■戻る■ 下へ
アルビノ少女「どこからきたの?」
- 94 名前:深夜にお送りします []
投稿日:2012/04/15(日) 22:16:23 ID:C4dfZ.lE
町外れの家の前
仔犬「くぅ………」テコテコ
仔犬「わぅっ!」ピョンピョン
仔犬「………わふぅ」ショボン
青年「あ、こんなところにいやがったなっ!」
仔犬「わふぅっ!?」ビクッ
青年「ったく、どこいってたんだよ」
仔犬「わ、わぅ………」タジタジ
青年「あんまり心配かけさせな―――」
仔犬「きゃん!」ダッ
青年「あ、待て逃げるなっ!」
- 95 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:28:24 ID:53MIhajU
――――――――
白髪の女性「お前は優しい娘だよ。」
白髪の女性「私は嬉しいよ。お前がそういう風に育ってくれて。」
白髪の女性「だからこそ悲しい。」
白髪の女性「どうしてお前がこんな目にあわなければいけないのかと。」
白髪の女性「ヒトを好きと言ったお前がどうしてヒトから嫌われる眼を持ったのか。」
白髪の女性「今から私達の時間をお前に渡す。」
白髪の女性「だから死なないで。」
白髪の女性「生きていればきっといいことがあるから。」
――――――――
白髪の女性「だから死なないで。」
- 96 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/16(月) 18:57:22 ID:53MIhajU
森奥の開けた場所
アルビノ「っ!ママ!?」ガバッ
アルビノ「………夢、か。」
アルビノ「いくら春先とはいえ、外で眠ってしまうのはどうなんだろ………」
キュウキュウウ
アルビノ「でもまぁ、宵泣草が鳴き出す前に起きたからいいとしようっと。」
アルビノ「さっさと摘まないと、うるさいし。」
アルビノ「この花鳴かなければ、ボンヤリ光るだけで綺麗なのになぁ………」
アルビノ「………いいこと、か。」
アルビノ「あの人に会えたことはいいことなのかな?」
- 97 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/17(火) 09:53:44 ID:.wqZAxTY
森のどことも知れない場所
青年「ようやく捕まえたっ!」ガシッ
仔犬「きゃうんっ!」バタバタ
青年「暴れるな。もう怒らないからさ。」
仔犬「わぅ?」
青年「勝手に抜け出したことを悪いって思ったから逃げたんだろ?」
仔犬「わふっ」
青年「だったら怒らないよ。次からこんなことしなければな。」
仔犬「わんっ!」
青年「いい返事だ。」
青年「………で、ここはどこだ?」
- 98 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/17(火) 10:08:55 ID:.wqZAxTY
青年「たぶん、走ってきた方角から、アルビノさんの家がある森のなかだとはわかるんだけど………」
青年「夜の森というのは、視界が聞かないからなぁ」
青年「灯りもないし」
青年「熊とかでない、よな?」
青年「さて、どうしたものか………」
仔犬「わふっ!」ジタバタ
青年「下ろせってか?」ヒョイ
仔犬「わんっ!」トトト
青年「そっちに何かあるのか?」
仔犬「わんわんっ!」パタパタ
- 100 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/17(火) 17:37:49 ID:Wh3jGOhI
あぁ
包帯してないのに
御対面しそう……
- 101 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/18(水) 08:24:20 ID:qS4Fv1xw
仔犬「あんあんっ!」パタパタ
青年「おい、これ、森の奥に向かってる感じなんだけど、大丈夫なのか?」
仔犬「わふっ!」パタパタ
キュウキュウウ
青年「なんだ、この音………」
仔犬「わん」スンスン
青年「その花から聞こえてるのか。………うっすらと光ってるな。」
仔犬「あんっ!」パタパタ
青年「不思議な花だな………」
- 102 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/18(水) 09:18:11 ID:qS4Fv1xw
キュウキュウウ
青年「だいぶ音が大きくなってきたな。」
仔犬「あんっ!」
青年「なんだか、物悲しい音だよな。」
仔犬「わぅ?」
青年「お前にはわからないか………ん?」
仔犬「くぅ?」
青年「アソコ、開けた場所に誰かいないか?」
仔犬「わんっ!」
青年「あれは………アルビノさん?」
- 103 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/18(水) 10:03:30 ID:fmbooesI
