■戻る■ 下へ
女「・・・ダンスパーティだと?」◆
- 56 :1 ◆1pwI6k86kA []
:2009/02/10(火) 23:25:55.74 ID:SZnmqcKL0
ドンドン
??「すみませーん」
女「ん・・・?誰だ、訪ねてくるなんて・・・今日は特に何も・・・」
ガチャ
女「・・・あれ」
女「誰もいない・・・」
魔女「こちらです」
女「!?」
魔女「美味しいスープですね」
女「・・・どうして、居間にいるんだよ」
魔女「さっき、入りました」
女「・・・お前、夕方に会った奴か・・・」
魔女「はい、そうです」
女「・・・盗賊か?この家の物を盗る気なら、こっちにだって考えは・・・」
魔女「盗賊はみな、機械の体でしょう」
女「・・・生身の盗賊だっている」
魔女「稀な話です」
女「・・・」
魔女「・・・ほぅ、本当に、美味しいスープですね」
女「・・・」
魔女「とても美味しいです」
女「・・・おう」
- 58 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/10(火) 23:30:40.58 ID:SZnmqcKL0
女「お前、何しに来たんだよ」
魔女「・・・」
女「私に何か、用でもあんのかよ」
魔女「はい」
魔女「私は、魔女です」
女「・・・へぇ」
魔女「信じていただけますか?」
女「・・・別に、珍しい事でもないだろ」
魔女「そうですね」
魔女「しかし」
女「・・・あ?」
魔女「今、ここで私が本当に魔女なのかの確認をしなければ」
魔女「後悔、するかもしれませんよ」
女「・・・何をだよ」
魔女「何をかはわかりません」
魔女「しかし、不備はすべからく、後悔を招くものなのです」
女「・・・お前はわざわざ、私に説教でもしに来たのか?」
魔女「いいえ」
魔女「ただ私は」
魔女「あなたの後悔を、洗い流しにやってきました」
女「・・・?」
- 61 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/10(火) 23:36:04.30 ID:SZnmqcKL0
女「後悔を・・・洗い流す?」
魔女「はい」
女「・・・別に後悔なんて・・・」
魔女「あなたの人生は」
女「・・・」
魔女「およそほとんどが、後悔です」
女「・・・勝手に決めてんじゃねーよ」
魔女「反射的に否定することもまた勝手な決定です」
女「・・・ッ」
魔女「しかしご安心下さい、お嬢さん」
魔女「人は誰しも失敗するものなのです」
魔女「失敗には2種類あります」
魔女「やってみて失敗するか、やらずに失敗するか」
魔女「後悔は、やらずに失敗する事から、主に現れます」
女「・・・」
魔女「お嬢さん、あなたが、それです」
女「・・・何が言いたい」
魔女「さあ」
女「・・・」
魔女「ただ私は」
魔女「あなたの過ち、過ぎ去ってしまった選択肢、後悔を」
魔女「願いを」
魔女「3回だけ、叶えてさしあげます」
- 63 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/10(火) 23:41:07.73 ID:SZnmqcKL0
女「・・・はっ、随分と景気のいい話だな・・・」
ジャラッ・・・
魔女「これは懐中時計・・・今は、6時32分」
女「・・・」
魔女「お嬢さん、あなたの後悔は既に始まっている」
女「・・・」
魔女「あなたは、もう自分には関係ないと言い聞かせながらも、知らずのうちに、焦燥感に囚われている」
女「・・・」
魔女「諦めた選択肢、とうに過ぎ去ってしまった分岐点・・・もはや自分には関係のない分岐点」
魔女「それが今、あなたを焦らせ、後悔させている」
女「・・・」
魔女「パーティは何時だかご存知で?」
女「・・・!お前・・・!」
魔女「ダンスパーティは7時から始まります」
女「・・・!」
魔女「もう一度言いますが」
魔女「あなたの過ち、過ぎ去ってしまった選択肢、後悔を」
魔女「願いを」
魔女「3回だけ、叶えてさしあげます」
女「・・・」
- 64 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/10(火) 23:52:03.47 ID:SZnmqcKL0
女「・・・私は」
