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『―――さぁ、Gameの始まりです―――』
- 320 名前: ◆FzAyW.Rdbg []
投稿日:2012/04/10(火) 21:44:11 ID:1NybsEc2
Game開始二日前
コンコン
根暗女「……だれ……」
女「女だけど、入ってもいい?」
根暗女「……だめ……」
女「そっか。じゃあここで話すね」
- 321 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:44:28 ID:1NybsEc2
根暗女「……なんで来たの?」
女「私達卒業するじゃん。」
女「それで、明後日に先生が特別授業やるから根暗女ちゃん来ないかなって」
根暗女「……いかない……」
女「でも、最後の思い出作りしようよ?」
根暗女「……いらない」
女「卒業式も出ないつもり?」
根暗女「……うん」
- 322 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:44:42 ID:1NybsEc2
女「そっか。半年引きこもってるもんね……。出てこないよね……」
女「聞かれたくないかもだけど、何で引きこもったの?」
根暗女「……友達が居ないから……」
女「? どういうこと?」
根暗女「……つまらなくなったの」
- 323 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:44:54 ID:1NybsEc2
女「嘘つき。友達はいなかったかもしれないけど、貴女はとても楽しそうだった」
根暗女「……嘘じゃない……楽しくない」
女「男」ボソッ
ガタンッ
女「分かりやすいね」
根暗女「……なんで……?」
- 324 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:45:11 ID:1NybsEc2
女「男のこと好きなんでしょ?目がいっつも男を見てた」
女「本人は気づいてないだろうけど」
女「で、根暗女ちゃんが学校に来ないのはビッチさんでしょ」
根暗女「……」
女「沈黙は肯定だよ。ビッチさんが貴女に本人曰くいたずらをした」
女「根暗女ちゃんが男を好きだと知ってビッチさんはそれを男に伝えた」
女「それだけのことだけど、答えを知りたくなくて休んでるんでしょ」
- 325 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:45:27 ID:1NybsEc2
根暗女「……正解……」
女「男は本人の口から聞かない限り何も言わないって言ってたよ?」
根暗女「……そうだと思ってた……」
女「なんで来ないの?」
根暗女「……男くんが……私を意識してくれたら嬉しいなって……」
根暗女「……そう想像して、意識してくれなかったらって……考えて……」
根暗女「怖くなったの……」
女「それだけ男が好きだったんだね……」
- 326 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:56:31 ID:1NybsEc2
女「私もなの」
根暗女「……え?」
女「私も男が好き。まぁ男には怖くて言えないけどね」
女「今の状態は心地いいの。友達として遠慮なく接してくれる」
女「好きって言ったら遠慮ができちゃいそうで、怖い」
女「意味は少し違うけど、私も男に友達じゃなく女の子として意識されるのが怖い」
根暗女「……一緒……?」
- 327 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:56:46 ID:1NybsEc2
女「そう。一緒。私達は一緒なの」
女「だからさ、友達になろう?」
根暗女「……うん……ひぐっ……ぐすっ」
女「泣かないでよー」
根暗女「……ぅうっ……ごめん……」
女「もう一回聞くけど、入ってもいい?」
根暗女「……う……うん……いいよ」
- 328 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:57:10 ID:1NybsEc2
ガチャ
女「可愛い部屋だね」
根暗女「ぐすっ……ありがと……」
女「私達、友達だよ」ギュ
根暗女「……うん……」ギュ
- 329 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 21:57:22 ID:1NybsEc2
女「ねぇ、最後の学校行こうよ」
根暗女「……それは……」
女「だめ?」
根暗女「……やっぱり怖い……から」
女「でも、来て欲しいな……」
根暗女「……」
- 330 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:10:25 ID:1NybsEc2
女「じゃぁ、ジャンケンで決めようよ。公平にさ」
女「私が勝ったら学校に行く。根暗女ちゃんが勝ったらリビングに行く」
根暗女「……なんで……リビング?」
女「さっき根暗女ちゃんのお母さんがケーキを買ってきてたの」
女「一緒に食べたいじゃん」
根暗女「……分かった……それでいい……」
- 331 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:10:53 ID:1NybsEc2
女「じゃぁ、行くよ?最初はグー」
根暗女「……じゃんけん……」
女・根暗女「「ポン!!」」
女「……負けちゃった」
根暗女「……勝った……」
女「じゃ、リビングに行こっか」ニコ
根暗女「うん……!」
- 332 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:11:07 ID:1NybsEc2
===リビング
母「わざわざごめんね、ウチの子のために」
男「いえ、俺らが根暗女さんに来て欲しいだけですから」
母「ありがとう。先生も良く来てくれるし、いいクラスなのね」
男「先生の教育がいいですから」
母「にしても、あの子……降りてくるかしら」
