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姉「こらっ!バカ弟起きなさい!」
1 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 11:47:27.87 ID:dc4AxZXh0
季節は秋。
湖の周りにうっそうと茂る森林が紅葉と変わりそれを見にくる観光客がピークを迎える季節でもある。
その湖の周りにある歴史ある神社に俺は住んでいた。

姉「こらー!!弟!どこ行くのよ!修行さぼっちゃだめじゃない!」

弟「知るかっての!俺はもう飽きたんだよ!そういうのは!」

神社の階段を降りながら姉から逃げる。

姉「そんなさぼってばっかいて霊力が弱くなってもしらないからね!」

弟「そんなもんいらねえってんだよ!なんの役にもたちやしねえ!」

姉「そんなことないわよ!絶対必要になるんだから!」

俺はそれを聞き終わらないうちに神社の森から外にでた


2 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/19(金) 11:48:51.87 ID:rzwwTl1b0
いきなりコテ


3 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 11:48:59.40 ID:Kku1V7xJ0
規制解けたのか
ずっと待ってたぜ


4 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 11:49:18.46 ID:dc4AxZXh0
姉「あいつ〜!また修行さぼって〜!」
父「ふあああ。ねむいぜ・・」
姉「あ、お父さん!聞いてよ!あの馬鹿弟また修行さぼってんのよ!」
父「あ?知らないぜそんなの。さぼりたきゃさぼればいいさ」
姉「もう!お父さんが修行すればいいって言ったんじゃない!」
父「そんなこといったか俺?」
姉「言ったわよ!弟を次の神主にするんじゃないの?」
父「あー、まあどうでもいい話だな」
姉「・・・はあ・・お父さんやる気なさすぎ・・」
父「実際あいつが死のうが生きようがどうでもいい話だからな。」
姉「なんでお父さんはいつもそんなに冷たいのよ・・」
猫「そいつになにを言っても無駄じゃよ。なんも考えておらんからの」

神社の軒下にいた猫が喋りだす。

父「おう。こじろうまだ生きてたのか。」
こじろう(猫)「当たり前だ。少なくともお主よりは生きておるわ。」
父「とっととくたばれよ。この野良猫」
こじろう「お主がくたばれ」
姉「はあ・・掃除でもしよ・・・」


5 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 11:50:00.08 ID:D7slFXOcO
久々じゃんw


6 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 11:50:02.67 ID:dc4AxZXh0
「あの・・・十和田神社というのはこの先でしょうか・・?」

弟「え?はい。そうですけど。」

「良かった・・ありがとうございます。それでは・・」

弟「・・・・待ってください。・・・何の用ですか?」

「・・・あの、除霊をお願いしたいと思いまして・・」

その人は中年の女の人で左肩をしきりに触っていた。

弟「やめたほうがいいですよ。あそこの神主はふざけてますし」

自分で自分の父親のことをふざけてるというのは少しおかしい気もしたがまあ本当のことだ。
「そうなんですか・・?」

弟「はい。ここの神社にくるくらいなら他のとこ行った方がいいですよ」

「・・・でも・・もう肩が・・・」

確かに肩には薄く誰かの手が乗っかっている。きっとこれがこの人の肩に異常をきたさせている原因だろう。・・・仕方ない

弟「・・弐の札でいいかな。」

俺は弐と刻印されたお札を空中に浮かせた。

弟「印!」

手から光が打ち出されお札を貫通する。


7 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 11:53:17.32 ID:dc4AxZXh0
お札を貫通した光はその人の肩にあたりバシュッと肩の上に乗っかっている手が消し飛ぶ。

弟「どうですか?」

「・・・あら?なんか痛みが遠のいていきます・・」

弟「もう大丈夫ですよ。」

「ありがとうございます!なんとお礼していいか・・。」

弟「特になにかやったわけじゃないですよ。お大事に」

そう言ってその場から立ち去る。

そう。神社の親父の息子だけあって霊能力と多少の除霊はできるのだ。小さい頃に姉ちゃんから教わっているからだ。

弟「修行しなくたってこれくらいちょろいもんだ」

鼻歌を歌いながら町へと降りていく


9 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 11:57:03.37 ID:dc4AxZXh0
姉「紅葉が綺麗だなぁ・・・」

樹を見上げながらせっせとほうきで葉っぱを集める。

父「汚ねえ葉っぱが落ちてきてるだけだぜ」
姉「・・・お父さんにはわかんないよ。一生」
父「別にわからなくても困らないけどな」

姉「・・・・」

父「・・・・」

さわさわ

姉「・・・なにやってんの」

父「いや、娘の尻の成長ぐあいを・・ぶあっ!!」ばきっ!

