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医師「おや・・・薬草が切れてますね」
113 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 13:24:40.20 ID:GURA4ulv0
医師「・・・」ゴロゴロ

医師「・・・ふー、調合はこれで終わり・・・ですかね」
医師「あとはこれらを袋詰めして・・・」

ガチャッ
助手「い、医師さあああん!!」
医師「なんですか、騒々しいですね」
助手「ひっ、ひとっ、ひとがっ!」
医師「人がいるのですね、はい、わかりました」スッ

助手「は、はっ・・・話が早くて、助かりま・・はっ・・・!」
医師「過呼吸ですか、深呼吸しなさい」
助手「・・・すーっ・・・はーっ・・・」

医師「容態は」
助手「・・・左足が、ものすごい出血で・・・!止まらなくて・・・!」
医師「なるほど、わかりました」
助手「は、運び込まなくても大丈夫ですか?」
医師「“そのくらい”でしたら、中に入れる必要はありません」

助手「・・・それって」
医師「違います」
医師「中にいれる“ほど”、“危険ではない”という意味ですよ」

医師「外で看ます、案内を」
助手「・・・はいっ!」


123 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:16:16.70 ID:GURA4ulv0
幼女「ぅ・・・」
父「よしよし、大丈夫だ、大丈夫だぞ、もうすぐお医者さんが・・・」ガチャ

父「!」
助手「こ、こちらが医者の・・・医師さんです」
医師「どうも」
父「・・・!うっ・・・!」

助手「(やっぱり・・・)」
医師「(・・・同じ反応、ですか・・・)」
医師「(ま、当然ですね)」
医師「患部を見せてください」
父「ま、・・・待て!」
医師「私は医者です、患者さんの患部を見せてください」
幼女「! ・・・ひっ・・・!」
父「ま、待ってくれ!待て!」
医師「・・・」
父「む、娘が怯えているだろう・・・!」
医師「・・・」

父「お、おい、あんた!」
助手「え?わ、私・・・ですか?」
父「やっぱりあんたが頼む!娘を・・・!」
助手「で、でも私はあくまで助手で・・・その・・・」
父「お願いだ!」

医師「・・・」クルッ
助手「あ・・・医師さん・・・!」
医師「あとはお願いします、助手さん」
助手「そんな・・・私一人じゃ・・・!」


124 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:21:04.53 ID:GURA4ulv0
ガチャ

医師「・・・」ギシッ
医師「・・・ふー」

医師「(・・・やはり、この先、この診療所は・・・助手さんに任せていくしかないのでしょうかね)」
医師「(彼女はまだ未熟ですが・・・これから沢山の経験を積ませて・・・成長させていくしかない)」

医師「(彼女は・・・助手さんは、私を超えてくれるでしょうか・・・)」

コンコン

医師「・・・?」
「あの、失礼してもよろしいですか?」
医師「・・・男さんですか、どうぞ」
ガチャ

男「・・・」
医師「どうなされました?体調に何か、不具合でも?」
男「・・・外での会話・・・裏庭から、丸聞こえでしたよ」
医師「・・・そう、でしたか」

医師「・・・狭い所、ですからね」ポリポリ
男「・・・」


125 :VIPがお送りします [] :2009/05/04(月) 14:23:32.21 ID:ynzFiEjSO
酸味の強いコーヒー飲みながら支援


126 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:27:36.07 ID:GURA4ulv0
男「・・・良いんですか」
医師「何がですか?」
男「あんなにあっさり、引き下がってしまうなんて・・・」
医師「・・・仕方の無いことです」

医師「患者さんも、その保護者である父親も・・・両方、私を拒絶していました」
男「でも・・・ですが、あなたの腕はきっと、すごいのでしょう?」
医師「・・・何故、そう思うのです?」
男「・・・なんとなく、なんですけど」
医師「ハハハ」

男「・・・でも、私を救ってくださったのは、他でもない医師さんです」
医師「・・・」
男「だから、医師さんはきっと、すごい人なんです」
医師「・・・ふ、そうですか」

医師「・・・確かに、私と助手さんとでは、医療のレベルも桁違い・・・だと、私自身でも思います」
医師「彼女はまだ、なんだかんだで子供です、血を見ることにも慣れていません」
男「・・・だったら・・・」
医師「それでも、私では処置できないのです」
男「何故・・・」


