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アルビノ少女「どこからきたの?」
156 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/12(土) 18:25:02 ID:x8Gs0Q/I
青年「………開けますよ?」

アルビノ「えぇ。」

ガチャ

青年「………やっぱり、眼は隠したままなんですね。」

アルビノ「はい………」

青年「でも、それじゃダメなんです。」

青年「アルビノさん、先に謝っておきますね―――」

シュルッ

アルビノ「……………え?」


157 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/12(土) 19:29:20 ID:x8Gs0Q/I
アルビノ「あっ!」バッ

青年「隠さないでくださいっ!」

アルビノ「っ!?」ピタッ

青年「隠しちゃダメなんです。目を背けちゃダメなんです。」

青年「アルビノさん―――こっちを向いてくれませんか?」

アルビノ「そ、それはっ………」

青年「できませんか?」

アルビノ「……………」コクン

青年「石にしてしまうから?」

アルビノ「……………」コクン

青年「そのことなら、多分………いや、絶対に大丈夫です。」

青年「だから、僕の目をみてください。」


158 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/13(日) 12:31:04 ID:TXpJkpCg
アルビノ「む、無理ですよ………」

青年「無理じゃないです。ただ、目を合わせるだけじゃないですか。」

アルビノ「それだけで、アナタが石になってしまうんですよ?」

青年「絶対になりませから………」グイッ

アルビノ「―――あ」


159 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/13(日) 12:32:29 ID:TXpJkpCg
青年「……………」

青年「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………あれ?」


青年「ね?大丈夫だったでしょ?」


160 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/13(日) 16:47:25 ID:dEwBauRk
なんでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


161 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/13(日) 17:48:10 ID:TXpJkpCg
アルビノ「な……んで、私の眼は……ぇ、あれ?」

青年「ふぅ………よかった……」

アルビノ「はい?」

青年「っと………」ガクン

アルビノ「あ、せ、青年さんっ!大丈夫ですかっ!」

青年「ちょっと気が抜けちゃって………」

アルビノ「???」

青年「いや、絶対に、とは言ったものの確証はなかったですからね。………ひょっとしたらということはあったんですよ。」

アルビノ「え?」

アルビノ「えええぇぇぇぇっ!?」

アルビノ「」


162 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/13(日) 17:48:50 ID:TXpJkpCg
あ、最後のとこミスった、特に意味はないですからね。


163 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/14(月) 12:53:28 ID:Gzd04P6A
青年「そんな、大きな声も出せるんですね。」

アルビノ「あ、ぁぅぅ………」

アルビノ「せ、説明してください。」

青年「はい?」

アルビノ「どうして、石にならなかったのか、とかですよ………」

青年「あぁ、……………えぇっと、勘、です。」

アルビノ「は?」

青年「………なっとくしてくれ、ませんよね?」

アルビノ「………自白材ってどこにしまってあったかな。」

青年「説明しますっ!説明させていただきますっ!」

青年「でも、とりあえず………」

アルビノ「………?」

青年「今日もクッキーを持ってきたんです。お茶にしませんか?」


164 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/14(月) 17:11:38 ID:Gzd04P6A
アルビノ「………どうぞ。」カチャ

青年「ありがとうございます。」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」

青年「………そう、顔を伏せなくても。」スッ

アルビノ「……………」ピクッ

青年「………この、ハーブティー、なにも入ってませんよね?」

アルビノ「ソ、ソンナコトナイデスヨ?」

青年「そういうときは、僕の目を見て言ってください。」

アルビノ「う………」

青年「なんて、冗談ですよ。」


165 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/14(月) 17:18:28 ID:Gzd04P6A
青年「さて………どこから説明したらいいんですかね。」

青年「先に断っておきますけど、僕は魔術というか、魔法と言いますか………そういうことに全然詳しくないです。」

アルビノ「………そうなんですか?」

アルビノ「それで、あんな強引なことをしたんですか?」ニコニコ

青年「あの、アルビノさん………アナタ、そんな性格でしたっけ?」

アルビノ「魔女ですから。性格は悪くて当たり前ですよ?」ニコニコ

青年「兄さんが喧嘩したときに、僕のところへ逃げてくる気持ちがわかるなぁ………」

アルビノ「……………」ニコニコ

青年「ゴホンッ………端的に説明させてもらいます。」


166 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/14(月) 17:23:02 ID:Gzd04P6A
青年「昨日、夜の森で会ったじゃないですか。」