- 333 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:11:22 ID:1NybsEc2
男「女が何とかしますよ」
母「あら、すごい信頼ね」
男「親友ですから」
男(今のところ……は)
母「……あの子にも……そういう友達はいた?」
男「本人に聞いてみればいいと思いますよ」
母「え?」
- 334 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:11:56 ID:1NybsEc2
根暗女「おおおおおおおお、男くん!?な……なんでここに……」
女「私と一緒に根暗女ちゃんを説得しに来たんだよ」
男「よっ。元気そうだな」
根暗女「……だ、だました……の?」
女「えー?一言も男がいないなんて言ってないし」
根暗女「……ぅう……」
- 335 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:13:00 ID:1NybsEc2
母「ほら、早く座って。ケーキがあるんだから」
女「わざわざありがとうございます」
根暗女「……ぅう……」
男「何でうなってるんだ?やっぱり具合悪いのか?」
根暗女「……ち……違う……」
男「なら良かった。で、学校に行くのか?」
根暗女「……」
女「そこまでは……ちょっとね」
男「そっか」
- 336 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:14:26 ID:1NybsEc2
母「……根暗女。聞きづらいんだけど貴女って……いいお友達いる?」
根暗女「……女さん……」
母「そう、良かった。学校に行かないのは友達がいないのが原因じゃないかって悩んだのよ?」
男「母さん、なかなかに直球ですね……」
男「というか、俺は友達じゃないのか?」
根暗女「……ぅっ……」
- 337 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:15:50 ID:1NybsEc2
女「意識されたいんでしょ?勇気持って」ボソッ
根暗女「……男くん……も……と、友達……」
男「おう、ありがとな」ポンポン
根暗女「ひゃぅぅ……///」
- 338 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:16:15 ID:1NybsEc2
女「よーし、ケーキ食べようじゃないの!」
男「お前のもんじゃないだろ。えらそうにすんなって」
女「な、なにー!」
母「あらあら、元気だこと。皆どれを食べるの?」
女「わ、私は何でもいいから男が好きに選びなさいよっ」
男「ふぅん?じゃぁ女の好きなチーズケーキにしようかなー」
女「ぇえっ!?」
- 339 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:16:26 ID:1NybsEc2
男「ははっ冗談。チーズケーキはお前が食えよ」
女「う……ありがと……べ、別に嬉しくないからねっ」
男「はいはい。根暗女はどれ?」
根暗女「……んっと……モンブラン……」
男「ほいよ」
根暗女「ありがと……」
- 340 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:16:50 ID:1NybsEc2
男「母さんはどっちにします?」
母「まぁ、出来た男の子ね。じゃぁチョコのやつをお願いしようかしら」
男「はい、どうぞ」
女「あれ……?残ったのはラズベリーのだけど……」
女「男ってラズベリー、ダメじゃなかったっけ?」
男「ん?そんなことないよ?おいしいし」モグモグ
女「じゃ、私の勘違いかもね」
根暗女「……おいし……」
- 341 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:17:42 ID:1NybsEc2
男「結局説得はどうなったの?」
女「ジャンケンで勝ったら行くってので、私が負けたの」
男「ほほぉ……。じゃぁ根暗女、俺ともジャンケンするよな?」
根暗女「……えぇっ……?」
男「じゃないと公平じゃないだろー」
男「それに、俺が負けたら何でもしてやるよ。奴隷でもいいぞ」
女「なにそれバカじゃないの」
根暗女(……つまり……男くんと……で、デートも……)
根暗女「……やる……」
女「まじでっ!?」
- 342 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:18:13 ID:1NybsEc2
男「よっしゃ。ケーキ食い終わったらジャンケンだな」モグモグ
根暗女「……うん……」モグモグ
女(……男勝ってよぉ……?じゃないと私の男が取られちゃう)
- 343 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:18:28 ID:1NybsEc2
男「では尋常に……最初はグー!」
根暗女「……じゃんけん……っ」
男・根暗女「「ぽん!!」」
男「っしゃ!勝った!」
根暗女「……負けた……」
女「よかった……。これで根暗女ちゃんと学校に行けるんだね」
男「やったな」ナデナデ
根暗女「はぅ……///」
- 344 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:18:38 ID:1NybsEc2
母「ほ、本当に!?じゃ、じゃんけんで決めちゃっていいの?」
根暗女「……うん……行く……」
根暗女(男くんと話せる……なら、もう怖くない……たぶん)
母「……ぅっ……よかった……よかったわ……ぐすっ」
根暗女「な……泣かないでよ……」
母「根暗女……ぐす……いい友達を持ったのね……」
根暗女「……うん……!」
女「最後だけど、学校、楽しもうね」
男「半年分を取り戻すためにな」
根暗女「……うん……!」
- 346 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:23:56 ID:1NybsEc2
