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兄「やってしまった・・・」
100 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:22:09.73 ID:ACwA5stV0
翌日 


学校を終えた俺は

とある場所に向かった


兄「・・・結構遠いんだな」

兄「自転車で行ったほうがいいか」


地図を見ながらそう思った


101 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:26:05.77 ID:ACwA5stV0
兄「パンフの写真は結構綺麗だな」

兄「私立だから当然か」


俺が向かおうとしているのは弟の学校

いや

弟が通うはずだった学校


兄「てかパンフに地図載ってんじゃん・・・・」

兄「わざわざパソコンで地図印刷しちまったよ・・・」


102 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:29:48.33 ID:ACwA5stV0
途中道


兄「・・・・・・・」

兄「・・・ほんとは」

兄「この道は弟が通学に使うはずだったのに・・・・」


なんで俺が通っているんだろう

弟が行くはずの学校なのに


兄「どれもこれも・・・・」

兄「どこかの誰かのせいなんだ・・・・」


俺はペダルを強く踏んだ


103 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:34:23.48 ID:ACwA5stV0
兄「着いた・・・・・」


家からこぎ続けて約40分


兄「予想以上に遠かった気がするが」

兄「私立にしては自転車でいける距離なだけ全然マシか・・・・」

兄「にしても・・・・」


学校内から出てくるたくさんの生徒達


兄「下校時刻なんだからだろうけど」

兄「・・・なんか恥ずかしいな」


104 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 04:39:10.60 ID:S+ANsgA4O
死神の人?


105 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:39:28.18 ID:ACwA5stV0

俺は近くのコンビニに自転車を止め

改めて学校を眺めた


兄「・・・すげえな」


大きい正門、綺麗な校舎

なによりとにかく広くて大きい


兄「どうせ中も冷暖房完備なんだろうな」

兄「・・・やっぱ私立は良い」

兄「公立なんてやめときゃよかった」


106 :VIPがお送りします [sage] :2009/04/16(木) 04:39:39.48 ID:vNAG8vcwO
今日は完徹みたいだな


107 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:44:50.39 ID:ACwA5stV0
>>104そうですおはようございます


兄「さて・・・・」

兄「どうやって入ろうか・・・・」



兄「あの、すいません」


俺は近くにいた警備員を呼んだ


警備員「はい?」

兄「実はこの学校に用があるのですが」

警備員「生徒の方ですか?」

兄「いえ、その生徒の身内なのですが」

警備員「それでは何か証明できるものは・・・」

兄「・・・ないです」


108 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:49:30.00 ID:ACwA5stV0
>>106瞼が開いてるのかも怪しい俺


弟はまだ学校には通ってないんだから

そんな物あるわけが無い

学生証とかはあったかもしれないけど持ってきてない

警察が持ってっちゃったかもしれないし


警備員「それでしたら」

警備員「来賓用の玄関からどうぞ」

兄「来賓用?」

警備員「はい」

警備員「別用のある親御さん等が通れる玄関です」

警備員「受付にはいつも誰かおりますので」

兄「ありがとうございます」


109 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:54:20.03 ID:ACwA5stV0
学校内 



兄「よく出来た学校だな・・・・」

兄「俺んとこだったら多分門前払いだった」


兄「さて、来賓用玄関とやらは・・・」


歩いてるうちに

広いとこに出た


兄「ここか・・・・」


兄「さすがだな」

兄「玄関まで広い・・・」


110 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 04:58:12.27 ID:ACwA5stV0
来賓用玄関 窓口


兄「すいません」

受付「はい?」

兄「この学校の生徒の身内の者なんですけど」

兄「ちょっとお話がしたくて来たのですが」

受付「かしこまりました」

受付「ちなみにどの教師とのお話でしょうか?」

兄「あ・・・えっと・・・・・」


やばい

そこらへんは何も考えてなかった


112 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:02:29.06 ID:ACwA5stV0
兄「その・・・・・」

受付「?」

兄「あ、そう、そうです」

兄「実は家の弟が今度この学校に通うことになりまして」

兄「それで担任の教師の方がどういう方なのかお話がしたくて」


嘘ではない


受付「ちなみに事前の連絡等は」

兄「すいません、してないです」

受付「それでは少々お時間を頂くことになってしまいますが」

受付「よろしいでしょうか?」

兄「はい大丈夫です」

受付「では、こちらで少々お待ち下さい」


113 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:07:36.15 ID:ACwA5stV0
待合室



兄「突発できた俺にもあの対応」

兄「やっぱ私立はすげえな」


兄「それとも」

兄「俺みたいに事前連絡も無しに来る奴はほとんどいないのかな」






ガチャ


114 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:13:38.83 ID:ACwA5stV0
教師「どうもすいません」

教師「待たせてしまって」

兄「いえいえ」

兄「こちらこそすいません、事前に連絡も無しに無理言って・・・」


ズレのないネクタイ

しわのない服、スーツっていうのかな?