127 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:32:23.55 ID:GURA4ulv0
医師「まあ、腰をかけてください」
男「・・・」キィ

男「・・・?あの、それは・・・脚を組んでいるのですか?」
医師「いいえ、・・・ああ、組んでいるように見えますか・・・」

医師「私は、脚が一本しかないのです」
男「・・・!」
医師「長い布切れで隠してはいますがね」

医師「・・・あなたを執刀した時、私はまず先にあなたの容態を確認しました」
男「・・・」
医師「覚えていないでしょう」
男「・・・はい」
医師「だから、私は速やかに執刀できたのです」
男「・・・?」

医師「あなたにもしも、あの時意識があったとしたら・・・あなたは私を見て、激しく抵抗していたでしょうね」
男「そんな」
医師「そんなことない、と言い切れますか?」
男「・・・」


130 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:39:11.11 ID:GURA4ulv0
助手「(・・・止血・・・!だめ、普通の止血じゃ・・・傷が広すぎる・・・!」
幼女「・・・う・・・」
父「おお、おお・・・娘よ、目を覚ましてくれ・・・!」
助手「(意識が薄れてる・・・!このままだと取り返しのつかないことに・・・!)」
助手「(・・・医師さん!だめです!来て下さい!このままじゃ・・・!)」


男「・・・でも」
医師「?」
男「確かに・・・抵抗するかもしれません、でも・・・」
医師「でも」
男「そんな・・・やる前から決めるなんて・・・間違っていますよ」
医師「・・・」

医師「以前にも、こういった事が多くありました」
医師「ある人は執刀中に失神・・・ある人は暴れて患部を傷つけて、そのまま・・・」
男「・・・」
医師「あなたは、その時意識がなかったから平気でいられるのです」
男「・・・」

医師「あなたは知らないんです」
男「・・・何をですか?」
医師「私が」

医師「どう、手術していたのかを」


132 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:44:04.38 ID:GURA4ulv0
医師「・・・(ズルッ・・・」
男「(・・・うっ・・・)」

医師「醜い腕でしょう、伸ばそうと思えば3mは伸びます」
男「・・・」
医師「この黒く大きな爪は、とても鋭くてですね」
男「・・・」
医師「少し分厚い書類でも、まとめて切れてしまう程なのですが」

男「・・・!」
医師「・・・」
男「・・・あ、あの・・・その手で・・・その、“3本の指”の手で・・・メスを・・・?」
医師「・・・私はメスを持てません」
男「・・・うっ・・・」

医師「・・・この爪は、触れたものを痺れさせる・・・神経毒のような、麻酔のような効果も持っています」
男「う・・・ぅ・・・!」
医師「・・・」


133 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:49:31.37 ID:GURA4ulv0
医師「不恰好ですが、治療を施すには非常に性能の良い・・・精密な動きができます」
医師「もちろん縫合もできます・・・縫合は“人だった頃”よりも速くできるかもしれません」

医師「・・・気持ちが悪いでしょう」
男「・・・」
医師「この爪が、患者さんの・・・皮膚に当てられ・・・」
男「・・・!(ゾクッ」

医師「・・・あなたはそれを、意識ある内に・・・見て、耐えられますか?」
男「・・・!」
医師「裂かれ、しかし痛みが無い・・・けど裂かれ、この恐ろしい腕が、患部に触れる・・・鈍い感覚がある」

医師「・・・それを見て・・・じっとしていられますか?」
男「・・・」
医師「私だったら、無理です」

男「・・・医師、さん・・・」
医師「あなたは運が良かった」

医師「・・・意識がなかったから、あなたは助かった」


136 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:54:07.45 ID:GURA4ulv0
医師「・・・見苦しいものを、見せてしまいましたね(ズズズ・・・」

男「・・・」
医師「・・・麓の村では、私は有名です」
医師「“悪魔の医師”とね」
男「・・・そんな」
医師「事実ですよ、この腕は悪魔のものですから」

男「・・・」
医師「この腕を得てから、技術はあがりました・・・しかし」
医師「しかし、患者は減りました・・・看れる患者も、助かる人も」

医師「“こうなる前”は、まだ未熟な私でしたが・・・それでも、多くの人を助けられたものです」
男「・・・」
医師「・・・少し、話しすぎてしまいましたね」

医師「・・・男さん」
男「・・・は、はい」
医師「よければ・・・表で治療をしている助手さんの手助けを、していただけませんか?」
男「・・・」
医師「私が行ったのでは、患者さんに不安や恐怖を与えてしまいますから」
男「・・・」

