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男「いらっしゃいませ、ギルドへようこそ」
- 1 :VIPがお送りします []
:2009/09/12(土) 22:51:13.96 ID:EpT4Y30C0
男「・・・そしてこちらが今回の仕事の詳細となっております」
傭兵「おう兄ちゃん、俺もここに居てなげーんだ、そんなもんは省いてくれや」
男「・・・」
男「はい、では・・・次にこちらの書類にサインを・・・」
傭兵「面倒くせえな、さっさと次いってくれや」
男「・・・すみません、こちらの契約書は当ギルドの規則でして・・・」
傭兵「チッ、面倒くせえ」
サラサラ
傭兵「ほらよ」パシッ
男「・・・」
男「・・・はい、確かに・・・ではこちらの依頼、受理ということで・・・」
- 2 :VIPがお送りします [sage] :2009/09/12(土) 22:53:53.31 ID:fR5zxBir0
傭兵「…女子中学生の家庭教師…だと!?」
- 3 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 22:55:19.08 ID:EpT4Y30C0
「次の仕事どこに決まったー?」
「この討伐、今月はまだ12件か・・・狙い目かな」
「手ごろな運搬残ってないですかね?」
「でさー、またこれ破れちゃって・・・」
「あのー、こっち受け付けてますか?」
男「・・・いらっしゃいませ、はいどうぞ、こちらで承ります」
上司「おい、男」
男「はい・・・あ、すみませんしばらくお待ちください」
男「どうしました?今ちょっと列が出来てしまっているので・・・」
上司「それはどうだっていい、話がある、事務所に入れ」
男「?話ですか・・・わかりました」
バタン
- 4 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 22:56:50.90 ID:XOxYFXZQ0
ギルドーン!! グァァァァ
- 5 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:02:10.66 ID:EpT4Y30C0
「おーい、こっちの依頼書も複写しておいてくれ」
「倉庫の点検、次2分後だぞ、あまり休憩に深入りしすぎるな」
「依頼の護衛人数の変更だ、受付番号は・・・」
上司「・・・お前、ここに勤めて何年になる?」
男「?・・・そうですね、もう6、7年くらいになるかと」
上司「・・・はぁ」
男「?」
上司「さっきの受付、依頼内容の詳細説明を省いただろ」
男「あ、ああはい、そうですね運搬だったので・・・」
上司「運搬だったので、じゃねえだろバカ」
男「・・・」
上司「依頼内容の詳細確認は受付で済ませておく大事な確認事項だろうが」
男「・・・はい」
上司「もしそれ、怠ったせいで事故でも起きたらよー、お前どうするんだよ」
男「・・・でもこの運搬はどこのギルドでも共通ですし・・・」
上司「言い訳なんて聞いてねえんだよ、バカ」
男「・・・」
上司「全く、お前は本当に基礎から教え直さないと駄目なのかよ・・・そういやこの前も・・・」
- 6 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:06:47.36 ID:EpT4Y30C0
バタン
男「(・・・ふぅ)」
「おい、馬車の荷物の搬入、人数足りてないぞ、急げ」
「誰かこっちの依頼書、掲示板の方にも張り出しといてー」
「赤インクどこだよ、ストックどこに移した?」
男「あ、インクでしたらこっちの棚にあります」ガララ
「お、本当か、悪いな」
男「・・・あれ?」
男「(おかしいな、昨日までこっちにしまってあったはずだぞ)」
男「(・・・無くなってる・・・?)」
「おい、そっちにはもうねえよ、今度からインクはこっちの棚だ」
男「!そ、そうでしたか、すいません」
「ったく、使えねーな」
男「・・・すみません」
「サンキュー」
「悪いな、俺の部下でよ」
「気にすんな、でさ、こっちの仕事がさ・・・」
男「・・・」
- 7 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:10:21.92 ID:EpT4Y30C0
ペタペタ、ギュッ
男「(・・・よし、依頼用紙貼り付け完了・・・っと)」
男「(・・・あとは、他に仕事は何か・・・)」
上司「おい男、ぼさっとしてんなよ、こっちの仕事に回れ」
男「あ、はい、何でしょうか」
上司「さっき届いた荷物を倉庫に搬入するんだ、人手が足りなくて困ってる、お前行け」
男「倉庫ですか?あれは部署も違いますし・・・」
上司「うるせえ行け、どこの部署からも2、3人は出てるんだ」
