもんだろ・・・)」

女「ナイフ、ナイフどこだろ・・・」ガチャガチャ
剣士「・・・えっと・・・」
女「ナイフ・・・確かここらへんに刺した気が・・・」
剣士「・・・ありがとう・・・(ブツブツ」
魔術師「あ、女さんのナイフこっちにありますよ」
女「マジっすか?どもどもー・・・これないと私、傍観するしかないもんで・・・ははは」
剣士「・・・なんでもない・・・(ボソボソ」

弓「・・・」


115 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:47:09.49 ID:CQOAiZsm0
ガヤガヤ・・・

男「・・・5班さん・・・ですね・・・本当だ、すごい・・・」
剣士「角は戦闘でかなり破壊しましたが・・・まぎれもなく今回の討伐対象、百角獣です」
男「そうですね、こんな変な外観の生き物は他にいませんから・・・ええ、よくやってくれました」

魔術師「“キュート”!」
ザッパァァァン・・・
女「おお〜、血が川に洗い流されてゆく・・・」
魔術師「えへへ、後始末はちゃんとしないとね」
女「すごい水の量ですなぁ・・・いやはや、私も魔術使えるようになればいいのですが・・・」
魔術師「結構難しいですよ?勉強も沢山しなければならないですからね」
女「あー・・・そいつぁ私にゃ向いてませんね」

男「(・・・ああ、そういえばこの女の人もこの班だったなぁ・・・)」
弓「確か報酬は一部歩合だったよな、これで少しは上乗せされるのか?」
男「ん・・・ええ、そうですね、死者も出さず被害も無く討伐・・・素晴らしい事です、かなりの追加報酬があるはずですよ」
弓「そうか、良かった・・・記帳漏れのないようにな」
男「ええ、ご安心ください」

弓「(だが・・・あのナイフ娘・・・お前の活躍はその追加報酬には見合わないぞ)」
弓「(俺は認めない)」


116 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:53:00.59 ID:CQOAiZsm0
パチッ・・・パチパチ・・・

女「やー、温かい温かい・・・」
剣士「温まるな・・・」
女「旦那、体がずぶ濡れですぜ」
剣士「・・・ぬかるみで転んだからな」
女「あはは、そりゃ・・・お気の毒に」
剣士「・・・べ、別に滑って転んではない・・・相手に体当たりされて・・・だから・・・(ボソボソ」

魔術師「みんなお疲れ様〜」
女「お、・・・!魔術師さん、なんすかその肉!」
魔術師「百角獣の肉ですよ・・・ふふ、ギルドの人に頼んでお尻の方だけ少しもらったの」
剣士「かなりの量だな」
女「あの巨体っすからね、やはは、美味そうです」
弓「・・・」
魔術師「あの鹿、数がとっても少ないらしいから・・・もうこの山での任務は今日でおしまいなんだって」
女「ほう」
魔術師「だから今日が最初で最後の山岳キャンプになるわ」
剣士「・・・任務が早く終わる、良い事だ」
弓「・・・」


119 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 20:58:33.94 ID:CQOAiZsm0
ガツガツガツガツ・・・

魔術師「今回の功労者はなんといっても剣士さんですね、よく頑張ってくれました」
剣士「・・・大したことは・・・別に・・・(ブツブツ」
魔術師「いえいえ・・・剣士さんの存在が無ければ遠距離攻撃は成立しませんし・・・何より角を剣で破壊するのはとっても勇気がいると思います」
剣士「・・・や・・・俺は・・・(ブツブツ」

ガツガツガツガツ・・・

魔術師「弓さんの活躍も地味だけどすごかったですね」
弓「じ・・・」
魔術師「一気に四本も放つ所なんて感動しましたよ・・・それにあの精度、よほどの名手でなくてはできませんし」
弓「・・・いや、魔術師の魔術もなかなかのものだったよ・・・うん」
魔術師「えへへ、そうですかね・・・?」

