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兄「やってしまった・・・」
- 176 :VIPがお送りします []
:2009/04/16(木) 13:44:37.78 ID:ACwA5stV0
翌日 放課後
今度は
兄「・・・そうだ」
兄「弟の友達と話してみるか」
弟の友達に
話を聞こうと思った
- 177 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:00:27.64 ID:ACwA5stV0
弟の友達とは何回か喋ったことがある
家によく来てた子限定だが
話もそれなりに弾んだような気もしなくはない
連絡網を使えば、電話はできる
弟の事だったら
話くらいはしてもらえるだろう
兄「よし」
兄「さっさと帰ろう」
- 178 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:04:43.03 ID:ACwA5stV0
家
兄「えっと・・・・・」
兄「弟の3年の頃の連絡網は・・・・」
確か弟は
友君とは3年の時に知り合ったと言っていた
兄「えっと・・・・・」
兄「あったあった」
さっそく電話をかけてみた
- 179 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:07:40.46 ID:ACwA5stV0
プルルル、プルルル
ガチャ
友「はい」
兄「あ、友さん家のお宅ですか?」
友「そうですが」
兄「私、弟の兄なのですが」
友「ああ、弟のお兄さん」
友「昔はよくお邪魔になりました」
兄「いえいえ」
- 180 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:10:40.48 ID:ACwA5stV0
友「ところで」
友「一体どうしたのですか?」
友「弟は元気です?」
やっぱり卒業すると
意外と疎遠になるらしく
友君はまだ知らないらしかった
兄「・・・・・」
兄「それが・・・」
- 181 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:13:41.01 ID:ACwA5stV0
俺は簡単にあらましを説明した
友「そう・・・なんですか・・・・」
友「弟が・・・・・」
兄「はい・・・・」
兄「それで、その原因になるような事に」
兄「何か心当たりはないか聞きたくて」
友「心当たり・・・・・」
友「うーん・・・・」
- 184 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:17:45.84 ID:ACwA5stV0
兄「例えば、イジメがあったとか」
友「イジメはなかったですね・・・」
友「少なくとも僕が見てた限りでは」
兄「そうですか・・・」
友「それに、もう卒業したのですから」
友「あんまり関係もないんじゃないかなあって・・・・」
兄「・・・ですよね」
友「・・・しいて言えば」
- 185 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:21:02.64 ID:ACwA5stV0
友「弟には彼女がいたってこと位ですかね」
兄「彼女・・・・」
そういえば弟はずっと前に
彼女ができたって言っていた
友「はい」
友「女さんっていう方なんですが」
連絡網にその名前は無い
兄「・・・別クラスの子ですか?」
友「はい」
友「俺達とも仲が良くて」
友「よく弟と俺達で女さんの家に遊びに行ったりしましたよ」
- 186 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:25:02.92 ID:ACwA5stV0
兄「その子の電話番号とか分かります?」
友「いや、俺も違うクラスだったので・・・・」
友「遊びに行く約束も」
友「大抵弟が取り付けてくれましたし・・・・」
友「でも、家の場所なら分かりますよ」
友「結構な回数遊びに行ってましたから」
電話番号が分からない以上
仕方が無い
兄「・・それじゃあ」
兄「家の場所教えてくれますか」
直接その子の家に行くことにした
- 187 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:30:01.35 ID:ACwA5stV0
俺は口頭で教えられた家の場所を
メモに書き取った
兄「どうもありがとう」
友「いえいえ」
友「でもまさか」
友「2回も聞かれるとは思いませんでしたよ」
兄「?」
友「いえ、なんでもないです」
友「それじゃあ」
兄「ありがとうほんとに」
友「・・・今度花を供えにでも行かせてもらいますね」
兄「ああ、お願い。弟も喜ぶよ」
- 188 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:32:46.07 ID:jef0yn91O
2回もってことは…
- 190 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 14:35:20.37 ID:ACwA5stV0
昨日自転車が大破してしまったので
俺は徒歩で女さんという子の家に向かった
この地図によると
家は結構近いらしいので問題は無いが
兄「えっと・・・・」
兄「この道を曲がって・・・・」
兄「・・・おお」
兄「あったあった」
- 193 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 15:01:04.16 ID:ACwA5stV0
俺は名前の書かれた表札を見つけた
兄「ここが女さんの家か」
よくある外見の家だったが
少し大きく感じた
兄「まぁ普通こんなもんだよな」
兄「さて」
ピンポーン
チャイムを鳴らした
- 194 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 15:04:58.25 ID:ACwA5stV0
「はい」
兄「あの、すいません」
「?どなたですか?」
兄「私、弟の兄弟の兄と申します」
「弟君の・・・・・?」
兄「はい」
「・・・・・・」
「・・・今開けますね」
- 195 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 15:09:16.73 ID:ACwA5stV0
玄関から女の子が出てきた
女「お待たせしました」
兄「いえいえ」
兄「こちらこそ急に押しかけてすいません」
女「いいんです」
女「それより、お兄さんが一体なぜ私のところへ・・・?」
兄「・・・・・・」
兄(また説明するのか・・・・)
- 196 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 15:14:52.41 ID:ACwA5stV0
俺はまたまた説明をした
さっきより少しはぶいたりもしたが
女「・・・・・・」
女「そうだったん・・・・ですか・・・」
兄「・・・・はい」
兄(・・・・・・)
少し
引っかかるものがあった
- 200 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 15:55:24.82 ID:ACwA5stV0
すいません・・・・急遽用事が・・・・
すぐ戻ってきます・・・すいません・・・
- 216 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 17:56:17.58 ID:WqsbnmQjO
教師が少し気になる
保守
- 220 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:25:09.73 ID:ACwA5stV0
すいません・・・帰ってまいりました・・・すいません・・・
どういうことだ?
