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アルビノ少女「どこからきたの?」
47 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 06:35:07 ID:lJ1OVLyY
次の日
アルビノ「今日は何をしようかな。」

アルビノ「白猫も、行商に行っちゃったし………」

アルビノ「もうちょっとゆっくりしていってもいいのになぁ。」

アルビノ「薬でも作るか。」

アルビノ「………あの人、来たりしないよね。」


48 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 06:47:09 ID:lJ1OVLyY
一時間後
アルビノ「ここを、こうして………」グルグル

アルビノ「後は煮詰めていけば完成っと。………“粉火炎”」ボォォ

アルビノ「………あ、もうこんな時間か。お昼ご飯作らなくちゃ。」

アルビノ「………一人だと、食べる気が起きないなぁ。」

アルビノ「ま、食べなくてもいいか。必要ないんだし。」

アルビノ「ニンゲンらしい生活を、ってお婆ちゃんに言われたけどさ。」

アルビノ「無理だよ、そんなの。」

アルビノ「………私、ニンゲンじゃないもの。」


49 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 06:54:50 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「目を合わせたるだけで石になってしまう。」

アルビノ「魔女というより、メデューサだよね。」

アルビノ「蛇髪じゃないけど。」

アルビノ「これ、私の力じゃないのに………」

アルビノ「進んで使ったことなんて一度もないのに………」

アルビノ「………私は悪くないのになぁ」


50 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 09:32:39 ID:lJ1OVLyY
――――――――
花畑
赤目の幼女「………できた。」

赤目の幼女「花冠、ママの分……これでお揃い。」

ガサガサ

赤目の幼女「………誰?」

少年A「うは、おい、見ろよ」

少年B「なんだよ。」

少年A「あんなところに化け物がいるぜ。」ニヤニヤ

少年C「ホントだ。」ニヤニヤ

赤目の幼女「ち、違うよ、私、化け物なんかじゃないよ?」カタカタ

少年A「なーに、言ってんだよ。」

少年C「俺らと違う姿のクセによぉ。」

少年B「魔女の子供が、化け物じゃないわけないだろ。」

赤目の幼女「違う、違うよ………」カタカタ


51 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 09:40:20 ID:lJ1OVLyY
少年A「なんか、ウゼェな………なぁ、俺らで化け物退治しようぜ。」

少年C「どうやって?」

少年A「こうするんだよ」ブンッ

赤目の幼女「―――ゲホッ」

少年B「うわ、ひでぇ。鳩尾はいってんじゃねーの?」

少年A「いーのいーの、問題なし。相手は化け物なんだぜ?」ドガッバギィ

赤目の幼女「がっ……ゴボォ」ビチャビチャ

少年C「うわっゲロ吐きやがった!」

少年A「きたねぇな……この化け物がっ!」ボゴッ

赤目の幼女「ぐっ………」


52 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 09:57:52 ID:lJ1OVLyY
赤目の幼女「やめてっ………やめてよぉ……」ポロポロ

少年C「おい、泣き出したぜ」

少年A「でも、やめるつもりなんかねーし。コッチは人間なんだ。化け物に手を抜いたら殺されちまう」ドゴッ

赤目の幼女「うっ!」ドサッ

少年A「よしっ!化け物討伐ぅ!」

少年B「まぁ、恨むんなら、魔女の子供なんかに、生まれた自分を恨むんだな。」

少年C「そーそー、魔女に人権なんかないもんな。まず人間じゃねーんだからよぉ」

赤目の幼女「うっ……うっ……」ユラリ

少年A「んだよ、その目は。まだやろうっての―――」


53 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 10:06:18 ID:lJ1OVLyY
少年C「………A?どうしたんだよ?」

少年A「……………」カチーン

少年B「お、おい、コイツ!石になってるぞっ!なにしやがっ―――」

赤目の幼女「………え?なに、これ……」カタカタ

少年B「め、目が光って―――」

少年B「……………」コチーン

赤目の幼女「違う、こんなの違う。………こんなこと望んでなんか……」ブンブン

少年C「ひ、ひぃっ、化け物っ、ち、ちかよ―――」


54 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 11:26:27 ID:lJ1OVLyY
―――――――
アルビノ「はっ………」