女「・・・ダンスパーティに・・・行きたかったんだ・・・」
魔女「何故行かなかったのですか?」
女「・・・だって」
女「私は・・・行けるわけないだろう!」
魔女「何故ですか?」
女「だって・・・だって!何故、私がここにいて、贅沢をできる!?」
魔女「それはあなたのせいなのですか?」
女「私の・・・せいも、同じだ・・・」
女「あの親父の・・・事なんて、真に受けて・・・信じたから・・・!」
女「他人まで迷惑に巻き込んで・・・そして・・・!」
魔女「しかし」
女「姉貴らのお母さんは・・・私の親父のせいで・・・気を病んで・・・!」
魔女「それは、あなたがダンスパーティへ行けない理由にはなりませんよ」
女「・・・なるさ」
魔女「ダンスパーティは贅沢だから?」
女「・・・」
魔女「それは、今の三姉妹方が望んでいる事ですか?」
女「・・・お前、どこまで知って・・・」
魔女「全て」
女「・・・」
魔女「ただひとつ言えることは」
魔女「・・・7時になれば、あなたの後悔は、またひとつ増えるということです」
女「・・・」
- 66 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/10(火) 23:56:11.26 ID:SZnmqcKL0
女「・・・行きたい」
魔女「はい」
女「ダンスパーティに・・・行きたい・・・」
魔女「本当ですか?」
女「本当だよ、本当に・・・姉貴達と一緒に、楽しく喋って・・・」
魔女「はい」
女「一人ぼっちでここにいるなんて、嫌だ・・・嫌に決まってるだろ・・・!」
魔女「では」
魔女「あなたの願い事、3つのうちの一つ」
魔女「“ダンスパーティへ行きたい”」
魔女「よろしいですね?」
女「・・・・ああ」
魔女「・・・(ジャラッ」
女「・・・?」
魔女「懐中時計です」
女「・・・」
魔女「おそらく今は、これは関係無いでしょう」
女「・・・?」
魔女「では、あなたを7時までに・・・お連れしましょう」
女「ほ・・・本当か!?」
魔女「はい」
- 69 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:01:24.78 ID:tqnO3JVa0
ガチャ
女「・・・!!」
魔女「馬車を見るのは初めてですか?」
女「そ・・・いうわけじゃないけど・・・」
魔女「さあ、お嬢さん、中へどうぞ」
女「お、おう・・・」
バタン
魔女「出発します、城へ」
女「・・・うん」
魔女「飛ばします、しっかり掴まっていてください」
女「お・・・おう」
ゴトン・・・ゴトトン・・・
魔女「・・・」
女「・・・魔女って」
魔女「はい?」
女「皆・・・こんな、お人よしなのか」
魔女「いえ」
魔女「私だけでしょう」
女「・・・」
魔女「それに、魔術とはいえ何でもかんでもできるわけではありません」
女「ん・・・ま、そりゃあ・・・な」
魔女「それに」
女「?」
魔女「私のこれには、反動があるのです」
- 70 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:05:24.56 ID:la3H+EnY0
こういう人情の塊みたいな話好きなんだよ支援
- 72 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:06:43.59 ID:tqnO3JVa0
女「・・・反動って・・・?」
魔女「着きました」
キキッ
女「・・・!っとと・・・!」
魔女「降りてください、あと3分しかありません」
女「マジか・・・!」
ガチャ
女「ありがとう、魔女!」
魔女「はあ」
女「・・・?何だ、どうした」
魔女「その姿で、ダンスパーティに?」
女「え・・・?」
女「・・・!!」
魔女「泥の汚れがついていますが」
女「そ、うだった・・・!どうしよう・・・!」
魔女「・・・」
女「・・・」
魔女「いいのですか?願い事は3つだけ」
魔女「これを使えば、残りの願い事は1つだけとなります」
女「ああ・・・ああ、良い・・・それでいいから、頼む・・・」
魔女「・・・まあそうですね」
魔女「汚れた服ではダンスも踊れません」
魔女「“汚れた服を直したい”」
魔女「よろしいですね?」
女「ああ・・・」
