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新しくもないジャンル「ドラゴン」
56 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 06:10:18.82 ID:AJtLpwfN0
のび太の恐竜を思い出しますな
フタバスズキリュウのピー助


57 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:11:00.84 ID:AJtLpwfN0
梅雨も半ばの六月尽。

道ばたに放置された段ボール箱の中で巨大な獣が震えていた。

山か鬼か。いやこれこそはかの伝説のドラゴンだ。

道行く人はみな一様に首をひねる。この段ボール、元はいったい何が入っていたんだろうと。


58 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:14:18.34 ID:AJtLpwfN0
ドラゴン退治は聖者の務めと、聖ゲオルギウス日本上陸。

南蛮人に手柄を渡してなるものかと、頼光と四天王が緊急会議。

なんのたかが獣一匹、我が法力で調伏せんとお大師さまも腕さすり。

ドラゴンは佐賀にいるのに、なぜみなああも自信満々に東京タワーでだべっているのか。


59 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:17:06.97 ID:AJtLpwfN0
ドラゴンが護るは世に比類なき宝物。

幾人もの勇士があるいは欲にあるいは名誉に眼が眩み挑んだものの、二度と戻ってはこなかった。

嗚呼、流石はその名を万邦に轟かすかのドラゴンよ。

我が青春の至宝にして同時に現在唯一の弱点たる、黒歴史ノートの護りは任せたぞ。


60 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:20:32.15 ID:AJtLpwfN0
千年の眠りから覚めたドラゴンが、背中に樹々を生やしたままでのたりくたりと動き出す。

陸の雄を待ち受ける海の雄こそ、かの赤エイに他ならない。

山にも匹敵するドラゴンと島にも匹敵する赤エイと、しかし二人はまだ知らぬ。

しょせんすべては星とも見紛うばかりの亀の背の上、刹那の間の夢物語。


61 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:23:52.85 ID:AJtLpwfN0
嗚呼この感覚は久々に来たか金縛り。

天井からはドラゴンの形をした染みが次々ふくらみ実体化し、糸を引いて落ちてくる。

助けてといくら心に念じても、槍を構えたお武家さまは天井裏の忍者をつつくのに忙しく

ドラゴンの相手まではしてくれなかった。


62 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:27:56.95 ID:AJtLpwfN0
ドラゴンなんぞにいつまでもでかい顔をさせておいてなるものかと、ついに立ち上がった大百足。

龍の敵は大百足というのが日本古来のお約束。

だが果たして未知なる強敵ドラゴン相手にどこまで闘えるのであろう。

ずっと期待して待っているのに、大百足はいつまでたっても靴を履き終える気配がない。


63 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:29:30.75 ID:AJtLpwfN0
亢龍悔いあり。

しょせん貴様は天で停まるがお似合いよと、嗤うドラゴン、目指すは天の彼方、宇宙の果て。

けれどドラゴンは気付いていない。

おまえが追いかけるから宇宙の果てはいやがって全速力で逃げているのだと。


65 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:35:26.35 ID:AJtLpwfN0
龍神に代わりまして、池の主、ドラゴン。

池の主で女ならば、自動的に乙姫さまだの○○弁天だの呼ばれるのが日本の掟。

ではこのドラゴンは雄なのか雌なのか。

賢いドラゴンは秘密にしたままやり過ごす気らしいが、知っているぞ、おまえがメカだということは。


66 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:38:27.44 ID:AJtLpwfN0
大きな図体に大きな力。

問答無用の大技ばかりふるっていればたまにはこじゃれた小技も出してみたいとドラゴンがいう。

ならばと足洗屋敷を紹介したが、押しピンを踏んづけ泣きながら帰ってきた。

こればかりはドラゴンといえど仕方がない。足下の押しピンこそはまさに無敵の王なのだ。


67 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:41:36.43 ID:AJtLpwfN0
ドラゴンに翼があるのなら龍にだって翼はあるさ。その名は応龍。