男「・・・はい」
上司「大丈夫だ、お前がいなくてもここはなんとかなるから」
男「・・・」
男「わかりました、すぐに行ってきます」
上司「急げよ、後がつかえてるんだ」
- 8 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:11:48.84 ID:GPb9ZTIg0
珍しいジャンルはけーん
- 9 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:14:38.68 ID:EpT4Y30C0
ガタッ、ガタタ
男「(重っ・・・なんだこれ・・・)」
「あ、その荷物はあっち側、Tの所に移動させといて」
男「(T・・・?随分と遠いな・・・)」
男「・・・よいしょ、よいしょっ・・・」
「いやー、助かったぜ、人手が足りなくてさ、悪いね」
男「いえいえ、大がかりな搬入のようですからね・・・他の部署からも人が回されているみたいですし」
「ん?はは、いや俺が手助けを頼んだのは一人だけだけど?」
男「・・・え?」
「ああ、まだ荷物多いし、こっちの15個、よろしく頼むよ」
男「あ・・・ああ、わかりました、はい」
「いやぁ、本当に助かるわ、悪いね」
男「ははは、いえいえ」
男「・・・」
男「(俺は・・・事務、しかも受付担当なのにな・・・)」
男「(っ・・・重い・・・)」
- 10 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:15:34.77 ID:euCJCogXO
ふさわしいだけのきゅうりょうもらったきはすこしもしなぁあい〜
- 11 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:17:58.23 ID:EpT4Y30C0
どんっ
男「はーっ、はーっ」
男「つ、疲れた・・・」
「いや、どうも悪いねー、手伝わせちゃって」
男「・・・はは、いえいえ、我々の仕事ですから」
「感心しちゃうよ、本当に憧れだぜ、その紅服」
男「ああ、これですか?はは・・・そういっていただけると、嬉しいです」
「ここのギルドは世界規模だからな、君はとても立派だよ」
男「・・・ありがとうございます」
「じゃ、頑張ってくれよ」
男「はい!」
バタン
男「・・・」
男「(誇り・・・か・・・)」
男「(そうだな、こんなに大きい商会に勤められるんだ・・・素晴らしい事じゃないか)」
男「(辞めるなんて、あり得ない)」
- 12 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:20:18.96 ID:ULMIH7Tc0
なんでファンタジーの世界に夢がないんだよ
- 13 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:21:54.32 ID:EpT4Y30C0
男「(ふう、服が汚れてしまったな・・・今日は帰ったら洗濯しないと)」
男「(・・・あとは事務をして・・・整理、清掃で・・・退社かな)」
タッタッタッ・・・
上司「ほんと使えねーよな、あいつ」
男「・・・?」
「ああ、男ですか」
上司「うん、あいつここらうろちょろするだけでさ、邪魔ったらねーんだよ」
「あー、確かに、色々と走り回りすぎだとは思いますね」
上司「それに要領も悪いし、不器用だし・・・どうしたもんかねー、あいつ」
「ははは、仕方ないですよ、男ですし」
上司「はは、どっか異動になれば良いんだけどな」
「最近は上司さん、忙しそうですからねー」
上司「ホント、勘弁してほしいな、はっはっは」
男「・・・」
男「(誇り・・・)」
- 14 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:26:01.46 ID:EpT4Y30C0
傭兵「ねえ、受付さん」
男「いらっしゃいませ、どうなされました?」
傭兵「手ごろな討伐任務を探しているのだけれど」
男「討伐ですね・・・カードはお持ちですか?」
傭兵「いいえ」
男「そうですか、でしたらこちらのランクの低いものが良いかと・・・」
傭兵「えー」
男「?」
傭兵「何この値段、低すぎ、もっと高いものを受けたいわ」
男「・・・申し訳ございません、こちら以上のものとなりますと、ギルド貢献書を30ポイントまで集めていただく必要がありまして・・・」
傭兵「はぁ?何それ」
男「こちらではカード制というものがありまして・・・」
男「(毎日同じ説明の繰り返し)」
男「(粗野な男共をなだめ、笑顔で振る舞い、斡旋する)」
男「(・・・これが誇り)」
男「(これが・・・)」
男「・・・」