- 73 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:10:33.60 ID:mX9MhE1z0
>>1の焦らしの巧さは最早変態波
- 74 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:11:13.81 ID:tqnO3JVa0
女「・・・すごい、元通りだ・・・」
魔女「・・・」
女「・・・ありがとう、本当に」
魔女「いえいえ」
女「これで、ダンスパーティに出れる・・・」
魔女「・・・」
ジャラッ
女「・・・?時計が、どうかしたのか?」
魔女「持っていてください」
女「・・・?」
魔女「深夜の0時になると同時に、服は元の状態へと戻ります」
女「え・・・!」
魔女「元に戻れば、薄汚れた姿を大衆に晒す事となるので」
女「・・・それは・・・嫌だな・・・」
魔女「地味にですけどね」
女「・・・わかった、ありがとう・・・時間になったらそそくさと退場させてもらうよ」
魔女「それが良いです」
魔女「では、お楽しみください」
女「おう、ありがとうな」
タッタッタッタッタ・・・・
魔女「・・・反動」
魔女「・・・全てが終わった時、ひとつだけ、過ちをおかしてしまう」
- 76 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:15:19.77 ID:mX9MhE1z0
なんでありきたりな話をこうまで魅力的にさせるの化・・・くやしいっ!
- 77 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:15:49.59 ID:e6NYS5KDO
>>70
そ う だ と い い な
- 78 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:15:55.76 ID:tqnO3JVa0
女「はっ、はっ、はっ・・・!」
兵士「(・・・うおっ、美人・・・ていうか、階段を3段飛ばしか・・・すごいな)」
兵士「(あんな急いで・・・よほどパーティに出たいんだろうなぁ)」
女「はっ・・・はっ・・・!あの・・・!」
受付「あははは・・・そんなに焦らなくても、大丈夫ですよ」
女「・・・そう、か・・・はっ・・・はっ・・・」
受付「お名前をよろしいですか?」
女「名前・・・?ああ・・・私の名前か・・・私は女という者だ」
受付「・・・はい、女さんですね、どうぞ、奥へお進みください」
女「ああ・・・・ありがとう」
女「(・・・ふぅ、なんとか間に合った・・・良かった)」
女「(これで・・・これで、今日は・・・楽しく過せる・・・)」
女「(良かった・・・来て良かった・・・本当に)」
女「(・・・でも)」
女「(・・・する事ねぇんだよな・・・ダンスも踊れないしな・・・)」
女「(・・・とにかく、姉貴達を探すか)」
- 80 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:22:43.07 ID:tqnO3JVa0
門番「ようこそ、鉄の城へ・・・」
ガチャ
女「・・・!」
ガヤガヤ・・・ガヤガヤ・・・
女「(人・・・多っ・・・!)」
女「(うわ・・・姉貴達を探すとかいう広さじゃねぇ・・・さすが城だ・・・!)」
女「(どうしよう・・・いや、とにかく姉貴達を探さないと・・・他に知り合いもいないし・・・)」
??「もしもし、お嬢さん」
女「・・・ん?」
魔女「どうも、こんばんは」
女「・・・なんだ、その格好は」
魔女「これはドレスですが」
女「・・・そうだな、いや、それより・・・どうして中にいるんだ」
魔女「まだ願い事はひとつ、残っていますから」
魔女「叶えるまでは、あなたについていなくてはなりません」
女「あ、そうか・・・ありがとうな」
魔女「いえいえ」
魔女「・・・ああ、三姉妹なら、あそこにいますよ」
女「本当か?ありがとう」
魔女「シャンパンを飲んで、バイキングを漁っています」
女「・・・姉3だな、止めてこなくちゃ・・・」
魔女「いってらっしゃいませ」
魔女「・・・」
魔女「悔やまないよう、頑張ってください」
魔女「まあ、必ず何か後悔が残る・・・それは、避けられませんが」