まぁとにかく一目で分かる

頭の良い人だと


教師「受付の者から話は伺っております」

教師「なんでも、今年入学する予定だった弟さんのお兄さんだとか」


115 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:18:16.87 ID:ACwA5stV0
兄(予定・・・・・・)

兄「はい・・・」

教師「あんなことになってしまって・・・・」

教師「我々としても、新入生を迎えられなくなってしまったのは」

教師「とても残念です・・・」


兄「いえいえ、気を遣わないで下さい」


教師「お悔やみ申し上げます・・・・」


教師「ところで」

教師「お話というのは?」


117 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:22:33.22 ID:ACwA5stV0
兄「それなのですが」

教師「はい」

兄「実は、その弟について聞きたいことがありまして・・・・」

教師「弟さんの事・・・ですか?」

兄「そうなんです」

兄「何か知っていることがあれば教えて欲しいなと思いまして」


教師は顔をしかめる


教師「・・・・こちらも弟さんの事を話したいのは山々なのですが」

教師「私達はまだ弟さんの事はよく知らないのですよ・・・・」


118 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:28:53.98 ID:ACwA5stV0
兄「あ・・・・・・」

教師「ですから申し訳ありませんが」

教師「なぜ弟さんがあんなことをしたのかは私達にもよく・・・・」


そういやそうだ

まだ弟は学校に通ってもいないのに

心当たりなんてある訳が無い・・・・


普通に考えれば分かるのに・・・・




何してんだ俺・・・・・・


119 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:33:04.10 ID:ACwA5stV0
兄「・・・そうですよね」

兄「すいません・・・わざわざこんな事で呼んでしまって」


教師「いえいえ・・・・」

教師「お兄さんの気持ちも分かりますよ・・・・」

兄「ほんとすいません・・・」


兄「迷惑なのでもう帰ります」

兄「本当にすいません・・・」


120 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:37:09.60 ID:ACwA5stV0
教師「気にしないで下さい」

教師「私達も協力できることがあればしますよ」

兄「ありがとうございます・・・」

教師「では、また」

兄「はい」



そう言って教師は

待合室を出て行った


そして俺もそれに続き


家に帰ることにした


121 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:41:16.96 ID:ACwA5stV0
コンビニ


店員「ありがとうございましたー」


兄「・・・・・・」

兄「まぁ、駐輪するだけってのも気が退けるし」


俺はコンビニの外に出て

自転車の鍵を開けた



兄「・・・あれ」


学校の正門から車が出てきた


俺は、窓の中を覗いてみた


遠いからいまいちよく見えないが


多分さっきの教師さんだ


123 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:45:20.18 ID:ACwA5stV0

兄「今から帰りだったのか・・・・」

兄「悪いことをしちゃったな」


俺は車に向けて軽く手を振った


向こうも気付いてくれたのか


車内から手を振りかえしてくれたのが見えた



兄「・・・・・・」

兄「・・・さて、帰るか」


124 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:48:31.48 ID:ACwA5stV0
帰り道


既に外は大分暗くなっていた


兄「ああ・・・もうこんな暗くなってるよ・・・・」

兄「てか正直」

兄「待ってる時間がほとんどだったな・・・」

兄「おまけに無駄足だったし・・・はぁ・・・・」


126 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:51:45.83 ID:ACwA5stV0

俺は小さく独り言を言いながら

たらたらと自転車をこいでいた


その時


兄「ん?」


後ろの方から光がさして来た


兄「車か」


俺はわき道によけた


127 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:55:52.41 ID:ACwA5stV0
だが、光は未だに後ろからさし続けてる


兄「あれ」

兄「車もこっち通る気だったのか」

兄「ってこんなわき道、車が通れるわけが・・・」



俺は後ろを振り向いた


そして驚いた









兄「・・・・嘘だろ?」


128 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:56:56.00 ID:G9HLYbpn0
ざわ・・・ざわ・・・


129 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 05:59:42.96 ID:ACwA5stV0
俺はびっくりした







さっきから俺の後ろを来ていた車が








車道を無視して









こっちに凄いスピードで向かってきた


130 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 06:02:28.37 ID:1HhwDBYF0
男が死神逃がすために時間を2回目に止めたとこで落ちたんだが

オチはなんだったんだ?