男「・・・はい」


137 :VIPがお送りします [sage] :2009/05/04(月) 14:54:52.81 ID:OWxBNqlA0
助手って女だったのか
ずっと男だと思ってたわw


139 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 14:57:43.03 ID:G2MAiDHgO
柏餅タイム


140 :VIPがお送りします [sage] :2009/05/04(月) 14:59:18.15 ID:OYGvU8gs0
フリーダムな>>1がいると聞いて


142 :VIPがお送りします [] :2009/05/04(月) 15:02:47.29 ID:5QD+V+GhO
面白いから大人しく待ってるわ


144 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:06:46.24 ID:G2MAiDHgO
大福喰いながら緑茶うめぇな・・・


146 :VIPがお送りします [sage] :2009/05/04(月) 15:12:07.06 ID:P3VxQMt10
くそおおおおおおおおおおおおおおおおおお
大福買ってくる


148 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:12:37.80 ID:GURA4ulv0
メキッ
傭兵『ぐふッ・・・!』
魔族『ォオオオオオオン!』ブンッ

メリッ
傭兵『ッ・・・!・・・』ドチャッ


医師『・・・』
『・・・なんて、むごい・・・』
医師『隠れていてください、このままではあの魔族にやられてしまいます』
『・・・だが、先生、あんたは丸見えだ・・・このままじゃ・・・』
医師『・・・』
『ああ、そんな・・・先生・・・まさか・・・』

医師『・・・声を出さず、隠れていてください』
『先生、そんな、ダメだ、早まるな・・・!』

魔族『ゥルルルル・・・』
医師『・・・まさか、最後に使うメスが殺しようになるとはね(チャキッ』
魔族『・・・ォ・・・ォオオオォォオォォン!!』
医師『ここは特別緊急治療室・・・部外者は・・・立ち入り禁止ですよ!』


149 :VIPがお送りします [sage] :2009/05/04(月) 15:14:41.57 ID:2ktc9vCA0
この医師カッコよすぎだろwww


151 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:19:39.14 ID:GURA4ulv0
ネズミの脈拍は非常に早く、一日の回数も多い。

しかしゾウは逆に、非常に少ないと聞きます。

ネズミの心臓をゾウに移植する事はできません。もちろん、ゾウの心臓をネズミに移植することもできません。

サルと人間はよく似ています。ということから、サルの心臓を人間に移植してみました。

似てはいるのですが、しかし、人間はすぐに死んでしまったようです。何故かはわかりません。

ブタの心臓を人間に移植した、という事例もあるようですが、その人もまた、原因不明で死んでしまったようです。

それはつまり、違う生き物同士をつなげることは、禁忌であるということなのでしょう。

私はそれを知っていました。


156 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:24:11.20 ID:GURA4ulv0
魔族『・・・(ピクピク』

医師『・・・柔らかい相手で・・・助かった・・・』
医師『うっ・・・(ドサッ』

『せ・・・先生!』

医師『(左腕が・・・左足が・・・)』
医師『(・・・ふ、それでもまだ抵抗し・・・そして、メス一本で勝ってしまうとは・・・)』
医師『(医者は・・・患者よりも、生きることへの執着が強かった・・・ということかな?ふふ・・・)』
ズキッ

医師『・・・止血・・・しなければ、なりませ・・・』
医師『(バカな、間に合うはずがない・・・医者がいないんだ・・・医者が私だから・・・)』
医師『(衛生兵・・・衛生兵は・・・)』

衛生兵『・・・』

医師『・・・そう、か・・・』
医師『・・・く・・・そ・・・』


160 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:29:04.38 ID:GURA4ulv0
ズル・・・ズル・・・

魔族『ギ・・・ギギギ・・・!』
医師『・・・ふ・・・這ってでもまだ・・・人を襲うか・・・』
魔族『ギギ・・・!(ズズズ・・・』
医師『・・・』

医師『(長い腕・・・黒い爪・・・これに、引き裂かれて死んでやるのもいいですが・・・)』
医師『私は・・・医者の不養生については・・・!賛同できませんのでねッ!』
スパッ
魔族『ギッ・・・・ャ・・!』ボトン