- 83 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:28:43.56 ID:tqnO3JVa0
姉1「ちょ、ちょっとー、あまりお酒飲んじゃ駄目よ」
姉3「あははーいいじゃなーい、今日はパーティなのよー」
姉2「肉うまーい!」
姉1「・・・もう」
女「姉貴」
姉1「えっ・・・えっ!?」
姉2「あれ!?」
姉3「あれー・・・?」
女「・・・来ちゃった・・・悪ぃ、姉貴、来ないって言ったのに・・・」
姉1「・・・ううん!嬉しい!」
女「え」
姉2「やった!これでいつもの4人が揃ったわね!」
姉1「良かった・・・女、家で一人だと・・・なんだか、申し訳なくて・・・」
女「・・・そんな」
姉1「ずっと、女の事が心配で・・・ううん、でも今日は、一日中楽しめる・・・」
姉1「・・・今日はいっぱい・・・楽しもう?」
女「・・・ああ」
女「・・・楽しもう!」
- 84 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:34:15.01 ID:tqnO3JVa0
姉3「うーん・・・あれ?お酒きれたー?おかわりー」
姉2「飲みすぎよ、もっとセーブしないと吐いちゃうわよー?」
女「・・・どれ、一口・・・」
姉1「・・・どう?」
女「・・・うん、甘口だけど、良いな」
姉1「もうちょっと苦くても良いんだけどねー」
女「ああ、そうだな・・・いつもはもっと辛口のものを飲んでるし・・・」
姉2「・・・それにしても」
姉1「うん?」
姉2「王様・・・どこにいるんだろうね?」
女「王様・・・?」
姉2「ん、知らないの?この中に王様が紛れ込んでるっていう話」
女「・・・そうなのか?」
姉1「ええ、会場の人の一部は王様と踊って玉の輿を狙っている・・・って話よ」
女「・・・へぇ」
女「どうでもいいな」
姉1「あはは、そうね」
姉2「だから私ら、結婚できないのかなー」
- 85 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:38:44.76 ID:wdV13u8KO
父親がクズなのも共通点だな
- 86 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:38:48.02 ID:tqnO3JVa0
姉2「・・・でもさ」
女「?」
姉2「ちょっとはさぁ・・・踊ってみたくない?」
姉1「男の人と?」
姉2「うん・・・だってさ、せっかくのパーティだし・・・」
姉1「・・・そうねぇ・・・ダンスパーティだしね」
女「・・・私は別に・・・」
姉1「あら、女なんかはすぐに相手が見つかると思うわよ?」
女「・・・私はいいって」
姉2「・・・よっし、じゃあ私はお相手探そうかなー!」
姉1「おっ、いきますかー?」
姉2「いっちゃうわよー」
女「・・・(コクコク」
女「(・・・やっぱり、姉貴達といると・・・楽しいな)」
- 87 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:43:29.77 ID:tqnO3JVa0
姉1「・・・それじゃ、これからは別行動しましょうか?」
女「え」
姉1「ほら、一緒にいると・・・男の人からは誘いにくいでしょ?」
女「・・・なるほど」
姉1「だから一旦、解散ということで、ね?」
女「・・・姉貴も、踊りたいんだな?」
姉1「う・・・うん、まぁね・・・」
女「・・・素敵な人、見つかると良いな」
姉1「えっ?」
女「・・・じゃ・・・気は乗らないが、私も探すとしようかな」
姉1「・・・うん!じゃ、お互い頑張りましょう!」
女「(・・・一旦、解散か・・・)」
女「(・・・とはいえ、ダンスなんてできないしな・・・参ったな)」
女「(ダンス・・・踊れるようにしてもらうか・・・?)」
女「(・・・いや、それはさすがに・・・無駄使いか)」
女「(直感で踊れば良いわけだしな)」
女「(・・・とはいえ)」
女「(ダンスはできないし・・・やることが無い・・・)」
女「(・・・はぁ、一旦・・・外に出るか)」