アルビノ「………夢、か。」

アルビノ「忘れるくらい前のことなのに。」

アルビノ「たまに見るんだよね。」

アルビノ「………化け物、か。」

アルビノ「間違ってはないよね。」

アルビノ「さ、お昼寝もしたし、薬作りの続きでもしようっと。」


55 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 11:35:41 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「と、思ったのはいいんだけれど………」

アルビノ「昼光草が切れてたんだった………」

アルビノ「昨日、集められなかったからなぁ。」

アルビノ「探してみるか………“千里眼”」

アルビノ「……………あ。」

アルビノ「昨日の人だ。」


56 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 11:47:28 ID:lJ1OVLyY
実のなる木の近く
青年「お前さ、頼むからジッと、しててくれよ………」

仔犬「わぅん………」

青年「お前が元気に走り回ったせいで、迷ったって理解してるか?」

仔犬「わふっ?」

青年「お前、今度言うこと聞かずにどこかにいったら、当分散歩に連れていってやらないからな。」

仔犬「あんっ!」スンスン

青年「返事だけは一人前だな………」

仔犬「くぅ?」ピタッ

仔犬「あんあんっ!」ダッ

青年「言ったそばから走るなよっ!」


57 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 12:53:36 ID:35H5wpEA
想像フォレスト?


58 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 13:57:08 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「たしか、ここら辺に………」

仔犬「あんあんっ!」ガバッ

アルビノ「きゃっ!」

アルビノ「いたた……」

仔犬「わぅーん」ペロペロ

青年「待てって言ってる………あれ?」

アルビノ「あ、ど、どうも。」

青年「こんにちは。………僕のこと、わかりますか?」

アルビノ「はい、昨日、お会いした方ですよね。」

青年「正解です。目が見えないのによくわかりましたね。」

アルビノ「耳と鼻には自信がありますので。」


59 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 14:36:27 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「どうして、こんな場所に?」

青年「あはは………昨日のお茶のお礼に遊びにいこうと思ったんですけど。」チラッ

仔犬「あんっ!」パタパタ

青年「コイツのせいで、迷子になっていたんです。」

アルビノ「そうだったんですか………」

青年「アナタはどうして?」

アルビノ「えと………森の中を散歩してたら、アナタの匂いがしたので………」

アルビノ(ホントは“千里眼”で見かけたからなんだけど。)

青年「う………僕臭いますか?」

アルビノ「あ、そ、そういう意味ではなくてですね………私、犬並みに鼻がきくから、匂いで個人が区別できるんです。」

仔犬「わふっ?」


60 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 16:59:19 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「じゃあ、いきましょうか。」

青年「え?」

アルビノ「遊びにいらっしゃったのでしょ?」

青年「あ、あー、そうですね。なんだか、アナタにあったことで、目的を達した気分になってました。では―――」スッ

アルビノ「あ、え?ど、どうして、手を………」

青年「アナタが転ばないように、と思ったのですが………迷惑ですか?」

アルビノ「い、いえ、そんなことはないです………。つ、着いてきてくださいね。」

アルビノ(暖かい………)


61 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 17:17:27 ID:lJ1OVLyY
森の奥の家・リビング
青年「なんだか、すみません。お礼に来たって言うのに………」

アルビノ「いえ、来てくれて嬉しいです。」カチャ

青年「昨日とは違う香りですね。」

アルビノ「同じものを出すのは芸がないかな、と。前の方がよかったですか?」

青年「あぁ、いえ、これも美味しそうですよ。」

青年「………そうだ。お茶請けにと思ってクッキーを持ってきたんです。」

アルビノ「………クッキー、ですか?」

青年「えぇ、あまり見映えはよくないんですが………」

アルビノ「私は目が見えませんから。味がよければ気にしませんよ。」

アルビノ(確かに形は不揃いだ。手作りなのかな?)