アルビノ「会いましたね。私は化け物だと、お伝えしました。」

青年「アルビノさんは、化け物なんかじゃないですよ。」

青年「で、そのときにですね、アナタの目を、僕はバッチリ見ていた訳なんですよ。」

アルビノ「…………はい?」

青年「とっても綺麗でした。」


167 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/14(月) 17:28:45 ID:Gzd04P6A
青年「で、そのあとアルビノさんは、僕を森の入り口まで送ってくださいましたよね。」

アルビノ「はい、送りました。」

青年「で、アナタのことを語ってくださったじゃないですか。」

アルビノ「はい、イロイロといった記憶はあります。まさか、ここまで語ったのに、私のもとに来る人がいるとは思いませんでした。」

青年「まぁ、信じていませんでしたからね。」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………は?」


168 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/15(火) 07:56:17 ID:mZRZiROI
青年「今まで、魔法使いなんて、一度もみたことなかったですし、それに、アルビノさんが魔法を使っているところ、一度も見ることがなかったですからね。」

アルビノ「………確かに、目に見えるようには使ってませんでしたね。」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「………ということは、青年さんは私のことを狂言者か何かだと思っていたと言うことですか?」

青年「あはは………少し違います。」

アルビノ「……………?」

青年「子供の頃の傷のせいで、心がちょっとだけ傷んでしまった女の子だと………思っていました。」

アルビノ「………過去形ですか。」

青年「魔法を目の前で使われましたからね。見た以上は信じるしかないんです。」


169 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/15(火) 14:57:33 ID:mZRZiROI
アルビノ「……………あれ?」

青年「どうかしましたか?」

アルビノ「青年さんは、私が魔法なんか使えない、だから、呪いも持っていない、という考えだったんですよね?」

青年「えぇ、そうですね。」

アルビノ「でも、私は魔法を使っているところを見せましたよね?」

青年「この椅子のことですね。」

アルビノ「………だったら、私の呪いもあるかもしれないとは、考えなかったんですか?」

青年「あはは……」

アルビノ「………まさか、確証もなく?」

青年「………はい。」


170 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/16(水) 09:14:57 ID:oFz1EsW6
アルビノ「ふぅん………そうですか……」ニコニコ

青年「いや、でも、最初に言ったじゃないですかっ!確証はなかったって!」

アルビノ「………石になることは怖くなかったんですか?」

青年「………正直に言っても構いませんか?」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」コクン

青年「ありがとうございます。………正直、怖かったです。」

アルビノ「……………」

青年「だけど、躊躇うことはなかったですね。」


青年「惚れた女性のために命くらい投げ出せますから。」


171 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/16(水) 09:23:04 ID:oFz1EsW6
アルビノ「ふぇ…………?」

青年「アルビノさん、僕はアナタのことが好きです。」

アルビノ「は、はぁ………」

青年「……………」

アルビノ「っ!?」

アルビノ「い、いや、ちょっ、ちょっと待ってくださいっ!」

青年「はい?」

アルビノ「好きって………私たち会ってまだ3日くらいしかたってませんよっ!」

青年「一目惚れというやつです。」

アルビノ「はぁ?」

青年「いや、初めて会ったときにはここまで惹かれてなかったから………ふむ、二目惚れと言い直した方が………」

アルビノ「そんなことじゃなくてっ!」バンッ

アルビノ「…………イタタ」サスサス


172 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/16(水) 09:28:00 ID:oFz1EsW6
青年「大丈夫ですか?」

アルビノ「は、はい、大丈夫です………って、だから――」

青年「僕は本気です。」

アルビノ「――――っ!」

青年「だから、アナタのことを嫌うなんて無理なんですよ。」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「……………」

青年「……………」

アルビノ「………ズルいです。」


173 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/16(水) 09:31:06 ID:oFz1EsW6
青年「ズルい、とは?」

アルビノ「今まで、そんなこと言われたことないんですよ?」

アルビノ「だから、そんなこと言われたら………」

アルビノ「私だってアナタのことを………」



―――好きになっちゃうじゃないですか。


174 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/16(水) 17:54:20 ID:EizafJMA
ここで区切るな、はよかけ


175 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/16(水) 20:42:01 ID:oFz1EsW6
遅れたけど推奨BGM
http://www.youtube.com/watch?v=TSbnxvLiVcU&feature=youtube_gdata_player


176 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 00:00:04 ID:WOEPWGFA
>>175
そんなことはどうでもいい!
早く続きを書k・・・書いてくださいと言っているのだ!