医者『はっ・・はっ・・・』
医者『・・・はぁ・・・死ぬなら・・・一人で死にますとも・・・はっ・・・』

医者『・・・』
魔族『・・・(ピクピク』

医者『(・・・もしも・・・もしもまだ、生きる方法が残っているとしたら・・・)』
医者『(これしか・・・私には、プライドを捨てでも・・・この方法しか!)』

医者『(思いつかない・・・ッ!)』


161 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:35:23.77 ID:GURA4ulv0
バタンッ

男「助手ちゃん!」
助手「あ・・・男さん・・・!」
男「手伝います!何か、手伝える事はありませんか!?」
助手「ああ、男さぁん・・・助かりますっ!」

父「娘は・・・娘は助かりますか!?」
助手「助かります・・・!助けます!」
幼女「う・・・うう・・・・」
男「しっかり、大丈夫だよ、もうすぐ治るからね」
幼女「・・・ぅ・・・ううう・・・!」

男「(痛みが、激痛が、この子の意識が飛んでしまうのを防いでいる・・・)」
男「(意識を保つのは大事だって聞くけど・・・でも・・・)」
男「(ここでは、あまり・・・良くないんだよなぁ・・・!)」

助手「男さん、帯を、脚に・・・!」
男「は、はい!」
助手「しっかり固定してください!」
男「こ・・・こうですか!?」
助手「・・・もっと・・・強く・・・お願いします」
男「で、でもこれより強くしたら、脚が・・・」
助手「・・・」
男「血は止まるかもしれませんよ、けど・・・!」

助手「・・・これ以上の失血は、ダメなんですっ・・・!」
男「・・・」
助手「血管への傷が広くて・・・普通の止血だけではもう・・・!」


163 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:43:59.47 ID:GURA4ulv0
ガチャ

医師「・・・」

助手「あ、医師さん・・・!」
男「医師さん!」
父「あ・・・あんたは・・・!」

医師「患部を見せてください」
父「だ・・・ダメだ!俺は・・・俺は知ってるぞ!」
医師「・・・」

父「村の噂で聞いた・・・あんたは“悪魔の医師”だ!人を切って・・・それをコレクションしてるって・・・!」
助手「そんな・・・ひどいです!根も葉もない噂です!医師さんはそんな人じゃ・・・!」
医師「・・・(ポリポリ」
父「ほ、ほらみろ!その長い腕・・・!どう見たって、人を救えるもんじゃあないだろうが!」
男「・・・」
助手「・・・」
医師「・・・まあ」
医師「確かに、元々殺すために発達した部位でしょうからね・・・」
父「ほらみろ!やっぱり・・・!」

父「こんな得体の知れない生き物に娘を任せるくらいなら・・・いっそ・・・!」
医師「!」

べちっ
父「!・・・って・・・ぇ・・・!」

助手「い、医師さん!?」
男「(殴った・・・あの距離から殴った・・・!水っぽい、変な音がした・・・!)」


165 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:49:04.64 ID:GURA4ulv0
医師「娘さんを、いっそ・・・なんですか」グッ
父「うっ・・・は、離せ・・・!」
医師「このまま胸ぐらを掴む爪をあなたの喉元に当てて、呼吸できなくさせても良いのですが・・・」
父「・・・!」
医師「・・・私は、医者なので」ポイッ
どさっ
父「いてッ・・・!」

医師「・・・やっぱり、“あくま”でも・・・医者ですからね」
幼女「う・・・ぅう・・・!」
助手「医師さん・・・」
医師「男さん、手伝いといってはなんですが、男さんを抑えていてくれませんか?」
男「えっ」
医師「暴れないように」
男「・・・かなり、強行じゃないですか・・・」
医師「仕方ありません」

医師「私が悪魔だとしても、患者さんを見捨てる言い訳にはなりませんので」


166 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:54:18.81 ID:GURA4ulv0
医師「助手さん、失血量はどのくらでしょう」
幼女「うう・・・」