62 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 18:30:48 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「………美味しい。これ、手作りですか?」モグモグ

青年「あ、はい。一応、僕が作ったりなんか………」

アルビノ「お上手ですね。」モグモグ

青年「見た目は不恰好なんですけどね。」ポリポリ

アルビノ「型抜きを使わずに手で形作ると、こうなっちゃいますよね。」モグモグ

青年「………えぇ、そうですよね。」

アルビノ「なにか?」モグモグ

青年「いや、よく食べるなぁ、と。もう、半分以上食べてますよ。」

アルビノ「あ、ご、ごめんなさいっ!美味しくて、つい………」

青年「そう言ってもらえると、作った方としては嬉しい限りです。」


63 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 21:32:57 ID:lJ1OVLyY
玄関
アルビノ「もうお帰りになるのですか?」

青年「えぇ、今日は到着したのが遅かったですからね。次は迷わないようにします。」

仔犬「あんっ!」パタパタ

青年「お前のせいで遅くなったんだけど、わかってるか?」

仔犬「わふぅ?」

アルビノ「その様子だとわかってないみたいですね。」クスクス

青年「全くです。」


64 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 22:59:04 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「次はいつ来てくださいますか?」

青年「そうですね………明日は用事があるので来れませんが、明後日なら………」

アルビノ「そうですか………」

青年「クッキーならまた持ってきますよ?」

アルビノ「ち、違いますっ!そ、そんないやしくなんかありませんっ!」

青年「いやー、あれだけ綺麗にたいらげてくれると、作った方も嬉しいですよ。」

アルビノ「うー………とにかく、明後日ですね。今度は私もアナタに負けないくらい………」

青年「どうかされましたか?」

アルビノ「………名前、まだ聞いてませんでしたよね。」

青年「あ、そう言えば………僕は青年って言います。」

アルビノ「私はアルビノと言います。」


65 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/06(金) 23:15:31 ID:lJ1OVLyY
アルビノ「これからよろしくお願いしますね。」

青年「こちらこそ。」

アルビノ「………自己紹介ってもっと最初の方にするものですよね。」

青年「なんとなくで、話してましたからね………」

仔犬「あんあんっ!」グィーッ

青年「なんだよ、帰ろうって言ってるのか?」

仔犬「あんっ!」ブンブン

アルビノ「仔犬の言う通りです。早く帰らないと、暗くなってしまいますよ。」

青年「そうですね。では、お邪魔しました。」

アルビノ「はい、また来てください。」


67 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/07(土) 17:28:56 ID:tP1xY5dA
翌日
町外れの家
青年「いいか、今日は大人しくここで待ってるんだぞ。」

仔犬「あぅ?」パタパタ

青年「今日は兄さんたちの式典なんだから、お前は連れていけないってこと。」

仔犬「わふ?」

青年「お前が嫌いな人だよ。ほら、こんな顔してる人。」カキカキ

仔犬「ぐるるるっ」

青年「書いた絵に威嚇するなよ………」

青年「まぁ、とりあえず、大人しくしてくれよ。家の中なら好き勝手していいからな。」

仔犬「あんっ!」

青年「じゃ、いってきます」


69 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/08(日) 17:54:32 ID:Kse00yNY
森の奥の家
アルビノ「………はぁ〜」グルグル

アルビノ「退屈だなぁ」グルグル

アルビノ「いつもと変わらないのに」グルグル

アルビノ「なんでだろ」グルグル

アルビノ「んー………」グルグル

アルビノ「………あの人が来ないから?」

アルビノ「そ、そんなことない、よね」シュー

アルビノ「………あ」キューン

ボンッ

アルビノ「ケホッケホッ………失敗した。」

アルビノ「………片付けなきゃ」


71 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/09(月) 12:51:09 ID:zM4.guI.
支援



大好物です。


72 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/09(月) 19:54:16 ID:aBSUcJHc
式典会場
青年「兄上、この度はご結婚おめでとうございます」