彼氏が死んだというのに
なぜそんな反応が薄いんだ?
悲しむ様子位は見せると思ったんだが
もしかして・・・・
- 223 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:29:23.56 ID:ACwA5stV0
女「多分・・・」
女「長話になりますよね?」
兄「・・・多分」
兄「そうなるかと・・・・」
兄「用事があるのでしたらまた出直しますが」
女「いえいえ」
女「ここで話すのもなんですから」
女「どうぞあがってください」
兄「どうもすいません」
- 225 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:34:53.01 ID:ACwA5stV0
居間
女「それで・・・・」
兄「はい」
兄「なにか思いつくことはないかと思いまして・・・・」
女「思いつくこと・・・・・」
兄「なんでもいいんです」
兄「特に彼女だった女さんになら」
兄「弟が俺達にすら言えないことも何か言ってるんじゃないかなって思って」
女「でも・・・・・」
- 226 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:39:52.72 ID:ACwA5stV0
女「私達は・・・・・」
女「もう付き合っていませんでしたし・・・・」
兄「え?」
女「・・・・・・」
女「別れたんです、弟君とは」
兄「別れた・・・・・」
女「はい・・・・」
じゃあ
じゃあ弟は
- 228 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:44:11.29 ID:ACwA5stV0
もしかして
振られたショックで・・・・?
兄「じゃあ・・・・」
兄「じゃあもしかして・・・・・」
兄「・・・・・・」
兄「・・・・あなたが」
俺はポケットに手を入れた
中には
あのカッターが入っている
- 229 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:49:43.83 ID:ACwA5stV0
女「・・・・そんな」
女「そんな怖い顔をしないで下さい・・・・」
兄「え・・・・?」
兄「あ・・・・」
気付けば俺は
怖い顔をしていたらしい
兄「すいません・・・」
そうだ落ち着け俺
いくらなんでもたかが振られた位で
それにまだ決め付けるには早すぎる
俺はポケットから手を引いた
- 231 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:54:40.17 ID:ACwA5stV0
女「そもそも・・・・」
女「別れを言い出したのは弟君の方なんですよ・・・・」
兄「ええ?」
兄「弟の方から?」
女「弟君は私に言いました」
女「『絶対第一志望に受かってやる』」
女「『だから勉強に集中したいから別れよう』って」
女「だから、振られたのは私の方なんです・・・・」
兄「・・・・・・」
兄「・・・・・そうでしたか」
- 233 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 18:58:17.41 ID:ACwA5stV0
話から察するに
別れたのは結構前らしい
どうりで反応が薄いわけだ
悪い気持ちでいっぱいになった
兄「本当にすいません」
兄「そんな事も知らずに俺・・・・・」
女「いえいえ・・・」
女「私も、早く言えば良かったのですが・・・・」
- 234 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:04:37.83 ID:ACwA5stV0
玄関
話に一区切りいれた俺は
帰ることになった
兄「どうもすいませんでした」
兄「わざわざこんな無駄話してしまって・・・・」
女「いえいえ」
結局
あの学校に行った時と同じ様な事になった
収穫0という事態に
- 235 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:08:27.11 ID:ACwA5stV0
兄「それでは・・・・」
女「はい」
とんだ徒労だった・・・・
なんということだ・・・
俺は背中を落としながら
帰り道を歩いた
- 236 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:11:53.58 ID:ACwA5stV0
私は
落胆して帰るお兄さんを見送った
女「お兄さん・・・・」
女「やっぱり・・・・」
女「・・・・・・」
女「・・・でも」
女「お兄さんにはあんな事言えないよ・・・・」
- 238 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:16:56.63 ID:ACwA5stV0
家についた俺は
やっぱり自分の部屋に直行した
兄「・・・・・・」
兄「・・・くそ」
兄「くそっくそっくそっ」
俺は頭を掻いた
兄「だめだ・・・・」
兄「全然分からない・・・・」
- 239 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:19:36.87 ID:ACwA5stV0
勉強系も外れだった
友達関係も外れだった
新しい環境も外れだった
恋沙汰も外れだった
兄「・・・じゃあ」
兄「他に何があんだよ・・・・」
兄「弟・・・・・」
兄「お前は一体どうしたんだよ・・・・」
- 240 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 19:20:16.28 ID:KwZ6YqO+0
兄「兄が事故で足を切除したらしい」
兄「兄は今どこに・・・」
只「ここだ」
- 243 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:22:47.13 ID:ACwA5stV0
>>240なぜかびびった俺
俺は弟の部屋の扉を見た
兄「・・・・・・」
兄「・・・こうなったら」
兄「行くしかねえのかな・・・・」
兄「でもまだ・・・・」
兄「正直入りたくない・・・・」
- 244 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:25:28.32 ID:ACwA5stV0
一番手っ取り早い方法はすぐそこにある
わざわざ電話をする必要もなければ
いちいち歩いて出向く必要も無い
そう
弟の部屋を調べれば、きっと何か分かるだろう
兄「・・・・・・」
兄「・・・そうだ」
兄「それが一番確実なんだ・・・・」