178 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:09:00 ID:hq1VOl9M
アルビノ「………ズルいです。ズルいですよ。」

アルビノ「勝手に私のことを好きになって。」

アルビノ「私が今まで、悩んでいたことを全部壊しちゃって。」

アルビノ「青年さんはズルいです。」

青年「……………」

アルビノ「………青年さん」

青年「はい。」

アルビノ「化け物の私だけど、アナタのことを好きになってもいいですか?」


179 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:14:47 ID:hq1VOl9M
アルビノ「私のこと嫌いになるまででいいです。」

アルビノ「アナタに恋していいですか?」

青年「構いませんよ。僕も………」

青年「僕も、アナタのことが好きです。」

青年「何の変哲もないアナタと同じただの人間ですけど、アナタに恋していますから。」


180 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:24:07 ID:hq1VOl9M
どことも知れない場所
白猫「全く、甘ったるくて見てられにゃいですニャー」

魔女婆「ふぇふぇ、そう言うでないよ。甘酸っぱいじゃないかぇ?」

白猫「お陰でニャーのお役目もようやくごめんとにゃるんですニャ。」

魔女婆「そうだねぃ……」

白猫「あのニンゲンにお嬢を任せるのはシャクですがニャ。」

白猫「魔女の世界でも忌み子として恐れられてたお嬢に正面から向き合った勇気は、認めてやらにゃいこともにゃいですかニャ。」

魔女婆「ふぇふぇ、全くだよ。ニンゲンも存外捨てたもんじゃないねぇ。」


181 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:32:04 ID:hq1VOl9M
白猫「しかしまぁ、無知と言うものはときに恐ろしいまでの力を持つものですニャー。」

魔女婆「おや?どういうことだぃ?」

白猫「だって、ニャー達なら呪いの知識が半端にある以上、お嬢と目を合わすことにゃんて無理じゃにゃいですかニャ?」

白猫「あの目はお嬢が世界を呪う限り発動する、自動防御装置みたいなものにゃんですからニャ。」

魔女婆「まぁ、そうだねぃ……」

白猫「ですよニャー」

魔女婆「しかし、そういうと少しロマンに欠けるよ、猫の坊っちゃん。」

白猫「どういう意味ですかニャ?」

魔女婆「あの小僧が、嬢ちゃんに目をあわせることができる理由はねぃ、こういうべきなのさ。」

白猫「というと?」

魔女婆「愛じゃよ愛。」


182 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:43:31 ID:hq1VOl9M
白猫「はぁ……………これだから年寄りは。」

魔女婆「おや、なにかいったかぇ?」

白猫「にゃーにも言ってにゃいですニャ。」

魔女婆「ふぇふぇ、そうかいそうかい。」

魔女婆「しかし、これ以上覗き見するのも、悪いかねぇ。」

白猫「悪いに決まってますニャ。バレたら、薬の実験台にされますニャ。」

魔女婆「じゃあここら辺でやめるとしようか。」

プツン

魔女婆「しかしまぁ、前途は多難であろうねぃ。」

白猫「お嬢の母上、マスターも、ニンゲンの男と恋してたんでしょ?前列がにゃい訳じゃにゃいですから、にゃんとかにゃるでしょうニャ。」

魔女婆「そうだといいねぇ………」


183 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:53:04 ID:hq1VOl9M
森奥の家
アルビノ「そう言えば………」

青年「どうかしましたか?」

アルビノ「今日はあの子連れてきてないんですか?」

青年「いや、まぁ………今日は道に迷うわけには行かなかったので、置いてきました。」

アルビノ「そうなんですか………」

青年「まぁ、次くるときには―――」

アンアンッ!

青年「え?」

アルビノ「ふふっ………」



アルビノ少女「どこからきたの?」


〜fin〜


184 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 09:59:13 ID:hq1VOl9M
ようやく終わらせることができた………
休み休み書いたせいでぐだっちゃいましたが、これでアルビノ少女と青年の話はおしまいです。
白猫や団長なんかは、実は伏線にしたかったんですが、これ以上長くすると、あと一ヶ月は使い込みそうなので、ここで終わりとします。
自分語りが長いと
後味が悪くなるのでここら辺で。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


185 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/17(木) 11:45:02 ID:Dx4a7jJ.
ブラヴォー!おお、ヴブラヴォー!


186 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 15:57:37 ID:5bOIWQ3I
乙なんだな


187 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/17(木) 17:01:16 ID:lhEzRvuc


188 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/19(土) 09:18:25 ID:FQLZgu8o
乙。



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