青年「あんなところで何してるんだろう………」
仔犬「わぅ………」
青年「すごく幻想的な風景だよな………」
青年(花と月の光に照らされて、まるで絵画みたいに………)
青年(そのせいで声がかけづらいけど。)
青年(それにしても、なんだか違和感がある……)
青年「あ、包帯をつけてないんだ。」
青年「それはそうか、誰かに眼を見られるというわけではないんだし………」
青年「あ――――」
- 105 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/19(木) 09:38:07 ID:2bccqm5E
森奥の開けた場所
アルビノ「宵泣草も鳴き止んできたし。そろそろ潮時だね。」
アルビノ「これだけ摘めれば当分は材料に困らないだろうし。」
アルビノ「うん、もう帰ろう。」
ガサガサッ
アルビノ「っ!?」
アルビノ「だ、誰?」
ガサガサッ
青年「こ、こんばんは〜。」ヒョコ
- 106 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/19(木) 11:54:20 ID:2bccqm5E
アルビノ「せ、青年さん……?」
アルビノ「……………あ!」バッ
青年「だ、大丈夫ですか!?」
アルビノ「ち、近づかないでくださいっ!」
青年「っ!」
アルビノ「あ、……ご、ごめんなさい。」
青年「いえ………」
アルビノ「………ちょっと待ってください」ゴソゴソ
アルビノ(あれ………包帯がない………)
アルビノ「あの………青年さん。」
青年「はい、なんでしょうか。」
アルビノ「何か眼を隠せるものはありませんか?」
- 109 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/20(金) 11:47:01 ID:nPjORtC2
森の小道
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「………アルビノさんは」
アルビノ「はい………」
青年「目、見えてるんですよね。」
アルビノ「………はい。」
青年「どうして、盲目のフリをしているんですか?」
アルビノ「………私は」
アルビノ「……………」
アルビノ「私は化け物なんです。」
- 111 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 14:34:11 ID:.MFrsmfk
BADとかやめろよ!?いいか!?ぜったいだぞ!?
フリじゃねぇぞ!?
- 112 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 17:47:50 ID:BkoqpWrs
ぶわっ(バットで)
なんて状況にならないで……
- 113 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 18:40:20 ID:qySz5UPY
アルビノ「目を合わせただけでヒトを石にしてしまう。」
アルビノ「そんな化け物です。」
アルビノ「……………」
アルビノ「………私は、アナタには知ってほしくなかった。」
アルビノ「だって、怖いじゃないですか。化け物なんて。」
アルビノ「アナタに嫌われたくなかった。」
アルビノ「だけど、ダメなんですよね。化け物がニンゲンのフリをすることは。」
アルビノ「嫌ってくれていいです。」
アルビノ「怖がってくれていいです。」
アルビノ「アナタがそういう態度をとってくれたら、私はまだ生きていけます。」
アルビノ「化け物じゃなくなるその日まで。」
アルビノ「……………」
アルビノ「あとは、この道を真っ直ぐ行けば街に出ることができます。」
アルビノ「………サヨウナラ」
青年「……………」
- 114 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 18:43:51 ID:1eNkxLsA
おい
…………………おい
- 115 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 23:31:36 ID:qySz5UPY
街中
青年「……………」
仔犬「わぅ………」ツンツン
青年「……………」
仔犬「わんっ!」
青年「……………」
仔犬「わふぅ………」
仔犬「………ぁぅ?」スンスン
仔犬「わふっ!」ビクッ
仔犬「ぐるるる……」
団長「ぬはははっ!そう威嚇するな、チビよっ!」
青年「兄さん………」
- 116 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/21(土) 23:57:11 ID:PZ2az9Ag