- 245 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:29:17.60 ID:ACwA5stV0
俺はドアの前に立った
ゴクリ
兄「入るのは」
兄「久々だな」
俺は
ドアを開けた
- 246 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:30:29.89 ID:SvcBV1AaO
ゴクリ…
- 247 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:34:15.86 ID:ACwA5stV0
なにも変わらない部屋
弟が生きていた時と
多少の物の配置は動いてたりするものの
根本的にはなんら変わってはいなかった
なのに
兄「・・・なんだろう」
兄「他人の部屋のような気がする・・・・」
- 248 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 19:37:13.99 ID:ACwA5stV0
なぜだろう
机も椅子も他の物も
俺に触れるなって言っているような気がする
兄「・・・でも」
兄「・・・・よし」
兄「覚悟を決めよう」
俺は
弟の部屋を荒らしはじめた
- 252 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:00:44.81 ID:ACwA5stV0
兄「う〜ん・・・・・」
兄「特に何もないなぁ・・・・・」
机の中には勉強道具位しかなかった
一応中身をパラパラとは見たが
特に変わった事も無い
兄「じゃあ別のとこか?」
俺は次に
玩具箱や本棚付近を探した
が、やはりあの年には玩具遊びは卒業していたらしく
玩具箱は少し埃がかってた
本棚も少し埃をかぶっており
特に変な本も無い
兄「うぬぬ・・・・・」
- 253 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:03:28.76 ID:ACwA5stV0
他の場所も探したが
特に手がかりになるようなものは無かった
兄「だめだ・・・・・」
兄「何も見つからん・・・・・」
諦めようとした時
ふと、ベッドの下に目がついた
- 254 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 20:04:55.78 ID:v3BjFmKC0
エロ本フラグ
- 255 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:08:50.97 ID:ACwA5stV0
兄「・・・・・・」
兄「・・・なんかあったりして」
兄「エロ本とか・・・・」
兄「もしあったら・・・」
兄「・・・俺が受け継いでやるか」
兄「親に見つかったら弟も恥ずかしいだろうし」
俺は、ベッドの下に手を入れた
- 256 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:10:41.57 ID:izyUykSPO
がぶっ
- 258 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:14:56.36 ID:ACwA5stV0
兄「うーんと・・・・・」
兄「・・・・ん?」
手に何か当たった
兄「まさか」
兄「エロ本か?」
手触り的に
薄い本みたいなものだろう
兄「まじかい」
- 259 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:16:11.68 ID:ACwA5stV0
兄「・・よいしょ」
俺はそれを引っ張り出した
兄「これは・・・・・」
それは
エロ本なんかではなく
一冊のノートだった
- 260 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:17:28.57 ID:ACwA5stV0
兄「ノート・・・・?」
兄「なんでベッドの下なんかに・・・・・」
兄「弟のポエム集とかか・・・・?」
俺は
1ページ目を開いた
- 261 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:18:45.10 ID:XqA7epX9O
デスノートか…
- 262 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:19:15.63 ID:ACwA5stV0
兄「・・・・・なんだよ・・・これ・・・」
俺は次のページを開いた
兄「まさか・・・・・」
俺は3ページ目を開いた
兄「嘘だろ・・・・・」
4ページ以降もペラペラとめくった
兄「そんな・・・・・・・・」
- 263 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:19:38.58 ID:XniUfjKX0
バラパラ漫画か
- 264 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:19:50.11 ID:46k/7NXa0
ゴクリ…
- 267 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:22:54.79 ID:ACwA5stV0
そこに書かれていたのは
死ね
消えろ
失せろ
なんであいつは生きている
どけ
俺の目の前に立つな
頼むから消えてくれ
俺に対する無数の悪口だった
- 268 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:23:36.39 ID:FyjyrbnA0
うわあ
- 269 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:25:45.42 ID:KecvPhZvO
刑事の読みが当たったか?
- 270 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:25:52.87 ID:ACwA5stV0
殴り書きされた字
行間もマス目も無視して
目一杯の筆圧で書かれたであろう字
そして
それらの字が向けている矛先は
間違いなく俺
兄「そんな・・・・・・」
兄「どうして・・・・・・・・・」
「やっと見つけたか」
- 271 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 20:26:10.14 ID:1TjgDK5s0
ひいいいいいいい!???
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