団長「ぬはははっ!なんだその言葉使いはっ!背中が痒くなるっ!」

青年「結婚に伴いこの街の防衛騎士団の団長様にもなった兄さんに、穀潰しの僕がフランクに話せるわけないじゃないですか。」

団長「ぬはははっ!どの口が言うかっ!お前は私の数倍頭がよいではないかっ!親父殿に頼めば私なんかよりも、ずっと上の地位につけるであろうに」

青年「そんなことないですよ。僕なんかは一介の町人がお似合いですよ。」

団長「ふん、ぬかしおるっ!王都の学術院を首席で卒業しておいて何を言うかっ!」

青年「最後の試験が簡単だっただけですよ。みんな満点をとって仲良く首席になったんです。」

団長「まぁよいっ!今日は式典だ!お前も飲めっ!」

青年「ほどほどにしておきますよ。兄さんもほどほどにしてくださいよ?なんたって主役なんですから。」


75 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/10(火) 08:22:07 ID:GlVnh4xM
町外れの家
仔犬「くぅ………」テコテコ

仔犬「わんっ!」グルグル

ガタンッ

仔犬「わぅ?」ジィー

仔犬「あんっ!」ピョン

仔犬「ぐぅぅ……」ガジガジ

ガタガタ……ガチャン

キィィ……

仔犬「わふっ!」パタパタ


76 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/10(火) 14:00:57 ID:GlVnh4xM
森の奥の家
アルビノ「ふぅ………」ガチャン

アルビノ「だいたい片付いたかな。」ゴシゴシ


アルビノ「あとの細かいところは白猫に………」

アルビノ「………ダメだ。明日あの人が来るんだった。」

アルビノ「仕方ない……頑張るか。」

仔犬「あんっ!」パタパタ

アルビノ「お前が手伝ってくれたら………って、あれ?」

仔犬「わふっ!」パタパタ

アルビノ「………どうしてお前がここに?」


77 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/10(火) 15:43:39 ID:GlVnh4xM
仔犬「わんっ!」

アルビノ「リードがついてないね。今日は散歩中じゃないの?」

仔犬「わぅ?」

アルビノ「あの人は?」

仔犬「くぅ?」

アルビノ「……………」

仔犬「あんっ!」パタパタ

アルビノ「ここまで来れたんだから、放っておいても、帰ることできるよね?」

仔犬「わふっ!」

アルビノ「果てしなく不安だ………」


78 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/11(水) 11:02:53 ID:Cwhkli/2
式典会場
団長「ぬはははっ!弟よっ!結婚はいいぞぉっ!」

青年「幸せそうで何よりです。」

団長「どうだっ!お前も結婚はしないのかっ!」

青年「相手がいませんよ。」

団長「なんだ、つまらんっ!気になる相手はおらんのかっ!」

青年「気になる人なんて………」

団長「どうしたっ!言葉を濁してっ!」

青年「……いませんよ。」

団長「そうかっ!なら私が見繕ってやろうかっ!」

青年「慎んで遠慮させてもらいます。」

青年「……………」

青年(………どうして、アルビノさんのことを考えたんだ?)


79 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/11(水) 11:28:05 ID:Cwhkli/2
森の奥の家
アルビノ「はい」コトッ

仔犬「………わぅ?」キョトン

アルビノ「お前のご飯だよ。もうすぐお昼だし、お腹すいたでしょ?」

仔犬「くぅ?」スンスン

アルビノ「大丈夫、毒なんかは入ってないよ。」

仔犬「わふっ」ペロ

仔犬「あんっ!」ガツガツ

アルビノ「よく食べてね。」

アルビノ「………さて、片付けを再開しなきゃ。」


81 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/12(木) 10:06:16 ID:azTipoxc
街中
青年「ふぅ、すっかり遅くなったな。」

青年「まったく、夕飯に誘ってくるなんて兄さんも、わかってないなぁ。」

青年「奥さん、はやく二人きりになりたいって顔してたし。」

青年「というか、なんで熊みたいな兄さんにあんな綺麗な奥さんが………」

青年「………結婚かぁ」

青年「……………」

青年「………だからなんで、僕はあの人のことを考えてるんだ。」


82 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/12(木) 12:05:46 ID:rDW5lhZs
町外れの家
青年「ただいまー」