ガツガツガツ・・・

弓「・・・おい」

ガツガツガツガツ・・・
女「・・・もぐもぐ・・・んはい?」
弓「・・・お前な・・・」
魔術師「ま、まぁまぁ・・・」


120 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:03:13.83 ID:CQOAiZsm0
弓「いや・・・これだけは言わせてもらうぞ」
剣士「・・・あまりチームの輪を崩すことは・・・(ボソボソ」
弓「いいや、だからこそ言わせてもらうぜ」
女「?」

弓「お前・・・剣士が闘ってる時・・・写真を撮ってたろ」
剣士「え?」
女「あ、はい、撮ってましたよ」
剣士「な」
弓「・・・よく平然と答えられたな?何のつもりだお前」

剣士「ま、まて・・・それは本当なのか」
魔術師「・・・あの・・・はい、私からも・・・見えました、フラッシュも・・・」
剣士「・・・」
女「いや、あはは・・・写真、こりゃもうですね、生活の一部のようなものでして・・・」

弓「女だからって・・・いつまでも黙っていると思うな!」
グッ
女「おぅ」
魔術師「! 弓さん!」


121 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:06:19.69 ID:CQOAiZsm0
グググ・・・

女「離してください」
弓「何様だ・・・任務をなんだと思ってるんだ・・・!」
魔術師「弓さん・・・!」
剣士「・・・」

弓「仲間が死ぬ気で戦っているってのによ・・・お前がやったことは何だ?ナイフ一本だけじゃないか」
女「・・・まぁ・・・そうっすね」
弓「そうっすね?・・・お前・・・」
剣士「おい・・・やめろ」
弓「やめるかよ、・・・最初から気に食わなかったんだ・・・こいつの態度も、姿勢も全てな・・・!」
女「まぁ人には好き嫌いありますからねぇ」
弓「黙れ!」


122 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:13:51.43 ID:CQOAiZsm0
ぶんっ

女「あいてっ」ドサッ

魔術師「お、女さん・・・大丈夫ですか・・・!」
女「いたた・・・突き飛ばさなくても」
剣士「おい」
弓「・・・ふん」

剣士「・・・気持ちはわかる・・・けど・・・仲間割れは・・・(ボソボソ」
弓「剣士、あんたは甘い、班リーダーとしてそんな緩い気持ちじゃ駄目だ」
剣士「・・・」
弓「リーダーは全員を任務に向けて引き締めるのが仕事だろ?違うかよ」
剣士「・・・そうだが・・・」
弓「今回のこの、ナイフ女のやったことは拍手できることか?祝福できるのか、称賛できる事なのか?」
剣士「・・・それは」
弓「任務中に撮影だと?ふざけてるね、目の前で仲間が命かけて闘っているのに・・・」
剣士「・・・」
弓「なあ、あんたが一番わかっているはずだぜ、自分の後ろでのうのうとカメラを向けている奴がいたんだぜ、怒れよ」
剣士「・・・そりゃ・・・少しは・・・あるが・・・」

魔術師「・・・も、もうやめましょう!」
弓「・・・だが」
魔術師「これ以上話しても・・・ね?一日目から亀裂を作っちゃ・・・だめよ」
弓「・・・俺はただ、チームとして問題のある行為を・・・」
魔術師「・・・駄目です、確かに弓さんの言っている事は正しいです・・・」

魔術師「けど、これ以上はだめです・・・」
弓「・・・チッ」


123 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/26(土) 21:17:39.08 ID:YpVNJf4L0
戦闘後、撮影か。女はスパイダーマンだったのか。


124 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:18:11.67 ID:CQOAiZsm0
弓「・・・こんな女と一緒のテントにはいられねー、外で見張りながら寝る」
魔術師「あ・・・弓さん」