Game開始当日
―――8:02
根暗女「……いってきます……!」
母「はーい、いってらっしゃい」
・・・
根暗女「……待った……?」
女「ううん、待ってないよー」
男「根暗女おはよ」
根暗女「え?お……男くん?」
- 347 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:24:12 ID:1NybsEc2
女「ちょうど通りがかったから男捕まえたの」
男「こいつ制服思いっきり引っ張って止めるんだぜ?ひどくね?」
根暗女「ふふっ……それはひどいね……」
男「だろー?」
- 348 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:24:22 ID:1NybsEc2
女「引き止めてないわよ!男が一緒に行きたいって言ったんだしょうが!」
男「お前、さっき自分で俺を捕まえたっていったじゃねーか」
女「……ぁう」
男「まぁいいけどな。さ、学校行こうか」
女「そうだね。根暗女ちゃん、行こうっ」
根暗女「……ん」
- 349 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:35:30 ID:1NybsEc2
―――8:35
男「おはよー」
女「おっはよ!」
友「おーおはよーっす」
「おはよう、女!と、男」
「男くんおはよぅー」
委員長「おは……あら?今日は根暗女さんも一緒ですの?」
「あ、ほんとだ!久しぶり!」
「元気だったかー?」
元気娘「根暗女ちゃんおはようっ」
- 350 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:35:49 ID:1NybsEc2
根暗女「……ぉはょ……」
「かわいい……久々に見たけど小さくてかわいい……」
「ねぇギュってしていい?ギュって!」
「小動物的可愛さと寡黙さがいいんだよなっ」
「公言しちゃうのかよ……」
「最後だから言いたいこと言わないとな」
根暗女「女さん……私ってこんな扱いだったっけ……?」ボソッ
女「結構根暗女ちゃんを可愛いって言う人多いよ?」ボソッ
女「ちょっと話しかけにくかったみたいだけどね」ボソッ
- 351 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:36:03 ID:1NybsEc2
根暗女(そう……だったんだ……私が自分で自分を……)
友「やっぱ最後だから来たの?」
根暗女「……ちょっと違う……」
男「俺のジャンケンの成果だよ」ドヤ
友「つまり無理やり?」
- 352 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:36:43 ID:1NybsEc2
男「お前じゃないんだからそんなことしねーよ」
女「そうね。友じゃないんだから」
「え……友くんってそういう……」
「やだー!私友くん結構いいと思ってたのに」
友「えっ、ちょ!俺、そういう人じゃないし勝手にフラないでっ!」
「ははっ!友って残念だよなー」
「言えてる!キャラがもう弄られキャラ!」
友「ちょぉおぉ……そりゃねぇよー」
「はははは!」
男「ふっ」
- 353 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:41:16 ID:1NybsEc2
友「おい鼻で笑うなよ悲しいだろうがよぉー」
男「ついな、魔がさすって言葉があるだろ?」
友「ぜってぇそれ使い方間違ってるから!!」
ガラッ
先生「はい皆席についてねー」
男「おっと席に着くかな」
友「むぐぐぐ」
「先生は今日も愛くるしい……」
「きもいはよ席いけ」
- 354 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:41:38 ID:1NybsEc2
―――8:57
===放送室
先生「ふふふ、皆楽しんでくれますかね」
先生「楽しい楽しいGameになるといいですねぇ」
先生「ね、執事さん」
執事「そうですね、メイドさん」
- 355 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:41:57 ID:1NybsEc2
メイド「あらら?先生でもよろしいのですよ?」
執事「わたくし、メイドのほうがそそります」
メイド「じゃぁ今日で私が先生をやめるのが嬉しいと?」
執事「そうでございます」
メイド「あの子たち結構好きだったんですけどねー」
執事「ははっ、冗談を。子ども嫌いでしょう?」
メイド「そうだったかもしれませんね」
- 356 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:42:13 ID:1NybsEc2
執事「さぁ、そろそろGameを始めましょうか」
メイド「そうね。早く阿鼻叫喚するあの子たちを見たいですわぁ」
執事「では……」
ピンポンパンポーン
- 357 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:42:24 ID:1NybsEc2
執事『―――皆さん、こんにちわ』
執事『私は、今回Gameの進行を受け持ちました者です』
・
・
・
執事『―――さぁ、Gameの始まりです―――』
- 358 名前: ◆FzAyW.Rdbg [] 投稿日:2012/04/10(火) 22:43:53 ID:1NybsEc2
メイド「よーし、誰が最初に死ぬか賭けしましょう」
執事「おやおや、よいのですか監視は」
メイド「ご主人様方が死ぬわけないですって」
執事「そうですね……。では、わたくしは友さんに賭けましょうか」
メイド「ほほーそれはまた何故ですか?」
執事「先ほど一番に扉に触れたからです。次は一番に外に出るのでは、と」
メイド「ふぅーん。じゃぁ私はー……名無しくんですね」
執事「なるほどなるほど」
メイド「さー見物ですわ」
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