- 15 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:28:18.81 ID:ULMIH7Tc0
ギルドの受付は女の子と相場が決まって
- 16 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:29:37.45 ID:EpT4Y30C0
男「お疲れ様です」
上司「おう、気をつけろよ」
男「ありがとうございます、ではまた明日」
上司「はいよー」
バタン
男「・・・・・・・ふぅ」
男「(終わった・・・長かった・・・)」
男「(今日も3時間オーバーか・・・明日は忙しい日だったっけ・・・)」
男「(帰ったらすぐに寝ないとな・・・あ、洗濯・・・仕方ない、休日にでもやろう)」
ザッザッザッ・・・
男「・・・」
男「人間って、何のために生きてるんだろ」
男「(俺の場合は、少なくとも誇りじゃないな)」
男「(・・・あんな仕事に、誇りなんて感じられない)」
- 17 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:32:09.80 ID:EpT4Y30C0
ザッザッザッ・・・
男「・・・」
男「(・・・少し、寄り道しようかな)」
ザッザッザッ・・・
男「・・・こんなに人気のない林を歩くのなんて、何年ぶりだろ・・・はは」
男「・・・あ」
“この先未整備、立ち入り禁止”
男「・・・山か」
男「・・・」
男「いいや、入っちまえ」
男「(どうせ、帰ってもやることなんてないんだ)」
- 19 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:35:41.29 ID:EpT4Y30C0
ザッザッザッ・・・パキパキ・・・
男「木々が深いな・・・」
男「(どこまで続いていくんだろう)」
男「(こっちは・・・確か、世界一大きい山で・・・なんていったっけ、まあいいや)」
男「(世界一大きい山か・・・その麓にある、俺の職場)」
男「(・・・世界一、大きい山・・・)」
男「(そこから見下ろす俺の職場は、さぞ小さいんだろうな)」
男「(・・・一度、見下してやるのも・・・悪くないかも)」
ザッザッザッ・・・
男「・・・うわ、葉が湿ってて気持ち悪い・・・雨のせいか」
男「(・・・明日の仕事に間に合うかな・・・まぁ、帰ってくる頃には・・・大丈夫だろう)」
男「(・・・帰れなかったとしても・・・)」
男「・・・いいさ、どうせあそこは、俺がいなくたってなんとかなる」
- 20 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:38:58.40 ID:EpT4Y30C0
ザッザッ・・・
男「・・・森臭くなってきた・・・今、深夜かな・・・」
男「木々も濃い・・・脚も痛くなってきた」
男「・・・どこに進んでるんだろ・・・こっちでいいのかな?」
男「・・・はは、山だし、こっちとか無いか、あははは」
ザッザッザッ・・・
男「・・・こんなに奥地まで来ちまうと、魔獣とかって出るのかな」
男「死体はよく運ばれてくるけど・・・ナマはあまりないなぁ・・・」
男「襲われちまったら大変かもな、あははは」
男「はは、あはは」
男「・・・ははは」
ザッザッザッ・・・
男「・・・服が重くなってきた・・・はは、冷たい」
- 21 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:39:47.32 ID:3WT0ZhHNO
確かに珍しい
支援
- 22 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:41:55.46 ID:EpT4Y30C0
魔獣「・・・」
ガサササッ・・・
男「あ」
魔獣「・・・」
男「あれが魔獣か」
魔獣「・・・(ギロリ」
男「へーすごい、これが本物か」
男「・・・食いたいか?」
魔獣「・・・」
男「食えよ」
魔獣「・・・(ジリ・・・ジリ・・・」
男「・・・ってんだろ・・・」
男「食えって言ってんだろ!!俺をよぉおお!!」
魔獣「!!(ビクッ」
ガササササッ・・・
男「はっ、はっ、は・・・は・・・」
男「・・・」
男「・・・食うにも値ししないってか?俺なんて」
男「あははは、そうかもな・・・はは・・・」
ザッザッザッ・・・
- 23 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:46:03.38 ID:EpT4Y30C0
男「あーかいはーたをそーらよりたーかくー」
男「しゅーにそーまるわーきざし・・・はー・・・」
ザッザッ・・・ザッ・・・
男「・・・くだらねー歌」
男「誰だよ作った奴」
男「・・・ま、いいや・・・あんなギルド、どうだって・・・」