パサッ

女「・・・」
剣士「・・・そっとしておけ・・・」
魔術師「・・・でも」
剣士「あいつの言い分は正しいよ・・・女は悪い」
魔術師「・・・」
女「・・・」

剣士「・・・俺が・・・俺から言えるのは・・・」
剣士「・・・次からは・・・気をつけろ、っていう・・・それだけだから(ボソ」
ごろん

剣士「・・・疲れた・・・寝る」
魔術師「・・・」
女「・・・」

剣士「・・・ああ・・・明日は海洋地帯に移動するから・・・ちゃんと寝とけよ・・・(ボソ」
魔術師「・・・はい、お疲れ様です・・・おやすみなさい」
剣士「・・・おう・・・」

女「・・・」


125 :VIPがお送りします [] :2009/09/26(土) 21:18:45.08 ID:brNxW3LM0
弓の死亡フラグ


126 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:22:12.27 ID:CQOAiZsm0
剣士「スー・・・スー・・・」

魔術師「・・・毛布、無いと寒いですよね・・・」
パサッ

女「・・・魔術師さんは、優しいっすね」
魔術師「・・・そう?」
女「ええ、とても良いお嫁さんになれますぜ」
魔術師「あ、あら・・そうかしら・・・ふふ」


スッ
魔術師「・・・女さん」
女「あい」
魔術師「・・・あなたに・・・弓さんと同じですが・・・言いたい事があります」
女「・・・はい、なんでしょう」

魔術師「・・・やっぱり、駄目です」
女「・・・」
魔術師「女さんが嫌いなわけじゃないです・・・けど、これは任務なんです」

魔術師「任務は任務、趣味は趣味で、しっかり分別を付けてください」
魔術師「弓さんが怒る気持ちも・・・気持ちは、私も同じです」
魔術師「みんな、あの時闘っていたんですよ・・・わかりますよね」
女「・・・」
魔術師「・・・言いたくはないんですけど・・・人の命がかかっているんです・・・ふざけないでください」


127 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:26:02.09 ID:CQOAiZsm0
魔術師「・・・明日も任務があるでしょうから・・・その、お願いします」
女「・・・さあせん」
魔術師「・・・ん、良いの、わかれば」

魔術師「大丈夫・・・私たちは仲間だから・・・ちゃんと任務を遂行していれば、弓さんも認めてくれるわ」
女「・・・」
魔術師「・・・私も・・・そろそろ、お休みします」
女「ん・・・はい」
魔術師「・・・全部責めてる・・・わけじゃないからね?」

魔術師「あのナイフの一撃・・・それが剣士さんを助けた、それは・・・すごかったよ、ふふ・・・」
女「・・・」
魔術師「・・・おやすみなさい」


128 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:29:47.66 ID:CQOAiZsm0
リーン、リーン・・・


弓「・・・(キュ、キュッ・・・」
弓「弦が・・・チッ・・・汚れが・・・」

ガササッ

弓「!」ババッ

女「ぉう、私っすよ、私!」
弓「・・・チッ」

スッ
弓「・・・テントに戻れよ、寝てろ」
女「・・・やはは、私ちょいと、不眠症でして・・・」
弓「・・・じゃあ戻れ、目障りだ」
女「たはは、厳しい」
弓「・・・ッ・・・・その口調が煩わしいんだよ、帰れ」

女「・・・」
スッ

弓「・・・何故隣に座るんだよ」
女「いやー、まぁ、旦那に色々と謝る事があるじゃないですか」
弓「・・・ふん」


129 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:36:44.14 ID:CQOAiZsm0
キュッキュッ・・・
弓「・・・そのカメラは任務には不要だ」
女「んー・・・」キュッキュッ
弓「お前、謝りに来たんだろ」
女「ええ、まぁ」キュキュッ
弓「・・・舐めてんのか?」
女「いやー・・・あの、そういうわけじゃないんすけどね・・・」キュッ
カショカショカショ

女「・・・私ゃですね、実は、本職はこっちなんすよ」
弓「?」
女「まー、勝手な話でございますがよ、聞いてくださいな」
キュ・・・キチチチチ・・・パシャッ

女「とある新聞社でですね、写真を撮らせていただいてるんすね、私」
弓「・・・で?」
女「んー、そいでですね、まぁ、大きな新聞社とはいえ、ニュースが無けりゃ写真も撮れんのです」
パシャパシャ