かつて太陽を我が手に掴まんと追いかけた巨人をも屠った恐るべき神龍よ。

耐え難き悪臭と焔を吐き散らしながら迫り来るドラゴンを、水を蓄え迎え撃つ。

けれど天帝の娘の魃神がこっそり見物に来ていたせいであたり一面大旱魃、勝負はドロー。


68 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:47:12.68 ID:AJtLpwfN0
山中に響き渡るドラゴンの咆吼。おそるおそる近づいてみてもかの巨体は何処にもなし。

それぞ空音のアーチスト、天狗倒しの空音芸。

このままでは悔しいのでこっちは天狗のまねをしてやると芸道に精進するドラゴンを

木陰からしょうけらがそっと見守る鞍馬山の夜。


69 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:53:00.27 ID:AJtLpwfN0
相次ぐサクランボ泥棒に手を焼いた農協が最後に頼ったのは夜空に輝くあのりゅう座。

かつて黄金の林檎のなる樹を護っていたこのドラゴンが再び地上に天下った。

噂を聞きつけさっそく弓をとり駆けつけた剛の者こそかの暴れん坊鎮西八郎源為朝。

無駄に物々しい警護は勇士の冒険心を掻き立ててしまい、かえって面倒を招いてしまうのだ。


70 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:58:18.98 ID:AJtLpwfN0
よろしい、ならば血戦だ。日本の名誉を背負ってドラゴンに挑むは八岐大蛇。

とりあえず力の源たる草薙の剣を返してくれと大蛇がいうので、壇ノ浦を探したけれど

八百年前、海に沈んだ平家の勇者、平教経が邪魔をする。

あれよあれよという間にドラゴンと大蛇を小脇に抱え、再度壇ノ浦の波間に消えてしまった。


71 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 07:59:45.22 ID:AJtLpwfN0
>>68二行目
それぞ → これぞ


73 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 08:11:01.98 ID:AJtLpwfN0
天から落ちてきた雷獣が樹のまたに挟まってもがいていた。

愚かな獣よと嘲笑うサンダードラゴン、そういうおまえだってとなりの樹のまたに挟まっている。

せっかくなので食べてみようと思ったけれど相手のような味がするから相手を食えと互いに言い張る。

迷っているうちに降ってきた雨に紛れ雷獣は天に帰ってしまい、サンダードラゴン、絶句した。


74 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 08:21:29.48 ID:AJtLpwfN0
轟音と共に夜空を流れる流星の怪、天狗(あまつきつね)とドラゴンが競走をした。

より多くの恋する乙女に願いをかけられた方の勝ち。

ゆったりと舞うドラゴンの圧倒的優位かと思いきや、夜の空にその姿はまるで見えないのだ。

もうお鼻を真っ赤に光らせるしかないのかとかなり本気で悩むドラゴンを屋台に誘って奢ってやった。


75 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 08:27:27.47 ID:AJtLpwfN0
嗚呼、ドラゴン。これほどイメージが明らかなようで実体のはっきりしない幻獣も珍しい。

だからあんなことも起きてしまうのだ。

狸たちのドラゴン化け比べ大会にこっそり参加した本物のドラゴンが、

予選段階で審査員にへたくそと酷評を喰らいあっけなく落選してしまうような椿事が。


76 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 08:42:08.08 ID:AJtLpwfN0
城主のいなくなって久しい古城跡にドラゴンが住み着いた。

ドラゴンは求めていたのだ。かつてのように血湧き肉躍らせる勇者との闘いを。

しかしやってくるのは山城散策愛好者と、地元教育委員会の発掘調査隊だけだった。

この城の来歴を問われドラゴンは申し訳なさげに謝った。自分も住み着いたのは最近なのだと。


77 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 08:51:36.42 ID:AJtLpwfN0
どんなものでも神さまになってしまうこの国で、何のはずみでか神社に祀られてしまったドラゴン。

完全に出鼻をくじかれてしまった形でおとなしくしてはいるものの、たまに暴れたくなるらしい。

とはいえいったん神さまになったものが再度魔道にかえるなど滅多にないこと、

この国ではなによりもまず空気を読んで横に倣えと天神さまに説教されてドラゴン、むっつり。


79 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 09:16:46.49 ID:AJtLpwfN0
京の都の百鬼夜行をアウトオブ眼中。たった一人で四条通を悠然闊歩するドラゴン。