男「(・・・明日、もしかしたら・・・というか、ここまで歩いてきたら・・・もう引き返せないし)」
男「(仕事・・・無理だろうな)」
男「無断欠勤かぁ・・・あはは、ざまーみろ・・・」
男「人手不足になって・・・あ、俺・・・そうか」
男「俺って必要ないんだっけ」
男「あははは、はははは・・・」
男「いらねー・・・俺いらねー・・・じゃあ別にいいじゃん、いなくても」
男「はははは・・・」
ザッザッザッ・・・
- 24 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:48:11.30 ID:UsEpCNC+O
なんという鬱話
- 25 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:48:41.59 ID:EpT4Y30C0
ザ・・ザッ・・
男「・・・斜面が、急に・・・なってきやがったなぁ」
男「こりゃ・・・きつい・・・」
男「・・・仕事とどっちがキツいですか?」
男「いいえ、もちろん仕事の方がきついです」
男「だったら登れるよな」
ザッザッ・・・
男「ほら、全然・・・簡単・・・」
男「辛く、ない・・・辛く、ない・・・」
男「こんな真夜中のハイキング、あのクソ上司の下で働くより全然楽っすよ・・・」
男「はは、いやーなんかおかしくなってきた」
男「あ、最初からか」
男「ははは、なんかおもしれー」
ザッザッザッ・・・
- 26 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:52:12.63 ID:EpT4Y30C0
男「ぅおおおおおおおおおおおおお!!」
ォオオオオ・・・ォオオオオオ・・・
男「・・・すげーや、遠くまで轟いてる」
男「えーっと」
男「山のみなさーん!今日から新しい仲間が増えましたよー!」
男「俺は男っていいまーす!今日からここでお世話になりまーす!」
男「どうぞよろしくおねがいしまーす!」
マース・・・-ス・・・
男「・・・とりあえず挨拶はよし、と」
男「ははは、今ので魔獣とか、俺の所に来たりしてな」
男「いやー何言ってるの、上等だよ、竜でも悪魔でもなんでもかかってこいよ」
男「逆に俺が胃袋の中からそいつ食ってやるよ、はははは」
男「いやー、足・・・痛いなぁ・・・」
ザッザッザッ・・・
- 27 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:55:09.66 ID:EpT4Y30C0
ザッ・・・ザッ・・・
男「は・・・あははは・・・」
ザッ・・・
男「痛い・・・足が・・・う・・・いたいいたい痛い・・・」
ドサッ
男「・・・あははは・・・倒れちった・・・あはは」
男「あーなんか地面がひんやりしてて気持ちいい・・・すっげー落ち着く・・・」
男「でも何か寂しいなぁ」
男「・・・」
男「いらっしゃいませ、ようこそギルドへ」
男「どのような依頼をお求めですか?」
男「お疲れ様でした、こちら報酬でございます」
男「・・・はははははは、虫酸が走る、気持ち悪っ」
男「俺気持ち悪いなー、ははは」
男「はははは・・・」
- 28 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:55:54.27 ID:znoWVXkrO
取るに足りない様な奴でも仕事場から勝手にいなくなったら周りに迷惑だ
……と思いたい
- 29 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:56:46.74 ID:UsEpCNC+O
書くスピード遅いのが難点だな保守
- 30 :VIPがお送りします [] :2009/09/12(土) 23:58:26.97 ID:EpT4Y30C0
男「・・・」
リーン・・・リーン・・・
男「うっ・・・うぅうぁあ・・・」
男「ぁあああぁあ・・・ぅぁあ・・・!」
男「なんでだよちくしょおぉおお・・・」
男「俺は必死にやってんだろー・・・お前の命令ちゃんと聞いてやってるだろー・・・」
男「仕事も全部やってんじゃねーか・・・ていうか仕事押し付けてんじゃねーよ・・・」
男「俺は・・・俺はなぁ・・・遅刻も無断欠勤もしてねーんだぞ・・・!」
男「毎朝一番早く来てるしよぉ・・・帰りはすっげー遅いしよぉ・・・!」
男「俺の何が不服なんだよ言ってみろよぉおおお!」
ォォオオオオ・・・
男「ぅ・・・ぅわぁあああ・・・」
男「ああぁあ・・・うわぁあ・・・!」
- 31 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:00:59.96 ID:TM1bjLHbO
いつからファンタジーになるん?