青年「……………」

青年「……………」

青年「……………」

青年「………仔犬がでてこない。」

青年「寝てるのか?」

青年「おーい、仔犬ー。」


84 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/13(金) 15:05:57 ID:T3RBvxSE
森の奥の家
アルビノ「もうやだ、疲れた………」

仔犬「わぅ?」

アルビノ「お前はまだここにいるし」

仔犬「わんっ!」パタパタ

アルビノ「帰らないの?」

仔犬「くぅ?」

アルビノ「もうすぐ夕方だよ。青年さんのところに帰った方がいいんじゃない?」

仔犬「あぅ?」

アルビノ「………帰り道わかる?」

仔犬「わふっ?」

アルビノ「………わからないの?」

仔犬「わんっ!」

アルビノ「………はぁ。」


85 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/13(金) 15:59:02 ID:T3RBvxSE
アルビノ「森の出口までつれていってあげる。」

仔犬「わふっ!」パタパタ

アルビノ「………嬉しそうだね。」

仔犬「あんあんっ!」グイグイ

アルビノ「ちょっと、服を引っ張らないで。すぐに準備するから。」

アルビノ「“千里眼”」

アルビノ「……………うん。誰もいないみたいだし、包帯はいいかな。」

アルビノ「待たせたね。じゃあ、行こうか。」

仔犬「あんっ!」


87 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/14(土) 18:14:53 ID:icUqqvag
(´・ω・`)


88 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/14(土) 21:23:26 ID:LuopGT3s
大きな木の近く
アルビノ「ここまで来たらもう帰ることできるよね?」

仔犬「わんっ!」パタパタ

アルビノ「そっちは逆方向だよ。街はこっち。」

仔犬「くぅ………」

アルビノ「そんな目をしてもダメだよ。早く帰ってあげないと青年さんが心配しちゃうよ。」

仔犬「あぅ………」トボトボ

アルビノ「気をつけて帰るんだよ。」

アルビノ「……………」

アルビノ「いったね。」

アルビノ「うん、私も薬の材料採取してから帰ろうっと。」


89 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/14(土) 22:05:58 ID:LuopGT3s
森奥の開けた場所
アルビノ「帰る足でここに来たけど」

アルビノ「………まだ摘み時じゃないね。」

アルビノ「宵泣草って花が咲いてるときに摘まないと効能薄いし」

アルビノ「日暮れまでもう少しか………」

アルビノ「そういえばこの花の話、よくママがしてくれたんだよね。」

アルビノ「“宵泣草が夜に泣くのは、いくら待っても現れない恋人を思ってるから”」

アルビノ「………恋人かぁ」

アルビノ「……………」

アルビノ「また、あの人のこと考えてる………」カァァ


90 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/15(日) 08:53:02 ID:WTPsLh8.
猫の名前はアルカインか?

シエンタ


91 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/15(日) 11:42:05 ID:rXHc1ywQ
ええぞ!ええぞ!
支援


92 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/15(日) 17:11:33 ID:C4dfZ.lE
アルビノ「私、ひょっとして、あの人と恋仲になりたいとか………」

アルビノ「……………」

アルビノ「……………」

アルビノ「………ある、かも。」

アルビノ「………………」ポロポロ

アルビノ「あはは……私、どうしちゃったんだろ。泣いたりして。」ポロポロ

アルビノ「あの人といたいなんて、思ったら………思うだけで胸が苦しいよ」ポロポロ

アルビノ「……………嫌い」

アルビノ「この眼が嫌い。嫌いっ嫌いっ!大っ嫌いっ!」

アルビノ「どうして、私はこんな目を持ってるの?」ポロポロ

アルビノ「うっ………うっ………」


93 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/15(日) 17:29:57 ID:C4dfZ.lE
>>90
なぜわかったし………



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