町外れの家
団長「さぁ、飲むぞっ!弟よっ!」
青年「………また、喧嘩でもしたんですか?」
団長「ぬはははっ!相変わらずお前は察しがいいなっ!」
青年「奥さん……義姉さんと同棲してるときから、喧嘩したらいつも来てたじゃないですか。」
団長「一つ屋根の下で生活してるとなっ!喧嘩すると顔を合わせづらいのだっ!」
青年「顔を合わせる………ねぇ。」
団長「それにしても、お前はどうしたというのだっ!昼間あったときとはまるで別人ではないかっ!」
青年「兄さんがそういうってことは、今の僕はよほどひどい顔をしてるんですね。」
- 117 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/21(土) 23:59:16 ID:PZ2az9Ag
ドクペ飲んで寝る
- 118 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/22(日) 13:22:28 ID:RlljwaiU
やっぱり ドクペの人 だった♪
- 119 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/22(日) 18:45:50 ID:xb3u.txg
団長「何か悩みでもできたのかっ!」
青年「………そうですね。嫁さんと喧嘩して、帰ろうとしない大男が僕の家にいることが悩みでしょうか。」
団長「誤魔化すではないっ!」
青年「……………」
団長「正直に言おう、私はバカだっ!昔から、お前の考えていることなど一つもわかりはしないっ!」
青年「………だったら」
団長「しかし、お前が何かに悩んでいることくらいはわかるっ!」
青年「……………」
団長「相談してみろっ!打ち明けてみろっ!人と言うのはなっ!言葉を交わすだけでも楽になれるものだぞっ!」
- 120 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/22(日) 21:54:57 ID:wYWtwLlY
お前だったのか
- 122 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/23(月) 20:50:08 ID:.mRM.0lM
青年「言葉を交わすだけでも、ですか………」
団長「うむっ!」
青年「そうかもしれませんね。」
団長「ぬはははっ、そうであろうっ!して、どうだっ!打ち明ける気になったかっ!」
青年「いえ、全く。」
団長「なんとっ!」
青年「ですが、悩みは解消できるかもしれません。」
団長「そうかっ!それは、よかったっ!」
青年「兄さん、悩みを解決するためにも一つ質問です。」
青年「義姉さんのために死ねますか?」
団長「あぁもちろんだっ!」
団長「男として生まれた以上っ!惚れた女のためなら命など、いくらでもかけようぞっ!」
青年「………そっか。」
青年「そうですよね。」
- 123 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/24(火) 09:22:10 ID:UnOCIBUg
翌日
森の奥の家
アルビノ「……………」
アルビノ「………朝、か。」
アルビノ「……………」
アルビノ「……………」
アルビノ「………やる気、でないなぁ。」
アルビノ「わかってたことじゃない。」
アルビノ「物語の中でも怖がられる役ばっかりで。」
アルビノ「そんな私がニンゲンと仲よくできるわけなんて………」
アルビノ「………仲よく、できないのかなぁ」
- 124 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/24(火) 18:42:26 ID:T5Aqsp3M
支援
幸せにしてあげて(・ω・`)
- 125 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/25(水) 09:06:14 ID:vtRw3bTY
アルビノ「………あ。」
アルビノ「あの人のハンカチだ。」
アルビノ「昨日、目隠しするのに借りたんだっけ………」
アルビノ「……………」
アルビノ「………これを取りにあの人は来るかな?」
アルビノ「………来ないよね。」
アルビノ「……………」
アルビノ「あーあ、退屈だなぁ」
コンコン
- 126 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/25(水) 17:32:35 ID:qfG7kzHI
ノックか?ノックなのか?
- 127 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/25(水) 19:22:01 ID:KMfghsQ.