- 32 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:02:05.57 ID:EpT4Y30C0
チュン・・・チュンチュン・・・
男「・・・う」
男「・・・まぶし・・・ていうか・・・寒・・・」
男「・・・うっわ、森・・・ていうか、山・・・」
男「・・・朝になったな・・・ははは、遅刻じゃん俺、やっちまった」
男「いいや、ざまーみやがれ、せいぜいてんてこ舞いになってろ」
男「異動みたいなもんじゃねーか、してやったよ、感謝しろよ」
男「俺なんてどうなっても良いんだろ?はははは」
グッ・・・ザッ
男「・・・っ・・・なんか、ふらふらする・・・」
男「ああ・・・何も食べてないからか・・・ははは」
男「まあいいや、とりあえず歩いとこ」
男「よーし、頂上目指すかー、あはははは」
ザッザッザッ・・・
- 33 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:03:02.93 ID:jqaNFsrfO
ユメもキボーも無いファンタジーは斬新だな
しかし鬱だ…
- 34 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:05:06.56 ID:/akrsd8o0
ザッザッ・・・
男「・・・!」
ササァ・・・サァ・・・
男「川・・・川だ、川がある」
男「やった、水が飲める・・・魚とかいるかも」
ザプ、ジャポッ、ジャポッ・・・
男「は、はっ・・・うう、冷てぇええー・・・」
男「・・・うっわ、なんか股間冷える、縮こまる、気持ち悪りー」
男「・・・」スッ
男「・・・(ゴクゴク」
男「・・・ふう・・・うまい」
男「さすが山の水、本当に・・・ウマい・・・ははは」
男「決めた、もう俺山に住んじゃおう」
- 35 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:09:14.50 ID:/akrsd8o0
ザッ、ザッザッ・・・
男「うわー、入るんじゃなかった・・・重くなるし・・・冷たいし・・・」
男「裾が泥だらけ・・・最悪・・・」
男「・・・別にいっか、もう洗濯する必要ないし」
男「ああ、辞める時はこの制服返却しなきゃいけないんだっけ・・・ははは、まぁいいや」
男「・・・だっせぇよな、紅の制服・・・目立ちすぎだろ」
男「目に悪いっつーの・・・何も考えてないよな、うちのギルドは・・・」
男「・・・ははは・・・誇り?この赤服が・・・?冗談じゃねー」
男「恥ずかしいだけだろ、こんなもん・・・あははは・・・」
ザッザッザッ・・・
男「頂上に行くまでに、茶色になったりしてな、あはは」
- 37 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:12:51.79 ID:/akrsd8o0
ザ・・・
ザッ・・・
男「あはは・・・はは・・・は」
男「あー・・・夜の山・・・こえー・・・あはは・・・」
ドサッ
男「ぁ・・・も・・・歩けない・・・」
男「寝てる間に、食われたり・・・はは、有りうる・・・」
男「(・・・そうなったら・・・そいつの栄養になって・・・)」
男「(・・・それって、かなりそいつにとって・・・役に立ってるよな・・・)」
男「(なんだ・・・そうか、食われれば良いんだ・・・食われれば、そいつの役に立てる・・・)」
男「(街で働くよりも・・・よっぽど有益だ・・・あはは・・・)」
ザッ・・ザッ・・
男「(ああ・・・足音が聞こえる・・・近づいてる)」
男「(魔獣かな、食いにきたのかな・・・食われるのってやっぱ痛いかな)」
男「(安心しろよ、俺は抵抗しないぜ・・・っていうか・・・)」
男「(そろそろ・・・死ぬ・・・し・・・)」
- 38 :VIPがお送りします [] :2009/09/13(日) 00:15:21.82 ID:/akrsd8o0
??「・・・」
男「・・・」
??「・・・人・・・」
??「・・・(キョロキョロ」
??「・・・一人・・・」
??「・・・おい」
男「・・・」
??「ここは山、お前の居るべき場所ではない」
男「・・・」
??「帰れ、人はここに踏み入ってはならない」
男「・・・」
??「・・・寝ている・・・のか?」
男「・・・」
??「・・・」
??「仕方ない」
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