姉「年頃の娘のお尻触ってんじゃないわよ!」
父「なにを言ってる!おまえが年とってから触ってもなにも楽しくねえじゃねえか!」
姉「その前に触るなっていってんの!汚い!」
父「なにっ!もう俺は加齢臭がするようになったのか!」

こじろう「なにを言ってるのだお主は」

姉「こじろう、丁度良かったわ。お父さんの相手しといて。邪魔だから。」

父「おいこじろう。おまえ邪魔だとよ」

こじろう「お主のことだ馬鹿者!」


10 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:00:05.03 ID:dc4AxZXh0
父「ふう・・・」

こじろう「お主少しは働こうとは思わんのか」

父「なんでんなことしなきゃなんねーんだよ」

こじろう「仮にもここの住職だろう。」

父「住職は働かなきゃいけないのか?誰が決めた?いつ?何時何秒地球が何回回ったときだ?」

こじろう「・・・お主はいつまでたっても子供だな」

父「俺は少年の心を忘れない男だ」

こじろう「別にそれは構わんが動かんといつまでたっても貧乏のままだぞ・・・」

父「俺の知ったことか」

こじろう「子供がいるのになぜそんなことを言えるのか理解に苦しむ」

父「あー暇だぜー」

こじろう「働けというに!!」


11 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:02:29.11 ID:dc4AxZXh0
弟「いらっしゃいませー。きりたんぽはいかがすかー」
俺はいつもここの観光客相手に売店でバイトをしている身だ。

店長「弟くんいつもよく働いてくれるねぇ」

弟「はは。まあそれほどでもないですよ」

店長「これからも頑張ってね。お父さんは元気かい?」

弟「ああ。いつも通り仕事もしないでグータラしてますよ。」

店長「はっは。相変わらずだねえ。でもやるときはやる人だと思うよ」

弟「どうですかねぇ。まともに働いてるの見たことないですからなんとも」

店長「ははは。自分のお父さんなんだから信じてあげなきゃ。お姉ちゃんはどうだい?」

弟「相変わらず修行しろ修行しろってうるさいですけど、十和田神社の仕事は全部姉ちゃんがやってくれてるから助かってるっちゃ助かってますね」

店長「いいお姉ちゃんじゃないか。見習わないとね」

弟「見習ったら俺ここにいないです」

店長「おっと、それはそれで困るね。でもたまには手伝ってあげるんだよ」

弟「うっす」


12 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:06:13.63 ID:Kku1V7xJ0
父かわいい


13 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:06:26.08 ID:dc4AxZXh0
弟「やっと帰ってきた・・」

神社の入り口にある狛犬を越え鳥居をくぐると神社の周りを囲っている鎮守の森からオレンジ色の日が差し込む。
そのまま社殿への参道を歩いていると姉が掃除をしているのが見えた。

姉「おかえり。」
弟「ああ。親父は?」
姉「さっきこじろうと遊んでた。」
弟「相変わらずだな親父は・・・」
姉「もうすぐご飯だからお父さんに言っておいてね」
弟「わかったよ。」
姉「ねえ」

弟「あん?」

姉「今日ちょっと霊力使ったでしょ」

弟「・・・知らないな」

姉「なーに嘘ついてんのよ。お姉ちゃんの目はごまかせないわよ!」

弟「・・・使った。」

姉「なんで嘘つくのよバカ」
弟「うっさいな!別にいいだろ!」
姉「もう!修行もしてないのに使うと寿命に影響するって何回言ったらわかるのよ!」
弟「・・・まあいいじゃん。」
姉「軽っ!あんた人生舐めてんじゃないの!?」
弟「じゃあ俺親父探してくるからっ」
姉「あっ!ちょっと待ちなさいよ!」


14 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:08:52.09 ID:dc4AxZXh0
神社への階段をかつかつと登っていく。
弟「・・・なんか臭いな・・。」

ふと空を見るともくもくと神社の方から煙が立ち昇っている

弟「えっ!?」
急いで階段を駆け上がる。
階段を駆け上がって神社を見てみるとなにも異常はない。
その代わりにすぐそばで父とこじろうが木の葉を焼いて焚き火をしていた

弟「なにやってんだよ・・」
父「見たままだろうぜ。もぐもぐ」

そりゃ確かにみりゃわかるよ。焚き火なのは

弟「・・なに食ってんだよ・・」
父「見てわかるだろうぜ」
弟「いや、それはわからんから」
こじろう「こやつが、いもを持ってきたのだが調理方法がわからんくてな」
父「まあとりあえず焚き火で焼いておけば大丈夫だろ」
弟「直焼きかよ!せめていもを銀紙に包めよ!」

こんな焼け焦げた真っ黒な芋よく食うな・・

弟「頼むからこじろうも止めてくれよ」
こじろう「こやつが私の言う事を聞くわけがなかろう。」
父「つまりそういうことだ。」

弟「なにがそういうことなんだよ!!」


15 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/19(金) 12:09:05.72 ID:eaVzM3ma0
こじろうお久ww


16 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:09:32.71 ID:dc4AxZXh0
姉「ほら。お父さんごはんできたよ。」