うぉぉぉ
支援
- 128 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/26(木) 11:18:59 ID:Zu19TtBs
アルビノ「……………?」
アルビノ「気のせい、かな?」
コンコン
アルビノ「気のせいじゃない………白猫かな?」
アルビノ「入っていいよー。」
??「……………あー、そのー入ってもいいですか?」
アルビノ「………え?」
アルビノ「青年……さん?」
- 129 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/27(金) 21:20:12 ID:6Q3PIfdw
>>128
よく考えたら??の台詞おかしいじゃん。
??「あー、………その、入ってもいいんですか?」
が正しいってことで。
- 130 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/04/28(土) 08:47:48 ID:ARA3zDSI
青年「ぇっと、はい。僕です。青年です………」
青年「………来ちゃいました。上がっても、いいですか?」
アルビノ「あ、………ダメっ!ダメですっ!」
カクッ
アルビノ「え、―――きゃぁっ!」
ドンガラガッシャーン
青年「あ、アルビノさんっ!だ、大丈夫ですかっ!?」ガチャガチャ
青年「あれ?………開かない。」
- 131 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/04/29(日) 00:10:31 ID:ktukP8to
ええぞ!ええぞ!支援
- 133 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/02(水) 10:12:19 ID:zs1Rem32
アルビノ「うぅ………鼻打ちました………」
青年「け、怪我はしてませんか?」
アルビノ「はい、多分大丈夫です………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「あの、………鍵を開けてくれませんか?」
アルビノ「……………」
アルビノ「………嫌です。」
- 134 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/02(水) 17:23:11 ID:VX5YcJ6A
完結まで後ちょっと?
- 136 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/05(土) 20:36:01 ID:SdwaJrB2
青年「そう、ですか………」
アルビノ「……………」
青年「………仕方ありません。僕がドアを開けるのは諦めましょう。」
アルビノ「……………」
青年「少し、お話ししませんか?ドア越しでいいですから。」
アルビノ「………“空間転移”」シュン
青年「うわっ!………椅子?」
アルビノ「どうぞ、かけてください。………魔法を使う化け物が怖くないと言うのでしたら。」
アルビノ(これで、いい。………怖がらせて、近寄らないようにしたら………。)
青年「いやー、助かりました。ちょっと疲れてるんですよね。」
アルビノ「……………え?」
- 137 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/05(土) 23:38:23 ID:SdwaJrB2
青年「せっかくですから、ドアの近くに座りましょうか。………声、聞こえますか?」
アルビノ「………あ、は、はい、聞こえています。」
青年「それはよかった。では、何を話しましょうか?」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「………あの」
アルビノ「………どうして」
青年「……………」
アルビノ「どうして、私を怖がってないんですか?」
青年「………どうして、怖がる必要があるんですか?」
- 138 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/05(土) 23:53:30 ID:Un0LsjuM
くそっ!何でっ!何でモン娘や妖怪っ娘や魔女っ娘は現実にいないんだぁぁ!!!
- 139 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/06(日) 00:18:13 ID:i/aPtX.w
>>138
お前はこの世界に彼女たちを呼び寄せて
このアルビノちゃんと同じ苦しみを味わわせる気か
そんなひどいことをする気なのか
- 140 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/06(日) 01:12:06 ID:xWYaxvkE
>>139
俺達がそちら側に行けばいい
- 141 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/06(日) 13:50:54 ID:6YrMCZw6
アルビノ「そ、それは………私、化け物だし……。魔法とか使えるし………目を合わせると石にしちゃうし………」
青年「それで、僕が怖がる理由になるんですか?」
青年「僕の知ってるアルビノさんは、大人しくて優しい、可愛らしい女の子です。」
アルビノ「そ、それはっ!私を………よく、知らないから………」
青年「でしたら、嫌うことも怖がることもできませんよ。」
青年「アルビノさんは、僕のこと嫌いですか?」
アルビノ「………それは、ぁぅ………」