助手「・・・かなり・・・」
医師「それは大変ですね」

医師「これは・・・止血帯、ですか?」
助手「・・・もう、こうするしか・・・なくて」
医師「・・・・」

父「お、おい・・・娘を・・・どうするつもりだ!」
医師「助けたいところですね」
父「・・・!」
医師「・・・遅れてしまい、申し訳ありません」
男「・・・医師さん」
医師「本当はもっと早く、来るべきでした」
医師「誰しも、注射を打たれたくは無いんです・・・それを上手く、打たせるのが、医者なんですね」

医師「・・・助手さん、私の髪を10本ほど・・・景気良く抜いてもらって構いません」
助手「は・・・はいっ!」
ブツッ

医師「・・・いたた・・・しかし、良かった・・・これで充分な縫合ができる・・・」
男「(・・・え・・・縫合って・・・髪って・・・)」
男「(・・・まさか、僕のこの胸も・・・)」

医師「今の傷口では不十分・・・少し、切開しますよ」
助手「はい!」


167 :VIPがお送りします [] :2009/05/04(月) 15:56:12.34 ID:VvNgLFk6O
黒執事思い出した


168 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 15:58:56.47 ID:GURA4ulv0
ツツツ・・・

医師「・・・痛みますか?」
幼女「う・・・あ、あれ・・・いたく・・・ない・・・」
医師「・・・麻痺させています、もう少し、お待ち下さい」

ツツツ・・・

父「な、なにをしているんだ・・・爪を傷に当てているだけじゃないか・・・」
男「・・・え、えっと、その・・・これからは見ないほうが良いかも・・・」
父「なに・・・?」

医師「助手さん、麻酔は終わりました、切開しますので・・・傷口を広げていてくれますか?」
助手「は、はいっ!」

男「あ、ダメだ・・・もう僕は目を閉じますよ・・・」
父「・・・なにが始まるんだ・・・!?」
男「あー・・・あなたも、ちょっとだけ目を閉じていてください」スッ
父「こ、こらはなせっ!何をする!」

男「(・・・なるほど・・・意識が無いほうが良い・・・確かにその通りかも・・・)」


169 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 16:03:21.60 ID:GURA4ulv0
チクチクチクチク・・・チクチク・・・スッスッスッ

医師「・・・」
助手「・・・」

チクチクチク・・・チチチチ・・・

助手「・・・う、うまく・・・いきますか・・・?」
医師「さあ、どうでしょう」

医師「もしかしたら・・・後遺症が出るかもしれませんが・・・」
助手「・・・そんな・・・」
医師「そうなった時は」

医師「また治すまでです」

チクチクチクチク・・・・

幼女「・・・」
医師「・・・私が怖くないですか?」
幼女「・・・こわい・・・」
医師「・・・・そうでしょう」
幼女「でも」
医師「・・・」
幼女「・・・ありがとう・・・」
医師「・・・」

チクチクチクチク・・・・


172 :VIPがお送りします [] :2009/05/04(月) 16:09:25.63 ID:qV3v+rBMO
医師かっけぇなオイ
しえんしえん


173 :◆1pwI6k86kA [] :2009/05/04(月) 16:10:58.25 ID:GURA4ulv0
幼女「・・・すーすー・・・」

医師「・・・寝付いたようですね」
助手「・・・おつかれさま、・・・医師さんも、男さんも」

父「・・・娘は」
医師「しばらくは貧血気味でしょう・・・しかし、次第に良くなっていくと思います」
父「・・・そうか」
医師「次からは沼地を歩かせないようにしてください・・・あそこでは廃棄された鉄片が混ざっている事も、よくあります」
父「・・・ああ」

助手「入院は、本当にしなくても大丈夫なんですか?」
父「・・・大丈夫、責任をもって私が・・・連れて帰ります」
医師「ああ、それと」
父「?」
医師「・・・これを、ハーブティーです」
父「・・・わざわざ、すみません」
医師「いえいえ、お見苦しいものを見せてしまいました、そのお詫びです」
父「・・・」

父「・・・今日の事は・・・本ッ当に、すみません・・・!」
医師「・・・」
助手「あ、頭をあげてください・・・」
父「謝っても・・・謝りきれない・・・感謝してもしきれないです・・・!」
医師「・・・」
医者「当然の事をしたまでですよ」
医師「ここは診療所で、私は医者ですから」


175 :VIPがお送りします [] :2009/05/04(月) 16:12:19.70 ID:OYGvU8gs0
かっけええええええええ



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