- 88 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:47:03.44 ID:tqnO3JVa0
女「(・・・おーっ・・・バルコニーは寒いな・・・風が・・・さすが秋だ)」
女「(・・・ふぅ)」
女「(しっかしこう、何で・・・バルコニーまで鋼鉄にするかね・・・)」
女「(主要産業だからって、品性ってものが・・・)」
女「・・・はぁ」
騎士「・・・」
女「(・・・ん?)」
女「(あれは・・・兵士さんか、甲冑着て・・・寒そうだな、この季節は)」
女「(・・・)」
女「(・・・ま、別にダンスをするわけじゃないが・・・)」
女「(じっと食事ってのも・・・なんだしな)」
女「(少しは、気を利かせるか・・・)」
- 89 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 00:47:10.42 ID:mX9MhE1z0
姉1いちいちかわいんだがw
- 90 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:50:53.02 ID:tqnO3JVa0
騎士「(・・・全く、何故こんな催しに・・・)」
女「おい」
騎士「ん・・・?」
女「・・・シャンパン、いるか」
騎士「・・・おお、いただこう」
騎士「・・・」
女「・・・」
騎士「君も、黄昏か」
女「ん、まぁ・・・そうだな」
騎士「・・・そうか、私もだ」
女「・・・何というかな、勢いで来てみたはいいんだけどな」
女「別に、何もする事が無いっつーか」
騎士「踊らないのか?」
女「・・・踊れないんだよ」
騎士「はは、そうかそうか・・・」
女「・・・やっぱり可笑しいか・・・」
騎士「はは、いやいや・・・」
騎士「私も同じだ」
女「ん?」
騎士「ダンスというものが、どうも昔から苦手でな」
女「・・・はは」
騎士「ははは」
- 91 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 00:56:20.59 ID:tqnO3JVa0
騎士「剣を扱っていると、どうしてもな」
女「・・・ああ」
騎士「手先が不器用になる・・・いや、そればかりか、こうした踊りでさえも、粗雑になってしまう」
女「そうなのか・・・(コクコク」
騎士「うむ、だからこのような催しでは困ったものだ・・・こうして、誰からも誘われない場所にいる他ないからな」
女「・・・城での勤めも大変なんだな」
騎士「ああ、大変だ」
ビュゥウウウウ・・・
女「・・・寒・・・悪い、騎士さん・・・私は会場に戻る」
騎士「ん、そうか」
女「話せてよかった、ありがとうな」
騎士「はは、構わないさ」
騎士「君となら、私も気兼ねなく踊れそうだ」
女「ふふ、そうか・・・いや、でも私は断わるよ、踊れないしさ」
騎士「そうか、残念だな」
女「悪いね」
- 92 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/11(水) 00:59:05.56 ID:GAPGiO7/0
シンデレラはもうこっちが本家でいいくらいだ
- 94 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:00:27.26 ID:tqnO3JVa0
女「(あー寒かった・・・酔いも醒めちまったな・・・)」
姉2「おーい、女ぁー」
女「ん?」
姉2「どうだった?誰かと踊れた?」
女「いいや、誰とも」
姉2「そうか・・・ふっふーん」
女「・・・なんだよ、その鼻息は」
姉2「聞いて聞いて!私ねぇー」
女「はいはい」
姉2「・・・ちょ、聞いてよー」
姉3「ふはぁーお酒お酒ー」
姉2「うわっ、酒臭っ・・・!」
女「・・・ふふっ」
女「(やっぱり、姉貴達と一緒にいるのが一番だ・・・一番、幸せだ)」
女「(・・・そうだ)」
女「(姉1は・・・誰か男の人と踊れたのかな・・・?)」
女「(・・・探してみるか)」
- 96 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:05:41.77 ID:tqnO3JVa0
姉1「・・・(ポーッ・・・」
男「・・・あ、足元気をつけて」
姉1「あ、はい・・・」
女「・・・」