- 142 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/06(日) 16:13:54 ID:6YrMCZw6
なんか、>>138->>140の流れ吹いた。
そして、こんな氷河速度進行のスレを見てくれてたことに感謝。
- 143 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/06(日) 16:27:45 ID:6YrMCZw6
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「………その、…好き、かな?」
青年「………そうですか。」
アルビノ「わからないんです。今まで、アナタみたいなヒトに会ったこと、ないですから………」
- 144 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/06(日) 21:15:34 ID:wsACYFLU
大好物です
- 145 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/07(月) 22:39:34 ID:y46qt9DE
青年「アルビノさんは、僕のことをよく知らないから、嫌いである、と言えないんですよね?」
アルビノ「そ、それはっ!」
青年「はい?」
アルビノ「ち、違うと、思います。多分………アナタはいいヒトだから、嫌いになるなんてことなん………」
青年「僕も同じですよ。よく話すこともせずに、嫌うことなんて無理です。」
青年「嫌ってほしければ、もっとよく教えてくださいよ。アナタのこと。」
アルビノ「ぁ、ぁぅぅ………」
- 146 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/09(水) 08:16:48 ID:6oCuXKTQ
>>145はなかったことにしてけろ
- 147 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/09(水) 09:37:10 ID:6oCuXKTQ
青年「………アルビノさんは僕のこと、嫌いですか?」
アルビノ「そ、そんなことは……ない、です。」
青年「よかった………誰かに嫌われるというのは、辛いですもんね………」
アルビノ「ぅ………そ、そうですね。」
青年「だったら、どうして、アルビノさんは嫌われたいと思っているんですか?」
- 148 名前:深夜にお送りします [sage] 投稿日:2012/05/09(水) 09:39:05 ID:6oCuXKTQ
またミスった……>>147もなかったことにしてけろ。
疲れてんのかな………
- 149 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/09(水) 09:43:25 ID:6oCuXKTQ
青年「では、どうして、嫌われたいと思っているんですか?」
アルビノ「……………」
アルビノ「……………」
アルビノ「………いままで、ずっと嫌われ続けていたんです。」
アルビノ「魔女だから」
アルビノ「白い髪だから」
アルビノ「紅い眼だから」
アルビノ「そんな理由で気味悪がられ、怖がられて生きてきました。」
- 150 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/09(水) 09:50:22 ID:6oCuXKTQ
アルビノ「当然と言えば当然ですよね。」
アルビノ「大多数の他人とは違うんですから。」
アルビノ「化け物と呼ばれて」
アルビノ「死ねと言われて」
アルビノ「生きてきました。」
アルビノ「気の遠くなるほどの昔のことです。」
アルビノ「お母さんとお父さんは、私に時間をくれました。」
アルビノ「他人をいとも容易く終わらせることのできる呪いを持った私に」
アルビノ「世界なんて、なくなってしまえばいいと呪ってしまった私に」
- 151 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/09(水) 10:13:18 ID:6oCuXKTQ
アルビノ「信じることができないんですよ。」
アルビノ「一度でも世界を呪ってしまった私には」
アルビノ「自分も」
アルビノ「他人も」
アルビノ「心のそこから信じることができないんです。」
アルビノ「そんな自分が誰かに好いてもらう権利なんてあるわけないじゃないですか。」
アルビノ「アナタを好きだと感じているこの気持ちでさえ疑っている自分は」
アルビノ「アナタに好かれてはいけないんです。」
- 152 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/09(水) 11:22:46 ID:6oCuXKTQ
青年「それは、違うと思います。」
アルビノ「え?」
青年「信じることができないから、誰かに好きになってもらうことがいけないなんて、そんなことはないです。」
青年「そんな悲しいことを言わないでください。」
アルビノ「で、でも………」
青年「ねぇ、アルビノさん、鍵開けてくれませんか?見せたいものがあるんです。」
青年「見たいものがあるんです。」
アルビノ「……………」
- 153 名前:深夜にお送りします [] 投稿日:2012/05/10(木) 09:29:48 ID:NM5q1uMI
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
青年「……………」
アルビノ「……………」
アルビノ「……………」
アルビノ「……………」ゴソゴソ
カチャン
次へ 戻る 上へ