自分一人で有象無象の日本おばけに匹敵するとの自負だろうが、少々京都を舐めていた。

四条通の西の果てには大山咋神を祀る松尾大社、東の果てには素戔嗚尊を祀る八坂神社。

ドラゴンよりも巨大な山の神と、ドラゴンよりも凶暴な暴風神が相手ではおまえの負けは必定だ。


80 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 09:18:05.25 ID:AJtLpwfN0
ふっと視界を覆う巨大な影にドラゴンを感じ見上げた空に思っていた姿はなく、

ただ曖昧模糊とした雲だけが人の意を超えたところでたゆたっていた。

その形は一つのものに捉えようとすればたちまちに姿を変えてしまう。

なるほど、ドラゴンとはまさにこのことだったのだと合点がいった、七月二十一日、京の空。


83 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 09:45:54.15 ID:AJtLpwfN0
試験勉強中に立てる馬鹿があるか――


100 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 13:26:05.88 ID:AJtLpwfN0
100


113 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 16:01:35.39 ID:7IqD4+ji0
>>112
いや?人間にはなっとらんぞ


114 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 16:02:42.74 ID:AJtLpwfN0
>>113
こらこら
夢ぐらい見させてあげなさい


118 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 16:13:33.99 ID:AJtLpwfN0
読み返してみてたら「キュイ」でふと汚え花火を連想してしまった
もう駄目だ


122 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:11:16.21 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ハジメマーシテ。京都を支配しにイングランドから来まシタ。ドラゴンデース」

人  間「ドラゴンが何で京都に……っつうかでけえなおまえ……」


123 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:13:54.22 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「フフフフフ。京料理を食べてみて、支配するならココだと決めマーシタ」

人  間「ああ、人間じゃなく京料理食うんだおまえ。いやいいけど」


124 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:16:28.42 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「この国では怪獣はタワーを襲うのが礼儀と聞きマーシタ!」

人  間「いやそれ東京タワー。いいから京都タワーからさっさと降りてきなさーい!」


125 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:19:58.36 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「タワーと言えば五重塔デシタ。ヤハリ東寺の五重塔を焼き尽くさネバ始まりマセンネ」

人  間「東寺の五重塔焼くぐらいならやっぱ京都タワーの方にして」


127 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:23:08.35 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ニホーンのドッグフード、ドラゴンが食べてもオイシイデース」   もしゃもしゃ

人  間「イギリスの食い物ってドラゴンが食ってもそんなに不味いもんなの?」


128 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:26:28.76 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「大変デース! 川床が抜けて、鴨川の等間隔バカッポゥが腰抜かしマーシタ!」

人  間「ドラゴンの体格でなぜ川床に乗ろうと思ったのかkwsk」


129 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:31:40.70 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ナゼ人力車はメスの人間にしか声をかけないのデースカ?」

人  間「おまえを乗せたら車が潰れるからじゃないのかなあ」


131 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:35:06.71 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ニホーンの公共交通機関の時間厳守はスバラシーイ! デモドラゴン、乗れナーイ」

人  間「その翼は伊達ですか?」


133 :VIPがお送りします [] :2008/07/21(月) 17:37:01.68 ID:uvJbWNyk0
一連の2行ドラゴンの性別はどっち!?


134 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:38:46.62 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「ウヲオオオオオオオオウ! 入れヌ! オノレ利休! オノレ利休ウウウウー!」

人  間「わかったわかった、今度野点に呼んでやるから、その図体で無理に茶室に入ろうとすんな」


136 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:41:02.87 ID:AJtLpwfN0

ドラゴン「何デスか京都の夏は。大釜の底に押しつけられるような暑さ! 炎を吐く気も起きまセーン」

人  間「暑いの平気な外人さんが意外と京都の夏は駄目なんだよね」


137 :VIPがお送りします [sage] :2008/07/21(月) 17:41:52.36 ID:AJtLpwfN0
>>133
英国紳士



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