131 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 06:04:43.80 ID:ACwA5stV0
>>130最後は男と女が友達になってハッピーエンド




俺はさらにわき道を横に曲がった


だが、車は構うことなくついてくる


俺は猛スピードでこいだ



兄「なんなんだよ!」



兄「なんなんだよ一体!」



ひたすらこいだ


132 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 06:11:41.96 ID:ACwA5stV0

だが、当然車のスピードに敵うはずもなく

俺は段々追いつかれていった



ハァハァ



兄「やばい・・・・」

兄「このままじゃ・・・・・」


俺は多分


殺されてしまう



兄「どうすれば・・・・」


138 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 07:32:20.50 ID:G9HLYbpn0
俺「どうすれば・・・・」


143 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 08:15:17.48 ID:eXeyRZfOO
天使とハク様と死神の人だ!
何度も言うが…ハク様は俺のy


154 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:32:54.96 ID:ACwA5stV0
まじすいません・・・・ほんと



兄「もう無理だ・・・」



すぐ後ろまで追いつかれていた俺は


自転車から飛び降りて


近くの茂みに飛び込んだ



兄「ハァ・・・・ハァ・・・・」

兄「頼む・・・・」

兄「俺を見失っていてくれ・・・・・」


薄い望みだと


俺は思った


155 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:41:05.27 ID:ACwA5stV0
ドンッ



多分、俺が捨てた自転車が車と激突した音



キキイッ



多分、轢いたと思ってブレーキをした音



ガチャ



多分、俺がどうなったか確認するために



ドアを開けた音


156 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:45:50.22 ID:ACwA5stV0
もし轢いたのが自転車だけだと知ったら

俺を襲った奴はどうする気だろう

諦めてくれるのだろうか

ただの無差別だったらそうしてくれなくもないと思う

けれど



もし俺だと分かって狙っていたのなら




きっとこれから




俺を探しだすだろう


158 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:49:58.16 ID:ACwA5stV0
兄(見つかったら・・・・・)

兄(まず逃げられない・・・・)

兄(それに・・・・)


体力も足も

もう限界だった


兄(どうかどうか・・・・)

兄(気付かれませんように・・・・・)


気付かれないように

声を潜めた


160 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:54:48.85 ID:ACwA5stV0
兄(来るな来るな・・・・・)



車から出てきたのは1人

暗くて性別すら分からない


そして今多分

俺の自転車を確認している



兄(・・・・・・)


161 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 12:59:50.22 ID:ACwA5stV0
そいつは車の前に戻ってきた

きっと確認し終えたんだろう

そして気付いただろう




轢いたのは自転車だけだと


兄(頼む・・・・・・)


兄(そのまま帰ってくれ・・・・)


162 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:03:36.18 ID:ACwA5stV0
そしてそいつは



















ガチャ


車に戻っていった


163 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:08:46.59 ID:ACwA5stV0
その後そいつは俺を探すこともなく

自転車も放置したまま

車を走らせて

帰っていった


兄「助かった・・・・」


俺は茂みから体を起こした


兄「痛って・・・・」



兄「飛び込んだ時ぶつけたかな・・・」


164 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:12:54.27 ID:eXeyRZfOO
おかえり支援!


165 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:13:42.64 ID:ACwA5stV0

兄「大体なんで俺なんだよ・・・・」

兄「意味が分からん・・・」


自転車を確認した


兄「もう乗れないなこれ・・・・・」

兄「帰りはバスか・・・・・」

兄「親に何て言えばいいんだよ・・・」


166 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:17:22.35 ID:ACwA5stV0
>>164ただいま、最近のマイブームは椅子寝



近くにバス停を見つけた俺は

バスが来るのを待った

そしてその間

冷静に考え直してみた


兄「そうだ」

兄「普通に考えれば」

兄「無差別であそこまで人を追いかけたりしないだろ」


兄「酔っていたなら」

兄「わざわざ俺の姿を確認はしないと思うし」


167 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:18:04.26 ID:SvcBV1AaO
おおハクの人。
死神も面白かったよ。
天使も読んだよ。
これって4つ目?


168 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:19:55.01 ID:ACwA5stV0



兄「とするとやっぱり俺は・・・・・・・・」




兄「誰かに狙われていた・・・・のかな」





170 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:24:37.39 ID:ACwA5stV0
>>167イエース



兄「・・・そんなわけない」

兄「俺はそんなギャングな生き方はしてないし」

兄「ましてや俺は首相でもなんでもない」


兄「・・・・きっと」

兄「質の悪い奴に絡まれただけだ」

兄「そう思おう」


そう願いながら

来たバスに乗り込んだ


172 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:29:19.10 ID:ACwA5stV0



兄「ただいま」


母「おかえり、随分遅かったじゃない」

母「遊びにでも行ってたの?」

兄「そんなところ」


母「いつも言ってるでしょ」

母「そういう時は電話をしなさい・・・・って」

母「聞いてるの?」


兄「ごめん、もう寝る」

母「ご飯は?」


兄「いらない」


俺は早々と部屋に戻った


175 :VIPがお送りします [] :2009/04/16(木) 13:39:12.39 ID:ACwA5stV0
兄「・・・でも」

兄「安心してくれ弟」


顔を扉の方に向けた

当然部屋に入る気はない


兄「俺はこんな事じゃめげない」

兄「絶対に見つけてやるからな」


兄「そして・・・・」

兄「もし見つけたら・・・・」

兄「・・・・・・」


兄「・・・寝よう」



俺は部屋の電気を消した



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