女「撮れなきゃ、給料だってゼロにもなりゃします」
弓「・・・お前、兼業か」
女「ええ、そういうことです」
パシャ

弓「・・・兼業の写真家ごときが・・・この任務を受けられると思ってんのか?」
女「んー・・・どうなんすかね」
パシャ

弓「・・・それを今日の言い訳にするつもりか?」
女「んー・・・そうではないんすけどね」


132 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:41:58.66 ID:CQOAiZsm0
女「好きなんですよ、写真」パシャ
弓「うおっ・・・」
女「こうやって、撮るのが」
ジィィィ・・・ カショッ

女「ほらっ、弓さんの顔写真・・・あはは、目ぇ瞑ってますね」
弓「・・・よこせっ、こんなもの・・・」
女「あ、取らないでくださいよ」

ビリビリ
女「あーあ、もったいない・・・」
弓「ふんっ・・・」
女「良い表情だったのに」
弓「・・・」
女「・・・まぁ、その」
弓「・・・」
女「救いようのないバカすよ、私」
弓「見ればわかる」
女「たはは、お厳しい・・・まぁ、そうなんですね、バカなもんで」
スッ・・・
弓「・・・なんだこれは」
女「今日の写真ですよ、とっといてくださいな」

女「バカの一つ覚え・・・なりの、賜物、っすから」
弓「・・・」
女「じゃ、おやすみなさい」
弓「あ、おい」
タッタッタッタッ・・・

弓「・・・あ、俺の写真・・・」


134 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:44:52.06 ID:CQOAiZsm0
弓「(・・・剣士が、角を斬ってる瞬間・・・)」
弓「(水流が、百角獣に降りかかる瞬間・・・)」

弓「(・・・おれの弓が、奴の体にあたってる・・・瞬間)」

弓「(・・・)」
弓「ふん、こんなもの・・・」
グッ

弓「・・・」グッ

弓「・・・ふん、記念だ」
ゴソゴソ

弓「・・・追加報酬の記帳漏れしていた時の・・・証拠写真だ」
弓「だから・・・とっておくだけだ」
弓「・・・それだけの価値しかないからな・・・こんなもの」


リーン・・・リーン・・・


135 :VIPがお送りします [] :2009/09/26(土) 21:48:57.91 ID:QrxLmcna0
ベジータかよ


140 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:54:15.17 ID:Rq+KS1fcO
DB読んでないからわからん

アミノバイサル


144 :◆1pwI6k86kA [] :2009/09/26(土) 21:58:52.46 ID:CQOAiZsm0
受付「はい、ではこちら受理ということで・・・はい、それでは任務の説明はこちらの部屋で」
受付「・・はい、それでは頑張ってください」

受付「・・・ふうー・・・深夜ともなれば・・・さすがに客も減るな・・・」
上司「おい」
受付「あ、はい」

上司「今日のこのAACC-XXX討伐任務、従事する一人のデータが抜けてるぞ」
受付「一人のデータ・・・?」

受付「(AACC-XXX・・・うわ、やべえ・・・ライセンス確認忘れた奴だ・・・)」
上司「この・・・女か?こいつのライセンスはちゃんと確認したのか?」
受付「あー」
上司「あーじゃない」

受付「(・・・やべえ・・・首が飛ぶ・・・首が・・・ああでももう時間の問題だ・・・どうせ飛ぶなら)」

受付「あーはい、ちゃんと確認しました、凄腕の傭兵ですよ、彼女」
上司「で、この記入漏れは?」
受付「すみません、こちらのミスでした・・・会員番号の方は彼女が帰還してからで」
上司「・・・」
受付「あ、あの・・・」
上司「・・・いいだろう・・・だが、女が帰還しなかった際の責任はかなり重いぞ」
受付「あ、は、はーい」

受付「(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ)」


146 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/26(土) 22:01:01.24 ID:SSWjagrB0
ありがちな感じだけど嫌いじゃない



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