姉2「・・・ヒュー、なかなか良い男じゃないの」
女「・・・さあ、どうだかな」
姉2「何よー、姉1が選んだ男よ?優しい良い人に決まってるわ」
女「・・・どうだろう(コクコク」
女「ふぅ・・・男は、何をするかわからないからな」
姉2「・・・あ」
女「あ」
姉2「・・・ごめんね」
女「・・・いや、私こそ・・・ごめん」
姉2「・・・ま、でも大丈夫よ」
姉2「姉1は男を見る目はちゃんとあるわよ」
女「・・・そうか・・・うん、そう・・・だな」
姉2「三姉妹の中では一番お母さんに似てるけどね」
女「・・・心配だ」
姉2「・・・心配ねぇ」
女「・・・姉貴さ」
姉2「・・・んー?」
女「・・・私、の事・・・さ、どう思う?」
- 97 :VIPがお送りします [sage] :2009/02/11(水) 01:11:55.95 ID:e6NYS5KDO
踵 削ぐのは 誰でしょう
足先 斬るのは 誰でしょう
- 98 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:12:33.25 ID:tqnO3JVa0
姉2「どう思うって?」
女「・・・だからさ、私・・・ここへ来たのってさ」
姉2「・・・」
姉2「うーん・・・別に、女が何かしたってわけじゃないでしょ?」
女「・・・でも」
女「私がいなければ、姉貴達のお母さんはさ・・・」
姉2「なぁに言ってるのよ、普段は冷静そうにしてるくせに」
女「・・・」
姉2「・・・お母さんは優しい人だったよ、今でもちゃんと覚えてるわ」
姉2「お母さんは心労で亡くなった・・・一時期の貧困が堪えて・・・」
姉2「そうさせた女の父親は・・・今でも許せないよ」
女「・・・」
姉2「でもね、私はね・・・女が家族の一員になってくれて・・・すごく嬉しいわよ?」
女「・・・」
姉2「家事はなんでもこなせるからねー、あはは」
姉2「・・・だからってわけじゃないけど・・・でもね、女がいなかったら・・・なんて、そんなの、私は嫌よ?」
女「・・・」
姉2「だって、女は私達の家族なんだもん」
女「・・・ぐすっ・・・」
姉2「あっはは、泣かないのー、柄じゃないんでしょ?そういうのはっ」
- 101 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:16:24.75 ID:tqnO3JVa0
魔女「・・・」
姉3「ふぁー・・・お酒お酒・・・」
魔女「お注ぎします」
姉3「あらぁ?まぁ、かわいこちゃんねぇ、ありがとー」
魔女「いえいえ」
コポポポ
姉3「・・・ふーん・・・良いものねぇ」
魔女「?」
姉3「家族って」
魔女「・・・そうなのですか」
姉3「ええ、良いものなのよぉー」
姉3「いるだけで、ポカポカ暖かいじゃない?」
魔女「・・・まぁ、はい」
姉3「誰かが側にいてくれて、自分の心の側にいてくれて・・・それって、幸せよねぇー」
魔女「・・・そうですね、そう思います」
姉3「うんうん、話がわかる子ねぇ」
コポポポ
魔女「・・・」
魔女「(・・・11時・・・か)」
- 104 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:18:09.77 ID:tqnO3JVa0
ここでココアタイムを挟むのはKYか
- 105 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 01:19:23.96 ID:4wVT+pXB0
どうでもいいけどスレタイに◆入れなくていいんじゃね?
- 106 :VIPがお送りします [] :2009/02/11(水) 01:19:28.16 ID:mX9MhE1z0
>>1のペースでおk
- 107 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:20:00.03 ID:tqnO3JVa0
ココアタイム突入だ
◆はあると見つけやすい 主に自分が
- 111 :1 ◆1pwI6k86kA [] :2009/02/11(水) 01:27:25.17 ID:ScxDSLZ0O
ココア3杯目でも気にしない
今日書き終えて明日また別の書こうかな
次へ 戻る 上へ