父「ああ。置いといてくれていいぜ。後で食う」

姉「そーじゃなくて、ごはんの時は皆一緒で食べなきゃでしょ?」

父「眠いんだ。後にしてくれ。」

姉「もう。1日なんもしてないのになんで疲れるのよ。」

弟「・・・困った親父だな。ほんとに」

こじろう「こやつは協調性に欠けておるからな。」

弟「子供かよ・・親父は・・」

まあいつものことなんだけどさ。でも時々俺は本当にこの親から生まれたのかと不安になる。


17 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:11:25.92 ID:dc4AxZXh0
姉「弟―?洗濯物置いておくよー?」
弟「おう。さんきゅー」

ぱたん

ばきっ

姉「きゃっ」
弟「な、なんだなんだ!?」
姉「廊下の床が抜けたの・・」
弟「またか・・ボロ家だからな・・この家・・」

こうして床が抜けたのは初めてじゃない。前から何回もあることだ。
障子の紙の部分も穴が空いてるし最近じゃねずみもよく見かけるようになった。

姉「もう・・せめてお父さんがちゃんと直してくれれば・・。」
弟「そりゃ無理な話だな。極度のめんどくさがりだから。」
姉「じゃああんたが直しなさいよ。」
弟「床が抜けたのは姉ちゃんが重かったからじゃ・・」
姉「・・なんか言った?」
弟「いや、聞こえてないならいいや。直すよ。」
姉「お願いね」
弟「ああ。・・・ぶっ」がすっ

去り際に俺の背中蹴って行きやがった・・聞こえてんじゃねえかよ・・


18 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:13:29.38 ID:dc4AxZXh0
どたばたどたばた!!

父「俺が先だぜ!」
こじろう「なんの!負けん!」

ばきっめきめきっ!!

弟「あっ!さっき直した床が!」
父「うっし!勝ったぜこじろう。さっさと腹踊りしやがれ」
こじろう「くっ・・別に食べてなかったから魚の一匹くらいいいではないか・・」
父「言い訳は見苦しいぜドラ猫。とっとと腹踊りしろ」

猫相手になにやってんだよ・・・

弟「おい親父なにやってんだよ!」
父「あ?俺のおかずをかけた徒競走だぜ。ついでに負けたら腹踊りだ。」
弟「どうでもいいよ!直したばっかの床が親父がどたばたしたせいでまた抜けちまったじゃん!親父直せよ」
父「こじろう任せた」
こじろう「な、なんだとっ!猫にやらせるとはなんと非常識な!」
姉「もー!うるさいなー!なにやってんのよあんた達!」
弟「親父が・・・
父「弟とこじろうがなんかどたばたやってたぜ」

弟・こじろう「ええええ!?」

姉「夜なんだから静かにしなさいよ!しかもまた床の穴増えてるじゃない!ちゃんと直しておいてよね!」
弟「・・・・はい。」

あのくそ親父・・・覚えてろよ・・


19 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 12:14:21.74 ID:dc4AxZXh0
姉「お父さん?もうみんな寝るみたいだから結界張るよ?」

父「ああ。」

弟「ったく。親父も姉ちゃんに任せてばっかじゃなくてたまには自分で結界張れよ。」

家の中で結界を張る理由は簡単だ。
丑三つ時になると霊達が自分の居場所を探して俳諧する時間だからだ。
結界が張られていると霊達は一切この家の中に入ってくることはできない。
別にそんなことしなくてもいいんじゃないかと思うだろうが、場所が場所。
かの有名な心霊スポットの恐山を知っているだろうか。
あそことこの十和田神社は二大霊場であの世に繋がっている入り口なのだ。
つまりこんな場所の丑三つ時になるってことは想像もできない程の霊達がやってくる。
色々な危険性を考えての結界ってことだ。

姉「印っ!」

床に緑色の光がにじみだし結界ができあがる。

姉「ふう・・まあこんなもんかな。」
父「さーて寝よう。」
弟「さっき寝たんじゃないのかよ親父は」
父「俺は何時間だって寝れるぜ」
姉「明日から私たち学校なんだから弟も早く寝なよ?」
弟「わかってるよ。おやすみ」
こじろう「うむ・・腹がへったのう・・」


20 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 12:19:21.32 ID:B8tZ60SIO
やばい
これからバイトだわ


21 :VIPがお送りします [sage] :2008/12/19(金) 12:20:22.61 ID:eaVzM3ma0
なんでこんな時間にたてたんだよwwww


22 :こじろう ◆aJQUrKSRU6 [] :2008/12/19(金) 12:21:43.49 ID:B8tZ60SIO
いや最近忙しくて暇なかったからちょっとでも暇空いた時に立てようかなと


28 :米田 ◆YONE/zixE6 [] :2008/12/19(金) 15:59:03.19 ID:uJhW7vxFO
  _, ,_
( ・∀・)捕手
( ∪  @ J≡≡===-----
と__)__)

      _, ,_
     (・∀・;)
     ( ∪ ∪
J⌒Y⌒と__)__)


29 :VIPがお送りします [] :2008/12/19(金) 16:14:05.24 ID:iAVSfYxs0
>>28
ちゃんと捕れよぬくみずー!



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